文部委員会 第33号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/05/22
会議録
○辻委員長 これより会議を開きます。 教育職員免許法の一部を改正する法律案、教育職員免許法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の両案を一括して議題とし質疑を許します。田中久雄君。
○田中(久)委員 ただいま議題となりました教育職員免許法の一部を改正する法律案につきまして、三、三の点について質問をいたしたいと思うのであります。 第一点は、従来の免許法にはなかつたもので、高等学校の教諭の一級免許状を付与する制度が新しく設けられることになりました。この改正案では、大学院を卒業して修士の学位を有する者、または大学の専攻科において一年以上在学して三十単位以上を修得した者には、直接に高等学校教諭の一級免許状を授与するということになつておるのであります。これは教員養成審議会で答申せられたものとは異つておると聞いておるのでありますが、いかなる理由によつてさような決定を見られたのであるか、これが第一点であります。
○稲田政府委員 ただいま御質疑の点でございますが、お話のごとく、新たに別表の第一の高等学校教諭の欄におきまして、一級免許状収得の項を設けたわけであります。これは従来の免許法におきまして、別表第一が他の学校につきましては一級免許状の収得の道があるにかかわらず、高等学校において欠けております。これは免許法制定当時におきましてはまだ大学院が形成途上でありまして、大学を卒業いたしました者が学習いたします課程につきましては、いまだ大学院基準もできておりませんし、あるいは博士、修士というような課程ないし学位もきまつてなかつた時代であります。また専攻科という問題につきましても、その構想が明らかでなかつたのであります。当時におきまして当然一級免許状取得の道を考慮すべきであつたのでありますけれども、そういうような状況でありましたので、まあしばらくそれはおくことにいたしまして、現行法の別表第四、改正法の第三におきまして検定によりましてのみ一級を取得するという方法を開いておつたわけであります。これにつきまして私どもといたしましては、すでに大学院基準もできましたし、国公私立を通じまして大学院もできております。また専攻科も順次充実しつつある今日といたしまして、何らかそこに法的の措置をすべき機会をうかがつておつたわけであります。一方教員養成審議会におきましては、この高等学校教員の免許状につきましては、たまたま一方教育課程審議会におきまして高等学校の教育課程を論議せられておつた時期でありましたので、この審議の目標として高等学校のこの問題につきましては一応見送ろうかというお話もあつたわけであります。そうしてこの審議会が大体終了いたしましたので、今一方教育課程審議会の状況を見ますと、当初予想したほど根本的な高等学校の教育課程の変更もないように見受けられますし、今の教員養成審議会の方は御答申がなかつたのでありますけれども、免許法改正は相当全般的にわたつての改正でありますので、この機会に懸案でありました点を見送るのもいかがかと思いまして、答申はありませんけれども、別に答申の趣旨とも反する点でもなかろう、審議会の論議の経過から見ましても、この点特に反対の御意見もなかつたということで、文部省限りで措置したような次第であります。
○田中(久)委員 次に第二点として、大学院は、学術の理論及び応用を教授研究して、その深奥をきわめしめるところであり、また大学の専攻科は、大学を卒業した者に精深な程度において特別の事項を教授し、その研究を指導するところであつて、大学院も専攻科も教員の養成機関、職業教育をするところでないことは、これは当然であります。しかしこの両者の修了者に一級免許状がただちに授与されるということは、学力から見てさしつかえはないことでありますけれども、これを別表第一の中に規定するという結果、大学院及び大学の専攻科はさながら教員養成の機関であるかのような感じを一般に与える結果になるのではないか、大学院及び専攻科の設置の本来の趣旨と混淆を来す憂いがないかどうか、この点について当局のお考えを伺いたいのであります。
○稲田政府委員 ただいまのお話の点でございますが、別表第一におきましては、なるほど小学校、中学校、高等学校が相並んで同じ体裁で規定せられております。しかし実際問題といたしましては、小学校、中学校の義務課程の教員養成は、いわゆる計画養成といたしまして養成いたしておるわけでございますが、高等学校につきましては、現状のところ何ら計画養成がないわけであります。今新たに別表第一を改正いたしまして、一級免許状取得の欄を高等学校に設けたといたしましても、やはりその点は、高等学校につきまして、別に計画養成コースを大学院出あるいは専攻科出といたす考えではないわけであります。ただいまお言葉にもありましたように、大学院出あるいは専攻科を出ますような実力のある人があつたといたしますならば、それは高等学校の教諭として、一級免許状取得者として待遇をするのが適当だ、こういう考えであります。従いまして、今後高等学校教員養成の目標を大学院に置くとかあるいは専攻科に置くとかいう問題がただちにこの別表の改正から出るのではない、私どもはそういうつもりでおります。
○田中(久)委員 第三にお伺いいたしますことは、高等学校の教科と大学院及び専攻科の整備状況についてでありますが、改正案によりますと、大学院を終えて修士の学位を持つている者、または大学の専攻科において一年以上在学し、三十単位以上を修得した者は直接に高等学校教諭の一級免許状を取得することができるようになつている。これを裏から見ますと、高等学校の一級免許状をとるためには、専攻科に一年以上在学するが、大学院において修士の学位をとるかさえすればよいことになるのであります。それゆえに、高等学校の一級免許状をとりたいという者は、大学院に三年間も在学する必要はないということになるのであります。従つて大学の専攻科は、高等学校教諭の一級免許状を授与するためのいわば教員養成の課程となる。しからば現在の専攻科の設置状況は、はたして高等学校の全科目にわたつて教員養成を引受けるほどの整備がされているかどうか。その整備の実情はどの程度になつておるかということが私の問いたいところであります。なお大学院についても同様でありまして、どの程度の教員が出る整備状況にあるかという程度を伺いたいのであります。
○稲田政府委員 大学院におきましては、国立が一学年定員約三千人、私立が一学年定員三千人、全体で六千人程度の定員を擁しております。一面専攻科につきましては、国立、公立、私立を通じまして、全体といたしまして一学年定員が約一千六百人程度でございます。これは御指摘のように、量といたしましても、これをもし計画養成として考えますれば役にも立たぬ程度の少数の量でございます。ただ先ほどお答え申し上げましたように、高等学校につきましては、今まででも、また将来といえども、計画養成をしなければならぬというほど需給状況が差迫つていない。むしろ内容におきましていい資格を得た人が高等学校に招致せられるのが必要だというような状況であるわけでありますから、新たに大学院あるいは専攻科を出ました優秀な人々が高等学校に向う場合に、一級をもつて遇するということになりますれば、自然優秀なる人を招致しやすい、そういう程度にとどまるわけであります。専攻科あるいは大学院の養成定員が非常に少いわけでありまするけれども、少い今日におきましてこの道を開くことは決してむだではないと私どもは考えるわけでございます。
○田中(久)委員 整備状況が、お説の通り必ずしも多数でもないし、またそれほど逼迫もしていないということはよくわかつたのでありますが、高等学校の全科目にわたつて教員養成が行われているかどうか、一部に固まつているということはないかどうか、この点はいかがであるかということが一点と、それから現状では一級免状をただちに授与する規定を設けることが早過ぎる危険はないかどうか、もう少しおそくてもよいではないか、あるいは何かの都合であるのか、こういう大改正はそう再々やるものではないから、今ただちに置こうということも一つのりくつでありましようが、今ここに一級免許の欄をこの改正において必要とする理由はどこにあるか、この点について伺いたい。
○稲田政府委員 ただいま御指摘がありましたように、従来高等学校教員の供給源を考えます場合に、文学部、理学部あるいは社会科学の関係の学部の事業生は多いのでありますけれども、いわゆる実業方面の学科の教員が、養成として非常に足りない、あるいはまた図画、工作、音楽というような特殊学科の教員が、供給として足りないという現状にあることを私どもとしても痛感いたしまして、ここ何年来予算について格別御考慮を願いましてたとえば農業について十一学部、工学について七学部、水産について二学部というように、実業教員養成課程も設けていただきましたし、一面各地方々々におきまして音楽、図画、工作あるいは体育、書道というような特殊学科について、高等学校、及びこれは中学校も入りますけれども、特殊教員の養成も漸次充実して行き、供給のバランスもとりたいと考えているわけでございます。 それから今日高等学校の一級免許状取得の欄を設けることは早きに過ぎるじやないかという御意見でございます。これはいろいろな観点から論ぜられる問題だと思いますけれども、私どもといたしましては、すでに私立大学で早く大学院あるいは専攻科を設けました学校におきましてはもう卒業生が現実に出ております。それから国立学校におきましても昨年から大学院に修士課程が始まつているといたしますれば、将来志を立てて大学院あるいは専攻科に入ろうとする者が出た場合に、高等学校教員としてはいかに遇せられるかということを示すべき時期がもう到来しているじやないか、現実に卒業生は少いといたしましても、すでに入学者が非常にあるわけであり、志望者が年々あるわけでありますから、その目的を示す時期が来たと私どもは考えてこの改正をお願いした次第でございます。
○田中(久)委員 次には、現在高等学校の教員のうちで一級免許状を持つておるのは二割程度だと聞いております。そうすると、残りの八割の教員は、一級を得るために現行法の通り三年間の教職経験と十五単位の修得をする必要があるわけでありますが、専攻科に一年行つて三十単位とればただちに一級免許状がもらえるというのと比べますと、専攻科を出た者が非常に楽になるということで、古い者がいささか不公平に扱われておるような感じを持つのではないかという気がするのでありますが、この点はどうですか。
○稲田政府委員 この免許法全体の体系におきまして、まともに大学を出て一級の免許状を取得する者と、現職にありまして現職における長年の経験を積みながら、かたがた再教育を受けて上級免許状を取得する者との権衡が、従来しばしば論ぜられておつたわけであります。それらにかんがみまして、今回全般的に改正をいたしまして、今回の改正の一つの主要眼目といたして別表一の備考を改正いたしまして、教職の経験年数を再教育の単位に換算いたしますその換算の程度を多くする。逆に申しますれば、経験年数の長い人は、再教育の単位を受けること少きをもつて足れりというような改正をいたしたような次第でございます。従いまして、大学を出て二級免許状を持つて現職にある方々といたしましても、かなり在職いたすといたしますれば、大して苦痛なく上級免許状に切りかえすることができるという点で救われるという措置をとつてある次第でございます。
○田中(久)委員 次に、高等学校の助教諭となるためには短六二年の在学を必要とする、この点は、教員の資質を向上して教育の充実をはかろうとする考えからまことにけつこうであると思いますが、小中学校においては、高等学校を卒業しただけで助教諭になれるようになつている。小中学校、わけて中学校では、高等学校を卒業しただけで助教諭が勤まると考えているか、少くとも小中学校においても、助教諭となるには短大卒くらいを必要とするかということでありますが、お考えを伺いたいと思います。
○稲田政府委員 元来免許法の建前が、一面において需要供給を考えながら、教員の充実度合いを考えながら、また教員養成の現状というものと見合つて規定しなければならぬ。従いまして、新しい教育制度樹立後間もない今日までといたしましては、免許制度におきましても、仮免許状あり、臨時免許状あり、経過的に、養成としては好ましからぬいろいろな段階を設けざるを得なかつた。ところで今回は、充実度合いと養成の状況を見まして、いよいよもう仮免許状は廃してもいい段階だと考えて、一段階抜いたわけであります。さらにまた将来は、一級、二級の正教員ばかりで充実し得る時期を招来いたしたいと念願するわけであります。そのうちでも高等学校の点につきましては、臨時免許状所有者がわずか三%である。従いましてこの程度を二年上げましても、実際の教育現場にはさしつえもない。実力から見れば好ましいことだという点で改正いたしましたけれども、ただいまお述べになりました小学校におきましては、なお一九%の臨時教員があり、中学校におきましても九%の臨時教員があるわけでございますから、ただちにこの中学校の臨時教員を高等学校卒業程度からさらに上げるということになりますると、教員充足という現場から見てまだ無理があるのではないか。われわれとしてはなるべく早い機会におきましてこういう臨時教員免許状というものはなくしたい念願で努力いたしたいと考えております。
○田中(久)委員 最後にもう一つだけお伺いしますのは、この新しくできます高等学校の一級免許状の問題でありますが、従来大学を出て三年経験を持つという場合に、一級免許状を初めてもらえるという者にとりまして高等学校の教育経験がなければならないということになつておりますが、この点現在の中学校は昔の義務教育時代の高等小学校とは違うのでありまして、教授内容も学科担任別になつておることで、高等学校の教育と中学校の教育とは多少そこに難易の差はありますけれども、学校の教え方、学科担任制から見ますと、同じ程度の教育を受けた者が自分の赴任した中学校か高等学校において専門的に教えておるにかかわらず、高等学校の経験のある者だけが一級免許状をもらつて中学校の者はもらえない、こういうことから非常に中学へ行く教師に不平が出ておるということになるのであります。中学校と高等学校は教える内容が違うと言えばそれまででありますけれども、同じ学歴で、そうして同じような形の担任制によつて教育をやつておるのでありますから、この点はたとえば中学で地理なら地理、数学なら数学を二年教えた、高等学校で一年教えたという場合には、一級免許状をやるわけに行かないのかどうか、やることのできない理由はどういうことであるかということ、またそれを将来何とかするお考えがあるかどうか、この点を少し詳しく伺いたいと思います。
○稲田政府委員 ただいまのお話の点は従来といえども教育現場からお話があることでありまして、われわれといたしましても研究して参つたのでございます。ただいまお話がありましたように、小学校と中学校は、これはまあ非常に教科の内容が違う、片一方は全科担任であり片一方は教科担任である。ところが教育現場から申しますと、中学校と小学校との相互転換の事例が非常に多いのでございます。従来現場からの要求としては、小中間の経歴年数を通算したいという御要求のみを伺つておつたのでありまして、従来の実情から見ますると、中高間の異動というものは割合に少かつたのでございます。しかし事の理論から申しますれば、中高間はいずれも教科担任であつてこれは内容が非常に近いのでございます。従つて中小間において考えにくいのとは違いまして、性質としては考えやすいのでございますけれども、しかしながらやはりわれわれの従来の考えといたしましては、中学校の教員と高等学校の教員とは、教科の立て方は同じでありまするけれども、そこにインタラクトする程度と専攻する程度が実際として非常に違つておる。従つてその教育経験をそのままお互いに融通し合うほど両方が同質なものでもないのじやないかということで、その点を踏み切れずに今日までいるわけであります。踏み切れずにおりながらも、これは十分考えなければならぬ問題としておるわけでありまして、ただいま御呈示になりました問題は、われわれといたしましても今後ともいろいろな観点から研究いたしたいと思つております。
○田中(久)委員 さらにこの点について補足して私の希望を申し述べたいと思いますが、教員になる人が必ずしも人物成績その他のみで採用せられない。あるいは任地の関係であるとか、あるいは俗にいう手ずるであるとかいうことで、優秀な教員が中学校におつて、あるいはそれよりも実質的に適当でない人が高等学校におる場合もあり得ると考えます。そこで、原則としてそういう道が開かれないにしても、そういう非常に優秀であつて、しかも人員充足の場合にいらなかつたというような理由があつたり、あるいは適当な手づるがなかつたというような場合に、むしろ高等学校の教員として非常に適当である人たちが、中学校に行つておるということがあり得ようと思いますので、何らかの道を開いて将来そういう者は高等学校に行ける道をお考えになることが、教育上非常に必要であろうかと思います。将来ひとつ御研究をお願いしまして私の質問を終ります。
○辻委員長 他に質疑は、ございませんか——なければ両案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議ないものと認めます。よつて両案に対する質疑を終了するに決しました。 この際坂田君外二十四名より両案に対する修正案が提出されております。修正案の趣旨説明を求めます。坂田道太君。
○坂田(道)委員 今回の政府提案にかかります教育職員免許法の一部を改正する法律案並びにその施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対しまして、産業教育振興法の精神を生かし、実習教育の充実をはかり、仮免許状の廃止に伴う教員の負担加重を防ぐ等の過渡的規定を一層整備する目的をもちまして、私外二十四名から、次に申し上げる通りの修正提案をいたす次第でございます。 教育職員免許法の一部を改正する法律案に対する修正案 教育職員免許法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第四条の改正規定中「同条第五項とする」を「同条第五項とし、同項第二号中「家庭」の下に「、家庭実習」を加える」に改める。 第九条の改正規定中「同条第二項とする」を「同条第二項とし、同項中「一年間」を「三年間」に改める」に改める。 附則第九項の改正規定中「に改め、同項を附則第七項とし」を「に、「二年(特別の卑情のある都道府県で政令で定めるものにあつては、三年)」を「六年」に改め、同項を附則第七項とし」に改める。 この法律案による改正後の別表第三の備考第五号の改正規定中「そのこえる単位数」を「、そのこえる単位数を限度として、当該最低単位数」に改める。 別表第五の改正規定の第一欄中「農業実習」を「家庭実習、農業実習」に改める。 附則第二項中「授与若しくは交付を受けている者」を「授与を受けている者、旧施行法の規定により小学校、中学校若しくは幼稚園の教諭の仮免許状を有するものとみなされている者」に改める。 附則第三項を次のように改める。 3 この法律の施行後、昭和三十三年三月三十一日までに旧法第五条別表第一に規定する小学校、中学校又は幼稚園の教諭の仮免許状に係る所要資格を得た者及び同日までに、文部省令の定めるところにより、旧法第六条別表第四に規定する小学校、中学校若しくは幼稚園の教諭の仮免許状に係る所要資格、同条別表第五に規定する中学校若しくは高等学校において職業実習、農業実習、工業実習、商業実習、水産実習若しくは商船実習を担任する教諭の仮免許状に係る所要資格又は同条別表第六に規定する養護教諭仮免許状に係る所要資格を得たものと認められる者は、昭和三十八年三月三十一日まで、新法第三条第一項及び第二項の規定にかかわらず、それぞれ、当該所要資格に相当する学校の教諭(講師を含む。)又は養護教諭の職にあることができる。 附則第四項の表及び同表の備考を除く部分中「前二項」を「前三項」に、同項の表の小学校、中学校又は幼稚園の教諭の二級普通免許状の項第二欄中「前二項」を「第二項又は第三項」に、同表の高等学校教諭二級普通免許状の項第二欄中「前二項」を「第二項又は前項」に、同表の中学校又は高等学校において職業実習又は農業害習、工業実習、商業実習、水産実習若しくは商船実習を担任する教諭の二級普通免許状の項第二欄中「第二項」を「第二項又は第三項」に、養護教諭二級普通免許状の噴第二備中「第二項」を「第二項又は第三項」に、同表の備考第一号中「前項」を「前二項」に、同備考第六号中「第二項の規定」を「前三項の規定」に改め、同号に後段として次のように加える。 この場合において、同条第二項中「通算して次の表の各号の上欄に掲げる免許状の種類に応じ、それぞれその下欄に規定する年数」とあるのを「通算して、小学校、中学校又は幼稚園の教諭の二級普通免許状を受けようとする者にあつては十三年、高等学校教諭二級普通免許状を受けようとする者にあつては十四年」と読み替えるものとする。 附則第六項中「別表第三の下に「又は同項別表第五」を加え、「及び同法附則第四項」を「若しくは同法附則第四項又は前項」に、「と読み替えるものとする」を「と、新法第六条第二項別表第五の表の高等学校において家庭実習、農業実習、工業実習、商業実習、水産実習又は商船実習を担任する教諭の二級普通免許状の項第二欄中「三年以上」とあるのを「六年以上」と読み替えるものとする」に改める。 附則第十七項及び附則第十八項を次のように改め、附則中第十六項を第十九項とし、第十二項から第十五項まで順次三項ずつ繰下げ、第十一項を第十三項とし、第六項から第十項まで順次二項ずつ繰下げ、第五項を第六項とし、第四項を第五項とする。 20 中学校において職業実習を担任する助教諭の臨時免許状は、六年以上当該職業実習に関する学科に関する実地の経験を有し、技術優秀と認められる者に対しては、当分の間、新法第五条第三項本文の規定にかかわらず、その者が同条第一項第二号に該当する場合にも授与することができる。 21 高等学校において家庭実習、農業実習、工業実習、商業実習、水産実習又は商船実習を担任する助教諭の臨時免許状は、九年以上これらの実習に関する学科に関する実地の経験を有し、技術優秀と認められる者に対しては、当分の間、新法第五条第三項の規定にかかわらず、その者が同条第一項第二号又は同条第三項但書に規定する者に該当する場合にも授与することができる。 22 前二項の規定は、当該臨時免許状の授与を受けようとする者の小学校から最終学校を卒業し、又は修了するに至るまでの学校における修業年数が、通算して九年に不足する場合は、その不足する年数に二を乗じて得た年数をその者の当該実地の経験年数から差し引いて、適用するものとする。 23 第二十項又は第二十一項の規定により授与された中学校の職業実習又は高等学校の家庭実習、農業実習、工業実習、商業実習、水産実習若しくは商船実習についての助教諭の臨時免許状を有する者に二級普通免許状を授与する場合については、新法第五条第一項第二号の規定は、適用しない。この二級普通免許状を授与された者に一級普通免許状を授与する場合についても同様とする。 24 小学校、中学校、高等学校又は幼稚園の教諭の普通免許状を有する者は当分の間、第二項又は第三項の規定により小学校、中学校又は幼稚園の教諭の職にあることができる者は昭和三十八年三月三十一日まで、第二項から第四項までの規定により高等学校の教諭の職にあることができる者は昭和四十二年三月三十一日まで、新法第三条第一項及び第三項の規定にかかわらず、盲学校、ろう学校又は養護学校の相当する各部の教諭となることができる。 附則第三項の次に次の一項を加える。 4 この法律の施行後、昭和三十二年三月三十一日までに旧法第五条別表第一に規定する高等学校教諭仮免許状に係る所要資格を得た者及び昭和三十五年三月三十一日までに文部省令の定めるところにより旧法第六条別表第四に規定する高等学校教諭仮免許状に係る所要資格を得たものと認められる者は、昭和四十二年三月三十一日まで、新法第三条第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該所要資格に相当する高等学校の教諭(講師を含む。)の職にあることができる。 新附則第六項の次に次の一項を加える。 7 高等学校助教諭免許状は、当分の間、新法第五条第三項但書の規定にかかわらず、同項但書に規定する者に該当する者に対しても授与することができる。 新附則第十三項の次に次の一項を加える。 14 第十一項から前項までの規定の適用を受ける者に対する新施行法第七条第一項の規定の適用については、同項の表第六号下欄中「一二」とあるのを「一三」と読み替えるものとする。 教育職員免許法の一部を改正すする法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案に対する修正案 教育職員免許法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の一部を次のように修正する。 第一条中教育職員免許法施行法第七条第二項の改正規定中「に改める」を「に、同項の表第四号上欄中「仮免許状」を「臨時免許状」に改め、同項の表中第二号を削り、第三号を第二号とし、以下順次一号ずつ繰り上げる」に改める。 附則に次の一項を加える。 7 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。 第八集中「事項は」の下に「、別に法律で定めるものの外」を加える。 以上の通りであります。何とぞ御賛成、御可決のほどをお願いいたします。
○辻委員長 ただいまの修正案に対する質疑はこれを省略するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて両修正案に対する質疑を省略するに決しました。 これより本案並びに両修正案を一括議題とし、討論に付します。 討論の通告もないようでありますからこれにて討論は終局いたしました。 これより採決を行います。 まず教育職員免許法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に対する坂田君外二十四名提出の修正案につき採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて本修正案は可決されました。 次にただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて修正部分を除いては原案の通り決しました。 よつて本案は修正議決されました。 次に、教育職員免許法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案について採決いたします。 まず、坂田君外二十四名提出の修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除いて原案につき採決いたします。賛成の緒君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて修正部分を除いては原案の通り決しました。 よつて本案は修正議決せられました。 なお、本案議決に伴う委員会報告書の提出につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議ないようでありますから、さように決しました。
○辻委員長 野原覺君より緊急質問の申出がありますのでこれを許します。野原覺君。
○野原委員 私は次の二点につきまして、緊急に文部当局に質問いたしたいと思うのであります。その第一点は、熊本市の癩病患者の未感染児童の保育所龍田寮というのがあるのでございますが、その未感染児童保育所の龍田寮児童の黒髪小学校という近所の学校への通学問題についての質問であります。 もう一点は、去る五月十三日に岐阜県の揖斐郡徳山村の本郷部落がほとんど全焼をいたしまして、役場、学校、郵便局その他村の主要な建物がことごとく焼失いたしておるのであります。この点に対して文教施設の復旧状況はどうなつておるのか、この問題でございます。 そこで第一点の龍田寮児童の通学問題についてでございますが、私の質問の趣旨を明確にさせる意味からも、ただいま私の党に実は全国の癩療養所の入園者代表末木平重郎君から陳情書が参つております。簡単でございますから読み上げてみたいと思います。前文を省略いたしまして、龍田寮児童二十三名中新たに一年生に入学する子供が四名おるわけでございますが、この龍田寮に収容されておる子供は、申し上げるまでもなく親は癩病でございますけれども、生れるとただちに親から引離しましたいわゆる癩病にはかかつていない未感染児童でございます。この二十三名のうち、新入学生の四名が、近くの熊本市内の黒髪小学校というのがございまするが、そこに入学をすることになりましたので、癩患者を収容しております宮崎恵楓園長並びに熊本医大におきましては、その父兄が癩に罹患していても、子供は何ら他に弊害を及ぼすことはない健康児である旨を認定いたしまして、これに基いて熊本市の教育委員会等関係方面もその入学の妥当性を認めて一応通学の運びとなつたのでございますが、これに反対する黒髪小学校PTAの反対派の方々がストライキをやつたのであります。同盟休校を行い、また同盟休校実行委員会が校長室を占拠いたしまして、自由に登校する児童の抑圧等の非常手段に出ましたために、この問題は非常な紛糾をして、同校は一箇月余も休校をしておる現状にあるのでございます。その間熊本市の議会の文教委員会の奔走とあつせんにより、通学児童四名の再診療を行うということで一応妥協的状態にもなつたと思われたのでありますが、熊本市教育委員会のあつせんにより、再診療をいたし、あらためて健康なることが立証されたにもかかわらず、反対派はこれを一蹴いたしまして、遂に市教委もやむを得ず手を引くに至つたのであります。 このようにして不幸な子供たちの人権は実にちりあくたのごとく衆を頼む暴圧の前に蹂躙されているわけでありますが、越えて五月六日、市教育委員会より子供四名のうち三名の通学を許可する旨の通達があり、龍田寮当事者はもとより全関係者を憤激させています。 そこで私の御質問いたしたいことは、この問題は単に子供四名の問題ではございません。しかもなおその四名のうちに一名だけが理不尽にも切離されて、いわゆるPTAの反対派の感情をなだめるというところから、一名とにかく神経にちよつと異常がある——ところがこの程度の神経異常というものは、癩とは全然別個の、健康児童にもあるのだ、こう熊本医大学長が言つておるにもかかわらず、何とかして問題を収めなければならないというので、一人の子供だけが切離されたということは、実にゆゆしい人権蹂躙の問題であろうと思いますので、一体こういう重大な問題について文部当局はどれだけの事柄を知つておるのか、詳細なる経過を知つておるならば、まず文部当局がこの問題に対して承知しておるとこるの経過をこの委員会において詳細に御発表いただきたい。そのあなた方が把握しておられる経過の上に立つて私はなお二、三の点を質問したいと思います。
○緒方政府委員 熊本におきまするただいまお話のありました件でございますが、お話の通りにこの問題は相当長い間同盟休校あるいは臨時休校が続きまして、非常な遺憾な状態が続いたのであります。その経過につきましてまず申し上げたいと思います。 私、実は少し遅れて参りましたので、ただいまお読み上げになつてお話になりましたうちに経過も相当あつたかと思いますが、御承知のことと存じますけれども、恵楓園の児童につきまして、龍田寮の黒髪校の分校に従来通学させておつたのに対して、黒髪本校に通学させるようにという要求が恵楓園の患者の人々から出たことから問題は発足いたしておるのであります。これにつきまして市の教育委員会といたしましては、いろいろと研究をいたしたのでありますが、ただちに龍田寮の要求通りに実現いたしますためには、いろいろと設備の関係等もございますので、研究をいたしておつたのでございまするが、恵楓園側といたしましは、これを法務局に申告をされまして、法務局の問題として問題が取上げられたのであります。そこで法務局の方でいろいろ調査をされました上、委員会に対しまして、これは本校に通学させることは適当ではないかといつたような意向が表明されております。しかし委員会といたしましては、ただいま申しました通り、これはPTA側の意向もいろいろある折からでありますので、十分納得を得た上で実現しなければならないというので、PTAに対しましても十分な折衝を行つたようであります。なおこれはいろいろ法規関係もありますので、そういうことにつきましても十分調査をしたのであります。ところがPTA側の意向の中におきまして相当反対の意見が強くなりました。このことのために相当紛糾しまして四月八日から同盟休校が始まつたわけであります。この点につきましては、ただいまお話になりましたような事実があつたようであります。ただ、しかし全部を父兄が反対をしたわけではなかつたようであります。一部の児童につきましては、黒髪本校におきまして普通の授業が行われております。かような状態が長く続きまして、いろいろと委員会としても手を尽したようでございますけれども、なかなか問題が解決いたしません。四月二十二日に至りまして臨時休校の処置をとり、その間いろいろと県の教育委員会等におきましても心配いたしまして相談なんかいたしました結果、ことし一年生に入ります児童が四人おりますが、その四人の者につきまして問題を取上げたのであります。そして四人の児童を熊本医大で検査いたしまして、これもただいまお話がございましたけれども、それですつかり病気の状況が完全であるということならば入れようということで、話の納まりがつきかけて来たのであります。そこで検査をいたしました結果、熊大の検査によりますと、四名のうち一名はまだ観察を要するという結論が出たのであります。従いまして本校にただちに入学するよりも、龍田分校に入れましてもうしばらく分校に通学させることが必要であるということになつたのであります。その熊本医大の診察の結果をちよつと申しますと、現在客観的に察知されるような症状が発現しておるとは認められないけれども、今後注意して観察する必要があるというのであります。この結論に基きまして、市の委員会といたしましても、一名のみは分校になお置くという結論を出しました。そうして現在三名は黒髪本校に入学いたすことになり、一名だけは分校に通学する、こういうことから、PTAの方とも相談をいたしました結果、五月の七日に臨時休業を解きまして開校の運びになつております。大体以上のような経緯を経まして、ストライキ、それから臨時休業という非常な遺憾な状態は解消いたしておるような次第でございます。以上大体の経過を申し上げしたが、文部省といたしましては、この問題が起りました当初から非常に注意をいたしまして、市の教育委員会に対しまして実情の報告等を求めて参つたのでございます。しかし、事柄が非常に複雑しておりますので、市の教育委員会でも非常な苦心があつたようでございまして、端的な結論はなかなか出にくかつたようでございます。関係者が上京をして初めて報告を受けたような事情でございます。文部省といたしまして、ストライキ等のことはまことに遺憾なことでございますけれども、この問題自体につきましては、いろいろと癩患者の症状等につきましては、文部省としてはよくわかりませんので判断がつきませんが、市の教育委員会の実情に即した解決を期待しておるということでございます。
○野原委員 問題は、結局一名だけが切り離されて三名を登校させるということで五月七日に解決した。これは緒方局長が答弁された通りであろうと思うのですが、この一名だけを切り離したということは、これは当初熊本医大では四名とも健康児であるという主張をしておつたと思うのでございます。ところがどうしても開校しなければならない。反対派のPTAの動きというものが強烈であるために、これを感情的にも宥和せしめる必要があるというので、熊本市の教育委員会はこの反対PTAの心情をやわらげるための苦肉の策として熊本医大と相談をして、そうしてこの一名の子供を犠牲にすることによつて問題の解決をしたということが、私は実は重要な点ではなかろうかと思う。この点については、御承知かと思いまするが、熊本の法務局人権擁護課では、この熊本市教育委員会の裁定は断じて承知できない、これは人権上ゆゆしい問題であるというので反対の声明をしておるのです。今緒方局長の答弁を聞いておると——私の質問は経過についての質問ですから、客観的な報告でもけつこうではございますが、熊本法務局の人権擁護課がこの裁定は承知できないという声明をし、またあなた自身が把握されておる経過の上に立つて考えてみても、これは苦肉の策として、PTAの心情をやわらげるための手段として一名を犠牲にした。私はこういうような姑息な方法というものは、たとい一人の子供であろうとも——その子供はかわいそうに泣いておるのです。どうでもないのに、自分一人は癩病だという烙印を押されたのですよ。これは重大な問題です。私は単に一人の問題じやないと思う。こういう点について、なるほど文部省は、事は熊本市教育委員会、現地の問題でありますから、こう申されますけれども、文部省の設置法によつても、助言、指導、監督というものが文部省の当然の職責になつておる。こういうところから、一体そういう微温的な消極的な態度をとつておるということは、私は了解できない。法務局人権擁護課の人権擁護の強硬な声明も出ておるときでございますから、文部省のこれに対する御所信を承りたい。答弁のいかんによつては、これは重大な問題でございますから、私は大臣の出席を要求する。重ねて所信を披瀝してもらいたい。
○福井(勇)政府委員 野原委員から先ほど、一名が切り離されたが、その実情は、神経の異常があつたようであつて、指摘されたような病気ではないというふうにお話がありまして、これらの点については、野原委員のお話によつて啓発されました。法務局人権擁護課がどういうような声明をしているか、その詳細な資料が私に届いてはおりませんが、なおよく調査しまして、そういう犠牲をあえて医大と話し、あるいは関係者が無理にそうしたということが、ないとは思いますけれども、あつてはたいへんだと思いますので、よく調査したいと存じております。
○野原委員 政務次官は大臣のかわりとして出席をされているのですが、啓発されたというような、そういうふうな答弁では、この問題の私の質問に対する答弁にはならない。だれが考えたつて、自由党の諸君だつてそう思われると思うのです。あなたも知つているように、四月の八日からストライキが始まつて、そうして約一箇月間この問題は紛糾して来ているのですよ。それを、私の質問がしごくごもつともでございますから啓発をされました、われわれとしてもしかるべく調査をして善処してみたいと、こういう紋切型の答弁は、教育の責任の地位にある文部当局の答弁としては了解できない。そこで私は重ねてお尋ねをする。なお手紙にはこういうことも書いておりまするから、その質問をする前に読み上げておきますが、「私共と致しましては、既にこの通学問題が各方面の正しい御理解をいただいて居るにもかかわらず如斯解決を見ない事に対しては、癩に対する認識の欠乏と誤つた観念に依るものと存じまして、その反対する方々の感情の激発を十分に考慮し、」癩患者の諸君が、これは怒つてはいけない、まだ癩に対する知識が足りないのだからということで、「十分考慮し、再診察のような人権無視の方法にも敢てさからわずに隠忍を重ねて今日迄参つたのでありますが、此度の市教育委員会の通達に見られる様な裁定に対しては飽迄も反対致すものであります。私共は国民の皆様の御理解をいただいて、この廃残の身を療養所に憩わせていただいて居りますが、私共の健康な子弟が、恰も私共と同様に危険視され、その人権迄が当然の如く無視されることは、私共の耐えられぬ哀しみであります。」と、私はこの文章を読んで泣かされたのであります。この気持はよくわかると思う。これに対して文部省は、ただ事を何とか糊塗したらよいというような態度で、一体指導と助言の職責を果しているといえるかどうか。熊本の法務局の人権擁護課は政府の機関である。この機関がこの裁定はけしからぬといつて闘つているときに、事、教育の責任を持つあなた方がまつたく消極的な態度であるということは許すことはできない。旭ヶ丘の問題があのごとく紛糾したときに何と言いましたか。教員組合が学校で管理授業をやることは暴力革命であるとまで大達文部大臣は断言された。そういうような挑発的な言辞すらもお避けにならない今日の文部大臣、文部当局が、こういうような問題に対しては本腰を入れようとしないという、この責任を私はたださんとするものなんです。いかがでございますか。もう一度はつきり御決意のほどを鮮明にしてもらいたい。
○福井(勇)政府委員 野原委員は、わざわざ消極的で、なお糊塗するというふうにおつしやつておりますが、そういうふうなつもりは全然ございません。先ほども申し上げましたように、この問題については、よく文部当局としてとれるだけのことはしたいというので、今も、先ほど申しました通り調査をし、そうして善処したい、こういう考えを持つておりますので、誤解のないように、糊塗するという気は毛頭ありませんので、御了解を願いたいと思います。
○野原委員 それでは、ただいまの答弁は、なおとれるだけのことはしたい、私の質問の趣旨もわかつたから、善処したい、その努力をする、こういうことでございますから、私はかすにその善処の期間を与えてもよろしゆうございます。従つてこの問題はこれから一体どのように文部当局がこれに善処されて人権擁護の問題を解決されるか、私は注目をいたしております。なおこの問題は重大でありまするから、大臣が近い文部委員会に出席されるときに、私はそのただいまの善処ということの上に立つて質問をするということを申し上げて、打切りたいと思います。
○高津委員 関連。今癩患者の問題ついての質問並びに応答を聞いておつたのでありまするが、私が常に感ずることは、今中小企業が金融引締めのために非常に困つておる。この問題に対して、大蔵省や日銀当局は、まだデフレ政策は序の口であるという考えで進んでおる。通産省の方は、これは何とかしなければならないというような立場で、同じ政府機関の中で大蔵省と通産省との見解が違うかのような状態を呈しておるのであります。そうしてさきに蜷川虎三という中小企業庁の長官が、中小企業のめんどうを見ておる立場から、政府の方針では、これではどうもいけない。三月危機につつ込むのではないかというように非常に案じて大蔵当局や内閣と意見が違つて、やめなければならなくなつた。そこは政府部内の見解の相違で悪いところのようにも見えるが、しかし農林省は農業、林業、漁業の国民を一生懸命に案ずる。中小企業庁は中小企業、通産省は商工業全般を考えておるというところで、国民は政府機関のその職能の役職についておる人の努力、誠意というものを買うものであろうと思う。文部省と法務省とが今意見が違つておるように見えるのでありますが、法務省は人権蹂躪であるといい、文部省はいかにも冷淡のように、単なる事務処理のように見えますが、私は、盲聾唖その他の学校、そういうような点でこういういい法律ができてこれらの学校の生徒、児童に対するこの法案が通つたということは朗報であろうと思いますが、これらの学校の教師や学童に対して文部省がもつともつと親切気があつて——今の野原君が真に情熱を持つて考えておるのに対して文部省は何だか冷淡なような印象を私は受けるのであります。今後もつともつと熱を入れてもらいたい、私はこういうことを希望いたします。
○野原委員 第二点の緊急質問は、去る五月の十三日、岐阜県揖斐郡徳山村において大火があつたのであります。先ほど申し上げましたように住家百九戸が焼けまして、役場、学校、郵便局、駐在所等村のおもなる機関がことごとく全焼いたしました。この徳山村におきましては、今日文部関係としては子供の通学その他で頭を悩ましておると思うのでございますが、この点について、この村の文教施設の復旧状況はどうなつておるのか、文部省はこういうような場合には、どのような対処をされようとしておるのか、この点についてお尋ねをいたします。
○近藤政府委員 お答えいたします。去る五月十三日に岐阜県揖斐郡徳山村大字本郷に大火がございました。これは徳山村の中心部落でございまして、その部落のほとんど大部分が焼失したという大火でございます。おもな公共建物、小中学校、役場、郵便局、診療所、駐在所、農協の事務所というものは全部焼失いたしました。民家が百二十戸焼失いたしました。それで即日災害救助法を発動したという報告が参つております。そこでこの小中学校でございますが、ただいま小学校の方は近隣の下開田部落の寺院並びに神社に収容して教育を続けております。中学校につきましては山手分校に収容いたしまして教育を続けております。まことにお気の毒な事柄でございます。そこでこの復旧でございますが、従来学校の火災復旧の範囲におきましては、起債をもちましてこれを復旧するというのが例でございます。今回の場合に、これを起債でやりますか、あるいはこれを先般御決定いただきました公立学校施設費国庫負担法の第二条に規定してございます大火の範疇に入れまして国庫補助をいたしまするか、これらの点につきまして目下検討を進めておりますが、いずれにしましても、復旧の援助をいたしたいと考えておりまして、大蔵当局にはすでに連絡をしております。ただいまの状況はさような次第でございます。
○野原委員 これは管理局長が申されまするように、当然公立学校施設費国庫負担法の趣旨から考えても、私はあの大火の適用があつてしかるべきだと思うのです。ただいま検討中だなどと事務責任者のあなたがそういうことを言われたのでは、この法律の趣旨そのものも一体どうなるのでございますか。これはいかがですか。検討中だと言われる御真意はどこにございますか。何か疑点がありますか。
○近藤政府委員 公立学校施設費国庫負担法の第二条に規定しております「この法律において「災害」とは、暴風、こう水、高潮、地震、大火その他の異常な現象により生ずる災害をいう。」この場合の大火の意義でございますが、これはまだ有権的解釈というものはございませんけれども、当時の見解といたしましては、これはたとえて言いますれば、鳥取県の鳥取市の大火、あるいは長野県の飯田の大火というような広汎な地域にわたる大災害、大火を想定しておつたと考えるのでございます。従いまして今回の徳山村の字本郷部落の大火をこの範疇に入れますかどうか、若干疑点がございます。いかなるところに線を引きまして大火とするかにつきましては、若干の問題がありますので、私はさように申し上げたのであります。しかしながら非常にお気の毒な状態でありますので、できるだけ救済の措置を講じたい、こういうふうに考えます。
○野原委員 一体大火の有権的な解釈が最終的にきまつたかきまらぬか。それは有権的解釈でございまするから、私ども委員の干渉する余地もないわけですけれども、一体広汎な地域——この施設費国庫負担法を私どもがつくりました趣旨は、もちろんあなたが言うように広汎な地域が焼けた場合が大火でありますが、広汎な地域とは一体何でございますか。東京が関東震災で五里四方が焼けたとか、あるいは一里四方が焼けたということが広汎な地域じやないのです。少くともその村を一つの単位としてみた場合に、その村の大部分が焼かれたという相対的な観点から広汎な地域というものは判断すべきなんです。こういうほとんど村全体がやられてしまつたというのは、東京全体がやられたのと一緒なんです。その村にとつてはまつたく生命が奪われたのと同様なんです。そのときにせつかくつくつてある法律を緊急に適用すべきであるにもかかわらず、検討する、そういうことをやつておるから文部行政のやり方というものはいつも手ぬるいのです。役所の仕事、官僚の仕事というものは、民間から言わせるとなつていないというのはそこなんです。だからせつかく法律を、この文部委員会が努力をして、そうして自由党の諸君も非常に努力をしてつくられた。ところがそれを執行されるところの文部省にあつては、いざ執行しようということになると有権的解釈があるとかないとか、それからこれは広汎であろうかなかろうか検討だ、こういうことではまつたくお話になりません。私はこれ以上あなたに質問はいたしませんけれども、当然これは国庫負担法が適用されてしかるべきである。そういうようにお役人のするようなまつたく手ぬるい仕事に対しては、私はこれはきわめて遺憾であるということを申し上げまして、どうか至急徳山村の、せめて子供の教育施設、通学その他についての復旧について御努力あらんことを要望いたしまして終ります。
○辻委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会