通商産業委員会 第29号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/31
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 まず総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員長により、同委員会における調査の結果起草するに至つた総合燃料対策要綱について発言を求められておりますので、この際これを許します。中村幸八君。
○中村(幸)委員 総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会の中間報告を申し上げます。 本委員会は、去る三月二日第一回を開催、爾来本日まで、前後九回の会議を催しました。これらの会議においては、主として減耗控除制度と総合燃料対策について調査研究いたしました。 減耗控除制度とは、鉱山において採掘のため、年々減耗して行く埋蔵鉱量を常に補充することによつて、鉱山経営の基礎を安定せしめるために税法上特別の措置を講ぜんとする趣旨のものでありますが、この問題についてはなお引続き調査中であります。不日結論を得た上で御報告申し上げたいと存じます。 次に総合燃料対策につきましては、燃料が産業、民生に及ぼす影響の重大性、特に石炭、重油などの価格並びに需給に関する現下の実情にかんがみまして、この際すみやかに各種燃料を総合勘案した長期にわたる基本的政策並びにその一環としての当面の対策を樹立し、これら一貫せる国策を強力に推進することによつて業界における混乱、動揺を未然に防止するはもちろん、石炭を初め各種燃料の価格並びに需給に関する合理化をはかると同時に、国内資源の活用、外貨の流出防止による産業の発展、貿易の振興に努めなければならないという観点に立つて、あらゆる角度からしさいに検討の結果、お手元に配付したような総合燃料対策要綱を通商産業委員会の決議として、その実施を関係当局に強く要望すべきであると全員一致をもつて申し合わせた次第であります。要綱の内容については、特に御説明申し上げる必要もないかと存じますから、これを省略いたします。 以上をもつて私の中開報告といたします。
○大西委員長 以上で小委員長の発育は終りました。 次に永井委員より発言を求められておりますのでこれを許します。永井君。
○永井委員 ただいま小委員長から報告されました条項につきましては、わが党もこれに賛成をいたしたのでございますが、その賛成の理由について、立場を明らかにしておく必要がありますので、一言これに加えたいと思います。 この要綱は、燃料に対する総合対策であり、恒久的対策と当面の対策とあるわけでありますが、少くも燃料における総合対策及び恒久的な対策であるという限りにおきましては、これは石炭、石油、電力、こういつたものを、総合的にもつとつつ込んで立案がなされなければならないわけでありますが、この案では電力の面が後にまわされておるのでありまして、十分電力開発の点は追及しなければならないということを明確にしておきたいと考えるのであります。 それから、今国内の石炭企業が、石油の圧迫を受けて非常な危殆に瀕しておるということは、これはいなむことができない事実であろうと思います。従つて国内資源としての石炭の開発、石炭企業の安定、こういうことを確立いたしますためには、油の関係を無視するわけには行かないのでありますが、これは単に国内の石炭企業を安定するという立場で、油の輸入を制限する、これを遮断するという鎖国経済の中において石炭企業の安定をはかるということでは、恒久対策にならないし、根本的な解決の道ではないと考えるのであります。これは国際経済あるいは国内経済の立場から総合的に取上げて、その中で日本経済の自立と国際市場への進出の条件を確立する方向において、これらの問題が解決されなければならないと考えるのであります。そういう立場で考えて参りますならば、石炭企業の近代化、合理化は喫緊の要件であると、われわれは考えるのであります。今石炭企業のいろいろな実力関係から見ましてもこういう合理化、近代化を促進しますためには、国の財政的な投融資の強力な支持なくしては前進しないと考えるのであります。従つて、今回小委員長から報告されました条項につきましては了とするのでありますが、これを国策的な見地においてやる限りは、首尾一貫した国策的な条件が整備してなければならないのであります、これは、ただ石炭企業が国策的な見地で取上げられなければいけないのだ、従つてこれに投融資をして、近代化、合理化をはかるのだ、こういうことだけでありまして、その締くくりが不十分であります。不十分であるというよりは、金をつぎ込むということを重点にした内容になつておるのであります。われわれはそうではなくて、国が財政の投融資をやるかわりに、これが全部国民経済の中に生かされて、国策的に生きて来る、こういう裏づけがなくしては、それは一私企業に対する利益の供与にすぎない結果になるわけであります。これについてはいろいろ論議があつたのでありまして、できるだけみんなと協調するという意味において案をまとめたのでありますけれども、われわれの考え方は、ただいま申しました通りに、石炭企業の経理の内容については十分に監査し、これが国民経済的な立場において十分生かされるという国の保障のもとに、われわれはこの要綱を了承して行きたいと考えるのであります。また当面、この国会は汚職に明けて汚職に暮れておるような実情であり、今後の発表も相当に予想されるというようなことで、こういう国会を通して議会、財界、官界三者の間に汚職事件が常に時を置いて爆発して来ており、同じことを繰返しておるのであります。造船疑獄においてもそうであり、あるいは昭和電工事件における復金融資の問題においても同様であります。こういうように同じことを同じに繰返さしておいて、そこに少しも改善の実が上らないというのはどうしたことであろうか。われわれは、これらのことから不正が発生したのは遺憾であつた、運が悪かつたなどということで、それらの不正事件の発生する原因に対する誠実な、謙虚な追及が不十分であるから、これに対する反省の実が上らないのであると考えるのであります。この不正事実の現われた原因は、単なる偶発的なものではなくして、そこに共通した条件があつて、常にこういう問題が生起されるのであるから、われわれは、一つの事実に対して非常な反省をもつて改善の実を示して行かなければならない。この改善の実というのは何かといえば、企業の経理内容について国民に責任をとるということで、この実を、魂を入れないで、財政の面だけ協力して、その締めくくりをつけないという結果になれば、同じことをまた繰返すと考えるのであります。従つてこれが運営にあたりましては、当局はこれらの問題を十分心にいたしまして、運営の実を上げていただきたい。この汚職議会のさ中に、こういう問題が同じケースで出て来ることにつきまして、国民感情としては、またかという疑惑を持つであろうと考えるのでありますから、それらの諸点は十分に考えていただきたい。われわれがこの案を了承いたしました最小限度の条件というものは、石炭企業の安定をはからなければならないという緊急な条件を非常に重視しましたために、不十分ではあるけれどもこれに賛成したのでありますから、国はこの企業に対する経理の指導あるいは監督、経営の総合的な運営の上に、十分国家管理的な性格を持つてその実を上げていただくことを期待いたしまして、日本社会党を代表いたしまして、本要綱に賛成する趣旨を明らかにいたした次第であります。
○大西委員長 ただいま報告せられました総合燃料対策要綱につきましては、これを本委員会の意思として決定いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。
○大西委員長 それではさよう決定いたします。 この際愛知通産大臣より発言を求められておりますので、これを許します。愛知通産大臣。
○愛知国務大臣 ただいま総合燃料対策要綱が当委員会におきまして御採択になり、かねて小委員会を中心にされまして御熱心に御討議いただきました成果がここに出て参りましたことは、政府といたしましてもまことに感謝にたえないところであります。ただいまおきめを願いましたこの要綱の考え方は、かねがね政府といたしましても、非常に重大な問題として研究を進めて参つたわけでございますが、御趣旨において私どもの考えておりまするところとほとんどその軌を一にしておるのでございますから、この御趣旨に沿いまして十分善処して参りたいと考えます。特につけ加えて詳しく申し上げる必要もないかと思いまするが、私どもの考え方の要点だけをかいつまんでこの際申し上げたいと思います。 この要綱にも取上げられておりまする通り、総合燃料対策のまず第一の問題は、石炭と重油との調整の問題であると存じます。最近の状況は、重油の消費量が急激に増加して、その結果石炭鉱業の経営を圧迫して参つた、また外貨の負担を著しく増大したというような事実から、総合的な燃料対策の一環として、石炭と重油との調整をはかりたいというのが私どもの念願であつたわけでございますが、その基本的な考え方といたしましては、輸入による重油に過度に依存することを避けて、熱源の主たる供給を石炭に置きたいという考え方でございます。そのためには、石炭鉱業の安定をはかり、その経営の合理化を促進して、極力炭価の切下げを行いたい、これが国内資源の有効利用でもあり、同時に国際収支の改善になるというように考えておる次第であります。そこでそういう考え方から、政府といたしましても一般に重油の消費の節約をいたしたい。そのためには相当徹底した運動を展開いたしたいと思いまするが、同時に今後におきましては、重油転換は原則的にこれを抑制したい、さらにすでに転換したもののうちでも、火力発電、セメント製造業における混焼ボイラー等につきましては、業種、設備状況等を十分に考慮いたしまして、でき得る限りもつぱら石炭を使用してもらいますように勧奨あるいは行政指導を行うようにいたしたいと考えます。しかしながら石炭への転換が技術的、経済的に非常に困難なもの、並びに中小企業については、原則的に特に再転換の勧奨はしない方が適当かと考えておるのでございます。それから重油専焼設備につきましても、その改造の比較的容易なものにつきましては、石炭の使用も可能になりますように改造するように指導、勧奨いたして参りたいと思います。 それから第二に暖厨房用、浴場用等、しいて重油を使用しなくても済みまする向きに対しましては、今年の冬に向いまする用意を今からしてもらいたいというふうに考えるわけでございまして、場合によりましたら今年の十月一日以降におきまして、先般御審議を了しました国際的供給不足物資等需給調整臨時措置法に基きまして、消費の規正を法制的に行うということも考えまして、その前にただいまから設備改造等再転換の指導等について、ただちにこれを行つて参りたいと考えております。 それから第三に農林水産用、船舶用等の内燃機関用の重油につきましては、一般と同様極力消費の節減に協力せしめることはもちろんでございますが、これらの用途には絶対に重油を必要といたしまするので、その必要量につきましては、関係業界の協力を得まして、行政指導等によりましてその確保をはかつて参りたいと存じております。 さらにこれらの措置を円滑に実施いたしまするためには、石炭について出炭規模の適正化等によりまして石炭鉱業を安定したい。諸般の合理化施策を強力に推進いたしまして、炭価の引下げをはかりたいと考えておるわけでございます。 以上の措置によりまして、石炭と重油との調整をはかる考えでございまするが、今申しましたような考え方によるところの各種の措置をとつて参りますならば、いわゆる割当配給といつたようなところに及ぶまでの統制措置は、必要なく推移できるのではなかろうかと考えておるわけでございます。 以上申しましたようなところは重油を中心に申したようなわけでございますが、揮発油、燈油、軽油等につきましては、国内資源との競合関係は比較的少いと思いますので、さしあたつて特別の調整措置を必要としないと考えておりまするが、農林水産用とか輸送用などの緊要な用途向け石油類につきましては、必要がありまする場合は随時別途行政指導によつてこれが確保をはかりたい、かように考えておるわけでございます。 なお御参考までに最後に数量的な点について申し上げますると、二十九年度の重油の消費量等は大体二十八年度程度にとどめまして、これがためには重油の節約目標量を約百万キロリッーターとしなければならないと思いますが、その内訳は、消費節約運動等によりまして約七十万キロリッター、そのうち火力発電、セメント等の部門において約四十万キロリッターその他の部門において約三十万キロリッター、それから第二に消費規正によりまして約三十万キロリッター、こういうふうな数字的な見込みになるように考えておるわけでございます。 以上ただいま御決議に相なりました総合燃料対策要綱についての政府としての所感を申し述べたわけでございますが、なお永井委員からのお話その他につきまして、今後十分——これに盛られていない、たとえば先ほど御指摘の電力その他の問題につきましても、十分これらの御趣旨を体して誤りなくやつて参りたいと考えております。
○大西委員長 伊藤小委員より発言の通告がありまするので、これを許します。伊藤卯四郎君。
○伊藤(卯)委員 ただいま通産大臣の御意見を伺いまして、私も同感であり、なお今後の処置について深く考えておる点を感謝いたします。先ほど総合燃料対策小委員長から報告になりました点につきまして、私ども不十分と思いますけれども、お互いに協力し合つてつくつたものでありますから、賛成をし、なおあれを生かすために一層の協力をしたいと考えております。 この際通産大臣並びに政府の方に強く要望し、なお自分の意見も加えながら申し上げることのお許しを得たいと思いますが、通産当局にお伺いしておきたいと思います点が二、三点あります。先ほど大臣が言われておりましたように、やはり石炭単価を下げなければならぬということは、今石炭の油との関係に置かれてある点から見ても、これは至上命令だと思います。そこで石炭単価を下げるのにどうしたらいいかという点については、能率を上げて下げるということが一つ、さらに石炭生産費を構成しておるところの資材その他の費用もどこかでストップというか、これらはやはり政府が切り下げなければ、石炭単価を能率のみに期待して政府の要請通りに下げさすことは困難であると思うのであります。たとえば昨年の春から今年の春まで一箇年間に、炭鉱で資材として最も多く使いますところの坑木のごときにおきましても、石当り六百円程度のものであつたものが、今日では三倍の千八百円くらいに上つて来ております。なおこれは人絹、パルプ等が資材不足から買いあさりをする点からさらに、とめどもなく上るという傾向になつております。さらに鉄材、機械類等も御承知のように上つております、それから運賃も上つております、さらに電力料金も上げようとしております。こういうものがとめどもなくどんどん上つて来るということになれば、従つて石炭生産費も切り下げることが困難になつて来るのじやないか。だから石炭単価を切り下げようとするには、これらの生産費要素をなすものについて、大臣はどこらでストップさせようとするか、現在の炭価から見てこれらをどの程度さらに切り下げようとされるか。政府の総合的な経済政策の点から言えば、全体を五分ないし一割下げるという目途を持つておられるようであるが、こういう炭鉱生産に必要なものについて、現在の物価水準から、これらを二十九年において五分ないし一割下げるということについて相当確信を持つておられるかどうか、これらが五分、一割下るということであれば、かてて加えて能率を上げて、労使協力をして、一層生産に邁進することになれば、あるいは石炭単価も五分も一割も、あるいはそれ以上下るかもしれません。この点が私は単価切下げの上に非常に重大な関係を持つものであると思うので、これらに対する大臣の見解というか、信念をこの際伺つておきたいと思います。
○愛知国務大臣 まことにごもつともでございます。私も実は大分前から、この問題につきましては最も深刻に考えておつたのでありますが、本日おきめいただきましたような要綱で、たとえば石炭の適正な出炭規模というようなものについても一つの目標が打立てられて、これがすべての基礎になると思うのでございまするが、同時に、ただいま御指摘の坑木の問題、金属の問題、機械の問題といつたようなものにつきましては、実は私も今詳しく検討いたしまして、一つの見通しを持つておりますが、あまりこまかくなりますから、それはまた別の機会にでもさせていただきたいと思うのであります。石炭に関しては特にそうでございますが、必要な物資、機械等についても、それぞれ個別的な見通しをつくつておるのでございますが、最近二月の中旬以降の状態を見ましても、それまで上る一方でありましたこれらのものにつきましても、だんだん低下の傾向が出て参りましたし、おそらく来四月以降におきまして諸般の政策が進み、あるいはそれぞれの部面におけるところのいろいろの関係がだんだん具体的にはつきりするに伴つて、木材を初めといたしまして、少くとも五、六パーセント程度の値下げの傾向が出て来るのじやなかろうかと思います。しかしこれは何と申しましても、年度と年度とを通じての比較でございますから、ただちにここ一、二箇月で何パーセント下るというほどには行かないと思います。またそういうふうな急激な下降状況をたどることは、かえつて相対的に全体の経済界にも悪い影響があるのではないかと思いますが、ともかくもこれらの必要な資材、物質等につきましては、ひとつ確固たる方針をもつて、かつ具体的に成果が得られるように努めて参りたいと考えております。 それから他の料金の問題でございますが、これも御指摘のように、すでに上つたものもございますが、一方電力料金のような、国民経済に非常に至大な影響のあるものにつきましては、ただいまのところ当分の間はこれは値上げをしないで、そして今のような問題に対してこれ以上値上げ要素が出て参らないようにいたしたい。これも先般来電力会社方面に対しましても、いろいろの点から協力を求めまして、さしあたり当分の間は引上げをしないということで参れることになつたわけでございますので、この上ともただいま御注意のような点につきましては、十分配意して参りたいと考えております。
○伊藤(卯)委員 さらにお伺いしておきたいと思いますのは、油の制限をされて来ることは、御承知のように、明らかになつて来たのでございますが、原油、重油、石油というか、この油に対して、御承知のように、昭和二十六年に輸入関税を一〇%とるということが提唱されて来ているのでありますが、これらを二十六年に決定された通りに一〇%とりますと、昨年度の輸入実績から見ますと、大体六十七億円輸入関税がとれるようになるのでございます。そこでこの際、六十七億というか、あるいは五十何億というか、そういう税金による国庫収入というものは、国家の現状においてはきわめて重要な役割を持つことは申すまでもありません。従つてこの収入を、あるいは石油開発に充てるというか、あるいは石炭産業の合理化に充てるというか、大臣は目的課税云々ということを言われていることを伺つておりますが、これらの輸入関税について、大臣はこれをどのように扱おうとお考えになつているか、あるいは国家予算の根本の上からいろいろの問題はあろうかと思いますけれども、しかし大臣のこれらをどのように扱つて行くかという心構えが、とるということになるなら、またとる方法も出て来るわけであります。この点をどうお考えになつているかということが一つ、それから私が申すのは、油を制限しろ、あるいは油に関税をかけろ、そして石炭単価と見合ようにしろというので、私は日本の石炭を国家の保護的な室温の中で守るべきであるとは断じて考えておりません。やはり石炭というものも、それぞれ競争をして、そして設備の近代化なり、設備を国際水準に持つて行くことなり、そして高能率のものにして、国際市場においても日本の石炭が打ちかてるという態勢をみずからつくらせなければならぬ、それでなければ、日本の炭鉱、石炭が国家的に生きて行く生命と意義もないのであります。従つて政府としては、炭鉱経営者に向つても、石炭単価を下げさすところの強い信念を持つて臨んでもらいたい。あるいは設備の近代化なり、あるいは機械化なり、あるいは能率の上から、あるいは先ほど質問しましたような生産費構成要素をなすようなものについては、政府もこれこれするから炭坑経営者もこれだけ石炭単価を下げろということについて、やはり信念を持つて政府は石炭単価を下げさす点に臨んで対処してもらいたい。これが一番大事でありまして、私は石炭を、炭鉱労働者の立場からいやが上にも要望しているようにとかく誤解等もあるかとも思いますけれども、私はいたずらに国家の保護の上において炭鉱を守るべきじやないと考える。あくまでも、国内的にも国際的にも、能率の上に、価格の上に、品位の上に打ちかてるという態勢を、炭鉱経営者自体みずから労働組合の協力を得ながらつくり得るというものでなければ、今後の経営体としては生き得る存在の価値はないと思います。だから、こういう点については、相当確信を持つて臨んでいただきたいと思いますが、それらの炭価問題について大臣が今後対処して行こうとされる信念について、あわせて伺つておきたいと思います。
○愛知国務大臣 これもまたまことにごもつともでございまして、私は政府としての立場というより、むしろ私の意見を申し上げたいと思います。ただいま御指摘の通りで、私はいわゆる断固たる態度とおつしやる中には、たとえば国家的な権力でもつてどうこうというようなこともあろうかと思いますが、私はそれよりも先に、ただいまもお話がありましたように、炭鉱については政府としては考え得るいろいろの条件を整えて差上げる、そのもとにおいて炭鉱の経営者も労働者も、そのおのおのの立場において国家的な要請をどうやつたならば充足できるかということで、できるだけ自主的に働いていただくというのが一番望ましい行き方ではないかと、私は考えるのであります。そういう意味合いから、今回のようなこの総合燃料対策等につきましても、たとえば当委員会におきましても、超党派的にこういうふうな要綱をおきめいただくということになると、われわれとしても非常に力強く感ずるわけでありまして、たまたま政府側としても考えておりましたような線が、ここに期せずして同じような方向に打出されて参るということになれば、炭鉱の経済者に対してももちろんでございますが。その他の関係の方々に対しても、このほんとうのねらいというもとは、一つは石炭の単価の値下げということが中心になつて全体が動く考え方であるのであるということで、この上ともに力強く、政府としてもいろいろの面で御協力ができることになるのじやないか、こういうふうな気持でおるわけでございます。 それから最初の油に対する関税の問題は、実は御承知のように、これには賛否両論の意見がその後もずつと闘わされて参りました。御承知のように法律案といたしましては、さらに一年間関税定率法の免税規定を延長するという案がただいま国会で御審議を願つておるわけでありますが、これは先ほどの消費規正の問題のところにも関連があるのでありますが、どうしても農山漁村等について、あるいはその他の面におきまして確保しなければならない部分が相当多いのでありまして、これらの点について関税をかけるということはいかがであろうかという説も、相当今強いわけでありまして、そこを彼此勘考することが必要であると思うのでありまして、現在はそういう一年延長の政府案が出ておりまするけれども、これにつきまして国会におかれましても、十分に御検討御審議をいただくことを、私どもとしては望んでおるような次第でございます。
○伊藤(卯)委員 時間の関係もありますから、いま一点だけお伺いしたいと思います。今日の現状から見まして、これは大臣のところにも報告が行つておろうと思いますが、大体二十八年度の状態そのままの形態であるならば、中小炭鉱はおそらく半分以上はつぶれるだろうということは、これはくろうとの見通しであります。私どものところにも報告が来ておりますが、いわゆる茨城、福島の常磐炭田においては、少くとも半分はつぶれるものとして、経営者側も労働者側も考えておるようであります。現につぶれつつあります。九州、長崎の方の状態を見ても、最近そういう状態が露骨に現われて来ております。これは油により石炭が圧迫されて来たということが一つ、それからいま一つは政府の金融引締めから来ることである。たとえば報告をとつてみますと、石炭需要家の一流会社である会社が、今日五箇月、六箇月の手形を出しておる。そこで二流、三流になれば、これは推して知るべしであります。そういう状態であるからして、経済力の弱いものはそういうことでほとんど金融難のために倒れて行きつつある。それでたとえば三井とか三菱とか、つまり同系関係に大銀行を持つておるところは、これはそういうところから内輪的に融資を受けて行きますから、最後まで耐久力がございましよう。しかしながら大手筋と言われておるところでも、みずからそういう金融機関との関連を持たないところは、炭鉱労働者を四千人、五千人持つておつても、月々何万トンという炭を出しておりますところが、これは大臣おそらく御承知でないと思うが、先般来から労働組合が労働金庫から金を二千万円以上も、あるいはそれ以上も借りまして、これを経営者が経営費に充てて行く。なおかつ労働賃金は一月以後十分に払われていない、そこでしかたがないから、労働組合に経営参加をして何とか建て直してもらおう、こういういわば投出し的な点があるのであります。こういう点から見ましてやはり中小炭鉱、金融機関との特別な関係を持たないものは、とにかく本年は半分ぐらいつぶれるだろうということ、これは私どもの常識であります。だから四千八百万トンという数字をつくりましても、今のままにほつておきますならば、おのずからつぶれて行つてしまつて、あるいはこれが四千五百万トンになるあるいは四千三百万トンになる、おのずからそういう状態、不自然なる形態でつぶれざるを得ないという状態ができて来ると思うのであります。これは基幹産業として国家の立場から見てはなはだ遺憾であります。やはり合理的に炭価を切下げさして、そして基幹産業の態勢を確立することが、政府としては重要な使命であると思います。そこで炭価を下げさす、能率を上げるためにはやはり設備の近代化、機械化を促進せなければなりません。炭価を下げる目的のために特に金融措置というものも、これはひもつきでいいと思いますが、そういうものに対してはやはり相当考えてやらなければ、私は不自然な形でつぶれてしまう、こう思うのであります。これは今政府がとつて来ておるところの金融引締めから行くと、大臣は非常に困難だという点を考えられるだろうけれども、しかしこれらを妥結せないならば、これは今申し上げるような状態に陥らざるを得ない。そこで炭価を下げさすために、能率を上げさすために、国策に沿う目的を完遂するという計画のもとにおけるものについては、政府はひもつきをもつてしてもよろしいから特段の金融措置の問題、先ほどから同僚永井君も言つておりましたが、これらの監視、監督というか、経理監督というものはいかようにも厳重にして、ひもつきにすべきだと思いますが、そういう扱い方の上において炭鉱を生かしながら、合理的に炭価を下げさして国際的に闘わす態勢をつくるために、こういう点は相当考えなければならぬと思うのであるが、この点に対して大臣はどのようなお考えをお持ちになつておられるか、また今後そういうものに対して処置しようとお考えになつておるかを、ひとつ最後にお伺いをしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 先般来の金融の引締めということが相当深刻な反響を描いておりますことは、私もよく承知いたしておるつもりでございます。この金融の引締めの一般現象というものは非常に深刻であるけれども、これは私どもの考え方から申しますならば、これをひとつ乗り越えて行かなければならないむずかしい段階だと思いまするので、全体としての金融引締め方針を緩和するとか、あるいは一般的に救済金融措置を考えるとかということは、私どもは考えたくないと思うのでありますが、しかしただいま御指摘のように、たとえば炭価を下げるため、合理的に能率を上げるためにこうこういうことをやるならば企業もつぶれず、かえつて将来のために大きく発展し得る、そういう基礎ができるという具体的なまつとうな努力のあるところには、これはいわゆるケース・バイ・ケースとしての、今ひもつきという話がございましたが、そういうことも一つの考え方でございましよう。そういう場合の金融上の対策というものは、政府側におきましても、積極的にこれを応援して参らなければならないことである、私はこういうふうに考えておる次第であります。
○永井委員 総合燃料の重要な一分野である電力料金の問題について、時間がございませんから、きようは簡単にお伺いしておきたいと思います。 電力会社から電力料金の値上げについての申請があり、これに対して大臣は、当分の間値上げをしない、こういう新聞発表をしておられるのでありますが、当分の間値上げをしないということは、時間的にどういうことであるか、この国会開会中は値上げをしないのだ、国会が終つたら値上げをするのだ、こういう趣旨なのかどうか、期間的にどういう点であるか、この点を第一点として伺いたいと思います。 第二点は、値上げをしないということは、電力会社が申請して来ている電力料金コストの中にうそがある、こんな値上げは必要でないのだという経済的な検討の結果、値上げの必要がないとお認めになつておられるのか、そうではなくて、経済的な値上げの根拠はある、しかし政策的な見地から値上げをしないのだ、諸物価の値下げをするという政府の方針の上から、これは政策的に値上げをしないのだ、こういう内容であるのか、値上げをしないというその理由と、その内容について伺いたいと思います。 それから次は値上げをしないという諸条件として、たとえば固定資産税をまけてやる、あるいはいろいろな税金を安くしてやる、あるいは利子補給をしてやる、こういうふうに企業の内容に対しての検討ではなくして、外からいろいろなものをつけ加えてやる、その分を値上げしないという一つの条件にする、こういうことなのか、その点を一つ伺いたいのと、政府の電力料金というものに対する一つの政策といいますか、そういうことをさらにつけ加えてお尋ねいたしたい。
○愛知国務大臣 まず第一に時期の問題でございますが、これは国会の会期との関係というようなことを考えておるわけでは毛頭ございません。これは自分で言うのもおかしな話だと思いますが、まつたくこれはまじめに四つにとつ組まなければならない大問題だと思いまして、私個人のことを申し上げて恐縮でありますが、私も就任後日が浅く、またただちに国会が開会になりました関係もございまして、会社の申請案に対して、これならばいいというだけの私として自信のある、納得できる成案がまだできなかつた、こういうことが原因でございます。私に納得ができないくらいならば、大口の需用者はもとよりのこと、家庭の主婦に至るまで、これは納得ができないのは当然だと思うのでありまして、非常に大きな問題でありますだけに、いましばらく時間の余裕をいただいて、この会社の申請案に対する回答を出したい、実はこう考えておる次第でございます。 それから第二点の、会社の申請案の中にうそがあると見るかどうかというお尋ねでございますが、うそというと少しぐあいが悪いのでありますけれども、先ほど申しましたように、私としてもこれならというだけの納得のできる点がまだないということを申し上げますゆえんのものは、この申請の基礎になつたほかの条件がかわらないとしても、あの申請案がつくられた一月当初の状態のすべての条件をもとにしたものであつても、なおかつある程度これは幅を狭め得るのではなかろうかと、私は漠然とそう考えております。 それから第三にいろいろな条件のお話でございましたが、先ほどの石炭の単価の点でもお話申しました通り、こういう電力料金というような非常に大きな問題をきめます場合には、開発を担当して非常に窮境にあるところの電力会社の立場ももちろん見なければなりませんが、同時にこれが一般国民経済のコストに及ぼす影響も見なければならないと思います。また政府といたしましても、国会にお願いいたしまして、国民の最後の一人まで関係のある問題でありますから、資本費が増高して開発すればするほどコストが高くなるというのが現在の実情でございますから、それを多少でも緩和するために、できるならば電気供給業者に対する国税、地方税の負担を軽くしてもらう、あるいは開発銀行からの金利を、他のものに比べて安くしてもらうというようなことをひとつ御提案申し上げまして、十分御審議を願いたいと考えておつたわけでございます。ところがこれらの諸条件につきましても、いまだ国会の意思は決定されるに至つておりませんので、こういう未確定な条件もございますし、かたがた当分の間見送ろうということにいたしたわけでございます。
○伊藤(卯)委員 最後に一つ、公企業法によりますと電力料金は認可制度になつておる。しかし政府が納得が行かないからといつて、申請があつた場合、荏苒半年も一年も放任しておくということはできない、理由なくこれは押えるわけに行かないと思うのでありますが、この経済的な理由があつて、この点いろいろなコスト計算の中に水増しがあり、もつと企業努力で合理化し得る面があるのじやないかというような具体的な指示があつて、待て。こういうことなら理由があるのであります。電力料金の問題が申請されてから、大分時間を経過しておると思うのでありますが、そういつまでも理由あることを押えておくわけには行かないと思います。ですからこれらの問題の解決の時期は、大体どれくらいのところに置いておるのか。それから現在電力料金の問題について問題点になつておるのは、この申請の内容の検討にあるのか、それからもつと政府の経済政策全般の上から電力料金というものを検討されておるのか、それから今言つたように金利の関係とか税金の関係とか、こういつた諸般の補充的ないろいろな政策がさらに考えられておるのか、そういう点を一つと、大体今後の取扱いの見通しと、それから取扱つて行く一つの方針といいますか、電力料金を認可する一つのファクターはどういうものを考えられておるか、これを伺いたい。
○愛知国務大臣 第一に法律上の問題でございますが、これは御指摘の通り、会社側の申請して来た内容なり基礎なりにつきまして、客観的に十分検討して、それに対してなるべくすみやかに回答いたすべきであると考えております。ただしかしながら今回の場合は、法律上だけの問題でない部分もございます。たとえば先ほど申しましたように、他の条件として特に税の問題などについては非常に大きなファクターになると思いますが、これがまた未決定でもございますので、それらの条件が十分出尽しましたところで、まあ少くともこれは成案といいますか、通産省としてのはつきりした成案を得る期間だけでも、私は一、二箇月かかると思います。そういうようなところで実は当分の間というのは何箇月なのかということも、あわせてこれからの研究にまたしていただきたいと思います。
○大西委員長 なお本決議の関係当局への送付方、その他の取扱いにつきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
○大西委員長 それでは御一任願つたものと決します。 —————————————
○大西委員長 この際お諮りいたしますが、鉱業に関する件について、四日市石油株式社発起人総代佐々木彌市君及び日本化学工業会副会長池田龜三郎君を代表として意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
○大西委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○大西委員長 次に昨日本委員会に付託されました日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案を議題として、その提案理由の説明を求めます。愛知国務大臣。 —————————————
○愛知国務大臣 ただいま議題と相なりました日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由を御説明申し上げます。 日本製鉄株式会社法廃止法は、日本製鋼株式会社が、企業再建整備法の規定による決定整備計画に従い、昭和二十五年三月三十一日解散して清算事務に入つたのに伴い、日本製鉄株式会社法を廃止するとともに、これに伴う経過的措置を規定したもので、昭和二十五年八月五日法律第二百四十号をもつて公布施行されたものであります。 日本製鉄株式会社法の規定によりますれば、いわゆる一般担保制度の適用により社債の発行に当つては工場抵当法による工場財団を組成する必要がなかつたため、同社の資産についてはまつたく工場財団の組成に必要な措置が講ぜられていなかつたことにかんがみ、日本製鉄株式会社の第二会社たる八幡製鉄株式会社及び富士製鉄株式会社の二村に対して工場財団組成のための猶予期間を設け、二年を限つて一般担保による社債の発行を許容するとともに、三年を限つて社債の担保の効力を認め、また見返り資金等の貸付金の担保の効力についても同様の措置をとつたのでありますが、その後両社の設備合理化計画の進捗に伴いまして一般担保の対象となる債務も急激に増加し規定された期限内には、この債務に見合いまする工場財団組成を完了することが困難となりましたので、昭和二十七年四月十二日法律第十一号をもつて、期限をさらにそれぞれ二年延長して今日に至つたのであります。 しかるに、現行の工場財団制度その他わが国の担保制度は、主として不動産抵当を中心とするもので、人的、物的の諸要素が総合されて活動している企業体に対する担保制度としては不十分であり、かつ工場財団組成の手続はきわめて複雑で、円滑な資金調達の要求には応じ得ないうらみがあるところから、政府において一般担度制度に関する一般法の制定につき、かねてから検討中のところ、このたび企業担保法(仮称)案を作成する運びに至りましたので、本国会に提出し、これら二社の社債及び日本開発銀行よりの借入金については、企業担保法による一般担保に切りかえさせるべく予定していたのでありますが、何分にも企業担保法は画期的制度であり、これが実施には各界との十分な意見調整を必要とするため、本国会への提出は見合せ、次期国会に提案することといたしたのであります。従つて二社は、日本製鉄株式会社法廃止法に規定するところによりまして、本年八月五日以降は、財団組成を完了しなければ、社債の発行は事実上不可能となるわけでありますが、企業担保法の提案制定を近くに予定しております現在、同法制定のあかつきには同法の適用を受けられるものと予想される両社につきまして、複雑な手続きによつて、工場財団を設定せしめることは時宜に適したこととは考えられないのであります。そこで企業担保法成立までの過渡的措置として、日本製鉄株式会社法廃止法による社債の発行期限をさらに二年延長するとともに、社債及び日本開発銀行の貸付金にかかわる担保の効力をも二年延長することが適当であると認められる次第でございます。以上が、この法律案を提出する理由であります。 なにとぞ慎重御審議の上御可決あらんことを切望いたす次第であります。 —————————————
○大西委員長 この際電気事業に関連する地方税等の問題につき発言を求められておりますので、これを許します。山手君。
○山手委員 地方行政委員会において今般政府が提案をいたしました税法の改正に関し、事業税、固定資産税、自動車税、不動産取得税等々について、種々修正案を小委員会まで設けてつくつておりまして、その修正案がほぼ妥結に至ろうといたしております。ただいま大臣からも御答弁がありましたことに関連をいたしておりますし、緊急の事態でありますから、時間がおそくなりましたけれども私から特に発言をして、大臣の御善処を要望したいと思うのであります。 その第一点は、今大臣が電気料金のことについて御発言がありました。私どもも立場を了とするものでありますが、今度の修正案におきましては、固定資産税の分におきまして、発電施設に対する負担軽減措置に関して、政府原案よりも四億三千六百万円の増徴をするような修正案を出そうといたしております。これは個人あるいは法人の中小企業者に対する税の修正もあるのでありまして、この委員会としては見のがすことのできない修正案なのでありますが、別々にお話を申し上げますが、発電施設に対する負担軽減の問題は、今政府のおとりになつておられる電気料金位上げを抑制する措置とからんで来ておる問題であろうと思います。今永井委員から御発言がありましたが、私はこの委員会としては、単に税のやり繰りの問題だけでこういうふうな重大な問題を決定されては困る。この委員会としては、やはり一般産業と並んで電気事業のようなものを健全に発達せしめるという見地から、非常な努力もして参つておるのでありまして、そのやさき電力料金の問題が国家によつて押えられておる。単に押えるということでは、これはやはり問題がいろいろあるというものございます。特に政府は今度電気事業法を新たに提出をされようとしておりますが、その法律によりますと、地域独占はこれを認めないというふうなことになるように承つております。地域独占を認めないということになると、これはやはり公益事業とはいいながら、非常に自由競争的な事業の色彩を帯びて来て、現在の電力事業者に対する供給義務というものを押しつけることは非常に困難になる。また電力料金についても地域独占なんかは一切打破つて行くという方向をとられるのであるならば、国家がこれに大きな干渉をして行かれることは非常に困難になつて来るのが論理であろうと思います。私は単に電力料金を抑えるということになるならば、供給義務を果すために、今後事業者がだんだん開発を推進して行かなければ、無限に起きて来る供給義務にこたえることはできなくなるだろうと思う。しかしながら片一方考えてみると、今日のこの日本の経済状態というものは、決して安易に電力料金のような重大問題を見のがして引上げさすということも、なかなかこれは困難な次第であります。そこで今大臣の御発言になつたような税負担、あるいは金利の負担を軽減をするというような処置によつて、この電力料金が一分一厘でもよけい上らないように押えられるということであるならばきわめて好都合なのであります。これは大臣がそういう方向に向つて処置をしておられたことも聞いておりまするし、それがこの政府原案になつて現われておるのだと思うのでありますが、地方行政委員会においてその一角がくずされるような処置が講ぜられようとしておる、これに対して大臣はどういうふうな御所見であるか。これはもちろん国会の問題でありまするが、大臣からも全般的に、税負担の軽減についてはどの程度の措置を講じようとしておられるのか、その点とからめて御説明を願いたいと思います。
○愛知国務大臣 これも私ども率直に申すのですが、まことに私としては困つた問題が起つて参つて、当惑をいたしておるのであります。これは前々から申し上げておつたかと思いますし、またただいまも山手さんの御発言の中にも取上げておられますように、私どもの考え方は大体御了知願つておるかと思うのでありますが、たとえば資本費の増高が百億円なら百億円とすれば、私の当初の考え方は、そのうちの半分ぐらいは税で解決したいものだということを一つのスタートにして、いろいろ政府原案をつくつたのでありますが、大体三十数億ぐらいのところまで来たわけであります。これを政府の原案として現在御審議願つております。ところ発電施設に対する固定資産税の負担軽減措置は、二十九年度の特例として六分の一に軽減するという原案でありましたのをとりやめるということになりますと、これで四億三千六百万円程度、少くともこの程度のものはこちらとしての当初の考え方から軽減額が減るわけであります。なおそのほかにも、まだ私どもは地方行政委員会の小委員会における最終的な御意見をつまびらかにいたしておりませんが、計算の仕方によりますと、あるいは十億を越すようなことになるのではないかというような心配もいたしておるようなわけでございます。この点はもし国会の方でそういうことにおきめになるということでございますれば、私どもの電力料金の問題に対しては、それだけ押える幅がなくなつてしまう、ますます困難になりますから、電力料金値上げという方の要素がそれだけ多くなると言わざるを得ないわけでございます。 それから、これもただいまほかの点についても御発言がございましたが、こういう際におきましては国税、地方税を通じて、たとえば中小企業そのほかの企業に対しての税を合理的に軽減するということが、このむずかしい時期において少しでもその企業意欲を衰えさせないようにするために絶対必要なことだと考えて、そのほかにも数個の提案をいたしたのであります。たとえば法人の少額の、五十万円までの所得に対する税率を、特に区分を新たにして減税をいたしたいと思いましたが、その政府案もお気に召さないようでございますし、それから輸出振興ということで、輸出所得の損金算入措置を改めていただきたいと思いましたところが、これも御採用に相ならないというようなことになりますと、通産大臣といたしましては、まことに情ないとこに相なるわけでございます。
○山手委員 あとの点は今から話そうと思つておつたのでありますが、電力料金の問題ともからんで参りますし、これは上げなければならぬ要素があるし、また上げちやいかぬ理由もあるわけでありますから、どうしてもこういう減税措置や金利の措置によつて、この調和をとらして行くという方向に、強力に政策を打出していただかなければいかぬと思うので、与党の中においても、重要な政策策定の立場に立つておられた愛知さんの方から、さらに格段の御努力をお願いしたいと思います。 それから、今大臣からお話がありました事業税の問題がありますが、これも私は非常に遺憾に存じております。と申しますのは、個人企業が非常に事業税が過重である、そのために、法人に切りかえれば非常に安くなるということで、個人企業の事業税過重を取際くようにということは、われわれの方からは地方行政委員会にたびたび申し入れておつたのでありますが、それを政府原案の、基礎控除の六万円を七万円に上げることによつて十三億浮かす、しかしながら、個人企業に重いということは、小規模の法人の事業税が比較的軽過ぎたからというふうなことで五十万円までに対する課税区分を取除いてしまうということになると、これはまつたく何をやつているかわからぬことになると思う。個人の事業税は、法人に比べて小さいものが、特に扶養控除そのほかが全然認められないということで、きわめて過重である、これは厳然たる事実であります。ところが小法人と大法人とを比較をしてみますと、大法人には合理化による減税とかそのほかいろいろな減税措置があるのでありまして、小法人と大法人との間の税の均衡はきわめてとれておらない、非常に不均衡である、だんだんそういうことを考えて参りますと、金融引締め化のこの二十九年度の経済界において、中小企業の問題は大問題になろうと思うのでありますが、私は通産大臣が、少額の所得しかない小法人に対してもつともつと思い切つ減税措置を計画をすると同時に、個人の小企業者に対しましてもさらに基礎控除を二十万円くらいにする、扶養控除についても相当程度認めて行く、こういう抜本的な措置をとられなければ、ずいぶんひどいことになるように思うのであります。私はその点について大臣の決意をお聞きしたいと思います。特に大臣は大蔵畑にお育ちの方でごごいますから、税の関係は詳しいわけでございますし、この問題を解決すれば、日本のいろいろな社会問題も相当に解決をして行くと思いますから、特に大臣に要望をいたしたいと思います。と同時に、さつきこの委員会の懇談会において、結論として、通産委員長が強力に地方行政委員会の委員長に申入れをするということについては、特に強力にお申入れを願うように要望をいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいま税の問題等についてまことに適切な御激励のお言葉をいただきまして、まことに感謝にたえない次第でございます。この上とも、私といたしましてもできるだけの努力をいたして参りたいと思います。
○小平(久)委員 かねての大臣のお話によりますと、二十九年度の外貨予算の編成につきましては、今月末ごろまでには大体閣僚審議会の議を経て成案を得るだろう、こういつたお話でございましたし、また新聞等に一部伝えるところによりますと、大体今朝あたりの審議会で決定を見るやに聞いておりますので、かねて外貨予算編成の方針なりあるいは大体の規模なり等については御説明を承つておりましたが、今日すでに確定を見ましたものならば、その概要についてでもこの機会に御説明を願つておきたいと思います。
○愛知国務大臣 先般来中間的にときどき簡単に御報告を申し上げておりましたが、ただいま御指摘の通り今朝九時から外貨予算についての閣僚審議会を開催いたしまして、ただいまお手元に配付いたしましたような結論におちつきましたわけでございます。今回の考え方につきましては、従来基本的な考え方についてはお話申し上げておりましたので、これは省略させていただきたいと存じますが、端的に申しますると、二十九年度の外貨予算全体としては、いわゆる支払いべースとしては二十億ドルを下らざる計画をつくるということであり、それから外貨の国際収支面におけるところの収支が、二十九年度末において九千万ドルないし一億ドルはどうしても赤字が出るということ、それから支払いベース二十億ドルということは、予算の規模といたしましては、輸入外貨の予算として大体二十一億五千万ドル見当のものになるかと思います。そこでこれをとりまとめまして、そこに書いてございますように、本日の閣僚審議会といたしましては、今申しましたような基本的な考え方をもとにして、二十九年度の上期外国為替予算を決定した次第であります。今期における予備費を除く予算の総額は、輸入貨物予算額として十億五千万ドル、それから貿易外予算額が三億一千三十四万四千ドルでございます。合計十三億六千三十四万四千ドルということにいたしました。これを前年同期の修正予算額と比較いたしますと、輸入貨物関係で一億六百六十八万九千ドルの減であります。貿易外の関係では八千四百六十七万ドル減ということになりまして、合計一億九千百三十五万九千ドル減と相なつております。これは注釈として申しまするが、昨年度の修正予算額と比較して、要するに大体実績的なものと比較してのことでございますから、当初予算と比べればこんな減ではございません。むしろ今度の方が増かとも言えるかと思うのであります。 それから貨物の輸入予算の概要は、ここに取上げましたように、大わくでわけてみますると食糧、専売物資等々でありまして、これらの点につきましては、御質問等に対しましてお答え申し上げたいと存じます。 それから貿易外予算の概要も、ここに概略のところだけ結論的な数字を取上げておいたわけでございます。 それからこれに関連いたしましてちよつと追加して申し上げておきたいと思いまするが、この外貨の予算を編成いたしまして、各物資別等によつていろいろ今後の見込み、生産状況その他を検討いたしてみましたが、結論といたしましてこの程度の外貨が適正に配当される場合におきましては、大体各物資別について国内措置としてドラスティックな、一部に伝えられておりましたような統制措置等は、必要がなく推移して行けるのではなかろうかというような感が、われわれとしていたすわけでございます。ただしかしながら、先ほど当委員会で御決議を願い、また政府といたしましてもその方向に方針をすでにきめておるのでありまするが、油等につきましては大体六箇月ぐらいの予告期間を置いて、必要ならば法的の規正を開始するということを今から打出しておきたいと思いまするし、またその他の物資につきましても、経済界の変動等が予想されるような状態でもございますので、必要に応じてどういう処置を考えなければならぬであろうかというようなことは、今後も引続き熱心に検討を続けて参りたいと考えております。 大体きわめて簡単でございますが、今朝の結論の概略を以上御報告申し上げた次第であります。 それからもう一つ最後につけ加えておきたいと思いますことは、この外貨予算というものの発表のしぶり、公表のしぶり等につきましては、先般もお尋ねが出たと思いますが、対外的な関係等におきまして、全部政府がしさいにわたつて公表をするということとはいかがと思われる点もございまするので、従来の例よりは、政府の公表の文章は簡単なものにいたしました。その点を御了承願いたいと思います。
○大西委員長 本日はこの程度にして散会いたします。なお次会は明後四月二日 午前十時開会、石油関係二法案その他について審議を行う予定であります。 午後一時四十六分散会