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19回国会衆議院1953/12/15

農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第1号

発言数
51
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/12/15

会議録

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 これより会議を開きます。  本日は、先日来御検討を願つております農業災害補償制度改正に関する小委員長試案の審議に先だちまして、先刻関係団体の代表から陳情のありました冷害地方再保険金早期支払いの問題につきまして、関係当局に御質疑を願うこととして進行いたします。  経済局長お見えになつたようでありますが、ただいま関係団体から開会前に陳情があつたのでありますが、昭和二十八年十一月十四日付農林省農林経済局長名をもつて各都道府県知事に対し、昭和二十八年産水稲損害評価書審査方針並びに審査要領について通牒が発せられておるやに承りますが、この通牒を発せられるに至つた当局の考え方につきまして、一応この際本委員会に御説明を願いたいと思います。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 ただいま小委員長から御指摘の十一月十四日付の通牒につきましての趣旨等につきまして御説明をいたします。  御承知の通り本年の水稲に関しまする重大な被害につきまして、共済金の早期支払いという方針を立てたのであります。そこでこの早期に支払いをするということのためには、従つて損害評価も早期に実施して参る必要が当然に出て参るのであります。特に冷害につきましては、東半分の諸府県につきましてこの仕事を特別に早く進めて参るということもある程度できはしないか、御承知の通り東半分の作柄は、比較的早く西よりもきまるということもございますので、十月中ごろまでの状況をもつて基礎資料にして審査を進めて行くということによりまして、大過なくしかも保険金の支払いが早期にできるという見込みをつけたのであります。ところでこの連合会が損害評価をいたされます場合に、従来でありますと、連合会が評価されましたものを農林省に持つて参り、農林省が審査をするということに相なりまして、あらかじめそこに損害評価の上で基準とかいつたようなものは特別には設けなかつたのであります。ところが本年は早期に支払うということのために、仕事を迅速に進めて行く必要があるということで、従来農林省がやつておりました仕事の一部を府県にお願いをするということが必要になつたのであります。そこでこの通牒は府県にお願いをする部面を主としてねらつておるのであります。この府県に損害評価の指導ないし審査をお願いするにつきましては、問題がありまして、早期払いをするために実収の的確なる予想が必ずしも公にはできておらない段階なのであります。実収の推定の発表になりますのは、例年でありますと十二月の末でございますので、それを待つておつたのではとても損害評価の審査が進みませんので、予想収穫高の判明した当時の資料によりまして、この資料になおわれわれの関係の職員が実地検分いたしました観察を加えまして、これを一つの基準として仕事を進めて行かれれば、より早く保険金の支払いができはしないか、こういう思想に基いて、この通牒の中の平均反収とか被害面積を指示したのであります。もちろんこれは絶対的なものではございませんで、県におきまして連合会の損害評価を指導される場合の目安であるということは申すまでもないのでありますけれども、作報のにらみました予想収穫高と、それから連合会がにらみました損害評価から推計される収穫高が大体一致するということが、審査の一つの有力な基準であることは申すまでもございませんので、そういう趣旨をうたつておるのであります。  通牒の趣旨ということにつきましては、大体以上の通りであります。

足立篤郎自由党

○足立委員 ちようど大蔵省の柏木主計官が来てくださいましたので、大蔵省の方に今の問題をお伺いしてみたいと思います。ただいま経済局長から早期支払いの手配をいたしましたいきさつについて御説明を伺つたのでありますが、大蔵省においては、この農林省の早期支払いの処置について、事前に相談を受けて御了承になつておられたかどうか、また早期支払いをするとすれば、当然資金の手当もしなければならない、そういう万般の手配について、腹をきめられて御準備になつておつたものと想像いたしますが、その間の事情をまず御説明いただきたいと思います。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 ちよつと忘れましたけれども、ずつと前に農林省の方からお話ございまして、私の方といたしましても、再保険金の早期支払いについて、できるだけのことをしたいということを申し上げております。ただ具体的にどのくらいの金額になるか、そういうことはまだお打合せができておりません。

足立篤郎自由党

○足立委員 私がお伺いしたい眼目は、この早期支払いをするという趣旨については、大蔵省もおそらく御了承になつたと思いますが、もう一歩つつ込んで、この早期支払いをするがためには、作報の実収高調査を待つておつたのではさか立ちしても早期支払いはできないのでありまして、これは自明の理であります。早期支払いを了承したというからには、その前の段階における数字、作報の予想収穫高というものを基準にして、一応今度は評価をやろうという基本方針については、御了承になつたものと想像いたしますが、その辺の事情はいかがですか。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 お答えいたします。実収高報告が出ます前にもちろんできることなら支払いができるようにしたいと思いますが、実収高報告が前の推定と非常に違うような見込がある場合には、十分慎重に調査の上支払われる方がいいのじやないか、こういうふうに考えます。

足立篤郎自由党

○足立委員 どうも私の質問を少し御了解願つてないのか、少しははみ出されておるのかわかりませんが、私がお伺いしておるのは、農林省の方から事前にあたなの方にお打合せをする場合に、実収高を待つて評価をしたのでは早期支払いはできないので、今年に限つて、多少の危険はあつても作報の予想収穫高を基準にしてこれを査定いたしまして本払いをいたそうと、つまり早期支払いをしようという御相談があつたものと思いますが、その点は御了承になつていらつしやるのですか、いらつしやらないのですか。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 先ほども申し上げましたように、大体の原則としまして、できるだけ早く支払いをしたい、実収高の見込みが前の推定の見込みとそう違わないという見通しであれば、この場合にはもちろんさしつかえないというふうに考えております。ただ実収高の方が非常に動くという見通しがつくような場合には、必ず前の推定によつて本払いをするというふうには約束はいたしておりません。

足立篤郎自由党

○足立委員 その点の事情はわかりましたが、しからば現在大問題になつております、政府が約束に違反したではないか、背信行為とまで非難を受けておるこの問題が停頓しておる事情について、大蔵省が作報の実収高の数字が予想収獲高に比較して著しく好転をしておるという地方がある、こういうものをチエツクするがために最後の本払いができないのだ、この農林省の通牒によれば、十二月二十日までに逐次支払いをするというのでありますから、もうすでに相当支払われていなければならないはずであるにかかわらず、一件も本払いが行われていないという事情にあります。年内の支払いということは、今日のまま荏苒日を過して行けばとうてい及ぶべくもない状態でありしまて、これでは国会においても、冷害対策等今年の凶作対策につきましてやかましく議論をされ、本来ならば当然仮払いの処置を早目に講じて、農家の窮乏を救うという処置が講ぜられておつたであろうにもかかわらず、この農林省の通牒によりまして早期支払いが行われるという期待のもとに、仮払いの処置等は行わずにやつて参つたのであります。これが今日の段階に至りまして、今お話のような事情から年を越すということになりますと、これは政府としても重大なる背信行為になる。農民の信を失う。同時にこの共済制度の消長の上にも重大なる問題になると思うのであります。この支払いの見通し等について、現在大蔵省で熱心に御検討になつておるようでありますが、その間の事情を、これだけ関係者が心配をして陳情にも国会に見えているのであります。どうか親切に事情を御説明願つて、今後の見通し等もひとつはつきりとここで御言明いただきたいと思います。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 農林省の通牒の内容を私見ておりませんので、何とも申し上げられませんが、農林省の方からいろいろ資料もいただき、検討を加えておりまして、近々一部の本払いが始められるかと思います。私事で恐縮でございますが、私の方もいろいろと予算の関係で忙しいものですから、農林省の方の御説明を十分聞き得なかつた点もありまして、今急ぎお話を聞き、ここ一両日中には目鼻をつけたい、こう存じております。

足立篤郎自由党

○足立委員 一両日中に目鼻をつけたいというお気持は非常に感謝いたしますが、どういうふうに目鼻をおつけになるのか。予想収穫高に教わつて農林省が一定の算式を指示されて、今まで農林省自体が査定をされておつた。その事務のほとんど全部といつていいくらい事前の準備のために各県におまかせになつた。それは作報の数字を基礎にしてこういう基準でやれという指示をお出しになつた。従つてこの指令によつて叱咤鞭撻された各県連合会及び共済組合は、血みどろの努力をいたしまして評価を急いだ、こういうような事情にございますので、この支払いが具体的にどうなるかということは、先ほども申し上げた通り重大な問題です。今あなたの一両日中に結論を出そうというお気持はまことにありがたいのですが、どういう結論をどういうふうにお出しになるお気持であるか、その点をもう少し具体的にお話願いたいと思います。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 御承知のようにことしの作柄は非常に悪くて、再保険金の支払いも数十億に上るかと思います。そういう非常に大きな金を出すことになりますので、これだけの金は結局国民の税金から出すことになりますから、私どもとしましては、支払いの根拠につきまして十分検討しまして、これなら間違いないというところで支払つて行くことが一番いいのじやないか、そういうふうに考えておりますが、ただ一方農民の方々から見ますと、保険金の支払いがそのために延びたのでは困る、そのこともよくわかりますから、できるだけ早く、同時にできるだけ調査を十分にして、この際支払いができるようにいたしたい、そういうふうに考えております。

足立篤郎自由党

○足立委員 どうも私の質問申し上げている点のお答えがはつきりしないのですが、言葉じりをとるわけじやありませんが、柏木さんの今のお話では、ことしの支払いが数十億になるというお話です。どうも認識がぴつたりきていないのじやないかという気がするのですが、これはあなたが直接手がけて、この共済金の支払いの問題について農林省当局とのお話合い、あるいは部内におけるお話合いをおやりになつていらつしやるのですか。それとも現在あなたの下に何か専門の方がおられて、そつちへ仕事をまかされていらつしやるのですか。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 今数十億と申し上げましたのは、実は今二十何県かだけにつきまして話が出たもので、四十六府県につきましては数十億ではございません。これはちよつと今言葉が足りなかつたものですから……。  それから私が直接やつているかどうかということなんですが、私は責任者の一人としまして、できるだけ自分でやろうと思つてやつております。

足立篤郎自由党

○足立委員 まことに失礼な質問をしましたが、どうもさつきから私の質問をちよつとはぐらかされるような気がするのですが、もしあなたが直接おやりになつておる、またやろうと努力している、またやろうと努力しているということが真実ならば、今私が質問した点がおわかりにならぬはずはない。もう少し具体的に申し上げると、作報の予想収穫高に教わつて評価をやれという指令が農林省から出て、それにすなおに従つて出して来た県が、しかも農林省事務当局においては、大体これならばさしつかえはなかろうという結論がほぼ出ておる県が、その後の作報の数字の変化によつてとめられてしまう、そうしていつ支払いが行われるかわからないというような事態に逢着しているわけなんです。そこで今お話の実収高調在の数字の正式な発表はまだ作報からありませんが、政府部内でありますから、内々見当はおつきになつていらつしやるだろうと想像いたしますが、その大体の押えと、前の予想収穫高との開きが著しく開かないところ、また共済連合会の評価も、県から出て来た数字も、まず穏当であるところについては、至急本払いをなさるのかどうか。そうして著しく違う——著しいと言うと、数字が何パーセントになるかということは別にいたしまして、あなたの方で著しく違う、あるいは連合会の評価が、こういう農林省の指令があつたにもかかわらず、非常に過大評価をしているとお認めになる点は、何か仮払いでもなさつてあとにまわされる腹であるかどうか、その具体的な方策について伺いたいのであります。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 今言われましたように、私どもといたしましては、実収高の見込みが前の推定と著しく異ならないというものについては、農林省の方におきまして評価方法その他が適正に行われているという御判断のもとにやつておられる場合には、この際本払いをいたしたい。その他の府県につきましては、具体的な方法はまだ打合せができておりませんが、仮払い等の措置を考えたい、こういうふうに考えております。

足立篤郎自由党

○足立委員 ほかの委員の方もいろいろ御質問があることでありますから私は遠慮いたしますが、柏木主計官に私は小委員の一人としてぜひお願いしておきたいのですが、この共済制度に対してとかくの批判があることは御承知の通りです。しかるに本年度においては、この凶作対策の一環として大きくこれが取上げられて参つております。特に大蔵大臣自身も、私ども自由党の会合にたびたび出られて言明せられていることは、この共済制度こそ、炎害補償制度こそ、炎害対策の基本的な政策である。その際の御発言は、他の営農資金とか、肥料補助金とか、凍霜害以来ずいぶん出しておりますが、こういつたことはむしろ邪道であるのだとさえも大蔵大臣が言明されている。それほど大蔵大臣自身が重要視している。救農政策であるところの、炎害対策であるこの共済制度が、今回ほどフツトライトを浴びて来たことはない。しかも政府が早期支払いをやろうと言う。今まで重箱のすみをつつつくように、こまかい数字をてんやわんややりまして、そのために評価を何べんも上からの指令でやりかえさせられて、末端の組合では混雑して、それがために仕事がルーズになり、不正事件も起すような誘因をなしていることは、おおうべからざる事実である。一旦評価をして村できめたことを、また上から、天下り的にあれは切れなんというようなことを言われても、だれのたんぼをどれだけ切つてよいかということは、刈りとつてしまつたあとですから、わからない。そういう非常な弊害が伴つておつたにもかかわらず、本年度は政府の方で早期支払いをしようということで非常に期待をしている。しかも農林省からは相当はつきりした指令が出ている。それに従順に従つて評価書を出して来た。相当むずかしい評価を血の涙を振つて切り捨ててまで均衡をとつて、過大評価を避けて出して来た。それを今の実収高の数字が予想収穫高と非常に違うであろうと言う。まだこれは発表になつておりませんから、もし違うということが断定されたならば、数字を御発表願いたいと思う。しかしこれは農林省でもまだ発表になつていない。そういうことから、今日押し迫つて暮が迫つているのに、それに本払いができないということでは、いかにもうそをついたようになり、この制度のためにも重大問題であるわけでございます。あなたの立場からいえば、これは一応なるべく正確なものをとおつやる気持はよくわかりますが、私どもからいわせれば、逆にこういうことも言えるのです。というのは、共済の評価の場合は、少くとも稲の立つているうちに評価をする以外に、技術的に方法がない。そうしますと、稲には早生と中生と晩生と三種類あります。評価期が著しく違う。それをまず最初に早生をやり、中生をやり、最後に残つた晩生を評価するという三重の手間をかけて、一筆ごとに評価をするなんということは、これは不可能です。従つてすべての稲が立つているうちに、一応評価をせざるを得ない。これが私大体作報の予想収穫高の数字の出る時期と一致するのではないかと思う。従つてこの共済制度としては、いろいろな議論はありましよが、実際に正確な評価をどこまでも農民の手によつてやらせるというならば、これは私は稲が立つているうちに、つまり作報の予想収獲高の数字が出る時期にやる以外にないのだ、これを確定評価として支払いをする以外にないと私は考えております。この点が明確になつていないために、いろいろな問題を起しております。これは農林省当局にも今後ぜひ御研究を願うべき問題でありすが、そういう点もお含み願つて、ぜひとも急速なる支払いのできるように、上司ともおはかりを願つて、ぜひとも善処をお願いしたい。これは私は心から、柏木主計官を通じて、大蔵省当局の全体の関係の方方にお願いをいたします。よろしくお願いをいたします。

松岡俊三自由党

○松岡委員 私は関連してお尋ねするのでありますが、大蔵省は従来から、農林省が認めたものも、なお大蔵省がそれに文句を言うのかどうであるのか。大蔵省は独自の立場によつて農林省の調べたところを、さらに再検討をしようというお考えなのかどうなのか。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 農林省の方とよく協議して、よく御相談して行きたいと思います。

松岡俊三自由党

○松岡委員 東北の方は、雪が降つて来るために、多収穫を当然予期されるものでも、その品種を選び得ない状態になつておるのであります。でありますから、十月十五日の作報の報告があのように出ておる。これと同様に再生産するための計画も、従つて早くせなければならぬ。こういう意味から、この共済の調べもいち早く済んでいる。すでに岩手県、山形県及び秋田県においては、この農林省の指示によつて、もし不適正なことがあつたならば係官をも派遣してさえもこれを調べるというような、厳重な農林省の指示にすつかり従つて、申請してこれが認可されておる。こういう認可されておるものについて、何のためにこれが、昨日承るところによると、もう一ぺん調査するの必要があるというようなことを言つているやに——これは確実なものではありませんけれども、ただいま大蔵省の方においては、農林省とよく協議してやるのだということを聞いたのですが、大蔵省は独自の立場で、農林省が認可したものをさらにこれをどうしようというような考えのないことが明らかになつたのであります。ここにおいて農林当局がすでに認可したそのものに対して、なぜ躊躇しているのか、この点を承りたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 ただいまのお尋ねでございまするが、災害の評価につきまして、連合会から県庁の審査を得ましたものが出て参りまして、私どもといたしましては、先ほどの涌牒の趣旨によりまして、事務的に審査をいたしたのであります。その審査によりまして、これは当然にパスすると申しまするか、審査の方針に従いまして、支障のないもの、なお若干の検討を要するものと、二通り出て参るのであります。ところがさらにその後実収高の予測がある程度可能になつて参りまして、その数字と比べまして大過ないかどうかということについて、もう一度念を入れたいのであります。これはその地方によりまして必ずしも一様ではございませんで、プラスとマイナスと、両方面にいろいろ事情が違つておるのでありまして、その点はどうしても考慮しなければなりませんので、その点から検討してみた場合に、さらに、ある県で申しますれば、その県の作況の実態あるいは被害の態様なりに入つて見なければ、適正かどうかにわかに判断できないような地方もあるのであります。ただいまお尋ねになりました点は、さような意味で、もう少し内容を精査して参りたい、かような趣旨なのであります。

松岡俊三自由党

○松岡委員 東北の方は、晩生をほとんど耕作することができないので、ほかの品種を選んでやつておる。従つて早かつた。その結果この審査を申請することも早かつた。これについてどうしてもう一回これをやらなければならぬというようなことになつたのか。現に各種冷害対策の施設においては、融資その他万般それぞれみな手配しておる。これを全部やり直しするという基本的なものにならなければならぬものですが、こういう点についてはどんなふうにお考えになつておりますか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 これまでせつかく御努力願いまして、提出されました内容につきまして、すつかりやり直すかどうかということはまた違つた問題になると思います。と申しますのは、一概には申せませんのであります。作報と申しまするか統計調査の実収の見方と、府県の被害の見方とはおのずから別でございますので、被害の見方からしますれば、おのずからそのような見方も出て来る部面も被害の起り方あるいは作況の地域的な違い、あるいは程度別の問題等によりましてありまするので、これをやり直すことになるかどうかはにわかに言いがたいのであります。すなわち簡単に申し上げますれば、ただちに今本払いができないというものが、そのまま不適正である、こういうことにはならないのでございます。ただ適正かどうかという判断をするにはなお時日を要しますので、そういう時日を要する間は仮払い等によつてつないで行つたらどうかというのが、ただいまの考え方であります。

松岡俊三自由党

○松岡委員 冷害対策の各種施設などのごときは部落単位にしようというまでになつておる。村単位、県単位じやなく、部落単位にさえもしなければならぬようになつておる。この共済連合会の方においては、坪当りにみな調べておる。実に明細に調べておる。作報においては、坪当りに調べられるような人員を持つておるかどうか。今度の冷害対策はほとんど県にまかせるようなところまでも行つておる。これを相照し合せて、作報の報告はきわめて確実なものであるといたしましても、農林省が一番信用するものだとしても、それはそれだけの人員を十分に使い得たのかどうか、またこれから使い得るのかどうか、こういう点を明らかにしなければならぬ。連合会の方においては、坪当りに明細によく調べておる。この坪当りまで連合会で調べたやつもまだいけないというように見るほどに、作報の方では手が行き届いておるという確信を持つておるのかどうか。各府県において県の調査と作報の調査は、はなはだそこに摩擦を起しているのでありますけれども、これらは別といたしまして、今のようなぐあいにこれをもう一ぺい調べなければならぬというようなことについて、十分に調査して行くだけの組織を持つておるのかどうか、これを伺いたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 これはお話の通り、府県と申しますか、農業共済団体が一筆調査でもつて損害評価を進められておることは、申すまでもないのであります。ただ、統計調査事務所等で調べておりますのは、さような一筆調査から積み上げたものではございませんので、もちろん一筆々々について比較対照するような資料はございません。ただ県なら県といたしましての実収なり被害等から推定されまする一応の基準というものは出て参りますので、そういう基準に照して共済団体の損害評価が適正かどうかといつた審査の有力な材料にはなりますので、そういう意味で利用しようというわけでございますので、御説のような一筆々々、村ごとといつたようなことについて中身を堀り下げるということは、言うべくしてできないのでありまして、またそこまで考えておるのではありません。

松岡俊三自由党

○松岡委員 私はこれで質問を終りたいのですが、先ほど申し上げますように、東北の特殊地域、雪が降つてくる目前に、再生産の共済の保険金も何もとれないというようなぐあいになつておる状況を、大蔵省は特に認識をしてもらわなければならぬと思う。先ほど言う通りに、多収穫な当然予想せられることさえも、その危険を冒し得ないほど臆病になつている。そうして冷害にしばしば襲われている。他のことを申し上げては恐れ入りますけれども、他府県においてはこれに反するものがある。そうしてその以外に生産するものもある。東北はまつたくこれに反する。他に生産物がない。単にこれによらなければならぬそのものが、しかも多収穫を予期することさえもやり得ないような哀れなる状況になつておる。それが一刻も早く保険金をもらいたいからというので、ちやんと大蔵省の指示通りにそのままに行つて、そうしてこれを申請し、この申請したものが、山形県の例をとつてみますと、水稲は十一月二十八日に農林省にこの損害評価書を提出して、十二月二日には審査が終了しているのです。また蚕の方では、夏秋蚕、晩秋蚕までもすつかりこれが、ただいま申し上げたようなぐあいに、十一月二十六日にちやんとその損害の評価書を損出して、十一月二十八日には審査が終了しているのであります。ところがただいま農林当局の方においては、こうこうこういうわけだという御説明をされたのですけれども、多分それは東北に関する問題ではなかろうとは思いますけれども、遅れておるところを見るとはなはだ残念に思う。東北の実情を真に認識していただなければならぬ。再生産をする上の農民の苦痛はどれくらいであるかということを、とくと御認識をいただきたい。同時に農林当局に向つて、ただいまのお話は、東北の方に関するものではなかろうとは思いますけれども、もしもさようなことがあるようだつたら、前申し上げましたようなぐあいに、常に冷害に脅かされておつて、当然多収獲を予期されることもやり得ないような悲惨な状態になつておるときに、すでに秋田県、山形県、岩手県では、この申請をして審査が終了しておるのであります。一刻も早くこれらの三県にそのまま支払つていただくように、私の質問を終るにあたつて、農林当局、なかんずく大蔵当局にこの認識を深めていただきたいということをお願い申し上げておく次第であります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今足立委員から適切な質問が行われましたので、尽きておるようでありますけれども、なお重要な点について四、五点お尋ねしておきたいと思います。  第一は、このたびの冷害に対しまして、農林省はいろいろ地方の事情を参酌いたしたり、あるいは農林委員会の意向を十分尊重せられて、すみやかなる冷害対策を立てられたはずであります。その中にも共済金の早期支払いということを要綱の中にうたつておるのであります。当委員会に対しまして、農林省は、少くとも十一月の末くらいまでに共済金の支払いを冷害地に対していたしたいという希望的な御意見を述べられて、われわれは了承いたしておるはずであります。それよりも遅れて、農林経済局長指示といたしまして、十月二十三日に少くとも十二月二十日までに逐次支払うという指示をなされておるはずでありますが、この指示をされた場合に、大蔵省と打合せて指示をされたかどうかということが、局長に対する質問であります。大蔵当局としては、冷害対策が立てられた場合においては、当然了解を与えられておるはずであります。これは予算が伴いますので、当然農林省の省議を経て、大蔵省との了解がついて、また国会の意思も十分参酌せられて、早期支払いについては、政府は責任をもつてこの能度をきめておるはずであります。柏木主計官は、国民の血税であるから、これは軽率に支払うべきではないというお話でありますが、もつともなことであります。それ以上に私どもが重大に考えておりますのは、大蔵省よりもむしろ国会といたしましては、国民の血税であるだけに、この支払いについては十分慎重な態度をとらなければならぬと同時に、またこれは共済保険金でありますために、当然国が責任を負つておるはずなんです。法律上責任を負つておるものを躊躇するということになりますと、国民の血税にことかりて法律を無視するというようなことになりかねない。そういう批判を受けることになると思うのでありますが、そういう点から、十二月二十日までに逐次支払うという農林省の態度に対して、大蔵省は了承を与えられているのかどうかということが、大蔵省に対する質問の重点です。お答えを願いたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 ただいまのお尋ねの、十二月二十日までに損害を調べて保険金なり共済金が年内に入るようにするということは、私どもとしてぜひ実現したいと思つておるのであります。現在でも全面的にその方針を捨てておるわけではございませんで、できるだけそういう方針で処置したいと考えております。大蔵省の側とこの点について日付まで明瞭に打合せたとは私記憶しておりませんが、趣旨は年内に払うということでございますれば、二十日ごろまでには少くとも国としてやるべき措置をやつておらないと、むろん年内に払えないことは明瞭と申しますか、なかなかむずかしくなりますので、最も遅くともその辺を基準として、目安として書いたのであります。通牒の文面についてまでこまかく、具体的に大蔵省と打合せたことはないと記憶しております。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 冷害対策の一環としまして、共済金の早期支払いということにつきましては、大蔵省はできるだけのことはいたしたい。ただいま経済局長からお話ありましたように、われわれの方としましても、できるだけ年内に本払いをいたしたい、本払いができないところは仮払いでも適当な措置をいたしたい、そのように考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 大蔵省にお尋ねいたしますが、できないというよりも、やりたいという希望を持つておられるが、希望が早く満せないのはどこに原因があるとお考えですか。そういう希望でありますならば早く支払いができそうでありますが、できないから遅れておると思いますが、そのできない原因がどこにあるか。今までの説明によりますと実収高がわからないということですが、これはもう十二月の十五日でなければ実収高がわからないことは初めからわかつております。ことし初めて十二月十五日に実収高が判明するわけじやない。説明によりますと、実収高がはつきりしないから、あるいは予想収穫高と実収高との間に非常な変化があるかもしれない、こういうことで今までは遅れておるのだ、こういう説明であつたが、払うという熱意がありますならば、どうもそれだけが障害になつておるとは思われませんが、その他に大きな障害になつておる点があるかどうか。これは大蔵当局に、前段については局長から御答弁願いたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 私からもちよつとお答えしておいた方が適当ではないかと思います。当初の方針と申しますか、現在もそう考えておりますが、年内に本払いをするという方針ではどうも行けそうにない、それはなかなかむずかしいのではないかと思われる地方がなぜあるかということでございますが、それは私どもが実は予想しなかつた事態が生じて参つたということ——こういうことによつて私どもの責任をのがれようとは毛頭考えておるわけではございませんが、いかにも当初の通牒の趣旨でもつて押し切つてしまうことは実情にそぐわない。これは何も財政状況から見てだけそうでなくて、私どもの立場だけから見ましても、ちよつと実情にそぐわないのでないかというおそれが生じて参つておるのであります。それはことしの冷害のような場合におきましては、十月当時に予測しました被害の程度、あるいは実収の程度というものが、むしろしり下りに悪くなるだろうという予想をしておつたわけです。少くとも好転することはほとんどあり得ない。好転するということを予想しますと、年内に本払いをすることは初めから無理で、できないことをしようとしたのでありまして、問題にならないのでありますが、本年の冷害の状況にかんがみまして、しり下りに悪くなるだろう。従いまして相当に実収の統計上の把握が好転いたしまして、そこで本払いが困難になるといつたことは、実は予測しなかつたのであります。ところが統計事務所から統計調査に上つて来ている数字、これはまだ正式にとりまとめておりませんけれども、その素材をぼつぼつ聞いてみますと、予想のときと相当の開きが出て参つております。県によつては上つておるところもありますし、下つておるところもあります。従いまして、この点につきましてさらに損害坪価との関係を合理的につくるように考えないと、初めこういうふうにスタートしたのだから、こういうラインで払つて行くのだということを言うにはいろいろ支障があると思うのでありまして、そこでそういう予想のときと実収の素材から見まして相当開きがある県につきましては、さらにこの間の事情を検討した方がよくはないか、こういうことで私ども考えております点がございますので、遅れておる、あるい年内に本払いができないではないかと申し上げまするのは、そういう点についてであります。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 ただいま経済局長から御説明がありましたように、本年の作柄につきましては、その後いろいろの事情で変化があるように聞いております。そういう関係もございまして、できるだけ本払いはいたしたいと思いますが、一部のところが仮払いになることはこの際やむを得ないのではないか、そのように考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 これは農林省としても、大蔵省としてもぜひお考え願わなければならぬ。冷害というものについての本質ですね。災害と冷害とは異なるのだという点は、農林委員会ではたびたび強調しておる。冷害というものは非常に把握しにくい、変化が非常に大きい、従つて今までのような統計調査部でやつておるような画一的、全体的、抽象的統計のとり方をやりますと、非常に大きな違いがあるということをたびたび警告をしておる。従つて一筆調査でなければ冷害調査というものははなかなか把握しにくい。一筆調査であつても、その後の天候の状態により変化が非常に大きいのであるから、一筆調査というものをやらなければ実態は把握できないのだ、これは総体的な農林委員会の意向であつたはずであります。それを非常にたやすくつかまれるがごとく、冷害というようなものは中央において机の上でわかるものだということで、こういう考え方で立案をされておるから、こういう結果になると思います。もう一ぺんあの統計調査の仕方というものを柏木さん、よく覚えておいてください。ああいう旅費を削減したり、事務費を削減したりしますと、十分な調査ができない。旅費を削減して実態を把握しろといつてもこれは無理です。そういうようなことをして、なるべく机上的な抽象的調査をもつて全体のあやまちをなくしようというのが今の統計査部のやり方なのであります。全体を把握するのに間違いがないようにしよう、部分においては間違いがあつても、総体においてはあまり誤りがないようにしようというのが今の調査方針なのであります。全体としてはあまり間違いない調査というならば、これは受入れます。しかし実態について支払うというのが共済金支払いの義務を負つておるものなのであります。掛金が掛けられて、実態について保険金が支払わるべきものである。従つて統計調査事務所の統計が具体的に出て来ないから、つまびらかに実態がわからないのだということではとんだ間違いであります。これは実態をつかむ調査というものが出て来ておるのではない。もしも実態をつかむということになりますならば、統計調査の方針を全部かえてやるなら別ですよ。もう一つ柏木さん、よく覚えておいていただきたい。日本の耕地面積すら正確に把握されておらないのです。耕地面積さえはつきり把握できないのに、植えてあるものを把握するというのには並々ならぬ努力をしなければならぬ。それに対する十分の調査方針ができてない。十分な機械力を持たないで、それで判断しようというのでありますから、国民の血税を払うにいたしましても、大体基本が正確でないのですよ。そういたしますと、やはり今の共済組合を使いまして一筆調査をいたしました——秋においでになりますと、たんぼに一筆ごとに名前を書き、番地を書き、稲の種類を書いて、大体みな共済組合の関係者が集つて査定をした札が立つております。あれを信頼する以外にない。いわゆる共済組合の野帳、それと取入れられましたものとをつき合せて見るというより、実態のほんとうの把握の仕方はないのであります。こういう点で今の統計事務所の統計調査というものは、共済金を支払うというのには不適当な調査であるということを、大蔵省はお認めになつておるかどうかということが私の聞きたい一点。これは経済局長は自分の所管の統計調査事務所でありますから、そういう一筆ごとに正確なものが出て来る調査の方針を立てておられないはずでありますから……。なお立てておられるならばお聞きしたい。私は旅費の点や人員の点、いろいろな点から見てできていないはずなんです。できておるという自信があるならここで御答弁を願いたい。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 作報の調査は今お話のありましたように、一筆ごとの調査はいたしておりませんから、共済金の支払いのような問題につきましては、必ずしも万全の調査でないことは十分理解しております。ただ国として相当の金は掛けており、またできるだけ科学的な方法でやつております。作報統計というものは、やはり相当の権威あるものというふうに考えております。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 これは川俣委員とくと御承知の通り、一筆ごとに積み上げておる町村別あるいは郡別あるいは県別、こういつたものはございません。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そこでそれは十二月十五日の統計調査部の資料が集まる。これは県全体として、あるいは上中下というような地域的なわけ方、そういう意味においての大体の把握は、あれだけの費用をかけ、あれだけの経費をかけて熱心にやつておられるから、大づかみのものは必ずつかんで——それが不当であるとまでは私は言わぬつもりです。しかし総計は同じであつても中身はいろいろあるんですよ。皆無のところと平年作以上多くあつても平均はここだ。平均がここだから皆無のところはないということは言えないはずなんです。平均が上つておるのだから、共済金の対象になるものが少いのだ、こういう認識は非常なあやまちじやないかと思うのです。どういう認識ですか。どうもそのような認識のように聞えるのですがね。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 これはお尋ねの通りの平均反収から直接に被害を判断するということはなかなか容易でないことでありまして、それを一致させることは至難であることは、お尋ねの通りでありまして、先ほど申し上げました通り、被害の起り方によりまして、その関係は非常にむずかしい問題になると思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そういたしますと、大体今まで共済組合が相当の努力を払いまして、ほとんどこれは共済の人は無報酬に近い努力を重ねまして積み上げて来ておるわけです。ただ問題は、そうした積み上げたものが、府県とのバランスの上において適当か適当でないかということは、これはあると思うのです。しかしながら、大体はそこで調査したものが私は正確だと思うのです。私これは福島県へ行つて見て町村に当りました。いわゆる一筆ごとに調査しておる点を作報の人々ともう一ぺん検討してみましたが、どのくらい狂うかということについてはほとんど一致しました。これはあまり違いはないと思うのです。ただどれだけの、いわゆる平年作の反収でこれが幾らになるかということになると、非常にこれは問題があります。平均反収、標準反収というものが一番問題があつた。だからして何割の被害かというその査定は非常に困難です。この一筆の高が五斗出るか六斗出るかというものについての見解の相違はそうない。ただ五斗、六斗が何割の被害になるかということについての問題は非常に多いのです。そこで、それでは普通の場合の平均反収というものは、これは供出に影響するところのものでありますけれども、共済の掛金の場合に、自分の平年作の平均反収というものは大体出ておつて掛金がきめられておる。掛金をする場合に、自分のところの田は標準収量がどのくらいかということの大体査定があつて、それによつて掛金が出る。反収が少なければ掛金も少い。そういうように大体の反収というものは共済金の場合にはもう出ているのです。これはよしあしは別です。たとえば火災保険の場合自分の家の評価を、火災保険会社が査定するか個人が査定するかは別にいたしまして、あまり不当な掛金をする場合においては問題でしようけれども、大体どのくらいの保険金にする、それに対する掛金と同じように、それほど正確でないにいたしましても、共済金の対象は一応標準収量というものが出されて、それに対する掛金をかけているはずです。そうすると秋田県なり山形県なり、全体の収量が下つたから、お前のところの平均反収は下るのだというような査定が行われておるように見えるのだけれども、それはどうもおかしいと思うがおかしくないですか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 ちよつと話が非常にむずかしい点にわたつての御質問だと思つて拝聴いたしたのであります。それは予想の反収と実収のときの反収とがかわつた場合に、予想の反収で合理的に損害評価から見た反収と比べて、減収があるというふうに証明ができたとかりにいたしますと、さらにその後かわつた実収の反収によつても同じようにできれば、一応そこで問題はないのであります。そういうことができるかどうかということに問題がかかつておるのであります。予想のときと実収のときと反収がかわつたから損害評価を間違つておつたんだということで、すぐに宣告する、判断するわけにはこれはもちろん参りません。かわつているけれども依然として損害はかわらぬということもあります。県としての平均反収は非常にかわりましても、保険としての損害ないし被害は一つもかわつていないということはあり得ることでありますので、実収がその後かわりそうだということから、すぐさま被害の見方が過大かどうかということを、ただちに、結論することはできないと思います。それからもう一つは、そういう予想のときと実収のときとの違いということは別にいたしまして、そもそもこの実収なら実収だけで、実収反収なり被害面積だけで損害評価を審査することができるかどうかという、別の御質問の趣旨にわたろうかと思います。それはそれだけでやるということは非常に危険であります。ただ損害評価の適正かどうかということを審査する場合の一つの有力な素材と申しますか、方法であるということは、これは相対的なほかに見るべき客観的な数字がないではないかということと、いろいろ途中で交錯いたしますけれども、客観的数字が出るということと、元の実収が全国統一的な目で見た統計調査部の資料であるということと相まつて、そういうことを有力な審査の材料とすることをお許し願えるのではないか、かように思つておるのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 大体われわれの意見を理解しておるようであります。結局理解したということになりますと、支払いが早くということになつてほんとうの理解だということになるのですが、話は理解されても金の支払いが遅れたらこれは理解にならないのです。ほんとうに理解したとなれば、これはすみやかに支払いすることが最も理解されたことになるのですが、すみやかに支払うということで理解したと考えてよろしゆうございますかどうか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 先ほどお話いたしました通り、実収と予想とが食い違つておるという場合に、食い違いの程度が一つあります。食い違う程度が非常に少い分は、本年度内に本払いをすることは十分可能である。またそういう方針でやるつもりでおります。ただ相当開くというものにつきまして、これが開いてもなおかつ当初の損害の審査等が適正であるかどうか、適正であるということについて私どもの納得の行く、あるいは後になりまして、本年はおそらくこういうことで問題がなく払いが終りましても、来年になりまして、あすこは過払いであるというような問題が起きましては、かえつて御迷惑をかけるということに相なりますので、そういうことがないという大体の確信がつきますれば、つき次第お払いをするということで行きたいと思つております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 大体それで了承しますが、大きな開きがあるということを農民側からいうのではなくて、むしろ政府が言つておられるのですから、開きのあることを主張されるならば、あると主張される方がそこを早く検討されなければならぬと思う。もう農民側、県庁側あるいは共済側の方では、大体できたと言つておる。それを政府が違うというならば、早く材料を出して、すみやかにそこを調整しなければならない。する方が遅れているのですから、それでなければ早く認めて、あとで返してもらうなり何かするなら別ですが、違うのだ違うのだと延ばしておくなら、違うか違わないかわからないということになる。それで私は大体あなたがそう了解しておるものと理解して、払わなければ今度再開の国会でまたお目にかかることにしまして、私の質問は本日はこの程度で終ります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 中澤茂一君

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 小倉さんにお伺いいたします。あなたがこうやつて指示を十月二十三日に出しておる。その食い違いの問題なんだが、十月二十三日にあなたが指示を出して、県からすぐにこれを積み上げて来いということは、何だか積み上げて来た数字が正しいか正しくないかの基準をあなたはお考えになつておると思いますが、その基準は十月十五日の作報の指数というものを基準にしているかどうか、まずそれからお伺いしたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 先ほどちよつとお話したのですが、反収につきましては、作報の十月十五日現在の調査を基準にしております。あの当時はたしかなかつたと思うのでありまして、数字を多少まるめておる程度であります。被害面積につきましては、作報の数字といつても、いろいろ問題があると思います。これは私ども独自でもつて、作報のある程度の数字も拝見しながら一応の実情を調査したものをもかみ合せまして、割り出したのであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 これは基本的に今度の抜本的改正の問題でも出ているんだけれども、この間も参考人を五人も六人も呼んでみても、決定的な評価のきめ手がないということが問題なんですね。これは前申し上げなかつたけれども、長野県の例で言えば三つの数字が出ている。一つの数字は十月十五日の六七というのが一つの作報指数。そしていま一つの数字は十一万七千石という長野県の凶作の供出量を認めたこれを平均作に逆算して行つたものが六一という数字が出る、これが一つの指数です。それからあなたの方の総合開発課で出しておるところの長野県の被害率四八・二、これも一つの指数です。この三つのうちどれもきめ手がない状態であります。だから作報の指数が絶対正しいとは思えない。前に申し上げたように、北海道の上川の九千六百町歩百箇所、九十町歩一箇所というようなランダム抽出調査がはたして正しいかどうかということも疑問だ。この点はいずれ共済の抜本的改正の問題で足鹿委員長の試案も出て、ここ二、三回のうちに結論がつくと思いますが、そこで、今一体県から積み上げて来たのは、数字が大体どのくらいになるか、何県くらいあなたの通牒によつて出して来ているか、その間ある程度妥当と認めた県がどのくらいあるか、それをお伺いしたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 先ごろの通牒におきまして、先月の二十五日までに提出願いたいということで、東半分の諸県から参りましたものについてのお尋ねでございますが、まだ参つていないのがございます。あるいは今日あたり参つておるかもしれませんが、群馬、長野、東京、その他数県は参つておりません。それから参つております中でのお尋ねでございますが、先ほどちよつと申し上げたのですが、来ております中で三通りあります。三通りあると申しますのは、実収の見込みが大幅に上るだろうというふうに見られる県のものと、下るであろうと見られる県のもの、それからもう一つ、大体予想通りであろうという三通りがあるわけです。そこでその予想とほぼ似たようなものにつきましては、予想でもつて作業されたものを基準として、私どもは前の通りの方針で作業ができるわけです。そういう県が数県ございます。従いまして、これは通牒の本来の方針にのつとつて本払いが可能であるというふうに思います。それから作況の下つておる県ですが、作況の下つておる県が、実は多く出て参つておらない県に属するわけです。従いましてどういうものが出て参りますか、まだ私は承知しておりませんので、これに対して本払ができるかできないか申し上げることはできないのであります。それからさらに作況が上つておる県、実はこれにも二通りありまして、当初の予想から見ればほぼ妥当であるというのと、予想から見てもどうかと思うのがございます。どうかと思うというのは、別に評価自体が間違つておるということではありませんので、先ほどの指示反収といいますか、あれから見て一応わくに入らないというような事情を承れば納得できるかもしれませんが、そういうものもございます。そういうしり上りと申しますと語弊がございますが、実収が相当違つて来るだろうという県について、実は私ども苦慮いたしております。主としてこれは北の方の諸県であります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 これは柏木さんと小倉局長にお伺いするのですが、共済組合対策として、十二月の農手が農民は払えない、だからこれは早期支払いをしろということは、この農林委員会としては、救農国会中連日出たことです。ところが年内に支払いをするといつて、実際に支払いされないということは、この基本的な早期支払いの原則がくずれたことになる。それはいろいろ聞けば、しり上りになつた県もあるし、しり下りになつた県もあるし、それから積み上げて来たのが全部正しいとは私は言いません。これは確かに政策的な積み上げ指数というものも入つております。そうかといつて作報のも絶対のものではありません。でありますから、その間の勘案がむずかしいので、なかなかたいへんだと思いますが、とにかく七十五億という共済金の予算措置があるのですから、とにかく年内に本払いができない県は、柏木さんの方でも考えてもらつて、少くとも今月の二十日ごろまでに、問題がこじれて来年に相当持ち越すという見込みならば、七十五億の予算措置のしてある範囲内で、一律に五億払うとか、三億払うとかいうように概算払いをしてもらいたいと希望するのですが、それについてはどうお考えになりますか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 お話の本払いについて努力するかたわら、年内に本払いができないと予想される県もございますので、今の概算払いないし仮払いについての措置をきめて参りたいと思います。その場合に概算払いということになりますと、これは省令で相当の制約がございますので、仮払いを加味しなければならないと思いますが、仮払いだけで行けるか、概算払いを加味した方がいいかどうかということについても、具体的にきめて参りたいと思つております。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 本払いができないとろにつきましては、概算払いなり仮払いなり、適切の措置ができるようにして行きたいと思います。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 大体保険金の早期支払い問題につきましては、一応御質疑も尽きたようでありますので、本日はこの程度でとどめておきたいと思います。  なお小委員会案の起草につきまして、本日審議を進める予定でありましたが、ほどなく本会議もあるようでありますし、来る十七日午後一時より小委員会を開きまして、小委員会案の起草について最終的な御協議を申し上げたいと思いますので、御出席を願いたいと思います。  本日はこれで散会いたします。     午後四時四十二分散会

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