農林委員会林業に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/02/09
会議録
○川俣委員長 これより開会いたします。 戦争によつて森林が荒廃し、これがもととなつて昨年は大水害の惨状を招いたのであります。治山治水の解決問題が、あらためて論議の的となつたのでありまして、本委員会においてもこの重大さにこたえて、院議をもつて治山治水対策を強く要望いたして来ましたことは、御存じの通りであります。林野当局におきましても、真剣にその施策を練つておられることと存じますので、ここに林野一般行政並びに事業について御説明を願い、これが予算的裏づけについても詳細承りたいと存じます。なおこれに伴う準備せられつつあります法律案についても、あわせて御説明を願うことといたします。それでは柴田長官。
○柴田政府委員 私どもといたしましても、かねて林野の実態が、戦争以来の無計画な取扱いによりまして、植伐の不均衡等からいたしまして非常に荒廃に瀕しておる、その結果が国土保全の面に非常に大きな悪影響を及ぼしておるということを痛感いたしまして、一日も早くこれが調整をはかりまして、国土保全と林産物需給の調整のとれるような施策を講じなければならぬということで、各方面の御協力をいただきまして努力いたして参つておりますが、二十九年度事業の計画と予算等につきましては、必ずしも当初計画のごとく参つておらないのは、非常に遺憾でございますが、一部これが根本施策に対しまする解決の緒につき得るのではないかと存じますので、一応二十九年度の予算の概要を御説明いたしながら、その点を説明させていただきたい、かように存じます。 まず二十九年度の一般会計の予算の概要でございますが、お手元に資料を差上げております通り、一般費の関係といたしまして十五億四千九百五十万七千円、公共事業費関係といたしまして百七億七千四百四十八万六千円、合計いたしまして百二十三億二千三百九十九万三千円というのが二十九年度林野関係の一般会計として盛られております総額でございます。これを前年度総額百三十六億一千八百五十四万九千円と比較いたしますと、十二億九千四百五十五万六千円の減ということになつております。主たるものは公共事業関係についての減少でございますが、この内容は後刻御説明を申し上げたいと存じます。 一般会計の林野庁関係の予算の項目につきましては、資料のAの二、三、四に項目別に一応表示しております。なお公共事業費の総額をあげておりますが、このうちで特に取上げて申し上げる必要のある分だけについて、一応簡単に説明をさせていただきたいと存じます。 まず林野庁一般行政に必要な経費でございますが、これで前年度と比較いたしまして減少いたしているものは、森林審議会費のうちで、地方森林審議会に要する経費が平衡交付金に振りかえられたということで減額されているのが一番大きなものでございます。なおアジア太平洋林業林産委員会開催準備費というものが百万円特に盛られておりますが、これはFAOのアジア太平洋地域の林業林産委員会が一九五五年の五月に日本で開催される予定になつておりますので、これが準備費を認められたものでございます。その他には特に申し上げるような相違はございません。 Bの一の保安林整備緊急対策に必要な経費でございますが、これが実は治山治水の根本対策の出発として一部計画が認められたという案件が盛られているのでございますが、それは保安林の管理実行案作成費交付金というのがございます。これは新規に二十九年度三千五百二十六万円認められておりますが、これは国土保全を対象といたしまする保安林の全部につきまして、従来指定事項を定めまして、これが施業計画あるいは実行計画等は地方長官に委任しておりましたが、それが実行の結果の検討に非常に不十分である点を認めましたので、一応保安林を整備いたしまして、そのうち重要河川流域の水源地帯の保安林を指定地域内といたしまして、指定地域の分を五箇年に、指定地域外のものをさらに五箇年に、それぞれ農林大臣の責任とあわせて知事の責任におきまして管理実行案を作成する、この経費が今回認められた次第でございます。その他は従来とあまりかわりはございません。 それから三の国有林野事業特別会計繰入れに必要な経費が前年度に比較いたしまして相当減少しているようでありますが、これまた根本対策に関連をいたしまして後刻国有林野特別会計事業で御説明を申し上げたいと存じますが、保安林につきまして、特に指定地域内の保安林につきまして、特に治山事業等を急速に実施する必要のある部面につきましては、国で買上げをいたしまして、国有林野事業としてこれら治山事業を実施するということが確定いたしました結果、従来民有林につきましての直轄治山事業を国有林が委託を受けて実施しておりましたために、管理費の一般会計よりの繰入れをいたしておりましたものを、半分は国有林野事業として実行する、こういうかつこうになつたための減少なのでございます。 第四番目の民有林森林計画に必要な経費につきましては、単価の改訂等がございましたが、その他には形の上では特別の変化はございません。 第五番目の森林組合及び同連合会の育成指導に必要な経費も特に前年度とかわつたところはございません。これらにつきまして、職員設置費補助金の関係では、行政整理に伴いまする人員減の分だけが落ちておるのでありますが、単価におきまして増加をいたしまして、予算額としてはそれぞれ多少増加いたしております。森林組合及び同連合会再建整備に必要な経費は、これも比較的再建整備は順調に進捗いたしておりますので、この進捗に沿いましての残分の経費ということになつている経費が減少いたしているという事情でございます。 優良種苗普及に必要な経費につきましても、特に大きな変化はないのでございまするが、造林計画の増加に伴いまする数量増加が盛られておる程度でございます。 第八番目の造林臨時措置法施行に必要な経費におきまして、大きく一応減額になつておりまするのは、職員設置費補助金分が全部平衡交付金に振りかえられたという結果に伴うものでございます。その他には特別な変化はございません。 九番目の有益鳥獣保護利用に必要な経費は、これまた特別の変化はございません。 それから十番目の林業改良普及に必要な経費のうちで、特に金額は僅少でございますが、新しい項目として取上げられましたのがユーカリ樹造成普及費の補助と優良特産樹苗普及費の補助金でございます。ユーカリ樹は御承知の通り、非常に成長の旺盛な木でございまするが、非常に品種が多い関係上、適地に適品種の選定ということが非常にむずかしい問題が残されておりますし、それに対しましては、誤つた指導をいたしましては将来非常に禍根を残すということで、これが普及の万全を期そうということで試験林を設置いたすという事業の補助費でございます。それから優良特産樹苗普及のための補助金は、従来各方面から相当の強い要望がございましたが、農山村、とりわけ山つきの村の農地と山林との境ぎわにありまする、最も不集約に使われておりました山すその土地を利用いたしまして、現金収入の最も早い特産樹種の導入をはかりまして、山つき農村の現金収入の道を指導いたしたいということで、当面くり、くるみ、きり、うるしにつきまして優良種苗を養成いたしまして、これを実費で頒布しよう、こういう計画に対しまする補助費でございます。 十一番目の森林病害虫防除に必要な経費につきましては、さきに松食虫等の非常に急激な蔓延によりまして、予備費等の支出を願いまして、これが駆除を続けて参りましたが、順次減少いたして参つておりまする今日、くりにつきまする恐るべき害虫くりたまばちが、これまた急激な蔓延をいたしまして、昨年、一昨年等は非常にこれが防除に苦慮いたしましたが、防除費の支出によりまして漸次減少安定を見ておりまするので、今後の蔓延の排除、さらには早期の発見、駆除等におきましても、これが万全を期したいということで要求をいたしておるものでございます。 十二番目の本庁及び附属機関施設充実に必要な経費は、主として林業試験場施設の充実に必要なる経費でございます。 十三番目の林業試験場に必要な経費は、従来試験研究に対しまして非常にきゆうくつな、しかも単価の低い、実際問題といたしまして最小の試験研究にも事を欠くような研究費の予算でございましたが、幸いに二十九年度におきましては、決して十分とは申し上げられないのでありますが、従来に比較いたしまして、相当額増額を認められまして、今日資源の培養あるいは治山治水の根本的技術的解決等のために、従来と比較いたしますとかなり積極的な試験研究を進め得るようになつておりますることを申し上げ得ると存じます。 十四番目に公共事業費の関係でございますが、一般会計公共事業費につきましては、これが治山治水の根本対策といたしまして、私どもは年次計画をもちまして、これが万全の対策を講じたいということで努力をいたして参つたのでありますが、非常に遺憾ながら満足すべき予算の見通しが立たないということを率直に申し上げざるを得ないのであります。 治山事業につきまして、前年度五十五億四千万円余というものは、二十九年度におきましては四十八億五千五百万円余ということで、かえつて相当の減額になつておるような結果になつておりまするが、この点は、しかしながら直轄治山事業におきまして、前年度に比較いたしますると、金額におきまして半分以下というような結果にありますが、この分は先ほども申し上げましたように、従来民有林直轄治山として実施いたしておりました対象に対しまして、国有林で買上げを実施いたしまして、国有林野事業として実施するという計画が、二十九年度から出発いたすことになりまして、この分といたしまして買上げ予定保安林、重要河川の上流水源地域につきまして約五万町歩という目標でございます。それに対しまして国有林野治山事業といたしまして、十五億の事業費を計上いたしておりますので、直轄事業といたしましては相当量の増加ということに相なる結果でございます。 補助事業といたしましては、特に大きな変化はございません。でも多少の減少を余儀なくされておりますが、これもただいま申し上げました国有林野事業によりまする治山事業の増加とにらみ合せてという関係も多少出て参るので、総括いたしまして、治山事業はある程度増加施行も可能であるという結果になつております。 造林の補助事業費でございますが、これは前年度二十八億七千二百余万円に対しまして、三十一億三千八百余万円ということになつておりまして、約二億六千五百万円余増額されております。事業量について見ますと、実は補助率が引下げを余儀なくされておりまして、従来四割補助を三割補助に引下げられた結果、数量におきましては相当量の増加ということに相なつておりまして、まず治山事業の根本対策として、最も効率的な仕事として造林事業を第一着に着手しよう。経費の非常にきゆうくつな際の順序という考え方で、造林事業を増強するということに相なつた次第でございまして、これは治山治水の根本対策におきまする年次計画にほぼ近い数量を実施いたすことができる、かように考えております。 林道の補助事業費は、これは実は昨年度と比較いたしますと、昨年度十九億六千五百余万円に対しまして、本年度十七億九千四百万円という相当量の減額に相なるのでありまして、これも奥地林道につきまして、従来六割の補助を五割まで引下げられたという関係等も含めましても、前年度事業量を確保し得ないというような額に相なりまして、計画的な事業実施に非常に支障を来しやしないかという心配をいたしておりまするが、でき得る限り効率的な事業によりまして、計画を乱さないような実施の計画を進めたい、かように考えておる次第であります。 それから調査費の関係が比較的順調に認められまして、特に造林事業の調査につきましては、従来考えられなかつたいわゆる林種転換と申しますか、非常に不集約な取扱いをいたして参りました薪炭林、あるいは天然林等の人工植栽林への切りかえのための適地適木調査と申しますか、土壌その他の立地調査の経費が特に認められまして、今後造林事業の増強に対しまする準備が出発できたということは、金額の問題ではなく、事業の計画的出発といたしまして、相当意味のある経費であると私どもは考えて、これが計画的事業を行いたい、かように考えておる次第であります。 治山事業の内容、事業量、計画につきましては、Cの一二、Cの一三に数量を掲げておる次第であります。それぞれ一般会計事業といたしましては、造林事業、治山事業に対しましては、前年度より多少減少せざるを得ないという状況でございます。 なお公共事業費全般につきまして、北海道分は総理府予算として別途に計上いたされておりますので、ここに申し上げましたのはすべて内地の関係の事業費と御承知を願いたいのであります。 造林事業につきましては、前年度二十八万六千九百三十二町歩を対象といたしまして実施いたしました事業が、二十九年度においては、三十七万三千九百五十町歩という相当量の増加を期待できるので、特殊林地の改良事業といたしましての瘠悪林地の改良補助につきましては、一応前年度程度認められたということなのでございます。樹苗養成の関係は特に申し上げることもございませんが、大体計画造林に必要な数量の確保を予定いたしております。 林道事業に関しましては、奥地林道につきましても前年度七百三十五キロの計画に対しまして、二十九年度は六百四十三キロ余という程度より実行ができないことに相なるのでありまして、特に一般林道につきましては、相当の削減を余儀なくされておりますので、これらの点は、融資その他とにらみ合せまして、森林計画の実施に支障のないようなあんばいをいたさなければならぬということで、相当の困難を予想せざるを得ない実情にございます。調査費の関係は先刻申し上げましたので、その他には特に申し上げるものはございません。 それから、十五の施設災害の復旧事業の関係でございますが、林野の施設災害につきましては、主として林道施設の災害でございまして、治山事業の施設災害は、従来も非常に僅少でございまして、残余はほとんどわずかでございます。これが復旧の見込みといたしましては、二十八年度におきまして相当復旧をいたしておりますので、二十九年度予算におきましては、二十六年、七年の発生災害については全体の七五%、二十八年度災害につきましては三七%を完了する計画でございます。林道施設に関しましては、二十八年度におきまして、二十六年、七年の災害の九五%を完了いたしております。二十八年度災において一五%を完了いたしておりますので、本二十九年度予算案におきましては、二十六、七年の災害については九六%まで、二十八年度災につきまして三四%まで完了する、こういう計画で予算を編成いたしております。 十六の山林事業附帯事務につきましては特に申し上げることはございません。 それから国有林野事業の特別会計の予算につきまして概略を申し上げたいと存じます。二十九年度の国有林野事業特別会計の歳入歳出予算額は三百四十九億五千万円でございまして、前年度補正予算を含めました総予算額歳入歳出三百三十二億二千六百四十一万七千円に比較いたしますると、十七億二千三百五十八万三千円の増に相なるのであります。二十八年度の予算のうちには、一般会計繰入れ三十二億が含まれておるのでございますが、二十九年度の歳出予算の総額は、一般会計繰入れが一切含まれておらないのでありまして、この二十九年度におきましては、一応歳入増の見込みを保安林の買上げと、これに対する治山事業の実施という面に、主として振り向けられまして、買上げ事業費として十五億、新規に買い上げました保安林に対しまする事業施行として十五億、さらにこれに要しまする人件、事務費というものを含めて三十二億というものが、新規に見られるという結果に相なつております。その他林道造林あるいは直営生産等につきましても、単価の改訂をいたしておりますので、二十九年度国有林野事業といたしましては、相当量の仕事の増ということに相なるのでありまして、特に保安林の買上げ事業に関しましては、職員増百名をも認めておる次第でございます。これらの収入は主といたしまして林産物の売払い代金でございまして、引続きまする林産物売払いの強含みに乗りまして、かなり堅実に予算の編成をいたしておりますので、これらの実行は十分確保できる見込みでございます。 次に森林火災保険の特別会計でございまするが、これは二十九年度歳入歳出予定額といたしまして、二億九千百九十一万円という予算を編成いたしておりまして、前年度の二億三百五十六万五千円に比較いたしますると、八千八百三十四万五千円の増加ということになつております。この保険特別会計は非常に規模は狭小でございまするが、森林計画の実施あるいはこれに伴いまする採伐調整資金の貸出しその他と、さらには再造林に対しまする多くの備えということにつきまして、順次森林所有者の認識を深めて参つておりまするし、特別会計自体も非常に堅実な歩みを続けておりますので、さらにこれが拡充を将来に期待いたしまして、保険料金の引下げ等によつて一層の便宜を期待できるのではないか、かように考える次第でございます。 一応予算の概要を簡単に申し上げましたが、その他は御質問に関連いたしまして、また必要に応じてお答え申し上げたいと思います。
○川俣委員長 予算概要については一応説明を聴取いたしたのでありますが、これに対する質疑は後日にまわしまして、この際今国会に提出されると予定しておりまする法案について御説明願いたいと存じます。
○臼井説明員 初めに保安林の整備強化に関する法制措置と書いた方のプリントでございます。昨年御承知のような治山治水の対策協議会で基本対策要綱をおきめになつたのでありますが、その方向に基きまして従来からやつておりました保安林制度を相当基本的に検討して改正をいたしたい。そして保安林については、従来の監督的な方法からもつと管理を強化するようなことを考える。同時にただいまも予算で話がございましたように、国有林の特別会計で積極的に保安林を買い入れて行こう。さしあたつて年々五万町歩ほどの民有保安林を国有にして行こうというようなことを考えておるのでありまして、それに伴いまして、一つは制度的なものといたしまして森林法の一部改正をいたしたい。もう一つの方は、保安林緊急整備臨時措置法といつたような構想のものを考えて保安林の整備をはかりたい、こういう考え方でございます。 まず初めに森林法の改正として出しまして、公益上の観点から重要河川を考えておりますのは七十七河川ほどでございますが、選びましてその上流地域を森林区を単位といたしまして指定いたそう、そうしてそれを指定地域というような制度で呼びまして、その指定地域とそれ以外の所とにある保安林について、少し国が関係いたします事項について違つた考えをいたして行こう、結局重要河川流域は、国が全面的に責任を負うようなかつこうにいたしまして、それ以外の地域につきましては知事にその権限を行使していただくというような考え方をとりたい、こういうことであります。その指定地域の中に入ります保安林の中で——現在保安林には水源涵養、土砂扞止、以下いろいろな目的によつて保安林を幾つかにわけておりますが、国土保全上最も重要な意味のあるものだけを第一種保安林といたしまして、農林大臣が直接指定する、そういう考え方であります。指定地域外の保安林は、同業のものを第二種保安林といたしまして、知事に指定解除の権限を行使していただくようにしたい、それが一点であります。 それからそういう国土保安的な重要な意味があります保安林につきまして、先ほども予算の説明の中にありましたように、保安林管理実行案というものをつくりまして、それを現在やつております森林計画の中へ取入れまして、森林計画の義務を、森林所有者が履行するというかつこうで、保安林管理の強化をはかつて行こうという考え方であります。管理実行案といたしまして考えておりますのは、ここにも書いてございますように、伐採、保育、造林、搬出の方法、それから林地の利用方法、そういつたものを中心にして、従来の考え方は禁止的な方向、こういうことをしちやいけない、する場合には知事の許可を受けろといつた式一の考え方であつたのでありますが、もつと積極的に、森林所有者の行為を要求する、こういうことをしてもらいたいということを盛り込んだものにいたしたい。そして保安林として十分目的を達成し得るようにいたしたい、こういう考え方であります。それから、現在は保安林ということで、日本の森林法ができましてからずつとやつて参りましたものの中に、魚つき保安林とか航行の目標、風致保存のための保安林というものがあることは御承知の通りでありますが、そういうものは狭い意味の国土保全という意味からは直接関係がございませんので、保安林という名前からはずしまして、保護林といつたような制度にして、その関係の仕事は知事にやつていただく。現在もそういうふうになつておりますが、そういう仕組みにしたらいいのじやないだろうか、こういうようなことを考えておるわけであります。 それから整備の臨時措置法といたしまして考えておりますのは、農林省で従来からもいろいろ検討して来たのでありますが、保安林整備のための基本的な計画を森林審議会にかけましてきめる。それに基いて事業もやりますし、いろいろな施策を講じて行くわけでありますが、一つは現在もやつておりますのを強化する方法で、保安林指定を目的に従つて計画的にやつて行く。大体今申しましたような新しい制度に乗り移るのは、五箇年くらいの計画で完了いたしたいということを考えておりまして、一応本年度の予算ではその第一年目という考えをしておるわけでありますが、そのほかに重要河川流域の指定地域と申しました中にございます第一種保安林、国土保全上重要な森林ということになるわけでありますが、そういう森林につきましては、国有林の特別会計で買いまして、必要な治山事業をやりつつ完全な保安機能を発揮するようにして参りたい。直接治山事業をやるような山ばかりが必ずしも買入れの対象になるわけではありませんが、そういうところを重点的に買いまして、保安林として十分機能を発揮さして行きたい、こういう考え方をいたしておるわけであります。ただ買入れを円滑にいたします上からは、どうしても税の減免措置というようなことを考えないと、目的が達せられないだろうというので、そういうようなこともいたしたいと思つて、よりより大蔵省の方と相談をいたしたりしておるのが現状でございます。 それからもう一つは、次のプリントでございまして、国有林野法その他二、三の法令につきまして若干こまごました改正でありますが、いろいろ今まで行政をやつて参りまして気づきました点を改正いたしたいというのがその趣旨のあらましでございます。 一番初めに一と書いてあります国有林野法の中の小さい(1)でありますが、国有林の地元施設といたしまして、従来から国有林はいろいろなことをやつて参つたのでありますが、なおもつと積極的にやるべきであるというので、今の長官の御方針もありまして、去年あたりは局長会議などでも地元施設の推進を指示したりして参つたのでありますが、国有林の中には、そういう意味で、貸したり使わせたりしております場所につきまして、減額の規定がなくて、一応基準で計算いたしました額で貸付使用の契約をいたしておつたのでありますが、ほかの、たとえば割合営利的な関係の仕事と比べてみますと、こういう地元施設としてわれわれが考えております、農山村の経済に直接結びつきのあるような事業には、相当割引いてもいいだろうという考え方から、五割以内で基準をきめまして減額することができるようにいたしたいという点が一つであります。 それから同じような減額の規定でありますが、これは去年の冷害などで経験をいたしたわけでありますが、ただいま申したような意味で、地元の市町村の住民を対象といたしまして農林業のために、たとえば放牧採草地でありますとか、貸したり使用させたりしております料金を、そういう災害にあつたような場合には、減額したり免除したりすることができるということにいたしたい。御承知のように昨年は薪炭原木の増伐をいたしまして払下げをしたりしたのでありますが、あわせてこういうこともできるようにいたしたいという考え方であります。それから同じ考え方で(イ)の方は貸し付けたり使用させたりしておる土地でありますし、共用林野と申しまして国有林の中で国有林として木を持ちながら同時に保護管理を委託いたしまして地元にいろいろな便宜を供与しておるというのがあるのでありますが、そういうものの使用の対価の減免の規定も盛りたい、こういう規定であります。 それから(1)と照応するような意味で、同じく共用林野の初めからの契約で、地元施設的なものについては使用の対価を減額して契約することができるような方法も講じておきたい、こういう考え方であります。 第二に書いてありますのは、国有林の土地を貸しまして地元と部分林契約をいたすようなことも推進して参つておりますが、そういう部分林それから公有林野に国が造林をいたして参つておるところもあることは御承知の通りでありますが、そういうふうに国と公共団体、あるいは地元の部落の人などと契約をして、国が造林したりあるいは逆に向う方が造林されたりするような山があるわけでありますが、地方の事情によりまして、たとえば学校を建てますとか、いろいろな理由で金が必要になつて来ることがあるのでありますが、それを処分してしまいますと、今までせつかくやつて参りました目的にも沿わないというようなことが多いのでありまして、何とか金融の方法を考えてほしいというような御要望があるのでありまして、できればそういう地元の町村なり部落の人が持つておられる持分を担保にして、何か金融の方法を考えるというのが一番望ましいということになるのでありますが、現在の特別会計の性質からいたしますと、そういう直接金融をするということもなかなかむずかしいのでありまして、その方法といたしまして、一応国で買上げまして目的を達するようにしたい。あるいは買つたあともう一度何かのかつこうで売つてほしいというような場合も出て来るのじやないかというようなことも予想されますので、そういうような点については、なおわれわれの方としてもいろいろ検討をいたしておるのでありまして、今後もう少し研究した上で提案したい、こういうふうに考えておるのであります。 それから第三番目の物品の無償貸付及び譲与等に関する法律というのがございますが、その一部を改正いたしまして、天災地変のような災害の場合に、地元の市町村がたとえば応急に学校をつくりますとか、応急用のバラツクを建てられるとか橋梁をつくられるというような場合には、現在の制度では国有林の材を時価で便宜をはかつて譲り渡しておつたのでありますが、必ずしも時価でなくても、もつと低い価格で譲り渡すことができるようにしたらなおけつこうじやないか。こういうときには往々価格が上りますので、国有林の方で時価ということで処分しておりましても、価格が暴騰するのを押える効果が相当あつたと思つておるのでありますが、応急用のものくらいは時価よりも安くても払い下げることができるようにしたい、こういう考え方であります。 もう一つ、これはあるいは今まで長官からもほかの機会にお話があつたかと思うのでありますが、御承知の国有林野整備臨時措置法という法律がございまして、今まで施行して参りまして、ことしの六月で期限が切れることになつておりますが、昨年の冷害等にかんがみまして、若干買いたいが、経費の点で間に合わないというような御意見もあるようでございますので、そういう御要望に応じられるように、その有効期間を一年あるいは二年延ばすというようなこともあわせて一緒に盛り込んで参りたい、こういうことを考えておる次第であります。
○川俣委員長 法案の要綱の説明は一応終りましたが、これに対する質疑は次会に譲ることにして、本日はこれで散会いたしたいと思いますが……。
○福田(喜)委員 ちよつと一言だけ……。造林促進法はどうなりますか、林野庁の御意見を伺いたい。
○柴田政府委員 造林促進法につきましても、実は治山治水の根本対策として、最も急に促進を要する問題としては造林ということに相なると存じますので、これをただ予算の措置ばかりではなく、あらゆる面から促進を考えるということで、何らか特別の方法を講ずべき法律措置というようなことについて、各方面からいろいろ御意見も承つておりますし、あるいは法案の内容に関しましても、関係団体あるいは有志の皆様方の御意見も承つておりますので、私どもといたしましても一応これの検討は進めておりますが、これにはいろいろな意見がございまして、ちようど造林臨時措置法が二十九年で一応切れることになりますし、これらを包括してその他の法律をも総合した何らかの方法を講じてはどうかというような意見もございまして、目下検討はいたしておりますが、まだ成案を得るに至りません。あるいは近く成案をもつてお知恵を拝借するような機会を与えられれば非常に仕合せであると存じております。
○福田(喜)委員 長官並びに林野庁の方、及び委員長にお願いしておきますが、この造林促進法は、今長官のおつしやられた内容の法案でありますが、これは保安林の整備強化に関する法制措置とか国有林野法の一部改正要綱とかいうものに対して非常に関係が深いので、治山治水基本対策あるいはまた協議会の趣旨から出ておるものでございまして、あれとこれといわゆるうらはらをなす非常に緊急を要するものだろうと思います。この扱い方についても委員長に切にお願いいたしておきますが、これは議員立法として提出するのか、あるいは農林省の案として提出されるのか、あるいはまた本国会に提出されるのか、その見通しはどうか。これは一連の予算措置も十分伴うものだろうと思いますし、促進法が今しきりに審議されておる経過というものは、従来の経緯にかんがみまして、あるいは税制改正とか、あるいは治水治山の要請からここまで来ておるのは御承知の通りでありますが、その見通しはどうか。こういう一連の法律も出ておりますが、それと平仄を合せて行く必要はないか。林野庁当局は予算措置上どういうふうな考えを持つておられるか、それをお伺いしておきたいと思います。
○柴田政府委員 造林促進法に盛ります内容につきまして、非常に広汎にもわたる必要があると存じますし、あるいはまた福田委員の仰せの通り、予算措置あるいは税制の改正等までも措置をする必要が出て参るということになりますと、それぞれ関係方面の了解を得て出発しなければならないという問題になりますので、一応構想をややコンクリートなものにいたしまして出発するということになりますと、はたして政府提案として本国会に提出して御審議を願うことが間に合うかどうかということを、私どもは非常におそれておる次第でございまして、ただいまの進捗状況では、本国会にはちよつと間に合わぬのじやないかというふうに実は私どもは考えておるのでございますが、しかし内容を農林当局としても検討は進めておるという程度に御了承願いたいと存じます。
○福田(喜)委員 これは政府提出になるのですか、議員提出で行くお考えですか。
○柴田政府委員 できれば政府提出で行くべきものではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○川俣委員長 福田委員からのお問合せですが、次の小委員のあとで懇談会を開きまして、この取扱い等についてはさらに御協議をいたしまして、何らかの方針を見出したいと思つておりますから、御了承願いたいと存じます。それではこれをもつて散会いたします。 午後四時三十一分散会