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19回国会衆議院1954/05/08

郵政委員会 第24号

発言数
54
登壇者
9
会派数
3
開催日
1954/05/08

会議録

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  まず軍事郵便貯金等特別処理法案を議題といたします。  本案については、前々回の委員会ですでに質疑は終了いたしておりますので、これより本案について討論に入ります。討論は通告順にこれを許します。山花秀雄君。

山花秀雄日本社会党(左)

○山花委員 私は日本社会党を代表して、ただいま採決されんとする軍事郵便貯金等特別処理法案について一言意見を申し上げ、賛成の意を表するものであります。  この貯金は預金者の責めでなく今日まで支払いが停止されましたことは、何といつても政府当局の措置が適切でなかつたことはいなめないことであります。しかしながらおそまきではあり、また不十分ではありますが、その一部分を支払い、国の責任を果すという意味で、今回の措置を政府当局がとられたことについては、当然の措置として賛成するものでありますが、その金額が全額に及ばなかつたことについては、はなはだ遺憾の意を表するものであります。この支払い額の原資については一応確保されておりますが、いまだ予算的措置が最終的に行われておりませんので、至急そういう措置の完了をやつていただきたい。そして将来国の郵便貯金に対し、国民から全幅的に信用されるという貯金会計の堅実性を、この際明確に立てていただきたいことを要望するものであります。なお支払いの手続につきましては、たとえば印鑑の問題であるとか、書類の問題であるとか、従来ともすれば事務が官僚的に流れて——特に時期もたつておりますので、いざこざを来すようなことが今から予想されるので、ございます。この法律の本質をよくくんでいただいて、支払い手続に関してもでき得る限り簡略に事務をなすという方針で、この問題を処理していただきたいと思うのであります。以上一言意見を申し上げまして、賛成の意を表するものであります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私は日本社会党を代表しまして、本案の表決にあたりまして、一言所見を申し述べたいと思うのであります。それは問題は質疑応答によつて相当明確になつたのでございますが、今後も日本の財政運用上相当重視すべき点が明かになつておりますので、これに対して私は申し上げたいと思います。  第一点は、この法律案による以前に、すでに終戦以後千二百円を限度として将来支払いをするという、その原資として昭和二十三年に時の内閣が閣議決定によつて、三十二億円を郵便貯金その他を流用してこれに充当することを認めたという閣議決定であります。これはやは郵便貯金税金等の性質から見ましても、その場合には予算措置を講じるか、もしくは総額が不明であり、事務の年限を相当要するという場合には、具体的な予算数字をきめなくとも、予算総則におきまして、一般会計などからこれを支弁すべき限度をきめ、年限をきめるという方法を講じておきますることが、財政運用の建前からいたしまして当然でなければならぬと思うのであります。従つてこの場合におきましても、この法律案審議にあたりましても、なお私はその感を深くいたしまして、たとえば昭和二十九年の修正予算におきまして、予算総則において一定年限に一定金額を限りまして、これを一般会計から支払うというような趣旨のものを定めて、国会の審議を経るということが適切であると思いまするけれども、この小さな支払いは、七十五万人もの多くの人が待つておるときでありまするから、急を要しますので、私はあえてこの点を固執しようとしないのでありますが、やはり財政の原則論といたしましては、そのような建前が正しいものであるということを信じております。  第二点といたしましては、元来ならば相当支払いが遅延しておりまするので、逆に物価関係は数百倍いたしておりまするから、その価幣価値の変動というものを適当に換算するという考慮が払われるべきでなかつたであろうか、少くともそれは問題として取上げられるべきではないであろうか。もちろん一般債務はやはり当初の債務発生当時の数字を返済するということが、債務償還の通常の原則になつておりまするけれども、ともかくこれは償還の手続があるいは政府側に責任の一半があるかもしれませんので、さようなことを考慮しまして、価幣価値改変等に従つて支払い得べき金額を増額すべき考慮が払われるべきでなかつたか、こういうふうに考えられるのであります。けれどもこれも一応は事務をすみやかに完了しまするがゆえに、私はあえてこれを固執することをしないのでありますけれども、とにかく問題は問題に違いないのであります。そこで要するにかような趣旨を考えて参りますると、この法律が通過いたしましたあかつきには、遅滞なく、漏れなくあらゆる手を尽しまして、できるだけすみやかに法律案の趣旨とするところを完了せられんことを欲してやまぬのであります。これだけ一言申し上げておきます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。  それでは軍事郵便貯金等特別処理法案について採決いたします。本案を原案の通り可決すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 起立総員。よつて本案は全会一致、原案の通り可決すべきものと決しました。  ただいま羽田武嗣郎君より本案に対する附帯決議について発言を求められております。これを許します。羽田武嗣郎君。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 本案通過に際しまして、附帯決議を附しておくことが適当であろうと考えるものであります。附帯決議の案文は、   本法実施に伴い支払いに要した資金については、将来政府は一般会計よりこの全額を補填するよう善処すべきである。  この附帯決議につきましては、本委員会の自由党初め各党派全会一致の附帯決議であることを申し添えておきます。すなわちこの附帯決議をつけるゆえんのものは、今回の法律におきまして、軍事郵便貯金その他のものが総額において二十六億四千万円に上つておるのでありまするが、換算をいたしまして支払うものが四億二千万円ということになつておりますけれども、元来四億二千万円は外地から内地に送金をされておらなかつたのであります。従いまして今回の法律の通過によつて支払う四億二千万円というものは、結局内地の郵便貯金のうち、あるいは郵便局が扱つておるところの税金等からつまみ出して支払うということになるのでありまして、原資は現在はないのでございます。従つてそういつた特別な措置を講ずることになつておりますが、この点については二十三年の閣議の決定においてそういう処置を認めておりますからまあよいようなものではありますが、しかし閣議は内閣の意思であつて、国会としての意思ではございません。従いまして、郵便貯金も将来この閣議の決定に基いていずれの機会にか、大蔵省において一般会計から四億二千万円今回支払つたものは補填をすべきことを閣議は認めておりますけれども、正式に本委員会の名前において明らかにこの附帯決議をつけておくということが、預金者の信頼性の上からいつても、また貯金という一つの流れている資金からつまみ出すというものに対する補填の道を講ずることが、やはり郵便貯金の信用の上からも必要であると、こう考えるのであります。そういう意味においてこの附帯決議を各党派の御意思もありまして、全会一致で附帯決議をつける次第でありまして、この点一言申し添えておく次第であります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 ただいまの羽田君の動議について御意見があればこれを許します。——別に御意見がなければ、ただいまの羽田武嗣郎君の動議のごとく、本案に附帯決議を付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。  この件について政府側より御発言があればこれを許します。

飯塚定輔自由党郵政政務次官

○飯塚政府委員 ただいまの御討論、さらに附帯決議等に際しまして、いろいろな御意見を承りましたが、これに対しては大臣から申し上げるのが当然でありますけれども、委員会その他の都合で大臣が出席いたしておりませんから、ただいまの御決議の御趣旨は大臣にもお伝えいたしまして、当局としての措置をしてもらうことにいたしたいと存じます。なお御討論の中にありますように、法案の成立後すみやかにこれを毒処しろというお言葉がありましたが、これに対してもすみやかに措置をとりたいと思います。ありがとうございました。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 なおお諮りいたします。本案に関する衆議院規則第八十六条の規定による報告書の作成については、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。     —————————————

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 次に郵政行政に関する件について調査を進めます。  まず郵便貯金に関し、昨日に引続いて質疑を行いたいと思います。質疑の通告がありますのでこれを許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私は簡単に二、三点大蔵当局に伺いたいと思います。  先月の二十七日でありましたか、毎日新聞の記事に、大蔵事務次官から郵政事務次官にあてて、郵便貯金の広告宣伝文の文字とか文面とかいつたものが問題にされたようでありますが、これによつて受けました社会的印象というものは、何か大蔵省が郵便貯金をやはり銀行とじ同ように取締つておるような関係にあるのではないかというように、一般に誤解を与えているのではないかとも思うのでありますが、そういうことは行政組織上、または大蔵省設置法上ないと考えておりますが、そういう点についての御意見はどうでありましようか、まずそれをお伺いしたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 お答え申し上げます。今吉田委員からのお話の通り、郵便貯金に対して大蔵省は監督するといつたようなことはございません。ただ郵便貯金の制度自体も、資本を集めるといいますか、貯蓄をして行く、資金を蓄積して行くという金融制度全体の中の一環であると考えております。従いまして、国全体として蓄積を増加して行くことが非常に必要であることは申すまでもないのでありますが、その場合におきまして、宣伝広告等お互いに度が過ぎるようなことのないようにして資金を集めて行く、こういうことにいたすことが適当であろうと考えておるのであります。従来から郵政当局と私どもの間においては、郵政当局の方からも民間の金融機関における宣伝広告等の行き過ぎがある、特に一番顕著な例は、今まで指摘されましたのは、証券界における投資信託等の宣伝広告等がどうも行き過ぎておるように見られるということで、御注意をしばしばいただいたこともございます。また私の方からも郵政当局に対して、郷便貯金の宣伝広告についてやや行き過ぎておらぬかということで、こちらから善処をお願いしたことも従来からあつたわけでございます。そういつたことで、監督するとか何とかいうことでなしに、やはり国全体として貯蓄が円満に進んで行くことが一番必要だという観点から、お互いに行き過ぎのないようにして行こうということで、お互いに御注意を受けたり、あるいは申し上げたりして参つておつたのであります。その一環として先般そういつた面のことを、私の方の事務次官から郵政事務次官にお願い申し上げた、こういういきさつになつておるわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 趣旨はさようでないのかもしれませんけれども、一体郵政省における貯金事業というもの、あるいは銀行も同質かもわかりませんけれども、ただ資金を集めるということだけでなしに、国民経済全体の観点から、購買力を調整して行くというような大きな目的もあるように存じております。郵便貯金はいまなお銀行に比べて、私ども宣伝力が弱いのじやないだろうかというふうにまで実は考えておるくらいであります。これは官庁の仕事であるから、手足がずいぶんあるので、方法は幾らでもあるというふうに思いますけれども、しかしそれでもいろいろなわくがあることでしようから、むしろ考え方によつては、うそがない、事実に即しておるという以上は、積極的に宣伝をすることによつて貯金の増強をはかるというくらいに−まあ根本の趣旨はあなたの方も同じであろうと思いますけれども、そのくらいな積極性をもつて募集したらいいのではないだろうかと私どもは考えるのであります。由来この委員会におきましても、いろいろな問題が出て来ますと、郵政省のやり方が姑息であるとか、消極的であるというような批判が強いのであります。こういう観点からいたしまして、一層効果を上げるごいう意味におきまして、また大蔵省もお喜びになるというような結果を来9ために、貯金の増強ということは、事実に即する以上は積極的に宣伝するこいうことの方がいいのではないか。だからそういう面において何か消極的に——沈むようなことがないのがいいのではないか、こういうふうにも考えるのですが、どうお考えになりますか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 貯金の吸収といいますと、やはりいろいろ宣伝をして参りませんと、自発的に集まつて来ることはなかなかむずかしいということはお説の通りだと思います。従いまして、今御指摘のように事案に即して宣伝がされるということは、これは郵便貯金にしても当然あつてしかるべきものだと考えております。ただ私は、その事実に即するという意味が、つまり行き過ぎという意味に申し上げますと、やや誤解を起すような点が若干あつたりするのじやないだろうか、こういう点は、私ども直接に調査が十分行き届いておりませんので、郵政当局でお調べ願つて、かりに若干行き過ぎておる点があつたら、ひとら御是正を願いたいというふうに申し上げておるのでありまして、政府機関たる郵便貯金の制度については、宣伝ということはやるべきでないということは、私は申すべきではないと考えております。要するに度合いと申しますか、程度の問題だと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そこで、たとえば郵便貯金は無税であるというようなことを強調しては困る、こういうふうなごとが出ておるようでありますが、無税であることが事実であれば、無税と言つてもいいじやないか。但し銀行にも無税の部類がある。だから銀行の方も占えばいいのではないかというのかもしれませんが、無税ということは事実であつて、決してうそを言つておるのではないのでありますから、これは貯金の吸収策としては好個の事例ではないだろうか。無税と言つたのがなぜ悪いのか。大蔵省の方からどうも無税と言つたのがけしからぬというような文句が出ておるようでありますが、これは銀行側に無税の制度があつてもちつともかまわぬ、並存してもちつともかまわぬ、並存の事実はあるけれども、銀行のことは言う必要はない。自分の方は白い。向うも白い。それはかまわないが、自分の方が白いにもかかわらず、私の方は黄色いと言つたら悪いかもしれぬけれども、こういう点はあまり神経質になるのはいけないのではないか。事務当局の方が神経質になつてなすつたのかもしれませんが、大蔵省としては、ことにああいう大新聞が一つの報道をいたしました以上は、この際基本方針というものを再検討しし、お互いに反省して、大いに貯金の増強ができるというところに持つて行がなければならぬと思います。無税と言つた考え方が悪い——と言うとどうも語弊があつて、粗雑なものの言い方六なりますけれども、無税と言つたここを指摘して、行き過ぎとか、あるいは使い過ぎとか、誤解を受けるとかいう範疇に入れておられますけれども、これは私は適切な指摘ではないように思うのですが、それはどうですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 先般某新聞に大きくこの問題について報道されまして、しかもそれは相当事実と反するような点があると私は思うのであります。しかもこれが大きな誤解を生んだことは、私としては非常に遺憾だと思います。今お話の郵便貯金が無税であるということは事実であるから、さしつかえないではないかということ自体は、私もさしつかえないと考えております。ただ郵便貯金は無税であるということではなくて、零細な貯金については、これは税をとることが適当でないという観点からできておる。しかも郵便貯金は零細貯金であるから、これは無税であるという考え方に立つて、郵便貯金の課税に対する制度ができておる。つまり零細貯金であるということが、イコール税を課さないことであると私は考えております。少くとも課税上の制度としてできた理由はそとにあると私は考えております。従いまして民間の金融機関におきましても、今日まで預金等につきましては——これはやはり一口十万円以下でございますが、これについては所得税を課さないことに相なつておるわけであります。そういつた点から言いますと、零細貯金という性格を持つ限りにおいては、これは民間の預金であろうと、郵便貯金であろうと、同じように所得税は課さないというのが、今政府としてとられておる制度だと考えておるのであります。私どもに郵便貯金は無税であるということを言われること自体について、かれこれ申し上げることは全然考えてないのでありますが、その場合に、ややもすれば民間の金融機関の預貯金は税がかかるけれども、郵便貯金は税がかからないといつたような表現になると、そこにやや誤解を起すのではないかといつたような点についていろいろお調べの上で、そういう点があつたらひとつ御注意願いたい、こういうことを申し上げているのです。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 要するに私は、この問題を一々取上げてどうこう論議しようというつもりはないのであります。ただ根本方針としまして、牛の角をためようとして、牛を殺すような結果になりはせぬか。むしろ積極的に——輿論といたしましては、郵政事業はもつと活発にならなければならぬという輿論さえあるときでありますから、下手に水をさすことのないような結果を期待するので、今例をあげたにすぎないのであります。そこで、そうでないのでありますから、あまり神経質にならぬように御注意を願いたい、こういうことをぜひ今後御反省あらんことを申し上げておきます。それからこの機会にやはりお尋ねせねばならぬことは——きよう資料を持つて来てもらうことをあなたの方の総務課長にお頼みしておいたのですが、まだ提出がございませんが、それは一般銀行のような市中銀行が、たとえば三箇月ほど何ぼかの金を旅行させておいたら、抽籤で四十万円の富くじのようなものが当るというような式のことをやりまして、金を預ければ、すぐに抽籤で当る可能性が非常に大きいような、あるいは何十分の一か、あるいは何千分の一か、あるいは何百万分の一か、それは存じませんが、そういうような可能性の的確な割合の例を明示せずして広告していることは、私はむしろその害が大きいのではないかというくらいに考えておるのであります。こういうことについては、あなたの方でもかなりいろいろと御注意になつていられたと思いますけれども、それは一体どういうことにしておられましようか。相互銀行はそうじやないかもしれませんが、この種の普通銀行のやり品について、御意見を伺つておきます。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 お尋ねの点でありますが、おそらく割増金付定期預金のことじやないかと思います。この制度自体のよしあしについては、かねて議論が非常に出ておるところであります。最近御案内のように、いわゆる射倖性の非常に強い貯蓄方法というものは、逐次やめて行きたいという考え方に立つております。今般この国会で両院の御賛成を得ました政府宝くじの制度をやめるということなども、実はそういう一環としてやつたわけであります。割増金付定期預金の制度は特別の法律でできておりますが、この制度自体は経済がだんだん正常化するに応じて、逐次やめて行くという方向で行きたい、かように考えております。宣伝広告の問題になりますがどれはかねぐ私どもの係の方で十分注意はいたしております。実はサンプルにつきましても手元に持つて参つておりますが、従来からややもすれば行き過ぎのものがございまして、こういうものは郵政省当局からも御注意をいただいておりますし、私どもも個々のものについて調べておりますが、たとえば割増金付定期預金について、これは無税ですというようなことを書いておつたりいたしましたものについては、それははつきりいけないと言つて個々に直させております。そういつたことで行き過ぎの点は是正いたして参つておりますので、現在のところでは行き過ぎておる広告というものはないと私は思つておりますが、なお御指摘によりまして、私どもの注意の行き届いておりません点がございましたら、よく調べた上で直すようにいたしたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この機会に伺つておきたいのですが、この間、中小企業の今日振わないことについていろいろ原因を探究しておりましたところが、はしなくもこういうことを聞かされたのであります。これは一般に行われておるかどうか存じませんけれども、中小企業が銀行で融資を受けます。たとえば運転資金を五百万円受けるというような場合——その程度の金額はどうかと思いますけれども、その説明をなさつた業者の人々は、二銭八厘で百万円くらい借りた。そうすると三割、つまり三十万円を天引で押えられる。押えたものは定期に入れる。それは六分の利息になるそうです。百万円を二銭八厘で借りて、その三割を引かれては、これは計算の仕方によれば、結局金利は二銭八厘をずつと上まわることになる。しかも予定の百万円というものが使えない。百万円をぜひ使うという場合には、それの三割をふやしたものを借りなければならぬ。こういうことがどうも一般にあるらしいというお話を聞いたのであります。それで何かの機会にこのことをはつきりしたいと思つておつたのでありますが、もしそういうことであれば、これは一つの弱い者いじめ、あるいは脱法行為、あるいはまことに中小企業のために憂うべき銀行のあり方だと思うのです。またそういうことをやるのは、銀行法もしくは何か法律上の脱法的な行為でないかとさえ私は推測をしておるのでありますが、そういう事実はございませんでしようか、いかがでしようか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 金融機関がややもすればそういつた適当でない行為をやつておることは実は間々ございます。最近も実は特利といつて、預金に対して特別な高い金利を付するというようなことが行われて参つております。もつとも相手方は一般公衆じやなくてインター・バンク、つまり他の金融機関との間の預金に特利を付するという場合が多いのであります。それにつきましても適当でないので、先般厳重なる措置を講ずることにいたしたのであります。今お話のような例は、いわゆる両建、歩積みといわれておるものであります。この両建あるいは歩積みといつたような制度も、これは本来普通の金融取引におきましては、いわゆる債務者預金といつて金を借りてそれが預金になつておる。その預金をだんだん引出して行くというような制度がございますので、金を借りた人は預金を持たないということはむしろ例外であるわけであります。しかしながら近年これらが非常に脱法的に行われて参つた。これは脱法になりますのは、いわゆる金利調整法という規定がございまして、金利について最高限度を押えておる。これを両建という形を通じて、事実上くぐつておるということになる。こういうことは適当でないということで検討いたしまして、そういうことがわかりますれば注意をいたしておりますし、また昨年の三月から四月にかけまして、銀行協会等に、非常に強力なる自粛をするという態度で、この問題を強く私どもから全廃するように努めさせました。その結果、金融機関側におきましては、この自粛に対する申合せを具体的にやりまして、これに従つてそういつた行き過ぎの両建ということについては、これをやめるということをはつきり申合せをいたしました。末端までそれによつて来ておるわけであります。しかし今吉田さんから御指摘のように、どうも最近におきましてやはり一種の金詰まりと申しますか、そういつたことも反映いたすのでありましよう。間々ことに中小企業者の間から、そういつた金融機関から両建を強要される、しかもそれが不当に高率の両建を強要されるということの下平を一いろいろ私ども聞いて参つております。現在実情調査をいたしておりますが、場合によりましてはこれに対してさらに自粛をいたすように、強い処置をとりたいと考えておる次第であります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 大上司君。

大上司自由党

○大上委員 まず質問を始める前に、委員長にお願いしたいのですが、ただいま議題になつております本件につきましては、ただいまの銀行局長の御答弁から見ると、いとも簡単なように思われますが、私はそのように受取つておりません。そこでこれを新聞に出たからというのですが、特に本問題をこの委員会で慎重に検討するについては、資金運用部資金の関係で、理財局長等にも御出席願いたいと思います。従つて本日はさいぜん吉田委員が言うておられましたが、大蔵省からまだ一つも資料が出ておりませんので、出た上でいたしますが、資料がなくてもさしつかえない程度の御質問をいたします。  まず本件の起きた動機は、事務次官からのいろいろ通牒もありますが、これは端的に考えて、なぜこのようなことをしなければならなかつたかという原因を一点お尋ねをします。われわれはこれは臆測かもしれませんが、大蔵省の銀行局の所管事項としては、今日伝えられておるところの商業資本が非常に足らない。そこで商業資本に当然まわさなければならないところの銀行預金が、非常に枯渇しておる。だからこのままで放任しておいて、他面郵便貯金の方は相当伸びが来ておる。こういうふうな政策面からおやりになつたのか、単なる現われた宣伝上の事象に基いておやりになつたのか、まずそこをお尋ねいたします。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 私どもはこの問題を取上げましたのは、今お話の点の後者の立場から取上げました。

大上司自由党

○大上委員 後者の方で大体了承はできるのです。私よくこの委員会でも申し上げることですが、特に後者の方なれば大した影響もないということを一応考えます。特に昭和二十九年度のこの予算は、一般に緊縮予算または緊縮財政といわれております。この面から見て、特にこのうらはらに貯蓄の増強とか、あるいは資本の増強ということを叫ばれておる。そこで国としては、あらゆる機関を動員して、なることならば貯蓄をしてもらいたい。これは民間産業資金であろうと、あるいは公的な資金であろうと、源泉の元は国民ですから、両面から考えなければならない。そこで一番やりやすいところの郵便貯金といいますか、零細というか、こういうふうに大蔵省がさらに応援をこそして私は至当ではないかと思うのですが、こういう財政の立て方から見て、もしこれが一般的にこの程度でさらに宣伝の方法、技術等をかえた場合に、預金が寄らなかつた場合にはどういう結果を起すか、それをお尋ねいたします。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 昭和二十九年度の予算において期待をいたしております郵便貯金の資金量の増加について、予定された通り集まりません場合におきましては、財政投融資等において支障を来すおそれがあると考えております。

大上司自由党

○大上委員 支障を起すことをお認めなさつたのであります。この宣伝上のいろいろな問題ということはありますが、これは国の仕事として、特に郵政の特別会計等のわく内にある。もちろん足らなければ一般会計その他からの補填ということはありますが、一応そういう建前から考えて全力を上げてやる。私はあえてこれを大蔵省側が郵政省則に申し入れるべき内容ではないと考えるのですが、その見解はどうですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 同じ貯蓄をやつて参ります機関の間において、不当な競争をして行くのは適当でないと考えており、国民経済全体から見てむだなことになると考えております。これは当然よくないことに違いないのでありますが、金融機関の間における特利といつたようなことは、このこと自体が法律上よくないことであるのみならず、やはり不当競争になる。金融機関が相並んで、お互いが公正なるベースの上において競争して行く、そうして国民経済全体として資本の蓄積を促進して行くという建前からいいますれば、やはりお互いに広告、宣伝等において行き過ぎの点は直して行くことが必要だと思う。単なる郵便貯金の制度の点だけにおいてどうということではない。金融機関同士の間においても同じ問題がありますが、郵便貯金に対して金融機関のやり方が適当でない場合は、これを直して行かなければならぬ。そのために、先ほどちよつと例を申し上げましたが、郵政御当局からの御指摘によりまして、投資信託の線で広告が度を過ぎていたということもございまして、これを直させた例もあります。そういつたことでお互いに行き過ぎのないように、こちらも直して行こうというような趣旨でやつてもらうことが必要であろうと思います。そういう意味で、先般大蔵省から郵政省にお願いを申し上げた次第であります。

大上司自由党

○大上委員 ただいまのお言葉の中に不当競争というお言葉がありましたが、これは私非常に重大視しております。郵便貯金というのは、たびたび言うように、零細預金と申しますか、金額が非常に小さい。どんな村でも郵便局はある。おやじさんが勤めに出てからおかみさんが子供を背負うて、あるだけのものを預けに行けるというような制度である。ところが今日の銀行の建物から見て、子供を背負つてちよいちよい市場の帰りにそこに持つて行くというような事例を私はあまり見ないのです。当然銀行または他の金融機関の相手にしておられるところのものは形態が違う。いま一つは簡保でも申し上げ得られたことですけれども、全国的な郵便貯金の伸び方を見ますと、農村が非常に比重が大きい。あちらに三十軒、こちらに五十軒という各村落の人たちは、銀行に行くのには当然汽車に乗つて行かなければならぬというところが非常に多いのです。特にわれわれの選挙区である兵庫県においても、そういうところが大半を占めておる。だから競争の相手というお言葉は、受取る方はともかくも、出す方は局長と私との意見は違うのです。  そこでもう一つお尋ねしますが、まず郵便の方におきましては、大体銀行も一緒でしようが、国家資金あるいは公的な財産という面から見て、昭和二十八年度末で大体全郵便貯金従事員が三万七千二百八十七人おられる。そこで郵便局の従事員としては二万三千八百七十二人おられる。そこで一人当りの受持額は、大体にいたしまして全従業員から割出した九百二十九万三千円、それから一人当りに割りますと、これが千四百五十一万六千円、こうなる。だから郵便局の従事員が一人で一年に約千四百五十一万六千円集めたと仮定一たしますと、現在あなたのおつしやつておられる金融機関で、一人当り一体どれだけの貯金を集めておられますか。それをまずお尋ねして、次に不当競争というところに入りたいと思うのです。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 今の数字はちよつと私もよくわかりませんが、銀行における一年間の従事員一人当りの貯金増加額という数字は、ちよつと私今持つておりません。大銀行の一番大きいところで、従業員一人当りの預金額が約二千万円くらいであります。それから中どころないし地方銀行の上位くらいのところが、大体従業員一人当り預金額は千万円くらいの数字になつております。一年間の増加額に対して一人当りどのくらい持つておるかということはちよつと持つておりませんが、調べた上でお答えいたします。

大上司自由党

○大上委員 それなら資料を頂戴しましてから質問を続行します。なお聞くところによりますと、ほかの委員の御質問もあり、なお電電公社の靱君が時間がないそうでございますので、私の質問は留保させてもらいます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 先ほど大上委員から委員長に要請のありました預金部資金の運用等との関連で、本件についての調査を進めたい、こういう御要望でございますが、委員長もその趣旨に賛成でございますので、次回の委員会には理財局長なり関係の局部長にも、大蔵省からさらに御出席を願うことにいたしたいと思います。  なお昨日大蔵省側に要求をいたしました資料については、答弁の資料として相当のものを用意されておるようでありますが、昨日のきようでございますので、プリント等が間に合わないために、皆さんに配付はできなかつたわけでありますが、一応答弁の形で提供できるだけの資料は大蔵省の方で用意されておるようでございますが、次会にこの点の調査を続行することにいたします。  羽田さん、銀行局長に対する質疑があれば許します。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 銀行局長にちよつとお尋ねいたしますが、先ほど大上委員並びに吉田委員からも御質問があつたことでありますが、郵政省の貯金局から配られておる資料、すなわち宣伝広告の事例の中に、「国が預かるのでどこよりも確か」、「お国が預かる郵便貯金」というのは、結局町の金融機関というもの、すなわち保全経済会その他のああいうものがはびこつて、農村のほんとうにへそくり金がまつたく雲散霧消上たというのに対して、ただいま大上君の言われるように、農村では銀行なんかは金持が行くところであつて、貧乏人のへそくり金ぐらいでははずかしくて銀行には行けないというのが、農村の、あるいは町の人の心理でもあろうと思うのです。そこで町のインチキ機関に預けておつたものが、とうとう雲散霧消したというようなところを目ざして、むしろそういうものの安全性を確保してあげるために、「国が預かる」というようなところをおそらくねらつて宣伝をやつたのではなかろうか、こう思うのです。必ずしも銀行を相手にして、これと郵便貯金が四つに組んでの宣伝戦ではなかろうと思う。そういう意味におきましても、町の金融機関は、今問題にもなつておるのですから、銀行局の本来の仕事として、大いにがつちりと取締りをしていただかなければならないと思います。  それからなお、この間新聞にも出ておりましたが、銀行局長から貯金局長あてに、通牒などをかた苦しい文書でやると、ニュアンスというか、気持がわからないところからいろいろ問題を生ずる。むしろ銀行局長なんかが貯金局長と会つて、こういうところは困るじやないかというふうに話を円滑に進める方が、かた張らなくてむしろ効果が上つたのではないか、刺激も少かつたのではないかというふうに考えるのであります。郵政委員会は何も貯金局の肩を持つものではない。まつたくの常識的な見地において、銀行方面の預金もふえてもらわなければならないし、また貯金の方面において零細なものが集まり、それによつて安全性を確保して、いろいろな政治の財政投融資の方に向つて行く、そういうことで国の産業も伸張して行くわけでありますから、両箱まつてわれわれは大いに奨励して行きたいと思うのでありまして、そういう意味で今後もう少し貯金局と銀行局がお互いに話し合うという方向をたどつてもらいたいということを要望しておきます。先般の簡易保険の問題につきましても、銀行局長がばかにがんこであつた。しかし結局は八万円が十三万円になり、さらにこの委員会において十五万円に修正せざるを得ないという形になつたのでありまして、自由党の政調会においてもあなたに来ていただいて、われわれも発言して、十五万円くらいに考え方を改めてもらいたいと思つたか、あなたはなかなかがんこで言うことを聞かずに、十三万円の政府原案を出して来た。そのため当委員会では、二十万円とか、三十万円という声すらもあつたところを、調整いたしまして、十五万円という妥当な判断をしたのでありまして、そういうふうに、あまりに保険業者とか銀行業者というものの保護だけにあなたが力を入れることが、かえつて逆な競争意識、いたずらなる刺激、摩擦を生ずるということになるのでありますから、国家の大局に立つて金融の行政をやつて行くように、あなたに忠告をしておきます。そういう意味で、簡易保険にしても、われわれとしてはうんと多額にして、銀行の方と保険の方とけんかさせるということでなく、片方は山間の方に重点を置き、片方は町場に力があるものでありますから、そういう点も考え、あるいは地方のほんとうに金融やいろいろなことになれない大衆のためを考えてやつておるわけですから、そういう点も今後留意されまして、再びこういうことが新聞に問題にならないように、そうして両々相まつて、日本経済の基礎を固めるように、銀行局と貯金局との間に話合いを進めるようにして、今後はあまりかた苦しい通牒なんか出されないように要望いたすのであります。この点について銀行局長の御所見を伺つておきたいのであります。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 おしかりを受けまして、一々ごもつともな点が多いと思います。私どもは別にかた苦しくやつたというつもりは実はございません。要するに問題はお互いに行き過ぎのないようになりさえすればいいわけであります。そういうことのために、非常に不当に郵政当局を御刺激したということでもありますれば、これは注意いたします。非常に一人よがりかもしれません。そんなことはないと私は思つておりますけれども、新羅でいろいろああいうことが報道されたことがばかに曲つて、非常に刺激したようなことになつているのじやないかと思いますが、私どもは他意があつてそんな言葉を使つているつもりはございません。今後注意いたしますから御了承願いたいと思います。  なおこれは自分個人のことを申し上げて恐縮でありますが、今おしかりをいただきましたように、単に民間の保険業者あるいは民間の金融機関の利益を擁護するとか、あるいはその利益を代弁するというようなことをもつて私の任務とは考えておりません。少くとも主観的にはそんなことは考えておりませんので、その点も御了承いただきたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 ただいまの点に関連いたしまして、私からも一言つけ加えておきたいと思うのであります。今回の当面の問題につきまして、私の方と銀行局長との間にとかくの問題は毛頭ないわけであります。今回の文書をいただきますにつきましても、決して突然に文書をいただいたわけではなくて、銀行局長から私も内容は十分事前に話合いは受けております。また大蔵次官から私の方の次官も内容算は事前にお話もつぶさに受けておるわけでありまして、私どもそういつた事情の中におきまして受けました文書について、何らそこに不当であるとも考えませんし、また両者の間に意思の疎通を欠くような点も毛頭ないわけでありまして、非常に淡白な気持で実は文書をする問題につきましては大いに再考いたし、郵便貯金として大いに宣伝を努めなければならない点はこれを努めて参るわけであります。特に郵便貯金は政府事業でありますので、宣伝等につきましても、多分に政府事業としての品位を保たなければならないことは従来も考えており、今後もそのように考えて参らなければならないのでございまして、要は銀行方面でやり、貯金局でやり、あるいはまた郵便局でやり、日本経済の要請いたします資金吸収面に、それぞれ唇歯輔車の関係で努力して参らなければらない、かように考えておるわけであります。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 銀行当局が民間業者とどうということに聞えたら私の言い過ぎであり、私もあなたのお気持はよくわかりますが、どうか今後は、小野貯金局長からお話もありましたが、ひとつ仲よくやつていただきたいということを要望いたします。同時にああいうふうに新聞にどぎつい記事があまり出ない方が一番いいことだと思いますので、こういう点も新聞社の活動は別ですが、軽卒に新聞に発表するというようなことでなく、役所同士でよく話し合つてやるような方向になつて行けばけつこうじやないか、こう考えるのであります。私の質問は終ります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 なお本件については資金運用部の、いわゆる貯金の運用計画等との関係で、さらに調査を進める必要もあろうかと思いますので、次会に続行することにいたします。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 次に特定郵便局に公衆電話を設置するの件、さらに町村合併に伴います電話局の統合問題等に関連して、電電公社の靱副総裁、金光郵政省電気通信監理官、庄司電気通信監理官等が見えておられますので、本件に関する調査を進めます。羽田武嗣郎君。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 特定局の公衆電話の取扱いについての質問をいたしたいと存ずるのでありますが、電電公社ができましてから昭和二十五年以来、今までの郵便局に委託する業務方針から直轄局をつくられるようになりまして、今日では直轄化されたものが百六十八ございます。これは大きな都市とか大きな町とかいうようなものが主でありますが、今後もだんだんと直轄局ができつつあつて、普通局から電話の取扱い事務が次第に減らされておるような状態であります。それから町村合併、あるいはまた地域的な中心地に電話交換局ができることになりまして、だんだんと委託業務が縮小されておるのも相当ございます。そういうような現象が現われるのを私ども見ておりますと、何かしら電電公社が郵便局から電話の扱いをだんだんやめさせて、自分の直轄の局をつくつて行くなり、あるいはまた簡易郵便局や無集配の郵便局に今まで公衆電話を置いておつたのが、これも取上げて、そしてタバコ屋さんとか薬屋さんとか、今までまつたくの関係のないそういう方面に設備をして、局の方からとりはずして行くというような傾向が実は見えるのです。私どもそういう面でこの質問をいたしたいと思うのでありますが、全国の郵便局の数は一万五千五百二十三局でございまして、そのうち電信電話の取扱いの局の数が一万三千二百六十九局でございます。結局電信電話を取扱わない数がちようど二千二百五十四局に今ではなつておるような状態でございまして、地方の都市、たとえば私の郷里の上田市の無集配の郵便局長さんが四、五人、この間私に陳情されたのでありますが、われわれのところからの公衆電話はとりはずして、電話も電報も扱えなくなつて、市民は上田の電話局あるいは電報局に行かなければ、電報が打てなくなつてしまつた。これは地方的な問題ですが、一つの実例でありますから申しますが、上田と申しても相当地域の広いところであります。本局まで行くということになると、三十分ないし一時間も要するところもあるのでありまして、今までは無集配の三等局へ行きさへすれば、すぐ便宜が与えられておつた。ところがもうそれが扱われなくなつて、地方の無集配局の周辺の人たちが、非常に不平があるわけです。それから電話をかけようと思つても、今までは無集配の局に行けば市内電話でも市外電話でもかけられた。ところが最近は公衆電話の取扱いも禁ぜられて、タバコ屋とかそういうようなところの方に重点を置いてしまつておられるというために、今まで長い何十年の習慣として、郵便局へ行けばはがきも買え、貯金もでき、また電話も、電報もかけられるというように、地方民から非常に親しまれておつた郵便局から、その一つの重要な使命であるところの電報と電話の使命を奪つてしまうということになると、地方の実際利用する人たちは、電信電話、郵便というものは国家の事業である、それをいかにも公社ができたからといつて、タバコ屋の方に重点が置かれて、郵便局の方はほつぽらかしてしまうというようなことでは、非常に地方の民衆の不便というものが増大をいたして来るような状態であります。そういう点で、私は電電公社の首脳部として、このような問題についてどういう方針でやつておられるか。それからいわゆる無集配の局に、タバコ屋と同様に電話をかける御意思があるのか。また電報を扱わせるのか、減らすのではなくて、むしろふやして行くというような考え方があるかどうか、この点をひとつ承つておきたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 お答え申し上げます。特に特定局また無集配の局につきまして、あるいは電話を取扱う、電報を取扱うということに対しましては、公社の方針といたしましては、一般のタバコ屋あるいは薬局等に優先して考えて来たのであります。決して公社といたしましては、特定郵便局から離れようというような考えは毛頭ないわけでございます。ただ今御指摘のような点に関しましては、若干郵政省との間に、ある時期におきまして意見が一致しなかつたために、郵政省としましてもいましばらく待つてもらいたいというような御要請もありまして、私どもとしましては若干ある期間におきまして、特定局に電話をつけることを差控えたという事実はございます。と申しますのは、私どももちろん特定局自体と折衝いたすのではないのでありまして、公社と郵政本省との間に折衝いたしまして、具体的に委託をお願いいたす場合におきましては、地方の郵政局との間に実際の局地を選定する、こういう形になつておるわけでございます。郵政省に対しまして手数料を支払いしているわけでございますが、その点につきまして若干の意見の相違がありましたために、ある時期におきましては少しスローモーシヨンになつたと申しますか、数がふえなかつた。そこで今御指摘のような状況になつたわけでございますが、昨年度におきましては、同じ地域におきまして、ことに公衆電話をつけるというような場合におきましては、まず特定郵便局というものを第一優先といたし、ただその方面に線路がないというような場合におきまして、同じ町中でも線路のある方の薬局なり、特定局がそこにない場合におきましてタバコ屋等を利用するという委託公衆電話制度でありますが、利用者の御便利を考えまして、相当積極的にやつて参つたのが事実でございます。最近におきまして道路の使用等の関係から申しまして——一番の理想の態勢といたしましてはボックスでやることが、通話も人に聞かれませんし、また早朝でも深夜でも利用できるという意味におきましては、一番けつこうなんでございますが、これには相当経費もかかりますし、道路の使用上の難点もありまして、やはり屋内に公衆電話を普及して行こうというような方針で公社は進んでおるわけなのであります。その際に特定局また一般の利用に便利な店舗を用いるという方針になつたわけであります。そこで具体的に両者の比較をいたしますれば、もちろん特定局といたしましては郵便貯金等の業務を営んでおられる次第でございますから、そこに電話をつけることは当然の常識であります。従いましてここに若干手数料が高いとか安いとかいう問題は、あまり公社としては考えたくない。現実におきましては店を利用するというような店頭の委託公衆電話の方か経費的には安い。もう一つは、土曜とかあるいは休日祭日、というようなときにも、営業時間中は利用できるという便宜がありますが、特定局等、特に無集配におきましては、夜間等の利用が困難であるというような状況にありまして、若干そこにおのおのの特長があると思います。しかし今羽田委員り、特定局に対していかなる観念を持つておるかという御質問に対しましては、むしろ特定局を最優先として考える、こういう考えでおる次第でございます。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 靱副総裁の御答弁によれは、この郵便局の方をタバコ屋、薬屋よりも優先をするというお考えは、そり通りでけつこうだと思いますが、実剛は、私の郷里の上田の問題でもわかる通りに、実際は郵便局の方は幾ら頼んでもやつてくれないで、近所のタバコ屋、薬屋さんの方につけてしまつて、円かしろ郵便局をまま子扱いにして、郵便局とだんだん縁を薄くする方針のようである。こういう声を現実に聞き、また陳情を受けたわけであります。ですから私はこれは空な話ではないのでありまして、優先をするならば優先をするように現実に一そうでなければ、方針が下部に徹底しているとは言えないと思う。そういう意味で、その方針を真に徹底さして、郵便局と民衆とのつながりの深いところを——ことに郵便局では夜は使えないという点もありますが、ボックスも部屋の中にありまして、できるだけ話が聞えないようにもなつておりますし、またタバコ屋とかああいうところに行くと、どうしてもおつり銭がとれないで、結局サービスしてもらつてありがたいというような考えもあるのでしようが、所定の料金以外にチップを納める。おつり銭がないようなときには、不要なものでも買わねばならぬと、現実に利用している者の不平もあるわけでありまして、こういう点もよくお考えいただきまして、ひとつこの際徹底的にそういう点を御指導いただきたい。ことに最近町村合併が盛んになり、急激にたくさんの市がふえておりますが、こう市がふえて来ると、おそらく今まで集配局であつたものが無集配局になるというようなこともあるでありましよう。そういうようなときにあたつて、そういう無集配局から電話をはずしたり、あるいは電報の扱いをはずすようなことなく、できるだけ大衆の地域的な便益をはかつていただくように御指導をいただき、実行いただきたいということをお願いをいたしておくものであります。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 ただいまの御趣旨、十分徹底するようにいたしたいと思つております。なお御参考までに申し上げますが、電話の加入区域外の特定局におきまして。なお電話がついていないのは全国では七十ございますが、これは本年度全部つける予定でございます。区域外としますと、電話もなかなかつきにくいところでございますが、そういうことによりまして、相互遠距離のところで一般に御利用願えるかと存じております。なお電話加入区域内の特定局におきましては、これは先ほどの羽田委員のおつしやつたうちで少し数字が違つておりますが、私どもの計算では一これは年度のとり方が違いますが、二十八年の末ごろの計算では、二百五十局ばかりまだついていない。あとは全部ついておるという計算でございますが、本年度はさらに、ただいまおつしやつたような趣旨、私どももまつたく同様な考えを持つておりますので、各地方通信局におきまして架設をする場合におきましては、特にこの点を強く指示いたしまして、特定局を優先するようにいたす考えでございます。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 今の数字の点については私の調査と違うかもしれませんが、私の調査の中には簡易郵便局が入れてございます。地方の人にとつては、別に郵便局が簡易か、普通か特定かというようなことはわかりはしませんから、要するに郵便物の扱いをしてくれるところを郵便局と考えているわけでありまして、ひとつ簡易郵便局の方にもそういうふうにつけていただくように——簡易郵便局は全国で千百六十三ございますから、こういう点もひとつ加味して、至急にこういうところにもつけていただきたい、かように希望いたします。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 簡易郵便局につきましても同様に考えて、処置いたしたいと思います。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 委員長からも一点伺いたいのでありますが、ただいま羽田委員の質問の中にも触れられておるのでありますが、最近の町村合併に伴う電話局の統合−実は本日全国町村議会の議長会の方からも、委員長あてに陳情書が参つておるわけでありますが、これは郵便局と独立した電話局の場合も考えられるし、また郵政省の方に委託している関係と事情はわけて考えなければならぬと思うのでありますが、この点についての御方針を承つておきたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 町村合併の問題につきましても、公社といたしましてはできるだけ各地方の御要望に応ずるように考えておる次第でございますが、実は現在におきましても、同一行政区域におきまして電話交換局が二つ以上あるという地域が、全国には五百もあるわけでございます。利用者の方としましては、もちろん一本にしますれば、市外通話という関係もありませんし、けつこうなのでございますが、なかなか現在の施設の状況では一局にまとめるためには、その間線路を非常によけい使わなければいかぬ。あるいは町村合併の結果、一応その関係としましては、中心地と思われるような経済的、地理的な条件の局が、局舎を建て直さなければ、これを収容できないというような状態もありまして、実はこれに対しましては私ども非常に困難をいたしておる次第でございます。基本的な考えといたしましては、私どもできるだけ統一的な観念で参つた方が、将来の長い目をもつてしますれば、事業経営上もけつこうでありますし、また一般の利用者に対するサービスもそれの方がよいのでございますけれども、全国にそういう数が非常に多いものでございますから、なかなか御要望に沿い得ないという現状にあるのであります。  一方先ほど羽田委員の御質問は、その際におきまして電話なり電報の取扱いを廃止するなという御意見でございますが、これは私どもそういうように考えておるのでございます。と申しますのは、交換事務は一局に集中いたしますが、もつろん今まで郵便局があるところにおきましては、なお引続き電報の取扱いなり、電話の通話事務というものは当然残すべきものである。この点は決して先ほど羽田委員に申し上げたのを変更して、今町村合併の問題についてお答えしているわけではございません。ただ町村合併で問題になりますのは、交換事務を一つにする、加入区域を一本にするということでございますが、相当の広地域が一つの行政区画になります関係上、これが容易にできないのははなはだ遺憾でございますが、方針としましては、順次それを集中して行く。その場合におきまして特定局の影響としましては、ただいままで委託でもつて交換事務をやつておりましたところは、他に統合される結果、交換事務は廃止しなければならぬ。ことにまた地方的におきまして、あるいは若干のいろいろな御意見の相違のある場合もあるのでございます。と同時に単に町村の合併ということでなく、大都市あるいは市が付近の村なり町を合併して行くというような場合におきましては、私どもとしましては、その市の電話局にこれを収容した方が、確かに利用者のサービスから言いましてもけつこうだと存じておりまして、そういうのは特定局との関係もあまり問題にもなりませんので、できるだけ推進いたしたいと思つておりますが、何と申しましても、現在全国に電話が一個もつかないような電話局が百数十局ありまして、今後五箇年間には二百七十局くらいが、一個も電話のつかないような状態になりますが、これを五箇年計画をもつてしましても、その六割程度が救済できるということでございますから、その部分だけを特別によくするというわけにも参りませんし、そうかといつてあまりに目の先ばかりやつておりますときわめて不経済になる、こういうような要請等を考えつつ、中心といたしましては、利用者の御便宜をはかるという点に重点を置きまして、予算のあんばいをいたして解決して行きたい、こういう考えでございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 さらに電報局が独立した場合に、電話と同様に、電報の特定局及び普通局における取扱いの問題についても、羽田委員からの御質疑の趣旨を十分くんでいただきまして、一般国民の便益に供するように御努力を願いたいと思います。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 次に本委員会に付託になりました請願七十八件について採否を決定いたしたいと存じます。  先ほど理事の方々と本日の請願日程の採否の取扱い方について協議をいたしたのでありますが、日程第一ないし第五、第七、第八、第一一ないし第一四、第一七、第一八、第二〇、第二二第二三、第二六、第三〇、第三一、第三七ないし第三九、第四四、第四七、第五〇ないし第五二、第五五、第五六第五八、第七六及び第七七の各請願は、いずれもその趣旨妥当と認められるので、この際採択の上、内閣に送付すべきものと決すべしとの意見であつたのであります。以上のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 御異議ないものと認め、さように決します。その他の請願の採否の決定は延期いたしたいと思います。   お諮りいたします。ただいま議決いたしました各請願の報告書につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議、ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 なお本日公報に掲載いたしました各陳情書につきましては、昨日も委員長からお諮りいたしました通り、その内容は、本委員会で決定した各法律案及びこれまで審査いたして参りました各請願の趣旨と同様のものが、多いのでありますが、これらの各陳情書は、おおむね妥当と認められますので、これらの趣旨を了承いたしまして、今後の委員会の審査の上に実質的に反映させて参りたいと存じますが、さようとりはからうことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  次回の委員会は公報をもつてお知らせすることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会     —————————————

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