農林委員会 第30号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/04/14
会議録
○井出委員長 これより会議を開きます。 昨十三日本委員会に付託に相なりました内閣提出国有林野法等の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。まず本案の趣旨について政府の説明を求めます。保利農林大臣。 —————————————
○保利国務大臣 議題となりました国有林野法等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 御承知のように、国有林野と地元とは、沿革的にきわめて密接な協力関係にございまして、国有林といたしましても、管理経営上地元の協力に期待するところ多大なものがありますとともに、他方地元に対しましては、国有林野所在地元市町村交付金の交付を初め、部分林、共用林野の設定、国有林野の貸付使用、薪炭原木の縁故特売等の地元施設制度の推進を通じ、はたまた国有林野整備臨時措置法による国有林野の売り払い等の措置によりまして、地元市町村財政の確立と産業の振興及び地元住民の生業の維持に努力して参つたわけであります。 国有林におきましては、この際さらに国有林野と地元との従来からの協力関係にかんがみ国有林野の貸付、使用料等の減免等を行い、農山漁村経済振興に資したいというのが本法案提案の基本的理念であります。以下本法案の骨子を御説明申し上げます。 この法案は国有林野法の一部改正と国有林野整備臨時措置法の一部改正との二箇条から相なつております。 改正の要旨は、まず第一に、林道、農道、水道施設、用排水路、水害、火災の予防施設その他公用、公共用または公益事業の用に供するため、国有林野を地元の地方公共団体、水害予防組合、土地改良区、森林組合、農業協同組合、水産業協同組合等に貸し付け使用させている場合に、その対価を無償または時価よりも安く定めることができることとした点であります。従来も国有財産法第二十二条の規定によりまして、国有財産を公共団体等に対し、緑地、公園、ため池、火葬場、墓地、塵埃焼却場、屠畜場または生活困窮者の収用の用に供する場合に無償で貸し付けることができたのでありますが、その範囲はきわめて限定されており、国有林野の貸付、使用の実情に沿わぬうらみもありましたので、今回その特例を開き、実情に合わせたわけであります。この場合にも、国有財産法第二十二条第二項及び第三項を準用いたしまして、当該施設の経営が営利を目的とし、または利益を上げる場合には無償にはできないこととし、当該財産の管理状況をにらんで、契約の解除権を留保してありますので、国有財産法の原則の上に立脚しておることは申すまでもないことであります。 第二に、国有林野を放牧、採草地、ため池、用排水路、林道、農道、その他の農林漁業共同利用施設として、地元の部落または住民の多数が共同して利用する用途に貸し付けまたは使用させる場合に、その対価を時価よりも安く定めることができることとした点であります。もちろんこれは、地元住民の生業の維持または農林漁業経営の安定のため、とくに必要であると認められる場合に限られるわけでありますが。従来貸付使用料が地価を基準として一率に定められることになつておりまして、実情に沿わぬ点があつたのを改めたものであります。財政法第九条の規定によりまして、国有財産は原則として適正な対価なくして貸し付けることができないことになつておりますので、この点は地元住民の生業の維持または農林漁業経営の安定が農山漁村振興上きわめて重要であるのにかんがみ、財政法の原則に対し重要なる特例を開いたものといえるのであります。 第三に、風水害、冷害等の異常かつ広範囲にわたる災害により国有林野の借受人または使用者が貸付、使用料を納付することが著しく困難と認められる場合に当該料金を減免する規定を設けた点であります。この点は、特に昨年の大水害、冷害等の異常災害の経験にかんがみ、社会通念に立脚してこの改正規定を置いたわけであります。 第四に、共用林野につきましては、従来共用者に国有林野の保護義務を課している場合に限り使用の対価を免除する旨の定をすることができる規定がありましたが、今回免除だけでなく、減額することができることに改めますとともに風水害、冷害等の異常災害の場合において、貸付、使用の場合と同様に使用料の減免ができることとした点であります。 最後に、国有林野整備臨時措置法は、本年六月二十三日で失効することになつておりますが、昨年の災害等で事務の進渉も若干遅れておりますので、これらの状況を勘案し、明年三月末日まで、これが有効期限を延長することといたしました次第であります。 この法案の骨子は、大体以上の通りでありますが、農山漁村経済の振興に寄与するため何とぞ慎重御審議の上、一日も早く御可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。
○井出委員長 引続きただいまの法律案及び保安林整備臨時措置法案を一括して質疑を行います。松浦周太郎君。
○松浦委員 先日林野長官に、現在のこの林政に対して二、三点を伺つたのでありますが、きよう大臣がお見えでございますから、大臣にひとつそれについてお伺いしたいと思いますが、現在の林政の状況を見まして私は非常に憂慮するものがあるのであります。それは現在のこの日本の森林生産力と申しますか、それは先日の御答弁では、大体一億七千万石ぐらいの生産力を持つておる、しかし需要は二億八千万石以上を消費するということであります。そこでこの二億八千万石は、現在のこの林産物の検査制度が正確に行われておらぬのでありますから、相当推算が入つておると思います。従つてこの二億八千万石というものは、各農村の薪炭の消費量まで厳密に計算するならば、三億万石以上の消費量があると見なければならない。しかしながらこれに対して、いろいろな御計画をもつて年々集約利用並びに代用品を使う、その他燃料も、木炭以外の燃料を供給するというようなこと、あるいはその他の外材の輸入等によつて三十年度には二億四千万石くらいに減らすことができるという御答弁がありました。しかしながら一億七千万石の生産量に対して二億四千万石ということになるならば、これは七千万石なり一億万石というものは——大体平均して、現在の数字から見るならば一億万石くらいのものが生産量よりも多くとられて行くことになるのであります。 そこで蓄積量が五十五億か六十億しかない、それが脊梁山脈その他利用ができない所がございますから、それらを差引くと三十五、六億か四十億しかない、年々一億ずつ減つて行くならば、四十年目には全然坊主になるという計算になる、それは坊主にならなくても非常な幼齢樹ばかりになつてしまうということになる。それが国土保安上に非常な影響を及ぼすのみならず、木材資源の需給の上に大きな影響を及ぼすことは当然であるが、それよりも先に、こういうような需給の破れたということ自体が、今日の災害を引起し、国土の不安を導くことになるのでありますが、これに対して現在やつている程度の行き方では、とても国家経論として今日の林政はなつていないと思うのです。今これこれのことをやつておると言われるが、これこれをやつておるという、それ自身を差引いて、そういう計算になるのであるが、現内閣はこの林政について、他の仕事に優先してこれを保続し、需給のばバランスのとれる方式をとらなければならぬと思うが、現在までの審議では、予算案並びに法律案その他を通じてみましてこれを直すだけの性格のものが見当らない。大臣は日本の国土の現状を見てどういう方法にしたならば今日の日本の国土保安、森林資源の保続ができるという確信を持つておられるか、ひとつ伺つておきたいと思うのであります。
○保利国務大臣 森林の荒廃、国土が荒廃しました理由、事情については、これは今日から繰り言を申し上げてもいたしかたがないことであろうと思います。外材に依存するのは、貿易の状況からいたしましてもまた国際政治の現状からいたしましても、多くのものを期待できないという中において、木材の需要というものは年々増加の趨勢をたどつて行く。しかも蓄積材は年々減少の方向に向つている。この現状に立脚していかにして森林造成をはかつて参るかということにつきましては、むろんいろいろの面があるかと存じます。政府といたしましても、木材の需給関係を将来に確保して参るという上からも、国土の保全という上からいたしましても、どうしても森林の画期的な造成をはかつて行かなければならないという根本の考え方は、私どもも固く認識をいたしておるわけでございます。昨年の災害にいささかどろなわと言われましても、治山治水の基本計画を立てて、これの実現に一歩を踏み出そうといたしておりますのも、その観点でございます。今年度の予算に現われましたこの目的に対しての措置が十分でないという点におきましては、私もそれを痛感いたしておるわけでございますが、第一は、やはり何と申しても森林がある用途を達し得るまでに成長をいたしますためには、三十年、四十年の年月を要する。従つて国において、国有林の整備はもちろんのことでございますけれども、やはり民有林の整備、造成ということに相当力を入れた施策を持つて行かなければ、国土保全という大目的も、木材需給の将来の確保ということも容易ではない。そういう上からいたしますと、何としても民間において長期に造林をやつてもらわなければならぬけれども、それにしても相当長い間資金を寝かさなければならぬ。果実の回収が、自分の代でなしに子供の代に移つて行くというようなことで、今日のさまざまな困難な事情のもとでは、そういう何十年先を当て込んで資金を寝かすことが非常に困難になつておる。これは社会事情、すべての情勢がそうだと言わざるを得ないわけであります。従つて個々に対する金融、その他の民有林の造成に対しての措置が今日十分でないということは、申し上げざるを得ないと私は思つております。そういう点をあわせ考慮しつつ、さらにまた何さま国土の荒廃が相当はげしい状態を呈しておるわけでございますから、——これは林野庁でも研究をされておるようですけれども、早期成長の新しい品種、たとえばユーカリなどは一体どこまでの効用を発揮し得ますか、とにかく短期に森林造成の目的を達し得るような樹種を普及して参るということは、また一面非常に必要であろうかと思います。この方面についても、特段の御研究を願つて相当目鼻がついて来ておるように私は今日まで伺つておりますが、いずれにいたしましても、国有林といたしましては、何と申しましても今日までの事情で十分でなかつたにしましても、日本の森林が大きく保持されて来ている一番の力は国有林にあつたということは、私は認めてよかろうと思います。従つて国有林の整備に対しましては、政府としてもちろん力を入れて行かなければならぬわけでございますが、同時に民有林の造成促進をはかつて参るために一番大きいことは、何といつても先ほど申しましたような措置を講じて参るということが非常に必要であろうと思います。しかしこう申しておりましても、本年度予算に、これにお答え申し上げるほど計上できなかつたことはもう御承知の通りでございまして、多くを申し上げることは私はできない、こう考えます。
○松浦委員 あとの御答弁で、やろうと思つておるけれども予算面でできなかつたということなんですが、林野行政の問題については林野庁の方で相当おやりになつていると思う。また技術的な面も発揮されておると思うのです。しかしこれが吉田内閣の政治、行政の面に現われて来なければならない。そこで大臣のお務めは、技術的に行政的に林野行政の上から要望されたものが、閣議において獲得されなければならない。私の言う大臣のお務めは、林野行政に対する技術を要求するものでもなければ、行政そのものの末端のことを言つておるのでもない。今日の林野行政の行き詰まりは、日本国土の関係と森林分布の関係においてこれが荒廃するならば、日本民族生活の上に重大な影響があるということから、国家経論の上に予算の獲得でも、法律の施行でも制定でもやられなければならないという点です。つまり全体の政治の面から見るならば、森林行政というか林野行政というか、いわゆる森林政策というものが軽視されているということを私は言つておるのです。これが頭にない以上、技術的のものや末端の行政のことを言つても無意味ではないか。きようの恐るべき問題は、需給のバランスの破れているのに、いかなる法律をつくつて制裁を加えても、いるだけのものはいるのです。結局資源は減つておるのです。そこに国の政治として、内閣において十分にその力を発揮し、それを優先的に行わなければならないということを指摘しておるのであります。今その例の一つとして申し上げますならば、森林法を今度改正いたしましたときに、木材の需給あるいは森林の保続というようなものが重点に掲げられておる。これをやるのに用材一億万石以上のものをこれに負担させることはできないから、その三分の一は未開発の資源を開発して充てるということが森林法改正の場合において一つの条件であつたのです。つまり七千万石くらいしか現在の林力においては負担することができないという結論なのです。これは木材の面です。そこであとの三千万石というものは少くとも奥山の開発をして行かなければならない。いわゆる休眠森林の利用によつて過熟老齢樹を市場に出すことによつて森林の開発をしなければならぬということが森林法を制定するときの一つの条件なんです。あの法律をほんとうにやろうとするならばそうしなければならなかつた。ところが現在は木材のみでも一億三千万石使つておるといわれておる。それが一体奥山開発にどれだけの経費をやつて来られたかということなんです。まつたくそれは姑息なんです。一応法律を議会に出すときは、政府の方ではそういう答弁をしておいて、全然手をつけないで、法律だけでやるということで一体できるものでしようか。今後この奥山の開発に対してどのくらいの熱意を持つておるか。林道の問題に対しましても、現在の進んでおる状況は大体二〇%くらいしかできていないのです。こういうことをやるということの御計画の表がちやんとありますが、時間がありませんから一々こまかい数字は申し上げませんが、二〇%しかできておらない。それは森林法を改正する時分には、そういう方法でやるのだということをはつきり約束しておいて、一体どれだけやられたか。これに対する大臣の熱意はどうなんです。
○保利国務大臣 こまかい問題は別としても、この内閣で意図いたしております——これもまたどろなわ式という御批評もまぬがれ得ないと思いますけれども、あれだけ治山治水の緊切なるゆえんを広く訴えて、内閣自体としても超重点の施策として治山治水を取上げておりますゆえんも、かかつてこの森林の復興という問題が焦点になつて参るわけであります。さような考えは、一農林省の考えにとどまりませず、現政府全体の超重点施策として取上げたことによつても気持はわかつていただけるわけですが、予算が十分に行つてないという点は、予算以上のことを強弁いたしましてもこれは無意味のことでありますけれども、ただ森林の復興、造成ということを、軽々しくこの内閣は取上げていないということは、御理解願いたいと思います。 お話の逼迫いたしております需給関係からしても、そういう焦眉の必要に迫られておる問題としましても、未開発奥地林の利用、これだけがとにかく木材需給の緩和に役立つただ一つの道だと思うわけです。そこで結局奥地林の開発、未開地林の開発と申しましても、そのネツクは林道の不整備にあるわけであります。どうしても林道の整備ということが達せられなければ、いかに奥地林をどうこう申しましても意義をなさない。絵に描いたもちになるわけでありますから、これも熱がないからこんな予算じやないかと言われると、これは一言もございません。私ども決してそういう無責任な気持では来ておりませんけれども、御承知のような予算のもとにおきましての最善の措置はとつたつもりでございます。考えといたしましては、決してこれは恒久的な政策ではないと思いますけれども、とにかく今日の森林政策で、最も急を要する点はこの林道にあるという考えを持つておるわけでございます。
○井出委員長 松浦君に申し上げますが、予算委員会の方で農林大臣をなるべく早くと言つておりますので、簡潔にお進め願います。
○松浦委員 簡潔にやりたいのですが、短い時間でどうにもならないんです。二週間待つたんですから、十分や十五分ではとても済まない。あとで機会を与えられるならばやめるんですが、どうですか。
○井出委員長 もうしばらくお続けになつてけつこうです。
○松浦委員 森林資源の保続及び国土の保全から見て、その次には造林及び治山事業の推進は、国家としてどうしてもやらなければならぬことは当然であるが、現在の政府のやつておられる方針については、私は少し考慮してもらいたいと思うのです。造林計画は現在補助金制度になつておる。現在の方法で満足するかどうかということは、非常に考えなければならぬことがずいぶんある。政府の施策もさることながら、先ほど答弁になつたように、民間の林業というものを推進して行くことが、最も大きな林政の一つであることは言うまでもありません。ところが現在の市価から割出して森林業の方々の利回りは、欲目に見ても六分五厘ないし七分、場合によつては五分五厘くらいのものですよ。しかし市場の金利はどうでしようか。一般銀行で大体一割一分です。高利なら問題にならない。そこで政府がこれに融資をあつせんするといつても、現在の状況では六分五厘以下の融資はできないのです。そうすると、現在立木を売つた人のその金は利回りのいい方にまわつて行くのです。これはもう計数上明らかなことなんです。現在山は青いけれども、今の融資制度であるならば山は青くならないのです。結局山の資金は市場におりるのです。これは原則的にそうなんです。立木を切つてそれを必ず植えるということなんですが、しかしそれを植えたのでは六分五厘にもならない。市場に流せば一割五分あるいは一割六分、高利に貸せば二割に貸せるのです。だから下におりてしまう。それをどうして食いとめるかということなんです。これは私は日本の林政の一つだと思う。そこで特殊産業や特掲産業には、場合によつては利子補給なんかの制度をつくつて、三分五厘かそこらで貸せる。この重要産業や特殊産業が重大であるとともに、林業こそほんとうに重要ではないか。そうであるとするならば、森林業者の植林について、その長期融資について、これこそ政治力をほんとうに使つて、今問題になつている造船汚職なんという問題の利子補給とともに、これ以上に国土保安の問題、民族の将来の問題を考えるならば、当然やらなければならぬものではないか。私はこれはほんとうに真剣に考えなければならぬ問題だと思うのです。今は山は青いと思つておるけれども、現在の市場の関係から見たならば、六分五厘の利回りよりも一割五分の市場におろす方が楽なんです。そうするとその植える金は市場におりてしまう。先ほどおつしやつた国有林の管理経営のみならず、最も大きなものは民有林だというところに気がついておるならば、その施策がなくてはほんとうの森林行政というものはできないのではないか。長期融資に対する金利その他利子補給についてお考えはないか。わずかばかりの造林に対する補助金よりもその方が重大なんです。そのことがはつきりできるのでなければ、造林補助金ぐらいではとても問題を防ぐことはできないのです。これについてどういうお考えを持つておられますか。
○保利国務大臣 私も民間林業の振興なくしては、国土保全、治山治水の一半の目的は達せられない、治山治水の上からも、将来に木材自給を確保して参るという上から行きましても、民間林業の振興ということが特に必要であるということを感じておりますが、私どもの狭い範囲からいたしますれば、今日のように経済意識が普遍化していない、普及していないときには、かりに小さい山林所有者にしましても、必ずしもこうやつて植えて置けばもうかるからどうこうというようなことでなしに、とにかく自分の山をはげ山にしておいてはいかぬ、そうして将来の子供や孫のために残して置かなきやならぬということで、ほんとうに家を愛する、山を愛するという、自然の中に経済を離れた造林植林というものが、かつて相当にどこでもあつたと思います。それが日本の森林を非常にゆたかに育てて行つた大きな力であつたろうと思います。そういうことがこういうふうな時代に入りましたら、やはり経済的に引合つて行かなきやならぬ。それにはお話のように引合う仕事としては、今日の高い金利で、しかも利の薄い仕事を、しかも何十年という長い期間にわたつて行われる結果を持ち来すものについて、ただの治山治水だから、木材が足らぬからと政府が言つたからといつて、民間林業が振興して行くというようなふうに参らぬことは当然のことでございます。そこであるいは造林でありますとか、伐採調査の資金でありますとか、政府としても今日とつております措置——伐採調整資金のごときは相当な効果をあげておると私は思いますけれども、お話の造林の融資等に対しては、必ずしも十分目的を達していないということは、率直にこれを認めざるを得ないと思うわけでございます。これらは以上申し上げましたような趣意によりまして、今後の努力にまたなければならぬと存ずるわけでございますから、以上の考えに基いて私としてはできる限りの努力を払つて行くつもりでおります。
○松浦委員 口先だけの努力じやなしに、真剣にこれはやつてもらいたい。今の国を愛し家を愛するために植えるという観念で植えつけることは当然のことである。しかしながら反面経済社会において計数を無視してはならない、それが施策の上に現われておらなければならぬということを私は言つておる。最初から私が言つておるのは、林野行政、森林政策というものを軽んじておるということを指摘しているのです。これはないものはしかたがないのです。国が総合的に重点的にやつて、ないものはしかたがないが、そのない中においても重点的に、民族の母というべき森林の育成を忘れてはならないということなのです。船をつくらなきやならぬ、石炭を掘らなきやならぬということは目の前の仕事なのです。けれども忘れてはならないことは、われわれ民族生活の将来ということを考えることが、今日の一番重要な問題だということなのです。それを軽んじておられるということを私は指摘しておる。その点についてもう一つ私は言いたいことがある。時間がないからとおつしやるものですから、私はこれに対して関係のことをいろいろ申し上げたいのでありますが、そういう冗漫なことは省きまして、超重点的にいろいろ言つてみたいと思うのでありますが、そういうような造林の面においても非常な誤りがある。政府は先ほどから、昨年の災害についてこういう施策をやつたということをいろいろ言つておられるが、それはその場のお茶を濁すほかの何ものでもない。私は昨年の災害というものは、天災のように——もちろん雨量が多かつたから天災と一つは考えられるでしよう。しかしながら、現在の政策が貧困であつて、自然の哲理を解釈するだけの政策が行われておらぬものですから、天は大きな声で間違いを直せと言われたのです。その天の声を私は静かに聞いて施策をしなければならぬと思う。現在の状況においては、ほとんどその天の声が聞かれておらない。あれだけの大きな鉄鎚を頭からたたきつけられて、国有林がかせぎ出したわずか三十二億の金を持ち出して、そしてお茶を濁そうとしておる政府の政策の貧困は、私は反省しなければならぬと思う。一般国費から出すべきじやないか、もう少し考え直すべきじやないかということを私は痛感するのです。第一期の治山治水計画が立てられたのは明治四十四年で、その明治四十四年に一体幾ら金が投ぜられたか、それは日露戦争の直後で財政経済は非常に窮乏しておるときです。しかしながら、明治四十四年から昭和十一年までの計画は三千百四十九万円で、当時の三千百四十九万円というのは今の三千億の計数になるのです。それからあなたの先輩であるところの山崎さんが、昭和十二年から二十三年までに立てられたのは一億五千四百五十万円、その治山治水計画が立てられた。ところが今度の大水害は日本の有史以来の大水害と言われているが、それに対する森林政策として目に立つたものは、今度の保安林の問題だけだ。しかも国有林からかせぎ出したものだけだ。こんな貧困なことで、先輩の国土に対する経論について今の内閣は一体どう思つておられるか。われわれの先輩がそうして山を守つて来た、しかも国土は半分に減り、蓄積量は六十億を下らんとしておるその中において、今の三十二億くらいのはした金で何ができるかということです。一方森林の荒廃は先ほど申し上げた通り、こういうような貧困な政策でお茶を濁すなんということでは、国民は満足しますまい。のみならず、天がこれだけの大きな声で反省しろと言つたのに対して、こんなことで一体われわれが祖先から引継いだ森林を守つて行くことができるかということなんです。今ここに提案されておるところの保安林の整備法だけで、一体昨年の災害に対する基本的な政策として満足されておりますか、満足されておらないでしよう。しかし将来どういうことをおやりになるお考えがあるか。このくらいのことではとてもこの国土は守り切れるものではない。これに対する政府の確信のほどを聞いておきたいと思います。
○保利国務大臣 いかにもお話の通りでございますが、政府といたしましては国土、森林の復興を、国有林でかせぎ出した三十数億でお茶を濁して行くという考えは毛頭ございません。すでに広く発表しております治山治水の基本計画は政府で確認をいたしておりますものでございまして、そのために要します経費として七千億くらいを投ずるということに相なつておるわけでございまして、従つて今後この目的を達して参りますためには、一般会計の負担も相当覚悟をいたしておるわけでございます。何さま今年度の予算はもう御承知の通り、特に私の担当いたしております農林関係におきましては、山から海に至るすべての施策についてお話のような御批判をいただいておるわけでございます。私としては、この緊縮予算はむしろ守らなければならない、その守る範囲内においてどうあんばいをして行くかということに非常な苦心をいたしたわけでございます。この面からだけ見ますれば、これはもうお話の通りでございますけれども、一面漁業その他の関係から見ましても放置しがたい仕事が実にたくさん、しかも緊急に迫つておるという事態の中におきましては、将来の問題については、森林復興についてはそういう基本的な計画を定めて、政府の方針として堅持をいたしておるわけでございますから、むろんそれでほおつておいても大丈夫だということは決して申しませんけれども、本年度の処置としましてはこの程度でやむを得ないかと、私としては考えざるを得ないところに立たされておるということを申し上げざるを得ないわけでございます。
○松浦委員 私は今の御答弁では満足することはできませんけれども、今後もつと基本的な森林政策が取入れられなければ、先ほど来たびたび申し上げておるように、日本の国土保全は保しがたいということを憂慮の余り申し上げているのでありますから、これを十分了とせられて、基本的な施策を立てられなければ、先輩に対して申訳がないと思うのです。あなたの先輩は一億五千万円のものを昭和十二年にやつている。あなたの代になつてお師匠さんに申訳がないと思うのです。それは当時秘書官としてよくおわかりのことだと思う。当時のような蓄積を持ち、外地を持つておりながらそれだけのことが考えられたのです。今の国土になつて、この国土が荒れはてて行くということがはつきり示されておるのにかかわらず、国の重点施策がそこに行われないということは、あなたの主張が閣議において不十分であるか、不熱心であつたかという結果になるのです。それは非常な責任を感じてもらいたい。 それから今の造林に関連して、これは長官にもひとつお尋ねしたいと思いますが、需給のバランスの破れているのは先ほど申し上げた通りなんです。あなたが最近ユーカリを研究しておられるということは、これは南方のものであつて、はたして日本国土全部にふさわしいかどうかわからないが、もつと早く育つ木を研究せられて、産業備林を計画されたらどうかということなんです。これはパルプ、坑木に対しては、パルプ、坑木に向く在来の樹種よりももつと早く育つものを考え、産業備林制度を考えて、それぞれの業者にこれを指導してやらせるということを現在もやつているようだが、現在やつているくらいのことでは問題にならない。同時に電気の水源資源を守るために、それらについても産業備林的な制度をつくつて、それらの会社にも、相当な規格を定めてやらせる方法を考えられたらどうかということなんです。あるいは農村の水源涵養林につきましても、従来いろいろ口では言つておられるが、実行するような制度を設けられておらぬ。これらのパルプ、坑木、電源並びに用水の水源涵養に対する制度を設けて、そしていわゆる産業備林的なものをお考えになつたらどうか、それについて私はこういうことを考えるが、やつてみるお考えはないかということであります。それは先ほど来申し上げておるように、ドイツでは血と土ということを言つておる。民族の血は土だと言つておる。しかしわが国では、この日本の国土を守るものは山だと思うのです。そうすると山は民族の母だといわなければならない。この母の恩恵に対する国民的な報恩、感謝の念があつて、先ほど大臣の言つたような思想を養わなければならないと思うのです。ところが現在春秋二日の森林デーというか、植林デーというものをつくつておるが、ドイツの政策の中に、春秋一週間森林に奉仕する日をつくつておる。国民は全部その森林に奉仕する。林地に近いものは直接労力をもつて、林地に遠い者は献金をする、今の青い羽根程度のものではない。献金制度をつくつておる。それほどまでにして森林の培養をいたしておる。しかしそれを私有林にやつた場合には、伐採時の税をもつてそれを回収する方法も考えられておるようです。私は全部の国民にそれをやれということは困難だが、この森林に直接関係がある産業に従事する人たちは、自分の原料であり、自分の仕事のもとなんですから、それに報恩感謝の念を持つてやるという奉仕デーを考えたらどうか。これは一つの指導ばかりでなくて、制度として考えたらどうかということを私は考える。それは行き過ぎかもしらぬが、とにかく産業備林を、積極的にこれを施行せしめるというようなことの方途については、どういう考えを持つておられるか、お尋ねしておきたいと思います。
○柴田(栄)政府委員 ただいまのお話、私どももほとんど同様の考えを持つておりまして、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、この厖大な需要の増強に対応いたしまするためには、一面におきまして未利用林の開発等ももちろん計画的に行わなければならないのでございまするが、あわせて林力の活用という面から成長量の増大促進をはかつて、成長量の大きな樹種の導入を考えなければならぬということで、すでに二十九年度からは一部実施にも移つておりまするし、さらに広い範囲にこれが敢行を期といたしまして、ユーカリ樹の普及研究を各方面で実施し、あわせて一部実行に移つておる次第でございますが、その他国内産の樹種につきましても、成長量の大きな、たとえば特に現状におきまして枯渇いたしておりまする薪炭林の補強のために、くぬぎ林の造成あるいは肥料木の導入に関しまする成長の増強等をいろいろ考えておりまするが、あわせてただいまお話のありました通り、経済力のある、しかもこれをさらに将来活用する面への産業備林という問題は相当考慮いたさなければならない、かように考えておりまするが、これをただちに森林計画に組み入れて制度化するかどうかという問題に関しましては、いろいろ地方的な実情等もありますし、それを地域的にいかに配分するかということに相当の困難があるのでございますから、現状におきましては、できる限り現在の森林の所有者とそれらの産業とを結びつけまして、産業自体としての計画的な備林を所有者との提携によつて整備していただくという方向で指導いたしております。現在一番積極的に進んでおりまするのは、パルプ業界とパルプ備林の関係でございますが、これも現状におきましては、パルプ業界が企図いたしておりますものに対しましては、いまだ相当不足はいたしておる、将来民有林の造林強化をはかる一つの手段ともいたしまして、積極的にこれを結びつけて参りたい、かような考えを持つておりますが、その他電源開発に伴いまして、これが集水区域の森林の特殊な経営と、電開源発事業との経済関連等を考えまして、特に電源開発会社に対しましては、電源林の計画的な造成という問題についていろいろお話合いをいたしております。すでに電源開発会社にも山林担当の方を置いていただきまして、計画的な事業の立案中でございます。あわせて私どももこれが指導と促進をはかつて参りたい、かように考えております。さらにお話のありました、灌漑あるいは用水等の問題から水源林を計画的に造成すべきでないか、これはまことにその通りでございまして、一面におきましては、国土保全という面とあわせまして、利水の面を併行させまして水源林造成はすでに国としても計画的にこれを取上げておる次第でございます。今後も保安林の整備とあわせまして、この保安林整備事業の内容としては、水源林造成は大きな事業対象といたしまして、一応十七万町歩を対象といたしまして整備計画に含めて参るという考えでおる次第でございますので、お説のような方向に対しましては、すでに着手いたしておりまする面を一層増強いたしまして、各方面に御協力を求めまして、国土緑化すなわち造林促進のために、いろいろ努力をいたすという計画を定めておることを御了承願いたいと思います。
○松浦委員 時間がないそうですからこまかしいことをやめまして、ひとつ保安林整備法の問題について大臣の考え方を聞いておきたいと思うのであります。先ほど来の三十二億の問題でありますが、いつか松岡さんがいろいろお尋ねになつておつたようでありますけれども、日本全体の国有林の収支の関係から見るならば、やはり北方林業が相当大きな負担になつておるのです。それで私は北海道だから北海道的のことを言うのではないが、北方林業は成長量においてまた収支の計算において非常にむずかしいのです。その中から収奪的に北方の資金をもつて南方にそれを注ぐという考え方です。大体今の状況から言うならば、北方林業が南西の方の林地の荒廃に対して貢献するということになる、言いかえるならば、北方林業搾取になるのです。一たび北方林業が荒廃いたしましたならば、南方の成長量の多い地方に比べるならば、これは回復がなかなかできない、それを現在自然林である北方林業の収奪によつて南方林業のあやまちを直すというこの考え方は、林業の総合的の面から見るならば簡単な考え方ではあるが、これは将来恐るべきことになる思想が含まれている、のみならずこれがもし荒廃するならば、南方の成長量の早いところの林業の回復とは比べものにならないことは、技術的におわかりになつておると思うのです。これを軽々に今やつておられる。私はこの点が一つ松岡さんと同様に不満なんです。もう一つは、大臣が林政以上に食糧のことに大きなお考えを持つておられることは当然なんです。今の国土の保全あるいは国の産業の問題について、農業政策の問題について、山が荒れれば耕土は荒らされるのです。これと同時に、北方の茨城県から北の方、あるいは福井県から北の方の西海岸は、温度の冷たい風が海岸から吹き上げるために、農作物に影響することは甚大なんですよ。農作物に影響するといえども、新潟地方においては、まだ海岸まで水田をつくることができますけれども、青森県あるいは岩手県、北海道に至りましては、全然作物はできないのです。そこで海岸防風林というか防潮林というものが、保安林とともに考えられるべき大きな農業政策の一環ではないかということなんです。現在農地開発ということについて、いろいろな施策がとられておりますが、泥炭地の改良もやらなければならぬ、火山灰地帯の特殊土壌も改良しなければならぬということは当然のことであるが、泥炭でもない、火山灰でもないが、太平洋並びに日本海の冷たい風が海岸から吹き上げるために、土壌は悪くはないが、ほとんど農作物はできないという面積は三十万町歩以上あると思うのであります。それはなぜできないかというと、海岸に対する防風林というかあるいは防潮林がないために、そこの開発ができない。かりにできておつても、そこの収穫は非常に低位生産になる。これを農林大臣は考えなければならぬと思うのです。今度この保安林の制度をおつくりになつて、私有林を買つて治山治水砂防工事等と並行して、海岸に帯状に植林をして、防潮、防風関係をお考えになるならば、土地改良をやらぬでも、風を防ぐだけで相当の農地を獲得できると思うのですが、これをどうお考えになつておるか。私は三十二億の何割かはそつちにさくべきではないかと思う。もし三十二億の中でやることができなかつたならば、現在の食糧問題について考えても、別途に今年金を支出しても、これを同時に着手すべきではないか。ここに大きな生産地帯の見落しがあるのではないかと考えておるが、これについて大臣はどういうお考えを持つておられるのですか。
○保利国務大臣 その点は私も全然同感でございます。日本農業の主力は水田農業でありますから、水資源との関連において、その振興をはかつて行くことが基本的な問題でございます。治山の目的は、それ自体国土の保全、しかして同時に水田農業の基盤をなすものでありますから、この点においては、もちろん考えの異なるわけではございません。同時にお話の防潮、防風林による農業振興については、すでに早く当委員会におかれても同様のお考えを持ち、海岸砂地地帯農業振興臨時措置法という特別立法の御起案をいただいて、法律として実施いたしております。従いましてこの法案は、水資源の涵養を主目的としておるわけでございますが、ただいまお話の海岸防風、防潮の森林整備につきましては、予算の許す限りにおいて、当委員会で御審議をされました趣意にも沿うて実施をいたしておるわけでございます。しかしこれとてもはなはだ微々たるものでありますから、これを拡充して参るという必要は、私も同様に考えておるわけであります。
○松浦委員 同様に考えておるというだけではいけないのであつて、ほんとうにおやりになることがよいと思います。やつてもらいたいと思います。そこで私は大臣のおられる間に開発銀行の問題についてちよつと触れておきたいと思います。予算委員会で開発銀行の融資すべき項目については審議されておる。それが今度行政的にわくの割当とかなんとかいうことをやつておられるようでありますが、相当減額されるように言つており、その減額されるものが農林関係に多くしわ寄せされるように新聞に報道されておりますが、大臣はそれで納得されますか。
○保利国務大臣 開発銀行の融資は、昨年が八百数十億、今年は予算修正によつて六百三十億という非常にきゆうくつな状態になつておる。従つて具体的な融資の対象を定めるのについて、経済審議庁を中心として関係各省で相談いたしておるようであります。お話のように、特に農林関係その他の産業ということで、非常な削減圧縮を来すのではないかと憂慮せられるように聞き及んでおります。まだ正式な報告は聞いておりません。
○松浦委員 あとで経審の人に聞きますが、あなたもがんばつてください。
○保利国務大臣 がんばることはがんばりますが、がんばるだけではしかたがないから、御協力願いたい。民主安定とつながる経済自立という上からいたしますれば、金額においては、それは他産業の問題とは問題になりませんけれども、きわめて重要でありますから御協力をいただきたいと思います。
○松浦委員 あなたは、新聞に出ておるのですが、捕鯨の問題についてだけ力を入れておる。あるいは外貨獲得についても、あなたの行政下にある者は相当働いておる。捕鯨のことをやつておつてもよいが、森林政策を軽視されたのでは問題にならないから、あなたのおられるときにはつきり言わせておかなければならぬ。その点はどうですか。
○保利国務大臣 捕鯨の問題で発言をいたしましたのは、そういう全体の農林関係の開発融資に期待している面につきましては、同様の考えを持つておりますが、ただたまたまそういう新聞記事が出ておりますのは、本日図南丸、昨日日新丸が五箇月ぶりに非常な成果を収めて帰つて来ました。それがあの国際捕鯨競争の中に立つて相当の成果を収めて来ておりますけれども、しかしながらやはりあの南氷洋の捕鯨に船団を送つております各国の船団に比較いたしますれば、捕獲成績は決して劣つているとは申しませんけれども、その施設においてはすこぶる低い条件でやつて来ておる。それに将来の漁業政策からいたしましても、どうしてももう一船団ぐらいは今のうちに送つておかなければあの漁場の確保ができないという心配もあるわけでございますから、そういう意味で、それにもこの開発銀行の融資をぷつつり切つてしまうというようなことが伝わることはまことに憂慮にたえない。従つて民政安定、経済自立につながつているところのものが、零細な——いわば何億、何十億でありましても、あの中においては零細と申し上げるわけですが、金額が小いからといつてこれをたたき落すようなことのないように、経審長官、大蔵大臣にとくと御考慮を求めるということを事前に発言をいたしておいたような次第であります。
○井出委員長 福田喜東君。
○福田(喜)委員 それでは前会に続きまして、保安林整備臨時措置法について質問を続行いたします。今まで林野政策、治山治水対策、あるいは林野経済に関する一般質問、ことに民有林対国有林の関係はおよそ総括的の質問を了しましたので、今日は法律問題につきまして二、三お尋ねいたしまして、いわばこの保安林整備臨時措置法の運用に関する法定解釈と申しますか、法律制度の運用について当局の御見解をただしておきたいと思うわけでございます。 第一点は土地収用法との関係でございます。土地収用法は公共の利益となる事業に必要な土地などの収用または使用に関する一般法規であるわけでありますが、これは法律の性質上、その手続に建設大臣とかあるいは都道府県知事による事業の認定、あるいはまた収用委員会の構成、それから採決の権限等を考えてみますと、治山治水及び国土保全に必ずしも密接な関係を有しない機関が介在しておるのでございまして、治山治水の技術的な性格上、保安林の設置につきましては特殊な考慮を必要とするものと考えられるわけでありまして、法律の性質が非常に違つておる。この点は、林野当局のこの前の答弁の上から私は当然と考えられますし、私自身もさように感じておるわけでございます。 そこで土地収用法はいろいろな煩瑣な手続上の問題もございますが、小規模の町村営等の砂防林であるとかあるいは防風林施設等は、御承知のごとく土地収用法の第三条の第一項第五号に書いてございまして、この土地収用法に基く一連の手続があるわけでございますが、 〔井手委員長退席、吉川委員長代理着席〕 これを保安林一般に適用するということは妥当を欠くものと思われるのでありまして、その点は私どもまことに同感であるわけでございます。従いまして保安林に関する事項をこれを改正して土地収用法の中に盛り込むということは、私はやはり妥当を欠くと思う。従いまして、保安林につきまして、別途に保安林整備臨時措置法を制定するゆえんのここにあることもよくわかるのでありますが、しかしながらこの規定の内容をよく調べてみますと、この保安林の整備のための臨時措置法というものは土地収用法と対比して考えられる必要があるのではないかと思います。法律の規定からいつて、これは単に相対売買であつて強制措置を講じないというものであつたならば、農林省や林野庁の予算だけで保安林の整備の目的が達成できるわけでありますが、強制ということが最後の段階において伝家の宝刀として、この保安林整備臨時措置法の中に盛り込まれておるのでございますからして、法律の体裁ということを考えますならば、この強制買上げという点を法律上から取上げて考えてみる必要があるわけであります。こういう点からいつて私は、この保安林整備臨時措置法の中には若干問題があると思うわけでありまして、これも土地収用法の規定と対比して考えますと、いろいろな法律上の問題点を含んでおると思うのであります。そこで第一は処分の追及力の点でございます。処分の追及力の点に関しましては、保安林整備臨時措置法の第六条の規定のみでは、催告、買入れ申込みあるいは買収令書の交付等の手続は、現権利者が第三者に権利を移転した場合には、その承継人に追及し得ないこととなつておる。この点は林野当局のこの前の御答弁によりますと、本法は対人的な効力を考えて対物的な効力を考えていないということでありましたから、その強制という最後の伝家の宝刀の段階を考えてみますと、これではたして法律上の体裁としては目的を達し得るものであろうかと私は考えられてならないのであります。つまり悪意の第三者に転々と、譲渡された場合には手続を完結し得ないこととなるわけであります。この点に対する押えは一体どうして行くか。これらの処分手続の承継人への追及に関しては、これを土地収用法の例について考えますと、土地収用法には第十条に手続の承継に関する規定があるわけであります。なお森林法におきましても、第三条には森林法に基く処分手続の承継に関して規定がございますし、農地法には、第十七条に農地買収に関する通知、買収令書の交付の承継に関してそれぞれの規定があるわけであります。しかも長官は、これも前々回の御答弁におきまして、こういう十年を一期とするようなものではその目的を達し得ないのではないかという私の質問に対して、これは臨時的なもので、今回においては間に合わなかつたが、将来におきましては森林法の中に盛り込むことも考えておるということをおつしやつておられますが、かくのごとき観点に立ちますと、同様な規定をこの保安林整備臨時措置法の中に盛り込む必要があるのではあるまいかと考えられますが、この点に関する当局の御意見を承りたいと思います。
○臼井説明員 お答え申し上げます。私の方で立案をいたします過程で、今先生からお話がございましたような点にも十分留意して検討いたしたのでございますが、この強制買収の規定は、その森林所有者が法律に違反する、適当な森林の管理に欠ける森林所有者であるという考え方で、その森林所有者がその森林を維持しておつたのでは、国土の保全目的を十分に達成できない、こういう考え方からその森林を国で買収いたしたい、こういう考えでございますので、森林法等にもございますし、お話の通り土地収用法にもございます承継人に対する効力の問題は、一応除外いたしたのでございます。強制買収いたそうと思います土地が、先生のお話の中にもございましたように、どうしても国が持たなければならない土地だという意味で、土地そのものについての客観的な性格があるというふうには考えられないと思うのでございます。これはその人が妥当な管理を欠く、こういう点だけでございますので、その人が合法的にほかの所有者にその所有権を譲渡するという場合を考えますと、譲り受けました人が妥当な管理をしてくれれば、何も国が強制的に買わなくてもいいのじやないだろうか、そこまで国が権力的に所有権の制限をしなくてもいいのじやないだろうか、私の方としては、なるべく所有権の制限をしないで済むものならばしないでおきたい、かような考えをいたしたのであります。御承知の通り、森林法におきまして第三条に、承継人に対する効力の規定がございますので、森林所有者が、この法案の第六条に書いてありますような命令を出して従わないというような場合、これは森林法の命令でございます段階では、その承継人についても当然その効力は及ぶ。これはその土地に早く木を植えなければいけない、あるいはその土地そのものの原状を復旧してもらわないと困るというので、これは土地についた性格だ、こう考えておるわけでございます。所有権を移す段階になりますとそうではない、人の問題である、かような考え方をいたしたのであります。
○福田(喜)委員 今おつしやる点はまことによくわかるのでございますが、しかしながら、これは第二条の問題におきまして、保安林の地区内の森林施業に関する事項、保安施設事業に関する事項、その他もろもろの規定というものが対人的な信用関係において、たとえば私であるならば守らぬ、それで強制買収する。私がこれを譲渡した場合において、第三者がこれを守るかもしれぬ、守らぬかもしれぬ、一応模様を見て行こう、守らぬときにはまたこの手続を繰返して行く。一体その場合にこう転々と譲渡された場合には、この法律上の建前として押えがきかぬのではあるまいか。また買収は、本法によりますときは承継取得であるから、担保権は消滅しない。これを消滅せしきるためには、民法の規定により滌除するほかはない。こういう抵当権の滌除に関する規定、民法の三百八十三条、三百八十四条のああいう一連の規定が全部適用になる。従つて増価競売なんかによつて第三取得者が取得した場合には、これはどこまでも法律の建前から言うと、目的の達成はできぬわけであります。しかもこれは当該森林をどうしても国土保全上国家が保有して、保安林として維持管理を必要するものが、これは絶対私はあるだろうと思う。どうでもいいということになつたら、強制するという処置は必要ないということになつて来るだろうと私は思います。強制という規定は置かぬでもいいじやないか、究極の場合においてはそういう論議が発生することと思います。とかく考えます場合に、当該森林を抵当権のごときものの存在を許すべきではない、買収を滌除するとすれば対権利関係等においていろいろな困難な問題が生ずるから、この処理に関する一連の規定というものは、私はどうしても必要あると思いますが、その点は今あなたの御答弁によると、強制という点といささか最後に矛盾するところが発生するのではないかと思うのですがどうです。
○臼井説明員 お答え申し上げます。第二条の第二項にございます、保安林の区域内における森林施業に関する事項、それから保安施設事業に関する事項というような問題でございますが、これはこの法案が成立いたしましたあと、この法律そのものに基きまして、森林所有者を拘束して行こう、縛つて行こう、こういう考え方ではないのでございまして、これは整備計画そのものの中に、こういうことを盛り込むということだけなのであります。盛り込んででき上りました計画を、国民に守つてもらう関係は、森林、法の方へ帰りまして、第三条の規定で森林計画を変更いたしまして、そうして森林法の森林計画ということで守つてもらおう、かように考えているのであります。従いまして、前段で御指摘になりましたような点は、森林法の運用ということでやつて参れるのではないかと思つているのでございます。それから担保権の問題その他に関連いたしまして、土地収用の場合のような原始取得にした方がいいじやないか。この問題も、私の方でもいろいろ議論いたしたのでございますが、この法律に基いてやる強制買収はそれほどにいたさなくても、民法の規定で事は足りるのじやないだろうか。民法の規定でどうしても困るというような場合は、想定できないのじやないだろうか。特にこの対象になつておりますのが保安林であつて、国土の保全上非常に重要なものであり、従つて経済価値といいますか、そういうものにおいては相当制限されたものである。従つてごらんのように第七条の規定によりまして、政府が評価基準を定めて妥当な価額で、これは森林審議会にもかけまして、皆さんが妥当だと思われるような時価で買うということになりますと、それ以上の価額で買つてやろうというような人も、おそらく現われないだろうということも想定できますし、万一そういう人が現われまして買われても、その人がその森林を保安林として十分効果を発揮するような森林管理をやつていただければ、何も国で無理に買わなければならないという必要もないだろう。現在の森林法の建前を基本的に変革いたしますあかつきは、あるいはそういうことはおかしいということが考えられるかもしれませんけれども、一応民有の保安林という制度を是認いたしておりますと、そこまで強制的に買い上げるという方法を進めて参らなくてもいいじやないだろうか。確かに重要な森林であり、そうしてその森林が荒廃しているという状況では困るのでありますけれども、次の森林取得者が、森林法の規定によつて合理的に管理さえしてもらえればいいじやないだろうか、かような考え方をいたした次第であります。
○福田(喜)委員 川俣さんの関連質問があるようでありますから、いま一点お尋ねいたしたいと思いますが、今の林野当局の御答弁を聞きますと、強制買上げといつたところが、これは対人信用か問題である、それから、保安林施設に関する国の要請する事項を守つてもらえればいいのである、こういう御答弁であります。それなら譲渡された場合に、はたしてしからばその人が守るか守らぬかということは、どうしてその点の保証を林野当局は得られるか、この点についてあなたの御答弁をいただきたいと思います。 もう一点、あなたは本法案を審議する場合に、すぐ森林法に帰つて行かれますが、森林法のこれの根本的な立て方というものは、法律的に非常に違つておます。もし森林法と平仄を合せるべきものだとするならば、保安林整備臨時措置法の第四条の買入れ、第五条の交換、第六条の強制買収の対象となる森林等には、担保権が設定されている場合があるのでございますか、こういう場合におきまして、保安林たる国有林に担保権の付着しているということは、すぐ民法の規定に帰つて行くんだ、これで一般的にやつて行くんだということについては、私たちはどうしても法律的に平仄が合わないと思う。土地収用法でも、土地収用に関しては、原則として担保権を消滅させるということが第五条に規定してある。担保権者等の関係人に対して補償するということは第六十八条、六十九条に規定があるわけであります。農地法におきましても、制限外小作地の買収について、抵当権等の担保権は、対価の支払いまたは供託したことによつて消滅することが十二条、十三条の規定によつて明らかであります。母法というか、本法と親子の関係にある森林法の立て方は、今申し上げたような法律と大体平仄が合つている。しかるにこの場合だけそういう考え方を貫いて行くということは、森林法との関係においてどうしても割切れないものがありますが、この点についての御見解を承りたい。私の結論としては、保安林の買入れ、交換、強制買収に際しても、これらの担保権消滅に関する土地収用法の規定というものを設ける必要があるのではあるまいか。どうしても私はこう考えるが、この点について御意見を承りたい。
○臼井説明員 取得いたしました第三者が必ずしも保安林を合理的に経営するとは限らないじやないかという御意見でございますが、そういう場合が理論上は想定できると思います。しかし買いました者が、必ずしも不妥当な管理をするとも断定できないのでございまして、一応民有保安林という制度を認めております以上、どうもそこまでわれわれの方で強制しまして、ある所有者について、その人が不妥当な管理をしたから、その土地を買うという手続を始めれば、その人がほかの人にかりに売つても、次の人はその森林について強制買収の規定が働きかければ、当然国へ売らなければならないというほどにまでしないでもいいのじやないだろうか。われわれの方としましてはそういう考え方をいたしたのであります。そういうのはよくないので買うべきであるというお考えになりますと、むしろ保安林の中でもこういう程度に荒れた保安林、あるいはこの地域にある保安林という、すなわち保安林そのものをつかまえまして、この保安林は国が買わなければならないというふうになつて来ないと、どうも平仄が合わないのじやないだろうかという考えをいたしたからでございます。
○福田(喜)委員 絶対的な保安林の必要はないんですか。
○臼井説明員 私どもとしましては、この計画の中で全体の重要保安林百十万町歩あまりのものの中から五十万町歩程度を買えばいい。ただ非常に荒廃されている、森林法を守つてもらえぬような保安林は、強制的にでも買わなければならぬだろう、こういう考え方でありまして、この保安林は必ず国で買うというような考え方を国でいたさなかつたこととも関連しているのであります。
○川俣委員 関連してお尋ねしたいのです。今福田委員からの質問は、私どもと大体同じ考え方をしているのですが、非常に勉強せられて法律的に質問をされたものですから、かえつて答弁が的をはずれたのじやないかと思います。私は観点をかえてお尋ねしたい。保安林に指定せられますと、経済価値が下つて参りますために、指定と同時に転売されて行くというようなことは一応ないんじやないかという考え方が出て来るのはあたりまえだと思うのです。ところがそうばかりとは言えないと思うのです。中にはむしろ保安施設が講ぜられますと、保安林として指定された以上に、山くずれの防止、砂防の施設というようなことが加えられて参りますから、経済価値が上つて来ると見なければならぬ。経済価値が上つて来た場合に、転売が行われぬとは限らないと思う。そこに継承の義務を負わせなければならぬじやないかというのが、私は福田委員の質問の要点であろうと思う。たとえばこれは保安林の場合と沢川堤防の場合とをお考え願うと一番いいと思う。堤防ができました場合には、むしろ受益者に受益者負担をさせているのです。堤防ができましたために、その付近の田畑が荒されるおそれがなくなりますために、土地の値段が上つて来るというところから、受益者負担をさせております。保安施設を堤防と見ればいいと思うのですが、そのように保安施設を行うということは、むしろ森林の価格を引上げて行く結果になつて行く。国が施設をやつて引上げて行く理由はないと思うのですよ。むしろ受益者に負担させるならば別ですけれども、それだけの施設をしたならば、当然強制買上げの対象として行かなければならないじやないか、民有地を国費をもつて高めなければならないという理由は成立たないと思うのです。そこに保安林全体ということになると問題が出て来るだろうと思いますけれども、施設を施すような所は、福田委員の通り考えて行かなければ、国費の使用上から行きましても、不適当じやないだろうか。そこにどうしても強制力が出て来なければならぬじやないかと考えるのですが、おそらく福田委員もその意味だと思うのです。
○臼井説明員 川俣先生御指摘の点はその通りだと私どもも思つております。ただ現状で申し上げますと、保安施設事業、治山事業をやります対象の所は非常に多いわけでありまして、施設事業をやります際には、森林法の規定で地区の指定をいたしまして事業をやつて参るのであります。そうしてこの法律では、第四条でそういう地区の指定がありまして、治山事業をやりますような所は相対で買うという規定がございます。それでわれわれの方も、一応現在の段階で考えておりますのは、地区を指定して話合いで買えるような所は、さしあたつての治山事業の対象地にいたして参りたい。それがだんだんそういう程度では追いつかなくなることも考えられますし、当初は実は申訳ないのでありますが、森林法の改正も同時に提案いたしたいと思つておつたのであります。そういうことになりますと、当然お話のような点は取り込みまして、むしろその点こそ臨時立法ではなしに、森林法そのものとして、国が相当大きな国費を投下して、私有林をただでよくしてやるというな考え方は、御指摘の通りにむしろ是正すべきなので、森林法の方でそういう所は強制買収してもいいんじやないか、土地収用法を適用して収用してもいいんじやないか、かような考えは持つているのであります。それはいずれこの次の国会あたりまでには、ほかの点も検討いたしまして、改正案を得て提案いたしたいと考えているのであります。御了承を願います。
○川俣委員 その機会を待つというのですが、この中にそういう点を含めることが困難でありますかどうか。修正できるんじやないかとも思うのですが、その点伺いたい。
○臼井説明員 私の方も、実は初めそういうことも考えたのでございます。ところが森林法の保安施設地区という条項の第四十五条の中に受忍義務という規定がございまして、治山事業をやりまして——これは指定をしてその所有権をかえないままで治山事業をやりまして、その後植林をいたしましたりして、その行為がうまく行くように、治山事業が済んだあと十年間、国がその施設の維持管理に必要な管理行為ができるという規定がございます。その規定は当然民有のままで治山事業をやりまして、大体整理の見込みがつくところまで管理はするが、返してやるのだというのが現在の森林法の建前のように思われるのであります。従いましてこの中に、今御指摘のような条項だけを入れて、その点を検討しないでほつておきますと、森林法の建前と矛盾するようなことを考えておるのじやないか、こういうような点も懸念されましたので、実はその点留保したような次第でございます。御了承いただきたいと思います。
○福田(喜)委員 ただいまの保安林の指定ということは制限林となるものである。制限林となることは必ずしも経済的価値が減少する場合だけではないわけです。この点は根本的に考えていただきたい。たとえば例を申しますと、奄美大島のような場合、治山治水上、かつ保安林として考えなければならぬ所が非常に多いわけでありまして、奄美大島におきましては九割までは私有林である。ああいうところにおきましては保安施設を施すことがそれ自身土地改修であり、山林の改修である。こういう場合におきまして、本法の適用が当然あると考えますと、私が今申し上げ、また川俣委員が補足せられたこの点も、さらに考えていただきたい点の一つであると思うのであります。つまり保安林施設を講ずることはすなわち山林に対して増加施設を講ずることである。これが転々売買された場合におきましてはいかなる結果に相なるか、この点について最後の法律の追及力ということを考えなければならない。これでは奔命に疲れてしまう。これは法律上、技術上の点からお考えをわずらわしておきたいのでありまして、単に内地だけを考えるべきじやないのであります。奄美大島の実例の場合を考えれば、私は相当考えるべき点があるのじやないかと思いますから、この点について御考慮をわずらわしたいのでございます。 それからこれは技術上の点でございますが、第六条の四項に増額請求の訴えの提起について規定しておりますが、行政事件訴訟特例法第一条によりまして、行政処分の取消しまたは変更の訴訟提起が認められておるのは御承知の通りでございますが、増額請求は行政処分の変更の請求であるかないか、この点をちよつとお伺いいたしたい。
○臼井説明員 私の方ではこれを民事事件だと思つております。
○福田(喜)委員 行政処分の変更の請求にならないのですか。
○臼井説明員 ならないと思います。
○福田(喜)委員 最後に税金の関係でございますが、これは大蔵当局にお伺いいたしたいと思います。租税特別措置法第十四条第五項及び第十五条第一項の改正によりまして、個人及び法人に対しては強制買収の対価は再評価価額とみなされることとなり、所得税及び法人税は非課税となつたわけであります。この点は御当局の御考慮を非常に感謝しておるのでございますが、しかしながらこの法案全体を通じて見ますと、いろいろな疑問があるわけでございます。 〔吉川委員長代理退席、委員長着席〕 第一点は、相対買入れの場合はこの特典が与えられておらないのでございます。相対売買で話がついておらないとこの特典があるわけでございます。その理由はどこにあるのか。だからこういう法律を貫いて行くと、正直者がばかを見てだだをこねた方が得が行くということになつて来るのでありますが、こういう扱いをした理由はどこにあるか。これに対する対策として大蔵当局はいかにお考えになつておられるか。 第二点は、再評価益税は六%賦課せられまするが、その対策は一体どういうお考えを持つておられるか。 第三点は、第二十条の二第一項の改正によりまして、交換の場合は譲渡がなかつたものとみなされまして、所得税、再評価益税はかからないのでございます。 第四点は地方税法第百十一条の七の第八号の改正によりまして、交換の場合の不動産取得税は免税されるのでございます。 以上を通じまして、これをずつと平たく読んで考えてみますと、交換、買入れ、買収を通じて租税上の特別措置の均衡がとれておらないのでございます。こういう点のアンバランスというものを大蔵当局はどういうふうにお考えになつておるか。御意見を承りたい。
○白石説明員 今回の法案につきまして租税上の特別措置を講じております関係につきまして、その間のバランスがとれていない、こういう御質問でございますが、まず第一に第六条で強制買収の規定がございますので、これに関しましては譲渡所得税が課税にならないように取扱いをしてあるわけでございます。これは御承知のように、現在資産が譲渡になりました場合におきましては譲渡所得税がかかるわけでございますが、土地収用等に基きまして強制的に処置せられたという場合におきましては、これは譲渡所得税が課税にならないように特別措置を講じておりますので、これと同じような取扱いを今回とつたわけでございます。従いまして一般的に任意に譲渡が行われるという場合は、普通の場合の売買と同様でございますので、そういつた場合に譲渡所得税について非課税の取扱いを行うことは、負担の衡平上適当でないという意味におきまして。強制買収の場合だけに限つておるわけでございます。ただここで問題になりますのは、強制買収の対象となるような条件を備えておるものにつきまして、必ずしも強制の方をとらずに双方同意の上で任意に売買をやる、こういう場合が考えられるのでございまして、この場合は法律の明文では明らかでない場合でございますが、実際上どう処置するかという御質問だろうと思います。これは現在土地収用法等に基きまして収用が行われる場合におきましても、収用せずに同じ条件のものを売買でやるという場合においては、実は取扱い上同じ扱いをやつておるわけでございます。従いましてその趣旨からいたしますれば、法律の明文では強制買収になつておりますけれども、これと同じ条件に該当するもので強制買収の対象となるものが、双方同意の上で任意に譲渡が行われるという場合におきましては、取扱い上同一の取扱いがやられるものと私どもは考えておるわけでございます。これは今までの土地収用法等に基く問題と同一の取扱いになります。ただ問題は六条と四条との関係でございますが、四条の規定は六条の場合よりも範囲が広うございますので、四条の場合にすべて譲渡所得税を非課税扱いにするということは行き過ぎであるという意味におきまして、特別措置法の改正は六条の関係だけに限つたわけでございますが、今申し上げましたような趣旨に基きまして、六条と実質が同じであるというものにつきましては、同じような取扱いに相なると考えておるわけでございます。
○福田(喜)委員 ただいまの大蔵当局の御答弁によりますと、相対売買で買入れた場合は強制の場合と同じような値段と申しますか、租税上の扱いをする、こういう御答弁でございますが、もしそういう扱いであるならば、法案の中に盛り込んでいただいた方がいいのじやないかと思いますけれども、どうでございましようか。この点についてもしあなたの方でさらに検討し直していただければ、小委員会等におきましても、この法案の修正について私たちといたしましても考慮をいたしたいと思います。この点については今申し上げたような不公平がある、しかもその不公平は租税の実際上の扱いの場合に、通達等によつて不公平のないようにするという御答弁であつたと思いますが、さように承知してよろしゆうございますか。
○白石説明員 これは現在租税特別措置法のほかに、今申しましたように河川法、土地収用法、都市計画法、道路法その他今国会におきまして去る三月三十一日に可決になりましたものといたしましては、農地法に基きまする未墾地の買収、こういうような問題があるわけでございますが、これら一連の法文の規定がすべて強制的な規定のみを規定いたしておるわけでございまして、そういつたものにつきまして、通じて同じ条件にかかるものにつきましては、強制でなくても任意で行われましても、ほとんど手続上の差異にすぎないわけでありますので、同じ扱いにする、こういうようなことに承知しておるわけでございます。従いまして今回の本法の場合におきましても、同じような法文にしたわけでございまして、本法だけにつきまして、もし同じ条件の場合の任意買収につきましても、こういう取扱いをするという明文を置きますと、逆に今まで取扱つております河川法と収用法との扱いが、そういう明文がないとやれないじやないかという別個の疑問も生じて参りますので、これは法の規定しております趣旨にかんがみまして、その精神を実際の運用上生かして行くというふうに取扱いたいと考えておる次第であります。
○福田(喜)委員 今の御答弁でよくわかりますが、今までの取扱いでは正直者がばかを見るような扱いであつたわけですが、そういうふうにできるならば改めていただきたい、こう思うわけです。なおこの問題は小委員会に移して、さらに検討して行きたいと思います。 最後にもう一ぺんあなたにお伺いしますが、本法によりますと、買収あるいは交換等のために実測を行つた結果、山については相当のなわ延びが出て来ることは必然でございますが、過去におきまして支払つた固定資産税、相続税等の額にいかなる措置がとられることになりますか、この点について御意見を承りたい。
○白石説明員 過去の固定資産税、相続税等につきましては影響はございません。
○福田(喜)委員 今のあなたの御答弁から、相当矛盾したことも出て来ますが、あまり何ですから小委員会に移してさらに研究することにいたします。
○松浦委員 先ほど大臣に開発銀行の融資についていろいろお尋ねしたのですが、経審の部長はおいでになつておられますか。
○井出委員長 調整部長が見えております。
○松浦委員 それでは事務的になるかもしれませんが、ひとつお尋ねしたいと思います。われわれ予算委員会できめたのは、御存じのように電力三百五十億、海運が百八十五億、特掲産業が九十五億その他二十億で六百五十億ということであります。これは今度いろいろ修正の場合に考慮した点もあつて、大体六百十五億くらいに圧縮するということなんですが、私の聞かんとするところは、その、その他二十億というものは大体農林関係の物資生産に融資せられるものであると思うのです。ところがいろいろ新聞紙上その他を見ますと、ほとんどそつちの方にしわ寄せしてしまうように考えられるが、私の考え方は、金が減れば、これらの六百十五億全体のパーセントの上に減らすべきではないか。それをその他の二十億にしわ寄せしてしまつて、回収金その他が十分でなければ農林物資の融資をしないというような方向に審議されておるということを風聞するのでありますが、新聞にもそういうような記事が出ておるが、これは誤りであるかどうか。行政はそんな不公明なことではいけないと思うが、これについてはどういうふうにお考えになつておりますか。
○松尾(金)政府委員 ただいまお話のございました予算説明書に掲げられております内訳につきまして、さらに十五億ほど圧縮することになつておるかどうかという点が一点であつたと思います。この点は御承知のように、当初予算案につきまして一部修正がございました。資金運用部資金の借入れによる財源の手当措置が約十五億ほど減少するようなことに相なりまして、従いまして開銀の資金運用の面につきまして、どこからか十五億ほど圧縮した運用をしなければならなくなるわけであります。これはしかし現在までのところではまだはつきりした打合せ、相談もできていないのでありますが、この十五億の圧縮という面は、おそらく各産業部門の特掲産業部門及びその他予備というようなものを含めまして、全体の運用見込みの中のどこからか圧縮するということに相なるだろうと思います。決してその十五億を、その他部門の二十億の中から削除してこれが五億になるというようなことにきまつておるわけではもちろんございませんし、現在の各省が相談をいたしましても、その他の部分から十五億だけ削除するというようなことにはおそらくならないのではないか、こういうふうに考えております。もちろんこれは決定ではございません。 それからもう一つのお話の点は、かりに十五億圧縮ということになるとしても、その他、予備の二十億というのがどの程度確保されるか。御承知のように開銀資金の運用につきましては、予算全体の圧縮の影響をこうむりまして、相当大幅な圧縮を受けておるわけであります。従いましてその際にも開銀の資金の手当といたしまして、せい一ぱいの回収金を見込む、せい一ぱいの資金手当ということで運用見込みが立ててあるわけであります。そういたしまして、その他、予備というところで二十億という見込みを立てておりますが、これも今申しましたように、開銀の資金状況がせい一ぱいの見込みで立てております関係から、その他、予備の二十億が今ただちに出るということになるかどうか、これは非常に問題があるわけでございます。もちろんこれが二十億だけでなくて、開銀の資金状況を見て、特掲されております各産業部門の金額が、今ただちにその総額が出るということでないことは同様でございます。今お話の新聞等に伝わりました点は、そういう状況でございますので。その他、予備の二十億というこの点の運用については、この際何もきめないでおこう。つまり開銀の資金運用につきまして非常に手固く見たいという方の立場も各省には一部あるわけであります。そういう立場からの意見から申しますと、このその他、予備の二十億という点は、今運用することを避けるために、この点は一応この際運用の考え方をきめないでおいてはどうかという考えも、今まで相談の経過ではあつたのでありますが、かりにそういうことにいたしますと、今お話のように、結果的には事業が参つてしまうということになりかねないと思うのでありますが、現在までの状況では、その後の各省相談の結果は、その他、予備の部門をこの際きめないでおくというのは、今お話のあつたようなことになる懸念もございますので、やはりこの点は開銀の資金状況を見て、やはりほかの部門と同様に運用を始めて行こう、こういうことになるだろうと思います。まだ最終決定ではございませんので、これ以上に申し上げかねると思いますが、審議の経過としてそういう段階があつたことは事実でございます。現在までの打合せのところでは、おそらくそういうことにはならないだろう、こういうふうに私は思います。
○松浦委員 近く次官会議をやつて決定する運びになつているということであるが、今御説明になつたように、開銀の融資というものは、私どもは、当初予算で六百二十億組んだのですが、今までの造船、石炭その他のことを考えてみると、その方面には実に放漫な融資がある。この六百二十億の中で二十億組んである、その二十億というものは、国内の自給度の問題について、あるいは外貨の獲得について相当実際的に効率をあげているのですよ。本年も電力の方に三百五十億使う、石炭に百八十五億使うということになつておるが、これは基幹産業の基礎的な投資ですからただちに自給の上に影響しないことは当然であるが、実際世の中のためになつているのは二十億なんです。その他という言葉を使つているものですから、あなた方事務的にも非常に軽く見るのですね。だんだんやつて来て、下の方はどうでもよいという考え方になりやすい。私は、今中小企業その他の連中が非常に苦労しておるときに、この二十億というものはまつたく旱天の慈雨のようなものであると思う。それを非常に軽視されておるのではないか、軽視してはならないということが一点なんです。それからもう一つは、あしたにでも次官会議を開くと言つておられるが、その審議過程において、その他の問題についてどういう割振りをするか、あるいは特掲の六産業についてはどういう割振りをするかという話合いがないはずはない。なければあした原案が出されない。あるとしたならばそれをひとつ発表を願いたいと思います。
○松尾(金)政府委員 今のお話の、その他と書いてあるから軽視するとか、あるいは金額が二十億というものの中に圧縮されておるから軽視しておるという、そういう気持は毛頭ございません。かりに関係各省にそういう考えがあるといたしますれば、少くとも経審の立場で十分そういう考え方を正さなければならないと思うわけであります。なお今、あすにでも次官会議に出してどうなるかというお話でありますが、これはもちろんまだ関係各省と最終的に相談がきまつたわけではありませんので、現在の状況ではあすにどうこうということにはちよつと参りかねると思います。いずれそういう経過をたどつて参ると思いますけれども、次官会議なりあるいは閣議なりに、私どもが今各省と相談いたしておりますものが出ます際にも、その内容は決して各産業部門それぞれに、この部門に幾ら、この部門に幾ら、あるいはその他の内訳はこうだというような形で提出されるわけではございません。そういう具体的な金額をどうこうということになりますれば、ケース・バイ・ケースに審査をしなければならないわけでありますから、そういう点はもちろん、現在の機構におきましては、御承知のように開発銀行自身がそういう審査を進めるわけでございます。今審議されておりますものは、開発銀行がそういう審査なり貸付をやります際のいわば基本的な考え方という程度のものを審議をしておるのでございまして、その内訳等についてこまかな金額のわくというようなものを審議いたすわけにも参りませんし、またそういうことには決してならないわけでございます。
○松浦委員 農林関係全体のことは、さつき大臣にいろいろ話す時間がなかつたのですが、きようは林野庁の長官がおられるから、これらの開発融資に対して林野庁関係として、つまり林産物の加工、貿易、自給度の問題について必要な要望があるだろうと思うのですが、その要望について——ちようどお二人おられるから話がしやすいと思うのですが、あなたの方はどれだけ要望して、どういうような見通しなんですか。それから経審の方は、その要望を受入れるだけの用意があるか、どうか、またそれだけの確信を持つておられるかということを、両方にお聞きしたい。
○柴田(栄)政府委員 現在までの進捗はきわめて不十分でございまして、しかも二十八年度のごとき、決定に至らざるにすでに資金が非常にきゆうくつになつたということで、現在留保せられまして、特に私どもの方として取上げていただくという了解を得ていた項目についても、現在未決定の状況でございます。さらにわれわれも資金の状況等も勘案いたしまして、できる限り効率の高い方面で融資のことをお願いいたしておるわけでございますが、それすらも現状におきましてはきわめて困難な見通しを持つておる次第でございます。国内の自給度の向上の点から申しましても、あるいは国際収支の改善の上から見ましても、私どもが二十九年度について一応計画して、農林省から計画として相談をいたしておりますベニヤ合板施設の融資等に関しましては、現在のところきわめて見通しが悪いという話を聞いておりますが、これらは一面におきまして、国内の自給度の向上、ひいては大きく国土保全の面にまで発展させますラワン材の輸入によりまして、最も窮迫いたしておりますわが国の針葉樹の節減、これらに及ぼす大きな国策上の影響、あわせまして、最近の情勢から言いますと、わが国のベニヤ業界の内容の整備によりまして、主として米国向けのベニヤ・プライウツドの輸出は飛躍的に増大し得るという見込みを持つておりますので、この際これらがそれぞれ開銀の融資の目標といたしましても、他の産業と比較して軽視さるべきものではないというふうに考えておりますので、この問題は今後も、それぞれの関係方面に十分御了解を得て、ぜひとも確保する方向にお願いいたしたい、かような考えを持つております。
○松尾(金)政府委員 ただいま林野庁長官のおあげになりました、たとえば合板というような産業は、もちろんこれが輸出産業としても相当重要な外貨獲得の役割を果しておりますことは、私ども十分承知いたしております。農林業というグループの中に、国際収支の改善でありますとかあるいは国内自給度の向上という面で、それぞれ重要な役割を果しております部門がたくさんあることも十分承知いたしておるつもりでございます。ただ何分にもこのわく——というほどの確定的なものではないのでございますけれども、一応の目安として、その他、予備として二十億というようなものがあるわけであります。この目安に対しまして、それぞれ各産業部門から、行政機構の上からいいますれば各省から、ただいま申しました国際収支の改善とか国内自給度の向上に直接、きわめて効果の多い産業部門からの資金要求が持ち込まれると思うのであります。そういう際の具体的な調整ということになりますと、これまた非常にむずかしい問題になるわけでございますが、それはそれぞれの各省で、それらの重要点を十分に開発銀行にもお話していただけるでありましようし、あるいは開発銀行の直接の監督の責任にございます大蔵省方面でも、この点についてはあるいは開銀その他との相談の上に乗つての運用をいたしておると思います。それらの点につきまして、農林業について、あるいはその他ということになつておるから軽視するという考えはごうもございませんということを、重ねて申し上げたいと思います。
○松浦委員 軽視しないということがはつきりしたのですが、あなた方の方の打合せの中に資金の状況を考慮してということを言つておる。その資金のことを考慮してということは、やはり回収して来るもののことも考えられるでしよう。今の造船、石炭なんかの回収率が悪いことは申すまでもない。今まで一千億も造船に対して出しておるものが、二十億しか返つておらぬという事実がある。その方が焦げついたにもかかわらず、その方にだけ多く出して、その他の方にしわ寄せするなんということがあつたら、これは承知できませんよ。もし資金状況がまずかつたならば、六百五十億平均にその率を下げるとか、わくをちじめるというならわかるけれども、それを農林物資その他の、今仰せになつた自給度の改善をするとかあるいは国際収支の均衡を現にやつておる方向にのみしわ寄せをすることがあつたならば、これは承知できない。その点を私は指摘したい。これは広汎な小中企業に影響することなんです。それで大企業の方の回収の悪いものを持つて来て、それをあなた方は審議しておられるが、今まで開銀並びに復金時代から造船に一千億以上の融資をしておられるが、二十億しか返つておらぬでしよう。そういうことをしておいて、大衆産業に関係するものの方にしわ寄せするということがあつたら承知できない。これはどうなんですか。
○松尾(金)政府委員 最初に、先ほども申し上げたかと思いますが、特掲されております産業部門に、それぞれ目安としての金額が一応計上されてありますけれども、これは決してそれが一定のわくであつて、その産業部門には当然に金額は出るというものではございません。またそのわくまでの金額がただちに今出るというわけではございませんで、御承知のように開発銀行は、この点についてはケース・バイ・ケースに厳重な審査をいたします。また審査をいたしまして現実に資金の貸付をいたします際には、開発銀行自身として、当然自分の手元の資金繰りを頭に描いて運用をいたすはずでございます。従いまして、これらの一応掲げられてあります目安の金額というものは優先確保されて、その他の部門のところは金が余つたら出そうというようなことにならないことは、従来の運用からも当然でありまして、特に私から重ねて申し上げるまでもないと思います。ただ今御指摘のございました資金の需給状況を考えるという点は、もちろん全般的な問題でもあつたのでございますけれども、御承知のように予算の説明書の欄に、その他、予備を合せて二十億というような表現になつておりますので、この二十億の中には一部予備という観念の金額が入つておるというふうに私どもも考えざるを得ないのでございます。そういう意味で、先ほど申しましたような開発銀行自身の資金繰りがそこを精一ぱいに見ての運用計画でございますから、その中に一部予備が入つておるという意味で資金状況を開銀として考えて、二十億のわくと申しますか、目安の運用をやるべきだ、こういう意味の表現でございまして、この分だけにしわ寄せが来るというふうには考えていただかない方がよろしいのではないかと思います。
○松浦委員 それで今一応の目安と言つておられるのですが、われわれは議会において開銀に六百五十億の融資をするのには、これこれこれこれのことで融資をしろということをきめたのですよ。あなた方はそのきめたわくの中で、どの産業にどれだけということはまた御審議になるのですよ。開銀は融資の実務をやるのです。その場合に、それではこういうことをやつておいてもらいたい——きようは実は小林さんに来てもらつてよく話したいと思つたのですが、実務をやる開銀の方が、わくは年度中にはやるのだ、しかし優先的に造船や石炭の方にまわしてしまつて、年度末の来年の三月三十一日ごろにようやくかき集めて大衆産業にやるのだということでは問題にならない。わくはなるほどやるにはやつたのだ、しかし融資は一年中を通じてその計画に従つてやらなければならない。それが優先的に大企業の方だけに使われて、中小企業に最後に残つて来たもの、回収されたものを一番年度のしまいにやるなんということがあつてはならないのですから、あなた方はわれわれ議会で審議した数字の範囲内で計画を立てられて、それを今度個々の産業に割当てられる、それを融資する場合には公平にやつてもらわなければならぬ。きまつた以上はどつちが優先ということはない。私はむしろ三百五十億のものとか、あるいは船舶のものとかいうようなものよりも、先ほどから言つておる大衆産業が今日は大事なんだ、それが生産をあげておる、それが今日の経済をやつておるということを考えられるならば、これは融資の実務に対しても公正にやつてもらいたい。それをひとつ通告してもらいたいということを重ねて申し上げておきます。
○川俣委員 関連して一点。これは本問題に直接関係ないのですけれども、融資の仕方についてちよつとお尋ねしたい。開銀の特掲融資にいたしましても、その他の小わくの融資にいたしましても、大体各主管官庁を経由して開銀に行つておるんじやないかと思います。農林省の関係から見ますると、農林省の金融課を通じて開銀に行つておると思います。その書類の形式はどんなような形をとつておりますか。石炭などは通産省の石炭局を通じて開銀へまわつておるようですが、その点は事務的にどうなつておりましようか。
○松尾(金)政府委員 開銀が融資をいたします際には、一応の基本的な考え方は、開銀も政府の基本的な考え方を体してやるわけだと思いますが、具体的の場合には、やはり開銀としてもそれぞれの関係各省に種々意見を求めると思います。ただ今御指摘のございましたような書類の動き方につきましては、私実は開発銀行の直接の監督といいますか、所管の責任でもございませんので、あまり詳しく存じておりませんので御了承願いたいと存じます。
○井出委員長 松岡俊三君。
○松岡委員 林野庁長官にお尋ねをいたしますが、東北六県、新潟県、この七県のブロツク知事が会議を開いて、国有林野法が明年の三月三十一日まで延びたということに対しては、内報に接したとみえまして、すこぶる遺憾の意を表しているのであります。ぜひとも二年間延期してもらいたいという決議をしてその要請をしておつた。それが一年しか延びない。申すまでもないけれども、東北の方の人間はすこぶるのみ込みがおそいのであります。二十六年、二十七年にはほとんどこの問題については、出足がごらんの通りに遅れておる。そこのところに三年しか期限がない。それに加えて不作凶作等があつた。東北六県、新潟県の知事が、ぜひともこれを二年間さらに延長してもらいたいということを強烈に要望しておるのであります。これは一年間だけで仕事を運ばせようという内意から出たのであろうかもしれませんけれども、政府ではさように思つていらつしやるかもしれませんけれども、なかなか東北方面はそうは行かない。これは出先の知事の要請がきわめて当然のことだと思うのでございます。もしもこれが一年で行かないということになりますと、ことに三年のものが今度一年延びたので、私はまたこれは延ばさなければならぬようになるだろうと思う。これは知事の要請が適正であるということをお認めになつておらないのかどうか。あと一年でもつてこれは終り得ると思うのでございますか、いかがでありましよう。
○柴田(栄)政府委員 実は一応整備法の期限内に完了の見込みでありましたけれども、いろいろな凶作の状況その他からいたしまして遅れておるのと、東北の方が何と申しましても対象面積が多いということで、まことに申訳ない次第でございますが、事務的に多小遅延いたしておる。この際これも特に急ぐということは、いろいろな面において無理が生じるということで、十分完了の見通しを立てまして、三十年の三月三十一日まで延期ということをお願いいたしておりますので、現在の進捗状況からいたしまして、決して皆様方に御心配をかけるような無理はしないで、完了できるというふうに考えておりますので、御了承願いたいと思います。
○松岡委員 二十六年に始まつて二十六年、二十七年の実績を見てもおわかりになつておる。ようやくこのごろわかつて来たようなぐあいで、二十八年度に少しその能率が出たというくらいの程度であります。この国有林の問題の根本的の問題については、私は大臣の御出席のときに譲りますが、この問題だけは出先の知事があれほど熱望しているのである。(「一年々々延ばして行くんですよ」と呼ぶ者あり)いずれこのことは今だれかおつしやつたように、だんだん一年々々延ばされる、こういうことになると思いますが、これではとてもできるものではないのでございますから、知事の要請はきわめて適正なものとして御一考くださるように私はお願いいたします。もしこれが聞かれないとすれば、われわれの方でも考えがある、これだけ申し上げておきます。
○井出委員長 この際御了承を得たいことがあります。降旗徳弥君より去る四月七日の本委員会における農業移民の問題に関しまして、中村委員の発言を引用した際、その引用の仕方が誤つておつたので、その部分を取消したいとの申出があります。つきましては委員長において速記録を取調べの上、関係部分について適宜処置いたしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。 暫時休憩いたします。 午後一時二十四分休憩 ————◇————— 午後三時二十五分開議
○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 この際委員各位の御了解を得たいことがございます。昨日の理事会において協議したところでありますが、目下米国におきましては可燃性繊維製品の販売を禁止する措置がなされつつあるよしであります。これによりますと、絹製品、羽二重等のわが国からの輸出が大きな打撃を受け、ひいてはわが国蚕糸業にも影響するところが甚大となるのではないかと思われます。つきましては、とりあえずスカーフ、ハンカチ等につきましては、適用除外の措置を米国当局に要請するため、農林委員、通商産業委員等とも連絡をとりまして、本院に対し決議案を提出する運びにいたしたいとの理事会の結論でありました。決議案の案文等につきましては、通商産業委員長とも協議の上、成案を得たいと思いますので、委員長に御一任願うことにいたしまして、この点各位の御賛同をお願いいたします。 暫時休憩いたします。 午後三時三十二分休憩 ————◇————— 午後三時三十九分開議
○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 これより臨時硫安需給安定法案を議題といたし審査を進めます。 去る四月八日本委員会において、臨時硫安需給安定法案の審査のため必要がありますので、さき事項に関して農林大臣及び通商産業大臣において資料をとりまとめの上提出されるように、議長に対してこれがとりはからいを要請いたしたのであります。その件名は一、各肥料製造会社における製造肥料種類ごとの生産能力、過去三箇年の生産実績、製造原価、二、日本開発銀行が肥料製造会社に融資した金額の各社別内訳並びに政府が融資しあつせんのため製造会社より提出せしめたる各社別の製造原価等の参考資料、これらを四月十二日を期限として提出方を要求いたしたのであります。しかるところ農林大臣並びに通産大臣の名儀をもちまして、以下申し上げまするような回答文が参りました。それを読んでみますると、 調査報告書の提出について 昭和二十九年四月九日付衆秘発第五号による内閣総理大臣宛の硫安に閣する資料の提出方の要求に対し別添の通り調査報告書を提出する。 なお、要求のあつた資料のうち、製造原価に関する資料については、政府として公式に調査したものは持合せていない。ただ通商産業省においては生産数量、原材料価格等すべて現状を前提として各種の資料を参考として平均的原価を推定概算することは可能であつて、これを事務上の参考としている。しかし乍らこの原価についても通商産業省の見解を公表することは、これを差控えたい所存である。就いては懇談会等適当な機会において、事務当局より上一記の平均的原価試算について篤と御説明させることと致したい。 かような意味の回答文でございます。従いまして委員各位から御要求のありましたものの一部は提出されて御手元に配付されているはずでありまするが、かんじんの原価に関する点が今申し上げたような事情に相なつております。右御報告を申し上げます。 この際川俣清音君より発言を求められております。これを許します。川俣君。
○川俣委員 先般の委員会におきまして、委員会満場一致の決定をもちまして、政府に対し、硫安工業合理化に伴う資金の融資あつせんについての努力を要請しておるのであります。これはまだ法律ができておりませんけれども、できる前提として開銀等に融資あつせんをいたしておられるのでありますから、この際臨時硫安需給安定法案の審議の上から、何ほどの硫安生産費原価計算がつかみ得ておるか。また将来法律に基いてつかもうといたすのでありますけれども、この法案を審議しする上に、ぜひとも現在の生産原価というものを知り得たいという必要から、通産省に原価計算の資料がないにいたしましても、開銀等に対しまして、当然合理化資金の融資あつせんを受ける上からは、何らかの形において各社の原価計算が出ておるはずであるから、それをひとつお示し願えないのかというのが骨子であつたわけであります。ただ参議院の側では、通産省の持つておる原価計算を要求しておりますが、本委員会では、通産省がお持ちでないというので、各社が開銀等に提出されました原価計算、すなわち将来合理化資金を運用いたしまして、現在生産しておるコストをどの程度下げるか、またどの程度拡充して行つて生産を上げるかということについて、当然融資あつせんの内容をなすところのものがあるはずであるから、それをひとつお示し願えないのか、こういうことであつたわけであります。そのことがやはり臨時硫安需給安定法案とうらはらにありまする硫安工業合理化法案とも関連して参りますので、ぜひともその点を要求いたしておつたのでありますが、今委員長のところに届いたような分では、政府の誠意のほどが認められないのであります。もう少し政府といたしまして、これは公表はできないけれども、この程度は発表できるのだとか、あるいは誠意は持つておるけれどもどうだとかいうようなことが、もう少し具体的にならなければならぬのじやないか。ただ逃げてばかりいて問題の解決を引延ばすようなことになりますと本案の審議が渋滞することになるおそれがあると思いますので、これらに対する大臣の所見を伺いたい。
○保利国務大臣 前回の委員会で要求せられました資料の趣意につきましても、また私から通産大臣に、とくと相談をして、御要求の資料が出されるようにやれという御要求の趣意は、ごもつともでございますし、私としましても、一日もすみやかにこの法案の成立を希望いたしておりますので、支障なき限り提出を見られるようにお話をいたしまして協議をいたしましたが、決して資料提出を回避して、議案の審議に支障を来たさしむるというような趣意ではなく、通産大臣また通産当局において考えられるところもあり、またどういうものが実際現実にあるかということは私は承知いたしておりませんので、こういうことでということでありましたら一応書きものとしての資料はお出しいたしましたにいたしましても、説明その他において十分できる限りのことはいたすという趣意でございましたので、この書類を提出いたした次第でございますから、やがて通産大臣もお見えになると存じますし、その辺の事情につきましては、責任当局者からさらに御聴取をいただくようにお願いをいたしたいと思います。
○井出委員長 河野一郎君。
○河野(一)委員 この機会に農林大臣にも、今の御答弁でありますから、お聞き及びを願いたいと思います。私ども、新しい憲法になりまして、新しい議会の経験が薄いので、事情不案内な点が多いのでございますけれども、しかしわれわれ国家最高の機関が国政の審議の上において、必要な資料として政府に要求したものに対しては、政府はこれが秘密であるとか、これが何であるとかいうようなことは大きなお世話なのであつて、秘密を必要とするものは、われわれの責任において秘密にこれをいたすべきものであると、私は思うのであります。これは委員長にもお考えいただきたいと思うのでありますが、今度の政府の方の答弁書は、その意味において旧憲法時代の観念でお書きになつた答弁書のように私は思う。これは仄聞するところでありますが、われわれはまだそういう研究をいたしませんけれども、すでに参議院の方面においてはそういう研究まで遂げて、法制局長まで呼んで、こういうものの要求に対してはどう取扱うべきかということを研究されたということも聞いております。その結果、議員として要求したものに対しては、政府でそれがなければしかたがない。なければないと返事をされればいいのであつて、それがいろいろこういう事情を書き添えての答弁毒、われわれとしては非常に不満であるし、同時にまたわれわれとしてこのまま了承することは、将来に悪例を残すことになると思うのであります。従つてこの際農林大臣も国務大臣の一員として、政府と国会という立場において、この問題をお考え願うことがいいだろうということを前提にして申し上げます。 今農林大臣から、どういうものか自分もよく事情がわからぬからということでございましたが、大臣御承知の通り、政府は開銀を通じて二百億くらいの金を、生産費の節約もしくは改良のために出そうというのが法案の骨子でございますが、しかし各種の肥料の製造もしくは製造工場の改良のために、合理化のために、すでに開銀を通じて資金が出ていることは農林大臣も御承知の通りであります。これらの資金を開発銀行を通じて通産省あつせんのもとに出しますには、これに必要な資料として当然つけられなければならぬものは、現在の生産費もしくは現在の生産工程における諸掛費というものは、添付書類として当然付随すべき書類だとわれわれは了承しておるわけです。従つてこれについては、通産当局としては、これがあつせんの立場から、もしくはこれが裏づけの立場から十分な御調査になつて、そうして生産者の方からこれこれの工場改良のためにこういう資金がいりようだからあつせんしてくれという場合に、これに対しては通産省としても、書類の信憑性については十分調査されて、これが間違いがないか、この程度の返還はできる、できないということを調査すべきである。われわれほかの問題で政府を通じて開発銀行の資金を借りることに努力したこともあります。ある場合には、これらに対して添付書類を開銀並びに政府がどの程度のことを要求するかということをわれわれ経験しております。またそれに対して、それぞれの関係当局がどの程度の調査をされるかということも経験しております。従つてこの肥料に対しての資金の点については十分政府は了承しておられる。自分自身で調べたことはないとか、政府の命令で調べたことはないとかいうことは、そういう法的根拠はないからございませんでしようが、それがあることは当然だと思う。従つてもしこれに対する政府の態度いかんによつては、開発銀行にその書類はあるはずでありますから、開発銀行から出せといえば出ます。しかしそれは政府としては非常によろしくないのであつて、必要な書類を政府に保管してあることは当然だと了承いたしますから、直接政府に要求しておるのであつて、世上伝えておるところによりますと、生産費は七百円台のものが相当あるのだということを、真偽は知りませんが言つております。そういうことになりますと今までのわれわれの常識を逸脱するのであります。現在農林大臣が心配して、そうして農民に肥料をあつせんして売らしておられるのは、御承知の通り九百円であります。そうしてみればあなたが考えておられる生産者と全購連の中間に立つて、安定帯価格というようなことでこの程度でよかろうと言つておられる価格というものは、実際生産費と比べてみてどうであるかということをわれわれは知らなければならない。もし生産費がそれだけ安いにもかかわらず現在の相場で売つておるということになれば、せつかく二百億の融資までしてやつても、そのときに業者がどういう態度をとるかということになると、その点についてもわれわれ十分政府の態度について承つておかなければなりませんし、いろいろな問題が出て来るのであります。現在のように生産費が海外に比べて非常に高いということで、この値で売らなければいけないのだというのと非常に食い違いが起つて来るという点もありますので、この資料をちようだいいたしませんと、法案に対するわれわれの審議に重大な支障を来す。もしこの資料なくしてこの法案について賛否を決するということになれば、われわれ怠慢のそしりを免れないと思います。でありますから、農林大臣は、今までこの点についてお気づきがなかつたならば、とくと通産大臣と御協議の上善処していただきたい、こう申し上げておきます。
○保利国務大臣 ごもつともに存ずるわけでありまして、ただ御要求をいただいております資料が、お話のような趣意によつて開銀融資の必要書類として添付せられておると仮定いたしました場合に、営業上の秘密とかなんとかいうことが間々あるわけでございましようが、その辺のところに、一体どこまで立ち入ることが妥当であるかどうかということは、相当研究を要する問題であろうかと存ずるわけでございます。私はその点においてははつきり申し上げる根拠を持たないわけでございますけれども、委員各位の御審議に際しての御要求の趣意は十分わかつておるわけでございますし、この御要求に端的におこたえはできないまでも、通産当局の見るところをできるだけ御説明申し上げまして御理解を仰ぐという処置を講じたいと存じております。さらにまたただいまのお話につきましては、通産大臣とも御相談いたしますけれども、文書で申し上げておりますように、懇談会等適当な機会において、できるだけ詳しく申し上げられる限り申し上げるということを申しておるわけでございますし、そういう機会を与えていただきますれば非常にけつこうだと思うわけでございます。お話の点はお話の点で十分承つておきます。
○河野(一)委員 これは農林大臣に申し上げる筋合いのものではありませんけれども、役人の方に私は申し上げておきたい。あなた方は従来の観念で、営業者の機密であるとかなんとかいうことをお考えられちやいかぬのです。ことに農林当局は断じてそういう考えはいかぬ。なぜいかぬかと申しますと、私は今農林大臣の御答弁を承つたが、これは予算総会の問題に私きよう今からいたします。私は大蔵当局に特に申し上げます。というのは、彼等は開発銀行の金を、国民の税金を使つているのですよ。国民の税金を使うのに、必要な添付書類が国民に見せられないということはないのですよ。よろしゆうございますか。国民の税金である金を借りているのに、インチキな書類をつけて金を借りるということは許されない。このお金を借りるのに、生産費が幾らであるかということが国民に発表ができないで、国民の金を借りて行くということは許されないのです。それをしもあなた方がかばうということは間違つております。ことにあなた方は、安くできるものを不当に高く農民に売らしておるから、今からこれを出したらどういう事態が起るかわからないというので懸念せられておる。あなた方自身がそれを恐れるのであつて、それまで生産者の立場をかばう必要かどこにありますか。かれらが同志集つて資本金を持ち寄つてそしてやるならよろしい。今日はそういう段階でありません。通産省があつせんして開発銀行の金を融資して、工場を運営さしておるのです。国民全体の金を使つて工場を運営しておるのに、生産費を国民全体が知ることができぬというばかなことがありますか。もう少し考えをかえてもらわなければいかぬ。それを旧態依然として生産者の立場——生産者はそういうものを発表すれば迷惑をするかもしれぬ。べらぼうに高くできておるものを安く売らして、かわいそうな思いをさしておるから、それを言うと株が下るといけないから、それは農民の立場に立つてわれわれも考えてやらなければいかぬというなら筋が通る。ところがそうじやなく。今われわれが知つておるところでは、七百円代のものが多数あるということを仄聞しておる。こうわれわれが疑いを持つ以上は、そうじやない、実際は八百円以上かかつております。それを七百円で売つております、こう明らかに言うべきだ。そうして農民を納得さすべきだ。だから二百億の融資をしてそれを下げてやらなければいかぬ、こうすべきである。現在そんなに安くできておるのに、何の必要があつて二百億の融資をするのか。それをあなた方がなおかつかばつて、それは見せられる、見せられぬ、見るべきものではなかろうとかあろうとか、そういう態度であなた方がおられる以上は、あなた方全部は生産者の味方で、そのちようちん持ちばかりしておるのであつて、われわれとは根本的に立場を異にするものだというふうに考えざるを得ない。御再考を煩わしたいと思う。農林大臣はおられぬから、事務当局はひとつよくその点を御考慮願いたい。ことに柿手君のごときは、通産省の方の肥料を扱つておられる当事者でしよう。それならそれで立場をはつきりすべきだ。ことにあなたは肥料の問題について、農林省の方から通産省の方にかわつて行つた人だ。農林行政の中で育つて来た人だ。だからその点を明瞭にしていただかなければ困るということを十分御考慮をせられ、善処せられんことを要望いたします。
○井出委員長 河野委員に申し上げますが、農林大臣は、ただいま参議院の本会議で肥料検査法の一部改正法案が上りますので、そこへ行かれました。それから、おつつけ衆議院の予算委員会の方で通産大臣の手があくと思いますから、間もなく見えると思います。
○川俣委員 本農林委員会から先般通産当局に対しまして、というよりも、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案、及び臨時硫安需給安定法案を出されております政府に対しまして、その審議の基本となるべきものの資料といたしまして、——各生産業者が通産省のあつせんを得て開銀の融資の申請をいたしておるようでありますけれども、臨時硫安需給安定法案は硫安の需給の調整、価格の安定をはかることを目的といたしておりまするし、また通産委員会にかかつております法案は、硫安工業の合理化を促進しようということであることは、私が申し上げるまでもないことであります。従いましてどのような合理化をはかつて、需要者であります農民に寄与するかということが重大なねらいで法案が出ておりますことは、これまた私の強調するまでもないところであります。ところで法案の審議上、現在の肥料業者がどの程度のコストで生産をいたしておるかということを、重要な資料といたしまして私どもはこれを把握しなければならないのであります。また通産省といたしましても、合理化を促進するというのでありますから、この合理化は、——現在の日本の肥料メーカーからいたしますと、以前ほどのコストの差はないにいたしましても、以前は戦前から戦後にかけまして、四階級ないし五階級にわけた生産費を基準にしたABCDクラスまでつくつて価格調整をいたしておつたのでありますが、今日はそれほどまでの開きはないにいたしましても、まだ開きのあることはお認めの点だと思う。従いまして高度に生産コストが下つておるところは合理化の余地が大分なくなつて来ているだろうと思いまするし、また合理化の余地が非常に大きく存している会社もあると思うのです。そこで合理化資金の貸出しのあつせんをされるからには、現在のコストというものをつかんでおらないで、一体合理化ができるのかということになると思うのです。もう合理化の限度に達しておるものもあるであろうし、あるいはもつと合理化を強度に進めて行かなければならぬものもあることは明らかであります。ところが現状のコストもつかんでおられないということになりますと、本法をつくりました意味をなさないと思うのです。私どもは通産省の行政の中まであえて入ろうとは思いませんけれども、現在通産当局としてお持ちにならないでも、開銀に融資のあつせんを依頼されておるからには、どの程度のコストであるかというようなことが当然わかつていなければならぬ。これは融資をした資金の返却が将来はどうなるのか、現在はどの程度のコストであるかということが出て来なければ、これは完全な融資の資格者じやないということになる。そういう点から、開銀はもちろんのこと、通産省もある程度のものは把握していなければならぬ。通産省としてそれが正確であるかどうかという裏づけができるかどうか、私は疑問だろうと思いますけれども、おのおのの会社において融資のあつせんを受けるからには、責任を持つてこれを返還するという義務がついておる。従いまして将来はこの程度に合理化して資金の返還はできるし、現在はどの程度だということ、これは当然申請の内容の重要な要素である。通産大臣は、大蔵省におられたときにおそらく無条件にお貸付になつたことはないと思う。そこでそれらのものをお持ちになつておるはずだから、お出しになつてはどうかと言うのです。それは政府の責任ある、裏づけのあるものだというふうに私どもは必ずしもとるわけじやないのです。重要な資料であるから、一応参考としてお出し願いたいということをたびたび要求いたしておるわけです。この点について通産大臣はいかようにお考えになりますか。
○愛知国務大臣 ただいまのお尋ねはまことにごもつともだと思うのであります。それから私といたしましては、再々当委員会からさような御要求のあつたこともよく存じておりますしいたしますので、まことにごもつともなことでもあり、また私もこれは当然いろいろと御説明いたすべきものと考えております。ただ、ただいまもお話が、ございましたが、開発銀行に対して推薦をすると申しますか、その場合におきまして、この点はいろいろ御批判のあることとは思いますけれども、従来のやり方は、各会社の各工場別等について詳細に検討して、それを付して開発銀行に出していたのではないようであります。それで、たとえば各工場別の原価等につきましては、実際上通産省といたしましてもよるべきものを今持つていないわけであります。それから公式に調査したものも従来においてなかつたわけでございます。そこでこれは私から率直にお願いをいたしたいと思うのでありますが、公式に書類等の上におきましてこういうふうな状態であるということを申し上げるだけの自信はございませんが、しかし何と申しましても平均的にこういうふうな原価の姿になる、あるいはこうやりたいのだというようなことは、通産省としてももちろん考えもございますし、それから大体の見当もつきますことでございますから、非公式に御懇談、御説明を申し上げる機会がございますれば、非常に幸いだと思うのでありまして、これは公に詳細な資料ということになりますと、準備がないことと、それから自信がございません関係で、さようなことで御審議を願えれば非常に仕合せだと思うのであります。そういうことでございますれば、現在われわれとしてこういう点は自信がないが、こういうふうな見方であるというようなことについて、できるだけ詳細に御説明する用意はいつでもございます次第であります。
○川俣委員 時間がないようですから簡単にお尋ねしますが、政府は合理化の必要を強調せられておるわけですが、合理化ということになりますると、合理化の限度に達しておるのか、合理化の必要があるのかということが当然検討されていなきやならぬはずだと思う。これはおそらく合理化の必要を強調されておるからには、何らか把握しておらなければ合理化の必要を強調される理由がないと思う。合理化の必要を強調されるのが薄弱なら基礎が薄弱になつて来るんじやないか。しかも四条にわざわざ政府は合理化を促進するために必要な資金について融資のあつせんをするという条項まで入れて法案をお出しになつておられるのでありまして、この法案が通らないうちにすでに融資のあつせんをしておられるのです。そうすれば何らか法案が出ないうちにあつせんをしておられるからには、基礎がなければならぬはずだと思う。その法案が出てから基礎がわかるんだという説明ですけれども、もう融資のあつせんは始められておるのです。法案が出てからでなく、出されたままにしておいてあつせんは始められておるのです。そんな基礎が薄弱なのに融資のあつせんをされたとは私は思わない。この政府が、あらゆる面において緊縮財政をとつておる、開銀の融資も非常に削減をされておる中において、そんな薄弱な理由で融資のあつせんをされておるとは思わない。何らかの基礎がなければならぬはずです。その基礎が、とことんまでだれから見ても、神様が見ても間違いがないかどうか、そんなことを私は聞いておるんじやないのです。大体のものを把握してこの法案を出されたのであるから、持つておられるものをお出しになつたらどうか。それに信憑性がどれだけあるかということば別問題ですよ。法案を出されるからには、合理化が必要だと言うからには、何らかの基礎を持つておらなければならないはずです。大臣は合理化については非常に熱心なはずだから、合理化を促進される考え方には、必ずその基礎を持つて、これくらいのことは合理化できるという目安を持たなければ、こういう法案が出て来るはずがないのであります。それをあなたの方でお持ちにならなければあえて私は問わないのですが、現在の経営はこのような内容だ、これをこうかえて行くならばさらに合理化が促進するということで、資金のあつせんを受けておることは明瞭なのです。その明瞭なことまで明瞭にできないということになりますると、これはやみ金融と同じですよ。おそらく政府の金をやみ金融されるわけはないと思う。その点でもう一度大臣の御答弁を願いたい。
○愛知国務大臣 先ほども申しましたように全然やみくもにやつておるわけではもちろんございませんので、たとえば生産の数量なり原材料の価格なり、一応現状を基礎にいたしまして、これを前提としていろいろの資料を参考といたしまして、平均的なコスト計算というものを推定いたしておるようなものもございます。それからさらにそれ以外に相当こまかい点につきましても、もちろんわれわれとして研究をしております。その基礎資料もあるわけでございます。ただ先ほど申し上げましたように、各工場別等についての原価の見通しというようなことがやはり一番基本的には問題の点だと思うのでありまして、そういう点につきましてはいろいろの関係もございますので、ひとつ先ほどお願いいたしましたような方法でお取上げ願いますれば、私どもといたしましても非常に幸いなのでありまして、あるものをあるがままに率直に当委員会に御説明をするということをあえて私はいやがるわけでは毛頭ございません。ただ正式の書類等にいたしまして出すだけの自信と余裕がないと思つておるのでございます。
○川俣委員 通産省でお持ちになつておりますならば相当詳しいものをお持ちになつておるはずなのです。今までの説明によりますると、各硫安工場の平均のものは、割合正確に持つておる、こういう答弁なんですよ。ところが合理化資金は硫安協会にお出しになるのじやないんですよ。各製造工場にお出しになる、また製造工場ばかりではない、製造会社じやないのですよ。しかもある会社のこの工場というふうに限定してまで出されているのですよ。これは硫安協会に出されておるのなら、その答弁でけつこうなんです。そうじやないのですよ。ある会社のこの工場ということまで調べて合理化資金を出しておられるのでありますから、その会社のある工場自体にまでも立ち入つてお調べになつていなければ、合理化資金が出ないはずだ。それをあえて回避されるところにかえつて疑惑を受けるのですよ。すなおにされますなら、私どもは別に専門じやありませんから、それを高利貸しみたいなつもりで追究しようというような考え方はしていないのです。それが間違いであろうといつて、行政監察のように工場へ出向いて行つて、この資金がいいとか悪いとかいうようなところまで私どもは関与する考えはない。大づかみなものをつかめていなければ法案審議の上に支障が来るからということなので、そんなけちな考え方でお尋ねしているのじやないですから、できるだけひとつ公表せられて、世間の誤解の中にこの法案が通るということのないようにいたしたい。特に造船疑獄等において、融資のあつせんについては誤解を招きやすいので、一応私どももある程度のものを把握した上でこの法案を審議して行きたい、こういう明朗な立場に立つておるのであります。いたずらに通産省の困るところをつついて困らせようというような考え方ではないのです。どうしてもこれは明朗な資金のあつせんと、明朗な価格の決定が望ましいということだけなんですから、どうぞその意味でお答えを願いたい。
○愛知国務大臣 お話になりますことは、私も非常によくわかるつもりでございます。それで私もこだわるわけではないのでありますが、こういうふうな状況であるということをひとつ懇談会でもお聞きをいただきまして、そこで私どもの申し上げることも十分御検討いただきまして、そしてその取扱い方等について御協力、御支援をお願いすることにさしていただきたいと考えるわけでございます。
○川俣委員 そうすると、こういうふうに了解してよろしいですか。私は秘密会でお聞きすることを決して拒んでいるものではないのです。ただそういうことで責任をのがれて、これができないのだということに利用するために秘密会なんということであるならは好ましくない、こういうことなんです。いろいろ与える影響が大きいからまあそこでという意味なら別ですが、秘密会で大体のことは話をしたのだからこれで了承してくれというような責任を回避する意味の秘密会であるならば、私どもは応じかねるので、大臣の所見をお伺いしたい、こういうことになるのですが、その内容がもつと私どもの納得の行くような内容でありますれば、秘密会であろうと何であろうと私としてはあえて問いません。しかしながらそこで責任を回避するような意味のものであるならば、断じて私どもは承服できないという点だけを了承願つておきたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいまお話の通りでございます。私先ほどから申しておりますように、率直に誠意をもつて御審議をいただきたい、そのためにでき得るだけのことは私どもいたすのが当然だと考えます。そこで一度ともかくもひとつ率直にわれわれの方の立場も聞いていただきまして、それをあとでどういうふうに本委員会といたしましてお取上げになりますか、これについて私どもとやかく今申し上げるわけではございません。責任を回避するつもりは毛頭ございません。
○河野(一)委員 蛇足を加える必要はありませんが、今川俣君の質問に対する通産大臣の御答弁に二つの点で私は意に満たないことがある。第一は、開発銀行の金を融資する場合に、最初にあなたがお述べになりましたように調査が粗漏であつたかもしれないということはこれは不穏当だと思う。これはただちに速記録を訂正されるかよろしいと思う。そういうずさんなことで開発銀行の金が融資されておつてはよろしくない。これは通産省は十分に調査をして、書類を整えるべきは整えて、開発銀行の金は融資してあるのだということでありませんと、誤解を招きますから、それはただちにそうおとりはからいを願つた方がいいんじやないかと思うのであります。私の申し上げたことに違う点があれば別です。これは前大臣の時代のことであるから、調べるべきものも調べてなし、添付すべきものも添付してなしに融資をしてしまつてあるのだ、こういうのならあなたの責任じやないかもしれませんから申し上げませんけれども、しかし私はそういうことは万々なかろう患う。われわわれの経験でも、先ほどあなたのおられるときに言うたのだが、相当慎重な添付書類をつけてやつておるのです。それでもなかなか開発銀行は金を貸さないで困るから、こういう法律をつくつて、政府が硫安製造の改善のためにこういうことをいたそうということなのですから、そういうことがあろうはずはないと私は思う。それが第一点。 第二点は、今の秘密会の論議であります。これは秘密会はいけません。なぜいけないかと申しますと、秘密会の許される場合が一つある。それは愛知君もよくお聞きを願いたい。秘密会の許される点は、先ほども申し上げましたが、会社のために非常に不利益である。財界に悪影響を及ぼすから、これは秘密会で取上げよう、すなわち生産費が非常にかかつておる。しかし農村振興のために、農村救済のために、まあ先へ行つて政府でもいろいろめんどうを見るのだからまあまあこの辺で売つておけというような話で、会社の内容が非常に世間から疑惑を持たれるというような場合には、これは私どもも考慮しなければいかぬと思います。秘密会に同意をいたします。ところが私たちがこれを要求するゆえんのものは、そういう意味で要求しているのではないのであります。私の認識が間違つておれば別であります。そうでなくして、相当生産費は安いとわれわれは聞いておる。安い工場があると聞いておる。これは先ほど川俣君が言われた通りに、工場別と申しましても、全部の工場別に全部あるとは思いません。全部の工場が融資を受けたわけでもないでございましようから、全部調べておるとは思いません。思いませんが、小くとも相当数の工場について融資を受け、改良しておるのでありますから、その工場については通産省がきちつとしたものをお持ちのはずだ。これは御承知の通り、書類は相当そろえて通産省に一通、どこへ一通というように行つておるのでありますから、それがあなたのところにないはずはない。その持つておられるものをお出しなさいということを言つておるのです。それを出して、現在の製造は、どこの工場は幾らでできておる、それが現在九百円近くのもので、取引されておることは不当でないかという疑惑を全国の農民が持つておるわけであります。ですから私たちの知る限りのものは間違いであつて、実際現在九百円で取引しておるが、これは妥当な価格、——生産費もこれほど高いのだ、こんなに生産費が高いのだからしかたがないのではないかということなら納得が行く。だから納得を行かしめる意味においてお出しなさいというのです。だから陰で秘密会でやるとか何とかいうようなことではその誤解が解けない。われわれの認識がこの法案審議の上に必要なのである。生産費が依然として高いのだ、電力もどうしても安い電力はやれないし、石炭もこういう事情で高いし、すべての点が悪条件で生産費が安くならない。現在九百円近くの価格で取引しておるけれども、これは利幅がないのだということで、如実にわれわれが了承できる程度ならば、何も今生産費の調べがあるじやないか、あるじやないか、ということを言つて、ここでこだわる必要はないのであります。これはあなた方の方から何も懇談会を開くとか何とか言われなくても、毎日会議の前に出て来て、実はこういうことでございます。こんななんだから出してみたところでしかたがないということを言えばよい、それじや河野の言うことはでたらめだ、川俣はばかなことを言うわ、それだけで済んでしまう。ところがそうじやないと思うからわれわれはちようだいしたい、こう言つているのであつて、ちようだいしたものは秘密会じやだめです。これは明らかにして、こういう安くできるものもあるのだ、それは政府の施策が間違つているというところに結論づけて、この施策を直して行かなければならぬというところに行きたいというので、ちようだいしたいと言つておるのでありますから、秘密会で承つてこの公開の委員会で議論の根拠にはならないようなものはいただいても何の意味もないと私は申し上げたい。私の今申し上げることが間違つているならば、あらためて懇談会の何のとむずかしいことをおつしやらなくて、一声言えばいい。われわれは全然業界と遊離しているわけじやありません。業界人と始終会つていろいろ話をいたします。だからあなたの持つておられる程度の見当は大体つかんでいるから申し上げるのです。ですから私の申し上げる意味を十分納得せられて、同時に先ほどあなたの留守に私が申し上げたことは速記録に載つておりますから、それをよく読まれて善処されんことを要望いたします。
○愛知国務大臣 先ほど私が川俣さんの御質問にお答えいたしました中に、多少文字のというか、表現の足りないところ、あるいは誤解を生むようなことがございました点は取消します。それから第二の秘密会という話がございましたが、私は先ほどざつくばらんに申し上げたつもりで、私にも自信がないところが相当ございます。それらの点か一度ともかくも懇談会のような形でお聞き取り願いまして、その後の処理を御相談、御協議願いたい、こういうふうに申し上げたのでありまして、先ほど私が責任をとらないようなことはしないと申しましたのは、それだけやつてあとはごまかすんだということではないつもりでございます。ただいまの河野さんのお話も大体私と気持が合つていると思うのでありますが、ひとつそういうことで私の方もなおとくと考えさせていただきたいと考えます。
○井出委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 通産大臣に申し上げますが、大臣は肥料法案に関しては、就任されて以来まだ具体的に取組んでおられないと思うのでございます。通産委員会においても、今年に入つてからほとんど硫安の合理化並びて輸出法案に対して審議が行われておらぬというふうに私は承知しているわけであります。しかしながらこの肥料法案は、当委員会における需給安定法と、通産委員会に付託されている合理化と輸出法案とは不可分のものであります。この法律案自身をわけておくというところに大きな矛盾があるということは、通産大臣の知性をもつて判断されてもお認めになると思うのです。現在わが国の肥料行政が農林省、通産省というように分断されているところに、こういうような変則的なものが生じていると思います。十六国会から今日に至るまで、どうしてこの肥料需給安定法の審議が進んでいないかということに問題があるわけけでありますが、これはもつと端的に要約して申し上げますと、この法律のねらいというものは、当然硫安の需給調整並びに価格の安定でありますが、この法律の生れた素因をなすもは、硫安の輸出価格と国内価格の差が非常に多過ぎる。メーカーの方に言わしめれば、輸出は出血である。国内価格は妥当であつて輸出の方は大いなる出血であるということを唱えているわけであります。もちろんわが国の肥料産業は、国際競争にも耐え得るように健全化されなければならぬということは異論のないところでありますが、どの程度国際的に見て弱体であるかという目途は、かかつてコストの点にあると思うわけであります。だからしてこの法律のねらいというものは、妥当なる、適正なるコストをいかにして把握するかということの行われない限り、空文に終ると思うのであります。でありますから、十六国会以来、当委員会においては、この法律が成立した場合においても、期待に沿うようなコストの把握というものをいかにして行うことが可能であるかという点にもつぱら論議が集中されて来ているわけでありますが、このコストの問題に関する限りいまだにわれわれが了承し得る段階に当局の説明は達しておらないわけであります。だからこの審議を進める場合においては、大前提として、コストの把握に対して農林、通産当局がいかに熱意を持つて——今まで時間的に相当の余裕があつたにもかかわらず、どのような努力をして、このコストの把握に対して用意をしておられるのか。あるいはまた現在のメーカーの真実のコストというものは、一流メーカーと劣勢メーカーとの間においては、少くとも一かます百円程度の差があるということは承知しているわけでありますが、それらのものが具体的に把握されないという場合においては、結局国内における農民に対して低廉なる肥料を提供することにはならぬのであつて、ただ単にメーカーの救済にすぎない。合理化と称して国の投融資を求めるにすぎぬというようなにせの法律に終るきらいが多分にあるわけであります。それで四月八日の当委員会におきましては、政府の有権的な立場におけるコストというものは現在把握できないかもしれないけれども、しかし合理化に名をかりて開銀等の融資がすでに行われているという場合の生の資料でもいいから、それを委員会に参考として提示を求めて、これを一つのよりどころとして今後この法案の審議を進めて行こうというような態度から出発したのであつて、当局において真剣にこの法律案の審議を促進しようという熱意がある場合においては、率直にそれらの資料は提示されてしかるべきであるというふうに考えるわけであります。この点の理解が通産、農林両大臣においても欠除している場合においては、まつたくこの法案の審議は進まない。われわれも協力することができないということとを申し上げておきたいわけであります。この点に対してどのような御見解を持つておられるかという点と、特に通産委員会において何ら合理化並びに輸出法案の審議を行つていないということは、現在の客観情勢から見ると、すでにかかる法案の必要はないというお考えでこれを放置されているかどうかという点も、あわせてお伺いしたいわけであります。
○愛知国務大臣 まことにごもつともでございます。ただいま御指摘の通り、このコストの問題については、またそれだけに私どもも実は自信がなかつたのでありますが、各会社別はもちろんのこと、各工場別のコストに相当の開きがあるように感ぜられます。これは今後の御審議でもいろいろそういう点を具体的に見ていただきたいと存じますが、この点が確かに問題なのでありまして、先ほど申しますようにこれは十分御審議をいただきたいと思います。ただその方法といたしまして、これは率直に申しまして各会社、各工場別などを具体的にその名前を出してここはこうだこうだと申しますことは、私どもいかがかと思うような点もございましたので、一応懇談会のような形でやつていただきまして、その結果どういうふうに取上げたらばよろしいかということの御協議を願いたい。方法論について率直に私の意見を申し上げたわけであります。 それから第二の通産委員会の方でございますが、実は当国会におきましては、通産委員会の方は比較的法案の数が多かつた関係で、実は一昨日の通産委員会でようやく石油関係の二法案の審議を議了していただきまして、あと残つておりますのが航空機事業法の一部改正、これも時節柄なかなか重要な問題でございますが、ようやく法律案の件数が整理されましたので、当委員会の御審議と並行して、私どももぜひスピード・アツプしていただきたいと考えております。これは決して通産省に熱意がなかつたわけでは毛頭ないのでございまして、主として法案が多くて何べんも御会合を願つているのでございますが、なかなか上らなかつたわけであります。私どももこの際大いに努力いたしますし、通産委員会の方にも至急御審議を進めていただくようにお願いいたしたいと存じます。
○芳賀委員 さらにもう一点申し上げておきますが、今大臣の御答弁の中においても、コスト問題の重要性というものは認識されているように私は信じているわけであります。ところが当委員会におきましては、今まで当局から提示されたコストに関する参考らしい資料は、平均価にして九百三十四円六十二銭、これは十貫目一かますですが、こういうような実によりどころのない数字が一度提示されただけで、その後コストに関する具体的な資料はいまだ何ら出ておらないわけであります。ところが問題は、この法律案の中にもうたわれておる通り、肥料の最高販売価格等を、きめる場合においても、これは各社のうちで低コストの分から、たとえば内需に相当する分だけを加重平均にして、それで一応頭を押えるというような具体的な方法をとるということがうたわれておるわけであります。そういたしますと、当然十四ないし十五のメーカーの各社のコストを把握しなければ、かかる法を採用することは絶対できないのであります。それにもかかわらず、本日の委員会における御答弁の中においても、この平均したがごとき資料は整えてあるというようなことでありますが、平均するような場合においても、最高最低のコストが把握されてしかる後に平均値というものが生じて来るのであつて、そういたしますとこれを逆説的に言うと、やはり最高最低のコスト等はおおよそ把握されておる、用意されておるというようにも承知できるわけであります。だからわれわれもこの点に対しては、あくまでもまじめに、十六国会以来この法案の審議に力を尽しておるのでありますから、この点に対しては、虚心に誠意のある点を披瀝して、法案の審議に協力を求めるような態度をとられてしかるべきであると思いますし、さらにこの審議に対しましては、先ほど河野委員が言われたように、これは何ら秘密にする必要はないのでありまして、ガラス張りの中において審議されるということが一番妥当性があるのであつて、それを応用することが——結局今取上げられておるところの、たとえば造船等に対する国の投融資にかかわるところの問題から惹起した疑獄事件等が累発しておるわけでありますが、これは大きい小さいにかかわらず類似の性格を持つておりますので、そういう点を排除するためにも、やはり公平な審議を進めて行くことが当然であると私は考えるのでありますが、その点に対する御所見をさらにお伺いしておきます。
○愛知国務大臣 先ほど来申し上げておりますところで、私の気持はおくみとりいただけたかと思いますが、なおただいまの芳賀さんの御意見の御趣旨に沿いまして御審議を願うことにいたしたいと考えております。
○井出委員長 それではお諮りいたします。これより秘密会にいたしまして議事を続けたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 それでは委員、関係政府当局、関係議院事務局以外の方は退場を願います。 ————◇————— 〔午後四時四十三分秘密会に入る〕
○井出委員長 それではただいま来議題になつておりました肥料コストの問題について政府当局から説明を求めることにいたします。
○柿手説明員 それではただいま配付いたしました硫安原価試算につきまして私から御説明をいたします。 ———————————————
○河野(一)委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━。
○柿手説明員 開発銀行の融資に関します私どものタツチの仕方ございますが、開発銀行に対する硫安の合理化資金の融資申請というものは、それの処理は各会社が直接開発銀行にいたしまして、私どもを経由するのではないのであります。ただ開発銀行が各硫安会社に融資いたしますその申請書を受理いたしまして、それを取扱いをいたします場合に、その産業の主管官庁である通産省から意見を聞きまして、それを参考にすることはやつております。そこで私どもといたしましても、本年度は開銀の融資の予定が六百二十億ですかにきまつたのでありますが、そのうちで硫安にはたして幾らのわくをきめるか、まだきまりませんが、かりに十億なら十億、二十億なら二十億にきまりました場合におきましては、その十億なり二十億の硫安の開銀の融資のわくの中で、通産省はどういう工事をやるのが適当であるかというリストをつくつて、開銀に参考意見を通産省は申し出るのであります。その作業のときに、私どもとしては二十八年度は六社を推薦して、そのリストの中に入れてあるのでありますが、そのリストに掲げる場合におきまして、各社はそれぞれどういう工事をやりたい、その工事はどういう内容であるか、その工事をやればどういうような効果があるかという説明資料は出しております。私どもはそれを見まして、これはよかろう、これはその次に位するものであろうというようにセレクトして、大体こういうものをやろうというので推薦をしておるのでありまして、その推薦の場合に、各社から原価はこうだという資料を私どものところに提出しておらないのであります。ただ私どもとすれば、そういう合理化工事によつてどういうふうな効果が上るか、材料その他から大体どういう原価になつておるだろうかというようなことにつきましては、私の方で試算をいたしております。そういうものがあるのであります。開銀にコストを出しておるものは、私の方に提出されるということはないのでございます。
○吉川(久)委員 これは通産省の推定ですから、実際にやつてみると、これより高くなるかもしれないし、安くなるかもしれない。ですからこんなものは何も秘密扱いにしなくてもよいし、秘密会にする必要もない。ただここで知りたいことは、あなたのところで取扱つた各工場の出て来たものをここで見せていただく。通産省の責任を持つて算定したところの見解を聞こうとすれば、それは大分影響するところがあるでしようから、これは無理はないし、われわれもそういうものを要求しておるのではない。だからただあなたの方で取次いだところのそれを参考にひとつ見せてくれないか。しかしその間にはいろいろな事情があるでしようから、その事情は、金融を受けるためにこういう取扱いをやつたのでということさえ説明していただけるならば、われわれは了とするのであつて、それを悪用して、どうのこうのと工場の今後の事業に影響するようなそんなばかなまねはしませんから、その点はひとつわれわれを信用したらよい。役人にはそういうものはわかつていても、国会議員にそういうことをわからせると、それがばれてしまつて工場の事業に影響するのだという、国会議員を非常に疑つた考え方は、私は許せないと思います。その点は安心してよいから、あなたの方で取扱つたものを資料として参考に拝見したいわけです。
○川俣委員 大臣にひとつお考えを願いたい。━━━━━━━━━━━━━━━━━。今公に借りておる全体のメーカーの持つておる金利は、トン当りこんなになつていない。こんな借金をしていたらたいへんなことです。おそらく二、三の会社はこのくらいの金利にまわつていると思いますが、こんな金利はまつたくこれは秘密でなければ出のないのです。こんな金を借りていたら驚くべき結果になるのです。、だからこういう無理なものを私の方はお出しなさいといつているのじやない。今言われている通りです。合理化資金を出されるからには、六社に対してもどの程度の原価計算になるのだ。それは信用するに足るのか足らぬのかということはあなた方の判定もありましようけれども、一応聞いて、それではこのくらいの資金を出せばどのくらい合理化できてコストが下るか、こういうことが合理化資金が出る根拠なんです。これだけやれば幾ら安くなるのだといつても、どうかわからない。幾ら安くなるかということは出て来ないじやないですか。、だから会社の言う通り正確なものであるかどうかということは、行政上いろいろな判断はあるであろうけれども、あるいはのまなければならない場合もあるであろう、あるいは少し無理だと思われる点もあるであろうけれども、一応出て来ておるものがなければならぬはずです。それをどう認定するかということは、あるいは行政庁としての見方もあるだろうし、別の見方もあるであろうけれども、一応そういうものがあつて、それではこれには合理化資金を優先的に出そうじやないか、割合にコスト高の会社であるからひとつ合理化資金を出そうじやないかという意見が出て来る。自力で割合に合理化の進行しているところもあるのです。━━━━━━━━━━━━━━━━━。開きがなければ合理化資金というものはいらないのです。開きがあるというところに初めて合理化資金というものの必要性も出て来るわけです。それを六社の大体の傾向がどの程度にあるかということが出せないとなると、合理化資金をなぜ出さなければならないとかという根拠にならないと思う。大臣は資金のやり繰りについてやはりずいぶん苦労されておりますから、それくらいのことが把握できないで出しておられるということはないはずです。
○愛知国務大臣 どうもこれは私まことに申訳ないのでありますが、従来当委員会に出席する機会があまりございませんでしたので、自分としても非常に考えなければならない点が多々あるように思います。ただ先ほどちよつとお話がございましたが、私は国会を軽視するとかなんとかという意味じやなくて、これは私の考え方からお願いいたしたのでありますが、各会社から出て来たものや何かがぽつと新聞に出ることがどうかと思いましたので、速記等をつけずに御懇談を願つて、今後どういうふうなものを私どもの方で調整して、御協力を願えばいいかというような点をひとつ御懇談願い、先ほど速記でも申し上げましたように、御指示を仰ぎたいと思うておりましたのですから、すぐにここで御満足の行くような御説明はできないかと思いますが、その点ひとつ御了承願いたいと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━。今お断りしましたように、それがいいことか悪いことかわかりませんが、現状においてはそういうやり方になつておりますので、自然責任をもつてこれに対してこういう意見をつけたのだということが申し上げにくい点もあると思います。
○河野(一)委員 石油の場合通産省では何も書類はないのですか。
○愛知国務大臣 今申しましたのは、開銀へ融資を申し入れる場合に、その写しを出すべしというふうなやり方をしていない……。
○河野(一)委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○愛知国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。
○河野(一)委員 通産省に送らなければ、開発銀行はそんなものを考慮に置かぬでしよう。何もあなたの方に決定権があるとは申しません。あなたのところの門をくぐつて行かなければ開発銀行でものにならないでしよう。━━━━━━━━━━━━━━━━━。だから大臣は帰つて出直して、ここでよく御答弁のできるようにしてもらいたい。
○吉川(久)委員 大臣はそれを経由するときの資料は手元にあるが、それをここではなはだ言いにくいので、それで懇談会等に移してもらいたい、こういうお話でございましたが、私は懇談会に移すことの方が漏れる危険性があると思つたので、それで各党の諸君の御了解を得て、私は秘密会議の方が漏れる心配がないから、こういうことで秘密会にしたのです。その辺はよくひとつ御了察されたい。そして今河野委員の言われたように十分連絡をとられて、もう少しこの委員会に納得の行くようにやつていただきたいと思います。
○金子委員 この肥料二法案を審議するにあたりまして、この法案が実施されたあかつきに、今まで全国で問題になつております輸出の出血を農民がかぶつておるという面から、ここにこういう法律が出されたのでありますが、従つてこの法律は、経済的に農民に実利を与えるか与えないかという経済法律でありますので、単にこの期の硫安が幾ら安くなるか高くなるかということ以外に、今後肥料生産に対して、あるいは配給の面に対しても、制度的に何らかのいわゆる国家規則を加えることができるような面もありますが、これは別として、さしあたりこの法律によつて逆に硫安が高くなつたというようなことでありますと、どういう意味でこの法律をやつたかという意味がわからなくなる、こういう問題があります。従つて今原価の問題がやかましくなつておるのもそこから出ておるのだと思いますが、この問題は去年の暮れあるいは春、その当時だと思いますが、通産、農林当局にこの法律を最後に通過せしめるという段階になつたときに、われわれはこの法律が通過することによつて、価格の上にどういう結果が出るかということを、きわめて概略であつても知らなければならない。しかしながらこの硫安価格の問題につきましては、一つには会社ごとにその生産費の開きが多いこと、もう一つには市場性を持つております、たとえば全購連のような消費団体なり、あるいは配給機関におきまするところの全国の肥料の商業機関というものにこの価格が発表されることによつて、相当影響力を持つて参ります。従つて経済的にたくさんの人たちに多くの影響を持ちますがゆえに、当時私は、この法律が通過するかしないかわからないのに、その悪い影響力だけを先に持ちたくない、こういう気持でありましたために、通産省と農林省はこの問題を研究しろ、そうしていろいろの面を検討いたしまして、この法律が委員諸君の合議によりまして、修正さるべきは修正されて、いよいよこれが通過するという前になりましたならば、この価格の問題に自信を持つためには一つのどういう形になるかということを知りたい。その知る方法といたしましては、今ここに問題になつております、金を借りるために出した書類というものを参考にすることも一つでございましようが、私といたしましては、それがいけないという意味ではなしに、当時私が両省にお願いしましたのは、この法律が通つた後に、いわゆる硫安委員会が硫安の生産費を調査するための一つの基準というものが必ずできるだろう。しかもそれはもう政府が準備していなくちやならぬはずだということに対して、当局は準備してある、およそのものはあるということでありましたから、それならばそれを肥料各メーカーに渡して、自発的に個々の会社のものを出してみろ、そうすればおそらく自発的に出してくれば大体の開きもわかりますし、また正式にこの機関が法的に出発して行つたときに、少くともそれよりは上まわらない。そうすると私どもはこの法律によつてどのくらいの見当になるということが自信がつく。もちろんこの法律は私の考えでは、この期のあるいはこの次の期の肥料を何ぼ下げるかという直接の問題と、もう一つには、将来の肥料政策に対してどういうふうに考えるかという二つのねらいがあると思うのであります。従つてその前段の問題につきましては、いろいろの点を検討いたしまして、この法律で大体いいだろうという段階になりまして発表することが一番——これは必ず漏れるのでありますから、発表することが比較的肥料を取扱つておる各機関等に、直接の必要以上の影響をさせることがなくて済むだろうというようなことを、私個人としては考えておつたのであります。その後私は、まだその段階になつておりませんので、通産省の係にもそれを要求いたさなかつたのでありますが、それにつきまして私は放擲しておるわけではありませんので、もう時期は一月から今日までで少し古くなつておりますけれども、その点につきましては、たまたま今度価格問題の機会が出ましたので、適当な時期に、私が正月ごろかと思いましたが要望した点もお示し願いたいと思います。
○福田(喜)委員 動議ですが、ただいま大臣の御答弁もありましたし、また政府の方に帰つてお考え願うということでありましたから、本日はこれでとじていただいて、またやり直したらどうですか。
○井出委員長 それでは、さようはからつてよろしゆうございますね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 ではこれで秘密会をとじます。 〔午後五時十四分秘密会を終る〕
○井出委員長 ただいまの秘密会にいたしましてからの審議の中で、特に秘密を要しまする点は、速記録を取調べた上で善処したいと考えております。その点委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 ではさようとりはからいます。 —————————————
○井出委員長 この際小委員の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴いまして、目下肥料に関する小委員三名、林業に関する小委員三名がそれぞれ欠員になつておりますので、その補欠指名は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認め、追つて公報をもつて発表いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会