P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
19回国会衆議院1954/04/16

郵政委員会 第20号

発言数
42
登壇者
6
会派数
2
開催日
1954/04/16

会議録

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  郵政行政に関して調査を進めます。本日は郵政省の公労法適用職員と非適用職員の給与の不均衡是正に関する問題、旧外地並びに旧占領地における未払い郵便貯金等の払いもどしに関する問題、調布郵便局における郵便切手及び印紙の盗難事件、その他について調査を進める予定であります。  まず郵政省の公労法適用職員と非適用職員の給与の不均衡是正の問題について調査を進めますが、先般塚田郵政大臣より、本問題の解決のために法律案を作成しておる旨の御発言がございましたが、その後の経過並びに提出の見通し等について、御説明を願いたいと思います。宮本人事部長。

宮本武夫郵政事務官(大臣官房人事部長)

○宮本説明員 ただいまの御質問でございますが、先般大臣より、公労法適用外職員と適用職員との給与のアンバランスを調整するために、この際国家公務員法附則第十三条による特例を設けることといたしまして、近く国会に提案する見込みであるということを答弁せられておる次第でございます。その前より私ども事務当局といたしまして、関係各官庁と連絡折衝をいたしまして——この問題はひとり郵政省だけの問題ではございませんで、五現庁に関係する問題でありまして、郵政省がその法案の主管庁というわけに参らぬのでありまして、いろいろの都合もあつたかと思いますが、内閣審議室におきましてこれをやることになりました。爾来関係者の相談を鋭意重ねまして、大体の根本的な趣旨においての了解点に達しまして、法案の作成その他準備を進めておつた次第でございます。もつと早く国会に提案するつもりでおつたのでございますが、残念なことでございましたが、関係各庁との折衝におきまして、私どもが思うように簡単に進めないものが若干ありまして、今日まで及んでおる次第でございます。しかし先般、これは約一週間ほど前でございますが、ようやく関係各庁との間に完全な了解を得まして、内閣審議室よりこの法案を国会に提案いたすことに相なりまして、その法案を作成いたしまして、ただいまのところ法制局においてこれを審議しておる状況でございまして、おそらくは来週中に閣議に提案されるものと信じておる次第でございます。大体以上のような経過でございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 すでに法案の立案も終つているやに聞くのでありますが、大体法案の骨子等について御説明願えればしていただきたい。

宮本武夫郵政事務官(大臣官房人事部長)

○宮本説明員 今回の法案でありますが、ただいま申し上げました通り、法案は目下仕上げをしておる最中でございまして、今まで私どもが手にしておりました材料によりまして、その法案のごく大体の要点だけを申し上げたいと思います。  この法律はただいまも申し上げました通りに、国家公務員法附則第十三条の特例といたしまして、名称を企業官庁職員給与特例法という名前でやりたいというふうに考えております。これを制定しますとともに、現行の、郵政に関して申し上げますと、郵政事業特別会計法中の給与準則に関する条項並びに公労法の規定条文のうち、給与関係のものを除外するというようなことを規定いたしましてやるつもりでございます。この特例法におきまして、最もねらいといたしますところは、公労法の適用外職員と適用職員との給与が若干不均衡を来しておる、その不均衡を調整することが一つのねらいであります。またもう一つには、現在、適用外職員と適用職員とにつきましての給与の根本法と申しますか、一方の適用職員につきましては、給与につきまして団体交渉によりまして、その結果に基く郵政大臣の給与準則によつてこれをやることになつております。非適用者につきましては、御存じの通り一般給与法並びにこれに基く国家公務員法等の規定によつてやるというように、給与の規定並びにその体系が二本建になつておりますために、非常に給与事務というものが複雑になつておるのでありまして、この複雑になつておりますところの給与事務を一本化して、簡素化したいというのが第二のねらいでございます。従来適用職員につきましては特別会計法中に、郵政大臣が適用職員の給与について給与準則を定めるということに相なつておりました。その給与準則を定めるにつきましては、その年度に支給する適用職員についての給与の総額が、その年度の予算総則において定められている給与総額を越えてはいけないというふうに、郵政大臣の定める給与準則に対して、その予算の面から規制が加えられている次第でございます。今回の特例法によりまして、適用外職員が、従来郵政にありましては約二万一千人あるのでございますが、適用職員は約二十三万であります。この二万一千の非適用者をごく一部の少数の者を除きまして、これを適用者の給与総額というものと一緒にしまして、従来の適用者に対する給与総額において、郵政大臣が給与準則を定めてやつて行くということと同じような取扱いをしよう、これによりまして両者の給与の不均衡をできるだけ是正して参りたい、こういうことに相なる次第でございます。ただいま一部少数の者を除くと申しましたが、これが今回の特例法よりはずれるものでございます。この点につきましては特例法自体においてこれをうたいませんで、政令においてこれをうたうことになつておりますが、郵政について言いますれば、私どもといたしまして地方の部長級以上、本省の課長級以上、これが総計において約百八十名でございます。これだけが特例法からはずれる。それ以外の者は全部これが特例法に吸収されるということに相なる次第でございます。要するに従来郵政事業特別会計法に規定されておりました給与準則の根拠法並びに給与総額の規定並びにそれを受けたと申しますか、それに対応いたしますととろの特別会計の予算総額の中の給与総額の規定、こういうものの適用を受ける者が、従来の二十三万の適用者というものに、公労法の非適用者の約二万一千名の者がこれに入る、こういうことに相なる次第でございます。大体骨子は以上申し上げたところであります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 そうしますと公労法適用職員同様、給与総額で押えるということになるのでありますか。現在の公労法適用職員と今度新たに二万一千人ばかりがこの特例法で公労法と同じような形で取扱われることになるわけですが、その場合に一般公務員と公労法適用職員との現在の給与の差額、給与総額は、たとえば現在すでに成立した本年度予算に組まれておるものと、それから不均衡是正の原資というか、そういうものの捻出は、現在の予算にきまっておる給与総額との関係でどうなるのでしょうか。

八藤東禧郵政事務官(経理局長)

○八藤政府委員 お答え申し上げます。お答え申し上げる前にちよつと一言だけ前置きいたします。本年度の成立いたしましたところの昭和二十九年度特別会計予算の予算総則におきまして、第七条の前段に予算給与総額に関することが書いてあるのでございますが、その中に次のような文章がうたつてあるのでございます。それは給与総額の変更の問題でございますが、「この予算の基礎となつた給与準則を実施するため必要を生じた場合において、経費の移用、流用及び予備費の使用」等によつて給与総額が変更されることがあるということは前年度もあつたのでありますが、その次に「又は法令の制定改廃に伴い、給与準則の適用を受ける職員の範囲に変更があつた場合において、大蔵大臣の承認を経て給与総額が変更されたときは、この限りでない。」かようにうたつておりまして、私の聞いておりますところによりますれば、この条文が入りましたのがただいま御審議を願つておりますような特例法ができまして、今までは給与総額、いわゆる給与準則の適用を受ける職員の給与総額、これを受ける範囲がきまつておつても、もしも何か法令の制定改廃があつて、給与準則の適用を受ける職員、言いかえますれば給与総額の中においてまかなわるべき職員の範囲がかわつた場合において、大蔵大臣の承認を経て給与総額を変更することができるというふうなものが、本年新しくここに入つておるわけであります。これがただいま御審議願つておりますような特例法等のことが当てはまるのだろう、かように考えておる次第であります。なおこの特別会計予算の三百三十七ページ、郵政省所管の参照書の中に郵政事業特別会計給与算定表というのがございますが、これが昨年まではなかつた欄が一欄ふえておるのでございまして、ごらんいただきますと、その三百三十七ページの一番右から二つ目の欄に、「公共企業体等労働関係法に基く給与準則の適用を受けないもの」ただいま人事部長が御説明申し上げましたいわゆる適用外職員二万二千二百二十二人となつておりますが、この欄が新たに加わつておりまして、その左に今まで給与準則の適用を受け、給与総額によつてまかなわるべきことになつておるところの職員二十二万七千四百四十人、この欄がありまして、この二十二万人の欄がいわば給与総額——表題では給与総額算定表となつておりますが、この中に次の欄、ただいま私が申し上げました二万二千人の給与に関する欄がつけ加わつております。従つてこれだけは現在の法則で申しますれば、給与総額ではないわけであります。この欄で申し上げますれば八十三億五千三百万円、これは給与総額ではないのでございます。しかしそれが一応こうやつて給与総額算定表の中に入れられておるということは、先ほど申し上げました総則の第七条の例の条項とにらみ合せて、もしもさようなことになつた場合にはどうなるかという御参考のために便宜的にかような欄が設けられた、こういうふうにお読み取りいただいたらけつこうであります。  以上が前置きでありますが、直接今委員長がおつしやいました、さて法律はこうなつておるが、アンバランスがある。そのアンバランスを直す法律がないじやないか。従つてここに差額があるだろう、こういうお話でございますが、その差額につきましては、実はこの表にもあります通り現行をもつて算定してございますので、もしこの法律が成立いたしまするならば、そうしてその法律に基いて郵政大臣がバランスを修正するような給与準則をつくりますれば、当然そこに何がしかの金が必要になつて来るわけでございます。その金は申し上げるまでもなく、この三百三十七ページの金額の中に含まれておりませんことは、率直に申し上げなければならぬところであります。従つてそこに何がしかの金がいるだろう、郵政大臣のきめ方によりますが、まず第一に考えますることは、この予算の総額の範囲内において差繰るべきものは差繰る、あるいはこの予算総則の第七条にありますやり方によりまして、給与総額というもののわくを広げるときにおいて何らかの予算の差繰りをやつてふやして行く。また郵政大臣のきめ方によりまして差繰りがきかないような金額になりましたならば、これは私ども事務当局が申し上げてはどうかと思いますけれども、当然の筋合いとして予算の補正の処置とかなんとかいう段階に入るかもしれない、かような心組みをいたしておる次第でございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 重ねて伺いますが、三百三十七ページの公共企業体等労働関係法に基く給与準則の適用を受けないもののベースは一般公務員並だ、それから今度のかりに特例法が出て、この中で約二万一千名のものについて特例法の適用を受けるということになりますと、公労法適用職員のベースにスライドした形のものが出て来なければならぬと思いますが、その間現実の差は大体どの程度でございましようか。

八藤東禧郵政事務官(経理局長)

○八藤政府委員 お尋ねの第一段でございますが、おつしやいます通りこの三百三十七ページの「適用を受けないもの」という欄におきます金額は、現行の一般給与法下におけるところの国家公務員のベースにおいて算定してございます。  お尋ねの第二段、もしも郵政大臣がその法律が成立したことによつて給与準則を定め、その場合に完全に現在の郵政省所管の職員の中の公労法適用職員と同じようにまでこれを給与準則においてスライドさせて参るといたしますれば、これはいろいろございますけれども、私たちの日の子算でございますが、大約二億五千万円ぐらいは必要とするであろうか、かように考える次第でございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 そういたしますと、先ほどの御答弁と関連して、この二億五千万円程度のものについては、差繰りのできるものは差繰りをいたし、できないものについては当然予算の補正を必要とする場合も起るかもしれない、こういうように理解していいわけですか。

八藤東禧郵政事務官(経理局長)

○八藤政府委員 お言葉の通りに解しております。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 先ほどの人事部長の御説明にもありましたように、郵政関係だけでなしに、五現業の企業官庁一緒になつてこの特例法が制定されるわけでありますが、この法律の適用を受けるであろう人員は、やはり郵政省が一番多いと思います。そういうような関係もあり、この問題については、本委員会としては先般決議もいたして、できるだけすみやかに実施することを公約いたしたおります関係もありますので、今週中に閣議決定を見るような段階まで進んでおるように実は仄聞しておつたのでありますが、今週のきようの閣議にも間に合わなかつたようでありますが、ぜひとも本会期中に衆参の審議に間に合うように、特にやはり郵政省当局の方も、関係の企業官庁及び内閣審議筆算と連絡をとつて、すみやかに提案せられるよう、さらに一段の努力を要望しておきます。

宮本武夫郵政事務官(大臣官房人事部長)

○宮本説明員 ただいま委員長からお言葉をいただきましたが、まつたく御趣旨の通りでありまして、目下一生懸命その方を関係方面と相談をいたしまして、国会に提案すべく、ただいま一生懸命準備の最中でございます。今後ともさらになおその努力を続けまして、ぜひとも本国会にこれを御要望の通りに提案いたしたいと、一段と努力いたすつもりでおります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 本件についてほかに質問はございませんか。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 遅刻いたしましたので、どういう質疑応答があつたのか、はつきりわからないのでありますが、今の御説明になつておりました企業官庁給与特例案というものが、これが出さるべく準備中と聞くのであります。そこできようはもう四月の十六日でありますが、出ればもちろんこれは相当重要な法案でもあるし、また企業官庁の範囲が相当広いし、いろいろと他の委員会との連合審査というような段階も経るのではないかと思います。そうしますと、衆議院を通り参議院を通るということに相当日がかかるのじやないかと思われますが、そういうことについて、来月の八日ごろには一応国会は終了するわけでありますが、それは間に合うのでしようか。その辺をひとつ、相当はつきりした見通しだけでも立てておきたいと思います。私の質問はそれだけです。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 委員長からも、ちよつとただいまの質疑にお答えいたします。これは先ほど人事院総裁にも会見をいたしたのでありますが、行政管理庁の所管で、五現業を一括した形の給与特例法として提案されることで、目下準備が進んでおるわけであります。それで私の承知しているところでは木曜日の次官会議にかけて、きようの閣議にかかつて国会に提案されるような段取りに進んでおつたのですが、それが現実には、来週に持越したわけでございまして、来週早々には、閣議決定の上、国会に提出されることになる見込みでございます。なおその場合には、行政管理庁の関係でありますから、内閣委員会にかかるか、あるいは給与に関する問題として人事委員会にかかるか、その点については、これは法案が提出されてみないことには、本委員会も関連はありますけれども、本委員会の所管には一応ならないのではないか。当然提案される場合には、関係の付託委員会がきまりますれば、本委員会としては連合審査等で、審査に参加いたしたいと思うのでありますが、決議の関係もありましたので本日はその経過を伺つて、提案を促進する意味において本日これを取上げたわけでございます。なお政府側から何かありましたら……。

宮本武夫郵政事務官(大臣官房人事部長)

○宮本説明員 ただいまのお尋ねでございますが、この前大臣からも答弁を願つております通りに、もつと早く、三月中に国会に提案すべく考えておつた次第でございます。鋭意私ども事務当局といたしましても、関係方面と折衝いたしましてやつておつた次第でありますが、思うように参りませず、今日まで延びた次第でございます。さきに経過等の御説明の際に申し上げたのでありますが、このたびやつと関係方面との了解も完全に達しまして、ただいま内閣審議室を中心といたしまして、法案の準備作成中でございます。ただいま委員長のお話の通りに、来週には閣議にかかるものと考えておる次第でございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 ちよつと速記をとめてください。   〔速記中止〕

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 速記を始めてください。  それでは本件についての質疑は法案が出て参りましてからさらに続けていただくことにいたしまして、次に旧外地並びに旧占領地における未払い郵便貯金等の払いもどしに関し調査を進めたいと思います。近く政府においてこれが払いもどしについて、法律案を提出する準備を進めておるように仄聞いたしておりまするが、本問題についての政府側の現在までのとり来つた態度及び今後の見通し等について説明を求めたいと思います。小野貯金局長。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 軍事郵便貯金、旧外地の郵便貯金、また旧外地から内地にあてまして組まれました外地の郵便為替並びに軍事郵便為替等につきましては、今までのところある一定の制限のもとに支払いをいたしておるような状況でございます。と申しますのは、この種の事柄がすべて終戦当時に打切られてあれば問題ないのでありますが、終戦後におきましても、これは各地いろいろの事情を異にいたして取扱われて参つたのであります。そういつた点に占領地下におきまして、いろいろ問題もございまして、私どもといたしましてはできるだけ早く、こういつた問題の処理を解決すべく努力をいたしたのでありますが、いろいろな事情がありまして、現在全面的な解決まで至つておりません。ある一定の条件をつけまして、その制限下に支払いをいたしておるような次第であります。その制限と申しますのは、日本の戦線各地に配置せられておりました野戦郵便局に預入せられましたいわゆる軍事郵便貯金につきましては、終戦時八月十五日の以前に預入されたものは全額支払いをいたしております。八月十六日以降のものにつきましては、当初一人千円を限つて支払いをいたしておつたのでありますが、何分にも引揚げて参ります復員の軍人軍属等の生活困窮の状況もありまして、できるだけ大幅な解決をはかる努力をいたしたのでありますが、その限度は当時の千円を千五百円に——これは昭和二十三年にそういつた措置をとつたのでありますが、終戦の年、八月十六日以降の預入のものにつきましては、一人千五百円を限つて支払いをいたしておるような状況でございます。従いまして千五百円を越える預入額につきましては、現在払い渡しできない状況に相なつて今日に及んでおるわけであります。旧外地の郵便貯金につきましては、樺太、朝鮮、台湾、関東州等におきまして、その地所在の郵便局に預入せられた郵便貯金を旧外地郵便貯金と称しておりますが、この点につきましても、終戦後各地それぞれ事情は異にいたしますが、それぞれ郵便貯金を扱つておつたような実情でございます。その預入額につきましては、九月の三十月を区切りといたしまして、昭和二十年九日三十日までに通帳に記入してあるものは、全額支払いをしておる次第でございます。十月一日以降の預入にかかりますものは、全額支払いをストツプいたしております。軍事郵便為替につきましては、昭和二十年九月二十三日に為替証書が日本に到着いたしておりますものにつきましては支払いをいたしましておりますが、それ以後のものにつきましては全然支払いをいたしておりません。かような状況で、まだ現在為替の証書の額面、軍事郵便貯金並びに在外郵便貯金の通帳に記入された額面のみで申しますと、今日まで制限外に属しておりまして、支払いが不可能であります額が二十五、六億に上つておるわけでございます。この点につきましては、もうすでに日本も独立いたしまして漸次時日もたつて参りますし、できるだけ早く解決をいたすべくいろいろ努力をいたしたのでありますが、厖大な在外財産等の関係もございまして、一挙に解決が不可能であつた状況でございます。最近そういつた在外財産問題の処理につきまして、できるだけ早く処理の促進をし得る方向におきまして、内閣に在外財産等調査会が設けられておりまして、次々と問題が取上げられて解決に向いつつあるわけでございます。先般旧日銀券の持ち帰りの分、これは当時引揚げまして所在の税関等に預けておるものでありますが、これにつきましても一定の限度におきまして、現在流通しております日本の円にかえるというような措置がとられましたし、また旧外地関係にありました銀行預金等につきましても、在外財産等調査会の答申案も出まして、その答申の趣旨に従つて現在法律案が提出せられ、解決に向いつつあるような状況でございます。そういつた関係からいたしまして、郵便貯金につきましてもここで全面的な解決をはかる必要も感じましたので、関係省といろいろ協議を進めて参つたのでありますが、数回にわたりまして在外財産等調査会におきましてもこの問題を、銀行預金との権衡の問題、その他の在外財産との権衡の問題等をもしんしやくいたしつつ、郵便貯金の特質に従いまして、この点が解決の妥当な線であろう、こういつたいわゆる答申案なるものが実質的には、内容的に去る十四日に初めて固まつたような次第でございます。その答申案に基きまして関係大蔵省、郵政省といろいろ協議いたしました結果、どうやらこの解決の見通しも立て得る段階になりましたので、目下法制局の審議を今朝終了いたしまして、来週の火曜日の関議には提出し得る見通しがついたわけであります。国会の会期も余すととろ幾ばくもないのでありますが、そういつた時期に法案を御提出申さなければならないことになりましたことは、私どもとして非常に相済まないと思うのでありますが、何分法案が提出になりましたら御審議願い、郵便貯金の長年の懸案が解決し得ますようにお願いをいたす次第でございます。  この機会に郵便貯金につきまして、そういった全面的払いもどしの解決をいたします概要を申し上げますと、銀行等につきましては、預貯金すべて全然支払いをいたされておらないのであります。そして今日に至っておりますが、過般出ました在外財産等調査会の答申案に基いて作成されました法律案によりまして支払われるわけでありますが、これはここ二年ばかり前でありましたでございましようか、在外公館等借入金の返済が行われました。その際にいろいろ各地域ごとの貨幣価値に比例いたしまして、一定の換算措置をとったわけであります。そういった換算率で銀行預貯金は支払われることに法案の内容は相なっておるのでありますが、郵便貯金につきましては・この貯金が大衆の貯金の手段でありますし、また一件々々が金額も零細な金でございますので、銀行預金が全面的に支払いをストップをいたしておりましたにかかわらず、先ほど申しましたような制限だけはありますが、一部支払いをいたして今日まで参ったわけであります。今後の措置につきましては、いわゆる支払いをストップいたしております金額の支払いにつきましては、これはまた銀行等との関係もございますし、いかに郵便貯金の特質をもっていたしましても、これを通帳記載面のそのままの額面で支払いますことは非常に権衡を失するであろう。特に軍事郵便貯金等について見ますと、北支、中支、南支・この方面の預入にかかりますものが、全体の九十二、三パーセントに相なっております。特に中支方面の儲備券の終戦後における価値は非常に下落をいたしておりますので、かたがた郵便貯金は日本円建になっております。銀行等はそうではないのでありまして、現地の通貨建になっておりますが、郵便貯金はすべて終戦後の扱いも円建になっております。中支の儲備券に例をとりますと、終戦ぎりぎり当時まで儲備券百元イコール日本円八円、こういうレートを維持し続けて参ったのでありますが、こういうレートが終戦後相当後の取扱いまでそのレートで行っておるわけであります。その点に非常に無理もありますので、その辺のレートはやはり適当な修正をしなければならないであろう。他面には郵便郵金が非常に庶民の貯蓄手段でありますし、また一人頭の貯金の額も零細でありますので、その面の零細貯金の保護、こういつた面も考えなければなりません。そこで銀行預金等につきましては、全面的にそういった換算率を全額について適用するのでありますが、郵便貯金につきましては、その当時最高の預入限度がちょうど五千円であったわけであります。今日は十万円に相なってありますが、五千円が郵便貯金の預け得る最高限度となっておったわけであります。従いまして、この五千円までに達するものにつきましては、郵便貯金が大衆貯金であり、しかも零細な貯金である、こういつた面の保護を加えまして、換算率等も在外公館借入金のあの返済率にはよっておらないのであります。五千円を越えるものにつきましては、これは五千円と申しましても通帳に記入してある金額の五千円に符合するのではなく、手取りが五千円になるまでは有利な支払いをしよう、手取り五千円を越える分野につきましては、これはいかにいたしましても在外公館借入金の例、また今後法案が通過いたしますると、支払いが開始されます銀行預金の支払いの条件に区別を設ける理由が見当りませんので、しかも当時の預入の限度を越えるものでありますので、郵便貯金の零細かつ大衆貯金だ、こういう特質をそのまま全面的に考えるわけにも行かないような事情もございまして、手取り五千円を越えますものにつきましては、今回の銀行預金がこれから支払われようとする・その貨幣の換算率を適用する、こういうようなことに内容は実は相なるわけでございます。先ほど申しました通り、いろいろ諸般の準備を進めて参りまして、来週火曜日には閣議の決定を見て、早急に御審議を煩わす段階に相なったことを御報告申し上げますo

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 本件について質疑を許しますo

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 どのくらいの額なんですか。大体のざつとした額のあらましを伺いたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 軍事郵便貯金について見ますと、現在まだ支払い制限にひっかかりまして、残っております額が、額面そのもので見ますと、二十三億一千万円に相なっております。今回の支払い措置で参りますと、五千円までは非常に有利な扱いを受け得るのでございますが、五千円を越えるものにつきましては、いわゆるそういった儲備券の場合には、在外公館借入金の際の率、また銀行のこれからの支払いもそれによるわけでありますが、二千四百円を一円に換算するわけであります。すなわち二千四百分の一になりますので、その点で非常に金額が少くなりまして、このために支払う所用の金は二億三千九百万円、こういうことに相なるわけであります。  それから外地の郵便貯金、これは軍人軍属でない一般の人が朝鮮、台湾、関東州、樺太等で扱いました郵便貯金でございますが、これは現在十月一日以降のものを支払っておりません。それで支払いの制限外に属しておりますものが、制限にひっかかっておりますものが一億四千七百万円ございますが、今回のよう換算の措置で支払いますと、その一億四千七百万円が、一億一千八百万円減る、こういうことに相なるわけであります。と申しますのは、これは軍人貯金と比べて支払いの留保額と、これから支払いに必要な資金との間に非常な開きがありますが、外地の貯金は支那本土では扱っておりません。日本の旧外地−朝鮮、台湾、関東州、樺太、こういつたところでしか扱っておりませんので、在外公館借入金の率を適用いたしましても、一円五十銭ないし一円六十銭が一円に換算される、こういうことに相なりますので、額面とそう差がございません。  さらに軍事郵便為替につきましては、麦払いを留保いたしております金額が一億一千七百万円でございますが、今回のこの条件による支払いの所要の金は六千七百万円、かようなことに相なっておりますo

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 非常に外地の人が多いと思うし、われわれも大衆の金ですからできるだきるだけ早く施行してやってほしいと思うのですが、今度の国会に間に合うように予定されておりますかo

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 来週の閣議には必ずかけ得る見込みでございます。従いまして閣議決定になりますれば、ただちに今国会で御審議を煩わしたいと思います。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 ほかに御質疑はございませんか。——それでは委員長から一点伺いますが、儲備券等について当時の貨幣価値でも、膨脹という点を考慮に入れた換算率をとつておりますが、これが今日まで凍結されて来たという関係で、この貯金が相当早期に払いもどされておれば、引揚者、あるいは帰還をした人たちがそれぞれ生計を立てられる道もあつたと思うのですが、今日五千円の金をもらつても一箇月の生計費にも足らないというような関係で、国内における貨幣価値の変動の関係は、これは全然考慮してやらないのですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 その面につきましては、多分に問題はあるとは思いますが、先ほど申し上げました郵便貯金の庶民の貯金手段であり、また零細な金であるという面から保護を厚くいたしておりますので、銀行預金等とは非常に保護が厚くなつております。そういつた関係で五千円までのものにつきましては、大体外地預金につきましては、それぞれその地域から申しまして、一円は一円でパーになるわけであります。ただ中南支、北支方面におきまして、多少の換算をいたしますが、これも五千円までのものは今の二千四百分の一というようなひどい率になるのではないのでありまして、当時為替管理法の建前から、支那本土から日本に為替を組みます場合には、十倍の調整費をとつておつたのでございます。百円送ります場合には、一千百円の金がいつたわけであります。これは連銀券にいたしましても儲備券におきましても同様でございます。銀行方面におきましてはそういつた調整費を含んで為替を組んでおつたのでありますが、郵便為替につきましては、この為替に取組まれる金が非常に零細であるといつたところから、そういつた調整費を徴しておりません。そういう関係から、これを郵便貯金に適用いたしますことは、りくつに合わないのでございますが、終戦後の郵便貯金は、日本において財産を保全したいというので、現地で貯金することが目的でないのであります。郵便貯金にしておけば、日本においてそれが支払われるために、すなわち為替のような役割をいたしたような関係もございますから、五千円までのものにつきましては、その当時銀行が徴しておつた調整費程度のかげんは必要であるということもございますので、儲備券、連銀券の地域におきましては、為替の金額は十一分の一になるということでございますが、ただこれは銀行と違いまして、先ほど申し上げました通り、軍事貯金につきましては一人千五百円までのところはパーで払つておりますので、実際はその十一分の一の利子を受けますものは、三千五百円の金額に相当するわけでございます。これは全面的に申しましてそういつた懸念がないではないのでありますが、これから支払われようといたします銀行預金につきましても、やはり前回在外公館借入金の際に採用いたしましたその率をそのまま適用いたしておりますので、郵便貯金につきまして、さらにそれと別のレートを使うということが非常にむずかしいわけでございます。要は五千円まででそういつた有利な扱いをいたしておりますので、委員長御心配のような懸念は解消するのではなかろうかと考えます。と申しますのは、五千円までの金額が、外地の貯金について見ますと、全体の約八割を占めておりますので、八割は大体パーで行けるというような状況に相なります。わずかに一割六分くらいが五千円を越えると思いますが、それだけのものにつきまして、多少そういつた率の適用はございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 ついでに五千円以上になると、どれだけの限度になりますか、伺いたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 五千円以上の個々の額でございますか。——全体といたしましては、大体一割見当でございますので、ごくわずかの金になつて参ります。大部分は五千円以下で救済できるような状況になつております。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 私の御質問申し上げましたのは、帰つて来た当座に五千円の金があれば、これは相当役に立つたと思うのです。しかし今五千円の金をもらつても、一箇月の生活費にも足りないのですから、凍結した間における利子の点を考慮するというか、その間における貨幣価値の低落というか、物価の上昇というか、そういうような関係があり、国の都合で、今日まで自分のものでありながら運用できなかつたのですから、その点を、儲備券等についての換算率を、逆の立場において考慮してやるのがむしろ公平な立場ではないか、私はこういう立場から御質問申し上げたのです。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 委員長御指摘のような点は確かにございます。かりに郵便貯金に非常な保護を厚くいたしたといたしましても、限度は五千円でございますし、郵便貯金自体の事業につきましても、当時は最高額が五千円でございます。それが今日十万円になつております。これは事情変更と申せばそれまででございますけれども、大体は、これを今回の措置で、パーですれば支払えます。しかしこれをさらにその後の日本におけるインフレを考慮すれば、五千円は一万円とか一万五千円にしなければならないことに相なるかと思いますが、そういつた措置は実はとりにくいわけでございます。大体はパーで八割は行けるわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはまだ議案が出て来ずに尋ねるのも少し軽率ですけれども、つまり貯金として受入れたものはあるのですか。そうしてそれは国家補償的性格を持つのですか。また幾らかでも払いもどすということは予算に関係があるのかどうか。予算に関係があり、すでに何年か前のであれば、貨幣価値は数百倍しておるのであるし、これはまあ別問題になりますけれども、いろいろな関係で、郵便貯金というものはどういうふうに処理されたのか存じませんが、予算の考慮が必要であるのかどうかということであれば、その辺はどうなんだろうか、ちよつとこれは具体的な議案が出て来ずに、こんなことを暗中模索的に御質問を申し上げるのはまことに軽薄のようでございますが、その辺はどういうものですか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 資金の決済関係でございますが、これは郵便貯金の建前といたしましては、当時におきましても一団経理でございまして、朝鮮、台湾、関東州、どこで郵便貯金に入れましても、その資金はすべて日銀の代理店から東京の本店に資金は回収せられる、現在の資金運用部に一団として入るような建前になつております。建前はそうでございますが、今回のこの措置に該当いたしますこれは、すべて終戦後の貯金でございますので、全面的に、そういつた資金は先方から来ておらぬ、未決済であると見なければなりません。たとえば軍事貯金につきましては、当時非常に跛行的ながら日本軍があつたわけでありまして、郵便局でその金を預かりまして、その金は残存日本軍の給与その他の所要の金に扱われた、いわゆる臨時軍事費特別会計関係のものであつたのでありますから、その金は終末的には臨時軍事費会計の決済になろうかと思います。今日まだその段階に行つておりませんが、こういつたものは、終局的には臨軍費会計から郵便貯金会計がもらうべきものです。臨軍費関係は、今日の状況からいえば、一般会計に肩がわりすべきものと思いますので、最後の予算措置は、自然に一般会計からもらわなければならぬような問題が起きましようし、現在まで制限払いをいたしております支払いも、実際はまだ臨軍会計の決算がついておりません。また日銀等との資金の決済関係もついておりませんので、各種資金の流用措置でやつておるわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そこは臨時軍事費特別会計というものが現在なおあるわけなんでしようか、ちよつと聞かしてください。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 臨軍費関係が今あるかどうかの問題でございますが、活動する形ではございません。ただ当時の一定時期までにおける臨軍費関係の結末をつけなければならぬ問題はまだ残つておるわけでありまして、はつきり結末はついておりません。このあとを一般会計で全部しりぬぐいをするかどうか、そういう問題はまだ未解決に今日残つておるような状況でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうしますと、現実にこの貯金が日本銀行、国庫へ外地、外国から収納されておらぬのに、国家補償的性格を持つのですか。当然債務があるのだから支払うということになるのだろうか、あるいは今の郵政省の特別会計に、そういうものを支弁することが財政法上可能なんでしようか。その流用ということは一体どういう根拠になつておるのですか、その辺どうなんでしよう。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 資金の面につきましては、これはいろいろまだ問題は残ります。ここで、この措置によりまして、いよいよ最後の結論を出す段階には至つておりません。いずれそういつた措置は将来に残るわけでございます。今日その点をはつきりすることになりますと、あるいは予算にも影響して来ようとも思うのでありますが、大体そういう面におきましては、郵便貯金ににはどの金がどれにといつたような色わけはないわけでありまして、資金の集団の中から支払いをいたしております。現在の内地の郵便貯金におきましても、一々その年に郵便貯金の払いもどしに必要な金として予算には計上いたしておりません。預かる金があり、それに対して支払う金がある。余れば余つただけが、その年の純増として資金運用部へ入つて行くわけであります。そういつた関係でありますので、予算にただだちにそれが影響いたし、予算の措置を当然ぎりぎりつけなければ、そういう支払いの措置ができない。こういう性格のものでは実はないわけでございます。従いましてこの所要資金につきましても、郵政省で取扱つておりますいろいろな資金の操作によりましてやつておるわけでございますが、そういう面につきましては、そういつた運用措置に対する閣議の了解を得てやつておるような状態でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私がちよつと疑問に思いますのは、当然国の債務であるならば、あるいは特別立法を必要とせずに処置し得るのではないか。特別立法を必要とするということは、やはり一種の債務でなくなつたものを、国家補償的にこれをいたすので立法が必要であるというのか。そういうように今小出しに支払つておるということは、それは一体法律的根拠はどうなるのであろうか。それから債務であるとするならば、これはやはり郵政特別会計に——貸借対照表には当然載らなくてはいけない。それは一体載せておらぬのかどうか。載せずして、若干でも支払つておるということは、一体どういうことなのであるか。そういうことなんです。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 郵便貯金の現在の現在高の中には、こういつたものも全部入つておるわけでございます。郵便貯金の現在高は、今日三千何百億でありますが、この中には入つておるわけであります。この資金の関係におきまして、今のような——何しろ終戦後のそういつた現送の道のない状況における経理でございますから、資金はとにかく郵便貯金の平常運用のときに予想いたしましたように流れて参つてはおりません。従いましてその限度から申しますと、なるほど仰せの通り補償の性質が強いのじやないかということは言えるわけでございます。郵便貯金として、郵便貯金法に従い、日本の郵便貯金通帳に記入されておるものでございますので、これは純然たる——引揚者援護といったようなものでもなく、郵便貯金として債務はあるわけでございます。ただ債務があれば、どうしてそういつた特例法が必要かということに相なるのでありますが、通帳に記入された金額をそのまま払いもどすのであつたならば、何ら法的措置はいらないのでありますが、ここに、支払いにつきまして一定の貨幣の換算率を使うというところに、立法なくしてはやれない点があるわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ちよつともう一点聞いておきたいのですが、もしただいまの郵便貯金の総額のうちに含まれておるとするならば、これは換算率ということはちよつと別問題があるか存じませんけれども、とにかく貯金者は国に対して一つの債権を持つておるわけであります。だから換算をどうするとかこうするとかいうことは、これは別個の問題で処理できる。もし貯金者が国に対して返還してもらいたいという請求をすれば、これは拒むことができますか。どうでしよう。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 その点はいろいろ外地と内地との関係、これは占領政策にも関係するわけでございますが、為替その他の関係につきましても、終戦前のような方法では流れなかつたわけでございます。従いまして制限払いも為替管理法にはつきりした根拠を持ちまして、実は制限払いをいたしておるような次第でございます。そういう関係でございますので、預金者の面から見ますと、権利を主張し得る立場にはもちろんございますが、何しろ終戦後の日本の政府の意思が到達しないような状況におきまして、惰性で、前の郵便貯金を現地で扱つたのでございます。日本の行政権の意思がはつきり及び得るような、たとえば貨幣価値の換算率等につきましても、日本の指示が行き得るような状況にありましたから、中支等におきまして儲備券があのように下落いたしました際に、終戦ぎりぎりまでは、非常に無理をしながらも、儲備券百元を十八円とし、終戦当時も無理であつたわけでありますが、何しろ負けるまではそれで貫いたわけであります。その後非常な貨幣価値の変動がありましたにもかかわらず、百元はやはり十八円で、現地では扱つたわけでありますが、そういうことも、通常の情勢下にありますれば、日本の政府からあるいは貨幣価値を変更する措置がとり得たわけでございますが、とり得ないまま、惰性で終戦当時のままが行われておるのであります。それを今日妥当に修正しようということになつたという状況であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは善政の一つの現われですから、別にどうこう言うのではありませんが、ひとつ手落ちなく、立法措置を早くやつていただきたい。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 本日はこの程度で散会いたしますが、会期も残り少くなつたときでありますので、審議の万全を期するために、すみやかに国会に提案せられるように、一段と迅速な準備を進めていただきたいと思います。  これを要望いたしまして、本日はこの程度で散会いたします。    午後三時十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗