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19回国会衆議院1953/12/11

郵政委員会 第2号

発言数
67
登壇者
14
会派数
3
開催日
1953/12/11

会議録

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  郵政行政の近況について政府当局より大体の説明を聴取してから、質疑を許したいと思いますが、去る第十八回国会において郵政大臣より郵政行政の近況について説明を聴取してから、いまだ十日くらいしか経過しておりませんので、本日はその後の郵政行政の近況について説明を伺つて、その後に質疑を行いたいと思います。政府側におきましては、特に二十九年度の予算案及びこれに関連した二十九年度中における郵政行政の重要な諸問題について、簡潔にそれぞれ御説明を願いたいと思います。飯塚郵政政務次官。

飯塚定輔自由党郵政政務次官

○飯塚政府委員 ただいま委員長からお話がありましたように、第十八国会が終りましてから間もないことでございまするし、また十八臨時国会におきまして大臣から所管事項に対しての説明は申し上げておるのでございますが、その後まだ旬日を出ないような期間でありますので、郵政の情勢についてはほとんどその変化がないのであります。  ただ前国会におきましては、皆さんの御協力によりまして、公労法の適用を受ける郵政諸君に対する仲裁裁定については国会において議決がなされまして、明年一月から仲裁裁定を実施すけることとなつたのでございます。また年末手当等につきましても、皆さんの御協力によりまして年末に際しては、一般公務員と同額の手当を十二月十五日に支給することとなり、さらに年末年始の繁忙事務についても適切な処置を講ずる、また今後とも両者協力して業績の向上による給与改善を見ることもできるようになりましたことは、皆さんの御協力によりましたことと心からお礼を申し上げる次第でございます。  この期末手当の問題あるいはベース・アツプによつて、新聞等にはいろいろと郵便料金の値上げに関しても報道されておりましたが、現在のところは今年度内の郵便料金の値上げということについては、考えておらないのでございます。しかし明年度からの経理上から考えまして、明年度の予算が決定しました場合にはあるいは第一種、第二種以外の料金について値上げをするということにもなり得る可能性もあるやに考えておりますが、これは明年度の予算と考えあわせてみなければ、ただいまのところはつきりとそれを申し上げることもでき得ないのであります。  また国家資金の調達という点から考えまして、郵便貯金の増額と申しますか、これらの点もいろいろ要請されておるような状態でありますので、明年度は国家資金の収集という意味から、郵便貯金を相当多く考えられておるのであります。  また簡易生命保険の積立金の問題も増額を考えられておりますので、あるいは保険の最高制限額の増額ということも、国会の内部においてもお話が出ておるような次第でありますけれども、しかし、これらの問題につきましては、まだ当局としては案も固まつておりませんし、予算とにらみ合せてすべてを考えるつもりでおりますが、大体明年度の予算の編成ということが現在の郵政省内における一番の問題でございます。  また先般来いろいろとお骨折りをいただいておりました断続勤務等による人員の増加という問題も、来年度から起つて来ることと思います。  きわめて簡単でありまして、一般の郵政行政についての説明ということには足り得ないのでありますけれども、概略右ようの現況だけを申し上げた次第であります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 なおただいまお見えの各局長は、小野貯金局長・白根保険局長、中村経理局長、八藤人事部長、佐方経理局主計課長、中山建築部長の、各局部長が見えておるわけでありますが、各局部長から所管のことについて、特に今国会で問題になるようなことについて、簡潔に御報告願つてから、委員諸君の質疑に入りたいと思います。  まず貯金局の関係から、小野貯金局長。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野説明員 郵便貯金の最近の現状につきましては、去る臨時国会で補正予算に計上されました通り、今年度の郵便貯金増強目標を年度当初七百二十億でありましたが、これを八十億さらにふやしまして、結局今年度内に八百億の純増を上げるという計画に相なつております。これの見通し、現状等について簡単に申し上げますと、ごく最近におきまして郵便貯金の増加実績が四百九十億円、約五百億円ということに相なつております。なお八百億目標を完全に年度内に達成するといたしますと、さらに三百億余り増強いたさなければならないのでありますが、まあ月の数で計算しますと、現在わずか五百億見当であり、八百億の目標もなかなか至難なように見受けられますが、ここ数年の例といたしまして十二月、一月の伸びが非常によろしいわけであります。昨年に例をとりましても、正月一月で百七十億ふえて参つております。四月以降月々の本年度実績を前年の同期と比べますと、大体二割強の増強になつております。月別にはいろいろでこぼこはありますが、大体に申しまして大勢はそういうような状況に放つております。従いまして今年度における来月、正月一月における実績も、前年百七十億行つておりますので、私どもの予想といたしましてはざつと二百億見当は一月に行くのではないか、かように考えております。十二月はこれもまた例年いい月でございます。ここでやはり五、六十億ぐらいは考え得るのではなかろうか。二月はかなり伸びる月であります。ただ三月が例年ほとんど増加しておらないのでありまして、増加いたしましてもごくわずかでありますが、三億から四億ぐらい赤になるというような情勢にもありますので、三月は全然当てにできませんが、十二月、一月、二月、この三箇月におきまして、しかも例年見る各月のうちでは飛び抜けて成績のいいような状況にあります。加うるに八百億目標がふえましても、それに所要な手当予算等につきましては、われわれの考えております必要な金は全部お認め願えましたので、今年度八百億、あまり楽観はできませんが、とうてい相談にならない目標とは現在言い切れないわけであります。多分それに近く、あるいは完全に達成し得るのではないか。非常に努力いたしまして、ぜひ目標を達成いたしたい、かように考えております。来年度の予算についてはまだ全然固まつておりません。そういうわけで、その全貌につきましてまだいかんとも御説明申し上げかねるのでありますが、事目標の点についてみますと、本年度八百億でございますが、来年度は大体——これもまだ固まつたものではございませんが、八百五十億から九百億、この見当で進んでおるような状況でございます。  今国会に提出を予想しております法律案について簡単に申し上げますと、まず郵便振替貯金法の一部改正法律案の一部改正法律案を御害議願いたい、かように考えておるわけであります。まだこの内容につきましてははつきり固まつてはおりませんが、現在予想しております内容は、振替貯金につきまして各種の通知をする場合に、電信にかわつて電話による通話の取話いを開始したい、かように考えております。現在の電話利用の点は法文の上にないのでございまして、すべて電信によつて処理する。従つて電報料金を徴収するようになつておるわけでありますが、この利用の対象としましては小切手の扱いでございます。この小切手扱いにつきまして、はたしてそれだけの預金があるかどうか、これを実は照会するわけでありますが、大体電信によることが建前になつております。しかし小切手の扱いが同一市内が多いわけでありまして、現実には電話を利用する場合が非常に便利でもありますし、また多いわけであります。そういつた点が漏れておりますので、はつきり電話で扱うことができる。その場合電話の通話料を徴収し得るような方面に改正をいたしたいのであります。  いま一つ、振替貯金法で重要な改正といたしましては、料金関係、現在非常に振替料金は安くなつております。現在物価の倍数からいたしましても、いろいろなものの物価の中で一番安い方に数えられておるわけであります。この状況を改善いたしませんと、振替貯金のコストはずいぶんひどく割つておるわけでありますので、その面について納得していただける程度に引上げをいたしたいと考えておる次第であります。  次には郵便為替法の一部を改正する法律案でありますが、これは条約に料金の範囲が規定されておらない、外国郵便為替に対する料金につきまして、省令できめ得るような根拠規定を一項目挿入いたしたい、かように考えております。  それと奄美大島の復帰に伴いまして、所要の法律改正を考えておるような次第でございます。  次に条約の関係につきましては、わが国とアメリカ合衆国との間の国際郵便為替の条約が非常に古いものでありまして、これを改正すべくアメリカ当局と話を進めております。そういつた関係でこの条約案について本国会に提出いたしたい、かように考えておる次第であります。  以上非常に簡単でございますが、郵便貯金の関係の現状を御説明申し上げた次第であります。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 次に白根保険局長。なお御説明願うときに、行政機構改革の問題に関連した問題もあれば、つけ加えていただきたいと思います。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根説明員 保険の現状を御説明申上上げます。  本年度の簡易保険及び郵便年金の資金計画の予算では、四百五億でありましたが、その後資金の入り方も相当上つて参りまして増加いたしまして、ただいまのところでは四百三十億を目安にして、資金計画を立てておるわけでございますが、その後募集状況、維持状況も好転いたしまして、まあ一月、三月の伸びぐあいも考えなければなりませんけれども、大体十億増の四百四十億円程度は確保できるのではないか、かように存じております。来年度につきましては、風水害の影響もございますし、また簡易保険の最高制限額が八万円というような現状もございまして、相当困難とは思いますが、われわれといたしましては四百五十億円程度は何とかできるのじやないかという考え方をもつて、ただいま推進いたしておる次第でございます。  なお運用の問題につきましては、初年度のことでございまして、はたして円滑に行くか行かないかということにつきまして、われわれといたしましては非常に心配しておつたわけでございますが、現状について御説明申し上げますと、この一部は第十七回国会におきまして中間御報告申し上げたのであります。その後の状況を申し上げますと、長期資金につきましては、一般補助事業が六十一億二千万円、義務教育施設二十五億円、合計八十六億二千万円の融通を承認いたしましたので、以前に承認いたしました七十一億円と合算いたしまして百五十七億二千万円、これは本年度地方債融通原資百九十億円の八三%に当つております。そのうちに資金の交付を了したものは十一月末日現在で十七億円でございます。短期融通につきましては、十一月末現在で延件数といたしまして三千四百四十一件、金額といたしまして百七億円に達しておりますが、そのうち償還になりましたものを控除いたしますと、十一月末現在で五十一億円となつております。これが貸付現在額でございます。御承知の通り本年度は災害の発生、本予算成立の遅延等の理由によりまして、地方財政は相当逼迫して参りましたが、以上申し上げましたように、簡保の短期融通が果した地方財政における調整の役割も、相当なものがあつたのではないかと存ずるわけであります。しかしながら本年度は何しろ初めてのことでございまして、さぞかし地方の方々には御不便をかけた面も多々あろうかと存ずるわけでございますが、私どもといたしましては、できるだけ適切に迅速にこの運用をして行きたいと存ずる次第でございます。来年度は御承知のように本年度と違いまして、新規積立金の全額を郵政省で融資することに相なりますので、ほぼ四百五十億程度は少くとも来年度融資の原資になり得るのではないか、かように存じておるわけであります。  なお今国会に御提案申し上げる法律案の点についてでございますが、この点につきまして私どもといたしまして一番関心を持つておるのは、最高制限額の引上げの問題でございます。この点につきましては先ほど政務次官からおつしやつた通りでございまして、現状といたしましては私どもとしてどの程度上げるかというような問題につきまして、研究はいたしております。できればこの国会というように事務当局としては期待を持つておりますが、これにつきましては関係各省の問題もございますし、政府のお考えもございまして、ただいま提出するかしないか、その内容はどうかということにつきましては未決定の状態でございます。はなはだ簡単でございますが、御報告申し上げます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 伝えられる機構改革の問題については、保険局は関係ございませんか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根説明員 保険局といたしましては、機構改革についてはお聞き及びしておる面からいたしますと、ただいまのところは関係はないようでございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 それでは次に中山建築部長。

中山広吉郵政技官(大臣官房建築部長)

○中山説明員 二十八年度の建築関係の実施の状況について、簡単に御説明申し上げます。  建設勘定関係につきましては、本年度の建設勘定予算額は前年度より繰越しの分が約三億ございまして、本年度成立の分が二十五億数千万円でありまして、これらを合せまして約二十八億円でございます。このほかに本年度において、私どもの方の仕事は大きな仕事で、年度にまたがるものがございますので、契約だけは大きな金でしておりまして、本年度は実際その金はいらないという国庫債務負担行為の金額もございまして、二十九年度分が十八億円、三十年度の分が二億九千万円、約三億円ばかりございます。合せまして二十一億数千万円になつております。その内容を申し上げますと、土地買収が二百四十八件、建物の買収が十四件、局舎の建設、これは郵便局その他いろいろのものがありましで、大小とりまぜて四百四十一件となつております。そのほかいろいろ改造する暖房の工事とか、電話の架設なども目下実施中であります。  損益勘定について申し上げますと、本年度の土地建物の借料は約五億一千万円となつております。各所修繕費が約七億円になつておりまして、合計しまして十二億数千万円となつて、これも目下実行中でございます。  来年度におきまするおもなる建設としましては、郵便局舎を三十数局、その他貯金の庁舎あるいは病院、その他職員の訓練所とか、こまかい数十種類のものがたくさんございますが、その詳細は省略させていただきます。  次にただいま委員長からお話のありました機構の問題について簡単に申し上げおきます。われわれとして今後機構がどうなるか、詳細には存じませんが、いろいろ新聞に出たものその他によつてうかがいますと、私どもの方の建築部をよそへ統合する、こういうような話を承つておりますが、これにつきましては、私どもとしましては現在技術者として四百八名、全国に本省、地方を通じておりますが、これらがまつたくフルに働いておりまして、他官庁に比べてその能率は非常に上つておるという自信がございますし、計数の上からもそれが出ておりますが、そういうような郵政事業と不可分な建設をよそへ持つて行きますと、これは明らかに事業と一体になつてやつております仕事でございますので、この事業上の建設の遅れることによりまして、事業に影響するところが非常に多いと考えられます。そしてもし国家として他の重大なる建設があるとしまして、これに応援するんだという建前から、承知の上で郵政の仕事の成績を落すことを覚悟いたしましたとしても、その非常に大逆な犠牲において、わずか四百人でございますから、これが余力をさいてやるにしましても、他を応援する部分は非常にささいなもので、むしろ事業上の連絡とか、現在私どもの方は、事業局あるいはその他の部局と計画も一緒になつて立てておりますし、設計の途中、あるいは施工の途中でも、事業の方がタツチしてこれを建設しておりますので、こういうことがまつたくできなくなりますし、ことに地方からのいろいろの局舎、難局を例にとりますと六百七十八局ありますが、そのうちで本建築となつておりますものはわずかに百数十局でございまして、その他の五百何十というものは非常に古い明治時代の建物もあるくらい、あるいは木造でありましても非常に狭隘で、従業員の講習にも非常に不便を感じておるのが大部分でありまして、今後この五百数十を早急に建設しなければならないわけでありまして、これらの点、各地方の地元からいろいろ陳情がありますのもまつたくこのためでありまして、これらの陳情のたびに解決するのにも、いつも事業局と建設局の私の方とが一体となつてそれを聞いて、そこで解決するのでありまして、これらの点からいいましてもこれが別な省にまたがりますと、来た人が一ぺんでそこで話を聞いて帰るわけにも行きませんし、これらの点から一般の人たちに及ぼす影響もずいぶん大きいものだと思いますので、こういう観点から考えましても、私どもはよそへわれわれの方の建築部門を持つて行くことはいろいろな面において不経済で、行政改革の根本精神にまつたく相反するものだ、こう存じております。以上簡単に申し上げます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 次に八藤人事部長。

八藤東禧郵政事務官(大臣官房人事部長)

○八藤説明員 郵政省の人事部関係の所管事項について御説明申し上げます。  劈頭、先般来裁定の実施並びに年末手当等に関しまして、当委員会の一方ならぬ御鞭撻並びに御指導をいただきまして、おかげさまをもちまして年末に関します全逓の団体交渉の妥結を見ました。折から年末の最繁忙期に際しまして、事業の円滑なる運行を確保することができましたことに対して、その御審議にこたえることができるように相なりましたことを、まことにありがたく御礼申し上げる次第であります。なお昨日かう全電波が両三度の交渉の後、本省においてすわり込みに入つております。御承知のようにこれは一般国家公務員のグループに属しておるのでございまして、現業関係の職員に対する年末手当の処置につきまして、これらと対比して一般国家公務員のグループに属するものの年末手当に関して、政府の善処方を要求しての闘争でございます。これはひとり郵政省だけの問題でございませんで、一般公務員全般の問題でございます。これを遺憾といたしまして、いろいろと政府部内においても考究はいたしておるのでございますが、ただいまのところその解決に至つておりません。  郵政省といたしまして人事関係で今後当面します大きな問題の第一は、先般来当委員会の国政調査の結論といたしまして、強力に御要望になつておられました適用職員と非適用職員との給与のアンバランスの問題でございます。先般も羽田委員からの御質問によりまして、人事院勧告の実施と裁定実施とによりまして、若干のアンバランスの幅は今までよりは狭まつたかもしれぬけれどもという御報告しかできなかつたのであります。しかしながら当委員会においても私どもに対して、いろいろと貴重なサゼスチヨンを与えていただいたわけでございますが、現在におきまして行政管理庁を中心として五現業官庁が国営企業の職員、通称現業職員といつておりますが、現業職員に対しましても何らかこの際において各種の身分法規とか、あるいは給与体系とか、何らか一つの改善の歩を一歩進めようじやないかということで、寄り寄りすでにたびたび会合を開いておる次第でございます。その中におきまして適用職員と非適用職員との給与の問題を、立法的手段をもつて解決いたしたいという方向が高まつて参つておりまして、それがいよいよ立案になりますのははたしていつごろになるか、まだ見当がついておらぬのでありますが、現在におきましてもいろいろ協議いたしまして、ひとり郵政省だけのことになりますか、あるいは各五現業官庁共通の問題でありますか、いずれにいたしましてもできるだけ早い機会に国会の御審議を仰ぎたいというふうな心づもりで考究いたしております。  なおそれに関連いたしまして、郵政省現業職員の身分法規等につきましての改正、この点もいろいろと考えられております。ただいまにおきまして御承知のように公共企業体等労働関係法によつて禁止されておるのでございますが、はたして現在の法規関係でもつて完全であるかどうかという点につきましては、組合職員側もまた私ども管理の衝に当つておる者も、ともども実際の運営にあたつて問題を持つております。これをいかようにして行くか、たとえば公共企業体等労働関係法改正法律案という形において何らかの進歩をはかつて行くか、あるいは現業職員に関する特例法というような、ちようど教育公務員あるいは外務公務員に特例法が公務員法にはできておるのでありますが、これらの現業職員につきましての一括した特例法の制定の形をもつて改善をはかるか、その五現業体大同小異と申しますもののそれぞれ特殊性があるとすれば、郵政職員については郵政職員の身分に関する特例法の形で行くか、いろいろな形がありますが、場合によりましては人事院関係等の改正によりまして、若干経過的のことはできるのでありますが、さような方法も講じたい、かような四つの方法についているく行政官庁を中心として現在研究中でございます。その内容といたしますれば、たとえば身分、採用、職階あるいは政治活動、いろいろな問題があるわけでございます。ただいま鋭意研究中でございます。なお定員法というものははたして私どものような現業官庁の職員の員数を規律いたします形として適当なものであるかどうか、これもかねがね当委員会において諸先生方からいろいろと御論議に付せられているところであります。私どもといたしましてもこの際ひとつ定員法の中から、私ども現業官庁の現業職員というものは落すべきものでなかろうかというふうな方向について、やや具体的に固まりつつあるのでございます。何せこれもいろいろと予算関係等にも問題がございまするし、にわかにまだ結論には達しておらないのでございます。これも郵政省職員だけになるか、あるいは他の四現業とともども一緒にして考えることがいいか、これも必ずしも遷延を許さない問題でございまして、急速に何らかの具体的結論をもつて御審議仰ぐようにいたしたい、かように存ずる次第でございます。  なお先般閉会中にかかわらず当委員会におきまして小委員会を設けていただきまして、たびたび実地調査等も煩わしておりましたところの断続勤務関係が、その後労働省より大体かような考えで行くぞというような書面を頂戴いたしまして、それを中心といたしまして目下労働省と私の方とはいかようにこれを細目に持つて行くかということについても、緊急協議中でございます。これらは半面、定員にも関係することでございまして、予算にも若干関係することでありますし、これも取急いでそれらのことについて労働省と私どもの方の細目にわたる意見の一致を見まして、当委員会にあらためて御報告を申し上げたい、かように存ずる次第でございます。  大体におきまして当面のおもな郵政省の人事関係におきます点について、ここに御報告を申し上げました。行政機構関係につきましては、人事部関係におきましては別段ございません。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 次中村経理局長。

中村俊一郵政事務官(経理局長)

○中村説明員 経理局関係につきましては、二十八年度予算の執行につきまして前臨時国会でいろいろ御審議を煩わしましたベース・アップの問題、それから仲裁裁定の実施問題、期末手当等の問題の実施が現在進行しているわけでございますが、期末手当につきましては、公企労法適用職員に対しては一般公務員の線を下らないようにというわけで、これの厳守につきましてはいわゆる業績賞与と申しますか、予算総則による弾力条項の適用によつて処理する、なお年末時の繁忙に関する適切な処置につきましては、これらも特別の予算措置をするわけでございませんので、現在成立いたしております二十八年度予算の給与総額の中に成立しておりますものを、事業の実態に即応して処置する、こういうことに相なつております。なお団体交渉妥結の第三項でありますところの今後両者が業績の向上に協力して、そうして待遇の改善に努力するということにつきましては、これは将来の問題でありまして、二十八年度中における増収あるいは節約に一段と両者協力して、努力をしてその結果というものが現われまするならば、それによつて処置が行われるということになりますので、さしむき今のところ予算的な問題はその面ではないわけであります。  二十九年度の予算につきましては、先ほど政務次官からお述べになりましたように、まつたくまだ決定を見ておるものがございません。なお各事業部局からいろいろ御説明がありましたような事柄が固まりまして、それによつて具体的な計数が出て参りますと、これが二十九年度予算として、経費を要するものは経費を要するものとして二十九年度予算に組まれるわけであります。そういつたような事業部局の各施策というものが決定を見ません現在におきましては、われわれ経理局といたしましてもその計数の整理のしようがないのでありまして、もうしばらく時期を見ませんければ、的確なる御報告を申し上げることはできないのが現状であります。ただ申し上げられますことは、国家財政の現状等からいたしまして、何と申しましても郵政会計は御承知のように人件費会計でございまして、七〇%以上が人件費でありますので、本年度の二十八年度に一部実施いたしましたところの仲裁裁定あるいは人事院勧告の実施、期末手当といつたようなものが、二十九年度予算までそのまま引延ばされれば相当の影響を及ぼすということ、並びに現在各事業関係の現状の施設を少くとも維持して行く、この点が予算の主要な内容になろうかと思います。新規の事項につきましては、各事業部局でそれぞれ計画をいたしておりまする法案の提出等に伴いまして、それが新規として上つて参るのでございまして、このことにつきましては、先ほど申し上げたように現在何ら見通しがはつきり立たないのでございます。そういう程度でございまして、たいへん漠然といたしておりますが、二十九年度につきましては、現在のところその程度以上に御説明申し上げることはないかと思つております。  なお行政機構の改革の問題につきましては、私どもいまだ何ら行政管理庁から正式に通達を受けておるわけではございませんし、新聞紙等によつてその真偽を疑いながらも承知しておる程度であります。経理局がなくなるとかどうするとかいつたようなことは、現在のところないのではないかと思つております。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 以上で各局部長からの概括的な御説明を伺つたわけであります。この際この説明に対して若干の質疑を行つていただきたいと思います。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 二、三御質疑を申し上げたいと思います。まず経理局長に伺いますが、このたびの仲裁裁定あるいは期末手当その他のベース・アップ等を含めまして、要するに給与改善によりまして、大体の数字としては郵政職員にはどのくらいの割合の給与が上昇したことになるのでしようか、そこをひとつ概略でけつこうですから、その率をお示し願いたいと思います。

中村俊一郵政事務官(経理局長)

○中村説明員 経理局長にというお話でございましたが、給与の関係になりますので、人事部長からお答え申し上げる方が適切かと思います。

八藤東禧郵政事務官(大臣官房人事部長)

○八藤説明員 私の方の公労法適用者、御承知おきの仲裁案が一月一日から実施になります。これはいよいよ私の方と職員側とが交渉委員会を持ちまして、この平均ベース・アップというものの約一〇%でございますが、この配分につきまして新俸給表の団体交渉が始められております。これができるならば年内にこの団体交渉がまとまりまして、一月から実施いたしたいと思つております。その俸給表によりまして一律に行くものであるか、あるいは何かたとえば過去におきまして中だるみ的な気持がございました。それなんかも大体先般の体系是正で直つております。それから最低賃金をどこへ持つて行くかというようなことにつきまして今後折衝に入ることになりまして、組合側もただいましきりと具体案を練つておるようであります。私たちの方もその具体案について検討を始めております。まだ両者ともそれぞれの立場におきまする結論には到達いたしておりませんが、結論に到達いたしましてからまた両者で団体交渉が始められる、かようなことになつておりまして、先般のあのベース・アップによる配分の問題は決定いたしておりません。  なお公労法適用以外の電波庁職員並びに郵政特別会計所属の適用外職員につきましては、人事院勧告のある線によりまして、これは政府が統一して決定いたしますところの俸給表でございまして、それでもつて先般御審議になりました一般国家公務員の給与法の改正法律によつて決定される、かようなことになろうかと思つております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私が知りたいのは、このたびのたとえば仲裁裁定の完全実施にいたしましても、ないしは一月からの実施にいたしましても、その他の給与改善にいたしましても、結局は従業員、職員の生活の上にどういうふうに響くか、これがわれわれとしましては究極の関心事なのであります。もし何がしかの給与が引上つたといたしましても、現実において支出増ということになるならば、結局においてさらに生活費が増す、こういうことになりますので、将来のことに属するものが相当ありますけれども、しかし政府当局といたしましては、これらの職員なり組合なりが求めておるところは生活の安定なんですから、支出増というようなことになるとすれば何をして騒いだかわからぬと思います。やはり大局から見て、この問題はつかんでおかねばならぬ非常に大事な点だろうと思います。そこで政府側の考えておるところによればこうなる、あるいは組合側で言うならばこうなるとか、ないしは大体この辺が妥当である、割合をどのくらいにする必要があるとか、このくらいにしたところが結局それは支出増になつたらマイナスになるというような点は、やはり的確につかんでおかなければ、数字だけをお互いがいじくり合つておつても何にもならぬことでありますので、国民の生活の面から見ましたならば非常に大事な点であります。それでお尋ねするのでありますが、ただちに御答弁が願えませんでしたら、他のことに移りまして、少し時間を置いて御答弁願つてもけつこうでありますが、大体の線はぜひともつかまなければならぬ非常に重要な問題であります。

佐方信博郵政事務官(経理局主計課長)

○佐方説明員 お答え申し上げますが、個人当りにどれくらい上るかということは、今後の団体交渉できまるわけであります。予算的に考えますと、いわゆる非組合員は一一%、それから組合員は一二%くらい上つて来るという計算であります。これはまつたく予算的な数字でございまして、実際本俸に幾ら持つて行くか、附加給に幾ら持つて行くかは、今後の団体交渉できまることであります。

淺沼稻次郎日本社会党(右)

○淺沼委員 今の質問に関連してお伺いしたいのですが、団体交渉をやつてきまるというが、この間の年末手当に関する団体交渉の結果は出たわけで、それによつて一・二五はきまつた。しかし第三項に、年度内においては支払えないだろう、こういうようなことでありますが、そういたしますと一・二五だけが年末手当として支給されたということになるのでしようか。これはわれわれの聞き及ぶところによりますならば、国鉄においては一・二五のほかに輸送手当として〇・一が出て、そのほかにまた業績が上れば上つただけについて支払う、全体を含めると一・五くらいになるという話を伺つておるのですが、そうすると逓信従業員についてはこれらと一緒にならないで、特に低下されたところにおいて処置されておるかということをお伺いしたいと思うのですが、その点どうなつておるか。

八藤東禧郵政事務官(大臣官房人事部長)

○八藤説明員 国鉄がはたして一・五になつておるかどうかということにつきましては、まだ私たちとして確実なる連絡あるいは情報を得ておりません。私たちの方の決定によりまして、御承知のように三項目の団体協約によつて組合側と妥結いたしまして、現在闘争態勢が解かれている状態でございます。第一項は、ただいま淺沼先生のおつしやいました公務員と同額の一・二五を十二月十五日に支給する。これは私どもの調印の内容によりますと、この中には普通の期末手当、勤勉手当のほかに業績手当を含めるものといたしまして、一・二五を支給する、かようになつております。第二項目は、年末始繁忙事務に対して適切なる処置を講ずる、かような表現を用いております。御承知のように郵便事業は年末も年始も休まずに働いておる次第であります。のみならず一年中で一番物数、取扱数の増加するときであります。これにつきましては毎年その物数を処理する必要なるところの超過勤務または補食費というような施設をやつておるのでありますが、これがもしも毎年通りだけということにいたしますならば、何もあの第二項目にうたう必要はなかつたところでありますが、先般の国会の御議決等の御趣旨にかんがみまして、その際におきましても適切なる処置を講ずるということで、ただいま申し上げました一・二五の手当以外に、極力この趣旨においての適切な処置を講じよう、かようになつておるのであります。しかしそれは年内だけでありますが、私ども仄聞いたしますのに、国鉄のあの協定は年末にそれだけを云々ということではないので、年度末にわたつてまでを含めての云々というふうに聞いております。私どもの方の第三項目がそれと同趣旨でございまして、年度末にわたりますまでの間にさらに業績等が上りました場合におきましては、それをもつて従事員の給与改善に当りたいものだ、これについても今後団体交渉をいたしたい、かように相なる次第であります。

淺沼稻次郎日本社会党(右)

○淺沼委員 国鉄と大体同じだということがそれでわかりました。そこで今度は国家公務員がやはり郵政省関係にはおるのでございまして、国家公務員並に団体交渉権を持つ側に支給される。そうすると同じ郵政省管内におりながら、国家公務員だけは特別に何らの措置が講じられないで一・二五になり、他の従業員は期末手当まで入れて一・五くらいになる。そうするとこれは非常に不平等が起るわけでありますが、今同じ官庁で働いております方々で、ただ立場が団体交渉を有するものと団体交渉を有せざるものとに区別されているだけの話でありますから、当局としてはこの年末にあたつては一般公務員に対しましても、今度は団体交渉権を持つておる側と同じような処置を講ずるという努力が当然行われなければならぬと思うのですが、これは労働委員会においても予算委員会においても、また参議院の委員会においても、正式にそれらの問題について論議が行われておらないようでありますが、一体どういうぐあいに処置されるつもりでありますか。この際承つておきたいと思います。ただ政府では予算的な処置が伴いますとなかなか困難な点もあろうと思いますが、しかし行政処置でものを処するということができるのでありまして、これは各省次官会議あるいは各省関係者が集まりまして、行政処置において同様な処置を講ずるということをやつてしかるべきではなかろうかと存ずるのでありますが、そういうことをやれるものやら、一・二五でぽつきりになるものやら、この際伺つておきたいと思います。

八藤東禧郵政事務官(大臣官房人事部長)

○八藤説明員 お答え申し上げます。淺沼先生のおつしやいます通り、同じ官庁の中におつても公労法を適用する諸君はかような処置になつたが、一般公務員諸君については何らか考えられないものかということは、私どもも同じように非常に苦労しておる次第でありまして、先ほど私が状況説明のときにも申し上げましたが、ただいま郵政省では電波庁の職員が昨日以来すわり込んでおる次第であります。しかし公労法職員に関してのかような処置ができたということは、国会の御審議あるいは御決議等によるのでありまして、業績を上げて業績手当をやる。言いかえれば一種の企業性と申しますか、収入が増加してその範囲内で従事員の勤労に応じて支給するということが、団体交渉で大きな太い線として貫かれておる次第でありますが、片方の一般公務員の方は、いわゆる企業的な形態における勤務でありませんで、業績手当という公労法職員に対して当てはめられた観念は、必ずしも一般公務員の方には当てはまらないのであります。しかし事実としてもそこにアンバランス等があるとしますれば、これはなかなかむずかしい問題でありまし、現に私どもは電波職員に対して非常に苦しんでおるところであります。私ども承つておるところでは、次官会議においてもすでに論議があつたということであります。なお人事院におきます人事審議官会議におきましても、この際一般公務員の方については公務員なら公務員としての立場において考慮されないものかということもいろいろ論議された次第でありますが、ただいまのところその結論につきましては何ら具体的なものはできておらない次第であります。どちらにいたしましても、予算が成立して予算的処置または法律的処置ということは、ただいまのところ当面の急には間に合いかねるということは疑いないところでありまして、これを行政処置でどのように考慮できるかという一点について、今いろいろ努力しておる次第であります。これはひとり郵政省職員ばかりでなく、全部の官庁の公労法の適用のない公務員に対しまして共通の問題でありますので、いろいろ相談し、研究しておる次第であります。

淺沼稻次郎日本社会党(右)

○淺沼委員 よく了承できましたが、業績手当というけれども、年末と年度末を一緒に考えることはどうかと思いますが、他の官庁においてもたまつている仕事を一気呵成に処理するということになるならば、やはり能率が上るということになつて、言葉をかえて申しますれば執務に対する業績が上つたということになるのでありまして、企業であるから業績が上つて、官庁勤めだから業績が上らないということは言葉のあやでありまして、実際は同じことではなかろうかと思うのであります。  それからもう一つお考えを願いたいのは、私は国家公務員の各位というものは二つの面があろうと思うのでありまして、自分で自分を雇つておる主権者たる立場としての者と、それからもう一つは国家の従業員という立場と二つの面を持つておつて、自分で自分の問題を処理しなければならぬというなかなか苦しい立場に立つのでありまするから、それは当然私は行政官庁において、そういう矛盾を解決するための努力というものがなされて来なければほんとうではないと思うのであります。なおかつ今電波の関係の人がすわり込みをやつておるということは、それは自分を使っておる側に対する一つの抵抗でありますし、あるいは政府の処置に対する反抗がそこに現われておると思うのであります。政府自体が、人民からの反抗でなくて、使つておる人たちからの反抗を受けるということになりますならば、これは重大な課題でありまして、このこと自体はもつと真剣に私は政府が取組んで行かなければならない問題であろうと存ずるのであります。今せつかくの努力中だそうでございますから、これは閣議などで出したりいたしまして、表向きはきまるということになりますと、今すぐ予算の問題あるいはいろいろな問題が出て参りまして、むずかしいだろうと思うのでありますが、行政処置はおのずから次官会議等においてもでき得る形だと思う。申合せをすればできることですから、金はないわけではないと思うのであります。そういう手段をとられまして、ひとつびつこにならぬようにお願いいたしておきます。答弁はいりません。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 なおその点について、ただいま人事部長の方でも次官会議等で問題になつておるというお話ですけれども、われわれの聞いておるところでは、本日の次官会議で何らかの具体的な結論が出るように聞いておるのでありますが、支給をするとすれば十五日ももう間近に迫つておることと思いますので、たとえばこれは超勤の繰上げ支給という形で行うのか。あるいは、これは郵政省の方は管理職手当になつておるようでありますが、特別調整額の一−三月分の繰上げ支給という形になるのか、あるいはもつと端的に言えば、予算定員と実定員との現実の開きがあるといたしますならば、その開きに基くものを年度内の予算で操作をするのか。かりに予算的な処置というわく内におきましても何らかの解決策があると思うのですが、具体的に言えば一・二五プラス・アルフアの分についてのことでありますが、まだきようの次官会議等で何か最終的な結論は、各省で処置が一任されるような形になるのではないかと思うのですが、もしお許し願えればその間の点を、ただいまの淺沼委員の御質問に合せてお答えを願いたいと思います。

八藤東禧郵政事務官(大臣官房人事部長)

○八藤説明員 田中委員長のおつしやる通り、まだいろいろな形がありまして、私どもも十分努力をいたしまして、御趣旨のようなものは極力生かすようにして行きたいと思います。決して私、この次官会議の内容等をお隠し申し上げておるのではありません。御承知のように昨日次官会議があつたのでありますが、その際におきまして、まだ何ら具体的なものは聞いておらないということでありまして、私その趣旨を次官会議の直後において伝えられておる次第でありまして、まだ具体的には決定いたしておらないのでございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 重ねてお伺いいたしますが、一般公務員に対する年末手当の支給時期が今月の十五日になつている。その関係で、端的に言えば、今明日中に結論を出していただかないと、超勤等の関係もあろうと思うのでありますが、政務次官、その点についての見通しをお伺いするわけには行きませんか。

飯塚定輔自由党郵政政務次官

○飯塚政府委員 委員長、淺沼委員からの御発言は、郵政職員としては心から感謝を申し上げることと思います。この点につきましては大臣とも先日来話し合つております。また一般公務員として取扱われている電波の職員からは、大臣にはこの院内において一昨日陳情がございましたので、大臣もその点は非常に考慮しておられるのでありますけれども、もし年末手当に対してさらにそういうプラス・アルフアという措置をとるにいたしましても、これは一般の公務員と、また適用職員ともどもに十二月十五日に一・二五は支給されるのでありまして、もしもそのほかのプラスされるものがありましても、これらはその後において支給されるのでありますから、その間に考慮と申しますか、折衝と申しますか、その余地があることと思いますから、極力そういうようにわれわれは努力したいと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 いろいろ伺いたいのですが、もう一点だけ伺つて、なお質疑は保留しておきたいと思います。  総括的な問題なんですが、この二十七年度の郵政特別会計の決算を見ると、約七億円の黒字が出ております。そこで裁定の実施なり、各般の給与の是正等によりまして、相当な支出増がありまするが、多くの企業内容の増収に期待しているようにも見受けられる。しかしこれも限度のあることであります。そこで私は次に来るものが、やはり郵政事業の実情にかんがみまして、財源を行政整理に求めるというふうに行くのではないかということを実は懸念しておるのであります。これはやはり郵政大臣にどうしても伺わなければならぬ大事な点でありますが、究極そこへしわ寄せをするような腹があるのかないのか。今人事部長その他のお話によりましても、全然そこには触れておらずに、実際の予算ないしは経費等をまかなつてしまいたいような御趣旨にも聞くのでありますが、表へは出ておりませんけれども、その含みを持つていろいろお考えになつているのではないだろうかと考えられますので、やはり次の年次ないしは段階において、当然大きな問題として予算に上つて来ることでありますから、この際その点につきましては相当あけすけに事務当局でありましようけれども、可能な範囲におきましてお述べ願いたい。あるいは政務次官も将来そこへぶち当つて行くのかどうかについて、相当論議がなくてはならぬ、そういつたことについて全然懸念なしというような考え方で進んでおられるのかどうか、こういうこともこの機会に方向だけでも明らかにしておく必要があろうと思うのであります。大臣の言明を得ておかなければならぬので、ありますけれども、一応政務次官から伺つておきたいと思います。

飯塚定輔自由党郵政政務次官

○飯塚政府委員 ただいま八藤人事部長が整理の問題はないということを言われたのは、あれは人事部に関することだけだ、そういうつもりで申し上げたのでありまして、各部局長からはそれぞれ担当部局の行政機構の問題をつけ加えて申し上げたのでございますから、人事部関係に対してだけは、行政機構の問題は断じてないということであります。なお省としてはこの行政機構の問題に関しまして、ほんとうをいいますと、実は大臣ともまだ詳細なる折衝というものはできておりません。先般の省議と申しますか、大臣とこの問題について概略を、各局、各部の現状、さらに経理局はどういうふうに持つて行くか、あるいは建築部はどういうふうにして行かなければならないかというようなことを大臣に対して説明の程度で、まだどれをどうするということは、大臣としてまた省議として検討中と申しますか、まだそこまで固まつておらないのでございます。大臣は、御承知のように行政機構の改革をする担当の大臣でもあり、郵政省としての責任者である大臣として、両面からこれを考えなければならないという、いろいろな話合いが出ましたけれども、現在としてはまだそれほど詳しくは、折衝といいますか、省議で決定はしておらないのであります。ただわれわれとしては、先般来各委員の御協力によりまして、断続勤務等による実態の調査、あるいは国政調査による各地方の郵政行政の完全にこれを行い得る定員というもの等も、御検討願つておるのでありますから、皆さんの御調査の結果も十分考えて、行政機構の改革等にも資したいと考えておるのであります。

八藤東禧郵政事務官(大臣官房人事部長)

○八藤説明員 私の言葉が不明瞭で、あるいは誤解があつたかと思いますが、先ほど私が申し上げましたのは・人事部の行政機構に関する行政改革はいたしませんということであります。これだけ申し上げておきます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この問題はなるほど閣議決定がないとか、あるいは表向ききまつておらぬとか、ないしはいろいろな資料を進言しておる段階だとか、そういうお話はよくわかる。しかしながら昨年私が当委員会に席を置きまして以来、たとえば調停の実施にあたつて、いろいろと事業内部から資金を捻出するという方法が相当努力なされた。そうすると、あのときも三十五億円だつたと思いますが、今度裁定実施にあたりまして、年間二十四億円ばかりと思いますが、ちよつと数字が間違つているかわかりませんが、また予算説明書その他大臣の過日の委員会におきまする御説明によりますと、いろいろと内部で捻出する努力が相当されておる、こういうようなことでありまして、これは根本的に考えますると、給与改善等に限らず、やはり郵政特別会計における現在の原則的財政方針というものが、明確に確立しておらぬという疑いがある。やはりそこでたとえば政府として国会に提出いたしました十六条二項による説明書によつて見ましても、仲裁の方の委員会の理由書を引用いたしまして、人件費、今のところ約七〇%、これは昨年度末におきまして、六八%何がしであつたかと私は記憶しておるのであります。従つてこれは経営常識から見て限度である、こういうようなことも書かれておる。これも引用されておるわけであります。そういうようなことでありますので、独立採算制、郵政事業特別会計という一箇の特別会計の自体の考え方が、政府の今までおとりになつておるそれから見ると、結局世間に伝えられるがごとく行政改革、人員整理、行政整理というようなところへ結局持つて行くということに落ちるのじやないだろうかということも、実は考えられるのであります。閣議決定があるとかないとかいうことを聞くのじやなしに、大体郵政省として事務当局の命ぜられる仕事をなさるだけではなしに、積極的な建設的な意見もあろうと思うのでありますが、それが建設的意見かいなやは別といたしまして、ともかくその面について相当活発な御意見がなければならぬと思うのです。全然その辺については関与しない、知らぬ存ぜぬで行くことになるのか、そういう方向へ動いておるのか、その点については大臣・閣議決定たらずとも、委員会に対しては空気くらいはお話になつてしかるべきじやないかと思いますので、重ねて承りたいと思います。

飯塚定輔自由党郵政政務次官

○飯塚政府委員 吉田委員の御意見ごもつともでありますけれども、これは省内の意見をまとめた上で申し上げるのが至当だと思いますが、この点は実際のところ、まだ省内の意見としてまとまつたものを申し上げるところまで固まつてはおらないのであります。また大臣は大臣としてのお考えもございましようし、私としては現在の実際の末端の郵便局等に至るまでの機構を持つておりますので、それを十分に考えてやらなければならぬし、末端まで考えますと、現在の整理によつてはたして減員ができるかどうか、こういうことも相当懸念しております。実際においては、むしろところによつてはむつとふやさなければならないような部面も、郵政を全般的に見た場合には出て来るものではないかということも私は考えておりますので、大臣との折衝の場合には、忌憚なくそういう点を申し述べて、機構改革の問題を実際に取上げる場合には、そういう部面まで話し合つてやりたい、これは私の考えでありますから、つけ加えて申し上げておきます。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 先ほどの局部長の御説明に関連をいたしまして、質問ではありませんが、委員各位並びに当局に御注意を喚起しておきたいと思うのであります。  まず第一は、先般の夏及び秋における国政調査におきまして、第一線の人たちのお話を承りましたときのいろいろなお話の中に、ただいまの問題が幾つも出て参つております。まず簡易保険のわくを広げるという問題については、非常に第一線が熱心でありますから、委員会においても、今度の国政調査の調査事項にもなつておりますが、どうか第一線の要望もあり、またこの簡易保険を公共団体のつなぎ融資に非常によく使われておりまして、便宜をはかつておりますので、こういう点から地方の町村長等からもわくを広げて、大いに便宜をはかつてもらいたいという希望がありますので、わく拡大については熱心に事務当局も推進を願い、われわれも応援をいたしたい、こう思うのであります。  それから行政機構の問題でございますが、建築部が大蔵省に合体をするというような問題につきましては、第一線の方面、ことに先般断続勤務調査のため地方の小さな郵便局を視察して、実情がよくわかつたのでありますが、普通の大蔵省の営繕の技術者で、第一線の郵便局の特殊な業務に適する建築というものは、なかなか困難だと思います。そういう意味において、やはり建築部を郵政省に今のままに存置するようにいたして、局員の厚生の方面から、大衆のためのサービスに便利のいい建築をするというような面からも十分に検討をされまして、大衆奉仕ということに便益をはかるようにすることがしかるべきことではないか、やはり郵政省に現在のまま存置することが必要じやないかということを痛感しておるものであります。  それから人事関係でありますが、特定郵便局長は、特殊なる地方の名望家が相当なつておりまして、こういうような諸君が地方においていわゆる郵政事業を各町村の人たちに理解をしてもらうというような意味からも、また貯金、保険の成績を上げる面からも、市会議員とか町村会議員というような程度に限り、政治活動ができるような方向に進めていただきたいと考えるのであります。  それからこの特定郵便局長が戦時中に翼賛壮年団長その他在郷軍人分会長等になられまして、追放を受けた。そうしてその後に復活をいたしたのでありまするが、復活にあたりましては、前の十年、二十年という経歴は全然無視されて、給与の号俸が非常に低いところで、再び新規採用のような形式で任用されております。こういうような点は、長く郵政事業に奉仕をしておつた諸君に対する給与の待遇の方法ではないと思います。やはり過去における実績年功というものを十分考慮しまして、給与を改訂するというふうな御考慮をいただきたいと思うのであります。  それから現業と非現業のアンバランスの問題については、ただいま人事部長からの御説明もございましたが、大蔵省の事務次官の、前主計局長の河野次官のごときは、自分の方にも印刷局とか、造幣局とかいうようなものをかかえております関係上、非常に熱心でありますから、ひとつ次官会議等に持ち出すなり、あるいは関係次官会議等で大いに推進をいたしまして、一刻もすみやかにアンバランスをなくして、監督者の諸君がその地位と俸給との一致を見て、郵政事業の推進に熱心にやれるような態勢を一日もすみやかにとるように、御高配をいただきたいと思うのであります。  以上私は質問でありませんが、局部長の御説明に関連いたしまして、賢明なる同僚委員各位並びに事務当局に第一線の声を申し述べまして、御参考にいたした次第であります。

八藤東禧郵政事務官(大臣官房人事部長)

○八藤説明員 今羽田委員のおつしやいましたことで、私が今まで申し上げましたことは、この際重ねて申し上げることを省略させていただきます。従つて追放局長に関する問題でございますが、これも当委員会で前に一度御審議に相なつたと思いますが、私どももさような事実のあることを承知しております。これにつきましては、実は戦争被害者一般の問題と関連するということで、たびたび私たちの方も各関係の方面とも過去において折衝したのでございますが、やはり戦争被害の例という全体の動きのバランスの一つとして、これは取扱わざるを得ないというふうな状態になつておりますので、まだ未解決の大きな問題であることを申し上げておきます。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 今八藤人事部長の御答弁がございましたが、追放文官の恩給も復活し、武官は七年間も停止されておりましたが、そういうような軍人恩給も今日ではすでに復活実施されるようになつておりまして、いわゆる官に勤めていた人たちに関する限り、国家の役人、あるいは軍人というものが、そういうような恩典をすでに復活をいたしております。でありますから、一般の民間の戦争被害者の一般問題としてでなく、追放組の郵便局長に対しても、いわゆる官に関係のあるものとして、特別に扱うよう、重ねて十分御高配をいただくように推進していただきたいということを特にお願いいたしておきます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 この際監察局長が見えておりますので、先ほどの各局長の御説明と同様に、主管事項について御説明を伺いたいと考えます。なお、先ほどから委員の質疑にもありましたように、伝えられる機構改革で監察行政の国全体の一元化の問題がございますので、この点についての行政機構改革との関連性について触れていただければ幸いであります。

成松馨郵政事務官(監察局長)

○成松説明員 監察業務の一般について、ごく概略を御説明申し上げたいと思います。  監察業務としてやつております仕事は、事故、犯罪の関係、それから業務監察の関係、大体大別してこの二つになるわけでありますが、犯罪関係についてごく概略を御説明申し上げますと、郵政犯罪全般といたしましては、幸いにいたしまして監察制度が確立されまして以来、だんだんと全体の犯罪件数並びに被害金額、犯罪金額が減少の傾向を示しつつあるのであります。御参考までに本年度の上半期の概況を御説明申し上げますと、犯罪件数全体といたしましては千二百件でございまして、これを御参考までに昭和二十七年度の犯罪件数と比べてみますと、昭和二十七年度の上半期は千三百六十一でありますから、百六十一件の減少を示しておるのであります。犯罪金額といたしましては、二十八年度上半期は三千六百万円でありまして、これも二十七年上半期の五千四百万に比べて非常に減少を示しておるのでございます。内訳といたしましては、郵便、貯金、保険その他共通関係というふうに大別しておりますが、いずれも件数としては総体的に見て比較減少しつつある状態でございます。犯罪件数は千二百件でありまして、大体七〇%くらい検挙しておるのでありますが、その内訳を見ますと、検挙しましたものは九百十二件でありますが、部内者によるものが四百七件、部外者によるものが五百五件というふうになつておりまして、部内者による犯罪も、昭和二十七年上半期に比べますと、四百八十六件に対して四百七件、約八十件ばかり減少しておる、こういう傾向にあるわけでございます。  なお業務考査の関係は、郵便局を見てまわる。私の方で年次考査と称しておりますもの、それから郵政局を見る郵政局考査、その他特別の問題をとらまえまして、ある程度大がかかりに調べてみるという仕方とやつておりますが、郵便局の方の考査は大体五〇%ないし六〇%を今年度の目標としてやつておるのでありまして、今までに三十五・六%まで実施いたしております。その郵便局考査によりまして、業務の正常運行あるいは利用者に対するサービスというような点を、実情を点検いたしまして適宜の指導をはかつていたしておる次第であります。以上、大体私の方の業務のごく大ざつぱな点を御説明申し上げたわけであります。  なお監察機構の問題につきましては、臨時行政改革本部の方でもいろいろ御検討になりまして、大体の内容といたしましては、本省の監察局の制度は監察課にし、地方の監察局は郵政局と一緒にしたらどうかという案のように大体想像されるのでありますが、私どもといたしましても、行政機構をなるべく簡素化するという趣旨は、当面できるだけこの線に沿つて考えるべきことは当然であると思つておるのでありますが、ただ私どもは、郵政事業というものはやはり非常な大きな仕事でもあるし、それから利用者と直接関係がある仕事であり、利用者との関係における事故とか犯罪とかいう点が非常に多いというようね点から見ましても、この監察業務の使命というものは重大であるので、この機能の一層の充実をはかつて行くことは絶対に必要であろう、こう考えておるのであります。従いましてこの監察機能の充実あるいは能率的な活動という面から見まして、郵政局の中に入れる方がいいのか、あるいはまた他の考え方がとられ得るかというようなことを、事務的に検討を進めておる次第でございます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 吉田君、今労働省の労政局長はちよつと所用で出られないのですが、法規課長が見えでおるのですが……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 法規課長でいいです。労働省の公労法の解釈ないしは改正等について、ただいま新聞紙上伝えられておりますが、過日来各委員会等におきましてしばしば論議になつた点でありまするので、この際仲裁裁定、年末手当等の問題が一応の解決をしようというときにあたりまして、将来の方向を明らかにするということは、これはやはり公労法の運用のみならず、従業員諸君の全体の団体行動権その他に関する重要な問題であろうと思いますので、二、三労働省の意のあるところを明らかにしていただきたい、こう思います。  第一に、この公労法の第十六条第一項の、予算上資金上不可能な支出を伴ういかなる協定も政府を拘束しないというあの箇条であります。この箇条につきまして、政府が国会に十六条二項の規定に基いて議決を求めている件の説明等によりますると、その事由といたしまして、予算上支出することが不可能であるということが書かれてあります。郵政大臣等の御説明によりましても、大体同様のことなのであります。ところが法律には明らかに「予算上文は資金上」という二つの字句が書かれております。予算上即資金上ではないと思います。これは文理上、解釈上明瞭であると思います。また予算上のうちに資金上が含まれておるものでもないと思います。これは「又」と書いて明らかになつております。こういうことでありまするので、やはり過般の委員会で議論もあり、ないしは裁判所等にいたしましても、いろいろ判決などによつて見解が示されておるようでございます。過日の当委員会におきまして、大臣が、労働省の方面の意向として御答弁になりましたところの一節に、資金上なる文字は死文である。あつてない無用のものになつたというような意味の御説明がございましたが、やはりわれわれ法律を正直に解釈する者といたしましては、行政当局が無用であるとか死文であるとかいうように簡単に解されることは、まことに重大であります。でありまするので、その点については労働省は、——ことにきようあたりの朝日新聞などに伝えられるところによりましても、公労法の改正の機運が労働省の内部に相当起つているということも伝えられておる折からでありますので、今申しました公労法第十六条第一項の資金についてどういうふうにお考えになつているか、どういうふうに省ではお考えになり、かつまたそれを一つの焦点として、どうにかこれを改正の方向へでもお考えになつているのかどうか、この点についてひとつ御所見を承りたいと思います。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 「予算上又は資金上、不可能」という点につきましての御質問でございますが、仰せのごとく「予算上又は資金上、不可能な」と書いてございますので、これは予算上支出不可能である場合、あるいは予算上は支出可能であつても資金上支出不可能である場合、いずれにおいても政府を拘束するものではない。要するに予算か資金かどつもかの面でひつかかれば政府はそれに拘束されない、文理上こう読むべきであろうと考えます。ところが資金上という面につきましては、公社、公共企業体等の資金は、すべて予算によつてその収支を規定せられておる。従つて事実問題としては、予算上は可能であるが、資金上は不可能であるということはほとんど考えられないわけでございます。極端な例を考えますと、月給を払う金も全然手元になくなつてしまつたというようなことがもし起れば、それはあるいは資金上という点にひつかかることもあるかと考えるのでございますが、いやしくも国の行つている企業が、月給を払う金も全然なくなつたというようなことはほとんど考えられないわけでございます。従つてりくつの上からは、予算上不可能であるか、または資金上不可能であるか、どつちかにひつかかれば公労法第十六条の第一項に該当するというふうに考えられるわけでございますが、実際問題といたしましては、予算上は可能なんだか資金上は金が一文もないのだというようなことは、ほとんど考えられないのであります。従いましてせんだつて労働大臣が申し上げましたのは、私は実は詳細に承知はいたしておりませんでしたが、そういつたようなことで、事実問題としてはほとんど考えられないから、無意味に近い規定であるというような趣旨で申し上げたものではないかと考えるわけでございます。

片島港日本社会党(左)

○片島委員 ただいまの法規課長のお言葉は、私は非常におかしいと思うのです。予算上は可能であるが資金上は不可能ということはないと言われましたが、それでは逆の場合を考えますと、予算上は不可能であるが資金上はあるという場合は、やはりその資金上という言葉が生きて参るので、資金があるならばこれを予算して、補正予算なり何なりで、予算の形において国会に提出するという形で、これは生きて来るべきものであつて、予算上はないのはあたりまえである。年度の途中から何か突発的な問題が起きたときには、予定しなかつたから予算上はないわけですが、資金がある場合はこれを予算化して、国会の承認を求めるという手続になるのであつて、やはりこれはりつぱに生きて来なければならないと私は考えるのですが、逆の方から文章を解釈しなければならぬと思うのでありますが、その点はいかがですか。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 公労法につきましての立法論としての解釈は、ただいまのような御意見も有力に唱えられておるところでありますが、文理解釈からいたしますと、予算上または資金上不可能だ。もう少しパラフレーズして申し上げれば、予算上不可能であるかまたは資金上不可能であるか、要するに両方もしくは一方において不可能であれば、政府を拘束するものではないというふうに文理上続きますので、予算上は不可能だが資金上は可能なものは、予算を組まなければならぬということは、この文章からは出て参らないというふうに考えておるわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 まず聞いておきますが、あなたのこれから御答弁になることと、今まで御答弁になつたことは、これは労働大臣が労働省の意見を代表して御答弁になつたと、こういうふうにあらかじめ了解しておいてもよいのですか。今ちよつと大臣がお述べになつておつたので、という言葉があつたので聞くのですが、それとも事務当局の意見だつたので、労働省はそんなことは考えていないということになるなら、きようの問答は実は無用になります。やはりこれは相当論議も重ねておりますから、統一的な、確定的な意見——確定をしないのならば確定をしない、またいまだ統一されない、いろいろ内部でも省内で議論があるというならそれもそれ、多少とも見解の相違があるならそれもそれ、等々、やはりその辺を明確にして御答弁を願えませんか。われわれはやはり労働主管省の代表的な御答弁として、従つてこの種の問題、案件に関する政府の所見というものは、あなたを通じて吉田内閣全体の御意見というふうに了解したいのですが、その辺はどうなつておりましようか。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 公労法の解釈に関しまする限り、私が申し上げますことを労働省の見解とおとりいただいてけつこうでありますが、但し労働省としてまだ確定的見解に至つておらない分につきましては、その都度お断り申し上げるようにいたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 よく了承いたしました。そこで第十六条の一項の予算上不可能である場合は政府は拘束されない。またあるいは予算上は可能であつても、資金上不可能である場合は政府は拘束されない。ところでこの全体の法律の目的とするところ、趣旨とするところは、やはりこの公労法の適用を受ける職員の団体が、争議権が制限されておる。他のあらゆる方法は法律によつて準備されておる。そのあらゆる方法の手続の方法として第十六条は一項あり、二項あり、こういうふうにやはり全体を総合して見ることが、われわれはこの種の法律の使命とするところでないかと思うのであります。従つて次の段階の第二項には、事由を付して国会の承認を経るというような手続も指定されているわけです。そういたしますと、予算上は一つのわくがきめられてあつて、従つて仲裁の結果は足が出るのであるから、可能ではないという場合があることは、これはわかります。しかしこの資金ということは、もつと広い含みをもつて書かれたものとわれわれは解さなければいかぬと思つております。アメリカ一流のものの考え方でというふうな、よそへ責任を転嫁すべきでないと思います。やはり今日は日本の法律であります。従つて各省におきまして、もしくは企業体におきまして、予算は査定をして、現実に客観的に資金はあらゆる意味において可能である。しかし可能であるかないかということは、やはりそれは法律全体の趣旨に従いまして相当な手を尽して、初めて可能である場合もあろうと思います。あるいはそこに利益金と見るべきものは当然、たくさんに余剰がもうすでに出ているというような場合もいろいろあると思いますけれども、そのいかなる場合にかかわらず、およそわれわれが財務的に、経理的に、会計的に見ましてその問題を処理する上において、資金面は可能である、こういうふうに判断し得るような場合は、やはりこれは可能として、次の事由を付して国会の承認を求めるという手続をすべきではないか、こういうふうな非常に幅のある、弾力のあるのが資金の趣旨と解することが、法規全体の運用の上からいつて当然でなかろうかと考えるのであります。そういう面から見ましても、まず資金上ということはかなり幅の広い、弾力のある概念である、こういうふうに解してこの資金問題を取扱う、こういうふうに解することが法の趣旨でないか、こう思いますがいかがでしよう。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 実はお言葉を返して恐縮でありますが、私どもといたしましては、資金上という言葉はできるだけ狭く解するのが、公労法の円滑な運営の上に妥当であろうと考えております。なぜかと申し上げますと、もし第十六条一項が予算上及び資金上不可能だ、要するに予算、資金両面ともひつかかる場合は国会に出せというふうに書いてありますならば、資金上をおつしやる通り弾力性を持たして広く考えることにいたしまして、裁定が実現される道をたどることが多くなると思います。ところが現行法は「予算上又は資金上、不可能」「又は」という言葉を使つておりますので、予算上可能であつても資金上不可能ならば、一応効力を発生しないのだ、政府を拘束しないというふうになりますので、資金上という言葉の意味が広くなりますと、ひつかかるケースが非常に多くなつて来るというふうに、文理上ならざるを得ないわけであります。従いまして私どもは資金上というのは事実問題としてはほとんどひつかかるケースはございませんというほど、狭く解釈しておる次第であります。十六条一項の文理解釈といたしましては、資金上という言葉はできるだけ狭く解するのが至当かと存ずるわけであります。もつともこの十六条一項の文理解釈を離れまして、予算上不可能な裁定を実現するために、政府がいかなる考慮を払うべきかという点になりますれば、公社の資金というものはできるだけ広い視野でもつて見まして、それをなるべく捻出するというように努める方が公労法の運用上適当である、そういう御意見につきましては、これはまつたくその通りであると考えるのでございますが、十六条一項の資金上という言葉それ自体につきまして、文理解釈から申しますならば、これは狭く解する方が、公労法の円滑な運営の上に資するのではなかろうかと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それならその資金というのは一体何をさすのか。もう少し精密にお述べください。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 資金というのは、御承知のごとく公労法制定当時のGHQの勧奨指導が非常に強く入りましたので、その関係で入つた字句であるというふうに私ども承知いたしておるのでございますが、そういつた立法の経緯は別といたしまして、現在独立した日本における法制として考えるならば、日本としての立場から資金上考えるべきであろうということで、いろいろと研究いたしたのでございます。実際問題としては、先ほど申し上げましたように、資金上に該当するケースというものはほとんどない。しかししいて理論上考えますならば、予算はある。予算は収入が何千億あり、支出が何千億と書いてあるけれども、非常な天災地変があつて郵便がちつともさばけなくなつたそこでたまたま金繰り上資金が金庫に全然ない、しかし単に一時的に金庫に金がなくなつた、東京からの送金が遅れたから月給が払えない、これだけで裁定の効力を否定することはできないと考えます。たまたま金庫に金がないという場合には、予算上認められておりますならば、当然しかるべきところから短期融資を受けまして、それによつて月給を払うという措置をとるべきであろうと考えております。ところが郵便事業につきましては、資金の融通を受けます場合には、借入金につきましては郵政大臣の認可がいる、その場合郵政大臣が何かの都合で、今は金融事情が非常に逼迫しているから認可を与えられないというようなことをやりました場合には、いかなる金繰りの手段も尽き果てる、そこに初めて資金上不可能というケースが出て参ると考えるわけでございます。しかしそんなような、郵政事業でもつて月給を払う金がなくなるというケースは、ほとんど考えられない……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それは御説明になりませんね。私の聞くのは、資金が現実具体的にいろいろと動いております形、運用されております形、それの例をとつて御説明を聞こうとするのじやないのです。まずそれならば、具体的に今使われる言葉で言うならば、資金とは何ぞや、どう定義するのか、こういうふうに聞いてみたいと思う。そこで具体的にこういう例がある。それは当てはまる、当てはまらぬ、こういうふうにわれわれは区別したいのです。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 予算上いかなる言葉を使いますか、私正確には存じませんが、資金と申しますのは、公社が自由に使用し得る原資というふうに考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 公社が自由に使用し得る原資は、自由に使用し得る段階にあるもの、いまだ自由に使用し得ないけれども、予算化して自由に使用し得る原資と、いろいろあるだろうと思います。その自由に使用し得る以前の段階のものは資金に入らぬ、このように御解釈になるのは、それは一点またどういう理由に基くのですか。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 この資金上だけの言葉を取出して言いました場合には、予算化されない資金を入れてもかまわないわけなんですが、しかし予算化されない資金は、資金と申したところで予算上の方でひつかかつて、裁定実行のためには使えないのでございます。従つて予算上認められた原資の範囲が、ここに言う資金として実益のある部分に属するというふうに考えるわけです。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 ちよつと委員長からその点について申し上げるのですが、先般国会に提出された裁定書の裁定の中で、仲裁委員会が使つておる資金という用語、従つて原資の点では、各特別会計とも、八つの裁定の各企業体においても、郵政はその原資の確保のために一部特殊郵便物の料金値上げ、それから国鉄は鉄道運賃の値上げの点が含まれておりますけれども、いずれも原資は可能だという趣旨の裁定が下されておると思うのです。従つてその点は、吉田委員が最社に質疑されたように、十六条一項の場合の「予算上又は資金上、不可能な」云々という用語の場合においても、こまかくわけて参りますならば、予算上は不可能であつても資金上可能なケースというものはあると思うのです。それで私の申し上げるのは、予算上可能であつても資金上不可能なケースというものは、それはなるほどきわめて少いような状態にあると私は思うのです。現実の問題については、やはり企業体で収益があり、日々の売上金を持つておる関係においては、予算上は可能であるけれども資金上は不可能だというようなケースというものは全然ないに違いない。しかし問題は、予算上不可能であつても資金上可能なケース、これは多くの場合そうなのですが、その場合にはどうするかということが一番問題だと思います。先ほどからほかの委員諸君からも出ておるように、あなたの説明されたのと逆な場合はどうなるのかということです。それからなおいわゆる公労法の正しい運用、有効な運用の面から、そういうように資金上という点は狭く解釈した方がよい、公労法の正しい運用ということになれば、仲裁委員会の下した裁判所の判決にもひとしい裁定がスムーズに行くということが、その企業体における紛争がなくなることにもなるのでありますから、やはり公労法というものがその立法の精神に基いて正しく運用されるということ、公企体については、この法の運用によつて紛争が起らないという事態が、一番効果的な運用だという観点から考えなければならないのではないかと思います。その点について重ねて法規課長の御説明を求めたいと思います。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 予算上は不可能であるが資金上は可能であるというケースの場合には、これは資金という文字の意味のとり方にもよりますけれども、いわゆる常識的意味での資金上可能なケースはもちろんあるわけであります。たとえば専売公社のごときは、資金上はいつでも超可能の状態にあることはもちろんであります。しかしいかに資金上可能でありましても、「予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。」資金が幾らだぶついておるということを証明しても、予算上不可能であるという一事をもつて、その裁定はただちに効力を発生しないということになるわけでありますから、もつぱら予算の範囲に認められていない資金のことを問題にすることは、この場合としては実益がないというように申し上げたわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうするとあなたのような解釈をしますと、およそ政府もしくは政府関係機関の予算、予算編成をして国会の承認を経ております予算の内容は、御承知の通り総則あり、かつまた款項などもそれぞれの使途が明らかにされておる。それから人間については定員法があります。従つてかりに二十万人という使用されておる職員がおるとすると、二十万人の給与十二箇月分何がしというものは、人件費として予算に上るだろうと思います。ところで一方給与の改善等の争議的な問題が起りますときには、これは常識上どうぞ私どもの給与は多いから減らしてくださいということは想像されません。やはり増額してもらいたい。従つて給与支出予算は増になります。そうしますと現実具体的には、これは私不敏であるかもしれませんけれども、一旦きめられている予算は、たとえば予備金でも使うのでない限りは、限られてきめられてあるのですから、常に予算は超過になる、こういうことに想像されます。はたしてそうであれば、あなたのお説のような具体的に予算上可能な場合が、賃金問題、給与問題をめぐつた仲裁の場合には想像し得ないということになりはしないか、そういうことになりましたら、これはこの法律の全体の抹殺になりはしないか。予算上超過するというのが普通であります。予算の範囲内でといつても、予算というのは何もだぶついて、たとえばそれは物件費であろうと何であろうと流用は必ずしも自在にできませんから、そういうわけでありますので、予算上常に不可能でないか。予算上足が出て可能ということはあり得ないのですから、法律全体を抹殺する結果になるおそれはないか、こういうことをお聞きします。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 仰せのごとく予算というものは年度当初の見込みに基きまして、しかもあまり行政官庁の裁量の範囲を広げないように・むしろしぼつてきめておりますものでございますから、ベース・アツプなんかのときには予算の範囲をオーバーするということに通常の場合どうしてもなる、これは仰せの通りでございます。しかしそれでも仲裁裁定が、たしか二回ですか、三回ですか、これは予算の範囲内で実施された事例がございます。それからまた裁定まで持ち込まないで、調停段階におきまして、やはり予算の範囲内でベース・アツプを実現したこと、これが二回ございますので、絶対不可能であるというほどのものではないと考えております。しかしそれにいたしましても、きわめてきゆうくつになることはこれは事実でございます。そこが非常に公労法としても苦心した点でございまして、団体交渉を認めるという趣旨からいえば、団体交渉の結果できた協定、あるいはまとまらない結果仲裁に行つて出た裁定というものは、これはノー文句で予算化して認めたい、これは団体交渉という点だけに着眼をいたしますれば、そういうことになるかと思います。しかし他面、郵政事業のような国営企業はもちろん、国鉄、専売のような公社につきましてもこれは国会の議決を経た予算によつてその運営をする。予算の編成権あるいは国会による審議権というものを拘束することができるかといいますと、これははなはだ問題になつて来るわけでございます。本来ならば、たとえば協定で予算上は五百億所要の給与を認めておる。ところがベース・アンプの結果裁定なり、協定でもつて六百億になつた、そういう協定に判こが押せるかと申しますれば、普通の予算執行上は、予算の範囲を出た契約を結ぶ、予算に認められている以上の額の契約を結ぶということは、行政官庁には許されないわけでございます。そういうことをやりそうなことがあれば、監督官庁から厳重な注意なり命令が出て、それをさしとめることになるのが普通でございます。しかし団体交渉の場合には、予算のわくをはみ出た協定に判こを押してはいかぬとは言いかねる。そこで判こを押すこと、これは当然のこととして認める。しかし判こを押してしまえば、政府と国会がそれに拘束されて、それだけの予算はどうしても認めなければならぬというわけには行かない。そこで非常に苦心しました結果、そういつた国会のお認めになつた予算、つまりこれだけは支出してよろしいと言われた範囲を越えた支出をする約束をしてしまつた。これは通常の予算執行上からいえば越権行為であるかもしれないけれども、団体交渉という特殊の事例に基くものであるから、やむを得ないものである。従いましてこの結果につきましては、国会の当初の御意思よりは超過するものでありまするけれども、その効力につきましてはいかがいたすべきでありましようかということで、国会の意思をあらためて求めるようにいたせというのが十六条の趣旨である。これは両方から言つて中途半端な妥協といえば妥協でございますが、現状におきましてはその辺よりやむを得ないのではないか、そういうふうに考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうなると問題はますます複雑になると思います。第一、あなたは過去の仲裁において、予算の範囲内でこれを行つた事例がある、だから必ずしも予算上不可能な場合のみに限らぬ、こういう御説であります。事例がそうであるとかりにいたしましても、そうなりますと次に起る問題は、一体公労法の適用を受ける労働組合の交渉の際の主張の範囲というものは、この公労法十六条一項の予算上ということによつて、従つて当該年度における予算の範囲以上には何ら主張することもできない。なぜならば主張したところがそれは実現不可能であるから、こういうことにも解さねばならぬような結果になるわけであつて、そうなれば公労法十六条一項前段の予算上というものは、一方において争議権を剥奪し、一方において交渉の数字の内容にまで制限を加えたということになりはしないか、こうも考えるがいかがでしようか。そういうことに解釈せざるを得ないことになりますが、どうなんですか。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 私が申し上げましたのは、過去にも予算で認められた金額の範囲内でベース・アツプを実現した例があるということを申し上げたわけであります。ベース・アツプ裁定が予算をオーバーした結果、国会の御審議を煩わすことになつた場合もたくさんあることは、よく御承知の通りでございます。労働組合の要求なり交渉は、決して予算のわく内に拘束されるものではございません。予算のわくをはみ出る要求をすることはもちろん自由であり、はみ出た場合、それが裁定となつてなおかつはみ出た場合にも、国会の意思でそれの効力をきめるわけですから、組合といたしましては予算のわくなんかということに必ずしも拘泥する必要はないと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それは当然そうあるべきで、またそれが拘束をされ、制限を受けることはあり得べからざることであります。そうなればなおさらこの資金上と予算とは別な、ここに一つの道が置かれてある。そうして政府としてその跡始末を予算に組んでするとか、あるいは資金を利用し得るなら利用し得る道を考える。政府が交渉の当事者といたしまして、それぞれの手段をとつて行くというのが、これが開かれた道であつて、そこに資金なるものが生きて来ると思うのであります。せつかくの法律でありますから、資金なるものは生かせばいいのであつて、政府が窮地に陥つては困るからこれを抹殺するというような態度、解釈の仕方は、これはやはり独断ではないだろうが、こう考えるのであります。しかしここへ行きますと少しあなたと議論のやりとりみたいになつてしまいますので、これはもう少し問題の整理をいたしまして、そうしてほんとうに政府においてここに何を最終的に考えるかということをきめなくちやならぬと思うのであります。しかしお互いに議論のようなことになつて来まするから、これはどうかと思いますが、どうかして資金上、予算上——予算というものは何も空にあるものではなしに、抽象概念でもなしに、当該年度の予算のことでございますから、当該年度の予算というものは数字がきまつておるのです。そのきまつておるのに少し足が出たからそれは政府を拘束しない、それ一本であなたは行きなさる。資金というものは一本に設けられてあるから、それは死文だというふうに逃げてしまうということになつておりますので、そういうような解釈でこれをされて行きますと、当事者の一方としまして、自己の利益のために法律を解釈するという危険があります。法律はやはりそういう主観的事情からのみ解釈すべきものではないと私は考えます。法律が悪いならこれは別ですよ。改正問題、立法問題はこれは別なんです。だからあなたのお考えといたしましては、むしろ一方的な法律の欠陥を唯一の解釈にしようというような、そういうようなことに陥つているんじやないかと思うのです。そこで一転しまして、ここいろいろともみ抜きましたところのこの公労法をめぐつてのこのたびの争議の結末の一つとして、今労働省においては公労法改正の意図があるかないか。あればどういう方向で、大体どういう内容であるか。すでに朝日新聞にも伝えられておりますから、何らかよりどころのあつた記事だろうと思いますので、ここでひとつ方向を明らかにしてもらつて、われわれもその準備をしたい、こう考えております。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 公労法改正の点につきましては、これは私ども事務当局の下僚から申し上げるのもいかがかと存じますが、私の承知している限りにおいては、すでに前々国会より社会党から公労法改正の案も出ているし、それから最近の新聞論調等を見ましても、公労法について検討するべきではないかというような意見が散見せられる。そういうようなことから、こういった各方面からの改正意見については十分に研究しておきなさいというような命令は、私ども法規課として受けております。しかしそれで改正するとかしないとかいつたようなことにつきまして、方針は何ら定まつておらないというふうに承知いたしております。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 委員長からちよつと労働省側に申し上げますが、先ほどからの質疑応答の関係から見て、私は公労法の問題について解釈上きわめて重大な問題が提起されていると思う。一つは裁定を単なる団体交渉による協定というふうに、同じように扱われているきらいがある。それから今度の労働省の裁定に関する政府の一致した解釈について、予算編成権に対する拘束という問題が出て参りましたけれども、やはり問題は、公労法の制定そのものから来る予算編成権の拘束というものは、私法律的に当然出て来ると思う。その限りにおいて予算編成権を拘束するではないか。予算をつけて出さなければならぬということをどこで義務づけられているかという点については、これはやはり立法当時の関係から見て問題があると思う。それから過去におきまして予算の範囲内において裁定が実施された例はございます。しかしその当時においては今度の裁定の不可能だという理由に書いているように、予算の中に給与総額という規定はなかつた。しかも予算上質金上可能であるかということの解釈の場合に、これはいわゆる法規裁量であるか、任意裁量であるるかという点については、すでに第二国会であつたか三国会であつだか、当時一番最初の裁定が出たときから議論のあるところで、結局はやはり予算上資金上可能であるかということについての裁定を下す場合に拘束されるのだという点から見て、立法の沿革から見れば、給与総額という規定が予算総則の中に入れられた歴史的な沿革を持つている。そういう関係を考えて参りますと、裁定について国会の議決を求めるということについては、そうすれば仲裁委員会という公的な機関の下した裁定そのものについて、国会があらためて仲裁委員会がやつたように、裁定の内容を可能であるか不可能であるかということを検討しなければならぬことになるので、これは裁定制度を設けた趣旨にもいかがかという問題が起ると思うのです。私ただいまの質疑応答で感じた点でも、この点についてはやはり立法当時の労働省側のいろいろ国会において述べられた質疑応答も、これは当然お調べにならなければならないと思います。その点について今後すでに改正案についての研究を上司から命ぜられているという段階になりますと、出て参ります改正案について、よりよきものを出していただきたいという国会側の希望もありますから、これらの諸問題について労働省の法規課としても、さらに今私が指摘いたしました諸点についても御検討を加えられまして、いずれ明年になると思いますが、今後の問題の解釈をめぐつての紛争を、本委員会としても関係委員会としてなくしたいという趣旨で、この点についてさらに質疑を進めたいと思いますので、それらの点を御研究願うことにしていただきたいと思います。

石黒拓爾労働事務官(労政局労働法規課長)

○石黒説明員 公労法改正の点につきましては、先ほど申し上げました通りいろいろな意見があるから、よく検討しておけということを言われているだけでございまして、改正を研究せよという命令はございません。ただ、ただいま委員長から御懇篤なお言葉がございまして、立法論といたしましてそのような問題につきまして、やはりわれわれとして研究の中に加えて、上司にも伝えるようにいたしたいと考えております。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 そういう意味で昨日の何がありましたから、継続することにいたします。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ただいまの問題をできるだけ各方面から検討いたしまして、最善の結論を得たいと思いますので、ひとつ制定当時の記録があれば、それを各委員に配付するようにおはからいを願いたい。なければ専門員の方でもあるいは政府の方におきましても、要点だけでも、重要な質疑応答の抜萃でもけつこうですから、これを参考に各委員に御配付方お願い申し上げたい。それからなおこれにつきまして、労働省並びに政府においてお気づきの資料がありましたら、委員会に御配付方あわせてお願い申し上げます。

田中織之進日本社会党(左)

○田中委員長 ただいま吉田委員から要望のありました資料の点については、委員長において関係当局と打合せて善処いたしたいと思います。  それでは本日はこの程度で散会いたしたいと思います。    午後零時五十八分散会

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