文部委員会 第15号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/11
会議録
○辻委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。理事伊藤郷一君、坂田道太君の両君より理事辞任の申出がございます。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。これより理事の補欠選挙を行います。理事の選挙はその手続を省略し、会員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて私より 竹尾 弌君 長谷川 峻君の両君を理事に指名いたします。 なお委員田中久雄君が委員を辞任せられました。従いまして理事一名が欠員となりましたので、この際その補欠選挙を行います。 理事の選挙はその手続を省略し、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。それでは私より町村金五君を理事に指名いたします。 —————————————
○辻委員長 次に、公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑に入ります。 この際申し上げますが、本案に対する各党共同提案にかかる修正案が原田憲君より提出されました。この際その提案説明を聴取いたします。原田憲君。 —————————————
○原田委員 提案になつております公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その骨子及び提案理由を御説明申し上げます。 まず第一に、義務教育の年限延長に伴う公立学校の施設の建設に要する経費の算定基準について、現在の法律では第五条第二項において、児童及び生徒一人当りの基準坪数の最低基準を抽象的に規定し、その具体的な基準坪数は附則第三項において規定しているのでありますが、これは第十六国会における本法制定の際において、政府提出の原案では具体的な基準坪数等はすべて政令に譲ることにされていたものを、国会において修正して現在に至つているのであります。しかるに、政府は今回基準坪数を従来の〇・七坪から一・〇八坪に引上げるのを機会に、再び具体的算定基準をすべて政令に譲ることを内容とする改正法律案を提出したのでありますが、このたび政府の多大の努力によつて、その基準坪数も従来の〇・七坪に比較して著しく高められたことは、まことに御同慶にたえないところでありますが、しかしそれは、まだ暫定的中間的基準であつて、本法第五条第二項の基本精神を満たしたものとは認められないので、われわれは、従来の立法趣旨からして、基準坪数を政令に譲ることにはとうてい賛成できないのであります。 第二に、中学校における生徒一人当りの基準坪数に乗ずる生徒数の算定方法は、従来は、建築する年の前年度の生徒数によることと規定されていたので、年度の進行とともに年々更新され、今後の生徒の急激大量増加にも対応できるものとなつていたのでありますが、しかるに今回政府はこれを変更し、生徒数は二十九年または三十一年度の五月一日現在の数で押えて、その後の増加はこれを国庫負担の対象から除外しようとしているのであります。これでは六・三制の実施によつて地方に多額の負担を強制しながら、国はその責任を果さないことになるので、この観点からしても、この方式は当を得たものではありません。また本件に関し本委員会においてなされた質問によつても明らかなごとく、生徒数のとり方と保有坪数のとり方とについては、いつも同一年度で歩調を合せなければ、児童生徒の今後の急激大量増加の場合にははなはだしく不合理に過重の負担を地方に負わせる結果となるので、この点からも生徒数を押える方式は妥当でないと考えられます。しかしながら中学校における今後の全国的な生徒の急激大最増加の現象は、おおむね二十九年から始まつて三十一年度を頂点とする約八十余万人の増加と推定されている山と、その後三箇年間の一時的減少期間を経過して、さらに再び三十五年度から始まつて三十七年度を頂点とする約百八十余万人の増加が推定される大きな山と、前後二つにわけて考えられるのでありますが、そのうち、後方の大きな山の対策については、将来当然に本負担法によつて措置を講ずることとし、今回はそれまでの間の暫定措置に目標を置くことにし、政令を規定するに際し、また今後数箇年間の予算措置を講ずる際においても、国会の意思を十分くみ入れて、実施面においてこれを実現するよう努力するならば、この生徒数をある年度で押える方式も実害なく運用されることと考えられるのであります。 よつて政府提出の改正案に対して、われわれは次のように修正することといたしたいのであります 第一に、第五条第二項の改正規定を削り、本項は現行規定のまま存置すること。 第二に、附則第三項を存置し、これを次のように改めることであります。すなわち附則のうち改正を要する点は、まず附則第一項第一号本文中「建築の坪数は、」の下に「政令で定めるところにより、」を加える改正点であります。中学校の生徒一人当り坪数に乗ずる生徒の数のとり方は、現在地方が当面に悩んでいるのは、昭和三十一年度までに増加する生徒のための校舎であるから、生徒数は当然この年度までの増加生徒を国庫負担の対象とする必要があるとともに、国の予算の関係上その年度までに建築ができなく、後年度にその建築を延ばさざるを得ない学校については、建築の年度の生徒数にかかわらず、昭和三十一年度の生徒数によつて本法を適用さるべきものであり、また昭和三十二年度以後において生徒が著しく増加したため、その学校の教育に支障を生ずるがごときことあるときは、本法において特別にこれを緩和する道を講ずべきもので、これはともにきわめて重要な事項であるので、法律として規定することも考えられるのでありますが、従来は政令に譲つている事項なので、今回もこれを政令に譲ることにいたしますが、政府においてはこの問の趣旨を十分御了承されて、国会の意思の必ず実現するよう処置されることを期待してやみません。 次に、同本文中「、政令で定めるところにより算定した」を削り、「収容する児童及び生徒の数」を「収容する児童及び生徒の数とする。以下同じ。」に、また商号但書中「当該学校の学級数若しくは一学級の児童及び生徒の数」を「当該学校の児童及び生徒の数、当該学校における児童及び生徒の一学級の平均収容数」に改める点でありますが、これらは本改正に伴う事務的所要の改正であります。 最後に、同号の表中「〇・七坪」を一・〇八坪」に改める点は、いわゆる従来の応急最低基準がこのたび中間的暫定的基準に引上げられたもので、きわめて重要な改正点であります。 以上がこの修正案の骨子であります。この程度の案ではいろいろ御不満の点もあることとは思いますが、一応政府原案に比して進歩したところかあると考えております。各位におかれましては、これらの事情を十分御賢察の上何とぞこの修正案に御賛成くださるようお願いいたします。 公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対する修正案を朗読いたします。 公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第五条第二項の改正規定を削り、附則第三項の改正規定を次のように改める。 附則第三項第一号本文中「建築の坪数は、」の下に「政令で定めるところにより、」を加え、「、政令で定めるところにより算定した」を削り、「収容する児童及び生徒の数」を「収容する児童及び生徒の数とする。以下同じ。」に、同号但書中「当該学校の学級数若しくは一学級の児童及び生徒の数」を「当該学校の児童及び生徒の数、当該学校における児童及び生徒の一学級の平均収容数」に、同号の表中「〇・七坪」を「一・〇八坪」に改める。 何とぞ御審議の上御賛成願いたいと思います。
○辻委員長 ただいま原田委員より提出されました修正案も一括して議題といたします。通告順により質疑を許します。竹尾大君。
○竹尾委員 簡単にひとつお尋ねをいたします。まず文部当局に対しまして、基準を政令に譲るとした理由についてお尋ねをいたします。義務教育の年限延長に伴いまして、中学校の施設の建設に要する経費の算定基準となる児童数及び生徒一人当りの基準坪数は、従来は当分の間〇・七坪といたしまして法律に規定されていたのに対し、この改正案では、これを全部政令に譲ることにしたのは、どういう理由によるものであるか、その点をひとつお尋ねいたします。
○近藤政府委員 お答えいたします。従来公立文教施設の国庫負担法におきまする一人当り〇・七坪の補助の場合におきましては、法律でその基準が規定してあつたわけでございます。しかしながらその他の、義務教育学校の年限延長の場合でなく、戦災学校の場合あるいは災害復旧の場合におきましては、その基準はこれを施行令に譲つているのでございます。従いまして今回もこれを施行令に譲ることが妥当であるという考えから、さようにしたのでございますが、たまたま従来一人当り〇・七坪でありましたものが、このたび一・〇八坪に引上げられましたので、この機会に戦災復旧あるいは災害復旧の場合と同様に、その基準を政令に譲ることが適当であると考えまして、政府案はさように考えたのであります。
○竹尾委員 説明は一応了承いたしますが、しかし政令に譲るということはいろいろの点で決していい結果をもたらさないということは、ほかの法律の場合にも言えると思うのです。いい場合の基準に引上げるのならいいけれども、政令に譲るということは決して思わしくないことなんで、それをほかの方の戦災や災害がそうなつているからそれに同じく肩を並べさせるということは、ちよつと承服できないのですが、どうですか。
○近藤政府委員 これは御意見があろうかと存じますが、当初公立学校施設費国庫負担法をつくりました際におきましては、われわれといたしましては、その基準につきましてはこれを政令に譲るという方針をもちまして、実は法律案を用意したのでございます。それが国会におきまして修正になりまして、その基準が附則の方に載りまして、やはり法律で規定することになつたのでございます。そういう経緯はございますが、しかしながら政令に譲る場合におきましては、概してこの法律の内容をなす細目につきましてはこれを政令に譲るというのが例でございますので、この点法制局とも相談いたしまして、このような方針を決定したのでございますが、これは政令の内容の問題でございますので、それぞれ意見があろうかと思いますが、一応政府といたしましてはかように考えたのでございます。
○竹尾委員 あまり感心しませんけれども、まあ愚問のように思われますのでこの程度でやめますが、次に政令規定の内容についてお尋ねをいたします。政令に委譲した場合に、義務教育年限延長に伴います中学校に関する次の三点はどういうぐあいに規定されましようか。それをひとつお尋ねしたいと思いますが、第一番目は、一人当りの基準の坪数、第二番目は基準坪数に乗ずる生徒数のとり方、特に何年度までの生徒の増加が認められるのであるか。またその認められた生徒分の国庫負担予算がその年度までに計上されていない場合は、その分はそのあとの年度におきまして国庫負担が保証されることになるのかどうか。それらの点に関する政府の具体的な既定方針というものをお尋ねいたします。第三番目は一人当り基準坪数に生徒数を乗じて算定されましたその学校の必要基準坪数から除外される保有坪数の年度のとり方についてひとつお尋ねいたします。
○近藤政府委員 お答えいたします。第一点の御質問は一人当りの基準坪数の補正の問題であろうかと思いますが、これにつきましては、戦災の学校の復旧の場合における基準坪数におきましても、また災害復旧の場合の基準坪数におきましても同様でございますか、一人当りの基準坪数を大体中学校につきましては六学級を中心にいたしまして三百人から四百五十人の学校を基準にいたしまして、一人当り一・〇八坪というものを考えまして、それに対して積雪寒冷の地方におきましてはそれに若干の補正をする。また学校の生徒数が非常に少いという場合にはこれにさらに補正を加える。あるいはまた一学級の収容生徒数がたとえば二十名であるとかいうようなごく寡少な場合におきましては、さらにこれに修正を加える。従いまして例をあげて申しますれば標準は一・〇八坪でございますが、それが学校の児童生徒数が少い場合には、この補正によりまして一・〇八坪が一・一坪になる。またその学校が一学級の生徒数が非常に少い場合には、さらにそれに補正を加えまして、それが全部で一・二四坪になるというようなことになりまして、きわめて合理的になるわけであります。一応一人当りの基準坪数につきましてはかような補正を考えておりますので、これによつて適正な基準坪数が確保されるというふうに考えております。 それからまたその次の御質問でございますが、基準坪数に乗ずる生徒数の年度のとり方でございますが、これにつきましては、私どもは一応昭和二十九年五月一日現在を基準にいたして考えております。本年の予算におきましては、二十八年五月一日の生徒数を基準にいたしまして予算を積算いたしたのでございます。それを、配分の場合には二十九年五月一日を基準にいたしまして、これを配分するというふうに考えております。それからその場合の基準坪数に生徒数をかけまして、不足の坪数が出て参ります、それで現在の保有坪数を差引くわけでありますが、保有坪数の差引の計算につきましては、その年度の保有坪数を差引くというふうに考えております。
○竹尾委員 この点について大蔵当局はどうでしよう。
○大村説明員 お答えします。ただいま近藤政府委員から御答弁申し上げたことと同一な考えでおります。
○原田委員 関連して……。大村主計官にお伺いしますが、生徒数は昭和二十九年三月一日の数を押えられるのですか、
○大村説明員 ただいま近藤政府委員から御答弁になつたと同じような考えでおるわけであります。
○原田委員 それでは今度管理局長にお尋ねいたしますが、生徒数は二十九年五月一日現在、また三十一年五月一日現在で押えて出すというような考えを持つているのじやございませんか。
○近藤政府委員 お答えいたします。私どもが初めに考えておりました点は、昭和二十九年五月一日現在の生徒数を基準にいたしまして、その不足坪数を出しまして、それを年次割で解消して行く、補助金を出して行くというふうに考えておりまして、問題は昭和三十年度がどうなるか、あるいは昭和三十一年度がどうなるかということじやないかと思いますが、それにつきましては、確かに昭和三十年度、昭和三十一年度は、人口増に伴いまして生徒員数が非常に増加するわけでございます、さような場合におきまして、昭和二十九年五月一日を基準にいたしましてやることについては、非常に不合理があるという御意見もあろうかと思いますが、一応私どもが考えております点は、二十九年五月一日を基準にいたしまして下足坪数を出しまして、それを年次割でなしくずしにして行く。それからその生徒数の異常増加につきましては、これは別に、たとえば二十八年度に実行いたしましたような起債をとりまして、これを各府県に配分するというようなことも考えたのでございます。一応昭和二十九年五月一日を基準にして考えております。
○原田委員 二十九年五月一日を基準にして、そうしてそのあとは起債をもつてやるというようなことでございますが、私先ほど言いましたように、これは二十九年度から三十一年度にかけて非常に増加いたして来るのでありまして、このことについて政府としては、起債でまかなうということでなしに、三十年度、三十一年度についてはつきりと、ここで政令に含む場合もこれを見て行くということを言明されませんか。
○近藤政府委員 そういう起債の方法もありますが、別にこの生徒増を見込むという意味におきまして、昭和二十九年五月一日に拘泥することなく、昭和三十年については三十年五月一日の生徒数を基準にして不足坪数を計算する、さらに昭和三十一年については昭和三十一年五月一日の生徒数を基準にして不足坪数を計算するということについて、これも実はその点を考慮しておるのでございます。大体大蔵当局とはその線について話合いがついておりますが、なお詳細につきましては、さらにはつきりと打合せをしたいと考えております。
○原田委員 ただいま管理局長の答弁がありましたが、大蔵省側もそういう意向でありますか。大村主計官にお伺いいたします。
○大村説明員 今後相当児童数が増加するという点につきましては、先ほど提案理由の御説明の中にもあつた通りでありまして、その点については最近の地方財政の事情等もございますので、できるだけ実情に合うように考慮いたしたい、このように考えております。
○竹尾委員 私は今の原田君の関連にまた関連するようなことになつてしまうが、これを足りない分は地方債、起債を認めるということをおつしやられたようですが、私はそういうことはいかぬと思う。これを起債でやれば、御承知のように地方財政がうんと困つてしまうので、これはできるだけ政府の補助か何かにしてもらわなければ困るのでありまして、すぐに起債を許すからというふうなぐあいに大蔵省は逃げてしまう。この点は、逃げられては困るので、ひとつ大いにそんなことでないような考え方をしていただきたい、私はこう思うのですが、この点について大蔵当局と自治庁の考え方をお伺いしたいと思います。
○辻委員長 自治庁は今呼んでおります。
○大村説明員 これはできるだけ竹尾先生の御意見を尊重いたしましてやつて行きたいと思います。
○竹尾委員 尊重するということは、そういうことはできるだけやらないということでございましようね。地方財政を圧迫しない。できるだけそういう起債なんかというものに持つて行かないお考えでございましようか。もう一度、非常に大事な点ですから……。
○大村説明員 その点は政令に書きます際に、十分愼重に配慮して書くことにいたしたいと考えております。
○辻委員長 この際受田君から委員外の発言の申出がありますが、これを許可するに御異議あまりませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。それでは受田君。
○受田新吉君 ただいまの国庫負担で行くか、あるいは起債でやるかという問題は、これはきわめて重大な本案の中心課題だと思うのです。今きわめてあつさり大蔵省は御答弁になりましたが、この補助金で行く場合と起債でやる場合には、それを受入れる方の側としましてはきわめて差異があつて、そのいずれをとるかによつて市町村の受ける影響力ははなはだ大きいものがあるのです。従つてこの補助金か起債か、その不公平を是正する方途は、われわれとしては結局起債をやめて、一本の補助を中心にするという基本的なものに持つて行かないと、これを受け入れる側の、引受ける側の地方公共団体としてはきわめて困る段階になると思うのですが、文部当局としては、この補助でやるか、あるいは起債でやるかという問題について、いずれか適当な方法、補助金が足らぬところは起債でやるのだという便宜的な措置に対して納得せられるのか、あるいはそういうことは困るのだという態度を持つておられるのか、文部当局の御意見をまずお伺いし、これに対して大蔵省は、その文部省の意見に対してどういう意向を持つておるか、それに対する御見解をお尋ね申し上げたいと思います。
○近藤政府委員 お答えいたします。ただいままで公立学校の施設に対する国の補助の場合におきましては、たとえて申しますれば義務教育の年限延長の場合、あるいはまた屋内体操場の場合、老朽校舎の場合、国からそれぞれ二分の一とか三分の一という補助を出しておりまして、その差額につきましては地方起債によつてこれを支弁するというのが今日の実情でございます。老朽校舎で申しますれば、三分の一を国が補助いたしまして、三分の二を起債で見ることになつております。しかしながら今日では必ずしも百パーセント起債がつきませんので、かりに八〇%といたしますれば、残りにつきましては市町村の自己財源で負担するというのが現状でございます。もちろん地方財政の実情によるわけでございますが、市町村当局といたしましては、全額補助を希望することは当然だろうと思います。しかしながら国家財政のいろいろな都合がございます。国家財政とか地方財政とかいろいろなあんばいがございまして、今日では先ほど申し上げましたような割合で国が補助し、また起債を見ているわけでございます。気持といたしましてはできるだけ補助の率が多くなることは、もとより私どもといたしまして希望するところでございます。
○受田新吉君 憲法に保障されている義務教育の全額国庫負担という基本的なものを文部省も実践しなければならぬ義務があるわけですが、この点についてその建築を引受ける側の市町村としまして、地方財政の上において、補助で学校を建てるところと、起債でやらされるところと、そこに不公平な結果が起つて——一様に同じ地方財政上の負担を受けるならばやむを得ないでありましようが、非常に恵まれた市町村、それから起債でやらされることになると地方財政にはなはだしい圧迫を受けるような市町村、こういうところがどしどし出るような結果になる心配はないか。文部省としては、ここを憂慮されるたらば、いかなる対策をもつてそうした憂慮すべき段階を未然に防止するかということです。それに対して大蔵省の先ほどの御意見を伺つていると、あつさり補助ができぬところは起債でやるべきだと実にすげなく申しておられるのでありまして、この点について文部省としてもつと徹底した意見を持つて大蔵省と折衝される必要がなかつたか、この点当時の経過などについても、私文部当局の弱腰を感じているのでありますが、文部当局としては私が今お尋ねしております点について、この解決策、すなわち地方財政の上における影響力、特に地方財政上、地方の共同団体の受入れ側のそれぞれの立場で不公平が起ることについての調整をどうするかという点の御所見を伺いたいのであります。
○近藤政府委員 お答えいたします。お示しのように、いろいろ地方の市町村側におきまして、公立文教施設の補助金を受ける場合に不公平の起る場合もあろうかと思いますが、一応私どもの方におきましてはさようなことのないように、最も適正に配分しているつもりでございます。ただ問題は単独起債でこれをまかなう場合と、補助金がついて、その残りにつきまして——これは義務的にと申しますか、当然起債がつくという場合との違いはあろうかと思いますが、できるだけ補助金をつけるようにいたしまして、その残額につきまして義務的に起債がつくことが望ましいのでありますが、ただいまのところ——たとえて申しますれば、老朽校舎につきましては補助が三分の一で、その金額も限定されております。従つてその三分の二につきましては起債がつくわけでございますが、そのほかに老朽校舎の改築を起債だけでやる、単独起債という面が相当あるわけでございます。その場合にはお示しのように、あるいは不公平が起り得るのじやないかと思いますが、私どもの気持といたししましては、できるだけ補助金をよけいとりまして、なるべく全部補助、起債でまかなうように努めたいと考えております。
○受田新吉君 大蔵省にお尋ねいたします。文部省はきわめて切実な要望をしているのでありますが、地方公共団体が単独起債で危険校舎の改築をやるというような運命にぶつかつたときに、はなはだお気の毒であると思うのです。この点について大蔵省としてはもう少し熱情を込めて、憲法の精神もよく尊重して、そうした切実な立場にある貧弱市町村に対してもつと補助のわくを広げる努力をされる必要がないか。この点について御所見を承りたいのであります。
○大村説明員 校舎の改築につきまして従来の経過を申し上げますと、元来学校の改築費につきましては、学校教育法に書いてあります通り、学校経費負担の原則によりまして、明治以来ずつと市町村で単独事業としてやつて参つたのでございます。従いまして一昨年まで——国庫といたしましてはできるだけ地方債その他の便宜をはかりますが、原則は依然として従来通り地方の単独でやつておつたわけであります。それを昨年より危険校舎改築臨時措置法を制定いたしまして、地方財政の現状もございますので、補助金を支給するようになつたのでございますが、国庫の財政負担能力という点もございますし、危険校舎の範囲などという点もございますので、極力補助対象は広く考えて行きたいと考えておりますが、それをカバーできないものは地方債の方でも極力ごめんどうを見てあげる、そういう方針で進んでおります。
○竹尾委員 中学校の生徒一人当り一・〇八坪の性質についてお尋ねいたします。従来の〇・七坪から今度一・〇八坪に引上げられたことについては、私どもも大いに当局の御労苦を多といたします。しかし私どもは中学校の最低基準は一・二六坪ということで抑えているわけで、そこでこの一・〇八坪というものは本法の第五条第二項の規定の内容をなすいわゆる恒久的な最低基準となるものであるかどうか。これは非常に重大な点であるから、文部省はもちろんだが、大蔵当局、自治庁当局に御所見を承りたい。
○近藤政府委員 お答えいたします。義務教育年限延長の場合、中学校に対しまして補助金を出す場合の基準でございますが、お話のように昭和二十二年以来一人当り〇・七坪ということで今日まで施行して参つたのでございます。この〇・七坪と申しますのは、すでに御承知の通り、廊下と便所と教室というようなきわめて限定された範囲の基準でございまして、われわれといたしましてまことに遺憾にたえない状態でございます。しかしながらこれにつきましてはいろいろな関係から今日までこれで参つたのでございますが、幸いにして昭和二十九年度以降については基準を引上げまして、一・〇八坪ということに相なつたのでございます。この一・〇八坪と申しますのは、先ほど申し上げました〇・七坪にさらに管理室、つまり職員室でございますが、職員室とかあるいは若干の特別教室というものが加わつてございますので、基準としてはある程度考え得るものではないか、かように考えております。しかしながら先ほどお話がありましたように、一応最低基準と申しますのは、われわれはかりに一・二六というものを想像しておりまするが、ここまではもちろんわれわれの要望するところでございますけれども、今日の事情におきましては、にわかにここまで引上げるわけに参りませんので、一応二十九年度以降につきましては、一・〇八坪をもつてスタートするというふうになつたのでございます。将来はさらにこれを一・二六坪まで、またさらに進んでは、適正基準と申しますか、一・六坪というようなものも考えられますので、そういう面について、国ができるだけ援助をし得るように持つて行きたい、かように考えております。
○竹尾委員 次の質問は、原田君の関連質問にもちよつとあつたのですが、この点もう一度明確にしていただきたいと思いまして、お伺いをいたします。中学校の生徒数ですが、これは現在の規定では、前年度の五月一日現在の生徒数になつておる。ところが今度は、これを二十九年度もしくは三十一年度の生徒数で押えるということになるわけなんで、結局その後の急激な大量増加の生徒数を、国庫負担の対象から除外することになると思うのですが、そういうようにした理由をもう一度はつきりしていただきたい。
○近藤政府委員 お答えいたします。小学校、中学校の児童、生徒の人口増加に対処しまして、国がその教室の建築費を補助する場合に、どういうふうに考えるかという問題でございますが、一応私どもといたしましては、児童、生徒の自然増加に対処する建築は、市町村の負担においてするのが適当ではないか、つまり設置義務者の責任においてこれを充足することが当然ではないかと思います。今日まで児童、生徒が相当増加してございますが、これらにつきまして国が補助をした例はございません。これは当然市町村の設置義務者におきまして負担するというのが適当であろうという考えにおきまして、実は昭和二十九年度に小学校が五十万、中学校が約五十万、合せて百万の児童、生徒が増加するのに対処するために、所要の教室数を増加しなければならないという問題が起りましたが、その際にわれわれといたしましては、起債をもつてこれをまかなうように援助申し上げるということで、実は昨昭和二十八年十二月でございますが、起債を十五億とりまして、これを自治庁から、主として都市になりましたが、所要の市町村に配分したのでございます。そうであるからと申しまして、起債だけでこれを全部解決するということもなかなか通し切れるものではないかと考えます。国がこれに対して補助金を出しまして、学校建築を推進するということも必要ではないかというふうに考えております。たとえて申しますと、今日二部授業が都会地で相当行われておりますが、この二部授業解消のために、国はただいま補助金を出しております。これも人口増加に伴う関係でございます。あるいはまた、戦災学校を復旧する場合におきましても、国が補助金を出しておりますが、これもある意味におきまして、人口増加に伴う学校建築と言えると思うのでございます。かような意味におきまして、今回昭和二十九年五月一日を基準にいたしますけれども、昭和三十年には、推定によりますと、中学校につきましては約七十万、さらに昭和三十一年におきましては、約八十万増加するというような現状でございますので、これを起債たけでまかなうことはなかなか困難であろうと思います。ただいまお話がございましたように、昭和二十九年五月一日を基準にいたしまするが、しかしながらかような人口の異常な増加の場合におきましては、その基準を昭和三十年ないしは三十一年にとるということが必要ではないか、かように考えております。
○竹尾委員 大蔵当局はこれについてどういうお考えですか。
○大村説明員 ただいまの近藤政府委員の御答弁とおおむね同じような考えでおります。
○竹尾委員 今二十九年度、三十一年度というようなことが問題になつておるのですが、三十一年度はピラミツドの頂点に達することはよくわかります。その次の三十二年度からは少し減少するという統計が出ておるらしいのです。また三十五年は今原田君の質問にもあつたように、また非常に大幅に増大するわけです。そこで昭和三十二年度以降でも引続き生徒数が増加する学校も予想されるわけなのですが、その点はどういうふうにお考えでございましようか。昭和三十三年からずつと急激に落ちるということも考えられない。三十二年度以降三十三年度、三十四年度に増加する学校もあると思うのですが、そういう点はいかがでございましようか。
○近藤政府委員 御指摘のように、昭和三十一年までふえまして、三十二年からふえ方がずつと減るわけでございます。これは一応の推定でございますので、正確には申し上げられませんが、三十一年に約八十万ふえるのに対して、三十二年はふえ方が約十一万というように非常に減るわけでございます。そうしてカーブを描きしまして、さらに昭和三十五年から百万以上ふえるような計算になります。ただいまのお話は三十二年以降のカーブが下る場合の基準をどうするかというお話かと思いますが、これにつきましては、もちろん下ると申しましても、約十一万はふえるわけでございますので、基準年度といたしましては、やはり昭和三十一年の基準年度をとる方が私は適当でないかと考えております。あるいはその場合に当該年度の昭和三十二年度を基準にとるべきか、そこらにつきましては、私どもといたしましては、はつきりした結論をまだ得ておりませんが、希望といたしましては、昭和三十一年を基準にいたしまして、その下つたところをその基準で押して行くということがいいのではないかというふうに一応考えております。なおこの点につきましては、さらによく検討いたしたいと考えております。
○原田委員 関連して……。大蔵省に伺います。先ほどの起債の問題について、二十九年度の異常増加の分について、十五億の起債のわくをとつた、それがまだ残つておるということを聞いておるのですが、そういう事実はありますか。
○大村説明員 起債につきましては、当面理財局で所管しておりますので、私は詳細承知いたしておりませんが、帰りまして至急調べてまた御連結いたしたいと思います。
○竹尾委員 二十九年度または、三十一年度に押える、こういうことであるのですけれども、それらの年度の生徒数でこれをくぎづけにしてしまつて、将来生徒が増加しても、また減少しても、それは負担法によつて基礎数は増減しない、こういうことなんですか。くどいようですけれども、非常に重大だから伺つておきたい。
○近藤政府委員 御質問の要旨は、昭和三十二年度以降、増加の率が減る場合の基準をどうするか、これは先ほど申し上げましたように、その場合は昭和三十一年の五月一日を基準にして行くのが適当ではないか、かように考えております。なおその点につきましては、さらに大蔵当局とも研究いたしたいと思います。
○大村説明員 補足して若干答弁させていただきます。生徒数の増加につきましては、たとえば一年七十万ふえると申しましても、学校によりまして全然ふえぬ学校もございますし、平均以上に非常な増加をいたすところもございますし、ただいまのようにほとんどふえない年度におきましても、学校によりましては非常にふえる学校があるわけでございまして、生徒数がふえるふえないということは、学校単位に考えなければいかぬというふうに考えております。
○竹尾委員 学校単位に考えられるということであるので、それはけつこうだと思いますが、生徒の数が減少した場合はどうなりますか。減少したときには基礎数からそれを減ずるということになるのですか。ふえたときはふやさないで、減つたときには今度は減らすというように考えられるのですが、そこはどうなんです。
○近藤政府委員 お答えいたします。たとえて申しますれば、昭和二十九年五月一日全国調査いたしまして、生徒数が出て参ります。それに一・〇八坪をかけましたものから現在の学校の保有坪数を引いたものが補助の対象になるわけであります。で、先ほど申しましたように、そういう計算を昭和三十年五月一日、あるいは三十一年五月一日というふうにやつて参りまして配分するというわけでございますが、昭和三十三年以降になりました場合におきましては、先ほど私は昭和三十一年五月一日を基準にいたしましてその数で計算するということを申し上げましたが、しかしこの点につきましてはなお昭和三十二年の五月一日におきましてもさらに調査いたしまして、そこに非常な差があります場合にはやはり調整することが必要ではないか、ただいまちよつとそういうふうに考えております。
○竹尾委員 またひとつ原則的なお尋ねになるのですが、生徒の増加分ははつきり負担法の対象とすべきであると私は考えるのですが、その点どうでございましよう。
○近藤政府委員 あるいは御質問に対するお答えにならないかもしれませんが、要するに増加分につきまして補助の対象にしなければならぬわけでありますので、その点につきまして先ほど申し上げましたように、基準の年度を昭和二十九年五月一日に限定しませんで、昭和三十年、三十一年というふうに当該年度の基準の坪数を計算するということを申し上げたので、問題は、三十二年以降生徒数が相当減つた、つまりふえ方が少くなつた場合におきまして何を基準にするかということでないかと思うのでありますが、それについては先ほど申し上げましたように、昭和三十一年の五月一日現有を基準にして生徒数をとりまして、それを計算するということをやります。しかしながら昭和三十二年の五月一日にもなお実情を調査いたしまして、これはしかるべく調整をいたさないとおかしなことになるのではないか、と申しますのは、補助金の配分上適切な措置ができないのじやないかというふうな懸念が多少ありますので、私先ほど申し上げたのでございますが、その点につきましてはなおよく大蔵当局ともお打合せいたしまして、十分間違いのないように、適正な配分の方法について考えたいと思つております。
○竹尾委員 大蔵省、自治庁からもひとつ御答弁をお願いします。
○大村説明員 その前に若干の問題の経緯について申し上げますと、昭和二十四年度が御承知の通り六・三制の完成の年でございます。それで六・三制施設整備費の予算につきましては、その後昭和二十四年現在の生徒数を基準にいたしまして実は補助して参つたわけでございまして、それを基準にして〇・七坪ということでやりますと、昭和二十七年度で六‘三制は終つたのだということに相なつておつたわけでございます。実は昭和二十七年になりますと〇・七坪を基準にいたしましても相当不足がある、なぜ不足があるかと申しますと、人口が戦災都市に帰つて来ておる、あるいは自然増加ということでありまして、そのままで、国庫負担が打切りということになりますと、非常に大きな地方財政の圧迫になるわけであります。従いまして〇・七坪を基準にしております間は、前年度の五月一日現在の児童数を基準として昨年まで補助して参つておつた次第でございます。ところで來年度より一・〇八坪に上るにつきましては、従来の原則に返りまして一定年度で抑えたいというのが私どもの気持でございますが、今後児童が著しくふえる場合なんかを考えますと、必ずしも圧死の時期で押えることも実情に合わない場合があるということもありますので、この点につきましては政令制定の際十分配慮いたしたいと考えております。
○竹尾委員 この点は今各委員の方々からも質問のあつたところで、一番大事な点だと思うのです。そこで今申しました数箇年後に現われる生徒の大幅な増加についても、負担法によつて財源措置を講ずるのが当然であつて、何回も繰返すようですが、起債か何かでやるのは間違いなんです。そういう点を特に大村主計官も考慮されるということでありますから、一応それできようはがまんをいたします。 〔委員長退席、相川委員長代理着席〕 ところで、また同じようなことになるかしれませんが、今まではその前年度ではあるけれども、毎年計算をしてやつていた。今度は二十九年度か三十一年度で押えてしまう、こういうところが非常に不合理だと私は思つておる。この点については自治庁の当局にもひとつ回答をお願いしたいのですが、どうもせつかく一・〇八に上げてもそういうところで押えられてしまつては何にもならない。そういう点をぜひ御考慮をお願いしたいのであります。 最後に、二十九年度の予算について、中学校の施設の建設に要する経費につきまして、二十九年度の国庫負担の予算額及びこの補助事業に伴います地方起債のわくはどのくらい計上されて、それによりましてどれくらいの坪数が建築される予定であるか、それをお尋ねいたしたい。
○近藤政府委員 お答えいたします。二十九年度の義務教育年限延長に伴う施設費の国庫負担でございますが、これは金額で申し上げますと約十四億でございます。これは全体の坪数が約八十五万坪の十分の一、八万五千坪を予定しております。しかしながら考え方といたしましては、不均等五箇年計画ということで考えております。これに関連いたしまして、今日まで〇・七坪の国の予算が昭和二十二年以来どのくらいになりましたか御参考までに申し上げますと、昭和二十二年が七億でございます。それから途中省略いたしまして、昭和二十二年から二十三、二十四、二十五、二十六、二十七、二十八年までの予算額が約二百十三億でございます。これを六・三制の補助といたしまして今日まで支出をして参つております。もつともこの中には戦災の小学校の分が若干含まれてございますが、大体二百十三億というものが今日まで支出されてございます。二十九年以降は一・〇八坪という基準に引上げまして、これからさらに不均等五箇年計画で発足するわけでございます。これによつて相当中学校が整備されるものと考えます。 それからお尋ねの起債の点でございますが、これはただいま自治庁の力と私の方でお話合いのできております点は、補助起債といたしましては六・三全体で二十八億、それから単独起債につきましては六・三全体で九十六億ということになつております。それでこの義務教育の年限延長に伴う約十四億の分に相当いたします起債につきましては、これは二分の一補助でございますから、約十四億という起債が当然義務的につくわけでございます。しかしながらその配分につきましては、従来の慣例によりまして約八〇%この分の起債が確保されるという見込みでございます。
○竹尾委員 今不均等五箇年計画とこうおつしやられましたが、そういう年度計画は、そういたしますとできているのですね。
○近藤政府委員 年度計画はまだできておりません。しかしながら一応前年計画の八万五千坪ということになるわけでございますが、これを将来三十年度、三十一年度にはさらに八万五千坪を上まわつた坪数をやるように、これはお願いしたいと思つておりますので、私どもの考え方といたしましては不均等五箇年計画ということで了承しております。
○竹尾委員 最後に、今の起債関係について自治庁の意見を伺いたいのですが、どなたかいらつしやつておられるでしようか。——いなければ、これは非常に重大な問題なんですが、やむを得ないので、私の質問はこれでやめます。
○相川委員長代理 辻原弘市君。
○辻原委員 自治庁が見えておらぬようでありますので、その質問は後日に譲るといたしまして、なお委員長にお願いいたしますが。これは一、二重要な責任ある答弁をしていただきたい点がありますので、文部省の方は本日お見えの政府委員において責任をもつて御答弁いただけると思うのでありますが、大蔵の方はどうですか、この点をあらかじめ……。
○相川委員長代理 一応質問になりまして、きよう出席の方でもしも御答弁できなければまた……。
○辻原委員 一応ということでなく、ほんとうに責任ある答弁ができるかどうかという……。
○大村説明員 できるだけひとつ……。
○辻原委員 大体ただいままで具体的な問題についてお話がありましたので、私も二、三の点についてこの機会に確かめておきたいと思います。 第一は、先ほどからいろいろ論争がありましたが、今度の政府の提案によりますと、大体従来まで約五百万坪の整備ができた、こういうふうに言われております。なおこれは生徒の自然増等の問題と関連がありますが、ただいま押えましたところによりますと、六・三建築整備のためになお必要とする坪数は一体どの程度と文部、大蔵両省においては算定せられておるか、まずこれをお伺いしておきたいと思います。
○近藤政府委員 お答えいたします。二十八年五月一日現在で調査いたしました結果は、先ほど申し上げました通り、一・〇八坪まで引上げるためには約八十五万四千坪が不足するわけであります。
○辻原委員 八十五万四千坪というのは、今後六・三を全部一・〇八に引上げて、生徒の自然増を全部見込んだ数字と解釈してさしつかえないかどうか、この点大蔵省の見解と食い違いがないかどうか、ひとつお確かめしておきます。
○近藤政府委員 お答えいたします。生徒の自然増は見込んでございません。従いまして二十九年五月一日現在ではその生徒増が入るわけでございます。これは私ども今用意いたしておりますので、五月一日現在でぜひ再調査をしたいと考えております。なおかりに昭和二十九年五月一日現在で、ある坪数が出たといたしましても、これは自然増は見込みませんので、その自然増の見込み方によつてこれは当然かわつて来るわけであります。
○辻原委員 なぜ私がそういうふうなことを申し上げるかといえば、その理由はおわかりのように、先ほど大蔵省からの答弁がありましたが、〇・七坪の基準については、大蔵省の当時の見解によると、昭和二十七年をもつて終る、その場合にその基準までの不足坪数はないという建前において計画を立案され、予算を編成されておつたように私聞いておるのであります。ところが本日は、大蔵省から当時の実情はそうではなかつたという話を聞いて、私はそれ以上のことは申しませんけれども、文部省の実態調査等の結果を見れば、二十七年度を経過するもなお不足坪数が生じて来ておる。これらの関係において六・三の予算の編成は非常に実態と合わない取扱いを受けて来たことをただいま思い出したのです。従つてここで一・〇八という新しい基準引上げが行われ、それに基いて今後年次計画を立て、予算措置をするということになれば、これは〇・七坪までの予算措置においてとられたような、実態に即さないようなやり方をやらないで、十分両省の、少くとも実態の把握、数字の計上の仕方等においては完全にこれは一致さしておかなければならぬ、かように考えますから私がそう申したのでありますが、その点大蔵省においては、ただいま文部省の話によれば自然増を除いて大体八十五万坪、自然増についてはこれは別である。私ももちろん自然増をここで推定することの困難さは一応わかります。けれども、しかしながらある程度これらも見込んだ形において、ただいまできなくとも、管理局長の話によれば、これは本年の指定統計の時期にいま一度調査をして合わすという話なのであります。これらの点について大蔵省の採用される数字は、文部省が実態調査をしたものを信用されて、その後の予算措置等に充てられるのか、あるいは独自の調査をもつてこれらの文部省の調査と照合調整されるというふうな関係に行かれるのか、その辺のところも確かめておきたいと思います。これに対する見解はどうですか。
○大村説明員 文部省で実態調査いたしました数字を基礎にして原則としてはやるようになつております。ただ従来の財務局の監査なんかの結果によりますと、多少水増しの調査の結果などもあるようでございますから、その点は多少調整をする場合もあるかと思いますけれども……。
○辻原委員 だから私はあらかじめ確めたのです。そういうことになればこれはゆゆしい問題だと思うので。今大蔵省の話によると、従来の例を見てもこの基礎数字に水増しがあつた、こういう話なんだが、それは地方においてあるいはそういうことがあるかもしれない。しかし文部省がそれについて最終的に数字を計上される場合にはさようなことがいささかでもあつてはならぬし、おそらくそういうことはやつていないと思うのだが、その点について管理局長はどうなのか。私は大蔵省の今の言葉については納得が行きがたいので、ひとつ管理局長からその点明言願いたい。
○近藤政府委員 従来学校施設の予算の配分の基準になります基礎数字につきましては、各府県の教育委員会から報告をとるわけでございます。その教育委員会は市町村からそれぞれ報告を集めるわけでございますが、それが集まりまして文部省に来るわけでございます。一応この数字に基礎を置きまして私どもは採用するわけでございまして、その間もちろん数字でありますので、あるいは誤りがないこともございません。現実に数字の誤りを訂正した例もございますので、これは絶対誤りかないということは申し上げられませんが、大体その数字を基礎にいたしまして仕事をいたしております。
○辻原委員 局長の話によると数字であるから若干譲りがあるかもわからない。こういうのですが、もちろんこれはおやりになる場合に確かにそういうこともあり得ると思うけれども、どうかひとつその点は文部省においても、今後そういう数字の誤りといつたようなことを出して——少くとも文部省が大蔵省に出す数字は、これは実態調査の結果の数字でありますから、そんなにむずかしい計算ではありませんから、誤りのない数字で、さようなことは一切誤つておりませんというふうに確言できるように、この点はひとつなお一層の御努力を願いたい。 それからなお大蔵省は原則的に文部省の数字を採用されるという限り、少くとも今管理局長が答弁されましたように、人間の力をもつてしては不可能な数字の誤り、これらを指摘されたような場合には、これは文部省も当然改めなければならぬ。しかしながら原則的にその数字の立て方、調査のやり方、つかみ方といつた点について独自の見解をお出しなさらずに、原則的に文部省の調査に従つて予算編成をやられる、こういうふうに確認をし、了承して行けるものと、あなたの御答弁から考えるのですが、そういうふうに細末のほんとうの誤りについては、あなたの方でも指摘されるけれども、原則的な線については大蔵省としては、——これはあなた御自身でなくても、大蔵省の方針としてもそれを支持されて編成される、こういうふうに解釈していいか、もう一回ここではつきり承つておきたいと思います。
○大村説明員 ただいまの御質問の通りでございます。
○野原委員 関連して伺いたいと思います。ただいまの辻原委員の質問に対する水増し問答の件でございますが、管理局長、つまり文部省は水増しをやつていない、こういう主張をする場合に、大蔵省が文部省の要求は水増しだ、こう判定をくだされることがままあるように私も思いますし、なおまたただいま大蔵省側の答弁にもあつたわけでございますが、文部省の管理局が責任をもつて水増しではございません。これだけの予算はぜひともお願いしたいといつて来た場合に、大蔵省は何を基準にして水増しだと判定されるのか、これは単なる感覚というようなものでやられたのでははなはだ迷惑千万ですので、この場ではつきり御答弁願いたい。
○大村説明員 これは今まで会計検査院の検査、行政管理庁の行政監察、財務局の財政監査、そういうことの結果によりますと、そういう例がままあるわけでございます。
○野原委員 それは検査したあとに出て来る問題であろうと思うのです。たまたま数年前にあつたからといつて、今年の予算要求にもそういうことがあるのではないかという考え方で削減をされる限り、実は文部省も水増しをやらざるを得なくなる、こういうことになるわけでございます。従つて決算の上では水増しということもあがるでありましようけれども、予算要求の場合の判定基準には、私はどうも納得できない。その点いかがでございますか。
○大村説明員 私の説明が不十分であつたと思いますが、予算査定の際におきましては、一律に一割は水増しだから、要求の九割で坪数を査定するというようなむちやなことはやつておりません。文部省の御要求になつておる坪数を基準にしてやつております。
○辻原委員 先ほどの文部省の説明によりますと、自然増の問題については、目下のところは一応切離して算定されておるようでありますが、自然増の問題ついては、いろいろ質疑がありまして、やや明確になつた点もありますので、深くはお尋ねいたしませんけれども、 〔相川委員長代理退席委員長着席〕 私は先ほど管理局長が申された今年の五月に再調査をされて、それによつて将来への見通しを立てて、自然増を含んだ年次計画のもとに、六・三校舎の整備を遂行されて行くという言を信頼いたしたいと思います。と申すことは、もし二十九年の五月における実態調査によつて、その計画が立たぬ場合には、おそらく次のようなことになるのじやないか、それは、二十八年度に起債、しかも公募公債等をもつて六・三の自然増の不足に対処したということは、原則に反する処置であつたと私は思う。しかしやむを得ずこのことをおやりになり、われわれも賛成したことは実情やむを得なかつたからであつたので、これはただいまの六・二整備の補助をつけるという建前を私はくずすものであると思う。従つてこの五月の実態調査において、ある程度の見通しのもとにそれを含んだ計画が立たぬ場合には、またぞろ起債でもやむを得ないという線が必ずや生れる、そのことをおそるるがゆえに、ぜひ文部省においてはこの実態調査を確実におやりになつて、先ほど申されたように、少くとも当該年度の前年度を基準にして自然増も含んだものをもつて予算編成をされるように、この点をひとつ強く要望をいたしておきます。 次に直接六・三建築の問題ではありませんけれども、お尋ねいたしたいのは、鉄筋校舎の問題であります。われわれはかねがね今日の学校建築における鉄筋の重要性ということは再三にわたつて申して参りましたが、今日に至るもなお従来通りの取扱いをされているという点において、はなはだしく実情と食い違つておるということを私は再度指摘をいたしたのであります。その中で一つの関題は、まず何がゆえに今日地方において相当量地方財政の負担をも顧みず、この鉄筋校舎を建てるという、この現状に目をおおわれておるか、私の知る範囲におきましても、少くともわずか一五%やそこらの状況ではないのであります。にもかかわらず、予算措置においては一五%という小さなわくにとじ込められておる。このことが鉄筋校舎を建築できない一つの大きな障害になつているのでありますが、文部省はその点についてどのような努力と、どういうような折衝を大蔵当局とやられたか、また大蔵省はこれに対してどういうふうな見解のもとにこれを現状にとどめているかということをお伺いしたい。 次にいま一つの支障の点は、これは法律でもなければ、おそらく政令、省令でもないと思うのでありますが、防火地域にだけこれが限定されておる。われわれは昨年の異常な災害の経験を持つたのでありますが、この災害の地域等においては、必ずしも鉄筋校舎の効用というものは防火地域には劣らないのであります。具体的に申して、水の危険のある場所、これはむしろ法律等でもつて防火地域を指定するならば、水防地域を指定すべきであると考える。同時に海岸の強風地帯、こういうところにおいては、私は先般も帰りましてその極端な例を見ましたけれども、わずか十年もたつかたたない木造建築の校合が強風のためにはりが曲つておる、しかも海風のために腐蝕の度合品いが著しい、こういうところは防火地域に準じて、少くとも同様の取扱いをなすべきである、こういうふうに考えるが、これらの今なお何ら措置されておらない点については、はなはだ私は遺憾に思つておる。私が申しただけでも両三度以上になつておると思いますので、さらにこの点についてひとつ責任のある御答弁と努力の跡をお伺いいたしたい。
○近藤政府委員 お答えいたします。鉄筋と木造の比率の問題と考えますが、御指摘のように、ただいま大体小学校、中学校の建物につきましては、鉄筋が一五%それから木造が八五%、戦災の大学、高等学校、盲聾につきましては、これは特殊のものでありますので、鉄筋を二〇%、木造八〇%ということになつております。ただ例外といたしまして、中学校の屋内体操場につきましては、これは木造を八四%、鉄筋を五%、鉄骨を一一%というふうな現状でございます。それでただいま御指摘がございましたように、確かに鉄筋の率を多くして、木造よりもなるべく鉄筋にするということは、私もまことに御同感であります。これはできるだけ鉄筋の方に移行するように実は考えておるのでございます。ただ単に防火地域のみならず、非防火地域につきましても、鉄筋の方が最も好ましいわけでありますので、さように考えております。防火地域につきましては、これは建築基準法によりまして、当然鉄筋でなければならぬわけでありますが、非防火地域につきましては、これはそういうものではございませんけれども、しかしながらこれは木造よりも鉄筋の校舎の方がさらに能率的であり、またいろいろな面におきまして、教室として適当であるということは当然でありますので、さような方向に、ぜひ持つて行きたいと考えております。また御指摘のように海岸地帯の強風のあたる地域とか、あるいはまた九州の塩害のあるような地域などにつきまして、これは確かに木造をやめて鉄筋にするということが好ましいわけでございますので、今日まで私どもといたしまして予算の折衝のたびに実は要求しておるわけでございますが、ただ最近の例といたしまして、西日本の災害の場合におきましては、これは高等学校の全壊の場合につきまして、鉄筋が二〇%、木造が八〇%、そういうようなことになりまして、多少私どもの気持が入れられましたと申します。か、了解を得まして鉄筋の率がふえておるのでございます。はなはだ努力といたしましてはまことにはずがしい努力でありますが、今後ともそういう方向に向つて一層努力を続けたい、かように考えております。
○大村説明員 学校建築をできるだけ鉄筋化して行くという御意見につきましては、私ども全面的に御同感でございます。ただ当面の問題といたしましては、六・三制の不十分なる建物の不足坪数をできるだけ早く充足して行く、それから危険校舎の改築を極力急がなければならぬという焦眉の問題もございますし、一方また財源のわくの関係もございまして、最小限度防火地区程度に鉄筋をとどめておる次第でありまして、将来財政の負担の余力もできました際には、できるだけ鉄筋化して行きたい、かように考えております。
○辻原委員 この問題についてこういうふうに私は要望しておきます。今主計官お話によると、財政上の理由ということでありますし、なお六・三の充足が急務であるというふうに申されるのでありますが、私は今日の地方財政の実情、それから国家財政の実情から見て、やはり少くともロスのない政策をやらなくちやならない、その場合に必ずしも形式的にいわゆる六・三補助をつけて行くことが、これがはたしてほんとうの意味における整備であろうかということと、それから今日の地方財政では、よし木造でその補助がつきましても、あるいは私はこの基準の坪数が低い今日の段階においては、これはいやが応でも認承外の建築をやらなければならぬ、同時に単価の問題からいわゆる事故負担分がますます増加する、こういう点から補助はほしいが逆に自己負担分がこわいというジレンマに今日の市町村が陥つているのではないか、それをやはり切開手術をしてやるためには、最も近道は同じ自己負担をやるならば、十年や十五年でひん曲つてしまうような木造校舎よりも、七十年、八十年にわたつて耐えて行かれるような校舎をつくりたいということに、おのずから町村が向いて行くと思う。そういうことから考えれば、この際この予算の中で相当部分を鉄筋校舎に振り向けるということは、決して六・三制教育の整備を急速にやるという趣旨にも反しないし、また地方財政に対して国庫補助を与えて行くということの本旨が没却されるものでもないし、むしろその面から国がほんとうにカバーして行くということになるのでありますから、そういう実情を十分勘案せられて、そして、ただあり来りの従来の観念からではなくして、最近この校舎の問題が地方財政にどういう影響を及ぼしておるか、また市町村の頭がどういうふうにかわつて来ておるかということを忖度検討されまして、そしてこの点についてはひとつ大きく一歩踏み出してもらいたい、こう私は希望いたすのであります。 なお先ほど管理局長の御説明によつて——私はその御努力に対して非常に敬意を表しておるのですが、災害についてはわくが若干広げられた。いま一つは、必ずしも防火地域でなくても、非防火の地域についても運営上においてややそのわくを顧慮されておるということも知つておりますし、ただいまもお聞きしましたが、ただその場合に、悲しいかな、これまたせつかく補助はもらつたけれども、木造におけると同様に自己負担の点において痛しかゆしという問題が起る。こういう問題について仏つくつて魂入れずというきらいがなきにしもあらずでありますので、私はこれらの点についても、できるならば非防火地域といえどもやはり防火地域と同じような取扱いを極力されるように、これまた要望いたしておきます。 次に、同じようなケースの問題でありますが、屋内体操場の問題でございます。これはひとつ政務次官の御見解を承りたいのでありますが、一般教室の充足が急を要することは論をまたないのでありますけれども、また最近の屋内体操場あるいは講堂の価値というものは、私自身の見解としては一般教室に劣らないだけの効用を教育上もたらしておると思うのであります。あるいは展覧会であるとか、あるいは児童の集会場にこれを使う。場合によれば、特にこれはある程度都市から離れた農村地帯等においては、一般住民の唯一の集会場になつておる。まだ公民館もできないような地域においては、せめて学校教育と社会教育を兼ね備えたこういう施設がほしいということで、異常な努力を払つておるところがたくさんある。そういうことを考えた場合に、目的は多少異なるけれども、その効用においては、屋内体操場といえども、講堂といえども、一般教室と差を見出せないと私は考えております。ところが今日のこの取扱いにおいて、いわゆる積雪寒冷湿潤地帯ということによつて、そういう地方においては屋内体操場の建築が可能な段階まで取扱いが来ております。けれどもそれ以外の地域については、この地帯の取扱いとの問において非常な相違があるというということを、私はこの際指摘しておきたい。と申すのは、その地帯であれば補助があると同時に、その裏づけとなるいわゆる補助起債がある。ところがその他の地域においては、補助は法律上予算上何ら措置されておらない。起債はと申せば、これは教室が優先だというので、講堂、屋内体操場に対する起債は原則として認めないと大蔵省は言つておる。従つてそういうようないろいろな効用のもとに建てようという場合には、これはまつたく自己負担である。ところが今日の町村では、それについて自己負担するだけの町村財源はない。勢いこれがどこの負担になるかというと寄付であります。屋内体操場、講堂となりますと、ちつとやそつとの寄付ではいけません。少くとも一戸当り千円とか千五百円とかいうような相当な寄付が、父兄の負担にかかつてでも、ほしいからやらなければならぬ。しかしそれだけの寄付はなかなか難しにくい、けれども何とかしてこれをひねくり出そうとしておる。四苦八苦しておるのが町村ならばまだしも、これは多数の父兄であります。そういう実情を一体どういうふうにお考えになつておるか。やはり原則として講堂、屋内体操場は、教室より見るとさまで重要視するに至らぬというふうにお考えになるのかどうか、この辺のところはあえて政務次官にはお聞きいたしません、管理局長にひとつ御答弁願いたい。
○近藤政府委員 ただいま中学校の屋内運動場について国は二分の一補助を支出いたしております。予算について申しますれば、二十九年度は六億四千万円を計上しております。そこでこの屋内運動場の補助の対象でございますか、地域的に申しまして積雪寒冷湿潤地帯ということになつております。従いましてこの積雪寒冷湿潤地帯以外のいわゆる暖地につきましては、今日補助がないわけであります。従いまして、ただいま辻原委員の御指摘になりましたように、そういう地方におきましては、起債が非常に困難でありますれば、これは当然自己負担でやらなければならぬ。その場合にいろいろ寄付が起るというようなことになりまして、その間非常に不公平ではないかというお話でございます。これは御意見まことにごもつともでございまして、私どもとしましては、屋内運動場につきましては、これは新制中学校に当然付随するものと考えております。従つて屋内運動場の補助金につきましては、新制中学の補助金にも劣らず重要視いたしまして、これについて年々努力して参つておるのでございます。ただ遺憾ながら、今日におきましはやはりいろいろな関係から地域が限定されておりまして、ただいまでは全国でたしか二十六道府県と記憶しておりますが、これにつきまして地域拡張の要求がございます。私ども十分お話を伺つておりますので、将来この点についてはさらに地域を拡大いたしまして、暖地についても屋内運動場に対して国が補助のできるような道を開きたいとかねがね考えております。なおお話もございますので、将来ともそういつた方面に努力いたしたいと存じております。
○辻委員長 辻原君、自治庁財政部長が出席されましたが、ちよつと時間を急がれておりますので、先に済ましてください。
○辻原委員 ただいまの点は、いろいろなことは抜きにいたしまして、ともかく管理局長の今のお話によると、何だか補助はないけれども、起債はあるというふうな印象を受けますが、この点については私もあるはずだと思つておりますが、ないというふうな説もあるので、これは大蔵省にも自治庁にもその点を確かめたいと思います。ともかく今日までの状況では、そのことも非常に困難である、皆無と申してもさしつかえないほどであつたと思います。私の調査によると二十六道府県が一応それに何しておるということでありますが、そういうような大きな取扱いの差があるので、もしかりにその点どうしても不合理だということになれば、かつてこの積雪寒冷地帯の人々が非常に大きく運動いたしましたように、それと同様に暖地湿潤地帯のものも、われわれはこの際運動しなければならぬということになるので、さような地域性を持つたそういうことをやるというふうなことは、私たちは好ましくないが、そういう一つの輿論がまさに起らんとしておる今日、それに先だつて政府がこれに手を打つことが最も良策であるし、行政府としてもそれが当然のやり方ではないかと私は思うので、あえて具体的に尋ねるのであります。今管理局長は地域の拡大について考慮しているというけれども、今日の状況を見ますると、その基準については別に法律でも政令でもないと思うのだがそういつた地域以外の地域について一番最初に問題になるのは、いわゆる湿潤地帯だと思います。この湿潤地帯については降雨日数百八十日か何かを基準にしてやられていると思うが、百八十日と百七十日との間にどれだけの差があるのか。少くともこれは科学的にもわからぬ。特に私たちの地方は、昔から非常に降雨量のはげしい雨量の多いところなんです。雨量から見ますれば全国でも有数なんです。ところが降雨日数から見ると、ややそれに近いけれども該当しない。こういうこともある。そういうようないわゆる接近している地域については、特段の考慮をすべきだと思うのだけれども、今なおこれらについては考慮されておらない。従つて、これは少くとも文部、大蔵両省において、そうした住民の期待にこたえてやるなれば、私はその基準について完全に今日ただいまでも改善できると思うのでありしますが、そういう点について改善される御意思はないか、この点をひとつお伺いしたいと思う。
○近藤政府委員 屋内体操場の予算でございますが、先ほどお話申し上げましたように、これは積雪寒冷湿潤地帯に限定されておりますので、配分の際におきましても、さような地域の中学校に対してのみ一応配分しておるのであります。しかしながら今お話がございましたように、たとえば和歌山県の南部地方、あるいは九州の熊本県の阿蘇地方などについて申し上げますと、いろいろ問題があるわけであります。その点につきまして、私どももお話は伺つておりますので、できるだけ御考慮申し上げたいと思つておりますが、一応の基準がありますので、なかなかこれは思うように参りませんが、先ほど申し上げましたように十分考えたいと思つております。
○大村説明員 現在の屋内の体操場に対する国庫補助につきましては、先刻御承知の通り積雪寒冷湿潤地帯でございまして、これの境目をどうするかという点につきましては、基準をつくりますには当然そういうことも出て参りますので、これはどういう基準をつくりましてもやむを得ないのではないかと考えております。その拡大の問題につきましては、いずれ文部省の方で御研究なさつた結果を検討いたしまして、私どももまた研究させていただきたいと考えております。
○辻原委員 自治庁が急がれるようでありますので、自治庁にお伺いいたします。 最一例にこういうことを一つお伺いします。起債については一体どことどこが権限を持つておられるか、主管はどこであるのか、これをちよつとお伺いしたい。
○後藤政府委員 お答えいたします。法律上は自治庁長官ということになつております。
○辻原委員 そのくらいのことは私も承知しておるのでありますが、実際上の取扱いは一体どこでやつているのか。これは具体的に例をあげてお話を申し上げるとよくわかるのでありますが、ややはばかる点もあるから抽象的に申し上げますと、先ほど調査の、いわゆる水増しだ何だというようなことも、あるいは行政管理庁であるとか、あるいは会計検査院であるとかいう例をあげられたと同時に、財務局ということをあげられたが、私はこの起債の決定にあたつて、少くとも地方庁においてはこれは地方課で扱つていると思うのだが、その地方課の決定についても、この地方財務局がそれ以上の発言権をもつて、その起債についての地方庁における決定をさせておるような例もある。さらにそれが中央に申越される場合においても、財務局の見解が大きく影響して、その決定があたかも財務関係によつて決定されるかのごとき印象を与えておるが、さような権限は一体財務局に与えられておるのか、この点について私はお伺いをしておきたい。同時に起債を決定する場合に大蔵省、文部省、自治庁との間にどういう径路によつて一体決定されるのか、今答弁のありましたように、法律上最終的に自治庁が独自の権限をもつて決定されるような運びになつておるのかどうか、ひとつこれを具体的にお伺いしたい。
○後藤政府委員 お答えいたします。法律上は先ほど申しましたように、自治庁長官及び都道府県知事にありますけれども、その場合にある一定限度以、上のものにつきましては大蔵大臣と協議することになつております。大蔵大臣と協議いたしますというのは、大蔵省は金貸しの立場から協議を受ける、こういう建前になつております。しかし現実の問題としては、おつしやるような例も私ども間々耳にするのであります。それは金の借入れの申込みの範囲を逸脱した行為と認められるようなことが財務局等において行われますので、あたかも財務局が非常に大きな権限を持つておる、こういうふうなことに誤解されておるのではないかと考えておりますが、建前は大蔵省とわれわれと協議いたして決定する、大蔵省の方では資金を貸す立場において、私どもの方は財政計画の一環として地方団体の財政の立場から起債の許可をする、大蔵省は資金の立場から許可の方針をきめる、こういうことになつておるのであります。
○竹尾委員 関連して……。この点は私どもも起債を頼まれて非常に面くらうのですが、はつきりしたことをひとつ御答弁願いたい。今、自治庁と大蔵省でやれるとおつしやられたけれども、実際は各府県の地方課でいろいろの細工をするのだ、これはほんとうですよ。そこで地方課長の決裁を経なかつたならば、絶対に自治庁は許さない。こういうようなことでけつ飛ばされることがある。あなたは地方課の親方かもしれないけれども、そういうことが非常に多いのです。これは実際問題として各府県とも多い。学校の起債や何かは教育委員会から一応書類を出して地方課に行きますが、今は知事公撃すから、なかなか野党の色の濃い人もあるし、与党の人もあるし、地方課長としてはなかなかそこはむずかしい。そして地方課長はそこで握つてしまつて、やりますと言つてもやらぬ場合が非常に多い。そういう場合にどうしますか。これは実際問題ですよ。あなたは首をかしげていますが、実際問題としてそういうことが多いのです。だから辻原さんがどこに実際の権限があるか尋ねたのはもつともだと思う。その点をはつきりしてもらいたいと思う。ということは、地方課長が許さないと言つても、あなたの方の調査で許す場合があるかどうか。具体的にお尋ねします。これはたいへんな問題だ、私は非常に苦しんだ。この点は皆さんも非常に苦しんでいると思う。
○後藤政府委員 お答えいたします。個々の市町村の問題につきましては、私ども中央で十分目が届きません。従つて県の地方課で事業別に優先順位をつけて持つて参りましたものを、われわれは一々事情を聞きましてわくをはめて、順位の上のものからつけて行く。ただその中で非常におかしいものがありました場合に、私どもは注意いたしまして、これはおかしいじやないか、順位をかえたらどうか、こういうやり方をやつている。現在の私どもの陣容からいたしまして、十分に目が届きませんので、やむを得ないと思つております。
○竹尾委員 そこが問題なんです。そうなりますと、地方から持つて来たものの順位をとつて継続的に許可をする、こういうことでしよう。そうなると地方課長の決裁を得ないものは全然だめになつてしまう。結局起債権の第一段階はあなた方でなくて、その地方課を突破しなければできない、こういうことになると思うのです。これが非常な問題です。その点はどり思いますか。
○後藤政府委員 先ほど言うのを忘れましたが、市町村の分につきましては、建前は知事が許可することになつております。その許可はおつしやいますようないろいろな問題がありますから、われわれは一々説明をしていただきましてきめるということにいたしております。その場合に県で落して来るということはほとんどありません。希望のあるところは全部載つた調査書を持つて来ておると私は思つております。
○辻原委員 原則的に申して、これには四つも五つもの手をくぐつてまことに煩雑である。これはいわば町村が金を借りるのです。しかも国庫の資金を借りるのです。学校建築については、当該教育委員会に一番の責任がある。それとの話合いが終つて今度は地方課、これは今御説明の知事の認可のところでしよう。そこでまた一つの問題がある。先ほど私が申した財務局が干渉して、そこで何だかんだとすつたもんだが起る。それから中央に上つて来て、大蔵省なりあるいは自治庁の決定ということになる。それは厳密にやられるのはいいけれども、私はそれぞれに同じような権限をよもや法律は与えてないと思います。私の考えによれば、これは自治庁がその決定権を持つておると考える。今竹尾さんから地方課の問題を出されたが、私はその問題は譲ります。個々の地方について地方課が決定する場合、地方の金を貸してくれという要請について財務局が発言をして、その決定を左右するような権限は私はないと断言する。と申すのは、先ほどの自治庁の御説明のように、地方財政の現況がどうなつておるかということと、与えられたわくがどうであるかということの個々の決定は、自治庁がおやりになるのか正当である。大蔵省は貸す方であるから、一体資金繰りは、どうであるかということを究明して、それについて協議をされればよろしいのである。個々の決定について関与することは、私は越権もはなはだしいと思う。その点については大蔵省はどうお考えになるか。一体大蔵省は権限を総体的に持つておられるのか、その点についてお伺いいたします。
○大村説明員 御質問のような非常に行き過ぎな場合があるかどうか、私詳細承知いたしません。これは至急帰りまして調査してみたいと思います。金を貸す立場からも、当然ある程度内容に関心がある場合もあると思いますので、それは正当にある程度のことはやつておるかと思いますけれども、行き過ぎのある場合がございましたら、これは注意しなければいかぬと思います。
○辻原委員 私が大蔵省に言つたのは、そういう具体的な問題で、原則論なんです。それであなたが言われたように、金を貸す場合でも内容に関心のあることはもちろんです。その内容に関心があつて意見を述べるのはよろしい。しかし決定をはばむことはできないと思う。それについてそういうような、取扱いをこの財務局に許しておるのか、どうかということを私はお聞きしておるので、あなたは所管外であるから非常にお答えにくいと思いますが、それで私は先ほど委員長にそういうことについて責任ある答弁ができるかどうかということをあらかじめお伺いして、あなたはできますということだから質問しておるのです。これは原則的ですよ。原則的にそういうことが可能であり重要な問題であるとするならば、そのやつておることについての監督不十分だということになる。
○後藤政府委員 私からお答えすべき筋ではないかもわかりませんが、私ども理財局と折衝して今のような問題についていろいろ議論をしたわけであります。問題は、財務局でいろいろ地方団体と交渉いたしまして一応きめたような話が理財局に出て参ります。私の方は県からずつと出て参りますものがうまく合うか合わぬかという問題だと思います。それを私ども最後の協議の形でもつて調整しております。しかしわくはきまつておりますので、わくの中にどうして押し込むかという問題になるます。われわれはできるだけ各省の希望をいれましてわくの中に押し込んで参つておるのでありますが、間々わくの外堀て参りましていろいろ問題を起すことがあろうかと思います。従つてもう少し手続を簡素化する必要があるということはわれわれも考えております。地方制度調査会においてもそういうことが問題になりまして、一応の線が出ておるのであります。ところが御承知の通り大蔵委員会には議員立法のかつこうで大蔵省の専管にすべしという意見が出ており、地方行政委員会の方には自治庁の一本にすべし、大蔵省は関与する必要はないではないか、そういうような立法がそれぞれ出まして、今対立したかつこうになつておりますが、何とかこの会期中にその間の調整をとつて解決いたしたいと考えて、おる次第であります。
○竹尾委員 関連して。私はこれをはつきり言つてもらえばよいのです。あなたは今原知事の許可によつて順位をきめて、それを受入れて決裁する、こういうことであつた。ところが御承知のように県知事が一々判を押したりすることはない。ここに副知事出身の松平委員もいらつしやいますけれども、一々県知事や副知事がこれはいかぬとかなんとかいうことはない。これは地方課長が全部判者押すのだ。教育委員会の方は、それはもう自分のことですからちやんと地方課長に持つて来る。ところがこれの順位をどうするか、あるいはこれを許すべきか許さざるべきかということは、地方課長がきめる。それがうそだと思うなら、ほんとうのことを申し上げてあなたに教えてやる。そこで形は県知事の決裁になつておりますが、そういう場合に県から上つて来たときに、その上うて来たものをあなたの方で許すか許さぬかというようなことをきめますか。あるいは県の方で許可にならぬでも、これは地方課長が許可しないのだから、そういう場合でも直接あなたのところに行けば、それを審議検討して許しましようか。そこなんです。そこをはつきり言つてください。
○後藤政府委員 市町村の起債のわくは私ども与えております。そのわくの中で市町村の分をこまかくきめて来るのであります。その場合に順位をつけてきめて来る。その順位がおかしければ注意をする。しかし許可権は県知事にある。府県知事が関心がないようなお話でありますが、私どもは、逆に非常に関心を持たれて困つている例も聞いておるのであります。従つて関心がないのではなくて、全体的に起債の問題については府県の上層部は非常に関心があるのではないか。関心があるからいろいろな問題が起るので、私どもの方で注意をして、そういうことがないようにしてくれという場合が相当あるのではないか。この辺のこともお含みおき願いたいと思います。
○竹尾委員 私はそういうことをお尋ねしておるのではない。地方課長が許可をしない場合があるんです。各町村から来ても許可しない場合がむしろ多いくらいです。そういうときに、地方課長がそれをけつ飛ばしても、直接あなたの方にこういう事情であるから貸してくださいと言つたときにはどうしますか。県の方の序列等を、全部あなたの方はのんでしまうかどうか、こういうことなんです。
○後藤政府委員 先ほど申しましたように、権限は知事にあるわけであります。しかしわれわれは大蔵省と協議いたしまする関係上、われわれの方でいろいろなことを耳にしたときに注意を与えておる。従つて変な場合に、地方課長が自分の恣意によつて判定する場合は、これはおかしいじやないかという注意を与えておるのであります。
○辻原委員 時間がありませんので、あまり多くは質問いたしません。ただ今の問題は、私は原則的にお伺いいたしましたし、原則的に要望をいたしておるのであります。と申しますのは、自治庁の答弁にありましたように、これはすみやかに簡素化されて、地方の要求にこたえられるような形に取運ばれたいということが一つ。それから大蔵省に対しましては、特にそういう事例もたくさんありますし、これは単に起債の問題にとどまらず、地方財務局の越権ざたは目に余るものがある。だから権限のないことをあたかも権限のあるような顔をして官僚ぶりを発揮しないように、この点は強く要望しておきます。 最後に自治庁に一つ。これは先ほど大蔵省、文部省にお伺いしたのでありますが、寒冷積雪地帯の起債の取扱いであります。これに関連して、それ以外の地域に対する起債の取扱いは、従来積雪地帯の取扱いと非常に大きな差があるということを私は申し上げました。せめてこれが単独事業等でやれる方法があるならば、新しく立法運動等の形態は起らないだろうと思うが、それすらもないということになれば、寒冷積雪地帯と同じように、いわゆる顕潤暖地の地帯における屋内体操場の問題が、将来政治問題化するのではなかろうかということを非常におそれるのであります。従つてこれについては自治庁においても配慮しておることだと思いますが、今のところどういう具体的な考えを持つておるか、ひとつお伺いしたいと思います。
○後藤政府委員 お答えいたします。私その関係はよく知らないのでありますが、積雪寒冷地帯及び顕潤地帯につきましては、普通の校舎でありますと老朽が早く来るという問題があると思います。従つてそういう所には起債の割当を多くするというようなことは従来やつて来ておると思つております。それから私どもの考え方は、屋体よりも老朽の一般校舎の分を優先して単独事業については当分考えて行くべきであるということから、現在起債をつけております。
○辻原委員 あなたがおられませんでしたので、この一般校舎と屋内体操場の効用価値というものはどういうように考えておるかということを私は先ほど質問したところでありますが、重ねては申しませんけれども、私の結論は、少し観点が違うが、屋内体操場と一般教室との間にはそう大きな取扱い上の差異があつてしかるべきだとは思つてない。従つて原則的に寒冷積雪地帯以外の地域についても、この起債の取扱いだけは考慮する、こういうふうに私が受取つておいてさしつかえないか。全然そういうことは考慮できないとお考えになるか。その点を承つておきたい。
○後藤政府委員 お答えいたします。単独事業で考慮するというふうになると思うのですが、単独事業のわくは非常に狭くなつておりまして、純粋単独というよりも、現在はむしろ継ぎ足しの単独事業の形態で認めるのが大部分であります。純粋の単独事業で起債を認めておるのは約二十億くらいしかありません。一十億でも今度の三党補正の関係で危険校舎の補助事業の方に十八億だけ振向けて参りますので、純粋単独事業として起債が非常に減つて参りました。従つて継ぎ足し単独事業を中心に考えて参りますと、どうも十分に考慮するということは申し上げられないわけであります。
○辻原委員 しかしながら原則としてはそれにも起債はつけるというふうに了解してさしつかえないでしようね。
○後藤政府委員 はあ。
○辻原委員 了承いたしました。なお残余の質問は後日に譲りまして終ります。
○辻委員長 松平君。
○松平委員 自治庁の方がおいでになりますのでお伺いしたいのですが、今度の六・三建築十四億四千万円ですが、それに対する見合いの起債というものが大体半分ですから十四億四千万円ある。そのほかのつまり六・三制の単独起債というものは一体どの程度あるのかということ。 それからもう一つは、最近地方における財政の逼迫は、大体政府の施策が潤つて来たと申しますか、そういうことによつて義務教育の方はいいのでありますが、県単独の高等学校の経費に相当難渋を来しておる。しかも高等学校の老朽校舎が相当多いわけでありまして、これを改築して行くのにまた一苦労出て来てしまつたというのが多くの県の実情であろうと思うのであります。従つて高等学校の老朽校舎の改築ということについて、各府県において起債の取合いをやつておるという状態なんですが、高校の改築の起債というものはどれくらいあるか、この二つについてお伺いしたいと思います。
○後藤政府委員 第一の単独事業起債は、教育施設関係では去年は九十七億でありましたが、ことしは九十六億見ております。ところが先ほど申し上げましたが、今度の三党協定でこの中から補助事業に振りかわつて行くものが十八億ございます。それを引いたものでありますが、このうち単独事業部の中に一部の福助事業を入れております。それは先ほど申された十四億に見合う分でありますが、二十八億が入つております。それを差引きいたしますと五十億くらいになると思います。 それから第二の高等学校の起債の問題でありますが、県分の単独事業の起債については、単独事業の総量が少いものでありますから、府県によつて違いますが、大体五、六千万から一億くらいの間でもつて単独事業のわくを与えております。その中でもつて府県の優先順位による起債をこちらで認めておるわけであります。高等学校を最優先にします場合には高等学校を第一に認める。大体それをフルにとつて、そうしてあとを埋立てだとか、道路の方にまわすとかいろいろ振り方をやつて、それは個々の県の事情にまかせております。高等学校分というわくをつくつておりません。従つて高等学校分がどれくらいになるか、私ちよつと資料を持つておらぬのでありますが、あることはあるというふうに思います。
○松平委員 もう一つ起債の点についてお伺いしたいと思いますが、昨年度非常に困つたことは、文部省の決定と起債の関係が非常に遅れてしまつたということであるわけなんです。なるほど昨年は解散の関係で本予算の成立がおそくなつたということがありますけれども、文部省における決定、つまり補助額の決定、これに見合うところの起債ということであるので、文部省の補助額が決定しなければ起債も決定しない、従つて手もつけられないというのがほとんど実情であつたというふうに思えるわけであります。しかも文部省においては第一次決定、第二次決定というのがあつて、第一次まで出て来なければほんとうの起債のことがわからぬというようなことで困つておつたのですが、自治庁の方の起債の各府県の配分というものは、大体概算払いというか、概算配分というものを、本年度は一体いつごろおやりになる予定であるか。それからその前に文部省の補助の決定というものは一体いつごろまでに完成するのであるか。それと自治庁との関係はどうなつているか、その辺のところをちよつとお伺いしたいと思います。
○後藤政府委員 単独事業と補助事業と二つの問題がありまして、単独事業はなるたけ早く、来年度の分でありますが、大体五月の終りごろまでには私の方は内定いたしたい、かように考えております。ところが私の方だけ終りましても、大蔵省に協議いたしますると、去年の場合は相当時間がかかつております。従つて八月の終りごろにきまる。去年は六月の終りにきまつて八月の終りにきまつたわけであります。しかし補助事業の方は補助金の方がはつきりきまりませんと私ども困るのであります。補助金がつくことだけがきまつておれば、ある程度、八割程度のものを出してもいいと思います。これは公共事業も同じであります。たとえば公共事業の例で申しますと、二十八年は概算を出しましたのが去年の十一月の初めであります。ほんとうに補助金がきまりまして出しましたのが二月の初めであります。私どもは早くきめてやりたいと思つております。補助金の決定さへ急いでいただけば、一般単独事業と、そう間隔をおかないできめられる、かように考えております。
○近藤政府委員 先ほど申しました六・三予算の配分につきましては、これは昭和二十九年の五月一日の実態調査をいたしませんとできません。従いましてその調査が終りましてから早急に予算の配分をいたしたいと考えておりますので、六月中には何とか配分する方法ができるのではないかというふうに考えております。
○松平委員 もう一つ文部省にお伺いをしたいと思います。市町村の合併の法律が出ておりますが、この市町村の合併法律に基いて合併が行われる。その場合の学校起債というようなことについては、文部省はどういうふうなお考えを持つておられるか。つまり優先的に取扱う御趣旨であるか、あるいはまたこれは普通の学校の補助事業なり、起債なりと同じような態度で臨んでおられますか、その点お伺いしたいと思います。
○近藤政府委員 市町村合併の場合の学校の問題でございますが、市町村合併によりまして学校が一つになるということにもすぐ参りませんので、学校は学校としてやはり行政区域はかわりますけれども、残るというのが多くの例でございますので、必ずしもそこに問題が特に新しく発生するというような例はあまりないように考えております。しかしながらもしさような場合がございますれば、できるだけ起債の面で優先的に御考慮願うように考えております。
○松平委員 簡単にお尋ねしたいと思いますが、次に先ほど来の質疑応答によりまして、大体六・三制のことはわかりましたが、大都会の人口の増加ということと相まつて、戦災校舎あるいは災害校舎の復旧というものが、それに関連して来るわけでありますが、それの状況、つまり現在どの程度の坪数が残つておるかということと、それからもう一つ盲聾唖学校、あるいはこれの寄宿舎の坪数、こういつたものは今まですえ置きでありますけれども、これについて今後どういうふうな方針を持つておられるかという二点だけお聞きしておきたいと思います。
○近藤政府委員 戦災学校の復旧でございますが、これにつきましては、二十九年度の初めの不足坪数が、小学校につきまして児童一人当り〇・九坪という基準によりまして、これの復旧費の補助を出すという計算を出しました。二十九年度は初めにおきましては約十万坪の坪数が計上されておるのでございます。それを三年計画で充実するという見当から、昭和三十九年度におきましては、その三分の一の約三万三千坪を予算に計上いたしてございます。補助率は二分の一で金額は約五億五千万円でございます。ただいま申し上げましたのは小学校でございますが、そのほか高等学校のものがございます。高等学校につきましては、これは昭和三十九年度の初めの不足坪数が約八万七千坪ございます。これを四年計画で解消するという計画を立てまして、昭和二十九年度におきましては約四億円を計上してございます。それから大学でございますが、これも若干ございます。昭和二十九年度の初めにおきましては、約三千三百坪ほどございますので、これを三年計画で解消するという意味合いから、これにつきましては、二十九年度において金額で申しまして約二千万円計上してございます。以上戦災復旧に関しましては、小学校、高等学校、大学を含めまして、合計九億七千万円を国庫負担をもつてすみやかにこれを解決するという計画を立ててございます。 それからお尋ねの盲聾学校でございますが、盲聾学校につきましては、その寄宿舎並びに教室の不足を入れまして、昭和二十九年度におきましては約三万坪不足でございます。これを義務制の完了年度の昭和三十年度までに完成しまして、昭和三十一年度で全部それに入れるというような関係上、昭和三十年度までにこれを完成する予定をもちまして、昭和二十六年度以降、年年この整備を続けて参つております。本年度はこのうち約九千五百坪充足する予定をもちまして、金額が一億六千万円計上してございます。
○辻委員長 受田新吉君。
○受田新吉君 時間も押し迫つておるので簡単に松平委員の質疑、並びに他の委員各位の質疑の残りについて申し上げたいと思います。 先ほど竹尾さんからお尋ねになつたことについてまず確めておきたいことがあるのですが、今政府の企画しております中学校建築計画の中に、二十九年度が、八十五万坪のうちの十分の一で十四億という出発、それから先は不均衡の五箇年計画とおつしやつたのですが、少くともその計画を立てる以上は、大まかな線だけは出ていなければならぬと思うのです。それを一応伺いたい。そしてもう一つ、二十九年ないし三十年の生徒の数字というものを基準にして押えようとしておられるわけでありますが、先ほどその一部については御発表になりましたけれども、私ここで確めるために、二十九年から三十五、六年ごろまでの間における政府の考えておる生徒数の増加率というものを言うていただきたいと思います。
○近藤政府委員 五箇年計画でございますが、先ほど私申し上げましたお答えは五年計画という計画はまだできておりませんと申し上げましたので、一応坪数といたしましては八十五万坪を十年計画で解消するというので、八万五千坪を本年度計画されているわけであります。しかしながらこれは不均等五箇年計画で解消したいということを申し上げましたので、しからば次年度は何坪かということにつきましては、まだそこまで検討を進めておりませんので、至急検討を進めるようにいたしたいと思つております。 それから人口増加でございますが、これは私推定を申し上げましたので、なおこれはもつと検討いたしまして確実なものにしたいと考えておりますが、ただいまわかつておりますところでは、昭和二十九年度は四月一日までに中学校の生徒で約五十万ふえる予定でございます。それから昭和三十年度にはこれが約七十万と申し上げました。それから三十一年度はこれが約八十万と申し上げました。それからそれ以降増加率が減少いたしまして、昭和三十五年度からその増加率がまたふえまして、約六十万ふえる、それからさらに昭和三十七年度では約百八十万ふえるというふうなカーブになりますが、これは一応の推定でございますので、なお十分今後とも検討をいたしたいと思つております。
○受田新吉君 二十九年以降の三年間は漸増し、それから減少するということであります。ところがこの増加部分の人口増加率の高低でありますが、それを考えて二十九年度ないし三十一年度という形で生徒数を押えたわけになるのですか、そのほかに何か予算的な措置で大蔵省などから制約を受けるおそれもあるというような、そうした財政上の理由があるのか、これもあわせて、竹尾委員の質疑に残る問題としてお尋ねしておきます。
○近藤政府委員 昭和二十九年五月一日を基準にし、また昭和三十年五月一日、さらに昭和三十一年五月一日を基準にすると申し上げましたのは、その間における生徒の当然増加を見るか見ないかということに関連して申し上げましたので、結局自然増加を見るように基準をとるということを申し上げましたので、昭和二十九年五月一日現在をもつて、将来ともずつとそれで行くのだということではないのでありまして、昭和三十年度、三十一年度はそれぞれ当該年度の生徒数を基準にとるということでございます。
○受田新吉君 しからば三十二年以降の分についても、そういう増加率を基準にして、その年度の現在生徒数を基準にした算定がなされるべきではありませんか。
○近藤政府委員 その点につきましては、理論としては私はさように考えております。しかしながらこれは先のことになりますので、政令の方にそれを現わすかどうかにつきましてはなお十分検討いたしたいと考えております。
○受田新吉君 今日本の人口は大都市集中傾向がありまして、東京都のごときはもうすごい人口増殖率です。こうなつて来ると山間僻地の学校は減少をし、都市は大幅に増加する傾向は今後相当長期にわたつて続くと見なければなりませんが、非常に増加した学校の生徒がこの三十一年までの基準で押えられるとするならば、それから先は情勢の変化がない限りは、たとい自然増が相当多くありましても、それに対して国庫補助の対象等は考えられないということになつたならば、はなはだ私は不穏当だと思うのです。この点について日本の人口動態というものの都市集中主義、従つて農村部では幾分生徒が減る場合がある、こういうことに対して、減つた部分はそのままにし、増加部分もそのままにするというやり方か、あるいは減つた部分はとりもどし、増加した部分は押えて行くというような考え方か、そうした増減の場合における政府側が意図している具体的な計画をお聞きしたいのであります。
○近藤政府委員 お話の点につきましては、非常にむずかしい問題だと考えますので、十分検討いたしたいと思つております。
○受田新吉君 はなはだむずかしい問題になつて、来るとおつしやるのですか、これは三十一年という制約をしないでやつておけばりつぱに解決するわけなんです。そこに政府が少し無理をしていらつしやる点があると思うのです。そういうことをよく考えておかないで、ここで抑えておくということになりますと、あとからそれを是正するのにはなはだ骨が折れるわけなんで、その点につきまして十分検討を加えるという御答弁でありますが、検討を加えることは、もう差迫つて本案も今ここで最終審議に移ろうかというような状況でありますので、きわめて早急にここで検討の結果が発表されなければならぬのでありますが、どうも検討を加えるという御答弁以外にはないようでありますので、この問題については質問を残して、次に移ります。 次にこの問題の重要関連事項になりますが、私立学校というものが最近都市を中心に相当たくさんできております。それで私立学校などがどんどんできると、そこへ生徒が相当数吸収されるわけですが、そういう私立学校の設置奨励とかいうようなことで、生徒の自然増を都市においてまかなおうとするような用意はないのか、この点を伺いたいのであります。
○近藤政府委員 最近私立学校が相当建てられまして、教育上非常にいい結果を見ておるのでございます。ただ都市の人口増に伴う生徒の増加を私立学校に吸収して、公立学校の分をカバーするという御意見のようでございますが、積極的にさような気持は持つておりませんが、現実にはおそらくそういうような結果が現れておるのではないかと自分は考えております。
○受田新吉君 今私立学校はどんどん多額の寄付金を募つて生徒の吸収にこれ努めております。義務教育の学校である中学校の過程において、多額の金品を吸収して、そうして設備の拡充に持つて行こうというこの動き方は、政府としてもよほど慎重に考えてもらわなければならぬ。義務教育で、その経済的負担に甘んじながらどんどんみんな私立中学校に進学して行く理由は、公立学校の設備の不十分であるという点が大いに原因しておると考えざるを得ないのでありまして、私立学校の設置、廃止等について監督権を持つている文部大臣あるいは都道府県知事は、この問題の成行きを十分見守つてくれなければならぬ。ことに私立学校が都市においてどんどん増加するということは、公立学校の設備不十分に乗じて多額の金品をかせぎ、同時に学校法人の寄付行為以外の営利事業までやつて学校経営をやつて行く。そして私腹をこやすやからもすでに発生するということになる。こういうことは非常に重要な関連性があるのでありまするが、文部省といたしましては、この私立学校の奨励はあまり積極的にやつておらぬのだ。しかし私立学校がどんどんできることは、生徒数の増加を緩和してくれている、と今局長は喜んでおいでになつたようでありますが、この私立学校が自然発生的にいかなる理由でどんどんできて行くかということを十分検討しなければいかぬと思うんです。特に東京、大阪等の私立学校は、雨後のたけのこのごとくどんどんできている。これは公立をあぶれた生徒が行き場がない、もしくは金がたくさんある者が、寄付をすれば設備のいい学校へ行けるということから、そういうことになるのでありまして、私立学校の設置について、文部省としては十分具体的な用意をしなければならぬ。これを奨励したらいいか、あるいは現在で押えて行つて、公立学校中心主義で行つたらいいか、こういう点については、先ほど私が人口の動態は都市集中傾向になつていると御指摘申し上げましたが、これに対する文部省の対策は、私立学校を奨励する傾向にあるか、あるいは現状で私立学校は考えないで、公立学校を中心に考えて、設備拡充をはかつて行き、できれば金のかからぬ公立学校に行かせるように考えておるのか。この点できれば文部政務次官、あるいは初等中等教育局長、あるいは私立大学に関しては大学学術局長の御答弁をお聞きしたいのであります。
○稲田政府委員 私立大学について私からお答えいたします。私立大学につきましては、現存いたしますものにつきましては、私学振興会の事業その他を中心といたしまして助成をはかることを第一と考えております。設立は自由設立の建前でありまするけれども、大学基準に合致したものに限つて認可いたしまするように、大学設置委員会において十分検討いたしております。
○近藤政府委員 先ほど何か私が喜んでおるようだというようなお話でございましたが、決してそういう意味ではございませんで、今公立学校で吸収しておる生徒を私立学校にまわすというような考えを積極的にとつておるということはございません。先ほど大学局長からお話がございましたように、私立は自由につくるわけであります。ことに高等学校、中学校につきましては、都道府県知事の管轄でございまして、大学につきましては文部省が直接監督しておりますが、高等学校、中学校は都道府県の監督でございまして、これは自主独立を尊重いたしまして、自由につくつてあるわけでございます。公立の設備が悪いから私立に移るということは、必ずしも言えないと思います。これは私学の伝統とか、いろいろな関係をもちまして、私学に行く者は行くし、公立に行く者は行くということになつておるはずでございまして、必ずしも公立の設備が悪いから私学に行くということではないと思います。
○受田新吉君 公立学校は、入学その他についての経費ははなはだ僅少で済むが、私立学校は、多額の金品の寄付及びそのほかの学資金等においても、授業料等が多額にかかるという傾向があります。こういうものについて文部省はよく実態を調べておられるかと思いますが、大学から高等学校、中学、はては小学校、幼稚園に至るまで、私立というものは莫大な金を取上げておる。文部省はこれを無制限に放任しているのか、あるいはこれらの学生、生徒、児童に対して、常に負担が極度にわたらないような指導、監督をしておるのか、この点をお聞きしたいのであります。
○近藤政府委員 私も子供を私立学校に入れておりますので、その間の事情については承知しております。しかしながらその点につきましては、私学の方では、自主的にそういうことがないように協定をしておるはずでございますので、直接文部省といたしましてこれに干渉するということは、ただいまのところはそういう権限はございませんで、自主的にやつております。さよう御了承願います。
○受田新吉君 もういいだろうという声もありますし、相当長時間にわたつてやりましたので、これで終りますが、いま一言、政治的な発言を文部政務次官に願いたい点がある。今事務的ないろいろ御答弁がありましたのですが、少くとも義務年限の学校の教育は、憲法に保障する立場から、これは全額国庫負担の基本線を守らなければならない問題ですね。それがまだこれから先八十五万坪も十箇年計画でつくつて行かなければならぬというような状況、それに対して国費負担はその一部で、また一部は地方の起債にまつというような措置もとろうとしておる。こういうことではなかなか理想が実現できません。文部省当局は最近においてようやく文教政策に熱意をこめたように見えまするけれども、地方財政の逼迫を考慮することなく、中央の一つの基準にのつとつて、その基準以外のものは、地方が非常に苦労しても、それは地方で負担してもらわなければならないのだというような、はなはだ冷たい対策が立てられております。基本的にこの法律案の内容を見ましても、前進したごとくに見えて、一方において地方負担が今後一層増加する、生徒数がふえるに従つて地方財政が一層苦しくなるというような原則がこれで確立されておるのですが、このことについて文部省といたしましては、今後文教政策の基本策として、地方財政の負担を軽減し、憲法に保障するところの義務年限の学校教育だけは国が責任を持つという方向へ大いに前進されて、文化国家らしい形に持つて行かれるという熱情を持つておられるかどうか。そして大蔵省が少々なたをふるつて文教予算に制限を加えようとしても、これを押しのけて、勇敢に財源獲得に努力するというような熱情を今後十分示し得るところの自信があるかどうか、これをお伺いして私の質問を終りたいと思うのであります。
○福井(勇)政府委員 お答えいたします。 受田委員御指摘のように、文部省としては、非常に熱意を示しているかの「ごとく」でなくて、実際熱意を示してこの問題に取組んでおり、今後御指摘の点につきましても鋭意努力するつもりでございます。
○辻委員長 これにて質疑を終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と、呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて質疑は終了するに決しました。 これより公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案並びに原田君提出にかかる各党共同提案の修正案を一括して討論に付します。野原覺君。
○野原委員 私は日本社会党を代表いたしまして、公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に関し、一、二の要望を付して、原田君提案の修正案に賛成の討論をいたすものであります。 政府は改正の理由といたしまして、災害復旧及び戦災復旧の場合と同様に、政令で定めることが適当であると言つておるのでございますが、私はむしろ逆に、すべて本法で規定することが適当であろうと思うのであります。しかもこのことは本法成立の過程においても明らかでございます。すなわち従来は政令によつて国庫補助がなされていましたために、きわめて不安定であり、特に重要な基盤である一人当り基準坪数の算定等が、時の財政上の圧迫から縮小される危険性が大きいために、恒常的な計画性に欠け、著しく校舎建設を阻害して来たのであります、このため基準坪数を法律に明記いたしまして、その基礎を法律で確立するということは、全国的な切実な要望であり、本法の骨子でなければなりません。しかも去る第十六国会におきまして、大達文相は次のごとき提案の説明をいたしております。「地方財政も窮乏をきわめている今日、地方公共団体が毎年公立学校の災害復旧や戦災復旧あるいは中学校の整備に多額の費用を支出することは非常に困難な状態にありますので、これらの経費につきまして国庫負担の内容を明確にして、公立学校の施設の整備を促進し、もつて学校教育の円滑な実施を確保することが現下の急務であるのであります。しかもこれらの経費は予算額からいたしましても相当の額に上りますし、現在の国家財政の実情を勘案して、種々慎重検討を加える必要がありますので、法律をもつて規定することが適当であると認められまして、ここに法律案として御審議を煩わすことになつた次第であります。」と、明確に法律をもつて規定し、財政確立の必要のあることを述べておるのであります。 しこうして以上申し上げました趣旨が、不十分ながら去る第十六国会において、自由党の天野公義君が附則に関する提案をいたしまして、文部委員会は総員これに賛成をして、本法附則第三項ができ上り、坪数が明記されたことは御承知の通りであります。しかも本年の予算案作成の過程等に見ましても、基準坪数、単価等の設定におきまして、聞きところによりますと文部省、大蔵省両省の間にきわめて困難な折衝過程が見られたということであります。これは学校建設に大きな不安動揺を与えるものでございますがゆえに、私どもはこのような弊害をすみやかに是正する立場からも、本法によつて明記することが最も至当な方策であろうかと考えるわけであります。この意味において基準坪数を削除することは法の後退でございまして、あくまでも政令に譲ることなく、本法に明確に規定すべきであります。しこうして私はここに次の要望を申し上げたいと思うのであります。 戦災復旧の場合でも災害復旧の場合でも、ともに六・三校舎と同様にすみやかに本法に明記すべき措置を政府はとられんことを要望いたしまして、修正案に賛成いたします。(拍手)
○辻委員長 松平忠久君。
○松平委員 政府提案の公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対しまして、今般各派の共同修正案が提出されたのでありますが、この修正案について賛成する討論を日本社会党を代表しまして申し述べたいと存じます。 学校建築等については、いつも基準となる坪数が問題となつたことは皆さん御承知の通りであります。この基準坪数が従つてこの法案の骨子とも言われる一つの点ではないか、こういうふうに思うのでありまして、これはただいまも野原君から発言がありましたが、十六特別国会のこの委員会において所要の修正をすると同時に、またこの国庫の負担率等についてもこの委員会において増額をしたことのあることは、委員諸君の記憶に新たなところであろうと思うのであります。従つて委員会において修正をして、かかる重要な基準坪数は政令等によつてかつでに政府が上下するということなく、一つの法律の基準としてこれを盛り込むという端緒を開いたわけでありまして、これは十分政府も承知しておるところであつたのではないかと思うのでありますが、何ゆえに一体政府がこういう原案を出して来たのか、その真意について不可解を感ずるのであります。従つて今回この修正案によりまして、政令によるということでなくて法律にきめることができるということは、この前の第十六回特別国会における措置とともにわれわれは全幅の賛成をしなければならない筋合いのものであろうというふうに存ずるのであります。従つて政府は今後はかかる修正案をおあきらめになつて出さないことと存じますけれども、どうぞこの趣旨によつて今後措置して、いただきたい。 なおこれに関連しまして先般の十六特別国会におきましては、われわれの決議案を採決しまして、この坪数を一・二六まで上げて行くということであつたのであります。それも委員会は無論のこと、政府の諸君も記憶に新たなことであろうと思うのでありますが、これも一つの根本問題であろうと思うのであります。従つて一・〇八坪からさらに進んで一・二六坪に向つて努力をしなければならぬ政治的な責任が政府にはあるわけでありまして、この一・二六坪の達成にこの上とも努力をしていただきたい。 なおまた本日この委員会でも問題になりましたが、自然増の問題であるとか、あるいは積雪寒冷地帯における屋体の問題であるとか、あるいは防火建築等の問題につきまして、それぞれ政府からも答弁があつたわけでありまして、われわれの希望には遠いわけでありますけれども、若干ながらその方向に向つて努力を傾倒しておるというような御答弁があつたのでありますが、これは若干ではなくて、ここでほんとうに超党派的の考えからこれを審議しておりますわれわれの要望というものをよく認識していただいて、そうしてわれわれの希望を達するように努力をしていただきたい。これが私の政府に対するお願いであります。政府当局は従いましてわれわれのこの修正の意味というか、真意というものをよく熟読翫味されたい。すでに二回にわたつてこの修正が行われておるわけであります。それらの点をよく翫味していただいて、そうしてさらに画龍点睛の意味をもつて、いたずらに教育、文化というものを圧迫しようというような意図があるのではないかと世間で言われておる現在であります。教育予算の方は、実は逆に言うと、あまり努力をしておらんじやないかという批評も世間にはあるという状態でありますので、この際これを契機としまして、特にこの趣旨を体してわれわれのうしろだてといいますか、超党派的なバツクといいますか、こういうものをよく体していただいて、そうしてこの法律案の意味するところの真意の実現にこの上とも予算的措置その他において十分御努力を願いたいことを要望いたしまして、本案に賛成するものであります。(拍手)
○辻委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります、原田君提出にかかる各党共同提案の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて本修正案は可決せられました。 次にただいまの修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて本案は原田憲君提出の案のごとく修正議決せられました。
○町村委員 ただいま修正議決せられました法律案に対し、各党共同提案による附帯決議を付する動議を提出いたしたいと思います。
○辻委員長 町村金五君より、ただいま議決せられました公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案に対し、各党共同提案により附帯決議を付する旨の動議が提出せられました。町村金五君。
○町村委員 附帯決議を朗読いたします。 一、義務教育年限の延長に伴う中学校の施設の建設に要する経費の算定の場合における一・〇八坪の基準坪数に乗ずる生徒数を政令において規定するに当つては、国会修正の趣旨に基き、将来の生徒数の増加に対処できるよう措置すること。 二、中学校の中間的暫定的基準である一・〇八坪を速かに最低基準(従来の国会決議の線としては補正付一、二六坪)に引上げること。 三、学校教育の重要性と、今後全国的に生ずる児童生徒の急激異常増加に伴う学校施設の大量不足の難局突破の必要性に鑑み、公立学校施設の基準までの建築(復旧及び改築を含む。)はおそくとも数ケ年後において現われる児童生徒の大量増加前にこれを完了するよう年次計画を明かにし、その建築が学校毎にそれぞれの実情に即し合理的に、計画的に遂行しうるよう所要の方策を講ずること。 四、積雪寒冷湿潤地帯における学校教育及び地方財政の特殊性に鑑み、屋内運動場の建設費については、中学校のほかに盲学校及びろう学校は勿論小学校についても速やかに国庫負担の対象とするより予算措置を講ずるとともに、その他の地域における学校についても漸次屋内運動場を建設しうるよう予算措置を考慮すること。 五、学校建築は防火地域以外にも鉄筋造(鉄骨造を含む。)の建築ができるよう速やかに予算措置を講ずること。 以上をもつて動議といたします。
○辻委員長 町村君の附帯決議動議について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて町村君の附帯決議を付する動議は可決せられました。 よつて本案は附帯決議を付して修正議決せられました。(拍手) なお報告書の作成、提出手続等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なければさように決しました。 —————————————
○辻委員長 次に学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑に入ります。辻原弘市君。
○辻原委員 簡単に二点につきましてこの際質問いたしておきます。第一は、先般の委員会おきまして、盲聾教育について大臣に私が質問をいたしたのでありますが、今後研究をするという話でありましたので、この機会に承りたいと思いますが、問題は御承知の寮育制度の問題であります。ただいま改正案が上程せられております趣旨も、盲聾教育の義務制実施の段階を一歩進めるという形で、内容としては当然の措置でありますが、これらの盲聾教育の力点と同時に、私は、この特殊教育が今日学校教育の会計の中に完全に包括されておらない、そういう点について若干の疑義を常に持つておりますので、この寮育制度をどういうふうに厚生省との間において調整をせられたか、それについて承りたい。
○緒方政府委員 盲聾学校の寄宿舎とそれから盲聾唖施設の問題でございますが、これは御承知のように二十九年度の予算といたしましては、それに関連するので申し上げますが、修学奨励費といたしまして四千八百万円ほどのものを計上いたしたわけであります。この間のことにつきましても、いろいろと厚生省との間に交渉いたしたのでございますが、まだ根本的な問題につきましては十分な調整ができておりません。私どもといたしましては、今後とも十分話合いを進めて行きたいと考えております。現在のところでは、教育としては文部省所管といたしまして、社会保障施設としては厚生省の所管という原則をまだ出ておりません。今はそういう状況でございます。
○辻原委員 前回私が質問いたした際と、一歩も前進しておりません。私はこの施設の面については、社会保障制度の一環として当然あるべきことと思います。それを否定するものではありません。同時に盲聾教育として、その施設の中に寄宿舎が存在することも、これは当然であります。問題は、盲聾教育の形の場合に、同じような形態のものが二つあるので、これを取扱い上一元化することができたならば、現在のような貧弱な盲聾学校の寄宿舎はなくなる。その点についてなぜ努力をしないかということを言つている。これが予算まで二分されており、その二つの予算が合体されれば、りつぱなものが盲聾教育の上においてでき上るにもかかわらず、そのことに対してなぜ調整できないかという点について、非常に疑問を持つております。もちろん厚生省の所管として、そういう社会保障制度が片方にあることはかまいません。しかし盲聾学校の対象として、同じような子供がその教育の中に含まれた場合は、当然その部分だけは、これは文部省の所管に移して、そして一本にして、これを保育し、教育して行くことが、これが一番望ましい形で、それらの点について、私はその部分だけをやれと言うのであるから、決して社会保障制度の面にまで手を伸ばして、それをも含んで文部省の所管に移せということを言つているのじやないのでありますから、これはもう少し真剣になつて検討していただかなくちやならぬ。再度この運用の面等において考慮できないか、お伺いいたします。
○緒方政府委員 御指摘の御趣旨の点は、私どもごもつともと存じます。ただ厚生省と文部省それぞれの立場があつて、まだ調整がついておらないことは、ただいま申し上げた通りでございます。今後とも努力をいたしまして、運用等の面についてもいろいろ調整をはかつて行きたいと存じます。
○辻原委員 できておらぬものを追究してもしかたがありませんので、いずれ機会をあらためて再度質問をいたしますから、それまでに運用の面だけでも何らかの方法で解決せられるように、これは要望いたしておきます。 次に事務職員の問題について簡単に伺つておきますが、御承知のようにただいま事務職員の身分取扱いにつきまして、いろいろの意見が出ております。同時にこれは従来からの予算措置を見ましても、学校教育法に規定されているにかかわらず、この事務職員の身分制度というものが、一般教職員に比較して確立されておらないきらいがある。これは法律的にいえば特例法の問題だと思いますけれども、根本は学校教育法でありますので、この際お伺いをいたしますが、文部省としてはこれを教育公務員等と同じような取扱いをして行くという心組みをお持ちになつておらないのかどうか。それと学校教育法にある但書、特別の場合においては置かないことができるというふうな形は、これはいついつまでも存続するというお考えであるのか、もうここらでやはり本来の趣旨を生かして、学校教育におけるつの事務管理という面について歩一歩を進められる考え方はお持ちになつておらぬのか、この二つの点について承つておきたいと思います。
○緒方政府委員 事務職員につきましては、その職務の内容から申しまして、いわゆる学校の事務に携わるものでございまして、これはほかの教育公務員とは職務の性質が違うと私は思います。従いまして現在私どもといたしましては、これを教育公務員と同一に取扱うん気持は持つておりません。 それから但書の問題でございますが、これは学校の事務がいろいろと複雑になつて参りまして、教授がこれに当つてかんじんの教育がその手をとられるというような実情がありますことは存じておりますけれども、これはまたいろいろと財政の面等もございまして、これもただいまただちに但書を削除するというようなことは考えておりません。
○辻原委員 最後に稲田局長にインターンの問題についてお聞きいたします。これもかねがね問題になつておつた点でありますが、今回の改正提案の歯科に関する取扱いは、実情にそぐわないような改正だと私は把握しておるのですが、やはり医者を養成するという建前から行けば、そのことも大事であるが、このインターン制度の問題についてもやはり大きなひつかかりになつておる、こう思うので、これについてその後どういうふうに取扱われて来たのか。根本的にはやはり従来同様この制度はいいから残しておくというふうになおお考えになつておられるか。私はずつと以前にもお伺いいたしましたが、例の司法修習生と同じような、いわゆる資格を持つた後においてそういう一つの修習をやるというふうな考え方、ないしは学校教育の体系の中に、これはかつての師範制度と同じような考え方ですが、そういう実習を中に包括してしまうという考え方、いろいろあると思うのですが、そういうふうな何らかの方法で改められる御意思はお持ちになつておらぬのですか。このインターンというのは、御承知の通り一番中途はんぱな制度で、非常に内容が伴わないにかかわらず、苛酷な義務というか労力を強制しているものだと私は極言いたすのですが、何かいい方法をとろうという良案を得られていないか、ひとつこの機会にお伺いしておきたいと思います。
○稲田政府委員 お話の点は、直接はこれは厚生省所管の問題でありますので、私から申し上げるのもいかがかと思いますけれども、御質問でありますので、一応お答え申したいと存じております。 インターン制度はなぜ設けられておるかと申しますと、これは医師を開業いたしますために必要な実地の経験を医師試験受験以前に要求する、こういう建前であるようであります。あそこに要求いたしております程度の実地の習練を、今の医学教育制度の期間のうちに持ち来し得るかということは十分検討いたします。ただ現在の高等学校の教育を基盤として考えました場合、医学教育六年の範囲内において、基礎臨床及びそれに先行いたします準備の過程のうちに、今の厚生省で要求いたしておりと致す程度の実地の経験というものを持ち来すことは、これは不可能だと考えております。問題は開業にあれだけの実地の経験がいるかどうかという見地でございまして、これは公衆衛生上の要求であるのであります。文部省といたしましては、医師たるべき素養をいかにして学校教育において十分与えるかということに今後とも努力する建前であるわけであります。 それからインターンについて改善するかどうかという点につきましては、一つは医師国家試験の試験をインターンのあとで学科試験に重きを置いていたしますときには、インターンの実習が十分実習として行われない。この観点から厚生省とも相談いたしまして、学科試験はインターンに入る前になるべく行つて、インターンはインターンの実習そのものが医師試験の資格に十分なり得るようにというふうに改良するのが一点、それからいま一つは、今御検討いただいております予算に、たしか厚生省において相当インターン制度改善の費用を持ち来しておると考えております。文部省の部面におきましては、育英会の奨学金をインターンの一部に貨付けておりますが、そのパーセンテージを昨年以上に増しておる。この程度の改善はいたしております。根本は公衆衛生の見地からいかに要求するかという問題でありますので、厚生省の関係から御答弁申し上げるのが適当だと思つております。
○竹尾委員 私もインターンの制度は、無用の長物で廃止した方がいいと思うのですけれども、これについて、学校を出てから六年やつて、また国家試験をする。またインターンをやらなくちやいかぬ。インターンをやつておる間にインターンの実地試験をやればいい。実地試験は歯科以外にはやらないのであるし、インターンをやるために、学科試験の勉強ができない、こういうべらぼうなことはないのであつて、もしやるのであれば、国家試験を通つてから一年か半年の間義務的にやらせればいいと思うのですが、その点はどうですか。
○稲田政府委員 お話のように、インターンをやつている間に試験勉強をすることは非常にまずいと考えております。その点につきましては、厚生省においても改善を考えるべく研究中でございます。それからまたインターンのあれだけの実習をそのまま学校教育で持ち来せるかどうかという問題につきましては、まだそれが可能だという結論には達しておりません。
○松平委員 簡単なことで一、二稲田政府委員にお尋ねしたいと思います。まず改正案で医科歯科六年ということが確定したわけでありますけれども、第五十五条第一項の但書によつて、ほかにもこれに適用する科目というものがある。ことに最近行政の複雑多岐ということから、国会あたりで非常に多くの法律案を製造しておるわけですが、そのために法学部の方の学生が、四年ではちよつと無理じやないか、最近の法体系の英米法あるいは大陸法というような、いろいろな日本の混乱した状態からいいましても、法学部のものにもう少し素養をつけさして行くということが、現在の日本としては必要じやないか、こういう観点に立つておるのです。今の四年では不十分ではないか。一年なりあるいは二年なり制度化す、ことに法学部のごときものは制度化して行く必要があるのではないか、こういう見解を持つておるのでありますが、第五十五条の第項の但書については、どういうようなものをこれと右へならえするようなお考えを持つておるか、法学部に対する見解とともにあわせて、文部省の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○稲田政府委員 ただいまの点は、たとえば商船教育のように遠洋航海その他をいたしますもの、あるいは水産教育における漁業等を行いますものは、四年以上の課程にいたしております。それから法学部については、まだわれわれは考えていないのでございますけれども、お話のように四年をもつてしては十分でないという特殊の職業あるいは特殊の性質の向きにつきましては、専攻科を将来活用することがいかがかと考えております。
○松平委員 もう一つお伺いしたいのは、この五十六条第二項を修正される場合において、現行法によりますると、薬学については但書をもつて四年でする、こういうことが現行法規には書いてあるわけですが、今度の改正案に上つて但書を削つてしまつたわけですけれども、薬学はどういうことになるわけですか。
○稲田政府委員 薬学につきましては、薬学会あたりで、やはり年限延長の御要望もございますけれども、文部省といたししましてはまだ四年の課程でいたしたいと考えております。
○松平委員 そうしますと、但書をやはりつけておかないとまずいのではないですか。
○稲田政府委員 今の医学教育の関連において削除したわけであります。別に四年以上の規定をもうけることはでき得るのであります。
○野原委員 一点だけ大事な点があるのです。これは初等中等教育局長に伺いたいのですが、盲聾学校の問題です。昭和二十三年から小学部は義務制になつたわけでございますけれども、実は盲聾関係の学校は都会集中で、府県によつては一、二校しか建つていない、あるいは寄宿舎の設備もないというわけで、義務制にはなりましたものの、就学していない児童、生徒が多数あろうと思うのです。今日就学しておるところの盲聾学校の児童、生徒というものは、それに対する適齢該当の全児童数の何パーセントぐらいの比率になつておるか。それが一点。 ついでにもう一点は、形式的に義務制にいたしましても、実情は以上の通りでございますから、実質的に全盲聾児童を収容するところの計画的な構想があれば、これをお聞かせ願いたい。
○緒方政府委員 お尋ねの就学率でございますが、二十八年八月の三十三都道府県の報告によりますと、小学部におきまして盲学校が、三七%、聾学校が四七%、それから中学部、これは義務制ではありませんけれども、盲学校が三一%、聾学校が二七%となつております。 それから就学率を上げる、あるいは収容のための方策でございますが、先ほど申しましたように二十九年度の予算におきましては、就学奨励費を昨年から見ますと増額いたしまして、三千八百万ほど計上いたしました。たとえば教科書等におきましては、全額を補助する、こういう方法をとつております。
○野原委員 私は問題は就学奨励費ではないと思うのです。それもありますけれども、たとえば長野県におきまして、盲学校がどれだけ建つておるか知りませんけれども、おそらくごくわずかの学校が、都会中心に建てられておるのではないか。そうなりますと、遠隔の地からその学校に通うことはできない。こういう事情にございますので、この問題を解決するためには、盲聾学校の児童、生徒を収容する建物を比較的たくさん分散的に建てなければ、この解決は困難ではないか。このように思つておりますが、そういう方策はお立てになつておりませんか。
○近藤政府委員 お答えいたします。盲聾学校の建物でございますが、寄宿舎を加えしまして、昭和二十九年度初めに不足坪数を、一定の基準によつて計算いたしますと、約二万九千坪不足するわけでございます。これに年々充足いたしまして、義務制が完成いたします昭和二十一年度までに全部入れるようになるのであります。従いまして、昭和三十年度までにはこれをつくらなければならないというふうに考えております。昭和二十九年度は、坪数を約九千五百坪を予定いたしまして、これを鉄筋と木造に振りわけまして、二分の一補助で、一億六千万円を計上してございます。
○野原委員 これは気の毒な盲聾の子供の問題で、大きくなりましてからでも、適当な職につかなければ生活することもできないという特殊な児童、生徒でございますから、政府は特段に予算を獲得して、全体の子供を収容できる施設の整備に全力をあげていただきたい、私はこのことを要望いたしまして、たいへん閉会を待たれておるようでありますから、質問を終ります。
○辻委員長 これにて質疑を終りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて質疑は終了いたしました。 これより学校教育法の一部を改正する法律案を討論に付します。本案に対する討論を省略するに決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて討論は省略せられました。 採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員 よつて本案は原案の通り可決いたしました。 なお報告書の提出等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 —————————————
○辻委員長 この際お諮りいたします。過日決定いたしました公述人中、河原春作君及び伊藤昇君が御出席できない旨でありますので、この際読売新聞編集局教育部長金久保通雄君及び元文部事務次官日高第四郎君を公述人に選定いたしたいと存じますから御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十六分散会