郵政委員会 第31号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/10/22
会議録
○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。去る九月十四日、理事山花秀雄君が委員を辞任され、理事が欠員になつておりますが、同君は再び委員に選任されましたので、山花君を理事に指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。
○田中委員長 郵政事業について調査を進めたいと思います。昨日、郵政省関係の明年度の予算編成について説明を聴取しましたので、これについて質疑を続行いたしたいと存じますが、まず局舎の改善に関連いたしまして、現在なお駐留軍に接収されております名古屋郵政局、福岡並びに仙台簡易保険局について、接収解除の見通し及びこれまでの交渉の経過等につきまして、郵政省側より説明を伺いたいと存じます。
○小宮説明員 私の方の建築部長がきよう不在でございますので、私から概略について御説明申し上げます。ただいま委員長からお話のございましたごとく、われわれ関係の接収建物というものにつきましては、まず名古屋の郵政局庁舎、それから福岡の保険局庁舎並びに仙台の保険局庁舎、この三つが接収されておりまして、これがそれぞれ事業として一番大きくもあり、また最も必要な建物でございます。このほかに小さいものといたしまして、実は東神奈川郵便局の旧庁舎の建物並びに羽田の飛行場内の建物が接収されてございます。大体以上五つが現在接収されておる建物でございます。そういたしまして、この建物の解除ということにつきましては、われわれといたしましてできるだけのいろいろ陳情書を調達庁にお願いするなり、ないしは外務省の協力局に対して、その都度陳情申し上げるといつたようなことをやつておりましたわけでありますが、特にこのうちの前者の三つというものにつきましては、事業上どうしても困る。その理由といたしましては、福岡並びに仙台は、もともとが簡易保険局の建物である。しかるにそれが接収されておりますために、現在はそれぞれ木造建物によつて仕事をしておる。木造の建物でやつております場合においては、この簡易保険の原簿という最も国民に関係のある大事なものが、木造のいつ災害にあうかわからないというようなものに保管しておつたのでは、加入者の利益を確保できないといつたような理由によつて、調達庁並びに協力局に対して再三お願いしておつたわけでございます。現在の状況において私の知つている範囲においては、まだ具体的にいつということにはなつておらぬ。調達庁においても、幸いその点は御理解くださいまして、いろいろ御努力願つておるけれども、現在の段階においては、なおはつきりしておらぬ。ただ最近の情勢といたしましては、以上三つのうちの名古屋郵政局庁舎だけは、うまく行つたら来年度の第一・四半期の中ほどか終りごろ好転するのではないか、もうしばらく様子を見てもらいたい、かように承知しているわけであります。以上が大体われわれの接収されている建物の状況並びにいろいろ陳情なり申請をしておつた状況でございます。
○田中委員長 次に調達庁当局より説明を伺いたいと存じます。
○山内説明員 今郵政省の方からお話のありました主として三つの建物について、調達庁が今までいろいろ折衝した状況を簡単に申し上げたいと思います。実情は今郵政省の方のお話の通りでありまして、非常に御不便な建物で仕事をしておられるということにつきまして、遺憾に存じております。 まず名古屋の郵政局の建物につきまして状況を申し上げますと、この建物は使用の形式から言えば一時使用の施設となつておりまして、その点から申し上げれば早く解除する見通しを持つておつたわけであります。それから名古屋市内の地区にある軍の施設の返還をなるべく早くいたしたいという、これは日米双方の合意に基いて、そういう方向に向つて努力をいたしております。目下建設省におきまして、小牧と守山地区に代替施設を工事中であります。これは必ずしも今の郵政局の建物の代替施設という意味じやないので、名古屋の中枢部にあります軍の施設の返還のために、全般的な代替施設として今建設途中であります。そこで名古屋の郵政局を利用しておる診療所施設も、今の一般計画の小牧、守山地区にそれぞれ代替施設建設中でありましてこの工事が完成いたしますれば、当然返還になるものと考えております。そこで工事の進行状況を申し上げますならば、実は当初の計画としては、本年の九月末くらいにつくりたいという建設省の計画であつたわけでありますが、いろいろの点におい進行を阻害するような実情がありましたために、非常に遅れておりまして、今郵政局の方のお話のような状態であります。私ども今の計画としては、来年の三、四月、六月までにできるという計画にはなつておりますけれども、とかく遅れがちでありますので、その分の解除ということはかなり困難じやないか、やはり九月ごろになるのじやないか、かように思つております。 それから次に福岡の簡易保険局の建物でございますが、これも名古屋の場合と同じように、使用の形式から言えば一時使用施設として提供いたしておるわけであります。軍はこの施設を病院として使つており、その使用の状況は、朝鮮事変が終了後、利用度が幾分か低くなつておる向きもありますが、現在のところまだ相当活用しておるような状態に見受けられます。この施設の返還についての軍側の意向としましては、代替施設があれば返還をするということをはつきり申しております。しかしこの福岡の簡易保険局の代替施設の建設ということになりますると、土地等につきましてはできないこともないと思いますけれども、建設の経費に相当多額を要するような見通しを持つておりますので、そういう点において非常に困難性があつて、いつ解除になるかということは、今のところ遺憾ながら見通しが立つておりませんようなわけであります。 次に仙台の簡易保険局の建物でありますが、この施設は継続使用の施設として提供いたしております。この点におきましは前二者の場合と違いまして、相当長くなるということを初めから覚悟で提供しているわけであります。現在の軍の使用状況は、一般の診療とか施薬とかあるいは医療教育、体育練成等、いろいろな面に利用いたしております。簡易保険局は、今もお話がありました通り、現在別に庁舎を建てまして業務を取扱つておるようなわけであることと、現在までのところ使用の形式が相当長期にわたることをある程度御理解願つている関係から、実は本庁としてはまだ返還の陳情を受けていないわけでありますが、あるいは地元として、調達局の方にはそういう陳情があつたかもしれません。そんな状態でありますので、この仙台局の解除については、やはり見通しが立つておらないような状態であります。しかしながら今の郵政局の御希望もありますので、今後できるだけ解除の問題についても検討いたしてみたいと考えております。
○田中委員長 調達庁の関係の方は、あと駐留軍との折衝等の要務があるようでありますから、こういう接収庁舎の解除の問題について御質疑があれば願いたいと思います。——委員長から伺います。福岡の簡易保険局庁舎返還の問題については、多分昨年度であつたと思うのでありますけれども、本委員会において取上げましたところ、すでに駐留軍関係の別な建物の建設計画もほぼきまつて、委員会で取上げた直後、郵政省と大蔵省及び調達庁の三者が現地へ参つて折衝を行い、駐留軍がかわりに建てることを要求しておる建物と坪数等において若干の食い違いがある程度で、これは非常に早く返還されるようなことを当時委員会として伺つた記憶があるのですが、ただいまの御説明だとまだ相当長くなるような見通しのようであります。昨年から事情が変化して、駐留軍関係ではあそこをまだ医療関係に使つておるように現地を見て参つたわけでありますが、調達庁の方では建設計画が進んでいないでしようか。
○山内説明員 私あとから東京へ参りまして、前のお話ということについては詳細承知をいたしておりませんが、おそらく当時代替施設をつくつてくれるならば解除しようという軍の意思があつて、代替施設のことについて相当検討されたものと考えております。従つて当時代替施設の問題から、そう長くかからぬで返るのではないかと御観察になつたのは無理からぬと思いますが、何としても病院に利用しておりまして、代替施設を病院施設にするということになりますので、そうなりますと他の事務所と違いまして、どうしても建設費がよけいかかるというような関係から、相当検討いたしまして、概算どれくらい必要であろうかということも算出はしてあるわけでありますが、何としても額が非常に高くなる関係で今年は困難ではないか、こんなふうに考えまして先ほどお答え申し上げたわけであります。
○田中委員長 なお伺いますが、現に接収中の郵政関係で大きなものとしては、名古屋、福岡、仙台の三局があるわけでありますが、こういうものの接収を解除させるための代替建物の建築関係は防衛費の関係で、いわば防衛支出金でまかなうものですか。それとも日本政府側のいわゆる一般の公共建物というような関係の、建設省の営繕関係で行うものですか。その点はどうなんですか。
○山内説明員 軍と日本政府との間で話合いがつけてありますのは、大都市の中心部の建物を解除するために、軍の施設を郊外に移す、こういうような目当で今大きな仕事をやつておりますが、これは防衛支出金で支弁をいたしております。今の福岡の場合のような、そういう意味の大都市の中心部の施設を郊外に移転するということと、形式的には若干違つておりますが、かなり関連するような問題でもありますので、つくるということになれば防衛支出金から支出するということになるのじやないかと思つております。まだ大蔵省と金額についてまでも打合せしたことになつておりませんので、検討してやつて大よその金額はこれくらいということを出しただけでございましてまだどういう経費から出すというようなことまでは話し合つておりません。
○田中委員長 ほかにこの点についての質疑はございませんか。——これらの建物の返還の問題は、郵政省の所管行政の上で多年の懸案になつておる問題でございます。それぞれやはり大都市の中心部にある関係からいたしまして、郵政行政の円滑なる運営上、返還の一日も早いことを委員会としても非常に関心を持つておりますし、防衛支出金関係においても相当予算にゆとりのあるようにわれわれは伺つおりますので、そういう関係で当然既定の予算の中でまかない得るものであれば、一日もすみやかに代替建物を建てる等の方法によつて返還のできるように、調達庁においても米軍並びに大蔵省方面と特にお骨折りを願いたいことを希望いたしておきます。 —————————————
○田中委員長 次に郵政従業員の給与に関する問題でございますが、ただいま全逓従業員組合から、昭和三十九年四月以降における賃金改訂に関する調停申請書が、公共企業体等中央調停委員会に提出されております。本件について郵政省当局よりその後の経過について御説明願いたいと思います。 なお本件については、本日中央調停委員の出席を求めて説明を聞く予定でありましたが、小委員長が所用のため出席しかねるとの連絡が昨日委員長の手元までありましたので、あらためて御出席を願いたいと存ずるのであります。 なお中村小委員長の予定を伺つたところ、月曜日には委員会への出席が可能だということでございますので、できれば来る二十五日に、公共企業体等中央調停委員会の全逓所管の第二小委員会の小委員長中村常次郎君を、参考人として本委員会に出席を求め、本件についての説明を聴取いたしたいと存じますが、この点に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。それではまず、郵政当局より本件についての説明をお願いいたします。宮本人事部長。
○宮本説明員 賃金改訂の問題につきまして、今までの経過を申し上げたいと思います。 職員側から本年の七月に当局に対しまして、昭和二十九年四月以降における賃金をこういうふうに改訂してくれという要求があつたのであります。この新賃金要求につきまして、その後何回となく団体交渉を行つたのでありますが、あとで申し上げますような、両者間の意見が対立いたしまして、団体交渉が決裂をいたしました。組合側は九月に中央調停委員会に対して、本案に対しての調停申請を行つております。こういうことになつておる次第であります。 組合側の要求の要点並びにこれに対します。郵政省側の考えを申し上げます。今回中央調停委員会に調停申請をいたしております点が二点ございます。一つは満十八歳の独身男子の生計費八千七百円を基礎といたしますところの新賃金を四月以降支給せよ、こういう点であります。もう一つは年齢保証給という考え方でありまして、一定の年齢に達した者に対しては、その年齢だけの点から見ましてこれだけの給与を支給せよ、こういう要求でございます。 最初の十八歳の独身男子の生計費八千七百円を基礎といたします新賃金、これは内容的に見まして現在の適用職員の基本給一万四千三百八十円に対しまして、約一万八千円程度のものとなる次第であります。大体三千九百円をちよつと上まわるいわゆるベース・アツプということに相なるかと存じます。この賃金の引上げと申しますか、この点につきましては郵政省側といたしまして——最近の一般消費物価並びに民間の賃金状況というものが横ばい状況にあります。また一般の公務員の給与に関しまして、人事院が先ごろこの改訂の勧告と申しますか、これを留保いたしております。こういう点から考えまして、この際郵政職員の給与を特に引上げなければならぬという理由は、われわれとして見出すことができないこういうのが一点でございます。なおさらに今回の組合の要求通りの給与を改訂するといたしますと、公労法の適用職員につきましても、年間におきまして約百四十六億の給与原資が不足いたすこととなる次第でございます表年度の給与総額のうちからは、とうていこれはまかない切れない金額でありまして、こういう点からいたしても、この要求に私どもは応ずるわけには参らぬ、こういうふうに考える次第でございます。 第二点の年齢保証給と申しますか、一定の年齢に達した者は、そのやつておる職務あるいは責任、地位というもののいかんにかかわらず、一定の給与を支給する、こういうことでありますが、この点につきましては、省といたしましては、給与は原則的には職務と責任、また加うるに職員が発揮いたしました能率に応じて支給さるべきものと考えるのでありまして、単に年齢の差だけによつて給与の差を設けるということには、賛成しがたいのであります。同一の職務に従事し、同一の能率を有する職員の給与というものは、やはり年齢にかかわらず同一であるべきであるというふうに省側は考えておる次第でございます。さらにまたこの年齢保証給というようなものを実施いたしますと、永年勤続いたしました職員と、新規採用をいたしました職員との間に、給与の不均衡をどうしても生じやすいと申しますか、生ぜざるを得ない、こういう点からいたしましても賛成しがたい、こう考える次第でございます。 以上申し上げましたように、組合側の要求並びにこれに対します省側の考えというものが対立いたしまして、数度の団交を持つたのでありますが、結局これが決裂いたしまして、先ほど申し上げました通りに、組合側は九月に中央調停委員会に対しまして調停を申請いたしておる、こういう状況でございます。以上経過の御報告をいたしました。
○田中委員長 これに対しまする中央調停委員会の調停案が出る経過については、先ほどお諮りいたしましたように、二十五日に第二小委員長の出席を求めて伺うことにいたしたいのでありますが、この点を含めまして、昨日当局より御説明を願つた昭和三十年度予算の概要とひつくるめまして、質疑を続行いたしたいと思います。なお昨日口頭で説明のありました明年度の予算の概要については、お手元に資料を配付いたしております。幸い郵政大臣もお見えでありますから、大臣に対する質疑から先にお願いをいたしたいと思います。
○佐藤(觀)委員 大臣にちよつとお尋ねしたいのですが、今年度の予算を見ましても、最近郵便貯金の非常な増加と、それから簡易保険の非常に画期的な増加が出ておりますが、実はこれは御承知のようにデフレ政策の関係で、銀行やその他の預金が非常に減つておるのに、郵便貯金や簡易保険などがふえるということは、これは郵政職員の努力の結果だと思うのです。そういう点から、これは実は大蔵省などでは徴税官などにいろいろな手当がついているわけですが、郵政省の諸君にも、先ほど説明がありましたように、一般公務員として取扱う以外に特別な——たとえば現業の人などにつきましても、われわれは非常に感謝しておるのですが、そういうような何らかの措置で、手当などというものについても増額をする必要がないのか、大臣はそういうことを一体どういうふうにお考えになつておられるのか、ちよつとお尋ねしたいと思います。
○塚田国務大臣 基本の考え方としてはまつたく同感でありまして、よく働いてもらつた者に、それに応じた報いをするという考え方で行かなければ、なかなか業績が上らないと思うのです。ただことし予定よりも非常に貯金が伸びておりますことは、佐藤さんのおつしやる通りでありますが、しかし今までの制度でも特に努力をしなければ伸びない、また努力をすれば伸びるという形のものは、それぞれにこの努力に報いるように予算措置をしまして、そうしてそれが集まつた場合には、それに応じたきまつた手当を支給して、今日の状態が出て参つておるわけであります。ただ私が考えますことは、実は今後もう少し積極的に努力をしたい、またそうすることが今政府の考えております国策の線、つまり予算支出を多くしないで蓄積資金を多くして、インフレの高進を押えるという考え方からも、非常に大事なことであると思いますので、今後この貯蓄目標をむしろもつと大きくして、一層努力してもらうようにという考え方を持つておるわけであります。そういう場合にはやはり当然それに報いるべき何らかの手当をしなければならないと思うのですが、もしそうするということになりますと、やはり補正予算を組みまして、それに対する手当の予算をつくつてからかからなければならないわけであります。大体今までのところでは、この問題についてはそういうような考え方をいたしておるわけであります。
○佐藤(觀)委員 まあ通り一ぺんの大日の考え方だと思うのですが、たとえば電電公社の関係あるいは国鉄の関係などを見ますと、そういう点には——これは公社ですから幾らか違つておりますけれども、その過程から見ますと、やはり郵政省と同じような形で出て来て、現実的にはやはりそういうような仕事については幾分か、役得と言つては悪いけれども、そういうような形がある。郵政職員だけは、われわれはいろいろなところを見ておりますが、そういうことはいいことではないけれども、現実に見てそういうような非常に不公平な点があるわけですが、郵政大臣は自治庁長官も兼ねておられるので、いろいろそういうような事務的な関係もありますけれども、ぜひそういう点でもう少し積極的に、そういうような働く者については何らかの形で報いるということでなければ、結局熱意を持つて仕事をしないということになるわけで、今のところは社会的な諸条件以上に、末端の郵政職員が非常に努力しておることを私たちは見るわけですが、そういう点についてもつと積極的な御意見を大臣の所管として承りたいと思うのですが、そういう熱意があるのかないのか、もう一度お尋ねしたい。
○塚田国務大臣 ただいまお答え申し上げましたのは、貯金がよけい集まつた、また集めるのに貢献をしたという石を個々に考えて、考え方を申し上げしおつたのですが、全体としましては貯金の増強その他郵便物の増加によつて、郵政省の業績が上る。従つて収入がふえて行くという場合には、それに応じてやはり増加した収入の中から、働いてもらつた者に報いるという考え方は私も強く持つておるのでありまして、現在の会計法規の許す範囲におきまして、増加収入は結局二十五万従業員のふところに入るようにという考え方で、昨年の年末から年度末にかけても非常に努力したつもりでありますが、今年ももしそういうふうな状態になれば、ぜひ同じ考え方で積極的に努力して、その労苦に報いたいという強い考え方を持つております。
○山花委員 ただいまの配付された資料によりますと、新しく事務量がふえたという理由で、人員増加を行つておるのであります。最近ずつと定員の関係で人員をどんどん減らしておるのですが、来年度は八千七百六人という大幅の人員増加をやつておるので、こう考えてみると、非常に矛盾したような気がするのです。今まで定員を減らした、そして今度急にふやすというのは、高賃金から低賃金への切りかえというふうに、われわれ了解せざるを得ぬと思うのですが、この点を大臣はどうお考えになつておるか。
○塚田国務大臣 これは全体として見ておりますと、まさに御指摘のようなことになるわけでありますが、私どもが絶えず人員にむだがないかということを検討いたします場合には、個々の部面について問題を検討しておるのでありまして、昨年中非常に減らしましたけれども、減らしたと同時に、やはり一方に昨年においてもふえておる部面があるわけであります。ことしは昨年の引続きで、残つておるものがあれば整理をすということになるわけでありますが、新しい整理というものではないわけであります。しかし業務量が増加して、ふやさなければならない部面の増加要因というものは、昨年と同じように出て来ております。だからことしは整理はなくて、増員だけが出て来るという感じであります。ですからいつも、整理をするという考え方と増員をするという考え方は、むだなところにむだな人があるならば、そこから整理をして行く。そして足らないところには足らない人をふやして行く。もちろんむだなところからむだな人を整理する場合に、配置転換などで足らないところへまわせるならば、それらの人をそれらのところへまわして、現実の出血をなくする、こういう考え方でございます。
○山花委員 定員について現在までいろいろ議論しておりますが、そのときの議論は、やはり今の大臣の答弁と少し違う政治説明が行われておると思います。全体を見れば私の言う通りだということを大臣も指摘されておりましたが、高賃金から低賃金への切りかえということは、国家財政の上から見れば、やむを得ない点も幸われわれは認めないわけには行かないと思いますけれども、しかし熟練労働者と申しましようか、それが新規採用による下熟練労務者によつて、かえつてむだが出ておる面があるのじやないかという点を私憂えるのですが、この点について大臣はどうお考えになつておられるか。
○塚田国務大臣 これは整理のときに、賃金の高い人がやめる、そういう人たちにやめてもらうという考え方を別にしておるわけではないのでありまして、結局ある部署においてある仕事の量というものを考えて、そこにどれくらいの人間が適当であるかということの判断によつて、整理を考えておるわけであります。もちろん整理の現実の場面におきましては、希望退職などを募りますと、比較当年功を積んでおられる、また給与の高い方々が、退職金なども相当もらえる、それからもうこれから勤めておつても何年も勤められないという、いろいろな要因が本人らの考え方に作用いたしまして、そういう人たちが割に希望される向きが多いというようなことがあるものですから、給与の高い人がおやめになる。また新しく採用する場合には、どうしたつて御指摘のように若い者が入られるから、結果においてはそういう形になつて参りますけれども、そういうことを意図して考えるということは決していたしておりません。それからもしそういう結果になつた場合に、御指摘のように熟練者がいなくなつて、不熟練者が入つて来るということは、まさにそうであろうと思います。これは全体として各省の人員整理をするときの考え方がみなそうなんでありますが、そういう考え方に対しましては、やはり長く続く仕事には絶えず新しい者を入れて、古い者がだんだん抜けて行くということが、これもまた別な面から見て、私は仕事における人員構成の上に考えておかなければならない一つの大事な点であろうと思うわけであります。いつまでも古い人たちばかりというわけにはやはり行かない。そういう意味から必ずしもこれは絶対に避けなければならないということではないと考えておるわけであります。従つて熟練者が出て能率が落ちるという場合には、そういうことを考慮においた新定員というものを、やはり考えなければならないということも考えておるわけであります。
○山花委員 一つの仕事に自然の形で新陳代謝があるということは、われわれは必要と考えておりますが、去年の定員減の実施のあり方を見ても、配置転換がなかなかスムーズ行われていない。当局は非常に無理をして定員減をやつた。事務量がぐつと大きくなることは当然明らかにわかつておるのにかかわらず、無理な定員減をやつて、ここに急に八千名以上の定員増をした。これはわれわれは非常に矛盾していると思うのです。これはお互いの意見の相違と言えばそれきりでありますが、こういう点ももう少し考慮していただきたいということを希望として申し上げたいと思います。 それから局舎の復旧改善で、ここに一応借入金なんかを予定しておられますが、この考え方でどの程度の局舎が復旧改善されるのか。一応第一次、第二次、第三次というような御計画があるだろうと思いますが、一挙に全部というわけにも今の財政状態では行かないだろうと思いますので、郵政当局で計画された第一次程度のものが、この予算で全部改善されるのであるか。もし詳しく説明ができれば、一応していただきたいと思います。
○八藤説明員 局舎計画の具体的なことにつきましては、お手元の昭和三十年度予算の概要説明にあります通り、大体総計六十一億という数字を出しているわけであります。私ども経理当局としてこれを積算いたしましたのは、昨日も口頭説明のときに概要を申し上げた次第でございますが、ただいま山花先生のおつしやいましたように、これは三十年度限りの計画としてやつたものでないのであります。大体の考え方といたしますると、現在全国に一万数千の局舎があるわけであります。すでに四十年以上を経過して、非常に古くなつている局舎を当面の目標といたしまして、これに加えますのに、たとえばその経過年数が十年に満たないものであつたといたしましても、戦災直後の応急復旧のバラック局舎として建てられましたもので、すでに相当いたんでいるものがある。そういうものもこの際計画の対象にいたしました。そのほかに、ことに戦災地その他で復興計画等と関連して、都市計画などが非常に進んでおりますために、たとえば道路地区になつてしまつておつて、しかも相当都市計画が進んでしまつておるようなところの局舎などは、経過年数のいかんにかかわりませず、都市計画のために当然移転せねばならない。大体かようなものを目標といたしまして、応急の数年次計画によるところの新築をいたしたい、かような計画をいたしました。 大体におきまして利どもか清算いたしました上では、二百二十億前後が郵便局舎だけでいるのではなかろうか。もちろんその中には土地の買収価格も入つている次第でありますが、金額といたしまして大体二百二十億程度、これがただいま申し上げましたような応急中の応急に属するものとして、今度の目標になつた数字でございます。建物の坪数で申し上げますれば、これもまたはなはだ概算で恐縮でございますけれども、木造と本建築と合せまして、大体十八万坪を中心とする坪数というふうに概算して積算いたしまして、ただいま申し上げました二百二十億になります。その第一次計画といたしまして、三十年度に六十一億程度の金がいると積算いたした次第であります。もちろんこの六十一億中には、今申し上げました二百二十億の郵便局舎以外の非現と申しますか、その他の建物も含んでいるわけですが、なお詳しいこと等でわかりましたことは、係の方から御説明申し上げます。
○山花委員 概略は御説明願つたのですが、大体二百二十億前後と概算されるが、一応初年度においては六十一億円、そしてこの中には局舎以外を若干含んでおる、こういうふうに理解していいですね。
○八藤説明員 おつしやる通りでございます。
○山花委員 それではちよつとお伺いしたいのですが、初年度の大十一億円のうちで、局舎に関係するのとそれ以外との割合は、大体どの程度になつておりますか。
○八藤説明員 郵便局舎というもの、これは鉄道郵便局等こまかいものも含めておりますが、六十一億中大体四十億円、こういうふうになつております。
○山花委員 その数字はここに出ておりますからこれでよくわかります。そこでさらにお尋ねしたい点は、四十年の年限の来ておるものと、それから都市計画によつてどうしても移転その他のものは一応やる、それから戦災地その他で応急バラック等々に関しては、その実情に応じて査定をしてやる、こういう御説明でございましたが、一律に都市計画のものと四十年の年限の来ておるものは全部完了する、こういうふうに理解してよろしゆうございますか。
○八藤説明員 言葉が少々足らなかつたのでありますが、四十年以上経過しおりますものもまだまだたくさんあるのでございますが、私たちの財政計画その他から考えまして、またいろいろな点から考えまして、少くとも当然国費をもつてしなければならぬものは全部入つておる、かように御理解願いたいと思います。
○山花委員 わかりました。
○田中委員長 関連して大臣に伺います。これは郵政省としてこれだけのことをやりたいという一つの構想に属すると思うのですが、いよいよ明年度の予算がきまれば、資金の調達は借入金、これは本年よりは二十五億もふえるわけでありますが、これもあながち至難ではないと思います。それから設備の各会計からの負担金も、十五億程度であれば調達にまず大した無理はないと思うのですけれども、今まで郵政行政の中で懸案になつておる老朽局舎の改善問題がなかなか実現しないのですが、三十年度においてこれをぜひとも実現してもらいたいというのが国民の声であり、また本委員会における閉会中の国政調査等の委員諸君の報告の結論もその点に帰着するので、ぜひとも実現を希望するのでありますが、これが予算実現のために、大臣としてはどこまでお腰を入れられるか、その決意のほどを伺つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 これは実は私も非常にむずかしい問題だと思つております。実は昨年も同じ問題があつたわけでありますが、一般的に問題を見ておりますと、こういうような緊縮政策のとき、つまり国民になるべく消費を抑制してほしいということを要望するときに、国の側が積極的に消費を増すというような動きは、なるべく避けるという考え方が当然だと思うのであります。そこで昨年は自分としても、政府が非常な熱意をもつて緊縮政策をとつている際であるから、営繕的なものはある程度やむを得ないという考え方で、昨年度の予算には不満ではありましたが、最終的に服したという形になつておる。しかし三十年度の予算も、おそらく同じ考え方に立つて組まれると思うのでありますけれども、実は私もその後国会側の皆さん方のいろいろな御意向を伺い、また自分でも国会が終りまして以後あつちこつち出て歩きまして、各局舎の老朽その他で改増築の必要というものが、差迫られた強いものであるということが十分わかりましたものでありますから、やはり三十年度も二十九年度と同じ考え方によつて予算が組まれるにしましても、自分としては一層強くこの点は要請をするのでないと、郵政事業の今後の運営のために非常な支障を起す、こういう考え方に今なつているわけであります。従つてそのつもりで今後の予算折衝にはぜひ当りたいと考えているわけであります。
○田中委員長 大臣のお考えはわかりました。一時的に見れば、政府みずから消費を促進するような形になるというお考えのようでありますけれども、昨日経理局長から、この借入金の問題については十五年間で返済する、年六分の利息は当然六年後から出て来る償還金等も予定して、かなり緻密な予算を組まれているようでありますが、郵政事業というものも一つの企業でありますから、企業における一つの設備投資の形になると私は思うのです。特にその意味から見れば、国民のどの階層にも最も密着した窓口ということになるので、最近一般官庁の営繕関係は相当はでな、少し目に余るものをわれわれは感ずるのでありますけれども、それとは違つた意味合いを持つていると思うのですが、その点の大臣の御所見はいかがですか。
○塚田国務大臣 御意見の通りであります。私もこの庁舎を復旧する、改善して行くということは、郵政事業の健全性ということから、不健全であるとは毛頭思つておりませんし、また郵政事業の立場からこれはぜひやらなければならない、こういうように考えておるのであります。ただ郵政事業が国の事業であります観点からしまして、国が消費を大きくするという考え方が、今の緊縮政策と多少考え方において背反するものがあるのでありますから、事業としての健全、不健全という考え方でなしに、国が消費抑制をしたいという考え方であるときには、国の事業である郵政も、できるならばそれに協力をして行くという考え方で、場合によつてはやむを得ないことがあるのじやないか、こういう感じでございます。
○田中委員長 なお明年度予算の要求案に基いて一、二伺いたいのですが、郵便貯金特別会計の関係で、収入予定額と預金者への利子支払い及び業務費との差額が八十億ですか、結局これは資金運用部の剰余金または一般会計からの補填でまかなわなければならぬ、こういうことになつておるわけでありますが、この貯金はそのまま郵政省から資金運用部の方へ入るわけでありますが、資金運用部の方から受ける利子と申しますか、これは一般の金利等の関係とは別な角度できめてもらわなければならないと思うのでありますが、その点については従来の六分五厘から逐年一分ずつ減つて行くというとりきめの原則に基いて、明年もやられるつもりでありますか。それとも貯金の特殊性に基いて、その点については改訂を大蔵省と折衝せられるお気持でありますか。その点はいかがですか。
○塚田国務大臣 これは実は私もまだ若干検討の余地がある問題だと思つておるのですが、現在のところではここの説明にも申し上げておりますように、やはり三十年度は一分下げの六分二厘の利子ということで、あと不足額は補つてもらうという考え方でおるわけであります。ただそのときのいろいろな金利情勢などもにらみ合せて、もう少し考えてみたらいいかという感じは、私としても持つておるわけであります。
○田中委員長 もう一点大臣に伺います。これは年度の予算の人件費の関係の単価の問題でありますが、昨日伺いますと二十七億二千万円ですか、これは単価増を見込んでおるということでありますが、金額の点から推しますと、これは多分昇給原資で、ベース・アップはやらない、本年度と同じベースで予算を組まれる。これは単に郵政省だけではなしに、各省共通の一つのものさしではないかというふうには考えられるのでありますけれども、先ほど今職員組合の方から要求しておる賃金改訂についての要求について、組合側と省側の団交の過程において、ここにいただいた「郵政労務情報」の百八十七号でありますか、「最近の一般消費物価並びに民間賃金は横ばい状況にあり、又一般公務員の給与に関しても人事院は特に改訂の必要はないものとしている。」という言葉があるのですが、われわれの承知するところでは、先般の人事院のベース・アップの勧告がどういう勧告であるか、その内容もわかりませんが、留保されたということは、これは給与の改訂の必要がないという意味合いではないと思うのです。物価指数、生計費指数等の関係から見まするならば、いかに物価は横ばいの状況になつておつても、たとえば本年六月末の現況から見れば、給与を改訂しなければならぬ数字は、人事院は示しませんけれども、人事院がはじき出すと同じベースから見ますると、当然若干にしろ出なければならない数字をわれわれもつかんでおるわけなんです。ただ人事院は政府の政治的な圧力に左右されたのだというような、いろいろの説がありますけれども、それはともかくとして、それを勧告をしないのだということになれば、人事院そのものが国家公務員法に違反するという法律違反が起るから、私は保留という、ある意味から見ればずるいところに逃げ込んだのだ、こういうふうに見るのが正しいのじやないかと思う。その意味から見れば、年内における問題は、緊縮予算であるとかあるいは財政的な事情であるとかいうようなことで、おのずから別問題だと思うのでありますが、明年度の予算編成については、その間の事情は、少くとも現内閣が政権を引続き担当して行くという建前で予算を編成される上においては、この関係も当然考慮しなければならぬと思うのでありますが、その点については国務大臣としての立場においても、明年度の予算編成にあたつて、給与の単価の問題について考えられる余地はないものかどうか、またそのようなことが論議されて、本年のままベースはすえ置くという方針がすでに決定されておるのかどうか、その点を大臣から伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 これは予算を編成いたしますときの技術といたしましても、はつきりと給与が上げられるのだという見通しのないときは、一応現在の給与で組めということが慣例のように私も承知しております。それから政府部内の考え方も、いろいろ御意見はありましようけれども、とにかくこういうような経済情勢で国全体の今の立場では、公務員の給与を上げるということは好ましくない、なるべく上げないで行きたいという考え方を持つておることは確かであります。従つて今の状態で推移いたします限りにおいては、明年度は給与の引上げはないという考え方で、大体これははつきりと閣議においてきまつたものではありませんけれども、そういう感じで皆おるということは申し上げられると思うのであります。ただ今後の事態の推移によりまして、またそのときによつて認識がかわつて来るかもしれませんが、今のところではそう感じます。
○田中委員長 大臣に対するほかの委員からの質疑はございませんか。 それでは、これは大臣からお答え願うことはあるいは無理かもしれませんから人事部長に……。いずれこれは二十五日に調停委員会の小委員長の出席を願つた上で、さらにお伺いをするつもりでありますが、全逓の方で調停案を中央調停委員会へ提出してから、調停請求書に基いて、省側と調停委員会との間で、調停申請に対する実施ができるかどうか、そういうようなことについての折衝があつたかどうか。すでに調停委員会の方から省側のいろいろ財政的な関係からの意向を求められたことがあるかどうか、その点だけひとつ伺つておきたい。
○宮本説明員 その点につきましては、本件につきまして調停委員会に調停が申請されましてから二、三回と記憶いたしますが、この点につきまして郵政の事情聴取と申しますか、いろいろ財政的な事情なり、職員の生計状況その他事情の説明を求めまして、これに対しましてこちらから説明をいたしました。
○田中委員長 これでは二十五日に先ほど御決議を願つたように参考人の出席を求めるのでありますが、明日の委員会はすでに公報でも通知をいたしておりますので、昨日皆さん方に了承を求めましたように、局舎問題に関する委員会としての意見等をとりまとめの関係もありますので、明日はやはり午前十時から委員会を開くことにいたしたいと思いますから、御出席を願いたいと思います。
○飯塚委員 経理局長からお答えをいただきたいと思いますが、きのう伺つた人件費の総額等について、ちよつと記憶に漏れておる点があると思いますので、もう一ぺんひとつお願いいたしたいと思います。明年度の人件費の総額と、八千七百六名の増員による増額、その点について……。
○長田説明員 職員の基本給におきまして四百九十五億九千六百万円、前年度に比較いたしまして三十四億五千五百万円増加いたしました。そのうち二十七億二千万円が単価の増でございます。七億三千五百万円が定員八千七百六人の増によるものでございます。以下の人件費につきましては、単価の増によるもの、それから定員の増によるもの、その他たとえば超過勤務手当のようなものにつきましてはいろいろな事項の増加によるものなどがまざりまして、金額にそれぞれ現われているわけでございます。
○飯塚委員 きのうの御説明の中で職員の諸手当として五十億でしたか、見込んでおる。それはどういう意味ですか。
○長田説明員 職員諸手当は五十億六百万円概算で予定いたしております。前年度に比較いたしまして六億五千二百万円の増加でございます。その内訳といたしましては主として増加いたしましたのが募集手当でございます。それから管理職手当につきましては、内部の特別法の実施によりまして、従来郵便局長等の管理職手当が職員諸手当の中に含まれておりましたのを、超過勤務手当の方に含ませる建前にいたしました関係で、二億余り減つたりいたしました。差引六億五千二百万円の増ということになります。
○田中委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会