農林委員会 第12号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/02/17
会議録
○井出委員長 これより会議を開きます。 食糧の問題について前会に引続き調査を進めます。金子與重郎君。
○金子委員 こんにやくの問題につきまして、きわめて要点だけについて政府の考え方、あるいは今の起りつつある諸問題についての質疑を行い、同時に今後の方針を承知いたしたいと思つておるものであります。 まず最初に農水産課の今井事務官の方から、この前こんにやくが御承知のように問題になりまして、結局通産省、農林省自体ではどうにもならぬ不合理な問題を解決させるために、結局国会議員のそれに関係のある人たちが仲介に立つたというようなことで、非常に不愉快な話でありますけれども、そういう過程でこんにやく問題の一応の解決を見、そして新年度、いわゆる本年度のこんにやくから、あらためてこんにやくに対する輸入あるいは内需というものを、全般を通しての一つの計画的な考え方で行こうということで一応終止符を打つたのでありますが、その後の内容を私つまびらかにしておりませんが、その後のこんにやくに対する輸入なり、あるいは当時ほかの名前で、いわゆる不正輸入と称されたもの、つるし上げられておつたこんにやくの原料のあり方等は、現在どうなつておるかという経過を一応お話願いたいと思います。
○徳安説明員 ただいま金子委員の御質問に対しまして、その後の経過について私から簡単に申し上げます。御承知のように昨年各関係の議員の方々でお打合せいただきまして、それに基いてこんにやくの輸入問題を処置して参つておるのでありますが、その申合せいたしました問題のうちで、税関に保留中の三口の約六十二トンにつきましては、これはただちに通関いたしたのであります。残りの百六十六トンの新規輸入につきましては、そのうちの百トンをまず許可する、その実施を見た上であとの問題を処理するというような申合せになつておりますが、この百トンにつきましては、その後輸入手続等につきまして関係業者間の話がまとまりませんので、これはそのまま保留いたしております。従つて新規輸入の百六十六トンというものは、一応御破算になつた、こういう形になつております。次にもう一つ、別に四十八トンの未通関のこんにやくの原料があります。これにつきましては、私の方といたしましては、当時の申合せの趣旨に基きまして、通関をしないで保留するということになつておりますので、おそらく保留されておると思いますが、これについては私ども確認しておりません。
○金子委員 その当時つるし上げてあつたこんにやくの原料として、神戸の税関にある未通関の四十八トン何がしというものと、そのほかに横浜に二十三トンほどのやはり同じような未通関のものがあるように承つておりますが、それはどういう状態でありますか。
○池田説明員 その点は私の方で、そういう品物があるということを現在確認しておりません。税関の方から現在のところ連絡が全然ございませんから、よくわかりません。
○金子委員 これをわからせるにはどういうふうにしたらわかりますか。私がなるべく近い機会に承知する方法です。
○池田説明員 税関の方へ私から連絡をとりまして、確認をしてみたいと思つております。
○金子委員 その確認はいつごろ私の方へお話願えるのでしようか。
○池田説明員 二、三日中には御連絡したいと考えております。
○金子委員 では今未通関になつておるものか二十三トン何がしあるかどうかということにつきましては、あなたの方から税関の方に打合せて、文書をもつて私のところまでお知らせ願いたいと思います。 次に伺いますが、御承知のようにこんにやくが、常に年中行事のように問題になつておるということは、いつも輸入が問題になるのでありますが、これに関連しておる通産省のあなた方のお立場としてまずお伺いしたいことは、なぜこのわずかばかりのこんにやく原料というものを輸入することが、日本の生産者に対してこうもやかましく言われるか。ほかの農産物も、御承知のように食糧にいたしましても不足ですから、莫大な輸入をしておるのでありますが、こんにやくのようなものはそれほどの必需品でないにもかかわらず、こんにやくの輸入ということが非常にやかましく言われ、同時にこういうふうにして名義を詐称して輸入されるというふうな行為も、年々繰返されておる。どこにこんにやく輸入というものが一番問題になる重点があると、あなたはお考えでありますか。これはこんにやくの輸入貿易を取扱う係官として、その商品の国内に対する影響力の特殊性というものについて御理解がありませんと、輸入を許可したりあるいは調整したりする上の基本的な観念でありますので、一応お伺いしておきます。
○池田説明員 ただいまの点でございますが、それはやはりこんにやくが非常な特産品であるという点におきまして、それに関連する一般の方々の関心が非常に多い。それからまた価格的な問題におきましても、非常に敏感なものであるという点に原因があるのではないか。私は担当いたしまして日が浅うございますが、一応こういうふうに考えております。
○金子委員 あなたが担当されて日が浅いからというお話であるならば、時間の空費を避けるために、一応私から申し上げますから、私の意見に対してあなたが納得するかどうか伺います。それは、こんにやくというものがなぜこういうふうにやかましく言われるかということは、要するに特産品だからやかましく言われるというのじやない。特産品の場合は、基本的な食糧よりももつとやかましく言われなくてもいいはずです。特殊な人たちを除いては、なくても別に困らぬものです。私の過去数年間における考え方は、こんにやくの日本における絶対の生産量と、それに対する消費量というものはきわめてわずかだ。従つてそれに対してわずかの輸入資本を投じて輸入するならば、それは価格操作の上に非常に大きな力を持つということであります。実際の需給のバランス以上に価格を騰落させる一つの操作材料に輸入品というものが大きく使われるということであります。ことにこんにやく玉というものは、御承知のように三年かかるわけです。植えかえ植えかえして三年もたつて一人前になる長期の作物です。そういう長期作物というものを、わずかのブローカーがあなた方の方から許可をとつて、輸入が今度何トンある。それ下つたといつて価格操作をする上に、輸入品というものが非常に大きく働いている。これが一番問題の点だと私は思うし、また業者がこれをねらつて、輸入したものに対する利益ということよりも、その価格の騰落によつて時に買占め、時に放出するという価格操作ができるということである。たとえば米なら米、小麦なら小麦ということになりますと、そこに一億円やあるいは五千万円の金を投じて輸入しましたところで、何ら需給関係のバランスにおいて価格操作はできないのでありますけれども、こんにやくはわずか一億円も輸入したらえらいことになつてしまう。こんにやく輸入の問題が年々やかましく言われ、そして生産者が脅威を受けるとして悲鳴をあげているのは、そこが一番大きな原因だと私は思いますが、それに対するあなたの理解はどうですか。
○池田説明員 ただいまの点でございますが、そういう事情があるということを十分了解いたしまして、今後の施策に資したいと思います。
○金子委員 非常に率直に御理解願いまして、私も安心しておるわけでありますが、そういう観点からこのこんにやくの輸入というものは、ほかの農産物と違う別な立場がある。いわゆるブローカーの価格操作の上に、輸入品が非常に大きな力を持つているということを私どもは今日までおそれているわけです。そういうことから問題になつておるわけです。そのほかにもこまかい理由はたくさんありますけれども、一番大きな点はそこであります。もう一つお願いしたいことは、このこんにやくの産地というものは、全国でも非常に特殊地域であります。この特殊地域というものは、御承知のように四十五度以上の非常な急傾斜地で、しかもほかの作物のできないよう所、米のとれないような地帯が大体この作物をつくつておるのであります。従つてこれはこんにやくであるけれども、この生産地帯の農民に対しては、これはかえがたい麦であり米なのであります。そういうことから行くならば、この生産に対しては、保護というよりかむしろ安定性というものを保たしてやらなければならない。ほかの麦や米は、相当量の金額を輸入しても、それがただちに相場に影響するようなことはない。それでもほかの量の大きい農産物に対しても価格安定の政策をとつておるのでありますから、こんにやくのごときものを価格安定法の中に入れるということは、これはまた別の考え方があるにいたしましても、とにかくその精神によつて、これを栽培する人を保護し生産を助長して行かなければならぬと思うのであります。そこで伺いますが、この間新しい問題として、そういうことで、輸入の問題に対して私どもが前国会から非常にやかましく取上げて参りました関係上、ある業者の方から、仲介貿易のような形、いわゆる加工貿易のような形で輸入して加工賃をとりたい、原料をもらつてそのまま輸出する、そうすれば国内の消費者、生産者に対して影響なしに外貨が働けるじやないか、こういう趣旨からあなたの方へ申請がしてあると思うのでありますが、その申請に対する今の考え方を、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○池田説明員 ただいま私の方へ中継加工貿易の申請が二件出て来ております。これにつきましては、通商局の方も中継加工一般の問題に関しまして、現在輸出が非常に不振でございますので、できるだけ中継加工ということで輸出の振興をはかりたいと考えます。ただその場合に、現在輸入をいたしますと、輸入価格は国内価格に比べまして非常に安うございますので、それが内需に転用され、輸出はやらないというような悪例がございますので、内需に流れないように万全の措置を講じたいということで、品物はすべて保税工場に置きまして、税関が監督官を派遣しまして、内需に流用しないという点に万全の措置を講じまして、品物を輸入して、日本で加工いたしまして、それを輸出に向けるということで、昨年の十一月末から大体九百八十万ドルくらいのものを中継加工の制度によりまして輸出をいたしております。これは農水産物資が非常に多うございまして、小麦、紅茶その他の物資がいろいろございます。これにつきましては、国内の需給の関係と内需流用の点に万全の措置を講ずるならば、この制度によつて、現在非常に輸出が振わないというようなものについて、できるだけ輸出の振興をはかりたいということで取上げておるのであります。ただいまこんにやくにつきまして二件申請がございました。これにつきましても、内需流用の面と、今言いました価格的に輸出採算が引合うかどうかという点に主点を置きまして、現在慎重に検討しております。
○金子委員 その仲介貿易の問題でありますが、たとえば小麦のようなものを、東亜の共栄圏というか、あるいはアジアの方面の製粉機械その他の幼稚な地帯に対して、一応外麦を輸入して、それを粉として輸出するということは私わかるのでありますが、こんにやくのようなものは、ただ乾燥したものをどうづきでたたくだけでありまして、これは特殊加工でもありませんし、何でもないのでありますが、あんな原始産業のようなものが、特殊な日本の仲継加工貿易としての見通し上、永久的に期待が持てるかどうかということに対して、私は期待を持てないような気がするのでありますが、その点に対する御見解はどうですか。
○池田説明員 こんにやくは、戦前大体五十万ドルくらいの輸出があつたというふうに一応聞いておりますが、現在のところ、昨年度におきましては、大体七万ドルか八万ドルくらいの輸出でございますが、戦後におきましては大体そのくらいの輸出量になつております。現在問題は、この仲継加工の制度に乗せなければ輸出の振興ができないかどうかという点が、一番問題の点と考える次第であります。海外の引合いは、値段が高ければ注文をいたしませんから、その点におきまして、現在の内地価格で輸出契約ができるならば非常に望ましいことと思いますが、その点に一つの問題があるのではないかと考えております。
○金子委員 私の申し上げているのは、要するに輸入した安い原料でなければ、今の輸出採算価格に合わないかもしれない、また内地生産のものは輸出する価格にまでは価格が下げ得られないかもしれない、今あなたのおつしやつたのはそういうことだと思いますが、それは今後農産物価格安定法の精神によつて、こんにやくの安定帯価格をきめようということになつておりますので、近く必ずその機会があると私は思います。それはそのときの結果として考えるといたしまして、私が今申し上げたのはそうじやないのです。原料を外国から買つて製品を輸出するという、いわゆる加工貿易というものは、そこに特殊な高度の技術があるとか、あるいは製品を輸入する地帯の工業が幼稚で行われておらないとか、あるいは即座には間に合わぬという場合に、その加工貿易の利益というものが出て来るものであつて、御承知のようにこんにやくの加工のように、乾燥したものをただ入れて来て、たたいて粉にしたというくらいで、一体加工貿易としてそんなに日本の財政を助けるほどの利益があるかどうかということに対するあなたの見解を聞きたい、こう言うのです。
○池田説明員 ただいま御質問の点でございますが、こんにやく粉の外貨手取りの問題は、これが大体荒粉でもつてやつた場合には一・六くらいになる。それから、それ以外にカン詰で出した場合に五倍くらいの手取りになり、手取りの面から考えまして、一つは非常に有利である。それともう一つは、市場の点におきまして、現在日本から品物を出さない場合においては、その市場がほかの国に食われてしまうということであるならば、非常に問題でもあり、今後輸出を再開する場合におきまして、非常に難点が多い。従つてその間の一時的措置としても、何かつなぎをする必要があるのではないかという点を考えているのであります。
○金子委員 私はそういうことを伺つているのじやない。あの荒粉というものは向うでこしらえて来るのですよ。生いもを持つて来るのじやない。その荒粉を輸入しまして、現在のところにおいては、荒粉と製粉との間に若干の価格差があつて、それで荒粉を輸入して、それを製粉にして売るということによつて価格差があつたといたしましても、あんな幼稚な、特殊な技術のいらない工業はない。今粉にして朝鮮なら朝鮮に出しますけれども、向うにはあれだけの製粉設備がないから粉で買つている。あれだけの製粉設備ができて来れば粉で買わない。そういう意味からいつて、あの原始産業に近いような、ただこんにやくをたたく工業というものを、日本の工賃取りの産業として、仲介貿易の産業として、それほど重要な期待が持てるかどうかということなんです。私はどうもそれは持てないような気がする。あなたは持てますか。工場を見たことがありますか。
○池田説明員 こんにやくの生産の問題は、私の方の直接の所管でもございませんから、その点は農林省の担当の方とよく協議いたしまして、その産業のあり方の問題については、十分に連絡した上で善処したいと考えます。
○金子委員 このことは、あなたはおわかりにならないと言うならば、一体あの原始的な、ただどうづきでたたくだけのことが、日本の加工貿易として、日本の外貨獲得に役に立つ将来ある産業かどうかということを、これは特産課長の意見をひとつ聞きましよう。
○徳安説明員 ただいまの金子委員の質問に対しまして、私からお答えいたしますが、今問題になつております加工貿易につきましては、農林省も事務的には一応の連絡を受けたわけであります。われわれといたしましては、その問題につきましては、たとい加工貿易は法的に正しいにいたしましても、産地に対する価格の変動を与える影響が相当大きいし、なおまた実際問題として、あれを産地に持つて行きまして、保税工場といたしましても、はたしてそれの監督ができて、横流しが防げるかどうかという点について、非常に疑問を持つておりますので、この点については大蔵省の税関部とも打合せをいたしております。それからもう一つの問題は、これは今御指摘のありましたように、加工貿易といたしましても非常に簡単な加工形態でありまして、高度なほかの加工貿易と非常に違うわけであります。なおまた仕向け先の需要の面におきましても、こんにやくの食料というものは、これは日本人に限られておりまして、ほかでは食べません。従つてそういう意味からいたしまして、なるべくこういう加工貿易というような問題は避けてもらいたい、こういうふうに考えております。
○金子委員 大体ほかの加工貿易を見ますと、要するに原料を入れまして、そうして大体日本に近い共栄圏地帯、いわゆる産業の未発達な地帯に輸出するというのが、大体において加工貿易の大きな方向なのであります。ところがこんにやくは、これは日本が主たる食うところでおつて、その原料を共栄圏の中の未発達の地帯から持つて来るのでありまして、しかもその工業たるや何の技術もいるわけでもなし、そうたくさんの設備がいるわけでもない。そんなものを加工貿易と言つたら噴飯ものだと私は思う。それはそういう名をとらなければ輸入できないから、そういう形態を一つとつたのだというふうに、極論してもあえて過言でないという程度まで私は考えておるわけです。とにかくそういう事情でありますから、私は今の日本の貿易の重要性もよくわかつておりますが、それが将来、重要性を持つておるとか、現に大きく伸びる可能性があるとか、またそれが完全にその目的を達せられて、ほかに弊害を残さぬというように、あらゆる条件に合つた場合には別でありますが、こういうふうな割切れない問題がたくさんある。たとえば原料を輸入しましても、それを実際買つてくれるかどうかわからぬ。買つてくれなかつたときはどうなるか。買つてくれなかつたら結局国内へ流すよりほかない。しかも去年法律を改正いたしまして、原料に対しては四〇%の関税を設けました。保税倉庫から持つて来るのは無税で入ります。それが売れなかつたらどうなるか、そのところはどういうふうにお考えになるか、承りたい。
○池田説明員 ただいま売れない点のことをお話になりましたが、これはわれわれの方では一応こういうふうに考えております。これは制度全般の問題でありますが、まず輸出契約を確認することでございます。輸出の非常にあいまいなものについては対象といたしません。従いまして、場合によりますれば向うの方で信用状を開きますということで、確実に輸出ができるという裏づけのあるものについて初めて取上げるということと、もう一つは、その場合においても、品物が非常に悪いものができて契約はできなかつたという場合におきましては、保税に置いてさらに輸出ができるように努力させまして、そのものは国内への流用を絶対に認めないという強い線で押えるつもりでございます。
○金子委員 そう簡単に行かぬですよ。これはほかのものと違うのです。こんにやくはどんなによくなるといつても、そんなによくなるものではない。売れないといつたつて、その売れ先が大体沖縄を中心としてごくわずかなところにしか売れていない。世界中どこも食つていないのです。アメリカやなんかはこういうものは食わないのだ。だから普通の商品と違うのですから、私はその点に対しては、あなたの言うことをそのまま安心して、そうなれるというふうには遺憾ながら了承しかねるのであります。このこんにやくの特殊性から行きますと、どうもそう簡単に行かぬのじやないか。以上のような事情でありますので、時間を節約する意味でここで切りますが、そこでお願いしたいことは、こういうふうな特殊事情のものでありますがゆえに、そう急いで外貨獲得に対してどうこうというのじやないが、近くこのこんにやくに対しては、衆議院の関係議員と、通産省、農林省のこんにやくに対する一つの根本政策を立てようということの申合せのために、一応この間の事件を一時解決した形になつておりますので、この問題は、私ども当時関連した国会議員と両者の関係者と、どうしてももう一度このこんにやくに対する恒久策をやるという前提でこの間まで来ておるわけでありますから、この問題と一緒にからんで、この問題を相談にかけていただきたい。それでありませんと、一方においてこんにやくの基本問題をきめようとするのに、一方におきましてまたそれと関連性のあるあなたの方に出ている申請の問題を、あなたの方の権限だけで処理されようとすると、またいろいろな問題を起す。これはくだらぬことであります。しばらくの間でありますので、その問題が出るまでの間、この問題については慎重な態度で保留していただきたい。そうしてこのこんにやくの基本問題を近く解決する機会がありますので、そのときの課題としてこれを相談に乗せていただきたい、こういうことをぜひお願いしたいのですが、それに対してどうお考えになりますか。
○池田説明員 現在申請も出ておりますので、本件をあまり長期にわたりまして無制限にするということも事務の処理上できませんので、一応の期間を切つていただきますれば、その範囲内においてどうするかということは、上司の方とも連絡をいたしまして善処いたしたいと考えております。
○金子委員 あなたの言うことはごもつともでありまして、申請が出ておりますことを無制限に延ばすことはできない。しかもこんにやくの問題に対して、今未通関のものがこういうようにたくさんあり、一方においてこんにやくに対する基本的な政策を打立てて行こうという申合せもまだ実行に入つていないということでありますので、その問題について無制限に時間をかけることはできません。そこで当時関係いたしました議員の人たちも出ますから、通産省と農林省と相談いたしまして、こんにやくに対する基本問題を一日も早く議題に載せていただきたい。幸い国会も今開会中でありますので、その機会をできるだけ早く農林省と通産省と持つて、同時に、それに対しても、ただ単なる引延ばしということによつて申請者に御迷惑をかけないようにすることにいたしたらと思うのでありますが、それに対して農林、通産両省の御意見を伺つておきたいと思います。
○徳安説明員 ただいまの金子委員の御質問に対しましてお答えいたしますが、基本問題につきましては、早急に農林、通産、大蔵関係者が集まりまして、大体の基本的な考え方をきめまして、それと同時にこの問題の解決を早急に進めたいと思います。
○池田説明員 通産省もできるだけ早く解決いたしたいと考えております。
○金子委員 できるだけ早くだけでは困るのでありまして、今の基本問題をできるだけ早くすると同時に、その問題の一環として今後大きな問題になろうとしておる仲介貿易の問題も、一緒に相談に乗せてもらいたい、こういうことであります。
○池田説明員 それではできるだけ早い機会に本件を解決するということにいたしまして、その間にこの申請は一応慎重に検討するということにしておきたいと思います。
○金子委員 それでは引続いて種子の問題でお尋ねしたいのです。これは改良局長には十分おわかりのことと思いますけれども、御承知のように、去年春以来、農村においては、冷害、凍霜害というふうな関係で、非常に災害が多いのであります。その結果を見まするのに、冷害その他の凶作に対して、品種の支配する力がいかに大きいかということがわかる。われわれ国会の者が地方に実地に調査に出ましても、またあなた方の方の立場から地方の実情を検討いたしましても、これは非常に重大問題だということを再認識いたしたようなわけでありまして、そういう点から、昨年度制定しました種子法のようなものも、第三者から見ますと大した法律でないようでありますけれども——将来の日本の品種改良というものは、どうしたら研究機関から末端の実際の農家まで大きな動脈で直結して、所期の目的が達せられるかということにつきましては、今後の農業政策上相当大きな問題だと思うのであります。そこで去年種子法を実施いたしまして、これに対する若干の予算をとつたのですが、あなたの方から見た結果、これは法律の欠陥であるのか、あるいは施行上に足らないところがあるのか、それはどういう点であるか、それからまた、ことし大蔵省に要求いたしました予算の査定の結果として、ことしの種子法に対する重点をどこへ置いて行くのか、その二つに対してあなたの御抱負を承りたいと思います。
○塩見政府委員 ただいま金子委員から、冷害における品種改良の重要性というふうなお話でありましたが、われわれもその点については、従来のやり方にまだ不十分な点があり、優良なる品種の普及ということがいかに重要性を持つたものかということを痛感したわけであります。それでわれわれといたしましては、主要農作物種子法にあります各条項をほんとうにしつかりやるための予算ということと、またそれは法文のみではなくて、実際農家の方に試験場の各種の仕事が徹底して理解されるように、また試験場の方も、各農村、各農家における事情に応じまして、どういう形でもつて優良品種の普及をやつて行けばいいかというふうな、欠陥の主要なるものをどうしても捕捉して、研究を進めて行かなければならない、かように考えましたわけでございます。 それで第一には、主要農作物種子法第六条の三に、「都道府県は、当該都道府県に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定するため必要な試験を行わなければならない。」という条項があるわけでございますが、この条項に対しましては、従来系統適応性検定試験、これは純粋の試験でございますが、それをもつて当てておつたわけです。一県稲について二箇所、麦について大体一箇所平均ぐらいの試験しかやつておらなかつたわけでございます。ところが現実には、県の中では気象に応じて、土壤に応じて、いろいろな差があるわけでございまして、そういう点で欠陥があるということは、前から専門家から指摘があつたわけでございます。しかし今般では、そういうような点について、米麦については県の試験場等においてやりますほかに、農家の庭先を借りまして、そこで委託の試験をやりまして、優良品種の奨励品種を決定する試験、これは原種決定試験という名をもつて呼んでおりますが、一県平均米麦について大体十五箇所ぐらいのものをやつてもらう。十五箇所やれば、試験場の圃場と非常に差のあるような地帯における優良品種の試験も十分できるのではないか、これは気象のみでなくて、土壤の点の差異もある程度考慮してやれるのではないかと考えます。それを持つていないことで、農民にも優良品種の特性が十分知らされないし、また試験場の方でも、あの土地にはほんとうの意味でどういう品種が優秀であるかといろ確信が持てない、普及員も自信が持てないという点からいつて、一つの欠陥はそこにあつたと思いまして、そういう予算を二千万円余りでありますが、とつたわけでございます。この点については、各県でやつておるところもあるし、やつておらないところもあります。やつていても、そのやり方等については、非常にルーズなやり方であつたり、まちまちであつたり、試験の成績も十分上らない、あるいは農民に対して実際納得させるいろいろの展示の効果も十分なかつたという形になつておりますので、今度は政府において、一つの規格をきちつとつくりまして、責任をもつてやつてもらうという形に持つて行つたわけであります。なおやり方等については、御存じのことと思いますが、たとえば藤坂五号のような品種を、従来は非常に機械的に、ほかの品種と比較するのに、株数であるとか施肥量とか、画一的な形でやつておりました。ところが農民の方では、私が昨年まわりましたところでも、藤坂五号の特性をかえつてよく知つておるところがありまして、来年はどうしても藤坂五号をまきたい。麦は相当おくだから、そのあと作としてはわせのものでないと危険だ。その植え方は、在来の植え方と違つて、株数を八十なり九十に持つて行けば必ずとれる、こう言つている農民もあるような次第であります。原種決定試験においても、品種の特性に応じて、そういう株数なり施肥量というものはある程度差をつけて、その品種の特性が十分発揮できるような形で原種決定試験をやつてもらうことにすれば、地帯々々の栽培法もある程度加味された形で、どういうふうに処理して行つたらよいか、農民にも納得しやすいし、試験場、改良普及員等も、そういう点について十分現地の事情が把握できると考えまして、そういう奨励上の意味も含めたような形の原種決定試験をやつてもらうということに考えておるわけでございます。 それからもう一つは、耕種改善試作圃というような予算を二千万円余り盛り込んでございますが、なおそういうふうな原種決定試験では、農民に対する県委託の地帯が大体十五箇所ぐらいでございますが、それでは地帯がおおえないし、普及員の方も、栽培法あるいは地帯の差異に応じて、試験というほどのものではございませんが、試作をしてみた上で、自信をもつてこの地帯においてはこの品種が適当であるというような結論をつけて、それで品種の改良に資したいと考えまして、耕種改善試作圃というようなものをとつております。これは大体一普及事務所一箇所ぐらいの平均で、表作、裏作についてとつておりますが、そのやり方としては、品種の点も相当努力いたしますけれども、原種決定試験よりも、品種に伴つた栽培法を、もう少し農家に近づきやすいような形のものを加味いたしまして、試作をやつて行く農民の方とも十分な連絡をとつて、農民の方で問題にしたいような品種なり、あるいは問題にしたいような栽培法を中に取入れて、できるだけ農事試験場の方と農民の方との密接な関係をつけて行きたいと考えておるような次第でございまして、これはおそらく主要作物の大事な地帯では、主要作物について各地とも行うだろうと考えておるような次第でございます。そういう関係から、第六条に「都道府県は、市町村、農業者の組織する団体又は指定種子生産者に対し、主要農作物の優良な種子の生産及び普及のために必要な勧告、助言及び指導を行わなければならない。」と書いてあるわけでございますが、そういうふうな原種決定試験であるとか、耕種改善試作圃とか、そういうものがあれば、都道府県は、相当な力をもつて末端の団体あるいは市町村等に対してそういう指導が行い得るわけでございます。今までのところは、どちらかと申しますと、本場、分場等において、ほんとうの数箇所で機械的な試験をやつておつた程度でありますから、勧告、助言、指導等を県が末端に対して十分できなかつた。また受入れる方の末端においても、そういう計画を立てる場合に、いろいろ資料が不十分で、決意をしにくい、計画を立てにくいという欠陥があつたように感じますので、本年度の予算としては、その二点に重点を置いてやつて参りました。なお、それだけではまだ不十分で、最後になれば、どうしても末端段階におけるそういう施設がありませんと、末端の農業者団体あるいは市町村等は、十分な計画を立てにくいということもございましようと思いますが、本年度はまずそういう程度のところを押えて、次に逐次最後の末端における仕事のやり方についても、検討して参りたい。県によつて、冷害の非常にはなはだしい地帯においては、県限りにおいて耕種改善試作圃のようなものをやりたいという意図もあるようでございます。おそらく末端の団体等においては、そういう必要性を痛感しているところもあるのではないかと思いますが、できるだけそういう方向を伸ばして行くように努めて行きたいと考えております。
○金子委員 今局長から御説明になりました点は、一つの重要なポイントだと思います。今までの品種改良は特定な所において行われ、特定の所においては相当高度な研究が行われても、それから農民に行くまでの間に、一つの間隙というか、血道のつながらないものがあります。たとえば地域的に広げて行かないと、実際上一つの県といつても非常に広いですから、その土地の特殊性と合うか合わないかということをより見きわめるために、ただいまの方向は、一つの重要な行くべき方向だと思います。 もう一点この種子法で問題になるのは、実際にその県に適当した、あるいはその地帯に適当した優良品種が、かりに四つなり五つあつたとして、その品種が、全体の耕作されておるどれだけの比率を占めているかということに対する計画性と、計画的な推進力というものが今の種子法には出て来ない。これがその次に出て来る欠陥だと思つておりますが、それに対して何らか措置をとる考え方はないか、こういうことであります。
○塩見政府委員 ただいまの点も非常に大事なところでございまして、原種圃の面積をはじくにしても、採種圃の面積を品種別にはじくにしても、それがなければほんとうはできないわけであります。今までのところは、ある推定をなして県の方ではじいておるわけであります。それからもう一つは、農民の方の、採種をする方の団体なり個人なりの大体の見通しに基いてのみやつているというふうな形でございまして、十分計画性があるものというふうなことは今断定できないような状態にございます。そういうふうな点に対しましても、やはりこれは非常に技術的な面も含まれますので、県において、ある程度その市町村の農業者の団体等と連繋を保ちながら、大体その計画というものを立てて行かなければならないというふうな点につきまして、やはり今のところは原種決定試験あるいは耕種改善試作圃について、それに捕捉するようなデータも出るというふうなものを持ちませんと、そういう計画にはならないわけであります。今のところは、その二つによつてもうちよつと今よりも計画性の高いものに持つて行つてみたい。それから農民の方もある程度、そういう形で試作が行われれば、やはり自分たちの地帯についてはこの品種がいいんだというふうなことに対する確認ももうちよつと進むと思います。それが一段進むというふうには考えておりますが、最後的にそういう点をしつかり固めるというふうな意味におきましては、どうしても最後の末端段階における試験というほどでなくても、試作なりそういう計画が十分できるような土壤の調査なり何なりというふうなものが伴いませんと、全きを期し得ないだろうと考えております。これらにつきましては、かなりのところは、実際は品種の問題については作報の統計調査事務所の方にもデータはございますが、県の試験場等で、統計調査事務所の方の資料というふうなものは必ずしも十分活用されていないようなところもございますので、先般行いました場長、課長の会議では、できるだけ統計調査事務所の各品種別の資料というふうなものを十分利用して、それによつて計画性が付与できるような形へもう一歩進むように、こういうことを言つておりますが、最後的な段階としては、もう一段最後の末端段階のものを強化する必要もあろうかと思います。
○金子委員 最後に私の方からもう一点お伺いすると同時に、局長に要望しておきますが、今あなたの言葉にもありましたように、大体改良局が品種改良というものを、あるいは種子法に関連する試作をやつておるのでありますが、しかし実際に末端に行きますと、品種改良というような問題については、その足跡を見るためには、御承知のように、あなたの方の組織よりもむしろ統計関係の人たちの方が、それをつかみやすい立場におる。それから指導力の立場からいうと、あの改良の普及員よりも、別な畑ではありますけれども、穀物検査員の方がもつと強力な指導力がときには持てる、こういう関係も農村にはあるのでありますから、それは一つのセクシヨンにとらわれず、末端に行きますと、あらゆる機関が総合的に働き得るような考え方を持たなければならないわけであります。それやこれやを考え合せましたときに、この際国会の開会中でもありますので、局長は部下の者にいろいろ命じて、この種子法がこのままでいいか、あるいはこの国会の開会中に、より一歩前進したらどうかということに対しても、一応検討さしていただきたいと思います。私どもも協力して、よりよくこれも改正し、そうして何と申しましても、最も少い経費で安全な作物をつくり、最も少い経費で多収をするということは、品種改良というものに大きな期待を持たなければなりませんので、この種子法の趣旨を十分に生かすために、せつかくの努力と勉強をしていただきたい。それに対してわれわれも協力を惜しまない、こういうつもりでおるのでありますが、ひとつ要望を申し上げ、またあなたの御意見がありましたらお伺いしたいと思います。
○塩見政府委員 前の国会でも、金子委員から附帯決議等が提案されて、可決された趣旨もございまするし、またその趣旨は逐次達成して行かなければならないというふうなことで、本年度は先ほど申しましたような二つの点について、幾らか進めておつたという形になつておりますが、それでもまだ完全とは申し上げられないような点は、ただいま御指摘のあつたような点だと、こう私の方も考えております。そういうような点について、種子法も今完備したというような形にはなつておりませんので、そういう御注文に基きまして、われわれの方も帰りまして至急再検討をしてみたい、こう考えております。
○井出委員長 中澤茂一君。
○中澤委員 大分塩見さんもお考えになつているようだが、末端の農民にただちに品種改良のような形が出なければならない。そこでたとえば、新品種の藤坂五号にしても、今北海道で上川支場でやつておるところの風連の交配にしても、こういうものが全部県や道の試験場で新しいものができて、国の試験場では何らそういうものが出ないという事実は、何か現在の国の農事試験場には、組織的の欠陥か何らかの欠陥があるんじやないか、とにかく役人式の方法でもつて、試験のみに終始しておるのではないかということを考えさせられるのでありますが、それについては、末端の問題について塩見さんが非常にお考えになつておるようでありますから、あまり追究しませんが、もう少し積極的に品種改良——種子法もつくりましたので、品種改良に国の試験場が真剣にやつてもらわなければならぬということを、私は痛感しておるのであります。 それから御承知のように、長野県では農民の中から盛上つて来たミチユーリン農法というものが非常に広がつて、全県的にミチユーリン農法の成果があがつておるというので、農民はやつておる。これについて長野県において、共産党の菊地謙一君が指導しておるので、われわれの方の農民組織でもこの講習会をやろうとすると、警官が村の顔役や村長をつかまえて、あの講習会をやらせるなというようなことをさかんにやつておる。この問題について私は、下高井のわれわれの農民連盟研究会へ圧力を加えられたので、警察に対して厳重に抗議を申し込んだのですが、こういう農法を農民みずからがやつてみてよかつたというので、どんどんこれが広がつておる、これは長野県ばかりではなくて、今では千葉その他全国でミチユーリン農法研究会というものをやつておるけれども、全国から四百人もの人が下伊那の辺鄙な鼎村へ集まつて、自分らの研究を発表したりしております。こういうものに対して、ともすると国の農事試験場は、頭から、あんなものは効果はないということを研究もしないで言つておるのでありますが、農業技術の問題を、思想的な問題とこんがらかしてやつておるところに非常に私は問題があると思う。農民がよいというのだから、こういうものを国の農事試験場に真剣に取上げさせて、二年なり三年なり研究させて、これは効果があるものとかないものとかいう判断を下してもらいたい。とにかく実際にここ三年なり四年やつた農民は、効果があると言つておるのでありますから、そういう点について、どこかを指定してミチユーリン農法の試験をやつてみるということもやつてもらいたい。以上の二点について、塩見さんは今の日本の国の農事試験場そのものに、何か根本的に欠陥がありはしないかどうかという点、それからミチユーリン農法が効果があるとあれだけ農民が言つておるのである。私は現に麦の畑を見てまわつたが、実際三年目に麦が七〇%二穂ないし三穂になつておる。だからそういうものを国の試験場がとり上げてやる意思があるかどうか、その二点について御質問しておきます。
○吉川(久)委員 ちよつと関連して……。ただいま中澤委員からの質問に関連をしまして、塩見局長に伺いたいのですが、ただいまのミチユーリン農法というのは、私のひざ元の伊那の谷でやつているのです。相当な蔓延状況でございます。これに対して警察が非常に警戒をしております。というのは今のお話の通り、共産党の菊地謙一君が中心になつているからです。そこで私は、今から半年ほど前に本委員会であつたか、予算委員会であつたか、私はミチユーリン農法を国が取上げてやつてみないかということを申し上げたことがございましたが、その後一向にこの問題が具体化しておりません。ところで長野県農事試験場には下伊那分場というのがあります。その分場長は満州の農事試験場にいた人でございまして、非常にこの問題に関心を持つておりますが、施設は、わずか百万円くらいの予算でできそうだというようなことを言われておりますので、この際ひとつ局長は、この長野県農事試験場の下伊那分場は、日本で一番問題になつておりますミチユーリン農法の中心地であるから、この分場でひとつやらしてみるという御決意をしていただきたいと思いますが、あわせてお答えをお願いします。
○塩見政府委員 品種の改良につきましては、この品種の交配、及び選抜という点について問題がございます。ただいまお話のありました藤坂五号も、もとは国立の試験場において交配をやりました。選抜になりますと、耐冷性品種というような関係から見ると、現在のやり方としては、ひや水をかけることによつて、品種間の差が非常に出るわけでございます。その条件は藤坂の試験地が非常に優秀な条件を持つております。ひや水も豊富に持つておる。そういうことで、選抜の方は藤坂の試験地でやらしたということになつております。藤坂の試験地の方は、人件費その他も全額国庫補助で、国の方で地域の試験場と十分打合せをした上で、そのやり方その他どういうねらいで行くかという点を決定してやつているわけでございます。そういう形で、西南暖地の稲につきましても、今年度鹿児島の試験場を利用しまして、全額補助で新品種の育成を始めるわけでございますが、そういうような場合は、新品種育成のための適地々々がございまして、その場所すべて国の役人で国営でもつてやることは、かなり不便な点もございますので、そういうようなものに対しましては、国が補助をしまして、それをやる人につきましても、国が全部県と打合せをした上で、十分その任に耐えるような人をそこに配置するという形でやつているわけでございます。さしあたりは現在のやり方でやつて行つてもいいのではないか、全部を国立のものにして、人も何も全部国立でやるというような形でなくても、いいのではないかと考えているわけであります。最後に、選抜してできて来た品種等をごらんになりますと、国がほとんどタツチしてないようにお考えになるかしれませんが、事実は国の方で全部調整をしながらやるという形になつておりますので、その点は御理解願いたい、こう考えます。 それから、ミチユーリン農法につきましては、このミチユーリンという人は、二十年も前に、ああいう論文を出しまして、その後ソビエトにおいてルイセンコという人が、そのあとを継いだわけでございます。当時世界的にそれが問題になると同時に、日本の方においても、各国立の試験場、あるいは北海道においては道の試験場等において、それぞれ相当の試験をやつておりますが、麦につきまして問題になつたわけです。ルイセンコの問題は、秋まき性の麦を低温処理することによりまして、春まいても十分収穫ができる。寒さにあわないでも収穫ができるというような性格を付与することがねらいでありましたわけで、それにつきましては、試験の結果もその通りになります。しかしながら、日本では大体秋まきの麦の地帯が多いわけでございますので、それは必ずしもそのまま実用化はできない。そういう形で春まきに持つて行くわけですから、当時としては、一応試験が済んだわけです。それから北海道等につきましては、品種によりまして、必ずしも秋まき性の品種をそういう処理をして春まきにかえるという方法をとらないでも、春まき性の麦の品種改良によつて大体増収の効果はあげられる、こういう形で品種改良の方を進めて来た、こういう経過になつておりまして、ロシアにおいては十分成果が上つたし、日本においても上つた。日本においても試験の結果は、秋まき性の麦が春まきにできるということははつきりいたしましたけれども、それを利用する面については、日本においてはその必要性は今のところ麦についてはない。品種改良において同じ目的を達成できる。こういう形で進んで来たような経緯になつております。最近のミチユーリン農法といわれておりますものは、いろいろ実行されておるようでございますが、その内容はルイセンコの学説のそのままではなくて、それを日本に持つて来て、日本式に変形をして応用するという形で、幅がかなり広くなつておるように見られるわけでございます。そのやり方等は、一概に申しますれば、種子を低温ないし高温で処理いたしまして、種子の熟期を早めるとか、あるいは登熟を早くするとか、あるいは対応性を付与できるなら付与するとかいうふうなねらいをもつてやつておられるようでありますが、農民の庭先でやりましたものは、そういうふうな成績を比較するという意味では、まだ利用できるような厳密な設計になつておらないようでございます。それで長野県の農事試験場においてやつた成績もございますが、最近の麦につきましては、大体秋まき性のものをやはり秋にまく、ただ種子を処理することによつて、先ほど申しましたような効果もある程度出はしないか、こういうふうな形で検討をされておるようでございます。そういう点につきまして、低温ないし高温で処理をするわけですけれども、その温度処理の前に芽出しをやるわけでございます。それで長野県の農事試験場でやりました成績では芽出しをやらなかつた麦に対しては、いわゆるミチユーリン農法的な処理をやつた種子の方が明らかに優良である、生産力も高い、しかし芽出しをやつた麦と、ミチユーリン的な処理をやつた種子との差はほとんどないというふうな成績で、一応出ておるような状態でございますので、今のところの成績では、芽出しと大体同様な効果で、芽出しにプラスの効果というものが収量その他の方に出ているとは申せないわけでございます。しかしながらなおそういう点について研究をいたしますれば、あるいはその地帯地帯によりまして、熟期の点でいくらか早まるとか、そういうふうな関係から、あるいは地帯においては品種改良だけでなくて、ある程度そういう栽培法を入れた方がプラスの面があるかどうかという研究の検討になりますと、まだ十分にできているという状態にはありませんが、そういう点について、来年度においては各府県等と打合せて、そういう試験について必要があれば、連絡試験を行つてみて、地帯別に利用価値があるものならば利用させたい、利用価値があるかどうかという点について検討いたしてみたい、こう考えております。 それからばれいしよにつきましても光に当てるというふうな栽培法がとられておるようでございますが、これはすでに十数年前に、やはりミチユーリン農法が問題になりました当時に、前の北海道の農事試験場で、北海道大学の農学部長をやつておりました島博士が十分検討いたしまして、それは浴光栽培というふうな形で、種いもを処理するというふうなことによつて相当増収が得られるという結果が出ておりますので、その点は成績にも出ておるという関係から、浴光栽培法として十数年前から北海道はもちろん、関係県の方でそういう栽培法を奨励している、こういう段階にあります。それと同じものを、もちろん種の処理というところから来ておるわけですけれども、新しくミチユーリン農法を唱道する方々の方で取上げられておるわけですけれども、それは試験場で確認され、奨励にも移され、もちろんいいことでありますので、それがどういう名を冠せられるかによらず、いいことは奨励していいわけでありますから、それは勧めてもいいのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。 それから蔬菜等についても、各種のいろいろな試作試験というふうなものが行われておりますが、やはり利用すべき部分もありますし、またあまり増収の効果の出ないようなものも起るようでございまして、それらについては十分検討しながら、技術的にいいものは取入れるという形で進めてみたい、こう考えておるわけでございまして、国立の試験場でもやつていないわけではなくて、すでにかなり前からやつておる。しかしながら最近農民が取上げている部分は、利用面において幾らか違つたケースにも利用しようというふうな形で取上げておるようでありまして、そういう点について全国的に問題にならないとしても、条件の悪い地帯とか特殊な条件にある地帯については、あるいは利用できる分も起り得るのではないかという点も考えられます。そういう点については、できるだけわれわれの方としても、連絡試験等において十分試験して参りたい。それは地域の試験場あるいは県の試験場等の打合せにおいて、今技術的に検討しつつございます。
○吉川(久)委員 私は簡単にお答えいただければけつこうだつたのですが、局長はたいへん学のあるところから、ルイセンコを類推なさつているような感じがあるのでございます。実は北海道その他の国立試験場において、過去においてミチユーリンの検討をやつているということでありますならば、その資料をひとつお示しを願いたいと思います。 それから麦だけではなくて、実は米についてもただいまやつておりまして、それが非常に成果があつたということで、非常な勢いで蔓延しておりますが、農林省というところは、新しい科学技術に対してはきわめて冷淡であつて、押えよう押えようとしている傾向がある。そこへ新しい科学技術が入り込んで参りますと、今までの農林省の技術陣の諸君は、首になつてしまいはせぬかということを心配して、反対しているのではないかというような感じまで国民の間に持たれておりますので、この際局長はそういう疑惑を一掃するためにも、公の試験場でこういう新しい一つの問題を取上げて、積極的にやるということが、かえつて非常にプラスの面が多かろうと思いますので、せめてこのミチユーリンの問題が非常に大きく取上げられております中心地である長野県の農事試験場下伊那分場で、これはテスト・ケースとしてお取上げいただいたらどうかということを、先ほどから申し上げているのでございます。
○塩見政府委員 長野県の農事試験場の方では、昨年もやつておりますし、おそらく連絡試験の打合せについては、あそこが一番経験を持つておりますので、技術部長と打合せをやつておると思います。
○吉川(久)委員 そうでないのです。共産党にのさばられて困るから私に頼むというのです。
○塩見政府委員 それはどうなつておるか聞いてみなければわかりませんが、そういう連絡試験等については、長野においてはもちろん問題になつておると思います。
○足鹿委員 私は今のヤロビ農法の問題でお尋ねしたいと思う。青年団や四Hクラブで、ミチユーリン農法の研究会や講演会を開くことに対して、警察が、どういう出席の顔触れであつたか、どういう話をしたかというような、非常にうるさい査察行為をやつておることは、さつき中澤委員の話もありましたが、私どもも具体的事例をあげろとおつしやればいくらでもありますけれども、そういつたことの事実を改良局長は御存じになつておるかどうか、多くはいりませんから御答弁願いたい。
○塩見政府委員 具体的な事例は私も個々に聞いておりませんが、そういう話は伺つてはおります。
○足鹿委員 そうしますと、伺つておるというだけでこれを看過しておいでになるのでありますか。一般青壮年の間で、農業技術に対して深い関心を持つて、日に日に研究し、しかも実行しつつある四Hクラブや青年団体やその他の農事研究会が、そうした進歩的な農業技術の研究会を開く、それが、ミチユーリンソ連農法だという点から、一部に共産党がこれを利用しておるということもありますが、必ずしも共産党だけではない。多くのまじめな人たちが非常にたくさん参加しておる。これは民間技術の問題とかそういうことではなくて、技術普及の面における四Hクラブや青年団等の活動に、大きな阻害を来しておることは事実であります。中にはその研究会におつたために、あれは赤だというデマを飛ばされた女性が、婚約が破談になつたという悲劇もずいぶんある。そういつたことは重大な問題ですよ。ただ単に聞いておるという程度では済まされる問題ではないと思う。一部に政党がこれを利用しておるという事実があつたとしても、全般としては一つの純然たる農業技術であります。それに対する熱心な研究を行おうという人たちに対して、そういうかつての特高警察の復活に類似するようなことが現に行われておる。これは農業改良局としても、日本の農業技術の一番中核にすわつておられる局長としては、その程度のことでは済まされない問題だと思う。どういうふうに今後これに対処される考えであるか、もう少し御所信のほどを伺つておきたい。
○塩見政府委員 警察の方でいかなる目的でやつておるかということは、私の方で直接確かめておりませんが、今お話のような副次的な作用として、新しい技術の取入れとか普及上障害が起るような形、あるいは個人的な問題ではございまするが、結婚問題であるとか、生活問題に詰まるというような影響があるとすれば、これはわれわれの方でもそう等閑視もできませんので、それをやつておる関係当局の方と至急連絡をとつて、詳細確かめた上で、われわれの方としてもやり方等について検討してみたいと考えます。
○足鹿委員 そうすると、今まで関係警察たとえば国警長官とか法務省とかいう方面とは、全然まだ連絡もしておらないということが明らかになつた。これは至急におやりにならなければ、日本の農業技術の普及の上に一大暗影を投げ与えておる重大問題であると思う。たといその出場所がソ連であろうとなかろうと、別にその農業技術に色がついておるわけではありません。ごく小部分の人たちが、それを自分たちの主義宣伝に利用するようなことがあつたとしても、大部分の健全な青壮年が大きな迷惑を受けておるのであります。これは非常に重大な問題でありまするので、即刻お取上げになつて、関係方面ともよくお打合せになつていただきたい。私は先日予算委員会で犬養法務大臣に、そういうことの査察の指示をしておるかということを確めましたところが、そういう指示はしておらないとはつきり言つております。ところがここに鳥取県の一つの事例を申し上げますると、地方の警察官は、必要があれば何を調べたつていいじやないかと、実に無反省な態度をとつております。そういうことがあり得べからざるはずはございません。すべての進歩的な会合や、特に農業技術に関する専門的な研究会や会合の出席メンバーを尋ね、しかもその人の思想の調査を進める。中には、会合をやつておる中に入れないものだから、壁の外からまるで盗人のように盗み聞きをする。そういうような事例は枚挙にいとまがありません。ですからこれは今局長がおつしやられたように、早急に関係方面ともお打合せになり、改良局自体としても、こういう事実をお調べになつて、そして確然たる態度をきめられて、この行き過ぎを是正して、健全な農業技術の普及に支障のない方途を講じてもらいたい。特に私はその点について、お打合せの結果どういうことがあつたかということを近く承つて、さらにこの問題については、私の方としても御要望申し上げたいし、またいろいろやりたいこともありまするので、早急にお打合せの結果、どういうふうになつたかということをあわせて、次の機会に御報告願いたい。
○井出委員長 中澤茂一君。
○中澤委員 最後に締めくくりをいたします。問題の根本は、そういうふうに共産党の諸君がどんどんこの技術をやつて、一つの宣伝の材料にもあるいは使つているかもしれないのですが、しかしなぜそういうことを農林省が一体とつてしまわないんです。全国四箇所なら四箇所の農事試験場を指定して、こことここはミチユーリン農法を徹底的に研究しろというふうにやるべきである。ところが連中が蔬菜や何かを研究し出すと、今度は試験場があとを追つて行つて、百姓がいいと言つているそうだからといつてやる。すべてがこういうふうに消極的なんです。これじやいかぬのだ。逆に試験場がどことどこはこのルイセンコ学説によるところの試験をやるのだということを指定してやつて、もつと連中の先手々々と行けば、農民はその試験場について行きます。それをあとからあとからやつておる。それが実際効果があるものだから、この間下伊那で全国のミチユーリン農法の発表大会をやれば、四百人もあんな交通不便な伊那の谷に集まる。こういう事実を無視してほうつておくというところに、改良局として消極的なものがある。同時にさつき言つたような試験場の問題も、それは今国営でやつているというけれども、何かそこに欠陥があるのじやないかと考える。だからそれはむしろ積極的にやつてもらいたい。どこでも試験場を指定して、徹底的にミチユーリン農法をルイセンコ学説から研究しろというふうにやつて、その試験場が中心になつて研究を進めて行けば、共産党の諸君がやらなくても、試験場に農民はついて行きますよ。農民は思想についているのじやなくて、たくさんとるためについているんですよ。そういうことを改良局長はもつと積極的に考えてもらいたい。 それからいま一つは、北海道の上川のさつきの風連坊主の問題です。あれを早急に農林省は本腰を入れてやつてもらいたい。あれは見たところでは稲作界の一つの革命だと思う。あれをもつと積極的に金をつぎ込んで、あの風連の交配を徹底的にやつてもらいたい。この二つを要望しておきます。
○井出委員長 川俣清音君。
○川俣委員 今関連していろいろ出て参りましたが、主要な点について二、三お尋ねいたしておきたいと思います。 種子法の六条の三に「当該都道府県に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定するため必要な試験を行わなければならない。」と義務づけておりますが、この義務づけました結果、どのような状態で試験が行われておりますか、この点をお尋ねしておきたい。
○塩見政府委員 この第六条の三につきましては、第七条の第一号で、「第六条の三の試験に必要な経費の一部」を補助することができるという条文もございます。それで二十八年度までは、先ほどちよつと申しましたが、系統適応性検定試験、これは大体内容としましては非常に試験の部分が多うございまして、奨励品種を決定し、それを普及して行くというふうな意味の試験としては非常に不十分な、たとえば稲につきましては一県平均二箇所、麦については一県平均一箇所というふうな形の試験でございます。それでどうしても県の方も、県の内部にいろいろ地方的な土壤の差異であるとか、気象の差異であるとかございまするし、一箇所や二箇所では、その地帯々々でどの品種が適当であるかという成果は、とうてい得られにくいわけでございます。それでこの法文にありますところの補助金では、県としては十分なことはなし得なかつた、こういう状態にございます。県々によりましては自分の県費負担でもつて、——それは県費負担だけでございますから、その試験の内容等については、県々によつてまちまちになつておりますし、箇所数についてもまちまちになつておりますが、幾らか農家の方へ委託して試験をやつておるような県もございます。しかしながらそれが統一された形で、ある一定の規格をもつて、契励品種決定に必要な形で行われておるとは言えなかつたわけでございます。それで二十九年度予算としまして、系統適応性検定試験とは別に原種決定試験、すなわち奨励品種の決定試験というふうなものを予算化いたしまして、稲、麦につきましては、大体委託の箇所数を県内平均しまして十五箇所というふうな形で予算化いたしておるわけでございます。そのほかに県の本場、支場等において、かなり精密な試験が並行して行われまするわけで、それによつて初めてこの第六条の三における試験というのは予算の裏打ちができたという形に、なつておるわけでございまして、二十九年度予算で初めて予算の裏打ちが自信をもつてできた、こういう状態になつております。
○川俣委員 いや、私のお尋ねしているのは、その点もありますけれども、当該府県において普及すべき主要農作物の優良なる品種を決定するため必要な試験を行わねばならないと義務づけておるが、この義務に基いてどれだけ試験が行われておるかということをお尋ねしておる。土地改良と耕種改善によつて食糧増産をはかろうといたしておるのでありますが、一体耕種改善によつてどれだけの増産効果が上つたかというようなことは、これらの試験を通じて初めてわかることだと思うのです。そういう点がぼやけておるために、せつかく法律が改正せられて、これらの試験が行われねばならぬと義務づけられておるにかかわらず、どれだけ行われておるかということが改良局でおわかりにならないとすれば、怠慢だということになる。
○塩見政府委員 それは調べはできております。今持つて来ておりませんが、先ほどちよつと触れましたように、各府県とも稲について二箇所くらいはやつておるわけでございます。それが非常に不十分なのでございます。県によりましては、やはりかなりの箇所数やつておるところもございますが、大体多くてもせいぜい六、七箇所くらいで、十箇所という県はわずかでございます。その内容の方も、府県の試験場でやりまするものは、割合にしつかりした形で、農林省の方と打合せてやつておりますが、委託試験を六、七箇所やつておる県でも、その内容はまちまちでありまして、試験の成績としてとりまとめ得ないような程度のものも相当ございます。それは一応の調べはできております。そういう点で昨年も国会の方から、その点をもうちよつとしつかりやれというふうなお話もございまして、われわれの方といたしましては、そのデータを持ちまして大蔵省へ行つて、こういう状態だからどうしてもいるのだ、こういうことで予算を獲得したという経過になつておりまして、一応の調べはいたしております。
○川俣委員 法律でわざわざ義務づけられておりますので、義務の裏づけということを当然改良局で考えなければならぬであろうということが要点です。 続いてお尋ねしておきたいのですが、今度大蔵省から補助金等の整理に関する法律案というのが出て参りまして、農業改良助長法の一部改正が出て来ております。御承知のように改良助長法の目的は、公共の福祉を増進することを目的として、品種改善等の試験を行うのだという建前をとつております。第二条において助成の基準というものを示しておりますが、これが本法の主眼であります。ところがこの主眼でありまする助成の基準というものを、政府は変更しようという改正案を出して参つたわけですが、綱島先生に言わせますと、こういうことは憲法違反だという強い御意見を持つておりますので、あとで綱島委員からも御質問願いたいところでありますが、政府は、農業に関する試験研究を助長するために補助金または委託金を交付するという建前をとつておるわけです。これを予算の範囲内においてというふうにかえて行こうとするのが改正案であり、また三分の二を二分の一に改めるというのが、この改正案として大蔵省が考えておるところでありますが、先ほど申し上げましたように、改良助長法の骨子は、政府は農業に関する試験研究を助長するために補助金または委託金を交付するという建前をとつておるわけです。その考えを根本的に改めるようなことを、大蔵省がこういう一片の補助金等の整理に関する法律案というふうなことで出されて来て、あなたはどういうような見解をもつてこれに応じようとしておられますか、改良局長の御見解を承りたい。
○塩見政府委員 この第二条の第二号で、農業改良研究員の設置について、その三分の二というふうな形になつておりまして、農業改良研究員については明瞭に補助率がきまつておるわけでございます。それから一般の普及員につきましては、三分の二と明定はされておらないわけで、裏の方から、大体府県の方は国の出しまするところの補助金ないしは委託金の半分を持てばいいというふうな形でもつて規定されておるわけでございます。これらにつきましては、書き方は改良研究員と農業改良普及員とは別々になつておりまするが、趣旨としましては、私は大体国が三分の二、あるいは三分の二に近いところを持つべき筋だろう、これは単価等について幾らか上り下りがあつても、そういうふうに考えております。その趣旨としましては、やはりこれは府県々々でまちまちな制度でなくて、日本の農民は同じような改良普及事業の恩恵を受ける必要がある。それによつて農業増産も行われ、国民全体に対する食糧供給というふうな点からいつて価格の安定が行われ、外貨が節約されるというプラスが出て来るわけですから、そういう趣旨でこれは重く見て書いたものと考えております。私の方としましては、この補助率の点については、最後まで大蔵省と折衝を重ねたわけでございますが、予算の方は遺憾ながら両方の合意が成り立たない限りは、向うの案でもつて原案が提出されるというふうな形になつてしまつたものでございますので、二分の一の予算になつておるという経過であります。それで、その二分の一というふうなことが一応予算案としてきまつたからには、政府としては、二分の一というふうな予算案に準じた形でこれを改正することを、議会に問うという形で進めて参る必要がある。こういうふうな大蔵省からの折衝でありまして、りくつの上としては、一応予算案をそれによつて政府が出すときめられたからには、それを国会に問うということに対しては、異議をさしはさみようもないわけでございますので、一応その原案でもつて国会の意思を伺つて、というふうなことになつているような経過でございます。
○川俣委員 そこへ行くと塩見さんの博学がちつとも博学でなくなつて来る。改正される大きい点は二点です。一つは、「政府は、農業に関する試験研究を助長するため、都道府県及びその他の試験研究機関に対し、左の各号に定めるところにより、補助金又は委託金を交付する。」こうあり、その二号に今の三分の二の補助金がある。一号は、試験研究機関の特定の試験研究に要する経費です。これを予算の範囲内にというふうに改正しようとするのが一つです。それから二号の三分の二を二分の一にするというのが二点なんです。この法律の助成の基準という根本方針を改正しようとすることに対して、改良局として意見がなければならぬはずだ、こういうような点を申し上げているのです。大したことはないうなお考えでおられるのか。私はこういう法律に基いて予算が確定しなければならぬものだと思うし、またあなたがこの法律の執行者でしよう。それをこの法律の行政執行を受持つているというふうにお考えにならないのですか。あなたの責任は、この改良助長法の精神と、その法文の執行を行政的に行うことだと、私はそう理解している。この法律に基かないような予算を組まれたときに、それはしかたがないのだというような考え方で、局長がお勤まりになるとお考えになつておりますかどうか、この点を伺いたい。
○塩見政府委員 私がこの法律の執行者でございます。予算の編成方針を決定するときに、政府の方としまして、必ずしも既定の法律にとらわれないで予算を組むのだというふうな、政府の方針がきまつて来たわけです。しかしながら個々の法律について、そういうふうに法律を改正することを前提として組むか、あるいは法律を生かして組むかということは、個々の事務的な折衝にある程度まかせられたわけでございます。それで私の方としましては、この点については、最後まで三分の二で組みたいという折衝を大蔵省と続けたわけであります。私の方では最後まで折れないで折衝を続けたわけですが、閣議の時間も迫つて来るしというふうな関係から、いたし方なく向うの原案で進めて行くという形に強制的にさせられた、こういうことであります。そのときの話合いというのは、この法律もありますし、そのほかの法律もございますが、大蔵省の方としては、法律改正を政府原案で出すということを前提として、予算編成方針等においてもそういう方針をきめているから。こういうことでございましたので、事務的にはいかんともいたし方がなかつたわけですけれども、もちろん私といたしましては、現行法律にありますところの三分の二というふうな点が確保されることが、それは改良普及員が、ほんとうにこの法律の目的に応じて活動する意味において、それから府県の財政の現状から見ましても、私の方はそれがより望ましい。やはりこの補助率が削減になることは、普及員の活動上、またいろいろそういう活動を府県が重視して、それをほんとうに法律の目的通りに運用して行く上から言つても、府県財政の現状から見ても危険があると、私の方は感じているわけでございます。
○綱島委員 関連して。ただいまの御意見を伺つておりましたのですが、先ほど川俣委員からも私の名前をさされたので、ちよつと発言しておきますが、憲法の七十三条に内閣のする事項を規定しているわけです。その中の一箇条に、法律に従つて忠実にこれを適用して行くという規定がある。予算編成はなるほど内閣の専権に属するのではございますけれども、内閣はその事務をとるにあたつては、忠実に法律に従つてやらなければいかぬ。あとから法律を改正するということを前提として、法律の改正前に予算編成を法律の基準によらずしてやるということであれば、これは明らかに憲法違反です。法律の改正ができてからやるべきである。できないうちにやるということはいかぬ。ことに立法権は国会の専権に属する権利なんです。これは内閣のあえてあずからざる点でございますので、もしもそういうことでこの予算を組まれたとすれば、その予算の組み方は憲法違反であります。なるほど予算を編成する権利は内閣に専属するのではございますが、忠実に法律の線に従つて行く義務が憲法で明らかになつておる。予算編成は憲法で内閣に専属しておるから、法律なんかはどうでもいいのだというような考え方でやることはいかぬ。しかしそれは早晩改正するからよろしいということでやるならば、これはおかしな例でありますけれども、ちようど姦通罪が早晩廃止されるから姦通してもいいというのと同じ議論なんであります。これはみずから法律を破るもので、ことに官吏の方は忠実に法律を執行するという大きな義務が、憲法七十三条及び行政法等できまつておる。これは犯してはいけません。これを犯せば明らかに法律違反になりましよう。ほんとうを言えば、そういう予算は実は予算たる効力を有しないのである。あとからやればいいじやないかという議論は、ちようど先ほどの姦通罪と同じなんです。内閣の持つておる予算編成権は、いつまでにこれをしなければならないかというと、予算はおおむね年末までにこれを提出しなければならないという義務がございます。そこで予算編成は年内にいたさなければならぬ。二十九年度予算は二十八年の十二月三十一日までに国会に提出しなければならぬ。改正は翌年やる、その後にやる、こういうことは明らかに違反でございます。ただ今年の財政上やむを得ぬからということで、特に臨時処置をやつて、遡及的な効力が必ずしもないとは限らぬから、法律改正にことごとく遡及力を持たせる特別立法を国会がいたせば格別、そのときに違法が阻却されるだけのものであつて、予算編成当時は違法の編成であるということは間違いないようでありますから、その辺は御注意を願つて、法律によつてなさる方々だから、これは忠実にやられたらいいだろうと思います。意見を申し上げておきます。
○川俣委員 大蔵省から出ておるのは、補助金等の整理に関する法律案が出ておるのです。ほかのものは補助金に関する部分だけですが、改良助長法だけは、根本に触れておる改正がこれに便乗して出て来ているということを、あなたは御意識にならぬかどうかということをお尋ねしておるのです。それは今までは補助金の方には予算の範囲内においてということがありますけれども、この助長法は「左の各号に定めるところにより、補助金又は委託金を交付する。」という根本的な建前をとつておるのです。この根本的な建前を改正せられずに、こういう一片の法律を持つて来て改正しようとすることについて、あなた方は何か抗議なり意見なりを出さなければならぬはずだ。出されましたかどうかということをお尋ねしておるのです。法律の根本改正でありまするならば、根本改正として出さなければならぬはずなんです。便乗して出て来るべきものじやないのですよ。あなたがこの二条を改良助長法の根本精神だというふうにお考えにならなければこれは別問題です。私はそれは根本精神だと思う。一条と二条とかあつて、この法律の目的と基準ができておる、こういうふうに思うのです。あなたはそうお思いにならないのですか。博学なあなただから、これはひとつ御答弁を願いたい。
○塩見政府委員 その点につきましては、この二条は改良助長法の骨子をなしているものであつて、そのほかの法律の方において、いろいろと補助率であるとかその他について、予算の範囲内においてとか、その他のいろいろな条件があることはありましようが、きちつと三分の二になるかならないかは別といたしまして、それはこの法律としては非常に骨子になることで、これのいかんによつて改良普及事業の法律の目的達成上には相当障害も起るし、プラスにもなるだろう、やはり率の問題はこの法律としては非常に重要な点ではないか、こう考えております。
○川俣委員 私はくどくなるからもう申し上げませんが、率ばかりではないのです。一項の「国及び地方の農業事情からみて」これもこの改正によつて関係して来るのですよ。それを指摘しているのです。この「補助金又は委託金を交付する。」という法律は、執行者に対して責任を負わしております。それは予算の範囲内ということになると一項もまた修正を加えられるのと同じなんですよ。その点をどうお考えになつておるかということが一点。 もう一つは、こういう試験研究というものは、本来から言えば継続費で考えられるべきものだと思うのです。というのは、財政法に継続費の事項を入れるために、財政法の改正が十二国会か十三国会に出ております。憲法違反であるかどうかという議論がありましたけれども、財政法の中に継続費を見ておるわけです。試験研究なんというものは、こういう継続費をもつて予算を組むべきものであるというふうに私は理解する。または国庫の債務負担行為という形をとるか、継続費としてとるかは別にいたしましても、試験研究というものは一定の計画がなければ達成できないと思うのです。またそういう意味において継続費を財政法の中に織り込んだのであるという説明が大蔵省からもなされておる。あなたはこれに対してどんな御見解を持つておられますか。
○塩見政府委員 その点は、試験研究の内容から申しますれば、そういうふうな性質を持つておると思います。現在は指定試験であるとか、特性検定試験であるとかいうものは、全額補助によつて交付をしておりまして、それは事実上は年々認められて来ておりますが、その点については、試験期間何年というようにきちつときまるようなものになれば、継続費できちつと安定させる方が——それは今年度のような場合には、試験研究に対して、大蔵省の方としては特に削減というふうなことはやつて来てはおりませんけれども、この方が望ましい、こう考えております。この「試験研究機関に対し、」というのは、農業改良研究員であるとか、その他の試験場関係に置かれている人についての部分が多いと思います。県の試験場の試験研究の基本のものについては、必ずしも補助はやつておらないような状態でございます。
○川俣委員 私の質問の仕方が悪いのですか、「国及び地方の農業事情からみて緊要と認められる都道府県及びその他の試験研究機関の特定の試験研究に要する経費について、その全部又は一部」とある。これは義務づけられている。その義務づけられたものを継続費かまたは国庫の債務負担で行くべきじやないか。しかも財政法の中に継続費の観念を入れなければならないという説明には、こういう試験のようなものを中断されると効率が一ぺんに低下して来る。経費がむだになり、または継続費を認めないと非常に不正が行われるから、ぜひ継続費を認むべきであるということが、財政法の中に継続費を認めるということの提案理由になつている。そういう必要から継続費を認むべきである。年度割的な観念で予算を編成すると憲法の精神に牴触するのじやないかという議論も行われたのでありますけれども、継続費という観念を持たなければ、経費の効率的使用はできないし、または不正が行われる。どうしても継続費が必要だという観念で、財政法の中に継続費の観念が改正せられたわけであります。その観念を適用して参りますと、試験研究というようなものは継続費であるべきじやないか。そういう建前をとつて、あなたは今まで改良助長法を活用するというふうにお考えになつて来られたか、来られなかつたかという点をお尋ねしているのです。
○塩見政府委員 その継続費の点については、私もそこまでつつ込んで研究をやつておりませんでした。ただ事実上試験研究については打切られないでずつと継続して認められて来た。その点についての検討も十分はできておりませんが、おそらくおつしやる通りの結論になるのじやないかと私は感じます。
○川俣委員 継続費というような観念になりますと、大きなそういう考え方で予算を組んで来られたとすれば、法律の改正は根本的なあなたの考え方の修正になるから、それに対しては断固としてあなたは闘わなければならなかつたじやないかということなんですが、どうですか。
○塩見政府委員 その通りでございます。私といたしましては、折衝では最後までとにかく三分の二を固執して参つたわけでございますが、私の段階を離れますれば、いたし方がないわけであります。
○川俣委員 それではこれは委員長において大蔵省なり法制局の方々を呼ばれましてこれと補助金等の整備に関する法律案は非常に関係の深い法案であります。本来でありますならば、これは農業改良助長法の改正案として出て来なければならぬ問題だと思うのです。綱島委員の説によりますと、これ自体が憲法違反だ、ここまで行くのがほんとうだと思いますけれども、一歩譲りましても、補助金等の整理に関する法律案というようなことで簡単に片づけらるべきものじやないと思います。根本がくつがえるような案でありますから、大蔵省の出すべき案じやないのです。あなたの方がそういう考え方になつて改正せられるというなら別問題です。責任者である方から出ないで、責任者でないところから出て来ることについて、私は異論を立てているわけです。従いましてここまで議論をして参りましたから、合同審議なり、または合同審議以前に法制局長官なり大蔵大臣なりを呼びまして、この点を糺明して参りたいと思いますから、おとりはからい願いたい。 そこでちよつと問題は離れますけれども、改良普及員等が今日において農業の進歩の上に非常な寄与をしておりますことは、私もこれを認めざるを得ない。もちろん改良普及員の中には、適格者でない者も多数おられますことも私は認めます。しかしながらなかなか優秀な人がおりまして、今度の冷害等を見ましても、災害等を見ましても、なかなか適切な指導をいたしまして、日本の食糧増産の上に相当寄与していることもまた認めざるを得ないと思うのです。もちろん改良普及員の質的向上あるいは技術的向上をはからなければならぬことは当然でありますけれども、それだからといつて改良普及員が全部なくなつてしまつていいというような考え方や、あるいはせつかくその熱意をもつて今日まで指導して参りましたものを、一朝にして整理するというような考え方になりますと、農業自体が長い指導を要するものです、農民と密着していなければ指導はできない。いかにりつぱな人が抽象的なことを言つていても、指導はできません。そういう点でこれは高く買われなければならぬと思います。局長はこれに対してどんな御見解を持つておられますか。
○塩見政府委員 まつたくおつしやる通りなことだと存じます。
○川俣委員 今日はこれで終ります。
○井出委員長 午前中の会議はこの程度をもつて打切り、午後二時より再開いたします。暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後二時三十六分開議
○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。食糧問題に関し質疑を継続いたします。中村時雄君。
○中村(時)委員 最初に食糧問題に関しては、もつと深くこみ入つて質問したいのですが、きようは時間の関係で一、二だけお尋ねしたいと思います。 この食糧問題に関しましては、国内的には農地関係、その他いろいろな問題が入つて来る。対外的には輸入食糧、続いてドルの手持ち資金の問題、あるいはこれに対する買付市場の問題、あるいはそれに動くところの業者の問題というような問題にわけて、いろいろ考えてみたいと思いますが、きようはそれは一応別の問題として、二十九年度におけるところの農林省が立てました第一次需給計画に基いて、いろいろな数字的問題をあげておりますが、私が見たところでは、これがはたして正しいかどうかという疑問を多分に持つている。その点に関して二、三尋ねてみたい。 まず第一に第一次の需給計画では、需要が、主要食糧が三千二百四十六万石、加工用が百八十四万石、減耗が四十万石、計三千四百七十万石、それに対して供給が、内地米が二千六百三十七万石、外米が八百三十二万石、締めて三千四百七十万石の計画を当初立てたはずですが、大体この第一次需給計画の数字に間違いないですか。こういう計算で行きますと、外米の手持ち数量を引くと、大体七百七十七万石ですから百十五、六万トンになりますが、大体その程度のものを輸入しなければならぬというのがこの骨子になつておるはずです。これから問題を出して行きたいと思うのですが、これが二千百万石に減つたのですけれども、どういうわけでこういう足らない分——要するに供給が二千百万石に減つたわけなんですが、そうするとそこに足らない分が出て来るわけです。そうすると大体一人一日三百六十グラムとして配給しているのですが、その月平均が大体十五日分、これはもちろん生産県と消費県と純生産県と形をかえていますが、そういう操作が出て来るわけです。この二千百万石に減つて行つたそのフアクターというものについて、どういう処理をしたか、これをまず第一点として聞きたい。
○新沢説明員 二千百万石に減つた理由、こういうお問いでありますが、供給力の面で二千百万石を計上いたしましたのは、二十八年産米の作柄から見まして、いろいろ過去の主食の需要の事情と供給力とを見まして計算いたしました理論上の供出可能量が、約千九百万石余りになるわけでありますが、従来の実績から申し上げまして、実際に供給可能と思われる数量を加えて二千百万石ぐらいの集荷ができるのではないかというような見込みをもちまして、供給力を二千百万石ということで出しておるわけでございます。
○中村(時)委員 そうすると、二千百万石というのは、当初の計画は二千六百三十七万石になつている。それによるところの供給量を締めたわけなんですが、ところが実際にはそれだけ減つたとなると、今度は減つた数量に対する需要計画、そういうものの変更が出て来なければならぬが、その分とはどういう影響と関連があるかということをひとつお聞きします。
○新沢説明員 二千六百万石という数字が、ちよつと私にはよくわからないのでございますが、一応主食用の実績それから加工用の実績を積み上げた数字が、二十八米穀年度の実績としてございますが、二十八米穀年度から二十九米穀年度に移るにあたりましては、増加の要素としては、人口の増加というようなものも考えなければなりませんし、それからまた米の不作による農家配給の増というようないろいろな増加の要素がございますが、そのほかに逆に減る要素としてもいろいろ考えて参るべき要素があるわけでございます。それらの増加の要素と減少の要素を双方かみ合せまして、二十九米穀年度におきます需要の見込みというものを出したわけでございます。それに基きまして供給の面においては、内地米の作柄等から見た供給可能量と見合せまして、内地米の供給力を二千百万石と見込み、さらに内地米の供給で足りない部面を輸入数量でまかなうというようなことで、二十九米穀年度の需給推算を立てたというわけであります。
○中村(時)委員 今のお話を聞いておりますと、二十八米穀年度と二十九米穀年度の相違がここに出て来たわけです。そうしますと、今度のような冷害とかあるいは風水害が起つて、生産数量がかわつて来る。そういうことがはつきり出て来た。生産数量がかわつて来ると、今度は需要数量というものが変化して来る。その需要に関しての変化は、国内の生産数量が減つたのですから、二つしか道はない。一つは外国輸入食糧を多く持つか、あるいは国内の配給の日数を減すか、質の変化をするかということです。そのかわり外国輸入食糧の問題とか、ドルの手持ち資金の問題とか、あるいは買付市場における問題とか、そこにおける価格操作の問題とかいうものが関連しますが、これは一応抜きます。そこで今言つたように外国の輸入食糧か、あるいは国内の配給日数の縮小か、そういう二つの問題に限定されて来るわけですが、そのうちのどちらを今度はとつたわけですか。
○新沢説明員 根本的には、現在の米穀の配給率と申しますか、消費者に配給されておりますその米穀の配給率を維持するという建前で、それから出て参ります需要を満たすのに、内地米の不足分を輸入で補つて行くという形に、端的に申せばなつて来るのであります。ただ単にそれだけで参りますと、輸入数量を平年度に比して相当ふやさなければならぬということにもなるので、配給操作の面において、現在の配給日数というものは手を加えることはしないかわりに、今までの持越しを翌年度においては若干減らして行くというような方法とか、あるいは加工用等において節約できる部面におきましては、加工用を節約するとか、あるいは翌年とれます内地米を、平年度よりもたくさん食べるような操作を行うというようなことによつて、単に輸入だけで需要に対する供給の不足を補うということでなしに、配給面のそうした操作とあわせて、足りないところを補つて行くということを、二十九米穀年度では行うということであります。
○中村(時)委員 えらいりくつを言われますけれども、たとえば加工用の酒造米にいたしましても、それ自身に問題がある。あるいは持越し米にしても、あるいはまた早場米という面で供出さして来たものを早食いするにしましても、これにも問題がある。そういう一つ一つの問題は別にしまして、実際にそういうことになつて来ると、あなたは輸入食糧とおつしやるが、ことしは百十四万石ですか、とにかく輸入食糧は限度がある。そうすると、実際の問題としては輸入食糧じやないということになる。そうすれば、残つて来るのは今言つた配給実績の問題だけしか残つて来ない。たとえば労務加配の削減であるとか、あるいは十五日分を、今のところは外米が五日分、内地米が十日分に原則はなつているが、それを八日分に減すとか、しまいには六日分くらいになるのじやないかと私は心配しておりますが、そういうような質的な変更をやつてごまかして行くということが、必ずはつきり出て来る。そういうようなことをせずとやつて行けるというような、一つの方針を考えておりますか。
○新沢説明員 先ほど申しましたように、配給面におきましては、米食率を維持するという建前は堅持して行く。それから、今労務加配米の問題が出ましたが、労務加給米につきましても、これは手を加えないという考えでおります。そのほかにいろいろこまかい部面につきまして、加工用の問題その他需要面において若干節減の余地のある部面につきましては、手を加えたいということであります。内地米と外米との比率につきましては、内地米の供給力が平年度よりも大分減つておりますので、内地米と外米との比率が若干かわつて参るということは、現実問題としてどうしても出て来ざるを得ないと思つておりますが、それにいたしましても、輸入米にしても、できるだけ内地米に近い品質のものを多く輸入するということで、できるだけ質の維持には努めたい、こういうふうに考えております。
○中村(時)委員 あなたのおつしやるように、現在の配給量を米食についてそのままに行うということについては、輸入食糧というものは一つの限界がある。しかも内地米に準ずる米を入れて来るとすれば、現在輸入食糧のトン当りが大体平均八十四ドルしている。質のいいやつということになると、九十ドル以上になる。そうすると、今度はそれに対する補給金というか、補助金といいますか、この問題が必ず起つて来ることは間違いがない。今から注意しておきます。事実起つているだろうと私は推察しておりますが、そういう無理なことはおそらくやらないだろうと思う。あなたは加工用の玄米を食つて何とかして行きたいと言うが、加工用は御存じの通り百八十四万石です。これだけのものを圧縮したつてどれだけのものか出るか。そうすると、あなたのおつしやるように、今米食率の限界をきちつとしておくといつても、実際はできないということになる。おそらくできないですよ。そのうちにかわつて行きます。あの臭い黄変米だけはお断りしたいと思つております。だんだんそういう意向が出て来ることは間違いない。ところがこういうことをしながら何とか操作ができるのじやないかというような安易な考え方をあなた方は持つておる。その安易な考え方の裏づけにあなた方はよくこういうことをおつしやる。たとえばことしの割当に関しても、割当というものは非常に幅をとつてある、こう言うのです。それは事実そうでしよう。ある県なんかにおきましては、昨年度と最近とやみ米を比べますと、昨年度は一斗、二斗というやみ米が、最近では一石、二石というまつたく大きな数量になつておる。そういう幅を認めておる。あるいは配給に対して幽霊人口的なものを今までかかえておるが、そういうような問題がここにはつきり出て来ておる。それに対してあなた方は、そういうものはないとお考えになるか、あるいはそれだけの幅を持つておるとお考えになるか。その点をひとつお聞きしたい。
○新沢説明員 生産地の農家におきます供出量に対する実際の手持ちの弾力性といいますか、これは実際上の問題としてあることは否定できないと思いますが、意識的な問題として、特にことしに限つて農家における弾力性を大きくするためにいろいろものを考えてやつたということはないと申し上げてよいと思います。幽霊人口の問題につきましては、これは全然従来ともなかつたとは言えないと思いますが、これは年々食糧庁自身で集めております資料、それから実際の配給の過程を通じて現われて参ります配給人口等と常につき合せをいたしまして、実際上の食い違いを調整する措置を、毎年定期にやつておるわけであります。その間のある期間を切つてみますれば、資料の時期的なずれ等によりましての若干の幽霊人口的なものが現われておることもないではないと思いますが、定期的に数字のつき合せをやつて、そういうようなものをなくするように努力しているので、通年で考えてみますれば、大きな架空の人口が米を食つておるというようなことはないのじやないかというふうに考えております。
○中村(時)委員 それでは今言つたように、弾力もある程度ある。幽霊人口、これは当初の人口査定の問題が大きな問題になるのですが、それは抜きましよう。それで幅があるから大体二千百万石集まるだろうと推定された、しかし実際やつてみると一千九百万石しか集まつていない。ここに集まらない原因がなくちやならないのです。実際やみ米は出まわつて来ている。統計を調べてごらんなさい、おそらくやみ米はたくさん出まわつている。それだけ出まわつているにかかわらず、余裕があるというので二千百万石を計画してみた、ところが実際に手を打つてみたら千九百万石しか集まらない。そうすると、どこに原因があると考えておるのですか。
○新沢説明員 確かに年が改まつてことしに入りましてからの供出の伸びは、昨年の年末までの供出の進捗状況とにらみ合せまして、その速度が非常に鈍つたことは事実であります。しかし従来の例をとりましても、供出の速度は前年の暮れまでは非常に早いのですが、年が改まりますとともに非常にテンポが遅れることは、毎年の例なのであります。ことしは例年に比べてそのテンポが非常に大きく鈍つたかどうかという点が問題になろうかと思いますが、概して傾向としてはそういうことになるわけであります。もちろん今後あと約二百万石を集めるためには、いろいろ手段を尽しまして集めて参りたい、こう思つております。
○中村(時)委員 これは自由党の人がおらぬではなはだおもしろくないのだけれども、それだけの感覚があり、それだけの方針の打出しと、はつきりとした数量的な押え方をしておることは間違いはないのです。事実二千百万石はありますよ。その押え方は間違いはないけれども、なぜ集まらぬか。パリテイの実際の裏のいろいろな問題あるいは米価の問題というよりも、一言に言つたら、今までの自由党の政府の農業政策に対して農村が信用していないということです。そういう実態の中に入つた一つのあり方の中から食糧政策というものを考えて来ないとペーパー・プランになる。だからこれからの食糧政策をやる場合には、今言つた国内的な食糧増産という面をどう取上げるかということを、もう一ぺん深く考えてもらいたい。ただ一つのペーパー・プランでこういうようにするというだけなら納得が行くのです。しかし実際は農村は信用していないのですよ。だから政府がいくら掛声をかけたつてこれ以上出しやしませんよ。あなた方は努力しますと言うが、それでは責任を持つて二千百万石集められるかどうかと言つたら、おそらくあなた方は責任を持つて言えるかどうか。もしも言えるのだつたら言つてごらんなさい。
○新沢説明員 見通しの問題で、必ず二千百万石は集まりますと言うのもあるいは言い過ぎかと思いますが、私今おつしやつたように、農村に実際に現存すると推定される米の量等をあわせ考えまして、今後の努力次第によつては二千百万石は必ずしも集め得ない数字ではないというふうに考えております。
○川俣委員 関連して。そこでちよつとお聞きしたいのですが、これは長官でなくて総務部長の方が適当であると思うのです。食糧管理法九条に「政府ハ主要食糧ノ公正且適正ナル配給ヲ確保シ」とあるのですが、今食糧庁では主要食糧の公正かつ適正なる配給というのはどのようにお考えになつておるのですか。十五日が主要食糧の公正かつ適正なる配給だというようにお考えになつておるのですか。一体公正かつ適正なる配給というのは基準をどこに置いておられるのですか。食糧管理法については相当の大きな罰則が規定されて、義務づけられている点がたくさんあります。これはやはりそれと同様に、政府もまたこれらの法律を施行する責任者としてみずから九条を立てておられるからには、政府みずからもその責任があると思いますが……。
○新沢説明員 量的に今の十五日が公正かつ適正な配給を維持していることに当つているかどうか、こう数学的に第九条の答えが出て来るのはなかなかむずかしいと思いますが、公正かつ適正なる配給ということは、日本の置かれている食糧事情のもとにおいて、それが各国民の間に公平に分配され、またそれが生活を維持して行くために時間的にも量的にも適当に配給されるということになろうかと思います。米だけで十五日がどうのこうのということが、ただちにこの条文に関連して、この条文にのつとつているかどうかということは、なかなか数学的に割切ることがむずかしいと思いますが、今申し上げたように、日本の食糧事情の置かれている現状から見まして、米だけじやなくて、やはりそのほかの麦等と合せて国民の食生活を維持する、それらの米麦を合せて、いかに国民の食生活が公正適正に維持されるかということが、この第九条の運用に当つての一つの眼目になつて来るであろう、こういうふうに解釈いたします。
○川俣委員 それはどうも総務部長、お考え違いではありませんか。「主要食糧ノ公正且適正ナル配給」となつておりますね。当然これは麦の配給があつた場合には麦も含めてということは言えると思います。この法律は、当時麦を配給しておつたから、こういう主要食糧の配給という表現が出ておる。今は米一本になつておる。そうすると麦も合せてだということでは、この条文に対しては忠実な答弁じやない。もしそういうことでありますなら、この条文を改正して行かなければならぬ。これらの法律を施行できないというならば、法律の改正が必要だと思うのです。改正が必要なんであるか、またはこの条文通り適正かつ公正な配給——公正というと均衡という意味でしようから問題ないでしようが、適正ということがありますが、国民食糧を確保する上に必要な法律としてこの法律ができた。この第一条の目的には、私が読み上げるまでもなく、国民経済の安定をはかるため食糧管理をするということになつているでしよう。この管理規定に基いていろいろ罰則が出ております。懲役三年というような罰則まで出ておる。政府みずからがこの法律の執行に当つて怠惰でありまするならば、責任はまた重大でなければならぬと思うのです。義務づけられた者だけは罰則を適用する。それなら、この法律を忠実に執行しない者もまた責任を負わねばならないとお考えにならなければならぬはずだと思うのです。そうして来ると、適正な配給というのは十五日をもつて適正だという根拠を示してほしいのです。
○新沢説明員 今お話がございましたように、確かにこの立法当時と現在とでは、いわゆる当時は総合配給、米麦、いも等も含めて総合配給であつたのですが、現在は米だけの配給になつております。だから、ただちに米だけで全部の食生活を満たさなければならぬということを第九条はうたつているというふうに読まなければならないかという点につきましては、必ずしもそうではないんじやないだろうかというふうに考えるわけであります。第一条を先ほど御引用になりましたが、第一条でも「国民食糧ノ確保」云々とございますが、この食糧管理法でいろいろ管理する食糧につきましては、いろいろ経済的、社会的条件によりまして、取上げる食糧の種類におきましても、また取上げた食糧の管理の方法におきましても、いろいろその外部的な条件に応じて、時期によつて方法がかわつて来るというふうに考えられるのであります。それに対応しまして第九条が出て来るわけですが、だんだん食糧事情が緩和するに従つて、従来米麦とも完全な管理を行つていたのを、麦だけは間接統制という形で、非常に国民生活に悪い影響を及ぼさないように価格なり流通の面を特別の間接的な方途によつて、別途管理をして、そうして米の面については、米の需給事情によりまして、麦と同じようなことはできないので、米については配給制度を行う。しかし配給を行つている米の裏側には、やはりそれの補いとしての麦もあり、その他の食糧もあるわけでありまして、現実の問題として、それらの背景の中において行われる米の配給は、全体を合せて国民の食生活を健全に遂行できるように、米の面については十分配慮を加えて行くということに、第九条は今の状態としては見るのがいいのじやないかというふうに私は考えるのであります。
○川俣委員 どうもおかしい。私は十五日の配給量が適正な配給を確保することに当つているかどうか、こういうことを聞いているのです。これがもし十五日というのが十日になり五日になり三日になり、あるいは半日になつても、あなたは今の需給状態からは半日になつても適正な配給量の確保と言えるかどうか、私は非常に疑問になつて来ると思う。扶養の義務がある、こうあなたは家内の者におつしやるでしようが、一日食わせればそれで扶養の義務が終つたということにはならぬと思う。そういう意味で、一箇月のうち半分食わしたら適正な配給をしたのだ、こういうことにはならないのじやないか、日本の米の事情から、やむを得ないということは言えるでしよう。それは言えますよ。しかし九条はそういう意味で、やむを得ないことを予定して書いてあるのじやないだろう、十分確保することを目的にできているのじやないか、こういう質問をしている。それであなたは、十五日をもつて適正な配給を確保したというようにお考えになつているかどうか。もし考えておられるとすれば、適正な配給という十五日の出て来た基礎、十五日で適正な配給だという、その根拠を示してほしいと、こう言うのです。米の需給状態を聞いているのじやないのです。
○新沢説明員 十五日が適正であるか十日が適正であるか二十日が適正であるか、そういう数学的に適正な線というのは、割切つたようにはなかなか出せないのではないだろうかと思います。あるいは同じことを繰返すことになるかもしれませんが、食糧管理法の目的としては、とにかくあらゆる食糧と申しますか、主要食糧を総合的に調査しまして、国民の食生活を確保して行くということに一応の眼目があるわけであります。ですから米以外の食糧の供給量との関連において、米が十五日がいいか二十日がいいかということが出て来るのではなかろうかというように考えるわけであります。米の補いとなる麦等の供給力が非常に少いということになりますれば、米は十五日では足りないで、もつと大きなものを配給しないと国民の食生活が維持されて行かないかと思いますが、今の全体の食糧の需給事情を総合的に考えてみた上で、現在の食生活を維持する上において、現在の配給量というものが、大体この法の趣旨とそう矛盾した形でなく遂行されておると考えてもいいんじやないかと思います。
○川俣委員 やはり数量をはつきりすることができないと——すべきじやないという考え方でありまするならば、これは義務供出というようなことはまつたく出て来ないです。義務供出の方には数量を割当てられて、数理の観念をちやんと植えつける義務がある。ところが自分の適正な配給の方には、その観念がないのだということでこれをのがれようとすることは、忠実じやないと思うのです。やはり義務を負わせる一面がありますれば、この法律から受ける行政官としての当然の責務を負わされていると考えなければならぬ義務があるから、相手に対しても義務の強権発動もやむを得ないのだ、こうなつて来るのだと思うのです。相手にだけは数量を割当てることができる、自分は自分の数量のことについては、適当な解釈でいいのだ、こういうことにはならないと思うのです。そうしたならば、そういう趣旨で私は改正しなければならぬのじやないかと思います。あなたのようなお考えであるならば、第九条は当然改正して行かなければならないじやないかと思います。私はこの九条はそういうことをあなたの解釈のように命じてはいないと思うのです。 そこでもう一つお伺いします。ここにある「加工」というのは、どういうことを意味しておるのですか。九条に「主要食糧ノ配給、加工、製造」とありますが、「主要食糧ノ加工」というのは大体どういうことをさしていますか。
○新沢説明員 具体的の例で申し上げますれば、たとえば麦を精麦にするというようなことは、加工ということになろうかと思います。大体元の性状をあまりかえないで行く、原形を若干の手を加えてかえて行く。しかし完全に物理的なものをかえないという程度の形が加工ということで、具体的にいえば押麦をつくるというようなことが加工ということになると思います。
○川俣委員 そうすると酒やなにか、加工のうちには入りませんか。
○新沢説明員 酒は製造ということになろうと思います。
○川俣委員 それでは、たとえばせんべいあるいは白玉あるいはマカロニのようなものは加工と言わないのですか、あれも製造ですか。
○新沢説明員 どつかに使いわけがしてあると思いますが、最もわかりやすい例で申しまして、たとえば大麦、か麦を押麦にする場合は加工と言つております。小麦から小麦粉をつくります場合は、小麦粉の製造と言つております。そういうように元の形が想像できるような形で残つた場合は加工、全然形をかえてしまうような場合に製造というふうに使いわけをしております。
○川俣委員 そういたしますと、人造米も加工または製造になると思うのですが、この点どうですか。
○新沢説明員 お説の通り、製造というようなことになろうかと思います。
○川俣委員 そういたしますると、これは食糧長官の答弁と非常な食い違いが出て来ると思うのです。人造米は主要食糧の加工——製造じやないという見解をとつておる。あなたはそれに当てはまる、こう言つておるが、私は当てはまるのだと思うのです。あなたの見解が正しいと思うのです。そうすると「保管及移動ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得」といつております。人造米に対しては、そういう命令ができないという説明が今まで長官からなされておつた。私は命令をなすことができるのだと思うのです。それだから、区画などをきめたと思うのですけれども、表面切つては命令ができないということで逃げておられた。逃げておるというのがほんとうですが、あなたの解釈はどうですか。
○新沢説明員 何と申しますか、この食糧管理法に基いてそういうような命令ができますのは、この食糧管理法に基いて主要食糧というふうに観念され、取上げて参りませんとできないと思います。政令等でいろいろなものを便法として取上げております。そういうようなことで人造米を食糧管理法の主要食糧ということで政令で規定いたしますれば、そのときは初めていろいろな個々の命令ができるようになると考えます。現在は人造米の原料である小麦等はこれは主要食糧でありますけれども、現在の食糧管理法では食糧管理法上の主要食糧としては指定していない。なお今のところは別に食糧管理法に基いていろいろな命令は書け得ない状態にあるわけてす。
○川俣委員 白玉を取締つておられるのはどういう意味ですか、おかしいじやないですか。白玉は管理法に基いて取締つて、人造米は取締らないというのは、どういうわけか、同じくず米です。くず米であるかないかという判定をしないで、とにかく米穀の一部ということで白玉を取締つておられるか、移動を禁止したりなんかしておられます。おかしいじやないですか。人造米もやはりくず米を使つておる。白玉と人造米との取扱いはどこに相違がありますか。
○新沢説明員 先ほどちよつと申し上げましたように、食糧管理法上の主要食糧は、食糧管理法の第二条で法律ではつきり書いてあります。「米穀、大麦、か麦、小麦其ノ他政令ヲ以テ定ムル食糧」ということで、米と大麦、か麦、小麦のほかは政令で一々定めておるわけでありますが、今お話のございました白玉は、米穀粉というカテゴリーに入つております。現在政令できめております。
○川俣委員 白玉が米穀粉で、人造米は米穀粉が入つてないのですか。米穀粉が入つておれば対象にしなければならぬ。白玉というのは米穀粉だけじやない。主として米穀粉だということは言えるでしよう。人造米だつて最近米穀粉を主にしておるところもある。どこで違いがあるか。こういうふうに、人造米はこれに牴触しないのだということをどうも故意に言われておる。長官がそう言つたから事務的にそういうふうに表現しないとぐあいが悪いというなら別です。それならそれのように御返事願いたい。事務当局だから法律に忠実に御答弁願いたい。長官はときどき政治的発言をするけれども、事務当局は政治的発言でなく、法律に忠実に願いたい。
○新沢説明員 私、説明べたなのでお聞とりにくかつたと思うのでありますが、食糧管理法で規制を受けておるものは食糧管理法上の主要食糧です。人造米の原料である小麦粉、砕米は主要食糧であります。だからそれぞれ原料である形の間は規制を受けております。そうしてでき上つたものについては、姿をかえて、米の粉でなくて、また小麦粉でなくて人造米で……。(「白玉はどうだ」と呼ぶ者あり)白玉については、米穀粉ということで特にあげておるわけです。これは食糧管理法上の規制を受けさせようということであげておるわけです。人造米については、現在のところまだ主要食糧として指定してないということです。指定しなければならない必要が起きました場合には指定する。
○川俣委員 おかしいと思う。米穀粉といつたつて、白玉は米穀粉じやない。白玉の原料は米穀粉ですけれども、白玉なんかは通念上米穀粉とは言わない、やはり白玉は白玉、原料は米穀粉です。あなたはやはり白玉も米穀粉だというような解釈なんですが、人造米も砕米を粉にした米穀粉です。白玉は適用を受けて、人造米は適用を受けないというのはどこに理由があるのです。これはおかしい。白玉自体が全部米穀粉によつてつくられているのではないが、米穀粉を主にしてはおります。ただ人造米は小麦を主にして米穀粉を入れておる、こういうことにはなりましようけれども、使つていることにおいては同じである。ただそれは分量の問題ということになります。法律では分量は書いてないはずです。あなたの説明通り米穀粉となつておる。白玉が米穀粉だと言われるなら、人造米も米穀粉にならなければならない。
○新沢説明員 私聞き間違いましたが、白玉は粉の間は主要食糧でございます。食べる形になりまして、白玉ということになりますれば、食糧管理法のらち外になると思います。もつとはつきり申しますと、米とそれからたいた御飯とは別な扱いをしております。特に食糧管理法では、米というものを主要食糧として法律上規定しておりますと同時に、別途政令の方で米の飯を特に主要食糧として指定しております。そういうように一応形がかわりますごとに取扱いがかわつて来るというようにお考えを願いたいと思います。白玉は指定してございませんが、白玉粉の間は指定を受けます。食べる直前の状態の白玉ということになりますと、食糧管理法のわくがはずれて来ると思います。
○川俣委員 白玉を食糧管理法で取締るということは越権だ、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。現にあなた方の所管で警察と相談して取締つておられる、あれは越権行為だということになつてよろしいですか。
○新沢説明員 現在の食糧管理法上では、白玉粉が主要食糧で、白玉までは主要食糧の取扱いをしていないと思います。
○川俣委員 そこで私は別に白玉を取締るなと、こういうようなことで申し上げておるのではない、白玉は結局米粉を主にしているので、米の横流れを防ごうというところからやられたという意図は、私は十分了解するのです。一方それならば人造米を放任して置くことはおかしいではないか、こういうことなんです。それで白玉の元は米粉であるからということで、米粉を取締るために白玉を取締る、こうなつて来ると、人造米に対してもやはり同じ取扱いをしなければならないじやないか。
○中村(時)委員 もう一つついでにそれに関連して伺いますけれども、その一つの粒子の中に、たとえば白玉なら白玉そのものの中に、今の砕米が何パーセントあるかということにウエートを置いて取締つておるのか、あるいは人造米の粒子の中にどれだけの、たとえば砕米なら砕米を使つておるのか、その全体の使用量として考えておるのか、あるいは人造米の粒子の中にある主体は何であるか、その主体は小麦なら小麦であるから、これは別に考えていない、こういうのでありますか。どちらを中心にとつておるのですか。
○新沢説明員 食糧管理法上において主要食糧として指定しておりますのは——もとは統制をやるために主要食糧を指定しておつたわけでありますが、だんだん情勢がかわるに従いまして、必ずしも食糧管理法上の主要食糧ということの指定を受けたからといつて、いろいろな面においての流通なり、その他価格等は非常に大きな規制を受けるというばかりではございませんので、ものによりましては、逆に主要食糧ということによつての、たとえば輸送上とか、あるいは製造加工におけるいろいろな原穀の割当とかいうような、恩典を受けさせるという意味合いにおいての指定もあるわけであります。たとえば食糧管理法上で主要食糧となつておりますものはいろいろありますが、厳密な意味で完全なる統制を行つておるのは、米及びその系統に属するものでありますが、麦の系統に属するものは、たとえばパンも主要食糧ということになつておりますが、それにつきましては別に食糧管理法でいろいろな強い規制をやつているということではございませんので、むしろそれは主要食糧と指定したことによつて、これが製造なり流通の面において、いろいろ便宜が与えられるようにというような関係が、そこに強く現われておるわけであります。そういう意味合いにおきまして、人造米というものを取上げますと、今の段階において流通を規制するという意味合いで、主要食糧として指定するか、あるいは非常にこれに便宜を与えるという意味合いで、主要食糧として指定するか、いずれかの理由がなければ主要食糧に指定をしなければならないという理由はないわけでありますが、現在の段階におきましては、まだ進歩の過程であり、製品等においてもまだ進歩の途上にあるものでありますので、特にいずれかの意味においての指定をする必要も感じていないから指定していないということなんでありまして、主要食糧に指定をするということが——何か主要食糧というものにいろいろな規制をするということは、管理法の建前ではなつておらないのであります。
○川俣委員 私の質問しているのはそうじやないのです。できたものを言うのではないのです。生産加工の過程のことを聞いておるのであります。生産加工の過程において白玉は監督を受けなければならない。許可を受けなければならない。指示を受けなければならない。人造米がよいというのはどういうことかと言つておるのです。私の言つておるのは、店で売つておるできた製品の白玉を取締れと言つているのではないのです。
○新沢説明員 今川俣先生のおつしやつておる意味合いにおきましては、人造米の製造工場に対しても監督をしておるわけであります。砕米を政府が売つておるという範囲におきましては、砕米が人造米の用途以外に横流しをされないという意味合いの監督は、出先を通じてやつておるわけです。白玉なんかをつくる場合におきましても、原料として払い下げたくず米等が正当に原料として使われ、横流しをせられないようにという意味合いの監督をしておる、そういう同じ意味合いにおいての監督はいたしております。
○川俣委員 監督だけですか、白玉工場あたりはそれで許可を取消したり、あるいは製造を禁止してつぶれておる店もあるのですよ。私はそういうことを聞いておる。加工製造に主として米粉を使つておるということから直接に取締りを受けておる。それを禁止する規定もある。人造米も同様な立場にあるのではないか。米麦を使うとすれば、単なる監督ではなくて、許可なり、それに対するいろいろな設備についての認可なりが必要だとすれば、やはり人造米に対しても同様じやないか、これはこの前食糧庁長官に聞いた重点なんです。人造米をどこかの店で売つているのを取締らなければならない、こんなことじやないのです。加工、製造工程において、当然許可、認可を要すべきだというのが、九条の規定じやないか、それで白玉粉あたりを取締つているのじやないか、こう聞いているのです。それと同様な地位に人造米があるのじやないでしようか。
○新沢説明員 白玉粉はかつては実際の総合配給の一つの品目として、取上げた時代もございます。この時代には、政府がここに委託加工をするというようなことで、その工場の企業設備の能力とか技術というような点を見まして、いわゆる政府の指定工場というような形で、政府の委託加工をしていた工場がございます。今は、白玉粉、その他の米の粉が配給から落ちまして、今は希望配給になつております。そういたしますと、政府の指定工場というような関係ももうなくなつておりますし、工場の建設等についての認可制も許可制もないわけでございます。事実上の問題といたしまして、米の製品を使いますので、そのでき上つた製品なり原料なりが、たとえばお菓子の原料として流れて行くことを防ぐ意味合いにおきまして、注文生産と申しますか、卸売業者、お米の配給業者が自分のところに登録をした消費者に配給をすることが確保されます場合に、注文生産という形でやつております。注文生産ですから、米の卸屋が、この工場の品物はいいから、この工場の製品を幾ら入手したいということで卸を通じて申請をいたしまして、それに対して払下げをしているという形で、実際の過程において、能力のいい工場、いい製品を出す工場としからざる工場との間において自然淘汰ができて、幾つかの工場が脱落して行つたということは、私も耳にしておりますが、それは政府の食糧管理法の運用によつて許可が取消されたとか何とかいうことによつて脱落して行つたのではないのでありまして、そういう実際の経済上の動きによつて、そういうようなことになつたのであります。現在の白玉粉を製造している工場と政府との関係は、原料の横流し、できた製品の横流しが行われないように監督をしているという関係にとどまつております。
○中村(時)委員 今までの話の内容からいつて、災害、冷害などのために供出量が二千百万石になつたということは一応百歩譲りましよう。千九百万石しか現在は集まつていない。あとのことは、先ほど言つたパリテイ問題、米価の問題、そういう問題にひつかけて、いくら幅をとつて供出を云々しておつても、今の政府の政策に対して、農民が信頼を置かない以上はおそらく出て来ないのじやないか、それであなたは何とかしたいということで一応ピリオドを打つた。そこで二千百万石と限定いたしましよう。そうすると災害、冷害を受けた場合に、その保有量さへ収穫できなかつた農家に、あるいは皆無の者に対して、今度は米麦等売渡法というものがあるわけです。それに基いて今度は特配をしなければならない。それに対する特配、続いて今度の奄美大島なんかの帰属、そういう問題に対して、おそらくここで配給実績がかわつて来る、その数量をどのくらいに見越しておりますか。
○新沢説明員 農家用の増加といたしましては、トンで申し上げて恐縮ですが、大体四十三万トンぐらいが農家用というふうに考えております。奄美大島に対しましては、約十一万石くらいがふえると考えております。先ほどの農家用は全体の数字だけを申し上げましたが、増加量だけで見ますれば、約百十三、四万石が、本年の作柄の悪いことによつて全体でふえて来るようになろうかと思います。合せまして約百二十三、四万石が今の御質問の面における新らしい需要であると思います。
○中村(時)委員 そうすると、その基準は、一般配給を三百五十グラムとして一箇月十五日分、これでとつたわけですね。そしてたとえば、今度は特別加配というものを百四十グラムにとつて、一箇月全部になつて来るわけですね。それで全部合せて見ると百二十五万石、こういうふうに踏んだわけです。そういたしますと、たとえば先ほどの需要の問題から行きまして、これだけのものを加算すると、三千五百五十万石を下まわらぬことになるわけです。そうすると、需要量が三千五百五十万石で、供出を二千百万石として、当初の計画にあてはめたらどういうことになるか。たとえば需要量が三千五百五十万石としますと、内地の供出が、たとえば二十七年産の古米が九十万石、それに二十八年産二千万石——二千百万石ですけれども、百万石は早食いをしますから二千万石とします。そうすると、二十九年産の早食いが百三十万石となつて、二千二百二十万石となつて来る。そういたしますと、内地米の不足が千三百三十万石になる。今の計算で行きますと、大体四日分です。その四日分の不足にもつて来て、輸入食糧を当初計画の七百八十万石を見ます。そういたしますと、前年度の持越しが百五十万石と、その中の七十万石に手をつけると、八百五十万石が確保されるわけです。これだけははつきりして来た。八百五十万石が確保されて、この八百五十万石を計算に入れてもなおかつ五百万石が足らぬ。そうすると、一体この需給のバランスはどういうふうになるのですか。
○新沢説明員 平年度に比較して簡単な数字で申し上げた方がかえつてわかりやすいだろうと思いますが、お話の通り平年度で行きますれば、全体の需給の面から行きますと、どうしても六百九十石くらい足りない。お話のように昨年の不作によつて内地米の供給力は約一千万石減つておる。その補填をいかにしてやるかというお話ですが、大ざつぱに申しまして、配給の面の外米の供給力を平年度に比較して六十万トン——一千万石というと百五十万トンですが、六十万トンは外米の輸入の増加という形でやつておるわけです。そのほか麦の面で、麦の輸入増という形で平年度に比べての輸入増が約七十万トンくらいある。いずれも玄米換算で、合せまして百三十万トンくらいですから、輸入食糧によつて百五十万トンの供給下足を百三十万トンだけカバーしているということになります。あとの二十万トンは結局持越し量を減らして行く。早食いをふやすというようなことによつて、大体カバーして行くということで、決して一般国民の配給量に手をつけるとか、あるいは増加配に手をつけるとかいうことは、今計画の上には上つてないわけであります。
○中村(時)委員 しかし需要というものは今言つたように三千五百五十万石とはつきりきまつているわけです。それに対して供給が今言つたように減つて来ているんです。しかも今言つた輸入計画七百八十万石をプラスしてみても、五百万石の穴があいている。この五百万石に対してどうしても何とかせねばならぬということになつて来る。そうすると、先ほど言つたように何とかせねばならぬというところに、いろいろな問題があるわけです。たとえば強権発動という問題であるとか、この法的根拠の問題であるとか、片一方の農民自身にはそういうふうな責任と義務を負わし、あるいは三年の懲役ということまで書いて、そしてあなた方の方は、今まで言つたように二千百万石と仮定しても、五百万石の穴をあけている。これに対する対策は私は知らぬというのでは、非常におかしな問題になつて来る。そこのところに対して、あなた方はどういうふうな手を打たれるか。
○新沢説明員 平年度の需給バランスに対しての計算で行つて、外見上今年は需給のアンバランスがおつしやるような数量であるということだと思いますが、供給量の全部が消費という形で消えて行くのではないのでありまして、供給量のうち、実際に消費に充てるもののほかに、配給操作の過程においてのランニング・ストツクというものは常にあるわけであります。また米のようなもので毎年々々とれる作物では、操作いかんによつて、昨年とれたものを今年の秋にとれるまで食いつないで行くということのほかに、今年とれるものも供給として当てにすることもできるわけでありますから、平年度と本年度との見かけ上の供給減が、ただちにそのまま実際の配給面の操作の欠陥として現われて来るということにはならないと思います。もちろんいろいろ配給操作面においてもあらゆる努力をしなければならないと思いますが、そういう努力をいたしますれば、今申し上げた平年度の供給減がただちにそのまま今年の配給操作上の欠陥として現われて来るということにはならないと考えております。
○中村(時)委員 そうすると、そこに幅があるというお考えになつて来るわけですが、そこに幅があるとお考えになれば、たとえば需要供給の上から言つても、需要の方がはつきりしておつて、供給の方に幅を持たすと言えば、あなたは国内操作は十五日分で間違いはないとおつしやつても、事実供給の方が本年度の輸入食糧というものの限界がはつきりしているんです。そういたしますと、結局輸入食糧をふやすか、あるいは今言つたように配給量の質的なものをかえるか、日数をかえるかよりほかになくなつて来るんです。それに対して、あなたはあくまでも十五日分と限定して、たとえば五日分を外米に持つて行く、十日分を内地米に持つて行く、それによつて必ず押えることができる。しかもたとえば特配の問題もそのままの姿で、この問題の解決ができるとはつきり答えられましたが、自信をもつてそれが言えますか。
○新沢説明員 先ほどもお答えしたと思いますが、現在の内地米、輸入米を含めての供給に立てております数字は、現行配給量を維持するという建前においての需要量を満たし得るように立てております。外米についての輸入に制約があるというお話ですが、制約があるとしうことがわからないのです。幾らでも外米が輸入できないという意味においての制約というのはわかりますが、現在需給計画として立てられておる輸入米の数量というものは、現行の配給基準を維持するに足るだけの輸入数量を計画しており、そしてまたその計画数量に見合う外貨につきましても、また現実の物の存在においても大丈夫であろうと考えております。ただ配給の質の問題につきましては、前年の内地米と外米との比率が、本年もそのまま維持できるかどうかということについては、十五日の中に占める内地米の総体的な量は昨年よりも減らざるを得ないだろうということは、先ほどもお答え申し上げたつもりであります。
○中村(時)委員 先ほど先ほどと言いますけれども、結局結論を言いましたら、これだけ足らないのはわかつて来た。わかつて来れば、外米を輸入するということです。外米を輸入するということは、配給の質がかわつて来るというわけです。それを認めるわけなんでしよう。それをまず一番に聞きます。
○新沢説明員 そういう意味においてはその通りでございます。
○中村(時)委員 そうすると実際国民としての問題がそこで起つて来るのですよ。あの臭い外米——そこで外米の問題が出て来るから、この問題はその程度にして、次の問題に移りましよう。 そこで外米を輸入する場合に、今度は二つの方法がある。各生産地におけるところの数量の問題、これをどう皆さんが考えておるか、あるいはその地方における経済的な問題、あるいは手持のドルの問題、あるいはそれに関連するところの一連の業者の問題、この業者が中心になつて動いているはずです。そうして外国から買つて来る米は、各地域別に調査した資料を頼んで出してもらうことになつているが、まだ出ていない。各地域別の米の価格、それから業者の名称、資本金、その調査を早く出してもらいたい。これは非常に重大な問題を含んでおりますから、それを至急に提出していただくようお願いして、一応継続にして私の質問を打切ります。
○新沢説明員 今の資料は至急提出するように手配いたします。
○河野(一)委員 ちよつと食糧庁長官に、質問ではありませんが材料を私はお願いしたいのです。それは今汚職事件が非常にやかましい際ですから、私のちようだいしたい材料は多少その方にも関係のあることなんで、慎重に調査をして材料を出してもらいたい。それは原糖の輸入、さらに割当、政府手持ち砂糖の払下げについての材料なんです。これは最近五箇年にどういうふうにして原糖の輸入をされ、ドルの割当をどういうふうにしてされ、それから現在は生産設備によつて割当てられておるようですが、それはどういうふうな関係でそれがそういうふうになつておるか。われわれにわかるように材料を委員会に出していただきたい。最近とみにいろいろなうわさがあるようでありますが、これをひとつ委員会を通じて、一ぺんよく御説明になつたらいかがかと私は思う。なるべく早くお願いいたします。
○中村(時)委員 関連して。今の資料と、それから今の外国の輸入米の問題も一諸にやつておいてもらいたい。
○前谷政府委員 河野委員の資料承知いたしましたが、ただ五年間と申しますと、民貿の関係、つまり食糧庁が取扱つた時期の関係がございますので、現在から食糧庁が取扱つた関係におきましてわかる時代まで逆のぼりますが、必ずしも年限が御希望通りに行かないかと思いますが、できるだけそういうことにいたします。
○河野(一)委員 なるべく早く願いたい。
○足鹿委員 これは速記録にとどめてもらつてもいいと思いますが、食糧の問題なり、その他の補助金整理、行政機構改革に伴う法律の改廃、この問題は非常に大きな問題なんで、食糧増産にも関連があります、また食糧需給にも関連が出て来ます。それから価格問題もありますし、これはどうしても関係の大蔵大臣なり大蔵省の責任ある人をここへ来ていただいて、もう少し本格的な審議になるようにおとりはからい願いたいのです。
○井出委員長 ただいまの足鹿委員の御発言どうですか。 〔「いいです」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○井出委員長 速記を始めて。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会