本会議 第30号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/03/30
会議録
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
○議長(堤康次郎君) 日程第一、らい予防法の一部を改正する法律案、日程第二、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、日程第三、児童福祉法の一部を改正する法律案、日程第四、医療法の一部を改正する法律案、日程第五、未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長小島徹三君。 [小島徹三君登壇]
○小島徹三君 ただいま議題となりましたらい予防法の一部を改正する法律案外四法案について、厚生委員会における審査の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。 まず、らい予防法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本改正案の第一点は、国立療養所の入所患者の家族は、生計が困難となりましても、患者に関する秘密漏洩の危惧等があつて、現行制度による生活援護措置を円滑に受け得ないうらみがありますので、これらの者をして所要の生活援護を受けさせるとともに、これによつて入所患者に対して療養に専念させるよう、新たに都道府県知事が本法に基き生活援護を行い後ることとしたことであります。 第二点は、癩の予防及び治療に関する研究をつかさどる厚生省の付属機関として、国立癩研究所を設置し、将来この研究所の研究成果により、癩予防事業が効果的に行われ、さらに患者の適切な治療の道を開こうとするものであります。 本法案は三月二十三日本委員会に付託せられ、翌二十四日厚生大臣より提案理由の説明を聴取した後、審議に入りましたところ、特に入所患者の基本的人権、療養所職員の待遇改霊『患者の福祉施設等について質疑応答が行われたのであります。 かくして、二十九日質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して長谷川委員、また日本社会党を代表して杉山委員より、それぞれ希望を述べて賛成意見の開陳があり、次いで採決に入りましたところ、本法案は全会一致原案通り可決すべきものと議決した次第であります。 次に、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について申し上げます。 第六回国会において本院提出案として制定せられました本法は、施行以来すでに四年を経過し、一昨年、戦傷病者戦没者遺族等援護法の施行と相まつて、身体障害者の福祉対策も漸次軌道に乗つて参つたのでありますが、今回これら措置の強化改善をはかるため所要の改正を加えようとするのが、政府の本法律案提案の理由であります。 本法律案のおもな内容を申し上げますれば、第一は、身体障害者更生援護施設のうちに聾唖者更生施設を加えることとしたことであります。第二は、身体障害者に対して、その障害を軽減または除去し、もつてその更生に資するために、更生医療の給付を行う旨を規定いたしたことであります。この更生医療の対象者は全国で約五万を数えられております。第三は、本法の対象となる身体障害の範囲を規定している別表について、現在本法の対象とされていない障害のうち、その程度より見て、これに加えることが必要であると認められる若干の障害を加え、あわせてその表現について修正を行い、より正確を期したことであります。第四は、中央身体障害者福祉審議会に出版物、芸能等について推薦または勧告の権限を与えたことであります。 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案について申し上げます。 身体に障害のある児童に対しては、従来児童福祉法の規定に基きまして、療育相談、盲人安全つえ、補装具の交付、児童福祉施設への入所等の措置が行われておるのでありますが、今回かかる児童に対する福祉措置の改善をはかるほか所要の改正を行おうとするのが、政府の本法律案提案の理由であります。 第一は、身体に障害のある児童に対し生活の能力を与えるために必要な医療、すなわち育成医療の給付を行うことにいたしたことであります。第二は、身体障害者手帳の交付を受けた児童に交付する補装具の名称を整理し、その交付または修理を行う機関を明記したことであります。 以上の二法律案は、二月二十二日予備審査のため本委員会に付託せられ、同二十四日政府より提案理由の説明を聴取した後、数回にわたり審査を行つたのでありますが、特に更生医療の内容及び身体障害者福祉司の設置、運営等の問題について熱心なる質疑が行われたのであります。次いで、本月二十四日本付託となり、二十九日質疑を終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、両案は全会一致原案通り可決すべきものと議決いたしました。 次に、医療法の一部を改正する法律案について申し上げます。 現行法においては、診療所につきましては、診療所の管理者は原則として同一の患者を四十入時間を越えて収容してはならないこととしているのであります。ただ、医療法制定の際、病院の分布の状況等にかんがみまして、診療所における同一患者の収容時間の制限に関する医療法の特例に関する法律をもつて、同条の適用を本年十一月十一日まで猶予して来たのであります。この特例法による猶予期間終了後医療法第十三条を適用することは、国民医療上かえつて支障を来すおそれがあると認められますので、今回医療法第十三条そのものを改正して、診療上やむを得ない場合のほかは、診療所の管理者は同一の患者を四十入時間を越えて収容しないように努めなければならないこととし、同条違反に対する罰則を削除することとしたのであります。なお、右の改正に伴い、診療所における同一患者の収容時間の制限に関する医療法の特例に関する法律を廃止することといたしたのであります。 本法案は、三月八日予備審査のため本委員会に付託せられ、九日政府より提案理由の説明を聴取した後審査が行われたのでありますが、かくて二十四日本付託となり、二十九日質疑を終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全会一致原案通り可決すべきものと議決した次第であります。 次に、未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案について申し上げます。 未帰還者の留守家族及び未帰還者が帰還した場合における援護につきましては、第十六回国会において未帰還者留守家族等援護法が制定せられ、昨年八月一日から施行されまして、国の責任において各種の援護が行われておるのでありますが、今回援護の措置をさらに強化するため所要の措置を講じようとするのが、政府の本改正案提出の理由であります。 そのおもなる内容は、まず第一に、従来の遺骨埋葬経費は、未復員者、ソビエト社会主義共和国連邦の地域内の未復員者と同様の実情にある者、または戦争裁判受刑者の死亡の事実の判明した場合にのみ支給されていたのでありますが、右以外の一般邦人未帰還者の死亡の事実が判明した場合においても、この経費をその遺族等に支給することとし、その名称を葬祭料と改めたことであります。第二に、遺骨引取り経費は、遺族がない場合においても、葬祭を行う者があれば、その者に支給することができるようにいたしたのであります。第三に、本法は沖縄地域にも施行されているわけでありますが、同地域の置かれている特殊の状態のために、法の実際上の適用がきわめて困難な状況にありますので、当初から法が円滑に適用されていたと同様の効果を生ぜしめるよう特別の措置を講ずることが適当と認められまするが、これを政令で定めることができることといたしたことであります。第四は、従来外務省において実施いたしておりました一般邦人未帰還者の調査業務は明年度から厚生省に移管されることとなりましたので、これを機会に、厚生省の付属機関として、従来の留守業務部を改編し、これを未帰還者調査部とし、旧軍人軍属未帰還者等の調査業務等とあわせて未帰還者等の調査究明を一元的に実施する等の措置をとるため、厚生省設置法に所要の改正を行うことといたしておるのであります。第五は、未帰還者留守家族等援護法の施行に伴う一般職の職員の給与に関する法律の一部の改正により資格を失つた未帰還の国家公務員または地方公務員に対しましても、従来の実績を保障する意味において、引続き共済組合員たるの資格を保持せしめるようにするため、国家公務員共済組合法に所要の改正を行うことといたしておるのであります。 本法案は、三月一日予備審査のため本委員会に付託せられ、同二日厚生大臣より提案理由の説明を聴取した後、数回にわたり審査が行われたのでありますが、特に療養給付期間の問題に関してはきわめて熱心なる質疑が行われたのであります。かくて、二十六日本付託となり、二十七日、参議院議員上條愛一君より参議院修正部分の趣旨説明を聴取した後、質疑を行つたのでありますが、同日質疑を終了し、二十九日討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全会一致原案通り可決すべきものと議決いたした次第であります。 以上、簡単でありますが御報告申し上げます。(拍手)
○議長(堤康次郎君) 五案を一括して採決いたします。五案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて五案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、ガス事業法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 ガス事業法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員長大西禎夫君。 〔大西禎夫君登壇〕
○大西禎夫君 ただいま議題となりましたガス事業法案につきまして、通商産業委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。 御承知の通り、現在ガス事業を規制いたしておりまするものは、昭和二十七年十二月制定を見ました電気及びガスに関する臨時措置に関する法律でありまして、これは暫定法であり、これにかわるべき恒久法を早急に制定する必要があつたのであります。従来電気事業とガス事業は旧公共事業令一本で規制されていたのでありまするが、ガス事業の態様は電気事業のそれと異なる点が多々ありまするので、電気とわけて、ここにガス事業単独法として立法化されたのであります。 次に、本案の内容について簡単に御説明申し上げます。本案は、ガス使用者の利益を保護し、あわせてガス事業の健全な発達をはかるためにガス事業の運営を調整するとともに、公共の安全を確保するためガスの製造及び供給に伴う危険を防止することを骨子として制定されております。 本案は、一月二十五日当委員会に付託され、翌一月二十六日通商産業大臣より提案理由の説明を聴取したのであります。爾来数次にわたり本案の内容について慎重なる審議を行つたのでありまするが、質疑の詳細は会議録に譲りたいと存じます。 かくて、三月三十日質疑を終了したところ、齋木重一君外二十四名より、本案の第三十三条四項一号の、「ガス主任技術者免状の返納を命ぜられ、その日から二年を経過しない者」には交付を行わないことができるとあるのを、一年に改めることの修正案が提出されたのであります。ついで、討論を省略し、修正案並びに修正部分を除く原案につき採決いたしましたところ、全会一致をもつて修正議決した次第であります。 なおこの際、小平久雄君外三名提案になる附帯決議案が提出され、これも全会一致をもつて可決いたしたのであります。 次に附帯決議を朗読いたします。 附帯決議 本法案の運用に当り、政府は、特に、次の点に留意して、万遺憾なきを期すべきである。 一、ガス拡充五カ年計画を強力に推進して、夥しい未処理需用家数の絶滅を速やかに図ること。 二、従来のガス事業者の営業方針は、普及率の向上よりも、需用家当り使用量の増加を重点としているが、今後は普及率の向上を重点とする様業者を指導監督すること。 三、従来のガス事業者中、ガス使用申込の場合、ガス器具の抱合せを条件とし、又は多量使用申込者に限り優先供給する事例あり、かかる選択供給については、その取締を厳重に励行すること。 四、ガス事業の経理を正確明朗のものとするため、ガス事業者の行うガス事業以外の事業についても、その内容を監査し、公益事業としての本分を逸脱しない様充分監督すること。 五、供給規程は、本法の趣旨に則りサービス本位のものにすること。 六、ガスの料金に関し、これが不適当と認められる場合は、遅滞なく本法第十八条の規定によるガス料金の変更措置を行うこと。 七、現在のガス事業者中、経営規模、過小、弱体にして、公益事業として、不適当の者については、その統合につき検討のこと。 八、本法第十二条による兼業の許可に関しては、当該事業の中小企業者を圧迫するが如き事のない様配慮すること。 九、第五十三条の規定は労働組合運動の正常なる活動を阻害することなき様運用すること。 以上であります。 簡単でありまするが、以上をもつて御報告を終ります。(拍手)
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。 明三十一日は定刻より本会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会