通商産業委員会 第12号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/02/17
会議録
○小平委員長代理 これより会議を開きます。本日は私が委員長の職務を行います。 前回に引続き、通商産業政策の基本方針に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを逐次許します。長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 大臣に石油の問題と人絹の問題、またこれに関する繊維税の問題について二、三御質問を申し上げたいと思います。大臣は御存じかどうかわからないけれども、いずれにしても日本という国が現在石油を二十八年度に輸入をしている数量は九百万トンである。それだけの石油を日本という国に入れて——私は石油を入れることがいけないというのではございませんから、その辺を間違えないように聞いてください。その石油が基礎産業に使われ、あらゆるものに使われている。その石油の廃液、廃物がそのまま捨てられているということでございます。先日機会を得まして十人くらいの業者の方々とお会いいたしまして、日本の石油化学について御質問を申し上げましたところ、いまだ日本はそれらは全部捨ててあるのだ、こういうお答えでありました。フランスにおきましても、イタリアにおきましても、石油の事情はもつと乏しい国だといわなければなりません。こういう国が率先して、いかに石油化学ということに対して力を入れているかという点、たとえば一つの問題を取上げますならば、肥料から始まつて農薬から婦人の化粧品に至る八千品目が今現われておりまして、毎年二百六十品目以上のものが発見されて行つておるのでございます。しかるに日本は、この貧乏の中に、一億六千万という莫大な外貨をもつて輸入したところの石油の廃液が、全部捨てられておるということに対して、大臣は今日までそういう点についてお気づきになつたか、何か考えられたことがあるかどうか、まずこの点をお伺いいたします。
○愛知国務大臣 石油の廃液の問題が問題となつておるということは私もかねて承知しておりますが、これの処理方法等につきましては、なかなかむずかしい問題であるということを承知しておるだけでありまして、その対策等については、私就任以来まだ取上げるところまで行つておりません。
○長谷川(四)委員 日本の外油を入れている諸社、たとえば日石、三菱、昭和、日鉱、シエル石油、丸善、こういうような会社は、全部外国資本が半分入つております。外国資本が入つているがゆえに、日本という国はただ消費だけをさせて、なるべくその化学的製品をつくらせないようにという魂胆が含まれているやにも考えられるのですが、そういう点について日本に資本を投下している国々から、そういうような注意があるか、あるいはそういうようなとりかわしがあつて、日本がこれをとり行うことができないのかいなやを伺いたい。
○愛知国務大臣 私の承知いたしておりまする限りにおいて、そういう条件がついておつたり、それからこれの利用方法等について、契約上制限等があるということはないと考えております。
○長谷川(四)委員 私はこういうような点を考えてみるのに、日本の一億六千万の外貨、さらに昭和二十九年は一千二百万トンを必要とするがわが国において、こういうむだなものを、ただいたずらに消費だけにのみ使うのであつたならば、外油一切を輸入する必要はないといわなければなりません。従つて、こういうようなむだをどういうふうに処理して行くかというのが、一にかかつたわが国の経済でなければならないと思うのでございます。従つて私は、今外国資本を導入している石油会社を一つものにして、国策会社をここにつくつて、その処理に当るまでの一切を政府の監督のもとに行うべきであると私は提唱しなければなりません。こういう点について、大臣のお考えはいかがでありますか。
○愛知国務大臣 この石油の輸入の問題につきましては、いろいろの方面から見まして非常に重大な問題であり、かつ政府といたしましての態度をはつきりしなければならない段階に、すでに来ておると私は考えておるのでありますが、そうであるからと申しまして、今ただちに国策会社的なものを考えるということは、私どもとしては考えておらぬところでございまして、先ほどちよつと答弁が簡単に過ぎたかと思いますが、たとえば廃品といいますか、むだになつているものの再精製等につきましても、先ほど私がむずかしい問題があるように承知しておると申しましたのは、たとえば再精製の場合に、その価格が引合うかどうかというような点にもむずかしさがあるように存じておるわけでございます。これらの点を総合いたしまして、至急対策を立てたいと考える次第でございます。
○長谷川(四)委員 大臣の考え方は、日本という国でもつてやつたら生産コストが高くなるというお考えですが、それは大きな間違いだと私は思う。条件が日本より悪い国においてさえも、より以上の成績を上げております、私は業者に質問をいたしました。ところが業者いわく、日本の輸入会社の規模が小さくて行えないのだというお話でございます。石油というものは、国民生活に切り離すことができない、国民生活が向上すれば向上するだけ、石油はよけい使わなければならない。こういう点から考えて国策会社的なものをつくる考えがないというお話でございますけれども、国策会社的なものがないとするならば、この十社ばかりのこれらを自発的に合同さして、一本にさせて行わせて行かなければならない。石油の輸入会社が、どのくらいの利潤を上げているとあなたは思いますか。わが国民のこれだけの苦しい中から石油を買い入れて、そのもうけの半分は全部外国に行くのですよ。彼らは外国資本が投入されているから、わがままかつてなことを唱えても、議会などはへでもないという考えを持つて業者は携わつていると私は思う。外国資本と日本経済は別でございます。いかにアメリカの資本が入つていようとも、日本人のものです。従つて日本人のものの上に立つた政治でなければなりません。こういうような点について私は何ら躊躇する必要がないと思う。従いまして今申し上げたこれらの業者を早急に集めて、どういうような御返事がいただけるか、この点についての御返事はあとでいただくことにいたしますが、大臣はこれらの人たちを集めて意見を聴取し、さらにあなたの意見を伝えてくださるというような御意思があるかないか、この点をまず伺つておきます。
○愛知国務大臣 石油についての外国資本につきましては、前回の当委員会におきましてもいろいろ御質疑がございまして、そのときに外国資本がどのくらい各社別に入つておるかというような点についても御説明いたしたのでありますが、多くの外国資本が入つておることは事実でございます。ただいま長谷川さんの御指摘の通り、日本の国内において政府の政策を行い、あるいは業者が日本人としての立場において活動することについては、何ら制約すべきものではなく、これは自主的にやるべきものであるということは、固く私も御同意でございます。従つてこの石油の問題については、実は多くの問題に現在当面しておりますことは御承知の通りでございますので、日本側の各関係業者あるいはその他の意見をも新たに十分聴取し、また私どもの考え方も率直に述べることによりまして、一つの行き方というものをなお再検討あるいは再確立いたしたいと考えておる次第であります。
○長谷川(四)委員 政府が政策として生み出したものを業者が行わないのだといつたならば、これこそ一滴の石油も外国から入れる必要がない、国民に対してはまことに申訳ないけれども、これこそわれわれの手によつて国民に供給しなければならないと思います。この石油の問題はいずれにいたしましても、大臣が業者に会つてよくお話を願い、さらにその結果によつて私たちは一応業者を喚問して、質疑を新たに行つてみたい、こう考えております。 さらに国内の石油の問題でございますが、国内の石油について、かつて自由党政府においてやりました五箇年計画をもつて五百万トン出すのだという御計画は、私は双手をあげて歓迎をいたしました。ところが本年度は十億のところ、愛知大臣の就任とともにすでに切り捨てられようとするところを、一億ふやしていただいて一億三千万という数字になつたということは、まず愛知大臣の非常な手腕を示したものだと思うが、しかし同じ政府で一貫した政治が行われないという点は私は不満でなりません。申し上げたように、九百万トンという莫大な石油をさらに昭和二十九年は千二百万トンも輸入しなければならないということが眼前に控えていて、それを日本の国内にある石油を掘らずに輸入をするという手はふしぎではないか。輸入というものは何のためか、なるほど輸出が目的で輸入するのでありましよう。しかし第一次世界大戦後の世界経済の機構というものはかわつて来ておる。愛知さんに申し上げたいことは、ラツセールなりスミスが唱えたところの昔の資本主義をわれわれはやれというのじやない。世界広しといえども、ラツサールなりスミスの資本主義を今やつておる国は一国もありはしません。再びそれを追うがごとき政治、政策はやめてもらわなければならない。こういうような点に関して、たとえば日本の国内の石油でございますが、五箇年に五百万トン出るんだという目安がついて、五百万トン出たら日本が今使つている半分が出るのじやないですか。年間十億を投資してみて、それが何にもならないという考え方、これは十億も投資するとインフレを増すであろう、インフレをここにかもすであろうというような考え方に、大きな考え違いがあるのじやないかと私は思う。どうしてこれだけのものを出してもらうことができなかつたか。今の帝石の陣営に対してできないとするならば、これにかわるべきところの地質調査所というものがある。これは国で持つている調査所である。この調査所をして何で調査の責任に当らせないかと私は思う。こういう点について、一億三千万であなた方が唱えるところの五箇年計画の五百万トンというものがはたして可能であるかいなや、あなたの御意見を承ります。
○愛知国務大臣 これは御承知の通りと思いますが、五箇年間の私どもの計画は百万キロリツターでありまして、そのうち現在約三十四万キロリツターの生産があることは御承知の通りでございますが、五箇年間に百万キロリツターまで持つて行こう、こういう計画なのであります。それから資金計画の方では、大体この計画を達成いたしますために百億円程度の探鉱費を必要とするということが基礎的な計画でございます。そのうち私どもの当初の考え方は、半分は国家で金を出してもらいたいというのがその基礎になつておりましたから、五箇年間で五十億、そうしますと初年度において十億円というのが大体ラフに申し上げましての当初の計画でございます。ただいま御指摘の点は私はまつたくごもつともだと思うのでありまして、それが十億と期待しておりましたところが一億三千万円しか計上されなかつたということは、私も実に残念に思いまして、力の足らざることを申訳なく思うのでありますが、しかしさりとてこの計画というものを何とかして推進したい、それには初めの計画としては半分は国でやろうと思つておりましたが、ある程度のものはこれを民間にも援助してもらう、自分の仕事としてもやつてもらうというようなことも考え合せ、また多少時期などにずれがあろうかもしれないと思いますけれども、とにかくこの年度からはこの計画の芽を出すという意味において、これだけのものでも私といたしましては十分に活用いたして参りたいと思います。それからその対象といたしまして、帝石以外の、たとえば地質調査所というような話もございましたが、これは私はやはり実際問題として開発計画を推進いたしますためには、実際の事業をやつておるところの方が適当ではなかろうかというふうな考え方でございます。それから帝石につきましては、前会にもるる申し上げましたように、まず法律の改正案を御審議願い、それに基きまして、すつきりした姿で補助の対象といたしたい、こういうふうに考えております。
○長谷川(四)委員 私は今の地質調査所にその経営にまで当れというのではなくて、探鉱とかすべてのそういう点についてのことを、もう一段の努力を払つてやつて、そうしてやらせたらどうか、こういうことでございます。まさかあなた方のお考えからいつて国で経営するというわけには行かないのであつて、こういうことをやれと言うのではない。探鉱といいますか、探すにいたしましても、協力できる範囲内でもう少し補助を与えなければやれないのではないか。こういうごまかし的なことではやれない。もう少し全般的に見てやる必要があるのではないか、こういうことでございます。いずれにしてもこれらの予算については近いうちに予算の細目にわたつて政府からの説明を承りたいと思つておりますので、これはまた後ほど問題にすることといたします。 それから次は繊維の問題に移つて行きたいと思います。今ここに配られておる新聞を見ますと、繊維税絶対反対貫徹というような大きな文句で書かれております。これは何か悪税であると書いてあるが、悪税であるかないか私はよくわかりません。しかし国民こぞつてこの税に反対だということを唱えております。こんな税をとつてみて——あなたの方の考えは八十五億だという。日本の人絹会社は幾らの糸を生産しているか。二十八年度一億六千三百万ポンド強というものを生産している。そうしてポンド一万八千円のものを国内では大体二万九千円、三万円で業者は買つておる。こういう莫大な利権をわずか六つの会社が得ている。税をとるくらいならこういうところからカルテル税のようなものをとつたらどうか。八十五億ぐらいで国がじたばた騒いでも、業者は遊ぶだけでも容易でない。こういう点についてもつと課税する方法はございませんか。一万八千円のものを三万円で売つているから、日本の繊維の輸出は少しも上昇して行かない。先日もお話申し上げた通り、昨年の七月からいかに、ドロツプしているか、そのままの姿でいるじやありませんか。こういうばかげたことをやらせておいて、どうして輸出なんということができるか。私は統制をしろというのじやない。通産省の方で何か案があつて、そうしてその案をもつてやるというから、去年からもうすでに八箇月も待つている。まだその案がはつきりと示されていない。愛知さんは大臣におなりになつて、こういう矛盾、わずか六つの会社がこれだけ莫大な金をもうけているがために日本の人絹織物の輸出が振わないのだということをどういうふうに考えますか。その考え方と、従つて野放しにこういうふうな莫大な金をもうけさせるなら、繊維税はこれにかけてやつたらどうか、私はこう言わなければならないが、こういう点についてまず伺つてみます。
○愛知国務大臣 ただいまお話の点はまつたくごもつともと思います。根本は私はもつと合成繊維に対しまする増産対策を立てるということによつて、基本的なコストの引下げということを考えて参ることが最も効果的であろうと思つております。昨年の十二月以降におきまして、それとは今度は別に、具体的な問題といたしましても、メーカーの出荷を抑制するという点につきまして、いろいろ具体的な措置をとつて参りましたことは御承知の通りと思いますが、私はやはりさきにも申しましたように、これらの輸入の抑制ということから申しまして、あえて輸出の振興ということだけではとどまりませんで、国内の資源の開発ということに重点を置くという面から申しましても、増産対策を合理的に推進して行きたいものである、こういうふうに考えております。
○長谷川(四)委員 私はあえて愛知さんと討論しようというのじやないですよ。これは社会問題だと私は思うのです。すなわち日本にわずか六つしかない会社にこういうばかげた利潤を与えておいて、そうして日本の輸出貿易を不振ならしめておいて、それを自由経済、だからやむを得ないのだといつて見のがすことは社会問題になるだろう、こういうふうに私は考えるのです。そこでこの会社そのものも、六つしかない会社に今日までわれわれ国民の血税を融資してここまで育て上げたのだから、この会社は——つまり会社というのはもうけなければやつて行かれない。やはり利潤を目的とするものだから、もうけさせなければいけないと思う。もうけさせるのはいいけれども、もうけというのにも限度がある。ある程度業者に分配と言おうか、分配という言葉が悪ければ、これを政治の上から見て輸出の振興をはからなければならない。たとえば愛知さんは国内資源を大いに生かしてこれから開発をして、そうして人絹糸というようなものまでも、もつと多くつくつて行つて、増産をすれば結局安くなるであろうという考えをお持ちのようでございますけども、それもまた一つの考え方でございます。しかし早急にそれを行うということはなかなか困難ではございませんか。あなたのことしの政策と言おうか、施策と言おうか、こういう点の御説明の中にも、物価を国際的な価格まで引下げて、そして輸出を振興しなければならないと言い、また国民の消費経済に対しても、もつと消費物価を下げさせるということをあなたはおつしやつておる。ところがあなたがおつしやつたら、逆にすべての物価が高騰をしているということは見のがすことはできますまい。こういうような矛盾というものは、何ぼあなたがお考えになつてみたところで、こういう矛盾を切らなければあなた方の目的の政策には行かないのじやないですか。であるからこういう点について外国からたとえば六箇月あるいは十箇月の引合いが来るというが、常にかくのごとく価格が高低をし、そうして暴騰に暴騰をしておるような日本の原糸をもつては絶対に貿易などということは私は成り立たないのじやないかと思う。基本となるべきものはやはり依然として糸価の安定にあると私は思う。六箇月先の注文を受けるにも、原価計算というものがはつきり現われて行つて、そうしてその中からすべて合理化した上に立つての注文の引合いがあるのではないのですか。こういう点について野放しもけつこうだけれども、こういうべらぼうな野放しでは成り立つて行かないと思う。であるから原糸の安定という点についてもう一段考えてもらわなければいけない。考える考えるといつてみても、すでに八箇月も十箇月もたつているなんて——ここで抜本的なあなたの施策が行われなければ、とうていこれを見のがすわけには参らないのです。であるから私が申し上げるのは、たとえば輸出するために原糸の価格をいかに安定をさせるかということ、なるほどあなたのお考えのように、本年度いろいろの会社に二十万ポンドくらいよけいにできるように、年末までになるそうですが、そのくらいのものができたところで糸価は決して安くならない。外貨を八億持つている、これをとらの子のようにしておかなくても、いつでも外貨は出して輸入してやるぞ、このくらいの政治の上の態勢を持つべきじやないか。あなたがきようここでそういうことをおつしやつてごらんなさい、あしたから暴落しますよ。日本の生産メーカーというものがわれわれの政策に乗らないでかつてなことをやるならば、イタリアの人絹を輸入するぞなどとあなたがきようおつしやつてごらんなさい、あしたは暴落する。それとも六大メーカーの方が絶対大事だからそういうことは相ならぬというならばそれはまた別の考え方でしよう。輸入というものは私は決して悪いと思わない。外貨がほしかつたら輸入の上に立つて輸出をしなければならないと思う。であるから、こういう点についていま一段あなたのこまかいお考えを、ひとつ納得の行くように説明をお願いしたいのです。
○愛知国務大臣 糸価の安定ということが根本でありますことは御指摘の通りで、私どもの基本的な考え方もまさにそのつもりでございます。御承知のように、大体生産の約半分が輸出になつておる。そのために輸出の状況いかんによつて糸価が浮動するというのが現状であると思います。従つて先ほど申しましたように、基本的には増産が必要であるということが、先ほど申し上げたような私の考え方であります。それから具体的な問題として、出し荷の抑制ということをより実効あらしめるような措置が必要でなかろうか。それについては、たとえば機屋の共同購入というような点を早急に具体的に進めてみたいということを考えております。それからただいまお話の輸入につきまして、輸入をするということを言うただけでも、どかつと下るということは、あるいはそうかもしれません。しかし御承知のように、たとえば一方イタリアの方の状況を見てみますると、いわゆる二重価格制度をとつておるようでございまするので、こういう点との振合いもまた見なければならぬと思いますが、同時に外貨を使つてもいいという話もございましたけれども、とにかくこれは貴重な外貨であつて、何と申しますか、単に思惑その他に対する抑制の措置としてこれを使うという態勢をとることはいかがかというような感じを私は持つのでありますが、同時にその輸入については、適正規模のものを輸入したいということは、他の物資については先般来申し上げております通りでございます。
○長谷川(四)委員 二重価格制にもいろいろ長所もあり短所もあります。しかし現在の日本の、たとえば人絹一つを取引上げてみただけでも、これは当然行わなければならない。国が輸出を最も重視し、輸出の不振から今年のような予算が現われて、国民に耐乏生活をしなければならない事態が来ている。こういうような面から考えて、二重価格制をとることが可か不可かということは、今日になつて頭をひねる必要がないんじやないでしようか。政府が国民に耐乏生活までさせなければならないという事態に追い込んだのは何のゆえんですか。すなわち日本の輸出貿易が不振であるからではございませんか。そういう事態に追い込んでおきながらも、それでも輸出を第一に口では唱えるのでありますが、基本的なものを国民には指示しないのです。それでもまだ国民を野放しにさしておくというところに、こういうような問題が起きて来るんじやないか。昨年よりも原糸が上つているのですよ。政府の考え方とまつたく違つていやしませんか。政府は原糸までも安くして、そうして国民よ耐乏せよ、なるべく衣食住も控えて、そうして安いものをつくり上げて出せと言う。ところがいかに国民がそういうふうになつても、もととなるところの原糸がますます高くなつて行つたのでは、まつたくあなた方の考えと違うと思う。であるから、ここではつきりとした政策を行わなければならないんじやないか、こう思うのです。ですから糸価を安定する方法として、私が先般も唱えたけれども、輸出をした証明によつて、原糸を安定した価格において優先的に渡して行くという方法をとつたならば、あなた方の政策の上にもマツチしはしないか、こう思うのです。ですからたとえば今協同組合的なものをつくつてやつて行くという、それはけつこうだ。それを基礎として、輸出したものに対しては、たとえば甲という人が百ポンド輸出したという税関証明が出たならば、その証明をもつて、一万八千円で原価ができるのだから、二万二千円なら二万二千円という価格をもつて綿価を安定して、これに優先して原糸を渡してやるという方法をここでとらなければ、いつになつてもあなた方の考える線には乗つて参りません。しかもこれだけ窮乏した日本の経済であり、その経済の上に立つた政治であり、その政治一切をつかさどるところのあなたは大臣でしよう。そのくらいの抜本的なお考えがどうして行えないのか。愛知さんが就任してまだ日が浅いので、私どもはほとんど遠慮申し上げて、今日まであなたにこうだああだと言つたようなことはないけれども、もうそろそろこのくらいの考えを糸に対しては示していただかなければ、とうてい日本の繊維の輸出貿易なんというものは将来をかけるわけに行きません。将来をかけるどころか、本年にして全部滅亡の危機にあるといわなければならない。であるから愛知さんに伺いたいのは、そういうようなお考えは——私は持つておるけれども、大臣としてもつといい案があるとするならばお示しを願い、さらにその案も幾分か見るべきものがあるとするならば、早急にこれらの考え方を樹立していただきたい。こういう点についてお考えをひとつ承りたい。
○愛知国務大臣 現在輸出向けの原糸は、これも御承知の通りございますが、内需に対して一割ないし一割五分安くなつておるわけであります。これは先ほど申しましたように、とにかく輸出と見合せて糸価の安定をするということが何としても必要である。これはどうしても一日も早く具体的な方策を確立しなければならないという点についてはまつたくただいまの御意見通り考えます。詳細な点につきましてまだ私も十分の準備ができておりませんが、そういう御趣旨を十分に取入れまして早急に具体策をつくりたいと思つております。
○小平委員長代理 長谷川君、申合せの時間が来ておりますから……。
○長谷川(四)委員 わかりました。一割か一割五分安くなつているのは当然でございます。外国パルプを優先的に渡すと一割や一割五分よりもつと有利でなければいけません。さらにその上に優先外貨を与えております。優先外貨は一〇%今でも与えているのでしよう。どこが安くなつていますか。それは大臣、しろうとにいいかげんに言つてごまかすのならいいかもしれないけれども、そうは行きませんよ。それはだめですよ。優先的に外国パルプを与えている。そうするとこんなものは何でもないのですわ。ちつとも安くなつていやしません。こういうものを見てやつているのだ。武器があるじやありませんか、この武器をもつと効率的にお使いください。私はもう時間がないから申し上げません。御答弁はよろしゆうございますが、こういう点についても、もう一段と御考慮願つて、もつて今滅亡の危機にあるところの機業者をあなたのお考えで救つてくださることをお願い申し上げまして、私の質問をこれでやめます。
○小平委員長代理 川上貫一君。
○川上委員 通産大臣にお聞きしますが、スタツセン長官が今度来日して、本会計年度に一億ドルの域外買付ができる、こういうことが伝えられておるのですが、これはMSAによる小麦援助の四千万ドルを含んでおるものだと思うのですが、その点はどうなつておるのでしようか。わかつておりましたらお答え願いたい。
○愛知国務大臣 その点は、一億ドルというものの基礎は、正確には把握できませんでした。
○川上委員 これは含んでおると言われておるようでありますが、それについてMSAによる小麦をもつてする援助は、貿易逆調に対してどういうプラスになるというお考えでありましようか。その点を簡単にひとつお答え願いたい。
○愛知国務大臣 これは先般外務大臣がMSAについての中間報告をいたしておりますが、その中に述べておりまする通りでありまして、小麦の問題につきましては、御承知のように五千万ドル相当の小麦を中心とする過剰農産物を……。
○川上委員 その点はわかるのですが、四千万ドルがアメリカの特別円になつておる。それでとにかく買付をするというのですが、それは貿易逆調に対してどれだけプラスになるか、これだけお答え願いたい。
○愛知国務大臣 四千万ドル相当につきましては、ただちにこれが貿易の逆調について、四千万ドルだけ赤が消える、そういうふうにはならないと思います。
○川上委員 どうも要領を得ぬのですが、そういうことを言つているのではないのです。この小麦協定が今後できるでしようが、これによつて一千万ドルは日本の贈与になる、四千万ドル分がアメリカの円になつて日本に置かれる。このことがドルを使わないで小麦が入るのだ、貿易ができるのだから、これが有利だという説明だと思う。これ以外に何かあるかどうか、これを伺いたい。
○愛知国務大臣 それ以外にはございません。
○川上委員 そうすると、私の合点が行かないのは、この四千万ドルが、伝えられるところによると、アメリカの小麦過剰はもちろんでありますから、来年は一億ドルに相当するようなものも都合によつては日本に送つてもよろしい、こういうことが向うでは言われておるらしい。そうすると、これはどんどんふえる。今年は四十万ドルでありますが、これが来年からどんどんふえるということになると、一億ドル、一億五千万ドルになる。御承知のようにアメリカは小麦過剰で困つておるのでありますから、このことはあり得る。そうすると、それがアメリカの日本における円資金になる。それをもつて域外調達あるいは軍事調達をやるということになればこれはドルはちつとも入らぬということになつてしまう。ドルを使わないで小麦が入ると言いますけれども、小麦を入れてアメリカの特別円をつくつたためにドルはちつとも入らなくなつてしまう。この関係は一体どうなる。これはドルを使わずに小麦が入るというのではなくて、小麦を入れれば入れるほど域外買付は特別円でやつてしまうということになる。これはどういうことになるか、この点をお答え願いたい。
○愛知国務大臣 ドルを使わないで、小麦が円貨で入るということはおつしつた通りでございます。それからその次の問題は、仮定といたしまして全部が円で域外調達に充てられるということであれば、それよりはそれとは別個に、ドルで域外調達ができた方がよろしい。これはこの前わけて御説明申し上げたと思いますが、私は域外調達というものは、できるだけ本来の筋通り、ドルが調達できるようなものがほしい、こういうふうに考えます。
○川上委員 通産大臣が何ぼそう思われたところで向うがたくさん日本円を持つのですから、日本円をはねておいて、ドルを持て来て域外買付なんかしません。小麦を買えば買うほど日本にアメリカの特別円ができる。これが特別会計に入ると思うのです。この円を使うてどんどん買う。ですから小麦を入れれば入れるほどドルによる域外買付はなくなるということです。そんなことはしたくないと大臣は言われましても、アメリカはします。これはどうなるかというのです。
○愛知国務大臣 小麦を幾らでも無制限に買う、売るという問題でございませんで、御承知のようにMSAの条文にもはつきりございますように、正常な取引で輸入しておるもの以上に買い入れるということになりますから、数量の上におきましてもこれは今後の話合いにかかつておると思います。
○川上委員 そういう話合いができぬという事実があるのです。これは私が言わぬでも、アメリカの小麦過剰の問題、それから価格を保証するためのつなぎ融資で困つておるという問題、小価格がどんどん下つておるという問題、小麦の在庫が六十万トン以上になつておると思うのですが、この問題がある。だからこれは出さなければならぬのです。そこで恩をきせて日本に小麦を援助してやるということで来ておるのです。これはふえるにきまつておるのです。きまつておるから政府の方でも代用食の研究とか、主食に麦をまわせとか一生懸命やつておる。これはあたりまえなんです。私の聞きたいことは、こうしますと日本に対する特別円がぐんぐんふえるということです。アメリカはこの特別円で域外買付を行うということです。そうすると日本にある円でドンドン域外買付ができるようになるのです。これが問題なんです。私は考えるが、こうなりますと結局アジアへの域外買付その他の問題はアメリカはしまいにはドルを使わないで、日本における域外の円だけで全部の操作ができるようになる。この問題があなた方のお考えになつておる自由主義諸国に関連するアジア諸国の支払い協定の問題だと思うのです。この支払い協定問題というのがもうちやんと案になつて、大蔵省で作業したはずです。そしてこれは池田さんがあなたと一緒にアメリカへ持つて行つたと思うのです。この支払い協定のもとには日本の特別円がある。この特別円で域外買付を行い、それを東南アジアなら東南アジアへ持つて行つて東南アジアでやはり特別円がつくれるのです。そうすると、それを操作することによつて、支払い協定をつくればドルを一つも使わないで域外買付は全部済んでしまう。このくらいアメリカにとつて都合のいいことはない。このかつこうでは日本にもうドルは入らない。これをそうじやないと大臣は言われましようか、この点どうでしよう。
○愛知国務大臣 それは小麦なり他の過剰農産物が非常に莫大なものでありまして、たとえば日本に対しましても年々数億ドルずつ入る、あるいは東南アジアに対しても非常な多額のものが入つて、かつそれをそれぞれの現地の通貨で積み立てて使うという場合でございましたら、あるいはそういうことになろうかとも思いますけれども、先ほども申しますように、アメリカとしての過剰農産物の処理については、たとえば他の小麦の生産国、米産国を脅かさざる限度においてというようなことが建前としてはつきりいたしておりますから、おのずから数量にも限度がある、こういうふうに考えます。それから支払い協定を私どもが持つて行つたというようなことは、事実全然ございません。東南アジアの支払い協定というようなことについて、私自身何ら今構想は持つておりません。
○川上委員 支払い協定の問題については、もし通産大臣がこの問題は一つも問題になつてはおらぬのだとほんとうに言われるなら、よほどおかしい。この支払い協定の問題についてはこういうことがあり、こういう可能があつて作業しているということは伝えられている。これを通産大臣はちつとも知つておらぬというなら、これは少しおかしい。私はそういうはずはないと思うが、これはこれでよろしい。莫大なる過剰農産物が入つて来なければそういうことはないと通産大臣は言われますけれども、私はそれを言つているのじやない。たとい四千万ドルであろうが、来年度を加えて一億四千万ドルであろうが、そのものはアメリカの特別円になつて日本にある。そしてこれで域外買付をやるのですから、このことは、ドルが入らぬようになることなんだということを私は言うておる。多い少いの問題じやない。すなわち言いかえれば、小麦でもらうということは貿易の問題においてはマイナスであつて、一つもプラスにならぬのだということを言うている。これはこう考えられませんか。当然経済的にそう考えられるので、そうすれば何で小麦協定なんかするのかということです。
○愛知国務大臣 これは先ほど来申しておりますように、また御指摘の通り小麦粉自体について外貨払いを伴わないということに、少くとも一つの利点があると思います。それから高い安いの問題は別個にあると思いますが、この価格は最終的には数日中にきまつて発表になるのだろうと思いますけれども、私どもは他の小麦協定の価格等より高からざるところできまるという点から申しましても利点はあると思いますし、さらに第二にいわゆる特需計画のドルとしてのオフシヨア・プロキユアメントをこれによつて減らすのじやなくして、これがプラスになつて考えられるというところにもう一つの利点があるのであります。
○川上委員 通産大臣はほかのことを言うておるのです。一つもプラスにならぬのだということを私は言うておるのに、プラスになる、プラスになると言うておる。アメリカが持つている円が日本の国内にほんの少しでもふえればふえるほど、ドル収入は減るのだということを言うているのです。だから小麦を入れれば入れるほどドル貨の獲得は困難になるぞということを言うておる。にもかかわらずこの小麦援助がたいへん日本の経済援助であるというような宣伝をしている。これはMSAが軍事援助だと言われて困るので、これに経済援助という色をつけたのかもしらぬけれども、経済援助どころか、とんでもないものじやないかということを私は言うておる。この点については通産大臣はどうもいいぐあいに答弁することがいやらしいのですね。財政通の通産大臣にこれがわからぬはずはないのです。しかしそれ以上私は開きますまい。これはいくら言つてもぐるぐるまわりで、おそらく通産大臣はまた答弁はせられないと思う。 そこで次の問題になりますが、MSA小麦はたいへんこわいものである。というのは、国民は麦を買えば買うほど鉄砲だまをつくらなければならない。MSA小麦が入る。それを国民が食べる。食べたら、その八割は域外買付用になる。その二割は日本の軍需生産を育成するものになる。域外買付用といえば、鉄砲だまを買うたり戦車を買うたり、つまり大部分は軍需物資を買うのです。そうすると、小麦を日本人が食えば食うほど、いやともおうとも軍需生産並びに軍事的な支出を多くしなければならぬことになる、そんなら小麦を食わなければいいか。食わぬわけに行かなくなつておる。政府は国内では災害復旧を放棄しておる。増産対策もやりはしない。不況で農民は窮迫して、決して食糧の自給自足の態勢はできておりません。ますます食糧の輸入は増します。増すとアメリカは必ず小麦を持つて来るのです。いやだと言うほどの力は日本の政府にはないのです。どうしても買わせられてしまう。そうすれば、小麦を食べる。小麦を食べれば食べるほど鉄砲だまをつくらなければならぬことになる。この関係を通産大臣は通産政策としてどうお考になるかということが一つ。いま一つは、日本の国民生活に及ぼす影響として、このMSA小麦などというものが非常に危険なものじやないかということが一つ、この点をお伺いしたいのです。
○愛知国務大臣 MSAによる小麦の買入れが無制限でかつ非常に莫大なものであつて、日本で輸入しなければならないもののほとんど全部だというような前提をとりますれば、これは相当の、御指摘のような御心配もあろうかと思いますけれども、しかしながら米国は他国との関係から行つても、そうたくさんのものは出せないのであります。日本としても正常なる大部分の輸入食糧は外貨を払つて輸入するわけでございますから、おのずからその数量には非常な制約が考えられるわけであります。従いましてそういう点からいいまして、この小麦を食えば食うほど通産政策が阻害されるというようなことはないと私は思います。 それから第二点は、まことに危険なものであるという御趣旨であつたと思いますが、私はそう考えません。 〔小平委員長代理退席、中村委員長代理着席〕
○川上委員 よほどおかしい答弁だと思います。たくさん入れれば外貨を使うんだからいかぬと言われますが、このMSAによる小麦援助は外貨は使わぬのだ。これが建前なんです。来年度は一億ドルも入れると言つているのです、これは円で入る、外貨は使わぬという。アメリカの方では今日在庫は一九三四年から八年のおそらく四倍になつている。価格維持のための融資額は本年度六十億ドルぐらいだと思う。小麦の価格は下る一方、今会計年度は作付反別を一割減じている。このくらい小麦が余つている。この小麦の価格の問題はアメリカの政権の命取りの問題にもなろうとしている。これがたくさん入つて来ぬというのはどういうことですか。どんどん入つて来るにきまつている。これを小麦協定で受けることを政府は鬼の首でもとつたように言うが、今後たくさん入らぬというなら、なぜMSAの問題について五千万ドルの小麦協定を、あれほど鬼の首をとつたように言うのか。ここが違うじやありませんか。入つて来るじやないですか、入つて来れば来るほどアメリカの日本円はふえて行く。日本円がふえたらアメリカはこの円をもつて域外買付をやるのです。しかもその上に国民は小麦を食えば食うほど鉄砲だまをつくらなければならぬはめに追い込まれている、これでよろしいかということなんです。
○愛知国務大臣 食糧の輸入の問題につきましては、アメリカが過剰農産物を全部日本に買わせようと思えば、幾らでも買わせられるという問題じやないのであります。日本といたしましても、タイからもビルマからも米を相当入れておりますことは、御承知の通りでございます。それから小麦につきましても、カナダから相当輸入いたしているわけでございます。そういうような正常な食糧の国際的な需給関係を、アメリカの過剰農産物でもつて世界の市場を席巻するというようなことはやつてはならないというのがアリカの根本の政策でもあるわけでございますから、従つてこれが非常に大量になつて先ほどおつしやつた特別円というものが私には理解できませんけれども、かりにそういう言葉をお使いになつたとしても、そういつたような特別円というものが日本の経済を震憾するというようなものではないと私は考えます。
○川上委員 どうしてもろくな答弁をしないのですが、それならもう一つ聞いておきましよう。MSAによる小麦協定で、小麦を五千万ドル入れることは、大してありがたいことじやないのですか。どつちでもよかつたのですか。ドルを使わないで小麦が入る。これだけだというのですか。それなら経済援助でも何でもない。大したものじやない。これはどうなんですか。
○愛知国務大臣 この点についても、いくら御説明いたしましても繰返すだけになると思いますが、しかし御承知のように昨年は日本の米作その他の農産物の作柄が非常に悪かつた。こちらから言えば食糧全体が不足であるところへ、向うはたまたま余つておつたものを五千万ドル入れて、外貨を使わないで、しかもそのうちの二割の千万ドルは贈与になつて、贈与を受けた日本が、国内的な資本の蓄積の足らざるところを補つて国内で使える。それから価格も国際小麦協定の価格より高からざる限度において入るということから申しますならば、どの点から見ましても御非難をいただくようなことはないと私は信じております。
○川上委員 この質問はこのくらいでやめましよう。というのはMSAの経済援助は来年も続くとか、来年は一億ドルの小麦が入るんだとか、MSAは軍事援助だけじやない、経済援助だ、それは食糧が来るんだと一生懸命政府は宣伝している。しかたがないから入れたというのとは違う。しかし愛知大臣はこのことについてははつきり言わない。これは言わないというより言えないだろうと思うのです。しかし私はここで警告しておきますが、こういうやり方をやりますと、アメリカは日本の中で円をどんどん握ります。この握つた円で域外買付をやります。これが特需の肩がわりをします。日本の円で特需をアメリカは買います。この円がふえればふえるほど、日本は特需並びに域外買付によつて外貨を取得することはできません。こういう形のもとに置いておいて、ドルを発行準備に入れて、ドル為替本位制度にでもしたらどうなりますか。日本の金融界をアメリカが牛耳つてしまうことは当然じやないか。しかもその上に日本のやみドルがどれくらいあるか、おそらく政府は握れておらぬ。安全保障条約とか行政協定のもとにおいてアメリカがこういう形で日本を支配している間は、とてもやみドルを握ることはできない。一方においてやみドルが横行する。片方においては正常貿易におけるドル貨は減少する。一方においては支払協定が行われて、アメリカの域外買付や特需は日本によつて全部まかなつてしまう。そういう状態のもとでドル為替本位をしたらどのようなことになる。これはおそらく見解の相違で、頭を少し傾けておりますから、私の言うことがわからぬだろうと思いますが、わからなかつたらよほど頭が悪い。一般の人にはわかると思う。専門家には私はわかると思う。この危険があるということはわかる。しかしこれは見解の相違になるし、持時間がはなはだ少いので、このことを十分に質問する時間がない。そのほかに私は質問する問題がありますから、残念ながら次の問題に移ろうと思います。 日本の商社並びに外国の貿易商社がやみドルを日本にある外銀にどれくらい預託しているか調べたことがあるかどうか。実は私は今日大蔵関係の方に出席を願つたのでありますが、通産大臣にもその点については御答弁できるだろうと思いますから聞きますが、これが一点。それから外銀の日本支店をやみドルの問題で政府は調査したことがあるかどうか。これは銀行局の調査課によると、占領中は問題が起きちやいけぬと思うて調査しなかつた。占領後においても調査はしておりませんと、こういう話でありますが、なぜこういうことをほうておくのか。このやみドル問題がはつきりと握れぬということになると、ドル為替本位に非常に困る問題じやないか。軍需品の輸送、軍事航空、軍事郵便、アメリカの宗教関係によるやみドルの出入、こういうものをどうして取締るか。取締りできぬと思う。これは安保条約とか行政協定のもとでアメリカの軍事援助が横行し、厖大な特権を持つている軍事基地のもとにおいて、これを完全に取締ることはできない。これができないのに、愛知大臣は将来ドルを通貨の発行準備にすることもあり得るかもしれぬ、そのために日銀法を改正することができるかもしれぬと言われたので、私は非常に懸念に思う。そこで聞きたいのは、やみドルがどれくらいあるか政府は知つているかどうか。なかんずく日本の貿易商並びに外国の貿易商が、どのくらい外銀にドルを預託しているか、こういうことがわかるかわからぬか。日本の中に横行しておるやみドル、これは通産大臣に聞くのは無理だと思いますから聞きません。この点だけでけつこうですから、お考えなりわかつている点を答弁をしていただきたい。
○愛知国務大臣 それはきわめて具体的な問題で、私ここに数字を持つておりませんから、わかりましたら別途御答弁をいたしたいと思います。ただ念のために申し上げておきたいと思いますが、私の記憶では日本で営業をやつております外国の銀行に、ドルの預金は許されていなかつたはずだと思います。
○川上委員 私はそういうことを言つておるのじやない。これは念を押すことになるかもしれませんが、日本におるところの外国商社でもよろしい、日本の貿易商でもよろしい。たとえば十ドルのものをごまかして八ドルで輸出するとします。そうするとニドル余る。この二ドルはアメリカで銀行に預託することができる。アメリカの銀行はこれを日本の在外銀行に売つたらよろしい。銀行に預けておる分は本人が預託してもよろしい。そうすると円は内地の本店で受取れる。つまり貿易商社はやり方一つによつては、これは愛知大臣十分御承知の通り、外国の銀行にドルをどんどん積むことができる。現在これが行われておるのです。これがどれくらいあるか、あなたは調べようとしたことがあるかということです。これが今の答弁ではなかなかわからぬということ、従つて日本の内地で動いておるやみドルがわからぬというような状態のもとで、愛知大臣の考えではドル為替制度にしてもよろしいという考えを持つておる。日本の発行準備の基礎に、ドル為替を置いてもよいということをこの前言われておる。そこで私がこれは危険ではないかと言つたら、そういうことを考えるのはまことに奇妙な考えであると思うという御答弁なのです。ここを私は指摘しておるのでありますが、これはわからぬと言われればこれ以上聞きませんけれども、この問題については、私は今後とも機会あるごとにこの通産委員会を通じて通産省並びに大蔵省の意見を十分に聞きたいと思います。この点はこれだけで質問を打切つて、問題の提起だけをしておきます。 それからいま一つ聞きたいことは、オーバー・ローン解消の問題でありますが、これが今日たいへん問題になつて来ておつて、日銀でもいろいろ反対の意見もあるそうでありますが、とにかくこれは結局においてオーバー・ボローイングの解決にはならないといこと、これが反対論の基調だと思うのです。言いかえれば、資本の蓄積による本格的オーバー・ローンの解消にはならぬというのが反対論の論拠だと思うのです。これはその通りだと思う。にもかかわらず、これが速急にやられようとしておる一つの点は、日本銀行法の改正とドル為替本位制をとろうとする第二の含みがあるのではないかという質問に対して、先日の委員会で、私見としてそういうこともあり得ると思う、こういうことを答弁されたのです。ところが私が一つ聞きたいのは、発行準備にドル為替をするというねらいが一つのほかに、公債発行の問題があるのではないかというのであります。将来日本の財政においては公債発行の必要は必ずあるわけです。将来ではない、すぐにでもあるかもしれぬ。ところが今日こういうオーバー・ローンの形においては、これを市中銀行で消化することはできない。それで発行しますと日銀引受になつて赤字公債になる。そこで形式的にもせよ、オーバー・ボローイングは根本的に解決しないでも、形の上だけでも預託と貸出とが均衡を保つような形には、今度のオーバー・ローン解決案ではなるのですから、こうしておけば公債を市中銀行に引受けさせることができるのです。これは必要だと思う。こういう必要が非常にあると考えるので、オーバー・ローンの問題はここにも一つの必要性があるのではないかと私は考えるが、通産大臣はこの点をどうお考えになるか、こういう問題であります。
○愛知国務大臣 この機会に、前会に申し上げましたことをちよつと補足させていただきます。この前お尋ねがありましたときに、大蔵省案のオーバー・ローン解消措置の案を知つておるかということでありましたから、ちようどその日の午後、経済審議庁から出ておるところの日銀政策委員から報告を聞くことになつておる、こういうことを私は申し上げました。従つてその内容についての御説明は私はいたしませんでした。その後当時の大蔵省案の中には、先ほど何べんもお話がございましたが、通貨制度をどうするとか、あるいは為替を準備するとかしないとか、そういう点には全然触れておりませんでした。その点を補足しておきます。 それから、これがその後、どういうふうになつておるかということと、公債の発行を予想するものではないかということでございますが、大体今大蔵省が一つの案をつくりましたのは、外国為替資金特別会計が手持ちの外貨を日本銀行に売却する方法と、そのかわり金をどういうふうにするかという、その方の案が中心になつておりまして、そういう措置ができた以後の産業資金関係その他について、どういうふうにやつて行くかということについては、大蔵省の案の中にはまだ具体的の案が入つておらないというのであります。そこで私ども通産省なり経済審議庁の立場といたしましては、むしろそれから先のことの方が当面の問題としては関心が深いので、そういうことを中心にいたしましていろいろ研究いたしておりますが、その研究案の中には公債の発行ということは考えておりません。
○川上委員 通産大臣としては、いろいろ立場もありましようし、現在審議庁長官としてはあまり言つてはいかぬこともありましようから、そういうことになるのでしようが、元来このオーバー・ローン解消案というものは、一番最初に言い出したのは石橋君です。その時分には池田君は反対しておつた。それから木内案もあり、これにも反対しておる。反対しておる理由は何か。これは資本蓄積によるところの本格的なオーバー・ローン解消案にならないのだ。この形ではオーバー・ボローイングの解決にならぬということが反対理由であつた。ところが今度は同じ大蔵省並びに池田君関係の方からこの案が出ておる。しかもそれは本格的なオーバー・ローン解消にならぬということが元にありながら出ておる。だからこれは第二の含みがなければこんなものは出せぬじやないかということをこの前払は聞いたのだが、そこまでは言わないで、そうしてそのうちに、将来大蔵省の案にあるないは別として、通産大臣は私見として日銀法の改正とか、あるいは通貨本位の問題もある、こう言われた。そこでそういうことがあるということは明らかだと思う。というのは、本格的オーバー・ローン解消にならないのに、このオーバー・ボローイングの解決にならぬから反対だといつて反対をした同じ人が、この案を出しておるのです。そうするとほかの理由がなければならぬのです。そのほかの理由の一つは、発行準備の問題と、いま一つは公債の問題です。公債は今のままでは発行できない。発行したら赤字公債になる。今のようなオーバー・ローン解消案は、これだけでよろしい、本格的でなくてもよろしい、これで発行できるのだ、赤字公債でない、市中銀行引受ができるのだ、これは通産大臣はそんなことはないと思いますか。こうなるじやないですか。それであるから、私が今言つておるのは、オーバー・ローンがいいとか悪いとかいうことを言つておるのではない。これをやめた方がいいじやないか、やつた方がいいじやないかということを直接言つておるのではないのでありまして、この含みの中には、市中銀行による公債の消化ということをやはり含みの中に入れておかないと、このオーバー・ローン解消案というものは理解がつかないじやありませんかということを言つておるのです。これはどうですか。
○愛知国務大臣 私もあなたのおつしやることの要点はわかつておるつもりでございます。しかしお断りいたしておきますが、このオーバー・ローン解消案というものが、通貨制度の改正を前提にしたり、公債発行を前提にしたり、それとひもつきの関係であると前提をなさることは、私は率直に申しまして川上さんの思い過ぎだと思います。私はそこまでは考えておるわけではございません。また池田君その他もそこまで考えておるわけじやないと私は確信いたしております。その次のかんじんな御質問の点でありますが、公債を出す含みとしてこれを考えたということでないのでございまして、これもまたあとで非常に問題にされては困りますけれども、今公債を出せばみんな赤字公債になるということはそうかもしれませんが、しかしこういうふうなかりに公債を出したいと思う人があつたとしましても、それだけの目的ならこういう案をつくらなくてもほかにも方法があるんじやないか、こう考えます。
○川上委員 そうじやないのです。MSAを受けまして本格的な再軍備に入る。兵隊をつくるのです。軍事公債を出さないわけには行きません。この軍事公債を出すためには、オーバー・ローンを解消しておかなければだめなんです。これは愛知さんにはわかつておる。これがちやんとわかつておるから、池田さんと二人行つて打合せをして来ておる。私は先まわつて言うようだけれども、さようなことはございませんとあなたは答弁するにきまつておる。きまつておるが、ここを私は国民に明らかにしておかなければならぬと思う。これは発行準備にするという考えといい、公債の含みがあるのでなければ何で急いでこれを出すのか、理由がありません。こういうことなんです。これはそうだというて通産大臣が言われたなら、まことに正直な答弁であると私は思う。ところがなかなかそれが言えぬだろう。そこでいろいろなことを言わなければならぬだろうと私は思うのですが、そうだと言えませんか。
○愛知国務大臣 私は正真正銘、正直にお答えしておるので、何も隠し立てをしておるわけではないのであつて、今お尋ねのようなことが事実でないということをはつきりと私も誠実に申し上げておきます。
○川上委員 質問は非常に残つておりますが、さきの申合せがお互いに三十分ずつということでありましたので、こういう申合せは私は守りたいと思う。そこであとに質問を留保しまして、次にお譲りいたしたいと思います。
○中村委員長代理 次は加藤清二君。
○加藤(清)委員 私は今年度の新しい大臣の通産行政につきましては、きよう初めてお尋ねするわけでございますが、あいにく時間が限られておりますので、簡単に要点をかいつまんでお尋ねいたしますから、お答えの方もそのようにお願いしたいと存じます。まず第一番に、大臣は本年度の経済再建に対して物価の引下げと輸出振興ということをうたつていらつしやるようでございまして、これはまことにけつこうだと思いまするが、私はこの問題を繊維業界に取入れて当てはめてみますと、どうも大臣の筋書き通りには行かない点がたくさん出て参りました。矛盾撞着があそこにもここにも散見されるようでございます。そこでその一部分を取上げて大臣の明快なる御答弁をいただきたいものだと思うわけでございます。 第一番にお尋ねしたい点は、二十八年度における原毛輸入の外貨割当の金額及びその輸入された原毛の数量、これと今年度の予定されている外貨割当とこれが買付の場所、これを簡単に数学的にお答え願いたいと思います。
○愛知国務大臣 二十八年度の実績と申しますか、見込みは、ただいま政府委員から、お答えいたします。それから二十九年度の方は、実は全然まだきまつていないのでありまして、二十九年度の外貨予算の編成につきましては、最近の機会に閣僚審議会を開きまして、それから漸次思想を統一して具体的な問題に及ぼうというような段取りにいたしておりますので、まだ案ができておりません。御了承願います。
○加藤(清)委員 この数字についてはあとで承りましよう。この政府の発表される時期でありますが、これにひとつ特段の御留意を払つていただきたいということを、まずお願いする次第であります。先ほど同僚議員の長谷川君も言いました通り、通産大臣や局長の発表は、ただちに業界の値ぎめに大きな影響がございます。ところがそれをすでに御存じでありながら、どういうかげんか原料高の製品安で困る織場以下には一層困難で紡績だけが得をするという時期に発表されておるようでございます。そこで数量についてはいずれあとからというお話でございますからそれでけつこうでございますが、その発表の時期をよく心得て、あまりにも貿易偏重であつた過去の発表を改めて、ほんとうにあなたが一般施政方針演説で言われましたように、中小企業を助けるという親心があるなら、その親心々時期によつても示していただきたいたい。さきに足りない足りないということで今度は削るぞ削るぞというようなことを言うので、思惑で値上りした。値ぎめが済んでしまつたあとでたくさん入れるぞよでは、原料高の製品安に一層拍車をかける。このおかげで苦しんでおるということが過去には非常に多いのであります。この点特に御留意を願いたい。もしそれができない、間違いが起きたということなら、その理由をはつきりと申し述べていただきたい。 次に承りたいことは、輸出振興にあたつて一番阻害になる点は国内の物価高である。ところがそれをあえてやらなければならないので、国内の輸出商社はほとんど二重価格でやつておる。この二重価格ということの遠因は、二重投資にあると私は考えるのでございます。いろいろな原因がありますけれども、その中の一つに二重投資ということがある。その実例を持つて申し上げましよう。紡績の錘が二十七年度におきましては百五万錘でございました。ところが去年の七月の発表で、今年の十二月になつたら確認を打切るぞよということなんだ。さあたいへんだ。なぜならば、この錘によつて一番商売の生殺与奪の権を握つている外貨の一割当がきまる。だれだつて多くほしい。そこでそれ急げ、やれふやせということでどんどんふやしまた。その結果、私の調査が誤りであれば別でございますが、日毛だけでもすでに二十七万錘、東洋紡は十八万錘、日紡は十五万錘、鐘紡は十三万錘、東亜は十二万錘、大東は八万八千錘、川島紡が七万八千錘、呉羽紡が五万六千錘、こういう調子でずつとふえて参りまして、私の去年十二月十六日の調査によればちようど二百万錘ばかりになつております。これは私が十一大紡を調べただけでございますが、紡績は新紡、新々紡を合せて百二十商社ばかりあります。これを全部総トータルいたしますと、ミール換算して、どう考えても二百三十万錘くらいは推定できるのでございます。ところで私の承りたいのは、去年七十万俵の毛を輸入してさえもなおその稼働率は八〇%でございます。今年ですよ、これだけ倍もふえた。一番多いのは昭和十三年から十五年の百六十五万錘です。そのときに一億ポンドからの糸が出ておる。去年は七千万ポンドばかり、一体ことしはこれだけの俵を入れて、どれだけ稼働させようとするのか。稼働しなくて遊んでいたならば、遊んでいる分と働いている分とを合せればコスト高になるということは理の当然であります。ここに過剰投資ということが言われるゆえんがあるのでございまして、これはひとり紡績だけではございません。砂糖もそうです、石油もそうです。もう利権のついている業界はほとんど過剰投資ということでございます。過去のお宅の方の財政投融資の放漫な大まかな政策によつてこういうものが出て来た。そしてオーバー・ローンだと今ごろ言うてみたところで、これは天に向つてつばをはいているようなものだ。一体ことしはどうするのです、はつきりと答弁を願いたい。
○愛知国務大臣 第一点の御注意でございますが、これはまつたくごもつともで、発表の時期等につきましては私も特に注意を払いまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。第二に御指摘の点は、私はごもつともの点が非常に多いと思います。投資というような点が二十八年中にかくのごとき傾向をたどつたということは、大体御指摘の通りでございますが、先ほど申しましたように二十九年度は、この問題だけではなくて、全産業に通じて外貨の予算をどういうふうに編成して輸入するかということは私どもとしても現在非常に頭を悩ましておる問題でございますが、先ほども申し上げましたように、まだ結論を得ておりませんので、一つの品目だけについての考え方を申し上げる段階にまだ至つておりません。ただ申し上げたい気持といたしましては急激な変更というようなことは考えたくないという気持でおることだけ申し上げておきたいと思います。
○加藤(清)委員 気心だけではこの業界は救われません。はつきりとした英断的な措置を行わないことには、この紡績の二倍に余るほどの増錘をどうするかということについては、気持だけでは何ともなりません。一体これを稼働させようとするのか、稼働させようとすれば外貨の割当をふやさなければなりません。ところが去年と同じに七十万俵程度で押えるとすれば、半分以上は遊びであります。そうなれば当然ここにコスト高が起つて来るのは理の自然でございます。あなたの言うところのコストの引下げはどうやつて行おうとするのでございましようか。気持だけではできません、これは具体的事実でございます。どうなさろうとするおつもりでございますか。去年、いや去年というよりも前の大臣さんで功績があつたとするならば、これは中小企業の長期金融公庫をつくつたことと輸出振興策、ことに毛の輸出振興策については相当努力をなされました。二十七年度においては二百万ドル、ところが二十八年度においては千三百万ドル、香港におけるオーバー・プライスの問題が云々されましたけれども、英断をもつて行われたおかげで毛の輸出振興がはかられたのでございまするが、あなたは一体そのあとを受け継いで、コストを引下げると言いながら、引上がる材料は今厳然と目の前に現れている冷厳なる事実なんだ。これを、どう解消して、輸出振興に持つて行こうとなさるのか、その点を、気持でなくして、具体的施策として承りたいと思います。
○愛知国務大臣 気持を申し上げましたのは、先ほど申し上げましたように現在具体的な数字的な検討をまだ済ませておりませんので、それで申し上げることができないと言うたわけであります。
○加藤(清)委員 わかりました。それは就任早々御無理もないことと存じまするが、まあエキスパートを部下にたくさん控えておることでありますので、それではその具体的なお答えは可及的すみやかにひとつお願いしたいものだと思います。 そこで続いてお尋ねしたい点は、この二百万錘に余る紡錘設備でございまするが、これは私のながめましたところによりますると、絹紡でありながらにわかにかわつたという例がございます。麻紡でありながら急に切りかえたというものもございます。これらは一体設備の近代化とか合理化という言葉とはおよそ縁遠くて、目的は、右から左に売つても四割の利権がつくところの外貨がほしいからではないかと推察される。いわばどうせ動かない錘なんだ。どうせ動かない錘でも帳簿上だけ確認していただこうというわけです。これはやみ米が盛んに行われたときの幽霊人口に相似たものだと私は心得ておる。こういうものに対してもはたして同様に外貨割当をなさろうとするお気持ですか。今度はお気持でけつこうでございます、いかがなものでございましようか。
○愛知国務大臣 政府委員からお答えいたします。
○吉岡政府委員 御承知のよりに設備の確認にあたりましては、改造いたしましたものとしても、現実に十分ひけるというものだけを確認しておりますので、そのひき得ない程度のものは不適格として確認をいたしておらないわけであります。従いまして一応確認をいたしましたものにつきましては、一般の方式によつて原料の割当をいたしておるわけであります。
○加藤(清)委員 それは絹紡からかわつても、麻紡からかわつても、ひいてひけぬことはありません。ただ輸出に向くようないい糸がひけるかひけないかというだけの相違で、ひけないという紡績はありません。ガラ紡でさえもひけるんですから。これはまた別な機会に事務的な相談はあとで行うといたします。一例をあげますと、そのように過剰投資が行われている。そのおかげでコストがますます上る材料がたくさんあるということなんです。そのおかげでオーバー・ローンが行われておる。つまり財政投融資の大幅な、気ままなかつてなやり方のおかげで、このオーバー・ローンが生じている。そのオーバー・ローン引締めのために高率適用の強化ということなんである。ところがこの高率適用強化ということは金融引締めになる。窓口で見れば財政力の少い、資本力の浅い中小企業にしわ寄せが来ている。そのおかげでもう不渡り続出、商社の倒産が毎日のように続いております。これに対して一体あなたはどのようにお考えでございましようか。私の調査によりますれば、この正月に入つてからでも不渡りは東京の手形交換所だけで二千枚近い。大阪はこの四割五分、名古屋は一割五分を読んでおります。倒産商社も大阪の糸岡のような大きなものから、東京でも機場及びそこの製品を扱う商社が一番多いようでございます。つまり糸へんが一番多いようでございます。倒産商社続出というわけであります。このしわ寄せといいますか、この結果が三六九の糸へんの値のかわるときに、もしかしたらパニツクとして出るのではないかということは、ひとり私の憂いのみではございません。業界ではみなそう言つている。それに対してあなたは一体どのような手を打たれようとするのでございましようか。
○愛知国務大臣 この点につきましては、私も非常に心配しておる点でございます。それでこれから、どういう手を打つかというお尋ねでございますが、それより前に現在の状況がどういうことになつておるかということを、常に通産省の立場においても特によく掌握しておかなければならないと考えまして、日銀その他を通じまして、直接私ども実情の掌握に努めております。そこから同時に、問題はケース・バイ・ケースの扱いになることが多いと思うのでありますけれども、いわゆる先般来申しておりますように、全体の方向は方向として、角をため過ぎないようにということで、各地の、たとえば日銀の支店長あるいは大蔵省の各地元の当局等にも常に私どもとして連絡をよくいたしまして、大きな救済措置ということではないと思うのでありますけれども、でき得る限り親切に金融上の相談にも乗つてやるようにということを常に現在も措置はいたしておるのであります。 それから将来の大きい対策につきましては、これは多少の時間がかかりましようが、先般来申し上げておりますように、中小企業それ自体の大きな強化策あるいは切抜け策というようなものについて、ものによりますれば法律案の御審議を願いたいと思います。事実上の指導で参れますところは中小企業庁を中心といたしましてできるだけのお手伝いをして参りたいと考えておるのであります。
○加藤(清)委員 できるだけの手だてをするとか、窓口に対していろいろのサゼスチョンをするということは、さきに大臣から同じように承つたのでございますが、どういう事の行き違いか、せつかくのあなたたちの親心というものは、銀行の窓口には一向ぴんときいておらないようでございます。高率適用の強化からするところの金融引締めは結局自分の罪じやないのだ、オーバー・ローンの原因は大企業と政治にあつたのだ、にもかかわらずそのしわ寄せを自分のところにしよわされなければならないというのが、現在の中小企業なんです。現在の糸へんの問屋なんです。なぜかならば、近ごろ純は銀行の窓口は言うのです。いやそれは選別しなければだめですよ、あなたたちは何と言つても選別しますと言う。選別融資は系列融資にかわつて行く。系列に漏れぬためには情実を働かさなければならない。それに漏れたものはほとんどが見放されて行く、こういう状況だ。決して自分の営業のバランス・シートが危険な状態に瀕しておるわけじやない。問題は原料高の製品安、あるいは納めたけれどもなかなか金が返つて来ないという手形の延び延びから生じて来ていることであつて、商社それみずからの罪ではない。にもかかわらずその罪を一身にしよわされて、たよる先は銀行だといつて行けば、その銀行はつつぱなす。そこで政府の方でせつかく中小企業の長期金融公庫などをつくつてやつてみても、それは焼石に水だ。片方は気の毒だといつてやつても、片方じや引締めだという。まるで病人に左手でおかゆを食べさせて、右手でせんべいぶとんをはぐのと同じだ。これに対して気持の上からどうしますの、銀行の窓口に対してとりあえず命令しますのと言つたつて、それはなかなか十一大銀行が聞くものじやございません。こういうことについて一生懸命になつている中小企業庁を今度は縮小しようじやありませんかなんという声があるという話がある。こんなことはとんでもはつぷんなんです。もつと英断をもつて中小企業なり国民金融公庫なりに、さしあたつて政府資金をまわすというような手でも施さぬ限りにおいては、去年の十月からこちらへ行われておりまするところの不渡り手形が、三月にはしわ寄せが来ます。全融パニツクが来ますよ。かてて加えて保全経済会だ何だのという連中の投資者は耐えて耐えて忍んで行くけれども、三月から四月、六月になつたら出るのじやないか。うそじやない、必ず出ますから見ておつてください。そのときに一体どういう手を打ちますか。それじや遅いのです。病人なんだから今カンフル注射を打たなかつたら何ともなりません。この点今答えができなかつたら慎重に考えていただきたい。ところでこの病人に対してカンフル注射を打たなければならないということは、あなたもお考えになりましよう。ところがあなたのおやりになる手は、カンフル注射にあらずして、ここから血をとつて行くということをおやりになつておる。どこにどういう病人があるか知らないけれども、その病人の血をとつて他へ輸血しようということをあなたは今やろうとしていらつしやる。それがすなわち繊維消費税なのです。承るところによりますると、今度は小売段階はちと見当が違つたから小売一歩手前にかけようというお話のようでございます。察するところ、小売一歩手前ということになりますると卸段階という場所でございましよう。ところが糸へんの卸屋さんは倒産商社の数が一番多いのですよ。ここへかけようとなさるようでございます。そこで御参考に、きのうきようの新聞を見ただけでは正当な判断がつきませんから、今日に至つたその最後の到達点をこの図面によつてお示し願いたいと思います。この図面のどこにどういうふうにかけようとなさるのですか。病人の血をしぼり上げて、他に輸血するということが行われないというならば、これはもつけの幸いでございます。しかしながら私の見たところ、そういうことが行われようとしているようでございます。はたして大臣はそれでよろしいのでございますか。それでもつてあなたは指導育成強化の総本山の法主様としての責任が果せますか。衆生は苦しんでおつてもよろしいのでございますか。情あるところの大慈悲心でお答え願いたいと思います。
○愛知国務大臣 奢侈繊維品の課税につきましては、前々から当委員会でも非常な御心配を願いまして、通産省といたしましても、何とかしてこれにつきましてはできるだけ皆様方の御心配を避けるように考えて参つたわけでございますが、大体その結論としては、加藤さんもよく御承知の通りでございましようが、課税の範囲について、課税の対象になるものをできるだけしぼりにしぼり上げるということで、具体的に申し上げますると、免税点の範囲をできるだけ上げるということに努めたことが一つ。それから納税義務者につきましては、卸製造業者というようなところを中心にして納税義務者をきめるということで結論を一応得たわけでございます。その趣旨といたしまするところは、先般来るる申し上げておりますように、これはいわゆる高級の繊維品に対して消費の抑制というようなことをもあわせ考えて、できるだけ一般の大衆の潜るようなものについてはかけたくない。それから小売の課税になりますと、どうしてもその租税の転嫁が小売業者に行くおそれがありはしないだろうかという点を考えまして、これをできるだけ避けるようにいたしたつもりでございます。その図表につきましてのこまかい点につきましては、これは御承知のように私どもは話合いとしては私どもの気持が、もちろん百パーセントではありませんけれども、こういうところでならばまあまあごかんべん願えるのではなかろうかという点に結論を求めたつもりでございますが、具体的な徴税の方面は、申すまでもなく大蔵省が担当することになりますのできようは大蔵省の所管の課長も来ておりますから、この図表につきましては、お許しを得ましたならば、課税の当局の方から具体的にこまかく説明していただいた方がお互いによろしいかと思いますが、お許し願えましたならばさようにいたします。
○加藤(清)委員 私の与えられた時間がございませんから、簡単にお願いします。
○塩崎説明員 簡単にお答え申し上げます。消費税は申すまでもなくなるべく消費者に近いところで課税するということが最も理論に合うわけでございます。織物につきましてもまたその例外ではございません。当初こういう課税の話もあつたわけでございますが、小売業者は帳簿も不完全でありまして、小売業者のところから税金を徴収いたますことは非常にトラブルが多い。そういたしますと、その次に消費者に近い段階は、小売業者に売りますところの卸売業者、ここで課税することが一番いいのではなかろうか、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。これに基きまして近く法案をつくりまして大蔵委員会に提出する予定でございますが、現在私どもの考えておりますところの課税方法は、今申し上げましたように、一言にして申しますれば小売業者に売りますところの御売業者に課税いたす。その小売業者のうちには洋服の注文業者あるいは既製服の注文業者も小売業者と同じふうに見て参りたい、かように考えております。この図表で申し上げますれば、原則的には毛織物につきましては切売商が大部分課税の対象と申しますか、納税義務者になる、こういうことが言えるわけでございます。もちろんその上の段階の毛織問屋、それからその上の段階の機屋が直接小売業者に売る場合もあるわけでございます。そのときにおきましては毛織問屋または機屋さんが納税義務者になることはあり得る。しかもまた切売屋さんに、または問屋さん、機屋さんから直接消費者が買いますれば、この場合にも同様に納税義務を負つていただく、こういうふうに私どもは考えております。
○加藤(清)委員 詳細についてはいずれ大蔵委員会において話合いをしたいと思いますので、きようはそれを避けます。あなたの案によりますると、それはいずれ提案される基礎となることでありましようから申し上げておきまするが、切売商というものが特別にあるわけじやございませんよ。その点よく御存じでしようね。地方の呉服商でも切売りをする。既製服でも切売りをする。毛織問屋と言うても元売商もあれば、ケース売りもあればピース売りもある。ここに切売りもある。銀座へ行けば当然切売りをやつていることは御承知の通り。それからデパートに並ぶところの商品は紡績か裸のものなんです。そうするとここにもかかる、ここにもかかるという勘定になつて行つて全部にかかつて来る。帳簿は全部ひつくり返さなければならぬ。こういうことになりますね。よろしゆうございますか。それは全部ですよ。そうするとこの毛織業界全部がその調査を受けなければならない。こういう場合に、あなたの方は行政整理をして、人間を少くする少くするとおつしやいますが、一税務署一人あて雇つても六百人職員がいるということになり、とんでもない員数がいりますよ。何十人おつたつてこの徹底を期することはできません。しかも小売の一歩手前の切売りのところでかけるという話でございまするが、これは妙なことになると思います。あなた自身の原案が間違つておる。なぜならば小売のところはヤールかもしれませんけれども、問屋のところ、ここらのところはみんなメートルですよ。あなたの原案によるとヤールになつておる。これは一体何ですか。どういうことです。小売にはかけないと言うておきながら、小売の単位に税金をかけるということはどういうことです。ヤールというのは小売の単位です。これは何ごとです。どういう調査の仕方ですか。それから小売の一歩手前でかけると言うたつて、これはきようこのごろのように、先ごろ私が申し上げましたように、倒産一歩手前の商社というものは必ずしも小売に売るとは限りませんよ。仲間売りや転売が幾らかでも行われておる。投げ売りが行われておる。こういうものはどうするのです。これを小売の一歩手前で税金をかけられたものを、当然仲間売りをしなければならぬ、妻や子供まで質に置かなければならない倒産商社は小売に売るなんて待つておれませんよ。これをどうしてくれます。業界の身になつてください。大衆課税はしないという通産大臣、あなたは業界の指導育成の最高責任者なんですから、業界の身になつて考えてもらわぬと困ります。 次に私はどうしてもあなたの課税で矛盾が来てかなわぬと思える点をもう一つ指摘するならば、高級品に税金がかからぬで、下級品に税金がかけられるということが行われておる。それはどういうことかといえば、新聞によればヤール四千五百円以上にかけるというお話である。ところが四千五百円となると、夏物の最高級品、三本逆よりのポーラー生地にはかかりません。これは全部新毛糸でできます。目つけが薄いからでございます。ところが、古綿を打直しまして、アメリカからこのものは古だから安くしよう、税金も少くしようという約束のもとに入りましたシヨーデーやラグ、これをガネツト・マシーンにかけて、反毛してつくつたオーバー生地、このオーバー生地に税金がかかる。つまりくず糸に税金がかかつて、外貨を食いつぶしてけしからぬから、これを抑制しようといつておつたその新毛糸には、税金がかからぬということになるのです。これをどうします。あなたの原案によるとその通りになります。こういう矛盾撞着をどう解決しようとするのですか。従つて答弁ができないでしよう。これはできる人があつたらいつでもやつてください。こんなものはだれでもできるもんじやない。そこでこの課税は場所においてもすでに間違いであり、金額も二百五億円がだんだん減りに減つて八十五億になつて、ここの段階では八十五億とれませんで、机上のプランがここに出ておるようでございますが、そんなものは抱き合せて売ることになりましようから絶対とれません。ずつと高い値段のものと安い値段のものと一緒に抱き合せて売ります。それをあえて調べようとするならば、ここに業界と税務官吏との情実問題が起きて来る。料理屋の大繁昌ということになつて来る。これは織物消費税、取引高税ですでに政府の方々は、特に大蔵省におられた通産大臣は、経験済みのはずである。いろいろな諸経費を差引いて残つた金、ここからしぼり上げるのが、そういうことをあえてしてもわずか四十億足らずだと私は断定してはばかりません。なぜならば、八十五億のうちの半数以上の五十何億は毛からとると書いてある。毛にはそういう矛盾がある。なぜこういうことをあえてやらなければならないのか、もつと慎重に研究して他に財源を求める方法はなきや。私はあえて言う。原毛輸入者、紡績業者、ここでとれます。さきに申し上げました通り、外貨のほしい連中はうその幽霊人口までつくつているのです。従つてもらつたらこれは右から左で、四割の利益があるのです。そこへわずか五%とか——五%もかけぬでもいいですよ、ほんの二、三パーセント、政府から原毛輸入者、紡績業者へ外貨のわたるときにちらつとにおわせさえすれば、八十五億はおろか、二百億でも三百億でもここから浮いて来る。とつたからというて紡績が倒れるはずはありません。去年の利益高を考えてみてください。各紡績の増錘、二重投資と言われるその原因の一つには、もうかり過ぎたという点もあるのです。得すればこそ幽霊人口までつくり、うその設備までつくつて受けようとしている。もうけ過ぎているところがあるのに、そこはほほかむりをして、倒れようとしている病人からなぜ税金をとらなければならないのか、一体政府はそれで中小企業を助けるということが言えますか。ほんとうに親心があるとするならば、税はとれるところからとつたらいいじやないですか。もうかるところからとつたらいいじやないですか。私の考え方は間違いでしようか、大臣の御答弁を願いたい。
○愛知国務大臣 税はもうかるところからというお話でございますが、この繊維品の奢侈品についての課税は、買う人にその負担をしてもらいたいということなんでありますから、そこの中間の段階の人の負担にならないようにするのが私は本筋だろうと思います。そういうふうな徴税方法ができるようなことをやりたいという考え方が、こういう点におちついて参つたわけであります。
○加藤(清)委員 わかりました。その消費者に転嫁するということは、つまり業界は迷惑をこうむらないというようなお考えかもしれませんが、そうじやないのですよ。とにかくこれが品物がずつと流れて行つて、すつと現金が入つて来るときになつたら、あなたの理論は正しいのです。ところが紡績業者から毛織業者へ来るときでも、六十日や九十日でしよう。毛織業者から毛織問屋に行くときには、やはりそれ以上に延びましよう。百貨店に並べるときに、現金を受取るまでどれだけ期間がかかりますか、しかも小売商が受取るときにはすでに税の含まれたものを、買わなければならぬ。ただでさえ資金難に困つている業界が、この税を余分にはらんで金融のくめんをしなければならない、こういうことでしよう。これに対して私は十一大銀行を全部まわつて聞きました。あなたたちは繊維について二百億かかるという事態になりますが、それをはらむだけの余裕がございますか、特に東海銀行さん、あなたのところは一番よけいはらまなければならない、あなたのところだけで少くとも一億くらいはらまなければならないが、よろしゆうございますかと言つたところが、木下さんも、金子さんも、鈴木頭取さんも、そんなことはとてもできません、もしどうしてもそれをやれというならば、日銀から特別のわくをいただかぬことにはできませんという話でした。これは高率適用の強化で引締められているのですから、当然だろうと思います。あなたはそれをやる勇気はありますか。業界は困らぬと言うなら、困らぬような手だてをしなければならない。現に困るでしよう。普通の融資だけでも困つているその上金がないから不渡りのおかげで倒産続出だ。そこへかてて加えてこれを払わせようといつて、そんな苛酷なことができますか。しかも銀行がそのめんどうを見ぬというなら、政府はそのめんどうを見るだけの勇気がありますか。財政投融資でも何でもいいから、どんとそこにやつてくれますか。それだつたら話は別です。
○愛知国務大臣 先ほど申しましたのは、要するに小売の段階に近いところで、その税額に相当する金融について比較的問題の起らないところを選びたいという気持であります。それからいま一つは、全部の毛織についてかかるものでないことは御承知の通りでございまして、数量的に申しますと全体の品物の数量の中でおそらく七%以下くらいではないかと思います。でありますから取引全体の中から見ますればその比重は比較的大きくない。そういう点でいろいろ苦労をいたしましてこういう結論に達したのでありますが、なおその徴税に伴いまして、今御指摘のような点につきましてはさらに具体的に考究いたします。場合によりますれば、それらの点については政府としても相当の措置を考えなければならないかと思つております。
○加藤(清)委員 与えられた時間がないようでありますからもうここらあたりで終りにしますが、問題は売上げの全般にわたらないからそれで痛くないだろうということは大きな間違いです。あなたのからだに例をとつてこの前しかられましたから、私、別分のからだに例をとりましよう。私のからだの全体が傷しなくても、急所をちよつと押されただけで参つてしまいます。針一本で死にますよ。この問屋業界から小売に至る段階は何に苦しむかというと、原料高の製品安と、税金と金融で苦しんでおる。これが今日急所なんです。そこをちよつと針一本さされたらみんな倒れて行くのです。そういう課税がなくてさえもなお金融パニツクが三月、六月の糸へんの値がわりのときに来るのじやないかという予想は、手形交換所の不渡りの金額と倒産商社を差引いたあとの残りが毎日二億五千万以上のしわ寄せになつて行くというこの実態を見れば、私よりもあなたの方が専門家のはずですからよくおわかりだと思う。かてて加えてこの急所に針一本させば倒れて行く。だからここに課税するということは、あなたの目的とされている健全経済を樹立する、倒産商社続出を助けるということとはおよそ矛盾撞着した結果が生じて来るではないかと心配されるのでございます。私の心配が杞憂に終るというならばまことにけつこうでございますが、私の言うたことがずばりそのまま当ることがあります。それは前の大臣が行われた毛織物の輸出振興に対する外貨割当の方法でございました。英断をもつてやられたおかげで五倍にも六倍にもふえました。これは御同慶にたえない次第でございますが、その点はまた別の機会にするとして、いずれにしてもからだ全体やらずしても一部だけやられただけでもういかれて来る。だから大いに考慮して、こういうところをいじめなくても、もつとほかに場所がいくらでもあるから、そこに目を向けていただきたいものだということでございます。 そこで最後に、こういうことを申し上げちや何ですが、こういうことは私だけでなしに業界では全部知つております。小売の方にかけることはむずかしくて、これは間違いである、ほかにかけた方がよろしいということは百も皆さんが御承知です。にもかかわりませず、こちらへかわつたというので巷間ではおかしなことがあるじやないか、臭いじやないか、こういうことが言われているわけなんです。これは新聞に出ておつたことですから必ずしも信憑性が百パーセントあるということは言えませんけれども……。
○中村委員長代理 加藤君、大分時間も経過しましたし、どうでしようか。
○加藤(清)委員 委員長の仰せの通りこれでやめます。そこで繊維業界にいかがわしいうわさしきりというわけで、二億円つぎ込んだではないか、大メーカーから○○党へと新聞に書いてある。こういうことがうわさされては、あなたたちも迷惑しごくだろうと思います。そこでこの問題が長引けば長引くほどこういうことが巷間伝えられるようになる。従つて日々の商売をやめてこの税金のために北は北海道から南は九州のはてまで毎日々々陳情に詰めかけていらつしやる方々の気持になつて、もつといい方法を考えていただきてたいものだ。何がゆえに民主政治の今日において、こういう方々の声が聞えないのか、筋も通り、道理もわかる。すべてわかつていながらなぜ声が聞えないのか、声なき声を聞いてするのが名政治家のやり方だと聞いておりますが、願わくは新しい大臣も、声なき声が聞えなくても、せめて現われた声ぐらいは政治に取込んでいただく名政治家になつていただきたい、こういうことをお願いいたしまして私の質問を終ります。
○中村委員長代理 次は伊藤卯四郎君。時間が大分経過しましたので、ごく簡略にお願いいたします。
○伊藤(卯)委員 われわれは今後この通産委員会で日本の産業復興再建の問題等を審議して行きます上に、どうしても一点伺つておかなければならぬことがございます。それはこの間から私は政府のこのたびのインフレを押えるために一兆円以内の緊縮予算をもつてする、そして政府の財政投融資を削減抑制する、こういう今後の方針で行くのだという点についてはお尋ねをしておるのでありますが、しかし十分了解できておりません。私がきよう大臣にお尋ねをしようと思うのは、政府の予算と財政の投融資を押えるということはわかるが、しからばこれに伴うところの民間の資本、民間の融資、こういうものを大臣はどのようにこれを押えて行こうと考えておられるか、ところが今日主管大臣をしておられる経済審議庁長官、これが昨年経済白書を出しておるのでありますが、この経済白書を読んでみますと、非生産的なたとえばビルデイングであるとか、観光ホテルであるとか、高等料理屋であるとか、いわゆるそういう遊び場に投資されたものが六千億から七千億円以上に上るという数字が計算されます。さらに社用族、公用族が三千億円からの浪費をしておるということも書いてあります。それから社用族、公用族が一千億円からの芸者の花代、線香代を払つておるということも書いております。ここらに今日問題になつておる疑獄事件等の問題も派生しておると私は思うのでありますが、一体非生産的なものにそのようにどんどん流れて行つております。たとえば大臣は御承知と思うが、今東京都内に厖大な鉄筋ビルデイングがどんどん建つております。東京駅の東口の八重州口の方を見ても、あそこにもたしか五、六箇所ぐらい建つていると思います。これらはとめどもなくどんどん厖大な資本が投入されて建てられつつあるのであるが、一体この非生産的なものに対して、政府の緊縮予算、財政の投融資の削減の立場から、これらをどのように一体抑制しようとされておるのであるか、あるいはこれらを生産面にどのように転嫁しようとしておるのであるか、これは私は非常に重大な問題だと思うのでございます。戦後イギリスであるとか、西ドイツであるとか、イタリアであるとかいう方面を旅行して調査した諸君の報告等を見ますと、それぞれの国には非生産的なものに対する投入というものはほとんど打切られて、もつぱら生産面に対して国の財政も民間の資本も投入して、そのために戦前の一五〇%あるいは二倍というように生産設備が充実して生産が拡充されて来ておる。これが世界市場に大きく働きかけておるために、日本はこれと太刀打ができなくなつておることが日本商品の輸出不振の原因になつておることは論ずるまでもありません。これはやはり自由党吉田内閣が自由放任主義の立場に立つてやられた結果がこういう結果をつくつておるのじやないか、政府はインフレを押えるために今度のような予算措置、財政措置をしておる。しかし民間資本の流れて行くものはそのまま流れつぱなしになつておる。こういう形でこの緊縮予算の、あるいは政府がインフレを押えて、物価を引下げて国際市場に打勝つて行こうという目的を達し得るお考えが一体どういう計画の上にあるのか、この点は非常に私どもは憂慮にたえないので、この点に対してわれわれの納得の行くようなひとつ大臣の御答弁を願いたいと思います。
○愛知国務大臣 まことにごもつともな御懸念と存じます。実は民間の資金の対策が政府の緊縮財政とにらみ合せてどういうふうな姿になるかということにつきましては、かねて申し上げておりまするように、重点的なものについては好意的な資金の配分をするわけでありますから、中小企業等についてはできるだけの配分をいたしたいというような趣旨から、これは本日まだここに用意して参れなかつたのでありまするが、大体においてこの年度を通じまする民間の資金計画の大体の見通しというものもほぼ策定をいたしております。これは不日数字によりましても御説明できるようになろうかと考えております。ところでさような姿にいたしまするためには、たとえばオーバー・ローンの解消の具体案というようなものも漸次腹案ができて参りましたが、先ほど申し上げましたように、外貨を日銀に、どういうふうに移して行くか、そのかわり金を、民間の金融機関との間の処理をどうするかというようなところまでは大体の考え方がまとまつたようでございますが、これからが実を申しますと、通産省なり経済審議庁の立場において、そういうような資金の配分ができるようにするためには、この構想をどういうふうに具体的にやつて行つたらばよいかという点について、今とり急いで具体案をつくつております。その案の内容におきまして、資金の量質両面にわたり、相当の調整措置を行うということが考えられなければならないのではなかろうかという点を考えておるわけでございます。そうしてその面からまず第一にビルデイングであるとか、さような現在として不要不急な方面に金が出ないというふうな措置を講じなければならないと考えておりますが、同時にまたそれだけでは方法が足りませんから、たとえば不動産取得税というようなものも新たに創設して、地方税法の上にこれを改正案として御審議を願いたいと思つておりますが、その面からもさような不急不要の建物などが建てられるということについて、経済的にこれを困難にするという面からも制約する措置を講じて行こうというようなことで、ただいま御指摘がございましたが自由野放しのやり方ではなくて、企業の創意くふうというようなことを生かしながら、しかしある程度調整をするような措置を、制度的に考えて参らなければならないと考えております。今この点については具体的にこうするというところまでの成案をお話するまで行つておりませんけれども、考え方といたしましては、さような方向に持つて参りたいと思います。
○伊藤(卯)委員 今の民間資本が非生産的な面に対して流れて行くという点に対しては、今大臣が何らかの抑制処置を講じたいということを話されたのでありますが、それは当然の処置だろうと思います。そこでその処置等の問題が具体的に政府の力で案が立てられたなら、この委員会等に——政府の緊縮予算あるいは地方財政の削減打切り等の上に立つて、日本産業をどのように復興再建して、国際市場等で打ち勝てる態勢をつくるのか、それについては民間の非生産的な方面に流れて行く投資をどのように抑制するか。たとえば民間金融機関等において、これをどのように抑制するのか、あるいはまた非生産的なものの建物などについて、この認可、許可等の上に立つて、これをどのように押えつけて行くのか、そういうものがいずれ具体的につくられることを、私は答弁の中に意味しておるのではないかと思うのであります。そういうものができたならば、それをこの委員会に何らかの形で提出をされて、われわれの審議を求められるという大臣のお考えであるかどうか。この点はわれわれ委員としては非常に重大な問題だと思うのであるが、大臣はその点をどのようにこの委員会等の上に反映して行こうと考えておるのか、その点を伺つておきたい。それから政府がこういう国策方針をもつてやられると、必ず生産面に対する資本投入は、引締められて来るし、従つて非常に民間資本も警戒的になつて来る。そうなつて来れば、資本が利潤を求めて動くのは、水が高いところから低いところに流れるような性質のものであるから、そうなれば資本が安全な、利率の高いものに、とめどもなく流れて行くことは論理であります。今までの経過から見てもそうであります。そうなつて来ると、いよいよ私は政府の方針と反する面から、貧富の懸隔の問題、生活の不平等の問題、ひいては社会不安の問題、いろいろな問題等も、あわせて起つて来ると思う。政府は非常に固くなつたつもりであつても、外の方を見ると、まつたくそれと逆な状態が現われて来ることは言うまでもないと思うのであります。この点は、非常に大事な問題だと思います。そこで今お尋ねをしたような問題の処置等について、どのようにわれわれのこの委員会にかけようとしておられるのか、この際ひとつ大臣のお考えを明らかに伺つておきたい。
○愛知国務大臣 まつたくごもつともなことでございまして、心ずしも当委員会における法律案の御審議というようなこととは関連をしない部分もあろうと思いますけれども、先ほど申し上げたような点につきましては、できるだけすみやかに成案を得次第、御説明をいたしたいと思います。それからなお申し遅れましたが、たとえばただいま御指摘のような点に関連すれば、私どもの持論でございますところのほとんど強制的に企業について再評価をするということについても、これは法律としては税法の問題で処理されるわけでございますが、この税法の内容がはつきりきまりましたならば、それらにつきましても、ただいまの問題と関連がございますから、十分考えて、御説明いたしたいと思います。
○中村委員長代理 中崎敏君。
○中崎委員 時間の関係がありますので、早足で行きてたいと思いますが、私の質問したいのは、三点です。一つは、この間のイランの石油の輸入に関する問題、競輪の国庫納付金の問題について、それからもう一つは外国映画の輸入割当に関する問題、この三つの問題で、私は質問いたします。まずイランからの石油の輸入の問題でありますが、この点については先般通産大臣から、せつかく向うに行つた人も帰つて来るし、向うの事情もよく調査の上で検討して行きたいというお話でございました。その後、私の得ました情報によりますと、今なお交渉中ではあるが、日本で一体石油を買つてくれるのか、くれないのか、買うとすればどのくらい、腰をすえて買つてくれるのかということについて重大な関心を持つておる。でありますから、こちらから呼び水をかけて、これくらいの程度は日本政府は努力するということになれば、これは待つていましたとばかりに、向うが腹をすえて話が進む。やがてそれが日本経済全体の上にも非常にプラスになるのではないかという考え方を持つているわけですが、これについて一体政府の方では、どういうふうに処置するのかについて聞きたいのです。外務省の方では、一応イランの話が進む結果を見てというようなことですが、一歩進んで、もう少し積極的に、日本では重大な関心を持つておる問題であるし、そう全部が全部日本に輸入するというのではないんですから、ある程度日本政府は積極的に話を進めていいのではないか、あまり気がねや遠慮ばかりしておつたのでは、押しつぶされてしまつて、何ら日本の国の存在意義がないから、そこをもう少し腹をすえて、向うにある程度の働きかけをやつてみるというような腹構えに進んで行けるかどうかという点を一応伺つておきたい。
○愛知国務大臣 イランの石油の問題は、申し上げるまでもなく、イランの石油とそれから日本の経済状態とこれだけの観点から申しますれば、私はほんとうにけつこうな話だと思うのであります。ただ国際的に紛争の渦中にある問題でございますから、やつぱりこれは関係各国との間で少くとも了解してくれ——了解の方法はいろいろあると思いますが、そういう関係もございますので、ただいま外務省と緊密に連絡をとりまして、通産省の立場としては、できるだけ早く、手ぎわよく処理してもらうようにという希望のもとに、いろいろ話合いを進めております。なお御承知のように、インドに駐在しておりました西山大使が現在イランに参つておりますので、イランとの間のいろいろな現地の情勢を反映しての意見を西山大使にも求めておるわけでございます。それから、一方日英会談等の関係におけるいろいろの雰囲気等も、率直に申しまして、代表者が帰つて参りましたので、それらの点につきましても、外務省側で、今十分研究をしてもらつておるのであります。要するに非常に急ぐ問題でございますが、微妙な問題になるおそれのある性質の問題でございますから、御趣旨に全部が全部ただちに沿い得ないかもしれませんけれども、そういう方向に持つて参りますように、できるだけの誠意をもつて、この上とも努力を続けるつもりでございます。
○中崎委員 今イランに関する紛争があるのはわかつておると思うのですが、それに対しても、イギリスとイランとの関係の問題に、新しくアメリカが割込んだといえば、ちよつとどうかと思うのですが、アメリカもタツチして、要するにアメリカ側もその割当を要求する交渉をしている。これは現に、その率が相当イギリスよりもふえるのではないかという予想さえあるわけです。それくらい局外者まで入り込んで行つて話をしておる。であるからわれわれの側でも、とにかく量は少くてもそうした実績を持ち、そして最も石油のない日本としては、またこれで経済的に日本の物資が交流できるのだ、こういうことから言うと、やはりある程度強力にその中に割込むと言つてはおかしいですが、要求をひとつ強くやつてもらうということは必要だろうと思われるわけです。この点についての政府の善処を要望しておきたいと思います。 次に外国映画の輸入割当に関する問題でありますが、これは現在その所管が大体大蔵省であるというふうに聞いておるんですが、私はこれは筋違いじやないかと思う。これはやはり一つの建前としては、道具といいますか、そういうものの輸入とでも言うのですか知りませんが、いずれにしてもできた映画を買つて来るのですから、それに通生省がほとんどタツチしなくて、大蔵省ですべて割当てる、国内に蓄積しておるところのドルをどういうふうに向うへ送るか、これはー応大蔵省の関係でもいいのですが、割当に関する問題がほとんど大蔵省に握られておるというところがどうもわからないのですが、この点の根拠をひとつ……。
○愛知国務大臣 外国映画の問題は御指摘の通り、これが大蔵省の所管になつておりまするのは、一見非常に奇異な感じを受けるのであります。しかし実は従来の経緯は、日本からのアメリカその他に対する送金の問題が伴つた関係で、大蔵省が所管しておつた方が便利であろうというふうな便宜上の経緯があつたわけでございます。通産省との関係におきましては、御承知の閣僚審議会、幹事公等の筋によつて連携をとつて参つたのでありますが、今後この点はひとつあらためて考えてみたいと思います。
○中崎委員 今お話の送金に関する問題があるからというけれども、送金しないでただくれるものはないのであります。すべて送金が関連しておるので、どうもこの点だけで大蔵省に所管をやらすということは、どうしても割切れないんです。ことに問題は二十七、八年の割当に対して相当問題があるわけです。世上よく不明朗だ不明朗だということを言われているのですが、この割当についても、また蓄積されておるところのドル——一昨年もそうです、昨年もそうでありますが、これは相当大きな問題を起しておる。数字的にも幾多われわれはこまかい資料はあるのですが、私はこの際あまり表面だつた問題としたくはありませんが、この際通産省の側においても慎重に、また強力に御発言を願つて、そしてこの外国映画に関する問題をまず通産省の手にとりもどす。そうして非常に外貨が少くて困つておるというのに、これだけ莫大な外貨をこの映画にかけて、現にアメリカのメージヤー系から、百二十一本もの莫大なものを輸入して、そうして莫大な金を向うへ持つて行かれるということは、この際大いに考えるべきだと思うんです。ことに日本の映画は最近非常に質がよくなつているのです。外国映画に比べてそう遜色がないばかりでなく、しかも今の映画の傾向からても、国内の映画が大分観客層がふえて、外国映画はだんだん後退の傾向にあるのに、依然として占領時代のように進駐軍の方で一切実権を握つておつて、そうして自分の国の人間に勝手にやらしておる。そういうときの実績、またそういうときの姿が依然として続いて、いつまでも持つて行かれるという不自然なことは、この際根本的にかえてもらいたい。そして外貨のわくをどうするかという全体の問題もあるが、そういう大きな問題として取上げてもらいたい。そして配給も占領政策の上に立つたところの実績主義、一方的なものの上にあとをたどつて行くということではなしに、思い切つて新しい角度から一切御破算にして、輸入の問題も解決するという方向に行つてもらうということを要望しておきたいと思います。 もう一つは、競輪に関する国庫納金約二十億の予算というものが今回予算の中から削除されて、法律が改正された上において除くことになつておるようですが、この二十億の行方について、予算の面において盛り込まれているのかいないのか、あるいはそれをどういうふうに使うか、はつきりしていないということを聞いておるのですが、その点についての説明をひとつ要求したいと思います。
○愛知国務大臣 競輪の点につきましては、政府側といたしましても、議員立法があるのにかかわらず、予算の上でただいまお話のような措置をいたしましたことにつきましては、こういう機会にざつくばらんに申し上げるのははなはだ恐縮なのでありますが、特に私自身といたしまして、これは非常に恐縮に存じておる点でございます。通産委員会の御意向を十分尊重いたしまして、現在の法律の改正につきましてお考えをいただきたいと思つております。それからこれもあわせてこの機会にざつくばらんに申し上げるのでありますが、政府の側といたしましては、予算上ただいま御指摘のような予算を組んでおります関係で、補助金等の整理に関する法律の中にこの点も実は入つておるのであります。つまり予算と法律とが平仄が合わないではないかという点を是正いたしますために、一応政府の方では、補助金等整理の法律の中にこの競輪の問題も挿入してあるのでございますが、しかしこれは今後、従来からいろいろ通産委員会の方にお願いしてありますような線で修正をされるものであるということを前提にし、かつこれを留保いたしまして、政府としてはその法律案の方に一応決定をいたしておるわけでございますから、今後十分この点は委員会の御意向によりまして修正をしていただきたいと考えております。それはどういう方向かと申しますと、従来の国庫に納付してありまするものは、その額は地方の方に大体原則的に入ることになりますけれども、しかしその全額が地方財政の計画に入つておるわけではございません。従つてたとえば今後できるでありましようところの法律案によりまして、別の、たとえば中央機関というようなものができまする場合には、その機構の中に代金の相当部分が入りまして、そこの機構を通じまして、適当と認められるところへ、寄付という形になりますか、交付金という形になりますか、そういう性質において、詳しく申せば日本経済の自立の一部分を担当するために使えるようにする、こういうようなかつこうでこの法律案ができますれば、非常に仕合せだと考えております。
○中崎委員 従前国庫納付として予定されておつた約二十億何がしのものですが、その金額のうちで、これは全額が地方への平衡交付金等の予定で、その中に織り込まれておるのじやないかというふうな見方と、それからまだそれまでも確定していないので、たとえばその半額科度は地方へこれを交付するとしても、残りの半額の十億程度は輸出振興とか、そういうふうな面に新しい機構等が考えられながら、そういう方面に有効適切に使える余地があるのではないかというような見方もあるのでありますが、大体の見当はどういうふうなものか、お示し願いたい。
○愛知国務大臣 大体の見当は、ただいまのお話の後段なんでございまして、これは数字的に政府委員から説明いたします。
○岩武政府委員 今お尋ねのような国庫納付金に関係のあるものが実はほかにもあります。例の小型自動車競走、モーター・ボート、若干性質は違いますが、今度の措置で同じようなあれをとられました例の宝くじがございます。その辺の収入が、二十八年度の大体の見当は、合計しまして国庫に入りますのが三十二億くらいあります。明年度は、関係方面の見積りによりますともう少しふえる見積りでございますが、そのうち現在まで地方自治庁ないし大蔵省関係当局の方で地方財政の収入として一応考えておりますものが約二十億余でございます。従いまして差額が十億余ございますが、この見当のものは別段の措置があれば地方財政以外の用途にも使えるんじやないかというふうな含みでございますが、ただお尋ねのように、競輪から幾らか、あるいは宝くじから幾らかということはちよつと判明いたしませんが、われわれの方では相当程度地方財政に行かなくて、ある程度ほかの用途に使えてもいいんじやないかというふうな期待を持つておるのであります。
○中村委員長代理 本日はこの程度にいたしまして散会いたします。 なお次会は明後十九日午前十時より開会いたします。 午後一時二十三分散会