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19回国会衆議院1954/03/12

文部委員会 第16号

発言数
132
登壇者
17
会派数
5
開催日
1954/03/12

会議録

辻寛一自由党

○辻委員長 開会いたします。  義務教育学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案、教育公務員特例法の一部を改正する法律案の両系を一括して議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。  この際当委員会は教育の政治的中立の確保に関して実情の調査のため委員を派遣いたしましたが、その派遣委員か帰られましたので、その実情調査報告を聴取いたしたいと存じます。  まず第一班山口県より順次御報告を願いたいと存じます。時間は大体理事会において申し合せましたごとく、一班三十分以内において、もし各個におやりになりますれば一人平均十分以内、こういうことになると思いますので、御了承願いたいと思います。前田榮之助君。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 第一班は最初山口県へ参りまして、教育委員会の会館におきまして、県教育委員会と、県教組と、それからPTAの会長、それから県教組のほかに、教員組合はいわゆる第二組合ともいうべき学校職員団体連合会というものがありまして、その方からも来ておりまして、それから県下の校長の代表者が三人ほど見えておりまして、われわれ三人が質問をいたしまして、その質問に応じて答えるという調査の方法をとつたわけであります。それで問題は山口県の日記帳そのものが教育に偏向したものであるかという点につきましては、県教組を除くほかの方面は、大体内容において偏向の点を認めておる様子でありました。しかしながらこれが教育にいかなる影響を来したかという点になりますると、実際教材に使つたか使わないかという点等も見解の相違がございまして、実質的には最初は教材に使うという意図があり、使つたもののように感じられた点がございましたけれども、輿論がやかましくなりまして、教材には使つておらないということが大体私の感じでは真実のように見受けたわけであります。従つてこのことが各義務教育の実際において、偏向の弊害を与えたかどうかという点につきましては、実質的にはほとんど与えたという形跡は見られない情勢であつたように思われたのであります。ことにこの偏向のはなはだしい地点といたしまして岩国があげられておるのでありますが、岩国におきましても市教育委員会が早く取上げまして、市教育委員会がこの使用をほとんど禁止的な状態へ持つて参りましたために、実質的には引上げ等は行つておらぬようであります。けれども、弊害は特に見るべきものがなかつたと言つてよい程度のように思われたのであります。  それからその点につきましては、この岩国等へ参りまして、岩国の学校職員並びに教育委員会、PTAの代表者、その他地方の市会議員、単なる父兄の関係、こういう者も参列をして、それから学校職員の中で実際にどういうことをやつたかということを調べましたけれども、実質的にはこの日記帳というものを教材として——ただ日記の指導をいたしたのはこれは当然いたしておりますけれども、強くこの日記帳を利用いたしまして、そうして欄外に書かれた偏向といわれておるものを力強く利用したような形跡はほとんど見られないという情勢であります。  それからわれわれの調査の直接の目的ではなかつたのでありますが、文部省の資料として出されておりまするところの山口県大島郡安下庄町の問題が、ちようど山口県へ参りましたので、この事実を調べたのでありますが、この資料によりますと、野口安一なるものが学校におけるところの偏向教育について非常に非難をいたしまして、そうしてその町内の掲示板等にビラを書いて非難をした、これをかような偏向が事実あるのだというように、文部省は鬼の首をとつたような意味でこういう資料を出されておるのでありますが、この野口安一に会いたかつたのでありますが、病気で休んでおりまして、とうとう会うことはできませんでした。それから教育長にはわれわれが帰るまでには会いませんでしたが、山崎君はあとに残つて——会つたかどうか、それは山崎君が帰つて来なければわかりませんが、ただ教育委員会が、かわつてと称して、教育委員であり町会議員である者がわれわれと会見をいたしたのであります。そのほか学校長やPTA関係等の者に直接会つて調べたところによりますと、野口何がしというものはほとんど無職であつて、いわば無頼の徒とまで言うほどでもございませんけれども、社会から相当非難を受けておる人物であるとも言われておりまして、これがたまたま学校に対して非難をいたしておるのでありますが、しかしこの人がこういうような非難をする割合に、学校へ自分の五年生になる女の子を通わせながら、その五年間にただ一回くらい学校へ連絡に来たくらいの程度であつて、学校の事情等を調べるほどに教育に熱心なのでも何でもない。そういう者であつてなお非難をするということが、はたして妥当なものであるかどうか。だから扇動されてこういうことをやつたのではないかというようなことも考えられるのでありますが、この点は明確ではございませんけれども、そういう傾向であつたことだけは間違いない。ことにこの校長は安本という校長でありますが、この校長は政治的には共産主義などという方向は全然ない人でありまして、実際においては社会党右派の受田新吉代議士の崇拝者でありまして、選挙のたびごとに一生懸命にやるという人でありますが、左派を推す人でもなければ、容共などということは全然口にも出さぬ人であるにもかかわらず、容共的云々ということで非難をされておるようでありますが、これらの非難は全然当らないものであるということを私は見て参りましたので、この文部省の資料というものは、いかにも軽卒な、根拠のないものを出されておるように見受けたわけであります。  日記帳のことは、日記帳に書かれた欄外の記事等は、すでに皆さんがお読みになつておりますから、この問題については私は説明する必要もないと思います。ただこの日記帳が偏向しておるということをかりに認めて——私もある程度まで認めるものでありますが、認めたといたしましても、実際に岩国が中心になつて問題になつておるのでありまして、約一万部ほど出ておるようでありますけれども、幾らも使用しておらない。全部で岩国に七百六十六冊出ておるのでありますが、岩国の小学校の中で、世間で最も左翼的だと称される学校でさえも、三分の一にも足りないものしか使用しておらない状況であります。しかもそういうようなことであるために、全般の生徒が教材として持つておるならば、かりに左翼的な先生がおつて、それを教材として生徒の前で欄外の記事を読んで聞かして、そうして左翼的な思想普及もやれるわけでありますが、きわめて少数の生徒が買つておる程度でありますから、そういうことのできないのは真実であろうと思います。そういうような点から考えましても、最初県教組の意図が、あるいはそういう偏向教育をしようという意図であつたかもしれませんけれども、実質的にはそういうことがないこと、それからそのことは中央の日教組の指令に基いたものでなく、県教組のかつてな立場でやつたという情勢は大体のみ込めるわけであります。     〔「大臣はどうした」「大臣を呼べ」と呼び、その他発言する者多し〕

辻寛一自由党

○辻委員長 要求しておりますが、今参議院の予算委員会に出ております。ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕

辻寛一自由党

○辻委員長 速記を始めて。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 それで山口県の日記の中に書かれている欄外記事については、県教組と多少意思の通じた人々については、大体において平和教育に基くものであるから正しいという意見が強く主張されましたけれども、他の団体は、偏向教育が中に織り込まれていることを大体認めたようであります。しかしながら前にも申し上げましたように、偏向教育を実際いかにしたかということについては、直接教育にはそう弊害はなかつたということで、弊害と認めるものはきわめて少い。教材として実際に使つたというようなことについても、きわめて不明確だというようなことで、中央でかように大きく問題になつたことをびつくりいたしたという傾向がきわめて強かつた。これは各団体ともそういう傾向であります。それから県教組が左翼的であることから叛旗を翻しました県教育職員団体連合会、これが第二組合なんですが、この第二組合の連中の意見は、こういうことで今回提出された二法案が出ることは遺憾であつて、われわれはこの二法案に反対する、こういうことで、偏向だと言うて文部省の方で非難されておる人々に叛旗を翻して、あなた方の味方になるだろうと思われる方々が、この法案についても反対であつて、遺憾であると言つて、こういうことを非難しておりました。  それから岩国においては、あそこに憲兵が——憲兵少佐か何か階級は知りませんが、おりまして、しかもあそこのPTAの優秀な連合会長であつたかどうか、そういう役員をしている方で藤岡という方がおりました。職業は農業をいたしておるそうでありますが、この人が、今度のこういうことで岩国の問題が大きく問題になつて、これが今回教唆、扇動等による刑罰に処せられるというようなこと等の法律が出たことについては、これこそ言語道断だという非難をいたしておりました。  こういうような情勢でありますから、大体といたしましては、左翼的である日記帳の回収は認めておりながら、この問題は、教職員あるいは県民、市民の自覚といいますか、それらの良識において、実際教育に、文部省が考えたほどの弊害は与えておらない、実害は与えておらない、こういうのが実情だということを認めて参つたわけであります。

辻寛一自由党

○辻委員長 亘四郎君。

亘四郎自由党

○亘委員 文部省から本委員会に提出されました偏向教育の事例の資料といたしまして、山口県の日記があるわけでありますが、この真実性を確認する意味におきまして調査に参つたものでございます。私ども三人の委員は、山口市並びに岩国市の両市に参りまして、県教育委員会、教育長、指導課長、また県PTA連合会事務局長、その他中小学校の校長、県教職員組合並びに県教職員団体連合会、こういう方方からお集まりを願いまして、いろいろ御質問を申し上げて参考にいたしたわけであります。  最終的に申し上げますると、ただいま前田議員から言われたように、この日記の欄外記事は明らかに偏向教育の形が認められるというのが、県教組の方々を除いた他の諸団体の意向でございました。そこで実害の点から申しますると、これは教育委員の方やPTAの方の良識によつて、このものがあまり深く児童に浸透しない間に阻止できたということからいつて、児童に与えた影響の実害は案外軽微なものであつたことも認められるわけであります。まず教組の方々のこの日記を編纂いたしました動機あるいは目的は何であつたかということを聞きますと、自分らが子供の生活指導をして行く上において日記を用いたのであつて、あらゆるものが大体親米的に取扱われておるのが今日の日本の状態である。従つて児童がその親米的一方の考え方にあるものだけを材料に持つということは、平和教育を推進するゆえんではないからして、そのバランスをとるために、こうしたカレント・トピツクスとして今いろいろ論議されておる記事とつて欄外記事として載せたのである、これは児童の平和教育を推進して行く上において必要である、こういう動機によつて編纂されたものであると言うておるのであります。そこでこのバランスをとるということは、一方が親米的であるから親ソ的のものによつてこれを中和するという考え方である。そういたしますと、この日記編纂の意図は、明らかに親ソ的の意図をもつてなされたということは、彼らの語るところによつて私どもは解釈できるのであります。これは明らかに偏向教育と申してさしつかえないと思う。また教材としてこれを扱つておらなかつた、きわめて限られたものに日記指導としてやつたのであつて教材ではない、こういう説明でございました。しかしながらいろいろ承りますと、各児童を集めまして十日あるいは一週間おきにこれを日記指導という形でもつて話合いをするのでありますから、そうした話合いをした児童には、これは教材でなくても、明らかに教材として取扱われるところのおそれは十分あるものであつて、県教育委員会等におきまして、これを教材と解釈いたしまして不適当という烙印を押して中止させようとしたことも、私は、適切な処置ではなかつたか、かように考えるのであります。  またここに一番注目に値すると考えられましたものは、県のPTA連合会事務局長の脇本氏の言でございましたが、この山口県におきまして教育会というものがある。その教育会を構成しておるところの人々はPTAの方も参加されておりますし、おおむね七千名からの会員がある。この教育会の決議といたしまして、これは偏向教育として恐るべきものが包含されておるということで決議をいたしまして、この日記を児童に使用させることを禁止することになつたわけでありますが、その際これを禁止することに賛成された方が、教育会の方々のうち七五%で、三五%が反対されたということなのでございます。そこでその決議といたしまして、何ゆえ不当であつたかという意見が述べられたのでありますが、これは私ども十分傾聴に値するものだと思うのであります。第一番目には、まだ児童の心理的に十分発達しておらない段階において、今の欄外の記事は適当でない、こういう認識を持つたことが第一。第二は、その内容が反米親ソ的である。それで児童に親ソ的な先入観を植えつけさせるためにこれがなされておると思う。そうすると今の複雑、多難、微妙なこうした国際関係において、米ソいずれを可とするかあるいは不可とするかというようなことを、この児童の判断に求めることはまことに無謀である。そうしたときに親ソ的な形を先入観をもつて植えつけさせようとすることは恐るべきことである。これが第二点であります。それから第三点といたしまして、単に自分らはこの日記だけを問題にしておるのではない。県の教組執行部が平和主義教育の指導方針といたしまして、平和教育という美名のもとに、判断力の未熟な生徒に、一方に偏したところの社会思想を吹き込み、過激分子の陰謀に味方することになるおそれがある。そうしたことは自分ら生徒を預けている父兄として黙視するわけには行かない。こういうことからしてこれも反対の意見が強く打出されたわけでございます。また列席されておりました中小学校の先生の御意見でございましたが、自分らは現場職員として、組合等の関係において幾多困難を感じておる。それは現場職員として適当でないというものでも、組合の指令としてその意思に従わなければならぬということが一番困難を感じておる点である。こういうことを申されておつたのでありまして、この教組なるものが、そうした非民主的な考え方を持つて、その構成メンバーであるところの良識あるりつぱな先生方がほとんどこれに盲従をしいられるというようなことは、実に考えなければならない問題ではなかろうか、かように感じたのであります。また今も前田委員からお話がございましたように、今までの教組の活動方針に納得が行かなくてわかれられた職員団体連合会というものがございますが、この方たちの御意見は、日記そのものは確かに偏向と見なす、しかしながら今出そうとしておる二法案に対しては、やはり自分らは絶対反対する、こういう御意見があつたわけであります。しかし考えてみまするに、この二法案にそうした反対をされる意見の方々は、おおむね教育と自由という現実から遊離した上に立つての御意見でありまして、この現実を考えますときに、先生方の考え方に私自身は少々賛成をしかねる点があつたわけであります。なお私は調査に参りまして最も考えさせられたものは、この教組の活動のまことに敏捷にして徹底した活動の跡をつぶさに知ることができたのであります。それは岩国市へ参りましたときに、そこの教育委員会の方あるいは教育長の方が、私どもの調査にいろいろ便利をはかつてくださるように努力してくださつたのでありますけれども、私どもの参ります時間やそうしたものが徹底しておらなかつた。従つてお集まりをあつせんしてくださる立場に立つて、十分連絡がとれなかつたにもかかわらず、そこにお集まりになつた父兄の方方の意見が非常に強かつたのであります。お集まりになつた父兄の方々は、ほとんど全部この日記の記事というものは決して恐るべきものではないという意見であつたわけであります。そこにお集まりの父兄の方々に、山口市における状態とまつたく違つた結果を私ども見たわけであります。しかも岩国市はこの日記の問題の起つた根源地である。こうしたときに私どもが見せられたものは、今日私ども三委員が行くにあたつて、事前にいち早く父兄に連絡をとつて、その席上において父兄に訴えるべき要領を配つてあつたという事実をはつきり知らされたのであります。こうした点から見まして、その活動がまことに徹底しておる。しかも一方的な自分らの擁護の形を強く打出そうとしておるということが明らかにされたわけでありまして、こういうことはその父兄の一人といたしまして、かつて憲兵であられ現在農業をしておられる藤岡さんの御意見がありました。この藤岡さんという人はまことにりつぱな紳士で態度もきれいであつたということは認めますけれども、やはりかつて憲兵であつたと同時に現在共産党員であるということも前田委員の方から説明が漏れておつたのではないかと思うのであります。そういう点を私一言申し上げます。

辻寛一自由党

○辻委員長 第二班の報告を聴取いたします。田中久雄君。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 私ども第二班は岐阜県と京都へ参つたのでありますが、全般から見まして、調査は静粛に行われました。かつ関係者の意見は非常に詳細にわたつて伺うことができました。われわれの私見を交えずに、参考人として触れました人々の意見をそのまま御報告申し上げまして御判断を願う方が適正だと思います。概括を申し上げますと、岐阜の方はあまり大したことはなく、京都の方はいずれにしても、一口に言えば相当うるさい問題であるということが感ぜられたのであります。  岐阜の方から初めますと、問題の第一になつておりました益田高等学校、ここの教員の田中達郎という人が破防法の嫌疑を受けまして検挙せられた。そうして起訴をせられて目下裁判になつておる。御当人はすでに合意の上で辞表を出してやめておる、こういう実情でありますが、この田中達郎教諭というのはどういう人かといいますと、学生中格別にそういう思想活動をしたことはないということが警察も認めておる事実のようであります。この田中教諭は学校の成績もたいへんよかつたのでありますが、学校を卒業すると同時に先生になつたのが四月であります。そうしてその年の十月に検挙せられたのであります。学校は愛知大学の経済学部を卒業しまして、その間何でもなかつた。それがどうしてそういうことになつたかといいますと、生徒の中に中川佳也というのがおつて、これは家庭的に非常に不幸な子供でありまして、父親は軍人の少佐であつて、満洲で終戦を迎えて非常に苦しんだ。その後父親が死んで母親は旅館の裁縫師になつて働いておるという中におりまして、放任せられておつた生活のうちに、からだも非常に強くて、多少狂暴性もあつて、前に同僚の生徒に暴行を加えて学校で処罰せられたこともあるという、家庭的に不幸な子供でありました。これがどういうかげんか共産党員である斎藤彰治というその地方では相当な共産党員と交際し始めて、大して深い思想はわからなかつたかもしれませんが、非常に激越な方向へ進んで行つたようであります。田中達郎教諭のところへは、この中川初め四、五名の学生が常時遊びに来ておつた。そんなところからたいへん騒ぎが大きくなつたのではないか。中川が先か、田中教諭が先かは警察もわからぬというておりますが、警察ではやはり田中の方が思想的には先でなかつたかというのであります。こういうぽつんと起つた事件でありまして、これは教職員組合へは組合員としては入つておりますけれども、役員になつたこともなく、四月先生になつて十月にやめたのでありますから全然無関係である。ただその後において一回だけ復職を頼みに来たことが二十八年の八月にありました。そのときに共産党の友人なる者がついて来まして復職を頼んだそうでありますが、すでに本人は当時の斎藤校長に辞表を出しておるといつたら、その辞表は校長が圧迫して書かしたということを言つたそうでありますが、本人を呼んで対決させますと、校長の気持を察して私が出したということで、共産党員はそのまま帰つたという話であります。こういうわけで、概略でありますが、これは突然ぽつんと起つた一つの事件でありまして、破防法で起訴をせられておりますけれども、その後学校内部にも何らの動揺も起らなかつたという特殊な事件でありました。  もう一つの、恵那郡の中津川小学校で昨年の十二月一日に、中津川の小、中学校及び教組主催で大井小学校講堂で行われたという事件であります。そのときに松川事件の裁判のことを取上げて、要請書をつくつたということが一つの問題になつておつたのでありますが、これもその恵那郡の中津川教組の委員長、書記長及びその辺の地教委の連絡会長などを招致しましていろいろ実情を聞いてみますと、これは当時その辺は冷害地のために欠食児童が出て来た。これに対してどうするかというのが会議の主たる目的でありまして、授業は繰りかえ授業をいたしまして、十二月一日の水曜日に行つたものだそうであります。午前十時から十二時まで会合を持ちまして、冷害地の欠食児童の問題、それから教育予算の獲得についてどうするかという問題、人事異動の問題、こういうものを終りまして、午後は農村教育の研究会に入ることになつておりましたが、ちようどその終りごろに列席者の一人の教職員から、松川事件とは一体どういうことかという質問が行われた。これに対して執行部の方から松川事件はこうこういうふうに聞き及んでおる、こういう答弁をした。また次々と二、三の質問がありまして、それではというのでこの要請書をつくつて、鈴木裁判長に出そうということにきまつた。その要請書というのはどういうのかというと、「要請書、近ごろ新聞雑誌その他でいろいろ問題になつております松川事件の公判について私たちも深い関心を持つております。私たちは各判事の方々の良心を信頼して公平なる裁判が行われることを信じておりますが、あくまで司法権の独立を守り通すため、公正な裁判を行われますよう要請いたします。一九五三年十二月一日、岐教組恵那支部、鈴木裁判長殿。」こういう要請書をつくつて出したというのであります。要請書の文言はただいま読みました通り、格別これが一党一派に偏するものではない。また逆に——逆にというとおかしいですが、各判事の良心を信頼しておるが、ひとつ公正にやつてくれという激励のような要請書だというのがわかりました。ただこの際少し変に思いましたのは、集まりの目的が欠食児童の問題である、教育予算である、人事異動である、こういうときに、終りごろにぽつんと立つて、松川事件という直接関係のないことを持ち込んで、しかもこれがあつという間に、五、六分でよかろうというので拍手できまつたというのであります。その間に何か作意があつたのではないかということも申しましたが、当時新聞でいろいろ書いておつたので、多少の関心を持つていられたものと思う。格別に計画的なものではなかろうということでありましたが、あまり突然であつたので、少し変な感じはいたしましたが、大した悪意はなかつたと思われるのであります。  もう一つは、岐阜県の教組が「教育時報」というものを発表しております。そこにメーデーに参加しようと書いて大きなものが出ておる。これは五人に一枚の割合で二千部印刷して各教組単位に分会にまかれたそうであります。これはどういう動機でまかれたか、こういうことを尋ねますと、中学校の三年の社会科にはメーデー、労働祭という科目があつて、三省堂発行の中等社会科六の十二ページにそういう科目がある。ところがことに地方の先生は、メーデー、労働祭というものがどういう起源で、どういうことが起つて来たのか的確なことを知らない。そこで何か参考資料はないものかという問い合せがありましたが、事はやはり教科書の説明であるから、いろいろ探したけれども的確なものがつかめない。そこで昭和二十七年、一昨年のメーデーの前後に、日本労働組合総評議会の発行になりますメーデーの解説、これを間違うといけないと思いまして、日本労働組合総評議会資料より、こういうように出所をはつきりしまして、そしてこれを印刷して、あくまでも教科書の詳しい、何といいますか、説明の資料として配布をしたというのであります。学習の参考資料として配布した。ところが別に二十七年は何もなかつた。二十八年も子供からいろいろ聞かれるからというので、やはり同じものを刷つた。このときにはすでに別の資料というものをつけ加えたので、別にそうは書かずに、社会科指導の参考にしてください、こう書いて同じ文章をやはり同じ数量まいたというのでありまして、この間に格別な偏向教育をやろうという意思もむろんなく、またメーデーというものについては、ほかに参考資料がなかつたので、当然やらなければならぬもので、公的な資料であつたと思つて実はやつておつただけのものであつた。こういう解釈でありまして、三人とも大体それには間違いがないように思つたのであります。この三点が岐阜の調査でありました。  京都の方は駅へ到着をいたしますと、教育委員会及び教組から三、四名ずつ。それから旭ケ丘の父兄の方から、旭ヶ丘の偏向教育はないということで十四、五名陳情に来ておられまして、ぜひ自分らの学校へ来て見てほしい、自分らの学校は決して偏向教育はないと思うということで、ぜひ見てくれという強い要望が嘆願書をもつて述べられました。私が三人を代表いたしまして、われわれは必要とある方々にお出でを願つて、静かにお聞きをしたいのであつて、大衆の中へ出て行つて大勢の人から聞く意思は持つていない。どうしてもそういう必要があれば、こちらから伺うこともあるかもしれないけれども、今の段階においてはそういうことはいたしませんということを言つて断りました。同時にあまり騒がないでいてほしい。われわれは実態を見に来たのであつて、皆さんの要求や意見を聞きに来たのではないから、誤解のないようにということを強く申入れをいたしました。翌日は市役所の市会議長の応接室を提供せられまして、きわめて静かに午前九時から開始をいたしました。まず第一に旭ケ丘の中学校と大将軍の小学校の両方の問題につきまして、市の教育委員全員、それから市の教育長及び指導部長、それから区の教育委員が二名立会いまして、そのほかに一、二名職員がまじりまして、約二時間近くにわたつて詳細に報告を聞いた次第であります。このあとで全部出てもらつて、旭ヶ丘だけの校長を呼びました。それから旭ケ丘の校長が済みましてから、偏向教育ありとする父兄の代表五角を呼びました。それからそれが終つて一回ごとに全部出てもらうのでありますが、偏向教育はありませんという人を五人呼びました。それからその次に京都市の教組の中学部会の部長と書記長及び京都府の委員長の三人においで願つて、教組としての考え方を伺つたのであります。大将軍の方も同様な方法で校長以下別々に話を伺いました。  そこで旭ケ丘の方でありますが、これは非常にかわつた現象だと思いますことは、偏向教育ありとする方の熱心な主張者は、代表的に十五人で、大多数の父兄の方は、偏向教育なし、非常にいい教育が行われておるという説明でありました。まるきり両極端であります。そこで旭ケ丘の偏向教育ありというのはどうかといいますと、教科の内容その他について、子供の言動や、子供が学校で聞いて来ることなどについて、かなり注意深くながめておる父兄が多い。一口に申しますと、いわゆる知識階級、大学の教授であるとか、新聞社の社長であるとか、あるいはPTAの副会長をしておる婦人であるとか、相当教育の内容について深い関心を持つた少数の方々であります。それからそうでない方の、千人もの、いい教育だと言う方はどうかというと、いわゆる一般の人々であつて、PTAの活動なんかを先生方と一緒にたいへんにぎやかにやつて、民主的にわれわれの意見も通るし、よくやられておるというので満足しておる。そこに格別な危惧も持たず、ただ非常にいい学校だ、その証拠には就職率もいいし、入学率もいいというふうに述べられておりましたが、少数の父兄の方たちは、非常に信念的というか、非常に真剣でありまして、偏向教育ありとする考え方からむしろ非常に苦悩しておられる。PTAの副会長をしておられた婦人などは、もう涙のこぼれる寸前まで話をせられて、非常に真剣に偏向教育ありということを、たいへん熱心に事例をあげて言われておりました。  そこで京都市の教育委員会は旭ケ丘中学校長に対しまして勧告を出しております。非常に長いのでありますが読みます。    旭ヶ丘中学校長に対する勧告旭ケ丘中学校の教育についてはかねて特別の関心をよせていたところ、またまた去る十二月十五日に御校保護者有志の陳情を受けた。当教育委員会において御校の教育の実際について検討した結果、その運営の方法において適切でない点があると認められるので左記の勧告をする。  ついては、勧告の趣旨を充分に生かして、御校教育の改善進歩をはかられたい。  時恰も昨春は校舎の一部を焼失し、その復興も未だならず、幾多の困難を伴うことは察するに余りあるが、校長は学校経営の責任者として、教職員一同の和合をはかり、保護者をはじめ、校下市民の積極的協力を願い、生徒の努力を促し、旭ヶ丘中学校をして、よりよい学校たらしめるよう努められたい。     記  一、教育計画の整備をはかり、校長教員の責任を明らかにすること。文部省指導要領一般篇、各教科篇及び本市教育計画を基準として、御校の実際に即した計画を立てること。   特に特別教育活動(ホーム・ルーム、生徒会活動)の年次、年間計画の設定には格段の注意を払われたい。校長はその計画の設定及び運営については、監督及び指導の責任を明らかにするとともに、教科担当及び顧問教員をして、それぞれ計画実施上、責任ある指導をせしめられたい。  二、指導方法を検討し改善すること。生徒の自主性をつちかい、その能力を充分にのばさせるには自由の雰囲気が必要であるが、放任であつてはならず、混乱であつてもならない。校長始め教職員一致してよく生徒の発達段階と個人差に応じ、社会的環境をも理解してたえず指導計画の工夫改善をはかり、その方法の適正を期せられたい。  三、教員の組合運動と教育実践について、その限界を明らかにして混乱を来たさざること。   教員が個人として政治的団体や教員組合に加入してその団体の決定になる政策や方針を支持することは、自由であるが(但し、地公法第三十六条第一項に違反してはならない。)生徒を対象とした教育実践には、学校の教育計画を無視して、それら団体の主義主張を直ちに持ちこむことは許されない。ことに、日本の現状から教員が危機意識をもつとしても、徒らに焦燥感に駆られて、その危機意識が生徒に直ちに理解され、解決されなければならないとしたり、又は唯一の解決の方途を示し、且つ誘導することは、当然避けなければならない。  四、教育基本法第八条(政治教育)を遵守すること。   平和を愛好する人間の育成に努めることは、教育基本法に示されている通りである。その為に現実の社会的諸問題をとりあげる必要がある場合には、いかなる問題を如何にとりあげるかは、生徒の発達段階に即して行われるべきである。且つあくまでも批判的思考力を身につけさせる教育的考慮から為されるべきであつて、生徒の考え方に偏向をもたらす結果となることは厳に教育者の良識において慎しむべきである。  五、次に具体的な問題についてのべることとする。   1、「校舎建設対策委員会」の如き性格の会の構成員に末成熟の生徒を参加させることについて。一般に構成員として能力に著しく差のあるものを同等な資格において会議に参加させることは望ましくない。   「校舎建設」というような複雑な問題と解決の方法とをもつ会に生徒を参加させることは、協議の過程における各種意見の討議が予想される以上、適当な教育的措置ではない。より適当な方法即ち教育的考慮のもとで生徒の要求や意見を反映させるようにすべきである。   2、「洛北民主協議会」に学校のクラブ活動としての新聞班が加入することについて。学校教育の一環である新聞班が正常なる学校教育活動に非常なる影響を与え、且つ学校の主体性を阻害するおそれのあるような外部団体に加入することは、その外部団体がたとえ文化団体であつても教育上適切ではない。   3、学習の材料として特定政党又は政治的団体の「機関紙」を使用することについて。特定の政党、政治的団体の機関紙の報道又は主張を教材として採用することは、その報道又は主張を正しいと断定して生徒に示す場合は勿論、単に説明する場合も機関紙のもつ性格から見て、基本法第八条第二項に反するおそれがあるので一般的には不適当である。   4、映画鑑賞について学校の教育計画の中における位置づけを明確にし、その選定の基準を各要素から検討して立て、生徒に教育的見地より多方面の経験を得させるようにいたされたい。あげられた一つ一つの映画については、夫々特色があるが、全体として見るときは、その選定が一方に偏していると思われる。   5、文化祭の内灘問題の劇について。   劇そのものを見てないから内容的に批判することは出来ないが、現実の政治上、問題化している事柄を取り上げさせることは、教育的に慎重を期さねばならない。ことに生徒にとつて直接経験していないことや、資料不足のものを簡単に割切つた解釈からすすめることは避けるようにいたされたい。   生徒が自主的に計画する場合にも教員の指導上の責任はまぬがれぬものであるから生徒の創意と工夫との指導に留意ありたい。   6、学校新聞について。学校新聞はその編輯において取材その他の偏向が見られることは否定出来ない。学校生活について色色の角度から編輯し、内容のゆたかなものとなるよう指導されたい。   7、外部団体の主催する行事並に集会に生徒が参加することについて。   政党的色彩の強い行事や集会へ生徒を参加させ、又は生徒が参加することは、基本法第八条第三項に違反する疑もあり、且つ教育的に見ても好ましくないから避けるようにいたされたい。(以上)  長くなりましたが、これが教育委員会から学校長へあてて具体的ないろいろな問題についての忠告をせられた点であります。この詳細につきましては両委員からいずれお話があろうと思いますが、当時学校長はこれを聞いてその事実を認めまして、よく努力をするということで帰つたのだそうでありますが、約七、八名の先生がたいへんいいことと思つて、そういう方面の教育に熱を入れておる。あとの先生は、数は多いけれども、あまりそういう新しい教育には力を入れていないために、どうも校長がその方向にどうしてもひつばられて行つておるようでありました。  なおここに私が一つ注意を要すると思いましたのは、子供がやつております劇団の名前が白鳩劇団という名前でありましたので、これは私の狭い経験でありますけれども、私どもの住んでおります方にも白鳩会というのがありまして、これは明らかに共産党の文化活動である。同時にもう一つ問題が出て来ます大将軍の方にも、白鳩幼稚園というのがありまして、これは選挙になりますと、その幼稚園が共産党の候補者の選挙事務所になるのでありまして、この名前ははたしてだれがつけたのであるか、偶然つけたのか、あるいはだれかがこれがよかろうと言つてつけたのかと聞きましたけれども、これは先生も父兄の方も、かわいいからつけたんじやありませんかということで、これは全然関係がないのかもしれませんが、どうもこの地方は、洛北民主協議会というものがありまして、相当やはり付近がそういう運動がすきなところでありまして、あるいはそういうものが織り込まれたのではないかと思います。もつとも劇団は今は解散をしてないというわけであります。  たいへん長くなりましたので大将軍の方を申し上げますが、この大将軍の方でいろいろな事例がありましたが、その示されておる事例の大半は、校長は、これは偶然なようであつて、しかと認めてはおりませんでしたが、ここにも五人の代表は、非常に熱心に、明らかに偏向教育あり、その偏向教育も非常に極端な教育であるということで、たいへん熱心でありました。これも世間でいう思想が古いのかもしれませんが、知識経験に富んだ人と思われる人たちがたいへん熱心にこのことを憂えておりました。一般の奥さんたちは、学校の教育活動が非常になごやかに先生と父兄と一緒になつてやられておるので、そういう恐しいものではない、こう言つてたいへんいい学校だと言つておりましたが、聞いておる方は両極端を聞きますので、たいへんきつねにつつまれたような気がいたしました。ただここで一つだけ特に私がどうかと思いまして、御参考に供したいと思いますのは、昭和二十七年の九月八日にこの学校は突然給食を中止した。何でもないようなことでありますが、これは非常に大きなことじやないかと思つて、私はかなりつつ込んで聞いてみたのでありますが、中止の理由はどういうわけであつたかと校長に聞きますと、一学期間の要保護家族の子供たちの払えない給食料が一万七百円になつた。そこで一学期に一万七百円の赤字が出ては、この赤字の解決の見通しがつかない限り、非常に責任者として困るというので、市の方へこのことを願い出たけれども、これは今せつかく運動しておるが、ただちにどうというわけにいかぬ。市の方ではこれに対して給食は続けて行くように、いずれ解決するから、続けて行くように、こういうことであつたそうであります。ところがこのことが九月五日の新聞に大きく載つたのです。これは学校が発表したわけではなかつたが、教員の一人か二人が教員組合へ行つておるうちに、新聞記者と会つて発表した。このことについては父兄は全然知らなかつた。ただちに父兄の方で問題になつて、やかましく騒いで、ただちに給食に対する協議会が持たれまして、その結果三十三名の給食料未納の家族のうち、二十五名までが保護家族に指定せられるようになつて解決を見た。また京都市において——これは市全般でありますが、給食費が五百万円だけ予算追加をせられて、よほどこれがよくなつたということは、一にこの二週間給食を休んだためであるということで、父兄はたいへんこのことを賞讃しておりましたけれども、給食を受ける学童の数が約八百人でありまして、金が払えない子供は三十三名。そうしますと、大体三五%でありまして、私どもが聞いております全国の様子は、要保護家庭の子供が大体百分の三から百分の四、五くらいであります。そうするとこれは京都の大将軍小学校だけの現象でなしに、日本全国の現象である。しかもこれに対しては各地のPTAが話合いをして、寄付金を集めたりして子供にはずかしい思いをさせないでこれを解決しておる。また中には先生がそつと子供の給食料を払うというようなことをしておる人もあるので、この学校だけ、まだ市役所が続けてやりなさいと言つておるにもかかわらず突然給食をやめて、つまり一種の給食ストをやつたというのはどういうわけか、一般ならこれは給食をやめなくても続けられておるはずのものと思うがどういうわけかと聞きましたけれども、ぶすぶす言つてはつきりしたことを言いません。結局はこれは校長の意思でもなかつたようです。父兄の意思でもなかつたようであります。この問題はそう軽々にしてはならぬ問題だと思いますが、これは共産党がやつたことで、学校には関係のないことだと思いますけれども、衆議院の選挙のまつ最中でありましたが、五日の日に給食をやめるということが夕刊に出ますと、六日の日には、すでに共産党の公認候補者は、大将軍では給食をやめた。それはこうだこうだと言つて、貧乏な子供に国が出すのはあたりまえだ、これは政治が悪いからだと言つて、共産党がこれを利用したことがあるのでありますが、別にこのことは学校が直接宣伝したわけではないのであります。ときたまたまそういうときでありましたので、非常に利用せられたということは言えると思うのであります。  なお詳細については両君からいろいろ具体的に御報告があると思いますから概括御報告をいたします。

辻寛一自由党

○辻委員長 伊藤郷一君。

伊藤郷一自由党

○伊藤(郷)委員 私は第二班に属して参つたのでありますが、私の立場からごく簡単に、また公平に、そうして率直にお話したいと思います。  最初に益田高等学校の事件でございますがこれは大体田中委員の話と同様でございます。当時の校長をしておりました斉藤氏が現在県教委の指導課長をしておりましたが、その人が話したことを、教組の方もおりましたが認めておりました。この田中教諭は教室内におきまして、岐阜県の共産党の主人はだれであるとか、あるいはアメリカの政策に反対できないような政党に属する議員を選挙してはいけないというようなことを、生徒に言つたことは事実でございまして、田中教諭もこれを認め、本人はその後注意して申しておらぬそうでございます。この事件は中川という不幸な学生とお互いに影響し合いまして、この簡単な資料には出ていないが、相当活発な共産主義の活動をしたことは、これは事実でございます。斎藤彰治という共産党員と交際しているということも明らかとなりました。ただここに出ております「山旅案内」という本は、名前はそうであつて、観光協会から出したようになつておりますが、中に書かれていることはまつたく共産主義の宣撫、宣伝である。これははつきりいたしませんが、田中教諭が書いたのだろうということを言われておるそうであります。しかしこの件は武佐中学の事件と似ておりまして、中学を出て早々の田中教諭でございますから、これは教組というよりも、共産党の教唆扇動があつたかもしれぬが、これは個人の思想活動の方がずつとあざやかに出ておる、こういうふうに看取したのでございます。  それから第二の、恵那郡の学校において松川事件を話すために授業を休んだということでございますが、これは田中委員からお話がありましたように、表面上の名目は、確かに冷害に襲われたあの地方でございますから、冷害地欠食児童対策という題目で、繰りかえ休業をして十二月十一日に大井小学校の講堂で開催されました。十時から始まつて十二時に終つております。その間欠食児童の対策を中心にして論議せられたのは一時間半くらいでございまして、あとの終りの十分くらいと申しておりましたが、そこの中学の校長も来ておつて申したのでありますが、一教官から、松川事件とはどんな事件かという質問があつて、先ほど読まれたような要請書がただちに決議せられた、こういうわけであります。私はよく考えてみたのでございますが、これは表面は確かに欠食児童対策の会合であつたと思いますが、それを一部の者がこの松川事件の判決の事前にこれを利用した、またこの会合が利用されたと断ぜざるを得ないのでございます。  第三のメーデーの解説を総評から請売りして、二年も続けて出したということは、これはやはり私は一つの偏向であると思う。そこで文部省にお願いしたいことは、あちらの教師に聞いたのでございますが、メーデーに対する正しい解説の資料が全然ないから困つておる、こういうことであつたので、文部省もこのメーデーに対するいろいろな教材というものを、今後つくつていただく必要があろうと思うのであります。これを要するに、岐阜の方は各機関、団体一堂に会しまして、割合スムーズに行われたと言えると思います。ただ京都へ夕方参りましたところが、糸井という京都府教組の執行委員長が駅に来ておりまして、また多数の旭ヶ丘中学の立場を擁護する者が駅に見えておりまして、あしたはどうしても現場の学校へ来て賛否の数について見てほしい、こういうことでございましたが、先ほど同僚から話がありましたように、われわれは五分と五分の条件の上において静かに真相をキャッチしたというわけで、そこでおわかれしたわけでございます。  まず旭ケ丘中学の事件について申し上げてみたいと思います。この文部省から出されている事例の、荒神橋事件に参加した者を賞讃したことはないということを、われわれと同じ考えを持つている立場の父兄の代表は申しましたけれども、あとの父兄は全部これを認めている。まつたく当委員会と同じでございまして、およそ日本の縮図であり、世界の今日の縮図であろうと私は思う。(笑声)ただはつきりしておきたいことは、この学校の立場を擁護する父兄は、なるほど数は多いけれども、これらの人は、そういうことを聞いておらぬ、知つておらぬと言うだけでございますが、一方のこの学校に偏向教育ありとして指弾しているところの立場の父兄は、いついつか自分が見た、聞いた、こういう具体的な例ばかりでございます。まず市教育委員会の不破教育長は、この旭ヶ丘中学につきましては、時間がかかるから一つ一つは申しませんが、ほとんどこの事例を認め、そうして先ほど田中委員が朗読したような勧告をいたしているのでございます。その中に洛北民主協議会という名前が出ておりましたが、これは左翼の文化団体でございまして、旭ケ丘中学の先生が一班としてこれに加盟し、そうして校長の許可もなく、生徒会の承認もなく、旭ケ丘中学の生徒の新聞班がこれに加盟している、こういうことをお伝えしておきます。  それから校舎建設対策委員会というのがございましたが、これは父兄八名、教員八名、卒業生八名、生徒八名、そうして生徒が常に議長でございまして、すべて一対一で決議されている。まつたくこれは生徒による学校の自治会で、共産党の指令通り動いているのでございます。そうして、この旭ケ丘中学から出る新聞は、たくさんいただいて参りましたが、これはまつたく今の中学生ではそういうものを書けない。まつたく八名の推進力になつているところの旭ケ丘中学の先生が、指導していると思われるような記事がたくさん載つております。警察官などをポリ公と言つている。あるいはアメ小帰れというようなことで満ち満ちているのであります。校長はどうであるか、この中学の橋本栄治郎校長は、認めたり認めなかつたり、今日までいろいろ心的苦悩を経て来ているように思われますが、(笑声)そのときのわれわれに対する公述といたしましては、アカハタを説明の教材に用いたということを認めております。校長としては、その部分だけ切り抜いて用いた方がよかつたということを注意していると言つておりました。  映画の問題でございますが、ああいう映画だけを観賞しただけでなくて、それは認めつつ、そのほか「エベレスト征服」や「白い馬」というような映画も認めるというような、中間的な立場をとられている。あるいは平和祭に百五十名から参加したのも、生徒のリクリエーシヨンとして父兄会もこれを認めて、海水浴を兼ねて行つたのだ。しかし他の学校も非常に参加者が多いということも認めていただきたい、と言つております。  それからPTAの、いわゆる偏向教育ありとするところの十五人の父兄の中の代表五名が現われたのでございますが、みな身分を明らかにいたしまして、奈良放送局長の夫人であるとか、京都大学の教授であるとかここにはつきりしております。この中で奈良放送局長夫人福田知子という人は、十月十五日に学校に懇談会があつて行つた。中学一年生の一組でございますが、そのとき受持の教官がアカハタを読んでいるのを確認しておると、はつきりこう申しております。あるいは十一月十日に三年生の何君でございますか、数学の時間にも先生がアカハタを読んだということを申しております。そうして労働歌を黒板に書いて教えた。なお中塚という学校長の奥さんは、こういうふうに言つております。私も暗然といたしました、二年生のこの人の子供は非常に明るい子供だつたけれども、旭ケ丘中学に通つているうちにだんだん暗くなつて、ものを言わなくなつた、学校であつたことをはつきり言わない、母の顔色を見ておろおろしている、お母さんも学校の教育に反対している十五人の一人だろう、私は学校のことを言つているとみんなに思われているんだ、私はスパイの役割をしたくない、こう言うので中塚夫人も泣いたのだそうでございます。その日もわれわれに暗然と語つたということは、田中委員が言うた通りでございます。どうかこういう教育を早く直して、日本の教育をよくしてくださいということを述べております。  それからこれに反対するPTAの五名の方は、これを黙認しておりますけれども、今言つた方の学校の偏向教育を指摘する方は、インターを教室の黒板に書いておる。これは福田という夫人の子供がそう言つておるのでございます。時間がかかりますから省きまして、これに反対して学校を支持しているところの五名の代表は、この旭ケ丘中学の先生も、中学の先生でありながら便所の掃除までして感心だ。あるいはここの学校は就職率がいいことを見ても偏向教育が行われてないと思う。ただ聞いたことはない、知らないというような反対論でございます。これに対する府教組の見解はどうかというと、この一々を否定するとか肯定するとかいう立場ではなくして、これは伊藤執行委員長が言つた通り書いて来たのでございますが、これらの個々のことが問題なのではなくて、究極において教育の効果が上つているかどうかが問題だ、個々の事象にとらわれる必要はない、こういうことを言われたのでございますが、賢明なる皆様方の御判断を願いたいと思うのであります。  それから次は大将軍の学校に移りますが、この文部省の資料の中で訂正しなければならないと認められるものは一つございます。それは給食事件が二十七年だということは意外でございまして、これも旭ケ丘中学の場合と同じように、全部これを認めるわけではなくて、これとこれはだめだという立場と、全然そういうことはないという立場と、一つ一つ全部この通り間違いないという立場と、われわれは知らない、聞いたことがないという立場でございます。それから学校給食のことは先ほど田中君から話がありましたように、私から言わせれば、そういう欠食児童が出たことをもつけの幸いといたしまして、給食を父兄会に相談しないでやめてしまつた。そうして今度それを、自由党が軍事予算に狂奔しているからこう、いうことになるのだというようなところへ持つて行つたというような感じを受けた、というのは、翌日すぐに共産党の谷口元代議士が、吉田内閣では給食はできないということを紫野の学校で演説している。それは九月の二十六日でございますが、連絡が届いております。この大将軍の小学校校長の加柴貫一という人は、この人と個人的には非常に仲のいい奥田という人でございましたが、この人の申しますには、非常に人のいい人で、人としてはいいけれども、気が弱くて、ほとんど意思のない人だ、全部認めながら全部否定している、(笑声)そのときに仲川房次郎という代議士が入つて来て、きみ、今言つてることはうそじやないか、あとで後悔するな、こういつて言われた場面も出たのでございます。(「仲川房次郎とは何党の代議士だ」と呼ぶ者あり)仲川房次郎ではありません。京都から出ている自由党の代議士です。  それから学校の教育に偏向がありとした代表のうちで森定という婦人は、PTAの紙上を通じまして教育の中立性を確保しなければならぬということを叫んで、勇敢に闘つておりますが、また一方別の方からこういうものが出まして、この大将軍の通学区域から森定とか及川というものを放逐しなければならぬということで、非常にはげしい闘いが行われております。森定という婦人が言うには、自分は十八のときから市川房枝女史の指導を受けて来たものであつて、あらゆる場合において自由党に投票したことはない、反自由党だ、しかしこの大将軍の政治的教育の偏向についてだけは、絶対許されない、こういうことを前提にして述べておられました。あるいはまた野路という人、これは総評傘下の労組の役員でございますが、この人もこの大将軍の偏向の教育については、絶対自分は立ち上つて闘わなければならぬ、こういうことを申されたのでございまして、一々の事例については全部認めておりますから、ここでは申し上げません。ただ自分たちが今退場して、今度かわつて入つて来る学校の立場を擁護するところの五角の婦人は、婦人民主クラブのものである。いわゆる共産主義的な団体のものであるから、よく注意して聞いてくれという言葉を残して出て行かれた。そこでわれわれは聞いたところが、この中の国府田あいさんという人は、私は婦人民主クラブに属しておるが、あとの人はそうではない、こういうふうに申されておりました。それからこの校長はほんとうに気の弱い人と見えまして、野路という人の証言でありますが、校長は名取、名越という人のところへ行つて、私の力では何としてもいけない教組の情勢になつた。父兄は今こそ立ち上つてくれと泣いて言つたそうでございます。それからまたPTAの会長のところへ昨年の暮れ、——日にちは聞きませんが、昨年の暮れに行つて、校長は、自分は大将軍の先生はばかやろうだといつてやりたい気持だ、こういうふうに申しておつたそうであります。  それから二十七年の八月二十三日の午後二時から三時の間、その間夕立があつたそうでございますが、奥田という人が学校の教員室に入つたところが、校長と教頭がおり、二十二、三人の先生が全部おつて、ここでも推進力は八名ぐらいだそうでございますが、そこでいろいろ話をした。学校給食を今やめたならたいへんな父兄の反対があるだろう、あるいはまたソ連か何かの方に会議があつて、出席する、それに行く者は何等官待遇で行けるとか、広島と神戸に集まるとか、そういうような話をしていたということで、私はそういう環境、零囲気を伝えておるのでございます。  最後に、私は母校は京都大学でございますので、昨日の午前京都大学に参りまして、教育学部の教官にほとんど会つたのでございますが、理想としてはこういう法律はほしくないけれども、あの日教組の厖大な組織と、あり余つた資金とを前にして、現段階におきましては、こういう二法案を成立させる必要は十分あるのだ、大学の学長であるとか、あるいは新聞の論説委員というような人々は、現場の学校の実態を知らないからああいう理想論を唱えられるのだということを申し」まして、教育学部とは申しませんが、京都の方の教育学部に属しておるところの教授諸君は、この旭ケ丘あるいは大将軍における偏向教育を十分認めて、憂慮しておつたのでございます。なお文学部の原部長あたりも、まつたく私に同感をいたしました。  これを要するに、本日ここに持つて参りませんでしたが、京都の教員組合から出しておると思われるところの情勢報告という十数ページの冊子がございます。この今まで申しました事例、事件というものは、全部この情勢報告の指示通りに動いておると私はここで断言してはばからない。職場に闘う態勢をつくるためには、給食、教科書等の子供の問題、地域における問題、人事や日常学校行事や、職場の労働条件等の問題を取上げて、校長に要求し、父兄に訴え、父兄、校長とともに当局に当る、こういう行き方が完全にこれらの事例に現われておる。京都の地教委の福原委員長は、純真な生徒とまじめな先生を救うてことして、この二法案の通過を心から期待する、旭ケ丘中学の偏向教育、大将軍小学校における偏向教育、これらは実に日本における偏向赤化教育の氷山の一角にすぎないということを叫んでおられた。この言葉を最後に、私の報告を終ります。

辻寛一自由党

○辻委員長 野原覧君。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 第二班の岐阜、京都でございますが、大体田中さん、伊藤さんから報告をされたようでございます。そこで私は、三人が同じ見解に到達したであろうと推定される事柄に関しましては、できるだけ省略をいたしたいと思うのでございます。  そこで最初に御報告申し上げたいことは、同じく岐阜県の問題でありますが、すでに申されましたように、岐阜県におきましては、三件の調査をいたしました。益田高校に関しましては、大体事実の内容は田中さんが申されたことで尽きておるのではないかと思いますが、ただここで申し上げたいことは、そこに列席いたしましたすべての関係者の方々、たとえば県の教育委員会の西尾委員長、中沢教育委員、川口教育長、岐阜県教育委員会の学務課長、指導課長、あるいは校長会長、あるいは地方教育委員会の連絡協議会長、あるいはまた県会の文教担当の議員さん、こういう人々がすべて一致した見解として私どもに申されましたことは、田中さんの問題は今日裁判に係属されておる。これは破防法違反として公判中でございます。従つて一切の事態は裁判が明確にするであろう。たとえば田中氏が共産党員であつたかどうかということも、実ははなはだ不明確なのであります。校長にしても、教育委員会にしても、警察にしても、これが共産党に入党しておつたかどうかということも、実ははつきりさしていない。こういう状態でございまするので、これはすべては裁判が明確にするであろう。ただ言い得ることは、教員組合の組合活動とは何ら関係がないということを——おそらくあの議員さんの中には、保守政党に属される方もあつたと思うのでございますが、すべての人がそれを承認しておられたということであります。その証左といたしましては、田中教諭は昭和二十七年四月に益田高等学校に就職をいたしておるのでございまして、問題が起つたのは十月でございます。組合に組合員として入つたではありましようけれども、この組合に、よく文部省が問題にするような教組活動に偏向があるというようなことは、まつたくの事実無根であるということを、私ども三名あるいは立ち会われた方々全部がおそらく認識されたということを、重ねて申し上げておきます。  第二の恵那郡の問題でございまするが、これも事実内容に関しましてはできるだけ省略をいたします。ただここで申し上げたいことは、千藤という恵那郡地方教育委員会連絡協議会長でございます。この方はお年は七十歳くらいの御老人のように私は拝見いたしました。あとで聞いたのでございますが、元海軍少佐の経歴を持たれていらつしやるようでありますが、この方が声をふるわして、私どもに次のようなことを申したのでございます。私は今日の新しい教育に対しては、むしろ固いと人々から言われるくらいの人間でございますが、かかる事実無根の発表を文部大臣が出したということについては、何としても了解できません。事実無根の発表とは、偏向教育事例の中にございますように、岐阜県教組恵那支部では、管下小中学校において、松川事件の判決の際、小学校四年以上の児童に対し、授業を休んで松川事件の概要について話をした、しかもその話の内容そのものがこの事例の報告にある。このことは地方教育委員会連絡協議会長として絶対承服できない。これは私だけではございません。恵那郡におけるところのPTA全体が、非常に恵那郡を侮辱するものであり、恵那郡内の教育者全体の名誉を毀損するものであると憤激をいたしております。従つて皆さん方にお願いがある。お帰りになりましたならば、どうかこの恵那郡下における発表記事は取消していただくようにしてもらいたいという御意見が述べられたのでございます。そこで私は県の教育委員会、教育長、その他の関係者の方々に、これは重大だと思いましたので、松川事件云々というような事実の発表を文部省がされておるわけでございますが、このことについて何か照会なりあるいは注意なり一度くらいあつたと思うが、いかがでございますかということをお尋ねいたしたのでありますが、そのようなことはないと言うのであります。教育委員会に対して何らの注意も照会もしていないということが明確になつたということを、岐阜県の恵那郡における第二の案件についての報告としておきます。  第三の岐阜県教職員組合のメーデーの記事に関する問題でございますが、これは田中委員が申されたことで尽きるようであります。教育時報という新聞は教組の機関紙でございますが、この機関紙教育時報に、メーデーについての記事を掲載しておることは事実であります。昭和二十七年五月一日の機関紙、同じく昨二十八年五月一日の機関紙にその記事がございますが、それは日本労働組合総評議会の資料からとつたとはつきり出所を明確にいたしております。そこでいろいろ、の教育関係者、単に教組だけではございません、すべての方々が一堂に会した話合いでありますから、私ども意見を交換したのでございますが、メーデーというのは今日一つの大きな社会事象であります。子供のお父さんが、あるいは兄さんが、五月一日になれば勤労者の祭典としてのメーデーに現実に参加をしておる。自分の父兄が参加しなくても、隣のおじさんが、あるいは子供が通学の途中に、たくさんの労働者の人々が集まつておる集会を目にし耳にするわけであります。こういう社会事象から教育者が子供の目を遮断するというこのこと自体が、実は批判されなければならないことは申し上げるまでもないでありましよう。従つて県の教組がメーデーの記事を取上げて書いた、しかもその中に各学年相応の理解ができるような学習計画を立てることが望ましいという注意書を書いたということは、私は教員組合としてどこに一体非難さるべき点があるのか、疑わしく考えるものであります。三省堂発行の中学三年の教科書を実は私はここに求めてみました。文部省検定の教科書でございます。この文部省検定教科書の終りの方に、メーデーという記事があります。「五月一日の労働祭、全国労働者の国際的示威の日、一八八六年五月一日、アメリカの労働者が八時間の労働、八時間の休養、八時間の睡眠のスローガンのもとに一大総同盟罷業を決行したのに始まる。一八八九年第二インターナシヨナルがこの日を国際的な祝祭日とした。わが国でも大正九年第一回が行われてから年々盛大になりつつある。」というような記事が検定本にあるではありませんか。そしてこういう記事がある以上、これを社会科の教科において各学年相応の理解ができるような学習計画を立てようと教員組合の機関紙が書いて、一体どこが非難されるのでございましようかと私が発言いたしましたところ、そこにおられた方々はほとんどの人がうなずいておつたということを御報告いたしておきます。  そこで私はなお同行いたしました伊藤委員が、実は私は自由党から頼まれて来ておりますと言つて次のことを質問されましたので、これは私の調査事項ではありませんが、御参考までに報告しておきます。恵那郡の上村というところの小学校、中学校におきまして、昭和二十八年七月二日から七日にかけて「行け、人民広場へ」という映画を見せたことがあるのではないか、こういうことを自由党のどなたかから頼まれて来られたということを申しておられましたが、このことに関しましては、そこにおられた人々がまつたく心当りはないという回答であります。なお恵那郡の岩村という小学校で授業参観の際、これまた「行け、人民広場へ」を見せたのではないかという質問を伊藤さんがされたのでございますが、これに対してもまつたくそのような点については心当りがない、こういうことであつたということも、この機会に御報告いたしておきます。これは伊藤さんの報告があろうかと思いましたが、ございませんでしたから、私から報告いたす次第であります。  それから京都の問題でございますが、旭ケ丘中学校と大将軍小学校における偏向教育についての調査をいたしたわけであります。最初に京都市の教育委員会の委員長福原という方、ついでに申し上げますが、この委員長は自由党に党籍を持たれた方であります。それから教育長の不破さん、市川指導部長、それから京都府の教育委員数名、三田という京都府の教育次長、京都市の市会の文教委員長その他府市の教育委員会事務局の指導担当の方々全員と、最初に私ども会見をいたしたのであります。そこで私は次の質問をいたしました。第一点は、文部大臣が偏向教育の事例として旭ケ丘中学と大将軍小学校をごらんのように出されておるのでございますが、この点に関して京都市の教育委員会として何か心当りがございますか、もつと早く言えば、市の教育委員会の御報告によつてこれができたわけでございましようか、実は私は文部委員会で質問したけれども、大臣がお答えにならぬからこの点をお尋ねすると申しますと、旭ケ丘中学に関しましては昨年十二月二十八日文部省の伊藤調査課長が京都に参りまして、京都クラブで不破教育長、橋本校長、市川指導部長、この四者の会談を持つたということがはつきりいたしました。文書で報告したことはございません。教育長がはつきり、私は口頭で申したということでありました。そこでこれはよほど慎重にやらないとたいへんなことになると実は思つたのです。口頭で言つたことが、文部大臣は文書でこれを出しておるのでございますから、一つ一つの内容についてしさいに吟味をしないといけないということを私は感じた。そこで第二に、大将軍についてはいかがでございましようかと申し上げますと、大将軍に関しては実は口頭で述べたこともなければ文書で報告したこともなければ、なおまた三月三日に文部委員会において発表されたこのことに対して何らの注意も連絡もございませんということを、はつきり教育長が申したのでございます。  そこで私どもは最初に旭ケ丘中学の校長、それからPTAは、問題があると言われておる父兄の方五名、学校教育に何ら偏向はないと仰せられておる方五名、最後に教組の代表、こういうように五名が打合せをしておりましたので、その手順に従つて実は校長に会つて偏向教育の具体的な点についてお尋ねをいたしたのであります。あなたは片寄つた思想教育を進めて来たかどうか、こういう質問をしますと、私は日本憲法と教育基本法に忠実にやつてきたつもりであります。これは橋本校長の回答であります。そこで具体的事例に入りまして、実はあなたの学校の教育は見る人々によつて偏向だと指摘されているのだが、その点についてどう思うかと申しますと、あるいはそのようにごらんになる方もあつたかとも思いますし、また現に、実は父兄が問題にして教育委員会に陳情されている。しかしながらそれは校長の方針ではない。絶対に学校が組織的、計画的にやつているものではございませんということであります。そこで具体的例の——これは皆さんごらんいただけばわかるのですが、アカハタを読んで教えたという点は、京都府教育委員会が決議をあげまして、軍事基地反対の声明書を発表した。それがアカハタに載つたものでございますから、京都府教育委員会がこういう声明書を発表したといつて、そのアカ八女を先生が持つて行つて、府の教育委員会がこういう発表をしたということを実はやつたので、説明の資料に一回だけ使つたことが校長の調査でわかつたのであります。授業の前後に再軍備反対——昔教育勅語を授業の前後に四年以上はそらで言つたように言つているということでございますが、これはまつたく事実無根でございます。例の京都大学の荒神橋デモの事件——これは警官と衝突してたくさんのけが人を出し、死者も出たようでございますが、この荒神橋デモに参加した子供を先生がほめた。こういう偏向教育の事例があればこれはたいへんなことだと実は私も思つた。これを調べてみますと、子供は見に行つたようです。参加ということはデモの中に入つてデモ員になることです。そういうデモがあつて騒ぎが大きくなると、これは何だろうと思つて見に行くでしよう。絶対に賞讃した事実はない。このことは、実は偏向教育があると問題にしているPTAの代表者の方方も、賞讃とまではいかがでございましようと言われるくらいでございますから、文部大臣の報告書は問題にしている父兄の考え以上の事柄になつているのであります。それから数学の時間に労働歌、インターを教えているということでありますが、この点は父兄の間に対立があります。教えているという父兄もございます。しかしそのようなことはない。私は子供に聞いたのだ。はつきり何年何組と言われるから聞いたら、私の子供はお母さんそんなことは決してありませんと言つております。こう言つている。これは対立。裁判でも一、二箇月も事実の調査がかかるのですから、こうなると非常に困つたのです。それから平和祭に参加したということが具体的事例にありますが、これはPTAの補導部が決議をしまして、夏ですから子供が浜寺の海水浴場に行く。実は大阪で平和祭大会があり、いろいろ舞踊や歌があるようだから、リクリエーシヨンとして帰りに先生が責任を持つてそれを見せて来てくれというPTAの決議でやつたことが明らかになりました。水かけ論じやございません。そこでなお「原爆の子」とかあるいは「シンデレラ姫」とかその他たくさんの映画を見せて、全生徒の感想を書かせると事例集ではなつておりますが、この点は問題にした父兄も申しておりました。感想文を強制的に書かしたのではございませんと言つております。これは書きたい者は、映画を見たのですから、感想文を皆さん書きなさい。先生がある意図的に片寄つた映画を見せて、意図的に片寄つた映画の教育をやるかのような報告に偏向教育事例はなつておりますけれども、そのようなことはないということが、実は両派とも一致した意見であります。  そこで申し上げますとたくさんあるわけですが、時間もないようですから簡単に終りたいと思います。申し上げたいことは、田中さんも指摘をされておられましたが、実はPTAのたくさんの人々、千何百というたくさんの人人は、今日旭ヶ丘中学校の学校教育に対しては何らの不平も持つておりません。私の独断ではありません。もし問題があるならば——水上さんという方方が問題にしているのですが、その方方に対してどうかPTAの役員会に持ち出してくれ。PTAという学校の機関があるのですから、そこに持つて来てくれと頼みに行くけれども、どういうものか寄りついてくれませんということをPTAの代表が歎いているのであります。私はこのことはきわめて残念に思つたのでございます。従つて言い得ることは、PTA千数百名は旭ヶ丘中学校に関しては問題にしていないで、十数名の方々——署名は百九十何名をとつたと申されておりますが、調査をしてみますと、それは中学校の子供の父兄の署名ではなくて、中学校の校下の小学校が三つないし四つございます。その校下の父兄の署名をとつて百九十何名ということが明かになつている。この点非常に残念に思つたのであります。もし偏向教育がありとするならば、これは学校の先生、校長というものがあるのですから、よく話し合い、あるいはPTAというものがあるのですから、そこで十分話し合うべきではないか。ところがたまたまいろいろな声明書をつくつて市の教育委員会にどなり込んで行つたりしたのですから、新聞が大きく取上げまして、大達さんの教育に対する考え方に火をつけるような取上げ方をして、実は騒ぎがここまで大きくなつたということを私ははつきり確認をして帰つて来たのであります。  大将軍に関しましては、給食の問題は少し田中さんと違うのですが、これは給食ストではない。これはなるほど九月八日になりまして、一学期の給食の会計が一万数百円赤字が出たので、この調子で行きますと、実は三十何名も一金を払えない子供があるから、校長としては赤字がだんだんふえて行つてどうにもならないから、あちらこちらに相談をして、たとえば教育委員会、あるいはPTAの役員さんにも御相談をして、赤字解消の見通しがつくまでしばらく給食を待とうという考えをもつてやつた。それがたまたま給食ストということで報道せられまして、給食ストによつてこのような行動に大将軍の先生方が出たというような取上げ方をしていると私は確認して参りました。  なお、伊藤さんがいろいろ父兄の意見を中心に申されましたから、私は最後にこの点一点申し上げます。大将軍のこの問題にしておる父兄の中に、森定春枝さんという御婦人が参りました。たいへん雄弁な方であります。この森定さんが、私のあとでPTA代表として来られた五名のあの御婦人はみんな婦人民主クラブの方です。婦人国主クラブの方は共産党です、こういうような押しつけを私どもにやる。そして私も実は非常に不愉快でございまして、あとで入つて来られた学校主事の御婦人の方に、あなたは婦人民主クラブの方ですかと聞いたら、そうではない、その中の一人が婦人民主クラブの人です。今日櫛田さんが婦人民主クラブの会長さんのようですが、婦人民主クラブは共産党の外廓団体であるのかどうか、これも実は問題があるので、そういう感情的なものが実は多分にあつて、大将軍のこの問題にしておる父兄の一部少数の方が動いておるということを明確に断言できます。何となれば、その日大将軍ではPTA全員の総会が講堂で持たれておるのであります。そうしてその役員の代表が来て、どうかこのPTAの総会を見て帰つてくれと私どもに申しましたけれども、残念ながら私ども五名は、そういうような会合には出ないということを申し合せておりましたから、行きませんでした。どうか来てくれ、どういう会議をしているか見てくれというのです。ところが問題にしたその五名の方方は、実は大将軍教育後援会なるものを別個につくつております。これは聞くところによりますと、私どもが京都に着く前の日にその結成大会をあげておる。何だか私どもに対する示威として、つまり大将軍小学校のPTAの全体が受入れてくれないから、一部不平不満の学校に対して極端な反感を持たれておる人々が、あるボスのもとに動いておる父兄が、そういう後援会をつくつて問題を大きくしておる、京都市の教育長は、あるいは教育次長は、大将軍のこの問題について、私は責任が持てない、私はどうしても確認することができないということを申しておつた。なおそれを教育長が言うときに、京都市の教育委員長福原さんは自由党の方です。教育長、君は何を言うか、こう言つて私どもの前でしかつたということを最後に申し上げまして終ります。

辻寛一自由党

○辻委員長 第三班の報告に移ります。松平忠久君。

松平忠久日本社会党(右)

○松平委員 第三班の調査は青森県におきまするところの警察機関の教員の調査に関する事例、それから岩手県におきまする姉体中学校並びに一関小学校における偏向教育の事例に関する調査であります。  第一の青森県における警察官の教員に対する思想調査、この事例に関しましては、三月九日青森市の県立図書館において、松本国警隊長、神警備課長、それから盛田県教組委員長、越谷同書記長並びに森山という青森県地教委の協議会長、この人たちを呼んで県の教育委員会の副委員長、教育長並びに学校指導課長の立会いのもとに調査をしたのでありますけれども、時間の関係で現地に行くこともできませんし、また関係者一同、参考人等を呼ぶこともできなかつたのであります。従つてこれは先般調査しました参議院の方々の調査が、私どもの調査よりあるいは十分なる資料を持つて帰られたのではないか、こういうふうに思うのであります。この警察権力干渉というか、教員組合の方からあげられておる事例としては、蓬田村における駐在巡査の同村教組の組合学校の模様を調査したということほか七件の調査の事例であります。そこでこれを大別してみますと、大体村の教員組合のやつておりますところのこの組合学校の内容についての調査が一件と、法案研究会の内容調査というものが四件、教研大会の内容調査が一件、その他二件ということでありますが、その中でわれわれ調査の結果法案研究会の調査の事例というものの中には、誤解に基くものであるということで、双方から取消した事例が一件あります。このおもなる論点は、調査が上司の命令に基いて行われたものであるかどうか、あるいは警察官の方で書面による調査を求めたかどうか、また何ゆえ一体かかる調査が必要であつたかというようなことについて論議が集中されたのであります。そこでこの警察側と教組側との意見の対立がありまして、結論から言いますと、やや水かけ論のようなぐあいに終つたのでありますが、おもなる意見の対立を申しますと、蓬田村の事件につきましては、同村の小山内という巡査が二月八日並びに九日両日にわたつて村の組合学校の模様、参加人員とか、あるいは講師の氏名とか、話の内容とかいうようなもの調査に、斎藤という校長に対して書面による調査を要求した、こういうことであります。これは県教組側の言い分であります。この書面による調査の要求というものは、二月八日にもまた九日にも行われまして、そうしてこの書面は簡単な書面を校長が渡したというのが県教組側の言い分でありましてこれに対する警察側の言い分は、小山内巡査を調べたところが、書面による報告を要求したことはない、また簡単な書面等を斎藤という校長から受取つた覚えはないというふうに陳述しているので、これは警察側としては信用するよりほかにしかたがないので、これ以上調べる方法がない、こういう返事であります。  それから次に教研大会の模様についての五所河原の事件について、やはり意見の対立があるのであります。この意見の対立としては、教組側のその当時調べられました黒滝という村の地区の教員組合の書記長でありますが、約二時間ばかり調べられて、あまりしつこく聞くので、これは一体上の方からの指令によるものだろう、こういうふうに言つたところが、三橋はこれを肯定したと、こういうふうに主張しておるのであります。ところが警察側の方の陳述によりますと、三橋という刑事を調べたところが、黒滝の方がしつこく上司の命令だろうと言つて聞いて、肯定もしないのに一人で早合点一人のみ込みをしているように思つているのだろう、こういう主張であります。  次に中川村の事件というのも大同小異でありまして、中川村の駐在巡査佐々木巡査が、夜八時ごろ学校の宿直室に来たのであります。そのときに同巡査は旧正月で酒を飲んでおつたんだが、本署から電話で調べて来いと言つて来たので、実は来たくなかつたけれども来たんだと、こういうことを言つたということを宿直の先生は主張しておるということが、県教組側から述べられたのであります。これに対して警察側は、佐々木巡査を調べたけれども、かかる発言をしたことはない、そういうふうな事実はないと思うという陳述であります。  柏木町の事件は昨年九月のことでありまして、三上という刑事が柏木中学の津島教諭を訪れて、柏木地区の教研大会の模様を聞いて資料を要求したので、やむを得ずこれを渡した、こういう主張でありますが、これに対して警察側の陳述は、同刑事を調べたけれどもかかる資料を受取つたことはないという返事であります。なお上司の命令があつたかどうかということにつきまして、警察側の陳述は、国警隊長は国警隊長としてかかる調査の命令を出したことはない、もし出したとすれば、管区一斉にこういうことが起るはずであろうと思う、管下には約三百三十ばかりの派出所があつて、問題となつているのは一碧四派出所にすぎない、この点を見てもこれがわかるはずである、こういうことを申しております。調査の要否についての警察側の陳述でありますが、法案研究会が三月十日ごろから二箇村に一箇所という割合で行われるとの新聞記事があつた、また教育二法案が世間でいろいろ騒がれておるので、気のきいた警察官とすれば管内の事情を何くれとなく熟知するを要するので、これについて調査をするのは当然であるというのが国警隊長の言い分であります。  そこで結論的には先ほど申し上げたことを繰返すことになりますけれども、この教員の会合が一体治安維持にどの程度の関係があるかどうかということが一つの問題でありまして、治安維持の名のもとに、治安維持に必要でない調査をするということが、はたして妥当であるかどうかということが問題になろうと思うのであります。次には気のきいた警察官であればその行為は当然であると主張しておるその国警側の主張でありますが、他の派出所には今までのところは全然問題はなかつたのでありまして、このあげられた事例だけであるという点から見ますと、国警隊長の言つていることはちよつと私もふに落ちない。つまり気のきいた警察官のおるところはやるけれども、気のきかぬ警察官のおるところはやらないというふうに受取れたのであります。  次に文書の報告、上司の命令の有無、これに対する双方の主張陳述の対立でありますけれども、これもわれわれとしては判断をするだけの資料は、これ以上入手が不可能であります。従つてどちらの言葉を信用したらいいかということに迷うわけでありまして、警察官の方の言葉を信用すると片方がうそを言つたことになり、片方が正直だというと片方がうそを言つたことになるのであります。従つてもし警察官の方がうそを言つているのではない正しいのだということになると、警察官よりも一般的に教養、文化の程度の高いものの方が不正直ということになるのであつて、これは私は日本の教育に対して非常にゆゆしい問題が将来起るのではないか、従つて懸念されることは、この二法案が通りました場合において、こういうようなことが非常に起る可能性があるということを私は懸念しながら、この調査を終えたのであります。  次に岩手県の姉体中学校における偏向教育の事例、これは文部省から出された偏向教育の事例の中にもありますが、これについては事前に盛岡市の教育委員会で予備知識を得まして、現地の胆沢郡姉体中学校に参つて、同地の教育委員会の委員長初め委員の方々、それから教育長事務取扱、学校長並びに若干のPTAの方の意見を徴したのであります。この事件は姉体中学校の教諭の高野善一という者が、偏向教育その他約十二項目にわたるところの教員としてふさわしからぬ行為があるというので、去る一月二十三日付をもつて姉体村の教育委員会から懲戒免職の処分に付せられて、一応この事件は地教委の手で解決されたのでありますけれども、懲戒処分が苛酷であるという理由をもつて、同村の公平委員会に対して不服の提訴を行つて審査の請求をしておる事件であります。この懲戒処分の処分書に記載されておる理由並びに補足説明書を見ますと、その中において偏向教育としてあげられておる点は大体次の通りであります。これは文部省の報告と大同小異でありますが、その第一点は、本人があらゆる機会に教室を通じて階級意識、階級闘争を宣伝し、扇動し、生徒に特定政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育を図表等によつて行つておる。そうして、これをカバーせんとして憲法第九条を抜書きして教室に張らせ、憲法を悪用しておる。これが第一の理由でありまして、懲戒免職の理由書に明記してあるのであります。第二としては、特定政党員とともに学校内で卒業生とか在校生を使つて印刷をしたりあるいはこれを村内に配付した。そして同夜は党員を宿直室にとめたということであります。第三として特定政党の雑誌を教室から紹介したという点があげられておるのであります。これらの点について同村の佐々木教育長事務取扱の説明によりますと、教室を通じて行われたところの偏向教育としてあげたところは次のごとくであります。  憲法第九条を抜書きして教室に張つておいたこと、他の条項とともに抜書きして張つたものならばよろしいが、特に第九条だけを抜書きして張つたことは、憲法の悪用であり偏向教育であるというのであります。これには私も驚いたのであります。これが教育長事務取扱の言であるからなお驚いたわけであります。その次は日本の戦争前の地図と戦争後の領土の狭くなつたところの地図、この領土を比較した地図を書いて、これに和解と信頼の講和という題をつけて教室に張つてあつた。これが反米思想であり偏向教育であるというわけであります。第三は世界地図を書いて、アメリカがどこの国にどのくらの援助をおよそしたかという援助の額を示して、アメリカは日本よりも西欧諸国によけい援助しておるので、結局アメリカは日本よりも西欧の方を大事にするであろうということを示しておるのは、反米であり偏向教育だ、こういうことであります。第四は戦車一台で住宅が何軒できるかを図表で示した。それからB三六、一機で学校が約二百校できることを図表で示したものを教室に掲示しておつたことは反戦思想であつて、特定政党を支持することを生徒に暗示する偏向教育である、こういうのであります。第五としてあげたのは、隣り村の桜川村というのに、十一月二十六日に火事があつて、その農家の子弟が焼け死んだという事件があつたが、これを社会科の教材として取上げて、火事の原因はせんじ詰めると農家の経済の逼迫、農村の労働者に最低賃金制の確立がないということ、供出制度にいろいろな不合理があるということが原因しておることを話したことは、特定政党の主張であつて、偏向教育の事例である。それから第六として、「こころのふるさと」という卒業生の書いた論文集のようなものがあるわけでありますが、この「こころのふるさと」というものが偏向的な内容を持つておる。それを学校の生徒に買わせてこれを読ましたことは偏向教育である。七として、展覧会に生徒の作品として軍事基地の地図を張らせた。これは夏休みに生徒が書いたものですが、それを展覧会に張らせたことは反米思想であつて偏向教育である。同時に生徒が詩をつくつたが、その詩が共産党の機関誌「新しい世界」に載つたのを、先生が「日本一流の雑誌にのつたから御覧下さい」という張り紙をして収穫祭か何かにそれを出したことは偏向教育である。以上が偏向教育の理由として説明したところであります。これに対して佐藤校長の口頭の説明があり、この事件を契機として転任することになつたその機会に「村の皆様へ」という文を発表しておりますが、この佐藤校長の口頭並びにこの文書による意見は次の通りであります。「高野は極めて熱心であり、正義感の強い率直無比の男である。社会科では成るべく生のものを取扱い真実を知らせることがよろしく、判断は青年に達したときにすればよいという考えで真実を求めさせるように生徒を導くことがよいと考えている。決して満点の先生だとは思わない。多少の行過ぎはあつたと思うし、たまたま複雑な様相を感ずる村の姿の中に、持ち前の性格が出た点で批判を得たが、社会科の先生としては正しい教育を行つて居たと思い、物の見方考え方について啓蒙したと思う。桜川村の火災のことは自分の村のことであり、その真実を職員室で語つたことがあり、材料は多く自分から出て居り、決して偏向教育とは思つていない。」というのが校長の口頭の陳述並びに文書による陳述であります。そこでこれに関して岩手日報が社説を掲げておりますが、この社説の中で次のようなことを言つておるのであります。「この村のことが雑誌「婦人公論」昨年四月号にのつた直后から高野をこの村から追い出したいと村長や村教委が考えていた」という一節があるのであります。また、先ほど申しました懲戒処分の理由書にも、高野が婦人公論に記事を提供したということが一つの原因としてあげられておるのであります。従つてこの高野が村政を批判した、なおまた高野は村政を批判するために自分で執筆したガリ版刷りのものを配つた——配つたのはほかの者が配つたのでありますけれども、配つたという事実があつて、そのガリ版刷りはかなりこつぴどく村政をやつつけておるのであります。従つて高野の村政に対する批判並びに婦人公論に対する高野の記事の提供というようなことが高野と村当局との間に非常な対立関係を生んだのではないか、こういうふうに思われますけれども、婦人公論に対する記事の提供というものは、岩手日報記者の言によりますと、高野が一部提供したのは事実と思われるが、大部分はこの婦人公論の記者が自分で歩いて得た資料であるということを言つております。  そこでこの封建的な村政に対する批判で村当局が高野を追い出したいという腹をきめまして、村長の名前で村の教育委員会に対して高野の言動調査を依頼して来ておるわけであります。その結果、高野を追い出す一つの理由として——理由は先ほど申したような十二項目あるわけでありますが、その理由の一つとして、偏向教育の有無というものを探して前述のような事例をあげて出したのであります。  なお教育長事務取扱のあげた偏向教育の事例等に——その他の理由に対してもですが、高野は文書によつてこれを反駁しております。なおその反駁書の中で、村の教育委員会が一回でもまた一人でも教室に来て自分の教育ぶりを見た者があるかどうか、見た者はない、これはきわめて残念だ、ということを言つておるのであります。それから生徒の詩が「新しい世界」に載つた、しかもそれを「日本一流の雑誌にのつたから御覧下さい」という紙を張つておつたということについては、これは「教育評論」——実はこれは。パンフレットにつくつて各雑誌社に送つたので、教育評論にも載つたということを申し添えておるわけです。  そこでわれわれの結論といたしますものは、生徒の詩が「新しい世界」——これは共産党の機関誌だと言われておるわけですが、それを「日本一流の雑誌にのつたから御覧下さい」ということを書いたこと、これはどういう意図に基いて書いたかということは、高野を調べてみないとよくわかりませんが、これが偏向教育のおそれがあるといえば言えることではないか、「こころのふるさと」というものを教材に使つたとすれば、これも偏向教育と見られるおそれがある。それからこれは偏向教育とやや違うわけですが、共産党員を宿直室にとめたということが事実であるとすれば、これは不穏当である、しかしその他の事例については一体これを偏向教育と見なすべきやいなや、現在の憲法並びに教育基本法のもとにおいては校長はこれを正しい行き方であると言つておるわけであります。  そこで申し上げたいのは、この婦人公論の中に実は教育問題について載つておるのでありまして、これを読み上げまして私の報告にかえたいと思うのであります。ちようど校長と高野が出張中の留守に村長、助役らが突然中学へやつて来た。そしてずかずかと留守の高野教師の教室に入つて行つた。教室の壁にはいろいろな表が張つてある。爆撃機一機で学校が幾つできるとか、戦車一台で住宅が何軒建つというような絵入りの説明が張つてあつた。講和条約の説明もあつた。放課後で教室には掃除当番の男女十名の生徒が残つていた。村長は、生徒をつかまえて尋ねた。「お前たちの先生は、ソ連はいい国で、アメリカは悪い国だと言つてはいないか。」生徒は答えた。「おらたちの先生はソ連のいいところも悪いところも話した。アメリカのいいところも悪いところも話してくれた。」そこで村長は、「お前たちの先生は、自由党は悪い政党で、社会党や共産党はいいと言つてはいないか。」生徒は「先生は選挙のとき、自由党はこういう政策綱領だ、改進党はこうだ、社会党はこういう綱領を掲げていると話してくれた。そしてお前たちは大きくなつたらよく研究して、選挙のときは判断を誤らないようにするんだよと言つた。」そこで「ここに張つてあるものをお前たちはどう思うか。」「先生はおらたちに新しいことをたくさん教えてくれてありがたいと思つている。」村長はひとり言のように、「おれなんか古いからな」と言つた。そうすると生徒はそれを聞きつけて、「村長さんの古い話も聞かしてください。ときどぎこうして来てください。おらたちは新しいことは先生から幾らでも聞ける。だから古い話も聞きてえんです。」そして村長は、「どうもお前らにやかなわねえ。」と言つて苦笑いたしたということが書いてあるのです。これは三年生であつて、社会科の担当であります。以上が大体の報告でありまして、私見を交えておりません。  次に一関小学校の君が代問題の件であります。この一関小学校の君が代問題は、ここにあります通り、文部省から偏向教育の事例としてあげられておるわけであります。これは昭和二十七年と書いてあるのでありますが、昨年だろうということであります。卒業式の打合会に君が代を歌つたらどうかという先生がおるのに対して、他の教師から、君が代は時代錯誤だ、われわれは天皇のためになるような人間をつくるために教育に携わつているのではない。君が代を歌わせるなんというのはどんな意図のもとに教育しておるのか。そんなことなら教育者になる資格はないというようなことを言つて強硬に反対意見を述べた、こういう事例であります。これに対して一関小学校の校長並びに教師数名、一関市の教育委員会の方々と教育長、それからあとではPTAに会つたのでありますが、これについて調査をした結果は、いずれもかかることについては全然心当りがない。一体どういうわけでこういうことが報告されたのか。だれが報告したのか。文部委員の方々が来ればわかると思つた。何か資料をお持ちになりましたかといつて、逆に言われたようなわけでありまして、職員の一人々々を調べてみたけれども、いずれもかかる事例はないし、君が代というようなものがそのとき話題になつたかどうかということも全然覚えてない。但しその君が代を歌わなかつたということは事実である。  そこでこれがどういうことでそういう誤報が文部省に伝わつて、これが偏向教育の事例としてここにれいれいしく掲げられておるのか、まことに不可解千万な話であるので、われわれとしては、あくまでもこれについて文部省に抗議を申し込みたいということを教育委員会の方々に言つておつたのであります。われわれが一関市を出発する停車場に、PTAの代表の方々が、そのときPTAの総会を開いておりましてその席から駅までやつて来まして、これは全然事実無根であるということを決議したというがどういうわけでこれが載つたか、それを文部省に詰問したいのだというようなことを言つておつたのであります。従つてわれわれの判断からいえば、これは第三班の調査に行きました国会議員五名の一致した判断でありますけれども、まことに不可解な事件でありまして、これについては、おそらく将来一関市からも相当抗議が出て来るのではないかと思われるのであります。  以上簡単に御報告申し上げた次第であります。

辻寛一自由党

○辻委員長 小林信一君。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 大体松平委員の報告で私の報告しようとするところが重複しておりますので、それ以外の点につきまして簡単に御報告申し上げます。  まず青森県下の警官の教職員に対する思想調査の問題でございます。これはまず調査した事実があるかないか、さらに調査の理由、またその調査が何らか国あるいは県等の中心から指令がなされておるかどうか、こういうことについて調査をしたわけでございまして、大体先ほど松平委員から説明された通りでありますが、国警隊長は、一署四駐在所のやつたことに対しましては、事実調査をいたしましたということを答えておるのであります。しかもそれはその巡査並びに刑事を呼びまして、その人たちから丁寧な調書をとつて、それに対して詳しく説明をしたのでございますが、しかしその調査の指令とかあるいは国警に対するところのいろいろな内容等については、全然国警におきましても関知しない、ただ駐在所の巡査あるいは刑事が、新聞等で教研大会あるいは教育擁護大会というようなものが今日非常に問題になつておるから、勘を働かせあるいは職業意識を働かせて、しかも日常懇意であるから調査したのであるということをわれわれは把握しておる、こういうふうに言つておるのでございますが、これ正対しましては、前の晩一応聞いておりながら翌日学校に直接行つて、できるならば文書でもつてそういう事実を報告してもらいたいというようなことまで言つておる点を考えますと、これは相当こういう行動に対して当局が何か一致した考えを持つておるのではないかというような点を私たちが説明したのでございますが、警察の方では、われわれはそういうふうな意図に基いたものではない、個人々々の自由な意思でもつてやつたのだということでありました。こういうことは教育に多分に影響をもたらすので、隊長としては注意すべきではないかということを申しましたところ、隊長は、当然こういうことはあり得べきである。さらに先日国警長官がこの委員会で、下部のクラブ活動というようなものについてはわれわれは調査してないが、しかし破壊的な行動等があるときは未然にこれを坊がなければならぬから、こういうものはあらかじめ注意して取締つておる、そういう調査をするかもしれないというようなことを言つておられるから、そういう点についてはあなた方の指令があるのだろうと言つたら、そこはあるようなないようなということを言つておりましたが、そういうことで教員を対象にしては教育上影響があるのではないかと言いましたところ、今先生は非常に強いからそんなことで影響はないと思いますと言う。強いというのは教員組合が強いので、個々の教員は非常に弱い、しかもPTAあるいは社会一般の基礎の上に立つての批判というものが常にある、ところがこの人たちがりつぱな教育的な理解を持つておるなら何でもないが、教育的理解の低い人かもしれない、そういつたときにあの先生は警察に調べられたということがあつたら、先生はその教育を完全に遂行することができない状態になることは知らぬのかと私が言つたら、隊長はあくまでも、いやあなたが考えるように先生は弱くない、もつと強い、こういう組合の強さということで、こういう行動をとることは何らさしつかえないというような答弁があつたのでございます。  次に姉体の問題におきましては、具体的に問題を申し上げますと、まず県の教育長は、偏向教育をしたということを認めておりました。しかしこれを懲戒処分にしたということは教育長としてもまことに判断に苦しんでおる。それからなお教育長に尋ねましたのは、教祖がこれにいかに関係しておるかということでございますが、それはこの偏向教育の資料なるものの最後の方に、日教組及び日政連及び岩手教組が云々ということが書いてありますので調べたんですが、教育長は、教組自体はこの偏向教育問題については手を引いておる、ただかつてレツド・パージを行つたときに、岩手県から二十名の犠牲者が出た、この一十名も、生活権を擁護するという建前からして、依願退職にして懲戒免職にしなかつたという事例等がある点からして、今回高野という教員が偏向教育をしておるという事実があつたにしても、その生活権擁護の建前からして、当然懲戒処分は取消さなくてはならぬということで教組は働いておるが、偏向教育であるとかないとかいうことについては働いておらぬ、従つて教育長の言をかりても、この資料というものにはその点でも間違いがあるわけであります。それから村教委はやはり認めております。並びに教育長も認めております。それから校長は、先ほど松平委員から申しましたように、認めておらない。多少の行過ぎはあつたかもしれませんけれども、ああいう真剣な教育は望ましいのだということを言つておりました。それから父兄を何人か呼んでもらつて、その人たちの意見を聞いたのでございますが、この中には共産党が入つておりますということを役場あるいは教育委員会の方の方たちからお話がありましたので、その人たちの話は私は省略いたしますが、この人たちはみなほめております。しかし自由党の支部長であるという方が申されますのに、覇気のある教育である、子供の求知心、探求心を非常に高揚し、しかも授業は非常に巧妙である、これによつて子供の学習活動というものが前に比して非常に高められておるということを言つておりました。こういうような予備知識を持ちまして、教育長それから本人のこと、あるいは教組のことについていろいろ調べたのでございますが、私が特に御報告申し上げようとすることは、憲法第九条が悪用されておるとか、あるいはアメリカの批判あるいは反米的な傾向というようなものについての列挙は当然ありましたが、アメリカに対する批判あるいはこれが反米であるというような批判、あるいは反米の程度に対しては、あなたはどういう見解を持つておるかと言うと、大体アメリカに対して批判するような者はやはり反米であつて、しかもこれは共産主義に通ずるものであるという簡単な断定のもとに、偏向教育であるということを説明しておるのでございます。あなたはこの問題を取扱う場合に、しよつちゆう監視しておつてこういう結果になつたのか、あるいは父兄、子供から先生の授業ぶりが問題があるという喧々囂々たる非難があつて、それに対してあなたは動いたのか、あるいはほかの何か特別の意向があつて動いたのかと申しましたら、父兄あるいは子供の方からはそんな依頼はない、ただ村長が、ああいうように村政を批判するような先生はどんな授業をやつておるか調べろというので私は調べましたということを言つております。さらに村の複雑性は、雑誌や新聞で述べておりますように、非常に複雑な情勢があります。従いましてもし気概のある先生であれば、やはりその先生はいけないという、それが合法のようなものであればよかつたわけですが、文書等で自分が原稿を書いたというようなことで、偏向教育の材料になつたわけであります。それから本人の問題でございますが、本人は共産党には属しておりません。それから本人の政党的な動きについて党員遜得の問題が出ておるのでございますが、それはどこからあなたは探知したかと教育長に尋ねましたところ、教育長は、その証人が今役場に勤めております。こういう話でしたから、その証人をどういうわけであなたのところでは採用したかということはそこでは別に問題にしなかつたのですが、一方学校において偏向教育らしいことをする先生は、これを懲戒処分にするような村であるなら、その先生にそそのかされて共産党に入党したらどうかと勧められたことを白状した者を役場の臨時雇いに採用しておる、まことにおかしいじやないか、そういう証拠を提供したために論功行賞として役場で採用したのかと、私はじようだんに言つたのですが、そういうことはありません、だが共産党に勧誘されて、自分が実際共産党の細胞のところへ行つて、私をどうか共産党員にしてくださいと言つたら、あなたはまだその資格がないからと断わられた、そういう経過を教育長は説明しておりますが、それを採用するということは実に不審な点があるのでありまして、前の複雑な村の事情という点から考慮いたしまして、村政の問題からして、呉服屋さんである一父兄の言葉をかりれば、この村ではでたらめな村政に対して少しでも批判するとすぐに赤にする、最近自分にじやまになるようなものは赤だ赤だと言つて人を陷れる傾向があるんですが、そういうことがこの村長以後採用されておるのだ、あなたたちはここで一日や二日で実態をつかもうたつて無理だ、大体三月ここにいてもらえば的確に把握できるということを言つておりました。なおこの人は共産党でないということをはつきり言つておりました。それほど村の複雑性の中から生れた偏向教育らしきものが、文部省といろいろ連繋をとつた結果、こういう形となつておるのでございますが、これは県の教育長におきましても、もつと教育長を介在して真相を究明してから後こういうふうにやつてもらわないと、地方の教育というものは混乱することが考えられるのであります。  最後に一ノ関のことを申しますが、先ほど松平委員から申されましたように、私たち三人が一致して、決して文部省の言うような偏向教育が行われておるものでないという判断を下したのでございます。とにかく二つの重大な法案を提案する根拠として出した資料が、こういうようなでたらめなものであるということにつきましては、私たちが遺憾に思うばかりでなく、非常に地方を混乱させておるのであります。私たちがまずこの問題を県教育長に聞きましたところ、そういうことは絶対にございませんという話であつたのでございますが、なおこれを疑いまして、いろいろな風評、うわさ等をまず聞き出したのでございますが、全然そういうものが聞けない。従つて県教委も市教委もまた父兄も、あるいはそういう先生は個人を指しておるのでございますから、同僚等々に尋ねましたところ、その方たちもそういう問題を全然否定しておるのでございます。私たちの問題にしましたのは当日であります三十八年の二月の二十八日の職員会議の模様でございますが、他の二、三の人に卒業式の式次第について問題が協議された。ほかの問題は何らそれらしきものはなかつた。卒業式の問題について、文部省当局がかかる判断を下したというので、これについて詳細にその当時いろいろと調査した結果として、校長さんの言うところには、歌は何を歌うか、校歌を歌おう、それから「仰げば尊し」を歌おう、「ほたるの光」も歌おう、「君が代」はどうしようか、「君が代」はまだあまり子供が熟練していないし、ほかにたくさん歌があるんだからよそうじやないかというような話合いはあつた。こういうのが事実らしいのでございます。しかもそのとき校長先生は十分くらいその会議室から——二階でやつたのでございますが、下へ降りたことがある。空白な時間がある。従つてその間に教師同士の間で何か話がされたかもしれない。これは教頭が主催した職員会議だそうでございますが、校長がその間の事情等を職員等に聞きただしたところ、そういう論議は全然なかつた、こういうふうにその日の事実については話してあつたのでございますが、校長さんが五十五歳で、しかも穏健な人であつて、この一ノ関小学校というのは一ノ関に八つある学校の中で一番いい学校で、その学校の校長になればこれが最後だそうでございますので、やはり人望もあり、徳もある人と私たちは聞いたのでございますが、この校長さんの説明、並びに校長さんの態度等から考えまして、まず学校そのものにはそうした形跡は全然ない。文部省が言うところの個人である職員の中にそういうものがあるかということを調べたけれども、以上のような結果でもつてない。ただそこに三人ほどその後転職しておる先生があるということを聞きましたので、それらの先生についてもいろいろ尋ねましたが、そういう先生が故意に自分の出た学校を誹議するために言つたというふうな形跡もないし、その先生たちのその当時の行動にもなかつたということまではつきりしました。それから当日PTAの臨時総会が持たれておつたのでありますが、そのPTAの総会には私たち行かなかつたのですが、私たちが汽車に乗る間ぎわに、その代表が、結論としてこういうことが決議されましたから、あなたたちにも承知していただきたいというお話があつたことは、先ほど松平委員の説明等にございましたが、そのときにこういうことを聞いたのでございます。ある御婦人の方が、一ノ関小学校は水野にあつてさんたんたる中に、父兄、学校、教育委員会が協力しあつて、元の姿に今日まで努力して立ち直つて来たのだ。実に涙ぐましい努力によつてわれわれは学校の復興を続けて来た。その大事な学校に、根拠のない、しかも偏向教育という恐ろしいレッテルを張られたことは、私たちのまことに残念なことである。どうして文部大臣がこういうでたらめなレッテルを、張るのか。どこまでも行政の力によつてこの問題は究明して、そして私たちが再び学校に対する意欲を失うようなそういうことをしてもらいたくないと、泣いて一婦人が臨時総会で申し立てたそうでありますが、私たちの受けた感じもしかりでありまして、私たち委員会の資料として出したものに、こういうでたらめなものが載つておるということにおいては、私たちはそう判断するのでございますが、文部省はいよいよ事実をはつきりここに提供して、そして委員会に明白にすると同時に、地方の方たちにもはつきりさせなければ、教育行政に信頼がないのみか、政治そのものの権威を失墜するのではないかと思うのであります。  なおこれは私たちの言ばかりでなく、教育長がこう申しております。昭和三十七年十月二十七日付の文部省の通達の中に、文部省が教育委員あるいは委員会、地方教育委員会、こういうものに対して何か調査報告をする場合に、必ず県の教育委員会を通して報告を受けるし、またいろいろな意見も文部省の方から教育長を通してやるということになつておるのだ、ところが今回の一ノ関の問題については、何ら教育長の方の意見も聞いておらないし、教育長を通しての調査等も何らしていない。そうしてどこから出た資料であるかわからぬが、こういうものが一方的に偏向教育であると指定されたことについては、まず県の教育委員会の存在というものを無視されて、地方教育委員会から信頼を失うと同時に、われわれとしても安心して教育事務に携わることができないというのでございますが、私はこの際文部当局にお伺いするのは、どこからこの根拠が出たのか、こういう教育行政機構の中から見ると何もないとすれば、国警以外にないわけでございますが、もし国警等とこういう連絡をとつて、ありもしないことがありというようなことになるようなことが行われるならば、現在においてすらも教育行政というものは混乱するが、さらにこの二法案によつてますますそういう警察権の干渉というものが出て来るのでありまして、どうかこの際この問題につきましては、はつきりその出所を文部省はわれわれ委員会に明白にされたい、こういうことをつけ加えまして、私の報告を終ります。

辻寛一自由党

○辻委員長 長谷川峻君。

長谷川峻自由党

○長谷川(峻)委員 前委員に引続きまして御報告申し上げます。  第一青森県の警察権力干捗の事例は、文部省が提出したところの資料とは別でありますが、当日行つて話を聞いた縦様は、二人の委員から御説明があつた通りであります。しかしその結論において若干違うものがあるところを申し上げてみたいと思います。なぜかと申しますと八項目を提出しておるのであります。これは県の教組から日教組に出したもの、問題の起つたのはいつのことかと申しますと、大体二月八日、九日、十日と、この前後において四箇所の駐在所が学校の先生の思想調査を行つたというのが問題になつておるのであります。しかしてほかの四件はいずれも昨年の九月、十月、十二月の事件であります。そこで話合いました結果、八月八日前後に起つた事件は、七日朝の新聞に、青森県一斉にどこでも大きく取上げたのは、このたびの中立法の法案について、反対の闘争をやろうというために、二百町村一箇所の割合において学校の先生が動員された。そこでそれぞれの気のきいた駐在所は、自分の所管に起つた問題、あるいはまた出席する者はどういう性質のものであるかを調べたいということで調べたのだろう。これはほかの委員諸君も認めてくれたところであります。しこうしてそのうちの二つは、何と国警の諸君もおりましたし、それから青森県の教員組合の執行委員長、調査部長も出席しておつたのでありますが、その学校の先生と刑事が常日ごろ仲がよかつた。そこで話合いが割にうまく行つたんじやないか。しかしほかの二つについては、多少権力的なものも感じた、こういう御報告であります。私はこれを了承するにやぶさかでありません。しこうしてその後問題になつたあとの一つについては、県教組もその事実はないということで、その場においた取消しております。もちろんこれは国警の方でも取消したのであります。さらにそれならばなぜ昨年の九月、十月、十二月の事件まで今日出て来たかということになりますと、去る二月十四日の青年婦人合同委員会において、こういう事例がないかということを県教組で話合つた結果、それならばこれがある、これがあると言つて出たのであります。なかんずく私が非常に注目しなければならぬと思いますのは、北津軽郡金木中学校における事件であります。これはお二人の委員とも、いかなる理由でか何ら御報告されておりませんが、これはほんとうに委員会においてしつかり皆さんにお聞き願いたいというものであります。それは県教組の警察権干渉の事例の文句の中には、北津軽郡金木中学校生徒の作文について、金木地区署の警官が金木中学校を訪れ、生徒を校長室に呼び入れ、教員がだれもいないところで調べた。その子供は友達から白眼視され、学校に出るのもいやになつたと言つている。この事例であります。これは今年の一月の事件であります。それではなぜ警察官がわざわざ校長室まで行つてその生徒を調べたかということは、われわれにとつては大きな問題であります。ところが偶然なるかなここにわれわれが非常に注目すべき事件が出て来た。その警察官は須藤という巡査でありますが、昨年の十二月初旬、その近くの嘉瀬村に共産党の細胞がありますが、そこの嘉瀬細胞が発行している嘉瀬民報という新聞、これは県内に配る場合には津軽新報と名前をかえております。そこへ十二月の二十五日に金木町において老夫婦殺しがあつて、事件が迷宮入りになつた。そこで警察があわてて、その犯人を調べておりましたが、ここに出ている調べられたという生徒、中学三年生の角田かねという十五才になる少女がいるのですが、これが共産党細胞の部落におつて、昨年の十月の取入期に兄弟三人で二反五畝を耕して、刈入れに手がなくて困つておつた。そのとき断つたにかかわらず、朝鮮人の諸君が二十名やつて来て、その取入れを加勢してくれた。そこでおばあさんはそのときに朝鮮人に加勢してもらつちや困ると言つたそうでありますが、いやそうじやない、われわれは加勢すると言つて加勢に出て来た。そこでその女の子が、朝鮮人のあたたかい心に触れた私という題で感謝の作文を書いた。その作文が郡教組の「北の星」という機関誌に載つた。さらにそれが今度は丸山はなという偽名で嘉瀬民報という共産党の機関紙に転載された。そこで須藤巡査は老夫婦殺しの事件がわからず、その付近をずつと調べているけれども目星がつかないから、朝鮮人にも一応の嫌疑をかけたのでしよう。あるいはあの子供が何か知つているんじやないかと思つて学校に行つて、あなたの学校に丸山はなという女がおりますかと問いたところが、学校の先生方四、五人は知らないと言つた。しかしそこに入つて来た一人の先生が、それじやあるいは角田かねのことじやなかろうかと言つたので、それじやあの子供かもしれぬといつて調べた、——調べたのじやない、教員室に連れていつて聞いてみた。その調べたという事件が県教組から日教組に提出された。調べた問題は思想教育じやなくて、迷宮入りしている事件について、その地方の雰囲気を調べたのでありますが、浦和市における討論会において日教組の諸君は、二時間もこの女の子を調べたと大言壮語しておりますが、これは国警の諸君もわれわれのいる前で、はつきり約五分間調べたと言つている。ところがその後においてこの女の子は、この問題が起つて以来、人権を蹂躪されたという文書を書いて、嘉瀬民報にさらに投書をしている。そのときにはこの女の子は病気で寝ている。これはわれわれ委員がみな聞いているのに、なぜこれを発表しないかおかしい。しこうして人権躁獺の文章を書いて、それが祖国防衛の新朝鮮に載つている。この嘉瀬細胞における朝鮮人諸君は、完全にこれはマル共であります。これは青森県の執行委員長、調査部長のいる前で国警隊長がはつきり言うても、何ら文句をつけなかつた。その後しかも去る七日の日曜日、県の防犯協会の弁論大会において、罪を犯した人には罪がない、という演題でこの女の子が演説をぶつている。そのときには朝鮮人部落の諸君が全部そこに押しかけて、拍手をして大いに声援をしている。皆さん、私はそこにおいて県教組の人に申し上げた。この問題を日教組に提示した人はだれか。この金木中学というのは青森市から離れた非常に辺騨なところにある。ところが何と驚くなかれ、これを提示したものは青森県教組の青年婦人部長の沢田せつ子君、しこうしてその御主人というのは数年前のレツド・パージで教壇を追放されて、仙台において今職業的共産党員として活躍しているのだ。そこで私は申し上げた。あなた方青森県教組の諸君は、こういう問題を取上げること自体がすでに利用されている、この点を利用されてこうした紛淆を起すことは間違いであるから、しつかり組織運動をするならば、まじめに間違いないようにやりなさいということまで私は忠告した。  この問題が一つでありますが、さらに先ほども松平委員がはつきり申されておりましたけれども、私は日教組の諸君がいる前で申し上げた。今法案が出ない前にさえも、すでに法案の内容らしきものを刷つて、全国において運動している諸君が、思想調査なり一斉調査されたという事態にあるならば、県下の組織をあげて、どんどん出して来るべきはずじやないか。どこの駐在所にもやられた、どこの学校もやられたと言いながら、出て来ない。一地区署と四駐在所しか出ず、そのうちの二つはしかも話合いで、非常に親密な間柄であつたということも言われているのだから、もしその反対であつたならば、おそらく全駐在所をあげて思想調査をしているという事例が出て来るはずである。ゆえにこの際においては国警の隊長——松本という人でしたが、その隊長の言うことを信用して、上の方が思想調査の命令をしたとは認められないということを申し上げて来たのであります。私はそういう意味において、この一つの事例でさえも大きな影響を与えていると思うのであります。  次には岩手県の問題でありますが、岩手県の姉体中学校の高野君の問題については、いろいろ話が出ましたけれども、これは岩手県教組でさえも高野君の問題には手を触れたがらない。そうして高野君自身が前に盛岡第二高等学校から転任される場合、県の教育委員会においても、どこかの学校にやつてくれという話の場合にどこでもどうしても受取手がなくてとうとうこのたびの姉体の中学校にやられた。そこでやつておる実例については先ほど松平君も申されており、ましたが、徹底的に巧妙なるフラクシヨン活動をやつておる。とにかく学校の先生がその名前をはつきり出して青年に入党を勧誘しておる。これは何としてもおかしい。高知県の大会において問題になつた「吾作とトミ子」という彼がつくつた文芸作品は、時事通信の教育内外版によると日共の文芸賞は間違いないだろうと言われておる。しこうしてまた村における政治のあり方においては、多少ゆがめられておるところがありますが、そのこと自体に対して、学校の先生がここにあるように自分で原稿をつくり、それをばらまきつつ村政を批判しておることは、少くとも学校の先生のやるべきことではないと思う。この人が教壇の上から子供に対して影響力を持つておることは困るというので、小笠原君の傘下にあるところの岩手県の岩教組さえも、この問題だけは巻き込まれないように一生懸命やつておるので、偏向教育としては県の教育委員会も県の教組も全部これは認めているところであります。私たちが行つたのは去る十日でありますが、われわれがその学校に臨んだ場合に、その中学校の校長は、この事件があつたにかかわらず、隣の金ケ崎中学校の校長に栄転するがゆえに、隣の教室において全校の生徒を集めて送別の辞を述べた。その送別の辞の中において、驚くなかれ、岩教組も相手にしない、県教育委員会も相手にしない、そして教壇を去るという高野君彼自身が認めておるそのものに対して、高野君はいい教育をした先生である、ほんとうに惜しいことであると言つて送別の辞を述べておる。この次の問題になるのは、佐藤忠明という校長でありますが、この忠明校長は、全体が偏向教育と認めて、今は手続の問題においてどうにかしてこの先生がまじめになるように、あるいは次の就職ができるように、松平君にも頼みに来たそうだし、われわれもまた懲戒免職よりは、村にいなくなりさえすればいいのだし、教壇から張りさえすればいいのだから、あとは職業的革命家になつて彼がどこでどんな仕事をされようとかまわないけれども、子供から隔離されることにおいては賛成だ懲戒免職より軽い処分において、あとで多少でも生活の余裕ができるようなことにおいてはわれわれも賛成でありますが、この姉体の場合においては、明らかにどの新聞社も、偏向教育とわれわれが視察した結果を、偏向教育は事実だといつてこの通り書いておる。ここに私は姉体の問題は全然問題がないと思つております。  私は他の二人の委員の諸君が述べ漏らしたところを御報告申し上げまして、私の報告を終るものでありますが、とにかく今度まわつてみまして(一関はどうした」と呼ぶ者あり)一関の問題については先ほど三人の委員が申された通りでありますが、ただ私が遺憾に存じたことは、校長先生が、小林委員が「あなたは幾つですか」と聞いたら彼は「五十五歳」「それじやもう首ですね」と言つたところが、彼は首をすくめて笑つておりましたけれども、非常に何というか個性のないようでありまして、おそらく教組の正力によつて、この問題が起つて以来沈黙させられた面があるのじやないかということを私は考えております。PTAの事実無根の決議というものは、数日前にあらかじめ用意されたということを、私の前に報告に来ている者もありますので、その根拠などについてさらにあとで文部当局の方から御説明があればけつこうだと思います。これをもつて私の報告を終ります。

辻寛一自由党

○辻委員長 各班の実地調査報告はこれをもつて終りました。  ただいまの調査報告に対し、政府に質疑の通告がありますから、これを許します。野原覺君。     〔小林(進)委員「政府に質問じやなくて、調査委員に質問じやないか」と呼ぶ〕

辻寛一自由党

○辻委員長 委員間の質疑応答はお差控えをいただきたいと思います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 私の質問の前に申し上げておきますが、ただいま自席から小林委員が、調査報告に対する質疑は単に政府に対してするだけでなく、報告をいたしました方々に対して質疑があつてしかるべきではないかという発言があるようでございます。このことは実は昨日の文部委員会の理事会におきまして打合せ済みでございますので、単に政府に対する質問だけにとどめないように、委員長としておとりはからいあらんことを要求いたします。委員長のそれに対する所見を求めます。

辻寛一自由党

○辻委員長 議事運営上委員間の質疑応答はいかがと存じましたので、お差控えを願うようにいたしたのであります。ちよつと速記を、とめてください。     〔速記中止〕

辻寛一自由党

○辻委員長 速記を始めて。派遣委員に対する御質疑もあるようでございまするが、議事の運営上お差控えをいただきまして、もつぱら政府に対する質疑をお始めいただきたいと存じます。野原覺君。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 私は本月の三日、文部大臣が当文部委員会に御提出になりました偏向教育の事例に関しまして、ただいま三班にわかれて現地調査の報告もございましたので、それらの報告の上に立つて大臣に質問をいたしたいと思うのであります。  大臣にまずお尋ねいたしたいことは、偏向教育の事例なるものを本月の三日文部委員会に御提出になりましてから、全国的に大きな反響を巻き起したのでございますが、翌三月四日から今日まで、全国各地からどのような抗議、どのような申入れ、どのような反響が文部省にございましたか、お尋ねいたします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 事例を資料としてお渡ししまして以来、新聞あたりではいろいろ、ことに日教組を中心にして、いろいろこれについて議論があるようであります。文部省としましては、別に地方から抗議が来たものはありません。今聞いてみますと、岐阜の恵那郡について、何かそういうことがあつたようでありますが、そこははつきりしませんが、ただいまのところ別に抗議のようなことは参つておりません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 恵那郡についてだけそういうことがあつたというのでございますが、そういうことではわかりませんので、そういうこととはどういう内容のものであるか、はつきりひとつ御返答願います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 今詳く聞きますと、恵那郡からも格別抗議とかなんとかいうものじやないらしい、はがきが一枚来たということであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 それではお尋ねいたします。三月五日付で高知県の教育長が緒方初等中等教育局長あてに、偏向教育の事例に関してお問い合せは参つておりませんか。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局地方課長)

○斎藤説明員 それは参つております。どこから報告があつたかということはわかつておりません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 高知県教育長からの申入れの内容はどのようになつておりますか。ひとつお読み上げを願いたい。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局地方課長)

○斎藤説明員 ここに書類がございませんので、県の教育長から報告があつたかどうか、その報告はもしないとしたらどこから得たか、こういう点が行き違いになつておりまして、回答を出しておりません。     〔「持つているなら出せ」と呼ぶ者あり〕

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 自由党席から持つておるなら出せということでございますが、実は私も文部委員の一人でございますから、私あてに高知県から、あるいは宮城県から、あるいは岐阜県から、どうしても了解できないので糾明をしてもらいたいという資料として送つて参つております。そこでこの点はよほど重大であろうと思いますから読み上げてみますが、三月四日付朝日新聞紙上に、文部省は三日の衆議院文部委員会に同省が教育二法案の国会提出を決意するに至つた重要裏づけの根拠として、偏向教育の事例二十四件を資料として提出した記事が報道され、その事例の中に管下(高知県管下であります)須崎高校及び山田高校があげられているのでありますが、当委員会におきましては調査を進めるとともに、偏向教育が行われることのないよう十分留意してもらいたいと考えるものでありますが、参考のために左記事項につき至急御教示願いたく御依頼いたします。記といたしまして、一、三月三日の衆議院文部委員会において、前記二十四件の資料が提出されたかどうか。二、提出されたとすれば、その中に管下須崎高校及び山田高校が含まれていたかどうか。三、含まれていたとすれば、1、事件の内容はいかなるものか詳細に承りたい。2、事件の調査方法について詳細に承りたい。3、管下一校の事件につき貴省より当委員会に対して紹介されたことがあるかどうか承りたい。この文書が三月四日付で文部省に来ておるはずでございますが、このことは斉藤地方課長が肯定したのでございますが、この文書に対してどのような処理をなされたか、一つ一つの事項について御答弁願います。

斎藤正文部事務官(初等中等教育局地方課長)

○斎藤説明員 まだ参回答は出しておりません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 問題は高知県下におきましては、須崎高等学校と山田高等学校の二件が、偏向教育の事例として、実は文書で提出せられましたために、非常なセンセーシヨンを起しておるようであります。そうしてこの三校に関して、高知県の教育委員会は、高知県民に対して大きな責任を持つわけであります。高知県の教育長も同様でございます。しかも県民あるいは県会から、今日県の教育委員会ないし教育長は非常な質問を受けておる。一体このことがあるのかないのかという質問を受けて、その答弁に苦しんでおるのであります。従つて文部省は、どのような方法でこのような資料をお集めになつたのか、教えてくれということが、ただいま私が読み上げた最後にあるわけでございますが、そういうことに対して回答を出していないということは、非常な怠慢でございますけれども、そのことはさておいても、どのような回答を考えておられるのか、県の教育委員会においては、非常に困つておるから、どういうぐあいにしてあなたの方は資料を集められて、こういう発表をしたかというお尋ねに対して、文部大臣はどのような御返答をなさる用意がございますか、お尋ねします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは資料を出しました当時も申し上げましたように、教育委員会の方面の報告、あるいはこちらから文部省の役人が現地に出張して調べたり、あるいは新聞等に出ましたものにつきましてはへそういう方法をとつたのであります“その他文部省として入手し得た情報であります。これをまとめて御参考に資料として提出した、こういうわけでありまして、一つ一つについてどういう出所であるかということは、お答えはできないのであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 これは文部委員会でございますから、実は教育二法案に重要な関係を持つておる偏向教育の事例に対して、どのようにしてこのような偏向教育の事例なるものが出されたのかということについての御説明がなければ、この事例についての検討は不可能であります。もしその御説明がないならば、今日私どもが調査した岐阜県恵那郡の問題、あるいはこれは調査の報告には出ておりませんけれども、北海道の深川高等学校の問題あるいは岩手県の一関の問題等、非常に県民なりあるいは教育関係者は、このような報告がなされたために大きな迷惑をこうむつておるのであります。しかるにもかかわらず、文部委員会で大臣がどういうわけでこういう資料が出たかということが御答弁できないということは、何としても了解できません。この点に対する御所見を再度承りたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは先日も申し上げたのでありますが、地方の学校の関係者もしくは先生がわざわざ文部省に出て来て実情を報告されたような事例もあります。その場合に自分が言うているということがわかれば、教職員組合から非常な圧迫を受けて非常に迷惑をするから、それはひとつ秘密にしておいてくれというような事例もあります。そこで文部省としてはこれだけは責任をもつて申し上げることができる。決して文部省が、かつてに捏造した事例は一つもありません。それはただいま申し上げるようなことであるから、裁判所で調べたようなものではないから、これがことごとく一言一句みな実際に合つている、こういうことは私は申し上げられない。しかし同時に、これが間違つておるということも申し上げられない。ただ申し上げられることは、一言半句捏造したものではありません。どこかの組合のように、うそを承知でビラを流したり、そういうことは文部省はいたしません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 高知県に関しては、私自身が調査に行つたわけではございませんが、私どもが自由党の伊藤郷一委員も含めて三名で調査をいたしました結果、岐阜県の恵那郡に関しましては、先ほど申し上げましたように、岐阜県教組恵那支部では管下の小中学校において、松川事件の判決の際、小学校四年生以上の児童に対し、授業を休んで松川事件の概要について話をした、こういう報告が出され、しかも話をした内容は、松川事件の真相は、吉田内閣がアメリカのさしずによつて無実の死刑を行つたものである、死刑の判決には反対であると述べたというのでありますが、このことは、大臣、まつたく事実無根でございます。私は事実無根と断定いたしますが、田中委員も伊藤委員も承知するはずである。大臣が事実無根でないと言うならば、事実無根でない証拠をここにお出し願いたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私はただいま申し上げるように、この資料が絶対事実で間違いでないということを申し上げておるのではありません。同時にまた、あなたがお調べになつて、これは事実無根である、こうおつしやつても、先ほどの報告だけでは——私は傍聴しておつたのでありますが、これが事実無根であるというふうには、私は判断いたしません。要するにこの資料を出したのは、委員会の皆様にこれによつて判断していただく、その資料として出したのであつて、それは各委員の方々の判断によつてきまることであります。自分の判断がこうだから、委員は全部そう判断をせよ、こういうことを言つているのではありません。同時にまた、野原君がそう判断されても、私はその判断に従うかどうかわからない。要するにこの資料の信憑性については、委員の方々が各自に判断していただく、これよりほかにないのであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 それでは、恵那郡の四年生以上の児童に話したという件は、大臣は事実無根でないと断定されるわけでございますか。再度お尋ねします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は事実無根とは申しません。これはしかし私の判断です。私がこの恵那郡のことについて、文部省から資料を出しましたについては、これはやはり根拠があつて出しておるのであります。委員会の方が、そこでそういう事実はないと言われたかどうか、それは知りませんが、まあ言われたのでしよう。けれども、それを言われたからといつて、すぐそれが抹殺されるようなものではない、かように私は思います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 大臣は事実無根とは思わない、このような断定を下しておるのでございますが、私どもは文部委員でございます。三名調査に行つたのです。調査した結果、事実無根という判断を持つて帰つたのでありますから、あなたはどのような調査をされ、どのような根拠の上に立つて事実無根ではないと、言うのか、そこを重ねてお尋ねします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私はあなた方三人で事実無根なりと御判断になつたならば、その判断が間違つておるとは言わないのです。それはあなた方の判断の通りでそうお考えになればいい。それに対して私は何とも言わない。しかし私はこれを事実無根なりとただちに判断はしていない、こういうことであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 事実無根でないと口でおつしやるだけであつて、事実無根でないという資料も根拠も、あなたはお示しにならないのであります。そこで私はお尋ねをいたしますが、もしこれが事実無根であつた場合に、大臣はどのような処置をおとりになられますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は先ほど申し上げたように、この資料のことごとくが事実である、こういう断定をとつておるのではないのです。そういうことをきめつけてはいないのであります。ただ私の判断はこの資料に基いて、今御報告がありましたが、ただちにこれを事実無根であるという断定には達しておらない、こういうことを言つておるのです。だからこれをあなた方に事実なりとして押しつけているのではないのです。委員の方々のそれぞれの御判断にまかせる、こう言つておるのでありますから、事実無根であるということが、裁判その他において——これがどういうことではつきりしますか知りませんが、はつきりした場合には、私の思い違いであつたというだけであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 偏向教育の事例として出したところのものは、ここにおられる自由党の諸君も、文部委員会においてこの事例がどのようにして出たかを記憶しておられるはずである。私どもは二法案の審議に当つて、山口日記を初め、至るところ、全国的に片寄つた教育がなされておるという大臣の発言があつたので、一体どのような事例を集めてそのような断定をなさるのかと申して、この偏向教育の事例なるものが出て来たのであります。ところがただいまの大臣の答弁では、この事例は事実であるのかないのか、はつきりわかりもしないものを委員会に出したとすれば、これは重大ですよ。あなたが偏向教育の事例として出したのですよ。これが今日恵那郡においていろいろな反撃が出、全国的にあちらこちらから、かかる事実はないという声が上ると、私は参考までにあなた方に出したのであつて、これは偏向教育であるという断定をしたのではない、こういうようなことをあなたは申されまするけれども、実は恵邦郡の地方教育委員会、あなたが育成強化しようという地方教育委員会、PTA、全郡下の人々からここに要望書なるものが来ておる。その要望書を見てみますと、「「偏向教育とて岐教組惠那郡支部臨休の件」が報道されて居りましたが、かかる事は全く事実無根であります。此の無責任な発表は児童生徒並に父兄一般に大なる悪影響を及ぼし且又専心教育の為真面目な道を歩んで居ります教育者の名誉毀損この上もないものでありまして、誠に遺憾に存ずる次第であります」、このように、この事例の中に該当するところの学校教員、父兄、子供はどのような迷惑をこうむつているかということをあなたはお考えになりませんか、この点はいかがですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 はたして事実無根であれば、なるほど迷惑でしよう。私はその文書、それから先ほどの御報告、それに基いてただちにこれは事実無根である、こういうふうに判断をまだかえていないのであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこで事実無根であるというその判断が大臣にもできた場合には、あなたは一体どのような処置をとるかということを聞いておるのです。よろしいですか。たとえば高知県須崎高等学校におきましては、私はここに文書を読み上げますが、高等学校を卒業するところの諸君が、その高等学校が赤い教育をやつておるならば就職先にもさしつかえるといつて、親も子供も心配しておるのですよ。学校の校長は声明書を出しておるのですよ。そういう迷惑をあなたの偏向教育の事例が及ぼしておる。従つてこれがもし事実無根であつた場合には、その該当する学校、あるいは県民、あるいは教育関係者、あるいは全国民に対して、大臣は一体どういう方途で、事実無根であつたことに対する責任をとるかということを私は聞いておるのです。いかがですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 事実無根であつたかどうかということは現在の私はわからないのであります。事実無根であつた場合にはとこう覆われたが、さような仮定の問題について責任をとるとかいうような、御希望のような御返事はできません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 私は事実無根であるということを、調査の報告並びに各般の要望書等からあなたに申し上げておるのでありますが、あなたは事実無根でないとつつばつておられる。そこで事実無根であつた場合にどういう処置をとるかということも仰せにならないのであります。そこでこのことは、私はどうしても納得できませんので、これは仮定と申しますけれども、私は事実無根であると断定しておる。だからあなたが事実無根でないと言うならば、その事実無根でないところの証拠をお示しにならなければ、あくまでもこの偏向教育の事例については検討することができません。これは委員長から事実無根でないところの証拠を出すように要求してもらいたい。それでないと私は質問できない。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 野原君が断定されたからといつてそれのために私に立証の責任があるということにはならない。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 大臣はあくまでも偏向教育の事例は事実無根でないとおつつばねになりますね。あくまでもあなたが出しました事例は、事実無根でないと今日もなお断定をされるわけですね。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私はしばしば申し上げるように、今日日本の学校教育の面において、非常に片寄つた教育が行われておるという事実は認められる、また少くともその危険があるという事実が考えられる、だからこの認識の上に立つてこの法律案を出した、これはしばしば申し上げております。これは私がさように認識をしたのであります。あなた方の方はそれはないんだと言う。これは認識が違うのです。だから私がそういう認識を持つに至つた資料として、文部省に集まつた情報なり、そういう資料を出せと言うからお手元に出した、これは前々からよく御承知の通りで、これは情報であります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこでお尋ねをいたしますが、実は私どもがこのような事例を集める場合に、私どもは人間でございますから間違つて集めることもあろうと思うのです。それで偏向教育としていろいろな調査が集まつたけれども、これはあとで考えてみるとそうでなかつたということもあるでございましよう。私はこのことをお尋ねしておるのです。ところがあなたは最後までこれには確信がある、こうおつしやつておる。私は間違いがあるならば、こことここは間違いであつた——三月三日に発表したのでございますから、今日全国的な反響も沸いておるし、たくさんの陳情者も見えておるのです。高等学校の校長は声明を出し、生徒が判こを押して泣いて訴えて来ておるのです。高知県あたりにおいては教育長のところに県民が押しかけておる、こういうようなこともあつて非常に混乱を巻き起しておるので、よく調べてみたらなるほどこの点はここが間違いであつた、ここは文章の間違いであつたというところもあろうかと思つて私は尋ねておるのです。いかがでございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は先ほどから申し上げておるように、これが絶対に事実間違いないんだという意味で資料を出してはいないのであります。ですからそれは、あるいは間違いの部分があるかもしれません。これは初めからそういう留保で資料を提出しておるのです。ただ、間違つておる、事実無根だと断定をされますけれども、私の方では事実無根のものをわざわざでつち上げてお手元に出したことは断じてございません。私どもとしては一応相当な根拠のある情報ということで出したのでありますから、あなたがそうおつしやつても、それは事実無根であつたという結論にはまだ達しておらぬ、こういうことを申し上げたのであります。

辻寛一自由党

○辻委員長 はてしのない押問答のようですから観点をおかえいただきましようか。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そうなりますと、大臣がしさいに検討してみるとあるいは間違いがあるかもわかりません。そこで私は間違いであつた場合に、たとえば間違いであるところについては削除するとか、あるいは相当混乱を与えておるからそれに対してはこういう処置をとるとか——これは文教の責任者であるあなたがこういうものを発表して混乱を引起したのですから、すみやかにそのような処置がとられなければならないわけです。そういう場合にどういう御処置をおとりになるか、いかがでございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは今申し上げるように、裁判所で調べるわけではないのですから、そう簡単に間違いであつたか、ほんとうであつたかということはおそらくきまりません。野原君は、これは事実無根だと断定をされておる。あなたが断定したからといつて、ほかの人までそれについて行かなければならぬというようなことはないのであります。だから先ほどから申し上げておるように、これはそれぞれの事情としてお手元に出したのでありますから、この資料についての御判断は各委員の方々のごかつてであります。文部省は決してうそのつもりで出したのじやない、こういうことを申し上げておる。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 どうも押問答のようになるのでございますが、この点は重大ですから、もう少しつつ込んでお尋ねしたい。間違いがあるかもわからないということを大臣もお認めになつたのです。そこで間違いがあつた場合にどう  いう処置をとるかということを聞くと「今度はまた言を翻して、事実無根ではない、でつち上げではない、こういうことを仰せられますけれども、現に岩手県の一関のような問題、あるいはそれが全然事実無根でないとしても、たとえば全郡下の小学校の四年生以上の子供が授業を休んで松川事件について話を聞いた、こういう範囲の問題、あるいは質の問題、内容の問題になりますと、行き過ぎもあれば書き過ぎもあつたのじやないか。そういう場合にどういう処置を一体とられますか。そういう場合、それでもあなたは取消しもしなければ、削除もしない、何らの弁解もしないで、あくまでもおれの発表したものは事実なんだということでつつぱるのかどうか。これを明瞭にしていただきたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 どうも同じことを……。(「同じじやない」と呼ぶ者あり)われわれの手元に入つた情報として資料を提出したのであります。これは資料提出のときにそう申し上げておるのです。だからこれは裁判所や何かでやるように、絶対にこれが事実で間違いがない、「初めからこういうことでお手元に出したのじやないのです。それを、出してから私がこれを絶対に事実であると主張しておるというふうにあなたはおつしやるけれども、そうではないのです。だからそれはこの法案の審議に関係して、その御判断の資料として提出をしたのであります。但し文部省が出す以上、そうむちやくちやに文部省がかつてに捏造をして出したのではない。この点だけを先ほどはつきり申し上げたのであります。間違つておつたらどうするか。なるほどどうかした方法で、これははつきり事実無根であるという場合には、適当な方法をとります。御迷惑をかけて済まなかつたとか適当な方法をとりますが、しかしこれも今間違いだとか、間違いでないとかいつてみたところで、初めから事実としてあなた方に押しつけておるのじやないのですから、これは間違いないようにしていただきたい。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 それでは偏向教育の事例として出されたものは、偏向教育という確信のないものであつたわけですか。1

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 確信のないものを出したわけじやない。全体を通じてごらんになれば、しばしば申し上げるように私どもの手元では、全国に偏向教育がどの程度に行われておるか、どういう質のものが行われておるかということを調査する手段がない。教育委員会に頼んでもなかなか返事をくれないのです。そこで手元に集まつた資料としてこれだけを差上げる。これだけでおしまいとは思わないのです。私は、これは日本の学校教育の面に非常に偏向的な教育が行われている。それが計画的に、意識的に日教組の指導によつて行われているのだと思われる。こういう大勢を知る資料として差上げたのであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 あなたはどうも言を左右にされる。あなたの答弁を聞いていると、言を一々左右にされている。これは確信のあるものかどうかということを私がお尋ねいたしますと、これは確信があるんだと答弁をされる。そこで人間には間違いがあるからひよつとして間違いがあるのではないかというと、あるいは間違いがあるかもしれません。それでは間違いがあるかもしれない資料なのかと聞くと確信があると言う。一体あなたは何を答弁しているのか非常に困るのです。そこでお尋ねいたしますが、文部委員会にでたらめな資料は出ないと思つている。大臣が文部委員会に資料を出す以上は、確信のあるものでない限り、偏向教育の事例だといつて確信のないものを出したらたいへんなことです。国会審議を冒涜するもはなはだしい。従つて出されているものは、少くとも大臣としてこれは真実だ、確信があると思つて出していると思いますから、その出された事例について、私は岐阜県恵那郡においてはまつたくのでつち上げじやないかということを質問したのです。そうするとあなたがでつち上げでないという証拠を出してもらわなければ、審議が進行しないじやないか。でつち上げでないという確信のある証拠を出してもらいたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 文部省がこの法案を通すために——ここにある恵郷郡の資料はごく一部の資料でございますが、この法律案を通すために故意に無根の事実を文部省の手で捏造をして出すほど卑劣なことはいたしません。捏造はせぬのだ。どこかの組合みたいに承知の上でうそつぱちをそこいらにばらまいているのと違う。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 それならお尋ねしますが、愛知県の渥美郡田原小学校においては「「原爆の子」を観賞させた後、一教員は「……真に平和を愛し、楽しい平和な生活のために斗つているのはソ連を中心に隣の中国です。朝鮮休戦を邪魔しているのは、米国の一部資本家が金を儲けたいからです」と説明し、これに対する感想文を書かせた。」こういう偏向教育の事例が載つているのでありますが、愛知県渥美郡には、田原小学校というものはないんですよ。ない学校の名前まで載せるなんてあんまりひど過ぎる。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 お答え申し上げます。愛知県渥美郡田原小学校ということでございますが、田原東部小学校の東部が落ちたのでございます。田原小学校には間違いございません。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 田原町には五つの学校がある。東部、中部、西部、南部、北部、の五つがあるのに、それをずさんに田原小学校というからすべての学校が迷惑して大騒ぎをやつている。(「オー・ミステークだよ」と呼ぶ者あり)オー・ミステイクではない。それから、ここでは文部省が新しい学校を一つつくつてくれたといつて非常に喜んでいるということであります。そうして愛知県からわれわれは多くの陳情を受けているが、思い当ることは全然ないと言つております。学校は五つあるから調べようがないけれども、全然思い当ることはないと言つております。今東部という名前が出ましたから——もはや委員会から派遣してもらうわけには行かないであろうから、私は何らかの方法で、事実があるかないか、東部小学校を調べてみたいと思います。  それから今大臣以下政府委員の聞かれた通り、岩手県一関の小学校において、いわゆる君が代を歌わせなかつたという問題でありますが、小学校の校長などは、松平委員報告によれば、かかることについては心当りはない。だれが報告したのかわかりませんと言い、また小林委員の報告によれば、われわれ三人は文部省の言う偏向でないということに一致した。その中には自由党の委員諸君も入つておられる。県教育委員会も、市教育委員会も、かかる問題は否定した。学校にもないし個人にもないということを明白に言われたのであります。まだたくさんありますが、こういう一方的な解釈であつたり、あるいは事実無根であつたり、あるいは極端なる故意の誇張であつたり、高知県の実例のごときは、海外から引揚げになつた人が、教育委員会の公報にこれをのつけるようにという一方的な投書を書かれたが、それを没にした。没にしたから、その人はいつも町政批判などをやる人であるから、寺の前の方にポスターを張り出した。その張り出したポスターのままがここに載つているので、多くの人々は、その人は非常に町に信望のない人で、ああいうかわつたことをやる人間のポスターをそのままここに現わしていると言つている。われわれはこういうずさんな資料によつて教育に非常に影響を及ぼし、教育破壊法案と言われるようなこういう法案を、こういうずさんな資料によつて押し通そうとする文部省の態度に非常に不満を抱くものでありますが、このようなずさんな報告を訂正する用意ありませんか。今われわれが聞いただけ、見ただけでも、たくさんずさんなところがあるんだが、これで審議の材料になると思われますか。この点を伺いたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 高津さんがずさんだとお考えになればそれまでであります。ずさんでないと判断をされる委員の方もありましよう。私どもは入手し得た資料をそのまま、確かだと思われることを資料として提出したのでありますから、これを書き直すということはでつち上げにならざるを得ない。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 どういう方法でこの資料を集めたという方法は言えないと言い、それからどこからこの資料を得たという出た場所も言うことができないと言い、今ちよつと見ただけでも、そのように多くの誤りのある資料をここに出して来て、こういう実情であるからどうぞこの法案は必要であつて審議して通してもらいたいと言つても、その根拠は私はくずれてしまつたと思う。もう一つ外国の事例を参考資料に出しておられるが、それらを見ても、およそこのように教育を刑罰によつて取締るというような材料はほとんどない。フランスにもイギリスにも……。(「偏向教育がないんだよ」と呼ぶ者あり)どこの国だつて今は資本主義と社会主義でどつちかに偏向しているんだよ。それをちよつとでも寄れば、今力を持つておる方がそれを偏向といつてこういう法律を出すのだが、外国の実例の方もこの法案を通す根拠には全然ならない、反対の材料になつておる。この報告書もそうだが、われわれはこの法案には、この文部省提供の材料が反対すべき理由になるのだが、文部大臣はこれでもやはりこれはいい資料であるとこう思うのですが、また専門員がずらり並んでおるが、専門員はちつともわれわれに資料をよこしやしません。こう職のそしりを免れないと思う。これは専門員のこしらえたものじやないか、あるいは文部省でこしらえたものか、言えないことはない。だれがこしらえたのか、悪いやつがこしらえたんだろう。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 あなたは外国の資料ということを言われますが、この法律案は日本のための法律であります。外国に施行するためのものを今提出しておるのではない、だから日本の国情に合うように、その実際に応じてこの法律案を私は提出しておるのであります。でありますから外国の事例がどうあろうとも、そういう事例だから、外国の立法例がどうなつておるから、この法律は成立さすべきでない、そういうりくつは私には何のことかわからぬのであります。  それから専門員のことでありますが、これはもちろん文部省として提出したものであります。専門員は御承知のように国会に付属した機関であります。この資料は文部省から出したものでありますから、専門員がこの資料を出したということはあり得ない。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 質疑の時間をわざわざつくつたのですが、今の大臣の御答弁を聞いておりますと、質疑が全然できなくなるわけです。というのはこれを判断するのは、われわれ委員会の自由だとか、かつてだとかいつて大臣は答弁なさつて、重要な点を省こうとしておるのですが、これは委員会としましても、文部省としてはこれが正しいという見解で出しておられる、そして私たちはその正しいかどうかということを調べて来たのであります。だからこれから私たちの見解と大臣の見解と話合いをして、そしてこれが事実のものであれば、大臣の提案する法案というものはいよいよこれは重要になつて来るものだし、そうでなければこれは大臣の出す法案というものも考えなければならぬと思う。それよりももつと大事なことは、地方を調査して参りまして、その地方の人たちが——私の言いたいのは、とにかくあらゆるものを私は言うのじやない、私の調査した一関の問題なんかに限つては、その地方の人たちが何としても納得できないのだ、だからほんとうにこれが真であるか偽りであるかを確めていただきたいというような場合に、私たちはこういう国の問題をどこで真偽を確かめるか、やはりあなた方は行政官なんです。行政官は正しい見解でもつてやつおつても、いろいろな間違いが起きる、そういう場合に、この委員会があなたたちの持つておるものをできるだけ提供してもらつて、根拠というものをはつきりしてもらつて、そうしてそこにあなたたちの見解は、間違つておるとか、正しいとかいうことを判断するのがこの委員会の仕事であつて、それが国の政治に対して国民の希望するところなんであります。してみれば、やはり大臣は、私たちが尋ねることに対して、できるだけ答弁していただいて、そうしてこの出した材料の真偽というものを明白にしなければならぬと思うのですが、その点やはり大臣は、私たちの調査して考えているのはそれはかつてだということで、これ以上あなたはいろいろな材料を提供して真偽を確かめることに協力しないつもりですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私どもはこの資料を真実なりとしてあなた方に押しつけておるというわけではないのです。でありますからあなた方の方で、この資料によつて、あるいはさらに実地調査によつて、これを真実なりとお認めになるか、あるいはこれは少くとも誇大なものであるとお認めになるか、その判断に基いて法案の御審議を願つたらよいと思つておるのであります。これを一々証拠を出して、真実であることを証明するということは、私どもにはできないであります。それは初めから言つてある。現に地方の学校において偏向教育が行われているような実情があれば、それを報告してもらいたい、こういう通牒を出したことだけでも、あなた方の方ではこれを思想教育であるとか、思想調査であるとか、何とかこじつけなことを言つて、それだけで不都合だと、こう言つておられる、人の手足を縛るようなことを言つて、証拠をみな出せとこう言われても、私どもはこれは初めから真実なりとしてあなた方の方に押しつけているのではないのですよ、だから判断は御自由ですと、こう言つておる。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 大臣と見解を異にしておるという個人的な関係なら、今の言葉は私は了解しますよ、しかしやはりこれは公の機関なんだ、そうしてあなたの出した資料というものが何ら影響がなければよいのですが、地方の一関なら一関の教員の方たち、あるいはPTAの方たちには、教育に対する非常な問題を起しているわけなんです。そうすると、あなたの政治に対して国民がいろいろな不満を唱えておるときに、私たちがそれをあなたに確めて、あなたの考えていることは正しくないとか、正しいとかいうことをお話することは、これは悪いんですか、私はやはりこの際は国民の疑問を解く点から、この機関を通してできるだけこれを明白にする必要があると思うのです。あなたはとかく日教組とか、そうしてこの法案に対する反対の立場に立つ個人を考えていますが、これは委員会なんです。公の機関なんです。この委員会を通して文教政策について国民の声というものを聞く以外に場所がないじやありませんか。あなたはやはりそういう点でできるだけ——私はこの話を明白にできるように、もしこれが秘密会にするなら秘密会にするという方法がある、そうしてあなたはここではつきり資料の権威というものを保持しなければならぬと思うのですが、どうですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 重ねてのお尋ねでありますが、先ほどの私が申し上げました答弁に尽きておると思います。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 こういう状態になつたら、これは国会というものはなくなつたも同じなんです。私は大臣にお尋ねいたしますが、国会否認じやありませんか。(「議事進行議事進行」と呼びその他発言する者多し)一関の人たちが、一関小学校のために私たちが被害をこうむつた、今日までできるだけ協力して来た、ところがその学校が赤の教育だというようなレッテルを張られたことはまことに残念で、事実があるならともかく、事実がないという状態だ、何とかこれを究明してくださいという声を聞き、きようもここに三人の代表が来て、文部大臣に苦情を申込もうとしておるのですが、先ほど来そういう事実は一つもなかつたという声が出て来ているわけです。そういう場合に、やはり大臣は教育長から聞いても、そういう事実はないと言われると思う、できたら教育長を通して文部省は調査してくれればよかつたというような声まで聞いているときに、文部省にどういうところからこれを聞いたかということをお聞きするのは当然だと思うのです。それでも大臣はどこからそういう資料が出たということを話してくれないのですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 先ほど申し上げたように、どういう出所であるかということはお答えできません。

辻寛一自由党

○辻委員長 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕

辻寛一自由党

○辻委員長 速記を始めてください。  小林委員から議事進行の発言を求められております。これを許します。小林進君。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 ただいま文部大臣と野党の諸君との問答を聞いておりますと、答弁が少しも進展いたしておらないのであります。しかしこの問題は、この二法案の根底をなす重大問題であります。いわば日教組あるいは教職員一諸君がいかに偏向教育を行つているかということの事例の問題、それから日教組の中に共産党員がいて、それがどれだけフラク活動ないしはオルグ活動をやつて教育にいかなる重大なる影響を及ぼしておるか、この二点がこの二法案の事実上の根底をなす問題である。だからわれわれは、この国会の忙しいさ中において、われ川、同僚諸君をわざわざ現地に派遣をさせまして、文部省提出の資料が適当であるか適当でないか、そういうことの調査に任じた方々の報告を今ここで承りますと、文部省の報告とわれわれ同僚諸君の報告とは実に大きな事実上の相違を来しておる。われわれは思想や感情に——あるいは結論においてもそうであります。事実の上に重大なる相違を来しておる。いやしくもわれわれがこの二法案を審議する際の根底をなす、その事実上の問題に対して、文部省の資料とわれわれ同僚諸君の調査がこれほどの大きな差があるというならば、これをそのままにしておいてこの法案を審議することはまことにむだであります。従つてわれわれは今日同僚諸君が報告せられましたその報告の速記録なりを全部しさいに見て、文部省も事実上において違うところがあつたら、その資料を訂正してもらつて、そしてほんとうに実情に即した材料の上においてわれわれはこの法案を審議して行くという順序に持つて行きたいと思いますので、われわれ同僚諸君の今日の調査の資料ができ上り、同時に文部省でもなお正確な資料を出してもらう、その上において私どもは議事を進めて行きたいと思います。  なお、あわせて私は委員長に発言をお許し願いたいが先ほども言つたように共産党が日教組の中でどのくらいフラク流動、オルグ活動をやつて影響を及ぼしておるかということは重大問題でありますから、これに対して私はこの前国警の斎藤長官に対して資料の提出をお願いした。それに対して委員長は、委員長の発言がありますから私は速記録を読みますが、……速記録が今出て来ませんが、斎藤国警長官に共産党の資料の提出をお願いして、委員長にも善処を願いたいと言つた。委員長は、承知をいたしました、こう言つておられるのであります。承知をしておられながらもなおその重要なる資料の配付がない。繰返して申し上げますが、共産党のフラク活動の影響と偏向教育の事実というのがこの二つの法案を審議する根底なんです。この根底だけはわれわれはどこまでも正確な資料を持つていない以上は、重大な法案に対してほんとうに審議ができない。本日聞いておりますと、私は国会生活を数年やつておりますが、これくらいお粗末な、ずさんな資料を提出せられたことは初めてであります。いやしくも十年間続いたわが日本の教育をまた逆転せしめるというようなまさに革命的な重大な法案である。そういう法案を審議する根底になる資料がまさに国会始まつてないようなずさんな資料を提供して、これによつてこの法案を審議するというような——文部省の責任をわれわれは追究しなければなりませんが、責任の追究は議事進行の問題ではございませんので、これは省略いたしますが、とにかく資料を整えるまでしばらくこの審議を留保せられることを動議として提出する次第であります。

辻寛一自由党

○辻委員長 ただいま小林君は調査の資料が完全に整うまでこの審議を中止するという御動議を提出になつたのですね。そういうことなんですね。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 文部省の資料……。

辻寛一自由党

○辻委員長 文部省の資料と、それから委員の資料がまとまるまで——それの御動議を御提出になつたわけですね。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 そうです。

辻寛一自由党

○辻委員長 それは承りました。あとで採決をいたします。  それから私に対する御質問もついでにお答え申しておきまするが、いかにもあなたから要求になりまして、国警の方へ要求はいたしました。しかるにその後における委員会におきまして、共産党の日教組における人数——それはそのときの中心でございました。それに付随して各県別とか、年別とかいうようなことも御要求になりましたので、あわせて要求いたしましたが、人数以外は職務の関係上発表できないということでありまするから、できないものを無理に求めるわけには参らないので、これはあなたの御要求通り、発表し得る限り発表ができておる、かように私は解釈いたしております。  そこで小林君から文部省並びに委員におけるところの資料が整うまで審議を中止すべしという動議が出ました。

山中貞則自由党

○山中(貞)委員 ただいまの小林君提出の動議に反対いたします。

辻寛一自由党

○辻委員長 それでは小林君から審議を暫時中止せよとの動議が提出せられましたので、まず小林君の動議について採決をいたします。小林君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

辻寛一自由党

○辻委員長 起立少数。よつて小林君の動議は否決されました。  審議を続行いたします。辻原君。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 ただいままで調査の結果について論議があつたのですが、なお今同僚の小林委員から大臣の答弁に対して、大臣の答弁が調査の結果の報告と著しく食い違う、その資料が的確にならなければ審議を進められないという動議が提出され、ただいま否決せられたのでありまするが、私はこの動議が提出になつた理由をいろいろ考えてみますると、結局問題は、いろいろ議論が出ておりますけれども、一体今回の調査がどういう目的で行われ、しかも文部省から出された偏向事例と称するこの参考資料が、どういうことからこれが要求されて、文部省が提示せられたかという点にまでさかのぼつて、私は、これは大臣も、またわれわれ委員ももう一度考えてみ直さなくちやいかぬ、かように思うのであります。と申すのは、この偏向教育の事例というものが、先ほどからの大臣の答弁によりますると、最初から確実な信憑性を持つたものだと考えて出したものではない、こういうふうに話がされておるのであります。それは速記録にも残つておるから明らかであります。ところがこの偏向教育の事例を出してもらいたいと要求したのは、これは議会側であります。要求した趣旨は、そういうものがあると大臣が説明されたのであるから、あるなればその的確な事例を出してもらいたいということで、これでございますといつて出したものだ、私はこういうふうに考える。ところが従来いかなる資料を議会が要求いたします場合においても、出す方において、それがもちろん内容等において、あるいは一つの方針を参考にするために議会が要求して、それをわれわれが検討するような場合においては、それぞれの見解が異なつて、その資料に信憑性があるとかないとかいうふうなことが問題になると思いますけれども、今回これを出せと言つたのは、そういう事実があると言つたことに対して、あるかないか、あるならば的確なものを出せ、こういう意味で要求したものでありますので、従つて論議しているのは、あくまでそのことの信憑性の問題である。またこれは当時は委員会で与党は反対されましたけれども、とにかく委員会として、しかも議院運営委員会の了承を得てこの調査をやつたという経緯は、こんな事実ありやなしやということを的確に当該委員会の責任において調査して来る、こういうことが目的になつて私は今回の調査が行われたことだと思う。従つて私は本委員会に報告されましたこの調査というものは、通例であるならば、当然それぞれの派遣委員が超党派的に一つの報告書にまとめられて、そうして提示されるのが普通の状態であると思う。しかしながら今回の場合においては、それぞれの事実認否についても異つた見解があることが当然予想されたから、こういういろいろな報告がなされたと私は思う。しかしながらその個々の委員が報告されましたことは、少くともこれは当委員会において決定した事項を遂行したのである、私はこれは重大な責任と同時に権威がなくちやならぬ、かような意味において私はこの報告を一つの権威として承つたのであります。ところがその委員会が自己の責任においてやつた調査の結果と、文部省がここに提出されたものとは、その事実において多少の考え方の相違はやむを得ないけれども、重大な部分についての食い違いがあることは事実であります。たとえば先ほど事例としてあげられた岐阜県の恵那郡の問題にいたしましても、端的に指摘をいたしますと、この問題については、いわゆる松川事件の問題を取扱つたという事実は、これはあつたかもしれない。私は行つたのではないから断定するわけには行かないけれども、皆さんの報告を聞いてあつたかもしれないと思う。しかしながらここに報告されている事項またこの資料は偏向教育が行われているかいないかという偏向資料であります。しかもここに記述されていることは四年生の児童に対して偏向教育が行われた、集めてそこで話をしたということである。かりに松川事件の問題を取扱つたといたしましても、それが教職員なら教職員の間においてその問題が取上げられた場合と、子供に対してやつた場合とは、問題は本質的に異なるのであります。もちろん自己の一つの固着した観念でもつてそのことを考えられる場合には、いろいろの判断があるかもしれないが、客観的にそのことを考える場合には、ここに重大な食い違いがある。子供に対して授業を休ましてやつたということならば、今日の基本法の精神においてでもこのことは当然問題視されるでありましよう。必ずしも松川事件あるいは共産党の問題でなくとも、いかなる政党の問題であつても、特定なことであるということになれば、それは確かに問題になるに違いない。しかしながらそれが教員の間で決議されたというふうなことであるならば、これが偏向教育であるかいなかということについては問題が非常に異なつて来ると私は考える。そういう点について明らかに報告の事例というものは全然違つておるのであります。このことについて先ほどからそれぞれ同僚議員の大臣に対して、違つているではないかという具体的質問に、大臣は何らお答えなさつていられない。私はそれだけの報告を皆さんから聞いた。この場合は、第三者としてかりにこの報告を受取つた場合においては、ここに載つておつたような事例はなかつたということを私は判断いたします。しかしながらここに出しておる資料は、それがあつたと述べておるのである。だから一体そのことの食い違いはどういう結果において生れたのか。それを大臣が明らかにしない限り、確かにこの問題については私は今後の審議におのずからその判断のしようが異なつて来ると思う。従つてこの点についてごく一例でありますけれども、他にあるいは愛知県の問題と言い、あるいは岩手県の問題と言い、高知県の問題と言い、個々に指摘をいたしますならば、そういう重大な食い違いが調査の結果において個々に出て来ておるのであります。従つて先ほどから両小林委員が言われるように、この資料に対して新たな——大臣は先ほどから私が自分で調査をしたのでない、いろいろな形でこれが集まつて来たものをただ出したのだ、こう言われた。今までであつたらそれでよろしい。しかしながらそのことに対する信憑性というものを知る必要があるということで、当委員会は調査をやつたのであります。従つてそのやつたことについて権威をここにあらしめなければならぬ。あなたはそれは委員会でやつたのだから、私たちの方はかつてだと言われるが、これでは少くとも行政府としての責任が全うされたものでないと私は思う。国会に対するあなたの責任からも、この点については少くとも調査の結果、委員会全体の調査のそれらの具体的部分についてそのままお認めになれば、それはそれでけつこうであるけれども、なおかつ先ほどのように、そうは私は考えないとあなたが言われる限りにおいて、やはりその裏づけを出さないことには、これはあなたの責任のがれであると私は断定してもやむを得ないと思うのですが、これらについて大臣としては、この審議の中で具体的に賛成、反対いずれにもかかわらず、もう少し親切な取扱いを私はすべきであると思うが、大臣はいかにこの点について考えるか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 この資料の信憑性について委員会の方で実地をお取調べになつて、委員会全体としてほんとうかうそかということをおきめになつたわけでもないようでありますし、具体的にお調べになつた委員のうちにも、その判断はそれぞれ違つておると思います。そこで辻原君がこれは事実信憑性のないものと判断する、こういうことを今言われたのです。そこで文部省との間に信憑性に対する見解が食い違つておる。だからどういうわけで食い違つておるか、それを言えと言われるのでありますが、これはあなたがそういうふうに判断されたのである。それによつて生じた食い違いは文部省が弁明しなければならぬというりくつはない。あなたの判断に合うような資料を私の方で出さなければならぬということはありません。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 大臣そういうおかしなことを言うもんじやありませんよ。私の判断に合うような資料をいつ出してくれと私は言いましたか。そういうことを言つたのではない。あとで私は伊藤委員に質問いたしますが、少くともただいままで岐阜の問題なら岐阜の問題について、三人が報告された事項について、その最大公約数をとつて、このあなたが出された資料とは食い違つておるそれについてあなたはそれは委員個々の判断されたことであつて、私の判断はおのずから違うと先ほどから再三再四言われている。しかしそれは頭の中で考えて判断する問題じやないでしよう。そういうことがいつどういう形で行われたかという事実認否の問題だ。従つて私はここに書かれたような事実がなかつたならば、なかつたというふうにはつきりすべきだと思う。それを頭の中で考えようとするから、でつち上げだとかいろいろなことを委員の側から攻撃を受けることになるのです。  そこで大臣がお答えに非常に悩んでおられるようだから、伊藤委員にお伺いをいたします。これは小さい部分でありますけれども、全体の資料が正しいか正しくないかの一つの事例としてお伺いしたい。それは先ほどから言つているように、四年生の子供を集めてその席上で松川事件の話をして、その結論が死刑は不当であるというふうなことを教え込んだというような結果が、あなたの調査によつて出たのかどうか、特に伊藤委員からはつきりお答えが願いたい。なおその点の話が先ほどの話と食い違えば、ほかの委員からもお願いすることになるかもしれません。伊藤君にお聞きいたします。

伊藤郷一自由党

○伊藤(郷)委員 私は先ほどから野原委員の質問の中に私並びに田中委員、同行した委員のいろいろの発言に対して言葉が及んでおりましたが、委員同士質疑を応酬しないという約束の手前がまんしておつたのであります。それで辻原委員の質問に答えますが、辻原委員の繰返し行われたあの執拗な質問を通じまして、私は実にこの人々の言論というものが(「委員と言え」と呼び、その他発言する者多し)いかに歪曲されているかということを今ほど痛感したことはないのであります。(「具体的に言え」と呼び、その他発言する者多し)なるほど私は言うたことは言うたと申しますが、岐阜県庁の県教委の席上に各機関が集まつて、今の恵那郡における松川事件で学校を休んだ云々という事件の調査を議題に供して、それが一応終つたあとで、ここに書いていることとは違うように思われるということをひとりごとのように、また同僚に相づちを打つように言つたことを今さら私は撤回いたしません。ただ野原君がしばしばこれは伊藤も同僚委員も事実無根だと言つたということを、また田中委員も繰返したが、これにはまつたく異議があるのでありまして、教組の人たちも、あそこの地教委の人も、小学校の校長さんも認めたように、また県教委の教育長も認めましたように、当日理由は何であろうと、学校を休業したことも確かでございますし、名目は学校給食の問題で集めたということになつておりますが、その終りにおいて学校給食の質問もあつて、ああいう整つた決議書までできたということも事実、つまり休んだということも、そこで松川事件のことが論議せられ決議せられたということも事実なんで、あの資料に書いてあることと違つてはいるけれども、これが事実無根だということは毫もございません。いわんや調査には参りましたが、県庁の所在地の岐阜市において一部の人が集まつて話されたのでありまして、その学校の所在地に行つてしつかり調べたわけではございませんから、それ以上これが事実無根であるとか、あるいはまた文部看の言うようにこの通りだというようなことであるとか、あるいはまた文部看の言うようにこの通りだというようなことまで私は責任を持つことができないのであります。

辻寛一自由党

○辻委員長 辻原君に申し上げますが、伊藤着に対しまする質疑はひとつお差控えをいただきます。大体のお話合いが各委員は……(発言する者多し)まず私の言うことを聞きなさい。今申し上げましたように、伊藤君に対する質疑は先ほどの申合せもありますし、討論にわたるおそれがありますから、この程度でおやめをいただきたい。それぞれの御報告をいただきまして各委員それぞれに判断をいたすことと存じますので、もつぱら先ほどお約束いたしました政府に対する質疑を続けてください。(発言する者多し)ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕

辻寛一自由党

○辻委員長 速記を始めてください。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 今伊藤委員にお伺いをいたしましたが、私の質問いたしましたのは、きわめて小部分であります。この恵那郡で行われた会合の性格、そういつたことを私は尋ねておりません。四年生の児童に対して、ここに述べられているようなそういう教育を行つたのか、そういう事実があつたのかどうかということについてお聞きをいたしたのであります。それに対しては、伊藤委員が今はつきりその事実はなかつた、とこうおつしやつた。そのことに関する限りはなかつたとこう言われた。そこで私は、さきにも申しましたが、偏向教育の事例としてあげられたものは、そういうことを子供にやつたという事例としてここにあげられておるのであります。ところが、児童を集めてそういうことをやらなかつたということを、調査に行かれた三人の、しかも各党の、立場の異なる委員が全部これを認められるに至つては、私はこの調査を少くとも今日信用せざるを得ないのであります。また信用するのが当然であります。従つて、これは、ここに出されたものは、大臣の先ほどの話とは違う。これについて、大臣がなおかつそういう事実があつて、この恵那郡はいわゆる偏向教育を行つているというふうに解釈されて、ここにあげられた事例を、かくのごとき文章でそのまま載せていることについて、私は当然撤回されるべきであると思うけれども、大臣はそのことについてどういうふうにお取扱いになるのであるか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 恵那郡の学校に関連した事柄について、辻原君あるいは他の委員の方々がどういうふうに御判断になるか、これは先ほどから申すように、その御判断にまかせるほかはないのであります。ただその判断を私にもそう思え、こう言われても、私はそれは承服できないのであります。同時にまたこの資料を出したからといつて、この資料の通りであるということであなた方に私の方で判断を押しつける気もない。これは先ほどから申し上げるように、この資料の信憑性あるいは委員の方が実地調査をされたその報告の信憑性、これは個々に御判断を願う以外にないと思う。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 大臣は盛んに判断々々と言われるが、これは判断をすべき問題ではないのであります。そこに灰ざらがあるかどうか。これを認めるかいなかの問題じやないですか。偏向教育を抽象的に述べられる場合においては、恵那郡に偏向教育があるかないかという判断が、おのずからその人の頭の中にある。問題は違うのです。具体的にこうこういついつこういう偏向教育をやつたという事例については、これは客観的な事実があるのです。あなた方がそういう一つの論理の矛盾を犯してまでこのことを押しつけようとするところに問題がある。そうでしよう。だからこれは私の判断にまかせると言うが、これは今伊藤さんが証言されたように、伊藤さんもそのことはなかつた、それからそのほかの人たちもなかつたと言つておる。あるならあると言つてごらんなさい。あるならあると言つてごらんなさい。速記に残つておる。あるならあると言つてごらんなさい。なおかつ、それにもかかわらず、大臣は判断の問題だからと言われるについては、これは私は了承できません。判断の問題ではない。判断の問題ではなくして、事実認否の問題について、その調査の結果は、これは誤つておりますという限りにおいて、それは私の判断とは異なるということが大臣は言えるのであります。しかしながら今大臣はこの席上において、各委員の調査されて来た事実に対する判定をくつがえす何らの資料も何らの証言もなされておらぬじやありませんか。それをすら必要がないというならば、これは別個の問題であります。しかしこのことは、あなたがやらないという限り、私はこの質問を続行せざるを得ない。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 今申し上げるように、この提出した資料の事実があつたということをあなた方に押しつける意味はないのであります。ちつとも押しつけるという気持はない。あなたは、これは事実の認識の問題だから、判断の問題ではない、こう言われるけれども、事実があつたかどうかということは、各人の判断にまつ以外にはない。これは判断の問題でないと言われる意味は、どうも私の言う判断と辻原君の言われる判断とは意味が違うらしい。これは事実があつたかないかということを判断する問題です。これは灰ざらがそこにあると言えば、だれでも目に見えることだから、みなそう思うでしよう。しかし、めくらならあるかないかわからないのです。いわんや過去にあつた、遠方にあつた事実を事実なりと認めるか認めぬか。それを判断の問題でないと言われても、私には何のことかわからぬ。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 これは私が言う判断と大臣が考える判断とは違つておる、こう大臣は言われるけれども、私の言つておることは常識だと思う。事実についてどうかということは、これは客観的に判断ができる。おそらくあなたの言われておる判断というのは、それはその地帯の教育の中に、こういう事象は除いて、そういう偏向教育があつたろう、あなたはそう判断されるに違いない。ところが問題は、それから一歩前進しておるのです。具体的にあつたとここに書いてあるじやないか。あなたもう一ぺん読み返してごらんなさい。ここにちやんと具体的にあつたと書いてある。いついつ何年の生徒、こういう問題についてかくかくの偏向の教育を行つたと書いてある。だから、そのことについては、委員は現地に行かれて、あらゆる客観的な材料を収集をして、ここに書かれてあるようなことはなかつたと当委員会に報告をやられておる。またあなたは、そういうふうに追究して行けば、これは別段その通り信じてくれと押しつけたものじやない、こう言われている。しかしながらそれは初めからすべて自信が持てなかつたからということが私は前提であろうと思う。しかし今その信憑性いかんということで、委員会において少くともそういうことがなかつたということになれば、この記事は当然誤りであるというふうにあなたの方でただいまやられるか、私の方では疑問なんだから後刻さらに調査をしてそのことについての事実を確めた上でやろうとするか、この二つの行動がなければ、ここに資料を出された文部省というものは無責任きわまることである、こういうふうにいわざるを得ないではありませんか。私は今二つのことをお伺いしたのです。判断という具体的事実については何も個人が頭の中で考える問題じやない、客観的材料さえあればすぐさまそこに結論が出て来る問題であります。それが誤りであるならば誤りであるとあなたが判断されるならば、それに対する客観的な材料をあなた自身が握つて委員の調査とここに対決してみる必要があるじやありませんか、そういうことをあなたはお考えになりませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私はかような事例があつたと判断をするから資料として出したのであります。辻原君はなかつたと判断をされる、これは判断の違いであります。辻原君の言われるような判断に私をどうしてもそこまで持つて来なければ承知せぬと言われても私は判断が違う。私の方も私の判断にあなた方がどうしも追従せられなければならぬとは思つておらぬ、それはめいめい判断の違いです。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 辻原君の判断、こう言われたのだが、私の判断じやありません。これは当該地に行つて来た委員の調査結果に基く報告じやありませんか。報告の結果について……。(「報告の結果についての判断じやないか」と呼ぶ者あり)ばかなこと言うんじやない。報告の結果について、そのまま載つているのに、その報告の結果を白とか黒とか判断することがありますか。報告が、全部同じようなことがなされれば、耳が悪くなければその通り聞える、その通り目にうつるのです。それを判断しなければならぬというふうなおかしな論理が常識でありますか、そんなばかなことを言うものじやありませんよ。具体的に先ほどの野原君の報告を聞いてもあるいは伊藤委員の報告を聞いても、田中委員の報告を開いても、私が今指摘をしていることについては速記録にちやんと載つている。その事実はなかつた、ここに書かれているようなことはなかつた、こう言つている。私はほかのことを尋ねているのじやありません。全般的な偏向教育があつたとかなかつたとかいうふうな個人の、主観に基く問題をここでお伺いしているのではありません。ここに書かれている客観的事実についてどうかということを聞いている、そのことを判断するとかなんとかいう問題については別個の問題じやありませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 何べんお答えしても同じことでありますが、事実があつたかなかつたかということは各人の判断の問題であります。現に裁判官は——判の字が書いてある、裁判官は何を判断する、事実があつたかなかつたかということを判断する、その場合に裁判官の判断と弁護士の判断は違うかもしれない、あるいは下級裁判所の判断と上級裁判所の判断は違うかもしれない、事実があつたかなかつたかということに対する判断であります。あなたは事実の問題について判断の余地はない、こう言われるから、そういうことは私にはわからない、こう言つている。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 裁判であるならば必ずその事実の認否についてそれぞれの立場において客観的資料を集めた上で判断を下すのです。委員が現地に調査に行つて来たということは客観的に資料を集めるために行かれた、その客観的資料に基いて今各委員がなかつたと言われている。私はその客観的資料である委員の調査というものを信頼するがために、そのことはなかつたというふうに、私はその通りを判定するわけです。ところが大臣はただここに書きつぱなしであつて、これだけの客観的資料に対して、あなたはそれを私の判断だと言われていることに対しては、何ら実証をする客観的材料を示しておらぬからこういう論争になるのです。ここにあなたが出されておるならば、私はあるいは資料の収集方法、客観的材料の集め方の相違があつた、そこから先はこれは見解の相違であるということも申し上げるかもわからぬけれども、あなたはそれに対してあなた自身を裏づける何らの資料もここに出されておらないから言つておる。その事実について、少くとも調査に行かれた委員は何らそのことを否定せられる委員がおらぬのですから、だからこの委員会においてはなかつたというふうにしか判定できない。それに対してあなたの方では、なおかつその判断についてあなたの方の資料を提示されるというお気持がないというならば、これは先ほどどなたか言われた国会の審議に、文部省はあるいは文部大臣は協力をしておらぬというふうに論断されてもやむを得ないと私は思う。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 辻原君のは御質問であれば先ほど来答弁した通りであります。それはこのたびの出張されたその報告に基いてあなたは事実無根であると判断をされたのです。この報告というものが絶対のもので、それであなたはこれに基いてそういう判断をされた。しかしこれを私にも当然その通り判断せよと言われても、これは困るということを申し上げておるのです。判断を強制されても困る。それから一体質問であるのか、進んで資料を出せという資料の提出を要求せられるのか。資料の提出はいたしません。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 どうも大臣は人の質問を正しく聞いていないきらいがあると用います。私の申し上げておるのはすべてが事実無根と言つているのじやありません。ここに書かれているように、四年生の子供に対してそういうことをやつた事実なし、こういうふうに各委員は報告せられておる、ところがこあにはそのことが子供に対してやられたと記述されておるので、それについては誤りではないか、こう私は言つた。それをあなたは私自身の判断であろうと言つた。それは判断の問題じやないと先ほどから繰返し繰返し述べておる。だからあなたが、しかしながらなおかつ委員の調査の結果については信頼できないとするならば、当然そこに、ここに記述されたことが正当であるということを裏づけるための資料を見せていただくか証言をしていただかなければ、私はそれについて納得することはできない。しかしそういう資料は出すお気持がない、こう言われる……。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これはいつまでたつても同じでありまして、どうもあなたが御納得できなければやむを得ません。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 そういうふうな事実に相違をしておつてもそれを率直に改められない、しかもそれを誤りでないと固執される限りにおいては、当然それならばその理由をお聞きしましよう、その資料をひとつお目にかけていただきたいというような、まことに筋の通つた話を、大臣がこれを拒否されるということについては、これは問答無用であります。そういうことは私は今までの少くとも委員会の審議においてはなかつたと思う。個々の委員が見解の相違はあろうが、それぞれやはり正当なことについては納得の行くような説明を当局がされ、われわれもまたそういう当局の説明については納得が行けばそれで了承します。これは少くとも委員会の通例の審議であり、また当委員会においても従来からもそうやつて来たし、そうあらねばならぬと思うけれども、大臣がそういうことまでも何ら顧慮されずに審議を進められるということにおいては、私は一応この問題についてはこれ以上の審議を進められないと、先ほどの小林委員と同じような見解を持つに至りました。

相川勝六自由党

○相川委員 関連して一言だけ私言わしてもらいますが、私は現地に調査に行つておりませんので、現地調査の結果がどういう事実が現われるかということに、非常に大きな期待を持つて静かに聞いておりました。その結果は同じ班でも各委員の間に多少事実の認識において違つてしおるのがあるようです。また文部省のお出しになつた資料と各委員が見られた資料との間にも多少の食い違いがあるようです。しかしながら、これを総合的に静かに考えますときに、偏向教育の事実は、われわれが考えておつた以上に大きいものがあると思つて、これはどうしてもほうつておくことはできないと考えるのであります。この今問題になつております二、三の事実の調べについては個々を考える必要があると思う。その学校なり教職員を今ただちに行政処分で懲罰に付するこか、あるいは刑罰に付するとかいうことでありますれば、あくまで事実を深く深く堀り下げて行かなければなりませんけれども、そうした問題じやない。われわれはこの偏向教育の大体の状況を見ておる。この資料で十分なんです。従つて各個のこまかいことについての各委員の食い違いを追究して時間を空費するということはとらざるところである。私はこれでたくさんだと思う。これ以上論究する必要はないと考えます。この辺で大体いいじやないかと思う。私の意見を申し上げます。

辻寛一自由党

○辻委員長 小林進君。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 私も先ほどの動議によりまして、われわれの質問の根底をなす重大な事実の認定に大きな開きがありますので、実は質問をするという自信も失つたのでありますが、といつて動議に敗れたわけですからしかたがない、順序に従つて御質問を申し上げますが、偏向教育の事例の問題について文部省から配付せられた資料は、まさにわが国会創立以来かつてないずさんな資料であります。この資料の第一  ページには、山口日記というものが偏向教育の事例として載つているのであります。で私は、この山口日記の事例を実は自分で精読してみたのであります。精読をしてみましたが、どうも私の判断をもつてすれば、一体どこに偏向教育があるのか、一体これのどこがいけないかということが、とうていのみ込めない。山口日記、この小学生日記、中学生日記、ともに一九五三年五月から八月、しかもこれは決して検定を要する教材じやない、参考書の程度で配付せられたのであります。その欄外に書かれた一つの文章にすぎない。その内容においてさえ私はどうしてものみ込めない。どこが一体偏向教育の事例であるか、この山口日記の具体的な問題をお聞かせ願いたいと思うのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これも小林君と私との判断の違いであります。あなたはつぶさに精読して、どこに片寄つた点があるかわからないとおつしやるのでありますが、私は至るところに片寄つた点があると思います。これはいまさらこれを読み上げなくても、世間でもさように認めておるのであります。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 私の懇切丁寧な非常に妥協的な質問に対して、そういう不親切な返答をされた。委員長、あなたは公平な委員長として、少しはそういう大臣をしかつてください。翼賛議会の戦時中の内務大臣の答弁ならよろしいかもしれませんが、今働く大衆全部を背景にして、国定の代表として選び出されたわれわれに対して、そういうずさんな答弁をするのはけしからぬ。もし国民の全般がそれを認めているというなら、あるいは小林進の個人的な意向を述べて悪いというのであるならば、私は参考までに文芸春秋に向坂逸郎氏が「教育は権力の侍女か」という見出しで山口日記を学者の立場で書いておられるものの一節を読んで、いま一度大臣の御返答を願いたいと思う。「「山口日記」なるものを、私は、全部読んで見た。」と向坂逸郎氏は言われるのであります。「これのどこが悪いのか私には分らない。」小林進と同じ意見であります。「これが悪ければ、平和憲法にさんせいした人、いまもこれを衛ろうと心がけている人は、全部極悪人になる。というのは、この「日記」の編集の精神は社会主義でもなんでもなく、平和憲法をまもろうというところにあるから。私の見た山口県教職員組合編輯の「小学生日記」は、去年の五月から八月まで、小学生がつけるようになつている日記で、各頁にいろいろな読ませる文章がのつている。「子どもの日の子ども会」とか「おかあさん、母の会に行つて下さい」とか、「麦かりの作文」とか「生きた文学」とか「星」等々沢山ある。「生きた文学」には、別にプロレタリア文学論があるわけでなく、林芙美子のことがあつて、「正しくはつきりした心の持ち主であるということ、何事にもくじけず勇気を出してぶちあたつて行くことによつて本当に生きた文が生れるはずです」と書いてある。「星」のところにはヘルクレスの伝説が書いてある。そこでどこが問題になつたのか、「教組」に行つてきいて見ると、まず第一に、そのむかし、国民にうその情報ばかり教えてくれた元情報局総裁天羽英二氏は、「メーデー」の記事で、毛利元就が三人の子を枕もとによんで、三本の矢を示して団結の尊さを示した話がのつているのをさして、これは「中共がたえず放送しているのと一致している。山口教組は中共と関係がある」と講演したそうである。毛利元就のこの話は、日本国民なら知らぬ人はあるまい。私も小学生の頃からきいている。そのむかし、名にしおう反動屋たることをかわれて警視総監になつた安倍源基氏は、県教委主催の「PTA協議会」で「日記」を攻撃し、「赤い教職員組合」なるパンフレットを全校長、PTA会長に配布しているそうである。この人々が戦前、戦中何をしたかを、考えて見るといい。」いいですか、大臣、あなたのことを言つているんですよ、「戦中何をしたかを、考えてみるといい。この人達は、国民を今日の不幸に陥れるのに協力したのを反省する代りに、平和憲法の精神を「アカ」と言つて排げきするのである。「日記」の五〇頁にある「ソ連とはどんな国か」というのが問題となつた一つであるそうである。この記事は、なるほど書き方は、余りうまいとはいえない。いま少し筆者の判断をおさえて客観的な叙述の仕方を工夫すべきであろう。しかし、最後には「アメリカや日本の「資本主義国」と、どこがちがうか、どこがよいかしらべてみて下さいと書いてある。この精神が叙述にもつとよく表れていれば、どんな悪意のある人間でも、問題にする余地はあるまい。」こういうふうに書いてあるのであります。特に私は大臣に質問する材料として、さらに申し上げる。「大達文相は、」今度はあなたのことが書いてある。「軍部フアシスト達に使われた旧官僚(満州国総務長官)である。「週刊朝日」(二月二十八日号)によれば、戦後巣鴨生活から出所するや「十年若ければ修養になつたとでも言うかも知らんが、実際はバカバカしい生活だつた」とうそぶいたという。無反省な人間を目のあたり見るような気がする。」これはいま一回申し上げます。「無反省な人間を目のあたり見るような気がする。彼等がやつた仕事が今日の日本国民の不幸であることを腹の底から反省して見なければならぬはずである。フアシストに使われた旧い官僚は、意識して、又は意識しないで、一歩々々旧い日本にもつて行く努力をしている。目先のこと、日本の地位のこと、日本の意地などにこだわるのは、やめたがよい。歴史はかならず「どちらが本当の泥棒か」を決定するだろう。あまり遠くない将来に。」、こういつておる。今あなたは、世間の一般の人が全部この日誌は不当であると判断していると言うが、身近なところで、やつぱり学者はこのように、あなたこそ反省のない旧官僚であると言なておる。これに対する御答弁を私はお願い申し上げたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 この向坂という人は、——向坂という人は私は全然知らぬ人でありますが、私は知らぬにもかかわらず、非常に私のことはよく調べておる。でたらめな調べ方であります。こういう学者がおるのかおらぬのか知らぬが、事実の真相を確かめずに、よくもそんな巷間の雑誌にうそを並べ立てたものだ、こう思つております。それからその向坂氏の論文だか何だか知らぬけれども、それにはこの山口県の小学生日記で、当りさわりのないところだけを書いてある。その今書き立てた以外の部分が問題があるのであります。これは現にあなたは全部精読したと言われるから、何もここであらためて読み上げる必要はありませんけれども、この向坂氏の今お読みになつた文句のうちにも、ソビエトの説明に関係して、もう少し客観的に書いた方がよかつた。それは書き方がまずいんだ。書き方のまずいということと、客観的にもう少し、片一方だけの書き方をしない方がよかつたと、こう書いてある。しかしこれは書き方のまずい上手の問題ではない。中身の問題である。これをただ書き方がまずいんだ、こう言つておる。そうしてみると、その向坂君の論文自体がやはりソビエトの説明をした部分については、片寄つておる、こういうことを認めておると思う。それはもし何ならここで読んでみましようか。(「もういい」と呼ぶ者あり)これは読まなくても、あなたは非常にこれを精読しておるというのだから、精読しておるのだつたら、読む必要はないでしよう。(小林(進)委員「読んでください」と呼ぶ)せつかくあなたは向坂氏の論文をお引合いになつたが、今お読みになつた文を、もう一ぺんよくごらんになれば、向坂氏自身がこれは片寄つておるということを認めておる。それを書き方が下手だと言う。書き方の巧拙の問題じやない。そのすぐあとに中身の問題を出しておる。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 向坂君がこの文章でうそを言つておるとあなたはおつしやつたが、どこがうそを言つておるか、それをお聞かせ願いたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私に関係する分は、大部分うそであります。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 あなたは満州国総務長官をおやりになつたというのはうそでありますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 経歴はその通りであります。だから大部分がうそだというのです。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 事実と合つておるじやありませんか。それでは向坂君の文章がいやしくもうそだということになれば、どこが一体うそか、それを聞かしてもらわなくては、私は納得できぬ。(「大塚日現先生に会つて聞いて来い」と呼ぶ者あり)君は一体、ぼくの思想をなぜくさすのだ。なぜくさす必要がある。けしからぬことを言うな。

辻寛一自由党

○辻委員長 お静かに願います。どうぞ御質問を……。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 私の思想が何だというんだ。

辻寛一自由党

○辻委員長 なるべく委員諸君の気分を損ずるようなことを言わないように、ひとつ控えてください。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 それでは私はいま一回読み上げますから、どこがうそだかひとつはつきり言つていただきたい。「大連文相は、軍部フアシスト達に使われた旧官僚(満洲国総務長官)である。「週刊朝日」(二月二十八日号)によれば、戦後巣鴨生活から出所するや「十年若ければ修養になつたとでも言うかも知らんが、実際はバカバカしい生活だつた」とうそぶいたという。無反省な人間を目のあたり見るような気がする。彼等がやつた仕事が今日の日本国民の不幸であることを腹の底から反省して見なければならぬはずである。フアシストに使われた旧い官僚は、意識して、又は意識しないで、一歩々々旧い日本にもつて行く努力をしている。目先のこと、日本の地位のこと、日本の意地などにこだわるのは、やめたがよい。歴史はかならず「どちらが本当の泥棒か」を決定するだろう。あまり遠くない将来に。」、これはどこがうそでありまするか、ひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 それでは委員長、その雑誌を貸してください。——あなたが読み上げられた中でどこがうそかと言われるから……。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 私はあなたより親切だから、あなたが貸してくれと言えばちやんと貸してやる。いいですか、このようにあなたもひとつ親切にしなさい。     〔小林(進)委員、書類を大達国務大臣に示す〕

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 ちようどいいぐあいに赤棒がひつぱつてある。——これで見ますと、「大達文相は、軍部フアシスト達に使われた旧官僚である。」、これは間違いであります。私はフアシストなんかに使われた覚えはありません。それから私が「巣鴨生活から出所するや「十年若ければ修養になつたとでも言うかも知らんが、実際はバカバカしい生活だつた」とうそぶいたという。無反省な人間を目のあたり見るような気がする。」、これは拘置所というものは修養のために行くところではありません。これを修養にならなかつたと言つたことがなぜ無反省であるか、こんなばかげたことに答弁する必要はない。「目先のこと、日本の地位のこと、日本の意地などにこだわるのは、やめたがよい。歴史はかならず「どちらが本当の泥棒か」を決定するだろう。あまり遠くない将来に。」、これは実におもしろい。これは私を何かどろぼうと間違えておるのだ。こういう無責任な悪態をつくような者を一々取上げて、ほんとうだのうそだの言つておることはない。この人間は悪意をもつてそういうことを言いふらしておる。これはまともな者ではない。大学の先生か何か知らぬが……。(笑声)こういうくだらぬ者の言うことに何も一々反駁する必要はない。大体において全部これはうそです。大部分がみんなうその皮です。かつてにし摩臆測をしておる。私は一面識もない人だ。一面識もない者が、よくもこんなつつ込んだ批評をするものだ。その無責任たるや驚くべきものだ。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 どうも文部大臣もやや頭が鈍つて、年寄りで、短気になつた。そのどろぼう問題は、前の文章からつながつておるのであつて、例のあなたの大すきな——あのどろぼう、ソビエトか何か、どろぼうが来るというので、戸締りをする。戸締りするが、しかしあとの方から紳士がどろぐつで入つたという、あの文章を受けておる。将来日本のほんとうのどろぼうは、一体前から来たどろぼうか、うしろから来る紳士か、どつちがどろぼうであるかということは、歴史が証明するということであつて、これは文部大臣あなたを言つておるのじやない。あなたはひがんで、自分がどろぼうであるかのように言われたかに読んでおるが、そういうことじやいかぬ。そういうような文章の読み方をするから、こういうばかな法律をつくるようになつて来る。(笑声)大いにそれは読み直してもらわなくてはいけない。  それと同時にいま一つ、今あなたはフアシストの手先になつたことはないと言われたが、しからば戦争中におけるわが日本の軍部が一体フアシストであつたかどうか、わが日本の旧軍閥、旧軍部をひとつお聞かせ願いたいと思う。(「答弁の要なし」と呼ぶ者あり)

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 かようなことの答弁を申し上げる必要はないと思いますが、しかし軍に関係して仕事をしておつたものが軍部フアシストの手先を勤めたというふうな言い方をする、これはむちやくちやなんです。当時軍人として軍部自体に入つておつた人もある。当時軍に関係しておつたもののことごとくを、軍部フアシストの手先であるというむちやなことを言うようなものはまともに話にならぬと思う。

小林進日本社会党(右)

○小林(進)委員 私はようやく順番が来ましてやつと質問に入つた。またあらゆる質問の準備をして来たのでありますが、何か田中君が議事進行の発言をしたいとおつしやいまするので、田中君の議事進行に譲ります。しかし私の質問は始まつたばかりでありますので、どうか委員長はひとつ十分御勘案賜わりまして、議事進行が終つた直後なり、いずれにしてもそのあとには優先的にまた私の発言を許すという確約を与えていただきたいと思いますが、いかがでございましようか。

辻寛一自由党

○辻委員長 よろしゆうございます。田中久雄君。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 調査の報告に関連いたしまして文部大臣への質問も相当長時間にわたつて繰返されておりますが、政府提出の資料につきましては、事実調査の結果資料に多少の食い違いのあることはここに見出されるのであります。この点はよく調べていただくことが文部当局としても当然のことと思われます。つきましては、この事実に相違がありました場合は訂正をしていただきたいと存ずる次第であります。それによりましてこの事実調査に対する質問は終りたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 ただいま田中委員から御発言でありましたが、私どもの方で提出した資料が、事実に相違しておるということがはつきりいたしますれば、これを訂正するにやぶさかではありません。決してこのままで委員会の方に押しつけるという考えではありません。

辻寛一自由党

○辻委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後七時三十四分散会

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