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19回国会衆議院1954/04/14

電気通信委員会 第19号

発言数
73
登壇者
9
会派数
3
開催日
1954/04/14

会議録

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 ただいまより開会いたします。  理事並びに電波法制調査に関する小委員の補欠選任についてお諮りいたします。去る六月理事並びに小委員庄司一郎君が委員を辞任され、理事並びに小委員がそれぞれ一名欠員となつております。現在同君は再び本委員会の委員に選任せられておりますので、同君を理事並びに小委員に再び選任いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 御異議なきものと認め、さよう決します。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 お諮りいたします。ただいま内閣委員会において審査中の自衛隊法案には、自衛隊の防衛出動の際の公衆電気通信設備の利用及び警察事務を行うものの設置する特定の有線電気通信設備の使用に関する規定並びに自衛隊がレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合の規定等を含んでおりますので、この法案について内閣委員会に連合審査会開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 御異議なしと認めさよう決します。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 次にゲルマニウム、トランジスターに関し説明を聴取することにいたします。去る二月二十四日本問題について電電公社通研基礎部長より説明を聴取したのでありますか、本日はまず参考人として、ゲルマニウムについて多年御研究に携わつておられる東京大学教授理学部長木村健一郎君、財団法人石炭綜合研究所長浅井一彦君より御説明をお伺いすることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 御異議なきものと認め、さように決します。  なお参考人の方々の御説明の後、引続き通産省当局より説明を聞くことにいたしたいと存じます。木村参考人、浅井参考人におかれましては、御多用中のところを御出席くださいまして、まことにありがとうございました。ではまず木村健二郎君よりお願いいたします。

木村健二郎東京大学教授

○木村参考人 初めに、国内でもつてゲルマニウムについてこれまでどういうふうな方法で、基礎的な研究が行われていたかということをちよつと申し上げます。  個々の研究としましてはずいぶん古くから行われておりまして、私どももゲルマニウムの資源につきまして昭和の初めごろから気をつけておつたのでありますが、特にゲルマこウムの応用かいろいろと広がつて参りましたために、戦後注意を引くようになりまして、そのために昭和二十五年に文部省から科学研究費をいただきまして、半導体材料の研究委員会ができました。このうちの一部分として、ゲルマニウムの国内資源と、ゲルマニウムの分析法を中心とした研究が行われるようになりました。この委員会は昭和二十五年と昭和二十六年と両年度続いて行われておりまして、初め着手しましたときには、国内資源についての見通しがほとんどついていなかつたのでありますが、両年度の研究でもつて国内資源について若干の明るい見通しができて参り、場またゲルマニウムの分析法につきましてもいろいろなよい方法をきめることができまして、今後の調査の上に非常に便利になつたわけであります。昭和二十七年にはこの委員会が発展的な解消をいたしまして、日本産資源からゲルマニウム金属の精製委員会、こういうものにかわりまして、昭和二十七年度には文部省科学試験費から二十五万円、昭和二十八年度には同じくその研究費から四十万円いただきまして、昭和二十八年十一月現在で三十名の委員が集まりまして、この問題に関する基礎的な研究と相互の研究の連絡をいたしております。もちろんこの委員会だけでゲルマニウムの生産までの大きな研究をするというわけには参りませんが、少くとも各委員それぞれの研究の連絡はこの委員会で十分いたしております。ですから基礎的の研究のほかに、連絡という意味でこの委員会は功績を上げておると思います。この委員会で取上げております仕事はゲルマニウムの国内資源の研究であります。それから次はゲルマニウムの分析方法の研究であります。分析方法がきまりませんと、資源のいい悪いということをきめることもできません。またできた製品の純度をきめることもできませんので、分析方法の研究ということもやはり取上げるべき問題となるのであります。次にその資源からゲルマニウムの化合物を抽出する方法、それから金属をつくる方法、またつくりました金属を精製する方法、それから応用、これらの問題を取上げて研究をいたしております。そこでゲルマニウムの資源でありますが、ゲルマニウムという元素は、それが主成分をなしておるという鉱物は非常に少いのであります。現在までに知られております、ゲルマニウムを少くとも数パーセント含んでいる鉱物というのは、たつた三種類しかございません。その三種類とも非常に珍しい鉱物でありまして、比較的限られた場所にしか産出しておらないのであります。そのうちの一つ、ゲルマナイトという鉱物は、アフリカのツメブというところから出まして、ちよつとこれをゲルマニウムの資源として取上げたことがありましたが、こういう珍しい鉱物でありますから、間もなく資源として使えるほどの産額はなくなりまして、今日ではそういうゲルマニウムの富鉱というべきものからゲルマニウムをとることは、少くとも工業的には行われておりません。今日資源として考えられますのは、いろいろな硫化契統の鉱物の製錬をいたしますときの副産物あるいは廃物として出ますものから、ゲルマニウムをとるというのか一つであります。もう一つは、石炭の中にゲルマニウムが若干含まれておりますから、石炭を利用いたしました際のいろいろな廃物あるいは副産物からとる、そういうことと、まず二つになると思います。石炭につきましては、本日浅井石炭綜合研究所長がお見えになつておりますから、あとからお話があると思いますので私は申し上げないことにいたしまして、硫化物鉱物からとりますのは、今日アメリカで亜鉛の精鉱からとるのが行われております。これは亜鉛の精鉱を食塩などとまぜて焼き固めるときにできます煙灰をとりまして、これを硫酸でもつて処理いたします。そして硫酸鉛を溶けないものとして除きましたあとの溶液に亜鉛の粉末を加えてやります。そうしますとカドミウムが溶液に残りまして、そしてゲルマニウム、銅などといつたものが亜鉛と置きかわつて沈澱して参ります。これに塩酸を加えて蒸溜をいたします。ゲルマニウムは、塩化物、四塩化ゲルマニウムが沸点が八六五度という油でありまして蒸溜をして参りますから、その点でほかのものからわけることが比較的やさしいわけであります。このようにしてわけました四塩化ゲルマニウムを加水分解して酸化ゲルマニウムにしまして、その酸化ゲルマニウムを水素と一緒に六百五十度くらいに熱しまして、還元してゲルマニウムの金属とする。これを窒素の中で千度くらいに熱して溶かしまして、そしてゲルマニウムを抽出する。大体こんなふうなやり方が行われておる模様であります。なおこのほかに、銅鉱からとりますやり方がベルギーなどで行われておるようでありますが、外国のことはまたあとでお話があると思いますから省略いたします。  日本の国内資源について申しますと、非常にたくさんの鉱物につきましてこれまでゲルマニウムの存在量を調べて参つたのでありますが、そのうち〇〇五%以上ぐらいありまして、資源として適当かと考えられるものが若干ございます。こういうような鉱物をそのまま使いまして、これから直接ゲルマニウムをとるということは、もちろんできないことではありませんので、私どもの方でもそういう実験も若干いたしております。しかしながらそういうゲルマニウムの含量が非常に少い鉱物を使つておまけにゲルマニウムは非常に出方がむらでありまして、一つの鉱山でありましても、脈によりましてゲルマニウムの多いところとほとんどないところとがあるというようなわけでありますから定したゲルマニウム含量の鉱石をとるということがたいへんむずかしくなります。なおゲルマニウムの製錬の経費も相当かかるわけでありますから、これらのことを考えますと、特別な場合を除きましては、いろいろな製錬の副覇としてゲルマニウムをとるということがよろしいのかと思うのであります。そうなりますと、さしあたつて問題になるのは、どうしても比較的大きな鉱山でもつて、現在製錬に使つておりますようなものの中で、ゲルマニウムの多さを見るということが一つの問題になつて参ります。そういうふうなものだけをあげますと、現在のところ金銀の鉱石に伴うものといたしましては、北海道の沼ノ上鉱山、北海道の鴻ノ舞鉱山、鹿児島県の串木野鉱山、これらの金山で、金銀鉱、特に銀の多い部分に伴つて出るものがあります。それから黒鉱に伴つて出て参りますものとしましては、青森県の上北鉱山、秋田県の花岡鉱山のものが、ゲルマニウムの含量が比較的高いのであります。そのほかのものとしましては、大分県の尾平鉱山の褐鉄鉱がゲルマニウムの含量が高いのであります。なおこのほかに、小さな鉱山から出ます鉱物でもつてゲルマニウムの含量の比較的高いものは、若干ございます。  次に、今度はこれらの鉱物を使いましているく製錬を行いますときに、どこにゲルマニウムが行くかということを見ることが大切になつて参ります。多くの製錬所につきまして研究をいたしますと、銅の製錬場では、銅の溶鉱炉の煙灰にゲルマニウムが行くのが一番多いのであります。そのほかの部分といたしましては、銅のからみの方に参りまして、かわの方にはほとんど参りません。これは製錬所のいろいろな産物をとりまして、試験いたしましたのですが、各製錬所とも、ほとんど同じような結果であります。ですから銅の製錬所関係では、溶鉱炉の煙灰が一番いい資源となるわけでありまして、これに次ぐものがから入、こういうことになります。それから亜鉛の製錬の方では、亜鉛の電解製錬をいたします場合には、亜鉛の電気分解をいたします前に亜鉛の電解液の中に入つております不純物をいろいろ除きましてきれいにいたします。そのときに除かれる沈澱の方にやはりゲルマニウムが参ります。ですからゲルマニウムの資源としては一応そういつたようなものが考慮されるわけであります。  そこでそういつたものからゲルマニウムを抽出したす方法でございますが、これは先ほど申しましたようにやはり塩化物の形にいたしまして、四塩化ゲルマニウムといたしまして蒸溜をいたします。そうしてこれを加水分解でもつて酸化ゲルマニウムにして水素でもつて還元するこういうやり方になるかと思います。なおゲルマニウムの中にいろいろな不純物が入つておりますから、それを除きますためには、まず大きく見まして二つのやり方があるわけであります。一つは金属に還元をいたします前にゲルマニウムからいろいろな不純物を除くというやり方でありまして、このためには塩化ゲルマニウムを繰返して蒸溜いたしましてきれいにする。またよく一緒について来て困るのが砒素がありますが、それを除くために銅を入れまして、そうして蒸溜をするというようなことをいたしますと、いろいろな不純物を除くことができます。それから金属にいたしましたあとでもつてゲルマニウムをきれいにいたしますためには、これを可融解いたしまして、そうして不純物を除く、そういつたようなやり方が行われております。しかしながら現在日本の国内では、こういつた硫化物の系統からゲルマニウムをつくります方はまだ試験時代でありまして、生産の方までには至つておらないと思います。むしろ生産の方にまで進んでおるのは、石炭系統から来たものだろうと思います。  それからゲルマニウムの応用につきましては、これは電気方面のことにつきましてはすでに御承知のことと思いますから省略いたしましてそのほかの応用といたしましては古くから二、三試案的なものが出ておりますが、そういうものを除きましては、螢光体といたしましてゲルマニウムが使われるの二あります。これは、御承知のように普通の螢光燈は赤みが足りないのでありますが、ゲルマニウムを入れてやりますと赤みを増しましてもう少し心持のよい色にすることができるわけでありまして、螢光体方面にゲルマニウムの応用がございます。それから先ほど申しました委員会でもつて東京医科歯科大学の神沢教授が御研究になつておりますが、金に持つて来まして四%か五%程度のゲルマニウムを入れてやりますと、歯科用の合金といたしましてたいへんいい性質のものができるというようなことが研究によつて知られております。それからまたゲルマニウムの塩類が悪性の貧血によくきということは、これは古くから文献があるのでございますが、東京大学の医学部の物療内科でもつてこの実験をいたしまして、まずこの悪性貧血にゲルマニウムがきき目があるというようなことがわかつて参つたのでありまして、ただいまお話を承りますと、私どもの方と別に浅井所長の方からも資料が東京大学の医学部の方へ行つておりまして、その方でもきき目があつたというようなお話でありますから、これはまた後ほどお話があるかと思います。  私の申し上げますことは大体この程度で終らせていただきたいと思います。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 次に浅井一彦氏にお願いいたします。

浅井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○浅井参考人 今木村教授から、ゲルマニウムの化学的な性質、それから用途に関していろいろお話がございまして、私もたいへん興味をもつて伺いました。実はきようこうやつて皆様とゲルマニウムのお話ができるということは、私にとつて非常に感激の深い機会でございます。それは私自身の研究が石炭を顕微鏡で見まして、石炭中の構成をいろいろ調べているのが私の専門の研究であります。黒いかたまりを顕微鏡にかけまして、その中に花粉がある、胞子がある、あるいは今から百万年前の植物にどういう菌が繁殖したであろうか、そういう菌を分類したり、それからこれは植物の葉であつた、これは小枝であつたということを調べる。そうすると石炭自体としてどういう性質を持つて来るであろうか、あるいはこの石炭はどういう植物であつて、それがこういう石炭になつたのだというような研究を私専門にやつておりまして、そのうちに植物の種類を判定する意味で石炭の各組織、構成の一つ一つについて分析をやつてみて、その中にどういう元素が入つておるかどいうような研究も進めて参りました。  今から八年ほど前でしたか、北海道のある石炭中にゲルマニウムが非常に含まれていることが発見されたわけです。それ以来私としては石炭中にゲルマニウムが確かにあるぞこれは今から二十年ほど前でしたか、コールドシユツトという学者が、石炭中にゲルマニウムありという発表をしておりますが、現に実際日本の石炭についてゲルマニウムありということを確認したのは今から八年ほど前でありまして、それ以来私実は何とかしてこのゲルマニウムを石炭中から取出してみたいという一つの夢を持つておりました。それで石炭を焼いてみたり、いろいろ手を加えてゲルマニウムの抽出をやつておりましたが、なかなかつまく行かなかつたわけです。一昨々年ですか、私ドイツに参りまして、ドイツの昔の友人に会いまして、いろいろ石炭の本質的な問題を討論しているときに、ドイツ側が実は石炭からゲルマニウムをとるという研究を自分の方も大分やつているが、これは石炭自体からとろうする差かくむずかしい、偶然だけれども石炭をむし焼きにしてコークスから出て来る産物がいいのではないかというヒントを私に与えてくれました。それで帰りましてから即刻、研究所で所員一同と相談しまして、何とかしてこのヒントを生かしてゲルマニウムをとろうじやないかということで、まず石炭を非常に大仕掛に乾溜しております東京瓦斯あるいは製鉄会社、そういうところと相談しまして、乾溜して出て来る副産物のゲルマニウムを調べました。そうするとそのときのヒントが当つておりまして、確かに副産物中にゲルマニウムが含まれていることが確認された次第です。  昨年私はドイツ、イギリス、フランス、アメリカをずつとまわりましたが、この発見は手前みそになつてどうも恐縮でございますが、とにかく各国ではちよつとどぎもを抜かれたというかつこうです。それは石炭を乾溜してガスなりタールなりをつくるときに廃液が出るわけです。石炭中の水分が廃液になつて出ます。いわゆるガス液と称しますが、これを今東京瓦斯では海に流し、全国でも河や海に流して捨ててしまつておる。この廃液の中にゲルマニウムが一番たくさん含まれておるということがわかりました。そこでこの廃液から何とかしてゲルマニウムを取出してやろうではないかということを日夜考えまして、所員一同と実験に実験を重ねた次第であります。これが今から二年ほど前の当時の状況でした。ここに持つて参りましたが、これがガス液です。これは今全国で一年間に七十万トンほど出ておりますが、このガス液を捨てております。東京瓦斯の場合は、あの大森の海岸だとか鶴見の海岸に捨てるので、漁師がのりがとれなくなるとか、魚がいなくなるとか、貝が死んでしまうとかいつて非常に騒いでおるくらいに、この液を海に流して捨ててしまつておるわけであります。この中にゲルマニウムがあるので、これから何とかして取出してやろう。それでこの中にゲルマニウムが何かの化合物で入つておるわけです。これを取出すためにいろいろな方法が考えられるのですが、ではどういう方法をとつたらいいかと申しますと、コンビネーシヨンで行きますと何百という方法が考えられる。その何百あるいは千を越えるかもしれない方法を当つて行く。そうするとこれは何年かかるかわからないというので、当時は相当の決心をしてこれの研究をみんなと一緒に始めました。ところがこの研究を始めて行くと偶然に——これはまつたく偶然でした。どうしてもうまく行かないので悲観しながら机の上に置いていたガス液が、ある日見ますとこういうように黒くかわつているのです。これはおかしい。それで考え当ることは、机の上に放置している間に空気に触れまして、いわゆる空気酸化で酸素がこの中のものに結びついたわけです。一つの重合コロイドネゼーシヨンの現象を起しているわけです。そうするとすぐ考えられることは、これはアルカリ性か酸性かということです。石炭から出て来るああいうものは、大体アルカリ性ですが、これのアルカリ性をはかりますとぺーハー八という数が出て来たわけです。しからばアルカリ性のものには溶解しているが、これを酸性にすると、今まで溶解しているものが、分子がちらばつているわけですが、それが酸性になるとまた分子が寄つて来て、分子が大きくくつついて来るわけです。そうすると沈澱をするわけです。それでさつそくそれを試みまして、硫酸をごく少し入れてやつてペーハーを二に下げました。そうすると予期した通り沈澱がずつとおりて来ました。その沈澱物を調べましたら、多量のゲルマニウムがその沈澱物に含まれておるのです。これはまだはつきりした理論にはなつておりませんが、私らの想像ではこのガス液中にあつたゲルマニウムの何かの化合物でしようが、これが沈澱を起すときに一緒に、ちようど魚が網にひつかかるようなもので、共沈するわけです。そういう現象ではないか、こういうふうに想像しておりますが、それはいずれ理論的にもう少しはつきり確立したい、こう思つて研究は続けております。  それでその沈澱物をフィルターにかけましてこすと、こういう黒い粉になります。この黒い粉は有機物が非常にたくさん入つておりますから、少しあぶつてやるわけです。ゲルマニウムは温度にあいますと、四百度くらいからどうも逃げやすい傾向にありますから、ゲルマニウムが逃げないように四百度以下であぶつてこういう赤い粉にしてしまいます。この中に二%ゲルマニウムが入つイおります。ここまで来ましたら、さつき木村教授のお話があつたように、もう簡単でした。これを塩酸を使つて塩化ゲルマニウムにして、そうしてそれを加水分解しますと、ここにあります白い粉がとれます。これが酸化ゲルマニウムです。これは大体酸素三にゲルマニウム七の割合でくつついております。ここまで来ますと、今度は酸素を水素で還元するわけです。そうすると金属の光沢を持つたゲルマニウムがとれるわけです。この操作は割合に簡単でして、設備も金はかからない。これがとれたときにはまつたく夢心地でした。明け方の三時ごろでしたか、初めてこの白い粉がとれまして一所員と一緒に抱き合つて喜んだ次第です。そのときに偶然私は思い出したのですが、さつき申し上げたように、何百とある方法で、最初にこういう方法にぶつかつたということは、これは私らの力ではない。これは何か人間を越えた、まあ神様というものがきつと私らに授けてくれたのだろうと言つて、所員一同とお祈りをあげた次第です。  そういうわけで非常に好運に恵まれて、石炭中のゲルマニウムを簡単にとる方法がここに発見されて、さつそく中間試験の設備をつくりまして、東京瓦斯の非常な好意により、ことに私どもとして一生忘れられないのは、東京瓦斯の林専務、この方がいろいろ非難攻撃を敢然として突き抜けて、どこまでもこの東京瓦斯のガス液でりつぱなゲルマニウムを取出してみせると、あらゆる勇気と犠牲を払つて私らの研究を助けてくれました。私はこの日本における石炭中からのゲルマニウムの研究の成果については、林専務に負うところ大きいと同時に、永久にこの名はとどまるのではないかと思う次第です。  それでこれがとれまして、昨年オランダで石炭の組織学の学術会議がありまして、私はそれに出席いたしまして、この石炭の植物のこういう部分にゲルマニウムが多い、従つてこれはこういうふうにしてゲルマニウムがとれたということを発表いたしました。そのときの会議には、英、米、仏、独、濠州、カナダ、そういつた各国の代表が出ておりましたが、拍手をもつてこれを喜んでくれました。あとで委員長から握手を求められ、アメリカの代表は立ち上つてゲルマニウムこそ世紀の金属である。これによつて人類の文明というものはざらに進歩するであろう。それがこういうふうにして石炭中からとれたということは、非常に私としてはうれしいと言つて、感謝の演説を学術会議でいたしました。  それが終りまして各国から招聘状が来まして、英国、アメリカをずつとまわつて参りました。その結果私の感想を申し上げますと、世界各国がゲルマニウムに対してこんなに真剣である、まつたくびつくりするような真剣な状態です。英国では石炭の煙道のすすからとつておりますが、これは煙突のすすをかき集めるだけでもたいへんな仕事でして、とても採算に合わないのです。合わないのですが、英国は石炭は国営ですから、政府の費用をもつて強引にこれをつくつているようです。その生産高は極秘になつております。私石炭庁に行つて、ゲルマニウムの生産高を何とか知りたいと思つて再三再四問合せをしたのですが、あまり聞くと向うから私が何か目的があつて聞くように思われて、私はやめた次第です。アメリカにも参りましたが、アメリカでは、ゲルマニウムに対してもつと真剣なんです。私所員を一人連れて行きましたが、おそらく尾行があつたのではないかと思われるような形勢でした。アメリカでも生産高は絶対秘密になつております。これは極秘中の極秘になつておりまして、大体私の推定したところでは、アメリカでは、さつき木村教授よりお話があつた通り、亜鉛鉱から亜鉛鉱の副産物としてゲルマニウムをとつておるようです。これは一箇所だけです。それを後生大事にいたしまして、政府が一応全部これを買い上げて、これをトランジスターとかダイオードとかいう方面に分配して、製品になつたものをまた政府が買い上げてしまうというような形式をとつております。それでとても足りないものですから、世界各国からゲルマニウムを買う。おもに英国から買い取る。ところが英国の方はさつき申し上げたような状況ですから、輸出禁止にしてしまつたわけです。アメリカももちろん輸出禁止ですが、英国も輸出禁止にしてしまつた。アメリカは、アフリカにまだ少しゲルマニウムを多量に含んだ鉱石が残つておるので、その鉱区を莫大な金を出して買うのだというような話を向うで聞きました。それでアメリカではイーグルピッチャーという会社が生産しておりますが、これもまた何とかして知りたいと思つて努力いたしましたが、非常な秘密にしておりまして生産高はわからないのてすか、いろいろの話を聞きますと、たくさん出て来ることもあれば少いこともあつて、非常に変動が多く、大体五百キログラムから七百キログラム一年間にとれておるのではないか。これは想像ですが、そういう状態です。アメリカ以外では、英国が大体三百キログラム一年間につくつておるのではないか。それからもう一箇所あります。それはコンゴーの銅鉱石をベルギーに持つて来まして、リエージのそばに銅の製錬をやつておるところがありますが、そこでゲルマニウムを煙塵からとつております。これは数量は全然見当がつかないか、そこのものが大体日本に今までオタービーという会社が仲介して入つておるようであります。そういうわけで、世界中で今ゲルマニウ広をとつておるのは三箇所であります。全生産量は、私の見当でありますが、そういうわけで秘密になつておつてわかりませんが年間に一トン半という状況だすと想像しております。それではこれに対して需要はどれくらいであろうか。この累がどんどん広がつて行くものですからわかりませんが、三、四箇月ほど前アメリカの科学雑誌ケミカルエンジニアリングと、もう一つありましたが、それにゲルマニウムの記事がかなり大々的に出ておりました。それによりますと、この二、三年のうちに人類は、ゲルマニウムを二十トンはどうしてもいるようになるだろうという想定です。現在世界中で一トン半しかできないのに、この二、三年のうちに需要は二十トンを越えるであろうというような状況にあるわけでございます。  それで日本の石炭中からゲルマニウムがとれるということが、非常に世界各国の話題になりまして、向うの学術雑誌にも私らの研究結果が出ております。なぜそういうふうに話題になつたかといいますと、今度世界各国をずつとまわりまして、鉱石からゲルマニウムをとる、これはとれるのですが、非吊に変動が大きいのです。ときどきぱつとなくなつてしまう。あるいは鉱石をいつまでも大量に処理できるかというと、たとえば銅の鉱石でも、大量に採取すればすぐになくなつてしまう。亜鉛鉱にしてもしかり。要するに大量いつまでも採取できるものではないのです。そういうわけでゲルマニウム石炭にたよるしかないという結論大体なつております。たとえばニューヨークのロックフェラーセンターにRCAの大きな展示会がありまて、電波関係のいろいろな新しい機械を展示しております。そこへ入りますと、入口にゲルマニウムが大きく飾つてありまして、このゲルマニウムからいろいろなものができるというので、いろいろな電波関係の器具が置いてありますが、そのときにこのゲルマニウムは石炭からとれるぞといつて、二尺四方くらいの大きな石炭が置いてありました。そういうわけで今後のゲルマニウムの資源というのは、大体石炭にたよるのだというのが世界の大勢です。その後私のところへ入つて来ますアメリカの文献、いろいろ論文の発表を見ましても、全部石炭から何とかしてとろうといつた論文が非常に多いようです。それで今アメリカでは大々的に石炭中のゲルマニウムの含有量というのを調査しておりますが、非常にたくさん入つているのでびつくりしたというような論文が、最近も私のところに届けられました。そういうわけで、この方法が発見されましてから、全世界の石炭を持つている国の特許申請をいたしまして、現在ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、スペイン、インド、これらの特許がおりまして日本もおりましたが、この夏ころにはアメリカ、カナダ、英国もおりるであろうという予想をしております。  そういうわけでゲルマニウムを石炭中からとるということは、手前みそになるかもしれませんが、日本にとつてたいへん幸運であつたと同時に、これをりつぱな資源として活用しなければならない。非常に皮肉にできておりますのは、悪い石炭ほどゲルマニウム含有量が多いのです。これはもう間違いありません。低品位炭と言つて人類が軽蔑する石炭ほど、ゲルマニウムが多くなつております。これはどうも神様がいかにも皮肉につくつているようで、あるいは人間が愚かなために低品位炭と言つたのではないかとも考えられる次第であります。亜炭、それから仙台のあの埋もれ木というのがありますが、そういうものにはかなり入つておりまして、オーダーがゼロが一つ多い含有量で、十倍入つているという大体の見当ですが、そういう結果になつております。現在東京瓦斯でもう工業的な設備にしまして、鶴見の工場で中間試験を終えまして、これから実際の工業化の設備に移る計画を立てまして、今年の暮れまでに東京瓦斯だけでも一日に三百グラムのゲルマニウムがとれるという予定を立てております。東京瓦斯の大森工場、末広、千住、ああいつた工場に設備をとりつけて採取する、こういう計画で、もう予算も通りましたし、東京瓦斯内部でも着々準備を進めております。  日本全体についてみますと、乾溜に使う石炭の量は一年間に大体七百万トン、七百万トンの石炭を使いますと、七十万トンのガス液ができるわけですが、さつき申し上げましたように七十万トンのガス液というものを毎年捨てているわけです。この七十万トンからどのくらいゲルマニウムがとれるかと申しますと、低く見てトンのガス液から一グラムという見当ですが、それをさらに低く見て〇・五グラムというふうに見ましても、七十万トンの日本のガス液から三百五十キログラムのゲルマニウムが一年間にとれます。早くそういうふうにしたいものだ、毎日流しているガス液はもつたいないと思つている次第であります。しかしこれではとてもまだ足りない。石炭を消費する一番大きいのは、火力発電で燃やしておる石炭です。これは非常に低品位炭ですから、ゲルマニウムがまた多いわけです。これから何とかしてゲルマニウムをとつてやろう。こういう研究を続けまして、実験室の研究はもう応の結論を得まして、これからいわゆる中間試験の研究にかかるわけですが、これは石炭を燃やしますそのときに、燃焼ガスにゲルマニウムが入つて行くわけです。これが煙道ですすにくつつく前にくつついてしまうと、引離すのがなかなかめんどくさいし、金もかかるのですが、それがくつつく前に、燃焼ガスになつているときにこれを取出してしまうという方法、これは考えてみれば何でもないことでして、ガス液というのは、石炭が燃えて、乾溜で温度にあつて、石炭中のゲルマニウムが気体になつて出て来る。石炭中の水分がゲルマニウムを溶かし込んで出て来るわけです。ですから燃焼ガスを一ぺん水で洗つてやればいいわけです。そうするとその水の中に溶け込んで来る。そうすれば今度はあとは同じ操作でずつと簡単にゲルマニウムまで行きます。これの中間試験を近近いたしますが、全国の火力発電からゲルマニウムを必ずとれるという確信を持つて私は進めております。これが成功すれば、あと少くとも七百キログラムは必ずとれるという計算になります。  そうしますと、ガス液から三百キログラムと、火力発電の燃焼ガスから七百キログラム、合せて年産一トンというのが考えられる次第です。これは推定ですから、現実はどの程度進むか申し上げられませんがトンはとりたい、現在の全世界の産額の三分の二は何とかこれをとりたい、こう思つている次第です。一トンとれますと、これはちよつとばかにならないのです。これも計算ですが、トランジスターだとかダイオードは大体十ミリグラムくらい使います。かりにこれを歩どまりなどを考えまして、倍にしまして二十ミリグラム——技術が進みますから歩どまりもだんだんよくなりますが、二十ミリグラム使うとしましても、トランジスター、ダイオードが一トンのゲルマニウムから約五千万個つくれるわけです。かりに今トランジスターですと個五千円は少くともすると思いますが、ダイオードの方は二千円見当だと私記憶しております。かりに将来安くなつて一個千円といたしましよう。千円としてもダイオードとトランジスターが五千万個つくれれば、五百億円の製品がここにつくれるわけです。五百億円といいますと、日本の産業のあるフアクターとして十分意義を持つたものになるのではないか、こう思うわけです。このゲルマニウムは幸い日本でとれるし、今後もどんどんふえ、それがどんどん製品になつて、いわゆる電波器具工業ではゲルマニウムはなくてはならぬという現代の技術の過程において、願わくはスイスの時計工業なるがごとく、日本に電波器具工業というものが大いに繁栄し、ひとつ世界一の電波器具の工業を確立したいものだという私としては夢を持つております。まんざら夢でなく、いつの日かこういう夢が実現される日があらんことを私は確信して、この研究をさらに続けております。  そのほかにゲルマニウムの用途としまして、さつき木村教授からお話がありましたように、この電波器具工業としてトランジスター、ダイオード、そのほかいろいろ考えられますが、非常におもしろい——これは私の想像であり、また外国も文献によりますと、大体そういう方向に進んでおりますが、ゲルマニウムがなぜ石炭中にあるかという原因を探究してみますと、石炭のどこにゲルマニウムが含まれているのかというのを、顕微鏡で石炭の各部分をわけて調べますと、石炭の本質細胞、いわゆる植物の本質細胞にほかの部分よりも非常に多いのです。いわゆる木の幹の中心部ですが、その細胞にゲルマニウムが含まれております。そうすると植物は何も意義なくしてゲルマニウムを吸収したとは私は考えられないわけです。何らかの役に立つてこそここにゲルマニウムを、植物が成長するときに吸収してこれを役立たせたということは考えられるわけです。最近のアメリカの研究ですが、実際の植物をいろいろ調べまして、アメリカのある学者がゲルマニウムを非常に含んだ植物を見つけたわけです。これをよく仔細に調べますと、葉つぱのところにゲルマニウムがずつと行くのだそうです。アイソトープを使つてやつた実験ですが、いろいろそれを調べて行くと、そのアメリカの学者の想像では、葉緑素をつくるときの重大なるカタライザー、触媒としてゲルマニウムが働いておる。つまり葉緑素の鉄分ですが、鉄分を葉緑素という一つの構成にくつつけるときのカタライザーとして、働いているのではないかという研究が発表されておりますが、私もそういうふうに顕微鏡で石炭の植物の部分を見ながら内々考えておりました。それならばきつとこれは同じ有機体である人体に何らかの影響をもたらすのではないか、こう考えまして、さつき木村教授からお話がありました通り、私も実は去年の春でしたか、ゲルマニウム五グラムを、内々ひとつ実験していただけないだろうか、われわれの専門外だからというわけで、東大の医学部に提供いたしました。それで私ドイツへ行きまして半年ほどたつて帰つて参りました。そうしたら再生不能型貧血症という二人の患者にきいた。まあ二人患者を試したところが非常にきき目があつたようだ、こういうわけです。二人でははたしてゲルマニウムがきいたかどうかわからぬじやないか、こういうわけでもつと実験しなければいけないというので、さらに私帰りましてすぐ東大に十グラム提供いたしまして、何とかもつと手広く実験の回数をふやしてもらえぬか、こういうことをお願いいたしました。一方順天堂に五グラム提供いたしました。これを何とか医薬としてきくように大いに研究してもらいたい、こう思いまして提供したわけでございます。ところが最近東大では、私のところに入りました知らせでは、さらに二人再生不能型貧血症にきいたという結果がもたらされまして、結局合計四名、もうこれで大体ゲルマニウムがきくということは間違いないだろう、しかしまあ慎重を期して、さらに今度は動物試験でもつといろいろやらなければならぬというような話になつておりますが、順天堂の方はこれを別の用途に使つて、これはどうも茶話になるかもしれませんが、肺病の進行がとまつた。どういうやり方をしたか私まだよく聞いておりませんが、こういう研究はなるべく外部に発表しないで、ある程度まで成果を得てから発表するのが普通のやり方ですから、詳しくは私も聞いておりませんし、まだ発表も差控えておりますが、しかしとにかく植物が役に立つてこそ初めて吸収したというこの理論は、どうもだんだん証明されて来るような傾向にあるようです。  こういつたわけでゲルマニウム自体の研究が、世界中の一つの穴だ。このゲルマニウムが石炭中からとれるというのを機会に、穴であつたゲルマニウムの研究が、さらに日本においてほかの国に先を越されないように、どんどん進めて行かなければならぬ、こういうふうに私は考えていろいろ準備はしております。ゲルマニウムの今後の発展というのは、実際薄気味が悪いくらい、いろいろな用途が続々と発見されているようでありまして、きのうはある科学者から、塗料に少し入れたらすばらしく伸びがよかつたという報告がもたらされて来ました。こういうわけでドイツの方も今一生懸命やつております。しかしまだ日本の研究は世界のトップを行つていると言つても、決して私は言い過ぎでないだろうと思いますが、油断はできない。すぐ追い越される。今ならば、まだ世界のどこの国よりもおそらく進んでいはしないか。それはよつてかかつて木村教授のさつき沿革史にありましたが、日本にゲルマニウム委員会というのが学術振興会で形成されておりまして、ここが中心になつて非常に積極的に研究を総合し、お互いに研究の発表交換をした。このゲルマニウム委員会が三年前にできたということが、この今日ある大きな原因になつていると私は確信しております。その意味においても木村教授の御努力に対して、日本のゲルマニウム研究に対して非常な功績を残されたと思つておる次第であります。これはお世辞でも何でもなく、心から感謝している次第であります。これは日本で日本の石炭からとつたゲルマニウムです。日本の原料を使つて初めて、ダイオードができました。まつたく純国産のダイオードで、日本の石炭のゲルマニウムでダイオードが製品になつて最近売り出されました。これが整流ダイオードでありまして、いわゆるラジオの真空管の整流管にかわるものでありまして、こういう小さなものです、大体私の話はそんなところでありますが、質問がありましたらどんどん遠慮なく出していただきたいと思います。(拍手)

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 どうもありがとうございました。参考人の方々に対する質疑を許します。齋藤委員。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 木村博士、淺井先生から非常に有益なお話を承りまして、委員の一員としてまことに感激にたえないのであります。先ほど木村先生のお話の中で、分析が十分にできるようになつたということでございましたが、分析ができるようになつたというのは、ゲルマニウム委員会の中にあるのでございますか、それとも東大の設備の中にあるのでございますか、これをひとつ伺いたいと思います。

木村健二郎東京大学教授

○木村参考人 ゲルマニウムの分析のやり方は、東大とは限りませんで、どこででもできるわけでございます。資源の中のゲルマニウムを見るというのは、大体零点の零何パーセントといつたような微量なところを見るわけであります。使います方法は、スペクトル分析、いわゆる分光分析というやり方と、それからゲルマニウムとある種の試薬とを働かせまして、色をつけまして、色の濃さを見るというやり方と、この二つのやり方を使つているわけでありまして、この二つのやり方はどこででも、やろうと思えば、機械さえあればできるのであります。現在研究の行われておりますところは、東大のほかに浅井さんの石炭綜合研究所、その他三菱金属工業、三井金属工業、あるいはまた大学の方面ですと、特にやつておりますのは東北大学の選鉱精錬研究所、まだちよつと名前が落ちたかもしれませんが、そういうところ、あるいはそうでなくてもどこででもやれる方法にきめたわけであります。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 技術院長もおられますが、日本としてゲルマニウムが石炭ないしはその他の鉱物の中に含まれているということに対しての検討は、分析学的に積極的にやつておられますか。というのは、日本に産出せられる石炭を片つぱしから、ゲルマニウムの含有を分析しておられるのか。それからまたゲルマニウムが含まれているだろうと考えられる亜鉛鉱、銅鉱、あるいは硫化鉄鉱、そういうものに対して分析をやつているのかどうか。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 ゲルマニウムの分析方法は、今木村教授のお話がありましたように、非常に微量なものでございますので、実際は非常に熟練を要するのでございます。通産省の研究所におきましては、その技術の熟練を経ることに現在一生懸命でいたしてやつている段階でございます。しかし大体の考え方といたしましては、私どもの内情を申し上げますと、東京工業試験所におきまして大体分析の関係を確立して参りたい。それからあとの精錬といつたような種類のものは、名古屋の工業試験所の中に稀元素関係をもつばらやる研究者のグループがございますので、そういうところでやつて行きたい。こんなぐあいに大体計画を立てているのでございます。  日本全国にわたりました石炭並びに鉱山等のいろいろの場所の分誓いうことを系統的にやることは、きわめて必要なことと考えているのでございますけれども、まだ今申し上げましたような事情でございまして、そこまで参つていない次第でございます。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 地質調査所でも分析をやつているようでありますが、あれは院長は御存じでございますか。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 地質調査所におきましては、やはり分析のグループがありましてやつているのでございますが、何しろ先ほど申しましたように〇〇一%——要するにそれは問題になるものでございまして、問題になるかならないかというような種類のものはそれ以下で、十万分、百万分といつたようなことになるのでございますので、もちろん地質調査所においても、地質調査をやる場合にその分析の人たちがやるわけでございますけれども、今申しました本格的の分析ということは、東京工業試験所ということで一応考えている次第でございます。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 昭和二十九年度の予算の中には千五百万円のゲルマニウムに関するひもつき予算がある。しかし一千五百万円だけで国家のゲルマニウムに対する奨励意思を表明するということに対しては、非常に不満なのでありますが、工業技術院の予算の中に、この一千五百万円以外にダルマニウムの抽出、製錬、応用、これに関して使い得る研究助成費はどれくらいのお見込みになつておりますか。概略でけつこうでございます。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 今申し上げました東京工業試験所における分析関係といたしましては、先般アメリカから購入しましたカント・メーターを活用して参りたいと実は考えているのでございまして、それに伴う設備並びに消耗品といつたようなもので、これはそれほどたくさん費用はかからないと思つております。大体五、六十万円くらいの見当になるのじやないかと実は一応考えております。それから応用関係のものといたしましては、精製から電気的のいろいろな性質を調べる。そうしてダイオード、トランジスターの特性を調べる、こういう部面は電気試験所にやらせるつもりでございまして、電気試験所は本年度新しく電子技術関係の分野におきまして、近いうちに組織もかえて、電子技術を中心にしたものをつくりたいと思つておるのであります。そこの中にやはり今申しましたトランジスターを中心にいたしましたものをつくる予定でございまして、そこでは大体今のとこ新しくいろいろな設備をしなければならない関係上千万円くらいを予定いたしておるわけであります。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 齋藤委員に申し上げますが、木村、浅井両先生とも、できれば午前中にお帰ししたいと思うのですが、できるだけ質問を集中してお願いいたしたい。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 浅井先生にちよつとお伺いいたしますが、ゲルマニウムの採算と申しますか、石炭はどのくらいの含有量からを目標とする御見当でおられるのですか、伺いたい。

浅井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○浅井参考人 大体私どもの標準は、石炭に百万分の一ゲルマニカムが入つていれば十分に採算がとれる。ところが石炭中のゲルマニウムというのは非常にむずかしい問題でして、さつき申し上げましにようて、植物の本質部分に多く含まれておりますから、同じ炭鉱でも炭層によつて違つて来るわけです。その炭層が植物の本質分を主体にした炭層であればそこは多いし、それから一つ下の炭層に行きますと、もう同じ場所でも炭層がかわつて来ると、そこは植物の構成が違つて来まして、ゲルマニウムがさつぱりないという状態でして、結局全国の石炭中のゲルマニウムの量をはかるというのは、非常にたいへんな大仕掛の仕事になります。各炭層について全部調べる。しかもその炭層の植物の構成を顕微鏡で全部見なければならないという状態です。しかし私どもそれが専門ですから、今全国の炭層の石炭をぼつぼつ集めて、全部顕微鏡にかけて調べております。四、五年かかると思います。要するに戸籍調べですね。何とかして全国の炭層の戸籍帳簿をつくりたい、こういう計画で準備しております。もう始めております。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 このゲルマニウムを中心としたダイオード、トランジスター等に対するいろいろな御質問を申し上げたいのはやまくでございますが、お忙しい中、時間もございませんから、これはやがて非公式にいろいろお教えをいただくことにいたしまして、本日は御質問をなるべく端的に切り上げたいと思うのでありますが、この浅井先生の御発言中に、ゲルマニウムが、人間の現在までにおける医学においては解決し得ない病気に対しての特殊治療薬として効果がある。また木村先生からもそういう東大の実験による結果の御発表がございましたが、これは非常に大きな御発言でございまして、このことは、やがては人類社会に対して大きな幸福をもたらす根本的なものとなるのじやないかと私は考えておるのであります。かつて私も足かけ九年間、ある目的を持つてある研究をやりましたが、結局現在の医学においてはどうしても解決のできないものが解決できる、その原因の追究をやつたのでありますが、最近の分析の結果によりますと、そこにゲルマニウムの存在がある。私はここに分析表を持つておりますが、〇〇〇〇五ともう一つは〇〇〇一でありますから、大体百万分の五と十万分の一のゲルマニウムが分析の結果出て参りました。そのほかにまたカリ系統のいわゆるアルフア一線も出て参つたのでありますが、これはすべて植物であります。そういう点から考えますと、このゲルマニウムという問題は単にエレクトロニックインダスストリーという点に限らず、人間の健康体をとりもどす要素として、植物、動物を一体としたところの原理から、ここに非常に大きな問題を投げかけておると思うのでありますが、こういう点に関しまして、木村先生から伺いました点、それから浅井先生の東大病院及び順天堂病院に対してゲルマニウムを擬せられましたり、いろいろ御実験なされました結果に徴し、今後さらにそういう方面の大きな研究をおやりになるということは、これは国家的に見ましても、また世界全人類に対しましても、これは一日もゆるがせにすることのできない問題だと思いますので、何らかこれに対して政府並びに国会に対する御要望がございましたならば、この際承つて参考にいたしたいと思うのであります。簡単でよろしゆうございますから、ひとつ御所見をお伺いいたしたいと思います。

浅井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○浅井参考人 今の齋藤代議士からのお話ですが、私もいろいろ調べて、あるヒントを得まして今実験の途中にあるのですが、私が今望んでおりますことを申し上げます。私らがねらつたのは、今までの実験ではゲルマニウムをナトリウムとくつつけまして、ゲルマニウムソーダにして、これを水に溶融して注射液として使つただけなんです。ところが植物の含まれておる状況を、これに熱を加えて気体になつて出て来る様子から想像いたしますと、これは有機体でゲルマニウムは有機物とくつついておる。要するに炭層の中心にある水素、窒素というようなものにゲルマニウムがくつついた、いわゆる有機化合物としてのゲルマニウムがきくのじやないか、ほんとうにこれが効用を発揮するのじやないかというヒントを得ております。その意味において即刻私としてやりたいのは、ゲルマニワムの有機化合物のあらゆる種類のものをいろいろつくつて、これの動物実験を即刻やつたら、ここにまた一つの飛躍があるのじやないかというふうに考えておりますが、これはたいへんな仕事でありまして、ゲルマニウムの有機化合物をどんどんつくつて、これをまた動物実験に移して行く。これは私らのとてもできないことでありまして、また私らの専門外のことですから、これはその方面の皆さんと総合的にこの研究に即刻とりかかりたいという私どもの提案と申しますか、非常な強い希望を申し上げるわけであります。それに対して私の方は、その医薬の原料になるゲルマニウムはどんどん提供いたしましよう。その方は私は責任を持ちましよう。いわゆる医薬の原料になるゲルミオウムはどんどん差上げるから、それをつくつて思う存分大大的に実験を開始せられたらどうか、こう私は考えます。何かそういう方法か立てられたらという私の希望でございます。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 これは単なる私見でございますが、やはりゲルマニウムを含んでおるある物質の量によりましても、どうしてもなおらないと考えられておつたところの犬のジステンパーがなおつた。それからこれは現に私は畜産局並びに秋田県知事の正式な許可のもとに、世界で絶対なおらないと称せられ、おりますところの伝染性貧血症の馬の実験を二月やつてみた。結局今日まで経過をいたしました結果は、真性伝貧と決定せられましたときの馬の状態は、白血球一万個の申に数十個のデゼロが見えておつた。それが二箇月後には一個も見えない。その当時血液が六・三のペーハーが今日は七・三のペーハーにかわつておる。結論はやはりこれは今お話のゲルマニウム・コロイドに有機物質が添加されて、それが動物の血というものに正常性を与えた結果、今までの医学ではなおらないという病気が正常に復して行くのではないかというふうに私は考えておるのでございます。これはただいま浅井先生のお話がありましたから、ほんとうの私見として申し上げるのでありますが、もう世界はそこまで人類の生命というもの、動物の生命というものに対して、ある一つの段階を踏み越えているのではないか、こう私は考えているのです。この段階を踏み越えて参りますと、いわゆる原子力時代におけるところの人類社会というものに対して、ある一つの大きな生命的な観点もかえていうものもこれからかわつて行く。もちろん生産態勢もかわつて行く。今まで人類が考えておつた世界と別の人類社会がここに組み立てられて行くのではないか、こういうふりに考えますと、このゲルマニウム一つに対しましても、いわゆる国政という建前からは、これは最も重大な関心を持つて、積極的に推進して行かなければならぬ、そういうふうに考えておるのでありますが、こういう点に対して何か御所見がございましたら、参考のためにひとつお漏らしを願いたいと思います。

木村健二郎東京大学教授

○木村参考人 私は医学の方のことは専門でございませんので、ただいまたいへん有益なお話を伺いましたが、立ち入つていろいろ申し上げることができませんことははなはだ残念でございます。しかしゲルマニウムの応用が各方面に広がつて行くということはたいへん望ましいことでありますし、そういう方面に今後ともなおお力添えいただければはなはだ幸いと思います。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 私から木村先生に伺いたいのですが、先ほど御説明がございましたが、硫化物系統の鉱物の精製中から抽出されるという、そういう方面の研究を石炭に関係する以外に何かわが国でやつておられますか。

木村健二郎東京大学教授

○木村参考人 現在のところ大きな鉱業会社、もう少し具体的に申しますと、三井金属鉱業、三菱金属鉱業、同和鉱業、住友金属鉱山、日本鉱業、そういつたようなところでもつて研究的にそれぞれの会社の中間精製物と申しますか、廃物と申しますか、そういうものを取上げて、相当に研究を進めておられるように承つております。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 次に浅井先生にお伺いしたいのですが、先ほど火力発電のすすの中からとるのは非常にたいへんたとおつしやつたのですが、ガス液からだけ抽出のお話があつたのですが、すすの中からとるとしますと、困難ではございましようけれども、相当のものがあるという予想が立つのでございましようか。相当量のものがすすの中にはあるとお考えになりますか。もしそれがあるなら、やはり年間、先ほどうまく行つたときに一トンだけというような今の現状ですが、その中からどの程度のものがとれそりか、計算が成り立つておられるのかそれをちよつと伺いたい。

浅井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○浅井参考人 石炭を燃焼しますと、大体四百度くらいからゲルマニウムが燃焼のときですからおそらく酸化ゲルマニウムの気体で出て来ると思うのです。それが煙道に入りまして、冷えて固体になつて、そこのほかの鉱物質のものとくつつくわけです。これを煙道塵、フルーダストといつております。これになりますとすすを集めることがたいへんであります。相当量集めなければ出て来ません。それから次に、鉱物質のぐあいの悪いのは、シリカ系統のもの、珪素ですが、硅素とゲルマニウムがくつつきますと、これはなかなか引離すのに手間がかかり、また金もかかるのです。ちようどゲルマニウムがくもの巣にひつかかつたようになります。珪素の腕につかまつてしまつて……。煙道塵にくつつく前に燃焼ガスのうちに、ゲルマニウムだけを取出すという実験に成功したわけです。そうしますと、今お話のように煙道塵の方にゲルマニウムが行きません。ですから同じわけです。いわゆる燃焼するガスからとつてしまう。それで火力発電の場合が考えられるわけです。さつき私が七百キログラムと申し上げましたが、火力発電が発電用として一年間に使う石炭は一千万トン、これは大きな火力発電、それから地方の小さな火力発電、あるいは自家発電、そういうものを大体算定しまして一千万トン、日本の石炭は現在四千五百万トン、そうすると乾溜用に七百万トン、それから今申し上げました火力発電用に一千万トン、そうしますとあとまだ二千何百万トンというのがいたずらに燃やされてしまうわけです。これは何かの方法でゲルマニウムをとるような手がないかというふうに——小さな簡単な設備で、それでとりつけてゲルマニウムを溶かし込んだ溶液だけを集めればいいじやないか、こういうことが考えられるのですが、そうなるとこれは企業の対策にならない。いわゆるゲルマニウムというものは国家資源として大事なものだ。ちようどタバコの葉みたいなもの、専売法か何かで一切できたものは国家の所有だということにしないと、こんなやり方ではとてももうかるものではありませんし、原料をとるくらいもうからない仕事はない。そうするとやはり従来通り捨ててしまう。だからガス液だとかあるいは燃焼ガスからとつた水溶液というものは国家の所有だ、捨ててはいけないといつて一箇所に集めるとかして、ゲルマニウムをとつて行く。これは私企業としてはおそらく成立しないのじやないかと私は思います。原料の仕事くらい私企業として割の合わない仕事はないのですから……。ゲルマニウムの原料を使つてから先の工業は企業として実にいい企業なんです。たとえば今、こらんに入れましたダイオード、これをかりに二千円としましよう。あの一個二千円のダイオードに使うゲルマニウムは十ミリグラム、十ミリグラムということは高く見て四十円から五十円くらい。これは不良品も入れてです。一個について四、五十円の原料のゲルマニウムを使う場合、それが二千円に化けて製品になつて出て行くわけです。ですから原料くらいつまらないものはないので、原料から先のものは企業として実にりつばに成立するわけです。ちよつと余談になるかもしれませんが、私ら研究所としては、ゲルマニウムの元の原料の研究ですから実に割が合わないのです。研究所としてはよほど化学者としての興味を持たないとできないのであります。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 それでは木村先生、半導体の性質というものを、われわれしろうとにわかるように御説明を願いたいのです。電流と電波、それから放射性物質、こういうもの全部に影響あるのですか。それとも単に電流だけのものですか、そういう点もあわせて簡単でけつこうでありますから御説明願いたい。

木村健二郎東京大学教授

○木村参考人 私は元来化学の方が専門でございまして、そういうことはむしろここにおいでの駒形さんや森さんの方がお詳しいだろうと思いますが、いかがでございましようか。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 浅井先生、もう一つだけお聞きしたいのですが、そうしますと、石炭中心の御研究をされたのですが、炭化されていない現存する植物の中から直接ゲルマニウムを抽出するという研究を、やはり大々的にどこかの機関でできるならば、すべきではないかというふうにしろうとの私は考えるわけですが、そういう必要がある段階ですか。それは必要はないというお見込みを持つておられるか、その点だけお伺いしたいのです。

浅井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○浅井参考人 植物にみんな入つております。これは間違いない事実なんです。これは笑い話じやなくてほんとうにある話なんですが、スペインとアメリカで植物学者が非常に調べまして、特にゲルマニウムの多い植物をアメリカで発見されました。それでこれを栽培して大々的にゲルマニウムをとろうかというような情報が私のところに入つて来ておりますが、しかしこれは常識としてちよつと無理なんでございます。それはなぜかといいますと、石炭中からとれるというのは、何回かのコンセントレーシヨン——集中が行われる。要するに石炭というものはたくさんの植物が非常に圧縮されて、あそこで一つのゲルマニウムの集積が行われておるわけです。植物からとろうと思うととんでもない、たいへんなことです。自然界の力によつてたくさんの植物がちやんと圧縮されて固まる、それが石炭なんです。さらにこの石炭を乾溜しますとゲルマニウムが出まして、これがガス液の中にまた集中して来る。そこでまた集積が行われるのです。そういうわけで何回かの集積作用が自然に行われる。最後のところをわれわれがつかまえて、ゲルマニウムが初めてとれるというわけで、植物からとるというのはちよつと不可能なんです。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 今のお話ですが、私の知人に研究のすきな者がおりまして、これは炭をつくりますときの煙を自然冷却をいたしました俗にいう木措液の中に、ゲルマニウムが含まれておる、こういうことを言つておる。これの計算を私はやつてみたのでありますが、大体冬山でありますと、簡単に自然冷却によりまして白炭四貫俵一俵から木措液が一斗から二斗の間とれる。そういたしますと一億四千万俵今つくつておりますから、大体一斗と計算いたしましてこの木措液が千四百万石、これは相当の量がとれるのです。この木措液はほかにも用途がございまして、これを分析をいたしてみますと、貴重な十数種類のものが入つております。私の研究は主として糞便の処理の研究でありますが、これで糞便を処理いたしますと、みごとに臭気も消えます。分解もやりますし、中に含まれておる寄生虫もただちに死滅してしまいます。寄生虫の卵も死んでしまうという研究をやつたのですが、まだゲルマニウムの分析はやつておりませんから、二、三日中にお手元にお届けいたしますから、木棺液の中にどれだけゲルマニウムが含まれておるか、正式に一ぺん分析をしていただいたら非常にいいのじやないかと思います。もしも植物にゲルマニゥムが含まれておるといたしますならば、木棺液の中に非常に多くのものが含まれておるのじやないかということが想定されるのであります。ただいまの状態では植物からゲルマニウムは考えられないでしようけれども、もしも木精液の中に多量に含まれておりますと、それからゲルマニウムだけを上手に抽出して、あとは糞便の処理の方に用いる。これは今国鉄に要求いたしまして、国鉄の百ないし二百の駅を指定して、これで公衆便所の清掃をやる。それでもし用いるに足るということになつたならば、全製炭業者に簡単な設備を施して木椿液をとらせる。幸いにそれにゲルマニウムが多分に含まれておるということになつたら、これは炭焼業としては非常な福音になつて来ると思いますから、ひとつお願いをいたします。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 他に御質問ございませんでしようか。——それでは参考人にごあいさつ申し上げます。本日は御研究の成果並びにその将来について貴重な御意見を拝聴さしていただきまして、本問題の調査に非常に参考になつたことにつきまして、厚くお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。  引続き通産省当局より説明を求めます。最初に森電気通信機械課長。

森雄次郎通商産業技官(重工業局電気通信機械課長)

○森説明員 木村先生並びに浅井先生からわが国のゲルマニウムについて御説明がありましたが、先ほど浅井先生からお話になりましたダイオード並びにトランジスターの製品の現状を申し上げます。  まず第一に、昭和二十六年、二十七年、二十八年のトランジスターに関しますところの試験研究補助金の状況を申し上げます。原料は英国並びにドイツから入れました酸化ゲルマニウムを精製いたしまして、それによりましてゲルマニウムダイオード、こういう製品の応用研究に昭和二十八年度までに約一千万円の補助金を支給いたしておりまして、現在日本の電気通信メーカーの数社がこの基礎研究を行つております。その研究は、御承知のように特許に関係がございますので、各メーカーは応用研究の段階にございますが、昭和二十八年度には、約一千個のゲルマニウムダイオードの試作品を生産いたしました。昭和二十七年度は約八千個のゲルマニウムダイオードの試作研究をいたしております。二十八年度トランジスターの方の研究の段階に入つておりまして、先般あるメーカーがアメリカのウエスタン会社と特許契約をいたしましたが、先ほど齋藤委員から浅井先生にお話がございました半導体整流増幅子に関します特許が約十三件ほどございまして、これが昭和二十四年度に公示されまして、以降十五箇年間日本に特許があるのでございまして、メーカーといたしましては、これを販売いたします場合にどうしてもアメリカのウエスタンと特許契約をしなければならぬという状況になつておりますので、今までつくりましたのはほとんど試作研究というふうな段階でございます。現在各メーカーにおきましては非常に慎重にこの応用研究に携わつておりまして、本年もこの応用研究に約二千万円ほどの補助申請を見ております。現在の興銀の方に御連絡を申し上げておるような次第でございますが、特にそのうち工業化の研究が一層目立つものになつております。輸入の状況でございますが、先ほど申し上げましたように、生産して販売をいたしますためには特許契約を結ばなければなりませんので、少量でございますがやむを得ず輸入をいたしまして、この輸入をいたしましたゲルマニウムダイオードあるいはトランジスターは輸出用の電波機器、あるいはまた—ランジスターの国産化の応用研究、回路の研究用の製品、そういう応用面に大体個数にいたしましてゲルマニウムダイオードを約六千個輸入いたしました。ゲルマニウムトランジスターはわずか六百ほど入れまして研究をいたしておる次第であります。二十九年度には先ほど申し上げましたように、できる限り工業化並びに試験研究用の補助費を予算の許す範囲内におきまして支出いたしまして、同時にウエスタンとの特許契約をいたしましてこれが応用研究に進んで行きたい、こう考えております。以上簡単でございますが、御説明申し上げました。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 次に鉱山局金属課長の代理の山口仁秋君に願います。

山口仁秋通商産業技官

○山口説明員 鉱山局金属課の山口でございます。本日は課長が出張中でありまして、私からかわつてゲルマニウムの製錬工業の現状について御説明を申し上げます。  ゲルマニウムの製錬につきましては、先ほど木村先生、浅井所長からお話がありましたように、まだ研究的な段階でございまして、トランジスターほどにも工業化が進んでいない状況でございます。従いまして、この工業化の実績を申し上げることができないのでございますが、研究から工業化への過程について若干の御説明ができるかと思います。私どもが通産省の仕事としてこれを取上げて参りましたのはごく最近のことでございまして、まずその端緒となりましたのは、先ほど石炭綜合研究所の浅井所長の御説明のあつたガス廃液からのゲルマニウムの抽出、それから三菱金属鉱業の尾平の白鉄鉱からゲルマニウムをとるという研究、この二つが端緒になりまして、われわれもゲルマニウムに非常に興味を持ち、今日までいろいろの施案行つて来たわけであります。昭和二十七年、二十八年の二年間にわたりこの両社に応用研究補助金を交付いたしまして、その研究の成果が今日、先ほど浅井さんの御説明にあつたような東京瓦斯における工業化試験となつて現われて参りました。東京瓦斯におきましては、鶴見工場において現在排出します日に約百トンないし百六十トン程度のガス廃液のほとんど全量を処理する設備を最近完成いたしまして、目下これを稼働中でございます。あと二つの東京瓦斯の工場、大森工場、末広工場は、五月中旬に完成の目標で現在設備を進行中でございます。この三工場完成のあかつきには、先ほど所長の御説明にありましたように、おそらく月二キロ程度の製品が期待できるのではないかと考えております。このほかにガス廃液を排出する工場は二十工場以上もあるのでありまして、それらの工場の中には、現在分析がはつきりしておりませんが、おそらく東京瓦斯程度、あるいはそれ以上のゲルマニウムの含有量を持つておる工場があると考えますので、今後これらの工場に同じような設備を普遍化して行くということを行政的に指導して参りたいと考えております。  次に三菱金属鉱業によつて代表されております鉱石よりのゲルマニウムの抽出は、その性質上石炭ガス廃液よりの抽出よりは、やや経済性が悪いというふうに当初考えまして、まずこのガス廃液の問題を先に具体化した方が手取り早いのではないかと考えて参つたわけであります。しかしながら三菱金属鉱業の過去二年にわたる研究の結果、香川県の直島工場におきまして、排出いたします銅製錬の際の副産物の中からゲルマニウムの相当多量の検出が見られましたために、これの抽出を本年度工業化試験する目的でその工業化を急いでおります。現在のところの推定によりますと、ガス廃液からの抽出とほぼ近い採算で行けるのではないかというふうに考えております。  資源の問題について、これも木村教授から御親切な御説明がありましたために、重ねてここで申し上げることは避けたいと思いますけれども、われわれが試験の問題についての対策といたしまして、どういうことを行つているかということについて一言申し上げたいと思います。ただいま申し上、げましたように、試験の対象として考えられますのは、当面は石炭のガス廃液、あるいは今年度の石炭綜合研究所の試験が成功いたしますれば、石炭燃焼の際の浮遊ガスの処理というようなことが考えられます。次にもう一つのソースといたしましては、非鉄金属製錬の際の副産物である。こういうことでございますので、いずれも鉱石をソースといたしますものがほとんどございませんで、埋蔵量の調査等はゲルマニウムの場合は現実の問題としてはあまり起つて来ないということで、ガス廃液あるいはこれらの中間製品の分、析を確実にするということによつて、資源の把握がかなりできるのではないかということに着眼いたしまして、先ほど来御議論のございました分析法につきまして、まことに次善の策ではございますけれども、現在この面でもつともよく研究をなされておられる木村先生を中心といたしました学振の方法先ほど申されましたようにスペクトル分析並びにフェニールトリオキシフレオロンによる比色分析、この二つの方法を、現在あまりよく知られていない方々に普遍して、その方法によつて若干のデータをつかみたいという企図から、本月の半ば過ぎに全国のガス廃液工場、それから金属鉱山、製錬会社、石炭業者の三者に呼びかけまして、講習会を開催することにいたしております。さらに将来の問題といたしましては、この分析が非常に普遍的に行われるようになりますためには、技術院にお願いいたしまして、企画にまで持つて行けばいいのではないかというふうに考えております。  次に将来の数量の問題でございますが、先ほど森課長からお話のありましたように、現在トランジスター方面の需要も試験段階でございまして、その数量も数百キロトンというようなものではないように承参つております。従つて当面の数量といたしましては、東京瓦斯あるいは二、三のガス廃液工場の処理をいたしますことと、三菱金属鉱業等、そのほかに三井金属その他がございますが、これらの数社が試験生産品程度に生産いたしますもので、かなり間に合つて行くのではないかというふうに考えます。従つて将来、二、三年あるいは五、六年先に非常に多量のゲルマニウムが必要になつて来るという状態が予想されます場合には、石炭のガス廃液のみならず、東北地方その他に多量に埋蔵されております亜炭の利用を考えて行くべきではないかというようなことも考えております。亜炭を乾溜いたしますことは、出て参ります乾溜請型物あるいはコーライト、そこから出るガスというようなものがあるわけですが、これらの経済性が現在のところはつきり市場性を持つておりませんので、この点はそういう政策面とあわせて考えて行かなければならないのではないかというふうに考えます。しかし資源といたしましては亜炭中のゲルマニウムは非常に期待していいものと考えます。私の説明はこれで終ります。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 次に駒形工業技術院院長にお願いいたします。

駒形作次工業技術院長

○駒形参考人 森課長並びに山口技官からいろいろとお話がありましたが、特に研究の助成の点は、森課長から現在までの概要を申し上げた次第でございますが、二十九年度の分を若干つけ加えて申し上げたいと思います。  二十九年度の助成金の関係は、二月末まで申請を受けておるのでございますが、ゲルマニウム関係といたしましては、工業化に三社、応用研究の方に二社ということに相なつておりまして、工業化の関係はトータルで申請金額二千七百万円、応用研究の分として五百二十五万円というふうになつておる次第でございます。先ほど齋藤先生からもお話がありました、予算の修正によりまして千五百万円のゲルマニウムに対してのひもつきの予算というものがあるわけでございます。われわれとしては、現在これが使用につきまして、最も有効になるようにいろいろと研究をいたしております。先ほどもお話がありましたように、ゲルマニウムの抽出、精製、応用の三つの段階があるのでございますけれども、まず日本の国内にあるゲルマニウムを使える形にいたしますためにば、まず抽出という段階を考えて着手して参らなければならぬと思つております。そういう観点から考えまして、これらの申請並びに千五百万円の予算につきましては、抽出ということを十分考えて参りたいと思います。この抽出は、工業化の申請を見ますと、三菱金属鉱業におきまして工業化の申請がありまして、千二百万円という申請がございます。それから増富鉱山からの工業化の申請といたしまして五百万円というのがございます。それから応用研究の方で石炭綜合研究所から、先ほど浅井所長からいろいろお話がありましたような人工ガス液の処理に関する申請もございます。それから先ほど山口技官からお話申し上げましたように、この段階におきまして、石炭あるいは石炭からのガス液あるいは人工ガス液等の抽出をなるべく早く促進すべきである、こういうふうに考えておる次第でございます。しかしながら一方におきまして、三菱金属鉱業等におかれましても、すでにその石炭以外の鉱石からのゲルマニウムの抽出の基礎的の研究も相当進んで、ここに工業化の段階になつて申請もありますから、この面も考えて参るようにいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。ゲルマニウムの用途がこの十ランジスター、ダイオード以外に、先ほどお話がありましたように医薬の面にあるということになりますと、これは莫大な量が必要になるように考えられるのでございます。その観点から見ましても、この抽出方法の技術を早く確立することが必要であるというふうに思つております。  この抽出から次の段階の精製の問題でございますが、これも御承知のように、そのトランジスター等に使いますものになりますと、非常な純度を要求されるわけでありまして、九が九つもつくナインナイン、あるいはアメリカからの報告によりますとイレヴンナイン、十一、九がつくというような純度のゲルマニウムが必要に相なつて参るわけであります。すでに二、三の会社におかれましてトランジスターを研究試作されておりまして、大体ナインナインくらいのところには持つて行くことができて、二十九年度の補助金におきましても、神戸工業からトランジスターの量産化ということで、工業化資金一千万円の申請が出ておるよりな状況でございます。特許関係は先はど森課長からお話がありましたように、このトランジスターの特許はアメリカのウェスタンエレクトリックの特許によつて押えられておる。アメリカ国内におきましても、あるいはRCAがトランジスターをつくります場合には、やはりウェスタンの特許によつてこれをつくつておるというような状況でございますが、日本といたしましても、ウェスタンの特許を使うことに対しましてはいろいろと話も進み、二、三の会社におきましてはすでにその話もまとまつておるというふうに伺つておるのでありまして、トランジスターの量産というのが近いうちに日本でもできることになると思います。しかしながら特許の関係その他から、今申し上げましたような事情にありますので、これもやる必要はありますが、先ほど申しました抽出及び精製という面に特に重点をおきたいと考えておる次第であります。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 ゲルマニウム委員会について、工業技術院の方から、ゲルマニウムに関する予算の中から、さらに何か助成をするという方法はありますか。これは文部省から昭和二十六年、二十七年にわずか三十万円か四十万円の助成金か補助金が行つておるようですが、もう少し工業技術院の方から、ゲルマ「ウム委員会を充実する方法がありますか。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 ゲルマニウム委員会の仕事は、先ほどお話がありましたように、非常に私りつぱなものであると考えておる次第であります。このゲルマニウム委員会に補助金を出すということは、今までの例でありますと、個人に出すというようなことも例外の場合としてはございますけれども、やはり法人化されたものに対してやることが一般でございます。そういうわけで、ゲルマニウム委員会の中の個人に何かの形で出すことは可能であると思つております。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 個人には出せるが、法人ではないからゲルマニウム委員会には出し得ないということですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 全然出せないということはないと思いますけれども、法人組織になつておりますと非常に出しいいということなんであります。今までの例といたしましては、そういう法人化されたものに対して出すというふうになつておりますので、その点を申し上げたのであります。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 ゲルマニウム委員会の今日までのゲルマニウムに関する功績は非常に認めなければならぬ。そうすると通産委員会なら通産委員会でいろいろ審議の結果、当然これに対しては助成金を与えるべきであるということになれば、与えられるのですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 私ちよつと申し上げようが漠然としておつて恐縮でしたが、通産委員会等のことがありませんでも、今申し上げましたように与えることは可能だと思います。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 神戸工業は、トランジスターとかダイオードをすでに製作し、アメリカ特許の契約までもしておつて、内容的と申しますか、技術的には非常にいいという話を聞いておりますが、この神戸工業は助成して行かれるのですか。それともこれはまだそういうレベルに達していないのですか。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 二十九年度申請を申し上げたのでありまして、現在試験所、工業技術院等がいろいろと受付けた申請を審議いたしております。それによりまして来月の初めごろにこの協議会を開きまして応決定いたしました上、学術会議その他から学識経験者の方々を御推薦いただきまして、その学識経験者の御意見を伺い、最後的に決定するというふうになつておりまして、現在この神戸工業の工業化試験の申請に対してこれをどうするということは、まつたく決定いたしておりません状況でございます。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 このゲルマニウムに関します本委員会の各委員の今日までにおける質疑応答というものは、ゲルマニウムを国家の繁栄の建前から非常に重視いたしまして、これを何とかして早急に抽出、応用、製錬、各般にわたつて世界的なレベルに持つて行きたい、ということよりはむしろダイオード、トランジスターを中心としてエレクトロニツクインダストリーを高度の発達過程に引上げたい、こういう意思表示が含までたびたびあつたのでありまして、本日もそれに引続いて木村、浅井両先生の御出席を請い、また政府の御出席を願いまして、不十分ではございましたが、ゲルマニウム工業の振興のためにこの委員会が情熱を傾けて審議に当つたということにほかならないのであります。この際はなはだ僭越でございますが、委員長にお願いを申し上げたいことは、ひとつこの委員会の意向を、ゲルマニウム工業の担当委員会であります通商産業委員会に、ゲルマニウム工業の振興に関する申入れとして、強力に本委員会の意思を反映するように申入れを行いたいと存ずるのであります。まことに僭越でございますが、私ここに案文を持つておりますのでこれを朗読させていただきたいと思います。幸いに御出席各位の御賛同を得まして、御採択、御可決あらんことをお願いします。   ゲルマニウム工業の振興に関する申入れ   最近米欧諸国においては、きそつて稀元素ゲルマニウムの電子工学的研究に努めた結果、すでにその半導体性を利用した高性能のダイオード、トランジスターが発明され、電話、ラジオ、テレビジヨン部門にあつては、真空管あるいは自動交換スイッチにかわるものとして、電気通信科学技術に革命的転換をもたらそうとしているほか、ゲルマニウムの利用分野は、各種兵器、電気計算器等多方面にわたつて着々開拓され、その前途はなお無限の将来性を包蔵かかる情勢下にあつて近代科学の進展に立ち遅れないためには、わが国においでも急速にゲルマニウムの生産利用の保護助成に関する根本的対策を確立し、政府民間一体となつてゲルマニウム工業の振興をはかることが国家喫緊の要事である。  よつて本委員会は、貴委員会が同工業の振興に関し格別の関心を払われ、右に関する国策の樹立に十分配意せられんことを要望するものである。  なおこれは衆議院規則第七十条、「委員長は、他の委員会に出席して、意見を述べることができる。」という規定に基きまして、この申入れをなすと同時に、本委員会の委員長は、通産委員会に出席して十分この申入れの趣旨を徹底するように、ひとつ御尽力相なりたいと思うのであります。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 ただいま齋藤委員の発言中、委員長の他委員会に出席しての発言に関しましては考慮いたしまして、そのようにしたいと思います。  なお御発言中に出されました動議のように、通産委員会にゲルマニウム工業振興に関しまして申入れをいたしたいと存じますが、各委員に御異議はございませんか。

塩原時三郎自由党

○塩原委員 せつかく今日お話があつたのですから、医療という字をどこかに加えて、それで賛成いたします。

齋藤憲三改進党

○齋藤委員 委員長において適当におとりはからいを願います。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 委員長において修正してこの動議を成立させたいと思います。別に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 御異議なしと認めます。  そこで私から駒形工業技術院長に御質問を申し上げたいのですが、この国会で前に、特にここに御出席の齋藤委員などが中心になりまして原子力に関する研究費として三億ぐらい出すなら、当面最も緊急であり重要性を持つ、しかもわが国内資源として世界的な多くのものが望めるゲルマニウムの研究、あるいはその他の施設に関して、相当多額の国家出資をすべきではないかというふうにも私ども今日お伺いして考えるわけですが、院長のお立場から考えてざつくばらんにどうでしようか、原子力も重要ではあるけれども、ゲルマニウムはこれに相当するほど重要なものであるし、国家としても思い切つたこれに対する処置を考えるべきであるというふうにお考えであるか。やはり原子力が先で、ゲルマニウ一はまだくあとでよろしいというふりに考えられるのか、ひとつ参考にお伺いしたい。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 原子力とゲルマニウムとどちらを先にすべきかというお尋ねでございますが、私はこれは両方とも必要であるというふうに考えまして、どちらを先にするかということはちよつと申し上げることは不可能じやないかと考える次第でございます。私どもといたしましては、国会でそのように御決定になりました点につきまして、ゲルマニウムは金額は少うございますけれども、やはりその範囲におきまして、これが最も能率的な金の使用を考えてやりたいと思つております。原子力につきましても、実際問題といたしましたならば、二億三千五百万円というものは、金額全体といたしますれば少額なのでございますから、やはりその範囲におきまして最も有効な方法をとるように努力いたしたいと存じておる次第でございます。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 もう一度お尋ねします。私どもの御質問申し上げたのは、その意味から今駒形さんからお話になつたように、どちらが先ということは言えないけれども、重要度においては原子力の研究とゲルマニウムとはまつたく同一視してこれに対処しなければいけない、こういつたような御意見と伺つてよろしうございますか。

駒形作次工業技術院長

○駒形説明員 先ほど申し上げましたことが非常に不明確であつたかもしれませんけれども、工業技術院といたしましては、御決定になりました予算で十分努力をいたしたいと思う次第てございます。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 他に御質問はございませんか。なければこの問題はこの程度にとどめます。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 次に電波管理について調査を進めます。長谷局長がお見えになつておりますので、少しお伺いしたいと思います。放送法に関係するわけですが、民間放送の再免許に関してちよつとお伺いしたいのですが、再免許をしないというのはどんなときが考えられるのか、ひとつ…。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷政府委員 再免許もやはり免許と同じことでございます。ただ再免許と申しますのは、今まで免許を受け、続けておつたものが、さらにそのままの状態で続けたいということでございますので、免許の審査をいたします場合に、ある手続を簡略にするという点はございますが、どこまでも再免許も免許にかわりないわけでございますが、根本基準に適合しておるかどうかということを審査してきめるのであります。その際に特に過去における運用の実績が根本基準に適合していない場合には、再免許がおりないということであります。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 そうしますと、放送法の第四十四条の自律規定ですけれども、この第三項に違反するようなことがあると再免許が行われないものと解釈してよろしゆうございますか。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷政府委員 お答え申し上げます。法律に違反したものが必ず再免許にならないかどうかは、その程度問題、その条項いかんによると思いますので、一概には申し上げかねると思います。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 しかしこの自律規定というものは放送の中核をなすものですから、特に民間放送の場合は公共放送に比較して重要視しなければいけないと考えますが、この自律規定というものは相当重要な過去の実績上参考になる、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷政府委員 お話の通りだと存じます。ただ四十四条は番組の内容に関しての自律規定でございますが、これがその程度と申しましようか、はたしてどの程度これに違反しておるかどうかというようなことが、ほかの場合と違いまして判断の点が非常にむずかしい問題でございますので、実際問題といたしましては、その条項に違反しているかどうかというような事実の判定その他において、きわめて慎重を期さなければならぬ点であろうと存じております。よつて行政的な処分をいたしますのが間接的でございましようとも、番組の編成の自由という問題に関連をして行くというような心配もございますので、先ほど申し上げましたように、慎重を期さなければならぬ点ではないかと存じております。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 そこでもう一度お伺いしたいのですが、そうすると各地方電波監理局という出店があるわけですが、ここではいわゆる過去の実績に類する現段階の民間放送のラジオコードに対して、どういうような実績が残つているかということを、ある程度監視したり、これを指導したりするというようなことはやつているのでしようか、やつていないのでしようか。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷政府委員 お答え申し上げます。現在各放送局の放送の内容を現実に聴取いたしまして、これが放送法違反になつているかどうかということの、いわゆる監視と申しましようか、こういう内容の監視は現在やつておりません。ただこの放送法に違反になつたのではないかというような事項が起つたときに、事後においていろいろ調査をすることはございますけれども、放送の番組を常に聞いておつて、そうしてすぐにこちらだけの考え方で、これに注意を与えるとかいうようなことはもちろんいたしておりませんし、現在のところ並行して番組の内容を聞いて、これを調査しておるというようなこともやつていないのでございます。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 そうすると日常の監視はしていないし、注意も払つていないとすれば、一体過去の実績を調査するときには、どこからの申請、どこからの意見を取上げて過去の実績というものを考慮する資料にするわけでしようか。何も資料がないことになりませんか。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷政府委員 お答え申し上げます。この根本基準の点におきましては、第四十四条の今御引用になつておる事柄とあるいは的確に一致いたさないかも存じませんが、その放送局の運用が総体的に見まして、ある一部のものの独占になつておるのではなかろうかとか、あるいはいろいろ法律及び基準にきめられたところに従つて放送を行つたかどうかというようなことは、そこから報告をとつた総体的なものの上で判断ができるかと思います。ただ四十四条の今御引用の点は、一つ一つの放送のプログラムの内容において自律規定に反しておるかどうかということでございまして、これはその法律に違反しておるということがはつきりいたしますれば、必ずしも再免許の時期をまたなくとも免許の効力が失効する。法律違反ということがはつきりいたしますれば、そういうことではないかと思います。この法律違反であるかどうかということは、ただいま申し上げたように、現在番組の内容の聴取及びこれの監査と申しますか、そういうことはいたしておりませんので、これは現実的には多くの聴取者がどういうようにこれを感ぜられるかということの批判を通して、私どもがその事後において調査をし判断をするというのが今までの考え方でございます。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 時間の関係で端的に問題をお伺いしたいと思いますが、ラジオ京都の放送内容について、つい二、三日前に私は京都へ少し行つて来たわけですが、二月五日に京都市長の選挙があつた。その放送の内容に、街頭録音をNHKと同じようにやり、そうして両候補に対する大衆のいろいろな討論を行わした。実際にとつた時間は一時間以上で、放送は三十分、カットは自由にラジオ京都でできるわけですが、カットして放送された内容というものは、ある一方の候補に非常に有利に編集されてそれが放送された。なお今も知事選挙をやつております。この知事選挙に際して、その街頭録音をまたやつたのですが、そこには特定の候補を支持する人間、はつきり地方的にも有名なボスがたくさん入つておつて、そこへのみマイクを持つて行き、明らかに野党候補の支持者あるいはその側だと思われる人のところへはマイクをほとんど近つけないということを、つい一週間ばかり前にやつたわけです。なお二月五日の市長選挙の際には、投票の前の晩、ニュース解説の時間を用いて、京都新聞の編集局長がニュース解説に当つておる。御存じのように京都新聞とラジオ京都というものは切つても切れない関係にあるわけですが、ここの編集局長のニュース解説がまた内容が偏向いたしておりまして、当時高山さんと西園寺さんの一騎打ちだつたわけですが、こまかい内容はぜひ調査してもらいたいと思うのですが、だれが考えても、非常に高山氏に有利で、西園寺氏に不利だという状況でニュース解説を投票日の前の晩に行つた。これに対して西園寺氏を支持する者から、まつたくうそのような電話、手紙、はがきなどをよこして、とにかくラジオ京都はけしからぬというのです。もし必要なら、来た手紙その他をお届けしてもいいのですが、非常に心配して来ましたほど偏向したニュース解説をやつておる。  なおさらに投票日当日朝から十二時までの間に、闘いの跡という放送をしまして、西園寺候補にとつて最も不利な条件というのは、京都になじみがない、住んでいなかつたということであるが、これを非常に強く打出して、西園寺候補は非常に疲れているようだが、とにかくいるところもなし、もともと京都に住居がない人だから、宿屋の一寓にいて憮然たる態度である。これはそうでなくても選挙にとつては非常に致命傷なんですが、特にそういう放送をする。片や高山候補は、近所の子供や何かの頭をなぜて家庭で団欒しておる。集約するとそういうことになるのですが、はつきりと他候補にとつて最も痛いところを、投票日お昼ちよつと前に長々とやつているわけです。これが非常にきいたわけですが、今回の知事選挙でも今申し上げたように、やはり街頭録音の中に方の候補だけを支持する側の人々に、まるで事前に打合せをしたようにマイクを向けて行つて、その方の支持が圧倒的に多いように放送する。実は十六日の投票日を控えて、今日、明日、明後日、この三日間に、前の市長選挙と同じような轍を踏まれたらたいへんだというのが、片方の現役の知事の側ですが、非常に心配しておる。われわれのところへもそういうことのないよう、ひとつ頼むということを一昨日から言つて来ている。そこで土曜日の午後長谷局長に面会を求めたのですが、お会いできなくて今月に至つたのですが、急速に二月五日前後の状況を調査願うと同時に、たしか五日前くらいですが、知事選挙に関して街頭録音をとりました。その放送の内容に対してもよく御調査願つて、少くとも前市長選挙におけるような、明日の晩にニュース解説をまたやられたり、明後日また両候補がこういうことをやつているというような、偏向的な放送がされるようなことがありますと、捨ててはおけない事態に立ち至ると思いますので、局長としては適切な処置をおとり願いたいし、ただちに現地の電波監理局に御処置をお願いして、できるものなら事前に、かつてのような偏向のないように、もしあつたという事実をお認めになりましたら、ひとつ強い警告を発していただきたい、こう思うわけであります。大体ラジオ京都を中心としての動きから今まで御質問申し上げたのですが、私どもはつきりそういう偏向をつかんで参つておりますので、こういうことに対する局長の御意思を一応お伺いしておくと同時に、あとの善処を要望したい、こう考えております。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま京都放送の、最近行いました街頭録音その他におきまして、政治的公平を欠いているのではないかというようなお話が出たのでございますが、私ども不幸にして今までそれについて報告を受けておりません。早速調査いたしまして、はたして政治的に公平であるべき自律的な規定に反したかどうかを調査いたしたいと存じますが、ただ今後の問題につきまして過去のことはただちに調査いたしますが、過去のことは、調査をまちませんと、はたして実際の問題として、政治的公平をどの程度に欠いているのかどうかということが、私どもとしても現在不明でございますので、これから行う放送に対して、こうせい、ああせいということについては、放送法の建前からいいましても、みだりに放送の内容について政治が注文をつけるということも、慎重を期さなければいかぬと思いますので、その点はよく事情御了承願います。私どもとしては早速調査をいたします。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 重ねてお願いしたいのですが、少くとも国会の一部の意思として、正式にこういう発言があつたことを中心にして、万間違いはないだろうと思うが、注意をするようにということだけは、今後に対して言えるのじやないかと思いますが、この点いかがでしよう。

長谷慎一郵政事務官(電波監理局長)

○長谷政府委員 放送法第四十四条に定められております、自律規定に違反しないようにやられることを注意することは、かつてもそういうことはやつたと思いますが、そ、の点はできると思います。しかしどこまでもた、だいま申し上げましたように、その規定は自律規定でございますので、放送を行う方が政治的公平なりと断じて行つたことに対しましては、事後においての批判なり問題はございますけれども、事前にかくあるべしと言つて注文をつけるわけには行かないのではなかろうかという考えを申し上げたのであります。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員長代理 自律規定に対する違反現象を、注意を喚起していただけばけつこうですから、ぜひひとつお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十七分散会

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