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19回国会衆議院1953/12/24

内閣委員会 第4号

発言数
40
登壇者
8
会派数
4
開催日
1953/12/24

会議録

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 これより内閣委員会を開会いたします。  行政機構改革のうち警察制度に関連して下川委員より質疑の通告があります。これを許します。下川儀太郎君。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 先般の新聞紙上によりますと、塚田長官が警察制度の改革についていろいろ発表されおりました。その中で自治体警察並びに国家警察を含めて約三万人程度の整理をやるということを発表されております。同時にそれに対して犬養法務大臣が非常に反対の意見を述べておるということが伝えられておりますが、私たちはやはり現在の社会情勢、いわゆる生活から来るもの、あるいは思想から来るもの、あるいは駐留軍の行き過ぎた、日本人蔑視したいろいろの暴行事件が起つておる、そういう諸般の情勢を考えてみたら、人員整理どころじやないので、もつと充実しなければならない。いわゆる侵略に備える保安隊という形よりも、国内治安というものが優先しなければならない、このように考えておるのですが、時たまたま先般数寄屋橋の不祥事件が起きた。これは先月二十四日の夜ポン引きが数名の米人によつて橋の上から投げ込まれた事件である。それはまだ犯人の逮捕になつておらない。越えて今月の十九日に再び、ちようど一千名近くの観劇帰りの大衆の面前で、やはり四名のアメリカ人によつて日本人がほうり込まれた。こういう事件を見て参りますと、警察制度の改革にも関連いたしまするけれども、単に私はアメリカ人が酔つばらつて日本人を投げ込んだという簡単なことで片づけることはできないと思うのです。底に流れるものは、やはり日本人に対する非常に奴隷視するような、あるいは蔑視するようなアメリカ人の考え方であり、それがたまたまそこに現われて来たのだ、私はかように考えるのです。ところが政府はこれに対して何らの談話を発表しておらない。一体一名、二名の日本人がそうした暴行を受けた問題に対して何ら考えておらないということは、あまりにこれは国民に対して私は申訳ないと思う。少くとも外務当局が強硬にアメリカ当局に向つて抗議するとか、あるいはまた責任者であるところの犬養さんがこの点に対する談話を発表して、あくまで治安を確保するという意味で、国民に何らかの意思表示をしなければならぬ。それが何らできておらない。私はこういうことを考えるときに、一体政府として、あるいはまた治安の最高の責任者として、どのようなことを今までなさつておるのか。軽視しておるのか、それともまたアメリカ当局に向つて厳重な抗議をし、あるいはまた治安の手をより以上に強めて、これを追究しておるのか、それがまだ明瞭になつておりません。これはあまりにも国民を侮辱しておる、あまりにもアメリカ人の日本人軽視に対して黙殺しておる形にわれわれは考えておる。これは単に社会党とか自由党とか、そういう政党的な問題でなくして、国民ひとしく大きな関心を持つておることでございます。これをどのように犬養さんは考えておられるのか。その点をまずお聞きしたいと思います。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 お答えいたします。下川さんの御質問は一々ごもつともでございます。以下御質問に対して二つ、三つ区わけいたしましてできるだけ懇切にお答え申し上げたいと思います。  最初にお述べになりました警察制度の改正でございますが、なるほど塚田長官の方で試案をつくつておられますが、塚田長官の試案によりますと、ほかの行政改革に関する行革本部の意見と違いまして、強制的なものでなく、もし行革本部の意見を聞かれたら、まあこういうアウトラインを持つているという意味の心持でつくつたのであるからさよう了承してもらいたい、こういう話が長官から私に対してありました。そういう心持でつくつておられるものと思います。それから、私は別にまつこうから反対したというのではございませんで、ただ警察とか教育制度とかいうものは、金を倹約するとか、人を減らすという目的のために改革されてはたまらない。そうではなく、よりよい教育制度をつくる、よりよい警察制度をつくるために改革をやつて、たまたま冗員が出て整理され、金がたまたま倹約されるという副産物的なものならよろしいけれども、金を減らすために警察をかえよう、人を減らすために警察をかえようというのは私は反対である、こういう意味なのでございまして、今の警察制度よりももつとよりよい警察制度をつくるという塚田長官の根本趣旨には賛成でございます。ただ、今この通常国会に出すことがよいかどうかも私は若干慎重に考慮中でございます。今下川さんが御指摘になりましたように、保安隊が増強せられる様子でありますし、かつあらゆる意味で強化されて、国民の常識ではだんだん軍隊に近くなつて行く。その場合に、今までの国内治安だけを保安隊が持つていた場合と違いまして、新たなる任務がつけ加えられるという話が大分お互いの間に伝わつております。そうなりますと、警察の任務というものを、それに応じてどういうふうにかえるかということは、私の私見から言いますと、保安隊の性格、増強のぐあい、それを見て慎重にやるのがいいのではないか。こういう考えで、私はあまり早く飛び出して、警察制度を急いでかえるという気持とは今ちよつと違つた心境にあるわけでございます。以上のいきさつを御報告申し上げます。  それから次に数寄屋橋で日本人が二人も川の中にはうり込まれた事件でございます。まことにけしからぬ事件であります。私はこの原因には二つあると思います。一つはアメリカ兵独特の何というか非常に子供らしい——アメリカ民族のある部分に見られる非常に子供らしい軽率なやり方から出たもの、一つはおつしやるように、何といつても先ごろまで占領しておつた国の国民に対する一種の優越感があると思います。これはけしからぬことだと思つております。二つの事件を分析いたします、最初のポン引きが川にほうり込まれた事件と、あとの酔つばらつてただ涼んでいた人がいきなりほうり込まれた事件とは若干性質を異にしておると思います。前の事件は、ポン引きがあそこでともするとしつこく米国人に女を勧める、中にはそれを非常に不愉快に思う米国兵もあつたようであります。これは従来も聞き及んでおるところであります。従つて日本人に対する優越感に加えて女をしつこく勧めたことに対して一時的にかつとなつたというような要因が想像されるのであります。あとの事件はまつたくこれは悪質であります。酔つていた人が欄干にもたれて酔いをさましておつたのをいきなり足をすくつたのでありますから、話にも何もなりません。そこでこの事件は、私は事柄によつては厳重に抗議を申し込みたいと思いまして、警視総監その他にどういう措置をとるかと言いましたら、さつそく向うにこういうことは特殊な悪質な犯罪であつて、日本国民の国民感情を刺激すること多大であるから、全部隊に指令してもらいたい、警告してもらいたいと言つたところが、向うのMPも非常に恐縮いたしまして、これは何とも弁解の余地がないからできるだけ協力するというので、二千五百名の犯人の面通しというか、それをすでに行つております。ことにハワイに一人帰つていたやつがそれらしいというので、わざわざ呼んで日本人に面通しをさせるということで、非常な協力方を誠意をもつて示しておりますので、最初私が考え厳重な公的な抗議はしばらく控えておつたわけであります。しかしこれに対する善悪の御判断はもちろん御自由でございまして、ただいまの下川さんの御意見も有力なる参考意見として慎んで承りたいと思います。そういうわけで幸い最初のポン引きの久野というのがほうり込まれましたときは目撃者がありましてだんだん話を聞いてモンタージュ写真もできまして、これをあらゆる盛り場の急所に配つてありますし、もちろん米軍にも配つてありました。それに基いて今申し上げたようにハワイに帰つておる男までひつぱつて来たというようなことをやつておるのでございます。あとのはまつたく見当がつきませんで、一人見た者がありますが顔も覚えていない、こういうことであります。従つて今彼の処置といたしましては、第一に今申し上げましたようにアメリカ全軍に対して、かかる悪質な行為は日本国民の国民感情を刺激すること多大であるから、今後厳重に申し渡してくれという手続をいたしました。警視総監からいたしました第二は、パトロールをふやしました、数寄屋橋付近の明りを三倍くらい明るくいたしております。そのほか打明け話になりますが、あの辺のいわゆる町のいろいろな人種を使いまして、情報をいまなおとつております。これらの連中は、実に残念だ、何ぼポン引きでも黙つて川にほうり込まれることは、日本人として非常に残念だから、進んで協力したいというわけで、くやしがつて探しているわけであります。警官も非常に義憤を感じておりまして、つかまえなければ胸が治まらぬというような調子でやつておりますので、私はただお義理で探しておるというのと違う空気を感じまして、大いに心丈夫に思つておる次第であります。しかし万一にもこういうことが繰返されるようでありましたら、もちろん政府として正式に厳重にアメリカ当局に抗議をいたしたいと考えるのであります。以上とりあえず御報告申し上げます。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 お説もつともであります。きようあなたに質問して初めてそういう経過がわかつたのでありますが、おそらく国民はそういうことを知らないと思う。しかも先月二十四日から約一箇月間、十九日から一週間、こういう大きな時間的なずれがある。その間あなたの方で黙視しておるということは結局二つの大きな影響を及ぼす。一つは先ほど言つた国民感情が非常に激して来る。もう一点は政府がだまつておる、何らの意思表示をしておらない、従つてやはりこういうことはやつてもよいのではないかというようなアメリカのそうした日本人に対する蔑視感がより以上に拡大されておる。そこに生じて来るものは、いよいよ反米思想が高まるばかりで、それがいろいろな面において大きな影響を来して来る。従つて私たちの要望することは、こういう問題があつたらやはり治安の責任者とか、あるいは外交の責任者はまつ先に声明なりあるいは国民に対して強固な意思表示をなすべきである。そこに私は政治があると思う。それを今日まで黙視しておる。陰ではやつておるけれども、表面には何ら出ておらないということはどのくらい大きな影響を及ぼすかわからない。私たちの知る範囲においてはもう憤然としておる。こういうことは政府はいわゆる内面だけでそういうことをやつて、われわれが質問したらそれを説明するというような緩慢な態度であるとするならば、これはより以上に反米感情は増長して来る。しかも最近におけるアメリカ駐留軍の日本人に対する蔑視感というものは非常に増大しておる。たとえばパンパンなどに対しては、最近は黄色い便器と言う。そのようにあらゆる一種の罵詈雑言が現地々々においては流布されておる。そういうことがたまたま酔つぱらいの形になつて、罪のない一日本人を川に投げ込むような結果を生じて来る。私たちはいかにアメリカ追随的な外交とはいえ、もつと毅然たる態度がほしいと思う。敗戦国といつても一応独立しておる。だから政府自身がそういうアメリカ人の犯罪に対して何ら新聞発表しない、国会で質問すれば答弁するという態度であつたならば、ますます私たちは土族的な立場に置きかえられてしまう。そこで私たちが政府に一層要求することは、いろいろ外交方針はわれわれと異にしておりますけれども、やはり日本人の誇りとそれから強固な意思を持つていただきたいということであります。それとともいろいろとあなたの方でも追究しておられるでしようが、どうして今日までそんなに犯人が上らないのか。先月の二十四日の犯罪が約一箇月たつて上つておらない。これはおそらく警察官の人員不足とか、あるいは行政協定等における複雑な事情もあるでしようが、しかしそこにやはり治安当局、あるいは外交当局が、アメリカに弱腰ではないか。もつと強くつつ込んで、犯人を引渡せ、引渡さなければアメリカに対する感情は激してしまうだろう、それが思想的にも発展して来る、そういうことまでも追い打ちして政府当局がやるべきじやないか。それなくしては絶対に今後の対米的な問題の解決もでき得ないし、あるいは国民感情はますます悪化するばかりだと思いますが、この点はどういうふうお考えになりますか。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 お話はごもつともでございます。私はしばしば米国大使館の要員と会う機会がありますので、私個人としては、こういう問題を一歩も譲らない態度で率直に話をしておりますが、お話のように、すぐ新聞に発表して、日本政府としての腰を示すということも確かに効果があると思います。当時の事情を申し上げれば、非常に向うが恐縮しまして、草の根をわけてもつかえるというような言い方でございまして、モンタージュ写真の作成にも積極的に協力いたしましたので、下川さんのなかなかごもつともな御意見と思いますが、その手段はとらなかつたのであります。今後ありましたら、あるいは質問者たる下川さん以上に、私は強硬に出たいと思つております。それから私もこの事件以来いろいろ手わけしまして、キャバレーのおやじとか何とかに、アメリカ兵の日本人に対する、あるいは日本人の女に対する態度などを聞いてみております。一つやや意を得ておりますのは、従来は警官などが、あばれているところに踏み込むとなおあばれて、軽侮の態度を示したそうでありますが、刑事裁判権がこちらにもどりまして以来は、仲間がとめてもきかない酔つぱらいも、警官が行くと非常におとなしくなるそうであります。これはたまたま今朝のラジオでも警視庁のだれかが放送しておりました。刑事裁判権の返還というのは、やはりきき目が出ていると思つております。  それからこれは今日のまともな御答弁になりませんが、お触れになりましたから申し上げるのでありますが、今度売春問題の審議会が内閣にできまして、処分は私の方、すなわち法務省が積極的にとることになつておりますが、私が売春問題に手をつける直接のきつかけは、お話のように日華事件のときでさえ上海には日本の兵隊の腕にぶらさがつた支那の少女というものは一人として見たことがありません。しかるに東京では、それは公然といい洋服を買う手段として、誇つたような顔をして、妙齢の人が歩いている。これに対しては、私は非常に考えるところがあります。ああいう風景を何とかして一掃いたしたいというのが、私の売春問題に手をつける直接の原因であることをはつきり申し上げておきます。私はやはり名前を申し上げませんが、二流、三流の小さな国民感情で動いている国のまねを日本がしては、将来大をなさぬとは思いますけれども、正しい意味での国民の自尊心というものはあらゆる政治の手段を通じて確保いたしたいと思つております。さつそく内閣で、あるいは法務省で、あるいは外務省で投げ込まれたときに発表しなかつたという御非難も、私当つているところがすごぶる多いと思います。それをしなかつた理由は、向うが非常に下手に出まして、積極的に協力し、ハワイに帰つた者まで連れて帰つて来るというような態度を示したので、しばらく私の政治責任においてそういう警告を公に発することをやめまして、警視総監の警告にとどめたのであります。この是非善悪はまつたく御判断にまかせたいと思つております。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 今まで意思表示をしなかつたことに対して遺憾の意を表したということは当然でありますが、今からでも遅くはないのでありますから、この点についてはやはり治安の責任者として、今後こういうことがあつたらアメリカに対する断固たる抗議をするとかあるいは草の根をわけても追究するというような、そういう言動が私はほしいと思う。おそらくこれを機会として、より以上にまたこういう問題のときに対する決意をひとつ持つていただきたい。同時に先ほど数寄屋橋に電燈を三つつけるとか、パトロールをふやすとかいうことをおつしやつた。単にこれだけの問題でも、やはりそれだけの人員の増加が心要になつて来る。いわんや単に数寄屋橋だけの問題ではないと私は思う。今まで隠されたる多くの暴行事件が全国津々浦々にたくさんあると思う。そういう問題が、やはりアメリカ軍はこわいとか、恐怖観念にとらわれるとか、あるいはまた治安が緩漫であつて目が届かなかつたというような問題が私はずいぶんあると思う。ですから単に数寄屋橋事件だけでも、それだけ人間の増加が必要になつて来る。いわんや思想的にもあるいは生活苦から次々とたくさんの犯罪が出て来る、現在直接侵略者はない、そういうときにはより以上に能率的な警察制度をつくるというなら話はわかる。首を切るとか予算を削減するという建前に立つての警察制度の改革などはまつぴらごめんだ。私たちは強く国内の治安のために警察制度は能率的であるということを建前にして首を切るとかあるいは予算を削減するというような前提でなくしてやるべきだと思う。その点私たちもしり押しいたしますから、犬養さんも十分強固な意思を持つてやつていただきたい。かように要望いたしまして私の質問を打切ります。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 お話のように兵隊になる若い年ごろの人に、一つ事件があつて未解決になると、はやる傾向があります。それに対してはお話のような毅然たる警告というようなことがきき目があると思いますが、これは十分に御意見を尊重して時期その他さつそくきようは協議してみたいと思つております。  それから行政整理でも、警察官の費用とか人数を減さぬ方がいいという御意見につきましては、塚田長官が、日夜、日本の政府の国費を減らしてインフレーシヨンを防ごうというので並々ならぬ苦心をしておられますから、その御苦心に敬意を表して、それに対して感謝にたえませんけれども、私がいかにも待つていましたというような答弁を遠慮をいたしたいと思いますのでどうぞ御了承願います。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 ただいまの下川委員の質問に関連いたしまして、伺いますが、この数寄屋橋事件と同じような事件が、終戦の翌々年の八月十五日に支那において行われました。支那におりましたアメリカの将兵は非常な優越感を持つて乱暴をやつたものであります。その典型的な一つの事件が八月十五日のお盆の日に起りました。南京の目抜きの場所に中和橋という橋がありますが、その橋の上で涼んでおつた中国の青年を、アメリカの憲兵が三人やつて来まして川の中へ落して殺した。この事件が全支の学生運動となりまして、蒋介石政権の打倒の運動になり、それが共産党に利用されたのであります。その際に私に蒋介石政府のやり方を見ておりましたが、ちようど今あなたが御答弁になつたように、アメリカが誠意があるからそれに信頼をして内緒にしておこうということで、この盛り上つた民族感情を政府が冷やかに見ておるという態度をとつた。これがあの対日戦争八年の間、好意を持つて中国を助けたアメリカの行為というものから中国の青年を完全に離れさせてしまつた。その結果が共産党に利用されて反米感情というものが全支にみなぎつたのであります。今あなたの御答弁を聞いておりますと、この次あつたら承知しないと言うのでありますが、すでに同じ場所において同じ事件が二回繰返された。これは軽視することができない問題であります。向うが草の根をわけても探そうと言おうが言うまいが、それがかつてな話でありまして、今政府がそういう問題について遠慮なさつているということは、蒋介石が誤つたと同じような傾向に持つて行くのじやないかということを私は恐れるのであります。この点をつけ加えて申し上げておきます。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 別に遠慮しているわけではなくして、私も大いに憤慨している一人であります。憤慨をいたして、かつ、そういう場合には日本人もこれくらいのことをしたらいいじやないかという私見を述べたことがありますが、それはちよつと角が立ちますからここでは申し上げません。しかし私は、相当の発言をそのときしておるのであります。下川さんのお話といい、辻さんのお話といい、なるほどごもつともでございますが、今申し上げたように、こういうことは若い年ごろの人にははやりやすいことであります。私も学生の時分大分乱暴したことがありますが、やはりその心理を振り返つてみまして、そういう危険がありますから、何かよい方法をとりたいと思つております。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 ちようど法務大臣が御出席でありまするし、今下川君の警察制度に対する御質問がありましたから、これに関連して警察の主管大臣たる法務大臣の御意見を承つておきたいのであります。  この警察制度は、国家警察と、地方警察、自治体警察とにわかれておるわけでありまするが、一体どちらを本体としてお考えになつておるか、まずそれを承りたい。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 私は比較的率直に何でも答弁をいたしてしまうたちなんでありますが、この問題はまだ協議折衝の相手がありますので、法務大臣でなければいろいろなことを率直に申し上げられますが、また法務大臣でなければ御質問もないかもしれませんけれども、しばらくこの問題についてはアイデアを申し上げることを少し控えさしていただきたいと思います。しかし、この前の国会で鈴木さんからいろいろ御叱正を受けたそのお話の中には、首肯に足ることがたくさんございますので、十分参考にいたしたいと思つております。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 警察の主管大臣としては、そういう根本問題は一応お考えになつておられるはずだと思います。大体今まで、の日本の警察というものは、御承知のように封建制度から転化して、国家万能の思想のもとにつくられたのでありまして、一番恐るべき存在であつた。それを打破して、英米流の、市町府の自警団から発達したところの警察というものを日本に輸入しようということが、警察制度改革の根本精神であつたのであります。われわれもそれをよいことであると考えて自治体警察を樹立したのでありますが、唯一の困難な問題は、財政の問題と訓練の問題であります。これは短かい期間でそうできるものではありませんけれども、理想としてはよいものはどこまでも育てて行かなければならないと思うのであります。ともすれば、自治体警察をやめるか縮小して、そうして国家警察に持つて行つてしまおうとする傾向、その点について法務大臣はどうお考えになつているかを承つておきたい。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 ただいま申し上げましたように、まだこれから折衝するのでありますし、第一私自身は、保安隊の性格、増強のぐあい、その質の変化を見きわめてから警察制度に手をつけたいという考えでございますが、どちらかというと、なるべく先に、慎重に丁重に扱いたいという気持でおりますので、そのやさき、こういうふうにしたいああいうふうにしたいという心境になつておりません。もう一つは、今申し上げましたように、もしどうしても手をつけるというならば、これから、行革本部とかあるいは私の所属している党の政務調査会というところと意見の交換をいたすわけでありまして、ここで先走つていろいろのことを申し上げるのは、私の立場としてどうもちよつとまずい、率直に言えばまずいという気持がいたしますのでこれはごかんべんを願いたいのでありますが、この前の警察法改正のときの本会議における鈴木さんの御発言のごとく、警察制度というのは、向う三軒両隣を民衆がみずから自衛の意味で守るというところから発達した、少くとも欧米の警察制度はそうであるという沿革論についてはまつたく私は同感でございます。ただ、イギリスのような、ああいう堅実な育ち方をした警察制度の国でも、やはり国家全体にわたる事件に対して、それに対応すべき組織を国家的に持つているということから考えましても、この日本全国の地下に暴力主義的破壊運動がまだひそんでおる。昨年の前半期よりは影をひそめておるが、しかし、秘密文書などを入手して見ますると、何々司令官とか何々報告書などということが出て来るところから見ますと、相当純然たる軍事組織の方へおもむいておると考えます。かつ、そういう暴力主義的破壊運動の本質から見まして、一つ所にぽつんと離れ島みたいに事件が起るとは限らない。同時多発的に起ると見なければならない。そうすると、各県だけの、自治的な、自衛的な、自己判断的な治安の方法だけでいいかどうか、この研究を私どもはしているわけであります。その必要性の強弱の度合いについてあるいは鈴木さんと意見を異にするかもしれませんが、しかし、根本とするところは、警察国家にして、中央の政府が警察をあごで使つてどうしたいとか、あるいは政治に利用したい、あるいは選挙に利用したいという心持の毛頭ないことだけは、責任をもつてはつきり申し上げておきたいと思います。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 私はそういうことをお伺いしているんじやないのでありまして、自治体警察の任務はおのずから限界があるわけでありますから、共産党はそういうふうにしてまでも弾圧する必要があるかどうか問題でありますが、そういうためには保安隊というりつぱなものがある。国家警察というものがある。いかに自治体警察を重んずるとしても、国家警察が無用だというようなことはわれわれも考えていない。どちらを主とするかという問題を考えているだけであります。アメリカ式のやはり自治体警察を土台にして国家警察がこれを補う、しかもあらゆる機械的な設備、機動力をもつてこれを補うということであれば、りつぱに治安の取締りはできると思う。軍隊を使うということになれば——われわれは保安隊というものは、実質上の軍隊だと思つておりますから、これは容易ならぬことで、その点はよほど考えなければならぬことだと思いますが、自治体警察の欠点がどういうところにあると法務大臣はお考えになつておるか。それによつて今後の対策が出て来るはずである、こう思いますので、自治体警察を認めるとするならば、そして今どういう点に自治体警察の欠点や弱点があるとお考えになつておるか、それを承りたいのであります。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 だんだんまことに巧みに糸を繰出されるので、私の方も礼儀を尽しながら弱るわけでありますが、どつちを主にするということは、私の立場からいうと語弊があるわけでございまして、普通の強盗、窃盗、すり、かつぱらい、交通事故なんというものは国家警察の必要はないと思います。これは町なら町、村なら村の自然発生的なものから発達した自治警察の制度が一番向いていると思います。しかし今申し上げたような同時多発的な、あるいは暴力主義的破壊行動的な事件——内乱とは行かないけれども、それに類似するような事件というものは、やはり私は各府県の自分だけの自衛ということよりは、国家的なものが必要なんじやないか、そのあんばいをどうするかということを、これからもし警察法の改正に手をつければ、いろいろな相手方と相談したい。相談する前にまだ申し上げるのは、多少担当大臣としては早いのではないか、こういうふうに考えておる次第であります。あなたのおつしやる心持はよくわかります。従つて民衆の日常生活に即している犯罪は、できるだけ自治体の共同生活的なものにまかせたい。大規模な、あるいは二、三の府県を通じての同時多発的な事件、思想的な事件、統一を要する事件は国家警察で扱う。そのあんばいをどうするかということをこれからきめたい、こういうふうに考えております。     —————————————

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 先ほど塚田行政管理庁長官は郵政委員会出席のために一時中座いたしましたので、後刻行政機構に関する調査を進めたいと存じます。そこで保安隊及び警備隊に関し調査を進めることにいたします。質疑の通告がありますので、これを許します。下川儀太郎君。——前会の下川君の質疑に対して答弁が残つておりますので、その答弁から先にしていただきます。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 昨日の委員会で下川委員から御質問のありました点、多少私が質問の御趣旨を取違えてお答えしたような感がでありますので、本日お答えをいたしたいと思います。  調達につきましての契約をどういうふうにしますかは、会計法、予算決算及び会計令等に基きまして行つているわけでありまして、御承知のように原則といたしましては一般競争入札、一般競争入札では調達の目的を達しがたい場合に指名競争入札もしくは随意契約というふうな建前になつているわけであります。そうして概括的に一件の全額が三十万以下のものについては、手続の運び方その他を判断考慮して、法令にこれは随意契約によつてよろしいという規定がございまして、これは実際に調達をいたします立場からいいましても、その方が適当であるというふうにわれわれも考えまして、大体一件金額三十万円以下のものにつきましては、見積合せをいたしまして、随意契約という形をとつております。それ以上の金額の大きいものにつきましては、原則は一般競争入札、一般競争入札によつては調達の目的を適当に達せられないという場合において指名競争入札及び随意契米でやる。どういうものを指名競争入札にし、どういうものを随意契約にするか、これは十分に検討をいたして決定をしております。しかし中には指名競争もしくは一般競争入札の建前で調達を始めましたが、適当な落札がないという場合に、いわゆる協議による随意契約、興後の形は随意契約となつて現われておりますが、手続としましては、指名もしくは一般競争の形をとつて、予定価格による落札がない。その意味において協議による随意契約に移つたものもございます。きのう具体的に例をおあげになりましたものは、ことにみつ豆等は、実は私どももよく承知をしまませんでしたが、二幕関係の調達でございます。二幕関係は現在世帯が小さいせいもありまして、比較的多くのものを中央調達によつております。各船にやりますものも、一括購入のできるようなものは二幕で調達をして、これを適当に各地方総監部の方へ発送して船に積み込むというふうなことで、いろいろマヨネーズ・ソースであるとか、みつ豆であるとかいうふうなものが調達になつておるわけであります。これは一件三十万円以下という建前で随意契約によつておるわけでございます。保安隊の方の調達は、こういう種類に属するものは、ほとんど各部隊のいわゆる現地調弁にまかしておりますので、その方は中央調達の分を御調査の際に差出したので、そういう種類のものは保安隊関係にはないわけであります。帽章、記章というふうな種類のものもおあげになりましたが、これも一件三十万円以下という建前に基いた随意契約をいたしておるわけであります。なお詳細は装備局長も参つておりますので、私及び装備局長からいろいろお答えをいたします。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 昨日お尋ねしたのは随契に関することでありますが、この随契について昨日のあなたの御答弁は、特殊的な技術を要するもの、あるいはパテントを有するものというような、いわゆる特殊事情に関する品物に関してはこれを随契にするというお答えでございましたが、もう一応それを確認したいと思います。

久保亀夫保安庁局長(装備局長)

○久保説明員 お答えいたします。随意契約をいたします場合に、ただいまお話の本質的にはそれが主であると思います。パテントのある場合、あるいは国内製造権を持つておる場合、こういうのがやはり随意契約の本体であります。今次長からお話が出ましたように、たとえばこの間差上げました表の中で、石炭等について比較的随意契約が多い。これはたまたま市況の影響もございまして、実は全部指名競争いたしました。ところが市況の関係その他で事実入札したが落札はないということで、随意契約になりました。これは規定によりますと、予算決算及び会計令の九十七条に、落札しない場合は随意契約によつてよろしいという規定がございまして、これが数量的に申しますと、二十七年度には石炭、それから被服類またことに石油類、これは当時いろいろな事情がございまして、指名競争で落ちなかつたものがかなりあります。それが数量的には最も多いのですが、最初のパテントその他と申しますのは、これは予決令の九十六条の第一号の契約の性質、目的が一番中心になる条文でございます。それが主になります。それから先ほどお話の出ました、これも予決令の九十六条の第四号だと思いますが、これに製造の場合は一件五十万円以内、物品購入の場合は一件三十万円以内、これは随意契約をやつてもよろしい。但し後段の条文に、なるべく二以上の見積書をとれということが別個の箇条だつたと思いますがございます。もちろん先ほどお話の出ました三十万円以下のものにつきまして、実際随意契約をやります場合も、指名競争の形こそとりませんが、できるだけ多くの見積書をとるという方針は厳守しております。たとえばカン詰等で申しましても五社とか八社とか、あるいは場合によつてはそれ以上の会社の見積りをとつております。  それからもう一つ申し上げておきたいのは、一例でございますが、たとえば一幕、保安隊で購入します食糧の場合、ほんとうの初めから一社相手の随意契約というのは、正確に申しますと二件しかございません。たとえばこれは非常にわかりやすいかと思いますが味の素、それから乾燥米、これは現在一社しか買つておりません、といつたもの、そのほか二幕関係は別なものがございますが、ほんとうに初めから一社のみを相手にしております随意契約というのは今申しましたような例でございまして、その他の機材についても、パテント等以外の場合は、ほんとうに初めから一社相手の随意契約というものはまずないと申し上げてよろしいかと思います。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 一歩あなたの方に譲つて、それでは三十万円以下のものはこれは随契とする、そういうことが許されておるならば、これは一応了解しましよう。しかしただ三十万円以下ということを一応言いますけれども、ある場合においては百万のものを三つに切つてやるとか、四つに切つてやるとか、そういう場合もあり得る。これは担当官がその気持でやれば、そういうものは分割して随契ができるのであつて、これは一つの盲点としていろいろとなされるのであります。しかしそれはそれとしてそういうふうな特殊的な条文があるならば、私たちがまずあなた方からいただいたこの資料を見てみますると、二十万円以下どころではない。しかも市中にざらにある。繊維界の不況の折から非常に繊維が安かつた時代に、どこにもある品物が、しかも三十万円でなくて厖大な金額のものが随契になつておる。たとえば衣服の中の毛布にその例をとつてみましよう。東亜紡績から二千二百三十八万二千円買つておる。それから日本毛織から一千三百四十七万三千円買つておる。近鉄百貨店から一千三百九十四万千五百円買つておる。丸紅から一千三百十八万八千九百五十円、日本毛織から二千二百三十八万二千円、このようにどこにもある毛布が随契になつておる。こういう莫大な金額でしかもパテントもない、あるいは特殊的な技術を要さない毛布がこういう高額な金額で随契されておる。一体これはどこを根拠としてどういう理由で随契にしたか。まだたくさんありますが、これは一例としてお伺いします。

久保亀夫保安庁局長(装備局長)

○久保説明員 お答えいたします。実は初めにお断り申しておかなければならぬのでございますが、この資料は実は先般御来庁の際に大急ぎでつくつたものですから、順序その他が不同になつております。それでその点ではこの毛布の順序は、二ページ目の方に実は先に買つたのがございます。それでただいま御指摘の点はこの毛布に関しては時期別に一つ一つ違うのですが、今の毛布につきましては随意契約となつておるものを正確に調べましたところ十五社の指名競争入札ということになつております。そうして落札がないということで最低札を協議できめた、こういう経過に全部なつております。それから二ページ目にございます毛布は実は少し安いので、これは指名になつておりますが、この方が正直に申しますと、時期が早いのでございましてその当時の市況によつた、こういうことになるのであります。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 資料を出しておいて、追究されたからといつてその資料とかわつたことを答弁するということは卑怯だと思います。こういういろいろな問題を列記してみると、これはもう私たちが正当な立場で追究するというと、おそらくこれをひつくり返したものにする。しかもこの資料をいただいてから相当の期間がある。もし間違つておつたらこれは訂正すべきだ。それを追究されたら今度ねじ曲げて答弁するというのははなはだ奇怪しごくだ。しかも今のは衣服だつたのですけれども、食糧に関してはまだいだいろいろたくさんある。たとえば肉のカン詰のごときは百五十六万円、これは北海道の酪農組合から買つておる。あるいは四百六十一万円、これは盛大産業KKから買つておる。あるいは一千五百三十五万二千円、これは二幸から買つておる。あるいは二百九十七万円、これは茨城水産試験所から買つておる、このようにカン詰とか食糧の問題に関しても三十万円以上の高額なものが随契になつておる。この資料を見ると大半は随契々々でもつて列記されておる。それを私が質問すると、おそらくこれは中央は指名入札をやつたとかいろいろな形で逃げるでしよう。私の言いたいのは、現実的にたとえば毛布なら毛布はパテントを有するものとかあるいはまた特殊技術をもつて生産しておるものだからやむなくこれは随契にしたのだ、そういう証拠をここに持つて来て見せていただきたい。ともかく資料には厳然として随契になつておる。そこに私たちは疑惑を持つ。あなた方がいくら抗弁しても歴然としてこれはあなた方自身が苦心してつくられた資料ではないか。その資料を今日ここでくつがえすということは、これはあなた方が業者を集めてこういうふうにしたといえばどうにでもなることだ。こういうことがあるからして結局いろいろな問題が発生して来る。たとえば先ほどみつ豆とかその他についての御答弁があつたが、きのう私はくつ下の購入について御質問申し上げた。そのくつ下の購入についてサンデー毎日の十二月二十七日号にはこういうことが書いてある。これは参考のためにお読みしますが、「入札制度の盲点を運用、購入にからむ不正事件となると、各官庁ともざらにあるが、保安庁の例で見れば、二十八年度だけで六百十三億円という予算の大部分が、船舶、航空機、車輌、通信機械、その他の兵器の新造、修理だから、この受注獲得をめぐつてさまざまのうわさが飛び出るのはあたりまえとさえもいえる。ここには隊員のくつ入札事件というのがあつた。第一幕僚監部のある課の隊員が業者に買収され、入札に当つて、あらかじめ数千足のくつを、一箇月間に納入できる準備をととのえておけというのである。入札の当日、業者を前にして「数千足のくつを一箇月間に」という条件が出されたのは言うまでない。何も知らぬ一般の業者は指をくわえて見送らねばならなかつた。これなど、調達関係の隊員であつたら純然たる汚職になるが、一般調達とは縁のない、例の「職務ニ関シ」ないとのことで、道義的責任だけで片がついてしまつた。入札という制度の盲点をうまく利用した知能犯だ。」ということが載つている。これを見ると、それは一千足なら一千足注文して、すぐできなければこれは資格がないというようなものを先に押えておいて、それを知つた隊員が、先にくつ屋と結託して、くつ屋自身がその直前に一千足のくつをつくつて、そうしてすぐ間に合うようなことをする。こういうなれ合いの入札というものが一例としてサンデー毎日に載つておるのでありますが、おそらく毛布の購入の点についても、あるいはカン詰の購入の点についても、こういう点が次々と私は出て来るのではないかと思う。これはよく調べてみなければわかりませんけれども、少くともこの資料からわれわれがよく見てみますると、あらゆる疑惑がこの中にかもされている。こういう点はどういうふうにお考えですか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 その点、資料のつくり方に念が届かなかつたといいますか、それで私本日冒頭に答弁をさしていただいて、申し上げたのであります。ここに資料として差上げました中には、最後の契約が随意契約になつているものは、全部随意的にあげたわけでございまして、当初指名競争入札によつてやりましたが、落札がないというものを、あと法規に従いまして、最低入札者から、協議をしてだんだんときめて行くというものもあるわけでございます。それはしかし最後が随意契約ということになつておりますから、この調べには随意契約として計上いたしたいということをお答えしたようなわけであります。ただいま御指摘になりましたような、あらかじめだれかが結託をしてやるというようなことは、私どもさようなことの万々ないように、関係者には常に申しておるところでございます。さようなことが万一にもありますならば、これは厳重に措置をしなければならない、さようなことのないように十分留意して、調達に当つている人々の督励をいたしておるのであります。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 それならばこの随契が、その以前に指名入札とか、一応のそういう手続をふんだというならば、おそらくその書類があるだろと思う。その書類をここに提出してもらいたい。急速に私はその書類を要求します。その結果こういう随契になつた、いきなり随契ではなかつた。これこれこういう結果で随契になつた。商店はどことどこだ、何日にこれがなされたということの証拠物件があるはずです。それをまず御提出願いたいと思う。

久保亀夫保安庁局長(装備局長)

○久保説明員 お話の筋はよくわかりました。もちろん手続は、一般競争あるいは指名競争の結果不調で随意契約になつたということが契約なり書類の経過の上にはつきりいたしておりますから、提出することはやぶさかでございませんが、どういうふうにやりますか御指示を願いたいと思います。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 これは前回の委員会が引続いて保安庁の汚職事件を追求しており、国民の疑惑の中心になつておる。従つて私一人が見てもしようがないのであります。これは各議員並びに新聞記者諸君、すべての人にそれを明々白白にする必要があると思います。従いましてこの与えられた資料に沿つた、いわゆる随契に対する裏づけを明確に資料として出していただきたい。これは私急速に要望いたします。

久保亀夫保安庁局長(装備局長)

○久保説明員 これは全部になりますとたいへんでございますから、どういう順序にしたらよろしいか、その点御指示いただければけつこうだと思います。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 それともう一点、どうしても特殊的な技術を要するとか、あるいはパテントとを持つていて、やむを得ない事情でこれは入札を避けて随契にしたという品物があると思います。これは物品の場合においては、自動車とかそういうものは持ち運びできないとしても、小物なら小物があつて、これはどこから見ても随意契約しなければならぬ品物だというものは、これは私は委員会の席上へ持つて来て、こういうわけだといつて明々白々にする必要があると思います。それなくしては国民の疑惑は解けない、それも重ねて要求いたします。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 関係の資料を全部持つて来るか、あるいはこの分、この分というふうに、そちらの方から御指定を願つて——全部となりますとなかなか持つて来るのもたいへんだと思うのでありますが、そちらの方でこれというふうに御指定願うようにできませんか。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 たとえば何月何日に買い入れた毛布、それに対する商店、それからその以前に入札なら入札したその商店だとか、一応毛布なら毛布に限定してひとつ持つて来てください。毛布について、日にちをつけて商店の名前をつけて持つて来てください。

久保亀夫保安庁局長(装備局長)

○久保説明員 毛布に関してなるべく早く提出いたします。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 それでは午後三時までに資料の提出を求めることにいたします。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 関連質問。私は先日越中島を視察しました際に感じた点、きようはきわめて小さな問題についてお伺いします。これはPXの売店の権利等について業者と幹部との関係に、とかくの悪評がある。それで調査した結果、商品の価格がほかの官庁より一割ないし二割保安庁のPXが高い。その一例を申しますと、郵政省の売店に比較しで申し上げてみます。これも調べて参りました。たとえばライオン歯磨の特大が郵政省の売店では八十円で売つておりますが、あなたのところは九十円である。柳屋のポマードが郵政省では七十円ですが、あなたのところでは八十五円、ケンシ・ポマードが七十五円を八十五円、パイロット・インキが四十円のところを五十円、ダイアジンという薬が百三十五円で売つているところを百八十円、ダンが七十八円を九十円で売つている。精工舎の目覚し時計コロナの夜光九百四十円を千円で売つておる。ゼンマイのとりかえ百四十円のところを百八十円とつておる。分解掃除百七十円を二百五十円とつておる。これは私が直接調査したものです。そこで総括的に一割ないし二割高の商品を隊員に売つておる。それに反して、売上げ代金の中の三分を福祉のために納めさせておりますが、他の一般官庁では大体五分内外を納めさせておる。官庁によつて違いますよ。隊員に高く売りつけながら、納めさせる率が低い。その利潤が関係幹部にみつがれておるという、そのうさは無根のデマと黙視し得ないものがある。某商人は公然と言つております。おれは増原次長の友人だ、あれは土田隊長と警視庁時代からのなじみである、こういうことをはつきり言つております。私は検事でありませんから、これ以上深く調査することを遠慮する。しかしこれだけを見ても、あなた方が真に厳正に調査をしようとして徹底してやつてみるというと、このきわめて小さい問題から、きわめて大きい問題に発展する可能性がある。越中島の足もとからまず清めて行かないと、いつまでたつても内部の粛正はできぬのじやないかという感じがするのであります。これについて増原次長の所信を承りたい。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 売店の問題で、この間辻委員から、調査に来られた際にも、二、三承りまして、これはその後調査をさせるようにいたしております。まだ結果を承知いたしておりません。売店につきましては、この間御調査の際、皆様の前で申し上げたのでありますが、売店委員会というようなものをつくまして、部隊でその意見を聞き、それぞれの部隊長が裁定を下しておるわけでございます。私どもはその間に不正のこと等が行われ得ないような組織をつくつたつもりでやつておりますが、なおこれはただいまの売り値段等の問題については、調査の結果をまちまして申し上げたいと思います。原則としては市価より一割あるいは一割五分見当安いものということを部隊としては標準として販売をさせておるわけであります。中にはそれに達しないものもありましようし、もう少し市価よりも安いというものももちろんあるわけであります。原則としては一割ないし一割五分ということでやつておりまして、売上金の三分を納めさせるかどうかにつきましては、五%という案と三%いう案について、いろいろ関係者が論議をした結果、三%を適当と思うか五%を適当と思うかということを私どものところまで話がありました。大体関係の係官のところの話合いが、なるべく安いものを隊員に支給することを基本に考えて、上り金から福祉厚生費に納入させる分を五%とするよりも、三%にして行く方がよかろうという大体の考え方に私も賛成をして、三%に賛成をいたしたわけであります。しかし高く売つて三%、安く売つて五%ということでは相なりません。これはよく調査をいたしました上で申し上げたいと思います。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 あなたのおつしやつたように、どの商人を入れるかというような選考の手続機構については、抜かりがない。これはくろうとがやつておられるのですから、抜かりがないけれども、実際問題としまして因縁情実関係というものが入つておる。委員会をつくつておつても、その委員会の公正な意見が行われないので、隊長の意思というものによつて左右されておるという現実があるのです。形式的にはつくところはないけれども、内容を見るとそういうものがあるということだけを御参考に申し上げておきます。  次、あなたの方からちようだいしましたこの資料を検討してみますと、これもあまり声を大にして言うような問題じやないかもしれませんけれども、私はその精神について伺いたい。二十七年度の予算の使用の中に、自動車の購入されたものが載つております。保安庁から与えられた資料について見ると、アメリカから高級自動車が購入されておりますが、その数量は一幕が十五両、二幕が九両合計二十四両になつておる。その総額は三千八百二十二万九千百五十円、こうなつておる、二百三十八万円もするクライスラーにだれが乗つておるのか。おそらく、この二十四両は、高級幹部の専用車でありましよう。ドイツの大使は、ドイツの国産品たる国民型という小さい車に乗つておるのですよ。日本の保安隊の上級幹部はアメリカの高級軍に乗らなければ仕事ができないのか。それほど日本は外貨を豊富に持つておるのか。これは単に保安庁のみならず、全官庁について申し上げたい。  次はガソリンの使用、これもごく小さな場面をとつて拾つてみたのですが、東京のまん中に家を持つておる人が、久里浜に勤務をしておる。その高級幹部は、朝晩東京から久里浜まで役所の高級自動車に乗つて通勤をしておる者がある。吉田総理が週末に大磯に往復するのでも世論の非難を受けるようなこのせち辛い世の中に、保安庁の幹部で東京にうちを持つておりながら、久里浜まで一時間を要するところを朝晩自動車で通つておる。それほど保安隊にガソリンが豊富にあるのかどうか、これに反して第一線の将兵は、教練で汗だくになるけれども、石炭費を節約されたために、三日に一ぺんしかふろに入つてない。結局経費というものは、上級幹部によつて浪費されておる、下級隊員が苦しんでおる、これが今日の姿ではないか。事小さいようであるが、精神は大きい。増原次長はその問題についてはたしてどういう考えを持つておられるか、それを承ります。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 自動車購入につきましては、大体他の官庁の例にならつて行いましたので、特に保安庁関係がぜいたくなものを買つたという建前はとつておらぬわけであります。辻さんの御意見は、全体としてそういういわゆる高級車に乗ることは不適当である、御意見は私どもも十分ごもつともな点があると思うのであります。ただいままでのところは、他の官庁の例にならつてやつて参つたので、これは十分考えるべきところは将来考えて行かなければならぬ、このように存じております。ガソリンの消費につきましても、十分浪費にわたらないように気をつけさしておるつもりであります。ただいま御指摘になりました、毎日久里浜まで通つておるという問題については、よく取調べをいたしてみたいと思います。

平井義一自由党

○平井委員 私もちよつと大局論を増原次長にお聞きしたいと思います。御承知のごとく、今日政府は行政機構改革をもくろんでおりますが、保安庁はこの際機構を改革する気はないかどうか。御承知のごとく、日本の昔の軍隊が、陸軍と海軍が常にけんかをして非常に仲が悪かつたということは、国民全体が嘆いたところであります。そこで今日保安庁においては、第一幕僚と第二幕僚と二つにわかれておる。これを一本にしなければ、将来昔の軍隊みたよたように第一幕僚と第二幕僚がけんかをする、これは火を見るよりも明らかであります。そうすれば長官もあなたも浮き上つてしまう。それが強くなるならば昔の軍隊そつくりだ。だからこの際増原さんにひとつお願いしたいのは、一本にしたらどうか。これは急いでしないと間に合わぬから私は言う。あなたは今いろいろ将来の保安隊の機構などを心配しておるようですが、この際今の第一、第二をなくして、一つにすることが私は当然だろうと思う。長官にかわつてひとつあなたの気持をお聞かせ願いたいと思います。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 基本的な重要問題で、私からお答えいたしかねます。御趣旨のあるところは長官によく伝えまして、適当な研究をするようにいたしたいと思います。

平井義一自由党

○平井委員 これはこの線に沿うて行かなければ、辻さんも知つているように昔は陸軍と海軍で大げんかをしでかした。そこで今度は、他は行政機構を改革して保安庁だけが知らぬ顔をして、人間をふやすばかりだ。こういうことではわれわれは承服できぬ。ほんとうに日本の治安を守る、あるいは将来防衛というところまで進むでしようが、将来を考えて今その礎をつくつて行く。この礎で間違うたら必ず昔の軍隊みたいになつてしまう。そこでぜひともこれはあなたがひとつ総理なりあるいは長官に相談をして、とくとこの一本ということを念頭に置いてやつていただきたい。これだけお願いしておいて、私はやめます。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 これにて暫時休憩し、午後二時より再開いたし、塚田行政管理庁長官、増原次長に対して質疑を行います。     午後零時三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた。〕

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