予算委員会 第10号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/02/11
会議録
○倉石委員長 これより会議を開きます。 昭和二十九年度一般会計予算外二案を一括議題といたします。質疑を継続いたします。滝井義高君。
○滝井委員 現在の日本は、冷厳な事実として非常に国土が狭く、資源が少く、人口が多い。この現実を無視しては、日本の政策は私は立たないと思う。この現実の日本に対して盛んに宣伝せられておることは、外敵の侵略の脅威でございます。しかし客観的な世界の情勢を見てみますと、すでに世界の輿論というものは、侵略に対して非常に反対の輿論が出て来ております。また原子兵器の発見並びにそれの発達というものは、ますますその輿論に拍車をかけております。従つてここ当分は世界のいずれを見ても外敵が侵入々して来る、あるいは第三次世界大戦が起るという状態は、まつたく遠のいておるのでございます。こういう情勢から考えると、現在の日本に対しての侵略の脅威というものはなくなつておるのでございます。しかしわれわれが祖在日本の状態を見ると、侵略の脅威のみがいたずらに高らかに掲げられ、高らかに強調をせられて、国家の予算においても、そういうための予算が莫大に計上せられておる。しかし、一たび国内の状態をわれわれがじつくり見てみますと、そういう侵略の脅威よりか、もつと大きな脅威がわれわれの足元にあることを私たちは発見することができます。そのまず第一は人口の脅威でございます。現在われわれの国においては、年々百十万の人口がふえておる富山県一県にひとしいような人口が、この狭い国土の上に毎年々々ぽつかりぽつかりとふえて行つているのが、現実なんでございます。しかもその百十万の人口は、百四十万石の米を必要とする。この百四十万石の米をどういうぐあいに解決するかという問題についても、何ら明確な方針が打出されていない。しかも百十万の人口の増加は、同時に一方においては八十五万ないし九十万の労働人口というものを、われわれに毎年送りこんで来ておるという、こういう状態、このような人口の問題をどういうふうに解決するかということについては、先般来与党の議員の諸君からいろいろ内閣に対して質問があつたけれども、わずかに年間五千人の移民と産児制限以外には、人口問題については吉田内閣はパワーレスである。何ら政策を持たない、無力であるということを暴露いたしました。従つて私は、この人口問題については、もはや吉田内閣は無力であるという結論で、問う必要はないのであります。いわゆる人口の脅威に対しては、吉田内閣は、改革の方法、対策を持たないというのが暴露されたる現実でございます。第二の日本の脅威は災害の脅威でございます。外敵の侵入の脅威よりかはるかにクローズ・アップされたものは、災害の脅威でなくてはなりません。昭和二十一年から昭和二十七年までの災害の状態は、公共事業の災害だけでも、これを昭和二十七年の物価に換算してみますと、七千四百億円の災害がわれわれのこの国土を襲つて来ておるのでございます。これを一年間に換算するならば、一千億の災害がある。昨年昭和二十八年はさらにそれ以上の災害があつたことは、閣僚の皆さん御存じの通りであります。公共の災害が年間一千億、これに私有財産の家屋とか、衣類とか、あるいはくだもの、あるいは野菜というようなものまで加えると、年間三千億円の災害が日本にあるのでございます。現在日本の四つの島のどこを見ても、戦争のかけらさえも発見することはできません。平和に包まれておると思うのでございます。その平和の国立、何ら戦争のかおりもなく、あるいは空に空襲警報の鳴りひびくのをわれわれは聞きません。あるいは原子爆弾が広島と長崎に落ちてから、日本の国内に原子爆弾が落ちたということを聞かないにかかわらず、年々歳々、三千億円の被害が日本の国内にあるということなんです。この日本の、資源の貧弱な、人口の多い国土というものは、明らかに、われわれがこの人口の脅威と災害の脅威から守ることによつてのみ、初めて日本の平和はもたらされると考える。ところが、その災害に対するところの問題も、やはり人口に対する問題と同じように、内閣はきわめて不熱心であるという点でございます。そこで私は、まず、過年度災害はとにかくとして、昨年度災害について、昨日の稲富委員の質問に続いて、ひとつこの災害の脅威から日本の国土を守らなければならないという点に関して、災害対策の議員立法をやつた責任者の一人として、最終的な仕上げの意味において質問をいたしたいと思います。 まず建設大臣と農林大臣にお尋ねをいたしたいのでございますが、昭和二十八年度に起りましたところの災害のいわゆる報告があつたはずなんですが、その報告に対するところのものに対して、昭和二十八年度に大体国費所要額が、建設並びに農林でどのくらい必要なのか、その国費所要額に対して、どの程度の予算というものを二十八年度災害については計上したか、そうして、昨年のあの救農国会と、今度計上せられた二十九年度予算と合せて、昨年二十八年度の災害復旧の進捗率は、二十九年度末においては大体どの程度になるのか。第二点、二十七年度までの災害復旧のために要する国費所要額は幾らなのか、これに対してことしどの程度の予算が計上せられたか。この二つを建設並びに農林両大臣から御答弁をまず願いたい。
○戸塚国務大臣 お答えを申し上げます。お尋ねの二十八年度における災害の国費所要額は、正確にはまだ査定が全都済んでおりませんので申し上げかねますが、一千億を上まわる程度と考えております。一千有徳くらいではないかと考えております。それに対して、まず直轄事業から申し上げますが、直轄事業が総事業費七十二億、これに対して二十八年度に三十五億、二十九年度には三十一億を要求いたしておりますので、九割余りが二十九年末には復旧できる見込みであります。それから地方公共の補助分でありますが、二十八年度に百二十七億を計上いたしました。なおさらに予備費から十億程度を今交渉中であります。その他つなぎ融資の関係もありまして、二十八年度中に、大体ただいま申し上げたところの数で二割程度ができ上ると考えております。二十九年度には二百七億を計上いたしております。その他の災害関係費等を合せまして、事業費にして二百五十億くらいの事業ができる予想でおります。ただいまも申し上げましたように、査定がまだ全部済んでおりませんので、たとえば大蔵省で推定しておるとかいうようなことを見ますというと、いろいろ割合ははつきりしたことがわかりませんが、建設省で考えておりますのが結局最終的な結論になると思うのであります。それによりますと、まず四割をやや上まわる程度まで、できやしないかというように考えております。
○保利国務大臣 農林関係の災害の処置につきましては、昨日稲富議員にお答えをいたした通りでございますが、来年度の予算に災害復旧事業の補助金として計上いたしておりますのは、総額農林関係で百六十八億三千円、うち農地関係で百四十八億円、林野関係で八億七千五百万円、水産関係で十一億五千五百万円でございます。これはむろん過年災と二十八年災の両方含んでおるわけでございます。査定が最終的にまだきまつておらないわけでございますから、この率がどうなるかは、いろいろ説明の仕方がございますけれども、大体二十八年災に重点を置いて、予算の執行をはかつて行きたいと考えます。
○滝井委員 農林大臣、ちよつと額が不明なんです。国費所要額がわからないのです。予算だけは今も言われたので百六十八億ということはわかつたのですが、二十八年度の災害に対する国費所要額は幾らなのか。
○保利国務大臣 私どもの農林省で査定いたしておりますのと、大蔵省でその後査定いたして見積つておりますところと、かなりの開きが出ておりますが、大蔵省の方で予算の基礎として見ておりますのは、二十八年災で二百五十一億、私の方では約五百億と見ておるわけであります。
○滝井委員 大蔵大臣にお尋ねします。昨日稲富委員から、確認は求めなかつたようでありますが、昭和二十八年度の災害に対する国費所要額は千百七十九億円であるという発言があつたのですが、大蔵大臣のいろいろの答弁を通じ、同時に予算の説明書等を見てみますと、昭和二十九年度末には六割の災害復旧が完全に終る、従つて、そういうことから裏返して考えてみると、昨日の稲富委員の発言の千百七十九億円が国費所要額であるということがどうも妥当じやないか、大蔵大臣はそれを認めたようないろいろの答弁をされたようであります。大蔵省のいわゆる再査定をされるということを昨日言われましたが、一応現在査定されておるところでは千百七十九億円、こう確認してさしつかえないでしようか。
○小笠原国務大臣 数字的なことはあとから事務的にお答えいたしますが、私どもは大体千百億見当と実は思つておつたのであります。御承知のように二十八年災害については、さきに三百八億出しておりますので、ことしさらに三百七十八億、合計六百八十六億出しますから、大体六割行ける、こういう見込みを立てておるのでございます。
○滝井委員 川崎委員が災害復旧について質問をされたときにも、大臣は、千五百六十五億という昨年三党の協定によつて認められましたものの五割なんというものは考えられない、今年は千百億ないし千二百億に圧縮し得るんだ、従つて二十九年度末には六割は復旧し得る、そういうことに圧縮した理由として、行政管理庁あるいは大蔵省の直接の調査の結果、大体三割ないし四割ぐらいは削減の見込みが立つた、こういうことを言われたわけなんでございます。そこで問題は、それほどまでに現在の日本の地方公共団体がこういう国費の使用において水増しをやるかどうかという問題なんでございます。かつてわれわれが学生の時代に、アンドレ・モーロアが「フランス敗れたり」という書物を書きました。そうしてその書物の中で、フランスが現在の程度にドイツから圧迫をされ敗れたというのは、ダラジエ、レイノーという政界の首脳部が腐敗し、フランスの文化が力のない文化であつたところにフランスの敗因があるということを書いておりました。その当時私は学生で、多くの友人とこの書物の研究会をやりました。その結果、われわれは、これはフランスの文化が力かないのではなくして、パリの文化が力がないんだ、フランスの農村は健全だ、こういう結論に達した。ところか最近フランスは十三回も大統領の選挙をやりました。ところが新聞は、あんなに十三回も選挙をやつたフランスの全部が腐敗をしておるとは言いませんでした。フランスの頭脳は病気であるけれどもフランスの肉体は健康なんだ、こう言つた。現在日本の状態はそうだと思う。日本の文化というものはなるほど弱い文化かもしれませんが、それは東京の文化が弱いのである、日本の頭脳が病気なのであつて、日本の農村、日本の地方公共団体というものは、大蔵大臣が言うように、農林と建設で千六百億円必要だというのに大蔵省がそれから五百億も削る程度に腐敗していないと私は思う。こういう点から考えて、この大蔵省の削減のしかたはあまりひどいじやないかと考えられるのですが、大蔵大臣、この点についてもつと責任のある答弁をしてもらいたい。さいぜんも私の申しましたように、現在日本の脅威というものは、外敵の侵略の脅威じやない、この年々歳々襲つて来る災害です。それをどうするか、国土の総合開発と、科学技術を振興してこの災害を防ぐ以外にないのだが、現在こういう状態で断ち切られたのでは、災害がまた災害を生む。こういうような状態で大蔵大臣はその責任をとれますか。まずこの点をもつと明確にしてもらわなければ、少くとも災害立法をやつた議員としては納得ができません。
○小笠原国務大臣 これはひとり大蔵省の調べばかりでなく、行政管理庁、会計検査院の調べもありますから、そのよつて基くところをここに数学的に御説明いたします。大蔵省の査定によりますと、九千四百六十件、金額で百二十三億六百万円の分を調べましたところが、架空、重複その他水増し等の不正不当なるものがそのうち三千三百八十四件、金額で十六億四千六百万円、比率で言いますと、件数では三割五分八厘、金額で一割三分四厘、こういうことであります。さらに行政管理庁か調べたものがあります。行政管理庁では三千九百二十五件、六十億七千四百万円を調べました。それによりますと、今の不正不当と見るべきものが件数において二千百二十七件、金額で十五億五千八百万円、言いかえますと件数で五割四分二厘、金額で二割五分七厘、二十八年災でこういうことであります。さらに会計検査院の調べがあります。これの対象としては九千三百五十九件、金額で百三十一億一千四百万円を調べましたところが、件数で今のように重複、架空あるいは不正不当なるもの二割三分四厘、金額で七分、こういうのが出ておりまして、大蔵省の調べはいわば会計検査院と行政管理庁の中間くらいのところでありまして、私どもはこの調べを信じておるものであります。
○滝井委員 数字の説明は昨日もよく聞きました。聞いたところで、三割や五割というそういう大きなものじやないわけです。今の御説明にあつた通り金額にしても一割か二割程度。それを三割も四割も削減するということは私は納得ができません。時間がありませんから先に進みますが、そういうぐあいに、あなた方は、地方はうそを言つた、詐欺が多いのだといつて削減をされておりますが、まず昨年の救農国会で三常の方々は二千六百二十億円の報告に対して千五百六十五億円と国費所要額を見積りました。そして、その三割の四百六十九億五千万円を二十八年度末にはやります、そして実際に予算には三百十二億組んで、残りの百五十七億については、必要に応じて精査をして融資をしますということを、大臣は確かに言つたはずです。これは何回も地方行政委員会その他において私がただしておるところです。必要に応じて精査をして出しますと言つたけれども、百五十七億は何ぼ出したのですか、ここで御説明願いたい。
○森永政府委員 査定の根拠につきましてこの際明確にしておいた方がよいと思いますので、その問題をまず申し上げます。
○滝井委員 時間がありませんからその問題は資料でけつこうです。
○森永政府委員 それではつなぎ融資の問題でございますが、実は百八億円出しましたつなぎ融資がどういうふうに使われているかということも参考にして、今後のつなぎ融資の問題を考えて行くわけでございますが、昨年の十二月に今まで出したつなぎ融資の使用状況を調べてみましたところ、百八億円のうち四十四億を対象として調べたのでありますが、そのうち目的通り使つておりますのは六二%で、目的外が四%、三四%は未使用の状態であるということが出ておるわけでございます。もちろんこれは各団体によつて違うわけでございまして、三四%の金を余しておるところはもちろんいらない。金がいる、不足して困つておるところもあるわけなのでありますが、そういうところで特に今後の防災上緊要な必要のあるところにつきましては、目下各財務局をして所要額を調査せしめておる最中でございます。その調査の状況に従つて今後防災上必要なものにつきましては迅速に処理いたしたい、さような段階にございます。
○滝井委員 今の質問は、百五十七億出すか出さぬかということだけなんです。出していないですね。
○小笠原国務大臣 ただいまのところ出ておりません。
○滝井委員 そういうぐあいに、地方公共団体は詐欺が多い、インチキが多いといつて調べ上げながら予算を削減して行くけれども、天下の公党が天下の農民に向つて約束した百五十七億びた一文も出さぬという、こういう政治が天下にありますか。高らかに救農国会を掲げ、農村を救います、災害を救いますといつて掲げた天下の公党が、百五重七億びた一文もまだ出していない。しかも年度末はもう終ろうとしておるのではないか。それをもつて、自分からのうそはひた隠しにしながら、地方の災害がちよつとでも違つておつたら、それをあばき出して新聞に掲げ、いかにも日本の地方公共団体、日本の農村がうそばかり言うような印象を国民に与えるということは、日本の政治を冒涜するものであります。こういう政治の行き方というものが、現在ごらんなさい、造船疑獄をつくり、保全経済会のこういうインチキをつくつておるじやありませんか。まず政治家みずからがこういう国民に対する公約を実行して行くところに、日本の議会政治が健全な発達をするのではありませんか。その答弁は求める必要はない。出しておらなければ出しておらないでけつこうです。
○小笠原国務大臣 ちよつと答弁しておきますが、国は何らうそを言つて偏るものではありません。現在申請に接しておるのは約五十億でありまして、それを査定しておるのであつて、現在出していないけれども、これは三月中までの間に――これはあなたの言われておるようにたつとい税金である。そいうものを調べずに軽々しく出せません。いわんやお約束しておるのは、実情を調査してお出しすると言つておるので、今出ておる五十数億のものについて調査しておるのでありますから、それが出なかつたときに、今のような言葉をおつしやつたらよかろうと思います。
○滝井委員 それは言いのがれであります。しからば私が今から実際に立ち入りましよう。たとえば福岡県の例をとりますと、現在私が福岡県の状態を調べてみますと、少くとも補正予算の結果、全復旧費のどの程度が二十八年度進捗しておるかというと、わずか一四%ですよ。しかも農林省や建設省がこれだけはぜひやりなさいといつて緊急査定をしてくれたものについても、わずか二五%しか予算措置はされておりません。しかも全復旧額に対してはわずかに一割四分、しからば地方公共団体がどういう状態で現在復旧をやつておるか見てみますと、農地の災害復旧は四千町歩の災害復旧をやろうとしております。その四千町歩の災害復旧のうち二十八年度に、三千二十八町歩を復旧しようとしておる。ところがその中で国庫補助金が五億九千万円、自己資金が二億一千万円、借入金が十七億、この十七億の借入金の内訳を見ると、つなぎ融資が三億八千万円、農林漁業資金が二億三千万円、特別措置法による融資が一億三千万円、県信連固有資金等のいわゆる高い利子をかけて借りなければならぬものが十億なんです。この十億に対して何ぼの利子をとられておるかというと、一割一分五厘で、年間一億以上の利子を払つて地方公共団体は田面の復旧をやつておる。こういう状態は明らかにもう百五十七億の融資を必要とする段階に来ておる。来ておるのに大蔵大臣はまだ今調査中でありますということでは、日本の食糧増産をやる農林大臣はおそらく責任が持てません。これはもう大臣詭弁を言わなくて、もつとはつきりと、現実はこういう状態なんですから、調査が遅れました。それについては再調査して出しますということをひとつ言明していただきたい。
○小笠原国務大臣 今御指摘になりました福岡県の分について言いますと、農地について一億六千九百万円が事実を調べてくれと言つて来ております。それから普通土木について五千万円、これだけのことを一言つて来ておりまして、これを調べた上で私どもはお出しする、こういうことになつております。各県の分は申しません。そういう次第でありまして、それを調査がそう簡単にできませんから、出さなかつたら出さなかつたときにおつしやつてくださつたらどうですか。
○滝井委員 しからば百五十七億については調査をして出すということを御言明願いたい。調査をして出すというふうに今の大臣の言葉では受取れますが、さしつかえありませんか。
○小笠原国務大臣 調査をして必要と認めるものは出しますが、しかしさつき主計局長が申しました通り、つなぎ融資のうちすらも、まだ三割何分使われないで残つておるものがある。あるいはまたそのつなぎ融資を特別の目的以外に使つたりなにかしますと、調査はどうしても厳格にならざるを得ませんから、さよう御了承を願います。
○滝井委員 どうも責任がはつきりしませんが、それではさらにもう少しつきたいのですが、昨日稲富委員の質問を通じて、こういうように莫大な高い利子で借りて地方は復旧をやつておりますが、その利子については農林当局と話合つて善処する、こういう答弁をされました。ところが一方大臣はまたこういう答弁もされております。現在の調査というものは仮調査その他で必ずしも正確な最終的な数字ではない。従つてこれは再調査をやりたい。ところが再調査をやつた結果、これを増額しなければならないということになつた場合においてはどうするのだと言つたら、現在本年度の予算編成方針から考えて、これはとても予算措置ができないので、進捗状態が鈍るだけでございます、こういうきわめて冷淡な御答弁をされました。そうしますと、利子については農林当局と話し合つて善処をしましようと言いながらも、予算の状態はもうこのままでできません、こういうことになると、ちよつと私了解がしかねるのでございますが、その利子の状態、十億に対して一割何分の利子を払つておる。これは福岡県だけではなくて、各県みなそういう状態だと思いますが、その利子について善処をするということは、予備費からでもその利子は見ようということなのか、それともどうするということなのか。これは災害の総仕上げですから、もう少しはつきり御答弁をいただきたい。
○小笠原国務大臣 それでは主計局長から答弁いたさせます。
○森永政府委員 つなぎ融資の利子の負担もございますし、できるだけ早く補助金を出さなくちやいかぬわけでございます。そこで二十八年度の措置といたしましては、御承知のように一応二十八年度の地方財政計画ではつなぎ融資の利子を――例の地方起債の特例に関する法律で特別な起債を認めまして、その起債につきましては今後政府が元利補給をするということにいたしておるわけでございます。それによつて地方団体の負担は相当緩和されておるはずだと存じます。しかしそれ以外に、できるだけ早く補助金を出すという必要がございますので、私どもといたしましては、査定額の見通しがつき次第、部分的に概算払いをする等の方法を講じまして、できるだけ金利負担を緩和することに努力いたしたいと思いまして、そういう線で農林当局とも十分御相談を申し上げたい、かように存じております。
○滝井委員 時間がありませんから、百五十七億はひとつぜひ出してもらうようにしていただきまして、その次の問題の移ります。 次は在外財産の問題でございますが、占領中の諸政策が次第に緩和ないし解除されて参りました。第一、第二の封鎖預金も解除されるし、政界、官界、財界の追放の解除、それから、米国等の凍結財産の解除、軍人恩給の復活、こういうようにいろいろと緩和ないし解除の処置が講ぜられて参りましたが、現在なおわれわれの頭痛の種として残つておるものは、巣鴨の拘置所の戦犯、それからソ連、中共地区の抑留邦人、それから同時に在外財産の問題でございます。そこでこの在外財産の問題についてでございますが、先般大蔵省は新聞に公告を出しておりまして、引揚者の皆様に、外地で預けられた金融証書類を返還しますという公告を出しております。この申出の期間は今年の一月一日から四月三十日までということになつておりますが、これは、大蔵省は、ただ皆さんの預けたところの紙きれをその人に返すというだけでなくて、そういう金融証書類について何か具体的の措置をやられる所存があるのかどうか、と同時に、それらの在外財産の総額というものが大体どの程度になつておるものか、これをここで御説明願いたい。
○小笠原国務大臣 こまかい数字的なことはあとから御説明いたしますが、さきに在外財産調査会というものをつくつて、大野龍太氏を会長といたしまして、今その処理方について相談をいたしております。今滝井さんの言われた分は、郵便局等で預つた分を返還するということでありまして、その関係であるいは税関等で預つておるものがあります。税関等でそのままあつたものを、国会等で、預つたものなら早く返せという希望がありました。それで新聞へ公告を出してやつております。その処置方についてはいろいろ研究しておりますが、私どもの方ではある程度の――在外財産についてはいけませんが、たとえば旧紙幣等についてある程度の取りかえ方等のことについては、目下具体案を練つておりますから、これは近く法案等で処置し得る、こういうふうにここで御協賛を求める機会があると考えております。
○滝井委員 在外財産の内容を説明してください。
○坂田政府委員 在外財産の調査につきましては、御承知のような状態に在外財産がございますので、実は正確な調査ができておらないわけでございます。ただ終戦後司令部がおりました当時に、その方からの指示で調べると多少――政府におきましても当人から報告等をとりまして調べたものがございますが、非常にこう申しましては何でありますが、不正確な計数でありまして、外部に出してもあまり信憑性がないといいますか、かえつて誤解を生ずるおそれがあるというようなことでもつて、まあ一応調べましたことはありますが、発表もいたしておらないような状態でございます。そのときの調べによりますと、ごく概数で、終戦時の価格で四千億以上ございましたと思いますが、大体そんな程度の数字でありまして、大体申し上げるような正確な計数はないということを御承知願いたいと思います。
○滝井委員 現在満鉄あたりは退職金の支払いをもうすでに始めておるようであります。在外活動関係閉鎖機関特殊清算事務所というところで満鉄の人たちに退職金をやつておる。それから今年の政府の予算を見ると、大蔵省の予算の中においては、平和条約の発効で接収貴金属等のものを原所有者に返すのだ、その処理費として八百二十三万六千円を計上しておるわけなんです。こういうように外地におつた、満鉄あたりに勤めておつた民間人に対してもすでに退職金が支払われる。それから接収をしておつた貴金属の解除をして元の所有者に返すというようなためにも、具体的に予算まで組まれるという段階になりますと、これはやはりこの公告に出ておりますように、少くとも送金小切手それからはつきりしておる預金、それから持つて帰つておつた現金を、税関その他で千円まではもらえて、それ以上は預けられておるわけです。こういうようなものの額ははつきりしておると思いますが、そういう額がわかればそれをはつきりここで明示していただいて、こういうはつきりしておるものはすでに貴金属さえも返す段階ですから、こういうお気の毒な引揚者は無一文で帰つて来ておるのですから、何とかして処置を講ずることが当然であると考えます。十年一昔と申しますが、もう十年たつておる。何らかの措置を講じていただかなければならぬと思いますが、その具体的な数字と対策をお示しください。
○小笠原国務大臣 引揚者の持ち帰つておつたいわゆる現金、その時分の紙幣及び小切手等、そういうものにつきましては、送金小切手については何らかのことを考えなければいかぬというので、今在外財産調査会の方で調べております。このごろ一応出ておるのは、一口五万円見当までは兌換をしたらどうだろうか、あるいはその上についてどうするか、もちろんそう巨額を持ち帰つておつたことはございません。そういうふうに考えておるのでありまして、これはいずれ近く成案を得ますから、そのときに御報告を申し上げたいと存じております。事務当局において進捗している程度でございますが、今どの程度進捗しているか、ちよつと御報告申し上げます。 なお予算措置は別にいらないので、日本銀行がかえるということになりますから、あとで御質問が出てもいかぬからちよつと念のために申し上げておきます。
○坂田政府委員 ただいま御質問の計数でありますが、引揚げました者の持帰りまして税関等に預つておりました旧円は大体二千三百万円ほどでございます。それから送金小切手等の計数は今はつきりまとまつていないのですが、大体現在の市中銀行の関係の分が六億ほどばかりございます。閉鎖機関関係の送金小切手、これは正金銀行等非常に額の多いものがあるわけでありますが、実はこの方の計数はまだはつきりつかめていないわけでありまして、預金等の計数も実は非常に不正確でありまして、ちよつとまとめて申し上げかねるような状態であります。在外会社の扱いを受けております台湾、朝鮮等における地場銀行の預金、これも大体四、五億程度あるのでありますか、これもやはり計数がまだしつかり調べられていない状態であります
○滝井委員 今の御説明で見ますと、現金、小切手その他を加えてもこれはせいぜい二十億か三十億だと思う。ひとつ大蔵大臣は仁術の深い人ですから、早くこれはやつてもらうことが必要だと思いますが、早く御善処できましようか。
○小笠原国務大臣 まことに引揚者の方には御同情にたえませんから、この今の答申を待ちましてできるだけ早く処理いたしたいと考えております。
○滝井委員 時間がありませんので、その次には石炭の問題について労働大臣、通産大臣にお尋ねいたしたい。昨年スト規制法をお出しになりました。石炭事業と電気事業とは非常に特殊な産業である。しかもこれが国民経済及び国民生活に重大な影響を持つている産業である。従つてこういうものがストをやるということは公共の福祉に反する。公共の福祉擁護の見地からもこれらの電気事業、石炭鉱業に対しては争議行為を規制しなければならないといつて、この法律をお出しになつた。ところが現在九州、福岡、佐賀、山口、長崎あるいは常盤炭田その他の炭鉱を持つている市町村の地帯においては いわゆる炭鉱の企業合理化による首切り、あるいは炭界の不況による炭鉱の休止、それらの一連のものによつて非常に公共の福祉を阻害される面が出て来た。具体的に今から申し上げますが、実に一万や二万の人がストライキをやる以上の状況が出て来ました。まず第一に地方公共団体に対してでありますが、一千人の首切りが私の住んでいる田川市などで行われました。どういう結果が出て来たかというと、首切りのために非常に減産が行われたので、鉱産税が極度に減つて参つたのであります。その次には炭鉱の坑口を一つ閉鎖することによつて固定資産税が急激に減つて参りました。さらに炭鉱に働いている勤労者の諸君が失業したために市民税が急速に減つて参りました。と同時に一度に千人も失業者が出たために、ここに緊急失業対策事業というものについて市は大わらわにならなければならないようになりました。さらに失業者の増加することは生活保護費の増加を意味しますが、現在私の住んでいる炭鉱の地帯において一番にぎわつておるものは何かというと、希望なき国民が。パチンコ屋に行く、第二番目に朝早くから職業安定所に自由労務者の諸君、失業保険をもらう諸君が殺到しておる。第三番目には自分の財産を調査してもらつて生活保護の対象になろうとする人が毎日々々社会福祉事務所に殺到しておる。この三つのところが一番にぎわつておるのであります。こういうようにして市の二十八年度の予算計画というものがまつたく狂てしまつて、赤字をどうして埋めるかいうことが、現在炭鉱を持つておる市町村の一番大きな悩みになつておる。これがまず具体的な地方公共団体に現われた影響である。しからば炭鉱をとりまいておる市町村の中小商業、商店街にどういう影響が現われたかと申しますと、売れ行き不振でございます。昨年百五十万円も一月に売つておつた店が、四十万円か五十万円しか売れません。と同時に一つの坑口を中心にして二百軒、三百軒の商店街が発展をしておるのでございますが、その一炭口の閉鎖は、あたかもダムの建設によつて一つの部落がダムの底に沈むため部落移動をしなければならないように坑口の閉鎖によつて二百軒、三百軒の商店街がやめて、どこかほかに移動をしなければならぬという状態が出て来ておる。そのために固定資産税が減り、市民税が減つておるのでございます。これがまず中小商業に与える影響である。また学校教育にはどういう影響を与えておるかというと、私PTAの会長をいたしておりますが、PTAの会費を持つて参りません。PTAの会費を持つて来ないばかりでなく、給食費を全然持つて来ない、千人の児童のうち三百人が給食費を払いません。従つて給食はやめてしまいました。さらに教科書代が払えないのであります。先生が教科書代を立てかえても、児童が持つて来ないために、先生がそれを自分で立てかえたままでどうにもならないという状態が出て来ておるのでございます。そして学校自体にどういう影響が今度は出て来たかというと、そういう影響のほかにクラスの編成がえがある、十人、二十人のクラスの編成がえをやらなければなりません。と同時に未就学児童というものがふえました。それから青少年の不良化の問題が警察で取上げられております。さらに児童相談所においては家出児が増加いたしておるのでございます。同時にそういう状態は青少年のヒロポン中毒患者をふやして現在おそらく日本においては一番ヒロポン犯罪の多い状態をつくつておる。 さらに労働者自身にどういう影響が及んで来たか。まず給料の未払いが行われて参りました。最近非常に多い給料未払いのかわりにどういうことが行われておるかというと、金券というものが出ております。これは労働基準法第二十四条において、給料というものは現金で支払わなければならぬとある。ところが現金を待つておつたのでは食えないのであります。炭鉱主の出す十円、百円、千円という金券を持つて炭鉱指定の商店、いわゆる中小商業者のところに行つて物を買う、掛で買うわけです。あるいは配給所に行つて米を金券で買うという状態が出て来ておるのでございます。さらに重大なことは、それらの炭鉱の不況のために、いわゆる労災保険の未納が起つております。労災保険料の未納のために労働者が――私の知つておる炭鉱で最近八名が生埋めになりました。ところが事業主が労災保険料を払つていないために給付の制限を受けたのでございます。八名の人間が一ぺんに死にましたけれども、これに対して労災保険料を支払わないのであります。事業主が保険料を払わないので給付の制限が行われております。さらに健康保険料の滞納、厚生年金の滞納が、現在九州の炭田をお調べになれば実に枚挙にいとまない状態で現われて来ておる。これは労働者自身に対する重大な人権の侵害であります。 さらに鉱害の問題を見ましよう。先般政府は特別鉱害復旧臨時措置法をつくりました。あるいは臨時石炭鉱害復旧法をつくりました。現在特別鉱害というものは今年でおそらく期限が来ると思いますが、その復旧率は五〇%、臨時鉱害はわずかに二〇%の復旧率、このために父祖伝来の美田というものは沼となり、あるいは父祖伝来のわれわれのりつぱな家屋というものは傾いてしまつて雨が漏る状態が出て来ておる。しかもその復旧というものは放置せられておる。しかも農民はそういうぐあいで田が荒されておるので、当然田に対する補償というものをもらわなければならぬ。ところが炭鉱は年末になつても補償費が支払われない。 こういうように地方公共団体、中小商工業者、学校教育、社会教育、あるいは労働者自身、あるいは農村における鉱害、こういうようなものに重大な影響を及ぼしておるのでございます。これはストライキ以上に公共の福祉に反しておると思うのでございますが、労働大臣は横の通産大臣をひつくくるつもりでございますか。それとも炭鉱主を縛つて監獄に入れるつもりでありますか、これに対する見解並びに通産大臣はこういう炭鉱の状態が起つた原因はどこにあるのか、それをひとつ御説明願いたい。
○小坂国務大臣 お答えを申し上げます。スト規制法に関連していろいろ御意見がございましたが、主として炭鉱の保安要員引揚げをスト規制法において禁止したことについて、私に関連いたしますからその点でお答えいたしますが、あれは御承知のように、炭鉱においてのストライキを禁止しておるという法律ではないのでありまして、ストライキの場合保安要員の引揚げは、これはいけないということなんであります。保安要員の引揚げというようなことが行われますと、重要な資源でありまする石炭資源の滅失を来す。また炭坑の中に人が入つております場合は、身体にも障害があるということでございまして、これはどうも争議行為として違法であるということなんであります。でございますから、もしそういう保安要員の引揚げというようなことを許しており、またそういうことを現実に炭鉱においてストの方法としてなされたとしますれば、それで炭鉱がつぶれて、今申し述べになられたような情勢がよけいに出て来る、こういうことになるのでありまして、そういうことのないように、ストライキの方法というものはもつと正常な、堂々たる方法がよろしかろう、こういうことがその法律の趣旨でございます。さよう誤解のないようにお願いしたいと思います。
○愛知国務大臣 お答えいたします。ただいま滝井さんが具体的な事例をおあげになりましたような問題につきましては、実は通産省といたしましても、地方公共団体その他から実情を目大して非常に熱烈な陳情にも接しておるような次第でございまして、その実情は私どもとしてもよく承知いたしておるのでございます。そこでどうしてこういうことになつて来たか、また対策はどうかというお尋ねでございますが、この点はわれわれといたしましても非常に重大な問題でございまして、最も基本的には石炭の需給関係が安定するということであると私は信じておるのであります。すなわち石炭の総合燃料として需要者の立場におけるところの適正な需要量を設定いたしまして、かつ需要者側の協力も得まして、それに基いた出炭の適正規模というものをつくりたい。一方その適正規模の出炭については合理化を促進いたしまして、コストの引下げ、ひいて炭価の引下げという面でも石炭業者からの協力を得たい。そこで総合燃料の対策をただいま非常に急いで立案することをいたしておるのでございますが、大体の考え方は今申しましたような考え方で、重油等の問題とも合せまして石炭の需給というものを適正な規模に設定するようにいたしたい。これがうまく参りますれば根本的に問題の解決になると考えております。
○滝井委員 労働大臣はスト規制法を通すときには非常に公共の福祉を高らかに掲げてやられました。今の答弁はあれが私は本筋だと思う。ところが今までの労働大臣のいろいろの答弁を読んでみますと、最後の逃げ込みは公共の福祉になつておつたようでございます。ここは労働問題の論議ではありませんので、労働大臣にはそれくらいでけつこうであります。 通産大臣になお続けてお尋ねいたしますが、石炭の需給関係の安定が必要だ、大体今適正規模いわゆる石炭需要の適正な状態というものは、大体大臣は日本の現在の産業構造その他から考えて、どの程度が経済生産量とお考えですか。大体終戦の後石炭が一番傾斜生産の最先端を行つた。吉田内閣は吉田石炭内閣と言われるくらいに石炭行政には力を入れた。それが傾斜生産で非常に力を入れて設備の拡張をやり、財政の投資をやつて五千二百万トンの生産態勢を確立した。ところが確立してみると、国内の石炭は四千三百万トンくらいしか必要がなくなつてしまつたので、炭界はその圧力を勤労者にかけて、最近五万人の首切りをやる。同時に中小炭鉱を犠牲にして、現在もうすでに百から百五十くらいの炭鉱が休止しております。そういうぐあいで、勤労者の首切りと弱い中小炭鉱の犠牲において、いわゆる五千二百万トン生産態勢というものを四千五百万トンくらいに引下げて来たわけです。その原因は、今は言われなかつたが、これは外炭の輸入とスト中における重油の転換なんです。こういう状態から出て来ておる。ところが現在たとえば日本の鉄鋼業を見てみますと、これは八幡の製鉄所のある重役が言つているのですが、われわれは現在石炭を重油にかえたのを、また再び重油をやめて石炭にかえることはちよつとむずかしい、なぜならばトン当りに千円くらい違うのだ、昨年は石炭が六百円か七百円しか下らなかつたけれども、重油は千二百円から千四百円くらい、倍くらい下つた、だからとてもできません、座談会等の記事を見ると、こう言つておる。そうしますと、今のような状態で行つてみると――大臣はきわめて抽象的なことしか言われなかつたけれども、政治はきわめて具体的であり、現実的でなければなりませんから、ひとつもつと具体的に、日本の現在の産業構造から考えて、石炭の経済生産というものはどの程度だ、その程度において日本の石炭鉱業をどういうぐあいに導いて行くのか、同時に外炭はどの程度に輸入をし、重油はどういうぐあいにするということを、もつと具体的に言つてもらわなければ、労働者自身も困る、あるいは炭鉱をやつている経営者自身も困ると思う。ひとつもつと具体的にざつくばらんに言つてもらいたいと思います。
○愛知国務大臣 お答えいたします。まことにごもつともな御意見でございます。先ほど申しましたように、ただいま政府といたしましては、石炭と重油とそれから需要者側、この三方の関係にわたり、その数量等につきましても具体的に検討いたしておるのでありますが、今ここで最終的な私どもの態度としての見通しの数字を申し上げる段階にまだ至つてないのであります。しかし先ほど石炭については大体どういうふうに考えておるかというお尋ねでございますが、私は大体四千八百万トンないし五千万トン程度が適正な需要の規模であり、またそういうふうな適正需要の規模にまで需要者側の協力も求めたい。その際石炭業者の方におかれては、炭価の引下げに引続き御協力を願いたい。一方重油につきましては、この点はまだ数量を申し上げる衣でに至つておりませんが、重油でなければならないもの、あるいは過去のいろいろの政策の経緯、あるいはコストの比較というような点から申しまして、外貨の節約という観点を合せまして、これも一つの適正な規模というものを策定いたしまして、輸入関係者あるいはこれの需要者方面の協力も得たい、かように考えておるわけでございます。なるべくすみやかにその結論を出しますと同時に、関係の業界あるいは労使両面の御協力を得て一つの線を打出して参りたいと思つております。
○滝井委員 今適正規模四千八百万トンないし五千万トンということでございますが、ぜひこの線を確保していただきたいと思います。 この炭鉱関係でいま一つ通産大臣にお尋ねいたしておきたいことは、現在の日本の中小炭鉱の問題でございます。これは日本の石炭問題を解決する上において一番ポイントだと思う。現在月産一万トン以下の炭鉱が千四百四十六、総炭鉱数の大体九五%くらい占めておる。ここに働いておる勤労者の数は、最近減りましたが、十二、三万あると思う。問題は、大手筋はいわゆる縦坑その他で非常に深部層をとつておりますが、中小鉱というものは日本の大事な資源を浅いところでとつておるわけであります。いわゆる大手筋としては採算の合わないところをとつておるわけでありますが、これらの日本の大事な資源をとつておる中小鉱に対しては、ある程度国が監督をやりながら保護政策をとつて行く考えがあるのかどうか、この点をお尋ねいたしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 お答えいたします。たとえば補助金とか助成金とかそういう面の補助ということは、中小炭鉱についても考えておりますが、しかしながらたとえば金融の問題にいたしましても、あるいは税制の関係にいたしましても、これが制度として改善ができますか、あるいは徴税上技術上の運営の改善ということにいたした方がよろしいか、まだ最終の意見をきめておりませんが、税制上の取扱い、また一面におきましては技術指導というような点については、政府としてお手伝いできることが相当たくさんあるのではないか、これがまた健全な経営になる。中小炭鉱の場合においても、その健全経営の建前からいつてのコストの引下げ、合理化ということに協力をして行く、こういうような手はまだ相当残つておるように思いますので、その方にできるだけの努力をいたしたいと思います。
○滝井委員 その次は、社会保障費関係について厚生大臣にお尋ねいたします。先般来のあたのいろいろなお答弁を総合して、確認を求めたいと思いますが、生活保護費の赤字が三十億ないし三十二億ある、こういう答弁でございましたが、これは昭和二十八年度の末、すなわち昭和二十九年三月三十一日までの赤字が三十億ないし三十二億ある、こう確認してさしつかえないか。いま一つは、その赤字を埋めるために、今年予備費から十二億いただいた、来年度は予算書ではつきりしておりますが、二十億その補填のために組んでおります。まずその点。 第二点は、児童保護費、現在全国の保育所で赤字が、私の調べたところでは十八億円あると言われておりますが、大臣はこの十八億の赤字をお認めになるかどうか、この二点。
○草葉国務大臣 生活保護の赤字は、年度末までに三十二億見当と考えております。従いまして予備費から十二億、明年度の予算に二十億計上して御審議いただいているので、これで大体でき上る、いわゆる決済がつくと存じます。 それから保育所の児童処置費の赤字が十八億という見当のようでございますが、私どもの大体の見当では、五億ないし六億程度ではないか。御案内のように、児童処置費は、従来は平衡交付金で交付いたしておりましたのを、二十八年度から初めて直接にやる、そういうところから事務的に少し錯綜しているかしらぬと思いますが、本年度大体五億程度を一応の見当として、先般予備費から支出をして、これが処置をいたすことに決定して、今事務を進めております。
○滝井委員 もう一つ厚生大臣に、今年度の生活保護費の中の医療扶助費が百二十億計上せられておる。これは月にして十億になるが、現在医療扶助の実績は月に十六億ないし十七億だと私は昨年の六月、七月ころからなつておると思うのですが、そう御確認願えますか。
○草葉国務大臣 先ほど申し上げました大体三十二億の赤字が大部分医療費でございます。従いまして、予算よりも増しました点は医療費と大体見当をつけてさしつかえないかと存じております。従つて月割りにいたしますと、予算よりも三十二億ほど増して参ります。
○滝井委員 どうもちよつと答弁が不正確なものでもう一ぺんはつきりしていただきたいのですが、十三億になるのですか、実績をお尋ねしておるのですよ。十六億ないし十七億に月々なつておるのじやないか、こういうことなんですが、それをイエスかノーでけつこうです。
○草葉国務大臣 これは年間を通じまして十億が十七億になつたとは申し上げにくいのであります。ただ、全体で年末並びに年度末を集計いたしますと、年度末において三十億そこそこで、百二十億よりも増して来た。従いまして、月割りにすることはちよつと困難ではないかと思います。
○滝井委員 そこで大蔵大臣に一つお尋ねいたしますが、各委員の質問を通じて、ことしの予算の特徴と言うものは、防衛関係の費用が莫大にふえたじやないか、直接の防衛費だけでも千二百三十四億、去年よりは百四十億もふえたじやないか、そして社会保証費を削つたじやないかという質問がでますと、大蔵大臣は、そうじやありません、社会保証費と言うものは、昨年は七百三十六億、ことしは七百七十四億でありますので、三十八億増額いたしておりますと言うのが、これが大臣の一貫した答弁であつた。ところがその答弁はどうも私には受け取れない。なぜかと申しますと、今厚生大臣からご説明がありました通り、ことしの生活保護費の中には二十八年度の赤字が二十億入つておる、従つて生活保護費の増加は幾らかというと、二十八年度が二百六十六億円、二十九年度が二百八十一億円で十四億円の増加なんです。ところが、十四億円増加しておるけれども、これは二十億の二十八年度の赤字が入つておるということなんです。従つてこれは生活保護費が六億円少いということなんです。と同時に、そのほかに今申し上げましたように、医療費というものは今のような状態で、私の調査では月に十六億ないし十七億いつている。従つて年度末になると、二十九年度は六十億以上の不足になる。そういう不足が出て来るので、きのうの二月九日の読売の夕刊、それから毎日の夕刊にこういう新聞記事が最近盛んに出だしました。まず「医療扶助大制限、都が予算難とベツドの不足で、審議会を通つたものだけ、」――医療券を発行する場合には莫大に医療扶助費がいるので、審議会をつくつてこれを削ろうという空気が東京都に出ております。それから毎日には「医療扶助に監査の眼、生活保護、適用は厳格に」――生活保護費は、これは現在は生活保護でなく医療扶助になつてしまつたということで、こういうようにすでに新聞にアドバルーンをあげて――これはおそらく厚生省、大蔵省があげたのじやないと思います。新聞社があげてくれたものだと思いますが、アドバルーンをあげて、すでにもう予算の膨張することを防ごうとしている。この結果はどういうことが起るかというと、貧しい勤労者の、生活保護の対象の人たちが医療の制限を受けるということ、制限を受けなければ、医者に対する給付費の支払が遅延することを意味する、これは今申し上げましたように、生活保護の実態、あるいは医療保護の実態から見て、現在の日本の社会保障というものは少しも進展していない。大臣は四十八億増えましたというけれども、その内容というものはむしろ退歩しておる。しかも失業者の状態を考えてみると、労働大臣は三木委員の質問に対して、二十八年の三月は六十一万、二十八年十一月は三十七万でございました。そして半失業者と申しますか、三百五十万ないし四百万出ます、こういう御答弁であつた。ところが、山花委員も言われましたが、実際に総理府から出ている統計では、完全失業者は、二十七年が四十七万、二十八年は五十三万となつている。あるいは労働省の調査によると、今年出るであろうところのものは、官公労が六万、電源開発、公共事業の縮小で二十万、造船資金の削減で七万、鉄鋼その他の部門で五万ないし六万、これで四十万、これに中小商工業、問屋あるいは小売業の失業者を加えると、優に百万ないし百五十万今年は出て来る。こういう状態を考えると、生活保護費あるいはそのうちの医療扶助費というものが飛躍的に増加して来ることは明らかであります。そういう点を考えると、大蔵大臣の言われる四十八億というものは、ただ表面だけでありまして、社会保障が前進したとはどうしても私には受取れないのですが、もつと受取られるように大臣からご説明を願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 政府委員から答弁させます。
○森永政府委員 お答え申し上げます。 生活保護につきましては、今までも申し上げたこともあるわけでございますが、対象人員は、人口の自然増加のほかに五〇%の増加を見ております。それから単価につきましても、本年一月の米価改訂に伴う単価の改訂、並びに昨年十二月の入院料の点数引上げに伴う単価の改訂等を実施しまして、それを積算いたしているのであります。そこでお尋ねの、前年度の赤字二十億を見ているのだから、実質的にはふえていないじやないかという御疑問が生ずるわけでありますが、一方において減があることを御考慮いただきたいと思うのであります。その減と申しますのは、従来生活保護法の適用を受けておりました者のうちから、遺族援護ないしは旧軍人恩給、遺家族の恩給等が復活いたしましたことによりまして、相当数の者にその方から救護の手が差延べられるわけでございまして、一応推定をいたしますと、約三十八万人くらいの者が従来生活保護を受けておつて今度旧軍人の恩給、遺家族援護法の適用を受けるということになるわけでございます。二十八年八月現在におきまして十七万人くらいの者がそういう新しい措置の影響を受けて、生活保護の方が減つて参つたのでありますが、来年度はこれらにその残り二十一万人くらいの者が生活保護の適用について影響を受けるということになるわけでございまして、その金額を私どもは二十一億くらいに見て、その分だけ減らしているわけでございます。なおもうつの要素といたしまして、生活保護によつて医療扶助を受けている日雇い労務者が約一万八千世帯、家族を含めて六万三千人ございますが、これにつきましては、本年から日雇い労務者に健康保険が実施されることになりまして、それによる救済の適用を受けることになりますので、その分による医療費扶助の減少約六億円を見込んでいるわけでございます。総計約二十九億くらいのものが来年減少し得る要素としてあるわけでございまして、その点を考慮に入れますと、実質的には相当の内容の充実になる、さように御了承いただきたいと思うのであります。 なお医療費の問題でございますが、これは最近の経過を見ておりますと、どうも濫診濫給の傾向があるのじやないかという心配があるわけでございます。そういう実情に基きまして、厚生省の方にも実地調査、実地監査をしてもらつておつたわけでございますが、その監査のことが新聞に出たんじやないかと思つております。
○滝井委員 時間がありませんので、もう一、二問お願いいたします。 その次は社会保険の機構と法の改正について、これは塚田大臣と厚生大臣に所見をお伺いしたいと思います。 現在日本の社会保障制度というのは、今申し上げました生活保護関係の公的扶助と、社会保険、こういう二つの柱を中心にして展開せられております。ところが、問題は社会保険の機構についてでございますが、これが実に複雑怪奇でございます。今簡単に読み上げてみますと、まず健康保険、厚生年金保険、船員保険、国民健康保険というのは厚生省の保険局が取扱つております。都道府県に参りますと民生部の保険課が取扱つております。さらに末端に行くと、社会保険の出張所と、それから県の出先機関である地方事務所、それから市町村の役場が国民健康保険を取扱つている、こういうように一律のものになつている。失業保険を見ますと、労働省の職業安定局が取扱つております。しかもこれが県の段階に参りますと、職業安定課、それから失業保険の徴収課がやつております。さらに末端に行きますと、公共職業安定所がこれを取扱つております。労災保険の方をみますと、労働省の労働基準局が取扱つております。県の段階に行きますと、労働基準監督局というものがあります。さらに末端に行くと労働基準監督署があります。そのほかに今度は国家公務員の共済組合があります。これは大蔵省の主計局で取扱つております。各省庁に共済組合というものがあります。それから地方公務員の共済組合があります。これは県庁、学校、警察、消防、それぞれわかれて支部をつくつておる。こういうように一本の社会保険というものが、実に複雑多岐な機関によつて取扱われておる。その結果それぞれの局に外郭団体ができております。財団法人厚生会、社会保険協会、日本職業安定協会、労災協会というように、それぞれ局があれば、その局の外に外郭団体ができて、ますますその複雑さをはげしくしておる状態でございます。塚田大臣は、機構を簡素化し、事務を簡素化して、そうしてその結果ここに人間が出て来るということなら、これは行政整理の対象にします、こういうのが大臣の今までの方針であつたと承つておりますが、こういうように複雑であるこの社会保険の機構を、内閣は行政機構の改革を、緒方さんを本部長にしてやられておるのですが、この際これはどうするつもりであるか、ひとつ内閣の方針をまずお聞きいたしたいと思います。
○塚田国務大臣 これはまつたく御指摘の通りになつておりますので、今時の機構改革の考え方からすれば、まつ先に取上げられてしかるべき性質のものであると私ども考えております。従つて行革本部といたしましても、審議の初期にこれを相当真剣に取上げたわけであります。ことにこの問題につきましては、民間団体、ことに経団連からも具体案、こういうぐあいに直したらどうかという意見を具した意見書などもちようだいをしておるのでありまして、真剣に検討してみたのでありますが、御指摘のように、あまりに問題が広汎多岐にわたつておるので、急速な結論が出ないで今日に至つておるのであります。大体今のところ社会保険の状態をじつと見てみますと、発生する時期がそれぞれ違つて、それぞれその時期において特殊な目的があつて、自然発生的にできて、そうしてその後幾たびか整備をされて今日の状態になつておる。ようやくいろいろな必要に充当するだけの組織それから計画はできておるように思うのでありますが、そういうぐあいに自然発生的にでかしたものでありますから、機構の面におきましても、扱い方の面におきましも、相当問題点がたくさんあるのであります。今後十分この点は検討いたて、ぜひともこれは統合して、もつとすつきりした能率的な簡素なものにしたい、こういう考え方で検討をいたておるわけであります。
○滝井委員 時間がありませんので、厚生大臣の御答弁はあとで一緒に……。今機構が非常に複雑であるということを私は具体的に御説明申しました。今度は事務的な面を具体的に御説明申します。たとえば私が一人の結核患者を見たとします。いかにこれが事務的に複雑であるかということを具体的に御説明します。われわれまず今までの昔の開業医制度の時代であるならば、患者が来れば大体一枚の診療録に患者のプロトコールをとつて、いわゆるいろいろの既往症その他を聞いて書けばこれで済んだ。そうしてこれも医師法の規定によつて何年か大事に直ておけばそれでよかつた。ところが現在の社会保険の制度になつて、いかに事務が複雑になつておるかというおとを申し上げて、改革をしてもらわたければならぬと思いますが、まずここに健康保険の被保険者で一人の結核患者が来たとします。そうしますと、まず診療録に詳細なものを記入します。診療録に記入するにあたつては、皆さん保険証を持つて行きます。従つてこの保険証に医者はまず来た病人の病名を、肺浸潤なら肺浸潤と書いて何月何日に初診をしたと、こう書きます。これをまず来たときにすぐ出して書くわけです。それからこれは被保険者ですから、当然会社を休まなければならぬから、医者は診断書を会社に出させるような処置を講じなければならぬ。これがいります。それからさらに今度は患者が会社を休んでおるか、それとも現実に会社に行つておるかというために通院表というのがいるわけです。この通院表によつて、診療の判を押し、会社の労務あるいは勤労課に行つて、毎日医者に行つておりますという通知表というものに判を押してもらわなければならぬ。これがいります。さらにこの患者は結核患者でございますので、医者は保健所に向つて結核患者の届出をやらなければならない。実にこういう複雑なものです。これは秘密でございます。結核患者についてはこれを保健所に出さなければならない。結核患者を見たら、医者はすぐにこれだけの処置を当然義務としてやらなければなりません。そうしてこの患者が月末になりますと、今度は診療費の請求をやらなければなりません。そうすると、私のうちに百人の患者がおれば、百人について今まで診療した薬品あるいは注射の数を、診療報酬の請求明細書というものに全部書かなければなりません。これに書きますと、今度はその上に診療報酬の請求書というものをつけまして、これが今度は政府の分は政府の分、組合の分は組合の分、消防署の分は消防署の分、警察の分は警察の分、学校の先生は学校の分というように、それぞれの会社別にこれをつくつて、この上に置きます。そうしてさらにその上に、私の一箇月のすべての請求額は、患者が五百人で、請求の金額は十万円になりますという総括票をつけて、これを出します。そうして三箇月ぐらいすると、今度は組合員の事務所から滝井義高の診療報酬の請求書は十万円になつた、お前の口座を開いている何々銀行に行つて受取りなさいという、診療報酬の支払いの通知書がやつて来る。そうするとその支払い通知書を持つて行つて、銀行にこれを出しますと、銀行が現金をくれることになる。三箇月後です。そうすると今度は患者の方の措置をしてやらなければなりません。結核患者ですから、当然仕事を休みますと、結核患者は月末には賃金の六割だけの傷病手当金の請求書をこしらえますから、この傷病手当金の請求書二枚を、われわれは詳細にその主要症状からその病気の経過、なぜこれが労務不可能であるかという具体的なものを書いてやらなければなりません。これがまず見たときの段階。今度はこの患者が結核予防法の処置でパスマイシンを受けることになりますと、さらにその上にパスマイシンの申請書の書類かいります。家族の調査票がいります。住民登録の抄本かいります。納税の証明書がいります。診断書がいります。レントゲンの写真がいります。それから今の結核患者の届出がいります。これだけが医者が一人の結核患者を見たときの書類でございます。 日本の科学技術を振興しなければならないという論が行われております。おそらく各官庁においても、たとえば私は地方団体、農業会における農業技術員、農業協同組合における農業技術員というものは、農業の生産力を上げる技術を指導するものだと思います。ところがこの技術屋が事務屋になつておる。厚生省でもそうだと思う。厚生省の技官が実際に技術的な自分の習つたところの医学を厚生省でほんとうに使つておるかというと、おそらく厚生省におられる大学を卒業している六十人ばかりの技官というものは、自分の技術よりか、こういう事務屋になつておると私は思う。これらの紙の一枚一枚の先に役所があるのでございます。こういう状態で、事務は実に複雑怪奇、機構は複雑怪奇、従つて医者は医学と医術を勉強するひまがなくて、事務屋になり下つておるのでございます。これは何も医者のみではありません。日本の官庁機構においても、技術者はすべて事務屋になつておる。従つて技術者は希望を持ちません。われわれが昔学生の時代に三丁目一番地という言葉があつた。技術者は高等官三等級までしか行けなかつた。なぜならば官庁においても技術屋でなくして事務屋なんだから。こういうところに日本の科学技術の根本的な誤りがあり、日本の現在の医療制度か行きつつある方向に大きな誤りがあるということを、大臣は知つていただかなければなうして国家の権力でもつて国民の今日与えられた権利というものを、蹂躙しようとしていらつしやる傾きがあると私は思う。六十三億減額されるからということを主張なさいます。もちろん今日の国家警察と自治警察が非能率的であり、不合理であり、非科学的であるということはわかつておる。しかし警察法の改正を六十三億の減額という面からのみ論ぜられるということは、はなはだ問題だと思う。私は国家警察、また元のおいこら警察でもつて、再軍備街道を突進せんとするところの吉田内閣が、同時に国民の思想をもこれによつて押えて行こうという行き方があると思う。この非難は私は免れないと思います。今緒方さんがきれいな言葉で、国民生活 充実して思想を漸次よい方に向けて行くとおつしやいましたけれども、これは言行不一致であるということを申し上げて、御忠告しておきたいと存ずるのであります。 次に私はこの間から防衛問答を承つておりますが、これは全国の子供や青少年を持つあらゆる家庭に、大きな黒雲のごとくのしかかつておる課題でございますから、ひとつはつきりと将来のためにお答え願いたいのであります。この間私があるところで非常に入学難に悩むところの長男を持つ家庭で、皆さんと話し合つたことでありますが、今年大学を受ける子供は非常に混乱の中に育つた。生れたわけのわからないころから戦争であつて、そうしておやつももらわないで、ズツクもはかないで、やつと終戦になつた。終戦になつたら学制はかわり、政治はかわり、憲法はかわり、すべてがかわつて、風にそよぐあしのごとくこの子供たちは悩み抜いた子供だ。ところが大学の入学試験でかくも悩む。しかも私はそこにつけ加えて、この息子さんが大学を卒業したころには、義務徴兵制が来るのじやないでしようか、こういうことを申したところが、みんながうなずかれたのであります。この間から防衛問答を承つておりますと、政府は防衛計画に自信がない。またあるいは五年先あるいは六年先の計画をここで発表いたしますと、こつぱみじんにたたかれるから、わざと言わないでおこうということになつておるのかもしれませんが、しかし責任ある政府としては、防衛計画をはつきり示されなければならない。将来の見込みが立たない、もちろん立たないでありましよう。ジエツト機や軍艦が過去の兵器になつてしまつて、原爆や水爆やコバルトについて行かなければならないとなつて来ると、木村保安庁長官がおつしやるところのいわゆる近代戦を遂行する力というものは、とうてい日本の国家経済では養い得るものではない。けれども、安全保障条約、そうしてアメリカの大きな軍隊を背景とした今日の駐留軍にとつてかわるべき日本自衛軍を創設しようとなさるならば、財政的には及ばない。ことに将来三十八万云々と、かつての陸海空軍をはるかに上まわるところのものを計画なさつておるとするならば、好むと好まざるとにかかわらず、当然政府は将来義務徴兵制でなければ、人的にも経済的にもやつて行けないという考えを持つておいでになるのではないかと思うのでありますが、将来青少年に対して自衛力強化のため、あるいは戦力に至らざるとも、これを義務徴兵制で召集する意図ありやいなや、これは全国の家庭で大きな関心を持つておる問題でありますから、ここではつきりと承りたいと存じます。
○緒方国務大臣 防衛の問題は、国際情勢により動かされるところが非常に多うございまして、長期計画が十分に立つていないということも、それに由来するのであります。これは今の日本の当局が見通しを持ち得ないというだけでなくて、第二次大戦のあと、アメリカの軍備に対する態度をお考えくだすつても、御理解いただけると考えます。それに関連して、日本は将来徴兵制度をしくつもりがあるかという御質問でありますが、まだそこまでは全然考えておりません。
○堤(ツ)委員 保安庁法の改正、将来の自衛力の増強にあたつては、いわゆる保守三派が御協議になつて、改進党あたりの御意見も相当強くおいれになりませんと、もちろん吉田内閣ももちませんし、いろいろおいれになると思う。改進党あたりではしきりに義務徴兵制ということをおつしやつているし、またどう考えてみても国家財政がもつわけがないし、私はこの点は非常にあいまいにごまかしておいでになるのではないかと思いますけれども、一応今のところは義務徴兵制を考えておらないということならば、ふしぎではございますけれども一応……。 次に今度は予算面によりますと、失業者を五%増と見込んでいらつしやる。これは私は非常に大きな誤算ではないかと思うのであります。物価は昭和九年-十一年に比べますと、三百五十何倍かでありますけれども、国民の税金の負担は五百二十倍に達している。ことに生計指数というものをよく調べてみますと、昭和二十二年の生計指数は、たしか標準世帯の五人世帯――実は五人世帯といつても四・七人のときもあるし、四・八人のときもありますが、毎年一月から九月までの統計をとつてみますと、二十二年から一年の間に、一世帯につき一万円近くの生計費の上昇を示している。昭和二十八年の九月までによりますと、二万二千なにがしです。ところが人事院のこの一月から遅まきながら実施なさつたべースが一万五千四百八十円。税金はふえる。物価は上る。給与は上らない。ことしの財政投融資の面から予算を検討いたしましても、電源開発だけはわずか二百六十億ふえておりますけれども、他の財政投融資は全部これが削減されている。農林漁業公庫、国民金融公庫、中小企業公庫、あらゆるものを検討してみますと、全部削減されている。そうすると、MSA予算の圧迫によるところの農村の疲弊と、倒産自営中小企業、月給よりはるかに生計費が上まわるところの勤労者、それから失業者と未亡人母子世帯と泣寝入りの遺族、こういうものを勘定にあげて参りますと、失業者の数は五%で済むわけがない。あるいは私は解釈の仕方によつて、この失業者五%は好むと好まざるとにかかわらず保安隊の窓口へ来い、そうしたら吸収してやる、鉄砲のかつげない者は、簿記でも御飯たきでもやらせてやるから保安隊に来い。保安隊に吸収した残りが五%ではないかという解釈ではないかと思いますが、いかがでございますか。緒方副総理。
○緒方国務大臣 これは労働大臣からお答えいたします。
○小坂国務大臣 私からお答え申し上げます。種々の機会に申し上げておりますように、わが国の特殊の経済構造によるものかとも思いますけれども、完全失業者の数は、むしろ昨年の三月を頂点としまして、その後漸減しておるのであります。堤さんよく御承知のことだと思いますけれども、試みに数字をあげてみますと、わが国のいわゆる労働に就業しておる実働人口は三千九百五十八万人ございますが、そのうち自営業者が二六%、雇用者が三七%、家族労働者が三七%、このような構成になつているのであります。そういう関係。またわが国においては一次産業が四八%、二次産業二一%、三次産業三〇%というぐあい。米英その他の国、ことに英国などでは一次産業が四・九%しかないというようなそうした産業構造の相違等によりまして、いわゆる完全失業者というものの顕在化ということは非常に少ない。そういう完全失業者の対策としましての予算面の措置というものは、失業保険において一割増し、失業者の受入れの予算措置にしまして五%増しということになつておりまして、これで私どもは従来の経験からいいまして、十分にこれを吸収し得るものであると考えているのであります。なお産業活動の面において、今いろいろな数字をおあげになりましたが、全体に失業者が出て来るということと、それが完全失業者になつて現われて来るということとは、その間にいろいろな相違があるのでありまして、その間に職安活動をすみやかに活溌に運営いたすことによりまして、今申し上げたように完全失業者がむしろ減つているという状況すら出ているのであります。なお家計費について指数を申し上げますと、基準年次を一〇〇%といたしまして昭和二十二年には総合指数五五%でございましたが、二十七年になりまして八〇%、二十八年においては八四%で出発いたしまして、昨年の七月におきましては一〇一%というように、ほぼ戦前の基準に回復いたしております。その後年末になりまして、十一月までの統計しか持ち合せませんが、やややみ米等の関係もございましようが、九六%程度に減つております。そうした著しい家計費膨脹に悩むという状態も、実は統計的に見ますればないのでございます。
○堤(ツ)委員 少し完全失業という言葉でごまかされたように思いますけれども、労働省の机の上の統計というものはあてになりません。地方の実情と合致しないのであつて、これはときどきごまかしをしていらつしやる。それを大臣は信じていらつしやるのではないかと思う。たとえば今の生計指数の問題も、総理府の統計局から出ているものによりますれば、あなたはどこを標準にして言つてらつしやるか知りませんけれども、都市などは二十三年が六九、九、二十四年が九二、二、二十五年が八五、九、二十六年が一〇〇、二十七年が一〇五、二十八年が一一〇・三、こうなつております。それから勤労者の一箇月の支出金は、今資料が出て参りましたが、二十六年の一月に一万二千九百九十四円であつたもの、これは一世帯が四・六四人の統計でありますが、それが二十八年の六月には一躍二万四千百二十二円になつております。でありますからこれは国民生活の窮乏はおおうべくもない。同時にこれは生活要保護者の激増となつて来ると思うのでございますが、かつて昭和二十五年にドツジ予算をお組みになつた政府は、あのとき国民の生活状態にドツジ予算がどういうふうに響いたか、統計をおとりになつていると思いますが、ちよつとお示しを願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 ここに統計を持ち合せませんが、ドツジ予算が相当響きましたことは、あの当時私どもも親しく見ておるのであります。それが朝鮮事変が起つて急にああいうふうに転換したのでありますが、もしあのことがないとすれば、さらに一層深刻であつたろうと思つておりますが、数字はちよつとここに持ち合せておりませんから、もし必要でございましたら、あとから申し上げることにいたします。
○堤(ツ)委員 今大蔵大臣が正直におつしやいました通り、朝鮮事変が起らなかつたならば、ドッジ予算の影響というものは、国民生活にもつともつと深刻であつた。これは今度のデフレ予算にも同じことを考えてもらわなくてはならないのじやないでしようか。そうすると、今滝井義高委員と厚生大臣との問答で、生活保護法の赤字が三十八億ということでございましたけれども、私はことしのこの予算から見て、おおよそ二十四、五万ぐらいは、もつと要保護者を見なければならぬのに、これをやめてしまおうという意図で削つていらつしやるような向きが、いろいろたぐつてみるとある。だから、生活保護はふえているとおつしやいますけれども、昨年の秋からことしの春にかけての物価の値上り、これが五%ないし一〇%は確かでありますが、こういうものから考えまして、私は生活保護法の金というものは少しも増額でなくて、むしろ二十五万人分の減額だと見ておりますが、厚生大臣そこにごまかしはございませんか。
○草葉国務大臣 これは大分二十九年度は増しております。実は先ほど大蔵省からも話が計数的にありましたが、二十九年度は人員にいたしまして百二万、ことに後半以降におきまして、これは失業が増すという意味じやなしに、人口の自然増と産業の影響等を考えまして、月間十七万人ほどを増して予算に計上いたしております。
○堤(ツ)委員 この生活保護法の要保護者の方で、遺族援護法ができた小ら、お前たちはもう打切りだといつて打切られた方が、非常にたくさん、二十万人近くある。これは厚生大臣着任早々でございますから、去年の統計をしつかり調べていただきたいのでありますが、厚生省からはきついお達しが行きまして、肺病で子供三人抱えた母子家庭まで打切つておる。しかも遺族援護法の金は、それから半年たつても家庭に行き届かないという実態で、遺族援護法ができたけれども、ありがたくないというのがちまたの声であつた。そういうことを勘定に入れますと、私はことしの赤字どころか、来年はたいへんであるということを御忠告申し上げて、また中間で厚生大臣とお話合いをしたいと思います。 次に遺族の問題に触れたいと思いますが、今までの援護法の改正と軍人恩給の復活によつて、八百万遺家族は満足しておると思われるかどうか、厚生大臣に率直にお聞きしたい。
○草葉国務大臣 実は遺族援護法、いわゆる戦傷病者戦歿者遺族等の援護法という法に基きまして、とりあえずの処置として独立早々いたしたわけであります。従いましてこの援護法は当初一万円並びに五千円並びに弔慰金五万円という線で参る、昨年の八月から恩給法の改正によりまして正常な状態にもどしたのでありますが、額から申しますと、一般文官等その他から考えまして、必ずしも十分とは考えておりません。十分とは考えて居りませんから、あるいは国の力に応じまして、今後考える余地はあると存じますが、現在の状態におきましては、この程度が妥当であると存じております。
○堤(ツ)委員 厚生大臣はお寺の住職でありますし、それからあなたの選挙地盤の選挙スローガンを承つておりますと、未亡人、母子対策、遺族、引揚者、留守家族には、一番力をお入れになつて来たように私は拝見しております。あなたのところにもお手紙がたくさん来ておると思いますが、この四百六十六人の代議士の中で、遺族の泣いた手紙をもらわなかつた代議士はなかつたと私は思う。去年この援護法の実施にあたつて、国家を恨む声はえんえんとして起つておる。私は申し上げたいのでありますが、まあもらつた人は不十分な額であるが、しかし国家公務のために死んでおりながら、その対象にならないで、これももらえないで泣寝入りをしている人がある、これをどのくらいと厚生大臣は踏んでおられますか。
○草葉国務大臣 現在までに援護法によつて受付けました件数が、百九十二万件であります。そのうち百八十六万件が裁定が終わりました。従いまして六万四千件の分が現在未裁定でありますが、そのうち三万六千件は近く裁定の通知をいたす予定であります。結局残りの二万八千件が裁定が遅れるという大体の見通しを持つております。しかしこの裁定の遅れます二万八千件は、いわゆる病気あるいは死因等につきまして資料が不十分で、あらゆる方法で調査をいたしておりますし、またその他遺族についても連絡をいたしておりまして、なるべく早くいたしたいと存じでおりますが、この二万八千件が少し裁定が遅れるのではないかというふうに憂慮をいたしております。
○堤(ツ)委員 私も陸軍関係、海軍関係の未裁定の分については今厚生大臣がおつしやつた通りの統計を調べて参りましたけれども、しかし私が問題だと思いますのは、この未決裁の分ではなしに、冷たくも政府からけられた人人であります。却下されて、そうしてその対象にならなかつた人、また役場の窓口で、確かに応召されて行つて、死んだ原因が確かに戦争にあるのだが、国家の犠牲になつたけれども、受付けてくれないというのが――これは私は何もいいかげんな統計で申し上げるのではありません。日本遺族会の各町村においてお世話をしていらつしやる方々の確かな統計によりますれば、二十万柱ある。この英霊は、それこそ盆に火がともらないのであります。浮かばれない英霊であります。この二十万英霊、いろいろと各党の方にもお話をいたしましたら、何とかして拾わなければならない、ことに遺族会の大会の席上では、自由党も改進党あたりもはつきりとこれを拾うために、今国会では、今国会ではと言いながら二年来た。今度の国会では、どうやら厚生省の良心がこの二十万英霊を救うらしいと思つておつたのでありますけれども、大蔵省の圧力によつて不発弾に終つたらしい。でありますが、厚生大臣は、この泣いている英霊二十万の遺族を犬死させて捨てるのでありますか、どうなさるおつもりでありますか。
○草葉国務大臣 その二十万という数字に多少食い違いがあると存じます。私どもの方では大体七万と考えております。それはお話のように、あるいは入営をし、あるいは召集を受けまして、何かの病気等でなくなられて、恩給法並びに援護法の対象にならなかつた、まことにお気の毒であります。衷心よりその御遺族の心中をお察し申し上げます。従いまして、これらの遺族につきましては、何らかの方法を講じたい、弔慰の方法を講じたい、その弔慰の方法を今回戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正いたしまして、今国会に提案して御審議をいただく予定で、目下進めております。遠からず御審議をいただく段取りに相なる予定でありま止す。
○堤(ツ)委員 一英霊五万円の公債、六分五厘の十年還付、戦争未亡人一万円その他の家族五千円というあの当初の政府のしうちは、ずいぶん恨まれたものでありますが、これを基準に置いて、ほんとうの涙金でごまかそうというりようけんでおられるのではないか。聞くところによると、三万円くらいの弔慰金で何とかお茶を潤したいということを考えていらつしやるように聞いておりますが、その辺はどうでありますか。
○草葉国務大臣 決してお茶を濁すという考え方は持つておりません。心から弔慰をするのには今までの関係もありますので、どの程度が最も妥当であるかというので、事務的な面もあり、恩給法関係のいわゆる行政実例もありますので、こういうものを関係当局で目下十分検討して、相談をいたしております。
○堤(ツ)委員 それでは戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正が恩給法の実施などと並びあわせて考慮され、この二十万の泣寝入り英霊が、一応救われるというふうに解釈してよろしゆうございますね。 次にこれは緒方副総理にお伺いいたしたいのでありますが、軍人恩給というものが復活いたしました。軍隊のない国に軍人恩給が忽然と生き返つて来たのですから、これはふかしぎなことであります。吉田内閣でないとこういう器用なことはできないと思うのでありますが、この軍人恩給法の復活は、あなたは社会保障制度の一環と見ていらつしやるか、あるいは軍事予算の一環と見ていらつしやるか、そこの御認識を承りたい。
○緒方国務大臣 お答えいたします。私は軍事予算の一環とも、社会保障の一部とも厳密な意味では見ておりません。やはり一種の軍人恩給でございます。と申しますことは、これは前の軍人恩給がそのまま復活したのでもなくて、一度廃止または制限されたものを、特例法によつて復活いたしました特殊のものでございます。
○堤(ツ)委員 もちろん恩給法に使われます金が八五%まで大きな戦争の犠牲になつた八百万遺家族の上に及ぶ金でございますから、これは戦争犠牲者のでこぼこの修正の一つであると見ておるのであります。従つてこれを社会保障の一つと数えて、社会保障費は軍事費と並んで増額されたと宣伝なさるところの大蔵大臣は、まことに卑怯だと思うのでありますが、この社会保障と言い訳をしておいでになるところの大蔵大臣にも、特にお尋ねいたしたいのは、さればこの特別の日本だけにしかないところの軍人恩給法の復活と、現在まで行われておりますところの女官恩給とのつり合いをどう考えていらつしやるか、将来どうするおつもりであるか、これを承つておきたいと思います。
○小笠原国務大臣 私は別に軍人等の遺族に対するものを社会保障費なりと申したことはありません。ただあなた方の力でこれは国防費じやないか、あるいは防衛費じやないかとおつしやつたから、防衛費というような名前で言うなら、札会保障費の方に近い、つまり遺族に対する分なのだから、社会保障費に近いと申したのでありまして、これは堤さんも甘えていらつしやることと思います。 もう一つの軍人恩給と女官の関係でありますが、これはいろいろ過去のいきさつもございますし、また今度復活したときの考え方もございますので、ただいまのところこれをどうしようとは考えておりませんが、しかしこれは将来考えなければならない問題であろうと思つております。まだいずれとも考えておりません。
○堤(ツ)委員 非常にふつり合いで筋が通らないということを御認識願いたい。 そこで老後の保障について、ふしぎな軍人恩給の対象と、それから文官の恩給だけについては何でありますが、社会保障制度審議会の答申にもかかわらず、社会保障制度というものを形の上からもまじめにつくり上げようとしないところの吉田内閣は、国民全般の老後の保障について、この軍人恩給の復活や女官恩給と並べて、将来どう持つて行こうとなさつておるか承りたいと思います。
○草葉国務大臣 結局お話の中心は、今ありますところの厚生年金法のようなものを全国民に及ぼして、それによつて一本に行く方法をとつたらという御意見のように拝承いたします。これはたいへん大きい問題であり、一方では社会保障制度の中心になる問題でございます。先刻滝井さんの御質問にもありましたが、結局社会保障制度の中心としての社会保険の統合、整理、そしてそこから来る全国民を対象にした問題になつて来ると思います。この内容が今夜での発展の過程におきまして、いろいろ歴史あるいは沿革等を持つておりますから、目標としてはそういう方向に進むべきものだと考えておりますが、なかなか容易には行きにくい点もありますので、十分これらを検討いたして参りたいと存じます。
○堤(ツ)委員 私は社会保険問題について、さきに油井委員がお触れにならなかつた面に触れますが、国保、健保、共済、船員、失業、今のてんでんばらばらのあらゆる社会行政というものを一つにまとめてみましても、まだ三千五百万の国民が捨てられてる。生のからだを持つて、このぎりぎりの生活をしながら、安心して医者かかれない国民が三千五百万あるのです。しかも老後の保障もなく、文官と旧軍人だけが保障されておる。ペタルを踏んで八百屋をやつておろうと、くわを持つておろうと、国家、社会、人類に何ものかをささげておる。国家は文官やかつての軍人だけに老後の保障や、家族の保障をされて、農民や中小企業や組織を持たない者は国の政治の中からは捨てられるという、こんなばかなことはない。これは真剣に考えられなければならない問題でありまして、歴史があり、沿革があり、なかなかたいへんでございますので、徐々に考えましてなどと、のんきなことを言うておつてもらつては因る。その一つの例を私は端的にあげましよう。あなたは東京物語という映画をごらんになりましたか。あれは何とか五に入りましたもので、私も見ましたが、あの東京物語に出て来るじいさん、婆さんは国民の中ではまだ最上部です。子供を育てたあげくの果てに、うば捨て山に行かなければならない老夫婦を、あれは描いておるのですが、息子夫婦が町医者をやつておる。次の娘が主人と一緒にパーマネント屋をやつておる。次の息子が国鉄、次の娘が学校に行つておる家庭というのは国民全般からいえば、まだ最上層、大臣の次くらいです。それがあの映画を見たあとで国民全般はどう思いますか。希望なき国民の姿。あすなき日本の家庭の実態があの中に現われておる。大臣連中はよくあれをごらんになつて、吉田内閣の政策の貧困をよく御反省にならなければいけない。希望を持たないで、パチンコ屋に行く人はこのごろどう言いますか。年寄りはひまで遊んでいるよりも、パチンコ屋に行つてピースの一つもかせいで来た方が息子のきげんがよいと言う。そして若い女は淫売をやる。こういつたことをつくつたのは吉田内閣ではありませんか。国民に将来の希望を持たせなくて、どうして思想の悪化の悪口を言つたり、責任を国民に押しつけたりできますか。昨日も私は大蔵大臣に申し上げたが、大蔵大臣は昨日どうおつしやつたか。日本の農民はまだ働きが足らぬとおつしやる。私は農民のために憤激を禁じ得ないものを感じた。日本の農民くらい働くものはありませんよ。労働基準法などは日本の農民にはまだ五十年、六十年先ですよ。それにまだ農民が悪くて政府はよいのだとおつしやる(「そんなことは申しません」と呼ぶ者あり)そう言わぬばかりの態度ではありませんか。働く国民、まじめな国民が、政治などあつてもなくてもわれわれには関係がないという失望の果てに、パチンコや淫売が繁昌するような国であつてはならない。厚生省はもつとしつかりしなければいけませんよ。大体厚生官僚は大蔵官僚に頭が上らない。最敬礼して三拝九拝、たとい一文の予算でも多くもらおうということにのみ汲々としている。従つて前の橋本大臣をごらんなさい。今度の山縣厚生大臣をごらんなさい。大蔵大臣にたてついたら、吉田さんの御きげんに触れて大臣をやめなくてはならない。あるいは草葉厚生大臣もがんばられましたならばあぶないかもしれません。あぶないかもしれませんけれども、その後には八千五百万の良識がついておる。どうか国民全般を守るために、ひとつ厚生省は積極的に厚生行政をやつていただきたいということを、私はお願いいたします。国民に希望を持たせるものは厚生省であるということ、これを力説して大臣にお願いし、もしそのために大臣が首になられても、もつて瞑すべし、それでも私はいいと思う。そこまで気概のある大臣が吉田内閣にはない。そこに厚生行政が伸びない原因があるのであつて、私に言わせれば、今ごろ社会保険を慎重に考えるなんてもつてのほかです。はつきりやつていただきたい。
○草葉国務大臣 いろいろと御激励をいただきまして感謝を申し上げます。お話のように厚生行政は最も大事なものであり、従つて明年度の予算におきましても、全般を通じてみますと、中心の力点を置いておる一つの吉田内閣の重点だと私どもは存じております。しかし日本の現状から考えまして、諸外国等の例を見ますと、なお十分にいたすべき点が多々あり、ことに保険の問題につきましては決してゆるがせにいたしておるものではございませんので、実は最近におきましても二、三これを進めて参りますが、いろいろ沿革がありまして、それぞれの該当者の方々が、従来の例あるいは沿革を強く考えておられるために、なかなかそのいわゆる切りかえ、転換、目標に近づくというのに困難があります。しかしそれらの困難等も打開いたしまして、今後十分努力いたして参りたいと思います。
○堤(ツ)委員 次に私はついでに緒方副総理にお尋ねいたしますが、赤い羽白い羽の今までの募金について、内閣はどう考えていらつしやるか、ちよつとこれを先に聞いておきます。
○緒方国務大臣 赤い羽、白い羽の募金が年々民間社会福祉事業の振興のために果して来た役割は、非常に大きいのでありますが、この羽に対する要望は、配分希望施設の増加傾向とともに、ますます切実の度を加えて来ておりますので、今後の育成につきまして一層努力をして参らなければならぬと考えております。
○堤(ツ)委員 はなはだもつてお粗末な答弁で恐れ入りますが、昭和二十二年から今日まで白い羽、赤い羽で日赤と共同募金で集めて来た金が九十四億であります。これは非常にたくさんな金です。資本家から吉田内閣が集められるように簡単に行きませんけれども、しかし大衆の零細なふところから執念にしぼり出しておる金であります。街頭ではみながしがみつかれていろいろの問題を起しておるし、またその間にはこの金をピンはねをして獄舎に入る人もできて来ますし、それから地方へ行きますれば、町内強制割当である。一体社会福祉事業というものを、こうした強制的な零細な募金によつてやつて行くことが正しいと思つていらつしやるかどうか。私はもし赤い羽と白い羽の募金について、それだけの答弁しかできないのならば、正しい社会福祉事業のあり方について、どういう認識をお持ちになるか、緒方副総理に承りたい。
○草葉国務大臣 お話のように白い羽募金いわゆる共同募金は、最初から今日までいわゆる国民の熱情がこもつた結晶と存じます。九十数億、百億に近いたつとい金であります。従いまして今後これが問題につきましては、募金の方法なりあるいは配分なりにつきましても、さらに検討の余地があると存じますが、民間社会事業の育成発達のためには、このたつとい国民の結晶とあわせまして、十分政府の力をこれに注いで、ともどもに民間社会事業の育成発達に努めたいと思います。 また赤い羽といわれております赤十字の募金等につきましては、本来は社員の募集によつて基礎を確立して行くのが当然であり、そうあるべきものだと存じておりますが、赤十字等のいろいろな特殊な立場から考えましても、民間の同情と義捐によることも必要であると存じております。これらの点につきまして、一層その内容、配分、募金の方法等につきましても、さらに検討をして万全を期して参りたいと存じます。
○堤(ツ)委員 私が一言いたいのは、この白い羽、赤い羽の募金が幾多のトラブルを起して、そしてとやかくの批判がある行き方に対して、徹底的に改善が加えられなければならぬということである。そして私は、白い羽、赤い羽の募金を見ておりますと、日赤さんにも共同募金さんにもまことに悪いけれども、日赤と共同募金とは、私の見たところでは犬猿の間です。日赤が金の集まりやすい時期をとつてしまうと、共同募金ではぶんぶん言つておる。そして今度は自分の方を集まりやすいときにまわせという。そしてたくさん集め合う。これは地方に行けば強制的で、やがて、軍隊ができ、警察国家になり、軍国国家になれば、政府を通じて強制義務になるでしよう、私はそう思う。こういう今のようなあり方でなしに、もつと納得の行くところの社会事業の育成の仕方というものがあるのではないか。零細な大衆の金を、後家さんの世帯、むしろ赤い羽、白い羽の募金の配分をもらわなければならないというところに集めに行つておる、こういうけしからぬことがしばしばあるのであります。従つてとれるところからもつととる。同時に社会事業の育成のあり方というものは、民間の寄付によつたり、また特殊事業家の慈善心にまつにあらずして、国家の事業として国庫金をもつてなされなければ、いつの日に浮ばれない人たちが救われるか。私は吉田内閣がどうかこの社会福祉事業に対する、赤い羽に対するところの今までのあり方に鋭い検討を加えられまして、是正されんことを要望いたしておきたいと存じます。 次にもう一つお尋ねいたしたいのは、この社会福祉事業が赤字続きであつて、慈善事業でやつておる人たちも倒れてしまいそうだ、また憲法の条項によつて国の金を施設の中に投ずることができないというので悲鳴をあげまして、去年の国会で、社会福祉事業振興会法という法律が、せめて安い利子で社会福祉事業に金を貸し付けて、これを助けて行こうじやないかというところに、超党派的に議員が協力しましてできた。それで当然本年度の予算の中には、少くとも五十億くらいこの振興会の金が盛られると思い、また厚生省自体も大蔵省に四十億たしか要求になつておつたと思うのですが、これがわずか三千万円に削られております。このいきさつはどうなんでございましようか。大蔵大臣と厚生大臣からお伺いしたいと思います。
○小笠原国務大臣 この点につきましては乏しい財源を分配する、こういうことでございましたので、新規計画は大体見ないという方針ですべてをやつておりましたが、この分については御趣意はよくわかりますから、特に一応三千万円だけ計上しておいたという次第でございます。
○草葉国務大臣 社会事業振興会法が提案されまして通過をして、一般私設社会事業はたいへんに期待を持つておられると存じます。しかしこれは実際運営して参りませんと、その内容がはつきりいたしませんので、まだこれが運営についての基礎段階も実はできておりません。そして当初の年度でもありますし、今後の運用いかんということが大きな問題になつて参りますから、まず初年度では、先ほど大蔵大臣のお話にもありましたが、新規事業は一切認めないが、社会事業の特殊性にかんがみて、一応まだ会もできておらないので、三千万円程度で計上して行こう、今後の進行状態を見まして、明年度以降においては検討し得ると存じております。
○堤(ツ)委員 これは大蔵省が社会事業などに金を出しておられないということで、厚生省が非常にお困りになつたといういきさつも聞いておりますから、これ以上いじめないことにいたします。 次に、質問がたくさんありますけれども、先に売春問題についてお尋ねをいたしたいと思います。大手を振つて売春の行われておる国というのは日本だけであります。これは各大臣がお認めになると思います。私たちがこの売春はなやかなる日本の今までの行政措置がどうであつたかということをふり返つて検討してみますと、昭和二十一年の次官会議には吉田内閣のもとでどういう決議がなされておるかといいますと、女性の売淫行為は必要やむを得ざる悪であるからというので、黙認しようという決議が、次官会議においてなされておる。この書類は今の総理府の総務課にありますが、この次官会議の決定によつてどうなつたかと申しますれば、銀行をして五千万円の融資を特飲街になし、ボスがこれに協力をいたしまして、警察がさらにこれを守つて、政府と銀行とボスと警察とで、このパンパン業を育成して来たのが吉田内閣であります。私がこう申し上げますと憤慨なさるかもしれませんけれども、女性の基本的人権が認められながら、女のからだをより多く売らせることによつて、いかに金をもうけるかというところの悪辣な業者をして繁栄せしめておる今日の政治の貧困は、国際的な恥辱である。この次官会議が、必要やむを得ざる悪などと言つて黙認するようなことはやめようということで、また次官会議で、はつきりこれを絶滅しなければならないというようなことをお考えになつたということを、いまだかつて聞いたことがない。犬養法務大臣は、前の国会におきまして、藤原道子、加藤シヅエの参議院の予算委員会、本会議における質問に対しまして、まことに目に余るものがあるから、次期国会においては売春を禁止して、対策を総合的に講じるということを御答弁になつておりますが、もはや二月も中ごろでございますが、今国会でまだ売春の問題に政府が触れられた業績を見たことがないのであります。一体次官会議のこの決定はそのままになさるのでありましようか。それをまず承りたい。
○犬養国務大臣 売春問題の対策につきましては、堤さんよく御承知のように、このたび売春問題対策協議会ができまして、先日第一回の発足をいたしました。ここにすべての議題を載せるわけでございますが、私の考えをはつきり申し上げますれば、昭和二十一年の次官会議の決議は、当時の敗戦直後の混乱した社会情勢を反映しているものとはいいますものの、これは私は取消したいと考えて、その方向に向つていることを明確に言明申し上げたいと思います。
○堤(ツ)委員 昭和二十一年の次官会議の決定を取消すということをおつしやいましたので、私といたしましては非常に満足いたします。そうでないと、吉原あたりの特飲街に行つてごらんなさい。政府が良家の子女を守るべくどうぞよろしく商売をやつてくれとおつしやつたと豪語しております。政府がこの方針をはつきりしない限り私はいけないと思う。どうか人を殺したと同様、人の物を盗んだのが犯罪であると同様に、女の売春は犯罪であるというところの国家的なレッテルを張つてもらいたい。いかに地方条例をつくりましても、困つたところだけがこうやくを張るように対策を講じておりましても、地方条例のないところがまたふくれ上つて、今日赤線地帯、青線地帯、準赤線地帯、三者を合せて、いかがわしい旅館や待合などを合せますと、これは実に五十万に上るといわれておる。これは犬養法務大臣に御覚悟願いたいのは、非常に残念なことには、政界や官界や財界の方々が、この悪徳業者と御縁が深いということでございます。私は名前をここで申し上げるのは避けますけれども、吉原の組合の事務所に行きますと、現閣僚の揮毫が振われておる。しつかり売春をやりなさいと言わんばかりに激励をしていらつしやる。それから特飲街の外郭団体であるといわれるところの、名前ばかりは全国性病予防自治会といつて美しゆうございますけれども、これの協賛員には確か総理もその一人になつていらつしやると私は聞いておるのであります。総理以下現閣僚の中に淫売を奨励するようなものの顧問になつていらつしやつて、業者がこれを吹聴しておるということは、保全経済会や造船汚職と何らかわるところがない。しかもこれは地方だけにあらずして、都道府県、市町村会議員の保守系の方々には、芸者置屋の御主人もあれば、いかがわしいパンパン・ホテルの経営者もある。女の子のからだを売らせて、それで巻き上げた金を選挙費に使つて、善良なる市民の代表というのでありますから、恐るべき国家であります。国会議員にさえも数名おいでになることは、皆さん御承知の通りでございます。私はこういう実態を考えますとまに、犬養法務大臣はしつかりと覚悟をなさらないと、その辺で反撃にあうて売春禁止法はものにならないのではないかと思うのでございます。その証拠に、売春禁止法をもしお出しになる覚悟があるならば、二十九年度予算の中に、その裏づけ予算が当然組まれておらなければならない。私は、国家の犯罪としてレッテルを張るばかりでたく、農村の売られて行く娘、転落した未亡人世帯には、かくかくしかじかの国家資金をもつてこれを保護更生させる、転落防止をするところの予算の裏づけがこの予算の中にあつて、そうして業者を厳罰に処するという、この三本立てで行くのでなければ、法律というものはできないと思う。そうでなければ、業者は、おれたちはあしたからどうして食つて行くと言つて、向つて来るでありましよう。あるいは転廃業の期間を与えなければなりませんけれども、悪徳業者のごときは、ポン引であり、あの麻薬の売買業者であり、そしていかがわしいボスたちでありますから、こんなものは社会から滅びてくれたらいいので、あすから食うに困るなら、刑務所に入らなければならぬほどの、そして社会人として再び立つあたわざるところの厳罰に処してよろしいけれども、ここに非常に問題にしなければならないのは女性である。日本の女は女一人で売淫さえもできない。ポン引がつき、ひもがついて、六〇%搾取されて、初めて売春行為をやる日本の女の現状というものは、愛情をもつて政治が救わなければどうにもならないのである。そうすると婦人福祉の面から、転落防止のための資金の貸付や、零細農家が馬を売る前に、東北のごときは娘を売るといわれておりますが、その場合には農家に長期低利の融資が協同組合を通じてなされなければならない。未亡人母子世帯には、その百世帯に幾件というような零細な福祉資金の貸付にあらずして、住宅問題、医療問題、税金問題、供出問題も含めたところの母子福祉法ができて、この世帯を国家の資金で守らなければ、売春行為はなくならないのである。でありますのに、この予算には売春禁止法の裏づけになるところの予算がびた一文組まれておりませんが、口の先で誠意だけ言つてもらつてもわかりませんから、私は犬養さんになぜがんばつて予算の中におとりにならなかつたかということをお尋ねいたしたい。
○犬養国務大臣 お答えいたします。伺つておりますと理路整然としておりますが、事情は私と同様にあなたもごくお詳しい方でありますから、お互いにここで詳しい事情をまた繰返して申し上げたいと思います。 この売春問題というのは、私はやはり主体は法律でもつて取締ることであると思います。今まで売春問題の解決の延びましたのは、法律で取締つただけではだめなので、総合対策をしなければならないから、いろいろの方面にわたつて研究しなければならないので、すぐに取上げにくいというのが、売春問題と正面から取組まない弁解になつておつたわけであります。そこで今おつしやいました通り、農村の身売り問題、これを防止するには、あるいは低利資金の貸付というようなところに広がつて行かなければならない場合も多いと思います。また売春を一旦業としたけれども、しかしこういう仕事はいやだと思つても、今たびたびお話が出ましたが、雇い主、ボスといいますか、そういうところとの借金関係が深刻で抜けられない。かけ込むところもない。総合対策にも、かけ込む婦人ホームのようなものをつくる必要がありましよう。またどうにもこうにもならないから先君婦になろうか、しかしいかにも残念だ、相談したいという、そういう相談の場所も今はない。これも必要でございましよう。しかしそういうことを全部、取上げておりますと、あなたは一番よく御承知のお一人と思いますが、なかなか問題が先へ延びますので、あなた方の御熱情にこたえまして、まず法律をもつて売春を取締り、ことに昭和二十一年の社会上必要やむを得ざる悪だという次官会議の決議といいますか、あれを取消す行政措置に出ることが明確な第一歩である、こういう方針で私がやりましたら、たいへんおほめにあずかつたわけなのでございます。物事全部、それは負けた貧乏国で、言えばきりがございません。どうやれば売春問題の一番の中心をつく措置になるかといえば、私は法律ととつ組むことをまつ先にしたい。そのあとたくさん欲はございますけれども、それを一々解決していたのでは、協議会も私は発足しなかつただろうと思うのであります。ですから、何事もしたいが、敗戦国の事情から考えますと、まずできることをして、当然それに付随して来なければならない副次的な諸事情をそれでひつぱつて行く、こういう方針をとつた次第でございます。
○西村(直)委員長代理 堤君に申し上げますが、時間が大体来ておりますから、なるべく簡潔に願います。
○堤(ツ)委員 犬養法務大臣が閣僚の中で一番御熱心でありますし、私も少し責め過ぎたかもしれませんけれども、車の両輪のごとく婦人の福祉行政と売春禁止とがなされなければならない。従つて私も犬養さんと同じでございまして、食つて行けない女性があつて、生活上やむを得ないでやつているんだから禁止もしないということはりくつが通りません、手放しでいいというわけではございませんから、禁止を先にするということはけつこうでございますが、もう補正予算には触れないとおつしやつておりますけれども、補正予算はだれが見たつて、大蔵大臣にはまことに申訳ございませんが、必要でございましよう。ですから、補正予算の際には、その禁止立法のあとを追つて、予算の措置をおとりくださらんことを法相にお願いしておきたいと思うのでございます。そうしてでき得るならば、この法案が出ましたときには、超党派的に国会議員の良識をもつて通過させるように、各党で努力をなされると思いますけれども、法務大臣はどうぞ悪徳飲食店の御主人や、また大きな料理屋のいかがわしい芸者置屋の御主人と因縁の深い閣僚諸公や代議士諸公には、私あえてあばくことをいたしませんから、それとなしに御注意いただきたい。もしそういう人たちの力が加わつて、これが国会を通らないということになりますと、ますます国辱であります。日本は四百年来の売淫を法律で禁じようとしたけれども、四百六十六人の国会議員のうちの過半数が反対をして通らなかつたということになれば、自由党さんのためにも、もつてまことにお気の毒な結果になると思いますので、国際的恥辱を避けるためにも、(「そういうことを言うんじやない」)そういうことを言うんじやないとおつしやいますけれども、まつこうから反対してやるといつて、腕つぷしをさすつていらつしやるのが保守党に百人あるということを、業者が公表しておるのでありますから、こういうことを申し上げるわけなのであります。 次に、もう一つ犬養法務大臣にお尋ねいたしたいのですが、あなたは東京の山谷街に夜お行きになつたことがございますか。
○犬養国務大臣 忙しくて、ございません。 〔西村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
○堤(ツ)委員 法務省に行きますと、法務省のおえら方は、みないらしたことがないらしいのです。私は遊びに行つてくださいというのではございません。あそこへ夜の十一時に行つてごらんなさい。一間の間に三人や四人の女の人が、二百円くらいで売淫しようとして立つていないことはない。そこには怪しい三本の温泉マークの宿があつて、人身売買と性病の巣窟になつておる。善良なる市民はうつむいて通らなければ通れないところである。ああいうところが大手を振つてどんどんふえて行きましたならば、善良なる市民はそのパチルスのためにやられてしまう。時間がありませんから簡単に申し上げておきますが、どうか犬養法務大臣は部下を督励されて、共産党やデモばかりを坂締つておられないで、ああいうところに警官の壁でも張つて、人身売買や売春の絶滅を期していただきたいということを、お願いいたしておきたいと思います。 最後にもう一つ厚生大臣にお願いいたしたいのは、私は何もあえてきたないことを申し上げようとは思いませんけれども、現在の日本の社会というものは、非常にいびつでございます。たとえば、銀座の表はきれいに鋪装されて、それこそ世界一流のスタイリストが歩いておりますけれども、一歩、一道を中にはさんで裏の通りに出てごらんなさい。どろ沼であります。上水道ばかりで下水道はない。いなかの女の子はパーマネントをあてておるけれども、頭にしらみがおる。農村は寝間をあげないでのみだらけ。ねずみは人間の食糧の五分の一を倉や小屋で食つておる。映画館へ行けば臭くて不衛生でおれない。公衆便所は臭気ふんぷんである。ことにもう一つ言葉を継いで気の毒でありますけれども、糞尿の処理に至つてごらんなさい。東京都は糞尿をどこに捨てておるか。のりの栽培をしておる隣に、砂を掘つて糞尿を捨てておる。実に東京都民のうんこの始末さえもできないのが、今日の厚生行政の実態である。私は、厚生省は今日いかなる仕事をしなければならぬかということを、真剣に考えていただきたいと思う。昨日大蔵大臣は、日本経済の基調は国際経済の基調と歩調が合わなければいけないということをおつしやいましたけれども、日本人の福祉の面から考えますときに、小さなからだをした偏食の日本人が、青い顔をして、みんながいがみ合つておるのであります。貧乏ゆえでありますけれども、そこにはもう一つ文化国家にふさわしいからざるところの厚生行政の貧困があるのであります。こういう面は公衆衛生局の予算をもつとふやさなければならない。環境衛生部が積極的に農村の簡易水道をふやして、そうして農村の女性解放を実際にやらなければならないという問題がありますのに、行政改革、機構改革が唱えられるごとに、環境衛生部や公衆衛生局の存廃が、しばしば問題になるのであります。厚生大臣は、こうした公衆衛生局、環境衛生部の存廃問題に対して、いかなる熱意を持つておるか、お答えを願いたいと思います。
○草葉国務大臣 お話の通りに、厚生行政の面において、環境衛生部、公衆衛生局は中心になつて、もつと積極的に進むべきものと存じております。従いまして今回の国会に対しましても、従来の法律を根本的に改めまして、糞尿その他の取締りについても十分なし得る新しい法律案を御審議いただくということで、清掃法案を提案しておるのでありまして、今後積極的にこれらの問題に処して参りたいと存じております。
○堤(ツ)委員 公衆衛生局や環境衛生部の予算が削減されて進歩が見られないから、私はこれを言つておるのでございまして、どうぞひとつ今後しつかりやつていただきたい。 次に、社会保障制度審議会は、過去数年にわたつて政府に答申をしておりますが、政府はいまだにあの勧告をお聞きになる態度が見られない。今日以後厚生大臣は、社会保障制度審議会の答申に対して、どういうふうにお考えになつておられますか。
○草葉国務大臣 十分尊重いたしまして、速急にでき得るものは順次これを実行に移す予定で進んでおります。
○倉石委員長 堤さんお申合せの時間がございませんが。
○堤(ツ)委員 時間がございませんので私はこれでやめますが、大よそ国民生活と縁遠いところの待合の取引などが、しばしば古い政治の形のまま行われて、予算委員会などにおいても数字の上に立つて、国民生活とつながりの深い問題がえぐられないことを、私は非常に残念に思うのでございます。どうか厚生大臣は、私はこまかい面から、こういうことを申し上げましたけれども、これがほんとうの国民のための政治であるということを御了承願いたいと存じます。
○倉石委員長 それでは午後二時より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。 午後一時休憩 ――――◇――――― 午後二時十九分開議
○西村(久)委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。 質疑を継続いたします。船越弘君。
○船越委員 私は厚生大臣にまずお伺いをいたしたいのでありますが、わが国が占領されました当時、いろいろ国情に合わないところの諸法律がたくさんできております。一昨年独立いたしまして、自由党としてはできるだけ行き過ぎの是正をやろう、こういうことを国民に公約をいたしておるのであります。その行き過ぎの法律の一つといたしまして大麻取締法というものがあるのであります。この大麻取締法に基きまして、わが国の二万七千になんなんとする農民が、毎年大麻をつくるために一々所管官庁の許可を得なければならない、こういう状態になつておりまして、農民がまことに不便を感じている。それがために次第に大麻の生産の減産を来しておる、こういう状態になつております。それでまず厚生大臣にお伺いいたしておきたいことは、この大麻取締法が昭和二十三年七月十日法律第一二十四号でできまして、爾来二十八年までに四回の改正が行われております。二十八年になりまして、従来部落代表として一括して許可を得ておつたものが、突然個人々々の農民が許可を得なければならない、こういうふうな行政指導をなさつておられるように聞いておりますが、事実でございましようか。
○草葉国務大臣 お話のように、改正いたしました後におきまする大麻取締法におきましては、個人及び法人を対象にいたしておりまして、部落という一括して許可免許というものをとりやめにいたしております。
○船越委員 部落代表として許可をすることをおやめになりました原因はどこにあるのか、個人々々の許可でなければなぜこの法律の目的を達することができないか、その点に私疑問を抱いております。と申し上げますのは、実際にわが国においてこの大麻をつくりまして、これを麻薬剤として使用したという人の話を、私はいまだかつて聞いておらない。しかもなおこの法律の根源をなすところの一九二五年の第二阿片会議ノ条約に基いて、わが国が昭和三年十二年二十八日に批准をいたしておりますが、占領軍がわが国へやつて来るまでは何らこの大麻に対する取締りというようなものはなかつたのであります。それがポツダム政令によりまして、何らわが国内において害毒を流したことのない大麻に対しまして、突然こういうまことに厳重な法律をおつくりになつた。しかも年々これを加重されまして、農民にいろいろな不満をお与えになつておるわけなんです。まず第一番に、部落代表として一括して許可をなぜ与えられないか、その理由についてお伺いいたします。
○草葉国務大臣 大麻の栽培者は麻薬中毒患者であつてはならないという一つの根本原則に基きまして、従つて個人か法人の責任者ということに目安を置いたわけです。部落でありまするとその許可、認可の場合に明瞭を欠くという点から、今申し上げましたような改正に相なつた次第であります。
○船越委員 国民に何か実被害が及んだことがございますか。
○草葉国務大臣 これは学者の調査によりますと、大麻草の中には耽溺性の成分が相当ある。従つて取締りの対象になる。ことにそれが駐留軍基地等における、いろいろな犯罪等と結びついておるという点においての取締りという結果に相なつておる次第でございます。
○船越委員 私のお尋ねいたしますのは、実際に駐留軍の基地付近におきまして、駐留軍に迷惑を及ぼしたことがあるか、あるいはまたわが国の国民にこの大麻からとつたところの麻酔剤で害毒を及ぼした事実があるかどうかということなんです。
○草葉国務大臣 ただいま手元に資料を持ち合せておりませんが、大体は大したことはないと記憶しております。
○船越委員 実際に法律が目的としておる事態の発生がないのでございますから、こういうような法律はできるだけ緩和してもらいたい。しかるに年々これを非常に重大視せられまして、法律を強化なさつておられる。しかも農民には免許手数料あるいは戸籍抄本、身体検査書、身元証明書、こういうようなものを一々つくらせて許可制度になさつておられるのは、私は行き過ぎではないかと思うのであります。従いましで、できるだけこれは部落代表として一括免許をお与えくださるように、元の方法にもとしてもらうか、あるいはまたこれを届出制度にしてもらうか、私は、むしろこれを廃止いたしましても、決して国民に迷惑を与え、あるいは駐留軍に迷惑を与えるようなことはないと思うのであります。インドの麻とわが国で現在つくつておる麻とが同じ種類に属しておるということでございますが、日本でつくつておるところの麻の実は、御承知のように、私どもは食べておる。ですから、原種はなるほど一つかもしれませんが、相当改良されまして、日本の麻については大した被害を国民に与えるようなことはないと思います。従つて、まず免許制度にしていただくか、あるいは将来これを廃止していただくようになるのか、その点についてのお考えをお伺いしたい。
○草葉国務大臣 お話のような点もありまが、最善これはだんだん緩和するという方針をとつて参つております。従来は種子に対しては同様に取締りの対象にいたしておりましたが、たしか昨年の改正で種子は落してしまいました。また免許も、従来は厚生大臣にいたしておりましたのを、府県知事といたし、報告等も従来の相当めんどうなものをなるべく簡略にいたして参つたのであります。従いまして方向といたしましては、なるべくめんどうでない簡易な方法にいたしたい。ただいまお話になりましたような種々の点もありますから、今後かような点につきましては、さらに一層検討いたしたいと考えております。
○船越委員 次に、農林大臣に今の大麻の問題についてちよつとお尋ねしたいのでありますが、あなたの手元にも全国からたびたび陳情書を出しておると思います。今厚生大臣の仰せになるように、できるだけ緩和の方向に持つて行きたい、こういうことでございますが、農林大臣の所見をお伺いしたい。
○保利国務大臣 大麻は全国で五、六県の地方にわたつて相当大事な農作物になつております。お話のように、なるほどそれは何ほどかの麻薬原料の成分が入つておると言いますけれども、日本の大麻で麻薬に用いられたという事例は、私ども聞いていないのであります。これはできるだけ簡易に扱うようにぜひひとつ政府部内でも検討いたし、御趣意に沿うように私も努力いたすつもりであります。
○船越委員 ただいま大麻の問題について厚生大臣にお伺いしておつたのでありますが、この一九二五年の第二阿片会議ノ条約に基いて、大麻取締法というものができたということを私は聞いておるのでありますが、この条約に加盟をいたしまして、終戦に至るまでこの大麻に対する取締法というものはわが国にはなかつたのであります。そうするとこの条約に加盟をしても、こういう法律はなくてもよいのではないか、すなわち国際信義にもとらないのではないかと思いますが、いかがでございましようか。
○小滝政府委員 お答えいたします。仰せの通り一九二五年の条約に加盟いたしましたが、爾後実害がなかつたので、国内法として制定する必要を認めなかつたというような関係で、この国内法の制定を見なかつた次第であります。
○船越委員 先ほど厚生大臣の御答弁にも、実際に実害はないかのごとき答弁をなさつたのでありますから、この法律を廃止しても国際信用を低下せしめる原因にはならないと思いますが、いかがでございましようか。
○小滝政府委員 御承知のように、この取締法は昭和二十三年にできたのであります。ところが一方条約に加盟いたしておりますので、せつかくできたものであり、今これを廃止するとなれば、結局そうした措置をとらないという意思表示にもなろうと思いますので、政府としてはこの法律を廃止する意思は持つていない次第であります。
○船越委員 しかしこの条約に加盟しましてから昭和二十三年まで、こういう法律は、実害がないのですからわが目にはつくつてなかつたのです。ところが占領政策の一環として、ポツダム政令によつてこの法律ができ上つた。わが国は独立を回復しておるのでありますから、これを廃止しても国際信用を低めることはないと思います。ただこの条約の中に「締約国ハ印度大麻及特ニ其ノ樹脂ノ国際的不正取引ヲ防止スルニ適スル有効ナル取締ヲ実行スベシ」ということになつておりますが、この有効なる取締りを実行するという意味はどういうことでございましようか。
○小滝政府委員 有効なる措置というものは、結局国内法によつて各国の事情によつてきめらるべきものであつて、それが結局、取締法が出るという関係にある、そう了解しております。
○船越委員 結局全国二万七千人の農民が、大麻をつくるために一々やつかいな書類の手続をしなければならないのです。しかもその法律というのは、わが国民の自由意思に基いてつくつた法律ではない。しかも実害はない法律です。実害があれば法律でこれを取締るということになりますが、実害が現実になかつたのにこういう法律ができ上つた。それがために農民が不便を感じておりますので、農林大臣、外務大臣、あるいは厚生大臣ともどもに十分御研究くださいまして、できれば廃止するように努力してもらいたい。もし廃止ができなければ届出制度にとどめてもらいたい、こういうことを要望いたしておきます。 ついでに農林大臣にちよつとお伺いいたしますが、内閣法制局で廃止される法律の中に、あなたの御関係の家畜保健衛生所法という法律があるのでございます。この法律に基きまして、御承知のように、全圏に数百箇所の家畜保健衛生所というものが設けられております。この法律が廃止されますと、こういう保健所がなくなることになると思いますが、いかがでございますか。もしなくなるということになりますと、せつかく農林大臣が一生懸命になつて畜産の奨励をなさつておられるのに、畜産振興に逆行するような結果になりはしないかと思うのであります。従いましてこの法律が廃止されるのかどうか、また廃止されることについて農林大臣はどういうふうにお考えになつているか、御意見を聞かしていただきたい。
○保利国務大臣 お答えいたします。ただいまのお話は私どもまつたく同様に考えております。 〔西村(久)委員長代理退席、西村(直)委員長代理着席〕 畜産の意義がこれからいよいよ大事になつて参りますときに、この法律を廃止することは畜産振興の政策と逆行して行くという考えで、ただいま内部的に検討いたしておりますけれども、そういう方向に進みたいと考えております。
○船越委員 大蔵大臣に数点お伺いしてみたいと思います。 このたびの緊縮予算を編成なさるにあたりまして、大蔵大臣は異常なる御努力をもつて一兆円のわく内にこの予算を切り詰められたということにつきましては、われわれは最大の敬意を表しておる一人であります。しかしながら財政演説にもありましたように、一兆円という一つのわくは別に大して意味があるとは思いません。心理的な作用がある程度のものだと思いますが、この一兆円の予算のわくということは、一応形式的には整つておると思いますけれども、何か抜け穴があるような感じがいたします。それはこの予算説明書にもありますように、連合国財産補償費として約二十六億円計上なさつておられる。ところがそれは財政法四十二条の特例法をお出しになりまして、二十七年度の残額七十億円と、二十八年度の未使用額の四億円とを合して百億円として御使用になるように説明をされております。そういたしますると、まず七十四、五億円というものは、一兆円のわくから外へはみ出ることになると思いますが、実質的にはそういうふうになるのではございませんか。お伺いいたします。
○小笠原国務大臣 大体において百億円ということが最大限になつておりますし、また現実に払われておりませんので、百億に満つるものを計上した次第であります。さらに数字的にこまかいことは主計局長から説明いたさせます。
○森永政府委員 前々年度及び前年度の繰越額があるわけでありまして、本来ならばその分が今までに出ておるわけでございますが、事務の都合によりまして支払いが進んでいない。従いましてその分を来年度分に充当することにして、足りない分を来年度に計上することにいたしたわけでございまして、来年度新たに必要なものは二十五、六億、そんなような考え方をいたしておるわけであります。従いまして今言われましたように、ことさら不熱心にやつたというような性質のものではないわけであります。現実にそれだけ余つているものを来年度に繰越して使う、それだけの意味でございます。
○船越委員 別に私はひがんで質問をしておるのではございません。九千九百九十五億円の予算でございますが、もし連合国財産補償費を百億円使うということになると、実質的には一兆円をはみ出るのじやございませんでしようか、こういうふうにお尋ねいたしたのでございますが、いかがでございましよう。
○森永政府委員 ただいまのような意味のいわゆる繰越しでございますと、この経費のほかにもいろいろあるわけでございまして、他面、来年度の経費から再来年度に繰越されるものもあるわけでございます。精密に申しますと、そういう繰越しの関係を正確に計算をして来年度の予算規模がどうなるかという計算をすべきかもしれませんが、この繰越し関係は将来のことに属しまして、今のところ的確にこれをつかめません。従いまして、予算の規模を比較いたします場合には、従来とも繰越しの関係を除外いたしまして、当年度の予算額だけで議論をいたしておるわけでございまして、そうい意味で九千九百九十五億ということで申し上げておるわけでございます。繰越しの関係を拾つて参りますと、ほかにもいろいろな要素があることを御承知いただきたいと思います。
○船越委員 主計局長の仰せになりますように、もちろん繰越額、あるいは二十九年度から三十年度への繰越額を検討しなければ予算規模の確定というものはあり得ないと一応私も考えますが、このほかにいろいろあるというお話でございましたから、もちろん、私がこれから質問する点についても、そういう意味だという御答弁があるかもしれませんが、第二にお尋ねいたしたいのは、租税払いもどし金でございます。この租税払いもどし金が、私の聞くところでは、当初の大蔵省原案には九十億円ばかり載つておつたという話なんです。ところが、このたび上程なさいました二十九年度の予算には、どうもこれが削除されておるように見受けられるのであります。二十七年度の決算額は、租税払いもどし金が六十六億三千百万円ということになつております。そうして、二十八年度の予算額では六十億が計上されておる。二十九年度に限つてこれが載せられておらないのはどういう理由であるか。また、二十九年度は租税払いもどしをなさるお金はどこから出されようとしておるか。その点をお伺いしたい。
○森永政府委員 二十八年度予算におきましては、ただいまお話がございましたごとく、租税払いもどし金は、当初予算におきまして六十億円、補正で追加いたしまして三十億円、合せて九十億円を計上いたしました。ところがこの租税払いもどし金につきましては、昨年の夏ごろから問題があつたのでございますが、最近青色申告の普及でであるとか、いろいろなことで、払いもどしをしなければならぬ場合が非常に多いわけでございます。それを予算に計上して、歳出としてやつておつたのでございますが、往々にして払いもどすべき金額が多く、予算が足りない。そうしますと、これは早く返さなければならぬ金でございますから、どうしても納税者の方に御迷惑をかける。昨年は銀行から金を借りるというような窮余の策までも講じたわけでございます。従いまして、租税払いもどし金の制度といたしまして、これは歳入歳出外として処理すべきではないか、すなわち租税払いもどし資金というようなものでも設けまして、歳入歳出外でこの払いもどし金を処理して行くことが、事務を迅速に処理し、かつ納税者にも御迷惑をかけないゆえんではないかというようなことで、昨年の九月ごろからこれを歳入歳出外として処理することをぜひやつてもらいたいという国税庁方面の要請があつたわけでございます。ところが、年度の途中からやりますと、いろいろややこしい関係が生じますので、爾来ずつと研究しておりましたが、来年度の予算の機会にぜひこれを実行いたしたいということで、通常の租税払いもどし金は歳入歳出外として処理する。但し、政府の払いもどすべき金に利子をつける場合がございますが、このつけるべき利子は、従来のように租税還付金として予算に計上する、そういう建前で予算を組んだわけでございます。従来も、払いもどし金以外に、将来納付すべき租税に充当するような場合、すなわち政府の方が払いもどすべき債務があるわけですが、その債務をその人の将来の納税に充当するような場合は、すでに同じような取扱いになつておつたのですけれども、今回は思い切りまして、納税義務者の便宜をはかるためにかような制度を考えたわけでございます。従いまして、今回の予算編成の当初の案にもこういう経費は実は計上いたしておらなかつたわけでございまして、昨年九月ごろからの計画の一端として払いもどし金を計上いたさないことにいたしたのでございます。
○船越委員 そうしますと、払いもどしをなさる場合にはどういうところから出されることになるのでございますか。
○森永政府委員 租税収入として入つて参りましたものから払いもどしをいたしました残りが、この予算に計上してある租税収入になるという、そういう観念でございまして、払いもどしの手続は従来通りでございます。技術的な方法といたしまして、租税払いもどし資金というようなものをつくらなくちやいかぬと思いまして、それに関しましては、別途法的措置を命ずるつもりで目下法律案を準備いたしております。
○船越委員 第三点として御質問したいのは、これは通り抜け予算でございますけれども、例の入場税を国税に移管することになつております。そうして百九十一億円を大体目標にされておりますが、これを二十八年度の予算編成の方式でおやりになると、この百九十二億円というものは当然歳入に一応組まなければいけない、そのうちの九割を今度は歳出としてお組みになることになると思います。ところがこれか特別会計になさつておりますから、一般会計面にはこれは一割の十五億しか現われて来ておりません。百九十二億円の一割だけが一般会計に現われておることになつているわけなんです。こうすると、やはりこの九千九百九十五億円というわくの外にこういうものがあるような感じがわれわれ国民としてはするのでありますが、いかがでございましようか。
○小笠原国務大臣 入場税の問題は、御承知のごとくあのときは遊興飲食税もやりたいという考えであつたのでありますが、いずれにしましても、この方は、そのうちの九割を地方の方へ譲与税として譲与するという建前になつておりましたので、当初から今の百七十三億、九割だけ返す、あと残りだけ返つて来るのだから、そういう特別会計を通じて出す方がかえつてはつきりする、こういうふうに考えましたので、まあいわば、性質上も、地方税から国税に移管したというものの、地方税的性質を打つている、こういうふうにも考えましたので、特別会計をつくつて、一般会計に入れますものはその一割だけにとどめた次第でございます。
○船越委員 私は、財政問題については全然しろうとでありまして、どうもよくわからないのでありますけれども、こういうふうな点を見ますと、この九千九百九十五億円に私はこだわるのではありませんけれども、どうも抜け穴があつて、実際にお使いになるものはそれ以上にふくれて行くような気がいたすのであります。もちろん二十九年度の予算が三十年度にどれだけ繰越しになるかわかりませんけれども、どうも私はそういう感じがしてしかたがない。特に大蔵大臣は、財政演説にもはつきり申しておられます通り、また、信念を持つてこの予算を編成なさつたのでありますから、予算の実施については厳重な監視をなさることだろうとは思いますけれども、どうも私は不安でならない。しかも総理大臣がいつか言われましたように、測候所の天気予報のような程度の信念ではどうにもならぬのでありますから、十分この点は御注意が願いたいと私は思うのであります。 次にお尋ねいたしたいのは、二十七年度から二十八年度への繰越額で防衛費がおもになつておると思いますが、どれだけ繰越されておるのか、また二十八年度から二十九年度へどれだけ繰越しになる見込みであるのか、その点をお伺いいたしておきたい。
○小笠原国務大臣 防衛関係のものについて見ますると、二十七年度から二十八年度へ繰越されておるのが、保安庁の経費で二百八十億六千四百万円、安全保障諸費で五百三十一億円、防衛支出金で九十一億二千二百万円あるのでありまして、合計いたしますると、九百二億八千六百万円、こういうふうになつております。ところがその後二十八年度から二十九年度までへの支出見込みを調べておりまするが、これはまだ今のところ明らかでありませんけれども、去年の十二月末日現在で支出済み額を調査いたしましたところ、大体防衛支出金で支出済み額が四百九十九億円、保安庁の経費で支出済み額が四百五十五億円、安全保障諸費で百五十八億八千万円、こういうようなぐあいに支出されておるのでありまして、これを前年度とちよつと比較してみますると、この支出済み額の割合は非常に増加いたしておるのであります。従いまして今度の繰越額は今のところはつきりいたしませんけれども、前年度ほどそう大きくはないと思つておるのでございますが、実は二十九年度の予算編成方針に基きまして、一昨日の閣議決定でさらに通牒を出しまして、二十八年度の残額使用についても二十九年度の方針で、これは船越さん御承知のように期末になると出張的なものか多くなつたり、あるいは調度品などを一ぺんに買つたというような例等もよくありますので、そういうことが一切ないようにこまかい通知を出すことに決定しまして、やつて参ります。従いましてこの繰越額を減すために無用な歳出をやるというようなことは一切ないように措置いたしまするが、ただ全体から見まして、二十七年から二十八年に繰越したほどの繰越額はない、かように信じております。
○船越委員 森永主計局長にちよつとお尋ねいたします。大体二十八年度から二十九年度への繰越しが、防衛関係費ばかりではございませんが、はつきりしたことはもちろんわからないと思いますが、大体概数でけつこうでございますから、一切でどれだけ繰越しになるような状態でございますか。
○森永政府委員 ただいま大臣からお話があつたのでございますが、まだ的確なことはつかまつておりません。予算全体で申しますと、二十八年度の予算額が一兆二百七十二億でございましたが、そのうち十二月末までに支出済みになりました金額は七千七十四億でございます。昨年は九千三百二十五億に対しまして十二月末までに六千百十二億でございまして、割合から申しますと、全体として支出の状況が進んでおるということが言えるのではないかと存じます。繰越し関係で問題になりますのは、一般の経費につきましては、繰越明許がついておりますのが相当ございます。それらのものにつきましては一つ一つの積算が今日まだできませんので、どれくらいになるかちよつと見当がつかないわけでございます。が、おなものについて申し上げますと、防衛支出金、これは大体繰越額はほとんどない見込みでございます。保安庁経費は、先ほど大臣のお話にもございましたように、四百五十五億支出済みでございまして、昨年度に比べますと相当進捗しております。そうして今後まだ相当支出すると思いますが、それにいたしましても、おそらくは百数十億くらいのものが繰越されるのではあるまいか、そうい予想でございます。目下のところは百六、七十億の見込みでございます。それから平和回復善後処理費、これは先ほど御質問にもございましたように、前年度と合せて大体七十五億くらいのものが繰越しになりまして、それに平年度の予算を合せて百億を来年度予定しておるわけでございます。それから安全保障諸費でございますが、十二月末までの使用状況は、先ほど大臣からお話がございましたように百五十八億でございまして、金といたしましては年末に三百七十億くらいのものが残つております。これが三月までにどれくらい使われますか、目下のところ的確な見込みが立たないのでございますが、契約を済ませましても、その契約に基く現金の支払いが来年度に越されるというようなものを含めまして、これまた百七、八十億くらいのものは現金の支払いが繰越されることになるのではあるまいか。大体そのような見当をつけております。的確なことは今のところはまだ申し上げる段階にございません。その他の経費につきましては、一々の積算がちよつと困難でございますので、先ほど申し上げました予算全体の支出済みの状況をもつて昨年度よりは繰越しが少いだろうというくらいのところで御了承願いたいと存じます。
○船越委員 的確な数字がわからないので、二十九年度の予算の規模というものもまだはつきり私にはわからないのでございますが、それにいたしましても、とにかく相当厖大なものが繰越しされることは間違いないと思うのであります。従つて私が大蔵大臣に特にお願いいたしておきたいのは、こういうふうな相当大きなものを繰越されるのでありますから、予算編成をなさる当時の大蔵大臣の信念をぜひとも二十九年度最後まで続けてもらいたい、こういうふうに私はお願いしておくのであります。 なお保安庁の官房長が来ておられますか。
○西村(直)委員長代理 今要求しておりますが 自治庁長官が見えましたから、先になさつたらどうですか。
○船越委員 それでは自治庁長官にちよつと一点だけお伺いしておきたいと思います。このたびの予算規模は、御承知のように相当圧縮を受けております。この圧縮を受けたそのしりが、自治庁長官がいつも仰せになるような末端の自治体に相当しわ寄せされるのではないかと思う。まだ特にそのしわ寄せの中に私たちがどうしても解せない面があるのでありまして、その点についてお伺いいたしておきたいと思う。といいますのは、末端の町村におきましては、いろいろ負担金とかあるいは負担金とかいうものを仰せつけられる、またこの分担金、負担金というものを拒否いたしますと、いろいろな圧力が加わりまして、実際の行政面がうまく行かないという現状が現われておる。もつと具体的に申し上げますと、国が当然負担しなければならないようなものでも、末端の町村に寄付を仰せつける。いろいろな庁舎を建てる予算がない、町村でこれだけ負担をしてくれ、こういうことを言うのです。基準局を建てるとき、あるいは安定所をつくるという場合に、一々末端の町村から寄付金をとる、または警察の自動車を購入する、寄付してくれ、こうやつて来るのであります。それでこのたびの予算が実際に実施されますと、末端の町村ではいろいろこういう問題が加重されるのじやないかと私は思う。しかも補助金を出されるものにつきましては、いろいろな外郭団体というものができておりまして、この外郭団体の負担がまた町村にしわが寄つて来ておる。これを負担しないと、また非常に問題が起きて来るのであります。こういうような問題は何とかして是正しなければならないと思う。私のところへ持つて来ました資料を見ると、これは十七箇町村を一つにした郡でありますが、その郡におきまして、国に当然負担してもらわなければならないと考えられるものが、二十八年の四月から十二月までの計算によりますと、九十八万九千円かかつている。県が当然負担すべきものが三百七十七万二千円、また外郭団体からの強制的な負担金が六百九十九万八千円あるわけです。合せまして一千百万円余りのものが三・四半期に末端の十七箇町村へしわ寄せをされておるわけであります。こういうことは、私たちとしてはどうしても解せないわけで、こういう問題をどういうふうににお考えになつておるのか、自治庁長官の考え方をお伺いしたい。
○塚田国務大臣 いろいろな問題点があると存ずるわけでありますが、第一の問題点として、今度の国の緊縮財政によつてしわが市町村その他府県、自治団体に行くということは、私も予算編成の際に極力避けなければならないという考え方でありましたし、この点につきましては大蔵大臣にもその考え方に同調していただいて、この緊縮予算の際ではありましたけれども、二十八年度までの地方財政計画の上で是正を必要とするものでありながら是正が十分でなかつた面は、今度の二十九年度の予算では是正をしてもらつておるわけであります。そうして是正をいたしました全体の財政規模の上で、国と歩調を合せた節約、緊縮というものが、今度の地方財政計画を策定いたします場合の基本の考え方になつておるわけであります。従つてそういう全体のわくの上での無理というものは、今度は私は一応消えておるというように考えておるし、そのように努力したつもりであります。ただ個々の自治団体に対する配分、そういうものの上になお十分でない面があつて、個々の団体についての赤字がまたあろうかと考えられますので、そういう面は配分の仕方について十分検討を加えて参りたいと思います。しかしどちらにいたしましても、基本の財政金融の政策が、ことしのような緊縮というときでありますので、おそらく自治団体の運営の衝に当られる理事者の諸君も、よほどその気持でもつて運営をしていただかなければ、これは十分ではないであろう。従つて少しひもをゆるめられるならば、赤字になるということは想像せられます。それから本来的な負担でない外郭団体などの負担が自治団体にかかつているということ。これも確かにそういう事例を私も承知いたしておるのでありますが、これは自治団体側、それから外郭団体にも何とかそういうことのないようにということをなお一層通知をして、協力をしてもらうように努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○船越委員 けつこうです。 保安庁の方はまだ来ておりませんので、経審長官に一点お伺いしておきたいと思いますか、私の聞いておるところでは、朝鮮におるところのアメリカの駐屯軍ですか、駐留軍ですか、これが二箇師団ばかり引揚げられる、そうしてわが国における駐留軍もやがて近く一箇師団程度は引揚げられるのじやないかということであります。それでこれが二十九年度の特需に大きな影響を及ぼすと思いますので、こういう特需が二十八年度と比較して二十九年度にどういうふうな状況に現われて来ておるか、どれだけ減少するかということについて明らかにしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 お答えいたします。全体の規模といたしまして、特需の実績は二十八年度が八億千万ドル余りになろうかと考えますが、これに対しまして二十九年度の計画は七億六千万ドル程度というふうに見込んでおります。 その内訳につきましては、軍関係の機関のものと、それ以外のものとわけまして、軍関係の分につきましては、大体二十八年度が三億二千五百万ドルくらいと実績は推計せられますが、これが二億八千万ドル程度と二十九年度は見込んでおります。それから軍関係以外のものにつきましては、軍の調速機関以外のGSAというものの系統だと存じますが、これにつきましては二十九年度は、二十八年度に比べましてある程度ふえまして、七千万ドル程度と見ております。それから直接の韓国の復興に伴いますアンクラの関係におきましては、大体二十八年度は十万ドル程度、こういうふうに見込んでおります。
○船越委員 軍関係の特需の減少が四、五千万ドル程度のように聞きましたが、それくらいでございましようか。結局アメリカの駐留軍の引揚げ数がどのくらいになるのか、あるいはこれは機密に属するので、御答弁がないかもしれませんが、軍関係のものがわずか四、五千万ドル秘匿の減少という御見解は、どこに根拠があるのか、お示しを願いたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいまちよつと申し落しましたが、先ほどあげました三億二千五百百ドルと二億八千万ドルの関係は、個人あるいは軍の家族の関係等のいわゆる円のセールという項目で今まで整理しておるのであります。そのことを申し上げたのであります。 それから米軍の予算で、特需に向けられるものといたしましては、先ほど申し落しましたが、大体実績は二十八年度が四億四千八百万ドル程度と推算されますが、これに対しまして三億九千万ドル程度が二十九年度のものと推計されておるわけであります。これらの推計の基礎は、大体人員の多少の減少その他を見越しまして、かような推計をしておるわけであります。
○船越委員 保安庁の力から出られませんので、主計局長にお尋ねいたしたいのでありますが、保安庁のこのたびの予算で、施設整備費が百二十六億九千九百万ということになつておりますが、この保安庁の施設費は、駐留軍との合同使用ということを考えられた経費であるのか、あるいは共同使用ということを全然考えられずに積算された数字であるのか、お伺いしておきたいと思うのであります。
○森永政府委員 詳細は保安庁の方からお答え申し上げることと存じますが一部調整を予定して積算をいたしております。たとえば車両、兵器、その他につきましては相当の援助を向うに期待した上でのこの予算の積算でございます。
○船越委員 この点については、保安庁の方が来られてからお尋ねいたしたいと思います。 私がこういうことを聞くのは、駐留軍はやがて二十九年度内には私は漸減するものであろうと思います。そうすると、漸減するために、保安庁の経費はあるいは増額する面もあるかもしれませんが、もし単独で使用することができるような予算でしれば、保安庁経費が三十年度に繰越されるものが出て来るのではないかと思う。われわれ自衛力漸増を唱える者は、もちろんこの保安庁経費を削減しようという考えは持つておりませんけれども、一応これも国民の税金でございますから、十分検討はしてみなければならないと思うのです。 それで、最後に大蔵大臣にお伺いしておきたいと思います。結局この緊縮財政というものは、わが国は二十九年度限りでなくして、当分続けて行かなければならないのじやないかと私は想像いたします。またやはり自衛隊も漸増して行かなければならないと思う。この二つの相反した命題といかに御調和をとられるか。この点について、ひとつ何か構想、お考え方があれば、大蔵大臣に聞いておきたいと思います。
○小笠原国務大臣 この点は、自衛力漸増というものを条約でも約束いたしておりますので、緊縮財政をそのまま実行して行くということは、お話の通りの、船越さん御心配の点が私も相当あると存じます。ただ自衛力漸増のときも、決して日本の国力を越して、あるいは日本の民力を圧迫してまで漸増しないということは、当初からそういうことになつておりまするので、急使に本年の千三百七十三億が――これはたとえて言うので、来年そうなるというのではないのですが、さらに二百億三百億もふえるということはないのじやないか、こういうふうに私どもは考えております。なお緊縮財政、今度のはこれはいわばその一つでありまして、やはり金副政策その他と相まちまして、やはり国際基調まで日本経済の基調を持つて参りたいというのが主眼でございますから、仰せのごとくに、二十九年年度だけでも済まないと私は考えております。二十九年、三十年-三十年まで持つて行かずにやり得れば非常に成功だと思うのでありますが、これはひとつ今後とも皆さんの協力によりまして、ぜひ早くこの国際基調の線まで日本の経済を持つて参りたい、かように考えている次第であります。
○船越委員 最後に点お伺いしたいと思います。 このたび建造船の利子補給そのほかのことについて、紙上でいろいろうわさされている疑獄問題がございます。この疑獄問題につきましては、自由党内部でもこの利子補給については反対した人もあつたのでございまして、自民党全部が当時賛成したものではないと思います。すべての補給金制度を廃止するということは、自由党年来の国民に対する公約であつたわけであります。ところが、これが二十八年度にああいう形で出て参りまして、しかも二十九年度の予算を編成なされる中途において、大蔵省ではこの補給金をなくした方かいいという強い意見があつたように私聞いているのであります。ところが、これが二十九年度に三十七億円でございますか、計上されておりますが、こういうような補給金というものは、いろいろな角度から検討されなければなりませんけれども、少くとも国民の税金を集めた予算でございますので、疑獄事件が起るとかなんとかいうことは、何かそこに甘いものがあるからこそ起きると私は思うのです。政府の考え方、あるいは大蔵大臣のお考え方の通りに予算が使われて行けば、こういう問題は起らないのじやないかと思う、ですから、これをただちに廃止するかどうかということは、あらゆる角度から検討しなければなりませんけれども、少くとも船に御関係のある大蔵大臣としては、あなた個人の御意思は、三十年度にはこういう補給金は全部やめる――もちろん食糧は別にいたしまして、こういう建造船の補給金はやめる、こういうお考えがおありになつてもらいたいと私は思うのでありますが、いかがでございましようか。
○小笠原国務大臣 この補給金の問題は、お話のごとくに、大体補給金あるいは補助金あるいは委託金とか、いろいろ言われたましたが、さような、要するに補給金的性質のものは漸次これを少くしたい、かような方針のもとに今度の予算も編成いたした次第でございます。当初におきまして、大体三分五厘までの利子補給を五分の程度まででよいのじやないかという議論も相当出ましたが、結論は、開発銀行の方で三分五厘との差を徴収猶予するということになつているのであります。こういう補給金というものは、ドツジ氏のいわゆる竹馬の足でありまして、私どもはこれはできるだけとりたいと思うのでありますが、ただ船舶は御承知のごとく、日本としては非常に重要な産業でもありますし、また同時に非常に大きな外貨を今日かせいでいる一つの役割を果しているのもありますし、また日本として敗戦後船が非常になくなつた際でありますから、こんな日本のような国柄としては、ある程度の船腹はぜひとも必要といたしますので、それにはやはり世界と同じように競争し得るような立場に置いてやらなければならないという観点から見まして、金利その他が日本だけが高げたをはいているということでは、これはどうも競争ができませんので、やはり国際水準のくつをはかせてやるという意味でこれは認めているのであります。が、漸次これらの船会社が力を養つて、一日も早く――この補給金はよくなればやめることに相なつていることは、法の精神から、ごらんの通りでありますので、そういう時期に持つて参りたいと思います。これは念のために申し上げておきますが、私も船会社に関係はございましたが、もう今日関係は断ちました。このことははつきり申し上げます。
○西村(直)委員長代理 櫻内義雄君。
○櫻内委員 最初に大蔵大臣あるいはは通産大臣に念のためにお聞きをしておきたいことがございます。お煩わしい点もありましようが、ひとつ簡明にお答えを願いたいと思うのでございます。 大蔵大臣は本会議の席上におきまして、本年度の国際収支の見通しといたしまして、三月末には二億四千万ドル程度の赤字である、それは一切を含めてであるということをお答えになつておるのでございます。この二億四千万ドルというのは、貿易のしりと、それから貿易外のいわゆる特需等の合計ではないかと思うのでございますが、その点まずお聞きいたしたいのでございます。
○小笠原国務大臣 大体仰せの通りでありますが、ポンド関係では買いとりましたスクラップの分を含めての話であります。それも全部ドルに換算して入れてございます。
○櫻内委員 この一月に、ただいま数字がないのでございますが、予想以上の赤字が出ているのでございます。そこで大臣にお聞きしたいのでございますが、そういう状況下にございましても、大臣は引続いてそういうお見通しを持つておられるのかどうか。一月の支払い超過が八千七百万ドルに及んでいるのでございますが、その点お聞きいたしたい。
○小笠原国務大臣 御承知のごとくに一月は非常に自動承認制の分で、特にドル地域の自動承認制の為替思惑といいますか、輸入為替の契約が殺到しまして、それでその結果一月一箇月で一億八百万ドルの契約ができた。これは契約でございます。そういうようなこと等もございまして、今自動承認制を一時ストップしております。なお根本問題について今検討を加えておる際でございますが、年間少し予想よりふえるかもわかりません。この点まだはつきりした数字をつかんでおりません。それと今契約でございますので、これが事実どういうふうに入つて来るかということも今後の問題にもなりますので、的確に今御返事申し上げかねます。
○櫻内委員 私のお聞きしたいことは、大臣は輸入の抑制とそれから輸出の振興あるいは産業の近代化、合理化によりまして一兆の予算の目的を達する、すなわち物価の引下げを意図せられているのでございますが、しかるに現在起りつつある現象は、輸入の抑制によりましておびただしい思惑が行われている。現に大蔵大臣が今お答えの通りでございます。そういうことからいたしまして、はたしてあなたのお考えになつている通りにこのコストの引下げの方向へ持つて行けるかどうかということについて大きな懸念を持つているのでございます。その点に対する御見解を承りたいと思います。
○小笠原国務大臣 ちようどこれは櫻内さん御心配になるような輸入が相当今の大きな契約が行われて、あるいはある程度思惑等も加わつて来ると、物価はむしろ引下げの目的を達しない、こういう点もございますので、私どもといたしましては、この主として来るものが、たとえば輸入をすることによつて、これは櫻内さん御承知の通りに品物がふえるために物価の下るものもあります。けれども輸入を抑圧することにより非常に騰貴を来すおそれのあるものでございますので、そういう品物等について検討しておりますが、しかし輸入思惑が加わることは外貨関係から困りますので、今たとえば輸入に対しまして内容について一々取調べてみる。さらにまた保証金というようなごときものを供託するというような制度を実行してみたい。これも大体一割はとつておつたのでありますが、あるいはもう少しこれを増加するというようなこと等で、そういう思惑を阻止したい。それからまたすべて思惑による分は、これは銀行の方でファイナンスしなければ思惑は長く続けられませんから、私はそういう思惑に対する金融措置については日銀に取締つて、もらうように、これは過日日銀と打合せたのもそういう点が主になつております。ただ物価の点について、これは私は率直に申し上げますと、どうもすぐに二九年度予算だつたら四月から物価が下り出すというわけにはなかなか参らぬじやないか。特に時期的のずれもありますから、効果が出て来るのは下期からぼつぼつ出だして行くのではないか。しかし年度末には予期のごとき目的を達成し得るものというふうに考えているのであります。いずれにいたしましても、今大蔵省の手で持つておりますものは、つまりこういうことに対する措置としてはいわゆる予算の編成の面から来る財政の面、それからもう一つは金融の面に対する強化策、もう一つの面は税制で処置すること、もう一つは外貨予算に対して措置すること、こういうようにわかれますから、その四つをできるだけ総合的にやりまして目的を達するように持つて参りたい。かように考えている次第でございます。
○櫻内委員 その総合的におやりになることについては私も異論はございません。しかしながらこれから少しばかり掘り下げてお聞きしたいのでございますが、経済審議庁の総合見通しから申しますならば、輸入及び国際収支に対する考え方としては、二十八年度の実績を三千万ドルくらい下まわる程度だという見通しになつているのであります。そういたしますと、通産大臣もまた大蔵大臣も輸入抑制をするのだとは言つておられますけれども、見通しの上からわずかに三千万ドルを下まわる程度ということになつて来るのでございますが、これは数字の誤りでございましようか。私の見方の誤りでございましようか。お聞きしたいのであります。
○愛知国務大臣 お答えいたします。ただいまおあげになりました数字は大体その通りでありまして、これは二十九年度の外貨予算の編成の問題につきましては今鋭意その編成に努力をいたしておりますが、考え方といたしましては日本の生産活動の規模、その水準から申しますと、二十八年度と二十九年度は、年度を通じては同じ程度のものということを申し上げているのでありまして、それを維持して参りますためには、原材料等につきましてはこれはなかなか抑制の措置は講ぜられませんし、またこれを押えては生産活動が維持できない。ただしかしながら奢侈品等につきましたは徹底的にこの上とも抑制いたしたいと考えております。それからいま一つは、食糧の関係でいえば二十九年度が平年作といたしますれば、輸入の関係は二十八年度よりは好転するであろう。大体こういうような考え方で参りたいと思つております。
○櫻内委員 ただいまの通産大臣の御説明によりますと、輸入食糧は相当減る、そうして原材料は抑制しないということになると、原材料の方はよけい出るわけですね。この際ちよつと申し上げたいのは、あなたは本会議における御答弁によりますと、政府の財政支出は約一割ぐらい減るのである、しかしながら生産力は昨年並であるからその間において物価が下るのだ。こういう考え方でございます。しかるに今の御答弁から申しますと、さらに原材料は昨年度よりもよけい入れて供給力をふやして、そうして物価を下げるという御意図にも考えられるのでありますが、この点を明快にしていただきたいと思います。
○愛知国務大臣 物価につまきしては基本的な考え方としては、これはいろいろこまかい分析は別といたしますけれども、総括的に申しまして、国内の投資需要が今回の予算の緊縮ということで全体を通じて減りますから、しかし一方におきまして生産水準の年度間を通じての規模が同様であれば、需要供給の関係から申しましても物価が低落することになるという見通しを申し上げたのでございます。それから第二の外貨の問題でありますが、これは各物資別等にわたりまして相当真剣に検討しなければなりません。一口に考え方を申し上げますと、先ほど申したようにたとえば鉱工業生産でいえば、二十八年度と二十九年度が同じ一五二の水準を年度を通じて維持できるといたしますれば、この活動を維持して行くための必要な原材料は確保して参らなければならない。こう考えているのでありまして、輸入を積極的にやりまして物価を下げるということは考えていないわけでございます。その点からの物価引下げは考えておらぬのであります。
○櫻内委員 さらにもう一つ疑点があるわけでございます。それはやはり本会議の席上における御答弁によりますと、あなたは有効需要が相当過剰である、こういうことを言つておられるのであります。その有効需要が過剰になるというお見通しはどこに持つておられるのですか。ただいまの御答弁とも関連するわけであります。しこうしてその有効需要の過剰であるがために金融引締め――ただいま大蔵大臣が言われた四つの施策の一つになつて来るわけでございますが、その点の御説明を承りたいと思います。
○愛知国務大臣 有効需要が多過ぎるということは、つまり最近における実績に徴しまして、生産も伸び、消費も伸びたけれども、その中にはたとえばいわゆる二重投資でありますとか、過剰投資でありますとか、そういう面が相当見受けられますので、この面を切ろうとするわけでありまして、健全な引締まつた姿においての生産規模というものから行けば、二十八年度と同水準のものにする、つまり二十八年度と同じように進んで参りますならば、おそらく生殖水準などはもつとずつと上るでありましよう。その上るところを上らせないで、そして適正な規模にとどめる。しかし適正にとどめた規模に必要な原材料の輸入は確保いたしたい、こういう考えであります。
○櫻内委員 念のためにお尋ねいたしますが、そうするとあなたのお考えは、過剰投資をもつて有効需要が活発になる、こういう意味でしようか。
○愛知国務大臣 それはそうであると申し上げてよろしいと思います。要するに過剰なものを切るということにおきまして、よけいな一よけいというと語弊がありますが、輸出に向き得ないような、また合理化なりコストの切下げには不必要な要因となるような、国内の有効需要を切りたい。それには投資の過剰であつた面を切ることであり、すなわちこれが緊縮財政であり、金融の健全化ということで達成できる、こういうふうに考えておるわけであります。
○櫻内委員 私には少し了解しかねます。過剰投資を引締めるということを、あなたは財政投資の面からやられておるわけであります。今私が尋ねましたのは、この有効需要を引締めるために金融を締めるのだという点をお聞きしておるのであります。それはあわせて行うというあなたの御説明のようにとれるが、それでは何か割切れないものがあるのです。
○愛知国務大臣 割切れないというお話でございましたが、私の考えは財政投資の面の引締めもございますし、一般的な金融の引締め、あるいは合理化ということもあわせて考えて行きたいと考えております。
○櫻内委員 実際上の過剰投資の重要なる点というのは、従来政府が無計画のもとに行つて来たということで、これはいまさらここで申し上るまでもないのであります。すなわち一番の浪費者は政府であつたという事実は数字をもつて明瞭であります。そこであなた方は金融引締め――大蔵大臣は四つの施策の中で金融をも引締めてやつて下げるのだというと芝、われわれ改進党は、その金融引締めの方向が現実には違つておると思う。すなわち今回の予算を通じて見るならば、おそらく金融の引締めは中小企業者の方に行く、農林漁業公庫、中小企業公庫、あるいはそういう面から出て行くところに金融の引締めがありはしないかということを心配しておるわけでございますのが、その辺の明確なお答えを願いたい。
○小笠原国務大臣 私どもが金融の引締めでねらつておるところは、もちろん金融引締めの強化でありますが、同時に正常化して参るということをおもなねらいとしておるのであります。従いまして先ほどお答え申し上げましたように、思惑的なもの、あるいは、滞貨-物をたくさん持つておつて、滞貨とまで行かぬものについても金融をしておるので、物を長く手持ちしてしまつて価格を下げないことにもなる、あるいはまた他方においては、たとえば過去の例から申しますれば、一種のカルテルのようなものをつくつて、生産をある程度制限しておる、こういうことを今後はやらせないことにする、むしろ物価引下げの方向で、そういうカルテルによつてある程度の操業短縮をやるということは認めないようにする。金融面では思惑を阻止する、こういうことに持つて参るのが中心になつております。櫻内さんのお言葉で言うと、むしろ大きい面をねつておるのでありまして、別に中小企業にしわ寄せをさすという考え方は全然持つておりません。
○櫻内委員 大蔵大臣のお考えはよいのです。しかしながらあなたは行政の長でありまして、あなたのお考え方がほんとうにその通りに浸透して行くような方法がなければならない。そこでお聞きしたいことは、融資調整委員会のようなものを設けられて、あなたのお考えをほんとうに金融界に通ずる道を講ぜられるような処置を、おとりになるかどうかお伺いしたい。
○小笠原国務大臣 ただいまのところ委員会をつくつてどうこうということは、実はまだそういうふうに具体的なものは考えておりませんでしたが、しかし政策を徹底さすことはぜひとも必要でありまして、そのためにもし要すれば、委員会のようなものも考えてみたいと思います。
○櫻内委員 もう一つ疑問点がございます。それは大蔵大臣も通産大臣も、ともに輸出促進のために、産業の近代化、合理化を叫ばれておるわけでございます。その合理化の方は多少考え方をかえてもよいのでありますが、近代化ということになれば、これは相当な資金が必要であります。しかるに財政投資の面では著しく締めておる。また金融面かも締めて行く、こういうことになれば近代化はどうやつてやるのでございましようか。
○小笠原国務大臣 財政投融資の面はなるほど五百六十億ほど縮めましたが、これは過去においても、たとえば鉄鋼についていえば鉄鋼三箇年計画で、過去の製鉄の合理化をやつて参つた。これは二十九年三月までには一応完了することになつております。そのほかにつきましても相当やつておりますが、なお過日も申しましたごとく、外国からあるいは技術の導入をするとか、あるいは優秀な機械を入れる。機械も日本の産業を圧迫はしないようにできるだけサンプル輸入の意味で入れておるのでありますが、これらのものは比較的割よく入れておるのでありまして、その点では相当いわゆる近代化されて参ると思うのであります。
○櫻内委員 だいま大蔵大臣は割よく外資を入れておるというのでありますが、あなたは昨年外国に行かれて火力借款を結んだ。この火力借款につきましては非常な批判があるのであります。しこうして現在伝えられるところによりますと、さらに六千万ドル程度の世界銀行との借款が進行中であるとのことでありますが、その内容等がここではつきりできるものならばしていただきたいと思います。
○小笠原国務大臣 火力発電の借款につきましては、すでに公表されております通りで、これはやはり世界のどこの国とも同じ標準で契約を結んだのであります。特に有利な点もないが、特に苛酷な点もないことは御了承の通りだと思います。六千万ドルの話は、これは打明けて申し上げますと、世界銀行の方で大体日本にどれくらいの目安を置いておるかというターゲットとしては、一億ドルを考えておるということを、これは私が話を聞いたのです。従つて四千二十万ドル差引いてみるとかれこれ六千万ドル残つておるというので、今話を持ち込んでおりますが、今のところ水力発電についても相当考えておりますけれども、具体的にどういう条件でまとまりそうだというところまでは行つておりません。
○櫻内委員 少し話の方向をかえたいと思うのでございますが、外貨の問題であります。これは大蔵大臣、通産大臣いずれでもけつこうでございますが、やはり国民の関心は国際収支に寄せられております。そこでこの外貨の問題の中で不急不要のものを押えるというお言葉はあるけれども、一例をあげてみますと、町に行くとあれだけ外国映画が氾濫しておる、この事実、これはたしか大蔵大臣の管轄だと思うのであります。これらの抑制ができないという。なぜできないかというならば、それはアメリカ側の相当な圧力がある。圧力は何かというと、ロスアンゼルス方面の対日感情を悪化してはならないというような、そういう平凡な考え方に立つて、抑制ができないそうであります。今アメリカとしても日本の経済に対して重大な関心を払つておるときであります。そうこいたしますと、これは外交上の交渉によつてでも、この一年か二年外国映画の抑制くらいができなければ、そんな政治力のない政治家であるならば、私はやめてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○小笠原国務大臣 外国映画を入れるにつきまして、別にアメリカの圧迫とかあるいは感情を考えておる次第ではございません。大体考えようでございましようけれども、どのくらい外国映画を入れるかという割当をいたします外貨割当については、これは閣僚審議会でやりますが、その割当についての範囲内で取扱つているのは大蔵省の方で許可を与えておるのであります。あなたのおつしやるように、少し英断を下すのもよいかもしれませんから、研究してみましよう。
○櫻内委員 これは外国の顔色をうかがわずにできることでございますし、たしかあなたのお話に出ておつたと思うのでありますが、ずいぶん高級車が氾濫しておる。この氾濫をとめることが一つありますね。これは石油の輸入を抑制すればいいのです。これはもう一あなたのお考え一つで行くのですが、どうでしようか。
○小笠原国務大臣 私どもは高級自動車の輸入は今とめております。但し石油につきましては、はたしてそういう制限をすべきものかどうか。たとえば石油についても今の高級自動車、特に大型のホイール・ベース百二十一インチ以上のものについては、今度奢侈品として大幅に課税をいたしますが、輸入は全然阻止しております。許しておりません。ただ外国人がこちらへ持つて来て、それを帰るについて売つて行くようなものがあつて、それがちまたに相当売られておると思います。これらについても向うへ協力を求めて、日本へ売らないようにしておるのであります。但しこのガソリンは、高級自動車には売らぬものなりというようには、なかなか判定しにくいのじやないか、さればといつて、ガソリンの輸入あるいは石油の輸入等を制限する、こういうことで、それがはたして今櫻内さんおつしやるように、ちまたに氾濫しておる高級自動車に向かぬで、実用車にうまく向くというように行けるかどうか、そういう問題はひとつ考えてみたいと思います。
○櫻内委員 それはあなたは自由経済でございますから、なかなかむずかしいことであろうとは思います。しかし今大臣も言われる通り、自動車は抑制して行つてもどんどん入つて来るのではないですか。無為替でもつて入つて来るのではないですか。新聞紙上伝えられるところによれば、昨年中密貿易あるいは無為替で取引されたものは三億ドルにも及ぶといわれておる。この点につきまして、無為替で入つておる実情を通産大臣にお伺いしたいのであります。
○愛知国務大臣 無為替輸入の問題は、これはいろいろの種類がありまして、無為替輸入というもののどういうものであるかということの区わけがなかなかむずかしいのであります。たとえばバーター取引のものもございましようし、いわゆるリンク貿易の一部もございましよう。そういういわゆる決済を伴わないでやつておりますものの総額を合せるならば、あるいはそういう数字になるかもしれませんが、これは今的確な調べを持つておりませんので、できましたらごらんに入れることにいたしたいと思います。 それから、これはあるいは大蔵大臣からのお答えの方がよろしいかとも思うのでありますが、高級自動車等につきましては、従来外国人が日本へ持つて参りまして、日本の国内で売却するというものも相当あつたわけであります。そういう点につきましては、外国側の協力を求めまして、そういうことを抑圧するということで、最近その効果は相当上つているように見受けられます。なお外貨を直接割当てるということは絶対にしないようにいたしております。
○櫻内委員 ただいま大蔵大臣はガソリンは抑制はできない、こういうことでありますが、幸いにしてあなたは今度ガソリン税を設けられました。これは道路整備のためにお使いになるということでございますが、これがあまりはつきりしておりません。ほんとうの法律の意味からいえば、完全に道路整備費に向けらるべきではあるけれども、七十八億でしたか、それが地方にほんとうに道路整備のために流れるかどうかわからないようにいわれておるのです。その点ここではつきり大蔵大臣の、これは道路のために使うべしとい明言を得たいと思うのであります。
○小笠原国務大臣 実は道路面積に応じて割当てる、こういうことになつておりますので、道路に使つてくれろというのが本旨でありますが、しかしもしその結果がさようなことがないような場合がありますれば――これは今度は一年間のこととしまして、この次のときにこの問題をさらに考えるということで、たしかあなたの方とも打合せもいたしておると思うのでありますが、そういうこともありますので、ひとつ今回はそういうことで御了承を願いたいと存じております。
○櫻内委員 こういう不明確なことが政治を迷わすもとでございますから、どうぞ大蔵大臣ははつきりした態度をおとり願いたい。私もはつきりして、川崎理事を通じてでも明確にいたしたいと思います。 さてもう一、二外貨の問題でお聞きしたいのですが、今どのくらい綿花が入つておりますか。それから落綿がどのくらい入つておりますか。もし数字がお手元にありましたらお聞きしたいのです。私の推定では大体七百五十万錘分に対するものは綿花として入つているが、落綿と称して綿花が入つて来て、通産省の方で何か曖昧模糊のうちにつくつた紡績会社の方に流れているというのであります。これも場合によると何かくさいような気もするのでありますが、そういうことは私はここで取上げません。ただ戦前は落綿は輸出されておつたのです。それが今輸入されているとするならば、何かくさいのではないか、おかしいのではないかということはあるであろうと思いますが、通産大臣いかがですか。
○愛知国務大臣 私はくさいことは絶対にないことを確信いたしておりますが、事実はかようなことになつております。落綿につきましては、御承知のように、原綿がすべて外貨割当になりました後におきましても、零細の業者を対象といたしております関係で、自動承認制によつて輸入されて参ります。現在におきましては、先ほど大蔵大臣からお答えいたしましたように、一月十一日以来輸入が停止されております。それから数字でございますが、たまたまここに持つておりますので申し上げますと、一九五一年が年間で七万七千八百三十俵、五二年が六万七千九百十九俵、五三年が十六万二千三百七十二俵、こういうような実績になつております。なお落綿につきましては、その大部分が非綿紡績用の綿、すなわち製綿、衛生綿、特殊用綿に使用されておるのでございますが、非綿紡績の使用実績から申しますと、多少太番手の生産のために綿紡績にも使用されているものと判断はされるわけであります。今後は非綿紡績用の需要充足を中心として、適切な輸入方式を研究いたしたいと考えております。
○小笠原国務大臣 先ほどの答弁に補足させていただきます。三分の一を都道府県の道路面積に対して割当てるものとするとお答えいたしましたが、その通りでありますが、うち四十八億円だけは特に道路に使うというふうに特記してございますので、この点特に補つておきます。
○櫻内委員 外貨関係でもう一つだけ割切れぬことがあるのでお答え願いたいと思います。それはリンク制のことであります。現に生糸を引合わぬのに出して、キューバ糖を入れて、それでその勘定を合わすようにしているということがいわれているわけでございますが、もしそうであるとするならば、大衆の消費によつて生糸を出すというようなことになりまして、ちようど肥料の問題と同じようなことになりますが、いかがですか。
○愛知国務大臣 お答えいたします。リンク制の問題はなかなかむずかしい問題でございまして、これは昨日も申し上げました通り、正常な輸出努力を阻害することにもなりますし、また為替タンピングだという論議を起す危険性もないではないと思うのであります。ただいま生糸の問題について御指摘がございましたが、このリンク制を採用しようとしておりますことは事実でございますが、これはきわめて例外の措置といたしまして――御承知のように、昭和二十八生糸年度のまゆの凶作の関係から非常な価格高のために、当面輸出につきまして非常に阻害になる点もございます。それからよく御承知の通り、他国を通じていわゆる三角貿易とでも申しますか、そういうかつこうで日本の生糸が使われておるというようなこともございますので、きわめて暫定的な臨時措置といたしまして、こういうような特殊の原因のあるものについて、限定的な措置にとどめることにいたしたい、こういうふうに考えております。
○櫻内委員 国際収支の問題につきましては、国民あげて重大な関心を払つておるわけでございます。ただいま私がちよつと調べただけでもいろいろな問題を含んでおります。われわれの予想では、あるいは不幸にしてこの秋ごろにはやむを得ず為替レートの切下げでもしなければならない非常事態が来るのではないかというふうにおそれられているわけであります。そこでぜひお聞きしたいことは、この一月に給与の改訂を実行いたしまして、千八百九十三円ほど官公吏の給与が上つたわけであります。そのために中央地方を通じまして一千十四億円ほどの支出増を来した。この面からは、ある程度やはり物価上昇の原因になる消費面が活発になるということが当然予想せられると思います。それに加えまして、この一月に米価を六百八十円から七百六十五円にかえられた。そして今度の予算を通じましては、この四月からビールは五円上る。一級酒、特級酒また雑酒も上るというようなことでございます。それに加え策してさらには鉄道運賃のこともございます。あるいは、昨年はあなた方は物品税を切つたのでありますけれども、今度は物品税を上げた。それは奢侈品に限るということでありますが、しかしこれもずいぶん矛盾した話でございます。しこうして外貨の抑制のために、砂糖、しようゆ、みそ、おとうふなどみな上つておる。電気料金も上る。こういうことになつて来ますと、今予想せられるものは一兆予算によつて、物価の下落ではなくて、いろいろの角度から物価上昇というものが五月ごろまで続いて行くわけでございます。すなわち大蔵大臣も先ほど言われたように、一兆予算の効果は五月以降に出て来るのだというわけであります。現にそういうような状況を持ちながら、五月ごろに一兆予算の実際の効果が急激に現われて来るとすれば、そこに私は断層が出ると思う。この断層をどうして渡つて行くのですか。あなた方は財政面を引締める、金融面を引締める、それは中小企業へのしわ寄せにはならないのだというのでありますけれども、一面行政整理はしなければならないというようなことをあわせ考えるならば、この断層というものは、あなた方の政治の常套手段であるが、一番関心の薄い大衆の方へ―あるいは関心を持つておられるのかもしれないが、実績上は大衆は見放されておる、そこにしわが寄つて行くと思うのであります。この点どういうふうにしてその傾向を防ぎながらあなた方渡つて行くかということをお聞きしたいのであります。
○小笠原国務大臣 ただいま最初に何か物をどんどん上げて行くようなお話でございましたが、私どもはさような考えは全然持つておりません。従いまして今度かえまするものも、一番恩恵を受けるべき低額所得者の税金をまず引下げて行く、これが主になつておるのでありまして、それもいつも申し上げております通り、今度直接低額所得者に対する分だけで大体五十万人納税者が減ります。もし給与の上つたまま税法をかえないで、七万円という控除を元のままの六万円にしておくということに比べれば、百二十万人の人を、これで納税の方面から解放する、こういうことになるのであります。従いまして私どもはそういう点からも一番大衆に心を入れておる、こういうふうに私は申し上げたいのであります。それからあなたのお話は、それは考え方ですけれども、酒を上げた、何を上げたとおつしやるけれども、酒は一級酒と特級酒を上げただけであります。それからビールなども、アメリカあたりでは、御承知でしようが日本の倍もしております。私はビールを飲むのをあえてぜいたくとは言いませんが、少しくらいとめてもらつてもよいだろうくらいに考えております。それから、雑酒というと何か安いものにまでかけるように思われますが、これも最高級のウイスキーでありまして、普通そこいらにあるようなウイスキーにはかけておりません。そういう次第で、奢侈の抑制という点を今度強く打出しておるのであります。また物品税等も増加いたしますが、これはいずれも奢侈抑制の点からであるのであります。これは物品税について上げるものをごらんくださればよくわかりますが、いずれもそうでありまして、大衆課税となるようなものは、厳にこれを避けております。(「繊維消費税はどうした」と呼ぶ者あり)繊維消費税のことはまだ提案しておりません。そういうような次第でありまして、私どもはこの点は一貫した方針をもつて臨んでおる考えであります。言いかえますと、奢侈の抑制、国内消費の節約をはかることによつて、輸出力も増加さして行き、物価も引下げて行くということでありまして、これが物価引上げの原因となるような税制措置は一切とらない考え方であります。但し、仰せになりましたように、低額所得者等が税から解放されれば、それだけ消費がふえて行くじやないか、あるいはそういつたためにインフレになるじやないかということでありますれば、それらの人々はむしろ生活の苦難にあえいでおる部分が多いので一これはおそらく日本のごとくに少額所得者に多くの税を課しておる国はどこにもありません。従いまして、私は事情が許せば、もう少し低額所得者の税を減じて行きたいとすら考えておるのであります。従つてこれがインフレのもとになるとは――もつとも、櫻内さんの言うのもそういう意味ではなく、相当の金が使われるだろうという意味だと考えておりますが、かたがた物価はあくまで引下げの方向に持つて参り、そうして国際競争力を力づけて輸出増進に持つて行きたい。こういう諸施策を総合的に講ずるつもりでありますから、どうか御了承を願いたいと思います。
○櫻内委員 総合的にというえらい美辞麗句が出たわけでありますが、ただ大臣のおつしやつておる点でふに落ちない点がございます。それは米価などが上つたために、税金にも何にも関係ない者が一番苦しんだという事実はお認め願いたい。あとは議論になりますから、私はもう避けますが、しかしおそらく、一兆予算の効果が五月ごろから現われて来る、そのときの渡り方が、非常に急カーブを切つたならば、大衆の反撃を受けるということだけはよほど用心してやつていただきたい、かように思うのでございます。 この程度で大蔵大臣、通産大臣に対する質問を終りたいと思いますが、この際私は大きな関心を持つておることがございます。それはこの五月から第二回のアジア競技大会が開かれるわけでございまして、この点は外務大臣、文部次官、それから副総理にもよくお聞き取りを願いたいのであります。実は外務大臣は往年陸上競技をやつておられたので、特に関心を払つていただきたいと思つたのでございますが、従来スポーツを通じての多少の親善関係はあつたわけでございますけれども、今回のアジア大会のごときは、その規模において相当なものであり、またこれが効果によつては、日本、フィリピンの親善に非常に役立つものであると考えるのでございます。幸いにいたしまして、フイリピンの旧軍部に対する悪感情は次第に払拭されつつあり、またキリノ前大統領あるいは現マグサイサイ大統領等も、日本のために非常な好意を寄せられておると思うのでございます。この機会に親善使節ともいうべきこのアジア競技大会に出席する代表団を送るわけでございます。しかるに今回の予算面を通じて拝見をいたしますと、まことに残念に思うのでございます。なるほど緊縮予算ではございますけれども、その補助額といたしましては一千万円を計上いたしました。これを過去の第一回のアジア競技大会あるいは一九五二年のオリンピック大会また昨年の国際学生大会等の事例と比較いたして参りますと、まことに微微たる補助額なのでございます。おそらく政府といたしましても十分御検討のことと思いますが、あと五百万円とか一千万円の補助は行おうと思えばやれるのでございますから、今回のアジア大会の性質も考えられまして、十分内閣において御善処願いたい。これは、これから御質問申し上げようと思う吉田首相の外遊とともに、本年度の一番の白眉の国際親善ではないかと思うのでございますが、緒方副総理の御答弁を求めたいと思います。
○緒方国務大臣 アジア競技大会に対しては、櫻内君と全然同様な意義を認めております。この前の第一回のアジア競技大会が競技面以外におきまして、いわゆる国際親善、国民外交を進めます上に非常に効果があつたことは、櫻内君御承知の通りであります。今回のマニラにおける競技大会は、一面におきましては次の次の国際オリンピツク――次回はキャンベラかメルボルンか、濠州で行われることと思いますが、その次のオリンピヒックを東京に招致することが大体内定的になつておりますので、それをさらに確かめる意味におきましても、このマニラのアジア競技大会に力を入れることは必要でありますし、さらに今御指摘になりましたように、戦争中の日本とフイリピンとの間における望ましくない雰囲気の払拭、さらに国際的にフイリピンと日本との関係を親善にして行きます上に、今回のアジア大会はスポーツの競技以外に非常に大きい意義があると利は考えております。そういう意味におきましても、競技会に非常に力を注いでおるわけであります。それに比例いたしまして政府の補助があまり多くないという御指摘のようでありましたが、緊縮予算の手前何ともいたし方なかつたのであります。競技に対しましては政府としてもできるだけの援助々やつて参るつもりでございますが、予算面におきましては、御指摘の通り一千万円を計上しておるような次第であります。
○西村(直)委員長代理 櫻内君の質問に関しまして尾崎末吉君、川崎秀二君から関連質疑を求められております。なるべく簡単にお願いいたします。
○尾崎委員 この問題に関連をいたしまして御質問申し上げたいと思います。 ただいま緒方副総理から、櫻内君の御質問の趣旨は十分にわかつておる、またそうやりたい、予算の面においては一千万円程度というわくがあるのでやむを得ない、こういうことであります。私どもは終戦直後に国会の中にスポーツ議員連盟を組織いたしまして、国内におけるスポーツにおきましても、あるいは海外の大会等における問題につきましても、超党派的に相当の努力を払つて来たのでありますが、その結果は、国内における民主化という面その他の面に対しましても、相当の力があつたことを私どもは信じております。一方海外における大会等におきましても、さつき御質問になつたように、ただ単に親善関係において影響を与えておるというだけでなく、一種の経済外交という面から考えましても、相当の力を発揮いたしておることを私は認めておるのであります。そういうことでありますので、さつき副総理が御答弁になりましたように、アジア諸国との間の思想関係やその他のことに対して、これは非常に大きな力になるものと思うのであります。そういう点から考えますと、五百万円や一千万円程度のそういうものでなくて、やり方によればもつと何らかの方法はあるはずであります、もう少し思い切つてこれを増額をしていただきたい。申し上げておきますが、政府の方で従来スポーツ関係、海外競技大会等に御助力を願つておる以外に、民間の団体、民間の個人等におきましては、御承知か思といますが驚くべき努力と熱意とをもつて協力をいたしておるのであります。一年間ほとんどつききりで、自分たちの職業のかたわら、あるいはかたわら以上におもな仕事であるかのごとくに努力をしておる人々もたくさんおるのであります。いつも総理は国民の盛り上る力ということを申されるのですが、スポーツ関係においてはおそろしく盛り上つて来ておるのでありまして、これを坂上げて行くことが、政治の上から、外交の上から非常に重大なことだと思うのであります。でありますから、一千万円なんという程度でなくてひとつ何らかの方法で――できれば予算をとつていただきたい、もし予算の面で困るというのでありましたら、他の方法で実質上できるだけの援助を願いますればけつこうです。何らかの方法でひとつ絶対にお願いしたい、こういうことを関連質問として申し上げます。
○小笠原国務大臣 実は二十九年度予算には一千万円計上してあることはただいま副総理からの答弁の通りであります。しかしなお外貨予算につきまして、昨今の外貨の状況にかんがみまして、私が一月二十九日に閣議でこういうふうに発言をしております。それによつてそれらの大会について特別の配慮をしておるということを御了承願いたいために、私はそのときの発言を申し上げておきます。二十九年度の外貨予算は、外国の芸能人等は原則として招かない方針で編成をするが、アジアオリンピック派遣を含む日本体育協会関係については、その特殊性にかんがみ約十六万ドルを見込んでおる、こういうふうに言つております。今の外貨事情からあしからずその辺で御了承願いたいと思います。
○尾崎委員 予算の点では大蔵大臣のただいまの御答弁を了承しないわけには参りませんが、それならばその他の方法でもけつこうでございますから、できるだけこの問題に御援助願いたい、このことを十分お含みおき願いたいと思います。
○川崎委員 ただいまの問題について少しく詳細に伺いたいと思います。芸能人、それからスポーツ関係の者を呼ばないということですが、昨年のごとき、たとえばベース・ボールを二組も呼んでいる。ナシヨナル・リーグとアメリカン・リーグの二つを、新聞社等の関係もあつたと思うけれども呼んで、実にばかばかしい騒ぎをするようなことは、スポーツ人としても考えなければならぬ問題です。従つてこういうプロ競技の来訪に対しては今後相当な斧鉞を加える必要があると私も思つている。しかし、アマチュア競技、ことに今回行われるような国際的意義の背景があり、さらには賠償の問題、戦犯等の関係から見ても、日比関係の親善の上に重大な影響を与えるであろうというような問題については、慎重なる検討を加えていただいて、今一千万円ときまつておるけれども、これを何らかの方途をもつて増額をしてもらうということもこの際ぜひお考えおきを願いたいと思うのであります。それについて特にお尋ねいたしたい点は、外貨割当についても、現在施行されておるようなやり方でなしに、アマチュア競技を中心にした組立て方にやり直していただいて、多少でもこれに弾力性を持たせるという御意思があるかどうか、今後の進捗にもよりましようけれども、外貨割当についてお考えを願う余地を私は要望をいたしておきたいと思うのであります。 それから立つたついでですから、先ほど映画の問題が出ましたが、映画の問題についても、私は相当に日本としては考えなければならぬ問題がうんとあると思う。現在東京は、世界各国の映画を見られる点では、世界の最高水準に達しておるそうであります。アメリカのニューヨークを初め、シカゴ、ロサンゼルス、それから、パリ、ローマ、ロンドン、東京と、この世界の七大都市のうちで、一番各国の映画をやつておるのは日本である。これはある意味では、日本は今日レクリエーシヨン・センターを持たず、あるいはスポーツ等に対するところの大衆の、週末を利用しての施設などというものがないものですから、従つて映画に吸収されることはやむを得ないから、私は外国映画をうんと入れることは、決して櫻内君の言われるようには抑制する必要はないと思う。ただ内容をもう少し審査してもらいたい。たとえば今櫻内君の指摘された、外国映画のうちで特に多いのはアメリカ映画です。アメリカ映画は、他の国の映画の大体三倍くらいの数に私は達しておると思う。その半分は、何かといえばカウ・ボーイの映画です。これはもう青少年に非常な影響を与えて、たいがいやつておるのは、ピストルでパンパン撃ち合う、われわれの子供なんかもやつておる。ああいう影響は決してよくないのであつて、あのカウ・ボーイ映画というものは、なるべく圧縮するように政治力を発揮してもらいたい。これはこういう割当の問題に大きな原因があると、私は考えておるのであります。それと同時に、これは緒方副総理にお答え願いたいが、輸入を抑制して輸出をふやすならば、たとえば映画国策としての一つの大きな問題は、最近日本の映画は非常に海外に進出しておる。羅生門などという映画は、御承知のごとく世界各国においても大きな評価を生み、次々にこれに準ずるものが出ているが、これに対する奨励政策を政府は一ぺんでも講じたことがありますか。何もないではありませんか。あれは向うで、カンヌやヴエニスで、これは世界一のものだということを認めたから、それがはね返つて来て、ようやくこれを確認するというわけで、それではいけない。いいものに対しては、やはり年一回くらいは文部大臣賞、あるいは通産大臣賞等も出して、そうして日本映画の奨励政策をとるべきではないかと思うが、あなたの御見解はいかがか、この際聞いておきたい。
○緒方国務大臣 今の日本の映画を国際的に進出させるべく、何らかの奨励の方法を講じて行くということは、まことに適切な御意見だと思います。これを政府がやるべきかどうかということも問題があると思いますが、何かの機関でやり、そうして政府が奨励を加えて行くということがいいんじやないかと思います。
○小笠原国務大臣 輸入映画のことをちよつと申し上げます。実は輸入映画を、いいものを入れるために、普通にはないことになつておりますが、反面からやるために、映画会社からそれぞれ自分がよいと思う映画を出させまして、その優秀な映画を入れたものに一年に一本でしたか、プレミアムをつけて、お前のところはよい映画を入れたから一本よけい入れてもよいということをやつております。これは一つのよい映画を入れさせるためのもので、川崎さんの言われるような、パンパンやるような映画はあまり入つていないと思う。
○櫻内委員 大分角度の違つた質問になつたわけでございますが、内閣におきましても財源にたいへんお困りのようでございますので、私はひとつ御提案申し上げ、文部次官、通産大臣、大蔵大臣にお考えおきを願いたいと思うのであります。それは現在競輪法が施行されております。そうしてこの納付金によりまして、自転車の振興に使われるということでございますけれのども、その実際はあまり使われてないように私は思うのでございます。今後国際親善のために、このスポーツ界におきましては、副総理も言われたように、日本にも選手が来るというようなことになつて来れば、現在の施設では不十分でございますので、年限を限つてでもけつこうでございますから、こういう競輪による納付金をそういう方面に使うといとようなことになりますれば、相当な効果があるものと、かように思いますので、一応御提案を申し上げておきたいと思います。 ここで話を少しかえまして、今たいへん衆人環視の的になつております保全経済会あるいは造船疑獄の問題等につきまして、実はこれが海外に与える影響いううものについて、非常な関心を払つておるのでございます。去る二十七日に日本航空の国際親善飛行のために行かれました方々で、すでにお帰りの方があられます。その方々からの御報告によりますと、ワシントンやサンフランシスコやロサンゼルスで相当大々的に取上げられているというような報告もあり、あるいは人によりましては、それがために急遽帰られたというようなことも聞く次第でございまして、海外に与えた影響も甚大であると思うのでございます。すでに委員会におきまして指摘もいたしまたが、かつての国民政府がアメリカより見放されたというのも、こういう疑獄事件に端緒を発しておると思うのでありまして、この機会に、外務大臣がおられませんから、政務次官からでけつこうでございますが、一応外国に与えた影響の情報等についてお聞きいたしたいのでございます。
○小滝政府委員 ただいま御指摘の保全経済会及び造船疑獄の、こちらでいろいろ論議が行われているような事実は、ニューヨーク・タイムスその他でも報道いたしておるようでありますが、しかしまだ論評を加えたものはないようでございます。しかしUP通信を見ましても、両事件の中では特に造船疑獄問題に相当の注意を払つております。まだ取調べの過程でもありますので、はつきりした影響がどうというようなことは、私どもの方にまだ報告せられて来ておらないという段階でございます。
○櫻内委員 これは私から申し上げるまでもなく、外務大臣あるいは内閣におきまして相当憂慮せられていると思うのであります。というのは、MSA交渉の妥結等がこれがために遷延するのではないかというようなことも伝えられているわけでございまして、思い起すことは、アイゼンハウアー大統領がその選挙戦におきまして、長期にわたる政権が腐敗と無能を招来するものであるといつて、トルーマン政府を責め、それがために勝利を収めたとまでいわれている次第でありまして、どうぞ前車の轍をお踏みにならぬようにお願いをいたしておきたいと思います。 そこで時間がございませんので、少しく副総理にお尋ねをしたいのでございます。吉田首相が本国会終了後にチャーチル英首相の招請によつて外遊をせられるということを聞いておるのでございますが、それはすでに決定をせられたものであるか、また吉田首相の外遊は何を目的としておるのであるか、かまた外遊をせられる場合の吉田首相の資格はどういうものであるかということを、大まかにお尋ねをしたいのでございます。
○緒方国務大臣 吉田総理大臣がイギリスのチャーチル首相の招請によつて外遊されるということは、まだ私聞いておりません。ただ昨年の秋ごろから、 一度国会の余裕等があつた場合に米英を主とする各国に参つてみたいという希望のあることは、私も承知いたしております。今度の旅行につきましては、まだ具体的の計画は聞いておりません。それからもし行かれる場合は、これは想像でありますが、総理大臣の資格で行かれるのだと思います。
○櫻内委員 それでは大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。緒方副総理はただいま、昨年来そういう首相の御意向であるということでございますが、今回の予算面を通じましては内閣の官房においては、交際費を五百万円ふやしておられるだけでありまして、総理大臣としての御資格で欧米に行かれる旅費等はいまだ計上されておりませんが、これらについては、もしそその際は予備費でもお使いになるのか、あるいはどの程度をお考えになつておるのかお聞きしたいのでございます。
○小笠原国務大臣 私ども予算のときに、何ら具体的に聞いておりませんし、また、今日も聞いておりません。従いましてこれをどうするかということについては、具体的に話があつた節に考えたいと思います。但し、各省くらいですと、その省に若干の旅費があると存じておりますが、総理の場合どれくらいを要するのか、それは私どもちよつと見当がつきかねますので、その問題が起るまで答弁をいたしかねます。
○櫻内委員 それではえらいこまかい話でございますが、今度内閣官房と外務省だけが交際費がふえております。他は全部前年度並かあるいは削られておる状況でございますが、今の交際費の五百万円のうち、外務省においてはたしか三百万円以上か何かふえておつたと思うのであります。それはどういうお考えでおふやしでございましたか、お尋ねしたいと思います。
○小笠原国務大臣 外務省におきましては、在外公館等もああいうふうにふえ、渉外関係が著しく増加しておることは御承知の通りでございます。内閣におきましても、だんだん各国との親善関係が増すにつれて、行つたり来たりする人もおりまするので、そういつたような費用の増加を多少見込んだと思います。但し金額は私はつきりと記憶いたしておりません。
○櫻内委員 緒方副総理の御明言によりまして、大体総理の外遊は真実のようでございますので、次のような問題点をお聞きをしたいのであります。これは平和会議に御出席のときにも検討せられたと思うのでございますけれども、なお、幾多の疑点がありますので、この際明瞭にしていただきたいとい思ます。現在緒方副総理が、総理大臣に事故ある場合あるいは欠けた場合におきまして、その職務を遂行せられるお立場にあるわけでございます。これは内閣法等九条によつて明かでありまして、いよいよ総理が行かれる場合には臨時首相としてのお立場に立たれるのでありますが、その場合には総理とまつたく同一の権限を保持し、使用することができるのか。たとえば総理大臣の持つておる罷免権のごときものをお持ちになれるのかどうか、この点をまずお聞きしたいと思います。
○緒方国務大臣 内閣法の解釈に関することでありますので、私よりも法制局長官からお答えいたします。
○佐藤(達)政府委員 総理大臣の代理者の権限の問題でございますが、これは私どもかねて考えておりますのは、この事故の範囲というものを常に考えまして、その事故の範囲に対応して代理者の権限が及ぶというふうに考えておるわけでございます。従いましてただいまの御指摘の例で申し上げますと、たとえば大臣の罷免の問題があるという場合には、今の総理が旅行中であるという場合において、総理に長距離の電話なり電報等によつてお打合せをすることが可能なわけであります。また総理の方からあるいは指令が来るかもしれぬという場合もございますが、その場合にはそういう手続をとられることであろうというふうに考えるのであります。ただ現実に発令をする場合、認証式の場合、あるいは辞令等に総理が筆をとつて急に署名をしなければならぬという場合は、これ不可能でございますから、その場合に副総理が代理をするというふうに、それは事故の範囲に応じてわけて考えなければならぬことであると思います。
○櫻内委員 長距離電話はいいのでありますが、総理大臣に聞けないような状況、たとえば非常な意識不明の病気にもなつておられるという場合については、今の長官のお答えではどうもはつきりいたさないのでございますが、それよりも私のお聞きいたしたいことは、内閣総現大臣の欠けた場合につきましてお聞きしたいのであります。というのは国会が開会中ならば私は問題がないと思うのであります。しかしながら、これがもし閉会中に内閣総理大臣が欠けた、こういうことになりますと、その場合憲法第七十条は、「総辞職をしなければならないと。」書いてありますが、七十一条には「あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。」ということが書かれておるわけでございます。しかしこの「内閣総理大臣が任命されるまで引き続き」というと、閉会中でありますと、通常国会までも時期的には何箇月も引いて行けるという場合も起きて来るのでありますが、そういうことは、憲法の精神から許されるのかどうかというような点について、お尋ねをしたいのでございます。
○佐藤(達)政府委員 これは憲法ができますときの国会の審議においても、同趣旨の御心配の質問がありましたのですが、そのときにも答えております通りに、この総理の指名というものは、憲法の他の条文によつて明らかでありますごとく、他のいずれの案件にも先立つてやらなければならぬということさえ書いてあるのであります。速急に行われることでありますから、その精神から申し上げまして、総理大臣が欠けたという場合には、その内閣はただちにその指名のための国会、臨時国会でありましようが、これを召集する処置をとるべきものであるというのが憲法の趣旨であると考えております。
○櫻内委員 そういうふうに明白になつておればけつこうでございます。現内閣はしばしば憲法の解釈を歪曲しておる事例もございますので、特にお聞きしたかつたのであります。 さらにお聞きしたいことは、実は内閣法による副総理の地位というものは、本来言うと、私は幾多の疑問があると思うのであります。内閣総理大臣は他の閣僚と違いまして、国会の指名によつておるわけであります。今回の外遊のような場合を想像いたしまして、二箇月も三箇月も長期にその職務を代行するということになると、国会が指名をすべき内閣総理大臣を、内閣法により代行すべき存在の人によつて行われるということは、国会の立場からいうならば、どうも疑問を持たざるを得ないと思うのでありますが、この点をお尋ねしたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 この代行者の指名を総理大臣に一任するという形はどうであろうかというような御趣旨のお尋ねかと思いますが、これも実は今の内閣法ができますときの一つの問題になつておつたのであります。そのときもたしか質問があつて、お答えを申し上げたのでありますが、そのときの政府の考え方としては、やはりこれは総理の気心のよくわかつた人を代行者として任命して、総理に指名してもらうという方が適切であろうというお答えをして、そうして法案が成立をしたという経緯がございます。確かに内閣法制定の際の問題には上つた事項であります。
○櫻内委員 いろいろ憲法上に触れて参りますと、吉田首相は憲法の改正の要なし、現行憲法はよいものであるという明言をされておるのでございますが、ずいぶん疑問点がございます。 最後に一つお聞きしたい重要な点でございますが、現行憲法が普及せられますときに、憲法普及会が設けられ、そこでもつて全国の識者を集めまして、宮澤俊義氏が国会と内閣という講話をせられ、そのものは当時冊子となつて広く配布せられておるのでございます。その中にこういうことがございます。天皇の行われる国事につきまして、憲法第七条であつたと思いますが、内閣の助言と承認によつてこれを行うということになつております。この助言と承認について、その助言は、内閣からひとつ解散をしてもらいたいということで、天皇が国事を行う。しかるに承認の方はどうかというと、天皇の方から、どうだ、解散をしたらばどうか、こう言われたときに、内閣の方がよろしゆうございますと言えば、それが承認である、いわゆる旧憲法における輔弼というものが助言と承認の二つにわけられておるというのでございますが、この解釈は現在内閣としてどのようにとられておるか、お聞きしたいのでございます。
○佐藤(達)政府委員 これも憲法ができますときの貴族院の委員会で、下條康麿という委員がちようど解散の点について御質問になりまして、解散をされる場合には、天皇の方から解散したらどうかと言い出されて、内閣はよろしうございましようという形で解散が行われることがあるかという、そのものズバリの質問があつたのであります。それに対して当時金森さんは、実際上そういうことは普通考えられないかもしれませんが、観念上の問題としては、さようなことになると思います、そういう考え方が正しいと思いますという答えをしておるわけでありますが、今の宮津氏の本は私も十分承知しております。その考え方もあるのであります。私どもは憲法制定のときからそういう気持を持つておりましたから、もちろんそれと同じ考え方をとつております。
○西村(直)委員長代理 先刻船越弘君の保安庁関係の御質問につきまして保留になつておりますから、この際これを許します。船越弘君。
○船越委員 私は昨日から保安庁の方に出てもらうようにお願いしておつためであります。ところが私の時間に出て来られない。そういうことではあなたのところの予算は削減されるかもしれない。私は与党ですから削減しませんが、野党の諸君は待ち構えておる。だから私がこれから質問することについてははつきりと答弁してもらいたい。こう思います。 まず第一番に、わが国におるところの駐留軍が二十九年度内に漸減することは必至であると思います。従つてその漸減に伴うところの予算を保安庁はお組みになつたものであろうと思いますが、その点はいかがでございましよう。
○上村政府委員 お答え申し上げます。お尋ねの通り米軍か引揚げるかどうかということについてははつきり申し上げかねますけれども、私どもといたしまして施設の予算その他を計上いたすにつきましては、米軍施設、現在使用しております施設を返還してもらいまして そうして保安庁の庁舎として使用したいということを予想して予算を計上いたしております。
○船越委員 しからばもし引揚げないということになると、今の予算のわく内ではやれない。こういうことになりますか。
○上村政府委員 大体二十九年度の増員のうち、約一万三千人分に相当いたしまする営舎につきましては、米軍から返還をしてもらうということを予定しております。従いまして万一米軍当局におきまして、二十九年度中にそれだけの庁舎を明けてもらえないということになりますれば、増員に必要な庁舎が保安庁において欠けるということになります。
○船越委員 最後にもう一点、航空基地についてはどういうふうなことを予算面で考えておられますか。たとえて言うと、現在使つておる基地が必要がなくなるということも予想されて予算を積算されておるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○上村政府委員 保安庁におきましては、二十九年度におきまして第三幕僚監部というものを設置いたしまして、そうして航空自衛隊という部隊をつくりたいことは御承知の通りでございますが、これに必要な飛行場その他につきましては、米軍の使つておりまする飛行場を共用と申しますか、米軍の使つておりまする飛行場において訓練をしてもらうということと、もう一つは現在保安庁が使用しておりまする浜松、鹿屋、あるいは現在はまだ保安庁の施設になつておりませんけれども、小月その他数箇所の飛行場の施設を整備いたしたい予定でおります。
○西村(直)委員長代理 この際要望申し上げます。明日及び明後日の二日間は公聴会を開きます。公聴会に委員各位の特に多数の御出席をお願いいたしますと同時に、政府側におかれましても努めて御出席くださるように、この際特に委員長から要望申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十七分散会