電気通信委員会 第21号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/05/08
会議録
○成田委員長 ただいまから開会いたします。 まず日本放送協会昭和二十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査を進めます。本日は、本件について参考人として日本放送協会理事岡部重信君、同経理部長栃澤助造君が出席されております。 まず本件について日本放送協会当局より説明を求めます。岡部参考人。
○岡部参考人 昭和二十七年度の決算につきまして、概要御説明申し上げます。 協会の昭和二十七年度決算の結果につきまして申し上げますと、その資本の総額は二十四億四千百七十三万円で、これを前年度末に比較いたしますれば、三千四百八万六千円の増となりました。これに対する資産は四十七億八千五十三万三千円で、前年度末に比較しますれば、七億八百八十二万七千円の増でございます。このうち流動資産は四億六千九百二十五万四千円、固定資産は、ラジオの関係におきまして三十七億三百十万五千円、テレビジヨン関係におきまして二億四千九百二十一万三千円、合計三十九億五千二百三十一万八千円でございます。特定資産は減債用積立金二億九千六百四十万円、繰延勘定は、放送債券発行差金など六千二百五十六万一千円でございます。また負債は二十三億三千八百八十万三千円でございまして、前年度末に比較いたしますれば六億七千四百七十四万一千円の増でございます。このうち流動負債は二億一千七百八十万三千円、固定負債は、ラジオ関係におきまして十九億百万円、テレビジヨンの関係におきまして一億二千万円、合計二十一億二千百万円でございます。 次に昭和二十七年四月一日から昭和二十八年三月三十一日までの事業運営の状態を見ますれば、ラジオにおいては事業収入は六十三億七千百七十三万円、事業支出は六十二億六百九十八万円、差引当期剰余金は一億六千四百七十五万円でございます。またテレビジヨンにおきましては、事業収入は四十六万円、事業支出は三千九百五十五万一千円で、差引当期決損金は三千九百九万一千円でございます。なおラジオ関係の事業収入の中には、国内放送のほか国際放送、選挙放送及び駐留軍放送関係の収入が含まれており、国際放送につきましては五方向に対しまして一日延べ五時間の放送を行いその経費は四千六百十七万八千円で、交付金収入は三千万円でございます。選挙放送は、二十七年十月にございました衆議院議員選挙、それから都道府県教育委員選挙、並びにその他の公職選挙放送を実施いたしまして、それらの経費は八百九十七万三千円でございます。なお駐留軍放送は前年度同様実施いたしましたが、この経費は二億八千二百三十七万六千円でございます。 次にテレビジヨン関係につきましては、昭和二十八年二月一日からNHK東京テレビジヨンとして本放送を開始いたしまして、一日四時間のテレビジヨン放送を実施いたし、また国会の重要議事、スポーツ等を随時中継放送をいたしました。次に、以上の事業収入に、長期借入金その他の資本収入並びに建設費その他の資本支出を加えた収支全般について、協会態勢の状況を見ますれば、ラジオ関係におきましては、収入総額七十四億六千百十三万一千円、支出総額七十三億三十七万一千円、差引収支剰余金は一億六千七十六万円でございます。前年度からの繰越金と合せまして三億一千六百四十三万九千円を二十八年度に繰越した次第てございます。テレビジヨン関係におきましては、収入総額が二億二千四十六万円、支出総額が二億一千三百二十四万九千円で、差引七百二十一万一千円の収支剰余金を二十八年度に繰越した次第でございます。これらのうちラジオ関係資本収入のおもなるものといたしましては、放送債券が六億、長期借入金が一億四千七百万円などでございまして、テレビジヨン関係といたしましては、長期借入金二億二千万円でございます。またラジオ関係の資本支出のおもなものといたしましては、聴取改善のために金沢放送局の電力を十キロに増力したほか、中継放送局の新設、第二放送の新設、放送会館新館、名古屋放送会館の建設等の建設費七億三百八十五万四千円、放送債券償還積立金一億六千二百四十万円及び長期借入金等の返還金二億九千六百万円でございます。テレビジヨン関係といたしましては東京テレビジヨン放送局等の建設費一億七千五百二十九万八千円でございます。はなはだ簡単でございますが、以上をもちまして昭和二十七年度決算の概要を申し上げた次第でございます。
○成田委員長 次に大澤会計検査院検査第四局長より、検査の結果について概略説明を求めます。大澤会計検査院説明員。
○大澤会計検査院説明員 二十七年度の日本放送協会の決算に関しまして、大体昭和二十八年、すなわち昨年中に検査を施行いたしたのでありますが、施行した箇所は、本社と中央放送局が全国七箇所あるのですがそのうちいろいろな制約のために全部検査しきれなくて、松山と名古屋は検査いたしませんでした。ほかの大阪、札幌、仙台、広島、熊本の五中央放送局を検査いたしました。なおその下の地方放送局は、それまでちよつと手がまわりかねて検査はいたしておりませんが大体におきまして本社と中央放送局段階を検査しますれば、放送局の業務、経理の九〇%は検査できるというような状態でありますが、少くとも中央放送局全部見るというような程度までは行きたいと思つておりますが、地方放送局までは将来もあまり手が伸びないのではないかと思つております。 二十七年度の内閣総理大臣に対します決算の検査結果の報告には検査の結果特に記述すべき意見はないと書いて出してあります。つまり違法だとかあるいは著しい不当な事項は発見しなかつたのであります。しかしながらいろいろな点を見ました上で、これは文書をもつて注意を促しておいた方が適当であろうと認めました事項が二件ほどありまして、それに関しまして文書をもつて注意書を発遣いたしておりますので、その概要を一応申し上げますれば、一つは日本放送協会の一種の外郭団体といいますか、厚生団体といいますか、共済会というものがあるのでありますが、それに補助金的に分担金を交付しておる。予算上は二十七年度千八百万円の予算があつたわけであります。これは経営的な交付金が月額百万円ずつ交付されまして、千二百万円交付されたわけありますが、そのほかラジオ受信者千万人突破の一つの記念事業といたしまして、この共済会に対しまして五千万円の分担金といいますか、交付金を支出された。これはもちろん成規に経営委員会の議決を経て、予算の流用によつて出しておられるわけでありまして、別に違法な支出ではないのでありますが、経営的に千二百万円程度出しておられるところへ五千万円を出されるということは金額としてあまりに多過ぎるのではなかろうか。一千万人突破という一つの相当画期的な時期でありますから、職員の報償といいますか、慰労といいますか、そうした面にある程度の色をつけるというこはは、あるいはやむを得ないかもしれませんが、五千万円という助成金を交付されたのは、多額に失したのではなかろうかという点を一点注意いたしておきました。それからもう一つはテレビジヨンの関係でありまして、いろいろ試験研究されておる過程におきまして、機械その他相当な財産価値のあるものが生じて来ておるわけであります。それが現在のところといたしましては、もちろんこれは試験過程でありますから、固定資産に計上するわけにもまだ行かないというので、いわば一種の簿外資産としてあるわけであります。それがたとえば東京芝浦電気と共同研究契約を結びましてそして約四千三百万円の経費をもつて一つの機械を完成する、これは全部契約によりまして日本放送協会のものになつておるわけでありますが、これがいわば一種の簿外になつておる。こうしたことは、将来これが固定資産に計上されるようなことになる場合もあるだろうし、そうでなくとも、こうしたものを財務諸表上の資産経理はしなくとも、少くとも物品として、物品出納簿か何かに計上して、その所在を明らかにする必要があるのではなかろうか、こういう点を指摘いたしまして注意書を発遣いたしておる次第であります。そのほか微細な点につきましては検査の際に注意しました点もありますが、文書をもちまして注意書を発遣しましたのはその二件であります。 以上、二十七年度決算の会計検査院の検査の結果を簡単に御説明申し上げた次第であります。
○成田委員長 これより本件について質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。橋本登美三郎君。
○橋本(登)委員 二、三の点についてお伺いいたします。これはこの委員会において常に議論になつておるところでありますが、ラジオ聴取料をテレビ経営の方に流用することはいけないこういう建前から、委員会においてはその建前を従来主張して参つておるのですが、実際問題としてこれを画然と区別することは困難、もありましようし、かつまた理論的に申しましても、テレビ経営の方にラジオの聴取料がまわつていけないという根拠は、どうも私どもとして発見しにくいと思うのですが、一応この問題について局長の御意見を伺いたい。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの御質問の点は結局現在NHKが放送を聞き得る受信機を持つておるものと契約をいたしまして、納めてもらう受信料の性格いかんにかかるのだろうと思います。従いましてこの納める受信料が、協会が事業としてやつておりますラジオからテレビジヨンまで含めたものを対象とされるような場合には、その受信料の中からテレビジヨンの方の経費にまわすということも問題がないようでありますが、もしも受信料がラジオを聞いている対価的なものであるということになりますと、それをテレビジヨンにまわすということには多少の疑問が出て来るのじやないかと思われます。いずれにいたしましても、現在の法律の上ではややその点はつきりしない点があるようにも思いますので、ただいま御指摘の点は、現在政府といたしましても、いろいろ研究調査をいたしております放送法の改正の際に、いろいろ検討の上ではつきり結論を得たい、こういうふうに実は思つておるのでございます。
○橋本(登)委員 今政府委員がおつしやるように、法律上の建前からいえばNHKの放送するものに対する受信料ということになつておりまして、その間区別をしておりません。従つてその収入によつて得たものがラジオあるいはテレビのいずれかに使われても、法律上の建前からはさしつかえない建前になつておるように思うのであります。ただ当初委員会において、テレビに流用することをできるだけ制限したのは、それがためにこのラジオの施設の低下を来し、あるいはまたラジオ自身の番組の向上が、それがために阻害される危険がありはしないかという点をおもなる原因として、いわゆるテレビの収支というものは別個に扱うべきである、こういう建前が述べられておつたわけであります。従つて法的にはこれは流用せられてもさしつかえないものであると私は考えるし、もう一つ実際問題として、結局将来ラジオからテレビに移るという実際上の各国の情勢から考えても、テレビの状況が、いわゆる聴視者の方から見て非常にそまつなものを見せられる。いわゆる財政上の制約からしていいものが出せないということになつて、テレビの発展に大きな悪影響を与える結果になりはしないか。であるからして、当然将来ラジオ聴取者が恩恵を受けるテレビであるから、今日においてもある一部分がそちらの方に流用せられるということは、原則としてさしつかえないのじやなかろうか。会計検査院の方としては、もちろん法的には問題はあるまいと思いますが、この点に関する国会の意思と、同時にまた現実に会計検査をしました実情から考えて、その点どういうふうにお考えになつておられるか。これは参考意見としてお聞かせ願いたいと思います。
○大澤会計検査院説明員 テレビとラジオとの間において、資金的にラジオの受信料がテレビの方に一時使われている、これは私はやむを得ないのではないかと思うのであります。ただしかしながらテレビとラジオとがお互いに、先ほどもお話がありましたように、ラジオの方に必要な経費がテレビのために食われてしまうということになりますと、ラジオの業務に支障を来しますし、この間の二つの会計は截然として区分して経理して行かなければならぬのではなかろうか。資金的に一時の流用はやむを得ないとしても、その二つの損益は整然と区別をしなければならぬのではなかろうか、こう考えます。それで検査をいたしますと、二十七年度は、御承知の通りテレビが年度末近くになりまして発足いたしまして、収入もわずかでもあり、またこれに伴つた経費もあまり出ておりませんので、この間の区分というものに対するわれわれの検査も、実は徹底した検査をまだ行つていなかつたような次第でございますが、二十八年度におきましては、この点はテレビの方も相当盛んになりましたから、ここにおいて一つの原価計算といいますか、テレビ部門の原価というか経費と、ラジオ部門の経費というもの、この二つを俄然と区分する必要があるのではなかろうか。もちろん現在の放送協会においてもこれを区分されて経理をされておるわけでありますが、共通的な経費をどう配分するかという点に対しては、まだ不十分な点があるのではなかろうか。こうした一つの計算基準というものを確立して截然と区分経理をする必要があるのではなかろうか。これは検査の面からも十分監視いたしたいし、またそうした区分計算の原則を確立するようにお願いいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○橋本(登)委員 これは会計検査院の方としてはNHKの予算でありますが、予算の上においてラジオの予算とテレビの予算が別個に項目を立てられておりますから、その間においての区別を明らかにして行きたいというお考え方は当然だろうと思うのですが、私の言うのは予算をつくる場合において、今法的な面においては、必ずしもラジオ聴取料をテレビの方にまわしてはいかぬという法律にはなつておらないのであるからして、従つて一般ラジオの番組編成等において支障のない限り、その余裕があつた場合においては、その予算を、テレビの方の予算をつくる場合においてその方面に加算せられて計画が立てられても、法律上においてはさしつかえない、こういうふうに私は考えるのだが、この点をお聞きしたい。
○大澤会計検査院説明員 ただいま法律を持つておりませんので、責任を持つてお答えはいたしかねますが、私が今まで知つておる範囲内においては、法律上はさしつかえないのではなかろうか、これは結局予算のつくり方ではなかろうか、こういうふうに考える次第であります。
○橋本(登)委員 大体基本的問題として、その点をひとつ将来の放送法改正等においても明らかにしたいとは考えておるのだが、一応当局の意見を聞いたわけであります。 なおこの二十七年度の決算においては、大体剰余金が残されておるわけであります。しかし昭和二十九年度の受信料金の値上げというものは、すでに二十七年度の実施状況からその原因が発生しておると思うのです。そうして二十八年度においておる程度改訂をすべきものが、いろいろな事情から改訂ができずして、昭和二十九年度に振り向けられた。それがために事実から言えば相当大幅な値上げを行わざるを得ないかつこうになつたのですが、その昭和二十九年度において値上げをしなければならない原因と思われるような点について、会計検査院の方から見た場合において、そこに無理な予算決算上の操作が行われておるというような点を、お気づきであればそれをお聞きしたい。
○大澤会計検査院説明員 二十七年度の決算面は先ほど岡部理事から御説明がありましたが、ラジオ関係において一億数千万円の利益ということになつております。その内容によりますといわゆる減価償却引当金、これが完全な——完全なという言葉はおかしいのですが、成規にやれば全部でどれだけの引当金を置くべきかという計算からするとまだ少し少い。これはたしか検査した者から聞きますと、約八割程度の償却しかやつていないという話であります。ですからこれを完全償却をすれば、むしろ欠損が出るのではなかろうか。こういうところに、決算上剰余があつても、実際には値増しをしなければならないという違いが出て来るのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第であります。
○橋本(登)委員 これは大体七五%かの減価償却だと思いますが、これともう一つは資産再評価というものが比較的遅れて行われておる。昭和二十七年度に一回やつておると思いますけれども、大きな会社においてはすでに二回も行われておるにかかわらず、NHKの場合においては一回だけしか行われておらなかつた。そういうことのために、償却の面においても実際上は相当金額が、減価償却として十分に見積りができなかつた。こういうところに私は原因の一つがあつて、一応つじつまが合つておるのではないかと思います。もう一つは、もちろんこれは協会当局の努力でありましようが、相当金額においていわゆる経営の合理化といいますか、節約といいますか、そういう面が行われておると思われるのですが、そういう面について会計検査院からごらんになつて、お気づきになつた点があればお知らせ願いたい。
○大澤会計検査院説明員 節約といいますか、経理の面のいろいろなやり方を見ますと、確かに放送協会の経理は簡単な言葉でいえばすつきりしているといいますか、比較的はつきりした成規な経理をやつておられると思います。節約と申しましても、特になるほどこれだけ節約をしておるなというような点は、われわれの検査の上では出て来てはいないのでありますが、全体的にはそうした公明な経理がされておるために、冗費は相当節約されておるのではなかろうか、こういうふうに考える次第であります。
○橋本(登)委員 NHK当局にお聞きしたいのですが、私たちの考えから言えば、二十九年度にあれだけの値上げをしなくちやならぬ原因は、二十七年度から出て来ていると思うのです。従つて一応二十七年度の決算においてつじつまを合し得た大きな理由は、減価償却を減らして来たということも一つのものでありましようが、これは予算上初めから減らされておつた。そこで二十七年度中にある程度の節約もしくは合理化を行つたものであると思うのですが、それらの具体的内容について二、三御説明を願いたい。
○岡部参考人 多少こまかくなるかもしれませんが、二十七年度につきましては、御承知の通り当初から予算の編成の際におきまして、長期借入金の返還を全額いたさずに、一部借りかえというか、乗りかえをし、また減価償却を七五%にするというようなことなどをおもにいたしまして編成いたしたわけでございますが、この年度におきましても、物価の高騰等がございまして、それで大体項目的に申しますと、業務機構を簡素化するということをいたしております。それから業務管理の合理化、たとえて申し上げますと、こまかくなりますが、共通用の物品の規格を統合整理する、あるいはいろいろの文書の会議などの簡素化のための式紙の改訂、統計事務の簡素化、そういう業務の管理の合理化をいたし、それから放送設備の運用につきましては、従来放送を開始する前に二十五分くらい放送機の運転をいたしまして、機械が正常に動くかどうかをテストして、朝の最初の時間に間に合せるわけでございますが、いろいろ研究して二十五分を二十分間減じまして、試動時間を五分間に短縮しまして、このために電力なり真空管、その他の機械のいたみを減らすということ、それからたびたび問題になります豆局の人員を何とかしてわずかな人員にいたしたいというので、その放送所の中へ職員の住宅をつくつて節約する。それから毎々申し上げております真空管を合理的に使う。要するに耐用命数を長くするということ。各種の機器に使つております規格を統一いたしまして、予備品などを少くするというような点。録音を再生する針がとかく折れやすいというようなことを研究いたしまして、その節減をはかる。また経理面で申し上げますと、貯蔵品の限度を規制して資金運用の効率化をはかり、また会議費とか旅費、物品費その他を節約するというので、大体一億二千万円以上を節約できたと考えているわけであります。
○橋本(登)委員 あまりこまかくなりますから、その点はその程度において了承したいと思います。 なおこの放送法の建前ですが、これは私個人の意見ですけれども、公共企業体あるいはNHKのような公共企業体に準ずるような企業体は、年間予算をもつて行うことが原則であつて、いわゆる補正予算等は原則として組むべきものじやない、こういうように私は考えております。その理由は、収入源が大体において原則がきめられていることと——これは国の予算でも同様ですが、特別な災害とか、特別な経済上の大変動があつて、収入をもつて——とうてい節約等によつてはまかない得ない。予備費をもつてもまかない得ないようなことが起りますれば、国家予算でも補正予算が組まれるわけですけれども、しかし公共企業体もしくは準公共企業体のごとき性格を持つているものは、原則として補正予算を組むべきじやない。そのかわりに予算総則なりあるいは放送法の中にある程度の弾力条項といいますか、予算の流用条項を設けて、原則としては予備金をもつてこれをまかなう、こういう建前で行くべきものと考えているのですが、実はこの問題については政府当局においてもいろいろ考え方があると思いますから、この点についての政府当局の見解をこの際にお示し願いたい。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの点は、確かに御指摘のようにいろいろ問題だと存じます。御案内のように放送法におきましては、その収入源である受信料は、予算について国会の御承認を得る場合にきめられることになつております。一方放送協会の事業は、申し上げるまでもなくその事業の使命達成のためには、相当長期間の計画を立てて行かなければいかぬのでありますが、たとえて申し上げますと、三箇年計画なり五箇年計画の見通しを持つて受信料がきめられて行く場合には、その線に沿うて年間計画だけで十分である場合もあり得ると思いますけれども、現在のところでは一年々々に限つて予算の御審議を得て受信料がきめられて参りますので、場合によりましては、その一年の途中においては予算の変更も認めていただかなければならぬことも起る場合があり得るだろう、こういうことが予想されていると存じます。従いまして放送法におきましても、予算についての変更をせんとする場合にも、国会の御承認を経なければならぬという規定がありますので、これが国の予算の場合の補正予算とまつたく同じ性格であるかどうかについては、いろいろ議論もあることと存じますけれども、まつたく一年だけの年間予算で、補正なり変更は全然予定していないのだどいうふうにばかり見ることはできないのではないかと思います。もつともほかの国の機関あるいは公共企業体と違いまして、放送協会がある程度自主的な経営ができますように、予備金等の活用ということも確かに御指摘のように十分考慮しなければならぬ。従来ともその線に来ていると存じますけれども、予算の御審議を願つておりました時期に予測できなかつたような大きな問題が起つた場合には、どうしても変更が起つて来ることも予想されるのではないかと思います。 なおこの問題につきましても、先ほど申し上げましたように放送法の改正の際に、現行法ではやや疑問視される点もないわけでもないと存じますので、十分研究をしたいと存じております。
○橋本(登)委員 予算の変更については、一応放送法の建前では国会にかけることにはなつておりますが、今申しましたように補正予算等を出すことによつて予算の内容をかえるべきものではなくして、原則としては一箇年年間予算をもつて行くべきだ。しかし実際上いろいろの事情で多少の変化がありまして、予算の内容の幾分の変更が行われる必要がある場合があります。本年度予算は相当予備金が計上せられておりますが、従来予備金が非常に少かつたので、実際上できないことになつておつたのでありますけれども、やはり企業体をして一々国会の手を煩わす——煩わされる方はわれわれの方でありますからさしつかえないわけでありますが、それにしてもそういうことによつて事業が円滑に行い得ないという危険が起きますから、できるだけ自主的に運営せしめる、経営せしめるという建前からは、そういう煩瑣な手続はできるだけ排除して行く、そのためには、一応予備金なりもしくは法律の制定等によつて、郵政大臣の認可等の措置によつて、一部の資金が使うことができるような法的な措置が実際上必要じやなかろうか、こういうように考えるのであります。 もう一点は、たとえば現在の放送法あるいは予算の建前からいいますと、収支予算が常に帳じりを合せなければならぬ建前になつておりますが、これなども必ずしも赤字積立てが不可能なような現在の法的立場を一応一擲して、ある意味においては必要なる面においては赤字積立てが可能な面をつくつておく必要がありはしないか。この点は日本電信電話公社の予算においてはそういうことになつておるのですが、その点について赤字積立てをはたして認めることが可能かどうか、またそれが適切であるかどうか、それについて一応御意見を承りたいと思います。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの点は、日本放送協会の性格ということにも及んで来るのではないかと思うのです。従いまして私どもといたしましては、ただいま御指摘のような点を十分考慮に入れまして、参考にさせていただきまして、放送法の改正の際に十分検討したい、こういうふうに考えております。
○橋本(登)委員 実はこういう問題は、もちろん剰余金があつた場合もそうですが、たとえば民放等においてあらためて無線局を設置する場合においては、会社でありますからただちに重役会の決定によつて申請することができる。ところが放送協会の場合は、一応国会の予算を通過しておらないものについては、新局の申請ができない、こういうことに、これは赤字、黒字に関係ないことですが、そういう面について実際上は事業会社でありながら、事業面においては年間を通じて制約せられる、こういうような面がほかにもいろいろあるわけであります。今後民放及び公共放送法の二本建でやつて行く以上は、常にフェアな立場において競争せしめる、こういう点についても事業の経営、あるいは予算の施行の仕方等については、何らかの便宜規定が必要じやなかろうか、こういうふうに考えるのですが、その点についての御見解を承りたい。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまのお話の点でございますが、例を放送局建設という点に考えますと、これは協会が使命を達成するための長期的な計画を当然持つべきであり、持つておられるわけでありますから、その計画に乗つて毎年度の収支予算計画、事業計画というものを立てられて、国会の御承認を経るということになつておりますから、大きな変更があればまた変更を御承認願う手続もとらるべきでありまして、そういう線に沿つて放送局をつくつて行かれるのであります。民間放送同士と違いまして、ほかの放送局の、たとえば民間放送局の動向のいかんによつて、NHKの放送の計画が左右されるべき性質のものではないと私どもは考えております。放送協会がそれみずから使命達成のための計画を持つておつて、その計画にのつとつて事業計画を毎年立てて御承認を得ればよろしいのでございまして、他動的にそれがかわるというようなことは起つては来ないのではなかろうか。従いましてただいまお話になりました例は適当でないかもしれませんが、建設計画の点から申し上げますと、そういう問題は起つて来ないのではなかろうか、そういうふうに考えております。
○橋本(登)委員 一応三箇年もしくは五箇年計画というものは立てるのだろうと思うのですが、その三箇年計画が、たとえば昭和三十二年度にそういう計画が出ておる。しかるに本年度において他の団体からその場所において新設の許可が申請された、こういう場合になりますと政府当局が三箇年間の事業計画を正式に御承認の建前において、国会にその年度の予算をお出しになつておるのか。参考資料として単に三箇年計画、五箇年計画の事業計画が出されておるのでありますが、その場合に三箇年の事業計画なり五箇年の事業計画というNHKの計画に対しては、すでに政府がこれを承認の建前においてお認めになるというお答えになるのか。その点お聞きしておきたい。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまは事業計画が主として問題だと存じますが、それは郵政大臣なり政府の承認という対象になつておらないのでございます。どこまでも国会が御承認なさるのでありまして、郵政大臣は、御審議を願うときに参考意見を付すというだけにとどまります。なおただいまお話の三箇年計画なり長期的な計画でございますが、これも協会から正式に、こういうぐあいにきめたい、こういうことについての何がございまするならば、現在の放送法によりまして、可能かどうかはなお研究を要しますが、そういう長期計画ということで国会の御承認を願うという手続も考えられるのでありますが、今まで協会からは、やはり長期計画は参考という形で出ておりますので、今までそういうふうな手続きとられていなかつたのでございます。
○橋本(登)委員 それだから私は申し上げたので、NHKが三箇年計画なり五箇年計画を立てておるのであるから、従つてその計画によつて行うのであるから、あえてそういう場合においても必要がないとおつしやるから、それなら三箇年計画というものを当局が御承認になつて、三箇年計画で出ておるものに対してはすでに予備審査、予備許可といいますか、そいうものを出すという建前でおつしやつておられるならばそれはよろしいのですがそうではなくて、やはり年次計画のみを国会は承認しておる。三箇年計画というものを承調しておりません。昭和二十九年なら二十九年の事業計画だけを承認しておる。従つて来年度の事業計画については国会は承認を与えておらない。そういう場合において、たとえば他の団体から、これは必ずしも民放会社でなくてもいいのですが、他の団体から無線局の申請が昭和二十九年度末期において行われたという場合において、一応参考資料として提出されておるNHKのそういう計画に対して、当局は、当然これは認めるべきものであるという建前をとつておられるのならばもちろんそれでけつこうでありますが、但し今の法律の建前はそうなつておらぬと思う。従つていわゆる長期計画というものは正式に認められてないということになれば、実際上においてはやはり一方は遅れて申請をせざるを得ない、こういう結果になろう、こういう点を私は一応問題点として取上げてお聞きしておるわけですが、この点についての御見解をもう一つ伺つておきたいと思います。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまお話になりましたように国会ではその年次によつての事業計画だけが承認されておりまして、長期計画というようなものとしての御承認は願つていないのでありますから、私どもも長期計画は参考にしかとどめておりません。しかしこれは放送法とは違いますが、電波法に基いて放送局の免許をいたしますものには、電波の割当計画を立てております。その割当計画を立てる際には放送協会の長期的な計画も十分考慮に入れて立てております。それからもう一つは、国会の御承認を得ますところの事業計画は、新しく放送局をつくる場合にはどこどこということでなしに、特に中局あるいは小局につきましては局数だけで御承認を願つておりますのでその局数の範囲内におきましては、もしかりにほかの民間放送局その他の事情によりまして、具体的にどこに置局するということが最初の予定と違いました場合にも、その局数の範囲内におきましては協会が適宜の処置を十分できるものと考えております。
○橋本(登)委員 その点は私は少し疑問に思うのです。これは電波行政ばかりでなく、土地改良事業等においてもそうですが、小規模事業の場合においては、政府は一応件数で許可することになり、予算をつけることになつています。しかし実際問題としては——大体これは農林省関係にしてもそうですが、土地改良事業をやりたいというときのその予算の折衝の場合においては、どこどこにこういうような土地改良事業をやりたい、どこどこにこういう施設をやりたいというように、具体的な例証をもつて予算折衝が行われるわけであります。予算の面においては必ずしもどこどことはなつておりませんけれども、実際問題としてはその予算がつくられるまでにおいては、どことどこにこういう支局を置きたい、こういうことから予算案ができるのですから、でき上つた予算書の上においては、その場所は具体的に明示はしておりませんけれども、それを変更するということについては、法律上にはさしつかえはないが、実際上には非常な困難が伴う、こういうことが言い得るわけでありますが、この点についてはもしそういう事態が起きた場合には、政府当局は遅滞なくそういう便宜の処置を御承認なさるという建前でおつたのかどうか、その点をもう一度お伺いしておきます。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。郵政省としまして毎年度の放送協会の事業計画の内容及び収支予算の内容をいろいろ検討いたします場合に、放送局を新しく設置する場所につきましては、一応協会の予定の箇所がどこどこであるかということはいろいろ聴取いたしますけれども、それを確定したものとしては認めていないのであります。協会も大体こういうものを一応予定をするということで説明をされております。私どもも大体ほかの大きな変更がなければ、そういうところにされる予定であるというふうに考えております。従来そういう例がなかつたかもしれませんけれども、その認められておる局数の範囲内での調節はできるものと私は考えております。
○橋本(登)委員 でき得るものというのならけつこうではありますけれども、実際問題として無線局を設置するには、こういうところは難聴地域であるとかいうような外的条件が伴つて、ここにこういう局を置きたい、あるいは増力をしたい、こういうことが予算審議の原則でなければならぬ。ですから甲から乙へ、あるいは丙へと、いわゆる政治的なまた社会的な状況によつて変更するということは、実際上は建前としてやるべきでなく、またできるものではないと思うのです。これは土地改良事業なら、この畑をよくするとか、甲を乙にするとかいうことがあるかもしれぬが、無線局の設置の場合におきましては、ここが難聴地域であるとか、ここは実際上いわゆるあまねく普及するという大出力のものに該当していないが、これは急速にやる必要があるということから、一応こことここに予定するということが審議の対象になるのであるから、普通の場合とは大分情勢が違う。特に無線局の場合においては、事前審議で、どことどこというふうに予定されたものは、そこにきめるのが原則でなければならぬ。法律上ないからといつて、これを他の事情によつてかつてに変更するということは、実際上非常に無理がある、こういうふうに理解するのですが、しかし政府当局の方でそういうぐあいに指導しておられるし、そういう便宜的処置をしてもさしつかえないということであれば、その点については了承したいと思います。 なお、こまかい点で二、三ありますが、他の委員の方からも質疑がございましようから、私は一応これで打切つておきます。
○長谷政府委員 ちよつと補足して答弁をいたしたいと思います。先ほど私が御説明申し上げましたのは、多少誤解をしていただいたのではないかと存じますので補足さしていただきますが、私どもも放送協会の長期計画なり、あるいは毎年度の事業計画に載せられております置局計画は、難聴区域の救済その他の観点から立てられてありますので、私どもその点は動かすべからざるもの——とまでば考えませんけれども、一応軌道に乗つた計画に基いて出て来ておる、そういうことで事業計画の内容を検討いたします場合にも、ただいま御指摘になりましたような考え方でいたしておるのであります。ただそのうち緩急の順序がございますから、二十九年度に行う予定のものの中に、三十年度に行う予定のものが、ある事情で早く置きたくなつたというような場合には、振りかえて置くことも一向さしつかえないではないか、こういう意味で申し上げたのであります。従いまして最初に申し上げましたように、その事業計画そのものが、ほかの第三者なりの影響からすつかりひつくり返つてしまうということはあり得ないわけでありまして、結局長期計画を協会が持つておられますならば、その範囲内である年度におきまして、具体的な場所が、年度計画において多少後年度になつておりますものを、繰上げるということはできるのではなかろうか。それは局数だけが押えてありますので、そういう点はできるのではなかろうか、こういうふうなつもりで申し上げたのであります。
○松井(政)委員 橋本委員の質問に関連して一、二点お伺いしておきたいと思います。会計検査院の方にお伺いいたしますが、御承知のように日本放送協会のあり方は公社でありますけれども、特殊なものであります。従いまして検査を行う場合の考え方といいますか、態度といいますか、政府関係機関でもなければ政府の特別会計でもない、もちろん一般会計予算で組まれるものでもない。しかも収入に充てられておるものは受信料が大半を占めておる。これは国民からとる税金ではない、こういう形の公社、でありますから、そういう公社に対する検査を行う場合に、政府関係機関と同じように考えられるのか、それとも会計検査院の検査を必要とする特殊の民間法人の検査を行うような考え方でおやりになるのか、その考え方をお伺いいたしたい。
○大澤会計検査院説明員 日本放送協会の検査は、放送法によりまして会計検査院に義務づけられておりますが、その点におきまして会計検査院が検査するということに対しては、いわゆる政府関係機関と何ら異なつているところはないと思います。従いまして——なるほど日本放送協会は政府資本は全然出していないという点は違いますがわれわれが検査する上におきましては、同じ気持で検査をいたしております。
○松井(政)委員 わかりました。そこでこの二十七年度の検査の結果、違法と思われるものはなかつたということでありますから、予算審議をいたしましたわれわれとしては、特別にお伺いする必要はないように考えられるのでありますが、ただ一点、先ほど注意事項として二点あげておられました中における厚生施設関係でありましようか、それとも共済会全般に該当するものでありましようか、五千万円を出したと言われますが、その使途内容等について検査をなさいましたか、そういうことはなさらなかつたか、お伺いをいたしたい。
○大澤会計検査院説明員 共済会自体をこちらは検査することはできませんから、結局日本放送協会につきましてその使途を調べたわけでございます。その結果は、共済会で交付された金は、住宅をつくりたいという職員に対する貸付金、またはその共済会が住宅をつくつて職員に貸す、こういう方面の基金として五千万円を出金したという説明を聞いております。
○松井(政)委員 われわれは、たとえば従業員の力によつて成績を上げたのであろうし、従業員の福利厚生というものについてはさらに真剣に考えなければならぬ問題でありますから、その額の大小にかかわらず、結局はどういうふうに有効適切に使つておるかどうかが問題になると思うので、お伺いしたのでありますが、こういう点について当局からも、またNHK側からもお答えを願いたいと思うのであります。たとえば、われわれが予算を審議する場合におきましても、あるいは従業員の待遇を調査する場合におきましても、直接賃金に該当するものと、それから間接給与に該当するものと、それから直接、間接の給与にはならないけれども、福利厚生に該当するものとをにらみ合せて、われわれは予算の審議をし、並びに従業員諸君の待遇どいうものを考えなければならないのであります。従いまして額の大小ではなくて、それが適切に使われているかどうかが、われわれの真剣に考えなければならないことでございますので、その使い方、及びその使い方による従業員諸君の仕事に対する熱意の度合い等のことがおわかりになりましたら、わかる範囲でけつこうでございますから、一応伺つておきたいと思います。
○岡部参考人 共済会に五千万円支出した分につきましては、先ほど大澤第四局長さんからもお話がございましたが、われわれといたしましては、受信者一千万獲得ということは多年の念願でございます。その目標といいますか、われわれが考えた達成の時期よりも、約半年早く一千万を突破することができたことにつきまして、なお一層職員の努力によりまして受信者に奉仕することが望ましいと存じまして、節約の一部を流用して、資金関係などもにらみ合せ、なお一時に交付した方が有効に運用できるのじやないかという考えでいたしたわけでございます。片方、減価償却なども予算で八〇%まででしたが、なお残つている分が二〇%もあるということから考えるならば、また別な見方も出るというようなことで御注意を受けたわけでございます。そこで共済会としては、多少間接的なものもございますが、事業の内容を申し上げますと、いわゆる冠婚葬祭的な給付金、それから先ほどお話がありました住宅資金の貸付とかあるいは生計資金の貸付、それから会員の宿舎の建設及び運営というようなことがおもな仕事となつておるのでございます。それで共済会としましては、一般生計の貸付も、医療の貸付も、住宅の貸付も相当増加し、また先ほど申し上げました共済会の会員の宿舎、寮なども、この五千万円によつて実施することができたのでございます。なお共済会の会計につきましては、協会の経理部の岩が会計を監査しておるような組織になつておるわけでございます。
○松井(政)委員 私がお伺いしておるのは、たとえば厚生施設の立場から住宅の問題についての便宜を従業員に与えるように金を使う、あるいはその他の便宜を与えるように使つて、できるだけ仕事のやりいいようにしておることが建前でございましようが、その建前はよろしいのです。ただわれわれがいわゆる難聴地域といわれる僻地のNHKの放送局なんかに行つてみると、従業員の住宅なんかありはせぬ、放送局の設備だつて完備しておりはせぬ、そういうような地域があるのです。従つてこういうような金は、たとえば中央のNHKの人たちばかりが恩恵をこうむるような厚生施設に使つてはならないと思いますので、その内容をお伺いしておるのです。最前線の末端にはほんとうにひどいところがございます。これは私より協会当局がよく知つておりましようが、僻地の三人なり四人で仕事をしておるところの放送局の人たちは、住宅どころではないのです。そういう施設に非常に恵まれないところに働いておるのでありまして、難聴地域の聴取者をよけいつくることにせつかく努力しておるのはやはり最前線の人たちなんですから、そういう金が末端に至るまで平均に、かつ従業員全体の恩恵のために使われておるかどうかということをお伺いしておるわけでございます。そういう点について、こまかいことはわからなければよろしゆうございますが、アウト・ラインだけでもお答え願つておきたいと思います。
○岡部参考人 松井さんから御指摘の通り、いわゆる豆局にはまだ相当ひどいところがございまして、これにつきましては、従来とも一時的の施設を恒久化する、それで恒久化する際に、先ほどもちよつと触れましたが、そこに働く者の業務用の社宅をつくつて行くという方針で進んでいるわけでございます。なお共済会の原資といいますか、そういうものは会員の員数に按分いたしまして、各支部にわけて利用に充てている、かような状況でやつておるわけでございます。
○松井(政)委員 そうすれば従業員の地域にわたる数の比率が、直接使い方に影響して来るということでございますか。たとえば個人々々の特別給与等は、個人々々平均に渡るでございましようが、施設の場合も、数に応じてやつているのかどうかということが非常に問題になると思う。それだつたら数の多いところは、なるほどパーセントで渡るのでありますから、共同施設等りつぱなものができる。しかし全部集めても県内に局がかりに三つある。県内の局を三つ合しても、三十人か四十人しかいない。県内の局の一つにはたつた四人しかいないというような場合には、員数に割当てたら住宅どころではなくて、全然恩恵をこうむらないことになるが、しかし三人か四人しかいないところでも、聴取者は非常に多くて、聴取料収入は県内随一を占めておるというところは全国に幾つもある。そういうところで、数は少いが、聴取者を勧誘したり、あるいは成績を上げるために努力をしている。しかし数が少いために、こういう場合の恩恵はきわめて恵まれないわけでございますか、それではなくて数というのは別の意味でありますか、それをひとつお聞かせ願いたい。
○岡部参考人 共済会の貸付などの原資につきましては、員数によつてたとえば五人いれば五人というような員数があるわけですから、少いところにはそれだけ少くなるわけであります。しかし住宅というような点につきましては、協会として、これは東京にもあるのでございますが、放送所のごく近くに社宅を設けまして、その居住者の便宜をはかる、これについてはそこの従業員が何人であるから何軒いるというようなことでやつて行くものでございますし、また土地によりましては、たとえば北海道あたりというようなきわめて住室の乏しいところもございますので、それらはその土地の事情に応じて社宅を建設して行く、かような考え方でやつているわけでございます。
○松井(政)委員 共済会の方は次の機会にまた詳しくお伺いすることにいたします。私の質問はこれで終りますが、先ほどの橋本君の質問に関連して、協会に一言意見を申し上げておきたいと思います。テレビジヨンとラジオの経理は区別すべきであるということは、橋本君の言う通り、数回にわたつて本委員会の議論となつたところでございまして、そういう考え方で来ておりますが、これはテレビジヨンが始まつた当初のことであつて、いろいろのことがございましたでしようし、会計検査院の方の先ほどのお答えにも明瞭になつておりますから申し上げませんけれども、問題は二十八年度の貸借対照表、損益計算書、財算目録等われわれが拝見いたした場合、並びにわれわれが決定した本年度予算の使途については、非常に重要な問題となると思います。ひいては放送法の改正の場合にも影響すると思いますので、この点については明瞭に内部会計の独立といいますか、そういう点については留意をしていただきたいということが一つであります。 もう一つは、これはわれわれが審議をいたした予算でございますが、法に基いて会計検査院の検査の結果、違法並びにその他のことがなかつたということでございますから、われわれは非常に喜んでいるのでありますけれども、二十六年度でありましたか、二十五年度でしたか、会計検査院の正式文書による注意を受けまして、その注意事項についてわれわれは本委員会で審議をした記憶を持つております。幾つかの注意を受けたのであります。従いましてNHKは、いろいろな角度から非常に注目を浴びている重要なる文化的な仕事をやつている企業体でありますから、今後も経理の面については、十分各方面から非難のないように、あるいは会計検査院の検査の場合にも、そうたくさん注意事項をつけられないように、留意をして通常をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終ります。
○岡部参考人 ただいま松井さんから御注意いただきまして、まことにありがとうございました。十分将来も注意して、変な口で見られないよう公正な経理をやつて行くように、今後とも一層注意をして参りたいと思います。
○成田委員長 ほかに質疑はありませんか。——ないようでございますから、本件に関する質疑はこれにて終了いたします。 これより本件について討論に入ります。 討論の通告がございませんので、ただちに採決いたします。日本放送協会昭和二十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書について採決いたします。本件は異議なきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○成田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。よつて本件は異議なきものと決しました。 お諮りいたします。本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○成田委員長 御異議なきものと認め、さよう決します。 —————————————
○成田委員長 次に電波管理に関して調査を進めます。まず雑音とよる無線受信障害に関し、政府の説明を求めます。長谷政府委員。
○長谷政府委員 ただいまお話のありました受信障害の問題、雑音妨害に対する対策でございますが、この件につきましては、本委員会におきましてもたびたび御報告申し上げておりますように、政府として立法措置が必要ではなかろうかということで、いろいろ検討をいたしておりますが、まだ調査の段階でございまして、結論を得ておりません。と申しますのは、技術的な基準が非常にむずかしい問題でありまして、あまりこの基準がきびしきに過ぎますと、非常に多くの施設者、これはラジオなり電波なりを直接利用している向きではなく、違つた方面のいろいろな電気的な施設をしておる方面に、非常な負担をかけることになります。またこの基準があまり低過ぎますと、十分ラジオなり一般の電波の利用者の保護ということができないことになります。どの点にこの基準を持つて行つたらよいかということにつきましては、技術的な点ばかりではなしに、経済的な点も一緒に考慮しなければなりませんので、政府としても、その決定に慎重を期しておるわけでございます。実は約三年ほど前から、付属機関でありますところの電波技術審議会に諮問いたしまして、各方面の学識経験者及び関係諸団体等の意見も聞きまして、この技術基準の決定にいろいろ努力をして来ております。ある程度の結論は出ておりますけれども、先ほど申し上げましたように、これの採用いかんによりましては、相当電気事業者そ準をどこに置くかということが一つの大きな問題でございます。その技術基準をきめるのには、その国におきますところの電波なりあるいはラジオなりの機械類、たとえて申し上げますと、日本におけるラジオの受信機がどういう性能であるかというところにも影響されます。また電気事業者の施設、たとえば送電線、配電線、あるいは自動車の発火線に対する処置が行われているか行われていないか、そういう点がいろいろございますので、必ずしも外国のやり方をそのまま日本に持つて来てよろしいというものでもございませんので、これは相当実情調査をしなければならないのでございます。従いまして先ほど申し上げましたように、相当長期間にわたりまして、電波技術審議会において具体的にこれを調査を進めていただいて、一応の結論は先ほど申し上げましたように出て参りましたけれども、はたしてこれを強制してよいかどうかというような点につきましては、なお慎重に考慮いたしたい、こういうつもりでおります。それらの具体的なやり方といたしましては、かねて御報告を申し上げましたように、各地方に電波監理局を中心といたしましの他に非常に大きな経済的な負担をかて、関係者の間に受信障害対策協議会けることになりますので、その点等もというものを持つております。中央に慎重に実は考慮いたしておるのでございます。 なおこの雑音妨害のことにつきましては、諸外国の例等につきましても、鋭意調査をいたしております。ただいま郵政省からその方面の担当官も海外に派遣いたしまして、外国の実情等もいろいろ調査さしておりますが、先ほど申し上げましたように、技術的な基も中央協議会というものを持ちまして、妨害を受ける側のもの、あるいは妨害源となるような施設に関係を持つておられるところ等々と相寄りまして、具体的な、実現可能な方法等につきまして協議を実はいたしておるのであります。しかし先ほども申し上げましたように、根本的には立法処置等が必要になつて来るように思いますので、通産省等とも十分に連絡をいたして、その方の研究も進めておるのであります。通産省と申し上げましたのは、たとえば電気工作物規程あるいは電気事業法、そういうものと、あるいはまた日本標準規格そういうものに電波に対する妨害にならないような予防処置を講ずるというような点につきまして、考慮をしてもらうことも必要であると思います。また必要によつては電波法の改正なり、単独立法というようなことも研究をすべきではなかろうかということで、研究をいたしておる次第でございます。
○成田委員長 次にこれに関連いたしまして、通産省当局の説明を求めたいと存じます。坂上電気機械課長。
○坂上説明員 御説明申し上げます。戦後特にここ両三年来、螢光放電燈が非常な勢いで普及発達いたして参りましたが、それに伴いまして螢光放電燈によるラジオ受信に対する障害が、非常に大きくなつて参つたわけでございます。これに対しまして何とかその被害を少くしたいということで、一昨年の十一月螢光燈による障害電波防止対策委員会を設置いたしまして、電波障害防止に必要な調査試験及び対策の研究をいたして参つた次第でございます。戦後非常な勢いで普及しました螢光灯に対しましては、現在その取付灯数が約六百万灯と推定いたしておりますが、ただいま申し上げました委員会を中心にいたしまして、いろいろと検討いたしました結果、昨年の三月一応の結論を得まして、暫定措置といたしまして、螢光灯に並列に〇・〇〇五ないし〇・〇一マイクロ・フアラッドのコンデンサーをとりつけることに暫定措置としていたしまして、関係の製造業者に対しまして、その旨を指示いたしたわけでございます。御案内の通り螢光灯につきましては、現在器具がほとんど大部分がグロー回路を用いた回路によつて使用せられておりますが、その回路の中につけられております、グロー・ランプ自体に、昨年の五月ごろからはそのコンデンサーを入れておりますので、正規の器具につきましてはほとんどすべてのものが大体これで大きな障害なしに済んでおるのではないかと思つております。ただそうした正規のもの以外のものとか、あるいはまたグロー回路以外の回路によつて使われておるものにつきましては、なお多少そういつたものがあると存じますが、大体そういうことで最近のものにつきましては、ほとんどすべて防止措置をとつておるわけでございますが、なお第二番目の措置といたしまして、工業標準化法に基く螢光放電灯の器具の規格を設定いたしましたが、その中に先ほど申し述べました、コンデンサーをとりつけることを規定いたしております。なおまた標準化法の十九条の規定品目にいたしまして、指定商品としてこの器共をとりつけてないものにつきましては、JISの規格の表示をしないことにいたしております。ただいま申し上げましたのは大体螢光灯によるラジオ障害についての対策でございますが、なおほかにテレビジヨンなりその他ラジオに関連いたしまして、電波技術協会に対しまして、通産省といたしましては補助金を交付いたしまして、これらの電波障害に対する調査、試験、研究に当らせております。かようにいろいろの措置をとつて参つておりますが、現在なおラジオ受信等におきまする障害は相当な数に上つております。郵政省の方で障害対策中央協議会というようなものを最近つくられたようでありますが、そうした関係各方面と連絡をとりまして、この被害を最小限度に食いとめるように最善の努力をいたして参りたい、かように存じておるわけでございますが、何分器具自体につきましていろいろと措置をとつて参るだけでなしに、そのほか受信機その他についてもいろいろと関係方面に御協力を願わなくては、完全に目的は達成しがたいのではないか、かように存じておる次第でございます。ごく簡単に私どもの方でとつております措置につきまして御説明申し上げました。
○成田委員長 質疑に入ります。この際原委員よりこの問題について、日本放送協会にも質疑をいたしたいとのことであります。日本放送協会理事岡部重信君より参考人として御答弁願うことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○成田委員長 御異議ないものと認めさよう決します。原茂君。
○原(茂)委員 最初に、今御説明された通産当局にちよつとお伺いしておきますが、今御説明の標準化法の認定を受けない器具は、販売できないことになつております。あるいはそれが買われた場合使用されておるものを発見したときに、何かこれに処置をすることができるようになつているのか、その点先にちよつとお伺いしておきます。
○坂上説明員 標準化法の関係につきましては、強制力はございません。指導方針といたしまして、需要者に対しましてできるだけそうしたものを使用するようにということで現在行つております。
○原(茂)委員 私しろうとだから今初めて聞くのですが、そういう適切な指導をされておるのに、その指導というものが不徹底だから私が知らなかつたのじやないかと思うのです。一般ラジオの聴取者等がこういうことを周知しているかどうか、非常に疑問だと思う。関係当局のあなた方はよく知られておるつもりでやつておると思うのですが、実際には私が知らないほどに、一般大衆はその率で知らないのじやないかと思いますが、どんな方法で周知させているつもりなのか、指導の方法もひとつお伺いしておきたい。
○坂上説明員 先月新たに措置をいたしまして、螢光放電灯の器具につきましては、そうした電波障害防止措置のとつてあるものに対しまして、表示制度をとらせるように現在指導いたしております。その器具の製造業者なり販売業者を通じまして、新しく購入する需要者に対しまして、そうした措置をとられているものを使用するようにという措置をできるだけ進めて参りたい、かように存じております。
○原(茂)委員 協会の方にお伺いしたいのですが、これは非常に重要な問題なんです。適切な周知方法をとることは非常に必要なんです。大衆にそういうことが知られていると、なおこれを使用しようとする業者が注意するようになるのですが、大衆に知らせるためには公共放送である協会などが率先して、特定の時間にこういうことを週期的にやはり放送されるようにした方が私はいいと思いますが、そういうことを現実にやつておられるのか、やつておられないとすれば、今後やることができるのかどうかお伺いしたい。
○岡部参考人 雑音障害につきまして今年度私どもの方として考えておりますのは、無雑音都市化運動といいますか、そういう運動を展開して行きたいということと、それからこれは一般論でありますが、未然防止の徹底ということで、それの一連の問題をやつて行きたいと思つております。ただいま御指摘の放送でこういうことをやるということですが、これは私はつきり記憶はいたしておりませんが、従来もたびたびやつていたと思います。ともうしますのは、ご承知の通り、一つの雑音源から出て来る被害が、場合によると原因によりましては何百という受信者に影響を及ぼしますので、従来とも防止器の取付というようなことをやつており、また申告を受付けておりますので、放送でもこれを取上げてやつておるように記憶いたしております。
○橋本(登)委員 通産省にちよつとお聞きしたいのですが、せんだつて大阪へ参りまして、この雑音問題について調べてみたのです。今書類を忘れて来ましたので、具体的な数字をあげることはできませんが、大阪あたりで電波監理局が雑音を調査をする、あるいはまた防止を勧告する、こういうことのために行きますと、人によつては税務署と同じように考えて、税金でもとられはしないかというので、非常にこれを隠したりあるいはまた逃げまわつたりして、なかなか調査が困難だ、これは日本人よりは第三国人もしくは朝鮮人の部落が多いようですが、特に大阪方面で大きく問題になつておるのは高周波ミシン、これが非常に障害が大きいようであります。そこで将来雑音を防止するということが相当重要な条件だとしますれば、これからでも政府がそういうような雑音防止器をつけなければ売れないような制度、いわゆる法律ですか、そういうものを過去にさかのぼらずにこれから売るものについてそういう措置を講ぜしめる、こういう措置をとることの方がその目的を達成することができると思うのですが、そこでそういうものをするといたしますれば、これは非常に広範囲にやるということは困難でしようが、主要なるものについてそういうことをやると、どれくらいの影響があるか。金額の上において、あるいは経済上どういう影響があるか、お調べになつておれば御意見を承りたい。
○坂上説明員 高周波ミシンによります影響等につきましては、御指摘のございました通り非常にその防止が困難であると存じております。シールドする場合においても、家庭内職としてこうした高周波ミシンによつて作業をやつておる場合も相当ございます。そうした場合に、家全体をするということもきわめて困難でございます。実効を下げるということは非常に困難じやないかと考えておる次第でざいます。もちろん工場、事業場等におきまして設置いたしておるもの等につきましては、現在もうほとんどすべてのものに防止装置をやつておりますが、全般的にでなくても、先ほど御指摘のように、主要のものにつきましてそうした発生防止の措置をとるには、どれくらいの経費を要するかという問題につきましては、私どもの方といたしましては、まだ具体的に計算をした資料はございませんので、お答えいたしかねます。
○原(茂)委員 坂上さんにもう一点聞いておきたいのですが、先ほどの補助金を出しておられるのですが、どの方面にどのくらい出しておられるのか。
○坂上説明員 電波技術協会に対しまして二十七年度におきまして約百四十万円交付いたしました。研究内容といたしましては、自動車からの雑音防止、特にこれはテレビジヨンに対する雑音防止の研究でございます、昨三十八年度におきましては同じく同協会に対しまして七十五万円交付いたしております。これはテレビジヨン及びラジオその他の通信機械に対する、各種電気機械器具による障害防止に関する研究という項目によりまして交付いたしております。以上二件でございます。
○原(茂)委員 今の補助金を出されるのは、単独で通産省だけで出しておられるようですが、事業の品的が目的ですから、協会ともタイアップして補助金を出すということは考えていないのでしようか。協会は協会で、独自で、当然防止に対する研究はしなければいけないのですが、両者共同して何かこの目的達成のための事業をやつておられるのじやないかと思つておつたのですが、全然そういうことはないのですか。
○坂上説明員 協会からは、電波技術協会その他に対しましても御参加は願つております。その電波技術協会の中でいろいろとご審議を願い、その結果に基いて交付いたしておると理解いたしております。
○原(茂)委員 協会の側にお伺いしますが、協会では電波技術協会に対してやはりこの目的のための資金的な支出を、研究費の名目か何かでしていられますか、していませんか。ただ通産当局が出す補助金の百四十万という微々たるものだけで今日までやつて来ておるのか、それをお伺いしたいと思います。
○岡部参考人 協会といたしましては、電波技術協会にはラジオの受信機とテレビジヨンの受信機の優秀にして低廉な研究というものを委託しておりまして、雑音の方の問題、主としてテレビジヨン関係の方につきましては、技術研究所でもやはり電波技術協会と連絡をとりながら研究しております。
○原(茂)委員 それはまた少しくむだな使い方になるし、目的がもう少し大きな目的ですから、各種同じところへ力を注ぐような金の使い方をする意味で、後日国会がこれに対する考慮を払うべきだと思いますが、この問題について当局に対してお伺いしたいのです。まず受信障害を大きく考えますと、国内的なものと国際的なものと二つにわけることができる。そこで、今問題にしておりますのは国内的なものだけなんですが、やはり海外からわが国に与えられる通信による障害といつたようなものを、受信障害の問題としてはやはり当然考えなければいけないと考えるわけですが、そういうことが当然考えられているかどうかが一つと、考えられているとしますと、今通産当局が講じているような種類の何かある種の対策を、電波監理局としては考えたことがあるか、あるいは今日何か対策を講じているのか。国内的な問題と国際的な問題にわけて概略の説明を先にお伺いしたい。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまお話の点は、私はいわゆる混信妨害の点ではなかろうかと解釈いたしますが、混信妨害の問題でございますならば、電波法によりましてこれの処置ができる形になつております。従いましてもしも日本が国際的に優先的に認められておる電波の使用に対して、外国が混信妨害を及ぼした場合には、主管庁としまして相手の国の主管庁に抗議を申し込みまして、その適宜な周波数に対する混信除却についての適宜な処置を要求しておる。従来までも大体そういうことで解釈がされております。国内的にも相互の無線局同士で、混信妨害を及ぼす場合には、またこれは電波管理等の手段を通じまして、適正にそれを是正さしておりますので、混信問題の関係につきましては、問題はほとんどないのではなかろうかと思つております。
○原(茂)委員 国際的な問題では、日本海岸にまだそういう問題があることを私、昨年ですか、現地視察したときに聞いておりますけれども、今のお話ですと、解決されておるという割切つたお答えをされておるのですが、調査粗漏なのか、私が聞いたのが少し昔話過ぎるのか、最近では全然そういうことがなくなつているのか、その点をお伺いしたい。
○長谷政府委員 お答え申し上げましては、国際電気通信連合の加盟国でない国から混信妨害が起つております場合には、そこに抗議の申込みようがない、外交的なルートがないところもございまして、そのためにやむを得ずこちら側がその妨害を避けるような処置をとつておるような次第でございます。現在において、ラジオ等において全然外国の混信妨害がないような状態になつておるとは言い切れないのでありますが、程度のひどい妨害処置に対しましては、抗議を申し込んで処置してもらえるところはそういう処置もとり、またそういう行き方のとれないところは、消極的ではございますが、国内の電波の割当の方を是正いたしまして、その妨害を避けておる、こういううな処置をとつておる次第でございます。
○橋本(登)委員 さつきちよつとお答えがなかつたので、これもあるいは電波監理局長の方かもしれませんが、もう一度お尋ねいたします。これから電波を利用しての工業がだんだん盛んになつて来ると思うのですが、そうしますと、今後ますますこの雑音問題が起つて来るわけでありますけれども、そこで今のところ通産省としては、これを今行うためにはどれだけの経済上の負担が生ずるかということは調査になつておらないそうでありますが、それは別といたしまして、もし雑音防止法とでもいうか、そういうような装置をつけなければいかぬという法律を出すといたしますれば、その主管はいずれになりますか。郵政省になるのか、通産省の方になるのか。郵政省になるといたしましても、もちろん通産省と話合いをつけることになるでありましようが、どつちになるかという主管の問題。もう一つは、だんだん先になればなるほどこれらの実施は困難になるわけでありますから、私はなるべく早い方がいいと思いますが、時期の問題についてはどう考えておられるか、この点をお伺いしたい。
○佐伯説明員 通産省といたしましての現在これに対する取締りの規定がどうなつておるかという問題につきましてお答えいたします。通産省としましてこういうものを取締る法的根拠とい止しましては、旧電気事業法の十三条に「電気工作物相互間及電気工作物ト其ノ他ノ工作物トノ間ニ於ヶル障害防止ノ為必要ナル施設二関スル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」という根拠法規がありまして、これに基きまして電気工作物規程というものができておるわけであります。この電気工作物規程につきましては、本年四月一日改正を見たのでありますが、そのときにこういう情勢を考慮いたしまして新たな規定を追加いたしまして、電波障害防止に関する一つの規定を設けまして、それにより取締り根拠をつくつております。しかしながらこの問題につきましては、ただいま各種の委員会等でどの程度まで難音を許すべきか、あるいはどの程度の施設をしたら最も合理的であるかというようなことにつきまして、まだ検討中でございまして、結論が得られませんので、省令の規定といたしましては、その詳細は告示に譲るという形になつておりまして、それらの結論が得られ次第、告示でもつて、こういう限度であり、こういう施設をしなければならないということを出しさえすれば取締りができる、そういう態勢になつております。以上、通産側といたしましての法的根拠につきまして御説明申し上げたわけであります。
○橋本(登)委員 そうしますと、省令の規定でありますからして、もし雑音防止をしなかつたといたしましても、それによる罰則規定がないわけですね。単なる省令規定になりはしませんか。
○佐伯説明員 これは旧電気事業法の規定から譲られました省令でございますから、法律の規定の違反としてそちらの方で処罰がかかること、なつております。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。郵政省といたしましては、ただいま議題となつております問題は、広く申し上げまして無線通信に対する妨害でございますので、これが起りました場合には、適宜の処置を命ずることができる規定炉電波法上にはつきりうたわれております。またそれに従わない場合の罰則等もあるのでございますが、ただいま通産省側からもお話がございましたように、また先ほど私から御説明申し上げたように、技術的な基準、どの線をその基準点にするかということについて調査中でございますので、まだはつきりした具体的な数値を示したところまでは行つておらないのでございますけれども、先ほども申し上げましたように、現在電波法におきますと、八十二条及び百条、百一条等の法律及びこれらに関係する関係規則等を検討いたしまして、的確な処置を講じて行きたい、こういうふうに思つておる次第でございます。
○橋本(登)委員 そうしますと、通産省並びに郵政省としては、一応雑音防止に関する法律的根拠を持つており、それによつて措置をしておるわけですが、実際上の処置としては、雑音が出てから、それによつて第三者が被害をこうむつた、あるいは監督当局が実際上に発見して処置するということもけつこうでしようが、いずれにしろ雑音が出てからでなければ防止ができない、こういうことになつておると解釈してよろしいでしようか。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。無線設備同士でお互いに混信その他妨害をする場合には、その許可の前に、そういうことが起らないように、電波法に基いてできます。また高周波利用設備は、やはり電波法に基いて郵政大臣の許可の対象になつておりますから、高周波利用設備についても、その許可にあたりまして、他に対する妨害等を十分考慮して許可をすることができますが、一般的に申しまして電気工作物、たとえば先ほどお話の出ましたネオン・チューブのようなもの、あるいは自動車というようなものにつきましては、電波法の対象外でございますので、予備的な事前処置というものは電波法に基いてできませんので、この点等につきましては、特に通産省の方に御協力を願いまして、適宜の処置をとつていただく、こういう形でごいざます。なお妨害が起つた後につましては、電波法に基いてできるのでございますが、御指摘のようにやはり予防的な処置まで行かなければ、完全な解決はできませんので、ただいま申し上げたような形になつております。
○佐伯説明員 ただいま申しました旧電気事業法関係の取締りにおきましては、電気工作物はこのようにつくらなければならないということを定めることができますから、予防的な意味におきましても命令を出すことが可能でございます。
○齋藤委員 関連して……。ただいまのお話でございますが、雑音防止は、いろいろな将来の電気事業及び電波事業の発達によつて、不測の雑音というものが入つて来るのじやないかと思うのですが、私もこの問題はよくわかりませんが、結論づけますと、ラジオないしテレビジヨンにあらゆる他の電波障害を防禦する設備をつけるということの方が、私は賢明なように考えられるのですがそれは技術的にできないことでございましようか。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。御承知のように放送の受信機等は、相当幅を持つた電波を受ける施設になつておりますのでその受ける目的としております電波の周波数と申しましようか、波長の範囲外のところを切つて落すことはできますけれども、その範囲内に入つて来る雑音はどうしても切ることができないわけでございます。従いまして一般の放送につきまきては、一般の放送だけが受かるようにし、そのほかのところは受からないように大体なつておりますので、現在ラジオの受信機が受けておる受信妨害状況は、受信機の方に対する手当では、これ以上改善する余地はなかろうと思つております。またテレビジヨン等は、御案内のように受信する周波数のバンドはほとんど局限されておりまして、それ以外はあまり受からぬようになつておりますので、これもラジオの受信機の場合よりもなお一層、受信機の対策だけで処置はできないようになつております。ただ従来日本の家庭等で非常に広く使われておりますラジオの受信機は、アンテナを使わないで、いわゆる電燈線をアンテナに使つておる場合が非常に多うございます。これが雑音を導入する非常に大きな原因になつておることがございますので、いわゆる電燈線アンテナの軽易な方法をやめて、アンテナ等をちやんと張れば、雑音が少くなるというところなどの方法はございますけれども、受信機そのものに手を加えてということでは、あまり大きな期待は持てないのではなかろうかと思います。
○齋藤委員 螢光燈あるいは自動車のモーター等による雑音の判定は、今お話がございましたが、これは非常にむずかしいのじやないかと私は思うのですか、家庭でラヂオをつけておりますときに、ある場合においてはそれは聞えるけれども、ある場合に非常な雑音で聞えなかつたというときに、ラジオの故障と認むべきものであるか、あるいは雑音であるかということの判定は、これは一々やつて参るということになると、非常にむずかしい問題になりはせぬかと思うのですが、はたしてこれはラジオの故障によつて起きる雑音と冒せらるるものであるか、あるいはその他によつて起る雑音であるかというようなことの判定は容易にわかりますか、それとも容易に判定する方法がございますか。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ある種の場合ですと、判定のしにくい場合もあるかと思いますが、大体普通の場合は、外部から来る雑音であるか、受信機内部の故障であるかということの判定は十分できると思つております。
○齋藤委員 それはやつぱりしろうとでできるのですか。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。大体妨害発生の発生源と申しましようか、そういうものの種類によりまして、ラジオの場合の音の出し方がかわつておりますから、こういう音が出る場合は大体こういう雑音源というような見当から、大体できるものと私どもは思つております。
○齋藤委員 そうしますと、将来聴取料をとりますときに、ここはどうも雑音が入つて困るのだというような苦情が出て参りましたときに、それを判定して行くということになりますと、非常に大きな煩雑な問題が出て来るのじやないかと思うのでありますが、こういうときに対しては簡単に処置ができますか。
○長谷政府委員 ただいまお話になりましたような例の場合でございますが、放送協会で、ある加入者から雑音妨害の苦情がありました場合には、協会が関係者に協議をされましてその処置をして来ております。先ほど申し上げました地方にございます受信障害対策協議会等の一つの大きな仕事がそれでございまして、従来予防的な処置がまだできておりませんので、そういう妨害が起つて苦情等がありました場合に、受信障害に対する苦情処理協議会みたいなものでございますが、先ほど申し上げました協議会の手によつて、主として放送協会等が中心になつて、そういう具体的な一つ一つの問題の手当をしておるのが実情でございます。
○齋藤委員 螢光灯あるいは自動車のモーターから出る結局雑音となるものは、一種の電波だろうと思いますが、これは大体電波の種類というものがきまつて出て来るものでございますか、どうでありますか。
○長谷政府委員 的確なことは資料がございませんので申し上げかねるのでございますが、ただいま御指摘になりました自動車の発火装置、これは確かに電波の形で出るわけでございます。これは相当広い範囲にわたつておりますが、いわゆる一般の標準周波数のラジオ、この方面ではあまりございません。波長の短かい方、従いましてたとえばテレビジヨンなんかには妨害となつて出て参ります。それからネオンサインは、短かい方の波長はあまり出ないようでございます。大体一般のラジオ及び短波くらいまでのところには妨害があるのでございますが、かなり短かい方には出ないようでございます。従いましてネオンサインによるテレビジヨンヘの妨害というものは、あまり例がないようであります。
○原(茂)委員 今の問題に関連して先にお伺いいたしますが、最近の受信障害のNHKの調べた統計だと思うのですが、これを調べてみますと、年々螢光燈による障害が一番多くなつていますが、小型電動機による障害がほとんどかわつていないような計数が出ております。従つて小型電動機に関する何か適切な手当をすると、相当受信障害に対する防止策としては有効なものができそうだと思うし、この小型電動機に対する措置をしようとするなら、これも非常に簡単に行くものと思いますが、通産当局と電波監理局の両方に、そういうことが簡単にできそうなものかどうか、非常に困難か、困難なら困難な事情をお伺いしたいのですが、最近送配電設備関係からはだんだんなくなつて参りまして、螢光燈と逆比例でほとんど受信障害のパーセンテージが減つて来ております。小型電動機に関するもののみがほとんどかわつていないわけですが、これは最も手のつけやすいものだし、小型電動機のメーカーあるいは実際使用する人々に対して、適切な法的な措置ないしその他の指導をすれば、私は受信障害の大部分と言わないまでも、相当部分が防止できる、こう考えるわけですが、この点どうお考えか、両当局に見解を承りたい。
○長谷政府委員 お答えいたします。ただいま御指摘のように、確かにラジオ受信障害の過去の動向を見ますと、小型電動機による障害発生の件数はあまりかわつておりませんが、一方螢光燈によるものが非常にふえておるのは、確かに御指摘の通りでございます。なお小型電動機はおもに歯医者さんの用いられる小さなモーターがそのおもなるものでありまして、これは随時毎年手当をされて来ておりますので、新しく出たもの、あるいは何らかの故障によつて雑音が起つて来たというようなことだろうと思うのです。従いましてこの方面につきましては、私どもといたしまして、厚生省及び医師会あるいは歯科医師会等の方々とも御連絡をいたしまして、この方面の処置も御相談をいたしておるわけであります。なお螢光燈につきましては、先ほど通産省の方から御答弁がありましたように、具体的な処置がされつつございますので、この状態は非常によくなつて行くのではないかと期待しておるわけであります。
○坂上説明員 小型電動機につきましては、私どもの方といたしましては、先ほど御説明申し上げました通り、電波技術協会を中心にいたしまして、目下具体的な防止方策を検討中でございます。まだ具体的に対策をとる段階にまで立ち至つておりません。
○原(茂)委員 これは小型電動機のパーセンテージがかわつていないところを見ると、今局長の説明されたような内容でなくして、適切な措置がまだ講じられていない一つの計数をここに見るわけですが、やつておられるような御説明ですから期待するわけですが、通産当局でもちよつと見れば数字の上ではつきりわかるわけですから、補助金なども出すせつかくの強い意向があるのでしたら、思い切つて小型モーターのメーカーに対して直接手当をするような方法を早期に講ずることが、二割から三割に至る受信障害防止に有効的に役立つもので、決定的な答えが出るわけですから、ひとつ早期にこのことを考えるべきであると考えるわけです。 なお長谷局長に最後にもう一点お伺いしておきたいのですが、先ほどの国籍不明の海外からする混信の問題が、やがては国内の受信障害防止の問題にからんでやつて参りますから、単に電波の割当変更という消極手段だけでこれを防ごうとするのは、私は当を得ていないと思う。もう少し積極的な何かほかの手段がないものかと考えるわけですが、電波の割当変更以外にない、こういうふうなお考えならやむを得ませんが、将来のその方面の何か考え方があるならここでお聞かせ願つておいて、これに対する議会として手当をしなければいけない問題があれば、国内、国際的にあわせて早急に立法措置をしてもらうような動きもしたいと考えるわけですが、ひとつこの混信に対する積極的な方途の案がおありでしたら、ここで説明願いたい。
○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの点につきましては非常にむずかしい問題でございまして、私どもといたしましてはできるだけ正常な外交手段を尽しまして、日本側に権利があつて、相手側が無理をいたしております場合には、是正をしてもらうように努めたいと思うのでありますが、先ほど来申し上げ、またただいま御指摘のように、それが実現できない場合がございます。これに対しましては、ただいま私どもがとりあえずとつておりますのは、その他の手段がないわけでもございませんが、それをとることについてのいろいろ疑問がございますので、無理が通れば道理がひつ込むかつこうをとつておるわけであります。これにつきましては私どもは非常に残念に思つておるのでございますが、もう一つの方法は無理に対して無理で行くという方法であります。従いましてもし外国の妨害の電波がありましたものに、こちらから強力な電波でやり返すというような問題があるのでありますが、これはやはり一つの非常手段でございまして、今そういうことをやるのが適当であるか、あるいはその手段はどういう方法でやるか等につきましても、研究をいたさなければならぬ問題でございますし、また政府としてある特定なものにそういうことをやることを命令をし、あるいは御依頼をするというようなことも、現在の法律上におきましても大分問題がございますので、私どもとして将来の一つの研究課題だと実は思つておるのでございます。
○坂上説明員 小型電動機の障害防止につきましては、御趣旨を体しまして、すみやかに結論を見出しまして実行するように努力いたしたいと存じます。
○原(茂)委員 この際受信障害の関係と離れまして、きのう通過してしまつたわけなんですが、自衛隊法に関係のある問題で、長谷局長に一点だけお伺いしたいのですが、とうとうこの委員会で審議できないままに通過してしまつたわけなんですけれども、あとの必要からお伺いしておきたいのは、自衛隊法の百四条を見ていただきたいのですが、公衆電気通信設備の利用等に関して百四条があります。「長官は、第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の任務遂行上必要があると認める場合には、緊急を要する通信を確保するため、郵政大臣に対し、公衆電気通信設備を優先的に利用し、」とございますが、この公衆電気通信設備の定義をまず局長からお伺いしたいと思うのは、この自衛隊法の七十六条をごらん願いますと、防衛出動の件あるいは七十七条の防衛出動待機命令等あつて、まず七十六条を参考にしていただくとわかると思いますが、内閣総理大臣は外部からの武力攻撃に際して、わが国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の出動を命ずることができる。その自衛隊が出動を命ぜられると自動的に、さきに申し上げた百四条に関連して参ります。そこで公衆電気通信設備というものを優先的に利用するという事態が発生するわけですが、これが発生しました場合に、この公衆電気通信設備の定義的なものが一応後段にございますが、一体電波法との関係を考えましたときに、公衆電気通信設備と電波法との関係がどこから引出せるものか、全然関係がないと言えるものかどうか。百十二条に「電波法第百四条の規定にかかわらず、同法の規定のうち、無線局の免許及び検査」云々とございますが、こういう関係だけの電波法との関係を考えればよろしいのかどうか。私はこの百十二条、百四条の関連だけで公衆電気通信設備というものを解釈しておくと、将来非常に大きな疑問と危険があると考えるわけです。その考える問題を時間の関係で先に申し上げますと、たとえば自衛隊法百四条に規定されている公衆電気通信設備とは、一体何かというと、電波法の第四条を今度参考にして見ますと、ここに公衆通信業務とあるのは、公衆の一般利用に供する無線通信の業務をいうので、これを行うことを目的とする無線局は、日本電信電話公社又は国際電信電話株式会社でなければ、開設することができない、こう規定いたしてある。これと電波法の第六条、そこまで関連を持つて行きますと、第二項に「公衆によつて直接受信されることを目的とする無線通信の送信(以下「放送」という。)をする無線局」こうなつておりますが、この無線局という今申し上げた第六条の規定まで考えて行きますと、単に公衆電気通信設備の利用というものを百四条の項目にだけひつからめて考えることが不可能になつて参りまして、いやでも電波法第四条、第六条を参照にした、すなわち放送をも自衛隊の出動が命ぜられたときには、長官が利用することができるというふうに、解釈が当然成り立つて来るように私には思えるのですが、この心配は全然ないとお考えかどうか。それならば非常にけつこうですが、どうしても深く考えて行きますと、単に電気通信設備という百四条に規定するもの以外に、やはり電波法にも関連を持つて参りまして、すなわち公衆電気通信設備とはという解釈を求めたときに、電波法の第四条に、やはりこれと同義的なものが出て来ますから、放送事業または放送局、無線局までがやはり公衆電気通信設備の中に入つて来るように考えられる。私はその心配を持つのですが、局長はそういうことは心配ないとおつしやるなら、はつきりそうおつしやつていただけばいいのですが、その疑念があるかたいか、局長の考えをお伺いしておきたい。
○長谷政府委員 一応私から答弁させていただきます。なお補足的に金光電気通信監理官からも御説明をしていただきたいと思います。ただいま御指摘の公衆電気通信設備という言葉は、電波法に申しますところの公衆通信業務との関連でございますが、公衆通信業務は、電電公社及び国際電信電話株式会社でなければ行えないことになつております。れの範囲につきましては、なお政令で定めることになつておりますが、その政令によりまして、放送とか一般の私設無線局等は除外されております。つまり電電公社及び国際電信電話株式会社が公衆通信のために、みずから運用する設備と及び他に提供する、いわゆる設備提供のために設けた設備関係だけが公衆電気通信設備でありまして、放送とかあるいは私的な個人及び団体が、その専用のために自分でつくつている無線局等はその中に入らない、こういうふうに解釈できるのではなかろうかと思います。
○金光説明員 一応私からも補足して御説明申し上げます。ただいま原委員の御指摘になりました自衛隊法百四条の中にあります公衆電気通信設備という定義は、公衆電気通信法の中に、この公衆電気通信設備という言葉の定義を下しているのでありましてそれを自衛隊法の中に借りて来たわけでありまして、ただいま長谷局長からお話のありましたように、これは平たく申し上げますれば、公社及び国際電電会社の設備というふうにお考えになつてけつこうだと思います。そこで放送設備等は入らないわけでございます。むしろ一般の無線局の設備等は、自衛隊法第百四条の「又は」以下の後段に、「有線電気通信法第三条第三項第三号に掲げる者が設置する電気通信設備」とあるが、この掲げる者というのは、警察だとか消防とか、あるいは公益事業とか特に緊急度の高い鉱業等を、有線電気通信法の中に例示的にあげてございますが、そこに掲げてあるようなものが「設置する電気通信設備」というのでございまして、この後段の電気通信設備は、何も有線電気通信法をそのまま受けているわけではありませんので、有線電気通信設備及び無線電気通信設備という両者を包含しているのでありますので、そちらの方に無線局設備も、もちろん一般の私設無線局も入るということに相なるわけでございます。
○原(茂)委員 それが正しいと思うのですが、きよう一応お伺いしておいて、月曜日に大臣が来られるそうですから、またはつきり確認してもらうと、非常に明るくなるのですが、繰返して一点だけお伺いしておきたいのは、今の自衛隊法の百四条の公衆電気通信設備というものを、あえてここで歪曲して考えて行くと、電波法第四条にいうところの、いわゆる公衆通信業務、これと関連を持たせることができそうな気がします。正しく解釈すると、法の根拠が違うのだから、これは全然縁のないものだと言い切れるわけです。これは皆さんに関係ないことで、言つてもどうかと思いますが、現政府はいろいろこじつけるのがうまいので、うつかりすると公衆電気通信設備というものを、公衆通信業務というのと同じようにすりかえて行こうとする。これもできないこともないように私は考えるわけですが、できないとすると、絶対にそれはできないのだという法的根拠を、今金光説明員の御説明になつたものだけで求めて行かれるのか。それともまだほかに何か法的な根拠があつて、そういうことは同じに解釈することは不可能、絶対にできないのだという解釈があるならば、ぜひそれを伺わせていただきたい。 なおもう一つ、これと関連して同じ意味でお伺いしたいのは、この公衆通信業務が無線通信の業務を行うという、すなわち放送局、無線局に通じて来る、こういうような解釈も成り立つかどうか。すなわち電波法第六条から考えて行つて、こじつけようとするならば、やはり公衆によつて直接受信されることを目的とする無線通信の送信、すなわち放送、こういうものが無線局なんだというと、この無線局、放送局がもう一つ上に行つて、今言つた無線通信の業務を行うもの、それがすなわち公衆通信業務であり、それが公衆電気通信設備の中に入るのだというように解釈を曲げてやろうとして、できないことはないようにも一応考えられて来るのです。もう一度、とうていそういうことはできないというのを、先ほどの御説明以外の根拠に何かあるならば、もう少しつつ込んで、もつと多くの法的な根拠をお示し願つて、お教えいただきたいと考えるわけであります。
○金光説明員 ただいまの原委員のもう一つほかの理由はないかというお尋ねでありますが、ほかの理由はあまりないので、今の繰返しになるわけでありますけれども、公衆電気通信法の二条四号で、公衆電気通信設備の定義は、「もつぱら公衆電気通信役務を提供するための電気通信設備」と言つておるわけであります。そのもう一つ前の三号で、しからば公衆電気通信役務とは何かということをやはり定義しておりますが、それによりますと、「電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供すること。」と書いてあるわけであります。公衆電気通信法を制定しました際にも、放送もやはり電気通信設備には違いない、こういう意味においては、放送も電気通信の中に入る。しかしながら放送業務というものは、他人の通信の媒介ではないではないか。そこで明らかにこの中からは放送業務は除かれる、こういうのを、一応政府当局としての公定の解釈として出したわけでございます。それを受けまして、ただいま申し上げましたような自衛隊法等で公衆電気通信設備というものを優先的に利用せしめる場合に、先ほど御説明申し上げけしたように、放送局等は入らないということを解釈しておるのでございまして、別の法律ということになりますと、ちよつと今のところ見当らない、あるいはほかのものもあるかと思いますが、ただいまちよつと見当らない、考えつかないのでございます。
○原(茂)委員 ずいぶんいいことを教えていただきましたが、またお考え願つて、ほかにありましたらひとつお教えいただきたい。これはうつかりすりかえられますと、ゆゆしき問題だと思うのです。今は一つしか理由を考えられていないようですが、見出し得るのでしたら、ひとつもう少しはつきりした根拠をお示し願いたい。一応通信設備の中に放送も入るのだという前段があつて但し他人の媒介をするのではないということだけにこれを指定する根拠を求めようとすると、何之なくま、だ感じが弱いし不安があるように思うわけですから、もつと強くといいますか——これは私の気持の上で強くですが、猜疑心が深いのかもしれませんが、しろうとの私がなるほどと安心できるような理由がもし発見できるならば、御研究を願いたいと思います。将来問題になると私は思います。ぜひひとつ研究して、わかりましたら教えていただきたいと考えます。
○成田委員長 それでは公衆電気通信設備の中には放送局は入らないということは、ただいま御説明になつた公衆電気通信設備の定義からいつて、必要にして十分な根拠だと解釈してよろしゆうございますね。
○金光説明員 必要にして十分だとおつしやると何でありますが、少くとも公衆電気通信法をつくりました際にはただいま申し上げました他人の通信媒介というものは放送は含まないということは、法制局等とも打合わして、政府としては一貫した解釈として定めたわけでございます。
○成田委員長 そこで百四条の解釈におきましても、公衆電気通信設備の中には放送局は入らないということは、現行法の解釈からいつて当然だ、それ以上の理由はいらない、こう解釈してよろしゆうございますね。
○金光説明員 もちろん自衛隊法は、法律が公衆電気通信法とは全然違うわけでございますので、公衆電気通信設備という定義をここにつけていなければ、公衆電気通信法にあるからといつてそのままの解釈になるかどうかということは、あるいはりくつを言えば違つた解釈が成り立つということも言えるわけでございますが普通の場合におきましては、こういう公衆電気通信設備というように通信関係の規定を設けました際にはその根拠になります公衆電気通信法等にはつきりした定義がありますれば、その定義通り解釈するというのが、法律解釈上の常識ではないかと思うわけでございます。もしかりに公衆電気通信法と異なつた解釈をことさらにとるといたしますれば、逆に自衛隊法の中に公衆電気通信設備の定義をさらに書くのが普通だと思いますので、ただいま委員長のおつしやる通り自衛隊法百四条にあります公衆電気通信設備は、やはり公衆電気通信法第二条四号に掲げられた定義と同一に解釈するのが妥当ではないかと考えます。
○成田委員長 従つて放送局はは百四条の公衆電気通信施設には入らないというのが、現在の法律常識からいつて当然と解釈してよろしいのですか。
○金光説明員 その通りと考えます。
○成田委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後四時六分散会