内閣委員会 第32号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/05/13
会議録
○稻村委員長 これより開会いたします。 法務省設置法の一部を改正する法律案、総理府設置法の一部を改正する法律案、航空技術審議会設置法案、調達庁設置法等の一部を改正する法律案、内閣及び総理府関係法令の整理に関する法律案、元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、及び恩給法の一部を改正する法律案を一括議題とし、逐次提案理由の説明を求めます。法務政務次官。
○三浦政府委員 ただいま議題となりました法務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。 御承知の通り出入国管理令は、いわゆるポツダム政令として公布されたものでありますが、平和条約の発効に際しまして、昭和二十七年法律第百二十六号、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律により法律としての効力を与えられ、引続き外国人出入国管理の基本法として施行されているところであります。この出入国管理令の管理方式は、一般的に承認された国際慣行に基いて立案されたものでありまして、特に外国人に対する入国審査はすべて独立した行政手続によつて決定されるもので、その手続は、人権保障を旨とし、民主的な運営を期しておるのであります。 以上のような出入国管理令によれば、まず本邦に入ろうとする外国人は、出入国港、すなわち外国人が出入国すべき港として、法務省令により指定されている海港または飛行場において、入国審査官に対し上陸の申請をして、上陸のための審査を受けなければならないこととなつており、このような出入国港は、出入国管理令施行規則により、現在日本全国に七十八港の指定を見ており、そのうちの三十八港に入国管理事務所の出張所が置かれ、入国審査官が常駐いたして、日夜出入国管理業務を遂行いたしております。また出張所が設置されていない他の四十港については、外国船舶の出入港の都度、所轄入国管理事務所またはもよりの出張所から入国審査官が急行し、審査に当つている現状であります。また名瀬港のごとくきわめて重要な出入国港であつて、かつ本土との連絡が著しく不便なところには、やむを得ず入国審査官を出張駐在せしめているのであります。 これらは一に、前に申し述べました出入国管理令の趣旨を具現するための努力にほかならないのでありますが、最近貿易の発展に伴い、これらの出入国港のうち、特に新潟港及び伏木富山港への外国船舶の入港が激増いたしましたため、入国審査官の出張審査も回数が増し、ほとんどそれらに長期間出張駐在せざるを得ない実情であります。しかしながらそれが本来変則的な出張審査でありますため、審査の徹底を期することもできませず、またいたずらに費用を要するばかりか、本来の勤務官署を有する入国審査官に対して、必要以上の職務遂行をしいることとなり、人事行政上からも適当でないと考えられるのであります。なお地元関係者においても、でき得れば出張所を設置し、入国審査官の常駐を得、現地機関と一層緊密な連絡のもとに、出入国管理業務の徹底を期し得られるよう熱望いたしておる実情であります。 一方日韓交通上重要な地位に位する関門港においては、通常の貿易と異なる特殊性もありまして、これに対処する出入国管理業務をさらに一層適切に実施する必要があることは申すまでもないところでありますが、現在同港域は、管理事務所設置の沿革上の理由から、下関入国管理事務所と福岡入国管理事務所の両事務所が二分して管轄しており、本来一体不可分の関係にある関門港域の出入国管理業務遂行につき円滑を欠くうらみがございます。よつて、この法律案は、以上申し述べました不備欠陥を是正すべく、現行法務省設置法に必要最小限度の改正を加えようとするものにほかならないのであります。 次にこの法律案の内容について御説明いたしますと、第一は、別表十に掲げられております福岡入国管理事務所の管轄区域中福岡県のうち、門司市のみならず、小倉市、戸畑市、八幡市、若松市、京都郡、築上郡及び遠賀郡すなわち福岡地方検察庁小倉支部の管轄区域を、一括下関入国管理事務所の管轄区域に移管することであり、これによつて関門港一帯の出入国管理業務をさらに統一的に、かつ能率的に処理せしめようとするものであります。 第二は、別表十一に掲げられております入国管理事務所出張所の欄に、新たに東京入国管理事務所新潟港出張所、名古屋入国管理事務所伏木冨山港出張所及び鹿児島入国管理事務所名瀬港出張所の三つの出張所を設けるとともに、管轄区域の変更に伴いまして従前福岡入国管理事務所の出張所でありました八幡港出張所及び若松港出張所を、下関入国管理事務所の出張所に変更するものであります。このことは前に申し述べましたような入国審査官の出張審査あるいは出張駐在による審査の不便を除き、出入国管理業務の徹底をはからんとするものであります。 以上この法律案の提案理由を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議のほどをお願いいたします。
○稻村委員長 福島愼太郎君。
○福島政府委員 ただいま議題となりました調達庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 本法律案は、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定等の締結に伴いまして、調達庁の任務として、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定による同軍隊の作為または不作為から生ずる事故に基く補償事務、日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為または不作為から生ずる請求権に関する議定書によるアメリカ合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の不法行為に基く事故に対する補償事務並びに日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定による軍事援助顧問団の使用に供する宿舎等の施設及び役務の調達並びに提供した施設の返還に関する事務並びに駐留軍等によるまたはそのための調達に関する契約から生ずる紛争の処理を新たに調達庁の任務として附加し、これに伴いまして、調達庁の権限、総務部、不動産部、労務部の各部の所掌事務に関する規定に所要の改正を行い、あわせて調達庁の業務の円滑なる処理をはかるために、特別な職として総務部に調停官を、不動産部に連絡調査官を設置するとともに、国際連合の軍隊及び軍事援助顧問団のために労務に服する者で国が雇用する者の身分、勤務条件について所要の規定を設ける等の必要がありますので、今回調達庁設置法等の一部を改正する法律案をここに提案いたすことといたしたのであります。 本法律案の内容につきましては、第一条におきまして、調達庁設置法の一部改正を、第二条におきまして、日本国との平和条約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴う国家公務員法等の一部を改正する等の法律の一部改正を、第三条におきまして、国家公務員共済組合法の一部改正をいたすこととしているのであります。 第一条の調達庁設置法の改正につきましては、同法第三条第三号の改正は、従来から調達庁の任務となつております日米安全保障条約に基く行政協定第十八条のアメリカ合衆国軍隊の作為もしくは不作為から生ずる事故についての請求の処理に加えて、国連軍協定第十八条に規定する国連軍の同種の行為による請求の処理と日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の不法行為に基く請求の処理をあわせて行うこととするためのものであります。 同条第四号におきましては、日米相互防衛援助協定による軍事援助顧問団の使用する宿舎等の施設の提供及び返還並びにこれらの顧問団のために労務に服する者の雇入れ、提供等の業務等役務の調達を新たに調達庁の任務にいたしております。 同条第五号におきましては、行政協定第十八条第七項、国連軍協定第十四条第二項等に規定しております駐留軍及び軍事援助顧問団による直接調達またはそのためにする間接調達に関する契約から生ずる紛争の処理を調達庁の任務といたしております。 第四条の改正は、調達庁に新たに附加された任務の遂行上必要な権限として第十三号におきまして国連軍の派遣国政府との間にも物及び役務の調達に関する契約を締結でき得ることとし、第十四号におきまして、アメリカ合衆国政府との間に軍事援助顧問団の使用に供する宿舎等の施設の提供及び役務の調達に関する契約を締結する権限を附加することといたします。 また第十六号号及び第十七号といたしまして、駐留軍に対して施設及び区域を提供いたします場合に、工作物等を設置しもしくは補修する工事を実施し、もしくはこれらの工事に関する役務を提供し、またはこれらの工事等を関係地方公共団体に委託しもしくはこれらの工事または役務の補助金を当該地方公共団体に交付すること並びに日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律第一条に規定する特別損失が生じないようにする防止対策工事等を実施し、またはこれらの工事等を関係地方公共団体に委託し、もしくはこれらの工事等の補助金を当該地方公共団体に交付し得ることといたしております。 第六条第三項におきまして、駐留軍または軍事援助顧問団によるまたはそのための調達に基く契約から生ずる紛争の処理を円滑に行うために総務部に調停官一人を、第五項におきまして、駐留軍の使用に供する施設及び区域の決定、提供した施設及び区域の使用条件の変更または返還並びに軍事援助顧問団の使用に供する宿舎等の施設の提供等について駐留軍、軍事援助顧問団、利害関係人または関係行政機関との連絡、交渉及びそれらの間の意見の調整に関する事務を円滑に処理するために不動産部に連絡調査官五人以内を置くことといたしております。 第七条におきまして、前述いたしました駐留軍の不法行為に基く請求の処理及び駐留軍等によるまたはそのための工事並びに役務及び需品の調達に関する契約から生ずる紛争の処理の事務等は総務部の所管といたすよう改正いたしております。 第八条におきまして、不動産部の所掌として新たに軍事援助顧問団の使用に供する宿舎等の施設の提供または返還に関する事務を附加するとともに配列字句の調整を行つております。 第九条におきましては、アメリカ合衆国軍隊のため労務に服する者と同じく、国連軍及び軍事援助顧問団のために労務に服する者についてもその雇入れ、提供、解雇、労務管理及び給与の支給、福利厚生に関する事務は労務部の所管といたすよう改正いたしております。第十条におきましては、行政協定第十八条に規定しておりますアメリカ合衆国軍隊の作為または不作為から生ずる事故についての請求の処理の業務で都道府県知事へ委任しておりました業務を事務の簡素化、迅速化を行うためにこれを廃止することといたしております。 次に本法律案第二条の日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する法律の改正につきましては、国連軍及び軍事援助顧問団のために労務に服する者で国が雇用するものは、アメリカ合衆国軍隊のために労務に服する者と同じく、その身分は国家公務員ではないこととし、給与その他の勤務条件は調達庁長官が定めることといたしております。 最後に本法律案第三条の国家公務員共済組合法の改正につきましては、国連軍及び軍事援助顧問団のために労務に服する者で国が雇用するものは、国家公務員共済組合法の適用を受けないこととすることとしております。 以上が本法律案の提案の理由及びその概要でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決されるようお願いいたします。
○稻村委員長 福永官房長官
○福永政府委員 まず総理府設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。 この改正法律案は、従来、総理府本府の附属機関として設置されておりました国立世論調査所を廃止いたしまして、世論調査に関する事務は、総理府本府の大臣官房の所掌事務といたしますことと、在外貯蔵問題の処理に関する基本的事項を審議するため、昨年、閣議決定によつて内閣に設けました在外財産問題調査会を改めまして、法律による総理府本府の附属機関として在外財産問題審議会を設けることの二点がその主なる改正の理由でありまして、その内容の要点は次の通りであります。 第一の点の国立世論調査所の廃止でありますが、国立世論調査所は、昭和二十四年設立せられまして以来、世論に基く政策の樹立及び行政の運営に資する目的で、各種の世論の調査を実施いたしまして、行政の民主化に多くの貢献をいたして参つたのでありますが、この間、わが国における調査技術も種々研究を重ねまして、すでに長足の進歩を見るに至つております。ここにおきまして政府は、一面行政機構簡素化のことも考え、また今後行政の企画運営に資するための一層適切かつ活発な調査をいたしますために、一般的な調査の実施面は、民間機関を活用することといたし、調査の企画立案その他に関する事項は総理府本府の大臣官房の所掌といたしますことが最も適切な方法と考え、国立世論調査所はこれを廃止することといたしたものであります。 第二の点は、在外財産問題審議会の設置についてでありますが、在外財産問題の処理はきわめて重要な問題でありまして、政府は、昨年十一月とりあえず学識経験者をもつて構成する在外財産問題調査会を閣議決定により内閣に設置し、この問題の調査審議をいたして参つたのであります。すでにその一部につきましては調査会より答申があり、現にその答申の趣旨に基いた措置を別途とつておるところであります、しかしながらこの問題の重要さと複雑さとから考えまして、その最終的答申を得るまでにはなお相当の時日を要することと思われますので、この際法律に基く審議会とすることが適当であると考え、ここに総理府本府の附属機関として在外財産問題審議会を設けることといたしたのであります。なおこれに関連しまして、「帰還者の在外資産に関する事項」は、当然本審議会において調査審議することになりますので、従来これが調査審議に当ることになつていた引揚同胞対策審議会の審議事項からこの点を除くことといたしております。 なおこの際、奄美群島の復帰に伴いまして、南方連絡事務局の所掌事務のうちから、同群島に関する事務を削除いたします等、これらに伴う規定の整理をいたしております。 以上がこの法律案の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。 次に元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び要点を御説明申し上げます。 昨年第十六回国会におきまして、昭和二十一年一月二十八日いわゆる行政分離の日の前日に、北緯二十九度以南の南西諸島にあつた官公署の職員で、引続き琉球諸島民政府職員となつた者につきましては、恩給、退職手当、死亡賜金に関する法令の規定の適用上、その者をこれらの法令の適用ある職員として勤続したものとみなすという特別措置法が制定せられたのでありますが、今回、行政分離の日の前日におきまして、その当時の法令に基いて組織されていた共済組合の組合員たる職員であつた者につきましても、共済組合関係法令のいわゆる長期給付すなわち退職給付、廃疾給付、遺族給付に関する規定の適用上、恩給等の取扱いと同様の身分継続を認めたいと存じ、本法律案を提出した次第であります。 次に本法律案の内容の大要を説明申し上げます。まず第一は、いわゆる行政分離の日の前日の昭和二十一年一月二十八日において、官署の職員の共済組合に関する法令に基いて組織された共済組合で、政令で指定する組合の組合員たる職員として在職していた元南西諸島官公署職員が、引続き琉球諸島民政府職員になつた場合には、奄美群島の復帰に伴うたばこ専売法等の適用の暫定措置等に関する政令第十一条の規定の適用を受ける者を除き、これを共済組合に関する法令の規定中、長期給付に関する部分の適用上勤続したものとみなし、共済組合の退職給付、廃疾給付または遺族給付を支給する取扱いとしたことであります。 第二は、長期給付に関する規定の適用を受ける元南西諸島官公署職員が琉球諸島民政府職員として在職している間は、共済組合の掛金はこれを徴収いたしませんが、そのかわりに、共済組合の給付の金額につきましては、この改正法施行の日以後の引続き琉球諸島民政府職員として在職する者に対する支給額は、その在職期間に応じて定めた額を差引くことといたしたことであります。 第三は、恩給の場合と同様に、元南西諸島官公署職員で引続き琉球諸島民政府職員となつた者について、その申出により在職のまま共済組合の給付を受け得る道を開いたことであります。 第四は、琉球諸島民政府職員について支給すべき共済組合の給付に要する費用は、原則として国庫が負担する建前といたし、日本専売公社、日本電信電話公社の共済組合が支給する給付に要する費用については、その共済組合の運営規則で定める割合に従い、その団体が分担することとしたことであります。 第五は、共済組合に関する規定を設けたことに伴う字句の修正及び奄美群島の復帰に伴う南西諸島の範囲の改正を行い、また共済組合の給付に関する所得税につきまして、恩給、退職手当の例に準じ、特別措置を講じたことであります。 第六は、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の年金受給者の居住地の制限を改正し、同法の規定による元外地関係共済組合等からの年金受給者で、いまだ行政権の復帰しない南西諸島の地域内に住所または居所を有する者に対しましても年金を支給し得るようにいたしたことであります。 以上がこの法律案の概略でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。 次に航空技術審議会設置法案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。 終戦によつてわが国の航空機工業は解体せられ、航空に関する研究は禁止されましたが、講和条約発効とともにこれらの制限は消滅し、航空輸送、航空機生産の事業再開のため、航空法及び航空機製造法が公布されましたことは御承知の通りであります。 現在わが国においては航空機の生産及び修理を行う会社が数社あり、その需要は暫次増大し、すでに航空機の輸出も見込まれるまでに至つております。 わが国の航空技術は、戦前においては欧米に比して大きな遜色はなかつたと言い得ると思いますが、戦後の長い空白期間に加うるに、海外における著しい航空機の進歩と相まつて、現在においてははなはだしい立遅れを来しておるのであります。 政府は、さきに海外における航空関係の研究施設を調査するため、航空研究施設調査団を欧米に派遣いたしましたが、その報告によりましても各国の航空技術は想像できぬほどの進歩を来しておることが判明いたしました。 一方わが国における航空技術研究の現状を申し上げますと、基礎研究は文部省で、航空機の生産とその指導に必要な研究は通商産業省で、航空保安に必要な研究は運輸省で、また航空機使用に必要な研究は保安庁でそれぞれ推進しつつあり、また民間に対しては研究補助金、研究委託費等を交付して、民間における航空関係の研究、試作の助長をいたしております。しかしながらかかる現状ではとうてい海外における研究の進展に追随することすら不可能であると考えられますので、航空技術を総合的に審議せしめるため、今回、総理府の附属機関として航空技術審議会を設けることといたした次第であります。 次に法案の概要を申し上げます。航空技術審議会は内閣総理大臣の諮問に応じて、航空及び航空機に関する理論及び技術の向上に必要な研究に関する重要事項、その他航空技術に関する各省庁行政の連絡調整に必要な事項を審議することを任務とするものでありまして、その審議事項としましては、第二条に掲げてありますが、航空技術に関する重要研究の目標及び方針、研究用重要施設の設置計画、及び将来設置を予想せられる各省庁の共用に供する研究機関の運営方針、並びに航空技術研究に関する関係各省庁の研究事項、経費、補助金、委託費等の連絡調整であります。 これを要するに今後わが国の航空技術研究の方向を誤らしめず、また研究施設の能率化をはかるとともに、各省庁の有機的連繋をはかつて最少の国費をもつて最大の効果を発揮せしめるため、航空技術に関する専門的知識を活用せんとするにほかならぬのであります。第四条以下においては航空技術審議会の構成を規定いたしております。すなわち会長には内閣総理大臣、副会長は国務大臣をもつて充て、また委員は十五人以内とし、学識経験者及び関係各行政機関の職員により構成されることとなつており、その他専門委員、部会、幹事等必要な規定を設けております。 なおこの審議会の事務は、科学技術行政協議会の事務局において処理せしめることになつております。 以上がこの法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。 さらに引続き、内閣及び総理府関係法令の整理に関する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。 この法律案は、内閣及び総理府関係の法令中、自治庁関係の分を除いて、すでにその実効を失つているものまたは現行の法令として存置する必要性のきわめて乏しいものを廃止して、法令の整理を行おうとするものでありまして、この案によつて廃止しようとする法令及びその概要は次の通りであります。 まず、第一号から第三号までについて申し上げます。これは、大礼服、通常礼服すなわち燕尾服及び祭服に関する太政官布告三件でありますが、大礼服は、従来、主として宮中関係の諸儀式の際に用いられて来たものでありまして、すでに皇室令によつて定められていた天皇の御服及び宮内官大礼服制が、新憲法施行と同時に廃止せられておる現在においては、むしろこれを廃止するを相当と考えられるものであります。通常礼服につきましてもまた衣冠を祭服とすること等につきましても、これらは必要に応じ慣行として事実上着用するをもつて足りるものと考えます。なお、大礼服及び通常礼服の着用日並びに大礼佩剣は、大礼服、通常礼服の廃止に伴い当然廃止せらるべきものであります。 次に、第四号及び第五号でありますが、これは、大礼服及び軍人、警察官吏等の制服を着用した場合以外に帯刀を禁止した太政官布告と、法律規則中に戦時と規定するは外患または内乱あるとき別に布告をもつて定めることとした太政官布告でありまして、これらはいずれも現在においては実効性を喪失しております。 次に、第七号、第八号、第十号及び第十二号、すなわち韓国に在勤する居留民団立在外指定学校職員の退隠料及び遺族扶助料に関する法律外三件の恩給及び扶助料関係の法律は、その内容がいずれも、すでに他の恩給関係の法令によつて引き継ぎ適用せられておる等、自然その存在の意義を失つておるものであります。 次に第六号、すなわち内国官憲の管掌に属する事項につき統監の職権に関する法律は、当事の韓国統監の職権に関するものであり、第九号すなわち会計検査官及び行政裁判所高等官の休職に関する法律は、当時一時限り休職を命ずることができる規定であり、また第十三号、すなわち震災地の行政庁の権限に関する処分に基く権利利益の存続期間等に関する件は、大正十二年の関東大震火災当時限りの特例を定めたものでありまして、いずれも今日においては実効を失つております。 次に、第十一号及び第十四号、すなわち朝鮮における国勢調査に関する法律外一件の国勢調査に関する法律は、当時臨時の必要によりそのときに限り国勢調査を施行しないことを定めたものであり、また第十五号の議院法の特例に関する法律は第九十二回議会が第九十一回議会に引続き召集せられたため、第九十一回議会で議決された法律を、当時の議院法の規定に従つて次の会期までに公布することが不可能となつたのに伴う議院法の特例を定めたものでありまして、いずれも当時の一時限りのもので、すでに存在の必要のないものであります。 次に、第十六号から最後の第二十号まで、すなわち、国家公務員に対する臨時年末手当の支給に関する法律外四件の給与に関する法律は、昭和二十四年度の臨時年末手当の支給、昭和二十六年度の年末手当の額の特例、昭和二十七年六月の臨時手当の支給、昭和二十七年十二月の俸給支給方法の臨時特例、昭和二十八年八月の期末手当の支給等について規定したもので、いずれも当時の一時限りの法律で、現在においては、すでに用済みのものであります。 以上が、この法律案の提案の理由及びこの案による廃止法令の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○稻村委員長 加藤国務大臣がお見えになるそうでありますから、恩給法の一部を改正する法律案に関しましては、それまでちよつとお待ちを願いたいと思います。
○中村(高)委員 官房長官にちよつと質問したいのですが、この法案がばかにたくさん今になつて出て、審議をしろと言うのですが、これは提出されたのはよほど前でしようか。このごろになつて急にこんなにたくさん出て来たのですか。会期延長をせられた会期でありますから、この辺のところを……。
○福永政府委員 ただいま中村さん御指摘のごとく、政府提案の法律案等はあとう限り早急に提出すべきものであることは当然であります。政府におきましても、さような心構えで万般の準備を整えておつたわけでございますが、延長前の会期、すなわち八日より数日前にこれらの法案を提案いたしましたのは事実でございます。これは率直に申し上げますが、政府といたしましても、できるだけ早く出すべく準備もいたしておつたわけでございますが、何分にも当委員会は非常にたくさんの法案を御審議中のことでございまして、一時に山積するようにどつと出すこともいかがかとも存じまして、お手持ちの法案がある程度片づきましたときにと思いまして、とつおいついたしまして提出がが遅れたような事情等もあるわけであります。なお印刷等のために若干遅れていたものもございます。それらの次第から提出が、本来の会期だけからいたしますと、きわめておそくなつたということはまことに遺憾でございますが、当時の国会の審議状況の実態等に徴しまして、何とぞ御了承いただきたいと存ずる次第であります。
○中村(高)委員 先般会期の延長をせられましたときに、政府は何ゆえに会期を延長するかという議論がありました際にも、重要法案にしてまだ通らないものがあるから、それを通すために会期を延長するというのでありまして、こまかいいろいろな法案がこれから出るなんという説明で会期延長されたのではないはずであります。会期延長するということは、国会運営の上におきましてもなかなか重要なことであるのにもかかわらず、そのときには、今停滞をしておる重要法案をどうしても通さなければならないということでありましたから、議論の結果延長をされたのでありまするが、こういう法案で、しかも見ますると、こんなものはとつくに出して審議せらるべきものであつたのに、この延長された会期になつてから、こういういろいろの、むしろ雑件というか、整理法というようなものを提出することは、まことに政府の怠慢であつたと思うのであります。まだ残り幾日かの会期がありまするが、政府はまだこれからでも、こういうふうに次から次へ法案を提出するつもりでありまするか、これを念のためにお尋ねしておきます。
○福永政府委員 会期延長につきましては、ただいま御指摘のごとく、重要法案等で——法案はいずれも重要ではございますが、世間に注目を多く浴びておりまするようなもの——一応そういう名称をもつて呼びまするならば、そういうような法案等も審議結了をいたしておりませんような状況でございましたので、政府でも会期の延長をお願いいたしたい、こう考えておりましたし、同時に国会におかれましても、議員提案の法律案等も相当たくさん両院にあるというような御事情等も御勘案になりまして、国会において二週間の会期延長をなすつたのであります。私どもといたしましては、当時運営委員会等にも出席をいたしまして、本日ただいま御説明申し上げました案件等を提出いたす予定について実は国会側へも申し上げておつたわけでございます。本日たまたま延長になつたときに説明を申し上げるような段取りにはなりましたが、本来の国会のうちに提出そのものはいたしておきましたわけなのでございます。それにいたしましても、先ほどお話のごとく、非常に終りぎわになつて提出いたしましたことは御指摘の通りでございますが、先ほど申し上げたような事情に基く点であることを御了承いただきたいと存じます。 なお後段に御指摘の、延長になつてもなおかつ法案が国会へ政府から提出されるかという点でございます。この点につきましては、外交折衝に伴う結論等に基くような特殊事情、これは現実にそういうことがあるとかないとかは別といたしまして、そういうような特殊な事情を除きまして、政府といたしましては法案等をこの延長された間にさらに提出するという意思はないわけでございます。でございますが、実は現実に問題になつておりまする案件が、一つ、二つ、厳密に言いますと一つといつた方がいいかと思いますが、さような法案につきましては、議員提案というような形をとつてもらいたいというように私ども考えておるのでございますが、国会側から政府提案にするのが望ましいというような申入れを受けております案件が一件でございます。これらにつきましては、各党からこういう御意見等も伺つておりますので、よく御相談をいたしました結果、国会の円満なる御理解をいただきまして措置をとりたいと思います。従いまして、政府といたしましては、延長されたがゆえにというので引続きいろいろ法案等を提出する意思がないということにつきましては、御理解をいただきたいと思います。
○中村(高)委員 これからむろんそんな大きなものが提案されるとは思わないのでありますが、残る会期わずかなところでいろいろ法案が出されおるのであります。われわれ委員といたしましては慎重に審議をいたさなければならぬので、あるいは場合によつたならば通らないことがあるかもしれませんが、それはもちろん政府の責任であります。慎重審議することが私たちの責任でありますが、一体こういう法案を政府として提出する以上は、通らなくてよいというようなものは一つもないのであろうと思うのでありますが、もしただいま審議中の重要法案あるいはこうして提出されておりまする法案などが会期中に通らぬ場合には、もう一度会期を延長するというような考えがあるかどうか。これは総理大臣の問題でもありましようが、官房長官で一応はつきりしていただきたいし、わからなければ総理を呼んで聞くべき問題だと思います。 それからもう一つ。政府は与党にも頼んでもつと審議の促進をはからなければならぬと思つておつたのでありますが、昨日参議院などでは、与党の文部委員長が行方不明になつて審議の遅延を策しており、野党側が委員長を探して歩いたが見つからない。かくのごとき会期が延長されたわずかの場合に、与党の委員長が行方不明になるということは、これは法案審議の上におきまして、政府としても重大な責任があると思いますが、与党の委員長がいなくなつたということに対して官房長官はいかにお考えになりますか、またいかなる御努力をされましたかお尋ねしておきます。
○福永政府委員 まず第一点の会期再延長に関しての点でございますが、御指摘のごとく、会期余すところあまり多くないが、法案がたくさんあるということは事実でございます。従いまして、政府におきましても、多くの法案が審議結了を見まして御可決願うことは心から念願しておるところてございます。今日の場合におきまして、ただいまうまく行かなければ再延長かどうかというような御質問でございましたが、私が申すまでもなく、会期はすべて国会において御決定になることでございまして、間々政府はどう考えているかということを参考のためにお聞きいただくことはもとより現実としてあるわけでありますが、国会におかせられて法案等を審議するのに、はたしてこれだけの会期でいいかどうかという観点から延長等を常に御考慮いただいておるわけでございます。政府といたしましては、今中村さんがそういう意味においてどう考えているかというようにお聞きになつたと思うのでございますが、あまり会期は残り多くないのでございます。何とぞただいまおつしやいましたように、もとより慎重に御審議をいただくわけでございますが、どうか慎重かつ能率的に審議をいただきまして、残り少い会期でございますが、その間にぜひとも政府提案の多くの案件につきまして御審議を終つていただきたいと念願する次第でございまして、ただいまのところただちに再延長というようなことを考えておるわけではございません。ぜひこの会期をもつて審議を御結了をお願いいたしたいと考えておる次第でございます。 なお第二点の、参議院における文部委員長がいなかつたとかいう点でございますが、この点につきましては、参議院の委員長の行動について政府が連絡いたしてどうこうというようなことでは毛頭ございません。この点はどうかということでございますが、政府として申し上げたいと存じますことは、参議院におきましては、衆議院以上に法案がたくさんある、衆議院から送り込まれるものがたくさんあるような状況でございますので、審議はできるだけ進捗させていただきたいというのがひたすらなる念願でございまして、審議が遅滞いたしておりますことは、政府といたしましては決して望ましいことであるとは存じない次第であります。 —————————————
○稻村委員長 加藤国務大臣より、恩給法の一部を改正する法律案につき、提案理由の説明を求めます。加藤国務大臣。
○加藤国務大臣 ただいま議題となりました恩給法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 政府が、今回、この法律案において、恩給法に改正を加えようとするおもなる点は次の諸点でありまして、その第一の点は、公務傷病関係恩給の金額計算及びいわゆる多額所得者の普通恩給の一部停止に関する規定の改正であります。 公務傷病関係恩給は、退職当時の俸給年額によつてその金額または算出率が定められており、また、多額所得者の普通恩給の一部停止は、普通恩給の年額と恩給外の所得の年額とによつてその停止金額が定められておりますが、これらの年額は、いずれも先般の国家公務員の給与水準引上げ前の俸給金額に基いて定められておりますので、これを現行の給与水準の俸給金額を基礎としたものに改めるために、所要の改正を加えようとするものであります。 第二の点は、恩給を受けることかできない事由に該当した恩給受給者の届出義務に関する規定の創設であります。恩給受給者か恩給を受けることのできない事由に該当した場合におきましては、恩給給与規則によつてその旨を届け出なければならないことになつているのでありますが、この届出は、必ずしも十分に励行されないため、とかくいろいろの混乱を生じ、恩給の円滑な給与が妨げられる場合も少くありませんので、この届出義務を法律をもつて規定し、その完全な履行をはかり、行政上の秩序を維持するための措置を講じようとするものであります。 第三の点は、昭和二十八年法律第百五十五号恩給法の一部を改正する法律附則第二十九条第四項の恩給の停止に関する規定の改正であります。この第二十九条第四項の規定により恩給を停止される者に留守家族ある場合には、その留守家族の生活の実情にかんがみまして、その恩給停止を受けた者の指定する留守家族かその支給を受けることができることといたそうとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○稻村委員長 山下委員より、資料提出要求について発言を求められております。これを許します。山下春江君。
○山下(春)委員 この恩給法の改正は、私どもとしては非常に長い間政府にも要望して参りましたので、いわば待ちに待つた改正法案なのでございます。ところが本日配付されました資料によりますと、確実ではございませんが、私どもの記憶の中にあります数字とはなはだしく食い違つておりますので、正確な資料を求めたいと思うのであります。 たとえばこの資料の中に、獄死者及び刑死者の恩給について「軍人のみ」と書いてございますが、私の記憶では、軍人のみではございませんが、刑死者が九百十名、獄死若が九十名、合計千名でございます。ところがここにあけられましたのは、四百八十八人でございます。そこでこの人員が特に「軍人のみ」としてございますので。むろん軍人でない方の数字が私の千人の中に入つていると思いますが、その点が明確でございませんので、明確な資料を御提出願いたいと思います。 それからなお獄死者と刑死者とが合計で出されております、私は今の獄死者九十名、それにA級七名、横浜裁判及びマニラから巣鴨に移されて、巣鴨で処刑された方等合せて六十名と、相当確実な氏名及び数字を持つておるつもりでございますが、御提出になりましたこの資料とはなはだしく食い違つておりますので、正確な資料を御提出願いたいと思います。
○三橋(則)政府委員 お手元に差上げております資料は、復員局において非常に手数をかけて調整してもらいましたものを、ごく最近のものとしてお配りしたのでございます。先般の国会のときにお手元に差上げましたのは、確かに九百九人の刑死者となつていたように私は記憶しております、そこで今御指摘になりました点につきましては、もう少し詳しく調べまして、各位のお手元に配付するようにいたしたいと思います。
○稻村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明後十五日午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十八分散会