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19回国会衆議院1954/04/07

通商産業委員会中小企業に関する小委員会 第5号

発言数
41
登壇者
7
会派数
2
開催日
1954/04/07

会議録

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 これより会議を開きます。  本日は中小企業金融に関する問題について、御多忙中を御出席くださいました参考人の方々より御意見を聴取いたしたいと存じます。  まず全国銀行協会連合会の上原聡君から御意見を伺つて参ります。上原聡君。

上原聡全国銀行協会連合会調査部長

○上原参考人 上原でございます。本日は全国銀行協会連合会の会長か副会長に出席するようにということでございましたが、会長は病気で静養中であり、副会長は差繰りできない用事で出席できませんので、私がかわつて参りました点をお許しを願いたいと思います。  御案内を受けましたときに、金融引締めの中小企業に及ぼす影響並びにその対策について何か話をしろということでございますが、中小企業の問題につきましては、全国銀行協会連合会としては中小企業金融対策委員会というのを設けまして、随時検討をしておるのでありますが、最近は金融引締め政策並びに貯蓄の不振等によりまして、中小企業の金融難が漸次深刻になつているのであります。従つてまず金融引締めに対する全国銀行協会連合会の全般的な考え方を簡単に述べさせていただき、その次に金融引締めが中小企業に対してどういう影響を与えているか、及びその対策というようなことに言及させていただきたいと思います。  金融引締め政策につきましては、全銀協としても政府のいわゆる一兆円予算の編成と、それから金融引締めによる物価の国際的の割高の是正、あるいは収支の均衡をはかるという方針につきましては、全面的に賛意を表しまして、政府の施策に協力するとともに、産業界に対しましても金融引締めに協力方を要望している次第であります。しかしデフレーシヨン政策を金融引締めだけで実施しようとしても、企業の資金需要自体が減るような他の諸施策が伴わない場合には、経済活動だけは依然旺盛であつて資金の方は不足しておるという状態になりまして、必要な企業までも倒産したりあるいは在庫品の投売りをするような点が考えられまして、好ましくない結果も出る懸念があるのであります。特に中小企業につきましては、資金難からいわゆるやみ金融へ依存する場合も多くなるような点も予想されますので、全銀協といたしましては、総合対策として財政規模の圧縮とか、外貨予算の緊縮とか、消費の抑制、資本蓄積の優遇、そういうようなものにつきまして要望すると同時に、金融引締めの速度についても十分勘案して慎重にやつていただきたい、そういう旨の要望書を政府に対しても提出した次第であります。詳細はお手元に印刷物としてお配りしておりますが、こういうような配慮のもとに金融引締めが計画的に行われれば、比較的摩擦も少くて済むのではないか、こういうように考えている次第であります。  では今までのところ、金融引締めが中小企業に対してどういう影響を及ぼしているかという点について考えますと、戦前におきましては問屋とか親企業というものが、資金的にも技術的にも非常に大きな力を持つておりまして、下請企業のめんどうを見て来たのでありますが、戦後は一般に自己資本の不足から、親企業自体が非常に資金難に苦しんでおる状態で、中小下請企業のめんどうは見られなくなつておるのが実情ではないかと思います。その上親企業を初め一般に現金払いが非常に減りまして、手形払いがふえる傾向にあり、しかもその手形の期限が非常に長期化しているという傾向にあります。現金払いにかわりまして手形払いがふえるということは、その資金化のために従来以上に銀行の融資を求める額もふえて来るわけであります。また手形が長期化して来ますと割引の期間が長くなつて、従来の銀行の貸出しのわく以上に資金需要がふえるということになりまして、それだけ資金難もはげしくなることは当然予想されるところであります。そこで銀行としましては、従来の取引先につきましては、できるだけめんどうを見る方針をとつておるわけでありますが、最近のように財政による民間資金の引揚げがはげしくなつて参りますと、一般に預金の伸びも非常に悪くなつて参ります。最近の状態を見ますと、定期預金を除いた一般の預金が減少しまして、銀行全体としては一月だけで六百六十一億円の預金の減少になつております。二月には四十八億円の減少であります。従つて当面の資金難を緩和する方法といたしましては、日本銀行の貸出しに負う以外にはないのでありますが、金融引締め政策のもとでは、日銀の貸出しを引揚げました財政資金の額だけ求めることは困難でありまして、現在の状態では引揚げた資金の半分だけが貸出しとして増加している状態であります。大体財政資金の引揚げと日本銀行の貸出しの差額が日銀券の減少となつておる状態でありまして、それだけ民間の資金も苦しくなつておる点が予想されるわけであります。従つて今後の中小企業の資金対策といたしましては、手形の長期化をなるべく短期にして行く。そして昔の問屋あるいは親企業にかわるものとして、金融機関による外部資金の供給を促進して行く。それ以外に最良の道はないのではないかというふうに考えるのでございます。それには預貯金の優遇策を徹底して、金融機関の資金源を増加するような方法を講じていただくことが重要なことではないかと思つております。今中小企業庁の調査によりますところの中小企業資金の借入れ状況を見ますと、その九割までが金融機関から借り入れておる状態であつて、他の一割が親企業とか親戚、知人とかいうような統計があると思います。この九割についてみますと、大体普通銀行が六割、相互銀行が二割、信用金庫が一割となつております。このことからも容易に理解されますように、中小企業の資金難を緩和する道は、金融機関の中小企業融資を積極化して行く。そのための資金源を貯蓄増強によつて確保して行くというのが一番よい道ではないかというふうに考えておるわけであります。このほか中小企業に対する直後の資金源充実の施策といたしましては、政府よりの中小企業への投資、中小企業に対する公庫の資金の増額あるいは指定預金を増額するような措置が望ましいわけでありますが、財政資金にも限りがありますので、本筋といたしましては、市中金融機関の中小企業融資を活発にするような方策をとり、これが軌道に乗れば最もよいことだというふうに考えておる次第であります。中小企業の信用力を強化する方法といたしまして、信用保証協会制度あるいは中小企業保険制度を拡充していただくような方法が考えられます。このほかに全銀協といたしましては、中小企業対策として昨年末も要望いたしましたが、特に中小企業保険の融資保険につきましての保証率が、末回収金の七五%から八〇%に引上げられましたが、これもできれば全般的に九〇%くらいに引上げていただければと思つておる次第であります。同時に短期の貸出しについても保険ができるようにしていただくとか、あるいは保険料の率も引下げるというような点を御考慮願えれば非常にけつこうではないかと考えておる次第であります。  大体以上きわめて抽象的ではありますが、金融引締めの影響及びその対策につきまして簡単にお話申し上げたわけでありますが、なお御理解願えない点がございましたならば、御質問によつて補足して行きたいと思つております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 次は全国地方銀行協会常務理事吉橋鐸美君にお願いいたします。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 地方銀行協会常務理事の吉橋でございます。本日は亀山さんが事故のため出席ができませんので、私かわりまして御説明申し上げたいと思います。  金融引締めの影響なりまた対策なりにつきましては、ただいま全国銀行協会連合会の上原部長からの説明で大体昼きておるのではないかと存じます。上原部長から、地方銀行も含めての普通銀行全体の立場からの御説明がございましたが、私は、その普通銀行の中の地方銀行についての特殊な点について一、二御説明を申し上げてみたいと思います。御承知のように金融引締めの点につきましては、具体的には昨年の十月から一つは高率適用の強化という形で出て参つたのであります。これはある一定の算定方式によつて日本銀行から貸し出すわくというものが出て来るわけであります。その出て来たわくの四〇%に締めるのだというのがスタートでございます。その四〇%に締めるのが本年の一月に入りましてさらに三〇%に下げられました。さらに三月に入つてこれが計算の方式が全然かわつて、さらにわくが小さくなつたわけでございます。もう一つの方法としては、御承知のようにこれも昨年の十月から輸入金融について引締めの手が次々と打たれて来たわけでございます。地方銀行といたしましては、この高率適用の制度がかわり、わくが小さくなつて行く、この点はただちに地方銀行の資金繰りに影響を与えるわけでございます。輸入金融の引締めの方は、もちろん部分的には直接影響も受けますけれども、大部分としましては、大銀行を通じて間接的な影響を受ける場合が多いのでございます。そういつた引締めの影響、もう一つは金融だけではなしに、財政面の点ももちろん銀行の金繰りに影響を及ぼしておるわけでございます。そういつた金融なり、財政の引締めの結果が預金なり貸出しの面に現われて参ります。一例をとりまして、昨年の十月から本年の二月までの五箇月間の預金の増加額を調べてみますと、地方銀行六十六行について四百四十二億増加をいたしておるわけであります。これを一昨年の同じ時期、一昨年の十月から昨年の二月までの五箇月間を調べてみますと、このときには、八百十四億増加しております。そういたしますと、昨年の金融の引締めなりあるいは財政の緊縮なりのブレーキがかかつて参りました結果、同じ時期と比較してみますと、預金において五四%の増加率しかなかつた、ふえ方が半分ちよつとになつた、こういうことになるわけであります。また貸出しの面について同じように見てみますと、昨年の十月から本年二月までに貸出しのふえましたのが四百一億でございます。一昨年の十月から昨年の二月までは七百三十四億である。そういたしますと、一昨年に比べて本年二月までの関係は五四・六%、こういうことになります。従いまして預金においては五四・三%、貸出しにおいては五四・六%、大体預金も貸出しも半分ちよつとの増加率にとどまる、こういう結果になつておるわけであります。  なお影響といたしましては、地方銀行は御承知のようにそれぞれ地方に本店を持つており、また営業の基盤を地方に置いております関係上、地方公共団体の、地方財政のしりをどうしてもある程度見て行かなくてはならぬ関係にございます。これが特に最近のように地方財政の赤字がだんだん累積して参りますと、これが地方銀行を通じ、ひいては地方産業の資金を圧迫することにもなるわけでございますので、その状況をちよつと調べてみますと、地方銀行といたしまして昭和二十六年の十二月末には長期債を持ち、また短期の貸出しを含めて六十三億でございます。それが二十七年の暮れには百十一億にふえ、さらに昨年の十二月には二十七年の倍、二百三十四億、こういうように増加をいたして参つております。特に本年などは資金運用部から自治体が借りて参りました短期資金がございます。これが三月三十一日までにどうしても耳をそろえて資金運用部の方に返さなくてはならないというので、その返す資金を地方銀行なりあるいは都市銀行の支店なりに申し込む。相当のまとまつた金がそういう方に使われておるわけであります。年度がかわつて四月に入つて早々、交付金なりあるいは資金運用部から短期資金が出るのを待つておるわけでありますが、平衡交付金が交付金にかわつて、それが立法上の手続でまだ目途がついていないのであります。これも早く目途がついて交付金が出ないと、やはり地方産業資金の圧迫になるのではないかと思います。  それから手形期間がだんだん長期化して来る、こういう点につきましては、ただいま上原氏からお話の通りでございます。特に下請企業を取引の対象にいたしております地方銀行といたしましては、親企業から受ける手形の期間が、受けるまでに相当置かれて、そして受けてからまた九十日あるいは百二十日、もつと長いような手形が出る。そういう傾向がだんだん強くなつておる。これは資金の回転率を阻害することになり、効率を害することにもなります。これは金融の逼迫を強めることになると思います。  なおお手元に最近の地方銀行その他中小企業金融の状況をまとめてみたものを差上げてございますので、ちよつとごらん願いたいと思います。一番最初の表は、これはそれぞれの銀行が貸出しをいたしております。総貸出金のうち、中小企業向けにどの程度の割合で貸出しをいたしておるかという点を見たわけでございます。昨年の十二月現在といたしまして、地方銀行は七千三百十九億の総貸出しに対しまして、中小企業向けに四千五百二十七億も貸出しをいたしております。比率は六二%ということになり、その他の金融機関を見て参りますと、一応比率といたしまして一番高い数字を示しております。  それからその次の表は、やはり昨年の暮れで各金融機関が、中小企業向けに貸出しをいたしております総貸出額が、一兆五千百九十六億、それに対して地方銀行がどれだけのボリユームを占めておるであろうかという点を見たわけでございます。これは二九・九%、約三〇%を占めておるのであります。  それから表を飛ばしまして第五表をごらん願います。第五表は地方銀行が貸し出しておりますのに、どういう業種にどんな割合で貸出しをしておるかという点を見たわけでございます。大体主力をなしておりますのは製造業に対して四五%で、半分近くは製造業に出しております。また物品の販売なり卸売なり小売業、これに三六%、こうして見てみますと、製造業と販売業に大部分のお金を出しておることになります。なお第六表は中小企業の信用保険、これの地方銀行の利用状況でございますが、終りの方の百分比各金融機関の利用度のうち、二九・四%、約三〇%の利用をいたしております。商工中金を除きましては利用度は一番高いようであります。それから八表をごらん願います。昨年新しくできました中小企業金融公庫の代理貸付の状況でございますが、この貸付金額に対する各金融機関の百分比をとつてみますと大体三〇%、こういう数字になつております。以上のような状況でございます。  それではどういうような点について今後の中小企業金融を確保して行くための措置を考えておるか、こういうことでありますが、地方銀行といたしましては、何といつても営業の基盤が地方にございますのと、また産業自体が中小企業を主軸といたしておりますので、特に取扱う資金の量が減少する場合には、その減少に応じて大口の貸出しをできる限り縮少して、あくまでも地方産業なり中小企業というものを中心にして貸出しなり営業を続けて参りたいと思つておるわけであります。  お願いいたしたい件としましては、先ほど上原氏からの御要望で大体尽きておると思いますが、特に私は中小企業金融公庫のわくの増額をぜひお願いいたしたい。昨年度は大体月二十億べースでの貸出しが行われ、大体三月末までに順調な貸出しの推移をたどつたようでございますが、本年度は公庫の回収金を含めても年間百九十億ということでございます。その方法として、郵便貯金がデフレ傾向に入つて参ります際には、零細な貯蓄性の預金は必ず伸びる傾向にございます。郵便貯金が予想をしておる額よりも伸びて、そして現在計画の中に入つておる以上に資金運用部に繰入れがせられたというような場合には、その金をほかに使わずに、ぜひ中小企業金融公庫の方のわくの増額、貸出し資金の増額に使うようなふうにひとつお願いがいたしたい、かように存じておるわけでございます。一応以上簡単な御説明を申し上げましたが、なお御教示をお願いいたしたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 なお御両者の中で、日平産業の不渡り手形を出した関係からする下請産業への影響等について、御説明が願えればこの際承りたいと思います。

上原聡全国銀行協会連合会調査部長

○上原参考人 日平産業の不渡り手形の状況及び中小企業に及ぼす影響につきましては、詳細な状況はとうてい私どものところでは調査できませんが、手形交換の面に現われた点だけをお答えするにすぎない点をあらかじめ御了承願いたいと思います。  日平産業の不渡り手形は三月二日から十七日ごろまでにわたつて出まして、全部で二百七十五枚となつております。金額にいたしますと一億四千三百万円。この中で撤回がありました分が十一枚で三千二百万円となつております。従つて残りの一億一千百万円が不渡りになつたということになります。こういうのが現在までの不渡りの状況でありますが、これが中小企業に及ぼす影響としましては、特にこの不渡りになつた手形のうち、少額の手形が下請関係のものではないかという点が推察されるわけでありますので、一応二十万円以下の下渡り手形を調べてみますと、この分が百六十五枚、金額にして一千七百万円となつております。従つてこの二十万円以下の小口の手形が下請関係の企業が受取つて不渡りになつた、そのためにそこに資金上非常な圧迫を受けておるのでないかという点が推察されるわけであります。大体その程度しかわかりませんですが、なおこれは日平産業とは関係ありませんが、本日昭光商事が取引停止処分になりまして、全加盟銀行にけさほど取引停止処分の通知を出したところでありますが、これが第一回が四枚で千五百万円、第二回いわゆる青紙の段階ですが、これが八枚で千八百万円、第三回の赤紙の段階に来たのが八枚で二千万円、結局その後約二十枚ほど出まして、四千二百万円が不渡りとなつております。この分は金額の方も非常に大きくて、百万円以下のものというのは非常に少いので、この点では中小企業への影響はないものと私どもの方では見ておるわけであります。従つて大企業の不渡りから来る中小企業への影響といたしましては、日平産業の分が相当大きな影響を与えておるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 この際御質疑があれば承ります。

首藤新八自由党

○首藤委員 地方銀行の問題についてお尋ねしたい。最近金融の引締めの結果と思いますが、不渡りが非常にふえて参つておる。ところが都会の銀行は一回、二回、三回と、青紙から赤紙になれば取引が停止される。ところが地方銀行にはそういう制裁がないのではないか。おおむね地方銀行の支払い場所になつている手形が平気で十日や二十日間は支払いを延期する。さらにそれでもなおかつできないときにはそのまま返つて来る。ところが銀行の方はその取引者に対して何ら処分をしていない。そこで今日のように金融が引締つて来、さらにまた都会で非常に不渡りがふえたというような経済情勢になつて来ると、支払い能力はありながら、他日に備えるためと思いまするが、いたずらに支払いを遅延し、または不渡りをして、そうしてその手形を都会に返して来る、いわゆる企業家に返して来る、あるいは問屋に返して来る。そこで都会における問屋なりあるいは企業家がますます金融難に追い込まれてどうにもならぬという状態に拍車をかけて来ておるわけであります。これは地方銀行においても何かの処置をして、さような支払いに対する甘い考え方をやめるような方法を講じなければ、そのまま放任すれば、将来非常な大きな問題を起して来ると私は思うのです。事実今日までそういう処分をやつていないのがあるのか、ありながらそれを実行しないのかどうかという点をこの際お聞きしたい。  もう一つは、これは両方のお方にお聞きしたいが、最近造船の汚職問題から十次の計画造船の進行が非常に遅れておる。これがために造船会社はどの造船会社もまさに開店休業に陥ろうというような悲惨な状態に陥つておるのです。従つてこの造船会社を親企業としているいわゆる下請企業は現在非常な金融難に陥つておる。私の調べただけでも、本月の初めから神戸だけでも百数十社が倒産をしておるという事実を実はきのう聞いたのですが、他の方面にもそういう原因から倒産者が相当出ておりはせぬかということを非常に憂慮しておるのですが、ほかの方面は全般的にどういうことになつておるか、その点がもしはつきりしておるなら、それもちよつと御回答願いたいと思います。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 お尋ねの第一点は、不渡り手形の取扱いについて地方銀行は少し甘い取扱い方をしておるのではないか、こういうお尋ねのように承知いたしたわけでございまするが、御承知のように手形の交換につきましては、各地でそれぞれ手形の交換所がございまして、そこに加盟をいたしておりますので、その手形を持ち出されたものをどう処分するかということにつきましては、大体全国歩調を合せまして同じような扱いをすることになつておるわけでございます。しかし具体的にただいま御指摘のような場合、地方銀行は御承知のようにそれぞれその土地で長く営業をいたしておりまする関係上、取引先なんかも長く取引が行われておるというようなことになりますると、あるいは拒絶をし、あるいは青紙に行き、赤紙に行くべきものが、幾分そこに酌量をするというようなことが絶対にないとはちよつと言い切れないわけでございます。しかし段階がこういうふうになつて参りますと、手形の扱い方によつて善良な第三者に御迷惑がかかるというようなことがあつては困りますので、約二箇月ほど前から、地方銀行としまして手形浄化運動——手形期間の短縮なり、不良手形に対して断固たる処置をとるというような点について、会員一緒になつて今浄化運動というようなことをやつておるわけであります。なお支払いの促進についての最近公正取引委員会の方で、下請企業の手形を元請の親企業の方で支払う能力があるにもかかわらず、それを長くひつぱるとか、あるいは期間の長い手形を出すというようなことがあつてはいけないからというようなこともありますので、そういう点は公正取引委員会の方とよく連絡をとつてただいま仕事をやるようにいたしております。  お尋ねの第二点については、私が個人的にちよつと耳にしたことだけしかございません。それは造船関係の取調べの関係で帳簿をみな持つて行かれてしまつた。それで下請に払おうにもどうやつて払つたらいいやらわからないので、それで非常に親企業の方も困つておるし下請も困つて造船関係の下請企業の金融を苦しくしておるということをちよつと耳にした程度であります。なお上原さんの方にあるいはお話があるかもしれません。

上原聡全国銀行協会連合会調査部長

○上原参考人 十次の計画造船の問題につきましては、大体吉橋さんからもお話が出ましたのですが、この問題につきましては、主として計画造船に参加しておりまする九行の銀行がございますが、そこで常務会を開きまして絶えず研究しておるわけでありまして、できれば早く計画造船の問題もきめたいという考え方で努力はしておるわけでございますが、まだ開発銀行、運輸省その他の話合いがついていないような段階にありますので、はつきり申し上げるところまで来ておりませんが、昨日運輸省それから大蔵省、海運関係者、それから造船関係者、金融機関、各二名の代表者が集まりまして、計画造船の促進についての話合いはしておるようでございますが、結果についてまだ伺つておりませんのでちよつと御回答できません。

首藤新八自由党

○首藤委員 今の地方銀行の処置ですが、原則としては都会銀行と同じ処分をするようになつておるそうですが、実際問題として不渡り処分になつて、それがために地方銀行と、取引しておる者が整理したという例はきわめて少いように私たちは聞いておるのでが、同時に実際問題として現在でも期間の延長あるいは何らのあいさつなくして不渡りのまま返つて来るということは、非常に最近ふえて参つた。これが今言うように問屋に資力がない。そこで一応問屋に返されるが、結局そのしりは企業家に持つて来るということになるので、全部のしわ寄せが企業に集中するということになつておるところに、現在の金融難の深刻さ、要するに企業家が全部引受けねばならぬというところに大きな問題点があると思う。そこでこれは二箇月前にそういう処置をとられたということは、一応私は了承しますが、しかし実際にそれが実行されていないというふうに考えられるので、もう一度その後の実態を調査される必要があるということを、私はこの際申し上げておきたい。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 地方の実情をまだよくつかんでいない点もございますので、御指摘の点はなおよく調査をいたしまして、甘い扱いをしたために、第三者あるいは企業の方にしわを寄せるというようなことのないように、努力いたしたいと思います。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 地銀の吉橋さんに一、二点お伺いしたいのですが、御提出を願いました諸表のうち、第一表によりますと、地方銀行の中小企業向けの貸出しは、総貸出額に対して六二%ばかりになつておるということが出ておりますが、最近のような金融情勢からいたしますと、地方銀行というものは、特に本来の機能というものをいよいよ発揮してもらわなければならぬ、こういうふうにわれわれ考えるのでありますが、特に地方銀行の中小企業向け貸出しというものについて何か協会等において、今後これをさらに拡大して行くとか、何かそういう御方針は特にございませんか。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 中小企業貸出しについて、地方銀行はさらにこれを強化して行くような考えはないか、かようなお尋ねと了解いたしますが、いずれにいたしましても全体の資金の量が、預金の伸びがだんだん悪くなつて参りますので、全体の預金なり貸出しというものは減つて参る傾向にあるわけでございます。従つてその減つて来るわくの中で、中小企業貸出しにさらに重点を重くする、こういうような方向に行く必要があるのではないか。それでたとえば地方銀行の資金繰りを非常に圧迫しておるような要素をできるだけ排除して行き、それを中小企業向けあるいは地方産業向けに持つて行くようにいたしたいと考えまして、たとえば先ほどもちよつと触れましたが、地方自治体に対する一時的な貸出しでございますが、これが季節的には相当な額になつておるわけであります。自治庁の方にもたびたび参りまして、地方産業資金を圧迫することになるから、できるだけ地方財政のしりを地方銀行に持つて来ないようにお願いしたい、こういうふうにお願いしておるわけでございます。その他全体といたしまして、いずれにしましても資金源を確保しなければならないと思いますので、中小企業公庫その他の方にも、わくの増額などをお願いしておる次第でございます。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 「一口当り貸出金額階層別融資状況」を見ましても、一千万以上の口数の率はわずかに〇・三%となつておりますが、金額から申しますと二一・五%、こういう実情のようでありますが、ただいまお話の地方自治体等に対する特殊なものは別といたしましても、特に一般企業関係といたしますならば——これはおそらく企業向けと自治体との関係を、みなひつくるめて一千万円以上というような額かと思いますが、いずれにしても金額は相当の額を占めている。そこで地方の中小業者は、たとい地方銀行であつても、とかく支店等においては、資金を集めては中央へ持つて来るという見方が、非常に強いわけであります。そこでこれは一つの要望になるかもしれませんが、こういう際でありますから、もつと小口の方に力をいたしてもらいたい、こういう考えでありますが、大体地方銀行としては、一口と申しますか、一企業体と申しますか、そういうものに最高どれくらいまでは貸そうといつたような、何か申合せというか、基準ですか、そういうことはおありですか。大きいところでいいところがあれば、やはり無制限に貸してしまうということになつているのですか、どうなつておりますか。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 ただいま御指摘の、大口の一千万円以上の二一・五%の中には、お話の通りやはり地方自治団体なんかに対して何億というような、一ぺんに出る金が大部分です。それからおつき合いといいますか、鉄鋼だとか、造船だとか、石炭だとか、そういうようなところに、大銀行なんか出される場合に、ある程度協調融資的な立場でやらざるを得ないというようなものが含まれて、こういう数字になつているわけでございます。一企業当りの貸出しは、平均としましては、これは中小企業の場合でございますが、八十三万二千円という数字が出ております。全体としてどこまでという申合せとか、きまつたのはございませんが、なるべくそういう大口の貸出しはしないようにという方針はかわつていないのでありまか。やむを得ず出すというような場合が多いのではないかと思いますが、個々の場合については、私はよくわかりません。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 次は信用保険の利用関係についてでありますが、第六表によりますと、信用保険の利用状況から申しますと、地方銀行が一番大きな率を占めているようでありますが、しかし貸出額に対する付保の金額はきわめて微々たるもののようであります。貸出し四千三百余億に対し、付保の金額はわずかに七十五億、という状況でありまして、きわめて微々たるもののようでありますが、この点について、先ほど短期のものができるようにという御意もあつたようであります。われわれが地方などへ行つて聞いてみますのに、どうも保険をつけるのはめんどうだ、こういつた声が非常に金融機関の方にも多いようです。特に金融機関の方が自分からこういう制度があることすら一般の取引先にも教えてもやらぬというのがどうも実情でないかとわれわれは考えておるのであります。もちろん制度自体を改正するということも必要でありましようが積極的にこれを利用しようという意欲もきわめて薄弱である、われわれはそうとつておるわけです。せつかくこういうものをつくつてある際でもございますから、今後こういう点をもつと利用してもらつて、そして金融を円滑にしていただいたらいいのじやないか、こういうふうに日ごろ考えておりますが、この点については何か協会等にお考えございませんか。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 中小企業信用保険の利用状況があまりよくないではないか、こういう御指摘でございますが、御指摘の通り政府の信用保険がよく今まで徹底していなかつたようなきらいもあつたんじやないかと思いまして、最近全国の銀行から集まつて参ります会合の席なんかで信用保険の利用についてよく徹底するように説明もいたしておるのでございますが、信用保険をかけずに信用保証協会の保証をとつてやる場合が非常に多うございます。しかし中小企業の信用保険の利用も漸次ふえて参り、趣旨もよく徹底いたして参りましたので、急速度に今後ふえるのではないかと存じております。最近もある銀行の方から二十九年度の申込みを忘れてしまつたから、ぜひこの程度のわくをとつてもらうように交渉してくれなんということを四、五日前も言うて参りまして、お願いをしたような次第でございます。ただ填補率の点について、先ほど上原さんからも御要望の中にありましたのですが、地方銀行協会としては、もしなかなかむずかしいというなら百万円以下のものだけでもいいから、現在の八〇%を九〇くらいに上げてもらいたい、こういうお願いを企業庁にもしておるような次第であります。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 長官もおいでのようですから、ただいまの御要望と同時に、多分期間が六箇月以上でしたか、そうでないとつけられぬ、こういうことでありましたが、実際金融機関から借りるのに、六箇月以上というのはどつちかというと少いのじやないか、中小企業はそういう長期のものがないというので、わざわざ公庫までつくつておるのですから、そこに非常に保険制度が実際に合わない点も見られるのですが、とりあえずこの二点だけについて企業庁の考えをこの際伺つておきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 保険制度につきましては、各方面の御要望に応じまして逐次改善整備を加えて参つたのでございますが、残る問題としては絶えず議論になつておる点でございまして、補填率を八割でいいか悪いかという問題、ただいま御指摘になりました債権の期間、貸出しの六箇月以上のものしか保険をつけられぬことになつておるのを、短期のものにもつけるかつけないかという問題、それから保険料を、融資保険でありますれば年三分でありますものをもう少し安くならぬかという三点であろうと思います。信用保険の制度が一方において独立採算制をとつておるという点と、他方において逆選択を認めており、利用されます金融機関が貸出しをなさいます場合に保険を利用するかせぬかは金融機関の自由意思であります。そこで補填率という問題も、ある限度以上になりますと、金融機関の方と信用保険特別会計との関係で逆選択というものが非常に強く作用して来るので、独立採算の建前からどうも踏み切りにくいという点が一つ残つております。それから債権の六箇月以上にしておりますのを短かい債権まで及ぼしたらどうかという点につきましては、一方においては信用保証協会がどつちかといえば短期のものを対象にして、信用保険はどつちかといえば長いものを対象にするという一種の業務上の振りわけをしておるという点が第一点と、もう一つはやはり逆選択の関係がございますので、短かい貸出金のものまで保険でとるということがうまく行くか行かぬか、また手続の関係等においてどうだろうかという点についていまだ確信を得ておらぬという点、この三つの点がいまだ解決を見ずに残つておる主たる原因でございます。金融機関の方で種々御要望になつております趣旨も私の方としてはよくわかつておりますので、信用保険特別会計の制度を矛盾しない限度におきましては、極力その方向へ進めて行きたいという考えは持つておるのでございますが、保険制度でございますから、ある程度基礎数字的な自信と申しますか、それが出ませんと、ただ漫然とまあ大体よかろうというくらいのところで改正することは、やはり踏み切るのには不十分じやないか、こう考えまして、いろいろとデータを集めて研究を進めておる段階でございます。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 その点はひとつなお御検討をお願いいたしまして、あと一点吉橋さんにお尋ねします。例の金融公庫の問題ですが、これにつきましても、先ほど運用部資金などを特にこちらの方にまわして資金源を増大するようにという御要望もあつたようであります。その点はもちろん資金源ということが一番の問題と思いますが、どうもこの公庫の業務報告などを見ますと、地方銀行のうちにも必ずしもこれの取扱いに熱心でないところもあるようでございます。こういう点については、ひとつぜひ今後協会を通じてももう少し熱意を示してもらうように、御尽力をお願いしたいと思うのでありますが、先般通産委員会におきましても話がいろいろ出たのでのありますが、いわゆる貸出し方式の関係であります。従来やつておりました例の甲方式という点についても、大銀行の保証の割合をもつと下げたらどうか、五割か六割くらいにしたらどうかという意見もありましたが、いやそうじやないのだ、逆に代理店としてはそういう点は一向気にしていない、保証はもつと多くてもいいのだ、極端に言えば窓口の銀行に対して公庫からひもつきの預金というか、預託というか、これをしてもらつて、むしろ全責任を負つてやつてもいいという意向もあるというような話も聞きました。われわれいずれがほんとうに金融機関の方のお気持なのかよく存じませんが、そういう点についてこの際お聞かせ願いたいと思うのであります。  それと同時に、公庫の方では近くいわゆる乙方式を始める、また当委員会としても極力それを早くやれ、また全体の資金源のうち大体三割くらいを目標にして、すみやかにこれをやれ、こういつた意向も強く伝えられておるわけでありますが、一体甲方式、乙方式が二つ並んだ場合に、窓口の金融機関としてはどういう態度をおとりになられるか。考えようによりますと、甲方式の場合と乙方式の場合とで、金融機関に入る手数料なども相当違つて来る。しかし調査だけはどちらも窓口でやるのでありますから、手数からすれば大した違いもない。なるほど保証の率は非常に違つて来ますが、そういつた関係からすると、今度は金融機関が乙方式の方をせつかく始めても、これまた熱心に取次いでくれないじやないかといつた心配もあるわけです。こういう点について金融機関としての心構えというか、腹づもりを率直にお聞かせ願いたいと思います。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 地方銀行の中小企業公庫の利用について、ときに熱意を欠いているような場合があるように思われるという御注意でございまして、この点は中小企業金融公庫の方からも当初同じような御注意がございました。われわれたいへん申訳ないことだと存じまして、そういうことが耳に入つた場合には、すぐお知らせ願いたい。個々の銀行について今後そういうことの起らないように末端まで注意をいたしますからと言つて、そういう方法をとつて参りました。最近大分よくなつて来ているんじやないかと思つていますけれども、なお今後そういうような事態がございましたならば、即刻末端に徹底するように直させるように努力いたしたいと考えております。  それから貸出しの方式でございますが、お話のように今度乙方式が実施せられるようになりました。これにつきましても何回か協会の中小企業委員会にかけまして、いろいろ相談をしてみましたが、ぜひやつてもらいたいということで、その希望を中小企業庁なり公庫の方に申し入れて、今度実現するようになつたのであります。ただいま御指摘のようなことが起つたのでは申訳ないことであります。ただ前例といたしましては、長期運転資金、あれも企業家の方からぜひ長期運転資金をやつてくれとやかましく言うて来られる。金融機関の方でもなるほど必要だというので、ああいう道を開いていただいた。さてふたをあけてみますと、利用状況がもう一つよくない。どこに原因があるかいろいろ調べてみたら、昨年の暮れごろの状態では、まだ設備資金についての申入れや手続がふなれのために、不備でもあつたり、いろいろなことで、それがまだはけていないのだ。それが一段落してから長期運輸資金の方にかかる。そのうちに長期運転資金の借入れの申込みが公庫の本店の方に来るのも間近なんだ、こういうことでございました。最近の実情をまだよく聞いておりませんけれども、そういう事務上のふなれということだけならば、これはもう自然に解決して行くわけでありますが、その他の点についてこういう新しい方式がどうかという点で心配をいたしておりますけれども、今までのところ非常な熱望によつて実現してもらいましたので、われわれの方の金融機関に対する趣旨の徹底なり、指導のやり方が不十分なために利用度が落ちるようなことのないように努力して参りたい。方式自体としては甲方式も乙方式も希望いたしております。さらに百パーセントの方式なんかもやつてくれというような希望がありまして、申し込んだこともあるわけであります。そのような実情でございます。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 どつちが百パーセントですか。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 公庫の方が百パーセントでございます。ただ審査の場合に手間取るというようなことになりますと、利用度が非常に落ちてしまいます。公庫の方として新しく審査部を設けられて、来たやつをもう一ぺんごらんになるわけですが、そういう場合にもちろん保証の率が高くなれば、審査も丁寧にやらなくちやならぬ。その辺のかね合いをよく御注意願いたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 小平委員から地方的に熱意のないところがあつて地域差が出て来ているという話が抽象的にあつたのですが、小平君は地元の関係で率直に言えないと思うのですが、足利銀行とか、あの地域が今までのところ非常に悪いのです。こういう関係は、協会の方からどういうふうにお運びになつて、地域差をできるだけなくそうというこちらの考えが末端まで徹底できるような措置が講じられるものかどうか。小平君がここに出ておりながら、栃木が一番不成績な状態であります。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 個々の銀行について取扱いがよくないからという御注意は、われわれ甘んじて受けまして、そういう御注意がありますれば、その銀行に対して実情調査をいたします。もし非常に不熱心な扱い方がございますれば、必ず訂正させるように措置をとるつもりでございます。御了承をお願いいたします。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 委員長の発言がありましたが、私は別に栃木県のことだけを言つているわけではない。業務報告を見れば、大体県別に出ておりますから、一目瞭然です。実際問題とすると、地方銀行などでも、支店などに行きますと、公庫の申込みなどどうしていいのか支店自体がわかつていない。申込み用紙などはもちろん備えてないというのが、現在の実情じやないかと思うのです。そういう点は、もう少し地方銀行の本店ばかりでなく、支店の方へも趣旨を徹底し、ほんとうに国家資金でできたものでありますから、あまねく資格のあるものは受けられるという態勢だけはぜひ整えて、銀行側にも協力を願いたい。これはひとり私だけでなく、委員会においても再三そういう話が出ているのですから、そういう点についても今後格段の御努力を願いたい。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 小平委員の御指摘の点、まことにごもつともだと思います。今後そういう線に沿つて努力をいたして参りたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 この際お諮りいたしますが、田中龍夫君より小委員外発言の申出がありますので、これを許可するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 それでは田中君。

田中龍夫自由党

○田中龍夫君 先ほど地方行政のしわが大分寄つているというお話がございましたが、この地方銀行の場合には、他の金融機関と非常に違つた性格を持つているように思うのであります。大体今日は県の財政あたりから見ても、七割見当が補助金とか交付金とかいうものになつている。また市町村においても非常に中央の財政に依存度が高い。同時に国から来る行政経費は、ほとんど地方銀行が県金庫なり何なりによつて預金を受けているわけであります。この預金の九千百八十二億の中で、一体地方銀行としてそういうふうな公共自治体からの預金は大体どれくらいのウエートを占めているのか。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 預金の中には田中さんが御指摘のように公金預金も入つておりますけれども、季節によつて非常に違いますので、どの程度かということはただいま手元でわかりかねるのでありますが、ただ最近におきましては非常に減つて参つておるのではないか。特に地方財政の手元が非常に苦しくなつて来ておりますので、最近非常に減つて来ておるのではないかと思います。数字は今ちよつと手元にございません。

田中龍夫自由党

○田中龍夫君 そうしますと、何しろ地方銀行というものは地方の中小企業関係の中枢でありまして、県の行政にしても、市町村の行政にしても、いわゆる中小企業金融にして最も真剣に考えていただかなければならぬのでありますけれども、そういつた行政経費が預金の中に多分に含まれておる以上、中央政府において、たとえば中小企業庁が地方の中小企業金融に対して特に関心を持ち、あつせんをしておられると同じように、県なり市におきましても、その地方銀行に対して特段の御協力をお願いしておるわけであります。ところが金融機関の融資の自律性という建前のもとに、行政庁のそういう要望なり何なりについて、それを独自の立場から決定されるような動きが非常に多いのでありますが、中央において政府は中小企業庁というものを特に設けてあつせんをさせておるわけです。地方銀行の協会等におかれましては、この点についてはどういうふうにお考えになつておられますか、お伺いいたしたい。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 地方銀行といたしまして、地方自治体の方の金庫などをやつております場合に、お話のように預金をいただいておるわけであります。従つて金庫銀行などをやつておる場合に、自治体の正常な——たとえば歳計現金が一時不足したとか、あるいは税収が間もなく入るけれども一時困るから、また補助金が間もなく入るけれども一時困るから、こういう場合は平常な状態の不足を金庫銀行で補う、これは当然のことだと存じております。最近の実情は自治体の赤字がだんだん累積して参りまして、その赤字のしりを地方銀行が見るというようなかつこうが出て参つております。一、二年前でしたか、そういう赤字を消す特別な起債が一ぺんあつたように思いますが、その後累積して来た赤字というようなものは、いわゆる財政調整のものとはちよつと性質が違いますので、これはやはり産業資金を圧迫することになる。先ほど私はそういう点についてちよつと触れたわけであります。

田中龍夫自由党

○田中龍夫君 今お答えになりました点は、これはもちろん地方自治体としても考えて行かなければならない面であり、また同時に今の銀行業務との関係から相見互いに話をつけて行かなければならぬと思いますが、私が今御質問申し上げたいと思いました点は、地方庁並びに地方公共団体が、その管下にあります中小企業等について指導をし、あるいは診断をして、いろいろ融資のあつせん業務をすることについて、銀行としてはそれを銀行の自律性という意味で別途の見地から判断して行かれるという態度が往々にして見えるのでありますが、私はこれは銀行の連合会としても考えていただかなければならない問題ではないかと思います。中央政府においては中小企業庁を設けてそういうようなことを積極的にやつておる。地方庁のそういうあつせん業務に対して、地方銀行がそれをしりぞけるというような態度ではないだろうと思うのですが、その点をお伺いしたい。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 ただいま田中さんからの御指摘の、地方庁で中小企業の診断などをやつて、その結果を地方銀行があまり尊重しないではないか、こういうふうな御指摘だつたと思いますが、特にそういう点について地方庁の診断の結果をネグレクトするとかなんとかいうことは毛頭ございません。地方銀行といたしましても当然貸出先の状態というものを、地方庁の御協力を得て、診断をしていただいて、それを基礎にして融資その他を見ますのが最も確実な方法だと存じます。もしそういうような点についてネグレクトするような点がございますれば、十分注意をいたします。診断の結果をできるだけ尊重するようなふうにやつて参りたい、協会としてそういうふうに考えております。

田中龍夫自由党

○田中龍夫君 今のお答えはまことにありがたいことでありまして、どうぞそういう方向に御指導をいただきたいと思います。  さらにもう一つ承りたいことは、地方銀行の貸出しに対して何か基準でもおありかどうかということであります。というのは大体預金に対して貸出しは季節によつて動きますけれども、大体七割五分から八割二、三分だろうと思うのですが、それが非常に鉄則のようなかつこうに堅持されておる面もあると思うのであります。さらにまたその残つた分についてはコールで貸す等のこともありまして、今の預金対貸出しの七割何分から八割何分という中におきましても、さらに大企業に対して絶対貸倒れのないという安定性を持つた面が何割かあつて、さらにまたその残りの中小企業に対する貸出しの面におきましては、一方においては高度に信用保険を利用せられ、さらに信用保証協会等の保証をつけ、その保証によつて万一貸倒れのあつた場合においては、県に代位弁済の制度を設けてある。金融機関としてはほとんど間違いのない金融をつけておられると思うのでありますが、協会において何かそういうふうな預金対貸出しの率はこうしろとかなんとかいうふうな基準原則をきめておられるのかどうか伺いたい。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 地方銀行の貸出しについて何か基準でもあるのかというお尋ねと存じますが、協会ではそういう基準というふうなものは何も設けておらないわけであります。貸出しの量についての基準はございませんが、貸出しの業種などにつきまして、融資の準則というようなものはまだ生きておるわけでございます。たとえば不要不急なような業種には丙としてあまり貸し出してはならぬとか、そういつた甲、乙、丙というような融資準則というふうなものは残つておりますけれども、貸出しの額についてどうこうというふうな基準はございません。ただ預金に対する貸出しのほかに、御承知のように国債とか金融債とか公債とか地方債——地方債も先ほどの短期の金のほかに長期の五年物ですかの公債発行がございますが、そういうような公社債に投資をする。そうして支払いの第二線準備として持つておるのが貸出しの十四、五パーセントだと思います。だから八十四、五パーセントの貸出しに十四、五パーセントの有価証券、それにコールを出します場合には、そのときの手元の状況によつて出すところと出さないところがございます。大体において預金に対する貸出しの比率はどのくらいがよいかということは、非常にむずかしいことで、現在のところ預金対貸出しの比率はもう少し下げるべきではないかという意見が大分あるくらいでございまして、その辺は人々により、また学説によつて違いますが、実情はそんなことでございます。

田中龍夫自由党

○田中龍夫君 地方銀行に対して大蔵省が非常におほめいただいて表彰するという機会がたびたびありますが、われわれが中小企業金融なり地方金融に対してお願いをしておる気持と、その金融機関である銀行がまことに経理が健全であるというおほめとは、大分その性格が違つておると思います。また信用保険を利用されておる率が非常に多いということは、まことにけつこうなことだと思いますが、信用保険の利用率が非常に高いということイコール中小企業に対する金融が活発であるということにはならないので、むしろ銀行側としての安全性を確保するという意味で、信用保険の利用率が高いように思う。ことに信用保険でもつて保険されました残りの金額に対してさらに信用保証協会の保証をかけて行くならば、ほとんど金融機関としては完璧に近い保証が得られるだろうと思います。貸す方のお立場になつて考えてみましても、できるだけ安全感を持つて、しかもその安全感を確保しながら量的にはわくを広げて多くの中小企業を救つていただきたいというのが私の希望でございます。今の信用保険をつけた残りの自己の危険に対して、さらに信用保証協会の保証をかけて行くということに対しては、どういうふうに考えておりますか。先ほど信用保険は長期であり、保証協会の保証は短期だとおつしやいましたが、それを併用したならば、金融機関としてもつと効率的な安全性を持つた貸出しができるのではないか、そういうことによつて中小企業の融資をさらに活発にして行くことができるのではないか、こういうような気持を持つておりますが、その点についてどうお考えになつておりますか。

吉橋鐸美全国地方銀行協会常務理事

○吉橋参考人 信用保険に付保してあるもの以外のものをさらに信用保証協会の保証をかけた方がよいのではないか、その方が安全ではないかということでありますが、大体信用保険の方は六箇月以上であります。通常貸出しの場合には短期でございますから、大体振りわけられまして、短かい二箇月、三箇月というようなやつは保証協会の方で保証をやつておるわけであります。田中さんの御指摘の点まことにごもつともだと思います。できるだけそういつた線に沿つて努力をして参りたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員長 ほかに御質疑がなければ、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。参考人の皆様には、御多用のところ長時間にわたつて御出席くだされ厚くお礼を申し上げます。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時三十六分散会

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