文部委員会 第3号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1954/02/13
会議録
○辻委員長 これより会議を開きます。委員町村金五君より理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と 呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なければさよう決します。 従いまして、理事が一名欠員になりました。理事の補欠選挙は、先例により委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と 呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なければ、田中久雄君を理事に指名いたします。 ―――――――――――――
○辻委員長 次に、学校教育法等の一節を改正する法律案(前田榮之助君外百二十五名提出)、教育公務員特例法の一部を改正する法律案(前田榮之助君外百三十五名提出)、右二案を一括して議題とし、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。前田榮之助君。
○前田(榮)委員 ただいま上程になりました学校教育法等の一部を改正する法律案の概要の理由及び法案の概要について説明申し上げます。 学校教育法は昭和二十二年三月に制定されて昭和二十五年四月に最終改正されて今日に至つておりますが、直接教壇に立たないで教育に関係ある重要な職員が、本法制度の外に置かれておることは学校教育上遺憾とするところであります。すなわち大学以外の学校において教育に関する事務に従事する者並びに盲学校や聾学校の寄宿舎において児童または生徒の世話及び教育に当る者の職務の学校教育における重要性にかんがみまして、これらの職務を行う者について事務教諭及び寮母の制度を確立して学校教育の完璧を期したいと思うものであります。 改正法案の内容について御説明申し上げますと、先ず第一に学校教育法の改正でありますが、第二十八条その他の条文において事務職員とあるのを事務教諭と改め、第七十四条において盲学校及び聾学校に寮母の存在が教育上痛感されているにかかわらず法文に出ておりませんゆえ、第七十四条の二に 「盲学校及び聾学校には、寮母を置かなければならない。但し、寄宿舎を置かないものにあつては、この限りでない。寮母は、寄宿舎における児童又は生徒の世話及び教育に当る。」を加えまして明確にしたのであります。ことにいたしました。第十三条においては条件付任用の特例の定めを加え、第十五条に、転任、降任、免職及び懲戒規定を事前精査を行うようにいたしたのであります。なお、附則の施行期日は可急的早急の必要がありますので、公布の日から施行することとした次第であります。何とぞ慎重車御審議の上御賛成議決くださるようお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○辻委員長 次に学校教育一部を改正する法律案、国立学校設置法の一部を改正する法律案、公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。大達文部大臣。
○大達国務大臣 ただいま議題になりました学校教育法の一部を改正する法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。この法律案の第一点は、医学及び歯学教育の改善のため、昭和三十年度から大学の医学または歯学の課程の修業年限を六年以上とし、これを四年の専門の課程と二年以上の進学のための課程にわけ、特別の必要があるときは専門の課程のみを置くことができるよういたすことであり、第二点は、盲学校及び聾学校の中学部の就学義務を昭二十九年度から逐年実施することであります。御承知のごとく医学または歯学の課程を履修するために要する年限は、現在においても六年以上となつているであります。すなわち医学または歯学の学部の修業年限は専門の課程だけの四年でありまして、その入学資格は、医学または歯学以外の学部において二年以上在学し、所定の単位を履修した者でなければならないことになつているのであります。しかしながらこの制度実施の実情から見まして、総合大学においては医学または歯学の学部に進学する希望で他部に入学する者が相当多いため、その学部の専門の課程に進学する者が少くなるという現象が起つておりますし、また単科大学では大学が希望するような入学者を確保することができないという事情があるようでありますの、これらの点にかんがみましてその大学の事情に適応した措置がとれるよう所要の改正をいたすものであります。次に盲学校及び聾学校の就学義務についての改正であります。盲学校及び聾学校の小学部の義務制は昭和二十三年度から始められ、毎年度一学年ずつ進行して昭和二十八年度に完成しました。これに引続き来年度から中学部の義務制が開始されることになつているのでありますが、この場合にも小学部の場合と同様第一学年から始めて毎年一学年ずつ進行させるよう所要の改正を加えようとするものであります。以上がこの法律案を提出する理由であります。次に国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。この法律案は、昭和二十九年度の予算に照応して関係条文を改正するものでありまして、国立大学の学部の分、公立大学の国立大学への移管、国立大学に夜間の短期大学部の併設、国立大学の付置研究所の整理統合、及び国立大学に包括せられた従前の規定による学校の廃止その他について、所要の整備をしようとするものであります。改正の第一点は、神戸大学の文理学部を文学部と理学部に分離いたしまするのと、愛媛県立松山農科大学を愛媛大学の農学部として移管するものであります。改正の第二点は、山形大学外四大学に、それぞれ夜間授業の短期大学を併設するものであります。 改正の第三点は、東京工業大学に付置してあります六研究所を整備統合して、四研究所にするものであります。改正の第四点は、国立大学に包括せられた旧制学校の廃止に関するものでありまして、学年の進行により全学生が存在しなくなつたために、二校を廃止するものであります。改正の第五点は、以上のほか関係条文を整備する等のための所要の改正を行うものであります。以上が本法律案の提案理由及び内容の概要であります。 次に公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨と内容の概要を御説明申し上げます。 六・三制の発足以来中学校の施設の整備につきましては、国及び地方公共団体並びに教育関係者の努力によりまして着々とその成果をあげ、現在までに全国で約五百余万坪の校舎が整備されて参りました。また昨年の第十六別国会におきましては、公立学校施設費国庫負担法が成立しまして、従来予算措置のみによつて行われて参りました義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設、すなわち中学校並びに盲学校及び聾学校の整備について、国の負担率、経費の種目、経費の算定基準等に明確な法的根拠が与えられました。その際義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設に要する経費は、第五条第二項におきまして「その教育を行うのに必要な最低限度の児童及び生徒一人当りの坪数を基準として算定すること。そしてその「最低限度の児童及び生徒一人当りの坪数」とは附則第三項におきまして「当分の間、中学校については生徒一人当り〇・七坪」と規定されました。生徒一人当り〇・七坪というのは応急最低基準であり、近き将来においてその基準を引上げ、教育を行うのに必要な最低限度の坪数まで整備すべきことを規定したのであります。そこで政府といたしましては昭和二十九年度から従来の生徒一人当りの基準坪数を〇・七坪から一・〇八坪に引上げ、昭和二十九年度予算案にはそのための経費として約十四億円を計上いたしたのであります。よつて公立学校施設費国庫負担法の一部を改正する必要を生じたのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。 以下この法律案の大要を申し上げますと、まず附則第三項において暫定的に規定しておりました義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建築に要する経費の算定基準を削除して、その経費の算定基準となる児童及び生徒一人当りの基準坪数等の具体的事項はすべて政令において規定することとし、そのため第五条第二項に所要の改正をいたしました。具体的な算定基準を政令に譲りました理由は、公立学校施設費国庫負担法に規定されている災害復旧及び戦災復旧の場合は、経費の算定基準となる児童及び生徒一人当りの基準坪数等をすべて政令に譲つておりますので、今回基準坪数を一・〇八坪に引上げることにいたした機会に、義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設の場合も災害復旧や戦災復旧の場合と同様に、具体的な算定基準を政令において規定することといたしたのであります。 以上法律案の概要を申し述べましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決賜わらんことをお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○辻委員長 さらに文部行政に関する件を議題とし、質疑を許します。田中久雄君。
○田中(久)委員 ごく簡単に学校給食法の問題について大臣にお尋ねをいたします。すでに学校給食法に関しましては文部当局において十分な御準備ができておるやに聞いておりますし、今国会の冒頭におきましても大体そういう御答弁をいただいておりますので、間違いなく、給食法案が提せられることと思いますが、これに対しましていろいろ世間で心配いたしております。私どもは非常に大きな、急速な給食法を望むものではないのでありますが、少くとも第十六特別国会におきまして私どもが議員立法として同提案いたしましたその線に沿うてのものは、ぜひお出しを願いたいと希望しているわけであります。給食法のごときはすでに実際に長年給食が行われておることでありますし、新しいものではないのでありますから、さように手間がかかるものとは考えません。すみやかに御提案になつて、審議に付せられることを要望するわけでありますが、どういう段階にありますか、いつごろ御提案になりますか、またお考えになつておられる内容が大体どの程度であるか、この際伺いたいと思います。
○大達国務大臣 学校給食法案でありますが、これはできるだけ早く提案いたしたいということで、せつかく成案を急いでおります。来週あたり法制局の方へ持つて行くつもりでありますが、その審議を終りますれば、なるべく早く終り次第に提案をする考えであります。内容につきましては、これはいずれ法案が提案せられましてからとくと御審議をいただくことと思うのでありますが、大体小学校だけを対象にしてあります。その点でこの前の議員提案でありますか、あれよりは相当内容は小さくなつております。これは二十九年度の予算についても、これは農林省の食管特別会計に計上してあるのでありますが、前年度から見れば増額しておりますけれども、中学校等を――義務教育学全体を対象にするというような予算が実はとれておりません。まず小学校を対象にして、予算の限度でおのずから制約を受けておる、こういう形になつております。いずれ法案を近いうちに出しますから、よく御審議をいただきたいと存じます。
○辻委員長 山崎始男君。
○山崎(始)委員 私も学校給食のことでお尋ねをしたかつたのであります。田中委員の関連質問みたいなことになりますが、ただいまの文部大臣の御答弁では少し物足りないような気がいたします。先ほど田中委員が申されましたように、この学校給食は長年懸案になつており、しかも十六特別国会におきまして、ただいまお話のように、いわばこれはいわく因縁つきの法律案であります。その当時の自由党の皆さんとの約束も、前回の議員立法の内容よりはよりよきものをつくるから次の機会まで待つてくれという、当時の約束だつたのでありますが、せつかく文部当局におきましても政府提案として御用意があるということは、私たちといたしましてまことに心うれしく感ずるところでありますが、今の大臣のお話の内容では、非常に不安なんであります。国民は非常にこの点を待望もし、かつ内容を知りたがつておると思うのでありますが、法律案の用意がある以上は、金額なら金額で、総体の金額がこれくらいあるのだ、あまりこまかいことは、これは法律案が出来ましてから審議すればいいことでありますが、どのくらいの金額になるということ、つまみとでも申しますか、そういう点がお示しを願えれば非常にけつこうだと思うのであります。
○大達国務大臣 ただいま申し上げましたように、私どもの方で今せつかく成案を急いでいます学校給食法におきましては、この前の当委員会等の御要望になつておるものよりは大分縮小されております。これは緊縮予算の際で、予算を申し上げますと、食管特別会計において十八億円計上を見ておるのであります。これは前年に比べますと、二億の増額になつております。それからこれは、この間の予算の説明のときにも申し上げたと思いますが、施設費といいますか、設備費といいますか、つまり炊事の設備、この方の補助が五千万円、これは新たに文部省予算のうちに計上してあります。さように予算の方でわくがしぼられておりますので、それに見合うような意味の立法ということで、おのずから制約を受けております関係上、御要望の線からは大分後退したものになつて参つたのでありますが、この点実は遺憾ながらやむを得ないことと存じておるのであります。
○山崎(始)委員 いま一点、生活保護者のいわゆる無償の点は入つておりますか、おりませんですか。
○大達国務大臣 法律案の中には入つていません。あれは一応厚生省の方の生活保護費の関係で見るわけでありますが、給食法の内容においては今のところ特にそういう考え方での立案をしておりません。
○松平委員 学校給食法のことに関連しましてご質問申し上げたいと思います。去る十二月のたしか五日と八日であつたと思うのですが、衆議院の各党の有志の懇談会がありまして、当時すでに政府で内定しておつた外米百六十万トンを相当程度減らして外麦にかえて、これによつて財政余裕金を得て、まず学校給食等に相当大幅に、当時は全額国庫負担という線で各党の有志の間で話合があつた。その当時厚生委員長、農林委員長にも御席願いまして、その結果が御承知のように今度の通常国会における去る十二月十五日の衆議院の決議になつたわけであります。すなわち外米の輸入を減らして外麦に切りかえ、これによつて食生活の切りかえをやつて行くために、その一助として学校の給食を相当完全なものにして行くというのが当時の決議案の趣旨であつたと思うのです。と同時に供給をする方においても米麦中心から酪農に切りかえて行くという含みを持つて決議がなされたのであります。その決議案が当時衆議院の議長から政府の方にまわされたと思うのですが、当時その衆議院の決議の趣旨に沿うようにどういうような話合いがなされたか、その結果十八億という、われわれの希望とはきわめて大差のあることになつたと思うのです。と申しますのは、当時約三百億程度を小、中学校の完全給食のために使えるのではないかというような話合いが各党の有志の懇談会では行われたわけでありますけれども、それがあまりに小さくなつたのでありまして、どういう関係でこういうふうになつたのか、ただ単にこれに財政の、つまり耐乏予算ということだけでそうなつたのか、その辺のところをちよつとお聞かせ願いたいと思うのです。
○大達国務大臣 これはわが国の食糧問題、ことに昨年の非常な凶作状況も加わつての食糧問題であり、今後の食糧問題解決の上の非常に大きな問題でありまして、私どもは学校給食の関係から、その限度において実はその相談にあずかる立場におるわけであります。食糧対策協議会というものが設置せられまして、ことしから発足いたしております。これは大体その方の学識経験のある人を主としておりますが、非常に重大な問題として食糧に関する対策を樹立する、こういうことで私もやはりその一員に入つておりまして、そこでせつかく対策を研究しておるというのが実情であります。そこで全般的な食糧問題としては、私どもあまり進んでタツチする立場でもありませんので、この点につきましては、あるいは農林大臣等から答えていただいた方が正確でもあるし、私からあまり申し上げることもないと思うのでありますが、ただ相当大量の米の消費を一挙に外麦に振りかえるということは、これはその通りできればわが国の将来の経済自立の上から行つても画期的な大政策であると思うのでありますが、しかしこれは酪農、つまりバターとか牛乳とかいうものがこれに伴わなければならぬということもありましようし、第一に価格の点において従来の米食よりは上まわるということでは、国民食生活の改善といつたところで、経済的に高くつくものを無理やりに米の供給の絶対量を減らして外麦にして、いわば背水の陣を張つて、どうでもこうでも国民にそこまで持つて行かせるということもなかなか容易なことでもありませんし、それから家庭における主婦その他食事の調理に当る人々にいたしましても、一挙にパン食にする、相当大きな部分を切りかえるということもなかなか簡単には行かない問題であるように、私ども局外の者としても、考えているわけであります。これにつきましては、農林当局といたしましても、政府全体といたしましても、非常に大きな問題として慎重に検討せられておるのであります。そこで学校給食につきましては、ただいまのような大きな政策がはつきりと確立されれば、それによつて外麦の消費という見地からもこれが非常に拡大されるという場合があり得ると思うのでありますが、しかしそこまで今食糧対策というものが確立せられてはおらない。もちろんただいま申し上げたように、その方面に経験のある学者あるいは実際家等を集めて委員会ができておりますから、政府としては鋭意この大きな問題と取組んで食糧の根本的な対策を樹立したいということにはなつておりますが、まだそこまでの国の大きな方針としてのむのは確立されておらぬ。そこでさしむき来年度の予算としては、やはり一兆円というわくがありますので、この問題につきましても、昨年と比べて似たりよつたりと申しますか、大差のない金額が計上せられておりまして、その点非常に低調であるとお考えになるのはごもつともであると思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、国としての食生活の改善といいますか、日本の今後の食糧問題の根幹になる大方針というものが確立せられれば、その一環としての学校給食というものが、面目を新たにして皆様の前に審議をいただく時期も来ることと思うのであります。今のところはただいま申し上げたように、今までのような線で、金額においても、緊縮予算の場合、二億円でも増額になれば、設備の方の補助金も、その頭が出て、そういう国の施設というものが一歩踏み出して来たという点で、実は満足せざるを得ない、さような状態でございます。
○松平委員 ただいまの大臣の説明によりますと、衆議院の決議の趣旨とやや違つたような決定を見ておると思うわけであります。そうしますと、文部省の考えておる学校給食というものは、食生活の改善の一助ということでもなし、学校給食をやつて行くという根本の理由と申しますか、あるいはその精神といいますか、それはどういうところに置いてやつて行かれるのでございますか、その点を伺つておきたい。
○大達国務大臣 文部省といたしましては、もちろん学童の心身の発達に寄与するということは当面の立場であります。同時にまたこれは、国民全体の食生活の改善ということは、わが国に課せられた将来の大きな問題でありますので、子供のときからそういう食生活の改善という風を自然に養つて行く、そういうことに慣熟させる、また子供を通じて家庭の方面にも食糧の合理化を促進させて行く一助にしたい、こういろ考え方があるのであります。従つて申し上げますように、ただいまのところでは、これは予算の編成上の技術の点もありますが、食管特別会計、農林省所管においてこれは計上せられておる、こういう実情でございます。しかし、食管会計にあるからといつて、農林省関係の食糧、ただ主食改善という見地からだけ言うのではないのでありまして、文部省としましては、やはりこれを学校における教育の一助として推進をしたい、こういうふうに考えております。
○山崎(始)委員 今お聞きいたしますと、目下まだ立案中で、来週中くらいに法制局にまわるというお話のようであります。そうして今内容を聞いておりまして、私が一番遺憾に思いますことは、現在学校給食の実態を見ておりますと、一番現場で困つておるのは、生活保護者のいわゆる費用の未納という問題で、これが現場の一つの隘路になつておる。ひいては生活保護者と申しますか、どつちつかずの、いま一歩で生活保護者のわくに入る、こういうところに未納の現象がずいぶん起つておる。こういう現象がだんだん学校給食という重要な事柄自体のちようど虫歯が健全な歯を食つて行くように、将来学校給食がもしこわれかけるということが起りますと、こういう面から起つて来るのではないか。これは文部省でもお調べくださればわかると思うのであります。この点ぜひ文相は学校給食に御理解を持たれて、長年待望の学校給食が出発するのでありますから、一兆円の予算ですから、われわれも大きなことは申し上げませんが、もう一度その点だけ何とかがんばつていただきたい。まだ立案中ということであるのなら、そう大して大きな金額でもないだろうと思います。今大臣が申されましたような内容だけの法律案が、かりにこの委員会に提案になりますると、ひよいとすると予算の増額修正をやらなければならないような、法律案の修正というようなことが起きないとも限らない。われわれもあまり予算に影響のあるようないじり方はしたくありませんが、せざるを得ないような事態がこの委員会で起らぬとも限らぬと私は思うのであります。でありますから、まだ来週中に法制局にまわるという段階であるなら、いまひとつ御奮発いただきたい、かように思うのでありますが、どんなお気持でしようか。
○大達国務大臣 ごもつともでありますが、実は文部省といたしましても、その点を解決して行くということは非常に重大でありますから、実は予算は大蔵省の方に、それに必要な相当の経費をお願いしたのでありますが、遺憾ながらこれは結局お手元に提出する予算のうちに計上することができませんでした。その点は遺憾でありまして、今後ぜひその点を解決して参りたい、かように考えております。それからこの問題は元来、りくつをいえば、厚生省の生活保護のところで一応カバーされておるという筋合いではありますが、実際におきましては不十分であり、そういうふうなことは言訳にならぬということもはつきりした事実であります。それからその保証のうちに入らぬけれども、すれすれのところまで来ておるような家庭におきまして、やはりこれに対する解決をする必要がある、これは仰せの通りでありまして、今後努力して参りたいと思います。ただこれは小さい関係でありますが、盲聾唖等におきましては、これは御承知の通り非常に家庭内に恵まれていない児童が非常に多いのでありまして、この方は今年度の予算におきまして教科書、給食費、そういうものすべて国の方で補助ができるように措置をし得たのでありますが、大きい方におきましては金もよけいかかる関係もありまして、実は五億くらい大蔵省に交渉したのでありますが、これは残念ながら計上を見るに至りませんでした。この点は今後努力したい、かように考えております。
○山崎(始)委員 大臣のお気持も大分わかりましたが、私たちもかなり期待の大きかつただけに、いささか不満の気持があるのです。ひよいとすると、御提案になつてから、その法律案を増額修正をやるような事態が起らぬとは限らぬということを、ひとつ大臣はお考えになつていただきたいと思う。なお先ほど私が御要望申し上げたように、いま一歩御指摘くださるか、一兆円の大きな予算の中に、あちらこちらにかなり、どう申しますか、財政法を無視したような、隠れておるものもこれはあると思うのであります。そういうようなものから出しても、学校給食で生活保護のこの経費くらいが見られないということは、実はおかしいと私は思うのでありますので、せつかくお出しくださる大臣のお気持に対して、私は水をさすようなことになるかむしれませんけれども、いささか不満であるということを私は申し上げておきたい。 次にいま一点お聞きいたしたいのは、教科書が昨年までは小学校の算数の教科書が経費に入っておりましたが、今年度はそれが全然打切られておるようであります。この点は、金額は非常に少ないわずかなものでありますが、これも国民の期待といますか、父兄の期待というものは、おそらく義務教育無償の原則に基いた、一番直接ぴんと来る費目であろうと思うのでありますが、できるならばせめて小学校の全学年の教科書くらいは、われわれとすれば今年度は無償にしたいという気持を持つておつたのであます。それが逆に、わずか四億や五億の金が本年度になつて打切られている。こういう点は、私はいかに緊縮予算の現在と申しましても、費目の持つておる性格自体から考えて、私は非常に遺憾だと思う。おそらく国民も非常に悪い印象を持つておると思うのでありますが、これはどういう関係でこういうことになつたのか。ただ一兆円で押えるという緊縮予算ということだけでなつたのでありますか。私は今の費目の重要性から見て、国民は何か理由があるのだろうかというふうに見ておると思うのでありますが、そういう点に対してちよつとお聞かせ願いたいと思います。
○大達国務大臣 これは先日予算の大要を説明申し上げたときにも、この点に触れて申し上げたのでありますが、やはり金額は五億円そこそこのものでありますけれども、今年の予算は非常に切り詰めた予算でありまして、初め大蔵省から私ども内示を受けました査定というものは、非常にきびしいものでありました。さんたんたる状態であつたのであります。できるだけ復活をお願いして、結局このたび提案になりましたような予算の内容となつたのでありますが、この場合、教科書の無償配布というものが削除せられたということは、非常に遺憾に存じます。もちろん非常に大事な費用でありますけれども、しかしこれも、金額の問題なんですが、非常に不徹底なことは御承知の通り、小学校に入学した児童だけに限つて、しかも算数と国語だけの教化書ということになつておりまして、実は不徹底な点があります。これは今お話になりますように小とも義務教育、ことに小学校全体について一年から六年までというようなことになれば、非常に徹底したことになりますがなかなか当面そういう方向へ進んで行くという状態でも実はないので、これは一口に言いますと金がかさむというだけのことであります。そういうわけで、まことに遺憾でありますが、これは結局本年度において計上することができませんでした。なお今後機会を見まして、これをさらにそういうふうに計上できることに努力する、こう思つております。
○野原委員 関連してお尋ねしたいと思いますが、憲法第二十六条第二項に「義務教育は、これを無償とする。」とうたつておるのであります。そこで政府与党におかれましては、私の知るところにおいて、今日までいろいろな機会に、この憲法第二六条第二項の「義義務教育は、これを無償とする。」ということの具体的な現れとして、実は教科書のことを考えているということを国民に話されておつたと私は記憶する。ところがただいま同僚の山崎委員の質問に対しても明らかになりましたように、このことが、しかも今年度度の予算からもはつきり削除になつているわけでございますが、私は大達文部大臣の文教政策として、「義務教育は、これを無償とする。」というこの項目は、具体的にどういうことに現われているのか、お聞かせ願いたい。
○大達国務大臣 従来文部省といたしまして、憲法にいうところの義務教育無償の条項は、教科書の無償も包含するものであるというふうな解釈あるいは立場をとつておつたということは私も承知しております。ただ私の考えから申し上げますと、義務教育無償ということは、論理的なような書き方をしてきわめて漠然としております。授業料をとるとかとらぬとかいう点についてはきわめて明瞭でありまして、授業料をとる、つまり学校として、公の施設として、国の営造物に対する手数料あるいは使用料、そういう性質のものはとらない。これはきわめて明瞭であると思います。ただその無償というものが一体どこまでで限界がきめられるのか。御承知の通り教科書というものは、やはり教材のうちで、特に重要な教材である、こういうことでありますが、その場合にどこまでが限界であるということは、なかなか困難であろうと思います。しかし憲法にいうところの義務教育無償というその精神は、できるだけ児童父兄に負担をかけないで義務教育が行われるといることを期待しておるというか、そういろ気持を現わしておるということは、私も同様にそう考えておるのであります。従つてもし授業料をとろということになれば、憲法違反であろうと思う。これはきわめて明白である。そこでああいう無償という憲法の精神は、できるだけ現実の施策の上においてこれを反映して行くということは考えなければならぬけれども、しかし教科書を無償にしなかつたら憲法違反になるというような問題については、私はそうはならないのじやないか、こう思つておるわけであります。だから先ほど申し上げましたように、これをできるだけ拡充して行くということは、無償にするという憲法の精神に沿うものである。そういう方向に推進することは非常に望ましいことであるけれども、さればといつてすぐこれを憲法に抵触するとか何とかいう問題には、なかなかそこには解釈の余地がありはせぬかというふうに実は考えておるのでありまして、憲法の義務教育無償の規定をそこまでやかましく解釈いたさないで、今日やるべくその方向に国としては施策を進めたというのが現実であろうと思う。今まで一年生の入学の子供に教科書を無償で配布したということは、その気持の現われである。先ほど申し上げましたように、今回の予算に経常されていないということは、非常に遺憾でありますけれども、事情やむを得なかつた点は御了承願いたいと思います。
○野原委員 憲法第二十六条の第二項の「義務教育は、これを無償とする。」という文言は、戦争前の憲法には御承知のようにうたつていないのであります。ところが日本の義務教育学校におきましては、この条文がなかつた戦争前の憲法が実施せられたときにおきましても授業料をとつてはおりません。手数料もとつてはおりません。そこで新しい憲法ができまして、義務教育はこれを無償にするとうたわれた以上は、ただいま大臣もちよつと述べられた通り、児童、父兄に義務教育においてはできるだけ負担をかけない。完全無償ということが理想でございますけれども、現実の日本においてはそれも困難でありましよう。私どもの調査によりますと、いなかの学校においても義務教育の学校で月に五、六百円くらいの金がいりますし、都会においても毎月一千円くらいいつておるのであります。兄弟三人が学校に行きますと、小学校だけでも二千円、三千円の金がいる。今日ニコヨンのように五千円か六千円しか月に収入のないものが数十万、数百万、潜在失業者は一千万といわれておる。こういうときに、これは実に大きな問題でありますから、社会保障的な見解の上に立ちましても、なおまた新しい憲法が新たにこういうことをうたつておる以上は、父兄にも子供にも何らか金銭の面ではできるだけ負担をかけないという現実的に具体的な政策がなければならないと思う。ところがこれがあるにもかかわらず、かろうじて一年生の国語あるいは算数の教科書が出されておつて、まあほんのわずかではございましたが、この憲法の条文を具体的に生かすものであるとして、実は私ども喜んでおつたのであります。今日のあなたの文教政策では、それすらとつてしまつた。吉田内閣はとつてしまつた。一体この条文にうたわれておることが、どこにどう現われておるのか、私どもはまことに大きな疑問を持つのであります。そこで何もないのかどうか、ただ、授業料をとらない、手数料をとらないということだけなのか、もう一度お尋ねいたします。
○大達国務大臣 直接父兄、児童の負担に帰するものにつきましては、ごらんの通り特にとりたてて申すものはございません。義務教育費として、国が教職員の給与の負担をするとか、学校の施設についての経費を支出するとか、特殊な盲聾唖学校というようなものは別ですが、面接父兄の負担、児童の負担に帰すべきものにつきましては、一般的にはないと思います。むろん授業料というものは、義務教育無償の基本的なものだと思います。つまり授業料というものは、国が子供に教育をして、その手数として徴収する金額である、いわゆる法律的にいうと手数料の性質を持つたものですから、手数料をとつて授業をするということになれば、これは明らかに憲法に違反すると思います。しかし、それ以外の点につきましては、この精神をできるだけ進めて行きたいという気持はある。できるだけ進めて行きたいということにおいては野原君と同じでありますが、今申しましたような意味で遺憾ながらこれは削除された。今後財政の事情が許す機会がありましたときは、これを復活をして、さらに進んでは二年半にも、三年半にも行くようにということが望しいことであり、またそういうふうに十分努力したいと思つております。
○松田(竹)委員 関連して……。先刻来教育予算の面ついていろいろ質問があつたのでありますが、この点については文部大臣は格別の精神、気魄を持つてひとつ努力せられんことを望みます。ただ先刻来お話のあつた学校給食問題について一言私はお尋ねいたしておきたい。 政府は外貨を節約するという面から食生活の改善を大きく打出して来ておるのでありますが、まことにけつこうなことではあるが、それだけでは私は実は上らぬと思う。今日の日本の国民に対しては、やはり幾らかでも食生活を向上させつつでなければ食生活の改善はできない。すなわち一般の国民生活を向上させながら改善して行くということでなければならぬ。しかしこの大きな問題を今ここで文部大臣にお伺いしようとするのではない。お伺いいたしたいことは、この大きな問題に対して、学校給食というものをして一つの大きな役割を果させなければならぬと思う。そこで乏しき予算をもつていかに有効適切にその役割を果すかという問題であります。これをいかに効果的に適切に、乏しき予算を学校給食に用いられておるかということを、お伺いしたいのであります。私は、現在の日本の学校給食に関する実務なり現場の状況をつまびらかにしませんから、お伺いするのでありますが、多少外国の状況を私は調べもし、見て来ておりますので、現在の日本の学校給食の問題について、文部省はどういう方法をとつておられるか、どういう指導をされておるか、今後どういう指導をされようとなさつておるか。たとえてみますれば、外国においては公立学校は、一面においては社交の中心ともなり、あるいは婦人会、婦人クラブ、あるいは公民館、セツツルメント、そういつたような各種の機関を動員し、一は社交の中心としつつ、また学校の給食を友効適切に行いつつあるため、両々相まつて実をあげている面がありまするので、現在の日本における学校船食の方法、指導、現在やりつつあること、今後やろうとしておること、そういうことについてお伺いいたしたい。
○大達国務大臣 学校給食につきましては、その内容におきましては、やはりこれもいろいろ御議論のあるところであります。現在やつております学校給食は、小麦というか、原麦については、その半額を父兄に負担してもらつて、半分は国の方で負担をする。それからミルクにつきましては、これも問題でありますが、ただい今のところ全部父兄の負担、ただたとえば粉ミルクを外国から購入するというような場合に、先に金を払います関係で、それの利子補給をするとか、利息を政府が払うとか、あるいはそれを運搬する経費を政府が負担する、こういうことはありますけれども、ミルク代そのものにつきましては全額父兄負担、ただパン食の原料になる麦について国が半額を持つ、副食物についてもやはり父兄の負担州、こういう建前であります。もちろん昨年のような非常な冷害、あるいはまた非常な災害が起つた場合には、そういう特殊の状態に対処するためには、その都度できるだけ政府として方法を講じております。たとえばミルク代も――これは外国のユニセフの寄贈を頼んで、ことしの五、六月ころまで続くのでありますが、そういうミルクも無償でやるというように、その都度の問題は別としまして、普通の場合は父兄の経費負担が一食のパンで五円くらいかかつておる。どれくらい負担するかという詳しいことは事務当局でお話を申し上げますが、ただいまのところ、今松田委員からお話のように、一面においてはこれを教育の上に有益な手段としたいということもありますと同時に、国民の食生活の改善、合理化というものをこれによつて期待したい、こういう考え方を両建として考えているわけであります。実は給食の普及率というものは必ずしも伸びていないのが現状であります。昨年の冷害、つまり秋以後におきましては急激にふえたような傾向でありますが、それまではむしろ逆に減つておるような実情であつたのであります。そして実は予算も使い切れないような年度もあつた。これはいろいろな事情もあろうと思いますが、漸次一般にそういう点の知識、あるいは父兄、あるいは学校側の理解というものも高めて参りまして、できるだけ普及したい、こういう立場をとつておりますが、今申し上げますように、普及率というものは予算を組めばどんどん普及するというような状態になつておらぬ。これはやり方もありますから、やり方によつてはどんどん普及するということはもちろんありましよう。従つて対象になるものも、現実の問題として小学校以外にはないかと思います。あつてもきわめてわずかだろうと思いますが、大体小学校に限られておるというのが現状であります。それから普及しない一つの原因と考えられるものは、炊さんの設備、こういうようなものが、ごく簡単なものをこしらえても、一十万円かかるとか三十万円かかるとかいうことがあります。実はそういう経費の点で思うように行かない関係で、普及をはばまれておるという面もあるようでありますから、それにつきましては、ただいま申し上げましたように、本年度の予算においては新たに設備の補助というものを計上いたしまして、できるだけその設備を充実させやすくして、そうして給食の普及をはかつて参りたい、こういうふうに考えております。具体的にこまかいことにつきましては、事務当局からお答え申し上げます。
○松田(竹)委員 どうもちよつと私のお伺いしたい点とピントが合わぬような気がいたします。文部大臣は今試みていることが必ずしも普及しないと言われたが、その点なんです。つまり学校で給食を通じていろいろやろうとしておる事柄と、庶民階級の一般の民度なりやつている事柄と、これがちぐはぐになる場合が多いから、それでは意味をなさぬではないか。そこに私は、社会的各種の団体、あるいは深く入ればこの階級の家庭までも実情を調べて、やろうとすることと、受ける側の生活とがマッチするようにしなければ、効果的でないのではないか、普及しないのではないかということを申し上げたいのであつて、諸外国においては、これらのいろいろな社会的な機関を動員し、またその協力を求めて、そうしてその実をあげることに努めているのであるが、日本の実情は今おつしやる通り普及しない。学校は鉄筋コンクリートで水洗便所だが、一般の子供は、うちへ帰ればいわゆる九尺二間の焼けトタンの家に住まつている場合もあるのであるから、食生活の面でも、一給食の簡単なものでも、それらの事情とマッチするように持つて行かなければならぬ。その普及のために、婦人会その他いろいろの社会的諸団体の勢力を動員し、あるいは協力を求めるということが必要ではねいかと思うが、現在その実情はどうなつておるかということをお伺いしておる。
○大達国務大臣 これは先ほど申し上げましたように、学校給食というものが、外国のように家庭内でとる食事と学校で給食される場合の食事と同じものであれば、話はきわめて簡単であろうと存ずるのでありますが、大部分の、ことに地方の農村等におきましては、家庭においてパンはあまり使つておらぬ。ところが学校では主食改善という面が一つ入つておりますから、学校で雑炊をつくるとか、あるいは御飯をたいて子供に食べさせるというようなことでなしにパン食をさせる、こういう点が、今松田さんのお話のように、日本の実際の家庭生活との間に食い違いができておる、マツチしない。これが簡単に普及し得ない大きな原因だと思います。しかし困難ではありますけれども、やはりただいまお話のありましたように、婦人団体なりその他の方面にも呼びかけて、そうして父兄の方面におきましてもその点で十分理解を持つて、喜んで給食を歓迎するというようなことに持つて行かなければならぬというふうに考えておるのであります。問題は、学校で給食がある場合に、そのミルク代とパンの価格の半分、それから副食費、これだけの負担父兄にかかるわけであります。この負担と、弁当を持つて学校へ行くとか、あるいは家へ帰つて昼飯を食べるとかいう場合の家庭への負担と、これは地方によつてもちろん違うと思いますが、この問題がまた重要な要素であります。つまり米食というものにずつと長いこと片寄つたといいますか、そういうことで来ておる。ことに農村等におきましては、パン食でありますからあまり飛びついて来ないとか、ことには経費の点で一体どつちが安くなるか、高くつくものか、これも大きな問題であろうと思います。さようなわけで学校給食というものが必ずしも――これはただいま申し上げますように、食糧政策の一環として、学校ではとにかくそれだけの原麦を国民に消化させる、消費させる、その場合に学校の給食を徹底的に拡張して、子供のつまり一食分とか、場合によれば二食分とかは原麦で消化するようにする。これは全体の国民の原麦の消化、消費というものを事実の上にはつきりさせるわけでありますから、そういう大きな強い政策になれば、今のように外米を買うかわりに原麦に置きかえ、それによつて節約する外貨と申しますか、支出を当てにして、それを財源にして無償で大規模な給食をやるということになれば、話はまた非常に違つて来るのでありますが、今日のような段階におきましては、ただいま申し上げるように、なかなか簡単に普及もしない。これは今のようにやり方によつては普及すると思います。いろいろ原因がありましようが、これらの点についてやはり関係の方面でそれぞれ理解が深まつて、また経済的にもこの方がなるほどいいということに触ることが当面望ましいことである、こういうふうに考えております。
○松田(竹)委員 この食生活の改善問題については単に予算の面だけではどうにもなるものでないので、これは趣味の問題であり、多年の慣習の問題である。従つて割烹の面、調理場の面、調理具の面、趣味の面とかいろいろな面からこれはやつて行かなければならぬ問題でありますから、私はここでこの問題はもうこの上論議いたしませんが、ひとつこれは文部省で真剣にお考えになつて、幾らかでもこの乏しき予算を効果的に使うという面から、また食生活改善の大きな問題に重要な役割を学校給食を通じて果して行くというこの大きな重要さから、これはよほど研究してもらつて、給食の現場にフイールドワーカーとでもいうか、特別の指導員、また中央においてもそういう方面のことも考えてやらぬと、これは金を使う割合に実があがつて来ないと思う。だからこの問題はここではこの程度にいたしておきますが、文部省でもひとつ考えておいてもらいたい、
○田中(久)委員 私はごく簡単に御提案の期日をお伺いいたします。その内容は、十六国会におきます議員立法で提出された程度のものであろう、少くとも学校給食法と銘を打つて出します以上は……。あの案は予算その他を勘案しまして、必要最小限度の案であるとして私どもは出したのであります。決して予算を無視して出したものとは考えておりません。ところが先ほど文部大臣の御説明を開きまして、実は私は唖然としておるのであります。山崎委員はきわめて不満であると言われましたが、私は不満を通り越して一体ふざけておると思う。何たることをしておるか。この問題につきましては大臣も幾らか御存じだろうと思いますが、七月三十日の午後一時委員会に提案をいたしまして、これが大問題となりまして、委員会はそのために六日間開会をすることができなかつた。その原因はどこにあるか。自由党の委員諸君は学校給食に対していずれもきわめて理解を持つておる。また幹部の方々もたいていの方は理解を持つておる。ただ残念ながら自由党においてたつた一人だけ、学校給食というものは社会主義だ、金持のむすこがぶりの照り焼きを持つて来るのはあたりまえじやないか、貧乏人のむすこが水を飲むのはしようがないじやないか、おやじにかい性がないのだ、こういう思想を持つておる人が一人おるために、遂にこの問題は通らなかつた。そこで次の国会にはわれわれが十分努力して必要最小限度の案を立て、予算措置を講じよう、こういうことで私どもは諸君の御了解を得まして、提案者である野党全体がこの案をひつ込めた。そうして次の国会を待つたような次第であります。そういうきわめていわくつきと申すと何ですが、非常に熱心なものでありまして、先ほど来お話を聞いておりますと、給食があまり伸びない、逆に減つておる、こういうことであります。これはなぜ伸びないのか、父兄の負担は大体におきまして、完全給食の場合にこの総計費は、一食大体十八円六十銭であります。これに対して食管特別会計で出しております原麦の半額というのは二円四銭であります。父兄負担はまさに十六円五十六銭でありまして、これがやはり生活の十分でない人には相当こたえるのであります。ここが問題なのでありまして、窮乏のごときは大多数のところにおいてPTAその他が金を出し合つてやつております。そのせつかくやつた施設も、今日は続けられないという状態に追い込まれて来ておる原因はどこにあるかというと、やはりこの父兄負担が非常に苦しいというところにあると思うのであります。私どもは無謀なことを言うのではないのであります。私の全体の想像におきましては、私どもが当時考えました原麦からさらに粉にした程度のものの半額、それからミルクの半額、この程度を持つてほしい、それから先ほど来各位の言われました準要保護家族において、生活保護法によるところの扶助を受けていないが、実際においては給食代も払えない、これを市町村においてやむを得ないものは立てかえて払つておいて、その半額とかあるいは三分の二程度において国が負担をしてやるということになれば、給食は非常に喜ばれるのであります。私がなぜ給食に一生懸命力を入れておるかと申しますと、実際において給食に携わつておる先生たちの苦労というものは並たいていのものではないのであります。中には先生が一緒に飯を食つておるじやないかというような人もたまにはあるようでありますけれども、それは現場を何も見ない人であります。大臣のお話を聞いておりますと、給食の現場をごらんになつていないようでありますが、御多忙ですからやむを得ませんが、一ぺんだけどうぞぜひ見てほしいと思います。そうすれば三十五、六億で済む。ミルクの半額と準要保護家族の国庫負担三一分の一ないし半分は三十五、六億で済む。一兆円予算を突破することは私どもはもとより望みませんが、これはないと言えばないのでありますが、あると言えばあるのです。幾らでもある。保安庁のごときは本年二月三十一日までに使い切れないで、来年度へ繰越す金が余つている。大した金じやない。その一割くらい持つて来れば、完全にただいま程度の学校給食はできるのであります。ただたつた一人の自由党におるこの人の思想が根本的をなして、これを誤らしておる。一体これに対して大臣はこの人とどの程度の御交渉をなさつておるか。自由党の委員諸君はわれわれ全員に対して、来国会においては責任を持つてこの給食法案を出し、予算措置に努力しようと言われた。この委員諸君の面目はまるつぶれだ。これは委員諸君の本音ではないはずであります。特に私はこの方との交渉の結果を大臣にひとつ向いたい。
○大達国務大臣 そういう学校給食は社会主義であるというような説を立てておる人が自由党にあるということは私は実は知りません。これはあるかないかは別として、私どもとしては大蔵省と給食の経費についての話をするのでありまして、そういう人があるかないか知らぬが、その人と折衝する関係じやありません。
○田中(久)委員 私は、出るのが遅れておつたので、早く出してほしいと思いましたが、幸いにしてまだ案が出ないのならば、予算措置の方はわれわれは別途に協力をし、考えたいと思いますから、案の内容について何とかひとりこの際、十八億では、二億ふえたとおつしやいますが、二十九年度の原麦代と昨年度の原麦代と値段が一緒なら、二億ふえたことになりますが、あるいは小麦は少し下つておるかもしれせんが、これは何の増額にもなつていないのじやないかと私おそれます。ただ従来出して来たものを、やむを得ず法律をつくつてやるというだけのものであつて、これは実質的には何らの向上を見ていない。なおこの点につきまして、たとえば一週間でも余裕があるようでありますから、この際ひとつ真剣に私どもの前出しました案をもう一ぺん見て、最小限度のものを何とかやつていただくことを私は特に御希望いたします。
○山崎(始)委員 また学校給食に逆もどりするようでありますが、ただいまの田中委員の言葉に関連いたしまして……。実を言いますと、先ほどあまりえげつないことは言いたくなかつたのであります。不満だという言葉で終結いたしましたが、田中委員がただいま不満を通り越して、人をばかにしているじやないかと言われる言葉、私自身も気持の中はまつたくその通りであります。私はえげつないことは申し上げたくありませんが、自由党の文部委員長、並びに前委員長の竹尾さん、その前の委員長の伊藤さん、その他自由党の当時に私たちが議員立法をいたしました。それを何がゆえにこの議員立法の学校給食法案をひつ込めたか。次によりよき法案を出すから、次の国会まで待つてくれ、ただ一人がんばつている人間がいるんだ、われわれはこの学校給食法案には非常に賛成なんだと、皆さん言つておるんであります。しかもその当時の理事会において、最後にこの学校給食法案を次回の国会にまわすときの速記録はございませんが、私は、速記録がないから、せめて文部大臣を呼び出してもらいたい。それがちようどスト規制法で堂々めぐりがあるから、三十分行こう、大臣から誠意ある答弁をさせようという約束は、理事会の席でやつたはずであります。文部大臣はその間の経緯は御存じないかもしれませんが、少くとも第十六国会においてわれわれが野党連合で出したあの内容よりよりよきものをつくるということは約束になつておるはずなんであります。従つて先ほど田中委員が申されました、われわれをばかにしているじやないかと言われる言葉はまつたくその通りなんであります。私はその当時おりました。また私自身が自由党の皆さん方と御協議の上、文部大臣にわざわざ御出席を願つて、誠意ある答弁を文部大臣にさせるということで、不満ながらもあの当時われわれはひつ込めたのであります。こういう経緯をお考えくだされば、少くとも先ほど田中委員が申されたくらいの内容はぜひこの際最後のがんばりでやつていただきたいのであります。この点大臣に要望いたしておきます。 それから前会からの質問の続きでありますが、重要な点をお聞きしたいと思います。小学校、中学校の二十九年度における教育の半額国庫負担法によりますと、七百億のわくの中の基準が小学校が一・三五、中学校が一・七ということになつておるために、全国の教職員に非常に不安の念を与えておる。同時に教職員ばかりではない、地方教育委員会にも非常に不安の念を与えておる。なおPTAにも多大の危惧の念を与えておる。これが現在の実態なんでありますが、おそらく文部省へはこの点で全国から相当の陳情あるいは問合せなりがあつたと思うのであります。問い合せた人たちの中には、多少よくなるのじやないかという希望的観測を抱くような人もあるし、やはりこれはだめなんだという人もあり、私の知つておる限りでは、非常にまちまちでありますので、どうぞこの点に関してこの委員会を通じて明確なる御説明を願つたらと思うのであります。
○大達国務大臣 御承知の通り、義務教育費の国庫負担法の方は、実際の支出額に対して、つまり決算に対してその半額を負担する、こういう建前になつております。そこでことしの予算におきましては大体五十二万何干ですが、そのくらいの数を一応想定しております。これは地方でそれぞれ実際お出しになつた経費に対して半分出すのでありますから、これは予算を組むときの一応の見込みにすぎません。これはどういうことかと申しますと、大体今までの先生の数が四十九万幾ら、ほぼ五十万ということになつておると思いますが、それと学校の生徒の数を比べまして、来年度において増加すると考えられる先生というものをその考え方で出して行きますと、大体五十二万何千という数になるようであります。これを一応私どもとしては予算の見積りの基礎に考えておるのであります。お話の一・三五あるいは一・七という基準というものは、実は率直に申し上げますと、大蔵省においては義務教育費の国庫負担について法律を幾らかかえて、いわゆる実際支出額ということでなしに、定員をきめ、また金額は国立学校の先生に準ずるということで行きたいという考え方があつたのであります。これは法律の建前からやめてもらつたのでありまして、その場合に大蔵省として一応考えた基準と思われます。そういうわけでありまして、これは学校の先生方から正常な危惧、不安という言葉をお使いになりましたが、決して無理にわたることはないものと考えております。非常な危惧、不安といえば、どういう関係でありますか、来年度においては小中学の先生の非常に大量な首切りが実行される、こういうことが非常にちまたに宣伝されておるのであります。これは予算をごらんになつてもわかることでありまして、半額負担において百億、さらに自治庁から地方に交付せらるべき金額を合せると、これは半分で百億でありますから二百億増額しておるのであります。従つて首切りなんということは、これ一点だけを見ましてもあり得ないのであります。しかるにもかかわらず、非常な大量の首切りが行われる、こういう宣伝がちまたに氾濫をいたしておるのであります。もしこれがその通りほんとうだとすれば、これは先生も非常に動揺するし不安も感ずる。当然のことでありますけれども、私はそのような宣伝が何のために行われておるか知りませんが、さような事実とまつたく違つた宣伝が、こういう国会開会中に行われておるという、その事実に対しては、非常に遺憾に思つておるのであります。従つてその点について教職員なり、あるいはPTAその他学校の関係者の方たちが不安を感じ、危惧の念を持たれる理由は全然ない、かように申し上げておきます。
○山崎(始)委員 そうしますと、結論的に申しますと、昨年度と何ら算定基準はかわりがないということなのでありますか。と申しますことは、要するに七百億という金額の中に、二十八年度の実人員の上に加えること来年度の生徒数の増加、それに対してはやはり一・五、一・八の算定基準でもつてやられておるわけなのでありますか。
○大達国務大臣 これは今申し上げますように、義務教育費国庫負担というのは、実際支出額の二分の一というのでありますから、いわゆる定員定額制はとつておらぬのであります。
○山崎(始)委員 そこが非常にデリケートなのでありまして、この義務教育費半額国庫負担法は実人員による実支給の半額を負担をするんだから、各都道府県でもつてかつてにお前たち組んだらいいじやないか、そうすればその半分は当然国から出るんだというふうな言われ方が文部省の言われ方だと思うのでありますが、もし七百億という総金額の算定の基準が、今言う一・三五並びに一・七というものから出ておるならば、各都道府県におきましてそれをオーバーした基準では予算を組まないじやないか。そうして文部省の方からいえば、地方でかつてに組めばいいじやないか、半額は出すのだからと言われるかもしれないが、基準がそこにあるのならば、各都道府県はその基準以上のものはなかなか組まないじやないか、かように実は心配するのであります。でありますから結論的に申しますれば、そういうふうな一・三五とか一・七とかいうようなことはないのかあるのか。来年度のこの七百億という総わくは、あくまで一・八、一・五の今まで通りの基準で組まれておる、その基礎から出ておる金額が七百億なのか、その点ちよつとお聞きしたい。
○大達国務大臣 今申し上げましたように、国庫負担という建前からいうと、これは実際支出額でありまして、実際支出額の半額、こういう建前であります。それでは予算をどれくらいとつておいたらいいかという場合に、七百億という予算の見積りをつくつて、地方において七百億の予算ではその半額を負担するに足りないという事態が起れば、これは何らかの方法によつて、あるいは補正予算なりあるいは予備費なりその他適当の措置によつて、とにかく半分を負担しなければならぬ、これが法律上の建前であります。法律上の建前ではあるけれども、予算としては一応どれくらいいるだろうかという見積りを立てなければならぬことは、これは当然です。その場合に見積りの基準としましては、ただいま申し上げますように、従来の実績から積み上げて行つてこの七百億という数字が出て参つておるのであります。従来とても一・五あるいは一・八というようなことは、これは前に定員定額制であつた場合に――前というか、今でも自治庁の方の平衡交付金といいますか、今度は交付税といいますか、それには実際支出の半分というような建前でありませんから、地方の財政計画を立てる場合の基準としては、一種の定員定額といいますか、そういう基準がなければならぬということになりますが、この国庫負担の関係におきましては、かりに基準がどうあろうとも、とにかく実際支出額の二分の一は出さなければならぬ、こういうことになつておるわけであります。
○小林(信)委員 関連して。今の大臣の御答弁は非常に重大な問題に関連しますので、大臣が忘れないうちに聞いておく方がいいと思うのです。というのは、昭和二十八年度の、つまり現年度の義務教育費について地方の方ではいよいよ決算期を控えて、政府が予定した額では、半額を見てくれるという法の建前が実現されそうもない状態である。従つて何とかしてくれないかという希望があるわけです。今大臣のお言葉を聞くと、かかつた半分は必ず国が負担するんだ、それがもし来年度であれば補正予算を組むとかあるいは予備費から出すとかいうようなお言葉があつたのですが、今ここへ参りまして昭和二十八年度分についてそういう措置をするかあるいは過年度支出をしてまでその点必ず国で保障することになりますか、大臣に今ここで発言していただくことによつて、地方でいろいろ疑問を持つている点が解明されると思いますので、一言質問いたします。
○大達国務大臣 これはただいまも申し上げましたように、実際の支出額に対する二分の一負担であります。これは法律によつてそれがはつきりと国の義務として規定されておるのでありまするから、予算がそれに伴う、伴わないは別問題といたしまして、これは当初の予算を組むときの、つまり見込み違いといいますか、ということに帰着するだけのことであります。国がその半額を負担しなければならぬという関係は、これは動かない関係であります。これは法律によつて国が支出する義務を負つておるのでありますから、その義務を無視して、もうこれで予算がなくなつたからやらぬ、こういうことは言えない、これははつきり申し上げてさしつかえないのであります。ただ従来すつかり決算ができて、その半分というやり方をいたしますと、その間それぞれの地方団体に、各府県におきまして金がない、資金繰りに困るという実情がありますので、それで概算渡しというものをしております。これは似くまでも概算でありましてこれが決定した、これしかやらない、あるいはそれが余つてもやつたものはとりもどさぬ、こういうものではほいのでありまして、ただ地方の学校の先生の給与の支払いの上に困るような、渋滞するようなことの起らないために、それぞれに月々に概算払いというものをしております。それは概算でありまして、結局それは出納閉鎖期間が五月でありますか、ことしの年度を越えて五月になれば、すつかり決算がはつきりして来るわけでありますから、そのときにその過不足は清算をして、まだ負担すべきものがあれば、それを負担し、それから概算払いで渡した金が余ればとりもどす、こういうことであつて予算をきめたからといつて、これ以上もう出さぬ、こういうことではないのであります。
○小林(信)委員 その点はいいのですが、私の念を押した今年度足りない分を過年度支出でも何でも出すという何か具体的なことを私はお聞きしたいのです。というのは、大臣が非常に好意的に教育費を捻出することについては、ある程度まで私たちはいいと思うのです。ところが大臣のお話中にもありますように、大蔵大臣が渋つて困る今年度予算をとるにもかくかくであるというようなことをおつしやつたのですが、大臣の確約と、そうしてもう一つは大蔵大臣の責任がとれるかどらか、大臣としてそういうことの責任がとれるかどうか、もし大臣としてそういうことは努力するけれども、はたして大蔵大臣がどう言うかわからぬというような場合には、大蔵大臣をここへ呼んで来て私は聞かなければならぬ。くどいようですが、地方で心配していますからその点一応御答弁願いたい。
○大達国務大臣 これはただいま申し上げましたところでその点ははつきり申し上げたつもりであります。これはことしの五月の出納閉鎖期間を待つて、過不足が生ずれば、ことし計上した予算で足りる足りないということは別問題として、過年度のものとして支出をするのであります。これは国の義務でありますから、あらかじめ大蔵大臣の了解を得ても得なくても、これは国で出さなければならぬ金なんでありますから、これは大蔵省がそれを出すとか出さぬとかいう余地はないはずの金であります。
○小林(信)委員 それから関連して教科書の問題をお聞きいたしますが、これはなくなつたけれども、生活保護費の方から当然見てやらなければならない問題なんです。生活保護費の方にこういうふうなものが加えられるように努力されたか、実際確保されておるかどうかをお聞きしたいのですが、ただそれにつけ加えて申し上げたいのは、大臣の憲法解釈上から義務教育の無償はどの程度。あるかという大体のお考えが発表されたのですが、大臣の御見解は御見解で、これは戦力なき軍隊と同じような、憲法解釈だと私は考えます。と申しますのは、一番最初この法律が文部大臣提案でこの委員会にかかつた場合に、何と書いてあつたかというと、義務教育無償の原則に沿つて逐次これからこういうことにするのだ、これが無償で教科書を二冊渡すというその法律の目的に書いてあることなのです。今までの国会、文部省、政府においては、義務教育の無償ということはやはり教科書などは就学する者全体に渡すべきであるという見解を持つておつたわけなんです。その法律をつくつたときの政府並びに国会はこれを了承したはずです。それを当時は半分だけは地方が持て、半分は国が持つというやり方をやつたわけです。それが今度は進歩しまして、二冊ではあつてもその全部を国で持つ、地方は負担しなくてもよろしいというふうに発展して来て、昨年の確かに十六国会だと思いますが、私は大臣だと覚えておりますが、来年度の予算では教科書の問題は一年生に十分教科書を無償で渡す方針である、そしてさらにこれを順次二年、三年というふうに発展させて行く考を文部省は持つておりますということを聞いておつたのです。ところが今の大臣の御答弁を聞いておりますと、たいへんに逆行しているような形なんですがそのことはともあれ、これはいずれの機会かにまたお話をお聞きしたいのですが、全部なくなつちやつて、実際教科書が買えない者はどうするかというと、こうなつた以上はやはり生活保護費の方で見てやらなければならないのですが、それがつけ加えられたかどうかを聞きたい。
○大達国務大臣 教科書無償のことにつきましては、先ほど申し上げました通りに私は考えております。そして今まで文部省がこの予算をつくりましたときの説明等につきましては、実は私その間の事情をよく存じませんがやはりこれは私が考えておることと同じ考え方であると私は思つておるのであります。繰返して申し上げますと、授業料をもしとるということであれば、これは憲法違反であります。これは明らかに無償の条文に抵触するものであると考えます。しかしながら教科書その他の父兄の負担する経費、こういうことになれば、それを出さないから憲法違反だというようなものではなくて、憲法はできるだけ負担をかけないようにする、こういういわば原則といいますか、考え方を示しておるのだ、こういうふうに私は解するのほかはないと思います。従つて今申し上げましたように、ことしの予算の中から削られたということは非常に残念であるけれども、やはりこれを復活をし、あるいはさらに進んでもう少し上級の生徒にも教科書を無償で渡すようにしたい、これがいわゆる憲法に掲げる無償の規定と言つては語弊がありますが、義務教本目無償の精神に沿うものである、こういうふうに考えている点において、従来文部当局で説明されたことと私の言うことはやはり同じである、こういうふうに思つておる。これを現実に教科書を無償にするということを、すなわち憲法に規定するところの無償である、ここまではつきりすれば、現に教科書無償はただ入学のときだけ、しかも限られた課目についてだけの無償である、そのほかにおいてはやはり父兄の負担になつておるということになれば、これははつきり言えば、現在憲法違反が行われておる、そういうことになるのでありまして、私はそうは考えない。この無償の精神というものを将来予算の面で、その他の実際において拡充して行くということは、憲法の精神とする無償という理想というか、そういうものに一歩々々近づくことがきわめて望ましいけれども、教科書を渡さぬからすなわち憲法の規定にこうあるじやないかということにはならない、授業料をとるということになれば、これは私は憲法違反だと思う、さような点に私の考え方を持つておりますから、その点くどいようでありますが、申し上げておきます。それから教科書を貧困な家庭についてこれは要するに全体として困窮な家庭に対する保護の問題でありますから、厚生省においてのいわゆる社会保障としての生活保護の方の問題でありますが、これはやはり生活保護の内容としまして、学校に通つておる子供があれば、それに対する費用、つまり父兄が負担すべき費用についてもその点はその内容として見てやる、こういうふうに私は了解しております。
○小林(信)委員 現存行われていないこと、これは無償の建前にのつとつてやらなければならないものであるということを言えば、それは憲法の精神に反するものでない。ところで現在そうでない、これもすべて憲法違反でないのであつて、それ以外のもの、現在希望しておるようなものは大したものじやない、こういうふうに思うのですが、私は無償の理想というものはやはりあると思うのです。現在の授業料を免除しておる程度のものが無償の限界だということでなくて、やはり法はどうであつても、国も政府も国民も全体が、無償というものはまだ遠い将来にあるんだというふうにみんな一致した考えを持つていると私は思うのです。従つて私たちの言うことを大臣が曲解されたような形であるということを私は言つているのです。渡すべきものはこれは原則にのつとつて順次向上さして行くべきものであるというのを、大臣は義務教育の無償の精神にこれは違反するものではないといつてひつ込めて、それで平気でいるということは、私は非常に残念なんです。もう一つは、教科書がいかなる現状にあるかということ、父兄の生活費と子供の買う教科書がどんな状態にあるかということなんです。子供を二人も三人も抱えた家庭で、戦争でもつてお父さんをなくした子供なんか実際教科書なんか買えないでおる。政治というものは、愛情を持たなければならぬ。そうして特に教育の機会均等というものは、これはやはり憲法の精神なんです。無償と同時に成り立たなければならない問題です。そういう点からしても、やはり大臣は、この教科書の問題は親の子に対する情愛――教科書がでたらめに無謀に高くなるというような、かつてわれわれがこの国会において順次これは無償の原則に沿つて発展して行くものだという主張と逆行するようなものがある場合には、やはり文部大臣としては非常に遺憾であるということを表明されなければならないのです。無償の原則に違反してないなどということは、これは実際上教科書で困つておる、生酒に困窮しておる家庭あるいは児童に対して、大臣は非常に冷酷であるという批判を受けなければならぬと私は思うのです。国家財政の問題からまことに申訳ないけれども、ここではほかの方に重点を置いて、この点はしばらくおくんだというならとにかく、今のような言明は私は非常に残念だと思うのです。それで生活保護費の中にどれくらいこれが入つているかということを御説明できますか。
○大達国務大臣 私が今申し上げたのは、あなたの今言われたことと同じことを言つたのです。これはあなた聞いていらつしやらなかつたかしらぬが、まつたく同じことを言つたのですよ。そうして先ほどから、この教科書無償というものがことしの予算から削られているということはきわめて遺憾である、それもあなたの今要求されたと同じようなことを言つたのです。まことに残念である、今後これを復活して、さらに上級の生徒にまでその道を開きたい、これも今あなたがおつしやつたことと同じことを言つたのです。ですから、これは同じことをあらためて申し上げませんが、先ほど申し上げたことを速記録についてごらんになれば、あなたのおつしやつたことと同じことを言つたのです。決して憲法に違反せないからそんなことは平気だ、かまわぬというそんな言辞を評したことはありません。
○小林(信)委員 それは確かに大臣の気持だつてわかりますよ。大臣をやるからには、そんなむちやなことを言う者が大臣になりつこないのです。しかし大臣の弁解というものは、われわれがこれを主張すれば、教科書無償を今まで実際全部やつておらぬじやないか、だから教科書無償にしなくても憲法違反ではないというような弁解の仕方というものは、非常に註解を受けるわけです。その誤解というのは、やはり憲法でいう義務教育は無償というふうな限界が非常に小さくなつて行く傾向があるわけです。私はそういう点で大臣に対して、意見が同じだとか結論が同じだとかいうふうなことで逃げられたくない。現に教科書無償のこの原則をわれわれはここでもつて放棄しなければならぬような結果になつているのです。 それから大事な点で、生活保護費の中にどれくらいの教科書の費用を要求したかということを私はお聞きしたい。それ以外のことは聞いておらないのです。
○大達国務大臣 私が今答弁を省略したのは、同じことを二度も三度も言うことになるから、これは速記録をごらんになればよくわかることで、決してあなたのおつしやつたことと違つたことを言つておりません、こういうふうに申し上げたわけです。それで憲法違反にならぬからそんなことはどうでもいいというようなことを言つたか、言わぬか、これは速記録をごらんになればわかるのです。そういつたことを言つた覚えはありません。どうでもいいということは言つたことはありません。ただこれは法律の解釈としては憲法違反にはならないと思う。もしこれが憲法違反になるというのなら、この費用を一体削るどころの騒ぎではない。ずつと全部教科書を渡さなければこれは今の負担法に違反するどころの騒ぎではなしに、憲法に違反する。憲法の精神、憲法の理想には一歩々々近づいて行きたい、これが一歩退却したような形になつたことははなはだ残念であるが……。
○小林(信)委員 そう言えばわかるのです。
○大達国務大臣 そういうことを言つたのです。私の今の答弁をあなたは聞いていないで質問をしておる。だから速記録をよくごらんになつたらいいでしよう、こういうふうに申し上げた。 それから生活保護費の内容については事務の方から御返答いたします。
○福井政府委員 その点については、後刻よく調査いたしまして御答弁申し上げます。
○小林(信)委員 それでは今大臣の言つたことは何もならないですよ。今憲法問題よりも父兄がどのくらい教科書問題では真剣になつておるかわからないんですよ。二冊でもいい、あの法律を見ると、義務教育をやる者には順次くれるようになるだろうという希望を持つているときに、これがなくなつたのは非常に悲しいことです。そういう父兄の気持を代表しても、大臣に対してはやはり私くらいの恨みは言つてもいいと思う。しかし大臣がそんなことは憲法の精神にも反するものではないし、私は教育財政を組む上においてはもつと真剣なものを持つておると言うなら、そういうものに対しては生活保護費、厚生省の方のそういう仕事もあるのですから、その方に大臣としても教科書の問題はこういうふうにして入れてほしい、全国でどうしても無償でもらわなければならぬ者がどれくらいあるかという数字をちやんと的確につかんで、それが計上されるように御努力されなければならぬはずです。そしてそのことについて大臣がりつぱな御関心を持ち、ここにおいて無償は廃したけれども、ほんとうに買えない子供に対してはこれこれの予算を計上してありますという御答弁ができるならば、今のような憲法無視はしておりません、精神を無視することはないということが言明できるわけですが、いずれ後刻調査してというのは、文部省の方がそこにずつと並んでおつても御答弁できないようなことでは、やはりわれわれとしてこの問題が軽視された、こういうふうに考える以外にないのでありまして、まあ御善処を希望いたします。
○山崎(始)委員 先ほど私が質問いたしました教員数の問題、これは大臣のお気持は大分わかつたのですが、これは自治庁の方にも関係があると思うのです。しかし大分時間もお約束の時間より経過いたしておりますから、次の機会に自治庁の方にも来てもらつてお尋ねしたいと思います。どうぞ委員長そのようにおとりはからい願います。
○辻委員長 本日はこの程度で散会いたします。 午後一時三十分散会