地方行政委員会 第69号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/05/26
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。門司亮君。
○門司委員 部長にちよつと聞いておきたいのだが、きのう、おとついの委員会で大分たくさん聞いておりますので、あと幾らも残りはないのであるが、問題は、こういうふうに非常にたくさんの臨時雇い的なものが出て来たり何かすることが、事業予算あるいは定員条例との関係、それから定員条例と例の予算定員との関係、こういう二つの関係が錯綜しておつて、結論としては非常に多くの定員外の常勤を使わなければならないというような不合理な問題ができ上つておるのであります。従つてこの問題を解決して行こうとするのは非常にむずかしい問題であつて、おそらく個々の自治体の事業内容がはつ書しない限り、なかなかそう簡単には行かないと思う。ところが各自治体の事業内容については、自治庁として十分な考慮を払わない、そうして実際上定員条例その他できめられるようになつていると思う。その最も大きな原因がどこにあるかといえば、やはり財政上の問題が相当関連をしておりまして、いわゆる今度改められた交付税の算定の基礎になるもの等についても、大体一人について事務費が幾らいるか、あるいは土木費その他についても、道路の面積その他が考えられておつて、実際上の問題が書かれておらない、そういうところに私は大きな問題がありはしないかと思う。従つてこの問題を解決しようとするには、どうしてもそういう事業内容との、あるいは事業の分量との関係によつて、地方の条例ができるように指導して行かなければならないんじやないかと考えるのであります。従つて自治庁としては、地方の公共団体が、言葉をかえて言うならば、おのおの異なつた事業内容を持つておる。あるいはこれを各階層と名前をつけていいかもしれないが、やはり人口百万の都市は百万の都市としての事業内容を持つておる。三十万の都市は三十万の都市としての事業内容を持つておるので、おのおのの事業内容に沿うた定員に対する一つの計画が立てらるべきではないかというように考えられるが、この点について自治庁は、一体今までどういう指導をしておるのか、それをひとつこの機会に明らかにしておいていただきたい。
○小林(與)政府委員 今の定員に関連する問題は、お話しの通り非常にむずかしい問題りまして、われわれといたしましても、毎々申し上げます通り、何とかすつきりした形に少しでも持つて行きたい、こういう考えを持つておるのでございます。それでこの定員につきましては、定員をどうきめるか、たとえばそれぞれの団体の希望その他によつて、事業の分量もそれぞれ違うので、そういうものに応ずるような何か適正な定員の基準というものでも考えられぬかというふうな考え方もあつて、研究してみたことも実はないわけでもないのであります。しかしたがら、何分にも団体が各種各様で、仕事の中身も、また人口の分量だけによつてもいかぬのでありまして、それぞれ種々雑多な仕事をやつておりますので、なかなかそういうわけにも参らぬのであります。ただこの定員の考え方といたしましては、あくまでも恒久的、基幹的な定員だけははつきり表に出して、そうして定員条例で議会の議決を経て正当にきめて行くことがいいのでありまして、それだけはできるがけそうするようにというのが、われわれのかねて主張しておるところなのでありますが、実際問題といたしましては、この事業予算にずいぶんそういう職員が組まれておりまして、その事業予算に組まれておる者が、もう明らかに、その事業とともに収拾すべきものも少くないのは事実でございます。しかしながら、そのうちにほんとうに恒久化してよい部面も確かにあるのであります。こういうことが実は実際問題として、いわゆる常勤的非常勤としていろいろ問題になつておるもののある部分を占めておるのだと思いますが、そういうものはできるだけ恒久的な制度として確立して、すつきりさせるということは常に主張しておるのでございます。しかし事業費に載つておるものが、全部そういう形で定員に持つて行けるかというと、それもやはり行きがたいので、明らかにその毎年の事業によつて伸縮して、事業とともに伸張すべき機関の定めのあるような有限的なものにつきましては、恒久的な定員というわけにも参らぬものもこれまた相当に多いのでありまして、これらの点につきましては、国の方といたしましてもその扱いにいろいろ困つておりますので、何と申しますか、常勤職員というか、そういうふうな制度も考え出したゆえんであります。水定員には持つて行けないが、勤務の実態がちつともかわらぬから一般職員と同じふうに実際の処遇をやる、そういう分野を国の方でもまた考えておるのであります。それとともに、ほんとうに臨時的、非常動的な職員はそれぞれ区別して行く。われわれといたしましては、そういう形でなるべく筋を立てて行くように—これは結局一般論にたるのでありまして、個々の団体の個々の事業、個々の職員について事をきあるよりしようがないのであります。本筋の考え方として、なるべくそういう方向へ筋を立てて行くようにということで、一貫して指導して参つているのでございます。それからわれわれの実際がよくわからぬし、この間も県の人事課長を集めましたけれども、必ずしも実情がよく把握されておりませんので、そういう点につきまして、県の処置をはつきりするように精細な調査表をつくりまして、県の実態を明らかにするようにさしておりますので、そういう結果がまとまればまた報告いたしまして、よい方向に問題を取運びたいと思つております。
○門司委員 今の答弁だけでははつきりしないのです。一昨日でありましたか、前々回の委員会でも私その実例を指摘したのでありますが、公務員の身分の問題は、当局もよく知つておりますように、地方自治法の百五十二条との関連性を一応見てもらいたいと思う。地方自治法百五十二条では、長の代理の順位を定めているのであります。これは長に欠員のあつた場合にその長の代理執行ができるという一つの条文であります。この百五十二条を修正の形で当初の地方自治法に加えて参つた経緯は、地方自治体がいろいろなことを執行して行く場合に、長が欠けたらだれが責任を負うか、いわゆる公選の長の欠けた場合にたれが責任を負うかということは、従来の市町村制あるいは府県制の中では明確でなかつたのであります。公選後における自治体の長の責任は非常に重大であるので、長がいなくなつた場合の責任制を、今までのように、市会あるいはその他で、代理市長を置くとか、これを代理せしめるというようなことでなく」て法律でその順位をきめることが正しいということで、あとから挿入された条文である。そういう現行自治法のできた経緯から考えて参りますと、地方公務員はやはりできるだけ正式の公務員にしておいて、責任の所在を明確にすべきである。今日の地方公務員の性格というのは、単なる役場の吏員であるとか、あるいは役場の何であるというわけには参らぬのであつて、百五十二条の適用は必ずしも全般に行われるわけではないと思うのでありますが、百五十二条の解釈から言えば、職員である限りにおいては百長の代理執行ができるということが一応考えられる。ここに身分が明確になつております。しかもその事業の内容によつては、前々回の委員会でも申し上げましたように、市の職員でなければ責任を持たせることができないような重要な仕事に、臨時の諸君が携わつておることがたくさんあるのであります。それはどこから来ているかというと、結局定員条例で縛られているということにならざるを得ない。さらにそれがわくを広げて、あるいは予算定員になつておつても、なおかつこれが収容し切れないでそういうものが出て来ている。そういうことから考えて参りますと、自治庁としては、今の御答弁のようなことではなくして、やはり各自治体の事業内容を十分しんしやくして、もし自治庁が何らか示唆されるならば、その事業内容によつておのおのの市町村の定員について、こういうものに携わるものは、このくらいの定員を置くべきであるというようなことができるのじやないかと私は思う。あるいはそれができないとするならば、地方の自治体にそれらのものをまかせてもらう。そうして自治体がこれを自由にきめ得るようにする。これを自治体が自由にきめ得るようにするということになつて参りますと、配付税の方に多少の関係が出て来やしないか。いわゆるお前のところは普通の公共団体よりも人間をよけい使い過ぎておるというようなことで、また文句を言われやしないかということがやはり出て来やしないか。この兼ね合いは非常にむずかしいのであります。従つてもう一応そういうほんとうの実情に即応した、何といいますか、処置がとられるようにやはり考えてもらわなければ、いくらやかましくここで議論をいたしてみましても、臨時職員というものが本採用にはなかなかならないこの自治法の改正で、今までの任用を採用とただ字句をかえたくらい凄なかなかおつつかない。文字などいくらとりかえてみたつて、これは採用だつて任用だつて別に大したかわりはない。こんなものは何にもならないと私は思う。従つてもう少しはつきり御答弁願いたいと思う。だから結論的に申しますと、各自治体の事業内容に沿うて、そうして定員はできるだけ現実に即応した定員条例を出すように、自治庁の意思のもとにそういう通達なり、あるいは指示なりをされるかどうかということを私は率直に聞いておきたい。
○小林(與)政府委員 今お話の通り、定員は地方の自治体がそれぞれ地方の自治体の実態に即応して定むべきものでありして、お話しの通りわれわれといたしましてもそれは地方に期待いたしております。地方もその心づもりでやつておるに違いがないのであります。ただ今の問題は、要するに現実に使つておる職員が、正式の定員になつておるもの、予算定員になつておるものその他いろいろな扱いがあるというところに問題があるのでありまして、そのうちの事実上使つておるもので、元来期間定員と見てかわりのない職員、そういうものをはつきりさせるという問題でありまして、この点につきましては、われわれも地方に対して、この間の人事課長会議を開いたのもそういう趣旨でありまして、そういう趣旨に合うように本来定員と見るべきものを定員もぐりのような形でやることは定員の合理性からいいましても、本人の身分からいいましても適当でないのでありますから、そういうふうにするようには申しております。それと今のお話の中に出ておりました百五十二条の問題とは、私はこれは直接関係はないと存じております。もう一つ正式任用か正式採用かという問題、これも今の非常勤かどうかという問題と全然別の問題でありまして、これは本来の職員の任用関係を条件付にするかせぬかというだけの問題でございますので、今の問題とは直接関係がないと存じております。
○門司委員 今の答弁の内容ですが、それでもう一つさらに私つつ込んで聞いておきたいと思いますが、そうすると定員の問題ですが、自治庁は一体この臨時職員をどうして処理しようとお考えになつておるのか。現在この法律にありまする通りに半年以上現実の問題として使われておるのがたくさんある。これは国にもあると思うのです。それならばそれらの者を自治庁はすぐ本採用にするということをお考えになつておるか。これは法律の建前から言えば一つの違反行為じやないか。当然仕事があつてそこに六箇月以上あるいは二年も三年も勤務しておるのがある。そういう君が依然として臨時職員で置かれておるということは、法律の趣旨からいえば違反行為である。当然これは本採用にすべきである。自治庁はこれに対してどういう処置をなさるつもりか。これも臨時で置いていいというお考えなのか、これを全部本採用せよというお考えをお持ちになつておるのか、どつちか、それをはつきりしておいてもらいたい。
○小林(與)政府委員 自治庁といたしましては、今までししば申し上げました通り、これは地方公務員法の建前によつて、本来十七条で任用すべきものは十七条でやるべし、二十二条に該当するものは二十二条でやるべし、こういうことだけは実ははつきり示達をしておるのでございます。ただ十七条には、われわれと冷しきては、解釈上期限付の任用というものはあり得る。あつてもおかしくないということを申しておるのでございまして、ただ現におる臨時職員貝は全部そのまま、つまり本定員というよりも、雇員なり用人なり、あるいは事務吏員なりにすぐするかせぬかという問題は、われわれとして積極的に申すべき筋合いでもあ、りません。ただともかくも公務員法の建前、自治法の建前の筋を立てるような任用の仕方というものはなるべくするようにということだけは、実は繰返して申しておるところでございます。
○門司委員 私の聞いておりますのは、そういう概念的のことを聞いておるのじやなくて、現実におる人間を一体どう扱うかということであります。臨時待命制度ができて参りまして、この臨時待命制度におそらくぶつかつて来る者がどういう今であるかということは、あなたの方がよく御存じだと思うが、こういう制度が一方に現れて来て、一方には臨時の制度というものが今までのような形で続いて来れば、これは臨時待命制度を設けられてもなかなかその通りには行かないのじやないかという考にわれわれは考えるから聞いておるのであつて、現在当然二十二条であろうと十七条であろうと期限付採用になつておるものが、その期限付というものがすでに考えられておらない。六箇月以上すでに過ぎて、二年も三年もさつきから申し上げておるようになつておるのがある。それをすぐ本採用とみなすことが一体、でさりるかどうかということです。これは法文の建前からいえば、明らかに本採用にしなければならない、また本採用にするだけの仕事があるということである。ここに法律の条文の解釈で、私はあなたと議論する必要はないと思う。二十四条を設けられておるのは、臨時的なものがあるから、二十四条を設けておるので、従つて十七条との兼ね合いで十七条の中にも期限付の採用をするということもちつともさしつかえないのだということは、これは一般の吏員その他を雇うことのためには、こういう規定が一つは必要かもしれない。ところが二十二条にありますのは、これは事業内容によつてはこういうものが必然的にできて来るのである。それ以上は一つの市町村において必要のないものがある。たとえば学校なら学校を一つ建てる間だけは必要なんだけれども、その学校を一つぺん建ててしまえば永続性はない、これはいらないのであるというようなときには、やはり二十四条のそういうような採用の仕方が一つの問題であつて、これは事業内容に即応した人間の採用というものがここに規定されておるわけである。従つてその事業内容が三年も五年も続かなければならないような実態に置かれておるところは、当然これは本採用にすべきである。また事業内容がそうであるから、二年も三年も臨時で使われておるというような不合理ができておる。これを解消するということが、さつきから何べんも申し上げておるように問題でございますので、自治庁としての腹構えは、それらの者については本採用にすべきである。いわゆる一般の公務員と同じような待遇をすべきであるというように私は解釈するのが正しいと思う。そういうふうに解釈できませんかどうか。どこまでも、何でも法律があるので、それで臨時雇いにしたのだから三年でも五年でも定員法に縛られて、あるいは定員条例に縛られて臨時でいなければならないか。この不合理性をどういうふうに解決するかということです。
○小林(與)政府委員 いや、われわれは門司委員の御趣旨と同じように、実は根本の趣旨は理解しておりまして、そういう趣旨にも合うように現出の人事の扱いをできるだけするようにということを実は申しておるのであります。しかしこれはそれぞれの団体にとりましては、予算の問題があつたり、それこそ今の定員の問題があつたりするので、ただちに右から左とできるところもあり、できないところもあると存じますが、趣旨は同じ趣旨で、そういう趣旨に合うように事柄をきめろという考えでおるわけでございます。ただ事業費にあるものが全部できるかできぬかということは、結局それぞれの事業と職員の中身を考えてみなければわかりませんので、全部が全部というわけにはもちろん行きませんが、御趣旨のようなもので問題のないものは当然本来の期間的な定員と同じふうに扱うようにという趣旨だけは明らかに申しております。
○中井委員長 門司さん、いかがでしよう、この程度で……。
○門司委員 あとで私は資料を一つ出しておいてもらいたいと思います。その資料は、自治庁が従来市町村あるいは都道府県の定員条例に対する何らかの示唆をしたものがあると考えておる。ただ単に定員条例をこしらえることができることになつたから、定員条、例をつくるということではなくて、規格その他については自治庁から通達が出ておるだろうと思います。それが出ておつたらこの機会にお示し願いたいと思います。これはひとつ資料としてぜひ出しておいていただきたい。 それからもう一つ最後に聞いておきたいと思いますことは、この委員会でしばしば問題になつおます岩手、舞鶴等で起つております問題等について、自治庁の公務員課としてはどうお考えになるか。いわゆる給料の号俸を上げたが実際の給与は支給しないということ、これはただ単に岩手だけではありませんで、横浜でもそういうことが行われておる。それから舞鶴の問題は御存じのように俸給の一割を市に寄付するという形がとられておつて、何かむずかしい名前をくつつけておる。もつともその条例はできておりませんいが、一応市がそういう条例を出そうと考えておることは事実である。従つてこれについて自治庁の明確な見解を文書でひとつ出してもらいたいと思います。
○小林(與)政府委員 自治庁でわかつておる事実を基礎にして、それについて自治庁も解釈を出したものもあるかと思います。見解があるものはそれをそろえてお出しいたしたいと思います。
○中井委員長 門司君から御要求のあつた資料はなるべく早くお出し願いたい。
○門司委員 今のあなたの答弁ですが、書類によつてということは、あなたの方から舞鶴の市長あてに出ております資料によると何も書いてないのです。ただ地方公務員法の給料を定める場合の何条かに、こう書いてあるから、それによつてやつてもらいたいということだけしか書いてない。だから問題が解決しないのです。自治庁としてはそういう取扱いをすることがいいか悪いかということのはつきりした態度をお示し願わないと、両方とも困つておるのです。公務員諸君も困つておるし、理事者も困つておる。法律に書いてあるだけのことなら、舞鶴の市長さんもそんなことはよく知つておるはずです。わかり切つておる。これには三つの問題があつて、岩手のような問題、辞令だけは出すが、給料は従来の給料を出すというところと、明らかに昇給しないということだけで出て来ておるところ、その次には舞鶴のように給料は支給するが、その給料の一割だけは市に献納するというような条例をこしらえようというようなところ、やり方はこういうふうに三つもある。あるいはそれ以上もあるかもしれない。いずれにしましても公務員の不利益であることに間違いはない。従つてわれわれからえ考れば、たとい条例にきめたからさしつかえがないといつても、公務員がおのおのこうむつた不利益処分に対する提訴はできるという解釈を私はとつておるのであります。公務員が全部不利益処分の提訴をして行くということになると、ずいぶんめんどうな問題が起つて参ります。従つてこういう問題は自治庁あたりが法律に書いてあるから、それによつておやりなさいというだけではなくして、少くとも公務員の利益を損するようなことがあつてはならないというような明確な指示をなさるべきだと私は思う。従つて先ほどから私が質問しております要求等については、できればひとつ書類で出していただきたい。
○小林(與)政府委員 今の具体的な問題については、自治庁といたしましては質問に応じて法律的な見解を明らかにしておりますが、舞鶴とか岩手の問題で、給与を上げろとか下げろとか、どうしろということは、自治庁としてはむしろ差控えるべきものだと増えておるのでございまして、これはやはりあくまでも自治体が自主的にきめる問題でありますから、自主的な判断にまかせるという考え方で行くのが筋ではないかと思います。
○北山委員 臨時待命について一点お伺いをしたいと思います。国家公務員の方では臨時待命の際に、その手続については国家人事委員会規則で定めるところによるという案になつておるわけです。今度の地方公務員法の一部改正は「国家公務員の例に準じて条例で定めるところにより」、こうあるわけですが、地方公務員の場合においても、その点はやはり地方公共団体の人事委員会の規則で、手続は定めるというふうに解してさしつかえないかどうか。それからもう一には意に反して臨時待命を命ずるというようなことは、私どもとしてははなはだ適当でないと思うのです。ことに今度の中央、地方を通ずるいわゆる行政整理というものが機構の改革というか、行政機構そのものの質的な改組というものに伴つて出て来るものではなくして、どちらかといえば財政上の理由による整理であるという関係がございますので、ことに今回これによつて意に反して臨時待命を受けるということは、その職員に対してははなはだ気の毒であると考えるわけであります。そこでこの法案の今後の行政指導といいますか、自治庁としての地方団体に対する指導としては、やはり意に反して臨時待命を命ずるというようなことを極力避けて、まずもつて欠員の補充をしないとか、あるいは本人の申出によつて待命をするとか、そういうことを本則にして、そうしてほんとうにやむを得ない場合にのみ、臨時待命をやるべきであるという、そういう運営をするように地方に指導されるのが適当じやないか、そうでありませんと、この前申し上げたように、国の場合とは違いまして、地方公共団体には行き過ぎとか、そういうことがよく起り得るわけです。そういうことはどこか一箇所に起つてもいけないことでありますので、そういうことを避ける意味におきまして、そのような規定の運用面についての指導が必要ではないかと思うのですが、そういうお考えがあるかどうか、これをお伺いしておきます。
○小林(與)政府委員 臨時待命につきましては国家公務員の例に準じて、条例で定めるわけでありますが、条例でそんな細則まできめるわけには行かないので、これは条例の定めるところによつて人事委員会規則で定めるということが通則だろうと考えております。大体国家公務員と同じ行き方をするものと心得ております。それからあとの問題でありますが、これもしごくごもつともな話でありまして、各団体でもそう無理に臨時待命を命ずるわけではないし、まずは欠員不補充であり、その次は本人の意思に従つてやるということが当然考えられる配慮であります。われわれといたしましても、そういう趣旨であることを当然期待もいたしております。
○中井委員長 これにて質疑は終了いたしました。 これより討論採決を行います。西村力弥君。
○西村(力)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、地方公務員法の一部を改正する法律案に対しまして反対の討論をいたしたいと思います。 地方公務員法そのものにつきましても、これは憲法の第十一条に保障されておる国民の基本的人権を大幅に制限をするものである、こういう観点から反対しておるのでございます。もちろん公務員は全体の奉仕者であるというようなこともありまするし、また国民の権利というものは公共の福祉に反するような濫用を行つてはならないという規定はございますけれども、われわれの考えから言いますると、基本的人権と公共の福祉というものは同列にあるものだという考え方をとらないのであります。どこまでもその人間の固有の権利というものは最優先されるべきものである。これを同列のものであるがごとく考えて行くことは、決して正しい考え方ではないという立場をとるのであります。しかも現在公共の福祉に名をかりて、ますます国民の権利は制限され、あるいは圧迫されて来る意識的な傾向に対しましても、国の前途あるいは人類の発展という立場からこれを強く危険視し、矯正しなければならないという考え方を持つておるのでございます。今回改正になりました点を見ますると、第一番に公務員が不利益処分を受けたときの理由書の交付を十五日以内と区切つた点に対して、非常な不満と危険を感じておるのでございます。なぜかなれば、質疑においてもいろいろ申し上げましたが十五日という期間は非常に短期間過ぎまして、不利益処分を受けた公務員が自分の身分の保障、それと同時に全体の公務員の身分の保障という観点に立つて、この事態に処する諸般の態勢を立てるにはあまりに短期間過ぎる、こういうように思う。今地方公務員に限らず、労働者一般がいろいろな名目でその地位を脅かされている。ことに組合に結集し、その指導的役割を果しておる幹部諸公は、ことさらに馘首とかあるいは不当転任とかいう危険にさらされる事例も、また枚挙にいとまないという状態にあるのでありますが、そういう不利益処分を受けた場合に、本人はこれは確かに不利益処分であると考えて、その理由書の交付を求めることになりますが、その場合はこれは個人の問題とせずに、自分たちの結集された組合全体の問題、すなわち全公務員の問題としてこの処分の問題を考える、こういうぐあいに本人は考えているし、また組合員全体もそういうぐあいに考える。そうすれば理由書の交付を受けた、理由書は見るまでもなくわれわれに納得されないものであるから形式的にもらうのだ、もらつたあとに一体どうやつてその撤回なり何なりを最後ま、でやり抜くか、そういう段取りを十分につけなければならない。そのためには、ある一分会の何某がこういう処分を受けた、このものに対して組合全体としてその不当をならして最後まで闘う、その闘う態勢をどうする。組織上の問題、あるいは費用の問題、そういうものについて徹底的な討論をやり、そうして組合全体の意思としてそれをまとめて、この人一人を守ることはこの人一人の問題ではなく、全公務員の問題であるという認識のもとに立つて、しかる後に闘いの歩が進められて行く。だが単に十五日間ではとうていその議をまとめることはできない。それができないからといつて早急に自分一人だけがそういう理由書の交付を受けても、そのあと組合全体の議がまとまらないでしまえば闘いを進めることもできないし、結局理由書の交付を受けてそのあと沈黙する、沈黙するということはそういう処分が不当でないということを、われみずから認めたことに相なりますので、どうしてもその組織全体の意思というものを結集して、そのあとに行動を起さなければならぬというのが、現在公務員の立場にある組織員の一員としての立場である、こういうことが言われるわけなのであります。だからごの十五日以内に制限するということはそういう手続をふむ余裕を与えない、すなわち不利益処分に対する正当なる、自分たちの身分の保全に対して自分たちが抗議を進めて行くというようなことを許さない、こういうぐあいに言われてもしかたがないということをわれわれは思うのでございます。これはどうしても現行法通りにこの期間を定めない、あるいは定めるにしても最低九十日ぐらいの期間をどうしてもここに認めなければ、今申し上げましたような手続を経て、公務員全体の問題としてこういう不利益処分に対抗して行くことは不可能である、こういうことになつて行くのでございます。私たちはこれは絶対に承認することができない点なのであります。 なお附則の第三項でございますが、これは国家公務員と同様に臨時待命を命じ、あるいは申出によつて臨時待命を承認することができる、こういうことに相なりまするが、そもそも現在地方財政とい題のは、われわれが財政再建整備法を何とかしてつくり上げて、そうして地方団体の自主的な健全財政をつくり上げて行こうと考えておる点から言いましても、まず先に解決されるべきことはその点でありまして、そういう点を放置しておきながら、何とかして地方の財政の赤字を労働者の犠牲においてやろう。その首切りというのは確かに難事である。切る方でもあまり気持のいいものではあるまいと思うし、切られる方にとつては妻子を抱えてのあすからの生活という問題もある。この首切りの問題はそう簡単にはできない。しかしそれをやらなければならない。赤字解消という措置をせずに、人員整理によつてこれをやらなければならぬというぐあいに追い込まれたその理事者側が、臨時待命とかいう臨時措置まで談じて来るこの苦しさ、まことに筋の違うことであると思うのであります。しかし臨時待命にせよ、一応ある程度の期間は首切りが延長されるにしても、首切られることについては同じことである。しかもそのあと、いろいろ人情的にあとの職場を探すということもありますけれども、現在のデフレ傾向がますます深化する状況において、とうていその他に職を求めることはできない。ことにデスクにおつた人のつぶしというものは、ほとんどきかないという状態であります。臨時待命によつてわずかの期間を保障するような目先の甘い汁を置きましても、首切りによつて事を処せんとする立場というものは全然解消しない。こういう点から言いまして、私たちはこの附則第三項の改正に対しても絶対に賛成することができないのです。しかもこのような臨時待命を命じ、または承認するのに、このための必要なる費用というものを十分に確保して言うならば、まだ一応話も通ることでございまするが、地方財政計画には名目的にこの費用を組んであるがごとくに見えますけれども、これは単なる計算上の問題でございまして、このための費用として特別に支出されるような余裕を与えての計算ということは、これは全然見られないのであります。費用も見ずに、しかもみずからが十分なる地方財政の健全性を確保するために努力をせずに、最後的に公務員の首切りによつてすべてを解決せんというぐあいに押しつけて来る、こういう法案改正については賛成をいたすわけには参らない、かように思うのでございます。 なおこれに引続いて、この審議の過程において問題となりました、常勤とほとんどかわりない臨時職員というものが、各地方団体にたくさんございまして、それが身分上の不次あるいは給与上の不平等、こういう点で非常な不遇に追いやられておる。こういう点をまずまつ先に解決すべきである。自治庁側においてもこの点については一応考慮されて、去る二十四日においては各府県の臨時担当官会議を開いて、そこにおいてこの問題を解決しようという緒をつけられたということについては、われわれ了とするものでございますが、ただそれが実態の把握というようなことをまずやろうというのに、実際いつになつたらその不偶にある臨時職員というものの立場が確実に保障されるかということに対する何らの見通しも、その一つの方針もお聞きし得ないということになるのでありまして、その点については具体的に、早急に解決の道をはかられるように強く希望するのでございます。 以上申し上げまして、反対の討論を終ります。
○中井委員長 問司君。 決して討論の時間を制限するわけではありませんが、委員会の空気も喫せられ、特に簡明な名討論のあらんことを希望いたします。
○門司委員 ただいま議題になつております地方公務員法の一部改証に関しまする法律案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして反対の点思表示をするものでございます。すでにに西村君からもいろいろ申し上げられましたように、この公務員法の四十九条の二項中「「その意に反して不利益な処分を受けたと思うと身は、」の下に「その処分を受けた日から十五日以内に、」を加える」こういうことになつておりますが、この条文は私ども、は何も入れる必要はなかつたのではないかと思う。いわゆる地方公務員法の四十九条の中には明確にその四項に書かれておるのであつて、しかもその四項に書かれておりますものは、やはり不利益処分を受けた理由がどういうものであるかということを請求する一応権利を与えておる。その書類を受取つてから三十日以内ということでございまして、ここには明らかに働く者の権利というものを十分に認めております。さらに、手続の上から申しましても、その理由をやはり明確にしてもらいたいという一応の考え方の上に立つておるのであります。これは私はきわめて妥当な一つの行き方だと思う。ところが今度は書類を請求してもしなくても、納得が行つても行かなくても、十五日以内でなければ不利益処分の申請をすることができないようになつて参りますると、答弁によりますると、このほかにまだあと三十日あるのだから、実際は四十五日あるのだというような御答弁がなされたのでありますが、ものの考え方は非常にけしからぬ考え方である。やはりその意に沿わないで不利益の処分をしようとするならば、本人が請求すれば、当然それはどういう理由で首を切つたのかということの明確な文書による通達がなさるべきである。そのことが明らかに現行法にも認められておるのであります。この法律の上にもう一つこういうものを加えて、そうしてこの請求をしなかつた場合には十五日でその人の権利というものはもうなくなるのだというような行き方に対しましては、ものの考え方自体が、自治庁の考え方というものは、ただ何でも人の首を切りやすいように法律をこしらえたというだけでございまして、われわれはこれに議事るわけには参りません。同時に十五日という日にちがあるから、それで十分だというお話もうかがわれるのでありますが、実際上の問題としては、自分の首を切られたということが不利益であるかないかということ、あるいは不利益のその他の処分が妥当であるか。うかということの判断その他等につきましては、いろいろな問題が起つて来るのであります。従つてこれを十五日以内に処理せよということは、あまり当を得た策ではない。これは先ほども申し上げましたように、現行の四十九条四項に、三十日以内に審査の請求することができるという条文がございますので、この条文を生かしてもらえれば十分、であつて、こういう働く者の権利を制限するような行き刀筆については、反対せざるを得ないのであります。河畔に前項にもどりますが、「第二十二条の見出しを「(条件附採用及び臨時的任用)」に改め、同条第一項中「又は昇任」を削り、「正式任用」を「正式採用」に、「条件附任刑」を「条件附採用」に改める。」これは「条件附任用を「条件附採用」にするというのは、 一体どれだけ違うのかということであつて、私どもといたしましては州も別にこういう字句を持に改めなければならないとは考えられない。もしこの字句を改めなければならないというなら、ば、この字句に沿うた条文全体の改正が行われてしかるべきだ。しかるに説明を読んでみましても、字句をどうしても改めなければならないほどの理由もないよう、であつて、いたずらに法律を改正したというに過ぎないのであります。 さらに問題となつて参りますのは、これも先ほど西村君からよくお話をされておりますので、蛇足を加える必要はないと思いますが、附則の中にありますいわゆる附則の第三項であります。これは法律の条文をそのまま読んでみますと、「条例で定める定員をこえることとなる員数の職員については、昭和二十九年度及び昭和三十年度において、国家公務員の例に準じて条例で定めるところにより、職員にその意に反して臨時待命を命じ、又は職員の申出に基いて臨時待命を承認することができる。」こう書いてあります。これは非常に問題を残す点だと考える。ここでわれわれが考えなければなりませんのは、先ほどから私どもが執拗に質問をいたしておりますものは、この三項の「条例で定める定員をこえることとなる員数」の問題であります。現行制度のもとにおきましては、自治庁がすでに認めておりますように、本任用あるいは今度本採用と言葉をかえておりますが、本採用あるいは本採川でなくても十七条の規定によつて採用いたしております者、あるいは定員条例のわくの中にありますものの外にたくさんの臨時職員を使つておるということは、当局も認めておる。しかるにこれを条例で定めて、それからそれを越えたものについてはこういう措置をすることができるというこの三項は、明らかに地方公務員の整理を容易ならしめる条文であることは間違いない。従つて今度の地方公務員法の一部改正の法律案というものは、地方公務員の古切り法案と申し上げてもちつともさしつかえない。この首切り法案は一応首切り法案としておきますが、その中に内包しておりますものは何であるか。これは先ほどから自治庁の答弁によりますと、いわゆる従来の予算定員あるいは条例に定められた定員というようなものの関連性からも、今日のような脇町職員がたくさんできておるということで、ありますが、この場合にもしこの法律をそのまま施行いたして参りますると、地方の自治体では現在起つておりまするようないわゆる定員外の職員というものが、逆に非常に私はふえはしないか、定員条例のわくを越えたものは首を切ることができるという、こういう法律をこしらえて参りますと、定員条例をこれからこしらえて来る。もし定員条例がない地方にお いて定員条例をかりにこしらえて来て、そうしてこの整理をするということは、すなわち法律によつて整理をされるということは、法律の建前としては一応わかるが、実際の問題としては定員外の者がだんだんふえて来て、いわゆる定員条例以外の臨時をだんだん増して来るような結果になりはしないかというおそれがある。もしこのおそれがないとするならば、この法律に基いて全部首を切つてしまわなければなりません。ところがその全部の首を切つてしまつたのでは、地方のいろいろな事業を遂行するにさしつかえができるということで、いたずらに今日の臨時職員の数を地方に増して来るというようなことで、逆の結果が現われて来て、しかもそのことは現在勤めておりまする地方公務員にとつては、きわめて不利益なことにならざるを得ないということであります。それと同時に、現行四十九条によりますと、地方公務員は不利益な処分を受けましたときには、当然十五日以内にその理由を書類によつて請求することがで、さる、その書類を受取つてから三十日以内に、不利益処分に対しまする当該公平委員会帆あるいは人事委員会等に提訴することができるようになつておりまするが、この規定がこのまま使われて参りますると、ここに明らかに地方の公共団体の理解者側は、その意に反しても反さなくとも臨時待命を命ずることが、できるということになつて、これはただちに首切りとは違うのであるが、首切りの第一段階である。そうしてその次には必ず首を切るというようなことが現われて来るのでございましよう。首を切ろうとするものをいきなり首を切つて来ると、四十九条にひつかかつていろいろな問題起こして来る。従つて一応臨時待命という制度を設けて、三年以下の者については二十日間の期間を与える、最高二十年以上勤めた者は十一箇月しかその期間を与えていない。この間むだな給料を払つてやつて、その間飼つておいて、そうしてその次に処分をするということで、同じ百を切るのにも切りやすい。最初少し首を切つておいて、最高十一箇月したら、今度はほんとうに首を切るのだ、いわゆる首を切りやすい法案を、政府は何を考えたか考えたのであつて、きわめて陰険な法案であるということに間違いがないのである。ここまで地方公務員の萎縮を強めるような法律案ではなくとも、むしろ現行のままで置いておいて、そうして四十九条が十分発動することができるような権利を認めて、それを与えるべきである。こういう多少の利益を与えておるから、それでがまんをしてもらいたいというような、一面において恩恵的のようなものを考えて、実際的には一思いにやらない、そうしてぽつぽつ、あるいは順次首切りの座にすわらせるような、こういう公務員にとつては気持の悪い態度をとられることは、私は一応これは資本主義の社会のものの考え方からすれば考えられることである。
○中井委員長 いかがでございましようか、門司君……。その程度でひとつ結論に入られんことを望みます。
○門司委員 こういうようなことで、私どもは政府の意図に対しても強い反感を持たざるを得ないのであります。こういう法律案に対しましては、私ども絶対に承服をするわけには参りません。この際われわれの意思をここに明確にいたしまして、本法案に対する反対の討論を終りたいと思います。
○中井委員長 他に討論の申出もございません。よつてこれにて討論は終局いたしました。 それではこれより採決をいたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立多数。よつて本案は、原案の通り可決されました。 この際お諮りいたします。本案に関する報告書の作成につきましては委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。
○中井委員長 引続き質屋営業法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。質疑の通告がありますのでこれを許します。北山君。
○北山委員 質屋営業法の改正案につきましてはいろいろ疑問の点があるのでありますが、この案の主徳、な点は質屋の利息の計算方法のようであります。ところがこの改正案の提出理由説明の中にはこういうことが書いてある。「質屋の利息は純利のほかに質物保管料、質受手数料等を含んでおりまして、一般の金利と異なる性質を持つております」というようなことで、普通一般の金貸しといいますか、いわゆる町の金融機関等の貸金の利子よりも、質屋の利息は通例高いもの、であるというような意味のことを言つているわけなのであります。そこでまずお伺いしたいのは、一体質屋の利息は純利のほかに保管料とか手数料を含んでいるというふうに解釈して、それだから高くなければならぬのだ、こういう趣旨でございますかどうか、お伺いしたいのであります。
○中川(薫)政府委員 本案が提案になりました理由は、現在質屋営業の利息の実態把握ということが重要な理由になつておるのでございますが、ただいま御指摘になりましたように、質屋の利息については他の一般の利忠よりも若干異なつた面があるという点もその理由になつておりますので、そのことに関する御質問でございますので、その部分について申し上げてみたいと思います。 質屋につきましては、犯罪防止という見地からいろいろな制約をしておるのでございます。その犯罪、ことに盗品等の問題が質屋の業態に流れる関係から、警察に対する届出上の事務とか、品受けとか、そういつた事務をとつておりますから、そういう事務に伴う事務費という問題が、他の一般金利と異なる点であります。これが一つであります。 第二点は、他の一般金融の場合に小額の金融もあり得るわけでありますが、質屋の営業の内容になつております金銭貸付関係が相当小額である。従つて小額に基く手数料、こういう点が考えられます。これが第二点であります。 第三点は、質物の保管に関しまして、他の一般金融に関しましてもいろいろあろうと思うのでありますが、この質屋に関しましては、質物の保管に関しまして、行政機関が保管施設の設備等につきまして一定の制限を加える、こういうことに相なつておりますので、その制限に基いて保管設備その他をする必要がございますので、その制限等のために質屋営業者等がこの施設をつくるについて出費をする、こういう理由等がございますので、そういう意味合いにおきまして、質屋は一般の金融業とやや特異性を持つておるということが、提案理由で説明された要点でございます。
○北山委員 そこでいろいろ、説明が上げられたのですが、そうすると一般のいわゆる金貸しの町の金利よりも常に質屋の利子は高くなければならぬ、こういうふうな御説明のようであり、ますが、今までずつと戦前からの変化を見ておりまして、はたして町のいわゆる高利貸し等の金利と質屋の利子というものと比べて、質屋の方が常に高かつたかどうか。私ども戦前取引をした記憶から言いますと、たしか月三分くらいだつたんじやないかと思う。町のいわゆる高利貸しの利子は戦前においてもつと高かつたのじやないか、そこでただいまの理由は、今までのいろいろな歴史的なあれを見ますと、どうも常にほかの貸金業等の金利よりは高くなつておらなければならぬのですが、高くなつてはおらなかつたのじやないか、そこでお伺いしたいのは、一体戦前から戦後にかけて質屋の金利というものはどういうふうに変化しておるのであるか、それからまた一般の金貸し、高利貸し等の金利は一体どういうふうに変化しておるか、これをひとつ比較して御説明願いたいと思います。
○中川(薫)政府委員 一般の金利につきましては非常に高いのもございましたし、それからそれほど高くないものもございましたし、一般の傾向としては一般の金利につきましては高低がはなはだしかつたということが言えようかと思います。質屋の金利につきましては、質屋の業態によりまして、現行法におきましても唐頭掲示義務を課しておりますので、ある一定の水準を持つておりますが、大体全国的に質屋の利子相互間においては著しき高低はなかつた、こういう実情であつたと思います。これは時間的に表面的に見たときの実情であります。御質問は沿革上の問題でございますが、沿革といたしましては、昔に比べましてだんだん質屋の利子も上つて行く、こういうことが言えようかと思います。
○北山委員 私の聞いておるのは、戦前からずつとかけて一体質屋の金利はどういうふうに変化しておるかということをお聞きしておるのです。ただ情勢によつて上つておるというのでは答弁になつておらぬですよ。そんなことぐらいわれわれでもわかる。一体どういうような経過でもつて上つて来ておるか、戦前三分くらいのものが今一割くらいになつておるでしよう。どういう理由で、どういう変遷、そうなつて来ておるか。それからまた今度の、きのう通りました利子を制限する法律というものは、町のいわゆる金貸し等の最高の利率を制限しているでしよう。だからそれよりも質屋の利子は、期間計算において高くなければならぬということになるのだから、その点において比較をお聞きするのであつて、町の金利というものは高いものもあれば安いものもある、それは今でも昔でも同じだと思うのです。しかしこの法律は最高限を押えておるのだから、最高限を押えておるいわゆる日歩三十銭というものよりは、質屋の場合には期間計算上もつと有利にするというのが今度の法律案なんです。なぜそうしなければならぬかということの説明をお伺いしておるのであつて、そういう点について答弁をしていただきたい。
○中川(薫)政府委員 御質問は、質屋の利子のずつと沿革的の各年別の状況が御質問の要点たと思うのでございますが、私どもの方には、質屋につきましては、今日まで利息についての制限規定がなかつたものですから、各年度の統計をずつと正確にとつておりませんので、お答えが明確にできないのでございます。
○北山委員 質屋取締りを担当しておられる警察当局でもつて、今回その利子に関係のあるこのような法案をお出しになつておつて、しかも自分たちは利子の調査をしておらなかつたということでは、取締りの担当の機関としては私はどうかと思うのです。これは別といたしまして、一体この法案の提出理由の中には、「質屋の利息は純利のほかに質物保管料、質受手数料等を含んでおり」と書いてある。ところが質屋営業法の第一条には、「『質屋営業』とは物品を質に取り、流質期限までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、当該質物をもつてその弁済に充てる約款を附して……」とこう書いてある。だから問題は、普通の金貸しと質屋の違いの一番重要な点は、その現物、品物、動産を担保にとつておるということなんです。頼まれて預かつておるのじやない、担保にとつておる。だから債権の保全という点においては、そんな担保のないものよりは利子は安くてもいいのであります。むしろ逆なんです。保管料を払つてもらわなければならぬということは逆なんです。だからむしろそういうことを法案理由の中に書かなければならぬのであつて、保管料、手数料の部分だけを書いておるというのは不当に質屋の立場を擁護しておる、そういうふうに解さざるを得ないのですが、一体質物をとるということは保管してやつているのだと、こうお考えになつておりますか。担保にとつておるのだ、債権を守るためにその質草をとつておるのだ、もし払わなければこれを売るのだ——というこれは当然の常識でありましよう、そういう性格のものであるとお考えになつておるか、その点はつきりしてもらいたいと思います。
○中川(薫)政府委員 まず第一点でございますが、各年次別の利率につきましては、ただいま申し上げました通りでございますけれども、今日法案を提出いたしますにつきましては正確な資料もなくてはいけませんので、これにつきましては、全国の質屋につきまして、正確に現在の実情を調べまして、ただいまお手元へ提出いたしましたように、全国の質屋の利子の現状は正確に把握いたしまして提出いたした次第でございます。 第二点の、この質屋の質物の保管の趣旨でございますが、これはたしかにおつしゃる通り保管するという作用もいたしますけれども、質屋はこれによつて貸金の債権の担保の役割を果たしておる、これはまさにその通りでございます。
○北山委員 それでは次にお伺いしますが、今公益質屋というものがあろわけです。公益質盤というのはどういうふうな利子の計算方法をとり、それから一体どういうふうな利子に今なつておるか。たしか戦前は月一分二厘五毛だと思うのですが、現在はどうなつておるか、それをお答えを願います。
○中川(薫)政府委員 公益質屋に関しましては、御案内の通り地方公共団体が主体でございまして、社会福祉法人ももちろんでありますけれども、社会福祉法人または地方公共団体が主体でございまして、設備につきましては国から補助がございます。そういつた関係がございまして、現行法では御説の通り月一分二厘三毛が過去の実情であつたのでございます。ところが最近各金利が高くなつた関係がございますので、公益質量につきましては、法律の但書を引用いたしまして、月三分が大体の実情でございます。
○北山委員 それからあと一点ですが、古来の商慣習としての利子の計算方法と書いてあるのですが、この商慣習というものは一体いい商慣習であるか、悪い商慣習であるか。質屋というものはまずよほど昔からあるものらしいのてすが、者から評判が悪いのです。何でもこれは金貸しと同様の強欲非道のきわみなりと、(「ノーノー」)そういうような文献があるのです。徳川時代から文献があるそうでありますが、何でも昔は雲助というような人たちが、ふんどしを質に入れる、そうして竹の皮で一物をおおつておるというような記録があるようであります。とにかく質屋のこういうような強欲非道なる商慣習というもののために、非常に世間からは悪いものに考えられておつた。従つてこのように、たとえば月末に預けて翌月の初めにとる、極端に言えば二日間でも二箇月に利子を計算するようなやり方、これが一体いい商慣習と考えておられるかどうかということをお伺いしたい。
○中川(薫)政府委員 この商慣習の考え方につきましては、いろいろ御意見もあろうと思います。私も必ずしもこの商慣習が非常に合理的だと思つておりません。ところが刑罰をもつて措置するという範囲内におきましては、現状を基礎にして考えて行く、これが相当かと思いまして、こういう提案がなされたものと心得ております。
○北山委員 今の商慣習を尊重することですね。ところが今度こういうふうな改正案をやりますと、現在でも、この資料によりましても、多少は現実に半月計算をやつておる店もあるわけなんです。ところが今度この法令を出しますと、そういうところもまた月割計算でやるようなふうになつてしまう。あまり適当でない商慣習を、この法案の改正によつてみんなそういうふうにしてしまうということはどうかと思う。従来でも半月計算で行くものもある場合には、むしろその適当なる商慣習というものを育てて行くのが当然じやないかと思う。これは逆行させるもので、そういうことはどうかと思うのでありますが、その点をお答え願いたい。
○中川(薫)政府委員 今度の法案は刑罰をもつて処置するだけの内容でございますので、商慣習そのものを法律上何ら左右するものでございません。ところが刑罰をもつてきめると、自然そういうふうな傾向になるという点も考慮されるのでありますが、そういつた点ができるだけないような、相互の需要者、供給者のいろいろな関係によつて比較的利用者に便宜を与えるというものがだんだん繁昌するという社会作用によつていい契約内容がだんだん普及する、こういうことになろうかと思います。御参考に申し上げますが、確かに半月計算の質屋も現在ございますが、千分の二のパーセンテージでございまして、これが少いからどうこうということでございませんが、実は千分の二が半月計算、これが実情でございます。
○北山委員 刑罰をもつて商慣習を押えるのは適当でない、こういうお話であります。ところが今度いわゆる高金利を刑罰によつて押える法案があるわけでございます。だから、高金利そのものもやはり金貸しの剛では一つの商慣習であるかもしれませんので、そうすればそういうものを刑罰をもつて三十銭なら三十銭百で押えるということは不当ではないか。それを社会的に見て、やはり金利があまり高いのは適当でないという趣旨から三十銭なら三十銭と押える、こういうものは刑罰をもつて押えるということなんでありますから、あなたのお話の商慣習というものを刑罰をもつて制限するということは適当でないということは、この問題に対するお答えではありますけれども、一般的なお答えではないと思うのです。でありますから、必要によつては商慣習といえども悪い商慣習ならばこれを制限し、あるいは必要とあれば刑罰をもつて臨むということは、これはあり得ることなんでありますから、そういうお答えは一向当つていないと思うのですが、その点どうですか。
○中川(薫)政府委員 この刑罰をもつて対象にいたしますのには、現在の実情ということを一応考えて、それをだんだんよくするという方向で、ある程度の限度をきめてこれを処罰する。それで一般の金利につきましても三十銭以上の一般金利があろうと思います。が、これを刑罰をもつて三十銭にきつと押えてしまう。たとえば三十銭で計算したものよりも多い業態が相当多いのですが、これは全体の状況からいたしまして、現状を十分考慮はいたしますけれども、あまりにも高金利が行われることは相当でありませんので、これは刑罰をもつて押える、刑罰をもつて押える限度を政府案のごとくいたすことが相当であろう、こういう結論を得たわけであります。
○加藤(精)委員 議事進行について……。いろいろ各党各派におきまして非常に論議を尽した問題ございますので、この程度で質疑を打切り、ただちに討論を省略して採決に入られんことを動議として提出いたします。 〔「賛成」、「反対」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 それでは動議、ありますから採決せざるを得ません。ただいまの加藤君の動議に賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立多数。よつて本案に対する質疑は終了いたしました。 この法案に対しまする討論採決にこれより入るわけでありますが、討論はいかがいたしましようか。
○加藤(精)委員 討論を省略ということの動議を提出しておいたのでありますが、それでは再びその動議を申し上げます。 討論を打切り、たたちに採決に入られんことを動機として提出いたします。
○中井委員長 よく了解いたしました。私が先ほど少しく聞き漏らしておりましたが、皆さんの御意見はわかりました。 それでは加藤君の動議につきあらためて採決をいたします。討論を省略し、ただちに採決に入ることにつき御異議ありませんか。 〔「里議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。よつて本案について採決をいたします。本案につき賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。 なおこの際お諮りをいたしますが、本案に関する報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めさよう決しました。 午前中の審議はこれをもつて終りました。午後は二時より開会することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 午後二時五十八分開議
○中井委員長 午前に引続き開会をいたします。 奄美群島復興特別措置法案を議題とし、まずその提案理由の説明を聴取いたします。保岡武久君。
○保岡委員 ただいま上程されました奄美群島復興特別措置法案の提案理由、並びに、その内容の概略を御説明申し上げます。 奄美群島在住二十万同胞の日本復帰の悲願が、終戦後八年にしてようやく達成され、昨年十二月二十五日正式にわが国に復帰いたしましたことは、なお記憶に新たなところであります。敗戦という厳然たる事実の前に、やむを得なかつたものとは言いながら、同じ血をわけた同胞が、あたかも生木を引裂くがごとく、母国のふところから切り離され、大海の孤島に、孤立した生活を営むことを余儀なくされた八年の長きにわたる辛苦は、いかに筆舌に尽しがたいものであつたか、まことに御同情を禁じ得ないのでありまして、雄雄しくこの困苦に耐えて、母国復帰の喜びをかち得られた方々を迎えた八千万同胞としては、この長きにわたる空白をすみやかに埋めるために、できる限りの方途を講じ、同群島の急速な復興と民生の安定とを期することは、その義務であると存ずるものであります。同群島は、大島本島、徳之島、喜界島、沖永良部島、與論島の主要5島を中心として、大小十余の島嶼からなり、面積は十二万八千町歩でありますが、田畑はわずかに一万六千町歩、総面積の一割三分強にすぎず、経済的にもきわめて恵まれない環境にあります。戦前におきましても、同地域の経済的自立はすこぶる困難でありまして、同地域の経済を内地経済と同様の程度に引上げるためには、国の強力な施策を必要とするものとされ、昭和十年を初年度とする大島郡振興十箇年計画が立てられておつたのであります。この復興計画は、実施の緒についておりましたが、昭和十二年に日支事変が勃発し、引続き太平洋戦争への進展に伴い、その後遅々として進まず、終戦を迎えるに至つたのでありまして、同地域の経済の基礎を固めるにはほど遠いものがあつたのであります。その上、太平洋戦争による同地域の戦災は、沖縄の失陥に伴いきわめて激甚で、学校等の公共建築物を初め一般産業施設に至るまでほとんど破壊焼尽され、しかも終戦直後行政分離を宣せられ、その後本土との経済交流はまつたく杜絶し、一般産業は窒息状態に陥り、同地域の復興は放置にまかされて、八年間の苦難の日が続いたのであります。 以上のごとき経緯にかんがみましても、同地域の復興は、単に、行政分離中の空白をとりもどすだけではなく、二十年以前からの宿題でもあるのでありまして、強力な国の復興策なくしては、同地域は内地並に生きる道がないことはあまりにも明らかであります。さらに一歩進んで考えますに、同地域は沖縄に最も近接しており、対沖縄貿易が盛んでありまして、同地域の復興は、これらの交易関係にも多大の好影響をもたらすものと考えております。 御承知のごとく、離島の振興のための一般的制度として、離島振興法が制定されておりますが、奄美群島につきましては、右に申し述べたような特殊事情にかんがみ、離島振興法によつてはとうていその復興を望むことができず、強力な特別の復興対策を講じなければならないと信じます。しこうして、同地域の急速な復興については、できるだけ簡素な行政機構で諸施策を計画的に強力に行い、その実効を具体的にあげることが必要でありまして、これがためには、総合的な復興計画の樹立と、その樹立及び実施に関する事務の一元化、並びに計画の実施に要する経費についての国の強力な措置が緊要であります。これらに関し、すみやかに特別法を制定する要あることは、当委員会においても、さきに、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案の審議にあたつて、附帯決議として明らかにしたところであります。 本法案の内容の概略を御説明申し上げます。条文の順を追うて申し上げますと、第一条は、本法律の目的でありまして、奄美群島の復帰に伴い、同地域の特殊事情にかんがみ、その急速な復興をはかり、住民の生活の安定に資するための特別措置として総合的な復興計画を樹立し、実施すべきことをうたつたものであります。 第二条から第五条までは、復興計画の樹立及び実施に関する規定であります。奄美群島の復興のため必要な事業は、これを総合的、計画的に実施することが必要でありますので、復興事業は、その地域における総合的な復興計画を策定し、これに基いて計画的に実施することといたしたいのであります。復興計画は、鹿児島県知事が計画案を作成し、内閣総理大臣が奄美群島復興審議会の審議を経て決定するものとし、これに基いて年度別の実施計画を鹿児島県知事が定め、これを鹿児島県知事及び関係地方公共団体等が、それぞれ計画の定めるところにより、実施するものといたしております。 第六条は、復興事業に関する経費の支弁及び特別の助成に関する規定でありまして、同地域の復興計画を急速に実現するには、国において強力な特別の措置を論ずることが必要であります。これがため、復興計画に掲げる事業のうち公共土木事業については国費の支弁とし、文教施設その他の復興事業の実施に要する経費については、国は、全額または高率の負担または補助をすることとし、別表において他の法令に対する負担または補助率の特例を具体的に定めることとしております。 なお、同地域の基幹産業であるつむぎ、黒糖及び漁業並びにすべての生産の基礎をなす電気事業の復興を期するために、これらの事業者に対する県の貸付金に対して、国の財政資金から、特別融資を行うことができるものといたしております。 第七条及び第八条は、奄美郡島復興審議会に関する規定でありまして、復興計画の審議、その他奄美郡島の復興に関する重要事項を調査審議するために、関係行政機関の職員、鹿児島県知事、同議長、学識経験者、の二十人以内で構成する審議会を、総理府に設置することといたしたいと存じます。 第九条は、復興事業の実施に関する指揮監督に関する規定でありまして、さきに述べましたように復興事業を総合的、一元的に実施するために、内閣総理大臣に、総合調整権及び事業の実施者に対する指揮監督権を認め、また、鹿児島県知事には、現地における計画の総合的な実施のために、市町村長等に対する指揮直督ができることとしております。もつとも、この権限は復興計画に基く事業の総合的な実施を期するのが本旨でありますので、各省大臣等の法令に基く指揮監督権を排除するものでなく、その趣旨を明らかにしてあります。 第十条は、復興計画の実施に当る職員に関する規定でありまして、復興事業は、国費により、または、高度の国の助成により、強力に実施することが必要と認められますので、現地においてこれに従事する職員は、国家公務員とすることとし、その任免及び進退等は建前上内閣総理大臣が行うこととするが、内閣総理大臣は、この権限を、鹿児島県知事に委任できるよ、にしております。 第十一条は、復興事業に関する事務の所管に関する規定でありまして、この法律に基く内閣総理大臣の権限の行使に関する事務、審議会に関する事務、その他復興計画の策定及び復興計画に基く予算の執行に関する国の事務は、一括して処理することが適当と認められますので、これを自治庁において掌理する旨を定めてございます。 附則第一項は、この法律の施行期日及び有救期間。第二項は、第四条にいう年度別実施計画の本年度に関する特例。第三項は、審議会の設置に伴う総理府設置法の整理をいたしたものであります。 以上、本法案の提案理由及びその内容等の概略を御説明申し上げました。奄美群島の占領八年間にわたる長い空白をすみやかに埋め、同地域の急速な復興をはかり、二十万同胞が喜びに燃えて、相ともは日本の再建に邁進する日の一日もすみやかならんことを希求し、本法案の成立を切に願うものであります。 何とぞ、慎重審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○中井委員長 この際本案に関係しまして、連合審査会開会の件についてお諮りをいたします。すなわち奄美群島復興特別設置法案に関しまして建設委官員会、水産委員会及び農林委員会より、それぞれ連合審査会を開会したい旨の申出がありましたので、この際お諮りをいたすわけでありますが、これらの委員会と連合審査会を開会するに御異議ありませんか。
○山中(貞)委員 開会されても別段さしつかえありませんが、各委員会において、法案の全部に対して逐条質疑等の疑義があるわけ、ではないと察せられますので、各委員会の了承あるいは疑義を持たれる点等について、委員長あたりに本委員会に出席をしてもらつて、合同委員会という形式でなく、その意見を反映させてもらうならば、われわれ地方行政委員会こおいても、それに対してとるべき、措置はあるんじやないか、具体的にそういう煩瑣な行為はとらない方がいいと私は考えますが、各位にお諮りを願いたい。
○中井委員長 その点につきましては、すでに理事会において連合審査会を開くということについては御決定済みなのであります。ただ、あなたの御意見につきましては、私としては同感なんであります。そのことは、各委員の皆さんの御意向を察しましても御同感と存ずるのであります。しかし、何分にも会期がもう残り少なになつておりまして、今のような各委員会との折衝はかえつて遅くなりはせぬか。従つて、もし本日御決定が願えますならば、明朝さつそく三つの各委員会と連合審査会を一時、にやつてしまう、そこで、大体問題は、本案第十一条の各省間の権限問題なのでありますから、そこに論議が集中されることと思いますので、これを一時に決定をする方向に持つて行きたいというのが、実は皆さんの御意見でありまして、特にお諮りをいたすような次第であります。
○山中(貞)委員 理事会の決定と委員長の方針を了承いたします。
○中井委員長 ほかに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。この連合審査会は、ただいまも申し上げましたような方針で参りまして、明朝これを開くつもりでおりますから、何とぞ皆さんの御出席をお願いいたしておきます。
○中井委員長 次には地方財政再建整備法案を議題といたしまして、まずその提案理由の説明を聴取いたします。なお本案の提案理由の説明が終りましたら、引続き本案の小委員会の委員長としての報告をも聴取いたしたいと存じます。さよう御承知を願います。床次君。 〔委員長退席、佐藤(親)委員長代理着席〕
○床次委員 ただいま上程されました地方財政再建整備法案につきまして提案理由の御説明をいたします。 御承知のごとく本法案は、地方財政の窮迫がいよいよはなはだしく、特に昭和二十七年度決算の結果、赤字団体一の数、赤字の額が前年に比し、飛躍的な増大を示して参りました実情にかんがみ、去る第十六回国会において、この赤字の解消をはかるための方策を樹立する必要を認め、特に小委員会を設置して検討を重ねました結果、法文化して提案されたものであります。 しかるに、この実施に伴う財源設置等について見通しが立たないままに、前二側の国会においても継続審査に付されて、今国会に持ち込まれて来ている実情であります。 政府におきましては、地方制度調査会の答申にもかかわらず、昭和二十九年度予算にこれを取上げていないのでありますが、事緊急を要する次第でありますので、一方大蔵省と折衝を行いつつ、ともかくも、本法案を成立に持ち込みたいと思いまし、て努力をしておる状態であります。この法案の内容につきましては、先般来の小委員会におきましても必要な改正を加えることに意見の一致を見ておるのでありますが、さしあたり現在の法案につきまして御説明を申し上げ、その後におきまして小委員会の御報告を申し上げたいと思うのであります。 まず本案の説明でありますが、第一条にありますごとく、「この法律は、地方財政の健全性を確保し、地方自治の発達に資するため、地方公共団体の財政の再建整備を図ることを目的とする。」これによつて明らかになつております。 しこうして、いかなる団体の財政を健全化するかという目標に対しましては、第二条にありまするごとく、昭和二十七年度決算において歳入が歳出に不足するため、昭和二十八年度の歳入を繰上げてこれに充てた都道府県もしく市町村、または実質上歳入が歳出に不足するため、二十七年度において支払うべき債務の支払いを二十八年度に繰延べ、もしくは二十七年度において執行すべき事業を二十八年度に繰越す措置をとつた、実質上の歳入が不足しておりまするところの地方団体を対象といたしておるのであります。 この整備のためには、第三条にありまするごとく、財政再建繁殖計画を立てることになつておるのであります。 しこうして、この再建整備は、第四条に規定いたしましたことく、十年間を目標といたしまして、その地方位の 償還を完了することとしておるのであります。その計画の内容は、第五条以下五箇条にわたりまして、必要なる事項を明確に規定いたしまして、これを計画通り実施せしめて再建をはかろうとするのであります。 特に申し上げたいことは、第二項にありまして、この計画を実施いたします間におきましては、過去の滞納を十分整理いたしますとともに、徴収成績に対しましては、普通以上の成績をあげるように努力いたしますとともに、その団体の徴税に関しましては、第三号に掲げますごとく、都道府県に対しましては事業税、市町村に対しましては市町村民税、固定資産税のそれぞれ標準税率のおおむね一二倍を越える税率におきまして増収計画をするとか、あるいはこれに匹敵するだけの節約を実行いたしまして、再建の基礎を固めたいと存ずるものであります。 第六条は、この問題が住民の理解を必要とするために、住民に公表いたしまして、その協力を得る措置をとらなければならないということを明らかにしております。 なお、各団員体内の関係行政委員会の協力も必要でありまして、特に最近財政膨脹の原因をなしておりますところの教育委員会、公安委員会、その他の委員会に対しましては、特にこの計画の樹立達成に対して強い協力を要望しておる次第であります。 なお、その他の公共団体等に対しましても、第八条におきまして協力を希望しておるのであります。 第九条は、歳入欠陥補填の方法でありますが、特に地方財政法の例外といたしまして、地方債をもつて財源とする道を開いたのであります。 第十条にありましては、地方債を起すことができる地方団体に対しましては、無利子で国庫金を貸し付けるという道を開いております。 なお、第二項におきまして、国は二十八年度及び二十九年度において、前項の国庫金に充てるために必要な額を、国庫貸付金として予算に計上しなければならない旨を規定しております。 この地方債は十年度以内において償還をする予定でありまするが、なおこの償還に関しましては、第十一条の二項におきまして、場合によりましたならば、延滞金に対しましては利子をつけるという規定を赴き、また災害その他のやむを得ないときにおきましては、変更を認めておるの、あります。 原則といたしまして第十二条に掲げまするごとく、国から費し付けましたもの以外に対しましては、利子の全部または一部を補給するという形式によりまして、整備を順調に進めんとしているのであります。 なお第十三条におきましては、再建整備を確実に実行するために、監査委員を、従来は任意設置でありました地方に対しましても、義務設置にいたしまして、計画の実施の完全を期したわけであります。 なお、第十四条におきましては、整備計画の樹立または実施につき、関係行政庁に対しまして、それそ、助言を求める道を開いておるのであります。なお自治庁長官に関係行政庁へのあつせんを求め得ることとしてあります。 十五条以下は、その実施に関するものでありますが、毎年の実施に関しましては、自治庁長官に報告すると同時に、住民に公表しなければならないことを規定しておるの、であります。 その他は国の監督でありますが、十七条におきましては、この計画の実行が計画通り行われますように、常に、自治庁におきましては指導に努めまして、その運営が計画通り行われますよう勧告の道を開きますと同時に、国から利子補給等をいたしました場合においては、団体がその規定通り行わないときにありましては、利子補給を停止するという道を開いておるのであります。 以上が本法案の要旨ございますが、何と、ぞ慎重御審議をいただきまして、すみやかに成立いたしますよう御援助をいただきたいのであります。 なおこの機会に小委員長といたしまして、審査の経過について御報告をさせていただきたいと思うのであります。先ほども申し上げましたように継続審議になつておるのでありまして、その間すでに地方制度調査会におきましては、ほぼ本法案と同趣旨におきまして答申をいたしまして、地方の再建整備の急速実現を要黒いたしておつたのであります。なお関係六団体におきましても、それぞれ本案に対しまして希望意見並びに実現のすみやかなることを強く要望いたしておつた次第であります。しこうして政府におきましては、すでに赤字の確定を待ちましてこの再建整備に着手するとの意図を漏らしておつたのでありますが、遺憾ながら本年度におきましては、遂に何ら財源措置を見ることができなかつたのでありまして、その点ははなはだ残念に思つておるのでありまするが、今日小委員会におきましては、すでに二回開会いたしまして、その財源の確保をはかるとともに、本法案の不備を整備いたしまするために研究を続けておりまして、法案に対しましては若干の修正案を得ております。ただいまこの機会に、小委員会におきまして修正せんとする場所に対しまして、ごく簡単に御説明をつけ加えておきたいと思います。 修正の第一点は、お手元に案が参つておりまするが、提案いたしました原案に対します修正案が加えてあります。おもな事項は第二条にあります。第二条におきまして、従来対象になりましたのは二十七年度決算において赤字を生じた地方団体でありまするが、すでに法案の施行が遅れましたので、昭和二十八年度決算において赤字を生じた地方団体を対象といたしたいのであります。なお三条は二条と、条文の整理を行つております。 それから第四条は、新しく第三条といたしましたが、償還方法が、従来は十年度以内におきまして償還を完了するということになつておつたのでありますが、地方団体の実情によりまして翌々年度以降五年間、すなわち二箇年間すえ置き、五箇年均等償還という形式によりまして財政計画を行うことが、最も実際に適合するのではないか、かように考えておる次第であります。 次に修正を行いたいという点は旧第五条でありまするが、再建整備に必要なる財源に対しましてはおおむね一・二倍の増収をいたす、あるいはその増収額に匹敵するところの節約額を当初予定しておつたのでありまするが、これを一・二倍という率にいたしまして、少くとも一・二倍以上の増収を期待することとし、しかもこの増収のためには、都道府県におきましては都道府県民税、事業税により、市町村にありましては市町村民税及び固定資産税をもちまして、それぞれ標準税率の一・二倍以上ということにいたしたいと思うのであります。なおこの増収に関しましては、特に再建整備の実現を容易ならしめ、なお市町村民、府県民に対しましてその徹底を得るために、特に再建整備特別税という名称のもとにこれを実施いたしたいと考えておる次第であります。 次に改正の点は第十条であります。従来本案におきましては、国におきまして無利子で国庫金を貸し付けるということにいたしておつたのでありますが、今日の地方債の実情から見ますると、これはやはり普通の利息年六分五厘を付しまして、これに対しまして二分の一の利子補給をいたす方が実現に容易ではないかということを考えている次第であります。これが修正の一点であります。 次に第十二条でありますが、ただいまの二分の一の利子補給を規定いたしております。旧第十三条は、さきに御説明申し上げましたが、再建整備を行わんとする団体におきましては、監査委員を強制設置することにいたしておつたのでありますが、強制設置いたしましたことによりまして費用の増額することをおそれまして、これは特に強制設置にいたさずして、地方団体の監査委員の役割は都道府県においてこれを行うことにいたしまして、その斐川を節約するとともに、その監査の徹底を期待いたしておるのであります。 なお国の監督に対しまして若二十修正を加えんとするのであります。すなわち旧第十七条、新しく第十六条といたしておりますが、国の承認いたしましたところの再建整備計画に対しまして、地方団体の運営がこれに適合しないものがあります場合におきましては、当該公共団体に対し予算の一部の執行の停止または再建整備計画の変更を命ずる権限を自治庁長官に与えたのでありまして、その監督権行使を迅速にいたしまして、一層再建整備の確実を期したわけであります。 附則におきましては以上に関連いたしましたところの修正を予定いたしておるの百であります。 ただいま申し上げましたような点におきまして、小、委員会におきましては、今日研究いたしておるのでありますが、最も重要な問題は、この際皆様方にも御報告申し上げておきまして、さらに今後の方針に対しまして御支持を得たいと思うのでありますが、今日大蔵省におきましては、財政資金の欠乏によりまして、また預金部資金がすでに手元にないという理、由によりまして、この再建整備計画の承認に非常に難色を示している次第であります。これに対しまして、今日自治庁におきましては、たとい額は少くなりましても、今日におきまして、でき得る限り将来再建整備の端緒を開いておきたいという立場におきまして、でき得る限り資金繰りの可能な方法を講じたいと、種々考慮いたしておるのでありまして、たとえば都道府県が負担いたしておりますところの質担金、これが未納になつておりまして、約六十億ぐらいあるのであります。この負担金を公等伏に借りかえまして、その資金を再建整備の方に充てるとか、あるい、は性来増額を予定されるところの簡易保険の資金を考慮いたします等によりまして、何とかいたしまして本年度再建整備の吉平をいたしたいと考えておつたわけでありますが、これに対しましても、今日まだ大蔵省におきましては十分なる了解が得られないでおる次第であります。しかしながら現下の地方団体の様子を見ておりますと、昨年に引続きまして一層悪化いたしておるの下ありまして、本年度下半期におきましては、必ずや相当数の地方団体の財政がまつたく行き詰まつて来ることを予期せられておるのでありまして、今吉におきまして政府がすでに言明いたましたことく、この再建整備に対するほんとうの協力を見なかつた場合に七ましては、重大なる問題にもなるの一はないかということを私どもはおそあている次第であります。どうか皆様本の十分なる御審議によりまして適切な修正が行われ、そうして本法案が美和できますようお願いする次第であります。 簡単でありますが、小委員長としての経過の報告をあわせまして、この機会に御了解を得る次第であります。
○佐藤(親)委員長代理 それではこれから本案に対する質疑に入ります。質疑はありませんか。
○門司委員 私は質疑の通告というとりも、むしろこれは本委員会としては長い間の懸案になつておりまして、仄聞するところによりますと、この法案に基く財政処置については大蔵省に十分の了解を得ていないようにわれわれは聞いておるのであります。従つてそうだといたしまするならば、ことさらに大蔵省の大臣なりあるいは河野君にでも来てもらつ法案を上げるからには、財政的の裏づけのないものを議員立法で、何でもできるからといつて何でもかんでも通すわけには行かぬでしよう。そう簡単に片づけるわけには行かぬ。そうすればやはり大蔵省にも来ていただいて、それから私は質問いたします。
○佐藤(親)委員長代理 植木大蔵政務次官は非常に堪能な方でありまして、いかような問いにも答える準備を持つておられるよう。ありますから、いかがでありますか。
○床次委員 この問題に関しましては、先ほども経過を申し上げたのでありますが、大蔵当局の根本的な方針というものを伺つておかなければならないと思うのでありまして、これは自治庁当局におきましてもすでに数回にわたりまして善処方を約束しておるのでありまして、政府として自治庁、大蔵省の間に、いまだまとまつた意見が成立し得ないということに対しては、当委員会としましてまことに遺憾の意を表する次第でありますが、この点に関しまして自治庁長官と大蔵大臣から御説明を伺いたい。これが当委員会の強い希望だと思いますが、幸いにいたしまして植木政務次官が見えておられるのでありまして、今日までのこの問題に関して事務当局としての御所見を伺いたいと思います。
○植木政府委員 本問題につきましては、当委員会におかせられまして非常なる関心をお寄せになり、熱心に御審議をいただいておることを承知いたしておりますので、大蔵当局といたしましてもなるべく早く大蔵省の意見をまとめまして御報告あるいは御質問にお答えすべきであつたのでございますが、何分にもいろいろな他の事務のために遅れまして、ようやく最近に至りまして一通りの態度をきめることができた、かような状態にあるのございます。今日まで非常に遅れましたことについて深くおわびを申し上げます。
○佐藤(親)委員長代理 なおこの際御紹介申し上げます。後藤自治庁財政部長が出席しておりますから、その点も念のため申し上げておきます。
○床次委員 今政務次官の御答弁がありましたが、一応大蔵省といたしましても最近御方針をおきめになつたような御意向でありますが、どういうような御方針であり度すか、お漏らしいただくことが、できれば御答弁いただきたいと思います。 なおこの問題に関しましてはすでに第十六国会におきまして提案せられており、その間新しい予算の編成の時期もすでに経過しておるのであります。しこうして当初この法案が提案せられました当時におきまする政府の意見といたしましては、地方団体の赤字の状態が必ずしも確定していない。事柄はわかつておるけれども、はたして赤字額がどのくらい。あるかという見通しがつかないので、暫時待つてもらいたいというのであつたのであります。しかしながらすでにその後相当の時間もたつておりまして、二十七年度の赤字の決算状況も確定いたしたのでありますが、依然としてその解決がなかつたのでありまして、今日まで継続審議になつておつたということ自体に対しましては、非常に残念に思うのでありますが、かような状態になつた理由等につきましても、あわせて御説明いただきたいと思います。
○植木政府委員 お答え申し上げます。大蔵当局の意向といたしましては、まず第一に昭和二十九年度、すなわち本年度の問題といたしましては、政府資金が非常に窮迫なる状態にございます。従つて特にこの法律案に基きましての地方財政再建整備のために新たにわくを調達して、そうしてこれに応ずるたけの余裕がどうもないのじやないか、かように考えるのであります。また現在地方債のわく以外に既定の諸般の政府資金の充当計画もございますが、その方面でたとえば節減をして、そうしてこちらの方の用に供するということも、全体の国家資金計画が非常にきゆうくつで、前年度よりもいずれも減額されておるというような状態でありますの芸かく困難である、おそらく不可能じやないか、かように考えております。従つて地方財政再建整備のための地方債の発行の問題といたしましては、どうしても三十年度以降の問題としてお考え願う、あるいはそういうふうに処理させていただく、そういうふうでないと今年度の問題としては困難であろう、かように思つておるのであります。また来年度以降の問題といたしましても、この地方財政再建整備のために、特別のわくをこしらえるということは実際問題としてなかなか困難であろう。従つて他の地方債一般のわくをどうせきめますが、そのわくの中でこの再建整備のための需要も見込んで、そうしてでき得る限り国家財政資金の配分計画を立てて行きたい、かように根本問題として考えます。 それからその次の問題といたしましては、今度のこの案によりますと、地方財政再建整備のために発行する地方債は政府資金でもつてまかなうというふうにあつたと思いますが、これは政府資金だけに依存をするということは、近い将来のことを考えてみましてもなかなか困難だろうと思いますので、やはり方針といたしましては、政府資金にもよれる、民間資金にもよれる、両方によれるようにしていただきたい、かような考え方を持つております。 また金利の問題でございますが、今度の修正法案によりますと、二分の一まで国が利子補給をするという案になつておると拝聴いたしますが、この点につきましては大蔵当局としては、政府資金の分につきましては、やはり他の地方債と同様に六分五厘の率で調達をするというふうに考えていただきたい。民間資金によります場合は必ずしも六分五厘にするわけには行かぬでしようから、かようなものについては民間から借り得る利率と、そうして政府資金で六分五厘で出すものとすると、この差額を政府が利子補給をする、こういうような方針にしたい、かような希望を持つております。 次にまた今の地方財政の再建整備計画の承認というような問題でございますが、原案ではもちろん当該主官庁として自治庁、長官が御承認をなさることになつております。しかしその内容たるや国の資金計画に非常に関係の及ぶところが多いのございますから、整備計画のご承認にあたつては、事前に大蔵大臣に御協議を願いたい、かような仕組みにお願いをしたいと考えます。 その他なお若干、二、三御希望あるいはもしこの法案を御確定になります場合には、ぜひとも御旅川願いたい若干の意見がございますが、内容の詳細につきましては、それぞれの問題について申し上げさしていただきたい、かように存じます。
○床次委員 案の内容に関しましていろいろ御意見を承りましたが、これはさらに当委員会といたしましても、小委員会におきましてよく検討してみたいと思うのでありまするが、最初にお述べになりましたところの再建整備に対する政府当局の考え方でありまするが、本年度におきましては、金がないから何らこれに対して協力ができないというふうなお言葉があつたと思うのであります。現在の地方財政の状態から見まして、本年度におきましては地方団体は相当苦しい状態に入りまして、この地方団体の財政の行き詰まりというものがゆゆしい問題になるのじやないかということをおそれておるのでありますが、これに対しまして大蔵当局としては、そういう事実を考えていないのかどうか。これを放任しておいてよろしいというふうな立場におられるのか。どうもそういう前提から本年度は何ら資金の融通その他についても考慮ができないというふうに、お言葉から考えるのでありますが、そういうふうに了承してよろしゆうございますか。私どもは政府がそういうお考えであれば、それはまたそれ、でもいいと思うのでありますが、どういう立場でもつてお考えになつておるか、それを確かめましてから法案の内容に入つて行きたいと思うのです。
○植木政府委員 本年度の地方財政の成行きの見通しにつきましては、ただいま床次委員のお述べになりましたように、大蔵当局といたしましても、相当苦しい年まわりであろうと考えます。ことに経済界全体の推移を考えましても、国の収入についても同様でありますが、地方の収入につきましてもいろいろ予算で見ておつたほどの収入が入つて来なといか何とかいう問題が起つて来るじやないか、あるいはまたは国のことしの一兆円予算の影響によりまして、地方としては従来の復興計画あるいは災害復旧計画等々の実行の上におきまして、資金需要等も相当あることと考えます。従つて赤字を背負つておられるところの地方においては相当苦しいに違いない、かように考えるのであります。しかしながら何しろ先ほども申し上げますように、政府資金全体の状況が、申し上げました通りの状況でありますから、本年度からただちに起債のわくをふやすとか、あるいは利子補給をぜひともやれと仰せられましても、それにはただちにはよいお返事が申し上げかねる、こういう状態に考えるのであります。従つてこれは私の個人的見解になるかもしれませんが、この整備計画の法律をおつくりになつて、これによつて今から厳格なる整備計画を研究樹立されて、それができ上つて、その財政措置を講ずるのが、昭和三十年度以降になるような程度に御審査が願えるということが、一番大蔵当局としても好ましいのじやないか、かように存ずる次第でございます。
○床次委員 地方財政の状態につきましては、自治庁と大蔵省ともう少し徹底的に意見の交換をしていただきたいと思います。これはいずれにいたしましても、終局的には政府の責任であり、国家の地方団体に対する大きな責任であろうと思います。私は今次官のお答えになつたような形において放任しておいてよいとは思つておりません。これは当委員会の全体の意見ではないかと思つておるのであります。その点ひとつ後刻よく大蔵大臣、また自治庁長官も意見を述べられることと思うのでありまするが、当委員会におきましてはつきりと所信を伺いまして、政府の地方財政に対する御意見を伺いたい、と同時にその責任も明らかにしていただきたいと思うのであります。 次にお尋ねいたしたいのは、ただいまもお話がありましたが、今日において準備をいたしまして三十年度から実施したらどうかという御意見、これも一つの御意見だと思うのでありますが、地方団体の実情から申しますと、いかなる程度において努力いたしましたならば再建ができるかという目標がほしいのであります。その目標ができずして、あるいは融資の見込みなくして、いたずらに再建整備計画を立てましても、実はこれがむだになるおそれがあり、理事者としては不可能なことであります。理事者としては、必ず実行のできる目標を与えられますならば、その目標に対して相当の努力を当然なすべきであります、当然これはできるものと思うのであります。その意味におきまして今回、今の時代にありましてその目標を与えておく、そして資金ができましたならばなるべく早くそれを借り受けて、実際の整理に着、手するというような段取りになるべきである。しかしながら現在その目標を与えずして、三十年度以後におさまつてその目標ができましても、これは実際に役に立たないと思うのであります。現在におきまして確実に実行できる目標をまず与えることが先じやないか。それによつて大蔵当局の希望しておられるところの地方財政の縮小ということも、実現可能だと思うのであります。この点に関しましてもう一回次官の御意見を伺いたいと思います。
○植木政府委員 確かに仰せの通りでありまして、赤字を背負つておられるところの当該地方団体としましては、こういう際に一つの、今回の法律案にありますような目安ができて、これによつて整備計画を立てるということになりますれば、非常に地方に対して力づけることにも相なると存じます。ただその内容につきましては先ほど来申し上げますように、原案の若干のことにつきましては、このまま政府当局としてただちに賛成いたしかねる部分もあることを御了承願いたいと存じます。
○床次委員 今最後の言葉でありますが、内容に関して意見があるということは、内容に対して多少の修正を行つたならば、大蔵当局として財源的にも考慮し得るというお考えでありますか。あるいは内容におきまして大蔵省の御意見を入れましても、財源的には不可能だというお答えのようにも思うのでありますが、その点どちらでございますか。
○植木政府委員 大蔵当局の考えといたしましては、二十九年度としてはその財源的措置を講ずることが困難と考える、こう申し上げておるのであります。三十年度以後の問題といたしましては、こちらでわれわれ当局の希望も申し上げまして、そして適当なところで財源措置を講じなければならぬということはもちろん考えておる次第でございます。
○床次委員 そういたしますと二十九年度におきましては、地方財政に関しましてはこれを放置するもやむを得ないという結論だと思いますが、そう解釈してよろしゆうございますか。
○植木政府委員 同じお答えになるかもしれませんが、今日大蔵当局の見ておりますところの国家財政の状況から考えますと、本年度において実行計画に入る実行計画と申しますのは財源措置そのものを本年度において講ずるということは困難だ、かように考える次第であります。しかしながらもし財政が許しますならば二十九年度におきましても、たとえば年度末近くになつて政府資金の都合がつくとかということになりますれば、これまたもちろん皆様の御趣旨に極力沿いたい、かような努力はいたすつもりでございます。
○加藤(精)委員 ただいまるる床次委員と植木政務次官との間の御問答を拝聴しておりまして、私考えまするのに、どうも国会の論議というものは、国民全部が非常に大きな関心を持つている論議であるにかかわりませず、そうしてその論議は最もかけ隔てのない真実そのものを語り、そうして真実の人間性に立脚した声を互いにやりとりすることが政治の醇化を導くものだということにかんがみまして、多少の疑問を持つたのでございます。その点に関しまして率直に二、三のことをお尋ねいたしますから、率直にお答えいただきたいと考えるのであります。第一に、大蔵政務次官は、何としても今年度は国家財政の容易ならぬ年まわりである、国難なる年まわりであるということを力説せられておりまするが、はたしてからは、今年度は、全国無慮一万の地方団体の中に、国家財政の困難性に比してより多く険悪であり、より多く危殆に瀕し、より多く、人道上ほとんど放置すべからざる程度になつておる団体、財政になつておる団体がないかどうか、この点につきましての認識がすべての問題解決の糸口であらうと思う。国家財政は一つでございますけれども、地方団体の財政は、無慮一万の地方団体について達観をしなければならぬのであります。これを達観的に見て、どちらが財政が窮乏を告げ、どちらが危殆に瀕しているかという点についての御認識をまず承りたいのでおります。
○植木政府委員 お答え申上げます。この問題につきまして、われわれ大蔵当局の立場としては、地方財政の実情につきまして自治庁当局からもいろいろ承り、あるいは地方団体当局からもいろいろな陳情を受けておりますので、相当承知しておるつもりであります。しかし何分にもこれは間接の問題でございますから、ただいま仰せのように、国の財政の窮乏さと申しますか、困難さ、それと地方のそれぞれの団体の財政の困難さというもののいずれが深刻かという問題については、だちにいずれとも私お答え申し上げかねます。しかし私も、理論の問題としては、あるいは実際問題としても、困家財政の困難さと当該地方団体の財政の困難さを比べた場合、当該団体の困難さがひどいという場合もあり得ることであろう、かようには想像いたします。
○加藤(精)委員 そういうふうな御認識と、そういうふうな御答弁でございましたら、私はさらに続けていろいろ御質問申し上げようと思いましたが、これは一応差控えまして、なお質問の方法を研究してからいたしたいと思います。
○佐藤(親)委員長代理 藤田義光君。
○藤田委員 私遅れて参りましたが、大蔵政務次官に、この機会に簡単に数点お伺いしたいと思います。まず第一点は、最近一般金融が日銀の引締め政策によりまして、非常にきゆうくつになつて参つております。地方自治体の一つの大きな金融源として市中銀行がございますが、この方面に対して自治体がつなぎ資金的な融資を仰ぐことはほとんど不可能になつて参つております。何かこういう問題に関しまして、日銀その他地方銀行方面と連絡されたことがございますかどうか、お伺いいたします。
○植木政府委員 その点につきましては、最近いろいろお話も承つておりますので、大蔵当局としましても非常に苦慮いたしております。従いまして、私今具体的にどういう相談を始めておるかは承知しておらないので、はなはだ恐縮に存じますが、当該関係部局におきましては、日銀その他の金融機関との関係をどういうふうに考えるか、あるいは何か措置、方法がないかということ等については、おそらくでき得る限りの折衝と申しますか、相談はいたしておることと存じておるのでございます。
○藤田委員 最近の日本銀行の一般市中銀行に対する統制の強化は相当深刻なものがございます。たとえば数日前には火災保険会社等も呼一び出しまして、いろいろ引締めの具体的方策を指示しておるようでございます。実は特に災害を受けた地区等におきましては、大蔵省のつなぎ資金の肩がわりの問題等で、市中銀行の役割が最近非常に重要になつて参つております。会期が切迫しておりますが、大蔵省当局の具体的な施策をお伺いするとともに、次の機会に、何か具体的な政策を、もしなければ立てていただ選たい、かように考えております。 それからこの問題に関連いたしまして、最近起債市ばといいますか、公募債等の引受けが非常に困難になつて参つております。従いまして、ちようど二十九年度の起債の査定期に際会いたしております今日におきまして、公募債の割当を辞退する自治体が相当出て来るではないかと予想されるのであります。この公募債の割当を受けましたものに対しましては、地元の銀行等が責任を持つて引受けていただきたい、現状のままで金融の引締めを続けておりましたならば、おそらく不可能になるのではないかと思われる事態が各地に発生しますので、この問題に関しまして、何か研究されておりますかどうかお伺いしておきたい。
○植木政府委員 公募債の引受け状況が最近非常に不成績になつておりますことは御指摘の通りであります。これにつきまして、大蔵当局として何らかの措置を講じているかという御質問でございますが、この点大蔵当局も非常に悩んでおる問題でございまして、政府の認めたそれぞれの公債の分しか財源的に援助ができない、公募債の認可をするだけという状態上で、実行ができない場合が時に起つていることも聞いておりますので、こういう際に何かひとつうまい方法がないかと思うのでありますが、法制的に当該金融機関に対して強制したり命令したりすることは、もちろんやらない状態になつております。従つて、当局といたしましては、別に制度の上にこしらえているわけではありませんが、めんどうを見てあげてもらいたいものについてはできる限り当該金融機関にめんどうを見てあげてほしいということを、金融機関の質問に応じて答えるとか、あるいはこちらから持ち合つて、の問題はひとつ引受けてもらえぬかというようなことを、勧奨と申しますか、相談と申しますか、という程度のことはいたしておりますが、制度化しておりませんので、この点非常に不十分と考える次第であります。
○藤田委員 地方財政と国家財政の調整の問題は、長年の懸案であります。歴代の政務次官と違いまして、植木さんはその道のエキスパートでありますし、最適任者を得ております今日におきまして、何か根本的な対策を自治庁と御相談願いまして、再建整備法も国会としては考えておりますが、大蔵省当局でも、早急にこれにマッチするような対策を具体化していただきたい。そういう御熱意がございますかどうですか。たとえば今国会で議論されました警察法等を見ましても、大蔵省から強い要望がありまして、警察法の中に補助金というものがありますが、それは国家予算の範囲内において補助金を出すというような苦しい状態でありますので、これは厳密な意味からすれば地方財政法の違反になる。そういうことをあえてしても、国家財政の窮状を守るために、大蔵省当局としましては立法上非常な無理をせざるを得ないということが、各般の法律で具体的に現われつつあるというような深刻な状態であります。大蔵政務次官としましては、国家財政とともに地方財政にもこの際思い切つた何か具体的な手を打つというようなお考えがありませんか。率直な御答弁をお願いしたいと思います。
○植木政府委員 お答え申し上げますが、私不敏にしてそうした問題につきましてここでお約束をするとか、あるいは確定的なお答えをすることは差控えさしていただきたいと思うのであります。とてもそれだけの力があるかどうかもわかりません。むしろ私としてはないと存じます。しかしながら地方財政の現在の苦しい状態というものは、われわれも随所に聞かされております。あるいは自治庁当局からも承つております。またこうした問題が現に今回のこの法律案の御提案の重大なる理由になつておるとも考えますので、国家財政とともに地方財政につきましてもでき得る限り尊重をして、そして両々相まつて国、地方の施策が行われるように微力を捧げたい、かように考える次第でございます。
○藤田委員 政務次官からほかのいわゆる政務次官式な御答弁を私は期待しておりません。なるべく具体的に率直な御答弁をお願いしますが、来年四月は御存じの通り地方の各種選挙の施行される時期に際会いたしております。知事、県会議員、市町村長、市町村会議員、従いまして議決機関も執行機関も全国の自治体は特に本年は出費多きを予想される。年度早々でありましてまだ深刻ではございませんが、おそらく実行予算等を大蔵省で組まれるという事態になれば相当深刻になると思います。つきましては、せつかく床次委員中心に政党を超越いたしまして整備法をつくつておりますが、これの具体化にひとつ熱意を持つていただくとともに、二十九年度当初予算、通つております予備費の支出に対しましては、特に健先的な何か地方村政に対する措置を講じていただきたい。災害対策等のみに片寄らずして、地方財政の窮乏を救う場合に、重点的に予備費の支出は政府の責任においてできるわけであります。その点で何か特別の扱いをしてやるというような親心でもお持合せありましたら、この機会にお伺いしてみたいと思います。また政治的に見ましておそらく本年の予備費は—災害が今後起るかもしれませんが、そのほかでは自治体の執行機関、議決機関の一致した強烈な陳情によつて、相当予備費は左右されるかもしれぬと思いますから、先手を打つて何か具体的な十備費の支出に対する予備費を予想するということは無理かもしれませんが、そういうふうな従来の予備費の支出とかわつた体制をとつていただくことも一つの方法ではないかと思うのですが、何か御所見がありましたらお伺いをいたします。
○植木政府委員 お答え申し上げます。地方財政整備のために予備費を使う意思がないか、率直に要約しますとそういうことになると思うのですが、私は予備費の性質から考えまして、ここで問題に取上げておいでになります地方財政の再建整備のために要する経費というものを予備費から支出することは、どうもこれは予備費の本来の性質から考えていかがなものかという多大の疑問を持ちます、もし本年度の地方財政の進行の模様によりまして、新しく何か大きな問題が起つて、新しくどうしても予算の上、で予見し得なかつた、いわゆる今日予想し得ないような事態が生じますれば、こういう事態によつて予備費の支出ということはあり得ると思いますけれども、しかしここで問題になつておりますようなこの地方財政再建整備というような問題について予備費を出すことは、これはどうも予備費の性質から考えてまずいのではないかというふうに私は考えます。この点お気持は十分わかるの、でございますが、御希望に沿い得ないのではないかとお答え申し上げます。
○藤田委員 最後にこれは地域関係が片寄つておりまして恐縮でありますが、二十八年度の災害対策に関しまして、昨年三党協定によつて予算が通過したという経緯もございます。本年度の予算措置に対しましてももちろん不完全でありますが、何か政務次官としまして、現に本日も大蔵大臣が被災各県の最高責任者と会われましていろいろ申されておりますが、これは三党協定、天下の公党のはつきり約束した問題でもありますので、事務当局を督励して、苦しい国家財政の中にもある程度の施策が必要ではないかと私は考えております。大蔵大垣よりも特に国家財政に造詣の深い植木さんでありますから、おそらくこれは三党協定をあのままほおかむりするというわけには行かぬ問題でもありますが、何かお考えがあるかもしれませんからこの機会にお伺いしておきたいと思います。
○植木政府委員 昨年度の災害に関連いたしまして、本年度の災害復旧の予算の計上額が、必ずしも十分でなかつたのではないかと結果的に見ますと私も感じております。と申しますのは、当初政府の考えておりました災害復旧の所要総額というものがいろいろ研究の題目に相なりまして、大蔵当局はもちろん、それぞれの主管省におかれましても、どうも災害の復旧所要額査定額に再検討の余地があるのではないかということからいろいろ御研究をお願いしたのであります。ところが大蔵省の研究の結果によりましても、あるいは当該主管省の研究されました実績につきましても、ときあつてかその内容に重複がある場合もありましたり、あるいは水増しの要求を遂にそのまま査定になつているという場合もありまして、そのために総額といたしましては大蔵当局が予算計上に際しまして用いました金瀬は、二十八年度につきましては千二百億を割るような状態に相なつた次第でございます。ところがそうなりますと、当初の復費所要額として一応見込んでおりました十六百数十億、あるいはその後の災害等を加えればもつと多くなるの、ではないかとまでいろいろ推察されておつたものが、こうした予算の査定の結果、むしろ十六百五十億をさらに下まわつて十二百億程度に相なつたということになりますので、なるほど十二百億のその所要額に対しては、前年度と本年度を通じまして、おおむね六割の復旧所要額を計上したことになつているのでありますけれども、どうも事実はなかなかその通りに増額にならぬのじやないかということを最近盛んに耳にいたします。ということは、言いかえれば再査定あるいは再々査定の結果、国がやはりめんどうを見なければならない復旧費所要額が千二百億では少いのではないかと思えるような点を私個人的ではございますが感じております。従つてせつかく国が計上しました前年、本年通じて六割は復旧できる、こう考えておる。それでは金額が実情に合わなくなつて、あるいは前年、本年通じて四割しか復旧ができない、あるいはもつと少くなる場合すら起るということを耳にいたしますので、この点当局も非常に苦慮しておるのであります。われわれ部内におきましても一日も早く、関係省におかれまして再査定をしていただいて、そうして正確なる数字を把握して、これによつて何らかの対策を立てなければならぬのじやないか、かように存ずるのであります。しかし何しろ本年度といたしましては、御承知のような緊縮財政の方針を堅持いたしておりますので、一兆円予算というものをくずすということについては、これは容易にその方針の変更はできなかろう、かように存じます。そうしますと、この問題がかりに私が今申しましたような結果になりましても、本年度ただちにこれに対して予算的の措置を講ずるということは、非常にむずかしいの、じやないか、かように存ずるのであります。しからばかかる場合においては、金融措置か何かでもつて適当に善処すべきではないかということが、次の問題として考究の対象になりますが、この点につきましても、金融も引締めの方針をとつており、しかもその際に一方では、そうした所要の復旧のための需要が熾烈でありかつ必要、あるということに相なりました場合に、いずれに重点を置いて、その困難を切り抜けて行くかということは、なかなかここでうまい案が出て来ないのじやないかと思つております。しかしこれを傍観するわけには参りません。われわれ当局といたしましても、今後とも 一層この実情を早く解明いたしまして、何らかの方策を立てたいと思つておるのでありますが、何分ただいまお答え申し上げる点としては、どうも実行策が見つからぬという状態にございます。
○藤田委員 御答弁がありましたから、最後にもう一点お伺いいたしますが、現在災害地に対する査定の問題—所管官庁はもちろん査定をやります。そのほかに大蔵省もやります。行政管理庁もやります。ところが一番法規的に重大な疑問を抱いておりますのは、予算の執行を検査するという会計検査院がどんどん現地に行つて査定しておる。しかもその査定が合法化され一まして、現実に補助金の配分等で変更を来しておる。これは非常に私は重大な問題であろうと思います。大蔵省が再査定とかいうようなことを言われましたが、どこの査定を基準に正確な数一字をつかもうとされておるのか、この点、実は私決算委員会にも籍を置いておりますが、あそこで現在大問題になつておりますので、お伺いをして私の質問を終りたいと思います。
○植木政府委員 その点は申すまでもなくそれぞれの事業に応じまして、当該主管省が査定の権限を持つておいでになるのでございます。それに合せまして、たとえば大蔵省の財務局当局を派遣してその査定に立ち会わせるとか、あるいは意見を申し上げるとかいうようなことはございますが、これはいずれも大蔵省が最後に予算の総括省としていろいろ折衝をいたします場合に、意見の違うものがそのまま要求に出て参つては、いたずらに事務を煩雑にするだけでございますから、でき得る限り事前に、当該省に意見を申し立てるその材料として、その手段として、大蔵省は間接に関与しておる。たとえば今お話の検査院等の問題についても同様であろうと考えます。検査院は査定をする権限があるのではなくして、いよいよこの仕事が施行済みになりました場合に、検査院が指摘をしなければならぬようなまずい結果になつてはいけないから、またそれではかえつて地方に御迷惑をかけるから、それで検査院は事前に査定する、そうして一応の意見を当該主管省に申して、主管省がこれをおとりになるとならぬとは主管省の権限に属することであろう、かように私は考える次第であります。
○佐藤(親)委員長代理 中井徳次郎君。
○中井(徳)委員 きようはもう質問をやめようかと思つておりましたのですが、先ほどから植木さんの御答弁を伺つておりますと、どうもやはり私どもの地方行政に対する考え方と大蔵省の皆さんの考え方と大分隔たりがあるように考えますので、そういう点についてひとつお尋ねをいたしたいと思うのであります。今全国の地方団体の赤字の問題でありますが、これについては新聞紙上でもいろいろ、と取上げられておりまするし、その取上げ方の中に、ときどきまた大蔵省あたりの見解も出ておる。私ども一番心配いたしておりますのは、全国に一万近い府県や市町村があるが、そのうちのきわめて少数の事例を大きく取上げまして、地方財政は非常に赤字であると言つておるが、実はかくかくのごとくむだがあつたとか、あるいは全国のどこかの議長会は山口県の何とかでどんちやん騒ぎをしたとかいうことが出るのであります。私どもはそういうことについてはけしからぬと思いまするが、そういうものについては十分に戒告すると同時に、そのことは同時に客観的に見て行かなければならぬ。今の全国の自治体の赤字という問題は、きわめてまじめにやつておりまする府県市町村においてもずいぶんある。そのことは大体各府県の統計をとつてみますると、府県におきましては、いわゆる二流県、三流県といいまする県はほとんど赤字である。市町村におきましても、たとえば都市にとつてみますると、六大洲市その他については二部教授もやつておりまして、非常に建設の方もばかげかしく行かないという面もありまするけれども、大体において非常に困つでいるのは、戦災を受けた人口十万あるいはそれ前後の都市が非常に困つておるということなんであります。そうしてこのことの原因につきまして、大蔵省の皆さんはほとんど、公選の制度になつたからとか、あるいは市長が人事とりをやるとかというようなことか言われておりまするが、現実はそうではございません。私はやはり責任の大部分は国にあると思うのでありまして、ここ数年来の国の各種の法案の改正、あるいはいろいろな名付によるいろいろな施設、そういうものは市町村におきましては好むと好まざるとに、かかわらず、これをやらなくちやならぬというふうなものが山ほど出て参つております。それに加えて猛烈な戦後のインフレというような形が出まして、客観的に見ましてもやむにやまれずこういう形になつておるというふうに見るのが正しいのではないか。なるほど私は一、二の府県、一、二の都市において行き過ぎもあるということは認めます、しかしそのことのために、一万近くの大部分の都道府県やまじめな市町村が損をする、非常に迷惑をこうむるというのは、私は正」しい政治の、あり方ではなかろうと思うのであります。そこで私どもは十六国会から再建整備法案を練つておるわけでありますが、この法案は植木さんごらんになればわかりますが、何も、赤字か、そんならそれを掃除してやろう、またこの次赤字をつくつたらまた考えようと、こういうのではなくて、やはりたたくべきところはたたく、反省を求めるべきところは求めるという法案になつております。現実の面において、市民税や固定盗難税を二割よけいとるとか、府県民税を二割とるなんということは非常にむずかしいことです。また現実において二割節約せいということ出は非常にむずかしいことだ。そのこともわれわれはあげましてそうして相協力してやろうじやないか、こういう考え方なんであります。それからもう一つ見方をかえますると、私は府県布町村のこの赤字は何といいましても、やはり戦後の九年間のいろいろな日本の混乱から来たものだと思うのです。経済界の大きな情勢の変化にもこれは影響があると思うのでありまして、このかつこうが、植木さん、もし習慣になりまして、今後ずつとこういう状態で、どうせ府県市町村、は赤字だということで、もうやけになつて努力しないというふうな、万一そういうくせでもつきましたならば、これはたいへんな問題だと思う。そういう意味において私はこの再建整備法案は玄ことに時宜を得たものであるとさえ考えておりますが、この辺のところでひとつ締めくくりをつけないといけない、そういう意味で私どもはこの床次委員なんかの趣旨に予党、野党を問わず全面的に賛成しまして、これはひとつ押し出そうじやないか、こういう気持なんでありまするが、その点についてどうも私は大蔵省の皆さんはそこまで、ことに首脳部の方であろうかと思うのでありますが、はなはだどうもざつくばらんなことを申し上げて恐縮なんですが、そういうふうな感じがいたします。それで大蔵省の下部機構として各地に財務局なんかがありまするが、おそらく財務局の皆さんといえども、この過去の事実につきましては相当な認識を持つておるのじやないか、しかし現在の大蔵省はほとんどそういう意味においては貸金業的なお考えが少しあるようにも実は思います。はなはだ申訳ないのでありますが、そこそこういう面もそれは金を扱つておる省としては当然ではありましようが、よつて来つた赤字の原因について、あまり主観的にお考えになつては困ると思いますので、どうぞこの点についての率直な御見解を承りたいと思います。
○植木政府委員 いろいろおしかりをこうむりました。大蔵当局といたしましてはやはり国家財政全般をあずかり、また間接には地方財政、自治庁当局からもいろいろ、御相談を受けておるのであります。従いまして地方行政、地方財政の大事なことも十分承知しておりますが、何分にも今までの状態におきまして、やはり大蔵当局が地方の実情というものを皆様のよく御承知のほど十三分には承知しておらないという点がある場合もあろうかと考えるのであります。しかし大蔵省当局がいろいろ今日まで指摘しておりましたこと、あるいは今後も申し上げることがあろうと思いますが、こうした問題につきましても、ただいま仰せになりましたように全面的にそういう場合のみであると大蔵省が言うならば、これは何としても行き過ぎであり、批評が過ぎておると考えますけれども、しかしそういう場合もあり得るということはお認めになりました通りであります。従つて大蔵省といたしましてそういう場合がどの程度にあるかというような問題につきましては、やはりこれから後十分御相談をして善処して参るというのが当然の務めだろうと考えます。今回のこの再建整備法案につきましても、ただちに本年度からどうせい、こういうふうな御意見でありますと、何しろ今年の情勢から、申し上げたように容易に同意をいたしかねた状態ではございますが、それでは今日なおこの再建整備法に絶対反対しておるのかというと、そうではないのでありまして、地方財政の大事なことも十分われわれも考えますから、従つてこの中で大蔵当局としていろいろ難点もございますから、そういう点は御相談をいたして、そうして地方財政も何とかしてこの際立直りをするように、また仰せになりましたように、ずるずるべつたりで赤字が出たつてかまわぬというような状態で、地方がだんだんと行かれたのではこれこそたいへんだと思います。まつたく仰せの通りでございますから、この点につきましてはなるほどこのあたりで、ひとつけじめをつけて、そして今後は赤字が起らぬような指導方針でやつていただく、起つてしまつたものについてはこういう計画で今後この赤字を解消して行くということについては、でき得る限りの御協力を申し上げることは当然だと考えておる次第でございます。
○佐藤(親)委員長代理 お諮りいたします。皆さんの御意見で、大蔵大臣並びに自治庁の長官をこの委員会に呼んでお話をするということでありました。いかがいたしますか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○佐藤(親)委員長代理 それではさようとりはからいます。本日はこの程度で審議を打切ります。明日また公報をもつてお知らせすることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十五分散会