通商産業委員会 第1号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/12/14
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 本日はまず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。衆議院規則第九十四条によりまして、先国会同様、国政調査事件といたしまして、一、雨気事業及びガス事業に関する事項、二、貿易に関する事項、三、中小企業に関する事項、四、鉱業、採石業、鉄鋼業、繊維工業、化学工業、機械工業、その他一般工業及び特許に関する事項について調査いたしたい旨、議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。 —————————————
○大西委員長 地下資源開発に開し発言の通告がありまするから、これを許します。齋藤憲三君。
○齋藤委員 通産委員会におきましては、長谷川委員から、地下資源開発及びその他の生産事業の進展に対しまして、いろいろ質疑応答がかわされていることを承つておりまするので、本日私の御質問申し上げることが、重複していないかしているかということを懸念いたしておるのでありますが、きわめて簡単に私の質問を申し上げたいと思うのであります。 本日の朝日新聞に「国際収支の前途危し」という社説が載つておるのであります。これを見ますと、日本の財政経済の前途というものは、非常に危局にさらされておるということを強調いたしておつて、これを国民に知らしめなければならない、知らしめる方がいいのだという論説であります。またその同じ朝日新聞の一面に、「だれが生産原爆第一号を持つか」という大きな見出しで、第三産業革命の記事が載つておるのであります。この内容を読んでみますと、問題は地下資源の開発、利用ということに大きなウエートがかけられておるように思うのであります。こういう点から、私はなるべく簡潔に御質問申し上げたいと思うのでありますが、鉱業法を見ますと、この第三条の適用鉱物というところに、重要な金属鉱種が大分欠けておるように考えられるのであります。たとえて申しますれば、チタンとか、ゲルマニウ ムとか、リチユウムとか、ウラニウムとか、いわゆる第三産業革命の基本となすべき金属の鉱種が、この鉱業法の第三条に欠けておるように思うのでありますが、これは当局としてはどういうふうに取扱つておられるのでありますか、これを伺いたいと思うのであります。
○古池政府委員 本日は事務当局たる鉱山局からも担当者が来ておりますから、詳細なる点はまた担当官の方から御説明申し上げるといたしまして、私から大要について申し上げたいと存じます。 ただいま御質問になりました鉱物の種類につきましては、仰せの通り今後産業界の進展に伴いまして、また鉱物資源の使用方法、使用目的等に即応いたしまして、必要のある鉱物はこれにどしどし追加すべきものと考えております。そこで、たとえばチタンであるとか、ゲルマニウムであるとか、かようなものを今ただちにこの法律の中に追加すべきかどうかということは目下検討中でございますが、専門的な検討の結果、必要ということがはつきりいたしますれば、ぜひ追加をして国会の御審議もお願いしたい、かように考えております。
○齋藤委員 たとえばチタン鉱として出願をした場合に、当局としてはこれをどうお取扱いになりますか。
○村田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。 御質問の趣旨にもございましたように、鉱業法にはチタンというものはございません。従いまして、出願をして受付ける場合におきまして、実はそのチタン分は、わが国の鉱産資源の中に賦存しておるということは先刻承知いたしておつたのでございますが、ただ鉱業法制定当時におきましては、チタン鉱業というようなものは全然問題になつていなかつたということが一つと、賦存いたしておりましても、鉱物といたしましては、金鉱と申しましても、金鉱の中には銅分もあるし銀の部分もあり、経済的な利用価値が金の場合に金鉱として扱い、銅分が非常に多い場合に銅鉱石として扱うというような考え方であの鉱物が列挙せられているのであります。その限りにおきまして、砂鉄の中にはある程度チタン分があるというような観点から、そういうチタン分な含んた鉱物は、従来実は砂鉄という観点で代表されております。従いまして、特にチタンというものがあの制定当時考えられなくて、こういうことになつて今日まで来たわけでございます。ところが最近、御承知のように金属チタン鉱業の重要性が認識され、また技術的にもこれが非常に軌道に乗つて参りまして、いろいろな機会に通産省からも御説明申し上げておると思いますが、最近試験の段階を経まして、来年度本格的に鉱業生産の段階に入る、こういうような形になつて参りまして、チタンというものも非常に大きく鉱産資源としてクローズ・アツプされて来たのであります。こういつたことから、今後特にチタン分を主成分とした鉱物が出来て来る可能性ということが考えられますので、当然これはチタン鉱ということで、鉱業法に新たに追加することを考えなければならないことになるのでございますが、今までのところでは、砂鉄の中に一部含んでおる、こういうような形になつておるのでございますから、その両者の扱いの過程の行政指導におきまして、チタン鉱石として出て参りましたものが、先ほど申し上げましたように砂鉄が主成分の場合には砂鉄というふうに書きかえまして出していただくというふうに指導いたして行きたいと思つております。
○齋藤委員 私の考えから申しますれば、鉱業法の改正に対して当局は後手をふんでいる、もつと言葉をかえて言えば、少しく怠慢のきらいがあるのじやないか、さように思うのであります。砂鉄としてチタン鉱を出願しろといつても、イルメナイトの形において、砂鉄はほとんど入つていないチタン鉱だけのところが、今北海道においてはたくさん発見されている。それでありますから、見て砂鉄でないものを砂鉄として出願しろ、砂鉄として出願した者だけがそのチタン鉱の権利を握るというようなことは、これは本質的にいつて当てはまらないことだと思う。とにかく金属チタンとして今世界の金属鉱業の王座を占めておるものが鉱種の中に入つてないなんという、そんな鉱業法はそれ一つだけでも価値がないということであります。私はそう思う。しかもこれを見ますと、リチユウムもウラニウムもゲルマニウムもない。こんな鉱種を並べて鉱業法を適用しろといつて、根本がだめなものによつて一切を律しろというようなことで、当局ははたして地下資源の開発に対して責任が持てるか。こんな体たらくから考えまして、日本の地下資源の開発は、すでに世界のレベルから置き去られてしまつている。大体地下資源によつて日本の輸入を防遇し、あるいは輸出に転換しようとする原動力をつかまんとしているのに、こういう根本の法に対する検討が厳密に加えられていないということは、当局がずさんな頭をもつてすべてを律しているということの証左ではないかと思う。文句を言つてもしようがありませんが、現代の産業の基調をなすべき資源開発にふさわしい鉱業法にただちにおかえになる御意思があるかどうか、これを承つておきたい。
○村田説明員 ただいまお話のような鉱物があるという前提において、速急に善処いたしたいと思います。
○齋藤委員 鉱政課長にもう一点伺つておきたいのでありますが、この鉱業法の二十八条の解釈であります。鉱業法の第二十八条は、「試掘権の設定の出願をした者がその試掘出願地と重複してその目的となつている鉱物と同種の鉱床中に存する鉱物を目的として採掘権の設定の出願をしたときは、その重複する部分については、試掘権の設定の出願をしなかつたものとみなし、試掘権の設定の願書の発送の日時に採掘権の設定の出願をしたものとみなす。」こういう条文がございますが、これを具体的に申しますと、まずある一つの鉱種に対して出願をする。たとえば硫黄について出願をする。その出願をいたしまして、まだ試掘権の設定せざる前にこれを採掘権に転願する、そういう場合に、硫黄と同じ鉱種の鉱物を書き加えて採掘権を出願した場合に、その採掘出願の転願権というものは、同種鉱物全部に及ぶか、あるいは最初に試掘権をやる場合に記入したところの硫黄なら硫黄に限定さるべきものかどうか。
○村田説明員 ただいまの御質問でございますが、実は鉱業法で同種と異種という言葉がございます。同種の間においては同一地区内では重複して設定されない。異種の場合は重複して設定される、こういう扱いになつていることはお話の通りであります。その同種、異種というものの区別については、鉱業法には何ら規定をされておりません。これはもつぱら出願の処理をやる通産局長が認定する、こういう建前になつておるような次第でございます。ただ今お話の硫黄と鉄鉱石がその場合の同種か異種か、こういうことにつきましては、これはちようどただいま地質調査所の方がおられますので、その方から専門的にお答えいたすとかえつて好都合かと思いますが、私たち承知しております限りにおきましては、必ずしも常に異種扱いである、常に同種扱いである、こういうことが一律に言えない。非常に日本の地質は複雑な状況にある、こういうふうにわれわれ承知いたしておるのでありまして、われわれ通産省の者といたしまして、通産局長が認定するにあたりまして、できる限り公平に扱つていただきたいというような意味から、一応の基準として、こういうものが同種、こういうものが異種扱いにすべきであるということは、地方に示してあるのでございますが、個々の場合にその基準通り行くかどうかということは、通産局が関係方面の意見も十分聞いた上で認定していただく、こういうことになつておるのでありまして、設例の場合の硫黄と鉄鉱石というものにつきましては、実は所によりましては同種の扱い、所によつては異種の扱い、こういうことになつております。そこで試掘を硫黄として出した。それを採掘転願いたしました場合に、鉄鉱石も同種の扱いのものである場合には問題ない。また硫黄だけで出した場合、これまた問題ないわけであります。ところが硫黄で出されたものを採掘の場合に硫黄と鉄鉱石ということにされた場合に、それと同じものがただ採掘転願になつたかどうかということにつきましては、非常に法理的に疑義がございまして、設例の場合には、それは同じものを試掘から採掘転願したものだというふうな扱いにするという認定は下せなかつた、こういうことが今の問題の焦に点なつているかと、こういうように考えております。
○齋藤委員 どうも事すこぶる重大なのでありますが、異種鉱物であるか同種鉱物であるかということは、場合によつて認定が違う。私の聞いておりますところによりますれば、すでにいわゆる地下資源関係の鉱山局における担当課長、ないしは各地方の鉱山局における担当課長会議を開いて、同種鉱物、異種鉱物の決定はできておるはずであります。ことにただいまのお話の中で、硫黄と鉄等が同種鉱物こあるか同種鉱物でないかというような場合におきましても、これは赤鉄鉱とかあるいは磁鉄鉱とかいうようなものと硫黄というものの関連性は、あるいはその地区内においてはない場合もあるかもしれません。しかし少くとも褐鉄鉱というものは硫黄と兄弟分なのでありますから、鉄鉱という場合においても、もし褐鉄鉱であつたとしたならば、これは同種鉱物どころではない、兄弟分だということになるのじやないかと思うのであります。これは異種鉱物であるか同種鉱物であるかということは、その場合々々において局長の認定によつて決定するのであつて、法文上になくても、いわゆる省令的なもので同種鉱物、異種鉱物がきまつておらないというような御説明のようでありましたが、私はそういうことはないと思うのでありますが、地質調査所長でもだれでもけつこうでございますから、ひとつもう一ぺん御説明願いたいと思います。
○村田説明員 ただいまの課長会議についての御質問でございますが、われわれといたしましては先ほども申し上げましたように、お話の通り一応の基準は打合せ会議をやりまして徹底させるよういたしております。ただこれはあくまでも基準でございまして、その基準に沿つてできるだけやるようにということを言つておりますので、その土地々々の地質の構造その他の関係で、別の扱いをするということは、通産局長の認定ということになつております。なおどうしてそういうことが起るかについては地質調査所の方からお答え願いたいと思います。
○兼子説明員 日本の鉱床と申しますのは、ことに鉄と硫黄との関係がなかなか複雑でございまして、いわゆる鉄と硫黄との。パーセンテージも各所によつて違うのでありまして、事実齋藤委員が言われた通りであります。この取扱いにつきましては私の方ではやつておりません。取扱いについては別であります。その点をひとつお含みを願いたいと思います。
○齋藤委員 この点はわかつているようなことでありますからあまり追究いたしませんが、私が今現実にここに書類として陳情を受けております問題は、北海道において、今御質問申し上げたものに該当をする問題があります。そのために先願をしたものが許可を受けないで、あとから出願したものが許可を受けて、現に鉄を掘つている。その鉄が褐鉄鉱なのです。硫黄と兄弟分なのです。硫黄として最初に出願したものが、今度は採掘転願をしておるのに、あとから鉄を出願したものが許可を受けて掘つておる。この一つの実質が妥当であるかないかということは、私は日本の鉱業の全部の登録権というものに対して、疑義をさしはさむところの問題になつて来るので、これは非常に大きな問題だと思うのでありますが、今ここでこの問題を追究してもこれはなかなか結論は得られないと思いますから、ひとつ後刻当局と実際問題において検討したいと思うのでありますが、ただいま申し上げました点から考えますと、どうも同種鉱物、異種鉱物というものが全国的に統一せられたるところの観念のもとに置かれてないのじやないか、そういう点が考えられますので、ひとつこの点は十分今後も御検討くださいまして、今後こういう疑義の生れないように、鉱業法を根本的に改正をしていただきたい、さように思うのであります。 その次にお伺いいたしたいのは、きようは電工業局の方がお見えになつておられると思うのでありますが、現在における日本の鉄鋼界を見ますると、従来と同じく外国から鉱石を輸入し、相当の粘結炭を輸入して、いわゆる高炉銑というものに重点が置かれておる。高炉銑に重点が置かれておることに、私は何も異存をさしはさむものではないのであります。これは大体私の推測からいたしますれば、今日四百万トン内外の高炉銑が出ておるのじやないかと思いますが、しかし私は日本の現実から見まして、高炉銑というものを中心としてすべての鉄鋼業をやつて行くところに、日本の機械工業その他の脆弱性があるのではないか。ということは、日本の高炉銑、いわゆる高炉の銑を中心とした製鉄界というものだけでは、ほんとうのいい特殊鋼はできて行かないのではないか。たとえて申しますれば、スエーデンのチエアーコール・アイアン、あるいは将来電気銑をもつてこれにかわつて行くというところに、非常にいい特殊鋼ができて来て、その特殊鋼を中心として日本の機械工業が転換して行くところに、日本のほんとうの近代産業が勃興して来るだろうというふうに考えておるのですが、御当局といたしまして、単に高炉銑にたよるという以外に、何らか木炭銑とかあるいは電気銑とかいうものでもつて、将来の日本の鉄鋼界を近代産業の水準まで引上げるというような御計画があるかどうか、これをひとつ承りたいと思います。
○三井説明員 齋藤先生のお話まことに、ごもつともと存じます。現在高炉銑は約四百万トンちよつと越えて生産されておりますが、このほか現在銑鉄の生産メーカーといたしまして、電気銑と申しますか、電気炉によつて、主として国内の砂鉄を原料として銑鉄をつくつておる業者がございますが、これが現在約十六万トン程度年産でやつております。そのほか木炭によつて小さな溶鉱炉を稼働してやつております木炭銑、これが年間二万トンくらいの生産をあげております。そのほか再生銑と申しまして、市中にある非常に悪質のくず銑を、キューポラーのようなもので溶かしまして銑鉄をつくつております。これだけの業者が現在日本で銑鉄をつくつております。私どもの考えといたしましては、鋼材として五百万トンを越える現在の生産を維持するためには、どうしても高炉銑が鉄源の主体をなすことはやむを得ないことであり、またなさねばならぬことだと思つておりますが、われわれとしましては、電気銑の生産、木炭銑の生産についても、十分の関心をもつて奨励する策をとつております。御指摘のごとく電気銑及び木炭銑は、質におきましては高炉銑にまさるものでございまして、現在特殊鋼を生産しておるメーカーにおきましても、くず鉄にまぜて高品位な特殊鋼には電気銑、ことに燐の低い電気銑、及び高級の鋳物には木炭銑を使用しております。ただ電気銑について最も進歩をははんでおる事態は、電力の欠乏でございまして、現在設備能力としましては十分あるのでありますが、電力の欠乏、特に冬季における電力の欠乏のために、われわれの思い通りに生産が伸びておりません。ただ御承知のごとくに逐次電源開発が進展しておりますので、少くとも日本の中部以北におきましては、数年後においては、相当電力の豊富な状況が来るかと思います。ことに、この電気銑の場合におきましては、質はようございますが、やはり原価を切り下げるという努力はどうしても必要になりまして、現在業界は懸命にやつておりますが、業界及びわれわれの見解の一致した点におきましては、従来は非常に小さい電気炉を用いております。これをさらに大きな形のスエーデン、ドイツでも用いているところの、少くとも一万キロ・ボルト・アンペア程度の大きな電気炉を用い、しかも現在は炉の上のふたをあけつぱなしでやつておりますので、まだ燃えて使い得るガスを流しておるのでありますが、これを密閉して、使えるガスを回収して、これは研究の結果では燃料としてよりも、化学工場に送りまして、硫酸その他の原料にする方が適当ということになつております。この方面で一社名古屋にございます会社が、近くにあります東亜合成と申します肥料会社と提携しまして、密閉式の電気炉をつくりまして、このガスを売つて非常に好結果を得ております。この電気銑業界は、このよき先例に従おうと、技術提携その他の話を同社と進めているような状況であります。ちなみに、この名古屋にあります会社におきましては、開発銀行よりの融資がございます。そういう状況でございまして、電力の開発と見合いまして、また一方砂鉄の開発とも見合いまして、電気銑の企業合理化及び増産という点については、われわれは十分努力をいたす所存でございます。 木炭銑につきましては、これは業界は大体おもだつた会社は二社でございまして、おもに現在鉄をつくりますロールの材料としての木炭銑をつくつております、これも現在原価が非常に高いという点で難点がございますが、最近砂鉄を用いるような転換策を講じまして、われわれの方もこの点におきましては力を入れまして、現在大きな合理化をすべく投資計画を立て、開発銀行に融資の申請をしております。そういう状況でございますので、この電気銑、木炭銑の高扱銑鉄、特に高級鉄鋼の原料としての銑鉄という問題につきましては、われわれは十分な努力をいたすつもりでございます。
○齋藤委員 技術的に高炉に砂鉄を使うということは、千七百度、千八百度程度の高熱のために、チタンが溶融して、そして通風を妨げるとかその他のために、現在まで、チタン一〇%含有の砂鉄というものは、全鉱石の一〇%程度にとどめたいというのが従来の製鉄法であつたと私は思うのであります。この間北海道の室蘭製鋼所、今富士製鉄になつているが、あすこへ行つて聞いてみますと、大体今は褐鉄鉱と砂鉄を焼結して三〇%まで使つているという話を聞いたのでありますが、この高炉には、そういうふうにして少くとも国内産の鉄鉱石を五〇%くらいまで持つて行く。しかしもちろん製鉄というものは、私は将来高炉だけにたよつて行くものじやない。今お話のように、木炭銑あるいは電気銑ないしはウイベルグあるいはスミス式の低温還元の、いわゆるスポンジ・アイアン式に、あの製鉄の方向を切り開いて行かなければならぬものだと思います。そうしますと、当然ここに浮び上つて来ますものは、日本の鉄資源として最も世界に誇るべきところの埋蔵量を持つている砂鉄というものが浮び上つてくるので、あります。この砂鉄の平均チタン含有量は、私は日本では十二、三パーセントあるのじやないか、さように思つております。これを電気銑ないしは木炭銑あるいは低温還元のスポンジ・アイアンをつくつて電気炉に持つて行つて、ただちに鋼をつくつて行くということになりますと、そこに多くのチタンがスラツグの中に入つて来る。そのスラツグの中に入つて来ろところのチタンをもつて、製鉄のいわゆるコストをカバーして参りますならば、日本の鉄というものは世界で最も優秀にして、最も低廉な鉄ができ上らなければならぬと私は理論的に考えておるのでありますが、そういう点から考えますと、むしろ今後の鉄鋼生産再編成というものは、高炉というものに重点を置かないで、木炭鈍ないしは電気銑あるいはスポンジ・アイアンを砂鉄をもつてつくつて行くという方向に、重点性が加えられてしかるべきものだと、私にさように考えておりますが、その点に対しまして、通産省の製鉄課ではどういうお考えにおいてやつておられるか、これを承りたいと思います。
○三井説明員 砂鉄のチタン分、それから溶鉱炉に対する砂鉄の利用ということについては、先生のお話の通りだと思います。ただ溶鉱炉につきまして、チタンがあつてぐあいが悪いのは、先ほどの通風を妨げるという問題もございますが、おもにこれは溶鉱炉炉底にたまつて参りまして、出銃口が上つて非常に湯がはじくようなかつこうになつております。これを切つてやつておるのでありますが、逆に炉底が破損したときに、チタンを若干入れまして、炉底を修理することもあります。そういう点で、一〇%という限度も一般に定評としていわれておるのでありますが、もちろんこれは低チタンの砂鉄を使いますれば、これ以上に用いられますが、高チタンの砂鉄を用いますれば、これ以下になります。統計で見ますと、現在、全国平均の溶鉱炉は大体投入鉱石の五・五%を砂鉄でやつております。それから焼結原料の中には、これも全国平均で約一五%が砂鉄を用いております。室蘭の製鉄所は噴火湾のような砂鉄資源に近いところにあるわけであります。次に電気炉でやります場合には、逆にチタンの高い砂鉄がよろしいのでございます。そのスラツグがチタン源として利用できます。ただ少し技術的になるのでございますが、満文炉におきまして、砂鉄からチタンを回収いたします場合には、回収率を高くするために、炉の雰囲気を非常に酸性に持つて行かなければならない。酸性に持つて参りますと、硫黄のようなものが銑鉄から非常にとりにくくなります。しかし高チタンのスラツグを使いますと、逆に出て参ります銑鉄が質が低下して参る。従つてこれを救うためには、できた銑鉄をもう一度電気炉に入れまして、石灰石を投入しまして硫黄を抜いて良質の銑鉄をつくる、こういうややこしい段階を現在は踏んでおります。最もこの点で成功しておりますのは、越後の長岡にございます北越電化、それからもう一つ富山の新報国製鉄、この二つがこの方面ではパイオニアとしてやつております。ただ今のようなややこしい生産形態をとらなければならぬために、なかなか経済的にむずかしくなつて来る。つまり別言いたしますと、銑鉄の方は一般の市価で押えられますから、チタン含有の高いチタン鋼材のコストが上つて来る、こういう現象になつております。ただこれも適した砂鉄というものを開発して、順調な電力供給を受けますれば、十分チタン原料となるチタン鋼材の生産が大量にできることになります。現在もやつておりますが、まだ量としてはあまり大きなものではありません。従つて高チタン材をつくります砂鉄といたしますと、資源としてはやはり限定されて参るようでございます。従つて私どもとしましては、こういつた地下姿源の利用及び副産物の回収という点で、できる限り努力をいたすつもりでおります。また民間とわれわれの方でいつも懇談会のようなものを持ちまして研究しておりますが、そういつた方法で全面的に日本の鉄鋼業の姿をかえるというまでには自信が持てないのでございます。ただ御承知のごとく、だんだんチタン金属鉱業界も生産を増加する形勢でございまして、また一方チタンにつきましては、メタル・チタン以外にチタン・ホワイトと申しまして、顔料としてのチタンの利用もあるのでありますが、この方面もすでに石原産業の会社が大きな計画を立てておりまして、軌道に乗つて参ることと思います。鉱山局の方とも打合せいたしまして、来年は約一万トン近いチタン・スラツグの生産が必要だという結論になつておりまして、この限度ならば電力の優先配給その他の処置によりまして、可能であると考えております。
○齋藤委員 この高炉銑というものは、今日本では非常に大きな重点的な存在でありますから、これをただちに廃止して云々という意味ではないのであります。日本はあくまでも高炉銑をつくるためには外国から鉱石も輸入しなければならないし、それから粘結炭も輸入しなければならない。われわれとしては、先ほど冒頭に申しました通りに、日本の経済危機を切り抜けるには、一面においてはどうしても輸入の防遇をしなければならない、そういう建前から申しますと、高炉銑に重点を置くところの、いわゆる鉄鋼再編成というものが考えられるならば、そういうことは、時代的に砂鉄とかあるいはそういう日本内地の鉱石を用いた優秀な鉄をつくるというところに重点を将来置いて行つて、それが成功すれば、勢い日本の輸出転換ができる、かようなことを私は御質問申し上げておるのであります。これは将来のことでございますが、私の今までの体験から申しますと、製鉄法に対しては日本はイージーゴーイングオンリーで、とにかく外国から鉱石を持つて来、粘結炭を持つて来て、高炉でやればいいという今までの建前であつた。しかし大東亜戦争のときに日本では、日本独自の立場において、戦争の中心をなすところの特殊鋼ができないということで、あわ食つて、いろいろなことを計画し、いろいろな研究を急速度に推進したという歴史がなまなましくあるのであります。こういう点から考えると、日本がほんとうに将来の生産業というものを求めようとするならば、日本の力において優秀な特殊鋼をつくらなければならぬという観点から見ますと、日本には砂鉄というものがある、いわゆる燐もサルフアーも、そういうものがまことに少く含有されておるところの優秀な磁鉄鉱がある。この砂鉄を用いて参りまして、いわゆる新しい製鉄法といいますか、適当な製鉄法でやれば、私は世界に冠絶するところの特殊鋼が期せずしてできると考えておるのであります。日本刀の優秀性、これは偶然にできたものではないと思う。バナジウムを含有しておるところの砂鉄を、木炭銑によつてかもし出されたところの、いわゆる特殊鋼の形が、日本刀の優秀性を世界に誇つたところの原因であると私は思つておるのであります。今日いろいろな木炭銑をつくつておるところに行つてみますと、何の理由かわからぬけれども、砂鉄を原料としてつくるところの木炭銑が一番いい特殊鋼ができるということは、既定の事実であります。この事実を根底として、これに重点的な政策をとつて行くことが、日本の鉄鋼界の将来を明るくするのです。いたずらに外国のまねをして行くところには、決して日本の優秀性を発揮し得る生産業というものは展開して行かない。あくまでもオリジナリテイーで、日本独特の境地を切り開いて行かなければならぬと思つておるのであります。この点に対しましてはまた時をあらためて質疑応答を重ねたいと思いますが、何とぞそういう観点から、今お話のごとくいろいろな御計画もあるようでございますから、通産省といたしましても確たる案をお立て願いたいと思うのであります。それにつきましても問題となりますのは、日本におけるところの砂鉄の埋蔵量でございます。これは地質調査所にお伺いいたしたいのでございますが、私の知つておりますところによりますと、砂鉄というものは今日は単に表面だけの調べです。二メートルないし三メートルの深度しか砂鉄の調査はやつておられないように聞いておるのであります。しかし最近青森縣における砂鉄の調査を伺いますと、すでに第三紀層の何十メートルという深さをもつて砂鉄が入つておる。そういうことはボーリングをやつてみなければわからぬ。しかし今日の地質調査所の調査というものは、紙の上を手でなでたようなもので、そうして一体日本の砂鉄というものは幾らあるかというと、数千万トンだと言う。ところが青森縣で調査した人は、青森縣の一部には四億万トンあると主張している。その差があまりにはなはだしいのにわれわれは驚かざるを得ない。しかし日本という国は実におかしな国で、自分のふところに幾ら金が入つているのかわからない国である。そして頭から日本は貧乏だということをきめてかかつている国だ。かくのごとく変調なるところの国家というものは、おそらく私は世の中にないと思う。おそらくこれから地質調査所長が答弁されるでありましようが、この砂鉄の埋蔵量に関しましては、支離滅裂なる御答弁をされるであろうと思うが、これは何も地質調査所長の責任ではない。今日までの政治のあり方の責任だ。国力の原動力となるべきところの国内の資源というものに対して、いまだかつて徹底的な調査をした、歴史はない。石油にしてしかり、天然ガスにしてしかり、天然ガスは一立米で二キロワツトの発電ができる。電力が足りない、電力が足りないといつて、ねこもしやくしも水力電気の建設に夢中になつて、そうしてガス・タービンでもつて簡単に発電されるところの天然ガスの開発というものが等閑に付されている。まことに変調、ヒステリツクそのものの日本だと考えざるを得ないのでありますが、そういうおしやべりは抜きにして、地質調査所長が責任をもつてお答えのできる砂鉄の埋蔵量をお尋ねいたしたいと思います。
○兼子説明員 まだ国内全部にわたりましての砂鉄の調査は遺憾ながらできておりません。といいますのは、要するに先ほど齋藤先生がおつしやいましたように、われわれは技術を十分に駆使して、そして日本のあらゆる地下資源というものを明確にしておきたいのでありますが、残念ながら、予算その他で縛られまして、なかなかできないのであります。私ども地質あるいは地下資源探究者といたしましては、できるだけ日本の地下資源というものを明らかにして、そうして国民生活に寄与せしめたいという念願に燃えておるのでありますが、はなはだ残念ながら十分なるお答えができません。ただいま天然ガスの話も出ましたが、まことにその通りであります。私どもとしては、エネルギー資源としては、地熱、天然ガスその他いろいろ考えてはおるのでありますが、具体的にこれを調査するところの費用がありませんので、できないのであります。たとえて申しますと、北海道の石炭を採掘するにあたりまして、やはり同じように天然ガスが一日に数十万立方メーター放出されております。一立方メーター五円といたしましても、数百万円のものがむだに放出されております。日本の現状は悲しいかなこういつたものでありまして、私どもひとえに何とかしてこれらのむだな資源というものを生かすような御配慮を願いたいと存ずるのみでございます。
○大西委員長 齋藤君に申し上げますが、他に質疑者がまだ三人ばかりありますので、その点お含みの上お願いいたしたします。
○齋藤委員 ただいまの問題は、長谷川委員からも、この前の委員会でいろいろ天然資源のことに対しまして質疑があつて、これに対して大蔵当局からも、相当の金額を地質調査のために予算に組むというような御回答があつたということを承つて、私も非常に喜んでおるのであります。 地質調査所長にお伺いしたいのでありますが、この間新聞で、アメリカはウラニウム爆弾、水素爆弾を持つている。これに対抗するのに、ソビエトはリチウム爆弾を大量に持つているというのですが、私の伺つておるところによりますれば、このリチウムは相当数量埋蔵されている。しかも地質調査所長はかつてこのリウチムの研究をやられたことがあるということをちよつと承つたのですが、こういう研究をされたか、どれだけ一体日本にはリチウムができるかということを、おわかりの程度でよろしゆうございますから、御発表願いたいと思います。
○兼子説明員 リチウムにつきましては、実は戦時中、石油とともに出ます鹹水——塩水でありますが、この中に何かないかと思いまして、探してみたのであります。これをある程度サンプルにしまして、そして分析をいたしてみました。当時リチウムは朝鮮が大部分でありまして、これは酸化リチウムとして鉱石からとつていたのですが、油田の鹹水の中にありますのは、塩化リチウムとして非常に精錬もしやすいのであります。これの分析をしてみましたところ、油田の水を蒸発した残滓中に、油田によりましては大体〇・一から〇・二%含んでおるのであります。御存じの通り、油の出ます量は水の十分の一以下であります。すなわち非常に大量の水が地下から出ております。この水中のリチウムの含有量は、大体当時概算いたしまして一日約十トンぐらいでありますが、リチウムートンの値段を調べてみますと、一トン大体七百五十万円であります。この分析は私その当時どんどんやろうと思つたのでありますが、帝大の南教授のところへ持つて参つたのであります。なおその後のものにつきましては、空襲も激しくなつたので、やれなかつたのであります。それからこのリチウムばかりでなく、実は初めヨードを目的としてやつたのでありまして、ヨードからリチウムに入つて行つたのでありますが、ヨードの多いのにリチウムがあるのであります。ヨードの方はその後千葉県で、どんどんやられております。しかしヨードの方は、油田の方を多少やりましたが、油田の方には案外ない。千葉県のガス田の方にはヨードがあるという現象になつておりまして、ただいまヨードの方をやつておりまして、リチウムの方は今ちよつと休んでおります。さつそくやりたいと思つております。
○齋藤委員 ただいまのリチウムの問題でありますが、一日七千五百万円製造可能であるというお話は、私らにとつて非常に重大だろうと思うのであります。しかもそれが現代の水爆ないしはウラニウム爆弾に匹敵すべき大きな力を持つておるということは、私は別段爆弾を中心として考えるのではありませんが、先ほど私も新聞で読みました通りに、第三の産業革命というようなものに対してこれかどう影響を及ぼすかという、いわゆる核エネルギーの問題に思いをいたしますと、これは重大な問題たと思う。また通産省の鉱山局から私の手元へちようだいいたしましたゲルマニウム鉱業の成育というものについて見ますと、これまたすこぶる大きな問題です。どういうことかというと、一ミリグラムを用いたトランジスターが五千円と書いてある。一ミリグラムを用いたトランジスターが五千円するということで、一トンのゲルマニウムがどれくらいの価値を有するトランジスターにかわるかというと、五千億円であります。しかもこれを読むと、ゲルマニウムというもなは日本に非常にたくさんあると書いてある。私たちがこういうことを読みますと、日本というのは非常に金持なんだ、しかるにその政治よろしきを得ないがために常に貧乏に甘んじていなければならないという結論になる。こういうふうに、リチウムは一日に七千五百万円も製造ができるし、それからもしも一生懸命になつてゲルマニウム一トンとれば、それが今日において五千億円の価格にかえるべきところのトランジスターができる、しかもこれは家庭工業でいいというような問題、それから砂鉄、いわゆるチタン鉱業でありますが、チタンいわゆる今のスポンジ・チタンを調べてみますと、FOB一ポンド三ドル八十セントです。ですから、それをもし日本で五十万トンつくるというのだつたらどうですか。スポンジ・チタンで五十万トン年間できますと、それが今日の時価においては、一兆五千億円であります。砂鉄がもし十億トンあるとして、その一〇%がチタンであるとしたならば一億トンであります。しかもこれはクロール法によつて酸化チタンは結局純粋度まで行ける、あとはこの酸化チタンをテルミット法によつて金属チタンにかえる、そのために電力が非常にいるということであつたならば、それは天然ガスでもなんでも急速に開発していわゆるガス・タービンによるところの電力を供給してもらえばいい。私たちは政府の心構えいかんによつてこういうことがいくらでも実行されるのではないか、そう思うのでありますが、きようは政務次官もおいでになつておりますが、いずれ私も機会を得ましたならば、そういうことについていろいろ御質疑を申し上げたいと思うのであります、私はきようは臨時雇いでありまして、私の意図する質問はこれで大体大綱は尽きたのでございますが、要するに、通産行政というものに非常に質点を置かなければならないと私が考えますることは、一切の問題をあげて巨細に調べて、これを近代工業の技術的水準に照して見ますると、日本というものは決して行けないのじやない、やらないでおるからこういうふうな状態になつておるのだと思う。でありますから、いたずらにビルディングを建てたり、あるいは何万円にも及ぶところの料亭を建てて、そうして夜な夜なその料亭の前には輸入高級の自動車がわだちをとめておるというがごとき本末転倒の政治はやめて、本質的に日本の持てるところのものを基調として、いわゆる日本人の持てる能力によつてこれを近代工業化する、そういうような確たる態勢が整いますならば五年の歳月を経ずして日本はほんとうの独立国家になれると私は考えておる。そういう意味から、私は通産省のすべての面に対して非常に多くの期待を持つと同時に、ぜひともそういうことをひとつやつていただきたいと思います。 私は委員長からもう時間がないからという警告を受けましたので、きようはやめようと思います。ここに特許庁の方にもおいでを願つたのでありますが、私は特許庁に対する質問は保留いたしますけれども、政務次官、一ぺん特許庁に行つてごらんなさい。明治時代の特許庁である。しかも特許庁の予算を見ますと、昨年度において二憾八千万円の特許料をかせいでいる。そのかせいだ分は特別会計へ入つているでしよう。予算面は二億八千万円、プラス、マイナス一銭も金を使つておりません。しかもあの特許庁に参りますと、特許審査官は何百という書類をかかえて青息吐息している。ですから、特許を出願してこらんなさい。少し込み入つたむずかしい特許を出しますと、こういう手を用いる。実験証明書をよこせ。しかもその実験証明書は官庁ないしはこれと同等の権威あるところの証明書をよこせ。市井の発明者にこれをやる。市井の発明者がこれを持つて方々へ頼みに行きますと、官庁並びにこれと同等の権威あるところは予算がないからというので、その実験を拒否します。その結果、一体日本はどれだけの特許料を外国に払つているかというと、三箇年に六十億円の特許料を払つている。しかもその特許を真剣に審査するところの特許片というものは依然として明治時代の特許庁に置かれているのであります。かくのごときことは、通産省としてはまことに本末転倒の態勢でないかと私は考えるのであります。私は電通委員をやつているので、ここに重工業局の方の御出席を願つたのでありますが、これに対しての質問はやめます。ただ私がどうしてきよう御出席を要求したかと申しますと、この間の新聞に月に二千五百円、二十回払い、十インチの普及型テレビ百万台を来年からつくるということが出ているが、一体こういうことができるかできないか。こういう記事を通産省として発表されて、もしこれができなかつた場合に、たれが一体責任を持つのかという問題になる。月に二千五百円の二十回払い、十インチの普及型テレビを来年から百万台つくつてやるということで、テレビを買う人が一人もいなくなつたら、どうなりますか。来年まで待てば二十回の月賦払いで安いやつが買えるということになると、産業を勃興しようと思つて、逆に今日台頭しつつあるテレビ工業の芽をつむ記事だと私は思つている。しかしこれはほんとうにできればいいですよ。けれども、今日の実態において、いずれにか損失のしわ寄せなくしてはこれはできないことであると私は思う。こういうことを掲げて、通産省が今日の最も発達せるテレビに対していかにも大きな計画を持ち、大きな実現性を持つているがごとき記事を出すということは、私は慎まなければならぬことであると思う。しかもそのテレビというものは生産に何ら関係がないものである。テレビそのものはわれわれから言うと、これはぜいたく品か娯楽品か何かである。五万円のやつを百万台というと五百億円の工業であります。この簡単にできもしないような態勢にあるものを、新聞にできると発表し、生産に何ら関係のないようなものを助長して、そうして日本の今日の危局にあるところの貿易のバランスを黒字にかえるというような通商産業の行政というものはないじやないかと私は思う。それでありますから、幾多申し上げたいことはございまするが、私の最も信頼する先輩長谷川委員もおられますから、一切は長谷川委員にゆだねて、私の質問をやめますが、どうか通産省におかれましては、一切の日本の態勢をお考えくださいまして——日本は私の観点から言えば持てる国である、持たざる国じやない、でありますから、根本的な通産行政をひとつ御確立を願いたい、さように存じておるものであります。 委員長、ちようど一時間、まことに御寛大なおとりはからいをいただきましてありがとうございました。
○大西委員長 長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 齋藤さんから真に日本の国をどう興さなければならないかという話があつたが、それに対しては、日本はこれだけある省のうちで大蔵省ではない、通産行政に一にかかつて日本の運命はゆだねられておるということを痛切に感じたわけでございます。従いまして私もときどきお話を申し上げておる通り、どうやつたならば日本という国は完全に生きて行くことができるかといえば、すなわち地下資源を完全に生かすことではないかということでございまして、こういう点についてただいま齋藤さんがいろいろ御質問なさいましたから、もう私の申し上げるところはございませんし、あとまだ抱えておりますから何ですが、ただいま製鉄課長の答弁中に、電力の開発と相まつて、日本の銑鉄がずつと向上して行くたろうということであります。それは、あなたのお考えは日本国内の資源がそれまでに活用され得る考えか、それとも輸入というものを考えてのお考えか、その二つのうちのどつちをあなたは選んでのお言葉であつたか、はつきり承つておきます。
○三井説明員 電力によつて銑鉄をつくる産業におきましては、われわれは国内の砂鉄を使うことを趣旨として考えております。
○長谷川(四)委員 地質調査所長に伺います。地熱利用という点もそれに伴つて非常に大きな役割をなすものだと思います。現にイタリアにおいての数字等は私が申し上げるまでもございません。従いまして日本もイタリアに負けずに地熱を利用することが私はでき得ると思う。こういう点について、たとえばイタリアが現在やつておる地熱の利用というものと、日本がこれを行わんとする場合の地熱の利用というものにはどのくらいな相違があるか。従つて日本でこれを行うことができ得るかいなか、この点について御調査した程度でよろしゆうございますから、御発表をお願い申し上げます。
○兼子説明員 イタリアという国は今まで私どもの国と同じように貧乏であると思つておりましたところが、最近地熱の調査、それから天然ガスの調査、開発をいたしまして、非常に能率を上げております。天然ガスのごときはきわめて莫大な量を出しておりまして、私たち羨望の的であります。天然ガスにつきましては別といたしまして、ただいま御質問のありました地熱につきまして、日本と比較いたしまして私ども調べましたところをお答え申し上げます。イタリアの地熱につきましては、すでにもう数十年前から調査をされておりまして、現状はただいま三十万キロワットの発電をいたしております。そうしてその箇所は一箇所であります。最近、ことに先年より私どもでも工業技術院でこの地熱の問題を取上げてやつておりまするが、その調査費もわずかでありますが、一応わかりましたところをイタリアと比較いたしますと、イタリアは一箇所、日本は北は北海道より南は鹿児島に至る約十五箇所あります。御存じの通りイタリアも火山国であり、日本も非常なる火山国でありますので、その火山の影響、火山のエネルギーというものを、イタリアが先鞭をつけて開発しておるのであります。それから蒸気、圧力、温度、量、もちろんイタリアはわかつておりまするが、日本はまだわかつておりません。そうして地熱に対する実地調査もイタリアはできておりますが、日本はできておりません。イタリアにおきましては、井戸も地熱のために深度千メートル以上のものを二千本以上掘つております。わが国におきましては、わずか五百メートルというものが四本きりまだ掘つてありません。それでわが国の事業価値でありまするが、私どもは今後の調査によることもちろんでありまするが、これは十分将来の大事な地下資源であるという確信を持つております。以上お答えいたします。
○長谷川(四)委員 もう一つ伺います。齋藤さんの御質問の中にちよつとありましたが、モリブデンでございますが、日本にあなたの見た目、調査した範囲内で、どのくらいという数字は出ないかしれないけれども、これには見込みがございますか。
○兼子説明員 モリブデンは奥地にありまして、ただいま調査中であります。調査は今後もしなければならぬと思つておりますが、大分奥地にありますので調査の手があまり届きませんので今後の調査にまちたいと思つております。
○長谷川(四)委員 私の聞いた範囲内では、これはほんとかうそか知りませんけれども、おそらく七六%の山があるのだということで、現物をこちらの方へ持つて来まして、それを販売しておる。やみでというか、ないしよで掘つて来てそれを利用させておるということを聞いております。ですから奥地には相当あるのではないかと私も考えるわけでございます。いずれにしてもたくさんある鉱種のうちでございますので、日本という国をどういうふうに持つて行くかという点について考慮いたさなければならないと思うのでございます。たとえばアメリカにおきまして、一つの自動車会社では一分間に自動車が一台できるという話を聞いております。飛行機は三十分たつと一台ずつできて来る。その会社へ一つの鉄塊を入れさえすればそういうようになつて来るのだということは、単によその国の技術がしたのではなくて、日本という国も考えてみなければならないことは、すなわちその国の技術をそこまで持つて行つたのは、その国の政治がしたんだということだけは、はつきりと次官も知つておいてもらわなければなりません。われわれも皆さんとともに進まなければならないのでありますが、そのリーダーとなるのは次官であり大臣である。従つて本日お集まりのお役人の各位であろうと思うのであります。本日お集まりの皆さんはただうまいことを言つて、その日限り、その場限りで委員会を済ませれば、それがりつぱな答弁者だというようにお考えになつてもらうことは、この委員会のわれわれの気持とは相違しておると考えるので申し上げるのです。努めてこういうふうに委員会へ持つて行きさえすれば、大蔵省も動かすことができるのではないか、そういう気持でこの委員会が総合して大蔵省に当つたならば、われわれの目的が達せられるということがあるならば、遠慮なく御発表を願わなければならないと思うのであります。いずれにいたしましてもあなた方のなさんとすること、一つの計画——先日大臣は答弁の中に何ということをおつしやつたかというと、独裁であればあなた方の考えておるところにぴつたりするのだけれども、私の国は自由にやらせておるのだ、自由だからあなた方と意見の相違があるというような答弁がございます。私は考えてみて、大臣があんな答弁をするということにはまことに驚き入つた。しかし何といつても時の大臣である。その指導者がかくのごとき考え方を持つておることは、これを直さなければならない。自由だから計画がなくていい、自由からわれわれは何ら指導する必要がないのだというように私はとれます。こういう大きな過ちを犯している大臣の下にある皆様方でありますので、大臣がかくのごとき考え方であつても、指導者であるということだけはお忘れなく、十分指導をしていただきたいと思うのであります。きようはあとたくさん質問者がございますので、私の質問する時間は、齋藤君がたくさんしましたので御遠慮申し上げまして、次会に譲りたいと思います。次官に先ほどから申し上げる通り、私たちは決して皆さんと議論するのではなくして、今危機に臨んでいる日本という国をどうやつて一つの計画を持つて生かしてゆくか。それにはかくのごときことをやつたならば日本の将来があるのではないかという一抹の望みと自信を持つて申し上げているわけでございます。 きようはこれで終ります。 —————————————
○大西委員長 硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案を議題といたします。 本案につきましては、第十六回国会におきまして、提案理由の説明を聴取いたしましたので、その説明は省略いたしたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければさようとりはからいます。質疑の通告がありますからこれを許します。川上貰一君。
○川上委員 簡単に質問いたしますから、御答弁の方もどうぞ簡単でけつこうですから、できるだけ他の委員諸公の時間をとらぬようにお願いしたいと思います。 まず第一にちよつと委員長にお伺いいたしますが、きようはなぜ通産大臣は来ないのであるか。
○大西委員長 大阪に行つていないのでございます。
○川上委員 そうでございますか。それでは次官にお尋ねすることになりますが、中国が商品肥料を必要とする国の計画と、それから実際において中国が必要とする商品肥料の需要の量、これを通産省ではどういうぐあいに調査しておられるか、ちよつとお聞きいたしたい。
○古池政府委員 ただいまのお尋ねの内容でございますが、正直に申しますと、中国の国内事情その他がまだ詳細にわかつておりませんので、明確に肥料に対してどのくらいの需要があり、また当方からの輸入を期待しておるかという点について、数字的には明確なものはまだわかつておらぬ、かように申し上げるよりいたし方ないと思います。
○川上委員 通産省が中国の事情はよくわからぬから、中国における商品肥料の需要量も国の計画もわからぬと言われるのは、非常に情ないことじやないか。今中日貿易というものがこれほどやかましい問題になつておつて、国民の輿論になつております。政府当局は、中国では一体どのくらい商品肥料がいるのかどうか。そんなことはさつぱり考えてもおらぬし、研究してもおらぬ、こういうことでは国会で中日貿易促進の決議までして、政府に要求しておるのに、さつぱり話にならぬと思うのですが、実際に知らぬのですか。
○古池政府委員 御承知のように、先般日中貿易促進議員連盟の方々のおいでになつた際の引合い分は五万四千トン、それ以外に一般民間で考えておりまする引合いが約五万トンくらいはある、かように存じますが、それ以上中国として全体の所要量というものは、正確なことは判明いたさぬと申し上げるよりしかたがないと思います。ただごく概略の数字を申し上げますと、今までおよそ四十万トンないし五十万トンまでくらいのものが、外国から輸入されておるのではないかと考えられます。なおそのほかに国内で自給されておりますものも、相当量あるだろうということは考えられますけれども、的確に幾らという教字はまだ申し上げられない状態でございます。
○川上委員 これは政府に私は言うておきたいと思うのですが、そういうことではいかぬと思うのです。どうしても本気になつて、中国の問題を研究しなければいかぬ。ことに今度肥料を解禁にしておる。しかし向うで何ぼいるやらわからぬというようなことじや、出すつもりがないのだ、貿易するつもりは政府にはないのだ、こう言われても、答弁の仕方がないのではないか。何ぼいるやらわけがわからぬ、そういうことはありません。五二年度の中国の商品肥料の計画供給量は二百五十三万トン、五三年度の計画は三百六十三万トンになつておるはずなんです。政府がこれを知らぬはずはない。もし知らぬとすれば、よほどおかしいのです。ほんとに知らぬのかもしれない。もしそうだとすれば、いよいよもつてそんなことをしておいて、肥料を輸出する法律をひとつつくろうじやないかということは、とんでもないことではないかと思うのです。しかしこれはどうも知らぬらしいから、これ以上言いません。 第二点として、硫安の対中国輸出解禁に伴うて、通産省は電力の特配までいたしまして、六万トン以上の増産計画をしたことがあるはずです。これは商社から解禁に伴うて、次ぎ次ぎと硫安やあるいは過燐酸石灰等の輸出申請が出て来た、この含みも含めて、六万トン以上の増産、これは本年中と来年の三月までです。こういうことになつておつて、努力は払つておつた。こう思うのです。ところが現在、今次官からもお話の通り、五万四千トン、約六十一ドルで仮契約ができておる、これはいうまでもなく宇田、帆足、長島というような方々の努力によるものだと思うのですが、そのほかに話の通り五万トン程度の引合いがあつた、これをなぜ出さぬ、なぜこれを許可しないかということなのです。九月ごろには臺灣向けで二十五万トンぐらい出ておると思うのですが、それは五十四万ドル三十二セントではないかと思うのです。それは非常に安いのです。これは二十五万トン出しておると思うのです。ところが約六十一ドルの仮契約、これをなぜすぐ許可しないか、この問題なのです。これは圧迫があつたのなら圧迫があつた。何かほかに事情があつたならあつたということを、正直に答弁していただきたいと思うのです。委員会だけのかけひきでなしに、これは重要な問題ですから、ひとつ正確に正直に答弁していただきたいと思うのです。
○古池政府委員 お話のごとく、臺灣向けの硫安といたしましては二十五万トンのわくが契約されまして、そのうち輸出の許可をいたしましたものが十二万トンでございます。 それからなぜすみやかに中國に対しての輸出を許可しないかというお話でありますが、申すまでもなく、硫安につきましては何と申しても国内の需要に充てるということが第一前提条件であろうと思うのです。国内の硫安の確保という問題につきましては、むしろ農林省がこれが主管官庁でございますので、農林省の意見を十分に伺い、御相談をしてきめなければならぬ問題でございます。ただいまのところ、少くとも年内においては、輸出の余力はないということが、農林省との御相談の結果わかつたのであります。なお電力事情から申しましても、これから来年の三月ごろまでは例年の渇水期でありますので、硫安の生産も減退して参るというような関係で、非常に苦慮いたしておるような次第であります。
○川上委員 そこでちよつとわからぬところが出て来るのですが、こういうことがあつて、増産までしておる。仮契約もできておるし、商社は出したいと思うておるということであります。ところが十月の十三日に、FOAの東京の調達機関である御承知のEPSから韓國向けの硫安十五万七千トンの買付の要求があつた。これに応じているのです。そうして中國の方はやつておらぬ。この買付の要求に対しては、たしか十一月の九日に、年内分だけを十二万トン入札が行われて約束ができたはずなのです。韓図向けには出す。中國の方は、通産省では特配して増産まで考え、商社の方も非常に希望があるので、これは何とかしなければならないという、実際はたから見ておると、そうだろうと思えるようなかつこうをとつておりながら、ほとんど韓國の方へ十二トンも出してしまつた。こういうことがあるのですが、これについては、私は時間をとりますから、ついでに全部聞きますが、第一、通産省はこのアメリカの東京調達機関の要求に対して、実際は多少二の足を踏んだのかどうなのか。どうもそれは少し輸出可能量を上まわるような気がすると言うた、そういうことが、通産省内にあつたのか、なかつたのか。あつたはずなのだが、これをひとつ正確に聞きたいということと、それからアメリカ側からこういうことが来ておるはずなんです。輸出可能量を少し上まわるというようなこともあつて、いささか考えておるときに、日本政府がもしどうしてもその要請に応じないならば、米官民を十分納得せしめ得るだけの理由を示さねばならぬ、もしその理由が根処あるものと認められない場合には、今後の日本に対するこの種の買付方針に重大なる悪影響を及ぼすことを覚悟せよ、こういうことが来ておるはずなんです。私はこれでいささかびつくりしたのであろうと思うのですが、このいきさつは一体どうだつたのですか。そんなことは何もないとしらを切るのなら、切つてもかまわないが、それをひとつ正確に言うてみてもらいたい。
○中村説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。すでに輸出許可をいたしましたものは、十七万五千トンでございまして、契約をいたしたものが、そのほかに十三万トンございます。合せて三十万五千トンまで今日輸出契約ができておるのでございます。通産省といたしましては、昨年あるいはその前から、わが国の肥料の輸出につきましては、御承知のように輸出産業として育成して参つております。特にわが国の肥料というものが、海外に品質的に非常に声価を得ておるという事実を認めまして、輸出については努力して参つております。御質問の点につきまして、臺灣向けが最初大きく契約した数字でございますが、これは臺灣向けに十二万トン契約いたしております。これは輸出許可をすでにいたしました。その後韓國向けの輸出がございまして、この問題に関しましては、私どもといたしまして相当大きな輸出要請でございました。しかし当方といたしましては、国内の需給関係、その他から見まして、四万五千トン輸出いたすことにいたしました。韓國に対する輸出は、御指摘のように十何万トン要請がございましたが、当方としましては、国内の需給関係その他を考慮しまして、四万五千程度、当時の第三、四半期において増産し得ると考えられたものを一部これに充てて、輸出するということに決定いたしたのでございま旧す。特に韓國向けに輸出するための電力割当、そういうような意味においてやつたものではございません。 なお政務次官がお答えいたしましたことについて補足さしていただきますが、すでに三十万トン程度の輸出契約をいたしておる状況でございまして、本年十二月におきましてはもちろん輸出の可能量でございません。一—三月の問題になりますが、本年度電力の需給等につきましては、すでに渇水期における電力使用についての問題もあるようでございまして、一—三月についての電力増配による計画等のことが実現し得るかどうか、非常に疑問でございますので、今日私どもはこの一—三月の電力増配による輸出増加という点については、確信が持てない状況でございます。
○川上委員 韓国向けの輸出は、今四万五千トンと言われましたが、これは一応そうしておいて、さらに折衝するということになつておるはずなんですが、これは全部応ずるつもりかどうかということが一つ。応ぜざるを得ないのじやないか。それから第二には、国内メーカーは現在でも十万トン程度は出せると言うておるのです。国内需要国内需要と通産省は言うておられますが、われわれはそ考えない。これが一つ。いま一つは、仮契約のできておるところの五万四千トンと、それからその他に五万トン、これをなぜ許可しないか。これを許可せずに、朝鮮向けには出しておる。ここがわからぬ。この点をはつきりと国民が了解できるように説明していただきたいと思います。国内需要が多いから出せぬと言うておるけれども、朝鮮には出しておる。それからなお今後の折衝で出すということを約束しておる。ここがわからない。
○中村説明員 ただいま韓国向けの輸出に関連しまして、何か今後に約束が残されておるのじやないかというような御質問でございますが、先般の韓国の国際入札におきましては、総数量が十六万トンでございます。そのうち、国際入札で日本側が落札したものは、四万五千トンでございます。その他のものは、他の国が落札したと聞いております。なお今後の韓国向けの輸出の問題でございますが、ただいまの御質問のような点はございません。
○川上委員 これは私の調べが違つておるかもしれませんが、国際入札の形式をとつておるが、入札したのは日本の商社だけだ。よそはしておらぬ。価格も六十一ドル何セントで非常に高いです。これはそこに何かなければこういう形で国際入札できるはずはない。国際入札ならもつと安くなつて来る。これが一つ。私はほかの方々にそう時間上の御迷惑をかけたくないと思うから、簡単に言うのですが、その点と、これは、政府の方はいろいろと弁解しますけれども、アメリカが圧迫しておるのです。今後の分はまだ約束しておらぬというが、そんな簡単なアメリカと違うと思う。現に過燐酸石灰につい神島化学が一万トンを中國向けで喫約ができたら、続いて大小の商社が喫約を進めようとした。ところがメーカーが東京貿易——三菱商社ですが、ここで会合しておるときに、アメリカの商務官のシンガーという男がこれに圧迫を加えておる事実がある。必要があれば証人を出してもかまわぬ。この手のことをやつておる。朝鮮の分も、さきに私が述べた通りに圧迫を加えておる。こういう形でやつておる。委員会では通産当局は適当な答弁ができるでしようけれども、こんなのを次々にやられていて中國へ輸出ができますか。解禁したところで何にもならぬ。だから通産当局としても中國へ何ぼ肥料が輸出できるやら調べておらぬ。大体出す気がないのです。だから今の四万五千トン並びに五万トンの仮契約でも決して許可しようとしない。ここは正直に話しませんと、日本の議会ですから、アメリカの議会でないのですから、委員に対しては、こういういきさつは正直に通産当局は話さないと、独立もくそもないし、中日貿易はできません。こういうアメリカの圧迫、これについて材料をたくさん出せと言うのなら、われわれの方は幾らでも出しますが、そう並べてみてもしかたがない。私は代表的なのを言つておるのです。ほんとうはどう考えるのです。こういうやり方をやられていて、この上にMSAでも受けてごらんなさい。いよいよもつてどうにもこうにも始末がつかぬことになる。中國との貿易ができますか、肥料輸出ができますか。これをほうつておいてこの法案をやろうとしておる。なつちやおらぬじやないですか。これを解決してごらんなさい。こんな法案いりやしません。硫安は何ぼでも出る、価格もちつとも安いことはない、相当の値段で行くのです。ここを正直にひとつ政務次官言いませんか、日本の委員会だから……。
○古池政府委員 もちろん仰せのように、日本の委員会であり、外国の委員会ではないのですから、十分に御審議を願い、またわれわれも率直にお話を申し上げた方がいいということを考えております。先ほど御質問のありましたように、アメリカから何か特別な圧迫を加えられておるのではないかということにつきましては、少くとも私の関する限りにおいては存知しておりません。もし私がそういう事実を知つておるとすれば、正直に申し述べてみたいと思います。現在のところそういうことはございません。
○川上委員 これは水かけ論になると思いますから、私はこれ以上言いませんが、局長なんかよく腹の中で知つておると思う。シンガーという商務官なんか何をしておるのです。毎日通産省へ来ておつてさしずをしておる。こんなものは日本の貿易にはいらぬことです。何でこんなのがちよろちよろやつて来て貿易のさしずをしなければならぬか、電話をかけたりして圧迫をかけておる、また商社ではこう言うておる、進んで中国との貿易をしたいけれども、これを本気で大きい商社がしようとすると必ずよその方でやられてしまう、よそでやられてしまうというのはアメリカの圧迫のことです、あるいはそれでキヤンセルを食うてしまうのだ、だからやりたいけれども、中日貿易については大きい声が出せぬ、相当のメーカーがこう言うておる、もし政務次官が知らぬならロボツトなんで、局長は知つておるはずです。私は苦労をしておるのだろうと思う。その苦労をしておることをはつきり言いなさい、それを言いませんと実際問題として日本の政治はものになりません、そこで私はこれ以上聞きません。あとの帆足君も質問をなさるそうですし、一時くらいに終るというような予定もあるそうですから、時間をいたずらに食いたくない、また次の機会にこの問題についてはさらに具体的なものをもつてもう少し聞こうと思うのですが、私の言いたいことは、この国会、この委員会ではいかなる外国にも関係なく正直なことを言わなければいかぬ、外国から圧迫があるから圧迫があつて困りますということがなぜ言えないか。こんなことは吉田総理大臣のまねばかりをする必要はない、実際の仕事をやつをおる人はどんどん言つた方がよろしい、これが吉田さんの教育になる、私はこういうことを申し上げて私の質問をきようは一応これで終りまして、帆足委員の質同と交代いたします。
○大西委員長 帆足君。
○帆足委員 先ほど齋藤、長谷川両委員から日本の鉱業政策、技術政策について非常にいい質問がございまして、私ども党派は違いますけれども、こういうまじめな質問に対しましては大いに啓発され、また政府当局もぜひともいれていただくようにお願いする次第であります。同じく貿易の問題につきましても私どもは同じ気持でおりまして、貿易とか国交調整とか国の平和とかいうような問題につきましてはこういう波風はげしい世の中でございますから、なるべく超党派的に国民全般の立場から考え、御協力いたしたいという気持を持つておる次第でございます。もちろんわが党は勤労階級の党でございますから、特にまた勤労階級の立場から強調するところもございますけれども、同時に貿易の問題などは国全体の問題であるということもよく理解しておるつもりでございますから、ただいま御質問申し上げますことはむしろ与党の方から聞いていただきたいのでございますけれども、たまたま私がそれに関係しておりますのでお許しを願いたいのでございます。 まず第一番に外務省当局にお尋ねしたいのですが、中國へ視察団が参りまして、これは超党派的に三百数十名も同僚の皆さんが御加入になつておる会でございますが、公用旅券をもらいまして硫安その他について大ざつぱな話をとりきめて参つたのでございます。値段とか数量につきまして専門家が参つたならばとよく言いますけれども、実は私なども經團連に二十年もいた人間でございますから、業界のことは一通り存じておりますが、あらかたのことだけをきめておく方がよろしいと思いまして、実際的のことは帰つてから政府当局、業界とよく連絡して電報で交渉すればいいのでありますから、いわば仮契約ということで、あまり値段やその他にとらわれないで、帰つてから交渉できるように、実は弾力性を持たせておる次第であります。しかるにかかわらず政府当局におきましては、これに対してどうも御熱意が足らぬのではあるまいか、先ほど齋藤委員から、今は国際収支は非常事態である、輸出工業の振興、輸出の振興ということは、もう一番緊迫した問題になつておるということを強調されましたが、まつたく敗戦のあとを受けて、今や輸出振興と国交調整には全力を注がねばならぬ重要なときであると思います。そこで外務省当局は先日池田団長をお呼びくださいまして、協定の内容についていろいろお尋ねがあつて、それではまあこれに協力しようといつて官房長みずから各省に連絡してくださるということで池田さんも非常に感謝しているということを開きました。次いで岡崎外務大臣からこの協定の実施については少くとも西ヨーロツパ並の気持で協力するからという本会議でのあいさつがありまして、私どもは外務省が最近はかくも進歩したかとたいへん安堵もし、喜んだ次第であります。しかしその後実績を見ますると、一向実績が現われませんで、これに対してさつそく外務省と通産省と農林省と何度も打合会を正式に開いて御指示が下るものと思つておりましたところ、一向音さたもなく、もうあと一週間で契約の期限も切れるような状況で、私も心配しまして、団長に相談して、中國という大きな市場を失うことは見るに忍びませんし、中図側としても春肥の手当上、日本がだめならば、年内に西ヨーロツパの方と交渉しなければ間に合わぬから、至急返事頼むという手紙、電報をよこしている次第でありますから、それではもうあきらめて断つたものかと思いまして諸先輩に相談いたしますと、それは君、国家のために、断るなどということはあまりに軽卒であるから、もう少し各委員会で十分に論議をして推進したらどうかというような忠言もいただきまして、また元気を出して、大体農林省には二十数回、また通産省にも十回以上足を運んでおるような次第でございます。そこでまず本来ならば外務大臣にお尋ねせねばなりませんけれども、通産委員会でございますから、外務省当局としては、これらの問題に対して外務大臣のあの国会における声明通りに積極的に御協力くださる意思がおありかどうかということをお伺いしたいと思います。
○宇山説明員 外務省といたしましては、絶えず通産省と連絡いたしまして輸出の促進に努めておる考えでございます。肥料の問題につきましては、農林省も御関係があるわけでございまして、また連絡をいたしておるのでありますが、ただいま帆足議員がおつしやいました点につきましても、もちろん先般外務大臣が言明いたしましたように、輸出の促進に協力したい、こう考えております。
○帆足委員 ただいまのお言葉は、おそらく黄田局長さんあたりとお打合せのことと思いますので、私はこれを多とするものでございますが、しからば第二に、私どもがこの協定を結びました前後か、帰りましたころ、政府当局では、当分中共向けの硫安の輸出はしないようなふうになつておつたように私は漏れ聞いておりますが、もしそういうことがきまつていたとすれば、まことに先見の明のないことであつて、中國という国は、五億の人口を持つ農業国です。実に無限に広い農業国で、治山治水で、荒れはてた国がやつと今統一されて、非常な勢いで食糧増産に向いつつあるところに硫安を輸出するということは、もう自然の勢いでありまして、そのかわりにわれわれは石炭や塩や食糧をやがて輸入するということ、これはもう国家百年の計といわず、五年十年の計で、イデオロギーを離れて私は考えておかねばならぬことと思います。従いまして中國に硫安を輸出するという問題についてとのようにお考えでございましようか。またそういうちよつと先見の明のない御決定があつたところで、私どもがこうして政府からも公用旅券までいただいてこういうみやげを持つて帰つたわけでありますから、ただちにこの問題を検討していただいてしかるべきでなかつたかと思いますが、硫安の中共向け輸出について一般政策はどのようにお考えでございましようか、外務省並びに通産省当局両方の御意見を伺いたいと思います。
○中村説明員 ただいまの御質問でございますが、硫安の輸出につきましては、従来国内優先ということが一般に考えられておりまして、私どもも国内需要を充たしてなお余裕がある場合に輸出をいたすという建前にいたしております。もとより輸出産業として育成することは妥当でございますので、この法案を提出いたして、この法の実施によりまして国内の安定と輸出の促進に資することにいたしているのであります。これが具体的な実施にあたりましては、そのときの需給状況からいたしまして対外的輸出をやるという建前にいたしております関係がありまして、中共向けの輸出の問題も相当はつきりして参りましたのは、このたび中共に視察団として参られました議員の方々の御努力の結果でございます。それ以前につきましては、きわめてはつきりと申しますが、そういつた引合いは、実はあまり見かけておりません。ただ今般視察団が仮契約の形でして参りましたものが、おそらく中共に対します引合いで最も具体的な、正確を得たものと私は個人的に考えております。ただこれを実施するかいなかの問題に立ち至りますと、ただいま申しましたように時期の問題につきまして非常に問題がございます。来年三月までの輸出というものを考えますときには、すでにその前から問題になつておりました、そして現在契約をすでにいたしましたもの等と今後の生産状況というものを考えますと、国内の需給状況からいたしまして困難ではなかろうかというぐあいに考えているのであります。もちろん御熱心である視察団のこの具体的な仮契約につきましては、私どももさらに関係者と十分打合せてみたいとは考えております。ただくどいようでありますが、るる申し上げておりますように、国内の需給の立場から前には困難かと考えられた状況をこの際解きほぐす方法があるかどうかということを検討いたしたいのでございます。
○帆足委員 外務省当局の方ではどうでしようか。アメリカの圧力や臺灣勢力との諸関係を考慮して、中共向けの肥料輸出は遠慮するというような気分があるのでしようか。別にそういう圧力なり、商業上の問題に政治上の影響が来るというようなことは考えなくてよいというようなお考えでございましようか。世間ではそれを非常に誇大に心配しておりますので、まさかそういうことはないと思いますが、いかがなものでしようか。
○宇山説明員 外務省の方ではそういう圧迫を受けたことは全然ございませんし、国内の需給状況によりまして、輸出できるならば、それでけつこうじやないかと思つております。
○帆足委員 アメリカ政府の圧力及び臺灣政府の圧力があることは、私は具体的に実はよく存じておりまして、それではいずれお教えしたいと思いますけれども、しかし公開の席では都合が悪いと思いますから、いずれプライヴ工ートにお耳に入れたいと思います。(「そんなことはない、公開々々」と呼ぶ者あり)しかし外務省当局は、そういう商業の問題に対して、独立国に対して不当なる圧迫が来るというようなことはあり得べからざることであるというくらいの独立心をお持ちのようでございますから、それは私はたいへんよい心がけだと思います。かくあるべき性質のものであろうと思います。(「与党の言うようなことを言うな」と呼ぶ者あり)そこでかくあるべき性質のものであると思いますの、で私は川上さんの御批判もさることと存じておりますけれども、川上さんの非難が当らぬということを外務省当局は実行において証明していただきたい。とにかく多少なりとも正道を歩もうとして努力しておる、ましてや与党野党の議員は、これは国民の代表でございますから、もし政府がそういう態度をとられるならば、公正にこれを支持するであろうと思います。というのは、中國との貿易はすでに衆参満場一致の賛成を得ていることですから、一年前でしたら籬を隔てて隣の娘をくどくような思いもしましたが、今は天下晴れて許されておる範囲の貿易についてはやつてもさしつかえないのですから、われわれは明朗な気持でやろうと思つておるわけですから、ひとつ政府も明朗な気持で御協力願いたいのでございます。こういう見地に立ちまして、しからば現実においてはアメリカや臺灣の方の圧力が多少、部分によつてははなはだしく参つております。しかしこれは私は別にお知らせいたします。そこでこれを突破いたしますために、技術的な考慮も私いろいろ考えて申し上げておるのですから、川上委員の御了承も得たいのですが、とにかく実行することが大事です。そこで農林委員会の有志の方々の御意見も承りました。また農林省農業経済局長肥料課長の御意見も承りましたが、結論は、かりに二月末を基準にとりますと、二十万トンの余力があるのでございます。しかし二十万トンの硫安の持越しのうちで、硫安需給調整法が通つても、また通らなくても、十数万トンぐらいはひとつ多少の準備期間を持たねばならぬ、また多少はランニングストツクも持たねばならぬというので、需給が逼迫しておりますことは、これは通産省の御当局においても御苦心の点だと思います。しかしそれならばわずか四、五万トンの輸出が中國にできないかというと、今日本の国際収支が余裕綽々たる時代であり、中国の市場にも三十万トンや五十万トン硫安の出ている時代ならば、需給が逼迫しているからこのところちよつと譲つておこう、これもいいのですが、今日本の国際収支はまさにSOSの状況であつて、しかもその上中國の事情は、まさに世界各国があそこに売込み戦を始めておる。中國の市場がやわらかなときに入らなければ、一、二年後にもう市場がかたくなつてからははすの実といえども育たない、こういわれている新しい市場でございます。そこで一週間後にこの五万四千トンの発注を全部キヤンセルすることは、私はせつかく開けかかつた窓口をふさぐものであつて、経済の専門家としてわれわれのたえることのできないことでございます。従いまして五万四千トン全部でなくても、せめて四万トンでも三万五千トンでも出すように御努力なさることが大局の国策から見て必要ではないか、農林省は本来農民を守る受動的立場にある省でございますので、多少積極的に動きにくい事情があることも私存じております。農林省当局の言うことでは、どうも自分の方は受動の立場にある、通産省においては輸出振興第一主義という立場に今立つておるのであるから、この点ひとつなんとかして輸出市場の窓口だけでも残しておかなければ、これは大問題だ、年内にキヤンセルしてしまうということはあまり軽卒ではないか、そこで農林省当局で二十万トンなり二十一、二万トンのもののうちで、三月になつてでも多少でも中國に出すことを考慮しないか、四月になれば豊水期に入りますし、年度がかわつて融通もきくわけでございますから、従つて三月にせめて三、四万トンだけでも出す方法はないか、そうすると農林省当局としては方法はある、あるけれどもとにかくすれすれのところであるから、農林委員の皆様並びに通産委員の皆様の、やはり国民の輿論の御了解というものが必要だ、こういうことでした。そこでこの農民問題で一番神経がとがつておるのは御承知のようにやはり農民団体、これを使う需要者の立場でございます。農民の代表としては各種の協同組合があり、そしてまた農民組合があります。特に農民組合は社会党左右両派はこれと密接な関係がありまして、特にそれを守る関係になつておりますし、また与党たる自由党、改進党の方もまた多数の協同組合側の委員を出しておられますので、これらの有志の方々と御相談いたしまして、大体の空気としては、ひとつ硫安業界も自粛し、政府側も監督を厳重にするならば、その程度の硫安の輸出は捻出できようじやないかという空気が今圧倒的でございまして、わが党におきましては農業議員団の総会を開きましてすでに決議をいたしました。また農民組合の大森眞一郎君にも相談いたしまして、農民組合もそういうふうに自粛してやるならば何とかして出して来る、それで為替を節約して、綿花なり羊毛なりその他の輸入力が増すのであるから、この際わずかばかりの硫安でも中国の市場に出しておく方がよかろうというふうに農民団体とも申合せをしました。それからまた全購連にも御相談しましたら、非公式でありましたけれども、大体その点は了承して、場合によつては文書をもつて政府に要望書を出すことも大体できそうだという空気になりました。そこで、本日も農林委員会の理事会等においても御相談が進んでおると思いますけれども、通産省当局におきまして今輸出第一という観点から農林省当局並びに外務省当局にお申入れくださいまして、何分にもこれを二、三日中にキヤンセルしてしまうことは惜しいというので対策を講じております。農林省としてはそれではひとつ何とか措置を講じようというので、両議院の農林委員長と農林理事と御相談くださつて、そうして理事会または委員会で、とにかくこの運用上御了承くださるならば技術的には適当な措置を講じようと思うがというふうにお諮りくたされば、大体これは通るのでないかというのが一般の方々の今日の見通してございます。漫然とこれをほつておきなすと、確かにこれは政府当局の責任だけでなくて、需給の状況が逼迫しておるということは事実でございまして、多少調整に骨を折らねばならぬ状況であることは承知いたしておりますけれども、しかし先ほど申し上げました今の為替の国際収支の状態が最悪の事態であるということ、中国という人口五億を擁する厖大なる農業国の市場に対して今や西ヨーロツパの肥料が殺到しつつあるという事情から見れば、この際通産省が輸出の突破口を確保しておくことが国家百年の計から考えてもきわめて重要だという認識を当然通産相及び次官は持たるべきである。そうだとすれば、今機械的に発注を断るよりも、何とか成功させるためにお骨折りくださるならば、五万四千トンならずとも、四万トンあるいは三万五千トンでも成立せしむることが国の利益上必要ではなかろうか、こう思うのでございます。従いましてこれは大臣、次官の政治的な裁断の問題にかかるわけでありますから、次官からひとつこれに対してせつかく努力するという御言明をいただきまして、具体的に二、三日中にそれぞれの事務的措置に御着手願いたいということを切にお願いする次第でございます。またこのキヤンセルをするとしますならば、私は次官から正確に、もう万事休すである、断つてくれというぎりぎりのところまで承つた上でなければこれは軽卒な措置ができかねますので、業界各種のオファーを引き受けておる方から相談を受け手下りますけれども、目下自重を要望しておる次第でございます。また多少政治的圧力に対しましては、それは貿易商なり問屋なりまたは中京貿易関係のメーカーなりがそれぞれの立場において責任をとるというようなことも下相談ができておりますから、政治上の圧力についてはあまり御心配なさらぬでいいような技術的方法もあろうと存じております。次官からどうぞ。
○古池政府委員 ただいま帆足さんからるるお話がございました点は、まさに私もごもつともに存じます。今日のわが国の国際収支の状況から見ましても、できるだけ輸出に力を入れねばならぬということもまつたく同感に存ずるのであります。ただ肥料の問題につきましては、先ほどから私あるいは局長からも申し上げましたように、国内需要の問題あるいは生産の関係等からなかなか簡単に参らぬ点があるのでありまするが、十分に農林省あるいは外務省その他関係方面とも協議を進めて行きたいと考えております。
○帆足委員 それではただいまの通産次官のお答えをわれわれ御信頼申し上げまして、農林省当局では通産省から正式な申入れがないということを非常に気に病んでおりますので、さつそく正式の問題としてこの問題の御協力を願いたいと存じます。同時にこれは私がたまたま社会党の立場から御質問するようなことになりましたけれども、私の気持はそうではなくして、これは自由党、改進党全部含めました議員連盟の気持で申し上げましたので、どうか野党ということにこだわらずにお聞取りくださいますことをお願いいたします。 それから来年度においてどのくらいのものを中國が買うだろうということにつきましては、値段の問題やいろいろありますけれども、最小限度十万トンぐらい私は行くのではあるまいかと存じております。御参考までに申し上げまして、来年度の計画に今から繰込んでいただきますと仕合せでございますし、また今度のことがまとまればすぐわれわれは他の同僚議員とも相談いたしまして、中国側にどのくらい買うつもりかということを聞きまして、これは計画輸出の物資でございますから、政府当局に対しましても十分御連絡いたしたいと存じております。 最後に、もう隠してもしかたがないことですから私申し上げますが、臺灣政府並びに臺灣の方からこの問題に対して多少いやみのようなことがあることは、これは当然予想し得まするし、また事実は別に申し上げますが、こういう問題につきましては軽く聞き流して、複雑なことを簡単にするということが賢明な人間のすべきことで、軽く受流して淡々たる心境でなさるということがいいと思う。つまらぬことにおびえたり、うわさを気にしたりしないようにすることが私は行政当局の技術、手腕、力量だと存じております。われわれの方もそういうふうにいたしたいと思います。従いまして輸出会社のようなものをつくります場合に一番困るのはこれであつて、輸出会社がおどされましたときに、なかなか都合の悪いことにもぶつかる。それを問屋とか貿易商とかメーカーとか責任を分散しておきますれば、この問題は軽く済むわけでございまするし、われわれは硫安工業の合理化にも賛成でございまするし、また今日の事態において輸出の調整ということも非常に重要であります。しかし会社をつくることが、はたして必要かどうかということにつきましては、先般来の御審議で各委員の間でも問題になりました重要な点でございますから、この問題についてはわれわれまた今後も継続審議しまして、慎重な批判検討が必要であると存じておりますが、他からの政治的圧力に対しましては、スマートに処理する方法もあるということをあらかじめお含みおきくださいまして、あまり気になさらないようにその点切にお願いいたしておきます。
○古池政府委員 ただいま臺灣政府その他国際的な問題についてお話がございましたが、国際関係は申すまでもなく主として外務省の御主管でありますので、この点につきまして通産当局として国際関係をとやかく申し上げるのはいかがかと存じます。しかし何と申しましても現在日本の置かれております地位から考えまして、国際間の微妙な情勢を十分考慮に入れるべきであるということは、皆様方といえども御同感であろうと思うのであります。従つてその辺の点については、外務省当局の御意見も十分取入れまして慎重に検討して参りたいと考えております。
○大西委員長 加藤君、時間も大分経過しておりますから、一点だけに願います。
○加藤(清)委員 委員長の命に従いまして簡単にお尋ねをいたしますから、簡単にお答えを願いたいと思います。硫安の輸出振興に関連したことでございますが、普通の商品でしたら、メーカー価格と小売価格の開きはせいぜい二倍か二・五倍くらいが常識だと考えておりますけれども、元値の四倍くらいで、しかも国会の中で堂々と売られておるものがある。それは臺灣バナナだ。これは一体その理由がどこにあるかということをよく御存じのはずでございます。これに対して将来手だてをしようということが、通産省の中で研究されておるということも漏れ承つておりますが、これについて次官にちよつとお尋ねしたい。
○古池政府委員 バナナは私あまり食べないので値段は知りませんが、物の価格は大体においては需要供給の関係できまるだろうと思います。従つて今のようなお話できわめて高いとすれば、それは需要に対して供給が不足であろう、そういうことであろうと思います。しかしバナナをわが国の需要にマツチするだけ十分輸入することがよいか悪いかということは、他の問題であろうと思います。
○加藤(清)委員 バナナはおきらいでお召し上りにならなくても、これがあなたのお仕事の中で行われておることでありますので、きらいだからわしは知らぬということでは困る。臺灣からこちらに来るときにはそんな高い値段ではない。ところがこの間硫安が二十五万トン契約になつて、そのうちの十二万トンだけ今年度出た。そのうちの一〇%だけがバーターのバナナになつて来たわけです。そのバナナがどうしてそんなに高いかというと、これは輸出会社が硫安一かます七百五十五円で売つておいて出血だと言つて、その出血の穴埋めにこのバーターの方法が使われておるという事実です。これは御存じなんでございましよう。これに対して一体どう処理なさろうとしていらつしやいますか。
○古池政府委員 ただいまお尋ねになりましたようなことはその通りでございます。しからばバナナに対する内地の需要が多いから、もつと一〇%をさらにふやして、バナナを入れたらどうかという問題になりますと、これは相当やはり考えなければならぬ問題だろうと思いますが、先ほど御答弁申し上げた通りであります。
○加藤(清)委員 それを政府の方ではよいことにして、今度はそのもうかり過ざるのを硫安の会社だけでなくしてほかに及ぼすために、入札制度にしようじやないかということで、入札したそのてら銭を財政の中に繰入れようということで、寄り寄り案ができておるように漏れ承つておるわけでございます。これに対して、輸出する側と輸入する側の意見がたいへん食い違いまして、これがいろいろな形の陳情となつて現われ、そこにいろいろな業界の暗躍が行われて、やれ東京の方が得をした、やれ関西の方が損をした。やれそれに関係しているところのさる肩書の人が得して、そうでない方が損をしたとかいうことで非常に問題になつている。これは臺灣政府の方も問題にして、臺灣のこれに関する要人が何べんも飛行機で住復している。こういう事案があることを御存じでございましよう。まさかこれを知らぬとはおつしやれないだろうと思いますが、こういうことをあえてやろうとなさるのか。もしやろうとするならば、一体輸出の資格者と輸入権を入札する者の資格者はどのようにおきめなさろうとするのか、その間のバランスを輸出振興の立場から考えてどのように調節しようとなさいまするのか、こういう点について——これは空理空論でございませんで、生きて動いて困つている人がたくさんおられます。台湾の意見もこちらの意見も私は聞いております。そこでお尋ねするわけでございます。
○古池政府委員 ただいまのお話の点につきましては、事務当局の方でいろいろな案を考えて検討を続けている最中でございます。従つてまだ結論に達しておりませんので、ここで加藤さんのお尋ねに対して、将来こうするのだということをまだ申し上げるだけの段階になつておらぬことを御答弁申し上げます。
○大西委員長 他に御質疑がなければ、本日はこの程度にいたし、次会は公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十二分散会