法務委員会 第65号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/05/29
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。上訴制度調査小委員会を設置いたしたいと存じますが御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議がなければさよう決定いたします。なお小委員及び小委員長の選任に関しましては、先例によりまして委員長において御指名いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議がなければ、小委員といたしまして小林、鍛冶、佐瀬、林、田嶋、高橋、古屋、井伊の諸君をお願いいたし、小委員長といたしましては私を指名いたすことにいたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議がなければさよう決定いたします。 ―――――――――――――
○小林委員長 この際外国人の出入国に関する小委員長より小委員長報告をいたしたいとの申出がありますので、これを聴取することといたします。外国人の出入国に関する小委員長花村四郎君。
○花村委員 外国人の出入国に関する小委員会の経過の中間報告をいたしたいと存じます。 (一)二月十六日、左の十二名をもつて当小委員会を設置しました。小委員長花村四郎、小委員小林かなえ君、佐瀬昌三君、田嶋好文君 鍛冶良作君、林信雄君、中村三之丞君、吉田安君、神近市子君、古座貞雄君、井伊誠一君、木下郁君。 (二)三月二日、第一回小委員会を開き、小委員会の運営に関し協議し、次の審議要項を決定いたしました。すなわち、(1)、審議の目的、A、不法入国者の強制送還の基準確立、B、被強制送還者の異議申立に対する再審手続の準司法化、C、出国間管理令の一部改正要綱作成(外国人登録法を含む)D、存日第三国人に対する治安、友好政衛の樹立、(2)、審議の方法、A、国際的先例の献調査、B、被強制送還者、華僑、韓国人団体等の意見聴取、C、外国人収容施設の視察等。 (三)三月九日、第二回小委員会を開き、入国管理局官下次長より、出入国管理制度の概要と、執務の実情につき説明を聴取し、質疑しました。 (四)三月二十七日、第二回小委員会を開き、入国管理局鈴木局長より朝鮮人、中国人の密入国者の取扱い、特に在留許可、不許可の基準、強制収容、強制送還の方針等、詳細な説明を聞き、これに対し質疑を行いました。 (五)四月五日、第四回小委員会を開き、左記の参考人五名から、意見を聴取しました。すなわち、(1)留日華僑連合総会会長林以文君(台湾)(2)東京華僑総会会長康鳴球君(中国)川在日朝鮮統一民主戦線中央委員会議長李浩然君(朝鮮)(4)大韓民国居留民団中央総本部事務総長裵東湖君(韓国)(5)留日華僑佐世保分会長林其根君(台湾)。 なお、当日の康鳴球参考人よりは、意見書と、中国人の在留資格調査表の提出がありまして、小委員会で受理しました。 (六)外国人の強制送還に関する国際的立法例については、小委員長の命により法務専門員室において各方面より資料を集め、小冊子を編集しましたから、本日各委員に配付いたしました。 最後に、当小委員会の最終結論は慎重に決定することとし、さしあたり、今会期末にあたり中開報告の内容につき、協議いたしました結果、おおむね次の事項を汚職いたしたいと存じます。これは決定事項ではなく、協議中の事項と御了解願います。すなわち、第一、不法入国者の強制送還方針。 前提、対象とする不法入国者を欧米人のごとき外国人と、朝鮮人、台湾人のごとき既往日本国無取得者たりし外国人とに二大別し、前者に対しては現行法通りとし、後者に対してのみ新対策を講ずること。 新対策の基礎、1、日本国内の治安を害し、日韓中三国民より嫌悪される不良少数分子は、これを外交交渉により強制送還を実施励行すると同時に、必要により事実上日本領土外に追放すること。2、しかし不法入国者に対しては、国際的先例に従い、ことにアメリカの避難局救済法にかんがみ、世界に認められたる人道主義的取扱いをすること。その範囲はさしあたり、(1)朝鮮からの家族呼寄せの緩和。(2)在日朝鮮人に対し、中小企業対策により生活安定を講ずることの見地に立つて強制送還の実施基準とすること。 強制送還の実施基準、甲、人道的取扱いの範囲、国際的共通性の要請、1、親子、兄弟、姉妹等の一人または数人が入国者なるとき。2、夫婦の一方が日本人なるとき。3、営業上の主従の一方が日本人にして、他方が戦時中朝鮮、台湾、中国本土等に疎開したる者なるとき。4、国際的先例において避難民と認められ、また政治的思想的亡命者が入国者にして、その身元を国会会議員等が保障したるとき。以上各号の場合は、在日永住許可または一時在留を考慮すること。 乙、経済的既成事実の保護、日韓中三国間の歴史的地理的の特殊要請、1、入国後三年以上経過してその問国内法令に違反したる事実のない者。2、入国後一年以上にして財産投資または特殊技能につき既成事実ありかつ国内法令に服したる者。3、中央または地方の官庁より営業または建築等につき、認可許可、承認等を得たる者及びその使用人にして同郷会より身元保障ある者。以上一各号の場合は在日の時存留または永住許可につき考慮すること。 第二、異議申立に対する再審手続の準司法化(中間報告案)。一、既往日本人対策委員会を設けて、外交関係に拘束されない内政上の総合的対策を審議すること。二、強制送還第一次決定機構は現行通り。異議申立に対する再審手続としては現行の審判課を廃止して次のごとくすること。1、民間の知識、経験者に依頼したる委員と前行政処分に関与しない行政官の委員の参加する再審委員会を設けること。その根拠法令を制定すること。2、強制送還決定後は便宜上日本人弁護士を代理人とすることを許可すること。3、強制収容所については、東洋人用の設備を充実するとともに欧米人用の収容所を新設すること。 なお、この外国人の出入国に関する件につきましては、今後さらに慎重に調査研究を要します関係上、これを当委員会の継続審査事項とし、かつ、小委員を中心として、入国管理局大村収容所の施設等について、閉会中に視察を行うことを希望いたします。以上であります。
○小林委員長 これにて報告は終りました。 ―――――――――――――
○小林委員長 これより請願及び陳情書の審査を行います。 本件につきまして最高裁判所当局より出席、説明いたしたいとの要求がありますから、国会法第七十二条第二項の規定により、これを許可いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御提議なしと認め、さようとりはからいます。 これより請願の審査を行います。請願の審査は紹介議員の御出席になつておる者につきましては、その紹介説明を聴取し、紹介議員の御出席になつておらないものにつきましては、その内容は文書表によつてすでに御承知のことと存じますから、文書表の朗読はこれを省略し、ただちに関係当局の意見を求むることといたしたいと存じますが御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。 日程第二ないし第二五、及び第二七ないし第四二は、いずれも地方法務局出張所存置に関する請願でありますから、一括して議題といたします。政府の意見を承ります。三浦政府委員。
○三浦政府委員 法務局の事務は、登記、供託等の窓口業務を中心とするものでありまして、その存廃は一般国民及び市町村の利得にも重大な影響を及ぼすものであります。この見地から、法務局、特にその出張所の廃止を導くような行政整理は極力避ける方針で進んで参つたのであります。幸いにして、昭和二十九年度におきましては、法務局関係の整理人員は、八十九名にとどまりましたので、事務の合理化、執務強化等をはかり、同年度におきましては、出張所は現在のまま維持したい考えであります。 法務局関係につきましても今回の行政整理が行われるのでありますが、これに伴う出張所の廃止は、一般民衆の利害に影響するところが甚大でありますので、当初からこれを避ける方針で参つております。しかし一面、本局、支局における事務量には相当の不均衡があり、かつ整理率も本局が支局よりも大となつておりますので、出張所を現在のままとして、本局、支局間の事務量の均衡をはかり、事務渋滞の危険を防止するためには、その間の人員の配置がえを必要とします。法務局におきましても、この観点から研究をいたしておりますが、一般民衆の利害に直接影響を及ぼすことのないよう慎重に処置いたしたいと考えております。 出張所を設置すべきかいなかについては、その地方の人吉、交通、産業、面積の実態、登記件数及び隣接登記所の事務是等を十分考慮して決すべきでありますが、本請願による地域内の登記件数は比較的僅少でありまして、特に地方法務局の出張所を新設し、職員を駐在させることは、これによつて受ける当該村民の利益に比し、国庫の負担がいささか多きに過ぎる感があり、国家財政の現状と、相次ぐ行政整理に伴う人員の減少により、目下のところ実現することは困難であります。 ―――――――――――――
○小林委員長 日程第二六千葉少年鑑別所施設移転反対に関する請願を議題といたします。政府の意見を求めます。
○三浦政府委員 千葉少年鑑別所は、昭和二十四年一月鑑別所の制度が発足した当時、応急的措置として、千葉市神明町所在の元軍用施設に部分的改修を施して使用して来たものでありまして、この施設は建物そのものが仮設的であり、その上収容定員二十名に対して常時江本名程度の過剰収容の状態が続いて、収容少年の処遇上きわめて遺憾の点が多いのであります。しかも敷地は僅々八百余坪でありまして、周囲の拡張が困難なため、早くから他に移転改築の必要に迫られていたのであります。 右の事情からして、昭和二十六年度以降、千葉市作草部町所在の元陸軍歩兵学校跡の敷地を移転候補地と内定し、大蔵省に対して敷地の所管がえと工事費予算について折衝を重ねた結果、昭和二十八年度に至つて右移転工事費予算が認められたのであります。ところがこの敷地を候補地として内定したころから、地元民の間に、今回の請願に見られるように一、住宅地であること、二、文教地域であること等の理由をもつて鑑別所移転に対して反対を唱える者が出て来たのであります。法務省としては、この問題を円満に解決いたしたい考えから、係官を現地に派遣し、前後数回にわたつて地元の住民代表者と協議を重ね、鑑別所の性格、またはその運営方法等について説明し、地元住民の協力を要請したのであります。しかしながら不幸にしてその協力を得るに至らなかつたのであります。しかもその間千葉市長のあつせんもありまして、代替地の有無についても調査したのでありますが、右候補地以外には適当な敷地が得られなかつたのであります。そこでこの反対理由について関係当局の意見をも参考とし、慎重に検討したのでありますが、その理由としてあげられている第一の将来の住宅地であるということについては、市当局には、そうした計画はなく、単に地元住民の希望的意見に過ぎないものであり、第二のこの地域が文教地域であるということについては、近くに地元の都賀小学校がありますが、その間相当の距離があつて、この間は住宅及び畑地等によつて隔てられており、文教地域とは考えられないのであります。かりに住宅地であつたり町内に学校が設置されていたとしても、鑑別所を設置することによつて、ただちに社会風教上あるいは学校教育上悪影響を及ぼすということは、にわかに断定できかねるところでありまして、大局的に考察いたしまして所期の計画通り鑑別所移転工事を実施することを適当と考え、これに決定した次第で、なおかた 事務的には二十八年度予算の執行を急かなければならない差迫つた事情もありましたので、十二月二十二日工事の競争入札を行い、同月二十八日から工事に落手し、本年五月三十一日工事完成の予定で、目下工事は進行中であります。 右のような次第でありますから、鑑別所が有する少年保護の使命の重大なることを御理解くだされまして、石工事を継続して行くことについて何とぞ御了承を賜わりたいのであります。 ―――――――――――――
○小林委員長 日程第四三及び第四四は、いずれも印章法制定に関する請願であります。当局の意見を求めます。三浦政府委員。
○三浦政府委員 御趣旨ごもつともとも存じますが、印章は印刻師のみによつてつくられるものとは限らず、人々の好みもあることであり、また印刻師の向上によつて防犯上幾ばくの成果があるかもはかりがたいと思われますので、法務省としては、目下のところこれを法制化する考えはありません。 ―――――――――――――
○小林委員長 次に日程第四五及び第四六は、いずれも戦災火災等による滅失籍及び除籍複本再製費国庫補助に関する請願であります。一括して当局より意見を求めます。三浦政府委員。
○三浦政府委員 戸籍事務に要する経費は、地方財政法の建前上、市町村において負担するものとされております。戦災等により滅失した戸籍副本等の再製に要する経費は、現在のところ、地方財政平衡交付金のうち、特別交付金の額の算定に加えることとしているのでありますが、請願の次第もありますので、今後さらに政府において検討を加えて行きたいと存じます。 ―――――――――――――
○小林委員長 日程第四七ないし第四九は、いずれも庁舎の新築改築に関する請願であります。一括して当局より意見を求めます。
○三浦政府委員 法務局及び地方法務局の出張所在舎は、一般的に建築年次も古く、腐朽状態に達しているものが相当多いので、これが整備、改善を期するためあらゆる努力を払つている次第でありますが、これを実現するには莫大な経費を必要とします。一面支局の庁舎もいまだ裁判所と共用中のものが多く、著しく狭隘のため執務に支障を来している実状にありますので、この解決を重点的に進めなければならない実状にあります関係上、本請願の御趣旨は十分了解されるのでありますが、国家財政の現状から見て早急に実現することは困難と考えられます。 船木拘置支所は、大正八年十月一日から収容を開始し、その後犯罪件数の減少を理由に昭和十七年九月廃職するに至つたのでありますが、終戦後犯罪者の増加に伴つて昭和二十一年十一月一日から再び収容を開始したのであります。当拘置支所は連年過剰拘禁の状態を続けて来たのでありまして、収容者の処遇上遺憾な点がないわけではありませんが、何分にも現在の敷地が狭降で増築することが困難なため、他に敷地を求めて移転させなければならない関係上、予算的な制約を受けて、現在まで実施することができなかつたのであります。 しかしながら、当支所の再開以来すでに七箇年を経過し、当地方の犯罪件数に徴しても収容施設を増加しなければならない段階に来ているのでありまして、幸いこのたび船木町当局のあつせんにより移転敷地が内定いたしましたので、大蔵省当局と折衝した上で、予算的措置が可能な限り、昭和三十年度以降において移転改築を実施いたしたい計画でありますから、何とぞ御了承のほどお願いいたします。 ―――――――――――――
○小林委員長 次に、日程第一、第五○及び第五一はいずれも保護観察所に関する請願であります。一括して当局の意見を求めます。
○三浦政府委員 岐阜保護観察所高山支部設置について。さきにその一部について実施されました執行猶予者に対する保護観察制度は、近くさらに全面的に実施されることになるのでありますが、この制度の実施により、特に裁判所、検察庁と保護観察所との有機的連絡の緊要性が増大いたしますので、法務省といたしましては、国の財政が許す限りすみやかに裁判所の甲号支部程度には保護観察所の支部を設置する方針でありまして、高山支部についてもこの方針に従つて設置したいと考えております。しかしながら昭和二十九年度においては、制度としての支部設置は困難でありますので、事実上支部の機能を果させるような措置を考究して請願の御趣旨の実現に努力いたしたい所存であります。 保護観察所支部の設置について。執行猶予者保護観察制度が実施されましてから、特に裁判所、検察庁と保護観察所との有機的連絡の緊要性が増大いたしましたことはもちろんでありまして、法務省といたしましても、国の財政が許す限り一日も早く裁判所の甲号支部程度には保護観察所の支部を設置する方針でありまして、豊橋支部についてもこの方針に従つて措置したいと考えております。しかしながら本年度においては、制度的な意味においての支部設置は困難でありますので、事実上支部の機能を果させるような措置を考究しまして、請願の趣旨の実現に努力したい所存であります。
○小林委員長 次に、日程第五二ないし第五八及び第八二は、いずれも裁判所及び検察庁の設置昇格等に関する請願であります。一括して当局より意見を求めます。
○三浦政府委員 山形県西村山郡谷地町に簡易裁判所及び区検察庁を設置されたい旨の請願の御趣旨は十分了解いたしました。山形県西村山郡は、全部 寒河江簡易裁判所の管轄になつているものでありまして、積雪期における交通その他の御不便の事情は了解されますので、目下現地について実情を照会中でありますが、国家財政上の制約もきわめてきびしい現状でもありますので、最南裁判所とも協議いたしまして、十分研究いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。福岡高等裁判所支部及び福岡高等検察庁支部を鹿児島市に設置方の請願の御趣旨は一応ごもつともに存じます。政府といたしましても、御不便の事情はよく了承いたしておりますが、裁判所の支部の設置は最高裁判所の権限に属しておりますので、最高裁判所に御趣旨を伝達いたし、何分の考慮を願うことにいたしたいと存じます。 なお、高等検察庁支部の設置につきましては、高等裁判所支部が設置される際に当然考慮されることになろうと存じておりますから、あわせて御了承を願います。 福島県石川郡百同時に簡易裁判所を設置されたい旨の請願の趣旨は十分了解いたしました。佃島県石川郡は東白河郡とともに、全部棚倉簡易裁判所の管轄になつているものでありまして、不便の事情は了解されるのでありますが、予定管轄区域における事件数が比較的僅少であるほか、国家財政上の制約もきわめてきびしい現状でもありますので、早急の設置は困難かと思われますが、最高裁判所とも協議いたしまして、なお十分研究いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。 岐阜県関市に家庭裁判所出張所設置の請願の御趣旨は一応ごもつともと存じます。御不便の事情は了承されるのでありますが 家庭裁判所出張所に関する事項は破局裁判所の権限に属しておりますので 本請願の趣旨を最高裁判所に伝正し、十分の研究を願うことにいたしたいと行じますから、さよう御承知をお願いいたします。 千葉家庭裁判所佐原支部昇格方請願の御趣旨は一応御もつともに存じます。御不便の事情は了承されるのでありますが、裁判所支部に関する事項は最高裁判所の権限に属しておりますので、本請願の趣旨を最高裁判所へ伝達し、十分の研究を願うことにいたしたいと存じますからさよう御承知をお願いします。 福岡地方裁判所小倉支部等の昇格に関する請願の趣旨は十分了解いたしました。現在、福岡地方裁判所小倉支部は、わが国屈指の大工業地帯を含む五市三郡を管轄区域とし、管轄内の人口は百万を越え、取扱事件も相当数に上つているのでありまして、同支部を昇格して小倉市に地方裁判所を設置することとすれば、同地方の住民が利便を得るであろうことは疑をいれないところであります。しかしながら、御承知のように現下の国家財政よりするきびしい制約があり、また、他地方との均衡の問題もありますので、早急の設置は困難かと思われますが、最高裁判所とも協議いたしまして、なお十分研究いたしたいと存じますから、さよう御承知をお願いいたします。 ―――――――――――――
○小林委員長 次に日程第五九ないし第七〇及び第七九は、いずれも戦犯釈放に関する請願であります。一掃して当局より意見を求めます。三浦政府委員。
○三浦政府委員 戦犯受刑者の釈放について、政府は平和条約発効以来同条約第十一条所定の手続によつて各関係国に対し赦免、減刑または仮出所の勧告を行つているのでありますが、これに対する許可状況は本日、昭和二十九年五月二十一日現在は次の通りであります。 一、米国は、平和条約発効後各関係国にさきがけて、昭和二十七年十月、二名の仮出所を許可して参りまして以来、累計百二十五名の仮出所と二十一名の減刑、うち十九名は減刑の上仮出所を許可しております。 二、英国は、昭和二十八年六月に仮出所中の者八名を含めて十二名と、同年八月に四名をそれぞれ減刑して参りましたので、これによつていずれも満期出所いたしました。さらに昭和二十九年三月にも一名の減刑がありましたが、これはまだ服役中であります。なお英国関係戦犯者の終身刑は二十一年とされ、同国のレミツシヨン制度の適用によつて、その三分の二を服役することによつて釈放し得ることになつております。 三、仏国は、昭和二十八年六月、同国関係戦犯全員三十八名の減刑を行い、これによつてうち三十五名はただちに満期出所し、他の一名はその後満期となり、さらに残りの二名は昭和二十九年四月に赦免を許可されまして、全員の解決を見たのであります。 四、オランダは、昭和十八年七月に十三名の仮出所を許可して参りましたので、引続き許可があることを期待したのでありますが、刑期十年として引継ぎを受け満期釈放した者が終身刑であつたことが判明したために生じたいわゆる林事件の発生により、仮出所の許可が一時停止され、昭和、二十九年四月、林を再収容することによつて、同年四月に十六名の仮出所が許可され、林も終身刑から二十年に減刑され、最近さらに林を含めた十五名仮出所の許可通知かあり、出所いたしました。 五、濠州国関係戦犯は、いまだ一件の仮出所または減刑の許可もありません。 六、中国及び比国関係戦犯者は、すでに全員赦免、釈放されたことは御承知の通りであります。 七、極東軍事裁判所において処罰されたいわゆるA級戦犯については、条約発効当時巣鴨刑務所に拘禁中の者は十三名でありましたが、その後一名が死亡し、一名が昭和二十九年一月仮出所を許可され、現在十一名が在所中であります。 かくして巣鴨刑務所に服役中の戦犯者は、現在七百三十八名でありますが、平和条約発効に伴つてわが国に移管された者は九百二十七名であり、その後外地から送還される等によつて巣鴨刑務所に入所した者は二百二十名でありますから、結局四百九名の減少を見たのであります。この四百九名中赦免、減刑、仮出所の処置によつて出所した者は三百五十八名であつて、その他の者は満期出所あるいは死亡した者であります。 政府は戦犯者の一日もすみやかな釈放を切望し、わが全国民の感情を背景として、それぞれ相手国政府に対し、政治的にまたは司法的にその釈放促進のため努力いたして参つたのでありますが、いまだ米英和濠等の諸国は、国内輿論や議会の反響等を懸念し、戦犯釈放に対しきわめて慎重であり、今にわかに全面赦免を期待し得ず、当初よりの司法的審理方針を変更しておらないのであり、いまだ早期解決の十分な見通しを得るに至つていないことはまことに遺憾に存じております。 右の各国の司法的審理方針に即応する個別的な勧告手続は、少数の例外者を除き、赦免、減刑あるいは仮出所の勧告を終り、さらに勧告後も在所者並びにその家族の状況等の調査を続け、追加情報を送付する等によつて関係諸国の審理を容易ならしめ、釈放許可決定の促進に努めております。 同時にかかる個別的な勧告と並行して、関係各国の戦犯に対する国民感情を緩和するため、宗教団体を通じ、人道に訴え、または随時にその他適切な政治的手段をとる等、全戦犯が一日も早く釈放されるよう、さらに最善の努力を傾ける所存であります。 平和条約第十一条の廃止については、現下の国際情勢及び関係国の戦犯に対する考え方からして、相当困難が予想されるのであります。従つて政府といたしましては、条約に認められた範囲、方法によつて戦犯釈放を実現するため鋭意努力中であります。 ―――――――――――――
○小林委員長 次に日程第七一、詐欺横領事件に関する清瀬を議題といたします。当局の意見を求めます。
○三浦政府委員 本請願は、東京都江戸川区西小松同時二丁目九百十八番地、日本ユネスコ協力会事務局長兼東亜通信社長渡会恍に対する詐欺横領被告事件について、昭和二十四年三月二十一日、広島地方裁判所呉支部の言い渡した有罪判決、懲役三年、未決勾留日数八十日算入、に対し、被告人より適法なる控訴の申立があり、これに対し昭和二十六年六月三十日、広島高等裁判所が言い渡した有罪判決、懲役二年、未決勾留日数八十日算入、及び右控訴審における判決に対し、被告人から上告の申立があり、これに対し昭和二十九年一月二十一日、最高裁判所第一小法廷が裁判官全員一致をもつて右上告申立の理由なしとして上告棄却の判決をしたことに対し、右裁判の不当なることを主張するものでありますが、裁判所の判決に対しては訴訟法上の手続によつて争うべきものであります。 ―――――――――――――
○小林委員長 次に日程第七二、中国人の入国許可に関する請願を議題といたします。当局の意見を承ります。
○三浦政府委員 佐世保地区に潜在していた不法入国中国人約四十名に対しまして、昨年末出入国管理令に基き退去強制令書を発付いたし、現に逐次その執行を実施いたしております。 法務省といたしましては、一般中国人の不法入国事件の取扱いとして入国の動機、在日経歴、わが国に対するかつての協力の有無、またはわが国との縁故関係等を十分勘案の上、人道的な取扱いをいたして参つたのでありますが、本件事案につきまして詳細に検討いたしましたところ、いずれも長年中国本土において料理人、洗濯業等の業務に従事していたものでありまして、終戦後極度の生業不振のため本邦に出かせぎのため不法手段によつて入国し、潜在していたものであります。請願にあるような在日経歴等は認めることはできないのみならず、今後本邦に在留を許可すべき相当の理由も認められないのでございます。従いまして当省といたしましては、法令の定めるところによりまして処催する以外に方法はないものと考えております。
○小林委員長 紹介議員辻文雄君。
○辻文雄君 今三浦政務次官からの説明を伺いましたけれども、事実調査の結果はそのように調べれたので、間違いがあるということは私も断定はできとませんけれども、この請願の趣旨はすでに御存じの通りであります。それに補足するために、あらためて委員長と花村小委員長に個々の業績その他も文書にして差上げてありますが、私が知つた範囲では、みな密入国したことについては、むろん日本の法を犯しておりますから、現行法ではいかんともいたし方がないのです。密入国をいたしますと同時に、従来親の代からおりまして、長崎に華僑総会というものをこしらえて、その佐世保分会を代表しております林という者が、一括してこれらの世話をして、どういう職業をさせたら間違いがないかというようなこともつぶさに検討いたし、そして御存じのように、佐世保市は基地化しておるところでありますので、それらの人たちのクリーニング業をやつたらということで、それを数軒始めております。そうして使用しておりますのはおもに日本人で、三百人ぐらいか従業しております。そうしてそれの外交をおもにやつております。御存じの通り、華僑はそういう商売は非常にうまいのであります。日本人が外交に出ますとまつたくとれないけれども、華僑が参りますと非常にうまくとつて来るということで、ただいま月額二万五千ドルぐらいの仕事をいたしております。日本の金に直しますと約九百万円、こういうふうな外貨獲得をいたしております。と同時に、すべての行いその他は、五軒に集団してやつておりますので、国内におつて法を犯すというようなことはほんの少数である。もしそういう場合があつたときには、逮捕するとか、再収容するとかされないうちに、ただちに責任者の方で大村支所の方に出して収容してもらうというようなことを行つていることは、私が知つている範囲においては事実なんであります。さらに私はそれだけのことでなく、職業も少いということや、その他思想上の問題もむろん私どもは十分考えております。われわれは社会党に籍は置いておりましても、右も左も、共産主義思想と暴力革命に対しては十分の考えを持つておりまして、はつきりと一線を引いております。その意味からも、さような危険がありはしないかということを私は考えまして、紹介議員になります当初に私は個々全部に寄つてもらつて、つぶさに個人々々からそのすべてを聞くと同時に、調査、再調査もするというように私どもは注意してやつて参りました。この危険性は、人間のことで、神様でないからどんな間違いがないとも申し上げられませんけれども、そのときは私が全責任を負わなければならぬことになりますが、私の調べる範囲においてはさような危険性はないと存じております。こういうことで、よそのことはこれに関連して私も幾分知つており、また自分の土地のことについては、さようなことを十分注意しながらやつて参りましたので存じております。これはもうすでに詳しく当局も御存じのようでありましたけれども、この中には結婚をした人たちもあつたが、こういうことは私ども現実に議論にならぬと思う。しかし気持の上から申し上げましたら、私がかつて白龍丸でしたか高砂丸でしたか、舞鶴に入港しましたときに、国会から派遣されて出迎えに行つたことがある。御存じの通り、あのときは非常にもめておつて、社会党の私どもがなれておるだろうということだつたと思いますが、私ども埠頭に行つてみると、若い婦人たちが先頭に立つて赤旗を振つている。そうして最後に歌を歌つたあとで徳田書記長万歳をやつていた。最初は私どもになかなか口をきいてくれなかつたが、いろいろ話をしているうちに、品をきくようになつたときに聞いたら、こういうことを言つていた。われわれは向うで結婚をしておつて、子供もあり、帰る意思はなかつたが、半強制的に帰されたので、帰るべきところがないのだ、だからこんなことでもやつてあおり立ててやるのだと言う、こういうことが大きな影響になつて、しかもその中には思想的な人もいたと見えまして、それらがそういう人を利用したことがあの騒動の原因をなしておるようなことも一半はあつたのであります。かような実例を見たときに、これを逆に考えなければならぬ面もある。日本の立場から申しましたら、さようなことはかまうことはないじやないか、こういうことになるが、日本婦人を持つているという半面の悲しみと、それからもう一つは、それらの人たちが向うへ帰つたときにどうなるのかということは――先ほど三浦次官の説明の中にもありましたように、人道上から考えましても、また国交の上から言つても、あるいは今は武力の戦争でなくても中共とは戦争中のような形になつているかもしれませんが、私どもアジアとしてもいつかは手をつないで行かなければならぬ時代が来るであろう、さようなときに、日本を慕つて、しかも今のご説明の中には、飯が食えないからこちらにやつて来たということのようでしたが、むろんそういうことも一つの理由になつているかもしれませんが、私が知る範囲では、そればかりじやなしに、これは軍国の時代ではありますけれども、そういうときには、大半がわが国に加勢したと申すほどの大きな問題ではないかもしれませんが、協力をしておつたというようなことが私にわかつた、むしろ向うに帰つたらいじめられる、あるいは身辺の危うさからのがれ得たとしても、さような意味で向うで生活ができないということに起因しているということが私にも大体わかつたのであります。こういうことを広汎にまた詳細に分析して総合的に考えますと、私どももアジアの同胞として何とか同情を持つていただきたいと念願する次第であります。今収容されまして一日に損失をいたしております額は約三十万円くらいあるようでございます。こういうことで、一面同市に対しても税金はちやんと納めておりますし、そういうものの証明がいるということになれば、それぞれの官庁からはつきりと証明をちようだいしてやれるそうであります。支所の方でも、私が参りました時分にさようなことを申しておりましたし、個人としてはみな同情している、しかしながらこれは上司からのことでありますから、法は曲げられないから収容しなければならぬということで最近収容されておりますけれども、今のように外貨獲得の上にもわずかながら損失を招いているということも申し上げられないことはないのであります。ですから、私紹介議員として仲介の言葉のように申し上げるよりも、もし国会でさようなことができ得ることでありますれば、直接おいでいただいて、つぶさに見聞なさつて、これは特に何とか考えてやつてよろしいという結論になれば、さようにおとりはからい願いたいと存じますので、この国会が終了いたしました後でけつこうでありますから、そのときに調査員でも派遣なさつていただけばまことにけつこうだと思います。と同時に、現行法ではいかんともいたしがたいと存じますので、これまた御無理かもしれませんが、私がるる申し上げました基盤に立つて立法の措置をおとりくださつて、何とかなるようにお願いできればと、切に心から懇願申し上げる次第であります。
○宮下説明員 ただいまの請願に対しまする法務省の答弁は、先ほど三浦政務次官からお述べいただいた通りでありますが、紹介議員であられる辻議員の御発言もございましたので、少しく補足をいたしたいと考えます。現在中国人の不法入国に対して全国的に強制退去の手続を進めつつあります概数が約四百人と考えます。本件の佐世保地区の不法入国者はその一部分に当るわけであります。入国管理局におきましては、答弁でも申し上げましたように、個々の不法入国者の入国の動機あるいはその者のかつての在日の経歴あるいは政治的亡命あるいはその生活の本拠がむしろこちらにあつて、たまたま戦争当時強制疎開で本国に帰りまして日本にもどれなくなつたというような個々の事情を詳細に検討いたしまして、在留許可のできる者は在留許可をいたしているわけでございます。大体出入国管理に関する小委員会におきましても詳細申し上げましたように、今までの在留許可の概数を申し上げますと、大体半数くらいは在留許可になつておるのでございます。現在残つております約四百人は、そのような選別をいたしまして、いろいろな角度から在留許可のできる者を許可いたしたその残りの人たちでございまして、大部分は戦前在日経歴もなく、終戦後昭和二十五年、六年、七年ころに、むしろ日本が経済的、生活的に安定いたしておりますために、いわゆる出かせぎに参りました人たちがその大部分でございます。東京、横浜等においては料理人が多いのでございますが、横須賀、佐世保等におきましては本件のようなクリーニング業の使用人がその大部分でございます。本件の佐世保の人たちにつきましても詳細私の方では調査をいたしておるのでございますが、大部分がクリーニング業の使用人でございまして、かつての在日経歴もなく、終戦後昭和二十六、七年のころにこちらに不法入国をして来た人たちでございまして、大部分の出身地は山東省の威海衛でございます。これらのもの全般に対しまして、従来大陸から不法入国して参りました人たちに対して現実に強制送還をいたします方法が非常に困難でございましたので、今日まで延び延びになつておつたのでございますが、最近中国大使館ともいろいろ話をいたしまして、大陸から来た人でございましても中国側で引取つてくれないかという交渉をいたしまして、中国側でも本人が台湾行きを希望するならば引取ろうという話になりまして、個々の人に対してその意向を開き、強制退去の措置を実施しつつあるわけであります。かような全波的な態勢にごさいますので、それらの人と本件の人たちとを比較してみまして、私ども個々の人たちの人格あるいは生活態度等も十分にわかつておるのでございますが、全般的な問題として本件請願の趣旨通りにこれらの者の在留許可をするということはどうしてもいたしかねますので御了承をいただきたいと考えております。 ―――――――――――――
○小林委員長 日程第五四、福岡高等裁判所及び高等検察庁支部を鹿児島市に設置の請願につきまして紹介議員の山中貞則君から発言を求められておりますからこれを許します。山中貝則君。
○山中貞則君 ただいま再度議題にしていただきました案件につきまして紹介議員として陳情を申し上げたいのでありますが、委員もほとんどおられませんし、かんじんの最高裁も来ておられませんのでどうかと思うのでありますけれども、幸い練達の士三浦政務次官かおられますから勇を鼓して陳情することにしたいと思います。いきさつについてはもうくどくどしく申し上げませんが、本請願書は再度採択していただくことと思うのでありますが、紹介議員といたしまして、また私以外の県選出の衆議院議員、参議院議員、各党派全員一致の意見として、ただ採択してもらつただけでは今日この問題はないがしろにしておくわけに行かない問題だという意見が強く支配的でありますために、その理由をいま少しく御説明を申し上げておきます。 当初終戦直後に福岡高裁におきまして、判事の投票によつて圧倒的多数で鹿児島に設置が、一応候補地として決定されたことはいきさつとして御存じだと思うのでありますが、鹿児島は戦災で荒亡たる状態にありましたために、それを受入れる態勢ができておりませんでした。そこで宮崎県に設置されたことは御承知の通りでありますが、その後八年有余、現在の宮崎支部の状況等を見ますと、やはり当初の福岡高裁の判事諸兄の判定通り、最適地でなかつたということがいろいろと現われておるわけであります。宮崎県では県民以外の判事が赴任したがらない、あるいは赴任しても長期の執務に対して喜んでこれを行わない、いろいろのこともありまして、やはり最適地は私ども当初の判定通り鹿児島だと考えて今日もなおやまないのでありますが、ちようど昨年御承知の人口二十二万をかかえました奄美大島群島が日本に復帰をいたしまして、御承知の通り鹿児島からでも直距離二十時間の船旅をもつてようやく到着できる南溟の孤島でありまして、二十二万の人々が今後あらゆる日本の法治下に含まれることになりまして、あらゆる問題でお世話を受けるわけでありますが、これが復帰以前においても鹿児島が最適地であつた条件にさらに加えて、奄美大島の二十二万が、しかも南溟の洋上に復帰したとなりますと、これは焦眉の急であると私は考えるのであります。今日隣りの委員会室の地方行政委員会におきましては、奄美群島復興特別措置法案というのが可決されましたが、既存の法令、あるいは既存の各省の法令に基く一切の仕事を、特例でもつてほとんど全額国庫でもつてこれらの人人に日本内地並の待遇を与えるための努力をする五箇年間の期限付法律でありますが、その法律が可決されました趣旨、それが各党一致の趣旨であることにかんがみましても、やはりこの人人に関連のあります高裁並びに高検の鹿児島支部誘致はぜひとも行わなければならない問題だと思うのであります。従つて三浦政務次官ひとつ政治的にほんとうに乗り出していただきまして、これは既存の行政機構の配分がどうなつているとかあるいは予算がどうとかいうことではなく、それぞれやろうと思えばできないことはないのでありますから、これは特例として奄美大島の人々に日本が贈る一つの愛情と申しますか、そういう意味において、特例としてこれを解決してやろうという気にぜひともなつていただきたい。このことを私は再三当委員会の委員としても出席して述べておりますから、もうくど 申し上げても速記録のぺ-ジがふえるだけでありますから申し上げませんが、委員長もあるいはまた委員の各位も、政務次官もひとつぜひともこの問題は解決していただきたい。でありませんとせつかくいろいろの行政機構あるいは復興措置が完備されて行きつつありまする中で、三権分立の一方の司法面における面だけが、盲点となつてしまうのでは私はかわいそうだと考えます。ぜひひとつ御勘案ありまして、単なる採択にあらずして、決定に向つてほんとうに善処するための採択という意味でやつていただきたいと思うのであります。
○三浦政府委員 ただいまの御意見はしごくごもつともだと思うのであります。いつかもいろいろ御意見を承りまして、重大関心を持つておるのみならず、実は私的には最高裁とも話したことがありますが、ただ御承知の通り、また今の御意見の通り、宮崎県にありまする関係上、当然な処置ではあるけれども、当然こしらえなければならぬのでありますけれども、最高裁判所の予算その他においてもなかなか踏んぎりがついておらないように考えられるのでありますが、御趣旨まことにごもつともでありますので、できるだけそういう方向に向つて努力をいたしたいと思います。
○山中貞君 これにはいろいろの事情と申されますが、もう一つ残つておりますのは、五鬼上さんがうんと言わないだけなのです。だから政務次官は政治的に五鬼上さんをうんと言わせて、そして特例的な措置をすみやかに実施せしめるようにお願いをいたします。
○辻文雄君 宮下さんからのそういうお話、私よくわかるが、あなたは私が説明せぬでもよそのことは十分わかると思う。私より詳しいのだから……。よそが悪いとか何だとかいうことは、私もよくわかります。これは三浦次官もよく聞いておいてもらいたい。しかし将来に備えてもそういう役に立つ人をどうするかということを考えなければならぬから、ここに意見は申し上げませんが、宮下さんも十分温情を持つてお考え願いたいと思います。これはお願いですから誤解のないように願います。 ―――――――――――――
○小林委員長 それでは日程第八二、福岡地方裁判所小倉支部等の昇格に関する請願について発言を許します。林信雄君。
○林(信)委員 この請願に対する法務省の御意見は先刻承つたのであります。この請願の趣旨はもちろん集約して掲げられておりまするが、少しくつけ加えて考えてみますると、あげられておりまするものは、管内の人口、あるいは現支部の事件数、過去の簡単なる沿革にとどまつておるようでありますけれども、これが本庁に昇格するということに相なりますと、ただいまの支部のみでは足りないと思う。当然それにつながりまする一連の区域が当然本庁管轄になつて来ると思います。実際に福岡県政を眺めましても北と南とに考えられまするが、今本庁の所在地は、その中央部にある。南北に両断することになりますと、本庁を南部の方と見、小倉の地方裁判所を北部と見る関係になるので、地勢上から見ましても御承知の通り縦断されて――大きな山脈があり、これによつて両断されておるのであります。従いまして北部の区域はかなりの範囲になつて来るのであります。またそうなることが望ましいのであります。そうした姿を見ますると、地方裁判所として相当の環境にあるのです。このことはおよそ御意見によりましても趣旨を御了承願つたようでありますから繰返すまでもないのですけれども、最近の情勢では争議関係に非常に複雑な事件が現れて参つております。ということは特殊のああいう工業地帯でありますので、製鉄所を初め、あるいは三菱関係のガラス工場であるとか化学工場であるとか、それから筑豊一帯の炭田を控えております港の関係があります。発電所のごときも何十万キロのものはすでに三箇所もあり、さらに五十万キロの大きなものがアメリカから機械を取寄せられてできるという関係、工場労働争議があるかと思いますると、炭鉱の労働争議があり、あるいは電力関係の労働争議があるというようなことで検察庁関係の特異な事件を控え、検察庁の特異な事件ということは自然両手両足にひとしい関係において裁判所の特異な事件になつて来るのであります。こういう趣旨は全部のみ込まれての趣旨了承のことであろうと思うのですが、後段にお述べになりました財政的の関係と、他地方との均衡の問題、この二つで簡単に返事ができないような御意見であつたようでありますが、その財政的な関係はこれは今の支部におきましても長らしい人、らしいではない、長はありますし、建物もあります。小さい問題は自動車一つにしてもいるのでありまして、ほとんど形の上においては本庁とかわらないのでありますから、経費はほとんどかわらない。若干増すかもしれませんがおそらく減りはしないというのが常識的な見方だと思うのであります。大した理由はないと思います。 地方との均衡という御意見でございましたが、はたしてこれほど特異な情勢下にありまする地方があるのでありますか、あればお示しを願つて、われわれも比較検討してみたいと存じますが、おそらくこれに匹敵するような地方はないと存じております。あればお示しを願いたい。かような意味におきまして、財政面から考えましても、地方の均衡という問題から考えましても、躊躇せられるところはおそらくない、一つの制度改正によつてできることと考えております。前段お述べになりましたような地方民の利便というものは非常なものであります。ひいて国家の法務行政上、裁判行政上まことに望ましいことだと考えております。早急実現を希望いたしますとともに、私の述べました点の他地方との均衡の問題について御意見がございましたならば、重ねて承ることができれば仕合せだと思います。
○位野木政府委員 ただいま林委員からお述べになりました小倉支部の昇格の件でありますが、お述べになりましたこと一々ごもつともであります。ずつと前にお話がありましたが、つい最近具体的な問題になりましたので実は調査が行き届いていないのであります。従って答弁資料も十分できていないのであります。他地方との関係、つまりまだこれに匹敵するような地方がほかにあるかということでありますが、そういうものがあるということまでは申し上げられませんが、同じ県下で二つの地方裁をつくってもらいたいというような請願は、ほかにもあるのであります。それから北海道あたりでも、あの広い地域で割に地力裁の数が少い。もっとふやしてくれというような話もありまして、こういう点も相当考慮すべき余地があるのじやないかというふうに考えておるのであります。そういうようなことを考えて申し上げたのであります。しかしながらこれは特にそういう必要があるということでありますれば、もちろん考えなければいけないと思いますが、なお十分研究してみたいと思います。
○林(信)委員 お述べになりました御趣旨はわかるのですが、結局他地方との均衡の問題というのは、伺っておりますると、昔から一府県一地方裁判所主義とよく言われました、その考え方以上には出ておらないように存じます。実際上に必要を感じて、実際上の国民の要望を満たしてやろうという考え方にはなっておらぬと思うのであります。私が紹介議員としてこれを強く支持いたしますのは、実際上の利便を持っておる。一府県一地方裁判所ということが、たまたま廃藩置県以後そういうことでやって参りましたから、これは頭にこびりついた問題にはなっておりましようけれども、政治というものは形式でなくて実際でなくちやならぬことには、あまりに遠い観念だと思う。その辺から行きますと、北海道は一道でありますけれども、札幌、旭川、釧路、小樽ですか、四箇所か五箇所あるわけです。加えて帯広がその希望を持っておるということを伺いまして、私も昨年末行ってみましたが、失礼ながら北九州のあの情勢とは大へん違うと思う。もっともあの交通不便なところですから、交通関係から参りましたならば、大きく取上げられなければならぬと思うのでありますけれども、事件数その他の実態から参りますと、うんと違うと思います。それにしましても、帯広あたりにほんとうにその必要がありまするならば、これはやはり考えてやらなければならぬと思うのであります。私は失礼ながら、従来からのとらわれた考え方の域を出ておられないのを残念に思うのでございまして、あらためてひとつお考えを願いまして、この問題に対処願いたいということを希望申し上げまして、私の意見を終ります。 ―――――――――――――
○小林委員長 日程第七三ないし第七八及び第八〇ないし第八一は、いずれも売春禁止法制定に関する請願でありますから、一括議題といたします。政府の意見を求めます。
○三浦政府委員 売春問題につきましては、政府といたしましても、これが風教上黙過しがたい現状にあるのにかんがみ、早急にこの問題に対する総合対策を樹立する必要があるものと認め、売春行為等の防止及びその、取締り、並びに売春婦の更生保護等、売春に関する諸般の問題を検討し、これに関する立法その他総合的根本対策を協議するため、昨年十二月十八日、閣議了解のもとに、内閣に事実上の協議機関として、売春問題対策協議会が設置されました。この協議会は、本年二月六日の第一回総会以来、今日まですでに九回の総会と一回の小委員会とが開かれております。同協議会におきましては、売春禁止の問題を中心に熱心な討議をいたしておりますが、いまだ全体としての結論を見る段階に到達しておりません。政府といたしましては、この協議会の結論を得た上、この意見はを十分に尊重して、立法その他諸般の措置によって売春問題に対処したいと思います。また今回国会におきましては、堤議員外十二名の議員より売春等処罰法案が提出され、目下法務委員会におきまして御検討を重ねておるところであります。この法案が成立いたしました際には、政府といたしましても、もとより法の厳正な執行に当り、その成果を期待いたしたいと存じております。
○小林委員長 以上をもつて政府よりの意見聴取は終了いたしました。 何か御質疑はありませんか。――御質疑がなければ、この際お諮りいたします。本日の請願日秘中、第四三及び第四四はこれを採択することとし、第一ないし第二五、第二七ないし第四二、第四五ないし第七二、第七九、及び第八二はいずれもこれを採択し、採択の上は内閣に送付すべきものとし、他はその決定を留保いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なければさよう決定いたします。 ―――――――――――――
○小林委員長 次に陳情書の審査を行います。日程第一より第八六、第九〇より第九七、第一〇一、第一〇五及び第一一〇より第一一二は、戦犯受刑者の釈放、地方法務局出張所存置、売春等処罰法案の制定福岡岡寺裁判所並びに同高等裁判所支部を鹿児島市に設置、及び戦火災等による滅失戸籍複本再製経費国庫負担の陳情書で、これらはいずれもただいま審査いたしました請願と同趣旨であります。保護観察制度に関する陳情書及び疑獄事件の真相糾明に関する陳情書各二件、矯正保護笹区存続に関する陳情書、旭川市所在の司法関係諸官舎の総合建設等に関する陳情書、釧路地方法務局根室支局の格下げ反対の陳情書、岡崎刑務所支所を少年収容施設として復活の陳情書、株式会社法改正に縄ずる陳情書、東京拘置所における人種的差別待遇廃止に関する陳情書、戦時混乱期における不法利得者に対する臨時措置法等の立法に関する陳情書、外国人登録事務費の全額国庫負担に関する陳情書、刑事訴訟法第二百六十一条の改正に関する陳情書がおのおの一件であります。これらの陳情書はいずれ本委員会において了承することといたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 ただいま議決いたしました請願に関する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なければさようとりはからいます。 ―――――――――――――
○小林委員長 次に、法務行政に関する件について調査を進めます。 この際おはかりいたします。淀橋警察署長石田竹蔵君を参考人といたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。 発言の通告がありますから、これを許します。古谷貞雄君。
○古屋(貞)委員 実は五月二十日の毎日新聞に三段抜きで出ております事件であります。これは告訴も出ておるはずですが、天野電器の東京支店の営業所が一晩にして奪われてしまって、しかもそのあとにはパチンコ屋が営業をやっておるという状態なんです。場所は新宿区角筈一町目八百二十六番地所在、木造二階建の家で、天野電器が営業をやっておりましたけれども、本研の五月十七、十八、十九日と三日間に営業所を整理し、改装するために大工に工事の請負をやらせた。従来電気工華をやったり、ラジオを売ったりしておりましたが、その店の中の整理をして大工が改装の工事にかかりましたときに、暴力をもつてここが奪われ、しかもその翌日からパチンコの機械が運び込まれて、営業をやっておるという問題なんです。これは、東京のまん中において暴力をもつて営業権並びに占有権を奪って、しかもその奪い方が、天野電器の建物を破壊いたしましてさようなことをしておる。これはゆゆしき問題でございまして、かようなことが東京のまん中で許されるとするならば、法治国としての面目は破壊される重大な問題でございますので、私承りたいのです。第一に、署長さんの方へは告訴が出ておるはずでありますが、この告訴の内容についてどういうお取調べをしておるか。私が承りたいのは、暴力をもつて他人の営業所を破壊し、脅迫をもつてその徴集場所の工事を中止せしめ、しかも暴力をもつてそこに機械をすえつけ、そこで営業をやっておる。しかもその営業については、何ら警視庁の正式な許可を得ていないのにやっておる。それを警察が、告訴があるにもかかわらずこれを認めて、今日までこれをやらせておる、この点について御答弁願いたい。
○石田参考人 お答えいたします。これに関する告訴は、代理人の中沢弁護人から出ております。これは五月二十二日であります。その内容は、今仰せになったように、五月十八日の夜に、天野電器株式会社――天野信雄氏が社長でありますが、その家の状況は、三間間口で間口が三つにわかれておりまして、そのまん中に一間の天野電器がある。一間というのは六尺であります。今現にパチンコをやっているのは三坪半とか四坪となっておりますけれども、現実にはかつてみると、三坪半くらいのところであります。このパチンコ屋というのは、表は一間ですが、中は広くなっている。今の天野電器のところを、中からやって来ますとそれだけ広くなるということで、中の方からこわした、こういうことは事実であります。それについてその告訴の内容は、家宅不法侵入、器物毀棄、営業妨害の三点であります。その内容はきようで全部調べが終るのであります。ただいま申されましたように、十八日の夜の六時から八時ころでございますか、そのころ、洪という人間が内分の使っていた大工を連れて行って、天野の方で模様がえをするのを阻止してやめさせ、その大工に細工をさせてパチンコ台をすえつけた、こういうことを雷っております。また現にその通りであります。今まで調べたところによりますと、その場所を二百万円で買った、こういうようなことも言って来ております。いろいろありますけども、私の方にすれば、民法上の売買というようなことについてはちよつと立ち入れぬのであります。いずれにしても、どんなことがあったにしろ、それがもしも自分の方が正当なものであれは、正当の手続を経て、執行吏によるところの手続でもつてこれを移転すべきであるにかかわらず、自分が暴力を用いてやったということでありますと、この点は明らかに一不法侵入になる、それから天野の方の家屋、設備その他を損壊したということは建造物毀棄になりますし、そのために天野がその間営業ができないことになると、営業妨害ということになるのであります。その点について、きよう全部調べか終りまして、明日は日曜ですから、おそらくあさって処催する、こういうことであります。
○古屋(貞)委員 そんなことは当然のことなんです。問題は、十八日の晩の十一時ごろにそういう暴力でやられましたから、天野の使用人はさっそく交番に申し出て、交番にとめてもらいたいという要求をしておる、のみならず大工の三人は、自分が請負つた工事であるからこれを遂行する、さように主張いたしましたけれども、洪仁栄外十数人の暴力団が来て、暴力をもつてこれを追い出したあとへパチンコ台を運んだ、その現行犯について交番に届をして、やめてもらいたいということを主張いたしましたけれども、これをやめてくれなかったという点が一つ、それからさらに十八日の晩から十九日にかけてパチンコの機械を運び込み、そこで営業をやっておるにかかわらず、警察の司法係においては、告訴を受けるまでに数回天野商店からとめてもらいたいということを申し出てもとめてもらえなかったという点が私は非常に間一週になると思う。告訴が出るまで二日も三日もほつておいて、警察が手をこまねいて見ておるということであれば、われわれで暴力をもつて、どんな家の明渡しでも、どんな人のやっておる営業でも奪えるわけでありまして、この点が私は問題になると思う。告訴が出て、正式に取調べて、起訴するとかしないとかいうことは、これはあたり支えである。ただ問題は、東京のまん中で、何らの関係のない者が暴力をもつて他人の店を奪ってしまつたこの現行犯をどうして検挙しなかったか、この理由を承りたい。
○石田参考人 今仰せのように、十何人の人間が暴力を用いて大野の店員をおつぽり出したということでありますが、そういうことは聞いておりません。私がそもそもこの事件を一番初まりに知ったのは今月の十九日の十時ごろであります。私は十九日に某所におりまして、これを新聞記者が言って参りましたので――私はそれまではこのことは知らなかったのでありますが、それでそこから署に電話をかけたのであります。そのとき捜査主任の佐々木というのがおりまして、きょうは仕事に出ていておりませんので出て参りませんが、それが出たのであります。そこで、こういうことを知っておるかと聞いたところが、実は天野さんが洪という者にやられておるということを言って来ましたので、捜査主任が制止をするために行ったというのであります。これはまさにその通り行っております。これはただそれだけのことならばいいのでありますけれども、その家を売った、買ったという問題がはさまるのであります。あとからよく調べてみたところによれば、そのとき洪仁栄は、天野からこの家を二百万円で買ったのだ、それでこれはおれに引渡すことになっておる、こういうことであったらしいのであります。片方の方――これは天野さんから頼まれた方の大工でありますが、その大工さんは、いや、そうであっても、これは天野さんに頼まれて仕事をしているのだから、この仕事をやめれば天野さんにしかられるのだ、どうしてくれると言ったら、その仕事をやめれば、天野の仕事はおれが引取ってやるということを、洪というのが一筆書いてその大工に入れた、そういうことがありまして、おめえの方で責任を負うんならこっちの方は知らぬ、こういうことで大工は出て行った、こういうことになっているのでありまして、これは十人も十二、三人本屈強の者が行って、力を加えてこれを追い出したということは聞いておりませんので、帰りましてよく調べて見て、もしそういうことがありますとたいへんなことでありますので、徹底的に調べたいと思います。
○古屋(貞)委員 私の申し上げているのは、契約書があつてもいいのです。あっても、暴力でやるということは現行犯になるわけであります。それは大工さんだけでなくて、留守居番が二人おりまして、そんなべらぼうなことはない、困りますというて拒否したにかかわらず、その洪という人との間の境の壁をぶちこわし、しかも大工が工事をしておりますのに、それを強制的にやめさせた。写真をとっておきましたけれども、天野電器では十七、八、九日は室内の改装をするので休みますという広告をちゃんと張り出している時期でもある。これを一目ごらんになれば、売ったか売らぬかがすぐわかる、のみならず、かりに買ったといたしましても、民事の争いだといたしましても、壁をこわし、他人が工事をしているものを暴力でやめさせるということは現行犯です。これをなぜ縛らなかったかという理由を承りたい。現行犯を検挙しなかった理由を私は聞いているのです。この点どうなんです。こんなべらぼうなことはない。東京のまん中で、他人が営業をやっている、それを第三者が行って、暴力で奪ってしまう、その家をこわす、それは困るというて、これを拒んでいる、警察にとめてもらいたいと言つたが、警察は手をこまねいてほつておくというのでは警察はいらない。そこで、警察はなぜ現行犯を検挙しなかつたかという理由を承りたいことが一つと、それからもう一つは、他人の家を暴力で奪つて、許可してないパチンコ屋の営業をどういう理由でやつたか。これは承りますと、洪仁栄という男は、その他の方で自分が元やつておつたパチンコ屋も警視庁の許可を受けていない。こういうことは常識では考えられない。天野の方から聞きますと、警察とも相当密接な関係があるのだ、しめし合せているのだ、こういうことを言うて来ているのです。この点、淀橋警察署に対しかようなことを言うことはまことに遺憾でありますけれども、今までの経過から考えれば私どもはそう信ずる。許可なくしてパチンコ屋をやらせておる、暴力で他人、家を奪つて、しかもそこで自分の営業を始めており、それをやらせておる、警察に数回参りましても、警察はこれを検挙してくれない、こういうことになると――署長の意見もこの新聞に出ている、この通り言つたかどうか知らぬが、こういうことをおつしやつて検挙しないということは、重大な問題だと思う。民事上の問題だからというようなことをおつしやつているが、しかし民事上の問題と現行犯の検挙ということとは別個の問題です。その点、どういう理由で検挙しなかつたか、どうして営業をやらせたか、許可があつたかどうか、その点はどうですか。
○石田参考人 ただいま現行犯を検挙しなかつた理由ということですが、私どもは実際それについて困つているのであります。告訴をするということで、告訴状が出て来るまで待つておつた、そしてその告訴状の内容で、さつきも申し上げましたように、家宅侵入とか、営業妨害とかいうものが出て来るのでありますが、告訴が出るのだということで、その現行犯というものをそれと一緒にやろう、こういうことでなかつたかと思います。先ほど申し上げましたように、扱つた佐々木という警部補が今おりませんので、急いでそのまま来たのでありますが、そういうことで営業をやらしておるということは、これはもちろんやらせるべきものではないのでありまして、争いのある場所、こういう者がたとい出願しても許可になるわけではないのであります。現実にやつておつた、こういうことは別といたしまして、ほんとうはやらせるべきことではない、これが正しいのであります。きのうはうんとしかりましたので、きのうからははつきりやつておりません。
○古屋(貞)委員 そういうことでは私は納得が行きません。人の家を警察の前でこわしておるのを見ながら、警察が告訴するのを待つておるとか、これは民事上だから検挙しないということ自体が重大な曠職の問題ですよ。こういうことをやるのなら、裁判所はいらなくなりますよ。しかもこれはお調べになつたらわかりますが、言いがかりの民事事件なら多少はここに考えられる余地があると思うのです。お調べになつた結果は民事に全然関係はないはずだと思う。従つて人のやつておる営業を隣の人がその留守に乗じて壁をこわしおつばらつちやつて、自分の営業の品物をそこへ持ち込もうとする。それで警察に飛んで行つた場合に、警察はこれを今日までほうつておくということは、これは一体どうなんです。東京のまん中で五十人、六十人の暴力団をもつて人の家の明渡しをやるという話はない。こんなことなら家屋の明渡しとか他人の営業をじやましようと思えば何でもできる。あとで処罰しても何もならぬと思う。今天野電器は非常な大きな月賦販売なとしておつたのに、営業所がなくなつて、あとをつぶした、売つちやつたということで、非常に莫大な損害を受けておるわけです。その損害のことは別といたしましても、現行犯の申出があつたのに、現行犯をなぜ検挙しなかつたということ、この点なんです。私どもには納得が行かない。そういう場合こそ、あなたの署で手が足りなければ警視庁へ連絡して、いかなる場合でも現状を変更させないという一つの処置をおとりにならなければ、警察の責任を果したとはいえない。かつて戦争前にこういう暴力団が跋雇いたしまして、そうして家の明渡しは裁判所へ持つて行けば三年も五年もかかるので、暴力団でやるという事態が相当ありまして、あなたも御承知の通り、社会に対する非常な不安と混乱を招いたことがあります。こういうことをして、一週間も二週間も検挙しないでほつておいて、告訴を待つて呼出しをしてお調べをするということなら、東京のまん中の治安というものは絶対に私は守れぬと思うがどうですか。私どもはかつて淀橋署がボスのために相当あやつられて腐心された。当時あそこは新聞記者は歩けぬほどだつたのに、生命を賭してまでボスと闘つていただいて、あそこはよくなつたと思つておつたが、また前と同じことになつて、暴力団が約十五、六名、名前はわからぬでしようが、あなたの方ではそれを検挙できないのです。こういうでたらめなことをしておるならば、淀橋署は暴力団の洪仁栄と結託していると言われても弁解の余地はないと思う。あなたはごらんになつたかどうか知らないけれども、洪仁栄は看板までかけておる、機械はそのまますぐ持つて行つておる。十九日から営業ができるように、暴力団としめし合せて計画的にやつている。東京のまん中の治安問題として重大な問題だと思うのです。ただあなたが聞いてみてからどうだということをおつしやるから、私は納得行かない。そんななまぬるい問題じやないのです。二十日の新聞にも書かれておるのです。全然お調べになつておらない。捜査主任がおらなかつたとか、だれがおらなかつたというようななまやさしい問題ではない。こういうことでは不安で東京ではまじめに営業ができない。あなたの管内ではまじめな人間が営業を続けられないということになる。どういうわけで検挙しないか、理由を承りたい。どうもうまく行かなかつたというような弁解では、私は取返しのつかぬ事件だと思う。二度も三度も嘆願に行つておる。口頭告訴もしておる。現状そのものを見せて警察官が一度来たらしいのですよ。どういうわけで現行犯としてこれを検挙しなかつたか、その理由を聞きたい。それとも洪仁栄から警察が頼まれて、どうもこれは民事事件だと考えて、あまり正式な検挙ができなかつたというのですか、この点はどうなんでしようか。
○石田参考人 お言葉を返すようで恐れ入りますけれども、とにかく暴漢が十二、三名も来たということは私は聞いておりませんし、そういうことはないように思つております。 それから現行犯としてどうしてその場で逮捕しなかつたかということは、さつきも申し上げたと思いますが、これは十九日の夜に初めて私の方の捜査主任が行つたのでありますが、このときにはなるほど今仰せの通り民事事件だ、こういうようなことがあつてそれで帰つて来たように聞いております。そういうことでこれは民事の争いじやないか、行つた者はそういうふうな考えで帰つて来たように私は思つております。これは民事事件なら、警察は民事事件に関与しちやならぬということが頭の髄までしみ込んでおるものでありますから、これは買つた売つた、おれの権利だ、お前の権利だ、そんなところへ入つてどうなるんだ、あとから考えてみると、たといどうであろうと、法律上の手続で合法的に占有を移転してもらつてそこへ行くのがあたりまえだということになりますが、その場ではとつさに的確な判断はできなかつたので、その点は御了承を願いたいと思います。 それで民事事件だから関与するなと新聞に出ておると仰せられましたが、私はそういうことを言つた覚えはありません。これは係が言うたか、それとも新聞が捏造ということはないと思いますが、私がこれは特殊な事件だからかもうことはない、警察の干渉する範囲外だ、こういうことを言つた覚えはございません。そういうことは私は絶対言いません。
○古屋(貞)委員 そこであなたは十二、三人行つたことがないとおつしやられておりますが、司法主任が調べたからよくわかるはずです。 もう一つは、一体十二、三人に来られて大工がこれほどいじめられて、一筆書いてもらえというのを拒否しておる、こういうことを一体警察がとめてもらわなければ警察の役が立たないでしよう。われわれの家一夫も二十人も家宅侵入をして来て、留守番の者を暴力でいろいろやつた場合に、留守番が警察へ申し出て、この現状についてひとつ捜査なり検挙なりして保護してもらいたいと頼んだ場合に、一体警察はそのままほうつておいていいのか、これをやつてもらわなければ治安というものは保たれないと思う。その場合の本人が私の方からここへ来ておりますから、うそは言つておりません。私の申し上げることは、警察がやつたことがどうだこうだということよりも、なぜやらなかつたかということをお尋ねしておる。十三人で来て、大工が工事を進めなければならぬにかかわらず、暴力でやめさせられたということはあなたもお認めになつておるらしい。何人来たということは否認されておるけれども、五人、十人でもけつこうです。民事事件でもけつこうです。民事事件でもそれは執達吏の執行は強制力を持つが、ほかのことは強制力を持たぬことは、どんなに末端におる警察官も知つておる。強制でやることについてはやめてください、現状のままにしてくださいと主張して警察はなぜやらなかつたか、それをあえて暴力でやるならば、警察が現行犯として何人でも検挙しなければならぬにかかわらず、それをなぜ検挙しなかつたかということを申し上げておる。民事事件という理由がつきますか、あなたのおつしやることからいえば、民事事件で家を貸しておいて相手方が賃料を払わぬ、内容証明で契約を解除して、その解除したものを持つて行つて、借家人の家に暴力で行つて、本人を追い出して、警察が来てこれは民事事件だから手をつけられませんということをおつしやられるような警察なら、日本中にそんな警察は一つもいらないと私は確信しますよ。
○石田参考人 先に私申し上げましたように現場に行つた警察官がそういうことを訴えられて来て、とめないことはないのであります。とめたのであります。とめたのだけれども聞かぬということであります。
○古屋(貞)委員 警察官の言うことを聞かないものを検挙しなければ、警察なんていらないじやないか。
○石田参考人 とめて来たわけであります。しかしこれはそうおつしやいますけれども、天野さんの方から訴えられるたびに行つてとめてあるのでありますが、そのたびに一々警察がいなくなつたから暴力を振う、また警察が行つてとめる、帰つて来るとまたやる、そういうものではないのであります。たつた一回なんであります。
○古屋(貞)委員 そうじやないですよ。十九日の晩十何人で暴力で大工を追つ払つているときに行つているんだから、そのときになぜやめさせないかということなんです。そんな警察ならいらない。警察は当然やめさせる権利があり、義務があるんですよ。
○小林委員長 けんかをしないでまあ一つ一つ……。
○古屋(貞)委員 それでははつきしてくださいよ。一つ一つ私の方から聞くから答えてください。十九日の晩、十何人で大工の工事をやめさした現場に、訴えによつて交番が出て来ておりながら、どうしてそれをやめさせなかつたか、これが一つ。さらにそこで暴力を振つているのに警察官が引上げてしまつた、これに対する責任はどうです。
○石田参考人 今ようやくわかりました。四月十九日に交番から訴えられたときに行きました。そのときにその警察官が行つてやめろ、こういうことで、片一方の方ではおれが買つたんだ、こういうようなことで盛んに主張したらしいのであります。これは私でありません。その主任が調べた報告であります。それで一応これはさつき仰せになりましたように、これは民事上の争いじやないか、これはちやんと天野さんと私の方で話をつけてあるんだからということで交番の者は帰つて来た。けれども暴力はやめろと警察が言つたので、それでやめた。けれどもそういうふうに言いまくられて、そうかなあということで帰つて来た。それから捜査主任が行つた。こういう段取りになるのであります。それは十九日の晩でございます。
○古屋(貞)委員 捜査主任が行つてやめさせずにそれをそのまま帰つて来ている。それでいいかどうか。あと引続いて、どういうことを警察の捜査主任と交番の巡査が申したか知りませんけれども、パチンコの機械をその家に持ち込んで来て、そこへ留守をしている天野の使用人が拒否してもそれを力で威圧し、おどかして。パチンコの機械を運び込んでいることが一つ。営業をやつていることも事実なんだ。こういうたとえ民事上の問題でありましても、これだけ申し出ているにかかわらずこれをやつた。この現実に対する処置をどう思うかということをあなたに聞いている。正当な警察官の権利行使をやつたかどうか。それとも権利行使をやらずにまずいことをしてしまつて今日になつてしまつたとあなたはおつしやるのか。この点どうなんですか。パチンコを運んでいる事実、営業をやつている事実、これをお認めになるかどうか。先にそれを聞きたい。その点はどうですか。
○石田参考人 パチンコの機械を運んで来たというのは、ただいまの前のお答えにつながるわけでありますが、今申し上げましたようにこれは当事者の間で売買が成立したんだ、警察は干渉の外にあるのだという意味で、こつちが排斥された。常業するということは、これは公安委員会の干渉することで、営業を干渉することはできませんけれども、それはどういうことでありますか、とにかくこつちが行つたときには奪われておつたということでありまして、パチンコの機械も入れさせちやならぬ、こういうふうに私たちは一応考えてはおりますが、そのときの考えでは、人のやることでありまして片つ方ではこれはおれが買つたんだ、ちやんと合法的に買つたんだ、こういうような主張でして帰つて来たというようないきさつでありまして、パチンコの機械を持つて来たからといつて営業しなければまあ問題ではないじやないか、まあこういうようなことであつたのです。こういうことは係りから聞いております。営業しなければこつちはパチンコの機械を持ち込んだということですぐこれが公安委員会の方の違反だということにはならないのであります。パチンコの機械があつても営業をやらなければ別に営業許可違反ということにはただちにならない、まあそういうことで、初まりはパチンコの機械を入れても見逃して来たのじやないかと思います。それからパチンコの機械を入れて営業をやつておつたということは、実際やつておつたんだということになればこれはあやまちであります。それですから現場に警部補をやりましてこれははつきりとめてあります。これはごらんを願いたい。よもや今後は違反ということはないと思います。仕切りをしておきましたから、これは間違いありません。この争いの場所においてパチンコ台をすえつけて営業するということは、それまではどうであつても、営業するということは明らかに阻止しなければならない。これはきのうはつきりそういうふうに処置をしてあります。御了承願います。
○古屋(貞)委員 私の言つていることはそんなことを言つているんじやないですよ。営業をやるやらぬとかいうこと、とんでもない話、あたりまえのことだ。それよりも問題は、私があなたに聞いているのは、民事上の事件ということを言えば警察は引きさがつていいということをあなた訓練しているんですか。その点どうですか。暴力をもつて人の営業所を奪つている現状がここにあつても、民事上の事件で契約があるという弁明をすれば、警察は引きさがつていいという指揮を一体あなたはしていますか。その点を伺います。 〔委員長退席、林(信)委員長代理着席〕
○石田参考人 私の訓練について申し上げます。民事事件ならば干渉しなくたっていいんだ、取扱わなくたつていいんだ、そういうふうには訓練しておりません。警察はたとえば民車上のことが、まあ家屋の貸借の問題とかいろいろ警察に持ち込まれるものがあるというけれども、それが単純な民事上の関係であれば警察は干渉すべきでないと思いますけれども、今のようにたとえばそういうものであつても不法侵入というものが成り立つのであればこれは容赦をしないのでありまして、現に告訴してある分についてはこれを厳重に追究しておって、そしておそらくきようは全部をまとめる、こういうことになっておりますから、全部まとめて、それを今申し上げるように家宅侵入、営業妨害、こういうことの異名でもってこれをやるのだ、こういうことになっております。
○古屋(貞)委員 私はそういうあたりまえなことを聞いているのじやないですよ。私の聞くのは、現場において暴力力で不法行為をやつていることを認めておりたがら、しかも派出所の巡査も捜査主任も現場へ来て事情を知つておりながら、なぜ一体今日まで営業をして来たあの人の場所を占有させ、そこへ暴力で物を持ち運ばせ、設備をさしたという、これがいいことか、悪いことか、これが一体正当なる警察官の職務執行をやった状態かどうかをあなたに開いている。その点はどうなんです。警察官のやり方というものはこれでいいんですか。簡単にひとついいか悪いか、聞きたい。
○石田参考人 私も実はこれは、こう言つちや恐れ入りますけれども、今急いでもおりますので、ひとつもう少し私に部下のやり方ですな、どういうふうにしてやったかということのそのやり方を調べさしていただいて、それからあらためてここで御答弁をさしていただく、こういうことに願えませんでしょうか。
○古屋(貞)委員 それはけっこうですが、あなたのお考えですよ。この事件は十九日晩の十一時ころのできごとであつて、そこへ大工が三人おりまして、大野さんから請負つた仕出をやつておるのに、隣りの洪という男が自分の河野という支配人並びに暴力団十三名を連れて行って、そうして大工に脅迫と暴力でその仕事をやめさして、しかも大野の使用人の二人の若者に対して一言も言えないようにふるわせるようなおどかしをして、そうして洪仁栄はパチンコを運び込んだ。しかもこれが一台や二台、五台や十台じゃない。二十数台も運び込んた。そうして天町さんを追つ払ってしまったというこの現実に対して、あなたの部下が今日までやつたことが正しかったか、正しくたかつたかということについてあなたが署長として判断してどうか、この問題は徹底的に調査する、あなたの責任問題になるから……。これに対するあなたの考えを言つてもらえばいい。あなたはこの事実を見て、自分の部下は正しいことをやっている、何の非点もないと考えられるか、それを聞くんですよ。いかがですか。こういうことが東京のまん中で行われるならば警察はいらないですよ。いいですか、十九日ですよ、きようで十日間、暴力で営業所を奪われた、暴力で奪った人間が営業をやっていた、こいういことは東京のまん中で考えられぬから私は言っている。あなたの部下がやったことなら、派出所の巡査と捜査主任がやったことが正しかったか正しくなかったか、警察官のやるべき行為をちゃんとやつたか、それとも欠点があったか、その事実だけに対するあなたの判断を開きたい。
○石田参考人 これは今先生が仰せになりますように、ただ一応大野側だけの理由にすればその通りごもっともでありまして、これは何も私の方で取扱つたことがいいとか悪いとかいうことになりません。これはとにかく仰せの通り、それを承れば、このことを今まで延ばしていた、こういうことについてお前が悪いのだということであれば明らかに私が悪いのでありまして、これは部下がどうやったということではないのであります。これは私の指導がよろしくない、こういうことで、全責任は私が負うべきものでありまして、この点はもしも悪いというのであればここにつつしんで陳謝いたしますけれども、しかしまた片方の言い方もあるのでございまして、やはり警察といたしましては、片方でこういうふうに言つて来たからこれは現行犯としてこうやれ、こう言つても、そのときになりますと片方の言い方もまた聞かなくちゃならないので、これははなはだ申し上げて恐れ入りますけれども、やはり一応慎重に両方聞くということも必要なのでありまして、一概に片方が言って来たらそれを真に受けて、その通りだと言つて営業をどうするということは慎まなければならないと思つております。相手方の言うこともよく聞いてということで、一見外から見ますとこれはゆるい、寛恕に過ぎるではないか、こういうふうなことに見えたかもしれませんけれども、警察もこればかりをやつておるのではありませんので、こういうことを申し上げて何でごさいますけれども、とにかく一生懸命やつているということだけは、調べを毎日やつているということで――きよう、もしたこういうふうな人間を呼ぶということで順序よくやつて来て、そうして一応こういうふうにしてやろうじゃないかということがきまっているわけでありまして、これは一つの方だけでもつてわれわれの方でやつているのではないのでございます。相手方の立場も考えてその言い分を聞きますと、やはりそこにそれについて片方の相手方の言うことも調べてやらなければならぬということもあるのでございまして、今下の者のやったことがいいのか悪いのか、こういうことをお前言つてみろと言われても、私は部下が悪かつたと言うこともできません。その点についてはどういう事情があつたか、相手方の言い分がどうであつたということはしさいに検討してみたければならぬ、こう思つております。それでひとつ御猶予を願いたい、こう思つておるのであります。
○古屋(貞)委員 あなたは事情を調べるとか調べぬとかおつしやいますけれども、治安を保つということは現状維持ということじゃないですか。あなたのうちにあなたから命ぜられたからと言って、あるいはあなたのうちの借家権をおれが買つたと言つて暴力団があれば込んで来たときに、一応両方の様子を聞くまでは現状を維持しておくということがほんとうの治安維持の問題でしよう。現状維持にしてどっちにもやらせないというのなら私は納得が行くんです。一方に十日もかかつて今日までどんどん営業を、やらしておるという事実、それを今になって両方を聞いて、どっちが悪かつたということでは、一体東京の治安が保てますか。十日間ほっておいて現状を変更したことを見ても……。だからそこを私は聞いているんですよ。調べを早くしろとか何とか、そういうことはあなたの事務の都合だから半年かかつてもかまいません。天野さんの営業所が十九日の晩に暴力で奪われて、不法侵入した人がそこへ品物を運び込んで営業をやつたという現実、こういうことに対して保護を申し出られた警察がやつたことが正しかつたか、正しくなかつたかということを私はあなたに聞いているんですよ。もしもあなたがこれを今言つたように人のやつたことだから判断できないとおつしやるならば、そう言つちや失礼だけれどもあなたは署長をやめたらいいんですよ。何のためにわれわれは月給を払っているのか。私どもの言うのが誤りだというなら、あなただれのでもお聞きなさいよ。営業をやっているのを暴力で奪われている現状を調べるということを警察で言うなら、警察は現状のままに押さえておいて、それで両方の意見を聞いてからさばくというなら話がわかる、これは常識ですよ。警察でなくても、わかる方なら……。両方で意見があるなら現状はこのままにしておこう、両方を聞いてからきめたらいいということ、これは当然やるベきことなんです。それを現行犯は検挙する権力を持つておりながら――それではあなたのおつしやることに譲つて、かりに民事上の契約があったといたしましよう。あっても、一方で契約が無効だと主張しているのにかかわらず、そうして拒否するのにかかわらず、暴力でその人のうちの壁をこわしたり、設備をこわしたりする、こういう行為を警察がとめてくれと言われてとめずにおいてもいいんですか、この点を私は聞いているんですよ。どうなんです、あなたの方でこういうことをとめることができなければ、またこれは民事上の事件だから手をこまねいて見ているというなら、警察は一つもいらぬと私は思う。あなた方に月給を払う必要はない、それでいいというならやめてもらいたい。それを聞いている。どうなんです。警察署はそういう場合に、私なら私があなたの家に行つて、あなたの家を買つたんだと言つて、塀や壁をこわした場合に、あなたの警察の警官が来て、両方の事情を聞かなければ手が出せないという、そんな非常識なことでよいですか。司法主任が行っておるにかかわらず、パチンコ営業をやっておることは事実です。それはあなたも認めておる。こういうことをやっておるから淀橋警察署はでたらめだ、信頼できないという声も出て来る。それを私は言っておるのです。こういうことで、あなたの方では正しい、手落ちのない職務執行であったと考えるかどうか、それを聞きたい。どんな常識でもこんなばかなことは許さない。新宿のまん中でこういうことが行われておる。新聞にそう書いてある。あなたもそれを見たでしょう。それをうそだというならうそでよい。全部の新聞に書いてあることがうそだというはずはない。こういう事実があったら、警察官は進んで立ち会って、現状を変更、させないでおく必要があるのじやありませんか。警察官の職務執行に対する規定はどうなっておりますか。保証を求められた際、暴力で違法な行為をやった場合、あなたの方はそれを押さえるのが一つの職務ではないのですか。それがなければ何も警察はいらぬですよ。何のために治安の責を負っておるか。もしこういうことができるならばみな暴力でやつてしまいますよ。天野の主人がもしいたら十何人かけてはねのけますよ。そうしたことを民事上の争いだからといって傍観させておいてよいのですか。私の言つておるのは、警察官の職務執行の点です。交番の巡査と司法主任が行つておるが、それが正しい職務執行をやりましたかと聞いておるのです。署長としてどう思いますか。答えられないなら答えないでよろしい。そんなべらぼうな話はないですよ。よかったか悪かったか、簡単に答えてくださればよい。
○石田参考人 どうも先生恐縮ですけれども、これはもう一ぺんよく調べさせていただけませんか。今先生のおつしやるように、たとい事情がどうあつたにしても、こういうことが現実にあつた場合に、それをとめなかったということがはっきりしておれば、明らかにこれは悪いのでありますけれども、私は行つてこれをとめて来た、こういうふうに解釈しております。こっちがいなくなってからどうやった、こういうことでありますと、これは警察もそこについておられないということになりますので、どうかもう一ぺんどういう処置をしたかということについて調べさせていただきたいと思います。
○古屋(貞)委員 私の申し上げたいのは、あなたの方でとめたとおつしやるのがとまっておらぬ。それでは警察はなめられたことになるのですね。洪の方では警察などは問題にしていないということですね。問題はそこですよ。警察あたりでは防犯何とかというものをつくって、そこから金をもらっておる。そういう金を出しておる旭市がこういういうとをやるのだ。だから聞いておるのです。あとで調べてから御答弁されるというのはけっこうだが、今日まで一週間か十日間というもの、東京のまん中で暴力川の行動が認められたことになるのですよ。これが認められるならば、警察はいらぬです。私ははつきり言います。そういう危急の状態をとめるのが警察の一つの職務ではありませんか。調べるも調べないもない、この事実はどうです。一週間も十日も営業をやつておることはあなたも認めておるでしょう。この東京のまん中で、何らの権利のない者が言いがかりをつけて、暴力団で人の家をとってしまって、そこにパチンコの機械をすえつけて、少くとも一週間でも営業した、こういう事実があったら、あなたの責任はどうなるのですか。実際一週間やつたことはあなたも認めておる。これは私が調べたら、許可も受けておりません。許可はない、暴力で営業する、こういうことであなたの淀橋の管内は、暴力団が横行して、われわれは安心して生活ができないというのが、天野の法務委員会に陳情に来た一つの径路ですよ。あなたがお帰りになって調べてから答弁するのはよいが、これに対する責任は負うという答弁はできるでしょう。それを承っておきたい。あなたの部下がやったことだから、その点は責任をとるでしょうね。
○石田参考人 むろん部下のやったことは私が責任をとります。責任があれはみな私に負わせていただきたいということを申し上げます。
○古屋(貞)委員 それではよく調べてから、次会に御報先々願うということで終ります。
○林(信)委員長代理 本日はこの程度にとどめます。次会は明後三十一日午前十時より理事会、午前十時半より委員会を開くことにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時七分散会