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19回国会衆議院1954/11/18

農林委員会 第81号

発言数
70
登壇者
11
会派数
4
開催日
1954/11/18

会議録

井出一太郎改進党

○井出委員長 これより会議を開きます。  本年の北海道、東北地方を中心とする冷害及び台風による農林災害に対する対策について議事を進めます。本委員会は過般来本問題について調査を続けておりますが、先般本年の農林災害に対する決議をいたし、政府へこれが送達をいたしておきましたが、この際本件に関する大蔵大臣の所信なり見解なりを承りたいと存じます。  この際佐藤洋之助君より発言を求められましたのでこれを許します。佐藤洋之助君。

佐藤洋之助自由党

○佐藤(洋)委員 私はこの際本年起りました災害について、一応われわれ委員会がとりました態度及び災害の概念と申しましようか、本年の災害は三つの特徴がございますので、そういう点を一応大蔵大臣に申し上げておきたいと思います。  まず第一は、昨年非常な冷害を受けており、それから台風と、御承知のように二千億の巨額な災害を日本全体に受けたのでございます。従いまして農村におきましては、昨年なかなか再生産にも困難であるという状況まで追い込まれておりましたにかかわらず、また本年災害を受けまして、冷害、凍霜害あるいはひよう害、こういうような打続く災害を受けたのでございます。従いまして被害の状況がまことに深刻でございまして、広い範囲においては昨年度の災害には及ばないのでございますが、局地においては非常に深刻な度合いが増しておりますのは御承知の通りでございます。たとえば台風第五号、第十二号、第十三号、第十四号、第十五号と五回にわたる台風を受けておりまして、ことに十五号台風におきましては、北海道に与えました影響はこれまたきわめて甚大なるものがございますのは大臣御承知の通りでございまして、はしなくも洞爺丸の事件という世界に第二番目の大なる事件を引起したのであります。かかることが台風によつて引起され、なおその台風の結果は北海道に五千万石という風倒木を出したのてあります。これが処置に対しましては三箇年を要するというような実に厖大な風倒木を出したのであります。これらは特徴のある災害でございます。  なおまたその台風の進路であり、台風の玄関口であるところの宮崎県のごときは、県道が寸断されまして、今もつて連絡不十分であつて、飛行機によつて食糧を投下しておるというような情勢にあるのでありまして、あの台風進路の鹿児島の一部、宮崎、大分の被害というものはきわめてまた深刻な度合いがございます。  そこで本年の農村に与えました施設災害につきましては約三百八十三億になります。なおまた米の被害に対しましては三百十三万石という巨額なる被害を本年与えておるのでございます。御承知のように、本年は関東及び米作地としてはやや豊作で六千三百四、五十万石の平年作を上まわる情勢でございますが、災害を受けました地点は深刻の度合いがきわめて大きいのでございまして、実に百十四万町歩にわたつて、病虫害の農薬を散布いたしまして、約九十億をこれに投じておる次第でございます。従いましてこれで防除に数百億費しております。それでもなお冷害により百五十七万石、病害により五十七万石の損害を受けておるのでございます。従いましてかくのごとく冷害を受け、病虫害を受け、かなりさいなまれたところの状況でございますので、今年は農業災害は、一般を入れまして八百四十三億円の巨額に上るそうでございます。またここに住んでいる開拓者連中の被害は、開拓団といたしましては底の浅い農業経営でございますために、再生産に立ち上るのにまことに困難を感じている情勢でございます。従いましてわれわれは各班にわけまして、第一班が委員長を団長として九州を視察いたしましたし、第二班は私が団長で北海道方面を見て参りました。それぞれ意見を調整いたしましたる結果が、今お手元に差上げましたような二十九年災害(冷害を含む)対策に関する件としてここに一つの決議案がまとまりまして、私より提案理由を述べ、十月二十一日本委員会の総意をもつて決議をいたしたのでございまして、すでにこのことは委員長より大臣に対してお手元に陳情してあつたはずでございます。これらの実情にかんがみまして、どうぞわが日本のこの行き詰まれる農村の救済に特段の御考慮をお願いいたしたいと存じまして、本日委員会においでを願つたのでございますが、これに対しまして何分の御意見を承れれば幸いと存じます、

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 日本は引続きいろいろな災害を受け、特に二十九年——これは二十二年以来では災害としては最も少い年の一年であります。即すまでもなく、二十二年以降ずつと毎年の災害は千億を越しておるのでございますが、昭和二十七年がわずかに五百数十億、それに次いで本年がまた災害の少い年であつたことに、同じ災害とは申しながら、比較的この点は私どももまあよかつたと実は思つたような次第でございますが、仰せのごとくに連年続いておるものでございますから、その災害は相当深刻な部分があつたことは事実で、また御調査の通りであると思います。従つてこの災害対策について御要望の点、御決議の点もございまして、これは私ども井出委員長からちようだいしまして検討しておるのでございますが、何分現在の国家財政の状況をもつてしては、この参考表についておるごとき大きな数字については、相当考慮を要する点が多いのでございまして、今どの程度でやり得るかということをせつかく検討しておる次第でございます。但しさしむきやらなければならぬものについての取急ぐ分については、近く臨時国会も開かれることでもございますので、この数日中にもとりまとめてその国会に出したい、かように考えております。委員各位が御熱心に御調査くださつて、いろいろなお考えをお示しくださつたことは感謝にたえませんが、同時に、現在の日本の財政状況をもつてしては、遺憾ながらこれらの御要望についてあとう限り尽すということ以外に申し上げられないわけで、全部満たし得ないということはまことに残念でありますが、さよう御了承願いたいと存じます。

井出一太郎改進党

○井出委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 ただいま同僚佐藤委員から災害問題に対して詳細な御発言がありましたが、私はこの機会に大蔵大臣に対しまして、本年度の災害に対する財政当局としての基本的な態度についてお伺いしたい。この点に対しましては、全国の災害地の罹災者の諸君は、いまだに政府が明確なる災害対策を確立しておらないという点に対しまして多大なる不安を持つておるわけであります。それで私どもの承知している点によりますと、政府におきましては、加藤国務大臣を、災害対策連絡本部長といたしまして、加藤国務大臣がもつぱら中心になつてこの災害対策に当られるという態勢はできておるようであります。加藤本部長も当委員会に対しましては数度にわたつて御出席をされたのでありますが、いまだに対策本部長を通じて災害に対する明確なる具体的内容の御説明というものはないのであります。非常に抽象的でありまして、何というか、まことにたよりないという言に尽きておるような状態であります。そこでわれわれは、いかなる原因によつて今年度の災害対策が遅々として進んでおらぬかということをいろいろ検討を加えたわけでありますが、究極におきましては政府部内における、たとえば農林当局、大蔵当局等の間における意見の食い違い意が非常にはなはだしい。これが現在においても完全に調和がとれる段階まで進んでおらぬというところに問題の主たる原因があるというふうに考えておるわけであります。それでお尋ねしたい点は、ただいま大蔵大臣からも、昭和二十二年以来今年度は全国的に見ると災害が少い年だつた。そのことは非常にけつこうなことでありますが、ただ問題は、九州あるいは北海道等における——全国的に見ると局地的な災害ではありますけれども、この地域における本年度の台風の被害あるいは冷害による被害の度合いというものは昨年度よりも甚大であるということが、現地を調査された農林大臣あるいは加藤本部長を通じて当委員会にも報告がなされておりますし、また政府部内においても、かかる報告というものはしさいに行われておるというふうにわれわれは信じておるわけであります。それで、昨年の災害対策を今年度また援用するという問題になりますが、昨年の大水害あるいは冷害等に対しまして、特に救農国会を開きまして二十余にわたるところの特殊立法等ができたわけでありますが、これらの措置に対しましては、端的に申し上げますと、やはり反省を要する点が決してないとは言えないのでありますけれども、問題は、同一の政府の責任において、昨年の災害に対する取扱いと本年度の災害に対する取扱い方針が根本的に違うというようなことは、国民の立場からこれを見ると了承ができないのであります。特に参議院の農林委員会における山本大蔵政務次官の答弁の要旨等をわれわれが判断した場合において、これはあまりにも財政当局の見解というものは、災害に対しては冷酷きわまるものであるということをいわざるを得ないのであります。この点は大蔵大臣の御意思もその通りであるかどうかということをまずわれわれはただしたいのでありますが、山本政務次官の十四項目にわたる答弁の趣旨がございますが、これは大蔵大臣におかれましてもすでにごらんになつた点であると思いますので、まずこの要旨に対して大蔵大臣はいかなる御判断を持つておられるかという点に対して御所信を承りたいのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 山本大蔵政務次官がどういう答弁をしたか私はよく承知しておりませんが、多分大蔵省で絶えず考えておることをそれぞれ御答弁申し上げたことと思うのであります。ただいまだ各省と折衝中の点がありまして決定に至らぬところがある、これはさつきあなたは、そう緩漫なことじや困るといつたような事情があつて折衝中であるわけでありまして、自然それに対する答えができていない点があるかと思うのであります。また今も対策本部がありまして、対策本部とも折衝を続けておるものがあり、また他の関係の深い農林省と折衝を続けておるものがあり、建設関係のこと、これは本年は比較的少かつたのでありますが、それについても多少折衝を続けておるような点もございますので、これは近くこの三十日より開かるべき臨時国会には、補正予算という形でいろいろ御提案申し上げて、またその節にいろいろ御審議もお願いし、それと同時に私どもの意向のあるところも最終的なことを申し上げたいと思つております。ただ一言、私どもは根本的には、決して冷淡にするとか、あるいはまたどうこうということはございません。そういうことでなくて、先ほども私が一言しました通り、昭和二十二年以来毎年千億以上に上つておるときに——ただ昨年はちようど佐藤委員の言う通り二千億にも上るというふうなことであつたので例外的に立法ができた。これは唯一の例外であるということで当時の御説明があつた。それが今年のように——私どもは今年は一応六百億程度と見ておるわけでありまして、昭和二十七年に次いで昭和二十二年以後第二番目に災害の少い年なんでございますから、それがまた適用されるということになつてはこれは例外が例外でなくなつてしまうということを感じております。それからもう一つは、災害のきわめて激甚の地に相当手厚いことをやりますことは、現在の法制上でもある程度できるのでありまして、かりにあまりにこの補助率を高めるような法律がたくさんできて行きますと、要するに国の財源というものは一つしかないので、財政が許しませんから、結局薄つぺらなものになつてしまつて、行くべきところへかえつて薄く行くようなことがあつて、被害激甚なところがかえつてむしろ薄い扱いを受けるというようなことになりはせぬか。言葉をかえて言いますと、昨年はほんの例外だというのでああいうことができたが、結局それは二十三府県にも均霑することになつたのであります。そこであそこの県と自分の県となぜ区別するかということに自然なる。そうなりますことは、ひいてまた非常に激甚な災害を受けられた地域は、よそへ行つてしまうために薄く受けることになります。そういう点等もいろいろ考えなければならぬ、かように私どもは考えておるので、ただいまのところは、本年については昨年のごとく、少しも冷たい心持は持つておりませんが、特別立法その他をやるという考えは持つておりません。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 私は大蔵大臣からもう少し具体的なお話を承りたいわけであります。たとえば今申された、今年は災害が局地的である、その局地における災害の度合いというものは、昨年よりも深刻であるということは大臣は認めておられるのです。それが特殊立法等の措置を行つた場合においては、その災害の激甚な地帯を根本的に救済することが不可能であるという御見解は、どうも了承できがたいのであります。むしろそこに集中的な配慮を行うということが前提になつてのお話である場合には、これは非常にわかるわけでありますが、ただ抽象的に、今年の災害は局地的であるからして、それが非常に拡大されて薄くなつて困るというようなことを申されておりますが、現在の段階においては、その激甚な地帯に対して手厚い救済の策を講ずるということがまだ行われておらないのであります。薄くしようにも厚くしようにも、まだ何もやらぬというのが現在の段階であるということがはつきり言い得るわけです。ですから、問題は同じ日本の国土に住んでおつて、そしてこいう不慮の災害に見舞われた場合においては、その地域がどこにあつても、これはやはり政府の責任において、行政的な面において、あるいはそれが届かない場合においては、法律的な措置においてこれを救済するのが当然なんです。だれに言われなくても、政府の当然の責任としてこれはやるべきことであると私たちは考えておるわけです。もちろん政府当局のお考えは、特に財政当局のお考えというものは、この現在の政府の財政規模の上に立つて、あくまでも一兆億のわくをくずさぬ。どのような最悪の災害等が発生して、それに必要な予算等が要求されるとしても、いかなる場合においても一兆億の予算を崩さぬという大前提の上に立つてものを考える場合には、これは別でありますが、必然的に救済しなければならぬという事態ができた場合においては、やはり政治というものは、その中に愛情もあると思います。総理大臣は、外遊から帰つて来て、何か盛んに愛情の宣伝をしておつたようでありますが、そういう場合においては、やはり災害を受けて非常に困窮しておる人たちに対しては、愛情を持つた政治を行うということは、これは当然であると思うのです。ところが山本次官の答弁を通じて考える場合において、これがもし財政当局の持つておられる思想的な根拠であるとすれば、私が先刻言つたように、まつたく愛情のない考え方の上に立つておるといわざるを得ないのであります。  一例をあげて申しますと、災害地に対する種子の問題でありますが、昨年度は災害地に対する種子の確保に対して若干の助成の措置を講じておるわけであります。今年の大蔵当局のお考えというものは、わずかばかりの助成金をやつても何にもならぬから、むしろやらぬ方がいい、こういう考え方で、種子に対する助成は全面的に行わないという方針を堅持しておられるのであります。たとえば北海道等においては、七十五万町歩の農耕地がありますが、そのうち十五万町歩が水田であります。これは去年は十月十五日現在の作況指数は七四で、今年は六〇であります。あとの六十万町歩の畑作地帯における災害の度合いというものは、これは農林大臣や加藤本部長も行つて参りまして、激甚であるということを認めておるのです。水稲の場合においては、災害地域に対しては共済金等の措置は講ぜられますけれども、この畑地帯における共済の措置というものは、ほとんど講ずることができぬのであります。その場合においてわずかにたよりにするのは——まつたく種子さえも確保することができないような畑地帯の被害農家に対して、わずかばかりの助成金をやるよりもやらない方がいいというような考え方でこれを解決しようとする場合において、しからば他にいかなる方法をもつてこれを救済なさろうとしておるか。まずその点を具体的にお伺したいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 大体今のお話は営農資金の関係かと思うのでありますが、営農資金につきましては、私どもも凍霜害等の例もありますし、それらに準じてもちろん営農資金の利息の補助、あるいは損失の補填、こういうようなことは今度立法としてお出ししようと思つております。  ただ今の種もみの問題については、従来の例を見ますると、種もみについて実際は種もみ代だといつてももみを購入しなかつたり、またたまたま購入しても、それが市町村に渡つて行くと府県の分の補助金を合せて七十五円にしかつかなくて、こんな零細なものはもらわぬ方がいいというようなことを申された向きもあるように私ども承知しておる。現にこの前補助金制度のときに、もう数百円あるいは数千円というような金は補助金から整理してもらう方がいい、かえつて地方はそれがために困るのだというようなことを痛切に言われた方もありまして、おそらく今の政務次官のような言葉になつたのではないかと思いますが、しかし種もみもそういうようなことでありますれば、これは実情に即してひとつ考えてけつこうでございます。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 今大臣の言われた経営資金の問題ではなくて、種子並びは肥料のあつせん助成の問題です。山本次官も種子及び肥料の手当については、行政上万全の措置を講じたいということは前段に言つております。しかし助成については、きわめて零細な補助となるので、本年は行わないこととしたいということなんですけれども、もらう側はわずかの助成だからいらぬということがあり得るかもしれませんけれども、出す政府側において、わずかだからやらぬなんていうことは変じやないですか。わずかでやれないならば、もつと増額して手厚い助成をやるということになるならば話はわかるのです。なぜ今までやれなかつたかということになりますと、種もみの場合においては、供出のわく内において、主食の価格と種子の価格との差額に対して何パーセントかの助成を行うということにいたしておつたので、それで手厚い助成ということはできなかつたのであります。ですからこれが手薄いということであれば、まつたく種子を確保することのできない農家に対して、その種子の対価に対して二分の一あるいは三分の二の助成をするということになれば、相当具体的に恩恵が及ぶことができるというようなことになるのであつて、この点は政府の施策において大きな欠陥があつたということを指摘されると思うのであります。今大臣は十分考慮するということを言われたので、その点に対しましては今後に期待をかけたいと思います。  その次にお尋ねしたい点は、昨年度の救農国会におきましては、額は五億円程度と思いましたけれども、健苗育成という名前のもとにおいて、災害地域等に対して、保温折衷苗しろあるいは温冷床苗しろ等の設置に対して助成を行うという手が講ぜられたわけであります。今年度の場合においても、農林当局等においても、やはり災害地域に対しましては、この健苗育成の面を通じての災害の救済を行うという方針が立てられておるわけでありますが、この点に対しましての財政当局のお考えというものは、かかる温冷床の施設というようなものは農家の経営面に対する助成になるので、かかる方針は今後絶対とることができないというお考えのようでありますが、このことは大臣もよくお考えになればわかりますけれども、わが国の全国的な水稲の耕作の状態を見た場合において、非常に条件の悪い地帯において水稲の栽培を行つておるわけであります。そういう地帯におきましては、たとえば北海道のごときは四年に一度くらいの冷害等の災害がある。そういう災害の中において政府の期待に沿うような食糧増産をやるというような場合においては、通常の地帯とは異なつた生産の施設というものが必要になるわけであります。何も趣味とか、好んで保温折衷とか温冷床の施設をするのではなくて、政府の食糧増産の期待に沿うという一つの観点と、もう一つはやはり自分の農業生産を確立しなければならぬという生産手段の面から出発した二つの問題の上に立つて、多額の費用を投じてかかる施設を行つておる。行つておるにもかかわらず、やはりたまたま災害をこうむるわけです。ところが現在の米の制度というものは、政府が一定の価格をきめて、これによつて買上げをするわけです。ですから全国の米価というものはいかなる地域においても一本価格であります。どのような生産に対する施設を講じても、あるいはまた生産性が非常に低い地帯においても、やはり米価というものは、それらの特殊地域のコストというものを全然考えないところの一本米価になつておるところに問題があるのであります。去年のような災害の場合においては減収加算というような措置も講ぜられますが、本年度の災害においては、現段階においてまだ九五%という作況指数になつておるので、これは凶作加算の対象になるところまで行かぬわけであります。ですから、そういうような特殊地域における特別の農業上の施設等について特に災害をこうむつた場合においては、これらの施設に対しての国が保護助成するということは当然の措置であるというふうに考えられるわけでありますが、大蔵当局といたしましては、あくまでもかかる施設というものは経営面の施設であるから、爾今助成金等の措置を講ずることはできないというようなお考えで押し切ろうとしておられるかどうか、この点に関しまして大臣の率直なる答弁をお伺いしたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 ものというものはそのときの実情によつて判断しなければなりませんが、しかし大体から申しまして、経営のものであつても温床苗しろにおいてはすでに数年間もやつて来ておるので、いいことをお認めになれば、生産者が見ておやりになることなんです。あまり何もかも国にたよつて行くということはある時期に限ることであつて、いつまでたつても何もかもそう国にたよるというようなやり方は、私自身は賛成しておらぬ。この問題は、実情はどうかよくまた農林当局とも相談してみますが、私どもは大体もう数年間たつて利弊がよくわかつて来れば、それに基いてやるべきもので、何でも政府が補助金を出さなければやれぬという考え方は、実はどうかと考えておるのです。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 これは大蔵大臣、非常に重大な点なんです。これは特に大蔵当局だけを責めるわけではありませんが、政府の農業政策に対する一つの思想的な根拠なんです。現在の政府は、農業はあくまでも企業であるというような判断の上に立つておるわけですが、現在の日本の農業の形態というものは、かかる零細規模のもとにおいて、資本主義制度のもとにおける通念上の企業として、これはあくまでも割切つて行くことができるかどうかという問題なんです。たとえば農業に投資した資本がどのような形で利潤が出て来るかというのです。問題は、作柄がよくても、それは投入した自家労働量に対する報酬が幾ばくであるかというような問題であつて、農業生産の面に投下きれた資本が利潤を生む形というものは絶対に生れて来ないということは、これは大蔵大臣も御承知の通りであると思うのです。特に私たちのいう点は、この国内における特殊地域において、コストの非常に高い生産を行つておる。しかも米作の場合においては、国が低米価の線で安い米価を決定して、一本価格で権力的な買上げを行つておるわけです。ですから地域におけるところのコスト差というものは、かかる一本米価の場合においては全然勘案することができないのです。しかもその地域において大災害が生じて、収穫が五合作である、あるいはまつたく皆無であるというような状態の場合においては、やはりこれらの特別の施策に対しまして、災害救済の一助として配慮するということは当然なことであるというふうに私たちは考えるわけであります。こういうわずかな一つの助成、育成の措置によつて日本の農業というものがある程度保護されるということが考えられる場合においては、これはむしろ積極的にやるべきであるというふうに考えるわけであります。これ以外に財政当局から考えた場合においては、まだまだ巨額な、何十億、何百億というような巨額なむだな金が、別の産業部面等に対しましてはいろいろな形において支出されておるというふうにわれわれは見ておるわけです。ですからかかる問題等に対しましては、やはり同じ政府部内における、農政面を担当しておる農林省等の見解というものを十分ただして、尊重すべきものは尊重するという態度に出られるべきものであるというふうに考えますが、現在の大蔵当局の考えというものは、むしろ農政面等もみずから担当しておるというような自負を持つておられるようにわれわれは判断するわけでありますが、そのような間違つた見解というものをとつておられるかどうかという点を、この際明確にしてもらいたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 大蔵当局は、国の広い視野から財政面全般に関する処理をしておるのでありまして、仰せになつたように、農林省のこともおれは知つておるぞ、さような考え方は毛頭持つておりません。さればこそすべて農林省と御協議を申し上げてやつておるのであります。但し国の財政面から見て補助金にも限度があるのでありまして、しばしば補助金をもつて圧縮しろという御要求も出しておるのです。さようなことで、一つ一つにはあるいは御期待に沿いかねるものがあるかもわかりませんが、全体を通じての農林予算というものが相当大きくなつておることは、これは私が農林委員会で御説明するまでもないことであります。これは私どもももちろん財政の許す限りのお手伝いはいたしたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 それでは今後農林当局と十分熟議されて善処されるということでありますから、この点に対しましても期待を持つて監視をしておるわけであります。  その次にお伺いしたい点は、今年の災害救済の主要な課題になると私ども思いますが、救農土木工事の実施の問題であります。この点につきましては、大蔵次官の御見解によると、北海道だけに限るというようなことであると承つておるわけでありますが、この点は認識のずれが相当あるのではないかというふうに考えるわけであります。これは国内のどの府県であつても、災害が激甚であつて、やはり救済の措置が必要であるという場合においては、特に北海道だけに限るとか、あとはやらぬというようなことでなくて、災害の度合等を十分判断されて、やはりあらゆる被害の激甚な地帯に対しましては、これらの措置を講ずるということが当然であると思うので、この点に対する大臣の御見解を承りたいのと、もう一つは、ことしの大蔵省のお考えになつておる救農対策に対する予算的な措置の画に対しては非常にインチキ性といいますか欺瞞性があるということを私は指摘したいのであります。たとえば北海道分に対する十六億八千七百万のうち、国有林関係の八億というものがありますが、これは私どもの承知しておる限りにおいては、五月の暴風の場合の対策費の中の二億五千万というものがすでにこの中に入つておる、使用済みであるというようなことでありますが、これは大蔵大臣によく御確認願いたい点は、金額だけ十六億やつたとか、二十億やつたとかいうことよりも、むしろ末端の被害農家に対して救農土木工事としてどの程度、いくばくの現金収入の道を講じてやつたかということが立証されなければならぬのであります。まつたく被害農家の手の届かないような金額をここへかき集めて来て、これで昨年度と同額の救農土木工事の財源を府県に出したというようなことでは——これは大蔵当局においてあくまでも合理的、科学的、理論的な基礎の上に立つてかかる予算的な措置というものが講ぜらるべきものであると思うのであります。そこに大蔵省の誇りがあると思いますが、こういうようなずさんきわまるインチキ性の救農土木の予算をつくろうとする意図というものは那辺にあつたかということを、私たちはまずお尋ねしたいのであります。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 救農土木事業を北海道だけに限定して考えたいという考え方は、何分にも北海道と他の各府県との間の作柄をながめてみました場合に、北海道は格段に作柄が悪いのでございまして、内地各府県につきましては、各府県の中のさらにごく一部につきましては、非常に気の毒な所もあろうかと思いますが、全般的には昨年の作柄よりも著しく改善を見ておるような次第でございますので、乏しい財源を差し繰る次第でもございますので、北海道だけに限定して考えまして、内地各府県の中の局部的に非常に困つておるような所に対しましては、災害復旧事業の重点的実施というようなことでも考えまして、できるだけ実質的に処理したい、さような考え方をとつておるわけでございます。なお北海道で実施いたすことにいたしまして、私どもが農林省に対しまして内示いたしておりまする数字は、ただいま御質問中にも御指摘がありましたように、十六億八千七百万円、その中に国有林関係のもの約八億、その中の二億五千万円が五月の災害関係のものである、これは御指摘の通りであります。但しこの予備費の支出を決定いたしましたのは七月の末でございまして、この金が現実に使われますのはその後のことになるわけでございまして、多分九、十、十一月くらいがこの金が盛んに使われる時期ではないか、この金が使われることによりまして、幾分なりとも罹災農民の労賃収入の機会が増加することを期待いたしまして、十六億八千七百万円の中にこの数字もそういうことをはつきりいたしまして入れたわけでございまして、別にこれによつて当面を糊塗する、インチキをいたすという趣旨ではございませんので、その点は何とぞ、御了承いただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 ただいま主計局長からお話がありましたが、それではお尋ねしますが、この十六億八千七百万円のうち、実際に被害農家のこの救農土木事業に関与して収入を得るという金額はどの程度に見込んでおりますか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 各事業によりまして労賃部分の占める割合は異なるわけでございますが、こく達観的に申し上げますと、十六億八千七百万で八億から十億くらいの労賃収入が確保し得られるのではないか、さように達観をいたしております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 そういたしますとこの約二分の一ですね。  それからもう一つ指摘したい点は、国有林関係等においても、北海道なら北海道一円に平均化されて損傷風倒が出ておるのではないのです。これはある地域においては一千五百万石もそこの一箇所だけにあるということになりますと——北海道といつても御承知のように非常に広いのです。ですから集約された一地点に罹災農民を全部集めて、そこで仕事をさせるということは困難であります。ですから稼働が可能な地帯と不可能な地帯というものが非常にあるので、その場合においては、どうしても昨年講ぜられたような臨時救農土木事業、かかる土木工事というものが今年は特に積極的に行われなければほんとうの救済にならぬでないかというふうに考えておるわけでありますが、これによりますと道路関係の節約解除が二億四千五百万円、それから国有林の八億というものは、これはやはり道路関係の場合においてもそういうような事例が出て来るのではないかと思うのでありますが、その点で末端の被害農家に対する細心の配慮というものが届くかどうかということが非常に心配されるので、この点に対してもう一度これは局長からでいいですから御説明願いたい。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 昨年の救農土木事業の場合にも一部の資材費等があつたわけでございまして、全部が労賃収入にはならなかつたわけでございますが、本年度はこの十六億八千七百万のうち、最大限に見ますれば約十億くらいは労賃収入になるのではないだろうかと申し上げたわけでございます。そこで作柄の極端に悪かつた地点とこの事業地とがうまくマツチするかどうか、この点が今のお尋ねのポイントだと思いますが、国有林関係の事業につきましては、山の方の災害地と作柄の悪かつた所とが食い違うというようなことも十分あり得るわけでございまして、これだけの労賃収入を確保し得る機会がありましても、それがどうも作柄の悪い農地とは離れておる、従つてこれが十二分に活用できないというような要素があることは私どもよくわかります。しかしそのほかの、たとえば道路関係の節約解除、これはこれから解除するわけでございまして、この事業の実施にあたりましては、できるだけ作柄の悪かつた土地に重点的にこれを配賦するということはできるわけでございます。また農林関係の事業費のうちから解除いたしまする三%の分につきましても、そういう配慮で極力作柄の悪かつた、打撃をこうむつた農民の密集しておる地域にこれを重点的に配賦することを考えねばならぬと思つております。予備費から出しますものにつきましてはもちろんでございまして、今後配賦するにつきましては、これから施策し得る要素を十二分に活用いたしまして、できるだけ被害の分布状況をマツチするようにこの事業の実施をはかることにつきまして、関係各省において十分善処せられることを私どもとしては期待いたしておるわけでございます。さような気持で、一応この数字を掲げまして、目下農林省と折衝をいたしておる、さような段階でございます。

井出一太郎改進党

○井出委員長 芳賀委員に申し上げますが、あと質問者が二人ございますので、なるべく重点的にお願いいたします。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 同僚委員の質問もありますので、あと一点にとどめておきますが、ただいま大蔵大臣の御答弁を聞いておると、結局山本政務次官の考えとまつたく同じであるということではないように私たちは判断したわけです。そうであるかどうかということは、今度の臨時国会において災害対策の予算等が提示された場合において、その本心のほどはわかるわけでありますが、一応われわれは今の御答弁によつて、今後農林当局との最終的な話合い等によつて、少くともわれわれの期待の線に沿うような努力をする意思があるということだけはここで確認しておきたいと思いますが、臨時国会もおそらく三十日から召集せられるということになるので、もうここ一両日のうちに政府の方針等も決定されると思うわけであります。それで当委員会においても後刻加藤本部長の御出席を得て、災害対策に対する政府の最終的な対策をただしたいというふうに考えておるわけでありますが、災害地における状況は、いろいろ政治的な動揺と合せて非常に不安が増大しておりますし、今日においても昨年と違つて救農国会等は開かれておらなかつたという点等もあつて、時期的にも非常にずれがあるわけであります。それで今後大蔵大臣におかれては、最終的な努力をされるというところにわれわれはどの程度信を置いてよいか、その点だけをひとつ明確に……。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 この一両日私ども全力を尽しております。これは芳賀委員に申し上げておきますが、今度は財源も限られておりまして、大きな目から見て一兆予算を堅持することは絶対に必要なことでございますので、その中でなし得る最善を私どもは尽したいと思つております。私は率直に物を申し上げる男だから御了承を願います。先ほどちよつとお話が出た中で、種もみの方は十分考えます。しかし保温苗しろの方は私考えてもちよつとどうかと思います。これはどうぞさように御了承を願います。

井出一太郎改進党

○井出委員長 伊東岩男君

伊東岩男改進党

○伊東委員 私の問わんとすることは芳賀委員からほとんど尋ねられたのでありますから、きわめて率直に簡単に、二、三大臣にお尋ねしておきたいと思います。大臣のただいまの御答弁を聞いておると、私どもの最も熱烈に主張しておるところの特別立法処置はやらない、こういうことでありますが、やらない方針でありますのか、絶対やらないというのでありますか、その点をはつきりしていただきたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 これはやらない方針であると私どもは申し上げておきます。

伊東岩男改進党

○伊東委員 それで大体わかりました。やらない方針であるならば絶対的ではないということに考えます。そこで大蔵当局は、今度の災害については非常に認識不足だと思うのであります。その点はただいま大体ただされたのでありますが、結論を申し上げますと、今度の災害を受けた非惨な災害民を——北海道なり宮崎県なり外十数県の、かの悲惨なる災害民を見殺すのであるが、このままで置くのであるかということを、はつきりお答えを願いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 もちろんさようなことについて、私どもは自分の全力を尽したいと思つております。そこで、これは申し上げておきますと、たとえば当初救農土木事業は北海道だけに限るという考えでおつたのでありますが、私どもは、原則としては内地では行わない、しかし宮崎県のような被害の大きいところについて、多少特別な考えをして、現金収入の道を講ずることがどうか、こういうようなことについて、実は今相談をいたしております。たとえば農林省所管の食糧増産対策費の節約額のうちで三%に相当するものをそういうふうに仕向けたらどうか、節約、解除をすることによつてそういうことをしたらどうか、実は私どもの少い財源の中で、どういうことをやり得るかということで、今せつかく案を練つておる次第でございます。

伊東岩男改進党

○伊東委員 財政当局として、財源上の関係から御主張になるお心持はよくわかるのです。われわれはいかなる場合でも、かような場合でもできるならば自力更生で行きたいとは考えるけれども、自力更生のできないところに追い込まれておるとするならば、先ほどからお話のあるような愛の政治をほんとうに伸ばして行かなければならないのであります。それからもう一つは、政治はすべて公平でなければならぬと考えます。昨年は北九州及び和歌山に非常な災害が起つたのでありますが、これに対しては救農国会が召集されて、政府も非常な馬力をかけられて、最善の予算を出されて、われわれもこれに賛成したのであります。今日そのときの施策を顧みると、あるいはあまり厚過ぎたというくらいに考えられておる節が相当あるのであります。それは政府当局が悪いのであつて、たとえば与党の有力なる代議士のところには、一村に十億近くの助成金をやるといつたような、ばかげた不公平なことをやりますから、結局こういう場合が来たときには、不平が起つて来るのであります。今御答弁になりまして大体わかりましたが、北海道のみに救農土木をやるということ、これは修正するというお話で、内地まで及ぼすということであるから大体いいのでありますけれども、ほんとうに今度の災害の明確な認識の上に立てば、十県余りのうち、局部的には去年の北九州より以上ひどいのであります。北九州のごとき、去年はやはり局部的にひどかつたのでありまして、全県的にはひどくなかつたのであります。そうすると、今度の北海道のごときは全土的の被害でありますと同時に、例を宮崎県にとりますと、宮崎県の方は局部じやないのであります、全県的な大被害であります。北海道の凍霜害は八百億と称せられておるのであります。北海道の六分の一しかない宮崎県は、その半分の三百五十億の損害であります。さようなことから考えますと、個人的の損害は、むしろ北海道よりもひどいということは、その数字によつて明瞭であります。そこで内地の方には被害が軽いから施策はやらないというがごときはまつたく不公平な処置でありまして、被害民を見殺しにしてもさしつかえないといつたような気持のように考えられる。だからわれわれはこの点を十分ただしておかなければならぬのであります。なお北海道のごときは国有林の風倒木、そのための損害が非常に多いのでありますが、他の県は個人別の被害が非常に多いのであります。公共施設は救済する道もありますが、個人の被害はなかなか救済の道がないのでありまして、このままで行けば来年はたいへんな問題になると思います。あるいは担税力のごときもまつたくないのでありまして、今刈り取つても収穫皆無というような農家がたくさんありますので、もう目の前から救済していただかなければならないのでありますが、これらのことをよくお考えになりますと、どうしても高率補助による施策でなければならない。といたしますと、特別立法をしていただかないと、この救済の道はないと考えるのであります。大蔵大臣は現地をごらんになつておりませんからわかりませんけれども、現地の惨状というものは、まさにその極に達しておるのであります。この惨状を一体大蔵大臣は御承知でございますか、この点からお聞きしたいと考えるのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 私はまだ実は実情を調査しておりませんが、しかし宮崎県の状況につきましては、今代議士からも聞き、市長や知事さんも来られてよく話を伺つておるのでありまして、御事情は十分お察し申し上げております。従いまして特別立法は私どもはいたさない、いろいろ運用によつてでき得るだけのことは処置いたしたいと考えております。さらに俗に言う営農資金の問題については、今度も特別立法をやりまして、利子の補給とかあるいは損害の補償とかいうことはこれは特別立法措置をとつて、これらの方々のお役に立てたい、かように考えております。

伊東岩男改進党

○伊東委員 営農資金による金融処置をしていただくということは当然なことであります。しかしこれくらいの特別立法をやつていただいたところで、とうてい悲惨な災害民を救済し得ることはできないのであります。そこでどうしても金がないからできないのだ、こうおつしやつても、あなたの方で特別立法ができなければ、これは議員立法で行くよりしようがないのでありまして、議員立法で行くならば、必ず通過することは間違いないのであります。通過させるということは、昨年はむろんひどかつたけれども、場所によつては昨年以上ひどいのだという認識が議員の諸君にはあるのであります。私どもは議員立法の通過については確信を持つておるのでありますが、さように国会の方で熱烈なる希望があり、主張があり、要求があつても、なおかつどうしても原案としての特別立法はできないとおつしやるのでありますか、この点お答え願います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 運用によりましても、相当重点的にこれを施行すればほぼ目的を達しますので、昨年唯一の例外だといつてできた立法を、また本年——先ほども申します通り、地域的には宮崎県のようにひどいところはありますが、日本としては二十九年は最も災害の少かつた、そういう年に、またそれを持つて参るということは避けたいと考えております。但し運用によつて相当程度やり得ることになりますので、さような重点的な運用をはかつて参りたいと考えております。

伊東岩男改進党

○伊東委員 もういくら質問申し上げましても同じことでありますから申し上げませんが、どうか大蔵大臣は、金がない金がないと言わず、金を生み出すのが大蔵省でありますから、ひとつその点を御考慮願いたいと思います。一言申し上げておきますが、東北、北海道に冷害が毎年繰返されておる。これは根本的に救済して行かなければならぬとわれわれは考えております。九州の南端はちようど台風の玄関口でございます。宮崎、鹿児島でありますが、ここが既往六十年に台風という名のつくものが襲来したのが百二十四回あるのでありますから、一年に二回強であります。一番多いときは六回台風が来、今年のごときは四回参つております。しかし大体台風には慢性になつておりますから、今まではそう苦痛を感じなかつたのでありますけれども、今年という今年はこれが一部分でなくて、全県全部、海浜地帯は全部白穂でございます。平坦部も農作物は相当の被害であります。山手の方はどうかというと、片つぱし山くずれが来て今日までどうにもこうにもなり得ない。橋梁も道路もずたずたにやられて、保安隊が来てようやく緊急の処置をとつたというようなぐあいであります。これが根本的な対策をどうするかということについては、なお別な方面から質問いたしたいと思いますが、どうか大蔵大臣はその意味合いにおいても、あるいは宮崎県ばかりでなくて、他の府県も局部的には非常にひどいのでありますから、われわれの要求する特別立法については、今後十分ひとつ臨時国会までに御考慮を願いたいということを申し上げておきます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 ちよつと御参考までに申し上げておきますが、昨年の一番災害のひどかつたところについて現行法で重点的にやつた場合にどうなるか、たとえば和歌山県でいいますと、現行法でも九五・三%、特別法で九八・七%くらいでその差は僅少のものでございます。従つて現行法でも重点的にこれをやりますと、相当災害に対する補助ができますので、こういうふうに立法が一般的にだんだんと結局薄くなつてしまつて、同じ効果がないようなことにもなるから、この点十分ひとつお考えを願いまして、なるべく災害の激甚な地へむしろよけい行く方が私どもはいいのじやないか、こういうふうに思つておる次第でございます。これもまた率直に申し上げて相済まぬですけれども、どうしても、ひとつ法律ができますとみな均霑して、昨年のごときも結局二十三府県みな及んでしまつておるというようなことになつてしまつて、限られた予算のもとではかえつて効果が上らぬというようなことにもなりますので、伊東さんもその点ひとつ十分お考えを願いたいと存じます。

井出一太郎改進党

○井出委員長 淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 大蔵大臣にお伺いしたいのであります。日本全国の災害が本年はたいへん少いが、局地的に非常に大きな災害があつたと言われたその御認識にはまことに敬意を表します。ただこの通り暖かい東京におりまして、北海道並びに東北地方における災害実体は、やはり実感的におくみとりいただかなければ、なかなかはつきりと御認識になれないのではないかと思いますので、一言申し上げたいと思います。  今年の凶作の特性といたしまして、秋が末になつてから非常に大きくたたかれた。当委員会からも再々青森県のごとき御調査を願いまして、大体立直るのではないかといつたような見通しまであつたのでございますが、九月二十六日の台風と、十月十日以後に連日やつて参りましたひどい霜のために、稲作のごときは全然穂が出ない所がたくさんございます。穂が出ましても登熟ができませんので、分析した結果は予想を増した大凶作になつておる事実。県が大きな経済的な力をかけておりますりんごの栽培のごときも、先に見られないような特殊な災害を受けております。     〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕 さつき大臣は、大体六百億程度の災害じやないかというようなお話でございましたが、青森県だけですでに百十六億円という大きな災害が調査されておるのであります。特に霜があつてからおいでくださいました農業改良局の河田研究所長の凍霜による被害なども、かなり大きな変化を見ておるような形でございますので、こういう点をひとつあらためて御認識くださいまして、六百億と限定せずに、やはり災害の実態は実態として十分にお認めを願いたいことが第一点、さらに北海道、東北その他の凶作というものは、ただ経済的な危機に瀕した形ではございません。もう経済的にどうこうということよりは、もう雪が降つております今日、明日の食糧もなく生活危機に陥つておる。もう救済の時期を失えば、まつたく実効はあげ得ないという特殊性があります。もうすでに雪もどんどん降つております。よほど急いで御施策くださいませんと間に合わないという特殊性が非常に強いのであります。こういう点から、いろいろ財政上の御都合もございましようが、ひとつ虚心坦懐に凶作の実感というものを御認識くださいまして、早急おとりはこび願いたい。いろいろ御苦心もございましようが、目の前に迫つた生活危機というものは、とても金がない一点張りでは見のがしがたい重要な形だと思つておりますので、この点に対する大臣の新しい御決意を伺いたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 今お話の点よくわかりました。十分できるだけ早急に処置いたしたいと思います。ただ私がさつき申し上げましたのは、実は農作物の損害その他を含んでおるのではありませんで、公共土木事業あるいは土木施設、あるいは農林水産施設の損害を申し上げたのです。それでちようど私どもの方の調べで申しますと、昭和二十二年が千百九十五億、二十三年が千七百五十八億、二十四年が千二十二億、二十五年が千二百七十五億、二十六年が千四十一億、二十七年が五百三十二億、二十八年は目下まだ査定をしているところで、大体二千億といわれております。なお二十九年もはつきりいたしませんが、こういうもので大体一応五百五十億くらいの数字が出て来ますので、二十七年災害に次いでもつともこういう方面から見た災害は実は少い、その意味でさつき申し上げた次第で、農作物の損害等は含まれておりませんので、さよう御承知おきを願います。  なお今仰せになりました点よくわかりますので、できるだけ私の方からも早急処置いたしたい。今度の臨時国会にはぜひ出したいと思います。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 去年の災害を受けた県におきましては、たとい局地的な災害であつても、県独自の力をもつてしてはとうてい救済し得ないという深刻な打撃を受けて参つております。まつたくこの災害を受けました地方の農民の、形というものは、一日として默つて見ておられないようなせつぱ詰まつた形にございますので、統計や何かの点でさまざまな食い違いがあるようであります。ただ十月以降における大きな災害が連続やつて来たという特殊なる形を、くどいようでございますが、なおつけ加えて申し上げまして善処をお願いいたしたいと思います。

佐藤洋之助自由党

○佐藤(洋)委員長代理 片島君。

片島港日本社会党(左)

○片島委員 大臣にこれは何回申し上げても同じかと思うのでありますが、先ほどの御答弁で、今年は災害の額が非常に全体的に少いから、特別立法する必要はない、こういうお話でございましたが、かえつて特別立法することによつて、これが適用範囲が広く、ばらまかれるために薄くなつて来る。災害の激甚なところに薄い手当しかできぬというような御発言がございましたが、これは私は少々勘違いされておるのじやないかと思います。もし災害の範囲が非常に狭い、五百五十億という施設災害であるけれどもしかしそれは今までの災害に比べて非常に今年は災害の範囲が狭いので、特別立法をいたした場合にその狭い範囲にこれを適用すればいいのであつて、二十何府県にもこれを及ぼす必要はないのであります。そうした場合に、災害地の災害者といたした場合には、昨年はこういうようなことをやつてもらつておる。しかしながら今年は昨年以上にひどいのに、われわれの所は特別な措置はしてもらえないということが、非常に政治に対する、不信を招くのであります。法律の適用範囲を狭めれば何も薄くならない。大臣は先ほどから、金を非常に重点的に使うと、言われるが、重点的に使うようにその範囲を指定すればいいのでありまして、どうしても今年特別立法はやらないということは、特別立法は何か特に予算外をよけい食うというように考えて警戒をしておられるとしか思えぬのでありますが、そんなに予算をよけい食わないでも、災害の激甚な所へこれを重点的にやれば、問題はないと思うのでありますが、この点について私はもう一度念を押しておきたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 やや事務的な面にわたりますので、私から補足的に申し上げたいと存じます。何分にも目下の財政状況では、災害復旧にさき得る金額が比較的限定されておるわけでございまして、かりにそれを百億なら百億といたしました場合に、高率補助で平均九割の補助が参るということになりますと、その九割の補助で参りました場合の事業費は、八割とか七割五分の補助率で参りました場合の事業費よりも事業費としては減るわけでございます。     〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員長着席〕 そこで八割とか七割五分でやりました場合なぜ事業量がふえるか、これはその裏の一割五分を起債でつける。九割の場合も一割は起債でつけますが、全体として考えれば、百億使つて七割五分の補助率でその裏を起債で見る場合の方が、九割の補助率で残りの一割を起債で見る場合よりも事業分量が多いわけでございまして、その多くなる事業分量を災害の激甚地に重点的にまわすことによりまして、復旧率はかえつて高まる。もちろん仰せのように、特別立法をいたしましても、それをごく一部に限定して実施いたしますれば、さような弊害もあまりないのでございますが、昨年と同じような基準でこれを適用するということになりますと、やはり十数県にもまたがるというようなことになるわけでございます。昨年の例として大臣がお引きになりましたように、昨年は二十数県、ことしはそんなに広くなりませんが、それでもやはり十数県ということになるわけでございまして、それらの十数県の広い地域にわたつて九割という高率補助が行われますと事業量全体が減る。従つて復旧率も減つて来る。そこで私ども考えておりますのは、現行法の中でも災害のひどい所と低い所に補助率の差がつくように、累進率ができていますので、その現行法で補助率の方は考えて、起債をその裏に十分につけて復旧率全体を高める、事業全体の量を少しでも減らさないようにということで考えて行つた方が、究極においては復旧も早まるし、重点的な施行ということでかえつて復旧の実をあげ得るのではないか、さような考え方をいたしておるわけであります。

片島港日本社会党(左)

○片島委員 主計局長の御答弁はまつたく主計局長らしい御答弁でありますか、百億なら百億という災害復旧のわくをつくります場合には、災害の実害というものを見てから百億というのは出て来るのであつて、最初に百億というわくをつくつて、それを今年度の災害に使おうというならば、災害が激甚であつた場合にどうなるのでありますか。災害復旧のための財政資金というものは、逆に災害の状態から割出されて来るものではありませんか。それを一番先に財政上はこれだけしか持てないからということでは、災害が少かつた場合にはこれが十分の復旧ができる、災害が多かつた場合には、これではできぬということになるのでありますが、災害が少かつた場合には、財政上の全体のわくは小さくてよろしい。災害が大きかつた場合には、そのわくを広げなければならぬ。それを逆に、頭からわくをきめておいて、これをどういうふうに地ならしをして行つた場合に均霑するかということは、これはそろばんをとる人の非常に事務的な考えだと私は思う。この点いかがですか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 もちろん、災害対策費の額は、これは災害の程度、状況によつて考えなくちやならぬことは当然でございます。従つてそういう配慮も私ども十分用いなくちやならぬわけでございますが、しかし他面におきまして、やはり財政上の制約があるわけでございまして、補助率が高まつただけ、それだけよけい追加して補助金を計上し得るというような、そういう楽な財政状態でないわけでございます。そういうことを私は申し上げたわけでございまして、災害費の総額そのものは、もちろん災害の程度によつて考えなくちやなりませんが、高率補助によつて補助率が高まつただけ、それだけプラスして出し得るような財政状態ではないという意味で、一つの例として百億という数字を引いて申し上げたわけでありまして、その点御了承いただきたいと思います。

片島港日本社会党(左)

○片島委員 この問題については、先ほどからも同僚委員から質問がありましたし、さらにまたわが党といたしましても、議員立法による特別立法の準備を今進めておりますので、この程度にいたしたいと思います。次に、これは先ほどからの質問にまだ出ておりませんが、開拓者の入植施設について、このたび非常な災害が北海道にも、また私たちの宮崎県あたりにも非常にたくさんあるのであります。御承知のように、開拓者の入植施設というのは、これは普通の平地における農家の場合とは違つて、特別な措置をとつてやらないことにはどうにもならないような状態になつているのでありますが、この点について何かお考えがありますか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 開拓者の入植施設につきましては、前例もあることでございますし、家屋の全壊分に対しましては、従来通り二分の一の補助を予備費より支出したいということを考えております。

片島港日本社会党(左)

○片島委員 いま一つ、実は地方の起債の問題についてでありますが、各地方自治体が起債する場合において、一つのわくがきめられておりますが、突発的な災害などがありました場合には、これは特別に金が必要になつて来るわけであります。こういう災害の場合の復旧のためには、特別に起債のわくというものを考えて行かなければならぬので、これについては当然特例を認むべきであると考えているのでありますが、大蔵当局ではこの点御検討になつたかどうか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 災害復旧の補助金に伴う裏の起債でございますが、これは年度当初の地方財政計画におきましても、何がしかのわくを考えておりまして、現実に災害が起つて参りまして、その補助費を予備費から支出することになつているわけでありますが、その補助費の裏のわくにつきましては、十分地方財政計画の中で考慮することにいたしております。ただ公共事業費等につきましては実行上の節約、この点につきましても、来るべき補正予算におきまして補正を必要とすることになつておりますが、その関係上、当初の起債のわくにいろいろ調整を要する面がございまして、別途追加になるのか、あるいは既定のわく内でまかなえるかどうか、それらの点につきましてはいろいろ自治省とも打合わせをいたしているところでございますが、いずれにいたしましても、補助費の裏になる起債につきましては、十二分に考慮いたしております。ただいま御指摘のございましたのは、こういう災害の復旧の補助費の裏の起債よりは、むしろ地方公共団体が災害によつて税収入が入らなかつたというような場合の、特別の起債の話であつたかと思いますが、この点につきましては、私どもは、本年度程度の災害でございますればやはり現行の制度、それにはいろいろございますが、地方に対する特別交付税の配分の仕方、そういつたようなものによりまして十分に財政調整の実をあげたいと存じますし、あるいはまた時期的に、一時的な金繰りの困窮といつたような事態に対しましては、財政調整資金とか短期資金の運用にまつ面もあるかと存じますが、そういつた現行制度の活用によつて十分対処して行ける、さように考えている次第であります。

井出一太郎改進党

○井出委員長 中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 大蔵大臣にお伺いします。さつき再度にわたつて温床苗しろの助成金を出さない、それは百姓がもうかるのだから、百姓が自分でやればいいじやないか。そういうお話でしたが、一体どういう基本的な理論的根拠に立つて大蔵大臣はそうおつしやるのか、その見解を明らかにしていただきたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 温床苗しろは、奨励方法をとつて以来すでに数年を経ておるのでありまして、今温床苗しろについての知識は普及しておる。そういうものについてはもう一般的なものとして農家が自分でおやりになつたらいいだろ、こういう考え方であります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 そうすると、効果が上つて来たからやらないといえば、温床苗しろの助成金にかわる代金が農民のふところに入つているというお考えですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 代金というものは、そのときによつて違いましよう、また作柄によつて違いましようから、代金が入つているかいなかは存じません。しかしすでに奨励方法をとつたものは、普及して来ればそれをいつまでも奨励すべきではない、かように考えております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 それは大蔵大臣、あなたはあまり百姓を知らな過ぎる。われわれ農民は別にこじきじやないのですよ。ただ何でもくれくれと言つているのじやないのですよ。温床苗しろの代金そのもの並びに投下した農薬、要するに生産材そのものの価格が正当に米価の中に織り込まれていれば、われわれはくれとは言いませんよ。それが織り込まれてないからこそ、政府がそこに補助政策をとれという要求をわれわれはしているのですよ。一体どつちをとるつもりなんですか。価格政策の中に完全に織り込んであるのだ、米価の中に農薬の銭も織り込んであるし、温床苗しろの銭も織り込んであるのだから、これは出さないのだという政策をとるのか。今の均衡財政上、どうしても不可能であるから、まことに農民には申訳ないが、わずかばかりだが温床も六億ばかり出そうか、農薬も二十億ばかり出そうかという、一体どつちの政策を政府はとろうとしておるのですか。これは基本的な問題です。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 政府としては農業者の生産が維持され、また奨励されることを希望しておるのでありますすれども、今申し上げたような実例で申せば、一応奨励してみて補助金を出してみて、それが普及すればその補助を打切るというのは、補助の性質から見て私は当然だと思う。価格政策の根本は、これはまた農業審議会とかいろいろの食糧審議会等で相談があつた結果一つの価格としていつも生れて来るのであつて、その問題について私どもがかれこれここで意見を言うことではない。これだけカバーされておるとか、どこがどう入つておる、これは綿密に調べればいろいろ意見も出て来ましよう。あなた方の言われるような価格の盛り方もあり、他の盛り方もありましよう。従つてそれについてはかれこれと意見を申しません。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 価格政策の中に入つていれば、こういう要求は、われわれは、当委員会の決議にもなつているが、やらないのですよ。価格の中に織り込んでおらないから、農薬も助成してもらいたい、温床萌しろの補助金も出してもらいたいというのは、これは正当な要求なんですよ。米価だつてそうでしよう。米価の中にそれが一切織り込まれていれば、農民だつてこじきじやあるまいし、温床の六億や農薬の二十億くらいのはした金を補助しろ補助しろと言いませんよ。農薬には、御承知の通り農民は百億も使つているのですよ。それが価格の中に織り込まれていないからこそ、当然政府はこれを助成する義務があるというのがわれわれの考えであり、農民の要求として私は至当だと思う。大蔵大臣は、米価審議会もあるし、そつちでやるから、そんなことはこまかく言えばいろいろあるだろうというのは、その基本的な問題に政府が触れていないからで、農業問題は全部混乱しているのですよ。農業問題をあなたに聞いたつて、あなたはしろうとでわかりはしないから、それは保利農林大臣に伺えばいいことであるが、そういう農民の正当な要求に対して、あなたは少くとも大蔵大臣として、公平妥当な立場で考えれば、それが価格の中へ入つていなければ当然国の補助政策の一環として行わなければならぬとお考えになるのが、私は正しいと思う。それに対して、あなたはそれはどうしても出せないという御主張でしようか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 繰返し申しますが、補助金はなるべくやめたいというのが、私どもの考え方であり、奨励を要するときに補助金を出して、それが普及すればその種の補助金はやめたい、かように考えているのであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 大蔵大臣はあつものにこりてなますを吹くということで、なるほど昨年の凶作に対する策として、われわれ自体も本年は末端へ行つてみるといかぬものがあつたと思うのです。それは認めます。しかしそのことがあるからといつて、補助金は今後打切つて行くんだという考え方自体は間違つている。要するに補助政策をとるか、価格の中でそれを見て行くかという二つ以外の政策はないのです。それは大蔵大臣と議論になるからよしますが、一体政府は今後の農業政策として、補助政策をとつて行くのか、正当な価格政策をとつて行くのか、この基本的な問題が解決しなければ、農業政策にならぬと思うのです。大蔵大臣は奨励したものは、受益者が農民なんだから、農民が二十一円五十銭くらいもらわぬで、自分で出したらいいじやないかと言うのは——ほかの補助金には、われわれが誤つて決定したのではないが、末端へ行つてみると、変な補助金があるのです。二円とかもらつて、こんなものは困るとか、そういうものはもちろんわれわれも集中的にこの際整理すべきだと思うのです。その点については同感なんですよ。ただ問題は、一番大きな投下資材である農薬とか、温床苗しろというものは、米価の価格形成の中へ入つていないから、これだけは出してもらいたいという要求を農民も強くし、われわれも強くしている。だからほかのぐしやぐしやした補助金は打切つてもけつこうです。これとこれだけは価格の中に入つていないから、補助政策として今後政府は考えて行くんだ、こういう基本的態度は明らかにしなければいかぬと思う。ほかの方のぐしやぐしやしたわけのわからぬ、末端へ行けば消えてなくなるような補助金を打切れば、農薬とか温床帯しろの補助金は相当に出るという確信を私は持つているのです。どうですかその点は何とか出してくださいませんか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 御意見は承つておきます。

吉川久衛改進党

○吉川(久)委員 大蔵大臣はかつて農林大臣もおやりになつて、わが国の農政問題には精通しておいでになる方ですから、私は多くは申し上げたくございませんが、ただいま補助金制度を打切りたいというお考えに伺つたが、私はこれは重大な問題だと思います。日本の現状では、適正規模の農業経営さえできない。農地の均分制度がとられ、非常に多くの人口をかかえて、農業資産特例法等も一時問題になりましたけれども、これも憲法に違背する疑いがあるということで流れてしまいました。こういう状況の中にあつて、資本主義の制度下で、一体補助金制度を打切つて行きたいという考え方については、重大な問題があろうと思います。しかし私は今ここであなたと議論することはやめます。そこでただ一点だけお伺いしておきたいのですが、健苗育成施設の問題について、奨励金を出す必要はない。その通りでございます。保温折衷苗しろのよいことはよくわかつておりますが、それは富農には徹底したと私は思います。しかし零細農の人々に徹底したとは、私にはどうしても思えない。来年の四月に苗しろを私案内いたしますから、大臣見ていただきたいと思います。そのときに私の言うことが間違つていたならば、どんなお約束でもしてよろしい。まだ徹底していないのです、だからよいと知りながらもできないでおる。少くとも呼び水程度のものをここ二、三年——三年でなくても二年でもよい。もうしばらくこれを見てやつて徹底させるということが親心じやないかと思うのですが、この点大臣は、零細農にまですでに奨励をして来たからそれは徹底しているのだとお認めで、今までのような御答弁をなさつたのでありましようか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 実は補助金と申しましても全般的のものでないことは——これは誤解があつてはいけませんが、私は補助金というものは大体漸次減らして行きたいという一般的な考え方、そのうち今のような奨励的な補助金は、普及して参れば普及して参るに従つて金額も減じ、さらに廃止する方向へ向つて行きたい、こういう考え方を実は申し上げた次第であります。今お話の点で、これは私どもの方がおそらく事実を知らぬ点が少くないと思います。従いましてこの点はさらに検討いたしますが、私どもの方としては、もう数箇年間すでにこれはやつて来たことであるから、もう普及しておる、こう見ておつたのでありますが、普及しておらぬ、やはり誘い水程度のものがなければこれはだめなんだということでありますれば、さらにまた考えてみます。それからまたたとえば薬の分についても、私ども一回分だけにこの前補助金として出しておつたことは御承知の通りと思いますが、漸次こういうものも普及して参りまして、皆さんが自発的にやるようになれば、それはもう漸次少くして参りたい、これはもう私どもの根本的——もつとも財政当局としては少くして参りたいという考え方は当然だ、こう考えておるのでございます。この点は今お話の点もございますから、さらによく検討してみたいと思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 その問題は大蔵大臣ひとつよく考えてもらいたい。ただこういう意見があるというのではない。これは農林委員が意見をしているのではない。大蔵大臣、農村を歩いてごらんなさい。農薬とあれだけは価格の中に入つてないのだからやつてもらいたいという全国農民の意見ですよ。それをただ集約して申しておるだけです。ほかのくだらない補助金は打切つてもいいと思いますが、しかし農薬と保温苗しろだけは続けてもらいたい。これはお願いしておきます。  いま一度お伺いしておきますが、農林金融が今危機に立つて来ておる。大蔵大臣も御承知と思いますが、本年もまた昨年の凍霜害で政府が経営資金を、全部農民資金へしわ寄せしたと言えばおかしいが、お前らの貯金があるのだから、それを使つたらいいだろう。もちろんこれは農民の貯金で遊んでいる間は使うのもいいだろうがそれが今非常に危機に立つて来ておるということは、大蔵大臣も御承知のことと思います。たとえば今年の一例を申し上げますれば、宮崎県の例ですが、宮崎県では、宮崎県信連の九月末現在のものを集約したのですが、現在貸出しが十五億九百万円、そのうち借入金で貸出しの額をまかなつたものが八億七千六百万円あるのです。貯金が七億四千四百万円ある。これは貯金と借入金を合計してやつと貸出金をまかなつておる。現在宮崎県信連では、何かといつては貯金に全部食い込んでしまつている。これはオーバー・ローンとか、銀行とかいう問題も問題になつておりますが、そんななまやさしい問題ではなくなつてしまつている。農民の貯金をほとんど貸出しに使つておる。これは一歩間違えば日本の農林金融が、一県の信連がくずれれば、これが全国に波及する傾向が現在出ておる。北海道の例を申し上げても、百六十九億一千万という貸出金に対して借入金百二十五億、これに対して北海道は大きいから貯金が五十五億あるのです。しかしこの農民貯金の中へ食い込んでいること十三億、昨年の凶作で食い込みをやつておる。宮崎の場合なんかもにつちもさつちも行かないのです。そのほか岩手、青森の例もここにありますが、青森の場合で申しましても、貸出しが二十二億二千万円あるうち、借入れ十八億五千万円、貯金が二億しかない。これでとんとんくらいになつてしまつて、信連には一銭も金がないのです。岩手の場合でも二十二億の貸出しをやり、借入れが十八億、貯金差が四億、金がないのにどうやつて二十二億貸しておるのかふしぎに思つておるのですが、ことしの冷害で岩手、青森、十五号台風のひどい宮崎県、北海道、これらを通じて非常に危機に立つておる、御承知のように農民資金というものは季節資金ですから、なるほど早場米を出して十二月が最高でうんと集まると思います。ところがこれは御承知のように四月から五月の営農期になりますと、去年も私どもの方から言えば長野県信連なども相当危機に立つたわけです。中金にも金がない、本年もこれは百億——当委員会の決議は百億の経営資金を出せというので、これは私中金に三日行きまして、いろいろ資金源の相談もして来ましたが、とにかくときにまかなえと言えばまかなうのであります。去年の償還金八十億、そのうち冷害、災害による延納分二十億見込まなければならないと思うのです。そうすると六十億の貸出金の償却部分しかない。これに対して百億の決定をわれわれしたのですが、ときにはいいが、どうしても農林債券の引受けという問題を真剣に考えてもらわなければいかぬという問題が出ているわけです。こういう季節資金ですから、四月、五月にやればいいじやないか、こういうお考えも一応成り立ちます、あるいはまたその一部は若干減らしても、その時期でもいいと思う。ところがこのしわ寄せば全部県の信連に来るのです。大蔵大臣は忙しいようですから、こまかい数字は読み上げませんが、今度はそのしわ寄せが全部村の農協に来てしまつている。農協によつてはにつちもさつちも行かない。去年の凶作で村の農業協同組合の預金までみんなたたき出して貸し出してしまつた。そうして払出しを求められれば破産する以外ないというような現状にある村の単協というものは、全国で言つたらおそらく相当数に上つていると思います。これに対して大蔵大臣は今後どういう方式で、昨年の四百八十五億、今年の百億というものをやつた場合、なおかつ農民資金に余裕があつてできるという確信をお持ちかどうか、この点はひとつ考えてもらわぬと、来年の五月はまさに農林金融の大混乱を起す危険があるということを私は今から申し上げておきますが、お考えをひとつ聞かせてください。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 農林金融については、私どもも絶えず農林漁業金融公庫等の資金源の充実方をはかつておるのでありますが、おそらく十分ではないと思います。それらの点が今お話になつた例になるかと思いますが、もう少しこれは農林当局ともよく相談をいたしてみます。ただ全般として見まして、私どもはそういつた金融機関の信用に関する問題にはあまり触れたくないという考えを実は持つております。ただ現在の状況で申しますと、農林中央金庫に非常にたくさんの金が集つているので、今この金については、実は日本銀行からこの売りオペレーシヨンで立ち向かわせるような措置をとつております。しかし季節的にもいろいろわかれて来ますので、全体としての営農資金の充実方については、これは考えなければいかぬと思つております。ただどの程度をどうするかということについては、もう少し私どもが案を練つた上で御返事申し上げたいと思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 大蔵大臣お忙しいようでありますから、それじやあと二点ばかりでやめます。一点は忙しければお願いだけにしておきますが、ただ農林中金に金が集まつて来たから売りオペレーシヨンでやる。これは一つの時期的な政策としては私は悪いとは言いませんが、そのしわ寄せが県の信連に来ており、それが村の単協に来ておるという事実を忘れてはいかぬのです。農林中金に集まつたら幾らでも金があるということじやないのです。その間の事実を忘れて、ただ農林中金というものに金が集まつて、これは農民資金がみんな集まつて売りオペレーシヨンで吸い上げて抑制をしよう、その考え方自体はいいが、そのしわが全部下へ寄つているという事実を忘れてはいかぬ。その金が先ほど数字で申し上げたように、全部貯金の中に食い込んでおるのです。この事実を忘れて——中金だけを相手にして中金には批判があるのです、ああいう農民の金の集め方は。とにかく中金には批判があるのですが、中金のあり方自体に問題があるから、下の県信連並びに村の協同組合が全部しわ寄せを食つているという事実を忘れないでもらいたいということをひとつお願いしておきましよう。これはいくら言つてもあなたとの話はけりがつきそうにもないから。そこでいま一つお聞きしておきたいのですが、去年の飯米を要するに生産者原価で売り渡したもの、これが実は御承知のように金で貸したところもあるのですが、石数で五十万石、約四十二億というものが、去年の米のとれない農民へ政府の生産者原価に見合う貸付をやつておるわけです。長野県は今年割合よかつたのですが、やはり標高八百以上の山間高冷地の村を歩いてみると、四百戸くらいな部落で六百万円くらいの飯米を借り入れて一冬中食いつないだところがある。もちろん北海道なんかはこの問題が深刻だと思うのです。それに対して今償還をした、もし償還をしなければ日歩四銭の利息をとるということで、強引に取上げておるのです。これは本年度の冷害対策について当委員会においてもう一年延納措置をすれば一番いいのですが、それが不可能なら、実際分納措置をやらなければ返せないのですよ。四百戸くらいの部落で、私の方でいえば柳原村の部落でも六百万円からの米を食つている。今年ちよつとぐらい豊作でも六百万円あるのです。これを三百万円ずつ二年間の分納にしてくれないかという熾烈な要求が奉る。これは芳賀委員からも御質問があつたと思いますが、これに対して大蔵省は、そんなものは困るからぜひ返さなければ日歩四銭の利息をとるぞということで、盛んに去年の飯米貸付代金の回収をやつておる。これは何とか考慮してもらわなければならぬせつぱ詰まつた問題です。その飯米代金を全部返せといえば、今年の冬はまた、豊作であつても去年の凶作以上だと農民は言つている。それに対して大蔵大臣、まだまとまらないのなら主計局長でもいいが、大蔵大臣から、それはお気の毒だからひとつ何とかしてやろうという御答弁を願いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 実はその問題は延納をある程度認めようということは打合せておるが、そのあとのことはまだ案を練つておるようです。

小枝一雄自由党

○小枝委員 一点だけ主計局長にお尋ねいたします、先ほど同僚委員からも、災害対策に対して開拓者の問題についてのお尋ねがあつたのですが、今度の風害によつて、開拓者がようやく立ち上ろうというときに、営農施設特に住宅が相当倒壊しております。これは今後の開拓者を扶植する上においてはなはだ困つた問題です。このときにあたつて、二分の一の補助をするということになつておるようでありますが、それに対して仄聞するところによると、何か三年とか五年とかと年限を切つてやるのではなかろうかというふうなうわさがある。これは御承知のように、開拓者で特に入植しておる者は、ちようど五年、六年というところは自己資金を使い果して、いよいよこれから立ち上れるかどうかという関頭に立つておると思う。五年、六年というところは越せるか、越せないかというむずかしいところだと思う。そういうときにあたつて、年限でこれを区分するということは、はなはだ不当な問題じやなかろうかと私は考えるのですが、それについての御見解を伺いたい。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 先ほどもお答え申しましたが、開拓地の住宅の全壊に対しましては、従来通り二分の一補助をいたすつもりでおります。その従来通りと申します中に、入植後五年未満の者、これを開拓者の定義として今まで臨んで参りましたわけで、これは開拓者という定義にやはりある区切りをつけませんことには、いつまでたつても開拓者というわけでもないわけであります。そういう観点から今まで五年という区分を使つて参りました。その五年という区切りで全壊住宅に対しまして二分の一という補助を考えておるわけでございます。  なおこの機会に、先ほど飯米代金の延納につきまして大臣からお答えがありましたが、これは私ども目下具体的に検討いたしておりますが、全国どこでもというわけにも参らないのでありまして、たとえば北海道みたいに二年続いて不作であつたというような特にお気の毒な地域ということにならざるを得ないのじやないかということで、目下具体案を検討中でございます。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 ではいま一言言わせてもらいます。それは内地においては、相当豊作な所は全額延納ということはお願いしない。これはまた全額を延納して、来年凶作ならどうにもならぬから、農民もできるだけ返そうとしておるのです。二年分納で、今年半分返し、来年半分返すという方法でもけつこうですから、これは北海道に限らず、内地の山間高冷地帯でもやつてもらいたい。しかし地区指定は相当に厳格にやつてもらわなければならぬ。去年も凶作ブームだといつて凶作便乗県も大分あつた。私は大蔵省の言いぐさみたいなことを言いますが、ほんとうに困るところはみつしり助けるということで、飯米の問題はぜひ内地も分納を考えてもらいたい、ぜひお願いします。

井出一太郎改進党

○井出委員長 最後に、私からちよつとお願いいたしておきますが、三十日に臨時国会が開催されるということになりますと、それまでは当委員会としてお目にかかる機会はないかもしれません。私は少し取越苦労で心配するのかわかりませんが、目下の政局不安でもし朝野両勢力が激突をするようなことになると、せつかくの補正予算もあるいは立法措置もいかが相なるかという懸念もありますが、しかし一方災害の問題は、冬空を迎えて非常に深刻でありますし、私ども今秋以来ずつとこの問題と取組んで努力して参つた関係上、私どもはできるだけこの災害措置の成立に努力をしておる次第であります。さよう行かないような場合もなしとしませんので、しかる場合に行政措置によつてもできる限りの御努力を願うということをあらかじめお考えおきを願いたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 委員長のお言葉はよく了承いたしました。     —————————————

井出一太郎改進党

○井出委員長 この際佐藤洋之助君より発言を求められております。これを許します。佐藤君。

佐藤洋之助自由党

○佐藤(洋)委員 この際了解事項があるのです。それは第十九国会の最終日にあたりまして、佐藤洋之助外二十二名提出の法律案がございます。それは不幸にいたしまして参議院において時間のために継続審議になつておつたのです。その問題が参議院において解決いたしましたので、そこで当然参議院では本会議にかけましてこれを満場一致持つて来るのでありますから、われわれの方の衆議院においてはこれを了承すればよろしいのです。その事項が参りましたから、それをちよつと御了承を得ておきたい。  昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案の修正案要綱でございます。それは「四月及び五月」とありますが、これが「四月及び五月及び六月」となるのを「四月、五月及び六月」となるように字句を訂正する。つまり六月四日の茨城県に起きましたひよう害、八日、九日に起つた青森、岩手の凍霜害、これらを含めて、この営農原資金の措置をする、こういうのでございまして、その営農資金の目標が四億五千万であつた。四億五千万では、青森、盛岡まで、北海道も入つておりますが、これらを包括するのは困難でありまして、二億増しまして六億五千万円とするというのが、第三次営農資金の総額の変更でございます。ですから問題は期日を延期いたしまして、昭和三十年一月三十一日までにこの成立を延期する、こういうふうなことに訂正した三箇条であります。これを御了解願いたいと思つております。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 本日はこの程度をもつて打切り、明十九日午前十時より会議を続行することにいたします。  これにて散会いたします。     午後三時三十二分散会

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