文部委員会 第5号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/02/17
会議録
○辻委員長 開会いたします。お諮りいたします。委員原田憲君及び高津正道君より理事辞任の申出がおります。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。従いまして理事が欠員となりましたので、これよりその補欠選挙を行います。理事の選挙はその手続きを省略し、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異義ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認め、私より相川勝大君、野原貴君の同君を理事に指名いたします。
○辻委員長 次に文部行政に関する件を議題とし、前会に引続き文部大臣に対する質疑を行います。松平忠久君。
○松平委員 去る十二日の閣議において公務員の人員整理ということが議題になつたのでございます。新聞の報道によると、教職員については、小、中学校の整理人員の大体の数としては三万四百十三名というものがあるわけでありますが、これは実質的には本年度は整理をしない、それから高校、大学についてはこれを整理するというような話合いが閣議においてあつたということであります。その真相について文部大臣から伺いたいと思います。
○大達国務大臣 十二日の閣議に出ましたのは、国家公務員の整理という問題でありませんで、地方公務員に対して、国の行政整理と調子を合せるといいますか、地方においても整理してもらいたい、それに協力してもらいたいというか、自治庁としてはそういう勧奨をするという考え方でありまして、むろん国の方で幾ら整理をするということをさしずできるわけのものでもない。そこで文部省関係の高等学校教職員でありますが、これにつきましてはこの間の委員会でもお話が出たのでありますが、従来の小学校について一・五、それから中学校について一・八―これは自治庁が従来の平衡交付金の際にとつていた一応の基準であります。これによつて算出しますと、かなり実人員を上まわつた数字になつておる。ただ定額が低いものだから、それで予算としては不十分であつたのです。そこで高等学校の面でもこういう考え方です。一応それで算定をして、そして今度は来年度において増加すべき児童数とにらみ合せて、理論学級といいますか、五十人に対してという計算で加えるものは加える。そしてその三万人というものを整理――整理というよりもむしろ抑制ですが、増員の抑制という考え方をして行きたいという話であつた。その結果現実の問題としては、来年度において義務教育学校における先生の想定される数字が五十二万何千人――ちよつとはしたを覚えませんが、五十二万何千人という数字であつたのであります。これを現在の実員に比べますと二万何千かの増員になる、こういう計算になるわけでございます。従来の方式によると五十五万ぐらいでありますが、これは実員を上まわることになる。けれども一応それを基準にしてふやすものはふやす、そうしてそのうちから三万人ぐらい国の行政整理に歩調を合せてもらう、実質的に言うと、それだけ増員をするものを押える、こういう考え方であります。ただ文部省関係におきましては、実員による実際支出額というものの半分、こういう立場をとつておりますから、それは先日申し上げましたように、従来の児童生徒の実数とそして先生の実員、こういうものとの割合を何して、二十九年度においてはこれだけの先生の増員が必要になる、こういう実際面から積み上げたものを文部省としては持つております。それでやはり五十二万何千という数字になつております。
○松平委員 そうすると、今の大臣の説明によりますと、本年度小、中学校で百万人ばかり児童がふえる、そのふえるのを理論学級数というようなものでやつて行くと先生の人数が出て来ますが、かりに五万人なら五万人というふうに出て来たのに対して、全体の現在の先生と今度ふやすものを全部入れまして五十二万というふうに押える、ほんとうは五十三万ぐらいに行くのだけれども五十二万ということに押えて、三万は整理をするという、から整理というような考え方で行つておる、大体そういうわけでございますか。
○大達国務大臣 ちよつと勘定が違いますけれども、実質的に言うと大体そうです。五十五万幾らという数字を実際は五十二万何千で積み上げて行くのです。そこでその差額の約三万というものを従来の一・五、一・八という基準――これが地方の実情に合わせておるかどうかは別問題です。向うで今まで応とつておつた基準によると五十五万何千と出ますから、そこで実際の教員の実数と、そして来年度において増員を予定しなければならぬものとを加えた数字が五十二万何千ということになりますから、架空と言つては悪いが、従来の基準でやつた分との差、つまり三万というものが一応整理ということになるか、あるいは増員の抑制という形になるか、そういうことになります。
○松平委員 そうすると、児童は小、中学校入れると百万人ふえるという、それに対する先生の増員というものは――大体五十人について従来の一・五とか一・八という基準があるのですが、今度の場合は百万人というものについてどういう基準で案をお立てになつておるのですか。文部省あるいは自治庁はおのおの違うかもしれませんが、今度の新しいものに対する文部省のお考えはどうでございましようか。
○大達国務大臣 これは非常に事務的なことで、数字でありますからもし間違つておりましたら政府委員から訂正してもらいますが、私の承知しておる範囲では、文部省が義務教育の国庫負担という金額を見積ります場合には、従来の実際の生徒数と先生の実員、これの割合を見まして、そうして生徒数は今度はこれだけふえるから、先生もそれくらいの割合でふえる、こうなる、こういう実際に即した考え方をとつております。それは実際支出額という立場ですから、どうしてもそういう計算、見積りをしなければならぬ。それが五十二万何ぼになる。それから自治庁が従来とつておるのは、これは実際支出額ということじやありませんから、つまり平衡交付金の配付の基準ですから、それは従来の一・五、一・八の一定の基準をとつておる、その基準に従つて計算すると五十五万という数字になるわけであります。私の方で実際はこれだけの数字になるであろうという数を押えておるのが五十二万何千、自治庁の今までの基準によつて計算すると五十五万という数字になる。これは前に申し上げますように、一・.五、一・八という数字から来る算定は実員を常に上まわつておるのです。そこでその五十五万というのと五十二万何人というのと、その開きがありますから、これを五十二万ということで押えて、そのあとの差の三万というものが、自治庁の側から見ればそれだけ人員の増加を抑制したという考え方になるわけであります。
○松平委員 そうすると、この抑制ということが昭和二十九年度において行われるわけですが、昭和三十年になりますとまた約百万人くらいの者がふえて行くということが予想されるのです。昭和三十一年になつてもおそらくそうなるだろうと思います。そうしますと、三十年度あるいはそれ以後においてもやはりこういう抑制ということでやつて行くと、結局生徒の数に比べて先生が少くなるということで、過重労働ということになるわけですが、本年度あたりはどういうようなお考えですか。やはり従来の方針で臨まれるおつもりですか、その点はどうでありますか。
○大達国務大臣 文部省ではずつとこの子供の数のふえ方についての統計の予想数字を持つておりますが、今お話のように今年の四月から人づて入る子供は約百が人ふえる。それから三十年も約百万人ふえる、それから三十一年以降は漸減する予想になつております。しかしいずれにいたしましてもそれは今申し上げますように、私どもの計算におきましては、つまり実際の家具というものから積み上げて来る方式をもつておりますから、特に整理とか児童のふえたのに対して非常に無理をして行く、当然ふやさなければならないものをふやさないで済ませる、そういう立場は実はとつていないのであります。その立場でなしに、実際の実情に合わして計算してそうなる。そこでほんとうを言いますと、教育の実際に適応した基準がつくられるということが一番望ましい。五十人に幾らという、いわゆる理論学級といいますか、それでは実際の実情にはちつとも合わないのでありますから、それが非常に望ましい。これをかりに実学級の数に応じた基準にするだけでも一つの進歩だと思います。五十人子供がふえてみたところで、大きい都市なんか少しずつわければそれは先生を一人もふやさぬでいいという場合もありましよう。これは非常に実情に合わない基準でありますから、自治庁としても何か文部省側で的確な基準を定めてほしい、こういう希望を持つておるのであります。これも先日どなたかの御質問に申し上げたわけでありますが、今予算のきゆうくつなわくというものがありますから、今きめると、そのきゆうくつなわくに合わして、実情に合わない無理な基準ができるおそれがあります。実は私どもとしては、予算に関係なしに、教育の上からいつてかくのごとくでなければならぬという基準を出したい。それは教育課程の問題等もありまして、今すぐ出しにくいし、今きめるとどうしても予算に縛られて無理な基準ができるから、それでとりあえずあまり急いでおらぬということをこの間申し上げたのであります、それで現実の問題としては、いわゆる理論学級という考え方は一応予算をとるときの基準でありますが、これを地方に配付する場合には、なるべく地方の実情に合うようにする。今の理論学級で機械的にやると、大府県といいますか、そういう方がむしろ非常にふえて、中小府県の僻地が多いところが困る。これはできるだけ実情に合うような配分の方法をとつてもらうように、自治庁と協力してそういうようなやり方をしたい。けれども客観的な将来の基準となるようなものは今急いではつくらない、こういうのが私どもの考え方であります。
○松平委員 今の問題は文部省と自治庁の予算の建て方が少し違つておるような気味がありまして、府県で非常に困つておるわけであります。つまり府県の教育費の実際の平衡交付金の基準の基礎が、文部省の考えられておることと少し違うような関係でありますので、従つてそれがやはり地方財政を相当圧迫する結果に、ある府県においてはなる。またある府県においてはそうではないわけであります。従つて自治庁と文部省の考え方を何とか早くひとつまとめてもらつて、少くとも今年あたりはそれをやつてもらいたかつたんだが、もしだめだつたら昭和三十年にはどうしてもこれを一本として、同じような考えでやつてもらわなければ困る、こういうふうに思つておるのです。それに関連して、むしろそれを自治庁とか文部省とかいうことをやめてしまつて、これを全部全額国庫負担にして行くということであれば、そういうことは解消するわけですが、それはどういうようなお考えを持つていますか。将来の、来年の問題に属すると思うのですけれども、考え方としてはどういうお考えを持つておりますか。これを私どもは希望しておるのです。
○大達国務大臣 これは御承知のように、自治庁としましては地方の財政計画を立てる場合に、学校の先生の経費を幾らにするかということを財政計画の上に盛り込みますから、その場合に一応の基準を持たなければ盛り込めない。ところが文部省の立場は、かりに基準がなくても、実際地方が支出したその支出額の半額、こういうそこにおのずから立場の違いがある。そこで文部省は実際支出額の半分という線で立場をとつておるから、今までの実績から見て来年は実際支出はここまで来るであろう、こういうことを考えて、それを文部省の見込みでこしらえてその予算をとる。それから自治庁の方は、初めから実際支出という問題でない。地方の財政計画でこれくらいいるだろう、こういうので、どうしてもその基準を持たざるを得ない。そこで将来一定の共通した基準をきめるということになれば、文部省の半額国庫負担の予算の計上というものは、実際支出ということを離れて、どうしてもいわゆる定員定額というものにならざるを得ない。定員定額というものは理論上悪いとは言えない。その定員のきめ方、定額のきめ方が合理的であつて無理あないものであればこれが悪いとは言えない。ただ御承知のように従来定員定額というものは無理なきめ方がしてあつて、地方でも定員定額というとすぐおじけをふるうほどいやな思出となつておりますから、そこで私どもとしては、非常に合理的な無理のない基準がきまるまでは、現在の実際支出額というものをあまりくずしたくない。今の法律の線をあまりくずしたくないという考え方を持つております。そこで今年の予算の際も、大蔵省としては定員定額ということを希望されたのでありますが、これは私は無理がないと思います。国としては一体幾らいるものかはつきり見込みが立たない。この実際支出額ということで、ただ地方の支出に追随して行くということになつては、国費がどれくらいいるものかという見当がつかぬわけでありますから、無理はないと思いますけれども、こつちの予算におきましては、法律の面に従つて実際支出という建前を維持することができたわけであります。将来の問題といたしましては、今申し上げますように、教育の見地から合理的な基準というものをつくつて、そういう基準ができれば、場合によつては実際支出額というのをやめていただいて、自治庁と歩調を合せて実際無理のない合理的な数字を算出してもいいのじやないか、こう思つておりますが、それも先ほど申し上げましたように、今すぐという気持は実は持つておりません。 それから全額支出につきましては、全額負担というのは、自治庁の関係で、片方で平衡交付金を渡しておれば同じことじやないかという議論も立つわけなのでありますが、これは財政にいうとやはり実際そこに違いが出て参ります。それからまた理論的に申しましても、教育は国の大事な仕事であるということから、これ々国の専務なりといたしましても、教員の給料のすべてをすぐ国で負担しなければならぬという論理によならぬと私は思うのです。これはなかなかむずかしい問題でありますし、また財政的にも非常に大きな問題だと思いますから、これは簡単にどうということはできない。それから国の要務という点から見て、国が国費を負担する、これは当然であります。しかし同時にまた地方においても、それぞれの地方団体の子供を育てることでありますし、何も隣りの団体の子供をあずかつておるわけじやないのだから、どうしても地方団体としてもそれにある程度の負担をする、これは当然なことでございます。問題はその負担の割合を半々にするか、四分六にするか、七、三にするか、こういう問題になるかと思います。その場合にはやはりそれぞれ中央と地方との財政力というような実情からも勘案して考えなければならぬので、この線が一番いいのだ、こういうことはなかなか理論的には出て来ない。私は現在の半分丸々というところは一応妥当な線だと実は思つておる。これが将来地方団体が非常に貧弱であつて、とうてい現在の先生の数をささえることができないというような特殊なことが起れば、これはまたそれに応じて国の負担を増す、こういうようなことはむろん考えられると思います。
○松平委員 今の半額負担の問題ですが、去年の今ごろは全額負担でもつててんやわんやの大騒ぎであつた。それがその後当時の解散によりましてうやむやになつてしまつた。その間のいきさつをお聞きするわけではないけれども、そうすると、大臣の考え方は大体において半額でもつて今度はずつとやつて行くつもりである、こう了解してさしつかえないわけでありますか。それとも党の方針がかわつて来ればまたかわつて来るものですか。
○大達国務大臣 これは将来検討はしなければならぬと思いますが、ただいまのところでは、やはりこの半額負担、それから実際支出額、こういうことで進めて参りたいと思います。
○松平委員 新聞の報道によると、十二日の閣議で高等学校と大学の先生を二千何人とか整理することがきまつた、そうなつておりますが、高等学校は県立であり、大学は主として国立というわけであるから、国でおやりになるわけでしようが、これはどういう基準でそういうふうにきまつたのか、その辺をひとつ……。
○大達国務大臣 これは御承知のように、国家公務員についての行政整理ということが立案されまして、それは一箇年でやるわけでありません、三年ぐらいの間に予定をして整理をする、これは国家公務員全体についての整理案が出ております。予算もこれに従つておるのであります。その場合に国立学校としましてもある程度の整理というものが見込まれておるのであります。そこで地方財政計画の上におきましても、公立の高等学校、大学、これを大体国立学校の場合に準じて整理するようにしたい、これも地方のことですから国できめるわけに行かない。それで地方財政計画を立てる場合に、国立学校の場合に準じて二%減として立てられる、こういうことになつたのであります。その数字が公立の高等学校、大学を通じて約二千名、こういうのであります。
○松平委員 二%減というのは、大学の場合、高等学校の場合において―今の小中学校の場合は抑制ということで行くというお話があつた。今度の高等学校並びに国立大学の場合において、実定員を二千何名減らすということになるわけですか。
○大達国務大臣 国の方の大学関係、それから付属の高等学校、こういうものについて申し上げますと、従来この先生を整理するということは相当無理と考えていいものであります。しかし今回の整理におきましては全然整理の対象にしないということはできない、こういうことに整理の方針がきまりまして、この場合に国立学校におきましては非常に少い整理率になつた。一般職員の場合には一割とかあるいは場合によると二割でありますが、国立学校の整理は非常に少いパーセンテージでやつて行こう。特に大学の先化は現状において相当欠員がある、なぜ欠員があるかというと、大学の先生はだれでもできるというわけに行かぬものですから、教授は非常な学者でりつぱな先生でなければ困りますから……。そこでいい先生が見つかるまで、断るいは現在の助教授がその教授たるにふさわしいところに来るまでの間、欠員になつておるというものが相当あるわけであります。これは欠員とはいいながらこれを落してしまつたのでは、適当ないい先生が来たときにそれを補うことができない、こういう関係もありますので、欠員といえども保存をしなければならぬ、こういうわれわれの立場でいろいろ折衝をしたのであります。ただとにかくこれはずつとコンスタントに欠員というものがあるのですから、この欠員というものの幾分を整理という形にしても、大体において実際は血を見ないで済むということに実情はなるわけです。ことに二十九年度予算におきましても、大学というものが拡張せられ、そしてその運営費も増加しておるのでありまして、従つてそれに伴つてやはり相当な先生も増員になるという関係でありますから、事務職員の方はやはり幾らか整理が出ると思いますが、大学の教授関係においては、実際は本人が希望すれば別ですけれども、そうでない限りやめるという場合は怒らないと私どもは考えております。それでこれは大学としては附属も一緒でありますけれども、ただ附属の方には、これはほとんどパーセンテージというほどのものではございませんけれども、あるいは場合によると多少そういうことがあるかもしれません。ただ人数としては、行政整理の人数を示しまして、これはどこの職種で整理しても、実際の教育の運営に障害を来さないような面で減らしてもいいということでありますから、いわゆる出血ということはあまりないものと思つております。多少のことはあるいは――これはこまかく各学校々々にしらみつぶしに当らないとわかりませんので、絶対にないということも申し上げられませんが、大体としてはそういうケースはほとんどない、こういうふうに思つております。地方の高等学校、大学につきましては、ただいま申し上げました私ども直接所管しております国立学校の場合ほど精密に内容がわかつておりませんけれども、やはりこれもある程度欠員があろうと思いますから、ここに掲げてある二千名というものがすなわち出血、それだけいわゆる首切りになるということにはならぬであろうと思つております。ただこれは申し上げるまでもなく、自治庁が地方の財政計画を立てる場合の計画の内容として考えておるわけでありますから、国家公務員の場合と違つて、これを地方にしいて、二千名どうしても整理しなければならぬ、そういう関係にはありませんので、地方の実情でどうしてもこれを減らすわけに行かぬというものはむろん残るだろう、ただそれだけ地方の財政の上に幾らかきゆうくつが伴つて来る、こういう関係はあろうと思います。
○松平委員 ちよつとお伺いしたいのは、占領下駐留軍の残して行つた混血児というものは非常に多かろうと思うのですが、この始末を相当政府としてはお考えになつているだろうと思う。これらの混血児の児童の教育というものはどういう方針でお取扱いになろうとしておるか、また現にどういうふうに、つまりどういう特別の対策を持つておられるか、お伺いいたしたいと思います。
○緒方政府委員 私からお答え申し上げます。混血児の問題でございますが、昨年の四月に就学いたしました数が、文部省の調査によりますと四百三十名ございます。今後これは若干増加するかと存じてますが、昨年の二月に通達を出しまして、国籍が日本にある者につきましては、教育の機会均等の原則に基きまして、ほかの児童と同様に取扱つて、義務教育の学校に就学せしめるという原則で取扱つております。文部省といたしましては、この取扱いにつきまして、昨年その指導上の手引書を出しまして、各地方の教育委員会を通じまして学校を指導いたしております。現在のところ教員、父兄等の協力によりまして、別に大した問題はないようでございますが、今後この実績、実情を見ました上で、さらにいろいろ検討いたしまして、指導上の方針を立てて遺憾なきを期して行きたいと考えております。
○松平委員 その指導というのはどういうような指導でございますか。指導要領の指導というのは、根本的にどういう方針で日本人並にやつて行かれるという意味であるか、あるいは何か特別のことを考えられるという意味であるか、もし特別のことを考えられるとするならば、どういうことを考えられるのですか。
○緒方政府委員 もちろん一般の日本人の児童と同じように取扱つて行くということでありますが、しかしその生活環境等でいろいろ違う点もございますので、ほかの児童等といろいろ面倒な問題が起つたりしないように、一般の日本の子供と解け合つてやつて行くようにということを根本の方針として指導いたしているわけであります。さらに今後その実績を見て、今申し上げましたように指導の方針を立てて行きたいと思います。
○松平委員 この問題について、例の沢田美喜女史がやつておられる大磯の学園といいますか、収容所というかにおいて、アメリカの宗教団体等に働きかけて寄付金を集めるというようなことを考えておられて、アメリカへ行つて、あちらこちらに勧誘したけれども、大した寄付金は集まらなかつたということを聞いているわけであります。私はアメリカにも相当責任があるように思うのですが、これに対して、政府は何かアメリカに交渉でもするとかなんとかというような考えが今まであつたかどうか、やつておられたかどうか、お聞きしておきます。
○大達国務大臣 これは私どもとしては、混血の児童が学校に入つて来た場合の教育の点について、学校の方面に指導――指導というて、語弊があれば、いろいろ勧告するとかという立場でありまして、その混血児童の養育とかというてんにつきましては直接関係しておりません、従つて、私どもでアメリカの方に何か交渉したとかいうような事柄についてはあずかつておりませんが、あるいは厚生省なり、外務省の方でそういうことをおやりになつているが、実は私どもそこはよく承知しておりません。
○松平委員 こういうことに関連して、この前もこの委員会で問題になつたのですが、例の赤線値域というか、軍事基地における子供の教育上、風紀上悪いという場所が相当あつて、ことに富士山麓の軍事基地等が今までも非常に問題になつておつたわけですけれども、昨年この委員会で御答弁があつて、これに対しては相当関心を持つており、善処するつもりであるということを言われたわけですが、その後これらの地域に対して教育上何か特別の措置を講ぜられているのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 教育上の指導の問題に対しましては、教育委員会あるいは学校に対しまして、あるいは児童の生活指導の面におきまして、学校にいろいろ遊び道具を完備するとか、あるいは図書館等の完備をはかるとか、あるいはまたグループ活動をやり、校外指導を徹底するということで、悪い環境から子供を守るような指導をいたしております。あるいはまた場所によりましては、土曜、日曜等はかえつて外国の将兵が出まわることが多うございまして、ウイーク・デーを休みとするという方法をとらしておるところもございます。そのほか地域社会といろいろ協力させ、PTA等のきょうりょくによりまして悪い環境から子供を守るということにつきまして努力いたしておるような次第であります。
○松平委員 これについては何か特別予算上の措置は講じておりませんか。
○緒方政府委員 その教育の指導の面におきましては、別に予算上の措置は講じておりません。
○松平委員 次にお伺いしたいのは、高等学校と大学との関係でありますが、最近高等学校の生徒の大学に入学するものが非常にでこぼこといいますかある学校については、三十倍、四十倍というような志願者があり、またある学校については入学志願者が足りないという現象があるわけであります。こういうでこぼこがあつて、高等学校の生徒を非常に悩ましておる。教育の機会均等の原則から非常におもしろくない現象だろうと思いますが、これに対する是正の措置、または調整の措置というか、文部省として何か対策を立てらるべきだと思うのですが、そういうことをやつておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
○稲田政府委員 ただいまのお話の点は、帰するところ根本的に各大学の差等が今非常にあり過ぎる新制の大学が充実する従つてその差等が少なくなるのを待つのが根本だろうと思いますけれども、さしあたりの処置といたしましては、第一時入学の期日とか、第二時入学の期日とか、各地区ごとに入学志願の状況と見合いまして、一校に殺到するということを極力避けると同時に、大学の状況を高等学校の方に連絡いたしまして、十分進学の指導をやつていただく、それぞれの素質それぞれの力に応じた志望校を選んで、一つの学校にやみくもに混雑しないようにやつていただく、あるいはまたそれぞれの大学においてどういう学科を修得した人が志願をすることが望ましいということをあらかじめ明らかにいたしまして、また入学志願におけるむだのないように、こういう方法をさしあたりとつておる次第であります。
○松平委員 そういう措置をいつごろからお始めになつておるのか知りませんけれども、具体的に一体それで効果があるものかどうか、はなはだ疑問ではないかと思います。従いまして、抜本的な対策を講ずる必要があると思うけれども、それについては何らのお考えはないと承知してさしつかえないわけですか。
○稲田政府委員 この方針を立てますには大学関係者、高等学校関係者が集まりまして、年々改良改善を実施に即しましてやつて来ております。ただ本質的には、ご承知のように高等学校の入学生が年々ふえて参つのでありまして、六十万がやがて七十万になろうとしております。しかるに大学の方は四年制大学がおよそ十万というような程度にとどまつておりまして、従来進学適性検査を受けます者は年三十万から四十万にふえておるような状況であります。かような数の対比という点におして、われわれが非常に苦心して調節ははかりますけれども、絶対数において受ける人間はふえつつあるような状況であります。この上ともいろいろな技術的な面につきましては改良して参りたいと思つております。
○松平委員 私の伺うのは、一般的に高等学校の大学入学希望者が相当ふえて来ておるということではなくて、その入学希望者がある特別の学校に殺到するということなのであります。その今まで御答弁なさつたその措置だけで実績が上つておるかどうか、もし上つていないとすれば、何かここに大学をふやすとか、高等学校を減らすか、何か措置がありそうなものじやないか、そういうことについてお伺いしたいのです。
○稲田政府委員 進学の自由の問題でございますから、これは強制するわけに行きません。進学指導の徹底ということに第一の主眼を置いて、年々それを徹底させることに努めておるような次第でございます。
○松平委員 高等学校の教育の内容といいますか、それがほとんど上級学校に行くという、つまり予備校的な性質になりつつあるやに思うのです。これは学校教育法等に盛られておるところの完成教育という高等学校の教育目的とも相反するのではないかというふうに思いますが、それらの高等学校の教育そのものについて、何か徹底した指導をなさつておるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○緒方政府委員 高等学校の教育課程につきましては、ただいま教育課程審議会においいろいろと検討をいたしております。御承知のように高等学校の教育課程につきましては、特に広い選択制がしかれておる関係もありまして、人情に即しない点もありますし、また今お話のような完成教育という面につきまして、この方針を堅持して参らなければならぬ点もございますし、いろいろ問題がありますので、今教育課程審議会において検討いたしておる次第でございます。今後ともお話のような点につきまして重点を置いて、この問題は審議いたしたいと考えております。
○松平委員 最後に私学のことについてお伺いしたいと思う。私学振興法による予算が、昭和二十八年度に比べて十億ほど減つておるわけです。これはどういうわけであり、またどういう費目が減つておるのか、その御説明をお願いしたいと思います。
○近藤政府委員 お答えいたします。昭和二十九年度の私立学校振興関係の予算は、私立学校振興会も出資金がまず第一でございます。これは前年度は十五億円計上いたしたのでございますが、本年は五億に減つておる次第であります。従いまして私学関係の予算が前年度と比べてたいへん減つておるわけであります。この私学の振興につきましては、一応十五億という計算で、将来これを五十億まで持つて行くということで計画を立てたのでございますが、本年度は遺憾ながら予算のわくが限定されましたので、従いまして私学振興会出資金も五億に削減をされたような次第であります。
○松平委員 十五億のものを五億に削つて、十億減らした。つまり三分の一にしたわけですが、こういうふうにぽんと三分の二も減つてしまうということは、私学軽視というか、そういう思想の現われのように思うのです。これは財政上やむを得ないということで今御答弁があつたのでありますが、何かそこに特別の理由があつたのか、ただ単なる財政上の事由で私学を軽視するということになつたのか……。 〔「官学偏重だよ、けしからぬ。」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御静粛に願います。
○松平委員 要するにその辺の私学というものに対するあなた方の考えを承りたい。
○近藤政府委員 前年度の十五億でございますが、これは貸し付けますと、これの期限が大体五年でございます。五年の長期でございますから、それが年年返つて来るわけであります。この金が十五億ございますから、従つて償還金の三億というものが二十九年度には帰つて来るという計算になりますから、二十九年度の予算といたしましては五億でございますが、それに償還金を加えますと八億程度になるということで、十五億と比較いたしますと相当減つておりますが、実際に明年度においてはこれを活用いたしまして、できるだけ私学の振興のために貸付を配分いたしたい、かようなことであります。
○松平委員 そういう御答弁ではない、三億ぐらいふえたとか何とかいうことじやないのです。つまり私学の方を減らすに至つたということが、ただ単なる財政上の理由ということで、弱い者いじめみたいにそれを減らしたのかと思われるわけなんですが、私学の振興法ができたいきさつからかんがみまして、これはこの前の教科書の無償配付を今度ストップしたということと、そのお考えは同じような性質のものになるだろうと思うのですが、私学というものに対して大臣はどういうふうにこれをお考えになつているか、つまりこれを助長して行くということであるか、こういうものはなるべくほつたらかしておくというお考えであるのか、そういうことをお伺いしたがつたわけであります。
○大達国務大臣 私学はやはり日本の教育機関としては非常に重要な地位を占めておるものでありまして、これをいいかげんにしておくという気持は毛頭ありません。できるだけこれを助成して参りたい、こういうふうに考えております。なるほど私学振興法による貸付の資金というものが、前年度から見ると相当大幅に落ちております。この点は一口に言うと緊縮財政の余波を受けたわけでありますが、私どもとしては実は非常に遺憾に存じております。ただ実際を申し上げますと、私学振興のために政府から資金を融通する、こういう考え方で、あるいは戦災で非常な痛手をこうむつた学校、あるいはまた終戦後授業料収入というものが、全体の学校収入の上に占める地位が非常に落ちておりますので、五十億程度のものを出して私学の施設の方に助成をして参ろう、こういう考え方で、それは年々十億ずつ出して、五箇年ぐらいでその計画を進めて行きたい、こういうことであつたように思つております。ところがそれが去年の当初予算におきまして十億というものが計上されておつた、それが国会においていわゆる三派合同修正ということで五億円増額計上になつたわけであります、それで十五億という数字が出た。それで本年度の予算におきましては、何も前年度においてふえたからそれだけを落したということではありませんけれども、しかし緊縮財政の折からということで、大蔵省では相当大幅な削減を内示して参つたのであります。それを最後まで折衝を続けてようやく五億というところで食いとめたというのが実情であります。そこで私どもの考えといたしましては、前年度においてこれは国会のその意味の非常な御関心のもとに五億円増したのであります。これは非常にありがたいと思つておつたのですが、これが今度元のもくあみになつた形でありますけれども、しかし当初考えられた五十億の資金をもつて私学の助成をするという見地から申し上げると、これでもとにかく当初の計画というものは遂行できるのだということで、実はやむを得ずこの程度でがまんをせざるを得なかつた、こういう状況でございまして、絶対に私学なんかはどうでもいいということは考えておりません。
○前田(榮)委員 今の私学の問題についての松平委員の御質問の、財政措置に基くのか、その他の、つまり私学振興の文部省としての別な方針に基くのかということの御答弁に、財政措置についてはできるだけやりたいという熱意は持つたけれども、緊縮財政の立場からかようになつたという経過を述べられて、ただこうなつたのだということでありますが、財政措置以外に私学の振興についていろいろ考えられる点があるのではないかと私は思うのであります。たとえば戦災地における私立学校が、これは広島にもある問題でありますが、土地の区画整理等が当然起りまして、その区画整理等の問題から換地処分等について、私立学校であるために地方の区画整理委員あるいは区画整理を監督する県市の態度がきわめて冷淡なのであります。公立学校については直接関係がありまする連中がやるのでありますから、それは適当なる学校敷地等については確保いたしまするが、私立学校についてはそういうことをややともすると軽視をいたして軽く取扱つておるのであります。そのことを文部省へいろいろ申入れをした際に、文部省はただ建設省所管関係の方へ言つておくというようなことだけで、事案上は何らの力を与えておらない、こういうことです。これはただ予算上の問題でなしに、文部省がほんとうに私学振興を考えられるならば、こういうときにこそ十分官庁としての努力を払つてやらなければならないと思うのでありますが、そういう意味での私学と公立学校との教育の機会均等についての文部省の態度が、口ではりつぱなことをおつしやるけれども、事実やつて来られた問題はこういうような問題になておるので、その点を御心配になつての松平君の質問なのでありますが、こういうことについてはどういうお考えを持つておるかお聞かせ願いたいのであります。
○近藤政府委員 ただいまの広島市の区画整理の公立学校と私学との差別扱いと申しますか、私学の方に非常に不利な扱いをしておるという点につきましては、なおよく私どもで調べまして、さようなことのないように、必要がございますれば、市あるいは県の方にも十分指示をするようにいたしたいと考えております。
○前田(榮)委員 ついでに松平委員が御質問になりました大学の問題でありますが、高等学校の卒業生が非常に多くなつて大学の入学の門が狭くなつたために、入学率の問題についての関心が大きくなつたのであります。大体今の高等学校は旧制の中学校であり、それから今の新制大学は旧制の高等学校程度だとわれわれは考えるわけであります。それで元の大学が大体大学院と程度において匹敵いたしておると考えるのでありますが、そういたしますと、今の大学院という制度でよろしいかという問題になろうかと私は思うのであります。今の学校教育関係の者の中にも、この議論があることは御承知の通りだと思うのでありますが、今の大学院の制度並びにこれらに関連するところの学制の改革等について何かお考えがありますか。ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○稲田政府委員 今の大学の程度が元の大学の程度といかがかというお話がございますけれども、これは立脚点と観察の問題だと思います。御承知のように新しい大学は、一般教育を加えまして、教養ゆたかな上にそれぞれの専門の伸びのある人間をつくるのを目的としております。昔の大学は非常に専門的技術的に深く狭く教えるのをその所としておつたわけであります。従つてその目的から見てどちらが古い低いということは、一概に言いにくいと思いますけれども、もし非常に狭い深い学問という観点からごらんになりますれば、今の大学の卒業生はさらに大学の学部を出ました上に、何らかの教育を受けることが必要だという問題も考えられると思います。そこで今の大学院制度は、御承知のように修士課程、博士課程という三段階がありまして、修士課程は元の大学院よりも広い基盤の上に専攻をする、博士課程はその上にさらに高く深い学問をする、こういう課程になつておるわけであります。いずれも大学院は研究者養成の機関でございますが、もしただいまの御意見が、それ以外に専門の技術者あるいは職業人としてさらに細い線が必要だという意味でお述べでありますれば、それに関しまする施設としては、新制大学の専攻科があるわけであります。まだ国立、私立の大学におきまして専攻科が十分発達しておりませんけれども、これが発達いたしますれば、あるいは今お述べになりましたような目的も達し得るのじやないか。従つて専攻科あるいは大学院、それぞれの目的を充実するように、私どもとしては運営して参りたいと考えております。
○高津委員 関連して、私学振興の二十八年度の十五億というものは、申込みはどのくらいで、現在残つておる額はどのくらいであるか、それを聞きたいと思います。
○近藤政府委員 ただいま資料を持ち合せませんから、後ほどそろえてお知らせしたいと思います。大体二十八年度におきましては、ほとんど長期の貸付が完了しております。それからついででありますが、短期の分が三億九千万、これも貸付がほとんど完了しております。ただいま二十九年度の分につきまして、今各学校から資料を取寄せまして、いずれ配分案をつくつて次会において提出をする、さようにいたしたいと思います。
○高津委員 あとでけつこうですからもう少し資料をもつて詳しくお示し願いたいと思います。
○小林(進)委員 私は文部大臣に質問をいたす前に、しばらく大臣にお休みをいただきまして、文部委員長に二つばかり質問をいたしたいのであります。その第一は、これはひとつ委員長に御善処を願いたいと思います。私も過去二年ばかり文部委員をやりました。一時は大野さんが文部大臣であつたのでありますが、またわが党の人事配置のめぐり合せで文部委員会にもどつて来たのであります。このたび私どもがお伺いする文部大臣は大連文部大臣で、いわゆる文部行政の主宰者がかわつておるのであります。巷間いろいろ文部行政が伝えられて、おそらく二十九年度はわが国における文部行政に関する限り、一つの革命が行われるであろう。こういうことも伝えられておる重大なときであります。そのポイントにすわられるのが大連文相であります。敬愛する大連文相であらせられるわけであります。私どもはそういうわけで、かつて天野さんが文部行政に携わつておられましたが、その人の過去の経歴をよく知ることを得たのであります。知つてさらに崇敬の念を深くいたしました。そうして微力ながらも私どもは文部行政を国会議員の立場から論議し、協議する立場をとつて来たのでありますが、このたびすわられた大連文相に対しましては、私は残念ながらその過去の御経歴を詳しく知らないのであります。これから文部行政をやつて行こうという当面の主宰者であり、われわれとしても及ばずながら野党の立場から協力させていただこうというその当面の責任者の過去の経歴や御人格をさかのぼつて知らないということは、今後われわれがこの問題を協議して行く上にはなはだ支障が多うございますし、心の底から御協力申し上げる点においてもいささか欠けるところがあると考えますので、はなはだ文部委員長には恐縮でございますが、大連文部大臣おい立ち以来今日までに至る詳しい御経歴をひとつわれわれにお知らせ願いたい。(「じようだんじやない。そんなこと必要がない」と呼ぶ者あり)決してじようだんじやない。そういうことを知らしていただくことが重大問題である。同時にあわせて、これは特に私だけではないのであります。おそらく小学校の児童より大学に至る、教育に関係ある、学生生徒諸君もわれらの輝ける文部大臣がどういう方でいらつしやるかということを非常に知りたいと思つております。この意味においてもそういう資料をさつそく調整の上にわれわれにひとつ御配付願いたい。これはじようだんじやありません。お知らせ願いたい。特に願わくば文部大臣において何かパンフレットなり、あるいは優秀な精神訓話や何かそういうものが過去にあつて、その記録がおありになるならば、それもまた文部委員長において至急収集の上、私に御配付願いたい。われわれももちろん、われわれの輝ける文部大臣の過去を知るべく大いに勉学をいたしまして、あらゆる方面に手を尽して資料の調査、収集をいたしておきます。もちろんわれわれは、これは何も警察官や検事がやるようなやましい考え方ではないのでありまして、尊敬する人をさらに尊敬し得るだけの資料を得たいというほんとうのあたたかい気持でございますので、文部委員長も願わくはこの点ひとつよく御協力をいただきまして、われわれの意のあるところを御賢察の上、即刻御処置を願いたい。これが私のお願いの第一でございます。 第二の問題は、いささか問題が古くなりますが、当支部委員会における専門員が昨年の十一月末でございますか、十二月の初旬でございますか、とにかく市町村教育委員会法が施行せられた一周年の記念の講演という名目で、新潟県の新潟市において、教育委員を前にして一席の講演をやられたということでありますが、たまたまその講演の内容が、教育委員会の設置の必要性を非常に力説することによつて、これに反対する者をことごとく非常にはげしい言葉で非難せられたというような問題があつたのでありますが、私はまずその問題の内応の可否を文部委員長に承るよりは、この演説の冒頭において、この文部専門員が、「いわば専門員の立場というものは国会議員のいわば顧問であります。」こういうような言葉を使われておるのであります。われわれは、いやしくも国会は国の立法府の最高機関であると思つていた。ところがあにはからんや、その国会議員の上になおかつ顧問がおるなどということは、三権分立の根本に触れる重大問題でございますので、私はさつそく同じ院内における法制局の三浦第一部長、第三部長にも広くこの問題の経緯を申し上げて法律的な解釈も伺つて来たのでありますが、専門員について顧問官などというような言葉は断じて使えるものでないという法制局の解釈を得ておりますけれども、これは将来国会議員と専門員のあり方に対する重大な問題でございます。一文部専門員の講演を私は問題にしているのではないのであります。国会議員と専門員、将来の国会のあり方に対する重大な基本問題でございますので、この点委員長から責任ある回答をお願いしたいと思います。第一番に委員長と専門員との関係をお尋ねいたしたいと思います。
○辻委員長 お答え申し上げます。第一の文部大臣の経歴でございますが、これは文部大臣は衆議議員でもありまするので、参議院要職というのがあるはずでたとえばあなたの経歴を知らんと欲すれば衆議院の要覧に出ておりますように、逐一出ておりますから、どうかごらんをいただきますように。そうしてなおお聞きしたいことがありますならば発言を許すのでありまするから、そのときにさらにあなたの確かめんとすることを直接お尋ねしていただく、そういうことにいたしたいと思います。 それから第二の問題の専門員と文部委員長の関係でございますが、専門員というものは文部委員長の命を受けて調査に当る、こう私は解釈いたしております。
○小林(進)委員 おつしやる通りでございまして、議院事務局法の第十三条に、「常任委員会専門員は、常任委員長の命を受けて調査を掌る。」こういうことになつておるのであります。この調査をつかさどるということが、いわば私は顧問であります、という言葉をもつて表現し得るかいなか、この解釈をひとつ文部委員長から伺いたいと思います。
○辻委員長 あくまで委員長の命を受けて調査をつかさどるのでございまして、顧問ではございません。顧問と言い切っておるのじやないように思っておりますが、実は委員会におきましてもこれが問題になりまして、録音を聞きましたのですが、いわば顧問、つまりいろいろな相談に応ずるというような意味に使っておるのではないかというように了解をいたしたわけであります。
○小林(進)委員 委員長の御答弁はまことに肯綮に値するのであります。いわば顧問でありますという言葉が、適当であるかどうかを、私は承って来たのでありますが、大体法制局第一部長、第三部長の解釈もあなたと同じようであります。この点私は了承いたしましたが、しからば、あなたの支配下にあっていわば専門の調査をつかさどる文部専門員が、国会外において、全国至るところのそういう文部行政に応じて演説をして歩くことが妥当であるか妥当でないか、あるいはまたその演説の内容について、委員長は事前に一体お知りになっていたかどうか、知る必要があるかないか、そういう点をひとつお尋ねいたしたいと思うのであります。
○辻委員長 御承知のごとく、個人といたしまして思想表現の自由ということは認められております。しかし専門員といたしまして公園をいたします場合におきましては、これはやはり委員長が許可をいたしております。と同時に、これは国会の職員でございますから、やはり政治的行為の制限も受けておりますし、あくまで中正でなければならぬと存じております。しかも専門員は専門の知識を有する人であります。一々あらかじめそうしたことを私から旨を含めなくとも逸脱するようなことはないと私は信じております。
○小林(進)委員 私は、その出張における演説の内容について、事前に委員長は知る必要がない、そういうお答えもまた了承するわけには行かないのであります。行かないが、話の順序といたしまして前に進みますが、その演説の内容は、委員長もここにおいてテープ・レコーダーでお聞になったと思うのでありますが、それを聞かれた委員長は一体どういう所感をお持ちになつたか、私はあの演説の内容を要領筆記いたしておるのであります。私は、新潟におきましてそういうことが非常に大きく問題になつたときも、実は同情的な立場においてこの問題を治めたいと思つておつたのでありまして、実は聞け聞けいうテープ・レコーダーも努めて聞かなかった。だからここに来て委員長と同じ場所同じ環境においてこれを初めて聞いたのであります。聞いて実は私は愕然として驚いた。そもそもこの教育委員会法が成立いたしますときには、私も弱冠ではございましたが当時文部委員でございまして、これの通過のときにわれわれはその反対運動に猛進したのであります。当時自由党はそこらに若林君や岡延右工門君などがおられたが、今日は顔ぶれがかわって、ここにはおそらく教育委員会法成立当時の状況を知つておる方はない。(「いるよ」と呼ぶ者あり)ああ失敬、一人おいでになりますが、当時は自由党の中にも非常に賛否両論がありまして、そう確固たる信念で通した法律でないことは周知の事実だ。それがいわゆる会期が終末に近づいとき、どう変更になったものやら、どさくさまぎれのどさくさ騒動みたいな形でこの委員会法が通過いたしたのであります。それほど信念を持って通した法律じゃないのであります。しかるにもかかわらずこの法律の説明をして曰く――大体内容は三段階にわかっておる。第一段階は本質論を述べておりますが、第二は、この教育委員会法に対して市町村の長が反対をしている、その反対を取上げて、その反対の理由を分析しながら、その市町村自治体の長に対して、実に聞くにたえぬような罵詈罵倒の言辞が与えられておる。一例をここで申し上げまするならば、教育は純粋の問題であり、それを全知全能でない人間が――これは市町村長のことをいつておるのでありますが、全知全能でない人間が一人この教育をやるということはうぬぼれもはなはだしいといわなければならない、こういうような一連の表現をもつて反対をしている。市町村長に対して、うぬぼれもはなはだしい。一人教育の全部を担当するのは独裁ファッショよりもはなはだしいという罵倒をせられておるのであります。これが一体、いわば専門員として、中立を守らなければならない者の言葉であるかどうか。私はまず一点ここを委員長から承りたいと思います。
○辻委員長 お答えを申し上げます。あのテープ・レコーダーを皆様に聞いていただきまして、そうしてその所感を承ったわけであります。そしていかに善処するかということを実は御相談もしたわけでありまして、あれを聞きまして、これなら別に穏当を欠くものはないじやないかというような意見も相当ございました。私自身も個人といたしましてはその意見でございます。しかし一面におきまして、やはり今御指摘になりましたように、用語において誤解を生じやすいような面もあり、あるいはまた自分の説を強調し過ぎておるようなきらいもありはせぬかといういうな御意見もございました。とにもかくにも立場によつていろいろな題越が生ずるということ自体が、中立性をいささか欠くうらみがあるということにも相なるかと存じましたので、それならばこそ実はお集りをいただきまして御相談もいたし、その結果そうした誤解を生ずるがごとき言動というものは、将来ともによく注意をしてもらいたいということを私から忠告しておいた次第でございます。
○野原委員 関連して。ただいま小林委員から質問せられておりますることは、これはたしか第十八国会ではなかつたかと思いまするが、このことが文部委員会としての問題になりまして、理事会を開き、あるいはテープ・レコーダーを私ども聞いたのであります。従つて今小林委員から質問せられておる件に関して、委員長が当初はすこぶる明快な答弁をなさつておるにもかかわらず、私が立つ前のただいまの答弁は、いささかどうも当初のお答えと筋道が違うような気がいたしますのであります。この点は委員長としてはまことに遺憾なことであるので、はつきりその点を指摘いたしますが、当初委員長は、私はこの点軍門員と呼ばれる方は、少くとも各党の政策に関する是非を外に向つて表明すべきものではないというような意味の御答弁をなさつておられる。このことは私は正しいと思うのです。少くとも文部寺門員であられる方が――市町村教育委員会の問題は、ある者はこれを育成しなければならないと考えておるし、ある者はこれは当然廃止されてもいいということも言われておるし、あるいはまたいろいろの教育上の見地から任意設置ということも適当ではないかというように、今日地方教育委員会に関しては、少くともこれが各党の政策として論議をせられておる。このことを専門口が外に向つて、ある特定の党の立場に立つて対外的に言われるということは、私ははなはだ遺憾に思うのですが、文部委員長はこの点についてはどのように考えておられるか。私の聞いたテープ・レコーダーの内容は、市町村教育委員会を育成しなければならない。市町村教育委員会こそが、今日地方の教育機関として最も適当であるという、特定の政党の主張をなされておると私は聞いておる。私はそのように受取つておるのでありまするが、この点に関して委員長はどうお考えなのか承りたい。
○辻委員長 それから先ほど私が申し上げましたのは、私の誤りがございました。と申しますのは国会職員の政治的行為の禁止または制限であります。この中には専門員は除かれております。従いましてそうした制限は受けておらないわけであります。しかしながらあくまで専門員としてはやはり中正なる態度をとらなければならぬものであると私は解釈をいたしております。従いましてただいまの講演そのものの問題でありますが、同論のありますことについて紹介をしあるいはこれを解説するということ、これはけつこうだと思います。ただそれがいささか自説を主張し過ぎるきらいがあるやの点がございましたので、そういうふうにわたらないようにということを忠告いたした、こういう次第であります。
○野原委員 そこで私としては、これはすでに委員長がこの前の文部委員会の理事会においてはかつたときに、委員長個人も申されておつたように、きわめて遺憾なことである、こういうように聞いておるのです。ところが今のあなたの御答弁を聞いておると、いささかあのことを肯定するかのような、つまりこの前の理来会にはかつたときの態度と比べ、私は何とも蓄えない、割り切れないものを感ずるので、重ねてお尋ねをいたしますが、少くとも事教育の政策に関して文部寺門員が対外的に臨む場合に、委員長の命で出張しようとしまいと、特定の政党の立場に立つて不特定多数の前で講演をするということはきわめて遺憾なことであると私は思うのでございますが、この点を委員は素直にお認めになりませんか、どうか。
○辻委員長 そういうことがもしあるといたしますならば、快くはございませんが、たとえば地教委の育成ということに力が入り過ぎた傾きはあると思います。しかしこれは別に特定の政党ではございません、当時におきましては自由党内におきましてもこれについていろいろの議論があつたわけであります。従つて特定の政党を特に支持する言論をなしたとは私は解しませんが、しかしそうしたいろいろな御議論や御批判が出るということ自体が注意を喚起する必要があると存じましたので、私からさらに綿密なる注意をして、その中正を逸脱をしないようにということをよく警告をいたしておいた次第であります。
○小林(進)委員 ともかく委員長の今の発言は私は非常に重大な発言をされていると思うのであります。どうせこれから先今度は教職員の政治活動禁止なるものの法律が出て来るのでありますが、ちようどきようの問題ははその前触れをやつておると同じであります。このたびの文部専門員は自由党に幸いする演説をぶつておる、委員長の所属する政党に非常に便利なその演説の内容に対して、今のような御答弁をなされたのでありますが、その答弁をどうか、委員長将来とも忘れないようにしておいてもらいたい。その専門員の演説の内容は、単なる説明ではないのであります。まずその中の一つの内容を私は言つただけでありますが、それは反対した市町村長に対して今言ううような、いわゆるうぬぼれもはなはだしい。あるいはまた自己の権限のみを考えて教育というものを全然考えない考え方である。それは私は言葉じりをとらえるのではないのでありますけれども、それが困るということは裏を返せば、おのれ一人にまかせておけばよいという独裁的な考え方である。こういうような言葉で、この教育委員に反対している者を独裁者であるとかそういうような言葉で言つているのでありまして、その言葉さえも中立を維持した考え方であると言うならば、おそらく今日教職員緒君がやつておる教育活動の中で、政治の中立性を侵す言葉なんかは私は一日もないと断言してもよろしい。ところがただ自分たちの政党に都合の悪いような先生の教育の方針が出て来ると、教育の中立性を侵しておるからあの先生は足を縛れの、口にさるぐつわをはめるのと言つて、今あなたの論じておる、あなたの出張させておる文部専門員は、このようにして、反対しておる市町村長を罵倒しておる。市町村長のみではないのであります。次ににこれにをしておる教職員組合員の諸君、全教員諸君をこつぴどく罵倒いたしております。しかもまたその陰には歴然として、政党とか政治家ということは言いませんけれども、われわれ左右社会党はこの教育委員会法には反対をいたしたのであります。私もこの委員会において反対をいたしました。この反対いたしましたわが政党とわれわれ委員に対して、実にこういう言葉もつて篤署罵倒を与えておるのであります。しかも公衆の不定多数の人間の前において、いわゆる独裁者である、反対する塔は、これは自己の権限のみを考えて、教育を考えないものであるというような言葉で、私自身を篤倒せられ、わが政党が罵倒せられ、教員全員が驚倒せられ、なおかつ町村長が全部罵倒せられておる。(「恐怖心だよ」と呼ぶ者あり)その通りじやないか。まあ待ちたまえ、私は速記録に基いてやるんだから……。特にまたこういうことがある。教育というものを退歩せしめる危険思想の人たちである。危険思想なんという言葉は、あなた方がいわゆる共産主義者に使う言葉以外にないのですよ。そういう言葉をもつて、教育委員に反対したわれわれを、危険思想の人たちであると言つて、教育というもものを真剣に考えない人々とは、何の証拠があるか。教育を愛するがゆえに、私どもはこうやつて汗水たらして論じている。このことを教育を愛せざる証拠であるというがごとき言葉をもつて形容されることは、私に断じて承服できない。これこそ教育の中立性を侵すもはなはだしいものといわなければならない。それを委員長が、今も言うように決して教育の中立性を侵していない、ただ言葉の表現がやや聞違つておつたくらいなお言葉で答弁せられることは、とうてい了承し得ないところであります。もし委員長がいま一度そういうようなお考えでいられるのであれば、われわれはこの文部委員会において、文部行政というものを真剣に論議して行けない。私はまじめに言うのであります。われわれ日本の百年の大計である教育が論じられるものではない。ここのところの委員長の責任ある答弁をお願いいたします。
○辻委員長 専門員といたしましては、とにかく一党一派に偏せず、あくまで中正な態度を守つてもらわなければならぬということは申すまでもございません。従いましてその中立性というものにつきまして、たまたまいろいろな御非難が起きましたので、そうした疑いを招くがごとき言動はあくまで慎んでもらうようにということを、よく警告を発したわけでございます。
○相川委員 今の御意見に関連して……。私もあとで文部委員になりまして、あのテープ・レコーダーも承りました。そこで私の考えるところによりますと、大体あれは案が出るまでは、各党によつていろいろ意見が違つておりましたけれども、神聖なる国権の最高機関たる国会において議決になつて、国法になつているのです。国法になつたものら専門員もそれを説明するということはさしつかえない。それでその説明のしようについて、いろいろの議論があつたが、それはテープ.レコーダーにおいて、われわれみな文部委員が聞きまして、理事会においても結末がついております。一ぺん理事会できまつたやつをさらにむし返すということは、一事不再理の原則に反する。この問題はしつかりやつてもらいたい。そういうことでなければ議事が進行いたしません。理事会において決定したことは、それに従うのがあたりしまえだと私は思うのであります。
○高津委員 関連して……。横田専門員があの演説を鹿児島県にあるいは新潟県に、あるいは東京都下に、至るところにぶつて歩かれた。その時期が問題だ。どういう時期であつたかといえば、全国町村会、全国市長会、むろん県知事会、あるいは地方制度調査会、それらが、圧倒的に反対しておるときに、教育委員会は実に危うい存在になりかけた。私はこういう姿勢をよくしますか、バランスがとれず倒れるかどうかという危ういときであつたわけなんで、教育委員会はその反対の波に葬られてしまうか、そのときに地方教育委員会の委員の諸君が、多くの機能のある中で、学校の教職員を取締り監視するということを一番重大な任務のように考えて行動する者が非常に多かつたので、輿論は町村長の意見に傾くようなときであつたわけであります。文部大臣がもう四面楚歌の中で、地方教育委員会育成の悲壮な叫びを上げておつたときであつた。そのときに、横田専門員がそういう演説をぶつて歩いたのであるが、それに委員長が出張を許した場合、本人が講演に頼まれて、休暇に行つたのであるか、旅費等は支給をしておるかどうか、その点を明確に御答弁を願いたい、これが第一点です。 それから、内務官僚であつた相川委員が、最高の機関である国会においてきめたところの法律を解説するのがどこが悪いのか 私はその点にはまつたく同感であります。たが横田専門員の言つたのは、解説にとどまるものではないので、そこを小林委員がついておつたのであります。(発言する者あり)国会で決定したる法律を、そのままに大いに熱心に説くことは何らさしつかえない。その点では、私は重ねて申しますが、同意見である。憲法は平和憲法であり――あまり多くきようは申しませんけれども、(「やれやれ」と呼ぶ者あり)いや、申しませんけれども、それを幾らやつてもいいのだということをあなたが今言われるから、私は自由党の中にも味方がある。その論旨をかえないように、この速記録が抹殺されないように、あなたがそういう意見で終始してくださることを私は希望しておりますが、今は質問でありますから、どうぞその旅費の点を確めておきます。 それから私はあの横田問題の理事会に理事として出席して、あなたが遺憾だといつて横田専一員に戒告をせられたのである。きようは遺憾だということをあまり言われないようになつておるのであるが、私はその当時社会党を代表して、最後的態度を保留して帰つておつたのであります。きようの御答弁を聞いて、あれではわれわれは満足することはできないのであります。旅費の点をまずお答え願います。
○辻委員長 お答えいたします。現制度の解説普及ということは、私は必要だと思います。従いまして講師派遣を専門員に依頼して参りますれば許す限り出したいと思つております。従いまして専門員に与えられておりまするところの旅費というものは制限がありまするので、その範囲内においてできるだけ出したいと考えておりますと同時に、実際問題といたしましても、講演を依頼いたしました場合、その依頼先におきまして旅費等を支給する場合があります。そういう場合には専門員の方の旅費は出しておりません。そうしてできるだけ有効に多くの機会を得て、そうした現文部制度の普及徹底に当りたいという私の考えでございます。但しあくまで中正なる態度でなければならぬことは申すまでもございません。 なおその遺憾の意を表しなかつたというお話でありまするが、遺憾の点があると思いますればこそ警告を与えたわけでございます。市には出しておりませんが、そういう疑いを生じ、あるいは非難を生ずるということは、 これはやはり遺憾の程度にはよりまするけれども、いささかなりとも遺憾と思いますればこそ警告をいたした、遺憾と全然思わなければ警告はいたしません。
○前田(榮)委員 私はこの問題については、小林君からの質問があつたので黙つておつたのですけれども、相川君の今のお話を開き、坂田君が盛んにやじられた言葉から考えますると、当然なことで、あんな演説をしてもよろしいというお説のようであります。私はそういう説もあることを考えております。だからそういう説を個人が述べたからといつて、普通の個人であるならば、何ら容喙するものでないことくらいはわきまえております。ただ委員長が申されたように、委員長の指揮に基いて調査に当る仕事をすべき専門員が、ただその法案その他の解説の範囲内においてやるならともかくも、それを越えて、この間の講演をやつておつたことは、みな認めておるところであります。その認めておる点を委員長が認めて、一種の戒告ともいうべき警告を発しておる。ところがあなたと同じ政党の者が、それは不当である。われわれはそうとは思わないと言つておるのですよ。これをどうするのか。あなたと同じ考え方をしておらなければならぬ者がそう言われておるのであるが、委員長の考えは相川君のは不当であつて、委員長辻寛一先生が現在まで発言されたことが正しいと考えて、終始一貫するのだ、こういう御発言なのか、どうも内輪でさる芝居をしておるような感じがする。従つてそうだとするならば、警告というものはただ上つらであつて、ほんとうの警告は発しておらぬのではないかという疑問も起る。それで相川君の言われたことが正しいとお考えになつておるか、どうか、これを明確にしてもらいたい。
○山中(貞)委員 これは質問でありますが……。 〔「委員長答弁をしないか」と呼び、その他発言する者あり〕
○山中(貞)委員 許可になつているのだ。それでこの点につきましては、委員はそれぞれに所属していても、見解にそれぞれの差はあることでありまして、しかも委員長は自由党として議事の運営にあたつておるのではありません。委員長は自由党の党籍下にあり、自由党の議員であつても、委員長の席に着かれましたならば、国会法に基い委員長の職責を遂行される立場にある。従つて委員長の見解をもつて、委員長としての職権をもつて、委員会の専門員に対してとられた処置が正しいか正しくないかということに関止して、委員長と党を同じくする人の発言がどうだつたということによつて、委員長の見解がおかしいのだとか、あるいは口先だけだということは、私どもと同じ党でありますが、委員長の職責としてはそのような立場はとらない、そのようなものではないということを申し上げたいと思うのです。
○辻委員長 まず答弁をいたしましよう。本日の相川委員の御発言をまつまでもなく、先般の理事会におきましてもすでにわが党の委員の方から別に穏当を欠くものでもないじやないかという御意見が出たことは、当時の理事ですからよく御承知であろうと思います。これは立場々々によりましていろいろな見方がございます。しかし少くともその用語においていささか穏当を欠くとか、あるいはその説が解説の範囲を越えておるがごとき誤解を与えるという御非難がありましたから、そのことにつきまして、そういうことのないようにということを私はよく注意をいたしたわけでありまして、これは私からそうした警告を発するということにおきまして、当時の理事の方々はどなたも御反対はなかつたようでございますから、それをお認めいただいた、私のとろうとする処置につきまして皆さん方の御賛意を得ておるものと私は解釈しておるわけでございます。
○田中(久)委員 議事進行について……。この問題は委員会内部のことで直接政府には関係がない。だから、その点を別にして、もし政府に質問があるのなら、この問題はその後に残して質問を先にやるとか、あるいはきようこの問題をやるのなら政府の人はいらないのだから帰つてもらうとか、どちらかにしていただいたらどうですか。
○野原委員 私は横田専門員の言動に関しては私自身としても実は考えておつたのであります。しかしながら、たまたま小林委員から問題が提起せられて、そうして今までの論議の経過の上に立つて考えてみますると、実は専門員のあり方について重大なものを感ぜずにはおられません。従つて私としては、これは自由党の諸君も、専門員の職権濫用とは行かないまでも、越権的行為と、認めるならばと、いうことも考えておりましたが、いろいろ聞いてみますると、そういうふうな御見解ではない者もある以上は、この問題は文部委員会として徹底的に糾明しなかつたならばいけないかと思うのであります。従つて私ども社会党といたしましては、この問題は徹底的に糾明して、はたして越権的行為であつたかなかつたということを、追究するということをはつきり表明いたしておきます。
○辻委員長 ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○辻委員長 速記を始めて。 ただいま田中委員からも議事進行の動議が出ましたし、この問題につきましてさらに理事会等を開きまして、あらためて御相談をすることにし、なお文部大臣に対しまする質疑は、本日相当の時刻にもなつておりますので、また日をあらためることにいたしまして、本日は散会をいたします。 午後四時三十三分散会