地方行政委員会厚生委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/05/18
会議録
○中井委員長 これより地方行政委員会厚生委員会連合審査会を開会いたします。 私が先例によりまして委員長の職務を行いますからよろしくお願いをいたします。 それでは市町村職員共済組合法を議題といたします。まず政府より同案の趣旨について説明を聴取いたします。塚田国務大臣。
○塚田国務大臣 市町村職員共済組合法案につきまして、提案の趣旨及び内容の概略を御説明申し上げます。 昭和二十六年二月から施行されました地方公務員法は、人事行政に関する根本基準の一つとして、地方公務員の福祉及び利益の保護を掲げているのでありますが、その第四十三条において、職員の公務によらない死亡、廃疾、負傷及び疾病並びに分娩及び災厄その他の事故並びにその被扶養者のこれらの事故に関する共済制度は、すみやかに実施されなければならないとし、第四十四条では、退職年金及び退職一時金の制度は、すみやかに実施されなければならないとし、さらに、これらの制度は、国及び他の地方公共団体との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならないと規定しております。 〔中井地方行政委員長退席、佐藤(親)地方行政委員長代理着席〕 その趣旨とするところは、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営を確保するためには、地方公務員の在職中の疾病、負傷等による出費に対する保障の措置を講ずるとともに、相当年限忠実に勤務した職員が、退職した場合における本人またはその遺族の生活を保障するための諸制度を確立することにより、地方公務員の職に人材を誘致するとともに、その職にある者とし安んじて職務に専念させることが必要であるというにあると存ぜられます。 政府といたしましては、この地方公務員法の精神にのつとり、地方公務員全般について、すみやかに共済制度を確立するの要を痛感し、かねて研究を進めて参つたのでありますが、昨年十月の地方制度調査会の地方制度の改革に関する答申においても、とりあえず措置すべき事項の一として同趣旨の答申がなされている次第もあり、急速にこれが実現をはかることに相なつたのであります。 現在、市町村の職員でも学校及び警察職員につきましては、国及び都道府県の職員と同様に、国家公務員共済組合法が適用され、雇用人に対しても疾病、負傷等に対するいわゆる短期給付のみならず、退職年金又は退職一時金の給付も行われております。これに対し一般職員につきましては、疾病、負傷等に対する給付としては、健康保険法が適用されておりますが、退職年金及び退職一時金の制度としては、そのうち吏員については、国の恩給法の準用または恩給条例による給付が行われているのに対し、雇用人については、清掃、交通等特定の事業に従事する若干のものについて厚生年金保険法が適用されるほか、十三万人に近い大多数の雇用人については、何らの措置がとられていないのであります。 なお、疾病、負傷等に対するいわゆる短期給付についても健康保険法の適用はありますが、同法による給付は共済組合法による給付に比較いたしますと、財政力のゆたかな一部特定の市が組織している健康保険組合は格別として、一般的には低い水準にあり、ことに災害時における罹災給付は、健康保険によつて行うことができませんので、昨年のような災害に際しては、国及び都道府県の職員並びに同じ市町村でも学校職員及び警察職員と、市町村の一般職員との間にはなはだしく権衡を失した処遇をせざるを得なかつた実情にあるのであります。かくのごとく市町村の一般職員は、他の公務員に比して、はなはだ公平を欠く取扱いのもとにあり、地方公務員法の規定からも、その解決をいたずらに遅延することが許されないと存ぜられるのであります。 しこうして市町村職員の共済制度につきましては、根本的には社会保障制度全般の問題の一環として綜合的に考慮すべきものがあり、少くとも中央及び地方を通ずる公務員に関する年金制度全般に関する問題の一つとして考慮すべきものがあるのでありますが、これらの問題の根本的解決はきわめて重大でありまして、その理想と方向とはともかくとして、なお検討さるべきものが少くなく、今ただちに結論を見出しがたい状況にありますので、これらの根本的解決の日まで、ひとしく地方公務員でありながら、市町村の一般職員のみと現在の不合理な状態に放置しておくことができませんので、さしあたりの措置として、現行の国及び都道府県の職員並びに市町村の学校及び警察職員に関する共済制度を基礎として、これらの者との間における不公平を是正し、その処遇の公平を期することが緊要と考えているのであります。 以上要するに、地方公務員法の定めるところに従い、また地方制度調査会の答申の趣旨にのつとり、市町村の一般職員特に雇用人について、国及び都道府県の職員並びに市町村職員中、学校及び警察職員並の共済制度を設けようとするものでありまして、これにより、第一に、何らの年金制度が実施されていない市町村の一般雇用人に対し、国、都道府県並びに市町村の学校及び警察の雇用人並の年金制度を確立し、第二に、市町村の一般職員について、同様に他の公務員並の短期給付を保障し、第三に、短期給付と長期給付との一体的運営により、給付業務の健全かつ合理的な運営を期するとともに、療養施設の整備その他の福祉事業の総合的推進をはかり、もつて地方自治の基幹をなします市町村の職員の福祉を増進し、地方自治の進展に寄与しようと念ずる次第であります。 次に法案の要点を御説明申し上げます。 第一に、以上申し上げましたように、市町村職員共済制度は、市町村の一般職員について、他の公務員と同様の処遇を確保しようとするものでありますから、組合の給付の種類、額、支給条件等すべて国家公務員共済組合法のそれと同様といたしております。ただ、現に市町村が組織しております健康保険組合のうちには、健康保険法に規定する法定給付のほかに附加給付を行つているものがあり、これらの附加給付の大部分は、この法律案による共済組合の給付に吸収されるのでありますが、これを越えるものも若干ありますので、かかる給付は経過的に共済組合の給付として行い得るものとし、ただちに給付の低下を来すことのないように措置いたしております。 第二に、組合員の範囲につきましても、原則的には国家公務員共済組合法におけるものと同様といたし、なお、国家公務員共済組合の組合員と市町村職員共済組合の組合員との間に異動が行われます場合には、相互に在職期間を通算することができるようにいたしております。 第三に、組合員の掛金及び市町村の負担金でありますが、この点につきましても国家公務員共済組合法と同様といたしております。但し、従来健康保険組合で、市町村と職員との負担の割合を職員に有利に定めておるものも少くありませんので、経過的に従来の負担関係をそのまま維持できるような措置を講じ得ることといたしております。 第四に、共済組合の組織及び運営でありますが、市町村職員の共済組合については、地方自治の本旨にかんがみ、主として国家公務員を対象とする国家公務員共済組合法と同様の制度によることは適当と認められませんので、組合組織の自律性と運営の自主性ができるだけ確保できるように配慮いたしておきます。すなわち市町村職員共済組合は、都道府県の地域ごとにこれを設け、組合の議決機関として組合会を、執行機関として理事を置き、その構成は、使用主たる市町村長の代表者と被用者たる職員の代表者とがそれぞれ同数となるようにし、組合の重要事項の決定、業務の執行が一方の利益に偏することのないように配慮するとともに、組合に監事を置き、自主的に組合の業務を監査できるものとし、業務運営の公正を期することといたしております。また組合に対する監督規定等も必要最小限度にとゞめることにいたし、国家公務員共済組合はもとより、私立学校職員共済組合または健康保険組合に比し著しく自主性が強化されております。 第五は、市町村職員共済組合連合会についてでありますが、組合の適正かつ円滑な運営及びその事業の改善進歩をはかるため、市町村職員共済組合連合会を置き、組合に対する技術的及び専門的な知識資料等の提供、事務の指導、組合の長期給付及び罹災給付に要する費用に充てるための積立金の管理その他の事業を行うものとしております。連合会の機構としては、単位組合と同様に議決機関として総会を、執行機関として理事を、監査機関として監事を置くことにいたしております。 第六は、この法律案の経過措置についてでありますが、すでに申上げましたように、本法律案の根本の趣旨は、市町村の一般職員に対し、他の公務員並の処遇が確保されるように制度的に保障しようとするものにほかなりませんので、個々の団体において、みずからこの法律で保障しようとするのと同程度以上の給付を行おうとするものについては、これをしいて画一的に本法案による共済組合に加入させるまでの必要はないと考えられます。従いまして、健康保険組合を組織している市町村は、この法律に規定する給付以上の給付を行うにおいては、その職員の過半数の同意を得て、引続き健康保険組合を組織し、共済組合に加入しないかまたは長期給付についてのみ共済組合に加入することができるようにいたしております。 なお、この法律施行以前の職員としての在職期間及び厚生年金保険の被保険者であつた期間については、通算の措置を講じ、職員の利益の保護に遺憾なきを期しております。 以上が本法案の提案の趣旨並びに内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議をいただき、すみやかに本法案の成立を見ますようお願いいたす次第であります。
○佐藤(親)委員長代理 これより質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。厚生委員佐藤芳男君。
○佐藤(芳)委員 私は改進党の立場におきまして二、三の点について大臣の御所見をただしたいと思うのであります。もちろんソーシヤル、ギヤランテイの立場、ソーシヤルセキユリテイの立場と私ども改進党の立場は同様であることを付言いたしておくのでございます。私どもは資本主義の上に立つておるのでございます。しかし資本主義をこのまま続けて参りますれば、シユンペーターの言葉をまつまでもなく、その内蔵する矛盾によつていつかは崩壊しなければならぬ危機に当面するのでありますが、これを回避いたしまするためには異質の原理を資本主義の中に取入れまして、これを資本主義の中に同化することによつて資本主義のよみがえりがある、こういうように私どもは考えておるのであります。従つて社会保障の問題は大きな課題として登場しなければならぬことは申し上げるまでもないところでございます。こういうような立場に立ちまして私どもは、社会保障を推進をいたしておるのでございますが、不幸にしてわが日本の社会保障制度はいまだにその緒についたという程度でございます。ことに各省ばらばらでこの社会保障を考えておる。これは隠れもない事実でございます。もしも総理大臣に社会保障の熱意があり、閣僚に理解が旺盛でありますならば、その政治力によつて、少くとも第一段階といたしまして、各省ばらばらのこの社会保障を整理統合するという方針に進むことであろうと思うのでありますが、現状におきましてかようなことに相なつておりませんことは、きわめて遺憾にたえないのでございます。むしろ最近の傾向を見ておりますと、このばらばらな社会保障をさらにばらばらにせんがために、政府が努力をいたしておるとさえ感ぜられるのでありまして、きわめて遺憾にたえないのでございます。この法案のごときもそうした観点に立つて見ますると、そうした点を考慮なしに発案されたというような感じを多分に受けるのであります。従つて私どもの希望といたしましては、むしろこうした案をお出しにならないで、現制度にそれぞれよることのできる部分はよる。たとえて申しますならば、市におきましては退職条令を拡大強化する。町村におきましては恩給組合法にこうした救われざる者を包含する。または厚生年金保険にこれを入れてしまうというようなことをやつて、それで国家公務員と比較いたしまして、足らざるところはいわゆるプラス・アルフアの法案でもお出しになつて、これを救済するということがきわめて妥当のように私どもは考えられてならないのでございます。こういうように私ども考えるのでありますが、そうした有力なる方策があるのに、あえて日本の社会保障をこの上ともばらばらにするような方途に出でられましたる理由をまずもつて大臣に伺いたいと思うのであります。
○塚田国務大臣 いろいろ社会保障制度につきまして基本的な理念についてお述べをいただきまして、大体私どもも同感であります。なるべくできるものは統一する。また、できるならば、社会保障というものを考える第一段階において、整理統合してかかるということの方が考え方としては正しいと私は思うのです。ただそういう考え方で現在の状態、ことに今までいろいろな沿革を持つて発達して来ております現在のいろいろな社会保障の形というものを頭に置いて、まず整理統合して行くということを考えます場合に、相当高い水準にあるもののところへ持つて来て統合するということでないと、その統合によつて不利を受けられる方の立場というものもありますからなかなか困難であろう。そのときに考えられますことは、相当急速な国費の増加ということになつて来る。私ども社会保障制度をできるだけ充実して行きたいということを考えつつも、今日の国民負担の関係とにらみ合せながら、漸を追うて行くという方策にわれわれとしてはいたしておりますので、一気に国民負担もしくは国家支出が大きくなるということはなかなかできないというので、今まで沿革的に発達して来ておりますものはなるべくそのままにしておいて、逐次一般の社会保障というものを国力に応じて上げて行つて、大体歩調の合うところへ行つて統合するというふうに持つて行つた方が現実的であるのではないだろうか、こういう考え方をとつておるわけであります。その考え方からいたしました場合に、私が自分で所管をいたしておりまする地方公共団体の職員の、今度問題にいたしております部分に、今も説明で申し上げましたように、未措置で残つておつた部分がある。そこでここのところを措置するということについては御異論がないようでありますが、その措置をするのに、どうして既存の制度によらなかつたかということでありますが、これも一部分恩給の制度によるということでありますけれども、恩給の制度によるということは、今の恩給制度が大体国の場合におきましても、全部の人間にやつておらぬ。国の場合でも、やはり共済の制度によつておる部分もあり、恩給の制度によつておる部分もある。国の場合と歩調を合せるという考え方になりますと、やはり恩給の制度によるよりは、市町村の場合は共済の制度によることの方がいいのではないかというのが私どもの考え方であります。健康保険制度によらなかつたのは、先ほど原則的に申し上げました考え方と大体重複をいたしておりますので、重ねて申し上げませんが、そういうような考え方で、とりあえずこの部分に穴のあるところをできる範囲において補つて行きたいというのが、今度の考え方の基本であるわけであります。
○佐藤(芳)委員 漸を追つて社会保障の制度を拡充して行きたい、これは同感でございます。また現在穴の明いておる部分をそれまでの間に埋めて行くということも必要のことでありますが、その穴の埋め方が、将来社会保障の立場から統合調整するときに、さしさわりになる穴の埋め方と、さしさわりにならざる穴の埋め方と、二通りあるのでありまして、私が先ほど申しましたような措置、それで足らなかつたらプラス・アルフアの法案をお出しになることによつて、国家公務員との均衝をはかるという方法は、これは穴の埋め方として、こうした社会保障の諸問題を統合調整して行くことにさしさわりにならない方法である、こう私は主張をいたしたいのであります。従つてこのたびのこの発案は、その意味におきましてわが意を得たるものにあらず、こう考えるのでございますけれども、あえてこの点は塚田君を追究いたしません。ただ私どもがこの案の決定に対して態度を決定いたしまするにつきまして、重要なことでございまするから、ここでひとつ大臣の確言を獲得いたしておきたいのでございます。それは、統合調整のために、大臣は国務大臣として、また自治庁長官として今後熱意を傾けて努力をさるる意思ありやいなや、これが第一点。次に、幸いに統合調整が具現をいたしましたる際におきまして、率先垂範の意味で各省に率先してこれをその犠牲にするという御意思がおありでございますかどうか、これが第二点。まずもつてこの点を伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 社会保障制度に対する考え方は、先ほど申し上げましたような考え方でおりますので、当然私といたしましては今の状態がいいとは思つておりません。従つてできるならばこれを統合いたして行きたい。また統合が無理なくできるように各般の社会制度全体を進めて参りたい、こういうふうに非常な熱意を持つておる二とは申すまでもございません。私が閣議においてこの法案を提案いたしたいという主張をいろいろいたしましたときに、厚生大臣からも、ただいま佐藤委員からの御質問と同じような立場において、非常に強い反対意見を承りました。またいろいろ理由のあるところと考えますので、私といたしましてもこれが将来統合されるというような機運になる場合には、自分としては進んでその統合に対して努力をする、そうい考え方であるということをはつきり申し上げてあるわけであります。この機会に当委委員会においてもはつきり申し上げる次第であります。
○佐藤(芳)委員 続いてきわめて重要な問題でございまするから、はつきりとひとつお答え願いたいのでございます。私はかつて全国の町村長会長などをやつたというような経歴から考えて申し上げるのではございませんが、町村吏員を顧念ずる点におきまして決して人後に落つるものではないのであります。従つて町村吏員の立場を考えてみますると、統合される間までは何らかの方策が必要であることは認むるのであります。先ほど大臣の御説明の中にもこの点が強調されまして、職員の福祉増進にこの案は寄与するのだ、かようにおつしやつたのはまことに私も敬意を表するところでございます。ところがいかに職員の福利増進を念願されましても、町村役場それ自体が顧みられないということになりますと、その財政に御関心をお持ちでないというと、これは一方に与えて一方に水をかけるという結果になるのであります。この点において私はぜひひとつ大臣からはつきりした言明を願いたいのでありますがこの案を拝見いたしますると、市町村の負担は、第一が健康保険に相当する部分については事業主としての掛金負担だけである、言いかえれば組合員の掛金と同額である、第二点は厚生年金に相当する部分については事業主としての掛金負担のほか一割の補助、それから三点は事務費を出す、こういうことになつておると思うのでございます。従つて町村役場、市町村の役所に対して一厘たりとも補助は出ていない。厚生年金でありますれば給付費の一割五分、その他の方を調べましても、たとえば国家公務員の方などは分析いたしますると大体一割というものが国庫から出ておる、こういうかつこうに相なつておりますが、この案に限つては市町村役場の仕事に対する国庫負担というものはない。そういたしますると、市町村役場が非常に過重の負担に苦しむということになるのであります。これはきわめて明瞭でございます。ところが漏れる承るところによりますと、自治庁の鈴木次長さんは、市町村長にこの問題を説明される場合に、それは何とか平衡交付金、今の交付税でございましよう、これにひもつきで二割程度見てやるのだというような、公式のような非公式のような、ちよつと雑談のような意味でおつしやつたと承つておるのであります。これが如実に自治庁の御方針であつて、大蔵省これまた了解していることでありまするならば非常に仕合せと私は思うのでありますが、その御措置がないといたしますると、これは他の社会保険等と比較いたしまして、市町村役場に対して非常に酷な案である、こういうように言わなければならぬのでありまして、町村吏員に対しては恩恵を与えるが、役場に対しては、むしろげんこつを食らわしておるのだというような感じを、他の制度と比較いたしまして強く受けるのであります。自治庁長官であられまする塚田君におかれましてはそういうことがあつてはならぬ。おそらくこの法案の審議を地方行政委員会の方々がされましたときにも、この点につきまして十分な御考慮のもとに要求すべきことは要求されておると思うのでございますが、私は、本日初めてこの連合審査会が催されて出て来たのでありまして、この点はひとつはつきりとここでお考えを述べていただきたい。特に大臣からはつきりとおつしやつていただきたい。
○塚田国務大臣 この制度を実施いたしますために市町村に必要なる財源、つまり市町村の負担増というものは、二十九年度の財政計画におきましても十分見てあると私どもは考えておるのであります。ただこれはひもつきの形で出すということでなしに、従来の平衡交付金制度、今度の交付税制度の基本の観念に従つて、交付税の算定をいたします中にちやんと繰込んで考慮いたしておるわけであります。従つて私どもは、この制度の実施によつて、市町村がさらにプラスして御困難になるということはないと考えております。なお詳細のことは政府委員からお答えいたさせます。
○佐藤(芳)委員 ただいまのお答えでやや満足をいたしたのでありますが、従来政府の市町村に対するやり方を見ておりますと、ひもつきでなしに見ておるんだとおつしやるが、事実見ていられない場合がしばしばあり、またかりに見ていられるといたしましても、その額はきわめて僅少であり、またどれだけ入つておるかということを言明されないことが今日までの通例のように私は承知をいたしておるのであります。大臣からこうした責任ある委員会の席で御言明があつたのでございますが、しからば給付費のどれだけに相当する金額幾ら幾らを見ておるんだ、二十九年度の財政計画の中に入れてあるのだということをこの機会に明らかにしていただきたいと思うのであります。
○小林(与)政府委員 自治庁といたしましてもこの共済組合制度を運用するためにその財源の問題を一番考慮しなくちやならないのでございまして、この点につきましては財政計画上におきまして慎重な検討を加えたのでございます。それで今度の法律は来年の正月一日から実施することになつておりまして、本年度分といたしましてはまず三月となつております。もつともその前に準備措置がいりますので、そういう意味の経費も多少入れておるのでございます。その経費を全体として多少分析して申し上げますと、短期給与の給与内容引上げに伴う——これは従来健康保険で一部やつておりますが、共済組合による引上げに伴う市町村の負担増加額は二千九百九十万余り、それから今度初めてやる長期給付の分が一億八千八百万、それと千六百万、合せて二億ほどでございます。それから今お尋ねの問題はもつばら事務的な経費の問題になるのでございますが、これにつきましては三月で約四千万の経費を計上いたしておりまして合計二億七千五百万、これを本年度の経費として財政計画上見ておるのであります。なおひもつきの問題に多少なるのであります。これはもちろん平衡交付金の性質上そういうことは自治庁として考えるわけに行きませんが、ただ県の段階から市町村に平衡交付金が配られる際に、できたら従来恩給組合の場合でもそういう問題があつたので、ああいう便宜の措置程度のものなら考えたい、こういうことは考えております。
○佐藤(芳)委員 小林行政部長にお伺いいたしたいのでありますが、それで大体割合はどのくらいになりましようか。国家公務員の方は、こまかに計算いたしますと、大体一割程度になるのでございます。厚生年金の方は一割五分ということが明瞭になつておるのでありますが、そのパーセンテージは幾らくらいになりましようか。
○小林(与)政府委員 パーセンテージは今出しておりません。全部で一億七千万のうちの四千万ですから——つまり市町村が必要なものは、全部財源計算上見ておるわけでございます。
○佐藤(芳)委員 その問題は散会後よくただしたいと思います。 第三に大臣にお伺いいたしたいのでありますが、積立金の運用の方針の問題であります。社会保障関係の積立金は、やはりきわめて民主的な考え方で運用をはかるということでなければならぬことは申し上げるまでもない。ところが、たとえば厚生省所管の厚生年金保険の積立金などを見ますと、これは全部大蔵省の資金運用部にたたき込まれて、大蔵省の独占によつてこれが運用されておる。しかもその中から、わずかではございますけれども、一船会計の方に繰出されておるといように、きわめて不合理であり、また運用利回りのごときも、きわめて遺憾千万でありまして、大体プール計算で五分三厘程度、そうすると、この問題もそうでございますし、厚生年金もそうでありますが、きわめて長期の金であります。従つて相当利回りが低い。そうすると、短期のものも、長期のものも大蔵省が取扱つております関係から、プールされるのであります。結局社会保障の金の犠牲において処理されておるということに相なるのでございまして、これはその逆ならけつこうでありますが、まことに遺憾千万に私どもは考えておるのであります。この法案による積立金の運用は、大体どんな方法をお考えでございますか。これにつきましては、おそらく事務当局におかれましては、積立金額の年度別の予想額というものも、発案される以上ははつきりと用意をされておると思うのでございますが、大臣から大体の御方針を承つて、続いて小林部長から、積立金額の年度別の予想というような数字につきましても、ひとつ御説明を承りたいと思うのであります。
○塚田国務大臣 お尋ねの点は、私ども特にこの制度を立案いたしますに際して留意をいたした点でありまして、法案の七十五条にその点について一条設けておるわけであります。積立金は原則として連合会がこれをとりまとめて保管をする、そうして七十五条の第四項に「連合会は、第一項の積立金を管理するに当つては、これを確実で有利な方法により、且つ、組合員の福祉の増進又は市町村の公共の利益に資するように運用しなければならない。」と、抽象的ではありますが、はつきりと運用の方針というものをうたいまして、在来のこういう種類の国家資金が、御指摘のように大蔵省にまとめられて、金を醵出された人たちの利益や何かとは、全然無関係に、無関心に運営されることのないように注意をいたしておるわけであります。なお詳細は部長からお答え申し上げます。
○小林(与)政府委員 今お尋ねの点は、これも自治庁として一番気にしておる問題の一つでございまして、ただいまの考え方は、短期給付はこれは毎年出入りする金でありますから、それほど重点を置いておりませんが、長期給付は御案内の通り相当多額に上るのであります。この予想は実は健康保険組合に関係しておる職員が、どれだけ共済組合に入らないかという予想で多少の食い違いが出て来るわけでありますが、かりに五大都市はみな有利な条件で健康保険事業をやつておりますので、五大都市の職員は全部入らない、こういう前提で組合員になるべき人間の数を十一万と仮定いたしまして、その長期給付の経理の収支の状況を予想いたしますと、初年度は大したことはありませんが、三十年度で約十一億、三十一年度で二十一億、三十二年度で三十億、三十三年度で三十九億、こういう形で伸びて行きまして、経営年度、これは数十年あとになりますが、約四百億という概算を立つておるのでございます。それでこれは現在の員数と現在の平均給料を基礎にしてやつております。それから予定利率も幾分低目に見て、年五分——五分以上には運用できると存じておりますが、一応そういう計算で数字をはじきますと、かたい計算でございますが、こういう数字になります。この運用は今大臣から御答弁がありましたように、われわれといたしましてはもつぱら地方の町村吏員と市町村のために還元したい、こういうのが基本精神で、その点は今まで例がなかつたのでありますが、特に法律ではつきり書いて、ほかの運用を許さないという建前で明瞭にいたした点でございまして、これは共済組合の資金だけでなしに、今後類似の資金の方もそういう方向に持つて行きたいというのがわれわれの念願でございまして、十分の御協力を願いたいと思います。
○佐藤(芳)委員 最後に一点、これは小林部長でけつこうでございます。保険料の率がきわめて重要な問題の一つであることは御承知の通りと思うのでありますが、この保険料の算定の基礎が確実でございませんというと、これは根本からくずれるおそれが多分にあるといわなければならないことは申すまでもないのであります。従つて町村吏員の、まずもつて俸給の実態が明らかにされねばならぬ。いわゆる吏員の賃金の実態を明確にしなければならぬということが第一点であります。第二点は、被保険者の数であります。ただいま十一万というお話でございましたが、この被保険者の数、これが第二として重大な問題であります。条例の適用を受けておるものと受けていないものとを区別した数字というようなものも明確でなければならぬことは申すまでもない。第三点は、年度別の給付の件数及び額というもの、これは十分計算をおとりになつていなければならぬはずなのでありますが、この点。第四点は、ただいま申しました積立金の額の年度別の予想。少くともこの四つが保険料算定の基礎として重要なものと思うのであります。これらにつきましてただいまお手元に資料がないならばあとでけつこうであります。ひとつ簡単な表でけつこうでございますが、御配付を願いたい。これがぐらつきますと、あとできわめて憂慮すべき事態と相なるのであります。昨年議会を通過いたしました私学共済のあの問題のごときは、こうした基礎がきわめて周到なる用意がありませんでしたために、おそらく近く崩壊の危機に直面をするであろうとさえいわれております。この点はきわめて重要なことでございますから、私どもがただいま指摘いたしました四点についての表を、なかつたらひとつつけ加えておつくりくださいまして、あとで御配付願いたいと存ずるのでございます。これは便宜資料の提出ということに考えておきます。私はこれで質問を打切りたいのでありますが、最後に一点小林さんに伺つておきたいのであります。 こうした社会保障の問題で特に医師と関係のあります問題は、医師がやつかいがりますと、非常にその発達をにぶらせることに相なるのであります。従つて、窓口がまた一つふえるということは遺憾でありますけれども、これはやむを得ないといたしまして、療診報酬の請求に関する医師の手続等が複雑に相なりますと、社会補償全般、特に疾病保険などにそれが全部また影響して来るのであります。この点は全部あの健康保険並ということにお考えだと思うのでございますけれども、この点だけをお答えを願いまして、私の質問を終りたいと思います。
○小林(与)政府委員 今お尋ねの点はわれわれもそういう考えおりまして、健康保険と同様な扱いで進みたいと存じております。なお、お尋ねの資料は、大きなやつがありますから、簡単にして差上げたいと思います。
○青柳委員 私は、この法案によりまして、今まで社会保障的な制度のなかつた人に各種の社会保障的制度が行われるという点については賛成なのでありますが、ただ、現行制度に乗り移ることによつてこれらの人々を救済することができ得ない、さらに将来、社会保障制度と申しますと、結局のところは全国民を一律平等に対象として行うというところに社会保障制度が存在しますがゆえに、かかる制度に乗り移るための障害を来さないかという点に立ちまして少しく御質問をいたしたいと存じます。 まず第一に、簡単な質問でありますが、小林部長さんにお尋ねいたしたいのは、市町村の一般職員、ことに雇用員の在職年数をどのくらいと計算しておられるかという点でございます。
○小林(与)政府委員 ちよつと今手元に資料がありませんから、すぐあとから……。
○青柳委員 ただいま私が質問しておる間にそれをお示し願いたいのであります。と申しますのは、市町村の雇用員の在職年数は、私は短かいと思う。しこうしてこの共済組合法によりまして、老齢年金を受ける条件は、二十年以上を勤めた人でなければならぬと思うのであります。従いまして、この法律によつて老齢年金を受ける雇用員はごく少いと思うのであります。それだのに他の警察職員、あるいは学校職員は長いのであります。これと同じ制度によつて、きめておられますと、同じ掛金を雇用員に課するということはあまりにむごいと思うのであります。この法律によりますと、いかにもこの法律によつてこの適用を受けまして、その後地の共済組合に入つた人は通算を認められております。しかしながら、市町村の雇用員が全部国家でやつておりまする共済組合員となるとは限らない。大多数の人はやはり民間に行くと思うのであります。そうすると、あまりに雇用員に酷になりはしないか。そういう点を承りたいと存ずるのであります。
○小林(与)政府委員 今の在職年数はあとで申し上げますが、われわれの考え方は、市町村の雇用人にも実は雇員と用人とありまして、雇員は、どちらかといえば吏員になつて行く場合の方が多いのであります。それから用人は、相当長期に継続しまして、警察職員でも学校職員でも、——警察官とか教員は別といたしまして、そこに雇用されている一般用人と市町村の用人とは勤務の態様はほとんど異なるところがない、こういうふうに考えております。それでありますから、大体警察の雇用人についてと同様なことはやはり市町村についてもあてはまるのであります。市町村の雇員の方はむしろ市町村の恩給組合の制度の方に乗り移る場合が多いのでありまして、それによつて救済される場合が多いのはやはり事実だろうと思いますが、一般的にはその点は問題なく、用人というのは数十年勤務する者がありまして、この年金制度はやはり運用方法として必要なものと考えておるのであります。
○松島説明員 ただいまお尋ねがございました平均在職年数につきましては調査いたしまして後ほどお答えを申し上げますが、年金受給権の発生いたします二十年に達します職員は、国の場合と市町村の場合とを比較いたしますと、国の場合では、非現業職員につきましては二十年に達する者が七%しかないということになります。それに対しまして市町村の場合は一三%になつておりまして、約倍に近い数字が二十年に達するということになりますので、国の場合より市町村の場合の方が在職年限が一般的に長いということになろうと思います。
○青柳委員 国の場合につきましても同じような問題が現在大きい問題として取上げられておりますので、かかる新しい法律をつくるときにはやはりこの問題を解決し得るならば解決したいのであります。一三%ということでありすが、そのほかに国家機関における共済組合員となる人も相当ありましよう。しかしながら、民間に行く人も相当あると私は思うのでありますが、そういう人がかけ捨てになつた場合の措置をいかにお考えになつているかという点について承りたい。
○小林(与)政府委員 これは、そういう点は確かに考えられるのでありますが、大体市町村の役場に入る者は、通常のコースといたしましては、市町村の吏員になりあるいは県庁の吏員になるというのが大半でありまして、途中にして行くのはむしろきわめて例外的な場合じやないか、こういうのがわれわれの考え方でございます。それで、途中で、よんどころない事情で公務員の世界から離れるというものももちろんあり得るのでございますが、これは一般の退職一時金の制度で救済するほかない、こういうふうに思つております。
○青柳委員 他の官吏になるときは、通算制度がありますか。
○小林(与)政府委員 官吏になる場合は、これは官吏の恩給法との問題になりまして、現在残念ながら通算制度がないわけでございます。
○青柳委員 府県の公務員になるときは通算制度がありますか。
○松島説明員 国家公務員共済組合の組合員と市町村共済組合の組合員との間には、相互通算の措置を講ずるように法律的に規定してございますので、同じ雇用人として、府県の公務員になり、あるいは市町村の公務員あるいは国の公務員になるという身分関係が同じでございますならば、相互に通算し得るようになつております。 なお民間に行つた場合に、かけ捨てになるのではないかという御質問でございますが、この点につきましては、厚生年金の場合は脱退手当金に相当する退職一時金が支給されるわけでございます。厚生年金法の場合においては、五十五才になるまで支給を停止することになつていたと思いますが、ほかの方は、退職いたしますときには、何才であろうとその退職事実の発生いたしましたときに支給いたすことになりますので、年金にはならない場合でも、一時金として支給されるということになりますから、全部が全部かけ捨てになるというわけのものでないというふうに考えております。
○青柳委員 もう一ぺん同じ点を、これは私間違つて考えておるのかもしれませんが、府県の地方事務官になつた場合には、これは切れるのですね。通算ではないのですね。地方官庁の雇用人になつたときには、通算制があるのですね。
○小林(与)政府委員 今お話の通りであります。この法律で救済したのは、共済組合相互の問題でございますから、府県の吏員の問題は、結局府県の恩給条例の問題でございまして、恩給条例で一般の雇用人の世界から通算するという制度は、現在のところ法律的に確立されておりません。
○青柳委員 この在職期間が足りないで、通算制のないときに他に移るときに、一時金がもらえるのだと思うのですが、それはどの程度もらえるのですか。問題は、その掛金との関係がどうなるか。掛金よりよけいのものをもらうのか、うんと少いものをもらうのか、そういうところです。どうしてそういうことを言うかというと、雇用人というのは非常に給料が低い人ですから、それだけ気の毒だと考えるがゆえに、お尋ねしておるのです。
○松島説明員 大体本人がかけました掛金に利息を付した額に相当する程度のものが退職一時金として支給されることになつております。厚生年金の脱退手当金に比較いたしますと、相当の差がございます。
○青柳委員 もう一点、それと同じようなことですが、従前厚生年金の被保険者であつた者が今度はこちらに入ります。そうするとそれは通算されるのですね。それから今度はこちらをやめて、厚生年金に行く場合には、通算されないのですか。
○松島説明員 過去の在職期間のうちで厚生年金の被保険者であつた期間につきましては、ただいまお話の通り、この法律の附則によつて相互通算をするという措置を講じてございます。ただ共済組合の組合員であつた者がその後厚生年金の被保険者になつた場合にどうするかという問題につきましては、御指摘の通り、通算の措置を講ずる段階までまだ実は行つていないのでございますが、これが、先ほどから問題になりました、将来社会保障制度が確立されるというようなときには、そういうことも考えられるものと考えております。
○青柳委員 厚生年金からこちらに入る人が通算されるなら、こちらから厚生年金に行く人についてもまた通算を行い得るというりくつになると私は思う。どうしてその措置をとらなかつたのか、とらなくて足りると思われたのか。
○小林(与)政府委員 これはわれわれといたしましても同感でございまして、できるだけそういう方向に話を持つて行きたいと実は思つたのでありますが、これは厚生年金法の関係なものでございますから、今日の段階ではそこまで話が実はつかなかつたわけでございます。それでこちらの分はともかくも全部救済しておくことにいたしたのでありまして、これは、ぜひ厚生年金法の立場から受入れの態勢をわれわれにつくつていただきたいと考えておるわけでございます。
○青柳委員 厚生年金から受入れるときに、負担の問題や何かでむずかしいことがあるんですか。
○松島説明員 厚生年金から共済組合に入ります者の通算の措置を講じますものは、経過的措置といたしまして、この法律施行の際厚生年金の被保険者であつた者について適用するということになつておるわけでございます。その場合の厚生年金と共済組合との間の資金の移転関係につきましては、この法律の附則に定めておるのでございますが、脱退手当金に相当する額をその者について——たとえばその者が現在三十才ならば五十五才にならなければ、脱退手当金は本来ならばもらえないということになつておりますので、三十才から五十五才までの二十五年間の利息を割引いたしまして、その現在価額に相当する額を厚生年金特別会計から共済組合に引継ぐ、こういうような構成をとつて、その間の処置をいたしているのでございます。
○青柳委員 大臣にお尋ねしたいんですが、私の今まで質問いたしましたところは、主として雇用人については、この法律により、他に移つたときにも通算せられる制度はあるのでございますが、これは限られている。民間に移つたときにも通算する措置を講ずべきであつて、それが雇用人のためになろうかと私は思うのであります。そして厚生年金からこちらに移つた場合には通算制があるのでありますが、今度はこちらから民間の会社、銀行、工場に移つたときにもやはり通算制をつくりたいのであります。問題は負担のことだと思うのであります。こちらの会計でもつて、こちらにおつた間は負担するという話合いができれば、厚生年金との通算も別に至難ではないと思う。大臣の御意見によりましてまた私どももそちらの方に努力をいたしたいと思う。いかがお考えになりますか。
○塚田国務大臣 これは先ほど部長もお答え申し上げましたが、私といたしましても、その考え方にはどうも異存がございません。共済組合から今までの厚生年金その他の民間の組織に移るときにもやはり通算制ができるようにぜひなることを希望いたしたいと存じます。
○青柳委員 私どもとしてもでき得るだけ早い機会に、あるいは今回でもそういう措置をとるように努力いたしたいと存じます。 次に伺いたいのは、先ほど佐藤委員からも御質問がございましたが、この法律を施行するために、町村の負担を増させることはならぬと考えるのであります。健康保険におきましても国民健康保険におきましても、事務費は全部国庫が負担をしております。それでこの事務費についてもそれと同額、いわゆる全額国庫負担という程度のものを考えておられるかどうか、それについて承りたい。
○小林(与)政府委員 事務費について国の負担をどうするかということでございますか、健康保険につきましては、今お話の通り、国から事務費の補助が出ているわけでございます。それで今のわれわれの考え方といたしましては、これは市町村の本来の仕事でありますから、こういうものについて補助の制度をとるということはいかがと思いますので、全部一般財源として見るべきではないかというのが考え方の基本でございます。そこで先ほどもちよつと申しました事務費をも見込んで、一般財源として財政上の措置を講じてあるわけでございます。ただ事務費は現在健康保険の方から出ておるのは必ずしも十分なお金ではないのでありまして、われわれもその点よく考えて、現在の府県の共済組合あたりの事務費程度、それから実際所要としておる事務費の程度を勘案いたしまして、毎月事務費を計上して、その財源を一般財源として補償することにいたしたわけであります。
○青柳委員 その事務費は、健康保険あるいは国民健康保険においていわゆる全額国庫負担として認められているのとその事務費の単価として考えておられるのは同じでありますか、高いのでありますか。
○小林(与)政府委員 これは大体実際の実額を見るべきじやないかという考え方で、組合員積上げ方式で事務費を計算いたしまして、組合員一人あたり三百四、五十円見当のものを考えているわけです。
○青柳委員 この法律にいりますと、短期給付において健康保険組合でやつてもよろしいし、この法律でやつてもよろしいということになつている。しかしながら事務費がそういうふうにこちらの方が多額であるということになるならば、全部がこちらに来ると私は思うのであります。全部こちらに来ると思つておられるかどうか。そこはフエアに考えておられるのかどうか。この問題はどういう問題であるかというと、現在の健康保険組合に及ぼす影響が相当大きいからお尋ねするのであります。
○小林(与)政府委員 これは一般財源として見ているわけでございますが、たとえば平衡交付金の行かぬところは、金としては必ずしも行かぬわけでございまして、われわれといたしましては、現在の健康保険組合の帰趨は、これは健康保険それぞれの自主的な判断できめればよいのでございまして、この点につきましては、きわめて自由な立場で組合員の意思と関係町村の意思によつて決定されてしかるべし、こういうふうに存じております。
○青柳委員 そういう市町村の受持つ事業主としての掛金の負担につきましても、これは他の共済組合と同様にお考えになつていると思うのであります。ところで長期給付の面では主として厚生年金におきましてまた恩給におきまして一割五分ないし一割の国庫負担があるのでありますが、それに見合うようなこともやはり考えておられるのですか。
○小林(与)政府委員 この年金の方の負担の問題は、もつぱら国家共済組合の府県と考え方を一にしよう、こういう考え方で今お話のような特別の補助というような形では考えおりません。
○青柳委員 最後に私は大臣の御答弁を得て確認いたしておきたいことがあるのであります。それは何かと言いますと、この共済組合におきましても年金がありますが、各種の年金がたくさんあるのであります。しかもそれにはおのおの国庫の負担がたくさんある。いわゆる年金亡国というようなことにだんだんこういう勢いで行つてはなろうと思うのであります。それを全部的に検討する時期が次第々々に近まつているように考えるのであります。それに関連いたしまして、この共済組合において給付なり、あるいは国家から市町村に与える財力なりが、他の同種のものに比しましてよけいであるということになりますと、それが既得権と相なりまして、年金制度を全部的に検討する場合の非常な障害になるのであります。大臣の御説明によりますと、いかにもこれにも触れておりますが、他の同種の制度よりも、給付なり掛金なり負担なりがよけいなところがないのであるかどうかという点について、もう一ぺん大臣の御答弁を願つておきたいと思うのが私の最後の質問でございます。
○塚田国務大臣 今度の給付の標準が大体他の同じ種類の共済と歩調を合せたわけであります。従つて説明にも申し上げましたように、他の健康保険、そういうものとは若干の開きが出ております。そういうことが、将来社会保障制度全般を統合するときに障害になるじやないかという御意見もありまして、私もそういうふうになると思います。しかしそういうときにどういうぐあいに措置をするかというと、私はやはり事柄の性質上統合するときには現在低いものを高い水準に持つて来て統合するということでなければこれは実現しませんし、統合の時期というものはおのずからそういうにらみ合いで出て来ると思います。いろいろな保険制度の形を統合したいということは実はことしの行政整理を考えました際に真剣に考えた問題の一つなんでありましたが、とり組んでみまして非常に問題が複雑でありまして、短期間に妥当な結論を出しにくいので、今検討中で見送りになつておりますが、私は第一段に同じ種類のものをまず統合し、次の段階にこういう共済の制度と一般のそういう保険制度とを統合するというふうになると、いいのではないかということを、今漠然と考えているわけであります。
○青柳委員 それではこれはあとでよろしゆうございますが、他の同種のものに比べましての差異の点をひとつ表にして現わしてお示しを願つておきたい、こう存じます。これでもつて私の質問を終ります。
○佐藤(親)委員長代理 滝井義高君。
○滝井委員 今佐藤並びに青柳委員から比較的重要と思われる点の御質問が終りましたが、私やはり同じような観点で、昨年日雇い労働者健康保険ができましたが、ことしまた一つの社会保険のわくに入る市町村の共済組合法案が出て、同じようなものができることになるわけであります。これはもう佐藤委員も触れました通り、ますます日本の社会保険機構というものを非常に複雑化して行きつつあるわけでございます。しかも機構が複雑になると、先般予算委員会で塚田大臣にも御質問申しました通り、事務がまたきわめて複雑になつて来るわけです。機構が複雑になり事務が複雑になることによつてむだな経費が莫大に使われて行く。たとえばそれぞれの会計に予備費というようなものをそれぞれ持つ。その予備費をもつと有効な方に、もしそれらの制度が一本化されて行くならば、より少い予備費で残りの余つた予備費というものが有効な福祉の面に使つて行けるということも出て来るわけです。あるいは大臣のいう行政整理というものも期せずして行われて来るということが出るわけなんですが、どうも政府はは行政整理を唱えながらもますますみずから機構を複雑化して行く制度というものを、各省各局がそれぞれ自分のなわ張りを拡張する意味かどうか知りませんが、われわれ第三者から見ると、どうも政府はそういうふうに一方で高らかに行政整理を唱え機構の簡素化を唱えるけれども、どうも各省に行つてみる、各省のなわ張りを広めるためにいろいろ法案をつくりいろいろ機構をつくつているとしか考えられない状態が出て来ている。この市町村の職員の共済組合法もどうもそういうニユアンスが非常に強い感じがするわけです。そういうことを一応念頭に置いて私は質問いたしたいと思います。 現在市町村の職員の中で、警察学林関係を除いて大体一般職員というのはどの程度の人数があるのか。そうしてそれらの人々が現実に、長期給付は一応別にして、短期給付でわれわれが一番多いのは医療給付なんですから、従つてそういうことを中心にして考えてみますと、その一般職員がどれくらいあるかちよつとわかりませんがその一般職員が健康保険でどの程度まかなわれており、健健保険組合でどの程度まかなわれており、国民保険で大体どういう程度にまかなわれているのか。このほかに国家共済組合のものもあるかもしれませんが、大体この三つがおもなものと思いますが、その三つの総人員がどの程度に配分されるか、御報告を願いたいと思います。
○小林(与)政府委員 これは今すぐ資料をお配りいたしますが、大体市町村の一般職員の総数が三十八万あると考えております。警察職員、教育職員を除いた一般職員であります。そのうち吏員が二十二万でありまして、これが町村恩給組合法の適用を受けまして、それによつて年金を受けておるのであります。それから厚生年金保険法の適用を受けております交通とか水道という特殊の事業に従事しておる者が二万九千弱でございます。この二万九千を除きました十二万五千七百、こういうのが年金の方から全然ブランクになつている一般の雇用人の数でございます。それからその他の雇用人、それで大体概数になりまして、このうち今申し上げました通り厚生年金の二万九千を除いた十二万五千の者につきましては全然長期給付の道がないわけであります。そのほかに警察関係と教育関係で長期給付を受けている雇用人の数を御参考に申し上げますと、教育関係では九万五千の雇用人が公立学校共済組合法によつて長期給付を受けております。それから警察共済組合によつて長期給付を受けておる雇用人が六千六百おります。 それで今度は短期給付の問題になりますが、短期給付の問題は結局健康保険によつてどれだけ恩典を受けておるか、こういう問題になるのでありまして、健康保険組合に加入しておる者の概況を申し上げますと、これは市町村全部総括いたしまして、都道府県単位の健康保険組合に関係しております市町村の数で行きますと七千六百、その被保険者の総数が十九万九千です。それから市単独であるいは市だけで連合して健康保険組合を組織しておる市の数が六十一でありまして、そのうちの被保険者の数が十三万五千でございます。これを除きました他の市町村、合計二千七百ほどございますが、これが実は政府管掌の健康保険組合に加入いたしておるのでございます。それが大体の概況でございます。
○滝井委員 そうすると国民保険関係のものはないわけですね。
○小林(与)政府委員 国民健康保険関係のものはきわめて特殊なものだけで、ほとんど数は少いと考えております。
○滝井委員 そうしますと、問題はこの掛金の問題になつて来ますが、三条で、「組合は、規約をもつて左に掲げる事項を定めなければならない。」といつて、「掛金に関する事項」を組合は決定することになつております。組合が掛金を決定したならば、短期給付においてはその二分の一は当然市町村の負担になつて来るわけです。そうしますと市町村議会との関係はどうなりますか。
○小林(与)政府委員 この共済組合は法律で強制的に設立されたものでございますし、おまけに費用の負担も法律によつて義務づけられておるわけでありますから、市町村といたしましてはこれは義務になりまして、相当額は必ず支出しなくちやならない、こういうことに相なるのでございます。
○滝井委員 問題は国民保険との関係があるわけであります。現在市町村が運営の主体になつて国民保険をやつておるわけであります。ところが現在国民保険は受診率の向上その他で財政上の危機を来しておるわけです。従つて各人が保険料を出してやつておりますが、その保険料だけでは健康保険、国民保険の運営は非常な危機に直面する、従つて事務費を国庫が負担をし、あるいは給付費の二割というものを国が負担をしておるわけです。これは住民の全部を対象としておるものでなくて、その市町村の中にたとえば工場、事業場等があれば、その工場、事業場におけるところの者は健康保険組合を組織してその中に入るか、あるいは政府管掌の健康保険に入つておるわけなんです。そうなりますとその残りの者がいわゆる国民健康保険を組織してやつておるわけなんです。従つて市町村の一般財源を、特殊な小さなグループといつては語弊があるが、部分的な市町村の住民に対して一般市費を一般会計からその特別会計に持つて行くことについては、現在非常に難点が地方自治体に出て来ておるわけなんです。従つて吏員であるからといつてもこれは、同じ住民である。そうすると一般市費を、今のお話によりますと、三箇月で大体において二億七千五百万円、一年間にすると大体十億の金がいる。これだけの莫大な金を現在の財政の苦しい市町村の会計の中から、法律だからといつてごつそり持つて行くということは、これは地方住民にとつては重大問題である。なぜ私はこういうことを申しますかというと、かつてわれわれはそういうことを経験したことがある。というのは現在県における地方公務員は、共済組合で莫大な県費を地方職員共済組合の中にどんどん出しているわけです。従つてある県会の議場で議員が、県の吏員に対して共済組合に莫大な県費を出しているのであるから、従つて一般県民の福祉の向上のために国民健康保険に当然県としてはある程度補助金を出すべきである、こういう主張をしたことがある、ところがそれは運営の主体が市町村でありますので、県は機関委任事務としてやつている、従つて当然県は出す義務はありません、しかし県の職員というものは県政の上に非常に大事なものでございますので、これは出さなければならぬ、こういうことであつたことがあるのです。そうしますと、これは県の段階ならば機関委任事務で済むが、市町村の国民健康保険ということになりますと、運営の主体はあくまでも市町村であるので、たまたまそれが市に雇員か用員として勤めておつたために、長期給付も短期給付もわれわれの出した市民税あるいは他の地方税でまかなうことができるが、国民健康保険については赤字になつても、これは部分的な住民を対象にするものであるから一般会計から出すことはできないということになりまして、これは市会で重大問題になる点を十分にはらんでいるものである。なぜならば市の吏員に法律がきめたから出すということになると、国民健康保険にも出さなければならぬ。と同時に、今度は健康保険組合にも出さなければならぬ事態が出て来ているのです。国民健康保険に出すならば健康保険にも出せという要求が現実に地方自治体に出て来ている。これは法律にきまつているだけになかなかそうは行かないことが出て来る。金が小さいならいいけれども、長期給付になるとこれは相当の金を出さなければならぬ。この点についての自治庁の見解、それから国民健康保険の取扱いをどうするかということについてお伺いをいたします。
○小林(与)政府委員 これはしごくごもつともな質問でありますが、大体今度の共済組合の市町村の負担金につきましては、われわれもずいぶん考えました結果、現在正直に申しまして財源は十分見てあるのでありますが現実には現在町村の、先ほど申しました恩給組合に、負担金として三十億ほど一般財源に見ておるのでありますが、その恩給組合の積立金が少しやや取過ぎの気味がありまして、技術的に再計算をいたしました結果、それほど多額に積み立てる必要はないという結論に達しまして、実はその一部の金額の納付を控えることにいたしまして、その金額を差向けてこちらの方にまわそう、こういう計算上の結果になつておりまして、町村につきまして新たなる義務負担という形で、出費になることにならない結果になつておるのでございます。それで町村といたしましては、もちろんこれは町村が雇用しておる雇用人の福祉の事業でもありますので、これを出すのについては異存がないと存ずるのでありまして、これにつきましては、町村会その他からもこの法案の成立の熱烈なる要望があることに徴しましても明瞭であります。ただ問題は国民健康保険法との関連におきましてのお尋ねでありますが、これもごもつともでございまして、国民健康保険は現在町村が主体になつて行うことになつておるのであります。これは御承知の通り国民健康保険法の建前からいたしまして、原則は保険料等を国の補助金によつてまかなう建前になつておるわけでございます。それで保険料の徴収にいろいろ問題があつて、国民健康保険税という形でとるように制度もかわつたのであります。しかし事実上この運用につきまして非常に苦労をいたしておりまして、これについてある程度の穴埋めもそれぞれの市町村でやつておりますが、これが市町村の財政上大きな問題の一つになつておることはわれわれも承知いたしておるのであります。どういたしましても国民健康保険制度そのものの運用を合理化して、適正な運用を期するための配慮というものが根本的にいるのでありまして、これは厚生省の方でもお考えになれば、厚生委員会の方でもそれぞれ御検討中だと思いますが、われわれといたしましてもその問題はその問題といたしまして別途考慮して行かなくちやならない、国民健康保険の仕事を円滑に進めるためにも、あるいは市町村の財政をゆたかにするためにも、この問題は問題として考えるべき問題だろうと存じておるのでございます。
○滝井委員 そういうぐあいに国民保険とは別個とおつしやるのですが、短期給付ということになれば、現在国民保険はやはり市町村共済組合が行う短期給付と大体同じことをやつておるわけなのであります。そうしますと自治庁も御存じの通り、国民保険は現在地方財政が不如意のためになかなか進展をしないわけです。ところがその進展をしない中から比較的有利なところに勤務しておる人たちがピツクアツプされて、そうして短期あるいは長期の保険の対象に引上げられて行つてしまう。残るものはますます弱いものだけになつてしまつて、中小商工業者、農民だけが残つて、これがばらばらにほうり出されているというのが現在の状態です。たとえば集団的な自由労働者は少くとも集団がある、地方の市町村組合の対象になるものはこれでとらえて行く、そうして事業場のごときは健康保険で吸い上げられて行くということになると、ばらばらの中小商工業者と農民だけが残つて、そうしてこれらのものが永遠に日本の現在の状態から行くとまうり出されて、何ら保険の長期、短期の対象にもならない、しかも米は政府のきめた生産者価格で引上げられて行くという状態になつてしまう。あるいは中小商工業者の金融はつかないで、これらの人だけが弱い者として放置されておつて、何か足がかりのあるところだけが引上げられ、あとはそのままになるということではいけない。やはり足がかりのあるところから、今度はそれを足がかりとしてそれらを何とか包括して行くということに向わなければ、日本の社会保障制度は進まないと思う。どうも政府の行き方は、困難なところはあとにしてやすいところから先にやつて行くというのも一つの方法だが、やはりさいぜん青柳委員も言つた通り、これは一つの既得権になつてしまう。既得権になつてしまうと、それをこわすことが困難な情勢にあることは明らかなことである。国民保険の運営の主体は市町村にあるわけですから、当然自治庁が厚生省とともに、やはり一つの推進力になつてもらわなければいけない制度なのです。私はそういうことを言つたわけなのです。 いま一つは、その短期給付の対象となる医療機関の問題なのですが、この三十一条関係でいろいろ療養の給付及び療養費について書いております。組合の医療機関からやることができる場合、それから組合が医療機関と契約をする場合、それから保険医または保険薬剤師に組合が頼む場合、こういう場合がおもなもので、そのほかやむを得ず緊急でしかたがないというようなときには、いわゆる保険医、保険薬剤師でない普通一般の医師にもかかることができる、こういう四つの場合になつておりますが、問題は組合員の療養について組合が契約している医療機関から受けるという、この特殊の医療機関と契約するという問題です。こういうことは日本の医療制度を非常に乱すいけないことだと私は思う。それは組合独自が福祉機関として医療機関をつくることはいいと思う。ところが現在の日本の社会保険の形態というものは、やはり公私の医療機関が機会均等の立場で行つておるわけです。しかし現在厚生省あたりのとつておる方策がどうもいけないのは、結核予防法ができると結核予防の指定医をつくる、あるいは生活保護法ができてだんだん医療が拡充して来ると生活保護法の医療を対象とする指定医をつくる、こういう制度をどうもとりがちである。そうすると医者同士の間で、何と申しますか、やはりそういう何か自分がいい子になりたいという傾向が出て来るわけです。こういうふうにわずかに十一万人ぐらいのものを対象にした共済組合ができると、その組合がまた全国五万の医師の中から何人かをピツク・アツプして自分の指定みたいなものにして、そうしてその何人かのものといい契約をして、いい子になろうというようなことは、やはり医療の機会均等という原則から考えるとどうもいけないことだ。現在こういう制度は運輸省がとつておるのですが、各地において問題が起りつつある。鉄道の指定医というものがあつて、その指定医に行けばちよつと安くしてくれるとか、何か便宜をはかつてくれるとかいうようなことで、こういうようなことは結局日本の医療体制をこわすことになるわけです。むしろこういう特殊の医療機関と契約することでなくして、すべてこれは保険医か公的医療機関というようなすつきりした形として、日本の医療機関を整備する意味からも、やはりこういう措置で新しくあとから出るものはとらない方がいいのではないかと私は思う。なぜかと言うと、三十四条を見ますと「保険医又は保険薬剤師は、健康保険法の規定に従つて組合員及びその被扶養者の療養を行わなければならない。」こういう規定までつくつたわけです。そうすると三十一条でこういう四つの場合を考えながらも——機会均等で四つの場合を並べておきながらも、保険医にはどうしても共済組合員が保険証を持つて来たらやらなければならぬぞという義務規定を負わせることになつておるのですね。こういう点から考えても、やはり私はこういう特殊のものをつくらない方がいい、保険医なり保険薬剤師には義務を負わせておるのですから。何もこういうものをつくらなくても医療は順当に行われて行くと思うのですが、どうしてこういうものをつくらなければならなかつたか おそらく既存の法律にこういうものがあつたから、そういうものをまねしただけですと言うと思う。せつかくこういう法律をつくるなら悪いものはのけて、やはり生成発展して行く方向に、日本の社会保険というものはどういう方向に向いておるかを考えて、それを推進して行く方向に、国民の保険の片棒をかついでおる自治庁としては考えなければならぬと思うが、この点はどうお考えになつておりますか。
○小林(与)政府委員 今お話の通り、実はわれわれとしましては根拠法の例にならつてこの規定を設けたのでございますが、ただ保険医または保険薬剤師だけに限るかどうかということになりますと、保険医とか保険薬剤師になつていない大学病院とか共済連合会の病院などもありますので、そういう意味の医療機関は当然利用させてしかるべき問題で、これは書いてある通りでございまして今お話のようなそれ以外の私的の医療機関などにつきまして妙な弊害などの起らぬようには十分注意いたして行きたいと存じております。
○滝井委員 自治庁はそういう方向の認識が少し足らぬようであるから、もう少しそういうところは勉強していただきたいと思います。 それから年齢関係です。退職年金は組合員を二十年以上勤めなければもらえないことになり、五十才に達するまではいわゆる若年停止を食らうことになるのでありますが、恩給は十七年なのです。こういう点から将来はやはり恩給関係——地方公務共済組合の方は、国家公務員の方の適用を受けておるわけですから、恩給との調整を考えると、これは十七年以上とすることがいいのじやないですか。二十年以上にしなければならない理由は何かあるのでございますか。厚生年金は最近二十年以上になつておりますが、それに合わしたのですか。それとも何か市町村の公務員の特殊性を考えてこういう処置をとられたか、その点を伺いたい。
○小林(与)政府委員 これは市町村の組合員としての特殊性と申しますよりも、むしろ国及び府県の共済制度と同様な制度をとろう、こういう意味だけでございます。それらの制度が二十年になつておりますのでそれに準ずることにいたしました。
○滝井委員 七十八条関係の審査会の件ですが、この審査会の「委員は、組合員を代表する者、市町村を代表する者」とこうなつておるわけでございますが、前の書き方をずつと見て来ますと、こういう書き方にはなつていなくくて、「市町村長及び市町村長以外の組合員」組合会の組合員などはこういう形になつて来ているわけなのです。ところが審査会だけは「組合員を代表する者、市町村を代表する者」こういうことになつている。そうすると、市町村を代表する者ということになると、市町村長であり得る場合もある、あるいは助役であり得る場合があるわけです。ところが組合員を代表する者というと、市町村長がやはり組合員を代表しているわけです。だからそこらの関係が、審査会の委員の書き方と今までの組合会の議員の書き方ととがどうも混淆してはつきりしないのですが、組合員を代表する者、市町村を代表する者というのはどういうことになるのですか。
○小林(与)政府委員 これはまことに表現がおそまつですが、これも実は根拠法そのままを引用することにしたのでありますが、趣旨は全然同様でございます。組合員を代表する者は事実上被用者を代表する者と雇用者である市町村を代表する者、そういう趣旨でございます。これはその上連合会が推薦をするわけでありますから、連合会におきましては、その趣旨を考えて、被用者代表、雇用者代表ということで適正な人選をすることと考えております。
○滝井委員 連合会などの構成等を考えると、出し方がちようど市町村長を中心とする出し方と、それから市町村長を除く組合員から出て行く出し方、こういう筋になつているわけです。ここの審査会の筋を見てみますと、組合員を代表する者ということになつているが、これは今言つた市町村長を除く者を意味するのですか。そして市町村を代表する者というのは、今言ういわゆる理事長になれるところの町村長の代表を意味するのですか。そういうことに解釈してさしつかえありませんか。
○小林(与)政府委員 お尋ねの通りでございます。これは特に前のところと多少規定が違つておるから、そういう御疑問が生じたのでございましようが、前のところは、たとえば組合会の議員とか理事を選ぶ場合は、それぞれ選挙の手続でありますから、人はだれのうちから選ぶということをはつきりさせなくてはいかぬわけです。これは審査会であつて代表さいすればいいのでありまして、人間はかりにそういうものであつても利害を代表してさえおればいいわけでありますから、そこのところは多少ふくらみを持たして書いてあるわけであります。実際この趣旨は、市町村を代表する者は市町村長代表、組合員を代表するのは一般の組合員代表で、お尋ねの通りの趣旨でございます。
○滝井委員 そうすると、審査会や連合会、組合会等の代表が、それぞれ出て行くことになりますが、現在市町村には職員組合、職員団体があるわけですが、そういうものとの関係はどうなりますか。そういう組合会や審査会や連合会にいろいろ役員を出す場合には、市町村長以外の組合員の意向を主体にしてだんだんあげて行きますか。それともそういう職員団体の意向というものは全然無視はできませんが、一応考えずに——職員団体というものは課長以上は入つていませんから、そうするとちよつと問題の起つて来る可能性のあることだと思いますが、そういう職員団体の意向あるいは今度は市町村長を除き助役以下が全部組合員の形になつて来た場合、現実にある職員組合との間に人的構成のずれが出て来ますが、それらとの間の調整というものは、今後これが発展する上において、きわめて重大なポイントだと思いますが、その点、その調整をどうしてやられるか。
○小林(与)政府委員 それはごもつともの問題でありますが、この法律の一番土台が府県の共済組合でありますが、その府県の共済組合から積上式に連合会ができ、さらにその手を経て審査会の人選となつたわけであります。組合会におきましては市町村長以外の組合員からの選挙によつて代表者を選ぶことになつております。この選挙の結果、これは組合員たちの自由な意思に基く選挙でありますから、その場合にそれは事実上職員組合の代表者の方も出て来られる機会も当然あり得るわけでありますが、法律上そういうふうに書くわけにも参らぬと思うのであります。それぞれの組合員諸君が自由な意思で、片一方は組合の代表者を選ぶし、片一方はこの共済組合の代表者を選ぶ。それがたまたま一緒になつている場合もあれば、違つておる場合もあり得る、こういうことでございますが、もとより職員組合はそれぞれ職員の利益を代表しておる機関でありますから、運用上はそれぞれ連繋をとつて適切な運用がでぎるものと存じております。
○滝井委員 これは最後ですが、市町村職員共済組合法全般を見て、そののど首を押えておるというか、自治庁長官が非常な監督上の権限をお持ちになつておるわけなのでございます。本来共済組合というものを、行政上の許可ということになれば、監督上、自治庁長官の許可がなければ無効だとか何とかいうこともあるわけなのです。よほど自主的な形で——共済組合というものは、お互い掛金を出してやるのが本来ですが、それは幾分地方公共団体から金が出るためにそういうことになつたと思うが、今後の運営の上における大臣の考え方をお伺いしたいのです。大臣の監督上の強権をみだりに発動されたでのは、共済組合の本旨から考えて、どうも行き過ぎの面が出て来るという可能性もあるわけです。十分これが合理的に、たとえば積立金その他、町村共済組合の利益になる方向に運営していただかなければなりませんが、事業上の監督とか検査とかいうようなものの権限をやたらに発動されても困ると思うのですが、そういう運営上の問題に関する長官の所見を最後に伺つておきたい。
○塚田国務大臣 御指摘の点は私もまことに同感だと考えておりましたので、今度のこの構成の場合には、自治庁長官の監督権というようなものはなるべく最小限度にという考え方になつております。従つて国家公務員共済組合、それから私立学校職員共済組合、また健康保険組合などと比較御検討願えば、今度の市町村職員の共済組合の場合には、著しく自主性が高められておるということが御了解いただけると考えるわけであります。
○青柳委員 ちよつと一点だけ——ただいまここに市町村職員共済組合法の参考資料をいただいたのですが、これによりますと、この法律と厚生年金保険法とを比較しておる。私先ほどお願いした資料は大体これで済むのですが、この比較自身があやまちなんです。厚生年金は社会保障、いわゆる生活を保障するもの、それだけなんです。この共済組合というものは恩給に当るものである。恩給というものは、生活を保障する部分と、そのほかに、一般の民間では会社、銀行などで退職金がありますが、それをプラスしたものが恩給だと思う。現在審議しているこの法律は、恩給にかわるものであると考えてよろしいかどうかということについて御質問いたします。
○塚田国務大臣 御意見の通りの考え方であると思います。
○青柳委員 それでよくわかりました。
○佐藤(親)委員長代理 他に質疑はございませんか。——質疑なしと認めます。よつて本案審議はこの程度で終了いたします。 本連合審査会はこれで散会いたします。 午後零時四十二分散会