内閣委員会 第11号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/03/18
会議録
○稻村委員長 これより開会いたします。 恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、その趣旨の説明を求めます。平井義一君。 —————————————
○平井委員 ただいま議題となりました恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表いたしまして、提案の趣旨を簡単に御説明申上げます。 公務員の在職年に対する加算制度は、旧軍人関係恩給との均衡上及び給与面における改善の実情にかんがみ、原則として廃止され、ただ改正恩給法の施行当時、現に在職する公務員の在職年の計算については、本年三月末まで、従来の規定により加算されることとなりましたことは、御承知の通りであります。 しかるに、蒸気機関車乗務員等のごとく、不健康かつ危険な業務に従事する職員は、通常の業務に従事する職員に比べて、永年勤続することがほとんど不可能であるばかりでなく、多くは、短命に終つている実情でありまして、日本国有鉄道、日本専売及び日本電信電話の各公社においては、これらの実情に即する措置を講ずるため、公共企業体等共済組合法を、目下せつかく考究検討しているところであります。 ここにおきまして、不健康業務に従事する職員の在職年の取扱については、これにかわるべき制度の決定を見るまで移行期間をさらに一年延長しもつて、移行による空間を補うための措置をいたそうとするものであります。 以上はなはだ簡単ではありますが、何とぞ提案の趣旨を了とせられ、御賛同あらんことを切望いたします。
○稻村委員長 次に資疑に入りますが、参考人として日本国有鉄道労働組合中央執行委員小泉光治君、日本国有鉄道機関車労働組合副委員長中村順三君が見えております。参考人の方には御質疑に応じて参考意見をお述べ願いたいと存じます。質疑の通告があります。これを許します。高瀬傳君。
○稻村委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○稻村委員長 速記を始めてください。
○高瀬委員 ただいま平井君より提案になりました恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の審議に際しまして、これに関連して国有鉄道の厚生局長にその所見を伺いたいと思います。 まず、実はただいま当委員会に対して、厚生局長が所用のため次長ではどうかという申入れがあつたようでありますが、局長はいかなる理由で次長でいいというのか。昨日来当委員会から公式に厚生局長の出席を要求しておつたにもかかわらず、次長ではどうかという、その理由と、それからなぜ遅れたか、その点をはつきりしておきたいという当委員会の意向でありますから、私は代表して一応伺つておきたい。
○吾孫子説明員 たいへん遅れて参りまして申訳ございませんでした。私の方も実は早く伺わなければならないと思つて待機しておつたのでございますが、ちよつと連絡に行き違いがございまして、おそくなつて申訳ございません。それから次長云々のお話は、私全然存じませんで、本日お呼びがあればもちろん私伺うつもりでお待ちしておつたのであります。遅れましたことはお許し願いたいと思います。
○高瀬委員 ただいまの点はそれで了承いたします。 それでは厚生局長に伺いますが、この法律の一部を改正する法律案は、いわゆる機関車乗務員の特殊性にかんがみまして、通算の点で一年を一年半に加算して考えるという一つの改正法律案であります。これはおそらく将来公共企業体共済組合法というようなものができますれば、その中にこの思想を取入れられることと思いますが、そういうような点について、当事者として公共企業体共済組合法を一刻も早くつくる意志があるかどうか、またその際この法律案に盛られた思想を公共企業体共済組合法制定の際には必ず入れるべく努力されるかどうか。それかもう一つ、当局者としてこれらの改正を希望しておるのかどうか、この機関車乗務員の勤務の特殊性にかんがみまして、国会でわれわれが提案しておりますところの法律の一部と改正する法律案の内容について賛意を表し、特に当局者としてこれを希望しておるのかどうか、これらの点をお答え願いたいと思います。
○吾孫子説明員 ただいまお尋ねのありましたまずこの一部改正に関する法律を改正して一年間さらに延期するという点につきましては、機関車関係の従業員の作業の特殊性というものに対しましては、私どもも常に同情の念と申しましようか、何か優遇の道を考えなければならないという立場で、平素も考えておりますので、できますなれば、ぜひ御提案の通りこの適用期間を延期していただくということをお願いいたしたいと存じております。 それからもう一つの、現在案になつております公共企業体共済組合法という特殊の法律が出た場合に、機関車乗務員についてどういうふうに扱うかという点につきましては、現在まだこれは部内限りというような状態でございますけれども、いろいろ案を練つておりまして、この問題については組合側との間でも数次話合いをいたしておりまして、最後的な確定案というところまでは実は参つておりませんが、今までの恩給法の精神というものは、新しい共済組合法案の中においてもぜひ生かして行こう、こういうような考えで話合いをいたしております。一応の結論は出ておるのでございますが、実は共済組合の性質上、やはり単に条文にして文章を書くというだけでは足りません。当然これに伴つていろいろ組合としての計算の基礎というようなものもはつきり裏づけいたさなければなりませんので、確定的なところに至つておりませんが、方向といたしましては現在作案中の共済組合法案の中にも、機関車乗務員については従来の加算制度の精神を生かすような措置を講じたい、そういう考えで準備を進めておるような次第でございます。
○高瀬委員 なおこれら提案者にも伺いたいし、当局者側にも伺いたいのでありますが、機関車従事員の中で、恩給法のいわゆる若年停止というものが五十五才になつておりますが、これを五十才にしてもらいたい、非常に勤務が過労なために機関車従事員に関する限りは五十五才では若年停止の年限が長過ぎる、五十才にしてほしいという意向があるようでありますが、これらの点について一応提案者と当局者側に意向をちよつと伺つておきたい。
○平井委員 高瀬委員もすでに御承知のように、機関車乗務に従事する者はからだが非常に弱るので、従つてほかの職場に勤める人よりも非常に苦労も多いし、また長く勤めることもできない。従つて恩給年限が五十五才まて行くとなかなか生きておらぬ。その間に健康を害して死ぬ者も多い。そこで弱年停止を五年間上げたいということは、十分われわれも考慮しておるところでありまして、なるたけ今の高瀬委員の趣旨に沿いたい、その節には高瀬委員にも協力をお願いして五十才に上げたい、こう考えておる次第であります。
○吾孫子説明員 今平井先生からお話のございましたような考え方でおるのでございますが、たた共済組合の年金制度というのは、御承知のごとく恩給制度とはちよつと違いまして、一種の保険制度でございます。やはり財源の関係も問題になつて参りますので、これは未確定の案でございますが、私どもの考え方としましては、原則は五十五才であるが、五十才を越えた者で生活能力を喪失するとでも申しましようかそういうような場合には繰上げて年金の支給を開始できるというような線で案をまとめたらいかがであろうかということで今作案中でございます。まだ確定的な結論には到達しておりません。
○高瀬委員 ただいまのお二人の説明でよく了解いたしました。将来公共企業体の共済組合法をつくる場合は、この恩給法の五十五才という一律的な弱年停止の思想に対しては、勤務の特殊性を考えて、機関車乗務員のような場合は五十才にするということを取入れて、恩給法の悪いところを改善下るような趣旨で善処していただきたいことを希望として申し述べます。 それから私はこれに関連して一言厚生局長であり、前職員局長である吾孫子豊君に伺いたいのでありますが、実はこの間東北線の西那須野から汽車に乗りましたところが、停車場の建物に一面一種の宣伝ポスターが装飾とも言うべきほどにまばゆいくらい張紙してある。これは労働組合がやつたのだと思うのです。文句を言えば、たとえば長崎総裁を罷免せよというのがそのいろいろなポスターの間に張つてある。不当馘切絶対反対、年末手当一・五箇月分支給せよ、MSA再軍備絶対反対、消費者米価値上げ反対というようなもの、ちようど去年の歳末の闘争で張つたものも転用しておるように思いました。去年はMSA受入れ反対、生産者米価を引上げよ、あるいは消費者米価の引上げ反対、長崎総裁の退陣要求、実力行使、年末手当一・五箇月分支給せよ、仲裁裁定呈全実施、こういうようなポスターを帳つておつた。それを大分流用しておるようであります。しかし中には特に私の目をひいたのは「長崎総裁を罷免せよ」というのが手ぎわよくこれらのポスターの間に張つてある。一体ああいうような公共の建物を私有視して、かつてにああいうことをすることを国有鉄道で許しておるかどうか。ああいうものを張つた場合に、これをはがす権能が経営者側にないのかどうか、これをひとつ吾孫子局長に伺つておきたい。
○吾孫子説明員 どうもはなはだぶざまなところをお見せしてしまいまして、おしかりを受けて恐縮でございます。もちろんそういうビラ、宣伝ポスターというようなものは労働組合側の闘争戦術として張られているわけでございますが、公共の建物である鉄道の業務機関その他に張つていいということは、これは常識から考ても許されないことでございまして、この点につきましては、国鉄の当局側としてはしばしば労働組合に対して注意を喚起いたしておりまするし、また張られましたそれらのものに対しては、もちろんこれをはがすように命令もいたしておりまするし、また力の及ぶ限りはがすよりにいたしてはおるのでございます。しかしながら実際の状況を申し上げますと、これは場所にもよるのでございますけれども、何分にも非組合員の方は人数も少うございますし、はがしましてもすぐあとにそれよりも多いものをまた張られるというようなこともございますし、場合によりましては、当局側の方が、はなはだ不経済な話でありますが臨時人夫等を雇つてはがすというようなことをやつたこともあるのでございますけれども、なかなかそれが間に合いませんで、見苦しいところをお見せいたしまして恐縮に存じております。今後も組合側にも十分了解をしてもらいまして、ああいうことのないようにさらに組合側にもよくお話をすると同時に、また当局側としてもできるだけ早くああいうことをなくすように手を打ちたいと思つておりますので、御了承願いたいと思います。
○高瀬委員 ただいまの御答弁ですが、当局としてはああいう張紙をした場合に、ちやんと法規にのつとつてそれをはがしてしまうという、法律的根拠は持つておられないのでありますか。
○吾孫子説明員 公共の建物その他にああいうようなビラを張つてはいけないというような、鉄道部内の法規的な根拠というようなものは、規定には書いてございません。それはあまりにも当然なことであるからそういうことが書いてないのだと思うのでありますが、しかしながらああいう行為が行われました場合には、当然のことでございますが、その都度業務命令をもつてはがすように命令をいたしておりまするし、また相手方であります労働組合に対しましては、数次にわたつて注意を喚起いたししておる次第でございます。
○高瀬委員 案はあの張紙については、去年の暮れから私は問題にしているのでありますが、この間十五日の月曜日に東北線の西那須野で乗りましたときに、東北線一面にあの張紙がある。払の見るところでは、おそらく長崎総裁退陣要求というのがそのねらいだつたろうと思う。ここに機関単労働組合の副委員長の中村君が来ておられますから私は申し上げるのですが、機関車の横腹に「長崎総裁を罷免せよ」というビラを張つて機関車が走つておる。こうなるとわれわれは公企業としての日本国有鉄道というものをあまり安心して信用できない。駅長はその張られるままにぼうつと見ている、労働組合の諸君はかつてに、おれらの主張だから張つちまえ……。私は去年この鉄道会館の問題が決算委員会で取上げられたのは、いわゆる国鉄の幹部が国有財産というものを私有視しておるのではないかという疑いから来ておると思う。従つてこれは何人といえどもああいうふうな公共の国有財産を私有祝することは許されない。これは国鉄の幹部たると労働組合員たると違いはないと思う。そこで私は非常に問題にするわけで、その日に私はさつそく国有鉄道を訪問して、あれを全部ひつペがしてくれということを広瀬文書課長まで、私は準急で着いたその足で国鉄を訪問して申入れて来た。その後どういう状況になつているか私は知りませんが、その点についてその後何か鉄道で処置されたような模様があるかどうかお伺いたい。
○吾孫子説明員 ただいまお尋ねのございました点については、現在のところ私実は厚生局におりますので、その方の書面その他を一々見てはおりませんけれども、当然各所管の管理局長から注意を与えておるはずであると思います。
○高瀬委員 それではぜひとも吾孫子局長から国鉄総裁に、当委員会の私の発言を公式に報告されまして、かくのごとき醜態は国有財産を私有視しておることでありますから、厳重に取締つて、また労働組合が何であろうとこれをひつぺがしていただきたい。こういうことを総裁にお伝えおきを願いたい。 それから今度は払は労働組合の小泉君と中村君に伺いたい。私は国有鉄道のあの庁舎を訪問するたびに驚くことは、まず玄関を入つてまつ先に「再軍備反対」という国有鉄道の労働組合の掲示がある。一体あれはどういう趣旨でああいう公の建物の中に、しかも入つたらすぐの玄関に、どういう理由で張つてあるのか伺いたい。
○小泉参考人 ただいまの御質問に対しまして、私たち国鉄労働組合といたしましては、御承知の通り今賃金の問題、あるいは馘首の反対闘争ということで今闘争を続けておるわけでございますが、私たちの考え方といたしましては、私たちの賃金問題を解決するにいたしましても、その他の労働条件の改善、こういうことは結局現在の国の政治のあり方、いわゆる政策のあり方に大きく影響されて来るというふうに私たち考えております。そこで再軍備反対について私たちが大きく取上げて、そうして私たちの生活を守るためにはどうしても国の政治を正しい方向に直して行かなければならないのだというような主張から、再軍備の問題あるいは物価の問題等を取上げて、それと同時に私たちの生活の改善のために私たちは戦つて行きたい、こういうことの趣旨がああいう面に現われて来ておる。そこで公共の建物についてああいうビラを張ることのよしあしにつきましてもいろいろ御意見はあると思いますが、私たちが直接私たちの気持を一般の国民にどうしても知つていただきたい、このことのためには広く皆さんに私たちの気持を伝えるためにいろいろな戦術をとつておるわけでありますが、街頭に立つて皆さんに訴えるということも一つの方法でありましようし、あるいはまたビラをもつて皆さんにこれを認識していただくということも一つの方法だと思います。そこで私たちがどうしても手近にある、そうして一般の国民の皆さんに一人でも多く目につくような方法を、どうしてもとる以外に方法はないのだということで、実は私たちもあまり見苦しい方法ではやりたくない。あるいはまた駅のいろいろな掲示がありますが、なるべくそうした掲示その他に悪影響のないように、そうしてしかも一般の人々に十分に認識していただくということのために、ああいう方法をとつたのであります。いろいろとおしかりの点も私たちはわからないではないのでありますが、私たちの立場も十分ひとつ御認識くださいまして、御了承を願いたいと存じます。
○高瀬委員 ただいまの小泉君の御答弁でありますが、私をして言わしめると、たとえば、再軍備反対などということ、またMSA受入れ反対、ああいうことを公共の建物を私有して張るということは、いわゆる労働闘争という労働組合の諸君の本来の姿からかなり逸脱しておるのではないか。しかも一つの経済闘争という域を越えて、これは一種の政治闘争にまで行つておるのではないかと思われても、私は労働組合の諸君は一言もないと思う。しかもこれは、むしろ極端に言えば、公共企業体労働関係法に違反しておるのではないかという疑いすら私は持つのです。そこで一体労働組合の諸君は、今俊ともああいうふうな闘争方針を採用して行くつもりであるかどうか、これは非常にわれわれとしては問題だ。たとえば、去年の暮れの十二月二十五日りちようど昼に、五千台くらいの日本の全部の機関車が、一斉に汽笛を鳴らして、それを合図に遵法闘争ということをやつたのを私は覚えています。これなども明らかに機関車を、機関車労働組合の諸君が私有物視している証左ではないかと思つて、私は非常に遺憾に思つている。やはり機関車労働組合と国有鉄道労働組合の両方の幹部は、こういうような公共の物を私有物視出し、また経済闘争の域を越えて、いわゆる政治闘争まで断行して行くのかどうか。今後の方針を私は一応承つておきたい。なぜかというと、私どもは公手に皆さんのいわゆる待遇改善の問題について——決して恩に着せるわけではありませんが、私は去年の十六国会においても、機関車乗務員諸君の加算の問題について協力した。われわれは公平な立場でそういうことをしている以上、一方労働組合の諸君も、この日本の国家的危機というか、現状をよく認識されて、ただ自分たちは何でも主張するのだ、かつてにやるのだ、国民に迷惑をかけても何でもかまわない、そのかわり都合のいいことは国会へ持ち込んで頼んで通してもらうのだ、これでは日本再建もできないし、国の秩序も立たないし、一つの企業体の秩序、能率が上らないと思う。だから一体今後もこういうふうな闘争方針を労働組合の諸君がやつて行くつもりかどうか、これを聞きたいことと、さしづめの問題として、あなた方は労働組合の幹部としてあの張紙を全部はがせという指令を出す意思があるかどうか、これをひとつ伺つてみたいと思います。
○中村参考人 ポスター、ビラその他組合のとつた戦術についてたいへんおしかりを受けておるわけでございますが、これはもちろん国鉄公社の中には現在労働組合が二つございまして、それぞれの性格は異つており、とる戦術その他については若干の相違はございます。しかし総体的に申しますならば、私どもももちろんこのビラという戦術を昨年末以来採用いたしたことも事実であります。しかし私どもの組合といたしましては、一応政治的な意味を多分に含んでおるようなものはなるべく回避したい。と申しますのは、労働組合の本来の使命であるとわれわれが考えておるものは、経済的な要求の獲得で、政党の間においてさえ容易に解決のつかない政治的な問題を取上げて、組合の中に持ち込んでとやかく言うということは、私どももみずから好まないわけでございます。しかしながら私どもが採用いたしたビラの中には、あるいは仲裁裁定の完全実施、それから年末手当あるいは年度末手当の支給、こういうようなものを含んだものを張つたことも事実でありますが、私どもの職場といたしましては、機関区が主体でありますので、主として部内の組合員に周知徹底せしめる、このような考え方でおらなければならないということを徹底せしめるという趣旨のもとに張つたわけでございます。今日まで機関車労働組合としてはかような考え方で行つたわけであります。それから昨年の汽笛吹鳴でありますが、これは組合で申しますならば、闘争が苛烈になり、われわれの生活不安から来るところの精神的な混乱状態は、ややもすれば重大な運転事故も惹起しかねないというようなことは当時の状況としてはあつたのであります。このような重大運転事故を惹起せしめては、われわれの職場の闘争は別といたしましても、対社会的にまことに相済まない、かような考えに基きまして、この生活不安から来るところの精神混乱上の運転事故防止の決意を新たにする意味で、若干行き過ぎの点もございましたが、このような意味合いのもとに、この汽笛吹鳴を行つたものでありますので、この点は御了承願いたいと存じます。いろいろ今後の戦術の問題もございますが、私どもといたしましても、なるべく社会的ないわゆる輿論の支持ということから、刺激は避けたい、このように考えておりますが、私は問題の核心がほんとうに解決されないので、私どももいわゆる生活を守るために死にもの狂い、このような考え方で今日まで参つたのでありまして、若干行き過ぎの点のあつたことは御了承願いたいと思います。 総裁の問題は、現在国鉄の中におきます総裁の権限なりあるいは組合の権利行使、このようなものがお互にいびつな不具者的関係にあるので、それらのものが根本的に解決されることが先決ではないか、このように私ども考えておりますが、先ほど申しましたように、今後とも行き過ぎはあくまでも是正いたしまして、組合は組合本来の使命に向つて進みたいと考えておるものであります。
○高瀬委員 国鉄労働組合の方の小泉君の御意見も伺つて記録に残しておきたいと思います。
○小泉参考人 たいへんおしかりを受けましてどうも申訳ないのでありますが、私たちの闘争が非常に政治的ではないかというようなお話でございますか、これにつきましては、私たち国鉄労働組合としても、もちろん労働組合本来のいわゆる使命にのつとりまして、経済的な要求いわゆる私たちの社会的地位の向上であるとか、経済的の問題の解決、こういうことが労働組合としての使命であるということは十分認識しております。ところが私たちのすべての問題が、この政治と切り離すことのできない状態にあることは御承知の通りであります。そこで再軍備の問題にいたしましても、MSA受入れの問題にいたしましても、これはみな私たちの生活に直接関係があることて、どうしてもそういう問題にまで究極的には発展して行くのだというふうに私たちは一応考えております。しかしながら、私たちは、労働組合としての問題はやはり労働組合として、ただいま中村君も言われましたように、あまり行き過ぎの点は十分に是正して行かなければならないということは考えております。しかし、昨年末の闘争にいたしましても、それに引続いて現在私たちが闘つておる問題にいたしましても、いろいろと部内では問題はありますが、結局今私たちがやつておるような方向にまで発展せざるを得ないということで今このような状態になつておるわけでありますが、ただいまの高瀬先生の御意見も十分参酌いたしまして私たちの今後の闘いにつきましては、十分改善して行きたい、こういうふうに考えております。 それからもう一点、現在張られておる公共建物に対するビラをただちにはがすという指令を出す意思があるかどうかという点につきましては、実はきよう私は委員長の代理で来ておりますので、この点は帰りまして、また機関にはかりまして、高瀬先生の意向も十分お伝えいたしまして、われわれの態度をきめて行きたい、かように考えております。
○高瀬委員 大体御意向はわかりました。私がここで結論を出してどうこうということをあなた方に要請しても、なかなかきまりもせぬでしようが、とにかく国有鉄道の労働組合の待遇改善、あるいはいろいろの主張、この点は私はおやりになつてけつこうだと思います。しかし、それをおやりになることによつて、目的のために全然手段を選ばぬというような感じを与え、あるいは一般国民の信頼感を喪失するようなやり方については、ぜひとも十分なる注意を払われて、日本再建のために御協力願いたい、こういう趣旨で私は申し上げておるのであります。国会としても皆さんのお立場の擁護については、別に社会党ばかりがやるのじやありません。そういう点でいいと思うことは、自由党でも改進党でもやるわけでありますから、ひとつそういう点について、もう少し秩序よくやつていただきたい、私はこの希望を述べて終ります。
○大久保委員 関連して。私もただいまの組合長の根本的な御方針には非常に満足いたしますけれども、現実に起つておる問題は、先ほどの高瀬委員の御発言のような点があるわけであります。たとえば吉田内閣打倒とか、あるいはその他の一連の政治政策反対、こういうことが国民の声として上ることは、私はもちろんさしつかえないと思う。あるいは街頭においてやられ、あるいは国会においてやられ、あるいは労働組合の建物に御掲示になるのはさしつかえないと思う。しかし公共の建物にこれを掲げる、しかも官庁でありますとか、あるいは公共企業体の建物にこれを掲げることは、かなり重要な問題ではないかと考えております。私もこの機関車乗務員に関しましては、きわめて同情をいたしております。私自身昨年の秋機関車に乗りまして九州線を旅行いたしまして、御労苦の状況をつぶさに拝察いたしまして、何とかこれは御救済いたさなければならぬという熱情を沸かしたものであります。この国鉄に限らず、政府打倒といつたようなビラないし掲示が、ほとんど国有資産で経営されておる企業体——この国有資産は、総選挙によつて、与党である政府が国民の財産として管理しお預かりする責任を持つておる。その政府は国会の議決によつて構成される。こういう場合に管理者がそれをそのままにしておかれる。あるいは注意されてもはがされない、こういつたような場合に、一体管理者は政府に対していかなる責任をお持ちになるものであるか、これをひとつ国鉄当局から承りたいと思う。
○吾孫子説明員 むずかしいお尋ねでございますが、もちろん公共企業体の経営当局といたしましては、公共企業体の財産というものは、国民から信託されたものという考え方で、それぞれの公共企業体の目的を定めております設置法あるいはまたただいま例に上つておりますような問題の場合には、公共企業体労働関係法に定められております目的に沿うて、公共の目的に合致するように事業を経営し、資産を管理して行かなければならない責任がございますので、この点につきましては、実は先ほど高瀬先生のお尋ねの際に、いろいろ努力はしておりますが、力及ばず、あのような醜態をお見せして申訳ないということをおわび申し上げたわけでございます。政府に対して、どういうふうな責任になるのかという御質問の点は、どういうふうにお答え申し上げたらよろしいのか、ちよつとわかりにくい点もありますが、私どもとしましては直接には、運輸大臣の監督を受けておりますので、これらの点につきましては、現実の問題としては運輸省からもいろいろおしかりを受けておる。そのおしかりに対して、そういう事態を再び起させないように、私ども自身極力努力もいたしますし、またそういう点については相手方であります組合側ともよく話をいたしまして、そういうおしかりを受けることのないように今後も一層努力いたしたいと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
○大久保委員 もう一点お尋ねしたいと考えますのは、私ちよつと遅れて参りましたので、あるいはすでに提案理由の説明のときに御説明になつたかもしれませんが、この提案理由説明を今ちよつと拝読いたしますと、機関車乗務員のことが取上げてあるようでございます。私もこれはまつ先に機関車乗務員の恩給加算制度につきましては、私が機関車に乗りました体験からいたしましても、取上げなまればならぬことは、まことに提案理由の説明の通りで同感であります。ただこの際これと同時に取上げられなくてはならぬと考えますことは、たとえば海上保安庁のきわめて小さい小船によつて海洋に出て行きまして難破船にあつたり、あるいは機雷の掃海に当つておるというようなことは、きわめて狭隘なる船室において困難なる勤務に従事しておるのであります。これは科学的な労働調査におきましても、その労働過重というものは一般の労働者に比してきわめて酷である。かような科学的判断がすでに出ておるのであります。こういう点につきまして私は同様に取上げられるべきものであろうと考えます上、また癩病でありますとか、肺結核でありますとか、あるいは喉頭結核でありますとか、こういつた危険な病室において直接、看護に従事する職員、その他法律に、三十八条の四に規定してあります各項につきましては、これは当然一体的に恩給加算の年限延長が行われる筋合いのものと了解いたしておりますが、提案理由を見ますとちよつと書いてありますので、この点についての趣旨を明確にしておいていただきたい、かように考える次第であります。
○平井委員 不健康かつ危険なる業務に従事する者、実は機関車だけにしようとか、あるいは従来加算されておつた公務員だけにしようとか、非常に議論もあつて私も考慮いたしましたが、結論といたしまして第三十八条の四、すなわち不健康かつ危険な業務に従事するというのは、「第三十八条ノ規定ニ依リ加算スヘキ不健康業務トハ左ニ掲クルモノヨ謂フ、有毒ノ瓦斯若ハ蒸汽、爆薬類又ハ危険ナル細菌ノ研究又ハ製造ニ直接従事スル勤務ニシテ内閣総理大臣ノ指定スルモノ 二、鉄道事業ニ於ケル蒸汽機関車乗員トシテノ現業勤務 三、炭坑内切羽ニ於ケル連続的現業勤務 四、鉄道ノ墜道工事又ハ橋梁工事ノ圧搾空気内ニ於ケル連続的勤務 五肺結核、又ハ癩ノ患者ヲ收容スル病室ニ於テ直接看護ニ従事スル勤務 六、これが大久保さんの質問の一番おもなところでありますが、「六保安庁及海上保安庁ノ木船ニシテ排水量百五十屯以下の巡視船又ハ排水量二百五十屯以下ノ掃海船タルモノノ乗員トシテノ勤務」者、そこで御趣旨の通り全部を入れております。
○粟山委員 私は同僚高瀬君の質問の趣旨に全面的に同意を表するものであります。結論としまして私は個人としましてこの案に賛成の意を表します。と同時におそらく私どもの改進党としても結論は私どもの考えに同調するものと考えておりますが、昨年暮れに私も機関車に試乗いたしまして、わずかの期間でありましたけれども、停車場を教えてわずか五つ六つの間にたびたひ機関士として、機関助手として目の前に突如として現われるところの危険なる状態に目を注いで、まことに気のもめる事柄が数回あつたのであります。こういうような短かな期間においてすらも、おじいさんが軌道の中をのこのこ歩いておる。あるいは大きなまぐさを背負つた婦人が線路を歩いておる。またリヤカーが横切りかけようとしておるというような状況を見まして、なるほど機関車乗務員というものはわれわれが常に考えているよりも神経を使うものであるということを大いに感じまして、いろいろ座談会の間に聞いてみますと、なかなかそういうことが気苦労で家庭に帰つても御飯も食べられないようなことがあり、寝ても寝つかれぬようなことがあるということを聞きまして、いかにもそうだろうと感じたような次第であります。ことにただひとり機関車乗務員に関するばかりでなく、公共事業に携わつて、いろいろ普通の人の考えられぬような危険な場合に臨む職務に従事しておる人々がたくさんおありになるのでございますので、そういうことを考えますと、私はこういうような職務の上に生ずるところの危険に対しては十分考えてやる必要があると痛切に感ずるのでございます。そこで私は今小泉さんその他の方からの御説明についてちよつと気のついたことは、なるほど皆さんの政治に関する関心というものは国民としては当然のことであり、また生活を擁護するというような上からいつても当然のことであつて、その目的を主張しその目的を達するための手段というものは当然それは許される範囲内において堂々と行い得べきものであつてまたそうあるべきことであると思う。しかし、私はこの日本の敗戦後においてのきびしい現実の上から考えると、よその敗戦国は知りませんが、日本の敗戦国の国民の一員としてつらつら考えるときにまことに神経を悩ますことが深刻なのでございます。この神経を悩ますことの深刻なることは、われわれが敗後におけるところのきびしきその生活の不足、苦痛、圧迫というようなものを体験しましたことのうちで、この神経を悩ますということの量は、これは、気がつかずに大きなその影響を受けておる。たとえば朝気持よく起きて御飯を食べようと思つても、新聞を見て国際関係のニュースなりあるいは国内のいろいろな状況にかんがみて、おいしい御飯を食べようと思つても実は食べられぬようなときもある。これは私ばかりではかりでない、全国民がそうであろうと思う。そういうことが数多く繰返される限りにおいて、いかに食糧が量において満足を得ても、カロリーにおいて満足を得ても、これは実際は消化されてない。日本というものは、残念ながらこの敗戦国の悩みというものはいまだ容易に回復されない状態にあるのでございます。のみならず私に非常に恐るべき危険なる状態になりつつあるのではないかということさえも考えられるのでございます。そういうときにあたつて労働者の方々は労働者の立場においての権利の要求から政治上の目的を達するために、それぞれの目的を達するために方法を講ぜられるでありましよう。しかしこれは商売人が商売をするためにつまり許された範囲内において広告をする、しかし非常に通行人や近所に迷惑をかけるような騒音であるとかあるいは視界を妨げるようなことは、これはおのずから慎むことによつてよりよき社会が構成されると思う。私も実は皆さんが労働組合の立場においてそのいろいろな御要求のあることも世相にかんがみてよくわかる。けれども、たとえばあの機関車の前に大きな旗をぶら下げたり、車体に張つたり、ずいぶんまあ、公共の建物に対する宣伝ビラばかりではない、交通に非常な神経妨害になるような、そういう点においても目に余るものがあつたではないかと思うのであります。私は立場を異にしておりますが、社会主義理論の上に堂々と組合が組合活動をなさることにおいては私はあえてこれを拒み得るものでもなし、これを私がかれこれと批判するべきものではありません。なすべきものは堂々となし主張していただきたい。しかしながらこういうような世相にあつて、われわれは敗戦というぎびしい現実のもとに非常な苦しみを続けておつて、さらにまたどういう結果になるかということについて、おのおの深甚なる考慮をめぐらさねばならぬところの自分のための非常なるこれは責任があります。義務があります。そういうときにあたつて私は、大衆のためにというスローガンを常にあなた方のスローガンの第一条とする限りにおいては、大衆のために、神経を悩まして、そして食べるものがおいしく食べられないような胃腸に入つて消化のできないようなマイナスの原因をつくるようなことについては、常識的に自粛自戒してもらいたいのであります。私はこれをあなた方に対して強く要求するのであります。限度を越えてはいけない。あなた方が政治的に、国際関係から国内関係をこういうような希望の上に、理念の上に自分たちの立場を主張するなら堂々と主張なさるがよろしい。しかしながら大衆の神経を無用に刺激し、善良なる人々の社会の構成を妨げるようなことは、人に命ぜられるまでもなく、反撃を受けるまでもなく、みずから自粛してやるという強き矜恃を持つていただきたいということを私は希望いたします。非常に大事なことであります。われわれは、日本国民が敗戦のこのきびしい状態から復興しようと思つたならば、いかなる人も食糧の満足ばかりでなく、神経、ナーヴの保護ということを考える。これは食糧以上に重大な問題である。そういう点から責任を感じてやつていただきたい。私は老いたりといえども率先して機関車に乗つて、皆様の御苦労を知りたいと努めたのであります。そのときに私の友人や家庭の者はとめました。けれども私は乗りました。私は必要な場合には、もつともつと、自分の健康を心配される状態においても、議員である限りにおいては、勇敢に自分から試みようというその勇気と意思、信念においては欠けるものではないということを申し上げたい。それだすこあなた方も今後は十分自粛していただきたいことを希望するものであります。
○鈴木(義)委員 先ほどから高瀬委員、大久保委員その他から質疑がありまして、そのまま記録に残りますると誤解を生ずるような点がありますが、私どもの違つた意見もあり得ることを申し上げておく次第であります。 国鉄の営造物は国有であることはもちろんであります。しかしあそこに公認せられておる労働組合のための告示事項を掲示する場所を与えることは当然である。それを利用することもまた当然であろうと思うのでありまして、何か厚生局長は申訳ありません、今後はやらせないようにいたしますとかいうようなことをおつしやいますが、そういうものではなかろうと思うのであります。但しここに張るものの内容については、大いに議論がありましよう。長崎総裁罷免せよというようなことを張るのはナンセンスである。日本国民は憲法によつて保障せられたる請願権を持つておるのでありますから、労働組合が長崎総裁を罷免すべきだと思つたら、それを決議して運輸大臣に陳情し、あるいは国会に向つて請願をすればよろしいことでありまして、ああいうところに張ることはどうかと私も思います。しかし〇・二を実施せよとかあるいは労働組合として、当然の要求を張るということは、一向さしつかえないと思うのであります。将来は、どこの営造物でもそうでありますが、不便をしても組合のために与える余地を存すべきものであると思うのでありまして、そこに組合として当然の要求は掲示してさしつかえないと私は考える。再軍備反対とかあるいは総裁罷免とかいうことは張るべき事項に入つてないと私も考えます。またむやみに玄関からべたべた張ることはよろしくないと思いますが、張るべき場所に張るということなら、一向さしつかえないということを考えておりますが、厚生局長からその点についての決意を明らかにしていただきたいと思います。
○吾孫子説明員 まつたくお説の通りでございまして、国鉄の業務機関である建物の中には、どこの場所にも掲示場というものがありまして、その掲示場に組合が正式の手続を踏んで張つておる掲示もたくさんあるわけであります。ただ問題になりますのは、所定の場所以外に、当局側の注意を聞かないで張るというのが、今問題にお取上げになつておることでありまして、当局側としましては、少くとも部内の職員に組合がいろいろなことを周知徹底せしめるのに困らない程度の掲示の場所は提供しておるつもりでございます。
○下川委員 せつかくいい法案が現実化されようとするのに、あまりお説教が多いように考えます。(「当然だ」と呼ぶ者あり)当然のように思えまするが、それは表面の事象だけをとらえておつて、その根本を追究しておらない。もちろん労働組合が経済闘争やいろいろな政治闘争をするでしよう。その場合その根本はどこにあるか。労働組合側としてもいろいろな反省のこともあるかもしれない。しかし政治の貧困で、結局大砲かパターか、こういう大きな問題まで投げかけられておるときに、組合それ自身も、そういう経済闘争をするということ、その掲示上のいろいろな問題については議論があるでしようが、一応の反省が必要になつて来る、だから向うを責めること以外に、政府当局もわれわれ自身もそういうふうな反省を一応抱いて、その上で相手をお説教しなければならぬということをわれわれは痛感いたします。議論をしたらきりがありませんが、これはいい法案でありますから、すみやかに満場一致でこれを決定していただきたい。
○稻村委員長 最後に、平井委員より発言の通告がありますから、これを許します。平井君。
○平井委員 昨年恩給法の一部を改正いたしまして、さらに今回改正をいたすのであります。不健康あるいは危険業務に従事する方々の加算を一年延長する、この改正法につきまして、各党の内閣委員の方々におきましては、非常に努力をしていただきまして、満場一致今日提案をするに至りましたことを深く感謝する次第でございます。先ほど来、改進党、社会党その他の方々から御意見がありましたが、御意見は皆われわれの国鉄を愛するがための議論と思うのでります。従つて本日列席をしていただきました小泉執行委員並びに中村副委員長におきましては、国鉄と国民は切つても切れない関係にあるという点をよく考慮いただきまして、将来とも組合の発展と、日本国有鉄道の発展をこいねがうわけであります。従つて本法案は、すみやかに採決あらんことをお願いいたします。
○辻(政)委員 ごく簡単に。この法案に伴う予算措置の説明が欠けておりますが、どうなつておりますか。
○平井委員 ただいまの質問でございますが、これは八箇月延長いたしましたのに対して、さらに有効期間を一年延長するのでありまして、すなわち昭和二十九年にやめない人には適用いたしません。従つてやめる人が何人あるかしれませんが、死ぬ人もあるのであります。死ぬ人とやめる人を勘定してみませんが、勘定すれば大して予算経費には関係はないということで、政府といたしましては、法案をみずから改正をする意向は実はなかつたのでありますが、私どもは政府と打合せまして予算とあまり関係がないので、本回に限つては黙認をしてもらおうということで提出した次号であります。
○稻村委員長 他に御発言はありませんか——なければ、討論はこれを省略し、採決をいたします。恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、平井義一君外三名提出、衆法第十二号、右案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○稻村委員長 起立総員、よつて本案は原案通り可決いたしました。(拍手) なお本案についての委員会報告書の作成については委員長に御一任願います。 —————————————
○稻村委員長 次に科学技術庁設置法案を議題として審査を進めます。 質疑があればこれを許します。政府委員は官房長官です——平井義一君。
○平井委員 この科学技術庁設置法案は議員提出であります。すなわち松前重義君外数名の議員によつて提出をされておるのであります。御承知のごとく、科学兵器におきましては、日本が今日いかなることをやりましても、アメリカやソ連に追いつかぬ、従つて軍隊もない日本でありますから、科学兵器の面におきましては必要がないのでありますが、敗戦後の日本において、技術面において世界各国と伍して行こう、技術が進まなければならぬという御提案に対しましては、私も了とするものであります。従つて産業革命と申しますか、産業改善に技術の力をもつて尽して行きたい、この狭い日本が将来進むべき道は科学技術あるのみであるという趣旨にはまつたく賛成でありますが、御承知のごとき現在の日本の経済的情勢におきまして、はたして予算措置あるいは人員すなわち定員の面において、これが実現が可能であるかどうか、この点をひとつ政府代表といたしまして、福永官房長官に政府の意向をお尋ねする次第であります。
○福永政府委員 科学技術の振興が必要でありますることはもとより論をまたないとところでございますが、さような見地よりいたしましての総合調整機関をいかにするかということは、これまた非常に大きな問題でございます。さきに松前さんその他の皆さんから御提案になつておられまする法案につきましては、政府におきましても、ただいま各省の意見をとりまとめ中でございます。議員立法の提出がありまする場合におきまして、おおむね政府はそうした各省の意見等をとりまとめまして、大体の政府の意見を統一するごとにいたすことが通例なのでございますが、もともと本件につきましては、前々からいろいろ法案を御提出になることを伺つておるのでございます。その意味においての研究もいたしておりましたわけでございますが、今ただちに、しかも御提案になつておられまするままの科学技術庁を設置するのが適当であろうかどうかということにつきましての、政府の公式の見解というものは、各省の意見全部がそろい、閣議等で統一の意見を決定しておりますというわけではございませんので、申し上げがたいところではございますが、大体の傾向を申し上げますと、相当御提出になつておりまする案につきましては、省によりましては反対意見と内閣の方へ提出いたしておるものもございます。格別に意見のないところもありまするし、またおおむね賛意を表しているというようなところもないではないので、これら全体を統合いたしまして、政府としての正式の見解というものはいましばらくお待ちをいただきたいと思うわけでございますが、ただいま平井委員の御質問の予算との関連等におきましては、すでに衆議院は通過いたしておりますが、参議院で御審議を願つておりまする政府がすでに提出いたしました予算案の中には、この種の機構を新設することを前提とい大しましての予算は提出いたしておりません。さような見地から、今ただちにこれを実施することにつきましてほ、大蔵当局は困難があるということはもとより申しておるわけなのでございます。その点はそういう次第でございますが、考え方といたしましては、政府も先ほども申し上げました科学技術振興の重要性にかんがみまして、さらに一層の検討を進めたいと存じておる次第であります。
○平井委員 御承知のごとく、塚田行政管理庁長官におきましては、行政機構改革を数日中に本内閣委員会に提出する運びになつておりますので、科学技術庁の設置をするがせぬかという問題も、早急に解決しなければならぬ問題と思うのであります。ただいま官房長官の御意見も承りましたが、その承つたところによりますれば、現段階においては、政府としてはこれは至難であというのか、いずれそういう技術庁を設置するというのか、この点をはつきりしていただかないと、私どもといたしましてはいつか時期を見てつくるというのか、今日の段階ではできないというのか、もう少し考えさしてくれというのか、この点をひとつお伺いしてわれわれの資料にいたしたいと思います。
○福永政府委員 先刻も申し上げましたように、科学技術振興のために何らかの総合調整の方途を講ずべきであるというような見地からの検討は、せつかくただいまいたしておるわけでございますが、御提出になつておりまする法案の内容によりまするものが、ただちにこれとして最適当であるか、現在の諸般の機構との間に相剋等を生じないかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、検討中なのでございます。そういう点からいたしますと、非常に問題が複雑でございまして、今ただちに早急に結論ということもなかなか困難であろうかと思つておるわけでございます。そういう意味におきまして、この問題につきましてはさらに一層の研究の上で、政府の正式の見解を申し上げなければならぬと存じております。
○粟山委員 官房長官にお伺いいたします。 最近焼津の漁船がよごれた姿で帰つた。それがはたして水素爆弾の関係か、原子核分裂の化学作用の結果かわかりませんが、今しきりに被害者について調査中のようであります。それでそれらのことから予算委員会その他でこの問題についての質問に対するお答えがあつたように見えますが、新聞の報ずるところによりますと、農林大臣なども、これは原子というものを大いに研究しなくちやならぬ、それからまたその他の閣僚も、原子問題というものは大いにこれは考慮しなければならぬ、また設備も追い追いに進めなければならぬというようなふうに聞いておりますが、はたして政府の大体の意向はそういう考えでございますか。
○福永政府委員 ただいま粟山先生のお話の、原子力の平和的利用ということに関しましては、今日の世界情勢等からいたしまして、わが国においてもこれに熱意を持つべきであるということは内閣におきましてもいろいろの場合に話が出ておるわけでございます。ただ具体的にどの程度に経費をかけてどの程度にやるかということになりますと、なかなか問題でございますが、そうした意欲が政府にあるということは先生のお話の通りであります。
○粟山委員 その点について特に伺つておきたいことは、この原子炉の設備をいたしまして、それが平和の手段、たとえば産業に貢献するということになりますのには、これは議論になりますけれども、日本の現状から考えて年数もかかることであるし、累計した金額というものは非常に大きなものになると思います。今日本国民が三千カロリーのカロリーさえも満足に得られるかどうかという現状において、悩む神経の影響を受けて一割、二割の栄養失調を見ず知らずの間に受けておる日本の国情において、日本国民の精神の安定をはかつて国民生活の向上を来さねばならぬということは、だれが考えても第一義である。そういうときに、なるほど文化に遅れてはいかぬ、これはアップ・ツー・デートの科学技術の結晶である。それを見のがして日本の国かあるかという気持はよくわかる。しかしそれをおやりになるのに、日本の今日の経済力、日本のポテンシャル・パワーの上から考えて、一体何年かかつていつごろどの程度まで行くかということは、およそ物が大きいので目安かつくと思うのです。これは物が大きいから何も高等数学で割出さなければ個年目にどうということはないと思う。そうして大きいということはアメリカで現実に示しておる。ある程度公開しておる。そういうものをこれから平和の目的に使うとかなんとかいつておりますが、経済自立何年計画というものがあつて、そうしてその中に織り込まれるのなら私どもは考えられるけれども、そういう自立経済も見当がつかないで、一年々々ごつこのその日暮しのような日本の今日の経済では、およそ身分相応なことを考えなければ私はいかぬと思う。日本国民の学問の自由、これはあくまでも徹底しなければなりません。また技術というものは、その天才のある限りにおいてあくまでも天才を集めて無限の発展を期さなければならぬけれども、その科学的、技術的の結論は、場が貧弱であればそれを工業化することは不可能であります。国の力が貧弱であれば実現することに距離か遠いわけなのであります。それでありますからその国に偉大なる技術者が現われて、世界的にかつてない発明、発見をされたといたしましても、これを工業化するには、それに付随するところのいろいろな科学技術、設備、副資材等に対するところの全面的な連結を求めるその費用と時とそれに付随するところの技術家というものがいろいろ必要だと思う。かつて満鉄において油がないためにあれを頁岩からしぼつた。それすらもただ単なるところの化学ばかりではなくて、メカニックの方の技術家も加えて、ようやくあれはでき上つて油をしぼつたことすらわれわわれは知つておる。それよりもももつともつと大きな、もつともつとと複雑な、もつともつと金のかかる、いろいろ複雑な設備が必要だという原子科学の問題において——各僚の皆様の意のあることはよろしい。しかしながら日本の食えない切なる状況において、閣僚諸君は目の前のことも片づけないで、たいへん高遠な理想にとりついていろいろなことをおつしやるということは、はたして現内閣の諸公の今日のあるがままの姿においてそういうことが許されるものであるかということをひとつ反省を願いたいと思う。私は日本は敗戦国といえども総力をあげて、日本国の文化の向上と、力強い復興に大きな歩みを踏んで行きたいということを念願しておるものである。 そういう点から考えて、およそ物には順序がある。かくのごときものはあまりに大きな問題でありますがゆえに、万人にも考えられるような常識で判断がつくと思う。私はこの国民大衆の平凡なる常識の判断からいつて、政府にその所信を伺いたいと思うのです。従つてこの技術庁のごときはもつと深く広く広く考えて、ただ原子爆弾ができた、それが潜水艦に応用せられたというような、人の国の秘密兵器の報道を聞いて、それがある何か物の生産にすれば何千倍になるとか、ホース・パワーにすれば何万倍になるというような、そんな簡単な考え方で日本国民に現実の幸福と安全感をもたらすものじやない。第三次革命なんということをこの原子関係において考えることは低級もはなはだしいことと思つておる。英国なりアメリカなりで原子力はホース・パワーにしてどんな大きな力を持つといつたところで、私は産業の上に革命なんということを考えることはきわめて卑近な判断であつて、それは一部のジヤーナリスとの表現にすぎない。優秀な経済学者、優秀な政治学者、政治家というものはそんなことは考えていないと思う。なぜかとなれば、もしそういうものが第三次産業革命なりとして現実にそれが現われた場合においては、これは物が高くなるとか安くなるとかいうそんな小さな問題ではない、もつと深刻なとえろに行つて経済機構、政治機構、社会機構、宗教観念というようなところまで大きな変動をもたらすことは火を見るよりも明らかである。平凡な私といえどもその結論を予想し得るのである。そういう重大なるものを考えるときにおいて、この貧弱なる日本が技術庁を置くというならば、適当なる技術指導、国の進歩発達文化の向上を期するところに太い線を置く。このために政府当局者は非常に強い高邁なる信念が必要であると私は考えるのであります。
○福永政府委員 いろいろお話を伺つたのでございますが、まず政府におきましては決して現実の民生の安定を無視いたしまして、高度の科学研究等に走るということを申しておる次第ではございません。ただいまの御注意のごとく、国情相応の処置をそれぞれとつて行かなければならないと考えておる次第でございます。従いまして、原子力の研究等につきましては、やはり今申しましたような観点においての顧慮をいたしておるわけでございます。さきに行われましたところの三党による予算修正、これが衆議院で成立いたしておりますので、この院議を尊重することに政府はやぶさかではございません。でございますが、また一面におきまして、後段にお触れになりました科学技術庁の問題は、先ほども申し上げましたように、政府としてはせつかく検討中でございまして、この法案も政府が提出いたしておるものではございませんが、議員立法として提出になつて、それと関連して政府でどう考えるかという御質問でございましたので、先ほどのようなことを申し上げた次第でございます。いずれにいたしましても、ただいまいろいろお話がありました点は重々参考にして行きたいと思います。
○稻村委員長 他に御質疑もないようですから、明後日午前十時より開会することとし、本日はこれにて敗会いたします。 午後零時二十二分散会