農林委員会農林災害対策に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/10/28
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 農林災害対策について議事を進めます。 まず救農土木事業の関係について政府より説明を承ります。渡辺官房長。
○渡辺説明員 昨日救農土木関係の資料の印刷が間に合わなかつたので、説明が不十分でしたが、印刷ができたので御説明いたしたいと思います。 北海道と内地にわけてつくつておりますが、一ページから、三ページの中ごろまでが北海道、三ページの中ごろのBからが都道府県の分、最後の表が附帯事業費、こういうふうになつております。 北海道関係で申し上げますと、総事業費二十四億六千二百二十三万円で、農業関係では土地改良、耕地整備事業、開拓事業、農業用施設災害復旧費、林業関係、漁港関係、臨時救農施設、そういうふうにわけております。それぞれの費目について補助率がいろいろかわつておりますが、それらを合計いたしますと、総事業費二十四億のうち十四億が国費の負担という計算であります。さらに県で一億、農林漁業資金から六億、合計二十一億円を補助金並びに資金でまかない、二十四億との差額約三億を地元で自己負担する、こういうふうになつております。 その次の地元負担欄は結局総事業費から国庫負担と県負担の合計を引いた差額であります。そのうち資材費、熟練労務合計十億を差引きますと、結局十億が地元現金収入ということになります。これをせんだつて御説明申し上げましたように、一人当り三百五十円の人夫賃でわけますと、延二百九十万人の就業を期待できることになつております。 それから三ページの中ごろのBの分は、総事業費が二十三億、国庫補助が十三億、県費一億五千、農林漁業資金六億七千、地元負担が八億七千で、資材費その他八億五千、熟練労務二億七千を差引くと、地元現金収入が九億八千二百万円、これを二百八十五円でわけますと三百九万人の延人員の就業が期待できるわけであります。 内地、北海道を合せますと、一番最後の紙の合計欄のように、総事業費四十八億五千百八十七万円、国庫補助二十八億二千九百三十五万円、県費二億五千万円、農林漁業資金十二億七千万円ということになります。 以上であります。
○芳賀委員 昨日御説明のあつた営農資金に対する貸付の立法措置の要綱ですが、これに対して農林当局の考え方をもう少し確認しておきたいと思います。 まず順序として、要綱の第五にありますが、二十八年度に貸し付けた経営資金に対する、今年度の災害によつて償還不能になつた場合の特別の措置であります。この要綱によりますと、今年度償還分に対しまして、償還期限の二年または三年の経営資金に対しては、償還の期限を一箇年間延長するというような説明でありましたが、昨年の場合、三分五厘の五箇年償還の分が、これはパーセントにしても八割以上出ておるわけであります。これに対しましては、ただ単に猶予するというような表現を使つておるようでありますが、この五箇年償還の関係に対しましては、具体的にどういうような措置を講ずるお考えであるか、その点を御説明願いたいと思います。
○松岡説明員 ただいまの点は、償還期限二年または三年と申しますのは、昨年の各災害を通じてあつたわけでございまして、これは、二年のものはもう来年に最終償還期が参りまするので、これについては一年を延期したい、こういうことでございまして、五年の償還期のものにつきましては、ことしがその最初の償還期に当つております。五箇年間の分割償還でございまして、つまり、ことし元金の五分の一を償還することになります。それについて、その五分の一、本年償還する分につきましては、ことしの償還をやめることにいたしまして、あとの四年間で払つてもらう。つまり、ことしの償還は猶予いたしまして、来年以降の四年間で払つていただく、こういうように考えておるわけでございます。これにつきましては、法律上の規定の改正を要しませんので、予算上の措置だけでございます。
○芳賀委員 本年の償還分を猶予するという場合に、松岡君のお考えによると、あとの四箇年にそれを均等に分割して計画的に償還さすという意味か、あとの四年間に適宜ことしの分は償還すればいいというようなことであるか、その点はどう考えておりますか。
○松岡説明員 あとの四年間に分割して償還してもらうということでございまして、つまり五万円昨年貸し付けましたものは、一万円が本年の償還分になるわけでございますが、二千五百円ずつあとの四年間で払つてもらう、こういうことになるわけでございます。
○芳賀委員 次に、本年度予想されておるところの貸出しの方式でありますが、一つは二箇年償還の六分五厘、もう一つは、昨年と同じように、三分五厘の五箇年というようなお考えもあるようでありますが、政府の考えておる経営資金を一応九十億と考えた場合において、その区分等に対しては、具体的に計画があるとすれば、一応お示し願いたいと思います。
○松岡説明員 ただいまの御質問は、九十億円のうちどのくらいが三分五厘、五年の分に当るかという御質問かと思いますが、これにつきましては、昨年の例によりますと、実は非常に認定に困難を来しまして、実行が非常にむずかしかつたのであります。そのために、本年は、若干実行上のやり方についてはくふういたしたいと思つておりまするが、考え方といたしましては、被害が非常に激甚であり、昨年も被害を受けたような人々あるいは地区を対象にしましてやりたい、こういうように考えておりまして、今のところどのくらいかということをはつきり申し上げることは困難でございますが、大体全体に対して三、四割ぐらいじやないかと思います。これは昨年の災害に比べますると、統計調査部あたりの調査によりましても、三割以上の被害と申しますのは、非常に割合としては少いのでございます。もつとも北海道あたりは別でございますが、全国的に見まして、三割以上の被害というものは、割合に昨年に比べますと少いのでございます。そのために、大体全体の三割ないし四割程度はそういう地域になるのではないか、かように考えております。
○芳賀委員 これはまだ未定稿ですから十分固まつているわけではなく、結局被害甚大というような抽象的な表現を使つているわけですが、これは結局、昨年度もその地帯は災害を受けておつた、さらに今年度も昨年以上被害の度合が深いというようなのはおそらく被害甚大の範疇に入るというように解釈した場合、私は当然――統計調査部等の水稲の関係はおよそわかつたと思いしますが、畑地帯の災害による減収率等は追つて判明すると思いますので、その判断というものは的確におやりになると思いますが、基本的な解釈としては、昨年の災害地であつて、ことしまた再びそれ以上の災害をこうむつているというような地域は、およそ被害甚大というこの部分に入るというように解釈していいわけですね。
○松岡説明員 その通りでございます。
○芳賀委員 次に、昨年の例もあるわけでありますが、昨年は、経営資金の貸出しの上に、さらに家畜維持資金というものをおよそ三万円程度それにプラスできるような形をとつたわけでありますが、昨日の金融課長の御説明によりますと、ことしの場合は、この経営資金の中の、いわゆる飼料の購入等という、その中でこれは吸収できるというようなお考えのようでありますが、昨年の家畜維持資金の場合の考え方は、この激甚な被害を受けた農家が、経営上というよりも、むしろ生活上の窮乏から、どうしても所有している家畜を手放さなければならぬという事態が予想されるので、まず、家畜を手放すようなことのないために、家畜を維持するための資金を三万円程度貸付するということでありまして、飼料の購入資金等というものは、維持されている家畜に対して飼料を給与するという必要があつての、やはりこれは経営部門に入る資金であるというように、昨年はそういう明確な判断の上に立つて家畜維持資金というものを貸し出すことにしたわけであります。ことしは何かそこがあいまいになつて来ているわけでありますが、ほんとうに貧窮している農家が、むしろ生活上の一つの理由から牛馬等を手放さなければならぬというような事態というものは生ずると思うのでありますが、この点に対しては、やはり昨年と同じような配慮が具体的に必要になる、そういうふうに私は判断するわけです。この点に対する説明をもう一度お願いしたいと思います。
○松岡説明員 昨日の私の説明は少し適切でなかつたかと存じますが、家畜を手放さないように維持するための資金であることを法律の規定の上で明確にいたしまして、飼料の購入資金とかそういう点において明らかにいたしまして、なお昨年と同じように貸付の限度におきまして、通常の場合よりは家畜を保有する農家についてはわくをふやすように考えるべきじやないか、さように考えております。
○川俣委員 関連して。きのうの説明によりますと、おそらく速記で明らかだと思うのですけれども、飼料対策を講ずることによつて、家畜の維持資金がこれで捻出できる、こういうような説明だつたように承るのです、私の聞き違いであれば別ですけれども……。これは私が説明するまでもなく、おそらくえさの全額を補助するわけではなく、えさのごく一部を補助せられるのだと思います。またそういうことになりますと、とても家畜を維持するだけの対策になり得るようなものではないわけですから、当然家畜維持資金というような形でこれが補助でなく、家畜を維持するための融資ということになるのだと思うのです。きようの説明の方が適切だと思うんですが、最高限度をどの程度考えられていますか。
○松岡説明員 昨日の説明は適切でございませんので、訂正させていただきます。家畜を保有する農家につきましては、大体昨年と同様三万円くらいのものを普通の農家よりは限度をふやしてやるのが適当ではないか、かように考えます。
○芳賀委員 家畜関係のは大体それで了承できますが、次に貸付限度の中で五万円とあります。特に北海道の場合にはまだ確定しておらぬということですが、昨年の例からいいますと、冷害資金の場合には、内地府県が十五万円、北海道が二十万円、そのほかに家畜維持資金が三万円でありましたが、ことしは非常に内地府県の災害地に対しましても限度を落しておるようであります。私どもは青森県、岩手県の一部の冷害あるいは台風災害の地域を調査した場合においても、県下全体が災害をこうむつておるということではありませんけれども、一部の地域におきましては、決して昨年に劣らないような被害が出ておるわけであります。そういうことになると、その災害をほんとうに受けた地域内においては、やはり昨年と同じ程度の資金的な措置が必要になつて来るのではないかというふうに、これは現実の問題として判断されるわけでありますが、ただ昨年の場合も、その運用上から見ると一戸当りの最高も、十五万円も二十万円も貸し付けるようなことはあるいは不可能であつたかもしれませんけれども、この建前からいつて、昨年の例よりもこれを極端に引下げるということになりますと、常に問題になつておるところの、被害の度合いの非常に軽微な農家と均一化されたように、貸出の限度が低いことによつて行わざるを得ないというような危険も、そこから生じて来るんではないかというふうに考えられますし、それで個人に対する貸付の限度というものは、相当額引上げておいても実際に貸出を行う場合においては、それによつて困難が生ずるということにはならぬのではないかと考えます。この限度の決定にあたつては、この点はさらに考慮を要するのではないかと考えますが、松岡課長のこれに対する判断はどのようでありますか。
○松岡説明員 ただいまお話のございましたように、昨年の風水害あるいは冷害関係で貸し付けました実態を調査してみたのでございますが、これは県の指導とかいろいろ金融機関の指導等によつても若干違つてはおりまするが、押しなべて見まして、一戸当り大体平均三万円くらいになつておるようでございます。これは被害が比較的軽いものでもあるいは比較的自分で貯金を持つておるとかそういう余裕のあるものでも、同じように貸付が行われたというようなことによつて若干総花的になつたために、平均的に見ますと比較的低いという感じを受けたのでございます。もつとも重点的に行いまして、場所によつては一戸当り十五万円も借りたところがございますけれども、そういうふうに総花的に行われたというような傾向も若干見受けられたのでございます。この点につきましては、今後とも実行上できるだけさような傾向をなくするようにいたしたいと存じますが、この貸付限度につきましては、貸付限度よりもむしろそういつた必要とする農家に重点的に配分するという配慮の方が大切ではないかという点も考慮いたしまして――ここに書いてあります五万円というのは、実は暫定的に書いてありますので、まだ最終的に五万円でよろしいというわけではなくて、なお十分に検討させていただきたいと存じております。
○芳賀委員 この法律措置の問題に対しましては、これはいずれ臨時国会等が召集された場合において、当委員会等においても審議することになりますので、われわれの期待としては、この法律案が政府提出の形でできた場合においても、できるだけ委員会の意図に沿うような原案であればこれは審議がしやすいし、根本的にこれを修正しなければならぬような事態になると、時間的に見ても非常に困難性が伴うので、そういう点に対しましては、農林当局において準備される段階において、できるだけ当委員会等の意向をこの中に盛り込んだ原案を作成になられたらどうかというように考えておるわけでありますが、この点に対する官房長の御意見はいかがですか。
○渡辺説明員 当然そういうふうに考えております。事務的に十分検討しまして、行政上可能な最大限において御意見を取入れたいと思います。
○芳賀委員 次に先ほど御説明になつた救農土木の関係でありますが、昨日も賃金収入の単価等の問題である程度論議がありましたが、救農土木事業をやる場合においてその対象になる戸数――延人員はここに何百万人というように出ておりますが、大よそ内地府県あるいは北海道等を分類した場合においても、この被害農家を対象とする場合、おおよそこの算定というのは、何分作以下の戸数がどのくらいあつて、その一戸当りはおよそ何万円くらいの現金収入を得させるというようなところから起算されておると考えますが、ことしの場合においては、対象戸数といいますか、これをおおよそどのくらいに把握されておりますか、その点の御説明を願います。
○渡辺説明員 被害程度三割以上の被害農家戸数を、北海道では約十一万、内地では十七万程度ある、こういうふうに考えております。但し北海道の方は被害の程度は明らかに非常に大きく、それから経営規模等も大きいのでありますから、昨年の救農土木事業の実施の状況に照しまして、その地方で実施できるいろいろの事業を集計して、先ほど御説明したような金額をはじいたわけであります。
○芳賀委員 次に災害復旧閥係の公庫の融資の問題でありますが、これは公庫の資金源の増額とかいろいろ手続きが必要になつて来ると思いますが、とにかく災害地においては、雪空を控えて復旧に対しての見通しが非常に暗澹としておるわけでありますが、これらの災害復旧等の資金に対しましては、政府当局においてどのくらいの融資が可能であるというような目標を把握されて、災害をこうむつた府県等に対しては一日も早く内示をする必要があるのではないかというふうに考えますが、現在においてもそういうふうな措置はまつたく講ぜられておりませんし、加藤本部長も昨日帰つたそうでありますけれども、本日はまだ当委員会に出席がないわけでありますが、この点に対しましては、おおよそいつごろを目途にしてこの災害復旧等に対する融資の内示が行われるか、その点に対する見通しを御説明願います。
○渡辺説明員 今の災害の融資というのは公共事業のことでしようか。
○芳賀委員 それからその施設災害など、結局融資がどうなつておるかということです。
○渡辺説明員 公共事業の方は結局今月二十日までに査定を完了するということでありましたが、大分遅れております。査定が完了次第予備金を要求し、つなぎ資金も出すということで、五号台風まではつなぎ資金四千五百万ですか、二、三日前きまりました。あと続いてやります。 それから先ほど説明した経営資金の関係ですが、その中の施設の復旧も一部含み、また公庫の分もあるわけですが、この点は一応基準――を私どもがつくつておる未定稿でお話したものをもう少し整理して具体的に融資の条件をきめなければ、はつきりしたことは府県に通知するわけにいかぬのでありますが、ただ昨年の例等を見ましても、各県でそれぞれ適切な施策を打つた県があるのであります。すなわち県議会を招集して、県独自の利子補給、損失補償を金融機関に約束しまして先に流しておく、そして法律が出たときにその条件に合わして行く、こういう手を打つておるのであります。私どもの方へ知事さんが出て来た場合にはそういうことを慫慂しておるのでありまして、これはすでに数県でやつております。私が聞いたのでは、愛媛県なんかやつておるそうであります。この法律でも府県が相当関与しなければどうしてもだめなんですから、府県でその気になつて準備をしてくれなければ動かない。またそれで相当のところまでできる。何といいますか、百やるべきところを、五十なら五十はそういう手段でやれるわけですから――一ぺんに金がいるというわけでもありませんから、この法律条項にもありますように、六月までに貸すことにしておりますから、順次整備して行く考えであります。応急の措置はもつぱら県でやつていただく、もしそういう手段を講じても、信連なり中金の方から応急の金が出ないということならば、農林省の方でいかようにも話す、こういうことでやつておるのであります。北海道の分についても、たとえば岩内の分は、そういうので相当進行しておるのではないかと思います。水産庁の最も重要な漁船の分は、特別切り離して水産庁と中金の間で特別協議をさしております。そういうふうにして順次態勢を整備しております。こういう状況であります。
○芳賀委員 ただいまの問題は、結局都道府県側と政府当局との間における話合いによつて一応の事前の了解等がなり得た場合においては、適宜な措置をとるということは、ある程度府県においてもこれは自主的にやるべきである、そういうような見解ですね。 次にお伺いしたい点は、これは農地局関係になると思いますが、先般の委員会において足鹿委員から、水温上昇施設をやる場合において畦畔の改良を行つて――それは結局は深水灌漑ができるような状態をつくるということが、冷害対策のためにも重要な仕事になるので、この点は救農土木事業等にあわせて考慮する余地があるかどうか、そういうふうな質問が行われたわけでありますが、この点は現在どのような検討が行われておりますか、お尋ねいたします。
○渡辺説明員 その点は、先般来話があつて研究をしておりますが、この案の三枚目の中ごろにある臨時救農施設、その中である程度やりたいと考えておりますが、さらにこれを大規模にやることについては建設の方で研究中であります。
○芳賀委員 こういうことはやれば初めての試みになると思いますが、試験機関等の研究によつても、やはり幼穂形成期あたりから灌水に対しては、どうしても深水灌漑をやることが冷害防止に大きな役割を果しているわけです。それには現在の水田の畦畔を粘土等によつてもう少し増築しなければならぬ、そういう作業がどうしても必要になつて来るわけであつて、これをだた単に農家の負担だけにおいて速急にやるということは困難であると思いますので、それで客土事業をやるような場合に付随して、そのような畦畔の増築をやる優良な土を同時に運んで、そうしてそれをもつてあわせてこの工事を行うというようなことは非常に能率的にもなるというふうに考えますので、これは一つのテスト的な事業でもあるかもしれませんが、この問題は具体的に研究を進められて、今年度の臨時救農等の場合においては、ぜひ実現されるように、この機会に強く期待しておくわけであります。
○川俣委員 統計課長が見えておりませんので、官房長にお伺いいたします。今度の北海道の例をとりますと、被害反別というようなものを算定するときに、被害反別は農林統計で出しております。実施面で行きますと、この実施をするときには、やはり農林統計に基いて施策をするのですか、あるいは町村にまかせるのですか、この点はどういう方針をとりますか。
○渡辺説明員 実施の面ではどうしても公共団体にまかせるよりしかたない、こういうふうに考えます。
○川俣委員 そうしますと耕作反別については、官房長御承知の通り、都道府県の耕作反別または町村の耕作反別、統計の反別とこう三色ある。町村のは実際耕地面積が多くても、何といつても台帳にとらわれざるを得ない立場であります。御承知の通り第三者に対抗できるものが土地台帳よりほかないのですから、公式に対抗するとすればこれにたよらざるを得ないという結果で、台帳面積を基礎にしなければならない。県はまた実際耕作反別というものを相当考慮に入れて、県の集計が出ておる。ところが農林統計はその台帳とか県の統計とかを離れて、独自の立場で耕作反別を出しておられる。ところが昨年の例を見ましても、収量調査のときには農林統計というものを非常に重要視されますけれども、今度実施面にわたつて営農資金または被害に対する補助を出すような場合は、これは面積が減つて来る、こういうことになりがちでございます。去年の例を見ましても、実際の例を見ましても、そういう傾向が出て来ておるわけであります。ことしは一体どういうふうにされるか。
○渡辺説明員 これはなかなかむずかしい問題で、私の方で積寒その他特殊立法の農村振興計画を指定町村からとつておるのであります。これはこまかい表であります。ところがその報告、それから去年の災害の報告をとつたもの、みな数字が違うのであります。私の力では、客観的にできるだけ正確な数字をつかみたい趣旨から、統計部で統計のサンプリング方法である程度推定しておるのであります。まあそれが一番縦横の関係が公平であろうというので、一応いろいろな配分の基準もつくつております。 〔委員長退席、吉川(久)委員長代理着席〕 しかしこれを現実に各町村に適用する場合に、今お話のようないろいろ数字をとる上に迷う、こういうことになるのであります。しかしこれは少しも間違いのないような基礎でなければ補助金の配分とかいろいろな施策もできない、こういうものではないと思うのでありまして、今あるような誤差であればこれはやむを得ないんじやないかと思います。これは端的に申し上げまして、資材の配分を要求する場合には面積が多くて、米を出すときには面積が少いのであります。それを何といいますか、客観的にぱつと押えるという手のない限りやむを得ないんじやないか、こういうふうに考えます。
○川俣委員 自信をもつてやる場合にやむを得ないんだということは許されないと思うのであります。そういう状態だから大蔵省との折衝もやむを得ないんだというようなことでは、なかなか了解がつき得ないんじやないか。農林統計は官房長御存じの通り、県単位を見ると、あの抽出面積調査というものは必ずしも不当だとは言わないが、町村単位で正確なものをつかみ得る調査ではないのです。県全体として三割以上の被害があつたという場合、その調査事務所単位においてはあまり誤りがなかつたかもしれません。しかもどこの町村に一体、三割以上がどの反別あつたかということになりますと、これは統計で手を上げなければならぬ。どこの町村にあつたか。県全体では三側以上の被害が何反歩あつたということはあながち不当な数字でないかもしれないと思うのです。しかしながら町村段階になると、正確を期し得られないじやないか。おそらくそれはないんです。町村ごとに三割以上の被害がどのくらいあつたということがあれば、おそらく手落ちはないはずです。これは統計事務所にもないはずです。そうなつて来ると、北海道では総体的に三割以上の被害が何町何反歩あつたというようなことは出て来るようですが、町村ことになるとはつきりしない、郡単位になるとややはつきりして来る、統計の今までの基礎調査からいうとそういう形になつておる。共済の場合でも町村ことになると反別の相違が出て来る、これが現実の姿だとお思いになりませんでしようか。官房長どうですか。
○渡辺説明員 被害の調査は町村別に全部しらみつぶしに調べるわけではありません。抽出的に調べておるわけでございますから、そこに誤差が出て来るのでありますが、できるだけ精密にやる建前になつております。実際はそこまで行つてないので、ただいまお話のようなことが出て来るんじやないかと思います。建前は被害の一定の面積ごとに箇所々々をとつて、それを集計さしておるわけですから、その通り行つておればそう狂いがないはずだと思うのですけれども、それだけ手がまわらないとか、最近のようにいついつまでに出せということになれば、ある程度の狂いが出て来る、こういうことじやないかと思います。
○川俣委員 これは統計の方が見えましたら、あなた方のいる前で明確にいたしますが、これは実際調査でなく、やはり抽出調査なんです。従つてどこの町村にどれだけの被害があつたかということではなくして、全体の抽出府県から出て来るものからいつて、集計的には県段階においては誤りが少い、郡段階においてはそれより誤りが多い、町村段階においては自信がないというのが大体今までの基礎調査の基本だと私は思うのです。町村ごとに精密に出すという調査方法でないはずであります。私は別にその調査方法を今問題にしているのではなくして、そういうところからして三割以上の被害というようなものを非常につかみ得ないところから、実際施策の面において齟齬を来す、これが去年相当多かつたのではないか。従つて悪平等のようなことをせざるを得なかつた。町村の実施面から行くと悪平等になつたものであろうと想像せられるのです、ただ今般の北海道の台風並びに冷害被害を見ますると、北見のような地域あるいは帯広の地域はほとんど皆無でありますから、これはもう論争は起つておりません。ただ水稲からいいますと、五%ないし一〇%の収量があつた。では一体収量があつたところはどこだというと、相対的にそう出て来た、こういうことであろうと思いまして、どこにそれだけのものが出て来たかということはまつたく明確でないようであります。しかしながら大体九〇%以上の被害でありますから同一視してよろしいということになると、あまり施策の面では大した相違がない。畑作になりますと、私どもの知る範囲におきましては、道庁の調べ、並びに統計調査部あるいは食糧事務所の調べから見まして、この面積についてはあまり差異がないようです。問題は、耕地面積の相違は、水稲耕地面積が一番多いようでありまして、畑作面積についてはあまり大きな開きがないように見受けて来たのであります。そこで問題になりますのは上川であるとか石狩であるとか、こういう幾らかでもとれたところの地域が今後一番論争のあるいは紛争の的になるのではないか。しかしながら最近の初霜並びに台風の被害が甚大になつて参りまして、村平均が三割以上というような状態が出て来ておるようですからあまり問題はないようですけれども、しかしながら三割あるいは五割という開きが町村ごとにあるとしますれば、これまた施策の面で相当問題が起きて来るのではないかと思うのです。この認定は道庁にまかせるのか、あるいは統計からある程度推断するのか、この点はどうですか。
○渡辺説明員 これは去年も画一的な調査でやはり統計調査部で被害状況を調査し、それに重点を置いて府県別の配当等はやりますが、県内の町村別の配当になればやはり県がこの供米割当をやる、そうして具体的にいろいろな施策を町村別に講じておるのですから、その考え方も相当取入れない限り実施できない。現実に去年もそうやつておりました。それの行き過ぎがあつたりした点はたくさんありますけれども、それ以外の方法はないのであります。
○川俣委員 私は災害とかが起きた場合においては、今後の施策としては、やはり去年の例を振り返つて見て、特にやはり重点的な処置を講じるべきだと思うのです。人の災害に便乗するというようなことは、私は大いに慎まなければならぬと思う。そこでやはり悪平等になることは努めて避けて行かなければならぬじやないか。しかしながらとかく県にまかせますと、せつかく日本全体的には農林統計で正確に出した。しかしながら末端に行くときにはその統計が何にも実施にならないで配分されて行くということになりますならば、農林統計の権威というものもそこで失墜するのではないか。実施面に何も効果がない統計ではないか。ただ米の供出だけについては有効だけれども、それ以外については何の権威もないということになつて参りますならば、こんな厖大な機構をもつてする必要はないということになる。またそういう実施面において徹底を欠くならば、もうちよつと努力をして、実施面に役立つまでの集計をなさしむべきじやないか。何といつても政府が責任を持つてこれらの施策を行うからには、末端にもあなた方の意向が徹底するような仕組みでなければならない、私はそう思うのですが、予算をとつて来ればあとでもいいということではおそらくないと思う。それでは今後災害が起きた場合の処置をまた誤らなければならぬと思う。この点どうでしようか。
○渡辺説明員 そういうことでありますので、三十年度の予算には被害調査の費用を相当増額して要求しておるのであります。それがない限り今のお話のように、また現実に去年の災害対策をとつたように、せつかく災害対策として使用せんとした金が変になつて、会計検査院からしかられる、こういうふうなことが起るのであります。どうしてもそういうもつとしつかりした基準ができるような調査が進められるようにしたいと思います。
○川俣委員 小さい火事の場合は焼け太りということで救済が集中される場合があるのです。しかしながら地方的な災害ということになりますると、県の自治体の力も弱まつておる、町村の力も弱まつておる、こういうことが出て参るわけであります。同じ町村の中においても非常な打撃を受けたものと、打撃の比較的少いものとが出て来る。これらについてやはり末端に徹底するような重点的な施策を講じて行かなければならないと思うのだれども、そうは言うものの、実際政府施策を見ると、最高限度どの程度であるか、これはいわゆる本州のような耕地面積の少いところで、手近に他の農業以外の方面にも、あるいは農業関係の方面にも、交通が便利であつて容易に他に仕事を見つけたり、あるいは臨時的な職業に転じ得られる場合と、北海道のような、まつたくの専業の農家であつて、しかも耕地面積が大きくて、割合に投資量の多い地域にあるところの農家の場合は、やはり一年の総収入がどの程度であるかというようなことを正確につかまなければならないと思うのです。これは統計上も明らかなんです。大消費地付近は、耕地面積は非常に小さくて、一家経済から見ると反別の割合に収入が多い。北辺の地域に参りますと、耕地面積が広大であつて、しかも専業であり、それ以外には収入の道がないというところに問題があるのであります。北海道の労賃がなぜ高いかといえば、人口が不足であつて、絶体的に労働力が足りないから高いということよりも、距離がありましたり、交通が不便でありますために、労働の移動が困難であるというところから来る高賃金ということを考えなければならないと思う。もちろん北海道全体の耕地面積から申しますと、労働力が不足である。北海道の産業自体について労働力が必ずしも過剰じやないのです。過剰じやないから労賃が割合高いということにもなりますが、一つは労働力の移動が地理的にはばまれておるという点が労賃が高くなつておる原因だと思います。そういう意味でありまするから、ここでいろいろな救農事業をやる場合におきましても、距離的に必ずしも近いところで行わない。賃金収入の道は講じようとこう言われましても、そこまで手が届くかどうか。そこまで一体労働力を移動できるかどうかという点を考慮しなければならないと同時に、広大なこれらの北海道は、五町歩、三町歩というようなそれ以上の耕地面積を持つているものの年収入がどのくらいであるかというようなことをもしも把握しておられるならば、三万円、五万円というような営農資金で十分だとはお考えになれないはずだと思いますけれども、この点はいかがですか。
○渡辺説明員 営農資金の限度は先ほど来議論がありましたように、耕地面積、それからその農家の経営の規模によつてきめたいと思います。大きいところは大きい。昨年の例等も勘案しましてきめたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 川俣委員にちよつとお知らせします。ただいま食糧庁の大口需給課長が見えましたので、食糧庁に対する御質疑がありましたら……。
○川俣委員 それでは官房長に対する質問はあとにしまして、食糧庁の方にお伺いいたします。きのうの委員会で種もみの問題がやかましく論ぜられたのでありますが、聞き及んでおるかどうかわかりませんが、北海道の北見、帯広のような地帯はほとんど皆無に近い。そこでこれらの種もみを集めるに、食糧庁で供出させたものから、種もみとして配分するというような計画のようでございますが、どのくらいの価格でお集めになり、どこから大体お集めになる予定ですか。また一体どういう品種をお集めになるのですか。
○大口説明員 お答えいたします。種もみの買入れ価格につきましては三七・五キロ当り、すなわち十貫当り一般のもみに対しまして、二百七十円を加算いたした金額で買い入れるようにいたしております。具体的に申しますと、一般のもみ価格が一等十貫目当り千七百五十五円、二等が千七百円であります。この価格に十貫当り二百七十円を加算した価格で買入れをいたすようになつております。それから供出にあたりましての一般の供出数量との換算率は十貫目当り二斗、北海道におきましては二斗二升五合という換算率で供出するようにいたしております。具体的にどの地域からどういう品種を集めるかという問題につきましては、北海道庁が計画をつくりまして実施をいたすようにいたしております。一応道庁の計画通りに供出されましたものを、食糧事務所では買い入れるように準備をいたしております。
○川俣委員 そうするとこれもきのうから問題になつているのでありますが、二百七十円だけ高くして買えるものより買わないとこういう意味ですか、結果的にそういうことですね。道庁にまかせる場合には、十貫目に対して二百七十円プラスした価格で買つてくれ、買えなかつたら手を上げてくれ、結果的にはこういうわけですから、そうなるじやないかと思います。
○大口説明員 これは供出として政府は買い入れるのでございます。
○川俣委員 そこで問題があると思う。おそらくこれは普通食糧としてのもみ米も決して少いわけではないでしよう。こういう異常な作況になつて参りますと、昨年の例を見ましても種もみの価格というものが非常に高騰したわけです。昨年あたり東北地方ではとても二百七十円や三百円高くしても買い集められ得なかつた。去年北見地方の作柄状況から見まして、適地適作の種類を集め得なかつた。むしろ押しつけた形です。種もみはこれよりなかつたから押しつけたという形です。従つて北見に行つてごらんなさい、北見に最も適したもみの種類が多数植わつているかと言えば、そうではなくして、多収穫の多肥性の品種が大半を占めており、これはどこから来たかというと道庁のあつせんによるものである。この失敗を再び繰返すじやないかというおそれを感じておりますが、あなた方は去年のやつは失敗したとか、何とか反省されたり検討したことがあるのですか。
○岩永説明員 昨年の種もみにつきましては、冷害が始まりますと同時に、最初の種ではどうしても足りないということで、一般食糧の種もみを買い上げることを計画いたしました。北海道庁と一緒になりまして種もみの買い入れたものをまわしたのであります。今年は昨年の経験にかんがみまして、七月ごろから非常に作柄が悪いということから、おそらく種もみの不足が出るだろうということで、各県の関係課長の集まりの席において、常に種もみのいいものを早くから目標をつけまして、どのたんぼにはどういう品種が入つているから、あれを種もみにしようということを早く普及員と連絡しまして、そういう種もみの産地を一応目標をつけておいて、それから優先的に買上げができるようにいたして行くということで、北海道庁と連絡をして来たわけであります。価格関係につきましては食糧庁と御相談申し上げて、一応昨年の考え方でやつているわけでございます。
○川俣委員 今の答弁は半分はほんとうで、半分はまつたくうそです。それは九州地帯のような台風に一部襲われたところで他に同一品種のあるところは――あなたの答弁が半分ほんとうだと言うのはその程度で、その程度ならばそれは実施できる。ところが北見や帯広の採種圃は全部だめです。原種圃もだめですよ。どこから種を持つて来るのか。北見の原種圃を私は見て参りました。また採種圃も見て来たが、これらはほとんど皆無ですよ。改良普及員は、こういう災害をよけるために、危険分散の意味ででいろいろな品種を植えさせようと努力したけれども、去年は同一品種しか来なかつたと言つている。危険分散の意味でいろいろな品種を言つてやつたけれども画一的なものをよこされたと言つている。これは大臣に随行された人も、加藤本部長に随行した人もみんな見ている。去年ほど一律に同一品種が植えられたことはない。行つてごらんなさい。実際、株ばりはいいし、成長は冷害でありながらそう悪いというほどではない。しかも多肥性であります。それで株ばりはよい。しかし実りという点では何にも実つていない。従つてこういう冷害の地域が拡大するような場合におきましては――前から準備しておきましたと言うが、どこへ準備しておいたのです。北見に適するような種類を一体どこに準備しておつたか。帯広に向くような種類をどこに準備しておつたのですか。これを説明してください。半分うそだと言つたのはその点なんです。
○岩永説明員 なるほどお話の通り、今年は北見、帯広はほとんど収穫がないような状況でありますので、そこに非常に適する品種がなくなつておるというのは私も事実だと思います。ただ昨年の冷害によりまして、結局どこか南の方に特別な採種園の設備をするか何かしなければ、北見に適する早生までもあまりことしはよく実らなかつたという状況だと思います。従いましてことしの春から上川で集めました種を北見へ持つて来ましたものは実つておりますが、それは中生にしかならないだろうと思います。そういうわけで、明年の北見の稲作も、今年のような天候が続くと非常に危険視されるが、もし天候が回復すれば北見でも中生として実るだろう、根本的には北見にもつと早生を育成する必要があるのではなかろうかと考えております。従いましてこういうことがしばしばあるいうことになりますと、北見の早生は特別な採種圃のような施設をつくる必要があると思いますが、そこらのところはなお研究したいと思います。
○川俣委員 これは早生だから必ずしもいいということにはならないようです。上川地方あたりはむしろ早生が比較的冷害にあつている。中生の方がむしろ早生よりも被害の程度が軽い。これは穂ばらみ幼穂期ですか、まだ穂がようやく出始めたころに生理現象を起してわせが非常に被害を受けておるということになつているらしいのですが、そのことは別といたしまして、試験上成績が明らかでありますが、そうしたところから、早生だから必ずしもいいということではない。しかしながら改良普及員が基本方針として危険分散ということを勧めておられた。また一方において農林省が、同じ危険分散を勧めておりながら、今度は採種圃の点、種子確保の点になりますと、それらのことは何ら念頭にない。指導が二重にも三重にもならなければならぬ。そこでこういう事態が起つて来たときには、去年の例によつて二百七十円を加えれば集められるのだというようなことではいかぬのじやないか、集められなければ普通の農民自身の競争によつてさらに集めなければならぬ。しかし経済的に有利なものが道庁を相手にせず、農林省を相手にせず、自己資金で集めることになりましたならば、さらに種もみが高騰いたしまして集められない。初めから手をあげるならばあげてしまつた方がいい。自信がないならば中途半端な二百七十円で集めましたというようなことを言われない方がいい。自信がなければない、農民の責任において集めてもらいたいというならばそれでもよろしい。どうも自信があるかのごとくにして迷わせることの方が大きなあやまちを繰返す。この点どうです。
○大口説明員 種もみの集荷の問題につきましては、具体的には道庁並びに農業団体の協力を得まして実施をして参りたいと思つております。
○川俣委員 協力といつても人の協力には限度がありますよ。ですから自信がないならばないではつきりした方がよろしい。もう非常に不足しておりますから、どうして集めようかという考えが私のまわつたころから出ておつた。現在においてなお手が打てないとすれば、こういうふうにいたずらに農民の間に不安が出て参りまして、お互いが集荷し合うとなるといよいよもつて暴騰させます。これは食糧よりももつと農民にとつて重大な問題でありますから、やみとかなんとかで押えるわけには行かない問題だと思います。農家が種もみをよそからやみで買つて来たものをやみだなんといつて押える自信がありますか。おそらくない。飯米ならばまだ押え得る余地がありましても、命の綱と頼むところの種もみを、経費をかけて買いに行つて、せり合つて買つて来た、それをやみだといつて押える自信がありますか。おそらくないでしよう。種もみに限つては、農民も、どんなに高くてもやみだと思つておりませんよ。種もみについてはそういう考え方をしておりません。そうするとあなた方の方は対抗できないのじやないですか。協力を求めても対抗できないような協力は、これは農業協同組合といい、道庁といい、おそらくできないのじやないかと思う。そこでもしも考えがあるならば、この二百七十円にプラス県費でまかなつてくれ、あるいは農業協同組合がこれにプラスしてまかなつてくれ、それならば別ですよ。ところが今の食管法からいつて、それはできないでしよう。そこで問題なんです。ほかのものでありますならば、不足分は県費でまかなつてくれ、不足分は農業協同組合でまかなつてくれ、こういうことが言えるんでしようが、種もみに限つてはそう言うことはできないはずなんです。どうしますか。
○渡辺説明員 これに非常にむずかしい問題で、結局先ほど大口課長が申し上げましたように、災害を非常にこうむつておるのですから、川俣先生のおつしやるようにかつてにしろ、こう言うわけには絶対に行かない。みなが協力してやつていただくよりしかたがないのであります。そうして補助金の方法として悪い方法であるけれども、それでも道庁なり、あるいは道の経済連の力が及ばぬということならば、やはり道から各農家に補助金を出してもらう、それ以外にないと思います。それはとにかく非常事態でありますから、そういう際には知事さんが先頭に立つて――十月二十三日に種もみの集荷方法については通牒を出しておりますが、それでもいかぬというならば、もつといい手を打つていただくようにするよりしかたがないと思います。
○川俣委員 知事なり団体がこれほど頭を悩ましている問題はおそらくないと私は思う。決して協力しないというのじやないと思う。協力のしようがない。これは県あるいは道は補助金を公式には負担できないものなんですよ。これは食糧庁が値段をきめるよりほかに方法がないものなんです。そうでしよう。やみを公認するというようなことになる。やみを公認することはできないでしよう。首を振つているが、一体官房長官、食管法のどこでできます、できないですよ。個人がやつた場合には取締らないというだけであつて、公の道庁なり農業団体はやれないですよ。ですからここで二百七十円で足りないとすれば、食糧庁が道庁に対して補助をする、これだけの価格でいいということをきめてやらなければやれないのですよ。もし違反で摘発された場合どうするのですか。情状酌量で許されるかもしれないけれども、違反であることは間違いない。種もみの価格を食糧庁がきめる以上、それを逸脱することはできないのです。官房長が非常時と言うなら、非常時のような態勢を食糧庁みずからとらなければならぬのではないか。官房長がそう言つても、食糧庁はやれないのですよ。今の食糧庁の上の方を全部かえない限りにおいてはできないのです。需給課長できると思いますか。おそらくこの制度ではできないと思う。だから価格を補助してもいい体制をつくつてやらなければ、集めるということはできませんよ。食糧庁では、二百七十円では出ない、県費はこれだけ出して、総体価格でこれだけで種もみを集荷していいということなら、これはできます。限度をきめられた以上は、それ以上高くしてはいかぬという一つの食糧管理法というものがあつて、それでやるのですからできないのですよ。これは私が説明しなくたつて、あなた方は法規の上にすわつておるのだから、われわれよりも詳しくなければならぬはずなんですが、どうですか。
○渡辺説明員 その点は高く買うことは、なるほど別にきめなければ買えません。しかし先ほどから申し上げますように、食糧庁は便宜補助金の交付の一つの形態として種もみを扱わすという考え方でありまして、どういう品種がどの地方にどれだけいるから、第一にいいもの、第二にいいもの、こういうものを立てるのは、県で立ててもらう以外にないのであります。それをやるには、どうしてもそういう値段を別に建てなければいかぬということならば、これは私の方でも考えなければいかぬと思います。まだ道からはそういう連絡もないし、この間加藤国務大臣が行つたときにも、不幸にして種もみの方が落ちている。これはどういうわけかよくわからないのでありますが、私の方では種もみに困るだろうと心配しておつたが、加藤国務大臣の結論では出ておりません。なおよくこれは地元道府県と検討します。
○川俣委員 大体官房長の努力にまつことにいたしますが、道庁では相当頭を悩ましているらしい、悩ましている情勢が入つて来ておるからしつこく言うので、きのうの問題とはまた違う。現実の問題だけに強く言う。それでこの問も農林大臣に、穂もみで集めたらどうか。これは脱法行為でありますけれども、もみになりますと食糧管理法に触れるけれども、穂もみの場合は食管法に触れるかどうかはわからない、この範囲内では食糧管理法に触れるかどうか相当疑問なのです。なぜ疑問かと言うと、正月には、しめなわはもみのついたまま黙つてやらしておる。これはあなた方もやつておる。おとり様へ行つてごらんなさい、みな穂のついたもみをつけていても、黙つているじやないか。公然とやつておるのに黙つておるじやないか。これは農林省の前でもやつておりますよ。官庁がやつているのだから、それはどうなんだと、非公式に聞いた。それはどうも穂の間に実つたかどうか、実らぬやつは対象になるかどうかわからぬ、とこう言う。そういう示唆を受けたから、私は穂で集めるならば、高く集めてもあまり食管法違反でないという逃げ口もできるであろうし、品種を集める上において、もみになつたものよりもついておるときの方がいい。そのうちの一番いいものをとるということは、まく人は損をするので、穂としては百五十円なら百五十円で買つて来るけれども、そのうちの八十を使用しようと七十を使用しようと問題ではない。そこでこういう方法をやつたらどうかと言つたが、農政の卓見者があまりいないので、ただ首をかしげていたが、これは将来十分研究してほしい。 次に、需給課長は、これ以上聞いてもだんだんわからない質問になつて困りますから、この程度にしておきますが、林野庁の林政課長は来ておりますか。
○吉川(久)委員長代理 川俣さんの御注文で野田統計調査部長と原作物統計調査課長が見えております。
○川俣委員 それでは統計の方を……。 第一点は、北海道をまわつておる途中、稲作については非常な努力を払つて真剣に作況調査をしている模様を見て来ました。ところがその他の農作物についてはどうだと質問したところが、これは食糧事務所の方がむしろ熱心にやつているんだ、こういうような意味である。私どもにはあまり正確なものをつかんでないような答弁であつた。たまたま間違いの答弁であるかどうか、この点を明らかにしていただきたい。これは私だけでなく、芳賀委員も一緒に聞かれたんです。
○原説明員 私たち統計をやらせていただいております技術者といたしましては、先生のお受取りくださいました統計については、技術的に申し上げますと、決して自信がある調査をやつておらないと思います。十分な調査はいたしかねております。これはただいま申し上げましたように、統計といたしては十分ではございませんが、どういう方法でやつているかと申し上げますと、これは戦前統計からもそういうやり方がございますが、作柄によりまして一応の階層わけをいたしまして、その中で生育の中庸と思われるような圃場のものをつかまえて、やつてみる。従つて厳密な意味での推計というような、そういう統計学的操作ができないという点に非常に遺憾な点を持つております。なお私らといたしましては、いろいろ調査をやつてみますと、何と申しましようか、農業技術全体の問題にもなりますが、雑穀につきましては遺憾ながら米麦ほどの農学的な、技術的な基礎が一面に欠けているというような難点もございまして、はなはだ遺憾ではございますが、決して十二分にはまだ整つてはおりません。
○川俣委員 官房長、今の統計の答弁を聞いておられたですか。本式には調査をしておらない。そこで北海道の雑穀は実は商品となつておるものでございまするから、年々の実際収穫の方はむしろ移動がありますために、これは私の想像ですが、結果的には食糧事務所の方が正確につかんでいるらしいのです、従つてそういう表現が出たのたろうと思うのです。決して食糧事務所も調査をする、統計も調査をするという二つの調査をやつておるのではなくして、食糧事務所の方はこれらの価格支持の対象になりましたり、あるいは道外に輸出されるもの等、これらの生産された農産品は重要な北海道の農作物でありますために、そういうところから関連して食糧事務所が調べておるようであります。これはどこからどれだけとれたというのではなしに、北海道全体として一体どの程度の品物が動いたか動かないかというようなことを見ておられるようでありまして、結果的には食糧事務所が割合にもつと正確につかんでおる、それで統計の方が、今話のあつたようにまつたく中途半ぱな形になつており、いわゆる専門的に自信を持つて調査するような態勢がまだできていない、こういう現実の状態なのです。そこで対策を立てられる場合においては、統計から出て来た数字だからといつて、これだけはあまり自信を持つて農林省は言えないということだけは言えるのではないかと思いますが、官房長いかがですか。
○渡辺説明員 正式には調査してないと統計課長が言いましたけれども、正式に調査しておるのであります。だから農林省は報告しておるのであつて、その精度が米みたように正確に行つてない、こういうことを統計課長は言つておるのじやないかと思います。従つて雑穀の報告については、今でも私の方では数字に書いて配る自信がないので、なお検討を加えておる、こういうのであります。ですから、原君は先ほどの議論の経過を知らないから謙遜してああいうことを言われたのじやないかと思います。
○川俣委員 そうじやありません。これは原君の説明をあなたはよく聞いておられないからです。いわゆる統計学的な正式というのは精密の正式なんですよ。あなたは公の意味で言うかもしれないが、そうじやありません。私は原課長の言つたことを弁解するのじやないけれども、いわゆる統計学的に一つの基礎のあるものでやつておられるのではない、こういうことなんです。従つて聞いても自信のある答弁ができなかつた、こういうことになる。そういう意味なんです。従つて対策を立てるにおいては、自信のないものではこれは立てられないじやないか、こういうことなんです。
○渡辺説明員 われわれの能力でつかみ得る範囲の最高限で、それを自信にする以外に処置はないと思います。精度が違うということは、私も原君の話で言つておるわけです。制度は違つても、やはり農林省が施策を立てる上においては、その統計調査部の報告、府県の報告を勘案して、それを自信としてやらなければ何にもできないことになると思いますので、程度の問題じやないかと思います。
○川俣委員 私は程度の問題じやないと思う。これはどういう非難を受けましても、水稲調査については、一応基礎的には自信のあるものであるということは言える。たとえば同じ試験場の試験成績についても、これはこういう自信のあるものでやつたというのだつたら、非難はあつても甘んじて受ける、こういうものだと思う。ところが雑穀統計その他のものになりますと、それほど自信があるとは言われないと思う。それについては耕作反別がほとんど違いがない。道庁の耕作反別と農林統計の反別とほとんど違いがないのに、水稲だけがなぜあんなに開きができて、畑のように一致できないか。これは一致できるはずなんだ。大体道庁のものと似通わせているということなんです。自分で自信を持つて調べたのじやないのです。水稲の方は、道庁がやつても、これは断じて曲げられないと主張する、ところがその他の農作物については、耕地面積については大体同じなんです。それで畑地は同じものができて、なぜ水稲が同じものができないのか、こういう問題にぶつかつて来る。そこで原課長は決して謙遜したんじやない。ここであまり大きなことを言つたらボロが出るから、自信のほどが示せない。官房長は知らぬから、盲へびにおじずの答弁をしただけだ。これはほんとうです。耕作反別は、畑作の耕作反別くらいむずかしいものはないのに一致しておる。そうして水稲耕作面積が合わないですから、これを見ても、両方大体妥協したものを出している、こういうことになればこれは別ですが、それだつたら、作柄についても、道庁と統計とが大体妥協して作柄を出してもいいはずです。こういうことになる。あまり自信がないなら、大体似寄つたものが出てもいいはずである。こういうことになると思うが、その点どうですか。
○原説明員 ただいま川俣先生のお話なさいました後段の面積につきましては、最近私も道庁の方あるいは県庁の方の御成績を見ておりませんので、どういう関係になつておりますか十分知りませんが、つい先年までは、たとえば菜種統計についても、大豆もそうでなかつたかと思いますが、大体私の方の六掛ないし五〇%というのが相当多数の県についてございます。面積につきましては、特に北海道は雑穀がたくさんございますが、その他の県につきましても、これはいわゆる統計学的な目標精度あるいは実績精度におきましては水稲には劣りますけれども、かなり高い精度をもつて実測調査をいたし、また推計調査をいたしておりまして、この点は別に道庁の成績をいただいてどうこうということは絶対にございません。
○川俣委員 そんなことはない。
○原説明員 これは川俣先生、ほんとうでございます。 それから収量調査の方でございます。これは厳密に申し上げますと、実収と予想にわかれると存じますが、雑穀の予想という点につきましては、先ほど私も率直に申し上げましたように、これは私らの方の統計学的な問題と同時に、農学一般といたしましてどういうふうにやつて行くかというのは非常にむずかしい点が多いと思います。さような学術的な点から見まして、これは何と申しましても水稲には劣るということは認めざるを得ないと存じます。しかしただいいかげんの調査をしているかと申しますと、これは官房長が申されました通り、要は統計学的な精度の問題でございまして、水稲には劣りますけれども、ただいいかげんにやつておるというわけじやございませんので、その点はひとつ了としていただきたいと思います。
○川俣委員 原課長大分苦しくなつて来たようですから、これ以上私は責めません。 それでは畑作の耕作反別について抽出調査、面積調査までやつているかどうか、私はやつていないと思うが、やつておつたら知らせてくれと言つたら、やつていない。それからビートになりますると、これは道庁も合つているし、砂糖会社も合つているし、統計はぴたりと合つている。これは一分の違いもない。どうしてこんな一分の違いもないものが出て来るのです。合わせたのでなければ絶対に出ては来ませんよ。何反何畝がぴたりと合うなんてこれは出て来るはずがありません。それがちやんと合つている。私は決して責めるのじやない。だからして結局、ほかの北海道以外については雑穀はあまり主要なものとしてはいないから、これは軽く調査してもよろしいということになるであろうけれども、北海道の雑穀その他の農産物は専業農家がつくつておつて、こういう災害の場合、天災の場合においては、いろいろな施策の上に非常な基礎になるものでありますから、この点はよほど将来気をつけて作況調査をしなければならぬであろうということだけを警告して、この程度でこれは終ります。
○芳賀委員 関連……。統計調査部の関係ですが、先ほど原課長から畑の農作物の収穫調査に対しては自信がないようなことでありましたが、統計調査は当面の問題として、冷害あるいは災害関係の被害調査とは重大な関連があるわけなんです。確実性の問題は第二としても、北海道におけることしの畑作の収穫に対する数字というものはまだ現われて来ておらぬですね。これはやはり時期的に急いでおるのです。前会の委員会の御答弁では、今月の二十三日までに畑関係の収穫に対する数字は一応とりまとめができるというようなお話でありましたが、今日においてもその提示がないわけなんです。そういうことになると、北海道なら北海道に対する冷害対策というものは、水稲の減収は一応わかるとしても、確立できないと思うのです。そういうように時期的にも非常にずれて来るということになると、統計調査部の機能が疑われるようなことになりまするが、まさか冷害対策等に対してこれを遅延させたり、阻害するという意思はないと思いますけれども、いつごろそういう数字が明確に出るかという点に対する御答弁を願いたいと思うのです。
○原説明員 たいへん雑穀関係の御報告が遅れました点は申訳なく存じておりますが、実は先生御承知のように、十月になりまして霜が参りましたし、また雪も早々と参りました関係もございますので、私らの年度当初からの予定といたしましては、十月一日に調査をいたすことにいたしまして、それを一応完了したのでございますが、その後非常に状況がかわつて参りましたので、実は水稲その他の調査も非常に多忙をきわめましたが、特に北海道事務所に対しましては十月十五日におきまして臨時に調査を命じたのでございます。従いましてそれらの成績がただいま現場から送られつつございますので、ただいまの予定といたしましては来月、十一月の二日には御提示を申し上げたい、こういうことで努力して作業を進めておるような事情でございます。
○芳賀委員 この問題は、たとえば畑地帯の災害地に対する種子の確保の問題であるとか、あるいは営農資金に対する対策の問題であるとか、すべて災害の実態というものが基礎になるわけです。そういうことをにらみ合せて臨時的な調査が必要な場合には、もし経常の経費の中においてそれが不足である場合においては、当然これを要求して適当なその時期に適した調査を行う必要があるということはお考えになりませんか。去年はやつたように思つておりますけれども、そういうことまで遠慮する必要はないじやありませんか。その点どうですか。 〔吉川(久)委員長代理退席、委員長着席〕
○野山説明員 ただいま作統課長からお答えいたしましたように、北海道の雑穀の状況につきましては、十月十五日に臨時に調査を命じまして、調査を進めておるわけでございます。なお一般的にはこの春夏の候におきまして、雑穀の重要地帯におきましては特に雑穀調査について注意を喚起しておりましたので、われわれといたしましてはこの問題を等閑に付しておるわけではないのであります。先生の今お話になりました問題につきましては、今、原課長が御説明いたしましたように、十一月二日ごろにはお手元に結果を差上げることができる、またその予算化につきましては、こちらの方でいろいろご援助いただきたい、かように思うわけであります。
○芳賀委員 なおこの機会にお尋ねしておきますが、今年度の割当の場合――これは別に統計の立場を批判しようとは思いませんが、当委員会においても、冷害地帯の調査にあたつて、たとえば統計調査部の九月十五日現在の調査、あるいはその後台風災害の調査等の数字と実態がどうであるかということに対する論議を行つたわけであります。一例を北海道にあげても、政府の指示した数字と一応道側との間に話合いのできた最終的な数字との間には、非常に大きな開きがあり過ぎるわけなんです。これは決して統計調査部の調査だけが粗漏であるということもいえないし、また割当に対する政府の態度というものは、必ずしも科学的の基礎の上にのみ立つてこれを行つたということもいえない、多分に政治的な含みもあると思いますが、しかしあまりにもその差が大き過ぎるというようなことは、結局その裏からこれを見た場合には、当時の作報の調査の数字というものは、実態よりは相当上まわつておつたのでないかというようなことにもなるのではないかと考えますが、それらの結論というものはおそらく十月十五日現在の水稲の調査の中から発見できると思いますが、この十月十五日現在の調査の発表はおよそいつごろ行うことになるのか。
○野山説明員 十一月二日に予定しております。
○川俣委員 この林道は補助林道だけのようですが、奥地林道――奥地林道と言つてわからなければ、国有林地内の林道についてはどのようになつておりますか。
○渡辺説明員 これは国有林の中に入つておる林道は入つていないと思います。
○川俣委員 今度の北海道の十五号台風で約五千石を越えた――この林道は急速に手当をしなければならぬ、独立会計でやるということかと思うのですが、問題点が一つあると思うのです。いわゆる経常経営としての国有林地内の経営林道であれば、これは独立会計の中でやるのが至当だと思うのですけれども、こういう非常災害のときに、損をすることをやらねばならない、損の程度を食いとめるという意味だからして、という考え方があるかもしれませんけれども、労働力の配分の上から言つても、一応やはり計画を変更してやらなければならぬことが一つと、それからもう一つは、この財政支出について一般会計から幾分出せるものなら出すというような考え方をしなければ、独立会計の中でこれをまかなうということになりますると、他の林道に非常な影響が来るのじやないか、総体的の林道の配分に影響が来るのじやないかということも考えられるので、この点は一体、どのように処理して行くつもりか。
○渡辺説明員 国有林の林道の災害復旧は一応二億四千万円、それから風倒木の処理に要する林道費として約五千万円ほど一応計上しております。これが一般会計からもらわなければ国有林野でやれないじやないか、こういう心配はありません。
○川俣委員 独立会計の仲でやれない金額だとは私は思わない。総体の林道計画全体からいつて、二億四千万円を北海道の災害処理費としてとられますと、ほかの林道の削減になつて現われて来るのじやないか、総体の林道の費用からこれがとられて来ることになりますと、影響するところが大きい、これを聞いているのです。独立会計の中で二億四千万円くらいの仕事をやれぬことはない。それくらいのことは十分わかつております。しかしながら総体の林道から見て、そちらに林道の費用を全部持つて行くということになりますと、この臨時救農というものは一般の計画と別個に立てられておりますが、独立会計の中でやりますと、別個なということがなかなか不可能な状態が起つて来るのじやないか、こう考えられる。その点はどうですか。
○渡辺説明員 その点は当然プラスという考え方であります。実際の能力でできないということがあれば別ですけれども、ことに先般林野庁の長官が説明したように、五十メートルごとにトラツク一台やつても三年かかる。これだけの量があるのでありますから、どうしたつてそれを処理するために必要な林道はやらなければならぬ。御承知のように特別会計の中に予備費もありますので、決してこちらにまわしたがゆえに一般の既定の計画に食い込む、こういう心配はないのであります。
○川俣委員 そこで十五号台風の臨時救農土木事業に関する対象都道府県のことに関して、一点だけ問うておきたいと思うのですが、青森営林局でたしか風倒木が四十万石、秋田営林局で三十七万石かと思います。現に独立会計といいながら、林野庁の調査によりましてこれらの風倒木が出て来ておるわけです。ことに秋田の風倒木のごときは非常に正確なようです。なぜかといいますと、どこの林班の大体何石くらいのものが倒れたという、林班の中で大体木一本々々に想定したくらい詳しく出ているようですから、この集計は決して上から見たとか、横から見たとかいう目測ではないようです。そういたしますと、これは山形よりもむしろ青森寄りのと申しますか、秋田の北部に位するか国有林の風倒木ですが、林野庁自体の国有林ですからこれだけの被害を受けておるのに、一体農作物についてはあまり被害がなかつたようにお考えになつておるようですが、これは十分な検討が行われていないのじやないかというふうに思います。この点どうなんですか。
○渡辺説明員 農作物の被害がないのではなく、大いにある、こう申し上げておるのであります。ただ先ほど統計部長から申し上げましたように、十月一日後の被害が相当ありますが、また議論が混乱するといかぬと思いますので、私の方ではふところには持つて、それに一応ある程度推算を加えて補助金をはじいております。従つて十一月二日に正式のものが出た場合にははつきり訂正したいと思います。今までのたとえば米のものは先般資料でやつております。その後の分についても十一月二日に出ますから、そういつたものを全部訂正して申し上げます。一日までのものたと相当の被害で、約七百億近くに概算できると思います。それぞれの蔬菜、果樹、雑穀、相当の金額になつております。
○川俣委員 私は大きなことを言つても、自分のことになると気が小さくなるのですが、しかしこれは別に私の選挙区でないから大きなことを言うのですが、北部の方に鹿角郡という郡があります。これは旧南部領に属する。今度の冷害から見ましても確かに旧秋田藩と南部藩の相違点を気候的にも今度見受けられた一郡です。今年の春私どもが調査に参りましたときも、秋田県としては例外的に悪かつた。これはちようど旧南部藩に属するので、南部藩というのは何と貧乏な藩を持つておつたと思つた。作況の方にも出て来たと思つたのですが、この郡は特別に悪い郡のようですから、これは十分に考慮されたいと思うのです。 この程度にして打切つておきます。
○芳賀委員 土地改良区の問題に対してちよつとお尋ねしますが、今年度の災害地帯の中の水稲の被害の非常に激甚の地帯の土地改良の経費、これはほとんど反別割等の形で反当五百円とか二千円という形で耕作者が負担金を出して、そうして土地改良区の維持をやつておるわけですが、これが昨年も災害を受け、今年度もまた災害をこうむつたという場合において、市町村のような自治体の大きな税収の欠陥とか財政上の困憊がそこから生れて来るわけです。この土地改良区に対する救済の方法というようなものは当然災害対策の中に配慮されておると私は考えておるわけですが、この説明が落ちておるように考えておるので、その点に対して官房長の御説明を願います。
○渡辺説明員 公庫融資の分については償還期限を猶予します。その年の分はそういう話合いをしております。
○芳賀委員 土地改良区が結局公庫から融資を受けておる場合においてのみ返還に対して猶予するということだけですか。
○渡辺説明員 土地改良区の場合の負担金は水利費とかいろいろなものがあるのじやないかと思います。それは過去の事業の地元負担分の償還金あるいは維持管理費、ポンプ代とか電気代とかこういうふうなものがあると思います。これも事実上の問題として、払えないから払わない、こういうことになつて来るのではないかと思いますが、今の融資しておる分についてははつきり処置したい、こう思います。
○芳賀委員 融資関係の分はそれでわかりましたが、一般の経常の維持に対しても非常に欠陥が生じて来る場合が、これは当然出るわけです。それから水利費等の関係も、負担金の納入もできないというような場合、これは何か土地改良区に対する一つの救済方法というものが必要になつて来るのではないかと思いますが、そういう点は全然考えておりませんか。
○渡辺説明員 前にそういう場合の特別の電気代の増とかあるいはそれの助成を考えたことはありましたけれども成立たなかつた。ですからそれは土地改良区の信金にして残つている。あとの土地改良区の負担に割りかけて持つて行く以外に方法がないと思います。
○芳賀委員 そういたしますと、予定した負担金等の徴収困難な分は、やはり借入金とか何とかそういう道は講じてあるのですか。
○渡辺説明員 当然そういうことを考えなければいかぬと思います。
○芳賀委員 そういうふうに理解いたしまして次にお尋ねしたい点は、この災害対策の一応の数字がまとまつているわけですが、これは今の段階ではすでに大蔵当局とこの資料によつて折衝を行つているようにも考えられるわけですが、そうなると当委員会の一応の決議の線に沿つた数字とは非常に懸隔が大きいわけですが、農林当局だけが独走してこれでやつて行くということであればまた別ですが、これは内容はどうなんですか。
○渡辺説明員 これは私の方もちよつとジレンマに陥つているのであります。正確な数字を基礎にして交渉すれば遅くなる。だからある程度のこちらの数字を元にして交渉をするということになる。ただ昨日来問題になつておりまするように、たとえば融資額をどうせよとかいう問題は、こちらで検討したところをやはり尊重していただかなければ、大蔵省に対してただつかんだところをこれだけよこせ、こういう説明はできませんから、その辺のところは私の方の足りないところがあれば直すし、私の方で事務的に検討してそれで大体十分だ、こういうものがあればそれを御了承願おうと思います。こういうふうにお願いしたいと思います。
○芳賀委員 決して私どもは抽象的に多いとか少いとかいうような論議をするわけじやない。ただこの小委員会等においていろいろ内容をただすということは当然でありますが、その進行している状態というものは、これを一応最終的な農林省の案として大蔵省と折衝をだんだん進めているという場合において、当委員会がこれに対していろいろ具体的な問題に対する意見を挿入しようとしても、これは時期的に遅いわけであります。当然予算の組みかえとか補正の時期において、国会側の一つの意見としてこれは検討を加える方が、妥当だというふうにも考えるのですが、場合によつてはむだな論争を繰返してもこれはいたしかたがないことと思う。この示された案というものは、一応農林省としてはこれが最終的なものであつて、これをあくまで百パーセント実現するために大蔵当局と折衝に入つているというようなことであれば、そういうことを一応明確にしていただいた方がいいのではないかと思うわけです。
○渡辺説明員 これはたびたび申し上げますように、まだ基礎数字が仮定の部分が相当あるのであります。それから考え方においても、もう大体コンクリートになりましたが、たとえば資金を公庫と政府資金にどういうふうにわけるかというような問題は多少まだ未決定のところがあります。しかし大体の考え方は昨日以来説明しているところでありまして、これを農林省で、最も農林省の力の及ぶ正確な基礎データに基いた数字に直して計算し直して、最後的な結論にしたい。考え方の項目等については大体私どもでは事務的な観点から最後的な線を出している次第であります。
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、加藤本部長が帰られて、ただいまも何か連絡本部の会議をやつているそうでありますが、公式的にはやはり対策本部として全体的なものを打出す時期が大よそあると思うわけですが、これは明日加藤本部長の出席を求めて明らかにしたいと考えますが、対策本部の作業は、具体的にどの程度まで進捗しているか。その点も官房長を通じて御説明願いたい。
○渡辺説明員 連絡本部の仕事は、結局各省の作業を待つて――各省といつても大蔵省が相手でありますから、そこで議論をたたかわすことになろうと思います。農林省のほかは建設省あるいは文部省、通産省がある程度で、ほとんど文部省の項目が多いだろうと思います。額はきのう以来説明しているものを本部に行つて説明するというので、総務課長に行つてもらつております。 なお加藤本部長が北海道を視察したのちに、道庁において本部長としての対策の見解を発表しているようでありますが、それは大筋においてはわれわれが今まで検討している線とちがわないものと思つております。
○吉川(久)委員 昨日大蔵省の主計官の答えでは、水稲健苗育成についての助成はもう徹底しているからその必要はないのだ、しかし北海道、東北の一部については若干認めなければならないといというようなことを言つていられましたが、また官房長の数日前の御説明では、いや全般的に必要なんだ、しかしことしは災害を蒙つたところだけ別に要求して、その他の部分については三十年度の予算で要求するのだ、こういうお答えだつたのでございますが、こういうことでたいへん意見の違いがあるのでございますが、これは農林省に言つてもしようがないから、大蔵省をもつと私は説こうと思つておりますが、そこで官房長は予算の要求の仕方といいますか取り方について、二つにわけて要求することは筋が通らぬように思うのですが、その点どういうふうにお考えでありますか。
○渡辺説明員 これは災害対策でありますから、当該災害の地帯に限定して補正予算あるいは予備金を要求するという考え方から、北海道その他東北の地方だけ要求しているわけであります。その他の比較的災害の軽微な地域は、通常予算で従来通りの方針でやつて行くのが、事務的にいわゆる便乗的な処置というそしりを免れる方法ではないか、こういうのでやつているのであります。それからきのう大蔵省が東北、北海道の分については健苗育成をば認めるとは言つていなかつたと思います。
○吉川(久)委員 災害対策で要求するのにほかを便乗させたくない、一応そういう議論はできると思うのです。しかし今まで予算のきまるのは非常におそいのです。きまつた予算をすぐ使わなければならないというところに今までの助成が私は生きなかつたと思うのです。だから去年は臨時国会において補正したことによつてこの春は相当の成果をあげているのですよ。それは官房長もお認めだと思うのです。それでなければ災害はもつとひどかつたはずです。そこで災害対策に便乗したくないとおつしやるならば、金を生かして使う、そうして災害を未然に防ぐという意味合いで、三十年度の本予算に組むのでなくして、二十九年度の補正を用意しているのかいないのか。その点どうです。
○渡辺説明員 二十九年度の補正では、その他の地区のものは用意いたしておりません。
○吉川(久)委員 どうもはなはだ事務的なお考え方です。それでは食糧の増産ということは望めないのです。(「ヒヤヒヤ」)これはまたあらためてゆつくりあとでお話をしましよう。 それから開拓地の問題ですが、救農土木工事の開拓事業費のうち、きのうの官房長の御説明では、小団地の補助工事や道路の補修費の補助等については触れていなかつたと思うのですが、それは入つているのでございますか。
○渡辺説明員 小団地等は、臨時救農施設という項目が最後についておりますから、それで処置します。それから開拓地の分については、ことしの開拓地の災害及び去年の開拓地に対する救農施設の実績にかんがみまして、去年の足らざるところを大いに取入れておるつもりでございます。
○吉川(久)委員 そうすると、一般の――一般と言うと何ですが、開拓事業費とは別に臨時救農施設の方に含めてあるということになるのですか。そう考えてようございますか。 それともう一つ、同じく経常資金の問題ですが、三箇年のすえ置きを要するということが言われているのですけれども、償還期間を五箇年にすると、合せて八箇年になります。その程度に見てやる必要があると思うのですが、お考えになつたことはありますかどうか。それは適当でないとするならばどういう理由でそれが適当でないのか。実際問題としても、開拓地の実情に照してそういうことが適当でないのか、あるいは予算技術上の観点から適当でないというのですか。その点はどういうようにお考えでございますか。
○渡辺説明員 開拓地の分はすえ置き期間を二年にしまして、五年以内という考えにしております。なお去年もことしも異常な災害を受けたというところについては、さらに償還期限二年の範囲内で借りかえをした場合は、この要項にきめております特別措置の適用を受けるというふうな考え方をしておりますので、三年、五年よりも、むしろ二重に災害をこうむつた地方については優越をしたつもりであります。
○佐藤委員長 本日はこの程度にとどめまして、明日三時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十七分散会