郵政委員会 第7号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/02/13
会議録
○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。 前会に引続き郵政行政一般について調査を進めます。質疑の通告がございますから、順次これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私はこの機会に、政府において簡易生命保険、郵便年金の契約金の限度を引上げる意思があるかないかということをお聞きしたいのであります。ただこの問題は大蔵省の所見も明らかにする必要がありまするので、順次その方へ質疑を持つて行きたいと思います。つきまして、一般の簡易生命保険、郵便年金の特別会計並びに郵政特別会計の方面に関しまして、少しく最近の数字を明らかにしていただきたいと思うのであります。 まず郵政特別会計の二十八年度はまさに終ろうといたしますので、その損益の結末についての大体の見通し、二十七年度の結果従来の繰越しておりまする損益の数字、そういうものについて御説明を願いたいと思います。
○佐方説明員 二十八年度の締めくくりでございますが、十二月までの数字を集めまして、今鋭意数字を固めております。大体の見通しから申し上げますと、物件費等におきましては、予算ぎりぎりの線で決算できるだろうと思つております。人件費につきましては、今度裁定が予算化されておりまするので、一般的な基本的な人件費につきましては、予算の範囲内で処理できるだろうと思つております。ただ御承知のように、十二月に業績賞与と称しまして、従前の企業努力によつて年末の賞与を出したわけでありますが、その跡始末が一月までの収入等はつきりいたした上で、ごく最近の機会に解決をつけたい、こういうふうに思つているわけでございます。それから二十七年度の……。
○吉田(賢)委員 予算ぎりぎりで結末をつけるというような趣旨ではなしに、われわれの知りたいのは、たとえば赤字になるのか、黒字になるのか、その辺の情勢の推移が少し知りたいので、抽象的な点でなしに、もしわかりましたら……。
○佐方説明員 結局収入状況から行きますと、郵便の方は予算以上に収入が出るであろう、その出る収入をもちまして、年末に出しました業績賞与の穴埋めをいたしたい。二十八年度は、御承知のように赤字補給的な経費は一銭ももらつておりません。従いまして決算におきましても、二十八年度は赤字補給の形のものは出て来ないと思います。但しそれによりまして二十七年度までの繰越し欠損金が消えるというところまでは行かないだろうと思う。二十七年度の決算につきましては、二十八年三月三十一日現在におきます繰越し欠損金は七十六億あります。その繰越し欠損金は御承知のように、当該年度におきまして歳入と歳出との間が決算上赤になつたという意味ではございません。料金値上げができませんために、一般会計から補給金をもらつて来たというものが、繰越し欠損という形において残つて来ておるわけであります。それで金額はあとで調べてお届けいたしますけれども、概数を申し上げますると、二十四年度におきまして四億円、二十五年度におきまして確か十二億円、二十六年度におきまして約二十億円というものが、郵便料金の値上げができませんために、一般会計からの繰入金を歳入といたしまして、予算を組んだものであります。それ以外の繰越し欠損金が——今七十六億と申し上げましたが、四億と十二億と二十億、従いまして三十六億でございます。その七十六億と三十六億の差の四十億は、郵政省と電通省がわかれます前から、それも全部終戦直後の給与改訂等に伴いまして、経費が不足だつたために補給されたものを、郵政と電通を分割して、そのまま繰越しの欠損として残つて来ておるということに相なつておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 簡易生命保険、郵便年金の特別会計について、これは二十七年度の事業成績はどういうことになつておるのでしようか、これをひとり数字の方から御説明を願いたいと思います。
○白根政府委員 二十七年度の簡易保険の決算関係についての御質問でございますが、大体収支を見合いいたしまして、約七億六千七百六十四万五千円黒字になつております。
○吉田(賢)委員 もう少し具体的に伺いたいのですが、そうすると、大体の事業成績は一覧してわかるような書類でもいただけますか、もしくはそういうものはおつくりになつておるのですか、いかがですか。
○白根政府委員 つくつてございますので、後刻お届けいたします。
○吉田(賢)委員 これは年度の決算報告の方へは詳細に出ておりますか。添付でもした書類になつておりますか。
○白根政府委員 簡易保険の統計年報にはつきり詳しい資料が出ておりますから、お届けいたします。
○田中委員長 今吉田さんの伺つておるのは、毎年度の決算報告の中に、簡易保険特別会計としての報告書は出るかどうかということを聞いておる。
○白根政府委員 出ております。
○吉田(賢)委員 出ておれば、その方を調べますが、どういう書類になつておりますか。
○白根政府委員 大蔵省から決算報告書が出ておりますが、その中に簡易保険及び郵便年金特別会計の欄がございまして、多分その中に書いてあると思います。
○吉田(賢)委員 そうじやなしに、それはもちろん簡易保険特別会計ですから、そういうことですが、私の知りたいのは、たとえば営業費といいますか、業務に関する諸般の経費、管理費がどのくらいいつて、そうしてどのくらいの件数を扱つて、どのくらいの金額が募集せられて、結局損益がどういうふうになつて行きつつあるだろうか、そういうことを知りたいのであります。だからそれにはやはり相当詳細でないとちよつとわからぬだろうと思うのです。そういう書面があるかどうかということなんです。但しなければ出してもらつてもいいのですが、印刷にして添付してありましたら、私の方ももらつておりますから、調べたいと思います。
○佐方説明員 今仰せになりましたような資料は、決算委員会に報告書として出ていないと思いますので、別途差上げなければならぬと思います。
○白根政府委員 補足して御説明申し上げますが、決算報告書の関係については出ておりません。私の方でそれらのことを書いた統計年報がございまして、その中に大体書いてあると思いますから、お届けいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 そういうものが、年報に出て決算報告書に出ていないのは、どういう理由ですか。
○佐方説明員 御承知のように、決算報告書は一括大蔵省で本をつくりまして、大蔵省でまとめて出しております。それでその必要な資料だけは出しておりますけれども、今おつしやいましたようなこまかい内訳までは、おそらくその報告書に出ていないだろうと思います。
○吉田(賢)委員 私はたつて争いをするのではないのですけれども、この辺を知りたいので聞くのです。年報に詳細のものを書いて国会に詳細なものが出ないというのは、どういうわけなんだろうかということが、ちよつと私ははつきりしないのですが、すべての会計は、特別会計にしろ、やはり相当詳細なものは出ておりますのに、この特別会計に限つて出ないことになつておるのですが、この特別会計は、市中の出版物には詳細なものを書くけれども、国会に詳細なものが出ないということになるのでありましようか。あるいは大蔵省で本をつくつて、そこへ書き込むということはわかつておりますが、それに至るところの諸般の資料、そのことを伺つておるのです。
○佐方説明員 簡易保険特別会計は、御承知のように保険金と還付金、それから特にお知りになりたいような人件費等のものは、郵政会計一本で出ておるわけです。だから郵政会計の方の決算になると、人件費であるとか物件費であるとかが全部事項別に出て来るわけでありますが、保険会計としては、郵政事業への繰入れでありますから、そうこまかいものまではついていないというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 しかし郵政の特別会計と簡易保険の特別会計では、仕事に重複する部分があり、あるいは人間に重複する部分があり、繰入れ等によつてはつきりしないのです。はつきりしないというよりも、お互いに非常に近い関係にあるものがあろうけれども、しかしりくつから言うと、独立した特別会計ではないかと思うのですが、それが郵政会計の特別会計の報告に込みにせられるという筋合いはなかろうと思うのです。
○佐方説明員 別に込みにしたという意味ではございませんが、御承知のように簡易保険の会計は、歳出といたしましては、保険費と郵政事業特別会計への繰入れ、それから予備費、この三つが項となつております。その保険費の中に保険金、還付金、分配金、諸払いもどし及び補填金というのがあるのでありますから、それは決算上書類にはつきり載つておるだろうと思います。ところが郵政事業特別会計への繰入れになりますと、これは歳出として一本で出しまして、その内訳は、全部郵政会計の中でこまかく人件費、物件費ごとにわかれて出て来る、こういうことになつております。それで重複といいますか、金としては郵政省の簡易保険に従事している人の経費一切を見るわけでございますけれども、内訳としましてはそういう支出の仕方をしていないわけです。簡易保険から出しますときには郵政会計への繰入金という形で出て行きます。
○吉田(賢)委員 よくわからないのですが……。この簡易保険特別会計の勘定は、保険勘定、物件勘定、年金勘定となつているようでありますが、決算上生ずる過剰については、当該勘定の積立金として積み立てる、年金勘定の歳計に不足があるときは、当該勘定の積立金より補足するというように、これはこれ自身が独立してあると思います。これだけでははつきりしませんが、ともかく特別会計法というものが独立であるのでありますから、簡易保険の方もありますので、それ自身といたしまして、詳細な資料というものが独立して国会に出て来るべき筋合いでなかろうかと思うのですが、それが出て来ないということは、私はどうしても合点が行かないのです。
○佐方説明員 先ほどから申し上げますように、保険会計の歳出の項、あるいは目につきましては、それに応じましたところの決算が全部出ているわけであります。ただ郵政会計への繰入れというものは、簡易保険で金に持ちますけれども、簡易保険会計の中に、たとえば管理費であるとか共通費であるとか保険費というものはないわけであります。簡易保険は、人件費、物件費の一切を全部郵政会計に金を出して、郵政会計の方でそういう歳出科目にしておるということであります。
○吉田(賢)委員 そうしますと伺いますが、この簡易保険の業務につきまして、二十七年度を参考にせねばなるまいかと思いますが、二十七年度並びに二十八年度におきましては、一般管理費的な経費はどれくらいを要して、単価はどれくらいになつておりますか。
○白根政府委員 お答えいたします。簡易保険の事業を運営するにあたりまして、管理部門、現業部門のあることは事実でございます。それらの経費はどうなつておるかとおつしやるのでございますけれども、それは予算の編成をしまして、郵政事業特別会計へ繰入金として一本で流して行つておるわけでございます。しかし流す経費を積み重ねるにつきまして、管理費は幾らということでなくて、全体延べまして、人件費の単価を保険では何円にするかきめて、その単価に定員をかけて郵政会計へ一本の繰入金として繰入れることになつております。従いまして簡易保険特別会計では、管理費が幾ら、その他の人件費が幾らという分計はしないで、それを積み重ねた総額を郵政事業特別会計の方へ繰入れる建前になつております。
○吉田(賢)委員 しかし簡易保険自身の損益を出そうと思えば、やはり簡易保険の立場から見まして、人件費にしろ、物件費にしろ、その他の経費にしろ、これを算出することができないのでは、一体損益が出て来ないじやないですか。
○佐方説明員 説明が足らないでどうも失礼いたしましたけれども、御承知のように、郵便局あるいは郵政省で仕事をいたします場合に、経費は全部——人件費と物件費は郵政会計から出すという建前をとつております。
○吉田(賢)委員 そういうことを聞いておるのではないのですよ。私の質問の趣旨をよく聞いてください。私の聞いておりますのは、ある仕事をするのに、たとえば保険を勧誘し、その事務をとり、あるいはそれを集計するとか、金の出し入れをするとかいう仕事をするのに、実質的にどれくらいの経費がいつておりますかというのが質問の趣旨です。あなたの方は他の郵政一般の仕事と経費を一本にした郵政特別会計のうち、簡易保険会計繰入れ分何がしと答えておらるる。それではわからぬと言うのです。私どもは簡易保険の仕事について、他の郵政の仕事と重複して、また兼務しておるものもあろうかもしれぬ、あるいは専任のものもあろう、それを一々区別をして、独立の簡易保険特別会計の経理として頭に入れたいのです。あなたの方では会計は重複せず、五%は郵政特別会計に繰入れてあるのだと言うが、具体的に簡易保険会計としてこまかい資料が出て来ない。私は書類資料で調べようと思つたのだけれども、一般の出版物しかない。国会に出した書類の中に書き込んであるのは、郵政特別会計の方に含まれてある、こういうふうな御説明ですか、私ども簡易保険会計の実態、実情を詳しくつかもうとする質疑に対する答弁にならぬのです。局長の御答弁もあつたのだけれども、簡易保険についての営業費、一般管理費等の諸経費の実情につき、計数はどうなるのか、それを御説明願いたい、こういうのが私の質問の趣旨なのです。
○佐方説明員 よくわかりましたが、ただちよつとお聞きいただきたいのは、郵政会計で人件費、物件費を全部算定いたしまして、その中で保険の分担金は幾らであるか。大体定員比でそれを分担しておりますから、その数字ははつきり出て来るわけでございます。その積算のものを簡易保険から繰入れてもらつておる。従いまして内訳としては郵政会計に出て来るのであります。こういうことを申し上げておるのでございますが、数字ははつきりしたものをつくりまして、あとでお目にかけたいと思います。
○田中委員長 ちよつと委員長から……。吉田さんの質問されようとする趣旨は、普通の保険会社がやはり保険の加入者、契約高に基いて、それだけの保険を募集するための営業費というか、そういうものが算定できるわけなんです。従つて今度契約制限高を引上げると、加入者もふえるであろうし、契約高もふえて来る、そういうことに伴う経費増というものがあるのかどうかということをわれわれは見きわめなければならぬし、今確かに保険の特別会計の負担分というきまつたものを、郵政会計へ繰入れるようになるわけですけれども、その簡易保険特別会計で負担すべきものとしてきめられたものを、いわゆる簡易保険の関係の営業費というか、そういうものとみなすことができるのかどうか。その金額は一体幾らか、こういうようなことを吉田さんがお聞きになつておるのだろうと思う。従つてその点はむしろ経理局の方ではなしに、保険局長の方から、大体募集費というようなものが幾らになつておる、そういうようなことについての算定の根拠というものがあろうと思うのですけれども、普通の営利会社のように現実にいつたものを計上するという形でなくて、予算で縛られる特殊性は、吉田委員としても十分認められると思うのですけれども、大体契約金を引上げるとどれだけの資金増になるかというような点については、やはりそれに必要な経費と入つて来る収入との関係、あるいは集まつた資金の運用の成績というようなものと兼ね合せた形での決算というものが、一つの企業会計とすれば大まかな数字でも当然出て来なければ、保険の特別会計の損益計算というものは明確にならないではないか、こういう趣旨で……。
○吉田(賢)委員 そんなものは、あなたの方は最初にさつとみな頭の中に入り込んでしまつておらなければなるまい数字だと私どもは見ておるのです。
○田中委員長 そういう意味で保険局長から御答弁願います。
○白根政府委員 国会の資料の問題と事業の面との二つにわけて申し上げますと、実は吉田先生のおつしやるように、簡易保険も企業でございますので、決算の面について損益計算的なものを出すようにすべきじやないかという議論をわれわれ研究して薫るわけでございます。しかしながら現在の制度におきましては、実は決算書の中に損益計算的なことを出すようになつておらないのでございます。そこで吉田先生は、企業の面から見て損益計算的なものを決算書の中に書き込むべきじやないかという御議論だろうと思うのでございます。この点は私の方といたしましても将来研究いたしまして、そういう線に行くように研究してみたいと思いますが、ただ御承知のように、簡易保険の事業体は、末端が郵便局で一本になつておるわけでございます。従いまして予算の面でそれがはつきりするのは、先ほど佐方説明員が申し上げましたように、実は郵政会計に繰入れた中身の中にある程度書いてあるのでございまして、人件費がどのくらいかかる、その中で郵政会計の管理費の部門で簡易保険の特別会計がどのくらい分担する、そういうように実は予算ではなつておるのでございまして、これがはたして簡易保険のような企業性を持つものについて、予算体系として損益計算的なものを入れないでいいかということは、おつしやる通りであると思います。今後研究してみたいと思います。なおそういうような実情でございますが、さればといつて、仕事をやる以上は、どうなつておるかということは、実は先ほど申し上げましたように、調べたのは、国会の提出書類にはないけれども、事業局で持つておるのでございまして、これは御趣旨はごもつともでございますので、将来研究してみたいと思います。
○吉田(賢)委員 そういう企業として損益計算等は財務諸表ということになるのかも存じませんが、そういうようなものが一目瞭然として、損益の推移、数字の情勢はどういうようになつておるかということをつかんで行くということか——同時に今後どのくらい引上げることが妥当で、これに対してはどのくらいの収益損失が生ずるかもしれぬ、あるいはまたそういう見通しが立つ経費はどのくらいいる、そのいる経費は妥当かどうか、現在使つている経費は多いのか少いのか、それも妥当かどうかという研究なり検討は、かりに十五万円にし、二十万円にするにいたしましても、内外に公表して、ほんとうに納得の行く数字をつくる基礎になると思う。それを郵政特別会計の方に繰入れて、分担金がその中に入つておるのだから、それを抜き出して来ればわかるのじやないかというのでは、事業をやつておる特別会計としてはまつたく不備だと思います。今局長もそういう趣旨にお述べになつておるようだが、はたしてそうであれば、これは法制的にはどこに欠陥があるのですか、もしくは不足不備とすれば、どの法律がそうなんですか。
○白根政府委員 現在の建前といたしましては、報告書の様式は、保険費が幾らであり、あるいは保険金、還付金、分配金、諸払いもどし及び補填金、郵政事業特別会計への繰入金、それから予備費、次年度繰越保険契約準備金、責任準備金、分配準備金、当期利益金、合計、こういうのが予定損益計算書、簡易保険及び郵便年金の立て方になつております。この立て方では、ただいま先生がおつしやいました面にははつきりしない面が相当あると思います。この立て方を将来かえるかかえないか、研究すべきものだと思うのでありますが、しかし一面、簡易保険特別会計が、逓信省時代におきましては三本の特別会計になつておりまして、郵政事業特別会計、その当時における郵便事業特別会計に繰入れしてなかつたわけでございます。その当時におきましては、ある程度そういう予算的なことを加味してやれたと思いますが、一面郵政事業特別会計との関連も相当密接でございました。そこでただいま御説明申し上げたような様式になつておりますが、そこに先生のおつしやいますように、これは郵政事業特別会計に繰入れする際におけるそれとの関連を密にすることだけを考えたのではいかないのであつて、やはり簡易保険特別会計も厳然たる特別会計であるから、この中に、おつしやるように、損益的なものが郵政事業特別会計の積み重ねて行つた金の中には入つておるけれども、その関連性がはつきり出ていないような面を、簡易保険特別会計の中に詳しく書いたらどうか、こういうようなお話であつたと思いますが、この点は内部的には経理局、また外部的には大蔵省、それらの関係官庁と御相談してやるか、それとも別の出し方の中に、損益計算的なもの、事業的な面を参考資料として国会に出すか、そこらの辺は今後ひとつ研究してみたいと思います。
○田中委員長 ちよつと委員長から一点伺いたいのですが、先ほど保険局長は二十七年度は七億六千万円の黒字だということを御答弁になつたんですが、七億六千万円の黒字だということになれば、これは保険特別会計で総収入と総支出との差引が七億六千万円ということになつて出て来たと思うのです。その場合に、総収入に対する総支出というものが出て来れば、現行保険特別会計の上においても、それが決算書類に添付されているかどうかは別として、七億六千万円という保険の黒字が二十七年度あつたのだから、二十八年度はどの程度見込めるかということは、今までの趨勢から見ても推しはかれると思うのです。そういう点から見て、保険の特別会計を運営して行くための経費というものは、二十七年度には幾ら幾らになつているが、二十八年度には予算はこれだけだが、それが予算より超過するか、あるいは減少するかというようなことの数字はつかめるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
○白根政府委員 二十七年度の決算は先ほど御説明申し上げたようなことであります。二十八年度は、これは予算でございますが、予算では収入合計が六百六十七億四千三百万円、これに対しまして、支出合計は二百八十三億九千九百万円、差引いたしまして三百八十三億四千四百万円でございまして、この歳入超過額は、保険契約者の準備金としまして三百六十七億三千万円、その内訳は、責任準備金が三百六十二億七千三百万円、分配準備金が四億五千七百万円、これらのものをやつてなお剰余金が十六億残るような予算になつておりますが、しかしこれは決算の数字を申し上げますと、大体この予算の線にほぼ近いところまで行くのではないか。ただ風水害なり冷害なりの影響がありまして、一月から募集計画年度になつておりますが、伸びぐあいを見ましても、まあ予定よりか少しいい方でございます。決算上からの見通しでございますが、ほぼこの程度のところにおちつくのではないかという見通しでございます。
○吉田(賢)委員 さつきの問題にもどりますが、政務次官にひとつお願いしておきたいのです。ただいまの簡易保険、郵便年金の契約金とか、年金額について、ことに簡易保険の問題につきましては、かなり画期的な内容の改変ですか、そういつたようなことも私は予想いたしておりますが、そういうような重要な段階でありますので、ただいまの簡易保険特別会計に関する会計上の独立性とでも申しますか、それを郵政特別会計の隷属的な規定から一歩出まして、もつと簡易保険自体の損益を明確にして、国会におきましても詳細な経過内容等、前年度の資料も提出し得られるように、従つて翌年度の予算編成についての資料にもなるように、保険金額はもつとふやすべきではないか、もつと減らすべきではないかということをわれわれが検討する資料が得られるように、制度的にもこの際至急に考えてもらわなければならないじやないかと思います。そこで内部的に何かと御研究中のようにただいま伺いましたが、省として大臣とも御相談の上、この通常国会においてそういう辺の制度的、法制的な充足をはかり、実現するようにひとつぜひなさることが適当ではないかと思うのです。ぜひひとつ大臣とも相談して、そういうことが急速に実現するようにしてもらいたいと思います。そういうことをしなければ、やはり保険会計の内容というものが、われわれに言わせればはつきりしないのです。もつとやはりはつきりさせた方が、万事停滞がなくて躍進もしましようし、いろいろと本来の目的を達する上において何かと整備されて行くと思いますので、これはぜひひとつお願いしたいと思いますが、いかがでしようか。
○飯塚政府委員 ただいまの吉田委員の御意見、私もごもつともだと存じます。ただ制度の上において、あるいは法制的にこれをもし改正できるものならば、すみやかにやつた方がいいという御意見のようでありますから、これは大臣及び担当官と相談の上で、できるならばそういうふうに進めて行きたいと思いますが、もしそれが早急にできないとすれば、先ほど来御質問のありましたような、たとえば原価計算はどうなつておるかというような問題につきましては、いろいろな予算の経理面において抽出できるものはすみやかに出して、御期待に沿い得るような資料を整えたいと思いますから、いずれ大臣とも相談の上で、法規的に、あるいは制度の上において、考え得ることはすみやかに考えたいと存じます。
○吉田(賢)委員 さきに委員長が御質問になりました点ですが、ちよつとなお私それに関連して明らかにしておきたいのですが、今の保険局長の御答弁によれば、加入者への分配について、四億五千七百余万円ほど二十八年度分配し得る金が出る見込み、さらにその上に余剰が十六億円ぐらい生ずる、こういうことでありますが、この余剰が生じたものは保険契約者でありますかに分配するということが原則ではないでしようか。はたしてそうであれば、十六億円余剰を生じて、それをまたほかへ使うということは、少し趣旨に反するのではないかと思います。これは私の思い違いかもしれませんが……。
○白根政府委員 余剰金が生じたときはどうするかという問題でございますが、これは御説のように、この余剰金は加入者のものでございます。従いまして将来を見通しつつ、あるいは保険料を引下げるか、あるいは利益分配するか、そういう財源でございます。十六億出たからすぐもう利益配当をさらに率を上げてやるべきじやないかという議論も立つと思いますが、しかし金の面として、私の方では民間と違いまして、不確定配当ではなくして確定配当になつております。と申しますのは、件数が非常に多いので、不確定配当ではなかなか複雑過ぎるので、確定配当をやる建前になつております。従いまして十六億出て、これが年々歳々ふえて行つて、ふえる傾向を見てどの程度利益配当するか、あるいはさらに進んでは保険料の引下げをやるかという問題の財源になるわけでございます。これは決して加入者以外にまわすものではございません。ただ当該年度におきまして人件費の膨脹等によりまして、当該年度で人件費その他によります赤字が出る、その際は、これは事業の遂行上の必要に基く経費でございますので、それらの剰余金の方から差引いて行くということがむろん考えられますが、そういう事態が起らない限りにおきましては、この剰余金は利益配当あるいは保険料の引下げ、この財源になるわけでございます。
○吉田(賢)委員 これは参考までに聞きますが、一般の民間経営の生命保険について、加入者に分配しております金額は去年、今年どれくらいの金額かということはおわかりありませんか。
○中村説明員 民間の剰余金の発生は、御承知の通り死亡率が非常に減つておりますし、また利回りが予定より比較的大きく出ておりますから、その結果今利差と死亡利益を不確定配当でやつておるわけでございます。毎年そうした剰余金が財源の面に応じて、たとえば死差益は保険金の割合で出すとか、あるいは利差の方は積立金の割合で出しているわけであります。簡易保険は、先ほど局長が申しましたように確定配当ですから、これは繰越しておるわけであります。
○吉田(賢)委員 そうしますと、この十六億円というものについては、やはり配当すべきものの三倍以上になるわけでありますので、これは加入者の立場からいたしますならば、若干でも配当されるということは、保険意欲といいますか、そういう上に相当心理的影響も、少くとも金額の大小にかかわらずあると思いますので、やはりこういうものも長く手持ちにするということは、常識上どうもいかがかと思いますから、これが制度が悪ければ制度をかえていいのであつて、保険約款を改正する必要があるならば改正すればよいのであつて、やはりできるだけ余剰金というものが内部の経常費に増額せられて、弾力的に使われるという危険がないようにすることが、健全な姿ではないかと私ども考えます。分配金の三倍もじつと持つておるという状態は、ともかく検討を要すべきものであろうと考えますから、そこはひとつそういう趣旨もできるだけくんで御検討を願うべきではないか、こう思いますが、いかがですか。
○白根政府委員 ごもつともな御意見でございます。なぜ現在まだそこまで行かないでじつと持つておるかという点でございますが、実は簡易保険は二十三年、四年は非常に苦境時でありまして、生きるか死ぬかかの境であつたわけでございます。従いまして保険的効果としてはいかがかと思われますけれども、とにもかくにも金を入れなければ事業がなつて行かないという面からいたしまして、五年払込み十年満期、五年払込み十五年満期というものを二十三年に創設したわけでございます。そうしますと、歳入面で、本年度ですでに五年目になつておりますが、歳入が入つて来ないで、契約が生きておるという状況があるのでございます。二十八年三月末現在において、全契約の協定保険料は五十二億三百万円ありますが、その中で先ほど申し上げましたように、五年払込み十年満期等の契約によつて歳入が入つて来ないことになるというのが十五億三千七百万円になつております。一番ピークの時代は二十九年度、来年度でございますが、その際に五年払込み契約で歳入が爾後入らぬという金が四十六億七千六百万円あるわけでございます。いずれこれらの面を募集面でカバーしなければならない。従つて現状ではこういう保険的効果の薄い五年払込み契約は、厳重に取締つてとらないようにさせておりますけれども、過去の契約の面で歳入が入らないで契約が残つておるという面もございまして、本年一月かち募集の計画年度は始まつておりますが、それらの伸びぐあい等も考えて、確実な見通しがつけばすみやかに加入者の利益の方へ措置を講じたいと思うのであります。
○吉田(賢)委員 委員長におとりはからい願いたいことは、簡易保険及び年金に関する各般の資料を、ぜひ至急に当委員会へ政府から提出するようにお伝えを願いたいと思います。それが出て来ましてから私はいろいろと質疑をしたいと思うのでありますが、その点は少し留保しておきます。 それから端的にちよつと局長の意見を聞いておきたいのだが、保険金の最低金額が五千円ということになつておりますが、この五千円というのは生命をかけた給付といたしまして一体妥当なのかどうか。しかしそれは名目上だけのことであつて実際やつておらぬということであるなら、やりもせぬものをなぜ書いてあるか、こういうこともちよつと聞いておきたいのであります。
○白根政府委員 おつしやるように、現在の貨幣価値からいいますと、五千円というのはもう無価値でございます。ただ沿革的に申しますと……。
○吉田(賢)委員 沿革はいいですから結論だけを……。
○白根政府委員 結論としては、これはなければなくてもいいと思います。
○吉田(賢)委員 五千円というのは実は葬式代にもならぬ。どんな安いところで安直にやつてもらいましても、五千円でできるものではありません。それを、生命保険の五千円というものを堂々と政府の看板に出して行くことはいかがか。これは要するにこういう数字の立て方というものに再検討を要するという一つの根拠があつて質問をしておるのであります。実用的でなく、これはあつてもなくてもいい数字としてあるようでありますから、そういうものが麗々しくあるということ自体に数字の健全性がない、こう思うのであります。五千円の加入者がないのなら、そんなものは盲腸のように切つてしまつたらどうか、こう思うのであります。そうして日本人の普通の生活から見て、生命をかけた保険の給付を求める金額は、常識的に何ほどが最低妥当であるか、あるいは貧乏人は五千円でもよかろうというような考え方があつたらたいへんであります。そういうことで、局長はどうも実用的の数字でないような御趣旨であるのでありますから、なおさらこれを検討を要するのじやないか。それから年金も三千円ということになつておりますが、私のは古い資料であるかもわかりません。これはどうなのです。
○白根政府委員 現在におきましても、おつしやるように三千円最低であります。
○飯塚政府委員 ただいま吉田委員の御指摘まことに同感であります。大体簡易保険の問題は、最初は保険料が最低十銭単位で始まつて、終戦後今度は保険料でなく保険金が五千円ということになりました点も、盲腸のようなものとおつしやれば、なるほどそういうような感じもいたしますので、これも先ほど大臣と相談して制度上あるいは法制上、かえ得るものはかえるようにという御趣旨に従つて、将来保険最高限度の引上げ等の問題もございまするし、それらをあわせて考えてこの問題を解決したいと思つております。
○吉田(賢)委員 そこで最高限度の問題に一応入つておきます。これはきようは総括的な意味におきまして——詳しくはまた追つて質疑を続けたいと思いますが、最高限度が保険において八万円、また年金において十二万ということになつておるのでありますが、この面におきまして一体まだ機が熟していないのかも存じませんけれども、しかし日夜保険の事業、年金の事業について苦心をなさつてこれと取組んでおやりになつております局長等におきまして、かくなければならぬ形の数字というものがおありであろうと思うのであります。これはそこまではつきりとおつしやることが困難であれば、私どもの方から少し申し上げるのがいいかもわかりませんが、一体物価指数から考えてみましても、今日の物価指数は大体において通常は戦前の三百倍ともいわれ、あるいは九年、十年ごろの三百五十倍ともいわれておりますが、たとえばこれは簡単な資料でありますので、詳細な資料に基いておりませんから、そのつもりでお聞き願つたらと思うのでありますが、昭和十年ないし十一年ごろの保険金四百五十円でありました最高限度は、二十八年の東京都における卸売物価指数を三百五十二倍といたしますと、十五万八千円ということに相なるわけであります。こういう数字から見まして、あるいはまた昭和二十年の同趣旨における物価指数から見ますと、二十八年は大体二十年に比較して百倍ということになりますが、そういたしますと、これはまた二十万円という数字が結論的に出るわけであります。いくら少くとも十五、六万円ないし二十万円というのが物価指数から見る数字でないかと思うのであります。もつともこれももつと広い視野から、精細な検討の数字を私も出すことにいたしますけれども、いずれにしましても今日最高額八万円の限度というものは少くとも相当な引上げということは、これは常識上当然でないだろうか。たとえば物価が上つておるにかかわらず、安い金額の仕事に高い報酬を払わねばならぬ人間をたくさんに使つているということが、およそ経済の原則から見ましても、経理の数学から考えましても、実に人間の浪費であります。でありますから、そういう観点からいたしましても、それぞれ給与の引上げもあり、物価の高くなつておる面から考えましても、相当な引上げがなされなくちやならぬものではないか。察するに内部的なこういう数字の検討というものは、私よりもくろうとのあなた方はとくと御承知と思います。こういうことの実現しないのは、その他の社会的な外部的な原因に由来しておるのじやないかと想像をたくましゆうするわけであります。きようは大臣が見えておりませんから、あなたも大臣をさしおいていろいろなことを言うのはおつらい立場でもあろうかと思います。だからそこはお察ししておきますが、しかし何か輪郭だけでもおつしやつて、次へ議論が展開するように、あなた自身は事務当局であるとはいえ、やはり土性骨をしやんとして、こういう問題と取組んでおられるものとわれわれは確信しております。今の繊維課税のごとく、ふらふらへつぴり腰でこんな問題と取組んで、何かの圧力が加わるとまた出したり、ひつ込めたり、三転四転して雲散霧消してしまつたらたいへんですから、そういうことのないようにしてもらいたいと思いますが、何か輪郭だけはここで線の太いところを通しておきなさつて、爾余本格的な質疑応答は、大臣と大蔵当局も呼んでやらなければならぬと思いますので、序の口で何か述べていただきたいと思います。
○飯塚政府委員 吉田委員に申し上げますけれども、ただいまのお言葉の裏から考えて、事務当局が申し上げるよりもわれわれの総合した意見を申し上げて、この次から詳細に御質疑をいただいた方がよろしいと思いまして、私からお答え申し上げます。 大臣は、現在の最高額ではとうてい保険としての価値がないと申しますか、必ず最高限度を引上げなければならぬというお考えを持つておられますし、参議院の委員会等においてもこの点ははつきりと御答弁なさつております。また大臣も、最高限度引上げに関しましては、皆さんと同様の、あるいは少しぐらいは違うかもしれませんけれども、その問題と取組んで、引上げて行きたいという気持を持つて今日までやつて来ております。また現在でもいかにして引上げをするかという点を考えておるのであります。また事務当局としても、現在の八万円ではだめだということを考えておりますから、ただいまあなたの御指摘なさつたように、大臣あるいは大蔵当局の御出席を求めて、民保との関係もいろいろ検討の上で、最も妥当なるわれわれの考えをはつきりと打出して、しかもはつきりとこの国会においてやり得るような態勢を整えたいとわれわれも思つておりますが、各位におきましてもわれわれの及ばざるところを十分に御鞭撻賜わらんことを、まず序の品としてお願い申し上げておく次第であります。
○吉田(賢)委員 この問題はひとつ大蔵大臣、それから郵政大臣とともに同時に御出席を願いまして、そうして政府と扞格しない意見を当委員会において出してもらう、こういう趣旨で審議をするという行き方か最も効果的てはないかと思いますので、ひとつ各派ともに全部出席いたしまして、集中的に審議するように格段の御配慮をお願いしたいと思います。 それからこれに関連しまして、もう議論になつておるのかどうか、私もよくわかりませんが、年金関係の方はあまり議論しておらぬのですが、その点はどうですか。
○白根政府委員 年金の最高限は、おつしやいますように、十二万円になつております。これは毎年十二万円ほどお払いすることになつておるのでありまして、ただいまのところその方の最高限を引上げるということは、実際の募集状況から見ましてそこまでのところ行つてないのであります。むしろ保険の方について力点を置いております。
○田中委員長 先ほど吉田委員から委員長に要請のありました簡易保険年金に関する各般の資料、特に先ほど吉田委員の質疑に対して白根局長から答弁せられましたように、二十三年に始まつて、去年満期の保険等が二十九年度で相当の収入減も予想されるというような関係と、ただいま吉田委員から、特に各委員のこれは一致した意見でありますけれども、保険契約高の引上げについての要望もあるので、その点について業務運営上そういう状況にあることを裏づけできるような関係の資料を、できるだけわかりよいように整理されて、生のままでなく、ひとつ御提出を願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 民営の保険につきましてやはりわれわれの参考にしたいと思いますから、あわせてできるだけお集めの上御提出願いたいと思います。
○田中委員長 特に民保の関係につきましては、本日銀行局長ないし保険課長を本委員会に御出席願うように連絡いたしたのであります。局長、課長ともにやむを得ぬ事情で出られないということでありますから、先ほど吉田委員の要請もありましたので、次回の委員会は来週火曜日にしまして、本日からあらかじめ連絡いたしておいて、大蔵大臣、銀行局長等も本委員会に御出席を願うことにいたします。各派の委員諸君も努めて火曜日の委員会には、午後一時から開会いたしますから、御出席を願いたいと思います。 本日はこの程度にいたしまして散会いたします。 午後零時十八分散会