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19回国会衆議院1954/11/27

地方行政委員会 第88号

発言数
32
登壇者
7
会派数
4
開催日
1954/11/27

会議録

中井一夫自由党

○中井委員長 これより開会いたします。  本日は地方財政に関する問題を主題として調査を進めることといたしますが、この際理事会を開会いたします。よつてしばらく休憩いたします。     午前十一時九分休憩      ————◇—————     午前十一時十二分開議

中井一夫自由党

○中井委員長 これより再開いたします。  本年度の補正予算案はすでに政府において閣議決定の段階を経ておられるのでありますが、言うまでもなく、この補正予算案は地方財政に重大なる関係を有するものでありまして、地方財行政問題を主管とする本委員会といたしましては深く関心を持つものであります。特に最近の地方財政の赤字をいかに解決し、その健全化をはかるか。さらにまた、本年七月発足した新警察制度の施行に伴う警察費の不足額、警察費の不足を生じた原因、その補填をいかに行うか。ことに本問題に関してなされた三省共同調査の結果いかんと、その他地方財政の当面の諸問題につきまして、政府当局は右補正予算案の編成にあたりましていかなる考慮を払われたか、その間の経緯について政府当局の御説明を求めたいのであります。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 前の委員会で申し上げましたように、府県の本年度の予算と、私どもの見積りました財政計画との間に、府県だけをとりましても——私どもの財政規模では、府県は二百四十九億幾らで、大体三百五十億であります。ところが府県の現実に組んでおります予算が三百三十三億でございまして、その差が七十億ばかりあるわけであります。さらに本年度の年度の終りまでに追加をいたしますものが三十数億あるという見込みがございますので、それを合せますると大体百億程度の差があるわけであります。しかし各府県の予算の組み方にいろいろ違つた点がございますので、その点を実態調査をいたすことにいたしまして、三者で共同して十七県につきまして実態調査をいたしたのであります。  この実態調査は、主として個々の単価をどういうふうに見ておるかということを調査いたしたのであります。おもなる問題が一つございまして、実際の給与の総額はどのくらいになつておるかということ、それからあとこまかい点で、たとえば人件費系統のもので申しますと、特別待命の給与がどういうふうになつておるか、退職手当がどういうふうになつておるか、それから巡査の見習生の給与予算がどういうふうになつておるか。それから物件費で申しますと、赴任旅費がどういうふうになつておるか、どのくらい現実に行つておるか、それからどのくらい予算に計上しておるか、人当庁費、すなわち一人当りの庁費、これは一般庁費でありますが、そういうものがどのくらいの単価で組まれておるか、被服費がどういうふうになつておるか、その他電話の専用料、車両関係の維持費がどういうふうになつておるか、警察活動費がどういうふうになつておるか、こういう点につきましていろいろ調査をいたしたのであります。これはすでに総括的に報告がありましたので、私どもその報告を基礎にいたしまして、各府県の実情を調査いたしたのであります。その調査の結果をまとめましても、十七県でありますので、これは意味がないのであります。その中で私どもが参りました結果、大体このくらいの単価で行くべきではないかという結論を、私の方と警察庁と一緒になりましてつくりまして、それの予算要求をいたしたのであります。  その補正予算の要求は、当初は私どもの方で、その百億のうちでたしか七十八億だつたと思いますが、七十八億の規模の是正をはかつてもらいたい、財政需要の増加をいたしたい、こういう要求をいたしました。そして交付団体は七十八億のうち五十三億以内、従つて五十三億の交付税を要求したわけであります。その後いろいろ単価につきましてこまかい議論をいたしたのであります。たとえば宿日直手当の一人当りの単価を幾らにするか、警察署一署当りに何人の者を見るのが妥当であるか、それから赴任旅費は一人当り一年間にどのくらい見たらいいか、それから被服費をどういうふうに見るか等、こまかい単価のいろいろな争いがありましたので、単価の点につきましていろいろ議論をしたのであります。結論は新聞に出ておりましたように、財政需要としては五十六億の規模の是正を行う、交付税としては四十億、そのほかに二億二千万円の国庫補助がある、こういうことに相なつたのであります。大体の経過はそういう経過であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 ただいまの御説明に対しまして御質疑がありましたら、この際質疑を進められんことを望みます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいま警察費について概要の御説明があつたのですが、やはりもう少し詳しく、たとえば特別待命についてはどうなつておるとか、そういうポイントを調査した、そういうふうに言われましたが、それがどうなつておるか、あるいは見習巡査についてはどうなつておるのかというような要点要点については、やはりもう少し詳細に説明をしていただきたい。そうでないと、これだけの概括の説明では、新聞で見るのと同じことで、さつぱり見当がつかないということになりますから、できるだけ詳しく説明を願いたい。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 先ほど概括的に争いの点を申し上げましたが、こまかく申し上げますと、たとえば人件費系統について申し上げますと、人件費につきましては職員の基本給、期末手当、勤勉手当、こういうものはちやんと数がきまつておりますので、大体額はその数を基礎にいたしましてはつきり出ているわけであります。超過勤務手当、これも大体本俸の六%という原則をそのまま適用いたしまして、これも本俸がきまりますと自然に出て来るものであります。問題はその次の宿日直手当、これは単価を幾らにするかという問題がございます。二百八十円の単価にいたしまして、一回当り本部が五人、それから学校関係が一名、秘書が大体四名ということになつております。警部派出所が一・五人、警部補派出所が一人ということになつております。この中で問題になりますのは、一所当り何人にするかという問題でございます。これは旧国警時代におきましては二・五人になつております。二・五人では足りないというので、県の予算の査定のときにこれをはつきりきめようというのでいろいろ議論になりました。この点につきまして国の方では従来通りでよろしい、われわれの方では四人くらいは最小限度いる、こういうことが争いの一つであつたのであります。大体私の方では四人ということにいたしたのであります。それから特殊勤務手当の問題が次にございます。これは本俸の何パーセントにするかという問題でございます。それを警察官と一般職員とにわけまして、一定の率をきめたわけでございます。これにつきましてもわれわれと大蔵当局の間にいろいろ議論があつたのであります。それから公務災害補償費というのがございま すが、これもやはり基本給の何パーセントというふうに、従来から予算で見ておるわけであります。このパ一セントの問題につきましてやはり争いがあつたのであります。これも警察官と一般職員とをわけまして、それぞれ基本給の率をきめたのであります。それから退職手当、これは現員、未復員及び特別待命につきましては階級ごとに算定をいたしたのであります。そのほか石炭手当、寒冷手当、調整手当、それから共済組合の負担金、恩給費の負担金等につきましても、やはり一定の基準がございまして、この辺は大した問題はなかつたわけであります。それで人件費で、国の従来の考え方の上に立つた大蔵省との間に十億くらいの開きがあつたのであります。  それから物件費で問題になりますのは、赴任旅費の単価をどうするか、これは年間の単価の問題であります。これは国の方では昨年から本年にかけての緊縮予算を基礎にして、年間の単価をはじいておるのでございますが、われわれの方では年間どうしても最小限五千円以上はいるのじやないかということで数字をはじいていたのでございます。これは大体年間単価五千円ということになつたのであります。それから次は被服費でございます。自治体警察から府県警察に移つたものの間に、われわれ予想いたしておりました以上に被服費がかかつております。従つて国で従来見ておりました被服費の一人当りの単価と、今度予算に組んでおります単価との問に非常に開きがございます。その開きをどこまで国が見るか、この問題でありまして、警部以上と警部補以下とにわけまして、単価につきましていろいろ議論をいたしたのであります。それぞれにわけまして、大体警部以上が約一万円くらい、それから警部補以下が七千円くらいの単価におちついたのであります。その次に問題になりますのが普通庁費、人当庁費と申しておりますが、これもやはり一人当りの年間の単価を幾らにするかという問題でありまして、一万円以上にするか、九千円以上にするか、七千円以上にするか、従来のように低く見るかということであります。これは府県警察になりましたので、われわれは引上げてもらいたい、こういうことで非常に折衝いたしました結果、九千七百六十円におちついたのであります。この被服費、赴任旅費、庁費というのは単価の問題で非常な差があつたのであります。そのほか物件費は修繕費その他の物件費等がございます。それから警察行政費につきましては、これは国庫補助金の二倍の額ということになつております。これは国庫補助金を警察庁の方で、要求されておりましたので、それに合して二倍にいたしたのであります。既定が三十七億ございまして、追加が四億ばかりになつたのであります。府県警察の総需要費は二百四十九億が三百二億に延びたわけであります。そのほか行政整理の不用額、退職手当の不用額、恩給費の不用額、これは一定の率で算定することになつておりますので、この辺は大した問題がありません。そういうものを差引きいたしまして、三百六億の財政規模になつたわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいまの説明では今度の補正では四十六億だということですが、先ほどの御説明にもあつたのですが、二十九年度においては年度末までの分を入れますと百億くらいは既定の計画よりはみ出すということを認めておられる。そうしますと、そのうち四十六億ばかりを補正するのでありますから、あとの分はこれは地方の負担になる、こういうふうに自治庁としてはお認めになつておるのですか、その点をお伺いします。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 お話の通り百億差額があるということになります。しかしわれわれとしては問題は単価——給与費はもちろん問題がありませんが、給与費以外の人件費、物件費の単価をどう見るか、各府県によつて非常に違います、たとえば宿日直当は百二十円から三百六十円くらいの間であります。人件費をあるべきものとしてどういうふうに見るか、こういうことによつて従来からどの費目につきましても処置することになつております。全額を補填するということになるとかえつて不公平ができて参る、予算の単価がそれぞれ各県で違つておりますので、かえつて不公平になつて参りますので、あるべき単価を使つて参るとすれば公平な配分ができる、こういう考え方に立つておるのであります。従つて百二十円の宿日直の単価を使つておるところは、これが二百八十円になりますと単価が上つて参ります、従つてそれだけ交付税が多くなつて参る、こういうかつこうになつて参るかと思います。全額を埋めるということはかえつて不公平な結果になるのではないか。それから予算の見積りの内容等につきましても、いろいろやり方が違つておりますので、私どもとしては全体のあるべき財政需要額という考え方で査定をいたしたのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 お話はわかりますが、そうすると全体としてはやはり百億くらいは——本年度ももうすでに年度の中途であります。ですからこれがいるという現実、それを財源措置としては、その半分くらいしかやらないということになりますと、どうしても現実の問題として全体としてマイナスが出て来るわけです。そうすると、個々のものは別として、全体としてはやはり約五十億のものを節減をしなければ、府県としては警察費に持ち出しが出る、こういうふうなことは認めざるを得ないのじやないかと思うのですが、節約をすればいいだろうけれども、節約をしないでそれができなければ、それだけ持ち出しになるということだけはお認めになるんでしようか。また同時に年度の中途において人件費の節約ができるかどうか、それについての見通しをお伺いしたいのです。今まで常に給与費の点で地方負担がふえて、財政計画上の基準額よりも、実際額が差がついて来ておる。それが赤字の大きな原因なわけであります。この問題が結局警察費の財政措置についても同じようなことが起つている。やはりそれだけ給与費の面から赤字がふえて来るのであります。要するに府県の警察をつくつたために、府県に対してそれだけ事実問題として赤字負担をふやすのじやないか、こういうふうな点は認められるかどうか、それを伺いたいのです。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 関連して。北山さんの御質問に関連質問をたびたび長くいたしましたけれども、間もなく、われわれの委員会もおしまいになりますので、お許しをいただきたいと思います。この警察費の問題は、これは警察法という一本の制度の関係の問題と、それから地方財政制度全般の問題との交錯点にある問題なのでございまして、その面から見まして、一応は私も北山さんと同じような疑問——百億の財政措置不足に対して五十億の財政措置、しかもその五十億にも四、五億足りないというようなことになりますと、北山さんと同じような感に打たれるのであります。しかしながらどういたしましても、これは実際の財政支出とそれから地方財政計画という一つの制度、仕組みをつくつて、そうして国家的にある程度の財政の均衡を保つて行こうという一つの流れは若干いつも差があることは、これはいたし方ないと思うのでございまして、地方財政計画もしかるがゆえに制限外課税その他のものは、計画上から除外しているようであります。そうしたような観点から、実際市町村で警察を自治警察として経営いたしていました時分に、たとえば私が生れた市のごときは、平衡交付金の上からの財政需要の認定は二千万円であつても、実際は三千万円使つておつた。それでそうしたような種種の問題から考えてみますと、ある程度は全国で単価の均整をとるというようなことは、私はどうしてもわが国の国情から考えまして必要だと思うのでございますが、それを四十何億で切つたのがいいか悪いかということが問題だろうと思うのであります。しかしながらこれにつきまして特にお尋ねいたしたいのは、市町村自治警察でございますと、市町村が予算面で国の特定財源付与以上に、国の財政需要として認めたもの以上に予算を組むほかにたくさんの協力会費等で、これた補つていただいていたのでありますが、府県になりますと、これが府県という自治体が、道州制等で問題になつておりますように、完全自治体でもないから、みずから協力費とかそういうものがとれないという点があろうと思うのでございまして、そういう点からかなりの十分な財政需要を見込んでおかなければ、これから円満に仕事ができないのじやないか、その点で自治庁の方ではお気づきになつているか。それからそれに対して大蔵省として安易な妥協をしておられないかどうか、その点を大局論みたいなことでございますけれども御説明いただきたいと思います。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 北山さんの御質問でありますが、たとえば警察につきましてはなんぼ特別交付税をもらいたいという要求を各県でやつております。赤字が出るとか、出ぬとかいう問題は税の問題、起債の問題、そういう歳入全体の問題が一つございます。それから歳出の方との関連の問題は一般の警察費以外の歳出の問題がございます。交付税がきまりました場合に財源振替が行えるかどうか、節減がどの程度出るかどうかということを検討してみなければ赤字が出るとか、出ぬとかいう議論はできないと思つております。各府県の個々に当つてみますと、相当国の交付税が行く団体がございます。また非常に単価が高くて交付税が行かない団体も出て来ると思います。あまりたくさん交付税が行かない団体につきましては財源帳外ができるかどうかという問題になつて、節約ができるかどうか、こういうふうな問題と関連して参りますので、赤字がすぐこれから発生するということは私は言えないのではないか、かように考えております。  それから加藤先生のお話は、私ども予算要求をいたします場合に、十分にその点を強調いたしまして、従来地方団体が持つておりました経費が相当ございます。国警時代にもたくさんそういうものがございましたので、そういうものを合せてやはりこの際は府県の負担になつておりますから、その府県の負担を考えてもらわなければ困る、従つて従来の単価では困る、こういう主張をかなり強くいたしたのであります。前の単価よりももちろん上げておるものもたくさんございます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいまの御説明は各地方団体がそれぞれの事情によつて、別な理由で赤字の出る団体もある。また出ない団体もある。それが団体相互に横の連絡がとれて、お互い財源を融通し合うというようなことができ得るならば御説のようなことも言えるかもしれませんが、自治庁あるいは国会としては個々の団体の財政計画をつくるのではないのでありますから、総体としてこれを考えているわけです。総体として見ればやはりマイナスになつて来る。財政計画上はやはり総体として考えなければならぬ。総体として見て、現実に百億というようなはみ出しがあるということをお認めになつており、そうして四十六億しか財源措置をしないということでは、やはり全体として五十億節約をするなり何なりをしなければ、警察制度の改正によつて地方財政にはそれだけ赤字原因を生ずるのではないか、二十九年度において赤字の原因がそこに発生しているのではないか、こういうことをお認めになるかどうか、この点を重ねてお伺いしたい。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 大体百億足りないだろうということを申し上げましたが、百億自体に問題があるのでありまして、そのうち四十億近いものはこれから最後にいるという生の要求がたくさん入つております。従つてまだ査定で何も加えてない府県の警察から出したそのままの要求が相当あるのでありまして、これ自体もやはり問題がございます。それからそのうち私どもの方で今度措置いたしましたものが五十六億の財政事情になつております。五十六億の財政需要の増加をいたしまして、そのうち交付団体分が四十一億になるのであります。東京や大阪のような五大市は給与なんか調整を全然しておりません。従つてそういうところのものもございまするし、各府県の実情が非常に違つておるのであります。これから締められないかどうかということは、私は、締めることができるのじやないか、警察費の総額とにらんで予算の執行をいたしておりまするので、大体四十億くらいで、警察費から来る赤字は出ないのじやないか、締め得るのではないか、全体的に私はそう考えておるのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 締め得るというお話でございます。それではたとえば先ほど特別特命の話があつたのですが、今度の警察制度の改正によりますと、四年間に三万人の警察官を整理すると言われておつて、今年度はたしか一万人だつたと思いますが、それが整理されるという条件のもとにこういうふうな財源措置が考えられておるのじやないかと思うのです。それがどういうふうに進行しているのか。もし進行しておらなかつたとすれば、それだけの分はいわゆる定数外として結局府県の負担になつてしまうのではないか、こういうふうに考えるのですが、それらがどういふうに進行しておるか、その部分から府県の財政といわゆる基準外に圧迫する、持ち出しをしなければならぬという事情がそこにあるのではないかと思うのですが、その点はどうですか。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 特別待命につきましては、実際の所要額をまるきり組んでおりますので、私ども財政的な措置としてはこれは別に大蔵省との間に異論がなかつた点であります。従つてその面から財政圧迫が来るということは、私ども考えられないのではないか、こういうふうに考えます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 次に、御説明の中には、特に自治体警察から府県警察の方に引継ぐ財産の補償、これは有償の場合もあるはずでありますが、それが説明されておらない。これはどういうふうになつておるか。どのくらいの所要額になつておるか、その点をひとつ。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 個々の団体の間にそれてれ問題があるようでありますが、具体的にまだきまつていないようでありまして、今すぐ財政措置をしなければならない段階に私ども来ていないと考えておるのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいま四十億を交付税で今度は補正措置をすると言われるのですが、それでは交付税率をどういうふうに持つて行くのか、税法の改正をどういうふうに持つて行くか。新聞等で見ると、いわゆる法人税その他の増収分のはね返りといいますか、その分でやれるかとか、いろいろな措置があるようでありますが、それはどういうふうな交付税法の改正によつて措置されるのであるか。その間の関係を説明願いたい。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 交付税率の改正の法律案をこの次の国会に出したいと考えております。それは現在は法人税、所得税の一九・六六%ということになつております。酒税の二〇%ということが本年の税率でありますが、その法人所得の一九・六六を一九・八七四にかえます特例の法律案を、次の国会に提出いたしたいと考えておる次第であります。このもとになる法人税そのものの伸びを国でいたしましたので、当然にはね返つて来るものもございます。従つてそれに伴つて税の方も伸びて参る。法人事業税、法人税割等も伸びて参りますが、その方は別にして、特別交付税自体も伸びるというふうに相なるわけであります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 今五大都市から例の警察費の財源臨時措置に関する要望書が出ておりますが、私は前の委員会の際にも御質問いたしましたら、次の補正予算その他について考慮が払われるという答弁があつた。御承知のように、昨年の予算の編成当時においては、警察というものは府県に移譲されるものということのもとに編成されて、その後修正によつて五大都市は特別の処置することになつて警察が残つたんです。その警察が地方に移譲されるという前提のもとにその財源措置をした地方税法の改正があつた。その改正によつて五天都市は非常な減収を見た、警察は依然として置かれる。こういうことで、他の方面に幾らか節約の出る部面があるかもしれませんが、警察費のごときに切り詰めた予算でありますから、どうすることもできない。まつたく地方行政としては大きな問題だと思う。そこで今度の要望なりまた補正予算について、どの程度に考慮されているか。具体的にわかるように御説明願いたい。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 五大都市の警察費の問題、それから税制の問題にからんで財政措置をしてもらいたいということは、前から私どもも聞いております。五大都市側の要求は、御承知の通り、税だけは府県に参つた税収は十五億ばかり昨年より減つた。それにもかかわらず交付税も十億減つた、これはおかしいじやないか、こういう議論が出ております。しかし現在の交付税制度の建前から申しますと、警察は残つておるという現実的な計算をいたしまして、財政需要としては警察をまるつきり見ています。ただ税の増収が大きいものですから、財政需要の伸びが税の増収の方で消されまして逆に交付税の方が下つた、こういう結果になつておるのであります。交付税が下つたという議論になつて参りますと、個々の交付税制度の歳出の面と歳入の面、特に歳入の面でありますが、歳入の面に過大見積りがあるかどうか、こういう問題ではないか。その問題はその問題として考えようじやないか、こういうことにしているのであります。現実の問題として一、二の都市につきまして、やはり私どもも多少算定上の問題があるようにも考えます。従つてこれは特別交付税のときに特別交付税の問題として考えようじやないか、こういうことにしたのであります。一般的に財源がないということでありますので、それをどうするかという問題が少しあるわけであります。それにつきまして、年度の中途において税制度を変更して行くということはできないし、混乱を生ずるし、本年限りの問題でありまするので、私は交付税の問題とは切り離して、起債の問題として考えたらどうか、こういうことをかねがね申しておつたのであります。  公共事業に対する起債の充当率の問題がございます。従来からの問題でありますが、その充当率を昨年よりも一〇%程度引上げますると、大体五、六億程度の金が出て参ります。昨年よりも地方負担額は減つていますけれども、充当率を一〇%以上引上げたのであります。大体昨年は二十五億くらいの起債を認めましたが、本年は三十一億認めます。従つて六億程度の起債の充当率を引上げましたので、これによつて財源振りかえをしたらいいではないかという議論で、私どもは従来そういう措置をとつたのでございます。五大都市の要求としては、どうしてもできなければ、地方財政法の十六条に基くところの奨励的補助金を出してもらいたい、こういう要求でございますが、これはちよつと筋が違うのではないか、こういう談論を従来いたしております。赤字が出る、それを負担してくれ、財政的補助金を出してくれという意味だろうと思います。従来から私どもは税制の改正というものは、年度の中途以降にはできないから、やはり今年は一般財政の振りかえができるような捕置をすることが筋ではないかということで出したいと思つております。交付税の今度の警察費の要求についても、やはり予算の中に五大都市の分も入れてもちろん計算してございます。従つてこれからもう一度警察費の財政需要額の算定のし直しをしなければなりませんが、その際はやはり府県警察と同じ立場に立つて計算をいたしたいと考えております。ただ従来の五大市だけは残りましたが、単位費用の立て方も違つておりますし、大体従来のままの計数を使つておりますので、私どもが考えてみますると、どうも五大市にはこの四十億の交付税は行かぬのじやないか、こういうふうに考えております。行かさないのではなくて行かぬ、結果的に従来の財政需要額の見方が相当見てありまするので、計算した結果は出ないのじやないか、こういうふうに考えておるのであります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 その説明は私は前にも聞いた。現在警察が五大市には残されておる。警察費の問題はそれによつてちつともかわつておらぬ。かわつておるのは、警察が地方に行くものとして従来あつた地方税の財源が当然府県に移つた。そのために十六億七千万ですか、それだけが減つておるということはお認めになつております。お認めになつておつて、それに対しては今の説明を聞くと、起債を幾パーセント増したとかいういろいろ言つておるけれども、これは結局借金をしておればそれをカバーする、こういうことになる。(「そうじやない、税収が伸びたから交付金が減つたというのでしよう。」と呼ぶ者あり)いや、交付金の問題はそうですが、どうせ税制が府県に移るものとして改正されて十六億何がしが少くなつておる。従つて警察が残されておるとこういうのですから、警察が残されておつて税制がかわつておらなければそ、れはそういうことになる。しかしそれが前提となつて改正されて、当外五大市に残るべき税制が今度は府県に移つたのですから、それだけ減収していることは事実です。それをどうしてカバーするかということと、幸いにして前の予算で警察費が足りぬということで補正された中に四十億何がしあるということですから、それが特別に考慮を払われて五大都市にまわるのか、もつと数学的に説明を願いたい。今の二つです。今度の補正予算で幾らそれがまわるのか、それから税金がそういう前提のもとに改正になつた赤字をどうして清算するか。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 先ほどちよつと申したのですが、十六億昨年よりも税が減つたということをおつしやつた。その通り減つたと思います。十六億は別として、府県民税なんかができましたから税が減つたことは事実です。しかしその減つたものとしての計算を私どもは収入の方でしておるわけであります。ところが財政需要の方は残つておりますからふえたものという計算をいたしておるのであります。そういう計算をしたあげく交付税が少くなつたのであります。計算的に見ますればどちらも計算の要素の中に入つておるのであります。従つて交付税が少くなつたという結果が出たのは、税の増収が多いという結論であります。その税の増収自体について問題があるのであれば、その税の増収について個たに洗つて行つて——問題は法人税割でありますが、非常に私どもの算定が間違つておれば直してもよろしい。償却資産の税の増収の見積りが過大であるということであれば直してもよろしい。それはその問題として考えたらいいのじやないか、警察費の問題ではないのじやないか、こういうことであります。ですから御要望はその辺をチャンポンにして議論をしておられるのであります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 チャンポンとあなたは考える……。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 いや今の交付税の制度というものを中心にして考えて行きますと、私どもはそういうふうに考えておるのであります。  四十億に幾ら入つておるかという議論でありますが、これはこまかい計算をこれからやり直すのであります。やり直して府県警察の計算をしなければならないのであります。府県警察と同じような単価を使つて計算をいたして参りますと、これはあまり行かないのじやないか、ほとんど望みがないのじやないか。これは私の勘でありますけれども、ほとんど行かない、あまり大きな期待をしてもらつては困る、こういうのが今の私どもの考え方であります。というのは先ほどもちよつと申しましたように、五大市に存置した場合の計算をいたします場合に、そんなに——これは特別な補正係数を使つております。その使つた補正係数が、昨年から相当見ております。ので計算をしても、そう足し前を出さなければならぬような計算は出ないのじやないかと私は考えておる次第であります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 ちよつとくどいようですが、私は今までのこういう説明なり論にあたつて、たえずこの警察費の誤算のもとはそこにあると思う。あなたたちはかつてに想像しておる、制度の上からかわりはない、それだけ行つておつた、そう言うけれども、十七億幾らというものが税制が地方に移つたために減つておる。これは信用しない、それは算定の方式がわれわれと違うのだ、いろいろ前の算定の基礎が変化が来ておることは、故意か故意でないかは別として、全国を平均的に見なければいけない、従つて都市の給料が高いとかあるいはそれを平均してするから、そこであなたたち何もうそを言つておるわけではないでしようが、それを強く言う。しかし現実の問題をほんとうに信用するのかせぬのか。もし現実にこれだけ減つているということをお認めになるなら、何らかの措置をしなければならぬ。もつと具体的に言いかえれば、五大都市の警察が最初の予算の決定通り移つていたならば、こういうことは出て来ない。それを信用すればいい、こういうことなんです。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 五大都市の警察が五府県に移つて参りました場合には、五府県がみな超過団体になりまして、交付税制度の上での超過財源を持つかつこうになつて参ります。それが行かなかつたために交付税が行くのであります。従つて私この前申しましたように、損をしたというのは何を損したというのだろうということなんであります。超過財源が来なかつたという期待権を裏切られたということではないか。その期待権というのはどういう額だということになりますと、これは制度が移つてないのですからだれもわからぬのであります。従つてかりにそういう税を落すといたします。かりに府県の現在の税を落した場合には、その財源はやはり基準財政収入の計算の中に入つて来るのであります。従つて結果は二割分だけしか得にならないのであります。そういうふうな措置をやつて二割分だけの利益こうむつたのがいいか、それとも——起債も一つの財源でありますから、まるつきり出て来る財源を使つた方がいいのか、どつちが得なんだという議論を私どもは何回もやつたのであります。その辺になりますとちよつと専門的になりますので、議会の方々にはおわかりに——この議会ではありません。市の議会の方々にはおわかりにならぬのであります。財源的に与えればいいのじやないか、何も国の補助金でなくてもよいじやないか、税でなくてもいいじやないか、起債的な適正事業はたくさんあるのですから、起債でもいいのです。だから中の事業でやりくりできていいのじやないか、こういう議論をしておるのであります。それは今でも現実にしておるということを言つておるのであります。現実に昨年よりも起債の額を増額しておりますので、それでひとつがまんしてもらいたい、こういうことが私どもの申し分であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 警察費の問題につき特に五大市からの要望に関しましては、今政府当局と大矢委員との質疑応答を承りましたが、実は委員長といたしましては、なお了解しがたき点があるのであります。この問題はあらためてまた政府の意見を伺い、かつ私ども委員としての意見も申し述べたいと思います。しかし本日は時間もございませんから、その点は留保いたしておきます。ただしかし結論として、この問題についての自治庁のやり方としては、なお五大市の要望の趣旨にかなうよう相当の配慮を重ねられてしかるべきものだと私は信じておるのであります。いろいろ議論の上、数字の上における御説明はだんだんございましようけれども、結論として何らかの方法で、五大市側の要望につき答えられるところがあつてしかるべきだ、こういうことを考えておりますから、特に御配慮を願いたいと思います。  なお藤田委員から発言を求められておりますから特にこの際これを許します。

藤田義光日本民主党

○藤田委員 非常に重大な問題を審議する委員会の時間を拝借してたいへん恐縮でありますが、一言私の一身上の弁明をさせていただくと同時にそれに対する委員長の御配慮に感謝します。実は今春国会を通過いたしました入場税の国税移管に伴う問題に関連して、国会の一部にスキヤンダルがあるというようなことが流布されまして、私の帰郷中の去る十一日と記憶いたしますが、同僚大石委員が特に発言を求められまして、江口警視総監等に相当徹底した質疑をされたのであります。当時江口警視総監は当委員会にはさような事実は出ておらぬという明快な答弁があつたのでございます。しかるにその数日後に一部の新聞、一部のラジオ報道等によりまして、私がこの問題に関連して疑いをかけられているということであります。私はただちに警察庁刑事部長及び警視庁総務部長に問い合わせました。いろいろ調査いたしました結果、今日に至るまでまつたくさような事実が取調べ当局に出ていないということが判然いたしました。当時の新聞報道にはそのほかに自由党、改進党四名の直接の嫌疑者があるということが報道されておりましたが、直接具体的に名前を指示されました私に関しても、全然さような事実なしという確信を得ております。一点やましい点はございませんが、一部の報道によりまして当委員会に汚点を印するような誤解があつてはたいへんだという気持から、特に発言をする機会を与えていただきまして、率直明快にさような事実なしということを申し上げまして、皆様方の御了承というか御理解を得たい、かように考える次第であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 藤田君の御弁明につきましては、本委員会全員の名誉にも関係する重大事でございます。それゆえ委員会の決議をもちまして特に江口警視総監の出頭を求め、本月十一日の委員会において確言を得たのであります。すなわら問題の入場税の国税移管問題については、新聞紙の伝うるところ地方行政委員会委員のうちに関連するやの記事もあつたけれども、本委員会の委員に関係しては何らさようなる容疑を認めることはできない。こういうことをはつきりと確言されているのであります。従いましてただいまの藤田君の御弁明はまことに御弁明の通りであります。私どもはわが国屈指の新聞紙が無責任なる報道をされたことにつき、きわめて遺憾に存じているのであります。ただこの問題につきましてはかようなる事実無根の記事が出される根拠を、あるいは係の警察官が出すのではないか。はたしてそうであるならば、犯罪捜査に関し関係者の名誉と機密等を守る責任のある警察官として、その職責を全うし得ているのであるかどうか。同時にこの問題は、その警察官の上司に立つ者としての監督上の責任をいかに認めるべきであるか。すなわちこの問題に関係いたしましては、単に事実無根の記事を記載したる新聞関係者の無責任に対し遺憾の意を本委員会が持ちますのみならず、この関係警察官の行動に関する監督上、政府当局としての責任もまた問わざるを得ぬものがあるのではないかという問題があるのであります。従いまして去る十一日この委員会におきましては、この点につき東京の警視庁における警察官の監督につき江口警視総監から弁明を求めたのであります。この問題は単に東京警視庁だけの問題ではございません、日本全体の警察の問題でもあります。従つて警察庁として相当の用意がなくてはならぬと思うのであります。本日は警察庁から石井警察庁次長が見えておられますから、こういう問題に関する警察庁としての監督についての用意はいかなるものがあるか、ということにつき御意見を承りたいと思います。

石井栄三警察庁次長

○石井説明員 ただいま委員長から御指摘のありました点まことにごもつともでございます。私ども警察官の日ごろ指導教養にあたりましては人権の尊重ということを最もやかましく申しているのであります。ことに捜査取調べ等に当る者に対しては、その点につきましては厳にみずから戒めるところあり、相手の人権を尊重し、名誉を尊重するという気持において欠くるところがあつてはならないということは常々やかましく申しているのであります。数多い警察官の中にはあるいはそうしたわれわれの指導教養の徹底の足りないために、今日までに若干疑いをかけられ、あるいはその扱いにおいて慎重を欠くといつたような面も絶無ではなかつた点は、まことに申訳ないと思つているのであります。今後におきましてもそうした点につきましては十分目粛自戒せしむるよういたして参りたいと思うのであります。もし不幸にしまして行き過ぎの点等のありました場合には、その本人につきましてはむろんのこと、さらにその直後指導監督に当る上司において、その点に欠くるところがありましたならば、その監督責任を追究することも当然あわせ考えるべきでなかろうか、かように存じているのであります。先ほど御弁明のありました藤田委員に対しまして、今回新聞等に出ましたいきさつ等については、私詳細に承知いたしておりません。その実情等、十分検討いたしまして、もし警察官の下心得、取扱いの疎漏といつたようなことから、新聞紙上に記事として現われたというようなことがかりにあつたといたしまして、藤田委員のみならず当委員会ひいては国会全体の威信を傷つけるようなことを惹起したということでありますならば、関係者の責任追究というようなことについては十分考えて行きたい、かように考えております。今後とも十分戒慎をいたしたいと存じておりますので、御了承を得たいと思います。

中井一夫自由党

○中井委員長 本日はこれをもつて散会いたします。なお次回は明後二十九日午後一時より開会いたすことにいたします。     午後零時十一分散会

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