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19回国会衆議院1954/10/07

地方行政委員会 第81号

発言数
229
登壇者
20
会派数
4
開催日
1954/10/07

会議録

中井一夫自由党

○中井委員長 これより会議を開きます。  まずこの際お諮りをいたしますが、最近都の朝鮮人学校を廃止することに決定した旨伝えられておりますが、地方行政を所管いたす本委員会といたしましても、きわめて関心を有するところでありますので、その廃校をせざるを得ないようになりました理由等につきまして、参考人として東京都教育委員長松沢一鶴君よりその実情を聴取することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 御異議なしと認め、さように決定をいたします。  それでは松沢参考人より説明を聴取いたします。なお松沢さんに申し上げますが、ただいま申し上げましたような趣旨で、本日参考人として御出席を願つた次第であります。御多用のところわざわざおいでをいただきまして、ありがとうございますが、右様の事情でございますから、率直かつ簡明にすべての問題を御説明くださるようお願いいたします。

松沢一鶴東京都教育委員長

○松沢参考人 東京都の教育委員長松沢一鶴でございます。突然のお呼び出しでございまして、御趣旨がよくわかりませんので、十分な資料を持つて参りませんでしたが、一応記憶をたどりまして、私たち東京都の教育委員会が都立の朝鮮人学校を二十九年度末をもつて廃校せざるを得なくなつたという理由と経過について簡単に申し上げたいと思います。  朝鮮人学校は、御承知でもございましようが、終戦後におきまして、当時の私立と申しますか、これがその後の学校教育法によります各種学校として発足いたしておつたのでございますが、二十四年でありましたか、在日朝鮮人連盟が解散を命ぜられましたときに、この朝鮮人学校をも解散いたしまして、そうして日本人学校へ吸収するように当時文部省からも指令があつたのでございます。しかし東京都の場合では特別な事情かございまして――特別の事情と申しますのは、一つには他の府県、他の都市に比べまして非常に朝鮮人児童が多い。今日でもおよそ五千名の児童を数えておりまして、非常に数が多いということ。それから朝鮮人学校の校舎が、当時朝鮮人連盟の財産は没収されましたが、東京都におきましては学校組合の所有でありましたために、これは依然として朝鮮人の所有になつております。これらの事由から、これをまた日本の学校に吸収いたしたいと思いましても、数が多いために、そうでなくとも、東京の施設の足らない学校といたしましてはなかなか吸収も困難でありますし、またかく多数の子供を一時に吸収いたしますと、日本人の学校にとりましても教育上都合の悪いことが多い。朝鮮人にとりましても、日本人の学校にとりましても、教育上の支障を来しますので、当時文部省の指令ではございましたけれども、これはむしろそのまま朝鮮人だけをまとめまして、そうして日本の法律すなわち学校令によります学校として発足した方が便利である。またお互いに都合がよろしい。また東京の場合では、校舎等の新築等をしないで済むことでもございますし、いろいろのことを考えまして、特に占領下という非常な特別の事情のもとに、こういつた他府県と異なる事情のもとに、東京都立の朝鮮人学校として発足いたしたのであります。ところがその日本人の学校という建前は、もうすでにその後もしばしば破られまして、あるいは校長に対して圧迫を加えたり、日本人教員に圧迫を加えなり、またわれわれ教育庁の方の事務局のさしずを無視したりいたしまして、日本人の学校というよりは、彼らとしては朝鮮人が朝鮮の教育を受けるのは当然であるというような主張をもつて、時間割の配当等を任意にかえるといつたようなことを進めました。はなはだわれわれも経営に困難を感じておりましたが、施設その他の事情からやむなく今日まで、このような特別な事情を知りつつも認めて参つたわけでございます。ところが昭和二十九年度の予算編成に際しまして、この朝鮮人学校を今後もかかる状態で進めてよろしいかどうかということにつきましては、われわれ教育委員会自身も非常に問題にいたしまして、同町に都議会側においても、こういつた予算をさらに支出するというようなことについての大きな意見が出て参りました。そこで私たち東京都教育委員会独自の立場におきまして、事務局との折衝だけでは十分に行きませんので、教育委員会としても――もちろん都立の学校でありますから、教育委員会といたしましては事務局を通じて命令を下せばいいわけでありますが、それがすべて無視されておる状態なのでありまして、それらの指導力となつております朝鮮人学校のPTAの人たちとも十分に話合いをして、方針を決定いたさなければならぬというふうに考えまして、昨年の暮れ以来私たち教育委員会といたしまして、朝鮮人のPTA連合会長、副会長、あるいはその他の幹部の人たちと直接に話合いまして、私たちの主張するところは、日本人の日本の法令による学校としての体面、形を維持して行つてもらいたい、私たちとしては朝鮮人学校をむしろまとめて持つて行く方が、お互いの都合もいいことであるし、また朝鮮人を日本の学校に吸収しても、やはり一人当り似たような金額はかかるのでありまして、全体の部費の持出しということについては大差はないのでありますから、従つてなるべくこの形で維持して行きたい、但し日本の法律あるいは教育委員会のさしず等を無視されて行くのではどうにもなりませんので、主としてこの辺を調整いたしたいという意味で、交渉を開始いたしましたが、その交渉は常に朝鮮人側は、朝鮮人が朝鮮の教育を受けるに、何の不当なことがあるかといつたような、まつたく日本の現在の状態を無視した形で議論が進められました。ことに講和条約の発行後におきましては、まつたく外国人となつたわけでありまして、私たち東京都側といたしましても、朝鮮人の教育に対する義務はないわけであります。従つて予算行使の上にもこの問題が起きるのは当然なことでありましたが、いずれにしてもその従来の関係並びに特に朝鮮との特別な関係といつたようことを顧慮しまして、なるべくならばこの朝鮮人学校としてまとめて教育をして行く、日本の教育をやつて行くということについての方針は、私どもとしてはかわらぬ。それの実行上学校管理の形を十分われわれの監督に従つてやつてもらうという趣旨で、実は非常に温情的に交渉して来たつもりであります。しかし主張は常にこのようにわかれました。従つて交渉の途中におきましても、しばしばいろいろ条件項目等をつきつけて、最後にはこれを承知しろ、しなければどうにもならぬというような交渉が、しばしば繰返されたのでありますが、今年の四月も過ぎまして五月の末になりまして、一応われわれの考えております六つの項目、これはただ日本人の法律に従つてやつてくれというきわめてあたりまえな条項だつたのでありますが、これらに従うということで、しからばこの二十九年度の予算を執行するということになつて、大分時期は遅れましたが、六月になりましてから二十九年度の授業を開始いたしたというような次第でありました。しかし私たちの主張はその通りでございますので、その後におきましても、教育庁の職員を、しばしば朝鮮人学校に派遣いたしまして、この六月から夏休みまでの期間において前後四回ないし五回ぐらいの調査、場合によりましては抜打ちの調査もいたしまして、彼らが実際にわれわれの主張しておるような、われわれの要求しておるような学校管理をやつておるかどうかということについて、ずいぶん精細に調査いたしました。ところがその結果は常に否定的でありました。もちろん従前のような非常にむちやくちやな態度は見られません。改善の跡もないわけではございませんが、第一に入学者の数のことにつきましては、小学校、中学校、高等学校――東京都の学校は小学校が十一、中学校が一、高等学校が一校ございますが、それらのいずれの学校においても、入学がまつたくでたらめでありまして、小学校におきましても他府原の子供を入れてみたり、あるいは学齢に達しない者を学齢に達したと称したり、あるいは外国人登録を提示してくれというのに、外国人登録はほとんど全部拒否して見せなかつたりといつたようなことがございますし、高等学校等においては、これは東京都の日本人の場合でも定員ということではつきり押えてありますものを、もうかつてな数を入れるのであります。校長等の精神においても、われわれの方の委員会の抑制をもまつたく無視して、彼らの好きなだけの人間を連れて来て入れてしまう。高等学校の教室不足等は主としてこのような事態で起つて来ておる問題でございますが、定員の無視とか、生徒児童の入学に関してわれわれの言うことを聞いてくれませんし、また時間割の配当の問題についても、朝鮮語の教育とか、朝鮮語による地理、歴史の向うの朝鮮の教育というようなことについては、これは科外の建前で、しかもこれは相当譲歩いたしまして、むしろ文部省の基準を少し下まわる程度にまで時間割を認めてやつておるにもかかわらず、今度授業が開始されますと、日本語で教授すべきものも全部朝鮮人が朝鮮語でやるとか、日本人教員の割当の時間を無視して朝鮮人がやつておるというような事態が、やはり次々に引起されて来ておりますし、また教科書の問題にしても、当然日本の教科書を使わなければなりませんが、調査した子供たちはまつたく日本の教科書を持つておらない。中には一部教育委員会のさしずするプリントを持つておる者もございますが、同時に、われわれの認可しないところの朝鮮語の教科書をいずれもしのばしております。但しわれわれの方で調査に行くと、すぐにその場でかえてしまいますので、実際にその教科書を使つて授業をしておるかどうかということの調査は困難ではございますが、いずれにしてもわれわれの指示通りに従つておらぬことは明らかなのであります。このような事実、主として学校管理の面についてわれわれ教育委員会の意向なり、また教育委員会との約束を無視しておる実情にかんがみまして、これではとうていわれわれ管理の責任に当ることができませんし、当然予算執行の面についても都議会側からも苦情が来るのは当然でありまして、従つて私たちといたしましては、廃校を決意せざるを得ないような事態に立ち至りました。その後夏休み期間後におきましても、いろいろ調査いたしておりますけれども、これは六月当事われわれがしばしば調査に行つたときよりは、またまた逆行いたしまして、すでにわれわれとの約束以前の四月より前に返つて、時間割等もめちやめちやな配当をやつておるということがさらにわかつて来ておるのでございますが、いずれにしてもこの責任をとることができない建前から廃校ということになりました。ただしかし、いかに建前は廃校でありましても、やつております子供たちそのものが、今まで教育して来たあるいは将来また上の学校等に行く権利を奪つたり、あるいはそれらの便宜を失わしめることもかわいそうだと思いますので、廃校の指示またその後の処置をとりますために、できれば六箇月間の予告期間を置きまして、そして新年度から、昭和三十年度以降から都立学校としての廃止をいたしたい、こういうような方針を定めましたが、これにつきましても、いろいろ都議会側から、お前たち教育委員会が調査してだめだとわかつたならば、いろいろの項目をきめて約束したときの約束条項に違うとあればすぐにやめるべきで、六箇月も便々と待つことはないというような御意見等も出て来ましたが、われわれとしてはそのように急激な変化は教育上好ましくないということで、年度末までの予算執行についての都議会側の許可も得まして、一昨日廃校の旨を通知いたしたのであります。これに対しましては、文書とともに口頭をもつて将来のことについていろいろ通知してやるだけで、代表者を呼びましたが、都合がつかぬということで当日欠席いたしました。やむなく文書通知をいたしましたところ、この文書を、昨日代表者の手によつて公立廃止は反対である旨をもつてつつ返して参りましたが、これは公立学校の建前として別にPTAと相談しなくてもよいわけでありますので、われわれはこの廃止の決定はそのまま続けて行くつもりでおります。ただこの教育の将来の問題をいかがするかということになりますれば、当然その後におきましては朝鮮人側において決意をすべき問題でありますので、具体的なことについてはまた今後相談して、彼らが教育の機会を失わないように、われわれとしては彼らが私立の学校として経営して行くように――私立の学校というのは学校教育法による私立学校ではなくて、私立の学校、従つて私立の学校の場合もございましようが、各種学校の場合も出て来ると思いますが、これらの方法によつて彼らの建物を使つて経営して行くことを希望してやつたのでございます。これらについてはもちろん時間もまだないので、具体的には進展しておりませんが、彼らが将来迷うことのないように、われわれとしてはそういう学校として発足するについてはできるだけあつせんの労をとりたい。御承知でもございましようが、私立学校につきましては、教育委員会の所管外になりますので、所管外のことについて責任はとれませんが、十分あつせんいたしまして、今後の都合が悪くならないようにとりはからいたい、このように考えております。簡単ではございますが、朝鮮人学校につきましては、特に昨年の暮れ以来の経緯というものはこのような状態でございまして、まつたく私どもが、むしろ朝鮮人学校としては今後も朝鮮人としてまとまつて教育を受けてもらいたいというふうに考えておるにもかかわらず、常に一方的に彼らの主張のみを通そうとする結果、遂に廃止ということになつたわけでございます。このような次第であることをお含み願いまして、今後の処置についてもいろいろお考えいたい。もちろん講和発効以後は外国人のことでありますので、実は私たち一地方の教育委員会としては、まことに手に余る問題だつたのであります。このことにつきましては、朝鮮人の今後日本におきます一般朝鮮人としての処置をも早く御決定願つて、そしてその線の上に教育問題も乗るようにありたいということで、われわれ文部省とも連絡とつたのでございますが、これらについても明確な御指示が得られないままに、常に私ども教育委員会ひとりの手において今日のような処置をとつて来ておる次第でありまして、これをもあわせて御了承願いたいと思つております。簡単でございますが、経過について一応御報告申し上げる次第であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 参考人に対し何か御質問ありませんか。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 ちよつとこの機会に聞いておきたいと思います。私中途から参りまして十分聞いておりませんが、ただ将来の問題として参考に聞いておきたいと思います。今回の処置はまつたく教育上の処置から出たものであつて、思想的には何らの関係がないというように解釈しておいてよろしゆうございますか。

松沢一鶴東京都教育委員長

○松沢参考人 情報としてはいろいろ政治的教育などをいたしたこともございますが、これらについては改善を求めまして、大分改良をしておることを認めておりますが、今度の場合は特にそういうことについて私たち確実な証拠は握つておりません。一に教育管理上の問題についてわれわれとしていかんともなしがたい状態になりましたので、その点をつきまして廃止と決定いたしました。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それではもう少しつつ込んで聞いておきます。たとえば今度新しくできた教育関係法令、いわゆる何か片寄つた教育をするというようなことについては、個々の先生に対しての処罰はありまするが、学校全体に対する処罰は実はないわけであります。私ども危惧いたしておりますそういうことが、拡張解釈されてやはり学校全体に及ぶのではないかということが、一応考えられる節がないわけでもないのでありますが、さつきのお話のように思想的には関係がない、教育の行政上の問題として、こういう措置をとつたということになりますと、今度新しくできたいわゆる偏向教育に関する法律のためではないというように解釈することが当然ではないかと考えるが、そういうように解釈しておいてよろしゆうございますか。

松沢一鶴東京都教育委員長

○松沢参考人 御指摘の通りでありまして、われわれとしては思想問題その他についてまだそれを理由にするほどの証拠も握つておりません。それよりもむしろ学校管理、経営の面で何ともがまんできない状態に立ち至つたので、この点をもつて主としての理由として廃止を決定いたしました。

中井一夫自由党

○中井委員長 ちよつとお伺いしますが、この学校は幾つあるのですか。

松沢一鶴東京都教育委員長

○松沢参考人 東京都におきましては小学校が十一、これには分校が一校ございます。それから中学校が一校、高等学校が一校でありまして、高等学校と中学校は同じ場所にございます。

中井一夫自由党

○中井委員長 それらは今度廃止の御決定があつても、朝鮮人には使わしてやる、こういうことになるのですか。

松沢一鶴東京都教育委員長

○松沢参考人 使わしてやるというよりはそれらの校舎、施設は朝鮮人の所有でありまして、先ほど途中でも申し上げましたが、朝連解散のときには学校組合の所管になつておりましたので、これは没収を免れております。従つて今後朝鮮人学校を廃止いたしましても、これは当然朝鮮人に返してやらなければならぬものであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 ほかに御質疑はございませんね。――それではこれをもつてあなたの御陳述を終ります。お忙しいところわざわざおいでいただいて、貴重なるお話を承ることができましたことをまことにありがたく存じます。     ―――――――――――――

中井一夫自由党

○中井委員長 引続きまして地方財政の一般、特に地方税に関する問題を主題として調査を進めることといたします。ただいま関係当局の出席者は塚田自治庁長官、石村自治政務次官、細郷府県税課長、中西市町村税課長の皆さんであります。なお後藤財政部長はただいま参議院の決算委員会に出席中でありますが、必要があるならばいつでも出席する旨通知がございました。なお警察関係といたしましては斎藤警察庁長官が御出席になつております。北山君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私は地方財政を中心にして質問をいたしたいと思います。今地方団体が当面しております一番大きな問題は地方財政の問題でありますが、ことにこの委員会でも問題になつた警察費の財源処置ができておらない、不足しておるという問題であります。これはこの前の七月の委員会におきましても四十五億くらいが不足しているというお話がありまして、その後調査した上で、さらに具体的な措置について検討したいというようなお話であつたわけであります。その結果として今回の委員会が持たれたわけでありますが、先般来の質疑によりますというと、その四十五億という額がさらにふえて、七十億あるいは百億、あるいは百億以上に上るということでございます。きようがちようどこの委員会の日程の最終の日でございますが、一体警察費の財源処置不足額というものは、どれくらいの額になつておるかという、この数字的なはつきりとした額が示されないということはまことに残念でございますが、それがただいま示されるかどうか、この点についてお答えか願いたいのであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 なおただいま淺香厚生政務次官が御出席になりました。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 最終的な数字を申し上げる段階まで行かないで、まことに恐縮しておるのでありますが、ただいまのところでは、私の方の調べと警察庁の調べと大蔵省の調べとが三つとも出そろいまして、相互の比較検討をしておるわけであります。いろいろな数字を私も聞いておりますが、生のままの数字で出せば七十億くらいになるかもしれないというような数字も、確かに承知しておるのであります。しかもまたその中からいろいろ考慮すべき数字がありまして、それらを差引けば、最終的にはやはり私どもが当初考えておつたように、四十億程度ではないのだろうかというようなことも聞いておるのでありまして、数字の決定という問題につきましては今申し上げた程度の段階であるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そうしますと、七十億。この前の話ですと百億以上になるという話もあるし、その点がどうもはつきりしないので残念でございますが、それは生の数字であつて、さらにその原因等をいろいろ審査をすれば、またもとへもどつて四十億くらいになるだろうというお話でございますが、それはどういうわけであるか、御説明が願いたいのです。というのは、想像すれば、結局各府県が予算に上げた生の数字が七十億なら七十億になつた。しかしその数字の中には、自治庁なら自治庁が示した基準以外に府県が警察費として予算に載せた数字が残つておるから、そういうものを差引けば四十億にもどるであろう、こういう意味でございますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 大体御指摘のような状態になつておるのでありますが、なお詳細については財政部長が参りましてからお聞きいただきたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それではこの点はさらに財政部長が見えましてから伺うことにしまして、昨日も問題になりましたが、警察費のみならず、昨年度の赤字額が四百五十億、さらに本年はその赤字がふえるとも減ることはないだろう、こういうふうに思われるのであります。     〔委員長退席、加藤(精)委員長代理着席〕 ところがこれに対して一体政府としてはどういうふうな具体的な対策をお持ちであるか、残念ながらそのはつきりとした対策を聞くことが今までできないでおるわけなんです。調査の結果というようなお話ばかりで、具体的な対策が聞けないで残念に思つておるわけでありますが、一方においては、各府県等の赤字に対しましては自治庁ではいろいろ指導なさつており、再建整備の方策を立てたなら金を貸してやろうというような、いわば、ちようど銀行が傘下の企業に対して、人員整理をやれば金を融資してやろうというやり方と同じようなやり方をとつておられる。というのは、要するにこの赤字の責任というものをもつたく地方団体だけにおつかぶせて、そうしてその地方団体の責任においてだけ整理を進められておるというような状況であるわけであります。きのうも加藤委員がお話になつたように、現在の地方団体というものは、仕事の上から見ても財政的に見てもほとんど自主性がない、その自主性がないものに責任を負わせるということ自体が間違いではないかというのでありますが、地方団体にはそのような責任等を負わせて整理を強行しておられる政府においては、一体どのような対策をもつて、この地方団体の赤字あるいは本年度のいろいろな具体的な地方財政の対策というものをお考えになつているか、それをはつきりと御説明していただきたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これはしばしばの機会に申し上げているように、二十八年度までの分は結局再建整備法の考え方に従つて処置をしなければならないだろうと思つているわけであります。それから二十九年度はまだ年度の中途でありますので、私たちの今の考え方といたしましては、赤字を生じないように措置をして行こう、たとえば警察費のように足らぬものがあるならば、これは補正でも考えて不足分を補わなければならない、その他いろいろ二十九年度の当初予算の際に赤字を生じないという考え方でやつて参つたのでありますけれども、はたしてその通り行くかどうか。ただこの赤字の原因についてでありますが、これはしばしば申し上げておりますように、過去の分もそうでありましたし、あるいは二十九年度の分も結果的においてはそういうぐあいに出て来るのかもしれませんが、原因は両面にあるのだという考え方でありますので、二十九年度は、年度の経過が過ぎてみましたときにどういう結果になるかということを見た上で、もし赤字が出るということであれば、あらためて現実の事態として考え直さなければならないと思つているわけであります。現在のところでは、二十九年度については今申し上げるような考え方で、われわれとしても足りない部分は補い、それから自治団体としても赤字を出さないという基本の考え方でやつてもらいたいというように指導し、お願いしているわけであります。それとは別個に、いろいろな、短期のつなぎ融資というようなもので、郵政省の私の方なり、または大蔵省へ借入れの申込みがあつたときに、一体今後の計画はどうなつているのかということを強くお尋ねをし、また計画のないものについてはひとつ計画を考えていただきたいということをお願いをいたしておることは、今御指摘の通りであります。これは、私どもは、たまたまつなぎ融資をお求めになる機会にそういうことを申し上げるのでありますけれども、しかしそういうことは、別につなぎ融資をお求めにならなくても、もし赤字が出ておるという状態であるならば、それが自治体で何とかまかなえておつても、当該自治団体としては、当然今後どういうぐあいに自分のところの財政計画を立て直すべきかということをお考え願うのが筋であると私どもも考えますので、財政状態がうまく行つておらないところに対しては、今後の計画というものは、ぜひひとつ立てていただきたいということを考えておるわけであります。そういうようにお願いをすることもしくはお勧めすることで、赤字の原因はそちらにばかりあるのだから、そちらで処置をしなさいというようには決して考えておらないのでありまして、しばしば申し上げておりますように国の側にも原因があるところは私どもも努力してそれを解消する、しかし赤字がほんとうになくなるのはやはり自治団体自体がそのつもりになつていただくのでなければ、まず考え方としては赤字解消はむずかしい、加えて自治団体側にもいろいろの過去のことに徴してみましても原因があると考えられますので、それらの原因は自治団体の手で解消していただく、こういうように考えておるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 その問題はあとで財政部長が来ましてからお伺いすることにしまして、ちようど厚生次官がお見えでございますので、この前問題になりました広島と長崎の原爆の被害を受けた原爆障害者に対する治療の対策についてお伺いをいたします。  広島市長並びに長崎市長のお話によりますと、広島長崎にはまだ相当数の原爆症で悩んでおる患者がおる、広島市内にも六千人くらいおるというようなお話でございます。これに対して治療はどうしているかといいますと、民間の団体、広島なら広島市の原爆障害者治療対策協議会というような民間団体でもつて、一般の共同募金等を主にしてその治療費をまかなつておるというような話でございます。しかもそれに対しては県の方から、あるいは市の方から幾らかの財政負担をしておるが、国の方からは一文も出しておらない、そしてその財政負担は対策協議会の予算で、今まで支出した金というものは非常に少額なものでありまして、広島の方では五百万円に足らない。長崎の方ではその約半分の二百五十万円に足らないわけなんです。こういう少額な乏しい経費をもつて原爆の被害を受けられたこれらの気の毒な方々に対する治療を細々とやつておるというような状態でございます。これは一体どうして国の方でめんどうが見られなかつたのであるか、私どもとしてはその際その話を聞きまして非常にふしぎに感じたわけであります。戦争の、しかもあの原子爆弾というような特殊な被害を受けられたこの気の毒な方々に対する治療でございますから、これは地元の県なり、市なりあるいは民間の方方の力によつてなおしてあげるというよりは、国家がこの治療費を見てやるというのが当然ではなかろうか、これは常識だろうと思うのでありますが、今までにその措置がとられてなかつたということはどういう原因によるか、これをひとつお伺いしたいのであります。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 ただいまの御質問にお答えをいたしますが、お説のように従来ABCC予防研究所の支所におきまして、今日まで基礎調査をいたしましたその人員が約二十万、これでただちに治療を要すると認められるお方々が広島におきましては六千人、長崎におきましては三千人でございます。さらに現地におきましてはただいまお説のように、これが調査あるいは治療等を行います目的で、現地におきまして病院あるいは診療所また医師会が中心となつてこれの対策協議会が二十八年に発足をいたしましたことは御承知の通りでございます。そこで政府といたしましてもこれが実態を調査をいたすべく厚生省におきましては原爆症調査研究協議会をつくりまして、御承知の通り百万円の予算を一応計上いたしました。しかしながら二十九年の五月までにただいま申し述べました六千人の中で三千人につきましては精密な調査を行いました結果として、この治療を希望せられるお方々に対して実施したのが約千名でございます。そこで御質問の点でありますが、最近ビキニの事件によりまして福龍丸等々の問題が起り、これが治療対策が大きく取上げられて参りました。そこで一番御関係の深い広島あるいは長崎等におきましては、これに対するところの対策につきましても、私ども厚生省の方に非常に強い御要望があり、またその御要望が深刻なこともよく存じ上げておる次第でございます。つきましては今日まで厚生省としましては大蔵省に対するところの要求はいたしておるのでありますが、大蔵省の方といたしましては従来百万円のところに予備費の中から三百五十万円の支出を見たのでありまして、合計四百五十万円になるのですからきわめて微々たる金額でございます。そこで大蔵省の考え方といたしましては、漏れ聞きますのには原爆症の患者に対しては他の戦災傷病者との関係もございますし、そこで私どもの方の考え方と大蔵省の意見の調整が十分できておりませんということを、率直に認めざるを得ない今日の立場でございます。そこで現在は原爆症患者と認められる方々全部につきましては、御承知のごとく調査を行い、また治療を要すると認められるお方々に対しては各種の治療方法を試験的に行い、また治療方法を確立する、その建前のもとに今日治療を要すると認められるお方方に対しては治療を施し得ることといたしたい、こういう念願のもとにただいま進んでおりまして、御承知の通り二十九年度におきましては二千万円要求いたしましたが、ただいま申しましたような四百五十万円の数字になり、また明三十年度におきましては厚生省といたしましては約二千八百万円ほど要求をいたしておるような次第でございます。そういう関係で私どもといたしましては、すみやかにただいまのお説のような方向に進みたいと思うのでありますが、何といいましても予算当局との関係もいろいろございまて思うようにはかどりませんが、今後できるだけただいまの御質問の御要旨におこたえをいたしたい。こういうふうに考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 大体わかりましたが、この前の広島市長、長崎市長の陳述の中にも相当広範囲の治療費として厖大な要望がございました。特に原爆あるいは放射能の被害を受けた患者に対しての治療についての特別立法というようなこともあわせて要望されておるわけなんであります。これはその障害というものについての医学的、専門的な知識といいますか、そういうものも私どもよく持つておりませんが、そういうような予算をとる上におきましても、一方においてそういう立法的な措置がとられれば容易ではないかというふうにも考えられますので、厚生省としてはそういう立法的な措置をおとりになるお考えがあるかどうか、あわせてお伺いをいたしておきます。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 ただいまの御質問の要旨につきましても、ときどきそうした御意見を承りますので、私どもの方といたしましても、ただいまこれを研究いたしております。なお将来特別立法をやるかどうかということにつきましては、十分研究をすることにさせていただきたいと思います。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員長代理 通告がございましたので、横路節雄君。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 塚田自治庁長官にお尋ねしますが、この間台風第十五号によりまして青函連絡船の洞爺丸の遭難があつた。この点につきましては非常に大きな問題でありますので、政府もただちに石井運輸大臣を函館に出張を命じまして、政府としても特別対策を立てておるようでございますが、この台風第十五号全般について、予想外の被害が大であるわけですが、これについて何か政府の方で特別に対策をお立てになつおるのかどうか、われわれとしてはいまだそういう点について寡聞にして聞いておりませんので、まずその点、先般の台風第十五号についての全国的な災害、とりわけ都道府県並びに市町村の自治体に及ぼしましたいろいろな財政上の措置もございまするので、そういう点についてどういうふうにお考えになるか、お尋ねいたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は各省ばらばらにそれぞれ所管の事項につきまして、災害の状態の調査それからそれに対する対策というものを考えておるようでありまして、まだ内閣としてまとまつたものにはなつておりません。従つて私といたしましては、自治庁所管の問題、つまり今度の災害によりまして税の減収がどういうように出て来るか、また新しい需要の増加というものかどんなぐあいに出て来るかというようなことを、逐次各地から資料を集めまして検討しておるわけであります。まだ最終的な結果はもちろん出ておりませんけれども、適切な時期には、それらの結果を集めまして措置をして参りたい、たとえば税の減収につきましては特別交付税でおそらく考えるということになるでありましようし、そのほか新しい需要というものにつきましても、やはり同じように考えなければならない結果が出て来るかもしれないと考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ただいまの点ですが、台風十五号につきましては、宮崎県並びに鹿児島県等も非常な災害を受けたと思うのですが、北海道におきましては、台風十五号による災害として、洞爺丸の関係の国有鉄道関係を除きまして、北海道だけでも被害は推定四百六十億という具体的な調査が出ておるわけであります。なおそのほかに北海道はことし冷害でしかも旱魃でございました。きようの気象通報などによりましても、すでに稚内等においては例年より早く降雪を見たような状態であります。この冷害の農作物に対する被害は大体三百億となつているのであります。合計七百六十億ぐらいでございまして、国有鉄道関係を入れますと、北海道の災害は一千億になるのではないであろうか、こういうように考える次第であります。従つてこれを都道府県の財政状態並びに市町村の財政という点から考えまして、やはり昨年の九州の水害に決して劣らないものである、こういう点から考えて参りますと、今まで政府の方で考えてやつて参りました昭和二十九年度の地方財政計画による起債というようなものからは当然わくがはみ出して来るのではないだろうか、こういうように考えるのであります。従つてこの点につきましては、台風十五号並びに冷害等との関係から、これら当然臨時国会を早急に開いて、補正予算の提出をやり、並びに自治庁としては当然昭和二十九年度の地方財政計画の一部変更補正をしなければならぬのではないか。これは緒方副総理にお尋ねをするといいのですが、きのうから出席を要求しておりますが、今内閣委員会の方においでになつている、こういうので、地方財政を担当されている塚田長官としては、こういう厖大な被害について、昭和二十九年度の当初の地方財政計画のわくの中で十分間に合うとお考えになつているかどうか。間に合わないと考えるならば、一体予備費その他の関連でどうお考えになつておるのか、その点もあわせてお尋ねいたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 全体として、この災害による国の財政上の変更を要する程度というものは、北海道の被害の概況は今伺つたように私どもも承知しております。しかしなおまた検討すれは若干また別の数字が出て来るかと思います。しかしそのほかに宮崎県にもある、また静岡県にもあるというようなことも承知をいたしておりますので、あるいは財政面に何らか変更がいるのかとも私どもも考えておりますが、ただそれが臨時国会まで開いて補正予算をつくらなければならない程度であるかどうかということにつきましては、私といたしましても所管でありませんので、何とも申し上げることはできません。ただ大体閣議の空気あたりから承知いたしております感じでは、今の段階ではまだ予備費、それから私どもの所管といたしましては、起債のわくの操作、そういうもので大体何とかやつて行けるのじやないかという考え方でおるように感じられるのでありますけれども、これは今後の最終的な結果を見てからのことであると考えております。  それから自治庁所管の事柄だけについて申し上げますならば、経局減収のぐあいなどは、もう少し先に行つて、最終的な結果を見なければ措置もつかない問題でありますし、当面の需要は、おそらくみな短期のつなぎ融資でもつて措置されておりますので、直接これは私どもの所管にはならない問題であると思います。しかし最終的にその短期でつないだものがどういうぐあいになるかは、それぞれやはり建設省なり農林省のまた予算支出になつて参るわけでありますから、そういう事情等にらみ合せて、今後最終的な結論を出したいと思つております。ただ自治庁所管のものだけについて、以上を総括した感じから申し上げますならば、まあ今の段階では、このために補正を必要とするというようなところまでは行かないのではないかという感じを私持つておるわけでございます。しかしそれとは別個に、二十九年度の当初の財政計画には、警察費などの大きな再考慮を必要とするものがあるのでありますから、そういう面から適当な時期に、若干予算の補正をしてもらわなければならないものが出て来るのではないか、そういう考えを持つておるわけであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 重ねて長官にお尋ねいたしますが、臨時国会の開会の問題は、長官としてはここでお答えはできないであろうというように私たちも考えております。しかし私はこの点は政府部内としても、洞爺丸の遭難の問題について、もちろんこれは国の非常に大きな問題でありますから、政府としてはこれに対する万全の策を立てることは当然だと思うが、しかしそのためにその陰に隠れて台風十五号全般に対するところの対策が、ともすれば今まで政府の方で、投げやりとは言いませんけれども、洞爺丸の遭難事件のあとに隠れて、あまり表面には浮んで来なかつたのではないか。しかし政府の方としても具体的な数字を持つて来れば、昨年の九州の水害に劣らない被害額になると思うのであります。  私は臨時国会の問題については、あとで緒方副総理が出て来られれはお尋ねしたいのでありますが、そこで今般の十五号台風につきましては、たとえば北海道では災害救助法を適用いたしましたのは、町村で約百八十、市で九つ、たしか百八十九の適用をいたしておるのであります。北海道の総体の約七割近いものを適用しているわけでありますが、そこでこれに対するいろいろないわゆる補助等に対する国の負担あるいは地方の負担等に対する区分につきましては、こういう特別の際ですから、災害に関するところの一般法を適用するのか、それとも昨年の九州の水害においてなされました特別立法に対するところの国の負担区分を準用なさるかどうか。かりに臨時国会を開かないとするなら、これは地方としては非常に大きな問題なのであります。当然それぞれの地方においては、これは臨時国会を開いてもらつて、特別立法でしてもらわなければならぬ、こういう意向は強いのでありますが、しかしかりに政府の方で臨時国会が開けないということになれば、特別立法の措置は遅れるわけでありますから、そうすれば最低の場合としても昨年の九州水害の特別立法の措置としての国の負担区分があるわけですから、これを適用するといいますか、これを準用するといいますか、そういうお考えがあるかどうか、その点についてお尋ねをいたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 ことしの災害、ことに十五号台風を中心にした災害について、特別立法の措置をやつてくれ、つまり昨年の特例法と同じ考え方で扱つてもらいたいという考え方があることは、私どももよく承知しておるのでありますけれども、それに対してそういうような措置によろうというように政府内にまとまつた意見があることは承知いたしておりません。議論はいたしておりますけれども、まだ結論が出ておらないと私は承知いたしております。もちろん主として自分の所管の問題ではありませんので、その後の動きは詳細承知いたしませんが、閣議などでの話合いの程度では、まだそこまで行つておるとは思つておりません。それから昨年の九州の災害のときと同じような方針でやるかどうかということもおそらく今後検討すべき問題としては残つておると思いますけれども、今のところどういうぐあいになつておるかということの考え方のきまつたものは、まだないように承知しております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 長官にお尋ねしますが、これは内輪の話で、実は昨日北海道選出の各党の議員が寄つて、緒方副総理という立場でなしに、北灘道開発庁長官の緒方さんに、もしも臨時国会が開かれない場合において、臨時国会が予想外に延びた、しかし現に雪をだんだん見て来ておるような状態でありますから、従つて特別立法が間に合わないという場合におけるいわゆる国の負担区分はどうか。昨年の九州水害に対する特例法をひとつ適用してもらいたいという点について、これを十分検討してやるというようにお話をされているわけなんです。これは私特に長官にこの点重ねてお尋ねしたいのは、たとえば御承知の岩内というところはほとんど焼けてしまつたのであります。三千三百戸から焼けて、学校と役場と警察は残りましたが、学校に罹災者を約一万三千人ほど収容いたして、おそらく全国に例がないと思う。ほとんど町の一般住宅、生産施設は全部焼けてしまつた、こういうところに対してはやはり一般の災害の復旧に関する法律よりは、昨年のあの特例法を援用することが妥当ではないかと私は思うので、この点自治庁長官として、今北山君からも言われているように、今一番地方財政が窮迫している現状ですから、これは三分の二の国庫負担の区分で行くのか、昨年適用している四分の三あるいは五分の四というような国の負担区分で行くのかということは、今後における地方財政に非常に大きな影響を来します。まずそういう地方財政の観点からひとつ自治庁長官としてはどういうようになさるお考えであるか、その点ひとつお考えをお聞かせいただきたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 おそらく十五母台風その他ことしの災害によるもので、局地的に検討いたしてみまするならば、昨年の災害に劣らないという程度の災害を受けておられるところもあろうかと思います。ことにただいま御指摘の北海道の岩内などは、まさにそういう例ではないかと私も思うのであります。従つてそういうものについては私は考え方として同じ考え方で行つた方がいい、また行くのでなければおそらく復旧、復興はむずかしいであろう、こういうように考えられるものがあると思います。全般的に今度の災害によるもの全部を、あの特例の考え方で行くかどうかは別といたしまして、今申し上げるように局地的に考えてみるならばそうした方が適当ではないかと思われる部分が確かにあると考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 長官にお尋ねしますが、そうしますと、昨年の二十八年八月十七日法律第二百二十九号の改正法律で昭和二十八年六月及び七月の大水害並びに同年八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律というのがあるわけです。この点につきましては、ただいま長官からもお話がございましたように、実際ほとんどの地方自治体が壊滅の状態で、実際には昨年の九州による特例法をもつていたしましても、なお当然地方が起債をもつてやらなければならない。かりに三分の二が五分の四になりましても、残り五分の一は起債でやらなければならぬ。その起債にはもう全然償還の見込みがないわけです。町の生産手段の一切を失つたわけですから、そういう場合の特例法として今の法律の二百二十九号にはその点を明確にうたいまして、そうして地方債についてのいわゆる元利金についてはこれを国が補給をする、当該年度の二月末までに当該元利補給金を当該地方公共団体に交付しなければならない、こういうのが法律並びに政令で定められてある。これもおそらく九州全体に適用したものとは思わないのでありますが、こういう特別な措置についても、そういう特別な地方公共団体については適用のお考えがあるというようにわれわれ承つておいてよろしゆうございますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 具体的に検討いたしました上で、おそらくそういう必要を生ずるものがあるのではないかと私も考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 石村政務次官にお尋ねします。実はこれは数字が少し入つて参りますので、何でしたらあとで後藤財政部長や、それから大蔵省の理財局長が来られたときに、御一緒に御答弁を願つてもいいのですが、実は台風十五号につきましてまず第一番目につなぎ資金の問題があるのです。つなぎ資金の問題につきましては、大体これは七十八億程度をぜひひとつ、十月に二十億、十一月に約二十八億、十二月に三十億程度、これはつなぎ資金の措置をとつてもらいたいというのが第一点であります。それから第二点につきましては、地方交付税の繰上げをしてもらわなければ実際に仕事ができませんので、十一月に予定されている地方交付税については十月早々に繰上げをしていただきたいという点が第二の点であります。第三の点については起債の問題であります。そこで先ほど私が長官にお尋ねいたしましたように、二十九年度の当初の地方財政計画の中の起債のわくの中でやればいいのですが、これは台風十五号として北海道だけの分として要求されておるものが約六十一億になるのであります。もしもこれを九州の水害並の特例法を適用するとしても四十億になるのであります。この点について一体どういうようになさるのか、もしも事務的なことであるということになれば、あとで後藤財政部長と自治庁の方からどなたか、理財局の局長が来なければ次長が来られましたときにお答えをいただいてもけつこうなんです。この三つ、非常に窮迫した状態なんです。大体自治庁としてはどういうようにお考えになつているか。このつなぎ融資とそれから地方交付税の繰上げ支給の問題と起債の問題、この三点についてまず大まかに基本的な立場をお答えいただきたいと思います。     〔加藤(精)委員長代理退席、委員長着席〕

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 今のお尋ねの三点でありますが、これを総括いたしますと、先ほど塚田長官がお答えした通りと存じます。つなぎ融資につきましてはまだ自治庁直接の所管ではありませんので、数字等はわかりませんけれども、内輪でいろいろ検討した際にも、災害復旧関係として短期融資、こういうふうなものが必要であろう、こういうことは承知しております。同時にこの交付税の繰上げでありますが、これは御指摘の通り一箇月ずつ繰上げる、こういう措置がまた必要であるであろうということも考えつつあるわけであります。それから起債の問題も今長官がお答え申し上げました通りでありまして、現在のわく内で行くかどうか、今のところはまだわかつておりませんが、これから数字がだんだんまとまつて来ましたら、よく検討することにいたします。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 長官にお尋ねしますが、先ほど長官から警察の費用等との関係があるので、地方財政計画については一部変更といいますか、当然出さなければならないというお話でございましたが、そうすると警察費用に関して地方財政計画を一部変更してお出しになるということになれば、当然これは地方行政委員会にもお示しになると思いますが、そうすると当然起債の問題もそこでお考えになると思います。これは何といつても突発的な事故なのですから、まさか昭和二十九年度の地方財政計画を立てる場合には初めから台風十五号のことについて考えたわけではないのですから、いつごろそうすると警察の費用並びに台風第十五号等も入れての地方財政計画の一部変更について、この委員会にお示しになるか、大体その点をお聞かせ願いたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは年度の当初の計画に、起債にいたしましても、それから予算自体にいたしましても全然その年の災害が予定してないということはないのでありまして、御承知のように国の予算には予備費というものがある。予備費が支出される範囲におきましては、当初の起債の計画にもちやんと予備費が使われた場合には、この裏づけがどうなるかということはあわせて考慮はいたしておるわけであります。しかし御指摘のように非常に大きな災害があればとてもこれは足りません。ただ起債の計画をどういうぐあいにするかは、多分に蓄積資金の伸びと関連があるものでありますから、これとにらみ合せて、幸い郵便貯金の伸びがかなり順調に行つておりますので、それらの点も考慮に入れて起債というものの当初の計画にも若干変更を加えてもらいたい。ことに災害を抜きましても現在考えられておるいろいろな用途、たとえば水道計画などにいたしましても、もう少し起債のわくを広げたいという面もありますので、起債計画自体も再考慮する必要があると考えております。ただその時期をいつごろにするかということでありますが、これは資料が集まるぐあいにもよります。また資金蓄積の見通しがはつきりする時期というものもありますので、今急速には申し上げられませんけれども、ごく抽象的に申し上げますならば、おそくない適当な時期にということになるかと思つております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 長官にお尋ねしますが、先ほどの地方交付税の十一月分を十月に繰上げ支給してもらいたいということは、非常にこれは赤字に悩む地方公共体としては切な願いなのです。今政務次官の方から十一月の支給のいわゆる地方交付税については、これは十月に繰上げ支給してもいいのだ、こういうお話がございましたが、これは非常にけつこうな話だと思いますので、ぜひそういうことをやつてもらいたいし、またここでお話をされたのですから、あとになつて事務当局の方から話があつて、それはだめだというようなことになると困りますから、その点ひとつ責任を持つてやつていただきたいと思います。長官ひとつよろしくお願いいたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 私も政務次官のお答えをここで伺つておつたのでありますけれども、最終的にそれができるというようにお答えになつたとは、私今伺わなかつたのであります。ただ感じといたしましては、何とかやれるならばやつて行きたいと考えておりますので、今部内でいろいろ検討しおるのであります。ただ金というものはもらうときはいいのでありますが、早くもらうと早く使つてしまつて、あとでやはりお困りになるということもありますので、やはり交付税を繰上げ支給をするかどうかということは地方財政計画、個々の自治団体の収入ぐあいというものも十分検討して、全体的にどうしてもこれはお困りになるというならば、繰上げ支給する方法もとるべきでありますけれども、そうでない場合特殊な団体に、ことに資金に著しく困難があるという場合には、むしろつなぎ融資か何かでめんどうを見て差上げて、全体のものはやはりきめられた時期に差上げる方が適当ではないかという考え方もありますので、せつかく検討いたしておるわけであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ちようど財政部長が来ましたから、財政部長にお尋ねをしますが、台風十五号につきましてつなぎ融資の問題、それから地方交付税の繰上げ交付の実施の問題、それから起債の問題と三つあるわけですが、今幸い自治庁長官並びに政務次官の方から、地方交付税の繰上げ交付については何とかひとつ配慮したい、こういうお話があつたわけなんです。そこで実際の事務を担当している財政部長から、この点は何も台風十五号ばかりでなしに、ひとつ全体的な地方財政の赤字等の建前もございますから、何とか地方交付税の繰上げを十一月に予定しているものを十月にやつてもらいたい。この点ちようど長官と政務次官にお尋ねをして、あとで財政部長にお尋ねしたいと思つていたところで、ぜひひとつ伺いたい。なおこの点、台風十五号の災害復旧については何をおいてもやつてもらいたいと思うのであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 ちよつとこの機会に淺香厚生政務次官に申し上げます。次官におかれては本日は正一時から御出席になつており、承ると他にもおいでにならねばならぬ御公務もあるそうでありますが、長く御出席を願つて恐縮でありますけれども、横路君の御質疑は間もなく終ることであろうと思いますから、引続きあなたへの質疑を集中してもらう、こういうことにしたいと思つておりますから、しばらくそのままおいでを願いたいと存じます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 厚生次官お急ぎでしたら、私も一つ二つ災害に関してお伺いいたしたい。それを終つたら他の委員からやつていただいてけつこうです。  それでは厚生次官に災害に関して二つだけお尋ねしたい点があります。昨年の九州の水害に関しまして、法律第二百十六号による公衆衛生に関する特別立法かあります。それは屎尿の処理であるとか、あるいは公共の便所であるとか、塵芥処理場であるとか、あるいは火葬場であるとか、現にこれは台風十五号で北海道で例があるのですか、ほとんど町が焼けましたので、一万三千からの人間が全部学校に収容されている。今までの学校というと、生徒を三、四千人収容する予定を持つておつたもので、そういう点から行けば、屎尿の処理とか公衆便所の点について、九州災害の特別立法をぜひ適用してもらいたい。それから法律第二百十八号で、同じく国民健康保険に対する特例といたしまして、災害救助の適用を受けた市町村所在の国民健康保険の被保険者の保険料の減免をやれるように、昨年の九州の水害ではやつている。この点について厚生省としてもぜひ処置していただきたい。この二つだけを厚生政務次官にお伺いいたします。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 ただいまの御質問にお答えをいたしますが、政府の方針といたしましては、特例法を準用することとなれば、もちろんその通り実施をいたします。同時にまた北海道におけるただいまの災害に対する関連したいろいろの問題がございますが、帰りまして、担当の局長とも御質問の御趣旨につきましてはよく研究をいたしまして、まだ手が打てていないとか、あるいは遅れておるということでありましたならば、すみやかに手も打ちますし、また善処さしていただきます。

藤田義光改進党

○藤田委員 私は、地方財政が非常に窮迫しておる関係上、厚生年金等の問題について簡単にお聞きしたいと思います。  現在保険局を中心に病院等の施設に厚生年金を出すということで、査定があつたか、あるいは終りつつあると思います。実はその厚生年金等の貸付の実施要領がありまして、これは課長か課長補佐あたりが考えたもので、何も法律的な根拠はございませんが、被保険者が千名以上の地区で、しかも人口の三〇%以上が被保険者でなければ貸せないというのであります。厚生政務次官は就任早々で、ちよつとそういう点はおわかりにくいかもしれませんが、この基準をそのまま厳守して参りますと、最近市制を施行しましたいわゆる新興都市等は全然借りられない。これは自治庁の責任でもありますが、千名以上とか人口の三〇%以上の被保険者がなければ出せぬというような何年か前の実施要領を墨守することは実情に沿わない。こういう点は政務次百が指令されればただちにできる問題で、大臣は必要ありません、局長でもできる問題であります。今本年度分がまだ確定していないようでありますから、わくが非常に少い、七億ぐらいであります。それから継続事業にどうしても出さなくてはならぬものもあるし、あるいは新規のわくはわずかしかないようでありますが、町村合併促進法をつくつた立法者の趣旨を体しまして、少くとも市のところにはその基準を無視して貸すというふうに、実施要領を変更する必要があるのではないかと思います。これは全国的な新興都市の非常に大きい問題であります。次官のお考えを伺つておきたいと思います。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 御承知でもありましようが、ただいま厚生年金の積立金の貸付につきましては、省内におきましては本年度どういう方面に、どの程度貸し付けるかということを目下研究を進めております。今のお説では千名以上の人口のあるところで、総人口の三〇%の被保険者がなければ貸し付けない、こういうことでは新興都市は借り受けられないではないか、ひとり千名以上のような大都市のみに集中することはきわめて不合理だという御質問の要点かと存じますが、この基準につきましては、ただいまのお説に従いまして、誠意を尽しまして、帰りまして研究をさせていただきます。なお同時にその結果をできるだけすみやかにお手元まで御報告をさせていただくことにいたします。

藤田義光改進党

○藤田委員 今の政務次官の答弁ですが、被保険者が千名以上で、被保険者及びその家族を加えた総員が、その市町村の総人口の三〇%以上、こういう実施要領であります。それで、ぜひひとつ久下局長とあなたと相談の上、これは町村合併促進法の上からして非常によい問題じやないかと思うのですが、今年から実施要領を少しかえていただきたい。特例をつくるという方法でもよろしいかと思いますし、これは時限立法でありますから、その時限立法の実施中だけの実施要領をつくつていただいてもけつこうかと存じます。  次にお伺いしたいのは、先ほど塚田長官からも御答弁がありました昨日か一昨日の閣議におきまして、塚田長官は大分起債のわくの拡大についてがんばつたようであります。ほかの大臣も水道の起債のわくをふやすことにはほとんど異議はないようでありますし、ふえるのじやないかとわれわれは想像しておりますが、どうでしようか。それから、これに劣らぬ重要性を持つておるのに新規拡張があります。たとえば昨年幹線だけをやりましたが、一番大事な家庭への配水施設が完備していないために、そのまま立ちぐされになつておるというところが各所にあります。こういうところは一般新規と同様に非常に重大な問題でありますから、この水道の起債、及び七千万ばかりの補助金もあるはずでありますから、その補助金の配分の方針それから見通し、たとえば箇所数等に関しましても大蔵省、厚生省いろいろ対立と申しますか、意見の一致がないようであります。そういう問題について、何か政務次官でおわかりの点がありましたら、ひとつお示し願いたい。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 御承知の通り就任して日が浅いものですから、御趣旨の点につきましては十分な答えができるかどうかわかりませんが、率直に申しますが、私どもの方ではお説の上水道、下水道、簡易水道、こういうところには非常に力を入れております。そして本年度の予算を検討いたしまして、さらに明年度の方におきましても相当な額を実は計上いたしたのでございます。まだ予算は審議の開始はいたしておりません。これを党の方へも御相談をいたしましたところが、私どもの党の方では、さらにもつと積極的に上下水道の完備をすみやかにやらなければならぬという意向等も打出されまして、その意図を体しまして、厚生省では二段構えでこれが将来の拡充計画を練りまして、最近に党の政調会にさらにかけるつもりでおるのでございます。そういうように進んでおりますので、来年度は大蔵省の方の御理解と御了解を得まして、従来に増して相当なものができるのではないか、こういう見通しをいたしておるのですが、それとてもやはり国会の皆様方の御協力がなければなし得られぬわけでございますので、そういう見通しに立つてただいま進めております。

藤田義光改進党

○藤田委員 水道事業に非常な関心、熱意を持つておられることはけつこうでありますが、この問題は自治体の公共事業のうちで一番関心の幅の広い問題であります。それで私たちは、たとえば改進党総裁重光代議士も自分の郷里の水道に一生懸命陳情を続けております。あるいは小原さんも見えておるが、小原さんの前々任者の犬養氏も自分の選挙区の運動をみずから行つておるというような、非常に政党を超越した深刻な問題であります。  いろいろお伺いしたいが、政務次官急いでおられるようでありますから、最後にお伺いしたい。今年の一般水道の補助とそれに対する起債、大体いつごろ話をつける予定であるか。これは拡張新規とか一般新規というような問題でなくして、全般的な見通しだけ、大体のところをひとつお示し願いたい。これは立法機関としてよりも、一般国民が非常な関心を持つておる問題でありますから、大体見通しだけお聞きしておきたいと思います。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 御質問の要旨、私はのみ込めぬのかもわかりませんが、大体見通しを申し上げたつもりでおるのですが、きようは幸いに担当の部長が見えておりますから、部長に一応その点答弁させましたらいかがでしようか。

楠本正康厚生事務官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 本年度新規事業の箇所数、あるいはこれに伴います起債等の決定時期がいつごろかという御質問でございますが、これらの点に関しましては、今後起債総わくが若干ふえる事態等も見きわめなければなりませんので、目下自治庁、大蔵省等の関係方面と折衝いたしておる次第でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 この際厚生次官に聞いておきたいと思いますことは、地方財政に非常に大きな影響を持つておりまする例の生活困窮者に対する生活保護の問題ですが、これは大蔵省の次官もひとつ一緒にお聞きを願つておきたいと思いますが、この問題は社会がこういうふうに生活不安が非常に大きくなつて参りまして、生活扶助の対象になる人、あるいは療養給付の対象になる人、それらの人が非常にふえております。そうしてこれは、ことに大都市に集中されておるということは御存じの通りであります。従つて今日の地方財政の推移をそのまま継続して参りますると、大体東京都を含みまする六大都市によつて、ここに各都市から出してもらいました数字をずつと集めてみますると、大体本年度の年末に参りまするならば約三十億の不足額を生ずるであろうということが一応書かれておるのであります。従つて地方の自治体におきましては、この財源に非常に苦しんでおる。しかしこの財源がないからと言つて、要保護者に対して出さないわけには参らぬのであります。従つて大蔵省あるいは厚生省としては、これらの問題に対してどういうふうにお考えになつておるか。もしお考えがあるとすれば、その点をひとつ御説明願つておきたいと思います。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 ただいま門司さんの御質問の生活保護の問題ですが、御承知の通り年々ふえて参りまして、こういう状態で行きましたならば、非常に心配な点があるわけであります。ことに大都市に集中する点もよく私どもでわかつておりますが、これにつきましては濫給の問題も大分近ごろ起つておりまして、そういう点にもただいま研究を進めておるのでありますが、なお答弁といたしましては、非常に不十分でございますけれども、さらにひとつ研究をさせていただきたいと思います。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 ただいまお話の生活保護の問題でございますが、これは申すまでもなく社会保障費の一項目でございまして、社会保障といたしましては、二十九年度予算は前年に比べまして全体で五%の増に組んでいるのでございますが、なおかつ足りないじやないかと今思つているわけであります。失業対策費、失業保険費、それからただいまお話の生活保護費と、いずれも若干足りないのではないかという見込みでございます。そこで補正予算という問題にからむわけでございますが、今のところ臨時国会がまだいつ開かれるか、はつきりはしておりませんが、臨時国会が相当な期間をもつて開かれる情勢になりますれば、やはり補正予算を組まなければならぬ。もとより今のお話の問題ばかりでなく、この間米の買上げの基本価格が当初の政府案よりも二百円上りまして、一石九千百二十円というふうにきまりましたので、この予算の措置もいりますし、そのほかいろいろございます。やはりある時期に補正予算を提出しなければならぬじやないかと思つておりますが、まだ今のところ、ことし計上された予算で足りない、すぐに払えないという事情は起つておりません。まだ今後の模様を見なければわかりませんが、大分デフレも波及して参りましたので、全年度としては若干足りないのではないかと思います。来年の一月、二月ごろまでは、まだ今年度の予算で足りると思うのでございますが、結局において足りないのじやないかということで、補正予算を組まなければならないと考えております。しかしそれらの金額もまだはつきり見通しはつきませんし、十一月に臨時国会が開かれましたら、ただいま申し上げましたように、相当な期間を持つ臨時国会であるならば、補正予算が上程されると考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私が心配しておりますのは、もちろん今この金が絶対にないというわけでございません。私も、このままの姿で行きますと、おそらく来年の一月ごろまではどうにか持つのではないかという考え方です。しかし二箇月分ないし三箇月分は結局足りないだろうということは、今の状態から見れば想像にかたくないのであります。そこでもう一つ、これは大蔵省にはつきり聞いておきたいと思いますが、二十八年度のこれらの決済に対しまして、国の負担分が計数の上で、大蔵省の計算はどうなつているかわかりませんが、自治体側の計算からいいますと、約一億八千万円ばかり国印負担の不足額を生じているのであります。今度はそういうことのないように、大蔵省は国の負担だけは出すと、ここではつきりしたことが言えますか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 その点につきましては、先ほど淺香次官からもお話がございましたが、特に医療閥保護等におきまして最近非常に支出が多くなつているわけでございますが、こういうことについて、いわゆる濫給という問題が起つておりますので、そういう点について若干見方の違いがあるので、そういうことが起るのではないかと思いますが、できるだけ調整して御要望に沿うようにいたしたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今濫給だという言葉を使われましたが、濫給だということになりますと、地方の自治体がいかにもだらしないように考えられるのであります。しかし生活扶助を、中には心得違いの人があるかもしれませんが、大体国民の概念としては、これを受けることを快しとしている者は私はあまりないと思います。もう一つ重大な面は政府の処置で、町村等におきましては、大体これが全額国庫負担になつて、市の場合はやはり少くとも二〇%は市の負担になつておる、こういう区別があるのであります。従つてこれは悪く言えばどうも自由党の町村政策で、そこでなるたけ都合のいいような政策をとられたというように、われわれ政策的にも考えられるのでありますが、(「ノーノー」)そういう邪推は別にいたしまして、都市特に大都市に集中されたものが非常に多いのである。今の大蔵次官のお考えのような濫給があるということ自体を、大蔵省が今お考えになつておるということになりますと、私がさつき申し上げましたように、昨年度のたとい一億八千万円にいたしましても――これは東京都を除いております。東京都を除いた五大市で大体一億八千百万円ばかりの国庫負担の不足額を生じておるわけであります。これらについてはあなたの方では濫給があるから、これを補給しないというのか。もし濫給がなかつたら、これを全部補給されますか。借金払いをされますか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 私は先ほど艦給の前にいわゆるという言葉をそれでつけたわけでございまして、言葉を簡単にするためにいわゆる濫給と申したのでございますが、確かに地方の負担分もございますので、そうめつたな濫給、濫発はないと思います。そういう点において幾らか問題があるようでございますので、はつきり払うべきものときまつたものは当然払います。

中井一夫自由党

○中井委員長 それでは厚生省関係はよろしゆうございますか。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 きわめて事務的なことでありますが、生活援護に対する総額が足りないという問題、先ほどから論じられておるわけでありますが、それと同時に生活援護費に対する地方財政の負担部分であります。これまでは生活援護を一〇〇といたしますと、八〇までは国の負担、一〇が府県であつて、あとの一〇は市町村、こういうことになつておりましたのを、二、三年前に八〇までは国、残りの一〇ずつは府県及び市ということに変更になつたように私は記憶いたしておるのでありますが、今でもそういうことになつておりますか、ちよつと伺つてみたいと思います。

楠本正康厚生事務官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答えを申し上げますが、現在は国の負担が八、それから市の場合は二、町村の場合は県が二、かようなことに相なつております。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 そこでお尋ねしたいのでありますが、どうですか、どうも日本の内政で府県と市が一つの側であつて、町村が別であるというふうなやり方はほとんどない。これは非常に例外的なきめ方だろうと思うのであります。どうして町村と市との間に区別をつけたのか、これをひとつお話を願いたい。

楠本正康厚生事務官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 厚生行政につきましては他にも保健所の経費等につきましても同様な例がございまして、さように実施をいたしておりますが、実は私これの担当者でございませんので、こ以上はお答えする資格がございません。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 この問題をこのまま放置しておくならば、将来非常に大きな問題になる。御案内の通り去年からことしにかけて町村合併が盛んに奨励されまして、全国各地で非常にたくさんの市ができました。この市は実質上は町村とほとんどかわつておりません。市に全部、皆さんのお考えのように、あとの厚生行政と同じように二割を持たすというのは、日本の現状にまつたくそぐわない施策であると私は思う。これは早急に改めてもらいたいと思います。この点について政務次官の御意見を伺いたい。

淺香忠雄自由党厚生政務次官

○淺香説明員 ただいまの御質問は私も同感でございます。こうして町村合併か促進されますことによつて、市と町村とのこういう非常にデリケートな問題が各地に起つておることも承知いたしております。従つてただいま御質問の点につきましては十分研究をいたします。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 たいへんけつこうなお答えで満足でありますが、これは研究の余地はありませんから、ひとつ早急に実施をいたしてもらいたい、かように思います。

中井一夫自由党

○中井委員長 それでは皆様にお尋ねいたしますが、厚生関係の御質問はこの程度で、ないと承知してよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 さように承知をいたします。  それでは厚生省の御関係の方、どうも御苦労さんでございました。御退席くださつてけつこうでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 財政部長にお尋ねいたします。台風十五号について、先ほど長官にもお話をいたしたのでございますが、台風十五号だけの例を北海道にとつて見ましても、四百六十六億、冷害の場合は三百億、七百六十億からの被害が出まして、この点についてはひとつつなぎ融資でやつてもらいたい。幸い大蔵政務次官も来られておりますので、つなぎ資金については大蔵省と協議してただちに実施してもらいたい。大体これについてはいろいろの現状からかんがみて、八十億程度のものはぜひ実施してもらいたい。こういうわけでありますが、この点についてどういうようなお考えがあるか、財政部長から答えてもらいたい。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 台風十五号及びその前の五号、十二号、十三号、十四号については現在それぞれの被害報告が参つております。十五号についてはまだ正確な被害報告が参つておりませんので、現在の財政計画との関係がどうなるか、資金繰りがどうなるか、交付税の繰上げ支給をどうするかという問題については、まだ決定しておらないのであります。ただ地方団体側といたしましては早く被害報告を出し、その被害の査定を早く受けて、そうして補助金と起債を見返りにいたしたつなぎ融資を早く出してもらうような措置を急ぐことが必要ではないか。こういう建前をとつて地方団体側に申しております。つなぎ融資の額を幾らにするかという問題は、これは投資的経費と消費的経費とわけなければなりませんが、投資的経費については、今申しましたように、査定を早くやつてもらう、その査定を基礎にしてつなぎ融資の額というものがある程度きまつて参りますから、それを急ぐ必要がある。消費的経費につきましても十五号についてはまだ十分にどの程度のものか、見通しがつかぬのではないか。現在お願いするとすれば、私どもとしては何億というふうにまるい数字で一応お願いする。こういうかつこうにならざるを得ないのではないか。それにしましても、一応確定的数字を出す必要がありはしないか。こういう考え方で現在おるのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 大蔵政務次官にお尋ねいたしますが、今予備金はどれくらいございますか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 七十億前後でございます。最近こまかくちよいちよい使つおりますので、詳しいことは承知いたしませんが、七十億前後、あるいは七十億を割つたかと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 大蔵政務次官にお尋ねいたしますが、今の自治庁の財政部長にお尋ねいたしましたつなぎ資金については、大蔵省ではどういうふうにお考えになつておりますか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 台風十五号についてはまだ被害の実情がはつきりしておりません。各省の報告がございませんので、その報告がありますれば、それに基きましてできる限り早くつなぎ融資等の措置を講じたいと思つております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 長官にお尋ね申し上げますが、今大蔵省にお尋ねしても、財政部長にお尋ねしても、被害状況がまだ判明しないというのですが、一体これはいつになつたら集計できるのですか。それから政府の機関としてはどこで一体集計するのですか。これが一月も一月半もあとになるということであれば、今はまつたく寒空どころではなく、雪が降つておるのです。その点はどうなるか、いつ一体政府としては集計をやる予定なんですか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは集計の結果を見なければ金が出せないというのは、総額の話なんでありまして、当面必要なものは必要に応じておそらく出しておると思つております。決して災害の緊急の措置が全然とられていないとは、私どもは思つておりません。しかし最終的な全額はどのくらいか、それがまたどのくらい出るかということは、今も財政部長からもお答え申し上げましたように、やはり各省の災害の査定というものが出て参つておりませんし、災害の査定金額ににらみ合わしてつなぎ融資を出す、こういうことになるから、それでなければきまらないわけであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 大蔵政務次官にお尋ねしますが、今の自治庁長官のお話のように、総体で要求される八十億なら八十億というような最終的な問題は別にして、とりあえず十月分のだれが考えても必要であろうと思う二十億とか二十五億というようなものは、その全体的な集計が集まらなくともやるというように解釈してよろしゆうございますか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 先ほど申しましたように、十五号につきましてはまだ報告が参つておりませんが、それ以前の五号あるいは十二号等につきましては、もうぼつぼつその手当をいたしておりますが、ただいま申されました点、まだ報告も来ておらない状態でございますから、まるい金でもまだちよつと出すという段階に至つておりません。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ちよつと政務次官にお尋ねしますが、これを大蔵省に報告が来ないないというのですが、それは一体どこからどういうように集まるわけですか。それからまたあなたの方としては北海道に財務局とか何とかあるわけですが、あなたの方としてはその北海道における財務局には、その被害を全然調査をさせないのですか。二十六日以降ですから、もうかれこれ半月もたとうというのに、全然大蔵省に資料が来ていないのですか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 財務局等よりはむろん大ざつばな報告的なものは来ておりますが、各省のその被害につきましては建設省なり農林省なり、それぞれ関係の省が報告をまとめまして、これを大蔵省に持つて来る、こういう手続になつております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 塚田長官に私お話し申します。ぜひこの点はお尋ねしたいのですが、やはりこの問題は私は政府自体が、まあ言葉が過ぎるかもしれませんが、十五号台風についての対策については、政府の誠意をいささか疑わざるを得ないと思うのです。たとえば昨年の九州については政府の中に明らかに対策本部を設けた。それを今度はとにかくもう半月になろうというのに、今大蔵政務次官の話を聞いても、いまだに建設省から来ない、農林省から来ない、こういうことであるならば、これは一月も二月もたつのではないかと思うのですが、これは国務大臣としてどうしようとするのか。こういうことでは事務的な手続の点からいつて、現地の対策は全然立たないということになるのではないでしようか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは私が先ほどお答え申し上げましたように、どうしても緊急やらなければならない、そのための金がないというものを、そのまま現地が黙つておられるとは私は思わないのであります。今までの例からいたしまして九州の場合には非常に大がかりでありましたので、即座に対策本部を設けてやつたのでありますが、今度はそういう形はいたしておりませんけれども、各省が全然その関心を持つておらないということは決してないのでありまして、私どもは心配をしておるわけであります。しかしやはり主たる事務の動き方からいたしますならば、私はこういう場合には町村及び県の場合はやはり県がまとめる、北海道の場合には道庁がまとめてやつて来るというので、当面の必要のものがどのくらいあるかということは、すぐにこれは査定になつて出べき性質のものであります。おそらく今大蔵政務次官が報告が来ていない、報告が来ていないとおつしやつたけれども、報告が来ていないということではなくて、緊急にそういうものの要求が現地から来ていないという意味ではないかと私は思つております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は塚田さんに国務大臣としてお尋ねしたのは、現地ではやつていますよ。それはバラックを建てたり何かはしている。しかしそれに対しては多額の金がいるのですから、政府が本腰を入れてやるためには、昨年九州のにやつたように、やはり政府部内に対策本部をお持ちにならなければ、今の大蔵省の政務次官のように、集まつて来ない、集まつて来ないということになるので、当然この点は私は政府部内にそういうものをお持ちになるべきだと思う。そういうお考えはないのですか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 それは持つた方が一層適切かもしれませんが、私はそんなに大がかりであるとは思つておりませんから、そういう特別なものを持たないでも、要求さえあれば十分それぞれの所管省で措置できる状態になつておると思つております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 話を聞きますと一向わかぬのです。報告があるとかないとか言つていますけれども、すでに北海道の長官がこつちへ参つております。そうしてこの委員会でも被害の総額として一応約七、八十億のものがあるかもしれないと話をし、さらに道庁及び市町村の純負担分として三十七億くらいのものがあるということをはつきり言つておるわけで、全然大づかみのものもわからぬわけはないと私は思う。従つて今、の後腰君の話のように、もしこれが大づかみに出せるというのなら、それは至急出してもらいたいと思う。そうしてその時期は一体いつごろになるかということも、この機会に答弁していただけますならば私は非常にけつこうだと思う。これは政治的な問題であります。事務的に向うからこういうこまかい数字を言つて来て、それを査定してというようなことでなくて、すでに北海道長官が来て、あなたのところにも陳情に行つているはずですし、大蔵省にも陳情に行つていると思う。その数字が全然わからぬわけではないと思う。従つてとりあえずこれを救済するにどのくらいの前渡しをしておく必要があるくらいのことは、政府としては当然とるべき一つの手段であつて、その後にいくらでも詳細な報告が得られると思う。北海道で問題になりますのは、今横路君も言われましたように、時期的な問題なんです。内地におきます場合はあるいは三日や五日は遅れても仕事ができるかもしれない。しかし北海道は時期的に金を出されてもその金が十分に使えないという特殊な条件を備えておりますので、その点は内地と同じような、あるいは暖かいところと同じようなものの考え方で政府がおられると、北海道は非常に迷惑する。従つてこの機会にあなたにはつきり聞いておきたいと思うことは、先ほど申しましたように、一応政府としての腹案は一体いつごろ――まるであろうが三角であろうが私はかまいませんが、とりあえず自治体のつなぎ資金あるいは救済資金として出される覚悟があるかということを、その時期的なものを、もしお考えがあれば、はつきり言つておいていただきたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 考え方としては門司委員と同じ考え方をしておるのであります。しかしそういう金を出しますのにも、やはり過去の幾つかの例からいたしましても、また今日の行政機構の筋からいたしましても、北海道の場合には道庁がまとめてお持ちになつて、そしてそれに応じて、最終判断は先に延ばしても、当面この程度は必要だというものは速記に出さなければならぬ。今開きますと、北海道長官がけさ来て、私のところにもその数字を提出しておるそうです。従つておそらくこの資料に慕いて早急に手を打たれると私は考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 大蔵省の山本さん、自治庁長官は今そういう答弁をしておりますが、大蔵省の資料がまとまらぬから、自治庁から来ても待つてくれなんということは言われないでしようね。自治庁で請求されたらすぐ出されますか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 各被害地からの報告というものは、そのまま受取るわけにも行かないのでございまして、過去の例を見ましても、査定をやりますと報告額よりは相当少くなるわけでございます。それから各地の報告の間にアンバランスがございまして、早急にできるだけ早く処置をすべきことは当然でございますが、早く手当をし過ぎて、あとになつてアンバランスが出て来るということも困ると思います。そこでつなぎ資金というのは結局補助金の見返りになるのでございますから、各省からの権成ある報告に基く査定といたしまして、補助金との見返りでつなぎ資金を出すことになりますから、若干時間は遅れるのでございますが、できるだけ早くやるように努めるつもりでおります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 なお私は国務大臣としての塚田長官に強く要望しておきたいのですが、北海道庁がいまにまとめて来るから、それによつてやるのだということは、私はちよつと政府の対策としては、やはり少しおかしくはないか。少くとも自治庁長官がおいでになるか、あるいはだれがおいでになるか知らないけれども、やはり政府の責任者がおいでになつて、飛行機で飛び歩いてみて、対策を立てるべきじやないかと思う。これはあした閣議があるそうですから、ひとつ決定していただきたいと思うのです。  次に財政部長に申し上げたいのは、地方交付税の十一月支給の分を十月に繰上げて支給してもらいたい。これは全般的な地方財政赤字の問題がありますが、台風十五号、冷害等の関係の分に対しては、特に繰上げ支給してもらいたい。政務次官から何とかなるであろうといういい話があつたので、事務当局としてはこの際ぜひ委員会ではつきり答弁していただきたい。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 交付税の十一月分の繰上げをしていただきたいという要求は、北海道からございまして、私どももそれにつきましてはいろいろ研究をいたしておりますが、全体の国庫の対民間出資の関係がどういうふうになるか、この十二月までどういうふうになるかということも関係がありますし、また地方財政年末の資金繰りをどうするかということも、あわせて現在考えなければなりません。従つてそういう条件が一つありまするし、また十月には義務教育関係の国庫負担の第三・四半期分が出て参ります。それから入場譲与税も道には参ります。従つて相当金が出て行く月でございますので、できればつなぎ融資の問題として解決して、十一月に出す分はやはり十一月に出すようにお願いしたらどうか、こういうふうに現在考えているわけであります。地方財政の年末の資金繰り等の関係で、私どもそういう考え方を事務的にいたしておるのであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 横路さん、本日は税一般に関するものと警察と入つているのです。北海道のことにつきましては、きわめて重要であることはよく委員長も承知いたしておりますが、あなたばかり御質疑になりますと、ほかの諸君がお困りになると思います。もうあなたの御趣旨はきわめて徹底したと思いますから、この程度でひとつお譲りをいただきたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 一つだけ建設省の住宅企画課長にお聞きしたいのですが……。

中井一夫自由党

○中井委員長 それからなお本日は国家公安委員長として小原国務大臣が出席されております。御承知の通り、ただいま検察庁の地方の長官等を集めて会議をしておられます。それをここへ出席を求めたのでありまして、もしできまするならば小原国務大臣に対する質疑を集中されたらいかがかと思います。そうしないと、いつまでも引きとめておくのもどうかと思いますので、願わくばそうされたらいかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 それでは横路さんに敬意を表しまして、ただ一点だけ御質問を願います。御質問もまた答弁も簡明に要領よく願いたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 各委員の方にすみませんが、建設省の住宅企画課長にお尋ねします。公営住宅の点でございますが、これは昨年の九州の水害の特例法によりますと、一般の災害復旧では御承知の通り地方が三分の一で、国が三分の二というのを、昨年は地方が四分の一で、国が四分の三ということになつているわけです。その点について今次の特別の災害について、どういうように措置をなさるのか、その点が一つ。それから財政部長に伺いますが、今公営住宅の中の残りの分ですが、これは金が足りませんから、当然地方起債でやつてもらわなければならぬ。その点と、それだけお尋ねいたします。

前田光嘉建設事務官(住宅局住宅企画課長)

○前田説明員 一般的に申しますと、災害の融資は、第二種公営住宅でやつておりますので、国庫補助額は三分の二となつております。昨年の災害におきましては、特別立法に基きまして特別な措置が講ぜられたはずでございますが、ただいまのところでは、そういう特別立法が考えられればその法律に従つて可能でありますが、特別立法が考えられなければ三分の二でがまんしていただくということになると思います。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 今お話の様子でありますと、地方負担は三分の一ということになりますが、三分の一につきましては起債で大体見て行きたいと考えております。     ―――――――――――――

中井一夫自由党

○中井委員長 それではこれより国家公安委員長としての小原国務大臣に対して質疑を進めて参りたいと思います。この際小原国務大臣から発言を求められております。小原国務大臣。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 私は本月一日、小坂前国家公安委員長の跡を継ぎまして、国家公安委員長に就任いたしたのであります。警察のことはまつたく不案内でありまして、就任後今日までまだ十分勉強をして警察のことになじむひまがなかつたのであります。今日はおさしずによつて出席をいたしたのでありますが、お問いになります事柄について、私のお答えできる限りのことはお答え申したいと存じております。  はなはだ至らない者でありますが、今後ともよろしくお願いをいたします。

中井一夫自由党

○中井委員長 門司君。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 警察の問題についてはいろいろ具体的に他の委員からもお話があると思いますので、私は小原国務大臣に限つて質問を申し上げておきたいと思います。  その第一点は、小原大臣はいわゆる司法関係といいますか、検察庁の関係を持つておいでになります法務大臣であることに、間違いはないと思います。これが国家公安委員長として、警察の従来の担当大臣というのでなくして、警察行政に対する直接の責任者として今日は来られておるわけであります。私はお聞きをしておきたいと思いますことは、小原大臣のお考えと心境であります。御承知のように、行政警察としての警察の持つておりまする捜査権、あるいは検察庁が持つておりまする一つの捜査権というものの中には、おのずから区別さるべきものがなければならないと思うのであります。それでなければ日本の行政というものが必ずしもうまく行かない。一面検察事務というものが、行政事務であるという形で、今行政府の監督を受けておることには間違いはないのでありまするが、しかし今日の検察行政というものは、必ずしも行政的のものだけではございません。やはり司法的の性格を多分に持つた一つの行政庁であることに間違いはございません。いわゆる検事の身分等が保障されておりますることは、一般行政庁の役人とは違うのであります。この性格の異つたもの、もしこれが競合して権力が発動されるということになつて参りますと、日本には非常に権力行政が強く行われる危険性を持つておることは、だれでも考えることだと思う。従つてその権力行政の主であります検察行政と警察行政と両方兼ねておられます大臣といたしましては、これの使いわけが非常に私はめんどうでないかと思う。この点に対して大臣はどういうお心構えを持つておられますか。一応この際聞いておきたいと思います。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 ただいまのお尋ねについてお答えいたします。私は法務大臣としてお尋ねの通り検察行政を監督しておるわけであります。同時に国家公安委員長としては、国の公安に関する警察の運営を管理する立場にあるわけであります。この両者はなるほどあるところにおいてはきわめて密接な関係を持つておりまするが、立場は全然異なつておるわけであります。申すまでもなく今日の警察は国のものとしては、国家公安委員会が警察のうちで国の公安に関する部分だけについて管理をするという形になつておるのであります。この公安委員会は申すまでもなくまつたく不偏不党、中正公平の立場において、警察を管理するということが警察法に書かれてあるのであります。その趣旨に基いて私はやはり国家公安委員長に指名されて就任をしたわけでありまするから、この警察の趣旨をどこまでもくんで警察行政に関する限りにおいては厳正公平、しかも不偏不党にこの職務を行つて行くという決心を持つて就任をいたしたわけであります。ただ法務大臣といたしましては検察行政を監督いたしておりまする関係上、司法警察に関してはやはりある種の関係を持つております。つまり検察行政が犯罪の捜査検挙をいたしまする関係におきましては、やはり司法警察が犯罪の捜査検挙をいたしまするから、まつたく同様な立場において仕事をいたしておるのであります。あたかも兄弟のごとくあるいはもう少し申しまするならばほとんど同一体の形において、この仕事をやつて行かなければならぬ立場にありますけれども、これは国家公安委員長としての警察の運営を管理するということと、司法警察の監督者としての法務大臣とは、まつたく立場が異なつております。それでありますから私はこの両方を兼ねておりまするけれども、司法警察の立場において司法警察を監督すると申しまするか、監督と言つては語弊があるでしようが、やはり司法警察を管理する、犯罪の検挙についてもやはり国の公安に関する警察の運営について、警察を管理するという立場でありまするから、警察庁の長官が司法警察を指揮監督する立場とはきわめて違つておるのであります。まことに間接のある一種の管理と称しまするのは、言葉で申しまするとむずかしいのでありますが、監督、指揮というものよりは、なお弱い力を及ぼすものしか持つておりません。実際の仕事は警察庁長官がすべての警察を指揮監督してやられるのであります。公安委員長である私はただ公安委員会の一員として、政府との連絡に立つて公安委員会を公正に行うについてあるいは予算の関係その他において政府との連絡をはかるという立場しか持つておりません。従つて私が公安委員長でありましても、公安委員会としての警察の管理権しか持つておらない立場から見まするというと、決して検察行政の主脳者でありましても検察行政と警察行政をあわせ行うがために、私の権力は強くなつてここにいろいろの不当のことが行われるであろうというような心配はいらないことだと考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 せつかくの大臣のお言葉ではございますが、われわれが考えて参りますと、従来から日本の行政の建前の上に司法大臣と内務大臣を兼ねたということは全然なかつたと思います。あるいはあつたかもしれませんが、これは極力内閣の構成の上には避けなければならない一つの大きな問題だということは、大臣自身よく御存じだと思います。その当時における日本の警察行政を主として担当いたしておりました内務省の警保局長と申しましても、これはセビロでありまして、決して警察官ではなかつたのであります。今日国家公安委員会のもとにおりまする警察庁の長官は明らかに警察官であります。従つて国家の警察事務に属するものだけでございませんで、地方の警察事務に属するものまでも、警察官としての立場でありますならば、これを指揮命令することはでき得る立場にあると私は考えるのであります。そうなつて参りますと、今の大臣の地位は非常に重大でございまして、ただ単に政府との間の連絡協調というようなことでございませんで、警察庁長官を任命されます大きな責任者の地位にあられるのであります。従つて任命権をお持ちになつておると私は申し上げてもいいと思います。総理大臣がこれを承認するという言葉にはなつておりまするが、しかしながら大体の人選、人事権というものは、やはり国家公安委員長がお持ちになつておる。こういうふうに考えて参りますと、私どもが心配をいたしまするのは、おせじを言うわけではありませんが、幸いにして大臣は非常に司法関係に、あるいは警察関係というか、ことに検察関係については権威者であります。同時に政党人ではございません。われわれ万が一にもそういうことはないと思いますが、しかし従来の政府の建前というのが、代々の検察庁を受持つておいでになりまする大臣が、警察担当大臣としてずつと続かれたことは大臣御承知だと思います。これは大橋大臣のとき、さらに木村大臣のとき、犬養大臣を経まして、わずかに小坂さんだけが検察関係に関係がなかつた。自由党のこの方針は、私は了解に苦しんだのであります。一体警察行政と検察行政をどう考えておるのか、同じ大臣でいいのかということについて私どもは非常に苦しんでおつたのでありますから、この際一言聞いておきたいと思います。大臣は自分は不偏不党で行つて不都合はないというお考えでありますが、私ども過去の日本の歴史から見て参りましても、また将来考えられることといたしまして、検察行政をつかさどつております大臣が警察行政まで握つてしまうということについては、いささか行過ぎではないかというようなことを私は強く感じておるのですが、この点に対する大臣の考え方をひとつ率直にお聞かせ願いたいと思います。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お尋ねになりましたように、昔は内務大臣と司法大臣と同一人であつたという例があつたかどうか覚えておりません。しかし昔の内務大臣と司法大臣を見ますると、内務大臣は警察権を全的に持つております。司法大臣は裁判所も同時に監督しておりましたが、検察行政のかしらで検察の仕事を全的に指揮監督する立場にあつたのであります。でありまするから、もし昔の内務大臣のように警察権を全的に握つておるのが司法大臣を兼ねるということになりましたら、これは確かに一つの脅威を感ずる弊害が生じはしないかと思います。ただしかし今日の国家公安委員長は御案内のように新警察法でもきめておりまするが、公安委員会のうちの一人であります。組織の一人であります。そうして国家公安委員会というものは、警察の中の国の公安に関する警察の運営について管理をするというだけの立場しかないのであります。この関係というものは、警察に対する力の及ぼし方が非常に薄いものであります。指揮権はありません。ただ監督という言葉と管理という言葉とどう違うか、法律的に問題がありますが、あるいは監督というよりは管理という方がやや強いかというふうに考えられます。これは警察法の解釈等にもそういうふうに書いてあります。しかしそれはやはり国家公安委員会としての働きなんであります。国家公安委員長が単独にやる仕事でありません。国家公安委員長は国家公安委員会の一人として、閣僚の一人をこれに充てるという制度になつておるだけであります。これをこういうふうにやつたのは、やはり責任の制度を明らかにするという意味と、予算その他の関係において、政府部内で働くに都合がよろしいという関係でできたものと考えております。さようなことでありますから、私が国家公安委員長をやりながら、法務大臣として警察行政を監督いたしましても、この間に別段の弊害が起きようとは私は思つておりません。ことにお言葉にもありましたけれども、私個人としては、この問の区別をはつきりいたしまして、国家公安委員長としての仕事で、警察長官に対してのある種の指揮監督みたようなことはできない立場におりますから、そういうことは一切いたさないで、厳正、公平に、しかも不偏不党に、委員長であるという立場だけを守つて行きたい、こう考えておりますから、御心配のような弊害は起し得る機会はなかろうと考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これはきわめて抽象的なものでありますが、もう一言だけ聞いておきたいと思います。それは日本の民主化をはかりますことのために、三つの重大な行政委員会を実は持つておるわけであります。いわゆる警察の中立性をぜひ維持しなければならないとして国家公安委員会があるということ、さらに選挙を公正にしなければならぬということで選挙管理委員会があるということ、教育の中立性を維持するために、教育委員会制度を設けているということ、この三つの行政委員会というものは、日本を民主化にいたしますことのための基礎的な条件だと私は考える。その条件の一つである権力行政に属して参ります警察行政というものは、従来は御承知のように国家公安委員というようなものに対しては、担当の大臣というものはございましたが、しかしこれは予算その他の関係がありますので、一応そういうものがあつたので、実際の運営、あるいは管理というようなものは、大臣の何らこれにくちばしを入れるところでなくして、国会で選ばれた公安委員諸君がこれに当つておつたのであります。ここに日本の行政委員会制度の最も公平妥当な点があり、これから警察行政というものは必ず中立性を守り得るものであると、われわれ確信を持つて警察法を今日まで守つて来ております。ところが御承知のように十九国会で、国務大臣であります人が国家公安委員会の長となつておられます限りにおきましては、この行政委員会としての性能あるいは行政委員会としての性格が、非常に大きく薄くなつたようにわれわれは感ずる、あるいはなくなつたのではないかと感ずるほどのこともあるのであります。従つてこの点に対して、警察行政の担当者として、はたして警察行政というものは、制度上において厳正、公平に保ち得る制度であるかないかということについては、ひとつ政党出身の大臣ではございませんので、率直にお聞かせ願いたいと思います。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お答え申し上げます。仰せの通り私は法務大臣でありながら国家公安委員長を兼ねておりますけれども、従来の法務大臣で、国家公安委員長をかねておられても、この間何ら弊害のなかつたことは私が言うまでもなく、皆さんも御承知の通りであると思います。私はなるほど法務大臣ではありますが、国家公安委員長としては、法務大臣なりという感じは全然捨てて、頭におかずに、虚心坦懐に、ただ国家公安委員長としての仕事をやる場合においては、それだけを考えておる、こういう考え方でやつて行こうと考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 大臣にちよつとお断りいたしておきたいと思いますが、大臣は何か今の御答弁の中でお考え違いのことがあると思います。従来の検察庁を受持つておりました法務関係の大臣は、これは国家公安委員長として直接警察の運営管理に当る人ではございません。単なる担当大臣として、警察法の中にはこういうことは書かれてなかつたのであります。警察法のらち外にあつて、そうして予算その他の関係でおいでになつておつたというだけでありまして、今の小原さんの立場とは非常に性格を異にしておつたということを、十分御認識願つておきたいと思います。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 私ちよつとお答えをあやまつておりました。前の木村大臣、犬養大臣あるいは大橋国務大臣等は、公安委員長ではなくて、警察担当の大臣でありました。しかしこの警察担当大臣として働かれた当時においても、何らこれが弊害がなかつたということは私も知つており、また皆さんも御承知になつておると思いますが、そのときと私が公安委員長として働く気持とは、何ら異なつておりません。むしろ担当大臣というよりは、薄い気持になつて働けるのではないかと考えております。

藤田義光改進党

○藤田委員 私は法務大臣にきわめて穏便にきようは質問をいたしたいと思います。先ほど来の質問は公安委員長としてのあなたが、今後警察行政の運営をつかさどる上において重要な問題でありますから、関連して質問しておきます。国家公安委員長というものは政府との連絡機関というような意味の御説明が今ありました。ところが今回の警察法改正にあたりまして、提案理由の一つの大きな軸心は、警察の民主化を守るために公安委員会制度を置くのだということが強調されて、速記録にも載つておれば提案理由の説明の重要な項目になつておる。お読みになつたことと思います。     〔委員長退席、鈴木(幹)委員長代理着席〕 しかも今回の改正第五条、第六条を見ますと、特に第六条には公安委員長は、公安委員会の会務を総理し、云々とあります。それから第十五条に「国家公安委員会に、警察庁を置く。」とあります。つまり国家公安委員会の事務機構としての警察庁であります。公安委員会の権限は絶対であります。第六条、第十五条あるいは第五条を見ますと……。それで私がお聞きしたいのは、あなたがそういう気持で、非常に軽い、弱い力の上に立つて、政府の連絡機関であるというような感覚で公安委員長としてやられると、法規に規定したあなたの権限は非常に強大であります。強大でなくては困る。公安委員会は民主的な警察の運営をはかるために存置された民主的な機構であります。何かお考え違いがあつての答弁じやないかと思いますので、いま一度その点、公安委員長の権限というものに対する御答弁をお願いします。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 国家公安委員会は民主警察を守るためにできたものである、これは御論の通りであると私も思つておりますが、地方の公安委員会がやはり地方の警察に関する立場と同様の立場で、ただ中央の国家公安委員会は委員長が国務大臣であるということだけが違つておるというだけであります。その他においては違いがないのでありますから、ただ地方の公安委員会もまた国家公安委員会も、ともに民生警察の働きを強く打出して行くという立場は、これはもちろんそうなければならぬと思つております。その点においては私はやはりこれは国家公安委員会の委員の一人として、民主警察をあくまでも守つてこれを速成するには十分の力を尽します。しかし先ほど来御質問になつておりますような、私が検察行政の監督者であるがために、特にそれが強く大きく響いて、警察行政の上に悪い影響を与えはせぬかという御心配は御無用に願いたい、こういう趣旨で申し上げているわけであります。

藤田義光改進党

○藤田委員 それは第三条に警察は厳正公平にやれという規定がありますから当然の御答弁であります。それでお聞きしたいのは、先般の決算委員会の例の回答の中で、検察行政というものをあなたは準司法権という表現を使つておる。一般行政権とは違うということをはつきり公文書で回答されている。そうしますと、あなたは司法権の一種の検察行政、しかも今回警察行政の最高の管理運営者になられた、極論すれば裁判所と警察の親玉という性格を持たれたわけであります。これはあなたは長年法曹界におられたから、権利の紛淆を来さないということは私たちも考えておりますが、どうも従来の警察法と違います。従いまして法務大臣と国家公安委員長の兼任ということはどうですか。純法理論から言つても少し無理があるのではないか。人格が違うと言えばそれまででありますが、これは具体的に小原直氏そのものでなくて、一般論として、ちよつと無理がありはしないか。これは新警察法実施以来初めて法務大臣が兼務しましたので、将来日本の内閣制に例を残すわけであります。悪例になるか、いい例になるか、非常にむずかしいところでありますから、あなたの忌憚のない御意見を聞いておきたい。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お答え申します。衆議院の決算委員会において、私は、検察行政は司法権とは違うけれども司法権に近いものであるという、いわゆる準司法権であるということは申し上げました。しかしそれあるがために、私が国家公安委員長になつておることが、司法権と警察権とをあわせ兼ねた強い力を持つことになるという御論は、私は受取れない。申し上げるように、私は国家公安委員長としてはまつたく虚心坦懐、国家公安委員長としてのみ考えて働こうと思つておるのでありますから、いわゆる司法権に隣したような強い検察行政の監督者ではありますが、それとの紛淆によつて国家公安委員会、ことに警察の運営に悪い影響を及ぼすようなことは決していたさない覚悟であります。私が初めてでありまして、これが先例になるのでありますから、悪例になるか、善例になるか、ひとつよく御監督を願います。私においてはこれを紛淆して悪い影響を及ぼすようなことは決してやらぬという覚悟を持つて、将来やつて行くつもりであります。

藤田義光改進党

○藤田委員 非常に具体的になりまして恐縮でありますが、私は小坂労働大臣がやめた場合におきまして、おそらく当委員会の自由党の委員から公安委員長が出るだろうと予想しておつた。これは常識であります。これはここにいる加藤委員等も少し努力が足らなかつたということを、私は野党でありますが、率直に批判をしております。それでただいまの答弁は、私が法律論をお聞きしたのに対しまして、現実の小原個人の人格論を述べられまして答弁されました。これはあなたが在職中はあるいはそういうことはないかもしれません。ただ法理論としては無理があるのではないかということであります。重ねて御答弁願うと同時に、ついでに一点お伺いしたいのは、警察法の七十六条であります。七十六条に、国家公安委員長と長官は常時検事総長と緊密な連繋をとれという規定があります。表現は多少違うかもしれませんが、この規定と、検察庁法十四条、いわゆる指揮権の規定、これは非常に紛淆を来すのではないか。神様でない限りは、検事総長に対する指揮権の問題、検察庁法十四条の問題とこの七十六条の問題、これはよほど冷静に行政の執行に当らないと紛淆を来すのではないか。どこでけじめをつけるか、お示しを願いたいと思います。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 ただいま藤田委員の御指摘になりました警察法の七十六条は、ちよつと趣旨が違つておると思います。これを読んでみますと、「都道府県公安委員会及び警察官と検察官との関係は、刑事訴訟法の定めるところによる。」こう書いてあります。第二項には、「国家公安委員会及び長官は、検事総長と常に緊密な連絡を保つものとする。」こういうように、なるほど書いてありますが、これはつまり緊密な関係は持ちますが、国家公安委員会が持つのであります。国家公安委員長が持つのではありません。国家公安委員長は国家公安委員会の一員としてのみ働くのでありますから、さような御心配はこの条文からは出て来ないと私は考えております。

藤田義光改進党

○藤田委員 非常に重要な点でありますから重ねてお伺いいたします。第六条をごらんになるとわかるように、あなたが会務を総理するのです。委員会が連絡を保つというのは、抽象的な行政委員会が検事総長に連絡するはずがないのであります。結局は委員長たる小原直氏が連絡を緊密に保つわけであります。この法律としては、こういう表現はあまりうまくないと思いますが、こういう漠然とした表現と例の有名な検察庁法十四条との関連が非常に微妙になつて来るのじやないか。会務を総理するところの委員長小原直法務大臣が、指揮権とこの連絡の中間的なことを常時やる危険が出はしないか、どうでございますか。これは杞憂に終ればけつこうであります。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お答え申します。先ほど来法理論としてどうかというお話がありました。これは立法について検討をいたしますならば、いろいろ議論があるかもしれません。しかしながら、こういうふうに今法律ができております。できておる以上は、なるべくその法律の要請する趣旨に従つて動かして行くということが大切であります。要するに公安委員会というものを設けた趣旨は、公安委員会が警察の管理をするという非常に薄い言葉を使つてありますが、これは指揮、監督とまでは行かない弱い力でありまして、そういう立場でやるのでありますから、国家公安委員会が警察に迫力を加え、あるいは無理な注文をして不当な警察行為をやらせるというようなことは、とうてい考えられぬことだと思います。私はさように感じております。

藤田義光改進党

○藤田委員 あと簡単にお伺いしますが、昨年の国会におきまして刑事訴訟法の改正が行われた際におきまして、検察庁では検事の警察官に対する指揮権を強化したいという非常に強い動きがありました。原案はたしかさようになつておつたかと私は記憶いたしております。国家公安委員会というものがあつて、警察の民主化を維持して行こうという努力を続けておる今日におきまして、検察行政に長年関係がありました小原さんが国家公安委員長になつたことによつて、どうも検事の警察に対する指揮権強化ということがありはしないか。これは検察庁の意向ではありません。私個人の見解でありますが、従来の戦前の刑事訴訟法に非常に習熟されておる今回の国家公安委員長の建前からすると、検事の指揮権は強化しなくてはならないという感じがありやしないかと思いますので、あなたの率直なお気持をこの機会にお伺いしたい。戦前の検事の指揮権は非常にチェックされました。今民主化されました警察のもとに、警察そのものは逮捕等におきまして相当権限が強くなつて来ております。検事の警察官に対する指揮権の強化に対する御所見をお伺いしたい。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お答えいたします。戦前の刑事訴訟法には藤田委員の仰せられるように、犯罪の捜査に関しては検事が警察官吏を指揮することに書いてございます。しかし戦後におきまして、これが改まりまして、この犯罪捜査に関する検事の警察に対する指揮はやめることになりました。警察は犯罪があると思量したるときにおいては捜査せなければならぬ、検事に対しては、犯罪ありと考えるときには、捜査することができる、こういうふうに書きわけまして、検事の捜査に対する力を非常に弱めております。この条文でも明らかになつておりまする通り、そういうふうに弱くなつております。そうして警察官に対する犯罪の捜査についての検事の指揮権というものは全然なくなつております。     〔鈴木(幹)委員長代理退席、委員長着席〕 昨年の刑事訴訟法改正のときに、仰せのように若干これを強化する方がいいじやないかということを法務関係の者は言つておつたそうでありまするが、結局でき上つた条文は、それがそうならないで従来の通りになつております。わずかに逮捕状に関して若干の規定ができただけであります。さようなことでありまするから、今日検事が犯罪捜査に関して警察に力強い影響を及ぼすということは絶対にできなくなつております。それゆえに、今御指摘になりましたように、私が法務大臣でありながら国家公安委員長を兼ねておることが、犯罪の捜査のことに関して検事が警察を圧迫すると申しますか、強い働きを警察官に及ぼすであろうというような御心配は毛頭ないことと考えております。

藤田義光改進党

○藤田委員 ほかの質問者もありますから、最後に一点お伺いしておきます。そうしますると、それをもう少し広くいたしまして、近い将来臨時国会あるいは常会等が開かれますが、その際におきまして刑事訴訟法、特に警察に関する部面に対し、刑事訴訟法の改正等は予定されないかどうか、現在の御心境でけつこうであります。速記録に残して置くためにお伺いしておきます。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 今法務省においても、検察側においても、さような考え方はまつたくありません。

中井一夫自由党

○中井委員長 井手君。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 私は国家公安委員長に対しまして、地方議会に対する警察官の不当介入に関しましてお尋ねをいたします。事は佐賀県に起きた問題ではありますけれども、もしこれが許されるならば全国に波及するおそれがありますので、この際国家公安委員長の所信をはつきりお伺いしたいのであります。佐賀県議会におきましては、赤字財政に伴う予算削減をめぐつて、保守派と革新派が今春以来はげしく対立いたしまして、去る九月の定例県会におきましては、有効か無効かという混乱の事態さえ起つたのであります。その後これを収拾するために会期の最終日である九月二十一日、保守派の控室において革新派の議員が事態収拾についての話合いをいたしておりますときに、午後二時半ごろ佐賀県警察本部では副議長の要請により、廊下に充満している傍聴人を排除し、控室における保守派の議員を解放するためと称して、武装警官六十五名を出動させたのであります。その際私は現場におりまして、事の重大化をおそれまして、傍聴人に対して議事堂外に退避することを勧告いたしまして、幸いほとんどの傍聴人が議事堂外に退去いたしました。従つて傍聴人の排除に関する出動の名義はなくなつたのでありまして、この点に関しては佐賀県の公安委員長もはつきりとその必要のなかつたことを明言いたしたのであります。ところが間もなく、今度は保守派の議員を控室から解放すると称しまして、ただちに武装警官が控室に突進いたしました。その控室は周囲にガラスを張つてありまするけれども、中の事態を確かめることなく、そのまま二つのドアをこわして乱入いたしまして、革新派の議員を一方に押し寄せ、押し寄せた間に保守派の議員を本会議場に入れて、その保守派の議員はたつた五分間ですべての議案を革新派の入場を待たずして議決してしまつたのであります。しかもその上に、それが終了して議長代理である副議長が、警察官の退去を命じたにもかかわらず、なおそのまましばらくの間場内にとどまつたのであります。これに対しましてただちに革新派の議員は県の警察本部に抗議を申し込んだのでありますが、その回答によりますると、まさに犯罪が行われようとし、急迫な事態であつたと申されたのであります。しかし私が現場におつてこの目ではつきり見ておりまするが、人の生命財産、そういうものが危機にあつたとはどうしても考えられないのでありまするし、またそれが監禁状態であつたといわれておりまするけれども、保守派の議員は三十名、革新派の議員は七、八名でございます。その人数の点から考えましても、常識ではどうしても監禁状態であつたとは考えられませんし、また必要やむを得ざる緊急状態であつたとは、どうしても考え得られないのであります。もしそういう必要があるとするならば、ガラスの外から中の模様を見て後に入るのが、私は慎重な態度ではなかろうかと考えております。そのために遂に革新派の議員は議場に入れなかつた、審議に参加できなかつたという事態が起きておるのであります。これを悪く解釈いたしますれば、革新派の議員を審議に参加せしめなかつたということにもなるのであります。これについていろいろと理由はつけられるでございましようけれども、その事態は千人以上の者が目の前に現実に見ておる。理由はつけられても、やはりすべての者が納得する事態でなくては私は警察官が武装してとびらをこわしてまで入ることはできないと考えるのであります。もしこれが許されるならば、ほかの府県にも波及いたしまして、多数派が一気にこれを押し切るためにどんどんと警察官の介入を進めて行くという行動も考えられるのであります。先刻大臣は不偏不党であるということを強調されたのであります。私はりくつや一方的な解釈ということではなくして、不偏不党であるところの警察官、いわゆる警察の中立性という立場から、そういう事態に対してこれを監視し警告を発せられる必要があると考えております。この不当介入に関する公安委員長の所信を承りますとともに、その対策についてもあわせてお伺いいたしたいのであります。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 井手委員にお答えいたします。私実は就任後日浅くて、この佐賀県会の乱闘といわれる事件についての報告を、国家公安委員長として見ておらないのであります。御説明のようなできごとのいきさつもわかりません。従つてそれに対してどうやるかという意見をお求めになりますが、今日の段階においては意見を申し上げるだけの材料を持つておりません。よく取調べた上ならば後日申し上げられると思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 御就任後日も浅いことは承知しておりまするし、具体的な問題でございますので、詳細御存じないことは私承知いたしておりまするけれども、不偏不党であるべき警察が、議長より要請があつたといつて軽率に――あるいは警察側は軽率でなかつたとおつしやるかもしれませんけれども、内容の急迫事態も確かめずして、いやしくも議事堂内でとびらをこわして入るという問題について、私は一般的な所信が聞きたいのであります。それぞれの言い分はありましようけれども、もしそういうことが許されるならば、今後各地方議会において一方の都合のいいときにはどんどんと警察官の出動を要請する、こういうことを私は非常に恐れるのであります。警察官はそういう場合にいかにあるべきか、こういう一般論についてこの際ひとつ承りたいのであります。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お答え申しますが、当時の模様を承知しませんと、これに対してどうすべきかというお答えができかねるのであります。仰せのように、もし警察官のやりましたことが一方に偏してやつておつたとすれば、それははなはだよろしくないと思いますけれども、これはよく実情を承知した上でないと、これがよかつたか悪かつたかということを申し上げかねるのであります。はなはだ相済みませんが、もし斎藤長官でよければ、斎藤長官は当時の模様を承知しておられるかと思います。私はこの程度しかお答えができぬのであります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 私はそう深く御存じない公安委員長を追究しようとは考えませんけれども、こういうことがやられておる。警察には警察の言い分はありましようけれども、中を確めずしてとびらをこわして入つたという事態です。それは生命財産の緊急やむを得ざる事態であるとはどうしても考え得られないのであります。この点については過日斎藤さんの方にはいろいろ申し出ておきましたが、非常に重大な内容を持つておりますので、私どもは別途いろいろ器物破損とか公務執行その他の面で対策は講じておりまするけれども、もしこれがさらに佐賀県のみならず他県においても警察を利用して議案を一気に可決するというふうに利用されてはちよつと困りますので、公安委員長は警察があくまでも中立性を保持するように厳重に注意をしていただきたいことを特に要望申し上げる次第であります。そこで佐賀県の問題に対しましてはただちに御調査をいただきたい。県本部の意向のみならず各方面の意向をお聞き願つて、公正なる判断のもとに警察が誤りのない処置をとるように、御指導を願いたいことを要望いたす次第でございます。そこで御答弁があるかどうか知りませんが、御調査願えるかどうか、その点を確かめたいと思います。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 さつそく取調べて実情に沿うたような処置をとりたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 小原さんにきよう初めてお目にかかりましたからちよつとお尋ねしたいと思います。  警察法の七条に「委員は、任命前五年間に警察又は検察の職務を行う職業的公務員の前歴のない者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命する。」こういうことがございます。しからばあなたは現在法務大臣でございますが、その法務大臣が公安委員長を兼任しておられることは私は法の矛盾であると思いますが、賢明なる法務大臣はいかが御解釈くださいますか。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 第七条には委員はさような条件でなければならぬと書いてありますが、委員長についてはその条件は当てはまらないものと私は解しております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 小原さん、委員ですらこんなに制限を受けておる。それを法務大臣が公安委員長を兼任することをさように思つておらないということは、私は法の盲点をあなたがうまく突いていらつしやるのだと思いますが、どうですか。おかしいですよ。委員より委員長の方がもつと重大です。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 委員長は国務大臣をもつて充てるということになつておるくらいでありますから、あなたの仰せられるようなことならば、むしろ国務大臣を充てるのがいかぬのであります。しかしこの第七条は、委員はそういう人でなければならぬが、委員長は国務大臣を充てるとなつておるのでありますから、委員の中からは委員長はまつたく除外されたことであると思つております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうすると吉田天皇のときには吉田天皇、鳩山天皇のときには鳩山天皇の国務大臣がすなわち公安委員長になる。しからば今ここでお答えになつたことも、あなたは虚心坦懐でやるとおつしやいましたけれども、虚心坦懐でやれないじやありませんか。やはり自由党のためにあなたは一生懸命にお働きになると思うのでございますが、いかがでございますか。それはそうにきまつとるでしよう。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 私は先ほど申した通り、まつたく中正公平に職務をとるつもりであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 この次、私たち地方行政委員会で、この国務大臣をもつて充てるというのを削除いたしますから、さようどうぞ御承知を願いたいと思います。(笑声)

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私も実は関連するのですが、小原大臣に質問いたします。この厳正公平ということがしばしば出て参りますのでお伺いいたしますが、実はこの警察法をこの前の国会で、この委員会で審議していた際にも、警察に対する一般の地方公共団体なり、一般の住民の寄付金ということが大きく問題にされたわけであります。町村会の調査によりますと、これは一部の調査でございますが、三百幾つかの町村の寄付金のうちで警察関係が、特にそれは国警の関係でありましたが、二千八百万円ばかりになつておりました。ある県では、各町村に何十万円ずつか割当て、それが五千万円にも上つておるということで、これがたいへん問題になつたわけであります。それ以外にも一般の住民から、治安協力会であるとかあるいは防犯協会というような名前でもつて寄付金をとつて、そうしてこれがやはり一部は警察の経費の不足に充てられておるというようなことが全国的にあるわけであります。このように、厳正公平であるべき警察が、地元の人たち、あるいは団体から寄付金をもらつておる。かりにそれが自発的なものであろうとも、これをもらつておるということになれば、職務の執行上はたして厳正公平であり得るか。私はこれが非常に問題であろうと思うのであります。これは警察ばかりではなくて、町村会の調査によりますと、検察庁等にもこの寄付がある。法務局にもある。検察、法務局あるいは警察関係に相当の寄付金が、強制的でなくても、実質上は半強制的な形で寄付せられておるということになれば、これはその面から厳正公平なる職務執行が阻害されて来るのではないかと思うのでありますが、これについて大臣はどういうふうにお考えでございますか。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お答えいたします。警察等に対する寄付金の状況がどういうふうになつておるか、私実はよく存じません。存じませんが、もしこれが強制されて集められたというようなことになつてはおもしろくないと思います。いわゆる地方の大ボス、小ボスが自分の勢力を張るがために一般民衆から金を集めて、警察に対する自分の顔をよくするというようなことも聞かぬではないのであります。そういうことはおもしろくないと思いますけれども、しかしいわゆる警察が民主的に運営せられますためには、地方の人たちがほんとうに警察に同情して、われわれの警察であるからこれをわれわれができるだけ盛り立てて助けてやりたいという純情な心から金等を集めて、警察の便宜をはかつてやることなら、これはまことにけつこうである。むしろ民主警察の実をあげるものではないかと思いますから、場合によつて違うので、一概にこれがことごとく悪いと言うわけには参らないと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 しかしたとえばここにある地方の有志があつて、そうしてそれが善意でもつて検察庁なりあるいは警察の建物を建てることに応分の寄付をしたという場合に、それを喜んで受けるということになれば、やはり検察庁あるいは警察というものとそういう人たちの間に、一つの情実関係ができるのではないか。そこからいろいろな職務の執行上――どうしても人情でございますから、厳正公平が阻害されて来る。ですから、たとい善意のあるいは自発的な、純粋な寄付であろうとも、検察庁なり警察はそういうものは受けないで、まつたくの公費あるいは国費でもつてまかなうのがほんとうの行き方ではないか。私どもはそう考えるのです。この点いかがでしよう。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 実際の例に当らないと、それがいいとか悪いとかいう意見を申しかねると思います。御設例のようなことがあつてはよくないと思いますけれども、いわゆる例だけで私の意見を申し上げるのは差控えたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 実はこの前の国会の際にこの問題が具体的な例に基いていろいろ論議されたのでありまして、大臣は御承知になつておらぬのでそういうことをおつしやるのでありましようが、実はそれが全国的にあるのであります。  茨城県の下館という町では、警察の庁舎を建てるのにやはり協力的な団体をつくつて、そうして奉加帳か何か打つでまわつて金を集めて、百万ばかりを寄付しておる。そうしてその協力会の会長か何かをやつておる町長さんは、こういうことは好ましいことではない、けれどもやむを得ない、こういうことを言つておる。またそこの警察の署長さんは、こんなことは全国どこでもやつておることで、おれのところだけ責められるのは無理だ、これは国会の方で問題にしてもらいたいというようなことを言つておるのです。そういうことがこの委員会で問題になつたわけであります。あなたは御承知にならぬから、具体的な例にあわなければわからぬ、判断がつかぬとおつしやるのですけれども、もしも御調査になつて、全国的にそのような例がたくさんあるということになりましたならば、大臣としてはどういう処置をおとりになりますか、お伺いいたします。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 警察は国あるいは都道府県等が費用を出して建てるのがあたりまえでありますから、いるだけの予算を出してもらつて、そうして一般の民衆の寄付など一切受けないということになるのが本則だと思います。しかしそれができないがために、ただいま仰せになつたような例が出て来るかもしれぬと思うのであります。やはりどうしても予算を十分にとるようにして、不本意な金を民衆から求めるようなことのないようにする、これは確かにそうなくちやならぬと思います。でありますから、今後警察等において不当に民衆から寄付を仰ぐというようなことは、なるべく避ける方がいいと思います。いずれそういうことは、私が国家公安委員長としてやる仕事というよりは、警察当局の方々がそういうことのないように戒めて行かれるようにする方がよかろうと思つております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 これは国家公安委員長としても、国の警察の行政の全般的な調整という大きな仕事があるわけであります。私はその範囲に入ると思うのであります。また予算に関することも、これは国家公安委員会の仕事であります。従つて予算を十分おとりになり、そして全国のいかがわしいような治安協力会であるとか、あるいは防犯協会であるとか、そういういわゆる警察とくつついておるボスの温床になるようなものは、一切これを解散させるというようなお気持でやつていただきたいと思うのでありますが、これについての御決意を伺いたいのであります。

小原直法務大臣

○小原国務大臣 お答え申します。いわゆるボスの跳梁しておるということは実例がたくさんあるようであります。昨日都道府県の警察本部長の会同に斎藤長官からもこの点について、そういうものを一切なくするようにせよという強い訓示がありました。今日私は全国の次席検事の会同におきまして、やはりこの点に言及いたしまして、そのような暴力団的なものが不当にさような金品を取集めるようなことはよくないから、厳重にこれを取締れという訓示をいたしておるのであります。なるべく将来はそういうことのないようになつてほしいと考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 今まで申し上げたような、地方の団体なり住民なりに寄付を求めたり、あるいはこれをぞうさなく受取つたりするような警察運営をやつておれば、これはただいま大臣がお話になつたようなボスをふやすことになるのでありますから、その点については十分な御指導を願いたいと思うのです。  この際ひとつ斎藤長官にお伺いしておきたいと思うのでありますが、警察庁の職務でございますが、警察庁は直接犯罪の捜査ということをおやりになることがございますか。ちよつと念のために伺つておきます。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 警察庁みずからが犯罪の捜査をやることはございません。犯罪の捜査は都道府県警察がやることになつております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 実は私この二十九年度の一般会計の予算の参照書を見ておつてふしぎに思つておるのですが、警察庁というところに、犯罪捜査に必要な経費一千七十三万五千円というのがあるのです。そこに説明として、「犯罪の悪質化しつつある現況に鑑みて犯罪捜査活動の充実強化を図るため、これらの捜査活動を適切に指導監督するとともに重要な刑法犯罪事件については自ら捜査活動に協力するため必要な経費である。」こういうふうに書いてあるのですが、これは、今のような警察庁自身が捜査活動を自分でやるような説明のように受取れるのですが、いかがですか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 都道府県の行いまする捜査活動につきまして、そこに今お読みになりましたように、あるいは教養し指導し、また都道府県から求められました場合には警察庁の職員が出かけて参りまして、都道府県の公安委員会の管理のもとに、そこで応援的にいたす場合がございます。しかし警察庁の名において捜査をすることはございません。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それでは、この重要な刑法犯罪というのはどういうふうな犯罪でありますか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 重要な刑法犯罪と申しますると、大きな殺人であるとか強盗であるとか、過去の例をとつてみますると、三鷹事件でありますとか、あるいは白鳥事件でありまするとか、そういう国家的に考えて非常に重要であるというような場合に、地方から応援を求められるという場合には、本庁の専門職員が出かけて行つて応援をするという場合があるのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ほかの点にも、たとえば「集団不法行為取締等に必要な経費」として三千百八十万円がありますが、これなども「都道府県警察の警備活動の指導監督並びに」云々と書いてあります。私どもは、警察法の審議の際には、警察庁というものは都道府県警察の警察運営を直接に指揮監督するものじやない、これは、大規模な災害であるとか騒乱だとか、いわゆる特殊な場合に限られており、それ以外の捜査活動については指揮監督はしないというふうに説明を聞いておるのです。ところがこの予算書の説明にはそれと相反することが書いてある。まことに不可解だと思うのでありますが、それ以外の場合でも、今お話になつたような、犯罪の捜査について指導監督をしたり、あるいはみずから協力をするというようなことがあるのでありますか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤説明員 みずから自主的に捜査に当ることはないということは申し上げた通りでありますが、指揮監督をしない場合におきましても、たとえば全国的な犯罪傾向がこういうようになつておるとか、あるいはこういう犯罪の検挙についてはこういう点を留意してやればよろしいとか、どこにおける犯罪検挙においてこういうようなやり方をして非常に成績が上つたというような、一般的な教養と申しまするか、指導と申しまするか、これは権力的な行為ではございませんが、これをやりますることが全国の警察のためになると思われるような助長的な意味のことはいたすわけであります。また警察法にもありまするように、警察活動の基準をきめるというようなこと等がありまして、集団犯罪の予防鎮圧というようなことについてはこういうような方法がよろしい、それについてはふだんからこういう訓練をすべきであるというようなことはいたしておるわけであります。     〔「御進行願います。」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 小原国務大臣には直接御質問はございませんか。――では、小原国務大臣、よろしゆうございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 自治庁長官に一点たけお伺いいたしたいのであります。それは、先刻小原国家公安委員長にお尋ねしました佐賀県議会の問題であります。去る九月、県議会において保守、革新がきびしく対立した結果、九月十八日の本会議におきまして、なお会期三日間、質問通告者数名を残しておるにかかわらず、緊急動議を一議員が出しまして、それから非常に混乱に陥りました。この混乱中に、保守派の方ではこれを議決したと言い、革新派の方では議決していないということで、今日でも争つております。革新派の方では、議長が県当局に通告したことは公文書偽造であるとして告発もいたしておりまして、事態はますます尖鋭化しておるのでございまするが、その際の混乱中における議事は速記録にも全然とどめてはございません。私、ここにその当時の録音も持参はいたしておりますが、その際、かりに議長派の申しまするように、緊急動議と一括採決ということをやつた、一括してやつたとしても、こういうことについては、自治庁において、それは違法である、一括して緊急動議と議案の採決を行うことはできないということを、はつきりと回答なさつておるわけであります。従つて、私どもは、当然その決議は無効であると信じております。ところが現実には議長の方から県当局の方に通告され、執行部おいては、どんどんと執行されておる。こういうことがもし許されますと民主主義と法律を踏みにじつてどんどんと進められて行く。これは許すべからざる事柄であると私は考えるのであります。先般私文書をもつて自治庁に照会いたしましたところ、違法であることについては回答できるけれども、有効無効については事態を自分は見ていなかつたから何とも申しかねるという御回答でありましたが、しかしこのまま放置することは私はできないと存じております。私はかねて自治庁長官が知事官選についても、町村合併に対する法的措置についても、積極的意思を表明されておる人柄を知つておりますので、この有効無効の不当なあるいは違法な地方議会の議決に対して、地方自治法に基く勧告権を発動される必要があると私は考えるのであります。このままでは法律が無視されたまま執行され、地方議会はますます紛糾して行くことを非常におそれますし、またどこの地方議会におきましても、赤字財政をめぐる予算削減について対立がありますので、これが各府県に波及することを非常におそれますので、この機会に私は自治庁がはつきりした見解を表明されることがきわめて適切であると信じますから、この機会に長官のお考えを伺つておきたいと存じます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 私もこの佐賀県の事態はこの間の第二回目の事態、さらにその前の第一回目の事態、全体を見てきわめて憂うべき事態であることを非常に心配しております。第二回目の事態につきましては、今まで中開報告を一度お聞きしたのでありまして、大体ただいま御指摘のような事情も承知をしたのでありますが、ただ当時はまだ一方的な意見だけを聞いておつた。もちろん中間的にいろいろなお問い合せがあつて、それをある過程の上においては法律の解釈はこういうぐあいになるという回答はしておるけれども、事実が十分つかまれておらないので、もう少し事態を十分究明した上で、最終的な判断をいたしたいということで一方側の意向はまず聞いたから、もう一つ反対側の方々の意向も十分聞いた上で、最終的な判断をしたいということで、まだ私はその後の最終的な判断はしておりません。おそらく行政部におきましても、よりより資料を集めて検討しておると思います。もし必要でありますならば、別の機会に担当部長とともに呼び出していただいて、なおお尋ねいただきたいと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 近いうちに資料を集めて判断したいということでございますが、時日を遷延いたしますと、既成事実というものが次々に重ねられて行く、これは将来非常に困つた事態になりますし、各府県においても今地方議会が開かれて、同様な事態になるような傾向にございます。従つて早急に自治庁の見解なり判断が必要であると考えますので、いつごろまでに積極的に調査をなされて、両方の言い方を聞かれて判断なさるか、その時期とそれに基く勧告をなさる御用意があるかどうか、その点を重ねてお伺いいたしたいと存じます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 問題は御指摘のように重要でありますので、なるべく早く調査をして結論を出したいと思います。また勧告をする必要があるかどうか、どういう形式の勧告が考えられるかも検討いたしまして、必要ならば結論を得次第出したいと考えます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 急ぎ調査することについては私も了承いたしますが、必要があれば勧告するという、いわば逃げ口上のようなこともございましたが、これは有効、無効について、片方は無効であると告発もしておる。一方はかつてにやつたのだ、記録も何もない、こういう争いに対しましては、やはり自治庁として普通は強い指示もなさつておるようでございますが、この議会の議決の有効無効については必要によつてではなくして、必ずいずれかに勧告なさるように重ねて希望し、あわせてお尋ね申し上げる次第であります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 事柄の性質上あるいは指示ができないのかもしれません。しかしそれが有効であるか無効であるか、それから違法であるか合法であるかということに対する判断を求められれば、それに対する回答を出すという形になると思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 委員長にお願いをいたしたいと思います。お聞きのような状態でございまして、地方行政にとつては私は非常に重要な問題であると考えております。一佐賀県の問題ばかりではないと考えておるのであります。この点についてはいろいろ後刻お話もあるかもしれませんが、当委員会におかれましても自主的な立場から、混乱した収拾のつきかねておる佐賀県議会の実情についても、またその他の方法について御検討を賜わりますようにお願いを申し上げておく次第でございます。

中井一夫自由党

○中井委員長 承りましたからよく善処いたします。  それではこの機会に皆さんにお諮りをいたします。御承知の通りこのたびの委員会は本日をもつて終了いたすはずであつたのでありますけれども、皆さんの御質疑は尽きず、かつ地方行政問題として重要な問題がなお残されておりますので、皆さんの御意両に従いましてもう一日これを延期する。時間は明日午後一時よりこれを開始する、こういうことに御決定をいただきたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 それではさように決定いたしました。     ―――――――――――――

中井一夫自由党

○中井委員長 それではこれから引続き大蔵省関係について審議を進めることにいたします。従いましてその余の関係当局は御退席くださつてよろしゆうございます。――大石さん。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 石村政務次官に質問をいたしますが、大衆旅館とはいかなるものをさして申すのですか、詳細なる説明をいただきたい。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 遊興飲食税法にいう大衆旅館のことと存じますが、あの大衆旅館という文句は、十九国会で地方税法を改正するとき、非課税範囲をきめるときに大衆旅館云々ということが国会できめられたのであります。     〔委員長退席、加藤(精)委員長代理着席〕 それでその大衆旅館の定義は、法律には載つておりません。政令によつて定める、こういうことになつていると思います。そこでこの政令は御存じのことと存じますが、政令による大衆旅館というのは、こういうものを言うのである。風俗営業取締法の許可を受けなければならない営業の用に供さない客室の数がその旅館の客室の総数の十分の八以上である、こういうことであります。それから二に、一人一泊の宿泊料金の額が七百円を越えない客室の数が八割、つまり七百円以下の部屋が八割。それから三が旅館の構造、設備とか宿泊者その他の状況から、旅行者の宿泊を主たる目的とする、こういうこと、それからその旅館の宿泊料金は、つまり部屋代と食事とをわけて、それで部屋代が七百円、これを合計した場合には、部屋代が幾らであるかわからないから、六、四の割で部屋代が六とみなす、こういうことであります。こういうふうな各項がみな一致した場合に都道府県知事が指定する、大体こんなふうになつております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうしますと、いわゆる木賃ホテルは大衆旅館の中に入らぬのですか、その見解を聞きたいのです。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 木賃ホテル、昔俗に言う木賃宿、今簡易旅館こんなふうに言つておりますが、これもむろんごく安いので、部屋代も七百円以下のことは当然きまつております。だからこの大衆旅館の中に入る。つまり非課税対象になるわけであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私の京都は非常に不合理な点がありまして、安い旅館が大衆旅館の中に入つておらぬのです。そうして遊興飲食税をとられる。それで門司先生が室料を七百円とするということは非常に違う、三百円か四百円をと言われたが、門司先生の言われたことは非常に合法的なことである。そうして私たちが安い旅館にとまるほど遊興飲食税をとられて妙なことになる。とにかく高級旅館に属するものでないと、室料を七百円もとるというところはめつたにありません。それはあなたのようなりつぱな部屋のところだつたら、七百円とつてもよろしい。けれども百円とり二百円とりしておるものが、非常に不合法な法律、政令を施行されて困つておるのですが、これはいかようにしたらよろしいでしようか、最も尊敬するあなたにお聞きしたいと思います。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 安い旅館が非課税になつていない、こういう……。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 ええ、そうです。それが矛盾しておるのです。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 それは矛盾していますが、どういう例でしよう、ちよつと解し得ませんが……。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 たとえば宿泊料がかりに三百円――それは部屋代じやなしに、一泊三百円とします。そうするとそういうものには遊興飲食税がつく。この矛盾があるのです。そうして京都あたりで七百円というような室料をとつておるところは、それは高級旅館であつて、われわれが先日つくつた地方税法は、高級旅館を擁護する意味においてつくつたような法律になつておる。この矛盾を私も痛切に感じてあなたにお聞きしたいと思います。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 今例でお尋ねになりましたが、たとえば三百円、つまりさつきちよつと申し上げた部歴代と食事を合計して三百円、わけてない、こういう例であります。その場合ですと、百八十円が部屋代でこれは非課税、それで原則としては食事の百二十円には一割つく。しかし簡易宿泊の場合ですと、大体都道府県といいますか、それと業者と話合いでとらないようにしておるような事実をよく聞いております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 簡易宿泊所が大衆旅館になつておらないから、この矛盾をいかにするか、これはどうですか。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 今の簡易宿泊所が大衆旅館のわくに入つていないということは、ちよつとあり得ないと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 しかし政令で入つておりません。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 入つております。あなたのおつしやるのは簡易宿泊所でしよう、さつき木賃旅館というふうなことをおつしやいましたが……。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 政令に入つておりません。京都では簡易宿泊所は大衆旅館のうちに入つていないのです。大衆旅館とは、高級旅館を称して大衆旅館となつておる。この条例をつくつておるのです。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 そういうことはこの法の精神及びこの政令の文面から見てもあり得ないことです。もしあつたら間違つています。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうしたらあなたからこの点をはつきりしてもらうように、あなたは政務次官になられたのですから、はつきりと自治庁からこれを全国に通達していただきたいのです。京都あたりでも大衆旅館というものは非常に困つておるのです。たとえていうと、柊屋とかああいうようなりつぱな宿屋は宿泊料を七百円ぐらいとつております。そういうところへ一般の大衆はとまりに行かないのです。そうして二割の遊興飲食税がつく、こういう矛盾がある。これは条例でおそらく各府県できめていると思うのですが、この条例を統一するようなことに通達してほしいと思います。責任が持てますか、いかがでございますか。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 あなたの先ほどからおつしやる簡易旅館、小さい旅館が非課税の中へ入らぬというのは、ちよつと御質問がぴんと来ないのですが、浮浪者をとめるような簡易宿泊所、こういう意味でしよう。(大石委員「それも含んでおります。」と呼ぶ)それから続けて、浮浪者のための定宿のようなものは課税対象からはずしていると、こう解釈していただきたい。それから今おつしやつた、つまり大衆旅館、一口に安い旅館、それが非課税対象になつていないという御趣旨らしいですが、これも先ほど申し上げました四つの条件に当てはまつておれば、必ず大衆旅館のわくへ入れべきものです。但し安い旅館でもそこに、たとえばその常業の状態がおもしろくない。つまりなお具体的に申しますれば、たとえば特殊婦人を置いておくとか、それとあつせんを始終する。それがほとんど主たる常業目的というのですと、道府県知事もこれを推定しないということもあり得る。普通の旅館でありますれば、当然使い旅館がまず第一番に対象になるべきはずであります。そしてこれは大石さんの御質問を、なおお察しして話しますと、先ほど申し上げました旅行者云云、これにいろいろ疑義が各府県で出て来ておるようでありますが、自治庁としては、旅行者とは商用であろうが、レクリエーシヨンであろうが、旅行する人はどこまでも旅行者である、こういうふうに解釈しております。ただそれ以上つつ込みますと、この旅館の特に食事もほとんど提供しない、部室を休憩程度に使う、こういうのが大分問題になつておるようであります。     〔加齢(精)委員長代理退席、委員長着席〕

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 この問題は昨日から実は東京都のこれらの営業者から陳情を受けておるのであります。今の自治政務次官の説明のありまするように、政令の四十二条の一項の解釈が、一つには大きな問題になると思います。それからもう一つは旅行者の定義でありますが、法の精神というものはちやんと何も歩く者だけが旅行者でありませんし、富山の薬売りの人が常宿としてそこにおとまりになるということも、これは旅行の一つであるとみなすべきである、こうおつしやるならば、法をこしらえるときに、そういうものを中心としてわれわれは考えたのでありますか、ただ問題になりますのは、東京都においてもし陳情にありますように、簡易の宿泊所、大衆の旅館と目されるものに税金をかけておるとするならば、これらの問題の疑義の点が私は十分に解明されておらないと思う。そこで私は委員長にお願いしておきますが、あした税制をやりますならば、東京都のこれの係の人に来ていただきまして、東京都でどういう取扱いをしておるか聞いた方が早いと思う。そうして自治庁に判断してもらつた方が早いと思う。そういう取扱いができますならば、私は明日の会議にでも、東京都の税務の係の人に来てもらつて、東京都ではどういうわけで、こういう簡易の大衆旅館と目されるものに一体遊興飲食税をかけておるのか、その点を明確にしていただきたい。そうしないと全国的にこういう問題が起つて来る。委員長ひとつそういうふうにおとりはからい願いたいと思つております。

中井一夫自由党

○中井委員長 了承いたしました。それではただいま門司君の御発議にありました東京都の当局者を参考人として喚問することに決定いたしましよう。  そこで質問いたしたいのですが、大阪府では高級旅館も何もかもみんな旅館業者に対し、無税扱いのようなことに指定をしてしもうたというような話があつたのですが、それを数日前に耳に入りましたから、そういう事実がありやいなやを取調べるよう、自治庁に申しておきましたが、その点はまだ取調べは参つていませんか。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 先ほど門司委員からお話がありました通り、これは率直に申し上げますと、全国各県が一様にまとまつておりません。最初は相当混乱しておりましたけれども、自治庁で各府県の税務課長会議をやつたり、いろいろな機会をとらえて、これが混乱を避けるように調整に努めておつたのであります。各府県ともだんだんに話がまとまつて来つつあります。そこで目下全国の指定がどういうふうな程度に指定ができたかという調べを取寄せておりますので、なるべく全国的のあり方を見て、これは全国一様に取扱われるようにしなければならぬ、こう考えているわけであります。先ほどもお話がありました旅行者というのは、非常に解釈を各府県がいろいろな解釈――私は府県が法律に及び政令をすなおに読んでくれれば問題は解決すると思う。それをいろいろと無理に曲解して解釈したがるのはまことに遺憾でありますが、そういう点をなるべく早く調整いたしたい、こう考えておつて、今指定の状況等を調べておる次第であります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 実は政務次官にお願いしますが、京都の高い宿にとまつたらかえつて宿泊料が安くつくのです。これは室料でしようが七百円などというものは実際京都にも数少いので、これは高級旅館を擁護するために法律をきめたようなものである。そうして二、三百円でとまるものは遊興飲食税がとられて、高いものはそうでない、こういう矛盾があるのです。その点ひとつ京都の方を調べていただきたいと思います。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 よく調査いたします。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 それからもう一つ。京都府が赤字財政で否決された。近々もし地方行政委員会を開会されるときには京都府知事を参考人として呼んでいただきたい。

中井一夫自由党

○中井委員長 了承いたしました。北山君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私は地方財政について大蔵省並びに自治庁の方にお伺いしますが、先ほど警察費の問題が出ておりましたが、警察費については本年度の不足が七十億ないし百億、それを吟味すればまだ少くなるかもしれないというようなお話がありました。そこに疑問があるのでありますが、要するに自治庁なら自治庁の警察費の算定基準によれば四十億ということになり、実際に支出する額になれば七十億あるいは百億円になるというような現象を呈しているのじやないかと思う。そうするとそれはどういう原因によるか、まあ想像すればそれは、たとえば本年度において警察職員を一万人整理するということを基準にして、警察費を算定しているのじやないか。ところが実際にはそれほど整理が進まないで、相当定数外の警察職員を各府県でもつてかかえている、それは現実に人がおるからその分は予算をつけて払つておかなければならない、そういう部分が相当あるのじやないか。それからもう一つは、国警から府県警察の方に移つた警察官の給与について警察側の方からは若干これを上げてくれというような要求があつて、府県の方ではそれを入れて多少上げているのじやないか。それは基準以上であるからやはりこれもはみ出して、府県の負担になつているというような、事情によつてそういうようなことがおもな原因で、今のような差額が出ているのじやないかと私は想像するのですが、いかがですか調査の結果は……。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 大体おつしやるような事実は入つております。  それからもう一つ臨時経費として庁舎その他の修繕費というか、新築費というものが相当入つているようであります。そういうものは私どもは従来のまま引継ぐということでありますので、実は見ておりませんので、その辺の差額があります。つまり臨時費が相当入つております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そういたしますと、人員整理という問題も初年度一万人ですか、三箇年でもつて三万人整理するという一応の基準を示しておる。ですがこれは必ずしも計画通り進まないということになれば、やはり府県の財政をその面だけ余分に圧迫をする。それからこの給与の調整の方もやはり今後さらにその調整額がふえて来るであろう、こういうことになつて、今までの分以上に府県の警察費の負担というものがふえて来るのではないか。本年度はその程度で済んだのでありますが、来年度もまたさらにその圧力が加わつて来るのではないかと思うのですが、いかがですか。

後藤博総理府事務官(自治庁財政部長)

○後藤説明員 どの程度来年度に圧力が加わるが調べてみなければわかりませんか、大体四十億ぐらいの財源不足があるとすれば、それに見合う六十億くらいのものはふえて来るのではないか、こういうふうに私どもは考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そういうことになれば、結局警察の移管によつて道府県警察というものをつくつたことによつて、主として人件費関係を請負つて府県が非常に困るということになるわけなんです。そうしてみればやはり教育費についても同じでありますが、これは自治体警察であるという一応の趣旨はございますけれども、むしろ人件費において半額を補助するとか、そういう方が適当ではないか、かように考えるのですが、大蔵省としてはどういうお考えを持つておるか承りたい。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 ただいまお話の警察費の不足問題につきましては目下自治庁、大蔵省、警察当局と三者合同で研究しておる過程でございまして、従つて数字が今おつしやるようにいろいろ食い違いがあるようでございますが、それらの共同調査の結果がまだわかつておりません。それから今半額負担するようにしたらどうかというお話がございましたが、これは新しい立法論と考えます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 この際問題はちよつと別でございますが、大蔵省にお伺います。  最近問題になつて来ておる火災保険の公営問題でありますが、これについて大蔵省側のお考えをお聞きしたいのです。というのは私どもから考えますと、この委員会でもたびたび問題になりましたが、火災と消防という関係で、市町村が消防の負担をいたしておるわけです。それを計数的に調べてみますと、火災の損害というものは一箇年平均で約二百六十億と言われております。ところが火災保険の損害といいますか、それは二百三十億、これは保険料が約三百億集まつて七十億保険金として還元されますから、差引二百三十億というものが火災保険の損害になるのです。一般からいえば二百三十億を火災保険のために負担しておるというかつこうになつておる。それ以外にもう一つ、消防費を負担しておる。消防の予算は昭和二十七年度で、市町村の消防費を見ますと百七十一億、おそらくこれは寄付金等を入れますと三百億近いものが消防費に使われておると思うのです。ですから消防費のために巨額の負担をしておるというかつこうになつておる。市町村においては消防の経費のために相当困つておつて、それでなかなか整備ができないでおるというわけです。そのために当然財源というものを考えて行く。その財源として火災保険ということを考えるわけなんです。全国の市長会が中心になつて簡易火災保険というものを市町村が経営をするというような案があるのでありますが、私どもはやはり一つのおもしろい案である、かように考えるのでありますが、大蔵省としてはどういうふうにお考えになりますか、その考えをお聞きしたい。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 ただいまお話のように市町村が保険事業を営むという問題はかねがね懸案になつておりまして、今から四、五年前にもたしか東京都が保険を営み、その収益でもつて消防設備をよくして行くというような話の出たことがございますが、そのとき以来大蔵省といたしましては、保険に関しましてはやはり民営の保険がございますし、専門家でないとなかなか保険事業というものはうまく経営できないということもございまして、民業との関係もございますので、否定的な結論を出したような次第でございまして、今もつてその態度はかわつておらないのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それならはお伺いしますか、保険料を一箇年に三百億集めて七十億しか保険金を還元しておらないという事態に対しては大蔵省はどういうふうにお考えですか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 保険料金が高い、安いという問題だと思いますが、これは終戦後保険業界というものは例の戦時補償の打切り関係で非常に圧迫されまして、困難な経営状態を続けて来たわけでございます。それで今までは保険料が高いという非難も大分ございましたが、近時民間保険にもだんだん力がついて参りましたので、経営の合理化等を十分させまして、保険料をなるべく安くするように仕向けておる次第でございます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それにしても非常に保険料と保険金との開きがあり過ぎる。しかも経費は保険料の五〇%、百五十億というものを経費に使つておる。経費がかかり過ぎておる。もしも公営にすればこんな経費はかからない。それだけの負担を保険の加入者が負担をしておるということになるわけなんです。これをもしこのような経営を市町村がやればまるでなつておらぬ。むだな経費をかけ過ぎておるというような批判が当然起るでありましようが、民営の場合にはそういうことを認めておられる。私はあまりにこの差がひど過ぎると同時に、最近における損保業界の成績はよく私もわかりませんが、たしか先般あたり相当な増資をしたはずなんです。その増資は保険業界としては必ずしも増資は必要ではないと思うのですが、増資をして無償株を株主に配当しておる。それほどまでもうかつておる。ですから株が高い。要するに大蔵省が保険料をきめたり、あるいは保険会社をそれだけ保護しておる。それだけ保険料をかける加入者が負担をしているのじやないか、だから当然私どもは公営事業というものに考えが及ばざるを得ない。しかも保険会社というものは一体火事を消すためにどれたけの努力をしているか、何の努力もしていないじやないか、火事を消す方は市町村の消防が消すんだ、消した利益は保険会社が受けるんだ、これは不当利得なんです。もうけがもしできたとすれば、そのもうけは全部国にこれを納めなければならぬ。これは当然です。不当利得なんです。何のサービスもしておらぬ。金を集めて保険事故によつてわけ与えるだけの社会的なサービスだけしかしておらぬじやないか、そういうものを一体民営にしておくことに、どういう理由を大蔵省は考えておられるのか、ちつともわけがわからぬ、その点についてお考えを聞きたい。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 保険会社の経営の合理化の問題と関連するかと思いますが、この保険の料金と損害に対する保険料の支払い額というような事柄に関しましては、高等数学的な非常にむずかしい計算があるようでございますが、なおかつ保険料が高いというお話につきましては、今後十分安くして行くようにするのでございますが、その代案として今申されておりますように公営でやる、市町村等で保険を営んだならば必ずもつとうまく、安く行くというお話でございますが、この点に関しましてはわれわれは、そういう保険に従来専門でない市町村等が保険を営まれて、必ずうまく行くかどうかということに対しては、疑問を持つております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は、今の保険の場合は、あとからひとつ聞くことにいたします。今の答弁では非常にふに落ちないことがある。  先に政務次官にお聞きしておきたいと思いますことは、過般官公労の諸君と私大蔵省に参りまして、山本次官にお会いをいたしました。地方の自治体の赤字をどうするかということ、同時に、赤字の解消をしなければ、なかなか地方の公務員諸君の給料も上げるわけには参らない。このときの陳情は、主として年末手当あるいは賃金ストツプ等に対する善処方の要望であつたのでありますが、その際大蔵政務次官としての御答弁の中に、地方の財政の困難は知事が公選であるからというお言葉があつたのであります。この言葉はおかしい。今日の地方行政を受持つておりますわれわれといたしまして、ことに政府の大蔵省の政務次官に、知事が公選であるから、地方の財政に赤字が出るのだというお考えがもしあるとするならば、これは相当検討すべきである。先ほども次官は、社会保障的の費用、いわゆる援護費用等の濫給があるというような言葉をお使いになりましたが、これらについても、あるいは研究課題としてのそういう問題は私はあるかと思う、必ずしもないとは申し上げません。しかし少くとも大蔵省の次官が公の機会において、そういうことを言われたということにおきましては、何らかの確固たる証拠があると私は思いますので、知事公選によるいわゆる地方財政の赤字がどこから来ておるかということの大蔵省としての見解をはつきりこの際承つておきたい。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 地方財政の赤字の原因がどういうところにあるかということは、今日地方財政のその問題が各方面から注目されているだけに、方々で研究されておりまして、原因は二つ三つにとどまらないと思うのでありますか、その一つとして、知事公選制にも原因があるということを申したのでありまして、これが唯一の原因であるというふうに申した次第ではないわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 唯一の原因であるかどうかということについては、八月十三日の閣議において、自治庁の長官は、今日の赤字の原因は、国の補助金あるいは補助事業等の単価の見積り等が実情に沿わなかつたということが一つの大きな原因である、その次には、昭和二十八年度と言つておりますが、国庫負担金の未清算的のものがいまだあるということ、さらに国の緊縮予算により市中銀行からのつなぎ融資が非常に困難であるということが、今日の地方財政のやり繰りのできない大きな原因であるということを閣議で発言されておる。そこで、一昨日でありますか、塚田大臣にその話をすると、そう言つたと言つておる。私は、今日の地方財政の窮乏というものが、閣議において大臣がいろいろな発言をされておりますが、こういう発言をされなければならぬほど事態は明瞭になつて来ていると思う。濫費と言われるものが一体どういうものであるかについての実例を、この際あげていただきたいと思います。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 ただいまお述べになりましたようなこと、つまり自治庁長官か大臣としてお述べになつたこと等も、地方財政赤字の原因だとむろん考えております。知事公選制が赤字の原因であるということの実例を示せというお話でございましたが、これはなかなか的確に申せない事柄でございまして、一般によく言われることとしては、知事公選制であるがために、特に選挙が近づきました今日のごときは、やはり府県民に迎合するためのいろいろな施策をやられるというようなことを言われておりますが、どういう事例がどこにあるかと言われますと、私は今ここで申し上げられません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私がこのことを聞いておりまするのは、自由党の地方行政に対しまする一つのものの考え方、さらに財政に対する処置等について、われわれは非常に不満を持つておるのであります。大蔵次官も、次官としておいでになります限りにおいては御存じだと思いまするが、今日の地方財政の赤字は一体どこから来ておるかということは、長官の言われた三つの理由のほかに、財政規模の見積りに非常に大きな誤りがあるのではないか。これは動かせない事実だと思う。昭和二十四年までの地方財政はあまり赤字がないのであります。二十五年から赤字が出て来ておる。シヤウプ勧告に基いて従来の配付税法をやめて、しかも配付税の配付の額を、当時所得税、法人税の三三・一四という法律のあつたものを、自由党が一六・二九に切り下げたことは御存じの通りであります。地方の財政調整金とも言うべき配付税の額を半分に切り下げて、これを基調として地方財政平衡交付金が組まれているということ、いわゆる地方の実財源を非常に大幅に地方の自治体が失つたということ、ここに私は大きな原因があると思う。おそらく何人といえども否定できない事実だと思う。この赤字が累積されたものが今日の状態である。もし今日の地方財政の赤字の原因がそこにあるとすれば、私は自治庁長官の言葉に関連してさらにつけ加えたいのである。現在地方の自治体の行政事務にさしつかえるような地方財政規模の見方に誤りがあるのではないか。これは長官もやはりそういうことを前提に言われております。今の大蔵政務次官のお言葉でありまするが、港間そういうことを言われるかもしれない。しかし今日の自治体は、住民の意思と住民の意欲によつてなすべき仕事がたくさんあるのである。これを知事が行つたからといつて、その仕事は行き過ぎだ、その仕事はよけいなことだということが、一体言えますか。  国の行政あるいは国の財政は一体どうなつておるか。地方におきましては、御存じのように、仕事はたくさんあるのであります。自動車は非常にふえている。戦争前のニトンのトラックか四トンになり、八トンになり十トンになつている。いなかではバスがすれ違うことのできない県道がたくさんございます。これは金があれば、もつと県道の幅を広げなければならぬ。これは国の行政の一つの大きな間違いだと思う。もし必要があれば、住民の意欲があれば、そういうことを知事がすることはあたりまえのことである。  だからこの際大蔵政務次官に聞きたいことは、大蔵省は地方の行政をどの程度まで行えばいいとお考えになつておるか。知事は何もしなくともいいのだ、国からあてがわれただけやつておればいいという考え方か。自治体としては、地方の住民の参画するいわゆる住民自治の建前から、少くとも市町村あるいは都道府県は行政を行わなければならぬということは当然であります。一体大蔵省はこれを否定するのかどうか。国から言いつけられただけやつておればいいというお考えであるかどうか、この点はつきり聞いておきたと思う。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 あえて地方に限らず、中央においても、やりたいこと、なすべきことは山ほどあるのでございますが、そこはやはり財源に制約されることはやむな得ないのでありまして、地方でも、財源の許す範囲内で地方で有用な仕事をおやりになる分には一向さしつかえないのでございますが、そのしりと申しますか、それが中央の財政におつかぶつて来るということでは、これはやはり中央の財源にも制約がございますので、限度があるかと思うのであります。ただ県知事、府知事等は国から言われた仕事をそのままやつておればいいというものではないのでありまして、地方自治の制度がしかれておるのでございますから、有用な仕事、必要な仕事と思うようなことを、どんどんおやりになることは一向さしつかえないのでございますが、財政の基礎ということをやはり考えていただいて、財源の許す範囲内、力の範囲内においてやるということでなければならぬと思つております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私はそれだから申し上げておるのでありまして、自治庁長官の言つておりますように、国からの補助あるいは分担金というものの事業予算に対する見積りが低かつたということ、だから今日の府県で、もしあなたのお考えで行くとするならば、国から二分の一の補助をもらうのであるならば、それに見合うだけの県の財源を出して仕事をしておれば、赤字は出ないのであります。しかしそれでは計画しただけの仕事はできないのであります。学校一つ建てるにいたしましても、十五教室がかりに必要であるといたします場合に、国から出た半額の補助金では十一教室しかできない。それで県の住民の意思に沿つて県が必要とする三教室を建てようとすれば、少くともこれは県の自弁の費用になつて来るのであります。それは二分の一の補助があればなぜ二分の一全額しないのか。国は財政の都合であてがい扶持をきめておいて、実情に沿わざる補助金を出しておいて、それから先知事が仕事をしたからやり過ぎたという議論はどこにありますか。もし大蔵省の次官がそういう御意見であるなら、一体将来において実際に即した、実情に即したたけの補助金をお出しになるお考えがあるかどうか。もしそのお考えがあつて、これを完全に自治庁、大蔵省で実施ができますならば、あるいは十分なる財源を与えておるならば、それ以上やつたものはあるいは知事のやり過ぎかもしれません。しかも今日の赤字の中にはそういうものが大部分であるということ、これが累積されたものであるということです。従つてここではつきり聞いておきたいと思いますることは、もしそういう御答弁であるならば、先ほど申し上げましたように、大蔵省としては実情に沿うだけの補助金を一体お出しになるお考えがあるかどうか。この点をひとつはつきり聞いておきたいと思います。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 従来その種の補助金の算定の場合に大蔵省の見積りが辛目であつて、実情に即しないという批判は承つておりますが、しかし国家の財政にも限度がございますので、たくさん出したいのはやまやまでございますが、その意に沿わないことを御了承願いたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私はそういうような言い訳では通らぬと思うのです。少くとも大蔵次官が知事の公選が赤字の原因だと言つておる以上は、もう少しけじめをはつきりしていただきたいる今日の日本の行政というものは、昔のようなあなた方のものの考え方で、国が言いつけただけやればいいのだ、国の手足だというようにお考えになるのは非常に大きな誤りですよ。地方の自治体はどうしてもやらなければならぬ仕事がたくさんあるのです。それをやり過ぎたからけしからぬと言う、しかも国は十分なる手当をしておらない。知事が公選になつてやり過ぎたというなら、まず国が満足な手当をしなさい。それから小言を言いなさい。それから小言を言うなら話はわかる。しかし国がやらずにおいて、そうして地方の知事が仕事をすればけしからぬと言う。しかも今日の民主行政をやろうとすれば――昔のような官吏ならそれでいいかもしれませんよ。知事が官選になつて、そうして官吏になつて、人事の交流ができれば立身出世ができるかもしれません。しかしそれでは日本の民主主義は完全に守れますまい。官僚のものの考え方というものが日本を今日のような状態に導いたことはあなたも御存じでしよう。官僚のための国家ではないということである。住民のための府県制だということである。大蔵省の次官ともあろう人が、しかも公開の席で、濫費があるから、あるいは濫給があるからと言うので、さつきも私腹にすえかねたのでありますが、地方の自治体というものは役所でお考えになつておりますような法律の一片やあるいはりくつだけでこねられるものではありません。現にそこにあすの生活ができないからといつて泣きついて来ておる者を、金がないから、法律がこうなつておるからといつてはねつける、あなた方は役所でそれはやれるかもしれません。しかし現実に市役所の末端、県庁の末端におります者、そのあわれな国民自体に直接接しております者は、法律はこうなつておるからお前は首くくつて死んでしまつてもいいのだ――これは自由党の池田さんかそういうことを言つておるから、あるいは自由党の考え方かもしれませんし、大蔵省の一貫した意見かもしれませんが、しかし少くとも最前線におりまする市の吏員あるいは町村の職員、県庁の職員はそれは見のかせないのであります。少しはむりがあると思いましても、現実に食うに困つており、現実にあすの生活をどうして行くかという者につきましては、法律的に解釈して参りますならは多少ははずれておると言えるかもしれませんが、そこは行政の一つの技術です。その人の考え方によつてこれはなさるべきである。そこに私どもは自治行政というものと、民衆というもののつながりか出て来ると思う。あなた方は中央においでになりますと、何でもかんでも法律一辺倒でいいかもしれない。計画だけをお立てになり、それを実行するように紙で通知されればそれでいいかもしれません。しかし前線におります者は、ほんとうに食うに困つて、親子があすの生活をどうしようか、きようのお昼のパン代をどうしようかと泣きついて来ておる者を、府県あるいは市町村で、け飛ばすわけには参り喜ん。われわれはこうした市町村の実態というものが大蔵省にわかつていないと思う。ところが、さつき申し上げましたように、ないしよの話としてはそういうことがあるかもしれない、あるいは気をつけなければならないことがあるかもしれないが、しかし公の機会に次官の口から、濫給がありはしないかとか、あるいは濫給があると思うとか、あるいは知事の公選がこういうことになつたということになりますと、これは容易ならざる問題だと思う。私は単にこのまま聞きのがすわけには参りません。もしあなた方がそういうお考えであるならば、くどく申し上げるようでありますが、その実態を明らかに示してもらいたいということと、それからもう一つあなたに聞いておきたいと思いますことは、府県行政というものは事業行政の中で一体どこまでやればいいと大蔵省はお考えになつているか、一体どれを目安にされているか、道路行政はどこまで、あるいは土地改良はどこまで大蔵省はお考えになつているか、あるいは民生安定の諸般の仕事はどこまでお考えになつているか、大蔵省で目安があるならは示してもらいたい。それ以上やつているものがあればけしからぬと言えるかもしれませんが、大蔵省にその目安がございますか。これをはつきり示してもらいたいと思います。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 知事の公選制の問題につきましては、世上いろいろ議論もございますが、私個人といたしましては、日本の終戦後与えられた地方自治の中には国情に適していないものがあるじやないかということを考えております。  それから地方はどこまで仕事をやればいいかというお話でございますが、今日地方自治の建前でございますので、地方が自治的に判断すべきものでありまして、そのうち事業の種類等によりまして、国家がこれだけ、三分の一あるいは二分の一といろいろな場合がございますが、補助するという建前になつておりますので、そのわく内において地方は大いに自治的にやつていただきたい、こういうふうに考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今の答弁でありますが、私は非常に遺憾に考えております。少くともあなたがさつき言われましたように、知事がやり過ぎたから赤字が出たというなら、国に何か目安がなければやり過ぎたということは言えぬはずです。国家の事業計画を見てごらんなさい。どういうことが書いてありますか。今日の府県の行政の中で一番大きな行政であるとされている教育行政を完全にするために、六・三制の実施、老朽校舎の廃止、二部教授をなくすること、あるいは寒冷地帯に雨天体操場を設けるとかいうようなことは国の一つの方針だと考えているが、この方針を実行するためにどれだけの金がいりますか。保健衛生関係で下水を都市に設けること、あるいは上水道を都市の八五%、あるいは農村に五〇%から六〇%という目安を置いで参りまして、それに対する事業予算がどれだけいるか。あるいは道路行政については、今日狭隘になつております町村道から府県道に至るまで、今日の交通行政に匹敵するだけの道路の幅員を持とうとするならば、一体どれだけの金がいるか。これはすべて地方行政のようでありますが、一貫した国の行政でなければならない。国にその計画がなければならないし、またあるはずです。もしそういうものがないと政務次官が言われるならば、各省の事業計画を取寄せてごらんなさい。どういう数字が出て来るか。私の手許にあります各省の事業計画を総体的に考えてみますると、少くとも三兆以上あるいは四兆の国、地方を通ずる金がなければ、ここ十年間、あるいは住宅計画のごときは三十年でもいいと思いますが、その間にそれらの諸般の問題を解決して、そして日本が国、地方を通じてこれで何とか文化国家らしいものができる――安心して働き、安心して住め、安心して交通のできる状態になるということが言えるのであります。この国の事業計画は一体何のために立てられているか、大蔵省かそれを知らぬはずはないと思う。だから、今のようなお考えであるならば――私は決して今日の地方の自治体はやり過ぎではないと思うが――あの事業計画をよくごらんなさい。どれだけ金が必要か。もちろん四兆以上いるでしよう。もし一々言えというなら私は申し上げてもよろしゆうございます。ちやんと文部省は文部省で計画を持つており、建設省は建設省で計画を持つており、厚生省は厚生省で計画を持つておる。その計画を完全に実施することによつて初めて日本の行政というものは完全に近いものができ上る。従つて私はそこをめどとするならば、これは政務次官のお考えは大きな間違いであると思う。だからそれを私は政務次官に発表してもらいたい。大蔵省としては日本の諸般の行政をここまでしたいということについての国の総合計画に対する総予算を一ぺん発表してごらんなさい、どんなものかでき上るか。そういうものが出されて、それ以上府県がやつておるというなら、それは無理ないかもしれぬ。(「それはむずかしいわ」と呼ぶ者あり)加藤さんはむずかしいと言つておるが、現実に各省は予算を持つておるじやありませんか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 各省がそれぞれ所管の事柄につきまして、非常にいろいろな計画を持つておられることは承知しております。また各省として当然でございますが、申すまでもなく結局財政の面で制約されるのでございます。やりたい仕事は国としても地方としても山ほどあるのでございますが、やはり金がなくちやできないのでございますから、その金の面から地方等に対しましてもきゆうくつな思いをしていただいておるのは、たいへん恐縮に存じておりますが、これまたやむを得ないと、この点も御了解願えるのではないかと思うのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 政治的にそういう答弁もあるいは必要かもしれません。しかしさつきから申し上げておりますように、知事が公選であるから赤字が出たということだけは、私はどうしても当らないと思う。地方の住民の要求にこたえてやつておることに違いない。それは時期的にはあるいはあなたの御答弁のごとくであるかもしれない。来年が選挙だから、できるだけことしはよけいに道路の予算をとつて、砂利でもまいてやれということもあるかもしれない。あるいは道路とか公園とか、ことしできるだけやつておいてやれということかあるかもしれない。けれどもそれがあるからといつて、私は決して地方の自治にはむだではない、でき得るならばそれをやるべきだと思う。それを完全にやらせようとするのには、少くとも今日の自治体の状態から言えば、国がやるべきものを十分にやつておれば私は今日のような赤字は出なかつたと思う。国がやるべきものをやらずにおいて、そうして地方の自治体の長が少し仕事をし過ぎたといえば、すぐ知事がけしからぬというようなことが一体どこに言えるか。大蔵省が悪いのじやないか。大蔵省がここで地方のすべての補助金、事業費等に対して、実情に沿うだけの金をやるという言明かできるのなら、あるいはそういうことも、多少地方の自治体をたしなめることができるかもしれない。自分の方はやるべきものをやらずにおいて、少し仕事をし過ぎたからけしからぬというのは官僚的なものの考え方だ。自分のやつていることはいいが、人のやつていることはけしからぬというのは、官僚の最も悪いくせだと思う。小言を言うようでありますが、この際ひとつ来年度の予算には、この実情に沿うだけのものを必ず出すという言明をしておいてもらわなければ困ると思うのです。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 金が幾らでも出せるものなら幾らでも出したいのでございます。それで今地方がやつている仕事が不必要なものでないとおつしやるのでありますが、確かに仕事としては重要なものばかりでございましようが、これは中央においても同じでありまして、中央でもやりたいことの何分の一しかおそらくやつていない。結局金の面に制約されるということはやむを得ないことでございますので、地方か計画しているこの計画に相応するように、全部金を出すという言明をしろとおつしやいましても、私はできません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は地方の総額を出せと言うわけではありません。少くとも地方の実情に沿うだけの支給をしてもらいたいのであります。地方の要求を全部いれろとは決して申すわけではない。地方の実情に沿うだけのものを出せと言うのだ。これが一体あなたは出せますか。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 実情に沿うだけというところにいろいろな見解ございまして、従来大蔵省は渋かつたかもしれませんが、そこに問題があるのでございますから、地方の実情に沿うだけ出せとおつしやいましても、これまたはつきり出すとは申しかねます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 もう私もこれ以上聞きません。聞いてもおそらくあまりはつきりした答弁は得れらないと思いますが、しかし今日の地方財政の赤字というものは、自治庁の長官も閣議で言われてる通りである。またわれわれも従来の観点から考えて参りまするならば、少くとも配付税法のあつたときと同じような制度が今日まで持続されて来ておる。そうしてその配分の方法においても、地方の実財源としてある程度置かれて、いわゆる財政調整金の面をできるだけ少くするということが地方財政の健全性であります。今のように財政調整金の面を非常に幅を広くして、何でもかんでも平衡交付金のような形でやらなければならないということになつておりますから、実財源というものは減つておる。これは自由党の持つておりまする財政政策というか、税制政策の一つの誤りたつたと思います。しかしそれをいまさらここで文句を言つてみても始まりませんが、少くとも大蔵省の次官としては、地方の自治体のやり過ぎはお互いの話の中にはあるいはあるかもしれない。われわれはそういうことを考えておる。われわれは必ずしも地方に濫費がないとは申し上げません。濫費があることはわかつておる。しかしその濫費というものが今日の何百億という赤字をこしらえるだけの原因にはなつていないと私は思います。全国四十六都道府県の知事あるいは議長の使つておりまする費用が非常に大きいように見えておりますか、二十七年度の決算では、東京の二千三百万円が筆頭でありまして、一千万円以上の交際費を使つておる府県はたしか十一府県あると私は思いますが、しかし四十六の都道府県全部を合せてみましても、その総額は四億五千万円程度のものであります。これは表面から見ますると、知事が非常に使い過ぎておる、議長が非常に使い過ぎておるじやないかと言われておりまするが、その数字を総合してみますると、そういう何百億という費用にはならないのであります。ないとは私は申し上げません、慎むべきものは相当あるとは申し上げまするが、しかし数字がすでに四百億を越えておるというようなことの一つの大きな原因として、知事か公選だからけしからぬというような政府の見解に対しては――この問題についてはもう私はこれ以上議論はいたしませんが、ひとつ大蔵省も考えておいてもらいたい。こういうことがあるから、知事を官選にするのだという変なりくつをくつつけて、内務官僚というか、人事の交流ができるからいいのだというような間違つた考え方を国民がする原因だと思う。もしそうだとすれば非常に大きな誤りでありまするから、特にきようは山本さんには気の毒ではありましたが、大きな声で物を言つたのでありまして、この点はひとつ大蔵省としても気をつけてもらいたい。  最後に、私はこれでやめまするが、北山君から申し上げました保険の問題であります。東京都が保険の制度を出しましたときには、東京都に言わせるとまだあの書類は取下げてないと言いましたが、大蔵省は返したと言う、どつちがほんとうかわからぬが、しかしいずれにしましても、認可になつていないことは事実だ。しかも認可にならない原因はどこにあるかといえば、これは再保険がないからということであります。いわゆる東京都だけでは危険の分散ができないということが、一つの原因になつておるかと私は思います。従つて再保険の十分なる制度さえあれば、私は大蔵省には大した反対はないと思う。従つて今北山君が申し上げておりましたように、各自治体か総合的に全部これを一体にして保険をつけて来るということになれば、日本全体で見るということになるから、私はこれほど大きな再保険はないと思う。その一つの実例として、今自治体の中で公共難物だけを自家保険をやつておりますが、これはここ四、五年の間に、公共建物だけの自家保険でありましても、きわめて安い、民間から見れば何分の一の料金で、約十億近い黒字を今日持つておると私は思います。これはやはり公営の保険の将来検討を要する一つの大きな問題ではないかと私は考えておる。従つて次官の言われておりまするように、自治体でやるというようなことが、保険業務になれていないからとか、なれているというようなことは問題じやないと思う。現実に市町村の持つておりまする建物については自家保険をやつておるのでしよう。そうしてその成績はきわめていいということである。同時に、今次官の言われておりまするように、再保険がないというならば――東京都のさつき申しましたように認可しなかつたことは、再保険がないからということが一番大きな原因だと思つております。これは全部の市町村、全部の国民がお互いにめんどうを見合うというこれとになれば、これほど確実なものはないと思う。大蔵省の見解はどうもあまり私企業というものについて重きを置き過ぎておるのじやないかということに私は考えられて参りまするが、この点もひとつ、大蔵省の考え方を改めていただけるかどうか、この際もう一つ聞いておきたいと思う。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 保険のことに関しまして、公営の保険をやつたらどうか、その方がよさそうだというお話でございますが、今の政府は自由党の基盤の政府でございまして、原則は資本主義、私企業の方式でやつておりますので、むろんそれには例外はございますが、今のところ保険業を全部そういう公営の方式に移して行くという基本方針はありませんし、またただいま申し上げましたように、部分的にそういうことをやるということは、あえて排除するものではありませんから、なお今後十分研究したいと思います。

中井一夫自由党

○中井委員長 今の保険の問題について、私から次官にお尋ねしたいことがあります。  今のお話によりますと、現在の政治は自由党が中心になつておる、自由党は資本主義を基礎としてやつておる、従つて公営等は認められない、こういうようなことをお話になりました。しかしいかに資本主義を基礎として経済政策を立てておる自由党といえども、政府の保護のもとにあぐらをかいたり、一般国民の犠牲においてもうけ過ぎたりしているものの不当なる利益を黙過しているわけではないと思うのです。ただいま委員各位からだんだんお話になりました保険会社の暴利問題、これは消防に対する地方自治体らの非常な犠牲というような点に関連しまして、単にこれは保険会社の問題ではないのであつて、やがてそれは地方行政、財政に関係する問題となるので、数年来この問題がここで取上げられておるわけなんであります。率直に申しますれば、今の保険会社はあまりにも暴利を得ておる。具体的に申せば、保険金が不当に高過ぎる。しかもこれを擁覆し、保険会社をして不当の利益を得しめておるのは大蔵省の保険会社、保険財閥擁護の方針である、かように思うのであります。この問題は必ずしも自由党の経済政策、財政政策が資本主義を基礎としておるということの一つの問題ではないのでありまして、私は現に自由党員でありますが、保険会社の問題に関してはかように確信をしておる。この点は大蔵省におかれても深くお考えになり、そうして保険会社の現状はこれでよいのかということを再検討せらるべきものと確信するのであります。この機会に御意見を承ります。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 いかに資本主義を認めるといいましても、ある業界に独占的な利益を与え、安らかな利益の上にあぐらをかかせるのは、決して自由党の行き方ではないのでありまして、そういう事実があるとすれば十分監督しなければならぬ。あるいは現在の保険行政において、そういう非難を受ける部面があるかもしれませんが、なお料率がどの程度が妥当であるべきか、それに比べて現在高いかどうかということを十分検討いたしまして、監督を厳にして行く方針でございます。

中井一夫自由党

○中井委員長 なお地方自治体の赤字の問題でありますが、だたいま委員諸君と政務次官との質疑応答を承つておりましたが、はなはだ申しにくいことではございますけれども、隔靴掻痒の感を禁じ得ません。率直に申すならば、ほんとうは真髄に徹しておらぬ質疑応答になつたのではないか。私は何もその質疑応答を批判するわけではございませんが、互いにお尋ねになる方の気持は、大蔵当局においてすでにわかつておるものとしてお尋ねになつておる。しかるにそうでなくて、大蔵当局においてはおわかりになつていないのではないか、大蔵当局としてはそのままこれを御答弁になつておりますから、そこに真随に徹することあたわず、隔靴掻痒の感を抱かざるを得ぬようになつたのではないかと思います。実は私自身が質疑の地位に立ちたいのでありますけれども、そうもなりませんから、ただ謹聴いたしておつたばかりであります。一言にして申しますならば、地方自治体が事業をあまりやり過ぎるのではないかという問題については、いやそれはやり過ぎでないのだという議論と、やり過ぎるという議論は、実は水かけ論に陥るおそれがございます。けれども、こういうことだけは深くお考え願わなければならぬのではないか、今中央におきましては政府並びに国会でつくります法律の結果、いろいろなことかそれこそやられ過ぎて、その責任はみんな実際国民の日常の生活に触れておる地方自治体にしわ寄せとなつております。事業の上から見ましても、また人の上から見ましてもこれはたいへんなものであります。しかも今お話の中にありました国で定められる事業の単価、それが今日の現状に合わない、たとえば学校のごとき常に引かれる一例であります。事実国で認められる価格では教室はできるが、廊下はできないという結果になる。しかし事実これを行わねばならぬところの責任を持つ自治体においては、やはり教室とともに廊下もつくらねばならぬのであります。そういうような費用について国が見てくださらぬがために、それは結局自治体においてやらざるを得ぬ、こういうものは決してやり過ぎでもなければ、またその地方自治体の長が住民に対するおべんちやらや、人気取りのためにやる仕事じやない、やらざるを得ぬ仕事がたくさんある。そのもとは国の命令により、法律により、またその足らざるゆえんは国がお認めになつたものがあまりにも現実離れをしておるというところにある。しかもやらざるを得ない責任を地方が持つておるというところに、赤字が毎年毎年漸増して参る大きな原因があると思うのであります。知事が官選でなくして公選だから自然知事が人気取りのためにやるのではないかということも一つの理由でありますが、それは小さい一つの理由であつて、半分以上の理由は国家のやり方、見方に原因があると思うのであります。何としてもさいふを持つておられるのは大蔵省でございますから、そうして事ここまで赤字問題がやかましくなつて参りました以上、これは国家のためにどうしても解決せざるを得ない事実でありまして、地方政治としては今日これ以上大きな問題はないと思われるのであります。御見解はいろいろありましようけれども、どうか事柄をただいま申し上げました真髄に触れて、もう一度見直していただきたい。そうして単に地方自治の連中は使い過ぎるというようなことだけでなくして、その原因がほんとうにどこにあるのか、地方自治体にもあるであろう、しかしそれは同時に、しかも大きな部分政府自体、ある意味におきましては国会のやり方自体にある。それならばこれを直すにあらざれば、この赤字はやむを得ぬことなんだから、何とかしてやらなければならぬ。一面これは行政改革等の問題にもなりまするし、従つてまた人員整理等の問題になり、国家の根本の行き方というものにもたいへんな関係を持つのでありますから、この二年来私どもが再び議会に席を持つに至つて後、大蔵当局と常に折衝して感じまするのは、いかにも大蔵当局の皆さんか実に練達堪能の方であればあるほど、地方行政の方面に対してあまりどうも冷酷過ぎるのではないか、無情ではないかという感じを抱かざるを得ぬのであります。願わくはこの点につきましてひとつもう一度話を元へもどし、事の真髄に触れた見地に立つてお考え直しを願いたい、このことをこの機会に深く要望いたす次第であります。願わくは御所見を承り得ればありがたく存じます。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 ただいま委員長からきわめてしんみりした口調で切々とお話がございまして、胸にこたえているわけでございます。ただわれわれといたしましては地方財政の赤字の問題は、非常に大きな一つの問題として考えているのでございますが、財政全般の問題から見ますれば、まだほかにもいろいろ考えなければならぬことがあることも御了承いただきたいと思います。でぎる限り誠意をもつてこの問題に当りたいと考えております。

保岡武久自由党

○保岡委員 時間がおそくなつて恐縮でございますが、この機会に奄美群島の復興につきまして、大蔵省並びに自治庁の御所見をちよつと拝聴いたしたいと思います。奄美群島は昨年十二月に復帰いたしまして、爾来十箇月を経過したわけでございますが、その間二十八年度、二十九年度におきまして、二十八年度十億、二十九年度二十億という奄美群島の復帰に伴う善後処理費という予算が組まれまして、善後処理に関する仕事がそれぞれ進められております。その間におきまして大体奄美群島の復興という問題には三億弱の費用が投ぜられているように記憶いたしているわけでありますが、御承知のように奄美群島は長い間島嶼としての後進性を持つております上に、太平洋戦争における消耗は大体本土と同じでありましようけれども、終戦直前におきまして沖縄失陥後の空襲による戦災というものは言語に絶するものでございました。これは現地についてごらんになりました門司委員等は、実によく御了承になつております。そういう上に昭和二十一年二月の行政分離の悲運に際会いたしまして、しかもほとんど戦災の復興、戦争による傷痍の病手というものを回復することはできないままに、八年間民族分離の悲境にあつたわけであります。たとえば風水害その他によりまする災害等も全然放置されております。今年ももう御承知のように前後四回大きな台風による大きな災害を国土にもたらしておりますが、それがほとんど奄美群島を荒しているという実情は御存じの通りでございます。そういうようなことが前後八年間何ら手をつげられずに今日に来ている。しかもまた本土に依存しておりましたところの経済というものは、本土との交通遮断によりましてすつかり窒息状態になつております。そのために経済もほとんど窒息いたしております。要約して申しますと、破綻の一歩手前で復帰の念願が達成したというわけでございます。また国民といたしましては、占領地の回復ということで、非常な歓呼の声をもつて群島民を迎える。さてそういう状況におきまして、復帰のあとに続くものは復興でなければなりません。復興ということは、これはどういたしましても、群島民の罪によつてああいう状態に陥つたのではないのでありますから、日本国全体の敗戦というその憂き目、しかも終戦後なお八年間痛めつけられておつたということでございますので、これが復興ということは当然これは日本国全体の責めの上において行われるのでなければならないというようにわれわれは考えておりますが、またそういう意味に考えるべきじやないかと思うのでございます。しかしながら復帰後四、五箇月の間、政府としましては復興に対する十分な対策をお講じにならなかつたのでありますけれども、この地方行政委員会の委員全員の発議によつて、奄美群島復興特別措置法案が提案されまして、そうして十九国会で通過いたしました。これにより政府としましては、奄美群島の復興をどういう方策でやるかという一つの道筋だけが解決した。その特別措置法の第三条に基きまして奄美群島復興審議会におきまして、今鹿児島県知事から提案されました案の審議が行われている。これは大体五箇年前後で、二百六十五億程度の費用がなければ、とても奄美群島の復興はできないという群島民の切実なる気持が集積したのが、そういう計画になつたのでありますが、過般審議会におきまして大蔵当局の関係の委員の方々からの御発言によりますと、群島民の考えている案と、大蔵当局か大体考えておられる案との間には、相当な相違があるような印象を受けるようなお話があつたのであります。これにつきましては関係の者はもちろんでございますが、二十万の群島民が、実は非常な衝撃を受けているという実情にあります。もちろん国の財政とにらみ合せて問題を考えるべきではありましようけれども、奄美群島の特殊な状態、しかも疲弊困憊している状況というものに対しまして、政府といたされましては特別なる考慮を必要とすると思う。これは第一占領地回復後において、そこの荒廃をいかに再建して行くかという問題が重点でございますけれども、しかしたがらその上になお他にまだ回復しないところの被占領地が相当ある。それらに対する米国の行政にも非常に大きな影響を与えるようた問題でございます。そういう問題等も含めておりますし、また日本全国民が真に奄美群島の復帰を喜び、その復興に対して協力して行こうという大きな気持、その国民環視のうちにおいて今後奄美群島が再建されるというように相なるかと私は思うのです。そういうような見地から政府全体とされまして、当然奄美群島の再建復興の問題について、全力をあげられるべきでありますが、大蔵省といたされましては、政府の一つの重要な財政の担当所管といたされまして、これについてどういう御見解を持つてこの復興再建に当つていただくかということについての御所見を、ちよつと拝聴いたしたいと思います。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 私は奄美群島の方々が長く日本の主権から離れておられましたことを、非常に残念に思い、また最近これが日本に復帰しましたことをお喜びする次第でありますが、さてその復興計画等につきましては私詳細な計画の内容及びその資金関係を承知しておりませんが、もとより財政の許す範囲内で――はなはだ抽象的な言葉で申訳ございませんが、極力復興に寄与したいと考える次第でございます。

保岡武久自由党

○保岡委員 御見解まことにありがたいと思いますが、奄美群島復興特別措置法という特別法律が制定せられまして、この復興に当るわけでございますが、その復興特別措置法の第三条によりまして、内閣総理大臣は十月三十一日までに奄美群島復興審議会の議決を経て、この計画を決定するということに相なつたのであります。従つて総理大臣において決定されましたところの計画というものは、他の法律も大体そういうような文句があるのでありまして、その他の法律に基いて政府が決定するものと大体同じというふうにお考えなのかもしれませんが、しかしながら奄美群島の復興再建という問題の特殊性にかんがみまして、この内閣総理大臣の決定されるところの計画案の実現に対して、これは大蔵省とされましても最大の御協力と申しますか、それをできるだけ実行に移すことについての御決意をいただきたい。この点について所信を伺います。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本説明員 まだ審議会の結論が出ていないようでございますが、審議会の結論をまちまして、これに対し極力沿うようにやつて行く方針でございます。もとより財政にどうしても制限がございますので、御要望の通りには参らぬかと思いますが、極力誠意をもつて御要望にこたえるようにいたす所信でございます。

保岡武久自由党

○保岡委員 この復興特別措置法の第十一条によりまして、奄美群島の再建の行政事業につきましては、普通の例とは違いまして、自治庁において予算の見積り並びに予算の施行をするということに相なつております。これは今までの行政のあり方としますと、画期的な一つの法律の方法だと実は考えておるのでございますが、ここで言うのをはばかりますけれども、各省がやる建前のものを自治片がこれをやるということについては、多少協力的な点で力が入らぬというようなことをおつしやる省もあるやに聞いております。これについてそういうことがもしあるとしまするならば、奄美群島の復興再建ということの国家的な至上目的に対して、非常に大きな問題だと私は考えます。そういう点につきまして自治庁の御見解を石村政務次官からお願いいたします。

石村幸作自由党自治政務次官

○石村説明員 今最後のお言葉の自治庁がこれの計画を立てる、がゆえに政府のうちの各省もこれに協力が薄いだろう、こんなふうなお言葉でしたが、これは特別法の建前によつて自治庁が中心になつてこれをまとめておる、これには奄美群島、大島の復興審議会等がありまして、これには関係各省が参画しておる、また現地の方その他学識経験者、各方面の方にお集り願つて、慎重に種々御協議を願つておるわけでありまして、お言葉のようなことはあり得ない、こう存じております。そこでさしあたつての復興計画につきましては、鹿児島県がこれの計画を立てられまして、それを自治庁に提出になつておるのであります。それに基いて審議会にもお諮りをし、御相談もし、そうして財政計画のうちに取入れて、大蔵省の方に要求をいたしておる次第であります。自治庁としては鹿児島県が計画を立てたこれに基いて財政計画を立てておるわけでありまして、どうかしてこの計画がそのまま予算がいただけるように、最善の努力をいたしております。

中井一夫自由党

○中井委員長 政府当局の各位に申し上げます。ただいまもうすでに七時を過ぎることになりました。本日は数時間遅くまで御臨席くださり、丁重なる答弁を続けられましたことを感謝いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後七時七分散会

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