内閣委員会 第15号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/03/24
会議録
○稻村委員長 これより開会いたします。 本日は、昨日に引続きまして行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題となし、まず建設省より説明を求めます。南建設政務次官。
○南政府委員 建設省関係の定員法の改正につきまして、ごく概括的に御説明申し上げたいと存じます。建設省は御承知の通り、官房以下内部部局におきましては六つございまして、その現在定員の総計が千百三十八名になつております。今回の整理によります減員が百四十二名でございまして、そのほかに、現地をいろいろ監査する関係の人員が、合計で二十六名新規増がございますので、改正定員は千二十二名になつておるようなわけでございます。ほかに付属機関が三つございまして、その定員が合計で九百二十七名、整理等によります減員が五十八名、新規増はございませんので、差引八百七十九名になつておるわけであります。この下部機構といたしまして、六つの地方建設局がございましていわゆる直轄事業をやつております。その現在定員は八千七百五名で、今回の整理等による減員が五百四十九名、これは各部によりまして仕事の増減がございましたために、新規の増が百十名、差引が八千二百六十六名になつております。内部部局と付属機関、下部機構を総計いたしますと、総現在定員が一万七百八十名、整理等によります減員が七百四十九名、新規の増が百三十六名ということになりまして、差引改正定員は一万百六十七名ということになつております。 以上で大体現在定員、整理、新規増、改正定員の概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、御質問がございますならば官房長から説明いたさせます。
○稻村委員長 以上をもつて建設省の説明が終了いたしましたので、これより質疑に入ります。御質疑はございませんか。
○田中(稔)委員 建設省については、局部別の詳細な資料を提出していただきたい、その提出をまつて審議したいと思います。
○稻村委員長 それでは建設省はあとまわしということにいたしまして、文部省の説明を求めます。文部省官房総務課長福田繁君。
○福田説明員 文部省関係について御説明申し上げます。 文部省関係の定員につきましては、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の第二条の表の中に記載されてございますが、今回の改正に掲げておりますように、本省関係におきまして六万一千四百九十七人、うち国立学校で六万六人、文化財保護委員会関係で四百二十四入、合計六万一千九百二十一人となつております。これは昭和二十八年度の定員の六万三千七百五十二人から行政整理によりますところの定員減二千四百四人を差引きますと同時に、昭和二十九年度予算におきまして増員分が五百七十三今ございます。これは後ほど申し上げますが、学年進行に伴いますところの国立学校の教官の増でございます。結局差引いたしますと、千八百三十一人の減員となるのであります。 以上の点を、差上げてあります資料に基いて申し上げますと、本省関係におきまして、昭和二十八年度定員が千百四十六人であります。それに対しまして、行政整理による減員が八十八人であります。差引いたしまして、改正後の定員は一千五十八人ということになるのであります。 所轄機関におきましては、日本ユネスコ国内委員会、国立教育研究所、国立科学博物館、国立近代美術館、緯度観測所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所、国立国語研究所、日本芸術院、図書館職員養成所等におきまして、二十八年度定員が四百五十四人であります。それに対しまして、今度の整理によりまして二十五人の減員と相なつております。ただこの中で、国立遺伝学研究所につきましては応用遺伝部門の開設に伴いますところの増員が四人ございますので、差引いたしますと、改正後の定員は四百三十三人となります。 国立学校につきましては、二十八年度定員が六万一千七百三人でございますが行政整理によりますところと減員が二千二百六十六人、それに先ほど申し上げました学年進行等に伴いますところの増員が五百六十九人ございま了。それを差引きますと、六万六人ということに相なるのであります。 文化財保護委員会につきましても、外局であります文化財保護委員会につきましての二十八年度定員は四百四十九人でございますが、行政整理による減員が二十五人ございますので、差引四百二十四人となつております。 文部省関係を総体合計いたしますと、二十八年度定員六万三千七百五十二人に対しまして、行政整理によります定員城が二千回百四人、増員ぶ五百七十三人、差引いたしまして六万一千九百二十一人になつております。この行政整理につきましては、行政管理庁と十分協議をいたしまして整理の方法をきめたのでございますが、本省及び外局であります文化財保護委員会等につきましては、事務の簡素化、合理化という点から努めて整理人員を出したというような関係になるのでありますが、全体といたしまして、六省では約七・七%程度になるのであります。それから所轄機関におきましては、大体本省よりも低率になつておりまして五・五%になつております。これは所轄の研究所等におきまして特に研究要員を不可欠といたしますような特別な事情がございますので、この所轄機関につきましては特に低率のものに相なつております。 次に国立学校につきましては、教育機関としての特殊性を十分考虚いたしまして、その学校の運営、あるいはその機能を阻害しない範囲で極力人員の節約に努めるというような方針にのつとりまして、結局教授は整理を行わないことにいたしました。助教授以下につきましては、若干の定員の整理をいたすのでありますが、そのほか現場職員あるいは教育研究所の不可欠のものにつきましてはできるだけ整理率を軽くいたしまして、一般の事務職員につきましてはほぼ本省並に整理するというような方針によりましてやつて参つたのであります。従いまして、国立学校におきましては、全体から見ますると三・七%程度の非常に低い整理率になつております。しかも国立学校につきましては、従来増員の場合に学年進行という建前からおもに年次計画で増員して参つております。そういつた関係から、今回の行政整理につきましても、大体それにあわせまして、年次計画によつてこれを無理なく整理するという方針をとつたのでございまして、初年度大体四割、その次に三割、三割というような三箇年計画でこれを実施するというような方針にいたしております。なお国立学校以外につきましては、大体二年計画で人員を整理するというような方針をとつたのであります。従いまして、今回の整理によりまして、国立学校の運営等につきましてさして支障はないものと考えております。三年計画で実施いたします関係上、学校の運営等に支障はないように文部省といたしましても十分配慮いたしまして整理を実施したい、かように考えております。 簡単でございますが、以上文部省関係の説明を申し上げた次第であります。
○稻村委員長 質疑の通告があります。これを許します。辻政信君。
○辻(政)委員 国立学校の六万六名の定員の内訳はどうなつておりますか。教授何名、助教授何名、事務何名、そしてそれに基いて二千二百六十六名の定員減の内訳はどこにしわよせをしているか。
○福田説明員 国立学校の定員についてのお尋ねでございますが、現在この六万一千七百三人の内訳を申しますと、大体事務官、技官、教官、雇員、用人というような内訳になつて参るのでありますが、この二千二百六十六人の国立学校の整理につきましては、大体先ほど申し上げましたように事務官系統には学校の中でやや高い率になつておりますが、数といたしましては、整理人員は大体三百九人それから技官につきましては五十三人、助教授以下の教官につきましては四百九人、雇員、用人でありますが雇員は六百九十七人、用人は七百九十八人、合計いたしますと二千二百六十六人、こういうような計算になつているのであります。
○辻(政)委員 減員はそれでよろしゆうございますが、現在の定員の内訳をはつきりひとつ……。
○福田説明員 現在の定員でございますが、六万一千七百三人のうちで事務官が四千九百四人、技官か千四百九十九人、教官が二万六千八百八人、雇員が一万四千九百十二人、用人が一万三千五百八十人、こういうような現在定員になつております。
○辻(政)委員 そういたしますと、助教授以下で四百九名を減すのですね。
○福田説明員 さようでございます。助教授以下でございます。
○辻(政)委員 学年進行に伴う増三百九十九人というのはどういう内訳になつておりますか。
○福田説明員 学年進行でございますが、学部、学科の増加で百四十二人。
○辻(政)委員 これは助教授だけですか。
○福田説明員 いや助教授だけに限りません。
○辻(政)委員 その内訳は今どうなつているか。
○福田説明員 三百九十九人の内訳を申し上げますと、教授が四十五人、助教授が五十人、講師が五人、助手が六十九人、付属学校の教官等が六十二人、その他事務官以下雇員、用人、こういうような内訳になつております。
○辻(政)委員 そういたしますと、助教授のクラスで四百九名を今度減員をして、学年進行に伴う増五十人というものは整理になつたものの配置転換をやるのですか。一方において四百九人首を切りながら、一方において五十人とるということはどういうわけですか。
○福田説明員 これは現在欠員等がありますので、配置転換等は行わずにやれると考えております。
○辻(政)委員 そうしますと、四百九名を首切るというのは不適当だというので首を切るのですが、適格者じやないので。そうして新しく五十名を新規採用するという意味ですか。
○福田説明員 学年進行に伴いまして補充増員いたします教官につきましては、これはそれぞれ学科の特性に応じまして適材を探さなければならぬというような関係で、整理になる人をただちにそこに持つて行つてはめ込むというようなわけには参らないと思いますが、現在整理いたします整理数につきましては、大体教官に欠員が相当ございます。そういつた面から欠員を落して行けば十分まかないがつくというような考え方をいたしております。
○辻(政)委員 そうすると四百九名の減というものは大部分は欠員であるということですね。
○福田説明員 欠員でございます。
○辻(政)委員 実際においては減したことになつてないですね。表の上だけで。
○福田説明員 実員は別に整理しなくても欠員で整理するものは落して行けるという考え方でございます。
○辻(政)委員 そこにあなた方の人員整理のいわゆるインチキ性といいますか——これはほんとうじやない、ただ数に合うように適当に欠員をこの人員整理の中に入れている。ということは実質的においては減してないということになる。むしろ五十名が増になる。この助教授の欄においてはです。学年進行に伴つて学校の先生の数は少くはならないはずです。私は減すべきものでないと思う、この学校の先生は。事務系統は整理の余地があるだろう。的確な資料に基いて責任ある回答をもう一回お願いします。
○福田説明員 御意見でございますが、現在の定員を整理するという今回の方針でございますので、もちろん欠員を含めた定員を文部省関係でも整理数に見込んだわけでございます。
○辻(政)委員 それでは四百九名のうちほんとうに整理する人員は何人いるか。それをはつきり……。
○福田説明員 ただいまのお尋ねでございますが、これは各学校別にあるいは学科、議座等によりましてそれぞれの欠員がありますので、総体としてその欠員で文部省関係はまかなえるというように申し上げたつもりでございます。従つてその個々の学校につきましてはその欠員と整理数とを見合せまして実際の操作をしなければならないというような関係に相なると思います。従つて実際に何人整理しなければならぬということは、まだ学校別に突きとめるということははつきりいたしておりません。
○辻(政)委員 そういうことを抽象的に私は聞いているのじやない。四百九名のこの整理人員というものは、あなたは大部分が欠員だと言う、欠員だと言うけれども一部分は実員もあるのだろう、各学校ごとにそういう資料を文部省の総務課長がつかんでおらないということはないのです。その数字について御回答を願いたい。それともつかんでいないのか。
○福田説明員 大体欠員と申し上げたのですが、実施は四月以降になりますので、学校によりましてなお今後欠員等も出て来る可能性もございます。従つて大体欠員で十分まかない得るという目算を立てているわけであります。
○辻(政)委員 そういうことを聞いてるのじやない。将来の問題でなしに、現在どの学校にどのくらいの欠員があるか、文部省としてはつかんでいなければならぬわけだ。その数字を示されたい。
○福田説明員 現在の欠員でございますが、二月一日現在におきまして、総体として教官系統で千四百六人の欠員がございます。
○辻(政)委員 そうしますと、実質的には文部省のここに掲げられた数字は、いわゆる千四百六名の欠員があるうち四百九名を減らして、なお予算定員と実在定員との間にはなお影法師が千人あるわけですね。そういう意味ですね。
○福田説明員 さようでございます。欠員はなお残ります。
○稻村委員長 飛鳥田一雄君。
○飛鳥田委員 今辻委員からお話の承りました学校の教員の問題にやはり関連をいたしますが、今のお話によりますと、この定員減は実質的には人も人間を減らさないで行く、こういうお話ですか。
○福田説明員 定員減と申しましても先ほど御説明申し上げましたように教官のみならず事務職員等も……。
○飛鳥田委員 教官に限つて……。
○福田説明員 教官だけについて申し上げますと、大体欠員が今申し上げましたように千四百六人でございますので、実際人員は整理しなくても済むというような関係になつております。
○飛鳥田委員 それは助教授、助手、講師すべてを含みますね。
○福田説明員 さようでございます。
○飛鳥田委員 しかし実際には各大学に対してその定員減を実質的な欠員の数に応じて割当てられるのですか。
○福田説明員 割当てるというのでなしに、現在各学校別の定員がきまつておりますので、その中に存在しております欠員の千四百六人ということを申し上げたわけでございます。従つてこの四百九人の整理人員をそれによつて割当てて行くということになりますと、大体欠員の中で操作できるという関係になつております。
○飛鳥田委員 そういたしますとある学校では定員減が現実に行われて人間を減らし、ある学校ではそのまま、こういうような状態は出て来ませんね。
○福田説明員 教官につきましてはさようなことは起らないと考えております。
○飛鳥田委員 しかし現実には、各大学の講座別の配合を見て行きますと、教授が人しかおられないで、助手も講師も助教授もおられないようなところが地方の単科大学その他には相当あるやに思われるのでありますが、こういうようなことで実際上よい教授ができるとお考えになつているのでしようか。
○福田説明員 お話のように大学の中には不完全講座と申しますのは相当ございます。文部省としてはその不完全講座の整理ということに従来努力して参つておりますけれども、いろいろな関係でその希望が十分達せられないでおる状態でございます。今お話のような教授人というような場合に、この整理というものは先ほど申し上げましたように教授は除外しておりますので、実際には整理は行われないということになつております。
○飛鳥田委員 むしろこの際そういう不完全講座を一掃することが必要なんじやないか、私たちが自分たちの経験に照してみましても、助手の人もいない講座あるいは助教授人しかいないようなものでりつぱな研究が行われるはずはないと思うのですが、こういうような点についてむしろ欠員を補充して行くことこそ必要じやないか、たとえばここに静岡大学の講座別現員調べをいただいておりますが、これを見てみますと講師だけしかおらない講座もありますし、物理学、化学、こういうようなものについても助手のない講座が非常に多いように思うのです。こんなことで一体現実にいい講座ができるかどうか、ことに自然科学の方に行きますと、助手のいない講座というものが正当なものだなどとはとうてい考えられないわけです。こういうような点について、むしろこの際欠員をそのまま定員減に繰入れて糊塗して行くということでなしに、積極的にふやして行かなければいけないのではないか、こういう感じがするのですが、これについて文部省としては今後どういう方針をとつて行かれるのか。
○福田説明員 お話の点でございますが、文部省としては将来ともこれをできるだけ充実して行きたいというふうに考えておりまして、学年進行等によつて定員増加をはかります際にも、この不完全講座の解消ということを相当重要視いたしまして、定員の増員あるいはその補充ということを毎年やつておるわけでございます。
○飛鳥田委員 教官については実質的に首を切る方々が人もないということは了承いたしましたが、それでは事務系統というものについては現実に減員をするという方向があるのでしようか。
○福田説明員 事務職員につきましても、全体を通じてみますと多少の欠員もございます。従つて事務職員の整理につきましては文部省としては欠員でまかない得る範囲は欠員でまかなつて行く、実員によつて整理しなければならないというような場合もありますので、そういつた点につきましては今回できました待命制度によりまして、できるだけ運用して実際の希望をしない者が整理されるというような、無理の起らない方向にこれを運用して行きたい、かように考えております。
○飛鳥田委員 そういたしますと待命制度なりその他で現実に減員をいたします数は何人になるのでしようか。
○福田説明員 国立学校におきまして特別待命を希望して、これを許可いたしました者が約五百三十四名現在までにございます。
○飛鳥田委員 それで十分なのでしようか。なおかつ整理しなければならない数があるのじやないですか。
○福田説明員 これで十分とは申せませんが、国立学校の整理は先ほど申し上げましたように、二十九年度年でやるものではございませんので、三年間にわたつて逐次するという方針をとつておりますので、待命制度による希望者の多いことを望むわけでありますけれども、現実に出ない場合にはなるべく配置転換その他によりまして参りますのと、一方この待命制度をさらに運用して行くということによつて支障なく行きたい、かように考えております。
○飛鳥田委員 先ほど辻さんが御注意になつておりましたように、もつと数字的に明確にお答えをいただきたいと思うのですが、五百三十四人の待命制度を申し出た人、これ以外の人は一体どういうぐあいに処理するのか、もつと数字的に明確にお答えをいただきたい。
○福田説明員 数字で申し上げますと、二十九年度に整理いたします事務官、技官等につきましては約七百五十人くらいでございます。従いまして、現在五百二十四名程度の特別待命者がありますので、あとは大体今年整理できるという考え方で参つております。
○飛鳥田委員 そうしますと、二十九年度には二百十六人首を切る、こういうことになるわけですね。
○福田説明員 それは首を切るというのじやなしに、学校によりまして定員をオーバーしているところがあれば、配置転換によつてできるだけやつて行きたい、こういう考え方であります。
○飛鳥田委員 そのうち何人が配置転換できるのですか。
○福田説明員 何人配置転換するかということは、今後実施の面につきまして十分検討を加えて参りたい、かように考えております。
○飛鳥田委員 いやしくもこれから人を減らして行こう、首を切つて行こうという場合にあたつて、およそこれから先のことはわからぬというようなずさんな御調査でなしに、もつと、何人できるかということをはつきり御調査の上、こういう計画を立てていただきたいと私は考えます。それではあまりに無責任な御答弁御態度ではないかと思います。なぜこういうことを私が申し上げるかと申しますと、国立大学における事務官、技官、こういう人々は普通の会社や官庁における事務官や技官と性質が相当違うと思います。言つてみまするならば、助手その他の方とほぼ同様の役目を果している。大学の先生がつくられる論文をタイプするとか、資料を整理するとか、あるいはガリ版を切るとかいうようなことをやつておられるのであります。もしこれをやる人がいなくなれば、当然その仕事は助教授の方なりあるいは教授みずからにかかつて来て、自分で自分の論文をタイプしなければならないことになつて参りまして、それだけ研究の時間が激つて来ます。こういう点で事務官を切る、技官を減らすというようなことが、他の官庁や会社の場合と違いまして、すぐ教授自身の研究の時間を奪い、助教授の機械的な労務をふやす、こういう形になるのでありまして、完全講座とか研究に対して非常な障害になりますことは、あなたの方が私よりも詳しいと思います。こういう点で事務官、技官の減員というものは重要だと思うのですが、もつとその点をはつきりしていただいて、御答弁をいただきたいと思います。技官、事務官の二百十六人の首切りについて、各大学に対しての割当数はきまつておりますか。
○福田説明員 ただいまのお尋ねでございますが、大体各大学に内示いたしまして、現在各大学における整理計画というものを立てさせております。かりに四月以降におきまして、具体的に配置転換を要するといたしますと、具体的にどの人を配置転換してやるということになつて来るわけでありますが、しかしながら先ほど申し上げましたように、特別待命若もございますし、また例年自然退職の職員もかなりおりますので、そう無理なく実施できるという考えでおります。
○飛鳥田委員 この場合に無理なくやめさせることができるかどうかということのほかに、授業が十分にできるかどうかということをやはり標準においていただかないとまずいと思う。せつかく大学へ勉強しようとして入つて来る人々に、どういう教育を授けるか、どういう講座をするかというのが重点でありますから、こういうことを忘れて、他の官庁と同じように天引き減員をして行こうという考え方は、あなた方自身が文部省の持つておりまする使命に反した行為をとられることと思わざるを得ない。さつきからのお話を聞いておりますと、大体無理なく減員ができる、こういうような観点に立つてのお考えのようですが、立場を全然かえて、教育を守る、日本の文化を守るという側からこの同盟に対処していただきませんと、たいへんな問題が起きるのじやないかと考えるわけであります。そこで、先ほどの事務官、技官、こういう人々の減員についても、各大学に無理なく割当てられるということではなしに、講座が完全にできるという点を中心に割当てて行かないと困る。こういう観点から見て参りますと、今お示しの二百十六人を減らして、今各大学が持つております研究内容、講座内容、というものを低下なしにやつて行けるか、こういう点を承りたいと思います。
○福田説明員 その点につきましては、お話のように、文部省として整理を実施いたします関係から、学校なり病院なり研究所というものの内情をよくつかんで整理計画を立てないと因るのでありまして、文部省としては十分その現場の実情あるいはお話のような講座というようなものを十分考えまして、そういつたものの運営ができないような整理はいたさないつもりでやつておるのであります。その点につきましては、各大学の意見も十分徴しましてやつて行きたいと思います。
○飛鳥田委員 意見を徴せられることはたいへんけつこうだと私は思いますが、その場合にやつぱり今まで文部省が各大学の意見を徴する方法としては、事務系統の人に相談する、あるいは大学の総括責任者に相談をするということで、現実に各講座の責任者である教授あるいはその講座に働いておられる助教授、こういう人たちの意見を具体的に徴せられるということは少いように思うのです。具体的に意見を聞いて行くという場合に、単に学長なり総長なり事務局長なりの意見を聞かれるだけでなしに、その講座一つ一つの意見を聞いていただかなければ、学術内容の低下を来すおそれが十分あると思います。こういう点についてどうでしよう。
○福井(勇)政府委員 文部省の使命に反するようなやり方を、しておるのじやないかというお尋ねが先ほどございましたが、無理のないように使命に反しないように努力をいたすようにいたします。 なお各講座の一人々々によく調査をして聞いてやれとの御指摘でございますが、文部省の事務というものは、その学校の事務当局に聞く、事務当局は各教授と当然連絡がとれるような仕組みになつておるものでございますので、文部省で全国の一人々々の担当教授に意見を徴するというようなことは、時間的にもできませんので、その調査の方法は今の状態で行けるものと思つておるのでございます。
○飛鳥田委員 最後に、非常勤職員一万人が文部省におられるようですが、これはどういう性質のものでしようか、どこで仕事をしておるのか。
○福井(勇)政府委員 大体学校が大部分でございます。
○飛鳥田委員 学校というのは、どういう仕事でしよう。
○福田説明員 非常勤職員が実際に携わつております仕事にはいろいろ種類がございます。たとえば技術系統の補助者として働く場合とか、あるいは事務系統の補助者として働くとか、いろんな場合がございますので一概には申し上げられませんが、大体現場の学校等におるのが大部分でございます。
○飛鳥田委員 文部省本省一万六十三名というふうに書いてあるのがそれですね。
○福田説明員 これは入省に一万幾らおるというのじやございませんで、文部省関係全体としてという意味でございます。
○飛鳥田委員 そうすると、助手のまた助手とかいうような形ですか。
○福田説明員 さようでございます。
○平井委員 関連して。二千二百六十六人減らすうちで、欠員がある、それを埋めれば実際はあまり首切りはないのじやないか——まことにけつこうです。自由党はどうか知りませんが、私はそれを願う。また二千二百六十六名の整理について、各省は大体二年でやるといい、文部省はこれを三年でやるといつておるが、私はこれは紳士的態度で、やはり文部省らしいと考えておるわけです。たといそれが欠員であろうと、また新規にとろうと、これはあなた方におまかせいたします。 そこで私はお伺いいたしたい。大学をむちやくちやにふやした。これはわれわれもあるいはお願いをしたかもしれぬが、今日学芸大学を出ましても、就職できない。学芸大学を出れば必ず学校の先生にならなければならぬ使命を持つておるのに、これがいなかに行つたら、御承知であろうと思いますが、一年も二年も遊ぶ。こういうことでは、わざわざ学芸大学を出ても何にもならぬ。しかもその中には、将来りつばな先生になれる人もあるのであります。こういう時期に人間を減らすということでは、新規に学芸大学を卒業して来た者は一体どうすればいいのかと、私は常々心配いたしておるのであります。今月教育ニ法案が出ていろいろもめておりますが、ほんとうにまじめな、学芸大学を出て先生になりたいという者がなれぬで、正常な学校にも行かず、途中から免状を受けてなつておる者が、日教組の幹部になつておる。これが現実であります。ほんとうに筋の通つた、学芸大学を出た者が就職できない、この点に対して文部当局はいかなる考えを持つておるか。これは特に福井さんにお聞きしたいと思います。
○福井(勇)政府委員 御指摘の点は、現在の大学制度の根本問題に触れることと思うのでございまして、これは文部省においても大きな研究問題となつておるのであります。戦後大学の卒業生が非常にふえましたために、学芸大学にしますればもちろん教員の方面、あるいは各大学であればそれぞれならつた職種について、現在の社会状態から行くと非常に就職が困難でありますので、戦後の根本的な改革がどうであろうかといつた問題を取上げられておるように私たちは存じております。現在文部省といたしましては、中央教育審議会という各界の知能を集めた審議会もありますし、それらの方面にまだはかつてはおりませんが、貴重な御意見として十分慎重にこれを考慮したい、こう考えております。
○平井委員 先はどの質問に関連いたしますが、たとえば大学で専門の授業を担当している教授が病気をして、授業ができない、講座ができない。その場合に、その科目を習わぬまま卒業しているという状態がある。そういうときに文部省としてはどうするか。習わぬで卒業免状をもらつて社会に出ている事実がある。今政務次官が言うような何とか審議会ができても、問題になりません。審議会で何人も集めれば、十人十色でまちまちである。文部省は腹をすえて、学芸大学について考慮しなければならぬ。人間が多過ぎるならば学芸大学を整理すればよい。あまり大学をつくり過ぎて、幼稚な先生の数が多いというときには、かえつて学校が少いよりも迷惑する場合がしばしばあるのでありますから、こういう点、審議会もけつこうであるけれども、まず文部省がほんとうにどうするという方針を立てて、せめて国立大学だけは日本の中核をになう人物を育て上げることができるようにしなければならぬ。今日国立大学を出たものが雇われぬというような時代になつて来ておる。こういうことでは、文部省で何ぼ定員をやつたところで、あるいは予算を何ぼもらつたところで、何にもならない。今は官立大学より私立大学の方が就職率がよいのです。こういう点を考慮されて、これと定員法すべてを一緒に考え、また機構改革も一緒に考えて、根本対策を福井さんの在職中に考えられたらいかがですか、その点をお聞きします。
○福井(勇)政府委員 平井委員の御指摘の点につきましては、十分考えなくてはならぬと存じます。幸いにして比類なき手腕と頭脳を持つております大逹大臣が在職しておられますので、十分その旨をお伝えいたしまして、善処することにいたします。
○稻村委員長 冨吉榮二君。
○冨吉委員 ただいま平井君からお尋ねがございましたが、私どもその問題は御同様非常に憂慮いたしております。現在の学校は卒業か失業か、実際卒業したとたんに失業するというのが大学のきまり文句であります。ひとり大学のみならず、高等学校、中学校ほとんどの卒業生が失業いたしておるような状態で、これは実に大きな問題であり、単に文部省の力のみによつて解決できる問題ではないと思います。大学をつくり過ぎて失業者が多いのか、あるいは雇用量が狭まつてそういうふうになつておるのか、これはいろいろ問題が輻湊していると思うのです。平井君は勇敢に当局をお責めになりましたが、当面の責任者ではあつても、この問題はなかなか解決がつかないと、私はむしろ文部省の側に御同情申し上げているのであります。ただ先刻来大学の定員の問題につきまして課長から御答弁がありましたように、ほとんど首を切らないで、欠員の数字をやり繰りすることによつて、血を出さないで政府のこの要求に応じられる、そういうことは、一面から言うと首を切られる人がないようでけつこうでありますけれども、一面から言うと、せつかく学校をつくつておいて、定員法によつて定員をとつておいて、その教授や助教授を補充できないということは、これは文部省の怠慢であると私は言わざるを得ない。このままこほつておいて、予算はとりつぱなしで減員のままで、学生にはろくすつぽ授業をしていなかつたということは、何といつても文部省の怠慢だと私は思つておる。ことに終戦後八年、九年の歳月をけみした今日、学校がそれだけ充実していなかつたということは、返す返すも遺憾でありますが、この点については深く追究いたしません。 そこでお尋ねするのでありますが、私はまつたくしろうとでございますからおかしな質問をするかもしれませんが、国立国語研究所というのも、五十一人の定員があつて、これを三人減ずるということに相なつておりまするが、この国立国語研究所の五十一名というのは、事務職員ですか、この研究に当つている研究員のことですか。どうなつておるのですか。
○福田説明員 国立国語研究所の五十一人の現在定員でございますが、これは事務職員も、いわゆる国語の研究者も全部合せての数でございます。
○冨吉委員 それではその数字はどういうふうになつておりますか。研究者が何人、事務職員が何人ですか。
○福田説明員 正確な数字はあとで調べて申し上げますが、五十一名のうち事務職員が約十三名くらいだと思います。
○冨吉委員 これはいらないのだという意見はあるかもしれぬが、私はこれを非常に重要視しておるのです。終戦後日本語が非常に乱脈になつて、正確な日本語を使わないので困つておる——困つておるということはないけれども、私は非常に耳ざわりな国語をたくさん聞いておるのですが、これはその国の文化と重要な関係があります。ことに文化国家を目ざす日本といたしましては、完全なる国語の体系の確立というものが必要でございまするので、この点については、この三十八人の研究員を少くしようというのですか、あるいはこれまた欠員になつていて、切らないでいいというのですか、どうなんですか。
○福田説明員 この三名の整理でございますが、これはもちろん仰せのように重要な機関でございますので、研究者を整理するという考えではございません、事務職員を整理したいということでございます。
○冨吉委員 私はむしろ逆にこういうところは充実してもらいたいと思うのです。二、一天作の五のそろばん玉によつて、もうかるとかもうからぬとかいう方面でないところは非常に閑却されるおそれがありますが、やはり民族の永遠の姿としての国語の体系の樹立ということは、非常に重大であると考えますので今後とも大いに力を入れていただきたいということを希望いたします。 そこでその次は文化財保護委員会の四百四十九人のうち二十五人を減らすというのでありますが、この文化財保護委員会の二十五人というのは、文化財保護委員会の委員は入つていないのですか、入つているのですか。
○福田説明員 文化財保護委員会の委員は入つておりません。
○冨吉委員 そうしますと、これは事務職員だけですね。
○福田説明員 さようでございます。
○冨吉委員 これはそういつた文化財保護委員会の、いわゆる有形文化と無形文化の仕事をやつておられると思いますが、私はしろうと考えですが、この無形文化の保護に対する力の入れ方が少し足りないのじやないかということを考えるのでありますが、この文化財保護委員会の事務職員の二十五名の減員はとにもかくにも、政務次官から特にこの文化財の中の無形文化の保護に対する御方針をこの際承つておきたいと思います。
○福井(勇)政府委員 減員はこういうふうな数字が出ておりますが、御指摘のような無形文化財の問題につきましても十分遺憾のないように努力するつもりで今後対処して行きたいと思います。
○冨吉委員 そういう意味だとおつしやるのだが、一体無形文化の保護についての御抱負、方針というようなものがございましたら具体的にお示しを願いたい。なければないとお答え願いたい。
○福井(勇)政府委員 今詳細なる資料を手持ちしておりませんが、御趣旨に沿うように努力することにいたします。
○高瀬委員 私の質問は、先ほど平井委員の言われたことに実は関連をしておるのですが、学芸大学をつくつて先生を製造した、ところが就職口がない。これは学芸大学のみではないと思います。あらゆる日本の大学に共通の問題、特に地方の大学に共通の問題だと思います。従つてこれはやはり日本の国民の文化水準を高めるという趣旨で大学にしておるのですから、就職の問題については文部省は何ら責任もなければ、関心は持つても悪くはないけれども、まあしかたがない。そこで私に言わせれば、根本的に福井政務次官に伺いたいのですが、ああいうふうな非常に程度の低い大学を日本にたくさんつくつて——確かに低い、ぼくが見ても低いのだからその程度はわかる。従つてああいう低い大学をたくさんつくつて、あまり程度の高くない大学の先生をたくさんここに振り当てておるということは私ははなはだ遺憾だと思います。従つて根本的に言うと、現在ある大学制度というものは根本的にやり直す必要がある。大学の予備校みたいなのが地方ではうようよと大学になつておる。従つてそういうところを出た学生が程度の低い先生に教わつて、ただ形だけ大学になつておるのだから、なかなか就職口なんかない。ただ国民の文化水準がこれによつて高まるということで文部省は満足しておるのかどうかわかりませんけれども、私に言わせれば、この大学制度を根本的に検討してもらいたいということと、これからこの定員の問題にからんで非常に程度の低い大学の先生がたくさんおる。私はこれこれと指摘しませんけれども、私だつて地方の大学の先生ぐらい楽にできる。(笑声)そこで私は単に定員だけ論じないで大学の先生の質を文部省ははつきりと検討して、国立大学という以上は、一体その大学の先生がどんな素質を持つておるか、そういう点をよく文部省が指導し、検査して定員を配置することが必要だと思う。そういう点をおやりになつておりますか。これを聞きたい。
○福井(勇)政府委員 御指摘の大学制度を根本的に改革するかどうかというお話につきましては、先刻平井代議士が御指摘になつた点と大体似通つた問題と存じまするが、これらの点につきましては、敗戦後世の移りかわりが非常にはげしくなつております際でもあり、文部省は今ただちにその改革について着手するとかなんとかいう問題については、これは非常に根本問題に触れることでありますので、同様大臣から適当な機会に答弁することにいたしますが、御指摘のように各党におかれてもこの問題がそれぞれの政務調査会において問題になつておることも私どもの耳に入つており、またいろいろ示唆を受けておる段階であります。この点についてはよく注意いたしまして、文部省の立場を誤らないようにいたしたいと存じております。 なお先生の質をそれぞれよく調べて十分なる学識があるかどうかを検討しておるかというような御指摘でありますが、これはちよつと普通のことを調べると申しましても、すぐ警察を使つたとかなんとかいうようなことが指摘されて、こちらの方では調べもしなかつたことを、ああでもない、こうでもないと言われるような現在の世相でありますので、非常にむずかしくて私たちは奔命に疲れておるくらいでありますが、その点につきましては、いろいろと遺憾なき方向に持つて行きたいと考えております。
○鈴木(義)委員 国立大学の教科内容、教授内容その他が非常に貧弱であることは世論の存するところでありますが、急激に大学をたくさんつくれば、当然そういうことが起るわけであります。文部省はそういうたくさんの大学をつくつたときに、学者は三年や五年ではできないのでありますから、少くも十年計画くらいをもつて、この全国に林立する国立大学の教授の候補者となるべき者を養成する手段を講じなければならなかつたはずであります。われわれはつとにそれを注意したにもかかわらず、その日暮しで何らそういう点に努力が払われておる形跡が見えない。大学院というものは、御承知のようにそういうものを養うための機関であると思われるのであります。しかるに大学院という制度だけは設けたが、大学院を運営して行くための費用というものは一向出さない。それから大学を出るまでにすでに相当疲弊しておる学生が、卒業した後さらに大学院で五年間親のすねをかじつて勉強して行くということば、ごく少数の恵まれた者を除いて不可能なことです。大学院を出た者が将来大学の教授になるべき使命を持つているわけでありますから、そういう者をどういうふうにして後顧の憂いなく勉強ができるようにするかというふうに配慮することが、私は文部行政の大切な使命じやないかと思う。そういう点に対してどういう努力を払われたか、またこれから払おうとしておるか、最高政策を政務次官に承りたいのであります。
○福井(勇)政府委員 お答えいたします。本御質問も、まことにごもつともなことでございますが、先ほどからのお尋ねと同様、根本問題に触れることでありまして、終戦後歴代の内閣でもそれぞれこの点については悩まれたことを私たちは存じております。敗戦後のいろいろな困却の時代を経て来ましたので、そういう大学院の学生が後顧の憂いなく十分な研究を遂げられるということが望ましいのでございますが、この点については、予算的措置の面においても、あるいはその他の面においても十分であるとは思われない点もあるように思います。それぞれ今後も努力をいたしまして、御期待に沿うようにしたいと思つております。
○鈴木(義)委員 なお私も私立大学をつあずかつておるわけでありますが、私立大学などにおいても教授難に悩んでおる。しかしとり方によつてはそう教授難に悩まないのであります。今日文部省の中に設けられておる大学教授適格審査委員会というものは各大学教授諸君が集まつてやつておられるのでありますから、文部省は直接の責任はないでありましようけれども、そういう基準についてはよほど今の日本の現状を考慮に入れて可否を決していただかないと、この人は大審院判事までやつた人たけれども、教壇に立つたことがないから不適格だ、すぐそういうふうにきめてしまうのです。むろんそれは厳格にいえばその通りなのでありますが、今の日本ではやはりその程度の学識経験ある者を転用しなければならぬ。私立の大学のごときほとんど経営に困難を感ずるわけです。過渡的な制度としてはある程度兼職の教授を認める、かつては全部兼職でやつておつたがゆえに、私立大学というものはやつておれた。官立の大学にひとつよこししもらいたいということを申し込むと、いや、ぼくの方も足りないんだからとても君の方に上げる人はいない、すなわち大学院の学生も二人か三人しかいない、それすらもこちらで足りないのでそちらへ上げるだけの余地はないし、また本人も希望しない。それで結局は適格なる教授が足りないからお前の大学はだめだというような焼印を押すのでありまして、これは非常に残酷だ、やはり制度と実際との間に非常な矛盾があると思います。これは今の文部当局にお答えを求めるのはちよつと無理だと思いますから、お答えを求めませんけれども、十分に考慮を払つていただきたいと存ずるのであります。
○大久保委員 私は一点だけお尋ねいたします。国立大学の教養学部の付属の中学、小学校、この人件費並びに研究費は非常に少くて、PTAから出しておる負担の方が多い、こういう実情であります。これはまことに国立の名にふさわしからぬ状態であります。ひいては弊害が起る面かあると思いますが、この点は御認識になつておりますかどうか、またいかなるおつもりでありますか、承りたい。
○福田説明員 ただいまの御質問でございますが、国立の附属の中学等におきまして御説のように後援会と申しますか父兄の有志と申しますか、特に国立の付属の中学につきましては熱心な父兄が多いのでございます。そういつた関係上、PTAの会費とかなんとかいうような関係で負担や寄付金があることは聞いております。しかしながら研究費その他が非常に少いので、それをカバーする意味でやつておるようはことはないと思います。特に臨時的に何か経費がいるというような場合に、若干の寄付金等は後援会あるいは父兄で負担していただくことは事実だと思います。それらの点につきましては、これをストップするということはどうかと思いますけれども、負担が特多くならないというようなことは従来とてもやつております。
○粟山委員 私も関連質問をいたしたいのでありますが、今わが国は大学がたくさんあつて、資質は低下しておる、あるいは日本の今日のような財政基礎の弱い、経済力の低い国柄においては多くの大学を抱いて行くということは困難でありましよう。困難なるがゆえにまた内容を充実するということも容易でないと思う。しかしさればといつてここまで来たものを地方々々の実情にかんがみて整理統合するというようなことも容易でないと思う。しからばこのままにしてどうかというならば、私のこいねがうところは、大学をそれぞれの地方において将色のある大学に指導されることがよいではないかと思うのであります。それが一つ、もう一つはそのような学校でも大きな総合大学の先生方と比較して案外それに劣らざる非常な文献を出しておる人も少くないのであります。そういう点から見まして、そういうような学問の上にりつぱな成績を上げておられる人には、特に文部省が奨励するとか、あるいはそういう方の研究を支持するというようなことに、特に御注意になる必要がないか。単科大学の先生方でも、私は名前は申し上げませんが、私どもの散見するところにおいて、ある大学の先生などはアメリカ研究において非常に卓越したる著書を出しております。またある大学の先生は、中小企業に対する実に綿密なる統計をあげて研究されたものを著書にしておられるというようなことで、いろいろ書物をあさつてみますと、必ずしも外国の本によらずして、名も知らぬような大学の先生であつてもりつぱなものを出しておる。むしろ著名なる大学のたとえばケインズについて研究されたある人の本を読んで私が失望したことは、二十年も研究したけれどもケインズの言うことがわからないと率直に書いておる人がある。あるいはケインズというのがわからないことを祖述しておられた人なのか、あるいはまたケインズを読んでわからぬという人がケインズに及ばないのであろうか、あるいはケインズよりもさらに偉大なる天分を持つてそういうふうに御批評されておるのであるか、そういう点についても文部省は今日本が非常に大事なときにあたつて、ことに社会科学のごときは野放しのような状態にあつてはいけない。われわれは貧弱なる議員といえども、これを見のがしては議会におけるわれわれの職責は全うし得ないのである。ゆえに文部省の方々は学者で集まつたものとは考えないけれども、そういう意味において文部行政は深く広くあるべき本質から考えまして、翻訳あるいは国内における優秀なる若き学者がだんだん育成されて行くという現実を見ましても、どういう覚悟を持つて臨んでおられるか、そういう点についてお伺いをいたしておきたいと思います。国家の前途に対して、現実において非常に重大な問題であると私は考えております。
○福井(勇)政府委員 御指摘の点は二点とも非常に重要なことと日ごろ文部省においても考えております。それぞれの地方の大学におきまして、それぞれの地方に順応した科目なり、あるいはそういう教育を施すようにせよという御指摘の点につきましては、たとえば学芸大学なりあるいはその地方の単科大学なりにおい面の非常に旺盛なところがあるということになれば、その学芸大学でも水産学科というものについて相当重要視してこれを併置するとか、あるいは工業大学であるといたしますれば、その土地に繊維工業が特に重大な関連を持つておるとしますれば、そういうことも考慮して行く。従来もやつて来たのでございますが、それらの点について今後もよく注意して遺憾なきを期したいと存じております。 なお教授、研究者等について従来補助金を研究者に交付するとか、あるいはまた在外研究員としてこれを海外に送るとか、内地の研究員としてその者を指名して適当な研究資金を出すとか、あるいはまた現在ではガリオア資金の留学生、それからフルブライトの留学生、それから外国政府の奨学金によつて、一つの教授としてりつぱな教育を受けるためにアメリカとか、英国だとか、フランスだとか、イタリアとか、西独方面に派遣しておりますとか、いろいろ努力しておる実情でありますが、御指摘のような案外わからぬところに、しかもりつぱな研究者が潜在しておるということにつきましては、これはもうそういう人がこぼれること手配して、そういう人たちが貴重な飛躍が遂げられるようにこの点にも留意することといたします。
○粟山委員 実は日本の今日までの文化あるいは科学の進歩について、いろいろな大学の実績、貢献というものはまことに偉大なるものがあると思います。戦前において日本は五大国といい、三大国と誇つたそのものは、軍備において誇れるものばかりでなく、いろいろな科学方面においても誇れるものがあつたと思うのであります。そこで国敗れたりといえども今日なおその潜在力というものは大きく根を張つておる。決して戦争に無条件降服したかりといつて、その根が全部枯れてはいないと思う。そこに日本の強味があつて、五等国、六等国などと言われても、美は日本は決してそう卑下すべきものじなく、また日本が五等国から四等国、三等国、二等国になり、一等国になるところの大きな希望もそこに置かれておると思うのです。そういうことを考えまして、大学というものは私立があり、官立があり、そして総合大学があり単科大がある。といつてこの大学を一般の人が見たときに、どうも何となく観念的にそれに格づけをしておる。そういう考え方は各文明国の間において日本人が一番妙な観念を持つておる。それは今までの成績の上からついて、色づけもできましようし、区別もできましようが、一体この八千万とい人間が、いかに人口調節をしようといつたところでふえる。ふえて資源は少いという現実から考えて、どこに一体大きな線を引いて、この日本を育成して行かなければならぬかということを考えたときに、この学校に対する観心、教育に対する観念のごときは、根本的に平等な、謙虚な平易な観念でもて迎えなければならぬ。根本的に日の国民の観念をたたき直さなければならぬ、これから直して来なければ、日の再興は日本の現実に即したるものできないと私は考えておる。こういうことについて、大学を優秀な成績で卒業して、出世街道を驀進して来られたすべての官僚の諸君の考え方はいかんということを聞きたい。おそらくわれわれは、すべての者が過去にいかなる経歴を持ち、過去にいかなる誇りを持つておつても、この際は敗戦の機会において全部謙虚な気持になつて日本の再生をはからなければならぬ。この心がけこそ、日本の興廃を決する私はキー・ポイントだと思う。この点を文部当局に対して、いろいろの機会、いろいろの場合に日本の国民としての観念を根本的にたたき直すという、その深刻なる決意をお持ちになつておるかどうかということを私は承りたいのであります。
○福井(勇)政府委員 御指摘の、日本の文化、科学の進歩について大学の貢献は実際洋大であつたが、そういうことについての認識が文部省にあるかという点が最初のお尋ねであつたと存じます。こういう問題につきましては、私たち文部省といたしましても、特に文化、科学というものが近代の人類の飛躍を遂げるところの第一要素であるということはかねがね考えておりまして、特に科学、文化の飛躍ということが重大であるという一つの要望に立つて来ておるのでありますけれども、敗戦後の今日の経済状況の逼迫が、文部省のみこれの予算的裏づけを十分ならしめるということになお遺憾があつた点に起因いたしまして、私たちの祈念通りな飛躍か遂げられておらないというようなことは、今後相当研究しなければならぬと考えております。なお第二の、八千万国民がこの国内にとじ込められて、そうしてこれを飛躍させるには、教育というものが一つの根本であるというような意味の御指摘であつたと存じますが、これらの点についてもまつたく同感でありまして、私たちも文部省の責任の重大なる点を痛感しております。ただ全般的な大きい問題として、総理から答えられるのが適当だと思われる、全官僚の考え方がどうか、考え方が間違つておるというような御指摘の点については、私実は民間人でずつと来ておりました関係もあり、一時目界にもおりましたが、そういう点についてもしごく同感の点がございますが、この点については、私のわく内においては号幅つたい御答弁が旧当ここでは制約されると存じます。よく心に入れまして大臣にも伝えることといたします。
○平井委員 文部委員会でありませんから、文部省の全般にわたつては質問を申し上げません。粟山先輩が言うたように、日本の再建の根本は、文部行政すなわち教育にあるということは、全国民の承知しておるところであります。私は今日定員法を審議しておるのでありますが、定員が行き詰まる、あるいは卒業生に失業者ができる、この原因がどこにあつたかと言えば、まず一口に言えば、文部省の指導が非常にゆるんでいる。すなわち終戦後においては、どんな学校でも大学に昇格させた。許可は与えたが、そのあと、その学校がつぶれようと、経済的に困ろうと、先生が来まいと、先徒の応募があるまいと、文部省はまつたく関知しない。また今日におきましても、やはり地方の学校の大学認可という問題に対しては非常に運動もあり、また許可もしておる。従つて文部当局におきましては、諸般の事情もありましようけれども、やはり日本を思い、あるいは将来のりつぱな青年を養うという学校の許可についでは十分に考慮しなければならぬ。個人的にはいろいろございましよう。私どももしばしば陳情に行つた事もありますけれども、自分がお願いをして許可された大学が、今日立つて行かない、こういう大学に対しては、文部審議会というか、教育審議会というものがもしありますならば、閉鎖するとか、あるいはこれをよその大学に併合するとかいうようなことを文部省は考えているかどうか。あるいは私営でやつているところの大学あたりは、まつたく支持がなくてやつて行けない。そうかといつて急に学校をやめるわけに行かぬ、こういう学校か数々ありますけれども、こういう学校に対してはいかなる見解を持つているか、あるいは今後諸般の事情によつて許可を下る気があるかどうか。これは福井さんのところにも今日も相当来るでありましよう。また県内に二つも三つも許可の申請が出て、どちらに許可をするべきかといつて、県出身の国会議員が両方にわかれてけんかをしている。こういう現状でありますので、今後は大学の認可に対してはいかなる見解をお持ちか。これが私は一番根本たと思う。そうせねば、大学だけできたところで何にもならぬという結果になるのでありますから、文部省に今日権利がないといえばそれまででありますけれども、権利がないから文部省は何ら指導しなくてもよいというものじやない。文部省が厳然としてりつぱな指導というか、無言の指導があるならば、今日教育二法案などでけんかをする場合でないと私は思うけれども、文部省がうかつに考えておつたために、先生が行き過ぎてしまつたというのが現状である。われわれは、先生がじつとしてくれておればあの法律を出す必要はない。どろぼうがなければ法律はいらないのです。どろぼうがあるから、どろぼうをつかまえるのだという法律が出るよりなもので、これに対する文部省の指導精神、すなわち文部当局の指導理念に対して私はお尋ねする。この二点をお尋ねいたします。
○福井(勇)政府委員 平井議員にお答えいたします。平井議員御自身が御指摘になつておりますように、文部省は、終戦後講和条約締結までにいろいろ占領軍との関係もあり、あなたのお言葉をそのまま拝借しますならば、諸般の事情がやはりあつたのでありますが、これについては今後も諸般の事情を考慮しまして、この学制の現況がそのまま続いて行くものとは私ども考えておりません。学校の許可をするつもりがあるか、あるいはまた閉鎖してしまうつもりはないかというようなことにつきましては、必要となつたときには、また許可しなければならない大学も起るかもしれませんし、また閉鎖しなければならぬところもあるかもしれませんが、これはいずれも予算措置を伴うものでありますので、議員諸公の審査をまたなければならないことでありまして、現在文部省においては、実際的には閉鎖するか、あるいは新規に国立大学をつくるかということについては、まだ帳面の上には現われておりません。御存じの通り、文部省がうかうかしておるから、こういうことになつた。法律も出さぬでもいいじやないかというようなお話も、平井議員から御指摘がございましたが、これは先生方がじつとしておればいいじやないかというようなお言葉も、ちよつと今発言がございましたが、これはあくまで予防法でありまして、五十数万の先生方がみな悪いからこの法律を出すとは、一言も言つておりません。たとえ話はちよつと恐縮でございまするが、日本の国民に非常に悪いことをする人があれば、それに沿つたところの法律を予防法としてつくつたのは、法治国家としては習慣として認められておるものではないかと思いますので、これらの点については、文部委員会で賢明なる議員諸公によつて審査をせられることと存じますので、その方面から検討を十分に願いたいと存じております。
○平井委員 福井政務次官の話はわかりましたが、国立大学だけでありません。地方の大学の認可許可は文部省でやる。これはあとは責任はありますまいけれども、あまりむちやくちやに許可をしたから、こうなつた、こう私は申し上げる。それから今後許すような大学はおてらくできまい。日本はどこの県に行つても大学だらけだ。同時にあなた方にお願いするのは、定員法で縛られておりましようが、少し地方の大学にいい教授をまわしてもらいたい。そうすれば東京にあまり上らぬでいい。だれもがれも東京々々と言つて東京に集まつてしまう。それはなぜかというと、地方にいい先生をまわさない。と同時に、これはなかなかむずかしい問題ですが、特に福田さんにお願いするのでありますが、地方からいろいろな補助をもらいに来る場合は、成績のよいものから先にやつてもらいたい。因縁情実にとらわれて、あそこの大学は感心せぬけれども、知合いが多いから、補助金をよけいやろうというようなことは、人間としては当然のことでしようけれども、その人情を踏み越えて、総務課長がひとつ信念を持つて、成績の上るいい学校にはよけい補助金をやるということで行けば、悪い学校はだんだんよくなつて来る。私どもは与党だから承認しますが、定員の中でいい先生を地方によけいまわす。そうすれば、わざわざ東京に旅費を使うて学生が上らぬでも、自宅からいい学校に通えるということになりますから、この定員の中で重点を地方に持つて行つて、地方でいい青年を養う、こういうことに文部省が少し頭を切りかえてもらいたい。そうしなければ東京は人間ばかりで動かれません。自動車に乗るよりも歩いた方が早いありさまです。そういう現状を見ましても、すべては教育が根本であります。年をとつて今から直せと言つても直りませんから、子供のときに直しておく。もつと文部省が崇高な指導力を持つて強力な指導をして行く。ただ大逹文部大臣のように、急に来て急に強い指導をやつてもだめです。先ほど福井さんが言つたように、教員が中立になることは私は賛成しますが、そういう法律を出さぬならぬような悪い先生を出したことは、多少文部省に責任がある。そこで政務次官なり福田さんから、今後私心を離れ、人情を乗り越えて、日本再建のために、文部省はしつかりやりますということを聞きたいのであります。
○福井(勇)政府委員 平井委員にお答えいたします。従来いろいろの補助金にしても、あるいは教員の配置にしても、都会に偏重し、いなかの方を無視したようなことがあつたというような御指摘がありましたが、今までにおいてもそういうようなことは決してなかつたのでありまして、今後も特にどの議員がおいでになつたからどうだとか、平井さんがおいでになつたからどうだとか、冨吉さんがおいでになつたからよくするとか悪くするということはしない。こういうことば厳正公平にやりまして、絶対そういう不公平なことはいたさないように対処いたします。
○福田説明員 ただいま政務次官から申し上げた通りでありまして、国立の補助金とおつしやるようにもとれたのでございますが、科学研究費等につきましては、一定の審査機関がございまして、その研究テーマに基きまして厳正にやつております。従つて国立の大学等について補助金云々という問題は、決して起らないと思います。問題は離れるかもしれませんが、私立につきましても、これは私学振興会におきまして、厳正な査定をもつてやつておりますので、御趣旨の通りにやられておると考えております。
○冨吉委員 いろいろ御質疑を聞いておりますと、大分文部省が指導せよという話があるのです。これは非常に重大な問題です。新憲法の精神と教育基本法ののりを越えないように——これは釈迦に辻説法ですが、文部省はとかくどうも支配しがちであり、指導しがちでありますが、やはり文部行政というものは、あくまで教科内容なり教育環境の整備に主力を注くべきで、サービス機関でありますから、権力的なものをもつて支配するという根性は、この際かなぐり捨ててもらわぬと、りつぱなものはできません。ことに法科系統の高文試験、人事院試験などを通つた役人が上に立つて、事務当局などが、教育の方針とかそういうものについてあまり強力な指導をされると、とんでもない結果が起きる。かつて日本の教育を非常に誤つて、私は大東亜戦争のごときは、教育が誤つていたということに起因すると思うのであります。その点を一つ私は希望を申し上げておきます。
○福井(勇)政府委員 冨吉委員にお答えいたします。文部省が支配するとかどうとかいう御心配は、決して現在ございません。なお法科系統の官僚が試験を通つて、この指導をしておるというような御指摘でございましたが、私自身高文はとつておりません。技術者としてりつぱに指導をしておる事実で証明される通り、科学技術者がやはりこの中に入つて遺憾なきを期しておりますから、その点は御心配はないと存じます。
○下川委員 先ほど来の質疑を聞いておると、文部行政がほとんど学校行政だけにとらわれておるように聞えます。おそらく文部当局も御承知かもしれませんが、文部行政は単に学校行政だけではない。いわゆる一般文化行政もこの中に入つておるはずです。しかしこの表を見ると、たとえば日本芸術院あるいは国立近代美術館、この二つだけが表に現われていて、一体文化行政はどんなことをやつておるのか、その点が明確にされていない。どの程度にやつておるのか、それをひとつ御答弁願いたいと思います。
○福田説明員 ただいまの御質問でございますが、ここに所轄機関として掲げましたのは、そういつた国立の研究所があるということを表に現わしたので、ございまして文化行政一般となりますと、単に研究所と特定するわけには参りません。現在文部省では外局としまして、文化財保護委員会というものを持つております。文化財保護委員会の付属機関として、あるいは博物館なり文化財研究所といつた研究所も持つております。それからまたそれに関連しまして、社会教育の面におきましても、文化という立場ではございませんが、成人教育その他の社会教育一般を担当しております。そういつた意味で入るかと思いますが、ここに所轄機関として掲げましたのは、こういつた特別の研究所という黄味でございまして、文部省としてはもちろん学校教育以外に、そういつた文化行政の面を担当しております。
○下川委員 それが社会的にはほとんど反映されておらないのであります。御承知の通り、外国あたりの文部行政を見て参りますと、たとえば映画、演劇あるいは美術、文学といつたものに非常に力を入れております。これは人間が非常に野蛮的になつているのを情操的な立場において育成して行く、いわゆる人間的な装いをこの一般文化行政においてやつて行くことによつて、そこに知性のすぐれた常識マンが生れて来るからであります。ところが日本の文化行政を見て参りますと、世界に比類のない文部大臣かもしれませんけれども、いわゆる教育行政を何か再軍備的な立場に持つて行くような動きがわれわれには見えるのであります。従つて情操教育という面においては非常に欠如しておる。たとえば国に一つの国立劇場もない。あるいはまたたくさんの翻訳書が日本にもありますけれども、これなどは当局が率先して日本文学のいいところを取上げて、あるいは文部当局の中に翻訳機関を置いて、そしてこれらの日本文学を翻訳してどんどん海外に出して行く。そうすることはドル獲得の一つの仕事にもなつて行く。これは通産省にも関係がありますけれども、そのように幾多の文化的な仕事が残されておる。あるいは美術においても映画、演劇においても、これらの海外輸出等も考えて、文部当局がどしどし推進してしかるべきだ。ところが映画、演劇に対する行政もない。あるいは文学に対する行政もない。ただ単におざなり的な、従来の社会教育という見地だけでやつている。あるいは芸術院などがありますが、これも考の芸術家の推薦するにとどまり、近代的な感覚のある芸術家の推薦はやつておらない。何か文部当局は時代のズレのあるような文部行政、文化行政をやつているように私はいつも考える。これは大逹文部大臣の、あの感覚にズレのあるやり方でありますから、よくわかるのであります。しかし近代国家はいわゆる学校教育、学校行政以外に競つて文部行政に力を入れて、あらゆる芸術教育をやつている、芸術の推進をやつている。芸術を掘り下げて行くと、あくまでも人間追求になつて来る。人間の正しい姿、人間の真実を社会に発表し、そこから初めて野蛮に対する克服が生れて来る。野蛮に対する闘いが生れて来る。ほんとうに平和的情操的な、知性のすぐれた国民が生れて来る。そういういわゆる文部行政が一つとしてなされていないように私は考える。今日国会内で、いろんな喧々囂々の議論のはてになぐり合いまでするということは、結局そうう影響がこの国会まで来ておるからだと思う。その点を考えると、むしろこういう重大な文化行政の人員をこの定員法において増加すべきなんだ。口には文化国家の建設を言いながら、最も重点を置くべき学校教育はいわゆる偏重的な教育にされようとしておる。人間的情操的な教育の制度が少しもつくられておらない。その意味で私は、今日の文化行政というものはあらゆる点において欠如しておると考えておりますが、そこはどのようにお考えでしようか。
○福井(勇)政府委員 御指摘の点については文部省として努力しておるつもりでございます。再軍備の線につながる教育をしておるというようなことは、これはまつたく私たちの考えておらないところでありまして、その点は見解の相違かと考えております。国立劇場の問題などにつきましても、かねて予算が許せばというので計画し、たひたび出しておるのであります。この緊縮さるべき方針によりまして、まだ実現の機に至つていないのは残念でございますが、御指摘の点については、貴重な御見解として、私十分参考とさしていただきたいと存じます。
○下川委員 今後の文部行政につきまして、たとえば今までの質疑はほとんど学校行政でありましたが、しかしこれから文化国家の建設ということを文字通りやつて行くならば、今後芸術教月により以上力を入れるかどうか、その点をひとつ明確にお答え願いたい。
○福井(勇)政府委員 それらの点についても、他の項目と同様に、十分努力することにいたします。
○下川委員 なおそれと関連して、例の原子病の研究に百八十万円しか出ておらないということを聞いている。これは芸術行政に関係ございませんが、やはり人間の重大な問題でございますので、今後十分研究費を与えるかどうかという点について、御回答願いたいと思います。
○福井(勇)政府委員 今回起りましたビキニの問題、これらの灰を受けた被害につきまして、特に病人については十分な処置と十分な費用を見込むことにいたしております。その処置について、研究費がないために頓挫するような事態が起らないように対処いたします。
○稻村委員長 先ほど政務次官より説明がありました資料が建設省より提出されましたので、この際資料についてあらためて官房長より説明を求めます。官房長石破二朗君。
○石破政府委員 先ほど政務次官から概略御説明申し上げましたが、お手元に配付いたしました資料に基きまして御説明申し上げます。 本省並びに付属機関、地方建設局、総合計いたしました定員は、現在一万七百八十名であります。これに対しまして、今回の法律により整理を予定いたしております人員は、本省、付属機関、地方建設局を通じまして七百四十九名であります。これが整理の方でございますが、従来の定員ではどうしても事務がし切れないという分が若干ございますので、この際河川局、営繕局の二局について、本省で合計二十六名を増員し、地方建設局におきまして百十名——これは営繕関係の職員でございますが、新規増いたしたいと考えております。その合計が百三十六名でございます。これを差引きまして改正定員は一万百六十七名、かように相なつておるのであります。この整理の考え方といたしましては、本省並びに人事、会計等の事務的業務に従事する職員をなるべく多く減しまして、第一線の職員でありますとか、試験研究機関の職員でありますとか、こういうものの整理はなるべく減らすようにして、現実に合せておるつもりであります。 以上簡単でありますが、説明を終ります。
○稻村委員長 質疑の通告がありますので、まずそれから許します。下川儀太郎君。
○下川委員 ただいまの御説明ははなはだ簡単でよくわかりませんが、この表によつて見ますと、約七百四十九名減員されている。そのうち地方建設局が五百四十九名減員されております。これは建設当局が地方の実情をよく調査の結果これを承諾したでしようか、その点をお聞きしたいと思います。
○石破政府委員 私の方は、その実情をよく調査して、その整理をいたすことに考えた次第でございます。
○下川委員 調査いたすことにしてということになると、まだ調査いたしておらないわけですか。
○石破政府委員 調査いたしておるつもりでございます。
○下川委員 調査しておるとすると、私はあまりにもずさんな調査だと思う。行政管理庁の監察部の調査事項をたくさん見て参りますると、たとえば災害復旧に関しても、あらゆる地方の土木工事は非常に不正工事が多い。その不正な工事の根本はどこから来るかということ、それをまず考えてみなければならぬと思う。これは調査が行き届いておらない。つまり地方にいる土木出張所員の人数が少い。そのために監督が不行届きだと。たとえば砂防工事にしろ、あるいはまた道路にしろすべてが下請の土建屋にだまされているとか、あるいは直接やる場合においても、監督また技術陣が非常に少いために、ここにずさんな工事が現われて来る、そのしわ寄せがたくさん出て来ておる。たとえば私が見た中にも三十何件ある。そういうふうな地方の実際的な場面に遭遇して、その不正工事あるいはずさんな工事の結果がどこから出て来るかというと、技術陣の不足と監督の不足、これから来ておる。この実際をわれわれは直接見ておる。私も五年ばかり静岡県の県会議員をしておりましたが、その実際的な見地から見ると、ほとんどが人数の不足のために、不正工事あるいはずさんな工事となつておる。にもかかわらず、より以上に増員しなければならぬという立場で減員するということは一体どこにあるか。
○石破政府委員 私の説明がまことにずさんでありまして、下川委員が誤解をお抱きになつたのではないかと思いますが、実は御指摘のように、建設省所管行政で地方における現場の工事がうまく行つて得ないという指摘を検査院なり管理庁から受けておることは確かでありまして、お話の通りでございますが、実は地方建設局の職員と申しますのは、建設省のいわゆる直轄工事を担当しておる職員でございまして、府県、市町村に対する補助事業、たとえて申しますると、災害復旧、あるいは道路にしましても、その他の河川改修にしましても、補助事業の方が建設費としては大きいわけでありますが、これらの仕事を担当いたしておりますのは、都道府県の土木職員、さらに本省の河川、道路、これらの職員でございまして、地方建設局の職員は全然関係しておらぬ次第でございます。 なお検査院なり行政管理庁から直轄工事につきましても実はいろいろの批難を受けておることも確かでございます。これらの点につきましては、人は減らしましたけれども、事務を簡素化いたしますとか、みな一生懸命働いて能率を上げて、かような不始末を起さないように十分やつて行かなければならぬ、かように考えております。
○下川委員 それがおかしいのでありまして、たとえば地方建設局の人々は、直接仕事はやつておらないのですか。
○石破政府委員 地方建設局の仕事は直営でやつております分と、請負にかけてやつております分と両方ございます。
○下川委員 ですから何もあなたの説明が間違つているのじやなくて、私はあなたの説明されたことに対していわゆる質問をしているわけです。そうしますと、あなたの方はいまだにその実態を把握しておらない、おそらくあなたは言いにくいかもしれないけれども、これは上からの定員法、いわゆる整理の押しつけで、非常に抵抗されたとは考えておりますが、これはほんとうの国費をもつてやる仕事でございますから、いくら人間を減らしても、その仕事それ自身が——二年、三年持つものが、一年においてついえてしまうというようなことがたびたびある。従つてわずかな人間を整理することによつて莫大な損害が国にかかつて来るそれを考えるならば、もつと充実した工事をやるべきである。しかも今日夜昼やつておる超勤の人々もずいぶん多い。そういう現実をよく把握しておるならば、こういう人数を出すべきではないと私は思う。もつと実情をわらじがけで調べてみたらわかると思う。私も県にいたときに県会の土木委員をしていてよく実情を知つている。知つているだけに、これはあまりにもばかばかしい数字を出しておると思う。むしろこれは倍ぐらいにしなければだめだと思う。しかもあなたのところには行政管理庁の監察部からそういう注意を受けておると思う。一体その注意を受けておるのに対してどういう態度をとるべきか、不正工事あるいはまたずさんな工事をしないようにするには、やはり人員の充実、技術の向上、これがやはり先決問題になつて来る、それを果しておらないじやないか。これを少人数に置けばなおさらずさんな工事、なお不正な工事が出て来ることは火を見るよりも明らかである。それをよりいい工事に、よりいい建設に持つて行くための努力が当局のやることである。それを果さずして人を減らす、重労働にまた陥れる、そうするとその過労から来るすべてのものが、つまり工事の中に現われて来る、ほんとうにあなたがこの建設行政というものの完全をはかるならば、こんな少人数でやるべきでなく、もつと充実をすべきである。人員を減らすことによつて国費が非常にむだになる。わずかばかりの人件費の問題じやない。十年持つものが五年で流れてしまう、三年でついえてしまうという結果になると、より以上に大きな被害が国にかかつて来る、その点をよく考えてやるべきだと私は思う。それに対する御意見を伺いたい。
○南政府委員 お答え申し上げます。御質問の趣旨は私もつつしんで十分拝承しておるのでございますが、官房長の説明はこの地方建設局の職員は地方のいろいろの工事に対する監督の人間でなくて、主としていわゆる建設省の直轄工事に従事しておる人間で、その直轄工事に従事しておる建設省のみずからやつた工事、あるいは建設省の責任のもとにおいて出した請負工事にも行政管理庁あるいは会計検査院からときどき仕事が疎漏だとおしかりを受けておる、こういう点があつたものですから、それを勘案いたしましてお答え申し上げたから、ちよつと説明が不十分であつたかと思うのでありますが、御承知のように、今度の行政整理は、職種によりまして非常にこまかい整理方針を示されたのであります。地方建設局におきましても、直接現場に従事しておりますような人たちにはいろいろ交渉いたしまして、そういう方面についてはできるだけ整理をせぬように、ただこの仕事を監督しておるような立場の職種、そういうものにつきましては多少——今回の行政整理と申しますことについても政府の一省といたしましての建設省の責任もございますので、現場の仕事について円滑に進行させる、あるいはこれの監督を十分にすることにできるだけ支障のないような業種のものについて整理をやるのでございまして、五百四十九名という人間は非常に多いようにも見られますが、これは建設省もまた政府の一省でございまして、行政整理という大方針にのつとりまして、極力これに協力して行くという立場におきまして人員の整理、しかしその半面におきましてはできるだけ事務を簡素化する、それからまた与えられた仕事に従事しております方々の能率の向上をできるだけ促進するということによつて八千七百五名の現在定員を五百四十九名整理いたしましても、もちろん仕事に不十分な点もあつておしかりは受けておりますが、それは戦争直後におきまする仕事に非常に多く批難が出て参つておりまして、最近におきましてはようやく仕事も軌道に乗つておりまして、必ずしも絶無とは申し上げませんが、大分レールに乗つて来ておりますので、彼我の仕事の整理、そういう点を実行いたしますことによつて、政府の一省といたしましての建設省が、できるだけ協力をするという意味合いにおいて、五百四十九名の人間を整理する。しかし一方において足らぬところは足らぬと率直に申し出て、そして営繕その他の分において百十名の人間を増しまして、地方建設局の仕事に万遺憾のないように配慮いたしたつもりでございます。
○下川委員 政務次官の御答弁はよくわかるのでございます。おそらく私はこの整理に対しては、心の中では反対だと思つていたのが、こういう結果になつたと思うのです。しかし今までもずさんであつた。それがどんな部署の人間を省いてみても、その省かれた人間は、また他の者の労働にこれが加わつて来るということは当然であります。過重になつて来る。どこの部署を一人減らし、二人減らしても、その一人、二人の仕事はだれかがこれを分担しなければならぬということは、これは明らかな事実であります。たとえばいかに簡素化にされようとしても、やはり残された人間がその重労働を背負わなければならぬ。そうなつて来ると、背負つた人間が工事をずる場合は、やはりこれが勢い工事に反映して来る。ですから、いくら政務次官がそのようにお答えになつても、現実に私はよく見ておる。いなかでもよく見ておる。選挙区をまわつてもよく見ております。従いましてこの数字というものは、ほんとうに押しつけられた数字なんだと私は思う。ましてや、政府に協力するということは、ずさんな工事に協力するという結果になつて来る。協力するということは完全な仕事に協力することであつて決してずさんな工事に協力することではない。これは言葉では協力するという表現をするかもしれない。実際工事でなくても、間接的な工事に従事しておる人間が数名減らされると、その結果は残された人間が重労働をする。勢いずさんな工事をしたくなくても、どうしてもこれは人間の体質の関係でずさんになつて来る。そういう責任を負わされている。そうすると、今後ますます監察部から指摘されるようなことになつて来る。あるいはまたそういう不正な工事あるいはずさんな工事が出なくても、今度は工事それ自体が遅れて来る。いわんや、御承知の通り昨年はあの台風のいろいろな災害があつた。全国的に進められている災害復旧工事が非常に遅れておる。あなた方御承知の通り、これは全国的に展開されて、工事が非常に遅れておる。遅れておる工事をより以上に早くやつて、そうして農民、漁民あるいは市民を仕合せにしてやらなければならぬ。それで人数を減らすことによつて重労働を課せられる。労働者はこれでどうして進捗する工事ができましようか。そういう点を考えて参りますと、現実的に災害復旧で、昨年の国会において問題になつたあの大きな災害を背負つておる土木の人々が、また大きく人数を減らされて、過重な労働の上にますく困難な仕事をして行かなければならない。そういうことを考えてみると、もう少し建設省は思いやつて、たとい政府がこういう天くだり的な定員法を押しつけて来ても、これに対する抵抗を持つてやるべきだ。私は国を思い、あるいは各県々々の村や、農民、漁民など、一刻も早く復旧工事を願つておる人々のことを思うと、むしろこれは増員すべきであつて、工事の進捗、あるいはまた一つの工事の完成ということに意を走らせてこそ、初めて信頼の置ける当局だと私は思う。その点に対してどのようにお考えでしようか。
○南政府委員 お答え申し上げます。ただいま御質問の点は、私もある部分につきましてはまつたく同感であります。しかし御承知のように建設省の仕事は他の省と違いまして監督指導行政もやつておりますが、主として直轄もやつておるという役所でございます。この点行政管理庁とも十分連絡いたしてやつておるのであります。昨年の風水害あるいは十三号台風等によつて地方がおびただしい被害を受けて、これの回復につきましては私もまつたく同様の考えを持つて、一刻も早く直して、国民各位に安心をしていただかなければならぬ、こう考えておるのであります。御承知の通りなかなか予算その他が思うにまかせぬような状態でございます。従つてこれは金と物との兼ね合いでございまして、人間をたくさん置きましても、予算をいただかなければ仕事もはかどらぬという点も出て参ります。そういう点も考えまして、地方建設局の工事につきまして国が責任をもつてやらなければならぬということにつきましては、ぜひともこれからそういう心構えでやつて行かなければならぬ。またいろいろ御注意もいただいたのでありますが、今の段階におきましては五百四十九名、欠員が約九十名ほどございますので、新規増の百十名を配置転換等を入れますと約三百名程度の整理になつて参ります。この程度のものを整理いたしましても、御心配のような点、労働が強化するとか、あるいは仕事がずさんになるという結果にならないように、事務の分担、能率の向上ということを頭に置いて、人員の配置を十分考えて参りますならば、行けるだろうという見通しをつけたので、行政管理庁とも歩調を合せまして私の方も承認したというようなわけでございまして、この人員整理をすることによつて、大きく仕事に支障があります場合は、政府の一省と申しましても、かえつて皆様に忠ならざるゆえんにもなりますので、この点は上の方と打合せまして、現段階においてはこの程度の人間をもつて十分職責が果せる、そういう見通しのもとにおいてこの人数を承知したようなわけであります。
○下川委員 お説はよくわかるのであります。苦衷の点もよくわかるのであります。しかも戸塚建設大臣は私の同郷でありますから、よくわかります。ただ私はあなた方の現在減員された残りの人によつて十分やつて行くという決意のほどはわかりますが、これはあくまで机上的な考え方で、しかも先ほどるる述べました通り、災害復旧その他の土木工事に関連して、やはり直接担当せられる人と十分これは懇談してしかるべきではないか。どうしてもこの工事は何日まで上げなければならぬ、これにはこれだけ人間がかかるというように、やはり個々の建設省の出張所等の意見を当つて諮るべきであつて、いたずらに中央において皆様が机上プランでやられるのだと主張しても、現実的に地方の人がやらなかつたらどうするのか。被害を受けるのはあなた方でなく、地方におる人たちである。地方の人が重労働に行かなければならぬ。いかに簡素化といつても、自分のからだが動かない。精神的に疲労が来て、いろいろな問題が起る。そういうことを考えると、なぜそういう直接工事に携わる人を中央に呼んで、大会を開くなり、十分検討の結果、これならばできるという目途を置いてやるべきである。おそらく私は全国の出張所員は反対であろうと思います。反対のところでは重労働をしいられて来るから、政府当局も、ただ中央からのそういう決意とかあるいは覚悟を示すというのではなくて、全体的の立場に立つて、納得の行くようにして、そして出張所、その県の土木関係の人あるいは村の人々、そういう人々と十分折合いをつけてやるべきである。減員によつては工事の進捗状態がこれはだめになつて来る、村や町に迷惑をかける、そういつたことを考えると、もつとぼくは上からの決意、上からの覚悟でなくして下からやれるという覚悟を提出しなければならぬと思う。だからこういう定員法というものは、天くだり的に上からだけでこれを縛り上げてそうして下に押しつけるという形になると、押しつけられた人々の立場はどうなるか。しかも土木工事のごときは、押しつけられた場合には、一体被害を受けるものはその市町村じやないか。しかも市町村の税金はそれ自身国に吸い上げられて行くのだから、そうすると勢い政府は、この首切りによつて、その吸い上げたいわゆる税金を出しておる市町村に被害を与える結果になつて来る。そういう立場に立つて、こういう定員法なり減員の問題なり整理の問題なりを解決すべきである。それを頭だけでこしらえて、頭だけで決意だ覚悟と言つて、そうして首切りをして、下にそれを押しつけるということはもつてのほかだと思う。
○南政府委員 お答え申し上げます。建設省は、先ほど私申し上げましたが、他の官庁といささか性質を異にしておりまして、建設省みずからがある程度の仕事をやつております。従つてこの整理案はたとえて申し上げますならば、決して官房だけで、デスク・プランだけでこしらえたものではないのであります。この整理案と申しますものも最初からいろいろの交渉がございまじて、相当長くかかつております。その間におきまして、地方の建設局の庶務部長を集めてどういう状態かそれぞれ官房でみな意見を聞き、仕事の見通しを聞く、また庶務部長は帰つて各土木出張所の人員関係の庶務課長あたりを集めまして——形はなるほど下から持つて来たんじやないようにも見受けられますが、ほんとうは上からの整理案一つ一つにつきまして、各地方建設局の人事関係その他に打合せしまして、それが下へおりて来て、そうして回答を持ち寄つてこういう案にでき上つておるのでございます。従つて多少各省と違つております。しかし現実に仕事をやつております人員の整理によつて仕事が途中でとまつたり、あるいは非常にその間にトラブルが起るようではこれは整理に魂が入らぬことになりますので、私の方では少くとも地方建設局に関する限りにおきましては、本省において単にデスク・プランでやつて、政府の一省であるから頭からこれに協力して、この程度のものはやるんだというふうにはなかなか参りかねるということも、行政管理庁もよく知つておるのでありまして、各地方建設局その他と十分連絡いたしまして、まあ三百人ぐらいならは何とかやつて行けるというので、こういう数字が出て参つたのであります。
○下川委員 下部組織と十分連絡協議した結果のように聞いたのでありますが、しかも現実的には私は必ずしもそうではないと思う。われわれのところにも陳情が来ておりますし、あるいは市町村からも陳情が来ておる。これ以上減らされては困るという陳情が来ておる。そういうことに見ると、これは庶務部長とかあるいは出張所長とかそういう頭だけを集めての会議であつたと私は思う。やはり末端までその問題が浸透しておらない。やはり犠牲にされるものはあくまでもそれに対して抗議を申し込んでおる。しかもその抗議の申込み方が、自分自身のいわゆる生活的な問題でなくして、これを手放すことによつていわゆる工事の進捗状態がこうなるとか、ああなるとかいう、そういう国を思う、あるいは県を思う、あるいはその土地を思うという考え方からの陳情も来ておる。従いまして、私はおそらく政務次官としては、これは減員したくないんだ、したくないんだけれども、いわゆる各省との関係で自分たちはこれを納得しなければならないような立場に追い込まれたというふうに解釈しておるが、おそらく私の考え方に同感だと思う。その同感の考え方を表現できないところにあなたの苦しさがあると思う。従つてたとえばこの地方の土木出張所、地方建設局、こればかりではなく、全般にわたつてのこの土木行政というものは今非常に重大なんです。いわゆる災害復旧という大きな問題をとらえて、これが重要なるポイントになつておると思う。そういうときに一人でも不足するということは、これは非常に土木行政が困難になつて来る。あるいはいろいろ指摘されるような原因をつくつて行く、こういうことで、私は単に地方建設局のみを言つているのではないのでありまして、たとえば各地方の仕事、これにいろいろ県が補助金を与え、あるいは査定をする場合にも人間が不足のために現地調査ができない。そこでずさんなプランができるということも往々ある。そういういろいろなものを勘案してみると、やはり今日農漁村に対する一つの税に報いるためのサービスのにおいても、どうしてもこういう点が欠けて来る。そんな歯にきぬを着せたようなことでなく、ほんとうに困ることなんです、政府がこういうものをきめたから、やむを得ずこういういわゆる整理の形をとつたが、本質的には人間が足りないのだという、もう少し率直な答弁を要求します。
○南政府委員 お答え申し上げます。いろいろ有益な御意見を拝承したのであります。私地方の土木関係につきまして、お言葉の通り、これを十分知つておるとはここに断言し切れない点が多々ございます。県の事情によりまして非常に無理をした人間の配置をしておるところもあるいはあるかとも存じます。しかし地方建設局につきましては、一応こまかく当つたのであります。この業種については機械化のためにこういう人間がいらなくなつたとかいうふうに、下川さんがお考えになる以上に、私の方ではかなり神経質になりまして、こまかく当つたのであります。当つてこの程度の人間ならばというので結論を出したのでありますが、見通しといたしましては、私は日本のこの荒れ果てた国土の建設ということは、今後どのような政府ができましようとも私はやらなければならぬことだと思います。従つて建設省がやるか、地方がやるか、これは別問題といたしまして将来この種の人間は減るよりもむしろ増して行かなければならない傾向にある、ただ財政その他いろいろな点を勘案いたします関係から、ことしはいらないが、来年はいるというようなことも出て参りますので、見通しといたしましては、国または地方においてはこの種の人間は、各省と同一歩調で減員をするというようなことは私はなかなか困難ではないか、むしろ場合によつては増員をしなければならぬような面が出て来るのではないか、こう考えております。それで本年の予算につきましては一兆円予算で非常にきびしい査定ではございましたが、建設省の持つておる使命というものは財政当局も、十分とは申しませんけれども相当理解していただけまして、地方においても百十名、それから内部部局におきましても二十六名という人間を増しておる、こういうことでございまして、整理はするが、減らすところは減らすが、増すところは増すというようにやつております。私も単に政府に盲従して人間を減らすことだけが能ではないと考えておりますので、かなり詳しい点まで突き込んで、掘り下げて本整理案ができているということは御了承をお願い申し上げたいと思います。
○下川委員 そうすると、今後この仕事に対しては増員しなければならぬ、ますます増員はしなければならないけれども、本年度は緊縮予算の関係でどうしてもこういう立場になつたと、そう解していいのでございますか。
○南政府委員 そこまで私は申し上げておらぬのであります。国家財政とこの種仕事の事情によりまして、ことしは、来年はというような明確な見通しは持たぬが、こういう程度の仕事はだんだん増すだろう、従つてこの種類の人間は相当将来増すだろう、こう申し上げたのであつて、来年はたくさん人間をとるんだとはここではつきり申し上げておらぬのであります。
○下川委員 まあ大体私の考えているような御答弁ですから、これで了承いたしましていずれまたお聞きいたします。
○辻(政)委員 簡単に一点だけ伺います。塚田長官は、この人員整理をやられる際の御答弁におきまして、できるだけ第一線とか現場にはしわ寄せをしないようにして、本省の机の上の仕事を整理する。その基準としましてはこういうことを言つておられます。六省で机の上の仕事をしておられる部分の人たちのところは、おそらく二割五分以上の整理になつておると考える。本案は一割二分、塚田長官の考えの半分しか机上の人間が整理されておらない。それから七百四十九名の現場整理人員のうちに影法師がどのくらいあるか。それからその実員の減少の場合におきましての職域、おそらくこれは雇員、用員にしわ寄せが行つているのでけたいか、こういう感じがするのです。そういう区別を承りたい。それからもう一つはあなたの方の減員の理由は全部事務の簡素化、能率向上の促進ということが減員の大きな理由になつている。事務の簡素化、能率向上の促進ということは機構をいじらずにできないはずであります。現在の機構においてどういうところをどうしてできたのか。どうして事務を簡素化し、どうして能率を向上するという具体策をお講じになつておるのか、この点をひとつ伺います。
○石破政府委員 机で事務をとつておる者の整理が本省か一割二分の整理になつておるはずであります。地方建設局は六・三%ということになつております。それから影法師と申しますか、これは案を立てました当時の実際の欠員だ思いますが、ことしの一月一日現在で、正確かどうかはつきりわかりませんが、百五名ということになつております。それから事務の簡素化、能率向上をやつてこれだけの人を減らすと言つているが、具体的に考えておるかという御質問でございますが、これにつきましてはこまかいところは、正面に申し上げますと、まだ具体的にお答え申し上げるというところまで至つておりませんが、地方建設局におきましては、主として機構を簡素化して、それも法律にはよりませんで、建設省令でできる範囲の機構の簡素化をほかりたい。と申しますと、従来いかにもいいかげんな組織をつくつたようにもおとりかもしれませんけれども、実は地方建設局というものが六つございまして、その下に約百五十ばかりの工事事務所というものがございまして、その下に一事務所当り平均どのくらいになりますか、平均して五つ程度の出張所がございまして、さらにその出張所の下にいよいよ第一線の現場という、こういう段階をとつておりますが、事務所の下にある出張所というものをどう扱うかということによりまして相当の事務の簡素化ができるのではないかと思います。よくない例を申し上げてみますと、事務所が一つありまして、その事務所の中に一つの出張所があるというようなのは、やはり役所の仕事でございまして、事務所から出張所、あたかも外部の役所に行くような書類をつくらしておるというようなことをやつておる例も、まことに申訳ございませんがございます。そういう点も改めて行きたい、かように考えております。それから本省におきましては事務の簡素化、ももろん具体的にどうということをはつきりここで申し上げられませんが、以前でございますと、お茶を出す回数にしましても、自分どもが役所に入りました当時は、一日に二回とか三回とかお茶をもらうということでございましたが、今はしよつちゆうお茶くみ専門の者を雇つておる。そうはげしいこともやつておりませんけれども、極端なことを言えばそういう点もございます。そういう点も整理して、結論から申しましてこれで具体的な案は立つておりませんけれども、また整理いたしまして、これで正直申し上げまして、私は決して満足は思いませんけれども、しかしやはりこれも国民の税金でございますので、みんなが一生懸命に働いて能率を落さぬようにしようという覚悟でやつておるつもりであります。
○辻(政)委員 着意は非常によろしいが、その着意を具体的な一つの構想にまとめ上げなければこの改正の減員のプランが出ないはずです。そこに問題があると思う。単にこの委員会を素通りすればいいのではない。これだけのものをもつて与えられた仕事をやるには、あなた方がおつしやつた地方の組織の複雑な機構を簡単にするということを実行案としてやるという考えをはつきり準備しない限りこの案が出せないはずです。その点につきましては政務次官から今の官房長の答弁、私もそれが実行できるなら文句はない。やろうという意思だけ持つていて、単にここだけ通すというのでは承知できないから、次官は大臣にかわつてしつかり御答弁が願いたい。
○南政府委員 官房長の答弁の大体につきましては私も同一意見で案をつくらしておるのであります。ただ私は建設省はほかの役所と違いましてほんとうに工事をやつておりまする大体出張所を置くにいたしましても、現場を置くにいたしましても、必要のないものは置いておらぬのであります。これを改廃することは、地方的に見て非常に大きな問題であります。従つてこれこそ机上で棒を引いたりすると、大騒動になるのでありまして、十分にその点は考えてみまして、そうしてほんとうに官房長の設例のような一出張所に一現場というようなことは、これは避けて行かなければならぬ。むしろこれはこの際やるべきではなくて、そういう問題が起きたときに即刻やつておかなければならぬ問題——私はその例は当つておらぬと思いますが、建設省は他の役所と違つて、あつてもなくてもいいという役所があるのではなく、しなければならぬ役所が多いのであります。この点は辻さんも御了解願つて、ひとつ十分に私どもの実行申しますということにつきまして御信用くださるようお願い申し上げたいと思います。
○辻(政)委員 下川委員の質問が党派を越えて非常に真実をうがつておる。そこでこの七百四十九名の減員の結果、下川委員から指摘されたような現場の仕事の能率が低下する、監督機能が下るというようになつたのでは申訳ないから、そういうことにならないようにするためには、むしろもう少し思い切つて本省の事務系統に大なたを振りなさい、こう言いたいのです。現に行政官理庁の塚田長官ははつきり言つておるのです。各省にその大綱を示して事務系統は二割五分まで整理を加えて行く、こういうことを答えておられる。それが半分しかできておらぬのであります。
○南政府委員 お答え申し上げます。私も役人をやりました経験上官庁はとかく冗員があるということにつきましては、まことに同感であります。従つて建設省におきましても省けるものは省いております。ただ建設省は監督と、それから指導と直接仕事をやつている何と申しますか、おかしな役所になつております。本省の役人は単にデスク・プランをやつておるのではなくて、災害の査定なり、それから各県の補助金の使用についての監督をやつておるのであります。そこでむしろ私は本省の役人も一定の間に工事の査定をして、すぐに仕事にかかれるようにするためには、むしろ部局によりましては人間が足らぬところも、たとえば河川局、道路局のごときは災害があつても不眠不休でやらねばならぬという去年あたりの現状であります。そういうことでいろいろ大蔵省にも交渉をしたのでありますが、これこそは下川さんの言われたように、わずか二十六名しか増してもらえなかつた。事務の何と申しますか、配置転換などをなるべくやりまして、こういう面をふやして参りますと、塚田長官の言われたような他の省のように単なる——そういうことを申し上げてはおしかりを受けるかもしれませんが、単にいわゆる指導監督をやつておるというような省といささか違いまして、二割五分までは建設省におきます限りにおいては無理だ。そこでいろいろ話をした結果、一割五分程度に大体折衝ができた。今日におきましても何々県の土木査定がひまがかかつておるために、設計も何も工事に着手できぬという非難を、しばしば皆様方からも受けておりますし、民間からも非難を受けておるのであります。そういうのは十人か十五人の人で——ともかく現場が去年などは十二万件に上つております。机上査定をやりまするとえらい問題を起しますし、一々少くとも実地査定をやるということを戸塚さんからやかましく言われますので、非常にオーバーワークになつておることも下川さんの御指摘通りであります。本省の事務の配置転換によりまして、こういう点について世の中の要望にできるだけ応ずるようにやつて行きたい、そういう意味合いにおいて総括的には二割五分の節約はできなかつた、こう率直に申し上げる次第であります。
○稻村委員長 松前重義君。
○松前委員 先ほど来の下川さんの御質問は、私どもも同じ質問をしたがつたところであります。けれども私は、下川さんになさつた御答弁に対して不満の問題がありますので、二、三お聞きしたい。 その第一は、このように定員を減らしまするときには、もちろん建設省の職員の中には相当に優秀な人が入つておられると思いますから、ただ努力だけではなかなかできないので、やはりその人の能力すなわち頭の働きというものが非常に大きな問題になる。そうすればある程度の人間は有能な人と入れかえる必要がある、こういうことが一応考えられるのであります。もしそうでないとするならば、なかなかただいまの御答弁のようにただ馬車馬にむちうつだけでは仕事はできない、こういうことがつの考え方であります。 第二の問題は、ただいま辻さんもお触れになつたようでありますが、必ずしも機構とは申しませんが、仕事の仕組みの中に何か新しい着想によつてこれを少数の人間で処理し得る自信があるというふうにしなければ、科学的なやり方ではないと私どもは思うのであります。たとえば検査機構その他におきまして特別な考え方をして、そしてまた検査の部隊なら部隊が——ただいまの省の工事を見ると、てんぷら工事あるいはその他の不正工事になりがちなものが非常に多いのですが、それらの工事をほんとうに厳重に監督するには相当な人数がいるはずであります。こんなものではとてもできません。これは地方に行つて二、三現場の方々から、あるいはまた建設局の方々から具体的に、人間の少いということを水害のときに承つておつたのであります。これではとうてい不正工事を防ぐわけには行かぬという話でございました。私どもまさにしからんと思つて同情を持ち、そうして不正工事を防ぐためにはどうしてももつと有能な人を多数必要とする、そうして監視の目を怠つてはならない、ことに終戦後における業者の少くとも良心的ならざる姿が方々に見えるのでございますから、これに対する監視を怠つてはならぬのはもちろんであります。そういう意味におきましてこの監視をするということが必要であるにもかかわらず、ここに非常に減つておるということは先ほど来の下川さんのお話の通りであります。それであるならば何かそこに新しい着想、構想によつてこのような部隊すなわち検査部隊なり、検査の方法なり、あるいは新しいものの中がてんぷらで変なものをまぜくつてあるというような工事があるならば、外から透視がきく、すなわちレントゲンその他のもので透視がきくような具体的な構想の上に立つて減らさなければならぬと私は思う。そうでなければいよいよてんぷら工事はふえるばかりであると断言せざるを得ないのであります。この点についてまず第一にお伺いをしてみたいと思うのであります。
○南政府委員 松前さんにお答えを申し上げます。これは私、建設省に責任がないということを申し上げておるのではないので、誤解をしていただかないように冒頭にお願いをしておくのでありますが、この地方建設局の仕事は、主として建設省みずからの責任のもとにやつておる直轄工事というのでございます。同じ土木工事によりましても、府県がその責任を持つてやりまする補助金等による工事と二種類にわかれております。補助金による工事でありましても、建設大臣といたしましてはこれを監督する責任がございます。従つてその方面における工事の不正を防止する方法に、何か新たな着想をもつてやつたかどうかこいう御質問と私は拝承したのであります。これは結局機械的操作も大事でありまするが、よき人たちを集めることだと私は考えております。そういう方面で河川局、道路局における査定に当るべさ人間の増員を本年度財務当局にお願いをして、差引き二十何名か増してもらりたようなわけでございまして、これらり人が査定の実際に当りまして、次に上事の実態を見きわめるような機械的は操作もやつて行くように進んで行くべきでないかと考えております。この土建工事につきましても大分終戦後の混乱がしずまつて参りまして、最近の工事につきましては相当責任のある工事を、中央におきましても地方におきましてもやつているように見受けられるのでございますが、まだまだその不正の跡を絶たない。従つてこの問題は工事をやります上におきまして単に監督だけでは十分でなくて、その人たちが、何と申しますか、土建業界の根本的建直しという面もいろいろ考えて行かなければならぬのでありまして、そういう意味合いにおきましても、建設業法その他の改正も必要でなかろうかというふうに私は考えておるのであります。今の段階におきましてはまず人をふやして、そうしてその人たちの考え方によつて相当の建設機構の整備をやりたい、こういうふうに考えておるような次第であります。 それから、答えが逆になりましたか、第一点の機構あるいは定員法改正について、広く人間を求めてやつて行くようにという御注意につきましては、私も同様に考えておりまして建設省の人事につきましては、部内と各県の人事とを相当に交流いたしまして、現在におきましてはできるだけのことをやつておるような次第でございまして、その点につきましても特に御了承を仰ぎたいと考えておる次第であります。
○松前委員 何なら事務当局からお聞きしますが、私の御質問申し上げましたのは、今のような抽象的な御答弁では満足が行かぬのであります。たとえば先ほど来申し上げましたように今も足らぬのになおこれだけの減員をなさるのなら、新しい考えのもとに機構はり、あるいは検査部隊なり、あるいはその他の仕事の仕方において根本的な変革をやることによつて十分満足にやつて行ける、あるいはまた業者との間の契約内容その他において、もつともつと厳格なる最後の罰則等をこれに加味するとか、何かその辺に新しい構想が浮んで来べきものであると私は思うのであります。この点について具体的に、簡単に御答弁を願います。
○石破政府委員 私から答弁させていただきたいと思いますが、まず悪い工事をやらぬようにどういう措置をとるかというような点についてお答え申し上げたいと思います。過去の例を申し上げますと、御承知の通り終戦直後から昭和二十五年ごろまでは、建設省の出先機関におきましては、いわゆる幽霊人夫というものをつくりまして、それをいろいろの諸経費に充てておるというような弊が非常にあつた。それを究明いたしましても、これはどうもやむを得ぬことだとか何とか言つて、どうしても改まらなかつたのでございますけれども、検察庁にもお世話になつた例もあり、社会情勢が静まつたのも大きな原因ではありますが、昭和二十六年度以降におきましては、理由のいかんを問わず、そういうことをやつたものは役所から出てもらうということを言明しましたところが、幸いにしてその後は、私の知つておる限りにおいては、幽霊人夫というようなものをつくつた例は一件もありません。それから最近の直轄工事ではそういう例はなくなりましたが、やはりでき方が足らぬとか、粗悪工事というようなものが摘発された例は多いようであります。従いまして、この二十九年度におきましては監察の主力をそういう点に置いて、これも二十九年度以降は絶滅したい。過去において、建設省の力だけではありませんけれども、そういううまくいつたような例も持つておりますので、一生懸命やつてみたいと思つております。 なおそのほかに、それでは人員を整理すれば、やはり残つた人間のオーバー・ロードになることは、このままなら御指摘の通りであります。それにつきましては、実は今月中にも地方建設局長会議を開いて、具体案を検討しようと思つたのですが、四月に延びざるを得ない状況になつておりますが、四月早々には局長を集めまして、主として出張所の整理可能なものを出しまして、余分の仕事を整理し、あまりオーバー・ロードにならぬようにやりたい、かように考えております。
○松前委員 今のお話では、ほとんど具体的な新しい構想をお持ちでない。今まで昭和二十六年度以降においてはこうであつたというお話でありますが、この定員をきめるに際して、これだけの新機軸を出して、これだけの定員をのんだのだという御答弁が伺えなかつたことを非常に遺憾に思います。これは当然今後お考えにならなくてはならぬことであり、これは私としては専門家でないから、当るか当らぬか存じませんけれども、一例をもつて言うならば、工事の現場を朝から晩まで監督しなくても、あるいはまたその他始終それに関心を持つていなくても、できた品物に対して根本的なメスをおろせるような具体的な科学的な方法があるはずです。そういうものを採用するならば、そうしてもし仕様書に適合しないならば、あとで厳罰をもつて臨むというような態勢のようなことも一応考え得ることであります。いいか悪いかは別問題として、とにかく何らかの具体的な措置が講ぜらるべきものであると私は思うのであります。また今後お考えにならなくてはならぬことであろうと思います。ほんとうはここで明確に御説明になる必要がある、またそうでなければこの定員はのめないはずであります。 その次は、地理調査所、土木研究所、建築研究所の定員は、建築においては三、土木においては八、地理調査所においては四十七の減員を見ております。私はこの災害の後におきまして一番重要な問題は、このような研究機関が総合的に動いて、災害をいかにして防ぐかという根本問題を研究して、その研究されたる成案に基いて、災害復旧のみならず、国土の改良あるいはまた治山治水問題が片づけられて行く、すなわち工事が進められて行くことが当然であると思う。ですから、地理調査所や土木研究所や建築研究所は非常に忙しいはずであります。おそらく新しい課題が昨年の災害を通じて相当に与えられておるはずです。与えられておるならば、一体どういう問題が新しく与えられて現在この研究所はやつておられるのか。場合によつては、相かわらず——と言うとはなはだ失礼でありますが、昔と同様に同じ仕事をしておられるのか。そうであるのならば、眠つている研究所と言わざるを得ない。また上司として活用されていない、こう言わざるを得ない。活用しなければならない現状にあるにもかかわらず、減員をしなくてはならないということは、まことに不可解千万であると思うのであります。これに対して……。
○石破政府委員 御指摘の通り、地理調査所、土木研究所、建築研究所というところは、非常に重要な研究調査所と私どもも考えております。ただそれと、この程度の人を整理する問題とは、やはり離して考えて行かなければいかぬものだと私は考えております。この程度の人間は試験研究に影響なしに整理できる、実はかように考えております。ただ現在の土木研究所なり建築研究所につきましては、御指摘の通り私自身も非常な不満を持つております。建設省といたしましては、たいへん口幅つたいことを申し上げるようでございますけれども、昭和二十九年度の大きな仕事は、土木研究所なり建築研究所なりを強化して、これを活用する方法を立てなければいかぬと思つております。人をふやしましても、そこにくもの巣が張つているような、張合いのないような研究所は何にもなりませんので、この点については私も上司とよく相談しまして、二十九年度における重要課題の一つとしてぜひこれを強化したい、かように考えております。
○松前委員 これを強化することについて非常に熱意ある御答弁がありました。非常にけつこうだと思いますけれども、いついかなる方法でおやりになりますか。
○石破政府委員 まず具体的の人の問題なり、あるいはそれの待遇の問題なんということも考えなければなりません。これらにつきしましては、予算はすでに衆議院におきしましては決定いたした次第でありますが、あの範囲におきましてもまだ改善の余地はあろうと思います。これから実は研究したいと思います。研究課題につきましても、御指摘の通り、従来はやはり本省でこれを活用するのに不十分な点があつたのではないかし思いますので、これらの点につきましても具体案を立てるように——この場限りで申し上げるのではございません。しつかりやつて行きたいと思います。機会がありましたら、また御教示をいただきたいと思います。
○松前委員 どうも抽象的でありまして、機会が来たらということでありますが、補正予算なり何なりをもちまして具体的に本年中にこの問題についての御提案をなさるおつもりであるかどうかを伺いたいと思います。
○石破政府委員 補正予算を要求するというところまでは考えておりませんけれども、御趣旨の点もよくわかりますし、私も非常にこの点を痛感いたしておりますので、具体案を検討させていただきまして、近い将来に必ず御満足が行くように処置いたしたい。きようのところはこの程度で……。
○松前委員 どうも抽象的でありますが、ある程度熱意のほどは私どもも感知することができます。御努力を願いたいと思いますけれども、ただこの災害の問題は昨年特に与えられた最大の課題であると思うのです。一瞬にして数千億の資源を洗い流されてしまうということでありますので、わずかの予算でとやかく言うよりも、ああいう事態が起らないようにあらかじめ防止するということが最大の問題であると思う。その意味から見ましても、この地理調査所、土木研究所、建築研究所というようなものは、少くとも災害に関する防止の研究というものについては、一応お膳立てだけは建設省でお持ちになつている。もちろんこれは山の問題もあり、森林の問題もありますし、その他気象台との関連性もありますけれども、少くとも建設省が一応責任を持つて提唱され、これを具体化される必要があると思うのです。ただいまの御答弁の中に、この三つの研究所の拡充についてある程度の熱意あるお話がありましたが、災害の防止、いわゆる防災の研究というものに対して、具体的にどのような考え方をお持ちになつておられるかを最後に伺いたいと思います。
○石破政府委員 実は私も技術者ではありませんので、御満足の行くような答弁はいたしかねる次第でありますので、事務次官なりから詳しく御説明申し上げる機会をいただきたいと思います。まつたくしろうと考えでたいへん恐縮でございますけれども、去年起つた災害の箇所を全部拾わぬでも、わずかでも拾えばこの原因が、どこにあるかということは、そうむずかしくなく——奥へ入れば切りがない問題だと思いますけれども、簡単に災害の原因が究明できる点も多々あろうかと思います。こういう点について、査問委員会なんというと、非常に言葉が悪うございますけれども、そういう災害の原因を調査し、今後災害を起さぬようにするというような点につきましては、ある程度自分なり監察官の方でも検討さしておりまして、ある程度の具体案を持つておりますけれども、これはまつたくしろうとの考えでありまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
○松前委員 ただいま私が質問いたしました事柄を総合しますと、まず第一は、これだけの減員をされる以上は新機軸をお持ちのはずだ、建設省機構を動かし、不正行為を防止し、満足にその仕事の運行をやるには新機軸をお持ちでなければならない、これに対してはこれから考えようというお話でありますが、これはまことに遺憾でありますけれども、とにかく一応この問題については熱意を示していただかなくちやならぬと思います。 もう一つは、地理調査所や土木研究所や建築研究所等に対しては、非常に重要であるから具体的に考えるという熱意のほどを示されました。早急にこの問題はお考えを願いたいと思う。 第三の問題は、災害の防止に対する研究、並びにしかるべき成案を得て国としてこの方向に向うんだという結論を得る問題でありますが、これに対してはただいまお話がありましたように、すなわち委員会等を構成して学識経験者その他を通じて、それらの総合されたる意見によつてこれが成案を得て、そして大体これによつて今後の災害に対処して行くというような大きな方向だけは急速にこれをきめなくちやいかぬと思う。ただいまのあなたの御発言の内容はあるいは委員会であつたろうと思うのですか、早急にこれをやつていただく必要があると思います。私の質問はこれで終ります。
○稻村委員長 大分時間も経過いたしましたので、本日はこの程度にいたし、明日は午前十時より開会いたし、質疑を続行いたします。 なお本日午後二時より人事委員会と連合審査会を開会いたしますから、さよう御了承を願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十七分散会