通商産業委員会 第3号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/12/16
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 本日は、まず昨日に引続きまして硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案を議題といたし、質疑を続行いたします。質疑の通告がありますからこれを許します。帆足君。
○帆足委員 先般の委員会で硫安の輸出につきまして種々御説明いたしまして、政府当局の御協力方をお願いいたしましたのですが、前回申し上げましたように、この問題は与党、野党という区別なく、輸出振興の一環として申し上げておるのでございまして、本来ならば与党の自由党の方に御発言していただく方が適切かと存じますが、たまたまこの仕事についての議員連盟の幹事役の一員をいたしておりますので、発言させていただきますことをまず御了解願いたいのでございます。 昨日も御説明いたしましたが、何分にも国際収支の緊迫は異常の状況でございますし、輸出の振興ということは第一義の要件でございますので、せつかく来年の三月末日までに積出しという条件のこの硫安の輸出をキヤンセルしてしまいますことも、国策上遺憾なことに存じます。中国側の方からはすでに手紙を寄せまして、もし日本において不可能であるならばヨーロツパの方から硫安を買わねばならぬことに手当もいたさねばならぬから、至急返答をもらいたいという催促が参つておりまするし、これも当然のことと存じます。なお見返りは開らん炭、工業塩等でありますが、自転車の輸出にも多少連関している問題でございます。実は自転車は乙類ないし丙類にしてございますが、硫安は乙類にしてありますのに、特に今般は甲類物資としての取扱いを中国側から受けまして、最高の重要度の品目とされておりますために、今後の市場開拓上非常に需要な要件になつておる次第でございます。 この輸出が困難な事情といたしましては、一つはアメリカ政府の反対があるやに世間では大きく伝えられておりますけれども、政府当局のいろいろの御答弁を伺いますと、その方はさして意とするに足らず、すでに許可されておる品目でございますので、危惧や遠慮は不要であるというふうに承知いたしました。また台湾方面から多少のいやみのある発言もあつたようでありますけれども、これも別にそう気にして、簡単なことをわざわざ複雑にするほどのこともございませんので、そういう個々の問題については個々のメーカーなり、問屋なり、商事会社が責任を負えばいいのでありますから、そういうような雑音は抜きにして考えていいものとわれわれは了承いたしております。そういたしますと、結論は硫安というものは一面重要な国内物資でありますので、需給の調整につきまして御苦心のほどは当然のことであろうと思います。しかし二月末にかりに十八、九万トンから二十万トンの余力があるといたしますと、需給調整について、ただいまは価格も安定いたしておりますし、業界が自粛し、農民関係団体の方がよく理解してくださるならば、わずか四、五万トンの輸出がやりくりできないこともなかろうと存ぜられますので、われわれは同じく同僚議員といたしまして、農林委員会の方にも十分に連絡をとりまして御了承も得たいと存じておりますから、そういう趣旨におきまして、どうか農林、外務、通産当局が連繋を密にしていただきまして、せめて五万四千トンならずとも三、四万トンだけでも新市場に硫安を出していただきまして、輸出振興の道がせつかく開けております点を特別御考慮願いたいのでございます。ただいま硫安の輸出促進に対する決議案のような草案を委員長のもとに提出しておきまして、その取扱いにつきましては農林委員会との関係でございますので、御善処方を委員長に御一任いたしておきましたが、そういう趣旨でございます。多少の困難はございますけれども、敗戦の今の日本にとつて輸出市場を確保しておくことは非常に重要であります。硫安の将来の見返り商品は、単に開らん炭だけでなくて、当然食糧の輸入が見返りになるべき性質のものでございます。中国の政界に対する論議は別といたしまして、一応中国の市場が統一され、安定されておることは事実でございまして、非常な勢いで農業は封建的桎梏から解放されて様子がかわりまして、増産に向いつつあるのでございます。この五億以上の人口のある、しかも農業国を相手にしておりますので、この問題は国家百年の計から相当重要視すべき市場の問題でございますから、格別の御考慮をお願いしたいのであります。 結論といたしましては、従来私の伺つておるところによりますと、多少の言葉の不十分があつたかも存じませんけれども、一つには外務省当局の十分な御了解ということについて多少まだ足らないところがありはしないかと存じておりましたが、ただいま小瀧政務次官からもそういうことはないということを伺いましたが、正式にこの委員会の席におきまして御意見のほどを承りたいと思います。 それから農林省当局としては、農民の立場に立ちまして、この問題に対しては農民の利益擁護という立場を重視いたさねばなりませんので、輸出第一、輸出振興という立場と調整して両者に不安のないようにいたさねばならぬ。従いまして多少受身の立場に立つので、通産省としては、輸出の問題は見返りの重要物資の輸入との関係もあることでありますし、通産省の方から正式の連絡がなくては困るというようなこともこれまで伺いましたので、どうか通産省当局からは貿易振興第一という観点から、農林省に正式に御連絡くださいまして、両者の調整をはかつていただきたい。なおこの問題の重要性に思いをいたされましたならば、農林委員長と、また各派の農林委員の理事の方と御相談くださいまして、運用上この問題が円滑に行きますように御了解を遂げていただきたいのでございます。私どもは、この点におきまして超党派的に農林委員会ともまた連絡をいたしまして御協力いたしたいと存じておる次第でございます。こういう趣旨でございますから、どうか外務次官並びに通産、農林両省においてそれぞれ明確な御答弁をいただきまして、この問題が公正かつ合理的に処理されるよう、せつかく政府当局がアメリカ政府とも交渉して西ヨーロツパ並に問題を処理しようというところまで合理的に解決していただいたこの問題の実施の裏づけができますように、切にお願いを申し上げる次第でございます。
○小滝政府委員 前回並びに前々回のこの通産委員会の際、私不幸にして外務委員会及び水産委員会の方にひつぱり出されておりましたので、こちらの方には説明員を差向けまして御説明させたつもりでございます。この厳粛なる委員会において説明員が政府当局にかわつて申し上げましたことは、もちろんうそ偽りのないことでございまして、私はこれまでの説明員が申し上げた通りであると答弁する以外にはないのであります。ただ蛇足かもしれませんがつけ加えますならば、先ほど帆足委員は、米国政府側からはこれを差控えるようにというような内意も来ておるようだが、さして意にするには足らないものと思うとおつしやいました。しかしそういうことはどこで言いふらされておるか知りませんが、私どもは絶対にそういう申入れを受けておりません。台湾政府が云々とおつしやいましたが、あるいは業者の方が何かそういうことを言うかもしれませんが、しかし政府は何らそういうことを聞いておりません。これは政府の直接関知するところではございません。ただ製薬会社の例をとりましても、アメリカと取引しておるとか、向うの資本が入つておるとかいうような会社は、どうかしてその関係がだめになると、自分の商社の立場として不利だから、まあ遠慮しようというようなものがあるやにも私個人としては聞いておりますけれども、政府としては何らそういう申入を受けていないということをここではつきりと断言いたしまして、私の答弁といたします。
○平野政府委員 硫安の問題につきましては、農林省としては、まず第一に国内の需要を優先的に確保する、こういうことで、御承知の通り大体これが百五十万トンと見込まれておりますので、これをまず確保する。さらにこれに一割程度に相当する分を調整用として確保する、すなわち約百六十五万トン程度をまず国内に留保いたしまして、そしてその余力は輸出をする、こういう方針で、農林大臣が輸出の場合においては同意をする、こうしておるわけであります。従つてこの原則を確保いたしますために、すでに政府といたしましては、臨時硫安需給安定法並びにただいま本委員会において御審議を願つております。硫安関係の法案を提出いたしておるような次第であります。従つて国内の需要を確保いたしました余力については極力輸出をいたしたい、こういう考えでございますが、その輸出先につきましては、別にどこをどう制限するとか、特にどの地方に努力をするというようなことは少しもございません。特にお話の中共貿易につきましては、政府としては極力これを推進いたしたいという考えを持つておるわけでございまして、特に帆足委員を初め、この中共貿易の促進につきまして御努力をいただいておりますことにつきましては、衷心より敬意を表し、政府として協力いたしたい所存でございます。ただ本年度の硫安の輸出につきましては、国内の需要を確保し、さらにすでに他の方面に一部輸出をいたしておるわけでありますが、現在のところでは輸出余力がきわめて制約されて参つております関係上、ここで中共への輸出についてただちに同意を与えることは申し上げかねる段階でございます。これはまつたく事務的かつ数字的な問題でございまして、ただいま外務政務次官から御答弁を申し上げましたと同様に、まつたく何らの政治的意図はございません。ことに農林省としては、今日までアメリカから何らかの反対があるとかいうようなことについてはまつたくございませんし、ことに台湾からいやがらせがあつたとかいうようなことは全然聞いたことがないわけで、むしろ積極的に中共貿易の促進をいたしたいという考えを持つておるわけでございます。ただ輸出余力という点からいつて、今日のところ明確なるお答えを申し上げることのできないのをはなはだ遺憾に存じますが、御趣旨はまつたく同感でありまして、極力農林省としてもそういう方針で進みたい、かように考えておる次第でございます。こまかい数字的なことにつきましては、農林経済局長が参つておりますので御説明を申し上げたいと存じます。 —————————————
○大西委員長 通産大臣が見えられましたので、この際繊維に関する質疑を許し、そのあとで再び硫安に関する質疑を許したいと存じますから、さよう御了承願います。 繊維に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 第十六国会から始まりまして、人絹糸の二重価格制をとる意思はないかということに対しまして質問を重ねて参りましたところ、政府当局、古池次官初め各局長は、まことにごもつともなお説でございますから、ぜひともそういうふうに仕向けて行きたい、それにはしばらく研究をさしていただきたいというのがその御答弁でございました。時期もかなりたちまして、もうすでに御研究という段階ではなくて実施の期間に入つておると思うのであります。従いましてどの程度まで進んでいるか。大臣はよく御存じないかあるかは知りませんが、一応経過を申し上げますと、昨年の十一月から今日に至るまで輸出されるところの人絹糸が、百六十四円となつているのに反し、内地は二百九十円、ないし三百円をもつて売買をされております。国内の一般輸出業者が幾らぐらいの人絹糸を買入れているかというと、最高三百円の人絹糸を買入れて、そうして毎日血のにじむような生産に当つておるわけでございます。従いまして本年の七月以降というものは、すでに大臣が御承知のように、輸出が急速にドロツプいたしまして、ほとんど見るべきものがないのがわが国の現状でございます。どこに原因があるかということは、わが国から出て行くところの原糸の価格の安く、反面製品として出されて行く織物が割分に高いという、こういう面に大きな問題が残されておるのでございまして、従いましてこの大きな問題をどういうふうに解決をつけなければならないかということは、私は一定、すなわち安定した価格をもつて年間その輸出業者に割当てるべきである。従つてそれは輸出証明書によつてその本人に出されただけのポンドのものが手渡されて、そうしてその渡されるものがいつも安定した価格でなければならない。御承知のごとく日本の輸出の不振になつている一番大きな原因は、価格の安定がないということだけは異口同音、どなたでも言葉に出ることでございまして、こういう問題をつぶさにこまかく私が御説明は申し上げてあるのでございます。従いましていつからその実施に当るかということを明らかにしていただきたいと思うのでございます。その点についてまず御答弁をお願い申し上げます。
○岡野国務大臣 この点はよく事務当局からも報告を受けております。同時に皆様方のお説を伺いまして、早急に適当な処置をするように、こう申しつけておいたわけでございますが、先般、御趣旨に合うようなことにしたいと思つて、一応勧告は出しておるのでありますが、まだその勧告の効果というものが大して現われないような感じを私は持つております。 第二段といたしまして何か打つ手はないかということで、研究を今進めておる次第でございます。
○長谷川(四)委員 勧告そのものに大きなあやまちがありはしないかと私は信じます。従いまして今の六大人絹会社そのものが今日の趨勢に至つたのは、何をしてかくのごとき育成をしなければならなかつたか、一応かくまで育成した人絹会社でございます。今その原糸をもつて輸出に当らんとするところの中小企業、その輸出業者というものが瀕死の状態になつている。このときにあたつて、いまだその処置がとられておらない。また勧告が徹底していないという理由は、その勧告そのものに不信があるからであります。従いまして私がお願いを申し上げていることは、政府が輸出の人絹糸のみにはかくするのだというはつきりした価格を与えなさい。今外国から入つて来るパルプがある。この安いパルプで、しかも能率のよいパルプというものをそれの身がわりとして出しておれば、何らその処置に支障はないじやないか。であるから、これを行うことが当然でなければならないし、このまま放任をしておくということになるならば、今日本の織機を持つている機業者というものは全滅しなければならない段階にあると私は思うのでございます。大臣は、私が申し上げなくも、今どのような危機にあるかというこの実態を御推察を願いたいのでありまして、いま一度大臣に、いつからそういう方針をとるというはつきりとしたことをお述べ願いたいのでございます。
○岡野国務大臣 はつきりとどういう処置をいつからとるということを今申し上げる段階ではありませんけれども、この点につきましては御説のように相当強力な処置をしなければならないと考えまして、事務当局で十分調査をさしておる次第でございます。
○長谷川(四)委員 事務当局の調査は、もうすでに昨年の末から私は声を大にしてこの問題をひつさげてお願いをしておるわけでありますから、調査期間もすでに一年経過しております。一年を経過せる今日においてもいまだ政府の腹がきまつておらない。委員会の意見、これはひとり私の意見ではなくして、全国業者の意見であると思つていただかなければならない、私はしかく信じております。私は業者ではありませんけれども、業者のその叫びをこの委員会を通じて、もつてよりよい政治を行つていただきたいというのがわれわれの考えておるところでございます。それでは大臣は、大体この価格が幾らぐらいで手に入つておると考えるか。きようは課長が来ているが、しからば現在の輸出をしている人たちの手に入るものは幾らぐらいの価格で買い入れておるか、あなたは御承知であろうから御答弁を願います。
○岡野国務大臣 私は、長谷川さんは国民の代表でいらつしやり、あなたのお声は国民のお声と、こう考えていつも対処しておる次第でございます。 価格といたしましては、先ほどお述べになりました三百円というのは、私はこれは特殊な例だと考えております。大体二百円から二百十五円、その程度が普通じやないかと思つております。しかしそれにいたしましても、相当の調整を要する次第でございますから、それにつきまして善処しつつある次第でございます。
○岡嶋説明員 ただいま長谷川先生からの御質問につきましては、先ほど百六十四円というような特殊な値段がございましたが、これは昨年の朝鮮の特需入札という場合の特殊な例外でございまして、大体輸出ものにつきましては最近では二百二十円、つい先ごろは二百四十円、大体二百二十円から四十円の間を前後してきめております。これに対しまして内需は、先ほど三百円というお話がございましたが、実際の人絹の取引を見ておりますと、メーカーが出し値というものをきめて、それで売り出しておりますが、それが最近では大体二百三十円から五十円であります。それが商社の手を経まして、大体一分か二分のマージンがプラスされて、実際の機業者の方に渡る値段になつているのではないかと思います。一方取引相場というものは現実から非常に遊離いたしまして、特に人絹の供給力の限界がないという点から証券筋の買いが入りまして、最近は、実は三百円を越えたわけでございます。その取引所の相場は実際と完全に遊離いたしておりまして、独歩高の形勢を示しております。ほとんど業者に渡るところの九割近い糸は、大体メーカーの出し値プラス商社マージンのところで買つております。ごく不足分の手当を最近の二百八、九十円の仲間相場のものを使つておる状況でありまして、大部分は二百四、五十円のところで手に入れている、そういう状態であります。
○長谷川(四)委員 課長さんは上の方のいいところだけしか知つておらぬ。大体二百八十円から二百八十五円のものをやつと買い入れて輸出に振り向けているのです。あなた方が二百二十円で原糸を出して、その先で二百八十円で買つたものを精一ぱいで織り上げて、そして出していて、どうして引き合うはずがあるか、どうして日本の輸出が振興するはずがありますか。であるから私が申し上げている。いずれにしても議論をするのじやありません。こういう問題が残されておるのでありまして、本年いよいよ本日をもつて委員会を打切ることになつております。そこで大臣は、私が今申し上げた、要は輸出に対して年間を通じて安定価格制を決定する御意思があるかないかをはつきりとお伺い申し上げます。
○岡野国務大臣 私はいつも輸出というものに対して、非常に重点を置いておるわけであります。品物のいかんにかかわらず、輸出を阻害するようなものについては相当な処置をしなければならぬ、こう考えております。特に物価高の、安くすればし得るようなこの種の貿易につきましては、できるだけ輸出が便利になるようにということで、せつかくただいま事務当局でやつておる次第であります。御承知の通り、自由主義経済のもとにおきましては、十分いろいろな方面のことも勘案してやらなければなりませんので、手間取つておるように見えますけれども、まず先般も勧告をいたしました。しかし勧告はお説の通りに大した効果を上げておらぬようでありますが、第二段の方策といたしまして、適切な強力な措置をいたしたい、こう考えております。
○長谷川(四)委員 自由主義経済のもとだから、一つの計画性を持つた行政をしてはならないということは、実に私は不可解でございます。いずれにいたしましても、現在のままに野放しにしておくということになれば、日本の製品としての輸出は皆無になることは明らかでなければなりません。それと同時に、その業者が倒れて行くということです。それを自由主義経済であるから、そのまま放任しておくというようなことは、血も涙もない政治ではないでしようか。であるから、私の言うのは、その点大臣の腹次第で、年間を通じて輸出業者というものに対してはその処置を講ずるのだという、安定した価格をもつて、そうして安定した上に立つたところの貿易をさせて行きたいという腹構えだけは、大臣は持つているはずだと私は信じます。であるから、そうでございますかというのでありまして、そうならば、そういうふうにはつきりと私に知らせていただけばけつこうなのでありますから、もう一度大臣に御答弁をお願い申し上げます。
○岡野国務大臣 自由主義経済ではございますけれども、ただいまの日本の置かれた状態といたしましては、自由放任にまかしておくわけには参りませんし、ことに貿易というものは、外貨の割当につまましても、すでにある一種の規制をされておるというような時代でございまして、同時にこれはまた当然そうすべきものであると考えますが、私は統制というものはいかに過去において一般の業者並びに国民に迷惑をかけたかということに反省いたしまして、できるだけ政府の統制をなくして、しかもこれがこれらの目的を達するようにと思いまして、一種の計画は頭のうちに置き、同時にこれを規制して参りますが、しかしできるだけ自由に活動をさせながら、しかも輸出貿易を進展させて行くという方向に進んで行きたいと思います。その点におきましては、まつたく野放しの自由主義ではございません。同時に規制をいたしましてやつて行く。勧告なんかでもやはり法に定められたところの処置に従つてやつた次第でございますが、しかしそれでもまだ十分なことはございませんから、今後通商産業行政といたしましては、私どもはある程度の規制をして、一般経済の進展に資したいという腹づもりをもつて十分調査させ、同時に適当な処置を断行して行きたい、こう考えておる次第であります。
○長谷川(四)委員 たとえば化学繊維の五箇年計画というものを樹立いたしまして、一つの計画性を持つて国内のメーカーがその産業形態を拡充して、もつて生産の向上に資せんとしておるはずでございますが、これら数十億というようなものは、すべて国の財政から支出をしてやつております。反面その中に苦しんでおる業者からは血の出るような税金を取立てて、お前たちの方はほつておくということは、私は政治の上では考えられない。日本に六つしかない会社の方だけには一つの計画性を持つて工場の確立をさせて行く。反面二十万台ある織機そのものには何ら計画を持たずにほつておく。ただ考えてはおるぞということだけでは、これは政治ではないのではないだろうか。私は六大会社を大きくすることに何ら異存があるものではありませんが、並行してこれらをいかに結び合せた日本の輸出貿易の振興をはかるかというところに、政治の妙味があり、それがわれわれに課せられた大なる使命でなければならないと私は信じてやみません。こういうような点について、大臣みずからの御計画は——私は五箇年計画にはほんとうに心から賛意を表している一人であります。その大臣の計画をよりよく、最もスムーズに、そうして潤いのある一般業者に仕立てて行きたいというのが私の熱意であります。こういうような点から考えまして、再三申し上げるように、たとえば一つの勧告といいましても、あの勧告で一般業者が救われ得るであろうかいなやというところには大きな疑問があります。 それでは課長に聞くけれども、課長はあの勧告だけで済まして行こうという考え方であるか、さらにもう一段と強化して、何とか生きる道を、日本の織物業者の輸出振興をはかりたいという——たとえば原糸の安定をどうやつて行こうかという、あなたにはあなたとしての考えがあるはずであります。それをお述べください。
○岡嶋説明員 先般リンク制をやりまして、よつてもつて化繊製品の輸出振興を大いにやつて行こうという考えでやつておるわけであります。その結果ED条件という一つの条件が現われておりまして、それが一つの原因であると思いますが、最近の人絹糸価格の高騰を前にして、そのED条件の取引とリンク制とは全然関係がないと言えばそういうものでありまして、リンク制には別にED条件というものは載つていないわけであります。各メーカーが輸出競争の結果そういう一つの情勢が起つた。それに対してリンク制には必ずしもED条件は必要ではないということを十分徹底させるというのが、この前の勧告のねらいであります。同時に価格の安定ということも協定したわけであります。その要領といたしまして、各メーカーが現在の出し値を現在以上に上げたい。もつとも現在の価格をこれで公認しているというわけではございませんで、今後の輸出の見通しということを考えて、さらに低く安定するということが望ましいわけでありますが、とにかくこれ以上上げることはならぬということでもつて価格を押えたわけであります。 それからリンク制の運用につきましても、人絹の場合生産力が限度に来ておるという点が非常に運用の阻害になりますので、この点今後の運用に、よつて十分人絹の特殊事情を織り込みまして、今後価格の高騰のないように措置するということを十分納得させたのであります。それにもかかわらず最近の取引所相場の高騰というものは別の原因があると思いますが、われわれの価格安定の措置に対する了解が、特に大阪あるいは産地の方でなかつたというふうに感じましたので、先般谷地に参りまして十分その趣旨を御説明いたしまして、さらに取引所相場の安定というものにつきましては先般措置を講じて、ここ数日中にぜひこれを引下げる方向に持つて参りたい、そういう考えであります。
○山手委員 関連して。今長谷川委員の質問がありまして大臣から御説明がありました。私は大臣の説明はそれで一応了承をいたします。ただ大臣が自由主義経済の中で相当計画性を持つてやるのだという話があつて、政府もそういうふうに御努力になつていることも私は了承いたします。特に中小企業者なんかは非常にいわば無秩序でありますために、少しでも秩序を得させ、製品の安定、生産業界の安定を来させようということの具体的な現われが先般この国会で成立をいたしました中小企業安定法であります。この中小企業安定法こそはそうした業界を安定させ得る一つの具体的な案として取上げたものであります。しかしあの法律が成立をいたしましてから今日相当な日数がたつたのでありますが、いよいよ安定をしない。調整組合を各業界でつくつてやりましたけれども、いよいよ混乱し、出血生産をしたり、いろいろ製品価格が動揺をいたしておる実情でありまして、何とか最近業界の方から二十九条の調整命令の発動をしてほしいという要望が強力に申し述べられておることは大臣御承知の通りであります。ところが最近の状態は、たとえて言えば、マツチ業界のごとき、タオル業界のごとき、調整命令を出してやれば比較的無難にこの調整ができると思われるものに対しましても、政府は遅疑逡巡をしておられるやに見受けられます。輸出向けの絹、人絹、織物などもいろいろ問題を持つておるし、今長谷川君から御指摘のあつた通りでありますが、要はこの付近から、中小企業安定法のねらつておる問題あたりから安定するように具体的に手をつけて行かなければ、私は安定し得るものではないと思う。そこで大臣は今の長谷川君の質問のように、やはり具体的にやるということになりますと、いろいろ問題があろうと思いますが、この問題についてどう考えておられるか私はまず伺つてみたいと思います。
○岡野国務大臣 安定法の御趣旨は非常によくできておりまして、それで中小企業が救われるだろうということは私も考えております。現に調整組合がたくさんできておるわけであります。ただ今問題になつておりますのは、タオルとかマツチとか、人絹、生糸というようなものが、何か二十九条を発動しなければ非常に困つておられる、こういうことが大分前から非常に強く要望せられており、また皆様方の御説によりましてもそういうふうに考えておるわけであります。ただ問題といたしまして私自分自身の意を決しかねておりますことは、まず戦後において遵法精神が非常に麻痺しておるというようなことが気づかれるのであります。法律がありましてもそれをのがれて——得々としておるわけではないでしようが、しかし法にそむく、もしくは違反する、もしくはこれを隠れておる、脱法行為をやるというようなことで、平気でいられるような常識ができておるようなことは、私はいなまれないだろうと思います。そこで今度強力なるあの安定法に規定されておりますところの法律を発動いたしまして、そして実は十分なる効果を上げることができないで、法は出て罰則もついておるというにかかわらず、これをのがれて恥なしというような人がたくさん出て来るということは、大きな国策から見まして得策ではないと考えるのであります。そこで問題は技術的の方面が今検討されております。これを発動いたしまして、その発動した結果が、法律通りに免れて恥じないような人がやつて行くかという技術的な面を研究しておるのであります。その技術的な面につきましては、先般来寄り寄り事務当局を招きましていろいろな方法を考えておる次第でございますが、まだ私が納得行く程度まで行つておりません。しかし法の精神に従いまして、同時に業界の情勢に善処したいというために、日夜苦心をしつつある次第であります。
○山手委員 遵法精神が非常に憂うべき状態に来ておる。従つて技術的にも考えなければいかぬというお話であります。私は国会議員であるあなたの方からこういうお話が出ることについては非常に残念に思うのでありますが、中小企業安定法が施行されまして、具体的にマツチ業界を一つとつてみますと、あの中小企業安定法が施行された当時、この操業をいたしておりました工場は八工場であります。その後二十四工場が操業をしておる。その当時の組合メンバーが、操業者が調整組合をつくつて比較的業界を安定させつつうまくやつて来た。ところが業界が安定をしたということで、新規に二十四工場もの業者ができておる。これはもうかるからというのでわんさわんさと新規の、いわゆるアウト・サイダーのものが出て来た。そのために業界は今日混乱をいたしております。衆議院が法律をつくつて一つのわくをはめたためにこういう事態が起きておる。そこで大臣は、自分はまだ納得しないから二十九条の発動はできないとおつしやるが、これはよいのでありましようか、どうですか。これは通産省としても国会としても議員立法でやつたのでありますが、大臣はどうお考えになりますか。
○岡野国務大臣 私といたしましては議員立法であるからとか、政府提案の法律であるとかいうことに対しては、何らの差別も区別も考えておりません。いかなる法律でも国会において成立いたしました法律は、われわれ執行機関といたしまして忠実に守つて行かなければならない、こう考えておる次第であります。議員立法であるからおろそかにしておるというお疑いだけは解いていただきたいと思います。 それから先ほど申し上げました中でもう一つ私が踏み切りがたい、非常に困難を感じておりますことは、二十九条に「その関連産業の存立に及ぼす重大なる悪影響を除去することができないと認めるとき」こう書いてございますが、この点を国家の政治といたしまして、この条文に忠実に合つて行けるかどうかということを、むしろこの点を重大視しまして、事務当局に業界の情勢を研究させておる次第でございます。それもいずれほどなく事務当局から適当な報告が来ると思うのでありますが、私の一番心配しておりますところは、この法の精神に合つておるような業界であるかどうかということの断定をつけかねておる次第であります。
○山手委員 今の法の解釈論から行く大臣の説明が少し牽強附会であります。あの法案にはかかる事態を放置しては、当該業種にかかる産業、それから関連産業の存立に及ぼす重大なる影響云々と書いてあるのであつて、当該産業が崩壊をしようというふうな状態にまで追い込まれておる、ことにこの安定法をつくつたために追い込まれておる。これはもう国会も政府もみんなでこれに大いなる責任を持たなければいかぬことです。特にマツチの例をさつきから申し上げておりますから、引続き申し上げますが、あの法をつくつた当時は八工場であつた。それでアウト・サイダーが二十ばかりもできた。そして現在は生産が三倍半から四倍にふえておる、ために買手市場を一方的につくられておつて、ますます業界が混乱をしておる、まじめに調整組合をつくつてこの法の精神に従つて業界を安定しようとするわずか八工場の犠牲において、こういうアウト・サイダーが続出をして、金をもうけている、混乱をさしている、こういう事態が起きている。そこでこれは大臣が今言われるような、関連産業ということになるとどうとかいうふうなお話でありますが、これはもうまじめなあの不況時期においてみんなで調整をして製品を安定させよう、そういう趣旨にのつとつて調整組合をつくつてやつた連中にとつては、危急存亡の事態であります。これを放置しては自分たちが立つて行けないという事態が起きている。それを大臣が関連産業云々というふうな抽象論で、マツチをやつたら、木材から何から全部危機に瀕するという解釈をとろうとするようなお考えであつたならば、大間違いであります。 私はこの問題は、今関連質問をやつているのですから、昼からゆつくり議論をして、われわれは本日のうちに政府をして善処せしめたい、そういう決意をしてもらうように努力をしたいということで、午後も委員会を開いて継続してやることにさつき委員長と相談をいたしておりますから、大臣もぜひ出席をしてもらいたい。大臣が先般大阪へ行つて話されたり何かしていることは、各業界に非常に大きなシヨツクを与えている。これは大臣の責任なのです。ぜひ午後大臣が出席されることをわれわれは要求をして、私は関連質問でありますから、この回はこの程度にして、一応保留をしておきます。
○長谷川(四)委員 人絹の問題でございますが、各国がみな輸出産業に対する二重価格制を完全にとつております。完全にとつておるがゆえに、りつぱに輸出が振興されておる。わが国においてのみこれは行いがたいような考え方はまず改めてもらわなければならない。従いまして私の方は輸入パルプの手持ちがある。つまりこの輸入パルプを、これたけのものをかかえている以上は、政府としてはこれによつての操作ができなければならないはずであります。従いまして人絹会社の生産コスト、こういうものを厳密に御調査なさつているかどうか。おそらく私は調査はしてあると思う。人絹六大会社だから私はこの会社を苦しめようというのではない。企業とは、営利を目的として会社というものが成り立つておる。従つて先ほど申し上げた通り、国としてもこれを保護して行かなければならない、こういうような点等を考慮に置いて、そして基本的な価格を設定して、そしてすみやかにこれを行わしめてもらいたいということを、私は一年間今日に至るまで言い続けて来ておるのでございます。先ほどからの御答弁によりまして、いまだただ考慮はするというようなお話ではありますけれども、確固たる自信を持つてやるというような考え方がないようでございます。もう一つ、そこで伺いたいのは、各国どの国でも二重価格制をとつて、そしてりつぱに輸出の振興をやつているのだから、わが国においてもこれをなさなければならないと私は信じますが、大臣のお考えはいかがでございましようか。
○岡野国務大臣 二重価格制は、実は好ましいことじやないと私は考えております。しかしながら世界の情勢を見ますと、どうも外国あたりでは、その制度によつて非常に貿易を進展さしておるという結果も出ておるのであります。現にただいまいろいろ行われております貿易は、大体実質上は二重価格が行われておるようでございます。今後国内の消費者に悪い影響さえ与えなければ、輸出振興のためには認められてもいたしかたないのじやないか、こう私は考えております。
○長谷川(四)委員 いずれにしても、これは議論を、長く同じことを繰返していてもしかたがありませんが、大臣も、りつぱな大臣だつた、よくやつてくれたというものを残していただきたい。大臣といつても一生大臣しているわけじやないのです。大体岡野大臣は通産大臣で十三人目でございますから、またおかわりになつても、岡野大臣が残してくれた案は非常によかつた、これでわれわれは救われたのだ、二十万業者が救われたのだという——六つの会社も必要でございましようけれども、まずそういうところにあなたの考え方を一応置いていただきたいということを特に私はお願いを申し上げます。 次に醋酸繊維に関して伺います。醋酸繊維の増産計画ということは、私が申上げなくも大臣みずからの発言でございます。この実現のあかつきにはどのように、つまり日本の輸出産業に貢献することができるかということは論をまちません。従いましてこの醋酸繊維に対しまして、本年の十月に三菱レーヨンが十万ポンド、アセテートをアメリカから輸入をしております。どうしてこの輸入を許したかということを次長にお伺いをいたします。
○岡嶋説明員 アセテート人絹の輸入につきましては、むしろ私の方が主としてやつたわけでありますので、私の方から答弁させていただきます。アセテートはただいま長谷川先生がおつしやいましたように、これからの日本の繊維としてぜひこの繊維の使用普及をはかるということが大きな問題でございまして、実は醋酸繊維の工業育成対策というものをつくつて、これが大いに増産をしようというふうに考えております。ところがやはりこれが国内に普及されるためには、相当消費態勢がポピユラーになつていなければならぬという点があるわけでございます。今のところ各アセテート・メーカーの現状を見ますと、せいぜい日産一トンに及ぶ、そういう状況でございまして、これではとうてい消費大衆にアセテートを認識さすという段階に来ていないわけであります。やはり工業の育成対策というものは、同時に消費者に認識させるということが必要でございまして、むしろ需要の開拓ということを先行させながらこの工業の確立をはかつて行く、そういう考えでもつて現在のところ一応臨時的に輸入を見て、そうしてまず需要の開拓をはかつて行く、そういう趣旨から、大体国内生産とほぼ同じ程度の輸入を認めるという状況でございます。
○長谷川(四)委員 合成繊維の普及のためにアメリカからありもしない外貨を十万ポンド、四万ドルも使つて、普及のためにアセテートを輸入したのだ、私はそれに対して意見をさしはさみません。ごもつともだ、それでもけつこうだと私は思う。しかし政府としてはあなたも御承知の通り五箇年計画というものを立てまして、そして日本のアセテートというものがどのくらいに今普及しているか、あえてこの十万ポンドを輸入しなければならない状態では私はなかつたと思う。けれども、その段階にあつたとするならば、まずやむを得ないと思うが、いずれにしても、現在フイルムの原料として買い入れるだけであつても、年間に金額にして五億数千万円というものを輸入をしております。こういう点から考えて、政府が考えたのであろうと思うのですが、不燃性のフイルム五十トンの場合、それを買い入れるのに幾らかかつているか、今のような数字が出ているわけであります。ところがそういうような工場が日本に普及されていないならばともかくも、政府は責任をもつて、必ず五箇年計画をもつて五年目には世界の輸出国として日本もはずかしくないようにやるという、一つの決意をもつて今日出ておるのであります。ただそこで一つ伺わなければならないのはアセテートというものをなぜ普及しなければならないか。何で国産のアセテートを普及しなければならないか、言わずと知れた、国内資源の活用ができ、何もよその国から原資材を持つて来なくても、日本の地下資源においてこれが目的を達成することができるという意思であろうと信じます。ところが半面、そういう一応の計画は立つたものの、その計画とマツチしたところの財政の融資というものがまだ完成をしておらないのではないかと思うのでありまして、今いろいろなデータを見ますると、通産省へこの団体から十億円だけ融資していただきたいという申込みが出ておるようであります。従つて二十八年度内に、大臣としてこれを大蔵大臣と折衝の上、すなわち十億の財政融資が可能であるかいなやをお伺いいたします。
○岡野国務大臣 これはアセテートだけにも限りませんが、来年度予算は実は明日からきめることになつておりまして、きまつておりませんが、しかし来年度は相当財政並びに金融の面は引締めて行かなければならぬ、こう考えておりますので、いろいろな面に財政投資を要望される額は相当の額になつておるわけでございますが、しかしこれを一々取上げてはたして財政が持つて行くかどうかということに私は疑問を持つております。ただいまのところ、来年度十億を確保できるかできぬかということに対しては、まだ私といたしましても、政府といたしましても考慮しなければなりませけれども決定しておりません。未定でございますから今確たる御返事を申し上げる段階にございません。
○長谷川(四)委員 現在の日本の経済を基地経済といい、消費経済といい、かくのごとき経済をやつておつたのでは、日本の将来性に大きな疑いを持たなければならないことはあなたも私も同感でございます。どうしてかくのごとくなつているか。自立経済をしなければならない、自立経済を看板にかけて、しからばどういうふうに自立経済をやつて来たのか。自立経済の看板の裏は、全部消費経済、基地経済にのみとらわれていたというところに大きなギヤツプが現われて来たといわなければなりません。従いまして自立経済の根本をなすものは、これは私の持論でもあるけれども、国内資源を活用しなくてどうして自立経済ができるであらうか。 そこで大臣の五箇年計画、しかも国内の資源を生かして自立経済に持つて行こうという考え方、これがすなわち五箇年計画の一端でございます。私はこれには心から賛意を表します。今御懸念になる日本のインフレというような観点からというようなお言葉もあり、財政支出を切り詰めなければならないという、これは切り詰めなければなりません。しかしながら日本の国内資源というものを活用し、この地下資源を活用し、そうして自立経済に向わんとする一つの目途を財政支出云々、インフレ云々だからといつてこれをとめたとするならば、再び同じものを繰返さなければならないことではないだろうか。他に幾らでも財政支出といい、また貿易の面を切り詰めるべきものがたくさんあるのではないだろうか。過日来この委員会におきましても、消費経済云々の点についてこのようなものは不必要ではないかという議論がたくさん出ております。こういうような点からいつて、国内資源活用に対し第一歩を踏み出すこのまぎわにおいて、私は財政支出を一律一体に切り詰めて行こうというお考えは、その考えを直してもらわなければならないと思うのでございますが、大臣はこの自立経済を樹立するために、国内資源の活用をする、この面まで一律一体に確保しなければならないかという点についてお伺いをいたします。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。先ほど私多分言葉が足りなかつたと思いますが、来年度予算を組みますにつきましては、財政の緊縮もしなければならないし、また財政投資も本年度以上に達するものは、相当の考慮をしなければならない、また金融も引締めて行かなければならない、こういう大まかな考えでやつておりますけれども、しかし私自身の考えといたしましては、まつたく長谷川さんのお説と同感で、しかも長谷川さんの御鞭撻によりましてわれわれも自立経済をますます強固にやつて行きたい、こう考えておる次第でございまして、地下資源の開発によりまして日本の自給度を増す。その意味におきまして消極的でございますが、外貨の節約をするということもありましようし、いろいろな方面で必要でございますが、ただ問題といたしまして効果の上る日本の地下資源を利用しまして、そうしてこれが国内自給度向上のために非常に役立つという意味におきましては、たといこれが新規資金でありましても投じなければならぬと思います。われわれといたしましてこれは内輪話でございますけれども、明年度予算の面におきましては、通産大臣といたしましても経審長官といたしましても、相当強く主張しなければならぬことは、今までの例を見ますと公共事業あたりにつきましても二百年たたなければその計画が実行できないとか、これは極端でございますが、百五十六年とか、少くとも八十六年くらいの後でなければできないというような計画に対して、毎年予算を相当食つておるような点もあるのであります。これがもし社会の福祉公安にそう大して影響がないということになりますれば、そういうような長年かからなければできないようなところにたくさんの国費を投ずるということは、来年度に関する限りはやめていただきまして、そうして今お説のように、自立経済に最も必要である日本の地下資源を開発して自給度を増して行くという方向にはたとい新規であつても資金をその方面にまわして経済の自立をはかりたい、こう考えておる次第であります。
○長谷川(四)委員 たとえば石油の問題の一例をとりましても、フランスは戦前には一滴も出なかつた石油が現在では四十万トンが出ている。ドイツの一例を引けば、戦前三十四万トンのものがすでに来年度は二百万トンが出て来る。こういうような例、さらに醋酸繊維においてはどのくらい世界のテンポを早めているかということ、これらは全部国内に資源があり余つておる、これを私は申し上げるのでありまして、原資材というものを輸入して、もつて生産をさせようというのではありません。国内にあるものを、いかに生かすかということ、これが最も急務でなければならないと思う。こういう点について申し上げた。石油と醋酸繊維、地下資源調査に対するところの一切要求されているこの金額だけは、大臣の死命、命をかけてもというと話が大きいかもしれないけれども、大臣、時の日本の経済大臣として、ぜひとも今年度だけはこれを確保していただきたい。従つてそれによつてわれわれ大いに努力をしなければならないと信じてやみません。ぜひとも来年度の予算につきましては、大臣のでき得る限りの努力をお願い申し上げまして、私の質問を終らせていただきます。
○加藤(清)委員 時間がないようですから、関連して一つだけ簡単に……。年末に際して中小企業がばたばた倒れていますが、そのうちの一番多いのが糸へんであることは大臣さんよく御存じだろうと思います。そこで政府としては、これに対して融資を行つたりいろいろ施策を講じていらつしやるようですが、それがほとんど選別融資、系列融資になつて、なお政府の意図に反してばたばた倒れて行つている。こういう連中に対して、大臣さんに一言だけ、年末のはなむけを贈つてやつていただきたいと思う。一言でいい、一言で済みます。それを聞きますと、商社も必ず息を吹き返します。機場も必ず元気を出して、この正月を越すだろうと思います。その一言だけでいいですが、その一言の答弁いかんによつては追つてもう一回質問を許させていただきます。そこで来年度の予算がすでにきよう相談されるということが拡声機で伝えられておつたようでございますが、来年度の予算の中に、羊毛買付けの外貨は一体どの程度盛り込もうとしていらつしやるのか、詳細は別の機会に譲りますか、それだけでけつこうでございます。
○岡野国務大臣 予算閣議は明日から始まるのでございまして、まだ始まつておりません。それから羊毛を買う買わぬは、これは外貨予算のことでございまして、むろん一般の財政と関係がありますわけで、外貨予算を審議いたしますときに、これはやる次第でございます。しかし御承知の通り、私はいつも申し上げます通りに、国民の、いわゆる一般大衆の衣の生活に最も寄与するところの羊毛とか原綿とかいうものは、これはたとい外貨事情が非常にきゆうくつであろうとも、一般の国民が着るに物なしというような情勢に追い込むことは不賛成でございますから、先般も申し上げました実績で御承知の通り、綿糸が高くなりました八月以後におきまして、昨年は百九十万俵しか入れません綿花を、今年度は二百三十五万俵入れることにしましたし、また羊毛も昨年は五十四万俵しか入れておりませんものを、ことしは七十五万俵入れるように、外貨予算を組んでおる次第でございます。そういう点は未定でございますけれども、一般の情勢に応じまして、もし日本の衣生活に支障を来すというような場合がありますれば、当然外貨予算の割当をすることは原則論として私は考えております。
○加藤(清)委員 数量が言えなければ、今年度よりもふやすか減らすか、ないしは同じようなコースをたどるか、それだけお答え願いたい。それはなぜかというと、ことし年末の店に並んでおる毛糸が、これは千三百円くらいで十分まかない切れておつて、もうかつておるにもかかわらず、二千円の余をしておる。国民がこれだけ出血しておるわけだ。機場がばたばたいかれておる。これは値ぎめの折に、通産省か外貨予算の問題について、もしかすると少くなるかもしれないと言われたことが大いに影響しておる。そのおかげで、少くなるかもしれないと言われたので、紡績は高値々々で値ぎめをやつたのです。ところが値ぎめをやつてしまつたころになつてから、今度はどうかというたら、いや羊毛はよけい入るのだから安くなるなるということになつた。そのおかげで、機場が、今長谷川さんのおつしやつた通り、原料高の製品安で困つておる。商社は製品ができ過ぎたというよりも、この内地高というものを見込んで仕込んだところが、これが思惑はずれでばたばた倒れて行つた、こういうことなんです。そこで先般も私は言うたのですが、通産省がそういう問題について御発表になる時期というものが生殺与奪の権を握つているのです。量と時期が業者の生殺与奪の権を握つておるのです。だからとくとこれを注意してもらいたいということを言うたのですが、なぜ私がきようこれをあえて短い時間に聞かなければならないかというと、今日春の糸の値ぎめで今てんやわんやであるということをあなたは御存じなんでしよう。今あなたのおつしやる一言いかんによつて、この値ぎめがスムーズに行われるのです。しかも紡績ももうかり過ぎておる。それがもうかり過ぎたおかげで増錘した。来年一体どうしてこの機械を運転させようかということを考えておるやさきなんです。これはただ中小企業の問題だけではございしません。去年と今年と比べたら二倍に錘がふえておる。どうやつてこれを稼働させようか、ところで糸を買わなければならぬ連中は、あなたはあしたからのんびりとやつたらそれでけつこうでございましようけれども、すでに業界では春の糸、夏の糸を今仕入れなければならぬときになつておるのです。さればこそ、小売もデパートも機場も一致して、今紡績と値ぎめでてんやわんややつておるということを新聞でもよく御存じなんでしよう。新聞でなくても、あなたは専門家ですからよく御存じのはずです。そこでこれをスムーズに行わせて、去年のように再びその時期を間違えて発表したおかげで、業界が倒れて行くというような轍を踏まないために、時期を考えてもらいたいということは、この前から再三言うておる。ちようど今がいいチヤンスなんです。そこでもう一度言います。来年度の原綿、原毛に対する外貨の割当は、ふやすか減らすか、ないしは数量が言えなければ、去年と同じようなケースで行くか。もし去年と同じようなケースで行くとするならば、増錘されて二倍にふえたこの錘をどうして動かそうとするのか、この点についてお伺いします。
○岡野国務大臣 あなたの御説をそのまま拝借いたしますと、私がただいま申し上げる一言が、業界に非常に影響を及ぼすと思います。(「その通りです」)それならば、未定でございますから、答えを今何も申し上げられません。少くとも原則論といたしましては、先ほど申し上げました国民の衣生活に不自由させない、その衣生活に不自由をさせないという原則に立ちまして、適当な外貨割当をして行きたいと思います。
○加藤(清)委員 それが政治的な影響があつたり、市場相場に影響があるから言えないというならば、最後に希望を申し述べておきますが、来年度においては、再び値ぎめの問題やら、あるいはこの割当数量の発表のおかげで——業界の思惑は別として、通産省の発表される内容いかんのおかげで、業界が苦しまないような時期を選んでもらいたい。数量がどうかわるかは別として、せめて発表の時期を考察して、中小企業や個人、デパートが決して困らないように、紡績だけがもうけて、そのもうけをどんどん増錘したおかげで過剰投資にならないように——もう過剰投資はストツプさせられたようでございますから、これ以上増錘にはならないでしようが、錘がふえたならば、必ずそれに付属する設備がふえるのは、これ当然でありますし、ここに売り競争が始まつて来るのは理の自然でございます。こういう問題をよく勘案なさつて、時期をよく考察していただきたい。それをしもできないというのだつたら、通産大臣の価値はないと断定しなければなりません。
○長谷川(四)委員 せつかく大蔵省主税局からおいで願つていただいていたのに、たいへん失礼いたしました。実は本年の八月七日に租税特別措置法の一部を改正する法律というのができまして、その第八条の二の「貿易業」という中に、ぜひともこれと同じような御処置を願いたいという陳情が、全国の業者から参つて来ております。私もまつたくしかりだと思います。ただ貿易を行う人だけがこの恩典に浴するということは不合理ではないか。要は、自己の製造した物品を、貿易商を通じて輸出する者を含むというようにして、その関連のある、その下で苦労をする人にまで恩典をわかち合うべきではないかということでございます。いずれにしても、こまかいことについては、これをあなたに上げますから、一応よく目を通していたたかなければなりませんが、これに対してあなたのお考えをお述べを願いたいのでございます。
○塩崎説明員 ただいま長谷川委員のおつしやられました通り、輸出振興に資するために、去る八月から租税特別措置法を改正いたしまして、輸出控除制度を設けておることは御存じの通りであります。ただいま申されました中に若干不審があると思うのでございますが、現在の制度は、製造業者、貿易商社の二つにつきまして、おのおの一定割合の控除制度を設けておるわけでございます。先般の国会の修正によりまして若干の範囲は広げられましたが、下請業者の範囲まで及んでいない、そこでその範囲まで及ぼすようにしてくれというのが、御要望の趣旨ではないかと思いますが、その範囲につきましては、輸出控除とは何かという、技術上、ことに税の執行上なかなか困難な問題がございますので、私どもとしては現在検討中であります。しかし輸出振興の重要性にかんがみまして、これらの要望につきましては将来とも十分検討して参りたい、かように存ずる次第であります。
○大西委員長 それでは次に、先ほどに引続きまして、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案を議題といたし、質疑を続行いたします。帆足計君。
○帆足委員 先ほどの質問の継続でございますが、大臣がお見えになる前に大体各省から御答弁がありましたので、重複は避けさせていただきます。結局お見えになるまでの結論は、硫安の中国向け輸出につきましては、一面アメリカまたは台湾政府の圧力があるかのごとく誇大に伝えられておりましたが、政府当局としては、そういう事実はないし、またアメリカ政府との交渉によつて、すでに気持よく西ヨーロツパ並に許可された硫安の輸出については、そういう点を別に危惧する必要はないという明快なる御答弁がありまして、ただいま小瀧外務次官は、この点については外務省当局は完全に協力するから何の心配もないようにと、重ねて言い残されて御退席になつたような次第でございます。それから農林省当局におきましては、輸出振興が国家の第一義であることは十分了承しておるが、ただ国内需給が相当差迫つておるので、その問題の調整に深甚な考慮を払わなければならぬという点だけが難点であるというお話も承りました。そこでこの問題の結論をもうつけなければ、あと一週間足らずでこれがキヤンセルになり、西ヨーロツパのオフアーに振りかえられるわけでございますから、ひとつ責任当局としての通産、農林両省において御措置を願いたいと思うのでありますか、五万四千トン全部できませんでも、せめて三、四万トンなりとも実現し得るようにしていただきたい。時期は年内ではございません、三月末でございますから、かりに二月の末に一万トン、三月に二、三万トン出すといたしましても、四月ですぐ豊水期に入つて穴埋めもできるのでございますから、この大きな市場、そして先ほど申し上げましたように、見返りは開らん炭のほかに、将来は食糧が見返りになる望みがある点において、非常に有利な問題であります。価格においては六十ドル以上になつておりまして、台湾のオフアーよりも決して条件は悪くはないわけでございます。そういう比較的よい条件がそろつておりますから、ぜひともこの際おとりきめ願いたいと思います。 そこでお尋ね申し上げたいことは、まず第一に、外務省関係の問題がすみましたので、農林当局といたしましては、明日この問題につきまして農林委員会の硫安についての小委員会がございますから、当委員会といたしましては、同僚議員の皆様方にもほぼ異存なく御了解願つておりますので、わが党といたしましては、これが促進の決議案のようなものを準備いたしまして、その御善処方は理事会並びに委員長に御一任いたしたいと存じておりますが、農林委員会の皆様に御了解を得ることもあわせてできました節は、各種の農民団体等においても、それはもつともなことであるから何とかひとつ善処せねばなるまいということを私それぞれ了解も得て参りました。そういう雰囲気でございますから、ひとつ農林省当局においてこの問題を最終的に御推進をお願いしたいのでございます。なおそれだけの措置を前提にいたしまして、難点がございますかどうか。特にこれは農林省としてはいくらか控え目の態度になることは当然でございましようが、通産省としては輸出第一義という趣旨から積極的に御推進くださいまして、農林当局と御相談くださつて、農林当局は国内情勢を慎重に勘案されて、農林委員会の方とも御連絡願いまして、全部これをキヤンセルするということでなしに、そのうちの三、四万トンだけでも実行できるように御努力くださいますかどうか。実は通産委員会も今日が最後の機会でございますから、明確な措置をお約束願いませんと、御相談する機会が今後年内にはないのでございますから、ひとつよろしくお願いしたいと存じます。どうか大臣の積極的な御協力についての御答弁を伺いたいと思うのでございます。
○中崎委員 ちよつと関連して。きのうの委員会では、通産省と農林省と外務省とでよく協議をしてもらつて、それから時期的にきわめて切迫した問題でもあり、国としては重大な問題でもあり、しかもこれは政治的な意味も含まれている問題であるから、その協議の結果を報告してもらいたいと思うのでありますが、それは今までどういうようにされて来ておるのか、それをまず一応報告していただきたいと思います。
○大西委員長 きようは農林省の政務次官と外務省の政務次官と、それからこちらの大臣とに来ていただきまして、そうして皆さん方から昨日来の御質問をしていただいて行こうということで、そして帆足さんの方から御質疑になつたのでありますが、それに対ておのおの各省とも御答弁になつて、そうして御了解を得て、今通産大臣が残つておりまして、それで御質疑を願つておる、こういうかつこうであります。
○帆足委員 そこでただいまの御答弁を得たいのですが、まず昨日は外務省の御同意が必要であるということでしたが、外務省当局は今日繰返し繰返し昨日の事務官の言うた通りの御答弁であつて、全面的にこの問題にはもう問題がないからという御答弁がありましたので御異存なかろうと存じます。そこで、もし農林委員並びに農林省において何とかやりくりができるということでありますならば、通産省当局においては積極的に御推進くださるのか、この点をまず御了承を得たいと思いますが、御答弁のほどをお願いいたします。
○小倉説明員 ただいまの中共向け硫安の輸出問題につきまして、農林省の事務当局といたしまして考えているところを申し上げます。 もちろん最近の硫安の生産状況から申しまして、国内の需要に不安があるといつたようなことは、年間として考えておることはございません。ところが、ただいま問題になつておるところの輸出についてお伺いをいたしますと、一月から三月ということでございます。御承知の通りちようどその時期が国内の春肥の最盛期に該当する時期なのであります。その時期に備えるためには、相当量のゆとりを持つてその時期を迎える必要がございます。そういうことでありまして、輸出につきましても、中共に限りませず、朝鮮、台湾等から話がございました節も、一—三の月は避けて船積みを願うということで、通産省ともお話をし合つて今日に至つておるのであります。いろいろ輸出の状況によりまして、私どもも国内の需給に支障のない限り、できるだけ協力はいたして参つておるのでございますが、そういう事情でございまして、また輸出の関係から申しまして、これまですぐに生産計画に上まわるような特別の増産があるということでもございませんし、大体消費の方も生産の方もほぼ計画通りに遂行して参つておる状況でございますので、率直に申し上げて、ただいまのところ一—三でもつて輸出をして参るということはなかなか困難ではないかと感じているのであります。もちろん先ほどお話がございましたように、多少のものを繰上げて後の生産に期待するということも、これは考えられないこともございません。ただ先ほど申しましたように、ちようど春肥の最盛期であるということで、しかも生産事情から言えば、むしろ生産にとつては悪い条件が出て来る。たとえて申しますれば、渇水期といつたようなことの必配もございますので、この点は私どもとしてはできるだけ大事をとつて参りたい、かような考え方でございますので、相当の数量のものを三月までに輸出するということは、私どもの方としてはなかなかむずかしいことではないか、かように存じております。
○帆足委員 ただいまのお説はもうかねて承つて存じておりますが、ただいま日本の国際収支というものがどういうさんたんたる状況であるかはもう繰返し私が述べたところで、世界の貿易の水準は一三六というのに、日本はわずか三〇で、一体これで生きて行けようかというさんたんたる状況であります。国内の需給の調整も必要でございますが、外国為替をこうして節約することなくしてはインフレーシヨンの防止はできない。インフレーシヨンの関門というのは、本来国際収支とそれから財政収支の二つでありますが、海の国、島国日本としては国際収支が一番大きな難関であることは御存じの通りです。それがうまく行きませんと、ひいては食糧の買付または綿花、羊毛の買付などの資金にも将来影響し、ひいては農民の生活にも影響するわけでございます。従いまして、農民団体の諸君ですら、この問題は慎重に考慮して、何とかやりくりして、五万四千トンは行かぬでも、せめて三、四万トンでも輸出せねばなるまいというのが、農民団体の会合に出ましても、みな輿論でございます。従いまして、政府当局が慎重な態度をおとりになることは私了とするところでございますけれども、当委員会におきましても農林委員とも懇談いたさねばならぬと存じますが、しかるがゆえにこそ三月に出しまする——四月分を少し繰上げて二、三万トンくらいの輸出ができないはずはない。もしそれがあえてできないと言われるならば、一体日本がどのくらい貿易に依存しているかということについてはたして十分に認識しているかどうか、同時にまた、衆参両院が中国という人口五億を擁するこの市場に対する貿易促進決議を満場一致通過させました趣旨がどこにあるのかということをはたして了解しておられるかどうか。もちろん国内の需給調整に対して細心の考慮を払うことについてはわれわれ賛成でございます。しかし初めての発注で、しかもキヤンセルされるかどうかというこのせとぎわの発注、そしてそれがだめになれば、中国に対して西ヨーロツパの硫安が殺到するという場合に、せめて三、四万トンだけでもつないでおきたいという貿易業者の要望は当然のことであると思います。従いまして、その困難なところを何とかして切り抜けようという御熱意があるかどうかということをまずお伺いしたいのでございます。この問題はもうキヤンセルせよというお考えでございましようか。それとも通産省と御相談し、そしてまた通産委員会の空気は、与党、野党の論なくお聞き及びの通りでございまして、もう一歩というところでありますから、農林委員長とも相談いたしまして——わずか一月のことです、年内に出せというのでなくて、三月一ばいという条件でございますから、三、四万トンだけでも何とかやりくりして繰上げ輸出をしよう、そして中国の市場に手がかりだけをつけておこうというくらいのことは、御熱意があればできないはずはないと私は思うのですが、農林当局並びに通産大臣の御意見を伺いたいと思います。
○小倉説明員 ただいまのお尋ねでございますが、通産省の方とも中共の輸出問題についていろいろお話をしておりますが、ただこの三月までに輸出するという点につきましては、これは中共に限りませず、これまでほかからもそういう時期にほしいという話がたびたびございますけれども、通産省当局と一致した見解として、その時期に出すことは困難であるということでこれまで参つているのでございまして、春肥の最盛期にちようど相当する時期でございますので、さようなふうに行くのはなかなかむずかしいということを申し上げているわけであります。もちろん中共との貿易あるいは一般の通商の振興のために硫安が役立つということでありますので、私どももできるだけそういうことについての支障がないようにいたしたいと思いますので、そういう観点から、通産省側の御意見を十分尊重して参りたい、かように存じております。
○帆足委員 実は先般硫安の輸出問題につきまして各委員会から多少の苦情が出ましたのは、朝鮮の入札十四万トンについて、農林委員会等に十分連絡なくして輸出の入札に応じたというようなことでは困るということで抗議が出ましたわけでありまして、一般に輸出をできるだけ制約してくれという気分では私は必ずしもないと思うのです。十分なる連絡のもとにやつてくれということは私は当然のことと思います。しかしただいま委員会の大体の空気は五万四千トンでなくても、せめて二、三万トンでも、極端に言えば一万トンでも出せる余地はないか。そしてああいうまだ新しい国柄のことでありますから、相互に理解しがたい点もたくさんあります。ありますが、それによつて開らん炭なり将来食糧の輸入もできるような一つの窓が開いたわけでございますから、こちらも多少熱意のあるところを示して、全面的にこのキヤンセルをするのではなくて、せめて一万トンでも二、三万トンでも三月に出すくらいのことはできないか。二十万トンのストツクのうちに、それは需給調整法が通りますれば確かにきゆうくつでありますが、運用上そのくらいのことは、私は国会の方においては了解を得ることはできるのではないかと思います。従いましてこの問題について断を下すのはやはり通産省がこの国際収支の状況がいかに苦しいかということについて責任を負つているわけでございますから、通産省の方から輸出振興の重要性を十分にお説きくださつて、農林省の方もまた非常に責任を感じておられるわけでございますから、その辺のところで歩み寄れば、私は二、三万トンのものは出されぬはずはないと思う。現に業界でもみなそう言つておるのであります。そして名目上の二十万トンのストツクのほかに、実際上は売りかけとかいろいろの事情で多少の手持ちもあるのであります。極端に申せば三月の十五日にでも送りまして、四月にすぐ穴埋めすることもできるわけであります。実際四月に送つたと同じ結果に、事実上操作は同じ結果にすることもできるわけでございますから、大臣におかれましては十二月末また一月末だつたらそれはむずかしかろうとお考えになつておられることと思いますけれども、三月末にこれが延ばすこともできるようになつたわけでございますから、四月分を繰上げるくらいのことはできそうなものだと私は思うのであります。中共貿易と一口に申しましても、いろいろの困難がございますけれども、決して中共貿易によつてすべての問題が解決するわけではありません。しかし島国、海の国日本として、多少でも北アジアの方にもやはり市場は持つておかなければならぬ。そして硫安のごときは最も平和物資として中国にふさわしきものであつて、将来の粘結炭並びに食糧を入手する道としても非常にふさわしきものである。またそれによつて日本の硫安工業の基礎の多少なりともやはりつつかえ棒にもなることでありますから、格別の御配慮をお願いしたいというのがわれわれの要素でございますから重ねて御考慮くださいまして、通産大臣からひとつもつと積極的な御答弁をいただきたいと思います。
○岡野国務大臣 御高説は通産大臣といたしましてはまことにありがたい話でございまして、輸出貿易振興のためには非常に努力している次第でございます。ただ御承知の通り昨年度すなわち昨肥料年度におきましては、相当できたのでございますが、ことし十二月から来年にかけて、はたしてうまく行くか行かぬかということは非常に危惧の念もありますし、それから法案をこちらに出しております関係上、やはり法律の所定するところのある一部の数量だけは確保しておかなければならないという点もございますし、それから先ほども農林省の御当局からお話がございましたように、一—三月はほかの方面にも今まで切なる御要求があつたにかかわらず全部お断りしなければならないような生産状況でございますので、ただいまのところでは、どうも農林当局の仰せも当然でございますし、われわれが公平に見ましても、一—三月の間には輸出の余力はないのじやないか、こう考えておりますので、まあせつかくの何でございますけれども、ただいまのところではどうもいたし方ない、こういう考えを持つております。むろん貿易を振興するために中共においでを願つて、そしてこれほどの御努力を願つたのに対してそれに報いなければならぬということは当然であり、私どもが輸出貿易を振興しようという意欲に沿う上に非常にありがたい御処置でございますけれども、何さま手持ちがないものでございますからどうにもいたし方ない、こういうのか今日の情勢でございます。
○中崎委員 関連質問でもあるし、さらにきのうから要求しておつた質問の継続でもありますが、通産大臣としましては、この非常事態に処する心構えとしてはちよつと熱意が足りないのではないかというふうな気持がしておるわけであります。ことに私たちが非常に懸念しておるのは、アメリカなどの圧力のほかに、あるいは韓国、台湾などの要請といいますか、牽制といいますか、そういうふうなものがあつたりして、政治的な考え方で遠慮しておつたのだろうと思つたのですが、今日外務省の言によるとそうでもないようにも承れるのであります。そこは依然としてわれわれはわからぬなりに話を進めて行きたいと思いますが、いずれにしましても、この硫安の問題は、まず三月までの期間において予定のものよりも増産ができないというのは、電力事情にかかつているということか一つ言えると思うのであります。そこでこの電力は水など自然に左右されるものもありますが、電力の規正なども相当思い切つてやつて、この非常事態を切り抜けるのだという心構えの上に、ことにあなたは経審長官でもあるのですから、そういうことをまずきめて、それからどうするかという問題が真剣に検討されなければならぬと思うのでありますが、その点について、ことにこの問題と関連してどういう検討をされているかということが一つ。それから一つにはストツクの問題であります。これも硫安を輸出するような場合には、いつでも通産省と農林省との間にいろいろな折衝が行われているということは知つているのでありますが、こうした非常事態に処する、しかも新しい市場を開く、ようやくアメリカとの間の話合いにおいて硫安だけがその解除品物になつた、そういうチヤンスにおいて、市場獲得をする最も絶好な機会である。こういうときには、何らかさらに思い切つてやるのだという心構えが必要ではないか。そこでストツクの問題ですが、きのうの報告によると、何だか十九万何千トンのストツクが大体において持ち越されるというふうに感じられておつたのであります。こういう非常事態において、たとえばそのうちの一万トン、あるいは二、三万トンを減らされて、十五万トンなり十六万トンになつても、四月以降は電力事情が好転するというのが明らかなんだから決してそう国内食糧増産の上に悪影響があるとは思われない。ただ一つの懸念は価格の上において、あるいはストツクが減つて相当肥料価格が高くなりわせぬか、こういう心配があると思うのですが、これには安定帯価格というものが設定されて、これが運用されれば、その運用のいかんによつては、わずか何万トンかのストツクが予定よりも減つたからといつて急激に肥料の価格がつり上げられるとも思われない。それだからまず価格の点について二、三万トンなりあるいは三、四万トンなりが予定されたストツクよりも減つた場合において、それが相当につり上る見通しなのかどうか。もしそういう事情があればこれを押える手があるのかどうか。これは農林省の方から答弁を願いたいと思います。
○小倉説明員 肥料の輸出によります価格の影響につきましては、これは量の問題のほかにそのときの生産の事情、またその需要の変動の増減がございまして、にわかに判断しにくいと思います。計画通りの出荷状況、計画通りの生産の状況で参りますれば、これは数量によりますが、私どもは申し上げるほどの影響はなかろうと思います。だが、先ほど申しましたように肥料の出荷が、たくさんの農家に行くものでございまするので、私どもの一応の予想、一月にどのくらい、二月にどのくらい、三月にどのくらいといつた予想がそのまま一体来るものかどうか。われわれが予想しておつた以上に、たとえば特定の地区に出荷の要請か出て参るといつたようなことが往々にしてあるのであります。従いまして十二月末の繰越量のお話も先ほどございましたが、その数量をどの程度必要とするかといつたようなこともこれは春肥の保有量としての変動に備えるということもございますが、一—三月あるいは四、五月も入れまして、どの地区に行くかということに備えるためでありまして、そこに在庫保留が必要になつて来るのであります。その保留が一体正確に幾らであるか、どのくらいになるか、これはもちろん計算はなかなかできません。大体のところでありますので、多少のことについての議論の余地は大いにあると思いますけれども、ただいまのところはほぼ計画によりまする持越量が持ち越される。多少足りないというおそれもございまするが、ほぼ計画通りに参るのではないかと思いますので、当初の計画通りに、やはり一—三に輸出するということがなかなかむずかしい、こう私どもは考えます。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私に熱意が欠けているのじやないかというお話でございましたが、そうおつしやられれば私も一言それに応じたい。それならば私が熱意を込めて硫安を解除したときの熱意がかえつてあだになつた、こう私は感じます。それで私は中共貿易につきましては、御承知の通りに非常に努力して、また熱意も持つているのです。何といたしましても硫安の状況を見ますと、今農林御当局のお答えがあつたように、日本の農民に対する感じとか、また農業政策の上からどうも出せないのだ、こういうお話がございました。むろん私も輸出に対しては、通産省だけのお考えで行きますれば、できるだけ輸出したいと考えておる。けれども硫安に関する限りは、私は通産大臣でございますけれども、まず日本の内需が第一義であつて、その余つたものを外国へ輸出するという以外に私は考えておりません。そういたしますると、やはり農林御当局で観測なすつたことは十分尊重しまして、農林御当局がそれなら出したらいいじやないかというようなお話になれば喜んで私は出したいと思います。しかし熱意のあるなしは、私は何百種というほどの禁輸品目を解除して来たということで、ひとつ熱意だけはあるということを御了承願いたいと思います。
○中崎委員 それが熱意が足りないというわけです。言いますと、農林当局がこういうならば自分は喜んでする、そうでなしに、おれの方は責任を持つて農林当局にそこまで話をするのだ、その心構えを要求しておる。言いかえますと、われわれもやはり国民を代表した一つの政治家なのですから、日本の食糧がどうなつてもかまわず輸出せいと一つも言わぬ。十九万トン、二十万トンのストツクを毎月々々持つておらなくても、このうちの一万トン、二万トン、三万トン程度は減つたところが何らさしつかえないじやないか。もしもその肥料が三月も四月も次の生産がされないでも、国内の需要がこれだけ足りないというなら何をか言わんやだが、そうじやない。月々生産は順調に行つておる、消費も順調に行つておると経済局長も言つておる。ピークがどうであるかということは、長年の間農林行政をやつて、そうしてしかもその全国的な計算の上に立つた一つの数字が出ておるわけです。それにもかかわらず、しかも一万トン、二万トンのストツクじやない、十万トン、二十万トンというストツクがあるわけです。そのうちのわずか一〇%か五%か三%を出すのにできないことはないと思う。そこを言うておる。だから通産大臣は熱意を込めてなぜこれをやらないのか、そういう熱意を持つて話をしてもらいたいということを言つておる。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。輸出だけを考えますれば、そこまで行かなければならぬと思いますけれども、しかし私も国務大臣でございますから、やはり全般の政治に対して考慮をめぐらさなければならない。そういたしますと、農民が非常にストツクが少くなつたとか、もしくはこの春肥にほしいと言うときに、出してなくなつてしまつて困つたというような感じを与えることは、これは農業政策上どうしても許すべからざることである。そういう大きな見地から見まして、これを主管しておるところの農林省におきまして、十分検討の結果出て来た意見というものに合致させなければなりません。そういたしますと、私は農民に肥料の心配をかけてはいかぬということがまず根底だと思います。そこで農林省が直接農民のことを考えておられるところで、どうもむずかしく言われればこれは尊重せざるを得ない。熱意の問題ではなくて、国政全般から判断して私はただいまのところ一—三月は出し得ないのじやないか、こう考えております。
○中崎委員 国務大臣であるということはよくわかつておる。けれどもあなたは通産行政の主管大臣である。しかもこれは通産省と農林省との間の問題を一体どうするかという問題なんです。通産大臣のあなたが農林大臣みたいなことをやつていたら、通産大臣は必要ないじやありませんか。そこで最近一、二年間において、硫安のストツクの一番低いときは一体どれだけであつたかということをお知らせ願いたい。
○小倉説明員 御承知の通り硫安の生産が国内需要量を相当上まわるような時期になりましたのは、比較的最近のことであります。従いまして、この統制時代、あるいは統制解除の直後の時代におきましては、国内の需要に足りない、あるいはすれすれである、こういう多分に無理をしておつた。しかも春肥におきましての需要の最盛期がある、こういつた場合には非常に少くなつておるようなときがございます。一番少いときは月産の半分ないし三分の一といつたような程度になつて来るときがあるのであります。御承知の通りそういう一応の数量をデツド・ストツクと申しておりまして、これは国内操作用としても、また輸出用にもあてにできないものである。それはむしろ差引いて考えて行かなければならないものだといつた意味において、最小限度三分の一ないしは半分近くのものをそういうようなものに考えておるのであります。
○中崎委員 そのデツド・ストツクであつた場合には、たとえば五万トンとか、七万トンとかいう時代もあつたわけですね。
○小倉説明員 統制時代にはさようなことかしばしばあつたのであります。
○中崎委員 そこなんです。あまりに行き詰まつた日本の経済の今日において、ぜいたくは考えてもらいたくない。たとえば十九万トンのストツクの中で、二万トンや三万トン減つたからといつて、価格の上に大きな変動はないということを言つておる。それじや農民は何を心配する、そこなんです。農民は値段をつり上げられては困る。ところが値段の上に大きな影響はないと言つておる。しかも数量が一箇月間十分にあるというようなことになりますれば、何も二万トン、三万トン心配することはないじやないか、通産大臣、そこを言う。そういう点についてもう少しあなたは情熱を込めて、この非常事態を乗り切るところの通産行政をあづかつておるのだという心構えの上でやつてもらいたいということなんです。だからもう少し農林大臣ともお話し願つて、そしておれたちは電力については積極的にこういう点に協力する。たとえば三月、四月も渇水によつて影響があつた場合は、多少ほかの電力を制約しても、とにかく食糧、肥料については全力をあげて出すから、これでひとつ出してくれぬかというだけの交渉をしていられたかどうか、またそれだけのことをする考えがあるかどうか。
○小倉説明員 私の方へのお尋ねでございませんでしたが、先ほど私がお答えしましたことに関連して数量の問題がございましたので、ちよつとつけ加えて申し上げておきたいと思います。先ほどの在庫の数量の問題でございますが、一番低いときと申しますのは、実は一番危険なときでございます。たとえば春肥の最盛期が三月であるといたしますれば、三月の在庫量ということでございます。従いまして、現在では十二月末の数量が問題であるということでないと、比較することはできませんが、十二月末になりますと、これは例年を見ましても相当量の在庫があるのが通例でございます。
○中崎委員 そうしますと、計画に基く三月末のストツクは、現在幾らと見ておりますか。
○小倉説明員 月別の問題でございまするが、月別の的確な判断材料はございません。ただ私でも一応過去の平均的なものでやる以外にはないのでありまするが、百七十万トン程度の内需というものを前提として考えてみまする場合には、二、三月の最盛期のころには在庫が十五、六万トンになるのではないか、さように考えます。従いまして五、六万トンのものはデツド・ストツクとして見なければならないのですが、ゆとりとして考えられるのは十万トン程度でございます。その十万トン程度が春肥の季節的な変動、また春肥の需要量の絶対額の変動に備えるためのものであります。
○中崎委員 今小倉局長が、自分の立場からきわめて内輪に考えておられる数字が、いわゆるデツド・ストツクといいますか何といいますか、絶対必要な最低限を五、六万トンと見、なおかつ十万トン程度の余力があると言われる。私たちの言うのは、十万トン余力があると見込まれるその中から、一割でも二割でもこの際思い切つて出すだけの心構えを持つて、通産大臣が農林省方面にも当られてもらいたいのだが、それだけの用意があるかどうかということを聞きたいのであります。
○加藤(清)委員 関連して……。農民に、輸出ができないということを転嫁されては困る。それはどういうことかというと、数量は年々増産されているはずなんです。ところが農民の方の肥料の使用高というものが、そんなにふえておりますか。硫安を使うと土壌が酸性になるというわけで、だんだん少くなる傾向にありますよ。しからば何がゆえにこの十二月末の在庫が例年より少いかといえば、これは農民のおかげではない。肥料会社の言うことには、農民は肥料がほしいときになつてからどつと買付に来るから困る。それで月々早くから買つておいてもらいたいということです。そこでことしあたりは、供米代金を自分の手にもらわずに、肥料会社に払つているのですよ。それだから、今まで販購連にストツクされたものがどんどん出て行つて、お百姓さんの納屋に今積まれているという状況ですよ。そういうことを御存じですか。私は水飲み百姓の小せがれだからよく知つている。そこで今ストツクがないからというて、必ずしも二万トンや三万トンのことで値段がつり上つたり、百姓が困つたり、そんなばかなことがありますか。じようだんも休み休み言つてもらわないと、知つた人が聞くと笑いますよ。ストツクがないと言うても、それは将来どれだけお百姓さんが買うかということまで計算に入れてありますか、すでに春肥をどれだけ買いつけてあるかということが計算に入れてありますか。ただ現在ストツクがないから、だから百姓が困るだろう。なるほど百姓のことを思つていただくことはたいへんありがたいことでございますけれども、百姓はお上の命令や、肥料会社の命令や、販購連の命令通り、自分のもらう供出米の代金までもらわずに、すでに肥料を買いつけている。だけからそれ以上の春肥がどうやつてふえますか。また肥料がどんどん増産されている。それと並行して硫安の使用量がふえて行くというデータを出してもらいたい。そういうデータは出て来ないはずです。今ないからと言うても、二万トンや三万トンは出せぬはずはない。大体五十万トン余の輸出余力があるはずです。台湾に対しては、出血輸出だと称して、一かます七百五十五円で出しておきながら、中共へはそれ以上の、国内の値段で買うというところへ出せぬはずはないわけです。つい最近また八万トン何がし買いつけると言うて来たら、それには手を伸ばして行きながら、おかしいですよ。台湾へは出血輸出だというてバナナに犠牲負わして、折れて折れてしようがないような、元値は六円か七円のものを、国会議事堂の中でさえも三十五円で売らせておきながら、片一方で国内価格で買いつけるという中共に対しては、一万トンや二万トンが出ないというのは、これは何かほかに理由がありますよ。そんなことで農民に転嫁させられるから、私は黙つておれぬので一口言つたわけです。これに対してはつきりした答弁をしてもらいたい。硫安のことだつたらもつともつと材料を持つておりますから……。
○小倉説明員 春肥は、現在買われておるもの、あるいはこれまで買われたものの相当部分につきまして、農家の納屋に積まれていることはもちろんであります。また今までばかりでなく、例年一—三月におもに春肥の手当をして行くのであります。従つて春肥の手当としては一—三月だけの数量でなく、これまでのものも当然入つているのであります。そういうことを前提にして、またそういうことを当然含めて、先ほどからお話をいたしているのであります。数量の見方についてのいろいろな御見解もございましようし、あるいはまた拝聴しなければならぬ点もありますけれども、通産省、農林省でもつて、生産と内需との関係を話合つたただいまの計画から申し上げまして、一—三で輸出することは困難だ、こういうことなのです。もちろん在庫の数量の見方もついての見解もいろいろおありかと思いますけれども、何しろ完全な統制をやつているわけでもありませんので、出荷についての特段の準備をいたしておかなければ、不測の生産の減退、あるいは不測の需要の増大に備えることがむずかしゆうございますので、先ほど申し上げたような事態になつているのであります。
○中崎委員 通産大臣、答弁してください。
○岡野国務大臣 先ほど申し上げましたように、肥料というものは農民に対して非常に大事なものでございまして、この肥料行政というものは、まず内需というものを主に置き、そして余つたものがあれば輸出をするということ、それで余つたものを熱意を持つて通産大臣が輸出することには、非常に努力しますけれども、しかし今春肥の最中でございまして、どうしても内需以外には外へ出せないという情勢にある場合には、どうもこれはいたし方がない、こういう御答弁を申し上げるよりほかにございません。
○中崎委員 これは肥料の問題ではありませんが、ほかの輸入に関する問題で私ちよつと関知したことがありますが、農林省では厖大な輸入数字を出されまして、そして実際においては、その四分の一くらいでもよかつたというふうな例もあるのです。そこで輸出入に関することは通産省が関係しているのですから、言いかえれば通産省で盲判を押してやつて来たというようなこともあるのですし、肥料の場合についても、農林省が言つて来たからそれをうのみにしなければならぬということは一つもない。事通産行政に関する限りは、独自の立場において検討して行く、それだけのことは当然通産大臣の責任である。農林省がどう言うからその通りやるというなら、通産大臣はいらない。そこをよく考えてもらつて、この場合においてもう少し検討して、実際において十五、六万トンのその見込みのストツクというものは、絶対になくちやならぬのかどうか、そのうち一万トン、二万トン、三万トンは少くても、何とかこの際やりくりできるのかどうか、その点を検討してもらいたい。しかも十五、六万トンという数字は、農林省の方のいわゆる春肥に見込まれておる数字というものは見込みでもありますから絶対とは言えぬかもしれぬが、もう少しく圧縮して見られぬものであるかどうか。そういう点をあなたの方で独自の見解で検討されなければ、通産大臣としての役割は果されぬと思う。そういうふうなことも他にいろいろ手もあるのだから、十分検討してもらつて、この重大な問題ととつ組んでもらいたい。そこが私の要望するところであります。
○帆足委員 ただいま各委員からもこもごも申し上げましたし、あとで中小企業に対する決議案も出ておることでございますから、一言だけ申し上げまして、慎重な御審議を願いたいと思います。通産大臣が中共向けの貿易の解除のために非常にお骨折りくださいました経過はわれわれもよく存じておりますし、また輸出振興について特別御理解がある金融専門の方であることもわれわれよく存じております。そこで先ほど来の各委員の御論議をお耳になさいまして、ぜひお願いしたいことは、実は中国に参りまして硫安五万四千トンがこの三月までに出るのだということを、——実は私は一経済専門家としてそれは困難であろうと思つております。今度の経済使節団は専門家が少なかつたから、何だか抽象的なとりきめをしたのではないかというような新聞記事も拝見しましたけれども、私自身経団連で二十年も鍛えられた人間でございますから、多少業界の実情は存じておるのでございます。従いましてまず私は三月末までに二、三万トン程度でないと困難であろうということを中国公司当局にはるる説明してございます。しかし五、六万トンの余裕があるというふうな情報が新聞雑誌等を通じて流れておりましたので、中国貿易当局はそれくらいのものをこの際輸入しなければ、日本が満足するほどのいろいろの原料も差上げることができぬのではないかというようなことで、ああいう仮協定になつたのでございますが、そういうこともありますので、ただいま中崎委員からもるる申し上げましたように、せめて二、三万トン程度のものが捻出できないであろうか。私は国際収支の前途と中国貿易の相対的重要性ということに思いをいたされましたならば、全面的にこれをキヤンセルしてしまうのでなくして、四月分を多少なりとも繰上げて、せめて二、三万トン、最悪のときには一万トンでもしぼり出して、輸出してもらつて、公用旅券までいただいて多くの国会議員が向うまで参りましたのですから、せめてそれだけの努力をしたという、努力のほども見せたいという——これは貿易振興のために重要なことであると思います。全面的に打切りまして、西ヨーロツパの発注に乗りかえられてしまつたのでは、あとの継続の立つ瀬がないということを心配しておるのでございます。従いまして政府当局の御苦心のほどはよくわかりましたから、ただいまの事情の許す範囲で、国際収支がいかに困難であるか、たびたび申しますが、世界貿易の水準が一三六というのに、日本貿易はやつと三〇前後であるというこの破産的状況に思いをいたされまして、ひとつせめて一、二万トンか二、三万トン捻出し得るように、最悪の場合は一万トンでもけつこうでございます。四月分は三月の中旬にでも送つたら、四月に送つたと同じで、船はわずか三日にしてかの地につくのでありますから、私は不可能ではあるまいと思います。通産大臣の御苦心のほどはよく了承いたしましたが、通産大臣にさらに一段の御熱意を加えていただきますならば、これは不可能なことであるまい。従いましてこの委員会におきましては、社会党からも決議案を出そうと存じておりまして、委員長に相談しておりまするが、出しますればおそらく全員の方が御賛成くださると思います。しかしそこまで至らずとも、その趣旨のほどをおくみとりくださいまして、これが全面的なキヤンセルにならないように、いま一段の御協力をお願いいたしまして、同僚各位のいろいろのご意見もございまするけれども打切りたいと思います。 —————————————
○大西委員長 中小企業に関して発言の申出がありまするから、この際これを許します。山手滿男君。
○山手委員 先般大臣がお見えになりまして、私は関連質問の形で中小企業の問題を発言をいたしましたが、私は年内委員会ももうこのあたりでそう開くこともできませんし、この際動議を提出いたし、中小企業の安定のために本委員会が一段の努力をし、政府においても善処されるようにいたしたいと考えるのであります。ただいまお手元に配付をいたしました決議案を提出したいと思うのでありますが、まず決議案文を朗読をいたします。 決議 政府は中小企業安定法制定の精神に鑑み、必要ある業界に対しては、速かに法第二九条による調整命令を発動すべきである。 右決議する。 以上でありますが、一年前に全会一致で中小企業安定法を制定いたしまして、本委員会は中小企業の安定のために非常な熱意を持つてこれに臨んだことも御承知の通りであります。業界におきましては、この間全国一円にわたる中小企業のために、この業界のために調整組合を設立され、いろいろ非常な努力をされて参つたのでありますが、昨今の実情はようやく安定の緒に向いつつあるその業界に対して、新しい業者、アウト・サイダーが順次独占をいたし、かえつてこのために業界が混乱するような事態が起きておることは御承知の通りでありまして、今朗読をいたしました決議にもありまするように、必要があると認められる業界に対しましては、私は政府がすみやかに法二十九条を発動いたしまして、不必要な生産競争をすることのないように善処していただきたいと思うのであります。特にマツチ、タオル等の業界に対しましては、発動をいたしましても技術的にそう困難ではあるまいというのが一致した意見でございまするので、これに対しては特にすみやかに発動をしていただき、その他の業界に対しましても、順次政府がいろいろ検討をして善処をしていただくことを要望をしたいのでございます。大臣が中小企業の安定のために非常な御苦心をしておられることについてもわれわれはよくわかるのでありまするが、さらに一段とこの問題については踏み切つて御善処をしていただき、この決議を採択をされしましたあとから大臣の決意がどうであるかの御答弁も伺つておきたいと思います。
○大西委員長 ただいまの山手委員の動議に対し御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければさよう決定いたします。 政府より発言を求められておりまするからこの際これを許します。岡野通商産業大臣。
○岡野国務大臣 ただいま全会一致で御決議になりましたこの決議につきましては、十分業界の実情を検討いたしまして、必要がある場合には善処いたしたいと存じます。
○大西委員長 大分時間も経過いたしましたので、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十分散会