文部委員会 第23号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/03/25
会議録
○竹尾委員長代理 これより会議を開きます。 先日の委員会におきまして野原覺君より辻委員上長不信任の動議が提出されておりますので、指名により私が委員長の職務を代理いたしまして、委員長不信任動議について議事を進めます。まず提案者の趣旨弁明を求めますが、その時間は十分以内……。 〔「委員長そんなばかなことがあるか」「不信任の動機に時間を区切るなんてことがあるか」「理事会を開け」「休憩々々」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○竹尾委員長代理 暫時休憩いたします。 午後六時六分休憩 ————◇————— 午後八時五十三分開議
○竹尾委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。 辻委員長不信任動議について、議事を進めます、提出者の趣旨弁明を許します。辻原弘市君。
○辻原委員 私は、ここに日本社会党高津正道君、野原覺君、山崎始男君、日本社会党前田榮之助君、松平忠久君、小林進君、小会派クラブ小林信一君の賛成を得まして、辻文部委員長に対して不信任の動議を提出いたすものであります。(拍手)ここに本動議を提出いたしました理由について、ただいまから申し述べることにいたしたいと存ずるのであります。 ただいま本委員会において審議せられておりますところの教育関係二法案、いわゆる政禁法と俗にいわれる教育公務員特例法の一部を改正する法律案並びに義務教育諸学校における教育の中立性確保に関する法律案は、その性格、内容から見まして、きわめて重票な法案であることは、今さら私が申し上げるまでもないところであります。この二法案が文部省の手によつて立案されまして以来、国会審議のただいまに至るまで、輿論はあげてこれに反対をし、かつまた全国民がこの法案の成行きについて、きわめて重大な関心をもつて注視をいたしておるのであります。特にこれらの反対輿論の中には、直接この法案の対象となつておる全国五十万の教育者はもちろん、この法案の影響するところ、言論、思想あるいは結社、これらの重大な国民の権利に関する問題であるとして、あらゆる学者、文化人、さらには新聞その他の輿論機関、それぞれの角度に立ちまして、これが法案の悪法であることを指摘いたしておるのであります。さらには直接わが子を学校に預けておる一般の父兄は、いまだかつて見ないほどこの法案の内容というものに対して鋭い批判の目を浴びせていることは、今日まで全国各地から悲痛なる叫びをもつて本委員会並びに文部当局に、熾烈なる陳情を行つた一事を見ましても明らかであります。 かくのごとく、この法案は国民のあらゆる階層に対しきわめて至大の影響を与えるということは、これは当委員会の委員として、われわれはあらかじめ審議にあたつて、この点を腹の中にしつかと納めて今日に至つておるのであります。特にこれらの反対論者が指摘いたしておりますところは、この法案が施行されるに及んで教育は一体どうなるであろうか。さらには憲法に保障せられておるところの国民の諸般の権利というものは、まつたく制約せられるのではなかろうかという論に至つては、これはこの法案に賛成する、ないしは反対するといなとにかかわらず、徹底的に法案の内容を究明して、その持つ性格、内容を国民の前に余すところなく知らしめることこそが、当委員会に課せられたる重大な任務であつたと私は思考するものであります。 同時にまたこの審議を行うについて、文部省はあらかじめいわゆる義務教育における偏向的事例と称する二十四件にわたる事犯を当委員会に提出をいたしました。これらの文部省の、本法案を裏づける資料がはたして適正なものでありや、信憑性があるかどうかについては、当委員会の責任において、これまた徹底的に調査庁いたさなければならなかつたことも当然であります。その他各般の材料を収集いたしまして、将来にわたつて、本法案の審議において、まつたく欠くるところかなかつたという点を明文にしなければならないことも、これまた当委員会における任務ではなかつたかと私は思うのであります。 かくのごとく重大な任務を課せられたる当委員会の委員長としての職責は、これまたきわめて重かつ大であります。少くともこのための運営にあたつては、いかなる党派に所属しようとも、その委員会運営は超党派的立場において、もつぱら公正を期さなければならぬことも当然のところであります。ところがはたして今日までの審議において、当委員会合の委員長である辻寛一君は、その責任を全うせられたかどうか。われわれ残念ながら公正かつ適正であつたとは今日認めがたいのであります。もちろん委員長の個人的心情はあるいは他にあつたかもしれません。しかしながら、われわれの漏れ聞くところによれば、与党文部委員の一部強硬論に押されて、かくのごとき不公正な委員長ぶりを発揮せざるを得なかつたということであるが、個人的にはその心情を了とするにしても、かくのごとき意思薄弱な、これによつて委員会の運営を左右せられるかごとき無謀な委員長を、私どもは信任するわけには参らないのであります。(拍手)委員会の運営は決してさようなことであつては相ならぬものと私は考えるものでありまして、特に以下申し上げる諸点については、まつたく公正を欠き、委員長としての資格全然なしとわれわれは判断せざるを得なかつたのであります。 その第一点は、さきにも申しました現地調査の問題でございます。少くともこの現地調査は、一たび文部省が発表せられた偏向事例なるものが、全国各地が広がりまするや、それぞれ当該事犯のあつた学校ないしは教育委員会、あるいは父兄等においては、その事実なしとして、厳重な抗議が文部省ないしは当委員会にあつたのであります。従つてこの重大なる資料として出したこの文部省の偏向事例が正しいかいなかということについては、どうしても当委員会の責任として調査しなければならないことも当然であるのであります。しかしながら詳しく申し述べる時間はありませんけれども、文部委員長が三月三日の議運において改進党椎熊議員の質問の答えた速記録に徴すれば、その言葉の中に、委員会がかよう決定いたしましたので、しかるべく取扱つてもらいたいなどという、——委員会が決定した事項については、委員長は全責任と全力をあげて、その決定を議院運営委員会に強力に申してその実現をはかる、これが委員長としての職責を全うすることであると存ずるのであります。しかるに委員長の立場は、あたかも本心にあらざるがごとき態度をもつて、その弁明に当つたということは、われわれは断じて見のがせないのであります。 第三点といたしましては、あるいは諸君はこまかいことだと言うかもしれないけれども、去る三月十六日、第十三委員室におけるわが党高津委員の質問に対して、ただいまそこにすわつておられる竹尾文部委員が、高津委員の発言中に、そのマイクの前に立らはだかつて、いいかげんにやめろというがごとき、まことに議院の品位を傷つけるがごとき行動があつたに対して、委員長は何らの制止、何らの注意も与えなかつたことは、これは少くとも委員個人の発言を擁護して、委員会の運営に当るという委員長の態度ではなかつたと私は判断するのであります。 第三点は、連合審査の問題であります。当委員会において連合審査をいたしましたのは、わずかに労働委員会との連合審査数時間のみでございます。今日かかる重要な法案について、過去の例に徹して入ましても、かつて地方公務員法の成立する場合、この地方公務員法の持つておる政治活動制限の内容というものは、これは一般地方、公務員並びに教員全体に及ぼす問題として、当時地方行政委員会は欣然として文部委員会との連合審査を行つておるのであります。しかるに地方行政委員会との連合審査を何ら委員長は顧慮しなかつた、あるいは人事委員会においては、この法案は人事行政に重大なる関連があるとして、これまた委員会の決定をもつて文部委員長に申し入れたにもかかわらず、それに対して委員長は、理事会に諮ることもがえんぜずして、一方的にこれを破棄してしまつたことについては、そのやり方はまつたく非民主的であると言わざるを得ないのであります。 第四点は、委員長自身、当然委員長の運営の協力的立場にある理事会の申合せ事項を、これまた一方的に廃棄したことであります。理事会においては、少くとも一般総括質問が終れば逐条質疑に入るということを申し合せた。このことは、ここにおられる改進党の理事である田中委員も認めておられるところであります。あるいは委員会の質疑において、社会党小林進君の質疑においても、明らかにこのことを速記録に残して確認をしておる。しかるにこれらの逐条審議に対する取扱いは、その後全然考慮をいたさない。去る十九日与党委員から総括質問打切りの問題が出るや、ただちに逐条審議を含んで質疑を打切ろうというがごとき一方的態度に出たことは、まつたく理会の否定であり、申合せをした他党に対する信義に欠けるところがあると私は断定するものであります。さらにまたその際、各党の持ち時間の終結をしたということにおいて、日本自由党松田委員の発言を封じ、なおかつ文部大臣の答弁がいまだ終結せざるうちに、委員長が終結した旨の宣言をなすがごとき事態に至つては、まつたくこれは委員長の無能ぶりを発揮したものと私は言わざるを得ないと思うのであります。 第五点として私の申し上げるところは、去る二十日土曜日の委員会を混乱に陥れたところの責任であります。その原因は、社会党両派の委員から委員長不信任が提出せられておるにもかかわらず、その委員長不信任を取上げずして、与党の田中委員より質疑打切りの動議が出たことに藉口いたしまして、起立の有無をも確かめず、一方的にその動議を採択しようとしたその無能、無謀ぶりであります。しかもこの二十日の委員会においては、改進党の委員は一名も出席しないこの状態の中で、委員会を開いて審議を進めようということ自体、私は変則きわまるものであると申すのであります。しかもその混乱の中に、委員長は事後の事態の収拾を何ら顧慮することなく退出をして、荏苒今日まで日を送つたのであります、その後自改の折衝ということで自由党、改進党が修正案の交渉をせられたということであります。しかしながら委員会は、これはあくまで各党にまたがる国会の運営であります。もちろん党と党が話合いをされることは自由でありますけれども、しかしながら混乱のまま、何らその後のルールをきめずに、今日まで荏苒五日の日をけみしたというに至つては、まつたくみすがら委員長たるの責任を放棄したものであると私は考えるのであります。 以上申し上げました理由、並びに最後に私が申し上げたいのは、本日における——本日の理事会にける委員長のとりはからいであります。理事会は——私が申し上げるまでもなく、少数党といえども、多数党といえども、委員会運営に対して、話合いの上その集約点を求めるというのが、私の了解する理事会であります。しかるに本日の理事会の結果を徴しますると、あるいは意見が対立をした、すぐさまそのことは、委員会において採決の議によつてきめようではないか、これならば何の理事会ぞやと私は申したいのであります。さようなことは、理事会を開かないでも、他のすべての事案が、本委員会においルールをきめればよろしいということになりこういうことになれば、少数党の発言——少数党の運営に対する発言というものは、いかなる機会にどういう方法をもつてやつてよいかということがわからないのでありまして、かような強引ぶりを発揮して、そうして今日の事態に至つていることは、あげて私は、委員長の無謀と、委員長の無能の結果に基くものであるという点に結論を見出すのでありまして、ただいま委員長の不信任動機を提出し、以上の趣旨を申し上げた次第であります。
○竹尾委員長代理 これにて趣旨弁明は終りました。特に討論の通告もありませんから、ただちに採決いたします。野原君外七名提出の委員長不信任動議に——委員長不信任動議に賛成の諸君——委員長不信任動機に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹尾委員長代理 起立少数。よつて委員長不信任動議は否決せられました。(拍手) 辻委員長の復帰を求めます。 〔竹尾委員長代理退席、委員長着席〕
○辻委員長 義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案、教育公務員特例法の一部を改正する法律案の両案を括して議題といたします。 先日の委員会において、山中貞則君から提出されました質疑終局の動議については、委員長といたしましてこれを起立採決に問い、可決の旨を宣告いたしたつもりでありますが、委員会混乱のため宣告が明瞭を欠いた点もあつたようでありまするから、この際あらためて採決いたします。山中君の質疑終局の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○辻委員長 起立多数。よつて動議は可決されました。 これにて質疑は終局いたしました。 この際松田竹千代君外十六名より両案に対する修正案がそれぞれ提出されております。これより修正案の趣旨説明を求めます。坂田道太君。
○坂田(道)委員 私は自由党、改進党、日本自由党三派を代表いたしまして、修正案の趣旨を……。 〔「聞えないぞ」「前に出て言え」その他発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 御静粛に願います。
○坂田(道)委員 簡単に御説明申し上げます。 まず修正案の案文を朗読いたします。 〔「委員長、前でやらせなさい」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 前へ出て。
○坂田(道)委員 私は自由党、改進党、日本自由党三派を代表いたしまして、修正案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 まず修正案の案文を朗読いたします。 (「括弧」と呼ぶ者あり、笑声) 義務教育諸学校における政治的中立の確保に関する法律案の修正案につきまして、第一に、題名を臨時措置法といたし、かつその効力を、当分の間という規定を設けまして、暫定法たるの趣旨を明らかにいたしたのでございます。その理由は、本法案に対し、その賛否につき輿論も相わかれておりまするので、輿論の動向をも考慮いたしまして暫定法といたし、将来検討の余地を残したわけでございます。 第二に、本法の中心たる第三条に関する修正でございますが、特に第二項は、その表現がきわめて難解であり、運用の実際におきましても誤るのおそれもございますので、これを第一項にとりまとめ明らかにいたした次第でございます。 第三に、施行期日を公布後十日といたしました。これは、関係機関及び国民一般に周知せしめるに適当な期間を考慮したわけでございます。 教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対する修正は、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限に関する改正規定を当分の間適用されるものとし、また施行期日につき、公布後十日といたしました。その理由につきましては、義務教育諸学校における政治的中立の確保に関する法律案の修正案について述べましたところと同様でございます。 何とぞ本修正案に御賛成のほどお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○辻委員長 これにて修正案に対する説明は終りました。 ただいまの修正案に関し質疑の通告があります。時間は、先刻の理事会の申合せに従つてお願いいたします。順次これを許します。山崎始男君。
○山崎(始)委員 私は文部委員会におきまして、一般質問に対して重大なることをあまりにも時間を制約されましたために質問いたしておりませんので、この機会にその点をお聞きしたいと思います。それは今度政府が出されました教育公務員特例法の一部を改正する法律案が非常に中央集権的なものであるということにおいては、これは万人の認めるところでございます。文部大臣は、口を開けば地方教育委員会を育成するということを常に言うておるのであります。今度改正になりますようなこういう非常な中央集権的な制度と、地方教育委員会という最も民主的な制度、これは人間のからだで申し上げますと、一つのからだの中で右の方は非常に中央集権的なものになつている。左の方は非常な地方分権的な教育委員会制度になつている。片方を育成をすると言いながら、おまけに今回の法律案のような最も中央集権の典型的なものを出しておられるのでありますが、この点は非常に矛盾をしている。いわば半身不随的なもので、日本の教育行政が血のめぐりが悪いことはきまつておるのであります。この点について文部大臣が常に育成をするということはどういう意味か。この点をお尋ねをいたしたい、これが一点でございます。 もう一点は、これは非常に大切な点だと思うのでありますが、文部大臣は教育偏向の先生がおるのが気に食わないからこの法律案を出した、いわゆる教育基本法八条の精神を蹂躙するとろの先生がおるからこの法律案を出したのだ、こう言われるのでありますが、もしかりにそういう先生かおるならば、現在の教育三法でもつて処理できるはずでございます。この点は、私は先日山口県に行きましたときに、山口県の教育委員会の事務局の方にも、また岩国の市教委の委員会でも、そのことを申し上げてあるのであります。あなた方はこういう山口日記みたいなものの起きたときに、かりにあなた方が悪いと思うなら、なぜおやりにならないか、これはりつぱにできるのです。何もこんな法律を出さなくてもできるのにかかわらず、やつていないのであります。その点を考えますると、文部大臣がこの法律案を出されましたことと、先ほど私が申し上げましたように、地方教育委員会を育成をするとうに、このものの考え方の中には根本的な矛盾があるのではないか。 従つて第一点は、先ほどお尋ねをいたしましたその矛盾をいかにお考えになるかということと、第二点はもしかりにそういう先生がおつて好しましくないと思うならば、委員会でもつてできるのに、それをやらずしておいておこういうような法律案を出されるということは、いずれの面から見ても矛盾をしている。この点は私は山口に行つたときに、先ほどのように県の教育委員の方に聞いたところが、その答えがこういうふうな答弁をされるのであります。それはかりにそういう先生がおつて、やめてくれと言うと私はやめないと言う、その結果は裁判所に訴えて出るが、出た結果はたくさんな教育委員会の費用を使わなければならぬものだから、なかなかそれがむずかしいのです。こういう答弁をせられております。その際費用がいるから法律でもつてふんじばるというのは非常に遺憾に思うのであります。現在の教育三法でもつて、好ましくないと思うならりつぱにできるものをなぜやらぬか。やるのには費用がないからこういう法律でもつてやるのだ、こういうふうな考えにしか私には見えないのであります。この点に対して、私は大臣の御所見を承つておきたいのであります。
○辻委員長 答弁者に申し上げておきます。時間の関係上きわめて簡明にお願いをいたします。
○大達国務大臣 教育委員会の育成強化ということを言いながら、本法案を提出するという態度は矛盾しておるのではないかというお尋ねのようであります。この法律案は教育委員会の育成強化ということとは何ら関係はないのであります。この法律案が中央集権である、従つて教育委員会の、つまり地方分権の精神に反する、かような御趣旨でありましたが、この法律案は、ごらんの通り行政的に何らの権限を文部省に与えておるものではありません。従つて行政的にこれを中央集権的な立法であるとお考えになることは、失礼ながら間違つております。 その次は、教育委員会でできることをこういう法律を持つて来ることは間違いではないか、教育委員会の活動によつてこの法律の企図するところは十分達成し得るはずだ、こういうことであります。この法律は、ごらんの通り学校に対しまして不当な教育を教唆、扇動することを対象としておるのであります。これは教育委員会において取締るとかなんとかいう問題ではありません。
○山崎(始)委員 大臣は私の申し上げるところを取違えておる。教唆扇動ということではございません。第一の方であります。 それからいま一つお尋ねいたします。これは中央集権でないと言われるのは私はふに落ちない。おそらく日本全国でこの法律が中央集権でないと言われるのは、文部大臣、あなたお一人ではないかと思う。
○大達国務大臣 中央集権というものは、行政的な権力を中央に集中することが中央集権だ。この法律は何ら行政的な権限を文部省に与えるものではありません。これは法律をごらんになればすぐわかる。その次に教育公務員特例法、これはごらんの通り選挙運動等をさしとめる規定であります。教育委員会においてこれを抑止する力はないのであります。
○山崎(始)委員 文部大臣は中央集権でないと言われる。実におかしいことだと思う。今の地方公務員である学校の先生が、かりに選挙運動なら選挙活動を見ても、自分の勤務地の市町村でできないだけであとはできるのであります。それを今度の法律では全部とつておるでしよう。その自由を文部省にとろうと国の方へとろうと、すでにとられておるということ自体が中央集権ではありませんか。
○大達国務大臣 国の法律によつて、国家の意思によつて一定の制限を設けることは、私どもは中央集権とは考えておりません。中央集権というものは、行政的な権力を中央に集めることが中央集権である。これは中央集権に対するあなたと私の考え方の違いであります。
○山崎(始)委員 時間がございませんから打切ります。
○辻委員長 松平忠久君。
○松平委員 修正案について提案者にお尋ねしたいのであります。この「当分の間」ということを、先ほどの説明によると輿論の圧迫というか、輿論の動向によつて当分の間ということをきめたわけであります。輿論を無視することができないということを告白したわけでありますけれども、この当分の間というのは一体何年ということにお考えになつておるのか、その点をまず明らかにしておきたいと思います。と同時に、文部大臣はこれを承認しているのかどうか、その議に加わつたのかどうか、この三党の修正に文部大臣も加わつたような形跡があつて、ちよろちよろあそこへ行つてみるとおりますけれども、その議にあずかつたかどうか、それをお伺いします。
○坂田(道)委員 お答えをいたします。ただいまの松平君の御質問に対しまして、私どもはこういう問題はやはり教育者自体の反省をまつて、その自主性によつて、その良識をまつて改められるのが望ましいと考えております。従いまして現実のような偏向教育か行われなくなつたような場合においては、この法律の意味もなくなると考えますので、当分の間というふうに暫定的な法案に修正いたした次第でございます。
○松平委員 その偏向教育がなくなるまでの間というふうに今の答弁があつたようですけれども、その偏向教育がなくなるまでの間というのは、一体この三党がそういう認定をするのであるかどうか、だれが認定するのかこれは……。
○坂田(道)委員 お答えいたします。それはやはり国民の輿論だと考えております。 〔「うそをつけ」「何を言うか」と呼ぶ者あり〕
○松平委員 文部大臣の御答弁はどうですか。「当分の間」に対する文部大臣の御答弁はどうですか。先ほど私が申しましたけれども、この謀議に加入したかどうか。この「当分の間」ということをあなたはどういうふうに考えておりますか。
○大達国務大臣 これは三党において提出された修正案であります。従つて文部大臣がこれに参加したものではないことはこれは当然のことであります。ただ意見は聞かれました。但しこれに参加したというわけではない。
○松平委員 逐条に移りますが、人事院の総裁にお伺いします。この特例法改正案によりますと、文部大臣の説明によれば、三本建の給与条例等について教員組合がこれを要望し、この実現を請求する——要望して行くということができる、こういうことでありますけれども、三本建等につきましては県の条例によつてこれをきめるわけでありまして、この県の条例の制定もしくはその改廃ということが政治目的になつております。その条例の改廃を要望する場合において、教員組合は職員団体の規定によりましてその権限を持つておるし、また地方住民として現在の地方自治法によつてこの請求ができる権利を持つておるわけでありますけれども、今度のこの法案の適用によりますと、この要求をする場合において、署名に積極的に参加したり、あるいはこの署名運動のために特別の会費なり帯付金を出す場合においては、三年以下の懲役十万円以下の罰金になるということになつておりますけれども、その通りでありますか。
○浅井政府委員 お答えを申し上げます。人事院規則は一定の目的と一定の行為との結びついた場合に該当するときにこれを違法といたしておるので、そのほかにいかなるものをも罰してはいないのであります。でございますから、ただいまお示しのような場合は、少しお言葉が抽象的でございますが、ある場合には違法になるかもわからぬと思つております。
○松平委員 ある場合とはどういう場合でございますか。
○浅井政府委員 お示の点をもう少し詳しく承らないとわからぬと思います。たとえば署名運動等を主催すれば違法となりますが、署名するとは違法とはなりません。
○松平委員 私が先ほど申しましたのは、署名運動に積極的に参加するということを発言いたしたのであります。またもう一つは、この運動に参加する場合に、会費を出すもしくは寄付金を出した場合に、これが違法とこの法律になつておりますけれども、あなたはこれを違法として取扱つておるわけでありますか。
○浅井政府委員 従来さように取扱つております
○松平委員 それはこの教育の政治的偏向といかなる関係があるか。
○浅井政府委員 政治的偏向があるかどうかは人事院規則はちつとも問題といたしておりません。今回のところによつて偏向とかなんとかという問題ができておるので、人事院規則は政治的偏向教育などということを目的としてこしらえた規則じやございません。
○松平委員 そういう議論であるならば、これは職員団体に当然与えられた権利並びに地方自治法に基いて地方住民に与えられた権利を国家公務員には禁止しておるけれども、地方公務員には——もつとも地方公共団体の構成者の一人ですから、税金を出し、またその税金を受ける深い関係にあるのでありますけれども、一般の地方公務員はかかる権利の喪失がなくて、教員にだけかかる権利の喪失があるというのはどういうわけですか。
○浅井政府委員 この法案の趣旨は私から申し上げることではございません。国家公務員といわず、地方公務員といわず、一般国民といわず、税金はだれでも負担いたしております。勤労条件に関して交渉いたすことは、国家公務員たると地方公務員たるとを問わず何も禁止いたしておりません。
○松平委員 教育委員会に不正行為があつて事務監査を要求する場合において、これは今日地方住民として認められた権利でありますが、この教員が多数の人に接する場合において、つまりPTAの会場においてこの意見を述べることは、十万円以下の罰金、三年以下の懲役になることになつておるが、それはそういうことになりますか。
○浅井政府委員 あるいはそうなるかも存じません。
○松平委員 一体あるいはとはどういうことですか。
○浅井政府委員 これは具体的にあてはめまする場合に、詳細にいろいろなデータを検討しなければ、抽象的に一一お答えすることはかえつて誤解を生ずると思います。ただ申し上げますが、この人事院規則は、本来国家公務員のためにあるものでありまして、地方公務員のためにあるものではないのであります。今回の措置によつて、初めて地方公務員になるのであつて、その場合の利害得失がどうであるかということは、人事院のお答えすべき問題ではございません。
○松平委員 そうしますと、もう二つ三つお答え願いたいのでありますが、この政治的行為の中の第四でありますけれども、前号の定める金品を国家公務員に与え、また支払うことが禁止されておりますが、地方公務員に与えることは禁止されておらぬのであります。それはどうですか。
○浅井政府委員 現行規則ではその通りでございます。
○松平委員 もう一つお尋ねいたします。この規則の八項におきまして、各省各庁の長官は法または規則に定める政治的行為の禁止、または制限に違反する行為または事実があつた場合においては、ただちに人事院に通報するということになつておりますけれども、この地方公務員の場合には、一体だれがどこに通報することになりますか。
○浅井政府委員 第八項は地方公務員の場合は適用はないものと解釈いたしております。
○辻委員長 よろしゆうございますか。
○松平委員 ただいまの総裁のお話によりますと、人事院規則は、国家公務員に適用するけれども、その中の一部というものは、今度の場合国家公務員の例によるということになりますけれども、その中のある条項は適用ない、またある文句は適用ない、こういうふうに解釈してさしつかえたいわけですか。
○浅井政府委員 その通りでございます。その場合この際地方公務員たる教員を、国家公務員並に取扱いますことは、決してこの規則の中にある各省各庁の長という言葉を、これを府県知事とか何とか読みかえるという規定は特つておりません。
○松平委員 時間がございませんので刑事局長にお尋ねしたいと思います。この中立性確保の問題について、その罪はだれの請求をもつて論ずるということがありますが、それは法律的にどういうことでありますか。
○井本政府委員 訴訟条件でございます。
○松平委員 そういたしますと、この事前の手続という捜査もしくは逮捕というのは、警察官独自の立場で刑事訴訟法の建前でやつて行く、こういうことになりますか。
○井本政府委員 犯罪捜査は結局さようなことになります。
○辻委員長 高津正道君。
○高津委員 短かい十分間の質問時間でありますが、質問の要旨を明らかにするために、私の立場を要約して述べ、そうしてそのあと、きわめて簡単な言葉で質問をいたします。この両法案に対する私たちの反対理由は、第一、この法案は、日本がアメリカの反共第一線軍事基地化しているために、アメリカが日本の教育に対して、基地らしい教育を要求して来ている。これには明白な証拠がありますが、今は省略しましよう。すなわちこの法案は、日本の教育をアメリカに担保に人入れるものであります。第二は、アメリカと日本との保守勢力が、平和憲法の改正の準備を進めているとは隠れもない事実で、世人の常識であります。義務教育諸学校の教職員は、村から町から離れ島から、津々浦々に勢力があり、信用がある。これら教職員は平和を愛し、憲法を守ろうとする人々が多い。すなわち憲法改正の地ならし工作のために、この両法案は出て来たものである。(「その通り」)第三、五十余万の日教組が自由党を何ゆえだか好まず、おそらくはその保守性に対してインテリとして同感し得ないからでありましよう。その結果、選挙に際し、教職員は、多くは自由党に投票しない。ちようど大学生の大部分の選挙権を奪う企てがさきに行われましたが、この両法案は、そのような教師とその組織を束縛し、その活動や思想を押えようとするものであります。これは自由党の選挙対策から出て来ていることはきわめて明白であるからであります。第四、この両法案ほど世論の反対を受けたことは近来その例を見ないところで、全国の新聞中、自由党の機関誌的性質のものを除いては、賛成の社説に接しないのであります。朝日、毎日、読売、日本経済、東京新聞こぞつて反対の社説を一度ならず二度ならず数度それぞれ書いておるのであります。私は、この世論には従うべきである、それでこそ民主主義的たと思うのでありますが、本案の提案者は、まつたくそれを無視しておる。第五、第六以下反対理由はいろいろございますが、今日は時間の制限もあり、これを省略して簡単なる質問に入りましよう。 かくのごとき見地に立つてお尋ねをするのでありますが、第一、この三派共同修正案は、改進党の最初の修正案から見ますと、その線よりさらに一段と後退していることは何人も認めるところであります。思うに、その間に中曽根君懲罰動議の撤回事件なるものがございました。このような中曽根懲罰動議の取下げは、自由党の改進党に対する譲歩であります。表面的には譲歩で、何か自分のものを譲つて改進党に与えた形であります。しかしこれによつて自由党が実際に得た結果は、すなわち世論は自由党にはマイナスでありました。自由党が中曽根発言を封ずる意図をもこの取下げの中に含めていたことを世論が看取したからであろうと思うのであります。改進党さんが一歩も譲らずとしたあの案を後退させておるのでありますが、事神聖なる教育法律において不明朗なる感じを与えるものがある。その間にちようどそういう事件が入つて、この法案でこういうような改進党の譲歩を自由党がかちとつたということは、その間に取引が行われておつたということを良識がみな考えるのであります。私はこれに対して、その譲歩が最初の改進党案から今度の三木武吉氏作成するところの仲裁案の線まで後退した事情と経過を、坂田提案者から聞きたいのであります。これが一点です。あとは理由を述べずに聞きますから……。
○坂田(道)委員 ただいま高津委員からの御質問でございますが、本修正案は中曽根懲罰問題とは何らの関係がございません。取引もございません。
○高津委員 教師が教壇において政治的に中立でなければならないということは、教育基本法のすでに命ずるところであり、誤りがあるならば、教育委員会において処置するのであります。 ところが、江戸のかたきを長崎で討つという、何の関係もない任地以外のところで政治的な活動、違反がられは警察が取締ります。その政治的な行為をなすことを禁ずるというような、関係のないのに、相かわらずこの法律案は勤務地以外の政治的行為を全部奪つておるのであります。他府県へ行けばいい、こういう点もあつたのでありますが、どこでも原案通り、また第一案において禁止しておるのでありますが、私はこれはひどいことであると思う。ここにこそやはり自由党の選挙対策がほの見えておるのでありますが、こういう矛盾ある、苛酷なる態度をもつて教育者を第二級の国民にするという結果をもたらして、自信を持たせないようにするようになつておりますが、私は自由党の諸君、改進党の諸君及び日本自由党の諸君は役人ではないのだから、涙のある処置がとられるであろうと思つたか、このような結果を見ておる、その理由や立場もありましようから、この質問を機会に一言でもいいからしやべつてごらんなさい。
○坂田(道)委員 ただいまの御質問でございますが、三派寄り合いまして折衝いたしました結果、政府原案がよろしいということにおちついて、ただいま修正案通りに決定いたした次第でございます。
○高津委員 日本の現在進んでおる方向は、私は警察の中央集権化といい、そうしてこの法律案といい、そうしていわゆる秘密保護法のようなものが出ておる姿をこうながめて、アメリカでさえマツカーシズムというものは押える傾向がある。保守の陣営からさえ芽ばえて来ておる、こういうような時代に、日本ではちようど昔政府の決定が三十五度動くと地方にそれが動くまでには三箇月かかるということを言われたが、本場のアメリカでそのように行き過ぎを是正するような傾向が現われておるのに、日本では新たにインテリの大集団に向つてこういう反動的な法律をこしらえる、そこに矛盾はないでしようか。口を開けばアメリカ、アメリカ、アメリカ一辺倒といわれる政党の諸君が、あまりにそれは何から何まで追随しようというのであれば、向うの本家でももうやめるような傾向が現われておるのにこちらが進むのは、アメリカびいきかもしらぬが、あまりにうのみになりはしないだろうか、そういう点はどういうお考えでしようか。
○坂田(道)委員 アメリカのことをお教えいただいたのでございますが、われわれは日本の国情から考えまして、現在の偏向教育の実情からこの法案を、また修正案を決定いたした次第でございます。
○高津委員 私は紳士ですから、時間が参りました。
○辻委員長 野原君。
○野原委員 この出されております特例法の一部改正法案ないしは中立確保の法案に関しまして、今回突如として出されて参りましたこの修正案によりますと、当分の間というような暫定法に両法ともなつておるわけであります。そこで提案者は暫定法に改めたゆえんのものは、輿論の動向を考慮してこのようにしたのであると述べれらたのでありますが、一体今日の日本の輿論というものは、この二つの法案に対してどういうような輿論であるのか。提案者はどういう把握のされ方をしておるのか承りたいと思う。
○坂田(道)委員 輿論の動向についてはいろいろこれは受取り方によつて違うと思うのでございます。従いまして野原さんのお考えの輿論と、またわれわれどもの考えておる輿論と間違う場合も起り得るわけでございます。しかしながらこういうような教育立法、特に教職員の政治的制限をいたすというような立法につきましては、やはり輿論の動向というものに耳を傾けなければならないと思いますし、先ほど申しました通り、やはりこういつた問題は、教育者それ自体の良識と良心、あるいは自主性にまつのが望ましいと考えましたので、現在行われておるような偏向教育というものがなくなるような段階においては、これをやめにするという気持をうたつたわけでございます。
○野原委員 私は率直に尋ねておるのです。輿論の動向はつの法案に対して一体賛成する方が多いのか、反対する方が多いのか。もとよりこれは賛成も反対もあるようでございますけれども、私どもが私どもの常識において輿論と言う場合には、これはおのずからはつきりしておるのです。そういう立場でこの法案については一体輿論は賛成か多いか、反対が多いか、率直に御答弁願いたい。
○坂田(道)委員 現在の状態においてその輿論というものを判別する方法は、私ないと思うのでございます。ただもしあるといたしますならば、やはり教育関係者あるいは学者、そういつた人たちの意見ということはきわめて第三者的な輿論を代表するものであると私は考えるのであります。従いましてたとえば中央教育審議会の動向といいうものは、一つの輿論を代表しておるものだと私は考えます。この中央教育審議会の動向は圧倒的に賛成でございまして、何らかの措置をすべきであるという決定をいたしておるのでございまして、輿論はこの法案に賛成であると私は考えております。
○野原委員 とんでもない御見解であります。これはまつたく言を左右にすると申しますか、おそらくここで傍聴されておるすべての人が、ただいまのあなたの答弁に対しては絶対に納得されないものと私は思う。あなたは輿論の動向を考慮して暫定法にしたと言いながら、輿論というものについては判別する法がないと、つつ込まれると答弁しておる。一体輿論について判別する法がないならば、暫定法にしたのは輿論の動向だという場合の輿論とは一体何なのか、この点について明確なる御答弁を要求します。
○坂田(道)委員 私は厳格な意味において輿論の動向がわからないということを申したのでございます。たとえて申しますならば、ここで解散でもして、そしてわが党が絶対多数をとるならば、これはやはり賛成であるという輿論であると思います。厳格な意味において、輿論につきましてはあなたの意見と私の意見と異なるものでございます。
○野原委員 厳格な意味で輿論というものがわからないというならば、あなたが提案の理由に述べられた暫定法にいたしました趣旨は、輿論の動向を考慮してということを取消してもらいたい。取消してもらいたい。
○坂田(道)委員 輿論の動向にはいろいろの動向がございまして、賛成もあれは反対もある。そういうようなことをいろいろ考慮いたしまして、やはり教育者自体の反省にまつ時代が来て、ほんとうに偏向教育が行われないという状態が来たならばこういう法律はやめにしたい、こういう考えでございます。
○野原委員 提案者にしてかくのごとしであります。政府が提案いたしましたこの二つの法律案と、今回暫定法その他部の修正を加えて出されて参りました修正案との間には、まつたく提案者の三党側で確信をもつて説明でき得るものは、これは一体何人おるか私はお尋ねしたいのであります。しかしながら時間もないから次に参りますが、今川中立確保の法律の修正におきまして、第三条の第二項が削除になつておるわけであります。提案説明を承りますと、第三条第二項を削除いたしました趣旨は、難解でございますから削除しましたと申されたのでございますが、間違いございませんか。
○坂田(道)委員 そうでございます。
○野原委員 少くとも法律を提案したり、あるいは一度出された法案を削除したりする場合には、その法文というもの、法律というものが必要であるかいなかという尺度によつて私どもは削除すべきであろうと思う。ところが難解であるから削除した、こう申しますけれども、必要であるならばなぜ難解の箇所を平易に改めないのか、まつたくあなたの提案説明というものは私は納得できないのです。削除というのは、必要がないから削除したというならば私はわかるけれども、あなたは一体第三条第二項は必要があると考えておるのかどうか、お尋ねします。
○坂田(道)委員 ただいま第三条第二項の趣旨を第一項に入れまして、含めまして、そうして一層わかりやすくいたした次第でございます。
○野原委員 それでは第三条第二項は必要ではない、こういうお考えですか。
○坂田(道)委員 第三条第二項の趣旨を第一項の中に含めることが、なおさら第二項の意味をはつきりさせるという意味において削除いたした次第であります。
○野原委員 大臣にお尋ねいたしますが、大臣は今日まで長い期間この文部委員会において審議するにあたつて、第三条二項に関して、あなたは相当のウエートを置いて私どもに説明されて来ておる。今回これが削除になつたのでございますが、一体これが削除になりましたことによつて、あなたのねらつておる教育中立確保のこの目標というもの、ねらいというものは、これはおよそはずされた面が相当あるのではないかと考えますが、御見解を承りたい。
○大達国務大臣 第三条の二項はただいま坂田委員から御説明がありましたように、これは削られつぱなしになつたわけではありません。そのかわりに一項の方が書き直されておるのであります。私はこれでもさしつかえはない、かように考えております。
○野原委員 おそらくそういうような御答弁をただいまの大臣としてはなさるでございましよう。あなたが口ぐせのように、口ぐせのように、山口日記を問題にして私どもに説明した場合に、山口日記というようなものを取締るためには、第三条第二項は絶対に必要であるということを、言つたのである。ところが三党から修正されて、そうして今日になりますと、口をふいたように、第三条二項はもういらない。「ための教育」という「ための」ということがあれば十分だというような、とんでもない御答弁をなされておるのであります。そこで大臣にもう一度お尋ねいたしますが、このような、私に言わせると、あなたの考えている基本的なねらいが多分にはずされておる今日、あなたは中立確保の法案で、私どもに提案説明したその趣旨を貫くことができると考えているのか、もう一度御説明が願いたい。
○大達国務大臣 このたび修正提案になりました「ための」という字が入つておる書き方、これは教育基本法第八条の二項と大体同じ書き方であります。前々から申し上げるように、基本法第八条の二項の趣旨、その精神を堅持するための法律でありますが、それと大体同じ書き方であります。従つてあなたのただいま仰せられたことは、これは何かあなたの考え違いだと思います。
○野原委員 もう一点で終ります。今日の日本の教師には片寄つた教育をやつている具体的な事例があるというので、偏向教育の事例を出しました。これは本会議、委員会におい相当問題をはらんで参つたことでありますが、偏向教育の事例について、今日まで大臣のところに、あの事例は間違いでございます、どうかひとつ御訂正を願いたい、あるいはあの事例については私どもは納得できないというような陳情ないし抗議がどれほど参つておるか、お尋ねいたします。
○大達国務大臣 大して抗議は参つておりません。一、二箇所から——私の覚えているところでは、二箇所ばかりからそういう抗議といいますか、そういう事実はありませんという釈明が参つております。私どもは釈明は釈明として聞いております。しかしそれだけでもつて、その事実無根なりと確認することはできないのであります。
○野原委員 間違いがあれば、あなたは取消すということをこの委員会でも言明したのでございますが、こういうものは、取消されるのならば、早く処置すべきでございます。文部大臣ともあろうものが、実は大きな混乱を与えておる。教育界だけではないのです。一体その後あれが出されて、私どもが委員会で問題にしましてから、間違いであるかないかという調査を具体的にどういうようにやつておられるのか、承りたい。
○大達国務大臣 あのとき申し上げたのは、間違いであることを私どもとして確認した場合には、取消すにやふさかではない、かように申し上げたのであります。あつちこつちから、それは間違いである、こう言つて来ればそれを取消すとは言つておりません。
○野原委員 一体調べたかどうかといううことです。それを尋ねておるのです。
○大達国務大臣 これは私どもとして間違いであるかもしれぬと思うことについては取調べをしたいと思つております。しかしその取調べは困難であります。間違いであるかもしれぬと思えば、取調べるつもりでおります。ただいまは間違いであるかもしれぬとは思つておりません。
○野原委員 あなたはまだ取調べもしていないというわけですか。まだ間違いであるかどうかについては、その事実の有無を調べていないということですか。
○大達国務大臣 ただいま申し上げたように、間違いであるかもしれぬと思えば、調べる。これをあなたがそうおつしやつたからといつて、これを今全部調べるということはできません。これを調べるということは、どういう方法でやりますか。ただ一ぺん聞いて、教育委員会とか、校長がこれは間違いでありますと、言つたからといつて、それで取調べを完了するわけには行かない。
○野原委員 どういう方法でやるかということを私にお尋ねになつているのですが、あなたが偏向教育の事例を集められたその方法はどういう方法ですか、むし返しますけれども、もう一度お尋ねします。
○大達国務大臣 これはこの間しばしば申し上げた通りであります。その出所については申し上げられません。
○野原委員 私はこのことについてはまつたく納得できない。しかしながら時間もございませんので、他日の文部委員会その他の機会に徹底的に追究いたします。
○辻委員長 小林君。
○小林(進)委員 時間がありませんので、坂田議員に御質囲いたします。今度の改正案の中で臨時措置法という条項を加えて、「当分の間、その効力を有する」というふうに改められたのでありまするが、一体この「当分の間、効力を有する」という言葉を加えたのと加えない場合と実質上にどれだけの相違があるのか承りたいと思うのであります。
○坂田(道)委員 ちよつと御質問の趣旨かよくわからないのでございますが、もう一度……。
○小林進委員 こういうわれわれの明瞭なる質問を理解できないで、同じことを繰返して、これをみな約束の時間に入れられたらわれわれはたまらない。こういうことは、委員長において十分考慮をせられたい。考慮をされないならば、われわれもまた重大なる決意をしなければならない。その点をお含みおきを願いたいと思うのであります。 一体臨時措置法というならば——普通は法律を施行してから、五年間なり、あるいは三年間なり期限が切つてあつて、五年なり三年たてば自然に消滅するというのが臨時措置法である。しかしてこの「当分」という言葉があるが、この「当分」という点葉は、この先何年たつたら消滅するのか。普通の法律は、改正の手続とか、修正、廃止の手続をとらなければ、法律は永久に効力を持つ。当分などという言葉を加えても、一般の半永久的な法律と同じような手続をとられなければ、やはりこれは永久に続くんじやないか。それならば「当分の間、効力を有する」という言葉は、実質的に何も効力かないじやないか。何か効力があるならば、それをひとつ承りたいというのです。
○坂田(道)委員 今ようやく実はわかつたのでございまして、(「頭が悪いぞ」と呼ぶ者あり)偏向の是正が行われたあかつきにはこれをやめるという意味でございまして、読んで字の通り、当分の間でございます。
○小林(進)委員 教員の自主性が保たれれば廃止せられるというのたが、じや自主性を認められれば、自動的に廃止せられるのか、国会の廃止の手続、協賛を経ないでも自動的に廃止されるのかどうか承つておきたい。
○坂田(道)委員 その点は、賢明なる小林君が御承知だろうと思います。
○小林(進)委員 私は聞いておるのであります。もし国会の協賛を経て廃止をしなければならぬというならば、ほかの一般の法律と同じじやないか。何も「当分の間、効力を有する」という、何というか、お体裁の言葉をつける必要はない。一体どこに一般の法律の廃止と違う効果があるかということを承りたい。
○坂田(道)委員 「当分の間」というものをつけない法律と、それからつける法律と、そこが違うわけでございます。
○小林(進)委員 私はどう違うかということを質問している。「当分」をつけたのと、つけないのと、どう違うのかという質問にお答え願いたい。
○坂田(道)委員 ただいまお答えした通りでございます。 〔発言する者多し〕
○小林(進)委員 こういうような不謹慎な答弁は答弁にならぬ。委員長においてひとつ御注意願いたい。委員長、もし坂田君が提案者でありながら、能力不足にして私にはあなたの質問にお答えできませんと彼がおわびをするならば、私はそのうしろにいる刑事局長なり他の専門家に質問をするけれども、彼がみずから反省せずして、こういう思い上つたでたらめな答弁をするならば、委員長において注意していま一回……(発言する者多し)答弁者をかえるなり何らかの措置をして……。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 坂田君、徹底せぬようですから、もう一度答弁を願います。
○坂田(道)委員 今度の臨時措置法は暫定立法であるということを申し上げたのであります。
○小林(進)委員 それでは私は刑事局長に、「当分の間、効力を有する」というこの法律と一般法律と、これを廃止する場合にどういう差があるのか、ひとつ承りたいと思うのであります。
○井本政府委員 法律の趣旨が暫定的であるという点が、一般の法律と違うのでありまして、廃止の手続は一般の法律と同じだと私は考えます。
○小林(進)委員 廃止の場合に手続が同じならば、「当分の間、効力を有する」という文章の実質上の効果は何もないと思う。お体裁なる、飾り言葉にすぎないと思いまするが、この点いかがかなものでございましようか、ひとつ刑事局長に承りたいと思います。
○井本政府委員 法律が永久法律であるか、暫定的な法律であるかという点において、確かに違いがあると私は考えます。
○小林(進)委員 単なる私は言葉の上の相違であつて、実質上の違いはないじやないかと判断するが、どれが暫定でどれが一体永久であるか。私は実質上の差異を、言葉の上でない実質の上において、差異をお聞きしたいと思うのであります。
○井本政府委員 法律の性質が暫定的であるか永久的であるかということの趣旨が違うという点において、私は違うのだと思つておる次第であります。
○小林(進)委員 それは私はちつとも答弁になつていないと思う。法律の効力がある場合はやはり同じ法律なんだ廃止の場合には一般法律と同じ廃止の手続をとらなければならぬというなら、言葉の上だけの違いであつて、実質上少しも差異がないと思う。言葉のあやであつて、いやしくもこんなごまかしでもつてこの法案を通すという政府の、このいわゆる三党修正案のでたらめを、われわれ決して納得できないし今までの刑事局長の答弁も非常に残念であります。 私は了承できないけれども、これは留保いたしまして、次に行きまするが、第二の問題としましては、先ほども言われたのですが、第三条の第二項の解釈かむずかしいから、これを廃止して、第一項の中に含め、こういうことを提案者が言われたが、矛盾もはなはだしい。第二項は解釈がむずかしいからこれを廃止して第一項に含めた、こんな矛盾された言葉がありますか。むずかしいからこつちへ持つて来た、こういうばかな説明をされておる。それは野原君が追究しましたから、私はこの点はまず省略するといたしまして、一体「反対させるための教育」と「反対させるための教育と」どう違うのか。具体的な事例をひとつあげて提案者から御説明を願いたいと思うのであります。
○坂田(道)委員 ちよつと今の質問が……(発言する者多し)、反対するというのでしよう。(発言する者多し)いや、ちよつと……、やります。反対するという……。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 答弁いたします、
○坂田(道)委員 今私が聞き違えしましたのは、今小林さんかおつしやつたのは、「反対するための教育」と「反対するための教育」と聞き違えたものですから……、そうではないだろうと思うのです。
○小林(進)委員 この第三条第一項中、「反対させる教育」を「反対させるための教育」に改めたのでありますから、「反対させる教育」と「反対させるための教育」との違いを、具体的な事例をあげて御説明を願いたい、こういうのです。
○坂田(道)委員 今ようやくわかりました。(笑声)「反対させる教育」というのは、たとえば明らかに社会党であるとか共産党であるとかあるいは自由党であるとか、そういう特定の政党をあげて、その教育をやるというのを反対させる教育……。それから「ための教育」は、それだけではない、もう少し広まるのでございます。 〔「具体的に言え」と呼び、その他発言する者多し〕
○辻委員長 御静粛に願います。 〔発言する者、離席する者多く議場騒然〕
○辻委員長 ちよつと速記をやめて……。 〔速記中止〕
○辻委員長 速記を始めて……。
○小林(進)委員 委員長に申し上げますが、私は御承知の通り時間を制限せられておるのであります。従つて私は時間の範囲内に賛同を繰返して来たのでありますが、答弁者の不勉強、無能力、無知、低能等々、私の質問に対する的確な答弁を得られなかつたために、私の時間が荏苒経過いたしたのでありますが、これを約束の持ち時間に加られえるならば、われわれの約束の審議権をまつたく無視せられることになりますから、今までの私の持時間というものは御破算にしてもらつて、あらためてこれから私の質問の時間をいただきたいと思います。
○辻委員長 十分考慮いたします。
○小林(進)委員 では委員長の了承を得ましたから、あらためて質問を繰返しますが、ただいまお伺いいたしました、すなわち今度の三党修正案の重大なポイントになつております「反対させる教育」を「反対させるための教育」に改めた、この「反対させる教育」と「反対させるための教育」との相違を的確な事例を示して、具体的に御説明を願いたいというのであります。
○坂田(道)委員 ただいま申しました通り、反対させるに役立つ教育、こういうふうに御了解いただきたいと思います。(「違いを言え」と呼ぶ者あり)直接反対させる教育と、それから間接的に反対させるに役立つ教育、この相違があるわけであります。
○小林(進)委員 これは私は具体的な事例をあげて御説明を願いたいということを要求しておるわけであります。しかも「反対させる教育」と「反対させるための教育」というのは法律用語であります。法律用語ならば、私のうしろに法律家がいるのですが、今の坂田君の説明が、これでこの法案の基礎的な解釈になるというならば、国会の恥をさらすことになる。(「一年生だ。」と呼ぶ者あり)あんな解釈は通俗の小学校の先生よりも悪い、一年生に教えるような解釈だ。そんなことでは法律解釈の説明にはならぬ。いま少し法律的な的確な解釈を下されると同時に、それを具体的な事例を示して具体的に御説明を願います。
○坂田(道)委員 原案におきます第二項におきまして、一つの反対させる教育を行いまして、そうして生徒児童が将来政治的な投票権の行使ができるようになつた場合に、一特定の政党を支持するように至るようになる場合の教育、そういうものも含むわけであります。
○小林(進)委員 委員長もお聞きの通り、こんなのがこの重大な修正案の説明になると思つたら、これはもう日本の国会はいらないと思うのです。残念しごくです。しかも「反対させる教育」も「反対させるための教育」も、この主体は教師であります。教師が児童に対してかくかくの場合が「反対させる教育」の事例であり、教師がかくかくの行為に出たものが「反対させるための教育」であると具体的に示して、そうしてなおかつ法律的な解釈を与えてくだされば、われわれはこれを了承することはできるのであります。いま一度御説明を願いたいのであります。
○坂田(道)委員 「反対させる教育」とは、たとえば政党の名前をあげていう場合でございます。それから「反対させるための教育」という場合は、名前は出さなくても、それが結局潜在意識となりまして、そうしてそこまで持つて行く教育、そういう場合でございます。(「何だそれは」「委員外は黙つておれ」「うるさい」と呼び、その他発言する者あり)
○辻委員長 委員外の方は御発言をお差控え願います。
○小林(進)委員 私は余分な細部の解釈は法律の専門家にお願いするといたしまして、今提案者の坂田君が言つた政党の名前を出した場合が「反対させる教育に当てはまり、政党の名前を出さない場合は「反対させるための教育」であるというこの解釈が正しいか正しくないかという、この一点だけを私は刑事部長にお伺いしたいと思う。余分なことは言わぬでよろしい。その解釈が正しいか正しくないか。イエスかノーだけでよろしい。イエスかノーだけでよろしい。
○井本政府委員 「支持する」と「支持するための」という場合は、「ための」が広いだけは明らかであります。もう一度済みませんけれども、簡単にイエスかノーか言えるようにお願いします。
○小林(進)委員 今お聞きの通り刑事部長みずからも今の解釈が正しいか正しくないか返答ができないというようなでたらめな解釈をしている、提案者が。そういうでたらめな解釈でこの重大な改正案を一体われわれが審議したことになりますか。これはいま一回私は繰返す。政党の名前を出した場合が「反対させる教育」の事例である、政党の名前を出さない場合は「反対させるための教育」の事例である、こういうだたらめな解釈が一体国会における法律審議の答弁になるとお考えになるかどうか。これを私はお伺いしている。こういう答弁でわれわれがこの重要なる法案をこの委員会を通したということになれば、これは委員の恥となる。いま一回御質問申し上げます。「反対させる教育」という場合と「反対させるための教育」との具体的な事例を示して、法律的な解釈を承りたいのであります。何回でも私は繰返すどうか承りたい。
○辻委員長 吉田君からお答えいたします。
○吉田(安)委員 こういう場合ですから、私から答弁申し上げることも不満足になりはしないかと思いますが、一応私が信じている点を御参考に申し上げます。 元来第三条では第一項にあります通りに「特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させる教育を行うことを教唆し、又はせん動」とこうあるのです。それでこれではたとえば山口日記のようなものは取締れません。なぜ取締れないかといえば、「前項の特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させる教育には、良識ある公民たるに必要な政治的教養を与えるに必要な限度をこえて、特定の政党等を支持し、又はこれに反対するに至らしめるに足りる」、(「何を言つているか」と呼びその他発言する者あり)まあお待ちなさい。こういうことを書いてあつては、山口日記を取締ろうとしてもなかなかこれはだれが見ても困難であります。だからこれはもう少しく簡単に言うにはどうすればよろしいか。それには前項に立ちもどつて「特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させるための教育」というように入れますと——山口日記にこういうことがあるでしよう。今度日本はアメリカによつて至るところにたくさんの軍事基地ができてしまつた。 〔「その通り」「どこが違うか」「しまいまで聞け」と呼びその他発言する者多し〕
○辻委員長 御静粛に願います。
○吉田(安)委員 あるいはまた魚がとれなくなつてしまつたこれは一体だれのおかげか。こういうことを書いて、それから先は書いておりません。いいですか。だからこの三条の第一項はなかなかそこは問題になれない。いいですか。それだから(発言するものあり)お待ちなさい。児童が、生徒が今のようなことを書いてあるのを読んで、先生がどうしろとは言わないが、その文言を見て、これではどうかな、これではいかぬぞ、こう思いつきますと、勢いそれに反対するということになるのです。その反対するため、させるためということを、この二項でははつきりしないから、第一項で明らかに書いて、山口日記でも「冬の友」日記でも、これを明らかにして取締ろうというのであります。これがおわかりにならぬということならば、それは私は論外である、とこう思います。
○小林(進)委員 今の山口日記の例を引かれて、この山口日記が「させる教育」の「させる」という言葉では取締れないが、「させるための」の「ための」を入れると、山口日記のような文章を教えることも取締れる、というこの法律的根拠を私は第一に承りたい。実にこれはでたらめだ。 それから第二番目に、第二番目に行つて、山口日記のどこが一体悪いか。これはわれわれは……。「質問ではない」と呼ぶ者あり)だまれ熊、委員長、私は提案者に言つているんだ。あの番外の椎熊君がうるさくてしようがない。
○辻委員長 お互いに静粛にいたしましよう。委員外の方はどなたも御発言をお差控え願いたいと存じます。
○小林(進)委員 提案者、提案者がいやしくも法律解釈をするときには、山口日記ならば山口日記を正確に読み上げて答弁をしてもらいたい。あなたの山口日記の今の説明の仕方はでたらめだ。一つは「再軍備と戸じまり」という条項を前段の半分に持つて来て、あとの方は今度「死んだ海」という海の方の文章の半分を持つて来て、そうして、こういう七百有余箇所の軍事基地ができて魚がとれなくなつたという、あつちこつちつぎ足したような、そういうあなたの言うような文章は山口日記にはございません。明らかに偽造です。委員長いいですか。だから「再軍備と戸じまり」なら「再軍備と戸じまり」という条項をひとつ正確に例として読み上げ、「死んだ海」なら「死んだ海」の条項を、正確に読み上げて、そしてこの条項のこういうところがこれならば「ための」にすれば取締れる、というような正確な答弁をしてもらわなければならぬ。われわれは今法律の解釈をやつている。政治論ではない。政治論争ならばあなたのそういう論法もよろしいけれども、私は一言一句も誤りのない記録として、これを一つの例として残さなければならない重大な解釈をやつておる。今の解釈の仕方は一体何だ。「反対させるための教育」ということによつて、山口日記のどの部分を取締ることができるか、具体的な説明をひとつ承りたいと思います。
○吉田(安)委員 私の答弁は、例を示して言えとおつしやつたから、その例の、一、二を申し上げたのです。それでそのことについて軍事基地の問題と、それから、死んだ海の話を簡単に申し上げたのです。これは詳しく申し上げるまでもなく、賢明なる小林君は十分御承知のことだと私は考えておるのであります。それでも不十分だとおつしやるならば、静かに山口日記のそうしたところをお読みくだされば、第三条の「ための」という文句が使われた理由が十分おわかりになることだと存じます。
○辻委員長 小林君、先ほど空費いたしました時間も十分考慮いたしまして、あなたの持時間は大体これで終りましたので、どうぞひとつ御了承願います。 〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 それではもう一問でおやめ願います。委員外の方、御発言をお差控え願います。
○小林(進)委員 「反対させるための教育」の事例と言われるならば、山口日記というのも一文章じやない。山口の小学生日記と中学生日記があつて、その中に例題が幾つもあげられているんだから、その中のこの事例がいかぬ、この事例を取締る場合に必要だというふうな的確な解釈でなくて、そんなでたらめなことで答弁になると思うのは間違いだ。今委員長がこう言つた。吉田君は頭が悪いんだから、これ以上苦しめないでくれという委員長のたつてのお願いだから、私はこれで了承するが……。
○辻委員長 小林君、今の言葉は何でございます。私が吉田君は頭が悪いとか言つたと申されましたが、私はさようなことは断じて申しません。
○小林(進)委員 言わなければ取消します。おれはそういう意味に解釈した。しかし君が法律上の的確な答弁をしてくれるというのなら言つてみろ。一体「反対させるための教育」とは何だ。しからばその事例と法律解釈をいま少し私は示してもらいたい。
○吉田(安)委員 特定の政党等を支持させまたはこれに反対させる教育ということは、教育者自身がいきなり反対させる教育それ自体をやるのだ。そういうことを扇動すると罰しますよ。そうすると一方は、そう露骨じやなくて、今のようないろいろな例を持つて来て、教えられた人かそれを読んで、その結果、ああこれはいかぬなというように反対させるようになるための教育をすることです。
○辻委員長 小林君、いかがでございます。この辺で次の質問者にお譲りくださいませんか。(発言する者多し)——では小林君、もう一問でおとめください。
○小林(進)委員 委員長に与えられた時間はこれ一問でありますから、息を抜くと終りになる、だから申し上げますが、よく聞いてもらいたい。しからばこの法律によつた場合に、当然今の文部省の教科書の検定制度を改めて、今度はまた昔の教科書のように国定に持つて行かなければならないのではないか。ということは、今の検定教科書の中でおれは例を述べる。たとえて言えば、あなたの検定せられた教科書の中に、中教出版社の明るい社会というのがある。これは六年生の下だ。この中に、「たとい自分の国を守るための軍備だといつても、軍備を持てば戦争をしかけるために使わないとは限らないから、どんな理由でも、いつさい軍備を持たない約束だ。」こういうことが、あなたたち文部省の認定した検定教科書の中に入つておる。しからばこうい教科書について、教師は当然児童に対して、なぜ軍備を持たないか、持てばどうして戦争になるかという具体的な事例を科学的に説明する場合には、今この再軍備を進めている自由党や改進党の政策にも、どうしても反対である、こういう教育の説明を加えて行かなければならない。そうした場合に、一体これが偏向教育になるかならないか。 いま一つ私は申し上げる。まだある。検定教科書の小学校の学習指導要領、社会科編の昭和三十六年度の単元の基底の主眼と称する六年生の五十一ページに、「わたくしたちの生活と政治」の中に「わたくしたちの意見を代表する人としては、どんな人を選挙すればよいか。」こういうような問題があるときに、教師はどんな人を選挙すれはよろしいかという検定教科書に基いては、当然これの説明として各政党の主義、政策までも一応児童に検討する余地を与えなければならない。政策にも触れて入らなければならない。児童に対しては、その政策の批判を教師は行わなければならないが、一体そういう場合に、これが偏向教育になるかならないか。こういう重大なる問題がある。 なお私は、この具体的な例をあげればきりがないけれども、いま一つの例としては、これも教育出版の小学社会という六年生の上だが、この中には税金の話が書いてある。「税金を納めるのは、国民として当然のつとめです。しかし、税金が正しく使われているかどうかには、注意をはらわなければなりません。不正なことをした公務員に対しては、ふんがいするのが当然なのです。」検定教科書の百三十ページに、こういう教程が入つておる。しからばこの公務員が税金をむだに使つた、不正に使つたのに憤慨しなければならない事例として、あるいは現在の造船汚職事件、あるいは現在の保全経済会の問題、一自由党の法務大臣が、自分の関係した造船汚職の元凶が明日、明後日ひつぱられて行くというその前の日に、待合の中を歩いて、まんじゆうを買いに行つて、冷たいものを飲んだなどという、こういう事例を出すと、その政党の所属と不正なる税金の使い方を教育すること、これがまた偏向教育の事例になるかならないか。もしそれがいけないとするならば、われわれは当然こういう税金に対する教科書自体を改正して行かなければならない。再軍備自体に対する教科書をも改訂して行かなければならないということであります。検定教科書全部を改正して、昔のような国定教科書、内務官僚の統制した——大達さんが一番大すきな見ざる、聞かざる、言わざるの、まつたくの画一な教科書でなければ、学校の教師はこの教程に盛るような材料がなくなつてしまうが、こういう今私があげた三つの事例を、一体どう解釈するか。 まだ私は言う。中教出版社の「あかるい社会」という題目のもの、これは五年生の下にある。これは「日本はアジアの工業国といわれている。たしかにひろいアジアでいちばん工業が進んでいるのは日本だ、わたくしたちはこの特色をこれからも生かしていきたい。世界の土地の三分一のちかくをしめるアジア、そこにはさまざまな資源がゆたかである。そうして世界の人口の半分あまりおよそ十二億の人々がすんでいる。このアジアの国々は、たいていは農業の国だ。安くていい工業品をほしがつている。とくに東南アジアの国々は、日本工業のいいおとくいさきであるもめん製品、人造せんい、なべ、かまのようなかなもの類、せとものなど……。」
○辻委員長 小林君。小林君。御発言中でありまするが、どうかひとつ簡明にお願いいたしたいと存じます。
○小林(進)委員 「農機具、自転車、ミシン、おももやなどたくさん輸出している、しかしアジアの国々にもしだいに工業がおとつてきた。インドや中国のように、はげしいいきおいで工業がさかんになりつつある国もある。」このようにしてアジアの工業をこの教科書は論じているが、これを説明する場合に、教師は、当然アジア諸国との貿易関係の指導について、中共との関係に言及をしなければ、この教科書の説明はできない。このときに、中共の説明に触れたら一体どうなるんだ、偏向教育であり、民の教育と言われるか言われないか、具体的なそういう例も示してもらわなければならぬのであります。私は委員長か注意したから省略をいたしますが、以上四案に対して、これが民の教育か、偏向教育か、一つ一つ私は御説明を願いたいのと、なお最後に一問として。
○辻委員長 時間はとつくに過ぎております。
○小林(進)委員 文部大臣は、今日の日教組は七割以上の教師がいわゆる自主性を失つておる。指導者の通りに動いているということを言われた。私はこれは非常に気になつておる。もし七割以上の教師が自主性がないとすれば、われわれの子弟われわれの児童は——児童の七割以上の者は自主性のない教育を受けたことになる。いいですか、終戦後の日本の児童や子供たちは今日まで大半自主性のない教育を受けたというこの判断が一体正しいか正しくないか。そういうばかげた批判力と判断力と行動力もつて、今生き生きとして育て上げられているこの敗戦後の児童が、自主性がないなどというような見解に対して一体提案者はどう考えておるか。以上の問題に対してひとつ御答弁を願いたいと思うのであります。
○坂田(道)委員 各党の政策について御説明されるのは一向さしつかえありませんが、しかしその政策を実行しなければならない、これでなければだめだというふうに教え込むことは、これは偏向とわれわれは考えております。また世界の事情について教師が説明することは何らさしつかえありませんが、しかしやはり中共なら中共、またソビエトならソビエトだけがよろしいのであるというような話から、それではやはり共産党でなければならないというように教え込むといたしまするならば、それに抵触すると私は思います。
○吉田(安)委員 私は小林君の質問に対して、たまたま実例を示せということでありましたから、山口日記の一節を申し上げたのでありまして、山口日記に記載してあることすべてがどうというのではありません。その点は私の言葉が足らなかつたから御了承を願います。その点をよくお考えくださいますると、今おつしやつたようなほんとうにいいところもあります。でありまするから、あれが全部がいかないというのではないのであります。私が例をあげたようなことを御承知を願いたい、こう思うのであります。 〔「委員長々々々」と呼びその他発言する者あり〕
○辻委員長 まだ答弁が残つておりましたか。
○大達国務大臣 ただいまの御質問は、文部省の検定基準に関すること、並びに私が過日申し上げたことについてのお尋ねでありますから、提案者というよりは、私からお答えを申し上げる方がよろしい、かように存じます。文部省の検定基準を引いてのお尋ねであります。文部省の検定基準には、片寄つた立場をとつてはならぬ、こういうことを条件として規定してあるのであります。そこで偏向教育はどんな材料でもやろうと思えばできます。たとえば、文部省の検定基準の中に、どんな人を選挙したらいいか、こういうことが書いてあつた場合には、先生は良識に訴えて、真にわれわれを代表するようなりつぱな人を選挙すべきだと言えばよろしい。それをそう聞かれた場合に、共産党の人を選挙しなければならぬとか、社会党の左派を選挙しなければならぬとか、さようなことを言う先生は、これは良識のない先生であります。これは文部省のまじめにこしらえた検定基準を、悪用して偏向教育をする事例であります。それから税金のことでもみなそうであります。 そこで丹頂づるのお話がありました。これは速記録をごらんになればわかる。私が丹頂づると言つたのじやない。世間でみなそう言つているということを言つた。世間でそう言われることは、日教組が、つまり一部の赤の手に引きずりまわされているということを言つておるのであつて、それは大部分の先生に自主性がないということを世間が言つておるので、これは大部分の先生方が反省すべきである。このことに対して反省すべきであると言つたので、私が自主性のない人々である、こう言つたのじやありませんから、それは速記録をよく調べていただきたいと思います。
○辻委員長 辻原弘市君。 〔「赤に引きずられるとは何だ」「税金に対する答弁はないじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕
○大達国務大臣 検定基準には、税金で……。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 今答弁いたしております。御静粛に願います。
○大達国務大臣 税金としてとつた金で不当なことをしてはならぬ、こういうことを書いてあります。これはあたりまえのことであります。あたりまえのことでありますから、従つて役人に汚職があつたり、悪いことがあつてはならぬ、そういうことを教えるのはさしつかえない。しかしながら、これが何政党がそれをやつておるから、何政党に反対をしなければならぬ、そう言うのは偏向教育であることは明瞭であります。
○辻委員長 辻原弘市君、(小林(進)委員「坂田君、君に聞いておるのだ」と呼び、この他発言する者多し)小林君に対する答弁は一応済みました。辻原君。——辻原君。
○坂田(道)委員 不当な……。 〔発言する者、離席する者多く議場騒然〕
○辻委員長 坂田君、答弁はないでしよう。——答弁はございません。辻原弘市君。(発言する者多し)御静粛に願います。答弁は終りました。——答弁ないそうであります。(小林(進)委員「坂田君が答弁すると言つて立つたじやないか」と呼び、その他発言する者多し)あらためて聞きましたが、答弁ないそうであります。辻原弘市君。念のために申し上げます。あなたの方のお約束の時間は五分しか残つておりませんので、どうかひとつ、よろしく……。(辻原委員「それは違う」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然)御静粛に願います。
○辻原委員 まず第一に、大臣にお伺いをいたしますが、この修正案に……。 〔発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 御静粛に願います。
○辻原委員 修正案に……。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 質問が始まつております。御静粛に願います。
○辻原委員 ただいまの修正案について、先ほどからの大臣の答弁によりますと、この修正案による第三条の第二項の削除は、これは確かに私は先ほど聞いたのでありますが、原案と何らかわりないという答弁があつたと思うのであります。あらためてお聞きいたしまするが、大臣は、この修正案による第二項を削除したことによつて、原案といかなる相違が生れたか、この点について具体的に承りたい。
○大達国務大臣 修正案に書いてある「ための」という字は……。 〔辻原委員「委員長、聞えません」と呼びその他発言する者あり〕
○辻委員長 大声に願います。場内もお静かに願います。
○大達国務大臣 修正案に「ための」という字が入つおります。先ほどからこれがわからないということでありましたが、これは基本法第八条の項にある書き方と大体同じであります。従つてこれをもしわからぬと言うならば、驚いたことには、基本法の八条の二項がまだおわかりになつておらぬ、こういうことが……。 〔「何を言うか」「失礼なことを言うな」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 御静粛に願います。——御着席を願います。——御着席を願います。——善処いたしますから御着席ください。——善処いたしますから御着席ください。——着席してください。——善処いたしますから御着席ください。 〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 善処いたしますからとにかく着席してください。——とにかく着席だけしてください。——委員長の言うことを聞いてください。——委員長が善処すると言つておるじやありませんか。静かにしてください。 〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 山田君、善処いたししますから静まつてください。議事を進めたいと思いますから御着席を願います。——森君、森君、善処いたしますから……。 〔「どう処置するのだ」と呼びその他発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 お静かにしてください。私が責任を持ちます。取消させます。 〔発言する者、難聴する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 委員の方席へお着きください。——席へお着きください。(拍手「休憩しろ」と呼び、その他発言する号多く、議場騒然)ただいまの——ただいまの文部大臣の答弁中、不穏当の言葉がありましたならば、速記録を取調べの上善処いたします。御了承願いたいと存じます。(「だめだ、だめだ」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然)訂正申し上げます。——ただいま私の申しましたことを訂正いたします。先刻の文部大臣の答弁につきまして、文部大臣自身発言を求めております。これを許します。文部大臣。(拍手)
○大達国務大臣 先ほどの私が申し上げたかつた点は、この「ための」という法律上の使い方が新しい用例ではない、前にもその例はあるのである、こういう意味のことを申し上げるつもりであつたのでありますが、その間失礼な、礼を失した点につきましては、つつしんでおわびいたします。(拍手)
○辻委員長 辻原弘市君。(「休憩々々」と呼び、その他発言する者多し)辻原弘市君、御質問を続けてください。
○辻原委員 ただいまの大臣の陳謝でありますが、私は、私のいたしました質問は、きわめて重要なる部分について将来にわたつてこの点を明らかにいたしておく必要があると考えまして、まじめに真剣にお伺いをいたしたのでありまするが、その答弁が、これは私は本日ただいまだけの大臣の答弁であり、かつまたその態度でありますならば、ただいまの大臣の言葉によつて了承をいたすのでありまするけれども、しかしながら、これは委員長もよく御存じの通り、今日までの当委員会における大臣のわれわれ議員に対する答弁が、私たちは黙つて今日まで聞いて参つたのでありますけれども、速記録を見ましても、再三再四にわたつて議員を侮辱するかのごとき態度言辞をもつて臨まれておる点については、まことに遺憾きわまりないと私は考えるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ただ単なる言葉の上の問題でなくして、今日までの答弁に終始いたして参りました能度こそが、私は大臣の性格を露骨に表わしておるもの、かように考えるのであります。従つてただいまの陳謝に関しこの際、私の質問より端を発した問題でありますので、重ねてこれらの点につきましては要望いたしまして、この点は私個人としては了承いたすことにいたします。と申すのは、今るる申し上げましたように、今日かかる事態を引き起しましたことも、これも私は大臣の答弁における態度なり、この法案に対して世論がいかにこれを重要視しておるかということの把拠、ここに根本的な誤りがあると指摘いたすのであります。従つて、どうかひとつ、今後なお審議は継続され、さらに参議院においても審議が開始せられると思うのでありますが、かかる質問者の意図に反する答弁を故意にやつたり、事実を故意に曲げて議員を侮辱するがごとき言辞を以後絶対にやらないということの誓約を重ねて大臣から承りたいのであります。これを私は要望いたしまして、私の質問をそれに続いて続行いたすことにいたします。
○大達国務大臣 私は今までの答弁において決して委員諸君を侮辱するとか、あるいは……。 〔「何を言うか」、「まだそんなことを貴様一一言うのか」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 お静かに願います。
○大達国務大臣 あるいは愚弄するがごときことは毛頭なく、ただ私の考えをお答えいたしたのであります。その間さような誤解を受けておるとすれば、これは私の不徳のいたすところであります、
○辻原委員 まあ、率直に大臣が申し述べられましたので、これ以上私も申し上げません。 続いて質問をいたしまするが、さきに私が質問をいたしました点を再度御質問申し上げます。一体この修正案によつて二項が削除せられたことと、原案との間にいかなる相違が生れたかという点について私は具体的に承りたい、かよう申したのであります。
○大達国務大臣 原案を作成するにあたりましては、努めて処罰の対象となる、つまり教唆扇動の対象となる行為を厳格に解釈し得るように、その点に特に留意をして法案を、作成したのであります。しかしさような点からして、この用いました字句が非常に難解に陥つた、これは私どもも認めておるのであります。このたびの三党の修正は、これを「ための」という字句に置きかえられた、一項の方をそういうふうに直された、私ども解するところによりますと、大体二項に規定せられたことは、この関係で第二項においても包含せられておるもの、かように解釈しております。
○辻原委員 先ほどこの修正案の提案者である古田委員のこれに関する御説明を承りましたが、ただいまの大臣の答弁とは堤異なつておるやに承りましたので、この際吉田委員から、ないしはこれについて当初説明せられました坂田委員から、お二人から重ねてそれぞれの御見解を承りたいと思います。
○吉田(安)委員 辻原君のお尋ねでありますが、私の申し上げたことも、大臣のただいまの答弁もかわつていないと私は存じております。
○坂田委員 私は、第三条第二項は、第三条第一項に「ための」ということを入れることによつて、含まれるものと考えております。先ほど答弁いたしました通りであります。
○辻原委員 ただいまお聞きいたしますると、これは速記録を見れば明らかでありますが、先ほどの御答弁とは明らかに違つております。大臣の御説明をあなた方提案者がお認めになるとするならば、これは私は重ねて大臣に御質問をいたさなければ相なりませんけれども、結果的に同じであるとおつしやるならば、何がゆえに——相当長期間にわたつてこの法案が文部省においてそれぞの専門家を網羅いたしまして検討の結果生まれたものであろうと私は思う。「ための」を入れたことによつて二項全体が包括されるということであるならば、何を好んでさような三項を特につけ加えたかという点について、はなはだ私は了解に苦しむものであります。法律は厳密に解釈をいたさなければならぬと私は心得ます。従つてまつたく同じであるのかどうか、この点について重ねて大臣の御見解を承りたい。
○大達国務大臣 先ほど申し上げましたように、この点についてはできるだけ教唆扇動の対象となる行為というものをはつきり把握のできるようにということに留意をして、いわゆる第二項の法文が生まれたのであります。これはしかしそのために政府部内において非常に法案の作成が遅れた、こういうようなことではないのでありまして、いろいろ政府部内の関係方面の意見の調整その他に日数を要したのであります。この点一点に関連をしたというわけではありません。先ほど申し上げましたように、「ための」という字句が人れば、三項の規定は削除されても、それはその「ための」という字句の解釈からこの中に包含されると私は確信いたします。これは私の解釈であります。
○辻原委員 重ねてその点について大臣にお伺いいたしますが、これは先ほど聞いたはかりでありますので、私の記憶の誤りではないと思いますが、先ほど大臣の御説明によると、あるいはこれは吉田さんもその点に触れられておりましたが、山口日記の事例をあげて、従来山口日記はこの原案の一項によつては該当しないのだという説明がありました。二項によつてのみでなければできないという御説明があつたのであるが、「ための」を入れたことによつて、すべてが山口日記まで第一項において厳密に縛れるという点については、先ほどるる御質問がありましたが、私も大きく疑問といたすところでありますので、いま少しこの点について大臣なり提案者の吉田委員から承りたいと思います。
○大達国務大臣 山口日記は御存じの通りに、特定の政党の名前をあげて記述してはありません。従つて私は山口県日記をただあのまま教材とした場合に、それに共産党とか何とかいうことを付加しない限りは、第一項には該当しない、第二項に該当するものと考えておるのでありますが、今度「ための」という字句が入れば、山口県の日記というものは今度修正された第一項に包含されるもの、これに該当するものと考えております。
○辻原委員 やや具体的にお尋ねをいたしますが、第一項と第二項との相違点は、私は従来の御説明によつて次のように了解をいたしております。と申しますのは、第一項において明らかにこれを一つの犯罪要件と見るならば、その犯罪を構成するものについては、まず第一に「政治的勢力の伸長又は減退に資する目的をもつて、」ということがうたわれており、次に教員を主たる構成員とする団体もしくは運動を通じてということが第二の構成要件となつております。しかる後にこれらの犯罪構成要件の上に、特定の政党等を支持させまたは反対させる云々という言葉がそれについているのであります。ところが翻つて第二項を見ますと、第二項においてはそれらの範囲——一番末尾のいわゆる犯罪構成要件のうちの第三の、「特定の政党を支持付させ、又はこれに反対させる教育」というその教育の内容を規定している。この内容の規定のために、それが正常な意味の良識ある公民に必要な基本法に示す政治教育であつても、結果として、反対させ、賛成させるに至れば、これは取締る……。
○辻委員長 辻原君に申し上げます。お約束の時間が……。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 辻原君、発言中ですが、お約束の時間をはるかに越えておりますから、どうかその一問でおとどめ願います。
○辻原委員 従つて、第二項に言う場合は、これは明らかに第二項と異なる。政治的勢力の伸長もしくは減退に資する目的をもつてといういわゆる政治目的の構成要件が……。
○辻委員長 辻原君、御注意申し上げておきますが、おやめにならなければ発言を中止いたします。 〔「質問をやつているではないか、発言中だ」と呼び、その他発言する者多し〕
○辻委員長 中止をいたします予告であります。まだ中止ではありません、中止をいたすという予告をいたしたのだから、早くおやりください。
○辻原委員 その構成要件が第二項においては明らかにならないのであります。従つて私はこの第二項に言つている意味と第一項に言つている意味とは、これは全然問題は異なる、かように解釈をせざるを得ぬのでありますが、先ほどからの大臣の答弁によれば、これはあつてもなかつても同じなんだということは、いささか了解しがたいと思いますので、その点についてひとつ懇切な文部大臣の答弁を承りたい。
○大達国務大臣 第一項においてはこの犯罪の実態を規定しております。それには一定の目的、一定の方法、そして教唆扇動——一定の内容を持つている教育をすべきことを教唆扇動する、こういうことが犯罪の成立する要件であります。その場合に、一定の内容を持つている教育、これを第一項において特定の政党を支持させ、または反対させる教育、とこういうことを言つてある。このうちには第二項にいうような「至らしめるに足りる教育」もこれを含んでいるのだということを第二項には書いてある。従つて第二項の規定を読む場合にはあと先がつくのであります。つまり第一項に書いてある犯罪要件のうちの一定の教育内容といううちには、第二項のような教育を含むものである、こういうことが書いてあるのであつて、第二項と合せて初めてそこに全体の犯罪の構成要件が明瞭になるのであります。
○辻委員長 小林信一君。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 委員外の発言を禁じます。——委員外の発言をお控えください。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 委員の質問に入つておりますから、委員外の発言はお差控えください。——小林君。どうか質問を続けてください。
○小林(信)委員 先ほど来「ための」の問題について非常に論議があつたのでございますが、文部省側の答弁も、それからこの修正案を提案した人たちの答弁も、われわれにはよく納得できないのでございますが、その中でも先ほど小林進君が事例をあげて説明をされたときの文部大臣の答弁は、今後のこの運営にあたつて非常に疑問を持つ点がたくさんあるのでございます。その点まずお伺いいたしますが、どんな事象でも取扱い方によつては悪用できる、こう大臣がおつしやつた。従つてどんなことでも縛ることができるように法律はできておらなければいけないというような印象を受けたのでございますが、大臣はそういうふうにお考えになつて御答弁をなさつたのですか。
○大達国務大臣 これは偏向した教育を内容とするものを教唆——それをすべきことを一定の条件のもとに教唆扇動する場合であります。でありますから、偏向教育ということがその中心であります。偏向教育にわたらざるものは、これはもちろんこの法律の対象とするところではございません。
○小林(信)委員 今大臣は重大な失言をいたしました。本委員会におきにましてもそういう問題が今までにもあつたのでございますが、今晩はそこで陳謝をされました。しかしその陳謝も、大臣の言葉を聞きますと、私は委員を侮辱したつもりはないのだ、あるいは他党を云々言つたことはないのだけれども、そういうふうに誤解されるならばやむを得ないというよなうことをおつしやつたのですが、その大臣の心境というものは、今後五十万の教職員の心境になるわけなんです。自分がそういうつもりではなくても、この法律を運用する場合には、それらしい形跡があると思えば、今のように取締ることができることになるわけで、こういう法律をつくることは、私は非常に危険であると思う。ことにこの「ための」という簡単な三つの文字によつてあらゆることに適用できるというのは危険だと思いますが、提案者の方はそういう危険については何か考慮されておるかどうか、お伺いいたします。
○坂田(道)委員 「ための」を入れましても、そういう危険はないものと私たちは考えております。
○小林(信)委員 すぐそばで文部大臣がはつきり言われたのです。いかなる言葉を人れても取扱い方によつては悪用できる、つまり編向教育ができるのだ、従つてそういうものに万全の措置を講ずるのだというのです。従つてこの「ための」という言葉を使つただけでもつてどんな場合にも適用でぎる、もしこれが悪用された場合は、教育者はその教育することに誠意を持つたり熱意を持つたりすることはできない——何かそこにあなた方提案する方からいえば、こういう点で心配はございませんということがあるかどうか、お伺いしたい。
○坂田(道)委員 地方教育委員会の要請を待つて初めて論ずることになつておりますので、その御懸念はないと私たちは確信をいたしております。
○辻委員長 小林君にお願いを申し上げますが、先刻の理事会におきまして、今晩中に討論、採決を終るというようにかたいお約束をいたしてあります。(発言する者多し)まだあなたの時間はございますが、なるべくひとつ簡明にお願いを申し上げたいと存ます。(発言する者多し)御了承の上、簡単にお願いを申し上げます。
○小林(信)委員 大分ごたごたしておるようでありますが、委員長の力でもつて御注意願つて、質問できるようにしていただきたい。議員を整理していただきたいと思うのであります。 先ほど松平委員が人事院総裁に質問されたことと関連をするわけでありますが、私は人事院規則を適用することの内容について、この際いろいろと質問をいたしたいのでございます。人事院総裁はおられますか。 〔「いない」「呼んで来い」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 人事院総裁は特に松平君から要求がありましたので、お呼びをいたしたのでございますが、それを承つておらなかつたので……。(「来た来た」と呼ぶ者あり、笑声)小林信一君、人事院総裁が参りました。
○小林(信)委員 人事院規則を適用するような場合は、要するに人事院の機能というものは、その公務員に対して身分を保障するとか、何か利益になることをするのであります。従つて人事院規則を設け、しかも罰則まで備えておくわけでざいますが、今日の法律によつて人事院規則が適用されるけれども、その公務員は地方公務員であつて、何ら人事院の機能の影響を受けることがないのでございます。与えるものがあつて、初めて拘束するものがあるわけなのであります。ところが、人事院は拘束するだけであつて、おそらく地方公務員に対しては何ら与えるものは持つておらないと思うわけでございます。こういう見地からしますと、人事院規則を適用することは、人事院としては正しいとお考えになりますか、おもしろくないとお考えになりますか、お伺いをします。
○浅井政府委員 お答えいたしますが、人事院規則は国家公務員のためにつくつたものでございます。このたびこれが地方公務員たる教員に適用されますのは、この法律案の「例による。」というところから来ておるわけでございますが、この「例による。」というやり方によつて国家公務員の法制が地方公務員に適用されることは決してこれだけではございしません。ほかにも例があることでございます。たとえば給与のごときはこの例によつておりますか、この点において拘束することはございません。
○小林(信)委員 しかし給与とそのほかの問題は、別に罰則というものかないわけなんです。しかしこれは例によると同時に罰則を持つておるわけなんです。そういうことまで適用されておる例がございますか。
○浅井政府委員 私の記憶によれば、給与法にも罰則はございます。
○小林(信)委員 人事院規則を適用する場合におきまして、文部省におきましても、あるいはこれを修正された方たちにおきましても、今私が申しましたように、与えるものがない、ただ罰則だけを適用するというようなことは非常に問題だと思うのでございます。そういうことがこの逐条審議をして参りますと非常に多いのでこございますか、私はこの際一つだけその問題を取上げてよくお伺いをしたいと思うのでございます。それは扇動と教唆の問題でございますが、教唆扇動というようなことは、破防法においてもこの解釈は非常に問題になつたわけであります。ところが今回は勇敢に教唆罪も扇動罪も簡単にこれを盛り込んでおるわけです。そこでこの際お伺いしたいことは、犯意がなくて、罪を犯そうとする意思がなくて、それが教唆になる場合もあると思います。それから扇動をしても、それが実際犯罪的な行為にならない場合もあるわけなんです。こういう点につきましては、文部省としては相当な考慮があると思うのでございますが、いかがですか。
○大達国務大臣 この教唆、扇動を対象とした規則は一定の目的を要件としております。でありますから、すべての場合において、犯意を云々することはあり得ないと私は思います。これは全然絶無ではありませんでしようが、しかし犯意がなければ犯罪が成立しないことは通説であります。 それからもう一点は……。
○小林(信)委員 扇動の場合です。扇動してもそれが行為にならない場合。
○大達国務大臣 これは教唆扇動という、つまりそのことだけをもつて独立して犯罪となるのであります。従つて教唆扇動をされた相手方が、その教唆扇動によつて何らかの行為をする。つまりここで言うと、偏向的な教育をするということは必要ではないのであります。教唆扇動すること自身が、それだけで独立して犯罪となるのであります。
○辻委員長 小林君、申合せの時間はすでに過ぎておりますので、簡単にお願いいたします。もう一問にしてくださいませ。——小林君、あなたの十分は、とつくに過ぎておりますから……。
○小林(信)委員 そうすると大臣にもう一点お伺いいたしますが……。大臣、だれの話を聞いておるのですか。——犯意がなくて、それが教唆になるような場合は、これは犯意がないのだから、犯罪にはしない。それから扇動をしましても、それが行為に何ら現われなかつたという場合には、これは犯罪として取扱わない、こういうお考えですか。
○大達国務大臣 先ほど申しました点につきましては、犯意がなければ犯罪か成立しないことは、これはすべての犯罪について通則だろうと思います。それから教唆扇動ということは、教唆扇動だけをもつて、それだけが独立して犯罪となるのでありますから、教唆扇動の結果、先生が偏向教育をしたかしないかということは、その教唆扇動の罪の成立には関係がないことであります。
○辻委員長 小林君——小林君、(小林(信)委員「もう一つお伺いしたい」と呼ぶ)もうお約束の時間がとつくに過ぎておりますので、どうか約束を守つてこれでおやめを願いたいと思います。(小林(信)委員「もう一つ」と呼ぶ)発言を許しておりません。これでおやめいただきます。 〔「あとまあやればいい」「質問者を突き飛ばすとは何だ」と呼び、そ、の他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 御静粛に願います。——ちよつと御着席ください。——御着席ください。 〔「委員長、一体どうしたのだ」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 まず御着席ください。——御着席ください。——御着席願います。 〔「委員長、発言中の委員に暴行を加えていいのか」と呼び、その他 発言する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 着席してください。 〔「早くやれ」「何を言うのだ」と呼び、その他発言する者、臨席する者多く、議場騒然〕
○辻委員長 ……。 〔発言する者、離席する者多く、議場騒然、聴取不能〕 〔このとき速記用紙を奪取され速記不能〕
○辻委員長 ……(発言する者、離席する者多く、議場騒然、聴取不能)明日午前零時五分より開会いたします。 時に午後十一時五十五分