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19回国会衆議院1954/04/16

通商産業委員会 第36号

発言数
53
登壇者
7
会派数
4
開催日
1954/04/16

会議録

大西禎夫自由党

○大西委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたしまするが、ただいま本委員会で審議中の商品取引所法の一部を改正する法律案について、農林委員会より連合審査会の申入れがありましたので、同委員会との連合審査会を開会するに御異議ございませんか。

大西禎夫自由党

○大西委員長 それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――

大西禎夫自由党

○大西委員長 次に鉱業に関する件について調査を進めます。現下の重要課題である燃料対策の一環としての石炭化学工業の問題については、本委員会としてもつとにその重大性を認識して来たところでありますが、今回特に田中龍夫君その他の委員よりの御要望によりまして、化学工業協会副会長池田亀三郎君を参考人として御意見を聴取することといたしました。  参考人には御多用中を特に本日御出席くだされ、まことにありがとうございました。過日、本委員会の総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会において、総合燃料対策要綱を起草し、本委員会においてもこれを可決した次第でありますが、なお石炭化学工業については、今後残された問題が多く、従つて参考人におかれましては、十分に忌憚ない御意見を御開陳くださるようお願い申し上げます。  なお念のため申し上げておきますが、御意見発表の時間は約十五分にお願いし、また御発言の際はその都度委員長に許可を求められることになつておりますので、右御了承を願つておきます。それでは池田亀三郎君。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 私は大体石炭掘りでございまして、今御質問のございました石炭化学工業というものと大分縁が遠いのでございます。ちようど今から三十年ほど前ですが、石炭を掘りながらこれを燃やしてしまうことはもつたいないということから、二十年前に石炭化学工業に転向いたしましたが、終戦後は仕事を離れて遊んでおりますので、自然皆様の御期待にも沿い得ないと思いますが、大体日本の石炭化学工業を顧みますと、昭和九年ごろ人造石油製造事業法案が出ました。それに引続きまして一番最初やりましたのが、私ども樺太でルルギーの石炭の低温乾溜をやりまして、なお封鎖炭田の内渕炭田におきまして相当大げさにやることになつたのであります。それと同時にやはり高温高圧のIG法あるいは常圧のフイツシヤー法といつたものが同時に着手されました。しかしこれとても戦争の末期まで十分その効力の発揮はできなかつたのであります。ただいまの海軍の第一、第二燃料廠等もその残骸であるわけであります。  なおそのほかに平和産業といたしまして、石炭化学工業は水素源といたしまして、水の電気分解法によるもの、またこれに並行いたします石炭法によるアンモニアすなわち硫安工業、これはおもに外国技術、フランス、イタリア、ドイツそのほかの技術によつたものでございます。現在すでに硫安でも二百十万トンくらい生産高を持つようになつたのでございます。その後戦争末期から終戦後にかけまして、ほとんど化学工業の進歩というものはなかつたかのように思われます。  そこで日本産業の原動力になります石炭鉱業はどうかといいますと、大体百四十八億くらいの鉱量と想像されております。私が石炭に関係いたしましてから約四十何年かなりますけれども、その間に約一割くらいの採掘をやつております。  この石炭鉱業でございますが、大体日本は非常に石炭の値段が高いと言われております。確かに国際価格からいたしますと、これは最高級の原料炭でございますけれども、アメリカの石炭に比べますと約三倍、イギリスに比べると二倍、ドイツと比較しますと一・二倍、ベルギーに比較しまして二倍、大体このくらいの値段になつているということは、これを原料にします石炭化学工業を考える場合には、私ども相当考慮を要する点だろうと思います。そんなことからいたしまして、一つは石炭が高い、朝鮮ブームが起きて石炭が不足するというようなことからいたしまして、外国炭あるいは石油の輸入が非常に多くなりまして、結局これも両方から挾撃されまして、昨今では石炭も値下りをいたしました。生産も減りました。まことに、石炭鉱業が危機に突入したと言つてもよろしかろう、こう思うのであります。従つて原料にする炭価が何としても高いということは、石炭化学工業を考える場合でも大きな悪い条件になりますから、これを引下げるために万全の措置が必要かと思うのであります。その点では政府におかれましても、探鉱費を補助しますとか、あるいは金利、税等電源開発並あるいはそれ以上の援助を与えてしかるべきじやないかと私は考えております。ただしかしまた一方石炭の需要者側からいいますと、この程度の石炭を利用して高度の利用を考えなければいかぬということが義務づけられておるわけであります。それでただいまからは石炭よりさらに附加価値をずつと高くした製品をつくることに観点を置かなければいかぬのじやないか、そんなふうに思うわけであります。  そんなことからしまして、一応石炭を化学工業の原料とした――ただ石炭といつてもわかりにくいですが、低品位炭もあれば、形の上では塊炭もあれば粉炭もあり、あるいは高級な石炭もあるわけであります。そこで第一に石炭の上級炭はどういうふうに化学工業の原料にするかということが考えられると思うのでございますが、石炭の乾溜をいたします。これは前からもあつた方法でございますが、これは御承知の通り一応はコークスにする、さらにいろいろの原料ガスに使うということが一つでございます。それから乾溜によつて得ましたガスの中には、エチレンがあり、これを原料としてグリコール、アルコール、エーテル、人造ゴムがつくられるわけであります。そのほかベンゾール、グリセリン、アセトン、こんなものがつくれるのであります。そのほかタールから、ベンゾールやトルオールなどができることは皆さん御承知の通りであります。なおこういつた乾溜以外に溶解抽出の技術でございますが、この点は日本独特のものとしまして、ただいま資源技術研究試験所において研究されました膨潤化の方法がございます。これは高温高圧による無灰炭、これはアルミニウム電解用の電極に使われます。そのほかにこれは粘結性を増す上に役立ちますし、またれん炭の粘結材等に使われる、これは経済的にも成立いたすものではないかと考えられるわけであります。そのほかこの石炭を水素化する、これが非常に大きな問題でございまして、私ども前に考えたときは――世界でもそうだつたのでございますけれども、大体においてこの水素添加法によりまして液体燃料をつくるということがおもな目的にされたのであります。しかしこれは今日では、ことに日本の場合は、こういう観点からの研究ではいけないと思うのでありまして、先ほど申し上げましたように、もつと附加価値を高めました高級な製品をねらう必要があるだろう、こう思うのであります。もう一つ石炭を炭素化した場合、これはすでにアメリカあるいは日本でもそういうことに着手されておりますけれども、アメリカあるいはドイツ等でいろいろな商品名でつくられております。これは化学薬品とかあるいは機械工業といつたものに大いに有望視されておるのであります。製品といたしましては、耐酸性あるいは耐アルカリ性あるいは温度に耐える、こういうような面からいたしまして、ただいま、はつきりはいたしませんですけれども、原子炉等におきましても、それは場合によれば炭素材として使えるのではないかというふうに考えられるわけであります。こんなことからいたしまして、さらに最近の進歩でございますが、先ほども申し上げましたように、もつぱら石炭の化学工業ということになりますと、とかく液体燃料ということをおもな目的に考えられますけれども、昨今では、これもでありますか、ドイツのコツパース炉とは全然違いまして、たとえば割合に粗悪炭も利用できるようになつております。日本ではどんなところに利用しているかということになりますれば、宇部地区でありますとか、常磐地区でございますとかいつたような、どちらかといいますと低品位の石炭を原料にいたしまして高級化した製品をつくるということであります。たとえばこれを水素ガスにしますと、従来やつて参りました水性ガスにいたしますと、一立方メーターが十一円五十銭ぐらい、これが私ども最初使いましたウインクラーにしまして七円八十銭ぐらい、それから今度新しいコツパース炉、これは前の炉とは全然違つたものでございまして、立炉になつておりますが、これで六円七十銭ぐらい、大体こんな見当になつております。こういうものを使いますと、硫安の原料に使いましても、そのほかの化学工業の原料といたしましても、十分ペイし得るのじやないかと思います。その次はこれまたドイツの最近の進歩でございますけれども、ドイツの方では先ほど申しました高温高圧のIG法あるいはフイツシヤー法、こういうものが考えられております。最近ではこれが改良されまして、新しいフイツシヤ一法が生れまたオキソ法も実施されておりますが、こういうものをつくりますと、先ほど申しましたような単に燃料というよりもずつと高級な、たとえば合成樹脂の可塑剤あるいは今はやつております界面活性剤でございますとか、そのほか油脂を原料としない石けん、各種の高級アルコール、高級航空潤滑油というようなものに利用されておるのでございます。これはおそらく十分な採算をしてみないとわかりませんですけれども、アメリカ式の石油化学製品と十分競争に耐え得るのではないかということに、私ども最も関心を持つ点でございます。なおそのほかに原料ガスをつくるためのコツパース炉といつたようなもの、そのほか先ほど私が樺太でルルギーの石炭の低温乾溜をやつたということを申しましたが、最近ではこのルルギーのガス炉もそうでございますけれども、石炭のガス化が非常に進歩いたしまして、これまた私どもは注目に値するものと思つております。たまたま私、前にこの技術を買いましたときに、日本に参りました人が、ただいまルルギーの社長になつております。一昨日私の事務所に参られまして、最近における、ドイツの石炭化学工業の進歩の話を聞きました。このルルギーもずいぶんかわりまして、ただいまこれによつて、南アフリカでは二十万トンの人造石油をつくるのに利用されることになつているようでございます。そのほかパキスタン、オーストラリアでやはりこのガス炉を使いまして、もつぱら硫安と人造石油に利用されることになつております。これらもやはり前にはどちらかといいますと、高級炭を使つたものでございます。大体三八%から四〇%くらいの悪い灰分のある石炭を使いまして、こういつたような高級なりつぱな化学製品をつくり得るというふうなことがあるのであります。要するに今日わが国の石炭化学工業を考える場合に、以前に私ども考えたころから見ると、ずつと進歩しました、今申しましたようなもつともつと附加価値の高い化学製品をつくるということにねらいを置かなければならぬのではないかと考えております。  なおつけ加えて申し上げますと、現在の石炭鉱業を見ますと、とかく終戦後の状態からいいますとやむを得ない事情かと思いますけれども、石炭を掘る方にだけ努力されておりますが、やはり石炭を掘ります坑内よりは、もう少し坑外の方の合理化に力を尽すべきじやないか、こう考えるわけであります。また私ども事業者としての立場からいたしましても、この点に大いに関心を持ち、また協力をしなければいかぬだろうと考えておるのであります。たとえば石炭層から出ますガス抜き、これも大分ドイツそのほかにおいて進歩いたしましたか、この出ましたガス、抜いたガスをやはり発電所の燃料にいたしますとか、ことに最近はガスタービンが非常に進歩いたしましたから、そのガス・タービンの燃料に使うとか、あるいは先ほど申しました宇部炭等もまた化学工業用の原料として使うというようなことが考えられると思います。これはドイツ、イギリス、ベルギーにも実際に工業化された例があるのでございます。そのほか今捨てております微粉炭、これは石炭局の計算によりますと二百四十万トンから二百五十万トンぐらいと推定されておりますけれども、これらをキヤツチいたしまして、れん炭原料に使うとか、あるいはガス燃料の原料に使うとかいうようなことが考えられると思います。そのほかに硬炭の利用がございます。これは大体二千カロリーから二千五百カロリーくらいまで利用していいのじやないかというふうに考えられるわけであります。ただこういうものを考えますときに、日本の炭田は大体どちらかといいますと貧弱といつてよろしかろうと思います。しかも亜炭のあるところには石炭がない、石炭のあるところには亜炭がないというふうに都合よくその点は分布されておりますけれども、鉱区が非常に狭いのでありまして、しかも火山の影響を受けてカーボニゼーシヨンが進んでおりますので、割合質がよくなつておる場合も多いのでありますが、断層等も多いために採掘条件といたしましてはあまりよろしいとは言われないのじやないか、こういうふうに考えられます。それだのに、なおその上に炭鉱会社そのもの、あるいは炭鉱そのものか非常に小さく散在しておりますので、これが今後日本の石炭をほんとうに有効に利用して行く面において研究を要する点じやないか。これは産業の構造とかあるいは組織、系列の上からも考えなくちやならぬ問題じやないか。こう考えますと、先ほど申しました低品位炭、あるいはガスそのほかに利用する面でも、どうしても今のような分散した炭鉱、あるいは小さく割れた炭鉱それぞれでは考えられぬことでございまして、今申しました構造なり組織なり系列の上におきましても十分考慮する必要があるのじやないかと思います。なおガスタービンについて、先ほどもちよつと申し上げたのでありますが、これはあまり温度が高いことはむしろきらわれるのであります。その点からいいますと、比較的悪質のガスでもガス・タービンとしては利用できるということが最近の注目に値する問題じやないか、こういうふうに考えられるのであります。  そこで、時間も超過したようでございますから、大体私の意見をつけ加えて申し上げますと、この間こちらで決議されたものを大体伺つたわけでありますけれども、電力なり石炭なり油というものをただエネルギーとして考えるということは、今日といたしましてはどうだろうかというふうに私は考えておるのであります。むしろ化学工業の原料としての電力あるいは石炭、油というふうに考えることが日本としては今後重要な問題じやないだろうかと思います。それにはたとえば石油の問題を考えましても、最近御承知の通りペトロ・ケミカルズが問題になつております。ところが日本は、最初は太平洋沿岸には石油の精製工場は許されなかつたのでございますが、それが許されましてから点々とあちらこちらに小さな精製所ができたのであります。それで外国、といつてもおそらくこれはカルテルをはずしてのことになると思いますけれども、製品を輸入する方が、むしろ原油を輸入してこれを精製するよりは安くなるという場合もあり得るのじやないかというふうに考えるわけでありますけれども、それはやはりスケールの点が違うので、コストが割安のためにそういうことになるのじやないかと思います。ただいまのところではおそらく一番大きくて一万五千バーレルぐらいじやないかと思います。これまたずいぶん小さなものが散在しておるのでありまして、これは大きくペトロ・ケミカルズを考える場合に、三万あるいは五万、十万、二十万というものを考えます場合に、やはり国際競争から考えるときに、これはまた相当考慮を要する問題じやないか。やはりこれも石油といつた場合に、これをただ燃料として使うという以上に、化学工業という面に重点をもつと置くのがいいのじやないかと思います。電力にしましても私ども化学工業に関係しておる者から見ますと同じように考えられます。ただそれをパワーとして使う、エネルギーとして使うというだけではなくて、これは現在でもそうなんでございますけれども、化学工業原料としての電力というものをもつと考える必要があるのだろうと思います。それから石炭は、これまた先ほど申しましたように条件もよくございませんし、コストも高いのでありますから、ただ採掘面だけの努力によつてやるということじやございませんで、さらに使う方も石炭ともつと密接な関係を持ちまして、これを高度の製品として使つて行くという面に大きく重点を置くことが必要じやないだろうか、こう考えられるのでございます。  そういふうにだんだん考えて参りますと、結局は、やはりこれは総合的にだれかどこかで考えることが最も重要なことでございまして、この点は最近原子力の問題とか、あるいは航空機研究の問題といろいろ関係がありまして、その都度思いついたように問題にされておりますけれども、私どもはかねてから問題にしておつたのでございます。ひとつ何かまとめてこういうものを調査研究並びに企画するところの機関が必要じやないかということを考えておつたのでございます。自由党でもあるいは野党の方でも技術企画庁の問題が取上げられて、結局は問題がなかなか進まぬようでございますけれども、私は今日の情勢から言いますと、ぜひこういうものが一日も早く成立いたしまして、こういつたような総合燃料エネルギーの問題を超越いたしました、さらに化学工業原料という見地からいたしまして、こういう問題の解決が容易にはかれるような仕組みになることを希望いたす次第でございます。  大分時間を超過いたしましたが、以上をもつて終ります。

大西禎夫自由党

○大西委員長 以上で参考人よりの御発言は終りました。  これに対して御質疑はございませんか。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 ちよつと池田さんに伺います。ただいまのお話の中には、人造石油のこともあつたと思うのですが、私は遅れて来たので何ですが、この前の戦争当時の機械なんかがまだそつくりしていると思うのです。こういうものを今復活してつくろうとする場合に、コストの点がまず第一に考えられると思うのです。それを、もつとコストを引下げる方法というものは、現在日本にある機械を使うということになると結局高い値段になるのでしようか、それともあの機械の使いようによつてはコストの引下げもできるであろうというようなお考えがございましようか、その点について伺いたい。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 私の知つておる範囲では、先ほど申しました化学的低温乾溜のお話をいたしましたけれども、これが一番組織立つてやられたと思いますが、これはこちらのものではございませんからどうにもなりませんけれども、そのほか今ありますものでも――たとえば宇部にも一部残つておりますけれども、ほとんど爆破されました。しかし今第一燃料廠、第二燃料廠のものもそうなんですが、今の技術から見ましてもちよつと使い物にはならぬのじやないかと思います。最近は昔とまつたくかわつておりまして、先ほど申し上げましたようにおそらく前のものが七十五くらいのがただいま九十以上になつておりますから、そういうことではないだろうかと思います。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 今度日本に相応した施設を新しく一箇所つくるということになると、大体どのくらいの額になるものでしようか、参考までに一言お伺いいたしたいと思います。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 今から日本の石炭などで人造石油をやるということはちよつと考えられぬように思います。先ほど申し上げましたように、ずつと高度なものをつくるというふうにやりませんと、二倍も三倍もするようなことになりますし、今は為替レートの問題とかあるいは海運賃の問題とかで、特に油を輸入してもよろしいのでございましようし――これは上るかもしれませんが、しかしやはり日本の石炭の炭量から見まして、今後の考え方といたしましてはやはり高度化した製品をねらうのかいいのじやないかと思うのでございます。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 そうすると、人造石油などをつくるよりも、むしろ高度のものをつくる、ですから今まではカロリーの少い粗悪炭だとかあるいは粉炭だとかいうようなものが利用されて来たわけですが、その利用方法も他に使つた方がまだ価値づけられる、こういう意味でございますね。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 それはその通りであります。先ほど申し上げましたように前はガス化でも相当質のいいものでなくては使えなかつたものですけれども、近ごろは三五%とか四〇%くらいの低品位のものでも使えるようになつております。あるいはこれはもつと進歩するのじやないかと思いますけれども、ある研究によりますと先ほどの七円六十銭が六円七十銭――あるいはこれはもつと下るかもしれぬと思います。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 ちよつとお伺いしてみたいと思うのですが、石炭液化の問題では御承知のようにドイツが世界的にその優秀性を誇つていると思いますが、日本でも福岡県の大牟田の三井と八幡の三菱化成、この二つが代表的なものだろうと思います。液体化の問題については、日本はドイツと比較すると、まだあそこまで優秀化していないということを考えるのですが、ドイツの人造石油は戦争中を通じて非常に成功していると考えているのですが、日本の三井、三菱の液体化の問題と比較しますと、日本の方はいかほども進んでいないと思うのです。日本の石炭からの液体化の問題をもう少し進歩さすためにはどのようにしたらいいのか、おそらくそういう点は専門的にお考えになつていると思いますが、日本のものは御承知のようにみんなドイツから来てやる。機械もすえ付けも指導もみんな向うから来てやつたようですか、その後の状態を見るとどうも日本の方かずつと立ち遅れをして来ているようですか、どういう点にその追いつき得ない欠陥があるのか、そういう点をお教え願いたいと思います。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 私も三菱化成の創立からやつておるものでありまして、その当時のことは割合によく承知しておりますが、とにかく大牟田の三井さんの方もおそらくあの方法は今はすつかりかわつておると思います。あれは常圧でございました。今はああいう仕事をやるとしましてもおそらく二十気圧か三十気圧くらいの圧力をかけることになるのだろうと思います。それからただ常圧で合成するということになりませんで、ガス発生炉にしましても昔は空気を使用したものが酸素になりましたし、あるいは石炭を粉末にしますとかあるいは圧力とともに高温にしますとか非常な進歩でございます。なぜ遅れておるかと申しますと、おそらく戦争の末期から終戦後にかけて石炭化学工業というものを研究もしなかつたのであろうと思います。また日本の状態としてもそういう余地かなかつたのではないかと思います。  今後どうしたらいいかというお話でございますすれども、私は今申しましたように石炭屋から転向したのでございまして、よく事情はわかりませんが、石炭業者がここで大きな投資をして研究するほどの力がほんとうにあるかどうか、第一私は問題に思うのでございます。それからこれは石炭を掘る方ばかりではできませんので、やはり化学工業業者とかあるいは化学工業機械業者等が一緒になつてやりませんと――これは、ドイツの例を見てもそうでありますが、ルルギーなどでも自分では機械をつくつておりません。あそこはりつぱな技術者をたくさん持つておりまして、たとえば私どもがルルギーの低温乾溜装置を買いましたときにも、ドイツにはどこにもなかつたのでありまして、ただ設計だけ買つたのであります。そうして向うからいろいろデータをとりまして、それで私どもが研究した結果によつて改良したものが売り出されておるような状態でありまして、その私どもの炉が向うのカタログに載つたのでございます。一昨日いろいろな話を聞きましたのでは、すつかりかわつておるようでございます。それには先ほど申しましたように、個々の会社あるいは石炭業者ではむずかしい。また化学工業機械会社も同じでありまして、それがばらばらでありまして、私は三菱化成を創立いたしますときに――自分のことを申して恐縮ですが、一緒に化学工業機械をやらなければいかぬということで今の三菱化工機を始めたのでございますけれども、それも今の月島も田中機械もみんな一緒にやりましようということで――月島機械だけははずれましたけれども、田中もみんな合併したのであります。これは終戦後集中排除ということでまた元にもどりましたが、ああいう研究をしますにも、資力の面で、また化学機械業者としても、石炭業者としてもこれは容易なことでございませんので、そういう面で先ほど申し上げました産業の構造とか組織とか系列とかいう問題とほんとうに真剣に取組まなければならない時代になつておるのではないかと思います。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 化学工業の液体化の機械及びすえ付け等をいたしますときには、ほとんど向うのドイツ人が来て一切をやつておることは御承知の通りですが、ドイツで戦時中から始めて成功した人造石油というようなことを、日本であなた方が研究されたことがあるかどうか、それからドイツから輸入して参ります液体化の機械等の問題は、あの青写真に基いて日本でつくれないのかどうか、この点をお尋ねいたしたいと思います。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 それは十分つくれると思いますが、ただ私が一昨日見ましたのでもそれはただ略図でございました。あれは前の炉もそうでありますけれども、しかしもし技術を買うとしますと、日本で青写真だけで全部つくれるというものはないと思います。おそらく二割五分か三割ぐらいは向うの機械を持つて来て、あとはこちらでつくるということだろうと私は思います。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○伊藤(卯)委員 人造石油の液体化の問題はどうですか。日本では研究されておりますか。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 私は終戦後追放になりましてずつとひつ込んでおりましたから、どこの会社にも関係いたしておりませんので、むろんやつておりませんし、またやつておるということは聞いておりません。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 日曹で残滓からゲルマニウムの抽出方法を、御承知の通りにもう十三箇国のパテントをとつていよいよ本格的にやろうという段階に入つております。こういう点についておたくの方では何かほかの考え方を持つて御研究をなすつておられることがあるかどうか。もう一つ、それから石炭化学をやつて行つて、価格面に入つて行くと、今のような、つまりガス会社の残滓かから抽出するという、ああいうような面にゲルマニウムの抽出方法ができなくなるかどうか、しろうとでございますからそういう点をひとつお聞かせ願いたいと思います。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 私の団体はそういう研究をする団体でございませんからやつておりません。ただ今のゲルマニウムのお話でございますけれども、先ほど時間がないので申し上げませんでしたが、たとえば大阪瓦斯とか東京瓦斯とか、ああしてガスにしたものをただ家庭の燃料とか、工場の燃料に使うということは非常にもつたいないと思います。ですからあの中からエチレンのようなオレフイン・ガスを分離しまして、これはドイツのプラクテイスがそういうふうになつております。それから炭鉱業者が石炭を燃やしてガスをつくる。それを全部プールして、その中から重要なガスを引抜きまして化学工業製品をつくりまして、その最後を燃料に使うということを考えております。その点でただいま東京瓦斯と大阪瓦斯の大きなところとか、あるいは先ほど八幡と黒崎のお話が出ましたが、あるいは小倉製鋼とか八幡製鉄、三菱化成とか、あの廃ガスを別々にしまして、ただめいめいで燃やすということじやなくて、そのほかの有効成分をとりまして、最後に燃料として使うということが今後必要じやないか、こう考えます。だからゲルマニウムの方はもし石炭を使いますれば別にそうやりましてもちつとも支障はないと思います。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 池田さんに一点だけお教え願いたいのでございます。石炭の化工から染料がとれるはずでございますけれども、特にドイツ染料と日本の染料と比較いたしました場合に、日本の染料はどういうわけか比較にならないほど程度が悪い。ところが御承知の通り日本の繊維はどのみち染めないことには輸出ができない。特に近ごろ行われております合成繊維やあるいは化学繊維の類はどうしたら染めることができるか。染めた色をどうすれば定着することができるかということがこの糸を輸出する先決問題ではないかと思つておるわけでございますが、日本の染料とドイツの染料とを比べました場合に、同じような石炭を使つてつくりながらも、どうも日本の染料を使いますとうまく上らないのです。合成繊維に一例をとつたのでございますが、綿にいたしましても、あるいはスフ、絹にいたしましてもそうでございますが、日本の繊維がもし外国の繊維に遅れをとつておるとするならば、それは最終仕上げの場所だけでございます。その最終の仕上げの場合に一番大きなウエートを占めるものが染料でございますので、これが輸出振興に大きな影響を及ぼすと同時に、外貨不足の折から、外国から輸入する染料の高もまた相当なものでございます。そこで繊維の業界といたしましては、ぜひ国内でドイツ染料に見合うようなりつぱな染料ができることを渇仰しているわけでございますが、それが思うようにはかどつておらないように思いますが、一体どういうものでございましようか。その点をひとつお教え願いたいのでございます。

池田亀三郎日本化学工業協会副会長

○池田参考人 それは非常にむずかしい問題というよりは、染料だけでなくて、おそらくすべての化学製品にも言える問題じやないかと思います。大体先ほど申し上げました、たとえば化学工業機械でも世界を相手にして、ルルギーにしましてもアフリカにもやつておる、パキスタン、オーストラリアにもやつておるというふうに、世界を市場にしてやつておるのです。結局製品売上げ高の四・七%ほどの研究費を使つておるのです。日本は小さな会社が濫立しておつて、しかもどれもこれも苦しいというふうな状態でありますから、十分な研究費も出せないと思います。これが一番大きな原因じやないかと思います。もつとも私どものつくつておりました古い染料は、そうドイツの染料に比して負けないと思いますけれども、今お話がありました新しい合成繊維、あるいはビニロンなどに染まらないような染料をつくつたつて、繊維業者からいいますとそんな染まらないような染料は染料じやない、こうおつしやられるのです。ところが私はいつもそう思うのですが、染色と繊維の加工は、これはやはり大きな染料会社がやるか、そうでなければ繊維会社かやるか、それから共同に国家がやるべきだと思います。そうしませんとばらばらに力のないものがやろうとしたつてこれはやれないと思います。

大西禎夫自由党

○大西委員長 ほかにございませんか。――それでは、参考人には、御多忙のところ長時間にわたり御出席くだされ、種々貴重なる御意見を御発表されましたことに対して厚くお礼申し上げます。どうもありがとうございました。     ―――――――――――――

大西禎夫自由党

○大西委員長 次に商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に対して御質疑はございませんか。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 商品取引所法の一部改正に関連いたしましてお尋ねしたいことがございます。繊維局長は来ておられますか。

大西禎夫自由党

○大西委員長 見えておりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 繊維局長に重大な関係があることでありますが……。大体繊維の取引所というものは、業界のつなぎの場として行われているものと心得ておりまするが、政府側としては、三品取引については一体どういう基本的な考え方を持つておられますか。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 ただいま御指摘のよに、商口取引所は商品の相場の変動を補填する、いわゆるつなぎの意味を持つておるのでございますが、同時にそればかりではございませんで、個々別々に商取引の際に立てまする、いわゆる販売価格をここに集中いたしまして、公正な相場ができ上るような機関となつておるわけでございます。従いまして両者の意味を包含しておるのであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 公正な取引が行われるためというその目的の三品市場が、実は値上げをする原因に相なつているという具体的事実を私は知つておるのでございますが、その一例は実は紡績が光りに出る、機場が買いに出る、ところが機場の方の立場に立つてみました場合に、今月は機械が働いているけれども、来月糸がなくちや困るというので、つなぎの場所としてはまことにけつこうな設備でございますが、ここが会員制度に相なつておりますにかかわりませず、この糸を使うという設備を持たない業者、つまり金だけを持つている業者が、ここへ投資すればもうかるじやろうということで、ときには自転車でもうけた金をここに投入したり、映画館でもうけた人がここへ資金を投入したり、もつとひどいのは、全然これとは縁もゆかりもない、ただ金を持つているからというて、資金関係の連中までがここへ金を投入する。そういたしますと、自然に現存の自由経済の立場から行けば需要と供給の関係で糸の生産量が大体きまつておるところへほんとうに糸を使う需要者以外の資本が投入された場合には、自然にこの糸の値上りということが起つて来るのでございます。大阪でも名古屋市場でもそうでございますが、そのおかげで不当な値上りのために、機場の方では原料高の製品安で苦しんでおるという例がたくさんあるのでございますが、政府としては業界のつなぎの場所であり、公正な値段が定められるための目的をもつてこれの設立に対して援助しておきながら、こういう業者以外の者がここえ資本を投入する、会員制度になればみな買えるというあの建前から業界以外の者が会員になつているという問題についてはどう考え、どう対処して来られたのでございますか。また将来これに対してはどのようにお考えでございますか、この点はつきりお答え願います。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 現在取引所において直接売買をいたしておるものは、会員、それから会員でありますと同時に仲買人の登録を受けております者に限定されておるわけであります。ただ仲買人を通じましては一般の会員以外の者もすべてこれを利用することができるよに相なつております。会員といたしましては現在すべて上場されております繊細商品のメーカーであるか、販売業者であるか、あるいは使用者であるかということに限定いたしておりしまして、一般人はこれには会員としては参加は認めておりません。ただ一般人は先ほど申し上げましたように、仲買人を通じまして売買することができるというふうに相なつておるのでございます。その関係で間々そういうふうなきらいの生ずることもあろうかと思うのでありますが、これは漸次売買の関係者が多くなつて参りますれば多くなるほど、公正な相場が出て参るのであります。取引の場におきまして関係者が少くなればなるほどかつて気ままな相場が立つおそれがあるわけでございます。従いましてある意味におきましては、取引所にたくさんの関係者が出入りして売買取引を行うことが、かえつて相場の適正化をはかるゆえんにもなるわけでございます。現在までのところまだ相場になれておらないと申しますか、従来取引所を利用する面も比較的少かつたのじやないかというふうに考えられる面もあるわけでございますが、最近になりましては相当これを利用する業者も大分出て参りましたので、そういう心配も漸次薄らいで参つておるというふうに考えておるわけでございます。ただ御指摘のように、資本をもつてこれを買いあおる、あるいは売りあおるというようなことが目に余つで参りますれば、これに対しまして売買証拠金の引上げ、あるいは売玉の制限というようなことによりまして過当な取引が行われないように是正させて参りたいというふうに考えておる次第であります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 今の局長さんのおつしやつたことが事実具体的に三品市場へ圧力として加わつておるならば私はこんな質問はしておりません、あなたは実際の名古屋、大阪の三品市場の具体的な過去の様子を御存じでございましようけれども、業界以外の者がどんどん買いあさりをやつた実例が幾らもあります。もうきのうきようはさほどでもございませんけれども、過去におきましては証券市場の金までがこの三品市場へ流れ込んだ、そこで当時はガチヤ万コラ千時代でもうかる一方で、そういうものが入つて来ておつても、業界としては苦痛ではあつたけれどもしんぼうはしきれたのでございまするが、きようこのごろのように糸へんの商社が倒産で困る、そのあおりを食らつて機場までがいかれる。今月に入つてからでも一宮だけですでに二十数軒の機場が停止のやむなきに至つている事実をあなたは御存じでございましようが、この原因の一つは、金融引締めもさることながら、三品市場における業界以外の資本が大きに悪影響を及ぼしているという事実に対して、そういうことがありましたらどうこうしますくらいの答弁では私は納得かできないのでございます。これはうそだと思いなさるなら調べてごらんになりましたら一番よくわかる、今日倒産商社が続出する折から、わけても糸へんが一番多いとされておるののでございまするけれども、これは紡績の値ぎめの値高と、三品市場に上場された場合の他の資本の圧力と、かてて加えてこのたびの高率適用の強化から生ずるところの金融引締め、この三大要素が一番大きな原因を占めていることは、これは地元に行けばしろうとでもみな知り尽しておることでございます。かかるやさきにこの状態を放置しておかれるということは、将来一層憂いをこの業界に残すものでございまして、この際せつかくこういういろいろな改正が行われる機会をとらえて、ちようどいいチヤンスでございまするから、何らかの警告を発するなり何なりの措置に出られたいと思うわけでございます。もし私の言うことがうそであるとおつしやるならば、私は名前をあげて業界以外のだれだれがもうけて、そのおかげでだれだれがいかれたということを詳細に申し上げてみてもけつこうでございます。伊藤忠さん近藤紡が綿の市場において大げんかをやつておる、これは業界同士だからやむを得ぬでございましようが、その間に立ちまじつて業界以外の者が非常におどつているとい実例を公認される手はないと思うわけでございます。  次にも一つ承りたい点があります。それは、大体三品市場に上場される銘柄、というよりも品物の原料が、天然資源であるか、ないしは輸入に仰がなければならない、従つて途中でつなぎか切れては機械がとまる。それでは困るということで、こういうことがそもそも当初の時代においては起きて来たものと心得ておりますか、この点は間違いでございましようか。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 生れた性格から申しまして、取引所の歴史を見ますと、最初から取引所ができ上つてこういうものが考えられたということよりも、自然発生的に取引所的なものができておつて、それをだんだんと監督、指導して参るような取引所制度というものができ上つたと承知しております、従いまして結局自然発生的に出て参りました取引所的なものも、相場の変動の非常にはげしいものが中心になつておつたやに思われます。こういうものはどういう品物かと考えますと、いわゆる工業製品よりも、農業製品、その他の自然的にでき上つた品物か多いということは、偽れない事実だと思います。また歴史的に見ますと、工業がまださほどに発産しておらない、いわゆる手工業的な時代におきましては、売買の対象になりますものも、今申し上げたような農業的な製品が中心になつておつたのでございます。しかしながら現在のように発達いたしました産業組織のもとにおきましては、必ずしも農産品か適当しておるのだ、工業品が適当しておるのではないというふうには言い切れない面があるのじやないか。もちろん農業品の方か季節的変動あるいは好況、不況という影響を受けやすいので、自然価格の変動は非常に大きいというようにも考えられます。しかし最近のように交通の発達しました現在におきましては、世界的に一時に好景気あるいは豊作、不況起るということも非常に少くなつて参り、自然遠方からこれを運搬して参つて融通をつけるということも考えられるわけであります農業品が価格変動が多いとも考えられないわけであります。また工業品につきましても、一定の生産コストに応じて相場がきめられるというのが一般の原則にはなつておりますが、その間におきまして消費者がことに多いとか、あるいは中間の段階の商社が非常に多いということになつて参りますと、そこにいろいろな相場の変動が起り得るわけであります。そういう際におきまして、取引所が介在して適正な相場なり、あるいは相場の変動を補填するというふうなことも必要になつて参るのでございます。言いかえますと、当初におきましては、あるいは農産品が取引所の対象の中心になつておつたかとも存じますが、今日におきましては、農産品だから、取引所の対象になるというのではなくて、生産者なり、消費者なり、あるいはその間におきまする中間の業者なりというものが相当多数に上つておつて、その間にいろいろな形の取引が行われるというような場合におきましては、自然発生的に取引所というようなものができまして、そこにある種の相場ができて参るというのが通例になつております。現在におきましても、必ずしも取引所という形ではありませんが、取引所のようなせり市、現物市場というようなものが往々にしてできておるわけでございますが、そういうものも、やはり売買が非常にたくさん行われておる、その売買を簡易、迅速に、また適正相場で終結させるというような意味合いをもつて、できておるものも相当あると思うのであります。今日におきましてはそういうような性格を持つておると思われますので、この商品取引所法に基いて指定する商品についても、必ずしも農産品に限定する必要もないのじやないかというふうに考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 三品が行われておりましたその上に、ついせんだつて新三品というものも上場されるようになつたのでございまするが、近ごろ行われております合成繊維、その他化学的に生れて来る繊維については、一体どのような態度で臨まれますか。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 これは私どもか強制するのではございませんで、業界の方でそういう要望がございました際に検討して、参るのを建前といたしております。従つて目下のところは業界の要望がそこまで高まつておりませんので、何とも申し上げかねる状態でございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そうすると、向うから来るのを待ち受けているというわけで、別にそれに対処する場合の、あらかじめの計画とか予想は立てておらないわけでございますか。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 そういうことはいたしておりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 三品市場の場が、局長のおつしやいますようにほんとうに適正な価格を保つことと、数量を継続的に確保するという目的のために行われまするものならば、買手方の方もこの設備なり制度なりを喜んで受けるでございましようけれども、今日のように、業界以外の人間が入つて不当に値をつり上げ、これを取引しているところの会員が、ちようど証券市場と同じようにもうけの場にされている。従つて自転車操業で苦しんでいる機場が、さなきだに原料高の製品安で困つております状況に一層拍車をかけるような状態が将来予想されるとするならば、当然政府としては創設の目的が完全に遂行さるベき何らかの手を打つてもらわなければならないわけでございます。かてて加えて申し上げておきたいことは、機場の方では、ほしい糸以外の糸を抱合せに買わなければならないという状況が起つておるのでございます。これは過去においても間々あつたことでございます。こういうことは機場を一層苦しめ、中小企業を苦しめるという結果を招来するのでございます。この点はどのように法律を改正されようとも、政府はほんとうに指導、監督の立場に立つて、実際物の動いている面、それを動かしている原因をよく探究なさつていただかないと、妥当な方策を施すことはできないと思うわけでございます。これを機会にぜひひとつ慎重な研究をしていただきまして、買手の連中がほんとうに安心して操業ができるような方途に出ていただきたいものだと思うわけでございます。新しく生れまする化繊や合成繊維の上場の問題は、いろいろとりざたされているようでございますが、これが政府当局の方で何もしていない、向うから言つて来たらそのときに仕事を始めるでは、どろぼうを見てなわをなうのそしりを免れぬのじやないかと思うわけで、この点も法案の改正だけでなくて、具体的な事実というものの研究をもあわせ進めていただきたいことを、要望して、私の質問を終ります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 今の合成繊維に関する上場の問題ですが、政府では五箇年計画まで立てて、画期的な拡大計画のもとに、この合成繊維に対する行政に当つているわけです。しかもそれを取引所に上場されている趣旨というものは、やはり健全な斯業の発達と円滑な需給をねらつてやつておられる。運用も今いろいろ言つたように問題はあるでしようが、いずれにしてもそういう趣旨の上に立つている。それほど量の多い、普遍性を持つたものの上場ということは当然考えられなければならぬが、いついかなる時期に、この問題を一応上場の対象に考えているか。ただ業者から言つて来るのを待つているようなことでは、指導方針にならない。そこで政府としては大きな五箇年計画の一環として、いかなる時期において上場させて、価格の安定、需給の安定をさせるか、見通しと方針をお持ちであるに違いない。そこで具体的に何月何日というのでなくても、どういう時期に上場を考えられるのかということが、何ものかなくちやならぬ。その片鱗でもいいからひとつこの際示していただきたいと思います。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 実は取引所というものは個々の取引の一種の鏡のようなものでございまして、これをもつて業界をどうこうするというふうには参らないのが建前になつております。従いまして、従来から、戦前におきましても商品取引所法というものがございまして、米の取引所あるいはその他の面も多分にございましたが、積極的に政府の方がある指導精神をもつてどうするという考え方で取引所を指導するということは避けて参るのが建前になつております。われわれもそのような考え方をとつております。ただこの取引される商品の量が相当多量に上りまして、取引所に上場される場合におきましても、不当な買占め、売り浴びせというようなおそれのないような場合に、各業者が取引所の設立あるいは取引所に上場することを要望して参りますれば、いろいろ弊害のない限りにおいてこれを認めて参るという考えで進んで参りたい。その意味におきましては、こちらから積極的にどうするんだという考え方でやつて行くべきではないのじやないかと考えている次第でございます。しかしながら合成繊維は御承知の通り大いに伸ばさなければならぬ品物でございますし、また各方面に使用されて参らなければならぬ品物でございます。そういうものが大いに生産され、大いに使用され、大いに消費される。それによつて少しでも外貨が節約されるという面で、いろいろな手を打つて参ることは、繊維行政として当然考えなければならぬと思うのであります。それには取引所の立場からこれをどうこうするということはむしろ避けて、業界の動きに応じて、弊害のないような方向で監督して参るという建前をとるべきであろうと考えている次第でございます。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 政府の方針はいつでも追随主義というか、無方針、無定見であります。企業局長もこの吉田内閣の一環の中にあつて、同じように安眠をむさぼつておられるような感じを持つのであります。業界ではこの化繊の上場についてどういう意向と雰囲気の中にあるか。それについて一応の調査もされ、触角に感じておられる何かがあろうと思うのでありますが、それだけでもいいからひとつお示しを願いたい。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 合成繊維につきましてわれわれが承知している範囲におきましては、まだ生産高も少うございます。従いまして消費の額も少い。またどちらかと申しますと、特定の業者との特定のコネクシヨンによつて今合成の糸の試織をやつているという段階であります。従つて一般にこれが売買取引されるという段階にはないように承知いたしております。従つてまだこれが上場したい、取引所においてこれをどうかしたいというところまでの空気に至つておらないと承知しております。ただ私どもといたしましても、繊維行政という建前から、先ほど来申しておりますように、これの生産なり消費なり、またそれの利用なり、これを利用するについてのいろいろな技術面の進歩なりについては、当然考えて参らなければならぬと考えておりまして、これは取引所とは別個の形でやつて参るというふうに考えており、従いまして取引所だけの面からどうこうするということは、むしろ受身の立場で進んで参りたい。またそういたすのが適当なことじやないかと考えている次第でございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 異なことを聞くもんですね。せめて触角を働かして情報なりとも……。それでは答弁にはならない。局長さん、そんなことを言つておられるとおかしなことになりますよ。と申しますのは、企業局長さん御存じでしようが、同じ毛紡に例をとりましても、昭和二十七年が百五万錘、ところが政府の打ちました確認のやり方が下手だつたおかげで、幽霊人口までつくりまして、ただいまでは二百三十万錘も行われている。百五万錘のときの毛の輸入量が七十四万俵余あつたはずです。ところが今年度は六十一万俵かせいぜい二万俵しか入らない。ところで百五万錘のときの稼働率は六〇%である。今年は一体どれだけ稼働させるつもりでありますか。そこで業界としては、やむなく食い延ばしをやらなければならないというので、混紡糸を引こうじやないかということになつて、混紡糸の問題が業界では論議の中心点になつている今日です。ところが混紡に入れるスフはといつたら、ここへ上場されているスフは、材料のパルプが樺太でとられ、イタリアからどれだけ輸入せいと同僚の齋木委員が言うても輸入しない。結局混紡糸の頼る先はどこかといえば、合成繊維以外にございません。そこでその合成繊維は、ただいまあなたのおつしやいましたように、会社の系列によつてルートがちやんとできている。ところがこれがおととしあたりから染めることもだんだん可能になり、去年あたりでは稼働率も相当できて、今年度は政府の五箇年計画の奏功によつて、量はどんどんふえようとしているやさきであり、そこへ需要がふえようとしているやさきである。こういうときに取引所とは関係ないからといつて、企業局長それを知らぬというはずはない。だからこういう状況にあればこそ、一体これをどうしたならばいいかということは、企業局長の耳には入つていないかもしれぬけれども、業界では重大な問題になつている。それでこれを上場するかしないか、されることがいいか悪いか、あるいはまたそれもわからなかつたら、どういう状況が生じて来たならば上場するか、あるいは今後一年なり二年というものは、いかなる状況の変化があろうとも上場しないならしないというように態度をはつきりしておいていただかないと、業界は困るのです。大体外貨の割当が多いか少いかというその発表の時期を間違えただけで、糸の値段はぐつと高くなる。あるいはその外貨の割当の数量が多くなるか少くなるか、そのうわさを聞いただけで、業界というのはすぐに値段がかわつて来るのです。そういう生きものを相手として、企業局長に何ら準備がなく、後手々々と打たなければならないということでは、業界はたまつたものではない。だから今同僚議員のおつしやいましたように、せめて片鱗なりとも、この際はつきりさせていただきたいものだと思います。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 商品取引所は、証券取引所とは違いまして、現物の受渡しをするところではないわけであります。いわゆる清算取引所でございまして、最後には現物を渡してもよろしゆうございまするし、現物を渡すのがいやであれば、それを取引所で売りまして、金にかえてしまいますると、金で先の決済ができるわけです。従いまして、現物を引取りたいから現物を引渡せという強制はできないわけであります。従いまして、商品取引所におきまして売買はいたしておりますが、これはすべて現物を取引するのではございませんから、その取引所によつて現物を得ようということは、意思はできるかもしれませんが、取引所自体において現物を引取ることを強制することはできないわけです。従いまして現物を手に入れることは、別個に個々に現物の商いをするのが建前になつておるのであります。従いまして、先ほど来御指摘のような混紡がふえて参る、その際に原料でありまする合成繊維の面をいろいろ手に入れたいということであれば、それは個々に商社を通じ、あるいはメーカーを通じまして、取引をすることに相なるわけであります。ただその際に、取引が相当ふえて参り、取引高も相当多くなつて参るというふうになりまして、個々にやつてどれだけの相場ができるかわからない、不安心だ、むしろ取引所に上場した方がよろしいという空気になりますれば、そのときにわれわれといたしましては、買占め、売浴びせというような弊害のない限り、これの上場を認めて参りたい、こういうふうに考えている次第でございます。従いまして、取引所というものは、絶えず取引の実態に基いて参るべきものでありまして、そういう取引の実態がいいか悪いか、実態をどう伸ばさなければならぬかということは、これは取引所の問題とは別に離れて考えて行くべき問題じやないかと考えている次第でございます。従いまして、御指摘のような点につきまして、今後混紡がふえるだろう、またそれについて今までのような一種のリンク取引と申しますか、指定商取引と申しますか、あるいは指定工場制度と申しますか、そういうようなものがいいか悪いか、これをどう措置すべきかということは、取引所の問題とは別個に切り離して考えて参りたいと考えておるわけでございます。われわれはそういう問題を等閑に付しておるわけではございません。またそういう実態ができることを業者の恣意に追随しておるわけでもございません。またこれを取引所に上場することによつて、これをどうこうして参ることはできないし、そういうことはすべきでもないと考えておる次第でございます。従いまして取引所を通じてやることは、今申し上げたように、取引所に上場してよろしいかどうかという点で考えるべきである。またその実体になりまする個々の取引商売、現物の受渡し、相場の形成という面についてどうすべきかということは、取引所の問題とは離れまして、いわゆる繊維行政として、一般の通産省の、取引所以外の行政として措置して参るべきであると考えている次第であります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 筋道はあなたのおつしやる通りでございまして、この現物取引の問題が三品市場で全部片づくというふうには心得ておりませんが、あなたの今の御答弁の中に一つ間違つた点があるのじやないですか。と申しますのは、この三品取引は現物の収支が最終の目的ではないというお考えのように承りましたが、そのようにあなたがお答えなさいますと、最初私がお尋ねいたしましたつなぎの場であるということが矛盾して来る。三品市場というものは当然現物の裏づけがあつてしかるべきであり、これが月末においてはつきり現物として収支決済、受渡しができるというのが本旨であつて、品物かなければ金で決済してよろしいというのでは、まるでこれは証券取引所と同じであります。そういうことをあなたが建前だなどとおつしやるものだから、金融資本がここに入つて来て買いあおりをやつて、おかげで現物を取引しなければならない。機場に糸がなければならないときに糸がなくなつてしまつたり、あるいは糸があり余り過ぎたりということになるのです。一体政府当局みずからがこの商品取引市場の目的を主客転倒なさるようなことがあつては相ならぬと思いますが、もう一度ここで伺いたい。あなたの御答弁いかんによつては、先ほどあなたの前におつしやつたことはまるつきり矛盾して来て、一層金融資本の横暴の場と化する憂いがございますから、あえてお尋ねするわけでございますが、はたして三品取引市場というものは、物の裏づけなくして、あるいは最終受渡しを予想せずして売買を行つてもよいものでございますか。それがあなたは建前だとおつしやいましたが、それでよろしゆうございますか。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 必ずしも品物を引渡す考えはなくてもけつこうなのでございます。ただ現実の問題といたしまして、商品を取引所で克つておりますれば、あと現物を引渡す方が有利であれば現物を引渡します。また引渡す現物がなくて、現物を引渡そうとすれば、ほかから多額の金をかけて品物を持つて来なければならぬ、そういうふうになつております。従いまして必ずしも現物を引渡す必要はないわけでございます。また現物を持つておる必要もないわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 今行われている具体的事実は今あなたのおつしやる通りです。それがあなたは建前だとおつしやるのですね。それでよろしゆうございますかということを聞いておるのです。私も会員でやつているのですから、三品のことぐらいだつたら、何も今日行われている具体的事実を聞かなくてもよくわかつておるのです。ただ問題はそういうことが建前でよろしゆうございますかと尋ねておるのです。あなたはさつき建前だとおつしやつた。もしそれが建前だとなると、あなたの最初におつしやいましたつなぎの場として、つまり価格の安定と数量の確保という目的がそれてしまつて、金融資本の横暴の場と化する。過去にもそういうことがあつた。それではいけないからどうしますかと言つたら、そういうことのないようにすると言うておきながら、最後の結論に来てからそれが建前だということをおつしやると、矛盾もはなはだしいし、目的がそれて行きはせぬかとおそれる。局長が国会においてこのように答弁したから、糸はなくてもしようがない、金でかんべんしてくれ、こういうことが横行闊歩するようになつては、一層機場が困るようになるからお尋ねするわけでございます。企業局長としてどうです。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 現物を離れて商売をしているのが建前だ、現物を受渡ししないのが建前だという意味ではございません。もちろん、当然現物に即して、現物の相場とこれとが並行して行くべき筋合いのものでございます。従いまして建前はあくまでも現物の相場を具体的に現わすところが商品取引所になつております。ただ商品取引所でもつて現物の引渡しを強制するということは必ずしもできないということを申し上げておるわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 建前か建前でないか。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 建前ではございません。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 いろいろ局長は忙しい点もあるでしようけれども、実際の商品取引の実情と離れて、ただ単なる監督行政方面のみに注意しておられるのではないかというような点も多少感じられるので、この点もう少し実情を勉強していただいた方がいいのじやないかというふうに考えてこの質問を打切りたいと思います。  さて今度は、過当投機の問題でございますが、先ほど加藤さんからも話がありましたように、ときにはやや投機が過当に流れる。一応は取引所ですからある程度の利益ということは当然考えられる機構ではありますが、程度を越えて、いわゆる過当投機の範疇に入つては弊害があると思います。これについての取締りは十分にやらるべきだ。ことに今日のごとく浅い日本経済の中において、繊維を中心とするところの業者がばたばた倒れて非常に大きな被害を受けておる。一面において過当投機の影響もあるのではないかということも心配されるのでありますが、この点についての近来の実情と、それでもし行き過ぎがあるとすれば、これについて具体的にいかなる手をとろうとするのか。これは重要な問題だと思いますので、この取引所行政の監督の面から、どういうふうな配慮を今後されようとするのか、これを具体的にひとつお示し願いたいと思います。

記内角一通商産業事務官(企業局長)

○記内政府委員 非常に過当な取引が行われるようになつて参りますと、いわゆる現物相場と取引所相場とが食い違つて参るのが通例でございます。去年の秋以来いろいろ過当取引の問題が論議されて参つておりますが、毎日の相場というものを現物相場と照し合せながらわれわれも見ておりますけれども、現物が少い、取引所の相場にあおられて、現物相場が上つたという見方もあろうと思いますが、現物相場と取引所の相場とは大体並行して動いておるというのが実情でございます。しかしながらいわゆるわれわれが一応推算するようなコストの面、通常世間でいわれておるような考え方からいたしまして、相当取引所相場も高くはないかというふうな懸念もございましたので、去年の秋ごろから、いわゆる売買証拠金の引上げをやつてもらつております。普通であれば一割の証拠金でよろしいのでありますが、これをたしか二割か二割五分程度にまで引上げておるということに相なつております。さらにこれが非常に大きな動きをいたすというようなことになりますれば、さらにこの証拠金の引上げもどんどんやつて参つて、いわゆる現金がなければ売買ができないというふうな点にも持つて行かなければならぬというふうに考えておりますが、その当時におきましては、それほどの必要もないのじやないかというふうに考えまして、ある程度の証拠金の引上げにおいてこれを押えて参りました。しかし今後適当な取引が行われますれば、そういうふうなことで、売買証拠金の増徴をいたして参りたいというふうに考えております。また場合によりますれば、建玉制限と申しまして、一人当りの売買の数を押えて参る。もちろん他人の名前を仮装いたしまして売買もできて逃れるという道も考えられることではありますけれども、一応売買数量を制限すれば、過当な取引もなくなるのじやないかというふうにも考えられるわけであります。また場合によりましては、いわゆる市販にまわる糸が少いというふうな場合におきましては、供用品と申しまして、当該上場されておるそのものではございませんが、それに似かよつた糸で、また上場されておる商品と大体ある程度の値幅をもつて売買されておるような品物を、いずれかをもつてこれに引渡しができる。現物の受渡しの際にそういうふうな、そのものずばりのものではございませんが、これに類した糸で受渡しができるというふうな制度も考えられるのじやないか、そういうふうに存じましてその辺の検討は十分いたしておる次第でございます。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 ことにこの繊維品につきましては、中小機業者がこれに依存する面が非常に大きい。しかもそれが日本の商工業の一つの中心になつておるような関係にあるのは言うまでもないと思います。そういう意味において、特に取引所を通じて、最近の実情等を十分考慮されて、そして適当取引によるところの影響によつて、中小機業者が大きな打撃を受けないように、特別の配慮をされることを要望しておきたいと思うのです。

大西禎夫自由党

○大西委員長 他にございませんか。――それではこの際お諮りいたしますが、石油化学工業に関する件について、東海硫安株式会社社長織田研一君を参考人として意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

大西禎夫自由党

○大西委員長 それではさよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。なお次会は二十日午後一時より開会する予定であります。     午後零時三十八分散会

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