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19回国会衆議院1954/03/30

通商産業委員会木材利用に関する小委員会 第5号

発言数
24
登壇者
9
会派数
3
開催日
1954/03/30

会議録

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員長 これより会議を開きます。  木材利用合理化について調査を進めます。  本日は御多忙中を本小委員会に御出席くださいました関係各界の参考人の方々より御意見を承ることといたします。まず桜井督三君よりお願いをいたします。桜井君。

桜井督三紙パルプ連合理事長

○桜井参考人 桜井でございます。紙パルプ連合の理事長をしております。まだ紙パルプの業界に入りまして二年ほどしかたつておりませんので、きわめて浅い経験でございますが、二年間の経験に基きまして私どもの業界からの意見を申し上げてみたいと思います。  申し上げるまでもないことでございますが、日本が山林国であるということは、国土面積三千七百万町歩のうちで山林原野が二千五百万町歩ある、六八%が山林原野で占められているということで立証できると思います。そのくせ最近木材に非常に困つておる状態が現われておるのであります。自然木材蓄積を何とかしてふやすということが、今国としてはいろいろな方面からいつて非常に重要なことだと思うのであります。しかし木材蓄積をふやさなければならないといつても、使いさえしなければいいということではこれまた非常に困るのでありまして、積極的に山林資源を備蓄する、造林をするという面が一つ、もう一つは木材使用を合理化しなければならぬというふうに痛切に考えておるのであります。この蓄積の積極的増加ということにつきましては、従来の長くかかる太くなる木、用材本位というようなものから、短伐期で、そう大きくならないでも切つてよろしいというような産業的な性格の備材をしていただかなければならない。今までの考え方を、方向をかえていただかなければならぬということを考えておるわけであります。一方使用合理化につきましても、必ず附加価値の多いものに使つていただくという方向に切りかえていただきたいということであります。特に力説をいたしたいことは、木材を今までのような考え方でなく、もつぱら工業原料として見ていただきたい。従来工業原料としての見方というものは非常に少かつたのではないかと思います。工業原料としての見方にもいろいろありますけれども、私どもの立場から申しますれば、繊維素としての見方に重点を置いていただきたいという考え方であります。そういう点に対しまして今まで木材等に対する見方が、農林行政的見方だけでやや終始したような感じがいたしますが、こういう委員会ができまして、通商行政的な感覚で見直していただくということは、われわれにとつて非常に喜ばしいことであると考える次第であります。  なお私どもが木材を工業原料として見ていただく、あるいは繊維素として重点を置いていただくということをなぜ申し上げるかと申しますと、何と申しましても附加価値の多いものになるわけでございます。薪炭林の価値を百といたしますと、パルプにいたしますと、パルプにもいろいろな種類はございますけれども、六百から八百ぐらいの附加価値になるわけでございます。それからもし紙にいたしますと、千から千二、三百まで附加価値が上ります。スフ、人絹というところまで手を加えますと、三千から三千五百までの附加価値になるわけでございます。薪炭として使いますよりも、比率が非常に加重されるわけでございます。こういう意味におきまして、日本産業自立の一つの要素といたしまして、木材資源を工業原料として、繊維として見ていただくというふうな見方に立つてやつていただきたいと思うのであります。合成繊維にいたしましても、人造繊維と一般にいわれますのは、木材を原料とする木材パルプからできる人絹なりスフなりのことでございますが、これは両々相まちまして、輸出もしくは輸入の防渇という方面に大いに役立つのではないかと思つております。要約して申しますと、木材蓄積というものも、使いさえしなければいいということでなくて、そういうふうに高度な利用の方に向けていただくということを考えておる次第であります。  第二番目に申し上げたい点は、木材価格の最近の動向であります。御承知のように二十六年の一月に第二次再評価の法律ができまして、去年の八月に第三次再評価法が通過いたしたのでありますが、いずれもとつている基準月日は、今年の一月一日になつております。二十六年の一月一日から、二十八年の一月一日までの再評価の限度額の増加は五〇%であります。これは一般卸売物価というものにおおむね見合うものと考えるのであります。ところが木材の最近の値上りを見ますと、二十六年の春からことしの春まで、この一年間食い違いがございますけれども、おおむね三倍もしくは三・四、五倍になつております。この値上りの比率というものは、一般価に比較しましても、木材の値上りがいかに大きいかということが考えられるわけであります。もちろんいろいろな事情もありまして、木材の値上りは自然的な結果ではあつたであろうとは思いますけれども、この一般に比較しての最近におけるはなはだしい木材の値上りというものは、やはりわれわれ業界に相当な圧迫になつておる。原料高の製品安とまでは行かなくても、今は弱含みでそろそろ安くなりかかつて来ております。現実にそういう姿を現わしております。そういう点から申しまして、木材の価格については相当考慮していただきたい。たとえて申しますれば国有林の木材の運営というようなものについては、相当対外の貿易等も考慮しました国策的な運営の必要がありはしないか、という点を主張いたしておきたいと思うのであります。  業界の現状を簡単に申し上げます。紙パルプ連合と申しますのは、実は紙パルプ業界の団体のまた団体でありまして、そういう意味合いにおきまして連合と申しておるのでありますが、間接に傘下に入つておる会社は二百会社でありまして、その工場数は約六百でございます。これは手ですいておるところの全国にばらまかれておる工場は除外してのことであります。そのほかに機械ですいていますところの、性格からいえばわれわれの業界の団体の内部に参加して、適当にアウトサイダーとしてやつているものが約二百社あります。そういり現状でございますが、生産は年々増強いたしまして、二十八年度におきましては、戦前の一番最高時を上まわつた生産を、パルプ、紙ともにいたしております。しかし先ほども申し上げましたように、そういう生産を上げていますのにもかかわらず、いわゆる原料高の製品安というような状態が現われ始めていまして、現在すでに中堅階級の会社で、倒産もしくは操業をやめざるを得ないという工場ができつつあるような状態であります。こういう難関を突き抜けまして——戦前われわれが一番多く出しましたときには、総製品の、一三%を輸出いたしておりました。現在では一%にも足らないような微々たる状態でありますが、これを何とか突破いたしまして、戦前のような輸出できる産業として働きのできるように努力しておる次第であります。こういう意味から本委員会で、われわれがそういうふうな方向に伸び得るように御援助を願いたいと存ずる次第であります。非常に簡単でございますが、紙パルプといたしましての一応の御説明を申し上げた次第であります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員長 次に日本石炭協会専務理事天日光一君。

天日光一日本石炭協会専務理事

○天日参考人 御指名いただきました天日光一であります。日本石炭協会の専務理事をいたしておるものでございます。石炭鉱業と木材需要関係につきましてお聞き取り願えることを、非常にありがたく存ずるのであります。ごくかいつまみまして、石炭鉱業と木材の需要関係につきまして申し上げたいと思います。  すでに一般にいわれておりますように、鉱業、ことに石炭鉱業におきましては、坑木を非常に大量に使うわけでありまして、坑木は炭鉱の米の飯だという通俗的な言われ方が、一番端的に炭鉱事業におきまする坑木の重要なこと、また使用量の多いことを現わしておるかと存ずるのでありますが、少しく数字的に申し上げますと、最近石炭界全体で使つておりまする坑木の量が、一年間に一千百万石ないし一千二百万石と相なるわけでありまして、近年木材の総需要と申しますか、総使用量が一億一千万石あるいは一億二千万石というふうに承りますから、おおむね一割見当を一つの産業部門で使つておる、木材のお世話になつておるという関係であるかと思うのであります。  かように、今申しましたように非常にたくさんの坑木を使つておるわけでありますけれども、石炭界といたしましては、努めてこの坑木の使用量を節減いたすように努力を続けておるわけであります。その一端をちよつと申し上げますと、数字にわたつてはなはだ恐縮でありますけれども、ごく最近のところをとつてみまして、昭和二十三年をかりにとつてみますと、坑木の使用量が一千二百二十八万八千石というような数字になるわけでありますが、それがずつと二十四、五、六、七、八というふうに、だんだん年を追つて来るに従いまして使用量が減りまして、たとえば二十七年を例にとりますと、一千五十八万二千石というふうになつて参つておるわけであります。これはごくわかりやすく、二十三年の一千二百二十八万八千石を一〇〇といたしますと、二十七年は八六と相なるわけであります。比率から申しまして一四%減つて来ておるわけでございます。しかるに一方、これは石炭の生産高と比例するはずのものでありますけれども、一応そういう前提で申し上げますと、石炭の生産の方は、今申し上げた二十三年を例にとりますと三千四百七十九万三千トンであります。これが二十七年には四千三百七十四万七千トンとなりまして、二十三年を一〇〇としますと二十七年は一二六という指数が出るわけであります。つまり石炭の方では、二十三年と二十七年を比較しますと二六%生産が多くなつておるわけでございます。それが坑木の面から見ますと、先刻申し上げた通り、一〇〇から八六というふうに指数が減つて参つております。といいますのは、さらに具体的に申し上げますと、石炭一トン当りに坑木を幾らぐらい使うか。原単位ということを申しておりますけれども、これが一つの基準、ものさしであります。これで申しますと、昭和二十三年におきましては石炭一トン当りの坑木が、石で表わしまして〇・三五、俗に三斗五升と申しておりますが、それが二十四年に〇・三〇となりまして、二十五年には〇・二七、二十六年には〇・二三、二十七年には〇・二四、二十八年には〇・二三ほどと思われるのであります。かように原単位を圧縮しておりますことは、あとから申し述べますけれども、石炭事業としましても、これは木材の利用合理化に努めておるという一つの証左と申し上げたいのであります。二十三年の〇・三五を一〇〇といたしますと、二十七年あたりは六九という指数になりますから、三一%原単位を圧縮したというふうな——非常に手前みそのようでありますけれども、顕著な節減圧縮に努めて参つておるわけであります。今申しましたのは、全国の石炭を全部総合して申しておるわけでありますけれども、御承知の通り石炭生産業者には通俗に大手と中小炭鉱という言葉をよく使うのでありますけれども、坑木の使用原単位の面で見ますと、大手系の会社の方が原単位はずつと中小炭鉱よりは少くなつております。たとえば二十六年を例にとりますと、大手会社では石炭一トン当り坑木の使用最が〇・一二、つまり二斗一升ということでありますが、中小炭鉱の方を見ますと〇・二八、二斗八升というふうな開きがあるのであります。その後の年次につきましても、かなり両者の間には開きが見られるわけであります。  なお一言いたしますと、いわゆる大手炭鉱と中小炭鉱との間の生産の比率と申しましようか、これは大体七〇%と三〇%というふうな見当でありますからして、坑木の総使用量も大ざつぱに申せば七、三と開けば、ほぼ該当するというわけであります。御承知の通り炭坑というものは掘り進むに従いまして深くもなりますし、中が広くもなります。坑道もそれだけ延びるわけでありますから、坑木がよけいいるべきものでありますけれども、さようなりくつにもかかわらず、坑木の使用量が減つて来ておることは事実であります。他面、あとから申し述べます鉄の使い方をふやすとか何とかということで、木材の使用を圧縮しておるわけであります。坑木の種類につきましては、御承知かと思うのでありますけれども、大体赤松、黒松、から松、えぞ松、とど松というものがあり、松材は坑木というふうに古来からいわれておるのでありますが、大体所要の寸法も炭坑で数十種類にも上り、長短、細太、いろいろわかれるのでありますけれども、標準的なものを申し上げますと、長さで二尺から十六尺くらいまで、径といたしましては小は一寸五分、大は一尺というふうに非常に使い場所によりまして、大小細太の種別が非常に多いのであります。でありますから炭坑といたしましては、かような非常なヴアライエテイの多い種類を多く要する坑木を、どれもが過分にもならず、不足にもならずというぐあいに一定の割合をもちまして入手できれば、一番経済的であり、効果的であるのでありますでれども、これがなかなかむずかしいのでありまして、坑木が不足をいたしました事態を考えてみますと、どうしても抱合いでとらないと必要なものは入つて来ない、あまり太過ぎるものは割つて使うというようなことがありましたが、割りますと材料の強弱という点から、当然力が弱くなるということになりまして、経済的にもむだというものが出るわけであります。そういう点にも苦心があるわけであります。  御承知の通り石炭産地といたしましては、九州、北海道、常磐地区、山口地区と大別できるのでありますが、坑木の入手状況は、大体はそれぞれの隣接もしくは同一地区からの産出をもつて充当できるわけでありまして、坑木の輸送状況を見ますと、東から西、西から東というふうな交錯輸送はあまり見ないのでございます。ただ今申し上げましたように、概して近県から供給されておるとは申しますけれども、だんだん木材資源等の不足から見まして、どうしても大きなものになりますと、近くでは得られなくなつて来ます。たとえば九州あたりではごく長い長尺物は広島県あたりから、あるいは四国あたりからとるというような実情になつておるわけであります。坑木は申し上げるまでもないのでありますけれども、炭坑の坑道の維持、切羽の維持というようなことに非常に関係があるのでありまして、大きく申せば炭坑の保安用の欠くべからざる資材ということになるのであります。最近は、今ちよつと申し述べたのでありますけれども、大小、太い細いの適木ということに非常に困難を感じておるのでありますが、もしも炭鉱方面で理想的に適当な適寸物を得られるといたしますならば、先刻申し上げた原単位をさらに二割くらいは圧縮できるのではないかというふうに考えておるわけであります。  以上坑木を使つておる状況を概略申し述べたのでありますが、坑木はなるべく使わないようにするということの一つの方法としましては、いわゆる坑内の鉄化、鉄をもつて木材にかえて行くということから当然考えられるわけでありまして、最近とみにその傾向が著しいものがあるのでありますが、炭坑の中で使います鉄材としましては、古くから一番実際にも使われておりますが、鉄道の古レール、これは当然強弱の点から申しましても木材よりまさるわけでもありますし、深くなつて、ことに炭坑の中の地圧の強くなるに対抗しまして、鉄材の方が有利なことは申し上げるまでもないのであります。最近は鉄道の払下げレールのほかに、特に炭坑の中の坑わく用として、特にその目的をもつて鉄わくがつくられるようになりました。あるいはお耳に入つたことがあるかもしれませんけれども、坑わく用アイビームという名前で呼ばれております。八幡製鉄所がすでにつくつておられまして、その他の鉄鋼の会社でもそういう計画を持つておられるように聞いておるのであります。しからば鉄材を坑内で使うのはどんな趨勢であるかという点をちよつと申し上げてみますと、これはもとよりそう古くから鉄材を使うほどには至らなかつたのでありまして、比較的近年からの現象でありますけれども、今手元にあります資料から申し上げますと、昭和二十五年で古レールの使用量が三万九千四百二十三トンという状態でありました。それが二十六年には四万八千六百二十五トン、あるいは二十七年には四万九千十三トン、今二十八年度は大体五万二千三百トンという見当に相なろうかと思うのであります。今申し上げますように数字としましては逐年使用量をふやして参つておるのであります。次に先刻ちよつと申し上げました特に坑道使用の目的をもつてつくられました鉄鋼わくアイビームと申しておりますが、これが二十七年には一万二千六百三十六トンという数字でありましたが、本二十八年度には一万九千六百余トン、約二万トンに迫ろうかというような使用増大の趨勢であります。炭坑の生産技術の面から見ますと、今申し上げたアイビームなどの使用が非常に望ましいのでありますが、何分にも坑木と比べますと最初のイニシヤル・コストがたいへん高くつくものでありますから、炭坑の今の経理状況から申しまして、必ずしもかような鉄材を多量に早くからよけい使うということは、なかなか困難にあるわけであります。古レールにいたしましても、国鉄からの払下げなり、あるいは海外からスクラツプとして入つて来るもの等も考えられるわけであります。国内での払下げ古レールなどは、やはり坑木に比べますと六、七倍くらいに高くつくものでありますから、当初の費用がかさむために、なかなか全部坑木をこれに届きかえるということも、経費の面等から見ましてもただちには行えないというようなわけであります。古レールの値段が下りますれば、よほど坑内鉄化が促進されることは申すまでもないことであります。坑木用の鉄材が高いということでありますが、しからばどのくらいしておるかということを私の方で調べてみますと、古レールは大体一トンにつきまして二万七千五百円くらいいたしております。これは国鉄の置場渡しの値段でありますから、炭坑山元にありますときは、大体一トン当り三万円から三万五千円になるわけであります。それから特に炭坑で使用する目的をもつて当初からつくられましたアイビーム鉄わくは、大体一トン四万七千円見当いたしております。炭坑渡しでかような最近の値段であります。  この点につきましてちよつと申し触れさしていた、だきたいと思いますのは、輸入されるスクラップの中に、古レールが相当入つておるわけであります。これはどちらかと申せば、日本国内で国鉄から払い下げていただく古レールよりは、よほど安くつくわけであります。大体トン当り二万円見当になつておるかと思います。ですから先刻申し上げた国鉄り払下げの古レールから比べますと、ずいぶん値開きがあるわけでございます。でありますからして、もしもスクラップとして入つて来ますアメリカあたりの古レールを炭坑に使えるように御処置が願えれば、非常に効果が大きいわけであります。そういたしますと、あるいはこういうことが予想されるかと思うのであります。つまりスクラップとして入つて来る古レールを炭坑の方にやつてしまつては、鉄鋼会社の方でスクラップが足りなくなつて困りはせぬかということが一応考えられるわけでありますが、必ずしもそうはならないわけでありまして、海外からスクラップとして入つて来ます古レールを炭坑が頂戴するということになりますれば、おのずから所有量には限度がありますから、そういたしますれば従来国内で払下げを受けておりました古レールは、それだけ頂戴しなくちやならない分が減るわけでありますので、その分は鉄鋼会社の方へまわつて行くわけでありますから、全体から見ますとそう大きなギヤツプはない、かように考えられるわけであります。こういうような点につきましては、いずれかの方面で御推進願えれば、非常に仕合せだと考えておるわけであります。  今まで申し上げましたのは、炭坑の坑道の鉄化という意味で申し上げたわけでありますが、最近これもあるいはお耳に熟しておるかもしれませんけれども、カッペとか鉄柱採炭、そういうことが近年特にやかましくいわれておりますが、これは御承知の石炭を掘り出す一番先の切羽と申しております、その支点の鉄化でありますが、これも近年の趨勢でありまして、鉄柱とカツペが大きな問題になつております。鉄柱は炭鉱界としては近年非常に使用する趨勢が伸びております。一例を申し上げますと、二十五年には鉄柱七万七千九十八本というような統計が出ておりますけれども、二十八年を申し上げますと二十二万一千七十四本くらいに、非常に鉄柱の使い方をふやしております。それから鉄柱に伴いましてカッぺ採炭、これは天盤の落ちるのを防ぐ鉄柱と相まつて伸びて行く仕組みのものでありますけれども、これなども二十六年が一万五千三十本使つておりましたのが、二十八年あたりは十四万二千六十一本というように、非常に伸び方を多く使つてあるわけであります。  そのように切羽の鉄化の趨勢を申し上げたのでありますが、しからば今後そのような趨勢でどんどんもつと大幅に伸びて行くかという点になりますと、必ずしも今申し上げたような規模の趨勢でどんどん伸びては行けない事情にあるわけであります。御承知の炭坑内部の傾斜の緩急等によりまして、せつかく鉄柱カツペを使おうとしてもかえつて使いにくいとか、効率が十分に発揮できないというような面もあるわけであります。その鉄柱カッぺにいたしましても、やはり何分にも相当値がかさみます。御参考に申し上げますと、鉄柱一本が大体一万円見当いたしますし、カッぺが大体五千円見当いたします。切羽の面の長さが百メートルといたしますと、大体鉄柱カッぺ六百組を必要とするというような計算になるのであります。そうすると一万五千円の六百倍でありますから、百メートルの切羽だけで九百万円の金がいるという計算になる。なかなか当初の費用が多くかかるわけであります。  次に一般に考えられており、また勧められております木材の防腐でありますが、炭坑としての坑木の防腐の点について、実情をちよつと申し上げたいと思います。木材の使用耐用期間を延長するという見地からいたしまして、当然それは木材の使用節減の大きな方法でありますから、木材の防腐が特に要請されて、特別の法律もできておるわけでありますけれども、坑木につきましてはかような実情であります。坑木は防腐いたしまして使う場合、防腐剤によつて坑木が腐る前に折れてしまう、地圧等を受ける関係で腐る前に折れてしまうという特別の現象が起ります。従いまして防腐ということによる効果は、地上一般に使われるよりは趣を異にいたすわけであります。なお炭坑におきましては、坑内で使うあらゆる木材を防腐するということになりますと、必ずしもその使用の期間なり耐用期間等から見て、防腐しなくてもよろしいものまでも全部防腐するということになりますと、かえつて費用がかさむようなことにもなるものでありますから、使う場所等による種別の扱い方があるわけであります。ですから一律に坑内に使う木材を防腐するということではなしに、防腐することによつて効果の上る部面のものに防腐剤を施すというような方針で、御当局も御指導になつておるような実情であります。  最後に坑木の価格のことをちよつととお聞き取り願いたいと思います。一口に申しますと、木材の値段の上りは近年とみに大幅であります。日銀の調べによりますと、昭和九—十一年の基準年次と最近の状況を比較してみますと、一般物価は御承知のように三百六十八倍くらいでありますが、木材は六百二倍くらいの数字になるようであります。なお昭和九—十一年というような古いときとの比較はしばらく別といたしまして、軌鮮動乱の勃発の直前と最近の値上り状況を比較してみますと、経済審議庁の調べを拝借したわけでありますけれども、朝鮮動乱勃発直前の指数をかりに一〇〇といたしますと、最近の一般物価は一六二というような、六二%の値上りをしておるというふうに現われるのであります。しかるに木材につきましては、三一二というような指数で出ますから、三倍強というようなことに相なるかと思います。かような趨勢のもとにおきまして、松の小径丸太、長さが十三尺二寸、径が五寸五分見当のものでありますが、動乱直前は一石当り六百五十円見当であつたのでありますが、現在は大体二千二百円くらい、三・三八倍になりましようか。次に坑木について申しますと、朝鮮動乱直前は一石当り大体五百五十円から六百円であつたものが、最近におきましては千五百円から千七百円、石当り約三倍であります。さように坑木代が一石について千円値上りをしますことは、冒頭に石炭一トン当り坑木使用量がO・二三石、すなわち二斗三升と申しましたが、坑木が一石当り千円上ることは、石炭生産コストから言いますと、トン当り二百三十円くらい坑木代だけで上るという計算になるのであります。全国的に造林等の施設が進められることは、治山治水の見地からわれわれまことに望ましいと思いますが、一面木材の価格の値上りによりまして——私は今石炭の例を申しましたが、そのほかに一般産業の受ける影響も慎重にあわせ御考慮願いたいと存ずるのであります。現任木材の需給状況につきましては、いずれそれぞれお話があろうかと思いますけれども、今の状況で見ますと、木材の価格は当分大体横ばい見当で推移するのではあるまいかという感じもいたしますが、あるいはまた最近の外貨の割付とかいう関係で、輸入材がかなり変動するかと思われますので、さよういたしますと、国内の木材需給も今申し上げたような単純な横ばい状態というのではなく、もつと詰まつた状態になろうかと思うのであります。  以上で大体石炭と木材との関係を申し上げたのでありますが、最後にごくとりまとめて一口に申しますと、第一には木材価格の安定を最も強くお願いするものであります。それから途中で申しました輸入スクラップの中での、古レールを炭鉱方面にまわして使わせていただきたいということであります。なお当委員会におきましていろいろ御考究に相なるかと思うのでありますけれども、家庭燃料の合理化と石炭の関係を申し上げてみたいと思うのであります。御承知の通り石炭は最近年産四千数百万トン出るわけでありますけれども、その中で俗に低品位炭というようなことをいわれておりますが、低品位をどこで筋を引くかということが問題でありますけれども、たとえば四千カロリー以下の石炭を例にとつてみますと、月によつて多少の増減はありますが、ごく新しい二十九年一月を例にとつてみますと、四千カロリー以下の石炭がこの一月だけで八万五千八百トンほど生産されておるのであります。一月の総出炭が三百七十万トンほどでございましたから、比率は大体二・三%くらいになるかと思います。年間を通じまして百万トンを越える四千カロリー以下の低品位炭というものが生産されるわけであります。こういうものを従来も論議されております亜炭の家庭燃料化というようなこととあわせまして、今後政府方面あるいは政府部内の研究機関で、十分御研究、御助成願えれは仕合せだと思います。要するに家庭燃料の植物性燃料から鉱物性燃料への転換ということが、木材節約の大きな部面を今後担当して行くのじやないかと思います。なおよく言われておりますかまどの熱効率をもつと上げるための改良でありますとか、いろいろ御研究いただくこともあろうかと思います。最後に北洋材の輸入につきましても、国内の木材需給の緩和という見地から、十分御考慮を願えれば仕合せだと思います。はなはだ冗慢なことを申し上げまして失礼いたしました。お尋ねがあればお答えを申し上げたいとと思います。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員長 次に日本瓦斯協会監事安西浩君。

安西浩日本瓦斯協会監事

○安西参考人 御指名を受けました安西浩であります。私は東京瓦斯副社長と日本瓦斯協会の役員を兼ねておるものでありますが、今回国会におきまして、木材の消費節約並びに合理化に関しまして、国家的にきわめて重要な問題であると思いまして、広く各界の意見を徴されますことは、まことに機宜を得た御処置と考えまして、ひそかに敬意を表しておる次第でございます。今回特にこの小委員会を設けられまして、この問題に非常に重要な関係にあるガス事業者の意見を述べる機会を与えてくださいましたことにつきましては、ガス事業者を代表しまして厚く御礼申し上げます。私はガス事業の経営に当つております見地から、私見を申し述べまして御参考に供したいと存じます。  わが国の森林資源の現状やその将来の見通しなどにつきましては、私からここにあらためて申し上げるまでもなく、委員の皆様におかれましてはとくと御承知の事柄でございますから、くどくどしく繰返すことは時間の関係もありますから省略させていただきますが、現在のように過伐、濫伐を続けますならば、遠からず森林資源は涸渇いたしまして、洪水による災害はますます猖獗をきわめて、国民経済に甚大な影響を及ぼすばかりでなく、遂に国土の荒廃を招くおそれが多分にあるのでありまして、まことに寒心にたえない次第でございます。災害というものは忘れたころに襲来すると申しますが、これを未然に防遏するためには、木材の有効利用度を高めまして、消費の節約をはかることが最も緊要なことであろうと私は考えます。木材の有効利用と消費の節約のために講ずる手段は種種ありまして、すでに各方面にわたつて調査研究を進めておられることは私どもも仄聞しておりますが、木材利用の合理化推進対策として列挙されました内容を見ましても、そのいずれも適切妥当な方策と存じます。しかし木材の消費面から見ますと、家庭燃料として消費される量が実に一億四千五百万石に上つておりまして、総消費量の六〇%弱を占めておるのでございます。従いましてこれが消費節約することが、木材消費節約の焦点になるのではなかろうかと存ずるのでございます。現に皆様御検討になつております合理化対策案によりましても、家庭燃料の合理化が達成されますれば、ガスだけでも年間二千万石の原木を節約できる予想でございまして、家庭用ガスの普及拡充だけで、節約目標の二二%弱が達せられるわけでありますから、ガス施設の拡充が本問題解決のかぎを握つておると申しましても、過言ではなかろうと存ずるのでございます。総理府資源調査会はつとにこの点に留意されまして、昨年一月に家庭燃料の合理化に関しまして、内閣総理大臣に勧告されておりますことは、皆様御承知の通りでございます。私どもガス事業の経営に当つております者は、ガス事業本来の公益的使命のほかに、森林資源の保全育成のために、新たな重責を課せられましたことは、私どもとしてはむしろ欣快に存ずる次第でございまして、会社経営上の苦痛と困難とを克服いたしまして、国家の要請にこたえたいと存じておる次第でございます。通商産業省におかれましては、資源調査会の勧告の趣旨にのつとりまして、ガス施設拡張五箇年計画を省議で決定されまして、すでに昨年来これが実現を推進されておるのでございますが、ガス事業者といたしましても、全員一致協力申し上げまして、その計画遂行に努力することといたしまして、着々とこれが実施に邁進しておる現況でございます。ガス施設拡充計画は、昭和二十八年から三十二年までの五箇年で一応完成する予定を立てておるのでございますが、完成のあかつきには、ガスの供給量が十一億九千万立方メートル増加いたしまして、ガスの引用戸数は八十七万余戸を加えることになるのであります。このようにいたしまして、ガスの普及率を広げまして、供給量を増大いたします結果は、木炭の消費量が年間八十四万トンを節約できまして、原木に換算いたしまして、少くとも二千万円の伐採をせずに済むことになるのでございます。このたびの拡充計画の達成は、一面におきましては、ただいま申し上げましたように、大量の木材の消費節約をはかるばかりでなく、他面都市の国民生活に大きな便益となります。主婦の労力を省いて教養の時間を多くするとか、火災の原因を少くし、保健衛生にも多大の利益をもたらしますから、両々相まつて国民経済に甚大の利益を招来いたしますので、わが国といたしましては、何事をさしおいてもこれが実施を促進することが、急務中の急務ではなかろうかと私は信ずるのでございます。その意味におきまして、私どもは欣然この御政策に呼応いたしまして、その目的完遂に御協力申し上げる所存でございます。ただ私どもの最も憂慮いたしますことは、政府のこのたびの財政緊縮方針に関する一事でございます。わが国の財政経済の実清から顧みますると、今回の緊縮予算によりまして、財政の立直しを推し進めますことは、まことに当然の御措置であろうと思いますが、卑俗に申しますように、角をためんとして牛を殺すようなあやまちを犯さないように、細心の御考慮を払われんことを切望する次第でございます。  ガス施設の拡張計画の遂行が、国民経済に及ぼす効果につきましては、ただいま申し上げた通りでございますが、これが完遂には、全国のガス事業で、約五百余億の建設資金を調達する必要がございます。事業経営の本質から申しますると、あとうだけこの建設資金をば自己資金でまかなうべきでありましようが、またそうすることが経営上はなはだ安全であることは重々承知いたしておるのでありますが、しかしガス事業は電気事業同様に、公益事業として主務官庁の厳重なる御監督を受けておりまして、殊に料金は許可制度になつております関係から、他産業のようにかつてに変更して高収益を願うようなことは許されないのでございます。従いまして増資に増資を重ねることも決して容易ではございません。所要資金を一般銀行に仰ぎますれば、金利負担が加重されまして、ガスの原価にも大きく影響して参るのでございます。そこでこのような建設資金の調達に対しましては、国家の財政資金にたよるとか、あるいは重要国策の一部といたしまして、長期低利資金の融通について特別の御措置を講じていただくことが、絶対に必要になつて来るのでございます。もちろん私どもは一面では営利的の私企業でございますから、なるべく自己資金によつてまかなうよう考慮することは申し上げるまでもございませんが、所要資金の全額をみずから調達することは、実際問題としてなかなか困難なことでございます。ただいま進行中の拡充計画を実施するに要する資金は、年額にいたしますとわずかに百億円にすぎないのでございます。わが国の電源開発に投下する建設資金の七%弱、一箇年の災害復旧に要する経費の一割にも足らぬ額でございます。たとい緊縮財政と申しましても、国家将来の大計を確立いたしますためには、この程度の資金については、この際特別の御配慮を賜わるのが至当ではないかと存ずるのでございます。重ねて申し上げますが、木材の利用と森林資源の愛護、そうして木材の消費節約を短時日に的確に達成いたしますには、ガス供給拡張計画の促進が最も効果的であることは、すでに委員の皆様御了解の通りでございますので、本計画遂行の唯一の隘路であります建設資金の調達について、格段の御理解と御配慮を切望してやまない次第でございます。なお数字その他詳細にわたりましては、別冊にまとめてございますので、後ほどお手元にお届けいたしたいと思いますから、御参考になればたいへん仕合せと存じます。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員長 以上で参考人よりの御意見の開陳は終りました。  次いで質疑に入りますが、この際参考人各位に念のため申し上げておきます。御発言の際は小委員長の許可を受けることになつておりますので、御了承願います。永井君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 坑木についてちよつとお尋ねいたします。先ほどのお話によると、漸次坑木の使用量が減つて、合理的な利用の方向に向つておるということで、たいへんけつこうだと思いますが、大体坑木の関係は、統制時代は、一つの需要量を確保するというような意味から、相当水増し数量を要求しておるということが言えますし、それから非常に品不足の時代は、相当たくさん買い込んで、そのために腐らしてしまつて、坑木に利用されないで薪炭用になるというような分も相当多かつたのではないか。それから相当長尺のものを買つて、端を切つて使うというようなことで、腐らしたり、水増し需要があつたり、長い木を切つたりというようなことで、相当坑木の面においては、生産の当初から合理的な配置が十分でなかつたのではないかと思うのでありますが、それが現在どのような方向に向いておるのか、それをどういうふうに実際の面においてむだのないようにして行く努力をしておるか、従つてここに出されております数字の関係なども、ほんとうに実際の利用したものがこの数字になつておるのか、それから実際に購入したものと現場に利用したものとの間にどういう数字の開きがあるか、そういう実際の状況を伺いたいと思います。

天日光一日本石炭協会専務理事

○天日参考人 ただいまお尋ねの点にお答え申し上げたいと思います。あるいはお話のごとく、木材の統制時代と申しましようか、割当の困難な時代におきましては、所要量を確保する熱意の余りに、所要数字なども多少多くなるということは、いかなる物資につきましても、さような状況下におきましては、ややもすると避けがたいことかと思うのであります。しかしその実例を存じません。ただ非常に入手困難な時代におきましては、御指摘の通り検収をあまり厳密にいたしますと、所要のものが入つて来ないことになりますので、多少検収を甘くいたしまして、たとえばさつき申し上げました十三尺二寸で径五寸五分のものを、全部そろえてほしいと言いましても、それだけやかましく言うと来ない場合は、多少規格に合わないものも抱合せで引取らざるを得ないという情勢があつたことは、事実だと思うのであります。それから適木か適量に入つて来ません場合は、御指摘のごとくあるいは長尺物を寸を詰めて使うとか、あるいは万やむを得ず、はなはだ不得策でありますけれども、太いものを割つて使うというようなともあつたのだろうと思いますが、最近はさようなことは、経理面から見ましても非常に不経済なことでありますので、努めてそういうことはないようにしておるのであります。  なおお尋ねの中に、こういう点があるかと思うのであります。私が先刻申し上げた中で触れてなかつたのでありますが、すなわち各年度について幾ら買い入れて、その買い入れたのが、その年間での使用高とどういう関連になるかというふうな点も、御指摘になつたかと思います。この点は必ずしも買い入れた数量が、その年度に使われた数量ときちんとは合わないと思います。御承知のごとく、冒頭に申し上げたように、米の飯を食うように絶やすわけにも参りませんから、常時ある程度の坑木のたくわえを持つていなければ、仕事はできぬわけであります。多少期間的に前に手当をして入つて来たものが逐次使われて行き、その使つている間に必要なものが入つて来るというわけでありまして、時間的にはその年度に購入したものがその年度に使われるということでもなし、また入着の時期も多少ずれるかと思うのであります。但しそれが非常に開きは来さないと思うのです。という意味は、大体どの程度の坑木のたくわえを持つておることがその山の規模、その山の性質から見しまして、まずまず適当な坑木量であるというようなことは、おのずから出て参るわけであります。また先刻申し上げましたように相当金がかさむものでありますから、あまり長い先にわたつて使うものを買つておきますと、御指摘のごとく坑木として使われずに、まきとして使うというようなことははなはだ相済まぬことになるわけであります。またさようなことは、炭鉱の経理上からもとうていできかねるような状態でありまして、さような点でのルーズなことはないとお考え願いたいと思います。なお既往の年度におきまして、その年度で幾ら買いつけて、あるいは幾ら入着し、それから幾ら使つて、差引して残量幾ら、さらに詳しく申せば、前年前期からの繰越し幾らであつたかというような、坑木出納につきましては、ちよつと手元に詳しい年度別の資料がございませんので、もしもお許しを得られ、かつ御入用でありましたならば、できるだけ調べてみたいと考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 国鉄の施設局長が見えているようですから、ちよつと伺いますが、まくら木とか電柱、こういうものをコンクリートでやれば、長い期間たてば非常に有利だ、そういう方向に努力しているということを先般伺つたわけでありますが、何と申しましてもこういう新しい道を開いて行つて、国策の全体的な視野から、そういう森林資源を守つて行くというようなことを措置するには、官庁がまず率先してそういう道を開いて行かなければならぬ。それにはやはり予算化の面において、そういう予算を多く組んで、施設と生産の面と結びつけて指導して行かなければならぬと考えるのでありますが、国鉄の予算関係では、やはり木材のまくら木、電柱というものに重点がかかつているようでありますが、それに対して国鉄はどういうふうに考えているのか。口でただこういうものを使えば有利なんだということを漠然と言つておつたのではだめで、具体的な予算の裏づけをもつてこれを実行する態勢を、やはり強力に推進して行かなければならぬ。そういう面についてどういう覚悟と、どういう計画と、一体どういう施策を持つているのか、これをひとつ伺いたいと思います。  それから、これは施設局長に対しては無理かもしれませんけれども、国鉄の営業局発行の貨物案内によりますと、不完全な荷づくりのまま運営を引受けるときには、これは免責特約のニトヤの条件づきで運送をやる。これが段ボール関係のものをニトヤ扱いにしているのでありますが、現在の段ボールの生産の状況及び包袋の状況から申しますと、相当いいものができているはずでありまして、これを全部一括してニトヤ扱いにするということはどうであろうか、そういう点は国鉄ではどういうふうに考えているのか。それからこの段ボールの免責特約ということを、一定の基準をもつて国鉄から末端へ、こういう扱いをしろというようなことを、文書で流しているのかどうか。もし木材資源を休養させて、そうして合理的な利用を強化して行くというその経過的な措置としては、一定の期間やはり奨励期間というものをおいて、完全ないろいろな態勢が整うまでは、不十分な期間が出て来ることは、これは免れないと思うのですが、その間において、そういうように芽ばえをつみとつてしまうようなこういうやり方というものは、これは決して総合的な国策の上に立つた措置でないとわれわれは考えるのであります。この点について国鉄当局はどういうふうに考えているか、この二点についてまずお伺いいたします。

佐藤輝雄日本国有鉄道参与(施設局長)

○佐藤説明員 前段のまくら木、電柱について御説明申し上げます。まくら木につきましては、先般御説明申し上げましたように、国鉄といたしますと現在敷設総数が約四千六百万丁ございまして、大体年間四百七十万丁ぐらいは少くとも入れなければならぬという実情であります。なお現在敷設しておりますまくら木のうち、約二%、九百万丁は不良なまくら木でございまして、これも早急にとりかえたいという考えでございまして、さらに四百二十万丁にプラスされるわけです。さらに新線の建設あるいは操車場の拡張等によりまして線路を増して行く、そういう方からも約五十万丁ぐらいのまくら木が必要となるのでありまして、国鉄といたしますと、どうしても五百二十万丁からもう少し必要だというのが実情であります。  そこで私たちといたしましても、この資源のないときにどうしてこれを節約するかということで、先ほどお話のありましたように、コンクリートまくら木を使うことを相当努力しているわけでございます。しかし現在の実情は、先般も申し上げましたごとく、現在のまくら木の設計で完全かと申しますと、必ずしも完全だとは言えないのでございます。現在敷設しております丁数は、二十三万丁ぐらいでございます。このうちいわゆるPS・コンクリートまくら木が五万七千丁ございますが、このうちの三%弱に亀裂が来ておる。こういう製作上の問題が一つあります。もう一つは、まくら木がやはり高価だということでございます。一丁当り二十八年度は三千五百円かかつております。これが普通のまくら木ですと、約八百円であります。コンクリートまくら木の場合は、この八百円の上にタイパツトというゴム製のものを用いておりますが、そういうものは高くなります。もちろんコンクリートまくら木それだけでしたら、おそらく二千四百円ぐらいだろうと思います。それにしても、普通のまくら木の八百円ぐらいに比べますと約三倍近い、こういうふうに値段の上から非常に制限を受けて来るわけです。  それで予算との関係でありますが、二十九年度修繕費関係、ことに施設関係の予算は約百六十億ぐらいでございます。二十八年度の予算も大体このくらいだつたのでありますが、物価騰貴その他を入れますと、どうしても百九十億ぐらい必要でございます。それから見ますと、二十九年度の予算は実質的には二割減つているということでございます。なぜ二割減つたかと申しますと、御承知のように運賃値上げを予定していたのでございますが、運賃値上げが国策上の見地から押えられましたので、そういう点がこういうものに響いて参りまして、二割の削減ということになつております。それでどうしても予算上操作が苦しくなつております。まくら木の方も、五百万丁といえば大体四十億を越える金でございますが、その中で、われわれとしてはなるべく列車運転上安全を期したという点から、敷設まくら木の改善をはかりたいのでございますが、予算上からいいまして、あまり高価なものを入れるわけに行かない。そこで今年度最初の計画は、約十万丁というふうに考えたのでありますが、実際問題といたしますと、現在その半数近くになるのではないか。五万丁ないし七万丁ぐらいしか使えないのではないか。これは予算の方から来ることでございまして、極力使つて行きたいというふうに考えておるのでございますが、予算の方からはどうしてもこの程度に縛られるのではないかと思つております。  なお木材の節約につきましては、特に防腐剤注入の規格をうるさくいたしますし、また検査の方もうるさくしております。一般の注入方法あるいは電気を用いての注入方法、そういうものもあわせて考えております。こういうふうにいたしまして、極力資源の愛護に努めておる次第でございます。  電柱につきましては、私の主管事項ではございませんが、先般ちよつとお話がありましたけれども、まだ国鉄として十分にコンクリートの電柱を使つているという段階に至つておりません。それでも二十八年度四千五百本ぐらいであつたものが、二十九年度は倍になりまして、一万本使うというように聞いております。  それから第二の御質問は、私の関係でございませんので、私間違つて御説明いたすのもどうかと思います。御必要でしたら、営業局主管でありますから、営業局長から御説明申し上げたいと存じます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 林野庁長官にちよつとお尋ねいたしますが、木材の資源涵養のためには、国土計画的な見地からも、国の総合的な経済政策の樹立の上に立つて、その一環として林業を考えて行かなければならぬというふうに考えるわけであります。しかし当面利用の面から考えまして、木材価格の問題をもつと大きく取上げて考えなければならぬ段階に来ているのではないか。何と申しましても、いろいろなまくら木をコンクリートにする、電柱をコンクリートにする、包装を段ボールにする、あるいは燃料をいろいろなものにかえて行くということを考えましても、実際の実行の場面に移すと、これはやはり価格関係になつて来る。経済的な負担の関係で、これが促進されるか、それを阻害するかという問題に直面して来ると思うのであります。日本がこれだけの森林国であり、森林面積が国土の八割近いものを占めておりながら、木材の加工に対する努力はほとんどなされていない。その技術水準は非常に低いとわれわれは考えるのであります。この低いというのも、結局は木材の原価が安いから、簡単に手の届くところにそれがあるから、いろいろなものにそれが利用される。従つて、日本では木材は鉄の代用にもなるし、コンクリートの代用にもなるし、土壁の代用にもなる。何もかもの代用に木材が利用されておつて、木材本来の本質的な利用価値が活用されない状況にあるのではないか。そのことが森材資源を多く食い荒して、今日のような治山治水その他の問題も、そういうことが原因になつているのではないか。そういう面に補填して行くためには、木材原価が安いために、造林をやるといつても採算がとれないから、国が相当大きな補助金を出して行かなければならぬのではないか。切る方はどんどん安く切つて、何もかもの代用に使われてしまう。植える場合には、補助金をやつてどんどん促進しても、なかなかそれが進まない。こういう二つの面から、日本の林野が荒廃の一途をたどるのではないかというように考えます。従つて林業が企業である限り、木を苗から育てて植えて、採算がとれるというのが最低の標準ではないかと考えるわけであります。そういう面から考えますと、国有林が価格の面に占めるところの分野は、相当に大きいと思うのであります。そういう点において、国有林の経営における価格という問題を、どういう立場において吟味し、検討され、そして今後の林政をどういう方向へ持つて行こうと考えられるか。永久に補助金で造林をやつて行く。そうしてできるだけ国家的な観念、あるいは道徳的な観念で木材の消費を節約して行くというお考えなのか。もつと経済的な領分の中でこれらの問題を合理的に解決して行くという基本的な態度に切りかえて持つて行かれるのか、この点をはつきりと伺いたいのであります。  木材の価格がもつと上つて——これは国際価格との関係もありましようけれども、相当高価なものであるということにれば、いろいろな代用品がどんどん出て来るでありましよう。木材に対する利用、効用の関係から、相当技術的な面で促進されて来る、こういうふうに思うのでありますが、これに対してどうお考えになりますか。現在当面している日本の林野がまさに荒れんとしているこの情勢の中に立つて、これを緑化し、国土保全をしようという大責任を持つて立つている林野庁長官の、林業行政に対する総合的、基本的な態度を明確にしていただきたいと思うのであります。

柴田栄林野庁長官

○柴田(栄)政府委員 御指摘の点は、実はわが国の林野行政の根本の問題でございまして、現在までの経過から考えますと、林業と申しておりますが、実は主として財産としての保持という観点が、主体的に林業を支配しているということであつたのではないかと考えられるのでございます。従つて木材の生産コスト、植林以降における生産コストと木材価格というものとの検討が、必ずしも妥当になされていない。しかもそれが評価されていない。さらにさような観点以外に、天然の力が大部分でできるということで、ほとんど空気、水に準ずるような扱いで木材が利用されて参つたというところに、木材価値に対する正当な価格評価がされていなかつたのだということを、私どもは考えざるを得ないのでございますが、このことはこの際十分な検討をして、あくまでも林業を土地生産事業としての経済産業として成り立つように検討いたさなければ、いかに国民運動を展開し——あるいは経済態勢が完全に切りかわる場合は別の問題でございますが、現在の経済態勢におきましてはとうていこれを計画的に実施させようとしても、なかなか困難な情勢にある。そこで私どもといたしましては、この際林業が土地生産業の対象として成り立つという条件を、あるいは価格の面における検討、あるいは生産事業に相応いたします資金の問題、あるいは税の問題等と組み合せまして、まずその基盤を確立いたさなければならないと考えているのでございますが、さような見地からいたしますと、現在木材価格はどこにあるべきかという問題をわれわれが突き詰めると同時に、これを計画的に、経済的に全体が取扱えるという環境を、非常に立地の相違いたしております里山、奥地を通覧いたしまして、ほぼ似たような経済環境にまで持つて来るためには、国家が投資をいたすべきであると考えております。たとえば造林事業のごときは、いつまでも国家の投資によつてやるべきかどうかということには、相当の問題を残すものであると私は考えておりますが、当面の問題としてやむを得ない。こういうところで、現在、あるいはここしばらくは、この方策も続けなければならぬと考えております。  いま一つ、わが国の林業——これは世界的にもさような傾向ではあるかもしれませんが、わが国の特色といたしまして、民有林が非常に零細な所有に細分されている。しかも林業が地域的に計画的に施業が行われなければ、林業の持ちます特性である国土保全のための効用、公益性を発揮することはなかなか困難であるという場合に、この零細所有に対する統一的、計画的な施業を可能ならしむる形を当然考えなければ、真に林業の持つ二つの性格を発揮することはむずかしいと考えておりますので、それらの点を総合して、今後私どもの目標としては、一つには従来の財産保持の考え方をかえまして、生産事業としての林業というものを検討する。さらにこれを統一的、計画的な経営の可能な形態に持つて来る。こういう方向によつて林業の進歩をはかるべきである。かような考え方を持つている次第であります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員長 この際お諮りいたします。議員川俣清音君より小委員外の発言を求められておりますが、これを許可するに御異議ありませんか。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員長 それではこれを許します。川俣清音君。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣清音君 私は紙パルプ連合の理事長並びに石炭協会の専務理事の方にお尋ねしたいと思いますが、これらの用材を入手される際に、民有林、公有林、国有林からおそらく入手されていると思われます。この比率はどんなような状態になつているか。おそらく公有林になりますとおわかりにくいかと思いますので、国有林と民有林との二種類にわけてでもけつこうですが、どんなような比率で入手されておりましようか。それが一点。  それから価格ですが、普通国有林は入札制度をとつておりますが、そのほかに特発または指名入札、三種類で国有林が払下げになつておりますが、この比率をお示し願いたい。  さらに第三点としては、大体どんな年数の木材を主として使つておられるのか。別の言葉で申しますならば、何年生から何年生くらいを主としてお使いになつておられるかどうか。これは紙パルプの方で、針葉樹でけつこうです。  それから石炭協会の方には、紙パルプと違いまして、おそらくただ石の大きいということだけではなしに、おそらく年輪が相当影響していると思います。年輪の密なるものほど耐久力が強いのでありますから、相当年輪を吟味されていると思いますが、そういう点についてどの程度吟味せられておりますか。  さらに防腐剤のことでありますが、普通の松材であれば、坑内といえども防腐剤を塗ることによつて耐久力が増すことは明らかであります。ところが主として松材を使つておられます場合に、むしろ防腐剤を塗ることによつて、かえつて耐久力が減退するのではないかというようなことも言われておりますし、私どもそう信ずる。なぜかと申しますと、木材が腐敗する前に松やにを出しまして、みずからの防腐的な役割を果す。これは防腐剤を塗ることによりまして、松やにの出方がどうも不十分だと言われておりますので、そういう点についての御見解を承つておきたい。

桜井督三紙パルプ連合理事長

○桜井参考人 第一点のパルプ材として、国有、民有どの程度の割合で買つているかという点につきましては、まことに経験が少いのでよく私わかりません。きつと林野庁長官の方が私よりも詳しいと思いますが、おそらく四割くらいは国有林からじやないかと考えます。それから価格の比率はちよつとはつきりいたしません。パルプ材の年数は、松としますと大体三十年くらいのものを目標にしております。もつとも北海道での用材は四十年くらいで、年輪の吟味等につきましてはどうも少し専門外と存じます。

天日光一日本石炭協会専務理事

○天日参考人 ただいま非常に精細な科学的なお尋ねを受けましたので、恐縮いたすのでありますけれども、お説のごとく年輪がつんでおれば、強弱の度合から申して強いということに相なるかと思うのでありますけれども、炭鉱方面におきましては、年輪の密度まではまだ深く論じていないように思うのであります。ただ概括的に申し上げますと、まず一番の適木は二十年生ないし四十年生であります。まん中をとりまして三十年生くらいのものが、大体適材としてパーセンテージが多いのではないか、かように考えております。  それから防腐の点でありますが、お説のごとく防腐剤を塗ることによつて松やにの滲出を阻害して、かえつて耐久力を弱める結果になりはせぬかということをお尋ねになつたのでありますけれども、これは炭鉱方面でそこまで深く研究しているということを、寡聞にしてまだあまり聞きませんが、あるいはずいぶんいろいろな研究を隠れてやつておりますから、比較研究はいたしておることがないとも断言できないのでありますけれども、一般的には防腐剤を施すことによりまして、むしろ耐久期間が延びるというふうに考えておる方が多いのではないかと思うのでありまして、松やにの防腐的効果とその滲出をとどめることによるマイナスの面との比較研究を、この席で十分お答えできないことは、はなはだ申訳ないと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣清音君 だんだん詳しくお尋ねすると、かえつてお答えにくい部分も出て来ると思います。そこでちよつとお尋ねしておきたいのですが、パルプ工業会として植林事業を最近勧められておりますが、自山としての用木対象をどの程度拡充して行かれる方針でおられるかどうかを一点お尋ねいたします。おわかりにくいでしようか。いわゆる民木並びに官木によらないで、自己山を増林いたしまして、用材の目標を立てておられると思うのです。そこで買入れの何パーセントくらいを自山製にしようという計画が全体としておありになりますればお示し願いたい。また石炭協会にも同様なお尋ねをいたしたい。石炭協会よりも鉱山の方が、一体自山の用木の増殖と申しますか、増林計画を立てておられる。これは前から古河が鉱山をやる当初におきまして、鉱山を開発すると同時にその付近の山を買い求めまして、植林をいたしておるのであります。従いまして今おそらく古河ほど植林の山を持つておるところはないくらいなんであります。そこへ行きますと、炭鉱は比較的多く利用されておりながら、植林について今まで無関心であつたのじやないかと思いますが、最近の傾向はどのようになつておりますか。この一点をお伺いいたします。

桜井督三紙パルプ連合理事長

○桜井参考人 ただいま開発会社で持つておりますものは十七万町歩で、今当面の目標にいたしておりますのは四十五万歩くらいをつくりたいという考えであります。現在の設備で全部を手山でまかなうとしますと、百七、八十万町歩いるわけであります。しかしとうていこれを全部まかなうことは不可能だろうと思います。アメリカ辺のことを伺いますと、手山を五〇%以上持つて処理しておる。それでほんとうを申しますと目標としましては、そういうところを目標にいたしたいとは存じますけれども、とりあえず現存持つておる目標は四十五万町歩という目標を持つております。

天日光一日本石炭協会専務理事

○天日参考人 ただいまお尋ねの点につきましては、御指摘のごとく石炭山経営者が自山を持つておるのは、ごく異例といわなければなりません。一つの例としましては、北海道炭鉱汽船という会社がありますが、これは山林部という機構を社内に持つておつたように思います。土地柄でもありますし、ある程度の自山を持つておるわけであります。これは稀有な例でありまして、全炭鉱界を通観いたしますと、自分で備林を持つというところまで手を延ばしているのは、大勢から見てあまりない。そこまで手を延ばしていないのであります。  なおメタル関係の山におきましては、事業開始と同時に山林等を相当保有すべしというお示しがあつたのであります。石炭山の方はどうも所在の地勢なり、あるいはメタルの方の山におきましては、そこで精錬等をいたす場合を考えますと、樹木を荒すという問題等も起き、賠償の関係等から周囲の山を自分で持つ、もとより使用材を切り出すということもありましよう、そういうふうな情勢も含まれたのじやないかと思いますが、石炭山の方は周囲の山林を持つということが割に少いように思つております。  なおつけ足しでありますが、最近坑木の入手状況がだんだん困難になつて来たことは、先ほど申し上げた通りであります。需要の急速に伸びておりますパルプ関係等とも、狭い国内市場におきましては競合する面も実は出て参るわけであります。これはお聞き及びかと思いますけれども、森林資源総合対策協議会のごあつせん等によりまして、調節をおはかり願つておる分も多多あるわけでありますが、何にいたせ今後の情勢から見ますと、自分である程度造林と申しますか、山を持つて行くということも必要じやないかという面も、最近はだんだん考えられて参つたわけでありますけれども、経理面との関係もありまして、まだそこまで手が延びていないのであります。  なおこれも私から申し上げるのはあるいは差出がましいかと思いますが、森林資源総合対策協議会の方におきまして、単に日本在来の樹種だけでなしに、林野庁方面でも御研究になりまして、外国種の樹木であるいは坑木等にも使い得るものというような見地から、御研究を進められておりまして、一つの例としまして私承知いたしておりますのはユーカリプタス、普通にユーカリ樹と申しておりますが、これは御承知の通り種類も多いのでありますけれども、非常に巨大に成長いたす種類も多々あるわけであります。これなども炭坑の坑木等にも使い得るものではないかというので、いろいろ研究していただいております。九州方面から暖地に適するのではないかという御意見がございまして、九州方面におきましても試植と申しましようか、大学等にお願いしたりして試験的にやつているわけであります。あるいはユーカリが鎌倉にあることは私も承知いたしておりますが、寒いところはとにかくといたしまして、九州、山口あたりでは今でもユーカリ樹の植林ができるといわれ、坑木等に使えるということになれば、非常にけつこうなことでありまして、いろいろお調べいただいて目下研究いただいておるわけであります。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 私林野庁長官にちよつとしろうとじみたことですけれども教えていただきたいと思います。先ほどもお話がありましたが、日本の林業というものは、水と空気というほどでもないでしようが、ほんとうに自然のままにやられておるようです。御配付願つた資料には、林種の改良というようなこともございまして、林種の改良という点は、大分やられておるようですが、その植付後の育成、成長率の向上というか、特に先ほどお話のように一産業として成り立つようにという建前をとりますと、そういう面が今後非常に研究されなければならぬと思うのですが、林種の研究とか、あるいはその後の成長率の改善のための研究、そういうことは現在一体どんなふうに行われておるのか、またある程度実績を収めておるものかどうか、あるいは将来のことについてひとつお教えを願いたい。

柴田栄林野庁長官

○柴田(栄)政府委員 経済事業といたして参ります場合には、良質の材の生産量を増すということは、まず第一にねらわなければならぬという考え方になるわけでございますが、最も手取り早い方法といたしまして、やはり人工植栽で優良品種を植栽いたしまして、人工を加えて成長量を増すということが第一に考えられるわけであります。そこで林種改良と申しますのは、従来はげ山といいますか、ほとんど芝山に放置されておるようなところを、その土地の土壌立地を調査いたしまして、それに対応いたしまして優良品種を選定してこれを改良して行く、こういう問題が一つあるのでございまして、これは治山治水等の立場からいたしましても、当面全林野に対しまして、林木による修復を早急に手厚くしなければならぬという見地からいたしまして、二十九年度からは特に従来の粗悪な林相を呈しておる粗林であるとか、あるいはぼや山等を対象といたしまして、今後の大体の見込みといたしましては、百四十万町歩程度を十箇年ぐらいに優良な人工造林地に振りかえて参りたいという計画をいたしておりますが、これは立地を十分に調査いたしまして、それに対応する優良品種を植栽することによつて、十分可能な見通しがついております。その場合にただいまお話のありましたユーカリ樹あたりも、かなり適応性が強いものでございますので、相当粗悪な林地にも適する樹種があると思われるので、これは今研究を進めておりまして、特に二十九年度からは実地試験、あわせて品種選定を行うことによりまして、これを促進するというような方法をとつております。あるいは薪炭林の成長量を促進するためにくぬぎ、——これはもうわが国では全国的に薪炭原木としては優良品種になつておりますので、全国的にこれが増植をはかつて行く。さらに松林等の取扱いは、粗悪林地、はげ山地帯等に対しましては、根瘤バクテリアを増殖いたしますいわゆる肥料木を混植いたすことによりまして、成長量を倍加することができるという実績はたくさんございますので、これを計画的に現在も実施いたしております。これを実施することによりまして、はげ山を解消することは見通しがついております。さらに最近の傾向といたしましては、幼樹における肥培の問題が相当実績を上げております。従来肥料は農業用肥料、即効肥料が主体でございました。林業の場合には、超遅効性の肥料と申し上げてもいいほどの、非常に遅効性の肥料を必要とするわけでございます。最近固形肥料が相当進歩いたして参りまして、これを利用することによりまして施肥いたしますと、その効果は一年ないし三年ぐらいまで影響を及ぼす。植栽当年度に施肥いたしますると、三年までぐらいの間に非常に樹勢が旺盛になりまして、その後は天然の土壌の肥料を吸収する能力がずつと出て参りますので、一回の施肥によりまして、成績のいいところは伐期三十年ないし四十年生の場合に、三年ないし五年を短縮することは、実験的に可能でございます。かような方法をとりますれば、林業が経済的に成り立つという一つの大きなポイントになると考えておりますので、これが投資と、その経済効果自体につきまして検討を加えつつある、これらの点をかみ合せて参りまして、さらに政策を推し進めることによりまして、経済産業への切りかえが相当可能であるという見通しを持つております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。参考人には御多忙のところ、長時間にわたつて御出席まことにありがとうございました。     午後四時二十九分散会

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