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19回国会衆議院1954/06/12

懲罰委員会 第3号

発言数
35
登壇者
10
会派数
3
開催日
1954/06/12

会議録

森幸太郎自由党

○森委員長 会議を開きます。  堤、山口、高津、成田の四君を除いた大石ヨシエ君外四十一名の諸君の懲罰事犯の件を一括議題といたします。  昨日、本委員会の決定に基きまして、大石ヨシエ君外四十一名の諸君に対し、議長を経由しまして本日午前十一時と午後一時にそれぞれ二十一名ずつ出席を求める手続をいたしたのでありまするが、いまだにどなたも御出席になつておりませんので、懲罰動議の提出者に対する質疑があれば、この際これを許します。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 私は、昨日の瀬戸山委員からの質問に対しまする提案者のお答えにつきまして、念のためにもう一度お答えをお願いいたしたいと思うのであります。それは、本委員会は不幸にして懲罰に付せられたる人々が出席をいたしません。従いまして、われわれとしましては、それらの人々にいろいろなことをお尋ねすることもできないのであります。しかし、それだけ私たちは、事実の積み重ねと言いますか、そうしたことについて昨日来慎重な態度で実は議事を進めて参つております。昨日、瀬戸山委員から、この議事を進めて行く上におきまするいろいろな証拠関係のことについて提案者に御質問があつたのでありますが、提案者としましては、もちろん、ニユース映画あるいは写真あるいは多数の目撃者等によりまして、事実は非常にはつきりいたしておるという立場からお答えをいただいたと思うのでありますが、これにつきまして重ねて提案者からもう一度お答えをいただきたいと思うのであります。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 ただいま高橋委員からの御質問にありましたように、証拠は非常にはつきりしておるのであります。いろいろ調査をしますればしまするほど、深刻な証拠が上つて参ります。本日も総務会で堤議長の直接の体験談を聞いたのでありまするが、たいへんなことなんでありまして、総務会に女事務員がいたのですが、女事務員がいたのでは話しにくいというようなことで、女事務員を退去せしめた上で話を聞いたくらいなんであります。もつともこれは堤議長から直接に聞いたのではないのです。伝聞証言ではありまするけれども、提議長が話されたという体験をわれわれはまた伝聞的に聞いたのでありますが、たいへんなことなんであります。公開の席上では発表ができないような事実なんでありまして、われわれも従来相当調査はいたしておりまするけれども、そういうひどいことまでやつたのかと思われるようなことも出て来るので、調べれば調べるほど重大なことになつて参つておるのであります。従つて、ここに提案しておりまする人々以外にも、むろんたくさんの人が同様な行為を行つておるのでありまするが、御承知のような混乱のときでありまするから、遺憾ながらはっきり証拠のあがつた人以外に懲罰事犯に対する事犯本人としてここに持ち出すことができなかつたのは、遺憾に考えられておるのでありまするが、とにかくここにあがつた人たちは、もうすべての証拠があがつております。むろん各議員ともに直接目撃をされておる事実が多いのでありまするし、ここに列席の委員諸君においても、私が目撃していない、私どもが知らないことでも十分より詳しく御存じのことがたくさんあると思います。従つて、私がここで申し述べますこと以外にお気づきの点があれば、どうぞ補充陳述をしていただきたいと私からもお願いする次第でありますが、要するに、ここで提案いたしました人々に対する証拠ははつきりしております。目撃者が多数ありまして、いわゆる公知の事実であるのみならず、新聞、雑誌、ニユース映画その他直接関係しました衛視諸君の報告、それからまた警察官の報告、その他議院職員の報告、いろいろなものが調査の対象となつておりますが、そういう人々の証言、陳述その他物的証拠、そういうものはたくさん収集してありまするから、必要に応じてこれは御提示してさしつかえないと思います。

江藤夏雄自由党

○江藤委員 関連。ただいま高橋議員から重大な御発言があつた、と思います。それは公開の席上では公言することをはばかるくらいの議長個人に対する重大なる侮辱が、あの乱闘騒ぎの渦中において加えられたということであります。申すまでもなく、議長というものは、いわば国権の最高の機関である国会の象徴ともいうべき立場にある尊厳なる存在である。その尊厳なる議長というものに対してそういう重大なる侮辱が加えられたということは、それは全部は公開の席上であるいは御発表できないかもわかりませんが、さしつかえない範囲内においてでも、この委員会において、それは一体どういうことであつたかということを、輪郭だけでもよろしゆうございますから、御説明願いたい、こう思うわけであります。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 それでは、一番かんじんなことを省略しまして、ごく輪郭だけを申し上げます。簡単に申し上げますれば、いきさつは除きまして、結果だけを申し上げますと、とにかく議長はズボンをはずされ、ズボン下をはずされて、いわゆる男の象徴と言いますか、そういうものが露出することになつたので、その姿のままではとうてい議長席につくことはできない。そういうふうなことになつたので、議長の方から進んで議長室の方へ退避するという申出をしたいというのです。議長は、もし 力関係でやつて来るのであつたならば、千万人といえどもわれ行かん、議長の職責を死をもつて尽し守るというふうな気概は持つておるけれども、しかしそういうふうな重大な侮辱、故意にすべてのものをとつてしまつてそういうふうなことになつた場合においては、だれ人でもそれをなおかつ議長席につくべく強行して、そういう醜態を現わすという重大な侮辱には耐え得られないと言つておりますが、その間のいきさつにつきましては、いろいろここに公開をはばかるようなことを申し述べねばなりませんので、それは申し述べません。要するにさようなことであつて、とうてい議長として、人間として耐え得られないところの重大な侮辱であり、しかもそのままでは議長を勤めることができないという日本の国会の醜態にもなりますし、とにかく人間として職務遂行はできないような状態に陥らしめられたというふうなことであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 私は、昨日の委員会に引続きまして、もう少し事実の内容にわたつてお尋ねをいたしたいと思います。先ほど提案者からお話になりましたように、なるほどこの事件は、言いますれば一種の周知の事実である。少くとも議事堂の中におつた人はこの事件を承知いたしております。あるいはニュース映画、新聞その他でわかつておるといえば言えるのでありますけれども、先ほど高橋委員からも言われました通り、この事件は前代未聞であります。これは民主主義の最後の線である国会の議事をめちやくちやにしたきわめて前古未曾有の重大事件であります。しかしながら、この事件が現在世間において必ずしも正当に認識されておらない。あるいは正当に批判されておりません。ましてや、この事件は、政治史における、将来非常な興味を持つて見られる事件だと思います。しかも、今私どもが感じておるところでは、あたかも自由党が何かの目標を持つて反対党の議員諸君をいじめつけておるかのごとき印象を受けて遺憾に思つております。現在でさえもさようでありますから、将来この懲罰事犯の結論を見てどういうふうに人々が考えるかということを、私どもはこの際において考えながらこの審理を進めたい。残りますものは、写真でもなければ、新聞でもない。あるいは人の風評でもありません。私どもの生命には限界があるのであります。しかし、記録だけは、これは少くとも永久に残るものでありますから、それによつて正確なる判断を、現在においてももちろんでありますけれども、後世においてもやつてもらわなくてはならない。そういう意味合いにおいて、もう少し事の真相を具体的にいたしておきたいという気持から進めて行くわけであります。  そこで、昨日に続くわけでありますが、具体的の事実としてあげられました第一の、議長席をあらかじめ占拠し、議長の着席を妨げ、公務の執行を妨害したるものという事犯について、昨日、堤ツル三十議員、山口シヅエ議員については事を明らかにされました。ここに大石ヨシエ議員、それから萩元たけ子議員があげられております。私どもが手元に持つております資料の写真を見ますると、これはいわゆる休憩後の開会のベルが鳴る前の写真でありますが、それによりますと、大石ヨシエ議員は、いわゆるひな壇と申しますか、大野国務大臣の席に着いておる。それから萩元たけ子議員は安藤国務大臣の席に着いております。こういう状況になつておりますが、その後われわれが現認したところ、あるいはまたニュース映画にも出ておりますし、新聞の写真にも出ておりまするが、議長席の周囲にこの両女性も交わつて議長の職務を妨害したがごときありさまを呈しております。この点について、もう少し詳しく提案者の方から御説明をお願いしたいと思うわけであります。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 萩元、大石両議員の行動は、議長席をあらかじめ占拠し、議長の着席を妨げ、公務の執行を妨害したということになつております。振鈴が鳴る前の写真を見ますると、なるほど、瀬戸山君の御説明のごとく、大石、萩元両議員はいわゆるひな壇におつたのでありまするが、しかし、このひな壇におりましても、これは議長席と一体的なものでありまして、ここにおつてすらも私どもは議長の着席を妨害したという認定ができると思いますが、さらに振鈴まぎわになりました場合においては、この両議員ともに議長席へ突進しておるのであります。党の指令がはたしてひな壇におれといつたのか、まさかのときには議長席へ参れという指令が下つておつたのか、自発的に本人どもが議長席に参つたのかどうかはわかりませんけれども、とにかく振鈴直前にはすでに議長席の方へ参つておつて、この提案しましたような行為をやつておるのであります。この党からの命令がどういうふうにあつたかどうかということは、われわれはその真相がちよつとつかみ得ないのでありますが、一昨日の午後七時のNHKのニュースのあとの録音ニュースの際において、堤ツルヨ氏は、非常に神妙な声を出して、あれは自分一個の考えではないのであつて、党の命令でやむを得ずああいうふうな行動をとつたんだ、かようにはつきり申しておるそうであります。私は直接聞かなかつたけれども、さように聞いております。従つて、昨日ここで質疑応答がありましたような、じようだん半分にままごと遊びのようにあそこにいたんではない。これは、でたらめを言つたのを、おもしろ半分に週刊雑誌が取上げたことははつきりわかつておりますが、党の命令によつてやつたことは、間接的ではあるけれども、堤ツルヨ氏の陳述によつてよくわかるのであります。この命令関係が大石、萩元同氏にどういうふうに作用したか、ひな壇を死守しろという命令であつたか、議長席を死守しろというふうな命令であつたか、これらもはつきりわかりませんけれども、とにかく最初においてはひな壇におつたことは間違いありません。しかしその後、振鈴直前に、先ほど申し上げましたように、議長席に参りまして、議長席をあらかじめ占拠し、議長の着席を妨げ、公務の執行を妨害したということははつきりしております。

福田一自由党

○福田(一)委員 私は、ただいま高橋提案者の説明に関連をいたしまして、私が目撃しておつた事実の一端をつけ加えておきたいと思います。というのは、当日開会の十分前に私は議員会館から自由党の第四控室に向いましたところが、議場に向つて左側のドアー、いつも社会党が入りまするところが明いておりました。そうして、そこから見ますと、二十数名の人たちが入つておるのであります。そこで私は、こういうような振鈴が鳴らないのに人つていいのかということを、実はそこにおりました衛視の顔を覚えておりませんが、聞きました。それからまた社会党の人が一人そこに張番をしておりまして、その人も実は私は名前を覚えておりませんけれども、いや、今ちよつと中へ入つているのだ。こういう説明であつた。それから私は、第四控室に入りまして、当時自由党は秘密代議士会をやつておつたのでありますが、その秘密代議士会が済みましたあとで、これはもう一度議場の模様を見ておいた方がいい、こう考えまして、廊下の方から人つてみますと、堤ツルヨ議員が議長席に着き、それから山口シヅエ女史が総長席に着き、それから大野国務大臣の席に萩元、続いて大石、総理大臣席には戸叶里子というような順に並んでおりまして、しかも堤議員は、どういうことをしておるかと思つたところが、演壇にかじりつく練習をしておるのであります。演壇にかじりついて、こういうふうにしてがんばつて、そうして離れないようにするために演壇にかじりつく練習をして、これなら大丈夫だろうというような顔をして、みなと顔を見合わせてにやにや笑つている。こういうような事態においてはこれは議場は大混乱をすると考え、私は、すぐ引返して、幹部の一人に、このままで議場へ入つたならば本日は大乱闘を免れないだろう、彼らはじようだんやでたらめでやつているのではなく、もうすでに計画的に議長席を死守するという覚悟でもつてやつていることは明瞭である、こういうことであれば、われわれが議場に人つて、そして社会党を暴力をもつて——これは正当防衛であると言つても、一応暴力的な行為を用いなければ彼らは退席をしないということになると、非常な大混乱が起きることになるから、場合によつては、この際われわれはしりぞいて議席に着いて、そして衛視をしてこれらの議員を全部退席させよう議長を擁して努力をして、なおかつ彼らが言うことを聞かないという場合においては、適当な措置に出るようにした方がいいじやなかろうか、万一時間切れになつて会期の延長ができなかつたとしても、国民は必ずわれわれのこの判断に服してくれると思うという意見も申し出たくらいであります。もちろん、そのときには、こういうことも考慮いたしまして自由党としての態度をきめたわけでありまして、党議が決定いたしまして、党としてこれは排除する方向に向いて行つたことも、暴力を肯定するという結果になつてはかえつて将来に、悪例を残すという判断に立つて、ああいうふうな一つのいわゆる乱闘と言われるような事件ができたわけでありますけれども、私は、少くとも、社会党が計画的に当初から議場を占拠し、議長席を占拠しあるいはまた事務総長席を占拠したということは、私の目撃したところだけでも明瞭にこれは断定できる、こういうことを一つ申し上げておきたいと思います。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 次に、この第二の、議場の各入口にピケ・ラインを張り、各議員の入場をはばんで公務の執行を妨害したその議員として、横路節雄君、春日一幸君、山田長司君、稲富稜人君、この四人の議員をあげられております。この事項も、議長席を占拠して——議長が席に着いて議事を運営しなければ正当なる会議が成立しないことは当然であつて、事きわめて重大でありますが、しかしながら、議員が議場に入らなければこれも会議は開かれないのであつて、同様にきわめて重大なる事件であります。そこで私がお尋ねいたしたいことは、ここに四人の議員があげられております。あの当時は、提案者も御存じの通りに、四人や十人や百人の軍勢ではございませんでした。そこで四人をあげられたのはどういうわけかということをお尋ねするわけでありますが、私がここに手元に持つております一部の写真を見ましても、議場の入口の前にいわゆるピケ・ラインを張つておる。お互いに腕を組んで議場に入ることを防ぐためにピケ・ラインを張つておりますが、これを見るとみな顔を知らない人でありますから、名前はもちろん私はわかりませんけれども、秘書バッジをつけた人はほとんどありません。あるいは政党の役員のバッジではないかと思われるバッジもあります。あるいはバッジのない人もあります。全部これが腕を組み合つて、そうしてこのごろ——夏であれば別でありますが、ネクタイをやつておらないのは議場内では松本治一郎さんくらいのものでありますけれども、全部これはネクタイをはずしております。そして腕を組んでおる。まさに戦闘体勢を整えておるという状況がある。しかもそれには、ここに現に現われておりますけれども、社会党の左派の参議院議員もちやんとそこに、隊長格と申しますか、控えておる。衆議院議員も控えております。こういう状態で、議場の入口はたくさんありますが、四人や五人の衆議院議員ではとうていあの議場に入ることを防ぐことはできない、こう考えますが、ここに四人の議員をあげられております。私はみずか、稲富君の妨害にあつた。あの相撲取りような大きなからだであります。わが自由党の事務室の前に——常に自由党が入る入口でありますが、あそこに議長が入り、あとからわれわれが入るべく行つたのでありますけれども、稲富君ががんばつておる。私一人でありませんが、妨害を受けた。そこで第二十控室の前から入る。そこには参議院の、あとで聞いたのでありますけれども、吉田法晴君が一隊を率いて妨害をいたしておる。私はそれを突破して入つたのであります。そういう状況であつたのにかかわらず、四人の議員をここにあげられておるその理由と、そのときの状況を御説明願いたいと思います。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 ただいまの御質問のごとく、非常に少い数をあげておりますのは奇妙なことになつております。しかし、どうしてこの四人しかあげ得ないかということになりますと、これは、御承知のように、あのとつさの際に、あの狭い廊下に数百名の人々がひしめき合つておるのですから、なかなか確認ができなかつたことも一つの原因であります。しかし、ピケ・ラインを張つておつたのは、この人々が陣頭指揮をしておつたのではつきりわかつたのでありますけれども、ピケ・ラインを張つておつた本体というものは、今瀬戸山君が指摘されましたように、衆議院議員ではありません。大多数は衆議院議員ではないのであつて、いわゆる議員秘書、にせ秘書、青年行動隊、労働組合員、そういうような連中が院外から大多数人つて参つて、そうしてピケ・ラインを張つておつたのであります。むろん名前もわからなければ顔もわからない。従つてわれわれはこれを確認することにはなかなかむずかしいのであります。ようやく写真や、衛視諸君、警察官なんかの報告その他の報告によつて、今後刑事訴追の対象としてこういう人々はやがて明確になると思いまするが、今のところではこれははつきりしておりません。かりにはつきりしたといたしましても、御承知のように懲罰の対象になります人たは衆議院満員以外にはないのでありますから、従つてこの陣頭指揮をした顕著に明確に証拠のあがつております四人の人々のみをあげたのでありまして、この四人によつてピケ・ラインが張られて、それを自由党が、議長が突破しかねたというわけではありません。衛視諸君がいかに無抵抗主義でやるにいたしましても、この四人くらいだつたら何とか処理はできましよう。自由党弱しといえども数百人おるのでありますから、この四人ぐらいだつたら一蹴することができますが、陣頭指揮をした者以外に、院外の、いわゆる労働争議あたりで鍛え上げて来たつたところのストライキの達人みたいな、ピケ・ラインの練達堪能の士ばかりが入つておつた関係で、ここに訴追の対象としてあげることはできなかつたわけで、陣頭指揮をしましたはつきり証拠の残つておりますこの四人のみを提案の対象者とした次第であります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 次に私は、第三から第七の項目にあげられている多数の議員の行動について、一々ご説明を願いたいとは思いまするけれども、これはもう、先ほど提案者からもお話になりましたように、多くの資料によつて事態は明瞭になつております。そこで、ただそのうちの一、二の人たちについてもう一度提案者の御意見を聞いておきたいのは、一番目立つております、第三の暴力をもつて議長席を占拠し、議長の着席を妨げ、その職務執行を妨害したる者、これに多数の人たちがあげられておりますが、そのうち山崎始男君の行為についてもう少し詳しく御説明を願いたいと思うのであります。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 山崎始男君は、最も頑強執拗に議長席を占拠し死守して、最後まで議長席から離れなかつたという事案になつております。あらかじめ山崎君が議長席を占拠したかどうかには議論があるようでありますが、しかし、問題が起りました直後から、山崎君は、議長席に着きまして、議長席を死守して——これは堤ツルヨ君がおつたときからと思いますが、とにかく最初から、この問題が起つてからの直後と思いますが、堤君や山口君や大石君や萩元君よりもむしろ頑強に執拗にこの議長の職務遂行を妨害して、議長席を死守占拠したというふうになつているのでありまして、この証拠はもう明らかなことになつております。  それから、申し落しましたが、先ほど申し上げました春日一幸君の場合は、この第二の場合ばかりではなく、第三の場合、それから第六の場合、この各場合を通じて最も率先して奮闘しております。それから、山田長司君のごときに至つては、二の場合から七の場合まで全部にわたつて、これまた最も勇敢に最も率先して活躍しておりますから、この点も附加いたしておきます。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 次に、第四の「議長を本会議場より拉致し、議長室に不法監禁し、かつ廊下にピケ・ラインを張り、議長の本会議場に入場をはばみ、公務の執行を妨害した」者として、三鍋義三議員をあげておられます。これも、先ほどの第二の入口にピケ・ラインを張つた、これと関連をいたしておりますので、大体了解はつくのでありますけれども、三鍋義三君がいかに柔道六段でありましても、相手の柔道六段の堤議長を一人で拉致するということは、これはなかなか困難であろうと思いますが、そのときの状況について御説明を願うのと同時に、もう一つ私がここで疑問を持つたのは、先ほど、ここにおきまして、提案者から、これはこういう公開の席ではきわめて風俗を害するおそれがあるというようなお言葉で、堤議長が非常なる虐待を受けた事実を申された。こういうかつこうでは、あの神聖なる議長の席に着くわけには行かないからという気持をもつて、自分は一応ここを退席したいという気分を表わされたがごとき伝聞の証言がある。それと三綱義三君が拉致したということとは、これはちよつとおかしなような気がいたしますので、その点を御説明願いたいと思います。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 三鍋義三君が一人で第四の事実を敢行したということは、これはむろんあり得ないことでありまして、先ほどピケ・ラインの際に説明しましたごとく、氏名不詳の行動隊員多数がこれに参加しておつたのでありますが、特に三鍋君が率先奮闘し、直接議長の身体を暴力をもつて拘束したというふうな事実があるのでありまして、その際における詳細なる事実は、そのそばにおつて直接目撃された委員の一人である山中君が一番詳しく的確であろうと思いますから、この際山中君から補充陳述をお願いいたしたいと思います。

山中貞則自由党

○山中(貞)委員 私は三綱義三君の最もそばにいて目撃したのでありますが、三鍋君は議場外に議長を拉致した多数の人々の中の一人ということは、私も断言いたしかねますが、ただ目撃いたしましたのは、議長の洋服の左のえりを右手でつかみまして、衛視数名に守られているのを、本会議場の真正面の後のとびらでなくて、右手のとびらの方に三間ほど引きずつて行つたのであります。私はそれをとめたのでありますが、その点においてだけ三綱義三君の行動が証明できるのでありまして、そのあとの、議場外にいかなる形で拉致したかは、私も人込みにさえぎられて確認をいたしておりませんので、その明らかな点だけを申し述べておきます。

中野四郎改進党

○中野委員 今度のような未曾有の多数の人を懲罰事犯として審理するには、時間的にもなかなか困難だろうと思うのです。それから、その事犯を犯した人たちは、今日の段階では、見解を異にしておつて出席しない。そうすると、提案者あるいはこれをあくまでも事犯として取扱うべしという人々のみによつてこれを調査するのでありますから、世間間々質疑応答をやおちょうのきらいなしとしないと思うのです。私はあえて、ここで四十数名の人人の事犯について、提案者から、これはどうだつたか、あれはどうだつたかと聞く必要を認めないと思います。というのは、当日の事実について立証する写真とかあるいはそれぞれの証拠物件によつて明らかなんです。かえつて提案者を煩わすことは非常に恐縮だと私は思つております。たとえていえば、きようのこの委員会の運び方について私が提案をしたいと思うのでありますが、今回の計画的、集団的暴力行為は、その根は非常に深いものであります。われわれはこれが真相をあくまでも追求して今後の絶滅をはからねばならぬことは、論をまたぬところでありますが、しかし本委員会は、本院において懲罰事犯ありとして付託せられたもののみを対象として調査、処断を決する関係上、こういう未曾有の多数の事犯者を調査するには、先ほど申し上げたように時間的に資料の関係もありますので、私は、この際便法上最も悪質の事犯を犯した者から審査を進めて行く方が、適切なる処置ではなかろうかと思うのであります。たとえば、当日の社会党の左右両派の諸君が、いかなる形において本院に無記章の者を多く集めたかというようなことを立証するものは多々あります。たとえば、記章のリレー的な行為をとつて、通用門を渡るところだけ衛視の目をごまかすためにその記章をつけて中に入る。入ればさらに記章をとつてまたほかの者に渡す。ないしい六月二日から三日にかけて警務課に正式に届けて借りた数は、驚くなかれ社会党の左派が当日は非常に多数をきわめておる。しかも、はなはだしいのは、六月二日に借りた記章をば、六月四日、すなわち事件の起つた翌日に返しておるという事実もあり、特に無記童の者で、名古屋の市会議員で春日一幸の紹介によつて入つたと称する者が、議場の中にまで闖入しておるという事実が、当日の衛視の諸君の協力によつて明らかになつておるのであります。私は、こういうような者を一人々々あげて、総合的にこのことをきわめて、将来の暴力行為をなさしめぬ方途は別にあろうと思いますから、今日の段階においては、昨日堤、山口、高津、成田の四君の審理を進めて行つたのでありますから、本日は便法上最も悪質だと思われる者は、ひとしく皆さんが認められるところの山崎始男、山田炎司、小林進、長正路、春日一幸、横路、大石、三鍋というような諸君をピック・アツプしてこれらの事実について調査をし、他の者は大体同罪なんですから、本来から言えば全部除名してやつてもいいのですけれども、事実はなかなかそうもできぬでしようから、当日指揮命令をし、事犯顕著なものにして、しかも本国会の権威を失墜し、重ねてこの人々は、さきの文部委員会においても同じような行動をとつたというような人たちでありますから、この懲罰委員会において、この人々の、いわゆる最も重いと思われる人たちをばここに出して、そうしてこれらの者をばいかに処置するかということをきめて行く方が、運び方としてはよいのではなかろうかと思うのであります。四十数名にわたつて提案者に一々答弁を煩わすということはたいへんなことでもありますし、事実が立証しておる限りにおいては、はなはだ悪い言葉でありますが、議論の余地のないのが多いのですから、こういうような点で、委員長において大体八、九名、十名ぐらいの者をまず御指摘願つて、これらについて調査を進めて行くという方向をとつていただきたいと思います。以上委員長にお願い申し上げるのですが、お諮りを願つて適当に御処置を願いたい。

森幸太郎自由党

○森委員長 ただいま中野君の御発言、議事進行上まことに妥当な御意見と承るわけであります。ただいまおあげになりました人々は中野君の御見解でありますが、その他の委員諸君で、今お話のような意味において特に取上げて研究すべき者がありましたら、この際御発言を願いたいと思います。

田渕光一自由党

○田渕委員 中野委員の提案に対してさらに追加を願いたいのがある。ニュースを見ましても、大石ヨシエ君と萩元たけ子君が出ておるのであります。ことに大石君は洋服が破れておる。それから萩元君は、ニュースを見ましても、まるであやつり人形がひつぱられるがごとく、うしろにひつぱられておるのであります。この二人が上りましたのは、春日一幸君が指示して上つたことは、私も議場において目撃しておるのであります。これは私ばかりではありません。あの議場におつた人は、みな知つております。この大石ヨシエ君と萩元たけ子君に対して、国会職員のいすを下から取上げてあそこにすわらせておるのであります。最も神聖な議長のいすを汚した者、また議長選挙のときに代行すべき事務総長のいすを汚した者という意味で、議長並びに事務総長のいすに腰をかけた二人を、議長席を汚した者として、議長は最初から職権の懲罰に付しておりますが、さらにこの二名をつけ加えたいと思います。大体そこらの人たちが、昨日審議いたしました四人に次いで最も重点的に審議して行くべき方だと思う。これは賛成であります。  そこで、先ほどからいろいろ提案者からもお話がありましたが、大体当日の人員から見てとうてい常識では判断ができないのであります。たとえば、昨日も私の方に、悪いやつは断固除名してもらわなければ困るというような陳情に、尋ねて来る人もありまして、いろいろ話をすると、ニュース映画は五分か八分くらいで終るのでありますから、あの乱闘が二時間も続いたということを社会人は知らないのであります。また先ほど提案者の高橋君からお話のあつたごとく、議長が、下ズボンから根こそぎ、つまり上服以外のものは全部とられてしまつた、ほとんど半裸にされてしまつて、国会における議長としての職務どころか、歩行すら困難な状態に置かれた、こういうことをお話すると、そんなに人がおるんですか、院外団もおるのだから、院外団が追い払えばたいていできるものだと思つておりましたが、こう言うんです。ところが、そうではない、たとえば参議院の社会党の左派が四十二名、衆議院の左派が七十一名で合計百十三名の代議士がおるんだ、また参議院の右派が二十六名、衆議院の右派が六十四名、計九十名、もつとも一昨日ですか、甲斐君が離脱されましたので、八十九名になつておりますが、当時は九十名で、この百十三名と合計して二百三名がいるのであります。これにおのおの秘書がおつて四百六名、これに外部から青年行動隊その他を加えたものが衆議院の神聖なる議場をとり囲んだのであるから、とうてい混雑の日の浅草の仲見世を人がすれすれで通るというようなものではないのだ、実際に身動きができないのだ、そんな中でやられたというような話をすると、そんなに人が入れるのですかと言う。あの狭い廊下に百人、二百人の者がとにかく戦闘態勢でおるのだから、身動きができないのだ、こういうことを言うと、なるほどそうでしたかというような・とで納得するのであります。ニュース映画には、ただあの議長席、演壇に三、四十人乗つてやつさもつさやつておるところとか、警視庁の警官がまる腰で入つて来るところとか、間々衛視さんを囲んでやつておるところだけしか写りませんから、地方人は大体ほんとうの瞬間のできごとくらいにしか思つていないのであります。こういうような意味から、実際の真相を話すと、それほどひどいなら全部一ぺん除名してしまつたらどうですかというような激論も出て来るのであります。  こういうような意味から、私たちは全部をかけるべきではありますけれども、実際において、審議の都合上と、来る十五日でもつて本会期が終るという時間的に追われているというような点から、私は今言つたA級、A級に次ぐA級——Bクラス、Cクラスは別にいたしまして——これだけの者は断固としてやらなければならぬ、とにかく昨日審議いたしました四名に対しては断固極刑をもつて臨むべしという方針で、私たちは進んでおるのでありますが、さらにこのうちから極刑にすべき者があります。たとえばあの文部委員会において衛視さんをぶち、けり、たたき、しかも負傷さしておる。速記者は歯を折られて、身体、生命の保障がない限りは次の速記に行けないということすら言われておる。これすらも当時懲罰委員会に付さなかつたということは間違つておつた。これも当時、五党と申しましようか、国会対策委員長会議で、教育法案を上げたいがために、十二時以前のことは一切棒引きにしようというようなことをやつたということで、これが懲罰になつていない。ずつと乱暴しほうだい、狼藉しほうだいで来ておる結果が、こういうふうになつて現われて来たのであります。かような次第でありますし、ことに山田長司君などは提案理由の第二、あるいは第三、第五、第七と四つも重ねておるのでありますから、私は昨日まで審議いたしました四名を極刑に持つて行くという論に追加をして、最も重ねておる山田長司君、小林進君、これらは、さらに極刑に持つて行く点において、これから調べるうちにおいても、昨日までの四人と同様に調べて行かなければならぬということを、私の意見として申し上げます。  実際において社会党だけの代議士、国会議員並びに秘書だけでも四百六名であますから、前日からバツジなどを用意した青年行動隊を入れますと五、六百人も入つておる。これをわずか百五十人の衛視さんだけで制止できるはずがない。ことにまた審議過程においては、衛視さんの負傷の程度は医務室においてわかるのでありますから、これらの証言も求め、あるいはまた警視庁の警官たちがどんなにひどい目にあつておるかというような点においても、これらの診断書があるのですから、その提示を求めて参考にして行かなければならぬと思います。まつたくまる腰で無抵抗であり、しかも議員の中に入つて、どちらにもけがのないようにお互いの身辺を護衛し、めんどうを見てくれる衛視さんに向つて、けつたり踏んだり——私は、翌日など若い衛視君——名前は知りませんが、どうした君、いや先生、腰が痛くて、こういう実に気の毒な態度を見たときに、何たることをしたのか、これが両派社会党の議員の暴行だ、それを自由党でも改進党でも、乱暴する以外の各議員が何で見てくれないのか、これらに対してどういうわけでわれわれを擁護する発言をしてくれないのか、われわれはいつもなぐられ損で行くのか、あるいはやみからやみに黙つていなければならぬのか。こういうようなことは今日の憲法上の人権尊重からいつても許されないことだと思うのでありますから、この際に断固——最もけつたり踏んだりしたのは小林君、山田君であります。これらの陳述書が出ておるのであります。ことに、わが党の荒舩議員などは、ドアーの入り口で山田君にやられて、いまだに胸が痛いと言つております。こういうような状態でありますから、私は、きのうの四名に、さらに小林進君と山田長司君、この二人は極刑に処すべく臨んで行かなければならぬということを申し上げておきます。

森幸太郎自由党

○森委員長 ちよつと御注意しますが、今審議の途中でありまするから、結論的にお入りにならないように御発言をお願いいたします。

田渕光一自由党

○田渕委員 私の意見は、中野君の提案の十名近い最も罪重き人たち、それらの中においても、この二人はそこらに加えて御審議を願いたいということを私は要望するのであります。

森幸太郎自由党

○森委員長 了承しました。

江藤夏雄自由党

○江藤委員 議事進行について。委員長にちよつとお願いしたいのでありますが、それは、先ほど提案者からもちよつと御発言がありました堤ツルヨさん、この方が議長席を占拠されたのは党の命令によつて自分はやつたのであるということを、NHKか何かの座談会の席で言つておられたということが言われました。しかし党の命令でやつたことがはたして真実であるかどうか。それを今調べるわけには行かない、そういう手段がないということでございましたが、この党の命令ということがあつた。それからまた、その党の命令を出さすようにした党にさらにその命令をした何ものかがあるのじやないかこういうふうな説が世間で今盛んに行われておるのであります。実際あの事件というものは国会の機能を一時麻痺させたのでありまして、いわば局部的な暴動、局部的なクーデターとも言えるのであります。それで私委員長にこの際お願いしておきたいのは、日本においていわゆるクーデターと申しまするか、暴力革命と申しまするか、そういうふうなものを企図しておる何らかの勢力がある。ありはしないか、そのことに関しましては、国の治安を維持する責任のある機関においては当然何らかの情報を持つていたければなりません。持つていないとすれば、これはまたたいへんな怠慢である。それで国警なりあるいは法務省なりのそういうことに関する責任のある立場の者を証人としてひとつここに呼んでいただいて、その間のことがはたしてどういうものであるかというお取調べをお願いしたい、こういうことであります。これは、今回の事件の真相を一応明らかにしておく上におきまして、どうしてもやつておかなければならぬことだろう、こう思うわけでございますから、その点を委員長にお願いしたい、こう思うのであります。

森幸太郎自由党

○森委員長 江藤委員にお答えいたしますが、今回の事件につきましてはいろいろの原因もあることと存じます。しかし、われわれ委員会は、発案者が懲罰動議を提出せられたその範囲内において、これをいかに処置すべきものか、違反者としてこれを処置するかしないかということを決定するだけに制約されておるのでありますから、この原因あるいは使嗾いたしたとかいうような問題については、これは別個の問題として取上げなければならぬと思うのであります。この懲罰動議を提案された方が、そういう原因を調査されて、これが首謀者であるというので、本会議で氏名を挙げての動議が出ておれば、もちろんそれは調査いたしますけれども、ただ本会議で結論されたことによつてわれわれは調査するのでありますから、これは別途の方法によつて考えなければならぬことだと、かように考えますから、悪しからず御了承を願いたいと思います。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 今委員長の言われたごとく、懲罰委員会の使命と能力は限定されておる点がありますので、そういう根本問題についてはいずれ刑事問題としても調査がありましようが、国会内に特別真相調査会というふうな特別委員会を設置して、そこで徹底的にそういう問題を検討したい、調査したいというような相談もありまするから、多分それが実現すると思いますので、その際に言つていただきたいと思います。

江藤夏雄自由党

○江藤委員 提案当の御説明で大体了解いたしました。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 私は、いずれの政党にも属しないというきわめて公平な立場から、この事案を批判し得る立場に立つ者でありまするが、この前の事件を見まして、議会政治を守るという見地から二、三所見を申し上げまして、皆様の結論をお出しになる御参考に供したいと思うのであります。  その第一は、この事件は二・二六事件よりもある意味において悪質であるという点であります。その理由は、二・二六事件は、思慮の浅薄な、血気にはやる青年将校たちが義憤を感じてやつた越軌の行動であります。その手段において兵器をもつて人を殺したということはきわめて憎むべき暴力行為でありましたが、今度の事件はそれに比較いたしますと、きわめて知能犯的な暴力行為である。計画的である、その背後には天下の公党なる両派社会党が糸を引いている、その幹部によつて指導されている、こういう点であります。二・二六事件は、青年将校が、北一輝氏の日本改造法案というものを革命のバイブルとして、それを武力でもつて遂行しようとたくらんだものであり、今回のこのクーデターは、五月月十一日左派社会党の中央執行委員会において決定された組織綱領の中に、国会はわれわれの革命のための闘いの場であると規定されておる、この左派社会党の組織綱領に基いて、この国会の中に演出された暴力行為であるということを、特に注視をしていただきたいのであります。実は、あの渦中にありまして、何とかして守らねば議会政治が崩壊するという感じを私が抱きまして、あの議席に右派社会党の河上委員長をお尋ねしたのであります。

森幸太郎自由党

○森委員長 ちよつと辻さんに御注意しますが、あまり御意見にわたらぬように御注意願います。

辻政信小会派クラブ

○辻委員 その除こういう事態があつたのであります。私は事実はふだんから非常にあの方の人格に政党政派を越えて敬意を表しており、この事件を治めるのは河上委員長以外にないと思いまして、その議席にたずねて、これではいけませんから、どうかひとつこの暴力を押えていただきたいということを、真心を持つて御忠告申し上げました。そうすると、委員長いわく、これは与党が多数をもつて横暴をやるから起つた当然の事態であるというお答えでありまして、何らあの事件を押さようしずめようとされる気持がうかがい得なかつたのであります。これが一つ。いま一つ、左派社会党の鈴木委員長がこの乱闘の直後に新聞記者に話をされておる。民主政治を守るためにはやむを得ない手段であるとして、あの暴力を肯定されている、こういう問題。それから乱闘の直後に奪い取つた警官の帽子を戦利品としてビールの祝盃をあげている、戦勝祝賀会を開いている。こういう点。その後新聞にあるいはラジオに発表されるその人たちの言動の中には、心からあの暴力行為というものを自責の念を持つてごらんになつておらぬ。こういう点から考えますると、ある意味において、二・二六事件よりもはるかに悪質である。従いまして、この懲罰委員会の取上げる限界を越えるかもしれませんが、その背後における事件の本質というものをごらんになつて、これに正当な結論を下すべきであるというのが第一点であります。  第二は、先ほども中野委員から一つの資料を提出されておりますが、数日前から計画的に議場内の通行証の悪用をはかつたという点、こういう点は何としても許されない。偶発的な発作的な暴力ではない。きわめて深刻に周到に計画されたクーデターである。これをこの委員会並びに国会においてもし各党の妥協の道具に使われたならば、ゆゆしい事態を起すのではないか佐賀県会において同様のケースの事件がただちに起つておる。こういう点から見ますと、同僚議員に対してはまことにお気の毒でありますが、断固としてその根源を断つ、こういうふうに考えねばならない。われわれはこの国会を与党と野党の共通の言論の広場としております。はげしい言論の対立は当然起るのでありましようが、そのはげしい対立の中において与党と野党を越えて持たなければならぬ一つのものがある。その一つのもは何であるかといえば、暴力を否定する、議会政治を守る、これだけは党派を越えて打たねばならない共通の一つのものである。これを考えないで事件をあやふやのうちに葬り去つたならば、やがてはこの議場の中に爆弾が飛び拳銃が現われるという事態が起る。これを私は憂えまして、これだけはお互いが勇気と良心を持つて将来に禍根を残さないようにすることが絶対に必要だと感ずるものであります。  この二点を委員の皆様並びに委員長に申し上げて、結論を出されるための御参考にしていただきたいと思います。

田渕光一自由党

○田渕委員 私は、提案者の高橋君に、提案者を代表して一つの御信念を伺いたいのであります。というのは、本日は鍛冶君が奥様が急病のために御欠席になつておられる、柳谷君が何か急用ができたというので御出席にならぬ、こういうようなわけでありますが、数日来の新聞紙では、五党幹事長あるいは書記長会談において、この懲罰問題を取引道具に供しようというのは、新聞に公知の事実であります。われわれが負託されたこの神聖なる懲罰委員会で、事の真相を明らかにし、罰すべきは罰し、そうしてはつきりとこの院の秩序を保持しなければ、今辻委員からお話になつた通り、やがてこの国会が暴力によつて占拠された場合には、もうほんとうに一切の機能が停止する。これをねろうておる前提が今度の六月三日事件だと思うのでありまするが、これほど重大な問題を、この院の秩序を無視した行為に対して、われわれは慎重に審議しておるにもかかわらず、各党の幹部がこれを取引の具に供しようというのは、これは、新聞に出ておるところを見まして、私非常にけしからぬことだと思う。罰すべきは罰し、そうして懲罰委員会は厳正、公平、冷静に事の真相を調べて、あれだけの大事件をわれわれ委員が慎重に審議して、こういうふうにしたのだという結末をつけねばならないときに、いかにもこの懲罰をあるいは極刑に処するのはいかぬとか、あるいはこうだとか、つまり懲罰委員会に圧力を加えるようなことを幹事長あるいは書記長会談で行われているということは、新聞紙を通じて事実であります。かような場合に、私は、提案者として、いかなる干渉があろうが、いかなる会議が行われようが、われわれはわれわれとして懲罰委員会で真相をきわめてここに結論を出し、国民にこたえるのでありますが、この場合に提案者としてこういう事実を——私たち委員はそう見ておるのであるが、提案者がどういうふうに解釈されているか、あるいはいかなることが五党会談で行われるとも、提案者として今日提案された信念に一つも動揺はないと思いますけれども、信念のほどを伺つておかないと、つまり懲罰委員会は非常に低調であるとか、あるいは審議がやおちようであるとかいうようなことを聞いております。私は新聞の報ずるところを一々真実とは思いませんが、われわれは決してやおちようのことをやつておるのではない。相手がいなければいないだけに、冷静公平に、しかも厳粛にやつて、これをいずれの目に、だれがこの速記録を見ましても、われわれ委員があの事件をもつてこれから将来に向つて警告を与え、よつて来たる禍根も調べ、そうして再びこういうような不祥事が起らずに、つまり民主政治というものを守つて行かなければならぬ、こういう真心において会議を通じて記録に残す。これはだれが見ても後日わかることでありますから、私たちはその信念で参りますが、こういうつゆの天候のごとく、何だか頭の上にもやもやするようなものがありまして、五党会談、時局収拾というような意味において、各党間において懲罰の問題が取引の具に供されるということは、はなはだけしからぬことだと痛憤にたえないのであります。この点について、ひとつ提案者はいかように考えられ、いかような決意を持つておられるかということも、この際に私は伺つておきたいと思います。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 提案者の立場としては、信念にかわりありません。将来もかわりありません。従つて、提案者が望むところは、懲罰委員会会において、純粋な、純理的な立場、すなわち厳正公平な立場でこの問題を審議して結論を出していただきたいと思つております。それを心よりお願いしておるのですが、ただ提案者の立場といたしまして、国会議員高橋英吉、衆議院議員の提案者の一人といたしましては、党籍もあることでもあり、ただいま田渕君が言われました五党会談というものが、単に醜悪なるやみ取引の、何か悪いことでもしておるというような会議でありましたならば、それはむろん問題外でございますけれども、しかし、いわゆる大所高所から、国家のために、民族のために、最善の結論が生れるというふうなことになつた場合に、もしこの厳正公平な懲罰委員の結論と違う場合があつて、いわゆる大所高所から、例の検察庁法十四条の指揮権の発動といいますか、そういうものが出た場合に、はたしてこの指揮権のままに盲従するかしないかということは、そのときの諸般の情勢によつて検討して、われわれは、国会議員として、また懲罰委員としまして、提案者としまして、善処したいと思いまするが、ともかくやみ取引とか醜悪な政治的取引の具に供されることに対しましては、絶対に私どもは排撃する次第でありまして、提案者としての信念は、最初も現在もまた将来も絶対にかわらないということを、ここにお誓いいたしておきます。

森幸太郎自由党

○森委員長 ちよつと田渕君の今の御発議に対して、委員各位にも私の意見をこの際申し上げたいと思います。今発案者にお尋ねになりましたが、発議者はこういうことはいけないという気持で、本会議に党の了解を求めて動議が出されたのでありまして、われわれのやつておりますのは、国会の運営の上においての仕事であります。五党会談とかいうようなものが開かれていることを私ども認めておりますが、これは国会以外の仕事であります。われわれは国会の運営においての仕事をしておるのでありまして、この懲罰委員会が五党会談のやみ取引にされるとかあるいは利用されるとかいうことがあつてはたいへんであります。私はその信念をもつて皆さんとこの委員会を進めておるのであります。われわれは国会という権威のある機関の一機関として仕事をしておるわけでありますから、皆さんも、どうかそのお気持で、新聞等にどう書いてありましても、迷わされないようにひとつお進めを願いたいと思います。

田渕光一自由党

○田渕委員 提案者並びに委員長の御決意のほども伺い、またわれわれ委員といたしましても、冷静に厳正に公平にやることにおいては微動だもしてないのでありますが、間々社会の大衆が迷うのであります。と申しますのは、社会党の良識とは極刑にしないことである、除名をしないことである、こういうことまで出して来ておる。そこで自由党の良識とはこれを極刑にすべきであるということが良識である、こういうふうに良識においてきまつて、あるいは除名、登院停止等の規定の範囲、懲罰委員会がやる範囲を、つまり懲罰委員会以外の方面において討議されて、その既成事実を新聞紙を通じてやつて行こう、その結果社会党は除名が助かるならばこの国会は有効であるとして出よう、こういうようなことまでも、新聞に出ておるのであります。およそ日本の政治史上かつてないこれだけの大きな秩序を乱し、民主政治の根幹をゆるがすようなことをやつておきながら、罪は罪としてどんどん調ぶべきにかかわらず、なおかつ何ら反省の色がなく、社会党の首脳部においては、もしも除名にされるならば、われわれは五党会談に出ないのだとか出るとか、まことに懲罰委員会を無視し侮辱したようなことを、その党のおのおのの幹部が論議されたとするならば、これは断じて許されません。私たちはこの国会が成立しておることは事実である。社会党が六月三日以降の国会は無効であるということを認めるについては、懲罰委員会において除名さえしなければ認めるのだというようなことまでも新聞に出ておる。この審議過程において、まことに当委員会を侮辱し、われわれ委員を侮辱するもはなはだしいのであります。かようなことが新聞等に出ておることでありますから、迷うなと委員長が言われましても、一般国民大衆は結局はやみ取引に終るのではないかという不安を持つておるのであります。私は、断固として切るべきは切つて、この際かようなことは再びないという範を示すためには、泣いて馬謖を切らなければならぬ。もしも、私たちの所属する党において、幹部がゆるふんであつてやみ取引をするようなことになつたら、私たちは断固として許しません。われわれは政治生命をかけても闘わなければならぬ問題でありますことを、この機会に申し上げておきます。

森幸太郎自由党

○森委員長 田渕君の御意見としてごもつともでありますが、どうかひとつ党の幹部を啓蒙してやつてくださつて、そうして国会の本筋に乗せるように党において御努力を願います。  この際御報告申し上げますが、左派社会党の国会対策委員長八百阪正君から議長にあてまして次のような連絡があつた旨議長から通知がありました。   六月十一日付で貴殿よりわが党成  田知巳議員に対し懲罰委員会に出  席するようにとの通知を受けました  が、第十九国会は六月三日をもつて  終了いたしておりますので、出席通  知には応じられません。   右連絡いたします。こういうのが八百板国会対策委員長から議長にあてて来ました。  昨日右派社会党より、本日左派社会党より、それぞれ出席要求には応じかねる旨の通知がありました以上、委員長といたしましては、審査の慎重を期するためなるべく本人の弁明を聴取して審査を進めたいのでありますが、これも不可能と存じます。なお、一時を過ぎましたが、現在におきましてはどなたも御出席になつておりません。従いまして御質疑があればこの際さらに続行をいたしたいと存じます。——別に御質疑がなければ、これにて質疑は終了いたします。  次会は明後十四日午前十時より開会いたしますが、もう質疑は終了いたしたのでありまするから、最後の御決意をひとつ各委員において御決定を願つておきたいと存じます。

田渕光一自由党

○田渕委員 先ほど私は申し上げておきましたが、衛視諸君並びに警視庁の警官諸君の負傷の診断書あるいはその他の資料も、明後日の委員会までに、委員長においてお取寄せをひとつ要求いたしておきます。

森幸太郎自由党

○森委員長 承知いたしました。  これにて散会いたします。    午後一時二十五分会

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