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19回国会衆議院1954/10/22

地方行政委員会 第84号

発言数
61
登壇者
9
会派数
3
開催日
1954/10/22

会議録

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 これより会議を開きます。  中井委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。  それではこれより警察に関する件について調査を進めることといたします。ただちに質疑を行いたいと思いますが、よろしゆうございますか。

保岡武久自由党

○保岡委員 斎藤長官に一言伺いますが、新しい警察法が施行されまして、五大都市につきましては特例が設けられたわけでございますが、これが来年の七月一日にはいよいよ警察法の全面施行ということに相なるのでございます。ところがこれはたびたび論議されているのでございますけれども、給与の面おいていろいろなでこぼこの問題がありまして、各地において関係の警察官が憂慮いたしておる問題であると考えるのでございます。特に五大都市と申しますか、旧自治体警察を含めましていろいろな事情で国家警察よりも自治体警察の方が給与が高い、これをこの際是正して行くということが行われておるのでございますけれども、特に恩給の問題につきまして、新しく是正されるところの俸給というものが、結局恩給の基礎になるように今日伺うのでございます。しかしながら今まで営々として治安の任に当つて参りましたところの警察官のうち、特にこのたび給与を切りかえられ、あるいはまた将来給与が切りかえられまして、非常に低い給与になつた、この方々はその給与が将来恩給の基準になる。こういうことになりますならば、この警察官の方々もやはり一般俸給者でありまする以上は、恩給を非常な楽しみにしていろいろと精励してこられたわけでございます。ある程度まで給与が上つたのに、このたびそれが非常に下つて来て、その下つて来たものが将来恩給の基礎になるということでは、どうも割切れない、納得の行かない面がありますし、今後特に五大都市におきまして、給与の切りかえが実施される際に、最も優秀な警察官がそういうような問題で退職のやむなきに至る、こういうことに相なる面もあるやに聞いておるわけでございます。そういうことが現在各地において相当問題になつておることは、長官も御存じのことじやないかと考えるのでございますが、この際警察庁におかれましても、十分に恩給当局とも御相談の上、一たび給与が引下げられるような場合がありましても、元の給与と新しい退職する際の給与を比較いたしまして高い給与を恩給の基準にするというような温情ある御措置をもつて臨まれた方が、今後五大都市の警察が順調に行われ、本法が完全に施行されるように持つて行く非常に大事な問題だというふうに私ども考えるのでございます。その点についてぜひともそういうふうに御努力願いたいと思うのでございますが、長官のこれに対する御意見を承りたいと存じます。  なおまた自治体におきましては、一応給与の改訂の際に、本人がやめて新たに採用するということになりますならば、現在の恩給法によりましても高かつた給与額が基準になるというようなこともあるし、できるならばそういうふうにしたらいいじやないかというような警察庁の御指導もあるやに聞いておりますが、しかしながらこれは何かしら一つの準則か、あるいは統一的な訓令と申しますか、指示というものがなければ、とても各人が一々そういうようなことをやつて行くということはとうてい不可能じやないか。これらについて何かしらそういうふうな御指示をあわせて出されるお考えはないか。できるならば、そういうふうに出していただきたいということを御希望申し上げまして、御所見を拝聴いたしたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 ただいまのお尋ね並びに御所見の点は、まことにごもつともだと存じております。自警と国警が廃止になりまして新制度になりまする際こ、もしそのときにやめてそして一日置いて新たに採用されるということになれば、高い今までの給与を基準にして恩給がもらえるわけであります。それをそうしないで、引続いて新しい制度のもとの警察官になつた、そこで恩給の基準になる給与が引下げられたもので算定をせられるということは、非常に不合理でありますので、先般警察法の御審議をいただいておりました際に、衆参両院ともこの点について考慮するようにという強い御希望の御議論もございましたし、われわれといたしましてもまことにごもつともと存じまするので、次の国会におきましては恩給法の改正法案を提案いたしまして、どちらか有利な方で計算をした恩給がとれるように、というのは、引下げられた給与で、そして勤務年限が長くなつてその方が有利だということになればその方をとつてもよろしいし、あるいは今までの高い恩給で、そして今までの勤務年数をかけた方が高いというのであれば、そちらがとれるというように、選択の方法にしますか、あるいは法律上どちらか高い方を恩給として裁定するというようにいたしたいというので、ただいま恩給局及び大蔵省と折衝中であります。われわれといたしましてもぜひともそういつた改正案を提案をいたしたいと努力いたしております。当委員会におかれましてもさような面におきまして御鞭撻いただければ、仕合せだと存じております。さようでありまするから、この次の五大市が府県に統合されるという場合にはそれの適用ができるようにいたしたい、また先般の府県警察への統合の際の人たちも、その法律が適用できるようにいたしたい、かように考えておりますので、御了承いただきたいと思います。

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 門司亮君。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 警察問題について、大体この前の続きです。今の長官の言葉を聞いておりましても、これからそういうことを折衝中だとかいうことですが、これは警察法改正のときからわかつているわけで、しばしば議論された。それがいまだに制度が明確になつておらないというようなことについて、これの起案者として、さらに現在の警察庁の長官としての責任上、一体どうお考えになつておるか、この際聞いておきたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 警察法提案の際に当然わかつておつたではないかというお尋ねに対しましては、その通りであります。当時といたしましては、われわれも何とかこれを救済いたしたいというので、あるいは統合の前に一応やめた形にしてそして恩給を確定をするという措置をとられても、これはやむを得ないだろうということを私は申しておつたのであります。当時といたしましては、恩給法の改正を提案をいたしまする、時日が十分でなかつたためにやむを得なかつたのでありますが、国会におかれましては、恩給法の改正をして当然さようにやるべきであるという御議論が非常に多くありましたし、私といたしましても、さようにする方法が適当であろうと考えまして、警察法が通過をいたしましたのは国会の終了のときでありましたから、次の機会に先般の七月一日にさかのぼつて適用のできる改正をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 せつかくの今の話ではございますが、問題はすでに発生をしているのであつて、今の保岡議員からお話のありましたように、これらの問題は警察行政の上においては、きわめて重大な問題でありまして、警察が単に規律をもつて律する一つの制度上の組織であることには間違いがないのであります。しかしいかに規律をもつてこれを律しようといたしましても、その衝に当つておりますおのおのの警察官が、やはりその命令に十分服するだけの心構えがなければ、警察行政と、うものは完全にやつて行けないと私は思つております。人でありまする以上は、自分の身分上の関係さらに自分の生活上の関係というようなものが、最も多くその心理を支配することはあたりまえのことである。しかもそのことについて、今日のような状態で何らの処置がいまだにされておらない、これからやるのだというお話でありますが、しからばこれからやるということがはつきり長官から言えるかどうか。このことができなかつたならば、一体日本の数方の警察官の実質上の大きな損害を、制度上の切りかえでこしらえることになると思う。これは国の制度の切りかえであるから、その犠性を忍べといいましても、現行の場合においてはなかなかそうは行かないと思う。もしこれがはつきりして、それだけの損失が出て来るということになれば、やはり何らかの処置をとらなければならないような問題が起つて来はしないかというように考えられるのでありますが、こういう点について長官は、それならはつきりこの問題を今お話のような形で解決すると言い切れるだけの自信があるかどうか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 法律の改正を要するわけでございますから、従つて国会でお通しが願えるかどうかということにかかるわけでありますが、この点はまことに筋道が通つておりませんし、また御同情をいただいておる御発言もたびたび伺つておりまするので、国会の御通過が願えるものだ、さように信じております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうすると、主管は違うと思うが、警察側から出される時期は臨時国会に出すつもりであるのか、あるいは通常国会に出すつもりであるのか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 なるべく早い方がよろしいと考えておりますが、臨時国会が開かれますか、開かれませんか、その点私も承知をいたしておりませんし、もし開かれるといたしましても、さような案件、臨特国会にふさわしいのかどうか、臨時国会の性格にもよろうと存じますので、提案のできる国会の最近の機会に提案をいたしたい、かように考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は今の答弁はきわめて自信のない答弁だと思います。もし長官に熱意があるなら、次の国会が臨時国会でございましようと、あるいは通常国会は、もとよりこれは性格論はないのであります、当然予算を審議すべき国会でありますから、これに出さないということになれば問題だと思います。われわれから考えて参りますると、本年度内にこういう法律案はこしらえておかなければ、法案の施行が今年度に行われておりまするので、来年度の予算を審議いたしまする国会に、形はたとえば二十九年度の補正予算の形においてかりに出すといたしましても、これはなかなかむずかしいのじやないかということが考えられる。従つて今の長官の答弁では、これはきわめて自信のない答弁であつてわれわれそれに満足するわけに参りません。これと同時にもう一つの問題は、この前の委員会から問題になつておりまするいわゆる警察費の不足額、あるいは政府は四十億と言い、あるいは七十億と言われ、平年度において百三億というような数字を今日出しておるのでありまするが、これらの問題について一体予算的処置は、いつごろこの国会に出されるようにお考えになつておるのか。これは当然本年度の補正予算として私は出るべきものだと考えておるが、その時期あるいは方法等について長官が今お考えになつておるなら、それをこの機会に発表しておいていただきたい。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 この予算は御承知のように自治庁あるいは大蔵省から出されるものだと私は考えております。私といたしましてはなるべく早くやつて参りたいと考えておりますが、まだこの前々から自治庁及び大蔵省からも答弁いたしておりましたように、正確に何千何億という数字の決着を見ておりませんので、その数字をなるべく早く見つけ出しまして、そうしてその数字をどういう方法で補てんするか、この方法は大蔵省及び自治庁でお答えいただく筋合いでございますので、われわれとしてはそれをなるべく早くしてもらうように努力をいたしたい、かように申し上げるよりほかございません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今の答弁はきわめて形式的の答弁であつて、なるほど出すのは自治庁なり大蔵省が考えることは当然です。しかし当面の警察行政の責任者である警察庁の長官が、これは自治庁と大蔵省の問題であるから、われわれはそれが望ましいという態度では私は済まされないと思う。ことに警察庁の長官自身が、この警察法改正の衝に当つておいでにならなければいいのでありまするが、少くとも政府委員として警察法改正に対する責任者として、ここにおいでになつていろいろ話をされておりまする関係においては、道義上の責任があなたにあるわけであります。全部があなたの部下になつておる。その部下の十分なる活動ができるかできないかということ、それからもう一つは、国の治安というか、社会秩序を保持することのための一つの行政機関が満足に動くことができるかできないかというきわめて重大な問題であります。その問題に対する財政処置を、自治庁の問題であるから、大蔵省の問題であるからということで、一体警察庁の長官がそれで済まされるかどうか。私どもはそりした警察庁の長官の発言を今日聞こうとは実は思つておらなかつた。少くともこの問題は本年度の追加あるいは更正予算として当然出るべきものであり、また警察庁の長官としてはその数字的根拠等についても、みずから進」んでこれをまとめる必要があるのではないか、自治庁がこれでいい、あるいは大蔵省がこれでいいということになつて参りましても、あなた自身の立場から、だつてそれではやつて行けない、そこはこうしてもらいたいというような発言が私はあつてしかるべきだと思う。少くとも責任者である者がそういうことであつてはならぬと思う。警察法の問題についてはいろいろ問題があります。来年度の予算編成を見て参りますると、国の一兆億予算を堅持するとかしないとかいうようなことが大蔵省から伝えられておる。自治省では警察費その他に対する地方費の増額のために四百億増税するという案を現在持つております。国の一兆億の予算を堅持することのために、地方税を来年度において四百億増額しなければならないというようなことを、これは自治庁が現在案を持つておるのである。そういう事態に立ち至つておつて、このことのために、警察費が安くなるという宣伝と逆に国民負担は増加するのである。いわゆる地方費の増加ということは、何も県庁が出すわけでもなければ、市町村が出すわけでもない。住民がそれだけよけい負担する。こういう国民の直接の利害に関係し、さらに社会の秩序を保持することのために直接関係のある費用は、その当面の責任者である警察庁の長官が、それは自治庁の問題であるとか大蔵省の問題であるとか、あるいは数字はそつちの方で研究しているのだというようなことでは私は済まされないと思う。やはりあなたの部下である以上は部下のめんどうはどこまでも長官が見るという態度が、私は警察行政の上に望ましいと思う。従つて今の答弁だけで私は満足するわけには参りませんが、警察庁の長官としてのこれらについての見通し、一体どのくらいのものが必要であるかということでありますが、これは何か警察庁自身で、独自でお調べになつたことがあるかどうか、この点を重ねて聞いておきます。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 私ももちろん重大な関心を持ち、なるべく早くこの数字を出しまして、予算の更正その他の措置をとつてもらいたいというので努力をいたしておるのであります。決して傍観をいたしておる次第ではございません。警察庁といたしましても自治庁、大蔵省と一緒になつて調べております。大分数字もまとまつて参りましたが、しかし自治庁の見方、警察庁の見方というものをお互いに話し合い、調整し合つて、そうして適当な数字を出したいというので、今三者作業中でございます。警察庁の見たところが自治庁及び大蔵省の見るところと著しく違つて、不満であるというような場合には、私は警察行政が円満に行われまするように、最善の努力をいたしたいと思つております。ただ先ほどのようにいつの国会に出すかという問題になりますと、私から責任を持つて臨時国会を開くことをお願いして出すというように申し上げるわけには参りませんのでさように申し上げたのであります。決して放置しておるわけではございません。おそらく今月末までには数字の結着がつくものと考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それではさらに経費の問題に関連して、もう少し聞いておきたいと思いますが、警察運営の経費に関する問題から来る現状であります。最近われわれも無関心でおるわけには参りませんので、警察制度改革後における警察行政がどうなつておるかということについての多少の調査なり、あるいは実際的なものを見て参つておるのでありますが、自治警察であつた当時における警察のいろいろな問題、たとえば自動車の修理であるとか、あるいは舟艇の修理であるとかいうような機動性に関する問題の取扱い等でありまするが、これが自治警察当時における状態は大体そうやかましい問題もない、まためんどうな問題もない、自治体警察はすぐそばに終日審議することのできる機関を持つておりましたので、容易にこれが行われて参つたのでありまするが、府県一本の警察制度になつて参りますると、なかなかこれがそう簡単には参らない、これは私は事実上そうは行かないと思います。従つてこれらの機動力に対しまする修理その他の面が、かなり不円滑に行つておるのではないかということが、われわれ現実の問題として考えられるのであります。このことは警察活動の上にきわめて大きな影響を持つておるというように私は見て参つたのでありまするが、警察庁としてはそういうものについて今日まで調査されたことがあるかどうか、その点を一応聞いておきたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 全般的に見まして車両の問題は、府県に統合になりまして検討をいたしてみますると、自治体警察の持つておりました車がどちらかといいますと修理も行き届かず、また車両も非常に古くて悪いということを発見いたしまして実は驚いておるのであります。そこで新しく車両の購入をいたしまするのは国賢でいたすことになつておりますので、できるだけ都市方面に性能のいい車両の配置のできるように予算獲得に努力をいたしております。修繕の面は、これは都道府県でいたすことに相なつておりまするが、全般的に見まして、自動車の修理費は必ずしも潤沢ではございませんが、都市警察時代における修理よりも、府県警察になつてから修理が低下したというようには聞いておりません。しかしただいまおつしやいますように、事柄の性質上さようになりやすいのではないかという御意見は、私一面には賛成のできる点もございまするが、何といたしましても、やはり修理に要する予算の問題が一番大きい問題であります。都市によりましてはそういつた修理も相当潤沢にやれておつたところもないとは申しませんが、全体的に申しまして、修理はきわめて不完全であつたということでございまするので、府県になつてからその修理がさらに悪くなつたというようには、ただいまのところ見ておりません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これはまあ多少の見解の相違もあるかもしれませんが、私どもの少くとも調査したものは——それから全体的な問題だというお話でございますが、主として機動力を最も必要とするのは、大体大都市あいるは中都市のような比較的犯罪の多いところ、それから犯罪を追及するのにそういう機動力が必要であるところということが実際問題として考えられておつて、われわれの見たところでは少くとも従来の修理その他よりもはるかに遅れておる。従つて警察の持つております自動車が、はなはだしいところに行くと半分も動かないのではないかというようなきらいさえあるのでありますが、この点については水かけ論になりますから、私は実態について私どもの見た範囲においては、そういうことが言えるということを申し上げておきます。  その次にお聞きしておきたいと思いますことは、警察法がかわつてから今日まですでに約三箇月以上を経過しているわけでありますが、その間に警察行政の最も重要な面であります人事の異動が行われたのであります。この人事の異動にいたしましても、旧来の自治警察が持つておりました警察関係の職員と、それから地方の職員との関係でございますが、これについて警察庁は一体どういう配慮をされたかということであります。われわれから考えて参りますと、これは斎藤君に直接こういうことを言うのははなはだ不見識であり、また言いにくいことでありますが、私立場上申し上げておきたいと思いますことは、少くとも今度の警察法の施行にあたりましては、自治警察と国家警察との間の摩擦ということは、あるいは少かつたかもしれない。しかし警察制度自体に対する自治警察の考え方というものは、かなり強い反対があつたということは当然でありまして、またその通りだつたと思う。従つて人事の異動その他については特に十分の配慮がなさるべきでなかつたかと私は考えておるのであります。そのことについて長官の心境を一応聞いておきたいと思いますが、少くともこれらの複雑した過程においてできて参りました新警察法の上における人事の異動というものは、私は常識的に考えて参りますならば、その衝に当つた長官がこれをやるべきではなかつたと考える。少くとも警察行政を円滑に運営しようとするならば、そういうトラブルのあつたことは事実でありますので、もし人事の異動をするとすれば、白紙の人が臨んで、そうしてやはり人事の異動をするということが、警察官全体に対するものの見方から常識的なものではないか、こう考えておる。これはおそらく警察官ですから、おのおの不平もありますまいし、あるいは不満も言わないかもしれない、表面には現われて来ないかもしれない。しかしながら少くともあの警察法の改正の当時においては、自治警との間に非常に大きな対立があつたことはいなめない事実である。しかもそのときにあの警察法をああいう形においてでも、曲りなりというか、あるいは間違つておつたと言えるかもしれませんが、とにかく強引に押し切つたあとの人事異動というものは、私はきれいな、白紙の人が行うべきではなかつたかと考えております。私がここでこういうことを申し上げたからといつて、何も斎藤君にやめてほしいと言つておるのではありません。一体警察庁長官としてはこの辺まで配慮されてああいう異動を行われたものかどうかということを、この際もう一応聞いておきたい。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 新警察法の施行にあたつて、警察庁長官には白紙の者が当つた方がよくはなかつたかという御意見であつたと思いますが、私もその点はまことにごもつともだと存じます。私個人といたしましても、この際制度施行を控えて第三者のりつぱな人にやつてもらうことが適当である、かように考えておりましたが、四囲のいろいろな情勢から、準備期間が短かいという点もあつたでありましよう、公安委員会から引続いて新制度の切りかえに尽力をするようにと強く要請をせられましたこと等もございまして、不敏ながら結局お受けをいたしたような次第であります。さようでありますから、その後の人事等にあたりましては、私はただいま門司委員のおつしやいますような事柄を特に念願に置きまして、あの制度のいきさつにかんがみて、人事が不公正にならないようにという点は、特に配慮をいたしておるつもりでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 行政上の一応の問題としてはその程度にしておきまして、あとは実際上の問題で少しお聞きしたいと思います。警察法の改正が国の治安維持のためにどうしても必要だ、こういうお話であつたことは間違いがないのでありますが、その後における日本の国内の治安状況が一体どうなつておるか。私がこういう質問をいたしますのは、その後における国内の治安状況というものは必ずしもよくはないとわれわれは考えております。ことに総理大臣のお出かけになりまする場合の警戒のようなこと、それから箱根におけるあの三井の別荘における吉田さんのおとまりになつておる宿舎のまわりの警戒の状態、さらに大磯における警戒の状態等を見て参りますると、国の治安は警察の権力が強くなつたからよくなつたとは私は必ずしも言えないと考えるのであります。きわめて短かい時間でありますから、警察法が改正されて治安の状態が非常によくなつたという実証をあげろということは無理かもしれない。しかしその後における社会情勢というものは非常に満足すべき治安の状態ではないと考えておるが、この点について斎藤警察庁長官として治安の状況がよくなつたというふうにお考えになつておるかどうかお伺いいたします。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 警察法の改正の際にもその趣旨を申し述べた次第でございますが、警察法を改正すれば治安が必ずよくなるというふうにはこれは考えておりません。同じ条件のもとにおいて警察が従前よりももう少し能率的になるように、そして民主的な運営のできるように、国情に即した警察制度をというように申し上げておつたのであります。もちろん制度が改正になりまして警察運営上便宜になりました点は多々ございます。しかしだからといつて大きな意味で日本の治安が格段によくなつた、そういうものではないと思います。一つは世相を反映してでありましよう。凶悪犯あるいは粗暴犯というものは、数は本年度は前年度に比べてむしろ多いくらいでございます。一般の犯罪件数は大した変更はございませんが、今の凶悪犯、粗暴犯というようなものはむしろ多い、かように申し上げることができると思います。また御承知のように今ヒロポンの検挙とか、あるいは暴力団の検挙とかいうようなものに相当全力を注いでおりますが、これらによりまして、今まで犯罪件数として現われていなかつたものが、検挙によつて犯罪件数として現われて来るものが多くございます。さようなわけでありまして、警察法の改正の前後を比較して、しかも警察法の改正によつて治安がよくなつたかとおつしやいますと、警察法の改正と国全体の大きな意味における治安というものは、そう大きな差があるものではないということを申し上げたいと思います。ただ大きな意味において治安が乱れるとかあるいは取締りをするとかいうような場合には、このたびの警察法の改正は非常に都合がよくなつて能率も上げておりますということを申し上げることができると思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 さらに警察関係のことで聞いておきたいと思いますことは、明日参考人としておいでを願います佐賀県議会の問題でありますが、これにつきましても、あの実態は明日にならなければわれわれもはつきりわかりませんから、どういう警察行政であつたかということについての意見を、ここでただちに言うわけには参りませんが、少くとも議場に警察官が入つているということ、しかもそれは副議長の要請であるからという話を一応聞いているのでありますが、警察教養の一つとして、少くとも警察官が議会の議場の中に入つて来るということは、議場の中で犯罪の事実等がある場合について、衛視その他でこれを十分に見ることができないというような場合においてのみ施行さるべきである。従つてその衝に当るものはその点のことは十分判断をすべきではないかというように私には考えられるのであります。要請があつたから何でもかでも議場の中に警察官が入つていいのだということになつて参りますと、今後の地方議会の運営の上にも、私はいろいろな問題を引起す可能性を持つていると思う。従つてこれは通常の場合に警察権の及ばざる場所に警察官が出入りをいたします場合においての警察官の教養というものが、どういう程度に行われているかということについて、実は警察庁から来るそういう指令あるいはそういうものに対する訓令等があるなら、ひとつそれをこの機会にお話を願つておきたいと思う。  それからもう一つでありますから、立つたついでに申し上げておきます。それは最近における労働争議の問題でありますが、たとえば北海道の室蘭製鋼における問題等のごときも——これは室蘭製鋼だけでありませんで、至るところの争議の問題に関連するのでありますが、労働者の方の組合とあるいは就業しようとする者との間における説得行為の限界は、どういうところにあるかということについてはいろいろ議論があると思いますが、少くとも警察官がこれに参与して問題を解決しようという場合においては、労働組合の持つております行為自体に対して干渉したり、あるいはそれを抑圧するというような行為はあつてはならないと私は考える。暴行あるいは傷害等の限られた範囲における取締りは当然行うべきであると思うが、さつき申し上げましたような労働組合としての当然の行為と目されるものについて干渉がましいことをするということは、やはり一つの行き過ぎのように考えられる。ところが最近の争議の状態を見て参りますと、往々にしてそういうことがあるのでありまして、従つてこれらに対する警察官の教養は今どういう形で行われておるか、この際お聞かせ願つておきたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 実は府県議会の議場に警察官が要求を受けて出動するということを前提にしての教養は、今までいたしておりませんでした。府県議会のようなところに警察官が常時出動する、あるいはそういうことがひんぴんとしてあるというようなことは予想もしていなかつたのでございます。従いまして、そういう場合にはどういう心がけが必要であるかというようなことは実はいたしておりません。しかしながら先般佐賀県にその事例を見たのでございますが、かような際におきましては、もつぱらその警察の指揮者の判断によつて、警察の行動が規律されるわけでありますから、現在の警察のさような場合における指揮者といたしましては、特別に教養、訓練をいたさなくても聞違いはないと一応確信いたしております。議長から警察官の出動を要請せられて、かような状態だから取締つてもらいたい、検挙してもらいたい、あるいは実力の排除をしてもらいたいというような要求がございましたならば、一応それに従うのは私は当然だと思います。警察が独自の判断を加えてどうこうするということをするよりは、むしろそういつた県議会の議長の要請を一応正しいと考えるのが当然だと思いますが、しかしながら現実に行つてみて、さような事態がないということであれば、警察としては引揚げて来るのが当然だと思います。従つて議長の要請のような事実があるかどうかを確かめ、その上で行動をすべきものである、かように考えます。さような意味から、先般佐賀県の事件についてここでも御質問があり、その前に私のところにもお見えになつてお話になられた方もございましたので、当時の状況をよく調べてみましたが、警察としては尽すべき手段をよく尽していたと考えております。控室の中で一部の議員が外に出られないような状態であつた、その事態も警察が窓越しに確認をし、またドアをあけようとして、それがさえぎられてあけることができなくて、やむなくドアを突き破つて入つたというような事情でございまして、この間に警察としては非難されるべき点はなかつたと私は考えております。  なお労働争議の点でございますが、これもたびたび申し上げておりますように、警察は、法律の違反があつたならばそれを検挙する、あるいは違反の状態があるならば、違反の状態がないようにするということが職責でありまして、その結果が、あるいは労働者側にどういう影響を持つか、経営者側にどういう影響を持つかということをあまりに顧慮いたしますことは、かえつて争議に介入するということにも相なりますので、もつぱら警察の事件として争議に対処するように、十分注意は加えておるのでございまして、むしろ警察が争議に干与するということを言われることを避ける意味で、知らず知らずの間に当然警察として措置すべき事柄を措置しない、労働争議の場合には無警察のような状態にあるじやないかという非難を、最近相当聞くのであります。われわれといたしましては、労働争議はどこまでも法律の範囲内において争議をすべきものでございまして、従つて労働争議であるからといつて、もし警察がなすべきことをした場合に争議に介入したんじやないかというようなことを言われることをおそれて、当然やるべきことをやらないということであつては、こう職のそしりを免れないのじやないか、最近はむしろその方を私が心配をいたしておるような状況でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 どうも斎藤長官のお話は、警察官の立場からこれはもつとものように聞えるのでありますが、最近の、ことに北海道の日鋼室蘭における問題等のごときは、かなりたくさんの傷害者を実は出したわけであります。それが労働組合員同士のけんかというのでなくして、警察官との間におけるトラブルであつたということは御承知の通りであります。この問題がどうしてああいう事態になつたかということについては、おそらく現場におります諸君の考え方があまりにもしやくし定規で、今の斎藤長官のお話のような形で行われていなかつたものというように考えられるのであります。労働争議の本体はどこまでも労働者相互間の一つの問題であります。ここに事実上の傷害罪が起るとか、あるいはそういう事態が発生する非常に大きな危険があるとかいうような場合にこれを警戒することについては、これは警察官の職務として当然です。みすみすここには乱闘事件があるだろうということの予測されておつたものについて、何らの処置をしなかつたということになれば、これはおそらく警察はこう職のそしりを免れないだろうということは言えるかもしれません。しかし、その行為自身が行き過ぎであつて、しまいには警察官と争議団員との間の闘争が繰返されることが多いのであります。ことに室蘭の争議のごときはそうだと私は思いますが、これは大きいか小さいかの相違であつて、至るところの争議で、われわれから考えて参りますならば、警察官が、控え目というかあるいは事態を了解しておつたならば、ああいう不祥事は起らなかつただろうと考えられることが非常にたくさんあるのでありまして、これは争議を行うわれわれの立場と、そうした不法な行為を取締ろうとする警察官との間の見解の相違といえば相違かもしれませんが、何もあんなところへ警察官が出て来なければ、あの問題はあれで片づいたのだ、別に乱闘事件は起らなくてよかつたのだと思われることがしばしばあるのであります。従つて、最近の警察官の出動その他については、われわれからいうと実際上警察官の出過ぎであるということが、実は考えられるのでありますが、こういう点について、ことに私が今日開いておきたいと思いますことは、これから秋季あるいは冬季の越年闘争その他において、相当方々に争議が頻発するように考えられます。これに対する取締りの方針は、警察庁としてどういう方針を一応お立てになつておるのか、そのことをこの際長官からわれわれ聞くことができるなら非常に幸いだと思います。繰返して申し上げておきますが、将来非常に頻発するであろうと考えられる労働争議に対する警察庁のものの考え方を、この際お聞かせ願つておきたいと思うのです。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 警察といたしましては、労働争議に対する場合の考え方は、従前から何ら変化は、ございません。争議自体には干与をしない。しかし不法な行為があれば、その不法な行為の除去に努める、その一語に尽きるわけでございます。  先般の室蘭製鋼所の場合を例にお引きになられましたが、警察官と労働者とのもみ合いでけがができたとおつしやるのは、おそらく御幸橋の事件のことをおつしやるのであろうと存じますが、この際に労働組合側ではけが人を出したというお話でございまするが、まだけが人の氏名等を警察の方に知らしてもらつておらないような状況のようでございます。昨日も確かめてみましたが、まだそのお知らせがないということでございますので、警察といたしましては、あの際にけが人ができたというようには考えておりません。あの旬日前に、警察の出動が遅れましたために、第一組合と第二組合が乱闘になりまして、この際に六人の軍傷者、約二百ハ近い軽傷者を出したのであります。さようなことを再び繰返してはいけないというので、十月の六日であつたと思いまするが、ただいまおつしやいました御幸橋の道路の上でピケ・ラインを張つていることは、第一組合がそこを通ろうとするし、必ずここで乱闘が起るから、このピケ・ラインは解いてもらいたいという警告を発し、警察が実力をもつてそのピケ・ラインを押しもどしたというときの問題でありまして、かような場合におきましても私は警察がやらなければ、第一組合と第二組合がまた旬日前のような乱闘を起したであろうと、かように思うのであります。室蘭製鋼所の例をおとりになられましたから申し上げますが、あそこの社宅には数千家族が入つているのでありますが、ここで第一組合と第二組合のお互いの奪取のし合いといいますか、家庭間、家族間においてさえもいろいろな事故が起こり得るような状況でありました。また現実にも起つたのであります。さようでありますので、警察はここに臨時に派出所をたくさん増設をいたしまして、また夜間のパトロールもやつて、事故のないように努めておるというような現状でございまして、こういつたやり方は今後の争議等におきましても、警察が当然とるべきものであろうとかように考えております。どこまでも無用に争議の内容に警察がタッチする、あるいは不法事態がないのに争議を何らかの方法で早期に解決をさそうというような意図をもつて警察が動くことは、厳に警戒はいたしておるのでございます。しかし不法事案の発生に対しては容赦なく対処するというのが警察の態度と、御承知願いたいと存じます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それから私最後に一つ聞いておきたいと思いますことは、これは私この前からしばしばここで申し上げておる一つの実例でありますが、最近集会その他等に警察官の出入りがあるように、われわれ見受けられるのであります。しかし警察庁としては、合法的に集会届を出し、従つてその集会届にはその目的あるいは大よそ集まるであろうという人員、さらに主としてこれに集まる者というようなことは一応この集会届に書いてあるわけであるが、その後集会をやつておりますと、大体警察官の諸君がおいでになるのであります。これは公開の演説会その他等については何にもさしつかえはないのでありますが、一つの組織を持つた団体が、その団体員に限つて大会あるいは委員会等をやつておりまする場合における会合に出て来るのでありまして事実を言えというのなら、今月の十七日でありますか、小田原で開いた農民諸君の会合に対して、小田原の警察からちやんと参つております。名前を言えというなら名前もありますから申し上げてもいいのであります。これはこの前から私申し上げておるのでありますが、一体こういう特高的な警察の動きは、どこかで指令が出ておるのでございましようか。これはただ単に出先の警察官が、何か会議があるからその内容を報告しなければならないというようなことがもし植えつけられておるとするなら、やはりこれも一つの特高的な存在にならざるを得ない。あるいは出先の警察官が自分の功名のために、自分の管内でこういう会合がある、その会合の内容はこうだつたということを報告することが、何か一つの自分の成績にでもなるというような考え方で、個人で来ておるのかどうかということであります。このことは訓練を経ておりまする者の隻まりなら、大した影響もないのでありますが、しかしきわめて素朴な農村等で、こういう問題でおまわりさんがちよつとのぞいて中を見て行つたということになると、割合に発言その他も遠慮がちになつて来る。いわゆる会の趣旨というものが、大きく阻害されるというようなことが往々にしてあるのであります。これらの点について国一本になつた警察制度のもとに、何か特別のさしずがされておるかどうか、この点をひとつ聞いておきたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 ただいまのような場合に、警察が会議に臨むというようなことにつきましては、この前にも門司委員からお託がございまして、私がお答え申し上げたと思つておりますが、あの際にも特に門司委員のおあげになられました例を出しまして、不必要な、迷惑のかかるような出席の仕方といいますか、会場への臨み方はしない方がよろしいということを注意いたしたのであります。ましてや全国的にそういう会議のある際には必ず臨席して内容を報告するようにというような通牒と申しますか、指示というようなものは、これは全然ございません。ただ大きな会合がある、そこでどんな会合が開かれて、どんなことがあつたのだというような一般情動報告というようなものを、ずつと今までからするような慣例になつておつた地方の警察があると思います。それをそのまま踏襲をしておるのではないかと存じますが、大体警察といたしましては、社会全体の動きがどんなぐあいに動いているか、それが何かの場合にどういうように治安上なつて来るかというような事柄を、常時知つておくというような状態になつておりますがゆえに、ただいま例にあげられましたような、警察官が顔を出しておつた、そのために会議の空気が非常にぐあいが悪かつたというようなことにもなるのであろうと存じますので、さようなことのないように十分注意をいたしておきたいと存じます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 よろしゆうございます。

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 西村力弥君。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 近ごろ新聞を見ますと、暴力団の検挙にかかつていらつしやるようであります。ただいつもあれはやられまして、また生れる、それを繰返すだけの状態でありますので、今度やられましたらやはり相当絶滅を期するというか、そういう方向をとつてもらいたい、こう思うのです。その根本は何としてもただいまの社会不安とか失業とか、そういうものをなくさなければ、どうにもああいうものの発生を抜本的に防ぐことは不可能ではないかと思うのですが、それはそれにしましても、やはり相当決定的な、効果的な方法というものは考えておいてもらわなければならぬと思います。その点についてはどうでございますか、お考えがありましたらお聞きしたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 お言葉のように、暴力団の根絶を期しますことはまことに必要だと考えております。しかしながらこれは非常にむずかしいことでございまして、警察といたしましては、絶えざる努力を続けて行くということが一番肝要であろうと私は思うのであります。一斉検挙といつて非常にはなばなしくやる、しかしあとやらないとまた同じことに相なるわけでありますから、従つて絶えず暴力団と警察と取組むというような状態でなければいけない、かように思うのであります。それにいたしましても、暴力団の多くの事件というものは、いわゆる被害者がその被害事実をそのまま警察に対して言つてくれる、あるいは検察庁あるいは裁判所でも証言をしてくれるということが一審肝要であるのでございます。従つてさような御協力を得るように警察が仕向けて参りますとともに、大小を問わず、ことに暴力団といつてもその根源である大ボスを、どうして根絶やして行くかということに絶えざる努力を向けて行くことが肝要であろうと存じまして、この点は特に注意を払つておるのであります。何といたしましても、とにかく暴力団というものが世の中から少しでも少くなり、世の中が明朗になるように警察が全力を尽したい、かように考えております。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 以前警察当局あるいは占領中のCICとかが、暴力団を利用したがごとき例を私も聞いておるのでございますが、現在はそういうことは全然ないことだと思うのであります。またあの暴力団狩りが、今の説明通りに根絶を期して将来とも継続せられ、国家警察一本になつたその一つの最初の手柄としてあれをやつたというような一時的なものでなく、その点十分にお願いしたいと思う。  次に問題は違いますが、先ほど門司さんの質問に関連しまして、労働組合の争議に警察は不介入である、しかしそれに随伴する暴力行為、そういうものは断固として取締る、こういう仰せでございますが、警察官に対する労働争議というものに関する教養は、どういうぐあいに授けていらつしやいますか。今新党とかあるいは自由党とか、そういう方面でとられている政策の中には産業平和というものがあります。争議というものは悪だ、こういうような方向をとつていらつしやる。また一般的に遅れた日本国民の中には、まだまだ争議というものは悪いものであるという考え方が濃厚なのであります。しかしそういうところにとどまつておるということは、これはもう全然社会の進歩から一段と遅れて行くことでございますので、警察官の教養としてもただその点にとどまつたり、あるいは全然教育しないというようなぐあいに放置しないで、労働争議の意義とかいうようなものも、現在の社会的な意味からやはり教育して行かなければならぬではないか、かように思うのです。単に不介入だというような、そういうべからずというだけの教育ではなくて、労働争議の現在社会における意義というものを教育せられておるかどうか。むしろ当然そういうぐあいに教育されなければならぬではないか、かように私は思うのです。今その点に関する教養はどういうぐあいに行われておりますか、お聞きしたいわけであります。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 警察といたしましては労働争議の取締りについてどういうふうに臨んで行くか、そのあり方というものは、先刻も申しますように間違いのないようにいろいろ教養はいたしております。一体労働組合あるいは労働争議というものの見方といいますか、こういうものをどういうふうに考えるかというような点につきましては、これは一般社会常識といたしましても、それらの点には一般的な常識を持たせるように十分努力をいたしております。従いまして労働争議それ自身が社会悪であるというような考え方を持つておる警察官は一人もないであろうと私は思います。労働者の進歩向上、労働組合というものを法律で認め、また労働争議というものも法律で認めておりまする社会的理由というようなものにつきましては、あるいは百点をとれるだけの答案が書けるかどうかは知りませんけれども、私は警察官として常識上備えておるべきものは十分備えさせておく、かように考えております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私は委員長にちよつとお尋ねしたいのですが、十日ほど前の読売新聞に入場税に反対した左右両党、改進党、自由党の地方行政委員会の人々は一千万円の金を興行主からもらつた、こういうことが出ておつた。私たちは代議士になつてから、人からびた銭一文ももらわない。一体こういうような根拠はどこから出たか。それとも地方行政委員会の中に、そういう金をもらつておる人があるか、それをちよつと調べてほしい。これはどうですか。

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 私からお答えします。私もその新聞を見てはなはだ奇怪に思つた。私もびた一文もらつたこともなければ、ごちそうを受けたこともない。きわめて不愉快に感じておる一人である。だからそういうことがあつたとすれば、これはほんとうに大石委員の言われるように、十分にそういうことはついてしかるべきものだと私は考えておるのであります。そういうふうに私は答えておきます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 それで左右両党のどういう者がそうした金をもらつたか、自由党のどうした者がそういう金を興行協会からもらつたか、改進党のどういう人がそういう金をもらつたかということを、まずここに興行協会の人を呼んで、はつきり聞こうじやありませんか。われわれ地方行政委員に、こうして九年もなつておるけれども、いまだかつてびた銭一文ももらつたことがない。地方行政委員会の名にかかわるじやありませんか。ひとつ委員長の責任においてその興行協会の人を明日呼んでください。東京ですからすぐ呼べます。皆さん御異議ありますか。異議がある者はもろうた者や。どうや、異議ないやろ。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 お答えします。大石委員の言われる通り、まつたくその方が明瞭になつてよろしいと考えております。皆さんにお諮りして、明日でも——本委員長がおりませんから、私はここにでくのぼうと同じですわつているのですから、一応本委員長にも私からその趣旨を伝えます。そうして施行するように努力することにいたします。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 努力じやいけない。審議するのですよ。  斎藤国警長官に質問します。あなたもこのことについて何かお聞きでありますか。ほんとうのことを言うてちようだい。私はあの新聞を見て非常に不愉快に感じました。われわれ入場税を国家に移管することに対して反対はしましたけれども、びた銭一文ももらつておらぬ。そういうことを新聞に書かれたらわれわれ迷惑千万です。何か斎藤さんが耳に入れておられたら、ちよつとここで聞かしてちようだい。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 私が耳にいたしております点は、興行協会の事務局長ですかが、横領の疑いで取調べを受けているという点は耳にいたしましたが、しかし興行協会が国会に金をまいたとか、ことにこの地方行政委員会にどうとかいうような点は全然聞いておりません。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 地方行政委員会にそんな金をもらつた人があるかないかわからぬけれども、私は知らぬから反対しましたけれども、とにかくこれははつきりする必要がありますから、ここに興行協会の人と、警視庁の捜査第二課を呼んで、ここではつきりしてもらいましよう。左右両社会党、こう書いてありますから、そうしてもらわないと、われわれお互いにびた銭一文ももらつておらぬ。純真な気持で、国に移管することを反対したのですから、その純真な気持をこうして新聞によつて蹂躪されるということは、非常にわれわれ納得が行きませんから、あした警視総監、それから捜査第二課、それから興行協会、そういうところのリーダーを呼んで、ここではつきりしていただきたい。そうしませんと、関西におきましても読売新聞がでつかく書いて、地方行政委員会において一千万円ばらまかれた、こういうことはまことに遺憾である。この点、あなたは委員長代理でも責任が持てますか、どうですか。

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 それはごもつともであると思うのです。明朗を欠くことですから、大石委員ばかりでなく、御出席の各位も、かく言う私も、そういうふうに不愉快に感じているのであるから、来てもらうことは賛成であります。しかしこういうように勾留状を執行されている人間は、どうも出て来られないかもしれないと思う。逮捕状なんか無効になつてしまうとだめだから、その他の興行協会の者で今現に勾留されていない者は出ると思う。そういうことはできると思うから、それについての出頭を求めることについては、皆さんとともに異議がなければ、そのことを施行することにしたらどうかと思います。

伊瀬幸太郎日本社会党(右)

○伊瀬委員 それはかなり読売新聞なんかには、はつきり出ておりますから、今大石委員がおつしやるように私どもきわめて迷惑しごくな問題です。読売に書かれているのだから、読売にもひとつ来てもらつて、徹底的に究明してもらわなければならぬと思いますから、ひとつ委員長において即刻そういう手続をしていただきたい。

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 私はかりに委員長席についているのですから、この委員会が終りました後に理事会を開いて、そのような方法にすることにその手続をとることでいかがですか。  ちよつと速記をとめて………。     〔速記中止〕

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私二、三お伺いします。先ほどの質疑に関連しますが、警察費の調査を警察庁でもやつている。自治庁もやつている。それから大蔵省もやつている。その三者でもつて今調整中だというようなお話でありますが、調査をした結果によるとどういう結果が出ているかということは大体おわかりだと思う。三者の調査がどういう点で食い違つておるか、そういう点についておわかりであればひとつお話を願いたい。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 話は現在のところではまだどこといつて食い違つておるという点はございません。それは資料は一つであるわけです。府県で組みました予算で、この予算が自治庁が考えている当然府県が計上すべき予算であるかどうか、国が財源の裏づけをすべき筋合いのものであるかどうかという点を今当つているわけです。自治庁としては警察費だといつて計上すれば、すべてそれについて裏づけをするというわけには参らないわけでありましてたとえば国の警察職員の費用に準じたものを府県が出すということになつておりますから、それよりも高い水準を特定の府県で特にやつて行くという場合には、それは府県の余裕財源でやるべきで財源の裏づけとすべきではない、こういうふうに考えておりますし、私の方もそれは財源の裏づけとしてはや評を得ない、こういうように思います。従つて府県の人件費を何億組んでありましても、その人件費は現実に法律にいう水準の人件費であるかどうか、また現実にいる警察官に対するあれであるかどうかという点を調べまして、そしてこの額までは財源の裏づけをするはずであるというように話し合つておるけれども、そういうような点についてまだ意見が大きく食い違つている——警察としてはこれは財源の裏づけを要する経費だと思うのに、自治庁あるいは大蔵省がそうでないといつて意見が対立しているという段階ではございません。今のところは大体意見がそれぞれあつて、ただ話し合つてなるほどそうだというところで、円満に調査を進めているような状況でございます。その額は先般も自治庁の財務部長が申しておりましたように予算の締めくくりといいますか、現実の予算を集計をしてみますると七十億くらいよけい予算を組んでいる。そこで財源の裏づけを要するものがそのうちどのくらいであるか、これがおちつく先はまだはつきりいたしません。四十億前後と言つておられましたが、これはあるいは五十億前後になるのじやないだろうかという感じを私どもは今いたしております。しかしこれは感じでありまして、まだ最終の数字にはなつておりません。そういう段階であります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 意見の相違はないというようなお話でありますが、ある府県ではいわゆる定員外という問題で、警察の当局と県の当局の方で意見の食い違いがあるというように聞いております。要するにきめられた定数だけを県としては財政的な措置をする、そうでないとこれは赤字が食い込みになるわけでありますから、そうするのが県としては当然でありましようが、警察の方ではやはりやむを得ないものは定数外でも置いておいてもらいたい、こういうようなことで、香川県でしたかで、県の警察と県の当局との間に意見の食い違いがあるということを実は聞いておるのです。これは香川県ばかりでなく、ほかの府県でもあるのじやないか。岩手県の場合でも、いわゆる基準の警察費以上に県の警察費の予算がはみ出しておる分の相当大きな部分というのはやはり定員外の人件費で、これだけが示された基準よりもはみ出しており、これが相当額があるわけであります。こういうことは他の府県にもあるのじやないか。そういたしますと、そういう点でおそらく自治庁側と警察庁側との間で意見の相違があるのじやないかというふうに想像されるのでありますが、これをどういうふうに扱うか、この定員外の人員の人件費を、どう処置するかということについては、一体警察庁としてはどういうふうにお考えであるのか伺いたい。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 おそらくその定員外とおつしやいますのは、いわゆる警察官の初任教養中の見習生の扱いであろうと存じます。これは最初自治庁は定員の中にあるじやないかと考えていたようでありますが、私の方と話合いの結果これは定員外であつてそしてそれは予算の裏づけとしては自治庁が見ようということに話合いができましたので、それであれば問題はそれで解消したと存じます。当初は自治庁の考え方はちよつとわれわれの考えと違つたように考えていたようでありましたが、その点は了解を得ましたので、そういう数字も中へ入つて参りました。ただ政令できめられました警察官の定員は何府県が何名としたものを、県の実情でそれよりもいくらかふやしてほしいというような場合には、その財源の裏づけとしては見られないというようになつてもやむを得ないと思います。現実には私はそういうものがあるようには聞いておりません。当該府県としてはそれだけの警察官が必要だということであれば、政令を変更いたしまして定員をかえるというようにいたしておると思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 この問題は実はきようは自治庁が来ておればなおお伺いしたいのでありますが、自治庁がおりませんので、またあとでお伺いすることにいたします。  なおこの際にお開きをしますのは例の警察法の第三十七条の国費の支弁金、これはいろいろ経理上から見ましてもこういう方法は適当でない、非常に変則なやり方で、各県の警察本部長を警察庁の所属にして、支出官にしておるというような変則なやり方をとつておるわけであります。また府県の捜査費について、県議会が通さないような費用を直接国の方から出すということは、好ましくないことであります。従つてこの点については、いろいろ前に論議されましたが、今後これを改める気持がないか。ことにあの中で器材のように一括国の方で、中央で購入するというようなものは、これは国の予算でもいいと思うのですが、捜査費のようなものは技術的に見ても、中央で統括して、今のような経理方法をとるということは非常にまずいと思うのでありますが、今後これを改めるお考えはないか、これをこの機会に伺つておきます。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 国費直接支弁の捜査費の扱いでございますが、これは当時も御説明を申し上げましたように、たとえば広域にわたる犯罪の捜査費、例をあげてみますと、ただいまやつておりますヒロポンの取締りというようなものにつきましては、その取締りというようなものにつきましては、その取締りの実態に応じまして、ある府県でどの程度と予想しておりましたものが、犯罪の捜査の遂行上、他の県で非常にたくさんいるというような場合には、その方へまわすようなことが必要でありますので、この広域犯罪を対象にいたしました特定な国費支弁の捜査費というものは、これを効率的に使用するという観点からいたしまして、ただいまこの方法を全部県費支弁に切りかえてしまう方がよろしいという考えにはなつておりません。当分ごのやり方をやつてみまして、もし府県その他に不便があるという点が現われて参りましたら、その際に検討してみたい、かように考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 たとえば今の国費支弁の捜査費の中で、国会議員の選挙に関係する犯罪の捜査、これを国費支弁でやつておるという考え方は、ちよつと間違つているんじやないか、もしりくつを言えば、市町村関係の選挙の費用は市町村が支弁ずるのが当然だというようなことにもなるわけであります。こういうことはやはり必ずしも国の方から支弁する経費だけでまかなつているんじやなくて、府県費の方と、両方一緒にして実際には使われるというふうな実態であろうと思いますからして、このようなデリケートな個々の犯罪の捜査費というものまで、国の方から面接支弁して行く方法をとるのは適当でないように思うのですが、これらの点について将来直される考えはないのですか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 地方の方の要望といたしましては、できるだけりくつのつくものは国費で支弁してほしいという声が相当強くあるものですから、従つて国の選挙というようなものは当然国費で負担すべきではないかというようなことから、国費支弁というふうにした次第でありまして、地方費支弁ということになりますると、どうしてもその負担が全部地方費にかかつてしまう、あるいは半額補助とか、財源の割といつても、査定の仕方が非常に辛くて、実際いるだけは見てもらえないというので、できるだけまるまる国費支弁にしてほしいといつた声が強くありますので、さようにいたしておるのでございまするが、これらも施行いたしてみまして、弊害が著しく現われるというようなことであれば、そのときにまた考えて行きたいと思います。

石村英雄日本社会党(左)

○石村委員 斎藤長官にお伺いします。近ごろ労働組合員なんかのコーラスが各職場で盛んになつておるようですが、私の方の山口で、そのコーラスをやつている人を警察官が、課長か係長のところへ行つて、そのコーラス団に加わつておるのはだれかというように名前を調査した事件があるのです。もう少し前には赤十字病院のある人の転職問題で、そこの看護婦の生徒か何かが騒いだというので警察官が行つて、どこの人間だ、本籍を教えてくれというようなことを事務長に聞いた事件があつたのです。これに対して警察当局から、いや、調べたのではないというような答弁があつたのですが、こうしたことを調べるような通牒でも出ておるのかどうか。また出ておればその理由をお聞きしたいのです。かりに出ていないとすれば、警察官がそういうコーラス団の構成人員を調べるとか、あるいはわずかなそうしたいざこざに対して動いている人の本籍、年令というようなことを調べることが、警察官として妥当な処置とお考えになつているかどうか、長官の御見解をはつきりさせていただきたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 ただいまの点は、私具体的に存じておりませんから適当なお答えにならないかもしれませんが、抽象的に考えまして、そういうようなものは何も調べる必要はなかろうと、私は考えます。もし現実にやつたとするならば何か特殊な理由があつたのではないだろうかと存じますが、それがどういう理由であつたかは調べてみなければわかりません。特別な何らか理由がなければ、抽象的なそんなものを皆調べろというような指令は出ておりませんし、そんな必要もないと考えております。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 今のに大体似たような問題ですが、私が、私の県の軍事基地に行つて、むしろをしいて農民たちと話を始めたところが、警察官が写真機を向けて来た。それで国費をむだに使つてはいかぬじやないかと言つたらまつ赤になつてやめましたが、ああいうのは一体何をしようと思つてやつたのか私は理解に苦しむのです。そういうのが一般的になつているではないかと考え、これは相当注意してもらわなければならぬと思うのです。軍事基地反対ということを収上げて、百姓のできない連中がやつている事態に対して最少限度のことは認められるにしても、私たちが行つてむしろをしいて話を始めようとしたら写真をとる、そこまで警備課の人々の任務が要請されているのかどうか。これはあるいは正面切つての要請ではないけれども、警備課の警備任務の範囲というものは、そこまで要請されているのかどうか。だからもうやつきとなつて、何もかもそういうようなぐあいになるのではないかと思うのです。その点はやはり正式な通知を出していない、答弁はそうだろうと思うのですが、こればかりではなくて、何らかの形でああいうことが心理的にも要請されているごとく受取つて、活動しているのではないかと思うのです。そういう点十分注意してもらいたいのです。この点は答弁するまでもなくあまりにばかばかしい話なので、とにかく御注意願いたいと思うのです。

石村英雄日本社会党(左)

○石村委員 今のコーラスなんかも、みんな恐れて脱退してしまつたそうですが、まあ長官はそんなことは一般的に必要ではないとおつしやるのですが、どうもわれわれが見ると、警察官が点数を上げるというせいか何か知りませんが、りくつをつければ治安上調べておくというりくつもつくのかもしれません。そうしたことから、いわば特高警察の復活という印象を事実上与えておる。そうして警察官が出て来れば、みんな恐れてしまうということになつておるのですが、長官がそうしたことは必要ないというお考えなら、警察官にそういう特高警察の復活——事実復活になつているのかもしれませんが、そういうことのないように、もつと積極的な指示なり、教養を与えるとかいうようなお考えはないものですか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 まことにつまらぬことでいろいろ御迷惑かけておるようなお話がございましたが、そういうことのないように十分注意をさせるようにいたしたいと思います。

伊瀬幸太郎日本社会党(右)

○伊瀬委員 ちよつと長官にお聞きしておきたいのですが、何回も各委員がここで質問をやつておられるが、警察の地方町村役場に対する寄付の割当はまだ新しい警察法が発足して後においても、そういうような割当寄付がやられているところがあるのですが、これは何かあなたの方から各府県の警察本部長に対してでも、御指示をなさつたようなことがあるのでしようか。もしそういうようなことをやるなという通牒でもお出しになつてあるのだつたら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。またそのままであつたら、現に私の方の県ではそういう割当をされて、町村がたいへん困つているところがあるのですが、そういうことに対して長官は何か御処置をなさつたでしようか、ちよつとお聞きしたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 寄付の強制募集とか強制割当につきましては、絶えず注意をいたしておるのでございますが、ただこの前も申し上げましたように、町村長さんあたりが、今まででありましたら国費で建てるべき署が非常に腐朽をしている、早くそれを改築したらいいじやないか、自分らの方でも努力するからというようなところから、そういう寄付が始まる場合がよくあるわけであります。前にも申しましたように、昭和二十三年の改正前の警察では、これらの負担は府県でやるわけですが、所によりますと半額は地元負担というのが、ずつと慣例で来ておるところも今まであつた。それで今まであちらも半額負担、こちらも半額負担となつておつたところを、今度からは全額県費というわけはなかなかいかない。また国費も少い。従つて足らぬ分は手伝いましようというようなことから、できるだけ避けるようにということを言つておるのでありますが、まだ根絶に至つておらないのは私は遺憾に存じております。しかし今度の制度の改正によりまして、そういつたような負担は大部分府県費負担に相なりましたので、従つて府県で十分予算を出していただきませんと、またそういうことが起るのではないか。あるいは府県とされましては、ほかの建物や何かもみな地元負担がついているのだから、警察も同様だということになつて参りますると、私の方でそういうことはいけないと申しましても、今度は府県のあれになりますると、はたして根絶いたしますと私が申し上げても、これはちよつとできにくいのではないだろうか、こう心配をいたしております。しかしいずれにしましても、それが強制にわたつたり、また警察の職務遂行上寄付を受けたものと受けないものとに差別をつけるというようなことに相なりましては、職責を全うするゆえんでありませんので、そういうことのないようにはできるだけ注意を今後も払つて参りたいと考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 今の問題はもう少しやはり長官としてははつきりしてもらいたいと思うのです。警察運営というものの厳正公平というものを守るという点からすれば、たとい府県がやるにしましても、ほかの保健所であるとか病院であるとか、学校であるとかいうものと警察とか検察庁とかいうものは非常に性格を異にする。ところが地方へ行つてみますと、事実上地方の有力者はまず税務署、検察庁、警察というようなことには非常に関心を持つて、なるほど積極的にサービスをする場合があるだろうと思う。ところがそれが警察運営の厳正公平という点においては危険きわまる。だからこの危険から警察を守るという意味においては、長官としてはもつと積極的な手を打たなければならぬのじやないか、これは職責上そうじやないか。府県の事情によつてはどうだとかこうだとかいうのではなくて、やはり警察行政の全般についてのいわゆる連絡調整をはかるという立場があるわけでありますから、そういう立場からひとつ積極的に強い通牒なりそういうものを出していただいてしかるべき問題ではないか。ですからその点についてのもう少しはつきりとした御意思をひとつ承つておきたい。それほどまでに必要でないかどうか。私どもは非常に重要だと考えているので、その点もう少しはつきりしていただきたい。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 先ほども申しまするように、私はこれは望ましくない、そういうことは根絶いたしたいというように考えておりまするので、あらゆる機会にさように仕向けて参りいたいと思いますが、先ほども申しますように、全部国家警察でやりますならば、これは強くその通りに遵守をさせられるし思いますが、府県警察ということに相なりますと、そういつた意図が、われわれの熱心さにもよることでありましようが、私は責任をもつてとめますというところまでは、なかなか行きにくいということを御同情願いたいということを申し上げております。私の考えといたしましては、さようなものを受けることは、警察の職務遂行上どうしても考えられるおそれがありますから、府県知事あるいは府県議会の方々等にもお願いをして、そういうことなしに警察の庁舎あるいは設備等もやつて行けるように努力を十分重ねてもらいたい、かように思います。

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 本日はこの程度で散会いたしまして明日定刻から議事を進行することにいたします。     午後三時四十七分散会

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