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19回国会衆議院1954/05/22

通商産業委員会 第53号

発言数
115
登壇者
13
会派数
4
開催日
1954/05/22

会議録

大西禎夫自由党

○大西委員長 これより会議を開きます。  本日はまず航空機製造法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際本案について参考人招致の件につきお諮りいたします。本案について広く業界その他より意見を聴取するため、参考人を招致いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 それではさよう決定いたします。  なお人選につきましては、委員長及び各派理事の決定に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 それではさよう決定いたします。  次に質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。加藤清二君。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 本委員会に上程されております航空機製造法の一部を改正する法律案につきまして、私十分研究はしておりませんけれども、簡単にながめてみますと、この法律が新しく制定されなくても、すでに航空機の製造ということは行われているようでございます。新しく挿入されますところの改正の部門は、すでに行われている業界を選抜し、許可する、こういうことが本旨のように見たわけでございますが、その許可制の根本が三つある。一つは特定の設備であり、一つは経理的基礎であり、一つは技術的能力、こういうことになつておるようでございます。この許可の中心をなす特定の設備、経理的基礎、技術的能力、これについてひとつ、これはいわば入学試験の試験問題みたいなものでございますが、幸いその道の専門家がいらつしやるようでございますので、ぜひその内容についてまず承らしていただきたい。  ついでに申し上げておきますが、委員長さん、できましたならば、保安庁その他これに関係のある方々を呼んでおいていただきたい。

大西禎夫自由党

○大西委員長 保安庁の久保政府委員、装備局長です。それと運輸省航空局技術部長の市川説明員、この二人に来てもらうことにいたしております。

徳永久次通商産業事務官(重工業局長)

○徳永政府委員 第二条の五に掲げてあります基準の解釈を、どういうぐあいに考えておるかということでありますが、生産技術上の基準は、各論に入ります前にちよつと申し上げますと、許可の内容が実はいろいろ段階があるわけであります。段階と申しますと、機体の場合がありますし、エンジンの場合がありますし、プロペラだけの業者の場合もございますし、いろいろと違いますわけで、従いまして画一的に生産技術上の基準といたしまして、この程度のものがなければというふうには言いがたいわけであります。つくろうとしまするものについての設備的及びこれをこなす技術というものが技術の場合では問題になりますし、また経理的基礎にいたしましても、ごく一部の部分品の場合と機体なりエンジンなり相当まとまつた数量をいたします。場合とはおのずから違つて参るわけであります。経理的と申しましても、その人の何も資本金で表現するわけでもありませんし、相手によつて大きさも違いますし、その企業の資本力及び信用力から見てつくろうとする仕事が確実に行きそうだという大きさがきまるわけであります。一部の部分品でございましたら数百万円程度で済むこともありましようし、それから機体、エンジンにしても、それが複雑なものになりますれば億の単位くらいの調達ができなければ仕事ができないというようなことにもなりますし、その辺が具体的につくります品物の幅が非常にありますので、この点ならばというふうに表現しがたい事情があるわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それでは私の質問の答弁にはちよつとはずれているようであります。重ねてお尋ねいたしますが、経理的基礎にしても、あるいは技術にしても設備にしてもそうでございますが、私が今まで航空機の修理工場だとか、あるいは一部分を製造しているところをまわつてみますると、これはほとんど技術が導入されたものであり、向うの監督のもとに行われているようでございますが、はたして日本の内地でまかなえるだけの設備、まかなえるだけの経理、まかなえるだけの技術で許可がおりるのか、ないしはやはり導入された経理、導入された技術、設備を持たなければ許可の対象にはならないのか、その辺のところをはつきりと包み隠さず、どうせわかつていることでありますからお答え願いたい。

徳永久次通商産業事務官(重工業局長)

○徳永政府委員 お配りしてあります資料をごらんになりましても、今お尋ねのように、必ずしも外国の技術を導入した相手方でなければならず、また外国の資本と提携していなければならぬというような条件は全然ないわけでありまして、日本で昔ありましたプロペラ・エンジンでありますれば、それを自分の持つておりました知識、経験をもとにしてつくり上げるということがありましても一向さしつかえないのであります。ただ相手が特定して、かりに航空機の修理の事業を考えてみました場合に、米軍の仕事の注文に応じて仕事をするというような場合におきまして、注文を出しますものが、たとえばかりにジエツト・エンジンの修理が出たといたしまして、そのジエツト・エンジンをうまく修理し得るためには、その技術をこなす力がなければならぬという意味におきまして、このジエツト・エンジンをこなす力につきましては御承知のように日本におきまする戦前のレベルというものが非常に低かつたような関係もありまして、外国の技術をうまく取入れ、それをこなし得る力のある人という場合に初めて許可ができるということも起ると思いますけれども、それが何ら本質的な要件ではないということでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それではこういうふうにお尋ねしたらおわかりになるでしようね。今日の内地における航空機工業は、製造が主体であるのか修理が主体であるのか、その数字的なパーセンテージを示してください。

徳永久次通商産業事務官(重工業局長)

○徳永政府委員 配付資料に出ておりますように、現状におきましては修理が主でありまして、生産はごく一部しか行われていないというのが現状であります。ただわれわれが許可制を考えますゆえんのものは、今後修理からさらに生産に入りそうな状況に立ち向つておりますので、これは提案理由の際にも御説明申しましたように、いわば現状は白紙の段階でありまして、これをほつておきまして、過当に投資が行われたりすることのないような意味におきまして、許可制をやることが、まだ生産に踏み込んでいない今の段階だから一番いい時期ではないかというように考えておるのであります。

加藤清二日本社会党(左)

○徳永政府委員 第二条の五に掲げてあります基準の解釈を、どういうぐあいに考えておるかということでありますが、生産技術上の基準は、各論に入ります前にちよつと申し上げますと、許可の内容が実はいろいろ段階があるわけであります。段階と申しますと、機体の場合がありますし、エンジンの場合がありますし、プロペラだけの業者の場合もございますし、いろいろと違いますわけで、従いまして画一的に生産技術上の基準といたしまして、この程度のものがなければというふうには言いがたいわけであります。つくろうとしまするものについての設備的及びこれをこなす技術というものが技術の場合では問題になりますし、また経理的基礎にいたしましても、ごく一部の部分品の場合と機体なりエンジンなり相当まとまつた数量をいたします。場合とはおのずから違つて参るわけであります。経理的と申しましても、その人の何も資本金で表現するわけでもありませんし、相手によつて大きさも違いますし、その企業の資本力及び信用力から見てつくろうとする仕事が確実に行きそうだという大きさがきまるわけであります。一部の部分品でございましたら数百万円程度で済むこともありましようし、それから機体、エンジンにしても、それが複雑なものになりますれば億の単位くらいの調達ができなければ仕事ができないというようなことにもなりますし、その辺が具体的につくります品物の幅が非常にありますので、この点ならばというふうに表現しがたい事情があるわけでございます。

徳永久次通商産業事務官(重工業局長)

○徳永政府委員 答弁いたしましてもまたおしかりを受けるかもしれませんが、たとえば具体的に申し上げますと、本年度におきまして保安庁から練習機を発注するということになつております。ところが今保安庁の発注しようといたしておりますものは、アメリカでつくられておりまする機体なりエンジンのものでございますが、これがこの製造卒業法と関連させました場合にどうなるかと申しますと、それを受けようとしまするメーカーにおきましても、練習機の生産技術というものはそれほどむずかしいものではございません。ただお話のごとく、戦時中の空白もございまするので、その保安庁が採用しました練習機についての技術というものは、その事業会社が、特許もございましようから、そういうものを技術提携によりましてこなしてよろしいという体制は必要になつて参るかと思いますけれども、しかしそれを生産にまでこなし得る力というのはむしろ日本側にあるということなんでして、お尋ねの御趣旨を取違えておるかもしれませんけれども、向うから人も来なければ、手をとり足をとつて教えてもらわなければどうにもならぬというほどのものではないのでございまして、つくりますそのものの特許とかいうようなこともありまするし、その権利を持つておらなければつくれないということから、権利はとりますけれども、権利をとれば、あとまねてこなす力の方は十分日本自身にあるというのが現実でございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 私は技術の導入をしたりあるあるいは資本の導入をすることに反対ではないのです。その点をはき違えないようにお願いしたいのですが、御承知の通りこんなに発達した交通の最高水準を行くところのものが航空機であり、それから一般工業の技術の最高峰を行くところのものがこの航空機の技術だと聞いておりまするが、そういう点からいつて必要性は十分認めておるわけなんです。航空機工業が他の工業に及ぼす技術的な好影響ということを考えれば、これはまことにけつこうなことなんで、私はそれを反対しておるわけじやないのです。ただ問題は、せつかく取入れられた最高技術といえども、これを他に押し及ぼすことができない状況下にある。なぜならばこれは秘密になつているからなんです。戦前御承知の通りでございまするが、内地でも海軍の技術と陸軍の技術はお互いに秘密でけんかをやつておる。三菱の航空機を見に行くと、実におかしな話なんですが、同じ工場の中で鉄のカーテンよりももつとひどいカーテンを引いて、陸軍と海軍とはまるきりなわ張り争いをやつていた。それで取入れる当初にあたりまして、これが秘密を保たれなければならないということが引続いて行きますると、戦前の海軍と陸軍みたいなことになつてしまうおそれがなきにしもあらずであります。これは技術の振興上よろしくないし、飛行機の技術は工業技術の最高峰を行くものだ、これが他の工業に押し及ぼされてこそほんとうに航空機の発達した効果が十二分に発揮されるというものでございますけれども、それが必ずしも行われるような受入れ態勢になつていないことを私は遺憾に思うものでございます。それでただいまのようなことをお尋ねしたわけなんで、アメリカの資本だから、アメリカの技術だからこれを導入してはいけないという狭い根性からお尋ねしているわけではございません。  待つこと久しい大尉がいらつしやいましたので、そちらにお尋ねいたします。  最初にお願いしておきまするが、この航空機法案をあげることに対して、会議が延びることが何か野党の引延ばしのおかげのように言う人がありまするが、これは決してそうでない。なぜならば、私はこの質問を前から待ち受けておりまして、すでに今日で六回目であります。きのうの午後はずつと一日中大臣の待ちぼうけを食つたわけでございます。ほんとうは今日あるいはここでひとつ野党的にあばれてみなければならぬところですが、委員長さんが非常に温厚篤実で、じやじや馬をならすことがたいへん上手ですから私はしんぼうするわけなんですけれども、そこできのう一日待ちぼうけを食つただ賃にひとつおまけをちようだいしたいのです。  招かれざる客として総理大臣がアメリカへ行くことについて外電が報じておつたようでございます。それについて参議院においても衆議院においてもわんわんやつておられるようでございますけれども、それよりも何よりも大事なことがこの本委員会において決議されている。そのことがアメリカの国会においてすでに論議をされ、日本の新聞にもたびたび書かれておるにもかかわりませず、この問題についてその後の様子を大臣から報告を受けておりません。すなわち可燃性繊維の問題がここで決議をされ、草案が書かれまして、本会議でまた満場一致で可決されました。幸いにしてアメリカの上院では修正案としてこちらの希望に近い線が通過した。一昨々日は下院においてこれが上程された。まあこういうことに相なつておりまするが、この問題はこちらが頼む方でございますから、向うの国会で盛んに熱心に審議していただいて、こちらの意向に沿うべく御努力願つているものならば、本国会におきましてもこれにこたえるべく、それに拍車をかけるべく何らかの措置がとられてしかるべきである。それが向うの国会に好影響を及ぼすのみならず、内地で一千万ドルに及ぶ欠損から生ずるところの業界の苦しさというもの、これからのがれようとするところの業界の可燃性繊維輸入禁止の法律の撤廃について期待すること大なるこの問題につきまして、その後御報告もなければ何にもない、あまりにもこれでは冷淡ではないかということが商工会議所の方からもいろいろ言われておるわけでありますが、この点について大臣は一体どのように考えていらつしやいますのか。いつどういう機会をとらえてこれの報告をなさろうとするのか。要すれば今度アメリカへ総理大臣が行かれまする折に、一千万ドルになんなんとする輸入禁止の法律が万一向うの国会において無事修正されまして、これがもともと通りに相なつたとするならば、当然あいさつがあつてしかるべきことと思いまするが、これについて一体行かれる総理に対して通産大臣はどのような依頼をされようとしているのか、その点についてまず承りたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 可燃性織物の問題につきましてただいま御指摘がございましたが、実はこの問題については、当委員会においてその問題が発生してからあとも、私としても誠意を尽して全力をあげて努力したいということを申し上げておつたのでありますが、その後日本の業界を初め各方面の非常な努力が実を結んで参りまして、加藤さんのよく御承知のように、すでに上院は私どもの希望にほとんど近いところの法案が出ましてこれが成立いたしました。現在御指摘のように下院の方にまわりまして、審議中でございます。下院にまわりましてから、さらにこれから論議が重ねられるのでございますが、それについての情報等についても、ほとんど毎日のようにわれわれは情報を受けておりますが、大体の見通しとしては、この法律が実施に移ります本年七月一日までに間に合うように、大体上院の修正案が可決されるのではなかろうかという見通しを持つておりますけれども、まだその前途について非常にはつきりした確信を持つまでに至つておらないわけであります。この点はただいまこちらでその都度御報告を申し上げることをもちろん考えたのでございますが、積極的にそれをやりました方がよろしいか、あるいは上院の審議等にかんがみまして、むしろ静観しておつた方がずつとそのまま通るのではなかろうかというような見方もできましたので、上院を通過いたしますまでは、今申しましたように、特に積極的な御説明をするまでには至らなかつたわけでございます。それから政府部内におきましては、常に各閣僚にもこの情報は関心を持つて聞いておつてもらいまして、上院を通過した報がありました場合は、非常にみんな安堵の意を表したわけでございます。さらに総理の渡米との関係でございますが、もちろん吉田総理に対しましても、この問題の経過は逐一私も報告いたしておりますし、さらにもし今後の見通しが、下院においてあるいは逆な議論が起りそうな模様でもあれば、それに対して適宜な方法によつてこの渡米というものを利用してもらいたいということももちろん頼んでもありますし、用意もいたしておりますけれども、先ほど来申しておりますように、今の見通しとしては大体うまく行くのではなかろうかと思つております。あまり楽観し過ぎてはいけないと思いますが、うまく行くのではなかろうかと見ております。  それから特にこの際申し上げておきたいと思いますことは、御承知と思いますが、在米の日本商工会議所が会頭以下一致結束して、この問題について非常に熱烈な陳情をやつてくれました。その熱意に動かされまして、日本国内における両院の決議、希望等を背景にいたしまして、アメリカ側の関係の議員諸君も非常に熱心に修正案を支持してくれておりますことについては、常々感謝の念を新たにしておるような状態であります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 向うの、日本商工会議所のみならず、向うにおられますハンカチ、スカーフその他アクセサリー等を売るアメリカの小売業者までが非常に熱意を持つてやつておりますし、しかもそれはこちらの本委員会及び本会議の決議の線に沿つてやつてくれておりますので、せめて上院を通過したときくらいは感謝電報の一本くらいは打つてしかるべきじやないか、こう思つたわけです。そういうことをすることがかえつて刺激して悪いという情勢判断が立てば別でございますけれども、問題は、日本の国会は妙なんです。八箇月もかかつてMSAのことはわいつくつくみんなで寄つてたかつてやつておる。ところがもらえた金は一千万ドルなんです。ところがこの可燃性繊維の問題が向うの決議通りほんとうに七月一日から実行されますと、年年歳々一千万ドルずつ損するのです。そのおかげでアメリカの小売業者が困るだけでなしに、日本のこの原料をつくるところの農民がたいへんな買いたたきにあいますし、さなきだに倒産続出の日本の繊維業界が一層倒産しなければならない。こういうことに相なつておりますので、通産大臣としてはこれには相当のウエートを置いて、そうしてこれが無事に本委員会の希望が達成されるべく今後たゆまない努力を継続してもらいたい、こういう希望を申し上げておきます。  さて、それでは今日の予定の方に入ります。この航空機製造法案について一番心配することは、この事業がはたして企業としてうまく成り立つやいなやということ、その他この問題を各方面から検討してみますと、いろいろ質問事項が出て来るわけでございますが。三十分と限られておりますので、企業が成り立つか成り立たないかということにウエートを置いてお尋ねいたしますから、大臣も簡単に答えていただければけつこうです。  まず第一番に、武器等製造法のときにも私はそのことをお尋ねしたわけでありますが、すると、今年の注文はわかるけれども来年の注文はわからない、こういうことだつた。それでは今年のコストをきめることができないじやないか、せつかく工場の設備をしても、その減価償却が計算に入らなければコストをきめることもできないし、これに対して税をかけることも困難じやないか、一体何を基準にしてこれをやらせようとするのかという質問をいたしましたところ、いや、希望者が非常に多いからこれをふるいにかけるのだ、こういう話であつた。そんなことでこの法律をきめられた日には、おそらく倒産する会社が近い将来において出るであろう、しかもそれが技術的な問題でなくして経理的な問題から必ず起きますということを言いましたところ、小笠原大臣はさようなことはない、こういう答弁であつた。どつちの予想が勝つかはこれは時期の問題だと言うてわかれました。ところがその後どうですか、すぐに日本冶金がああいうことになつてしまつた、日平がああいうことになつた。あとにこの法律が通つてしまつてから、出血受注じやないか、業務監督で通産省はこれを何とか調査をしなければいけないじやないかということになつて来た。そこで私は野党でございますけれども、正直に私の質問を受けてもらいたい。その場のがれだから、ああいう答弁ができる。小笠原さんのように銀行育ちでありながらああいうあほうな答弁をしなければならないことになる。あとで個人的に話してみると、いやいや、まあまあという話なんです。それじや政治家じやないですよ。ほんとうに業界を指導し育て上げようという気持が那辺にあるか疑いたい。そこでまずこの事業は新しく設けられる事業でありまするし、注文量というものが私の見たところ、修繕にいたしましてもあるいは新しくつくるにいたしましても、日本内地の需要というものの量から考えました場合に、すでに今日行われている工場だけでもこれは設備が過重だといわなければならない。ただ外国から受ける注文の量のいかんによつて許可する工場の数も増減されてしかるべきだと思います。それでなければ経理が成り立ちません。そこでまずお尋ねしたいことは、一体注文の量がどのくらいあるのか、修理にいたしましても新しいものの製造にいたしましても、注文の量が、金額にしてもよろしゆうございます、あるいは数量にしてもよろしゆうございます、年間どの程度にあるか。またその発注先はどこどこであるのか。これがはつきりしないことには設備もできませんし、人を雇うこともできなければ、投資することもできないわけです。その点をお尋ねいたします。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 発注先等にわたりましてのこまかいことは局長から御説明いたしますが、全体としての状況をごくかいつまんで申し上げますと、御承知のように一昨年の四月に航空機の生産が始まつたわけであります。そのときに航空機工業の再建の第一歩が始まつてから約二箇年経過したわけでございますが、その間まず米極東空軍が発注者でありましたものが今日まで約千三百万ドルになつております。これの内容は修理でございます。それから最近に至りましてからジエツトの機体とジエツト・エンジンのオーバー・ホールが発注されることになつているのでございます。そこで昭和二十九年度の見通しはこれらの関係が約八百万ドルに上る予定と推計せられております。  それからその次に前々から御説明申し上げておりまするように、国内の発注者である保安庁関係、これが昭和二十八年度予算によつて今日まで発注されておりまするのが初等練習機が四十四機、ヘリコプター六機というような程度でございます。それから第三に民間機でございますが、これはまだ生産が需要に達していないのでございます。輸出と申しますか、そういう関係もこれはまつたくないので、例外的に一機、仏印かどこかの注文に応じたものが、従来まで全部を通じて一機あつただけだと記憶いたしております。  全体についての概略の状況は以上申し上げた通りでございます。  それから事業許可についてのお尋ねでございましたが、これはこれらの需要の今後におきましての見通しを十分検討いたしまして、きわめて確実な発注のものだけを想定いたしまして事業許可を行いたいと考えております。これからの需要といたしましては、従来と同じように一つは極東空軍の修理と部品の発注であり、その二は保安庁の国内における発注である、大体この二つが中心と考えられるものと思つております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 保安庁と極東空軍と民間と、輸出が一機では何ともなりませんが、そのほかにMSAの域外調達というものはありますかありませんか。もしあつたとすればどのくらいありますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 これは従来はありません。それから近い将来において考えられると思いますけれども、先ほど申しましたように今後の計画で、私の気持では需要の見通しというものは十分検討してきわめて確実なものを頭に描いて計画をいたしたいと思いますから、この点は近い将来に考えられるであろうという程度でございまして、確実に何機というように申し上げるまでの見通しは立つておりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それでは今年度の発注の大体予想し得る範囲の総体の金額、それから来年度の金額、これはどのくらいですか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 二十九年度中におきますまず保安庁の関係は、練習機三十機程度、それから極東空軍の修理と部品の発注は大体従来の実績程度のものはきわめて確実であろうかと考えます。すなわち八百万ドル強程度には行くと思います。それから昭和三十年度につきましては、機数等あるいは金額等によりまして正確に申し上げる段階の計画をまだ持つておりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そのことを本委員会に発表することが諸多の関係上差控えなければならないということであるならば私はある程度了承します。しかしながらこれが業界に対してでもなお秘密であるというようなことになりますと、これはちよつと工場の設備その他の計画に支障を来すじやないか。なぜなればこの法律が許可制ということに相なつているわけでありますが、その許可の三つの基礎は何かといえば設備であり経理であり技術である。ところでこの設備をするにあたりましても、ことしはわかるけれども来年はわからぬというようなことであるならば、先ほどの武器等製造法のときに申し上げましたと同じことが言えるわけだ。いや将来性はあるから大丈夫だとこう言われるかもしれませんが、今日の日本の業界は将来五年先、六年先をおもんぱかつて、ことしは指をくわえて仕事ができるほど健全ではございません。ことに武器工場にしましても航空機工場にいたしましても、すでに倒れている。東洋航空がいかなる原因で倒れたかは大臣よく御存じでございましよう。従いまして将来のこともわからずにこの許可をするということは、二年先三年先の教育内容がわからずに生徒を募集すると同じことなんです。これではたまつたもんじやない。こんな学校だつたら学校それ自体が文部省の認可にならないはずなんです。この点はある程度明らかにしていただかないと困ると思います。希望者が多いからこれで許可制をしなけばけつこうだという考え方があると思いますけれども、希望者が多いということはこれはおぼれんとする者がわらをもつかみたい気持でここへ集まつて来るだけであつて、この仕事に将来性があるとかうまみがあるというわけで集まつて来るわけではありません。ほかの仕事をやつておつてはとても立ち行かないのだ、何とか工場をまわして行かないと工場がぶつ倒れるのだ、やむなく下請などをやりましようか、こういうことに相なつておる、これは一つには通産行政の長年の積弊がこういうところへ来て、ほかの方へ追いやられるからやむなくはみ出して行つてわらでもつかんでみたい、こういうことで希望者がふえて来ておるわけなんです。そこでせつかくここへ集まつて来るならば、集まつて来たものだけはほんとうに健全に育てる、日平だとかあるいは日本冶金のような事態が起きてはたいへんだと思うのです。もつとほんとうに心ある政治家であるとするならば、ここへ集まつて来た切り捨てられた連中、いわば入学試験に落第した連中をも救つてやるということがほんとうの行き方ではないか、こう思うわけなんです。せめてここへたどりついて許可を得た者ぐらいは何とかうまく行けるようにしないと、一体どこへたよるようになるかといえば、御承知の通りこの技術というものがすでに日本の技術でございません、修理までがそうなんだ。部品をつくるとおつしやいましたが内地でつくり得る部品、いやつくることが許されている部品というものはほんの少々しかありません。ほとんどが向うから送られて来たものです。修理の部品までがそうでございます。従つてこの設備するところの機械もそうなんだ、日本ででき得る設備というものは、それは末端のこまかい小道具なんかはあるでございましようけれども、大きな機械設備というものはほとんど外国の製品でございます。それから経理的な基礎がまたさようでございます。部品なんかはみな向うから来る与えられた部品なんだ。それによつて修理をしているというのが現状なんだ、そういうことになりますと、かつて加えて日本経済が浅い、ほとんどが与えられたものであるということになりますと、この許可は一体だれにするかというと、日本人、なるほど名義はそうかもしれませんけれども、実質的においてはアメリカに許可を与える、アメリカの何がしの会社に許可を与える、アメリカの極東空軍に許可を与える、MSAの下請の何がしに許可を与える、こういうことに相なるわけなんです。その場合に困ることは、秘密が保たれ過ぎるということなんです。秘密が保たれ過ぎるということになりますと工場と工場との間に、同じ工場と工場でさえも秘密を保たなければならない、そうなれば戦前の海軍の飛行機、陸軍の飛行機と同じような秘密競争になつて、同じ三菱工場でつくつておりながら鉄のカーテンで隔てやらなければならない、こういうことになります。あまつさえ秘密保護法とか何とかという協定が通つておるやさきでございますから、日本にこの航空機工業を新しく輸入して来るといううまみというものがすつかりなくなつてしまう。この一等大きいうまみは個々の経理から生れて来るところの利益だけではなくして、私は工業の最高水準を行く航空機工業が日本の他の工業、自動車工業にいたしましてもあるいはエンジンの工業にいたしましても、その他あまたの工業に及ぼす好影響を考えれば、これは日本人であればだれしもこの工業の発達することを反対するものはないと思うのです。しかしそれが秘密々々でやられて行きます。向うの技術であり向うの資本であるからやむを得ぬということになりますと、これはあつてじやまなことがあり、迷惑することがあるけれども、利益はあまりにも乏しい、こういう結果になつて来るわけです。さればこそ以上のような質問をしたわけです。これに対して一体大臣はどのように考えていらつしやるか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 ただいまの御意見は一々ごもつともでございまして、私は航空機だけについて特に申し上げた機会はなかつたかと思いますが、全体の武器生産につきましては当委員会におきましてたびたび御説明申し上げたと思いますが、私の持つておりまする構想といたしましては、これは将来のことを考えないでやみくもにやるべきものではないということは、第一に御指摘の通りに考えております。それから第二には過大なる期待、計画をもつて現在の計画を始めてはいけないということであります。そこで先ほど申しておりまするように、航空機につきましては何といつても一番確実なものは、日本の国会で御審議をいただいてきまるところの日本の予算において保安庁が何機を発注するかということであります。その次はに極東米空軍等がまず現状とあまり大差なき形において今後一箇年なりあるいは二箇年駐留する場合において、そのオーバー・ホール等にどのくらいの発注があるであろうかということは、これは実績上からも相当確定的に見通しができますから、これらを中心として二十九年度の計画を立てるというのが先ほど申し上げました結論になるわけであります。それから三十年度以降等になれば、これはなかなかここで申し上げるだけの計画を持つていないのでありまして、先ほど当委員会で説明するのが不適当なら了承するというようなお話もございましたが、私は持つておれば幾らでも御説明したいのでありますが、実際これはないのであります。しかしながら二十九年度あるいは二十七年の四月から今日までの実績に徴しまして、この程度のものは将来にわたりましても大丈夫であるという程度のものはおのずから常識的にできると思うのでありまして、それ以上にどの程度に広げ得るか、あるいは広げることが適当か不適当かどうかということが、また将来の研究の課題でございますから、そういうことを頭に置いて、今度許可制度にしていただきましたならば許可をやつて行きたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

大西禎夫自由党

○大西委員長 もうそろそろ時間ですからどうぞ。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そろそろ時間のようですからそろそろやめます。実は今の問題につきまして突つ込んでまだお尋ねしたいのです。それでないというと本物になりませんが、いずれまたあとの時間にさせていたしましよう。次にお尋ねいたしたいことは、やはり企業が成り立つか成り立たないかということの観点に立つてのお尋ねでございますが、注文の受け方でございます。この注文量が目下のところほとんど修理が主体のようでございます。保安庁の計画もさることながら、一千万ドル近くに及ぶところの発注、これはほとんど修理でございまするから、さようなことがなければけつこうでございまするが、この注文の受け方につきまして、武器の場合は、再三お尋ねしたのでございまするが、日本の国内でありながら日本の商法によらずに、アメリカの出先の会計法によつておるようでございます。この問題について岡崎外相は、さようなことは君の誤りであるといつて、私の誤りだと言つておりましたところ、それは岡崎さんの逃げ口上であり、さぎを黒いと言いくるめる答弁の仕方でありまして、やはり武器はJPAの会計法によつておる、そのおかげで日本の工場は非常に痛い目を食つておる、親工場が痛い目にあいますれば、せつかく注文をとつて、新しい注文だから研究をして、研究費にだけでも、ガス代にだけでも二十万円も投入して、そうしてようやくにしてつくれるようになつたころに製品が納まらずに、ほかの安い下請、甲から乙へ、乙から丙へと注文先が移動して行つて、そのおかげで甲の工場は、設備がおつぽり出されてしまう。すでにそのころには下請企業にも発注が行われているが。下請企業は受けて準備をしただけで、この品物を納めることができなかつた。ただいま親工場が子工場に対して、遅払いの問題があちらにもこちらにも起きておりますが、その原因の一つはここにあるのです。うそだと思うなら日平の例、あるいは日本冶金の例をあげます。うそじやないのです。もつと言えば、豊和工業の例をあげてもいいのです。私は空理空論を言つているのじやない、全部数字を持つてかかつております。特に大阪機工なんかはひどい。こういうことがあつてはいけない。そこで注文を受けます折に、特に承りたいことは、決済の仕方、方法がどのようになつているか。勝つた国が負けた国に注文をするのであります。負けた国はわらでもつかみたいのですから、注文を受けさえすれば何とかなるということで受けるわけです。ところがこのしわ寄せは、必ず下請の工場、下請の工場に働く労働者にしわ寄せがされている。そのしわ寄せがそこで耐え切れなくなると下渡りということになつて、関連産業、資材購入先にまで影響を及ぼしている。これが社会不安の基礎になつている。こういうことでございますことは、大臣よく御承知のことと存じます。従いましてこの際注文を受ける受け方及び決済の方法、こういう点ははたして日本の商法がはつきり適用できるのかできないのか。アメリカの中佐なり大佐が来て監督している工場、これがはたして経理的と独立できるかできないかこの点をお尋ねしたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 アメリカからの発注は航空機に限りませんで、武器もすべてそうでありますが、御承知のように原則的に入札制度で行われております。そして入札を受け、落札する者が米国側と契約するわけでありますが、これは日本の法律によりましても、契約自由の原則によつて、日本側の業者とアメリカ側とが契約をする。その場合にアメリカ側が、アメリカの政府あるいは軍であります場合に、契約の当事者であるアメリカとして、会計法、会計規則等に縛られることがあることは当然でございます。それを前提にした購買者と日本側との間で、落札をして契約自由の原則による契約を結ぶ。さてその次の段階におきまして、もちろん商慣習等が違うこともございましようから、そういう点で日本側同士の契約と多少違つておる条項等が入ることは、これは現実の問題としてあるわけでございます。それから次に航空機の、先ほど申しておりますように域外調達、極東空軍からの注文というものは、現在のところはオーバー・ホールが主でございます。そのオーバー・ホールなり修理なりの値段の基準は、御承知のように一人が一時間当りにどれだけの修理ができるかというマン・アワーという基準単位をとつております。そのマン・アワーは、大体米貨にいたしまして七十セントから一ドル三十セントくらいの間になつております。これは機種や修理、オーバー・ホールのやり方によつて、この幅があるわけでございます。それからこの代金の決済の方法によりまして、これが現在の大企業から下請企業の遅払いの原因の大部分であるというようなお話がございましたが、その点は私もちよつとわかりかねますが、そういうことにはならないと思いますが、この点は、将来御注意のありましたところをお教えいただきまして、十分調査をいたしまして、これらの点については政府といたしましても非常な関心を持つておるのでありまして、その契約のやり方等によつて、そのために日本側に不利なことのないように、随時合同委員会はもちろんでございますが、私自身も、たとえば米側の担当の責任者等を随時呼んで会いまして、こちらのいろいろの意見も申しておるような次第でございますから、今後注意いたします場合に適当な手配をさせていただきたいと思います。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 約束の時間が来たようですから、もう一点で、あとはこの次にさしていただきたいと思いますが、問題は、この法律によつて日本政府は国内の業者を選定しようとしているわけでございます。ところがはたしてこの業界のことを真に考えたときに、そのことが先決問題であるのか、ないしは向うから受ける注文の仕方その他この業界がほんとうに企業として成り立つようにめんどうをまず見てやることの方が先決問題なのか、おのずから明らかなことでございます。とかく日本政府のつくります法律は、企業が多いとかどうとかいうことで、これを束縛したり、断ち切つたり、選定したりということに多く知恵が働いているようでございますが、それは枝葉末節であつて、ほんとうに経理が成り立つべく基礎を整えてやるということの方がまず大事じやないかと思います。そういう観点に立つて見ますと、この航空機の注文は長い十年先、二十年先は別といたしまして、これ以後三、四年からまず六、七年ぐらいまでは、おそらく向うの注文を受ける、このことが一番量的にも多いだろうと思うわけでございます。それも新しいものでなくて修理だと、こういうことなんです。この場合に、特に考えられなければならぬことは、その修理が日本でやれば便利であるということもございますけれども、便利ということよりも割合に安く仕上る、こういうことからでございまして、ただいま大臣が一人についての能率に対する賃金のことをおつしやいましたが、私の調べたところによりますと、この修理事業に従事しているアメリカの工賃は、平均でございますれども、こまかく言えといえば言いますけれども、全体の平均をとつてみますと、一時間に百五十セントでございます。ところが内地の平均は、同じ仕事に従事して、しかも監督づきでやつて、あまたの厚生設備等が悪い状況下において、なお日本の最高技術を持つている者で五十セントでございます。うそだとお思いなさつたら私は証人を連れて来ます。ここが注文を発する方ではうまみなんです。またそのうまみがあればこそ注文が多くとれるわけなんです。従つてこれをこの委員会で云々するわけでないですが、一例をとれば、こういう不利な状況下においてやらされている。ほかの注文の受け方もみなしかりでございます。そこで、これはあなたの方で研究なさればよくおわかりのことと思いますから、ぜひひとつ入学試験をして選抜をすることにのみ終始せずに、せつかく入学した者が末長くりつぱに育つように、それから入学にすべつた者も、何とかしてやらなければならぬはずなんです。公立学校ではないのですから、全体の者を何とか指導育成してやるという立場に立つて策を立ててもらいたい、その策を近き将来に発表してもらいたい、こういうことを要望いたしまして、まだありますけれども、委員長さんがにらめますから、この次に譲ります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 ただいまのマン・アワーの基礎になつておりまする価格等につきましては、なお資料等を十分検討いたします。  それからただいまこの法律案によつて許可制になつた場合に、日本側の利益を考えてやらなければならない、日本側の利益というのは、会社のためにもなり、あるいは国家的にもなるというような御趣旨がございましたが、これはまことにごもつともで、そういうつもりなんでございます。それでこれは私のざつくばらんの意見なんですが、たとえば日本にある航空機会社があつて、それがかつてにと言うと語弊があるのですが、外国の技術提携とか何とかいうことで契約をして、既成事実にして、そうしてこれが日本で働く、これは会社の利益にはあるいは当面なるかもしれませんが、必ずしも大局的に国家の利益にならぬ場合もございますから、そういうものは従来の届出制度であれば野放しになるわけなんですが、今度この許可制度にしていただければ、そういう点についても十分検討が加えられますから、対外的にも日本は有利な立場に立ち得る、こういうふうに考えておりますので、御趣旨の点は十分取入れてやつて参りたいと思います。

大西禎夫自由党

○大西委員長 次に中崎君。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 最近といいますか、近年国民の考え方というものは、特にすさんでおるというようなふうに感ずるのであります。それは政治のやり方に一つの大きな原因があるのではないかというふうに考えております。特に最近、きよう出て来ておられる運輸省の方においては陸運汚職あるいは海運汚職、あるいは保安隊方面においてはひんぴんとして内部におけるいまわしいいろいろな問題がとりざたされておる。これが表面に出ておるのはよくわかつておりますが、どろ沼だと言われておるくらい、非常に腐敗しておるような印象を、私たちでも持たされる。通産省におきましては、そう表面立つた問題は今のところあまりないようでありますが、先般来やはり日平産業の問題等についても、いろいろ新聞紙上等をにぎわしてみるような事実もあるのであります。それはほんの表面に出た、氷山の一角とでも考えられるようなことでありますが、こうしたような問題が出る一面において、政治というふうなものについて、次から次へとなされる場当りのやり方が、絶えず国民の信頼感を失わしめており、希望を失わしめておるということが、大きな原因でもあるのではないかと思うのであります。たとえば燃料の場合においても、かつては重油をしきりに奨励されて、いろいろな設備等をやつてようやく軌道に乗つたのを、今度は重油はぐあい悪いから石炭に転換しろというようなことになりますと、相当業者はこれによつて迷惑を受ける、ある程度まで軌道に乗つておいたものが、燃料というような重要な要素の転換等によつていろいろな打撃を受ける。そういうふうな事情になりまして、政府の方においては何らこれに対する責任をとらない。こういうふうなことが幾多あるのであります。この航空機製造法案についても。ややそういうふうな感があるのであります。今から二年ほど前にとにかくああした法律ができた。ところがそれから二年もたたぬ間に、またまた今度は相当強化されるような方向にこの法律案が出されておる。これは時の動きだと言えばそれは一応そうであるかもしれませんけれども、こうしたような面においても私たちはもう少しはつきりした根本的な大きな政策と方針を持ち、その方針のもとに一糸乱れないところの政策が、次から次へと秩序よく打出されて行くというふうな、そういうあり方でやらなければならぬのではないかというふうに考えております。また次に憲法の条項に関しましても、初めは警察予備隊である、それが保安隊になり、自衛隊になりというふうになつた。しかもそれが憲法に違反しておるということは、国民的の常識です。それを平気でやられておるということが、やはり国民の信頼感、遵法精神というものを失わせるところの大きな行き方ではないかというふうに考えておる。そうしたものの一環として今回こうした航空機に対するところの行政というものが打出されておるのでありますが、これらの問題についてももう少し全般的な計画の線に乗つて、そうして国民の納得の行けるような、そういう大きな方針のもとに政治が進めらるべきではないかというふうに考えておるのであります。これは私の政治に対する根本的な考え方であります。さてそうしたような考え方から見まして、ことにアメリカに対する日本の政治というものはあまりに卑屈である、ことに外交が非常に腰が弱いという印象を持つておるのであります。重要な問題は国民をつんぼにして、そうして秘密的にどんどん進められておる。既成事実として今度は国民が、また国会において一つの法律なり何なりつくらされるというような状況になつておるのではないかということを心配しておるのでありすが、経済の面においてもそうなんです。ことに兵器、飛行機等に関しましては、アメリカの鼻息をうかがつて、そのもとにやつて行きつつあるのであるということを感ずるのでございまして、これらの点をもう少し腹をすえて、そうして日本はどこまでも日本として——それはまあ負けたのですから、百パーセント戦前の日本みたいなことを夢見ることは無理でありましようが、少くとも占領から解放されて独立国家となつた日本ですから、占領中において不利益な状態に置かれた日本というものを、もう少し正常の状態に返すべく、政府の方においてあらゆる努力を傾けらるべきではないかというふうに考えておるのであります。そうした面におけるところの一環としての通産行政として、武器なりあるいは飛行機の面において、もう少しそうした考え方というものがあつていいのじやないか、ことに保安隊の場合においても、これはもし責任のある方から実は意見を聞きたいと思つておるのでありますが、きようは課長か何かしか見ていないというのでありまして、こうした問題について意見を聞く責任の立場にないということは残念でありますが、一応通産大臣からそうしたことに対する心構え、この飛行機なりあるいは武器等に対する行政について、あなたの腹構えをひとつ聞いておきたいと思うのであります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 この点は私もごもつともだと思いますので、いろいろ民間にも御意見のある点でございますから、何としても日本としては自主的な、独立国家としての態勢のもとに特需の受入れあるいは域外発注の受入れをやりたいということで、ずいぶん苦心をしておるつもりでございます。この航空機製造法の中に許可制を入れていただくというのも、これにもまた逆の見方をされる方もあるようでありますが、私は先ほども申しましたように、たとえば強大な資本力を持つた外国の会社が、日本に事実上子会社というようなものをつくるとか、技術提携の名において一つの契約を結んで、それが日本において強大な力を発揮するというようなこと、ともするとそういう情勢になりがちなので、それをこの際だんだん日本国内に対する発注も多からんとする現状において、許可制度にして、先ほど来申しておりますように、長期の計画は、まだお見せするだけのものがないのは非常に遺憾でございますが、おそかれ早かれあるいは最近の機会に一つの相当長期の計画を私はつくるべきだと思います。それを頭に置きながら、政府としては具体的な問題に対して許可をして行く、あるいは不許可にするということをやつて行くつもりでございまして、この法案の立案者の立場から申しますれば、ただいま御指摘になりましたようにともすると引きずられがちである態勢を建て直そうという気持でやつておるのでありますから、この法律のもとにおける運用の際におきましても、そういう点は十分顧慮して参りたいと思います。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 この配付されております資料の中にありますが、航空機関係の技術援助契約状況、これを見ましても、全部アメリカの会社との提携契約のようであります。そのほか、たとえばフランスとかドイツとか、相当優秀な飛行機技術を持つておるところもあるようでありますが、すべてこれがアメリカとの契約になつておるようであります、そうした点について何らかほかの国とも、いいものであれば契約をやらせるとか、これを許可するとかいうふうな考えがあるのかどうか、その点をお聞きしておきたいと思います。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 これはもとより他国、ドイツであれ、フランスであれ、あるいはイタリアでございましようとも、いいものでできるだけ安く入るものがあればこちらの過剰にならざる限りにおいてもちろんこれは入れたいわけでございます。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 フランスの会社でありましたか、日本の航空機製造会社との間に何らか契約をするんだとか、しているのだとかいうふうなことがあつたようでありますが、それはどういうことになつておりますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 私はまだ存じません。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 次にパイロツトに関する問題でありますが、現在民間飛行の場合においても、全部向うの人がパイロツトになつておるようであります。これは保安隊の場合についても聞きたいのでありますが、われわれはこうしたものは日本人でもつてやつてもらいたいと思う。われわれ日本人の貴重な生命を預けるのであるから、外国人に託するよりも、ほんとうに同士的な国民にその生命を預けたいというふうな気持であるし、またその生活を保つ上においても、これはどうしても日本人の手によつてやるべきものであると思うのがありますが、これについてはどういうふうな態勢になつておるのかお聞きしたいわけであります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 これは所管の政府当局からお答え申し上げた方が的確かと思いますが、一言私から申し上げたいと思います。まつたく御説の通りでございます。ただ実際問題として、航空関係の技術あるいは国際的な環境が現状のような状態でございますから、一つには非常に高度の理工科的な教育を受けた人でなければならない。生理的な条件を十分備えたものでなければならない。さらにその上に、そのこと自体よいことか悪いことかというような批判は別といたしまして、実際問題として、現在航空機をコントロールするパイロツトとしましては、外国語、特にアメリカ語が非常に練達堪能で、地上との連繋、国際的な連繋に当り得るものでないといかぬというようなことで、パイロツト養成にはきわめてむずかしい現実上の条件があるわけでございます。そういう点について、実は日本航空でも非常に困難を感じておるようでありますし、保安隊においても同様な悩みがあつて、優秀なパイロツト養成には相当の時間と金がかかるのではなかろうか、こういうふうに想像しておりますが、どうしてもこれはやらなければならぬことと考えます。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 パイロツトの手腕、力量、腹といいますかについては、かつて日本でもあれだけの優秀なものが続続出て来ておつたのでありますから、そういう点において何ら問題があるとは思わないのでありますが、その後において空白の時代があつたのであります。この間の空白をどうするかということは別でありますが、いずれにしても、今後どんどん養成するということをやつてもらわなければならぬので、それには今後どういうふうな態勢においてやられるのか、現在どういうふうな情勢にあるのか。言いかえますと、英語が堪能であるということは、やはり英語の勉強を少しよけいやらせればできぬことはないわけであります。そうしたものを含んで現在並びに将来においてどういうふうな態勢で進まんとするのか、それをお聞きしたいのであります。

市川清美運輸技官(航空局技術部長)

○市川説明員 お説の通り、操縦士の養成の問題に関しましては、運輸省といたしましても非常に関心を持つております。現在の操縦士は、すでに操縦士関係だけで三百名近く国家試験を通つている者があるので、そのうちで特に多数の人命を預かる定期航空輸送の操縦士につきましては、安全第一の立場から、技術を十分マスターしたものでなければ困る。従いまして、現在日本航空におります外国人のパイロツトも、国内線に関しましてはおおむね今年の秋には全部日本人に切りかわる予定でおります。なおあとの養成につきましては、本年度におきまして、航空大学校をつくる予算が通過いたしまして、本年の七月に宮崎で養成を開始する予定であります。これは定期航空輸送の操縦士を養成するのが目的でございます。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 保安隊の方は……。

大西禎夫自由党

○大西委員長 保安隊の方は、さつき申しましたように、きよう出張しておつて出て来ておりませんので、この問題については、この次の機会に最初にやつていただきますから……。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 ではこの次にやらしてもらいましよう。

山手滿男改進党

○山手委員 ちよつと関連して……。私はこの航空機製造法案について冒頭に質疑をする予定であつたのですが、同僚議員に質疑を譲つたわけでございます。時間が少しありますから簡単に大臣に承つておきたいと思いますが、まず一番初めに伺いたいことは、今度の武器製造法あるいはこの航空機製造法の改正案を通して、こういう事業を許可制にする必要というのは、どういうことから許可制に切りかえて行かれようとされるのか、承りたいと思います。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 先ほどから折に触れて申し上げたのでございますが、私どもの考え方といたしましては、将来のことを——民間あるいは外国関係等におきまして、実際の需要の限度を越えて濫立といいますか、濫設的に航空機の製造が始まるということはこういう際にいかがかと思いまするので、先ほどもときどき申し上げましたような理由で許可制度にいたしたい。それから航空機体、機種等の合理化と申しますか、単一化と申しますか、そういうような点につきまして、許可制である方が適切であるというふうに考えましたことが主たる理由でございます。

山手滿男改進党

○山手委員 大臣の今の御答弁、私はけつこうだと思います。しかし私どもわかりませんことは、さつきからの質疑にも断片的に出ておりましたように、今日日本の経済界全般を見渡してみますと、資金は統制をしているし、原料を買いつける外貨も厳重な統制がされておつて、いろいろな面から各業界に二重投資が行われておる。二重投資をある意味では奨励して来たような政策がとられて来ておる。そのために従来から堅実にやつておつてつぶれなくてよい企業まで、その政策のあおりを食つて今日つぶれるというのが、私は日本経済界の悩みであろうと思うのです。私の言おうとする結論から申し上げますと、この際日本のこうした非常に底の浅い経済界をほんとうに健全なものに育て上げるためには、大きなわくを計画的に策定をして、そのわくに従つて、航空機とか武器とかあるいは硫安の臨時需給調整法というようなものを断片的に散発的に出すのではなくて、日本の産業全般を規制をするような、一つ一つを総括的にだめ押しをして、資金もそれに合理的に流して行く、生産も安定をして生産されて行くような産業規制法と申しますか、事業規制法というふうなものをむしろつくつて、日本の産業界に大きなわくをはめて行かなければ、これはあらゆる業界が今後ますますごてごてするであろう、こういう考え方を持つております。今大臣の御答弁のように、日本の航空機事業の濫設をさしてはいかぬというふうなことについては、私どももこの法律に反対する理由はないし、賛成をしたいのでありますが、こういう法律を次から次へと断片的に、壁にぶち当つてからお出しになるような政策では、あらゆる業界が困難な事態に逢着する。石油がすでにその例を示しております。今日好況を伝えられておるところのセメント事業のごときものでも、セメント業界なんというものは非常に波のあるものである。今日たまたま好況を伝えられておるというので、金融機関を持つております一部の財閥系のものが寄つてたかつて大セメント工場をつくろうというふうな計画をしている。いいからというので、資金を持つている者はそこへ押しかけて来る。そういうことで合理化はある程度推進されようけれども、業界全般に大動揺が起きて来るわけであります。そういう考え方でこういうものを散発的にお出しになることは政治の本体から少しはずれておる。これは通産省の重工業局の課長なんかの進言を取入れられて、政治的ではなしに、事務的にお出しになつた政策である、法律である、こういうふうに考えております。これは重要なことでありますから、大臣から御答弁を願いたいと思います。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 御意見としてはまことに傾聴すべき御意見でございまして、私も率直に申しまして、航空機製造業というようなことは今後の新しい分野でありますので、これに対して計画的に出て行きたいという考え方で、政治的にもこのやり方は適切と思つて御提案申し上げたような次第でございます。  それからただいまのお話のように、他の重要な産業についても頭からわくをつくつてやつて参りますのも、確かに一つの考え方であり、行き方であると思います。同時にまた経済の実態に応じ、必要のあるものから必要な手を打つて行くというのも、一つの行き方ではなかろうかと思います。ただいまの御意見等につきましては、私個人としても今後十分研究さしていただきたいと思います。

山手滿男改進党

○山手委員 私は今日政府がとりつつある財政投資の面を、いろいろ議論はありますが別として、市中金融を、日銀を通じて産業資金を全面的に統制をして、こののど首を締めておる状態、これは重大な問題であると私は思うのであります。業界人の事業意欲というものを片一方ではわき立たせながら、しかも資金といいますか、産業の血液ともいうべきものをぎゆうぎゆう締めておるやり方、私はどうもこういうやり方が長続きするものとは思わないし、あるいはまた石油のようなものでは最近行政指導をしていろいろ統制的な手を打とうとされるが、ほんとうは政府がかわるたびに、あるいは大臣がかわるたびにぐらぐらしておつて目安がついておらないというのがその実態でありますし、つかないのがまた当然のことなのであります。先般武器等製造法に基いて十二・七ミリの銃弾の製造のごときものも、三社にやらせるというふうないろいろな方針をきめてやられた。ところがさつき話の出たように、日平産業が出血受注をしたとかなんとかいうふうなことで大混乱になつて行く。私は航空機の製造事業にいたしましても、やはりここでもう少し法の裏づけのあるしつかりした規制がされなければ、とても欲の固まりのような事業人、企業意欲の旺盛な事業人にしつかりした自分たちの立場を与え、日本の産業を健全に盛り立てさすようなことにはなつて行かぬと思う。そのために中小企業問題も起きるし、いろいろな問題が派生的に次から次へと起きて来ると思う。これを一つの業界で問題が起きたからというので行き当りばつたりにおやりになることは、私どもはどうも賛成できない。いいときにこそむしろ規制をして自重をさせ、次の段階のいろいろな手を打たさすということが政治のほんとうの親心でなければいかぬと思う。その点について私どもは産業規制法というふうなものでもむしろこの際制定すべきだという考えを持つておるのでありますが、もう少し大臣の方から御見解をこの際聞いておきたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 私もそのお考えについてはいろいろ考えたいことがあると思いますが一つの考え方といたしまして、私はやはり各産業を総括いたしまして日本経済の安定ということを中心に考えるべきであろうと思います。そこで規制というよりもむしろどういう点に安定度を求めるか、たとえば今燃料対策のお話もございましたが、かねて私が申しておりますように、たとえば石炭の出炭が四千八百万トンならば適正なものとして消費ができるのだというような一つの経済計画が立つて、それに必要な手が打てるということであると、これが一つの安定の中心の課題になつて来るわけでございまして、そういう場合において法律あるいはその他の法規的な手が必要であるということであれば、あながちこれを回避すべきものではないと私は思います。しかし現在のところは、これは今御非難も受けておりますように、率直に申しまして、かなりな財政金融政策の変転がございましたために、現在のところは財政金融あるいは外貨というような面からの引締めというものでひとつ太い大きな線を出して行こう、そしてそれに対して即応ができかねるような、あるいは対症療法を必要とするようなものについての手を打つて行くというのが現在の段階で、その段階を通して一面において各産業全体として日本経済の安定点を発見する努力と、その方法論というものを同時に考えて行きまして、ある時期においてこれらを打出すということが望ましい方法じやなかろうかと考えております。ただこれは私の一個の私見でありまして、まだ現政府全体がそういう考え方に統一されているというところまでは研究が積んでいないわけであります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 先般新聞や国会でも問題になつたのでありますが、吉田さんがあちらへ行くにつけて日本の国内の会社の飛行機を使わないで、外国の会社の飛行機を使うということには何らかの理由があると思うのであります。たとえば安全性が違うとか、あるいはサービスがどうだとか、運賃がどうだとか、いろいろな理由がなくてはならぬと思いますが、それは一体どこにそうした理由があるのか。それにつけて特に管轄の運輸省においてはどういう点について反省される必要があるのか。またどういう努力をされておるのか。そこの点をひとつお聞きしたいと思います。

市川清美運輸技官(航空局技術部長)

○市川説明員 日本航空の国際線につきましては、安全性の面においては絶対にひけをとらないと確信しております。私どもとしましては総理大臣が日本航空を使われることを希望いたしますけれども、この問題につきましては私よくその事情を存じません。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 これはほんの一つの単なる派生的な問題にすぎないようであります。実際においては非常に外貨が少いとか、日本の経済が立ち遅れているというようなことはひとしく憂えられておる。そのときにおいて、一国の総理ともあろう者がそうしたものをほとんど考えないでやつておるのであるか、あるいはやつていないのであるか、そこらの点は非常に重要なので、少くとも国産品をまず重点的に奨励して行くのだという心構えを現わしてもらいたいのでありますが、通産大臣としても国産の愛用については一体今後いかなる心構えをもつて対処されんとするのか。これはただ飛行機の切符の問題でなしに、いわゆる国産愛護の上において一体どういう心構えをもつて、一面外貨の節約をはかり、一面において逆に輸出でもするというような、さらに国の経済全般を引上げて行くという心構えの上に、さらに国民に対していかなる指導方針をもつて対処されんとするのか、これを聞いておきたいのであります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 国産品の愛用ということにつきましては、政府部内の官庁需品等につきましても申合せ等をつくりまして、できるだけ外貨を使わずに国内産を使つて行きたいということでやつて来ておるわけでございますが、ただたとえば今官庁の自動車等でございますが、これは御案内のようにほとんど全部が外車なのでありますが、これを一挙に国産車に切りかえるというようなことが非常に望ましいとは思いますけれども、実際問題として金の関係あるいは現在使えるものを使わぬでいいかどうかという問題もございますので、漸を追うてだんだんに効果が出て来るものと考えますが、たとえば保安隊の被服関係その他におきましては、ほとんど全部二十九年度予の使用から対象としては国産品にするということが現に具現されておるはずであります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 ついでに伺つておきますが、この法案の提案理由といたしまして、新規企業の設立が相当もくろまれている。そのほか航空機工業の健全な発達を阻害するおそれがあるから、それで過剰投資の弊を生み、国民経済の健全な運行を妨げるおそれがあるから、これを出したというのでありますが、こうしたことは現在の日本の経済においてはあらゆる面においてこういう事態が起つているのではないかと思うのです。それでこの航空機工業についてのみ特にそうした措置を講じなければならぬという理由は一体どこにあるのか、そうしてまた最近新規企業の設立が相当多いというのでありますが、どの程度に多くなつているのか、そこらも聞いておきたいのであります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○愛知国務大臣 航空機についてこういう許可制度をとつておりますことについては、先ほど山手委員からも御指摘がございましたように、他の産業との関係も十分考えなければならないのでありまして、これは今後の私どもの研究課題と思つておりますが、取急いで航空機についてこういう法案の御審議をお願いしておりますのは、先ほど来申しておりますような実質的な理由と、いま一つ申し落しましたが、需要者はほとんど原則的に国なのでありまして、そういう関係から申しましても、計画がきちつと行きますし、その計画をオーバーするかどうかということは、非常に政府側としても他のものに比べて行政的にも的確に許可制を運用できる、こういうような考え方も、この案を考えました理由の一つになつているわけであります。

大西禎夫自由党

○大西委員長 この際午後二時まで休憩いたします。     午後零時四十七分休憩      ————◇—————     午後二時三十五分開議

大西禎夫自由党

○大西委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  砂利採取法案を議題といたします。質疑の通告がありますので、これを許します。長谷川四郎君。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 この法案は、合理化という名目と業者の安定という二つのものが母体となつてつくられておるのでありまして、合理化をはかるということになると、結論として、採取したものの価格が非常に高くなりやしないかということを私は憂えるのですが、そういう点について提案者はどのようにお考えになつているか。また業者の実態から見て、そういうような点についてのお答えを願いたいと思うのでございます。

始関伊平自由党

○始関委員 従来砂利の採取につきましては、河川法等の規定に基きまして、府県知事が許可をいたしておるのでございますが、これは河川管理という立場からの許可でありまして、砂利採取業という側に立つての考慮というものは遺憾ながらはなはだしく不十分であつたと思うのでございます。そこで今度は、河川管理という建前から、支障がない限り砂利採取のできまする期間なりあるいは面積なり、そういうものをなるべく安定化しまして、合理的な経営ができるようにしたいということがこの法案の一つの大きいねらいでありまして、ただいま御指摘のような、業者の企業の集中といういうものをもつと積極的に進めるあるいはカルテル化を進めるというような点は、この法案のまつたくねらつておらない点でございますし、またそれを助長するような意味の規定もまつたくないのでございまして、むしろ合理的な基礎のもとにコストがだんだん下つて参るわけでございまして、価格つり上げなどの心配というものは、この法案のどこからも出て参らないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 私が心配するのは、公共事業や民間事業という点について、現在の緊縮予算をやつている上において、もしそうなつた場合に価格というものがつり上げられるようなことがありますと、各地方々々の予算にも大きく響くのでございまして、その点を十分監督しなければならないと思うのでございます。さらにまた一方、砂利採取をいたしまして河川が破損する、洪水、氾濫その他に対するところの監督、従つて、河川の採取上の良否の判断によつたところの許可ということにならなければならないと思うのでございまして、この点、建設省の出先機関と、あるいは各県のその担当の機関等にも十分会議してそうして通産省の方において許可をしてもらわなければならないと思うのですが、そういうような点についてはどのようなお考えを持つているか承りたいのでございます。

始関伊平自由党

○始関委員 砂利の価格のつり上げにつきましては、公共事業の円滑な進展等のためにも、この法案も含めまして全体として注意を払うべきことはまことに御同感でございます。それから、河川を荒させないようにするということも今度の法案の非常に大きい眼目の一つでございまして、そのためには、先ほど申し上げました合理的な経営ができるということがやはり無理な採取をしないでもよろしいということになるわけでございまして、河川を荒さないために役立つ非常に大きな要素になると思うのであります。そのほか、従来河川法の規定に基きまして、府県知事が採取の許可をいたします場合の附帯条件として、河川を荒さないようにということについてのいろいろな条件がついておつたと思うのでありますが、今度の法案ではそれを受けて立ちまして、ちようど鉱山の場合に保安責任者というのがございますが、それと同じような趣旨をもちまして、現場現場にそういつたような問題について責任を持ちます採取管理者というものを置くことに相なつておるのでございまして、これが建設省あるいは府県の、つまり監督する側と協力する立場に立ちまして、業者の内部において、ただいま御指摘のございましたような河川を荒さないという点について責任を持つということにいたしておりますので、この採取管理者を設置するということと、ただいまお話のような建設省方面との連絡を密にすることによりまして、御指摘のような河川を傷つけない、破損しないということにつきまして、この法案が従来よりも相当よけいに役立つものというふうに考えておる次第でございます。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 今までと考え方が大きく違つて参りまして、いずれにいたしましても砂利の採取という点について立法化そうというほどに必要性に迫られており、さらにまたこの精神が公共事業というものに大いに役立たなければならない、役立たせるための法律ができるわけでございますが、私たちはこの点から考えてみて、その採取する方々はいずれも業者の団体でございますので、業者の団体に必要であるから、採石法による土地の使用権を与えるということは、将来の日本の立法上におきな支障を来すものであろうと考えておるわけであります。そこで砂利の採取という点は、冒頭に申し上げた通り、これは公共事業という非常に大きな公共性を持つておるということは私も認めます。認めますけれども、申し上げたような事情もございますものでたとえばこの砂利の採取に当る業者が、取りたいというところと取りたくないところがある。すなわちそれは業者であり営利を目的とする会社であるからでありますが、そういう場合に、業者が取りたくないところでも、どうしても取つてもらわなければならないところがたくさんあるわけでございます。ですからそういう場合にのみ採石法の第三十六条だとかあるいは三十七条の規定の土地の使用を準用する、こういうふうに私は法案を改むべきではないだろうかと考えるのですが、その点に対して提案者の御意見を承ります。

始関伊平自由党

○始関委員 土地の使用の問題につきましては、ただいまもお話がありましたように、砂利の採取ということ自体が相当公共性もございますので、砂利の運搬用施設あるいは置場等、どうしてもやむを得ない場合には土地の使用権を認めるという原案の趣旨でございますが、その場合におきましても、特に河川の管理上は砂利採取の必要が強いのだけれども、営利事業としての砂利採取業者の立場から見れば、条件が悪いためにそこでは砂利を取りにくいという場合が特別にあると思うでございまして、そういつた場合には、この土地の使用権を認めるということにつきましての公共性というものは一段と強いということは言い得ると思うのでございまして、その点につきましては長谷川委員の御見解にはもつともな点があると存じます。そういう場合に限つて特に土地の使用を認めろというただいまの御見解に対しましては、提案者といたしましても慎重に考慮研究をして行きたいというふうに考える次第でございます。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 私たちもこの法案に賛成することは決してやぶさかではないのでありまして、申し上げたような公共性というのは、砂利を採取したものを使うのが公共性ではなくして、河川の修理または河川の管理上取らなければならないところがたくさんあるので、ぜひとも取らなければならぬという面に対して土地の使用権を与えるということは、決して将来の立法に対して何ら支障を来すものでない、こういうふうに私も考えております。ただいま提案者もごもつともというようなお話でございますが、私はその点は強く主張をするものでございます。従いまして第四条の但書の中に「省令で定める規模」という言葉があるわけでございますが、この規模という言葉は少しあいまいではないか、業態というように改めたらどうか、こういうふうに私は考えるのでございますが、この点について提案者はどういうふうに考えているか、その点の御説明をお願い申し上げます。

始関伊平自由党

○始関委員 この法案の第四条におきまして、砂利の採取業者に一種の届出義務を課しているわけでありますが、この但書にございますように、たとえば常時使用者十人以下というような小規模の場合におきましては、その届出義務を免除する方が実情に合うのではないかという趣旨におきましてこの但書ができておるのでございますが、実はただいまお話のございましたように、小規模の場合だけでは必ずしも十分ではないのでございまして、たとえば一週間や十日くらいしか砂利をとらないという場合におきましては、多少規模が大きくてもその届出義務を免除する方がよろしいのではないかというふうにも考えられますので、そういつたような意味合いを含めるといたしますと、規模以下という表現では不十分でございまして、ただいま御指摘のございましたように、省令で定める業態の砂利採取業者についてはこの限りでないというふうに直すことは適当であろうというふうに考える次第でございまして、この点ははつきりと御同意を申し上げます。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 さらに昨日も私が申し上げました通り、たとえば一度河川が破壊したという場合損害を受け、その損得の負担をするのは市町村民でございます。でありますからその市町村民がたとえば箱に一ぱいとかあるいは台所のお勝手を直すくらいのもの、そういうほんのわずかばかりのものを取りに来た場合は、ここは取つてはいけないから、そこのところをお取りなさいというような注意も与えておかなければならないのじやないか、裏づけをしておかなければならないのじやないか、こういうふうに私は考えます。しかしこれは法律の中にはむずかしいことだと思いますので、附帯決議とか、何か決議の中に入れておくべきだと思いますが、そういうような点について、この法律の中にそういうような親心を持つた思いやりのところがどこにあるかというと、私には見出せないのですけれども、提案者はそういう面についてどういうようにお考えになつておられるか、それを承ります。

始関伊平自由党

○始関委員 村民が必要な砂利なり砂なりをちよつと取るというような場合におきましては、これは砂利採取の事業を継続して、かつ営利の目的をもつてやるものとは考えられませんので、この砂利採取法の適用のないものと考えておりますが、なおそのほかにもただいま御指摘の場合に準ずるような場合があろうかと存じますので、そういつたような点を運用の問題としてはつきりいたしますために、何らかの形での附帯決議がつけられるというようなことはこれまた適当であろうというふうに考えまして、長谷川さんの御意見に同意をいたします。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 許可を与える場合に土地の区域というものを、たとえば業者がこれからここまでという場合、この何坪かのところをその中から抜いておいて与えるようにして便利を与えたら、どうかと、こういう意味でありまして、しいてわずか二坪や三坪与えたものがその業者の営業の利益にたいへんに関係があるというようにも考えられませんので、そういう場合も考慮してもらいたいのだ、こういう意味でございますから、そういう場合において新しくまた附帯決議等をつけて、皆さんの御承認が願えるならば、そういうふうに出していただきたい、こういうのが私どもの考え方でございまして、提案者もその点について御理解があるというようなお話でありますから、さよう私は了解をいたします。いずれにいたしましても、この法律は、私が申し上げたように、砂利採取という一つの事業ではあり、この事業の上に立つて、非常な公共性を持つているという点、その公共性という公共性の定義にも関係がございますので、十分その点を考慮の上、私はこの法案を修正し、さらにまたその目的を達成していただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。以上をもつて私の質問を終ります。

大西禎夫自由党

○大西委員長 永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この法案は自由党議員の議員提出としてここに出されたわけでありますが、最近議会における議員立法の性格について、いろいろな論議がなされております。また自粛を要すべきものとしての社会的な批判もあり、また議会自体においても自粛しなければならないということが言われております。そういうような観点に立ちまして、自由党の中では、議員立法については一つの内規と申しますか、申合せというようなものができておると承つておるのでありますが、自由党の議員提出に対する議案の扱い及びその限界、どういう基準によつてお出しになるのか、これを承りたい。

始関伊平自由党

○始関委員 議員立法をどういうものに限るかということについての自由党の内規があるのではないかというお話でございますが、その点は私は承知をいたしておりません。ただここで申し上げたいことは、この砂利採取法案は国会の末期に上程の運びに相なつたのでありまするが、実はこれは両三年来の懸案でございまして、先ほど申し上げましたように、従来もつぱら河川の管理という立場のみが表へ出まして、砂利採取業という立場からの考慮がきわめて薄かつたという点からいたしまして、合理的な基礎での砂利採取をやつて行きたいということから、非常に前からこの問題がいろいろと研究されておつたのでございます。今回——ただいまの永井さんのお尋ねに対しての直接のお答えになるかどうかわかりませんが、これを議員提案といたしましたのは、この法案に最も関係の深い建設省なりあるいは農林省という方面の事務当局間の折衝が非常にむずかしいのでありまして、それをわれわれが第三者的な立場から、間に入りまして、各省間の意向をとりまとめたような次第でございまして、そのような見地も含めましてこれが議員提案の形で出て参つたのだというふうに御了承願いたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 私の承るところでは、理事会その他非公式な会議における自由党の各位の御意見では、予算を伴う議員立法はしないというような申合せがあるというようなことに承つておるので、おのずから議員立法に対する社会的な批判が高まつておるときに、議員みずからが立法については自粛しなければならない段階であろうと考えるのであります。あるいは農林委員であれば、農林委員だけの立場からいろいろな立法が出て来る、予算の要求が出て来る、そういうような立法が出ましたために、本年自由党内閣のもとにおいて補助金等に関するいろいろなものが一括整理の段階に来まして、それぞれの整理がなされたということでありますが、それらの実際の動きから見ましても、われわれは議員立法についてはやはり相当吟味しなければならぬと考えるのであります。この案については、年月こそ二箇年以上前から何されたでありましようが、実際はこれは政府当局の提案として出すべき性質のものである。政府提案として出せば、その他関係各省との間におけるいろいろなむずかしい問題があるからといつて議会へ持つて来た。まるでこの法案は行政当局が起案して、自由党の議員が下請機関になつてこの法案の下請をやつておる、こういうことでありまして、こういう形の議員立法の扱いというものは、議員みずからが威信を失墜するものであり、私は同僚議員としての権威のない行動に対しまして心から遺憾の意を表したいと思うのでありますが、この点に対してこの案の提案説明に当られる始関提案者におかれましては、どういう感覚で、どういう信念をもつてこの案を扱われようとしておるか、これに対する自己反省を持つておられるかどうか。この提案者の立場を明確にしていただきたいと考えます。

始関伊平自由党

○始関委員 私はこの砂利採取法案というものを判定するをことが、公共的な立場からぜひ必要であるという信念を前から持つておるのでございまして、そうして関係各省の事務当局間ではまとまらないものを私どもがまとめたのだ、なお条文の整理その他は通産省その他の事務当局を使つたのでございますが、むしろ下請をいたしましたのは通産当局でありまして、私どもがやらされたというのは当らざるものであるというふうに考えております。それからなおこの法案には、申し上げるまでもございませんが、予算を伴いますものについては、議員立法をある程度自粛すべきであるということはごもつともでございますが、この法案につきましては、そのような点はまつたくございませんので、これは申し上げるまでもないのでありますが、申し添えておきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 自由党の党議の申合せとして予算を伴うものは差控える。しかし政府の下請として扱うものはこの限りにあらず、また利権的なものもこの限りにあらず、(「変なことを言うな」と呼ぶ者あり)こういう性質のものであるとするならば、われわれはまたそういう角度から論議しなければいけないのでありますが、この法案にわれわれは利権的な臭味があるという考えを持つておるのであります。なぜかなれば(「不当なことを言うな」と呼ぶ者あり)不当じやない、ちやんと証明するから。少くとも議員の扱う立法というものは、公共的な立場、総合的な立場からものを扱うものであつて、たとえば先般の競輪に対する機械の問題のごとき、これは限られたものを対象として行つておる。この法案のごときも限られた業者を対象としたものであつて、もし砂利採取というものが公共的な企業である、公共的な企業であるから、その立場からこれを論議するというのならば、これはもつと公共的な立場になつて——これは独占を与え、しかも土地の強制収用を与えるというような非常に強力な内容である。業者の立場というもの、公共性というものを非常に強調したものである、強調するとともに、それならばその業者の影響というものが真に公共の福祉に役立つような公共的な裏づけというものがこの法案の内容になつて来なければならないのでありますが、そういう関係はほとんどどこにも見当らない。まつたく業者の利益を擁護するということだけが強調されておつて、これが公共的な福祉に役立つというような点が少しも約束されておらない。従つて私はこれを利権的な臭味のある法案であると解釈するのでありますが、これに対しましては提案者はどのようなお考えであるか、もしこれが公共的な福祉に沿うものであるというならば、この法案のどこにその裏づけが示されておるか、明確にしていただきたい。この法案の目的として第一条の中に「もつて公共の福祉の増進に寄与する」ということを言つておるのでありますが、こうすることが公共の福祉だということには理解できないのでありまして、公共の福祉に沿うという具体的な内容、法文の中に盛られておる条章及び箇条、この法案の運用によつて起る作用というものを明確にお示しを願いたい、かように考えるのであります。

始関伊平自由党

○始関委員 この法案は御説明するまでもなく御承知と思うのでありますが、たとえば地下に埋蔵されております鉱物資源における鉱業法、それからいわゆる岩石についての採石法と、まつたく同じ性質の内容を持つものでありまして、保護立法と言えば言えることはもちろんでありますけれども、業者が安定した権利の基礎の上に、合理的な事業の経営ができるようにしたいという点におきましては、すでに長い間あります鉱業法や採石法とまつたく同じ性質を持つておるのであります。どこが公共の利益になるのかとう点でございますが、一体この砂利の供給が十分であり、かつ価格が低廉でございませんと、治山治水というようなものを初めといたしまして、日本の国土の再建あるいは産業の再建というものはまつたくできないのであります。現に砂利は、鉱山なんかと同じ性質でありまして、時期的な違いはございますけれども、だんだん有利な場所のものはなくなつて、ときどき砂利の供給が不円滑になる。また価格も騰貴の気味にあるのでありまして、今回のこの法案によりまして、業者が安定した基礎の上に、合理的な事業の経営ができることになりまするので、供給を円滑にしまた価格を低廉にすることができる、こういう意味におきまして、一つの公共的な目的を果し得ると思います。一方におきまして、確かにこれは保護立法でございます。同時に従来はなはだ不十分でありました砂利採取業者に対する監督規定がこの中に相当にあるのでありまして、たとえば第五条の採取管理者の規定であります。従来は一応建設省が監督するというだけでありまして、業者の中でこれを受けて立つて、だれが責任を持つてこの衝に当るかというものが、はつきりいたしておらなかつたのでありますが、今度は現場に採取管理者というものがおつて、もし河川管理の必要上、不都合な行為があればそれに文句を言えばいいというような態勢をはつきりいたしたのであります。さらに河川以外の場合におきましては、これまた道路その他の公共の施設あるいは農地その他に対しまして、採取のやり方が悪ければ非常な悪影響があるのでありますが、これはまつたく野放しになつておつたのであります。今度はそういつた意味での公共の利益をはかりますための通商産業局長の監督権というものが、この第九条に盛られておるのでありまして、このように一面におきましては業者に対する保護立法であることを私は否定いたしませんが、それが同時に百パーセント公共の利益になるのだと考えておる次第であります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 自由党の経済政策は自由経済の基本の上に立つております。そして自由競争によつて経済の発展があるのだ、そこに合理化が促進されるのだ、政府の権力による統制ないしは保護のもとにおいては自由経済の場合におけるような健全な発展はないのだ、こういう原則の上に立つておるのであります。そういう原則の上に立つて、同じところで何人もが砂利をとつてそこで自由競争をして行く、自由競争の中において勝つためには合理化もしなければならないでありましよう、あるいは機械化もしなければならないでありましよう、その自由競争の中から当然の発展として出て来る合理化、こういうものが自由党の政策の基本でなければならぬ。そういう自由競争という一つの基本原則の上に立つている自由党の政策の中において、そういう手続、方法をとらないで、一足飛びにその基本とは反対の立場にある統制あるいは保護の立法をここにして来る。しかもこれは国民経済的な立場における立法ではなくして、砂利業者の立場における立法であることは明らかである。従つてこれは利権法案である。何もこの法律を扱う人が業者から金を授受したとか、あるいはどうしたとかいうことではなくして、そういう業者に対する利益保護というものを特別に考えておる利権法案である。こういうふうにわれわれは解釈するのであります。自由経済の原則にありながら、特別に砂利業者にだけ保護立法ないし合理化をはかる、今までのような自由競争ではだめなんだ、従つてこういう保護立法をしなければならないのであるという、自由党のよつて立つ経済政策の基本を否定した考え方というものは、自由経済というものが間違いであつたという認識の上に立つて、その是正としてこの法案が出て、われわれの考え方の軍門に下つたという意味の法案であるのか、あるいはそうではなく、違つた形における、すなわち保護の必要性というものを考えられたとするならば、一体自由経済のどういう発展としてこの法案がこういうところにおちついて来たかという理論的な発展の過程及びその構成をひとつ明確に承りたい、かように思うのであります。

始関伊平自由党

○始関委員 なかなかむずかしい御質問でございますが、自由党内閣とか何とかいう問題を離れまして、私がさつきから申し上げておりますように、たとえば鉱業法というものがございます。これはその業態の必然性からいたしまして、自由党内閣だろうが、社会党内閣だろうが、ある程度の権利の安定がございませんと、事業そのものが成り立たないわけでございまして、特別にこの法案によつて砂利採取業者だけを保護するのだという意向もございませんし、またこれが自由党の政策の否定で、社会党に対する屈服だとか何とかいう問題よりも、砂利採取業としてはこういうふうな根本的な基礎がございませんと、ただいま御指摘のような自由競争ももうできないわけでありまして、こういつたような基礎に立つて始めて自由競争もできるのだ、このように考えておる次第であります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 そういたしますと、自由党の自由経済というものは、自立できるいろいろな条件というものを政治権力と経済権力に結びつけて、そういう政治権力の補強工作の上に自由経済をやらすのだ、武器をつけてさあ来いといつて向うのが自由党の自由経済である、こういうふうな御説明のように承るのでありますが、それならばこれはとんでもないことである。それこそこれが利権法案であるということの証左にこそなれ、利権法案でないという否定にはならないと思うのであります。たとえば金融政策にいたしましても、集中融資であるとかあるいは財政投資の関係を見ましても、鉄が国家的産業だあるいは石炭が国家的産業だ、あるいは電力が国家的産業だということについては少しもいなむものではありません。確かに基幹産業でありまして、もうかるからやる、もうからないからやらないという性質のものではない、従つてそういう公共性を持つた企業である限りにおいては、私企業的な営利経営の上に立つてはいけない、これはどこまでも私企業的な営利主義ではなしに、国民経済的な立場で経営しなければならない、こういうふうにわれわれは考える。ところが自由党の方では、これは重要な産業であるから補助金を出す、利子の補給をする、あらゆる補強政策をとつて、そうして営利的な、私企業的な経営のままにしておいて利潤の独占と安定をはかる、こういう政策をとる。われわれはこれを利権的な法案である、利権的な経済政策である、こういうふうに一つの分析をいたすのでありまして、そういう立場からいうと、今まで自由競争をやらした。それが結局自由競争はむだな通り道をして、みずから骨を削り合つて、そして得るところがない。こういう立場でこれをひとつ統制するというならば、その統制の方式もよろしいのであります。それならば、こういうふうな独占化をはかるという上におきましては、当然この裏づけとして、その独占からもたらされるところのいろいろな弊害、たとえば価格のつり上げであるとか、あるいはもうかればやる、もうからなければやらないというような恣意的な作業、こういうものに対する制約というものは、この法案の中のどういうところにそれを規定して、公共の福祉のためにほんとうにやるんだというような内容が盛られておるのか、それをひとつ御指摘願いたいと思います。この法案のどこに、価格の点についてどういうふうな公正な取引が行われるような条件を用意してあるか、あるいは会社側の、あるいは企業者の懇意的な作業にまかせないで、公共のために努力させるという条件がどこに裏づけになつておるか、承りたい。

始関伊平自由党

○始関委員 独占的なというお話でありますが、これは大企業による、たとえば鉄鋼業の合理化などとは違うのでありまして、大小の砂利採取作業者がそれぞれの立場で安定した基礎の上に経営ができるようにしたいというだけであります。そういう必要があることは、鉱業法などの実例に徴してお考えになりましても、非常によくおわかりになると思うのでありまして、そういう安定した基礎を要するということは、これは砂利採取業の一つの特殊性とお考えになることができると思うのであります。その安定した基礎の上に立つて、そうして現在でも砂利採取業者の数は五千ほどあるのでございます。従いましてその五千の者が、それぞれ一番大事な根本の条件であります砂利の採取の面積あるいは砂利の採取権の存続期間というものの安定した立場に立つて、その上で公正な競争が行われる、かように考える次第でありまして、何か一つや二つの企業が独占的な立場に立つて、それが市場を独占的に支配する、価格をつり上げるというふうな御議論のようにお見受けするのでありますが、そういうふうな御議論であれば、それはまるで見当が違うというふうに考えるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 私は同僚委員の人と朝晩机を並べてこうやつてやつておる中において、決してかれこれ議論をしようとは思つていないのであります。しかしながらこれは議員立法として扱う案として適当でないということをまず第一に考えますこと、それからこの内容が自由党の皆さんがふだん主張せられておる自由経済の原則には基本的に反しておるという考え方、それから結論としてわれわれはこういう計画的な経済政策には賛成であるが、それをするからにはその裏づけが必要である。また総合的にこういう計画経済をやつて行かなければならぬ。こういうことを言つておりますが、そうなればセメントの面も建築の面も幾多の面も、そのような条件が当てはまつて来る。総合的な一つの計画経済ということになつて来なければならない。そういう形をつくり上げる過程として、自由党は自由主義経済で闘う。人為的な工作によつて安定をはかるのではなくて、自然的な条件で安定を確立するのだ、こういう政策が自由主義経済だと思うのであります。そういう自由競争の過程に起つて来るむだなもの、施設の過剰であるとか、むだな競争であるとか、財政投融資とか、その間に起つて来るところのつぶし合い、そういうむだなことをやめて、最初から砂利の需要はこれだけだ、これに対する生産はこれだけでよろしい、これの適正な生産規模はこのくらいだ、こういうような総合的な見地に立つて合理化をはかつて行く。そうして適正規模をきめて行くことが合理化の近道であると考えておるのであつて、この案の結論からいえば、われわれは賛成なわけであります。しかしながら自由主義経済の原則に立ちながら、一足飛びにこういう案を出して、この裏づけとしているものは何もない。これはただ業者の依頼を受け、あるいはもつともであるというような非常に狭い、よしのずいから天井をのぞくような考えで、こういう案が生れて来たのである。砂利だけを合理化するというようなこんなものをちよびつと出しても、日本経済全体の合理化には役立たない。ちようど砂利のように積んではくずれ積んではくずれ、さいの河原のような繰返しにすぎないと考えるのでありまして、そういう点からわれわれは聞くのであります。あなたの御意見によれば、まず砂利を合理化して行き、セメントやいろいろな諸産業を合理化して行く、そうして合理化したものの積み上げによつて、総合的な計画的な経済の発展をはかつて行くという一つの構想の上に立つた一部としての砂利採取法案、こういうことでありますか。そういうことでなしに、経済全体の合理化を推進するところの一つの足がかりにして行くのだというお考えなのか、その点を伺いたいと思います。

始関伊平自由党

○始関委員 これは日本の経済全体の計画化と申しますか、それの一環として考えておるわけではないのであります。この法案によりまして、むしろ公正な競争による利点がいろいろ出て来ると思うのであります。安定した基礎の上に増産もできますし、供給も円滑になるし、また価格も適当なところにおちつくと考えるのであります。日本経済全体の計画化というようなことではなく、たとえば石炭や金属鉱山は、鉱業法の規定によりまして、これとまつたく同じような保護を受け、安定した権利の上に経営をいたしておるわけでありますが、それにもかかわらず石炭業者の間には相当な競争がある。またメタルにつきましても同じような競争がある。それと同じような関係になるというふうに御了解願いたいと思うのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 了解しがたいのであります。  次に土地の使用に関してでありますが、先ほど長谷川委員の質問に対して、この点については修正の考えもある、こういうようなお話でありましたが、この法案の第四章の土地の使用、第十三条のこの条文は、砂利採取という面のみを強調して、全体的な視野に立つた公正な判断というものが欠けておるように考えるのでありますが、この原案は行き過ぎであるとお考えになりますか、これが当然とお考えになりますか、この点について伺つておきたいと思います。

始関伊平自由党

○始関委員 この原案そのものは私は妥当であると存じております。と申しますのは、砂利の用途からいたしまして相当な公共性がある。類似のものといたしましては、鉱業法、採石法にすでに同様な意味での土地の使用権を認めているのであります。電源開発なんかにも認めておりますが、そのような点からいたしまして、これは必ずしも採取業者の個人の利益ということではなしに、個人が経営をいたしておりますけれども、公共的な意味を持つた砂利採取業者に対しまして、鉱業法や採石法の先例に従つて、必要最小限度の土地の使用権というものを認めることは、私は行き過ぎではないと、原案提出者として考えておるのであります。先ほど長谷川君の御指摘になりましたのは、特に砂利の採取をすることが、河川管理の面からもきわめて望ましいのだが、営業としての砂利採取業者の立場から言えば、少々の困難性があるというような場面があると思うのでありまして、そういうところについてはこの規定の適用を認める必要性が特に大きいということは言い得ると思うのでありまして、そういう意味合いにおきまして、長谷川委員の提案にある程度同感の意を表した次第でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 日本のような耕土の狭いところで、食糧増産という自給度を高めることが至上命令になつておる。従つて耕地をつぶしたり、あるいは宅地にしたり、あるいは耕地以外の用途にこれを変更するときには、それぞれの機関を経なければ個人の裁量でその土地の使用目的を変更することができないというほどに、今日耕地というものが公共性を持ち、民族の生活の上に重大な影響があるという立場で擁護されておる。ところがここでは簡単に、砂利は公共性があるから鉄道をつける軌道をつけるというように、簡単に土地収用法によつてこれを何して行くという考え方は、この法案をつくりますためにずいぶん苦労されたでありましようから、寝てもさめても砂利ばかり目につき、ほかのことは何も目に見えないというものの考え方、判断の上に立つた、ちよつと常識では判断できないような十三条であるとわれわれは考えるのであります。やはり総合的な見地に立つて何しますと、こういうほかの産業に足を踏み入れ、他の権益に足を踏み込むということに対しては、相当謙虚に総合的に考えて行かなければならないものであると思うのでありますが、こういう問題が、やはり政府提案とする場合には農林省等の折衝において障害となり、あるいは採取の独占というような点において、建設省の所管の中においては障害となる、こういうところでなかなか政府提案としてはむずかしいというので、政府の下請機関として、これは近道を通つてと、人の農地でも何でも強制収用してもとるというような思想がこの法案の提案になつて来たものである、こうわれわれは考えるのでありますが、こういう行政の範囲において、政府提案としてはむずかしいということについては提案者はどういうふうにお考えであるか。農林省がよこしまを通して、セクシヨナリズムで自分の縄張りで横暴しておるのだ、建設省が横暴しておるのだ、運輸省がよこしまなことをやつておるのだ、従つて議員は大所高所に立つて、公正な方向を打出すために議員立法として、そういう行政庁の折衝を抜きにしてずばつと国会に持つて来た、こういうお考えなのか。その行政庁関係における折衝の困難ということをどういうふうに御認識なさつておるか、それを承りたい。

始関伊平自由党

○始関委員 土地の使用に関する第十三条の問題といたしまして、ただいま永井さんが御指摘のように、農地の問題が一番重要な問題であることは御指摘の通りでございます。われわれも農地をつぶすことをそう簡単にやつてよろしいというふうに考えておるものではございませんので、ただこういつた原案が出て参つたにつきましては、われわれの下請機関といたしまして、通産当局が農林省の農地局といろいろ折衝いたしました結果、こういうことで農林当局も賛成をいたしたのであります。そのことを申し上げておきます。  なお非常に簡単にとおつしやいますが、実はこの法律をお読みになりましてもよくおわかりのように、その土地を使いますことが適当であつて、ほかの土地ではどうにも困難である、ほかの土地へかえることは困難であるという場合に限るのでありまして、のみならず手続が、もし必要ならば申し上げますが、二段構え、三段構えの非常に慎重な手続によりまして、国家の大局的な見地からいたしまして、その土地をしばらくの間砂利の通路に使うことが国家的によろしいか、あるいは農地のままにしておくことがよろしいかというような点につきましても、利害の比較量を十分にいたしました結果において、これが得られて参るというふうに存ずるのでございます。  なお私が申し上げたいことは、砂利は取ればなくなるのでありますが、五年なり七年なりたちますと、元の農地にかえるということができるのでありまして、この原案が永井さんのおつしやるように非常に不都合きわまるものであるというようにはどうしても考え得られないのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 また不都合きわまると自認して提案する大それた考えの人もなかろうと思いますが、しかしそこを抗弁するか、謙虚に反省するかという問題である、こういうふうにわれわれは考えておるのであります。  なおその他、独占化した場合における料金というものが相当問題になつて来ると思う。それからまたそこに企業が起つた場合に、その独占価格のつり上げということは当然考えられるわけでありますが、この価格関係については、企業の独占価格というような性格のものは、われわれ説明しなくても、資本主義の本質としての一つの必然的な結果として生れる、その点に対する考慮というものはどういうふうな操作によつて是正されるのか、公共の福祉に寄与させるのか、この点を伺つて、なお同僚委員からも質問があるそうでありますから、本日はこの程度にして後日にまた質問いたしたいと思います。

始関伊平自由党

○始関委員 たいへん興味のある御質問でございました。その最後の御質問が独占価格の問題でございましたが、実は私どもはこの法律の実施によりまして、砂利の価格が独占的な支配を受けるようになるということはまつたく考えておらないのでございまして、それは先ほども申し上げましたように、砂利業者の数というものは現在五千もあるのであります。もちろん五千のものが対等の立場で競争するのではございませんで、ある地区に対してはそのうちの一割とか一割五分のものが競争するということになると思うのでありますが、この五千の業者を、五つなり十なりの業者にまとめるのだというような作用あるいは影響がこの法律によつてあるといたしますれば、ただいま永井さんの御心配になりました点は非常に重要な問題でございまして、そういうことであれば、もちろん価格統制その他の措置が裏打ちとしてなければ私は非常に片手落ちなものになると思いますが、五千の業者があるわけでありまして、それが大は大なりに、また小は小なりに安定した立場で事業がやられるようにしたい、そうしてその結果はおそらく増産にもなるし、またコストの低下もできるわけでございますから、独占価格とは反対に、むしろ競争価格によりまして、適正な価格におちつくというふうに考えるのでございまして、その点はなはだどうもちぐはぐな御答弁になるのでありますが、私は私の答弁で間違つておらぬと存じております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 五千の業者が全国に散らばつておるかもしれませんが、この砂利は地域的に制約がある、地域的な独占になるということは議論の余地がないところであります。普通の製品のように、九州の端から持つて来る、北海道の端から持つて来る、価格の高低によつて流入して来るというような、そういう性質のものではなかろうと存じます。地域的な独占が行われる、そういう関係における独占的な一つの価格というものが生れて来る。たとえば東京周辺のように、非常に需要が旺盛なところであつて、一箇所、二箇所の砂利採取ではとても及ばないというようなバランスのとれておらないところにおきましては、相当の競争も行われるでありましようが、いなかの方の小都市というようなところは、もう地域独占になることは明らかでありまして、そうでなければ合理化にはなりません。そういう意味における一つの地域独占というものが出て来ますし、また現在の法案の趣旨による合理化ということを最大限度に発展せしめれば、これは小規模のものがたくさんあるよりは一本の形において、この川もこの会社がやる、この川もこの会社がやる、こういうような一つの業態における資本の独占が行われる、さらに地域独占が行われる、そうしてカルテルが行われる。こういうことは、私がいまさらここで喋々説明する要はないと思うのでありますが、そういう一つの原則的な事実を無視して、それが独占にならないというならばこれはもう答弁にはならないと私は考えるのでありますが、次会にこれらの問題についてさらに御説明を求めたいと思います。

大西禎夫自由党

○大西委員長 帆足君。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 ただいま永井委員からいろいろな点につきまして指摘され疑問の点を提出されましたが、私はこの法案が、将来実施されるに至りました場合に、これらの点はやはり十分に考慮して運営していただかねばならぬと思います。日本の特殊の山及び水の関係からして、治水それから資源の愛護、能率化、業界の安定等の見地から何らかの意味において私は砂利の採取を合理化し、総合的見地から能率化することが必要であると思いますが、ただいま同僚永井委員が各種の観点から指摘されました点につきましては、ひとつ慎重な考慮を願いたいと思います。  私どもとしましては国民経済の能率化及び公共の福祉という観点を第一に考えまして、第二にはそれがいかに能率のためであろうとも、ただ中小企業の利益を頭から無視するようなことであつてはならない。中小業者を保護育成して、やはり同じような利益に均霑させるような方向に助けねばならぬ。第三には独占資本並びに独占の弊害を今からあらかじめためるようにしなければならぬ。大資本が能率的であるという点において、われわれはこれを尊重しなければならぬ技術的一面もありますけれども、他面において、独占の弊害というものは至るところ目に余るものがあるわけでありますから、これについての正当なる議員の御指摘に対しては、法制及び運用の面においても十分考慮を払うことが新時代の法制の建前でなくてはならぬと思います。第四には、これは官庁の許可事業でございますので、その許可が公正合理的に行われて、いやしくも縁故もしくはその他の情実にとらわれるようなことがあつてはならぬ、こういうような観点から私どもはこれを質問しておるわけでございます。今日は時間もございませんから、一、二点だけお伺いしますが、官庁の許認可というものが、従来はやはりいろいろな情実と結んだり、または公正を欠くような事例があるのでございますが、これは今日の事態では、ある程度は必然悪とも言われましようけれども、人間は神様ではないわけでありますから、だれが見ても公平であるという、百パーセントは望めないでしようが、せめて九十パーセントはいろいろな観点から見て、妥当な措置であるというふうに持つて行かねばなりませんが、地方官庁の許可事項が公正を保つためには、どういう点をさらに今後改めればいいかというような点において御抱負がおありでしたら承りたいと思います。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいまの帆足さんの御意見の中で四点の御主張がございましたが、特に独占の弊害に気をつけろという点につきましては、私もまつたく同感でありまして、この法律によりまして独占の弊害というものは起つて参らないだろうという私の見通しを申し上げたのでありますが、そういうことになりましてはたいへんでございますので、これは御注意のようにこの法案の運用上注意をして参りたいと存じます。官庁の許可が公正でなければならぬ、特に地方庁などの許認可が公正に参らなければならぬというような点の御意見もまことにごもつともでございまして、この場合におきまして、地方庁の許可と申しますのは、主として砂利の採取の許可——十一条の関係になると思いますが、この十一条の運用等につきましては、許可基準というようなやかましいものではなくとも、通産省と建設省で協議の上で公正にやりますための、いろいろな注意事項というものを通牒でも出してもらうというようなことで、ひとつこの法案に関する限りにおきましては、そういう手段によりまして、官庁の許認可が円滑にかつ公平に参るようにやつて参りたいというふうに存ずる次第であります。これでは答弁が不十分かと思いますが、この法案の直接関係いたします問題としては、その程度にただいま考えておる次第であります。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 私どもが国民の代表としてこの審議に責任を持つております以上、ただいま同僚議員諸兄が指摘されましたような点について、まず心配がないということでなければ、討論の終結に達することができないわけでございますが、資本主義社会におきまして出ます法案というものは、客観的に結局大資本位になるということは一つの必然的傾向を持つておるわけでございます。従いましてその見地から出ている法案にはわれわれことごとく満足してない。特に勤労者の立場から言えば満足してないわけでありますが、それかといつてそのことごとくに必ずしも——それが国民経済にとつて利益をする場面とそれから弊害をなす場面を比較考量いたしまして、そうして日本の国利民福にそれが役に立つ面の方が多いならば、われわれはこれに賛成するにやぶさかではありませんが、その場合には、その運用について公正妥当なる保証を必要とするわけでございます。従いましてただいまの許可、認可の基準等につきましては、やがて通牒が出るであろう、原案になるべきようなものをもう少し詳細に次会に承りたいと思いますので、そういう点を多少お調べのほどを願います。なお強制的にある部面を掘つてもらうということを追加するようなことも必要だという論議も承りましたが、そういう場合における損失の補償の問題とか、それからただいま来お答えのありました独占価格の弊害をためる問題とか、中小企業に対して不当な損害を与えないように運用するというような問題につきまして、ほぼ一通りの御意見を承りましたが、まだ十分に納得できない点もありますから、もう少しこの点をつつ込んで次会にお尋ねいたしますから、提案者並びに政府当局においてもそれらの点をさらに御研究になりまして、党派の別はありましても、これがかりに実施に移されるような日が来た場合に、国民経済全体に喜ばれるようなものに新機軸を出していただかねばなりませんので、われわれももつと慎重に審議したいと思いますから、当局においても資料の準備をお願いいたしまして、私はきようの御質問はこれで終ります。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 今帆足君から質問の出た点ですが、砂利採取の許可の基準ですね。ただいま始関君の御説明によりますと、通産、建設両省の協議によつて、地方庁にも通牒を出すというようなことでありましたが、もしそういう点について原案などが出ておりましたならば、この際発表しておいてもらう方がいいかと思うのです。なおつけ加えてその点でお尋ねしておきますが、砂利採取業者が採取の事業の合理的な経営が維持できるようにと、これは非常に抽象的に明文になつておるのですが、まあ実際問題といたしますと、砂利の採取地域が隣接をいたして違つた業者がやつておるというような場合には、一方に合理的な経営ができるようにしようと思うと、片方が今度はまずくなるというような、実際問題としていろいろな問題が起きるのではないかと思うのです。そういう点を調節いたして行くような内容を持つた基準等をどんなふうに準備されているのか、むしろこれは当局に承りたいと思います。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいまの御質問でございますが、実は砂利採取に関します取扱いと申しますか、通産省と建設省で従来相互にいろいろ検討いたして、それぞれ地方の指導についての基準と申しますか、名づけ方はいろいろ言えると思いますが、まあ取扱い方とわれわれ申しておりますが、昭和二十七年の九月十七日に、私の方と建設省で御相談いたしまして、建設省の河川局長の名前で府県知事に方針を指示したことがございます。この当時から実は立法いたしたいという気持を持つておつたのでありますが、不幸にしてその当時、一応の取扱い方としての統一をいたしたいという程度にとどまつたわけでございます。もちろんこれは法律的に申しますと根拠法は河川法にあると言えばあるのでありますが、河川法は事業法的な要素は持つておりませんので、事業法的な要素を織り込んだ別な、特殊な立法を必要とするという認識におきましては、当時から両省間にあつたわけであります。ただ立法化ができぬ関係もございましたので、暫定的に建設省河川局長の名において取扱い方を指示したわけであります。本法が幸いにして国会の議決を得まして、行政庁の指導をいたします根拠と相なりました場合は、ただいま申し上げました通牒をさらに詳細に検討いたしまして、本法の立法趣旨もさらに織り込んで通牒をいたしたい、こういうぐあいに今準備いたしておるわけであります。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 それでは二十七年に出したとかいう河川局長名の通牒を資料としてお出し願いたいと思います。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 承知いたしました。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 それと同時に、なお伺つておきますが、合理的な経営という字句の内容ですが、これは面積であるとか採取期間あるいは採取量とかそういう関係はもちろんあると思いますが、同時に砂利の払下げ料といいますか、普通県などでは料金をとつておると思いますが、そういうものまでもこれは及ぶものでありますか。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいま申しました通牒におきましても、合理的な経営ということを根本的な趣旨に置いて、採取期間とか採取面積とか、そういつた面について、抽象的ではございますが、通牒の中に織り込んであるのでございます。この趣旨をもう少し具体的なものにできないかどうかということで、今建設省とせつかく事務的な打合せをしておる次第でございます。どの程度までこれについての考え方を申し上げられるか、もう一度建設省と打合せした上で御報告申し上げます。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 私の聞きたいのは、それらの今言われたことは当然として、払下げ料金というものにまでこのすでに出した通牒が及んでおるのか、あるいは今後及ぼそうとするのか、その点です。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいま申し上げました通牒には、料金についての方針を指示いたしておりません。今後の、本法成立後の処置といたしましては、できるだけそういう方向をとりたいと考えております。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 その点は了解いたしました。それでこれは提案者代表の始関君に承りたいと思います。本法は私ももちろん賛成でありますが、先ほど長谷川君からもちよつと同様の御趣旨の質問があつたわけでありますが、私は砂利採取業というものをより公共的な性格を持たせるという意味からすれば、一般の業者がいろいろな事情によつて手をつけない、しかし河川管理の面からいえばむしろ採取させたい、こういうところに一層砂利採取企業の手が及ぶというふうに助成する方向に、より強くそういう線を出すことがむしろ望ましいのじやないかというような気がしておるのですが、本法においてはそこまでは行つておらぬようでありますが、そういう点については提案者としてどういう考えだつたのか、また各省間にいろいろ事情があつたと思いますが、その間のいきさつ等についてこの際承つておきたいと思います。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいまお話のございましたように、砂利の採取をさせることが河川の管理上非常に望ましいという場所につきまして特別の助成的な考え方をするという点はまつたく同感でございます。この立案の過程におきましては、ただいま御指摘のございましたような場所も含めまして、砂利採取事業というものを全体として助成したいということであつたのでございまして、率直に申しましてただいまお話のございましたような特別の場合を特に考慮したということは実はございませんでしたが、そういうふうなはつきり御指摘をいただけば、その場合の方が公共性は一層大きいのでございまして、その場合については、たとえば土地の使用というようなものについてある程度の助成的な考え方をするという必要性が特に大きいし、また名分も一層はつきりするであろうということにつきましては、私もただいまの御発言とまつたく同感でございます。

山手滿男改進党

○山手委員 提案者の小平君から質疑がありましたが、私も今の問題に関連をしてでありますが、昨日参考人を呼んで、私はやはり意味があつたと思うし、いろいろ業者なり、あの諸君の望んでおられるポイントも一応われわれの考えておつたことと同じような程度のものであるということもわかつたわけでありますが、あの参考人の供述の中に、自分の場所からいえば相当長期にわたつて許可をしてもらいたいというのにもかかわらず一箇月しかどうしても許可をしてくれない、こういうような発言が私はあつたと思うので質問しようと思つたのですが、ああいう雰囲気であつたのでやめておいたのですが、私はこれには何か地方には地方の、河川々々によつて相当の理由があつて、地方の土木部長なり知事が長期にわたつてこの許可をすることが適当でないという理由が私はあり得るであろうと思うのでありますが、しかも建設省の方から通達を出したのにもかかわらず、自分の方は一箇月しかどうしても許可をしてくれない、こういうふうな説明があつたのでありますが、そのことについて提案者はどういうふうにお考えか。私はこの法律を実施した場合においてもこういう経営が維持できるようにというふうな抽象的な、漠然とした許可基準によつてはそういう地方庁の態度を是正し得ることができるかどうか、私はこの疑問があろうと思うのでありますが、その点どういうふうにお考えでありますか。

始関伊平自由党

○始関委員 従来河川管理という面が強調されまして、砂利採取事業という事業の面が比較的等閑視されておつたということは、建設省の通牒にかかわらずいなめない事実であろうと思うのでありまして、今度はただいま御指摘のように、見様によつては微温的な規定でございますが、法律の第十一条というようなものができることによりまして、河川の管理上支障がないという限度におきまして、私は相当な実際上の効果があるだろうということを期待いたしておるものでございます。ただ先ほどの一月の問題は別といたしまして、しかしながらこれはたとえば土建業者などがきわめて微量をとりたい、一週間なり十日間の許可をしてもらいたいということを否定する趣旨はまつたくないこともこの際ちよつとつけ加えて申し上げておきたいのであります。要するにこの規定がはたしてどの程度の効果があるかということは、私どもただいまの御質問と同じように疑問の点がないではないけれども、この趣旨が徹底するに伴いまして実際上相当な効果を期待できるだろう。また機会あるごとにそういつたような趣旨の徹底を府県庁の担当者などに努めたい、このように考えておるわけであります。

山手滿男改進党

○山手委員 この砂利採取業そのものは水利権にも非常な関係があるのであろうと思います。いわばとりやすいようなところ、いい砂利の取れるようなところを一方的に業者の営利目的のためにのみ取つて参りますと、勢いちよつと出水でもすると、川の水の流れ方がかわつて来る。かわつて来るために砂利という見地ではなくて、ほかの河川管理の上からは非常な問題が起きて来る。特に季節々々によつてはいろいろな問題が起きて来るから、地方の知事や土木部長のような立場にある人は、そう長期にわたつて物権的な性格の権利を認めるということは困る場合が相当ある。そういう実際上のいろいろな関係があるのではあるまいか、こういうふうな気がするのでありますが、そういう点についても、単にこの法文だけから行くと、必ずしも合理的な経営が維持できるようにということばかりが行われがたいのじやないかという気がいたします。その点についてどうお考えですか。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいまの点は私もそのように考えるのでありまして、この法律の第十一条があるにかかわらず、やはり河川管理上の適否が主たる観点にございまして、それと矛盾を来さない程度におきまして、でき得る限り砂利採取事業の観点も考えてもらいたいということでございます。従いましてこれによつて事業として考えます場合には、必ずしも百パーセントの望ましい効果を収めるかどうかは疑問でございますが、現状よりはよほど改善された事態になるであろうというふうに考えるのでございます。

山手滿男改進党

○山手委員 その点についてはどうもまだわかつたようなわからぬような答弁で、実情に即しておるかどうか調べてみたいと思うわけでございますが、さつき長谷川委員から質疑をいたしました小規模の、たとえて言えば、非営業的に少量採取をしたいというふうな者に対して云々という質疑に対する提案者の御答弁は、ちよつとポイントがはずれておつたと私は思う。それはどういうことかというと、私どもの方の党の同僚議員からも、その点についてはげしく疑義が出ておるのでありますが、この法律によつて砂利採取権を排他的な物権的な権利として認めるということになると、相当広範囲の面積にわたつて、相当長期にわたつて一定の河川の許可を得た者が、その付近の部落民が取らしてくれと言つても、ここはおれの方で権利を得たからお前たちは入つてはいかぬ、取らせない、こういうような立場に出て来た場合にはどうするかという質問であつて、さつきお答えのような趣旨のあれでは私はないと思う。問題はそこにあるわけでありまして、要はそういうことがあるからこの砂利採取法の中にいわゆる入会権的な箇所を設けておくか、あるいはそういう場合の除外規定を設けておいた方がよろしいのではなかろうか、こういうことであつたろうと思うのでありますが、長谷川君の質疑が十分でなかつたか、御答弁のポイントがはずれておつたように思うのですが、その点についてはどうお考えですか。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいまの問題は私の聞き違いであつたと思います。この十一条の運用の問題といたしまして、たとえば考えられます一つの方法といたしましては、砂利採取権の許可の場合に、ただいまのような少量の需要に対しては採取権を与えたにもかかわらず、これを拒否しないようにするという条件をつけるとか、あるいはそのためのある程度の余地を残しておくとか、要するに府県当局の第十一条に関連する事項の運用の問題としてただいま御指摘の点はごもつともでございますので、支障がないようにしたいと存じます。もし要すれば附帯決議をしていただくなり、あるいは当局が府県と相談いたしまして、どういう形か知りませんが、そういつたような問題について府県当局に意思表示をする機会もあろうと思いますので、その点は忘れないようにひとつ善処したいと思うのであります。おそらく当局も異存がないだろうと思います。

山手滿男改進党

○山手委員 まだ明らかにしておきたいと思うことは、この砂利については採石法を制定当時、砂利も入れてほしいという御希望があつたにもかかわらず、政府部内においても反対論があつて、砂利だけは抜くようにということで抜かれたのが立法の経緯であるようでありますが、どういう理由でその当時砂利が抜かれたものであるか。これはやはりこの採石法を制定当時入れようとしたのに入らなかつたのでありますが、さらに今回砂利採取法を単独立法するわけでありますから、この際これは明らにしておいてもらいたい。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいまお話のような経緯であることはその通りでございますが、これがあとまわしになりましたのは、主として建設省との関係等におきまして、非常にめんどうな点があつたということと、それからこれは山にあります岩石でありまして、片方は川ということで、同じ法案の中に取入れるということが必ずしも適当でないというような事情によりまして、これがあとまわしになつたというふうに私自身としては承知いたしております。

山手滿男改進党

○山手委員 私はそればかりではないと思うのです。実際はそれ相応の理由があつて採石法から抜かれた、こういうふうに私どもは考えております。と申しますのは、石をとる場合は、例外もありましようけれども、その大多数の箇所というものは、所有権の対象になつておるところから採取をし、その所有権の上に立つて契約が成立して採石をいたしておるというのが大多数の場合である。従つてその契約に基く物権的な採取権というものは、これはやはり普通の商法的な考え方に立つても、それ相応に処置してやらなければいかぬが、砂利の場合はそうではなくて、所有権の対象になつておらぬ。公共河川の上に大部分のものが事業をやつておるのであつて、その場合はほとんど無償で払下げを受ける。有償で払下げを受けておるのでもないし、また河川管理という特殊な事態があるのであるから、これを採石法のような一律の考え方で律するということは、妥当でないだろうというふうな、根本的な、本質的な議論があつた。従つて砂利採取に物権的な性格の採取権を認め、採石権と同列に扱うことは少し行き過ぎではないだろうかという政府部内における一、二の議論もあつて抜かれたように思つておるのでありますが、このことが私はやはりこの法案の一つの問題点であろうと思う。この点について提案者の方の御意見を承りたい。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいま御指摘のような問題も、確かにあつたろうと思います。大体七割内外のものは河川から現在とれていることは確かでございますが、あとの三割内外のものは、一般の私有地からとれておる。この一般の私有地から採出いたしますもの、並びに河川の中に私有地がございますが、この河川の中の私有地につきましては、その土地所有者との間に協議を要するということと、それから採取について府県知事の許可がいるということと、二重の条件がいるわけでありまして、一般の私有地と河川の中の私有地につきましては権利の安定を要する、そうでなければある程度の資本を投下して、合理的な採取に入れないという点につきましては、岩石つまり採石の場合とまつたく同様な観点に立つわけでありまして、従いまして今回の立法に際しましても、採石法の規定をその限度において引用いたしておるのでございます。

山手滿男改進党

○山手委員 その議論はもういたしませんが、十三条の土地の使用条件の問題でありますが、昨日の参考人の供述を聞いておりましても、ほんとうは土地の所有関係者として出て来られた方が、ほんとうに身をもつて通行を阻止しておられる土地所有者に私は出て来てもらいたかつたのでありますが、あの方がそうではないような発言でありますので、いろいろ委員会の方でも同僚議員から疑義が出たと思うのでありますが、やはり部落民の中で一部の強硬分子がおつて、それが難くせをつけて取らせないようにする、通行を阻止する。そういうふうなことは、砂利の採取業者の側の皆さん方の御意向を聞けば、一応その通りであるようにも聞えますが、しかしこれは長い地方における歴史的な、あるいはその地方の自然的な制約なりいろいろな関係があつて、私は単にいわれなしにこの阻止をし通行をさしとめるような場合は、砂利採取業法を通さなくても、これは当然処置をすることができる問題だと思いますけれども、そうでなくて、やはりそのいなかの部落に大きなトラツクをどんどん引入れてひつぱつて行くと、その付近のあぜ道といいますか、通路というか、そういうものも荒される。あるいはその付近が、あとから特別手を加えなければいけないような実情等も出て参るし、その部落にとつてはいろいろな利害関係が伴つて来るものであるから、これはもらうのが当然だというような、土地所有者なり部落民の感情なり利害というものがつきまとつて行くのが、これは常識であろうと私は思う。それをただ単に上から、こういう法律が通つたからというので、大だんびらを振りかざしたようなかつこうで交渉をして行くということは、一、二片手落ちの場合ができはしないか、こういうことが院内でいろいろ議論の的になつています。東京周辺にあるような大きな採取業者でございますと、十分に良識を持つて採取に従与し、道路をこわし通路をこわしたならば、あとは修繕をしてそこを立ちのいて行かれるであろうと思いますが、きのうのお話のように、わずかトラツク一台持つて、とにかくあえぎあえぎこの採取をしているような業者が使用した場合には、取つたら取りつぱなしというふうなことで行かれる。しかもそういう業者に限つて、部落民の感情なりそういう跡始末なりのようなことは放つぽり出してしまつて、強引に交渉をし、強引にまかり通つて砂利を持つて行こうとする、そういう事態が私はなきにしもあらずと思う。この法律が通れば、そういう小型の砂利採取業者には相当大きな伝家の宝刀を与えるわけでありますから、これは容易に一方的な判断だけでは、十二分に審議をしなければ、私はこの法案は通すべきじやないような気がいたします。農林省の方でも一応了承をしたようではありますが、国会内においてもそういう重大な発言があるのでありますが、これに対して提案者はどういうふうにお考えでありますか。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいまの御意見は、同感の点が少くないのでございまして、土地の使用がうまく行かないという場合におきましても、土地所有者の側だけがかつてなことを言つているのであるというふうな判断をすべきでないことはもちろんでありまして、多くの砂利採取業者の中には柄のよくないのも相当におるだろうと思うのであります、ただしかしながらかりにその土地の関係者が十人おる、そのうち八人までは賛成しておるといつたような場合もあろうかと思うのでありまして、こういつたような問題はあくまで常識に基きまして善処して参るべきものではあるが、そういういろいろな事情を考えて土地使用権というものを認めた方がいい場合もあるだろうという考えを依然として持つております。それから法律的な用語でいえば土地の使用権を認めるということになるわけでありますが、これは私が申し上げるまでもなく、そこまでその大局的な観点からいろいろの手続を経まして判断をいたすわけでございまして、砂利業者が一方的に適用して行くわけのものでないことは申し上げるまでもないのでございますが、特に先ほどから申し上げますような河川の管理の観点からいつて、その砂利を取らした方がいいというふうな場合などにつきましては、特に土地の使用権というものを認めてやる必要があろうというふうに依然として考えております。

山手滿男改進党

○山手委員 私もよくわかるのですが、今言つているような箇所にこういう権利を与えて優遇するということが、まだ実際にはどの程度必要かということもわれわれにはわかつておらない。しろうとでもありますし、実情がよくわかつていないのでありますが、私は提案者の言われることもよくわかつておるのであります。特に私はほんとうは河川管理上からも、この地点からも砂利を採取さした方がよろしいとしなければいけないのじやないか。こういう地点があろうと思う。しかし距離的にも相当な遠い場所にあるし、いろいろな障害もあつてそのことのために河川管理上から採取した方がいいのだけれども、コマーシヤル・ベースでは採取の段階に行かないというようなところを、むしろある程度こういうふうな措置をとつて採取をさすように仕向けて行くということなら私はわかるのだが、一般的に何というか、この法律をつくつて知事にもうまく話をすれば利用権を広範囲に認めるというふうなことは、私ども少しわからないような気がするのでありますが、どうですか。

始関伊平自由党

○始関委員 ただいまの賢明なる山手委員の御発言に対しましては、私はここで提案者を代表してというわけには参りませんが、提案者の一人といたしまして、それならば同調のできる線だというふうにお答えを申し上げます。

大西禎夫自由党

○大西委員長 本日はこの程度とし、次会は二十四日午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。     午後四時十四分散会

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