内閣委員会 第38号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/05/25
会議録
○下川委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が所用のため、理事である私が委員長の職務を行います。 この際お諮りいたします。理事大村清一君が去る十九日委員を辞任され、理事が一名欠員となつておりましたが、同君は再び委員に選任されましたので、同君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○下川委員長代理 御異議がなければ同君を理事に指名いたします。 それでは先日に引続きまして、保安隊及び警備隊に関する件、国防会議の構成に関する件について質疑を続行いたします。質疑の通告がありますので、これを許します。辻政信君。
○辻(政)委員 国防会議の問題につきまして二、三お伺いいたします。「内閣総理大臣は、左の事項については、国防会議にはからなければならない。」ということが防衛庁設置法案の第四十二条に書いてございますが、ただいま配付されました国防会議の構成等に関する件、保安庁案によりますと、国防会議は内閣総理大臣の諮問機関である、こう書いてあります。そうしますと、この四十二条に書いてある重要事項について国防会議にはからなければならないというこの文句は、単に手続上形式的にやらねばならぬというお気持でありますか、それとも内容について権威ある議決機関になさる意味か、それをちよつとお伺いいたします。
○加藤政府委員 第四十二条には、「重要事項を審議する機関として、内閣に、国防会議を置く。」、「内閣総理大臣は、左の事項については、国防会議にはからなければならない。」とこう書いでございます。すなわちこれは諮らなければならないというのでありまして、諮つた結果の決議に法律上拘束をせられるというものではないのであります。法律上拘束せられるものを、通常の意味において議決機関、こう申しております。そういう意味ではこれは議決機関ではございません。その趣旨で諮問機関、ところ書いうのでございます。
○辻(政)委員 そうしますと、国防の基本方針、防衛計画の大綱、こういうような重要な問題は、一体どこできめ、だれが責任を持つのか。
○加藤政府委員 これは最高の行政責任者でありまする内閣においておきめになることでございます。
○辻(政)委員 その決定に対して責任を負うのは、国防会議ではなくて内閣ですか。
○加藤政府委員 内閣でございます。
○辻(政)委員 そうしますと、こういう重大な問題、ことに防衛出動の可否というような問題について、国防会議は単に形式的に、手続上聞きおく程度のものであつて、本質的にこれを決定する何らの権限もなければ責任も持たない、こう解釈していいですか。
○加藤政府委員 私の申し上げておりまするのは、法律的な立場からの解釈でありまして、政治的にどういうふうに重大性を持つかということはまた別でございます。これは大臣からお答えいたましす。
○辻(政)委員 これはきわめて重要な政治の根本でありますから、私は初めからあなたにお伺いするのをやめて、大臣からの御答弁を要求しておるのです。
○木村国務大臣 その点について私からお答えいたします。行政機関でありまする内閣が政治責任を負うことは、日本の憲法上の建前であります。すべて国民の負託によつて選挙され、そうしてそのもとに構成されました内閣が行政について全般的の責任を負うことは当然言をまたないのであります。そこで、国防の基本方針その他防衛に関する計画を立てまするのもこれ一つの行政であります。御承知の通り、新憲法におきましては、昔のような統帥権は認めていないのでございます。すべてその時の内閣が全責任を持つてそれをきめるべきものであることは、当然言をまたない。そうしてそれをきめるにあたりましての経過においてどうあるべきかということが問題であるのであります。国防会議もこの内閣の責任制に基いて、きめるべき過程において十分これらが審議され、そうしてそのもとにおいて内閣総理大臣がすべてこれを決定するという建前をとつたのでありまして、今加藤局長から申し上げましたように、決定機関ではないのであります。しかしこれにおいて審議され決定されたことが政治的に大きな意味を持つことは当然言をまたないのであります。そうでなければこの会議を置く必要はごうもないのであります。実際問題といたしまして、政治的にこの会議できめられたことについて十分な意味があることは当然言をまたない、こう考えております。
○辻(政)委員 十分な意味があつても十分な権限を持たない、責任も持たない機関、こういうふうに解釈されるのであります。ことに政府の原案によヶますと、これは大体七名の大臣を集めて構成しておられる。そうすると、これは戦時中にあつた戦時閣僚会議と同じでありまして、ほかの伴食大臣を別にして、七名の者だけ集めてやる機関であるならば、ここに麗々しく国防会議というものをお出しになる意味が少しもなくなる、こういうふうに私は考えます。権限がその通りであり、構成の内容がその通りであるならば、麗々しく国防会議とお出しになる意味が全然なくなります。むしろ関係閣僚の、たとえば経済閣僚懇談会というものがありますが、それと同じような意味において、防衛閣僚懇談会といいますか、そういうものにおやりになつたらどうでございます。
○木村国務大臣 この国防会議は常設機関であります。閣僚懇談会のようなものと性質を全然異にいたしております。要するに国防に関係のある大臣が常時これについて検討をして、そうして国の国防の基本方針を求めて行くということであります。 なおつけ加えて申しますが、これがもしも決定機関であるということになりますと、内閣にまつたく異なつたものが国の国防の基本方針をきめて、それに内閣か従わなければならぬということになり、内閣が責任をとれぬことになる。これは内閣責任制から申しましてゆゆしき大事である。時の内閣かすべて責任を持つて事を処理するということでなくては民主主義の根底が破壊されるもの、とこう私は考えております。
○辻(政)委員 それでは別の観点からお伺いします。国防の基本方針、防衛計画の大綱はどこで起案をなさいますか。起案をするところはどこですか。
○木村国務大臣 これは申すまでもなく会議機関であります。機関と申しては語弊がありますが、会議を持つてやるのであります。各省において研究した結果をすべてここに持ち寄りまして、これで総合判断をしてこの会議において決定しよう、こういうことであります。
○辻(政)委員 各省データを持つて来て相談してきめるというか、その会議の議題になるべき基本方針を起案し、まとめるものが必要になつて参ります、仕事をやる上において。七人の大臣が出て来て、おのおの自分の見解から、経済力はこうだ、防衛力はどうだ、そういうのでは木に竹を継いだようになつて、それをこなしたまとまつた国防の基本方針というものは単位からは生れて参らぬ。幹事があり、事務局があつて、こういう資料をお互いに持ち寄つて来て、そうしてそこで正しい設計をしなければならない。その設計したものに基いて各大臣が会議において意見を述べて本物にする、こういう過程をとらなければならない。そうしますと、この大綱なり方針なりを、ほんとうに各方面のデータを集めて総合して、いわゆる参謀の立場においてこれをまとめて起案するのはどこかという点であります。
○木村国務大臣 辻委員の今のお考えは、事務当局にまず根本的な起案をさせるというように私伺つたのでありますが、あるいはそうでないかもわかりません。われわれの構想といたしましては、関係の大臣が所掌の官庁において十分練つたものをここへ持ち寄つて一つの案をきめようというのでありますから、あらかじめ事務局でもつて立案させるというようなことは考えていないのであります。その庶務はどこでやるかというと、われわれとしては、防衛庁内においてやらせることが適当だ、とこう考えている次第であります。
○辻(政)委員 そうしますと、この会議に出席する防衛庁の木村長官は、山田保安局長の書いた一つの素案を持つてそこに臨まれる、外務大臣は次官が書いたものを持つてそこに臨まれる、大蔵大臣は大蔵次官の起案したものを持つて来てそこで述べる、それをかき集めてその会議で案を立てるのでございますか。
○木村国務大臣 私の方の部内のことについて今お言葉がありましたから申し上げますが、何も山田局長が案を立ててやるわけではありません。今度の防衛庁設置法案において明瞭でありまするように、私のもとにおいては、いろいろの幕僚があります。その幕僚によつて保安庁としての考え方はきめるわけであります。
○辻(政)委員 山田局長といつたのは間違いではないのであります。この法案におきましては防衛局長が防衛なり、保安隊の基本について事務として主管をする責任者であります。でありますからほかの者はそれに基いて下請作業をやるにすぎない。でありますから長官が会議に出たときには防衛計画の大綱とか国防の基本方針をあなたの幕僚として立案をする、筆をとつてほんとうに書くのはどうしたつて防衛局長なんです。もちろんそれに対しては統幕議長の意見もお聞きになるでしようし、次長の意見もお聞きになるでしようが、幕僚機関の中心としては防衛局長がやつておるわけです。そこで私の聞きたいことは、さらにそののりを越えて日本の国防の基本方針、日本国家の防衛計画の大綱、防衛出動の可否、こういう重大な問題は、大蔵大臣や外務大臣では起案できないのです。会議に配付する書類、議案を起案できない。結局木村長官が一つの草案を持つて来て、そうして外交の見地、あるいは財政の見地からそれぞれの大臣が意見を言うて修正するというのが実際の仕事の運びぶりだと思うのですが、それでよろしゆうございますか。
○木村国務大臣 決してそうじやありません。この国防の基本方針というものは、これは申すまでもなく、わが国として将来どうあるべきか、たとえば自由国家群の一員としてどういう方向に進むべきであるか。具体的に申しますと、ある国との間にいろいろの折衝がある、その折衝は国防の見地から見てどういう方針を立てて行こうかというような、大所高所から国防の基本方針をきめるわけでありまして、それらのことについては外部大臣の発言権も重きをなしますし、あるいは大蔵大臣の発言権も重きをなす。ただ単純な作戦という面だけのことではないのであります。そういう点については関係の者が寄り合つてその方向をきめるということになると思います。
○辻(政)委員 そうしますと、防衛計画の大綱というのは、内容的にどういうことになりますか。これは兵力の配置、運用、補給というものを含んでおるものと私は見ますが、そうじやないのですか。
○木村国務大臣 この国防会議においてきめられるべき国防計画の大綱は、大きな観点からわれわれは考えておるのであります。すなわち、具体的に申しますれば、どこの国においてどういう戦略的配置をしているか、それについて、わが国としてはこれに対する防衛体制をどう立てて行くか。しかうしてそれらの面について誤りなからしめるためには、あるいは運輸的の観点、あるいは食糧の観点、あるいは通信の観点、いろいろな面から十分考えて、これらの計画を立てて行きたいと考えております。
○辻(政)委員 そういうような重大な議案を配付されて仕事をして行かねばならぬのですが、そういうものをまとめて一つの草案をどこかで書かねばならぬのであります。まさか大臣を五人集めて、そこで鉛筆を持つてどなたかの大臣が主任になつて起案されるものではないと思うのです。そうじやないのですか。
○木村国務大臣 そういう場合には、ここに構成メンバーになつておりまする各大臣が、どの省でもつてそれを取扱つて行くかということをきめてやればよかろうと考えます。
○辻(政)委員 その意味におきまして、私は、この事務局というものが非常に重大な役割をなすと思うのです。政府案には単に国防会議の庶務と書いてありますが、これは会議をどこでやるとか、お茶を出すとか、出張するとか、こんなものが庶務なんであります。そうではなしに、国防会議にはそれに伴ういわゆるスタッフのほんとうの仕事をしてやる事務局が必要になる、その事務局というものをおつくりになるつもりか、単に給仕とか小使いだけを置いた庶務をおやりになるつもりかどうか。
○木村国務大臣 これは今申し上げました通り、申すまでもなくこの案を立てるについては、各省が関係しておるのです。おそらくそのもとにおいて各省からあるいは局長がその下相談に出るとか、あるいは実際の事務を扱うとかいうことで、各省のそれ相当の人間が出て来て、そこでいろいろな事務をとるべきことであろうと考えます。
○下川委員長代理 辻委員に申し上げますが、申合せの時間が参りましたから、そのつもりで……。
○辻(政)委員 内容をつつ込んで行くとまだまだ足りないのでありますが、制限時間がありますから、ごく簡単に、最後の結びといたしまして申し上げます。この問題は非常に重大であるが、私どもは、この法案を審議するときに、これは別個に政府がお出しになるというので触れないで通つたものであります。しかし、今聞いてみますと、きわめてこれは重大な問題であつて、このまま済まされないという感じがいたしますので、現在三党でさらに折衝されているようであります。この三党の主張を公正な立場で判断して、私はひとつ調整の意見を出したいと思うのであります。 まず第一に、かくのごとき国家の運命を決する重大なる会議でありますから、内容の充実したりつぱな事務局をお持ちになるべきである。寄せ集めではいけない。しかもこの事務局は防衛庁に置かれてはだめである。全体の、国家の事務を広く見るという意味で、当然内閣に置くべきである。これは改進党の主張が正しいと思うのであります。そうして、経済、外交等各種の広い視野に立つて国防の根本をふだんから考えて練つておき、素材を集めておく、従いまして、その事務局にはいわゆる民間の最大権威の者を集める。これは主として経済関係に詳しい人がいいと思います。そうして民間のあらゆる意見をこの事務局に吸収されて、その総代表として、国防会議に事務局長が構成員の一人となる。これによつて、改進党が民間から六名入れるというのをこの事務局長にしぼつてしまつて、これが民間の総意を代表して構成員に加わる。そうしますと、一人でありますから、秘密の保ち方というものは政府が御心配になるようなことはない。こういう点が一点。いま一つは、かくのごとき内容は、これは軍事の最高権威をどうしてもメンバーに加えなければだめだと思うのです。そういう意味から申しまして総合幕僚会議の議長は会議構成員の一員とすべきである。原案によりますと、単に陪席して必要な意見を述べるにすぎないのでありまして、これは議決機関ではないのでありますから、会議の本質からいつても妥当ではないと思います。決定機関ならば別問題でありますが、諮問機関であるならば、そこに軍事の最高の権威の者を一つの構成員とされるということは決して不合理ではない。そうして一方において、民間の、主として国力、経済、こういうものを代表した事務局長、軍事最高の権威としての統幕の議長、この二人を入れるということによりまして、改進党と自由党の主張が調整できるのではないか、私はこういうふうに考えますが、これについて長官の御見解を承つて質問を終ります。
○木村国務大臣 そのお手先に配付した案は保安庁の案にすぎないのであります。いずれ三党折衝の結果、政府案というものがそこでつくられるであろうと考えます。そのときにどういう結論が出まするか今私は予想することはできませんが、その案に基いて政府案が決定されるであろうと考えております。
○辻(政)委員 予想ではなくて、私の述べましたことについての長官の御見解を私はただしたのであります。こういう方法で調整できるじやないか、筋が通るじやないか、これについて長官は反対か、あるいは考えるという御意見か、それを承りたい。
○木村国務大臣 十分に参考として聞いておきます。
○中村(高)委員 ここに渡されておりまするのは国防会議の構成に関する要綱のようでありまするが、防衛庁設置法によりますと、別に法律で定めるということになつておるのでありまするから、おそらく法律をつくらなければならぬことになつているようでありまするが、どうしてこれは防衛庁設置法の中に国防会議に関する法律を入れないで別につくろうとするのでありますか。国防会議の目的であるとかあるいは運用などについては法律の中にあるのですが、構成に関するものが今度の防衛庁設置法の中に入つておらぬのは、間に合わなかつたためにこういうことにしたのか、それとも、国防会議というものは重要なものであるから別に独立した法律にして出した方がいいというお考であるのか、どうして提案をされたときにはこの構成などあとまわしにしたのか、その点を理由があれはお聞きいたしたい。
○木村国務大臣 この構成内容につきましては、御承知の通り当時保守三派においてせつかく検討中であつたのであります。われわれといたしましても、それについては、その決定に基いて慎重考慮いたしてこれをきめたい、そういう次第でありましたので、別個の法律をもつてこれを提案するということに相なつた次第であります。
○中村(高)委員 いまだに政府では保守三派の協議にこの重要な内容をまかせておつて、そうしてきのうも保守三派で協議をしておつて、結局まとまらないというのでありまするが、こういうような議案は、国会で審議をしてその上できまつておるのでありまするから、政府自身が独自の案をつくつて国会に提出して審議をすればいいので、保守三党の案がまとまらなければ、国会の審議はいつまでたつてもずるずると不満足のままにごまかして審議をするというような行き方は、はなはだ不都合だと思うのであります。ことに衆議院でこの問題が審議をされまするときにはさつぱり内容を言わないで、先日も高瀬君から言われたように、参議院で国防会議の構成の内容を言わなければ審議しないとかいうようなことで、ようやく要綱を出すという、しかもまた三党の折衝にまかせるというようなことは、われわれは国会に対する政府のやり方がはなはだよろしくないと思うのでありまして、政府は政府の独自の案を出して国会の審議を受けれはいいので、三党の協議がまとまるまでは法案を出さぬということははなはだ不都合だと思うのでありまするが、それに対してどういうふうにお考えになりますか。
○木村国務大臣 この構成内容をきめるにつきましては、これは慎重に考慮しなくちやならぬということは、先刻辻委員に対して、私が御答弁した通りであります。そこで三党折衝の結果を待つというのは私は政治的意味において妥当であると考えております。政府としては考えるところもあるのでありまするが、それらのきまつた案を十分に考慮に入れて慎重にその内容構成をきめることが、政治的意味で私は妥当であろうと考えております。
○中村(高)委員 われわれはそういう考えが間違つておると思うのでありましてまるで保守三党と政府と、こういう重要な議案をこつそり相談をしたり、あるいはまとまるまでは法案をつくらないで、そうして防衛庁設置法と自衛隊法だけは提出し審議をさせるという、まるで重要な点を抜いてしまつて審議をさせるということはわれわれは委員会なりあるいは国会をはなはだ軽視する行き方だと思うのでありますが、新聞に伝えられるところを見ると、改進党では民間人を入れるということでいまだに譲らない。自由党の方ではそれに対しては民間人を入れる必要はないということで、まだ対立しておるということが伝えられておるのでありまするが、われわれもこういう国防会議のようなものができまする以上は、国防会議に諮つて防衛庁が仕事をして行くというようなことに対してはいろいろ議論をしなければならぬと思うので刈りまするが、特に一番問題になりまするのは、軍事独裁になる危険のあることでありまして、国防会議に民間人を入れるという改進党の意見も、おそらくは軍事独裁になることを防ぐという趣旨にあると思うのでありますから、そういう点については一つの見方だとわれわれも考えるのでありまするが、政府では民間人を入れないということで、この問題がまとまらぬようでありまするが、もし改進党があくまで民間人を入れなければ妥協しないということになると、長官は法案出さないで済むのですか。それとも独自の案を最後にはお出しになるつもりか、これははつきりしていただきたいと思うのであります。
○木村国務大臣 これはいずれ政府でもつて決定すべき事柄であるのであります。私は今ここでとやかく申し述べることを差控えたいと思います。ただこのお手元へ配付いたしました要網においても明らかでありまする通りに、総理大臣が必要あるときには民間人の意見を徴することができることになつておるのであります。構成員ではありませんが、必要な場合には、何人であろうと適当なりと考える人の意見は聞くことができることになつております。この間の含みというものは、私は非常に意味をなすものと考えております。
○中村(高)委員 そうするとこの要網の中にはそんなことはどこにも書いてないのでありまして、必要あるときは随時関係大臣を出席させるものとするということになつておりまするが、あとの関係者の出席というところを見ると、その他の関係者を会議に出席させるとあるが、これはどうもいずれも役所関係だと見られる文字でありますが、その他の関係者の中に今言つたような民間人を含ませてあるという意味ですか。
○木村国務大臣 さようであります。われわれの考え方はそうであります。
○中村(高)委員 それは関係者じやなくて、民間人は何の関係者ですか。何か知識を持つておるとかいうようなことは関係者じやないので、これは役所の意味だと思うのでありますが、民間人はどこに関係がありますか。
○木村国務大臣 私はいろいろ関係者はあろうと思つております。具体的に一例を申しますれば、日銀総裁のごときもその一人であろうと考えております。
○中村(高)委員 おそらく問題になつておる民間人というのは、今指摘されたような日銀の総裁というものではなくて、一般の学識経験を持つております者とか民間人の意味を問題にされておるのだろうと思うのでありますが、今大臣の言われたのでは、そういうものではないようでありますから、明らかにこれは改進党の主張しておる民間人という意味とは思えないのであります。 なお国防会議は諮問機関であるから、内閣を国防会議で動かすことはできないというような御説明がさつきもあつたのでありますが、もし部隊を出動させるとかいう問題がかりに起つたといたしまして、国会の開会中、あるいは国会を開会してから出動をするという余裕のある場合は別でありますが、緊急な場合などには、おそらく国会の承認を得るというようなことはできないのでありまして、その場合においては、政府は独自の考えで総理大臣の命令で陸海空を出動させることができるとあるのでありますが、こういう緊急の事態の場合には、一体国防会議はどういうことになるのか。国会はなかなか開けないけれども、国防会議ならば開けるということも考えられるのでありますが、出動でもするという場合には必ず国防会議にかけるものだと思いますけれども、そういう場合は実際においてどういうふうに扱われるのですか。
○木村国務大臣 御承知の通り、出動の可否は原則として国会がきめるのであります。国会の承認を得て初めて出動することになるのであります。国会の承認を得ることのできないような場合、そういう緊急やむを得ない場合、たとえばもうすでに武力攻撃が開始されんとする危険が間近に迫つて、国会を召集する、国会にかけるいとまのないような場合において初めて総理大臣が出動を命ずることができるのであります。その際におきましても、出動の可否は国防会議に諮問をするという建前をとつておるのであります。
○中村(高)委員 そういう場合には、おそらく事実上は国会の承認と同じような重要な国防会議になると思うのでありますが、政府と国防会議とが意見の違うという場合は、この構成ではほとんどあり得ないのでありまして、いずれも総理大臣が議長で、その他の者が国防会議の構成員だということになると、出動の可否をきめるというような場合には、これはもうほとんど必要がないのではないかと思うのであります。これだけの者で国防会議を開くというならば、内閣の閣議と何らかわりのない性格のものになると思うのであります。そうすると、国防会議にかけて可否を聞いて、さらにまた同じ内閣で、同じ構成メンバーの者が集まつて、そして出動の命令を決定するというようなことは意味のないことのように思われるのであります。これに何か第三者というか、民間の者が入るというようなことによつて、こういう場合には外交の見地から考えて、大所高所からもつと慎重にしろとか、あるいはこういう場合には他の方法をとれというような意見も出ると思うのでありますが、議長が総理大臣で、あとは部下の閣僚だということになりますと、国防会議というものはほとんど意味のないもののように思われるのでありますが、閣議と国防会議は一体どこが違つておりますか。
○木村国務大臣 閣議は定例でもつて行われるのでありますが、この国防会議は常設機関でありまして、しかもこのメンバーは限定をされておりますので、事を運ぶにおいてきわめて簡明率直にできるものと考えております。
○中村(高)委員 この場合にも国防会議には議長は総理大臣がこれに当るということになつておるのでありますが、事実上議長が総理大臣であつて、そして会議の委員が閣僚である、こういうような性質の国防会議にたとえば出動の可否などを聞いてみたところが、これは総理大臣の意見と同じになつてしまつて、あつてもないものと同じような国防会議になると思うのであります。これではまつたく総理の専権にまかせられてしまうというような国防会議になつて来るのであります。そうすると、国防会議というものは、要するに政府の社会に対する一つの言い訳というか、あるいは国会に対する一つの言い訳の機関のようなものにわれわれには考えられるのでありますが、この構成はどうしてもこの要網に示されたものが最後的決定であるかどうか、もう一度念を押しておきたいと思うのであります。
○木村国務大臣 これは保安庁において作成した要綱であります。保安庁の案と申してさしつかえありません。政府の案ではありません。いずれ政府において閣議でもつて決定すべき事柄であろうと考えております。
○中村(高)委員 そうすると、保安庁の案であつて、これは政府の最終の案ではないということのようでありますが、どうも長官の説明がおかしいのでありまして、われわれは保安庁の案を審議しているのじやなくして、政府の提出された責任のあるものを審議をしているのでございます。これは政府のまとまつた案ではないということですが、そうすると、保安庁の試案ということはないでしようけれども、保安庁だけの案であつて、政府の案じやないのですね。
○木村国務大臣 まさにその通りであります。
○中村(高)委員 そうすると、これは保安庁の原案であるから、もし保守三派で案がまとまるというようなことになれば、政府の案として法律につくつて提出するということですか。
○木村国務大臣 その場合には、よく検討して政府の案として国会に提出することになると思います。
○下川委員長代理 飛鳥田一雄君
○飛鳥田委員 あまりダブらないように伺います。これはどうしても解せない点ですが、内閣委員会でこの自衛隊法をやつておりますときにも、各委員からほとんど異口同音に国防会議の構成については御質問申し上げたと思います。ところが、これに関しては何らお答えにならずに、突如参議院に行かれて保安庁案というものを出された。これは一体どういうことでしようか。私はあらかじめお答えを想像しいろいろな点を考えてみましたが、国防会議の内容については三派折衝のまとまらないということが、衆議院における場合のお答えのようでしたか、依然としてこの点はまとまつていない、また特にこの案を出さなければならないような突如たる理由を想像できないのですが、この点について、突如参議院でお出しになつた理由をお示しいただきたい。
○木村国務大臣 参議院においては、その審議の過程におきまして保安庁の確定案をぜひ出すようにという要望があつたのであります。申すまでもなく、当委員会において御審議中においてはまだ保安庁においては確定案というものができていなかつたのであります。従いまして、これを御審議の対象にできなかつたことはまことに遺憾であります。参議院においては幸い確定案ができましたから、参議院における審議過程において提出したわけであります。
○飛鳥田委員 多分そうおつしやると思いましたが、しかし一体自衛隊法なり何なりをやります場合、内閣委員会に提案をせられます場合に、この国防会議というものの占めている地位から考えて参りまするならば、提案の以前において国防会議の構成を考えておられるのは当然の義務でなければならないと私は思うのです。かりに閣議決定の案ができておらないでも、保安庁案くらいはつくつてこの法案を衆議院に御提出になるのが当然の義務であり、国民に対する義務だと私は思いますが、それを今まではできなかつた、法案審議の過程において、参議院の段階に至つてできましたからお示しいたします、こういうお話では、那辺に御誠意があるか私たちとしては受取れない、こう申し上げざるを得ないのであります。もつとほんとうの理由をお示しいただきたい。この保安庁案程度のものでありますならば、もうとつくにできておつたはずだと想像しますが、この点についてもしできていなかつたということが真実だとすれば、衆議院に対して確定案を持たずに臨んだあなた方の責任をどうせられるか、その点についてお答えを願いたいと思います。
○木村国務大臣 確定案ができれば、むろんこの委員会においても提出すべきであつたのでありますが、いろいろ慎重に研究する過程においてまだできていなかつた、幸い最近に至つてできましたから提出したような次第であります。ほかには他意はありません。 〔下川委員長代理退席、平井委員長代理着席〕
○飛鳥田委員 そういうことでこの重要な法案を国会に御提議になる態度が一体よろしいかどうかこれは厳重に御反省いただきたいと思います。こんなことで国会の審議を要求せられるようなことが再々ありますならば、おそらく国民の支持はあなた方から去つてしまうだろう。もつとも当然去つてはおると思いますが……。そこでこの前予算委員会においてあなたが防衛計画について発表をせよとわれわれ両社会党から迫られました場合に、試案であるから示さない、こういうことをあなたは再々言われて、遂に兵員の増加の計画についてはお述べにならなかつた。少くとも法案というものが内閣提出であとするならば、今度の保安庁案なるものも一個の試案にすぎない、こういわざるを得ないと思いますが、前に試案を出すことを試案なるがゆえに極力拒否せられたあなたが、今度は審議の都合上、試案なるものを欣然としてお出しになる態度、この二様の態度について御説明をいただきたいと思います。
○木村国務大臣 あなたの今お話になりますいわゆる警備計画であります。これも予算委員会できわめて明瞭に申し上げました通り、その当時はまだ保安庁の定案というものがなかつたのであります。従つて私はさようなものはまだできていないから出すことはできない、こう申し上げたのであります。
○飛鳥田委員 くどいようですが、少くともあなた方が法案を御提出になります場合に、未確定の部分をたくさん残して法案を提出する、こういうことはあなたはよしとせられましようか。
○木村国務大臣 私はよしとはいたしません。
○平井委員長代理 飛鳥田君にお願いします。ひとつなるたけお早く、参議院がお待ちしております。
○飛鳥田委員 そういたしますと、よしとせられないものをあなたはあえておやりになつておる、こういうふうに私たちは承つておくのであります。 時間もございませんので、続いて次の問題を伺いますが、この保安庁案というものは先ほど来中村村委員の御質問に対してお答えになつていらつしやるあなたの答えを聞いておりますと、将来変更する可能性がある、こういうことですが、これはその通り伺つておいてよろしいでしようか。
○木村国務大臣 可能性はあります。
○飛鳥田委員 しかしこの問題は国防会議の構成として非常に重要な点であります。しかもこれがいかに構成せられるかということは、自衛隊法を審議いたします場合の最も重要な点であります。その最も重要な点に関してかえられる可能性のある案を参議院の資料としてお出しになる、これは一体どういうことでしようか。もしこのお出しになつた保安庁案を参考資料として参議院の内閣委員会が自衛隊法を審議した、通した、あるいは否決した後に至つて、この案ががらりとかわつて参りますならば、それはすなわち内容のすりかえであります。むしろ通りそうな、御意に召しそうな参考資料を出しておいて、実はあとになつてからかわりましたということではそれは詐欺です。私はあなた方がこういうこをとなさることは解せない。この点についての御見解を示していただきたい。これがもし将来かわらないということでお出しになりますならば、これは参考資料として確かに必要であります、出さなければならぬものであります。ところが白と見せておいて、あとで黒になつた、法案審議というものは一定の期間があります、その期間の後にこれを黒にかえられたのでは、これを白だと信じて法案を審議せられた委員方の責任というものは非常に重要になります。あなたは参議院の内閣委員会の委員諸公をだますおつもりかどうか、これを承つておきたいと思う。
○木村国務大臣 私は参議院の委員諸公をだまそうという意思は毛頭ありません。この要綱は参議院の内閣委員会の要望に基いて出したのであります。従いましてこの要綱は政府の確定案ではありませんから、政府があらためてさらに確定案を出すことになると考えるということは、明瞭に申しておる通りであります。参議院内閣委員においても、これは単純な一つの資料とされたわけでありまして、政府の確定案とはお考えになつておりません。
○飛鳥田委員 そういたしますと、あなたのお話を聞いておりますと、保安庁というのは内閣の一部ではないように伺えますが、保安庁というのはあなた方の内閣の一部をなしておるものだと思います。その内閣の一部をなしておる保安庁がお出しになる、それはすなわち少くとも一部分としての責任ある行為であろう、責任ないとはまさかおつしやるまい。責任ある行為を今度内閣が否定下る、それでにあなたに辞職なさるおつもりかどうか、こういわざるを得ないと思います。私はなるほど左派社会党の一員でありますが、私のやりますこと、それはすなわち左派社会党の方針であります。決してこれが上下するなどということはないはずであります。ことに国会に対する内閣あるいは保安庁というものの責任は、保安庁はこう考えます、内閣はこう考えます、間違いました、ごめんなさいでは済まないはずであります。こういうことは先ほど来伺つておりますと非常に無責任な感じがいたします。この点についての御意見を伺いますとともに、それならばいつ確定案をお出しになるのか、この会合期中に必ずお出しになるのかどうか、この点を第二にお答えをいただきたいと思います。
○木村国務大臣 飛鳥田委員は少しお考え違いをしておるのじやなかろうかと思います。保安庁できめたものが即政府の決定案とはなりません。これは各省とも同じことで、各省で立案したものを閣議にかけて決定されるのであります。それが修正されることは当然あり得るのであります。これも保安庁の確定案でございますが、政府において閣議にかけた場合にこのまま決定されるというわけには参りません。決定される場合もありましようが、これは修正される場合もあるのであります。その点において私は何ら責任がないと考えております。
○飛鳥田委員 修正される可能性のあるようなものを何でお出しになる必要があるか、こういうことです。 それからもう一つは、今第二に伺つた、いつお出しになるか、このことについての御答弁をお願いいたします。
○木村国務大臣 いつ出すということは、私はここでお約束いたしかねます。
○飛鳥田委員 いつ出すかわからない、またこれもかえられてしまうかもしれない可能性がある、こういうようなものを、たよりに参議院の方々が考え、あるいはまた国民がこの自衛隊法を考えて行つていいかどうか、これを伺いたいと思います。悪く解釈すれば三派折衝かまとまらない、しかし野党がうるさい、だから野党には何かおもちやを与えておけというようなふうにしか考えられないのでございます。こういうふうな態度で国会の審議にお臨みになるとするならば、これは重要な問題じやないか、この点について最後に伺つておきます。
○木村国務大臣 参議院の内閣委員会においてこれを提出いたしましたのは、委員会の要請によつてしたものであります。これに基いていろいろ参議院においては審議の資料になり得るものと私は考えております。
○飛鳥田委員 参議院の御要求でお出しになつたと言われますが、衆議院でもたしかこのことは再々各委員から質問をし、要求をしたと思います。それからそのときにかりにできていなかつたとしても要求がありさえすれば何でも与える、こういうことでしようか、それではあまり無責任過ぎやしないでしようか、子供のことを一言いますとしかられますが、子供がほしいと言つたからといつてピストルを与える理由はないと思います。何かあなた方はそういうふうに要求かあつたから確定案だろうと何だろうと渡しておけばいい、こういうような態度はちよつと無責任な感じがいたしますが、再度この点についてお伺いいたします。
○木村国務大臣 決して無責任ではありません。参議院の内閣委員会の要請がありましたので、この要請が妥当なりと考えて提出したわけであります。
○平井委員長代理 この際お諮りいたします。理事でありました山本正一君が本日委員を辞任せられ、再び委員に選任されました。つきましては理事の補欠選任を行わなければなりませんが、理事の補欠選任は先例によりまして委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平井委員長代理 御異議なければ山本正一君を理事に指名いたします。 本日はこの程度にいたし、次会は公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十二分散会