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19回国会衆議院1954/08/30

農林委員会 第65号

発言数
170
登壇者
14
会派数
4
開催日
1954/08/30

会議録

井出一太郎改進党

○井出委員長 これより会議を開きます。  まず理事の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴いまして、理事が二名欠員になつておりますので、この際その補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 御異議なしと認めます。従前通り芳賀貢君、川俣清音君を理事に指名いたします。     —————————————

井出一太郎改進党

○井出委員長 引続きこれより前国会において成立いたしました日本競馬会法の施行に関する問題、酪農及び乳価の問題、飼料の問題等畜産に関する件について調査を進めます。まず新しい制度に基く競馬の施行準備の進捗状態について政府の説明を求めます。大坪畜産局長。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 前国会におきまして御審議を願い、成立をさせていただきました日本中央競馬会法のその後の進捗状態でありまするが、七月の一日だつと思いますが、公布に相なつたわけであります。公布になりましてただちに設立に関しまする条文が効力を発生いたしたのでありまして、それに基きまして農林省におきましては、設立委員を六人御委嘱申し上げたのであります。競馬界の代表者二名、農林次官と大蔵次官、それに学識経験者二名、都合六名を御委嘱申し上げまして、二回にわたりまして設立の審議をお願いいたしたのであります。その結果第二回目におきまして、定款、事業計画並びに業務細則、それから一切の準備を終つたのでありまして、第三回の委員会を大体来月の十日ごろ開きまして、それによりまして一切の準備が完了いたしますので、大体九月の十五日か十六日をもつて日本中央競馬会が成立する、かようなかつこうに相なるという見込みでおるのであります。

井出一太郎改進党

○井出委員長 川俣清吾君。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 ただいま十九国会で相当難航いたしました競馬法の改正に伴いまする新しい民営形式による競馬の発足の準備会の経過をお伺いいたしましたが、私どもが本委員会においていろいろ修正をいたしました点で、最も重要な点といたしまして、競馬益金の使用用途につきまして意見を述べ、法律を修正いたしたのでございますが、この点に関して準備会等についておそらく意見が出たものであろうと存じますが、これに関する御報告を願いたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 設立委員会といたしましては、競馬益金の政府納付金の使途につきましての御意見は特に拝聴いたしておりません。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 設立準備委員会において、将来の運営上の議論が出なかつた、こういうふうに理解してよろしゆうございますか。これが一点です。それから議論が出なかつたとしますれば、委員会の修正の素志がそのまま実現するというふうに期待してよろしい、こう理解してよろしゆうございますか。この二点です。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 特別に御意見はないのでございます。あるいはもう一回委員会を開催いたしまするので、その節御意見が出るかもしれませんが、現在までの二回の委員会におきましては、その意見は出ていないのでございます。従いましてあの法律の趣旨通り私どもといたしましても今後やつて行くように努力いたしたい、かように考えています。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そういたしますると、この設立委員というのは、競馬会から出られたり、あるいは事務次官等が出ておられる。また学識経験者が出ておられますが、一体新しい競馬法について理解を持つた設立準備会であつたのですか。あまり法文も知らずに準備会が行われておるのじやないですか。相当これは経営上の急所であつたはずですが、この問題に触れてないという点から疑問があるのです。そこでお尋ねいたしますが、今六名あげられた氏名をこの際発表していただきたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 農林次官、大蔵次官は、これは御承知の通りでございます。そのほかに、東京競馬会を代表されまして東京競馬会の会長でありまする永田雅一氏、それから関西の競馬会を代表されまして関西競馬会会長の谷田俊二郎氏、それから学識経験者といたしましては荷見日銀政策委員、それから安田伊左衛門氏、この六名であります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 この第一回、第二回の準備委員会において、これらの学識経験者または競馬会から、法案についての質疑やあるいは意見が総体的に出て参りませんでしたかどうか、この点をちよつとお伺いいたしたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 第一回の委員会におきまして、私どもの方から法律の内容につきまして詳細に御説明を申し上げたのであります。それにつきましていろいろと、もちろん御質問はあつたのであります。私どもといたしましては、現在六名のお方を御委嘱申し上げておりまするが、いずれの方も競馬に関しましては相当な知識と経験を持つていられる方である、かように考えているわけであります。

稲富稜人日本社会党(右)

○稲富委員 関連して……。ただいま局長のお話を聞いていますと、六人の設立委員の方が競馬に対して御経験があるという御説明でありますが、私はこの六人の方々には、おそらく競馬法の設立にあたつてわれわれがいたしました修正、その修正趣旨には反対な人が多いだろうと思うのです。これではわれわれが競馬法に対する原案を修正いたしましたその意が徹底しないのじやないか思います。その辺われわれは非常に憂慮するわけなので、その点から、はたしてわれわれの修正に対する意見等が設立委員会等で論議されたか、われわれが聞きたいと思うのはそこなのでありまして、その点がつまびらかになつていない。その点をひとつ局長から詳しく承りたいと思います。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 設立委員といたされましては、定款を作成し、新しく発足いたしまする日本中央競馬会の予算の議決をし、また事業もくろみを設定いたしまして、それによりまして新しき競馬会の発足の準備をいたすのであります。それを中心的な仕事の内容としているのであります。従つてそのほかに、いろいろと競馬会が設立されまするにつきましては、あるいは運営審議会の任命でありますとかいろいろほかの仕事がありまするが、これは政府部内の仕事ということに相なるのであります。御了承願います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 もう一点お尋ねします。私がお尋ねしておりますのは、予算を決定するについて議論は出なかつたかということをお尋ねしたのであります。そこでもう一度さかのぼりまして、一番問題になつておりまする評価方式について、これは予算決定の上に非常に重要なポイントでありますので、この評価方式について何らかの意見が出なければならなかつたと思うのであります。この評価方式について意見が出ないような設立委員であれば、これは名目上の設立委員で、無用の長物が並んだかつこうになる。少くとも大蔵次官が出ておりますから、出席いたしておりまするならば意見が出たはずだと思いますが、評価方式についてどのような意見が開陳せられたか、この点についてお尋ねいたします。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 御承知の通り評価に関しましては、農林大臣と大蔵大臣が協議をして決定をするということになつておりまして、政府部内において決定をいたすことに相なつておるのであります。これにつきましては、すでに農林省と大蔵省と一体になりまして、各競馬場その他の施設につきまして具体的に評価準備を進めておるのであります。評価委員を任命いたしましてその意見を聞いてやるということになつておりますが、この準備行為は競馬会の設立と別に政府部内で実行いたしておるのでありまして、九月十日ごろには大体のところがまとまるじやなかろうか、かように考えておるのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 農林大臣と大蔵大臣と協議をしてきめるというのは最終の段階だと思うのであります。最終段階の決定権が両大臣にあるということで、両大臣が評価にあずかるわけじやない、最終決定を両大臣の協議にゆだねておるのだと思います。そこで予算を組むからには大よその評価というものがきまつていなければ、予算は組めないはずなんです。これはいわゆる国有民営でありましても、運営のポイントになりまするものは、固定資産を初め基本となるべき財産がどの程度という見込みをつけませんければ、予算は成り立たないのでありまして、大よそどの程度の評価が行われたのであるか。帳簿上の細目の評価につきましてはいろいろまた検討さるる余地があるだろうと思いますが、大よそどのくらいだという見通しをつけないで予算を組んだとすれば、それは非常にずさんな予算だということになる。従いまして、予算を組んで、十日には大体最終段階に至るというのでありますから、もう第二回目の設立委員会においては大よそのものが出ていなければならなかつたと思うのです。出ていないとすれば、これは畜産局の指導が悪いとも言えると思いますし、六人の人々が能力がなかつたとも言えるのじやないかと思いますので、この点に関してもう一度御答弁を願いたいと思います。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 評価につきましては、設立委員以外に評価の専門家の意見を聞いて農林大臣が決定をする、かようなかつこうに相なつておるのであります。その下準備は、先ほども申し上げましたように、農林省と大蔵省の専門家がそれぞれいたしております。最終の評価の諮問は評価に関します専門家でありまして、しかも競馬の設立委員ではないということになつておるわけであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今の局長の答弁くらいのことは、答弁を求めなくてもわかることなんです。おおよそどの程度の見積りで予算を組まれたか、その予算の基礎になるものは評価でなければならないのではないか、そこで、できた予算の上からどの程度の評価をされておつたか、こういう点なんです。どこに何坪の土地があるとか、あるいは一坪どのくらいというような詳細なものは——本委員会におきましても評価委員を設けられて詳細な評価をすべきだ、こういうことでございますから、今は詳細なものをお聞きしているわけじやございません。設立準備に伴う、新しく発足する予算がこの設立委員会できめられるのでありますから、それにはどの程度の評価を考えて予算が組まれたか、この点だけなんです。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 その点は実は資本金と申しますか、現物出資額にはほとんど関係なく予算が組まれるような関係にあるわけであります。と申しますのは、発売いたしました馬券の売上高に見合います払いもどし金と政府納付金を差引ました金が競馬会の純収入になるわけであります。支出の方は人件費並びに勝ち馬の賞金、その他のいわゆる事業費が支出となるのでありまして、その二つの兼ね合いで予算が決定する、かようなかつこうに相なるわけであります。御了承願いたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 時間が参りましたからしつこくはお尋ねしないのですが、事業費の中に償却費が入るのは民営の場合事業の本体なんです。また民営の本質は、評価をして行かなければならないというところに、あるいは修繕等の経費を見なければならないというところにあるというふうに局長から説明せられておるわけです。そこでおおよそ総額どのくらいの評価になつているか、それに伴つて一体どのくらいの償却を見て行くかということが事業の内容にならなければならないはずです。そこで事業内容を決定するからには、おおよそのことの見通しがなければならなかつたはずではないか。国有でありますから軽率に判断を要望いたしておるわけではございません。この点についてひとつお伺いいたします。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 了解いたしました。実は評価をいたしますのに大体の見当はついております。ただ大臣の許しを得ておりませんし、しかも予算につきましてももう一回委員会を開きまして、そこで最終決定をすることになります。ただいま大ざつぱな数字を申し上げますれば、大体五十億見当のものではなかろうか、かように考えております。しかしこれは最終決定でも何でもありませんし、またこれにつきましては別にほんとうの専門家を数名委嘱することになつておりますので、その意見を聞きましたして両大臣の……。

稲富稜人日本社会党(右)

○稲富委員 関連しまして時間がありませんから一言お尋ねしたいと思います。先刻から話を聞いておりますと、農林当局にわれわれが競馬法に対する修正をいたしました修正の趣旨というものが、あるいははつきりしていないのじやないかと私は思う。ことに設立委員が予算及び定款を作成する、これは重要な骨子でございますので、われわれの修正の趣旨というものは、予算の上においても定款の上においても将来大いに必要があると思うのです。ところが設立委員の人名等を見ましても、少くともわれわれが修正いたしました時分は、将来民営でできるような競馬をやるためには役員には、馬主を代表に入れてはならぬというような点までわれわれは小さく条件をつけているわけです。ところが設立委員を見ますと、その三分の二は馬主の代表である。いかにもわれわれが希望いたしましたことをこの点で埋め合せをして、そこで一ぱい食わされたというような形になつているわけです。さらに学識経験者の中から出ております二人といえども、これはやはりそれと同じ立場の人なんで、この点はおそらくわれわれの修正意見というものは農林省によつて一つも認められてない、こういうようにわれわれは考えているわけです。ことに益金の処分等に対しても十分なる討議もされないというようなことにおいては、なおさらその感を深くするのでありまして、今後設立委員会が開かれるそうでありますが、われわれの修正に対する当委員会の——これは国会が決定したのでありますから、十分その趣旨を忖度してやられる意思があるかどうか。その点を特に私は希望を述べますと同時に、当局としての意見を承つておきたいと思う。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 国会におきまする修正の御趣旨につきましては、農林省といたしましては十分了承いたしておりますので、決して御修正の趣旨に違うようなことは絶対今後ともいたさないつもりであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 一応確認しておきたいのですが、明朗性の上からいつて馬主を絶対入れてはいかぬ、法律の原案にはそこらの売店まで入れてはいかぬということを規定してあなた方は出しておる。最も利害関係の深い馬主を入れるということは不明朗になる原因です。ところが設立委員の顔ぶれを見ると、馬が大分にいる。われわれは馬主を入れてはいかぬという趣旨だから、理事に入れないでしようね、この一点だけ確認しておきたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 法律に明文がありますし、絶対にそういうことはないと思います。     —————————————

井出一太郎改進党

○井出委員長 次に乳価の問題に関し質疑の通告があります。これを許します。金子與重郎君。

金子與重郎改進党

○金子委員 最近酪農の情勢を見ますと、乳価が急激な下落の方向をたどつておりますし、これは単なる需給の関係というよりか、一方に考えてみますれば、先国会において酪農振興法が、その内容において、一面乳価の取引のある程度まで保護といいますか、制度化というような方向に進んでおる関係上、これが実際に実施される前に乳価を一方的に相当引下げておりはせぬかというような、しいて考えるとそういう面も見えないではないのであります。そういう情勢にあつて酪農振興法が修正された結果、いろいろその後の行政的な手続等もひまどつてはおりましようが、その酪農振興法によるところの乳価の取引に対する規正の諸規定もまだ遅々として実施されてない。それに対して、その実施に当るまでの間に、乳価の価格はどんどん低落して行くというのが今の状態だと思います。もしこのまま行きますると、相当乳価が下つたどん底に近いところで一つの取引契約というものが生れるような時期にぶつついて来るのではないか、そういうことは今の酪農生産者に対して非常に不利な状態になる、こういうふうに考えておりますが、それらの情勢に対して、畜産局は今どういうふうに処置をし、どういうふうな考えを持つておられますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 乳価の問題につきましては、最近急激に下落的傾向にあるということはただいまの御説の通りであります。この問題のそもそもの原因といたしましては、いろいろあるわけでありますが、私どもといたしましては、値下りのしわ寄せが農民に来ないようにということを非常に強く考えておるのであります。地方庁に対しましても、できるだけそういうことのないように努力してもらいたいということを申し上げておるのであります。今後の見通しといたしまして、どのくらい下つて行くかということがあるのであります。これにつきましては、あるいはもう一回ぐらい下るような情勢があるのでありまするが、われわれといたしましては、その点について非常に心配をいたしておるわけであります。

金子與重郎改進党

○金子委員 これは局長がただ心配をしてます、あるいは地方庁に対してなるべくそういうことでなくしたいと思うということを考えてばかりおりましても、生産者になるべく乳を安く売らせるようにしたくないという考え方はだれも持つておるのでありますが、それをそうさせないためにはどういうふうな方法を講ずるか、問題はその方法にかかつておるのです。その方法の一つとして、はたしてどこまで強力にできるか、これは若干疑問の点もありまするけれども、酪農振興法の中に、乳の取引問題に対して一つの法文を置いた目的もそこにあるわけであります。それが遅々として進んで来ない。そういうことで農林省は、取引の契約に対して文書契約ということがありますが、その指導としてなさるべき模範規約のようなものもまだ地方に出しておらない。そうなりますると、乳業資本は、より大きい単位で相当強力な組織化をすることは不利になりまするからして、その間に任意組合なり、あるいはもつと小さな規模の任意組合を掌握して、そうしてはなはだしい場合には、個人から特定の代表者が代理権を受けて契約するというようなことすら行いつつある。こういうことになれば、今度あらためて取引制度を直そうというときに、また再び起さなくてもいい摩擦が起こるということが現実なんであります。問題は、あなたの方で、こういう大切な問題を、そう考えておりますというだけで、何ら表に打つて出さないというところに相当あると思うのですが、この点については、どういうふうにやろうとしておりますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 省令と政令を施行いたしますので、両二、三日中に次官通牒と局長通牒を出したい、かように考えております。同時に、文書契約の模範例をただちに実行いたしたい、かように考えておるわけであります。

金子與重郎改進党

○金子委員 これはただ成案として出たのでないから、はつきりそれを指摘するわけに行きませんが、聞くところによりますと、あなたの方で今企画されておるところの模範契約書というふうなものの一つの例を見ましても、契約の当事者間の名目は、乳の生産者と需要者というふうな関係に漠然ととつておられるようであります。そうなりますと、これはあの法律の審議の過程におきまして附帯決議にまでなつておりますところの、農業協同組合、ことに総合組合をなるべく契約の対象にせいということ——その中に含まれているから離れてはいないという詭弁であなたが答弁するならばこれは別でありますけれども、その点がむしろ無視されて来ることになるのであります。その点はどういうふうに書き現わそうとしておりますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 農業協同組合法が農民を代表しまして工場の方と契約するようにいたしたい、かように考えております。

金子與重郎改進党

○金子委員 そうなりますと、一つの事例の書き方でも、契約者として、生産者というふうな漠然としたものでなく、やはり省令の方針である以上、そういうふうにお考え置きを願いたい、そういうふうに実施していただきたいと思います。  それからこれは特に申し上げておきますが、最近の事情を見ますと、乳業資本の方では、資金関係から手形払いで乳業代を払つておる。しかもその手形払いに対して総合組合の連合会なりあるいは単位組合がこれを割引をしておる。その総合組合というものは、その会社に対して信用状態その他を確め、またその確め方が悪かつたときには、総合組合自体が危険を背負わなければならない。そういうようにして、単独に酪農組合の契約をしたもののしりを総合組合がぬぐう、ぬぐわなければ農家が現金で支払いを受取れない。こういうふうなことを考えたときに、私どもは総合組合というものを別な形で、そういうふうな重い責任を持つてもらうというように重要視するのではなしに、結局経済行為というものは経済的実力の上に立たなければならぬという考え方から、委員の各位もそういう考え方から附帯決議までつけているのであります。畜産局といたしましても蚕糸局といたしましても、特種な一つの産業を受持つている関係上、とかく特殊組合の経済力というものを無視して経済行為を指導奨励するきらいが多分にある。こういうことがやがて今度はより以上小さなものにするというふうな関係を持つと思うのでありますが、今後の乳の、取引に際し、やはり経済力を自主的に持つている総合組合を中心に考え指導するということに対して、局長の考え方はどうでしようか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 総合農協といわゆる特殊農協の問題は、具体的には地方におきましていろいろ問題があろうかと思いますが、私どもといたしましては、あらゆる面から見まして、でき得るなら総合農協を利用した方がよい、かように考えますので、方針といたしまして、できるだけ総合農協によつて乳業掛金が行われるように指導して参りたい、かように考えております。

金子與重郎改進党

○金子委員 近く出そうとする通牒、なお今後の指導方針として、ただいま御回答になつた考え方を、指導の文書の上にはつきりと出して行くということを約束できますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 常にさようにやつて参りたい、かように考えております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 粉乳の値段は一体どれくらいですか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 ちよつと記憶ございません。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 どういう原因で今五十七円から五十二円になり、また十円値下げの四十二円というあれが来ているか、あなたはどういう方面からこういう値下げが来ているというふうに考えますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 昨年は、御承知の通り非常に牛乳が増産されましたにもかかわりませず、需要増大によりまして乳価が上つて参つたのであります。ところが本年の二月ごろになりましてから、需要の方、特に菓子原料その他工業原料用の牛乳の消費が非常に減つて参つたのであります。これはたしかデフレの直接の影響を受けたのではなかろうか、かように思つているのであります。同時に、生産の方は現在のところ昨年の約四割増程度になつておるわけであります。同時に市乳につきましても、去年のような需要増大という傾向が見られませんでしたのは、一つはデフレの影響もありましようが、本年六、七月の天候が非常に冷涼でありましたので、牛乳の消費が去年のようなカーブをとつて増大して参らなかつたのであります。八月になりまして、天候が回復しましたので、市乳の方も相当需要が増大して参つたのでありますが、時すでにおそしというような傾向に相なつておつたのであります。そのようないろいろな原因から、昨年度値上げいたしました程度のものが現在値下りをしておる。つまり復元的なかつこうになつておるわけであります。四十二円と申しますのは、私どもといたしましては、現在は大体全国平均五十円見当である、かように考えておるのでありまして、四十二円というのはまだ私どもの耳には達しておりません。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 今牛乳資本が、あなたの耳にも入つておるでしようが、カルテル化、独禁法違反をやろうとしておる寸前です。四十二円に値下げをしようという会合をやつておる。それが問題なんです。そこで今の牛乳資本のカルテル化、独禁法違反が実現するとしますと、当然四十二円に下るとわれわれは見ておる。それに対してあなたは、このカルテル化と独禁法違反に対してどういう処置をとろうとしているか。現にどこで何月何日牛乳資本が集つてやつたというのは、二回以上私の耳に入つておる。この事実に対してあなたはどういう手を打たれるか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 独占価格を形成するようなことにつきましては、法律の規定にもありますので、厳重にそれは禁止しなくちやならぬ、かように考えておるのでありますが、私どもといたしましては、まだ的確にそういうことをやつておるというふうには了承いたしておりません。確実なる証拠をまだ握つていない、かようなかつこうになつております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 関連して一言だけお尋ねいたします。今局長の答弁によると、デフレの影響が乳価に及んでおる、しかもその消費の縮減がこれを表わしておるというふうに御説明ですが、どうもそれは説明が納得行かない。お菓子の方の消費が減つて乳価が下つた、こういうふうに言われております。ところがお菓子の最も主原料でありますところの砂糖はだんだん値上りをいたしております。これは同じ原料の砂糖の方が値上りをしておるということは、お菓子との関連においてはおかしなことだ、説明にならないのじやないかと思う。むしろ今中澤君が質問されました、デフレに便乗して不況カルテルを結ぼうとする傾向が——現実のデフレではなくして、デフレに便乗して不況カルテルの方向をとつておるのではないか、この点についてどれだけ関心を持つて局長は当つておられるか、この点についてだけお尋ねいたします。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 乳製品の在庫が直当ふえているということは事実であります。これはもちろん牛乳の生産が昨年の約四割増になつております関係もありますが、とにかく相当の滞貨の数量に相なつているわけであります。ただいまのお話でありますが、いわゆるカルテルと申しますか、協定を結んで独占価格を形成するという点につきましては、私どもといたしまして、そういうような風評を全然聞かぬことはありませんが、まだ的確に証拠としてそれを握つていないのでございます。本委員会の御意見もございますので、その点につきましては今後とも厳重に注意することにし、関係筋にも申し伝えたい、かように考えるわけであります。

松山義雄自由党

○松山委員 関連です。大体畜産局長は、牛乳生産費は幾らぐらいなら正当、平均どれくらいだとお考えになつておいででしようか。ただいま話のありました通り、そういうふうに故意に値下げされるということになりますと、酪農を非常に奨励しておりますが、逆に減少になつて行く。酪農をやつて実際引合わないというような結果になると思うのでありまして、実際そういうことになりますと、せつかくの酪農振興法というものが役に立たない。また農家も非常に酪農熱が高くなつているところに、乳価が非常に安いということになりますと、これは非常に大問題になると思うのでございますが、畜産局としては、やはり即急に何か対策をお立てになる必要があるんじやないかと思いますが、お考えを伺いたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 牛乳の生産費の問題でありますが、これは地方により、農家によりまして非常な差異があると思うのであります。と申し上げますのは、ある農家においてはほとんど大部分のえさを購入して、しかも労働力も自家労力でなしに、他人の雇用労働力でやつて行くというような場合におきましては、牛乳の生産費は相当高いものになるんじやないか。しかしながら他面草地、つまり自給飼料で全部まかない、かつ自分の労働力でやつて行くという場合におきましては、相当低い生産費になつて来るんじやなかろうか、かように考えているのであります。この点につきましては、統計調査部の方で、今後さらに強く生産費の調査をしてもらうというふうに話合いをいたしているのであります。来年度予算におきましては、本委員会等の要望もありますので、牛乳の生産費調査の予算を相当ふやしていただく、かようなかつこうに相なつているのであります。先般御審議を願い、通過させていただきました酪農振興法も、実は生産費をできるだけ引下げるという意味合におきまして、草資源等に恵まれました土地に集約的に乳牛を飼育して参る、こういうような趣旨から先般法律を制定いたしていただいた次第であるのであります。今後ともそういう指導をできるだけ加えまして、かつ草資源等の予算等もできるだけ多くとりまして、生産費の引下げに向つて努力して参りたい、かように考えているわけであります。

松山義雄自由党

○松山委員 それでは農林省でジヤージーを入れて直轄におやりになつておりますあれは、生産費は幾らぐらいですか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 これは昨年の暮に入れたばかりでありまして、現在乳を出している牛と、まだ全然出していない牛があります。その方の調査はまだできておりません。

井出一太郎改進党

○井出委員長 それでは関連を整理しまして元へもどします。金子與重郎君。

金子與重郎改進党

○金子委員 ただいま委員諸君から乳業資本の、ことに大資本系統の、乳を買う立場のものが、独占禁止法に触れるような方向に進みつつあるという問題が出ているのでありますが、私もその方向に進みつつあるのじやないか、こういう疑いを多分に持つております。そこで局長は、これを御意見に従つて極力監視し、また判明するならば厳重な処分をするということをおつしやつているのでありますけれども、これはおそらく不可能だと思う。なぜならば、今の乳業資本を持つている事業自体が、はつきりとそのしりがつかめるような方法で協定をしないだろう。しかしながら実質的な効果はそれと同じ効果を上げている。というのは、ひとりこれは乳ばかりではありません。ほかの取引においても始終行われることであります。でありまするから、それだけに期待して乳価が押えられるということは、私は考えられないと思う。だとするならば、何ゆえに、乳業資本の連中の一つの協定のような形へ方向づけたときに、乳の生産者がやがてはそれに従つて隷属化して行くことになるかと申しますと、農村自体の生産者に組織、経済力がない、規模があまり小さい場合にはことにそれが極端に行われるということから、今度の酪農振興法は乳の生産費を下げるために、特にそれにふさわしい地帯に力を入れて、そうして指定地区を設けるということをあなたはおつしやつておられますけれども、これは法律審議の過程で相当問題になつた。むしろ特定な、全国で数十箇所の指定をしたからといつて、今そういうところを振興させようと思うことだけに全力を費して、現に相当量の搾乳を持つておる酪農地帯を無視するならば、今のような悲惨な形になる。こういうことを考えたときに、あなたが最初に出された法案の趣旨というものは、相当反省しなければならぬという空気が、本委員会を通してあつたわけでありますが、そこでこの際酪農の取引に対して、今の酪農振興法にあるような、ある程度の適正な集乳地域、それを一単位にする、それでしかも契約の対象には経済力のある者がそれに参画する、そして実際に取引契約がどうなされておるかということが、あなたの方としてもいつも一目瞭然としてわかり、またその価格を下げるなら下げる、上げるなら上げるというのには、大義名分の立つた上においてそれが行われて行くというような指導監督ができるような立場をつくる。言いかえれば、あの酪農振興法における取引の単位なり地域なりという集団を、全地域といつていいくらいもう全国的にこの際一つのものを制定して、そうして酪農資本のもとに隷属することを防いだらどうか、こういう考え方も一つあるのでありますが、酪農振興法の地域指定と似た問題がここに出て来ますが、そういうふうな考え方ないしはそれ以上の、どうすれば実質的に乳業資本のカルテルから防ぎ、また正しい価格で取引できるような方法を持てるかという具体案をあなたはほかに持つておるか、この二つについて御意見を伺いたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 ただいまの御意見まことにごもつともな御意見と思うのであります。私どもといたしましても、できることならばそういうふうな理想を持つて進みたい、かように考えるのでありますが、これはいわゆる取引のことでありまするので、非常に強力なる法律制度なり何なりが生まれて来なければ、実際問題として行われないのじやないか、かように考えるのであります。十分ひとつ検討いたして参りたいと思います。

金子與重郎改進党

○金子委員 あなたは別に損にも得にもならないから、いつまで検討していても、三年検討したつて四年検討したつて別に利害関係がないのですから、いいのですけれども、生産者はそうは行かない。いつまでも検討だけでは解決つかない。あなたは、ただいま自由経済の原則の中におる今の段階において、いわゆる取引に対しては強力な法律をつくらなければならぬというふうな話でありますけれども、もちろん国家統制という形において、国家権力でそれをやる方法も一つありますけれども、それ前に、それに近い指導方法を持つこともできる。なぜならば、今の繭の取引のようなものも、一面から言うならば独禁法問題も出て来る。しかしながら一応団体取引というような形で論議の後に価格指定が行われておる。酪農の場合は価格決定について、ほとんど大きな問題としての論議はなされていない。各地域々々の、要するに特定な乳の消費地域に対しまして、自由かつてというふうな形で行われておる。しかも、先ほど申し上げるように、その代金の支払いですら農村機関そのものを使つてやつておる。犠牲だけを生産者ないしは生産者の団体に負わして、そして価格はこれ以上は買えないということであるならば、必要ならばこれに対して法律をつくつたつてかまわぬだろう。この点についてはもう少し積極的な考え方を持たぬとならぬのじやないかと考えますが、その点はどうお考えになりますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 私どもといたしましても、さようなかつこうに相なつて参りますれば、行政的にも非常に好都合じやないか、かように考えておるわけであります。すみやかに検討いたしまして御意見に沿うように努力いたしたいと思います。

金子與重郎改進党

○金子委員 その問題については私は強く要望しておきます。今度の酪農地帯の指定はどの程度に行うか知らぬが、とにかくその指定された地域は、一応安い高いを別にして、はつきりした大義名分の立つた形において乳価の取引相談がなされると思いますけれども、ほかの地域においては、依然としてこの問題は一歩も前進しないということになりますと、ただいま各委員か言つたような方向へどんどん進んで行きはしないか、あなたが熟慮されておる間にだんだん悪い状態に入つて行くのじやないか、こういうことを考えますので、これに対しては、今十分御研究中だというならば、きわめて近い間に一つの成案を持つてもらいたい、こういうことを要望する次第であります。  もう一つは、乳の処理として、量に制限はありますけれども、最も有利な処分は何といつても生乳を売ることです。産地においては乳の値は下つておりますけれども、消費地における生乳の値段は下つておらない。それをあなたは現に毎日見ておられる。ほかの役人ならば牛乳を無関心に飲むでしようけれども、あなたの場合は、牛乳の値下りにならぬことが牛乳を飲むたびにいつも頭に来なければならぬと思う。この生乳が、今、乳を売るのでなしに乳に対してマークをつけて、消費者はマークを飲むという方向にだんだん進みつつあるわけです。今から十年前には乳にマークはなかつたし、マークを飲むということはなかつたのであります。最近はマークを飲むという方向にだんだんと消費者を方向づけようとしておる。そういう際にあたつて、あなたは消費面においてどういう手を今後打つべきだということを考えておりますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 ただいま御意見の通り、生産地の乳の価格の下る割合には、現在いわゆる牛乳の小売価格は下つておりません。これは、ただいまもマークを売るというお話がありましたが、相当きつい厚生省の衛生規則があるのでありまして、つまり現在のところ、都会地においては低温殺菌でなければならぬ、しかもびんに入つた牛乳でないと売ることができないことになつておりますが、そういうことでずつと進んで参りますと、ただいまの御意見の通り、だんだんとマークを売るという形になつて参ると思うのであります。つまり、現在小売価格が下らない原因は、一戸々々配達をするという配達制度になつておりますのと、牛乳を取扱うについていろいろ衛生上の制限があつて、簡単に小売ができないので、独占化されたような傾向にあるということであります。これにつきましては、もう少し簡単に牛乳の小売ができるように、衛生上の規則を改正するように今折衝いたしておるわけであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 どうもあの中に入つた文書協定という、要するに法案の中に入れたあれが、今になると乳価の値下りの助成策みたいになつてしまつた。これはちようど繭の団協と同じなんです。繭の団協をやる前には春繭が出る前に十九万割るか割らないかで、十九万二千円まで落している。これは明らかに政治カルテルなんだ。そうしていよいよ春繭の団協が始まるとぐんぐん値段が上つて来て、今二十二万四千円まで押しておる。それと同じなんです。牛乳というのは、農民がつくるものでただちに換金できる簡単な農産加工工業なので、同じなんだ。高度なものは別としてですよ。こういうものがみなそういうもののえじきになつておる。そこで今どこに値下りの一番大きな原因があるかというと、これはあなたわかつているはずだ。知らぬとか、デフレの影響だとか、あなたがデフレに便乗してはだめです。デフレの影響は否定しないけれども、デフレの影響だつて業者みたいなことを言つてはだめです。原因はこういうところにある。てこ入れしているのは厚生省なんだ。厚生省が粉乳の放出を厖大にやつている、これが生乳の消費量というものを非常に減退させておる。これは私に言わせれば、厚生省が盛んに——松山さんに聞けば厚生省へ連日値段を下げてくれというようなことを乳業資本の代表が陳情しているらしい。そこで厚生省は値段を下げる云々ということはできないから、それなら粉乳を放出してたたいて行こうという一つのてこ入れ政策だと私は見ている。それでもし九月一日からこの価格が下つたとすれば、カルテルが明らかに証明されて来る。それはどういうことかというと、九月一日から乳業協定によるところの値下げをやろうとしておる、実際カルテル化をされていなければ、彼らがそういうことをしなければ、そんなに急に九月一日から乳の消費量が減つてがたつと下るわけはない。これは大体今の予想ですけれども、こんなことはあなたわかつててそう言つているんだろうが、大体全国平均で四十円ぐらいまで持つて行こうというのが乳業資本の協定価格になるでしよう。急に下げればこれは明らかにカルテル化だから、あなたはこれに対してその実態を糾明して、独禁法違反で摘発する意思があるかないか、それだけを伺いたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 明瞭に独禁法違反ということが確実になれば、法律の規定に従つて処置したい、かように考えております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 国際的な価格からいつて、われわれも決して今の価格が正常なものだとは考えていないのです。しかし国の方の酪農振興という大きな政策、食糧自給態勢の一環としての酪農振興という大きな政策がある以上は、これはどこまでもやらなければいけないし、しからばそれをほんとうに食糧自給態勢の一環とするにはどうすればいいかというと、百姓がそろばんがとれて、牛を飼つて乳をたくさん出すことが基本なんです。繭と同じことですよ。ただ輸出をやればいいという考え方が間違つている。繭の増産をどうするかということは、百姓が喜んで繭をつくることを考えればいい、それと乳業は同じことなのです。そこであなたは生産費もわからないという、これは少しあなたに文句を言うのですが、一体畜産局長が生産費がわからないというそんなばかなことで畜産行政ができるかというのです。生産費はたとい推定であろうが、先ほど松山委員の言われたようなジャージ——の直轄というのが去年からあるんじやないですか、あそこの生産費が幾らかということは、毎年農林省に報告が出ているはずだ、それさえもわからないというばかなことはないのです。  そこで私の言わんとすることは、要するに農民が採算がとれるかとれないか、乳価というものをどこで決定するかということは、農民の生産原価が幾らになるかということが基本にならなければ決定できないんじやないですか。だからあなたのやつていることは、私に言わせれば、まつたく場当りのことで、何らこれに対する酪農の基本的方策であるところの乳価の維持をどうやるか、乳価の維持をやることによつて農民がどう乳を増産して来るか、この基本態勢をつくらないで、どうもちよつと横の方に曲つているように考えられる、それじやだめなんですよ。そこで私は乳価も全然わかりませんということは、少くとも責任ある畜産局長としては言えないと思う。私がさつき粉乳を聞いたのは、要するに粉乳がてこ入れになつておるという事実があるのです。そこであなたは価格は知らぬと言つているけれども、だれか課長さんでも来れば知つているのでしようが、私の聞いたところでは粉乳は非常に安いのです。だから非常に安い粉乳を今抑制してくれれば乳価は上るといつているのです。生産者と買付団体の乳価協定ができるまで粉乳の放出を少し締めてくれれば必ず乳価は持ち直すそれで言つておるのですが、そういうことについてあなたは知つておるはずなんだ、畜産局長ですもの知らないことはないと私は思うんだ。そういう全般の情勢から見て、どうやつたら乳価の維持をはかるかという点について、あなたは一つの基本的な信念を持つていらつしやるかどうか、どういう方法で乳価維持をやつて行くか、その点についてあなたの基本的な信念をお聞きして、もしあやふやなら畜産局長不信任案を出さなければならぬと考えておる。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 牛乳の生産費がわからないということを申し上げておるのじやありませんが、個々の農家にしまして非常に生産費の段階がありますので、幾らを生産費として決定すべきかというようなことにおきまして、その点は目下研究いたしておるのでありますが、個々の材料はもちろんあるわけであります。どの程度にすべきかという点につきましては、これはなかなか検討を要する問題でありまして、ここで申し上げるということには参らぬと思うのであります。  なお乳価の維持の問題につきましては、もし作為的にそういうようなことをやつている事実がありますれば、調査をいたしまして、そういうことのないように行政的な措置をしたい、かように考えております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 それは明らかに作為的なんだ、明らかにカルテル化なんですよ。だから九月一日からこれが全国的にぐつと引下げになるかどうか私はにらんでいる。九月一日から業者の協定価格で全国が行くような態勢になつたら、これは明らかに独禁法違反です。これは各県ごとに協定価格というものをきめているのです。一例を申し上げれば、一番ひどいのは——五十円前後といつて、今は大体そんなところですが、九州など協定価格で三十七円にたたこうとしている。近県地方は割合いいが、それでも大体四十円から四十六円くらいまでの間で押えてしまおうという協定をやつておる。だから、これが九月一日から実施されたときは、あなたはさつそく公正取引委員会へ実態の調査を依頼する信念をお持ちですか、どうですか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 そういう確実な証拠があるというようになりますれば、そのときによつて措置しなければならぬ、かように考えるのであります。

井出一太郎改進党

○井出委員長 芳賀委員。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 畜産局長は、今までの乳価の低落の傾向というものの原因が何であるかということを、はつきり確認されておらぬようですが、各委員の言われる点を総合すると、これはやはり乳業資本の明らかなるカルテル化の傾向だということが否定できないのです。局長としても、七月、八月、九月というように、毎月乳価がたとえば十円くらいずつ下つて行く傾向というものは、やはり自然の需給関係の面から生じた自然の価格の推移ではなくて、そこに人為的な意図的なものがあるんじやないかということの疑問を当然持たれるんじやないかと思いますが、そういう点には全然気がつかなかつたのですか。この酪農振興法施行の段階に入つて、結局文書化した取引契約をしなければならぬという一番大事な時期なんです。乳価が一番最低線に下つた時期に文書化の指導をするという場合と、大体基準コストを維持できるような時期において文書化する場合とでは、今後における農民の乳価に対する利害関係がどうなるかということは、畜産局においても当然考慮の中に入れておられると思う。現在においては時期的にまだそこまで行かぬとしても、当然文書化の指導をしなければならぬ。一方においては、全国的には九月一日から四十二、三円ぐらいの線になる、十月になればもう少し下げるという計画があるわけです。そのころになつて契約に入るということになると、生産者の立場からは、そういう一番最悪な条件の中で期限をきめた取引契約は締結したくないということに当然なると思う。そういうことに対する対案は、どういうふうに考えて全国的な指導を進めておるか、酪農振興会法から生ずる現段階の経緯、それらを御説明願いたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 ただいまの御意見は、文書化契約を締結するために意識的に乳価を引下げている、こういう御意見のようであります。あるいは多少そういう点もあるかと思いますが、そればかりの理由で引下げているんじやなかろうと考えているのであります。いろいろと業者によつて違うようでありますが、相当の滞貨を持つて経営が困難であるために、やむを得ずやつているような中小の組合等もあるようでありまして、特に中小の業者が相当打撃を受けていることは、これは否定できないのではなかろうかと考えるのであります。大メーカーが意識的に、ただいまお話のように、独禁法に違反して特別の意図的なことをやるということになりますれば、これは厳重に取締るべき問題じやないか、かように考えているわけであります。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 中津君も指摘しましたが、当然早期にそういう傾向を把握して、勧告を発するとか、あるいは一つの権力的な措置に出るということを、もう今までにとつておかなければならなかつた。もちろん中小乳業が大企業の前にもろく倒れて行くということは論をまたない。ただ独占的な乳業資本が、こういうデフレの悪い傾向に便乗してやつておるのだというこの事実、この上に立つてものを判断しないと、今後の醒農関係の行政はうまく行かないのではないかと思うわけです。ですから、こういう最悪な事態になつた場合において文書契約の指導をするような場合には、どういう形でこれを持つて行くかということ、どうして突破口を求めるかということが問題になるし、もう一つは、この契約をする場合に、非常に不当に乳価が圧迫されているという場合においては、当然生産者と乳業資本の間における紛争という事態が、契約をめぐる合法的な紛争でないとしても生じて来るわけです。それらに対してはどういう判断で行くかということ、たとえば四十円なら四十円にして、今後半年か一年間の約をするという場合において、生産者側がそれに応じないという形は、やはり一つの紛争と解釈してもいいわけです。畜産局の解釈としては、そういう醒農振興法によつた文書化をやつておらない場合においては、紛争処理をやらないつもりであるかどうか、これも重要な問題と思いますが、現在どういう解釈で臨もうとしていますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 牛乳の取引につきまして紛争があつた場合には、あつせん委員であつせんせしめるということになつておるのであります。もちろんこれは文書化の契約している問題について紛争が起きた場合が主として適用になると思います。従つて契約がないところに新たに契約を設ける場合におきましては、あつせん委員があつせんをするということは、あるいはあの法律の直接の解釈からは出て参らないかと思いますが、府県といたしまして中正なあつせん委員を選任することになつておりますので、新しく契約を締結します場合におきましても、そういうあつせん委員のあつせんによるように行政的な指導をして参りたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 その点が非常に重要だと思います。今法に基くところの契約というものはほとんどやつておらないわけであります。ですから、法に基いた契約に入ろうとする場合の一つの経過的な措置というものは、当然講じられなければならぬ。今局長の判断から言うと、文書化されておらない事態に対しては、端的な表現でありますが、正当に取上げて紛争処理をやらない考えた、そういうことになると、一方においてはどんどん意識的な乳価の値下げが行われておる、そうなると、もう一方的に契約を押しつけるという事態が必ず出て来るわけであります。それに対して畜産局の態度というものは、生産者側から見るとまつたくたよりにならぬ。極言すれば乳業資本の手先になつて、振興法を審議する間にはだんだん乳価が上つて、きまつて施行する段階になるとがたつと落ちてしまう。こういうことになると、乳業資本と畜産局が何かひもつきになつておるのじやないかというような、そういう疑惑を持たれても抗弁の余地は全然ないと思う、もしあれば、どういう具体的な方法で乳価の維持をやるかということを示してもらいたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 新しく契約を締結します場合におきましても、あつせん委員のあつせんによるべく行政的な指導をして参りたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 行政的指導というのは、やはりこれは、法の二十三条による酪農審議会等は一応設けなければならぬと思いますが、この段取りというのはどの辺まで進んでおりますか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 先般来大蔵省と予備費の折衝をいたしておりまして、予備費が成立いたしますればただちに審議委員を任命いたしたい、かように考えております。しかしその前提といたしまして、法律を制定いたしますときに、この法律の通りの委員の構成になつておりませんが、生産者の代表、学識経験者、乳業者の代表という方を十七人ほど——これは法律にもとずくものではなしに、またはつきりした政令規則等にもとずくものではありませんが、畜産局の諮問機関的なものを設けておるのであります。この委員の方は、酪農審議会の委員にそつくりそのまま当てはまりはいたしませんが、そういう委員の方を委嘱いたしておりまして、酪農問題につきまして二回ほどいろいろ御意見を承つておるのであります。予備費が成立いたしますればただちに正式な委員を御委嘱申し上げたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 予備費といつたつて、審議会くらい設ける場合にそれほどもかからぬと思いますが、こういうものは早急にかつこうをつける必要があるのじやないかと思います。  それから先ほどの紛争処理の場合には、基礎的な態度というものは当然必要になつて来ますが、その場合においては、乳価の一つの基準コストはどの辺に置かなければならぬということが把握されなければ、なかなか紛争処理に臨むとしてもできがたいだろうと思いますが、そういう点に対しては、ないわけではないけれども、はつきりしたものはないというような非常にあいまいな御答弁でありますが、これらは生産費調査等に基く自信のある一つのコストを把握されてそれに対処することが、何としても必要になると思いますが、速急にそういうことをやるお考えはありますかどうか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 これは全国の農民に直接関係する問題でありますし、非常に重大な問題でありますので、畜産局といたしましても、この点についてはもう少しよく検討して、見通しをつけてからでないと、なかなかかかれないのではないか、かように考えておるのであります。これは地方々々によつていろいろ違うと思うのでありますが、契約いたしまする場合におきましては、できるだけ県の選定いたしましたあつせん委員のあつせんによつて新しく契約が結ばれるように努力して参りたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 この乳価の下つておるという理由の中に、ただ局長は、デフレのたまものだということを言つておりますが、これはたとえばMSA協定等によつてこの余剰小麦などと同じように、余剰バターが契約によると二百万ポンドぐらい入るということでありますが、これはどの程度現在買付が終つておるのでありますか、そういうものは非常に大きな影響を持つて来ると思いますが……。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 MSA等によりますバターの買入れはいたしておりません。またただいまお話の二百万ポンドといいまするのは、これはバターに特定をいたしておりません。主といたしまして、牛のえさとしての脱船を輸入したいと考えておりまして、バターは輸入したくはない、かように考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 最後に一点お伺いします。酪農振興法による高度集約地区の指定の問題でありますが、これは法案の審議の行われた場合において局長の方針としては、ホルスタイン地区においては大よそ二箇年の計画のもとに地区指定を終らすというお話でありますが、聞くところによると、九月の中旬ごろまで全国の各府県から計画書が出て来るというように承知しておるわけでありますが、すでに地区指定に対する一貫した方針というものは確立されておると思いますが、本年度はどのような形態で、大よそ何地区ぐらい選定して発表するようにするか、その点をお伺いしたいと思います。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 これは草地改良、あるいは自給飼料の改良、その他いろいろの経費が必要でありまするので、目下内部で予算の検討をいたしておりまするが、私どもといたしましては、大体来年の末までに百箇所ぐらいを指定して参りたいという構想を持つております。いろいろ県でも作業がいりまするので、私どもといたしましては、できるだけ第一回分は早く出してもらいたいというわけで、九月の終りぐらいを目標にいたしまして第一回分を持つて来てもらいたい、かようにいたしておりましたが、いろいろ作業にひまがいりまして、現在まだ一箇所も県の方から出て参つておりません。来年度予算等の見通しもありまするので、一応できるだけ県の方に作業を急いでいただきまして、今年度の末までには相当地区を指定いたして参りたい、かように考えております。しかしながらこれは第一回分でありまして、最終目標といたしましては、来年の終りごろまでには百箇所ぐらい指定いたしたいと思いますので、決して時期を限つていつまで出さなければ指定しないというような考え方を持つていないわけであります。さよう御了承ください。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 もし少し具体的にお伺いしたいのですが、二箇年計画にして来年度末までに百地区くらいを設定したい。今年度末までには大よそその半数ぐらいは書類が出て来れば審査してきめるということですか。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 各県の方でいろいろ作業を急いでおりますので、どの程度のものが出て来るかまだはつきりいたしませんが、おそらく五十箇地区ぐらいは指定できると思つておるわけであります。その点ははつきりここで何箇所というふうには申し上げかねますが、来年度末までには順次百箇所ぐらいに持つて行きたいと思つております。

井出一太郎改進党

○井出委員長 この際委員長より申し上げておきますが、農林予算の関係で官房長以下説明に見えております。そこで時間の関係もありまして、ただいまの酪農問題は、なお三日間の委員会日程の中へさらに時間をとるつもりでおりまするから、さよう御了承をくださつて、きようのところは一応この程度で締めくくりたいと考えておりますが……。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 その前に資料要求をしたいと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員長 それでは簡単に願います。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 ただいま委員長から、きようは酪農問題についてはこの程度でという御提唱がございますので、他日さらに詳細にこの問題を取上げ、何らかの本委員会の態度を決定していただきたいと思います。  なおこの問題については、今の質疑応答を通じて私の感じます点では、われわれ委員会側は、与党の諸君も含めて、大体独占資本の協定行為に基く一方的かつ不当な乳価の値下げではないかという点で意見がほぼ一致しておると思う。この点について、当局としてはまだ十分に御検討になつておらないようでありますが、その点については本年七月二十二日の本委員会におきまして、近畿、中国班長から国政調査報告をいたしておるのであります。その兵庫県における事例といたしまして、農林委員会会議録第六十一号の七ページ二段目の中ほどからでありますが、これを読んでみますと、「明治の、ミルクプラントが農民に支払う原料乳価は、脂肪三・二%のものを一等乳とし、四—六月六十二円、七月五十三円としておりますが、その内容は基本乳価と奨励金部分とにわかれ、奨励金の増減により乳代を操作しているのでありまして、農民の利益の擁護に欠くる点が見られまするので、この点の是正を要すること。」とはつきりこの点指摘してあります。なお私も近畿中国班にまじつて各府県を国政調査に歩きましたが、これはただ単に兵庫県下のみならず、他の地区にもこれと同様の事例があります。またほかの用務で四、五県歩きましたが、愛知を初め同様な動きがあるのであります。従つて先般酪農振興法の審議の際にもこの点を強く委員会は指摘をして、当局の公正妥当な処理を要求しておいたのでありますが、このような全国情勢に際して、ただ行政指導をもつてやるということのみでその内容について具体的な精細な調査すらもまだ確信ある結果が出ておらないようでありますが、事実そうでありますか。私どもあの暑いさ中に、何を苦しんで全国を数班にわけて国政調査に出る必要がありますか。当局はこういう公式の報告について目をお通しになつておりますか。具体的な事例をお知りにならなければ、これをお読みになればはつきりして来る。これはいやしくもただ単にわれわれが、個人的に調べて来たことではない。しかもこれは私も委員長にお供をして現地を歩いて来ておる。こういう公式なものがあり、これらからたぐつて真剣に調査が進められるならば——これは七月のことでありますよ。もう八月も終らんとする今日、これの具体的な調査が成り立たないなんということはもつてのほかだと思うんです。そこであさつてまでに資料を出していただきたい。すなわち当局が全国的に調査した乳価の値下げ傾向を、具体的数字をもつてお示しを願いたい。その点いいかげんなものではなしに——特にないなんということは私は認めません。今日まで相当の時日が経過しておるわけでありますから、それをぜひ出していただきたい。それから一般の市乳価格、先ほど芳賀委員が申しました、最近のデフレ下において乳製品の適正価格はどの辺が限界であるか、そういつた具体的な資料を整備して御提示を願いたいと思いますが、いただけるかどうか。それから先刻の局長の御答弁によりますと、酪農審議会は予算がないので大蔵省と折衝中であるということでありますが、それはどの程度の予算でありますか。これは別に予算がなくても、委員諸公におかれて予算がないから、手当がないから、旅費がないからといつてこの際出て来ないはずはないんです。速急に委員会の構成を決定されて、公式の会議の席上においてこの問題を取上げられて、公正妥当な論議をされる必要があろうと思う。われわれはわれわれでやりますが、振興法が成立しておるわけでありますから、これはいつごろになつたら酪農振興法に基く酪農審議会を設置をされて発足するのか。べんべんだらりとして一この重大な酪農の危機とも言うべき傾向が現われておる今日、局長の今までおつしやつておられることでは手ぬるいと思うんです。もつと速急に進められなければならないはずだと思いますが、その点を関連してこの際明らかにしていただきたい。  なおこれは委員長にお願いでありますが、もしできるならば理事会等で御協議をいただきまして、必要がありまするならば、公正取引委員会等も明後日の委員会には出席を求めて、さらに審議を進められんことを希望いたしておきたい。

大坪藤市農林事務官(畜産局長)

○大坪説明員 酪農審議会の問題でありまするが酪農審議会は法律の規定によりまして、公布の日から一年以内に定める、こういう規定になつておるのであります。設置といたしましては、御承知の通り一応予算に見合つて発足をするという今までの行政的な慣例と申しまするか、そういうようなかつこうになつておりまするので、施行の方も一年以内でやるのだ、こういう形になつております。一応予算を通すという建前になつておりまするので、できるだけ急ぎまして、予算が通つた上で正式に発足して参りたい、かように考えております。資料はできるだけとりそろえまして提出いたしたいと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 足鹿委員の希望に関連して私からも希望いたしたいと思います。先刻来からの質疑応答を聞いておりますと、酪農振興法を出した農林省当局としては、どうしても納得の行かない説明ばかりであります。生産費の基準なりあるいは具体的に乳価の下落した原因について指摘されておるにもかかわらず、今検討中であるとか、そういうふうになつたならば検討いたしますとか、そういうことでは生産者を、擁護する農林省の答えとは受取り得ないのであります。きよう実はもう少しお尋ねするつもりでありましたが、明後日ということでございますので、そのときに質問いたします。そのときには私どもが納得できるような、確固たる農林省の酪農に関する基本的態度、並びに乳価に対する方針、こういつたことについて明確な答弁ができますように、大坪畜産局長にお願いいたしますとともに、委員長もおそらく私と同じようなお考えであろうと考えておりまするので、委員長からもその点は御注意をお願いしたいと思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 資料要求をいたします。あさつてまでにこれだけの資料をおつくり願いたい。乳製品の種類別輸入量及び価格、これは輸入地域別に書いて出してもらいたい。それから現在学校に配給しておるところの粉乳量、これは国内産のものと外国産別の配給価格も出していただきたい。その次は国が今管理しているところのジャージー種の乳価の生産原価、これは八ケ岳に電話をすればすぐ出て来ます。それから平均乳量、これはあさつてジャージー問題について少しやりますが、平均乳量がどれだけ出ておるかお示し願いたい。  それからあとは委員長に、一日には公正取引委員会の委員長をひとつお呼び願いたい。

井出一太郎改進党

○井出委員長 それではこの際委員長から申し上げますが、局長お聞き及びの通り、本日の委員会において、きわめて熱心な酪農ないしは乳価に対する質疑が展開されております。つきましては、各委員より要求せられました資料をできるだけ用意せられ、また答弁の準備もお整えになりまして、明後九月一日午後本問題をさらに検討をいたしますから、御用意を願います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 いま一点資料追加をいたします。契約条項例の模範的契約条項例がもうできたと思います。できていたらその契約条項例の模範例をひとつ御提出願いたい。     —————————————

井出一太郎改進党

○井出委員長 次に農林予算の問題について説明聴取を行います。  すでに政府の事務当局においては、来年度の予算編成に関する作業を進めておると承つております。予算は農政の裏づけをなすものでありますから、この際農林当局の明年度予算に対する方針、並びにその数字等について説明を承りたいと思います。渡部官房長。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 来年度の予算のことでありますが、ただいま会計課におきまして、会計課長の手元で、各局から要求書の説明を聞いておりまして、まだまとまつたところまでできておりません。実は今月末までには何とか目鼻を立てたいと考えておつたのでありますが、問に合いません。従いまして資料等もきわめて不完全であります。各局間の要求も、御承知のように会計課長のところにおいて検討を加えておる間に、相当の数字が増減するのであります。そういうものもまだ何ら手を加えておりませんで、一応お配りいたしました表には、各局の要求というのを出しておきましたが、ただいま申し上げますように、局と会計課長との間でいろいろ討論しておる間に、この数字よりふえるものもできて来、あるいはこの数字より減るものも相当出て来るのでありまして、従いまして、もちろん省議においてまだ検討が加えられておりませんし、この数字がそのまま局の要求であるというふうにおとりくださると、局によつては迷惑をする場合もできて参りますので、その点はあらかじめ十分お含みおきを願いたいのであります。さらにこの数字は部内の数字としていただきまして、検討の途中にいろいろの数字が出ますと、場合によりますと係の方で迷惑をするというふうなことがありましても——これは役所の中のことを申し上げて恐縮ですが、官房としても非常に立場が苦しくなりますので、そのおつもりでひとつお取扱いを気をつけていただきたいと思うのであります。先ほど申し上げましたように、そういう数字でなくして、ある程度省議にもはかつた数字をお配りしたいと思つていろいろやつたのでありますが、間に合いませんので、その点もあらかじめお含めおきを願いたいと思います。  新年度の予算の目標といたしましては、一兆円予算というもので代表されておりますように、だんだん財政難を圧縮するという基本原則が現政府においてとられておりますので、そのもとにおいてできるだけ農林政策を遺憾なからしめるよう、こういう観点から苦心をいたしておるのであります。大体の目標を申し上げますと、何を申し上げましても食糧の自給度の向上ということは、引続いて根本的に、最も重要なる問題として考えておるのにはかわりはありません。しかしこれを圧迫された予算でやるためには、相当のくふうがいることは当然であります。一方におきましては、現在の五箇年計画あるいは畜産の十箇年計画等をさらに掘り下げて、もう少し具体的なものにして行きたい、ただいままでは土地改良を急速に増進して行きたいというので、土地改良のための五箇年計画というものが前面に非常に出ておりましたけれども、先ほども申し上げますように、予算の規模の関係で、それだけをそう押し進めるということはできないということは、二十九年度の予算のときに苦い経験をなめましたので、これを従来通り根本にはいたしますけれども、それにつれまして畜産物水産物等の総合食糧の自給度を上げて行くということに、もう少しくふうをいたして参りたい、そのためには食生活の改善、食の内容、乳製品のみならず、人造バター等の利用の増進、あるいはまた食糧の輸入につきましても、それに応じた安い食糧をより多く買つて行くというふうな考え方にしたいと思うのであります。  第二点は、一方で食糧の輸入が外貨負担上非常に大きい費目を占めておりますので、一つはその外貨負担をできるだけ農業によつてまかなう。そのことは反面からは農家の経営の多角化をねらいまして、経営の安定に少しでも役立てたいというので、農産物の輸出について相当重点を置いて行きたい、こういうふうに考えておるのであります。これは予算といたしましてはなかなかむずかしい問題、すなわち御承知のように、二十八年度で農林水産物の輸出額は二億三千万ドルを越えております。すなわち二十八年度の特需あるいは貿易外収入を除きまして、普通の貿易額十二億に対比いたしますと、二割近くの額を占めております。その中約八千万ドル余りが水産物であり、六千万ドル余りが生糸及び絹織物である残りが農林産物でありまして、現在の見通しによりますと、生糸についていろいろ輸出の振興が問題になつておりますが、それ以上にその他の農林水産物の貿易増加の可能性の前途は有望であります。それらを大いに進めて行きたいというのであります。この点につきましては、現在まで問題になつておりますのは、品質の統一あるいは規格の統一の問題、あるいは輸出振興のための仕込み資金の確保の問題、それででき上りましたものを集荷して輸出貿易業者にうまく連絡をとる問題、この三つが貿易振興の上から行きまして、まだまだ手を尽くさなければならない点でありますので、現在農林省でやつております輸出農産物の検査制度の改善等と相まちまして、今申しました三点につきまして、今後さらに一層の努力をはかつて行きたい、こういうふうに考えております。  さらに終戦後の経済的な混乱といいますか、日本の経済が何と申しましても需給のバランスがとれておらないという事態、そのことが農村あるいは農家に相当有利な条件を与えておつたことは否定することができないのであります。しかしだんだん世の中も落ちついて来、物資の需給関係も均衡がとれるに近づきまして、日本の農家の零細性という面が、その欠陥を現わして来まして、平均耕作面積以下の農家の窮状がだんだんはつきりして来ております。それはいろいろな面に現われて来ておりますので、これらに対しまして、金融の面、あるいは先ほど申し上げました経営の多角化の面、そのほかこういつた農家に少しでも生活の安定を得られるような対策を考えて行きたい、そういうふうに考えておるのであります。  そのほか従来耕種の改善でありますとか、あるいは各方面でやつておりましたもので引続いてやつて行かなければならぬもの、逆に申しますと、従来やつておつたもので、もうやめていいというものは、農林省の事務当局としてはあまり発見することができないのであります。従来の上にただいま申し上げましたような点につきまして一段と施策を進めて行きたい、こういうふうに考えるのであります。  そこで最初に申し上げましたような前提で、どういうふうな要求になつておるかと申しますと、ただいまお手元にお配りいたしております通りであります。公共事業費を除きまして、昨年度は五百三十一億の予算額でありましたが、現在出ておりますのは、七百四十一億になつております。最後の合計欄を見ていただきます。この中には輸入食糧の補給金が入つておりません。  さらに公共事業費の関係でありますが、これはやつと会計課の手元に到達した程度であります。出て来たのを申し上げますと、昨年度は北海道を含めまして五百七十九億、これは農地関係、林野関係、水産関係及び災害復旧を含めまして五百七十九億でありましたが、現在会計課の手元に各局から出て来ましたのは約千七百億程度になつております。これは食糧増産計画、あるいは漁港整備計画、あるいは治山治水の対策につきまして、それぞれ年度計画に基いて要求が出て来ておりますので、相当厖大な数字になつております。災害復旧等につきましても、所定の比率に従いましてできるだけ繰上げてやりたい、こういうふうな考え方から組まれておるのであります。  各費目の内容につきましては、詳細な説明はまだいたしかねると申し上げたのでありますが、大体の点を申し上げますと、局別に各局の総額とその中で重要な項目というふうな仕訳になつておりますので、ごらんをいただきまして御質問にお答えいたしたいと思います。あるいは場合によりましたら、目新しい項目につきまして会計課長から説明してもいいかと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員長 武田会計課長。

武田誠三農林事務官(大臣官房会計課長)

○武田説明員 それでは私から御説明を申し上げますが、実は私今月の初めにかわりましたばかりで、今勉強最中でありまして、なかなかうまく説明ができないかもしれませんので、その点はあらかじめ御了承を願います。  農林経済局の要求でありますが、これは農業委員会の経費につきましては、御承知のような農業委員会法の改正に伴いましての経費でございます。大体本年度と総額におきましては似たような額に相なつております。  それから農業共済保険実施費でありますが、これは農業共済保険特別会計への繰入れのものが大きな額を占めておるわけでございます。  それから統計調査部は、これは例年通りの統計を継続して参りたいということで、ただセンサスその他がかわつておりますために大きくなつておるのであります。  それから農地局の関係でございますが、この農業移民につきましては、従来よりも規模を大きくいたしまして、ブラジル、アルゼンチンその他南米諸国に送り出したいということで、この要求額が大きく相なつております。  それから開拓融資保証協会の分は、これは融資保証額の増額につれまして政府出資をふやして行くものでございます。  それから開拓者資金融通特別会計への出資、これも開拓者資金融通の貸付額が増大して行く。これは従来よりも考え方をかえまして、今後入植する者に対する貸付額を増大して行きたいという考え方に基いておるのでありますが、そういうことから非常に大きくなつております。  それからもう一つ農村建設青年隊、これも員数を大きくするということと、この青年隊を動かして参りますために必要な機械、施設といつたようなものを持ちたい、こういうことからふえておるのであります。  それから農業改良局の主要食糧種子対策等食糧生産確保でありますが、これは約三倍ぐらいに相なつておりますが、御承知の原種圃、採種圃等の経費であります。そういつたものの拡充等にからみまして額が大きく相なつております。  それからその次の耕土培養対策でありますが、これは例の含鉄物資を投与いたします秋落ち水田の関係とそれから酸性土壌の関係でありますが、秋落ち水田の関係が、面積が非常に大きくなつて参りますので、大きく相なつております。  それから特殊土壌対策は、シラスその他の地帯で、これは大体昨年並であります。  それから西南地方における水田生産力増強、これはやはり面積が大きく要求されております関係で、経費も多額に相なつております。  それから病虫害発生予察、これは大体昨年と似たようなことであります。  植物防疫につきましては、これは改良局の方で一応検討中でございまして、ここに上つておりますのは今後かわつて参ると思いますし、また要求の仕方も違つて来るのではないかと思いますので、この点は省略させていただきたいと思います。  それから農業研究運営調査、これは地方の試験場におきまする各種の、農林省からの指定試験その他営農試験等をやつてもらつておりますが、その試験地点がふえます関係であります。  それからその次の畜産振興(試験費)とございますのは、新規のもので、これは酪農振興等の問題もございまして、現在の乳牛あるいは役牛等につきましてのえさの投与標準というものが、これは各地々々その地帯で生産されまする牧草なりあるいは飼料作物というものをどういうふうに組み合せて行くか、また濃厚購入飼料というものをできるだけ減らして行くというような必要もあるわけであります。それと同時に乳量との関係、あるいは役肉牛でありますれば、その力を出せるのに最も妥当したえさの標準量はどのくらいになるかというようなことがあるわけでございます。そういつた点と、さらに野草をもつと利用して参りたいというような考え方から、そういう方面の科学的な試験研究をやつて参りたいというものでございます。  それから農業改良普及事業、これは御承知のような普及事業をやつておるわけでありますが、これの農業改良普及員の機動力を増して参るとか、あるいは講習をいたしましてその能力をさらに高めて参りますとかいうようなことが入つておるわけでございます。  それから生活改善普及事業につきましても、おおむね同じような観点から事業の拡大をして参りたいということでございます。  それから畜産局の関係でございますが、北海道の畜産振興につきましては、北海道に牧野改良のため等の機械を入れておるのでありますが、それをさらに拡充して参りたいというものでございます。  その次の家畜の改良増殖、これは御承知のように家畜の血のきれいなものをときどき入れて来るというような必要もあるわけでございますので、そういつた種畜の購入等のこと並びに人工授精所その他の施設補助、共進会、こういつたような事柄がいろいろ入つておるわけでございます。  それから集約酷農地区につきましては、現在指定されておりますほかさらに集約酪農地区を拡充して参りたいということでございます。  それから草資源の達成改良と書いてございますが造成改良でございます。これにつきましては、牧野管理のためにいろいろ各県の事業費その他の補助をいたしておりますが、その範囲をさらに拡充をして参りたいということでございます。  それから自給飼料の増産につきましても、自給飼料の経営施設、採種圃その他の関係に補助をしておりますが、これをさらに大きくいたして参りたいという内容でございます。  それから有畜営農の確立、これは御承知の有畜農家創設の関係の利子補給であります。毎年の導入家畜に基きましての利子補給で、これは計算上こういうふうにだんだん大きくなつて行くわけであります。  その次の酪農振興は新規の項目でありますが、これは酪農振興法の成立に伴いまして予備金の要求をしておりますが、来年度からはこれに、振興法の施行に伴います酪農審議会の経費でございますとか、あるいは牛乳の取引、運送のあつせんに伴いますいろいろな諸経費でありますとか、乳価あるいは乳製品の生産費調査とか、いろいろな仕事をやつて参らねばならないわけでございまして、それらに要します経費でございます。  その次の集約酪農地域内の草地改良でありますが、集約酪農地域を設定いたしまして、これを最も効率的に運営をいたし、しつかりしたものにして参りますために、集約酪農地域を発展させて行くということの見地から機械施設を入れまして、牧野の改良に資して参りたいというものでございます。  それからその次の蚕糸局の生糸の需要増進でありますが、これは輸出奨励というような意味合いを含んでおるのでありますが、本年度ニユーヨークに生糸の宣伝に関します機関を民間で立てられまして、それに政府で一部援助をいたしておるのでありますが、その施設を拡充いたして参りますと同時に、さらにヨーロツパの方にも同じような考え方のものを進めてみたい、こういう蚕糸局の希望でございます。  それから養蚕振興対策は、本年度進んでおりますものをさらに拡充して参りたいということであり、蚕糸の技術改良も同様でございます。  それから食糧庁の関係の食生活改善費、これも内容は従来と同様でありますが、ちよつとかわつておりますのは、現在小麦の半額を補給いたしておりますのを、小麦粉の半額にしたいという点が一つと、それかそらのほか油脂関係等につきましても、学校給食の中に取入れて、それの一部の価格補給をいたしたい、こういうような考え方でございます。  それから林野庁の保安林整備計画実施でありますが、これは例の保安林整備に関します法律等が前国会で承認されたわけでありますが、あれに伴いまして保安林の整備を今後はかつて参らねばならないわけであります。そのためにいろいろ調査も必要でございますしいたしますので、その関係の経費の増でございます。  それからその次の森林計画でありますが、これは現在の森林法に基きまして森林計画を立てて、伐採なり造林なりいろいろ、計画的に取進めて参つておるわけでありますが、これに要します経費の関係の増加でございます。  その次の林業改良普及費でありますが、これは現在の改良普及員の人の数が非常に少いので、それを増員してもらいたいということが大きく経費がかわつております理由の一つであります。  それから森林病害虫駆除、これは例年の規模を拡大した考え方でございます。  それから水産庁の小型中型減船整理、これは御承知のように沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へというような形をとつて水産庁で施策が進められておりますが、非常に漁船密度の多い沿岸あるいは沖合いの関係におきまして、小型、中型船の整理をいたして参りたいということで、これを進めて参る関係でございます。  それから水産増殖、これは沿岸の魚介類あるいは海藻類等の水産増殖施設がいろいろ行われておりますが、これをさらに拡充して行こうということでございます。  それから中小漁業融資保証保険特別会計出資は、現在の中小漁業融資の保証金額が今後大体年間に三百億くらいの保証額になつて行くと考えられますが、それに伴いまして現在の基金の五億ではちよつと足りないということもございまして、来年度基金に手をつけずに行きたいということから、四億五千万円の繰入れを考えておるのであります。  それから漁船漁具損害補償実施、これは例の漁船保険の関係に伴いましての経費の増でございます。  非常におわかりにくいかと思いますが、大体以上のようなことで各原局から非常に大きな数字の御要求が出て来ておるのでございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 今御説明を聞きましたが、公共事業費と食糧増産費の点で、先刻は所定の計画に基いてというようなお話もありましたから、わかつておればいま少しお聞きしたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 食糧増産に関する分はことしが当初と補正と合せて約二百七十億余り、これが節約の結果二百五十七億程度になつておりますが、五箇年計画の年度計画によりますと六百億余りになつておるわけであります。それがそのまま入れられている、こういうことであります。そのほかの食糧増産関係の費用、いわゆる食糧増産費の中で、たとえば改良局関係等のものはただいま説明した中に入つておるわけであります。食糧増産費というのは各局のものを一括する、予算書に仕訳がそういうふうになつておりますので、今一番大きいのは土地改良関係の公共事業費であります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 公共事業関係で治山、治水、林道、漁港、災害復旧、造林計画、そういつたいわゆる予算書による公共事業の内容を承りたいと思います。

武田誠三農林事務官(大臣官房会計課長)

○武田説明員 公共事業費の中で林野と泊一決山の開門係並びに災害についての数字でございますが、林野関係の治山事業は、二十九年度の予算額は四十九億九千三百万円、約五十億でございますが、これに対して林野庁の方から——これは多少かわるかもしれないと思いますが、今私の手元は参つております数字は約二百七十億でございます。これは例の治山十箇年計画から来ておる数字であろうというふうに考えております。それから造林関係は二十九年度が約三十五億、これに対しまして五十六、七億の数字が参つております。林道は十八億の二十九年度予算に対しまして、約六十億の金額が参つております。それから漁港関係は二十九年度約十九億の経費がついておりますが、これも四十八億という数字が参つております。災害関係につきましては、農業関係の災害復旧費は、二十九年度百五十億ほどでございますが、四百二十二億という要求書が出て来ております。これは御承知の二十八年災が非常に大きかつたという関係から、非常に大きくふくらんで来ております。それから林野関係は約八億の本年度予算に対しまして、要求額は二十七億、漁港関係は十一億の二十九年度予算に対しまして今回の要求額は三十億程度のものが手元に参つております。

井谷正吉日本社会党(左)

○井谷委員 公共事業費の中で急傾斜の方はどうなつておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 特殊立法に基きますものは現在作業中でございまして、まだ明確な数字をただいま申し上げるまでに至つておりません。

井谷正吉日本社会党(左)

○井谷委員 相当増すつもりですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 要求といたしましては、当然相当増した要求が出ると思います。

井谷正吉日本社会党(左)

○井谷委員 積寒地帯も同じですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 積寒も同じです。特殊立法のものは同じです。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 官房長と会計課長がせつかくおいでになりまして一応の説明を承つたのでありますが、本委員会で、なぜ一体官房長及び武田会計課長をお呼びしたかと申しますと、農林省は自由党の政調会へたしか十七日か出向いたしまして、農林省の新政策なるものを説明いたしておるわけです。もちろん自由党は大政党ではあるし、政党内閣であつて、説明に行かれますことをあえて拒むわけではございませんが、国会法の構成の上から申しまして、日本の憲法の建前から申しまして、まず国会に第一に農林省の新政策を説明しなければならないものだと私は考えますが、この点について農林省としていかようにお考えになつておりますか、この点ちよつとお伺いいたします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 もちろん国会に当然説明すべきであります。但し国会に対しましては政府の確立した政策として説明すべきであると思います。ただいまの段階におきましては、まだ最後的にきまつたものはないのでありまして、政府部内において検討中であります。自由党の政調会へ説明に参りましたのも、まだ最後的にきまつたというのではなくして、われわれはこういうものをやりたいという程度の説明でありまして、これをどういうふうに自由党で取上げられるか、私どもはよくわからないのでありますが、しかし農林省の事務当局として、ぜひこういうことをやりたいということは申し上げたつもりであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 官房長の説明はおかしいと思う。おそらく自由党の政調会に行つて説明いたしましたのも、政府のまとまつた意見をもつて説明に行つたわけではない、おそらく一政府の行政機関でありまする農林省の事務的な政策、こういうことになると思うのです。その政策、これは国できまつた、あるいは政府としてきまつた政策でないことはもちろんなんです。もちろん国会を通じないで国家の政策はきまるわけではありませんことは当然なことでありますが、しかしそれだけの労をとられるならば、本委員会におきましてもこちらからの要求がなくとも、他の一つの政党に説明せられたからには、本委員会に対しても積極的な説明がなされなければならないのではないか、こういう意味で、なぜ今日まで積極的な説明の必要をお考えになつていなかつたか。この点をお尋ねしたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 ただいま申し上げましたように、現在まだ農林省全体としてはつきりまとまつていないのであります。途中の段階において当然農林委員会に説明すべきでありますが、まだ私の方から積極的に申し上げる用意といいますか、自信はできておりませんので、実は先ほど申し上げましたように、本日の説明も恐る恐る説明しているという程度でありますので、今後いろいろ御叱正いただきたい、かように思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 自由党の政調会に説明せられたというのは、報道紙によりますと、六項目をあげて説明せられておるようであります。畜産振興をあわせ加えた食糧の自給度の向上、あるいは産業基盤の強化、あるいは食糧の需給調整、あるいは農林漁業経済条件の確立、あるいは輸出振興とかいう条件を六つあげて、今年度を目標に農業政策を樹立するのだという建前のようでございます。そこでこれらの六項目をどのように予算化せられておるかということがお尋ねいたしたい要点なんでありますが、どうもお題目は並べておりますけれども、今日拝見いたしました農林省所管一般会計概算見積額、もちろんこれは部外秘というようなことでの御説明でありますが、この六項目から判断いたしますると、この六項目に重点的に予算を組まれておるようにも見受けられません。また本委員会といたしまして最も要望いたしており、またただいま井手委員からの質問もありました公共事業関係費が説明せられなければ、これらの六項目の裏づけができておらないということになるのであります。お題目をもうすでに用意して発表せられ、大蔵省との予算折衝に入られる直前になつておるのでありまするから、詳細な、公共事業関係費を要求せられます——これらの六項目の必要を痛感せられて予算化を希望しておられるのでありましようから、その裏づけとしてどのような予算要求をいたしておられまするか。これは通るか通らないかは国会に決定権があります。予算につきましては政府よりも国会に決定権があるのでありまするから、すみやかにお出し願いたいと思うのです。もちろん私が今要求いたしまするのは、政府案としてでなく、農林省事務当局案といたしまして、各局において苦心せられておりますものでございます。もちろん各局と申し上げましても、各局は各府県等の予算の要望に沿いながら予算編成に当つておられると思いまするので、三一年度農林新政策の概要を具体的に現わした公共事業関係費の詳細な内容を、一日までに資料としてお出し願えるかどうか、この点をお聞きしておきたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 最初にお断り申し上げましたように、私の方では、少くとも会計課長のところである程度目を通したものでないと出したくないのであります。ところが公共事業費のものは、一日までに目を通すことがとても間に合いません。従いまして、もう少しの余裕をいただきたいのであります。御承知のように予算は、大蔵省に出すまでに、中におきましては、最初に申し上げましたように、局から出ておるものを、もう少しこういうふうに直したらどうかということで、まず会計課長のところで検討いたしまして、その上省議にかけまして——農林省の予算は御承知のように局だけで解決できるものもありますし、相互に各局の協力を得なければならないものもありますので、それらを突き合せまして加減いたしておるのであります。自由党に説明いたしました新政策と申しますのも、これはまだ予算の何がきまりません。しかしこういうことはやりたい、しかしそれを現実に予算に組む場合にどの程度組めるか、これは金額の問題でなしに、題目としてはいいけれども、予算的には非常に組み方がむずかしいとか、あるいは予算にならないとか、単なる行政指導であるというふうないろいろな部面がありますので、それらを数日間かけて省議でこね合せまして、そうしてある程度まとまつたものができましてから大蔵省へ出すことになりますので、そういう段階を経てからでなければ、率直に申し述べさしていただけば、あんまり詳細なやつを出すのは、私官房におりまして、官房としてもちよつと局とのあとの関係が困るのであります。あるいは懇談的に局の出した生のままを御説明申し上げて御批判を仰ぐということも一つの方法かと思いますけれども、予算となると新聞等も興味を持つておりますので、それがよい方に出れば非常によいのですが、とにかく局の意図と違つたように出ては、局の人があとで非常に迷惑する場合が出て来ますので、われわれはこのくらいでいいんじやないか——実はきよう配る資料もいろいろ批判があつたのでありますが、せつかく農林委員会のお話でありますので、ある程度私の独断で出しているようなところもあります。もしどうしてもといいますれば、懇談会というような形式にして願えれば幸いだと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 官房長の苦心のほどはよく了解いたしますから、公共事業費等については、委員長のおとりはからいで懇談会で説明を聞いてもけつこうであります。ただここで一言いたしたいことは、政情まことに混乱いたしまして、この内閣が予算を組みましても、実行の段階に至りますと、はたして為政者としての地位にあるかどうか疑問があるのであります。私はあえて言うわけではございません。従いましてどの政党が、あるいは連合であるいは連立で内閣ができましても、やはり普遍的にどの内閣でも実行のできるような案を事務当局においてつくられることが今最も大切ではないか、そういう見解に立つのです。自由党内閣なら通る、あるいはほかの内閣なら通らないという案をつくつておりますならば、来年の四月から実施しなければならない行政の担当者としては適切を欠くおそれがあると思うのです。これは決してはつたりで言うわけではないのです。事務当局としては、どの内閣ができましても、この方策だけは実現したいという考え方で予算を組むべきではないか、この観点についてお尋ねしたいということで、あえて予算の問題に触れておるわけでございますから、本委員会の熱意に従いまして、事務当局としては、当局としての確固たる政策をお出し願いたい。こういう考え方で要求いたしておるのでありますから、どうぞ誤解をしないで、最も正しく事務当局が案をお持ちになることを期待いたしまして、それでは懇談会でお聞きすることにいたします。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 西南暖地水田生産力増強というものは去年あつたかどうか、私は去年の予算をよく覚えておらないのですが、積寒ののはどうなつておつたか説明してください。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 積寒の関係は土地改良関係、すなわち公共事業費の関係では、二十九年度は二十七億になつております。そのほかに保温折衷苗しろでありますとか、耕種改善その他いろいろな費用がありまして、四十四、五億になつておると思います。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 今積寒地帯に対する問題が出ておりますので、この際伺つておきたいのですが、先般島根県において積寒地帯の知事会議が開かれたように聞いております。その際官房長も御出席になつたように聞いておりますが、新聞によつて官房長の談話が相当食い違つておるのを私見ておるのであります。この積寒法の延長については困難であるという談話を伝えておる新聞もあるし、また延長は可能である、こういう談話を掲載しておつた新聞もあるようでありますが、この際時限法としての積寒法に対する官房長の所見を明らかにしていただきたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 積寒法は明三十年度で終るのでありますが、但し現在までのこの法律によつて達成しようとした目標は、二十九年度までの予算化によりまして、平均しまして一五%程度しか進行していないのであります。従いましてこれを当初の法律通り五箇年間で消滅さすということは、この法律制定の趣旨にも合わないのじやないか、従つて事務当局としては、ぜひこれを延長していただきたい、こういう希望を持つてりまおす。ただいまのお話で、新聞に違つたようなことが出ているというお話でありますが、そのときにちよつとつけ加えたのであるいは誤解を生じたのかと思います。これは議員立法でありますので、事務が幾ら要求しても、国会の方でそういうことはだめだということになれば困る。しかし事務としてはぜひ延長しなければこの法律の目的は達せられないものであるというふうな説明をしたのであります。私といたしましては、ぜひ延ばしていただきたい、こういうふうに考えております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 御意見がわかつたわけでありますが、そこで次々とこの時限立法である特殊立法の期限が続いて来ると思う。続いて今度は急傾斜地帯が次に来る。続いて特殊土壌法が来るというふうに、一年くらいずつ置いて次次と期限が来る。この際農林省としては、このような特殊立法をそのまま趣旨が実現できないから、延長々々で行くのが妥当と考えられるか、それともこれを適当に総合して、ある一つの恒久的な立法化することについて御検討になつておるかどうか。要するに今までの特殊立法は、低位生産地帯を対象としたものが主であります。従つてそれぞれ対象となつている地域の低位生産地帯の条件は異なつておりますが、ただやはり本質においては、低位生産地帯をいかにして振興するかということに集約できると思う。従つてこれは日本の農政の一番盲点であろうと思うのであります。これに対するこういう暫定的な臨時立法で糊塗するのではなしに、一つの低位生産地帯に対する基本的な恒久立法を必要としているのではないか、私どもはそういうふうに見ておるのであります。幸いにして事務当局としても積寒法の延長を希望する、こういう強い御意見でありましたから、この際とくと今私が述べたような趣旨において御検討を願いたい。その点について何か従来お考えになつたことがあるでしようか。これをこのまま捨ておくわけには行かないのではないかというふうに私は痛感しておりますが、この際御所見があれば承つておきたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 お話のような点は前々からあるのであります。ことに二十九年度の予算の編成過程あるいは大蔵省との交渉過程におきまして、特殊立法の審議会の代表者に集まつていただきまして、連合の協議会みたいなものをつくつておるのであります。そこでもそういう議論が出たことがあります。しかし一つは、法律の形式、あるいは抽象的にはお話のように低位生産地の振興に関する法律であるから、観念的には一本にしても同じじやないかという議論もありますし、ただいまの特殊立法に取り上げられている対象の地帯がそれぞれ独特の性質を持つておるのであるから、これを一本にすることは、法律は一本にしても、運用は結局別々にやらなければ効果は上らない、従つてこれを一本化することについてはさらに検討を加えなければならぬ、こういうような意見でありまして、私どもの担当事務の方での感じでは、今の両説をそのまま感じているので、結論を出すところまでまだ行つておりません。どちらかといえば、低位生産地の生産力の向上なり、その地帯の農家の生活の安定をはかるのは、やはり地元の創意くふうというものが非常に大きなウエートを占める。従つてもう少し別の運用をして、さらに結論を出してもおそくはないのではないか、こういう感じの方がどちらかといえば強いように考えております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 もう一点伺つておきたいのですが、要するに私の言つているのは、次々と時限法を延長して行くという考え方よりも、必要なものをやはり恒久化して行くという考えがあるかないかということなんです。その次に初めて総合化の問題が出て来ると思う。恒久化して行かない限りは、今のようなやはり計画の一割五分しか進捗度がないというような情ない結果に陥つてしまうと思うのです。やはり低位生産地帯に対する基本的な対策というものが欠けているから、従来国会が地元の創意くふう等を受け入れてああいう特殊立法をつくつておるのであります。従つてこれは政府として、当然それにこたえて行かなければならぬ時期が来ておるのです。これは意見にわたりますからくどくは申し上げませんが、やはり恒久化して行くという大前提に立つて、いわゆる低位生産地帯の振興の確固とした基本策を定めて、それを恒久化して行く、その線に沿つた立法なり、あるいは現在の法律を総合なりしてその線に沿わしめて行く、こういう方向でなければならぬと私は確信をいたしておる。そういう点ですみやかにひとつ御検討を願いたい。強く私はこの点を要望しておきたい。ことしの予算の輪郭を本日承つたわけでありますが、一番欠けておる点は、低位生産地帯に対して彌縫策だけであることである。それを各局各課がばらばらでやるのでなしに、基本的なものに総合して、国策的にこれを強力に推進して行くということのない限り、食糧の自給をどのように叫んでみても、問題は解消しないのではないか。巷間伝えられるところによると、農林省は自信を喪失しておるのではないかといううわさもある。何だか各局々々がそれぞれ予算をとつてやつておるが、どこに重点が置かれてこれが総合化されておるのかさつぱりわからぬ。これは識者もみんなそういう批判をしておる。少くとも来年の予算編成については、そういう観点から真摯な検討がなされなければならぬと私は思う。具体的にこまかく数字を言つてみたところで、まだ海のものとも山のものともわかりませんから、この際私は具体的には避けますが、そういう点について強く反省をせられて、従来のここ数年間の農業政策の反省の上に、今言つた低位生産地帯を中心とする確固たる対策を、この際御検討願いたい。それを来年度の予算にもし具体的に表わすことができないならば、調査研究をする相当大規模な裏づけをとるべきではないか。それは特殊立法の問題とも関連がありますので、そういう気持を私は強く持つておりますが、政府においてもし御意見がありましたならば承つておきたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 特殊立法の恒久化の問題は、この法律それ自体のおい立ちからいつて、われわれがそれ云々することは僭越であろう、こういうふうな考え方に立つておつたのであります。御意見十分参考にいたしまして、さらにあらためて検討を加えて行きたいと思います。しかし低位生産地の問題と農業経営の零細化の問題は非常に困つた問題で、ますます困つて来つつある問題でありまして、来年度の予算には、先ほど御指摘になりましたいわゆる新政策なるものにも、そういう点を相当取上げようという意図の片鱗は出しておるのでありますが、これを現実の政策として、はたしてどういうふうに取上げることができるかということになりますと、なかなかいいくふうがないのであります。われわれも苦慮しておるのでありますが、これは各方面のお知恵をいただきまして少しでも政策として盛れるようにいたしたいと考えます。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今の足鹿委員と官房長との質疑応答に大きな疑問を一つ持つております。私はこういう特殊地帯に対する立法は、軽はずみに期限を延長すべきではないと思うのです。なぜかと申しますと、これは明らかに憲法の条章に基きまして、内閣及びその行政機関は国会の決定した法律を誠実に執行しなければならない責任を持つております。従いまして、この期間内に全部目的を遂行することが行政当局として当然の責務であると思うのです。これをあえて侵すような予算を組むことはけしからぬことだと私は思う。最後の期限でもけつこうですから、この期限内にこれらのものを八五%全部遂行することが行政当局として当然な課題だと思うのです。その課題をはずして、国会がどういう意思決定をするかわからぬから、延ばすか延ばさぬかなんということははなはだもつて不都合な話だと思う。国会の意思はきまつておる。この期限をつけておりますことも、この期間内に実行することを命じておるのだ、この法律はそういう規定だと私は思いますが。官房長はどのようにお考えですか。この期限内にやらなければならないというふうにお考えになつておらないような口吻が見えるので、お尋ねいたします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 なかなかむずかしい問題でありまして、法律は時限法でありますが、これはりくつになると思いますけれども、やらなければだめだという規定まではないと思うのであります。法律の趣旨はその期間内に全部やるということは明らかでありますが、行政当局ではいかんともし得ない。すなわち、この法律の趣旨を年度内に達成するためには、それに必要なる財政的の裏づけがあるということが前提でありまして、それが伴わないのでありますから、あと一年間残つておりますが、今の財政事情であれば、その期間内に残りの八五%全部をやるということもとうていできないことではないかと思いますので、この法律は五箇年であるから、五箇年間に行政当局はその法律の実効をあげることを怠つたということで非難をされる場合があるかもしれませんが、それはそれとして、この法律の趣旨を達成するためには、今のような財政的裏づけが一挙にできないということを前提とすれば、どうしても延ばしていただいた方がよいのじやないかというのが私どもの考えであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 それは官房長、少し心得違いですよ。内閣及びその行政機関は法律を誠実に執行しなければならない、誠実にということなんです。誠実に執行しないということは怠慢を免れないのです。いやしくも行政機関は憲法の条章に基いて執行して行かなければその能力を欠くことになる、私どもはそう理解している。その上に立つて課せられた任務に当つて、大蔵省に要求をする、これが内閣の査定において削られた場合、初めて事務当局はその責務を免れるので、初めから要求しないということは誠実な態度ではない。少くとも条章に命じてある態度ではないと私は思うのです。要求を出したけれども削られたというならば、これはあなたの責任じやないということはいえましようが、農林省自体ができないであろうというような考えを持つことが誤りです。これは五箇年間にやるという期限つきです。十年というようなことでなくて五年ということは、五年間に達成したいというところから来ておる。だから、延長すればよいのだというような考え方は、農林事務当局としてははなはだおこがましい態度だと私は思う。そのようにお考えになりませんかどうか、もう一度……。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 お話のように、われわれは毎年要求としては、五箇年間にその目的が達成されるような要求をして来ておるのであります。それが四箇年間は二十七、八億から三十億程度の金しかつかなかつた。もつとも法律ができたのは年度の途中でありまして、当初の金は非常に少かつたのであります。それが積り積つて——今われわれが要求しようとするのは百億程度を予定しておりますが、それだけ要求しても三十年度では当初の目的を達成することができないのであります。そういう前提のもとに、先ほどから申し上げましたように、少し期間を延ばしていただいた方がいいんではないか、こういうことを考えておるのであります。要求はして来ておるのでありますが、年々の財政規模が少い上にその要求が満たされなかつた。そのしわ寄せが来て、どうしても延ばしていただいた方がいい、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 もう一点。どうも官房長の考えは違うのではないか。毎年要求して来たけれどもという今までの態度については了承するが、最後の段階に来たときに、全部をなし遂げなければならないという任務が課せられておるのであるから、その通り要求をして、そうして通らなかつた場合に初めてこの延長ということが国会において考えられるかもしれない、こうなるのです。事務当局としては当然要求をしなければならない。それを国会が否定して行つた場合に、初めて国会なり政府なりが延長しなければならないという問題が起つて来るのであつて、今から事務当局が、通らないであろうなんということは怠慢の至りなんです。それは農林事務当局として誠実なやり方でございませんよ。この点についてもう一度……。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 お話はよくわかるのでありますが、実際申し上げますと、二十九年度までに大体九十億程度のものが積寒の土地改良関係の費用としてついておると思います。それが今申し上げますように——これはいろんな事業によつて、農道とか客土とか暗渠排水とかによつて率が違うのでありますが、平均すると一五%ぐらいになります。従いまして残りの金を一度に要求するといたしますれば、本年度ついております農地関係の公共事業費以上の要求をしなければならない、こういうかつこうにもなりますので、それでも要求したらいいじやないかというお話だと思いますが、今までの事務的な考えからいたしますと、そこまで元気が出ないというのが実情であります。

松岡俊三自由党

○松岡委員 足鹿君から恒久的な立法の考えを持つてどうだろうというお話でございましたが、いかにも私はごもつともなことと思います。実は一番最初に静岡県の清峯太郎君とともに国立公園の問題について、私が日光の国立公園、清君が富士山の国立公園、これを二人で考えて言い出したときに、国立公園とは何事だというわけで皆に笑われたのですが、何ぞはからんや、それが二つばかりの議会が過ぎますと、雨後のたけのこのごとく続出するようになつて今日の情勢になつた。それだけ日本にいい景色があることは頼もしいことでありますけれども、こういうあんばいに伝染する可能性があるのであります。また雪害問題は、私が八年間かかつて、気違いといわれてとうとうこれを法律に入れますと、漸次これが積寒法となつて岡山、山口県にまでも及ぶようになつたというありさまであります。  私は自分の考えがあまりに狭かつたじやないか、こういうような考えから、実は先般四千五百キロを旅行しまして四国の方まで参つた。宇和島に参りましてお話を承つた。そのときも、積寒法があるのだからこれもまたというようなわけで積寒法がすぐに引例されるのであります。九州に行つて至るところでこの積寒法がよく問題にされております。この雪害問題を一番最初に言い出したときに、鹿児島県の風害を問題にして、雪害とあの砂を一緒にして入れてくれということで金井君が運動して、この結果としてこんなふうに入れられるようになりました。そういうぐあいに、一番最初にどうしても北と南とともに手を組んでこの問題を解決したい、こういうことで非常に熱心に主張したのを、私はふり切つて雪害だけを主張して参つたのでございます。  こういうぐあいにいろいろ考えて参りますと、今度は関東の方面でわれわれはどうするのだというような問題も起つて来る。種々雑多な問題が出るので、この辺で今の恒久的な法律の問題が出て来るに際しては、ほんとうに国民の生活に立脚した基本的な調査が出て、その上にどういう状態になるかということをほんとうに調べるべき総決算のときに到達しておるのじやないかとも思うのでございます。私はこういう考えを持つておるのであります。ただいまの足鹿君のお話ありましたのにつけ加えて、はたして私の我見であつたかどうかということなどもよく見たいと思つて、私は二十年ぶりで参りまして、しみじみ九州の人々のいうことも承つたが、根本的に何とかしなければならぬときが来たのじやないか、こう思われるのでありますが、幸い足鹿君の恒久的立法の問題が出たので、これらの点もとくとお考えになつて、御研究くださつたならばいかがかと思う次第であります。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 北海道の開発関係の問題ですが、政府は今年の年度中途から開発庁の長官を専任制にして、わずかな間に大野、緒方の二代の長官が出ておるわけでありますが、たとえば大野放言やまた談話等によつても、今年から開発予算は予算的にも今までは農林、建設というような各省の公共事業費を一応開発庁を通して使つておるというような形でありましたけれども、一元化するということを強く言つておるわけであります。そういう場合においては、たとえば今年の農林省関係の公共事業費の編成の場合においても、そういう基本的な方針というものはもうきまつておると思いますが、その点はいかがになつておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 北海道との関係は、もう一箇月半も前だと思いますが、大野国務大臣から閣議で、どういうふうにしたい、こういう文書を配られたようであります。われわれそれを拝見しておりますが、それだけではまだ抽象的で、今の予算の組み方をどうするとかあるいは行政のやり方をどうするかということはまだ明確でありません。その後それについて大臣がかわられたりいたしまして、突き進んだ議論がまだされてないようであります。今後どういうふうになりますか、さらに開発庁と議論を闘わした上でおちつくところにおちつくのじやないかと思います。現在の段階では、抽象的な申出が各省に配られたというので、それに対する結論はまだ出ておらないというのが現在の状況であります。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 もう一点ですが、最近北海道開発を公社形式でやるというような動きもあるようですが、これはたとえば農地開発のような場合において、政府の投資と、それから民間の出資とによつて、かつての満拓のようなシステムでやるということでありますが、そうなるとこれは純然たる営利会社に近いものになると思います。それでたとえば北海道の今後の農地開発あるいは電源開発等をかかる会社形態によつて行うということは、これは非常に問題が多いと思う。現在の政府の考えは一貫性がないので、政略の具に北海道の開発問題を供しておるとしか考えられません。北海道をかつての半植民地的な立場に置いて開発をやるというような考え方は、非常に危険だと思いますが、特に農林当局としてかかる傾向に対して、予算編成等を通じていかなるお考えを持つておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 北海道の開発会社というか、公社の話は新聞では拝見しております。そのほかでは先般世界銀行の借款問題に関して、石狩総合開発地区の開発について公社をつくつてやるという説が——それは書類で拝見しております。しかしまだ具体的にこれも話を聞いておりません。ことに新聞等に出ておる開発公社のことについては、われわれまだ連絡を受けておりません。しかし考え方といたしましては、先ほど来お話申し上げましたように、財政資金が非常に枯渇しておる。それを打破つてできるだけ早く開発をするのには、会社なり公社をつくつて、民間資本も導入し、あるいは外国の資本を導入してやることも一つの方法じやないかこういうふうに考えるのであります。むしろ二、三日前の新聞等で相当進んでおるというような話も承つておるので、農林省もちよつと脅威を感じておる部面もあるのであります。しかし民間資本を入れるにいたしましても、土地改良等は、利まわりがどうしてもいい利まわりで出て来ませんので、成り立つものであるかどうかという点等もありまして、私どもの方でも、愛知用水それ自体について世界銀行から金を借りる場合に、特別会計でいいか公社でいいかというようなことも最後的にはきまつていないような状況でありますこれは予算をきめるまでにはきめなければならない点であります。これもはなはだ要領を得ませんが、今のような状態であります。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 この点は官房長とあまり論争はしたくないと思いますが、今言われた、たとえば世界銀行からの融資を期待する場合においても、火力借款の前例等もあるので、こういう点は非常に危険が包蔵されておる。特に農地開発のごときはそれで、先ほど何か食糧増産等に対する農林施策の中に新構想があるというようなことを言われておりましたが、新構想を掲げるような場合においては、未開発地域の北海道の開発、特に農地関係の開発等に対しては、やはりその中で明確に打出しておく方が危険がないのではないかというように考えられるわけでありますので、そういうような構想を新政策か、新構想の中に盛つておられるかどうか、その点を伺いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 いろいろ議論はされておりますけれども、まだまとまつた意見ではないのであります。要は、これは何回も当委員会でお話が出ておるのでありますが、食糧問題は、人口の伸びに比較してこのままで放置できない。できるだけ早い機会に自給度を高めて行かなければならぬという見地から言うと農林省としましては、あらゆる方途を講じて食糧増産の効果を早くあげることに努めなければいかぬという見地から研究しておるのでありますが、それには財政資金のみならず、そのほかの資金でも、お話のありましたように、日本の国民経済に悪影響を与えない限度において、利用できるものは利用して行かなければならぬ、こういうふうに考えております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 予算に関連して簡単にお尋ねをします。  昨年の水害による農地の小災害ですが、この二十九年度の節約額に関し相当割当を削られたという話を聞きます。これは、私具体的な数字を県庁方面から聞いておりますが、幾ら削られたのか。それともう一つは、その割当ですべてを打切るということも、農林省農地局から公式にお話があつたそうでございますが、それは事実であるかどうか。その二つを伺いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 小災害の問題につきましては、府県がこれを調査するという建前になつておりましたので、非常に遅れまして地元に御迷惑をかけたのでありますが、先般決定いたして、本年と来年で全部をまかなつて行くということに決定いたしたのであります。本省からの通知がどういうふうに行つておるかわかりませんが、総額十二億五千万円で決定いたしましたので、その決定と府県の申請がどういうふうになつておるかという問題であろうと思いまますが、決定いたしたままであります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 初め十五億か幾らかきまつたのを、二割か三割節約されたと聞いておりますので、その点を……。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 初めは大蔵省との関係で、非常に少い、四億であるとか、五億であるとか言つたのでありますが、そんなものではとても話にならぬというので、十二億五千万円ときまつたのでありまして、初めにきまつたものを節約した、こういうことはありません。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 節約したのでなければその点は了承しますが、今割当額だけで打切るということについては、私は絶対に承認をいたしません。先刻川俣委員から誠実に執行しろ、これは憲法の条章にあるとおつしやいましたが、その通りであります。たとえば佐賀県においては、一億七千万円の小災害の国庫負担額があるのに、七千四百万円しか来ていない。半額も来ていない。それを打切るとはどういう意味でございますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 県の申請をそういうふうに査定したんじやないかと思いますが、具体的に佐賀県の例について詳しく聞いておりませんので、ただいまのところそれ以上のことは申し上げかねます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 この内容については官房長よく御承知だろうと思つております。佐賀県ばかりじやございません、各県ともそういう不満を私聞いております。申請したものに対して、かつてに十二億五千万円だからそれを割当てする。はたして行政機関がそれでいいものかどうか、法律を誠実に執行できるものかどうか。これで打切るなどということは私は絶対に承認いたしません。その点を明確にしてもらいたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 最初に申し上げましたように、県の調査を農林省が査定したのでありまして、その農林省の査定が正しいかどうかという問題であります。これはお話の点原局に伝え、事情をよく聞いてみますが、おそらく当初の要求は数十億と出ておつたのでありますが、いろいろこちら査定をして来ました結果、あるいはまた小災害以外の災害の関係で、相当詳しい調査をやりましたが、それらを参考にして農林省において十二億五千万円に査定したものと私は聞いております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 その点で私はまだ承認できませんので、原局並びに大臣のお答えを願いたいと思いますから、予算についてその分だけ留保さしていただきたい。

井出一太郎改進党

○井出委員長 中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 質疑応答を聞いておると、低位生産地の問題にしろ、北海道開発の問題にしろ、川俣委員の名論にしろ、これはとても事務当局に言う問題じやない。どうしてもこの予算がいま少し具体的にまとまつたとき、農林大臣の出席を求めて、徹底的に追究しなければだめです。これは農政のない農政を事務当局はやつておる。それを何とかつじつまを合せようとしておるから、あつちもこつちもぼろだらけでどうにもならない。そこでさつきちよつと川俣委員に聞くと、私留守中に芳賀委員が聞いたそうですが、保温折衷苗しろは積寒の問題とからんで助成額はどうなつていますか、要求してありますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 一応入れております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 一応じやなくて幾ら入れておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 六億入れております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 六億というと、二十一円五十銭の坪数にして、二十八年度の実際実施面積と一体どれだけの差額が出ておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 昨年の冷害のときに補正予算で計上された額と大体同じであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 これはおかしいんだ。昨年の冷害のときに二十九年度の分を使つてしまつているんだね。そこのところを説明してもらいたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 冷害対策の分は、二十九年度の植付の稲のためのものでありまして、三十年度の植付の分を二十九年度の予算に計上しておりませんから、三十年度の予算に計上する。これはできるだけ早く、すなわち床を準備するところから油紙の用意をすることがよりいいのでありますが、二十九年度の予算にありませんので、三十年度の予算に要求する。これは昨年の場合と同じであります。去年は冷害で補正予算を組むチャンスがありましたので繰上げて組んだ、こういうことであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 その実施面積と二十一円五十銭かけたものが六億という金じやないと思うのでありますが、いま一度計算してごらんなさい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 保温折衷の実施面積に全部やるというのじやございません。これは大体三箇年程度はならすために補助金を交付するが、その後はそれをやめまして、これから新規に拡張して行く分に助成金をやるというのが建前でありますので、実施面積と予算とは突き合いません。実施面積の方は予算で今の二十一円五十銭を配当するよりはるかに大きい数字が実施されておると思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 これは実施面積を要求すべきだと思います。積寒でも一番効果のあるのは保温折衷だぐらいのことは、農政のわからない農林大臣だつて知つておるはずである。だから六億なんてはしたなことを言わぬで、いま千億くらいくつつけて、十六億くらい要求しなさい。委員会でもこれは徹底的にやらなければならぬ。今年はしり上りの天候でほつとしたけれども、来年はまたわからないのだから、その面をもつと要求することを私は要求する。  それから例の団体二法案を通した。ところが農業会議というものは始まつている。始まつたところが銭がない。協同組合から百万円寄付しろ、あそこは二百万円持つて来い。とにかく村の農業委員会がピンはねまでやつて、長野県の場合で言えば、一万円ずつ三百何十箇町村から集めろ。県が二百万出せ。協同組合が百万出せ。合計七百万でこれをやつて行く、こういうことを言つている。これは暫定措置として何らかの措置をとるということは、参議院の委員会のときに何回か言明されておる。この問題が一つ。農業会議の予算成立までの暫定予算措置を一体どうやつておるか。  いま一つは、あの当時の審議の過程において、八千四百万というのを中央会ができれば出すのだ、八千四百万という金額は、だれも明言しなかつたが、とにかく出すのだ。そこでたしか右派の江田君が、そんな款項目はないじやないか、どうしてこれが出せるのだと質問したところが、それは予算の款項にはないが出せる穴があるのだというような、何だかわけのわからないような答弁が行われたのです。そこでそれが八千四百万というものは、いわゆる中央会が明日でもつて全国で二十二都道府県の発足を見るわけです。約半分が発足を見るわけですが、これに対して例の八千四百万は、どういう措置をとろうとしておるか、またはとつたのであるかということについて、農業会議と中央会、この二つを御報告願いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 ただいまの農業会議並びに農業協同組合中央会の費用の問題でありますが、確かにこれは法律が通れば出すということを農林省は請合つておるはずであります。これはただいま大蔵省に予備費の要求をしておる。すなわち二十九年度予算を編成する場合に、そういう約束を私ども大蔵省としておりますので、手続的にまだ中央農業会議もできておりませんので、決定を見ておりませんが、その約束に従つて措置いたしたいと思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 農業会議の方はどうするつもりでありますか。これも予備費の中からという考えか、または何かほかにうまい方法があるのかどうか。中央会の方はこれでよろしいとして、農業会議の方はどうするのですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 農業会議の方は農業委員会の費用でまかなえる分はまかないまして、足らぬ分はやはり予備費でまかなうことにいたすようになると思いますが、その辺のところは明確でございません。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 おかしいじやないですか。現に長野県の場合を申せば、そうなんですけれども、七百万円いるから県が二百万円出せ、協同組合が百万円出せ、それから三百四十八箇町村から一万ずつ吸い上げる、合計約七百万円で運営するという、そこで私はそんなものは七百万も何にいるのだ、事務局なんか十人なんていらぬのだ、それはみな県庁の職員、嘱託でいいんだ。そんなものは百万か百五十万でやるといつておるんだけれども、結局最後の結論はそういう結論が出たらしい。これは長野県ばかりじやない。全国みなこういうことをやつているらしい。これは法案が通つたときに何らかの措置を考えないということは、まさに大臣の問題じやない。事務当局の怠慢じやないかと思うんですが、どうですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 ただいま長野県の農業会議で、各方面から寄付金を集めているという話でありますが、よく事情を調べますが、ちよつと金が多いようであります。長野県は特殊に大きい県だから大きい金額がいるのかもしれませんが、ただいままでも農業委員会の府県に対しては、たしか数人の職員の補助あるいはそのほかの費用が補助されておるわけでありますから、県の農業委員会が農業会議に切りかえられれば、その金はそつちへまわすだけの財源になると思います。従つてそれに不足する分は予備費という問題になつて来るのでありますが、その点は多少明確でないのであります。今の点は事情をよく調べましてお答えいたします。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 もともと団体法というのは実際やり方がおかしいんですよ。これは今実際困つているんだ。県も赤字で、長野県は二百万なんて出せない。これは県会も出せないと言つている。協同組合も百万なんて出せるか、こう言うんです。そうすると村から吸い上げるといつても、村もそんなものは出せるかといつて、農業会議はつくつてみたが、ぜにが一銭もないという現状なんです。これは長野県ばかりじやない。おそらく全農林委員の皆さんの県が、みな問題になつていると思うんです。これに対して農林省は、一体どういう指導方針並びに財政的裏づけをやつてやるかということを、法律が通つたときに考えないということは、少し話がおかしいんです。全然わからないなら、あしたでもあさつてでもよく研究して、これに対してどういうことをやるかということを明らかにしないと、発足当時からこんなに混乱を来しておるものなら、この次の議会からこういうものは廃止してしまつたらいいんです。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 農業会議の使命なり職能については、法律の御審議の際に十分御検討願つたことと承知しております。これの予算的裏づけについて多少手続が遅れているという点は、役所の方に責任があると思います。先ほど申し上げましたように、相当の予備費を要求しております。しかしただいま申されたような大きい金にはならないと思うのであります。かりに長野県が普通の県の倍に見ても、ちよつと金額が多いんじやないかと思います。できるだけすみやかに予算的裏づけをいたすことにいたしまして、農業会議は農民の利益代表でありますから、その機能を十分発揮できるように、役所の方からも法律の趣旨の宣伝に努めますし、関係方面でも法律の趣旨が実現できるように御協力を煩わしたいと思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 時間がありませんからいま一点だけ……。この予算の中でちよつとお聞きしておきたいんです。これも基本的な日本の農政問題にぶつかるのですが、さつき官房長が大綱の説明のときに言つたように、一定の規模農家以上の農民がもうどうにもならないという破境に追い込められているものを、いかにして救済するかということが予算の中で考えられたというのだけれども、この予算を見るとそんなものはちつとも考えられていない。そこでこれを具体的に考えるには、一体何が一番考えなければならぬ問題かといえば、われわれが政権をとつたときには別ですが、現在の段階においては、自作農維持資金をどう処置してやるか、これに対する利子補給をどうやるかということが、農村の階級分裂防止のための基本問題なんだ。そこで自作農維持資金についての予算が、あなたがさつき言つた能書のように私にはちつともわからないんですが、一体どこにあるか説明してもらいたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 先ほど説明にわざとぼかしたのであります。現在お話のように自作農維持資金の増額の案と、農地の填補金融の案とを今検討しておるのであります。現在それをここで説明する段階まで行つておりませんので、わざと農業金融等についても施策を進めたいという程度の説明にとどめたのでありまして、この表には出ておりません。もう少し時期をかりて結論を申し上げたいと思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 これは大臣に全然農政がないと同時に、事務局もでたらめですよ。日本の農政の基本問題であるところの階級分裂防止の問題が——あのようやく土地を買い入れた農民が、それを維持するにはだれも金を貸す者はいないから、農地の移動を見てごらんなさい。長野県だけでも農地の具体的な移動、売買等が百八十件も出ているんですよ。これは全国的な統計の数字から見ても、あんなに大きくなつているんですよ。その基本的な問題をまだ今検討しておるのだという。これはまさに農政のない農林大臣のもとで、農政のない事務当局がやつておるんだからめちやくちやなんです。だから少くとも予算案提示の中に、さつきあなたが能書を言つたなら当然その結論を出して、これに対する融資額は大体この程度の目標でもつて折衝するのだということを出さなければ、話にならないのじやないですか。そうすればこの予算というものは新聞記者に見てもらつてはいけないとか言うが、これは日本中見せたつてちつとも苦にならない。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 その点はこの説明に入る前に、局によつては相当増額せねばいかぬ局もある、減るだけが会計課長との交渉でない、まだ全貌を出しておらないということは繰返して申し上げたのであります。先ほど川俣委員等からもお話がありましたように、農林委員会になぜ話さないかこういう話が当委員会の方からたびたびございましたけれども、お話申し上げて督励を受けるのはいいけれども、とにかく考え中のものについておしかりをこうむつても、時間をとるだけだからということはたびたび申し上げたのであります。この委員会までに間に合わすようにやつたのでありますが、はたして結論が出ていないというおしかりを受けた。もう少し時間をかしていただければいろいろ申し上げます。なおそれまでにお気づきの点がありましたら、御忌憚なくお教えを願えれば幸いでございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 関連して……。今中澤委員の方からお話のあつた県農業会議の負担金、寄付金強制徴収の問題なんですが、この点についてやはり結論が出ていないようですのでお尋ねいたします。官房長は、予備金その他から出す用意がある、こういうことであればすみやかにその旨を府県に通達して、寄付徴収を停止する必要があると私は考えますが、その意思があるかどうか。その点をお尋ねいたします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 私は寄付徴収のことはまだ聞いておりませんので、よく相談して御返事しないと、私だけで返事してもちよつとぐあいが悪いと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 これは基本的な問題でございますよ。長野県に幾らあつたとか、どこの県に幾らあつたとかいう問題でなくて、運営できないなら寄付でまかなうべき性質のものではないと私は考えております。でありますから、そういう事実があるようであれば、農業会議という性格から見て予備金支出の用意があるならば、寄付は徴収するな、こういうふうなことを通達するのが当局の務めである。親心というよりも義務であると私は考えます。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 ごもつともであります。基本的な費目については、今までの農業会議の経過からいえば、当然寄付でやるべきではないと思います。将来の問題は、農業関係の仕事について、傘下の団体、傘下の所属員が持つてもらいたいという希望を持つておりますけれども、当面のすぐの問題としては、法律成立の過程に確かに予備費等の支出によつてまかなうという約束をしておるように私は承知しておりますので、もし各府県でそういつた寄付の徴収がやられておるということならば、それに対して注意を喚起するということは必要でないかと思いますけれども、私は詳しく聞いておりませんし、これは今経済局の所管でありますから、経済局と打合せてからにしたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 一点だけ誤解のないように私どもの考えておる点を申し上げたいと思います。農業会議は農業会連合会と本質を異にしておりますので、農業委員会はかつては行政機関の末端事務を遂行いたしておつた。農業会議は民間団体になつたのでありますから、予算の流用はできないという見解が大蔵省からも会計検査院からも明らかになつておる点であります。この点は明らかです。従いまして流用される場合は、大蔵省並びに会計検査院との了解がつかなければ指摘事項になるという点です。  それから予算のあり方について、予備費から捻出するのか、あるいは補正予算を組んでやるのか、法律ができ上つた以上補正予算でやるべきじやないか、あるいは予備費から出すべきじやないかということを追究いたしておりますが、予備費の中には、そうした機構に対する支出は今までかつてないことだ、こういうことが大蔵省の答弁だつたように思うのです。機構の改革に伴う予備費というようなものの支出は、今まであまりやつたことがないというような答弁だつたと思う。そこで、それじや補正予算でやるのかということになりましたところ、臨時国会を開いて補正予算を組むことは、内閣のことであるから大蔵省としては答弁ができぬということであつたように思います。その点について、官房長ともあろう者が間違つた考え方をしておられまするならば問題だと思いますので、その点だけ申しておきます。  中澤委員からの質問は、こういう実情にあるんだこういうことなのですからして、これは臨時国会を開いて補正予算を組むことが、法律に対して誠実な予算の執行だ、こういうことに思うのですが、これは私の意見ですから、あまり官房長を苦しめません。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 初めの方の点は、私も農業委員会の費用をそのまま流用するとは申し上げないので、財源的に相当の余裕が出て来るはずだ、従つて予備費をそれ以上に必要なれば足して、見合い財源として考えればいい、こういう趣旨で申し上げたのであります。あとの予備費にするか補正予算にするかという点は、これはいずれでもいいのじやないかと思います。機構的な問題を予備費でやつたことはないということは、それはどこでしやべられたか知りませんが、小さい問題では、私の方で審議会の費用を予備費でもらつたこともありまするし、その例はたくさんあるはずであります。必ずしも補正予算でなくてもいい、大蔵省の方はできるだけ出し渋ろうというのでいろいろ言つておるんじやないかと思いますが、予算を編成するときの約束もありますので、できるだけ早い機会にはつきりきめるようにいたしたいと考えます。

井出一太郎改進党

○井出委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後五時五分散会

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