通商産業委員会中小企業に関する小委員会 第6号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/04/14
会議録
○永井委員長 これより会議を開きます。 中小企業に関する件について調査を進めます。本日は陶業界関係各位の方方を参考人として、陶磁器の生産、金融、販売、輸出等、当面の問題について御意見を聴取いたしたいと存じます。参考人各位には、御多用のところ御出席くだされ、ありがとう存じます。 なお念のため一言申し上げておきますが、発言時間はお一人約十五分にお願いいたし、御発言の際はその都度小委員長の許可を受けられることになつておりますので、以上御了承を願つておきます。 それではまず水野保一君よりお願いいたします。
○水野(保)参考人 お許しを得まして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。 本日は輸出陶磁器振興策に関しまして、議員の皆様方並びに政府要職の方方お立会いの上で本委員会を御開催くださいましたのは、中小企業の陶磁器にとりましては救いの神でありまして、業者一同にかわりまして衷心より厚く御礼を申し上げます。お手元に差出しました陶磁器輸出振興総合対策の説明に先だちまして、わが国陶磁器輸出の過去及び現在の実態を申し上げるのが、御理解を深めるものと存じまして、申し述べさせていただくことをお許しを願いたいと存じます。 外国の陶磁器業者は、生地、加工完成、輸出すべて一貫作業でありますが、わが国は昔から生地部門、俗にかま焼と申します。加工完成部門は問屋的色彩を持つたものであります。さらに輸出部門、サプライアーのこの三つの分業形態のシステムでありまして、その三部門は利害は相反する立場でございます。よつて従来はこの三部門が一致の行動、すなわち手を握り合うことはできなかつたのであります。戦前におきますわが国陶磁器輸出の販路は、ソビエト・ロシヤを除くほかは全世界、小さな島々まで行きわたつておつたのであります。戦時中の空白時代に、最も大量の輸出先のインド及びブラジル、アルゼンチン等は自国で陶磁器の生産を開始いたしました。日本の陶磁器は輸入禁止を行つております。また中国、満州、濠州、朝鮮等は戦後輸出はストツプしております。 以上申し上げましたように、戦前に比べましてわが国陶磁器の輸出市場は非常に縮小されております。さらに戦後の取引は各国とも許可制度をとつておりまして、あるときは一時に大量の注文があるかと思えば、あるときは全然杜絶する、注文がでこぼこでありまして、しかもわれわれの輸出品は注文生産の立場でありまして、その注文にへんぱのあることは生産者にとりましてまことに困難なことで、実にやりにくく、苦しい立場に置かされております。一面国内の生産状態は、生地部門は戦前一〇〇に対して現在一〇三であります。加工完成部門は一〇〇に対して一七七、輸出部門は一〇〇に対して一四〇、さらにアウトサイダーの数を加えますとたいへんに増加しておりまして、これがため自然に不当競争がはげしく、欠損々々が加わりまして、今ではとめるにとまらぬ、いわゆる自転車経済に追い込まれておるのでございまして、かような状態でありますので、まじめな業者もともに累を及ぼす結果となりまして、このままに放置いたしますれば、業界共倒れの危険にさらされつつあるのでございます。この際急速に何とかせねば、血も涙もない外国のバイヤーがこの機とばかり買いたたき、価格はますます変動しまして、品質は低下する一方、従つて海外の信用も失墜しまして、取返しのつかぬ情勢に置かされておるのであります。よつて利害相反するこの三部門が協力一致せねばならぬことを自覚いたしまして、心を新たにし、手を握り合うことと相なりまして、今日皆様方にお知らせする結果となりました。かようなできごとは、陶業界の歴史にないことでありまして、まず順を追いまして陳情書を朗読さしていただきます。三井さんにかわつてお願いをいたしたいと思います。
○永井委員長 次に三井弘君三。
○三井参考人 御手元の振興対策要綱を朗読させていただきます。 陶磁器輸出振興綜合対策樹立の趣意 現下の日本経済が、輸出貿易の振興に期待するところ、きわめて切実なるものがあるのは言うまでもない。わが陶磁器が、年間四千万ドルの輸出実績を有する重要産業としてこの国策に寄与しつつあることは、事実の示すところであり、しかもその原料の大部分(九八%以上)を国内資源をもつて充当し得る立場にあるため、斯業の実質的外貨手取額は、輸出金額の名目的数字をはるかに上まわるものであつて、この意味より、陶磁器貿易の伸長は、ただに業界の関心事であるばかりでなく、国家貿易の見地よりしても、十分高く評価さるべきものであるということができる。ひるがえつて、陶磁器業界の現状を見るに、生産能力はすでに戦前をはるかに凌駕しているにかかわらず、半面、海外市場は、中国、満州、朝鮮、インド等を失い、加えて他市場における相次ぐ輸入制限の強化によつて、輸出の円滑を阻害する事例頻発するとともに、一方業者の濫立による生産の混乱、不当競争の激化によつて、事態はますます悪化の趨勢をたどりつつある現状である。これをこのまま放置するにおいては、業者の共倒れを来し、前途は真に憂慮すべきものがあり、それゆえこれが抜本的対策の確立は今や業界全般の切実なる要請となつているところである。 特に価格の安定策と、これに附帯する一連の施策、たとえばアウトサイダーの取締りと法制措置の強化、原材料対策、特に加工金の確保、及びリンク貿易の実現その他による事業資金対策等は、当面喫緊の課題として、そのすみやかなる実施を強く要求されるに至つた。 よつて生産及び輸出の両団体たる日本陶磁器工業協同組合連合会及び日本陶磁器輸出組合においては、陶磁器素地、完成、輸出の全部門を一貫せる輸出振興綜合対策を樹立し、両団体合同の総合対策委員会を設置して、これが実施促進をはかることとなつたが、時あたかも政府当局におかれても、輸出振興に関する新構想を考究せられおるやの越を拝承、ついては、この際、業界は政府の施策と並行して本対策の強力果断なる実行を期すべく、ここに国会、政府当局を初め関係方面の格別の理解と絶大なる支援を要請する次第である。 陶磁器輸出振興綜合対策要綱、一、素地部門の対策、(1)生産の調整、生産数量の過剰と生産分野の乱脈が、不当競争の激化と品質の低下を招来する有力なる原因となつているにかんがみ、これが防止の措置として、調整組合による生産調整を真に効果的、かつ陶磁器の実情に即せる方法に改める。これが方法として、生産の調整は一部の特定品種に限定することなく、相互に生産の転換が容易なる関連品種をすべて包括して、ひとしく調整を行い得るよう法令を修正し、これによつて単に数量の調整のみならず、生産分野の秩序維持をもはかり得る方途を講ずる。また、陶磁器の主要原料たる坏土についても、必要に応じ生産の調整を行い、素地生産調整の遂行に資するものとする。(2)原材料、燃料対策、(A)陶磁器の主要原料(坏土・釉薬・画鉢)につき、必要に応じ購入先の限定または共同集金もしくは共同購入を実施し、これによつて生産調整の運営に資するとともに、別に定むる団体協約に基き、違反者または非組合員の規制の手段とする。(B)重油所要量の優先確保をはかり、また撫順炭輸入の道を開く。(3)価格の安定化、価格の不動のため、取引の安定を阻害する品種については、素地の協定価格を制定し、これが遵守のため共同販売制度を漸次確立する。また右と並行して、別項に記載せる団体協約に基き、取引の系統化をはかり、その安定を期する。(4)資金の積立て、協定価格を制定せる品種につき、その販売金額に応じて一定の積立金を組合に積み立てるものとする。この方法として共同販売を行う品目につき共販機関において強制積立てを行うものとする。(5)不合格品の輸出防止措置、輸出政策上、特に慎重なる措置を要する製品については、不合格品の流出を厳重に防止する処置を講ずるものとする。これが一方法として、各工場の不合格品は、すべてこれを特定機関に委託して、一括処分する制度とし、その自由移動を禁止する。 二、完成部門の対策、(1)品質の維持・向上、(A)輸出品取締法第七条の二に基く検査の実施により、不良品の輸出防止と品質の維持向上に資するとともに、適正なる包装規格の道守を監視し、破損の防止と商品の声価高揚を期する。(B)日陶連の行う金液査定業務に附帯して輸出見本の事前点検を行い、さらに検査機関において出荷の際の見本と荷口の一致を厳重監視する。(2)価格の安定化、不当競争の激化しやすき品種につき、完成品の最低価格を協定する。これが遵守方法として別項に記載せるごとき積立金制度を実施し、一定利潤の確保をはかり、あわせて別項の団体協約の締結により値段の撹乱者を抑止する。(3)原材料対策、(A)陶磁器の上絵原料たる金液用地金を国際価格(一グラム四百五円)により、政府保有金中より払下げを受け得る方途を講じ、また外国製金液の輸入実現をはかる。(B)包装木箱用木材の円滑かつ低廉なる入手のため、北洋材(ソ連材)の継続的輸入の実現をはかる。(4)資金の積立て、最低価格を協定する品種については、その取引額に対し完成業者をして一定の積立金を行わしめ、特定の機関において、共同にこれを管理する。本積立金は一定期間後にはこれをその積立者に返戻するを原則とするも、待に関係者の決議ありたるときは、積立金の一部を輸出振興の共同費用に使用することができるものとする。(5)完成業者の企業の系列化、完成業者の信用の向上、充実をはかり、あわせて不当競争の防止と価格の安定化に資するため、完成業者の性格を真にメーカーとして確立し、一部に見られる中間商的浮動性を排除するよう、企業の編成がえないしその系列化を促進する。これが具体的方策として、(A)完成業者は、原則として工場設備を有する者または専属下請工場と密接に結合している者とし、この資格に該当する者をもつて完成組合を組織し、本組合を素地及び輸出の両団体と団体協約を結ぶ対象とする。(B)上絵付かまの設備の調整を行い、生産の過剰能力の抑止と生産の安定化をはかる。 三、輸出部門の対策、(1)陶磁器の輸出と輸入物資とのリンク制を採用すること。陶磁器の輸出振興を阻害する最大の原因は、輸出価格の不安定と市場の狭少化にある。これを打開するためには左のごとき一連の諸施策を必要とし、その中心方策として左の骨子によるリンク制の採用を強く要望する。(A)陶磁器輸出業者に対し、その輸出額の一定パーセントに相当する金額の輸入権を特定輸入物資について与えるごとくする。(特定輸入物資は輸入利益の高率のものすなわち粗糖、パイナツプルカン詰あるいは奢侈品等適宜選定する。)(B)右により輸出業者の得たる輸入権はこれを輸出組合に供出せしめ、組合はこれを一括して輸入業者にプレミアムを付し譲渡し、これを資金化する。(C)本リンク制は現行の外貨資金特別割当制度とは別個のものとすること。(D)本リンク制による輸入権は輸出組合員のみに対する優遇措置とすること。右により得たる資金は別に拠出する組合員の資金とともにこれを振興対策資金とするものにして、当初は次の通り予定する。需給調整費(調整機関設置基金)約六千万円、関税対策費約一千万円、相手国民間団体との交渉、会商等に要する費用約一千百万円、市場調査費約一千五百万円、宣伝費約一千万円、(2)輸出価格の安定策、(A)輸出に関する諸協定(価格、数量、取引条件、仕向市場等)を拡充強化する。対内的には生産者団体たる日本陶磁器工業協同組合連合会との間に価格、取引条件、取引系統その他必要なる団体協約を締結し、同時に対外輸出に関する組合員諸協定の拡充強化をはかる。(B)価格安定のための需給調整機関の設置、生産部門における実情にかんがみ、素地、加工、輸出の各部門を一貫する総合機関または輸出部門の単独機関として商品買取り及び担保金融機関を設置し、需要の調整、弾力性の附与による価格安定をはかる。(3)海外市場の維持及び開拓策、(A)関税対策、わが陶磁器輸出の対米依存度は常に全輸出の四〇%以上の高率にある。よつてこれが対策は最も切実にして慎重を期さねばならぬ。さらに英国はわが陶磁器の競争国として常に邦品を敵視しつつある事情にかんがみ、これが宥和の道をはからざれば、米国に次ぐ輸出依存度の高いポンド圏への輸出振興はもちろん、米国関税問題に影響するところ甚大である。(B)相手国民間団体との交渉、会商等による打開、通商協定締結の隘路打開には政府の御施策によることもちろんであるが、側面的には彼我民間相互における交渉、会談等をもつて推進せねばならぬ、(日英陶業会談等の例に見る。)(C)市場調査及び宣伝の拡充強化、一般的にはジエトロの活動にまつが、陶磁器の特殊なる立場から専門調査員及び駐在員等の派遣による専門的調査宣伝並びに取引の現地あつせん等を実現する。(4)法律の強化及び適用除外による輸出組合諸協定の強化、右一連の輸出振興対策の実施はいずれも業者の中心団体たる輸出組合の事業活動を中心とするものである。ゆえに基本法たる輸出入取引法の強化によるアウトサイダーの規制及び独占禁止法の全面的適用除外による輸出組合活動の円滑化を期すことを基本的前提とする。 四、意匠対策(素地、完成、輸出、共通)、新規意匠または考案が、輸出陶磁器の価値を左右する重大要素であるにかんがみ、これが保護育成、または、盗用の防止を強化するため、業者団体において行う意匠登録制度に対する国家の援助措置を積極化し、また政府の登録制度の運営において、組合登録制度との連繋措置を一段と強化せられるよう要請する。なお右については輸出品取締法第七条の二による検査機関の協力を求むるものとする。 五、輸出振興資金の活用(素地、完成、輸出、共通事項)、素地及び完成業者の積立金中、輸出振興に充当する資金及び輸出組合の行うリンク制による資金は別に定めたる連帯委員会においておおむね左記方針によりこれを陶業界全般の輸出振興費用として活用する。(1)プール組織確立の資金、市場の変動あるいは国際情勢の変化により、常に価格が浮動し、取引の安定を阻害し、ひいては日本陶磁器の対外信用を失墜するのみならず、陶業者の犠牲を招来する事態頻発しおる現状にかんがみ、これが対策として需要と供給を調整し、価格の急激なる昇降を緩和する中間プール機関を確立することが必要であり、これが資金として積立金を活用する。(2)信用資金、業界全般のため、必要とする金融あるいは保証に際し、本資金を信用資金として活用。(3)共同事業資金、(イ)原材料・製品の共同購入資金、(ロ)新技術の輸入資金(たとえば転写技術)、(ハ)研究施設の設立、改善資金、(ニ)発明・考案の保護奨励資金、(ホ)不合格品の買取り機関施設の資金、(4)市場対策費、関税対策・通商会談等外交的対策に要する資金、(5)市場開拓費、海外市場開拓のため、調査員の派遣あるいは市場の調査研究費、(6)組織機構の整備改善資金、業界の機構あるいは業界団体の組織の整備改善に要する費用、(7)その他輸出振興綜合対策に必要なる資金。 六、団体協約の締結(素地、完成、輸出、共通事項)、原材料(坏土・釉薬・画鉢)―素地―完成―輸出の各部門間において左記趣旨の団体協約を締結し、相互の連繋の強化とアウトサイダーの規制を行う。(1)原材料、素地、完成、輸出の各組合は、団体間の規約を厳守し、相互にアウトサイダーとは取引を行わざること。(2)団体協約に違反したる者に対しては、厳格なる罰則(取引の停止、違約金の徴収等)を適用する。 七、検査機関の確立(素地、完成、輸出、共通事項)、法的裏付のある検査機関を確立し、完成品の品質及び荷造検査と素地の取締を実施し、併せて素地、完成、輸出の各団体と密接なる連繋のもとに、前記各般の諸事業遂行に協力を求むるものとする。これが具体的措置として、輸出品取締法第七条の二による検査機関の指定をすみやかに実現するよう政府に要請する。 八、法制措置の強化(素地、完成、輸出共通事項)、輸出振興策を強力に推進するには、業界の自主的措置と並行して国家の法律による各種の助成が絶対必要とされるが、なかんずく左記事項につき、早急に法の改正ないし制定を要請する。(1)アウトサイダーの取締り、現在安定法第二十九条及び輸出入取引法第十九条の七のごときアウトサイダーの取締り規定があるが、本法の発動が実際においてなかなか困難であるのみならず、この法令の内容が実質的には脆弱不備を免れないので、この際一歩進めて、旧工業組合法第八条あるいは輸出組合法第九条のごとく「員外者を組員の事業規定に従うべき旨」の法律を制定されることを要請する。(2)安定法による調整品種の指定、生産調整を行う品種の条件に関する規定を廃し、調整組合の決議によつて簡易に行い得るよう、法の改正を要請する。なお現在陶磁器については調整品目を左の通り指定されているが、これを下段の通り改正されることを要請する。(現行)、飲食器たる陶磁器(デイナーセツイを除く)及び電気用品たる陶磁器(特高圧を除く)、(改正希望)、陶磁器(タイル・衛生陶器及び特高圧碍子を際く)、(3)輸出品取締法の一部改正及び実施措置の修正、輸出品取締法第七条の二による検査の実施に際し、検査機関の徴収する手数料は、同法第十一条の二において製品ごとに一定金額をもつて表示さるべき旨規定されているが、右は陶磁器の実情に沿わざるものがあるにつき、これを製品価格に対する一定率をもつて定められるよう、法の改正を要請する。(4)独禁法の適用除外、中小企業安定法、協同組合法及び輸入取引法については、全面的に独禁法の適用から除外する。以上。あとは参考書類でありますから朗読を省略いたします。
○永井委員長 次に伊藤清春君の発言を許しますが、この際発言者は十五分以内にとどめていただいて、内容を簡潔に要領よく御説明願いたいと思います。
○伊藤参考人 私、陶磁器の素地部門の件につきまして、本日国会を通じて、わが業界の最も困難な時期に輸出振興総合対策に対して、われわれに訴える機会を与えてくださいましたことを厚くお礼を申し上げます。 素地部門につきましては、ただいま三井さんから総合対策の要綱の内容を御朗読ございましたが、ほとんどこの面において言い尽されておるわけでございます。特に素地部門といたしましては、生産の調整、原材料、燃料の対策、それから価格の安定化、資金の積立て等は、目下特に必要な問題だと感じておるわけでございますが、戦後非常に業者がふえまして、特に陶磁器は平和産業でありまして、戦争中はかなり大きな企業整備を受けまして、ほとんど業界が十分の一ぐらいに整理をされたのでありますが、何を申しましても中小企業でございまして、わずかな資金と戦後のあのインフレによりまして、ただちに簡単な施設によりましてそれぞれあり余つた人間を使つて、この簡単な企業がものすごい勢いで復活をしたわけであります。最初に私の方の委員長から申し上げました要綱の資料の二にございますように、実に戦前を凌駕するほどの工場数に現在ふえておるわけであります。従いまして戦後の企業合理化によりまして非常に工場の内容が整備されまして、しかも工場は戦前よりもふえまして、その内容が充実いたしました関係上、多額な製品ができるわけでございます。しかしながら戦後のわが陶磁器の貿易市場と申しますと、まつたく極限された、アメリカを主といたします市場、あとは東南洋市場というように、非常に限られた方面の輸出でございまして、特に安物の陶磁器の輸出先といたしましては、支那大陸、満州等が唯一の市場でございましたが、御存じのような状態で一個も出ないわけでございまして、今後におきましても今のところ望み薄の状態であります。さようなわけでありまして、われわれの業界は非常に生産過剰に悩んでおるわけでございます。この生産の調節をいかにするかということがまずわれわれ素地業者の当面の問題でございます。この問題をすみやかに解決をしていただかぬ限りは、この陶磁器の輸出の総合対策は成り得ないと考えておるわけでございます、いかに加工の業者が熱心に、新しいデザインや忠実な仕事をやつてくださつても、いかに輸出業者が海外の宣伝に巨額の費用をお使いくださつても、その根本をなす素地の価格が安定せず、しかも需要をオーバーするような生産力である限りは、不安定な状態に置かれるのではないかということを私ら心配をいたしておるわけであります。そこで私たちは、この中小企業安定法ができましたときに、まつたくほんとうの救いの神のような法律であるということで、その面につきましてあらゆる協力をさしてもらいまして、つい昨年の春ごろに私の方で一番困難とされておりますところの、需要を内地の方面に置いております電気用の器具――瀬戸物でございますが、これの調整組合を業者の非常な熱誠によつてつくつたのであります。しかしながら遺憾なことには、せつかくつくつていただきました調整組合も、資金の裏づけ等もありませんし、特にこのアウトサイダーに対する的確なきめ手がございません。そのために、相当中金からも共販資金等の借入れも行い、業者もわずかにして、二百四、五十名の者がまつたく打つて一丸となつて、ことしの二月から共販業務に入るという段階になつて、まつたくの一部の、三、四人の非組合員の行動が、二百三、四十人の結束された組合員の共販事業をぶちこわしてしまつたわけであります。これはまだ最近の話でございますから、中小企業庁あたりの御指導に携わつておいでになる方々も十分御存じだろうと存じますが、遺憾ながら中小金庫から借りました金も返還をいたしまして、組合は役員の総退陣をいたしまして、当分電磁器の共販ということに対しては見込みがないような状態になつたわけであります。現在飲食器の方におきましては、すでに岐阜県地区、愛知県地区もその準備をいたしておるような状態で、調整組合はできてはおりますが、遺憾ながらほんとうの機能を推進するには困難な状態にあるわけであります。私たち過去におきまして陶磁器のかなり苦い経験を積んで来たものでございます。ここでわれわれの方の生産過剰に対する面を法的にもう少し何とかしていただくことによりまして、必ずや陶磁器が持つております輸出の上におきましての国家に大きく寄与しておる一端を果すことができると存じますから、ここでわれわれが釈迦に説法のようなことを申し上げるわけでございますが、どうか一日もすみやかに私ら素地生産業者のまつたくこの生産過剰に悩んでおります面を法律的に御解決をしていただくように、格別の御配慮をいただきたいと存じております。私はこれをもちまして終ります。
○永井委員長 次は水野保一君。
○水野(保)参考人 完成部内、加工完成部の立場といたしましてお願いをいたしたいと思います。まず検査機構でございますが、ただいまの法律によりますと、二等品、三等品というマークをつけたならば、どんなペケでも輸出がなし得るという規定に相なつております。従いましてずいぶんひどい、われわれ戦前には見たこともないような悪い品物も、値段をばかに安くして輸出をなしておる。それがために一般の商品にも累を及ぼして、価格を安くする種をまいておるという不合理がございます。そこで七条の二と申しますのは、いわゆる強制検査とわれわれは言つておりますが、この強制検査によつてひとつかような悪弊を除去していただきたい。そういたしまして、さらに陶磁器は品質の検査のみでは用がたちませんで、破損ということを防止するのが重要な役割でなければならぬ。従つて品質の検査とともに、荷づくりの検査というものと並用して行かなければならぬ性質のものであります。荷づくりの検査と申しますと、検査の方からいいまして、まことにむずかしい規格をおつくりになりまするが、私ども業界でやりますると、ごく簡単に、しかも破損しないようなことができるのであります。しかして値段も統一し得る規格ができるのであります。たとえば一つの品物を百個入れて十円というものが、荷づくりを小さくつくりますると、百個入れて、八円でも荷づくりがなし得るのであります。そういう場合は品物の破損が多いのであります。破損のしない範囲の寸法というのがございまして、それを業界において定めて、品質の検査とともに行つていただけるようにしていただきたい。現存は工業品検査所名古屋支所と、それから政府で許されております検査会社と二箇所で検査を行つておるのであります。これは口はばつたいことを申し上げるようでありますが、われわれは過去五十年以上もこの商品に対しましては知識を持つております。ことに陶磁器は外国のうちでも国国によつて趣味、趣向、品質といろいろかわるのであります。と申しますのは、たとえばアメリカ地方へは高級品を出す、あるいは南方市場は安くてよろしいというように、品質に非常に差がございまして、規則によつてこの品質を定めるということは容易ならぬことでありまして、しろうとの人が書いた文句によつてそれを検査なさるというわずかなことで、従来輸出されておつたものもストツプされなければならないような結果が生じて来るのであります。これは政府で許されております検査会社におまかせ願いますれば、検査会社が責任をもつて検査をなし得ることになりますので、陶磁器に関する限り検査会社の検査のみ、二箇所で検査するということはいろいろの弊害もございますので、一箇所の検査ということにお願いいたしたいと思います。 それから金液の査定、今御承知のように一般市場の価格よりも安く金塊を払い下げていただいておりますので、その金の必要度というものを、一々見本によつて点検して、これはどれだけ必要かということを査定しておりますが、結局見本によつて査定するだけでありまして、必ずその見本と同等な品物が輸出されておるかどうか、それをチエツクする機会がございません。今後金の価格も国際市場並の価格にしていただけることに相なると思いますが、その場合におきましては、現在のような査定の仕方では、われわれ業界としては満足できないのであります。ことに安い金塊を払い下げていただきまして、それを不当に使用したり、不当なことになりましては、国家に対してまことに相済まぬことに相なりますので、われわれ業界といたしましては、安い金に対しては、現在よりもなお一層厳格な査定に変更さしていただきまして、しかも出荷の場合には、それと同等なものが出るか出ないかということを、検査会社とくつつけまして十分な監視をいたしたいと思うのであります。従いましてこの七条の二の強制検査は、一日も早くお許しを願うようにいたしたいことをこの機会に特にお願い申し上げます。 われわれ陶磁器に使います金液の地金の国際価格は、一グラム四百五円でございます。われわれが今日いただいておるのが五百三十円ということであります。私ども業界といたしましては、政府の方でおとりきめくださいました五百十五円という価格に対する金液代を金液業者に支払つておりまするが、産金業者は、値を十五円上げて五百三十円になれば地金を渡そう、五百三十円を切れては地金を渡すことができぬ、と言つてがんばつておられますので、金液業者はやむを得ず十五円というものを自己の負担において負担して、五百三十円を現在支出しておるのでございます。これがおとなしい業界でありますので、今日素直に陶磁器の輸出ができておりまするが、もし金液業者が産金業者のような一方的にかつてなことを言う業者であつたならば、この陶磁器の輸出は今日ストツプしております。非常に撹乱されておるのです。実に金液業者はお気の毒な立場に置かされておるのであります。しかもわれわれと同業者たるイタリアであろうと、ドイツでありましようと、英国であろうと米国であろうと、国際価格の一グラム四百五円の地金をもつて金液を生産しております。しかも日本におきましては、今日われわれは五百五十五円、また金液業者は五百三十円を支出しております。ここにたいへんな価格の開きがございます。なぜわれわれ業者のみが国際価格の金を使うことができぬのか。現在日本の法律を見ますと、金に対する輸入はストツプされております。また金液の輸入もストツプされております。法律によつて入荷することができません。しかし外国の金液業者は、四百五円の割でできた安い金液を買つてくれ、買つてくれと言つて、われわれに売込みに来ております。それをわれわれは買うことができないのであります。陶磁器業者は外国よりも高い金液を使わせられて、しかも外貨の獲得に役に立つておりまする陶磁器業者が、それに必要とする原料を外国から仕入れることができないということは、陶磁器業者を縛つてたたくというやり方であるのであります。いかに中小業者が苦しみつつあるかということについて、どうか議員の諸君、実情を御承知くださいまして、われわれ業界の苦しんでおる点をこの機会に何とかお救いくださることを切にお願い申し上げます。 次に、現在木材が非常に高くなつております。戦前は樺太材で陶磁器の出荷の箱をつくつておりました。今日輸入木材が入りませんために、国内の木材が暴騰いたしまして、非常に輸出に支障を来しておりますので、何とかこの際外国のソビエトの木材が容易に入つて、業界の陶磁器の箱に使わせていただくようにお願いできれば、まことにけつこうと存じます。ここに記してありませんが、それと同様にパルプの輸入をひとつ促進さしていただくようにお願いいたしたい。パルプは御承知のようにカートン・ボツクス、ボール箱の原料で、かたくて上品で、輸出の木箱の代用をする品物です。これは非常に荷づくりが改良されまして、木材にかわりましてパルプのカートン・ボツクスが使われるようになりました。このパルプの輸入もぜひ御考慮願いたいと思います。そのあとの今までいろいろお願いいたしましたことはわれわれの業界でやるべきでございますので、この方法をお立てくださいましてわれわれのお願いをお聞きくださいますれば、この業界の立場というものは非常に明るくなるのであります。 ことに加工完成業者の立場というものをさらに一言申し上げますれば、戦前はこれが問屋的色彩を帯びておりまして、注文の多い場合は問屋の持つております生地を活用する、生地の生産と同時に問屋の持つておる生地を活用してその需要を満たす。また注文が縮小いたしまして少いときには、余つた生地は問屋の業者のところで完成業者が買い入れて、いわゆる一つのダムの役割を務めていたのであります。ところが戦後疲弊に疲弊いたしまして、その力は全然なくなりました。ダムがなくなりました関係上、相場も海外のお客が値切つて来れば、それに即応しなければならぬ。というのは、悲しいことには日本は注文生産でやつております関係上、内地の陶磁器はいわゆる見込みの生産でつくつておいたものを売るという業界でありますが、輸出品は注文によつて生産する。注文がなかつたら遊ばなければならぬという、ここにたいへんな開きがございますので、注文生産の立場上注文の多いときと少いときのでこぼこがありますると、これが業界に及ぼす影響は非常に違つて来るのであります。従いまして完成部門の立場というものはある程度資本の蓄積ができますなれば――今日ほど価格が不安定なことはないと思いますが、一時五百五十円のレートによりまして完成業者もある程度恵まれましたが、税金攻勢がきびしくありまして、ほとんど全部根こそぎ、さいの河原で税金に納めてしまつて、からつけつになつておるというのが現状でございます。何らかの方法によつて完成業者が一丸となつて力をつけて、生地業者、輸出業者と手を握り合つて輸出振興に努力いたしたい。そうせなけりやならぬような事態に追い込まれて参りました。ここに何とか資本をつくらなければならぬ。その資本をつくるにつきましても、先ほど申しました金液あるいは金塊をある程度国際価格でお払い下げを願いまして、それと現在の価格とにらみ合せまして、その価格によりまして、余つた金を業界全体に活用するようにいたしたいというのがこのお願いの趣旨でございます。以上をもちまして完成の説明を終らせていただきます。
○永井委員長 最後に輸出部門の問題点について永井精一郎君。
○永井参考人 私永井でございます。陶磁器の輸出振興をするために総合対策というものをわれわれはでつち上げたのでありますが、先ほどから他の参考人から申し上げておりますように、これは輸出振興のために、輸出部面のみの施策をもつてはとうていその目的を達し得ないような陶磁器業界の実情でありまして、これをほんとうに振興しようとするならば、掘り下げまして、生産から輸出へ一貫した総合的なものをつくらなきやならぬというので、今回必死の気持でもつて振興対策というものをつくりまして、着々業界ででき得る範囲におきましてはこれを実現いたしておるのであります。先ほどからの御供述のように、この振興対策として皆様にお目にかけております対策中に盛られてあること以上にとりとめて申し上げることはないのでありますが、特に輸出面から申しまして現在の陶磁器の輸出がどうなつておるかと申しますると、戦後著しい形において違つたことを私どもは認めておるのであります。というのは、従来陶磁器の輸出は、専門業者をもつて輸出の大半を輸出いたしておつたのであります。ところが戦後におきましては、いろいろの関係がありまして、総合業者と申しまするか、ほかの商品を主として輸出しておられる方々が陶磁器に手をかけられましてこれを輸出される。いわゆる専門業者以外の輸出が相当にふえたということが一つ。もう一つは、従来は今申し上げました専門業者が世界市場各地に支店出張所を持ちまして、向うでいいますると輸入をいたしておつたのであります。それが戦後におきましては、この力もなし、またいろいろの国際関係からいたしまして、そういつたことの復帰ができませんので、今は主として向うからバイヤーが参ります。あるいは向うから手紙でもつて注文をして来るといつたような、いわゆる受けて立つというような形になつたのでありまして、この点は輸出面から行きまして非常な不利な立場に陶磁器の輸出はなつておるのであります。そこで今何が一番輸出を阻害しておるかと申しますると、こういつた戦前とかわりました取引の形は大きく響いておりまするが、これをしさいに検討いたしますると、ここにも書いてありまするように、一つは市場が非常に狭小化されたということと、もう一つは、輸出価格がきわめて不安定であるということに尽きると思うのであります。この輸出価格の不安定、これをいかにしたら安定せしむることができるかという問題と、積極的に狭小化された市場を拡張強化して行くという積極面と二つになると思うのでありますが、価格の安定ということにつきましては、先ほど申しましたような生産、輸出を一貫したいろいろの施策、機構というものに関係があります。そこでこの総合対策というものができたのでありまして、これは簡単に申しますれば、現在の市場は戦前に比べまして半減をしておるにかかわらず、生産は二倍に膨脹しておる。最も卑近な例を言いますると、一升ますに二升のものを入れると、これはどうしてもはみ出る。ここに濫売競争が起るのでありまして、またこういつたことを規正するためにこの振興対策というものをわれわれが精根を尽して考え上げたところなのでありまして、これは先ほどから参考人の方々が申し上げられましたように、アウトサイダーを規制しようとか、あるいは調整組合法を強化しようとか、あるいは協同組合法を強化しようというようなことと同時に、輸出面におきましては輸出入取引法の強化によりまして、輸出面のアウトサイダーを規制する段階にまで至らねば、この過剰生産されたものをうまく輸出することは不可能に近いと思つております。これが対内的な、消極的な一つの行き方だと思うのであります。積極面としては、今度は市場の狭小化をどうして打開するかということについて、ここにいろいろ書いてありますような積極策を持つております。しかしこれはいずれにいたしましても資金を伴います。生産の調整にいたしましても、あるいはそれに関係いたしまするいろいろの機構を考えましても、資金がいる。そこで私ども考えましたのは、どうしてもわれわれが中心団体としておりまする組合団体に、資金的な力をつけていただく。それには現在例がありまするが、陶磁器のごとく外貨獲得率の非常に高率のものに対しましては、何か恩恵的な報償的な制度をとつて、特定な輸入商品であつて利益率の高いものにリンクしていただき、そうしてその資金を得ようというのが、この輸出面における振興対策の骨子であります。もつとも政府におかれましてはいろいろ御都合があろうかと思います。しかしこれは今まで申しましたように、一つは行政的な法律的な強化措置でもつて、業界の自治的な更生めいたことをバツク・アツプしていただくことと、それに要する資金をリンク制によつて何とか獲得のできるようにしていただくというのが、輸出面における至急策とでも申しますか、重要なポイントなのであります。 最後に、特に輸出生産を通じていわゆる茶わん屋と称しまする陶磁器業者全般の気持として申し上げたいのは、陶磁器は、戦前は最高四千万ドルの輸出をしたのであります。戦後におきましては一九五一年をピークといたしまして、この年は四千百万ドル輸出されております。それから順次低下いたしましたが、毎年三千五百万ドルの輸出は大体いたしております。これが今申し上げましたような九八%の外貨獲得率を持つており、しかも関係の直接工員は十万人おり、その他直接関係の業者を計算いたしますと、相当大きな数に上るのであります。私どもがいわゆる大産業だと自負しておりまするこの産業に対しまして、従来から政府の保護といいますか、報償といいますか、この産業に対して何らそういう特別な政策を遂行していただかなかつたことに対しまして、私ども業者は非常な不満を持つておるのであります。外貨獲得といいますか、輸出振興は、現在の日本の経済、国際収支の上におきまして不可欠な問題である。このどたんばに来て、陶磁器の企業こそ外貨獲得のチヤンピオンとして、もう少し政府の保護的な政策をしていただきたいと思うのであります。これは先ほど申しましたように、輸出生産を通じたいわゆる業者としての考え方なのであります。皆様からお考えになりますと、私どもがはなはだ虫のいいことを言うというようにお考えになるかもしれませんが、生産面におきましては、金液の問題、輸出面におきましてはリンクの問題が、そういうような気持から具体的に出て来るのであります。この点、ぜひとも議員各位におかれましては、われわれの言うことを、何を言つてやがるというようなことにお考えなく、ひとつ真剣に御考慮を願いたいと思うのであります。 いろいろ申し上げたいことはありますが、十五分だそうでありますので、もうやめます。ただ輸出面におけるいろいろの専門的のことにつきましては、私どもの代表者が来ておりますので、特に対外積極施策につきまする北米の関税対策だとか、あるいは外国の民間団体との交渉あるいは会商等につきましては、御質問に応じましていろいろ申し上げたいと思います。
○永井委員長 以上で参考人各位の御発言は終りました。 これより質疑に入ります。この際山手滿男君より小委員外発言の申出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。
○永井委員長 それでは山手君に発言を許します。山手君。
○山手滿男君 本日は各地から業界の皆さん多数にお越しいただいて、いろいろ貴重な御意見を承ることができましたことは、非常に仕合せであつたと思います。特に陶業界の皆さんが、輸出振興の総合対策要綱を作成されて、積極的にわが国の輸出の促進に寄与しようという熱意を示されていることに対しては、深く敬意を表する次第であります。この資料を拝見し、また今いろいろな御陳述を聞いて、気づいた点について一、二お教えを願いたいと私は考えます。 この総合対策の中に法制措置の強化ということがございます。これはいわば中小企業安定法の問題になつて来ると思うのでありますが、この委員会は中小企業安定法の生みの親でございまするし、また私どもも、昨年来一、二業界に対して最後のだめ押しをする意味において、中小企業安定法第二十九条の発動をすべしということで、政府を鞭撻し、着々そのことを推し進めて参つておるわけであります。それと関連をいたしましてまずお聞きをしてみたいことは、陶磁器業界においては、生産設備の制限あるいは生産数量の制限、ひいては出荷制限ということについて、どの段階まで御希望になつておるのか、設備制限程度のことをやろうというふうなお考えであるのか、生産制限あるいは出荷制限にまで推し進めて行こうとする御意向であるのか、この点を私どもお伺いいたしたいのが第一点であります。もし生産の制限まで推し進めて行きたいと云う御希望でございまするならば、陶磁器は品種がきわめて多様でございまして、種々雑多なものがあり、その数量等をいかに調整し、チエツクをして行くかということが非常に困難な問題になつて来ることは、しろうと考えにもわかるのであります。そういうことに対してやれる自信があるか。と申しますのは、アウトサイダーにまで十分それをチエツクして、その監視をし、法の適用を励行して行ける方法があるかどうか。たとえていえば、今マツチ業界に二十九条の発動をいたします場合には、税や何かの関係で証紙や何かを張るようになつておつて、非常に便利な方法もあるわけであります。輸出はもちろん、国内向けの製品もあるわけでございまするが、そういうことについてどういうお考えであるか。どなたでもよろしゆうございますから、この両点について御説明をお願いいたします。
○伊藤参考人 ただいま山手先生から御質問のありましたことは、まつたくわれわれが痛切に感じている問題でございまして、おそらくこれが一番むずかしいことじやないかと思うわけでございます。 最初の設備を制限するのか、または販売制限を目標に行くのかという御意見でございますが、設備でも販売の制限でも、結局はわれわれ中小企業界のものに与えられて、そのできたものを制限するという販売制限の行き方ではなくて、ほんとうは、私個人の考えといたしましては、現在の設備をあまり大きくしない生産の合理化をすることはいいんですけれども、設備をむやみやたらに売れもしないものをふやすことはどうかと思うのです。これは各業界それぞれの御意見をお持ちになるだろうと思いますから、この点は私個人の意見として開いていただきたいと存じますが、結局売れないものを無理につくるということはそこにいろいろ魔がさすわけでございますから、生産合理化は必要でございますが、そのときにあまり過剰生産を行わぬ。いわゆる計画生産ということはどうかと思うのですけれども、そういう形に持つて行くのが一番いいんじやないか。現在のところこう考えているわけでございます。 それから二番目の、どういうふうにそれを持つて行くかというお話でございましたが、今のところかりに二十九条でお取締りをいただくにいたしましても、これを行つていただくなら、業者自体がまつたく深刻な悲鳴をあげて、もう問題が病膏肓に入つてどうにもならぬようになつてからそれをやつていただいたのでは、私は効果がないと思うのです。少くともその必要性は当初いわゆる生産の計画によりましてすでにわかつていることなんですから、その事態が発生すると同時にすみやかにその措置をとつてもらうことが非常にいいことではないかと今のところ考えております。しかしながらわれわれの終局の目的としては、現在まだ陶磁器の生産部面では、中小業界のものがあまりにもこまかくて、数が多いのでございます。ですからそれをもう少し上まわつた法律にしていただく、言いかえれば昔の工業組合法八条、これが現在当てはまるか当てはまらぬか、詳しくは私は知りませんけれども、少くともそう持つて行つていただくことによつて、ある程度未加入者を組合員に引入れて行くことができるのじやないかと今のところ考えております。
○山手滿男君 そこの点がこの法律を実際に活用して行くかどうかの一つのポイントになるだろうと思います。私はやはりこの総合対策をおきめになつて行かれる以上は、そこのところをしつかり業界でおまとめになつておく方がいいんじやないかという気がいたします。 次にお尋ねいたしたいと思いますことは、大いにこれは輸出していただかなければいけませんし、私は輸出を振興し得る見込みもあると考えているのでありますが、現在陶磁器業界において輸出を旺盛にすることが比較的困難になつている事情は、たとえば市場の狭隘とか、さつきからいろいろなお話がありましたが、根本的に一番大きな原因は何であるか。たとえていえば業者が非常に濫立をしておつて、不当競争をして、値たたき競争をしている。言いかえるならば、百円で売れるものを甲が九十円で売れば、片一方は八十五円で売るというような、足元を見すかされるということにも大きな原因があるとか、あるいはまた陶磁器そのものが比較的コスト高のために出ないのか。あるいはまた政治的に各国がいろいろ輸入制限措置などをとつておつて、そのことのために出ないのか。特にアメリカ方面の問題は、関税の問題などもいろいろあとから聞きたいのではございますが、実際には輸出が振興できないほんとうの根本的な原因は何であるか。特に不当競争等のことによつて向うの輸入業者に足元を見透かされているというふうな事態によるものであるか、この点伺いたい。
○永井参考人 今の御質問でありますが、コスト高のために輸出がはばまれているということは絶対にありません。むしろ売りたたきによりまして、価格は必要以上に下つております。この点は全然御質問のところとは違います。輸出を阻害している原因は、対外的な情勢、すなわち向うの輸入制限だとかいうような一連の市場の狭小化ということ、及び価格の不安定――足元を見られて濫売をするということ、この二つが最も大きなはばまれている原因なのであります。
○水野(保)参考人 ただいま先生のお尋ねのコスト高かどうかということは、永井参考人から御説明されましたが、御承知のごとく陶磁器は、今輸入ストツプの国は別といたしまして、全世界にばらまいております関係上、その国々によつて一様には参らぬのでございます。総括いたしますと、コストの点につきましては、業者が一致団結した価格になれば、こんなに安く売らなくてもいいというのが総括した意見でございます。しかしながら高級品を希望しております国、たとえば金などをたくさん使つて高く売れるときがあるわけであります。そういう国に対しては、金が高いために輸出がはばまれているという国もございます。一概には参りませんが、総括しては今永井先生の言われたようなことを申し上げることができるのです。 それから計画生産ということは、従来はめいめいたとえばわれわれ素地業者は完成業者といがみ合う、完成業者は輸出業者といがみ合う、おのおの立場が違つておりましたのが、現状の悲境どん底に陥りましたために、これではならぬというので、皆が手を握り合うことにしようじやないかということになつて、今度の総合対策でお願いしているわけでございます。従いましてこの三者のものが団体協約をお互いに結ぶことにいたします。ただ政府のお力のみにすがるというのではありません。私ども業界が一致団結いたしまして、団体協約によつて価格の維持もはかり、品質の向上もはかろうじやないか。そうして欠損々々で難儀しているのをある程度昔にもどるような方法に持つて行きたいものであるという考え方によりましてお願いしておりますので、どこの国に対してはどのくらいどのものをつくつたらいいじやないかということは、三者寄りましてある程度総合した考え方によつて計画生産もなし得るのでございます。しかしながら組合員に対しましては、それは実行し得るのでございますが、アウトサイダーに対して、われわれ組合がそれを強制する力はございません。よつてこのアウトサイダーに対する処置方法について何とか法規の改正をお願いいたしまして、同じ組合員の中に入つておられるような方法にもつて行けるようにお願いいたしたいと存じます。以上でございます。
○山手滿男君 ほかに同僚議員からたくさん質問もあるようでありますから、私は参考人の方々にはこの程度で打切つておきますが、ちようどいい機会でありますから、中小企業庁長官に、先般来の私どものこの委員会で推進をしておりましたマツチ工業に対する二十九条の発動をまだやつておりません。その経過を関係者がみなおるからお聞きしたいと思います。
○岡田(秀)政府委員 タオル関係のものは四月一日であつたと思いますが、出したのであります。マツチの方は、生産調整まであわせてやります関係上、規則の制定にいろいろふうを要する点がございましたので、多少遅れたのでありますが、手続を大体きよう、あすの間に完了いたしまして、完了次第出す段取りであります。
○山手滿男君 いつからですか。
○岡田(秀)政府委員 決裁が済み次第出しますが、私のところは通りましたから、きよう、あす中には済むだろうと思います。
○永井委員長 次に加藤清二君。
○加藤(清)委員 私は本日ここに来ていらつしやいまする先輩の早稻田先生や春日一幸さんとともに、この陶器の業界が五十年来の不作で非常に因つていらつしやるという、その事実をまのあたり見ておるものでございまするので、この問題につきましては非常な関心を持つと同時に、何とかこの業界を救うすべはないものかと考え、相談も受けておるものでございます。従いましてこの際私は主としてこれが対策を政府の方にお尋ねしたいのでございます。 まず第一点は、輸出が振興しない原因をただいま永井さん、水野さんがお述べになりましたが、金液のゆえにというお話でございました。そのゆえに輸出が不振である。これは私は具体的事例を知つておるのでございます。もし高い金液を使わなければ、同じアメリカの土地におきましても、なお入札において約二割五分くらいの安い値段で、しかも一級上級の品物を納めるということが可能でございます。それほど日本の業界は、わざわざ安いコストで出しているのでございます。そのいい例が、日本碍子の出しました電磁器でございます。これがすでに入札を終つて品物が納まつたということは政府側もよく御存じで、まことにおめでたいことだと思うておるわけでございますが、同じアメリカ市場におきまして、デイナー・セツトを初めといたしまして、コーヒーのわんざらから玩具に至るまで、遺憾なことにチエコを初めといたしまする諸外国の品物と相当量の――相当どころではございません、ずいぶん苦心さんたんの競争を余儀なくさせられておるのが現状でございます。世に不渡り手形が盛んに出まして、これは困つたことだ、弱つたことだ、おかげで倒産商社が続出する、これを何とかしなければならぬと政府みずからも考えていらつしやるやさきに、政府みずからが不渡りをお出しになつたとしたならば、一体これはどういうことでございましようか。この責任は一体那辺にあるとお答えになるのでございましよう。私はその点についてまずお尋ねしたいのでございます。なぜならば、ここにいらつしやいます小平先生が次官の折のことでございました。思い起せば一年前の三月のことであります。その折に金管理法が問題になりまして、私は、金管理法は産金業者のことを考えればどうしても通してあげなければならないが、それを通せば、これを使用するところの業界が困る。業界が因つても、ぜいたくに使うものならやむを得ないけれども、輸出振興の立場に立つている業界がこれで芳しむということになれば、ドル、ポンド不足の折から、ゆゆしき大事であるから、従つてせめて輸出にのみ使う金液くらいは、値段はこれによつてかえないようにということをるる述べ、もしそれ値段がかえられるということであるならば、遺憾ながら賛成することはできないと言いました。今委員長をしておられます永井勝次郎氏の言も、ここに載つておるのでございます。わが党としては、さような立場において論議しましたところ、川上鉱山局長さんのお言葉では、絶対にそのようなことはない、統制は解除されるけれども、通産省の指導というか、業界に対する要望措置として、この五百十五円を上げないように措置をいたしますし、また業界の方におきましてもそれを十分承知いたしております云々とあり、それ以後四ページにわたつて論議がかわされておりますが、要点はここでございまして、絶対に上げない、産金業者の方も承知だというのであります。私がこれを業界に放送してはいかがかと言つたら、それほどの必要はありませんというようなお言葉でありましたので、私は政府委員の方々のお言葉を信じ、業界もこの政府の措置をたいへんありがたく受取りまして、政府の措置によつて業界が喜び、そのおかげで細細ながらも輸出が続いておつたのでございますけれども、どういうもののはずみか、これが間違いであればよいのでございますが、先ほどどなたかのおつしやいましたように、今日これが五百三十円ということに相なつておるようでございます。漏れ承るところによりますと、それでは足りないからもつと上げてもらいたいというようなお話があるようでございます。これを政府の方と業界の方の両方に承るわけでございますが、五百三十円というこの声は真実か真実でないのか、また産金業者の方といたしましては、政府の方々に苦しい思いをさせ、政府に不渡りを発行させてまでもなお値上げをしようとしておるのか、この点をはつきりと承りたいのでございます。もしそれこれがどうしても値上りを余儀なくさせられなければならないというものならば、そのよつて来る原因をはつきりとこの場で示して、納得の行く御説明を願わなければなりません。なぜならば、今日の金の世界相場はだんだん値下りの傾向にあり、すでに下つて来ておるのでございます。ひとり日本のみがこれに逆行するということは、逆行ばやりといえどもあまりにも情けない逆行ではないかと思うのでございます。 第二点といたしましては、どうしてもこれを値上げしなければならないというならば、私は日米経済協力という立場から、売りたい売りたいというておりますアメリカのハンノービアからこれを買い入れますならば、アメリカさんの方は、決してわれわれに対して、悪意を招くようなことはない。ほんとうに日米経済協力ができるではないかと思うのでございます。これがぜいたく品であるところの、チョコレートとか菓子とかあるいはクラブだとか、そういうものに使われるものならこれはやむを得ぬ、私はこう思うのでございますけれども、これはえびたいでございまして、ほんの少々のものを入れるおかげによつて、日本の山の土が、ほしいほしいというドル、ポンドにかわつて来るのでございますから、こんなけつこうなことはないのじやないか。ほんとうに需要供給のバランスがとれ過ぎて、あり余つておる毛織物でさえも、なお二十億円も買い入れておきながら、こういう必要なものをどういうゆえんか入れない。これはあまりにも業界を踏んだりけつたりしている態度ではないか。あるいは今まで他の業界と比べまして、陶器業界の陳情が少な過ぎて、声が聞えなかつたということであるならば、この業界は必ずや皆様の御満足の行くような声の上げ方をするでございましよう。この点はぜひひとつほんとうに納得の行くような御答弁をしていただきたいと存ずるわけでございます。 そこで業界の方にはぜひお尋ねしたいことは、もしこれを今日のような状態、あるいはある程度の輸出振興を加算してもけつこうでございますが、年間に必要な金、地金でもけつこうです、金液でもけつこうですが、その数量はどの程度であるのか。もしそれが高くなつてどうにもならぬというて輸入にまつようなことがあつたならば、産金業者の方は一体どのような態度をとると思考されるか、あるいは過去においてでもけつこうでございますが、そのようなうわさがたつた場合に一体産金業者や水金業者としては、消費者の皆さんにどのような態度に出ておつたものであるか、この点をひとつお漏らし願えばたいへんけつこうだと存ずるのでございます。金液と同じように、輸出用のために入れてもらいたいものにカートン・ボツクスがあるわけでございますが、これの原料であるパルプ、それから南方諸地域に輸出いたさねばならぬ場合に、必要欠くべからざる木材の問題、これを将来スムーズに行けるように、政府としては対処する腹があるやいなや、この点は通商局長に聞きたいところですが、いらつしやらないようですからどなたでもけつこうでございます。 次に関税の問題でございますが、アメリカ側はまぐろの関税とかその他でがんがん言うておるようですが、まぐろの方は関税のことを言わぬでも灰が降つたおかげで買わぬというようでございますが、陶器の方にはああいう火のつく灰は降つておりませんので、買うということになるでございましようが、関税の問題はその後どう処理されておりますか、この点をひとつ承りたいのでございます。 次に南方諸地域に対するところのバーターの問題でございますが、この点せつかく自分のところからエキスパートをその地方へ送つて、輸出振興に努力していらつしやる永井さんから詳細承わりたかつたのでございますが、時間がないので詳細になかつたようでございます。はたしてこのバーターは将来可能であるかどうか。ことにインドネシアのように、こちらのものが行き越しになつておつて、なかなかその代金の決済が困難であるというような場合におきましては、これは一日も早く賠償問題を解決する、そして要すれば、内地でドルだとかポンドを何も使わないで内地の土と技術だけでできるところの陶器あたりでもつて、向うの必要量のものを賠償物資に充ててもらおうということはどうか。これは私しろうとの思いつきでございますが、もしそういうことになつたならば、それに対処する用意がありやいなや、これは業界の方々どなたでもけつこうでございますから承りたいのでございます。
○川上政府委員 私は決して産金業界をバツクする意味で申い上げるわけではありませんが、現在産金業界というものがいかに苦しい状況にあるかということをちよつと申し上げたいと思うのであります。 これは昨年の法律の改正によりまして、産金量の三分の一、正確に言いますと三三%幾らということになりますが、これが政府の買上げになつております。残りの三分の二程度につきましては、これは自由販売ということになつております。従来は半分程度が政府の買上げで、半分程度が自由販売というような状況になつていたのですが、昨年の改正でそういうことになつたわけでございます。しかしこの三分の一の政府の買上げは、国際公定価格、すなわちグラム四百五円で買い上げておるのでございまして、残りの三分の二程度が現在輸出用の陶磁器におきましては五百七十円程度で販売されておると思うのであります。実際のコストにつきましては、大体八グラム平均程度で掘るというようなことにいたしますというと、これは世界におきましては、大体七グラム平均と思うのでありますが、八グラム平均程度で掘るということにいたしますと、少くとも六百二十円程度のコストが平均してかかることは事実でございます。そのコストに対しまして、今申し上げましたように、政府の買上げ価格は四百五円というところで買上げをいたしておるのでありまして、この四百五円で買い上げております関係から、少くとも三億以上の赤字が、そこから出て来るわけでございます。この三億以上の赤字に対しましては、私どもの方としましても、いろいろ大蔵省とも交渉いたしまして、本年度におきましても、そのうちの一億程度がいわゆる政府の補給金的な性格を持つておる。いわゆる産金助成金と申しますか、そういう項目でこれが出されておるわけでありまして、やはり依然として約二億のマイナスが現在計数的には出ておるというような状況にあるわけでございます。私どもの方としましては、かつて三、四年前に産金の増産対策というものを閣議で決定いたしまして、そしていろいろな面におきまして助成策を講じて参つて来たのでありまして、たとえば電力にいたしましても一ぱいに産金業者に対しては出すとか、あるいは現在におきましても、鉄道の輸送賃につきましても二割程度の割引をしておる、あるいは法人程の免除をしておるというように、いろいろなことをやつておるのですが、それだけではどうしても足りませんで、なお価格面におきまして約二億の欠損が政府買上げの分から現在起きておるわけでございます。これは先ほど来再々申し上げましたように、私どもとしましては何とかしてこれが欠損にならぬようにということでいろいろ折衝をいたしたのでありますけれども、これはやはり緊縮予算の関係から、現在一億程度しか出されていないわけでございます。従いまして私どもの方としましては、一般の市販価格につきましても、これをあまり抑制するということは、そういう意味から言いましても、これは非常に無理な行政ではないかというふうに私は考えるのであります。しかし産金業者に対しましては、法律改正当時のいきさつもありますし、加藤先生からの質問もありまして、私は産金業者に対しまして、これは上げないようにひとつ行政指導をするということをはつきり申し上げました。その通り私は実行をして参つたのでありますが、今の五百十五円が五百三十円になつたという問題につきましては、実は業者の方から、とても苦しくてこれではやつて行けないということで、十五円程度はどうしても上げてもらわなければ困るというような話がありましたので、私どもの方としましては産金業者に対しまして、それはやはり陶磁器業界といいますか、金液業者といいますか、そちらの方と話合いがついておるのだつたらさしつかえなかろうということを、そのときに私は申しました。現在五百三十円で売られておりますか、五百十五円ということになつておりますか、その点ははつきりしたことは私もよくわかりませんが、大体産金業者としましては私に対しまして、そういうふうに価格を抑制するということは実にけしからぬ、こういうこともさんざん私の方には言つて参つておりまして、従来約百くらいの金山があつたのでありますが、そのうち約二十くらいはつぶれて、その中では有名な佐渡金山が去年の初めでありますか、ほとんど仕事をしないというような状況になつております。また最近におきましては鹿児島県の山ヶ野金山、これも相当由緒ある山であり、かつまたある程度値段が高いと当然引合う山でございますけれども、これまた自由販売価格になる直前において、政府買上げが三分の一もあつて、しかも買上げ価格が四百五円というようなことではとてもやりきれぬというようなことで、これも閉山いたしております。私どもの方としましては、たとえば日本鉱業でありますとか、あるいはそういう大きな会社で、かつ銅の生産をやるとか、亜鉛の生産をやるとかいう鉱山におきましては、そうシーリアスに考える必要はございませんけれども、この八十くらいの金山のうちで、大部分のものが中小鉱山でありまして、たとえば持越金山でありますとか、あるいは千歳金山でありますとかいう非常にたくさんの中小の――まつたくの中小企業でございますが、おそらくまたこの委員会にお願いに参るかもしらぬと思うのでありますが、鉱山におきましても非常に困つておりまして、何とかしてひとつこれは値段を上げてもらわなければ困ると私もさんざん言われておりまして、せつかく自由販売になつたのに、何ゆえに輸出用陶磁器のためにわれわれがその犠牲を受けなければならぬか、それは別の方法で措置すればいいじやないかということを私の方にさんざん言つて参つておるのでありますけれども、私は加藤先生に約束しました手前もありますし、何とかしてひとつ従来の価格でやつてくれといつて、今日まで行政指導をいたしておるわけであります。しかし行政指導でありますので、これは法的には強制力というものは全然ございませんので、実は私もほんとうに弱りきつて、むしろこれは皆さんの方に業界の方から陳情した方がいいでしようというくらい近ごろは弱つておるような状況でありますことをまず申し上げておきたいと思うのであります。 そこでこの五百十五円というものをずつと今後継続して行かせようとするかどうかという問題につきましては、今申し上げた通りでありまして、私も極力上げないようにということを言つておりますけれども、非常にむずかしい状態にあるということを申し上げておきたいと思うのであります。 それから、では米国あるいは外国よりの金液を輸入したらいいじやないかという問題につきましては、これはこの前の委員会におきまして加藤先生にもお話申し上げましたが、私はやはり原則として国内の資源を活用すべきじやないかというふうに考えておりまして、よほど特別な事情がありますときは輸入してもさしつかえないということを申し上げたのでございます。具体的にはどういう場合かということで、たとえば試験的な措置というようなことを申し上げましたが、私は今でもそういうふうに考えておりますけれども、陶磁器業界の方からも私の方へ再再陳情があつたわけでありますが、私としても陶磁器業界の方にもそういうことは再々申し上げましたが、輸出陶磁器について、この際輸出を徹底的に振興しなければならぬ、そのためには総合的にどういう措置をとるべきだという対策が――これはあるいは閣議でなくともいいのですが、とにかく全体が承知して決定されまして、それに対して金液の輸入なり、あるいは金山の協力なり、これをどういうようにすべきかということが決定されますならば、私はそれに対しまして十分協力いたします。ただ輸出が不振だというしわを金だけに寄せるということは間違つた行政ではないかというふうに私は考えておるのであります。きわめて詳細な対策を私はきよう初めて見ましたので、今までこういうものを一ぺんも見たことはなかつたのでありますが、この問題につきましては、業界の方にも省内の軽工業局に対しましても、私は何べんかこれを言つてありまして、何とかはつきりした対策をもつて、そうして金山の方もそれに協力すべきであるということになりますれば、私は決して協力をおしまない、しかしそういう場合におきましても、金山の犠牲においておやりになるということは、私はどこまでもいかがかと思うのでありまして、さつき申し上げましたように、非常にコストがかかるのを、赤字を出してまでそれを強制的に買上げるならば、それはやはり補填をしてやるなり、あるいは輸出の陶磁器業界に対しまして安く販売するということであるならば、その差額についてはどこかで補填をしてやるというような措置を講じない限りは、鉱山局長としてはとても行政はできないというふうに私は考えておるのでございます。
○水野(保)参考人 私から金の問題について、加藤先生の御質問に対してお答えさせていただきたいと思います。これはうそかほんとうか、はつきり言えませんが、私の方の耳へ入つておりますのは、この金の問題について加藤先生が委員会においていろいろとうるさいことを言われる。だからなるべく加藤先生の発言を封じるようにしてもらいたいというふうなことが、私の方の耳に入つて参りました。従いまして私は金につきましては、その後加藤先生の方へ向つて、何ら実情を訴えておりません。従つて加藤先生が今日おつしやいましたことも、相当間違いがあるかのように存じます。それはどういう点かと申しますと、先ほど五百十五円にしたから業者は満足して喜んだ、こういうお話がございましたが、われわれ陶磁器業者といたしましては、決して五百五十円で満足したわけではありません。われわれ業界としては、世界市場の相場の四百五円の金を譲つていただきたいということは、絶えず陳情しておつた。と申しますのは、外国から金液を輸入すれば、四百五円の割の金液の輸入ができるのであります。そういう立場上決して五百十五円で満足しておるのではありませんが、政府の行政処置とせられまして、鉱山局、軽工業局、企画室を交えてそういうふうにおとりきめになつた。五百十五円ということにおとりきめになつた。どうも私どもはこれをくつがえすという力が足りません。よつてやむを得ず五百十五円に甘んじておつたのであります。ところがこの行政処置をなさつたのは、わずか二箇月間御実行なさつただけで、三月目から十五円高の五百三十円、これで承知すれば金の地金を渡す、これを承認しなかつたならば、金地金を渡さないと言つて、産金業者が金液業者を脅やかしたのです。そこでやむを得ず金液業者は、自己の負担において、五百十五円にいずれ返してもらえるだろうという考え方で立てかえて出しておる。先ほど来申しましたが、もし産金業者のように、一方的に出る金液業者であつたなれば、この陶磁器の輸出はストツプしておるという、非常にたいへんな事態を引起していることだろうと思う。しかしてさらにその後交渉に交渉を重ねまして、私の聞いております範囲では、鉱山局の御意向といたされましては、この四月まで六箇月間は五百十五円にしてやろう、それで十五円過払いになつたのはもどしてやる、しかしながら四月から先は鉱山業者の言う値段を払つてくれなければいけない、そうすれば五百十五円にしてやろう、これは口頭ではいけない、軽工業局から鉱山局へ文書で出せ、しからざればこれは用いることはできぬ、こういう強い態度で鉱山局は来られた。私どもの立場をひとつお理解願いたいのは、私どもは産金業者と同じように、土を掘つて外国の金を掘り出しておるのと同じであります。しかも日本の産金業者は、統制されております時分は年間六トンでありました。最近金がフリーになりまして、今七トン半とか掘り出しております。私どもは陶磁器をもつて外国の金を、三十五トン掘り出すと同様でございます。日本の金を掘り出しておるものに対しては助成金を与え、外国の金を掘り出しておるものに対しては何ら助成していない。しかしわれわれは助成していただきたいということを申し上げるのじやありません。輸入を許可していただけばいい。または国内の金をマル公の価格で払下げをしていただけばよろしい。政府が買い上げられた価格でわれわれに払下げをしていただけば、政府に御損害をかけるわけではありません。補助していただくわけでもありません。また外国の金の輸入を許していただくならば、何も政府のお力を借りなくてもいいのであります。それによつて自分の力で自分を保護することのできる立場にあるのです。それが行えないということは何たることでしよう。先ほど鉱山局長は、三億のものを一億にしたから、二億という赤字が鉱山業者は出ている、こういうお話であります。今ちよつと計算をいたしましたが、あるいは私どもの計算が間違つているかもしれませんけれども、約三分の一という政府買上げのものは二トン半に相なります。二トン半というものは、四百五円と六百二十円の差では八億二千万円に相なるように思います。これだけ違うのに、それでは二億の助成金で産金業者が満足するかということも言い得るのであります。また六トン生産当時と今日との産金業者の手取りというものは、これは政府当局でもそろばんをはじいていただけば、どれだけ産金業者が恵まれているかということはわかるので、それは驚くべき数字になると思います。しかも産金業者は、六百二十円でなくちや損が立つとおつしやいますが、これは私どもから考えますと、大きな産金業者は七軒でございますが、これらの決算報告を見ましても、いずれも相当な配当をしていらつしやいます。利益を上げていらつしやいます。と申しますのは、いわゆる副業的で、銅からも金が生れ、銀からも金が生れる。自然的に金を産出するような業者は、銅と銀と同じ値段でも金が引合うというような立場の方もあるわけです。また私ども自分の事業にいたしましても、素地を生産している、加工をしている、また荷づくりの包装をしているという場合に、素地の方は一ぱいに行つている、加工の方は損が立つ、しかしその工場全体、その事業全体をひつくるめてそろばんが合えば、それは商売をいたします。一方で損が立つても一方で利益があれば商売をいたします。それと同様金鉱業者というものは金だけを掘り出しているのじやない。副業的に金を出している。してみれば、総合的に会社として利益があつたならば、六百二十円で引合わない、引合わないと言われるのが、すでに欲が深過ぎるのじやないか、こうも私どもは感ずる。しかしながら、われわれみたいに損ばかりしている業態とは違いまして、おもうけになるのはけつこうです。それをかれこれ申すのではありませんが、せつかく政府の方々が行政処置として五百十五円におきめになつたのを、わずか二箇月ですぐに十五円値上げする。それに対しては鉱山局に何回も足を運びましたが、先ほど局長がおつしやつたことを繰返し繰返しおつしやるだけでありまして、少しもわれわれに対する誠意というものは、われわれとしては感じられないのであります。政府保有金というものは、何でもわれわれ聞いたところによりますと、自由になる金が六トンとか政府はお持ちになつている。また軍が召し上げた金が百トン近くあるとかいうような話も承りますが、そういうものをマル公で払い下げをしていただいて、国内の金を利用いたしたい、かように考えて、これもたびたび運動をいたしました。大蔵省にもお願いいたしましたが、法律改正をしなければならぬとか、容易なことじやないとか言つて、これもなかなかお許しが願えない以上、やむを得ずいつまでもそれにぶら下つておることができませんので、どうか金並びに金塊の輸入を許していただきたい。それは私ども輸出する額から行きますとごくわずかなパーセントに相なるのであります。ですから輸出して外貨を獲得する、それに対する原料の輸入は自由に許していただけるというのが原則だと思います。にもかかわらず、われわれの陳情は何ら用いていただけないというのが現状でありますので、この点よく議員の方々も御認識くださいまして、われわれ業界をお救いくださる道に御尽力願いたいことを、この機会に特にお願い申し上げます。
○中村委員長代理 この際早稻田柳右エ門君並びに春日一幸君が小委員外の発言を求めておられますので、これを許可するに御異議ありませんか。
○中村委員長代理 それでは早稻田君。
○早稻田柳右エ門君 金液の問題について、川上鉱山局長にお尋ねをしたいと思います。先ほど局長のお言葉では、金液に関してはしばしば陳情を受けたけれども、陶磁器の全般にわたる総合対策あるいは国家貿易における立場等についてはきよう聞くのが初めだというお話でありまして、まことにその点遺憾に存ずる次第でございますが、今水野さんのお説のうちにありましたように、金液を輸入して陶磁器貿易の振興をはかるということは、国内の金を掘り出すことと同じであつて、むしろ貿易によつて三十五トンも外国の金を掘り出すのだ、こうおつしやる言葉はまことに味わうべき言葉であると私は存じます。そこで産金業者の保護をするために、陶磁器輸出業者を犠牲にする、こういうことは国家の貿易対策の上からいつてもあり得ないと思います。そこで私は局長にお尋ねしたいと思いますことは、先ほどお説のうちに、自由に払い下げてもいい金を国家は保有しておる、こういうお言葉がありましたが、事実とするならば、それを陶磁器輸出業者に払い下げてもらうことができるかどうか、できるとすればすみやかにそういう措置をとつていただきたい、こう思うのですが、それが一点。 それからいま一つは、先ほど閣議において政府がきめるならば金液を輸入することもできる、こうおつしやつたのでありますが、これはどういう範囲でどういう措置をとれば輸入し得るかということを、もう少し詳細に伺いたいと思います。
○川上政府委員 払下げの問題につきましては、これは大蔵省の所管でありますので、大蔵省の方から聞かれた方がいいと思うのですが、私から申しますと、これは先ほども申し上げましたように、三分の一をたとい国際公定価格とは申しましてもコストよりも相当低いところで政府は強制的に買上げをしております。その強制的に買上げをしていたものから、――これは法律改正がその場合におきましては必要だと思うのですが、それを今度は一般の陶磁器業界の方に販売するということは、おそらく私は産金業者としては非常に反対が出るのじやないかというふうに考えます。なぜかというと、自分たちの価格を非常に抑圧して買い上げて、そしてそれを販売することになりますから、国が何か通貨基金という一つの目的を持つて、そして政府の保有として持つておるということならばそれはがまんするかもしれませんけれども、それを陶磁器界に販売するということになりますと、産金業者は非常に反対するのじやないかというふうに考えられます。その払下げができるかできぬかという問題につきましては、今申し上げましたように法律改正の問題もありまして、大蔵省の所管でありますので、大蔵省の方からお聞き願つた方がよいと思います。 それから金液を輸入するという問題につきましては、私先ほど加藤さんの御質問に対しまして申し上げた通りでありますが、私としましては陶磁器が輸出できないのは何によるのであろうかということに対しまして、単に金だけではなくて、あらゆる面からこれをつぶさに検討し、そして協力し、助成すべきものじやないかというふうに考えております。たとえば私の所管物資でありましても、単に金だけではなくて、この中にも重油の配給を確保してくれというお話でありますが、どうしてもこうした方面に対しましては確保しなければならぬということがはつきりしますれば、重油業者に対しましても確保するような措置を必ずとるようにしたいと私は考えております。よけいな話をしますけれども、最近におきまして重油の需給関係が非常に悪くなりそうなけはいがありますので、通産省としましては農水産関係、船舶関係、そうした方面の重油につきましては特別な措置をもつて確保する。それから価格につきましても特別な指導をして行くということをやることになつております。それと同じように、この陶磁器関係の重油につきましても、私自身としましては極力十分な手配をしたいと思いますが、何かはつきりと、輸出陶磁器については総合的にこうこうこういう措置をとるのだということになりますれば、私としましてはそれに対してできる限りの協力を惜しまぬつもりであります。それは何も閣議決定とかなんとかいうことでなくても、何か通産省なら通産省の省議なら省議等におきましてはつきりとそういう方針をとる。但しそのかわりに、それによりましてたとえば金山が一般に非常に赤字を出す――先ほどいろいろお話がありましたが、大きな鉱山につきましては銅とかそういうようなものを出しておりますので、当然そつちの利益は相当大きい。たとえば住友鉱業、これは銅を相当出しておりますから、銅は今相当利益がありますので、そつちの方で金山のマイナスをカバーするとかいうような措置を、すべて大きな鉱山はとつておりますが、比較的専門的にやつておりますそしてこれは中小企業が大分たくさんあるわけでありますが、そういうところにおきましては実際非常に弱つておるのでありまして、そんなに実際面としては赤字を出していないじやないかということをおつしやるかもしれませんが、これは抜き掘りということをいたします。すなわち先ほども言いましたように、世界の採掘の平均品位は大体七グラム程度、これが日本におきましては最近においては三十五グラムというのを抜き掘りしておるところがある。また十二、三グラムとか十五グラムというのは非常にたくさんあるわけであります。そうしますと、これは鉱山に参りますればすぐわかると思うのですが、抜き掘りを一ぺんやりますと、もうその山は、一緒にあつた品位の比較的悪い金は、将来画期的な採掘方法ができれば別ですけれども、そうでない限りにおきましては永久的に眠つてしまう。実に資源的には残念なことでありますので、私どもとしましてはその点を一番心配するわけであります。結局山を濫掘して、しかも相当の資源を将来永久に失つてしまうということが非常に心配でありますので、私はやはり価格につきましてはなるべく八グラム平均とか七グラム平均とかいうふうなことで掘れるような態勢にすべきじやないかと考えておるわけでございまして、先ほどから再々その点を申し上げたわけでございますが、その総合的な措置を講じてそれに対しましていろいろな方面で協力しなければならぬということであるならば、私は大いにこれは協力したい、ただその際に先ほど申し上げましたように、金だけが何かそのために非常なマイナスが出て、そのために閉鎖の山が続々として現われるということでは、これはまことに片手落ちな行政ではないか、そういうところがあれば、そういうものに対しましては補給金を出すとか、そういう措置を行政的には講ずべきではないか、こういうふうに私としては考えるわけであります。
○永井委員長 この際時間が相当経過しておりますから質疑応答はなるべく簡単にお願いします。
○早稻田柳右エ門君 輸出不振の大きな原因の一つはコスト高にあると思います。金液もその一つでありますが、今局長さんのお言葉で大体了承はいたしましたが、ここでひとつはつきり伺つておきたいと思いますことは、きようはこの陶磁器業界の有力な方々の御参集を願つておる貿易上非常に必要な会合である、しかるに通産省は鉱山局長が主であつて、ほとんど所管官庁の主たる人が参つていない、これらも予算委員会の関係等もあるとおつしやると思いますが、少くとも貿易振興が国家の大きな政策の一つである今日、こうした会合が出渋るなどということはけしからぬと私は思つております。しかしただいま鉱山局長は局内における会議においてこの総合対策等がとり入れられるならば、金液の問題についても全力をあげて努力することを惜しまぬ、こういうお言葉はたいへんありがたく伺つておる次第であります。こいねがわくは金液の輸入に関してはコストを下げるという意味からいつて、どうしてもこれは喫緊の問題だと思います。国内の産金業者等の問題もありますが、ひとつこれとよく対比していただきまして、陶磁器業者の演じておる役割が重大である点に思いをいたされて、できるならばひとつすみやかに金液の輸入が可能になるようにひとつ御尽力をいただきたい。さらに国内産の金液については、いずれ大蔵当局とまた私どもから折衝をいたしまするが、これについても原局である鉱山局長が反対であつたり熱意がない場合は、これはできないことは当然でありますから、ひとつ原局である局長さんみずから陶磁器業界の現状は不当競争まで続けなければならぬという苦境をひとつ御賢察をいただきまして、ひとつ至誠をもつて御支援を賜わるようにお願いをいたしまして私はこの質問を打切ります。
○春日一幸君 先ほどから鉱山局長の御答弁をずつと伺つておると、あなたの心の底にあるものはどうも鉱山事業そのもののパトロンと応援団と弁護士、こんなことでほかのことはてんで知らぬと、こういうふうに伺えるのではないかと思うのであります。申し上げるまでもなく国の行政はあなたが鉱山局長であろうと、あるいは他の局長であろうと、その官庁の行政を通じて国全体の行政と融合せしめるようにやはり公正な運営が期せられなければならぬと私は思います。特にあなたなんかけしからぬ、本日はあなたが出ていらつしやらないのでどういうことかとわが党の加藤議員に伺つたところが、何かフイリツピンへ賠償の代表が行くのでその資料をつくるために出られぬというようなことで、われわれはびつくりして大臣のところへ交渉に行つたらあなたが出て来た、出れば出られるものをなぜ初めから出ない、あなたが出て来るまで貴重な時間を二時間も空費したではないか、もう少しこういうような問題については、はるばる名古屋から多くの代表が業界のこの苦情を代表してここに陳情せんとしているのであるが、もつと真剣に取扱つてもらわなければ困ると思う。 そこでお伺いしたいのだが、結局大蔵省の国有金を払い下げるということはしよせんは困難であろうという見通しが述べられておるが、これもわれわれ大蔵委員会において二、三調査をいたしましたところ、そういうような一応の見通しも立つております。そこでどうしたら一番簡単であるかというと、これはしよせん金液を輸入するか、あるいはあなたの行政指導を通じて、とりあえずこの五百十五円という価格を維持するか、二つのところでやはりこの問題の解決をはからなければならぬと思われるのであります。そこで私は理解できないことは、この金を自由販売に移したいということは、業界の強い要望であつたろうし、その当時この陶磁器業者並びに万年筆の業者というようなものがこれが自由販売になるとすると、勢い今までいろいろな行政措置を講じられて来たところの特別価格というものによつて供給を受けられなくなり、非常に高い形によつて、このことが輸出の振興をはなはだしく阻害する形になるのだから、これはひとつ自由価格にしてもらつては困るのだという猛烈な反対がありました。各政党はその声を受けていろいろと判断をいたしまして、この問題を検討したのだが、そのときあなたの方によつて示されたところの案というのは、そういう不安がある、だからその不安を解消することのためには、通産省と大蔵省との間の協力によつてこの供給者と需要者との間で居中調停すなわち五百十五円で当分供給するから、結局著しく値上りを来すというような心配はない、だから安心しろ、こういうあなたの方から指導が現実に出されておる。しかもその覚書はあなたの方と大蔵省との交換文書によつてここに明らかであります。すなわちこれは当時昭和二十八年の二月十日に出された文書の写しでありますが、陶磁器の輸出の困難なる現況にかんがみ、現行価格を維持するよう当局において金鉱業者を行政指導するものとする云々と、こういうことをあなたの方から次官と次官との間の協約事項として、これが国策として決定しておることなんです。これはすなわちこれを国会は条件の一つとして、業界はこれを自由販売に移すことを認めておる、その後この協約事項を一方的に産金業者が破棄をしても、あなた方がこれを拱手傍観して、この筋をながめておることは一体どういうことであるか。このことはすなわちとりあえず二箇月分だけ好餌を掲げて瞞着して、そうしてのどもと過ぐれば問題は何とやら、そこで結局産金業者の意見をそのままに、こういう協約も覚書も全部反古にしてしまつて、無責任にも成行きにゆだねておるということは、これはほとんど無政府状態ではないか、ところが少くとも鉱山関係事業の主管者であるならば、こういうことを条件にして、これを自由に移したのだから、今君たちがそういうようなやぼなことを言うのだつたら、いろいろな行政指導を通じて、たとえば政府の補助金の多寡によつて調整もできるであろうし、さらにはまたあなた方が、今回この減税措置、新鉱床発見に対する減価償却等に対しても二億数千万円の政府の援助が行われておる。行政百般を通じてこの産金業者が保護されているいろいろな施策を通じて政府が約束をしたことを君たちが果さないならば、われわれは考えがあるぞというようなことで、どんな方法だつてぼくは調整の道は立つと思う。そのことをあえてなさずして、今あなたはこの産金業者の犠牲において陶磁器業者の繁栄を期するということは納得できないなどというような答弁は私はあり得ないと思う。なぜそういうような次官と次官との間のこういう協約があり、陶磁器団体と産業団体との間の覚書もとりかわされておる問題が、ゆえなくして今ここに破棄されようとしておるこの問題を、なぜあなたはこれを拱手傍観してながめておるのか、この理由をひとつお伺いいたしたい。
○川上政府委員 私が本日遅れて参りましたことはまことに相済みませんが、昨日の私に対しまする連絡では、鉱山局長でもあるいはその鉱政課長でもいいから出てもらいたいという連絡がございました。ただ加藤さんからは、君がぜひ出てもらいたいという話がありましたので、私は何もこの委員会に出て来るのをいやがつていたわけじやありませんので、急にフイリピンの賠償に関する会議がありましたので、ちよつと会議をやりまして、おつかけて私は行くから、鉱政課長、先に出ていてくれということで、私はあとから参つたわけでありますが、私に対する連絡はさようでありました。ただ加藤さんから昨日の委員会のあとで、ぜひお前出てくれというお話もありましたので、私はぜひ出なくちやならぬ。そしてまた単に陶磁器業界の問題だけではなくて、金の業界の問題につきましても、私もぜひとも申し上げておきたいというわけで、私はむしろ出ることを積極的に考えて、ただちよつと急な用事ができましたので、鉱政課長を先に出しておいたわけであります。この点ひとつ御了承をいただきたいと思います。 それからたしか昨年の三月の初めと思うのですが、そういう覚書をつくつて大蔵省に対しまして、それを出した、それは事実でございます。私はそういう趣旨にのつとりまして、産金業者が猛烈にいやがつておりますのを、何とかして輸出陶磁器用については、五百十五円を守つてくれということを指導して参つております。ただ五百三十円にするという問題につきましては、昨年の九月でありましたか、十月ごろと思うのですが、大体金液業者の方も承知をしたので、ひとつ認めてくれというような話がありましたので、金液業者がそれを納得するならば、それはいいだろうというようなことを言つて参つております。しかし五百三十円なんかをさらに上げるというようなことはやめてもらいたいということを、その後におきましても、今日までに再々述べております。私としましては、一ぺんそういう覚書を交換しましたので、極力私はそれで進んで来たわけなんですが、実際先ほども申し上げましたように、中小鉱山におきましては、ほんとうに金山としては弱つておるのでありまして、そのためには何とかこの際しなければならぬというようなことから、私のところにも業界の方からさかんにやかましく言つて来るのでありますが、私としては、今日まで極力押えて来ておりますけれども、やはり考えてみますと、これは単に陶磁器業界とか、産金業界とか何とかいうのではなくて、やはりこれは調整をして、陶磁器業界の方もある程度がまんしていただくとか、あるいは産金業者の方もある程度がまんしてもらうとか、いろいろな調整をして、その辺円満にこういう問題は進めて行くべきじやないかと私は考えておるのであります。私は鉱山局長であるから、産金業者の弁護士であるというふうにお聞えになるかもしれませんが、私としましては、やはり産金業界も全国に約一万の労務者をかかえておりますし、そうしたことを考えますと、やはりこの事業が成り立つて行くようにすべきじやないかということを私は考えております。もし陶磁器の方面に相当安い値段で販売するということになりますれば、そのコストとの差額は、何かほかの方でめんどうを見なければいかぬということで、これも私は予算の方面から一億だけでなくて、三億くらいは少くとも出してもらわなければ困るということを、大蔵省とも再々交渉したのですが、先ほども申し上げましたような結果になつておるわけでありまして、少くとも――皆様方はどういうふうにお考えになるかわかりませんけれども、自分としては陶磁器の関係もよく考えてやつておるつもりでございます。
○春日一幸君 これは重要な事柄なんです。あなたの方から大蔵省へ出されたこの書類なんですが、これは金管理法を改正する必要があるが、これに関しこういうことをしてよいか、こういうことを言つておられる。すなわち陶磁器の輸出の困難なる現況にかんがみ、現行価額を維持するということが、この金管理法改正の一つの条件になつておる。それがどうであるか。あなたもこれを読んでごらんなさい。金管理法を改正する必要があるが、これが改正に関し、大蔵省に左記の案を申し入れてよろしいか。なお輸出陶磁器の原材料たる金の地金の価格については、陶磁器の輸出の困難なる現況にかんがみ、現行価額を維持するよう、これは当局において処理するということが書いてある。従つてこの金管理法を改正するということになると、当然金が上るのです。上つて来れば陶磁器の輸出に対して重大な支障を及ぼす。支障をなくしてしまおうと思えば、それだけの犠牲が陶磁器業者にかかつて来る。そのことはよろしくないので、あなたの方の責任において現行価額を維持する、こういうことで国会がこれを了承しておる。あなたの方の次官通牒とか、次官会議の決定というものが、われわれの審議の重大な資料になつている。このことを条件にして承認を与えておる。その後において、あなたの方は行政指導を行つていないではないか。行政指導を行つておるならば、当然五百十五円という価格でこの団体協約が行われておるのだが、この団体協約が守られて、月平均五十キロ、販売価格はグラム当り五百十二円、この価格で、その協定数量が供給されておれば、陶磁器業者は文句を言うものではない。これが破られておるからこそ、こういうような重大な問題が起きて来ておる。だから、あなたの方が、こういう行政指導をすると言つておきながら、その後そのことが一方的に産金業者によつてそろばんが合うとか合わぬとか、そんなことはわれわれに関係したことではございません。現行価額を維持する。しかも団体協約が結ばれておる。そのことは陶磁器の輸出に対して大きな支障も与えないし、さらにまた陶磁器業者に対して大きな犠牲をしいる結果にならないであろう、他に弊害をもたらさないであろうという想定の上に立つて、われわれはこの改正案に承認を与えて来ておる。しかるにあなた方がその条件になるこの指導条項を指導しないで、その目的を果し得なかつたとするならば、これは虚構を弄して、この法律を瞞着したというそしりを免れ得ないではありませんか。あなたの行政指導の中にはいろいろな総合施策があり得ると思うのだが、九千五百万円では値を上げてもらわなければ因るというのだつたならば、こういう申合せがあるのだから、従つて陶磁器に対する金の必要量を確保することのためには、どうしてもこれだけの補助金を出さねばならないというだけの強い主張の上に立つて、この協約を守つて行かれるだけの責任があるではないか、そのことをあえてなさずして、一方的に金鉱業者のそろばんが合わなくなるから、これはどうもしようがないのだというようなことでは私は問題は解決しないと思う。 さらに私は今けしからぬことを伺つたのだが、聞くところによると、あなたは加藤清二君が金のことについてごちやごちや言うから、加藤清二君にあまりごちやごちや言うなということ金鉱業者に言つたそうだが、このことは議員の審議権に対する妨害である。少くともわれわれがここで何を言おうと、君たちに裏からまわつてとやかく言われたら、われわれはそれぞれの業者から業況を聴取するということもできなくなる。あの人にごちやごちや言うたらあとで当局からしつぺ返しをされるから何もそんなことは言わない方がいいということになる。現に加藤清二君は一箇年にわたつて、この金の問題についてその業況に関する陳情を受ける機会を失しておるではないか。そういうことを言つたか言わないか、言つたとしたならばこれは重大な問題である。あなたの責任を問わなければならぬ。少くともわれわれが国会において意見を述べるためには、その業況の聴取もしなければならぬのだが、そういうことを言つたかどうか、言つたとすればあなたの御答弁を願いたい。そういうことについては言つてはならぬと思う。そのことはさまつな問題であるからどうでもいいのだが、問題は、とにかくこういう交換文書をかわしておいて、しかもこれを条件として法案の通過をしておいて、法案が通過した後においてその約束を果さなかつたということは許さるべきことではありません。従つてこれは通産省全体の責任であるが、同時に内閣の責任においてこの問題を解決しなければならぬと思う。すなわちここにおいて協約されておる月当り五十キロ、さらにグラム当り五百十二円で産金業者はこれを陶磁器業者に与える義務がある。それができないならば法律を改正して元に返す必要がある。私はこう思うが、あなたがこういう文書をもつてその業界並びに国会に対してそういうことを誓約しておきながら、本日まであえて措置をなし得ざる事情について、もう一ぺん御答弁を願いたいと思う。
○川上政府委員 私が、加藤清二さんに……。(「そんなことはいいのだ、もう一つのことに答えなさい」と呼ぶ者あり)質問が二つありましたから申し上げます。加藤先生がこの委員会等におきまして、いろいろなことを言われないようにということを、私がうしろからつつついたこともなければ、業界をして加藤先生にそういう問題を陳情するなということを一言も言つたことはありません。そういうばかなことは私は絶対に申し上げたことはありません。それだけはひとつ御了承願いたいと思うのであります。 それから先ほどのその覚書については、私は当時としましては、急にこの輸出用陶磁器の金の値段を上げることはやはりよくないというふうに考えましたので、そういう覚書を交換しまして、大蔵省の方にも連絡をとつたわけでございます。その後五百十五円から五百三十円になつたと言いますが、それは私としましては業界同士で話がついたからそれでよろしいということを実は申し上げてあつたのであります。それからこの覚書の趣旨につきましても、何年も永久にこれをやるべきだというふうにも私は考えておりませんので、金の業界においても非常に苦しんでおるならば、何かこの際措置をとらなければならぬということで、私どもの方としましてもいろいろこの問題については内部で検討をいたしておるわけであります。行政指導については、これは非常にむずかしいことでありますけれども、今日まで産金業者が非常な反対をし、いろいろなことを言つて参りますけれども、私としましては極力輸出用の陶磁器につきましては上げないようにしろということを指導して参つております。
○永井委員長 あえて議員の発言を押えるわけではありませんが、なるべく参考人に対する質問を願います。
○春日一幸君 この機会に業界側に承つておきたいのでありますが、われわれは、この法案に対して承認を与えますときに、通産次官から大蔵次官に発せられた協約、覚書、これを条件として承認を与えたわけなんです。しかるところその後陳情の趣によりますと、二箇月足らずでこれが一方的に破棄された。しかしながら今鉱山局長の御答弁によると、すなわち産金業界と陶磁器業界のお互いが円満妥結して五百三十円でもいいのだ、こういうことならばいいではないかというようなことで承認を与えて来ておるのだ、こういう答弁であり、あなた方のお話によりますと、これは断じて承認できないのだ。しかし品物をくれなければ商売がとまつてしまつて、手をあげるよりしようがない。そこでその金液業者が泣く泣く自分みずからの犠牲において十五円を代払いをして、産金業者から金を借り、これを金液に加工してあなた方に供給しておる。すなわち十五円はやがて返してもらえるものだと金液業者は期待しておる、こういうことを述べられておりましたが、そのことは今の鉱山局長の御答弁とははなはだしく違うものであつて、すなわち産金業者の苦しい状態があなた方にも十分理解されて、あなた方自体が合意の上ならばさしつかえないではないか、こういう御答弁なんです。このことは最も直接の利害関係者であるあなた方と、それを管理監督しておる行政指導の責任者である鉱山局長との理解が、こんなに大きく食い違つておつてはてんで話にならぬと思う。一体あなた方は承認を与えられておるものであるかどうか、さらにはまた五百十五円の勘定でしか金液業者に払つておられないのかどうか。金液業者の経理の実情についてこの機会に明確に述べておいていただきたいと思います。
○水野(保)参考人 春日委員のお尋ねに対しまして御返答申し上げます。金液業者は数が非常に少く約三軒、おとなしい業者でありまして、銀行で借金に借金をいたしまして今日無理算段をしております。金液業者が喜んで承知したということは、局長さんはおつしやいますけれども、私どもの耳には少しも入つて来ない。いずれは返してもらえると思つて、今は犠牲を払つて金を借りてやつておる、こう言つております。従いまして私どもの計算は元の五百十五円の割より払つておりません。いかなる点でお調べになつてもよくわかると思う。これははつきり申し上げます。
○加藤(清)委員 私は、どうも覚書の問題が出て、やめてしまつたみたいで、せつかく質問しかけましたが、委員長の命もありまするし、また同僚議員でたくさん質問したい人があるようでありますから、私この一点でとどめます。第一は、今私の名前が出ましたので申し上げます。私は鉱山局長をこの際私の問題でやつつけてどうこうしようということは考えておりません。ただ鉱山局長がこの問題で非常に苦しんでおるところから、苦しまぎれのため息がどこかから出たのではないかということだけは想像にかたくないのであります。それは私がこの問題を取扱いました折に、途中からやめてくれという意見が方々から出ました。その後一度加藤鐐五郎さんとの間の問題がございましたので、私がそれについて関連質問をいたしましたら、立ちどころに日陶連からあなたは何々のことを聞いたそうだがどうだ、こういう質問もありました。どうしてそこに知れて行つたのか私はわからぬのでございます。その後またこの問題につきまして、ただいま春日委員のおつしやいましたように、あるいはさる人が証言なさつたような通りのことを私は他の有力な方々からも聞いたのであります。私が業界に対してよかれかしと思つてやつておることが、政府側にとつては風向きが悪い、そのおかげでそういう発言はやめてくれということでありまするならば、今後はじきじきにおつしやつていただきたい、と思うわけでございます。じきじきにおつしやつていただければ、あえて私は個人攻撃なり何なりにしようということは露考えておらぬわけでございます。よろしくお願いしたいわけでございます。 そこで問題は総合対策でございますが、これを今まで一度も聞かなかつたという川上さんの答弁は、事実としては正しいかもしれませんが、政府当局としては、こういうものは聞かなくても自分のところで指導育成する任がちやんとあるはずだ。従つてこういう輸出振興総合対策というようなものは、何も業界がつくらなくても、政府みずからのこれにかわるべき輸出振興対策というものはあつてしかるべきだと思うのでありますが、それがなかつたら云々というのはおかしな話であると思うわけでございます。何がゆえに金液のみに集中されるか、私ばかりそういじめられてはかなわぬというお気持があるかもしれませんので、それについて私申し上げますが、第一は、これは政府の責任だからでございます。あなたは産金業者が苦しむ苦しむとおつしやる。なるほど産金業者を殺してはいけません。さらばこそ春日議員がおつしやつたように、われわれは条件付で賛成したのだから。それはわかりますけれども、しからばほんとうに政府がそれほど思うなら、なぜマル公で買わなければならぬのですか。政府だけは三分の一をマル公で買つて、他のものは自由販売にさせておる。欠損が二億何千万円だと言いますけれども、マル公で売る欠損の方がはるかに産金業者にしては痛いわけでございます。政府が安く買つて産金業者の困る問題を陶器業者に転換してしわ寄せをするというから、問題が大きくなるわけでございます。 第二点は、この金が世界的の水準に行つておるというなら文句はないのです。ところが世界の水準は約四百円、日本のものは五百三十円というと、どうしてもこれは三割強の競争を余儀なくされるわけなんです。それを内輪でぜいたくに使うということなら文句はないわけなんだ。ところがアメリカ市場において、安い金液を使う陶器と当然競争を余儀なくさせられると思うのです。そのしわ寄せは当然陶器業者が受けなければならない。国の施策といたしましては、出血輸出をしたものに対しては何がしかの対策が講ぜられておるはずでございます。現に肥料問題がそうでございます。バナナをわざわざ高く売つてこれにつけておるではございませんか。例をあげれば限りがありません。ひとり陶器業界は、不当にやられながらも、なおこれに対しては施策が施されていない、こういう点にあるのでございます。 第三点といたしましては、先ほども申し上げましたように、ぜいたく品を締め出そう、耐乏生活をしようというのが今日の政府の施策でございます。私は大賛成でございます。にもかかわりませず、ぜいたく品がどんどん輸入されているではございませんか。ぜいたく品どころか、必要以外のものが輸入されている。チヨコレートにしてもコーヒーにしても。もつとひどいのは、十分内地ででき得る毛織物が二十億円入つているじやございませんか。これに類するその他のぜいたく品というものは数えあげて行けば限りがない。ところが金だからぜいたくだということはこの際は当らぬのでございます。これはさつきも申し上げましたように液体なんですから……。なるほど金はいるけれどもこれは内地用に使うのじやございません。全部輸出して、そのおかげで、先ほど水野さんからもお話あつたように、まさに日本の土が日本人の労力と技術と叡知を加え、さらにプラス金液を使うおかげで、金液の三十五トン分の外貨を濃得しておるでしよう。これは七トン半の産金業者と比べたらもうものすごい功績を上げておるじやございませんか。ドルが不足だ、ポンドが不足だという折に、まさに私は功績者であつて、決して犯罪者ではないと思うのでございますが、これに対して外貨の割当の仕方はどうです。ほんとうに内地の金液を高くしなければならぬというなら、これに稼いだ外貨を与えて、そうしてまた来年もつとたくさんの外貨をとるべくこれは液体のえさなんだから、与えたつて何も罪は当らぬと思うわけでございますが、あえてそれができないというのは、何かこちらが犯罪を犯しているのかいないのか、しかもその問題については春日議員の言つたように、こうこう証文がある。あなたはそれを約束したのです。私と約束したのです。大蔵省とも約束をしたのです。それをあなた、政府みずからが不渡り手形を出すということに至つては、どう私が頭を切りかえようと思つても、あなたのひいきになろうなろうと努力しておつても、この点どうも納得がしがたいのでございます。 そこで最後に申し上げたいのは、とにかく輸出振興がいわれております今日、アメリカが金液を売りたい売りたいと言ておるのなら買つたらいいじやありませんか。それを加工してまた向うに輸出したらいいじやありませんか。何ゆえにそうそう産金業者に気がねしなければならぬのか。産金業者の方は労働組合があつて云々というお話でございますが、陶器業者の方にも同じように労働組合があつて、おまけにここに従事しておるのは家族まで合せたら数十万を数えるのですから、こちらの方だつて組合員数としては決して劣りません。また困つておる程度においても……。そこで、アメリカの貿易も、まぐろもだめになりそうだし、可燃性繊維で、頼りにしていた絹もだめになりそうだ。残るものは陶器だけではございませんか。日本の山の土がドル、ポンドにかわるのですよ。しかもそれがあなたの側に属することだからこそ、みんなが一生懸命言うのであつて、何もあなた個人をいじめようと思つてやつていやしない。だからあなたが中小企業庁の長官にでもなつたら厄逃れになるでしよう。決してあなた個人を憎んで言うわけじやない。だからあなたが産金業者の代弁者になつてここで言われると同じくらいに、今度は産金業者に対して陶器業者の代弁者になつてやられるよう心を入れかえてみたらどうですか、一ぺんでいいですから……。ぜひひとつ輸出振興の立場に立つて、金液についても、一方だけが喜んで、一方だけが泣きの涙で踏んだりけつたりされておつてはかわいそうですから、何とか双方が円満に行くような施策を講じてもらいたい。この問題については私はきようはこれでやめますが、今度の通産委員会において、大臣も他の局長もいる前で必ずやりますから、先ほど早稻田先生のおつしやつたように、そのときには加藤もうやつてくれるななんということをおつしやらぬようにひとつお願いいたします。
○加藤(鐐造)委員 せつかく遠方から多数の陶磁器産業の関係の諸君がおいでになりまして参考意見を承ることになりましたので、十分質問いたしまして、この際日本の輸出産業といたしましても重要な地位にあります陶磁器の振興について十分検討いたしたいと考えておつたのでございますが、開会が遅れまして、私質問いたします時間がなくなりました。委員長からも五時半には何とかして終るようにというお話でございますので、できるだけ簡略に質問いたしたいと思います。きようはあたかも通産省当局をつるし上げをする委員会のようになりましたが、これは決して本日のわれわれの目的ではございません。本日は遠方からおいでになりました業者の諸君から十分意見を承つて、その場所に通産省の各担当局長以下係官にお立会いを願つて、今後通産省が総合的な陶磁器輸出対策を立てていただきたいというのがわれわれの念願でございましたが、本日はどういうわけかほとんど御出席願えません。これは一言にして言えば、通産省が陶磁器というものを軽視されておる結果ではないかと思うのでございます。陶磁器の輸出総額はわずか四千万ドルだ。日本の輸出総額十二億ドルの中の何十分の一じやないか、そんなものに大した力が入るかというような気持が心の底にありはしないかと思うのでございます。しかし今まで述べられたところによつておわかりの通り、陶磁器はほとんど百パーセントの輸出でございます。従つてその原料の大部分を外国から仰ぎますところの綿糸、綿布、羊毛に比較いたしますならば、その四千万ドルの輸出はおそらくそれらの綿糸、綿布、羊毛等の場合に当てはめますならば、何億ドルの輸出になるわけでございます。しかも今日十二億ドルと政府が予定いたしております輸出につきましても、その実現は昭和二十九年度においては不可能な状態になりつつありますときに、私は百パーセント外貨獲得になりますところの陶磁器の輸出振興につきましては、通産省は全力をあげて検討して、そうしてその実現のためにあらゆる努力を払つて行かれるのが至当ではないかと考えるのでございます。私はこの場合他の諸君の驥尾に付してそうしたいや味をさらに言いたくはないけれども、従来の通産省当局は、いわゆるこうした代表的な中小企業でありますところの陶磁器の指導育成には非常に不熱心である。はつきり申しますならば、陶磁器の所管は軽工業局であります。先ほど軽工業局の局長はおられたけれども、倉皇として姿が消えてなくなつてしまつた。私はそれをいろいろな事情があるでございましようから、それだけのことでなじるわけではありませんけれども、この陶磁器の指導育成に当つているところの窯業課というものは一体今日まで何をやつて来たか。軽工業局におる窯業課というものは何をやつて来たか。窯業課というものは単に陶磁器だけを受持つところの課ではございませんけれども、その中の重要な仕事はやはり陶磁器の指導育成にあると思うのでございますが、しばしば聞くところによりますと、窯業課におきましては、陶磁器業者がいろいろな相談に参りましても、相談に乗つて真剣にその指導育成に当るというようなことを避けて、めんどうくさいことを持つて来れば頭からしかりつけて追い返すというような場合がしばしばあつたと聞いておる。これは窯業課長、あなたがおやりになつたとは申しませんけれども、部下がそういうことをやつておる。あなたがほんとうに陶磁器の産業の重要性を認識して、その指導育成に当ろうと思うならば、あなたはその部下の非を改めさせるように十分なる監督をせらるべきであると思うので、あえてこの際私はあなたに対して警告を発しておきたい。私は今申し上げました通り、そういうことをきよう申し上げる目的ではございませんでしたので、きわめてわずかな与えられた時間に二、三の点について業界の方に質問をいたして、今後のわれわれの参考並びに通産省当局の参考にしていただきたいと思うのであります。 まず先ほどお述べになりました中に、陶磁器業界が不当なる競争をしておるために、価格の点においてもだんだんと引下げられつつある。従つて製品は悪くなり、だんだん業界全体が混乱状態に陥りつつあるというお話でございましたが、これを打開する方法は、先ほど山手委員からも中小企業安定法を強化することについてのいろいろな御質問がございました。私は中小企業安定法がだんだんと改善されつつあつて、多少ともこの問題の解決には稗益しつつあるかと思いますが、先ほどお述べになりましたような、ほんとうに陶磁器産業が生きて行くためには、共同販売あるいはまた輸出組合あるいはそれにかわる何らかの機関を設けて共同買取りの方法をとらなければならないのではないかと思いまするが、そういう措置までを講ずるということになりますると、この安定法だけでは十分ではないと考えるのでございます。従つて中小企業協同組合法を根本的に改正して、これを強化して、そういう措置が十分にとり得るようにしなければならないのではないかと考えるのでございまするが、その点について業界の方の御意見を承りたい。そこまで行かなくても、共同販売あるいは共同買取りができるかどうかというようなことについて承りたい。 それからついでに中小企業庁長官に承りたいことは、従来私どもがこの中小企業協同組合法の根本的な改正をしなければ中小企業者は生きて行かれないという主張をいたしまして、それに対して従来各大臣は、それは賛成であるということを述べて来られました。しかしまだこの問題については一歩も解決の道が考えられてもおらないように思うのでございまするが、中小企業庁長官としてはどういうふうに考えられるのか、こういう処置を講じなくても解決の道があると考えられるのか、あるいはそれはしなければならないが、障害があつてできないのか、その点について承りたい。 それから先ほど永井精一郎君から申されました輸出の場合の検査制度の強化というような問題につきましても、今申し上げましたような点について承りたい。
○三井参考人 中小企業の強化は、結局現在の安定法は、非常に独禁法その他の制約を受けまして、組合の活動をやろうと思えば必ずひつかかるというように、強固な法律になつておらない。あらゆる法網が行手にさえぎつております。そういうような状況でございますので、まず陶磁器といたしましては、先ほど伊富さんから言われましたごとく、まず安定法の議員立法によりまして全陶磁器に安定法の網をかけていただく。現在は一部の品種だけ指定されておるわけであります。ですからすぐ漏れて行つてしまうというような現状でございますので、陶磁器を漏れなく入れていただく。それからアウトサイダーの問題は、組合に対して命令ができるような方法をお講じ願いたい、そういう点でございます。
○岡田(秀)政府委員 中小企業等協同組合法の改正問題につきましては、年来研究に研究を重ねて参つておるのでございます。特にこの中小企業安定法と中小企業等協同組合法との関係をどうするかという問題は非常にむずかしい問題であり、根本に触れる問題でありますだけに、われわれといたしましても十分の検討を加えてあるのでございますが、何分中小企業安定法というものが、従来ありました臨時立法を恒久立法として制定されましたのがわずか一年前でございまして、ようやく今マツチ並びにタオルの業界に対しましてアウトサイダー命令を出したという段階でございます。従いましてこれを中小企業等協同組合法に織り込むか織り込まぬかという問題につきましても、なお皆様でせつかく御制定になりましたこの法律がまだ一年しかたたない、十分なる経験も積んでおらぬときにすぐこれをああするこうするという段階ではないのじやないか、もう少し安定法の施行そのものの様子を見たらよろしいじやなかろうか、さしあたりこの中小企業安定法の――今度マツチ並びにタオルに対してアウトサイダー命令を出しました際多少政府が個々の業者に対していろいろの命令を出すというのが、実行上いろいろと困難な点もございますので、二十九条命令の発動の形式についてもう少し組合の自主的なと申しますか、組合の統制というものに重点を置いたような形の命令を出すことができるかどうかということについて、目下議員の方々と御相談をしておるというふうな段階でございます。中小企業等協同組合法の中にこの安定法を織り込んでしまうかどうかという問題につきましては、研究は十分いたしておりますが、今なお結論を得ておらない段階でございます。 陶磁器の関係につきまして、総合対策要綱を拝見いたしますと、生産の調整その他中小企業安定法に基く措置をするようにということが一つの大きな問題として掲げられておるのでございます。業種の指定問題につきましてはとくと研究をいたすといたしましても、先ほど山手委員からお話のありましたような点、つまり陶磁器の種類が非常に多い、また産地によつて種類がそれぞれ違うという点が安定法を動かして行く上にどういう関係を持つて来るかというふうな問題、また現に調整組合として設立されておりますものは岐阜県の陶磁器調整組合と中部電磁器調整組合の二組合にすぎないのであります。この状態においてアウトサイダーというような問題を取上げることが全国的に可能であるかどうかというふうないろいろな問題があろうかと思うのであります。これらの点につきましては、今後十分御相談もいたしたいし、われわれとしても検討を加えたいと思いますが、先ほど参考人の御答弁を拝聴いたしておりますと、業界においても必ずしもまだ意見の一致を見ておられないような印象を私ども受けたのでございます。さような点につきましても、今後ともわれわれといたしましても相談相手とさしていただきまして、十分の検討を加えて参りたいと思います。
○加藤(鐐造)委員 検査機構の問題については……。
○岡田(秀)政府委員 検査機構の問題につきましては、通商局なり軽工業局の問題であろうと思いますので、それらの点につきましては、それぞれ所管のところからお答えいたしたいと存じます。
○宮川説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。大体現行法において業界の今席の要望にこたえられるかどうかということでございますが、それにつきましては、現行法でおおむね達成できるのじやないかと思います。確定的に申し上げられない点は一点だけあるのでございますが、それは検査の手数料のきめ方、これが今問題になつて検討を進めておるのであります。と申しますのは、輸出品取締法におきまして検査の手数料が強制検査になりますと、政令できめなければいかぬことになつております。その中で輸出価格の百分の一を越えるようなきめ方はいかぬ、しかもおのおのについての金額で何円何銭というようなきめ方でなければいかぬということになつております。そうして片一方の陶磁器の関係を見ますと、非常に種類が多く、かつ値の開きが多い、これをどう捕捉して行くかという点で、検討が進められておるので、その他につきましては、検査員の数その他検査設備、これは登録基準として告示され、それに基いてその条件を具備したものが登録機関となることになつておりますので、その点は大体業界との話合いもすべてけつこう行けると思います。ただ検査手数料の問題だけでございます。これも現在いろいろな資料によりまして検討中でございますが、おおむね確信の持てるように私は考えております。作業の予定としまして、今月一ぱいで大体の原案をつくるべく努力しております。
○加藤(鐐造)委員 質問が簡単でありますので、答弁も質問の趣旨に沿わない点もありますが、繰返して質問しておりますと時間がかかりますから、次に進みます。簡単に質問をいたします。現在国際市場におきましても、陶磁器はだんだん市場を失う傾向にあるということは先ほど永井理事長から申されましたが、その原因の一つにコスト高ということがあるかどうか。他の競争国と比較してコストが高いかどうか。また品質の競争においてどういうことになつておりますか、その点について永井さんから伺つてみたいと思います。
○永井参考人 ただいまの御質問でありますが、先ほど山手委員からお話がありましたときに総体的にコスト高ということが輸出をはばんでいないということを申したのでありますが、金液というものをたくさん使つた高級品といいますか、中級以上のものになりますと、やはり関係があるのでありますが、総体的に申しましてコストが高いから輸出ができない。海外市場において競争ができないとは申されませんので、むしろ私は一般的に見まして安いことが価格の不安定を来しておつて、それでかえつて売れないというように考えております。 それから品質の問題でありますが、品質の問題につきましては、日本の陶磁器というものは、世界の民度と申しますか、これから考えまして、たとえばアメリカなどにおきましては日本の陶磁器商品の品質というものは、ちようど上級品と下級品の間といつたようなものをねらいまして、現在におきましてもそれで輸出を進め得る段階にあるわけでございます。他の国におきましてはたとえば東南洋市場などにおきましては、非常にいい品物を持つて行きましても向うでは需要がない。いわゆる民度に適したものを持つて行くというような、計画的ではありませんが、そういうことになつておりまして、品質についてはあまり競争はない。独自の見通しから、そういつた日本の陶磁器の需要先は大体きまつておりまして、それに対して外国からの製品との競争はまずまず――これは絶対的ではありませんが、大体においてこの点においても心配がないと思つております。
○加藤(鐐造)委員 そうしますと、結局それぞれの国において国内産業の保護政策という立場から日本品を買わないということが大きな原因になると思いますが、それを打開する方法があるとお考えになりますか。たとえば最近の一つの例といたしますと、日英支払協定が先般成立いたしまして、英本国に五万ポンド入れることがこの協定の中に入つているように聞いております。しかし英本国におきましては、綿糸布業者が日本の綿糸布を入れることに非常に――これは主として植民地でしようが、反対している。と同時に陶磁器業者もいろいろ反対をしていると思います。先般日英会談が陶磁器について行われましたが、その際やはりこの問題に関係して英本国が買うというような話になつているかどうか。この問題等について具体的に承りたいと思います。
○水野(智)参考人 ただいまの御質問と、前に加藤清二先生から御質問がありました関税問題についてお答えいたしたいと思います。 まず第一はアメリカの関税問題でございますが、アメリカの業者はだんだん戦争中に製造力を増加して参りましたので、日本の輸出量が必ずしも戦前の量に達しなくとも、自分の方だけで大体まかない得るような状態になつておりますので、日本から入ることはお断りというのがアメリカの業者の声なのでございます。このことは選挙には必ず引き出されて来る向うの議員の一つの政策になつているのでございまして、最近におきましては、一昨年その声が非常に高かつたのでございます。それでこのときにアメリカの業者が出しました提案が二つあるのでございます。一つはガツトの通商協定によつて安くしているもの、現在は陶磁器は七割従価税と、十セント、ワン・ダズンの従量税を課せられているのでありますが、ガツトの協定で、高いものは三割五分に下げられているのであります。ところが三割五分に下げられているのがアメリカの高級品のじやまをするから、それを七割にもどせというのが一つの声でございまして、このために一昨年問題がいろいろやかましくなりまして、公聴会を開きました結果、昨年判決が下りまして、業界を妨げておらぬから現在の三割五分すえ置きでよろしいという結論が出たのでございます。それで一応その問題は解決いたしました。 もう一つの問題は、これは特に日本を目ざしているのでございますが、安い陶磁器がアメリカにたくさん入つて来るために自分の方の生産が妨害されるからというので、日本の生産原価を調査して、もし日本の生産原価がアメリカの生産原価と比較して非常に安い場合にはこれを阻止せよという法律に基きまして、向うでそういう運動をしたのでございます。これにつきましては、昨年の十二月に公聴会がございまして、われわれもこれについて必死に闘つたのでございますが、その結論はまだ出ておりません。三月末までにはわれわれの言いたいことは全部言えという向うの指令でございましたので、三月までに全部のデータが出ておりまして、その結論は多分今年の五月あるいは六月に下ると思つておりまして、これはまだ懸案中でございます。頭の問題では私どもはできるだけの闘いをいたしまして――これは何も私どもだけではなく、外務省も通産省も非常に骨を折つてくださいまして、頭の問題では遺憾なく闘つているのでございます。ただ一番困りますことは資金の問題で、今日これを公聴会などで争いますには、どうしても弁護士に高い金をかけて雇わなくては十分なる発言ができない。それからまた戦前は日本の業者が大勢アメリカに自分の店を持つておりましたから、自分たちでもそういうところに出て発言することが自由でありましたけれども、最近はそういうものが非常に少くなつておりますために、どうしてもアメリカ人の協力を得なければこの問題について勝利が望めないということのために、非常に多額の費用がかかるのでございます。それで初めの公聴会のときも弁護士の費用だけでも三千六百ドルばかりかかりました。これは主としてイギリス、フランス、ドイツなどが対象でありましたから、日本はそれくらいなことで済みましたが、ニューヨークにおりますいろいろな業者が使いました費用は、それの何十倍かかつていると思うのです。それから今度の公聴会は日本が問題でございましたから、向うでも二万ドルの金を使いました。二万ドルというと七百二十万円でございますが、その金を全部こちらからまかなうことができませんので、半分だけこつちでまかなうことになりましたが、その半分も出せなくて、その約半分の五千ドルだけをまかないました。それも金が集まりませんので、銀行から借りてだんだんに今返しつつあるような現状でございます。そのときも痛切に感じましたが、そのときは日本陶器の役員でこのことについて詳しい者がアメリカに行つておりましたので、非常に助かりました。もしこちらからそういうときに人を派遣しなければならないと、どうしても百万円、二百万円の金がかかるのでございます。それでこの問題は毎年繰返して来る年中行事のようなものでございますから、私どもはこれに対してよほどの資金をもつて常時対抗しておりませんといけないのでございます。アメリカの業者はきわめて一方的に自分の方だけを主張するのでございまして、私どもとしてはアメリカの大衆に呼びかけ、またアメリカの政府に呼びかけまして、なるべく公平な判断をしてもらえるように手を打つております。そのために民間外交のようなものがどうしても必要なのでございます。そのために費用もまたいただきたいと考えているのでございます。 それからもう一つの英国の問題でございます。御承知のように戦後日本が英国の貿易に対して非常な競争国であるために、英国はあらゆる手段をもつて日本を締め出そうと心得ているのでございます。それで英国の製造業者が、日本の品物は安くていかぬ、あるいはイギリスのデザインを模倣していかぬということのために、非常に騒ぎまして、議会等でもたびたび演説をいたしますから、そういうことを押えなければ、日英の通商関係がうまく行かないというので、政府当局も非常に心配をせられまして、向うの業者を呼んで参りました。そうして昨年いろいろ交渉をいたしました結果、今一応その感情が非常によくなつているのでございます。それで今年の一月の支払協定のときには、確かにそういうことも効果を現わしていると思うのでございますが、今お話がありましたように、幸いにして五万ポンドのクオーターが許されました。五万ポンドということは五千万円くらいのものでございますから、金額としては非常に小さいのでございますが、英本国に入るということは、植民地もしくはその他の英国と特別に関係を持つておりますカナダとかニュージーランド、濠州、南アフリカ、そういうところに対する影響が非常に大きい。英本国が日本に対して反対をすれば、そういうところは必ず遠慮して、非常にライセンスでもちびるのでございます。しかし英本国がこれを承認したということになると、日本の立場は非常に有利なのでございます。でありますから、今度も五万ポンドであるけれども、その五万ポンドに対しては、決して非難されないようなものを出そう、値段においても、またデザインにおいても、非常に自粛していいものを出そうというので、業者は今考えを固めているのでございます。ただ心配しておりますのは、先ほどからお話がありましたようなアウトサイダーがもしこれを破るということがありますると非常に心配だ、それだけを今心配しておるのでありまして、業者は一致してこの五万ポンドを有効に使つて、その結果濠州あるいはニュージーランドあるいは南アフリカあるいはカナダ等スターリング・ブロツクに対する一般の空気をよくしようと思つて非常に骨を折つておるのであります。これにもずいぶんの金がだんだんにいるわけでありまして、この前ウエントウオース・シールスという向うの代表者が来ましたときには、たつた一人でございましたけれども、政府がこれにお使いになつた金は百六十万円くらいと伺つておりますが、そのほかに業界からも五十万円くらいの白腹は切つておるのであります。それでこの前の英国の空気が非常に悪くなりましたときに、向うでは日本の業者にバンクーバーまで出て来いと言つて来たのでありますが、業者にはバンクーバーまで行く金がなかつたために、これは断りました。そのために非常に空気が悪くなりまして、今度のことが起つたのでございますが、幸いにして昨年来てくれた代表がよく日本の事情を了解してくれましたために、少くとも今度の通商協定に対しては直接妨害はされなかつたのでございます。ただ向うではどういう者が来るかということを非常に目を大きくして見ておるのでございます。それで今度の支払い協定に向うの業者の意見を徴しなかつたということについて、向うの業者が非常に不平なんでございます。しかし業者の意見を徴すれば必ず反対をするにきまつておるのでありますから、向うの政府もまた日本の代表も業者に尋ねるということはしなかつたのだろうと思いますが、そういうようなわけで、お互いによく相手力の事情を考えて、それで敵対行為にならぬように慎むということは、貿易の振興上非常に大事なことと思うのでございます。それで相手に類似の産業がないところは、たとえば南洋であるとか、南アフリカの一部であるというようなところは、こちらだけの一方的の政策でよいのでありますけれども、向うに産業の同種類のものがあるところに対しては、やはり向うの生産原価あるいは市場の状況などをいろいろ考えまして、正面衝突をしないように両方が協力して行けるようにくふうをすることが必要だろうと思うのでありまして、輸出組合はそういう面に対しては非常に骨を折つておるのでございます。以上でございます。
○加藤(鐐造)委員 輸出を促進するためにはいろいろな費用がかかるけれども、それがないというお話でありまするが、この点についてはいろいろ方法があろうと思います。たとえば報償輸入制度というものが今日綿糸布に設けられております。こういうことについては通商局長がおいでにならなければ聞いてもしかたがないのでありますが、そこでもう一つの問題は、現在陶磁器が相当輸出ができるはずであるのにできないという地方は、特に東南アジアだと思います。現在インドネシアが唯一の残されたる陶磁器の輸出国であるにもかかわらず、輸出ができないということは、相手にドルがないというような事情があるようでございますが、この点についてリンク制あるいはバーター取引等について、輸出業者としてはどういうような方法があるとお考えになりますか。
○永井参考人 今の御質問にお答えしますが、特にインドネシアというお話がありましたが、インドネシアは御承知のように向うに金もない、しかもこつちから出しますものが掛けになつておりまして、うつかりするととられてしまうということらしいのでありますが、往々にしてバーターというものをやられますので、一つの輸出推進策ではあると思いますが、どこの市場でもバーターをやられますと陶磁器を見返りに出すということを忘れられるのです。これはわれわれ強く御当局に要望しておるのであります。ぜひひとつそういうバーターのときには陶磁器のごとき国産品を乗つけてくれということを再三頼んでおりますが、うつかりすると陶磁器は乗つからないという情勢にございますので、不断にそういう声をあげておるのでございます。これなども皆様方の御理解でもつて実現するようにいたしたいと思うのでありますが、特にこの際お願いしたいと思うことは、インドネシアは今言うような趣旨の関係になつておりまして、最近はこれに対しまして輸入したものに輸出権を与えるといつたような考え方が昨年出たのでありますが、そういう考え方がまた再びいろいろ考究されておるように思うのでありますが、この輸入権というものはもし実現いたしますと、これは陶磁器を扱つておりますものは先ほど申し上げましたような専門業者が多いのであります。輸入をするものは総合的な代表者なんです。そうすると専門業者の陶磁器業者はとても輸入なんかできません。輸入のできるものはそういう大きな商社でありますが、それが輸入しないと輸出ができぬとなりますと、陶磁器の専門業者というものは死滅するよりほかないということに相なります。そこでこれはひとつそういうような技術的なことをしてインドネシア等に輸出のバランスをとるというようなことになりましても、陶磁器だけは輸入権に限らずやつていただくようにいたしたいと思つておるのであります。これは常々私どもは政府に要望しております。 それからもう一つは何か方法はないかとおつしやいますが、これも昨年から声を大にいたしまして実は御当局にお願いしておることは、フイリピンにいたしましても、ビルマにいたしましても、インドネシアにいたしましても、まだ賠償問題が片づいておりません。これらの市場はいずれもあまり戦前のごとく活発に陶磁器を輸入しておりません。最近もし賠償問題が解決するというようなことになりますれば、ぜひともこの陶磁器というものを賠償指定物資とでもいいますか、そういつたことにひとつ乗つけていただいて、ぜひ輸出を推進したいと思つております。これは昨年でありましたか、あちらの方へお出向きになりました早稻田先生にもよくお願いをしたわけであります。どうぞインドネシアの市場につきましては、非常に複雑な関係にあるのでありますが、こういつたようなことをいろいろ考えてやつて行けばどうにか行けるのではないかと思つております。
○加藤(鐐造)委員 はなはだ申訳ありませんが、重要な問題をもう一点だけ特に生産者の方にお伺いしたいが、きようは生産者の方から資金の問題についてあまりお話がございませんでした。時間の関係があつたと思いますが、しかし私どもがよく業者の方に直接お目にかかりますと、金詰まりからどうしても資金がいるが、なかなか中小企業金融公庫も貸してくれないし、その他のいろいろな、政府が特殊な金融機関を、あるいは制度を設けてくれるが、なかなか利用はできないというふうな意見を伺います。そこで由来生産者としてどういう資金がいるか、あるいはまた最近設けられた中小企業金融公庫というものはどういう程度に利用されておるか、この点簡単に承りたいと思います。
○伊藤参考人 今加藤先生からのお話でございますが、大体中小業者の、われわれいわゆるかま焼きと称する、まつたくの零細企業の者が事実金に詰まつておることは同様でございます。しかしながら現在職工さんにひとしいような状況の中小業者が、まつたく瀬戸でも美濃地方でもほとんど三分の二以上あるのでございます。要するに十人か、せいぜい五人の職工を使いまして、それに家内従業員がまじつて全部で十二、三人というのが通例で、とにかくこれが現在のかま焼き工場のうちの三分の二くらいあるのじやないかというふうに私たちは考えております。従いましてそういうものどもの構成による協同組合をつくつておりましても、個々の自分たちの生産資金としては、いずれもほしいには違いないのですけれども、これを組合という一つの団体が実際の責任を持つて融資をするというようなことになりますと、現在の段階では、それは役員に対して負担が加重されるだけのものであつて、今のところではわずかな金くらいではとうてい救い得られないのです。それですからこの問題は、一、二年前から金詰まりで、中小零細業者が何とか組合金融でもやらなければいかぬということを各地で痛切に叫ばれたのですけれども、結果から行きまして、これは役員が苦労するだけだということで、非常に消極的な考えになつてしまつて、今のところではそれが実際的に行かぬ。ところが半面、地方の信用金庫だとか地方の銀行等が割合によく業界の実情等も理解してくれまして、十分ではございませんが、ある程度は今まではそういつたものの援助によつて一応来たわけであります。最近は中小企業金融公庫等も、わくがふえたとかで内容のいいものに対してちよいちよいある程度金が出るようです。しかしながらこれは数千万円というような金は出ません。せいぜい四、五百万円出ればいいところであります。しかし四、五百万円くらいの金を持つて来て――たとい小さな組合であろうとも、組合員が百名ないしは二百名あるような組合になりますと、これは事実問題としてちよつと手がつけられない。ですからだんだん見送りになつてしまう。まことに消極的なことでありまして、具体的にどういう金がほしいのかとおつしやれば、だれもほしいのですけれども、さてそれをどういう形で使うかということに対して、どうも当を得た御答弁ができぬので遺憾だと思いますが、そういうわけであります。 それで昨年急にインドネシア方面の輸出がとまりまして、スープざらの滞貨が相当量できた。これはその当時の計算で参りまして二億五千万円ほどの滞貨が出たわけでありますが、これは美濃地区も愛知県地区もそれぞれ地方銀行なり金融公庫の援助を得まして、当時の約一億円の金を得てそれで一応急場をしのいだわけであります。いまだにそのしりが片づかなくて相当困つておるのが現状でございます。その後ほとんど売れておりませんけれども、長い間かかりまして滞貨品の約半分ほどは消化をしたような現状であるということをわれわれ耳にしておるわけでございます。 それからこれは、今の加藤先生からの御質問のことでございませんが、一つだけ私たちのことをお聞きとり願いたいと思います。先ほど岡田中小企業庁長官から、この組合法の改正について非常に御懇篤な思いやりのあるお言葉をいただいたわけでありますが、何を申しましても現在の調整組合がうまく運行できぬということも、業者の反省が足らぬということは事実でございます。それから調整組合でなくても、現在の中小企業等協同組合法によつて、業者の自覚があればこれは完全に行けると思うのです。ある程度業者の自覚によつて――これは団体協約というものによつてはつきりと出されておるのですから、それを法的に裁判所の登録を得まして、それを業者の理解のもとにほんとうにあの法律が示す精神通りに行けばいいわけなのです。しかしそんなことはぬかにくぎです。それは中小業者のみにそんな法律を守れと言つて期待せられる方が私は無理だと思うのです。今中小業者は職工よりも、働く人よりも、哀れです。なぜかというと、最近においては健康保険も入れるようになりましたし、年金も認めていただくことになつたわけですが、またもう一つ災害保険等も最近はようやく法律のわくを広げていただきまして、五人、五人の会社の社長にしても、その工場主でも、そういう三大法律の恩恵を受けられることになつたわけでありますけれども、つい最近まではその恩恵すらもなかつたわけです。それに税金攻勢と、下からは一つの組織を持つた労働者にまつたく押えられて、サンドウイツチのような形で、波の間に間にというような状態です。特に陶磁器などの零細業者はそういうことになつておるわけです。この実態はおそらく調べていただけばすぐわかる事実であります。私たちのほんとうにお願いしたいことは――法律だけにもたれようとは思いませんけれども、ほんとうに組織も何も持たない業者が、もう少し何とかとつつきいい形のことにしていただかなければ、国会で各先生方がいかにりつぱな法律をおつくりくだすつても、中小業者の持つておる宿命的な、お山の大将のような、金のあるときには一城の主のような感情でおるときには、困難ではないかと思います。それゆえに今まで中小業者に対するいろいろな施策が叫ばれておつても、これが一つも実現できぬというのは、そこらに原因があるのではないかと私ども考えておるわけです。たいへんかつてなことを申し上げましたが、ひとつわれわれ業界、特に陶磁器はひどいのですから、格別の御尽力をいただきたいと思います。
○早稻田柳右エ門君 参考人の方に一、二点お伺いいたしたいと思います。今資金の問題が出ましたが、最近政府は金融引締めをやつており、この及ぼす影響は各業界に相当大きな波紋を投げておるのでございますが、陶磁器業界に及ぼしておる影響はどうであるか、これは輸出面と製造面と両方にわけてお答えをいただきたい。 それからもう一つは、どなたかのお言葉にもありましたが、不当競争その他で非常にお困りである。それには計画性のある方途を講じなければならぬというお言葉がありましたが、昔の重箱のすみをつつつくような統制はもちろん望んでおられないと思います。しかし輸出振興のためには、また生産振興のためには、若干の統制の必要があるとお考えですか。それともそういう必要はないか、この点をお答えいただきたい。
○伊藤参考人 早稲田先生のお話の、最近の金融引締めについて中小製造業者はどうかということでございますが、これはまだ最近の新しい問題でありまして、特に陶磁器の製造業者というものは、特定の大きな工場以外には、小さなものは金融等は自主的に講会などをつくつて、今二万五千円の講会を各地でつくつておりますが、そういうものも一つの大きな担保力を持つて、地方の信用金庫や銀行から借りておるわけです。わくがまことに小さい関係上、今われわれが聞き知るところでは、大きな影響はございませんが、われわれ製造業者の中で三、四十人くらい使つておつて、銀行のわくと称する四、五百万円くらいのわくを持つておいでになる業者は、すでに現実に三割方制限を加えるという銀行からの通知があつたとかいつて非常にこぼしておられることは事実でございます。 それからもう一つの統制の問題でございますが、われわれ過去の統制はなやかな時代に、その波に乗つておつた関係もございまして、その夢をすぐ呼び起す関係もあり、悪いところは忘れていいところを覚えておる関係上、そういうことは慎んでおりたいと思うわけですが、現在の産業のあり方によくマツチした一つの計画生産というものが――統制というような言葉でなくして、もう少し感じのいい言葉で実行できるようにお願いしたいと思うわけです。
○永井参考人 輸出金融についてお答えいたします。輸出産業でもつて優先するということを政府の方針として御発表になつておりますが、ところが実際問題として、たとえばわれわれの窓口銀行へ行きますと、貸出しのわくというものが一つになつておりまして、内需の金融を引締めますと、そのしわ寄せといいますか影響が、いわゆる輸出の貿手金融の方に及んで来るのです。そういう量がだんだんと今明らかになつて、信用状が来ても、その信用状をもつて金が借りられないという事態がぼつぼつ起きております。これはいずれ改善をしていただくと思いますが、これは速急にしていただかないと、みすみす出るものがでない、こういう状態なのでございます。 それから輸出面の統制でありますが、現在の陶磁器業界を救つて行くには、生産、輸出ともに統制が絶対に必要だというように考えております。
○水野(保)参考人 まことに時間をとりまして相済みません。金に対する不合理という点について、くどいようでございますが、もう一度御認識を願いたいと思います。産金業者は自己の犠牲で陶磁器業界を救つておるというふうに思つておられます。しかし金液の輸入についてはあくまで反対しておられます。反面陶磁器業界は輸入すれば安い金が手に入るにかかわらず、輸入が許していただけませんので、高い金を使つておる。従つて陶磁器業者は産金業者を救つておる、かように考えておるのであります。陶磁器に使います金は年間六百キロでございます。この六百キロの分の輸入を許していただくことができましたならば、この六百キロの金が安く手に入りますので、これによつて三倍ないし四倍の余分の外貨をもらつて来ることが必ずできるものと私は確信を持つておるのでございます。以上のような矛盾がありますので、この点をよく御認識くださいまして、金液輸入を許していただくよう要望いたしたいのであります。
○永井委員長 参考人各位には長時間にわたりまして御出席をくだされ、種々御意見を承りまして、また陶磁器輸出振興総合対策要綱などを御陳述いただきましてありがとうございました。これらの問題はいずれ本委員会に取上げまして、十分に審議を進めて参りたいと存じます。 本日はこの程度で散会いたします。 午後六時十四分散会