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19回国会衆議院1954/04/21

農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第4号

発言数
10
登壇者
5
会派数
4
開催日
1954/04/21

会議録

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 これより会議を開きます。   ただいま「農業災害補償制度改正に関する件(案)」なる文書をお手元に御配付申し上げておりますが、この改正要綱とでも申しますか、十項目につきまして御審議を願いたいと存じます。  すでに二月の二十五日以来小委員会を開くに至らなかつたのでありますが、その間各党なり、また委員諸氏におかせられましても、いろいろと慎重御検討になつたことと存じます。つきましては、その結果等につきまして本日は御意見を御開陳願いまして、適当に結論に達するようにはからいたいと考えますので、御了承の上よろしく御審議をいただきたいと存じます。

吉川久衛改進党

○吉川(久)委員 農業災害補償制度改正に関する件に関しまして、改進党の立場から簡単に意見を申し述べておきたいと思います。  本件に関しましては、かつて見ざる長期かつ回数においても非常に何回も回重ねまして、十分に検討をいたしたのでございますが、その小委員会、懇談会等において、それぞれ各党各委員各位からの御意見を、ここに掲げられてありますようなところまでおまとめをくださつた小委員長の御労苦に対して感謝するものでございます。この十項目についてはほとんど意見の一致を見ているので、あえて私はここで詳しくは申しませんが、ただ完全一致を見ない三点について私どもの立場を披瀝をいたしておきたいと思います。それは第一項のうちの二号に当りますか、「通常の被害を越える災害については、国庫の負担において、政府の基金特別会計から団体を通じ、「農作物の減収による実損額の七割までを填補する」ことを目途として補償する。」という点でございました。これにつきましては、わが国農業災害補償制度なるものが、今日までその名のごとくその内容が伴わなかつたというような点からいろいろ問題が起きて来ている経緯等にかんがみましても、この措置は適切でなくてはならない、かように考えているものでございまして、この点は私どもはこの趣旨に沿うて制度化していただきたい、このように割切つた考え方を持つておるものでございます。  次に問題になつております三項の一号でありますが、団体の事業機構等の改善のうち、「中央に全国を区域とする再保険団体を新設し、共済基金はこれに吸収する。」という点でございます。かつていつの国会でありましたか、失念をいたしましたが、農業災害補償制度に関する法案の一部改正に際して、この共済基金の問題に対して私どもは代案を提案いたしましたが、遂に審議未了になつたことがございます。この基金制度を独立させるというようなむだを省きまして、これらを吸収をいたしまして、全国区域の再保険団体を中央に新設するというような、この際整備統合によつてもつと強力なる機関にしたい、こういう考え方でござい  それから同じく第五項でございますが、「共済農業協同組合連合会の行う共済事業と競合する建物等の任意共済は、一定期間後、農協に一元化し、事業内容に法的基礎を与えるものとする。」という事項でございます。これは今回私どもが根本的構想のもとに改正を検討をいたして参つたのでございますが、この農業災害補償制度の所期の目的を貫徹するためには、今のような間口の広い、とりとめのない団体ではなくて、もう少し公的性格を与えて、そうしてこの災害の防遏、未然防止、そういうことにもつと力を入れて行く、そのためには、あまりあれもこれも任意の仕事にまで手を出して、そうしてこの共済事業の所期の目的を貫くことのできないことは、はなはだ本制度の趣旨を貫徹する上から不十分であると考えますので、この際こういう点を、公的性格を与えるかわりに、その行う事業にもつと強制的な面のみを担当させ、そうしてその仕事を徹底的に推進をさせるというような考え方から、この問題も私たちはぜひこの際この制度改正にあたつて考えていただかなければならない、かように考えているのでございます。  その他の点につきましては、与野党の各位とも今日まで幾たびか小委員会、懇談会等で完全に意見の一致を見ておりますので、その点はこの際申し上げることを省略をいたします。  以上非常に簡単でございますが私どもの立場を申し述べて本件に賛意を表するものでございます。

小枝一雄自由党

○小枝委員 ただいま吉川委員から意見の開陳がありましたが、私どもの意見といたしましてここに申し述べてみたいと思います。  ただいま吉川委員の申されましたように農業災害補償制度改正に関する件は、七項目についての意見は一致いたしておりまするので、これについては何ら私どもから申し上げる点もありませんので全面的に賛成をいたす次第でございます。ただ三点につきまして、足立篤郎君から意見の申出があり、いろいろ議論がありましたが、これは小委員長御承知の通りであります。この三項目につきましては、一応足立篤郎君のこれに対する意見並びに議論がありましたところを、ひとつ委員長報告に明記いたしまして報告書を作成し、委員会に提出されることを条件といたしまして、私どもは原案に賛成する次第でございます。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 私は日本社会党の立場を代表して、本件に対して若干の意見を申し上げたいと思います。  農業災害補償制度の改正に関する問題は、去る十六国会におきまして、凍霜害の全国的な被害が生じたのを契機として、農業災害補償制度の一部改正を行つたわけでありますが、それを機会といたしまして、全面的な農災制度の改正を行う必要があるという議が生じまして、その後本委員会におきましても小委員会を設置いたしまして、十数度にわたる委員会の審議を進めて、その審議の過程の中から、各党の意見を要約して十項目にわたる、いわゆる小委員長試案なるものが、この農業災害補償制度改正に関する件という題目のもとに提出されたわけでありますが、この十項目にわたる各項目に対しましても、すでに十分の審議を終えたわけであります。先ほど吉川委員も申された通り、三点に対する完全な意見の一致を見るまでには至つておりませんけれども、この点に対しましては、それぞれ各党の主張する点というものは、おのずから尽されておるわけであります。  取残された問題の一つは第一項の(二)でありますが、これはあくまでも本農業災害補償制度を改正する場合においては、当然軸となる問題点でありまして、わが国の災害が最近全国的に多発するこの傾向と、それがわが国の農業に対する一つの不安定をかもしておるというこの点に対しまして、農業災害によつて生ずる不安を国が責任を持つてこれを補償するという立場に立つ限り、農作物の減収による実損害の七割までを補填するというこの限界というものは、当然必要最小限度の限界であるというふうに考えられるわけであります。でありますから、この点は今後補償制度を改正する場合に、その制度が生きるか死ぬかという中心点であると考えるので、私どもといたしましては、ぜひこの原案に示された、国家が七割程度の実損害の補償に当るということは、実現しなければならぬと考えるわけであります。  第二点の三項の(一)でありますが、これは国家的な共済補償の事業を遂行するためには、全国的に強力なる、一元化された再保険団体の確立されることは当然でありまして、これを一本化して強力のものにして行う意味においても、新たなる再保険団体の設置、共済基金を一元的に吸収する中央における措置というものは、おのずから必要な事項として生じて来る問題でありますので、この点も当然原案に示されたごとく実現すべきものであるというふうに考える次第であります。  第三点の場合におきましては、現在におきましても、共済組合の全国的な組織形態と、もう一つは、農協の組織形態の中において、たとえば建物等の任意共済を、あたかも競合するごとく運営しているわけでありますが、この場合において、共済組合の行う事業というものは、あくまでも農業災害という一つの厳密なわく内において、もつぱらその任務に専念するということの方が妥当であります。ゆえに共済組合は、防災事業を行うということを一つの限界として、現在農協等において行われているところの建物等の任意共済というものは、一定期間後に農協の組織形態のもとに一元化して、これを取扱うというようなこともおのずから必要な事項となつて来るというふうに考えるわけであります。  以上各党間におきまして、完全意見の一致を見なかつたこの三点に対しまして、私どもは原案に対して全面的に賛意を表するとともに、この改正案がすみやかに本委員会に報告されまして、これが一つの基盤となつて、今後の農業災害補償制度の改正が、すみやかに農民の期待する線に沿つて実施せられるように希望を述べまして、賛成の意見とする次第であります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 問題は三点でございます。なおこの試案が通つても、前に農林省の方から出されたるところの農業災害補償制度改正に関する問題、これを見て行くと、なかなか実際にこれを行うまでに、法律の作成それから事務的な整理など、態勢を整えるまでには相当な困難があると思うのであります。しかし最初の衆参両院の合同小委員会にはつきり打出されたように、要するに農作物を社会保障の対象にして、そうして農民をやがて社会保障の対象として持つて行かなければいけない、こういう基本的原則のものに立つてつくられた試案としては、私は、二十回近い小委員会を開いて論議を尽され、小委員長がこの結論を出されたことに対して、非常に感謝するものであります。  そこで第一項の保留点の問題については、実損額の七割までを填補することを目途とするということで、これはいろいろ計数整理をやつてみなければどれだけの国家財政の負担になるかということが、やはり一つの大きな問題点だろうと思うのであります。そこでこれは保険課長が、かつて大体現在の負担の二・八倍ぐらいで何とか行けるのじやないかということをおつしやられましたが、その程度であるならば、当然国家財政の中から負担すべきである、こう私は確信するのであります。  それから第二項の保留点についても、これは当然再保険団体を何らかの形でつくつて、今のものを整備しなければいけない。これについては再保険団体をつくるについてもいろいろここに問題点が出ておりますが、非常に困難を伴うであろうが、しかしどうしてもこうして一本に整備して、同時に風水害というものを本格的に取上げた場合の国による再保険方式の裏付けというものがなければ、昨年の和歌山の風水害のような、結局保険はかけていたが全然金がもらえなかつたというような実情が出て来るので、これはどうしてもこうしてもらわなければいかぬ、こう確信するのであります。  第三の保留点については、御承知のようにこれは第九項とのからみ合せであつて、この点は委員長としてはつきり報告しておいていただきたいと思う。それはわれわれは大乗的に考えて、御承知のように去年の凍霜害から冷害まであわせて四百八十五億農民に資金が出ておるが、政府の資金は一銭も出ておるのではない。われわれ農民の預金によつてこれを全部まかなつておる。しかもこの農民蓄積はもう底をついて来た。農林中金では政府のお金をお借りしなければだめじやないかというくらい底をついて来た。そういう現状において一銭でも農民資金の蓄積をはからなければいけない。そういう建前から第五項は農民資金の蓄積という大乗的見地から、要するに協同組合に任意共済は一定期間後に一元化する、こういうことになつておるので、これは農民資金の蓄積をやるには、どうしても私は今の任意共済というものはやはり農協に一元化すべきものだ。そして農業資金の蓄積をはかる、そういうことがどうしても必要だと思うのであります。  それからこれは九項と関連しておるのでありまして、もしこの第五項がまとまらないとすれば、第九項もこれは考えなければいけない。私は第九項にも異議があるのであります。なお第九項と第五項とはつきりそれを割切つたかということは、要するに昨年におけるいもちのわら処理が非常に不徹底だ、ためにおそらく本年においてもいもちの出ることははつきりしておる。そういう段階において昨年のような協同組合もやる。それから農業共済が音頭をとつておる村もある、それから村自体で村長が音頭をとつて防災をやつておるというような支離滅裂な防災態勢ではいけない。そこでどこまでも防災は農業共済に一元化すべきだ、こういうことで五項と九項の関連があるわけであります。五項にいろいろな異議があるとするならば、私はかつて小委員会で申したように九項についても異議があると思うのであります。そういうことではつきり割切つて五項においては、農民資金の蓄積を農協へ共済を一元化してやろう、九項においては防災は全部農業共済で一手に引受けてもらおう。そうして完璧な防災態勢を整える、こういう意味において、五項と九項と関連がある。またそういう見地から割切つたのでありますが、そういう点は委員長において九項との関連において五項に異議ありとするならば、九項にも異議ありということを御報告願いたいと思うのであります。その他については全会一致異議はないのでありまして、この保留の三項についても社会党としてはこの原案のまま可決されんことを希望いたして、意見の開陳にいたす次第であります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 ほかに御意見はありませんか。——御意見がないようでありますから、お諮りを申し上げます。本小委員会といたしましては、ただいま各党から御意見があつたわけでありますが、結論的に本小委員会といたしまして、小枝委員の御要望の点を付しまして本十項目を満場一致の決定とし、農林委員会に報告いたしたいと存じますが御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 それではさようにとりはからいます。  次に農林委員会に対する小委員会の調査報告書につきましては、従来の例によりまして私に御一任願いたいと存じますが御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 それではさように決定いたします。  なお参議院との連絡調整等の必要のあります場合は、従来通り私に今後も御一任願い、また農林委員長ともよく協議をいたしまして善処いたしたいと存じますので、この点御了承おき願いたいと存じます。  ほかに御発言もなければ本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十七分散会

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