郵政委員会 第27号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/09/02
会議録
○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。 本日は閉会中にもかかわりませず、多数委員諸君の御出席を願いましたことを、委員長として厚くお礼を申し上げます。本委員会はさきに閉会中審査の付託を受けまして、去る六月より全国に委員を派遣し実地調査を行つて参りましたが、このほど各班の調査の結果がまとまりましたので、この御報告を願うとともに、視察の結果、郵便局の局舎改善その他熾烈な要望もございますので、これらの問題も検討して参りたいと存じます。ちようど時期的には明年度の予算編成にとりかかる時期でもございますので、委員会としての意向もとりまとめたいと存じた次第でございます。その意味で本日御参集を願つたわけでございますが、委員会は本日より三日間開会する予定でございますので、委員各位におかれましては何とぞよろしく御協力を願いたいと思います。それでは第一班より国政調査の現地調査の報告をお願いいたしたいと思います。山花秀雄君。
○山花委員 私は東北、関東を調査して参りましたが、御報告を申し上げます。 まず郵便局舎の現状及び改善対策について申し上げます。郵便局舎は、郵便事業を運営するにあたり、直接国民大衆と接触するところでありまして、これが良否は、国民大衆に対するサービス、信用並びに従業員諸君の作業能率や健康に多大の影響があるとは申し上げるまでもないことであります。しかるに多年にわたる戦争とその後の混乱とによつて、全然と言つていいほど補修、改善がなされず、逐年その老朽の度を増し、あわせて事業量の増加に伴う狭隘局舎の数も増加しているのであります。 試みに仙台郵政局管内における木造建築局舎で、経年五十年以上の局舎を申し上げますと、普通局二局中二局、特定局千六百九局中七十九局で、いずれも単なる模様がえ程度では改善されず、新築を要する状態になつているのであります。なお東京郵政局管内においては、経年五十年以上の普通局は十局を数えるのであります。 それでは緊急改善を要するものはどのくらいあるかと申しますと、仙台管内においては大館、本荘、福島、会津若松、田島、土崎、鉄郵平乗務員事務室、塩釜、黒石、盛岡、岩手、岩手福岡、三春、石川、喜多方の十四局でありまして、それが新築に要する予算は利七億七千四百余万円であり、特定局では金ケ崎外十八局で、建物だけでも約九千百余万円であります。東京管内ではさらに多く、普通局五十三局、二十二億四千九百余万円、特定局で九十四局、三億二千余万円となつておるようなありさまであります。次に郵便物運送委託の状況について申し上げます。仙台郵政局管内の運送委託法に基く運送路線は、国鉄との協定によるものを除くほかに、道路も良好でなく、また交通機関の発達も遅れているため、全国比較において専用自動車及び託送線路も低位にある状況でのります。専用自動車は管内運送線路で二十六地区、集配は十二地区であり、車両六十七、請負料月額八百六十余万円、業者数十九であります。それから乗合自動車託送は、近年バス路線の発達に伴つて数年来その委託運送強化により、現在百三十一線路、請負料月額六十六万余円で、一部現在人夫送切りかえ困難なものを除き、運行路のほとんどが乗合自動車託送線路となつており、その他の私鉄、船舶航送等は比較的小規模のものが多く、私鉄十八線路、平均月額五十六万余円、船舶航送は九線路、十三万余円であります。 これらの契約履行の現状を見まするに、昨年十月より、郵便局長をして毎日毎便を監査する日常監察と、四半期ごとに実施する特別監察並びに郵政監察局による随時監察とを実施し、履行状況の把握に努めているが、監査を始めた当初は二、三の業者にいささか思わしくない成績を示した向きも見受けられましたが、これらも月を経るに従い成績向上し、現在においては良好と言い得る実情であります。これらの業者との契約は、その期限の来たものについては全面的に契約期間の更新手続の措置が講ぜられており、更新の折、新規受託の希望者は米沢に一件ありましたが、その内容が思わしくないとの理由で、今までの業者が契約更新されたのであります。 次に本年度における委託運送の新期計画は、予算がきゆうくつの折からはなはだ困難でありますが、国鉄において一部支線の全面的気動車化により、現在鉄道郵便乗務便の郵便車連絡不能または託送不能なるものの運送を専用自動車化せざるを得ないもの四線路、及び鉄道延長による鉄道郵便乗務便の延長を要するもの二線路あり、これらを本年度新規計画線路として準備中とのことであります。東京管内の状況は、専用自動車運送線路十六地区、集配八地区であり、車両数二百二十六、請負料月額二千五百五十余万円、業者数九であります。次に託送関係では、私鉄十四、請負料月額八十六万余円、水路四十七万余円、乗合自動車託送十九社、八十八線路、請負料月額三十八万余円、人夫二十三名、二十四線路、十九万余円で、集配関係では乗合自動車二、はしけ一、人夫三十五名となつているのであります。さて、これら請負契約の履行状況はどうであるかと申しますと、運送委託法実施当初におきましては、車両、燃料事情等に基因して必ずしも良好でない面があつたが、運送事業界における整備拡充が急速にはかられたので、今日においてはおおむね満足すべき郵便物の運送等が行われておるものと見られるのであります。専用自動車においては、運送受託者側の責めによる延発遅着事故は、総運送回数二万三千六百七十八回のうち九十六回で、わずか〇・四%にすぎず、この程度の事故率は、一般の輸送機関の運行状況と比較してきわめて良好と言い得ると思うのであります。 次に契約更新について申しますと、前述のごとき延発遅着事故は、郵便物速達上影響するところ大でありますので、一、二の地区においては成績必ずしも良好ならずとの判断のもとに、委託法第七条の規定により契約を解除し、その他のものについては契約の更新がなされたのであります。 さて次は、簡易生命保険の保険金引上げ後における利用状況並びに簡保、年金積立金の運用状況について申し上げます。 まず仙台管内におきましては、昨年の全般的にわたる冷害の影響から、当初非常に憂慮されていたのでありますが、郵政局の計画指導よろしきを得て、郵便年金は三月十七日、保険料は六月十一日それぞれ全国第一位、保険金は六月二十八日全国第二位をもつて、本年度目標を達しておるのでありますが、このような良好な成績を上げ得たことは、一、保険金引上げ後における募集目標が二割増しの必要性を年度当初から浸透させて計画を立てさせたこと、二、冷害の影響から金のあるうち早くやらねばならぬとしたこと、三、暖冬異変で外野の活動が恵まれたことなどがおもなる理由と思われますが、農家世帯が大きな比重を持つこの管内の持つ特殊性にかんがみ、早期募集の必要について現業第一線の従事員一人々々がよく認識して努力された成果にほかならないと思われるのであります。 ここに目標額達成状況、前年同期との比較及び保険金引上げ後における増加状況を申し上げますと、保険料では六月現在で本年度一〇四・八%、昨年度一〇〇・一%で、四。七%の増、保険金では本年度一〇〇・三%、昨年度九二・三%で八%の増であります。保険金の引上げ後における八万円以上の募集状況は、四月一箇月間における管内総受入れ件数二万四千二百九十六件中八千五百五十六件の三五・二%で、当初の予期に反し低率の感があるが、準備期間がきわめて短期間であつたためと思われ、今後に大いに期待できるものと思われるのであります。 次に積立金の運用状況について見まするに、昭和二十八年四月二十八日より短期融資を実施し、本年三月十九日に打切つたのでありますが、その取扱い件数は四百二十七件、金額十七億二千六百一万九千円であり、これに対し東北財務局からの融通は二千七十四件、八十二億九千五百八十万円であります。これらのうち償還遅滞のものは十六件、三千百十五万円であります。また昭和二十八年度の起債前貸は、昭和二十八年九月十五日から本年三月十三日までの期間において取扱つたのでありますが、その件数は七百十二件、十三億七千五百五十五万円であり、これら前貸の借りかえは本年五月二十五日をもつて全部長期債として処理済みとなつておるのであります。次に長期債については、昭和二十八年度の長期融通は、本年三月十六日から五月三十一日までの短期間において、許可件数は一千百十五件、二十一億六千百四十万円を融通しておるのであります。この長期融通状況を事業別に大蔵省と比較すると、一般会計分では、一般補助事業は簡保五百五十四件、九億八千三百余万円、大蔵省三百二十七件、二十四億二千六百余万円、義務教育施設は簡保四百七十四件、七億九千余万円、大蔵省二百四件、四億七千余万円、一般単独事業では簡保七十五件、二億四百余万円、大蔵省九十五件、二億八千六百余万円で、その合計は簡保千百三件、十九億七千八百四十万円で、大蔵省は六百二十六件、三十一億八千三百万円になつておるのであります。その他公営企業会計分として、病院に十一件、一億八千三百万円の融通をしておるのであります。それから昭和二十九年度の短期融通は、本年四月一日から再開したのでありますが、六月二十日現在で四百十六件、十四億六千七百万円に達しているのであります。 次に、東京郵政局管内の実状をきわめて簡単に申し上げます。募集目標達成状況は、六月末現在で保険料一〇一・四%、昨年同期一〇〇・五%で、〇・九%の増、保険金一〇〇・三%、昨年九五・五%で四・八%の増となつておるのであります。それから八万以上の高額契約で五月一箇月間の成績を見ますと、四万五千件で新規契約高の五三・九%となつておるのであります。 次に積立金の運用状況は、積立金の増大に伴い融通原資は増額されたが、地方税法及び平衡交付金制度の改正等に伴う税収、地方税交付金の交付の遅延並びに一般金融の引締め等のため、年度初頭の借入れ申込額は二百四十七件、二十三億一千百万円で、融通原資の約五・八倍に達したのであります。 それから次に郵便貯金関係について申し上げます。 仙台管内の郵便貯金増加目標額は五十六億一千万円であるが、五月末における状況は四億四千八百万円の赤字で、芳ばしくないのでありますが、これは単作農家を主体とする管内の経済動向よりして無理からぬ点があると思うが、例年の傾向として、七月には黒字に転換して、十月以降の収穫期には激増するのが通例であります。緊縮財政の影響と昨年度における未曽有の冷害関係を考えると、本年度における郵便貯金の増強には、今後相当の困難が伴うものと予想されているのであります。東京管内においても、年間純増目標に対して六月末現在で二六%を示しており、やや不良の状況で、なかなか困難を予想されています。 終りに郵便貯金と民間金融機関との競合の点でありますが、最近の金融引締めの方針により、民間においては、いわゆる資金繰りに狂奔しているため、預金獲得には大わらわであり、郵便貯金の分野である零細預金まで積極的に吸収しているが、これがため勧奨上においてとかくの紛争を起した事例はない模様であります。 最後に、各地における要望事項について申し上げます。 一、薪炭手当の支給について。東北地方はあらゆる面において北海道と冬季の生活条件が等しく、燃料費の点も同じであるにもかかわらず、一方には石炭手当を支給し、一方にはそれがないということは不合理であるというのであります。 二、積雪寒冷地に勤務する職員に対する冬季屋外作業手当支給制度の確立。冬季における屋外作業員に対しては、以前相当額の手当が支給されていたが、その後、政府職員の特殊勤務手当に関する政令の公布に伴い、当該手当は廃止され、爾来これにかわる何らの考慮も払われず現在に及んでいるが、これら従業員のその作業環境から受ける肉体的、精神的労苦を考慮するとき、このまま放置し得ないものがあり、特殊勤務としての要素は十分具備されているものと考えられるから、善処してもらいたい。 三、青森市外小湊町に結核療養所を設置してもらいたいというのでありますが、東北地方は文化、経済ともに恵まれず、加えて気候、風土の影響も災いして結核患者が多く、仙台管内職員の二・七%、六百四十四名の多きに達しており、結核多発地区の青森に設置してもらいたいというのであります。御参考までに申し上げておきますが、小湊町において土地の無償提供を申し出ているとのことであります。 四、仙台郵政局資材部倉庫を建設してもらいたい。 五、郵便局現場作業要員の増員をはかられたいというのであります。 以上をもちまして私の御報告を終りますが、私はこのたび地方で見て参りました実情と、いろいろの要望がありましたことをありのまま委員の皆様にお伝えして御参考に供したいため、あえて私の意見を申し述べることを差控えさせていただいたことを付言しておくものであります。以上はなはだ雑駁でございましたが、御報告を終る次第であります。
○田中委員長 次に第二班、東海、北陸関係の調査報告について大高康君に願います。
○大高委員 私は去る六月二十九日より五日間にわたり、名古屋郵政局及び金沢郵政局管内における郵政業務に関する実地調査をして参つたのでありますが、関係各局においては、事務多忙の折からにもかかわらず格別なる御協力をいただきまして、おかげをもつて調査の目的を達成することができました次第でありまして、この機会に郵政当局に対し厚くお礼を申し上げたいと存じます。さて、調査の結果に関しましては、各般にわたりますので、その大要を申し上げて報告にかえたいと存じます。 第一は、郵便局舎の現状及び改善対策について申し上げたいと存じます。郵便局舎については、各郵政局とも局舎原簿を備えて、常に現状を把握しつつ、鋭意これが改善方に努力されておるのでありますが、現在なお一人当り坪数が二坪以下で狭隘なもの、局舎の経過年数が古く耐用命数が尽きている老朽なもの、破損、危険の多いもの、通風、採光、構造、外観等が悪く非衛生的なもの、その他、バラック建で非能率的なもの等の不良局舎並びに貸主からの買収または立ちのき要求、あるいは都市計画等によつて他に移転を必要とするもの等は、次の通り多数に上つている状態であります。すなわち名古屋郵政局管内においては、普通局について不良局舎が三十二局で、総局数六十八局の四七%に及んでいるのでありますが、これら不良局舎のうちには、一人当り坪数が約一坪以下という狭隘その極に達している蒲郡局、土台が沈下して局舎が著しく傾斜している上野局及び建物が腐朽して倒壊のおそれなしとしない三島局等が含まれていることは、注目すべきことであります。また特定局につきましては、不良局舎が百四十五局、明渡し及び買収をぜひ必要とするものが六十五局、計二百十局で、総局数千三百八十一局の一〇・五%に及んでいる状況であります。次に金沢郵政局管内においては、普通局について不良局舎が十一局で、総局数二十八局の三六%に及んでおり、また特定局については、不良局舎が四十一局、明渡し及び買収を必要とするもの十一局、計五十二局で、総局数五百三十九局の九・六%に及んでおる状況でございます。 しこうして郵便局舎の改善方につきましては、程度の高い不良局舎及び明渡し要求を受けているもの、あるいは都市計画により移転を必要とするもの等の悪条件下にあるものより、順次毎年計画を立てられておりますが、予算事情によつてその実現を見るものはまことに僅少なる状況であります。すなわち名古屋郵政局管内における例に見ますると、最近五箇年間における新営状況は、一箇年平均普通局が三・四局、特定局が六・六局にすぎないのであります。従いまして、もし今後この程度の改善状況で推移するといたしますれば、同管内における不良局舎等の一掃には、おおむね普通局におきまして十箇年、特定局においては三十二箇年の歳月を必要とするものであります。なお本年のごときは予算事情のために、局舎の新営は両郵政局管内とも皆無の状況であります。 以上の通り郵政局舎はきわめて不良であり、かつこれが改善についても、現状のような施策をもつてすれば将来永年にわたらざるを得ないのでありますが、これに加えて、この間さらに改善を必要とする不良局舎が累加することとなり、事業運営上多大の支障を来すことが予想されるのであります。思うに郵政事業運営の能率化をはかり、あわせて対外的信用を高めて事業将来の発展を期するためには、まずもつて郵便局の改善をはかることが当面の緊急事であると考えるのであります。しかしながら、これがためには多額の経費を必要とすることは当然とするところでありますが、元来郵政事業はその公共的な性格から、料金政策にも限度があるばかりでなく、また一方企業経営しとても独立採算制が強く要請されている矛盾があつて、局舎の改善が進捗し得ないものと考えられるのであります。従いまして郵便局舎改善の方途としては、いずれの事業を見ましても建設面は主として借入れ資本によつて処理しているのが実情である通り、大幅なる借入金の増額にまつべきものと思われるのであります。しこうして局舎改善の長期計画を円滑に進捗させるためには、そのときどきの財政事情によつて借入金が減少しないように安定性を持たせ、場合によつては公債発行による資金調達をはかる等、早急適切なる処置を講ずる要があると思われるのであります。 第二は郵便物運送等委託状況について申し上げます。 名古屋及び金沢両郵政局管内における郵便物運送等の委託は、その大部分が専用自動車による請負であつて、これを請負料によつて見ますと、名古屋管内においては専用自動車による請負料が月額千三百三十九万円であるのに比し、託送料は月額二百六十二万円でありまして、わずかに一九%にすぎないのであります。また金沢管内においては専用自動車による請負料が月額二百七十六万円であるのに比し、託送料は月額百二十九万円でありまして、四六%となつております。しこうして専用請負業者は、名古屋管内においては三名でありまするが、そのうち日本郵便逓送がこれら業者による請負総額の八七%を占め、また金沢管内においては六名でありますが、そのうち日本郵便逓送がこれら業者による請負総額の五〇%を占めている状況であります。 次に契約履行の状況について申し上げますが、両郵政局管内とも専用自動車による請負業者は、いずれも郵便運送等には古い経験と深い認識とを持つた業者のみでありまして毎日の運送等状況監査の結果によりましても、運行時刻は正確であり、また線路障害等の場合における連絡並びにこれが対策措置も適切でありまして、契約履行上不都合の点が認められないのであります。なお託送関係の受託者についても、運行成績はおおむね良好で、契約条件を履行しているものと認められます。 次に契約期間の更新についてでありますが、両管内とも専用自動車関係は六月上旬に契約期間が満了となりましたので、既往の成績に徴し、引続き従来の業者に行わせる方が郵便事業運行上有利であると認め、それぞれ契約期間を更新いたしております。また託送関係につきましては、七月下旬に契約期間が満了となりますので、期間更新の可否については目下検討中であります。なお託送については時折従業員の罷業によつて運行を阻害される事例のあること等にかんがみまして、場合によつては専用自動車による請負に切りかえる等の必要があるものもないではないかと思われるのであります。最後に、名古屋管内においては本年度計画として、専用郵便線路沿線所在地の無集配局をして受渡しに参加せしめることとしているのでありますが、速達上期待されるところであります。 第三には、簡易生命保険の保険金引上げ後における利用状況並びに簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用状況について申し上げます。本四月保険金最高制限額引上げ後における新契約の増加は、両郵政局管内とも順調でありまして、本年六月三十日までの増加状況を昨年同期に比較いたしますと、名古屋管内においては保険金が三億円、保険料及び二百十一万円の増加となつており、また金沢管内におきましては保険金が二億二千万円、保険料が百二十八万円の増加となつておるのであります。しこうして名古屋管内においては、すでに六月二十四日をもつて目標額を突破達成しておるのでありますが、前年の八月五日に比し約四十日の早期達成を見ているのであります。また金沢管内においても、前年より早く七月上旬には目標額を達成し得る見込みであります。なお金沢管内における普通局について、本年四月中の金額別契約状況を見ますと、引上げ前の最高制限額である八万円以上の高額契約がすでに三一・四%を占めており、しかも今後なお増加して行く傾向にあると思われるのでありますが、この現実は保険金引上げの妥当性を裏づけるものではないかと認められるのであります。 次に積立金の運用について申し上げたいと存じます。昨年より待望の郵政省による運用が再開されることとなりましてより、これが利用はきわめて活発でありまして、昨二十八年度における運用の実績は、名古屋管内において長期融通が六百八十一件、二十一億七百九十万円、短期融通が四百六十二件、十六億三千二百十五万円に及び、また金沢管内においては長期融通が三百九十九件、八億七千七百万円、短期融通が百七十八件、七億七千三百二十万円に及んでおるのであります。しこうして短期融通の回収については、各管内とも順調に行われているのであります。なお本年度における短期融通は、すでに名古屋管内において二百五十件、十一億一千九百九十万円、また金沢管内においては百二十六件、四億一千三百万円に及んでいるのでありますが、長期融通においては起債承認の関係上いまだ実施されていないのであります。以上の通り、運用再開によつて地方財政に稗益するところは多く、かつ一般に好評を博しておる状況であります。 第四は郵便貯金の利用状況について申し上げたいと思います。名古屋管内における本年度の郵便貯金純増加目標額は七十八億二千万円でありますが、現在までの増加状況を見ますれば、四月中は極度に不振で昨年の増加実績を下まわり、五月に入つてようやく好評に相なり、六月に入つて引続き好調のため、同月二十四日現在で実績累計二十億六千万円、進行割合二六・三%でありまして、昨年同期に比し約五%上まわつている状況であります。また金沢管内における本年度の郵便貯金純増加目標額は十七億九千万円でありまして、五月末日現在の増加実績は一億一千百万円、進行割合六・二%でありまして、昨年同期に比し約一%余り上まわつている状況であります。 なお、両管内における郵便貯金の増加状況は以上の通りでありますが、デフレ政策の結果、通貨の極度引締めに伴いまして、郵便貯金の増加にもある程度影響は免れ得ないものがあると想像されるのでありますが、他面金融不安、社会不安による安全なる逃避場所として、郵便貯金が増加するのではないかとも考えられるのであります。なおまた最近郵便貯金は民業を圧迫するものであるとの非難を聞かれるのでありますが、現状よりいたしますると、民間金融機関が、金融引締めにより預貯金が伸び悩みなので、郵便貯金を利用される零細所得層に募集の分野を拡充しようとする宣伝手段にすぎないと思われるのであります。むしろ郵便貯金が実際には被害者の立場に立つているのでないかと考えられるのであります。ことに農業協同組合においては、金融愛郷運動を標標し、同組織を通じまして支払われる代金は、半ば強制的に農協の組合員口座に振替預金せしめている等の関係もありまして、農協所在地の郵便局においては、貯金の増強に非常なる困難をきわめている状況であります。すなわち金沢管内における金融機関別一般貯金増加の百分比率を見ますると、昭和二十七年度においては銀行預金が五二・二%、農協貯金が一一・七%、郵便貯金が八・六%でありまするが、昭和二十八年度においては銀行預金が四五・八%、農協貯金が二一・六%、郵便貯金が八・四%となつておりまして、農協貯金が著しく進出していることが注目されるのであります。 なお最後に、要望事項について申し上げます。今般の視察に際しましては、次の通り多数の陳情を受けておるのでありまするが、いずれも相当理由があり、妥当なものと思われますので、政府においてそれそれぞれ実現方を措置し、または十分考究の要があるものと認められるのであります。 一、郵政事業の定員について。郵政事業は独立採算制の公企業であつて、一般行政官庁と異なり、事業成績に並行して事務量が増加するから、これが定員は国家公務員定員法のわくから除外して、事業成績により随時定員を改訂し得るようにされたい。 二、郵便物集配運送施設の機械化について。集配運送施設の機械化については、現下の交通事情並びに物数増、その他諸般の情勢にかんがみ、主要都市の機械化は最も緊要と思料されるのであるが、特に定員合理化を期する上にも、オート三輪車及びスクーターをぜひとも最大限配備されたい。 三、郵便貯金事業特別会計について。郵便貯金特別会計は発足以来三年を経過し、その間毎年増加予定額をはるかに凌駕する成績を収め、内務面の整備また著しく進歩したにもかかわらず、会計面は年々多額の赤字を計上するのやむなき状態を繰返しているが、そのよつて来る原因は、いかに業績が上るも、これに対しては何ら予算的考慮が払われず、ただ単に資金運用部への預託金に対する一定限の利子率によつて押えられているによるものである。なお資金運用部よりの預託利子率は、本年度六分三厘の特別利子率であるが、これをもつてしても赤字であり、今後毎年減率されて、本年の利率五分五厘にまで引下げられた後は、郵便貯金の三分の一を占める定額貯金については、その支払い利子のみをもつて赤字を生ずることとなる。しかも通常貯金伸び悩みの現在、今後の郵便貯金増強は定額貯金の奨励に重点を注ぐこととなるが、かくては努力すればするほど赤字を累増することとなる。また山間僻地津々浦々にわたる全国の機関施設によつて、国民一般の零細資金の貯蓄に寄与している郵便貯金の預金コストが、営利本位の都市一流銀行に比して相当高率であつてしかるべきであるのに、ほとんど双方同一の七分四、五厘であるということは、いかに郵便貯金事業が予算の制約を受け、少い経費をもつて苦心運営されているかということが明らかである。従つてこれが打開策といたしましては、資金運用部よりの預託利子率は、本来運用利子率のいかんにかかわらず、民間普通銀行の預金コストを上まわる利率に改訂されるべきであるが、これが急速なる実現は困難であると思われるのであるから、経過的処置として漸進主義でもいいから、この点に画期的な改善処置を講ぜられたい。 四、簡易保険の保険金最高制限額の引上げについて。この件については郵政局を初めとし、各地において陳情を受けたのであるが、現行十五万円では現下の諸情勢よりして十分なる保険的効果を期待できないばかりでなく、また今後における事業推進上よりも、二十万円から三十万円程度に引上げられたいということであります。 五、簡易保険郵便年金積立金の運用範囲の拡大について。現在の財政金融事情よりいたしまして、積立金運用の範囲を広く公益事業施設、たとえば住宅金融公庫、国民金融公庫、金融債の引受け等に融通し得られるように改善されたい。 六、名古屋郵政局庁舎の返還促進について。当局の庁舎は目下米軍に接収されているが、現在使用中の旧愛知県商工館は各部屋の利用が不便であるばかりでなく、通風、採光ともに不良で、職員の保健衛生上きわめて悪く、ひいては事務能率の低下を来す悪条件下にあるので、返還方を促進されたい。七、金沢郵政局、同監察局及び金沢郵便局総合庁舎の新営方について。本新営に必要な金沢郵便局の隣地約二百坪はすでに買収済みであるが、同郵健局舎は経年四十年に及び、老朽狭隘であるばかりでなく、通風、採光不良のため、作業能率を著しく阻害している現状であるから、ぜひとも昭和三十年度に新営方詮議願いたいとともに、引続き郵政、監察両庁舎の建設についても詮議されたい。なお本新営については、金沢市の産業復興及び文化都市建設等の見地からぜひ促進されたい旨、回市議会の総意として同市議会議長よりも陳情があつたのであります。八、敦賀及び七尾の両老朽局舎は、昭和三十年度においてぜひ新営されたい。 九、山中逓信保養所を設置されたい。山中は北陸本線に近く、また代表的温泉地として、金沢郵政局管内はもちろん、全国的に利用上便利であるから詮議されたい。 十、富山逓信病院の設置を促進されたい等であります。 以上をもつて私の報告を終ることにいたします。
○田中委員長 御苦労でございました。 次に第三班、近畿、中国地方の調査報告について、船越委員にお願いいたします。
○船越委員 私は六月二十八日より八日間、大助、広島両郵政局管内において、次の諸問題につき調査するとともに、現地における意見を聴取いたしました。ここに概略を御報告申し上げます。 第一に、郵便局舎の現状及び改善対策についてであります、 一、郵便局舎の現状。郵政事業は、国家の事業としてなるべく安い料金で、あまねく公平にサービスを提供して、公共の福祉を増進することを理想としているのでありまして、従つてこの事業の発展を期するには、全国に存在する一万五千余の郵便局の設備を整えてサービスを完全にし、国民の利用に満足を与えるよう心がけなければなりません。しかるに郵便局舎の現状を見ると、はたしてこの期待に沿うでありましようか。まことに遺憾な点が多いのでありますから、わが郵政委員会においては昨年もこの局舎の問題を取上げて調査を行い、その結果により政府に猛省を促しておいたのでありますが、その建築費はほとんど郵政会計より生ずる剰余に依存し、資金運用部よりの借入金五億円を合して、毎年わずかに二十五億円余の財源を持つてしてはほとんど解決に役立たず、本年度も同様二十五億円の予算でありましたが、一億円余の節約にあつたために、本年度は羽田の国際空港に郵便局を新設する以外には、全部前年度からの継続費で、しかもその継続費も一部繰延ばされているありさまで、このままで進むならば百年河清を待つ感がありますので、本年はこの問題に重点を置いて調査を進めたのであります。 さて、今回視察いたしました大阪、広島の両郵政局の状況を申し上げますと、大阪郵政局管内においては、郵便局数は普通局百十局、特定局千七百六十四局、計千八百七十四局でありますが、そのうち不良局舎数は、普通局五十三局で四八%、特定局は五百八十七局で三三%を占め、これを全局舎数との比率を見れば、三四%の多きに達しているのであります。その中で緊急改善を要する局舎数は、普通局三十三局で不良局舎数の六五%、特定局は二百二十九局で三八%、両方を合すると、全不良局舎数の四〇%を占めているのであります。広島郵政局管内においては、郵政局数普通局五十九局、特定局千四百四十五局、計千五百四局でありまして、そのうち不良局舎数は、普通局三十一局で五三%、特定局は九百五十局で六六%、これを全局舎数との比率を見れば、六五%の多きを占めているのであります。その中で緊急改善を要する局舎数は、普通局十三局で不良局舎数の五八%、特定局は九十七局で不良局舎数の一〇%、両方合計すると全不良局舎数の一〇%となるのであります。次に観点をかえて局舎の所有者別につき検討いたしますと、大阪郵政局管内においては、普通局百十局のうち国有は七十五局、借入れは三十五局で、そのうち改善を要する局舎数は国有三十四局で四五%、借入れは十九局で五五%に上り、特定局に至つては千七百六十四局中国有は五十一局で、改善を要する局舎はありませんが、借入れは一千七百十三局あり、そのうち不良局舎は五百八十七局もあり、特定局舎数の三分の一を占めているのであります。広島郵政局管内においては、普通局五十九局中国有は四十一局、借入れは十八局で、そのうち不良と認められる局舎は国有十七局で四一%、借入れは十四局で七七%を占め、特定局に至つては千四百四十五局中国有は六十三局で、いずれも改善を必要といたしませんが、借入れは千三百八十二局、そのうち不良局舎は九百五十局もありまして、特定局舎数の三分の二の多きに達しているのであります。かくのごとく両郵政局を通じて見ても、特定局の大部分は借入れ局舎でありまして、いずれも相当ひどい建物であります。 しからば、これらの不良局舎を全部改築するとすれば、一体幾ばくの経費を要するか検討いたしますと、大阪郵政局管内においては、普通局では局舎五十三局分の新営費、敷地三十七局分の買収費を合せて約三十九億二千万円、特定局では集配局二百六十一局分の局舎新営費、敷地買収費を合せて約十七億五千万円、無集配局三百六十二局分の局舎新営費、敷地買収費を合せて約四億七千万円を要するので、大阪郵政局だけで総所要概算額は六十一億四千万円の多額を必要とするのであります。これを基礎として全国不良局舎の改善経費を推算すると、約四百億を要するのではないかと考えられますが、こんな厖大なる数字は現在の政府としてはをうていできないところであると思惑いたしますので、一歩を譲つて緊急改善を要する局舎のみを取上げて検討いたしてみると、まず大阪郵政局管内においては、普通局は局舎三十三局分の新営費、敷地十八局分の買収費を合せて約二十八億四千万円、特定局は二百二十九局分の局舎新営費、敷地買収費を合せて約七億三千万円、合計所要概算額は三十五億八千万円となります。次に広島郵政局管内においては、普通局は局舎十三局分の新営費、敷地四局分の買収費を合せて十二億二千万円、特定局は九十七局分の局舎新営費、敷地買収費を合せて三億一千万円、合計所要概算額十五億三千万円を要し、両郵政局管内の分を総計すると約五十一億円を要することとなるのであります。 二、改善対策に関する所見。翻つて郵政省のこの方面に振り向けられる建築予算を検討いたしますと、前述のごとく本年度の建築予算は約二十四億円でありまして、今この大阪、広島両郵政局管内の緊急改善を要する局舎のみに手をつけても、二年で解決できないありさまでありまして、全国的に見れば推算によると、緊急改善を要する局舎に対しては。おそらく二百億円の経費を要すると思料されますから、これまで郵政省のとつて来た方策ではとうてい解決不可能でありまして、この際新方策を案出して強力にこれを実行に移さねばならぬと存ずるのであります。これまで郵政省においては資金運用部から昭和二十七年度以来、毎年五億円の借入れをなしておりますが、国鉄や電電公社は百億円以上も借入れをなしておりました。もちろん電電公社においては昨年の料金値上げにより増収が見込まれましたから、本年度より借入れを必要としないこととなつたようでありますが、郵政省においては郵便事業の公共性が強いため、通信料金の値上げは抑制されて、大赤字を出している採算のとれない第三種郵便物の料金すらこれを調整し得ないありさまでありまして、電電公社のごとく事業財源たる料金値上げによる増収を期待し得ない以上、自己資金による建築資金の増加はほとんど望むことはできないのであります。資金運用部の資金は、統計によると会年三月末で六千三百六十三億円に上り、しかもその五五%の三千五百億円は郵便貯金の集積であり、二〇%の千二億六十九億は今までの簡易保険及び郵便年金の積立金でありまして、これを合計いたしますと、資金運用部資金の七五%、すなわち四千七百六十九億円は郵政従事員の努力により郵便局を運じて集まつた金であります。ことに最近三箇年の郵便貯金の状況を検討いたしますと、昭和二十七年度には六百二十億円、二十八年度には八百三億円、しかして二十九年度には九百億円増の目標を立て、デフレの中を郵便局の従業員はおのおのその目標達成に涙ぐましい努力を続けているのであります。従つてこれらの従事員の職場として働く郵便局舎、サービスを完全にして公衆の利用に満足を与えるべき郵便局舎を完備するために、毎年増加する郵便貯金額の五%を返してこの方面に利用するとしても、二十七年度は三十一億円、三十八年度は四十億円、二十九年度に至つては四十五億円となるのであります。しかるに今までわずか五億円にすぎなかつたとはまことに驚き入つたることでありまして、大蔵当局が傍若無人なのか、郵政当局がいくじがないのか、まことにもつて不合理千万といわざるを得ないのであります。他方また簡保、年金の積立金も、二十八年度は二百八十億円、二十九年度は四百六十億円増加し、さらに三十年度には五百億円の増加が予定されているのでありまして、これこそ郵便局従事員の汗とあぶらの結晶であり、しかもこの運用権は二十八年四月一日から、以前のごとく郵政省の手にもどつたのであります。この両者の資金より毎年増加額の五分に相当する金額、合計すれば六、七十億円となるのでありますが、この金額を借り入れて緊急を要する局舎の改築に振り向けましたならば、現業機関の整備拡充も立ちどころに解決し、公衆へのサービスもまた一段と向上し、従事員の気持も明るくなり、いよいよもつて資金の増加に貢献すること大なるものありと信じて疑わないのであります。郵便貯金関係の資金は、現在毎年の借入金五億円の増額でありますから、大蔵当局との折衝により解決するものでありますが、簡保年金の積立金については貸付の範囲を広めて、あるいは地方公共団体に貸し付けて建設せしめるか、あるいは現に存在する地方の特定局長会または新たに局舎建築の特別な法人を設立せしめて、これらに資金を貸し付けられるよう法律を改正して、資金を郵便局舎建設に融通し得る道を開くべきものと思料するのであります。政府においては至急この問題を取上げて実現を期し、来年度の予算に計上できるよう格段の努力を要望する次第であります。 第二に、郵便物運送等委託の状況についてであります。昭和二十五年郵便物運送委託法が実施されて、郵便物の運送の委託契約が結ばれてから四年になり、本年五月は契約の更改期になりますので、それ以前に郵便物の運送のごとき特殊な国家事業は、何をおいてもこれを遂行しなければならぬという責任に重点を置いているので、これを引受ける事業者はその責任を痛感して特別な配慮を払い、特殊な設備をなして業務の完全な遂行をはかつているという実情にかんがみ、第十六国会において同法の改正を行い、郵政大臣に郵政事業の円滑なる運営をはかるため、郵便物の運送等の委託を受けたる者は、誠実にその業務を執行した者に契約の更新を認める権限を与えたのでありますが、その際つけられた国会での附帯決議の趣旨がいかに実際に守られているかは、郵政委員会として関心を持つている事項であります。 一、委託の状況。まず第一に、専用自動車による請負についてであります。大阪郵政局管内においては運送において受託者七、契約件数二十七件、車両数百八十六で、その運送料の請負額は夏季と冬季で多少差異はありますが、月額二千百六、七十万円、年額にいたしますと二億五千万円余となるのであります。その中で日本郵便逓送会社支店は契約件数十五件、車両数百四十四、請負額月額千七百七十万円余を占め、管内の仕事の大部分を請負つているのでありますが、集配においては受託者は日本郵便逓送会社支店外四名で、請負料は月額二百三十二万円余であります。広島郵政局管内においては、運送において受託者四、契約件数七十一件、車両数百十一で、その請負額は月額千四百二十四万円、年額にしますと一億六千八百余万円となりますが、当管内においても日本郵便逓送会社の支店は契約件数六十二件、車両数九十八、請負料月額千二百八十余万円を占め、管内における大部分の仕事を請負つているのみならず、集配においても契約件数十三件、筆両数三十八をもつて、請負料月額百四十万円を得ているのであります。 次に郵便物の託送についてであります。大阪郵政局管内においては、自動車に託送するもの、受託者十四、線路数五十六、運送料月額九十二万円余、私鉄に託送するもの、受託者十一、線路数十八、運送料月九十一万円、船舶に託送するもの、受託者九、線路数十二、運送料月七百二十余万円でありまして、広島郵政局管内においては、自動車に託送するもの、受託者十七、線路数九十三、運送料月百余万円、私鉄に託送するもの、受託者六、線路数十、運送料月四十六万円、船舶に託送するもの、受託者十五、線路数四十六、運送料月七十余万円、人夫に託送するもの、受託者二十二、線路数二十二、運送料月八万九千円であります。 以上は大阪、広島両郵政局管内における郵便物運送等の委託の状況でありますが、両郵政局においては従来から監視局を指定し、運送記の監査を厳重にして契約の完全履行に努めて来ましたが、昭和二十八年十月一日本省よりの通達により、日常監査及び特別監査を施行し、契約の完全履行に努める一方、郵政監察局に依頼し、監察官の施行する監査をもあわせ実施しました結果、運行成績、業務成績を採点して総合しましたところ、大阪管内では平均九六・一点、広島管内では平均九七点もあり、いずれの受託者も誠実に契約を履行していることが認められましたので、両郵政局管内の運送委託契約については、本年六月の契約更新にあたり、郵便物運送委託法第七条但書に適合するものと認め、契約を更新し、引続き現在の各受託者に契約を継続せしめることとしたのでありますが、その際将来契約を履行するにあたり、誠実を欠くと認めたときはいつでも契約を解除する旨を通達したのであります。 次に本年度における委託運送等の新規計画についてでありますが、大阪郵政局においては、郵便物の排送難救済及び郵便物の速達をはかるため、一、専用自動車を用いて大阪市内の伝送線路を増設することと、近江八幡・日野間の自動車線路を新設する予定であり、二、バス託送を開始して郵便物の速達をはかるとともに、経費節減の目的で京都府、兵庫県、滋賀県の三県内に一線路ずつのバスに郵便物託送を行う了定であります。また広島郵政局においては、町村合併に伴い、運送線路開放を最も必要とする六方面にバス託送を実施する予定であります。 二、所見。今回の契約更新にあたつては、大阪、広島両郵政局においては便事業の円滑なる運営を本旨とした立場からきわめて厳格に実行されている模様でありますので、この点附帯決議の趣旨から見ても何ら非難すべき点は認められませんが、郵便物の集配、ことにポストよりの取集を委託することは、たとい責任が郵政大臣にあるとはいえ、国家公務員にあらざる日本郵便逓送会社の従事員に取扱わせることは、いかに経済的に見て有利であつても、国家事業として特に通信の秘密保持を厳重に法定されている以上、一日も早く中止すべきであり、附帯決議の趣旨を尊重するよう希望してやまない次第であります。第三に簡易生命保険の状況についてであります。 一、簡易保険の募集成績について。昨年四月一日より簡易保険、郵便年金の積立金の運用権が郵政省に復元されてから、従事員の意気とみに上り、苦しい中にも募集成績が向上した上に、平年四月一日より保険金の最高制限額は八万円より十五万円に引上げられてから、募集難は大いに緩和されたので、本年度はさらに向上の一途をたどりた模様であります。今両郵政局管内の状況を検討いたしますと、大阪郵政何管内においては、六月末現在では、保険料一億七千五百余万円で目標額の八六%、保険金額は二百六十一億円で目標額の八七%に当り、広島郵政局管内においては、保険料八千六百余万円で目標額の九〇%、保険金は百二十一億円で目標額の八四%に達しております。また保険金引上げ前三箇月と引上げ後三箇月との成績を比較いたしますと、まず大阪郵政局管内においては、引上げ前においては一件平均保険料は三百七十八円、一件平均保険金は五万四千八百八十八円であつたのが、引上げ後においては保険料は四百八十円、保険金は七万三千五百八十一円となり、増加率は保険料では二七%、保険金では三三・四%となつております。次に広島郵政局管内においては、引上げ前においては一件平均保険料三百八十四円、一件平均保険金五万一千六百四十円であつたのが、引上げ後においては保険料四百六十八円、保険金六万九千八百三十五円となり、増加率は保険料では二一・八%、保険金では三五・二%となつており、引上げ後六月末までにおける保険金十万円以上の契約は、広島郵政局管内においては件数一万四千六百件、保険料千四十二万円、保険金十七億二千七百万円で、これが十万円未満の契約に対する百分比は、件数二四・四%、保険料三七・二%、保険金四一・四%であります。 二、積立金の運用関係について。昭和二十八年度融資状況についてでありますが、短期融資は大阪郵政局管内においては申込みは五百九十八件で、金額三十一億二千万円に上つたのでありますが、これに対し五百五十五件、金額三十億四千万円の融資並びに災害復旧融資を実行した模様で、二十八年度は法律上積立金の半額に制限されている関係上、原資が僅少のため、せつかくの地方の要望にも十分沿い得なかつたことは遺憾であります。広島郵政局管内においては四百十九件で、金額は十一億八千万円であり、なお昨夏の西日本風水害の応急融資として、山口県へ五千万円融資したのであります。 次に長期融資は、大阪郵政局管内においては八百五十八件で、金額は三十一億二千余万円、広島郵政局管内においては九百六十二件で、金額は二十億二千余万円であります。昨年度は暫定予算その他の事情のために、起債許可審議が意外に遅れて十一月下旬に本格化したので、起債前貸しは十二月中旬から開始し、年末及び年度末金融緩和のために、賃金用員の大量雇用をして事務の処理に当つた模様であります。 次に昭和二十九年度の融資状況についてでありますが、短期融資は本年度各地方公共団体とも空前の赤字決算をしているので、短期資金の需要多く、大阪郵政局においては六月二十五日現在で借入れ申込みは四百六十三件、金額は七十六億七千余万円でありますが、これに対し、三百八十三件、金額二十五億円を融通したにすぎません。広島郵政局においては二百七十六件、金額十二億二千万円を融通しているのであります。なお長期融資については、視察当時においてはまだ中央において関係の省が検討中であるので、前貸しをも実行できない模様であります。 三、所見。前述したごとく簡易保険事業は、簡保、年金の運用権の復元と保険金の最高制限額の引上げとにより、その将来はますます明るく、従事員の活動ぶりはとみた活気を呈して来たので、積立金は二十八年度は半額の百九十億ではありましたが、二十九年度には四百六十億円となり、明年度は五百億円を運用し得るようになりますから、この積立金の地方還元の金額がますます大きくなつて、地方への融資が完全になれば、地方の産業文化の開発に本格的に役立つわけで、簡保年金積立金運用の理想が実現するのであります。われわれは簡保年金事業の発展と並行して、積立金の地方融資の増加がますます地方民の要望にこたえることを期待してやみません。 第四に郵便貯金の現状についてであります。 一、郵便貯金の現状。郵便貯金は国家資金の需要に基き、その要望に応ずるよう年々目標を増加するが、従業員の努力により年々その目標を達成しており、二十八年度は全国目標八百億円を突破し、本年度はさらに目標額を百億円を増して九百億円とし、全国の郵便局の従業員はその目標に向つて日夜努力しているのであります。大阪郵政局管内においては、二十八年度は純増は百十四億一千万円で、目標額の一一一・四%に当り、広島郵政局管内においては、純増は四十二億円で、最初の目標額に対しては一〇二%でありますが、追増加を含めた目標額に対しては八七%にしか当らないようであります。本年度の成績は、五月末現在で大阪郵政局管内においては純増加は十億円あり、目標の九・九%に当り、前年同期の八億九千万円、目標額の七・一%より成績が向上しております。広島郵政局管内においては三億九千万円で目標額の六・九%で、前年同期の四億一千万円に比較すれば、実績においても比率においても劣つているのであります。本年度はデフレ政策が相当浸透し、倒産者続出のため、貯蓄の増加には非常に困難の趣であります。ことに昨年度より全国目標額百億円増、比率にして一割二分五厘増加したのでありますから、この目標額を達成するには、従事員の並々ならぬ努力が必要であります。元来郵便貯金の制度は、郵便局を通じて国民から金を預かるだけで、国民に直接貸し付ける制度はありませんので、この点民間金融機関に比較して相当な不利な立場に置かれているのでありまして、従事員の貯蓄増強上に常に志気の上らない点と思うのであります。 次に民間金融機関との利用上の競合についてでありますが、大阪郵政局管内においては、従来銀行と郵便局とはそれぞれ利用の対象を異にしていたのでありますが、最近銀行方面にあつては資金の需要の熾烈化と営業性預金の減退に伴つて、従来郵便貯金の分野であつた学童、主婦等を対象とするいわゆる貯蓄性の零細預金にまず進出して来たので、郵便貯金との競合は不可避の傾向にあるのでございます。たとえば会社その他の団体に対しては、その責任者を饗応して団体貯金の獲得に努めるほか、個人を対象とするものに対しては、物品等を供与して銀行預金への吸収や郵便貯金からの乗りかえを勧奨する等の事例は間々聞くところであるが、国を背景とし、利用しやすいことを特徴とする郵便貯金にあつては、如上のような銀行側の攻勢にもかかわらず、その影響に目下のところ優慮すべき状況ではありません。しかしながら今後郵便局が民間金融機関と対等の立場で競合して行くことは、経費等の面において民間金融機関に比しきわめて不利であるため、成績の維持向上には周知宣伝等に一段と苦心が払われなければならないと思うのであります。広島郵政局管内においては、民間金融機関の貯蓄推進状況がきわめてよく、これと比較すると郵便貯金の伸び方が著しく劣つているのであります。その理由は、民間金融機関にあつては、一、資金の地元還元を強調して預金の吸収に大わらわである。二、預入者の意思を聞くことなく国民貯蓄組合に加入させ、税金の対象外として取扱つている傾向がある。三、最近は強引に零細資金にほこ先を向け、郵便局において子供郵便局を設立して、これが育成に努力を払つているものに食い入つて来た。四、デフレ傾向のもとにあつて背水の陣をしき、各預入者に物品の供与あるいはこれとあわせ懇談会を開く等、接遇の方法を講じている。しかるに郵便貯金においては目標額は逐年増加しつつも、定員あるいは経費の面においてもむしろ削減を加えられている現状であつて、民間金融機関との競合は将来ますます激化することが予想せられ、目標額の達成も相当の困難が予想せられる模様であります。 二、所見。前述したごとく郵便貯金は民間金融機関への預金に比較して、勧奨上はなはだ不利な立場にあるが、国家事業たる名のもとに従事員は苦しい努力を続けて、毎年目標額を達成して、大きな国家資金の増強に貢献しているのであります。従つて政府においてはその政策実現に国家資金の増加を望むならば、これを取扱う郵便局並びに従事員の苦心、努力の実情を十分検討して、これに報いなければならぬと思うのであります。それには、一、郵便貯金に郵便局の窓口を通じて貸付をする制度を設けること。二、資金運用部から毎年郵便貯金の増加額の五%に相当する金額を郵政省へ貸し付けて、全国に存在する狭隘で陰気な不良局舎の改善をはかること。かくてこそ郵便局も民間金融機関の支店等と相並んで、公平に貯蓄の増強に邁進できるのでありまして、郵便貯金の資金運用部資金に占むる比重から考えても、その資金を吸収するになくてはならぬ郵便局を尊重することこそ当然であり、国家資金増強にはぜひとも念頭に置かなければならぬ重要点であることを申し上げて、政府の十分な顧慮を促す次第であります。 最後に現地における要望事項であります。大防郵政局提出のものでありますが、 一、郵便貯金の運用権を郵政省に移管せられたい。郵便貯金事業は年々巨額の赤字(二十八年度四十四億円、二十九年度四十六億円)を出しているばかりでなく、これが従事員の事業意欲を減殺していることも少くないものがあるので、この際、抜本的な対策として、郵便貯金の運用権を郵政省に移管し、もつて資金の吸収と運用の一元化により事業の合理化をはかることとし、兼ねて従業員多年の熾烈な要望にもこたえることに努力願いたいのである。 二、国の出納事務は郵便局をして取扱わしめることとされたい。国の出納事務は、日本銀行またはその代理店をして取扱わしめることを建前としているが、郵便局は国の機関である上、全国津々浦々に散在してあまねく公平な利用に供し得るほか、正確強力な計算組織を有している点にかんがみ、現在国民金融公庫またはその代理店(信用金庫等)をして取扱わしめている恩給等を担保とする貸付業務等とあわせ、国の出納事務をあげて一元的に郵便局において取扱うこととし、もつて国民大衆の利便に資する方途につき考究願いたいのである。 三、郵便貯金最高制限額十万円を五十万円に引上げられたい。昭和九年、十年ごろの最高制限額は二千円であつて、現在の物価指数が当時の三百六十倍になつている点から見れば、七十二万円となるのであるが、民間金融機関との関係もあり、五十万円程度に引上げることを妥当と考えられるのである。 右要望事項については、政府においてよく検討の上、現地の要望を満たすよう、格段の配慮を希望して私の報告を終ることといたします。
○田中委員長 以上で三班にわたる委員派遣による国政調査の報告を終つたわけでありますが、この報告を中心といたしまして郵政省側に対する質疑は、明日これを行いたいと思います。 なお、調査の結果を詳細にまとめていただきました各担当の委員の皆さん、並びに今回の調査にあたりまして郵政省の各出先機関において、委員会の調査にいろいろな面において便宜を与えていただいたことにつきまして、委員長としてこの機会にお礼を申し述べておきたいと思います。 質疑は明日行うことにいたしまして、今般郵政政務次官が更迭されましたので、新任の松井豊吉君より皆さんに一言あいさつを申し上げたいということでありますから、この際松井政務次官の発言を許します。
○松井(豊)説明員 松井豊吉でございます。ごあいさつを申し上げさせていただきます。 私は、今回はからずも郵政政務次官を発令されまして、ひとえに皆様の御後援のたまものとして厚く御礼を申し上げる次第でございます。もとより浅学非才で、郵政事務は未経験であります。皆様のお力添えをいただきまして、わが国郵政行政に全力を傾注し、職責遂行に必ず努力いたします。委員長初め委員各位の御指導と御鞭撻を賜わらんことをお願いする次第であります。簡単でありますが、これをもつて私のごあいさつにかえたいと存じます。(拍手)
○田中委員長 それでは明日午前十時より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時八分散会