内閣委員会 第5号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/12/25
会議録
○稻村委員長 これより内閣委員会を開会いたします。 行政機構に関し、調査を進めます。行政機構並びに整理人員についての説明を求めます。塚田国務大臣。
○塚田国務大臣 機構改革の人員整理の部分でございますが、先般も当委員会でちよつとお答え申し上げたと思うのでありますけれども、実は遅れ遅れになりまして、本日ようやく各省に内示をするという段階に運んで参つたわけであります。私自身で各省にお越し願つて御説明申し上げて渡したいと思つておつたのでありますけれども、仕事の都合で私ができませんので、事務当局から各省の事務当局にお渡しするというようになつたわけであります。そんなぐあいでありまして、まだほんの政府部内の非公式な数字でありますので、こういう席で申し上げる程度の段階に至つておらないのでありますが、ただ新聞にいろいろと伝えられておるものがあります。また相当こまかく各省別にやつてあるものもありますけれども、これは大分違つておりますし、責任の持てるものではありませんので、その点御了承願いたいと存じます。 大体の数字の出し方につきましては、この前に御説明を申し上げたかと思うのでありますが、考え方といたしましては、重ねて申し上げますならば、事務の整理と機構の簡素化ということに、今度は重点を置き、それからスタートして参つたわけであります。事務の整理につきましては、一般的なものとしまして、人事事務の整理、それから会計事務の整理、なお今予算の編成の途中においていろいろ検討されております補助金の整理というものができまして、あるものは補助金を打切る、あるものは打切りませんまでも、これを平衡交付金に統合するというようにいたしますならば、この面でかなり官庁事務、ことに中央の事務が簡素になるのじやないか、こういうふうに考えております。 それからこの事務の中では法令に基いておるものがたくさんありますものでありますから、そういうものは法令の整理をしなければ結局事務の整理ができませんので、並行して法令の整理というものも法制局と協力をしてやつて参つたわけであります。これも大体一応の素案ができておる段階になつております。そういうように事務整理をやりまして、それからして次ぎまして今度機構の面で事務が何段階にも重なつて、いたずらに人手をよけいに煩わしておる、またこの場合におきましては政府部内において人手をよけい必要とするばかりでなく、結局そういうぐあいになつておりますと、官庁事務の煩瑣という形でもつて民間側にも迷惑をかけておるというように考えますので、なるべく縦に重複しておるものはその縦の重複を省く、横に共管になつておるものは横の共管を省く、こういう考え方でやつておるわけであります。ただやりまして、私も当初非常に漠然と考えておりましたときと感じが大分違つて参りましたのは、今の予算編成をいたします場合の技術的な関係もあるのでありますけれども、たとえば法令を整理いたしまして、この仕事をなくしたからといいましても、そのためにどの省のどの部局の人間がどれだけ減らせるという直接のつながりがなかなか出て参らない、従つて事務整理というものをやり、また行政機構の簡素化というものをやりましても、それと直接のつながりがなかなか人員の上で出て参りませんので、そういうものを頭に置き、さらに先般も申し上げましたように、こういう国家困難な時期であるからして、もう一ふんばりがんばつて能率を上げてもらうという執務を強化するという考え方とあわせまして、そういうものを頭に置きながら、各省各部局の事務、それから職員の性格、そういうものを頭に置いて、この部局のこういう性格の職員については、この程度の整理率で何とか行けるのではないか、そういうように三%から六、一〇、二〇までの四段階を考えて、さらにたとえば病院の医者でありますとか、学校の先生でありますとか、そういう特に整理の困難だと思われるものには、さらにそれに対する例外というものも考えて、一つの整理数を算定する要領というものをつくりまして、その要領に従つて、同じ条件にあるものは各省同じように扱うという考え方で算出いたしましたものが、今度の本日各省に内示をいたしております一応の数字になつておるわけであります。このあと、二十七日一ぱいに各省からそれに対するそれぞれの省の立場の意見を聞きまして、その上でまた行革本部内部で十分検討した結果、最終の結論をもつて閣議決定まで持つて行きたいこういうように考えておるわけであります。
○稻村委員長 質疑の通告があります。これを許します。下川儀太郎君。
○下川委員 まだ最終的なプランでないようですから、いずれ検討して質問を申し上げますが、ただここで一言お聞きしておきたいことは、いわゆる能率化、あるいは簡素化と言つておられる。しかし現実的にどうしてもはずされない、あるいはまた整理することによつて社会的な影響、あるいは治安的な、あるいは保安的な、そういう影響を及ぼした場合は、そういうわく外からはずすかどうか、これをひとつ明確に聞いておきたいと思います。
○塚田国務大臣 そういう点もあろうかと考えますので、行管もしくは行革本部だけで考えずに、それぞれ責任を担当しておられる各省の意見も聞き、そういう点に支障のない最大限において政府に御協力願う、こういう考え方でおります。
○下川委員 その点に関してはいずれあらためて質問申し上げますが、別個にいわゆる行政長官として先般お聞きしておきました監察の問題でありますが、この問題についてまだ的確な答弁を聞いておりません。一つは戦後の見返り資金によつてできた駐留軍の住宅、それがまだ日本の籍に入つておらない。これは重大な問題でございまするから御調査をお願いしたのでありまするが、その点の答弁をまだしてございません。 もう一つは立川市の元の電波研究所三千坪が現在韓国人の手によつてパンパンの住宅になつておる。それを大蔵省関係ではとりこわしを命じたにもかかわらず、いまなおやつておる事実、こういう点についてはたして監察をしておるかどうか、その点をひとつ御報告願いたいと思います。
○塚田国務大臣 この二つの点につきましては、先般お尋ねを受けまして、一応調べてみるという程度にいたしたのでありますが、まだ監察をするという段階にまで事務が運んでおりませんので、やがてこれはやはり監察をしてみなくちやならないのじやないか、こういうように考えておるわけであります。一応の調べをいたしましたところでは、立川の問題もやはり大蔵省で一応の手は打つべきものだけは打つておるという話なので、それから上をどういうぐあいにさばいて行くかということは、別な観点から考えなければならないのじやないか。問題は非常に簡単なようでありますけれども、実質的にはかなり複雑な問題があるので、もし大蔵省で解決がつかないということであれば、今度は監察をしなければならないと思つております。 それからまたもう一つの進駐軍住宅の点でありますが、これも御指摘を受けまして、非常に重大であると考えておりますので、次の機会にこれはなるべく早く監察対象として取上げて問題を明らかにしてしまいたい、こういうように考えておるわけであります。このたびは十分御回答申し上げるまでに準備ができませんでまことに恐縮でありますが、御了承願いたいと思います。
○下川委員 休会になりますので文書をもつて各委員にひとつ御報告願いたいと思います。 もう一つは先般来より保安庁の汚職事件が頻発しております。きのうもその質問がございましたが、この点についてやはり長官の所管としてはたして監察をしておられるかどうか、この点についてひとつお聞きしたいと存じます。
○塚田国務大臣 この監察は、先般もちよつと申し上げましたように、一応千七百人という限りある人間で仕事をいたしておりますので、今年は国鉄の問題でありますとか、それから西日本の災害地の問題でありますとかを第三・四半期に重点を置いて調べておりましたので、今御指摘の保安庁の問題は、先般御注意もありまして、今度の第四・四半期に監察に着手するということで、ただいま準備、調査を進めておりまして、第四・四半期から本格的な調査に入るつもりでございます。
○下川委員 もう一つは、あなたの関係の電電公社のいわゆる入札状況の資料を要望しておりましたが、いまだに来ておりません。これは一刻も早くいただきたい。それと保安庁の問題は、もう輿論が非常にごうごうとしておりますので、急速にひとつ監察をお願いしたい。われわれもやはり、昔と違いまして、民主的な今日の政治のあり方として追究はしておりますけれども、なおかつそちらの方からも十分監察をお願いしたい、かように要望して、きようは質問を打ち切ります。
○稻村委員長 山崎巖君。
○山崎(巖)委員 私は行政機構の改革並びに行政整理に関しまして、重要な点について、きわめて簡潔に二、三お尋ねいたしたいと思います。 前回の委員会におきまして、行革本部の機構改革案を御配付を願いまして、これを通覧いたしますると、塚田長官の御苦心の存するところは私どもも了とするのであります。しかしながらこの案自体を私どもが見ますときに、いかにも事務整理と申しますか、あるいは機構の簡素化と申しますか、そういう点にほとんど集中いたしておりまして、行政機構の大きな根本的の問題には一つも触れておらないような感じを私は強く持つのであります。行政審議会におきましても、この点につきましては、きわめて無責任と申せば言葉が過ぎると思いますが、中央機構のごときについては、「行政組織全体の規模の縮小につとめるとともに、各府省庁の事務の配分について再検討し、必要があれば府省の統合をも考慮すること。」この一項に尽きておるのであります。私は行政機構の改革をやる以上は、中央機構の根本的の問題に触れることが当然であろうと思います。わが自由党も行政機構の改革につきましては重要政策として掲げておるのであります。しかるに今回の行革本部の案はこの看板にどうもそぐわない点があるような感じが私は深くいたすのであります。すでにいろいろの党内の調査会とか、あるいは政府側のいろいろの調査会でありますとか、そういう会合におきましても、あるいは内政省の設置の問題、あるいは国土省の設置の問題、こういうものが相当検討をされ、やや具体案に近いものができておるように私どもは存じております。こういう根本的の問題につきまして、行政改革本部といたしましては、今日までどういう検討をいたされたのでありましようか、あるいはこの問題がきわめて政治的に重要であるために、最後になつてそういう案をお出しになる御意見でございましようか、その点をまず伺つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 これは私も御指摘のように、あまり徹底した案ではないという感じは確かに持つておるのでありますけれども、ただ先般地方制度調査会の御意見を徴しました場合にも、こういう大きな改革は、一気になかなかできがたい事情が多々あるものでありますから、当面改革をするものはどの程度のものか、また本質的にもし改革をするとすれば、どういう問題点があるだろうかということで、二段階にわけてお尋ねをし、先般当面改革を要すべき事項として一応答申をいただき、なお引続いて本質的に将来考うべき問題を今御審議を願つておるような状態であるわけであります。今度の行政機構改革も、実は私がお引受けをして取組みましてから、非常に期間も短かいものでありますし、それにいろいろ兼務の関係がありまして、とても根本的な検討の部面までは行かないという感じもありましたので、一応当面の問題だけを取上げて、その他の問題については、ことにその他の問題は大部分政策に関する問題でありますので、これは政府の考え方と党の考え方なども一本になりませんと、なかなかうまく行かない面がありますので、今後引続いてそういうものも検討願つて、私どももまた検討する、こういうように持つて行きたいという感じでただいまのところ一応考えております分はこの程度に終つておる、こういうわけでございます。
○山崎(巖)委員 ただいま伺いました国土省の設置の問題でありますが、従来から御承知のように、農林省と建設省との間には山腹工事並びに砂防工事につきましては常になわ張り争いがございまして、問題になりながら今日まで解決をしていないのであります。こういう問題は結局私は新しい省ができまして、強力にこれを推進する場合に、初めて実現ができる問題ではなかろうかと思うのであります。この二つの事業が両省にまたがつておりまするために、地方の利害にもきわめて重大なる影響を持つておりますることは、塚田長官御存じの通りと思います。こういう問題を放擲されまして、ただ各省におきまする局を統合するとかあるいは課を減らすとか、こういうことでは、私はほんとうに機構改革の目的を達することができないんじやないか、こういう感じがいたすのであります。また自治庁につきましても、長官は自治庁が御専任ではなくして、他の省も幾つもお持ちになつておる。こういうことでは地方自治の指導育成につきましても、これは非常に欠けるところがあるのではないか、こういう感じを持つのでありまして、先般の地方行政、地方自治議員連盟におきましては、内政省の設置をいろいろ研究をいたしたのであります。それによりますると、むろん逆コースになつてはいけませんので、警察の問題はこれを切り離しまして、建設関係並びに地方自治の関係を一つの省にまとめて、内政省と申しまするか、内務関係の中心の省をつくりたい、こういう意見があるようであります。この国土省並びに内政省の設置につきまする長官の御意見を、この際伺つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 実は今度の行政の改革のときには、共管事務の整理ということに相当重点を置いて検討いたしたのでありますが、過去幾たびか政府が心がけて十分行かなかつただけに、相当困難な面がたくさんあるのでありまして、幾つかは今度も取上げて実行できるのじやないかと思うのでありますが、なかなか全部はうまく行かないという状態に実はなつておるわけであります。その共管事務を整理するという問題の大きな部面の一つとして今の治山治水、砂防関係、そういうものを考えますと、ただいま山崎委員の御指摘になりましたように、国土省の問題というものが当然出て参るのであります。私ども相当真剣に長い間検討いたしたのでありますが、まだどうもこれも結論を得るところまで至つておらぬのであります。ただ私の感じといたしましては、どういう省にするかによりまして、どの省のどういう事務を統合するかという幾つかの考え方が考えられるわけでありまして、今の段階では、ことに本年非常に大きな水害がありまして、治山治水が急務に考えられます段階でありますので、一応治山治水というものに重点を置くという考え方から、今の国土省構想というものを若干かえて考えるならば、治山治水省というようなものが一つ考えられるのじやないかという感じを持つております。しかしそうした考え方でもつて、現在の農林省及び建設省にそれぞれ配分されております仕事をまとめるという場合に、やはりそれぞれの省がその仕事を持つておつた上から来る一応の利点というものが失われるわけでありますが、しかしこれも治山治水という問題が当面きわめて急なんだという考え方から、当面ここに政治の重点、その面に行政の重点を置いて行くという考え方からすれば、この考え方も一つ確かにうなずけるし、強力に推し進められる理由があるのじやないか、こういうように考えておるわけであります。国土省構想につきましては、自由党側にもいろいろ御意見がおありのようなんでありまして、私どももまだ未解決のままいろいろと意見の交換をしながら検討しておるという段階であります。 それから内政省の話についてでありますが、これは実は旧内務省系統であつた仕事が、現在非常にたくさんの省にわかれております。自治庁が一つ、それから警察、建設省、厚生省、労働省というように、非常にわかれておるのでありまして、これをまとめるとしまして、どの程度まとめるかということにかなり問題点があるのであつて、厚生省とか労働省というものは、内政省という考え方からもう一度内政省にまとめるということはちよつとむずかしいのじやないか、警察はまた警察独自の考え方や立場があつて、これもむずかしいのじやないかというので、どうも自分らといたしましても、ここのところに、内政省はこういう構想で、こういうものをまとめるというすつきりした姿がなかなか出て参らない。建設省がもう一つ重要な部門でありますが、建設省は今申し上げたような関係で、非常に別の考え方が強く出ておりますが、結局現在の自治庁というものを機構的に強化をして行くという形になるかなという感じを持つておるのでありますが、まだ現在の段階で、この問題は、ただいま山崎委員も御指摘になりましたように、形をよほどうまくして、十分納得の行くように持つて行きませんと、これは逆コースになるという御意見がなかなか出て来るであろうと思いますので、それらの点について十分まだ見当がつきませんので、今の段階ではまだ取上げるところまで至つておらない、こういう事情であります。
○山崎(巖)委員 行革本部のこの案につきまして、私どもも各省にわたつて相当意見を持つておりまするが、きようはその具体問題につきましては御質問を差控えまして、さらに後日お尋ねを申し上げたいと思つております。 ただ私がここで重要な問題と思いまする点は、機構改革と予算の問題であります。先般の当委員会におきまして、塚田長官から、行政機構の改革も予算編成に間に合わせるという御言明があつたのであります。しかるにその後の進行の状況を見ますると、私は来年度予算の編成に機構改革を全部盛り込むことは、相当困難があるのではなかろうかと信ずるのであります。そういたしますると、人員の点につきましては、どうしても来年度予算にこれを編成をせざるを得ないと思うのです。その後機構改革をやるといたしますれば、おそらく財政法三十三条による、予算総則の規定によつてこれを実現しよう、こういうお考えであることは予想にかたくないと存ずるのであります。その場合に非常に問題になりますることは、整理人員は二十九年度予算に盛り込んでしまう。しかるにその後国会において、政府の提出されましたる機構改革案が修正をされまして、その修正の結果、政府原案よりも相当増員をしなければならぬという場合が予想にかたくないように思うのであります。その場合に予算措置をどういうふうにお考えになりまするか、この点を私はきわめて重要だと思いますので、一応伺つておきたいと存じます。
○塚田国務大臣 この点はこまかい技術的な問題になりますので、私も終局的な見通しは立てておらぬのでありますが、ただ予算を編成いたします段階におきましては、大蔵省と絶えず緊密な連絡をとつておりますので、それらの点に支障のないような形で予算の編成が行われるというように私は考えておるわけであります。御指摘のように、機構の方が少し遅れて参つておりますので、若干予算の編成までに間に合わないかと思いますし、またかりに考えましたものでも、国会において御修正を受けるということもあり得ると思います。ただ人員の点だけは、やはりこれも御指摘のように、今度の予算に間に合うようにという考え方でおるわけであります。従つてどの程度に予算に盛り込むかということに、現実の問題によつて御指摘のような心配が出て来ると思うのであります。この点は大蔵省と十分連絡をとりながら、そういう場合には、こういう措置をするというような見通しをつけて、また見通しがついて運営のできる程度において予算を編成したい、こういうように考えております。
○山崎(巖)委員 もう一点伺つておきたいと思いますことは、地方庁の組織と出先機関の整理の問題であります。 現在地方庁の整理につきましては、府県知事以下が大体自分の責任においてやれるという原則に相なつております。ただ補正につきましては、法律の規定があると思いますけれども、それ以下は全部府県知事の任意に相なつておるように私は記憶をしておるのであります。国の機構につきまして、これだけ大がかりな人員整理をいたし、また機構の簡素化をはかる場合に、地方庁の組織の簡素化については、いかなる確信をもつておやりになりますか、その点を一点伺つておきたいと思います。 さらにまた地方の出先機関の問題でありますが、これは前回でありましたか、前々回でありましたか、この問題の審議の際に私意見を申し上げました通りに、現在地方は御承知のごとく知事公選の制度に相なつております。知事公選の府県に対しまして、国の出先機関を統合することは、きわめておもしろからざる結果を招来するのではなかろうかと私は思うのであります。たとえば行革本部の案で労働省関係の労働基準局を府県に移譲するようなことに相なつておるようでありますが、これらのこともよくお考え願いませんと、現在の府県の組織において、国の仕事であります労働基準法の事務を府県知事に移譲するということが、はたしてこの法の精神を生かすことになるかどうか。労働基準法の内容につきましては、むろん検討すべきものが多々あると思いますが、こういう点につきまして、はたしてこれを断行されたあかつきに、かえつて予想せざる結果を来すのではないかということを心配するものであります。こういう点につきまして塚田長官の御意見を伺つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 地方の行政整理につきましては、一般的に原則的に申し上げますならば、国と歩調を合せてやる、こういうように考えております。具体的に申し上げますならば、たとえば教職員の場合なんかには地方制度調査会の考え方でぜひやつて行きたいという考え方であります。それからその他の一般職員及び消防職員につきましては、先ほども御説明申し上げました国の整理基準に合せて同じような考え方で御整理願うようにお願いしたい。その場合にもちろん国の法律に規定されておる補正でありますとか、また法律の結果地方に置かれることになつておりますいろいろな福祉主事関係の職員、そういうものはもし必要があれば法律を直して減員をお願いするというような考え方でおるわけであります。その他の部面につきましては、そういうように国と方針を合せてというようにお願いをいたしております。従つて国が地方財政計画を策定いたします場合には、そういうぐあいに整理されておる。従つて人員も大体どのくらいの数は減少できるということを頭に置いた予算を組まざるを得ないという結果になりますので、若干間接的な強制というような形になつて地方にも御協力願うということになると考えております。 それから国の出先機関の事務を一部地方にまかすという考え方、これも地方制度調査会で御答申をいただきます前にずいぶん御苦心を願い、御検討願つたようでありますが、現在の答申の線には、一応そういう場合には国の官吏が地方に置かれておるという考え方、地方事務官という構成で置かれるという形にしたらいいだろう。現在のこの制度は一部分行われておるものもあるのでありますが、あまり大がかりには行われてないようでありますが、こういう制度をもう少し拡張して考えたらどうだろうか。従つて労働基準局の場合で申しますならば、あるいは府県の労働部等を統合いたしましても、今まで労働省が所管をいたしておりました仕事の範囲におきましては、労働大臣の指揮命令がそこに十分に届くような形ということを一応考えておるわけであります。そういうような形にいたしまして、当面の改革を持つて行きたい。しかしこの面の考え方につきましては、実は先ほども山崎委員御指摘になりましたような府県知事を公選にするか、官選にするかという基本的な問題点がなお残つておりますので、この点は最初に申し上げましたように、実は地方制度調査会に今後残された問題として、しかも地方自治体のあり方の基本的な問題点として、なお御検討願つておる問題点の一つでありますので、そういう問題点の解決に対する御意見がはつきりいたして参りますならば、おのずからその形においてはつきりして来る問題であります。今の解決はそういう意味におきまして、どちらにいたしましてもやはり多少中途半端になつている、こういう感じであります。
○山崎(巖)委員 ただいまのお話に関連して塚田長官にもう一点伺つておきたいと思います。と申しますのは、府県の公選制度の可否につきましては、賛否両論なかなか急に判断はつきかねると思うのであります。私どももこの問題について結論を持つことがなかなか容易でないという感じを私自身も持つております。ただ前国会において通過いたしました町村合併促進法がいよいよ実施の段階に参りまして、各府県におきましては町村合併促進に相当努力を払つております。私はおそらくこの法律の目的はこの一両年の間に相当達成することができるものと考えております。そういたしますと、町村の自治体としての力は今までの数倍に相なることは容易に予想することができると思います。そういう場合において、府県の性格を今まで通りの性格にしておいていいかどうかという問題であります。もしも町村が相当の区域なり、また自治能力を持つということに相なりますと、現在の府県が自治体と、それから国の機関と両方の仕事をいたしております性格に相当思い切つた改革を加える段階ではなかろうかと思うのであります。そういたしますと、非常にすつきりした形のものができるのではなかろうか。その場合に知事の公選の問題を解決することが適当であるというような考えを持つのでありますが、この点は将来の問題でありますけれども、きわめて重要だと思いますので、この際承つておきたいと思います。なおこの問題は申すまでもなく現在地方制度調査会で御検討になつております道州制の問題にも非常な関連を持つて来ると思います。私はここで申し上げるもいかがかと思いますが、従来のような広範囲の道州制につきましては相当疑問を持つております。むしろこの問題を解決するのは、府県の性格をかえる場合に初めて解決すべき問題ではなかろうかという考えを持つておりますので、それらの点につきまして長官にお考えがございますれば、伺つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 この点につきましては、まつたく山崎委員のただいまの御意見と私も同じ感じを持つておるのでありまして、地方自治団体は一段階が一番適当ではないかという感じを自分個人の意見としては持つておるわけであります。しかし現在のような小さなものが多数濫立している弱体の地方自治団体を一段階にするということはおよそ意味ないし、むずかしい。従つてそういう考え方をする前にやはり町村合併というものを強力に推進する。ただ今度の計画は人口八千を最低に押えた大体三分の一の数に整理するという考え方がありますが、その程度の合併が成就したあかつきにおいて、すぐに今のような考え方ができるかどうかということでありますが、この点につきましてはまだ非常に自信がないのでありますが、幾たびかそういうような合併が行われて、末端の自治団体が非常に強くなりさえすれば、中間の自治団体というものはなくなつていいのではないか。またなくするように国の施策を持つて行くのが正しいあり方ではないかという感じを持つておるわけであります。従つて府県知事の公選制廃止という問題は、私もまだ結論を得ておらない問題でありますけれども、私の感じといたしましては、ただいま申し上げるような感じで町村合併というものもながめ、かつこれの強力な推進をお願いをしておる、こういう感じであります。従つて道州制の問題も、これまた御指摘のようにその時期が来た場合に考えられるべき性質のものであつて、今あれだけを切り離して考えるというわけには行かないのではないか、こういう感じでございます。
○稻村委員長 今の山崎君の質問に関連して、大村清一君より質疑の通告がありますからこれを許します。大村清一君。
○大村委員 ただいまの山崎委員の御発言中におきまして、一部関連した点について質問を申し上げるといいますよりも、希望を述べておきたいと思います。 それは近時ことに今年の大水害から治山治水がわが国の政治の上に非常に大きくクローズ・アップされて参りました。時たまたま行政機構の改革の時期に際会いたしまして、治山治水を扱う行政機構をどうするかという問題について、ただいま塚田長官から御答弁があつたのでございますが、この点につきましては私から希望するまでもなく、最も慎重な態度で善処していただきたいと思うのであります。詳しいことは申し上げませんが、本年の大災害の跡を見ますと、河川に対する工事がいかにも不十分でありまして、これが災害の一大原因になつておることは明らかであります。しかしさらに根本にさかのぼつて考えますと、今日のような河川の状態はどうして起つておるかと申しますと、山崎委員も触れられましたように、水源の砂防、治山が完璧でないという点が最も大きな原因だと思われるのであります。水は低きに流れるのでありますが、日本の川は高きに流れておるのであります。天井側に流れておるのであります。水害を根絶させるとすれば、工事費の大なることをいとわないといたしますと、高いところに流れている川を低いところに移す、河身を切りかえるということになろうかと思うのでありますが、全国にわたりまして、このような抜本的な工事をやるといたしますと、莫大な費用を要することは申すまでもございません。しかもその莫大な費用を投じましても、何年かたつうちにはさらに土砂が河床を埋没いたしまして、再び天井側に流れるのであります。これを防ぐ方法といたしましては、河身の取扱いでは解決しないのでありまして、結局は水源にある森林その他に対する施策の適正を期さなければならぬということが、最大目標で、最も重要な問題でなければならぬと思うのであります。この実態を直視いたしまして、これに合うような行政機構をつくつて行くということが、治山治水上最も重点ではなかろうかと思うのであります。これが第一点であります。 もう一つ、世間往々にして国土省をつくつて、そうしてただいま申し上げましたような意味における水源の山林というようなものを、物の面から行政をして行こうというような考えがあるようであります。しかしわが国のごとき国土の狭いところ、産業の場の少いところにおきまして、国土の七割を占めるところの森林を対物行政の対象にすることは、深甚の考慮を要することと思うのであります。やはりこれは産業の場でありますから、産業行政の一環として森林は取扱わなければならぬものではないかと思うのであります。私は寡聞にしてよく存じませんが、フランスにおきまして山林を一時の間土木省の中に吸収したことがあるのでありますが、これは数年ならずしてまた農林行政の部面にもどしております。そうして世界のおもなる国におきまして山林を産業行政から切り離しておるところは現在一つもないというように聞いておるのであります。私は今日の日本の産業状態から考えまして、いかに治山治水が重要なりとしても、これを産業面から切り離したところに所属させるというようなことは、深甚な考慮と研究を要する問題であると思うのであります。 以上申し上げましたことは、単に私一個の意見ではございません。私どもの接触しおります方面からたびたび聞かされておることであります。また委員各位におきましてもつとに御了承のことでございますから、多く述べる必要は認めません。ただ治山治水の行政機構につきまして今後考慮されるにあたりましては、私どもの広く憂慮しております点につきまして深甚の考慮を払つていただきたいということを、この際山崎委員の御発言に附帯をして希望を申し上げる次第であります。御答弁は要求するわけではございません。
○稻村委員長 なお粟山博君からも関連質問の通告がありますので、これを許します。
○粟山委員 長官にお伺いをいたしますが、過般水稲共済保険金が多分に関係各府県に配付されましたが、長官はもちろん閣議で御関係になつたと思うのでありますが、いかがでございますか。
○塚田国務大臣 それは所管がおそらく農林省じやないかと存じます。
○粟山委員 私はあえて長官にここで質問を申し上げたいのは、その金の取扱いは農林省でありましようが、長官は行政監察の方も直接御担任になつておる、本年の冷害凶作は御承知のように深刻なものがあつて、各県の県庁からの申告と農林省関係の出先官憲——私が出先官憲ということについての関連質問を申し上げるのは、いわゆる作報と申しますものの報告と合わないものがあつて、そのまま水稲共済保険金が県に交付されたものとまたされないものと、何か臨機の処置をとつたものとあるように存じておるからであります。これは大蔵省と農林省の関係でございましようが、同じ行政監督を受くべき性質のものであつて、もしこれが大蔵省からその金を出すのを待つたと言われるまでの間に、行政官庁としては、監察の任を持つあなたとしてはこれはもう当然御関係なさるべきであつて、なさる方がああいうようなドジを踏まずに済んだではなかろうか、かように私は考えてひとつ関連質問をするのでありますが、あなたの御監督になつております行政官庁の行政範囲はどういうものでありますか。
○塚田国務大臣 今年のいろいろな災害のうち凍霜害については特に監察はいたしておらぬのでありますけれども、各地にございます地方監察局がそれぞれの土地にあるそういう問題をときどき情報とかいう形で中央に報告いたして参ります。その中で長野県かどこかからの情報だつたかと記憶いたすのでありますが、やはりそういう凍霜害の被害の数字が過大に報告をされておるというような報告がありまして、それに基きまして所管の農林省に連絡をしまして、注意を促しておいたことがございます。しかし一般的にはことしの災害は非常に事態が重大であつた。そうして当面非常にあわてて対策を立てました関係上、損害額の査定などに水増しやその他正確でないものが相当あるんじやないかという考え方を持つておりましたので、ことしは西日本の災害地につきましては、特別に第三・四半期に重点を置いて監察をいたしました結果、相当数そういう事例を発見し、これらのものはただいま御指摘のように、大蔵省の財務局の手にかからないうちに、私どもの方からそれぞれ農林災害につきましては農林省、その他のものにつきましては建設省に連絡をいたしまして、査定のし直しその他で是正をいたさせております。今後もそういう問題がございますれば、他の面におきましてもそういうような措置を能力の限りにおいてやりたい、こういう考え方であります。
○粟山委員 実際県によつては非常に迷惑をしておる県もある。私は福島県の出身でありますが、私の県などは作報の報告と県の報告とにはなはだしき相違がなかつたために、難なく年末資金に間に合つたというようなわけでございます。つまり作報の報告と県の報告との開きが非常にあつたために、それが支給されないというようなことで、実際凶作地においてまごつくようなことがあつては、これは親切が足りないと思う。そういう点に対して、出先官憲のことが云々される場合において、大蔵省から文句の出ないうちに、何か事前にこれを調節するものがなければならぬ。そういうことは私あなたの監督にあるんじやないかと思う。いかがでございましようか。
○塚田国務大臣 その点は御指摘の通りにやはり行政監察の仕事の一つであり、私もそのように心得ていたしておるわけであります。これも先般の西日本の災害の例でありますけれども、国から出しました。つなぎ融資が、国からはとうに出ているのにかかわらず、末端の町村に少しも配分されてないという情報が入りまして、どういう事情でそういうことになつておるかということを地元の地方監察局に調べさせて、その原因を突き詰めて、早急に分配されるようにいたしたこともございます。そういうように今後とも努力いたしたいと存じます。
○粟山委員 この機会に行政管理庁長官に私も一つ希望を申すのでありますが、何しろあなたは今非常に大きな仕事事を御担当なさつておるので、切に適切なる結論を得ることを、私は党派を超越して、議員としての良心から希望いたします。 ところで、整理といつて何でもかんでも整理していいわけじやない。私は繁栄せる国と繁栄せざる国と、戦前戦後を通じて、いろいろ国のあり方の様相がかわつたと思う。私は今三、四十年前のイタリアのことを思い起すのだが、長官御承知の通り、シユールレツツの組合制度を採用して、そうして非常に組合組織を盛んにしたのがイタリアである。ドイツはライフアイゼンの産業組合制度で相拮抗して奨励した。これは西欧における二つの特色です。そういうことがいろいろな面に今日まで根を張つて、イタリアのあの天然資源の不足な、面積も狭い——むしろ日本などの方が私はポテンシャル・パワーが強いと思うのであります。しかるにイタリアは今人絹、化繊のごときにおいても、化繊の本場のアメリカをしのぐようなものを出しておる。自転車のごときはむしろイタリアからアメリカへどんどん輸出をしておるというようなふうで、実に侮るべからざるものがあるし、さげすんで見るべからざるものがある。私はどんな繁栄せざる国といえども、いいところは学んでいいと思う。それからイタリアは三、四十年前から、長官も御承知でしようが、非常に統計が進んでおる。詳し過ぎるほど進んでおる。おそらく三、四十年前にヨーロツパのいずれの国よりもこまかい統計をつくり上げておるのは、私はイタリアだと思う。今記憶を呼び起して申し上げる。そういうことが今日イタリアをして——イタリアの政治、経済がどうあろうということを私は批判するわけじやありませんが、やはりそこに根強いものがあるじやないか、今日の成果を上げておると思う。そういうことを考えますときに、今問題になつておる地方の統計をとつている農産物の検査員、それらの人が安い給料でせつかく熟練したのに、この経験者を失うということは、これは問題だと思う。二年、三年でそういう経験者を仕上げるのは容易じやないのです。そういうことを考えるときに、ほんとうにこの行政改革が行き詰まつたからやるのじやないんだ、将来の日本の非常に弾力性ある繁栄をこいねがうゆえにまず忍ぶんだということならば、それは思い切つて削るところがあつてよろしい。しかしこれがなければならぬというものについては、私は長官に非常に強い御決意を持つて守つてもらいたいと思う。よけいなことで、そんなことはあたりまえだといえばあたりまえでありましようが、私は今そういう人の切々裂帛の声を聞いておる。事実真剣になつておる末端の勤勉なる若い人々からそういう切なる願いを聞いておる。ただ単に私の選挙区からそういうことを聞いたのではない。私にはもつともだと感ずる点があるのです。その点非常な御決心で人を減らされるでありましようから申し上げることもありませんが、十分御注意をお願いいたしたい。
○山崎(巖)委員 最後にもう一点だけ伺つておきたい。それは警察制度改革の問題であります。わが国の警察が治安維持という特殊任務を持つておりますので、警察制度につきましては、一般行政機構の改革と同列にこれを見ることは相当の疑問があると思います。ことに人員の整理等につきましても、簡単にこれを削減することはやや困難が伴うのではないかと思うのであります。しかしながら政府が行政機構の改革をやり、またこれに関連しまする保安庁法の改正をいたされます機会に、警察制度の改善について全然手を触れないということは、私はこれはいけないのじやないかと思うのであります。ことにわが国の警察は、御承知のごとく終戦後アメリカの最高司令官の指令によつて現在の制度ができておるのであります。その当時の状況と今日とは私は格段な相違があると思います。ことにこの警察制度に対します指令は、占領政策実施後間もなくのことでありまして、その当時のアメリカの対日政策というものが、その後急角度に変更を見ていると私は思います。むろんあの制度によりまして、日本の警察が相当民主化されたことはこれを率直に私どもも認めるものでございますが、しかしながら現在の警察制度には、私は非常にむだが多いと思います。現に警察職員といたしまして、制服、私服を合せますと、今日では約十六万名の多数に上つております。終戦当時あの混乱の時代でも、私はあの当時大体九万人くらいが警察の人員であつたと思つております。十六万のうちで、すでに御承知のごとく制服が十三万二千、その他が私服に相なつております。もとより警察事務も、社会の複雑化あるいは行政の高度化に従いまして、鑑識の問題でありますとか、あるいは通信の問題でありますとか、あの戦争前に比べますと、同一にこれを論ずることは不可能であろうと思いますけれども、何を申しましても、現在の制度が国家警察と自治体警察の二本建に相なつております関係上、機構の上におきましても、また人員の上におきましても、そこにむだが相当私は多いと思います。一例を申し上げますと、各都市におきましては、御承知のごとく警察本部というものを自治体警察に持つております。こういうことは従来の警察にはかつて見なかつた問題であります。これがまつたく各都市によつて警察が独立いたしております関係上、どうしてもそこに警察本部というものがいり、そこに相当の職員を擁しているわけであります。こういう点が、私は非常にむだであるように思います。またこれは制度の問題でありますが、十五国会におきまして警察法の政府提案の場合に非常に問題になり、責任の明確化の問題にいたしましても、今日これを解決することが私は急務であろうと思います。こういう点から考えまして、この際行政機構の改革の際が警察制度を根本的に改める時期だと思う。もしもこの機を逸しますれば、私は当分の間警察制度の根本的の改革ということは不可能に陥りはしないかということを案ずるものであります。犬養法務大臣が警察制度についてきわめて慎重なお態度をとつておられることは、私どもこれを了といたしますけれども、この時期を逸しますと、悔いを後年に残す心配があるのでありまして、これにつきましては、政府部内において十分御検討をいただき、また意見を統一されまして、この機会にぜひこれを実現していただきたい。われわれも具体的な腹案を持つております。しかしここでいろいろと議論を申し上げる場合ではないと思いますので、意見は申し上げませんけれども、何を申しましてもこの機会を逸しないようにぜひ十分の御尽力、御努力を切望いたすものであります。これらの点につきまして、塚田長官の御意見を伺つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 警察制度の改革につきましては、大体私も山崎委員の御指摘の通りに考えております。ことに制度調査会の答申の考え方もありますし、それから地方自治の立場からいたしましてもそうでありますが、機構改革の面からいたしましても、相当数今人間がふえておりますので、これが幾らかでも縮減できるというためには、やはり制度改革というものがないと十分行かないのじやないかという感じを持つておりますので、自治庁長官といたしましても、行政管理庁長官といたしましても、ぜひこの機会に警察制度は改正をしてほしいという強い考え方を持つているわけであります。ただ問題が多少特殊の機構であり、専門の問題でありますので、所管大臣もおられますので、所管大臣ともよく意見の調整をした上で結論を出さなければならないと考えております。他の部面の機構の問題とは若干関係を異にいたしまして、所管大臣の意向も十分に伺い、むしろどうするかという主動的な立場は、所管大臣の方にとつていただく方がこの問題に関してはいいのじやないか、そういう考え方で問題を検討いたしております。
○大村委員 この際簡単にお尋ねをいたしてみたいと思うのです。それは塚田長官が行政機構の改革に非常に御尽力になり、あわせて行政監察の面にもタッチされておりますから、塚田長官に伺うのが最も好都合だと考えますので、簡単に一点だけお尋ねをいたしたいと思います。 行政機構の改革は行政の合理化、能率化という大きなねらいもございますが、また一つには現下最も要望されておるところの行政費の節約というところもねらつておられることは申すまでもないのであります。私はその成果の上らんことを心から期待をいたしておるものであります。しかし行政経費の節約という面から見ますと、さらに大きな点があるのではないかと思います。それはたまたま山崎委員からの御発言中にも、冗費を節約しろということに触れられたのでありますが、わが国の今日の行政のやり方を見ますと、中央であると地方であるとを問わず、至るところに冗費があるのではないかと思うのであります。もし今日のごとき遠路を遠しとせず、東京に陳情に来るということがなくても、行政が適正に行われるといたしますと、あの陳情に要する諸雑費、これは必ずしも公経済から支出されておるものではないかもしれません、個人の自弁で陳情に来ておる者も多いでありましようが、あの陳情がなくても済むということになりますと、莫大なる国民負担の軽減ができると思うのであります。なおまた最近新聞等に伝えられておるところによりますと、地方の土木工事のごときは、もし理想的にこれを進めて行くならば、現在使つておる経費の六割、七割くらいで済む、すなわち三割、四割の冗費が使われておるということであります。これも非常な国民負担の軽減をする面がそこに残されておると思うのであります。なおまた私皮肉を言うのではございませんが、先般この委員会におきまして、保安庁において高級自動車を使つている。これは保安隊の機能を発揮するためには、スピード化が必要でございましようから、大いに自動車は使つていただきたいのであります。しかしその使う自動車は、現地の作業から申しますれば、あるいはジープであるとか、あるいはフォード、シボレー級の自動車で間に合うのではないかと思います。そうなりますと、高級車も多少は必要でございましようが、そのような普通車を広く使うべく、保安隊におきましては、高級職員といえども、そのような普通の車に棄つておるということによつて、その性能等もはつきりわかることでありまして、保安隊の機能を向上する上におきましても、高級車の使用を避けて、隊の使つておる一般車を使用するということが、私は当然考えられてしかるべきことだと思うのであります。こういうような点につきまして、だんだん例をあげますれば限りもないことでございますが、冗費を節約する、行政費をできるだけ節約するというような面におきまして、残されたところがたくさんにあるのではないかと思うのであります。行政管理庁におきまして、逐次それらの点も御研究になつておると思うのでありますが、今まで御調査になりました結果、私の申し上げますような面についてどれだけの余地が残つておるものかということにつきまして、塚田長官のお見込みのところをひとつ参考に伺つておきたいと思うのであります。私の考えておりますような面に行政費の節約の面が多分にあるといたしますると、これは行政改革及び人員整理によつて生み出す行政経費の節約よりも、労せずして効ありと思う点が多分にあるのであります。今日社会の要求といたしまして、わが国の行政経費の節減をするということは、非常に緊切な問題だと思いまするが、私は行政改革、人員整理に急なるの余りさらにそれ以上の行政経費を節約するという面から申しまして、閑却すべからざるところが残つておるのではないかというような感じを抱いておるのでありまするが、私の感じが誤りであるかどうかということにつきまして、行政管理庁長官の御所見をこの際伺つておきたいと思うのであります。
○塚田国務大臣 この点につきましては大村委員の御指摘の通りであると私も考えておるわけであります。従つてことに今度の行政整理も、私も自分で担当いたしてみまして非常に困難な中をさらに御協力を願うという形になつておるし、そうでなければとてもできない、こういうように考えるわけでありますが、もしも人員の整理だけにそれだけの困難をして、他の面は全然顧みないというのであるならば、これは国政運営の上におきましての非常なゆがみであり、跛行であるわけでありまして、従つて今度のこの行政整理が是認されますゆえんのものは、他の部面におきましてもいやしくもむだのあるところは全部これを整理するという考え方から出て来なければ、これはとても納得の行く性質のものではないと私も考えておるわけであります。そこで大蔵大臣もしばしば最近の御答弁では自分も行財政の整理というものを考えておるのだというようなことを言われておりまして、その行財政の整理という表現の意味しておるところは、ただいま大村委員のおつしやつたように人間の面にむだがあれば人間、その他の面に冗費があれば冗費という考え方でおるのだということでありますので、従つてそういうような感じはおそらく二十九年度の予算におきましては、相当予算の縮減という形で出て参るだろうと思つております。従つて予算の他の面にあれだけの縮減ということが頭に置かれて初めて今度の整理というものも困難を冒して各省も御協力願うしまた国民も御納得願えるのではないか、こういうふうに感じておるのであります。しかしそういうふうにいたしましても組みました予算の上にやはり人間のする仕事でありますからして、詰めるに詰めてもなおむだがないということは言えないのではないか、そこで行政監察の仕事の意味がやはり依然として残つて来るのではないかと考えるわけであります。少くとも私がお引受けいたしましてから、また行政管理庁の過去一箇年間の監察をいたしました経過から見ましても、やはり相当部面に監察の効果が上つておると申せられる面、従つて国政がうまく行つておらなかつたという面があるということは、これは否定できないと思うのであります。個々の具体的な数字は今ここで申し上げる資料も持つておりませんけれども、ごく卑近な、たとえば国鉄の監察をいたしました事例について申し上げましても、国鉄がいろいろな形で持つておりまするたとえばガード下の店舗でありますとか、それから土地でありますとか、倉庫でありますとか、そういうものを非常に不当に安く貸しておつたというような事情を逐次摘発いたしまして、今までは一箇年間に四億円くらいの収入しかそれによつてあげておらなかつたのを、行政監察の結果十四億円くらいさらにプラス収入をあげられる面があるのではないかという勧告をいたしまして先般運輸大臣に会いましたときに、十四億はむずかしいかもしらぬが、四億の今までの年間収入を十億くらいまでは何とか上げられるのではないか、従つて二十九年度の予算はそういうものによる収入を十億くらいには少くとも見積りたいという考え方を持つておるというようなことも運輸大臣の口から聞きましたような状態で、もしそうなるといたしますれば、その面だけにおきましても行政監察の効果が六億円は上つて来るということになるわけであります。そういうような面が多分にあると思いますので、御指摘のような点は第一段に予算の編成におきまして極力緊縮を旨とし、第二段にその経費の使われます面において監察を十分発動いたしまして、いやしくもむだのないようにという考え方をいたしておるのであります。 それから陳情行政、これはまさに私も日本の今日の行政運営の面に見られる最も悪い現われの一つであると痛感いたしております。そこで陳情行政は、政府も先般なるべく書面で来たものを優先に審議しようという考え方を徹底もし確認をしておるわけでありますが、しかしただそれだけでは陳情行政というものはやまないのではないか。一つはやはり機構に原因があるのでありまして、なるべく国の出先機関の末端において処理できるものはそこで専決をさせるというような形に今度の機構改革においてはできるだけ持つて行きたいと考えております。それから私も自分で経験いたしてよくわかるのでありますが、陳情行政の最もひどいと思われるのは、一つは人事院関係の地域給、それからいま一つは私の所管いたしておりまする自治庁内の起債の問題であります。この問題だけはぜひ今度の機構改革の際に関連して整理をして、陳情をできるだけその面から少くしたいと熱心に今考えておる次第であります。 それからもう一つ、この陳情行政費が非常に出ますのは、今の予算配分の上に非常に補助金の数が多いということが原因になつておると思うわけであります。先般これも行政監察の手を通しまして調査を命じまして、その調査ができ上つたのがあるのであります。埼玉県を一つ調査いたしたのでありますけれども、二十八年度の予算の中で一件三十万円以下の補助金だけを調べてみろというので調べてみましたところが九十九件、金額にして一千百八十八万三千円というような額に上つております。これが陳情行政をつくる一つの原因になつておるわけであります。来れば何がしかプラスがあるということになつておりますので、これまたやはり整理すべきものは整理する。この点は今度の予算編成におきましても大蔵省が非常に重点を置かれております一つでありますので、補助金で削られるものは削つてしまう。しかしどうしても残しておかなければならないものもできるだけ平衡交付金にまとめて一本にして交付する。従つて個々に陳情するという機会をなるべく少くする。そういうように今多面に考えて陳情行政の弊もてきるたけ是正して参りたい、そういうふうに考えておるわけであります。
○大村委員 ただいま大体お答えをいただいたのでありますが、くどいようでありますけれどももう一点伺つておきたいと思います。 ただいまお話のうちにもございましたが、明年度予算においては補助金をやめてやむを得なければ低利資金を融資する、補助金にかえるに低利資金をもつてするというようなことが研究されておるように聞いておるのであります。そのようになりました原因は、ただいまお話のような陳情の点もございましようが、もう一つにはやはり補助金が有効適切に使われておらぬ、そこに濫費が多いから補助金をやめる。これは利のついた金になればもう少し大切に金を使うであろうというようなところをねらわれておるやに聞いておるのであります。しかもその点は行政監察によつて得られたところも重大な原因になつておるように聞いておるのであります。私は国の経費を有効に使うために補助金の形よりも低利資金の方がいいということは一応納得できるのでありますけれども、しかし土地改良費のようなもので農村対象のものを補助金から借金に切りかえるということで、現下必要な土地改良が十分できるというわけには参らぬ。これはあつものに懲りてなますを吹くようなたぐいではないかと思います。政府の行政執行を的確にいたしまして、補助金は最も効率的に使われるような行政をやつてこそ初めて農村政策が実を結ぶのでありまして、私は必ずしも補助金をやめて低利資金に行くのが常にいいとは思わないのであります。しかし能率を上げるためにはやむを得ないことだとも考えますが、それは論外といたしまして、ここでお伺いいたしたいと思いますことは、行政監察部におきましての作業の結果、補助金はきわめて非効率に使われておるというような結論が出ておりますかどうか、そのことを伺つておきたいと思います。
○山中説明員 ただいままでに監察をいたしました一つの重点といたしまして、補助金の使い方についての項目をあげております。御指摘の補助金が効率的に使われておるかどうかという点の、実証的な監察もいたしましたが、ただいま長官からもお答えがございましたように、一つは補助金がやはりかなりこまかく割れておるというような点にも原因があると思います。また補助をよけいにもらいますために、事実に若干水増しをして要求するとか、あるいは補助の条件通り使われていないというような例は、相当補助金行政に見られております。何分にも補助金行政も数が多いものでございますから、全部について当つておるわけではございませんが、そのうち行政運営の適正というような面からも取上げるべく項目も選びまして、監察を実施いたして参りました。その結果につきましては、これを大蔵省の方に連絡をとつておりまして、予算の編成あるいは執行という場合の資料に供することにいたしております。ただいままで実施いたしました各種の監察資料で、的確にどのくらい国費の節約に寄与しておるかというような面につきましては、明瞭にあがつております分もございますけれども、こちらの指摘いたしました部分について、さらに現実にこれを調整し、また制度を直して行くというような点について、私どもの方もさらに引続き調査を推進するというようなことに努めておるわけでございます。一例を申しますれば、病害虫の防除行政の関係等におきまして、私どもの方の監察だけに関連いたした約四千万円程度のものが、その目的外に使われております。なおそのほか一億円程度が中間に滞留しておつて、末端に流れるのが遅れておるというようなケースも出ております。ただいま実は補助金行政についてのそれぞれの的確な資料を、ちよつと持つて来ておりませんので、手元にありますものだけでございますが、一応そのような状態になつております。補助行政が公共事業の監察等と並びまして、私どもの重要な監察項目といたしております。さらに先ほどございました調達行政あるいは国有財産の払下げの問題ということも、次々に研究の対象として取上げて参りたい、かように考えております。
○冨吉委員 ちよつと関連してお尋ねいたします。ただいま大村委員からの御質疑は、きわめて有益に拝聴いたしたのでありますが、長官の答弁もまた非常に熱心であつたことに敬意を表します。私は本委員会で、いわゆる陳情行政の非をたむべく、長官に一大決意を促したのでありますが、長官がそれらの言をいれられて、ただちにいわゆる書類選考するというような方針を政府の方針として御採用になつたことに対しましては、敬意を表します。しかしながらまだまだそれらの点について緒に着いたばかりでございまして、今後非常に御努力になりませんと、これらの事柄は龍頭蛇尾に終る危険があるのであります。現在、言うまでもなくすでに御承知の通り、県はすべて東京に出張所を持つている。また各都市も出張所を持つているし、宿泊所も持つている。このような状態で、ほとんど知事なども半分以上東京に在留しているというような始末であります。それで自治体が、いわゆるほんとうに自治法に基いての地方分権が確立したというのはほんの名のみでありまして、依然として中央官庁に依存の状態でございます。これらの弊を根本的に改めますには、ひとり行政長官の所管事項だけでもつて足りるのではなくして、国全体の行政機構の改革が行われない限りにおいては、できないと思うのでありますが、ただ私がこの際長官に御要望申し上げることは、地方において非常に熱心に地方自治をやつて節約をいたしているものが、自治庁に参りますとうとんぜられるという傾向があることを、私は指摘しなければならない。これは幾多の例を知つておりますが、なかんずく私が四国のある市長から聞いた話で、非常に悲憤慷慨して言われた話でありますが、その市長は就任してみずから市長の給料を二万円にして、そして議員の歳費を一万円にし、何ら議員からも不平も不満もない。人口十七万の市であります。名前も所も申し上げません。ところがこれと同一の市におきましては、その倍額以上の給料をはんでおります。その節約した市長は、まず従来百二十万円あつた市長名議の交際費を六十万円に削り、そして一年間に市長名義の費用だけで節約したのが百六十万円、市全体として冗費を節約した額は一千万円に上るのであります。ところが自治庁では、これはおほめいただくべきはずのところが、おほめいただくかわりに、お前のところは黒字財政だから補助金はいらぬとか、あるいは起債をお願いに上ると、お前のところは黒字だからという理由で常に却下されている。私は一年に一ぺんしか東京に来て陳情しないのであると言つておられたが、このようにまじめにやつている一方には、同じ人口を持つており、同じ立地条件にある人口十七万くらいの市において、市長名義の交際費が驚くなかれ二百四十万円、これでまだ足らないからこれを増額する、こういうような状態であります。私は全部とは申し上げませんが、おおよその見当において中央官庁もさることながら、地方自治の財政の紊乱といいますか、最近はなはだぜいたくになつて来ていると私は思うのであります。それと県会議員諸公がのべつまくなしに東京にやつて来ている。そして県会事務局もまた東京に車を持つている。そういうような状態、しかもこの知事だとか、市長だとかの乗る車も、キヤデラツクだとか、リンカーンだとか、パツカードだとか、最高の三百万、四百万というような車を競争で買つている。先ほど大村委員からも保安庁のお話がありましたが、あにひとり保安庁のみならんや、役所はほとんどこの高級車の買入れをやつている。こういうものにひとつうんとメスをふるつて、そして乏しきに耐えるということをしないでおいて、国民に耐乏生活を要求するのではだめであると思う。特に地方は、自治法によつて独立いたしておりますから、いろいろの点で御困難もあろうかと思いますけれども、ひとつ部下をも督励されまして、いわゆる節約するところに対しては、大いに讃辞を呈し、奨励をし、それの行う有効事業に対しましては、どしどし協力もしてやるという態度をとり、冗費を使つているというようなところにおいてこそ、いわゆる補助金もしくはその起債を不許可にするというような、峻厳なる信賞必罰の態度をおとりになることを私はお勧めいたしますが、それらについて御決意を承りたい。
○塚田国務大臣 これは御指摘を受けたので、あるいは一般的にはそういうこともあるかもしれないと私も考えられるわけであります。それと申しますのは、おそらく補助金や平衡交付金は、現実の市町村の財政を基準にして配分いたしておるわけでありませんで、ある理論的な計数の上から出て来る数字で配分いたしておりますから、節約してあるから、そして黒字であ、るからということでそれが減つておるということは万なかろうと思いますけれども、起債の面におきましては、やはりそういう考え方はあり得ると考えております。黒字であるから何とかまかなえるだろうから、ほかの赤字のところへ乏しい起債のわくをまわすという考え方に、やはり若干左右されている面があります。しかし本来は赤字になるべきところを、御指摘のように非常に努力をして黒字にしたというようなところは、まさに御指摘の通りに考えなければなりませんので、なおこの点はよく事実を調べまして善処いたしますと同時に、一般的な問題といたしましても、そういう点は今後十分注意をいたして参りたいと存じます。
○稻村委員長 平井君。
○平井委員 このたびの行政機構改革並びに人員整理ということについて、塚田長官の誠意ある信念を聞いてそれを納得するならば協力を申し上げたいと思うのであります。まず塚田長官は、今日どうして役人が多いかということを考えたことがあるか。日本が戦争に負けて、海外から引揚げて、この狭い国内に八千数百万の人間が生活をして行かなければならぬ。しからば昔一人で働いておつた仕事は三人でわけ合つてやらなければならぬ国の状態である。ただ能率一本で進みますならば、長官がお考えの通り、二人のところは一人でけつこうでありましよう。三人のところがあるいは一人でけつこうでありましようけれども、これを整理した人々はやはり日本人で、日本におらなければならない。これが外国などに行くならば、どのくらい首を切つてもけつこうでありますが、そういう大きな点を考えられたことがあるかどうか。また経費の面から国費の節約のために行うのであるというならば、先ほど以来大村委員、冨吉委員が述べられました通り、今日の市町村の現状においては、はなはだしいところは二百万の補助金をもらうのに、上京費用百万円使つた、あるいはまた大きな予算を獲得するためには一千万円も使つたとか——私は福岡県でありますが、福岡県にその例はたくさんあるのであります。もし経費の節約という点から行きますならば、これを節約させることによつて、国費の節約ができる、こう考えるのであります、県庁も先ほど冨吉さんが言われた通り、県によつては東京駐在の副知事を置かなければならぬという県も実はあるのであります。今日地方自治団体が確立をして、県であるいは国の出先で用が足るというところまで行かなければ、県は厖大な費用を打込んで、東京に事務所なりあるいは施設を設けなければならぬ。こういう今日の状態であります。陳情が多いということはこれは代議士にも原因がありましよう。選挙という弊害もございましよう。あるいは官庁の人々にも責任がありましよう。査定に行くのにも査定官を優遇しなければ査定額が減る、これはほんとうであります。そういうことがしばしばあるので、あらゆる面において市町村が経費がかさむので、どうしても東京まで行つてこの経費を取返さなければならぬということで、実は私どもは上京して来ましたが、これができなければ帰られません、こういう陳情がわれわれには押しかけて来ておるのであります。この点は塚田長官も国会議員でありますからよく知つておられると思うのであります。こういう観点から経費の節約をするということになれば、あえて塚田長官がこの大難事を引受けて悲壮な決意をしてやられぬでも、あるいは国費は助かるのじやないか、こう実は考えておるのであります。この民主主義をはき違えた地方行政というものは——ある県知事はこういうことを私に言つております。まじめに県政をやろうと思えば、非難を受けて、この次は落選をいたします。酒を飲み切つて二日間くらいよくねばれば、数千万円平衡交付金がふえる。帰りには熱海の温泉に一泊して帰れば、あの知事はやり手だといわれる。まじめにするならば、あれは官僚的でどうもならぬから、この次はもうああいう知事は出してはならぬと、ほんとうにまじめな意味の行政を行わんとするならば、県民の非難をこうむるし、ふざけてやるということは自分の良心に相済まぬし、一体民主主義というものはいかなるものであるかという質問を私は受けたわけなのであります。しこうして今日の行政機構改革並びに人員整理にあたつて塚田長官は、戦争に負ける前の地方行政と、戦争に負けてからの地方行政を比べて、いいところは残し、悪いところはいかにアメリカが民主主義を日本に励行さしても、これは排斧をして、できるだけ古いときのいいところ、新しいときのいいところを総合して、自治行政の確立をはかるならば、あえてこの難事をやらなくてもいいのではないか、私はこういう考えでありますが、塚田長官のお気持を聞いて、なるほどと私が納得するならば、あるいは協力をいたしますが、納得が行かなければ、私は与党でありまして非常につらいけれども、塚田長官には、また相当対抗して進まなければならぬと思うのであります。どうぞひとつ塚田長官の明確なる気持を披瀝していただきたいと思うのであります。
○塚田国務大臣 この点は先ほども申し上げましたように、今度の行政整理が非常に困難であるということを考えますときに、これだけを取上げてということであれば国会におかれても、また国民の側におかれても、ましてや整理を受ける各省におかれては、絶対に納得も協力も得られないだろうと私は考えておるわけであります。その程度に非常に困難なことをお願いをし、計画をしておるわけであります。しかし先ほども申し上げましたように、今年から来年にかけては国の財政は非常な困難を来しておるのでありまして、先般来二十九年度予算の編成のいろいろな動きについて新聞紙上でもごらんいただいておると思いますが、総理が陣頭に立たれて非常な困難を冒して予算の緊縮、均衡財政、従つて通貨価値の維持、財政の安定、経済の安定というようなことに努力をいたしております。その一環として私も考え、かつ努力をいたしておるわけであります。従つてただいま御指摘の補助金の獲得の場合におけるいろいろな浪費でありますとか、それから地方財政全体の他の浪費、地方制度の上におけるいろいろの適当ではないこと、占領政治時代の遺物、そういうものはなかなか考えも及ばない点があるのでありますけれども、私も国会の皆さん方、また輿論のお教え、御指導、御鞭撻を受けて、これはやるべきであると考えたことは最大限にどの面にも実現に努力する、その一環としてこの行政整理もやつて行きたい、こういうように考えておるわけであります。 それから整理をされる人間が食えるようにしておくことが絶対に必要であることはまさにその通りなのでありますが、ただこの点につきましては、私といたしましては官庁の行政だけでなしに、一般民間の産業においてもそうであると思うのでありますけれども、やはり企業というものもしくは社会というものを頭に置いて考えますときには、おのずからその企業なりその社会にふさわしい機構、人員でなくては健全とは申されませんし、従つてまた健全な発達というものは所期できないのではないかと考えるわけであります。たとえば具体的な例で申しますならば、日本の農村というものが一般に非常に生活程度も低く、貧しい状態であるということはよく言われておりますし、私もその通りだと思うのであります。しかし農村の状態のこういう現象の裏面には、やはり農村に過剰人口があるということになると思うのであります。そこでその過剰人口があるということは、今、平井委員の御指摘になりましたように結局一人でやる仕事を三人でやつて、細々とみな食べておることだろうと思うのでありますが、やはりそういう状態をそのままで置くという考え方は、考え方の方向としては正しくないのではなかろうか。やはり過剰な人口は抜き出して、二人過剰だということであるならば、この人たちの仕事を見つけるという方向に政策を持つて行くように努力して行かなければならぬのじやないかと思います。もちろん非常に困難があるということは考えられます。従つてまた仕事を見つけることの困難な段階においてはやむを得ずそういう状態を続けて行くということも、現実の事態としてはあり得ると思う。従つてまた行政官庁の場合におきましてもそういうような考え方で、やはりむだがあるものはむだがどこにあるかをよく調べて、そのむだをむだとしてはつきりと認識をして、そこから健全化へのスタートを切りたい。そこで出て来られた失業者、そういうものは国全体の政策として総合的にものを考えて、発達する経済、現状は、どこまでも不健全のまま認めて発達しないという国の状態でなしに、不健全なところは不健全として認識をして、その認識の上から生成発展していく経済、国柄をつくりたいというのが私が行政整理を考えております基本の考え方でございます。どうかぜひ御了承願つて、ひとつ最大限の御協力をお願いしたいと考えております。
○平井委員 大体仕事の能率に応じて一人で済むものは三人使わぬように、あとの二人をよそに向ける、これはよくわかりました。この二人をどこに向けるか、これは実は社会党の言うことですが、私から申し上げるのであります。まずこの二人を生かすということをほんとうに考えてやらなければ、なかなか納まりがつかない。同時に役人なら役人も、局長級になればもうよかろう——悪い役人はそれは整理しなければなりません。しかし局長級になれば大体この辺でよかろうと言うけれども、局長をやめたら飯が食えない。まず役人がやめてかつかつにやつて行かれるというようになれば、行政整理をせぬでも年をとればやめて行く。昔は五十まで勤めている役人はなかつた。しかしやめたらもう手がつかぬ。まだ子供も小さいのでどうにもなりません。恩給だけでは食えないというのが現状ですから、行政整理はなかなかむずかしい。そこで役人を二、三十年やつておればかつかつ食えるというような考えを持たれて——もちろん物価が下らぬからそう簡単には参りますまいが、何かの方法を講じてやれば、これはもうだれがどうと言う必要もない、みなやめて行きます。警察でも、山崎委員はちつと多いと言われる。やめたくてしようがないけれども、やめたらどうするか。今まで人をつかまえておつたのが、今度はつかまえられるようになるというような社会情勢であるからがんばつているのだ、私はそう思つておるのであります。この点をひとつ閣議の席上でも、同じ日本人でありますからやめた者は知らぬ、土方でもして行けるといえばそれまでですけれども、局長までしておつた者が土方をするわけにも行かない。点をとくと考えてやつて、そうして能率増進となれば私もあるいは協力できる。ただ単にあとのことはめんどうが見れぬということになれば、それは必死のがんばりをやつて整理に反対すると私は思う。その点はひとつ塚田長官がよく親心をもつて考えられて、これならばよかろうというふうな納得をわれわれに与えていただくならば、社会党からかなり攻撃されましようけれども、協力をせぬとは申し上げません。その点を特にお願いをし、また十分考えられて、今後の行革並びに人員整理に臨まれるように特にお願い申し上げます。同時に出先機関の中には現業に働く者が多い。この現業に働いている者をやめさせることは、これは非常にやはり困難と同時に気の毒であります。この点は十分考えられて、もしも整理をするならばひとつ上からして行こう、局長、部長、課長から先に片づけようかというような気持で、またその人たちの食えるようにというような気持でやつていただきたいと思うのであります。これは私は長官に質問をするわけでもなく、攻撃をするわけでもありません。その大きな気持で、もう一応年の暮れから年越しまで考えて、そして来春の委員会に臨んでいただきたいと思うのであります。
○稻村委員長 他に質問はございませんか。 —————————————
○稻村委員長 質問がなければ次に保安隊及び警備隊に関する調査を続けます。昨日要求いたしました随意契約に関する資料に関しまして説明を求めます。増原保安長次長。
○増原政府委員 昨日提出を求められました書類を持つて参りました。これをどういうふうな形で御説明をするか、そこら辺へ持ち出しましてごらんになりながら御説明をするということでないと、書類でありますのでちよつと口で説明をしただけではうまく参るまいかと思いますが、委員長のお許しを得ましてそこら辺へ書類を持ち出しまして、装備局長が書類について御説明いたすようにさせていただきたいと思います。
○稻村委員長 それでは昨日委員から説明を要求せられたものに関しまして概括的な説明を願い、あとからこれを文書によつて報告していただきたいと思います。——久保装備局長。
○久保説明員 御説明いたします。昨日の御要求によりまして、二十七年度と二十八年度の毛布の購入契約につきましての購入要求から落札手続、随意契約の手続、それから契約書という原議を本日持つて参りました。詳細は原議について見ていただけば幸いかと存じますが、一応概括的に御説明いたします。最初にこの前差上げました表で申し上げたいと思います。 十ページは、これは本年度の被服でございます。この初めに毛布が八件ついてございます。昨日非常におしかりを受けまして恐縮でありますが、順序はややふそろいかと思います。この点は重ねておわび申し上げます。その八件のうち、正確に申し上げますと六番目の、若干単価の高い四千枚、二千百八十円。これは実はビニロンでありまして、全然別口であります。そのほかの七つの分は、実は昨二十七年度、正確に申し上げますと、一回の契約でありますが、二十七年の一月から二月にかけての契約でございます。ごらんの通り数量が約七万余りということで、一回の契約による入札でありますが、口だけを便宜七つにわけ、同時に箱を七つそろえまして、この場合の指名業者は十九社でございますが、十九社の指名業者が、比較的能力の大きいものは二つもしくは三つ、あるいは全部の箱に入札する、比較的能力の小さいものは一つもしくは二つ、あるいは三つというふうに、大量に入札します関係上こういう入札方法をとりました。この場合は同時に北海道、関東あるいは九州というように納地も別になつておりますが、それで契約いたしました結果、この各箱につきまして、ここに表示しておりますように、一回の入札もしくは再度の入札で落ちましたのが指名となつております。再度の入札で落ちなくて、予定価格まで下げました契約になりましたものが、昨日問題のございました随意契約であります。そこでその七つのうち、ごらんのように初めの分と第三段以下の分とは随意と相なつております。 これも後ほど申し上げますが、二つ目はこれは指名で、入札で落ちたのであります。それから三つ目は、再度の入札で落ちないで随意契約。以下そういうことでありまして、これを一、二例で申し上げたいと思います。 最初の分は随意でありまして、一万四千四百四十枚、これは北海道納めになつております。これは時期の関係で、納期の少し早いものが一部入つております関係上、入札者十九社のうち現実に入札いたしましたのは日本毛織一社でありますが、最初の金額は相当予定価格を超過いたしまして不調に終りました。再度入札いたしました結果、これもまだ予定価格に達しません。それで随意契約にいたしまして、予定価格はこの千五百五十円でございます。これで結果としては随意契約ということになつたのであります。 これは御参考までですが、その次の、指定という表示をしておりまする第二段の分は、これは入札で落ちたわけです。と申しますのは、これは九千枚を一つの口にして入札いたしました。これについては日本毛織と藤井毛織の二社が入札いたしておりまして、あとの十七社は辞退いたしております。この一番札が予定価格より安いということで、千四百九十七円。この場合はこれ一回で落ちまして、指名競争契約の結果できた、こういうことになつております。 その次の近鉄百貨店、これは大津毛織と申します会社の代理店でございます。この分の最初の入札は十九社でありますが、最初に札を受けましたのは倉敷紡績と鐘紡と藤井毛織の三社であります。しかし予定価格より高くて落札いたしておりません。それで再入札いたしましたが、今度は倉敷が辞退いたしまして、鐘紡と藤井が入札いたしました。これはいずれも高くて、不調に終つております。それで、ここで見積合せをいたしまして、鐘紡と大津毛織と、新たに日東毛織が参加いたしまして、その結果大津毛織の近鉄百貨店が予定価格より少し安くなりまして、ここで随意契約という形をとつたのであります。 次に第四番目の丸紅、これは相手は藤井毛織の代理店でありますが、これについて申し上げますと、これは第一回の入札は日本毛織が入札いたしまして、他は辞退いたしておりますが、不調に終つております。それから再入札は日本毛織が辞退いたしまして、結局二、三のところを当りました結果、藤井毛織が予定価格で落しまして、ここで随意契約をいたしております。 次の日本毛織、これも随意契約でありますが、これは北海道向けでありますが、一番初めの東亜紡績と同じ事情にあるわけであります。日本毛織が入札いたしまして、これはやはり高くて、第一回は不調に終つております。第二回目も日本毛織が入札いたしまして不調に終つております。第三回目にこの予定価格の千五百五十円で随意契約が成立したわけであります。 それからついででありますが、その次の、先ほどビニロンと申し上げた丸紅、これは倉敷レイヨンの代理店でございますが、ビニール三社の指名競争をいたしました。これが最低価格で、しかも予定単価以内ということで、指名競争による契約をしました。 次の九千枚の倉敷紡績、この分は納地の関係等もありまして、比較的入札者が多く、合計約十会社が入札しております。その最低の倉敷紡績が予定単価より低いということで、そのまま札を落しております。それから次の日本羊毛工業、これも大体同様な経過でありますが、これは四社が入札いたしております。その結果、予定価格より低く日本羊毛に一番札で落ちておる。こういうかつこうで指定と指名競争による契約と、それから結果的な随意契約による契約、契約についてはこういうことになつております。それから二十七年度購入いたしましたそのほかの分といたしましては、中ほどにあります八千数百枚のものは、これは年度初め、二十六年度の繰越しでありまして、一般競争で一番札にしておりましたので問題はないかと存じます。 それから次のページにございます毛布が実は六件、いずれも二万八十枚ということに表の方では散在しておりまして、まことに申訳ございませんが、実はこれも一回の契約でございまして、先ほど申し上げた同じルールで多量の——ちようどこれは三万五千の増員のための準備の毛布でございます。先ほど申し上げたようなルールで六つの品にわけて、この場合には市況の関係、その他の関係もございまして、全部指名競争でそのまま一番札が落札いたしました。随意契約という問題はこの場合起つておりません。なお詳しくは原議を持つておりますから、それをごらんいただけばおわかりになると思いますが、質問がございますれば、また御説明申し上げます。一応概略の説明はこれで終らしていただきます。
○下川委員 大体帳簿と説明と合つているのが常識でございまして、要するにここまで持つて来るその過程が問題になつて来るわけなんです。要するに先般も保安庁へ行つて質問いたしましたが、予定価格はあるのだろうと言つたら、予定価格はない、一番最低の者にこれを落札させるのだということを言つておりますが、ただ入札をする場合において往々にして予定額を漏らす者がある。予定額は幹部の方とかあるいは担当の方が知つている。これをずばりで落してしまう。あるいは指名をする。指名業者自身が大体予定額を知つておつて、予定額を上まわつて、いわゆる談合的な一つの方法をとるというような問題が出て来る。従いまして単に帳簿の上あるいは説明の上では一応合致するでしよう。しかしやはりこれを突き進んで、いつ何日、同時にまたその品物それ自体が、いわゆる価格が経済情勢、いろいろな情勢によつて高低がある。そういう場合とのにらみ合せがなければ、はたしてこれが妥当な値段かどうかということの認定はできない。同時にまたもう一点は、安い価格で落札したところが、私の聞くところでは、こういう机が三月、四月でがたがたになつてこわれてしまつたということを聞いておる。これは机か何かの木工品でございましようが、そういう安い物を買つた、安い物を仕入れたとたんに、二年、三年強固に持つやつが三月、四月でこわれてしまつたという。そうすると濫造品が購入されておる。従つてこういう帳面と説明が合致したとしても、あるいはまたその品物それ自体が問題になつて来る。この商品が、この品物がはたして安い価格でよい品物であつたかどうか、これが私は問題だと思う。従つてあなたは最近来た人らしいですが、そういうことが往々にしてわれわれの耳に入つて来るので、そこでいろいろな問題がかもし出されて来る。いわゆる予定額を漏らす人、あるいは安い価格で落札せしめる、しかしやはり濫造品が購入されている、そういう次々の現実がやはり今日いろいろな問題となつて重なつて来ると私は思う。従いましてきよう帳面とあなたの説明を聞いただけでは私はわからないので、爾余いろいろな面について調査したいと思います。 なおきようは毛布だけの問題でございますが、カン詰とかいろいろな問題がある。あるいは先般もお話申し上げましたけれども、自動車の購入にしてもそうなんです。これは日本でやはり大会社がない、メーカーが少いという点のきらいもあるのでございましようけれども、たとえば特殊のパテントが仕様書に書いてある。そうすると同じ性能の自動車を購入する場合一応オープンでもつてこれは指名する。しかしだんだん突き詰めて行くと、仕様書の中にパテントが入つておるので勢いその自動車を使わなければならないというような結果に陥つてしまう。これは駐留軍がいたときによくやつた手だそうでありますが、そういうことがやはり出て来る。あるいは石炭の購入がほとんど随意契約が多い。しかし石炭の不足の場合と石炭が非常に滞貨したときの場合がある。そういうことを考えるとやはり時期が問題になつて来る。石炭不足だからどうしてもこれはむりやりに随契で買わなければならぬ。そのための随契は必要かもしれない。しかし石炭のダブつていたときにそれを随契にする。ここにまた大きな矛盾がある。前に石炭が不足したからこれを随契にする。しかし何百万トン不足したときもあり、そういうときになぜこれをたたいて競争入札にしなかつたか。前が随契だからそのまま随契でやつて来るという、ここにまた私は矛盾があり、不合理があると思う。そういう点を私たちはあなた方に追究するのです。ですからきようのあなただけの説明では私はわかりません。もつと詳しくそのときの時期、石炭あるいは自動車をなぜ随契しなければならなかつたか、石油の講入についてもいわゆる時期と情勢あるいはその当時の価格、滞貨状態、そういうものを一応書いて、具体的な説明がなければこれは依然として疑惑が持たれると思う。私は単に保安庁だけを言つておるのではないのであります。先ほど来からお聞きでしようけれども、いろいろな冗費の節約が問題になつておる。建設省関係あるいは農林省関係でも、どこの関係でも、そういうところからやはり冗費を生んで来る。私たちはむしろ無辜な人を首切らずとも、そういうところからやはり予算を捻出して行きたい。そこに私たちの問題点がある。従つてたまたま保安庁がこの問題のやり玉にあがりましたけれども、しかし私は保安庁だけではないと思う。やはり各省のデータを集めて、そうしてそのすきに不正があり、そういうところに冗費がある。そこを私たちは突き詰めて行きたいと思う。なお再調査をして質問をいたしますから、きようはこの程度にしておきます。
○増原政府委員 ただいま仰せになりました点は、私ども重々ごもつともな点が多いと思つております。私どもの方の調達の点を申し上げますと、当初十分に人手もないような状態と、集めました人も経験、熟練度が足りないというような点もありまして、たとえば机を買つたががんじようにりつぱなものを十分うまくよう買い切らなかつたというふうな事例は絶無ではございません。しかしそうした業者については次回以後は入札に参加をさせないというふうな措置をとりましたり、次第に人手がそろい、熟練度が増すに従いまして御承知のように原価計算を適切に精密にいたしまして、そうして予定価格をつくつておるわけでございます。そうして予定価格というものは最も厳密にいたしまして、むしろ私どもも予定価格は存じません。これは調達部長のところと調達班長のところに持つておりまして、そうして入札をしましたときに開披するというふうな——これはどこの役所でも相当に厳重にやつておると思いますが、十分に気をつけまして、予定価格が事前に漏れるというようなことのないようには万全の努力をいたしておるつもりであります。なお納めましたものが、指定した規格の通りにできておるかどうかという検査、これは非常に大事でありまして、これもやはり当初十分そういうことになれない者が当つたという次第もありますので遺憾の点が絶無とは考えられません。しかしこれもだんだんとそうした方面の人も熟練を増し、人自体もふえて参りました現在においては遺憾なく実施をやつておるというふうに考えられるわけであります。それでパテントの入つております品物というのは、これは種類によりますとそうたくさんはございません。 自動車の問題は先般も簡単に御説明申し上げましたが、各社の製造能力とそれぞれの持つ特徴ということを見合いまして、わけて随意契約をやるという建前をとつております。これも原価計算を厳重にやりまして双方の話合いではありまするが、そう簡単に向うの申分で価格をきめるというようなこと は決していたしておりませんで調達実施部では十分にこちらの原価計算というものに基いて商談をして、適正な値段をきめて随意契約をする、その点は十分に努力をいたしておるつもりであります。なお御指摘の点は非常にごもつともだと思います。将来なお一層よく気をつけてやりたいと思います。
○辻(政)委員 最近北海道に汚職事件が生じまして、そうして毛布関係で今起訴された例がありますね。あれはたしか厚生課長であつたと思います。これはどこの毛布をどういうふうに仕入れてどう売つたのですか。
○増原政府委員 どこの毛布をどういうようにと明確に覚えませんが、この毛布は共済組合のあつせん品でございます。それでこれはいわゆる公の仕事外であつたものでございますが、しかしなかば公の性質といつてしかるべきものである。これを千円くらいでありましたかと記憶いたしまするが、あつせんをして向うへ渡してやつたものを千二百円でありましたか千三百円かで希望者に頒布をして、その間にさやをとつたという事件でございます。これは当時まだ共済組合関係のあつせんというものについて実は十分念の届いたやり方をしておらないきらいがございました。この事例にかんがみまして本年もやはりそういう公外のあつせん希望がありまするので、このたびは私の方へもその指示を仰いで参りましたので、どこそこの品物のあつせんをして、これは原価千円で出す。いろいろ事務費等がいつて一枚十円とか十五円とかいうものが適正にいるならそれを加算して利益等をとらないであつせんをするようというふうな措置を本年はとつておるわけであります。先般のものはそういうことであつせん品ということで念を少し届かさなかつたので中間で利益をとつたというふうなことになつたわけでございます。
○辻(政)委員 ただいまの毛布のところでいわゆる丸紅から単価二千百八十円で化繊のものを入れておるが、それを入れなければならぬ理由はどうですか。
○増原政府委員 化繊を入れました理由は、将来日本の繊維事情から考えてなるべく国内資源のものを使うようにして行つてはどうかという一つの大きい方針としてきめたというところまでは参りませんが、そういうことで化繊の品物を使つてみようという趣旨で化繊の毛布を買い入れたというように記憶しております。
○辻(政)委員 試験的ですな。大体衛生学的に見ると化繊は保温の程度において純毛より悪い。現状においては試験的に使つているはずであります。それにしては数が少し多過ぎはしないか。また価格が非常に開き過ぎていはしないか。こういうところに一つの疑点がある。これは小さな問題とは言えない。着想としてはよろしい。しかし考えようによると、その毛布の入る時にどんどん毛布を入れてたくわえおくということもあるのです。そういう意味において追究したいのですが、久保局長はかわつたばかりでお気の毒ですからこの次の機会にします。 それと事は少し違いますが、前の総務局長がこの汚職事件が起つたころ偶然の一致でしようか、人事の更迭があつて、久保局長は清廉の士として期待をもつて迎えられた人であります。新任間もないあなたを追究するのはお気の毒ですからこれ以上いたしませんが、最も誘惑の強い地位にあなたはあるのですから、将来ほんとうに注意をしていただきたいということを私はこの席上において申し上げておきたい。まだまだ申し上げたいことはありますけれども、お正月も間近に控えておりますし、これ以上やりますのはお気の毒でありますから、追撃は一応この程度にいたしまして、年が明けましてから、また別途の問題についていたしたいと思います。
○久保説明員 ただいま辻委員から非常にありがたい言葉を賜わりました。私もこういつた問題につきまして、私部外から参りまして、ここ一週間にわか勉強でありましたけれども、非常によくできておるというようないい印象を受けました。それから先ほど下川委員から仰せになりましたようなことがあるかどうかわかりませんが、現在のところ門外漢が飛び込んで来まして、いい印象を受けたということを率直に申し上げておきたいと思います。それと同時に今辻委員から御指摘いただいた点、私自身の仕事のあり方、同時に私自身の仕事の大きな課題ということで勉強して参りたいと思いますので御支援を願いたいと思います。
○稻村委員長 他に御質疑がなければ年内の委員会はこれにて終了いたします。 年末にもかかわらず至らぬ委員長に御協力くださいましてありがとうございました。たいへん御苦労さまでございます。 これにて散会いたします。 午後四時十九分散会