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19回国会衆議院1954/06/11

懲罰委員会 第2号

発言数
37
登壇者
9
会派数
2
開催日
1954/06/11

会議録

森幸太郎自由党

○森委員長 会議を開きます。  議員堤ツルヨ君懲罰事犯の件、議員山口シヅエ君懲罰事犯の件搬、議員高津正道君懲罰事犯の件及び議員成田知巳君懲罰事犯の件を一括議題といたします。  この際御報告いたします。本日午前十一時右派社会党より議長まで次のような申入れがあつた旨事務総長より連絡がありましたので、これを朗説いたします。  一、懲罰委員会に堤、山口両君の出   席を議長より要求され電報迄貰つ   たが、右派社会党としては過般の   会期延長を無効のものとして認め   ていない立場上懲罰委員会も合法   的有効なものと容認し難いから之   に出席いたし兼ねる実状にある。  二、目下五党会談が円満に進中行で   あつて各派一致の妥結案が出来る   かも知れない際でもあるから吾が   党の取つておる立場からは出席い   たすべきものではないと思う。  三、然し議長が正式に出席を要求さ   れた立場に居られる以上何等の意   思表示をしないのは非礼と思われ   るので吾が党の立場を明かにし遺   憾乍ら出席いたし兼ねることを申   し上げて御諒解を求める。  四、此の事は議長より懲罰委員長に    も御伝達を願う。以上の通りであります。  なお、左派社会党からはいまだ公式の申出はありません。  堤、山口、高津、成田の四君はいまだに御出席がありませんので、本人に対して弁明を求めることもできません。四君につきまして押谷富三君等懲罰動議の提出者に対して御質問があれば、これを許します。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 ただいま本委員会の審議の対象とされております議員堤ツルヨ君、山口シヅエ君、それから高津正道君、成田知巳君、これらの議員の懲罰事犯につきましては、さきに当委員会において提案者からおよその事犯の内容を御説明になつたのでありますけれども、もう少し具体的にその事実を糾明する必要がある、かように私は考えております。そこで、さきに御説明になりました基礎事実に基いて、さらにこまかくお尋ねをいたすのでありますが、まず第一番にあげられております、議長席をあらかじめ占拠し、議長の着席を妨げ、公務の妨害をいたした、それに該当するものとして、堤ツルヨ君、山口シヅエ君、その他の人も同時にあげられておりますが、私がもう少し明らかにいたしたいことは、あらかじめ議長席を占拠しというのはどういう状態であつて、しかも議長がその職務を行うことができなかつた、公務の執行を妨害いたした、その行動について、もう少し詳しく御説明を願えればけつこうだと思つております。

押谷富三自由党

○押谷委員 懲罰事犯の内容につきましては、昨日高橋英吉君から詳細御説明に相なつたのでありますが、ただいま瀬戸山委員からのお尋ねがありましたので、堤ツルヨ君、山口シヅエ君の関係につきまして、私より補足して御説明を申し上げたいと思います。  当夜は、御承知のように、九時から約十時前までの間において、社会党左右両派の議員が運営委員会の委員会室の一隅に議長を監禁して、議事の妨害、会期の延長を妨げようという計画をもつてやつたのでありますが、これが失敗に終りますと、ただちに本議会の開会を妨げよう、そうして時間切れによる重要法案の不成立をねらおう、こういう一つの計画のもとに、組織的に集団的に一つの暴行を計画いたしまして、その最後の処置が、ただいまあげられました堤ツルヨ君、山口シヅエ君外二名の人の行動となつて来たのでありまして、あらかじめ、彼らの計画によりまして、十時前に議場に入りましたただいまの両君と、ほかに大石ヨシエ君、萩元たけ子君、これらの者が登壇をいたしまして、まず堤ツルヨ君が議長席に着いて、そして山口シヅエ君が事務総長席に、大石、萩元の両君は大臣席に着きまして、議長が入つて来ても議長席に着くことのできないような状況に置く、そして、婦人でありますから、婦人に対する男子議員の暴行はないのであろう、婦人に対する議長から何事もできないであろうというような考え方からいたしまして、社会党の計画によつて、この両名の人が議長席あるいは事務総長席に着きましてがんばつている。やがて振鈴が鳴りましたのは、たしか十時三十六分だと思いますが、この時間に振鈴が鳴つて、いよいよ本会議は開かれなければならぬ関係でありますから、当然議長にその席を譲つて、自分らはそこから降壇しなければならぬ関係にあるにかかわらず、振鈴後においても依然としてその席にがんばつておる。しかも社会党左右両派の屈強な議員がこれを掩護するために登壇をいたしておる。こういうような状況にあつたのでありまして、とりあえずこの堤、山口の両君は振鈴後も議長席あるいは事務総長席にがんばつて、議長の登壇を妨げた。そうして自由党の議員その他の者が大勢これらに向つて降壇を要求いたしましてもがえんぜずして、最後までがんばつて、あの大騒ぎの因をなした直接の原因はこの両君にあつたということと、そうして神聖であるべき議長席、事務総長席を彼らが浸したということは、まことに、国会の名誉のためにも、またあの当時の混乱の原因をなした点から見ましても、許しがたい事犯である、かように考えてここに説明を申し上げる次第であります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 あの当時の状況を現認し、またはその後のニュース映画等を見ましても、大体今御説明になりましたような事態であります。そこで、一体、どのくらいの時間、いかなる状況にあつて、それがその場所を占拠しておつたか、その点をもう少し明らかにしてもらいたいと思います。

押谷富三自由党

○押谷委員 最初は、先ほど申し上げましたように、開会前から計画的に彼らはこの席を占拠いたしまして議事の妨害をしようという処置に出たのでございますが、振鈴が鳴りまして、自由党議員が議場に入りましてそれぞれの議席に着いても、なお彼らはおりようといたしません。彼らを擁護する社会党左右両派の屈強な議員とともに、頑強にここにがんばつておりますので、自由党議員がこれらに向つて降壇を要求し、そこに相当の実力衝突もあつたのでありますが、依然として彼らが頑強に抵抗いたしまするので、時間からいたしますと約十数分の後、遂にこの壇上から実力をもつて引きおろされるという状況によつて、この人たちはこの壇上からおろされたのであります。時間の点は正確なことははわかりませんが、おおむね二十分程度頑強に抵抗いたしておつた。これは振鈴後であります。こういう状況にあると申し上げて間違いないと思います。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 新聞その他で伝えられるところによりますと、議長席を占拠した堤ツルヨ君や山口シヅエ君その他のいわゆる婦人議員の語るれるところによりますと、これは何も議事を妨害するばめではなかつた。ただ、御承知のように本会議は休憩中であるまして、いつ本会議が開かれるかわからないという状態であつた。そこで、たまたま中に入つておつて、おもしろ半分に議長席にすわつてみたい、あるいはその他の大臣席にすわつてみたいという、子供の遊びみたような気持でやつた、そういうことを新聞やなんかに語られたというふうに報道されているのであります。しかも、ああやつて相当の騒動になつて暴力が行われるようになつてから、なぜその席を動かなかつたかというと、男子議員の多くの人たちがあそこに殺到して結局身動きがならなかつたから、しかも暴力を加えられたので、議長のテーブルにしがみついていた、こういうふうなことも言われているのでありますが、さような状況であつたでありましようか、御説明を聞きたいと思います。

押谷富三自由党

○押谷委員 今瀬戸山君のお話の中に、両婦人議員の弁明の言葉がありましたが、いやしくも国会議員が、いかなる時間内におきましても、議長席や事務総長席にふざけてすわるとか茶目ですわるとかいうようなことは断じて許されません。常識をもつては許されないことでありまして、さようなことは通用いたしませんが、しかも振鈴が鳴つているのでありますから、国会の開会はすでに宣せられる直前である。開会がされるという状況にあることは振鈴によつて明らかであります。しかも大勢の議員が本会議開会のために議場に入つているのでありますから、さような婦人議員の説明は、まつたく筋の通らない弁明と申さなければならぬと考えております。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 私からちよつと補足説明したいと思います。今の瀬戸山委員の質問でありますが、ここにいよいよわれわれが議場へ入つたときの議長席における写真が明瞭に出ております。これを見ますと、最初堤君と山口君が議長席及び事務総長席におりましたのを、いよいよ入るというときになつて、萩元たけ子君、大石ヨシエ君が議長席へ入りました。その裏には勝間田清一君、三宅正一君、久保田鶴松君、春日一幸君、それからこれは井谷正吉君だと思います。それに小平忠君などが後におつてがんばつております。これはおそらくこれら四人の婦人議員を先頭に立てて戦闘態勢を整えておるものと断ずるほかはありません。さらに、その後の調べによりますと、春日一幸君は、その前に、議長席の裏の出入口をとめるために、新聞では萩元たけ子君の腰ひもでゆわえたといつておるが、実際のところは針金です。ワイヤーでこれをとめて議長席に入られぬようにやつておる。これらのところから考えますと、そんな茶目や冗談でやつたのではなくて、堂々たる計画のもとに、水も漏らさぬ暴力行為をたくらんでそれを実行した、かように断ずるほかないものと考えるのであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 御説明で大体そのときの様子がめに浮んで来るのでありますが、私も、その後、この点がきわめて重要な要素をなすという考えから、二ユース映画を四回見たのでありますが、たまたま開会前からああやつて婦人議員が議長席その他を占めておる、そして議長席やあるいは大臣席の上にあるすずり箱、その他の固型物をすべて片づける所作をいたしておるのが、ニユース映画に現われております。そういうところを見ますと、今御説の通りに、決してこれはただあそこにすわつてみたいという気持でない一つの証拠になると思います。  もう一つ、これはわが自由党の山本勝市議員でありますが、たまたま乱闘に一部入りました後に、大石ヨシエ議員に対して、婦人がこういう席におるとけがをするから下りなさいという忠告をしたそうであります。ところが、いやここにおらなければしかられるのだ、どなたがおしかりになるのか知りませんけれども、ここにおらなければしかられるのだということを言われた。これは伝聞でありますから直接でありませんが、そういう事態があつた。こういうふうに思われるのでありますが、先ほど御説明のように、決してこれはただ単に茶目けでやつた、そういう非常に簡単なことでないということをよく了解いたしました。  そこで私は、この点は、御説明によつて内容がきわめてはつきりいたしましたので、ここでとめますが、次に、この前の委員会における御説明の中で第三としてあげられました、暴力をもつて議長席を占拠し、議長の着席を妨げ、その職務の執行を妨害したる者として、今日問題になつております高津正道君、成田知巳君、——ただ議長席を占拠したというのは、先ほど堤ツルヨ議員、山口シヅエ議員、これと同じような表現になつておりますが、この高津正道君、成田知己君はいかなる所作をいたして議長の職務執行を妨害したか、もう少し詳しく御説明を願いたいと思います。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 ここに議長にいわゆる直接の体当りをしておる写真が出ております。これはだれであるかを現認できなくていろいろ協議をしておりましたが、映画を見てはつきりしたのであります。この写真に出ておるのは高津正道君であります。ところが、高津正道君の前に、もつと議長に体当りをしてやつておるのが成田知巳君であります。それで成田君が力強く議長を押したものだから、議長が体をよけてこつちに来たら、そのよけて来たところを高津君が押えた。議長に直接体当りをしておる。かようなことは許すべきものでない、断じて許されぬことである、かように考えて、これをまずあげたわけであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 今の御説明で大体の様子がわかつたのであります。これは、休憩後、夜の十時何分かはつきり私は記憶いたしておりませんが、自由党議員その他の方々が、議長が本会議場に入ることを促すために、議長サロンに軟禁されておると言いますか、暴力をもつて議長の部屋に監禁されておるのを開いて、議長を自由党の第四控室に逃げ込ました。その後、会期延長の議決をするために、議長は開会の振鈴と同時に本会議場に入られた。入るについても、相当の乱闘があつて、命からがら入られたという状況であります。その際、議長は、自由党の三池議員あるいは田中議員、衛視の人はもちろんでありますが、その他多数の議員に守られてようやく議長席に着こう——議長の席から言いますと左側になりますが、議員の席から言うと向つて右側になるあの上り段を上ろうとされたときに、まず第一番にあそこに待ち構えておつた社会党の成田知口君がこれに飛びかかつて登壇を妨げた。これは写真ではつきりいたしております。それから成田君は、どなたか知りませんけれども、これも防衛の実力によつて排除された。ところがそのあとに控えておつた、今おつしやつた高津正道君が、さらに議長の議長席に登壇することを防がんとして暴力を加えた、こういうふうに私どもは写真あるいはニュース映画によつて詳細に現認いたしておるのでありますが、その事実を、この第三としてあげられた、暴力によつて議長席を占拠し、議長の着席を妨げ、いわゆる職務執行の妨害をしたという点に指摘されておると了解してよろしうございますか。

押谷富三自由党

○押谷委員 今瀬戸山君が説明せられましたその通りの事実であります。しかも、その事実は、当時議席におりましたわが党議員の大部分が目撃いたしておるところであり、映画にもまた新聞に載せられております写真等においても明らかでありますが、当時議席におりましたわが党議員のほとんど大部分が、ただいま瀬戸山君のお話の、この事犯の内容をよく承知いたしておるところであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 大体本日出頭をお願いいたしました四人の議員の各位に対する懲罰事犯の内容は、今の質疑応答によつてその全貌が明らかにされたと思います。しかしながら、これはきわめて重大なる事件でありますし、しかもこうやつて人の身分に関することを審議いたします場合においては、その事実が最も基礎をなすことは言うまでもありません。そこで、今写真にあるとか、この写真があれば、あるいはニュース映画にある、あるいは新聞記事その他にあるというだけで、主観をもつて事を断ずるわけには参らないのであります。そこで私は提案君にお願いいたしたいのでありますが、そうやつてこの事実に関する資料を収集されておるようでありますから、この委員会にその事実を立証する証拠としてひとつお出し願うと非常にけつこうだと考えます。委員長にひとつそのおとりはからいをお願いいたします。

森幸太郎自由党

○森委員長 承知しました。  ただいま議題になつておりまする堤、山口、高津、成田君の懲罰事犯についてでありますが、質疑はほかにありませんか。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 大体瀬戸山君の質問に対しまする提案者の御答弁で事犯の輪郭ははつきりいたしたのでありますが、本日はこの懲罰に付された人々が御出席になつておりません。そこで私は、週刊読売の六月二十月号へ堤ツルヨさんがいろいろとお話になつておる記事が出ております。その他新聞あるいはラジオ等でやはり同じようなことを、お話しになつておられますので、おそらく出て来られたらこういうことをお話しにもなるだろうと私は推測いたしまして、この記事を一応読み上げまして、それに対しまする御判断の御答弁をお願いいたしたいと考えます。  この堤ツルヨ議員が弁解しておしりまするのは、「なにしろ長い休憩やつたもんで、わてらはあそこで遊んどつたんや。わてが同名の堤議長、山口さんが事務総長、戸叶大臣、福田大臣という工合に。そこへ突然猛牛のように、本ものの堤議長がなだれこんできたんや」。堤議長が入つたときに議長席を占拠して大臣ごつこして遊んどつた、こう言つておる。そして続けて「わてらが遊んどるところを自由党が押しよせたら、どうなるちゆう事は考えた。」こう言つております。そして「議長席のうしろにわが党の人がピケ・ラインを張つとる、」こう書いてある。すなわち社会党の同志の人々が、その背後にピケ・ラインを張つて、婦人議員を議長席へ荒かしておつた、あるいは事務総長席へ着かしておつた、こう言つておる。そうして「このまま正面衝突したら大変やと思うた。」「男と男とが激突する前に緩衝地帯として女がおつたらよもや乱暴はすまいという気になつた。だから、大石さんと一緒に卓上のスズリ箱、振鈴など危いものはかたづけておいたんや。」こう言つております。それらにつきまして、これらのことはたびたび本人がいろいろなことで繰返しております。先ほどの説明で大体明らかだと思いますが、こうしたことについていいま一度お話を承つておきたいと思います。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 第一、議長席でままごとをやるとか、遊びをやるとかいつた、その観念が許されない。しかしながら、先ほども申し上げましたように、決してさようなものではございません。今言われる通りに、うしろに社会党の議員がピケ・ラインを張つておる。いわゆる暴力態勢を整えておつた。そして、先ほど申し上げまするように、裏の議長の通路から議長が入れないように、どこで用意しておつたものか、針金をもつて入口をゆわえた。かようなことは、まつたく許すべきことではありません。ことにすずり箱を取片づけたということを認めるならば、ままごとをするのに取片づける必要がどこにあるか。さようなことを言つて申訳になると思うか。世間をだまされると思うか。さような言を吐くということは、まつたく容赦のならぬことだと私は思う。この意味からしても、さようなものは国会議員として許さるべきものでないと確信いたします。

高橋英吉自由党

○高橋英吉君 先ほど、瀬戸山君から、今の事犯の裏づけのためにいろいろ証拠を提出したらどうかというふうなお話がありましたが、しかし、従来の懲罰委員会の慣例といたしましては、これは裁判所とはちよつと事情が違う。懲罰委員自身が検事であり、判事であり、また証人という三つの立場を兼ね備えておるというふうなことになつております。従つて、懲罰事犯にまわされた多くの者は、付議された者は、言うまでもなく公然と府会議員の前で、われわれ同僚の前で行われたことが大部分なのでありまするから、これを目撃した者が大多数だということのもとに懲罰委員会に付議されたわけなのです。第一本会議で何らの証拠とか何らの裏づけとかいうふうなものを持ち出さずして懲罰委員会に付議されたという事実は、すなわち公知の事実であつて、多くそれを事実関係において調べる必要がないという前提のもとなのです。従つて裁判所のように一々事実関係——証人を喚問したり、その証拠をこまかく提出して、そうして審議するところではないのであります。この懲罰委員会は、従つて、証拠はたくさんあります。ありますけれども、限られた時間の中でこの多くの者の結論を出すということは、事実関係についてはなはなかむずかしい。裁判所のような丁重な審議をしておりましては、五年たつても十年たつてもなかなか審議は完了できません。本人なんかを呼び出すことについても、呼び出す義務がないのであります。委員長の説明にもありましたごとく、われわれ同僚として一応本人の弁明も聞いてみたい、聞いてやつてもよかろうという、そういう立場から、もし本人が、その必要があるならば、出席して弁明してもよかろうというふうなことが前提になつている委員会なのであります。瀬戸山君は、判事さんをやつておられたから、従来在職中は国民の利害関係というふうなものについて最も慎重審蔵をされたような立場から、この懲罰委員会においても同様なお考えで御発言になつたと思いますけれども、本人ですらも弁解の機会を与える義務はないのでありますから、従つてそうはつきりしたものについてこまかく証拠を提出することは必要じやないと思います。先ほど、鍛冶君や押谷君の答弁中、ニユース映画とか雑誌とか新聞とかというふうなものを証拠としてあげられて、あたかもそれによつてこの懲罰事犯が断定せられるがごとき感を呈するようなお言葉があつたじやないかと思いますが、そういうことではないと思いますけれども、これは単なる一、二の例をあげたにすぎないので、全部の議員が見ているわけです。これはそういうふうなことを前提としての委員会であり、従つて本会議でもその犯状を認めているわけなのでありますから、その程度でひとつ御審議願いたいと思います。なお必要なものは提出してもよろしゆうございます。

中野四郎改進党

○中野委員 どうも今高橋委員の御質問の中にありましたように、何かの雑誌に堤君がいろいろなことを述べておる。本人の名前が堤のせいでもあるまいけれども、真実を全部包み隠しておる。こういうものを一々議論の対象にする必要はない。現実の問題として彼は神聖なる議長席を侵し、その行動はもはや国会議員としての品位を失つた、いわゆる低下せしめた重大なる一つの事実を犯しておるのですから、私は、ただいまの堤君だとか山口君とか他の人々の事犯について、ここで議論をこれ以上尽そうとは思つておりません。  そこで私が伺つておきたいのは、一点聞きのがしのできてないのは、議長席の入口を針金で縛つたという説であります。私はそれをつぶさに知つておりませんが、針金で縛るなどということは穏やかでありません。従つて、今後設置される特別委員会においても、この点はかなり厳重に調査をしなければならぬ問題でありますが、これは、鍛冶君のお説は何らかの証拠物件かあるいは何かが、おありになるというように私は聞いたのですが、このことは一応確かめておく必要があると思う。ただ私が伝え聞いたのは、社会党左派の萩元君の腰ひもとか、いろいろなものを解いて縛つたと聞いておつたので、私はとんだ中山安兵衛のような女だと思つて感心しておつたのですが、事が針金ということだと非常に重要な要素を含んで来ると思いますから、この点はひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 これは衛視の諸君から議長にあてて当時の報告書が出ました。その報告書の中で——一人や二人ではありません。私も初め新聞で萩元君の腰ひもだというのでおかしいと思つて読んでみますと、全部がワイヤーだ、こう言つております。間違いのないことと確信いたします。

中野四郎改進党

○中野委員 そこでもうこの問題は、四君の出席を求めるまでもなく、事犯は明らかなんですから、これに対する処罰の問題はいずれ一括して処置をしなければならぬ段階に入るだろうと思いますから、本日の委員会においては残余の人々の事実について調査をされるように希望したいと思いますが、いかがでしようか。

森幸太郎自由党

○森委員長 他に御質疑がなければ、これにて堤、山口、高津、成田の四君の懲罰事犯の件の質疑は終了いたします。     —————————————

森幸太郎自由党

○森委員長 次に、先の四君を除いた大石ヨシエ君外四十一名の懲罰事犯の件を一括議題といたします。  この際皆さんにお諮りいたしますが、理事諸君と協議をいたしました結果、明六月十二日、議長を経由いたしまして、大石ヨシエ君外四十一名の諸君に出席を求め、その弁明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中野四郎改進党

○中野委員 ちよつと委員長。それは一ぺんにやりますとどうですか。出て来ないということでどうもあまり……。

森幸太郎自由党

○森委員長 時間を二回に区切つて……。

中野四郎改進党

○中野委員 そのようにした方がよいのじやないですか。

森幸太郎自由党

○森委員長 時間を二回に区切つておきたいと思います。

中野四郎改進党

○中野委員 それでは適宜の方法で……。

森幸太郎自由党

○森委員長 承知いたしました。それでは御異議がないものと認めまして、委員長において所要の手続をとることにいたします。  それでは大石ヨシエ君外四十一名の懲罰事犯の件を一括議題といたします。質疑がありましたら、この際許します。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 もし質疑があれば、われわれ提案者から幾らでも説明はいたしますが、先ほど高橋君が言われたように、これらの人々の活躍ぶりはお互い委員の皆さんが目撃しておつたところでございますから、あえてここで詳しく説明せぬでもいいのじやないかと思います。いわゆる事犯明瞭である、かように断定していいと考えます。

田渕光一自由党

○田渕委員 昨日提案者から当懲罰委員会に提案されました大石ヨシエ君外四十一名の懲罰の対象となると言われた方と、懲罰委員会に付せられている人との間に多少の漏れがあるのであります。と申しまするのは、木下郁君、西村榮一君、井手以誠君、この三君が……。   〔発言する者あり〕

森幸太郎自由党

○森委員長 私語を禁じます。

田渕光一自由党

○田渕委員 これは一ぺん提案者から、はつきり説明を願いたいと思うのであります。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 もちろん出しましたものはみな提案してあるのですからさしつかえないと思いますが、昨日高橋君の読み上げられた名前の中に、木下郁君と西村榮一君と井手以誠君、この三人の読み落しがありまして御注意があつたのですが、これは当然懲罰に付する意思であります。しこうしてこれら三君の活躍ぶりも先ほど申しましたように明瞭に現われておるところでございまして、議論の余地のないものと思います。

田渕光一自由党

○田渕委員 それから、先ほど委員長から、社会党の土井君と松井君が議長をたずねられましたが、議長がおられないため、事務総長に、口頭をもつて、開会劈頭に委員長が朗読されましたような申出があつた、こういうお話がございましたが、私たち断じてこの申出には——申し出ることは自由でありまするけれども、委員長からの御報告によつてわれわれもちろん認めるものではありませんけれども、この件に関しまして、私たちはこういうふうに考えているのであります。憲法五十七条ないし六十四条、国会法の五十五条ないし六十五条、衆議院規則百三条ないし百七条によつて、はつきりこのこの国会は継続され、ことに参議院も、衆議院の会期延長の公文通達を了承いたしまして、警察法案その他の重要法案も審議し、それをさらに衆議院に回付し、さらにその後も参議院において審議されましたもろもろの法案が衆議院に回付され、これを否決し、三分の二で修正を加える等、会期が延長されていることは公知の事実であります。しかるに、両派社会党は、一方的に会期延長は無効の国会であると称して、今日五党幹事長、書記長会談などをやつておられますけれども、当委員会としては、かりにそれが代表の意見でありましても、懲罰に付された委員が出られないということは、病気もしくはその他の事由ならいざ知らず、国会の開会を否認したというようなことについては、私たちは断じてこれに承服できないのであります。この公知の事実——今日あらゆる法案を審議して、できている、それを無効だとしようとしている。五党会談で交渉することは別であります。当委員会としてはこれで行かなければなりません。  そこで、先般両派社会党の諸君が、名古屋地方、群馬地方等へ行つて、第十九回国会はすでに六月三日をもつて終了したものであると称して、党勢拡張と、この六月三日事件の真相を誤てる一方的な宣伝をやつているのであります。かようなことは、この国会がりつぱに延長されている今日において許されないことでありますから、私から書類をもつて議長に質問いたしたのであります。それに対する議長の答えがあつたのでありますが、これをこの際はつきり申し上げておきたいと思います。  私は、六月八日付をもちまして、衆議院議長堤康次郎殿あてに「議員の請暇及び缺席の手続きに関する件に付調査の上御回答を求むる件」というので、書類をもつて要求したのであります。「本院は去る六月三日夜吾が国憲政史上未曾有の大不祥事件を惹起致しました事は内全国民に対し外世界各国に対し、吾が国の民主議会制度の信を失墜し誠に遺憾の極であります。此際此の重大なる過を議員各自がお互に冷静に反省悔悟深謝の誠を至すべく事態の善後措置に全力を傾注して国会の品位と権威の失墜の回復に重大なる責任があります。然るに社会党両派所属議員諸君の内一部の議員諸君は六月三日夜を以で第十九回国会は終了せりと独断して既に名古屋地方、群馬地方等々に於て六月三日事件の真相を誤てるが如き遊説を致しておりますことは各新聞紙上を通して議長も御承知と存じます。私は茲に以上の議員諸君は衆議院規則第十二章第百八十一条乃至第百八十五条所定の手続を経て議長の許可を受けておられるかを御伺い致します。殊に同法第百八十五条は議員の義務規定と存じますが之が手続きを経ずして議員は各々勝手に国会を空席にすることは民主議会政治の運営上にも重大なる関連を持ちますので此の点に関し議長の御解釈も承り度要求致します。」こうやつたのであります。ところが六月九日、私あてに衆議院議長から回答がございました。「議員の請暇及び欠席の手紙に関する件回答」「去る六月三日の本院における会期延長に関する議事に当り惹起された騒擾事件については御意見の通り議長として真に遺憾至極に存じます。就きましては、速かに本院の信用を恢復しその品位と権威とを保持し得るよう冷静厳粛に反省して善後措置の万全を期して以つて国民の委託に添わなければならないことは御趣旨の通りであります。然るに社会党両派は同夜の議事は無効であるから会期は延長されたものでなく既に閉会中であるとの観点に立つておると伝えられております。従つて、六月四日以降の本会議及び委員会に欠席いたしておりますが、衆議院規則第十二章所定の請暇又は欠席の手続きを経て議長の許可を受けておりません。なお、同規則第百八十五条は議員としての義務規定であることは当然であります。かかる現状は真に遺憾でありますが前申述べたように六月三日の会期延長の議事をもつて無効なものとの解釈の上に立つて義務違反をされておるものと思考されます。かかる特殊な立場をとつておられる両派社会党の議員に対し議長がいかなる方途を講ずべきかについては諸般の情勢をも勘案して慎重に考慮中であることを申し添えます。」こういう回答があるのであります。すでに本日の自由党の代議士会において、六月三日事件から一週間以上経過して何をしておるのかというような論もかわされているのであります。議長が慎重に考慮することも御自由でありましようが、国会の延長が確定されて、参議院もこれに対して同意し、すでに審議していることは事実であります。しかるに、まだこれを考慮するなんということにおいては、私は議長のこの問題に対する職権行使もしくは職務の遂行が完全であるかないかを疑いますし、議長が、この社会党の一方的な解釈によつて、ただ五常会談において片づくものなりということに期待を持つて、憲法並びに国会法、衆議院規則の規定を曲げることは許されませんので、願わくは懲罰委員長から、さらにこれに対して議長はどういう態度をとるのであるか——暴行議員の四十六名以外に、さらに欠席をしてかつて気ままなことをしておる議員に対しても、懲罰規定の適用は議長職権でできるのでありますから、こういうような点についてもどうするかということも委員諸君にお諮り願つて、善後措置を講じていただきたい。つまり既定の事実を否定して行つて、一方的に無効なりとして、彼らの組織的な計画的な暴動行為において国会の運営を今日の状態にし、世界の信を落し、そうして今日喧々囂々たる社会党の暴力的行動に対する一般の輿論いうものが、各新聞紙上を通じてここにはつきり指摘されておるのであります。かような点から、私は、この点をはつきり委員長において——もちろんこれは委員会に議長職権で付託されて論ずるものでありますけれども、懲罰委員会で取上げる問題は、ただ直接に暴行をし、議長の職務執行を妨害したというだけではありません。こういう点も含まれておる点について、ひとつ各委員と御協議を願い、あるいは御相談を願つて、適当な措置を懲罰委員長としてとられることを要望いたしておきます。

森幸太郎自由党

○森委員長 田渕君にお答えいたします。御意見は、今朝両社会党から申し込んだその事柄について、関連して、国会の延期が有効であるか無効であるかということについての御発言でありまして、われわれは会期は完全に延長せられこということを確認いたし、それによつてこの懲罰委員会というものも開催することになつたわけでありますから、社会党がいかに歪曲した議論をいたしましようと、それはわれわれ取上げる必要はない。正しい道によつて国会は会期が延長され、そうして懲罰動議が本会議で成立したのでありますから、われわれはその意味においてこの審議を進めて行けばよいと思います。また議長に対してその問題についていろいろ注意をしろというようなお話でありましたが、これは懲罰委員会としての権根の上においてどうかということも考えますから、これは、理事会を開きまして、理事会で御相談の上善処いたしたいと考えます。

臼井莊一改進党

○臼井委員 ただいま田渕委員から、われわれが、本会期が継続しておる、こういう建前のもとにある際に、社会党の方が欠席しているので、これをやはり一応議長職権をもつて懲罰に付するの考慮をなすべきであろう、こういう申入れをしたらよかろう、こういうようなお話のように聞いたのでありますが、しかし委員長はこれを慎重に理事会でというお話でごさいましたので、一応了承いたしますが、いずれにしても、この国会を軌道に乗せるということが国会としては一番重要な問題だろうと思うのです。またそれを多少でも阻害するような、しかも本委員会にまかされている以外のことにあまり入るということはいかがかと思いますので、私は、田渕委員の実際の問題に対する賛否は別として、本委員会がそれに入るということは紛争をよけい広げるように思います。ですから、その点委員長におかれてよろしく御考慮されて善処せられんことをお願いいたします。

森幸太郎自由党

○森委員長 了承いたしました。本日はこれにて散会いたします。明日は午前十一時から会議を開きます。    午後四時二十七分散会

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