農林委員会 第33号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/04/20
会議録
○井出委員長 これより会議を開きます。 日本中央競馬会法案を議題といたし、前会に引続き質疑を行います。中澤茂一君。
○中澤委員 競馬法をどういうふうにするか、かりに通すとしても、問題は、一番封建制度の強い厩舎制度をどういう形に、たとえば公法人になつた場合でも、これを民主的な制度としてどういう形に持つて行くかということについて、当局の御見解を承つておきたい。
○井上説明員 ただいまの御質問でございますが、私どもが国営競馬を初めて以来六箇年になるわけでありますが、その間厩舎制度の問題につきましては非常に苦心して参りましたけれども、そういう久しい因習は容易に改善のできない問題でございますので、国営競馬が始まりまして二年目から騎手養成所をつくりまして、現在用賀にございます馬事公苑に騎手の養成所を開設いたしております。大体馬を五十頭ぐらい——現在は四十五頭ぐらいになつていると思います。年々十五人くらい、一年間の養成を目ざして騎手を養成しております。それから短期講習会としましては、二箇月くらいの短期講習をやらせまして、根本的に騎手を養成することが眼目だという考え方から出発をいたしたのであります。ところが久しい間徒弟制度をもちまして厩舎でやつておりますので、騎手と調教師の間に牢固として抜くべからざる師弟関係と申しますか、そういうものがございますし、学校のような騎手養成所の成績がはなはだ振わぬということで、調教師の方はしよつちゆう非難をするのであります。この教師その他は馬術上の基礎訓練をやる必要がございますので、もと陸軍の騎兵学校におられました日本でも有名な馬術家のような人々を先生としてやつてもらつておりますし、またときどきは現職の騎手でおられる人にも来てもらつて講演をするとか、あるいは大学の先生にも来てもらつてやつておりますが、はなはだ恐縮でございますが、その成績はあまりいいとは申し上げられません。但しこのことによつてわれわれといたしましては、従来の徒弟制度を打破する一つの試みをやつておりまして、ちようど三年間これを続けておる次第でございます。この厩舎制度の一番の問題は、元来騎手と申しますものは、御承知のように特別な体格と特別な技能を要するものでございまして、しかも最も激烈なスポーツをやる連中でございますので、特別なるからだつきになつておるのであります。この連中は大体年齢は四十まで、それ以上多少行く人もございますが、四十まででございまして、騎手をやめますと他に適当な職業がない、従いましてやむを得ず調教師になるよりほかに道がない。現在のところ調教師の数が約九十人、騎手が百七十人でございます。それに八百人の馬丁、こういうことになつておりまして、この問題につきましてはよく御承知と思いますが、前々からそういうような制度になつておりますので、試みといたしましては、いろいろ私ども努力をいたしておりますが、これが民営になりましたあかつきにおきましては、われわれとして最も考えなければならぬことは、競馬に直接関係のあるこの騎手の待遇改善の問題でございます。現在におきましては、騎手は非常に激烈なはなやかな生活をしておるようでございますが、他の映画とかあるいは野球といつたものに比べまして、決して収入が多いとは申されません。名目上の収入は、一番多いもので年間百二、三十万くらいは収入があると思いますが、これが相当積立金といたしまして騎手全体のために使われる金が多いのでございます。最近聞くところによりますと、生計困難の騎手も相当あるということであります。これが官庁の経営で申しますと、この点は何と申しましても予算の中に縛られまして、二十八年度におきまして六億四千万円賞金でやつておりました。そのうちから若干騎手賞というものが出るわけでございますが、それと馬主の賞金のうちの進上金、こういうもので生計を立てておるわけでございますけれども、その点が十分でございませんので、民営競馬にいたしましてはつらつたる売上げを期待することができるようになりますれば、その点も十分に考慮いたしまして、これら従業員の待遇改善ということも、私どもとしては、別に競馬法改正の目的といたしましてそういうことを掲げることもできませんが、そういう点で苦労をなめております点を御了承を得たいと思います。
○中澤委員 問題はその騎手並びに馬丁の生活の安定というものが得られないで、今までは国営であれだけ、厳重に監督しておるから割合にやおちようというものはない。ところが今までにおいても繋駕、あれはやおちようの本山なんです。やおちようをなぜやるかというと、結局連中自体が馬券を裏で買つて、連中自体が話合つて、そうして陰でもうけて行く、こういう方式が今まで繋駕では確かにとられていた。だから国営競馬時代においても、繋駕では往々物言いがついて大紛争を起したこともあるのです。だからそういう面から考えても騎手、馬丁、こういうものが馬券で勝負をするのではなくして、彼らの生活がほんとうに安定して行くという方策がとられなければ、民営に移した場合はこれは非常なやおちようが出るのではないか、こういうことが一応危惧されるのです。馬丁など一体今どの程度の待遇を受けているものか、何か給与のベースとか、そういうものがおわかりになつたらひとつ御答弁願いたい。
○井上説明員 馬丁の給料は基礎的には大体七千円くらいと聞いております。しかしそのほかに馬が勝ちますと馬主から千円とか五百円とかいつたような御祝儀が出るということでございます。そのほかの収入は大してなかろうと思います。本年もこの正月にちよつとあいさつをいたしましたみぎり、馬丁の代表者三人から陳情を受けたのでありますが、生活がどうも苦しいということでありました。元来馬丁は私どもの考えによりますと、外国でもそうでございますように、十五、六から二十くらいまでの若い者が馬丁として入るのが常態であります。そのうちの若干の者が騎手になるということでございますが、日本の場合におきましては、五十、六十の馬丁もたくさんおるのでございます。これは他に適当な職業がないということと、それから戦後は住宅の問題で他に行くところもないというような人が居すわりまして、馬丁生活三十年、四十年の連中も相当におるように聞いておりまして、自然家族が非常にふえております。馬丁の宿舎というものは元来狭いのでございます。近ごろ見ますと、大家族が小さい厩舎のすみにおるというようなことで、まことに困つておるのでございますが、給料が安いということも十分見とられますが、元来そういうような性格のものでございますので、この点等につきましても、調教師や騎手の方からいたしますれば、やはり長い間の功労者と申しますか、そういう縁故関係からこれは雇われるものでございますが、これを解雇することもできないといつたような特殊な事情が生じております。この点は厩舎制度といたしまして根本的に考えなければならぬ問題で、年をとつて馬の世話もろくにできなくて、行くところがない。また雇う方からいうと、解雇して新しいいい者にとりかえたいのでございますが、どうにもならぬという実情のように思います。さりとてこれは放置することもできない問題でございますので、民営になりましていろいろな点で諸経費を節約いたしまして、これらの従業員が安定をして参るようにいたさなければ、ただいま仰せになりましたような種々のレース面に影響が現われることを危惧いたしております。この取締りと申しますものは、御承知のようにすみからすみまでなかなかああいう面を取締ることができませんので、やはり生活の安定ということが、今御意見の通り必要な点だと考えておりますので、現在におきましても十分考えなければなりませんが、民営になりましたならば一層注意いたすつもりでおります。
○中澤委員 私見ていて、競馬くらい今の世の中の不合理をはつきり現わしておるものはないと思う。片方では馬主ともなれば自家用車で乗りつけまして、あのはなやかな生活をしておる。そして一方厩舎へ入つてみると、まるで馬のくそと一緒にまみれておる馬丁が、その日の生活にも困つてあえいでおる。今言うように七千円くらいのベースで、家族を持つてはたして生活ができるかどうか。そういうような極端から極端へ行つておる今の世相を現わしておるのが競馬だ。基本的には、政府与党でさえも富くじを廃止しようというような、国全体の粛正の段階に入つておるのだから、われわれの党とすれば、競馬などというものは廃止してしまうのがいい、こう基本的には考えておるのであります。競馬によつて今益するところが何があるかと言えば、何にもない。弊害の面は非常に多いが、益するところは何もないと言つて過言でないと思う。パチンコで首をくくつて死んだりする。これもときにはあるようですが、割合少いのです。競馬では端的にこういうことがたくさんある。現に私は中山競馬へ戦争前に行つた帰りに、電車に乗つて帰つて来たところが、私の横に一人おいてかけていた人が、あの市川の鉄橋の上から川に飛び込んだ。われわれはそばですぐ足を押えたが、間に合わないでとうとう自殺した。その悲劇をまざまざ見ておる。現在でも予想屋というものがたくさんいますが、あの予想屋は、財産を持つていた人が、ほとんど競馬ですつて、予想屋になつたという人が多いのです。これは被害の方が非常に多くて、益するところがない。かつて川俣委員が基本的な問題として、これは一体畜産振興になるのかならないのか。政府は法律では畜産振興だとうたうが、一体今馬匹改良をやつて畜産振興するといつても、競馬がどういう点で具体的に実際畜産振興、馬匹改良になつているだろうかということになれば、大坪さんの答弁もちつとも何が何だかわけがわからない。スポーツならスポーツとはつきり割切ればいい。それを畜産振興だなんて看板だけ掲げて、事実上何百万もする馬を買つて来てあそこで飛ばしてみても、一体農家の馬の改善にどれだけ役立つておるかといえば、具体的に何にもない。今の農村においても、共同化の推進とか機械化の促進というものが行われて、早くやるものなら機械でいいのです。おそくやるものなら牛でいいのです。農業の面においても、競馬は馬匹改良などには何ら益していない。それならむしろ川俣委員も言つたように草競馬をやらせるべきだ。そうして農家の、みんなお互いに金を出して買つた馬を走らして、高い馬がよく走るか、走らないか、みんなの馬を出し合つて走らせた方が、よほど馬匹改良にもなり畜産振興にもなる。そういう面において基本的に割切れないものがある。ただこれがスポーツとしてやるのならスポーツとしてやるのもまたいいでしようが、羊頭狗肉で、看板は畜産振興だが、具体的に何も役に立つていない。これが今の競馬の実情なんです。これから上つて来た益金というものを、酪農振興であるとか、確実にこれにひもをつけてその方に使うなり、また社会事業に使うのなら意義があるのですが、その点がはつきりしていないというようなことでは、一体何のためにこれをやつているのかわけわからなくなつて来るのであります。そこでこの問題について、私どもこのごろ、党の農民部会を開いていろいろな御意見を聞いたのですが、基本的には廃止すべし。そういうふうな賭博行為を国がやることはもちろんいかぬし、民間に移管してもこれをやることはいかぬ。しかし今の段階において、酪農振興法の問題も出ておりますから、この益金がそれに完全に使われるのならば、この際考えてもいいじやないかというのが大体の党の農民部会の結論だつた。だからわれわれとすれば、確実にそれが酪農振興なり農家の実際馬匹の改良なりに役立たないことになれば、必要ないじやないかというような結論になつておるのです。 それについても私思うには、これは決して弊害はあつても利益するところはないのだ。ただ問題は、その益金が実際農村のためや、酪農振興のために使われるならば、一応これを存続してもいいじやないかということなんです。そこで私も、実は競馬というものを少しやつてみましたが、どうもこれは被害が大きくてちつとも益するところはないというのが結論なんです。実際競馬のために財をなくして倒産して、どうにもならないという者は至るところにあります。もしやるとしても、今封建制の一番ひどいのは競馬の厩舎制度だと思う。七千円くらいのはした金で、馬丁が食つて行けないのはわかつておる。競馬場へ行つてみると、馬丁らしいものが馬券を買つておる。それであれはどこの厩舎の馬丁だ、あれが買うのなら間違いないからというので、わあつとお客がついて行つて買うということがあるのです。だから馬丁は競馬で勝負しておる。馬丁や騎手、調教師が競馬で勝負するようなことではいかぬ。この身分の安定を、競馬会に移したのを契機にどう考えるか。これを考えなければ国営競馬でもやおちようが多くなつて来ます。だからこれを契機に、厩舎制度というものを根本的にどう改めるか。ただ今部長の言つたように、生活安定をわれわれは今後考えましようということだけではいけないのです。厩舎制度そのものヘメスを入れなければこれはだめなんです。抽籤馬にしても、それから金を出して買つて来た馬にしろ、これはばくちであつて、当ればいいが当らなければその騎手も調教師も馬丁も一銭にもならないのです。だから一年中にいい馬が当らなければ、馬券で勝負する以外に騎手も調教師も手がない。そこですき好みもあるかもしれないが、騎手においてもAクラス、Bクラス、Cクラスというものがあるわけで、あの騎手が乗ればあの馬だけれども買つてもいいだろうというような上手下手があるらしい。だから厩舎においても、いい馬にはいい騎手を乗せるという形になつて来るから、百八十人かある騎手の中で、はたしてほんとうに生活の安定してある騎手といつたら、おそらく私は三分の一あるかなしだと思う。あとの騎手や調教師というものは、おそらくこれは馬券で勝負しております。だから厩舎制度について、これの生活安定について何らか競馬会の中における政令なり何なりで根本的なメスを入れない限り、民営になつたら非常にやおちようがふえて来ると思う。だからそういう点において、何か根本的に厩舎制度にメスを入れるお考えがあるかどうか。馬丁が七千円で気の毒だからもつと引上げてやるとか、騎手の生活安定を考えてやるとかいうことでなくて、基本的に厩舎制度そのものに、競馬会がこういう形で刷新して行くのだという一つの案がなければならないはずだと思う。このごろ全農林労働組合の方々、それから畜産の労働組合の方々といろいろ懇談してみましたが、この点について労働組合の方々の考えもまだ足りない。もつとつつ込んで、厩舎制度というものを民主的にし、生活の安定をはかつてやる。やおちよう競馬のないようにしてやるというような、移管したときの基本的な何らかの抜本対策がなければならない。そういう点について大坪さんは神様だから、これはどういうふうにやればいいということについてお考えがあると思う。大坪さんからひとつ御答弁を願いたい。
○大坪政府委員 ただいま競馬の問題につきまして、るる弊害の面を御指摘になつたのでありますが、御指摘の点は一応ごもつともと存ずるのであります。また騎手なり調教師なりが非常に待遇が悪いということもごもつともな御意見でございます。この点につきまして私ども常に考えておりますことは、まず第一点といたしまして、あの馬丁なり騎手なりが常時生活しております厩舎を見ますと、非常に施設が貧弱であり、かつ狭隘であるのであります。何とかして通常社会人の住むような住居なり娯楽施設なりを提供してやるということは、これは競馬を続行いたします限りにはぜひとも施行したいものとして、国としてはやつて行かなければならない義務だと存ずるのでありますが、御承知の通り営繕費というものは、国全体の営繕費のレベルと申しますか、そういうようなわくでしぼられるような関係があるのでありまして、競馬が特別会計にあるからといつて、一般的なそういう新営費というものの特別計上は、どうしても財政当局の許さないところであるのであります。同時にまた給料の問題にいたしますれば、これは結局賞金の問題に関連して来ると思いますが、賞金の問題にいたしましても、これは支出予算というものに厳重に縛られまして、馬主に対する多額の賞金あるいは馬丁なり騎手に対する副賞的な賞金というものにつきまして、これを増額いたしますることは、これは実際問題として困難であるのであります。つまり施設面の改善の点にいたしましても、その給料の根本をなしまする賞金の問題にいたしましても、いずれも国の予算で実行いたします限りにおきましてはそこに非常に厳重なわくがあるのでありまして、私どもといたしましては、何とかしなくちやならないということを常に考えておりながらも、その点は、私どももちろん努力の足らぬところでありますが、なかなか実際問題として実行困難なのであります。従いまして今回民営に移すという考え方の大きな要素は、内部的な改善と申しますか、競馬を実際行つております者の生活を安定すると申しますか、そういうようなことも一つの大きなねらいとし、競馬関係者の深く期待いたしておつた眼目の一つになつておるのであります。もちろん本法におきましても、そういうようなことも一応法律の目的といたしまして掲げたいぐらいに、私たちといたしましては希望いたしておつたのでありますが、技術的にそういうことは困難であつたので、法律の中にそのことを書くことは一応やめたのでありますが、競馬を民営に移しましたあかつきにおきましては、予算面あるいは経理の面につきましても、その点は国の予算で実行いたしております場合よりも、はるかに融通性のある予算を組み得るということになりますので、ぜひともそういうことをやることにいたしまして、今後は騎手なり馬丁なり、そういう現在まで国の予算に縛られて非常にみじめな待遇でありました階層につきまして、ぜひとも社会人として、通常人として生活できるような施設なり給与なりをやつて参りたい、かように思うのであります。
○中澤委員 今大坪さん、今度民営になりますならば、非常に融通性を持つて、国の予算で縛られないからということをおつしやつておられる。言葉じりをとるわけではないが、融通性ということが非常に問題なんですよ。融通性がきくということで今度は、たとえば賞金の値上げですけれども、その賞金の値上げ自体を今の形のまま値上げをしてもだめなんですよ。賞金の一定の額を限定して、それ以上のものは厩舎全体がプールするということを考えなくちやいけないです。そういうふうに考えて、一定の限度をきめて、あとそれ以上の、たとえばダービーに百五十万円賞金がかかつているなら、百万円まではその賞金を馬主にやるが、あとの五十万円は厩舎全体、いい厩舎悪い厩舎もプールして、馬丁、騎手、調教師というようなものにわけてやるというならいいですけれども、今の制度のままにやつてはだめなんですよ。そこでまた融通性の問題が出て来ると、今度は特別に残つた金を積立てるというようなことがあるのですが、そういうことになると、賞金値上げで積立ての金をみんな賞金に食つてしまう危険もあるのです。ですからその融通性というものが民営になると非常に問題になつて来ると思うのです。その点についてはどうお考えになりますか。
○井上説明員 ただいまの段階といたしまして、調騎会というのを社団法人でつくつておりますが、この社団法人の調騎会の目的は相互の経済的な負担というものの均衡をとるということが目的の一つでございますが、この調騎会に対しましては、別に財団法人の競馬共助会というのがございまして、ちようど鉄道の売店と同じような意味の競馬場内における売店を経営しておりますが、これからの収入が、多少の増減はありますが、六、七百万円の純益をあげておりますのと、それから騎手が賞金をとりました場合、それの三割はこれをその騎手会の方に積立てまして、医療施設あるいはその他の厚生福利施設に充てておるのであります。でございますので、例をとりますと、保田君といつたようなヴエテランの騎手は、名目上の収入は百五、六十万もあると思いますが、実際収入になりますと百万円ばかりで、それを下まわつた収入である。こういうようなことで、お互いにいわゆる相互扶助の形でもつて、まつたく勝負に出ないし勝ちもしない騎手も、これらの医療施設あるいは福利施設等によつて相当に給料のほかに潤う、馬丁もその中に入つておるのであります。ただわれわれが苦痛といたしますのは、何もかも賞金という名目でなければ現在の予算の処置ができませんことで、大蔵当局といたしましては賞金の面でまかなつてくれということになつておりますので、それらの費用は一応賞金の項の中に入つておるのでありますが、そういたしますと、ただいま御指摘のように若干苦しいところが出て来るわけであります。何とかこれを直接賞金の中にはつきりと名目をつけてそれらの収入になるように、たとえば騎手賞というものを賞金の中でまかなつておるために、賞金の全体の増額で騎手賞だけを増額することはいかぬというような、なかなかやりにくい面があるわけでありますが、そのほかに、たとえば生活困難な騎手を救済するような補助金的なものが出せるようなことがあればたいへんけつこうと思うのであります。今回の法律を通してもらつたあかつきにおきましては、次の段階におきまして、たとえば年金の制度のようなものを考えてくれということが多年の主張でありますが、もしも年金積立等のことが、競馬全体の経理の問題になりますが、できますならば、かれらの主張いたしております年金といつたようなものと同じようなことを、ある程度やりたいと考えております。 なおまた騎手、調教師、馬丁の制度は相撲の制度とよく似ておると思います。大関とふんどしかつぎではたいへん開きがあつてそれではふんどしかつぎは食つて行けないかというと、何とか食つておるという状態であります。大関とふんどしかつぎの生活の程度が違うように、やはり違つております。だからだれしも非常に封建的な制度のように考えられておりますが、そうかといつて封建制度を続けて行きますことは、相撲と違いまして、御指摘のように直接レースの面に作用いたしますので、御注意の点は十分身にしみて考えたいと思つております。
○川俣委員 今の御答弁によりますと、私は非常に不穏当じやないかというふうに考えるのです。というのは、これをあたかも相撲協会の大関とか小結あるいは十両というような考え方で御答弁になつておりますが、これは本質的に異なると思う。というのは、一方は相撲協会という協会がやる。今あなたが計画されておりますのは国営競馬、すなわち国が管理し、国が事業を行つておるもので、その上に職員として、または当該事業を監督する立場におつて、これらの事業の経営を監督し、直接関係しておるわけなんで、従つて相撲協会を判断するような目でもしも畜産局がこれを監督いたしましたならば、これは非常に大きな違いだと思う。いずれにしても傷害が起きましたら、あるいは死亡がありましたような場合におきましては、国が経営しておる以上は国の責任は免れることはできないと思うのです。これは公務員に対して国が責任を負うと同じように、——単なる相撲協会の例をもつて律するということは、今までの経営がはなはだ非事業的であると申しますか、競馬本位であるというふうに解釈せざるを得ないと思います。また今日国営から民営に移さないで、特殊法人に移しておりますのも、そういう観点を考えておればこそおそらく民営に移さなかつたのじやないかと思うのです。この点どうなんですか。
○大坪政府委員 ただいま川俣委員の御意見並びに中澤委員の御意見に関連いたしまして私が申し上げましたのは、馬丁なり調教師なりの生活問題に関連いたしまして、国でやつておれば、なかなかその辺に行届かない点がある、民営に移しました場合には、そこにある程度融通性があるという意見を申し上げましたが、この融通性と申しまするのは、いわゆる融通性というようなことじやなしに、これを具体的に申し上げますれば、実は私どもといたしまして、調教師なりあるいは馬丁なりというものに対しまして、直接政府として何らかの経済的な援助をいたしたい、つまり平たい言葉で申し上げますれば、直接補助金的なものを流してやりたいというような考え方も相当強く持つているのでありまするが、御承知のように補助金というような問題になりますると、一般的な理論というものがあるのでありまして、そういうようなものに対しまして、直接政府が補助金を出すというようなことにつきましては、なかなか財政当局の容認するところとならないのであります。これが民営に移りました場合には、あるいは中央競馬会として直接馬丁なりあるいは調教師なりというようなものに対しまして、いろいろな経済的な援助が、国の予算の支出費目で支払われているというようなことがないのでありまするから、直接そこに関与いたしまして経済的な援助ができる、こういうようなことに相なるかと思うのであります。その点につきまして、私どもが国営でやつておりました場合に、なかなか行きかねておる点がございまするので、多少それらの点につきましては、政府として、現在までは馬丁なり調教師なりというようなものに対しまする生活的な擁護の面に欠けておつたのではなかろうか。私どもその点は痛感いたしておるのでありまして、そういうことがないようにいたしたいということが、今度民営に切りかえまする眼目の一つであるということを御了承願いたい、かように存ずるのであります。
○遠藤委員 私はただいまの両委員と畜産当局との質疑応答を聞いておりまして、この問題は今回の民営に移す場合の基本問題に触れておる、こういうふうに考えますので、もう少し確かめておきたいと思うのであります。 先ほどの畜産局長の答弁を聞いておりますと、国営から民営に移ると融通性が出て来る、こういう話でありましたけれども、私どもこの法律を読んだ場合の解釈と、言葉のニユアンスだけかもしれませんけれども、多少違うわけであります。国営競馬の欠陥はどこにあつたかといいますと、大蔵省の全然競馬などを知らない、ただ金勘定ばかりやつておる連中の予算の査定の門をくぐらなくちやならぬ。従つてただいま問題になつておるような騎手や馬丁の生活の問題等についても、競馬の実情のよくわかる者であれば、当然これらの人々の生活を考えて、共済制度を考えて、安定の施策を講じなくちやならぬ。それは国家の予算として当然やるべきことである。にもかかわらず、それがどうしても大蔵省の予算の査定を通つて行くと、認められて行かないんです。これは不合理であります。不合理でありますけれども、現実の事情としては何ともできなかつたのが今までの事情であつたと私は思うのであります。そこでこういう問題については、当然国家の予算として出すべきものが出せなかつたのだ。それは大蔵省の査定官がやつておつたから、非常に不合理が至るところに出ておる。厩舎を改善しようと思つても、なかなか改善ができない。設備が非常にぼろぼろになつておる。手当もきわめて薄給であつて、食えないようになつておる。今度は競馬の詳しい事情のよくわかる農林省の人たちがその査定をする。そういう意味で予算に非常に弾力を持たせるとか、あるいは融通性を持たせるという意味ではなくして、もつと実情に合うような査定をして行くんだ。国家の予算と同じ意味でそれを大蔵省に査定させないで、農林省の専門家の連中が査定して行くんだ。こういうふうに理解して、その意味において非常にぎこちなくて実情に合わないものが緩和されて、実情に合うようなものになつて行く。そういうところに今度の民営移管のほんとうの意義があるというふうに私ども考えておつたのでありますが、これをもう少し広くして、もつと融通性を持たせるということになつてくれば、これはまた大問題であります。そういうことになつて参りますと、この競馬の制度というものは強い批判を受けなくちやならぬ。この法律はそういうふうにはできていないと私ども思う。であればこそ、われわれはこういう行き方でよろしいという考え方を持つて参つたのであります。そこでこの点については、融通にもおのずから限度がある、そうしてしかも実情に合うような運営ができるのだ、こういう趣旨に私どもは考えておりますけれども、その点についてもう一度畜産局長の御意見を伺つておきたいと思います。
○大坪政府委員 ただいま遠藤委員の御意見でありまするが、まことに私どもその通り考えておるのであります。ただいま融通性ということを申し上げましたが、先ほども申し上げました通り、いわゆる融通性ということじやなしに、大蔵省的な考え方の一般的なわく、一般的な基準と申しまするか、それを越えない、いわゆる実態に即した経費の支出方法、こういうことでありまして、いわゆる補助金は絶対に出さないというような、そういう実情に沿わないような点についての融通性という問題であるのであります。競馬の内容に即しまして競馬を施行しまするためには、どうしても一般の基準と申しまするか、大蔵省で出したがらないような経費に対しての実情に即した融通性ということで、中身のよくわかつておる者がそれに対処いたしまして善処して行く、こういうような意味の融通性であるのでありまして、世間的に言われておるようないわゆる融通性とは全然違うということを、御了承願いたいと思います。
○遠藤委員 今度の競馬会の本質問題に言及しておりますので、もう少し確かめておきたいのでありますが、競馬会の性格の問題であります。この法律全体をながめて見ますと、競馬会は見方によりますと、民有の私的な機関のようにも見えますけれども法律全体を見ますと、これは国家の一つのかわつた形で、あたかも国有鉄道が政府から離れた場合と同じような性格を持つておるというふうに私どもは見ておるのであります。かるがゆえに、たとえば第十三条の理事長、副理事長、理事または監事になることができない規定など、さらにまた第十四条の、営利会社の関係者がこの仕事に参加することができないというような規定も、初めてそういう性格から理解することができるわけであります。そこで今つくろうとしておるこの競馬会というものは、いわゆる私的な法人的な見方で見るべきものであるか、国有鉄道のような公的な機関であるというように見るべきであるか、しかもそれはそれらの問題とどこに違いがあり、どこに同一のものがあるかという点を、局長からもう一度お伺いしておきたいのであります。
○大坪政府委員 中央競馬会の性格の問題でありまするが、ただいま御指摘ありましたように、第十三条なり第十四条なりにおきまして、役員となるべきものの資格につきまして、相当強い制限規定を設けておるのであります。御承知のように競馬につきましては、富くじ的な行為を伴いまするので、これが運営につきましては、まつたく公正妥当な経営をやつて行かなくちやならぬのでありまして、競馬というものを国の予算で国の責任においてやりますることにつきましては、いろいろと御意見がありますので、今回いわゆる民営に移すということにいたしたのでありますが、ただいま申し上げましたような事情によりまして、民間に移すといたしましても、その性格は最も公社に近い性格にいたしたい。もちろん公社におきましては公法人であるということをはつきりうたつておるのでありまするが、中央競馬会におきましては、その点はうたつていないのであります。しかしながら本会の性格は最も公共性に強い、公社に近いような性格を持つておる、かように私どもは考えておるのであります。ただ公社の場合におきましては予算の査定を受けるのでありますが、本会におきましては農林大臣が実情に即しましてこれを監督するということになつておりまして、いわゆる国家的な予算面の拘束を受けない。農林大臣の監督によつて公正な競馬を実行して参る、こういう点が非常な差異があるのであります。従いまして、競馬の経営につきましては、純然たる民間的な経営と申しますか、そこには国家的な予算として拘束は受けないというような利点があるのであります。公社につきましては、いわゆる国家的な機関でありますので、その面につきましての拘束は国家機関として拘束を受けるのでありますが、本会におきましてはその方面の拘束はない。こういう点が利点であるのであります。しかしながらただいま申し上げましたように、いろいろ弊害の面もありますので、そこいらのものも勘案いたしまして、本会の性格といたしましては、最も公社制に近い法人としての性格を持たせますために、経営の面につきましても、あるいは人事の面につきましても農林大臣の最も強い監督を受ける、こういうような方向に持つて行くということに御了承願いたいと思います。
○佐藤(洋)委員 今遠藤委員からお話のあつた性格の問題は、今遠藤さんのお話のように十三条、十四条にからんで来るものと、それから政府納付金の問題、これに非常な大きな影響があることなんです。従つてこの性格の問題は非常に明確にしておく必要がある。たとえば今遠藤委員が引かれたような、専売公社などは千数百億も国家に入れているのですから、そういうようなこともあるし、いわゆる百分の十の問題ですか、そういうようなことを中心にしてやはり性格というものは一番大事な点だと思うのです。この点をもう少しはつきりして、公社に近いようなものである、またさきにも中澤君が言われたような再評価の問題、それらがやはりこの問題にからんで来る。中澤君の所論ももつともな点だと思うのであつて、やはりこういう点は十分はつきりしておく必要がある。こういうことを私は一応御注意しておきたいと思います。これに対してあなたの所信を一応承りたい。
○大坪政府委員 法人と申しますか、ただいま御意見の通り特殊の団体と申しますか、特に特殊法規に基きます特殊法人の性格というものがどういう性格のものであるか、こういう場合におきましては、結局法律の内容によつてその法人の性格がきまつて来る、こういうことに相なるのじやなかろうかと思うのであります。従つて私どもといたしましては、競馬というものは元来が伝統的に、またそれに関係いたしておりますものが畜産振興ということを伝統的に考えておりますし、また私どももそういうことに信頼して来ておるのであります。根本のねらいは畜産の振興にありますから、御意見の通り富くじ的な弊害、ただいま川俣委員よりお話がありましたような、あるいは中澤委員よりお話がありましたような弊害の点もありますので、そこいらを勘案いたしまして、法人の性格といたしましては最も国家的な性格に近い民間法人、こういうような線をねらいまして、いろいろなそういう構想のもとに本法律を構成いたしておるのでありまして、従つて各条文から出て参りました結果を総合的に判断いたします場合には、公法人とは言えないと思いますが、公社に近い民間法人、こういうように観念すべきものではなかろうか、かように考えます。
○福田(喜)委員 関連して。遠藤委員の質問に対して局長の答弁がありましたが、第二条に「日本中央競馬会は、法人とする。」とあるので、競馬会は特殊法人であることは明らかでありますが、この特殊法人がはたして公法人か私法人か、また公的の機関か私的の機関か、一般的にはあなた方の御説明によりますと、今回の措置を民営切りかえと称しておられるのは、われわれ説明を承つたところでありまするが、しかし提案理由には公社に準ずる性格のものと書いてありますが、その準ずるとはいかなるものか、また競馬会は、説明によりますと、日本放送協会の性格とほぼ相似たものと説明されておるように聞いております。また罰則の第三十六条、第三十七条においては、公務員の場合と大体同じような役職員に対する収賄罪、贈賄罪を規定しておる。また役員の任命、会計経理の方法等については、政府機関的なやり方を踏襲しておられる。しかもただいまの御答弁によりますと、国鉄等の場合と似たような御説明もしておられる。しかしこれは政府機関たる公社でないことは明らかであろうと思います。はたしてしからば、この実体は何か。幾多の点において、私はこれはあとに尾を引いて法律的な問題が多々起つて来ると思いまするが、その性格ははなはだ不明確である。この点もう少し法律的に明確に御答弁をいただきたい。
○大坪政府委員 ただいま日本中央競馬会の性格につきまして、公法人であるか私法人であるか、あるいは民間法人であるか国家的な法人であるか、こういうような御意見のように承りまするが、御承知のように法人の性格の問題を論じまする場合に、公法人であるか私法人であるかという問題は、これは学問的には非常に重要な問題でありましたし、また強くその点につきましてはいろいろな御意見があるのであります。私どもといたしましては、この競馬会につきましては、いわゆる公法人ともはつきり言い切れませんような気もいたしまするし、またこれが完全な私法人とも言い切れないと思うのでありまして、いわゆる公法人に近い私法人と申しまするか、公法人的な性格を持つている私法人的なもの、つまり中間的な法人じやなかろうか、かように考えるのであります。しかしながらこの問題につきましては、実際上の問題につきましては、現在裁判管轄権その他の点につきまして、公法人、私法人というものの性格をはつきりいたしますことは、おおむね実益と申しますか、そういうような点は少くなつておりますので、強くここではつきり公法人である、あるいは私法人であるというような点を割切る必要はなかろうか、かように存ずるのであります。なお公社に近いという点につきましては、現在私法人的な性格を持つているもののうちでは一番公社に近い性格を持つているんじやなかろうか、かように存じております。しかしながら公社の最も本質的なものでありまする国家機関てしての予算の拘束を受ける点につきましては、この点は農林大臣がその事業の内容について監督する限度におきまして監督を受けるのでありまして、その点につきましては、平たく申し上げますれば、純然たる民間法人となるんじやなかろうかと思うのでありまするが、しかしながらただいまも御指摘のありましたように、いろいろ弊害もありまするので、この点につきましては、この競馬会の運営というものを、公正かつ健全な発展をはかりまするために、その運用をうまくやりますために、いろいろな強い公共的な性格に相対応するような各種の制限を設けておるのであります。ただ公社にいたしますと、たとえば競馬の中にはいろいろ従来から複雑した事情もあるのでありまして、また御指摘のように騎手なり馬丁なり、そういうものの生活の改善というものにつきまして、一々補助金的なと申しますか、国家的な財政支出のわくから制限をされるようなことでは、なかなか実態に沿いませんので、こういうような点を排除いたします意味合いにおきまして、いわゆる国家的な予算の拘束を受けない民間法人としての性格を持つておりますが、この法人の性格全体から見ますれば、非常に公共性の強い公社に近い性格のもの、かようにひとつ御了解をお願いいたします。
○福田(喜)委員 ただいまの御説明は、公法人と私法人のボーダー・ラインにあるようなないような、公的機関であるようなないような、さつぱりわけがわかりませんが、これは法人としての性格がひつかつている関係の法規というものを、全部お調べになつたのでございましようか。私今ちよつと記憶ありませんが、戦時経済法令の統制等に関する何とかの件という、ああいう法規がまだ私は残つておると思いますが、ああいうものによりますと、この役職員というものがいかなる地位を与えられておるか、私はあとで調べてもよろしゆうございますが、そういう点につきましては、まだ具体的に生きている法令等もずいぶんあります。それの役員たる者は、ただ贈収賄だけでなくて、その他の点においてどのような扱いを受けるか、お調べになつたことがあるかどうか。 それから第一条、第二条に関連しまして、私は非常に疑問に思うのは、本法の目的をうたうことなく、その趣旨のみを掲げておるが、これはどうしてこういうふうな書き方をしておるのか。本法の目的というものはなぜ書かなかつたのか。これは法人の性格と相関連して非常に重要な問題でありますが、その点について御説明を願いたいと思います。
○大坪政府委員 本法によりまして、役職員並びに従業員につきまして、一応公務員に準じます贈収賄関係の規定を持つておりますが、この点につきましては、御承知のように非常に大衆性の強い競技を行いますので、万一本競馬会の理事なり役職員なりにつきまして、不公正な行為がありました場合には、これは厳として慎しまなければならないのでありますから、この点につきましては、特に涜職罪の規定を規定いたしておるのであります。 その次に例の目的の問題でありますが、御承知のように現在競馬法というものがありまして、競馬は国と都道府県並びに市町村がこれを行うということに相なつておりますが、今回の措置といたしましては、国営でやつております競馬を、一応中央競馬会という特殊法人を設立いたしまして、そのままの形で特殊法人に移す、こういうことを規定するにとどめておりますので、その移します競馬会が、どういう目的を持つて競馬を行うかということを規定し得れば足りるのじやなかろうか、こういう見解のもとに、競馬そのものの目的よりも、移します限度におきます、移された団体の性格を規定いたしておる、かように私どもは存じております。
○福田(喜)委員 そういたしますと、これは公法人的性格から出た公務員並の扱いではなくして、競馬会の行う事業、つまり競馬という仕事の性質からして、こういう贈収賄の規定を置いた、こういうふうに解釈していいのですか。この点についての御見解と、それから、第一条に本法の目的を書かなかつたということは、これは国営だけに限つて公営の点に触れてないからというふうな御説明でございますが、この点はまたあとで本質論としてお伺いすることにいたしますけれども、法人の本質とは一つも関連のない、別個の方面から御説明になつておりますが、一体そういう説明で足りるものかどうかという点は、私ははなはだ疑問に思います。そこで局長に承りたいのですが、つまり公法人か私法人か、公的機関か私的機関か、それと贈収賄規定とか公務員並の扱いをすることとは、まつたく離れた別個の問題だ、関連のない問題だ、こういうふうにわれわれはとれますが、それでよろしゆうございましようか。
○大坪政府委員 ただいまの御意見の点でありますが、日本中央競馬会は、形式理論といたしましては、一応純然たる私法人というふうに考えて、法律論としてはさしつかえないのじやなかろうかと思うのであります。ただいま御指摘のように、贈収賄の点につきましては、本法によりまして特にそれを適用いたした、かように考えるべきものじやなかろうかと思うのであります。従つて、日本中央競馬会の役員なり職員なりは、公務員あるいは公務員に準ずるものというふうには理解できないのであります。特別な法律に基く特殊の規定がそういうふうに挿入されていると申しますのは、ただいま申し上げましたように、競馬そのものの事業が、大衆に経済的にいろいろ非常に関連がありますので、その競馬の施行につきまして、公正妥当を期待するという意味合いにおきまして、特別の法律の条文を挿入してある、こういうふうに考えるべきものじやなかろうか、かように存ずるのであります。
○福田(喜)委員 そうすると、日本放送協会とは性格がほぼ相似たものと、こう説明されておりますが、これはまつたく違うことになるが、よろしゆうございましようか。
○大坪政府委員 実態といたしましては、公共性の非常に強い、いわゆる放送協会なりあるいは電電公社なり、専売公社なりに近いものとして規定いたしておりますが、純粋形式論といたしましては、職員につきまして、そういうような公務員なりあるいは公務員に準ずるものとしての取扱いはいたしておりませんので、その点につきましては、形式理論としては私法人的な性格である、かように申し上げてさしつかえないと思います。
○福田(喜)委員 それでは一体、あなたの言う公共性は、放送協会の場合の公共性と競馬会の場合の公共性と、どういう類似点があつて、どういう相違点があるのですか。
○大坪政府委員 御承知の通り、競馬につきましては、大衆が自分の私財を投じて、いわゆる富くじ的な行為をいたしますので、その運営が一歩誤りますと大衆に迷惑をかける、こういうようなことに相なりますので、その意味合いにおきまして、非常に公共性の強い、一般日本国民の大勢に迷惑をかける、こういうような問題になりますので、その意味を、公共性の強いというふうに考えるべきものじやなかろうか、かように存じます。
○福田(喜)委員 放送協会の公共性というものと本件の公共性の場合とは、どういうところに類似性がありますか。どういうところに違いがありますか。あなたは似ているとおつしやつたが……。 〔「答弁できないだろう」「研究して答弁してもらおう」と呼ぶ者あり〕
○川俣委員 一点だけ関連してお尋ねいたしますが、今の論争の中で疑問が起きて参りましたので、大蔵省の見解をお尋ねいたしたいと思います。大蔵省にお尋ねいたしますが、公共団体でない、いわゆる純然たる民法上の私法法人に対して全額出資された例がありますか。
○木村説明員 終戦後従来の国策会社的なものは全部整理の段階にありまして、ただいま政府出資の会社が若干ございますが、私法上の法人に対して全額出資したという例はございません。
○川俣委員 そうしますと今の公社というのは大体全額国庫が出資いたしておりますので、いわゆる公社というように名づけられ、公法人の性格を持つておると思うのですが、全額国で出資をするということになりますと、やはり公法人の性格を持つのが妥当ではないかと思いますが、この点に対する大蔵省の御見解を承りたい。
○木村説明員 公庫、公社その他いろいろなものがございます。この辺の区別につきましては、実は私ども専門家でありませんので、はつきりしたことは申し上げられないのでありますが、国家的な見地から見て、一般の民事会社あるいは民間法人と違つた性格のものであるというものにつきましては、全額あるいは大部分を出資するという形をとるのでありまして、名称が公社、公庫、金庫といろいろありますけれども、要するに全額出資あるいはそれに近い出資をするということの裏には、やはりその団体が一般の私法上の法人とは違うというような前提があるからと考えております。
○川俣委員 それではなぜ全額出資をしなければならないとお考えになつたか。この競馬会というものをなぜ国が全部出資しなければならないと考えられたか。それほどこの国有財産の管理上全額出資した方が妥当であるというふうにお考えになつたのか、あわせて二点承りたい。課長の見解でなく、大蔵省の見解を承りたい。
○木村説明員 大蔵省におきましては、この問題につきましては、昨年から農林省の相談を受けまして、どういうふうな形態に持つて行くべきかということはたえず研究を続けて来たわけであります。その研究の過程を申し上げますと、いろいろ意見も途中ではかわりつつあつたのでありますが、こういうものはもともと国営に移した経過から考えれば、ある考え方によりますと、もとに返してしまうという意味で譲与あるいは売払いということにして、国家は全然縁を切つてしまつたらどうかというような意見もなきにしもあらずというような段階でありました。しかしその後いろいろ検討いたしますと、これが最終的な形であるかどうかははつきり申せないのでありますが、少くとも国営以外の形態に競馬事業を移す、そしていろいろこれによつて起る弊害を是正して適正な運営をさせるということを考えて行きます場合には、先ほど申し上げましたように、いわゆる財産を売り払う、あるいは譲与するということで国が全然手を引いてしまうということは穏当であるまい。そうしますと競馬に必要な財産というものは、現在の国有競馬特別会計において国が管理保管しておるものでありますから、範囲は限定されておりますし、いかなる団体が今後競馬をやるにしましても、この財産は必要なのであります。そういうことを考えますと、このままの必要な財産を今後できます団体に出資をする。国の権利というものは、財産ということでなくて出資権ということで確保するように切りかえて行く。それから競馬団体の運営につきましては、これは農林省の方で監督ということになりますので、私どもの方としましては、競馬関係の国有財産を新団体の方に出資をする、そうしていろいろな角度から運営の適正を期するという面におきましては、農林省の方で十分に見てもらうということが、この際として一番実情に適したやり方であろうというふうに結論づけましたので、純然たる民営形態にするあるいは野放しにする、あるいはやめてしまうということでなくて、その辺の実情に応じたやり方としまして、ただいま申し上げましたような政府出資という形でつないで行く、つまりそこに国家的な制約、監督面が、農林行政として多々あるものでありますから、それと表裏をなす関係におきまして、ただいまのような出資理論によつて協力申し上げた次第であります。
○中澤委員 福田委員の質問を聞いても何を聞いても、どうも非常に割切れない、何が何だかわからない法案なんです。そこで基本的な問題は、いずれあとから福田委員にやつてもらうといたしまして、十三条、十四条の問題なんですが、十三条、十四条には、これだけいろいろな役員の欠格事項を書いてあるが、この中で一つ一番大きなものが忘れられておる。それは何かと申しますと、馬主を役員にするということは絶対にいけないのです。ところがこの中で競馬会に附属する物品の売買だとか施設の提供だとか工事の請負だとかということはありますが、馬主が役員になつてはいけないということが書いてない。馬主が理事長なり理事になるということは競馬を不明朗にする一番の根源なんです。馬主は相当な資本を持つて、何百万の馬を買つて、一月何十万の厩舎費を払つて、まあ早く言えば道楽というかばくちをやつておる。こういうものが役員になれば、当然その資本力や力や、そういうものを利用して、あるいは騎手あるいは調教師あたりへ圧力をかけるのです。今一番国営競馬が大衆から信頼性を持たれてはやるのは、国がやつているのだから間違いないのだ、この明朗性が国営競馬だからこそ出ているのです。これが今度は民営に移管した場合、今度は地方の十一競馬において、地方々々の馬主が、この役員や理事またはこれに匹敵するような立場で入つて来れば、これはもう昔のあの競馬の弊害がそのまま出て来る。そこで当局としては、この中へ馬主は入れることはできないということを、これは兼職禁止規定並びに欠格条項の中へ馬主を加える意思があるかどうか、それを伺つておきたい。
○大坪政府委員 ただいま中澤委員の御意見といたしましては、役職員の欠格条項の中に、馬主を加える意思があるかどうかという御意見でございますが、実は旧競馬法時代に、これは御承知のように昭和十二年から日本馬事会といたしまして、全国一本の競馬を実行いたしておつたのでありますが、その当時、競馬の役職員はぜひ競走馬を持たなければならぬというわけで、一時非常に奨励をいたしたような時代があるのであります。しかしそれかと申しまして、その当時の競馬がそういうことのために非常に不公正になつたというような話も聞いておらないのでございまして、馬主というものは競馬の実情がよくわかつており、また競馬の理事者になるような人は、自分で馬も持たなければならぬというような思想がその当時あつたようであります。この点につきましては、私どももいろいろ研究いたしたのでありますが、一概に馬主だからといつて当然欠格にする必要もないのではなかろうか。ただいま御質疑の点は、あるいはそういうような方向に弊害が生ずる場合も想定できるのでありますが、元来そういう人は、競馬につきましては非常にヴエテランであり、熱心家であり、また役職員になつたからといつて、そういうことを悪い方に利用するということは、原則として考えられないというような考え方のもとに、当然の欠格条項としてはこれは挿入いたさなかつたのであります。しかし実際問題といたしまして、農林大臣なりが任命し、あるいは農林大臣が認可をいたします場合に、そういうような点はとくと当該の人につきまして考慮するということにして、法律上当然の欠格条項としては挿入いたしておらない、そういうように御了解願います。
○中澤委員 それは大問題です。大体競馬というものは、だれが聞いても、もともと地方のボスが競馬の親分なんです。そして性格は先ほど福田委員の聞いたように、何が何だか、公法人のような公法人でないような、あいのこのような、日本の法律学者が新しい一つの形を考えなければならぬような、法的にわけのわからないものをつくつて、この経営と運営というものと馬主というものをごつちやにしたら、ごちやごちやになつてしまう。こんなことは、火を見るより明らかであります。性格そのものをはつきりしてあれば、馬主を加えてもいいが、福田委員の言うように、性格もはつきりしていないこの競馬会の中に、馬主が理事長、副理事長、理事というものになつたら、とてもこんなものは収拾つきませんよ。それと同時に、そうなれば競馬の明朗性——今スポーツか畜産振興かで大分議論されたのですが、ばくちなんだけれどもスポーツとして一応認めてやりましよう。認めてやるからには、結局明朗性というものを失つたらどうにもならない。これは完全なばくちなんだけれども、一歩譲歩して一応スポーツとして認めても、今言うように法人の性格もはつきりしない、そこに馬をうんと持つている人が理事長になつたり、理事に加わつて来たら、運営と経営の厳正は絶対に期せられない。そこで法人の性格をはつきりするか、さもなければ、今のような形のままでは、馬主を加えないで、経営と運営にはつきりした体制をとつておかなければ、農林大臣が毎日競馬場に行つて監督するわけではないから、これはだめですよ。インチキの温床になつてしまう。そうすると、今度はスポーツからほんとうにばくちに転落してしまう。今スポーツとしてでも認めようという考えになつておるのは、国がやつておるから信用しておる。国がやつておるからインチキはないだろう、また監督は実に厳正にやつておる、違反があれば出走停止でもどんどんかけてやつておる、そういうところにスポーツとしての明朗性を一応認めておるのです。ところが性格がはつきりしない。馬主は当然の欠格条項ならば、この中に馬主もいけないということを書きなさい。第六のところに、物品の売買とか、施設の提供とか、工事の請負とか、そういうこまかい規定を入れて、なぜ馬主を入れない。馬主はだめだ、あなたは当然の欠格条項だというならば、この中にうたい込みましよう。それについてどうですか。
○大坪政府委員 ただいま法人の性格がひとつもはつきりしない、こういう御意見があつたのでありますが、まさにその通りだと思うのであります。と申しますのは、一つは政府が全額出資をいたしたような国体にいたしまして、こういうような法人の性格を持つているのはほかにはないのじやなかろうか。もちろん私どもといたしましては、あらゆる法律を知つているわけではありませんので、ここでどうこうということはなかなか申し上げかねますが、新しい形の法人ではなかろうかと思うのであります。と申しますのは、沿革的な理由が一つありまするし、もう一つは競馬そのものの事業内容、つまり沿革と事業内容を一つの要素にいたしまして組み立てられた法律でありますので、ほかには類例を見ないような形にでき上つている法律だと思うのであります。従つて純粋な法律論といたしましては、いろいろ本法を御解釈なさる学者によりましてあるいは違つて来るのではなかろうか。私はかように存じますが、それは明治以来実施して参りました競馬の沿革的なものがずつと尾を引きまして、国に移管いたしましたものを、国としてみずから行うことは妥当でないという考え方のもとに民営に移しまするから、その方面の要素が入つて参りまして、政府として全額出資をいたしておる、しかしながら予算面の拘束を受けないように、民間法人的な形をとつておる、こういうような割切れないような形をとつておるのであります。従つて法人の性格論として、法理論としてはなかなか解釈がしにくい。いわゆる公法人なりや私法人なりや、あるいは政府機関なりや純然たる民間法人なりやという点につきまして、なかなか割切れない点があるのであります。ただ実際問題として、私どもは、非常に公社に近い性格を持つた民間的な法人というふうに一応理解してさしつかえないのじやなかろうかと思うのであります。 次の馬主の問題でありますが、この点につきましては、競馬会の実情といたしまして、競馬会の中にもそういうことを悪用するような人が多いというようなことは、決して考えられないのであります。そういうことにつきましては、農林大臣がこれを任命もしあるいは認可もし得る形態をとつておりますので、そういうような弊害のないように処置をして参りたい、かように存ずるのであります。
○中澤委員 馬主を入れる意思があるかないかという質問なのです。法人の性格の問題で福田委員の方から話があつたが、これについて大蔵省はどうお考えですか。これだけの国有財産を提供しながら、運営と経営が非常に紊乱して来る危険性が、移した場合に十分包蔵されておるのです。それだけの国有財産を出資しなから、この運営か非常に紊乱して来る危険性があるということを考えるのですが、馬主を入れるか入れないかという問題は重大な問題なのです。それに対して大蔵省はどうお考えになつておりますか。
○木村説明員 この団体に国が出資をするその理由については、一つは先ほど申し上げましたように、この団体の複雑な性格から見て、やはり財産を売り払つてあとはどうなつてもいいとか、経営内容がどうあろうとそれは行政上の監督だけで済むというような考えはありません。財産形態においては、国の財産を管理させるような気持で、これがないと競馬はできませんから、グラウンドなり施設なりを出資の形で新団体に使わせる、背後から、その財産が適正に運営されているかどうか、あるいはこれによつて剰余金をどうするとか、いろいろな会計の経理をやるわけなんです。やはりこれも財産経理、資金経理の面に現われて来るわけなのでありますが、そういう面におきましても、財政当局としての大蔵省が背後からやはりある程度のにらみがきく、といいますと語弊がありますが、そういう点について責任を持つて行きたい、こういう気持でこの出資という線を打出しているのであります。従いましてこの法人の経済的な活動、金銭的な活動、財産管理的な活動につきましては、その面から私どもの方もできるだけの努力をいたしたいというふうに考えておるわけであります。 それから全額出資にしましたもう一つの理由は、ただいまの形態におきましてこれを売り払うとかあるいは政府以外のものに出資を譲り渡すというようなことにしますと、そこにまた外部からの不純な分子が入りはしないかと考えておりますので、これに対する出資は政府だけということにいたしまして、外部からの出資者なり何なりによつて内部がかき乱されることのないような考慮も、やはり施策の一つに現われておるわけであります。それから馬主を入れるかどうかという問題につきましては、私ども競馬につきましては非常にふなれでありますし、先ほどもいろいろ予算の点や何かでも御指摘になりましたように、なかなか自信がありませんが、気持といたしましては公平に、明朗にだれからもうしろ指をさされないような体系に持つて行くことを、衷心から望んでおる次第であります。従いまして内部のことにつきましては、私どもといたしましては経験もありませんし、実情も確信を持つて申し上げられませんので、ただ気持といたしましては、公平な運営ができるようなことをあらゆる角度から念願しておる次第であります。
○中澤委員 出資するについて簿価評価とそれから資料として出されました総合評価と二点ありますが、この出資は簿価評価で出資をするつもりですか。それとも総合評価で出資をするつもりですか。その点を大蔵省から……。
○木村説明員 出資のやり方につきましては、大きな線といたしまして、実際の慣行を見ますと簿価でやる方法、それから時価によつて評価する方法、それから収益還元価額でもつて出資価額とする方法、三通りあるようであります。そこで私どもの取扱いました例を申し上げますと、たとえば国鉄とか電信電話公社、これはほんとうの意味の公社なのでありまして、国と同じ屋根の下にいるというような関係もありますので、この場合は簿価評価をいたしております。ところがそういつた公社におきましても企業活動をいたしておるものでありますから、それは出資した後においてそれぞれの公社におきまして評価がえをする、時価に直すというような方法をとつておりますので、やはり究極においては現在の時価というものを反映するように、資産の修正をやらせるのが仕組みになつております。 それから最近国際電信電話会社に電信電話公社の方から国際部門だけを出資したのでありますが、これは時価と収益還元価額との折衷した方式でもつて出資をいたしました。大体荒筋といたしましては、出資される方の側が民営的なものになつて企業活動をする、利潤を計算する、あるいは減価償却をやつて行く、いわゆる企業活動をいたします場合には、今国有財産方式でとつておりますところの昔の価額そのままを財産台帳に載せておくということは、企業の遂行上非常に支障がありますので、やはり現在の価額というものに評価がえをして適正な経理をする必要がある、こう考えておりますので、この競馬会に対する出資につきましても時価評価で進みたいというふうに考えております。 なお収益還元という方法もございますが、何しろこういう形態の企業がほかにございませんし、適正収益率は何割何分であるかというようなことも計算上なかなか出て来ない、出したとしても非常に恣意的なものが出て来ると考えますので、ただいまお話になりました総合評価、時価に引直した価額でもつて出資価額としたい、こういうふうに考えております。
○川俣委員 ちよつと関連して、一点だけお尋ねします。今電電公社や国鉄等は同じ屋根の下にあるというような考え方である、そういうために税法その他の特典を与えておるのですが、同じ屋根でない、外にあるいわゆる私法人に対して、こういう法人税または所得税、地方税を免除するようなことがあり得るのですか、どうですか。これはほかの税の体系の上から言えばいろいろな問題が起つて来るのじやないかと思いますが、どうも性格があいまいだとすると、この税法の特例を認めることが問題になつて来るのじやないかと思いますが、この点はどうですか。
○木村説明員 実は、私税法のところまで申し上げるほんとうの資格はないのでありますが、いろいろ大蔵省の中の会議にも参画いたしておりますので、その間の事情を申し上げますと、正直なところ、やはりいろいろな学説的な、あるいは抽象的な法人論というものもありましたが、結論におきましては、大体競馬というものの本体、従来からのいきさつなどを考えますと、どうもいろいろなものさしに当ててはかつてはいますけれども、やはり一種独特なものがある。そこで税法上のことも結局は税金でとるということも納付金という形でとるということも、国庫においてはあまり実質上違いはない。それで今回でき上りますところの、原案によるところの形というものを考えますと、先ほどからいろいろ御議論がありましたように、決して純然たる民営というようなレツテルを張るわけには行かないのであります。やはり非常に厳重な監督に服し、それから納付金、特に剰余金の納付、いろいろな財産の使い方、担保に供してはいかぬとかほかに使用してはいかぬ、あるいはまた最後にどうなるかということは、はつきり条文には書いてありませんけれども、結局競馬会というものがなくなれば、その財産は、出資者は国しかないのでありますから、結局それがまたもどつて来るというようなことも考えますと、やはり独特な性格から見て、税法の一般理論がくずれるかどうかというところまでは行かぬでも、やはり上げました収益あるいは馬券の売得金の相当パーセンテージを国家の方で吸い上げるというようなきつい財政統制をやつておりますものですから、税法の方は、ほかに類似の例がないのでありますが、その点はやはり公社的な扱いをした方がいいのではないかということから、こういうことになつたのであります。
○川俣委員 今の説明で、所得税及び法人税その他登録税、地方税等の特例を認めておりますが、これと納付金とは大体同額程度のものになるという計算をせられたようでありますから、その資料をお出し願いたいと思います。
○木村説明員 同額になるかどうかということでありますが、私ちよつと記憶がありませんが、これは計算すれば出ることでありますから、関係の方に連絡いたします。
○中澤委員 問題は、さつき言うたように馬主の問題なんだ。ばかにこだわるようだが、やはり国有財産を出すのだから、これは筋からして、だれが考えても常識だと私は思うのです。経営と運営を厳正にやる意味においては、厩舎制度そのものからもうおかしな形で、そして法律そのものも何が何だかちつともわけがわからない。新しく法律学者がこの法人の性格を規定しなければならぬようなものである。それならばなおよけいに国有財産を出資するのですから、経営と運営を厳正にやるのは当然の義務なんですよ。そこでこの欠格条項と兼職禁止にはどうしても馬主を入れなければいかぬ。経営に運営というものは馬主を入れれば紊乱してしまう。大坪さんの方でどこまでも馬主を入れる意思がないならば、経営と運営を厳正にするために、あるいは修正するということも考えなければいけないと思うのですが、最後の一点として、その点について大坪さんはどうお考えになつているか、お尋ねして終ります。
○大坪政府委員 ただいまの御質疑の点でありまするが、もちろん法人の性格は多少違つておりまするが、旧法で昭和十二年から昭和十八年の戦争遂行のために競馬が一応中止になりまするまで、日本競馬会で競馬を実行いたしました場合に、馬主の方が、役員になつておられた場合も相当あつたのでありますが、そのことによりましての弊害は、もちろん全然見受けられなかつたのでありまするし、また今後におきましても、農林大臣がそういうような点につきましてはよく監督をして、適正なる人物を任命しあるいは認可をするという建前をとつておりますので、一応法律そのものからは、当然の欠格条件なりあるいはいろいろ兼職禁止というような点から、馬主を除くというような点は、現在のところ考えていない、こういうふうに御了解願いたいと思います。
○井出委員長 午前中の会議はこの程度にして、暫時休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ————◇————— 午後三時三分開議
○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 臨時硫安需給安定法案を議題といたし、審査を進めます。先般の委員会におきまして硫安の製造原価等の問題で、政府に対し、さらに詳細な報告を求めておりましたので、これよりその説明を承ることにいたします。 なお、お諮りいたします。この議事は秘密会において行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認め、これより秘密会に入ります。委員、関係政府当局、関係議院、事務局以外の方は退場願います。 ————◇————— 〔午後三時四分秘密会に入る〕
○愛知国務大臣 前回の当委員会の秘密会におきまして、硫安製造原価につきまして御説明申し上げたのでありますが、いまだ十分に意のあるところをお伝えするに足りなかつたと存じまするので、さらに当秘密会におきまして補足説明をさせていただきたいと存ずるのであります。前回にも申し上げましたように、通産省の事務当局といたしましては、現状を基礎といたしまして、各種の資料によつて全体的な平均的原価を推算いたしまして、これを事務上の参考としておることは申し上げた通りでございまして、その資料はすでに前回お手元に差出してある次第であります。 次に各肥料会社よりその製造原価に関する資料の提出が通産省に対してないということを申し上げたことに関連いたしまして、少くとも開発銀行に対し、合理化資金の推薦を通産省がやつておる限りにおいては、該当の会社から製造原価に関する資料の提出があるのではないかというお尋ねがあつたわけでありますが、これにつきましても、前回も申し上げたと思いまするが、実は開発銀行への融資の申請は、すべて当該会社から直接関発銀行に対してなされておるのでありまして、通産省を経由するものではありませんので、そのような資料は通産省においてないわけでございますし、また写しのようなものの提出も会社からはいたしておらないのであります。しかしながら、通産省におきましては、側面的ではございますけれども、融資の推薦をいたします関係上、それらの会社、たとえば昭和二十八年度におきましては、融資を受けることになりました━━の会社の該当の工場につきまして、その合理化の効果を推進いたしますため、われわれの知り得まする現状の各種資料と、事務当局の経験的な知識によりまして、それらの工場の製造原価を推算することが可能でございます。現にこれを参考として融資推薦の資料ともいたしたような次第でございます。ただいま申しましたようなこの種の、われわれといたしましての推算しております原価は、当秘密会におきましてお手元に差出しまして、当局より御説明をいたさせる用意をいたしておるのでございます。しかしながら、先ほど申し上げました通り、これはあくまでわれわれの手元におきまして推算いたしたものでありますので、会社名等を具体的にあげますことは、お許し願いたいと存ずる次第でございます。
○柿手説明員 ただいま配付いたしました昭和二十八年度開発銀行融資対象工場生産原価試算につきまして御説明を申し上げます。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○井出委員長 質疑の通告があります。これを許します。川俣清音君。
○川俣委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○愛知国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○川俣委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○中村(辰)政府委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○川俣委員 これは工場別になつておりますので、工場別にその概算生産量を、あとでけつこうですからお示し願いたいと思います。
○足鹿委員 ただいまいただきました━━の工場生産原価の調査の時期はいつですか。
○柿手説明員 これは昨年の秋に━━を開発銀行に推薦いたします場合に推算いたしたものであります。
○足鹿委員 秋というのはいつですか。
○柿手説明員 八月十日付をもつて通産省から開発銀行の方に推薦したものであります。
○足鹿委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○足鹿委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○小倉政府委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○足鹿委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 ちよつと私語をしておりまして申訳ございませんが、前の肥料対策委員会に藤山委員がお出しになつた資料が正確であるかどうかということにつきましては、私はそれについて批評する能力を持たないのでありますが、私そういうふうに想像すると申し上げたのですが、それと今回私どもが御提出いたしましたものとの間には相当の時間的な違いがございましたから、それで相当に違つておるものであろうということを申したのでありまして、十六国会に提出しました藤山委員の肥料対策委員会に出された資料が正確であるかどうかということにつきましては、私責任を持つてお答えすることはできないのであります。
○足鹿委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○足鹿委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○足鹿委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○金子委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○井出委員長 それじや後刻それを提出願います。金子君
○金子委員 もうあきれるほど委員会をやりましたので、つきましては、私は二、三の点だけをお聞きしたいのでありますが、実はこういうふうな問題が最後には必ず来ることを予測しておつたのであります。なぜならば、この法律の最初の出発は、輸出したところの赤字を内地農民に転嫁させるという価格の問題から出発しているわけです。この法律はそれを解決して行く一つの方策として輸出会社を立て、その輸出会社そのものが損をする分は一応保留して、会社が赤字だと称するものを農民に転嫁させないということなのでありますから、結論は価格問題に必ず出て来る。価格問題に出て参りますときに、それならばこの法律を施行したときに肥料は上るのか下るのか、こういう問題が出て来るのであります。その肥料が上るか下るかという問題になつて参りますと、あなた方通産省はもう何十ぺん言つたかしれぬ。農林省も言つたけれども……。資本家のやることに対して調査ができません。だから強権の発動できる根拠法をつくつて、それから調査してやるんです。こういうことを何べん説明したかわからぬ。けれども調査してみたところが、案に相違して安定帯価格よりも実は価格が上りましたというようなことであれば、どんなにりつぱなりくつのある法律だつて、実際上価格を下げるために期待した法律が、価格が上つているんだつたら何にもならぬ。それは農民をだましたということ以外には、何にも結果は出て来ない。であるからして今柿手さんが、全工場をやることはどうだとか、こういうふうなことはどうだとか、最後にはこの問題のように、人が金を借りる材料をつかんで来て、それで原価計算を推定してみなくちやわからぬ。その論議の上に立つて長い時間を費していることは実にべらぼうなことだと思う。けれどもわれわれが、最後にこの法律をよしと言つて採決の際にこれを賛成するせとぎわに来たときには、さてこの法律を通過させてやつたときに、次期の硫安価格は上るのか、またどれくらい下るのか皆目見当がつきません。こんなことでこの法律が審議できるはずはないのであります。であるから私は、去年の秋にあなた方、通産省なり農林省の両方に注文をつけて、これはどういうふうに行つても水かけ論になつてしまうから、ひとつこういうことをやろうじやないか、この法律ができたときの価格調査をする一つのシステムがあるだろうと言つたときに、あなた方ははつきりあると言つた。この法律が施行されたときには、こういうような方式によつて審議会の案として、審議会が各会社の経営にタツチして、帳簿を公開させて原価の調査をする。そのときにどういう調査方式でやるか。その方式がなくちやならぬはずだ。法律を出しておつて、もし通過したときにその調査方式をこしらえるのに長い時間がかかるはずはない。その法律が通つたら、この審議会の生産原価の調査方式は必ずあるはずだ、そう言つたところが、その当時あなた方はあると言つた。あるならば、それをかりに業者に自発的にやらしてごらんなさい。各会社ごとに違うんだから……。この調査方式に当てはめて、あなたの計数を入れてごらんなさい。但しこれは人の資産に関することだから軽々に発表はしないけれども、一応出させてみろ、そうして各会社が、そんなべらぼうなことがあるか、われわれは一つの営利企業なんだ。それに対して、生産原価が幾らかかろうとも、法的な根拠があつてやるならいざしらず、法的の根拠もないのに一役人の命令でそんなものは出さぬというようなことがあつたら、その通り報告しなさい。そうだとするならば、硫安会社は今国費など使つて国策会社の性格になる必要は毛頭ない。自分は一営利会社だからあくまで営利的に仕事をするんだという見解に立つならば、そういう方々に国家の貴重な金を貸して、振興するような公的な性格の産業に持つて行つても、そういう人であれば目的を達するわけにいかぬ。それならそういう方式をやめて、いつそのこともつと強力な国家の管理方式を打立てた方がよろしい。またそういうことに協力してくれたとすれば、皆さんが当局として、この法案を通せば必ず農民のためにもなります、生産のためにもなります、こういう自信がつくであろうし、自信を私どもに伝えることによつて、私どももこの法律を審議するのに一つの自信がつく。その数字は去年の暮中に出るという約束で来た。去年の暮に出る約束なのを、あえて私がこの数回の委員会に出ても質問しなかつたことは、配給の過程においても、あるいは会社経営の上においても、そういう数字は経済人の立場からいつて非常に反響が多いことを考えますがゆえに、この法律がいよいよ通過するという最後のものの考え方の参考のたつた一つに残しておこうという考え方から、私はそういうことを軽々に質問しなかつた。その後になつてこの間言つてみますと、実はそれは私にうそを言つて、全然通産省も農林省もやらない、そういう結果なのであります。そうしますと、私は今終つたことに対してただ文句を言つてみたところで、この法案を今後進めて行く上に役立つということは何もありませんから、それをどういうふうにして解決せいとかいうことを言いたいところでありますけれども、それはあえて申し上げませんから、今からそうした調査書を業者に配つてやらしてみろといつても、それは時間的に間に合わぬと思いますから、それは別として、当時この調査方式があると言つたのでありますが、その資料は現在でもほんとうにありますか。
○柿手説明員 現在それは完全に脱稿しておりませんが、ほとんど完成に近い両省において協議中のものがございます。
○金子委員 それでは今の調査方式の問題は、足鹿君の質問なんかも関連して来るのですが、調査に対する項目のとり方、あるいはいろいろなことに対して調査方式が出ておらないから、いろいろなことになると思います。これは後の参考にしなくちやなりませんから、どういうような形式で調査をやり、どういうような政令をもつて強権が発動できるか、それをわれわれにこの次の金曜日の委員会までに、納得の行くように説明願いたい、書類も出していただきたい、こう思いますが、その点はどうですか。
○柿手説明員 完全に一字一句まで一致したということではありませんが、大体のものはプリントして持つておりますから、金曜日に御提出をいたします。
○金子委員 今度は通産大臣にお伺いしたい。私どもがそういうふうに長い時間をかけて、しかも業界の立場も考え、われわれの立場も考えて、できる限りこの法律がスムースに通過すべく、それだけの考慮を払つたのに、それを破つたのは通産省であり農林省なんであります。であるならば、あなた方はこの法案をわれわれに提案する以上は、この法案を実施することによつて、今の安定帯価格よりも——金額は言えませんが、今の経済状態に極端な変化がなかつた場合に、一体硫安を下げ得るという自信のもとに立ちますか。それがはつきり明言されませんと——私はこういう無理に近いことを、しかも財界のことに対して、あなたが明言することは無理だということを知つております。そういう無理をするのがいやだから、一応業者に責任を負わしてどれくらいの誠意があり、どのくらいの見通しがつくかということを、去年から警告したのに行わなかつたのは、役所の責任であり、あなたの方で裏切つて、約束を破つたのであります。従つて、その当事者であるところの大臣は、はきりした自信を持つておられると思うから、それで大臣が、硫安をはつきり下げ得るという自信がおありなされば、それを私はデータなしにあなたを信用したいと思います。その点御答弁願います。
○愛知国務大臣 この肥料の法案につきましては、かねがね当委員会におきまして、非常に御熱心な御討議をいただいておりまして、感謝にたえないわけでございますが、それに反して、あるいは私どもの方の資料の出し方、あるいは御説明の方法が足りなかつたということがありましたようで、この点はまことに遺憾に存じます。それから、それらの点につきましては、前回の当委員会で申し上げましたように、できないことは率直にできないと申し上げざるを得ないのでありますが、できるだけ誠意を尽して、御審議を促進していただきたい、こういうふうに考えておりますので、その点は御容赦を願いたいと思います。 それからただいまの金子委員のお尋ねでございますが、これは具体的に数字をあげて申し上げるまでの自信が、実は私にございませんが、一つは内需のための肥料の価格は、申すまでもなく農業生産への影響が非常に大きいわけでございますから、できるだけ安くきめたいということを根本の信条にいたしております。そのためには、一方において硫安会社の徹底的な合理化による会社側の協力を求めたいと考えるわけでございます。そういつたような基本的な考え方からいたしますれば、━━━━━━━━━━━━━━━━━が妥当であると私は考えます。その線に沿いまして、できるだけ下げるようにやつて参りたいと考えております。
○金子委員 通産大臣が、この法律の説明にあたつてなるべく肥料を上げるように努力したいなどということは、これは言えるはずがないのでありますから、なるべく下るように努力するということはわかるのでありますが、この問題はこの法律によつて将来合理化によつて硫安の生産を増強して、そうして一方においては輸出工業としての振興をはかり、一方においては生産量の増加によつて硫安の絶対価格を下げることにあるのでありますが、私どもはそれと同時に、この法律が一番問題になつております現段階においては、この法律をつくることによつて、現在の安定帯価格と、次の夏肥なら夏肥にこれが移行したときに、この法律の効果が出るかどうかということが、私の一番の責任問題なんであります。それを確かめるために、私はあなたにさいぜん長々と申し上げたのであります。しかしながら通産省は、その私の約束を履行しなかつたのです。だからあなたに対しては、現在の経済界と、いろいろの調査の点から言つて、現行の安定帯価格と称して全購連ととりきめになつておられるあの価格よりも、この法律が施行されたときには下りますというだけの自信があるかどうか。あなた方の方が自信がなければ、われわれの方はなお自信がないのでありますから、それをあなた方の方からお聞かせを願わぬと、この法律を施行して、現在の安定帯価格より逆に高くなるというようなことになりますと、肥料を上げる法律をつくつたという結果になる。繰返して申し上げますが、そんなことは神様でなければわかるか、こうおつしやるかもしれぬけれども、そういうことをお聞きする必要のないように、私は今までいろいろな考慮を払つたのだけれども、その考慮をあなた方の方で実行しなかつたのであります。その点はなはだ御迷惑ですけれども、そのかわり私は大臣の責任あるお言葉によつて、こういうことを言つた、おれはそれを信用してこの法律を通すのだという心構えができるわけであります。
○愛知国務大臣 非常に理をわけたお尋ねでまことに恐縮いたしますが、私といたしましては、現行の安定帯価格より上げるなどということは毛頭考えておりません。これよりも上げないことはもちろん、できるだけこれを引下げるということに自信をもつて進めたいと考えます。
○川俣委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○愛知国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━。この点は最初に御説明申すときに落したのでありますが、前会でありましたか、開銀当局等に、この問題をどういうふうに考えているかということについて説明なり資料を求めたいが、そのあつせんをしろというお話でありましたが、これは開銀当局へも通じております。御満足の行く程度に御説明できるかどうかわかりませんが、その方からも御説明があるかと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○川俣委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○愛知国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○井出委員長 この際申し上げますが、ただいま参議院の外務、内閣連合委員会で、MSA協定審議のため愛知経審長官の出席を求めて来ております。実はもう一時間余り待たしたのでございますが、この程度で大臣はよろしうございますか。
○芳賀委員 大臣に一つ。
○井出委員長 それでは簡潔にお願いをいたします。
○芳賀委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○愛知国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○芳賀委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○愛知国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○中澤委員 大臣に一点お伺いしておきます。開発銀行からの財政投融資については、問題はやはり輸出に対抗できる、すなわち国際価格と対抗できる合理化をするための資金であり、それから内地の農民に外国の農民と同じ価格で、要するに輸出価格と同じ値段で使わせるんだ、そこに財政投資の基本的な考え方があると思うのです。これは日本の資本主義というものがもつと底が深ければ自力でやれますが、日本の資本主義の底は浅いから、これはあらゆる基幹産業にやむを得ない状況だと思うのです。そこまでは問題はいいのです。いいのですが、それから向うの、財政投融資をした金の使い方が問題なんです。造船疑獄だつて、この厳重な監査とあれを怠つておるからこういう問題が起きている。そこで、片方の会社側の方は、ただ借りてさえしまえばあとはかまわないという考えで、これはあるいは旧債の償還に使われるかもしれぬ。そこで金利負担の問題を取上げるかもしれない。取上げましても、問題は、この金が真に合理化に使われるか使われないかの問題がある。それを、さつきの大臣の御答弁の中には、これを契機にしてわれわれは発言権を持てる——それじや私は弱過ぎると思う。発言権を持つじやない。これだけの税金をお前らに貸してやるから、お前らの会社はことしの秋までにはこれだけの機械化、合理化ができるべきだ、こう強力に通産省がタツチするのは当然です。農林漁業資金なんかでも、現に農林省の金融課がきちつと見て、判をつけなければ金を出さぬでしよう。そこまで通産省が、貴重な国民の血税からこういう厖大な財政投融資をするんですから、これの監督を、これを契機にタツチできるということでは、私は少し監督不行届きだと思うのです。少くとも今度二百三十億の財政投融資をする以上は五箇年の先には幾らに値が下る——そこまで遠くのことは私は言いませんが、本年の投資はおそらく二十何億でしよう。その二十何億に対して、一体どれだけ各会社が合理化による国際価格への対応ができるんだということを、通産省に出させないというふうな、そんな弱い通産省じやいかぬと思う。そうしなければ、財政投融資はした、さあちつとも値は下らないぞ、国際価格とのあれもできない。これとまた連なつている輸出会社法では、ちつとも値が下りません、これは全部輸出会社で損失たな上げでございますとか、また今やつておるバナナのバーターとが、おかしなことばかりやつておるんですよ。これが再び、今問題になつておる造船疑獄——そういう形が出て来やしないだろうと思いますが、その財政投融資資金の厳正な監督をやる体制を、大臣は一体考えておるのか考えてないのか。もしそれを考えてないとすれば、これは私は大問題だと思います。大臣は少くとも善意をもつて下げるんだという答弁で、金子委員は満足されておるが、私いそれでは満足しません。一応事務当局に、ことしの財政投融資によつて設備合理化をいつ完成したらこれは幾ら下るんだという、明確な資料を提出していただきたいと思うのです。その点について一応大臣の御答弁を求めます。
○愛知国務大臣 まことにごもつともと思います。ただ私が先ほど申し上げましたのは、合理化を促進するためには、あえて川俣さんのおつしやつたように、合理化資金を出すだけでは目的を達することができないので、さような点においては、従来はどうも当局としての立場が弱かつたように思いますから、その点については、幸いにこの法案が成立いたしますれば、一段と当局の態度が強くならざるを得ない、またそこに非常な責任と義務を感ずるというような意味合いのことを申し上げたつもりでございまして、開銀資金の使途について、だらしのない考え方でいいというような意味を申し上げたつもりではございませんので、その点は御了承願いたいと思います。それからなお前会にも申し上げたかと思いますが、実はこの点は私も非常に考えなければならぬと思いますので、現在の開発銀行の融資の際におきましては、復興金融金庫がああいう問題を起しました直後において、政府筋はこの融資の決定には参加しない、一切開発銀行に対して自主的な権限を持たせることがよろしいのだ、ということで現在の開銀というものの機構ができております関係で、事前——融資それ自体の決定の際に、通産省の介入権と申しますか、それが非常に弱いというか、あるいは法律的にいえば関係がほとんどないというようなかつこうになつておる。これはひとり硫安に関する問題だけではございませんが、これらの点につきましても、十分ひとつわれわれとしても、あらためて検討すべき問題だと考えておりますことをつけ加えて申し上げておきたいと思います。
○中澤委員 大臣は少くとも現内閣における叡知であり、知能であると私は認識しておる。そこでこの問題とからめて、財政投融資全体に対する強力な監察機関をつくらなければいかぬ。これはこの硫安工業ばかりではない、ほかの一切の財政投融資についてであります。これは会計検査院の強化ということも党ではうたつておるが、むしろ現内閣において、こういういろいろな不正や、あるいは今後出るであろうと予想されるような財政投融資に対しては、強力な監察機関をつくるのだ。こういうことについて、大臣はみずからこれを契機に政府を鞭撻して、そういうものをつくらせる御意思があるかどうか、ひとつお聞かせ願いたい。
○愛知国務大臣 その点はただいま申しましたことで私の考え方はおくみとりいただけるかと思うのでありますが、これは独立の監察機関をつくるがよろしいか、あるいは現に会計検査院におきましても権限と責任を持つておるわけでございますから、その方面におきまして一段と監察の機能を発揮してもらうがよろしいか、その方法論はいろいろあると思います。できるだけ早く効果をあげるようなことが必要かと思いますので、私といたしましては、これはまだ私見ではございますが、できるだけ早く適切な方法が一層適切に講じ得るような努力をいたしたいと考えます。
○井出委員長 これにて秘密会を終ります。 〔午後四時四十二分秘密会を終る〕 ————◇—————
○井出委員長 お諮りいたします。ただいまの秘密会の議事中、特に秘密を要する部分につきましては、委員長において速記録を取調べの上、適宜処置いたしたいと考えますので、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○井出委員長 この際小委員の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴いまして、ただいま農業災害補償制度に関する小委員及び蚕糸に関する小委員がそれぞれ欠員となつておりますので、その補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認めます。それでは農業災害補償制度に関する小委員に 小枝 一雄君 金子與重郎君 中澤 茂一君 中村 時雄君 安藤 覺君 蚕糸に関する小委員に 神戸 眞君 井谷 正吉君 中澤 茂一君 中村 時雄君 安藤 覺君 以上の通り指名いたします。 —————————————
○井出委員長 なお蚕糸に関する小委員会における参考人の件についてお諮りいたします。蚕糸に関する小委員長より、次回の小委員会において購繭資金に対する融資問題について、日銀当局及び農林中央金庫当局の出席を求め、説明を求めたいとの申出があります。つきましては、この申出の通り、参考人として意見を求めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお参考人の選定につきましては、委員長及び小委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会