郵政委員会 第13号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/03/13
会議録
○田中委員長 ただいまより郵政委員会を開会いたします。 前会に引続き郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便為替法の一部を改正する法律案、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題として質疑を続行いたします。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は郵便為替法の一部を改正する法律案につきまして一、二点をただしておきたいと思うのであります。 政府委員にお尋ね申しますが、今外国に対して、また外国から日本へ為替送金をするような場合、事実上はどのような手続をとつておりましようか。特にこの際お聞きしたい点は対アメリカ、対カナダ、対英国、この間におきましてどのような実情にありますか、この点をひとつはつきりさしておいていただきたいと思うのであります。
○小野政府委員 現在日本から郵便為替を振り出します場合は、為替管理法の制限を受けております。そういつた関係でまつたく自由には送れないのでありまして、送金の目的の面に制限があり、また送金の金額の限度に制限がございます。送金の目的から申しますと、アメリカ、カナダ、イギリスともに、たとえば医療費でありますとか、または生活費に必要であるとか、図書の購入の代金、または先方に何らかの会の組織がありまして、その会の加入しておりますために必要な会費の支払い、そういつたことに限定をされております。また金額の点につきましてもかなりの制限があるわけでありまして、アメリカについて申しますと、一人につきまして三箇月間に百ドルしか送れないことになつております。またカナダにつきましてもアメリカと同様でございます。一人三箇月間に百ドルを限度として送金が認められるわけであります。英国関係につきましてはまだこの三月に始まつたばかりでございますが、この方面の制限といたしましては一人一箇月英貨三十ポンドという制限に相なつております。そういつたわけあいでございますので、郵便為替の利用といたしましては、相手国に振り出されるものは、先方から到着いたしますものに比べまして非常に僅少でございます。もつともイギリスにつきましては、先方も非常にきびしい為替の統制をいたしておりまして、日本よりもむしろ厳格ではないかと思うのでございます。と申しますのは、日本からイギリスへ出ますものが、一人一箇月三十ポンドでございますが、イギリスから日本に為替を送ります場合には、この制限がさらにきびしくなりまして、一人一箇月十ポンドしか送れないのでございます。今の取扱いの実情をかりにアメリカとの関係について申し上げますと、これは昭和二十八年十二月末までの計算でございますが、日本からアメリカに送金をいたしました郵便為替の件数が二百八十四件でございます。金額は邦貨にいたしまして百三十万円見当でございます。これをアメリカから日本に到着いたしました為替と比較いたしますと、アメリカから日本に参りました為替の件数が、同期間に七万三百五十件、金額にいたしまして六億七千八百万円に上つておりまり。従いましてこの面から見ますと、非常な片為替でありまして、日本のはなはだしいドルの受取り勘定になつておるというような計算に相なつております。実際に為替を取組みます場合の手続といたしましては、送金希望者が、郵便局に送金の申請をするわけであります。これを為替管理の事務を実施いたしております日銀に伝達いたしまして、日銀におきまして、郵便為替に認められました為替管理法上の制限に反しないかどうかを調べまして、送金の目的とか、あるいはアメリカの場合でありますと一人三箇月間に百ドルを越えないかどうか、こういつた点を調べまして、送金を許可する、こういう手続に相なつております。この許可が済みますと初めて為替が送れるおけでありますが、日本側といたしましては、その都度一件々々為替証書を発行いたしませんで、一日分をとりまとめまして、アメリカのものにつきましては順序を追つて目録式に証書をつくりまして、それを米国に送つております。米国はこれを受けまして、各目録記載の件名を追いまして、受取人にそれぞれ証書を発行する、こういうような現状に相なつております。
○吉田(賢)委員 大体おかりましたが、これは単に郵便局だけで、銀行を通じてアメリカなどからの日本への送金は相当あると思いますが、参考まででありますけれども、銀行、郵便局を総括いたしまして総計どのくらいになるか、これはおかりませんか。
○小野政府委員 銀行からの送金の振出しはございますが、この関係は郵便為替の関係よりもはるかに多いことは承知しておりますが、しかしどのくらいになりますか、ちよつと今資料を持ちませんのですが……。
○吉田(賢)委員 なおアメリカから日本への六億七千八百万円という二十八年における十二月末までの送金現在額、これは大体どういうものでございよしようか。これを聞かしてもらいたい。
○小野政府委員 アメリカから日本へり送金につきましては、送金の目的、金額等に何らの制限を設けておりません。ただ郵便為替の一枚の証書を、最高の金額といたしましては条約に百ドルと相なつておりますので、一枚については百ドル以上は送れませんが、それを数枚使えば無制限に送れるような現状になつております。従いまして送金目的が個々にどういうものであるか、そういつた内容はわからない状況であります。
○吉田(賢)委員 全然わからぬのでしようか。あなたの方でも、対アメリカへ送金するということについて、相当目的も金額も限定されておることも御承知なんであります。アメリカから日本へ入つて来る金が、どういう内容、趣旨、目的であるかということが全然わからぬというのは、ちよつとわれわれふに落ちないのですが、それはいかがでしようか。
○小野政府委員 推察でございますが、先ほど申し上げましたように全然送金の目的等に先方では制限を付しておりません。自由でありますので、個々にそれがどういうものであるかは厳密にはわかりませんが、郵便為替として送金を受けるものは、いろいろな制限がないとはいえ、一枚の証書について百ドルでありますので、在外同胞のこちらに対する送金であるとか、その他日本からいろいろな品物を買つた代金であるとか、そういつたものが大部分であろうと思います。アメリカ人の生活費に対する送金、こういつたことは現在考えられないわけであります。
○吉田(賢)委員 個々の案件について具体的にわからなくても、大体において日本の政府はアメリカから何のために金が来るのかということは、御承知でなければならないと思います。日本へ六億円以上の送金があつた場合、ことに銀行経由のものがこれ以上あるとして、かりに六億七千万円といたしましても、同額といたしまして十五億円も日本に入つて来ておるということであれば、このドルは何のために来て、一体この金が何の活動をするかということは、やはり入つて来ることを管理なさる郵政省は当然知つておかなければならぬと思うのだが、いかがでしよう。
○小野政府委員 先ほど漠然とは申し上げましたが、在外同胞の留守宅に対する送金が大部分であろうと思います。
○吉田(賢)委員 日本におるアメリカ人あるいは日本人がアメリカへ旅行する、その旅費といつたようなものは相当額に上るようにわれわれは想像するのですが、そうするとこういうものはあまりないのでしようか。たとえばアメリカへ旅行する場合に、先方のいろいろな知人、友人、会社等の関係から、向うの滞在費等が支弁ざれるということを聞き及んでおるのであります。こういうものはあなたの方でなくて銀行かもしれませんが、いずれにしても銀行、郵便等を通じましての為替送金ということになつておるのじやないかと思いますが、これはいかがでしようか。
○小野政府委員 先ほど申し上げましたように、郵便為替の利用目的といたしましては、そういつた旅費送金は認められておりません。従いまして銀行等におきましては、いろいろ制限のもとに認められる場合があるかもしれませんが、郵便為替を通じましては、そういつた海外旅行のための旅費の送金は認めておらぬのであります。
○吉田(賢)委員 さつき目的を伺いましたら、旅費というふうにおつしやつたのです。旅費、生活費あるいは図書購入費、会社支払い等が目的だとおつしやつた。だからこちらが、そういう目的をもつて向うから入るときには制限がないが、旅費の目的を認めないというのはちよつとりくつが通りませんが……。
○小野政府委員 私の発音が悪かつたかもわかりませんが、旅費ではなく医療費でございます。
○吉田(賢)委員 そこで伺いますが、それならこれらについての具体的な料金はどういうふうになるか。アメリカ、カナダ、イギリスなどに対しますこれらの為替送金の料金です。
○小野政府委員 料金はいずれの地域に対しましても、外国との関係はみな同一でございます。全部差別を設けておりません。このほか日本といたしましては、多数国参加の為替交換の約定がございます。これは万国郵便連合に付属しております為替約定に調印いたしました六十数箇国との間において、為替を単一条約に基いて交換できるのでございますが、現在まだそういつた全部の国とは交換いたしておりません。先方で希望いたします七、八箇国と交換をいたしておりますが、この地域に対するものも、アメリカ、カナダ、イギリスに対するものも、料金の上には全然差等を設けておらないのでございます。
○吉田(賢)委員 アメリカ、カナダ、イギリスに対する為替送金の料金は、他国との間には差等がない。但しこの三国との間にはいまだ条約上のとりきめ等はなかつたとも聞き及んでおるのでありますが、そうしますと差等のない料金は、どういう法律的根拠からつくられることになつたのか、実情はどうなつておるか、その点をひとつはつきりしておいてもらいたいと思います。
○小野政府委員 御質問の趣旨が本法改正の必要の核心をつかれたように思うのでございますが、多数国が参加いたしております万国郵便連合付属の為替約定によるものにつきましては、その条約に料金がはつきり明定してございます。しかも郵便為替法第六条第二項によりまして、条約で料金がきめられておるものにつきましては、その料金の範囲において郵政大臣がこれを定めることができるとなつておりまして、その方面につきましてはその条項によつて取扱つておるわけでございます。ただ今の条約に料金を掲げておらないものはアメリカ、対カナダ、対英国と、この三つの条約があるわけであります。これには全然料金の点には触れておりません。これはもとより多数国参加の世界の標準になり得る万国郵便連合為替約定に、明細なる料金の規定がありますし、従つてこれは世界を通ずる一つの標準に相なつておる次第であります。従つて個々の条約でさらにそういつた料金に触れる必要がないということで、それぞれ各個条約には料金関係がないのでありますが、法理的に申しますとそういう場合における取扱いといたしましては、現在の法に非常な不備、欠陥があるように考えられるのでございます。第六条第一項 は、条約に別段の規定がある場合におきましてはこれによるのだ、こういうようなことを規定いたしておりますが、これは従前の法律観念から申しますと料金もこの中に入るのでありまして、従つて第二項なくして第一項だけで処置できたのでございますが、今日財政法で、料金関係につきましてはその料金そのものを法文化するか、あるいは料金の基準を掲げなければならないというような規定になつております。そういう面からいたしまして、第六条第二項を設けたわけでありますが、第六条の二項では日米、日加、日英の関係が解釈上当然には読み取れないのであります。しかもこの三つの条約は昨年の四月から七月にかけまして、サンフランシスコで調印を見ました平和条約第七条の条項によりまして、それぞれ効力を復活したものでございます。そういう関係でこの規定を挿入する機会が実はなかつたわけでございまして、法理上から申しますと、ただいま御指摘のありました通り非常に疑義の存する点ではございますが、そういう点で早急にそういう疑義を明確にいたす必要から本法案の提出を見たわけでございます。
○吉田(賢)委員 すでに講和条約発効後約二年になりますが、いまだにアメリカ、カナダ、イギリスに対しまして為替料金の根拠が条約上ないということは、私は遺憾に存ずるのであります。 そこで一転いたしまして、政府が国内的に日本人の委託を受けて為替の取組みをして料金をとるという場合には、これは郵政省でその料金をどういうふうにきめることも可能なのかどうか。それはどういう方法でやつておられるかどうか。つまり政府の営造物の使用料でありますが、そういうものはどういう根拠からきめることになつておりますか。
○小野政府委員 郵便為替の料金につきましては、万国郵便連合の為替約定に詳細な料金の最高限度が掲げてあります。それは……。
○吉田(賢)委員 私の趣旨が徹底しなかつたらしいのでありますが、それは一つの問題でありますけれども、外国人が依頼する場合でなしに、外国人であつても日本に居住しておれば、日本人と同じであろうかと思います。つまり日本人が日本政府に向つてある郵便事務の委託をして、その郵便事務の委託手数料をとるというのが、この為替料金であろうと思います。そういうふうに概念的に法律的に解決し得ると思うのですが、——それが間違つておれば別ですが、日本人に対してそういう料金をとるということの根拠が、何か郵政省の意思表示だけで、これを一円とろうと一万円とろうとかつてだということになるのかどうか。一方米・英・加の三国とは、まだ条約によるとりきめもない。そこでこれの委託手数料というものが、実際には万国郵便為替条約の基準と同一に扱おれておるのか。その数額の妥当性は問題ないといたしましても、とり方の手続上法律的根拠の関係はどうなるのであろうか。つまり、これは政府の特別会計にわける事業の手数料でしようから、その手数料のとり方の法律的な根拠がどうなつておるか。その点をはつきりしてもらいたい。
○小野政府委員 その面におきましては、あるいは法律ではつきり明定いたしますか、さもなければ今の六条第二項のような規定に該当いたしまして、法律の委任による根拠によつてこれを徴収するのが、法理的に最も疑いのないところと思います。従いまして今御指摘の米・加・英の三箇国につきましては、条約にそれぞれ料金関係の規定がございませんので、その点について法理的に非常に疑義がございます。現状は大体世界の多数国参加の条約におきましてきめられた料金は、それに加入しておらない国につきましても、これは一役の世界的の標準であり、また日本自身もそろいういつた多数の国が地理的には方々にちらばつておるのでありますが、それにつきましては料金の差別を設けておりません。そういつた趣旨から申しまして、利用上の公正を期し、妥当な料金を徴収いたすことに関しましては、それに右へならえで、現実にはこれはさしつかえないと思うのでございますが、法理的には非常に疑義がございますことはお説の通りでございまして、この点はまああやまらなければならない点だろうと思います。
○吉田(賢)委員 そうすると、料金の妥当性と、世界的に一般に行われておる一種の慣行的な事情、それから現実において不都合を生じておらぬということであれば、それはいいといたしまして、やはり政府のとる収入であります。政府のとる収入について、先ほど法律の委任というような言葉が出ましたが、法律の委任となるとその法律とは一体何ぞやというふうに聞きたくなるわけであります。どうもはつきりしないままにばつと出てやつておるということなんですね。別に根拠ははつきりしないままにとつておるということになつておるのでございますね。それを今度改正することによつて、これが確立するわけでございますね。それならそれでいいと思いますが、そうすると根拠法はなくしてやつておる、疑義が存するままに従来慣行的にやつておつた、こういうふうに了解していいのですな。
○小野政府委員 その通りでございます。
○吉田(賢)委員 この問題はこれで終ります。
○田中委員長 片島港君。
○片島委員 郵務局長に切手売りさばきの問題について二、三お尋ねいたします。現在の法律を改正することによつて、政府の方では予算を幾ら見積つておるのか、どの程度支出がふえるようになるのかという点が第一点。売りさばき人が郵政省の切手、はがきを売ると同時に大蔵省の印紙を売つておりますが、その割合といいますか、予算的にはどう仕組みからこの分担が予算上計上されておるか、この二点についてお伺いいたします。
○松井(一)政府委員 お手元にお配りしてあります参考資料の九ページのところをごらんになつていただきますと、昭和二十八年度にわける手数料の——これはまだ二十八年度全部終つておりませんが、大体の見通しとして三億九千万円くらいが支払おれており、この改正案によりますと来年度はこれが六億二千万円くらいに上る。但しこの開きは二億二千万円ばかりあるわけでありますが、来年度においては税法の改正等によりまして、収入印紙の需要が相当ふえるということを見込んだ数字であります。従つてこの法律の改正がなくても、額としては二十九年度は当然ふえますので、ネットの差引といたしまして、法律改正によつて直接ふえるであろうと予想せられるものは約一億二千万円ぐらいの見通しであります。これが法律改正によつて増加する分であります。現在大蔵省の方からは、先日も御説明したと思いますが、大体年間の収入印紙の売上げ金額のうちの三分見当を手数料としてこちらで受入れております。それはもちろん郵政特別会計の歳入になつておりますが、それはそれとして、この六億二千万円というものは、全部郵政省から通信特別会計の負担において支出しているという関係になつております。しからばその分担割合はどういうふうになつているかということでございますが、これはなかなかな見ようがむずかしい問題でありまして、正確にどの程度一体これに支払おれているかという調書——各個別的な売りさばき人の手数料の内訳の収入印紙が幾ら、あるいは郵便切手が幾らという、こまかい調書をとらなければできないわけでありますが、これをとることは今の会計上当然にこういうことが必要な書類として上つて来ない建前になつておりますので、はつきりとした点はわかりかねるのでございますが、昭和二十六年度に一応そういうことを調査した資料があります。その調査した資料によりますと、切手売りさばき所において売りさばかれるものの金額のおおむね七割までが収入印紙類である、二割くらいまでが大体郵便切手類である、こういうふうな計算になつております。
○片島委員 次にこの売りさばき所は全国にどのくらい数があるのでありますか。それからまた売りさばき所は、申請すればどこでも、無条件でこれを認められておるのかどうか。
○松井(一)政府委員 売りさばき所の数は、同じくその資料の八ページにございますが、現在全国で数として七万一千二百三十三、大体この程度の数字があります。そして売りさばき所を置くことについては、当該集配郵便局長の権限にまかしてありますが、その基準といたしまして、おおむね原則として、ポストの置かれている付近から五十メートル以内にあるところ、あるいはまたポストがなくとむ、特にそういうものの需要が非常に必要な点といつたようなところについて、売りさばき所を認めるというふうな内規をこちらとしては持つて運用しておる次第であります。
○片島委員 この八ページの問題ですが、五千円以下のものとして、ほとんど半数くらいは五千円以下になつておりますが、特に農村あたりの人口の非常に少い部落などにおいては、五千円どころの騒ぎじやない。千円とか五百円とかいつたようなものが非常に多いのじやないかと思います。そうするとこれはほとんど手数料を上げても上げなくても、大して問題になるような数字にならぬと思うのでありますが、この五千円以下が約半数に近いというのは、その下の大体どのあたりのところが一番ふくれ上つておるのか、一箇月間の売りさばきの金額であります。たとえば一箇月に千円くらい売るところが一番多いのか、五百円くらいが一番多いのか、その点はおおかりになつておりませんか。
○松井(一)政府委員 数として、五千円以下のうちではたしてどの程度千円クラスが多いか、二千円クラスが多いかというところまでのこまかな調書を持ち合せておりませんので、直接今のお尋ねに対して残念ながらお答えすることはできないのであります。ただここに五千円以下のものが、ただいまおつしやつたように大体四三%、それから当月買受けのなかつたもの、両方合せて七〇%くらいあるわけでありますが、郵便区市内、郵便区市外というものがありまして、先ほど片島委員のお話にもありましたように、市外地域というものは全般の郵便切手売りさばき所のうちの約半数を占めております。おそらくこういうところは五千円以下のところであろうと思つております。それから上の方の金額の多いところになりますと、だんだんと収入印紙類の売りさばきというものが率として非常にふえておりまして、百万円あるいは百万円を越えるようなところは、九九%まで収入印紙を売つておる、かように申してさしつかえないだろうと思います。
○片島委員 この表によつて見ますと、十万円を越えて百万円以下のものという売りさばき所の数は二・二%しかないのに、売りさばき所の金額としては四五%三分、約半数くらいを十万円から百万円の間で集中している。そうすると、五千円以下というものの内訳はないというお話でありますからそれはいいとしましても、四三%五という数があつて、金額の面ではたつた五六%ということになると、これはやはり郵便切手類を売りさばく、印紙を売りさばくというからには、店をあけて需要にこたえるようにしなければいかぬので、この改正によりますれば一万円以下の金額についてわずか一分だけ上げてあるのでありますが、むしろこういう数は多いが金額は上らないというところには、手数料をうんと出しまして、そうして百万円とか何十万円売りさばくところは、少くとも金額によつて上げるかわけでありますからそれでけつこうでありますが、この法律の改正をせつかくやるからには、一万円以下の金額として百分の六となつておりますが、五千円、三千円以下というものを百分の五十とか百分の二十とかやつても、郵政省から払う総体の支出としては影響はない。しかしそういうところは非常にめんどうな、少しの金額を毎月々々いつも取扱うという意味においては、もつと下の方に厚く、上の方に薄いということを考慮すべきではないかと考えるのでありますが、その点はいかがでありますか。
○松井(一)政府委員 ただいまおつしやつたようなものも一つの考え方だろうと思います。ただ私どもは、この法律をつくつた趣旨からいたしまして、郵便切手類、収入印紙というものを一本にして売りさばく、そしてその手数料は、どこまでも公正な実費計算という形でやるという建前が、この法律の建前になつております。そこで非常に特別な、政策的にここをふやして行くということも、別の角度から言えば考えられるわけでありますが、実際のいろいろの手数料計算をいたしますと、そう著しく金額がふえたからといつて、手数料自身の開きというものが大きく開くということも、手数料の公正施策から言えば若干問題となる点だと思います。そこで私たちとしては、どこまでも現行法の建前上、こういうものの公共的な一つの役割ということから出て来る実費主義というものを頭に置きましてこの率を考える。しかしこれだけでもつてはたしてこの多数を占めている切手類売りさばき所の方々の仕事が一体円滑に行くかどうかということになると、これは何と申しましても金額的にはわずかなもので、これがはたしてどれだけの効果を持つかということは問題であろうと思います。そこでいろいろこういう切手売りさばきをやつていらつしやる方々の実情を見ますと、結局基本単位がわずかなものでありますから、ここを率を高くしてみても、実際に得られる金額というものは大した金額にならない。切手類の常備を円滑にして行くためには、やはり忙しい方々が郵便局にとりに来るということがついめんどうくさくなり、せつかく常備しなければならないものが足りなくなるということも、実情として起つておるようでありますので、できれば郵政省も配給面においてひとつ持込み配給というような形を別途やつて行きたい。それによつて売りさばき所の方々の最もやつかいだと思われるような点が、相当大きく救済されるのじやないかということで、この法案とはまた別に——これは法律問題ではございませんで、内部の事務運営のやり方として、持込み配給というようなことに手をつけて行きたい、かように考えております。
○片島委員 この問題は私はこの程度で終りたいと思います。 これは郵務局長の所管になるかと思いますが、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の第四表の現金書留でありますが、この現金書留は最近非常に利用が増加いたしておりまして、為替送金などに肩がおりをするような現状になつておるのでありますが、この前横浜で郵便車が襲おれまして、大分現金書留がなくなつたようであります。現金書留の場合において、どういう補償方法があるのでありますか。
○松井(一)政府委員 私どもが一応現金書留をお引受けいたしますときには、必ずその差出人の申告に基いて、一定の保険料に相当する料金を頂戴しております。それを引受けて後、実際に配達にならなかつたという事態が生じた場合には、その原因が不可抗力であろうとなかろうと、保険の性質にかんがみて、当初引受けた保険金額に相当する分は全部支払う、かように考えております。従つて横浜の事件におきましても、あれがとられたということがはつきりしております以上、その差出人に対しては当初の保険金額に相当するものを、私どもの方で無条件で払うつもりでございます。
○片島委員 金額そのままですか。
○松井(一)政府委員 そうです。
○片島委員 そういたしますと振替貯金の場合、それから為替の場合には、たとえば普通の郵便でこれを送ります場合に、途中で郵便物がなくなる、あるいは振替貯金でありましても、局から局に行くまでになくなる、こういう場合には、実際上送金をいたしましても、それは将来はつきりとすれば返還されるか知りませんが、その手続をやつておる間には何箇月もかかるのでありますが、そういう場合の補償の方法はないのでありますか。
○松井(一)政府委員 現在の書留の問題は、大体保険郵便という観点になつておるわけでございます。そこで為替を組まれて、それをまた書留で送られた場合のようなことだろうと思いますが……。
○片島委員 いや、普通で送つた場合でも、これがなくなつたときにも……。
○松井(一)政府委員 普通で送られた場合には、郵便法上の責任は負いかねます。これは中に何が入つているかということについて、われわれは普通郵便と同じにしか考えられない。そこでそれが万一途中でなくなつた場合の損害問題というものは、郵便法としては、責任は負い得ない、かようになつております。
○片島委員 これは貯金局長の所管だろうと思うのですが、途中でなくなつた場合には、おそらく再発行願いをするとか、この為替の無効公告か何かをやつて、そして再発行をお願いして、それが認められて、再発行される、こういうことになると思う。また振替貯金についても、輸送中にその送金票がなくなつたという場合も同様かと思うのでありますが、そういうような場合に何か補償の方法はないか。あるいは書留で送りましても、為替を送ろうと、普通の手紙であろうと、書留は書留であるから、郵便法上はそれ以上の責任は負えないというのでありますが、そういうようにして同じ郵政事業にわける取扱いにおいて非常な迷惑をかけた、当然三日間、五日間で受取れるべきものが、一箇月もそれ以上もかからなければとれなかつた、これは郵便法上は関係がない、為替法上は郵便の護送中なくなつたのだからしかたがないからといつて、両方で逃げるわけには郵政事業としてはいかぬだろう。これに対してはどういう補償の方法があるのか、この点を……。
○小野政府委員 ただいまのような場合につきましては、なくなつた証書にかおる新しい証書を発行することにいたしております。しかもその亡失不着の原因がわれわれの責に帰すべき理由があれば、料金は徴さないで、無料で証書を発行する、こうなつておりますが、お説の通りその間相当な日数を要します。この間の利用者に対する損失につきましては、現在におきましては、これを補償することに相なつておらないのであります。
○片島委員 その点は、やはり同じ郵政省で取扱つておるという場合にそういうことが起るのでありまして、貯金事業と郵便事業はおのおの別の法規によつて取扱おれるために、責任のなすり合いみたいなことになりまして、結局これは補償の方法がない。そのためにこれは非常に迷惑するわけであります。特に振替貯金などのごときは、振り込んでから証書が来るまでは、現金払いでありましても、あるいは振替口座の方に払い込むにいたしましても、非常に長い時日を要しておる。それで現金書留でありましたならば、現金がそつくりそのままもらえる。こういうような状態でありますが、一方は非常に遅れもて何も補償がない。そういう場合には、結局料金を比較する場合に、いろいろとそういうような点を考慮して料金を比較すべきであつて、第四表のごとく一律にこれは低いからというようなことには相ならぬのではないか。しかも郵便法上は、ただいまは現金を封筒の中に入れて、普通の郵便で送つてもいいし、現金書留でなくて、普通の書留の中に現金を入れて送つてもいいようになつておるのでありますが、そういう点について、同じ郵政事業としては何らか調節の方法はないものか。いろいろな送金方法がある。普通の郵便に入れて送る方法、振替貯金の方法もあるし、あるいは為替の方法もあるが、これはあぶないというか、遅れて迷惑をかけても補償しない。現金書留の場合は補償する。そういうものについて何か調節の方法はないものかどうか。その点について、どちらさんからでもいいのでありますが、お答え願いたい。
○松井(一)政府委員 金銭を送るということは、これは本来郵政省の独占事業でもございませんし、民間の銀行送金もありますし、いろいろな形においてこれを送る方法があろうと思います。そこで為替は為替という観点から見た一つの送金方法、郵便は郵便という角度から見た送金方法というものがあつてさしつかえないのじやないか。本来これは独占的に、ある一本の形でなければ送つてはいけないという性質のものではなく、本来自由なものである。既存の事業それぞれが持つておる特色を発揮して、郵便で送ればこういう方法がある、為替の形ならばこういう方法があるというふうにしておきまして、そのどれを御利用になるかはもつぱら利用者の御選択にまかしておく、それで私はいいのじやないか。どうしてもこの方法でなくちやへいけないというようなことは、私どもだけで言つてみても、これは本来独占事業じやない。銀行で送られてもけつこうなんですから、そういう観点から見て、あまりそういうことを狭く考える必要はないのじやないか。実はさように考えております。
○片島委員 私はそれによつてやはり料金の率も検討しなければならぬのじやないか。千円札がなかつた場合には、これはちよつとかさが大きくなるものでありますから、手紙などに入れて送れないのでありますが、ここに振替貯金の料金の改正が千円までとかあるいは一万円までというふうに出ておりますが、これは千円でも二千円でも、少くとも三千円、五千円くらいまでは書留郵便で送つても、何らさしつかえない、書留郵便で現金を送つても当然認められる。認めておいて責任を負わない。一方においては料金が安いからこれを上げなければならぬ、こういうようなことにはならぬのじやないか。同じ郵政事業で郵政省としてやる場合には、やはり書留で現金を送るということは認めるとか、認めないとか、あるいは書留で現金を送るということがもし発覚した場合には、料金を幾ら幾らとるとか、何らかの方法をここに考慮していいのではないか、そういう送金方法を自分のところにたくさん持つている場合には、そういう調節をする方法を考えなければ、ある振替貯金の払込料の料金だけを考えて、これが高いか安いかということは見当違いではないかと、私はこう考えるのであります。
○松井(一)政府委員 これは私から申し上げるのはあるいは若干所管外におたるかと思いますが、振替の料金をどういうふうに下げるかということは、ほんとうの意味の普通の郵便のような独占的な形態を持つておらないだけに、これをあまり高くすれば当然ほかに逃げて行くであろう、そういう自然的な一つの調節があるのではないか、私どもはさように考えております。従つてこれはお互いにある程度競争しておるだけに、料金をやたらに上げると自然にほかに流れて行くというので、そこにみずからもある程度のチエツクをしなければならぬというような部面があつで、かえつてこういう形で競争していることがそういう意味で押えられると同時に、その料金値上げ自身の影響というものも、郵便のような独占形態とは違つた問題になつているの七やないか、かように考えます。
○片島委員 どうもその御答弁では十分の了解はいかぬのでありまして、同じ郵政事業としてこういう送金方法をたくさん持つておられる場合には、それぞれ勘案をして特に現金をそのまま入れて、しかも普通の郵便、普通の書留で送ることができる、こういうようなことまで認められておるのでありますから、やはりこの送金方法などについて、また送金に対しての手数料などの問題について、これは根本的な問題として将来御検討いただきたいということを御希望申し上げまして、私の質疑は終ります。
○吉田(賢)委員 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案について一、二質疑したいと思うのであります。これに関連する事項でありますけれども、先般来全国の司法書士あるいは郵政省の関係だつたかどうか知りませんが、通産省、建設省その他の各省の官庁の職員が関連いたしまして、すでに使用済みの印紙を変造いたしましてこれを使用したというので、起訴せられて、東京だけでも数百名、被害一億円以上に上るということを聞いておるのであります。これはどこに欠陥があつたのか。やはり収入印紙の使用の仕方、保管、売りさばきもしくは売りさばき人の収益の関係、そういつたようないろいろな角度からこのケースを参考にして、われわれが検討することも無意味じやないと思いますので、そこであなたの方では相当詳細におおかりになつておると思いますから、今すぐではなくてもよろしゆうございますが、事件の全貌を文書にしてお出し願いたい。もうすでに一審にわける裁判が一部にあつたようであります。しかしこれは全国にわたつていると聞いておりますので、全国には数億円の被害ありというふうに聞いておりますし、あるいは被害は底知れずとも聞いておるのであります。ただ全国の検察庁を動員してなお足らぬとかいうふうにも聞きますので、その辺についてできるだけ詳細の資料を至急お出し願いたい。委員長、おはからい願います。
○田中委員長 ただいま吉田委員から質問の形で要求のありました点については、できるだけ詳細な資料を、できるだけ早く本委員会に御提出願いたいと思います。
○松井(一)政府委員 その事件の詳細な内容につきましては、調べました上で、別途資料にして提出いたしたいと思います。なお事件について、ことにこの法律案の改正において一つ考えならなければならぬ点は、やはり正当な売りさばきのあり方というものが、従来の法律ではどうもはつきりしなかつた。実はそこに出ておりますもう一条の改正条文は、その辺のところを念頭において条文を明確にしたわけでございます。と申しますのは、先ほど来申し上げましたように率はわずかでございましても、収入印紙の売りさばきというものは金額が非常にたくさんになる関係がありまして、従来そういう方面について正当な売りさばき所の売りさばきというようなことを離れまして、たとえば東京の人が横浜とか千葉とか、いろいろなところに売込みに歩いている。それはみんなお互いに顔でつながつて、それを一つの商売にしておる。そうしていろいろな売りさばき入の名義を、代理人というようなかつこうで借用しまして、そこからみんな手数料をとつてやつておられるというのが、過去においてもしばしば起きておる現象であります。そこでわれわれとしては売りさばき所を置いて、その売りさばき所の付近にわける正当なる売りさばき行為である限り、これはもちろん幾ら売つていただいてもけつこうでありますが、そういう遠方から売りさばきのためにいろいろやるというようなことは、とかくそうした弊害をかもしやすいのではないか、つまり切手売りさばき所というものは、東京の人が高崎の売りさばき所で買うとか、どこから来ても買つていいのだというようなことを、あまりに放任しておくことについては、やはりそういうふうな犯罪を起しやすい形にするのではないか。かたがたそういう形において私どもの方が不必要に手数料を支払おされておるということもございますので、今度の改正につきましては、売りさばきということは、原則として売りさばき所並びにその付近にわける正常な形において売りさばいてもらいたいという一条を置きまして、その辺を従来よりもはつきりさせたい、かように考えておることが、この改正案の一条になつておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 今の質問に関連してでありますが、この改正案の中に資料として第九ページに記載されております表の数字でありますが、たとえば収入印紙の二十八年度というところが、一七、〇五八、七六三というのは、千単位になつておるのですか、一千七百万という意味ですか、あるいは百七十億円ですか。
○松井(一)政府委員 百七十億円でございます。
○吉田(賢)委員 そういたしますと年額にいたしまして、二十九年度はすでに切手、収入印紙五百億円となつておりまして、かなり大きな金額であります。先ほど申し上げた資料は至急にお出し願うといたしまして、たとえばこれが十億円になるか一億になるかそれはわかりませんけれども、これは資料が出てからまた詳細なことを伺いますけれども、かりに一億なら一億円の収入印紙が変造、偽造せられて使われたとしましたら、需要が一億円あつたものが、それを無効のものを持つて来て、そこらの紙くずの中に入れるべきものを持つて来て、正式に払つたということになると、独占しております政府としては、当然売りさばかなければならぬ需要を満たすべきもので、出すべきものが出ずに済まされたのだから、国が一億の損をしたということになると思うのです。正確な額はもつと数字を確かめた上で申し上げますけれども、概念的にはそういうりくつになると思うのでありますが、その点をお聞きしておきたい。
○松井(一)政府委員 おつしやる通りでございます。収入印紙を私どもが売りさばきますと、その金額はそのまま一般会計の方へ納めることになつております。従つてそういうことが起れば、当然一般会計の印紙収入というものがそれだけ減つて来るという勘定になるわけであります。
○吉田(賢)委員 これはまた正式に聞きますけれども、関連しておりますのでお尋ねしますが、かりに何億円か損したことになれば、その損というのは——責任云々ということを言うのじやありませんけれども、国の財府上の損失に帰するということだが、具体的にはどう始末をつけるのか。これはあなたの方の所管ではないかもおかりませんけれども、郵政省の郵務局長として所見を述べてもらえましたら、私は質疑の参考にしたいと思うのす。つまりそういうふうに当然損になつたという場合、一体その損というのはどういうものですか。ただ損でございますと言うだけで済むのですか。損の代弁がなさるべきだと思うが、しないでもいいか。もつとも追徴するとか、刑事裁判上の結末の問題はあるだろうと思いますが、とにかく国は損したのだから、その穴埋めをしないでもいいのかどうか、その辺についての御見解を承つておきたいと思います。
○松井(一)政府委員 これは一般に大蔵省主税局の所管になると思います。しかしこれは、いわば結果的には主税局としては税金を納めなかつたという形、つまり脱税されたという形が起きるでしようし、それを偽造、変造してやつた人間は、それに相当する金額を詐取したという形になるのだろうと思います。
○吉田(賢)委員 そこで具体的に本改正案について伺いたいのですが、私が根本的に疑念に思いますのは、金額が 一万円以下のものは百分の六の手数料をとる、十万円以下のものは百分の三の手数料をとるというふうに、金額によつて手数料がきめられてある。これはどうも合点が行かない。なぜならば、金額の少いものはかえつて手数がかかるわけで、一万円の収入印紙を買うときには、むしろ一万円の収入印紙一枚を受渡しするだけで相済む。ところが十円の収入印紙を百人が買うというときには、百回も受渡しをしなければならぬことになる。そこで、そもそも売りさばく人間自体の企業的立場からする、これに要一する営業管理費といつたような原価計算は、むしろその方からすべきじやないかと私は思うのです。そうしないと、さつきのように違法、脱法が行われます。やはり収入印紙と人間にひもをつけておくわけには行きませんから、一番手数の少い、一番もうけの多い方を人間の欲望は追求します。そこでこの手数料のきめ方という根本の原理を、金額できめるというのはやはり私は不十分であると思う。手数できめる方がこの場合ウエートが大きいのではないかというふうにも考えられるのですが、その点はいかがですか。
○松井(一)政府委員 実はこの手数料のきめ方は、先ほど私一口で実費というふうに申したわけでありますが、その実費の内容というものは、実際問題としてこれを売りさばくために手数を要する、その人件費というふうに考えなければならぬ問題が一つあります。それからこれを売りさばくためには若干の設備と申しますか、一軒の家がいるわけではありませんが、やはり特別の設備がいるだろう、そういうものに対する一つの償却その他の問題がある。それから買受けた姿金がいるので、その資金に対する金利というものを見なければならぬ。あるいはそれをやつているうちに破つてしまつたということから起る一つの危険負担という問題、それからこれについてのやはり若干の税金というものも入つて来る、そういうものを総合したものが実費となつておるわけであります。おつしやる通り確かに少額の場合においては、手数はかえつてふえるかとも思います。しかし他面そのために金利その他の面においては、非常に軽くて済むというふうな問題が起きて来るわけであります。 そこでこれをどういうふうに区切るかということについては、私たちいろいろと考えたわけでありますが、大体現在の法律も改正案でありますのでありますので、現在の法律を制定した以後どういうことになつておるかということを大ざつぱに見まして、総体の売上げが郵便切手類においては大体当時の倍以上、収入印紙においてははるかに大きくなつておりますが、そういうことを勘案いたしまして、一応今度も区切り方を現在の区切り方の倍にすればどうだろうかということを考えたわけであります。その場合に現在の五千円までとなつておるのを、かりに一万円以下というふうに切つてみる。一万円以下にわける売りさばき人の平均数をとりますと、大体二千八百円ばかりになつておる。二千八百円ばかりの売りさばきをするために月に何回か——これは回転率があります。それから現実に郵便局にとりに行く時間、そういうものをいろいろ計算してみますと、大体において二千八百円に対する実費として百五十円ばかりになるのじやないか。それを率に換算しますと五分二厘大毛ぐらいになる。今度は逆にしからば十万円以下ぐらいのところではどうなるか。これは平均が二万八千円ぐらいになつておる、二万八千円ぐらいに対する一つの金利負担、そういうものをいろいろ見て、これが四百七十七円ぐらいの計算になる。それは二分五厘二毛ぐらいになつておる。それからさらに大きくなりますと、今度はたとえば十万円を越えた売りさばき人といつたものをとつてみますと、その平均が三十八万九千幾らになつておる。それに対する同じような計算が千九百四円ぐらいになつて、それが四厘八毛余りになるといつたような計算を一応しております。結局先ほどおつしやつたように手数料においてふえる部面と、それから金利の負担というようなものがありますので、それをいろいろあんばいいたしますと、やはり金額をたくさん売りさばく場合においては、もとより手数料の面においては軽減されますが、金利の面においては大きくなる。それらの関係で手数料自身の絶対金額は当然ふえて参りますが、しかし率はおのずから下つて行くという傾向は否定できないと思います。
○吉田(賢)委員 そこですが、やはり私どもは、政府の重要な郵政事業、——年間、二十九年度には五百億円の水揚げを生ずるという、大きな事業でありますので、これの末端にある売りさばき人の売りさばきに要するあらゆる経費などという問題は、大きな資本を要する。その資本の計算もありますけれども、しかしあれこれと今お述べになりましたような内容の程度では、こういうものがかりに会社なら会社だつたら、株主にそういうことで採算がとれますかというふうに責められます。もつとやはりこれに要する事務の経費、ないしは一軒の家をどの程度に使用しておるのか、あるいはどのくらい能力の者がこれを担当しておるのか、一白の時間はどれほど要しておるのか、あるいはそれらにつきまして〜日の日当をどのくらいにすればよいのか、どの程度にこれらの経費がいるのか、そういう事業の管理の経費というものを精密に出しまして、そういうところからなお今おつしやたように現地の所得の平均とか、あるいは物価とか、そういういろいろな角度から検討して行くというふうにしてもらわねばならぬのじやないかと思うのであります。もつともこれらにつきましてただ表で済まぬようでありますから、これを計算するに至りました基準になるべき資料をお出し願いまして、そうして最も公平で正鵠を観た、妥当控のある数字を生み出したいと思いますから、その点を資料としてお出しにならんことを委員長を通じてお願い申し上げておきます。この手数料をきめるに至つた事情もいろいろお述べになりましたけれども、抽象的な言葉が大分多かつたので、具体的に各般の管理経費とか、あるいは資本利子とか、その他危険負担、場所の設備の経費など、いろいろなものについて御計算になつたものがあると思いますから、そういう点も資料としてお出し願いたいと思います。
○田中委員長 その点の資料を出していただきたいというお話ですが……。ちよつと速記をとめてくだざい。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を続けてください。
○吉田(賢)委員 現行法の第七条には、一箇月一万千百円を越えてはならないと手数料の限度がありますが、今度の改正法案ではこれをなくしてしまつたわけですか。
○松井(一)政府委員 なくしたわけではございません。と申しますのは、改正法におきましては「百万円をこえるものは、百万円とみなす。」ということで切つたわけでございまして、ただ条文の書き方が違つただけであります。
○吉田(賢)委員 これは現実にもつと精密に計算いたしませんと、私の質疑の的確な根拠が出ないのでありますけれども、百万円を越えたものは百万円とみなしてそれ以上は手数料をやらぬというのでは、やはり脱法行為が出て来る危険がありはしないかと思うのです。たとえば造船の場合に、今の造船は一万トンの船をつくりますと十四億円くらいかかる。そうすると十四億円という価格のものをそのまま額面で登記するといたしましたら、それの千分の五でしたか、そういうことになるはずです。そうするとかなり大きなものです。これを百ばいつくるといたしましたら百倍です。ところが、それが百万円と同じだということになる。それなら、その千万円とか五千万円とかいうような印紙を、売りさばき所が元方から買つて来てそれを売るという場合に、やはり百万円以下と同じだというのでは合点が行かないのですが、その点はどうなのですか。
○松井(一)政府委員 厳密な意味において手数料は、百万円を越えたら全然ゼロではないはずでございます。ただ印紙切手の売りさばきというものは、タバコその他と違いましで、原則として郵便局において売りさばいて行く。ただ補助的な意味において売りさばき人を使って行くというような基本的な建前をとつております。そこで、そういう非常に高額なものについては、できるだけ郵便局を利用していただくという一つの意味でありまして、それは財政収入上の経済性の点もございます。同時にまた他面、高額なものに対して手数料をやりますと、わずかな手数料でも金額は非常に大きくなり、その間にどうしても切手印紙類の割引と申しますか、近ごろの言葉で言えばリベート、そういう問題が介在する。これは印紙切手類を定価で売りさばくという信用保持の点から思わしくないという考慮を払いまして、この法律ができた当初から一応百万円くらいが売りさばき所において売つていただく限度として如くのがいいのじやないかという形になつております。
○吉田(賢)委員 だけれども、たとえば登記する場合に、登記に要する印紙のごときは、郵便局よりもやはり司法書士とか登記所とか、そこに近い場所でととのえるのが普通だろうと思うのであります。登記所の前に必ず郵便局があるわけではないが、売りさばき所ならあります。そういう実情から見まして、そういう需要をある程度満たすということが必要ではないか。あながちそれを郵便局にひつぱつて来るというふうにしなくていいのではないかというふうに考えますし、これはその程度の資料では私も意見的な質疑にはならぬかとも思いますけれども、実情は郵便局に引きつけてしまわなければならねという筋のものではないと思います。かたがたの百万円を越えると手数料は相当ふえるのですか。ほとんどふえないでしよう。
○松井(一)政府委員 おつしやる意味は、法律上でございますか、実費の問題でございますか。
○吉田(賢)委員 現行法の七条には一箇月手数料は一万千百円を越えてはならないということになつておる。改正法律案ではこの趣旨はなくなつてしまつたのかとお尋ねしたら、なくしたのではないというふうなお答えがありました。これは別の形で残されておるのかと思いますので、しからばいくら売つても一万千百円しか手敷料はないということならば、私が今出したような問題が起つて来ると思います。
○松井(一)政府委員 現行法の一万千幾らというものは、これは大体百万円までの手数料というふうは換算したわけでございます。それは今度は当然算術計算で出て来る問題でありますので、そういう一万なんぼという数字を表に出すよりも、はつきりと実態を表に出した方がいいじやないか、そこで百万円という数字は旧法も新法もかわつておりません。ただ表に出すのに、手数料の方で表に出すか、あるいはそうではなくて一定の売りさばきの限度でもつて示すかただけの相違でございます。内容はちつともかおつておりません。
○田中委員長 それでは先ほど吉田委員長より御要求のあまりました資料を御提出願いたいと思います。 この際郵便為替法の一部を改正する法律案について、ほかに質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 委員長から一点だけ伺いたいのでありますが、それは改正案の第二点に関連するのでありますが、奄美大島の返還に伴つて、今度まだ未返還の部分がここに残つて来るわけでありますけれども、これも従来の沖繩政府との間の関係に結局残るだろうと思うのでありますが、こちらの方だけできめるわけに行かないのかもしれないのでありますけれども、沖繩から日本へ留学して勉強しておる学生の送金の問題について、われわれたびたび学生諸君から陳情を受けるのでありますが、現在学生の学費として沖繩の方からこちらへ送金できる限度は幾らになつておるのか。たしか邦貨にして一万円くらいのように聞いておるのでありますが、それではとうてい勉強を続けて行くわけには行かないので、もう少し送れるような便宜をはかつてもらいたいという要請を受けるのですが、この間の事情と、それが増額の希望に沿えるものか、この際伺つておきたいと思います。
○小野政府委員 今の、まだ日本に復帰いたしません地域でございますが、沖繩政府所属の勉城と日本内地との間の為替交換につきましては、これまた一定の制限を付されておりまして、自由には為替が送れないのであります。目的としまして、そういつた留学いたしました所要の学資を送金いたしますことは、送金目的としては認められておりますが、金額には今日制限を付しております。その制限は一人一箇月三十ドルと相なつております。ちようど今御質問のありました通り、邦貨に換算いたしまして約一万円でございます。これ以上は送れないことに、実は為替管理法上相なつておりますので、あるいはこの金額の制限が低きに失しまして、所期の目的に達し得ないうらみがあることも私どもは十分承知いたすのでありますが、何しろ両地域間におきます為替の決済につきましては、ドルで決済をいたしておりますので、その方面から来る制限は現状やむを得ないような実情でございます。
○田中委員長 さらに伺いますが、その三十ドルというのは、沖繩ドルと米ドルと円の換算率は違つておると思うのですが、米ドルの三十ドルというふうに理解していいのですか。
○小野政府委員 米ドルの換算でございます。
○田中委員長 この点については沖繩政府との折衝に残される問題だと思うのでありますけれども、沖繩からこちらへ留学しておる学生諸君は、この程度の送金では勉強は続まて行けないというような事情に置かれておるようでありますから、その点については、郵政省のお立場において、何らか善処できるような措置をお願ししておきたしと思います。
○小野政府委員 御趣旨ごもつともでございまして、私どもも十分そういつた留学生につきまして、勉学上支障のない限度送金を認むるべきだと思います。現状はいろいろ外貨のおくの制限がきびしゆうございますので、一人当りの金額をふやしますと、そこに勢い利用いたし得る入の範囲が狭くなつて参りますので、やむを得ずこういつた限度を設けておりますので、将来沖繩との間の送金の外貨の予算等につきましても、できるだけの努力をいたしまして、御要望に沿うように配慮いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 これに関連してちよつと伺つておきたいと思います。ただいまの奄美大島の問題でありますが、新たに内地に復帰せられた奄美大島のたくさんの島があるようでありますが、現実の地理状況は私は存じませんけれども、ずいぶん辺陬の土地もあるようですが、こういう辺陬な土地に将来勤務せられる、あるいはすでに勤務しておりまする郵政職員につきましては、たとえば恩給法にわける僻陬の土地あるいは不健康土地についての年限加算の問題がございますが、こういう点については何らかの御考慮でもあるのでしようか、伺つておきたいと思います。
○小野政府委員 今の三等につきまして、恩給法上の僻遠地に対する加算の点は、はつきり私は承知しておりません。
○吉田(賢)委員 質疑をしまする趣旨は、加算することになつておるかどうかということを尋ねておるのではなした、よく御検討になりまして、まだそういうことの考慮がなければ考慮せらるべきではないかと思いますので、すでに考慮済みなのかどうかというととでありますから、現状はどうなつておるだろうかというよりも、新たに帰つて参りまして、職員の待遇の上においても恩給法は相当明確に示しておるのでありますから、その辺をお尋ねするのであります。
○小野政府委員 はつきりお答え申し上げられませんのは非常に遺憾でございますが、多分僻遠地になつておると思いますが、ここではつきりそうなつておるとは申しかねるのであります。なおこの点につきましては調べまして御連絡申し上げたいと思いますが、かりに現在そういつた加算の恩典がないといたしますと、何とか可能な限度におきまして措置すべき必要もあろうかと思いますのでいろいろ検討いたしました結果、善処いたしたいと思います。
○田中委員長 なおこの際委員長から希望しておきますが、奄美群島の復帰以来、すでに総選挙等も行われた状況にありますので、郵政行政関係がどういうふうになつておるかということについては、できれば委員会へ資料として報告を願いたいということを希望しておきます。 それでは郵便為替法の一部を改正する法律案について別に質疑がなければ、これをもつて質疑を終了いたしたいと思います。 本案の質疑は終了いたしましたが、討論は別に通告がございませんので、討論を省略して採決いたしたいと思います。 本案を原案の通り可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めまして、満場一致可決すべきものと決しました。 なおこの際お諮りいたしますが、衆議院規則第八十六条による報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めまして、そのようにとりはからいます。 次回の委員会は追つて公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十分散会 ————◇—————