補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第10号
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- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/03/23
会議録
○葉梨委員長 これより会議を開きます。 補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。前会に留保せられました質疑を本日は行いたいと思います。まず運輸省関係よりいたすことといたします。井手委員。
○井手委員 運輸省関係の臨時特例について、私しろうとでよくわかりませんので、第二十一条と第二十二条について、概要の御説明を、はなはだ恐縮でございますが、お願いしたいと思います。さらに、二十一条につきまして、従来の開銀に対する利子補給の金額などについての数字に関しても、この際御説明をいただきたいと存じます。
○岡田(修)政府委員 私からこの二十一条につきまして御説明申し上げます。二十二条につきましては、運輸省の官房長の方から説明願いたいと存じます。 この二十一条は、外航船舶建造融資利子補給法の十九条、いわゆる開発銀行に対する利子補給契約の規定を当分の間適用しない、こういうのでありますが、利子補給法の十九条では、海運会社が外航船舶の建造をする場合、日本開発銀行から資金の融通を受けたときに、その資金に対して利子補給の契約を結ぶことができる、こういうふうになっております。従つて、必ずしもこの二十一条の規定を設けなくても、予算面でその補給額を計上しなければ、別段法律違反ということにはならないのでございます。現に、この法律が提案される以前におきまして三十九年度の予算の編成のときに、すでに開発銀行に対する利子補給はしないということになっておるわけでございます。しかし、大蔵省の方で、十九条で契約を結ぶことができるという規定がそのままであるのに、予算面でそれを計上しないということは、法の適用上ちょっとおもしろくない感じが残るというので、この三十一条で当分の間それを適用しないという規定を設けられたもの、かように考えております。 それから、開発銀行に対する利子補給でございますが、二十八年度の予算におきましては、開発銀行の融資に対して一分五厘の利子補給をするということになつております。これは八月一日からその利子補給をするということで予算が組まれたわけでございますが、二十八年度の開銀に対する利子補給の予算は三億三千万円でございました。ところが、その後におきまして、この利子補給は八月十五日から九月三十日までの金利に対して一分五厘を補給するということで、それ以後は利子補給をしないで、開発銀行自体で金利の引下げの措置を講ずるということになりまして、従つて、開発銀行に対する利子補給額は、三億三千万から一億一千五百万、こういうふうに減少しております。さらに、その後において、開発銀行の融資といいますか、見返り資金当時に融資いたしました金額のうちで、いわゆる乗出し費用というものがあります。これは、契約船価のほかに、船ができ上るまでに必要な金、たとえば建造中の金利とかあるいは公租公課、こういうものを設備資金として貸し出しておるわけです。そういうものに対しても利子補給をするという建前でしたが、その乗出し費用に対する利子補給はこれをしないということになりましたので、さらに減少いたしまして、この第三次補正予算で、開発銀行に対する利子補給というので最終的に決定されましたのが一億三百万円余、こういうことになつております。
○山内政府委員 私から第二十二条、地方鉄道軌道整備法の関係につきまして御説明申し上げます。 この法律は昨年成立をいたしました法律でございまして、本年から新しく適用がある法律でございますが、この法律は何を目的とするかと申しますと、「地方鉄道業に対する特別の助成及び補償に関する措置を講じて地方鉄道の整備を図ることにより、産業の発達及び民生の安定に寄与することを目的とする。」とその第一条に明記せられておるわけであります。ここに出ております第八条第一項、第二項及び第三項と申しますものは、それらの重要な鉄道に対しまして、毎年予算の範囲内で、当該鉄道の新線の場合におきましては、常業用固定資産の価額の六分に相当する金額を補助することができるということと、それから第三条にその規定が書いてあるわけでありますが、第三条の第一項第二号には「産業の維持振興上持に重要な地方鉄道であつて、迎輸の確保又は災害の防止のため大規模な改良を必要とするもの」とあります。これはどういうことかと申しますと二フイート六インチ、今全国的に小さい鉄道が多いわけでございますが、そういうものが一般の交通の用に役に立たなくなったという場合に、三フィート六インチの鉄道にかえるというようなところは、新しい線を敷くのとかわりないという考え方で、大体新しい線を敷くのと同じように、そのかかった金の六分に相当する金額を予算の範囲内で補助することができるというのが、ここに出ております。第二項でございます。第三項は、現在大分鉄道業の業態が悪化いたしまして――非常に端的の例は草軽鉄道という鉄道があるのでありますが、一年間に二百数十回も脱線する、しかも非常に赤字である、危険である、しかも、この鉄道をとつてしまうと、あの付近の四百戸ぐらいの人家の方々が冬季になりまして交通の手段を失われてしまう、そういうものは国が金を出してもやらせなければならないのではないかという問題が起つて出ましたのが、第三項の問題でございます。法におきましては、第三条第一項第三号の「設備の維持が困難なため老朽化した地方鉄道であつて、その運輸か継続されなければ国民生活に著しい障がいを生ずる虜のあるもの」こういうものが補助の対象になつておるものでございます。この法律といたしましては、すべて予算の範囲内にとありまして、立法の当時から赤字の全額あるいは固定資産価額の六分相当額というものの頭には、全部予算の範囲内と書いておりますので、一応法律上の解釈といたしましては、現行法におきましても六分を限度とし、あるいは赤字の範囲内において、赤字を限度としてというふうに一方の条文から解釈ができるわけでございます。今度の法律におきまして、その解釈を一応明確にしようという趣旨で御審議を願つておるものでございます。
○井手委員 地方鉄道関係の第二十二条につきましては、この前の水産関係の漁船損害補償法と同業に、二十九年度からこの整備法を実施しようというのに対して、一回も実施せずに臨時特例が行われることについては、いろいろ質疑も意見もございますが、水産関係と同様でございますので申し上げません。 お尋ねしたいのは、一十一条の外航船舶のことでございまして、開銀に対する利子補給をとりやめられたのは、いわゆる造船疑獄に関する自粛の現われであるかどうかということが第一点でございます。 次に、市中銀行に対しましては引続き利子補給をやりながら、開銀に対してだけ利子補給を停止するというその差別の理由を第二に承りたいのであります。 さらに、聞くところによりますれは、開銀から製鋼業、鉄鋼業に対する資材の金融に対する利子補給もあるように承つておりますが、その関係はどうなるのか、まずその三点をお尋ねいたします。
○岡田(修)政府委員 開発銀行に対する利子補給の停止は、別段疑獄には関係がございません。こういう問題が発生する前に、二十九年度予算の編成にからんでそういう決定がなされたわけでございます。 開発銀行になぜ利子補給をしないかということは、大蔵省の方でいろいろ研究になつたのでございますが、開発銀行は政府の一つの機関である、従つてそれに対して利子補給をする必要はないではないか、開発銀行自体で金利面を操作すればそれでよろしいだろう、こういう解釈のもとに開銀に対する利子補給は停止されたわけでございます。 御承知の通り造船用の鋼材、特に一定の規格を要する鋼材価格が外国に比べまして非常に高いわけです。その規格料と称するものだけでも一万円近く高い。これをどうしても低減しないと、輸出船の引合いも困難であるし、また国内船の建造船価の低減ということもできないというので、これも昨年の夏の三党協定のときにきめられたのでございます。そういう鋼材価格低減の方法として、鉄鋼メーカーが開発銀行並びに日本銀行の別口外貨貸しを借りておるわけですが、その金利をいずれもそれぞれ二分五厘ずつ引下げる、それで浮いた金利を鉄鋼価格の引下げに振り向ける、こういう措置がとられたわけであります。それが実行されましたのは、そのときの決定では昨年の八月十五日から今年の四月十五日までということでございましたが、日銀の別口外貨の方はこの三月の中旬に打切られたと存じます。それによつて当初金利引下げによつて浮くであろうと予定されておりました額は約九億三千万くらいでございましたが、結局は七億程度の金利が浮いた、これを造船業君が船舶の建造のために鋼材を購入する都度トン当り七千五百円ずつ交付する、こういうふうな方法がとられておるわけであります。そのほかに鉄鋼業者自体の努力でトン当り千八百円引下げ、あわせて九千三百円の引下げ措置を講ぜられた。こういう措置がとられております。これによりまして、国内船の建造価格は、九次前期船に比べまして約一六%引下げになつておる、輸出船の方もこの鋼材引下げ処置によりまして非常にはかどりましてちよつと正確な数字は忘れましたが、十万トン余りのものが成立する運びになつておる、かように思います。
○井手委員 開銀に対する利子補給の、実際の補給金の交付の取扱いはどういうふうになつておるか。一旦運輸省が金を受取られてから交付されるのか、大蔵省から直接交付されるのか、その点が第一点。 次に、前お聞しました一億五千万と一億三百万円の金は交付済みであるか、それが第二点でございます。 さらに、ただいまお聞きしました鋼材に関する利子補給について、迎輸省はどういうように介入されておるか、その点をお尋ねいたしたいと思いす。 まさらに、開銀に対しては利子補給の必要がいらなくなつた、開銀自身でやるようになつたということでございますが、それではその後開銀はどういうふうに外航船舶建造に必要な融資に対する利子のことをやつておられるか、その点をあわせてお尋ねいたしたいと思います。
○岡田(修)政府委員 開銀に対する利子補給契約でございますが、いろいろの事情がございまして目下契約締結中でございます。従つてまだ実際には開銀の方へ金が行つておりません。これは年度末までに結ばなければなりませんので、目下その手続を取運び中であります。 利子補給のことでございますが、これは運輸省予算として成立しておりまして、運輸省から開銀あての小切手を出すのだろうと思います。これは一般の会計の支出手続と同じでございます。 それから、鋼材の利子でございますが、これは私所管外でございますので、あるいは多少違うかと存じますが、大体を申し上げますと、鉄鋼業者と造船業者、それから銀行筋も入りましたか、三者相談いたしまして、造船工業会の指定する銀行に特殊の口座を設けまして、製鉄業者が開発銀行に金利を払う場合に、開発銀行には七分五厘、二分五厘はその口座に振り込んで、金利の引下げの金を積み立てて行く、そして造船業者が製鉄業者から船舶建造について鋼材を引取りますそのときに、その金をトン当り七千五百円ずつやる、こういうふうな手続になつていると承知いたしております。 それから、開発銀行自体でどういうふうにして金利を引下げるかということでありますが、これは、先般も御説明申し上げましたごとく、開発銀行の金利は七分五厘、ところが八月十五日から九月三十日までは一分五厘の利子補給がありましたから六分、それから、非常にややこしいのですが、十月一日から一月三十一日まではまた七分五厘にかえる。二月一日以降は六分五厘――これは電力と外航船について六分五厘にしたのです。ところが、実際上海運業者の今の経理状態としては三分五厘の金利しか払えない。そこで三分五厘と今申しました金利との差は、いわゆる取立て猶予というふうな形で、船会社の経理状態がよくなつて、そういうものを払える状態になるまで猶予する、こういう措置をとつております。しからば、船会社がそういう猶予された金利を払える状態とはどういうことかということにつきまして今大蔵省、開銀、私の方で協議中でございます。これは、大体船会社の方で損金を一応カバーして、そこに余裕が出た場合にその取立て猶予の金利を払う、こういうようなやり方にしよというので話が進んでおりますが、まだ最終的な決定まで至つておりません。従つて開発銀行と船会社の契約の締結というところまでは至つておりません。
○井手委員 ただいまの開銀の船会社に対する取立て猶予については、先般楯委員からいろいろと質問追究されたところであります。私はこれ以上申しませんが、今お聞きしましたところでちよつとお尋ねしたいのは、いつかお尋ねしたようでもありますが、造船工業会が口座に振り込んで七千五百円ずつ鉄鋼業者に払うということでございますが、運輸省で関知されたところでは、その全額が全部払いもどされているのか、あるいは一部がどこかの方面に行つているというような疑いはないのか、その点もし御存じであれは確かめておきたいと存じます。
○岡田(修)政府委員 鋼材を引取るときに、たしか運輸省の方で証明を出しているのじやないかと思うのでございます。従つて、口座に振り込まれた金が政治献金その他にまわつているのじやないかというお尋ねでございましようが、そういうことは絶対にない、かように私どもは考えております。
○井手委員 もう一点でよろしゆうございますが、先刻ちよつと尋ねましたが、答弁がなかつたようであります。運輸省から小切手を切られる場合の利子補給は、全部今までのものは支払い済みでございますか。なお留保されたものがありはしませんか。
○岡田(修)政府委員 この八月十五日以降の利子補給関係はまだ契約の手続中でございまして、実は銀行の方と契約を結んで大蔵省の方へ送り込んだばかりでございます。従つてまだ利子補給のものが開銀なりあるいは市中銀行の方へ行つておりません。それから八月十五日前に市中の金利と七分五厘の差額を利子補給するという昨年一月に成立した法律でありますが、その前の法律で契約を結びましたのが十二隻分、これは契約がすつかりできまして、目下その支給手続をとりつつあるというふうな状況でございます。
○井手委員 最後に、まだ金が本人に渡つていないといたしますならば、開銀自体において金利引下げの措置を講ずるが正しいということで、すでに措置を講じてあるし、今後も取立て猶予の措置をやろうというものでありますれば、そういう方針にのつとつて、まだ交付されていないものを停止するというお考えはございませんか。
○岡田(修)政府委員 開発銀行の方の経理の関係ですが、実は九月三十日までのものは二十八年度予算で出す、それから十月一日以降三月三十一日までは二十九年度予算で出す、こういうふうにいたしておりまして、二十八年度予算として先ほど申しましたものがすでに成立しており、開発銀行の経理としてはそれが入るものとしてすでに経理が済まされているものでございますから、従いまして、開発銀行の経理処理の関係等を考えまして、その成立した予算をそのまま実行するというふうにいたしたいと思います。
○井手委員 運輸政務次官は見えておりますか。
○葉梨委員長 まだ見えておりません。
○井手委員 ではほかのことは聞きませんが、この一点だけであります。これだけ造船利子補給について疑惑が広がつているのに、そういう場合にまだ現金が交付されていないというふうでありますならば、さらにまた、ただいま申しますように、開銀自体で利子補給と実質的にかわらないような措置を、かつて昨年の秋にも講じ、また今後も講じようというお考えでありますならば、この際私はこれを停止すべまではないかと考えるのであります。なるほど受ける開発銀行としては予定もありましよう。どの場合にありましても、どのものにおいても、それは金をもらつた方がいいのであります。しかしこれほど世間の疑惑を招いている利子補給でありますならば、私はこの際断固たる措置を講ずることがいいじやないかと考えるのであります。この点について、もしあなたでぐあいが悪ければ、あとで大臣なり次官からお伺いしてもいいと思いますが、まずあなたの御意見を承つておきます。
○岡田(修)政府委員 疑獄とこういう利子補給その他の助成策とは別個にえていただくべきものでないか。日本海運の復興なり再建をはかりますがためには、こういう利子補給の措置は絶対必要である、もしこういう助成策がなければ、日本海運はもろくも外国との海運の競争に負けまして、ほとんど壊滅状態に陥るのじやないか、かように考える次第でありまして、疑獄があるからこういう助成措置をやめるべしという御議論には、私ども賛成しかねる次第でございます。
○井手委員 なるほど当局としてはそうおつしやるのは無理はないと思います。外航船舶の建造を助成しなくちやならぬことは私も十分承知いたしております。海運日本を一日も早く復元しなければならぬことはわかつております。しかし今日のように毎日、新聞に報ぜられるような莫大な金額を要する外航船が、ただで夜つくられるような今日の状態において、利子補給が必要であるということでこのまま推し進むということについては、私はどうしても賛成しかねるのでありまして、この点については後刻大臣においでを願つて所信を承りたいと考えておりますので、その分だけ留保いたしまして、私は質問を打切ります。
○葉梨委員長 楯兼次郎君、保留分につきまして本日御質疑を願います。
○楯委員 この前二、三保留をしておきましたので、質問いたしたいと思います。大蔵省の方は来ていませんか。
○葉梨委員長 大蔵省の方は、参議院のやはりこちらと同じ委員会に今説明に参つております。運輸関係を中心にあなたの留保なさつておつた点を質問してください。
○楯委員 それでは利子補給について二、三お伺いしたいと思います。この前岡田海運局長は、この条文は必ずしもいらないというような御返答があつたのです。私あとで気がついたのでありますが、どうもその場限りの御答弁では困ると思う。私たちがこの条文を見ますると、政府が開銀に利子補給の資金を提供しないというだけで、業者と政府との関係というものは、実態は私はかわらないと考えますが、この条文が成立することによつてかわる点があり得るでしようか。この点をまず第一に御質問いたしたいと思います。
○岡田(修)政府委員 この条文が成立することが、現在やられている開銀の金利引下げの実態に影響するかどうかということでございますが、これは影響しない、かように考えております。
○楯委員 そうすると、政府が仲介をして契約をするのと業者が開銀と契約をするのとでは、この造船計画を進める上に非常に支障があるのではないかというふうに私は考えられますが、この点はどうですか。
○岡田(修)政府委員 この開発銀行の低金利の適用を受けますのは、政府のいわゆる外航船の建造計画にのつとつたものに限定されるわけであります。従いまして、計画建造に乗らないものは一般の六分五厘ですかをすぐ徴収される、こういうことになるわけであります。
○楯委員 いろいろ疑惑を生じておりますので、こういうような条文が私は出て来たと思いますが、開銀が業者との契約について非常に渋るというようなことが予想されるのですが、そういうことはありませんか。
○岡田(修)政府委員 いわゆる計画建造船としてつくられる船に対する融資につきしましては、開発銀行は、その相手方の資産、信用力が十分でありさえすれば、渋られるということはないものと存じます。ただ、現実問題といたしまして、船会社の経理状況が非常に悪く、もうすでに担保余力も尽きておるというような状況でございまするから、開発銀行としては今後の船舶建造になかなか難色を示しおられるというのが現状でございます。
○楯委員 十次造船計画の割出についていろいろなことが言われておりますが、あなたの方としては、この割当に対する計画が進捗しておるかどうか、それからどういうふうな方法によつてこの割当を行おうとされておるのか、この二点についてお伺いします。
○岡田(修)政府委員 御承知の通り、すでに造船所の大型船台がほとんどあいておりまして、五月あるいは六月になるとほとんど全部あくというふうな状況になり、地方ではアイドル問題あるいは思想問題にまで発展しそうな状況でございますので、私どもとしては、できるだけ早く十次船の建造に着手したい、かように考えるのでございます。しかし、一方におきまして疑獄問題が相当に拡大しており、船造所、船会社もみな不安の状態にある。他面ただいま申しましたように船会社の資産、信用、担保余力というものがほとんどない。市中銀行としてはそういう船会社に対してこれ以上金が貸せない、担保力でもあれば、たとい焦げついても金を出すことが考えられるのだが、金は焦げつくわ、担保もないわということでは、銀行としての対象にならない、こういう非常に強い態度を示しております。それから開発銀行自体も、たとい政府機関であるとはいいながら、やはり一つの金融機関であります。従つてその金融ベースに全然乗り得ないようなものを対象にはできない。各船会社をずつと検討してみても、それに乗り得るものは非常に少いというふうなことで、今この点をどういうふうに打開するかというので非常に頭を悩ましておる次第でございます。これは、今後なお開発銀行、市中銀行とも数次の折衝なり研究を重ねまして、何とか早急に実施の運びに持つて行きたい、かように考えております。なおこの船会社の資産、信用の問題のほかに、どういう船会社あるいはどういう航路に重点を置くかというふうなことも一つの課題になつておりまして、そういう面についての検討も目下遂げつつある次第でございます。目下の見通しでは、いつごろから着手できるということをここで申し上げる段階にまだ至つていない次第でございます。
○楯委員 これはほかの委員会であなたと私といろいろ問答したわけですが、大体船は戦前の半数くらいできておると私は想像しております。ところが、非常に運賃が安いのか、荷物がないのか、赤字が続いておる、こういうことをあなたの方から機会あるごとに答弁をされておるわけでありますが、輸送賃が安いのか、あるいは実際その荷物がないために赤字が出るのかその二点について御回答願いたいと思うのです。
○岡田(修)政府委員 荷物は探すに別に困るということはないのです。荷物は十分あるわけです。中には外国船をチャーターして運んでいるものもある実情です。運賃は御承知の通り世界的なものでありまして、ちよつとでも運賃の高いところがあると、そこに外国人が割込んで行くので、世界的に運賃が安いわけです。特に日本の海運業者が経営に苦しんでおりまする原因は、いわゆる三百六十円レートの維持ということで、受取るのは外貨あるいは外貨建で受取る、払うのは非常に円高のもので払うというところに日本の海運経営の一番苦しいところがあるのです。もしこれが実勢レートの五百円ということになると、利子補給は全部返上して相当の配当ができると言うのでありますが、ただいま申しましたように、現行の為替レートが維持されておるということが大きい原因で、そのほかに、一般的に世界の運賃市況が非常に悪いということでございます。これはちよつと弁解になりますけれども、ほかの国内の産業ですと、電気だとか鉄道とか、こういうものは独占企業でございますから、採算がとれなければ料金を上げて一割配当も維持できる。しかし海運は全然そういうことはできない、外国との競争がある鉄鋼にしても、綿花にしてもその原料はみんな三百六十円で輸入しておる。売りさばくのは、国内で相当高い値段で売りさばいてそこで利潤を上げておる。従つて輸出の方は多少損をしてもやつて行ける。ところが海運というものは全部輸出です。原料は別に輸入しないで国内で調達したものである、こういうことになるわけでありますから、そこに海運の他の産業と比較のできない苦しい点があるのであります。 それからもう一つの点は、補償打切りであります。八〇%という設備が失われた。これはほかの産業に比べて一番ひどいものです。格段にひどい。ほかの産業は残つた設備で回復したのですが、海運は全部新たな設備でやらなければならない。その新たな設備というものは非常にコストが高いし、また借入金で全部まかなつておるから、その金利が高い。そのもとといいますのは例の補償打切りで、当時の金で二十五億円、現在にいたしますと五千億円の金が打切られた。もしこの金がありますれば、現在の利子補給も財政資金も何らいらないで、ほんとうに海運業者の自力でやれる。その金が打切られた。それから為替レートの関係こういつたことが今日日本の海運の経理の非常に苦しい原因であるということを御了承願いたいと思います。
○楯委員 そこで、船の建造というのは、日本の情勢としては限度に来ておるのではないか、私はしろうとなりにこう考えておるわけです。この点について担当者としてあなたはどうお考えになつておるかという点が一点と、それからいま一つは、景気がよくなつて来れば、今までの借金も返済できるし、外貨の獲得の面についても相当よくなるのだ、こういうようなことを再々言われますが、一体現在の情勢から推してそういう時代が来るかどうか。再び朝鮮の戦争でも始まれば別でありますが、私はそういう見通しを持つことができないのじやないかというふうに考えておるわけでありますが、もしそういう好況時が来るということならば、どういうきざしが現われて来なければならないか、あなたはその点についてどういうお考えであるか、この二点についてお伺いしておきたい。
○岡田(修)政府委員 海運市況がいつよくなるかということですが、これは私どももちよつと予測のできないことでありまして、どこかに大きな戦乱でも勃発する、あるいは飢饉が起るというような不幸が起らないと、海造というものはよくならないのであります。これがどこに起るかといことは、ちよつと申しかねる次第であります。しかし、その間において、海運市況というものは一張一弛があるのでありまして、最近ではちよつと運賃がよくなつておる。たとえば北米太平洋岸の日本向け小麦が一時は六ドル半くらいまで下つておりましたが、今は八ドルぐらいになつておるという状況でありまして、不況の中にもそういう多少の高低がある。その多少の高低が海運においては相当大きいので、ちよつと一割違いましても非常に大きくなるわけであります。従つて、そういう状態でずつと横ばいしておると、日本の海運というものは経営的に行き詰まつてしまうのじやないかという懸念があるわけであります。この点は非常にむずかしい問題でございますが、とにかく私どもとしては、今の助成策で海運業者がどこまでやつて行けるか、とにかくぎりぎりのところまで努力してやらして行く、そして行き詰まつたときにはまたそこで手を考えるよりしようがないのじやないかという考え方であります。もつとも、その間において経営の合理化、それから日本船同士の無用な競争の排除、こういうものによつて収入の確保に務めるということはもちろん努力いたします。 それから日本中心に考えた場合に船腹は十分ではないかということでありますが、これは考えようでございまして、何も今日本でつくらなくても、外国からどんどん安い船が来るからよいじやないかといえばそれまででありますが、外国ではどんどんいい船をつくつておる。今でも建造中のものが六百万総トン近くある。手持ちの総量もそれくらいある。そういうふうにどんどんつくられる。ところが、日本の方では、これからつくらないと、現在相当数の戦標船、それに外国から買つた古船を持つておる、そういうものがだんだん脱落して行くということになりますと、現状よりもだんだん押し込められるわけです。一方日本中心の輸送量を見ましても、輸入物資の四五%程度しか運べない。輸出物資は三五%、戦前では輸入物資は六〇%、輸出物資は七〇%ぐらい運んでおる。そういうふうな点を考えますと、私どもはもつと船をつくるべきだと思います。なるほど採算の面から申しますと、非常に悪うございますが、荷物は確実にある。従つて外貨の獲得という点におきましてはこれは間違いがない。他の輸出産業をいろいろ助成されましても、相手国の輸入制限とかその他で伸びに限度があると思います。ところが海運においてはその障害が全然ないわけであります。第三国間輸送におきましても、戦前は運賃収入の二五%を第三国間でとつておる。現在では一五ぐらいしかとつてない。第三国間輸送も十分伸び得る余地があるというふうな点を考えますと、みな船会社の採算だけを見て船はつくるべからずという議論を立てられるのですが、もう一つ大きく日本の経済という観点から、なるほど私企業的には採算がとれないが、海運というものは伸ばすべきであるという見解が成り立ち得るのではないか。そうした場合に、それでは海運の経営にどういう助成策をとつたらよいかということを考えていただくべきじやないか、かように考えるわけであります。
○楯委員 同じようなことを繰返しておつてもしかたがないので、最後に一点お尋ねしてこの問題についてはやめたいと思います。 今の海運局長の御説明並びに現在起きておるいろいろな疑惑の問題等を考えた場合に、なお海運の助成をやらなければならないという前提に立つならば、むしろわれわれ社会党としてはこうした産業の国有化という点を大きく打出しておるわけでありますが、国有化、国家管理の面については能率が云云というようなことも言われまするけれども、しかし今日起きておる弊害等からあわせ考えれば、当然その方向に将来は行くべきであるというふうに考えるわけであります。担当者としてはこの点についてどういうふうに見られるか、最後にお伺いしたい。
○岡田(修)政府委員 海運の国有国営でございますが、これは御承知の通り、海運というものは国際競争の非常にはげしいものでありますから、国が経営するということは、結局外国との競争に負けてしまつて、国家負担が非常に大きなものになります。また国が船をつくつて民間に経営させるということにもございますが、国が船をつくるということに相当の問題がある。能率的な船をつくるということと、国自体がつくるということ、そこにまたいろいろな問題が起りやすい。さらにつくつた船を民間のどの船会社に動かさせるかというところに、またいろいろな問題の起る可能性があるのですから、むしろ疑獄といいますか、そういう問題の発生をおそれるという意味においては、国有民営という形の方がもつとおそれなければならぬのじやないか。それから定期航路の場合、航路同盟というものがありまして、この航路同盟と入る場合には、自分の持船でなければならぬという規約のあるところが多いのであります。そういう場合に国のつくつた船を借りてやるというようなことでは、同盟に入れないというような制約もございまして、やはり海運という事業の体質からいつて、民営の形を存置する、できるだけ国家の干渉を排して彼ら独自の経営を自由にやらすべきである、こういうふうに考えております。
○楯委員 どうも海運局長の説明を聞いておつても納得が行きません。今の現状から推して、これは私企業として今のまま続いて行けば成り立たぬ、しかしながら国策上どうしてもやらなければならないということになりますれば、これは直接国が操作をした方がいろいろな疑惑もとりのけられるし、私もその方が順当であろうというふうに考えた。しかしこの問題について議論をしておりましてもはてしがありませんので、次に地方鉄道軌道整備法のことについてお伺いしたいと思うのですが、担当者は見えておりますか。
○葉梨委員長 官房長が参つております。
○楯委員 「相当する金額を限度として」というふうにかわつておりますが、一体補助を受ける該当鉄道はどのくらいあるか、あなたの方が補助を適用しようとする該当地方鉄道はどのくらいあるか、まず最初にお伺いいたしたいと思います。
○山内政府委員 当初運輸省で考えておりました数は非常に多いものであります。本年度の予算の制約がありまして完全に満足するような補助ができないことは遺憾でございますが、現在ではまだ大蔵省とその間協議中でございまして、はつきりした数字を申し上げるわけに行かないのでありますけれども、運輸省として希望しております補助会社は、申請補助、赤字補助を含めまして約二十社であります。
○楯委員 それでは、これは委員長を通じてお願いをしておきますが、簡単な資料でよろしいから、該当会社の名前をこの次にひとついただきたいと思います。ここで読み上げますと長くなりますから、あとでひとつお願いいたします。 次にお伺いしたいのは、「相当する金額を限度として」ということで、あいまいになつております。ここで私どもが予想をいたしまするのは、きめられました予算の分配の点について、いろいろな争いといいますか、競争が行われるであろうというふうに考えますが、あなたの方としては、きめられました金額をいかなる方法によつて適用して行こうとされるのか、その分配の機関あるいは監督等の点についての見解を承りたいと思います。
○山内政府委員 御承知の通り、鉄道省以来、地方鉄道の補助法というものがありましたが、その経緯を申し上げますと長くなりますから簡単に申し上げますと、これが昭和二十三年だつたと思いますが、補助法はみずからの法律の規定の期間がありまして、それが終了いたしたわけであります。それで、運輸省といたしましては、このことにつきましては長い歴史を持つておりますので、一応それらを参考にいたしまして補助の適正を期したい、かように考えて実は研究しておるわけでありますが、従来の補助におきましてはどういうふうにやつておつたかと申しますと、一応各会社の主観的な状態を基礎にして補助をやつておりませんで、客観的な会社の経理状況を基準としております。それは最小自乗法によりますところの係数を全部出しまして、たとえば何万人トンキロ以上の会社なら会社というものをたくさんとりまして、その間の補修費あるいはもろもろの経費を係数的に出しまして、一応スタンダードの、そういう一定の規格の会社は支出がこれぐらいあるのだという基準をできるだけ客観的に統計的に出しております。それと具体的な補助会社の支出を比べまして、それよりも経費の多いときにはそれを切り捨てる、少いときには大体そのまま見て行こうというような出し方をいたしております。いわゆる赤字の場合には、赤字の額を会社の申請から落してきめるわけでございます。それらについては目下いろいろな面から研究をしておりますが、そうして定まつた赤字額について予算を按分することになるのではなかろうかと思います。六分以内の補助ということになりますといろいろ問題がありますので、この問題につきましては主観的にきめないで、客観的にそういうものさしできちんきちんときめて行くようなやり方で補助をやりまして、問題を残さないようにという見地から、そういう基準を現在研究いたしておるわけであります。
○楯委員 私、はつきりとは記憶いたしておりませんが、大体運輸大臣が決定をして行くということだろうと思います。たしかこの問題が出ましたときにも、相当疑惑が起るので、何らか委員会というか、協議会というようなものをつくつてもらいたいという議論が出たことを記憶しておるわけです。そういうような点については、今あなたの御答弁ではまだきまつておらないような御説明ですが、いまだ何もそういう機関をつくろうとはされておらないということですか。
○山内政府委員 現在各会社の資料によりまして――先ほど私が約二十社と申し上げましたが、これはこの法律によりまして大蔵省と協議してきめるとになつておるのでございまして、大蔵省はもう少し数を減らすことを主張しておりますので、確定的に二十社にきまつたものではないわけであります。この点は御了承を願いたいと思います。それから、この法律の審議過程におきましていろいろ御覧を拝聴いたしたこともあるわけでございますが、一応こういうものにつきましてはこういうふうに的確にやつて行くので、いろいろ審議会がたくさんあるから、ない方がいいのではないかという国会の御意思で、この法律に載つていないわけでございます。実は私、所管がかわりましたので、その後の状況は詳しく存じておらぬのでございますが、現在まだそういう審議会をつくるというふうには考えていないのではないかと考えております。
○楯委員 それでは、最後に一つお伺いしたいと思いますが、これはこの前の委員会で問題になりましたこの法案の第十九条であります。おそらく私の欠席したときに井手委員あたりからもいろいろ追究があつたと思いますが、私はこの問題について今論議を重ねようとは思いません。しかし話を聞いてみますると、国鉄が公共企業体になつたたしか昭和二十四年から、現行法があるにもかかわらず、一回も実施をしておらないという話であります。それから法制局の見解を聞きましても、ゼロということはあり得ない、こういうことをはつきり言つおります。従つて、今私は前の昭和三十四年からの補助金についてこれをどうこうしろとは言いませんけれども、しかしこの法律があつてこれが実施されておらないということは、ただ政府委員のお話では了解することができません。従つて、この補助金については別といたしまして、この法律を実施しなかつた責任についての見解をはつきり委員長の方からしていただければ、私の質問はこれで終つて了解をいたします。その点だけ担当の方からひとつはつきりその責任の所在を言明していただきたいと思います。
○葉梨委員長 楯委員が御欠席中の昨日、その点につきましては川俣委員及び井手委員から特に法制局との間に慎重審議数時間にわたつて行われました。政府の見解も明らかにされ、また委員側としての見解も明らかにされて、意見はむしろ対立状態にあるというような状況であつたと委員長は承知しております。この上は意見をまとめる際に明らかにされるより以外に手はないのじやないか、かように存じますから、御了承願いたいと思います。
○楯委員 それではこの責任の所在をはつきりさせるという一点だけ留保いたしまして、私の質問を終ります。
○杉山委員 関連して。今の地方鉄道軌道整備補助金の問題ですが、今承りますと約二十社にやられるだろう、二十八年度の予算では、いただいた資料では九百八十万円になつておりますが、もし二十九年度に継続されて行くとすると一億六百二十三万円になる、こういうことになつておるのですが、この法律によつて改正されるというと二千五百万円になる、こういうことになつておりますが、ここに二千五百万円という金が出ているからには、やはり今言う二十社なら二十社というようにはつきりして、そうしてさつきお話のようないろいろの場合を考慮されてこれが出されたのだと思いますが、この二千五百万円が出ました大体の基準がおわかりになるなら、お示しを願いたいと思います。
○山内政府委員 二十八年度予算の九百八十万五千円、これは従前北海道拓殖鉄道補助法という法律がございまして、この法律は昔からある法律でございまして、この法律に基く予算がこの数字でございます。今回はそれらの法律に基きまして従来補助を受けていた鉄道、これは特権のある鉄道でございますから、これらのものにつきましては、整備法の附則においてすでに――この整備法によりますと、まず第一に運輸大臣がこれらの鉄道に補助金をやるという場合には認定をするという行政措置をやるわけでございますが、もうすでに認定されたものとみなすという規定を置きまして、対象に入つて来ておるわけでございます。本年度はこれが全国的に広がりまして、北海道という一地区だけでなく、全国の鉄道からこの整備法に基きますところの法律の対象になる鉄道をピック・アップするわけでございますが、現在赤字の鉄道だけでございましても四十社くらいあるわけでございます。それから新線建設につきましても相当――よく覚えておりませんが、十社程度入りまして、その多くの中からこの法律の対象になるものを選んだわけでございます。お手元に差上げました一億七千万円弱という数字は、運輸省が提出いたしました大蔵省への要求でございます。大蔵省はそれに対しまして一億円ちよつと出る程度のものに査定をされたわけでございます。その査定の基礎といたしましては、この法律に基きますところの赤字の全額及び固定資産の六分というものを一応出しますと、そういう数字になるわけでございます。それがこの法律にありますように財政的にできない場合には、赤字の範囲内及び六分相当額の限度以内にもできるという現行法の解釈によりまして減らしておるわけでございますが、従前の例で申し上げますと、二十八年度予算額の九百八十万五千円というものは、従来とも固定資産の六%を基準にすることになつておる法律でございましたが、現実にこれを当てはめますと三%程度になつておるわけでございます。法律には一応六分限度と書いてございますが、現実に与えたのは三%限度ということになつているわけでございます。それで今度二千五百万円を運輸省の方法でばらまきますと、結局新線補助につきましては一%ないし二%――個々の会社がございますので正確には申し上げにくいのでありますが、一つ一つやらなければならない。それから欠損補助につきましては一割ないし二割のものが補助されるというかつこうになるわけでございます。そうしますと、問題は新線補助に非常に薄く、欠損補助には厚過ぎやしないかという問題もあるわけでございますが、御承知の通り現在の赤字鉄道と申しますのは非常に古い鉄道でございまして、非常に安くできております鉄道であります。それが赤字を出しておりますために、一割ないし二割といいましても、新線の方と比較いたしますと、割合適当する数字になるのじやなかろうか。それから新線補助につきましては、戦後つくられました――法律制定以前十年さかのぼつて適用することになつておりますし、新しいインフレ時代に入つてからの鉄道でありますので、均衡を喪失していない、さようにわれわれは考えております。
○葉梨委員長 それでは運輸省に関しまする保留質問、さらに井手以誠君の質問に対する大臣もしくは次官よりの答弁を留保いたしまして、その他の運輸省関係はこれをもちまして全部終了いたしたことにいたします。 次に、厚生省関係についての質疑の留保分を行うことにいたします。
○井手委員 議事進行について。厚生省関係については、政府提案のものはただいま審議に入つておりますが、委員長の御承知のように、保守三党によつて予算の修正が行われております。すでに予算は衆議院を通過して参議院で審議されておりますが、それと表裏一体をなすこの臨時特例等に関する法律案の審議について、一方では修正され、法律においては原案のままで審議するということは非常に矛盾を私は感ずるのであります。委員長はこの点についていかにお考えでございますか、この際お聞きしておきたいと思います。
○葉梨委員長 ただいまの議事進行についての御質問でありますが、おそらくこれは与党に対しまする御質問だと思いますが、これは当然修正をいたさねばならぬ、三派修正の趣旨によつてこの法案を修正するということを三派間では決定いたしております。当然討論の際にこれを明瞭にすることになるように委員長は承知しております。
○川俣委員 ちよつと関連して。今委員長の個人的な御見解が述べられておるのですが、これは政府の提出議案であります。従いまして、予算の修正を忠実に履行するということになりますならば、提案者みずからが修正して出すのが本来の建前でなければならぬと思うのです。そういうふうに積極的に委員会が修正できないことはないでしよう。しかしながら、一応予算編成の必要上ということで、わざわざ提案理由をそれに限界を置かれて、決して便乗するような提案をしたのではないというような説明が加えられておる。そういう意味から、予算修正を政府が容認いたしましたからには、当然これは政府みずからが修正を求むべきだと思うのです。今まで何ら政府からそういう意思表示もないのに、三派協定だということはこの委員会には関係のないことです。これは委員長の個人的な見解を述べられたということは了承いたしますが、委員会としては当然政府に要求すべきものだと考えますから、委員長の個人的な見解として承つておくことにはさしつかえございませんが、委員会としてはこれは了承できない、そういうふうに御了承願いたいと思います。
○葉梨委員長 それはまた各派間の話合いもございましようから、御意見のあるところを伺つておきます。こういうことを申し上げておきます。 厚生省の質疑に入ることにしたいと思います。
○井手委員 非常に大事な厚生省の質疑について、せつかく政務次官も見えたので慎重にやりたいと考えておりますが、せつかくやるのに、一方ではこれとは違う予算が衆議院を通つて参議院にまわされておる。委員長は討論の際にそういうことになるのであろうという御見解を示されましたけれども、もし保守三党で修正の必要があるという御親切があるならば、私は何らかの意思表示があるべきだと思うのですが、それでいいのですか、委員長。
○葉梨委員長 先ほどお答えいたしましたように、保守三派としましては、ただいま検討中の本案につきましては、先般三派修正によつての予算を通しました趣旨にのつとりまして修正するもの、かように心得ております。その趣旨によつて御審議をお進め願つたならばよろしいかと思います。 それでは長谷川保君から質疑を御継続願います。長谷川保君。
○長谷川(保)委員 大蔵省が見えましてから……。
○葉梨委員長 それでは杉山先生いかがですか。今厚生政務次官、公衆衛生局の環塩衛生部長が見えておられますから、ひとつお進めを願います。
○杉山委員 先般保留しておきました厚生省関係の部分につきまして質疑をいたしたいと存じます。まず第一に精神衛生法の問題についてお伺いをしたいのでありますが、先般長谷川委員がお尋ねになりましたときに、精神病者がだんだんふえて行く、そうして現在は約三百五十万人ある、こういうお答えがあつたように聞きました。そこでだんだんふえて来るというのでありますが、最近数年間におきまして精神病者はどういうような傾向をたどつておりましようか、その点についてちよつとお伺いいたしたいと思うのであります。
○楠本政府委員 お答を申し上げます。現在いわゆる精神病者として先天的なもの、普通いわれる精神病者というものは大して数の増減はございません。しかし一方これをきわめて似寄つた関係があり、むしろ国民生活には最も至大の関係がありますいわゆる神経症――ちよつと専門的な話でありますが、さようなものは社会情勢の変化に即応いたしまして逐次増加の現象にございます。これら神経症といわれるものが――これも一種の精神病ではありますが、これがふえつつありますことは世界各国の例のようであります。
○杉山委員 そういたしますと、この法案の問題になりまする精神衛生相談所というものが全国でどれくらいございましようか。これは法律にあるように保健所内に併置されておるものでしようか、その数をちよつとお示しを願いたい。
○楠本政府委員 現在保健所に併置いたしておりますのは三十四であります。
○杉山委員 そういたしますとまだできておらない府県もあるということになりますね。またそのできておらない府県がありますならば、どことどこでありましようか。
○楠本政府委員 これは各府県に一箇所ずつモデル保健所というものがございますので、とりあえず私どもとしては一応そこに付置するように指導をいたしております。できますればできるだけ早い機会にすべての保健所にかような施設が整いますことを希望いたしておるわけであります。
○杉山委員 この説明書を見ましても、相談所にはそういうような指導をする、またそのほかいろいろな相談をするということになつておりますが、この精神衛生相談所に参る人々の大部分は精神薄弱児について相談に来るのじやないかと思いますが、その点について……。
○楠本政府委員 ただいま御指摘の精神薄弱児については、社会局が実施いたしております児童相談所が主としてこれを扱つております。しかしながら、もちろん児童相談所の普及も必ずしも十分でありませんので、場合によりますと精神衛生相談所でも精神薄弱児の相談を受けることが、ございます。 〔委員長退席、川村委員長代理着席〕 しかし、多くは一般の精神障害が主でありまして、なお利用者の種類は、今のところは、どちらかと申します。と、むしろボーダー・ライン以下よりもその上の対象が多いようでございます。これは衛生思想というような問題に左右されておるのではなかろうかと考えております。
○杉山委員 そうしますと、精神薄弱児は児童一方面のことといたしまして、精神病の関係だとすると、先ほどお話の、この前に岡委員もよくお尋ねになりましたヒロポン患者のごときも相当に相談に来るのじやないかと思いますが、ヒロポン患者の問題については相談に来ておるか、またその歩合というものはどういう程度になつておるか。
○楠本政府委員 ヒロポンの患者ももちろん参ります。しかしこれは後ほど調べまして詳しく数字をお示しいたしたいと存じますが、今のところはその。パーセンテージはわかつておりませんが、しかし今まで私たちの了解いたしております範囲では、ヒロポン患者というようなものはあまり積極的に来ない、むしろヒロポン患者そのものに私どもは非常に困つておる現状だというふうに理解をいたしております。
○杉山委員 中毒症状なりあるいは患者の行動を見ると、御承知のようにやはり精神分裂症を起しているのと同一の傾向を示しておると思います。私どもの知つているものでも、ほんとうの両親は警察署長であり、もらわれた家が某市の市長である、こういうれつきとした家の子供でありますが、遺憾ながらヒロポン患者になりまして、その行動を見ておりますと、白昼人の前でおどつたり、はねたり、また大きな声で歌を歌つたりしております状態は、まつたく精神病患者と同一であります。こういうのがこの間からもいろいろお話があつたようにたいへんな数です。大阪の調べをこの間もいただきましたが、大阪でも約二十万おる、全国約百万あるいは百五十万人、こういうように言われておりますが、この人たちがやはり私は精神衛生相談所があるならば必ず来なければならぬはずだと思うのです。普通の精神病の方はいろいろ御心配で、家族の者が相談所に御相談に来ると思いますが、特に青少年をそういう状態に置いている両親、家族が、そういう相談所があるということがよくかわりましたならば、必ず相談に来ると思うのでありますが、一般の人には精神衛生相談所というものの存在をよく知つておらぬと思うのです。これについて何かよく一般の人に公示をする方法がとられておりましようか。また同時に、そういう問題について、私ども自身もあまりこれについてよく存じておらなかつた点を思うのです。ですから一般の方は特にそういうきらいがあるのではないかと思いますので、厚生省としてはもつと積極的にそういうものをよく公示して、そしてこれを利用せしむる、こういうことにしなければ、法律では指導すると書いてありましても指導にはならぬと思います。この点についての御意見を伺います。
○楠本政府委員 これは、御指摘のように、精神衛生相談所の使命あるいは精神衛生対策というようなものが必ずしも十分国民に徹底いたしておりませんことは、まことに残念ながら率直に認めざるを得ない現状と存じます。何分にも精神衛生はきわめて新しい行政の分野でありますために、いまだ国民に徹底を欠いておる。今後私どもといたしましてはできるだけ一層精神衛生対策に国民の理解、関心を深めたいと存じておりますが、目下は、さしあたり年一回精神衛生週間というようなものを催しまして、その普及に努めておるわけでございますが、今後一層これらの普及に努めまして、せつかく乏しいながら設置してある施設を百パーセントに生かすように進みたいと存じております。 なお、ヒロポンの患者につきましては、これまた御指摘のようにかなりの数に上りまして、しかもこれが実質的にはほとんど精神障害でございます。それが社会にいろいろ害毒を及ぼしておる等から考えまして、これらの対策はきわめて重要でございます。しかし何分にもこれは根本を断つというような方向に走らなければなりませんので、もちろん相談も必要でありますが、今後は問題を一方では青少年の相談に応ずる、一方ではこれに対するもつと根本的な対策を立てて進めるというようなことで、精神衛生対策の面としては進んで参りたい所存でございます。
○杉山委員 普通の精神病は今お話のようにあまりふえて行かない、ただ神経症がふえて行く、こういうお話ですが、しかし純然たる精神病に近いヒロポン患者が御承知のように年々増加して参りまして、特に青少年を毒している、こういう状態でございますので、今お話のように相談所の拡充をし、そしてよりよい指導をされますとともに、根本的にやはりこれを絶滅するというような、むずかしいにしてもそういう態度に厚生省が出ていただかなければならないのではないか。そのためには、もつと取締りを厳重にする、あるいは収容所を設置する。この前は約百五十箇所くらい精神病の床がふえるのでそれに収容して行く、こういうお話がございましたが、とてもそれくらいのことでは足りません。そういうような意味で、ぜひこの問題を、お話のようにもつと根本的に解決する方法を厚生省はとつていただくことを私は要望しまして、この問題はこれで終つておきたいと思います。 なお、これについて大蔵省の方にもひとつお伺いいたしたい点は、今までこれに対する費用は政府の方で二分の一負担であつたものを、今度は四分の一にするというようなことになります。そうすると、いただいた資料では、他の厚生省関係のものは入場税をもつて補填をするというようになつております。これについては何もない。多分これは平衡交付金でその地方の負担を軽減する、こういうことにおつしやるのかとも思いますが、その点はどうなつておりますか。また平衡交付金にまわるというならどういう方面の平衡交付金になつているか。これはあるいはそういうものがひもつきにはつきりなつて行くのかどうか。そのことを伺いますことは、ただぼんやりと平衡交付金で参りますと、他の費用に使用されてその分が使われないというきらいがあるので、ただその負担が重くなるということだけに相なるかと思いますので、この点を大蔵省関係の方にお伺いいたしたいと思います。
○佐藤(一)政府委員 先日自治庁の方からお配りした資料にもございますように、精神衛生相談所関係の経費につきましては、他のものと同様――今杉山先生がおつしやいましたのは交付税のことだと存じますが、交付税の方にやはりまわつております。
○杉山委員 はつきり精神衛生相談所のもの、こういうことにひもがついておるのでしようか。ひもがつかないで、ただこのままで平衡交付金ということになつておるのでしようか。
○佐藤(一)政府委員 これはほかの経費全体のやり方に共通いたすことになるのでございますが、一般財源として交付税にまわりますので、いわゆる法律的なひもつきということにはもちろんなりません。しかし、地方財源のいわゆる財政需要の計算をいたしますときには、たとえばこの関係の経費については幾らという一定の単位に基く計算をいたしまして、そしてそれによつて積算をして総額がきまりまして、それが交付税の形で配付されますから、その配付せられました交付税の中には、そういう明らかな計算の根拠に基いて自治庁がそれだけの金額を入れ込んでおる、こういうことになるわけであります。従いまして、地方自治体といたしましても、交付を受けたその交付税を使用いたします際には、やはり本来のそういう趣旨にのつとつて使われるべきものと思います。しかし実際上完全な意味のひもつきになつておりませんから、しばしばお話がございましたように完全に確保することができないわけでありまして、ほかの財源に流用されるおそれがある、御指摘がしばしばありましたそういうおそれ、可能性はもちろんございます。しかし、今回はほかの経費も合せまして全体として、しばしば御説明いたしましたように、地方の財源としてまわしておるというような関係でございます。
○杉山委員 次に、母子福祉資金貸付に関する法律の点について一、二お伺いしてみたいと思いますが、貸付の対象になります母子家族の数というものが大体今はどれくらいに相なつておりましようか。
○楠本政府委員 後ほど資料をもつて詳しくお答えをいたしたいと存じます。関係当局によく連絡をいたしたいと思います。
○杉山委員 それでは後ほど資料をいただきたいと思います。 それから、以前に国民金融公庫から五億円のひもつきでこの人たちに貸し付けるということになつておりましたが、その貸付状況がどういうように相なつておりましようか、大蔵省の方でおわかりになればひとつお答え願いたい。
○佐藤(一)政府委員 ちよつと私も直接の資料を持参しておりませんので、まことに申訳ありませんが、もし何でしたら、厚生省の方から至急に相当官に来ていただいた方がよくわかるのではないかと思います。
○井手委員 今杉山委員の質問中ちよつと疑義が起きましたので、法制局にお伺いしたいのであります。これは昨日来やつている国の負担の問題でございますが、国が二分の一なら二分の一を負担すると書いた場合には、はつきり予算に補助金として出さねばならぬと私は考えております。今までであれば、地方財政平衡交付金によく盛られておると言われておりますが、それでいいのでございますか。法律的な御見解を承りたいと思います。
○林政府委員 この法律ではつきりと何分の一負担と書きましたのは、やはり負担金として実はこれは計上いたしております。ただ、地方財政法の方で、国と地方公共団体がおのおのお互いに利害関係を持つものはこれこれであるというふうに書いてありますものについては、平衡交付金で組んでおるものが大分ございますが、各特別法におきまして、国が何分の一負担すると書いてありますものは、これは負担金という名目で今まで各省の予算外に組んでおると存じます。
○井手委員 法制局から初めてわが意を得たような御回答をいただいたのでありますが、そこで大蔵省にお尋ねいたします。厚生関係で食品衛生法第二十六条、予防接種法第二十二条、寄生虫病予防法第七条、「トラホーム」予防法第七条、伝染病予防法第二十五条の各条文によりますと、国はその経費の二分の一を負担するということをはつきりと明記いたしておるのであります。ところが、聞くところによりますと、国庫の負担金の義務支出が全然予算に組まれていないということを承つております。二十八年度予算においていかに大蔵省は予算に計上されておるか、その点をまず承つておきます。
○佐藤(一)政府委員 これは地方交付税の方に実は計算し計上してあるものでございますから、負担金としては計上いたしておりません。
○井手委員 単独法において国の負担を定めた場合には、負担金として別に予算を計上せねばならないことは、あなたもただいまお聞きの通り、法制局の見解がはつきりいたしております。あなたも御存じでございましようが、交付税――従来二十八年度までは地方財政平衡交付金、これは地方財政需要額と収入額との差について国庫が平衡交付金を交付するのが建前であるのであります。いわゆるその差額をやる基礎として、何と申しますか、専門語で申しますといろいろございましようが、いろいろな要素を積算してその金題が出て来るのであります。ただいまの御説明にありましたが、ひもつきではないのであります。私はこの点に関しては明らかに法律に違反した大蔵省の予算編成方式だと考えるのであります。
○川村委員長代理 井手君の発言に関しまして、林法制局次長から発言を求められております。
○林政府委員 先ほど私がお答え申しましたことについて、多少あるいは問題があるかと思いますが、私がお答えいたしましたのは、実は一般的な問題についてお答えいたしたつもりでございます。ただいま個別的な特定の法律についての御質問であるようでございますが、これにつきましては、たとえば今の食品衛生法の例をあげられましたが、これは昭和二十二年にできた法律でございます。昭和二十五年に地方財政平衡交付金法ができまして、地方財政平衡交付金法で単位費用にこの食品衛生の費用を組み込んでおります。これは明らかに組み込んであるわけでございます。この組み込んだことを考えますと、これはやはり前法、後法の関係がそこに出て来るのであります。後法の食品衛生の費用を地方財政の財政需要額に組み込んで、これに対してその財源全体を考えて、足りない分を平衡交付金で交付するという建前をとつておるわけでございます。こういう法律が成立いたしまして、それが現在まで施行されていることと考えます。これはやはり食品衛生法に対する特別法ができたものだ、かように考えておるわけでございます。
○長谷川(保)委員 今法制局次長の言うのは私は間違いだと思う。というのは、この食品衛生法その他の法律につきましては、昭和二十五年予防接種法等による国庫負担の特例等に関する法律というものが出ておる。それによつてなされておる。これは法律をごらんになればわかりますが、一年しかやつておらない。一年の期間がある。それを二十六年にさらに一年延期してある。これでおしまいになつている。だからこれはただいま申しましたような食品衛生法その他法律が生きて来なければならぬ。しかし今日私どもが非常に真剣にこれを取上げておりますのは、非常に大きな問題が起きておる。今日のあのビキニの問題にいたしましても、食品衛生法によつて今有毒な魚等を処分している、また検査する監視員等が必要なのであります。さらに、今非常に大きな問題は、先般来厚生委員会等で伺つたところによりますと、黄変米がもうほとんど何らの関門を経ずして――そのうちの二〇%くらいはどうやら関門にかかりますけれども、あとの八〇%くらいというものは関門なしでどんどん都道府県に流されておる。これを検査する費用が食品衛生法で出ていなければならぬ。それが出ておりませんためにこれは手がまわらない。どうしてもこれは各都道府県で厳重にやつてもらわぬといかぬ。国民諸君の食膳にそれが供せられておる。それが有害であるということはもうすでに先般来やかましく言われておることであります。こういう大きな事件が起つておりますので、私どもは今この補助金等の臨時特例等に関する法律案を審議いたしますにあたりまして、関係いたしました問題であるとして今こちらで審議しておる。こういう事情ですから今あなたのおつしやいましたような二十五年に平衡交付金の法律が出て、それに入れてあるからもういいのだということにはならない。それはちやんとそういう処置の法律が出ておる。これは有効期限が切れておる。だからこれははつきりと予算を組まなければならぬ。そうしまして現在のような大失態が起つておる。これは厚生省も責任があると思いますけれども、しかしこれはほんとうに国民の重大問題です。私は大蔵省その他厚生省等の責任を追究しようというのではありません。そうではなしに、実際にこういう大きな弊害が起つて、国民は毎日ひどいものを食べておるという事実が起つておりますから私は追究するのでありまして、そういうように私は考えるのであります。
○林政府委員 食品衛生監視員の実際の活動状況いかんは存じませんから、これは厚生省からお答えいただきたいと思います。法律問題だけをお答えいたします。ただいま御指摘になりましたように、昭和二十五年に地方財政平衡交付金法ができました際に、予防接種法等一連の法律を昭和二十五年度に提出いたしましたことは御指摘の通りでございます。それがまた昭和二十六年まで延びましたことも御指摘の通りであります。その法律は二十六年度までになつております。従いまして、その法律だけを見ますと、昭和二十七年度からは食品衛生法は元に返るということがあるいはその当時の建前であつたかとも存ずるわけでございますが、これはしかし、平衡交付金の方の単位費用は、前のは食品衛生監視員の費用をそのまま振り込んで改訂いたしておりますが、単位費用を法律に書いて食品衛生監視員の費用を単位費用の中に組み込んで、そのまま二十七年度も二十八年度も参つておるわけであります。かようなことを考えますと、食品衛生監視員の費用は平衡交付金をもつて出すということがやはり法律の建前です。従つてそれはやはり食品衛生法の二十五条は矛盾いたすことになります。従いまして、まだただいまのところは平衡交付金法の規定が生きておる、食品衛生法の範囲はこの限りにおいて眠つておると考えざるを得ないわけであります。
○井手委員 私はこの際もう少し法律論を展開したいと思います。しかも国から出すのに補助金とか負担金とかございます。負担金というものは私は別に政府がはつきりと出すべきものだと思うのです。平衡交付金のように地方財政の需要と収入の差額について補給して行くというものとは違うのであります。もし地方財政平衡交付金に組み入れるというものであるならば、私は附則かその他にその分を明記しておかねばならぬと思う。何もそういうものは平衡交付金法にはありません。実際はそういうようなことをなさつておつたかもしれませんけれども、それは私は違法だと思う。そこで私が聞きたいのは、負担金というものは大口の義務支出について政府が出さねばならないものであります。そうであれば、はつきり何々に出す負担金として予算に計上すべきであると考えますが、負担金についての法制局の見解を承ります。
○林政府委員 今おつしやいました負担金につきまして、各特別法で書いてありますことは、一般的にはおつしやる通りであります。ただしかし、ただいま事例におあげになりました点につきましては、結局その法規と矛盾いたします法規があとでできた、こういうことにつきまして、あるいは法律的に申せばその際は矛盾する法律の規定を改正するのが建前かもわかりません。その点につきましては、あるいは手当がなかつたことはどうかという問題は多少ございますけれども、しかし前法、後法あるいは一般法、特別法の関係で法律の解釈をしなければならないことは、これはやはり法律の一般原則でございます。あとから矛盾した法律ができたということになりますと、前の法律はその矛盾した限度においてやはり死んでおる、こう見ざるを得ないわけであります。
○川俣委員 これは法制局として重大な発言ですよ。あなた方は行政に便乗した解釈をすべきでなく、こういう矛盾した法律が出るか出ないかということを最も審査しなければならぬ立場にあるのが法制局の任務なのです。あなたは本来の任務を忘れておるのです。それで便乗的な解釈をするものですから、こんがらがつて来るのです。法律のそういう事前と事後の間において起る衝突等を十分審査する任務があなた方の本来の任務なのです。それを行政官庁から来るものに無条件で便乗して法律を出して来るから、こういう矛盾が起るのです。この矛盾は立法府の矛盾であると同時に、むしろ法制局本来の責務を十分果さないところの結果生れて来たものです。そういうことがあるならば、前の法律の中に、これらの経費の範囲または補助金とか負担金の交付については、別に定める必要がある事項は政令で定めるとか、当然改正しておく必要があるのです。それらのみずから行うべきことを怠慢でいながらそういう解釈をするから、こういう問題が起つて来るのです。そう思わないかどうか。これは、もし次長が足りなければ、法制局長官なり政府の責任者を呼んで確かめなければならぬと思います。あとで配慮しておいてください。
○林政府委員 今おつしやいましたように、もちろん法案を御提出申し上げる際には、矛盾抵触関係の法律は一応調べ上げまして、大体その矛盾抵触関係をそこで矯正して参るのがおつしやる通り建前でございます。しかしたくさんの法律が政府提案で出る場合もございますし、あるいは議員提案で出る場合もございますが、そこで各省間のいろいろな問題がございますし、あるいは立法の段階が違うというような場合もございまして、やはりそこに矛盾抵触関係が起る場合があるわけでございます。これは、現状におきまして法律を二つ並べて見ました際には、どうしても過去においてそういう手続がどうであつたかという問題は、もちろん気がつく限りにおいては矛盾抵触関係を矯正すべきが当然だと思いますが、いろいろの立法手続の段階においてこれができなかつた場合も過去においてあるわけでございます。そういう場合におきまして、現実にある法律とある法律が抵触しているという事態が起りました際に、これはがやはり法律解釈の一般原則に従いまして、一般法は特別法より遅れる、あるいは前法に対しては後法が勝つこういう原則がそこに適用されるということに相なるだろうと思うわけでございます。
○井手委員 実際問題は大蔵省の方で何しますが、法律論だけいたします。前法、後法の関係は今おつしやいましたが、それについては臨時特例の問題がありますから、またそこには別の問題が起きて来るのであります。平衡交付金の方とこの食品衛生法なりあるいは予防接種法というようなものについて、私はそう矛盾するとは考えておりません。前法、後法と言われるほどのものではないと考えております。平衡交付金の性質から行きますれば、それとこれとは私は違うと思う。もし国の負担を平衡交付金に吸収するということが正しいものであるならば、ここでやはり附則か何かにはつきり書いておかねばならぬと私は思う。それでない限りは、やはり前の国庫負担の規定は生きているはずです。また法律に死んでおるとかなんとかいうものはありません。この点についてはさらにいろいろ論議したいし、ほかの委員からも質疑があるようでありますが、もう一時になりますから、一応この辺で休憩をお願いいたします。
○川村委員長代理 午前中はこの程度にとどめ、午後は二時より再開いたします。 暫時休憩をいたします。 午後零時四十九分休憩 ――――◇――――― 午後二時二十九分開議
○葉梨委員長 これより会議を開きます。 休憩前に引続き補助金等の臨時特例等に関する法律案について質疑を行います。杉山元治郎君。
○杉山委員 午前中に引続きまして、残りの分について少しくお尋ねいたしてみたいと思います。午前中のお尋ねで、母子に対して貸し付けている国民金融公庫の金についての資料がいただけませんので、はつきりわかりませんが、母子家族がわずかの金でもこれを手に入れまして、そうして何とかして独立してやつて行きたい、こういう考えでやつておるところの家族も相当数あるように見受けております。私も少しばかり大阪でそうした家族のお世話をいたしておりますが、実にわずかの金でもよくこれを利用して生計を立てている母子家族もあるのであります。それゆえに、でき得るならば、今貸し付けているような金額を一家族五万円、こういうような程度をもう少し引上げてやることができたならば、よりよくこの人たちの家計を助けて行くのではないか、こう考えるのですが、貸出金について増大するお考えがあるかどうか、この点を厚生当局にお伺いいたしたいのであります。
○太宰政府委員 御承知の通り母子福祉家庭に対する事業資金の貸付といたしましては、昨年の四月一日から施行になりました母子福祉資金の貸付等に関する法律について貸付を実施しております。なおその前には、暫定的でありますが、国民金融公庫による同じような母子家庭に対する事業資金の貸付もやつております。それの状況は申込みの方がやはりはるかに多うございまして、しかもその利用されている内容も非常に喜ばれて利用されておるように私ども今日に考えておるわけであります。一件の金額はそれぞれ違いますが、たとえば生業資金などはお話のように五万円以内ということになつております。これで足りるかどうかという問題でございますが、やはりこの母子福祉資金の貸付等に関する法律ばかりじやなしに、たとえば引揚者などに対します更生資金など、あるいは国民金融公庫の貸付などもやはり五万円というようなところに一応線を引いております。やはりこれは一人当りの貸付金額の限度をふやしますと、全体として予算がかさばんで来る。それが十分に補われるだけの予算を組まれますればけつこうでありますが、そうでないと、金額がかさばめばそれだけ人員の方がへこむ、こういうことにもなつて来るわけでございます。それで、ただいまの段階といたしましては、私どもの方はなお申込み人員が非常に多い現状でもありますので、一応現在の段階ではこの貸付限度は五万円でもつて進んで参りたい、こういう考えでございます。今まで聞きました範囲内では、母子家庭の方でも、ものにもよりますけれども、やはり非常に堅実な考え方でありまして、むだな金をたくさん借りようという気持より、たとえばミシン一台ならば二万円なり三万円借りて、あと若干の材料費で運用して行くというような非常に切り詰めた考え方でおられる御家庭も多いのでございますが、ただいまのところは五万円で非常に少くて困るという家庭は、どちらかと言えば少い、むしろわくを広げてたくさんの人に金を貸してやりたい、こういう段階であります。
○杉山委員 これは一部の声ではないかと思うのでありますが、私どもの接触し、お世話をする家庭が大阪にも大分あるのですが、やはり少し多かつたら生計を立てて行く上にたいへん都合がいいのではないか、こういうことをよく聞いておりますので、今お話の中に、数が多いから、かえつて金額は減るという御心配もございましたけれども、これはひとつ遠慮なしにこういう大切な金はもう少しふやしてもらつた方がいいと思いますので、ぜひそういう増額の面に御注意を願いたいと思います。 それから、お話のように非常に堅実でございますが、この借りました金の返還の状況がどういうようになつておるか、その状況を一応お示しが願いたい。
○太宰政府委員 実は政府の方の分は昨年の四月一日から施行になりましたが、予算関係は暫定予算で、本予算が成立しましたのが八月だつたかと思います。従いまして、地方の方でもそれだけ実際の本格的な運営がずれて参りました。ただいままで政府の母子福祉資金の貸付等に関する法律に基いて実施しておりまする分についての償還条件というものは、まだつまびらかにしておりません。ただ、国民金融公庫の方で、その前に暫定的に生業資金と事業継続資金の貸付を行つておりますが、その報告を、ちよつとこれは抽象的な話で聞いたのでありますが、昨年末で約一万件ほど貸しまして、延滞というのはわずか十三件くらいであります。非常に成績がいいということを係の者から聞いているわけでございます。また私ども地方の府県庁の者からいろいろ聞きましたところによりましても、この母子家庭の方は非常に償還ということについても良心的にと申しますか、借りたものはぜひ返さなければいけないのだ、その返した金が同様に困つておる母子家庭にさらに貸されるのだというようなことから、償還に対して母子家族は非常に良心的だということを私ども聞いているわけであります。
○杉山委員 そういう実情ですから、できるだけわくもふやし、金額も増額することに厚生当局の御努力を願うことにして、この点はこの程度にいたしておきます。 次に、母子相談所は現在全国で何箇所ございますか。それから母子相談員はその相談所一箇所に対して何人ほどいるのですか、この点をお伺いいたしたい。
○太宰政府委員 母子相談員は大体各社会福祉事務所に一人というような配齪をいたしております。従いまして、全国で八百二十五箇所ほど福祉事務所があると思われますので、大体八百二十五人ほどの者が母子相談員として配置されているのではないかと思います。なお、ところによりまして、母子相談員について県単独に若干ふやしているところもあるいはあるかと存じます。また母子相談員の補助者というような形で県内の市町村あたりに配置しているようなところもあるように聞いております。
○杉山委員 そういたしますと、母子相談所というのは、単独の建物を持つておるのではなしに、福祉事務所のその一部分を利用しているということになつておりますか。
○太宰政府委員 その通りでございます。
○杉山委員 そこで、相談所員は非常勤だということになつているようでありますが、その報酬と申しますか、手当と申しますか、そういうものを見ますと、参考書によりましても一箇年に九万円、そのほか旅費その他で合せまして約一万六千円、こういう実に少額なものであります。非常勤と申しましても、福祉事務所に一人ぐらいでは、ほんとうに十分の相談に応じ得ることができるのかどうかと思いますし、もしほんとうに活用されて来ると、一人ぐらいじや足らないと思う。名前は非常勤であつても、実は常勤の形になつておるものでないか、こういうことも考えられます。そういう場合に、お示しのような手当報酬では、あまりに少額に過ぎはしないかということを感じます。しかもこれは相当な知識経験があり、また非常にりつぱな婦人だということもうたわれておるのでありますから、これでは厚生省でも足らぬとしているのかもしれませんが、その点についての御意見を伺つておきたいと思います。
○太宰政府委員 御指摘の通り、現在母子相談員というのは法律によつて非常勤ということになつております。またその手当の額は政令によりまして大体十万ちよつとに押えられております。地方によりましては、母子相談員の仕事が非常にふえておりますために、非常勤がほとんど常勤みたいな形になつておるところもあり、また相談員の事務費が非常に不足している、こういうところもあるかと存じます。これにつきましては、最初に非常勤ということを法律にうたいました趣旨は――これは議員立法でございますから、私ども伺つたところなんでございますけれども、今日、国、地方を通じて、どちらかというと人員を整理しなければならぬときでもある。さような意味で非常勤ということになつているわけであります。現実の問題といたしまして、これを定数に入れて常勤の職員にしろということは、私ども地方の者と個別的に話しましても、必ずしもどの県でも簡単に行くとは思えない状況でございまして、しばらくの間はこれで行くほかはないのではないか。それから、この手当の関係などにつきましても、実際これでも不十分だと存じて、私ども恐縮に考えておるのでございますけれども、遺憾ながら、今日までの段階では、予算的にこれをどうこうするわけには参らないわけでありまして、これの不足分につきましては、県によりましては県費でもつてこれを組んでおるところもございます。また母子相談員の職務の一つとして、母子福祉資金の貸付などに関する事務もございます。その貸付に関する事務費は、今日都道府県費でもつてそれぞれ計上してございまして、多いところは百数十万のところもございますが、平均しますと三、四十万ぐらいかと存じますが、さような費用を組んで母子福祉資金の貸付事務を取扱つているわけであります。それに対しまして、母子相談員がそちらの貸付の事務を取扱いますならば、母子相談員の事務費にそれを充てることも許されるわけでありますが、さような点によつて補つているところもあろうかと思うのでございます。さような点で、今日のところは国がなかなかこれを十分なだけ見るわけに参りませんので、地方でもつてその足りない分を補つてやつている、こういうような実情であります。
○杉山委員 今お話を伺つて、ちよつと私は言葉が聞きとれなかつたのですが、十万円以内に押えなければならない、こういうことを伺つたのですが、これはどういう理由で十万円以内に押えられておりますか。それは何か特別にそういう法律があるのですか。
○太宰政府委員 いや十万円以内ではございませんので、十万円ちよつとと申し上げたのでございますが、これは母子福祉資金の貸付等に関する法律の施行令の十八条におきまして、母子相談員にかかるこれこれの種目の経費について、その下の欄に定める額を基準として厚生大臣が算定した金額の二分の一を国庫で負担する、こういうふうになつております。それを見ますと、母子相談員の手当として一人について年額九万円、母子相談員がその職務を行うに要する旅費として年額一人一万円、母子相談員がその職務を行うに要する事務費として一人につき年額六千円、かようにはつきりと載つておりますので、一応現在ではそれによつて地方が負担している状況でございます。
○杉山委員 この費用は、いただいた資料によりますと、政府の方は全部停止になつておるのですが、これは前と同じように交付金によつてやるのかと思いますが、念のため大蔵省の方にお伺いしておきます。
○佐藤(一)政府委員 さようでございます。
○杉山委員 なおこの際ひとつ厚生省の方にお伺いしておきたいと思います点は、御承知のように、母子寮に入つている人たちは、子供が十八歳になりますと出て行かなければならない。こういうことのために親子別々に生活をしなければならぬという問題が起つておる。子供が外に出て十分生計の資を得られればまだ問題はないのでありますが、まだ十八歳でその資も得られませんし、なおかつ親としてできるならばその上の学校にやりたい、こういうことになつて参りますと、なお一層この費用が必要であるのにかかわらず、今まで置いていただいた母子寮を出て行かなければならない、そして一層生活苦に追われる、こういう結果になると思うのであります。現に私どもの知つている人にもそういう人があつて訴えられておるのでありまして、せつかく母子家庭をここまで助けて来て、ようやくよくなつて行こうというとたんに、その子供が十八歳に達したために杜絶するという問題に出つくわしておるのでありますが、こういう問題について厚生省の御意見を伺つておきたいと思います。
○太宰政府委員 お話の通り、現在母子寮に入所いたします者につきましては、児童が満十八歳に達しますと、一応母子寮に入所する資格を失うと申しますか、できるだけ早い機会に他の方面に転出してもらう、こういう建前をとつております。母子寮が現在児童福祉の一つの施設になつております以上は、児童福祉法が十八歳未満の児童を主として対象としております関係上、これは法的にはいたし方ないのであります。これがふだんの場合でありますと、そういう時期に達した子供を持つた母子家庭は、当然他の借家住まいとか他の施設の方に引越すことができるわけでございますが、今日の日本の住宅事情におきましては、それすらもなかなか困難であるということから、正確な数はちよつと記憶しておりませんが、現在年齢超過児をかかえた母子家庭がなお相当母子寮におる、こういう状況でございます。この問題は非常にむずかしい問題でございますので、私ども心配しておりますし、その当の母子家庭自身も、常に何かあとからおつかけられるような気持でもつて非常に心配して、悩みを訴えられておる状況でございますが、ただこれを救う道といたしまして今日考えられますのは、母子のための母子住宅というものでもつくるかということになるわけであります。住宅問題は今日建設省の方で所管しておりますので、その中で特に低額所得者のための第二種公営住宅というのが、御承知の通り建設省と厚生省の共管みたいな管轄になりまして、入居者の選定などは都道府県の民生部でもつてやつているわけであります。さような場合に、母子寮などにおりますそういう気の毒な家庭の方、そういう人たちをなるべく優先的に入れていただくように、私どもも地方には言うているわけであります。ただ、今日の住宅情勢としまして、何でもかでも母子家庭であるからあらゆる者に優先してそこに入るというわけにはやはり参らないのでありまして、一応優先的な順位になりますけれども、最終的の決定の場合は、やはり個個の家庭を調べまして、いろいろな点で気の毒な事情がある、そういうものを調べ上げて、最も気の毒な者から優先的に入れる、こうならざるを得ないのはいたし方ないと思う。さような点から、母子家庭で年齢超過児でなお母子寮におりますような家庭が、優先的にそこに入るとまでは至らないのは非常に残念でございますけれども、しかし漸次この方面に対する認識が高まつて参りますれば、一般の公営住宅の中でも、第二種公営住宅に対する割当を多くし、またその中におきましても母子家庭に対してなるべく考えてもらう、こういうように仕向けていただきたいと今考えている次第であります。
○杉山委員 法律の建前上、十八歳以上の方は置けないということはやむを得ませんが、そういたしますれば、今お話のように、何とか住宅問題を考えてやるということが一番近道でないかと思います。それについては、御承知のように、厚生省関係の今の厚生年金の額が八百億というような、非常な積立金を持つ、あるいは今年になりますと一千億以上も越え、利子だけでも三十数億になるという、こういう金があるのに、これをただ大蔵省にだけまかしてしまうというようなことはしないように、むしろこういう金こそそういう気の毒な人に使つていいと思いますので、児童局のごときは、こういう必要があれば、そういう問題について強く話をしてもらいたいと思います。また労働者諸君も、できるだけそういうような方面にこの積立金が還元されるようにということをこいねがつているのでありまして、その点は単に労働者ばかりでなく、使用者側もその希望を持つているわけでありますから、そういうことのために、金はないわけじやない、やはりあるわけですから、そういう金をぜひひとつ建設資金の方面に持つて行つてもらつて、気の毒な母子家庭のために、ぜひともひとつ母子寮を追われているような家庭に住宅を与えられるように御努力を願うということを申し上げまして、私の質問を終ることにいたします。
○葉梨委員長 長谷川保君。
○長谷川(保)委員 先ほどいろいろ伺つたのでありますが、どうも平衡交付金の中に、――私は見方が悪いのかどうかわかりませんが、地方財政法第十条には先ほどの食品衛生の費用がないのでありますけれども、どこに入つておりますか、教えていただきたい。
○佐藤(一)政府委員 ごらんになりましたのは地方財政法ですか。
○長谷川(保)委員 地方財政法第十条です。
○佐藤(一)政府委員 地方財政平衡交付金の方です。
○長谷川(保)委員 それにもないと思いますが、ありますか。
○佐藤(一)政府委員 算定基準というものに入つているわけです。これは自治庁をお呼び願つて、正式にひとつ説明していただいた方がはつきりすると思います。
○長谷川(保)委員 それではあらためてやります。
○葉梨委員長 それでは川俣清音君。厚生省関係をひとつお願いします。
○川俣委員 厚生省関係は、今長谷川委員との関連部分は留保いたしておきたいと思うのです。 そこで二、三点お尋ねいたしたいのですが、一つは大蔵省にも聞いておいていただきたい。結核予防の上から病棟をいろいろ拡充せられるようでありますが、もちろんこれは必要であることは申すまでもない。結核予防対策の上から、すでに罹病いたしておる者に対する治療対策といたしまして、また将来予防の上からもこれらのことが施策せられておりますことは当然なことである。当然なことであるばかりでなく、むしろもつと積極的に考えて行かなければならぬのでありますが、ただ補助金の問題になりますると、とかく弊害と申しますか、補助金自体に対する弊害でなくして、補助金、助成金が不足だというようなところから、地方公共団体については二分の一あるいは医療法人については三分の一というような低額な補助でありますために、幾分でも有利な地方公共団体の名前を借りて二分の一の補助を申請しようというようなことが、たまたま新潟にもあるようでありますし、秋田県にもあつたようであります。特に秋田県の某市における病棟の設置について、地方公共団体の一部組合ができないうちに、あたかもできるがごとく書類をこしらえて、県を経て厚生省に申し込まれた例がたしかあるはずであります。これは当時結核予防課長にお尋ねしたところが、県の裏書のある申請であるから、それを信用するよりほかに道はないのだ。調査されてはいかがか、調査する権限は私の方にはないのだ、いざ補助金を支払うときに初めて検査するのだ、こういうような御答弁であつたのであります。特にその問題は、当時県会の厚生委員長の土地を特別高く買い入れる、またはその建築を、当時の厚生委員長が請負師でありますために、特にそれに請負わせるということで、経費の捻出の方法として二分の一の方法を教えて申請されたことがあるようであります。この点について厚生省の見解を承つておきたい。
○楠本政府委員 市町村の一部事務組合ができますれば、これは当然市町村並に扱うべきものでございますから、補助率その他はそのように処理いたすことは当然だと存じます。ただ御指摘のように、一部事務組合が設立されないうちに、あたかも設立されたことく補助を実行した、かように承つたのでありますが、おそらく、これは、一部事務組合ができる見込みであるから、できれば補助金がもらえるかという一つの問合せに対しまして、厚生省といたしましては、おそらくかようなものができれば補助の対象になろう、こういうことを言つたのではなかろうかと存じます。なおただいままた御指摘のような、さような一部事務組合がうまく運営されているものが実際に実在しているか、どの程度仕事をしているかというような点を調査する権限はないという御指摘でありましたが、あるいは、法律的に申しますれば、府県のやることに対して権限行使としてはできないかもしれませんが、しかし行政運営上、補助金の適正を期する意味で、あるいは指導の徹底を期する意味で、逐次現場で調査をすることも可能かと存じます。
○川俣委員 これも具体的に申し上げなければならぬような事態ですが、私は具体的に申し上げてこれをあえて検察庁に摘発しようというような考え方ではないのです。往々にしてそういうことが起る原因が、二分の一補助あるいは三分の一補助というような低額な補助であるために、それに耐えかねて起つたのではないかと察せられる向きもあると思う。問題はそういう点にもありますが、現実に起つた問題としては、今局長の答弁のようなものでないのです。これは二十七年度において申請をせられたのであります。県の副申を見ますと、一部事務組合ができたことになつて申請されている。それをお調べにならないで内諾を与えておられるわけです。そこで国費の補助というものに対する国民の関心から、こういうことは放任すべきものでないという建前に立つて、当時意見を申し上げ、調査方を依頼した。その調査について、私が今申し上げたように、調査する権限がないのだということで、ことさらに回避せられている態度について御意見を伺いたいのです。私は別に権限があるとかないとか言うんじやない。これは一部事務組合ができていないのであるから、調査されてはどうだ。この権限がないということでおられますことは、黙認の態度でないか、そういう黙認をすることはけしからぬじやないか、こういうことなんです。
○楠本政府委員 二十七年度に申請を受けましたときは、おつしやるように一部事務組合を設立して療養所を経営しよう、こういうお話であつたようであります。しかしながら、その後、これは秋田県の某市の例をとりますが、土地の話合い等がつかず、遷延いたしておりますうちに、いよいよ一部事務組合もでき上りまして、従つてその後実際には事務の運びをいたしたような次第であります。従つて、これらの件につきましては、架空の一部事務組合に対して補助の話合いをしたというような事実はございません。ただ私も相談に乗りました場合は、どうだ、一部事務組合をつくれば補助してくれるか。まあこれが療養所の配置上適当なものと思えば、またその内容がしつかりしたものと思えば、一部事務組合をつくつて来れば補助しよう、こういう話合いは、当然設立前に行われるわけです。従つてその話合いは行政運営上当然だと思つております。ただ問題は、さようなものに対して補助したかどうかということでありますが、これはその後敷地の問題等で若干の時間がとれましたが、りつぱに二十箇村の一部事務組合が設立されまして、それに対して正式に私どもは交渉を進めているわけであります。
○川俣委員 それは部長は大分報告が違つています。土地は医療組合の土地であつて、厚生委員長の所有地を医療組合が買つて、そこに一部事務組合がその土地を借りて建築した。土地の問題でごたごたしたのじやないのです。私はその問題をそういう点からお聞きしているんじやない。一部事務組合が設立されないのに、されたごとく県が申請して来ていることについて注意を喚起したのに、そういう権限がないのだということで、あたかもその補助を黙認するような態度を究明しようといたしているのである。これは総務課長にお尋ねしたいのですが、権限があるかないかの問題ではなくて、明らかに一部事務組合が設立されていないのに、県から申請があるのであるから、そのまま受取つてよいのだというような態度に対しまして、大蔵省はどういうような見解を持つておられますか。
○佐藤(一)政府委員 これは行政運営上の問題であろうと思いますが、もちろん補助金の申請が適正になされ、またそれについての認定が適正になされなければならないことが前提になつておりまして、それがなくしては、いわゆる補助金の適正な執行はできないわけでありますから、一般論といたしまして、もちろんそういうような精神でもつて運営されなければならないものと考えております。その場合の実情については私ども知悉いたしませんから、何とも申し上げられません。
○川俣委員 そこで厚生省にさらにお尋ねするのですが、その後二、五度衛生部長が上京したときに確かめたところが、明らかに一部事務組合ができているという答弁であつたから、これを信用せざるを得ないということを私にお話をしておられる。当時まだ去年の夏前でありますから、一部事務組合はできていない。ようやくできたのは、問題が起きて、自治法の解釈上当時の市の承認を得ないということで建築が遅れているということはあり得るのですけれども、ようやくそこから問題が発生して、十一月でありますか、十月の中ごろかに一部事務組合があらためて発生した。その前の県に対する運動質、厚生省に対する運動費は医療組合から出ております。医療組合の二十八年の決算書の中に明らかに経費として出ております。だからこれはおかしいのです。かけた経費は医療組合であり、医療法人であり、申請したのが一部事務組合だ。これが問題になりまして、あとで一部事務組合がその経費を負担するということで話合いがついたようです。しかし明らかに経費を出した。それをただああいう一部事務組合が問題が起きてから肩がわりしておりますけれども、これらはいわゆる一部事務組合の名前を詐称して申請したということが明らかになつて来ると思う。そういう点を明らかにされた上で補助を与えられるべきじやないか。私は補助に反対じやないのです。そういう点を明らかにしてやらなければ、厚生省の行政は信頼を置くに足らないという結果になる。そういう信頼がなければ、補助の増額を要求する根拠を失つて来るのじやないかということを私は憂えるのです。もし三分の一で不足があれば、これを法律的に二分の一にするとか、二分の一をさらに三分の二にするという努力を払われることが私は望ましいと思う。しかし、不足であるために多くをとるようなそういう申請をさせて糊塗するというようなやり方は、結核予防の上からとるべきじやないと私は考えますけれども、政務次官いかようにお考えになりますか。
○中山政府委員 お説まことにごもつともだと思いますが、万事地方の府県から申請して参ります条件を、向うがまじめにしたものと、こちらは善意に解してそういう態度をとつたものであろうかと私は考えます。それで、もしそういうことがございますれば、それは十分なる究明をする権限が私どもに与えられることが当然ではなかろうか、そういうことができないと当局が申しておりますならば、それができるように、そういうところまで調査する一つの権利を与えてもらわなければ、事務当局としても困るのではなかろうか、こう考えております。そういう不正なことは断固として排撃さるべきものであろうと私は考えております。
○川俣委員 不正は断固として排除し、また結核予防の上から与えるものは正当に与えるという態度をこれからおとりにならなければならぬ。それがほんとうの結核予防に対する国民の信頼をつなぐゆえんであると私どもは考える。すなわち三分の一の補助金のために病棟ができかねるような場合には、将来これらを少くとも三分の一を二分の一にかえて行く、あるいは公共団体の分は三分の二にかえる、こういうことが望ましいのであつて、現行法のある限りにおいて補助率の高い方面へあえてこしらえて詐取するような放漫な考え方が公共団体にありますと、厚生省の将来の行政の上に、大蔵省との折衝の上に非常な齟齬を来すおそれがあると思いますので、結核予防課長には、特にそういう点について将来関心を厚生省全体として持たれることを希望いたすものであります。これはこの程度にとどめておきたいと思います。 そこでお尋ねしたいのですが、同じ結核予防法の中の五十二条に、「市町村は、左に掲げる費用を支弁しなければならない。」こうあります。そうして一号は、その「施設の長が行う定期の健康診断に要する費用」、二号が「筋四条第三項の規定により、市町村長が行う定期の健康診断に、要する費用」と、いずれも「要する費用」とありますが、これらの「要する費用」というものはどのような御解釈をしておられますか。環境衛生部長にお尋ねしたい。
○楠本政府委員 健康診断に要する費用と申しまするものは、ごく技術的な問題でありますが、最初にツベルクリン反応をいたしまして、その陽転者に間接撮影をとりまして、その結果さらに疑わしい者に対して直接撮影を実施する、かような経費でありまして、きわめて全体から見れば少額の経費になりますが、積算の基礎はさようなことになつております。 なお、この機会に、すでに御質問をお打切りになつたことで、はなはだ失礼でありますが、補助金執行に関して、はなはだ御納得が行かないところがありますと今後にも関係いたしますので、あらためて特に私から今御指摘のあつた一点について御説明させていただきたいと存じます。なるほど、見方によれば、あの一部事務組合というものは、農業協同組合において、つまり民間の病院の一つの施設のような形をとつております。と申しますのは、一部事務組合が特別に院長を設けたりあるいはいろいろな職員を全部揃えて療養所を経営いたしますことは、非常に経費の面でもむだが多くなる。そこでたまたまりつぱな農業組合の病院があるので、これに委託経営をする形で町村組合がそこに病棟を付置した、こういう考え方であります。これはもちろん違法行為でもなければ、むしろきわめてこの少い金を有効に使う一つの方法でもあろうと存じます。しかし、もちろんこの責任の所在は、経営は一応委託されておるが、その責任はあくまで一部事務組合で負つておるのでありまして、実際にしからばものを計算するとき、どうも具体的にどこまで割切れるかというところには、もちろん問題が残ります。そこで見方によりますれば、なるほど農業協同組合が病棟を付置しようとすれば三分の一しかもらえない。そこで表面的には一部事務組合のようなことにして二分の一の補助をとるということも、形の上ではあるいは言えるかもしれませんが、しかしその責任が一部事務組合にある以上は、やはりこれはりつぱな組合の経営、町村連合病院であるというふうに考えておるのでありまして、この点は誤解のないようにお願いいたしたいと存じます。
○川俣委員 今われわれ誤解のないようにという説明を加えられたが、それはあなたの方が誤解をしておる。これは明らかにあなたの方の誤解である。一部事務組合ができないうちに、農業協同組合の病院が結核病棟を建てるために土地を買つたのです。一部事務組合が買つたのではないのです。しかも時価よりも高く買つておるのです。そういう点を埋め合せてやろうという計画がここに現われて来たということを私は言つておるのです。あなたのように、抽象的に、一部事務組合でやることをあえて反対しておるのではないのです。一部事務組合ができない一年も前から申請をしておられるのです。これは町村が決して負担するものではないから、名前を貸すようなことがあつても、経費は町村が負担するのではないのだということを村会において弁明しておる村長もある。その速記録もそろつておる。私は不都合だと言つておるのではないのです。こういうことがあると、あなたが結核予防のために増額を御要求される場合であつても、こういう汚点を残すと強くできないのではないかという点を指摘しておるのです。こういう情実にとらわれたようなことをやつておられますと、将来結核予防のために補助率を引上げる障害になりはしないか。また同じ金を出すならば、やはり法規に基いた出し方をしなければ、監督が十分行かないのではないか。もしもこういうことが必要だということが言われるならば、どんどん大蔵省に交渉されるのが至当だと思うのであります。従つて、大蔵省も、厚生省から来たから無条件に出すということは、けしからぬと私は言つておる。厚生省もまた府県の申請があればそれを全部承認するのが当然だと考えられることはよろしくない。これは陰に大きなスキャンダルがある。何回陳情に来ておりますか。東京へ陳情に来たという費用だけでも相当莫大な費用に上つております。こういう無理なことをしておるから、陳情の費用がかかるのです。あたりまえのことを申請しておつたならば、何もあなた方の方がたびたび陳情を受けなければならないようなほどのものではないのです。なぜ十数回の陳情を受けておるのですか。普通に出すべきものなら陳情を十数回出す必要はないではないかと思うのですが、どうですか。
○楠本政府委員 当初は、私の承知いたしております範囲におきましては、一部事務組合から出発いたしたい、但しその敷地がたまたま横手市の駅の近くであるために、むしろ市の側からその場所が適当でないものとして反対を受けた、その後敷地問題をめぐつて、いろいろ問題が出たということが一つ。もう一つは先ほど御指摘の点は以後注意いたしますが、その辺の限界がこれははたして一部事務組合の仕事であるか、あるいは農業協同組合の民間の病院の仕事であるかというところの限界に明らかでなかつた点があるというようなことで問題がありまして、その結果陳情が多くあつたのではなかろうかと思います。しかし、一般的には、療養所のごときものは適当な場所に適当な施設をつくればけつこうなわけで、ほとんど一回も陳情を受けずに補助の執行をいたしておる次第であります。
○川俣委員 私はこれ以上追究しません。しかしあくまで一部事務組合の先にあつたということになりますと問題になります。明らかに十月末か十一月にできております。申請は二十七年一月であります。一部事務組合ができたのは二十八年十月末です。大分大きな開きがあるのです。そこで問題にしているわけです。 次に、本論であります。五十二条または五十四条、五十二条は町村、五十四条は事業主ですが、健康診断に要する費用を町村や事業主が支弁しなければならないとありますが、費用とはどのような費用を見積るべきたとお考えになつているか。五十二条で「市町村は、左に掲げる費用を支弁しなければならない。」と規定しておりますが、この町村の支弁費用、あるいは事業主の支弁観相というのは、事業主が任意に基準をつくつて支弁してもよろしい、町村も任意にこの基準をつくつて低目に費用を負担してもよろしい、こう解釈してよろしいかどうか、こういう点であります。
○楠本政府委員 この健康診断の基準でありますが、これはさつき申しましたような技術的な一つの方法に基いて予算を編成いたします。なお年齢は現在のところは三十才以下の人間に対して健康診断を実施する、かような建前になつて計算がなされております。
○川俣委員 私の今の質問の要点がおわかりになつていないようですが、事業主は左の費用を支弁しなければならないと、事業主に義務を負わせている。この費用を負担するときに、自分の方でこのくらいの経費より出せないということで経費を出し渋つてよろしい、こう解釈してよいかどうか。また町村議会が議決をしなければならぬでしようが、たとえば町村長が行つた定期的の診断に、その費用はあまりに多過ぎるというようなことで費用を削減してもよろしいかどうか。これは実費だという考え方でないか、実際かかつた費用じやないかとお尋ねしているのです。
○楠本政府委員 この経費は、市町村にいたしましても、あるいは第五十四条によります事業主にいたしましても、義務費でございまして、先ほど申しました対象に対しては健康診断を実施することが義務でありますから、当然支出しなければならない経費であります。ただこの経費につきましては、市町村あるいは工場が実施をいたします場合に、医者を雇い上げてやる場合もあります。あるいは保健所等の協力を得てやる場合もございます。従つて金額の程度は実費程度と考えてけつこうでございます。
○川俣委員 実費以下ということはない、こう解釈してよろしいのですか。
○楠本政府委員 その通りでございます。
○葉梨委員長 今自治庁財政部長が参りました。先ほど問題になつた点で御質問題います。
○川俣委員 そこで大蔵省並びに法制局にお尋ねするのですが、きのう、政府の負担をする費用というようなことになると、一定の基準をつくつてやることもまた可能だというようなことに御答弁になつているのですね。きのうの私の質問に対して、実費じやなくて、実際かかる費用じやなくて、そういうことを査定してやることも可能だ、「要する経費」の中に入るという解釈であります。もしその解釈が地方に伝わりますと、地方の町村議会は実費を負担しないというようなことになつて参ります。「要する費用」「要する経費」、いずれも同じ表現であります。
○林政府委員 昨日たしか農業改良助長法について法制局長官からお答えした件であろうと存じます。この「要する経費」ということについては、やはり補助で、いわゆる一々の実費ではなくて、合理的と認められる一定の基準という観念が入つている建前でないだろうか、こういうお答えをしたことを記憶いたしております。これは今の結核予防法の場合と違うのではないかというような御指摘じやないかと思うのでありますが、結核予防法でも、法律を見ますと、今環境衛生部長からお答えいたしました通りに、どういうものに対してどうするという一定の基準と申しますか、これは政令か何かできまするようになつているようでございます。そこに一定の「要する経費」という法律の字句の解釈の問題になりますが、やはり言葉としては合理的――もちろんその内容が合理的でなくちやいけないと思いますが、合理的に必要と認められるもの、そういう観念を入れる余地はあるのではなかろうか、かように考えるわけであります。結局そこで補助なりあるいは国庫が負担するそもそもの趣旨に立ち返つて考える必要があると思うのであります。結局国が一定の事業を奨励する、あるいは奨励してそこで補助するというのは、やはりこれこれのことをぜひやつてもらいたい、ついてはその半分を補助するという建前であろうと思うのでありまして、「要する経費」という言葉の観念の中には、やはりそういうことから出て来る合理的と認められる一定の基準というものがあるのではなかろうか、かように考えておるのであります。
○川俣委員 それは、文理解釈からいうと、合理的でないものまで含まれるということはない。文理解釈は当然合理的なものです。私は不合理まで含まれていると解釈すべきでないこと、もちろんであります。ただこの五十四条で事業主が負担することになつている。事業主が負担する一定の基準をきめて、それ以上負担しないということが起きますれば、厚生省としてはいろいろお困りになることじやないかと思うのです。これは事業主の負担です。五十二条の方はこれは町村の負担なんです。町村長が行います定期健康診断、これらの実費も一定の基準で支払うのだというようなことになつて参りますと、町村ごとに基準が違つて来る。町村ごとに相当違つたようなことが行われることは、健康診断の上に統一性を欠くということになりはしないか、そういうことです。あなたのように解釈して参りまして、町村はその町村の予算の範囲内で、また事業主も経営の範囲内で、こういうことになつて来やせぬか。国が経費の範囲内ということになると、町村も予算の範囲内、事業主も経営の範囲内、こういう解釈が出て来るおそれがある。きのうは時間がなかつたので私はこれを指摘しなかつたのです。そこであなた方法制局も、もう少し文理解釈する上において厳格な解釈をしないと問題になる。補助金の場合だと何とかのがれようと思つて答弁すると、事業主に対して強要ができなくなります。あるいは町村に対する強要ができなくなります。経営のぐあいが悪いから健康診断はごくわずかでやろうとか、こういうことになつて参りますれば、これは健康診断の意味をなさなくなつて来るのではないか。法制局長官のように無意味な強弁をもつて法律を解釈すべきでないということをたびたび指摘しているのです。
○林政府委員 お言葉を返すようでありますが、決して強弁をもつて解釈するわけではございません。ただ、今の御指摘の結核予防法の五十二条あるいは五十四条でございますか、これはやはりこの文章から見れば、「左に掲げる費用を支弁しなければならない。」となつておりまして、直接支弁でございますから、当然町村がかかつた費用を全額出せという趣旨であることは当然でございます。この支弁しなければならないということと、それに要する経費ということで、これをかみ合せてみれば、全部払えということは当然でございます。しかし、先ほど環境衛生部長からお答えいたしました通り、やはり定期診断をする方法とか、あるいは定期診断はどういう年齢の者にやるとか、あるいはどういうお医者さんを使つてやれとか、こういうことはそこにおのずから基準があり、そういう基準でやることを政府は期待しておるのであつて、それ以上かかつたものは出してはならぬという規定はございませんが、それ以上のものをやればもちろん町村が払う建前になつておりまして、政府の期待していることは、一定の基準でやりなさい、その費用は町村で負担してください、こういう趣旨であろうと思います。そういう意味の基準というものはやはりどの場合にもあり得るであろう、かように考えております。
○川俣委員 大体そういう解釈でありますならば、それは文理上正当な解釈だと思うのです。町村の場合、事業主の場合はかなり厳格に法律を解釈する、それは至当だと思う。ところが一方国の補助金の場合だと、きのう非常にあいまいな答弁をされておる。たとえば「予算の範囲内」というようなことがあるとか、あるいは「公民館の施設に要する経費」「公民館に備え付ける図書その他の設備に要する経費」こうございますが、三項に「前項の経費の範囲その他補助金の交付に関し必要な事項は、政令で定める。」ということで、これはまた明瞭になつております。ところが、きのう問題になりました農業改良助長法は、「予算の範囲内において、」ということも出ていなければ、試験研究に対しましては、「試験研究に要する経費について、その全部又は一部」、また「農業改良研究員の設置につき、都道府県の要する経費について、その三分の二」、こう法律上は明らかに指示をいたしておるのであります。行政に対して指示を与えておるのです。これを曲げて法制局が解釈せられたが、そういう解釈をすると、事業主はそれに便乗して拡大解釈をするようなおそれが出て来る、こういうことを私は指摘したい。公然と法政局長官がそういう解釈をしますると、事業主はこれで逃げられる、また赤字財政に悩んでいる町村もそういう解釈をして逃げられるおそれが出て来るのではないか。これはやはり、町村や事業主には厳格に法律の規定を強要するといたしますならば、政府もまたこれについて同一の責任をみずから負うということでなければ、町村や事業主に対して強要ができないという結果になりはせぬかと思うのですが、この点はどうですか。これは大蔵省の総務課長にお尋ねいたしたい。
○佐藤(一)政府委員 国が遵法しないで人民にだけこれをしいるということが適当でないことはおつしやる通りであります。
○川俣委員 総務課長はなかなか理解がある。そういう理解の上に立つて、この農業改良助長法も一つの基準をつくつたのだというようなことで言いのがれをしないようにしていただかなければならないと思うのです。これは、総務課長なかなか苦心をされておると思うのです。それは、他の補助職員との均衡というようなことを考えると、私は行政的にはよく理解できるのです。しかし、きのうも指摘したように、「予算の範囲内」という規定もないし、また試験研究というようなものは、これは継続的に支出されなければ効果のあがらぬものであるだけに、一定の基準というものを考えることは、この法の立法精神に沿わないということを指摘したい。そういう解釈をとりますと、この法律の改正の企図はなくても十分できるということになると思うのですが、その点はいずれ討論なり他の機会に言うことにいたします。 委員長、三時半から私の党の会議がありますので、私の質問は保留いたしておきたいと思います。
○葉梨委員長 自治庁から財政部長、それから農林省の畜産局長がずつと待機しておりますから、どうぞ。
○川俣委員 それでは畜産局長に家畜伝染病予防法について二、三点だけお尋ねいたしたいと思います。 一般に国の補助金を二分の一に制限するという建前をとつて、今度の予算的措置並びに補助金等の臨時特例という法律案を提出されたようでありますが、家畜伝染病予防法というのはかなり古い法律だと思うのです。というのは、家畜という観念は、これは一定の家庭の中において馬を一匹、牛を一匹、または養鶏というような最も副業的な観念が家畜の中に含まれておつたと思うのですが、今日のように牛、めん羊というようになつて参りますと、食生活の改善と農業生産力の拡充のために、一つの大規模な経営として考えられて来るような情勢下にあると思うのです。従いまして、家畜伝染病予防法というような形でなく、本来からいえばもつと突き進んだものでなければならないと思うのです。というのは、今度の予算を見ましても、外国からいろいろな種類の牛、馬、鶏その他の家畜を入れようといたしておる。そうしてみますると、今日本で考えられないような病気、外国に流行しておるような病気が、よほど検査いたしましても、まぎれ込まないとは言い切れないと思うのです。柄物並びに動物については厳重な検疫、検査をいたしておられますけれども、この間岩手県に起つたような――これは必ずしも輸入された病気であるかどうかという疑問がありますが、輸入された病気じやないかというふうに恐怖を持たれたこともあるのでありますが、これはまぎれ込まないとは言い切れないのです。潜在しておる病気もあり得るのですが、潜在した病気を完全に検疫できるということも必ずしも立証されていない。そういう点から言つて、将来日本に品種改善の上から外国種が入つて参りますことは当然だと思いますが、こう広汎になつて参りますると、よほど構想を大きくして予防を講じて参らなければならぬと思うのです。伝染病が流行いたしますと一朝にして非常に大きな被害を及ぼすのです。人間でありますれば相戒め合う機会を得るのでありますが、事動物でありますために、飼育者にわかり得るときにはもうすでに伝染病が相当蔓延しておるというようなこともあり得る。家畜でありますから家族同様に愛護はいたしますけれども、何といいましても動物です。従いましてその発見がとかく遅れがちになるわけです。そこに家畜伝染病予防法の重大な使命があると思うのでありますが、これらに対する御見解を承りたい。
○大坪政府委員 畜産の問題が、従来の副業的な地位から、だんだんと畜産そのものが農業として主要部分を占めるという川俣先生の御意見に対しましては、まつたく私同感に存ずるのであります。従いまして、そういうような意味合いからいたしまして、家畜伝染病予防の問題につきましては、政府といたしまして万全の施策をとつておるつもりでありまして、動物検疫師を中心といたしまして外国からの伝染病の予防につきましては、万全の措置をとつております。ただいま御指摘の岩手県のジャージーの病気いわゆる人間で申しますれば禿頭病に類するようなあの病気につきましては、これはもともと外国から持つて来たのか、内地そのものにあつたのか、いずれかまだはつきり私存じませんが、いずれにいたしましてもあの病気につきましては御心配は必要ない、こういう性質の病気であるというように考えております。今後動物の伝染病予防の問題につきましては、畜産局といたしましても相当大きな予算を計上いたしておるのでございます。実は畜産局は伝染病予防が主なる行政ではないかと言われるくらいに従来とも重きを置いておるのでありまして、今後畜産の発展のためにはどうしても伝染病の予防ということが裏打ちされなければならないのでございますから、その点につきましては御指摘の通り今後とも大いに努力して参りたい、かように考えております。
○川俣委員 そういう意味で、今日の畜産局が大いに家畜導入をはかると同時に、この防疫につきまた伝染病予防のために全力を注がれるということでありますから、その点では意を強うするに足るのですが、どうもこの法律がかなり古いのです。片方は防疫官と出てみたり防疫員としておつたり、あるいは防疫員とあるところを防疫官と読みかえるというように――法律としては二十六年に出ておりますけれども、旧来の法律をそのまま踏襲したようにかなり法律の観念が旧式にできておると思うのです。内容自体として別に旧式だというのではなくして、取扱い方整理の仕方が非常に旧式的にできておると思うのです。また、先ほど私が申し上げたように、単なる家庭の中にある動物というような観念でなくて、今や酪農の専業農家もこれから出て来ようとする、集団酪農地帯もつくられようとするときに、こういう観念をもう少し広大にして参らなければ、法律自体の体裁からいつてまた十分な活用の上からいつて非常に不便を来しはしないか。ただ、よるといろは防疫管理による、防疫官または家畜防疫員の努力にまつというようなことだけでは十分じやないのじやないか。やはり防疫員あるいは防疫官の活動というものに、もちろん人的な活動にまたなければならぬことは多々あります。もちろんその通りだと思います。しかしながら、そのよつて来るところの法律的根拠も明らかにしなければならないと思いますが、将来これをさらに拡大して改正しようとする意図が畜産局にあるか、ないかこの点を伺います。
○大坪政府委員 家畜伝染病予防法がきわめて古い形のような法律である、まさに御指摘の通りと思います。畜産局で、家畜伝染病予防法ばかりでなしに、家畜商法でありますとか、牧野法でありますとか、いろいろな法律がありますが、いずれも私どもといたしまして意に満たない点が多々あるのでありまして、ただいま御指摘の家畜伝染病予防法ばかりでなしに、他の法律につきましても、これを畜産進展の情勢に対応し得るようなかつこうに行くのにはどうすればいいかというような点につきまして、全面的に検討いたしておりますが、なかなか時間の関係等もありましてまだ結論に到達いたしておりませんので、できるだけ早い機会に御指摘の点等も十分に考慮に入れまして研究の上、この改正案を出したい、かように考えております。
○川俣委員 今度奮産局で競馬法の改正を意図せられておるようでありますが、今国営をとつておられますが、あるいは畜産奨励の意味で国営競馬の形式をとつておると思うのです。国営競馬を主張されました当時の速記録を見ますと、この経費をもつて畜産奨励をはかるのだということが強く出ております。これを今度、そういう趣旨でできていながら、実は畜産局の経費のうちのごく一部しか経費としては上つて来ないというようなかつこうで、新期の目的が達成せられないという点もあつて改正せられるとは思いますが、そうだといたしますれば、今一番農村において恐れられておるのは馬の伝貧であります。これには非常な恐怖を持つております。過去にはそういう恐怖がなかつたかというと、昔もあつたのです。むしろ今では幾らか成績が上つておるかもしれぬと思われるくらいです。世界の家畜伝染病の状態を見ますと、むしろ日本の方が罹病率が低いのではないかと思われるくらいです。統計によりますと、一割以上の伝染病を持つておるようでありますが、日本ではそこまで至つていないようです。これは予防がよほど進んでおるためだと思います。あるいはこれに対する経費等が相当よく支出せられておる点もあるだろうと思うのです。それだけの効果は上つておるのではないかと思いますが、そのこと自体は別といたしまして、今度競馬法が改正せられるということになりますと、特殊法人だというようなことを聞いておりますが、そういうところから上つて来た経費で、こういう畜産奨励の最も基礎になります――もちろん消極的なものでありますけれども、伝貧の予防等について十分な考慮が払われるようなことが可能なのかどうかという点をひとつお尋ねしたい。
○大坪政府委員 伝貧の問題がわが国の馬産奨励上きわめて重大な問題であるということは、明治の中ごろから日本にとりましては大きな問題なのであります。これにつきましては、政府といたしまして、年々これが予防と申しますか、これを少くするための経費を相当計上いたしておるのでありまして、本年度の予算におきましても約八千頭分の予算を計上いたしておるわけであります。競馬等の関係におきましてどうかという御指摘の点でございますが、この問題はきわめて歴史的にもむずかしい問題であるのでありまして、財政当局ともそれぞれ馬の伝貧の撲滅の問題につきましては相談をいたしておりまして、競馬法そのものの改正との関連において努力しようというような問題ではないのではないか。これは根本的な大きな問題といたしまして処理すべき問題であつて、競馬法の改正に関連させまして解決して行くにはあまりにも大きな問題ではないか、かように考えております。
○川俣委員 私もその通りだと思う。とかく予算がないと何か捻出して来なければならぬというようなことで、誤つた捻出の仕方をいたしてはいけないと思うのです。しかし、経費が削減されますと、とかくどこかに寄り道を見つけようということで邪道に入ることのないことを期待いたすのであります。 そこでちよつと大蔵省にお聞きいたしておきたいのですが、一般の家畜伝染病についての予算は削減されないで、むしろ増額されておるようですから、これについては異論はないのですが、私は、この点について、植物のいわゆる農薬についても、こういう家畜伝染病についても、経費を少く見たから必ずしも悪いということにはならないと思う。これは余分に見ておくことが必ずしもいいということにはならないと同じことです。ただ、問題は、それが発生した場合にいつでも予算的措置が予備費の中からとり得るという余地がむしろ必要だと思う。これは一体どこまで蔓延するものであるか、あるいはその年に起きないでも、それを予防するということになりますと、常時用意しておかなければなりませんから、一定の経費が必要であるということは認められますけれども、ある特別な病気の蔓延することを初めから予知できるものではございませんから、初めからたくさんの予算をとつておかなければならないとは考えません。今ちよつと聞いておられたであろうと思いますけれども、これから相当外国種を輸入するというような計画が予算的にもとられておる。そうなつて参りますると、いわゆる病源の潜在した役馬あるいは役牛が入つて来ないとも限らないと思います。これはもちろん予防しなければならないということは当然ですが、もしもそれが発生した場合には、これは予備費の中からでも遺憾なく出し得る方法を講ぜられておりますかどうか、この点をお伺いいたしたい。
○佐藤(一)政府委員 従来の例は私は今はつきり覚えておりませんが、建前といたしましては、そういう異常な場合におきましては、もちろん農林省関係の御要求があれば、十分それを審査いたしまして、ほかの経費との振合いも考えて、出し得るものは予備費でもつて出す、こういう仕組みになつております。
○川俣委員 予防のためには確かに一定の経費を組んでおかなければならぬ。しかしながら一度蔓延して参りますような場合には、応急措置というものが当然考えられねばならぬ。ところが、とかく行政庁は、そういう蔓延のことまで初めから予想して多く予算をとるという考え方もあるやに聞くのです。それは大蔵省があまり出し渋るから、とつておかなければ何だからというので、農薬なんかでも過大な要求がときどき行われると思う。私はそういうことはむしろ望ましくないと思つている。起きて来た場合に遺憾なく処置ができるという安心感を与えておけば、予算のぶんどりということはあえて行われないのではないか。あまりあなたの方で出し渋るものだから、そういう危機が来たときの用意をしておかないと不安だというので、あまり使わなくてもよいようなものまで初めから用意されるという結果になつて、国費の十分な手当というものがかえつて不公平になるようなことや、重点的な配分ができないというおそれが生じて来るとお考えにならないかどうか、この点を伺いたい。
○佐藤(一)政府委員 いわゆる伝染病、これは人間の伝染病もそうですが、そういうような避くべからざるものにつきまして国が負担をすることが、法律上、あるいは特に法律に明定いたしません場合でも、適当であるという場合におきましては、昔は、御承知と思いますが、例の第一予備金というものがございまして、事態に応じて出すというような道もございました。現在の予備費は、御承知のように昔の第一予備金も含んでおりますから、そういう事態にも対処する目的のためにあるわけでございます。私どもとしましては、問題はやはり経費の性質によることであると思います。たとえばよく家畜関係にあるような原因不明といいますか、現在の科学の予防的な措置をもつてはなかなか防ぎ切れない何か特殊な外的の事情によつて急に蔓延したような場合もありましようし、それからまた、先ほど農薬のお話がございましたが、その防止についての責任をある程度は常々農家に負担してもらつていいじやないか。現在農薬については、いわゆる価格補給的な要素が補助金の中に相当含まれております。そういう見地から、私どもといたしましては、これはほかの方に経費を出している際であるから、まあ遠慮してほしという点で、現に多少削除したものもあります。これは経費の性質によりまして考えてしかるべきものと思いますが、財政の許す限り、真にやむを得ない、そういう不可抗力に基くようなものは、従来といえども予備費で対処する、こう考えております。
○川俣委員 それでは、ちよつと細目にわたりますが、現在伝貧にかかつており、または怪しいと見られるもの、確定、未確定を入れまして四、五千頭に及ぶではないか。一時は一万頭を突破したこともあるようでありますが、最近大分低下しているようですけれども、やはり家畜を持つている農家にとつてはまだ相当不安な状態にありますが、現在どのような状態になつているか、これは課長からでけつこうですが、御説明願いたい。
○大坪政府委員 伝染病予防の問題につきまして、ただいま先生からお尋ねがございましたが、一昨年の豚コレラの場合、あるいは風水害の場合等に予備費から伝染病の予防研究の費用を多額に出していただきましたので、その点は先生の御心配のようなことはまつたくありませんので、御安心願いたいと思います。 それから、今の伝貧の状態につきましては、衛生課長より御説明申し上げます。
○斎藤(弘)説明員 伝貧の状況を御説明申し上げます。伝貧は、ただいまもお話がありましたように、非常に昔から、日清戦争当時からずつとありまして、相当の被害があります。昭和四年に伝染性貧血にかかつた馬の殺処分に関する件という法律が出ましてから、ごくわずかでございましたけれども、組織的に防疫が始まつたわけであります。戦争前の状況を申しますと、陸軍でも馬を相当使つておりますので、伝貧に関しましては非常な関心を持つて、いろいろ防疫なり試験なり研究をやつておりましたが、その当時の調べによりますと、日本のあの当時の馬数が約百五十万顕といわれておりましたけれども、それの一八%、二〇%が伝貧じやないか、こういうような陸軍当局の発表があつたわけであります。戦争中並びに戦後のああいうどさくさになりまして、従来やつておりました組織的な防疫がほとんどできなくなりまして、しかも外地から帰逃して来た馬とか、あるいは九州で買つた馬を北海道へ還元したり、いろいろの馬の移動が相当はげしくなつたものですから、戦争後は相当の伝染性貧血があつたのじやないかというような話になつていたわけであります。しかし頭数も大分減つておりましたので、従つて病気の方もそうたくさんはないのでございますが、その当時は地区的に非常に高いパーセンテージが出まして、たとえば北海道であるとか青森であるとかいうところは、伝染性貧血にかかつて死亡する馬のために共済関係の経営がうまく行かないというような事例が出まして、何とかしてくれなければ困るというような非常に強い要望があつたわけでございます。その当時の青森県の例を見ますと、高いところで三〇%というような状況にありました。その後、そういうふうな状況でありますので、五年計画を立てまして、本年が四年目でございますが、それで組織的に重要なところから病馬を淘汰する方法をとつております。これによりますと、二十八年で三年目になりますが、最初の年が二%くらい出ております。その次が一・八%くらいに減り、二十八年は一・三に減つております。ことしの目標はさらに一%以下に大体減るだろうというふうに思つております。これは戦前の二〇%と非常な開きがあるのじやないかということになりますけれども、戦前の二〇%というのは、あの当時の陸軍の調べは汚染池を主体にしてやつておりましたので、こういうような非常な開きがあつたのだろうと思います。戦後私どもがいろいろ抜取り調査で地区的にやりましたときは、大体五%という数字が出ております。それが現在一%内外あるいは一%以下に下つております。それで、予算としましては、五年計画で大体年間七千頭台でもつて適当にうまく防疫をやつてくれというような大蔵省との話合いができております。大体七千頭から八千頭の間くらいで淘汰をしております。
○川俣委員 本会議が間もなく開かれるような情勢で、各党とも代議士会を開いておるようですから、時間がありませんので、小さい質問はなるべく簡略にして終りたいと思います。 そこで、今課長は非常に楽観をして一%以内というような見方をしておるようですが、私はそれは少し甘過ぎるのではないかと思うのです。一%くらいだつたら農民はそんなに騒ぐほどに至らないと思う。これは地域的に違うと思いますから、全国的な情勢は必ずしも十分把握しておりません。しかしながら、馬産地でありますところにおいては、相当恐怖が伴つておるというのです。そこで大体二万頭を目標にして考えておられるならば、大した齟齬はないのではないかと思います。しかしながら二%なんということで楽観をいたしますと、こういうものは、先ほど申し上げたように、人間の場合でありますと手当が非常に早く行くのですが、伝貧については農民も今日は相当な経験を積んでおりますから、必ずしも悲観するには当らないと思いますけれども、これはやはり相当注意深く予防を講じて参らなければならぬし、防疫をして参らなければならぬと思うのです。そこで、防疫員の問題ですが、防疫員の質の向上、これもまた必要になつて来ておると思うのです。しかし、最近獣医学校を出た人々がだんだん地方にも出て参りまして、相当質の高い者を防疫員として配置することが可能な状態になつて参りましたから、相当な手当をいたしておられるであろうと思いますが、やはりまだまだ質的な向上の余地が残されておると思うのです。これらに対しての御見解を承りたいと思います。
○斎藤(弘)説明員 お話のございました通りでございまして、われわれ決して一%で楽観をしておるわけではないので、最終的にはどうしても〇・五以下、二十九年、三十年には少くも〇・五以下にしたいというような目標で一生懸命やつております。それから技術員の程度も今お話のありました通りで、獣医学校の課程が四年に延びましたし、非常に優秀な技術員も出ております。私ども別に講習費を持つておりまして、年々、伝貧ばかりじやございませんけれども、家畜衛生全般に対しまして、二十回にわたりまして各地に短期の講習をやつておりまして、われわれは技術員の技術を向上するように始終努力しております。
○川俣委員 大体畜産局に対する質疑はこの程度にいたしまして、農林省の食糧庁の関係、それから自治庁に対する関係を保留いたしまして、今日の質問はこれで終りたいと思います。
○葉梨委員長 この際井手委員より要求せられております。運輸省の政務次官が参りました。これに対しましての留保分につきましての御質疑の御継続を願います。
○井手委員 午前中外航船舶建造融資利子補給、開銀に対する利子補給の停止に関しまして審議中、当局の説明によりますと、三億近くの利子補給分がまだ実際には支払われていない、こういうことを承つたのであります。政務次官も御存じのように、造船疑獄は全国民の大きな疑惑と憤りを招いておるのであります。外交船舶建造について、私どもこれを助長しなければならぬとは実は考えておりますが、新聞に報道されておりますような状態の中にあつて大事な国民の血税を補給して行くということについては、これは慎重に考えねばならぬと思うのであります。幸い交付されておらないようでありますので、これを二十八年度分について停止されるお考えはないか、この点をお尋ねいたしたいと存じます。
○西村(英)政府委員 非常にごもつともな御質問でございまして、ただいま造船疑獄がある中で、外交船舶の利子の補給をやることはどうかということは、私たちも非常にもつともだというような気もいたすのでございます。しかし、また一方から考えますと、不祥事が起つたのはそれといたしまして、現在のわが国の海運界を立て直すために外交船舶の拡充をはかるということも、これも必要でございますし、ことにただいまの御質問の点はすでに予算上にも計上されておるのでございまして、これは既定方針通りやりたい、かように考えておる次第でございます。
○井手委員 これに関しては、間もなく本会議で、例の中曽根発言に関連して、一身上の弁明を通じていろいろ追究があると思いますが、先刻の答弁によりまして、開銀はすでに昨年の十月ごろ自己の責任においてそういう利子引上げの措置をしてあるし、また今回からは開銀自身において支払い延期と申しますか、差額の分についての支払い延期をやらせようという自主的な措置も大体決定しておるようであります。船会社面接についてはおつしやるようなことも考えられぬこともありませんけれども、開銀自身については、これを停止しても、何ら外航船舶建造の、いわゆる海運日本に対する助成については、私は支障はないと考えておるのであります。先刻も申しました通り、これは開銀自身予定はされておるでありましよう。だれでももらつた方がよいに越したことはございませんけれども、こういう情勢の中で、しかも開銀自身が自主的にそういう措置を講じておるということであるならば、私はこの際世間の疑惑を幾らかでも払拭する意味においても、停止なさることが私は妥当な措置ではないかと考えるのであります。この点については重大なことでもございまするので、もし政務次官だけでお答えができないならば、大臣とも御協議の上で、あらためて御答弁いただいてもけつこうだと考えております。もし政務次官だけで停止するという意思表示ができれば、この際承つておきたいと存じます。
○西村(英)政府委員 開銀に対しましても、二十八年度分につきましては、これは開銀も政府機関でございますので、すでにそういうような措置をとつておるのでございますから、私は、この二十八年度分につきましても、法律に明記された方法によつてやるのが妥当ではないか、かように考えておるのでございます。
○井手委員 あれだけ問題を起しておる造船疑獄の問題に関連して、運輸省当局がこれを幾らかでも是正して行こう、疑惑を払つて行こうという、言葉が過ぎるかもしれませんが、自粛の念のないことを遺憾に思うのであります。二十八年の一月から若干すでに支払つたことでもあるから支払いたい、今こういうような御答弁のようでもありましたが、一部はなるほどその必要があるかもしれませんけれども、先刻も申しましたように、船会社はただでつくつて行かれる、自分はびた一文も出さぬで国家の金でどんどん船をつくつて、リベートで飲み食いできるというようなあの問題の中に、いかに何分かの利子補給とはお感じなさつておつても、そういう環境の中で船がつくられているというこの造船の問題について、この問題が解決するまで停止するとかというくらいは、私はそういう気持があつていいのじやないかと考えるのであります。全然やめてしまうということは当局として言えないかもしれませんけれども、問題が解決するまで支払いを停止しておこうというくらいは、私はあつてしかべるきではないかと思う。私は、もし先刻以上の答弁ができなければ、あらためて大臣の御答弁を求めたいと思いますが、いかがでございますか。やはり造船問題については最高責任者から聞くのが穏当だろうと思います。ひとつ機会を見て大臣の出席を願つて、あらためてお尋ねすることにいたしたいと存じます。
○葉梨委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○葉梨委員長 速記を始めてください。 それでは明日は午前十時より理事会、同じく十時半より委員会を開会することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十三分散会